高知県議会 > 2012-12-27 >
12月27日-05号

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  1. 高知県議会 2012-12-27
    12月27日-05号


    取得元: 高知県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-16
    平成24年 12月 定例会(第320回)        平成24年12月27日(木曜日) 開議第5日---------------------------------------出席議員       1番  金子繁昌君       2番  加藤 漠君       3番  川井喜久博君       4番  坂本孝幸君       5番  西内 健君       6番  西内隆純君       7番  弘田兼一君       8番  明神健夫君       9番  依光晃一郎君       10番  梶原大介君       11番  桑名龍吾君       12番  佐竹紀夫君       13番  中西 哲君       14番  三石文隆君       15番  森田英二君       16番  武石利彦君       17番  浜田英宏君       18番  樋口秀洋君       19番  溝渕健夫君       20番  土森正典君       21番  西森潮三君       22番  西岡寅八郎君       24番  ふぁーまー土居君       25番  横山浩一君       26番  上田周五君       27番  中内桂郎君       28番  西森雅和君       29番  黒岩正好君       30番  池脇純一君       31番  高橋 徹君       33番  坂本茂雄君       34番  田村輝雄君       35番  岡本和也君       36番  中根佐知君       37番  吉良富彦君       38番  米田 稔君       39番  塚地佐智君欠席議員       なし---------------------------------------説明のため出席した者  知事       尾崎正直君  副知事      岩城孝章君  総務部長     小谷 敦君  危機管理部長   高松清之君  健康政策部長   入福聖一君  地域福祉部長   小田切泰禎君  文化生活部長   大崎富夫君  産業振興           中澤一眞君  推進部長  理事(中山間対           金谷正文君  策・運輸担当)  商工労働部長   原田 悟君  観光振興部長   久保博道君  農業振興部長   杉本雅敏君  林業振興・           田村壮児君  環境部長  水産振興部長   東 好男君  土木部長     奥谷 正君  会計管理者    吉田眞里君  公営企業局長   安岡俊作君  教育委員長    小島一久君  教育長      中澤卓史君  人事委員長    山本俊二郎君  人事委員会           隅田 明君  事務局長  公安委員長    山崎實樹助君  警察本部長    加藤晃久君  代表監査委員   朝日満夫君  監査委員           久保博孝君  事務局長---------------------------------------事務局職員出席者  事務局長     浜口真人君  事務局次長    森下幸彦君  議事課長     橋田博之君  政務調査課長   池本佐一君  議事課長補佐   山名正純君  主任       森沢 麻君---------------------------------------議事日程(第5号)   平成24年12月27日午前10時開議第1 第1号 平成24年度高知県一般会計補正予算 第2号 平成24年度高知県給与等集中管理特別会計補正予算 第3号 平成24年度高知県流域下水道事業特別会計補正予算 第4号 平成24年度高知県電気事業会計補正予算 第5号 平成24年度高知県工業用水道事業会計補正予算 第6号 平成24年度高知県病院事業会計補正予算 第7号 高知県新型インフルエンザ等対策本部条例議案 第8号 高知県病院等の人員及び施設に関する基準等を定める条例議案 第9号 高知県軽費老人ホームの設備及び運営に関する基準を定める条例議案 第10号 高知県養護老人ホームの設備及び運営に関する基準を定める条例議案 第11号 高知県特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準を定める条例議案 第12号 高知県指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例議案 第13号 高知県指定介護予防サービス等の事業の人員、設備及び運営等に関する基準等を定める条例議案 第14号 高知県指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例議案 第15号 高知県介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準を定める条例議案 第16号 高知県指定介護療養型医療施設の人員、設備及び運営に関する基準を定める条例議案 第17号 高知県指定障害児通所支援事業者等が行う障害児通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例議案 第18号 高知県指定障害児入所施設等の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例議案 第19号 高知県指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例議案 第20号 高知県指定障害者支援施設の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例議案 第21号 高知県障害福祉サービス事業の設備及び運営に関する基準を定める条例議案 第22号 高知県地域活動支援センターの設備及び運営に関する基準を定める条例議案 第23号 高知県福祉ホームの設備及び運営に関する基準を定める条例議案 第24号 高知県障害者支援施設の設備及び運営に関する基準を定める条例議案 第25号 高知県児童福祉施設の設備及び運営に関する基準を定める条例議案 第26号 高知県保護施設の設備及び運営に関する基準を定める条例議案 第27号 高知県婦人保護施設の設備及び運営に関する基準を定める条例議案 第28号 職員の給与に関する条例の一部を改正する条例議案 第29号 出頭者、鑑定人等の報酬、費用弁償等に関する条例の一部を改正する条例議案 第30号 高知県税条例の一部を改正する条例議案 第31号 高知県防災会議条例及び高知県災害対策本部条例の一部を改正する条例議案 第32号 高知県国民健康保険調整交付金条例の一部を改正する条例議案 第33号 高知県手数料徴収条例の一部を改正する等の条例議案 第34号 公立学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例議案 第35号 高知県認定こども園条例の一部を改正する条例議案 第36号 高知県高等学校等奨学金の貸与に関する条例の一部を改正する条例議案 第37号 平成25年度当せん金付証票の発売総額に関する議案 第38号 宇佐漁港プレジャーボート等保管施設の指定管理者の指定に関する議案 第39号 高知県立高知公園の指定管理者の指定に関する議案 第40号 高知県立埋蔵文化財センターの指定管理者の指定に関する議案 第41号 高知県立弓道場の指定管理者の指定に関する議案 第42号 国道439号活力創出基盤整備総合交付金(東石原トンネル)工事請負契約の一部を変更する契約の締結に関する議案 議発第1号 高知県子ども条例議案 請第2号 独占禁止法に違反した建設業者37社に対する指名停止処分の短縮等を求める請願について 請第3-1号 すべての子どもにゆきとどいた教育をすすめるための請願について 請第3-2号 すべての子どもにゆきとどいた教育をすすめるための請願について 請第4号 教育費負担の公私間格差をなくし、子どもたちにゆきとどいた教育を求める私学助成の請願について第2 議発第2号 高知県議会会議規則の一部を改正する規則議案 議発第3号 高知県議会委員会条例の一部を改正する条例議案第3 議発第4号 高知県政務調査費の交付に関する条例の一部を改正する条例議案第4 第45号 職員の退職手当に関する条例等の一部を改正する条例議案追加 議発第5号 患者数が特に少ない希少疾病用医薬品(ウルトラ・オーファンドラッグ)の開発促進・支援のための法整備等を求める意見書議案 議発第6号 次代を担う若者世代支援策を求める意見書議案 議発第7号 NOSAI団体の業務運営に係る国の事務費負担金の拡充を求める意見書議案 議発第8号 地球温暖化対策を推進するための森林整備等に係る財源の確保を求める意見書議案 議発第9号 メタンハイドレートの実用化を求める意見書議案 議発第10号 じん肺・アスベスト被害根絶を求める意見書議案追加 議発第11号 国民の意思を正確に反映する選挙制度の抜本的改革を求める意見書議案 議発第12号 地方の意見を尊重した衆議院選挙制度改革を求める意見書議案追加 継続審査の件---------------------------------------   午前10時開議 ○議長(武石利彦君) これより本日の会議を開きます。--------------------------------------- △諸般の報告 ○議長(武石利彦君) 御報告いたします。 各常任委員会から審査結果の報告があり、一覧表としてお手元にお配りいたしてありますので御了承願います。 次に、南海地震対策再検討特別委員長からこれまでの調査についての中間報告書が提出され、お手元にお配りいたしてありますので御了承願います。   〔委員会審査結果一覧表 巻末337ページに掲載    南海地震対策再検討特別委員会中間報告書 巻末に掲載〕--------------------------------------- △委員長報告 ○議長(武石利彦君) これより日程に入ります。 日程第1、第1号から第42号まで及び議発第1号並びに請第3-1号から請第4号まで並びに継続審査に付されている請願、以上47件の議案並びに請願を一括議題といたします。 これより常任委員長の報告を求めます。 文化厚生委員長樋口秀洋君。   (文化厚生委員長樋口秀洋君登壇) ◆文化厚生委員長(樋口秀洋君) 文化厚生委員会が付託を受けた案件について、その審査の経過並びに結果を御報告いたします。 当委員会は、執行部関係者の出席を求め、慎重に審査いたしました結果、第1号議案、第4号議案から第27号議案まで、第31号議案、第32号議案、以上27件については全会一致をもって、また、議発第1号議案については賛成多数をもって、いずれも可決すべきものと決しました。 次に、請願について申し上げます。 請第3-2号「すべての子どもにゆきとどいた教育をすすめるための請願について」及び請第4号「教育費負担の公私間格差をなくし、子どもたちにゆきとどいた教育を求める私学助成の請願について」は、採決の結果、いずれも賛成少数をもって不採択にすべきものと決しました。 以下、審査の過程において論議された主な事項について、その概要を申し上げます。 初めに、危機管理部についてであります。 第1号「平成24年度高知県一般会計補正予算」のうち、消防庁から無償貸与される防災ヘリコプターの運航管理費について、操縦士と整備士に必要な免許を取得させるための費用であるとの説明がありました。 委員から、免許を取得した操縦士が退職した事例があった。多額の公費を無駄にしないよう、免許を取得する前に、県で従事することを担保する仕組みを考えてもらいたいとの要望がありました。執行部から、資格取得費用等の返還を退職の条件とするようなことは法律的に難しいが、新たな採用者への訓練や資格取得を行う際に、勤務についての意向を十分に確認していきたいとの答弁がありました。 次に、第7号「高知県新型インフルエンザ等対策本部条例議案」について、法に基づき設置される県の対策本部の組織及び運営に関して必要な事項を定めようとするものであるとの説明がありました。 