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平成18年6月定例会(第8日) 本文
平成18年6月定例会(第8日) 名簿

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  1. 福岡県議会 2006-06-08
    平成18年6月定例会(第8日) 本文


    取得元: 福岡県議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-08
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 ◯議長(藤田 陽三君) ただいまから本日の会議を開きます。  日程に従い代表質問を行います。順次発言を許可いたします。原竹岩海君。(拍手) *原竹議員質問 2 ◯九番(原竹 岩海君)登壇 おはようございます。緑友会・新風県議団の原竹岩海です。会派を代表しまして、県政の重要課題について質問をいたします。  質問に入ります前に、去る五月二十七日、インドネシアのジャワ島で発生した大地震は、死者約六千人、負傷者は三万八千人に上るという大きな被害をこうむりました。亡くなられました皆様に対しまして哀悼の意を表しますとともに、被災地の迅速なる復興をお祈り申し上げます。  それでは質問に入らせていただきます。  本県におきましても、昨年の福岡県西方沖地震により大きな被害を受けました。県では、玄界島など被災地の復興に取り組んでいるところであります。被災地の復興を目指し、我が会派も引き続き全面的に支援をするものであります。そこで、知事に復興の進捗状況についてお伺いします。  また、本年二月議会の答弁で警固断層、宇美断層の調査を行うと答弁されていますが、その後の進捗状況と今後の地震対策についてお聞かせください。  また、建築等の耐震強度に関する偽装問題もあわせてお伺いします。この問題は、国会において、重大な事件として、建築士への罰則強化など関連法案が提出をされております。本県でも耐震強度を偽装したとされる設計会社があったと報告され、問題の当時の会社や関係者、請け負った建築物件等を集中的に調査をされております。そこでお伺いします。  調査に相当の時間が経過をいたしておりますが、これらの進捗状況についてお示しください。また、県の耐震偽装防止対策についてもお答えください。  次に、東京都のマンションにおいてエレベーターに挟まれるという事故により、とうとい人命が失われました。本県においても他人事では済まされないことであります。そこで知事にお尋ねします。  事故を起こしたとされるシンドラー社製エレベーターは本県に何基設置されているのか、また、そのうち県有施設などに設置されているものが何基あるのか。緊急に同社製のエレベーターの点検が必要だと思いますが、どのように対応されるつもりなのか、あわせてお聞かせください。  次に、児童や生徒が被害者になる悲惨な事件、事故が相次いで起こっております。保護者や住民は子供たちをどのようにして守っていけばいいのか不安な日々を送っておられます。被害を未然に防ぐためには、県や地域が一体となって取り組むことが重要だと考えます。そこでお伺いします。このような児童生徒の被害防止のため、どのような対策を行っているのか知事、教育長、警察本部長にお伺いします。  次に、地方自治を取り巻く状況について伺います。平成十六年度から行われた三位一体の改革、市町村合併、今まさに各方面で、かんかんがくがくの議論が展開されている道州制と、地方自治を取り巻く環境が大きく変化しようとしております。この流れに翻弄されることなく、時代を先取りした県政を展開していかなくてはならないと痛感をいたしております。三位一体の改革は、平成十八年度の予算で一応の決着を見ました。補助金改革が交付金となったり、補助率の引き下げに終わったりしたという不十分な点もありましたが、所得税という基幹税が税源移譲されたことは大きな成果であったと思います。第二ラウンドが始まっておりますが、地方六団体の代表として頑張っていただきたいと思います。  現在、御承知のとおり、地方六団体で組織する地方自治対策協議会のもとに、学識経験者から成る新地方分権構想検討委員会が設置をされ、五月十一日に中間報告をしました。この報告書によれば、国と地方の役割分担を協議する法定の地方行財政会議の設置、地方税の充実強化、地方交付税地方共有税とし、法定率の見直しや特別会計に直入、国庫補助負担金の総件数の半減、新地方分権推進法など画期的な内容も盛り込まれております。まず、知事はこの中間報告をどのように受けとめておられるのか、評価をお聞かせください。  時を同じくして、総務大臣のもとに、地方分権二十一世紀ビジョン懇談会、いわゆる竹中懇談会の最終報告案が五月二十六日に公表されております。似た内容もございますが、地方財政の危機ばかりを強調し、税源移譲を先送りして地方交付税改革を先行させるなどの、財政改革のツケを地方に転嫁しているように感じて仕方がありません。こういった発想は、さきの三位一体改革初年度の平成十六年度に地方交付税を一気に削減し、国の財政赤字のツケを地方に転嫁した姿に通じるものがあります。地方の立場から、地方分権を成功させていくためにも、地方六団体が率先して案を出し、主導権を握って三位一体改革後の分権改革を行っていかなくてはならないと痛感をいたしておりましたやさき、六月七日に、知事会など地方六団体におかれては、第一次分権改革の発端となった平成六年九月以来十二年ぶりに地方自治法に基づく意見提出権を行使され、内閣と国会に地方分権の推進に関する意見書を提出し、地方財政自立のための具体的な七つの提言を行いましたことは大いに評するものであります。私がこのように地方六団体の主導権を言いますのは、国の主導のもとに三位一体改革後の分権改革を行えば、地方財政の自立の名のもと、今まで地方交付税で補てんされることが約束をされていた臨時財政対策債などの償還をほごにしかねないという危機感からであります。今後、交渉の中で、臨時財政対策債などの保証を国に確約をとっていくことが必要であると考えますが、いかがお考えでしょうか。  分権改革は住民サービスの向上など住民のために行っていくものであります。分権を行う以上、その受け皿である地方自治体がしっかりしていないと、分権はしたが世の中が悪くなったという結果になりかねません。そういった事態を避けていくためにも、竹中懇談会が述べている地方行革は言わずもがなであると思います。我が県でも、これまで行政改革大綱を策定し、その実行を行っております。また、三月二十九日にはいわゆる集中改革プランを策定しており、さらに、分権を担う地方自治体にふさわしいように公務員改革を実行していくことが肝要であると考えます。我が会派は、昨年の九月の代表質問で、地方公務員法の分限免職の規定を厳密に実行するよう求めました。知事からも大変前向きの答弁をいただきました。その後の経過はどのようになっておりますでしょうか。  地方分権の改革はいずれ市町村、都道府県という現行の地方自治の二層制を打ち崩していく方向で進んでいくはずであります。現在、道州制の議論が盛んに行われておりますが、地方六団体で考えをまとめ、国との交渉の中で提案してはいかがでしょうか。知事の前向きな答弁をお願いします。  次に、市町村合併についてお伺いします。この問題について知事は、機が熟すまで待つというスタンスであり、議会におきましても、積極性に欠け、リーダーシップを発揮されていないとの意見も多くあり、知事の今後の対応が注目をされているところであります。四月二十五日、福岡県は市町村合併推進構想を策定し公表されましたが、今後、市町村合併をどのように推進していくのか、知事の決意をお聞かせください。  次に、税の問題についてお伺いします。新聞報道によれば、県内の一部の市町村におきまして、時効が完成をしていない個人住民税を初め固定資産税や国民健康保険税等の市町村税について、誤って不納欠損処理を行ってしまったということであります。その後、市町村は誤りを認め、改めて徴収する方針であると聞きますが、正直に税金を納めた納税者が不公平になるようなことは絶対にあってはならないことであります。地方税法等に基づき適正かつ公平になされるべき税の徴収において、どうしてこのようなことが起きるのでしょうか。先般の三位一体改革により、国から地方へ三兆円という大規模な税源移譲が基幹税である個人住民税で平成十九年度から実施されることになりましたが、これはこれまでにない画期的な改革であり、今後の地方分権を進める上において、大きな前進であると言えるところであります。個人住民税の賦課徴収については市町村が行うこととなっており、今回の問題は市町村税の問題ではあるものの、このような問題があれば、せっかくの税源移譲の意義さえも薄れてしまいかねません。
     そこで知事にお尋ねします。不納欠損処理はどのような場合に行われるのか、また、このような事態が今後発生しないように、どのような取り組みを行っていくのかお答えください。  次に、知事はこのたび、県政史上二人目の女性副知事を任命されたところであります。この人事は、知事がみずから、高校の現職校長を県政の重要ポストに抜てきされ、本県の男女共同参画社会推進の意気込みを感じるところでもあります。  そこで知事にお尋ねします。県政の新しい女性リーダーとなられた海老井副知事に対して、どのような活躍を期待されているのでしょうか。  次に、電磁記録投票、いわゆる電子投票についてお伺いします。最近、本県もIT時代に入りペーパーレス行政を推進していくという内容を広く県民に情報発信されております。平成十四年二月に、地方公共団体の議会の議員及び長の選挙に関する、いわゆる電子投票法が施行されました。この法律は、地方選挙に限定し、現行の自書式投票制から、電子投票制を実施できるものであり、多くの人員と時間を必要とした開票作業が短縮され、正確で迅速なる開票が実現できるメリットがあります。これらのことから、平成十四年六月、岡山県の新見市長選挙市議会議員選挙において電子投票が実施されました。さらに、広島市長選挙京都市長選挙など全国八自治体において実施されました。そこでお伺いします。今後実施されます選挙において、IT時代に即した電子投票制度の導入に関して、選挙管理委員長の御見解をお伺いします。  また、本県の市町村で一カ所も電子投票が実施されていないようですが、この際、県と市町村の選挙管理委員会でこの問題に関して具体的に協議をされるべきと思いますが、御回答ください。  次に、農政問題についてお尋ねします。  まず、現在見直しがなされております新たな福岡県農業・農村振興基本計画についてお伺いします。本県の農業、農村は、安全、安心な農畜産物を県民の皆さんに供給するほか、県土、環境の保全や良好な景観の形成など多くの役割を担っております。一方、農業を取り巻く環境は、農業者の高齢化と減少、WTOなどの国際交渉によるグローバル化が進展しており、内外を問わず厳しい状況にあることは周知のところであります。このような中、今回の新たな計画は大変重要な意義を持つと考えますが、まず本計画の目的と重点施策について知事にお伺いします。  また、本計画の内容を具体化し、二十一世紀を勝ち抜く攻めの農業を確立するためには、しっかりとした施策がないと難しいと思われますが、計画実現へ向けた知事の御決意をお伺いします。  次に、平成十九年度導入に向けた品目横断的経営安定対策についてお伺いします。この対象となる担い手は、認定農業者及び経営の一元化など一定の条件を満たす集落営農組織となっております。国は担い手の要件をある程度地域の実態に合った要件に緩和する考えだと聞いており、認定農業者については、ほぼ同制度への適合要件を満たすものと理解をいたしております。問題は、集落営農組織であります。小規模な農家や兼業農家がこの対策の対象となるためには、地域に適合要件を満たすような集落営農組織が一定の条件のもとに設立をされることが必要であり、平成十九年度までに相当程度の組織が整備されなければ、本県の米、麦、大豆の水田農業は重大な事態になると危惧をしているところであります。そこで知事にお伺いします。現在、米、麦、大豆を主体とする集落営農組織が県内に幾つあるのでしょうか。また、国が考えている担い手要件を満たしている法人や特定農業団体、これと同様の組織がそれぞれ現在幾つあるのでしょうか。また、県としてこのような組織をどの程度育成し、水田農業を担う認定農業者集落営農組織が全体のどの程度を占めればいいと考えているのか。さらに、担い手が中心となる農業構造を確立するための具体策もお示しください。  次に、売れる米づくりについてお伺いします。米政策改革推進対策では、平成十九年度から、農業者、農業団体の主体的な需給システムヘの移行を目指す、つまり米の生産割り当ては農業団体みずからが行うこととされており、今後、各県間での米の販売競争は、北陸や東北産など知名度の高い米があり、今後ますます激しくなることは確実であります。現在実施されておりますマスコミを利用した県産米、夢つくしのPRや学校給食への利用促進などの消費拡大の施策につきましては一定の評価をいたしておりますが、本県の米の作付面積の一位はヒノヒカリであり、約二万ヘクタールもの作付がされているのであります。これは、ヒノヒカリは夢つくしより価格は安いが、味がよく収量も安定をしているため、生産者の評価が高く、消費者ニーズも根強いものがあるためだと言われております。米の産地間競争が激化する中、本県の売れる米づくり戦略とはどのようなものなのか、また本県に多く作付されているヒノヒカリと夢つくしをどのように販売していかれるのか具体的に御回答ください。  