委員から、蔓延を予防するために県独自で対策本部の設置を考えているのかとの質疑がありました。執行部から、県の対策本部は、政府の対策本部が設置された時点で自動的に設置されることになっている。政府の対策本部は、人から人への感染が初めて認められたフェーズ4をWHO--世界保健機関が宣言した時点で設置されることになっているとの答弁がありました。 さらに委員から、感染を防止するために、どのような対策を考えているのかとの質疑がありました。執行部から、学校や施設の使用制限の指示、外出やイベントなど社会活動の自粛の要請などの対策を実施するとの答弁がありました。 次に、第31号「高知県防災会議条例及び高知県災害対策本部条例の一部を改正する条例議案」について、多様な意見を反映できるように防災会議の委員要件を追加し、委員と幹事の定数をふやすものであるとの説明がありました。 委員から、防災会議の委員には、単に役職などで選ぶのではなく、各分野の知識を有し、団体の意見もきちんと表明できる適任者を選んでもらいたいとの要請がありました。 次に、高知県版第2弾南海トラフ巨大地震による震度分布及び津波浸水予測についての報告がありました。 委員から、津波の第1波の到達が早い地域でも、避難をする時間は十分にある。住民が避難を諦めることのないように、情報を正確に伝えてもらいたいとの要請がありました。 別の委員から、南海地震対策として津波や浸水など、海岸沿いの地域ばかりがクローズアップされている。中山間地域についても、山津波によるダム近辺のオーバーフローや河川のせきとめなどが発生し、被害が想定されることから、安全性の調査など対策を検討してもらいたいとの要請がありました。執行部から、中山間地域の危険箇所については、土木部とも協議しながら、対策の進め方を検討していきたいとの答弁がありました。 次に、総合防災拠点の整備方針と機能について、基本構想策定委員会による中間段階の検討結果が報告されました。 委員から、電気などのインフラを復旧するための資材や機材の置き場を決めておくことは早期の復旧につながるので、事業者などとの協議を早急に進めてもらいたいとの要請がありました。執行部から、既にライフライン事業者からの要望も受けており、県ができる支援などについて、来年度から協議していくとの答弁がありました。 別の委員から、自衛隊のベースキャンプとして、発災時に確実に本県に来てもらうように事前の確認をしてもらいたいとの要望がありました。執行部から、現在8,100人の自衛隊員が西部、中部、東部に分かれて入る計画となっており、新しい被害想定に基づき、計画が再度検討されることになっている。自衛隊が具体の活動計画を策定するためにも、総合防災拠点を定める意義は大きいとの答弁がありました。 次に、健康政策部についてであります。 第8号「高知県病院等の人員及び施設に関する基準等を定める条例議案」について、地域主権一括法の施行により医療法が一部改正されたこと等に伴い、基準等を定めるようにするものであるとの説明がありました。 委員から、条例で定める参酌すべき基準について、医師会や薬剤師会など現場の意見は聞いたのかとの質疑がありました。執行部から、関係団体から意見を聞いており、薬剤師会からはより多くの人員が必要ではないかとの意見もあったが、条例では最低の基準を定めるものであり、個々の医療機関の現状に応じて必要な人員を配置すべきという考え方を説明して了解も得ているとの答弁がありました。 なお、ことし4月に新設された高知医療センターの精神科において、医師の相次ぐ退職により運営が困難となり、来年1月から入院業務が休止されることについて、関係部局が連携して早期に医師の確保を図るよう、委員会として厳重に注意をしました。 次に、地域福祉部についてであります。 社会福祉施設等の基準を定める条例議案のうち、特別養護老人ホームの居室定員の基準について、知事が認める場合は、1室当たり2人までの多床室が認められることにしたとの説明がありました。 委員から、単独高齢者世帯の増加や地域経済の低迷など、本県の実情を考えて、多床室を多く認める方向で検討してはどうか、入所待機者が多い現実を改善する施策を進めてもらいたいとの意見がありました。執行部から、居室定員の基準については、所得の低い高齢者が多い本県の状況も踏まえて判断していきたい。在宅の入所待機者は毎年500人台で推移しており、第5期介護保険事業支援計画により整備する施設で一定対応できると見込んでいる。一方で、施設の整備が保険者の負担にはね返る今の制度にも問題があるので、国に対して改善に向けた提案もしていきたいとの答弁がありました。 次に、障害福祉サービス事業所の工賃水準について、委員から、まだまだ低い水準だと思うが、仕事を提供する側に県から働きかけはしているのかとの質疑がありました。執行部から、本県の工賃水準は全国平均より高い水準にあるが、目標額に達していないため、障害者就労支援チームが企業に訪問し、障害者の雇用とあわせて障害者施設への発注をふやすお願いをしている。さらに、来年4月から障害者優先調達推進法が施行されることから、国や地方公共団体からの発注をふやす取り組みも進めていくとの答弁がありました。 次に、第二次高知県ひとり親家庭等自立促進計画(案)について報告があり、きめ細やかな福祉サービスと自立支援を総合的かつ計画的に展開するために策定しているとの説明がありました。 委員から、支援制度が十分に周知されていないという課題があるが、どのような対策を講じているのか。広く周知が図れるように取り組んでもらいたいとの要請がありました。執行部から、ホームページによる広報や市町村の窓口で制度の周知を図るとともに、関係団体の協力により効果的な周知方法も検討していきたいとの答弁がありました。 別の委員から、要自立支援者の精神的負担を軽減するためにも、就業や養育などあらゆる相談に対応できるよう、窓口を一本化してもらいたいとの要請がありました。執行部から、母子家庭等就業自立センターでは、就業支援を中心に、養育費問題などの法律相談にも応じている。また、福祉のしおりの内容を充実させ、相談先がわかりやすい形にしていきたいとの答弁がありました。 次に、文化生活部についてであります。 新資料館の整備について報告があり、実施設計の進捗状況や地震を想定した整備方針について説明がありました。 委員から、基礎工事の方法は直接基礎によることとしているが、巨大地震を想定して、構造の安全性をしっかり検証してもらいたいとの要請がありました。執行部から、地盤の支持層が傾斜しているため、より強度の高い直接基礎工法を採用した。今後、実施設計の中で、複数の地震波を用いて安全性を確認していくとの答弁がありました。 次に、公営企業局についてであります。 委員から、あき総合病院の建設に当たっては、地域の地元への発注に努力するという文書を交わしたものの、その後の検証がされていないとの指摘がありました。 最後に、議員提案された議発第1号「高知県子ども条例議案」について、提案者から、今回の条例の改正は、規範意識やモラルの低下から、非行やいじめ、虐待などの社会問題が深刻化する中で、大人の責務を明確にし、子供を取り巻く環境を改善しようとするものであるとの説明がありました。 委員から、現行条例は、大人から子供まで広く意見を募り、足かけ5年の歳月をかけて成立した。今回もパブリックコメント等を実施し、時間をかけて議論すべきではないかとの質疑がありました。提案者から、これまでにいただいた県民の方々の意見は、改正条例の検討にも生かしている。平成25年度から実効性のある施策や事業を実施し、一日も早く改善に向けた取り組みを進めたいとの答弁がありました。 さらに委員から、現行条例の命である子供の意見表明権とその根拠となる児童の権利に関する条約や日本国憲法の文言が削られ、生きた条例になっていないとの意見がありました。提案者から、子供の権利を否定するものではない。上位法令で担保されている権利を改めて規定するのではなく、保護者、学校関係者、県民、そして県の責務を明確にして、施策として進めることが重要だと考えているとの答弁がありました。 なお、議案の採決に当たって、委員から継続審査を求める意見がありましたが、賛成少数により否決されました。 以上をもって、文化厚生委員長報告を終わります。(拍手) ○議長(武石利彦君) 産業経済委員長桑名龍吾君。   (産業経済委員長桑名龍吾君登壇) ◆産業経済委員長(桑名龍吾君) 産業経済委員会が付託を受けた案件について、その審査の経過並びに結果を御報告いたします。 当委員会は、執行部関係者の出席を求め、慎重に審査いたしました結果、第1号議案、第33号議案、第38号議案、以上3件については全会一致をもって、いずれも可決すべきものと決しました。 以下、審査の過程において論議された主な事項について、その概要を申し上げます。 初めに、林業振興・環境部についてであります。 第1号「平成24年度高知県一般会計補正予算」のうち、こうち型地域還流エネ事業主体出資金について、執行部から、高知県の恵まれた自然条件を活用し、地域に再生可能エネルギーの発電事業によるメリットを最大限に還流させることができる、こうち型地域還流エネ事業スキームの説明がありました。具体的には、メガソーラー発電事業を安芸市で実施する事業主体を設立するための出資金であり、1月中をめどに県と安芸市で基本協定を締結した上でプロポーザルを行い、年度内に事業パートナーとなる県内民間企業を決定したいと考えている。平成25年度に発電事業主体を設立し、平成26年度の発電開始につなげていきたいとの説明がありました。 委員から、事業実施期間を20年としているが、期間中の事故などについてはどのような想定をしているのかとの質疑がありました。これに対して執行部からは、自然災害による事故や発電設備の故障あるいはパートナー企業の経営悪化などさまざまなリスクが考えられる。自然災害への対応については、保険に加入することによりリスクを回避することを考えており、発電設備の故障については、一定の内部留保資金を保つという対応、パートナー企業の経営については、県、安芸市、民間企業が協定を締結する際に対応策を確認するとともに、経営状態についてもチェックをしていくとの答弁がありました。 委員から、自然災害については保険で全てカバーできるのかとの質疑がありました。これに対して執行部からは、想定されるリスクや経営等を踏まえ、適当な額を精査した上で加入する保険の内容を検討していくとの答弁がありました。 委員から、今後の事業展開はどのように見通しているのかとの質疑がありました。これに対して執行部からは、現在県内ではトータルで8メガ程度となる13カ所の候補地があり、現地調査や地元市町村との調整を進め、可能性の高いものについて予算化をしていく考えである。固定価格買取制度の買い取り価格は、利潤優遇期間の3年間については大幅に下がることはないと考えているので、この期間中にできるだけ多くの案件を実施して県内に広めていきたいとの答弁がありました。 別の委員から、事業を導入する地域にはメリットがあるが、ほかの地域では負担が生じるなど整合性の問題があるが、今後事業を進めていく上で県民への説明はどのように図っていくのかとの質疑がありました。これに対して執行部からは、固定価格買取制度は導入しない地域の消費者にも負担転嫁が生じるということがある。国は、3年間の優遇措置期間は導入促進を進めていき、その後は制度運営を再検討するということであり、県としては他県に劣らない事業展開に積極的に取り組み、事業メリットを地域に還流していくことが重要ではないかと考えているとの答弁がありました。委員から、いろいろ整合性が難しい部分ではあるが、県内で効果が最大化できるという説明が行える形で事業を進めていくようにとの意見がありました。 次に、水産振興部についてであります。 第1号「平成24年度高知県一般会計補正予算」のうち、漁業集落環境整備事業費について、執行部から、宇佐漁港の津波避難施設の整備を行う土佐市に補助するものであるが、12月に公表した津波高を確認した上で工事に着手することとしたため、事業を繰り越しするものとするとの説明がありました。 委員から、各市町村からの津波対策として避難道や避難広場の整備の要望に対して、予算上実施できていない箇所はあるのかとの質疑がありました。これに対して執行部からは、津波の新想定に基づき、市町村のヒアリングを行っている。漁業集落内の避難道の整備については、基本的に漁業集落環境整備事業で実施し、集落から高台に避難する部分は、危機管理部の事業を活用して実施することとしており、当課事業分については要望には対応できているとの答弁がありました。 