次に、果樹農業の振興についてお伺いします。気候に恵まれた本県は、全国的にもフルーツが豊富に育っており、全国有数の果樹産地となっております。カキ、キウイ、イチジクは全国二位、巨峰は三位など果樹王国と言っても過言ではないのであります。しかしながら、近年の果樹の価格は全国的にも低迷をしており、特にカキやミカンは大変厳しい状況下にあります。果樹はもともと嗜好性が強く、味や大きさ、色、形などで産地間の価格差が大きくなる作物であります。このため、各県はしのぎを削って優良品種の開発や導入に躍起となっているのが現状であります。本県も、本格的に優良品種の開発、育成、導入に向けて最大限の努力をしなければ、全国有数の果樹産地としての地位はもとより、産地の存続さえ危うい地域がふえてくるのではと憂慮されるところであります。本県の農業総合試験場でも、既にさまざまな研究がなされているとは存じますが、カキやミカンなどの果樹の優良品種の開発や育成の状況及び優良品種への切りかえや品質の高い果実の生産対策の現状についてお伺いします。また、福岡県産の果樹の消費拡大対策についてお答え願います。  次に、環境に配慮した農法についてお伺いします。県では、平成十七年度から、豊かな生態系や美しい景観など農業、農村の持つ公益的な機能、いわゆる農の恵みを県民の貴重な財産として育て、次代に引き継ぐために、環境に優しい農法に取り組む集落をモデル的に支援されております。この取り組みをさらに拡大させ、集落や地域ぐるみで環境に優しい農法をもっと普及させることが環境面での効果も高いものと考えております。そこで、平成十七年度の県民と育む「農の恵み」モデル事業の成果と今後の対応方針についてお伺いします。  また、環境に優しい農法として、平成十四年度から、減農薬・減化学肥料栽培認証制度の拡充に一定の努力はされておりますが、まだ十分な広がりがないように思われるのであります。国は十九年度から、農地や水、環境保全の対策なるものを本格的に実施し、農薬や化学肥料の使用を半減する環境負荷の少ない農業への支援を実施すると伺っております。今後、環境に優しい農法を拡大するには、この制度を利用しながら、面的な取り組みを加速させていく必要性を感じますが、知事のお考えをお伺いします。  次に、残留農薬のポジティブリスト制度への対応についてお伺いします。去る五月二十九日から、すべての農薬や動物用医薬品などの食品への残留基準を設定したポジティブリスト制度が導入されました。この制度では、これまで基準がなかった農薬に対しても〇・〇一ppmという厳しい基準値が設定され、これを超えた農作物は原則流通禁止となるのであります。これらは本人が農薬を散布していなくても、周辺から農薬が飛散し基準値をオーバーした場合、生産物の出荷停止や回収などの対応を求められるものであります。安全で安心な農作物を生産するため、細心の注意を払い薬剤防除を行っても、周囲からの飛散で最悪の結果になることが憂慮されるのであります。また、空中散布におきましても、今後大きな課題になっていくと思われますが、どのように対応されるのかお尋ねします。  一方、いろいろな種類の農作物が栽培されている地域では、隣接をしている農作物に農薬被害を与えてしまうことも十分に予想されるのであります。このため、集落内や農家同士での十分なコミュニケーションと連携がこれまで以上に重要となってまいります。技術指導を行っている県の病害虫防除所農業改良普及センターの指導力が今まで以上に重要になると思われますが、県はこの残留農薬のポジティブリスト制度にどのように対応していかれるお考えなのかお伺いします。  次に、林政問題についてお尋ねします。  平成十六年の台風による風倒木被害の復旧状況についてお伺いします。平成十六年は相次ぐ台風により、我が県の森林は深刻な風倒木被害を受けました。特に、台風十八号と二十三号は星野村を初め九市町村が激甚災害の指定を受ける事態となりました。我が県に未曾有の森林被害をもたらした平成三年の台風十七号、十九号の風倒木被害からようやく立ち直った森林所有者の中には、再度の被害により山の手入れを放棄する人たちも出るのではないかと心配されたものです。以来十五年が経過しましたが、今もなお材価の低迷は続いております。しかも、災害復旧事業には森林所有者の自己負担が伴い、また復旧作業においては労働災害の危険性も高いことなどから、森林所有者が復旧意欲をそがれているという声も一方では聞こえてきます。仮に、被害森林がこのまま放置されることになれば、荒廃が一層進み、森林の持つ公益的機能を発揮することができないことにもなっていきます。平成十六年の台風による風倒木被害の復旧は平成十六年度から三カ年で実施されると聞いておりましたが、ことしはちょうどその三年目になります。緊急性の高いところから優先的に復旧を進めてきた関係から、どうしても現在残っております被害の箇所は林道等の道路から遠い箇所が多くなって、森林所有者の負担も大きくなってまいります。それでも森林を再生し、森林、林業を守っていこうとする森林所有者のこうした現状を十分理解し、その意欲にこたえるべきと思うのであります。  そこで知事にお伺いします。現地では以上のような厳しい状況があるところですが、復旧は進んでいるんでしょうか。進捗状況と今後の復旧に対する県の取り組みについてお答えください。  次に、環境問題についてお尋ねします。  従来、平成十年六月以前に行われた産業廃棄物の不法投棄につきましては、特定産業廃棄物に起因する支障の除去等に関する特別措置法に基づき、都道府県が代執行で産廃の除去を実施する場合に、産廃適正処理推進センターに設置された基金を通じた補助金で事業の支援が実施されてきたところであります。しかし、三位一体改革で、この補助金は平成十八年度以降の新規の原状回復対策事業は、税源移譲に基づき廃止をされたのであります。政府は一定の財政措置を講じていくとされているようでありますが、将来何らかの支障除去を実施する場合、本県に係る財政的影響が心配されるところであります。そこでお伺いします。補助金の廃止に伴い、産廃特措法による支援制度は一体どのようになるのでしょうか。仮に、多くの支障除去の費用までも地方に押しつけたようになるのであれば、それが本当に国民が望んでいる改革なのでしょうか。私には本当に疑問であります。法の未整備等のため、全国で産廃問題が拡散している現状を踏まえ、支障の除去に関する支援制度の充実が必要であると考えますが、県はどうされるのかお伺いします。  先般、全国市議会議長会で、産廃処分場に関する問題について、国に抜本的解決を求める意見書が採択されました。政府に対する主な要望として、産廃処分場の立地規制、処分場閉鎖後の安全管理、情報公開など安全な環境の制度を確立し、排出責任者の原則を強化して処理コストや処理責任者の実効性の確保などが明記をされております。これらのことは本県としても国に対して強く訴えるべきと考えますが、知事の御見解をお伺いします。  次に、産廃の不法投棄の防止に関する市町村との連携についてであります。茨城県では、産廃の不法投棄に関する監視強化を目的に、市町村職員を県職員に併任し、廃棄物処理法に基づく立入権を与えたのであります。これにより、産廃問題を抱えている現場の市町村職員による迅速な対応が可能となったのであります。同様な権限の付与は、全国で実に十四県で既に実施をされており、機動力に相当の効果があるようであります。このように、地域の実情を把握している市町村と連携を強化することで不法投棄防止の効果が図られると考えますが、知事の御見解をお伺いします。  次に、アスベスト問題についてお尋ねします。先般、中皮腫により死亡された八百七十八人に対して厚生労働省が行った追跡調査で職業歴が判明した百七十三人のうち、約七四%に当たる百二十八人がアスベストを扱う建設業や造船、電気工事などに平均三十年就労された方が発病されたと報告されたところであります。また、労働災害として救済されない一般住民の救済制度として三月に施行された石綿健康被害救済法は、独立行政法人環境再生保全機構及び環境省の出先機関において申請が実施されております。しかし、現状として窓口が少ないと思いますが、県はどのような形で支援しているのかお答えください。  さらに、国は平成二十二年までの五年間の一般住民の救済対象者数を約二万人と推定し、これを人口比で計算をしますと福岡県は約八百人程度となりますが、現在の申請状況についてお伺いします。  また、県の公共物の吹きつけアスベスト改善事業につきましては一定の進捗があるようですが、民間の施設に関してお尋ねします。飛散性のあるアスベストを使用している民間の施設はどれぐらいあるのか、所有者に対する指導と周知についてお答えください。  次に、福祉問題についてお伺いします。  障害者自立支援法が本年四月より施行されました。身体、知的、精神の三障害に対する支援の一元化など障害者の声が一応反映された項目もございます。しかし、障害者の方からは、自己責任と競争原理を含んだ仕組みで、問題点が多く大変不満であるとの御意見が多くございます。応能負担から原則一割の負担になり、重度の障害者ほどサービス利用時に負担料金が高額になり、働くことができない人たちは経済的な理由からサービスを受けることができないのが現状のようであります。施設の利用者においては、障害福祉サービスの負担に加えて、食費や光熱水費等も実費負担となっております。また、本年十月からは、身体に障害のある方に支給される補装具についても原則有料となり、障害者の施設利用についても一割の負担となるのであります。さらに、更生、育成、精神通院等に関する医療も四月から原則一割負担と、入院の食費について自己負担制度が導入されたところであります。これらについて、所得に応じ負担上限額の設定や、所得が少ない人については一定の軽減措置が設けられてはいるようですが、障害者の方の負担が増加することは間違いないところであります。そこで知事に伺います。都道府県によりましては、独自の負担軽減策を実施されるところもあり、本県もこの際、県独自の軽減策を実施する必要があるのではないかと考えますが、御見解をお伺いします。  次に、商工問題についてお尋ねします。特に、高齢化社会のまちづくりと商店街振興対策についてであります。  本県も例外なく商店街の置かれた厳しい現状は周知のところであります。大規模店舗は採算が合わなければ地域の事情とは関係なく撤退し、大きな空白地となり深刻な社会問題となっております。大規模店舗と地域商店街との最大の違いは、商店街は地域と盛衰をともにし、生活や文化、歴史を共有してきたという点であります。商店街が今後生き抜いていくためには、まさに地域とともに生きるというところに活路を見出すことができるのではないでしょうか。地域コミュニティーの中心としての機能充実がその重要なかぎとなるわけであります。その機能の一つとして現在注目をされているものが福祉であります。商店街がさまざまな福祉機能を発揮し、住民同士が助け合う町をつくることができれば、商店街、そして地域住民の相互の利益になるものと考えます。多くの高齢者が安心して生活できるコミュニティーの形成が商店街に新しい住民を呼び寄せ、ひいては商店街に大きな経済効果をもたらすものと考えるものであります。  先日、改正市街地法が成立し、中心市街地のにぎわい回復に向けての体制が整いました。しかし、この法律の対象となっていない、中心市街地と認定されない多くの商店街が不安を感じているという実態があります。県としては、これらの商店街のにぎわいのために何らかの施策が必要だと考えます。その一つの手だてとして、福祉を軸とした優しいまちづくりを提案したいと考えます。  そこで知事にお伺いします。商店街の持つコミュニティー機能を遺憾なく発揮し、商店街が福祉に積極的に取り組むことにより、地域が活性化すると考えます。例えば、シャッターの閉まった店舗を地域の高齢者が集うコミュニティーに改造したり、テナントにデイケアなどの各種福祉施設を誘致したり、商店街をバリアフリー化するなど官民一体となった工夫が可能です。福祉を通じた商店街活性化について、知事の御見解をお伺いします。  次に、教育問題についてお尋ねします。  まず、学力向上の対策についてであります。本県議会におきましてもこの問題についてはさまざまな議論が行われてきましたが、注目をされていた国の学力調査もいよいよ具体化してまいりました。文部科学省は平成十九年度に、小学校六年生、中学校三年生を対象として学力調査を実施すると聞き及んでおります。また、本県でも昨年度まで行ってきた統一学力テストについて、参加できる規模を今年度から小学校五年生、中学校二年生の全児童生徒に広げて実施されるようであります。このように学力実態調査を国や県レベルで行い、正確な実態把握に基づいた学力向上の取り組みが具体化されてくることは、学力問題の解決にとって大きな進展であると考えるところであります。このような中、昨年十月、中央教育審議会において今後の義務教育のあり方について答申がなされ、その中で、学力問題に関して次のような指摘がなされているところであります。第一に、学校間の連携の問題であります。九年間の義務教育学校の設置やカリキュラムの区分弾力化などが検討課題として示されており、学力問題の解決に大きな力を発揮するのではないかと期待をされているのであります。二点目は、学校評価の充実についてであります。学校教育の質の保証のためには、常に自校の教育活動や学校運営について自己評価、外部評価を行い、その結果を公表し、教育結果に対する責任を果たすよう求められているところであります。このため、国は本年三月に学校評価に関するガイドラインを作成し、学校現場にも配布をしたと伺っております。そこで教育長にお伺いします。このように今後の義務教育のあり方が示された現在、本県として、どのようにこの動きに対応していかれるのか、教育長のお考えをお伺いします。  また、本県では学力向上の具体策として、各学校における学力向上プランの作成や、個性、能力を伸ばしていく教育の充実として人材育成事業等が実施をされております。そこで、その成果を評価するスキームについてお伺いします。学力がどれだけ身についたかを確認できる機会があれば、子供たちの学習意欲はますます向上していくものと考えます。熱心に学習し、その成果が確認できれば、人はだれでもやる気を出し、さらなる意欲もわくものであります。例えば、英語検定、漢字検定などの全国的な検定試験が有名でありますが、本県も独自の取り組みを実施すべきと考えます。生徒の学習意欲を向上させ、評価し、顕彰するような教育システムを構築すべきと思いますが、教育長の御見解をお伺いします。  次に、小学校の英語教育と国語教育の推進についてお伺いします。先般、中央教育審議会外国語専門部会が学習指導要領の改訂に伴う作業結果をその素案として具体化したところであります。小学校段階からの英語教育の必要性を指摘し、英語のスキルの向上と異文化に対する理解やコミュニケーションを積極的に図る姿勢を育成する小学校英語教育の目標を定め、指導内容が提示されております。小学校における英語活動の取り組みは全国的に進められており、既に総合的な学習の時間等において九割を超える小学校で何らかの英語活動が実施されており、生きた英語の授業を大いに推進すべきと考えます。英語教育を音楽に例えるならば、音感、すなわちリズム感を身につけ、音符を読み取り、歌うことができることだと思います。  そこで教育長にお伺いします。現在の本県における小学校英語活動の指導時間や指導内容等の状況はどのようになっているのか、またその成果や課題についてもあわせてお伺いします。  また、本県の英語活動推進に関する具体的な施策と、小学校からの英語教育についての教育長の御見解も含めましてお答えください。  私は前段で国際社会を生き抜いていくには、今や世界の共通語になろうとしている英語教育の推進は大変重要だと考えております。しかし、英語、フランス語、中国語、どの国の言語を話すにしても、基本はやはり母国語の日本語をしっかり勉強していないと自分の意思や考えを正確に伝えることができません。我が国の伝統や文化、歴史を学び、教え、理解させることが大切だと考えております。  そこで教育長にお伺いします。教育委員会は、英語教育と国語教育を同時に推進することは非常に困難が伴うと考えますが、どのような関連性を持たせ教えているのか、また児童たちに国語教育の重要性を認識させているのかお伺いします。  最後に、暴力団対策についてお尋ねします。  県内には、幾つかの指定暴力団があります。警察本部は去る四月一日、北九州地区暴力団総合対策現地本部を発足し、工藤会の壊滅に向け、積極的に取り組んでおります。そのやさき、久留米市内に本拠地を置く道仁会内での抗争が勃発し、白昼、けん銃による発砲事件等が発生するなど大きな社会問題となっております。暴力団関係者の事務所等がある近隣住民などや県民に大きな不安を与えております。暴力団は、多くの不法行為を繰り返しており、県民生活そのものを脅かしているのであります。そこで警察本部長にお伺いします。県民が安全で安心して暮らせる社会の実現のため、暴力団対策の中でも、特に道仁会対策の現況と今回の事件の終息に対する本部長の御決意をお伺いします。  以上で私の代表質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) 3 ◯議長(藤田 陽三君) 麻生知事。 *知事答弁 4 ◯知事(麻生 渡君)登壇 福岡西方沖地震の復旧の状況についてであります。玄界島の方につきましては、平成十九年度末を復興完了目標といたしております復興計画を策定いたしまして、これに基づきまして県営住宅の本年度末までの建設、来年度からの玄界島小学校、中学校の再開など、順調に事業を進めております。また、玄界島以外の地域についてでありますが、上下水道、公立学校、河川施設などの復旧は、おおむね昨年度までに完了をしております。道路、港湾施設は今年度中に、また漁港につきましても来年度までに復旧を完了させる予定であります。  警固断層などの調査についてでございます。警固断層につきましては、県の防災会議の地震対策部会におきまして、研究機関などの調査結果の収集、分析を行っております。宇美断層につきましては、活動周期、最新活動時期などを特定するための調査を実施をいたしているところであります。今後、これらの調査結果も踏まえまして地域防災計画の見直しを行いまして、地震対策の充実、強化を図ってまいります。  耐震強度偽装問題についてであります。まず、調査の状況でありますが、調査の対象物件といたしましては、県内で五百九十一件、県の管轄区域では百八十五件を特定いたしました。このうち、構造計算書があるものから順次再計算を行っております。今後の再発防止対策でありますけれども、建築物の確認段階で、必要に応じまして構造計算書の再計算を行ってまいります。また、現在、国会で審議中の建築基準法などの改正の動向、中身を踏まえまして、それぞれ新しい体制に的確に対応する考えでございます。  シンドラー社製エレベーターの問題についてでございます。緊急に調査をいたしましたところ、現時点で県内に四百六十九基があるわけでございます。そのうち県有施設では二十三基を確認をいたしております。住民の皆さんの相談に早速対応いたしますために、建築指導課及び社団法人でございますがエレベータ協会の九州支部に窓口を置きました。そして、民間施設などにつきましては、管理者あるいは所有者に対しまして、緊急に点検をするように要請を行っております。また、県有施設につきましては、既に点検を始めております。  子供たちの犯罪被害に対する防止対策についてであります。このために現在、防犯リーダーの養成、安全マップ作成の支援などを行っております。これを通じまして、それぞれの地域におきます防犯活動の活性化を図ってまいります。この地域防犯活動では、それぞれの地域と警察、学校、市町村との連携が大変重要でありますし、そうでなければ効果は上がらないわけであります。今後、県を初め地域や関係機関が一丸となりまして安全、安心まちづくりに取り組むための総合的な戦略を策定いたしまして、地域防犯活動の組織づくり、活動の一層の強化に取り組んでまいります。  新地方分権構想検討委員会の中間報告についてでございます。今回の中間報告では、地方が新しい役割を担ってまいりまして、基本は、住民がみずからの手で、みずからのことを決められるような社会を実現するという考え方でございます。この目標に向かいまして、税財政改革につきまして七つの具体的な提言をいただきました。これは本当の意味での、地方分権改革の実現に向かって極めて重要なものであるというふうに考えております。  交付税の問題についてでございます。地方はこれまで景気浮揚対策などのために、国からの要請に基づきまして多くの対策を実施してまいりました。その際、その財源につきましては、将来、地方交付税で補てんをするという国の約束でございました。このような約束のもとに、私どもは起債をし、事業を実施をいたしたわけでございまして、その結果といたしまして、我々地方は多くの県債借入残高を抱えているという状況でございます。このような経緯があるわけでございまして、我々は、国において確実にこのような約束は守られるように、そして国と地方、この信頼関係がきちっと確保できるように働きかけをしてまいりたいと思っていますし、この点を強く主張をいたしております。  分限免職の問題についてであります。分限免職は職員の身分を失わせるという非常に大きな、重大な不利益処分であります。勤務成績が著しく不良な職員に対しましては、まず再教育を行う。それでもどうしても改善されないという場合には、次に退職を促すというような対応が必要であると考えております。このため、再教育の仕組みを整備することが必要でございまして、現在、その教育プログラムや適格性、事務遂行能力の判定方法など具体的な検討を進めております。  地方六団体によります国への道州制の提案を積極的に行ってはどうかということについてでございます。これはそれぞれの団体で研究しておりますが、特に全国知事会におきましては、道州制特別委員会を設けて議論を進めているところであります。大勢といたしましては推進論であるわけでありますけれども、県によりましては強い異論が提示されているという現状でございます。したがいまして、このような中で、知事会としての一定の方向を打ち出すべく、今議論を深め、集約に努力をしているという最中であります。  市町村合併についてでございますけれども、合併推進のための助言、情報提供を行うといったことを積極的に行いまして合併を働きかけ、機運の醸成を図ってまいります。そして、合併の機運、熟度がある程度高まった市町村から順次構想に位置づけまして、推進を図ってまいります。その場合には、私みずからが直接地域に赴くことも含めまして、全庁挙げて合併の推進を図ってまいります。  税金の不納欠損処理の問題についてでございます。滞納処分することができる財産がない場合とか、あるいは滞納処分をすることによりまして、滞納者の生活を著しく窮迫、困難にさせるおそれがある場合など一定の条件のもとにおきましては、不納欠損処分を行うということになっております。実際にこれらの具体的な適用に当たりましては、これが適切に行われるということが大切でございまして、県と市町村が連携をして設けております地方税収対策福岡県連絡会議の場などにおきまして、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  このたび、海老井副知事を議会の皆さんの同意を得まして任命をいたしました。どのような点について期待をしているかということについてでございますが、これはまず海老井副知事は、教育の分野におきまして、みずから教育そのものに携わっております。多くの知識、経験を持っておりますし、我々は、教育は非常に大事であり、力を入れていく、また今後もそうしなければいけないと考えているわけでございまして、その意味で、福岡県がしっかりした人材教育を行うために、その知識あるいは経験、これをフルに生かしていただきたいと思っております。同時に、今後の我々の社会は、ますます女性が思い切って活躍ができるという社会でなければなりません。このための大きな目標は男女共同参画社会でございますが、この点におきましても中心的な、積極的な役割を果たしていただきたいと思っております。さらに、県のいろんな政策、制度を改革し、新しいものをつくっていく場合におきましても、やはり女性の視点ということが非常に大事でございます。これを積極的に取り入れていく、その中心になってもらいたいというふうに考えております。  次に、農政問題についてでありますが、新しい農政計画の目標についてでございます。今回の計画の目標は、経営感覚にすぐれました意欲のある担い手を積極的に育成するのであるということであります。そのためには、やはり農業が収益性の高いものである、ちゃんと農業をやっていって生活ができ、子供の教育もできるというようなものでなければなりません。このためには、土地利用型農業では、土地の集積によります規模の拡大を図って、より効果的、効率的、安定的な生産が行えるような体制をつくっていくことであります。また、園芸農業では、県単独事業によります施設の整備、またこれまでの家族経営型のものから、外から雇用も受け入れていく、導入を図っていく、そのような点に重点的に取り組んでいく考えでございます。  土地利用型農業の経営安定対策でございますけれども、現在、県内には米、麦、大豆を主体とします集落営農組織は約七百ございます。そのうち経営安定対策の要件を満たすものは約五百五十、特定農業法人が七つ、特定農業団体が二団体設立準備中であります。本県の土地利用型農業を担う永続的な担い手といたしましては、認定農業者と法人化された生産組織の二つを考えております。これらの担い手が県内の水田の面積ベースで約六割程度を占めるということを目指しております。県の方では、このような農業構造の改善が実現できますように、それぞれの地域が定めました水田農業ビジョンの達成に向けまして支援を行ってまいります。  売れる米づくりについてでありますけれども、本県では、夢つくしを基本に米づくりを行っております。そして、夢つくしの適地が少ない県南地域におきましてはヒノヒカリの作付を行いまして、安定供給あるいは農家の所得の向上に努めているわけであります。しかし、ヒノヒカリにつきましては、九州各県との生産が競合いたしております。このことから、今後は、たんぱく質の含有率で仕分けをしました、おいしいヒノヒカリを安定的に生産、出荷できる方策も確立をいたしまして、売れる米づくりをさらに進めてまいる考えでございます。  次に、園芸農業、特に果実の問題についてでございます。おいしい果物をつくるというために、まず農業総合試験場では、着色がよくて九月下旬に収穫できるミカン、皮ごと食べられる種なしブドウといった新しい作物の育成に鋭意取り組んでおります。また、カキの方では、早秋、太秋といった優良品種への切りかえを進めております。ミカンの場合には、優良園地を区分いたしまして、収穫されたものにつきましては、さらに光センサーで糖分、甘味ですね、それから酸、これを測定しまして、確実においしいものを出荷するという体制づくりに取り組んでおります。