次に、第38号「宇佐漁港プレジャーボート等保管施設の指定管理者の指定に関する議案」について、平成22年度から指定管理者制度を導入した宇佐漁港プレジャーボート等保管施設について、引き続き平成25年4月より3年間、高知県漁業協同組合を管理者に指定するものであるとの説明がありました。 委員から、指定管理者について、平成23年度は赤字決算であるが、今後は改善される見込みであるのかとの質疑がありました。これに対して執行部からは、プレジャーボートの数が減少してきている中での人的配置や、職員の引き継ぎなどで問題があり、平成22年、23年度は赤字決算となっていた。平成24年度は減少数に合わせて人的配置を行い、黒字決算となる見込みである。平成25年度以降もプレジャーボートの数は減少していくと考えられる中で、指定管理者に係る費用も見直しを行ったので、黒字化も可能であると考えているとの答弁がありました。 別の委員から、所有者が不明なプレジャーボートや廃船になったものはあるのかとの質疑がありました。これに対して執行部からは、所有者不明のものや放置されたものが数多くある。震災時には漂流物として被害が拡大することが予想されるため、簡易代執行で処分していく方向で進めているとの答弁がありました。 委員から、南海地震対策として、廃船、放置船の対応を早急に行うことが必要であるとの意見がありました。これに対して執行部からは、平成25年度予算も含め、所有者への撤去命令を行うなど、3年間で集中して取り組みを進めていくとの答弁がありました。 次に、報告事項についてであります。 商工労働部の報告事項についてであります。 独占禁止法違反に伴う指名停止措置の県経済や雇用への影響について、執行部から、指名停止措置を受けた37社の雇用状況等について報告がありました。まず、実施したアンケート調査では、雇用、給与等の調整については既に一部の企業では実施しており、今後実施する予定であるとの回答も多くあった。また、下請業者への影響は現時点では少ないが、今後影響があるとの回答が大半であるとの説明がありました。次に、建設関連業界への影響について、県内金融機関等への聞き取り調査では、現時点での問題は少ないが、各社が施工中の手持ち工事が完了する来年3月以降、厳しい状況になるとの説明がありました。 委員から、今回実施したアンケート調査は、今後も継続して行う予定があるのかとの質問がありました。これに対して執行部からは、アンケート調査において、今後影響があるとの回答が多くあるので、追跡的な調査を実施していく必要があると考えているとの答弁がありました。 別の委員から、今回のアンケート調査は企業側の考え方を聞いているだけであり、企業の経営実態を調査して把握した上で、安易な人員整理や下請企業への影響が及ばないようにしていくことが大事ではないかとの質問がありました。これに対して執行部からは、今後どのような調査を行うのか、財務データに基づいた検証作業も含めて、土木部と検討していく考えであるとの答弁がありました。 別の委員から、県内金融機関からの聞き取り調査や高知県中小企業団体中央会の調査では、3月以降、厳しい経営状態になっていくとの見方があるが、この点についてはどのように考えているのかとの質問がありました。これに対して執行部からは、11月に民間の信用調査会社が調査した結果では、現状は各企業とも手持ち工事を有しているものの、課徴金の支払いなど資金面での対応が必要となってくるなど、今後も高知県内の建設業は当面予断を許さない状況が続くだろうとの報告があり、アンケート調査や金融機関の聞き取り調査などから、3月以降影響が出てくるのではないかとの答弁がありました。委員から、今後厳しい経営状態になることも予想されるので、引き続き追跡調査をしっかり行うようにとの意見がありました。 次に、農業振興部の報告事項についてであります。 独占禁止法違反認定工事のうち、継続中の工事の取り扱いについて、執行部から、公正取引委員会が独占禁止法違反の認定をした、四万十町で施工中の山株地区ため池等整備堤体工事について報告がありました。工事請負契約に基づき契約解除を行う場合と現在の契約を継続する場合の費用比較や、施工中断に伴う農家への影響について検討を行った結果、地域農業への影響が大きいことを勘案し、現在の契約を継続することにより、ため池の早期完成と供用開始を図る必要があると判断したとの説明がありました。 委員から、工事の進捗率が現在88%であることや、契約解除を行った場合は農家所得の減少も見込まれること、また平成25年度の作付に間に合わすよう工事を進めてきた県と地元農家との信頼関係も損なわれることなどから、現在の工事を継続する必要があるとの意見がありました。 以上をもって、産業経済委員長報告を終わります。(拍手) ○議長(武石利彦君) 企画建設委員長西森雅和君。   (企画建設委員長西森雅和君登壇) ◆企画建設委員長(西森雅和君) 企画建設委員会が付託を受けた案件について、その審査の経過並びに結果を御報告いたします。 当委員会は、執行部関係者の出席を求め、慎重に審査いたしました結果、第1号議案、第3号議案、第42号議案、以上3件については全会一致をもって、いずれも可決すべきものと決しました。 次に、請願について申し上げます。 継続審査となっていた請第2号「独占禁止法に違反した建設業者37社に対する指名停止処分の短縮等を求める請願について」は、採決の結果、賛成多数をもって採択すべきものと決しました。 以下、審査の過程において論議された主な事項について、その概要を申し上げます。 まず、議案についてであります。 最初に、中山間対策・運輸担当理事所管についてであります。 第1号「平成24年度高知県一般会計補正予算」のフェリー航路維持対策事業費補助金の債務負担行為について、執行部から、県内唯一のフェリー航路である宿毛-佐伯間の航路維持を図るため、船舶の法定検査等に要する経費を支援するものであるとの説明がありました。 委員から、できるだけフェリー航路が安定的に維持できるよう、これからも幡多地域の関係市町村と連携を図るとともに、佐伯市や大分県に向けて協力を求めることも必要ではないかとの質疑がありました。執行部からは、ことしの夏に佐伯市を何度か訪れ、フェリー支援の輪に入っていただけるよう協議を続けている。佐伯市としても唯一の定期航路であり、またフェリー関連の雇用も生まれていることから、担当課長レベルでは支援の輪に加わるという合意もいただいているとの答弁がありました。 また、別の委員から、1日の便数は現在3便であるが、出航の時間帯が利用者のニーズにどれだけ対応できているのかとの質疑がありました。執行部からは、乗用車を利用する一般客のニーズに合わせ、宿毛港を朝出港する時刻を当初より1時間遅く変更したり、宿毛港を夕方出港する時刻を、宿毛や足摺地域の海産物業者が福岡市場へ出荷しやすいように調整するなど、できるだけ利用者のニーズに応えられるように取り組んでいるとの答弁がありました。 次に、土木部であります。 第1号「平成24年度高知県一般会計補正予算」の砂防整備費について、執行部から、国の経済危機対応地域活性化予備費における交付金事業の補正に対応するもので、避難所及び避難路等を崖崩れから保全するものであるとの説明がありました。 委員から、急傾斜地崩壊対策事業の実施においては、南海地震対策と連動した避難路の整備に努めているのかとの質疑がありました。執行部からは、新規に擁壁を設置する場合、津波の新想定により被害が見込まれるところには、避難にも利用できるような維持管理用の階段・通路を設置するといった配慮を必ず行うよう取り組んでいる。また、市町村が急傾斜地内にある施設を利用した高台への避難を計画する場合には、県が階段設置を検討し、市町村が避難場所の整備や避難場所へつながる避難路を整備するといった連携した取り組みができるよう働きかけているとの答弁がありました。 次に、報告事項であります。 最初に、観光振興部についてであります。 観光客の動向を踏まえたプロモーションについて、龍馬パスポートの利用者分析はもとより、既存の調査も踏まえ、全国の観光客の動向、傾向、観光客の特徴などを把握、分析し、今後の観光プロモーションをより効果的に行っていくための基本的な考え方をまとめたものであるとの報告がありました。 委員からは、龍馬パスポートからこれだけのデータを抽出し、非常によい分析がなされている。今後さらに、この分析に四季ごとといった時間軸を加えるとともに、地域ごとに、その地域で働く個々の観光事業者ごとにターゲットを絞った取り組みが必要ではないかとの質問がありました。執行部からは、季節ごとの分析や、地域ごと、施設ごとの分析も今後行っていきたい。また、施設ごとのデータや、ターゲット、周辺の状況について、地域の観光事業者の方々と情報共有していきたいとの答弁がありました。 また、委員から、中山間地域では、観光を活用した雇用の創出による人口減少への歯どめや、1次、2次、3次産業を結合させた6次産業化といったことが重要な課題となっている。県内各地の事例を見たときに、ノウハウの蓄積が乏しいゆえに、観光情報が観光客側に十分伝わっていない状況がある。今後、さらに分析を進め、売り出し方についての助言を行うようにとの要請がありました。 別の委員から、これらの蓄積したデータを県庁だけでなく、例えば、市町村や観光に取り組んでいる団体、旅行会社などに提供するとともに、観光コンベンション協会と連携して観光戦略を立ててもらいたいとの要請がありました。 次に、土木部についてであります。 高知新港振興プラン案について、港湾関係者や物流事業者、荷主企業、学識経験者などによる検討会を設け、広く意見を聴取しながら、本年度から5カ年のプランとして取りまとめたものであるとの説明がありました。その中で、取扱貨物量の増加や新たな航路誘致、広大な用地を生かした企業誘致、大型外国客船の寄港誘致などを通じて産業振興に寄与していくこととあわせて、地震・津波対策の強化として、高台の造成や耐震強化岸壁の整備などを進めていくとの考え方が示されました。 委員から、高台案について、津波の駆け上がりを考慮したのり面の工法などについて質問がありました。執行部からは、東日本大震災以降、他県で高台整備が進んでいる事例があるほか、国においても技術の研究が進んでおり、それらを参考にしていくとの答弁がありました。 次に、高知県談合防止対策検討委員会第2回取りまとめの概要及び県の談合防止対策骨子等について、10月17日付で公正取引委員会が行った排除措置命令及び課徴金納付命令の確定状況など、8項目にわたり説明がありました。 委員から、請願を審査する上でも、建設業者のコンプライアンスの確立が大前提であり、次に談合防止対策検討委員会において検討されていることを踏まえ、県として入札制度をどうするのか、最後に県経済、雇用への影響がどうなのか、その見きわめが必要であるとの意見がありました。 また、委員から、今後、南海地震に備えるといった観点から見たとき、事業者等を評価する方法として、会社の形態も見きわめて評価しないといけないのではないかとの質問がありました。執行部からは、南海トラフ巨大地震等の大規模災害に備え、建設業界には重要な役割を担っていただく必要がある。これまでも、技術と経営にすぐれた建設業者の育成といったことで取り組みを進めてきている。その一つが総合評価方式である。今後も、企業を評価する項目を検討する中で、その時々に応じた評価項目の見直しを工夫していきたいとの答弁がありました。 別の委員から、建設業界のコンプライアンスが確立された後に、談合があったという場合には、一層のペナルティーを科す必要があるのではないか。県が建設業者に対して、今後、談合を行わないといった誓約書を出させ、その上で談合が発覚した場合には、入札参加資格を与えない、入札参加資格を剥奪するといった県の厳しい姿勢がないと、談合はなくならないのではないかとの意見がありました。 また、別の委員から、コンプライアンスを確立できない建設業者は、この業界から退出してもらうといった意見がこれまでの委員会でもあったし、談合防止対策検討委員会の委員の中からも同様の趣旨の発言があった。県として、同様の意見が出ていることを重く受けとめて、きちんと議論をしているのかとの質問がありました。執行部からは、今回の中間報告では、その厳罰について特段の言及がされていない、まとめ切れていない状況がある。県として、今後開かれる検討委員会において説明をし、最終報告書の中で整理をしていただくよう検討委員会へお願いをしていきたいとの答弁がありました。 