これによって我々のミカンの評価を安定させ、また高めていこうということでございまして、今後とも、このような取り組みによりまして、競争力のある果樹産地づくりを進めてまいります。  本県の果樹の消費拡大対策についてでございます。このためにテレビ番組を通じた産地の紹介、首都圏では量販店での試食販売、県内では農業祭りといったイベントを通じまして、積極的に県産の果実の宣伝を行っております。今後、果実につきましては、まずおいしい、さらに健康にもよいというようなことを積極的にPRをしてまいる考えであります。また、やはり子供のころから果物好きになるということが非常に大切であります。幼稚園などでの果物教室の開催を含めまして、毎日の食生活の中で果物が定着するということを進めてまいる考えであります。  県民と育む「農の恵み」モデル事業についてでございます。これは現在、県下十四のモデル地区、約百二十ヘクタールで水稲の減農薬栽培に取り組んでおります。地域の住民の皆さんを中心に、約六百人の皆さんが並行いたしまして田んぼの生き物調査に参加をするというようなことをやっているわけでございまして、このような活動を通じまして、農業、農村の持っております多面的な機能、これへの理解、意識が高まる、これを進めているわけでございます。今後も引き続き、このようなモデル事業を通じまして、生き物の調査、分析、環境負荷軽減への取り組みを図ってまいります。  環境に優しい農法の拡大についてでありますが、これはJAの水稲部会などの生産組織を重点的に定めまして、減農薬、減化学肥料栽培技術の普及、実証圃の設置を行っております。さらに、本県の認証制度の取り組みを一層推進するということによりまして、環境に優しい農業の拡大に努めてまいります。  新たな残留農薬制度についての対応についてであります。これは病害虫防除所農業改良普及センターの方で引き続き、生産者の方に使用基準の遵守を指導してまいります。今回、特に強化されました飛散を防止するための実証試験を行いまして、早急にこれによって得られた技術を普及してまいる考えでございます。また、各地域のJA、市町村、普及センターで構成をいたしております飛散防止対策協議会を通じまして、農家の皆さん同士での農薬散布計画の情報交換、研修会などを行いまして、この面の対策の徹底に努めてまいります。  林業問題についてでございます。  まず、平成十六年の台風によります風倒木の復旧状況についてであります。これは激甚災害に係る森林災害復旧事業などの造林事業、治山事業を使いまして進めております。復旧は三カ年で実施することとしておりますが、現在、全体の三分の二を終了し、順調に進んでおります。今年度中にはすべて完了すべく、今後とも、市町村、森林組合と十分協力をいたしまして、復旧に全力を挙げてまいります。  産業廃棄物特措法の補助金が廃止されたわけでありますが、これについてどうするのかということの御質問でございます。御指摘のように、これは三位一体の改革の一環として補助金が廃止されまして、税源移譲をされるということになりました。これと並行いたしまして、起債する、その場合にこれまでは充当率が必要資金の七〇%でございましたが、これが九〇%に引き上げられるというような措置が講じられました。今後、不法投棄などに起因しますいろんな障害の除去作業を行う場合には、これらの措置を活用して対処してまいる考えであります。  産業廃棄物最終処分場につきましての国への提言についてでございます。安定型最終処分場につきましては、安全性、信頼性の向上を図るために、現在の基準の一層の強化が必要であると考えております。このため県の方では、最終処分場の立地に当たっての生活環境保全上の配慮事項の明確化、維持管理基準の強化、埋め立て可能な産業廃棄物の見直しなど、国に対して提言を行っております。今後とも、必要な措置が講じられるよう、引き続き働きかけを行ってまいります。  不法投棄の防止にかかわります市町村との連携の問題についてであります。本県では、保健福祉環境事務所ごとに市町村などの関係機関で構成をいたします不法処理防止の地域連絡協議会を設けております。この場で情報交換、監視パトロールの実施、不法投棄が発生した場合の共同での対応、対処などについての活動を行っております。今後とも、市町村との連携を密にするということを基本にしながら不法投棄の防止に取り組んでまいります。  石綿健康被害救済制度についてでございます。県の方では、この救済制度をホームページに掲載をしますとともに、被害者などが身近なところで申請手続が行えますように、制度が発足したときから県庁及び十三の保健福祉環境事務所においてこれを受け付けております。本県におきます申請の状況でありますが、受け付け件数は五月末現在で四十一件でございます。  民間施設の吹きつけアスベスト対策についてでございます。これは、県内の千平方メートル以上の建物約一万五千棟について調査を行いました。その結果、八百七棟で吹きつけアスベストの使用が判明をいたしました。そのうち百二十九棟につきましては、既に対策が講じられております。県の方では、健康被害の防止の観点から、今後とも関係機関と協力しまして、所有者などの皆さんに対しましてそれぞれ適切な対策、管理がなされるように促してまいります。また、県のホームページ、県内各地の相談窓口におきまして、アスベストに関する情報提供を行ってまいります。  福祉の問題についてであります。  まず、利用者負担の問題についてであります。今回、利用者負担制度が強化をされているわけでございますが、これはふえ続けております福祉サービスの利用、これが今後とも持続可能な制度とするため、障害者自立支援法におきましては、国と地方の公共団体の費用負担の責任を明確化いたしますとともに、利用者にも応分の負担を求めるという制度となったわけでございます。県の方では、今後、この制度の実施状況を見ながら、必要があれば、御指摘のような点を踏まえまして、国に対してこの見直しなどの提言を行っていきたいと考えております。  商店街振興対策についてでございます。この振興対策を考える場合に、高齢者の皆さんが集える商店街づくりをするということが非常に大切ではないかということについてでありますが、これは我々が商店街活性化を考えます場合に、非常に重要な視点であると思っております。本県の方では、空き店舗を活用いたしました高齢者の交流施設の開設あるいは健康相談会、町中でのデイサービスの実施、市民大学といった学習会の開催、共同宅配サービスの事業の実施、シニアファッションショーといったイベントの開催、こういうことを非常に多様に行っておりますが、これは高齢者にとりまして、商店街、中心市街地が魅力のあるものにし、また高齢者の皆さんが来やすい町にしていこうということでございます。今後も高齢化社会が進んでまいりますけれども、その中で地域が繁栄いたしますためには、やはり高齢者の皆さんが住みやすく、参加しやすいまちづくりを進める必要があるわけでございまして、地域の創意工夫、これをこの面でも大いに発揮をいたしまして、商店街活性に取り組んでまいる考えであります。 5 ◯議長(藤田 陽三君) 森山教育長。 *教育長答弁 6 ◯教育長(森山 良一君)登壇 まず、児童生徒の被害防止対策についてでございます。最近、子供が犠牲となる痛ましい事件が多発をしておりますことは、まことに遺憾なことでございます。このような事件を防止するためには、いつでも、どこでも、だれでも起こるという認識のもとで、特に犯罪者は人の目やにぎわいを嫌うと言われておりまして、学校、家庭、地域、関係機関が連携をして、日常的に子供を見守るシステムを確立して、死角をつくらないということが重要でございます。このため、従来の取り組みを再点検いたしまして、子供の危険回避能力を高める防犯教室の開催とか、教職員の指導力を高める研修会の充実、先進事例集の配布、さらには過去の事件の教訓を風化させないための学校防犯推進フォーラムを開催するなど、今後とも安全教育の充実に努めてまいりたい と考えております。  次に、義務教育の今後の方向性についての対応についてでございます。昨年の中央教育審議会答申におきましては、義務教育の目標設定と成果の検証は国の責任で行い、その実施につきましては、地方の裁量を拡大して、主体的な取り組みを求めるという方向性が示されております。本県におきましては、全小中学校の連携強化に向けまして、指導内容、方法等に一貫性を持たせる教育を進めておりまして、今後、県の研究指定校などにおける研究成果を県下の学校に普及をさせていくことといたしております。また、教育の結果の評価といたしまして、学力調査や学校の自己評価などの取り組みを進めてきたところでございます。今後は、外部評価や評価結果の公表など学校評価のさらなる充実を図るなどの取り組みを推進いたしまして、特色ある教育の実現に努めていきたいと考えております。  次に、児童生徒を評価、顕彰する教育についてでございます。児童生徒の学力を高めて、個性や能力を伸ばすためには、一人一人のやる気を引き出す教育に努めることが重要であると考えております。本県におきましては、体験的な学習の充実を通じまして、児童生徒の問題意識とか学習意欲の向上を図りますとともに、個性や能力を伸ばす発展学習あるいは科学体験などの事業を実施いたしております。また、各学校におきましては、英語検定とか数学検定、漢字検定などに取り組んだり、校内弁論大会とか理科作品展などを進めたりしている学校も見られるところでございます。今後は、各学校に対しまして、このような学習意欲ややる気を高める取り組みを一層工夫するように指導をしてまいりたいと考えております。  次に、小学校英語活動の指導状況等についてでございます。本年の二月現在で、本県の公立小学校のほぼすべての学校で総合的な学習の時間を中心といたしまして英語活動が実施をされておりまして、指導時数が一番多い六年生で年間約十七時間となっております。また、指導内容は、低、中学年での歌とかゲーム、簡単な英会話や発音練習などの活動から、高学年では、交流活動とか文字に触れる活動などへと児童の発達段階に応じて広がる傾向にございます。成果といたしましては、外国の人に対して憶することなく接する積極性とか、英語を聞く力の高まりなどが見られております。一方、指導時数や内容などのばらつきによります学校間の格差とか、教員の英語能力の違いによる指導力の差が課題となっております。  次に、小学校英語活動推進の取り組みと見解についてでございます。本県におきましては、英語活動推進のために、本県も参加しております地方分権研究会におきまして、英語活動教材の開発を行いまして、モニター校で教材活用についての実践研究を進めておりまして、その成果を各学校に普及をさせることといたしております。また、教員の指導力の向上を図りますために、英語活動についての研修を進めておるところでございます。なお、英語活動につきましては、小学校段階からなれ親しませるという観点から意義があると考えておりますけれども、小学校からの本格的な英語教育につきましては、国において現在検討が進められておるところでありまして、その推移を見守りたいと考えております。  最後に、国語と英語教育の関連についてでございます。国語は、我が国の文化を継承して創造、発展させるとともに、社会を維持していく基盤をなすものでありまして、学校教育のあらゆる教科やさまざまな学問の基本となる大変重要なものと考えております。特に、小学校の国語教育は、自分の意見を述べるための論理的な思考力、互いの立場や考えを尊重して言葉で伝え合う力などを培う重要なものでございまして、英語教育を行う際には、この基盤の上にバランスよく行われるべきものと考えております。また、英語に触れることにより、言語に対する関心を高めるなど国語力向上にもよい影響を与える点もあると考えられますので、全体的な計画のもとで適切な指導に努める必要があると考えております。 7 ◯議長(藤田 陽三君) 田邊選挙管理委員会委員長。 *選挙管理委員会委員長答弁 8 ◯選挙管理委員会委員長(田邊 俊明君)登壇 電子投票制度の導入についてでございますが、電子投票は、開票事務の効率化や迅速化等を図れる反面で、多額の導入経費がかかることなどが指摘されており、実際にこれを導入した自治体では、機械の故障により執行された選挙が無効となった事例もあるところです。したがいまして、これらメリット、デメリットの諸点を総合的に勘案した上で、電子投票制度の導入について検討する必要があると考えております。このため、福岡県選管といたしましては、市町村選挙管理委員会に対し必要な助言や情報提供を行っているところであり、今後、意見の交換も行ってまいりたいと考えております。 9 ◯議長(藤田 陽三君) 殿川警察本部長。 *警察本部長答弁 10 ◯警察本部長(殿川 一郎君)登壇 初めに、児童生徒の犯罪被害防止のための対策についてでございます。県警察では、児童生徒の安全確保のため、学校及びその周辺地域における重点的な警ら、警戒活動、不審者への職務質問による犯罪の未然防止活動、小学校等における防犯教室や不審者等への対応訓練、メール配信システム等を活用した不審者情報の提供など各種警察活動を強化するとともに、子ども一一〇番の家や子供見守り隊等の活動、青色回転灯を装備した車両による防犯パトロールなど地域住民の方々による自主防犯活動への支援を行っているところであります。また、今年六月一日から、学校と警察との情報共有化を目的としたふくおか児童生徒健全育成サポート制度の運用を開始したところであり、この制度を効果的に活用し、子供の安全確保に努めてまいりたいと考えております。