別の委員から、談合問題に対して、二度と起こらない取り組みが発注者側、受注者側にも必要である。発注者側には、県民から寄せられた談合情報に真摯に向き合ってきたのか、反省をしてほしいし、発注者側として決意をあらわしてほしいとの質問がありました。執行部から、今までも寄せられた情報に対して、その時点でのルールにのっとって対応はしてきたが、結果としてこういう事態になってしまった。このことを踏まえ、談合防止情報マニュアルの改定や、外部を含めたさまざまな視点から入札の動きをチェックする仕組みをことし4月から始めている。今後は、談合防止に向けて強い決意をもって取り組んでいる実態を見ていただくことで、県民に理解を求めていきたいと考えているとの答弁がありました。また、委員から、発注者側にも受注者側にも一日も早い信頼回復が成り立つような取り組みをしてもらいたいとの強い要請がありました。 別の委員から、平成23年12月議会当時の企画建設委員会では、談合を行っていないという誓約書を踏まえて議案を議決したのであり、事実と異なる誓約書を提出した事業者に対して、重みからしても文書注意では甘いのではないかとの質問がありました。執行部からは、事実と異なる誓約書については、指名停止の措置要件には該当しないものの、対処の仕方について、県が考えている重みを相手にしっかりと伝える必要がある。そのため、文書により厳重注意とし、このことにより、社会的な制裁とまでは言えないが措置を講じることになると判断したとの答弁がありました。 さらに、委員から、高知県建設業協会の改善計画書等について、公益通報制度の窓口を建設会館に設け、週に二、三日、決まった時間にだけ勤務するといった方法で機能するのかとの質問がありました。執行部からは、建設業協会に設置される倫理委員会の場で、公益通報制度の窓口がこれらの方法で十分機能するのかなど、今後、議論され、動き出すものと考えている。また、県としては外部の目線を入れることや、内部の良心を引き出すことが必要であると考えている。あわせて、情報公開も含めてトータルで機能するように、建設業協会に要求していきたいとの答弁がありました。 また、別の委員から、今回の処分で、建設業者が37社も一気に処分を受けたということは、経済や雇用に大きな影響があると考えているとの意見がありました。そして、談合が行われた場合、その都度発覚するような仕組みについて、県や検討委員会が今後取り組む余地はあるのかとの質問がありました。執行部からは、談合防止対策検討委員会をことし2月に設置し、その際速やかに対応すべきとして、コンプライアンスの確立と談合を発覚しやすい仕組みづくりを御議論いただいた。その一つは、寄せられた談合情報を限定的に捉えることなく、どういう情報であっても一旦検討の俎上に上げて対応していくということ。もう一つには、発注者みずからも、一つ一つの入札結果から談合が行われた可能性はないのかといった目を持って見ていくということ、こうした仕組みになるよう談合情報対応マニュアルを改定しているとの答弁がありました。 別の委員から、今回の談合問題は、発注者と受注者の問題だけではなく、県民全体に及ぶ問題である。今回の結末はどうなるのかということについて、県民が非常に関心を持っている。そこで、やはり一番大事になってくるのはコンプライアンスの確立である。今回、業界から、コンプライアンスを確立するという動きが出てきているが、そこをしっかりとつくり上げてもらわないと、県民の理解は得られないし、県民は納得しないのではないかとの意見がありました。 次に、請願についてであります。 継続審査となっている請第2号「独占禁止法に違反した建設業者37社に対する指名停止処分の短縮等を求める請願について」であります。 当委員会としては、請願が提出された11月臨時議会以降において、土木部から参考説明を受け、また県内における金融機関等への調査を行い、県外の事例についても調査をしてまいりました。 それらを踏まえて、請願を審査する中で、委員からは、来年の春からはかなりの失業者や資金繰りの悪化も懸念される。また、資材業者や燃油・運送業者にも影響が広がるのではないかとの意見がありました。また、県経済を考えた場合に、建設業者が談合を行わないよう、早期のコンプライアンス確立に向けて努力していくべきであるとの意見がありました。 別の委員からは、コンプライアンスの確立とは、業界が改善計画書に基づき着実に実践していることが確認できることであり、県としても、入札制度の改革を進め、そのことが県民の目に見えるようになることが必要である。現在はまだ改善計画書をつくり上げている段階であり、コンプライアンスの確立が十分ではないとの意見がありました。 また、別の委員からは、談合は非常に深刻な問題で、そう簡単に一掃できる性格の問題ではない。法令に反したことと、経済等に与える影響は別個に考えるべきであるとの意見がありました。 別の委員からは、建設業界のコンプライアンス確立が絶対条件であるが、建設業協会では談合防止策を検討している途中であり、まだまだ不十分な点もあり、今後もしっかり見きわめていかなければならない。しかしながら、現時点で、この請願の提出者である経済団体の思いを県議会としては重く受けとめるべきであるとの意見があり、採決の結果、賛成多数で採択となりました。 以上をもって、企画建設委員長報告を終わります。(拍手) ○議長(武石利彦君) 総務委員長溝渕健夫君。   (総務委員長溝渕健夫君登壇) ◆総務委員長(溝渕健夫君) 総務委員会が付託を受けた案件について、その審査の経過並びに結果を御報告いたします。 当委員会は、執行部関係者の出席を求め、慎重に審査いたしました結果、第1号議案、第2号議案、第25号議案、第28号議案から第30号議案まで、第34号議案から第37号議案まで、第39号議案から第41号議案まで、以上13件については全会一致をもって、いずれも可決すべきものと決しました。 次に、請願について申し上げます。 請第3-1号「すべての子どもにゆきとどいた教育をすすめるための請願について」は、採決の結果、賛成少数をもって不採択にすべきものと決しました。 以下、審査の過程において論議された主な事項について、その概要を申し上げます。 まず、総務部についてであります。 第30号「高知県税条例の一部を改正する条例議案」について、執行部から、森林環境の保全に取り組むための財源を確保することを目的にして設けた森林環境税を、県民世論調査などの県民の意見や森林環境保全基金運営委員会での審議などを踏まえ、5年間延長しようとするものであるとの説明がありました。 委員から、10年間実施してきた割には、森林環境税の必要性について余りにも認知度が低いのではないか。また、きちんとこれまでの成果について検証しているのか。このことからも、森林環境税の使途は、創設時の理念を大事にして、県民に森林へのかかわりや森林の公益的機能などへの理解を深めてもらうために、県民が直接森林に触れる活動や子供たちの環境学習や県産材を活用した製品づくりなどのソフト事業を優先的にすべきでないか、そのためには、各部局に本税の意義を踏まえた使途について、知恵出しを求めてほしいがどうかとの質疑がありました。 これに対して執行部からは、県民に森林への理解を深めていただくことは大切と思っており、この5年間で4万人近くの小中学生が山で学習し、こうち山の日推進事業では2万人を超える参加者があったと聞いている。このような取り組みの充実について関係部局へ伝えたいと考えている。また、前回の委員会においても同様の御意見を受けており、このことは各部局には既に伝えており、今後、森林環境税の趣旨や今回の委員会での意見も踏まえて、山に関する施策全体の中で検討するなど、予算編成過程において十分議論していきたいと考えているとの答弁がありました。 次に、報告事項についてであります。 まず、総務部であります。 衆議院小選挙区の区割りの見直しについて、執行部から、衆議院小選挙区選出議員の選挙区間における人口の格差を緊急に是正するための公職選挙法及び衆議院議員選挙区画定審議会設置法の一部を改正する法律の概要について報告がありました。 委員から、今回の見直しにおいて、知事の意見がどの程度、選挙区画定審議会で採用されるのか、審議会の考え方はどのようなものかとの質問がありました。 これに対して執行部からは、区割りは民主主義の根幹にかかわる重要な制度であり、厳格な運用となっている。現在の区割り基準では、基準の中で示されている要件に該当する場合を除き、原則、市町村の区域は分割しないことになっているが、この基準が変わらなければ、例えば高知市と南国市で1つ、それ以外の市町村で一つの選挙区となることが想定され、いわゆるまんじゅう型とならざるを得ない。これは面積でいえば6%と94%という全国で他に例を見ないバランスの悪い区割りになり、2つの選挙区で人口密度の大きな格差が生じることで、有権者が候補者と接する機会に著しい差が生じ、政治参加の機会に看過できない不平等が生じることが懸念される。また、法律の規定では、地勢や交通等の事情を総合的に考慮して合理的に区割りを定めることになっているが、高知市と南国市が仮に抜けると、ここを本県の東西を結ぶ主要道路や鉄道が通過しており、実質的に飛び地のような区割りになることから、いびつな選挙区になると感じている。このため、現時点では、本会議の知事答弁のとおり、高知市を分割し、選挙区を東西に分ける区割りが望ましいと考えている。 今後、同審議会から知事へ意見照会されることになるが、本県の意見を受けて、同審議会がどのような結論を出されるか、全く予断を許さない。まずは、県内の市町村の意見も聞いた上で、このような本県の事情を審議会に御理解いただけるように説明をしていくことで、本県の意見が勧告に反映されるよう努力していきたいとの説明がありました。 別の委員から、選挙区画定審議会の委員は公平な立場で審議できるようになっているのかとの質問がありました。これに対して執行部からは、今の審議会委員は会長以下学識経験者などで構成されており、各党、各会派の利害から離れて判断するために、国会での同意を得て任命されており、公平な審議をしていただけると思われるとの答弁がありました。 次に、教育委員会であります。 新図書館等の実施設計について、執行部から、新図書館等の実施設計の検討状況について報告がありました。 委員から、実施設計段階における総事業費は幾らになるのか。また、こども科学館等を含めた運営費は幾らになるのかとの質問がありました。これに対して執行部からは、総事業費は基本設計段階の概算では109億円であったが、南海トラフ巨大地震の新想定に対応する必要が生じたため、現段階での業者見積もりでは6億円程度の増額が必要となっており、現在精査中である。こども科学館を含めた運営費については、現在人員体制を含めて検討中であるとの答弁がありました。 別の委員から、来年の1月に説明会を行うとの説明があったが、誰を対象にしているのか、日程及び場所、説明内容はどのようになっているのか。また、議会への次回の説明はいつごろ行うつもりかとの質問がありました。これに対して執行部からは、まず来年1月20日に、新図書館及びこども科学館の基本構想検討委員会の委員を務めていただいた方を対象にした説明会を開催するとともに、県民向けの説明会を1月25日から27日の3日間で、四万十市、安芸市、高知市で開催し、それぞれ新図書館等の実施設計の状況について説明する。また、議会への次回の説明は2月議会で行いたいとの答弁がありました。 別の委員からは、本施設は商業、文教、観光などいろいろな面で結節点になるものであり、周辺に新資料館や県立大学もできる。図書館の利用だけでなく、南海地震の際の避難施設の位置づけもある。このため、完成までの間に、観光、商業、文教などあらゆる面での中心となる施設としてどのように利用していくのか、改めて検討をしてはどうかとの質問がありました。これに対して執行部からは、まちづくりの観点からいえば、帯屋町のアーケード街から図書館の玄関ホールに向けて北向きの通路をつくることになっており、人の新たな流れができるのではないかと思っている。また、図書館の中のホールなどの活用方法についても、今後いろいろと検討していきたいとの答弁がありました。 以上をもって、総務委員長報告を終わります。(拍手)--------------------------------------- △討論 ○議長(武石利彦君) お諮りいたします。 この際、委員長に対する質疑を省略し、直ちに討論に入ることに御異議ありませんか。   (「異議なし」と言う者あり) ○議長(武石利彦君) 御異議ないものと認めます。よって、さよう決しました。 これより討論に入ります。 まず、議発第1号「高知県子ども条例議案」に関し、討論の通告がありますので、順次発言を許します。 36番中根佐知さん。   (36番中根佐知君登壇) ◆36番(中根佐知君) 私は、日本共産党を代表し、ただいま議題となっています議発第1号「高知県子ども条例議案」に反対の立場で討論を行います。 現行高知県こども条例は、条例の基本となる法律を日本国憲法と1989年に国連総会で採択され、1994年に日本政府が批准した児童の権利に関する条約に基づくものであることを前文で明記をしています。 児童の権利に関する条約、別名子どもの権利条約は、人類が長い間紆余曲折を経て培ってきた子供観の到達点を国際社会の約束という形で表現した、人類の倫理的声明です。古い子供観や教育観は、子供を大人と対等の権利を持つ人間と規定せず、大人や保護者の持ち物として、大人の庇護のもとに育つものとして扱ってきました。しかし今、子どもの権利条約を世界の193カ国が批准する国際情勢の中で、社会や大人が子供を一人の人間として認めることが全ての出発点となることが、世界の常識になりつつあります。批准した国は、自国の子供に子どもの権利条約の理念を学び広げ、具体化する責務を負っています。 ですから、日本国憲法と児童の権利に関する条約に基づく現行の高知県こども条例は、児童の権利に関する条約が求めている権利の行使主体としての子供観の実質部分を、わかりやすい形で子供に理解できる言葉であらわしています。 第1章の(めざすもの)「すべてのこどもが、自ら考え行動し、夢や希望を持ち続け、自然や郷土を愛し、心豊かに健やかに育つことを目的とします」から、第2章から第4章までに主体者としての権利を明示し、古い子供観や教育観から抜け出す意見表明権を示し、取り組みの根拠としています。そこには、あるがままで愛されること、自分の権利を知ること、夢を持ち続けること、人と交わる、自然と交わる、文化と交わる、感じたことを素直に表現し意見表明する、自分をあらわす権利などが記されています。 児童虐待やいじめ問題が後を絶たない現代社会だからこそ、対等に声を上げられることを自覚することは、不利益や矛盾を解決していくために国際社会が到達した出発点であり、いわばこの条例の心臓部です。この一番大事な、大人と対等な人間として認められ意見を述べる子供の権利明記を、改正高知県子ども条例では全て抜き去り、かわって大人が子供を育てる責務ばかりを書き込んでいます。これでは、現行こども条例とは全く異質の、大人のための子育て責務条例になってしまいます。 これだけ性格の違う条例改正案を提出し、しかも自民党提案の高知県子ども条例の冒頭には、「高知県こども条例の全部を改正する」と明記しながら、提案者は、日本国憲法も児童の権利に関する条約も認めた上なので、よって立つ基本の法律は書き込む必要がない、現行こども条例を認めた上での改正案なので、新たにパブリックコメントをとる必要はないと言い放っていますが、これら根拠法と権利の内容、つまり大事な骨格部分が明示されていない今回の提案条例は、現行条例の精神を引き継ぐものではありません。子どもの権利条約と現行こども条例を正しく理解していない乱暴な条例改定の提案です。 また、全部改定提案の理由に、こども条例の制定から8年余りが経過する中で、子供を取り巻く社会環境は著しく変化をし、悪化の一途をたどっていること、そういった社会環境の変化に危機意識を持ち、こうした問題にしっかりと向き合う条例が求められていると述べられていますが、いじめや虐待問題の解決のためには、現行の条例でうたわれている子供の意見表明権を周知しながら、推進行動計画を豊かなものにしていくことが一番の近道です。残念ながら、現在の高知県は、全ての子供たちが生まれてきてよかったと実感できる県には到達していません。だからこそ、社会や大人が子供の成長を応援することはもちろんですが、子供の視点に立った調査、調査に基づく計画、計画の実施、実施後の検証、検証に基づく計画の変更を繰り返していかなければなりません。そのときに、一人の人間として意見を持ち、大人社会に対しても子供の視点で発言することが、社会の中での子供への不利益をなくすことにつながるのです。 県こども条例の認知度はまだ高くありませんが、子供の意見表明が権利と認められない社会状況や、強い立場の人間におかしいと思っても言えない状況が多々ある中で、高知県版の子供の意見を反映したこども条例に、よって立つ上位法令を明記してつくったことは、屋上屋を重ねることにはなりません。基本となる法律を意識することこそ、子どもの権利条約の原点を常に見詰め、立ち返って検証することになるのです。 全部改定の子ども条例案には、立ち返る基本法を明記していません。子供の尊厳や、大人の責務で書きあらわされている道徳心や倫理観、規範意識を何によって推しはかるのでしょうか。今回の全部改正は、実効力のある条例への改正どころか、検証する基準をなくし、大人の責務を子供に押しつけるものになってしまいます。この点からも、この条例全部改正案は撤回するしかありません。 現高知県こども条例は、2004年7月26日、県としては全国に先駆けて成立しました。自由民権運動の発祥の地、婦人参政権発祥の地にふさわしい全国に誇れる採択と言えるものです。子どもの権利条約をもとにした、行政主導ではない県民主体の条例づくりは、2001年4月から足かけ4年の歳月をかけ、高校生など子供たちと多くの県民の参加で、県民みずからが考え、行政とともにつくっていくという、今までにない画期的なプロセスを経て作成されたものです。 この条例づくりの手法と、今回の条例全部改正案の手法は余りにも違います。十分な検討時間もない、県民ぐるみでつくり上げた過程を無視してパブリックコメントもとらない、主体者である子供の意見は聞く意思もない。余りにも乱暴な手法に、さまざまな子どもの権利条約にかかわる団体からも声明、アピールが出されました。 弁護士実務を通じて、子供の虐待、少年非行、教育問題など、子供を取り巻く問題全般に携わっている高知弁護士会からは、常議員会の議を経て、こども条例改正に関する会長声明を県議会議長宛に送付しています。そこには、「今般、こども本条例につき、子供たちの関与の全くないままに改正の審議がなされようとしている。本条例は、他の条例と異なり、多くの子供たちが主体的かつ実質的に参加して制定された条例であるところ、本条例の改正の審議が、権利主体であり、かつ制定過程に参画した子供たちの関与なしに、県議会のみの判断で拙速に進められることになれば、条例の制定の経緯を無にしてしまうものであって、大いに問題がある。子供たちの意見を時間をかけて十分に聞いた上、その意見を反映した慎重な審議がなされるべきである」と書かれています。 また、子どもと教育を守る高知県連絡会を初め県内9つの団体からは、現条例のつくられた経緯をないがしろにしたもの、現条例と全く違うものであること、改正する理由が不明確であること、条例が個人の内心に介入し押しつけるものであることなどを上げて、改正に反対するアピールが出され、この声は全国にも広がり、子どもの権利・教育・文化全国センターからも改正案に反対の要請文が届いています。 また、条例の実行に参画し、とさっ子タウン、フォーラムなどで頑張っている子供たちからは、拙速な…… ○議長(武石利彦君) 中根議員に申し上げます。 議会運営委員会の申し合わせ時間を超過いたしましたので、御協力願います。 ◆36番(中根佐知君) わかりました。 以上述べまして、議発第1号「高知県子ども条例議案」に反対をし、討論を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○議長(武石利彦君) 17番浜田英宏君。   (17番浜田英宏君登壇)
    ◆17番(浜田英宏君) 私は、自由民主党を代表いたしまして、議発第1号「高知県子ども条例議案」について、賛成の立場から討論を行います。 政治家は、民意を的確に捉え、そこに政治の光を当てることが使命であります。その民意、すなわち政治的ニーズは、社会の動きや時の流れとともに、絶えず変化を遂げてゆくものであり、それは今般の衆議院議員総選挙の結果が物語っています。我々政治家は、そのときそのときの社会の変化にフレキシブルに対応し、最大限の効果を発揮できる政策を展開していく義務があるのであります。 現行こども条例は、施行からはや8年余りの月日が流れました。この間に、子供たちを取り巻く社会環境は著しく悪化の一途をたどっていることは、議員各位も御承知のとおりと思います。 私たちには、子供たちの悲痛な叫びが絶えず聞こえてくるのであります。新聞紙上では、毎日のように、いじめや虐待により、とうとい権利や自尊心を侵害され、命を絶ってしまうという痛ましい記事が絶えることがありません。本県でも平成20年、南国市の小学校で悲しい事件が起こったことは、皆様の記憶に新しいところと思います。このようなことを二度と繰り返してはならないのであります。 子供を取り巻く環境は逼迫をしており、現行条例の目指す理念や究極の目的の実現に向け、その手法を変えるべきときが今まさに来ており、条例改正が必要であるとの強い決意で我々は立ち上がりました。そこで、現行こども条例は、初の県民参加による手づくり条例であるという重い認識の上に立ち、その当時にかかわっていただきました多くの県民の皆様の優しさや期待など、子供に対する思いをしっかりと受け継ぐべく、県民の代表である我々自民党県議団もこの条例改正について、口角泡を飛ばしながら長い時間をかけ議論をしてまいりました。そして、現行条例でうたわれている子供の権利をどうやって守り抜くのか、そのために現行条例に欠けていることは何か。つまり、子供を取り巻く環境を改善するために実効力を有する条例とは何かということを強く問いかけながら、条例改正について真剣な議論を重ねてまいりました。 地元紙の報道によりますと、日本共産党の皆様は、子供の権利について条文化されている第2章から第4章が削除されており、思想的な後退と申されているようでありますが、我々自民党は、一般質問においても何度も答弁しているとおり、これらの章に規定されている子供の権利を否定しているのではなく、日本国憲法や児童の権利に関する条約など、上位法令の崇高な理念のもとに保障されたさまざまな子供の権利についての条項を、県条例で上書きする、あるいは同じ意味のことを再度書き添えたりして屋上屋を重ねる必要はない、それよりも、もっともっとそれら子供の権利を守るために、大人が子供のためにやるべき大事なことがあるのではないかとの判断に至った上での改正議案の提案でありました。 しかし、全国の教職員団体等から寄せられる抗議のファクスや手紙には、「自民党県議団は、子供の権利を無視した条例改正を行おうとしているので撤回せよ」との誤った情報のもとに寄せられる見当違いの抗議文ばかりでありまして、大変残念に思っております。 現行条例が施行に至るまでの議論の経過や質疑のやりとりを検証しても、こども条例は、子供目線で条文はしたためられていますが、本来、大人が子供にどう向き合っていくかを目指した条例であるとの答弁が繰り返し行われています。それなら、なおさらに大人目線の条例がふさわしいとの思いを我々は強くした次第であります。 だからといって、我々は子供に対する気配りをおろそかにしたわけではありません。我々は、現行条例に抜け落ちていた、子供の発想力の原点は遊びであるということに着目し、遊びを前文に追加するとともに、子供を取り巻く環境づくりを担うべき大人が、それぞれの立場で果たすべき責務について新たな規定を設けました。特に、県の責務として、県民の皆様が連携、協働して行われる取り組みを支援するほか、条例の目的や基本理念の実現に向けた計画を長期的視点に立って計画的に推進することを定め、その施策についても改善が図れるような仕組みを取り入れました。 日本共産党や県民クラブの皆様は、この改正案を改悪だと思われますか。私たち自由民主党県議団は、全く改悪にはなっていないと自負しております。 現行こども条例は、確かに県民参加という民意によって築き上げられた条例であります。しかしながら、一方で、何千何万人もの多くの県民から負託を受けた我々22名の自民党県議団が、単に議論するだけではなく、それぞれの議員活動の中で県民の皆様と対話をし、そして検討を重ねた上で得た結果として提案するこの改正案も、これまた民意を反映した一つの政治判断と言えるのではないでしょうか。この条例改正案に過誤があるというのであれば、ぜひ御指摘をいただきたいと思っています。 また、このたびの改正に当たって、パブリックコメントを実施できなかったのは、あくまで、この改正条例が平成25年度当初予算編成の指針となるようにするためであり、具体的には、今定例会において改正の条例議案の議決を得ることにより、2月定例会において、高知県こども条例記念日フォーラムを初めとした子供の環境づくりに係る関係予算についての審議をしっかりと行うことで、県政の喫緊の課題の一つである子供関連施策を来年度からPDCAサイクルに乗せて、効果的に実施できるものと考えています。そのためには、この12月定例会に何としても上程する必要があり、時間的な制約があったことを御理解いただきたいと思います。 なお、パブリックコメントを求める手法は、賛成でも反対でもないごく普通の人々の考え方がどこにあるのかを探るPI方式、いわゆるパブリックインボルブメント制度の一部でありますが、これらはそもそも役人が政策決定を行うプロセスの中で使う手法であり、我々政治家の政治判断とは別物であると思っています。 何とぞ、同僚議員各位の御賛同をお願い申し上げまして、私の賛成討論といたします。ありがとうございました。(拍手) ○議長(武石利彦君) 34番田村輝雄君。   (34番田村輝雄君登壇) ◆34番(田村輝雄君) 県民クラブの田村でございます。議発第1号「高知県子ども条例議案」について、反対の立場から討論を行います。 まず、現行の高知県こども条例の策定過程において、ワークショップなどに参加していただいた延べ5,000人余りの当時の子供さんを初めとした高知県民の皆さんと、その策定過程を支えていただいた県職員の皆さんに敬意を表させていただきます。 現行のこども条例は、平成12年度の立ち上げから、平成13年度の広げよう、平成14年度のまとめよう、それから平成15年度のつくろう、そして平成16年度の制定まで、実に丁寧な形で策定をされております。提出者もその策定過程は評価するとおっしゃる一方で、今回の条例改正案は、この策定過程は決して県民に開かれたものではなく、改正条例をいち早く効率的に進め、予算編成の指針としてより高い実効性を求めるために急ぐとのことで、県民の声を聞くいとまはないとばかりに極めて一方的な策定過程をたどり、唐突に提案をしてまいりました。 文化厚生委員会では、こどもの環境づくり推進委員会第3期委員であった弁護士の意見陳述の機会をも奪い、県民の声を聞く機会を設けないのは、県民の声に耐えられないとの自信のなさによるものではないかとうがった見方もされます。 もし、現行条例をよりよいものにしたいとの思いであれば、現行条例を全部改正しなくても、その条例に基づく取り組みや事業を効果あるものにするための予算化やスキームをつくることなどで、現行条例を生かせる環境づくりを図ることが提案されるべきではなかったのでしょうか。高知県こども環境づくり推進計画をより充実させ、それらの計画の具体化のための事業を推進することこそが求められているのであって、今、現行条例を全部改正する必要などはどこにも見当たりません。にもかかわらず、日本国憲法や児童の権利に関する条約など上位法によって全て担保されているものは条例に書き込まなくてもよい、上位法との屋上屋を重ねないとして5条から13条までを全て削除するところに、提出者の繰り返す、憲法や条約の理念を否定したものではなく現行条例を引き継いだものという言葉をにわかに信頼することは私どもはできません。 5年前から、子育て応援フォーラムやじんけんふれあいフェスタ、条例記念日フォーラムなど、毎年各種イベント会場で実施されたアンケートでは、5条の「あるがままで愛される」ことや6条の「学ぶ」、9条の「夢を持ち続ける」、13条の「自分を表す」などは、常に子供たちの好きな条文の上位に入っております。子供たちが条文を好きと言える条例がほかにあるでしょうか。その好きな条文を削除してまで、現行条例を引き継ぐものなどと、そうしたことを言える要素はどこにもありません。 提出者が、議会運営委員会用の提案理由説明手板には、「現行条例のように日本国憲法や児童の権利に関する条約の理念に基づく子供の権利をうたった条例ではなく、子供を取り巻く環境を改善していかなければ子供の健やかな成長は保障されないとの結論に達した」と明記しているにもかかわらず、本会議答弁や委員会答弁で、幾ら日本国憲法や児童の権利に関する条約など上位法の崇高な理念を踏まえて確実に進めると言っても、口先答弁としか言いようがなく、そういう本音と違う言い回しで糊塗、曖昧にする大人の背中を子供が見たときどう感じるか、その将来を懸念せざるを得ません。 私どもに届けられた県民の声をここで御紹介しておきます。「こども条例の成り立ちに県民の一人として誇らしさを感じていましたし、大事に思っていました。今回直接に知らないまま、また意見を問われることもないまま、県民の目に触れない議会の中で改変されようとしていることに、高知の住民として、つくり上げた道のりを一瞬で否定されたようにも感じ、非常に残念です。重大な問題だと思います」。 また、原発事故を受けて東京から高知へ子供さんを連れて移住されてきた方はこのようにおっしゃっております。「迷いや不安を抱えながらも、事故以来、子供を守る、子供にとって安全な環境とは何かを考え続けています。今回の改定を機にこども条例について知りましたが、その内容はとても心強く、励まされるものでした。子供という存在、意思を尊重し、パートナーとしてともに生きていく、大人としてでき得る支援をする。このような条例がある県を移住先に選んだことを誇らしく思い、全国に知らしめたい気持ちに駆られました。県民、子供たちとの十分な議論もなく、議会の多数決で改定されることを本当に残念に思います。どうか子供の意見をお聞きになってから採決してください。よろしくお願いいたします」との声を初めとして、現行条例の全部改正を行おうとすることを危惧する多くの県民の声があります。 さらに、高知県こども条例検討委員会の委員で、その策定過程にかかわってこられた方からも大きな落胆の声や無力感が聞かれます。「県民のストレートな意見を、しかも子供の意見を取りまとめて、普通の県民が条例の形にしていく取り組みに、子供たちは能動的に参加をしてきました。そして、高知県こども条例制定という成果を目の当たりにして、民主主義の心強い次代の担い手が育っていったのです」。こうした声を聞くときに、改正条例案が強行可決されれば、その条例は多くの県民や子供たちを県政に対する不信のふちへと追いやってしまうことになるのではないかと懸念せざるを得ません。 2008年の真夏の暑い日に、条例記念日フォーラム、おびやまちdeトーキングに初めて出席されました尾崎知事の総評に励まされた子供たちは、どれだけ勇気づけられたことでしょう。子供たちが自分で考え、自分たちでつくり上げるという子供が主人公の現行条例を育てていくことこそが、今の大人に求められていることではないかと思います。 何とぞ、県民の声に耳を傾けて、いま一度、議発第1号「高知県子ども条例議案」に賛成することを思いとどまっていただき、同僚の議員にそうしたお願いをいたしまして、反対討論といたします。ありがとうございました。(拍手) ○議長(武石利彦君) 次に、請第3-1号「すべての子どもにゆきとどいた教育をすすめるための請願について」から請第4号「教育費負担の公私間格差をなくし、子どもたちにゆきとどいた教育を求める私学助成の請願について」まで、以上3件の請願に関し、討論の通告がありますので、順次発言を許します。 35番岡本和也君。   (35番岡本和也君登壇) ◆35番(岡本和也君) 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となりました請第3-1号と3-2号「すべての子どもにゆきとどいた教育をすすめるための請願について」及び請第4号「教育費負担の公私間格差をなくし、子どもたちにゆきとどいた教育を求める私学助成の請願について」の3請願をあわせ、いずれも賛成の立場で討論を行います。 ことしも本請願にかかわる全国署名が実施され、大変多くの方から署名が集まり、来年度予算編成に向け国会議員要請が行われました。 子供たちは未来を担う大切な宝物です。しっかりと育てることなしに、日本の未来はないと言わなければなりません。政治もこの観点に立って、予算措置も含めて第一義的に対応しなければならないことを強調しておきます。 しかし、現状の子供たちを取り巻く環境は劣悪であります。毎年のように発生するいじめによる自殺や不登校、児童虐待や子供の自殺死など、耳を覆いたくなるような出来事ばかりです。これも強い者が勝ち残り、社会的弱者が大切にされない今の社会環境を如実に物語っております。 今回の請願は、まさにこのような教育環境を改善して子供たちを豊かに育てていくための喫緊の課題であり、その解決を求めるものであります。 まず、請願の具体的な項目の中で、学校予算を増額し、学校徴収金を含め教育費の保護者負担を軽減させることや、奨学金制度を拡充すること、高校授業料無償化の継続など、保護者の負担を軽減していくことは、高知県のような所得の低い県では特に求められます。地域経済ではデフレが進行し、非正規雇用などが恒常化し、ますます所得が低下、教育費の確保が十分でなく安心して教育が受けられない状況も見受けられます。そのことは小中学生の就学援助制度の支給対象が、大阪27%、山口25%に次いで高知24%と3番目に多い数字にもあらわれています。こうした県民の状況に積極的に応えるべきです。 こうした状況の中で、2012年7月20日に発表された全国知事会の、国の施策並びに予算に関する提案・要望でも、「公立高校授業料実質無償化の財源を全額国庫負担とするとともに、低所得層に対する就学支援金の拡充、奨学金の給付に係る制度の創設など、高校生等の就学支援の充実を図ること」とされています。 また、政府は2012年9月11日の閣議において、留保中となっていた経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約は第13条2項について、留保を撤回することを決定しています。この国際人権規約の規定は、高等学校の教育費について、漸進的無償化を定めたものです。この観点からも、高校授業料無償化は継続されるべきものです。文部科学省も、2013年度の概算要求に、高校授業料無償化のための経費を入れています。新しい政権になりましたが、継続されるように強く望むものです。 次に、一人一人の子供たちの豊かな学力や可能性を伸ばすためにも、少人数学級を一層拡充することはとても大切で、北欧などの教育先進国では当たり前のことです。特に、国内では、家庭環境の悪化から子供の心が不安定になり、そのことが原因で学級崩壊などの問題が生じています。こうした問題に対応するためにも、少人数学級をふやし教職員を増員することは必要不可欠です。 次に、特別支援学校の過大、過密を解消するために設置基準をつくることは、障害のある全ての子供たちの保護者も含め希望をつくることになります。 私学助成については、一昨年度より公立高校の授業料無償化と連動した高等学校就学支援金制度によって、県単補助金の拡充もあり、無償化へ一歩前進しました。しかし、高校生1人にかかる教育予算を比べたとき、公立高校が年間約132万円、私立高校は年間約44万円と公立の約3分の1にすぎません。同じ納税者である保護者の負担格差の是正が求められます。親の所得格差で子供の学業継続ができなくなるのは、教育機会の平等の原理に反しており、国家を支える人材確保の機会損失という国家戦略上も望ましいものではありません。 本署名には、今回7万2,451筆が寄せられ、前回よりもふえ、要望の大きさと運動の広がりをうかがうことができます。実際に、運動の広がりから、私学において、授業料減免制度の利用世帯も平成20年に26人であったものが、平成23年度には365人と、学校側の積極的な対応の変化から利用が極端に増加しています。署名運動の成果が実ったことと言えます。 また、昨年度も国会の全政党、全会派の議員が紹介議員になり、高知県関係者でも今回の選挙で当選した福井照、中谷元、山本有二自民党3衆議院議員に加え、広田一民主党参議院議員の4名が紹介議員になっています。 本請願の採択は、本県の教育条件改善に努める県教委並びに知事の取り組みを積極的に後押しすることにもなります。