県警察におきましては、今後とも関係機関、団体や地域の方々と連携した、きめ細かな被害防止活動に取り組み、子供の犯罪被害防止に万全を期してまいりたいと考えております。  次に、暴力団対策についてお答えいたします。県警察では、県民の安全で安心な生活を確保する上において、暴力団対策が極めて重要であることから、本年四月、組織犯罪対策局を新設したほか、工藤会の壊滅に向け、北九州地区暴力団総合対策現地本部の設置など、暴力団総合対策に取り組んでいるところであります。このような中、五月下旬に、久留米市を本拠地とする道仁会の内部分裂によると思われる八件のけん銃発砲、爆発物投てき事件などが発生したことから、新たに四百人を超える体制を構築し、同種事案の防圧、早期事件検挙及び住民の安全確保に向け、諸対策を推進中であります。このうち、住民の安全対策につきましては、特に通学路などにおける児童の安全確保が極めて重要であるとの認識のもと、学校関係者や市教育委員会などと緊密な連携を図り、通学路の変更を含めた安全確認、登下校時の制服警察官による駐留警戒、パトロールの強化、少年警察ボランティア、PTA役員などとの協働見守り活動等を実施しているところであります。県警察といたしましては、今後とも警戒警備の強化等による住民の安全確保を図りながら、事件の早期解決に向けた取り締まりを徹底するとともに、地域住民による各種暴排活動を積極的に支援するなど、道仁会の壊滅に向け諸対策を強力に推進してまいる所存であります。 11 ◯議長(藤田 陽三君) 原竹岩海君。 12 ◯九番(原竹 岩海君)登壇 ありがとうございました。  時間が若干ございますので、要望と意見をちょっと言わせていただきたいと思いますが、知事は先ほどの市町村合併のところで、みずからが直接地域に赴くことも含めということでございまして、一歩二歩前進だと思いますので、モデル地区を、何か自分は県知事本人として動いたからこれが成功したという事例でもしっかりつくっていただきたいと思うわけであります。  そしてまた自立支援法でございますけれども、これは必要がございましたら国に対し見直しなどの提言を行ってまいりたいということでございますが、事実、都道府県で実際に、優しい県政とか都政とかいうことでやっていこうという報告があるわけでございまして、本県でもこういった方々に優しい県政を議会と一体となって進めるべき内容ではなかろうかなというふうに意見を申し上げたいと存じます。  そして、選挙管理委員長でございますが、私たしかこれで二回目ですね、本会議場でお会いするんだろうと思いますけれども、電子投票でございますけれども、費用が相当かかるということで、これは経営的には当初の初期投資であります。これが全体に普及すれば、再度購入する必要はないわけであります。システムの確立をするかどうかといったことが問題であります。よって、これは私どもの経験でございますが、命の次に大事なものはお金だと思いますけれども、そういったことでも自分たちはカードでしっかり出すことができて、しっかりそういった受け入れ態勢があるわけでございます。選挙も新しい時代に入っていく、そして投票率を上げていく、こういった形で動いていくべきだと思いますので、協議をされるということでございますので、これに関しては質問の継続性を意思を持ちたいと思っております。  最後でございますけれども、教育長には非常に難しい質問を行ったのではなかろうかなと思っております。英語が大事なのか、日本語が大事なのか、国語が大事なのかということでございまして、本当に申しわけないと思っております。我々も質問で非常に悩みましたけれども、これは非常に大事なことであるということで、確認を含めて質問をさせていただきました。  それでは終わります。ありがとうございました。(拍手) 13 ◯議長(藤田 陽三君) この際、しばらく休憩いたします。再開は午後一時三十分といたします。           午 後 零 時  三十分  休 憩           午 後 一 時 三十二分  再 開 14 ◯副議長(北原 守君) 再開いたします。
     休憩前に引き続き、代表質問を行います。発言を許可いたします。上岡孝生君。(拍手) *上岡議員質問 15 ◯三十八番(上岡 孝生君)登壇 こんにちは。公明党の上岡孝生でございます。  けさ、五時一分に地震がありまして、それで目が覚めました。多分、そういう方もおられると思います。しっかり目を見開いて聞いていただきたいと思います。  初めに、同じアジアの一員としてインドネシア・ジャワ島中部で起きた地震で被災された方々に心からお見舞いを申し上げたいと思います。  それでは、通告に従い会派を代表して質問をいたします。  初めに、市町村合併と道州制についてお尋ねします。まず、市町村合併ですが、我が国の基礎自治体である市町村は、明治時代の初めには七万一千三百十四町村で、明治の大合併、昭和の大合併と言われる再編を経て一九六一年に三千四百七十二市町村となり、一九九九年三月末の全国の市町村数は三千二百三十二市町村となっています。市町村合併後の自治体数は千を目標とするという方針を踏まえて、いわゆる平成の大合併が動き出し、本年三月三十一日で一つの区切りを迎えたところであります。一九九九年四月から七年たった本年六月一日現在では、全国の市町村数は千八百二十に減少、九州では五百七十市町村から三百二市町村へ半減し、県別に見ると福岡県は九十七から六十九、佐賀県四十九から二十三、長崎県七十九から二十三、熊本県九十四から四十八、大分県五十八から十八、宮崎県四十四から三十一、鹿児島県九十六から四十九、そして沖縄県が五十三から四十一市町村へと変わり、長崎県と大分県は七割減となっています。本県における合併はある程度進んでいるけれども、他県から見ると進捗はおくれており、今後も合併を進めていく必要があると思われます。我が党といたしましても、合併をさらに推進しなくてはならないと考えています。  そこでお伺いしますが、特に県の市町村合併推進審議会の答申段階では、「合併推進が望まれる地域」の一部であった糟屋郡の六町が、「構想対象市町村」として新たに位置づけられています。私の地元でもあり、ぜひとも合併を進めてもらいたいと願っていますが、今後市町村の合併をどのように進めていこうとしているのか。また、合併構想では新法に基づく知事の権限である合併協議会設置の勧告権を積極的に活用するとされていますが、どのような場合に活用するのかもあわせて知事の考えをお聞かせください。  次に、道州制についてお尋ねします。合併が進み市町村の規模が大きくなれば、国と市町村に挟まれた県の役割が小さくなっていき、そうなれば都道府県が今の規模でいいのかが問われてくると思います。地方自治体のあり方をめぐっては市町村合併が先行しているけれども、国の構造を変えていくには道州制の必要性をも感じますが、今現在の知事の道州制に対する考えをお聞かせください。また、九州は一つということをよく聞きますが、道州制の推進に向けて、九州にも道州特区を導入したり、道州制になったら九州はこう変わるということを県民に示したりすることが必要であると思います。道州制が実現すれば、一八七一年の廃藩置県に匹敵するような大改革になるのではと思いますが、今後の具体的な取り組みについてこの項の最後にお聞かせください。  次に、仕事と生活の調和推進についてお尋ねします。厚生労働省は今月一日、日本人女性が産む子供の平均数を示す二〇〇五年の合計特殊出生率が一・二五で、五年連続過去最低を更新したと発表しました。晩婚、晩産化が少子化の原因とされていますが、果たしてそうなのか。その背景に、社会のゆがみや労働市場における正規雇用と非正規雇用の二極分化の進展が少子化へ拍車をかけていると指摘せざるを得ません。経済の長期停滞は終身雇用や年功序列賃金の見直しを求め、雇用形態を劇的に変化させました。総務省の統計に明らかなように、正規雇用労働者の比率が大きく減少し、パート、アルバイト、契約社員、派遣社員などの非正規雇用労働者の比率が増大している。非正規雇用の比率は九三年では男女計で二〇・七%であったのが、二〇〇四年では三一・五%が非正規雇用。女性の非正規雇用の比率が五二・六%ということで、過半数に達している。若年層では男性の四一・五%、女性の五〇・四%は非正規雇用である。非正規雇用は、今や無視できないような大きい比率を示すようになっています。ただ最近、景気は穏やかな回復傾向が続き、ことしの一月から三月の雇用情勢は回復したと言われるが、数字を細かく見ると、むしろ矛盾は広がっています。今回、正社員の数は前年同期比で久々に増加に転じましたが、非正社員の増加はそれを上回り、この十年で雇用者数に占める非正社員の割合は二割から三人に一人に急増しています。しかも、非正社員の男性の賃金水準は厚労省によると二〇〇五年で正社員の六四%。賃金の上昇カーブも極端に鈍い状況です。つまり、非正規雇用労働者は、雇用の調整弁から、既に正規雇用労働者の代替的役割を担う構造的な課題を色濃くしてきていると言わざるを得ません。また同時に、週六十時間以上働いている人たちの比率の推移を見ると、従業員五百人以上の中堅から大企業において、一九九四年にはこの比率は一三%以下だったのが、二〇〇〇年にかけてこの比率が大きく上昇し、特に三十代やさらには若い人たちの間で大きく上昇している。自己責任と言われながらも、正社員の数が減らされることによって一人当たりの仕事の責任、分量がふえたため、自己責任、自己啓発する時間がとれないということが現実に起こっています。現在、我が国の労働市場は、労働時間が短く賃金が低い雇用機会と、労働時間が長く賃金が高い雇用機会に二極化されており、このことは長時間労働が困難な女性や高齢者の働く場を制約し、一方で画一的長時間労働への拘束に耐えられない若者たちがフリーターや無業者となるケースをふやしています。今後の働き方として、生活を犠牲にしない働き方への転換、つまりワークライフバランスを重視した働き方の見直しが急務と考えます。ただ一方で、生活と仕事の両立を図るための働き方が企業の生産性を低下させ、競争力をそぎかねないという指摘もあります。しかし、両立支援の先進的な取り組みをしている企業で順調に業績を伸ばしている事例は多数あり、こうした企業ではむしろ育休取得や職場復帰支援などにより就業意欲を高め、労働生産性の向上が図られていると報告されています。また、長時間労働や非正規化によって生産性を維持するあり方を見直し、仕事と子育てが両立する雇用環境を生み出すため、より柔軟な発想で企業経営を進め、生産性の高い労働を実現させることに将来の可能性を見出すべきであると考えます。今こそ少子化対策や若者の働き方是正のためにも、仕事と生活の調和を推進する基本法を制定し、国を挙げて企業と国民が一体となって働き方改革を推し進めるべきであると考えます。そこで、知事に伺います。  今回、特殊出生率一・二五と発表がありました。歯どめがかからない出生率低下について、率直な御感想、御意見をお願いします。  次に、先ほどワークライフバランス確保のための基本法制定が必要であると述べました。一つには、所定外労働の抑制、二つ目は、労働時間規制にとらわれない働き方の実現、三点目は、処遇の均衡確保、の三点は避けて通れない喫緊の課題であると思考します。こうしたことを踏まえ、仕事と生活が両立できる働き方の見直しについて知事の見解を求めます。  次に、自閉症、発達障害支援について伺います。昨年四月、発達障害者支援法が成立しました。その目的は、発達障害を早期に発見し、その支援を行うために国及び地方公共団体の責務を明らかにするとともに、発達障害者への学校教育、就労の支援、発達障害者支援センターの指定等について定め、発達障害者の自立及び社会参加に資するようその生活全般にわたる支援を図り、その福祉の増進に寄与することとしています。私たちは、その中でも発達障害者支援センターの重要性を認識しています。本県の発達障害者支援センターは、障害者に対する虐待問題が起きた旧カリタスの家の敷地内にありました。センターには専門家がいたはずなのに、なぜ発見できなかったのでしょうか。私たちは、先日神奈川県の取り組みを視察しました。神奈川県は昨年度、発達障害支援体制推進事業を立ち上げ、発達障害者の実態把握、今後の支援体制のあり方を検討する発達障害者サポートネットワーク推進協議会を設置しました。発達障害支援センターは、県立中井やまゆり園の中に法施行と同時に設置され、さらに相談者の利便性を考え、相模原市内の高相合同庁舎内に相談室を設けています。発達障害者、その家族の相談、療育、就労支援業務が開始され、昨年五百四十件の相談にきめ細かい対応をしています。来年度からは具体的な事業は市町村が行うが、そのサポートとして発達障害支援センターを中心として神奈川県の福祉圏域に十二カ所の相談の拠点を置くことになっています。その機能は、発達障害者だけでなく、障害者福祉全体の相談ができるように対応していきたいとお聞きしました。また、強度行動障害の方が一施設に集中しないように、四施設の連絡調整会議が行われています。さらに、神奈川県には、民生委員や養護教諭、福祉業務を経験した方がつくる市民オンブズマンのネットワークがあり、その方たちが県内十三施設に年六回各施設を訪問し、直接利用者の苦情を聞き、その解決に対応しています。  次に伺ったのは、民間の自閉症児施設の弘済学園でした。入所定員は四十人ですが、ほとんどの子供が児童相談所からの連絡で入所していると伺いました。ヘッドギアをつけて血だらけで入所した子供の症状が、薄皮をはがすように落ち着いていくといいます。実際に施設内を視察しましたが、子供たちの顔には落ち着いた笑顔があり、作業をしたり、体育館を走り回っていました。三島園長は、自閉症の方たちは、社会に適応しにくいと言いますが、この方たちの混乱を整理し、配慮された環境の中ではぐくむと徐々に適応できるようになります。そのためには、専門家を配置し、新任のスタッフには現場で一つ一つ教えることによって人材を育成しています。そして保護者に対しては、施設がどのように取り組んでいるかを説明しています。年間に何度も入所者一人一人の状況を保護者に説明し納得してもらう努力をし、保護者にも協力をいただいています。この施設では苦情は一切ありません、と静かな中に力強く語っておられました。知事に伺います。  まず、本県の発達障害者支援センターの相談実態をお示しください。  次に、法は市町村が支援事業を行うこととしていますが、早期発見、相談、療育、教育、就労と大変高度な専門性や指導性を必要とする事業なだけに、県の役割は大変重要であると思います。県は、市町村に対しどのような支援体制を考えておられるのか具体的にお聞かせください。  また、神奈川県のように福岡県も圏域ごとに支援センターの出先をつくり、きめ細やかな支援体制をとるような考えはないのか伺います。  さらに、自閉症、発達障害者に対する専門家の育成が急務と考えますが、その計画があればお示しください。  次に、本県では、強度行動障害の方々の一極集中を防ぐ対策はどのようになされようとしておりますかお答えください。  最後に、苦情解決体制ですが、神奈川県のように市民オンブズマンのような外部との連携をしていく考えはないか伺いたい。  以上、六点について知事に答弁を求めます。  次に、内部障害者への理解と支援についてお伺いいたします。  内部障害者とは、内臓機能の障害によって身体障害者手帳の交付を受けた人のことであります。心臓や腎臓、呼吸器、さらに膀胱または直腸や小腸機能、ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能の六つの機能障害を持つ方々を総称した内部障害者と言われる方々がおられます。身体障害者の四人に一人を占めているのであります。外見からは障害を持っていることがわかりにくいため、内部障害者に対する社会的理解も立ちおくれているのが現状です。例えば、人工肛門をつけた妹が車いす専用トイレを使ったら、病人に見えないのか、待っていた人にどなられ悲しい思いを体験した。また、二十代から膠原病を患う女性は、バスや電車で立っているのがつらいし、トイレも洋式でないと不都合と。優先席に座ったとき、前のお年寄りににらまれて席を譲ったこともあった。優先席や障害者用トイレでは周りの視線が痛い。さらに、スーパーなどで障害者用の駐車スペースに自動車をとめようとしたところ、警備員に注意されたといった誤解や偏見にさいなまれ、日常的に精神的苦痛を強いられております。これは、車いすマークや優先席マークが高齢者や妊産婦、外見からわかる身体障害者を想定したもので、内部障害者のことを想定したものでないことが原因だと考えられます。こうした現状を打開しようと、内部障害者とその家族たちは一昨年三月、内部障害者、内臓疾患患者の暮らしについて考えるハート・プラスの会を結成。ハートは身体の内部を、プラスは医療を意味するそうであります。この五月に東京で全国大会が開催され、我が会派の田中正勝議員が出席いたしました。そこで知事にお伺いいたします。  一点目は、平成十七年六月議会の一般質問で田中正勝議員が質問しましたハート・プラスマークの啓発について、県としての今までの取り組みと今後の取り組みについて。  二点目は、医学の進歩等により内部障害者の数は年々増加しております。今後、的確な対策を講ずるためにも同障害者の実態を把握することが不可欠と考えるところであります。くしくも、本年度は身体障害児者実態調査の年に当たっています。この調査で内部障害者について、内部障害者の障害者数の動向や発生原因、生活の実態、福祉サービスの実情などの調査について。  三点目は、内部障害者の方々は、障害のある臓器のみに支障があるだけではなく、それに伴って全身状態が不調になる傾向にあります。疲れやすかったり、集中力や根気が長時間継続できなかったりする、できる限り体力の保持に努めるのが同障害者の方々の共通課題となっております。そうした意味で、電動車いすや電動自転車を内部障害者のための福祉機器にしてもらいたいとの強い要望があります。これらの内部障害者に対する補装具について。  以上三点についてお答えください。  次に、本県の医師不足解消について伺います。現在、地方の医療機関で医師不足が深刻になっています。放射線科や麻酔科等で目立ち、特に小児科と産婦人科は、危機的と言っても過言ではありません。本県においても同様で、四地域に分けると大きく地域差があり、特に筑豊地域では医師不足が深刻な問題となっています。平成十六年は、福岡県全体の人口十万人当たりの医師数は二百五十三・二人ですが、筑豊地域になると二百二・二人と低く、中でも歯科医師は、福岡県平均九十二・五人に対して、筑豊地域は七十二・七人、小児科は福岡県平均十三・八人に対して八・四人で、産婦人科は福岡県平均八・七人に対して筑豊は五・七人となっており、筑豊地域はどの診療科を見ても県内の平均を大きく下回っています。こうした医者数の地域間格差を是正するためにも、適正な配置を早急に考えなければなりません。そこで知事に伺います。  まずは、県内における産科など医師不足の実態についてお答えください。  二点目は、県域の医師不足の解消と質の高い医療を供給するために、県内の国立病院機構、総合病院が協力して病院群を形成し、現在大きく不足している専門医を福岡県レジデント制度において積極的に養成してはいかがでしょうか。  三点目は、北海道地域医療振興財団では、代を譲った開業医や定年退職した勤務医を登録する熟練ドクターバンクを設立し、その熟練医師に代診や土日の宿日直を応援してもらうユニークな試みも始まっています。本県も熟練ドクターが過疎地域の医療をサポートするような新たな体制をつくってはいかがでしょうか、お答えください。  四点目は、本県の大学医学部が地域医療の安定のため、受験の際、県内高校出身者を優先する地元枠を設ける仕組みをつくるとか、県内の病院への勤務を条件に医学生や研修医に修学研修資金を貸し付ける事業等も検討してはいかがでしょうか。  医師不足解消の最後の質問ですが、昨年の十二月議会にて、我が党の大城議員より要望された女性医師バンクの創設について伺います。厚生労働省は、子育て中の女性医師を対象として登録し、パートタイムで働きたい場合等本人の希望に沿う医療機関を紹介する女性医師バンク制度をつくることを決めました。女性医師は、出産や育児、介護等で臨床の場を離れるケースが多く、平成十四年の国の調査によると職についていない女性医師は全国で四百九十八人、本県では十五人という数字が出ています。女性医師が仕事と家庭を両立できる環境の整備が、喫緊の課題である医師不足対策の重要なポイントと思います。本県における女性医師バンクの創設とあわせ、女性医師がライフサイクルに応じて働ける環境づくりについて県行政の方策をお聞かせください。  次に、水産行政についてお伺いします。世界的な原油価格の高騰が続く中で、船舶用燃料の高騰から厳しい状況に置かれている漁業経営に関し、その対策について質問します。  原油価格の高騰の原因として、中国やインドの経済成長に伴う原油需要の急増やOPECの余剰生産力の低下、さらには米国のハリケーン被害や中東情勢などの供給面の不安定要因や投機的側面が挙げられています。このことから、原油価格は高値の現行水準が今後ある程度継続することが見込まれています。さまざまな分野への影響が出る中で、漁業分野では燃料費の負担が他産業に比べて大きいことや省エネ対策のおくれが指摘されており、魚価への転嫁もままならないことから、漁業経営への深刻な影響が懸念されています。例えば豊前海の場合、底びき網が主力漁業です。燃料のA重油は一そうが平均して一日当たり七十リッターから八十リッターを使用しているようです。平成十六年四月期に一リットル四十五円であったものが、ことしの四月期には一リットル七十円まで高騰しています。現状として燃料費の負担が水揚げの三分の一を占めており、これでは漁業として採算はとれないと地元漁協は言います。今までは重油の価格は灯油との絡みがあり夏場は安くなっていましたが、現在はこのような現象はなく、夏場の漁業が主力の豊前海では影響は深刻です。玄界灘のアジ、サバを対象とした沖ノ島沖のまき網漁業は一回の操業で船団として一千リットルから一千二百リットルの軽油を消費するとのこと。また、最盛期を迎えるイカ釣り漁は、一そうが一日当たり約三百リットルの軽油を消費するようです。免税軽油とはいえ恒常的な燃料の高騰は、このままでは事業収支は赤字ではないかといいます。県内漁業にあって、後継の就業者の一定確保もされている玄界水域でも燃料高騰による影響は深刻だと思います。そこで、一例を挙げさせていただきましたが、県内の地域は問わず漁業従事者の暮らしは大変に厳しい状況が予測されますが、現状に対する県の認識をお示しいただき、原油価格高騰にかかわる漁業コストの増大に対応して、漁家経営の安定化を図るためどのような施策を展開されていくのか、知事の見解をお示しください。  次に、公共工事の入札への総合評価方式の導入について伺います。総合評価は、工事の価格に加えて、業者から施工計画を中心とした技術提案をもらって点数化、品質を含めて評価し落札者を決めるものです。平成十七年四月に施行された公共工事の品質確保の促進に関する法律で積極的な活用がうたわれています。さらに、政府はことし二月、相次いだ官制談合事件を背景に、関係省庁連絡会議で総合評価方式の導入目標を各省庁が設定し、拡大することを決定しました。国土交通省は、平成十八年度発注工事に占める割合を金額ベースで前年度から倍増させ、八割とすることを目標に決めています。ところが、自治体での総合評価方式の導入はおくれているのが実態とのことです。そこで、まず本県が発注している公共工事について総合評価方式を採用した実績はあるのか。また、県内の市町村の公共工事についての実績はどうか伺います。実績があるとしたら、どの程度あるのかもお示しください。  さらに、今後総合評価方式を導入する予定はあるのかについて伺います。  国土交通省は、自治体で総合評価方式の取り組みがおくれている理由について、総合評価は作業の手間がかかることと業者提案の内容を評価できる技術者を置いていないことが要因と分析しておりますが、総合評価方式を導入するに当たり、本県にはどのような障害があるのか伺います。  先日、私たちはコンクリートの品質向上のために単位水量を管理するコンピューターソフトを開発した研究者に会い、説明を受けました。研究者の話によりますと、近年コンクリートに関する事故や問題が表面化しており、乾燥収縮や温度ひび割れ、アルカリ骨材反応などでコンクリートの耐久性、品質が劣化していることが指摘されています。これらの要因は、適正な単位水量が守られていないことから起こっており、コンクリート構造物の品質向上へは、コンクリートの単位水量の管理が重要になってきます。ところが、現場では単位水量測定に誤差が生じやすく、測定時間や費用などにも問題が多い方法がとられているのが現状だとのことです。そこで、この研究者は的確な単位水量を安価で安易に測定できる方法を開発したわけです。総合評価方式は、例えばこうした技術を持った業者が公共工事に参入する際、価格にプラスして高い評価点を与え、入札に有利に働くわけです。こうすることによる利点は、不適格業者の参入によるいわゆるダンピング受注の発生や不良工事の発生などを抑制するとともに、一つ目、工事品質の確保や向上が図られる、二つ目、長寿命化、維持修繕費の縮減などによるコストの縮減、三つ目、交通渋滞対策、環境対策の推進などが図られることです。業者の側もより高い技術力を身につけることができるとともに、適正な入札価格が確保できるなどのメリットがあると思います。そこで、今後県が総合評価方式を導入する際、どの部署がどのような手順で技術提案を評価するようになるのかお示しください。  総合評価方式は、本来談合防止の目的もありますが、運用の仕方によってはかえって恣意的に働く懸念があるのではないかと思いますが、その点はどのように考えているのか伺います。  最後に、県内市町村に対し、総合評価方式の導入を図るべきだと考えますが、県としてはこの点どのように推進していかれるのかお伺いし、この項の質問を終わります。  次に、不登校児童生徒の対策について教育長にお尋ねします。文部科学省のいわゆる不登校児童及び生徒の定義は、「何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因、背景により、登校しないあるいはしたくとも出来ない状況にあるために年間三十日以上欠席した者のうち、病気や経済的理由によるものを除いた者」であります。このような不登校児童生徒に対し、本県においても教育相談、適応指導教室の開設、中学校のスクールカウンセラー完全配置などの施策が講じられていることは承知していますが、最近の本県における不登校児童生徒数の実態、全国平均と比較して発生率、傾向をお示しください。  さて、我が会派は先月、不登校児童生徒対策に先進的な取り組みを行っている東京都八王子市の市立高尾山学園を視察しました。八王子市は、平成十五年度中学校で四百八十一人、発生率三・六四%、小学校で百三十四人、発生率〇・四六%と全国平均の発生率を上回っていたそうです。このような状況を踏まえ、特徴的な取り組みとして、適応指導教室のほかに相談学級の設置があります。