本県議会でもぜひ採択していただきますよう、議員各位にお願いして、請第3-1号と3-2号、請第4号への私の賛成討論といたします。(拍手) ○議長(武石利彦君) 14番三石文隆君。   (14番三石文隆君登壇) ◆14番(三石文隆君) 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題になりました請第3-1号「すべての子どもにゆきとどいた教育をすすめるための請願について」、反対の立場から討論を行います。 全ての子供が、高知県の豊かな自然環境の中で、伸び伸びと遊び、学んで、心身ともに健やかに成長できることを願い、我々は、日本国憲法や子供の権利に関する条約などに保障された子供の権利について、その崇高な理念を尊重しながら、大人が子供に真剣に向き合い、子供のお手本としてどうあるべきかを定めた子ども条例に改正をいたしました。 本請願にも、改正子ども条例の趣旨に合致した請願項目が数多くちりばめられており、その願意は理解するものであります。しかし、その願意が、本県の教育現場の現状から判断して妥当なのかを我々は改めて精査してみました。 以下、請願の項目に沿ってその理由を申し上げます。 まず第1項目として、県立学校における教材費等の学校運営予算については、県教委としてこれまでも前年と同規模の予算が確保できるように努力しています。さらに、本年度は、県立学校全体でPTA等の学校徴収金の調査を行い、公費で負担すべきものと、保護者のほうで負担すべきものについて一定整理をしていると聞いています。その結果、エアコンの設置など、よりよい教育水準を望む保護者の皆様からの要望による支援もいただいており、はっきりとした公費、私費の区分は難しいものもあります。しかし、公費負担の優先度が高いと判断し整理したものについては、県教委として予算確保に努力し、保護者負担の軽減に努めています。 次に第2項目として、少人数学級編制は、本県の場合は、既に平成16年度から小学校1、2年生及び中学校1年生が全国に先駆けて30人学級を実施しており、小学校3、4年生の35人学級も全国よりも手厚く対応しています。しかも、県単を投入して国の改善計画を先取りする形で、これ以上できないところまで十分対応しています。 次に第3項目めとして、本県に大変多い複式学級基準の引き下げや改善について、1、2年生の複式の場合は1年生を単式にせよとの要求は、とんでもない教員定数要求につながりかねないむちゃな要求であり、また飛び複式についても、県単教員を配置することは現状において困難ではないかと思います。単に教員を1人ふやせば全てが解決する問題ではないと思っています。やはり、教員の指導力強化等によるソフト面の改善で対応していくことがまずは大切ではないかと考えるものであります。 次に第4項目として、奨学金制度の拡充について、高等学校等奨学金については、平成22年度から貸与方法の選択制になっており、公立学校においては1万8,000円または2万3,000円のいずれかで、私立学校では3万円または3万5,000円のいずれかを選択できることになりました。また、貸与条件も成績要件の撤廃や収入基準の緩和も行い、利用しやすくなりましたし、経済的理由で返還が困難と認められる場合は、奨学生が計画的に安心して利用できるよう、返還金の猶予ができる所得連動型猶予制度も本定例会に条例議案として提案をされたところであります。 次に第5項目めとして、高等学校授業料無償化については、私学の就学支援金と絡む課題であり、この際我が党の考え方を述べさせていただきます。 資源のない我が国にとって、次の世代の人材を育成する教育は極めて重要な課題であります。我々、自由民主党が目指す教育とは、世界トップレベルの学力と規範意識を養成し、日本文化を理解し、継承・発展させることができる人材を育成することであります。そのためには、限られた財源を最大限有効に活用することが不可欠です。 我々は、現状の教育問題を解決するためには、全ての子供たちが安心して夢の持てる教育を受けられる社会の実現を目指して、まず日本のどの地域で学ぶ子供にもひとしく質の高い教育が受けられるよう、教育の地域間格差が生じないようにするとともに、質の高い教育ときめ細かな指導を進めなければならないと考えております。 そのような中、民主党政権が平成22年度から導入した高校無償化について検証してみると、まず第1に、果たしてこの政策によって学力や教育内容の向上といった教育上の効果が得られているのか、第2に、高校を義務教育化するのか等、我が国の教育制度における位置づけをどうするのか、国としてこのことに対する考え方を全く示しておらず、ただのばらまきをしているだけではないか、第3に、所得の多い家庭の子供の授業料まで国が支援する必要があるのか、第4として、公立高校と私立学校との授業料の格差や、都道府県間の就学支援策の格差が広がっていることなど多くの問題点があり、早急な見直しが必要であります。特に、所得制限を設けないことは、過度の平等主義や均一主義であり、年少扶養控除や特定扶養控除の高校生分の上乗せの廃止により、逆に負担増となる世帯を生じているのが実態であります。 我が党としても、家庭の経済状況が厳しい児童や生徒への就学支援策は大変重要であり、積極的に進めていかなければならないものと考えているところであります。そのための制度も必要なことは理解しております。しかしながら、そのための制度設計は、全体を通して将来を見据え、戦略的に行われるべきであります。すなわち、初めにも申しましたように、地域間格差の生じない質の高い教育が担保されているか、学校がいじめや不登校の子供のいない安全で安心な居場所となっているのか、また意欲や能力があっても、経済的な理由で就学を断念せざるを得ない子供がいないかといった課題がございます。それらの課題を将来的に解決するためには、より効果的で、恒久的な制度とするべきと考えます。 財源に限りがある中、このような考え方のもと、我が党は、真に公助としての支援が必要な世帯に手厚く給付を行い、実質的な平等を確保するために、我々は所得制限が必要と考え、今後政策転換を進めてまいります。 よって、本請願の第5項目は、こうした我々自由民主党が考える自助、共助、公助のバランスのとれた社会の形成と方向性が大きく異なる内容と考えるものであります。また、通学費などの援助については、高等学校の統廃合等で遠距離通学を余儀なくされている生徒については、高知県県立高校通学支援奨学金制度も実施されていることをつけ加えておきます。 次に第7項目めとして、特別支援学校の設置基準は策定されていませんが、大規模、狭隘化への対応については、平成20年3月に出された文部科学省の通知及び本県の特別支援学校再編計画に基づいて、分校2校の新設を行うなど、教育環境の充実を図ることに努めています。 このような請願書の請願項目について、一つ一つ現状に照らして精査をしていきますと、高知県教育委員会としては、最大限努力しているものと我々は判断しておりますし、自由民主党の考える政策になじまない項目もあります。 よって、請願の必要はないものと判断し、請第3-1号の採択に反対するものであります。何とぞ同僚各位の御賛同をお願い申し上げ、私の反対討論を終わります。(拍手) ○議長(武石利彦君) 10番梶原大介君。   (10番梶原大介君登壇) ◆10番(梶原大介君) 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題となりました請第3-2号「すべての子どもにゆきとどいた教育をすすめるための請願について」、またこれと関連いたします請第4号「教育費負担の公私間格差をなくし、子どもたちにゆきとどいた教育を求める私学助成の請願について」の両請願を採択することに反対の立場から討論をいたします。 我が国の公立、私立を含む教育予算全体は、高校レベルでは前年度予算に対する概算要求額が5,700万円ほど減少をし、約3,952億6,000万円ほどでありますが、これは生徒減によるものであります。 また、私学助成の拡充と保護者負担の軽減については、さきの9月定例県議会においても意見書の採択がなされております。私学助成の意見書は、毎年の9月または12月県議会において、毎年一回は必ず採択されるルーチンイシューとして国の各関係機関に要望をしております。 請願者も御存じのとおり、私学に対する助成は、国庫補助単価と交付税単価と県単助成の3つの柱から成り立っております。これらは、毎年少しずつではありますが、増額の傾向にあります。国の平成25年度の概算要求額も24億円上がっており、23年度予算からは実質0.3%から0.4%の増と、年々少しずつではありますが上昇をしております。特に、尾崎県政にかわってから、生徒1人当たりの経常費助成費補助の単価も年々上昇傾向にあります。 その中身をひもときますと、平成24年度の本県の補助単価は、高校生1人当たり32万2,258円で全国平均の32万7,099円と比べると4,841円低く、全国26位ではありますが、私立高校の特色を生かし、学力向上、進路指導などの教育力向上を目指した尾崎知事肝いりの教育力強化推進事業費補助金も、平成24年度からは1校当たり600万円と100万円増額をされ、それによる1人当たり9,218円を補助単価に上乗せいたしますと33万1,476円と、全国平均を上回り、全国20位に相当します。一方、中学生1人当たりの補助単価は、全国平均29万5,540円を7,393円上回り、全国10位であります。小学生1人当たりの補助単価は、全国平均28万2,184円に対して1万9,147円上回る全国6位であります。 また、保護者負担の軽減に向けた授業料減免制度については、平成21年度から生活保護世帯と家計急変世帯に加えて、市町村民税非課税世帯も対象になっております。こうした制度の利用も年々増加をして、平成23年度実績では365人が利用をしております。その仕組みは、私立学校が私学の建学の精神にのっとって運営をされていることや、私学の入学に際し選抜制をとっていることから、学校法人にも応分の負担をいただくべきと判断して、設置者に負担をいただいておりますが、平成25年度からの私立学校の学校法人としてのさらなる負担軽減を図るため、設置者負担について財政当局と協議をしています。 しかしながら、1人当たりの公費充当の割合を公立と私立の間で比較してみますと、高校生1人当たりが公立高校は私立の2.6倍、中学生1人当たりについては私立中学の5.9倍の公費が充当されており、公私間の格差是正を目指して、我々県議会も保護者の皆様や教職員の皆様と一丸となって、毎年、私学振興大会を開催し、私学助成の拡充と保護者負担の軽減に向けて強力に運動を展開していることは、請願者や議員各位も御承知のことと存じます。 よって、県当局の私学支援体制の姿勢に後退はないと確信をしており、あえて今議会において請願を採択する必要はないと判断をするものであります。 何とぞ、同僚議員各位の御賛同を心からお願いを申し上げまして、請第3-2号、請第4号に対する反対討論を終わります。(拍手) ○議長(武石利彦君) 次に、請第2号「独占禁止法に違反した建設業者37社に対する指名停止処分の短縮等を求める請願について」の請願に関し、討論の通告がありますので、順次発言を許します。 38番米田稔君。   (38番米田稔君登壇) ◆38番(米田稔君) 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となりました請第2号「独占禁止法に違反した建設業者37社に対する指名停止処分の短縮等を求める請願について」、反対する立場から討論を行います。 まず、犯した行為、処分と救済策、地域経済への影響については別個の問題であり、それぞれ別の観点で検討することが必要であります。「談合は事実上税金の詐取であり、言うまでもなく犯罪である」、2006年12月全国知事会の指針も明確に述べています。談合という独占禁止法違反の犯罪行為は決して許されるものではありません。だからこそ県は、コンプライアンスが最優先されなければならないとの立場で、法令、要綱に基づいて談合業者37社に対して6カ月から14カ月の指名停止処分を行ったのであります。 請第2号も、今回の措置は「適切な措置であったと受けとめている」、また「もとより、37社が行った独占禁止法違反の行為は決して許されるものではない」と述べています。それが真意であるならば、いかなる理由があろうとも粛々と処分を受けるべきではありませんか。また、関係者の猛省と業界のコンプライアンスの確立等を求め、期待も表明をしています。