これは、東京都教育委員会の認可を受けた中学生だけを対象とする通級制の学級であります。正規の教員二名のほかに必要な各教科の非常勤講師が配置されています。さらに二年前には、教育の機会を与えるさらなる支援策として、不登校児童生徒のための体験型学校いわゆる公立のフリースクールを、学校統廃合により廃校となった小学校校舎に開設しています。学校名は、八王子市立高尾山学園小学部、中学部です。ここに通う児童生徒は、従来の通級とは異なり高尾山学園に学籍を有し、児童生徒の特性を考慮した学習要領によらない柔軟な教育課程を編成することができ、適切な学習支援により生きることへの自信と社会的自立を獲得することをねらいとして、独自の教育活動を展開しています。その主な内容を何点か申し上げます。  一、授業は、ティームティーチング形式、科目によっては、もう一人スタッフがつくそうです。二、毎週火、木曜日の午後は、体験講座の実施、外部からも講師を招き文化、スポーツの多岐にわたる十二の講座があり、生徒は好きなものを選択できる。三、プレールームに市の児童厚生員を配置し、子供の遊びの指導を行う。四、スクールカウンセラー二人が常駐している。五、各学年の教員と管理職、養護教諭、スクールカウンセラー、スタッフから成る登校委員会を設置し、欠席ぎみな生徒に個別に方策を練り実行する。以上のような特色ある教育施策を講じながら、初年度四十一名の卒業者を出し、二年目には五十名の卒業生を送り出しています。九割の生徒が高校進学等をかち取っており、大きな成果だと評価できます。そこでお尋ねします。  適応指導教室は、不登校対策に十分な役割を果たしているか、また設置の現状は、県教委から見て適切な設置状況なのかお答えください。  次に、東京都の取り組みとして相談学級がありますが、本県においても事業化する必要があると考えるが、教育長のお考えをお聞かせください。  次に、八王子市は、教育特区として施設整備を行い、指導要領も弾力的に運用していますが、現在は特区でなくても指導要領に関しては、弾力的に運用できると聞きましたが、本県においてそのような取り組みを行っている小中学校はありますか。  最後に、不登校児童生徒への特効薬がない中で、やはり一番大事なことは、予防だと考えます。高尾山学園の登校委員会の取り組みは、大変に参考になると思います。通常の小中学校で、このような取り組みを始め、不登校児童生徒にしないとの強い信念で臨み、一人一人を細やかにサポートできる態勢をぜひ校内でつくるべきであると考えます。現状の取り組みと今後の具体的な施策をお聞きしてこの項の質問を終わります。  次に、本年六月一日より改正道路交通法が施行されました。以下、何点か警察本部長にお尋ねいたします。  私自身の反省を込めて申し上げますが、ちょっとの間だけだからと軽い気持ちで車をとめる、つい犯しがちな違法駐車であります。その車が交通渋滞の原因となったり、救急車や消防車など緊急車両の通行を妨げたり、またその車が死角となって事故に巻き込まれるケースなど、多くの問題を引き起こしていると言われています。しかし、違法駐車を取り締まる警察は、近年の治安の悪化を受けて街頭パトロールなどの対応に人員を割かざるを得なくなり、その結果全国的には放置駐車違反の取り締まり件数は、一九九五年の二百四十万件から二〇〇五年の約百五十一万件へと年々低下。逆に、違法駐車に絡む苦情、相談の一一〇番通報は九五年の約三十万件から二〇〇五年の約六十六万件へと増加の一途をたどっています。一方、取り締まりの制度上の問題点もありました。駐車違反は、これまで車の運転者にしか責任を問えなかったため、車の持ち主が、自分は運転していない、だれが運転していたかわからない、などと主張し、結果として反則金の納付を逃れる事例もあり、また従来の取り締まりには、違法運転者の特定、呼び出し、検挙に多くの労力が必要で、出頭しなかった違反者には対応し切れず、結果的に逃げ得という不公平な状態を許す結果となっていました。こうした問題点を踏まえ、改正道路交通法では、違法駐車の取り締まり方法について、一点目、駐車違反の取り締まり事務を民間に委託する、二点目、放置車両を確認したら即刻違反ステッカーを張る、三点目、放置車両の使用者責任を拡充、などが盛り込まれたものです。駐車違反の取り締まりを民間に委託することについては、事前にマスコミなどで大きく取り上げられたため、県民の注目が集まっていますが、この民間委託は、県内全域で行うのではなく、四十警察署のうち四警察署、警察署の管内でも、地域を限定しています。数を限定した理由は何か。また、中央署、博多署、早良署、小倉北署の四署を対象にした理由をお聞かせください。  また、これまで違反車両の確認には警察官がまずチョークで印をつけ、二度目のチェック時も放置し続けていた場合に取り締まっていましたが、今回の改正道交法では、たとえ短時間駐車であっても駐車違反のステッカーを張られることになります。業務の性格上、路上駐車することの多い運送業者などでは、助手をつけて運転手の不在時間をなくしたり、あるいは少し距離があっても有料駐車場を利用するなど、最近の燃料高に加えてさらなるコストアップにつながり、この厳格な取り締まりによって深刻な影響を受けています。さらに、運送業者以外でも、飲食店の出前、食料品店や日常生活品の配達サービス、介護関連の車両などさまざまな業種に影響を与えています。私どもは、駐車違反の車両を厳しく取り締まることについては是としますが、先ほど述べたような、業務上やむを得ない場合は何らかの配慮をすべきだと思いますが、考えをお示しください。  また、改正道路交通法が施行されてそれほど日数がたっていませんが、施行前、施行後の変化など、どのような効果が上がっているのかお答えください。  最後に、その他県政一般について質問いたします。  身近に潜む孤独死及び孤立死の課題について伺います。過日、北九州市の門司公営住宅にて、死亡発見おくれが四月以降三件立て続けに発生し、再発防止がままならない地域福祉の現状が浮き彫りになりました。高齢化社会の中でお年寄りを取り巻く状況は決して楽観できるものではありません。老いを社会のお荷物と受けとめるような風潮が私たちの意識の中にあるのではないでしょうか。今後も高齢化が急速に進むことが予想されており、こうした傾向がますます強まるものと考えられます。特に、都市部の地域において地域と距離を置く世帯や困窮した家庭、そしてひとり暮らしの老人等社会的な援護を要する人々に対して、もっと密接な関係を築けるような、日常的に安心して暮らせる態勢づくりとか、地域で支え合うシステムを福祉行政と地域全体が考えていかなければならないと思います。知事の見解と具体的な方策をお聞かせください。  以上で、代表質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) 16 ◯副議長(北原 守君) 麻生知事。 *知事答弁 17 ◯知事(麻生 渡君)登壇 まず第一点は、市町村合併の進め方についてでございます。構想対象市町村を特定いたしました。これにつきましては、合併の実現に向けて全力を挙げて取り組むということをいたします。これ以外の地域につきましても、助言あるいは情報提供などを行いまして、それぞれの地区の合併機運の醸成を図ってまいります。その熟度によりまして、合併構想に位置づけをしてまいりたいと考えております。このような作業に当たりましては、私みずから直接地域に赴くことも含めまして、庁を挙げまして合併の推進を図ってまいる考えでございます。勧告権につきましては、合併がうまくいきますように、地元の意見も聞きながら効果的に活用してまいる考えであります。  道州制についてでございますけれども、これは国と地方の関係を整理をいたしまして新しい両者の関係を再構築する、それに対応いたしまして国から地方への権限あるいは財源を移譲するというものであります。これは地方分権を抜本的に進めるという意味からは、非常に有効な手段であり得るというふうに考えております。また、このような道州制の導入によりまして、日本各地域、複数の地域にそれぞれの地域が新しい社会をつくっていく、これについての方策を考え、創造していく、そのような創造力拠点が形成されるということでございまして、今後多様な政策、制度が日本の中で行われていくという意味からでも有効であろうと考えております。今後は、道州制の具体的な中身をできるだけ明確にしていく、そしてこれを行った場合にどんなメリットなり利点があるかということを明らかにしていく必要があります。このようなことをもとにいたしまして、広く国民の理解、広範な支持を得ていくということをしていかなければいけないと考えております。  道州制についての具体的な取り組みについてでございますが、九州知事会と経済界は一体となりまして九州地域戦略会議を設けております。ここで道州制について、共同の研究を行っているわけでございます。この道州制によりまして、九州がどのように変わっていくのか、これを住民の皆さんにわかりやすく提示する、その意味での道州制の必要性論を中心に議論を進めておりまして、ことしの十月にはこれの取りまとめを行う予定でございます。  並行いたしまして、九州知事会におきましても研究を進めておりますが、こちらでは九州の共通の課題について協力、連携して実施をしていく政策連合という考え方をとっております。これを具体的に進めていこうということでございます。これまでは、産業廃棄物とか観光とかそういうことで行ってまいっておりますが、さらに幅広い分野でこれを導入をしていこう、そして九州としての一体感を高め、一体的な共通の利益をつくり上げていこうということでございます。  少子化の問題についてでございます。合計特殊出生率というあの率が、また大きく低下をいたしました。少子化は、急激なスピードで進行しているわけでございまして、このスピードの速さ、そして私どもが当面している問題の厳しさを実感をしております。このような少子化の進展は、改めて申し上げるまでもないことでありますけれども、我が国の経済とか社会のあり方に深刻な影響をもたらすものであります。少子化を何とかとめなければいけないということで、知事会の方でも次世代育成支援対策に関する提言の包括的な実現の働きかけを国に行っております。県の方でも、多様な保育サービスあるいは子育て応援の店を新たにつくる、このようなことを行いまして、社会全体として子育てを応援する、大切である、このような機運をつくり、定着をさせていくということが政策、制度の問題と並行しまして非常に重要であり、その対策の充実に努めてまいります。  仕事と生活が両立できるような、我々は社会をつくらなければいけないという点についての御質問でございます。これは、まさに今後私どもの社会を考えます場合に最も重要な点の一つであります。これが実現をいたしますためには、労働時間の弾力化あるいは就業形態の多様化、処遇の公平、あるいはいろんな育児制度の充実等々、制度あるいは社会システムの変革を行っていく必要がございます。このような制度づくりという点では、ずっと進んできております。ただ、制度ができるということと実際に使われて効果を発揮するということの間には大きな差があるわけでございまして、効果を発揮し、制度が使われますためには、企業の意識改革、特に経営者の意識の改革を図る必要がございます。このような考え方のもとに、県の方では子育て応援宣言企業の取り組みを進めております。現在、応援企業は二百六十社を超えておりまして、この増加スピードはこのところずっとふえておりますし、大企業にもこれが及んできておるということであります。このような成果が着実に上がりまして、社会、特に企業社会の考え方の変革が行われますように進めてまいる考えでございます。  発達障害者支援センターの相談の実態についてでございます。本県の場合、平成十五年十二月に支援センターを開設をいたしました。自閉症、学習障害などの発達障害者に対する相談を積極的に受け付けております。十七年度の実績でございますが、相談件数は延べで約九百件でございます。その主な内容でありますけれども、家庭における子供たちへの接し方や学校でのトラブル、これをどういうふうに考え、対処したらいいか、このようなことでございました。  市町村に対する県の支援体制についてでありますが、発達障害者支援センターにおきましては、市町村の職員の資質の向上を図りますための研修を実施をいたしております。また、発達障害特有の性格あるいは対処の方法、こういう点につきましてもマニュアルを作成し、市町村へ配付するというようなことを行っております。これによりまして市町村の能力を高め、また市町村における効果的な支援が行われ得るような条件の整備に努めているわけでございます。  圏域ごとの支援センターの設置の問題についてでございますが、これは関係機関、学識経験者、当事者団体などを構成員といたしました検討委員会を設けまして本年三月から活動を開始いたしております。今後は、このような支援センターの体制充実、そしてそのための専門的人材の育成について具体的に検討してまいる考えでございます。  強度行動障害者の皆さんを一カ所の方に集中して預かる、これをもう少し分散した方がいいということについてでございます。県の方では、各施設におきまして強度行動障害者の受け入れが可能となりますように、施設職員を対象にいたしまして、専門知識や技術の習得を目的とした研修会を開催をいたしております。こういうことを通じまして、多くの施設で受け入れが可能になるような条件を整えていきたいと考えております。  苦情の処理体制についてでございます。県の方では、障害施設に対しまして、第三者が加わりました苦情解決体制の整備をした上で福祉サービスに関する苦情解決に対応するように指導をしてまいりました。また、社会福祉法に基づきまして県の社会福祉協議会に設置をされております運営の適正化委員会におきまして苦情の解決に当たっております。今後ともこのような点を利用者の皆さんに一層周知をしてまいる考えであります。  ハート・プラスマークの啓発の状況についてであります。このマークにつきましては、他の障害に関するマークとあわせまして四月から県のホームページに掲載をいたしました。その普及を図っているところでございます。また、今後障害者団体の機関紙への掲載を依頼するなどその啓発に努めてまいる考えでございます。  内部障害者の実態の把握の問題についてであります。本年は、五年ごとに全国一斉に行われます実態調査の年に当たります。内部障害者につきましても、この調査の一環といたしまして障害の発生原因別、疾患別状況、また外出や社会活動などの状況、在宅サービスの利用状況などについての調査を行う考えでございます。  内部障害者の皆さんに対する補装具の支給の問題についてでございます。身体障害者の皆さんへの支給補装具につきましては、国の告示によって定められております。電動車いすの内部障害者の皆さんに対する支給につきましては、その障害の程度や日常生活上の活動制限の状況により要否が決定される仕組みになっております。また、電動自転車につきましては、現在国の方でその支給について検討されることとなっております。  県内の医師不足の実態についてでございます。平成十六年度の調査結果によりますと、本県の人口十万人当たりの医師の状況は、ほとんどの診療科におきまして全国の平均を上回っております。ただ、平成六年と比較をいたしますと、産婦人科医では減少しております。また、分娩の取り扱いをやめた病院が幾つか生じているというような状況でございます。  医師不足の解消をするための取り組みについてでありますが、地域や診療科目におきます医師の偏在を解消しなければいけない、このため御提案にありましたような熟練ドクターバンクなどの取り組みにつきましては、医師会、大学病院長などを主なメンバーといたします医療対策協議会に提起をいたしまして、本県の実態に即した検討をしてまいりたいと考えております。  女性医師バンクの問題についてであります。最近は、医師の国家試験の合格者の三人に一人が女性でございます。また、国の臨床研修に関する調査の中間報告によりますと、産婦人科希望者の七割が女性になっております。このようなことでございまして、女性の医師が急増し、また特に対応が必要であるという産婦人科の分野では非常に多いという状況でございます。しかし、女性の医師がみずからの出産、育児を行いながら働くことのできる環境整備という点につきましては、これは多くの改善が必要であるというふうに考えられております。したがいまして、女性の医師の増加に対応したような形でこの課題を重要なものと認識しまして、今後関係者の意見をよく聞いて、必要な方策を検討してまいりたいと考えております。  漁業経営の問題についてでございます。漁業におきまして燃料の高騰は深刻な経営問題となっております。燃料油のコストの増大は、根本の原油価格の上昇ということが当面鎮静化できないという現状でございまして、このコスト増大に見合う収入の増加を図るという方策を考えていかなければいけません。このために、県の方では適切な資源管理による持続的な生産、水産物のブランド化によりまして単価を上げていく、これをさらに推進をいたしましてコスト上昇の影響を受けにくい強い漁業経営の実現に努めてまいる考えであります。  公共事業についてであります。総合評価方式でございますが、これは公共工事の品質確保の促進に関する法律の規定がございまして、これに基づきまして昨年の八月に基本方針が決定されました。これによりまして、総合評価方式に関する具体的な考え方が示されたわけであります。今市町村を含めまして実績はありませんけれども、県ではこの基本方針を受けて本年度試行に向けた準備を進めております。本方式の導入に当たりましては、手続の長期化とかあるいは市町村の実施体制の整備といった課題がありますが、できる限り円滑な運用が図られますようこれらの課題についての検討を進めてまいる考えであります。  技術提案の評価をどういうふうにしていくかということについてでございます。総合評価方式におきましては、それぞれの会社から提出されました技術提案、これが非常に重要でございまして、これの評価をしなければいけない。この評価につきましては、学識経験者などで構成をします第三者機関において行うこととなります。このような第三者機関方式をとることによりまして恣意性を排した公正な評価を行う、このように持っていかなければいけないと考えております。  県内の市町村への導入についてでありますけれども、このいわゆる品確法の市町村への展開と適正な運用を図る、このためにこれまで市町村長を対象といたしました説明会を行い、また総合評価方式とはどのようなものであるかということについての理解も求めてきております。さらに、国、県、市町村で構成をいたします協議会を昨年十二月に設置をいたしました。この中で、市町村が総合評価方式を実際に導入していくための支援体制について協議をしているわけでございます。  最後に、孤独死についてでございますが、これは大変痛ましいことでございまして、これをなくすということは地域社会全体の課題でございます。これまで高齢者の皆さんが孤立をしてしまうということを何とか避けようということでございまして、民生委員とか老人クラブの会員の皆さんがそれぞれ訪問活動を行う、市町村におきましても配食サービスのときにその安否を確認する、あるいは緊急の通報の体制の整備などの取り組みを行っております。今後も市町村がそれぞれの自治会とかボランティア団体とも協力をいたしまして、それぞれの地域におきましてこのような孤立化、孤独死ということを避けていく、皆さんが心を合わせて安心して暮らせる地域社会づくり、これを進めなければいけないわけでございまして、このような活動を担いますそれぞれの地域の協力と人材の育成、啓発、これに努めてまいる考えでございます。 18 ◯副議長(北原 守君) 森山教育長。 *教育長答弁 19 ◯教育長(森山 良一君)登壇 まず、本県の不登校の実態等についてでございます。平成十六年度におきます県内の小中学校の不登校の児童生徒数は、小学校が七百三十五人、中学校が三千九百四十四人で合計四千六百七十九人となっておりまして、平成十三年度をピークに三年連続減少をいたしておりまして、全国とほぼ同様の傾向となっております。また、本県の全児童生徒数に対します不登校児童生徒数の割合は、この三年間減少する傾向にございまして、平成十六年度は小学校が〇・二五%、中学校が二・六五%であります。なお、これらの割合は全国平均の小学校〇・三二%、中学校二・七三%と比べまして小中学校とも下回っている状況にございます。  次に、適応指導教室の設置状況等についてでございます。不登校児童生徒の学校復帰を支援するために、学校に来ることができない者につきましては地域の適応指導教室で受け入れをいたしまして、また登校はできても教室に入れない者につきましては、校内の適応指導教室で対応をいたしております。地域の適応指導教室は、現在県下三十二カ所に開設をされまして、四十の市町村で受け入れを図っております。平成十六年度は、不登校児童生徒の約一三%が通級をいたしまして、うち約三割が学校に復帰をいたしまして一定の成果を上げておるところでございます。また、校内の適応指導教室は、小学校で約半数、中学校で約八割が常設または必要に応じて設置をいたしておりまして、校内での対応が進みつつあります。今後とも、これらの適応指導教室の充実、促進に努めてまいりたいと考えております。  次に、相談学級に対する見解についてでございます。東京都調布市におきましては、市内の中学校の不登校生徒が通える学級を相談学級という名称で、市内の小学校の中に開設をいたしまして、そこに配置しております中学校の教員が各教科等の学習指導を行っておるところでございます。この学級には、平成十八年現在十三名の生徒が通級をいたしておりまして、生徒一人一人の実態に応じた対応を図っている点で意義のある取り組みであると考えております。本県の適応指導教室及び校内適応指導教室はこの相談学級と同様の役割を果たしておりまして、今後とも不登校児童生徒一人一人へのきめ細かな対応を図るため、その充実に努めていきたいと考えております。  次に、不登校児童生徒に対する学習指導要領の弾力的運用についてでございます。本県におきましては、文部科学大臣の指定を受けて特別の教育課程を編成しておるという学校はありませんけれども、現在適応指導教室におきましては児童生徒一人一人に応じたきめ細かな教育活動が行われておりまして、主に不登校のための学習のおくれを取り戻すための各教科等の補充的学習とか、社会性や豊かな心をはぐくむための体験学習など特別の教育計画に基づいて学習指導が行われております。この適応指導教室に通級しておる不登校児童生徒につきましては、出席扱いをすることができるようになっておりまして、実質的に学習指導要領の弾力的運用が図られておるところでございます。  最後に、校内サポート体制の整備についてでございます。不登校の未然防止や早期対応を図りますためには、何よりも魅力ある学校づくりが大切であるとともに、校内不登校対策委員会などの学校全体での組織的、継続的な取り組みの充実が必要でございます。本県におきましては、各学校では不登校児童生徒と最も信頼関係が深い教師を中心にチームで支援をするマン・ツー・マン方式とか臨床心理士などの教育相談の専門家であるスクールカウンセラーの活用などを図りまして、早期対応に努めておるところでございます。また、長期にわたります不登校児童生徒には、民生委員などを訪問指導員として派遣するなどの取り組みを進めておりまして、今後ともこのようなきめ細かな取り組みの充実を図っていきたいと考えております。 20 ◯副議長(北原 守君) 殿川警察本部長。 *警察本部長答弁 21 ◯警察本部長(殿川 一郎君)登壇 道路交通法の改正に伴う違法駐車対策についてお答えいたします。今回の駐車対策は、議員御指摘のとおり、違法駐車により交通渋滞や交通事故が生じていることから、これらを解消して良好な駐車秩序をつくることにあります。  まず、民間委託を行う警察署については、違法駐車により交通の安全と円滑に支障を来している地域で、駐車関連一一〇番の受理件数、交通事故の発生状況等を考慮して選定しております。平成十八年度は、福岡市内の中央警察署、博多警察署、早良警察署及び北九州市内の小倉北警察署の四警察署としたところであります。これら四警察署においては、違法駐車により円滑な交通に特に支障を及ぼしている区域を指定し、駐車監視員を活動させております。  次に、物流関係業者及び介護関連車両などへの対応についてであります。今回の駐車対策の運用に当たっては、物流関係業者等の要望などを踏まえた駐車規制の見直しを行い、特に都市部においては貨物専用パーキングメーターの増設、貨物自動車を対象とした時間帯の駐車規制解除などを行ったところであります。今後とも、必要な見直しを行うとともに、駐車場や荷さばき場所の確保など駐車環境の整備を働きかけていくこととしております。  なお、水道、ガス、電気工事及び介護関連などの公益性の高い業務に従事する車両や歩行困難な、身体に障害がある方が使用する車両などにつきましては、これまで同様駐車許可証の交付や駐車禁止規制からの除外を行っているところであります。  最後に、新制度施行による効果でありますが、施行前に比べ違法駐車が減少し、交通渋滞が緩和されるなどの効果があらわれております。県警察といたしましては、県民の皆様の御理解と御協力を得ながら新制度の効果的な運用に努め、良好な駐車秩序の確立を図ってまいる所存でございます。 22 ◯副議長(北原 守君) 上岡孝生君。 23 ◯三十八番(上岡 孝生君)登壇 知事、それから教育長、県警本部長、御答弁をいただきました。ありがとうございました。  要望でございますが、道路交通法改正について警察本部長から答弁いただきましたけれども、運送業者などへの対応について、都市部では貨物専用パーキングメーターの増設や貨物自動車を対象とした時間帯の駐車規制の解除など行ったとのことであり、配慮に感謝を申し上げます。しかし、今回の法改正の適用範囲は都心部だけではなく県下全域に及ぶわけであります。都心部ではない県下各地で黙々と働いておられるいわゆる中小零細の業者や商店などからは悲鳴にも似た声が上がってきております。今回の法改正の影響は深刻なものがあります。法施行後、時間が経過していない今多くを言いませんが、国との協議も含めて全体的な視野に立っての対応を望むものでございます。  最後になりますが、話はちょっと変わりますけれども、日本の人気スポーツと言えば野球とサッカー、それと大相撲というふうに挙げられます。早速今夜はサッカーのワールドカップで日本はオーストラリアと対戦をいたします。日本の勝利を確信いたしまして代表質問すべて終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手) 24 ◯副議長(北原 守君) 本日の代表質問はこれまでとし、残余は明日取り進めることにいたします。  本日はこれをもって散会いたします。           午 後 二 時 四十七分  散 会
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