犯した犯罪に対する相応の処分を受けることが、真剣な猛省を促す契機になるのであります。また、コンプライアンス確立を言うものの、地域経済や雇用を口実に特定の違反業者の罰則の軽減を求めることは、コンプライアンス確立と相矛盾することは明らかであり、到底県民の納得を得られるものではありません。 県議会が、この請願を認めることは、法令と要綱に基づく指名停止処分を数の力でねじ曲げ、議会みずからがコンプライアンスを放棄することになるのであります。条例等法律を審議し制定する議会の重要な役割、使命からいっても県議会史上に大きな汚点を残すことになると言わざるを得ません。 県の指名停止措置要綱に指名停止期間短縮の規定はありますが、指名停止の期間中の業者について情状酌量すべき特別の事由となっており、違反業者そのものにかかわる情状について限定して検討されるべきものであり、地域経済や雇用問題全般の事柄を適用すべきではありません。 次に、さきの全国知事会文書は、「談合を根絶するためには、建設業界の古くからの談合体質も一掃されなければならない」、「自ら談合と訣別し、コンプライアンスの定着と企業倫理の確立に向けて取り組むよう求める」と提起をしています。建設業界の古くからの談合体質は、簡単に一掃できないことは周知のことであります。業界の宣言や改善計画書等の策定など、一通りの形ばかりの作業によって、コンプライアンスが徹底され確立されたと言えるものではありません。まして、指名停止期間を短縮することは、談合をしても罰則は緩和されるという意識を業者側に醸成させることになり、コンプライアンス確立に逆行することになるのであります。まさにモラルハザード、コンプライアンスハザードそのものであります。 知事も議会答弁で、コンプライアンスが最優先されなければならない、真摯に反省し、確立に向けた具体的な取り組みが、確実に実践され始めていることが確認できていること、その動きが県民に見え、再び違反が疑われることがないとの安心感を持ってもらう状況になることが重要と表明をしています。また、建設業協会においては、真摯な反省、内部調査を含めた総括もいまだ行われておらず、改善計画書案の策定など緒についたばかりです。県の談合防止対策検討委員会も最終報告に向けて、指名停止期間の見直し、強化を含めたペナルティーの強化など、談合防止対策を真剣に検討している真っただ中です。 コンプライアンスと談合防止策の確立を監視しなければならない議会が、そのやさきに逆に指名停止期間を短縮することは、到底認めることはできません。議会の委員会審査でも、建設業界のコンプライアンス確立が絶対条件、建設業協会でも談合防止の検討をしている途中、まだまだ不十分な点もあり、今後もしっかり見きわめていかなければならないと発言しています。建設業界のコンプライアンス確立が絶対条件、今後も見きわめていくとまで言うのであれば、少なくとも今採択できる現状にないことは明らかではありませんか。にもかかわらず請願を採択することは、本音はコンプライアンス確立よりも罰則の軽減、違反業者の救済を最優先することになり、決して許されるものではありません。 請願採択をそこまで強引に進めることに対して、談合業者からの8,731万円にも上る企業献金への見返りではないか、政党と特定の建設業者との癒着ではないかとの県民の批判、政治不信が強まることは必至と言わなければなりません。 長引く不況のもとで、建設業のみならず、県下の多くの中小・零細企業が厳しい経営環境に直面をしています。もちろん、指名停止措置による地域経済や雇用への深刻な影響が予想もされるところですが、罰則を軽くするのではなく、雇用や関連下請企業への影響を最大限軽減していく救済策の強化が求められているのであり、県としてもその対応に努めているところであります。役員がきちんと処分と責任を全うし、新年度の公共事業発注前の来年5月には15社が指名停止解除になり、7月には合計34社が解除、新たに入札参加が可能となるわけで、県、国の支援も受けながら事業継続に取り組むことを強く願うものであります。 また、地域経済全体、南海地震対策等への影響についても、県として今年度、来年度に必要な公共事業予算の確保と実行、地元企業の優先発注、B等級同士の1億円以上工事の発注など、努力を強めています。B等級217のうち違反業者は14社で、多くが健全な企業であり、事業の推進、地域経済、雇用を支える一定の条件はあるのであります。 犯した罪に対する法と基準に基づく厳格な処分こそ、コンプライアンス確立への出発点であり、県民の信頼回復へのかなめであることを重ねて訴えたいと思うのであります。 最後に、請第2号は、県内を代表する2つの経済団体から提出をされています。商工会議所法、商工会法で規定する団体であり、公益的な法人として組織や活動の面で強い公共性を持っています。だからこそ、法にも原則がうたわれ、営利を目的としない、特定の個人や団体のために活動しない、特定の政党のために活動しないとの3つの原則に基づいて公正な立場で事業を行わなくてはならないと定めています。 今回の請願は、法令、要綱に基づく県の処分の変更を求めるもので、法に規定され、かつ極めて公共性の強い団体がみずから法令、ルール破りを求めることが適切な行動と言えるのか、また両団体とも会員に談合業者がいるとのことであり、地域経済や雇用のことに触れてはいるものの、結論は談合37業者の指名停止期間の短縮など極めて具体的な請願項目になっています。明らかに、特定の個人や団体のために活動しないという原則に逸脱するものではないでしょうか。私は、今請願について、極めて残念な行為であると言わざるを得ません。本来なら身内の違反業者に処分を受けるよういさめ、その上で対応策の強化等を求めるのが道理でありませんか。 以上、請第2号への反対討論とし、同僚各位の御賛同を心からお願いをいたします。(拍手) ○議長(武石利彦君) 13番中西哲君。   (13番中西哲君登壇) ◆13番(中西哲君) 私は、ただいま議題となりました請第2号「独占禁止法に違反した建設業者37社に対する指名停止処分の短縮等を求める請願について」に賛成の立場から討論を行います。 去る10月17日、公正取引委員会から、県内37社に対して排除措置命令と課徴金納付命令が出され、これを受けて、国、県において、最長で14カ月の指名停止措置が行われました。また、公取の処分の確定を受けて、今後、建設業法に基づく監督処分や契約書に基づく賠償金の請求が行われることになります。このことは、県内の公共工事において繰り返し談合が行われてきたことに起因するものであり、公共工事に対する県民の信頼を著しく損ねたことに対する適切な措置だと考えます。 よって、まずは違反行為を行った事業者が心から反省し、県民の皆様の信頼回復に向けてコンプライアンスの確立を徹底すること、加えて建設業界全体で今回の事態を真摯に受けとめ、法令遵守の徹底によって、二度と再びこうしたことを許さない環境づくりにみずから取り組むことが重要だと考えます。その上で、一日も早く県民の皆様の公共工事の入札に対する信頼回復が図られるよう、願ってやまないところであります。 そうした一方で、今回、本県の建設業界をリードすべき多くの中核企業が、長期間にわたる指名停止措置を受け、さらに多額の賠償金を求められるという過去に例のない事態が、本県の経済や雇用、さらには喫緊の課題である南海トラフ巨大地震への備えなどの面で、深刻な影響を及ぼすのではないかと危惧するところであります。 本県の経済が、公共事業への依存度が高いことは周知の事実でありますが、とりわけ今回指名停止を受けた企業は、平成23年度の実績で、国、県、市町村が発注する公共工事の約40%を、その大半は元請として受注しております。もとより、建設工事は今回処分を受けた元請の事業者だけで完結するものではなく、下請業者や資材納入業者等の多くの関連企業の協力があって、初めて成り立つものであります。大規模な工事であればあるほど、その裾野は広く、商工会議所連合会等によると、今回処分を受けた事業者と、工事の下請や資材の納入等で取引のある関連企業の数は、1社当たり平均で135企業に及ぶというデータもあります。 そうした状況にあって、仮に今回処分を受けた事業者の一部でも倒産するといった事態が発生すると、連鎖倒産の発生など、その影響ははかり知れないものとなります。また、仮に元請事業者の倒産は回避できたとしても、手持ち工事がなくなり、新たな受注ができない状況では、当然下請業者への発注が途絶え、資材の調達もなくなることになります。そうなれば、もともと財務体質が弱い下請企業や資材納入業者においては、資金繰りが悪化し、最悪の場合倒産といった事態を招くことが切迫感を持ってきます。この点は、金融機関等からの聞き取りにおいても、特に手持ち工事がなくなる年度末にかけて、さらにはそれ以降、非常に深刻な課題となると提起されております。 一方、雇用の面においても、平成22年度国勢調査によると、建設業における就業者数は全就業者の8.3%を占めております。そうした中で、今回処分を受けた37社は、直接的な雇用だけでも正規、非正規合わせて約2,000人、家族を含めると4,400人余りの生活を支えていると聞いております。また、その下請業者等の関連企業をも含めると、さらに多くの雇用と家族の生活を支えております。 先ごろ、処分対象37事業者に対し県が行った聞き取り調査報告でも、現在は配置転換や出向でしのいでいるが、手持ちの工事が少なくなってくる年明けからは、短期契約の従業員の解雇、さらに工事が途切れる4月以降は、常勤の技術職員の雇用の打ち切りもせざるを得ない状況にあるといった実態が明らかになっております。また、解雇まではいかなくても、雇用を維持するためには、給与の削減や手当のカットなど、従業員の生活の切り下げに直結する厳しい対応をせざるを得なくなるとの声もあります。体力の弱い下請企業等においては、影響がさらに深刻なものとなることは容易に想像できるところであります。 また、南海トラフ巨大地震への備えの面でも、今後、避難路や避難施設の整備を促進し、あわせて事前の防災・減災の観点から、河川や海岸の堤防の強化などの事業を速やかに進めていかなければなりません。今回の事態が、その進捗に影響を及ぼし、ひいては県民の命を守る安全・安心の確保の障害となることも心配されます。 談合は法令に違反する行為であって、決して許されるものではありません。地域の経済や雇用を支え、社会的にも大きな使命を負っている企業であれば、なおさらその責任は重く、こうした違法行為を長い期間にわたり行ってきたこと、またその責任にふさわしい法令遵守の体質が根づいていなかったことは、まことに遺憾であり、関係者には猛省を促したいと思います。 ただ一方で、そのことをもってしても、苛酷な公共工事の現場で、日々汗を流して県民の安全と安心を確保するために一生懸命に働いている多くの従業員など、談合とは何の関係もない方々の生活基盤が奪われることがあってはならないと考えます。あの夏の炎天下の、ただ立っているだけでも倒れそうになるような、本当に苛酷な現場で働いている方々の姿を思い出してください。こうした方々の生活は守らねばなりません。 公正取引委員会の処分から2カ月余りが過ぎ、コンプライアンスの確立に向けた動きも見え始めました。県の建設業協会においては、県からの改善計画提出の要請に応えて、11月14日、知事に改善計画骨子を提出し、現在、その内容の具体化に取りかかっています。年明け早々には、外部の有識者による倫理委員会を立ち上げる予定であり、協会みずからの取り組みとして、コンプライアンス確立に向けた動きを始めております。各事業者においても、コンプライアンス確立に向けた基本方針を策定し、改善に向けた取り組みが進んでいると聞いております。また、発注者の県においても、事業者からの聞き取りにより、違反の背景や原因の分析を行うとともに、談合防止対策検討委員会での議論も踏まえて、再発防止策の策定に取り組んでおります。 こうした取り組みが具体的に目に見える形で動き始めれば、県の経済や雇用を守るために、請願にある指名停止期間の短縮についても、多くの県民の皆様の御理解を得ることができるものと確信するところであります。 本請願に反対の立場からは、現状では談合の再発防止という面では何の担保もないとか、指名停止期間短縮という前例をつくってしまえば制度自体が形骸化してしまうとか、談合しても罰則は緩和されるという意識が業者側に出てしまうことは、再発防止面からは非常に危険だといった意見もあります。しかし、今回の請願は、指名停止期間短縮の前提として、コンプライアンスが確立した上はとの条件がつけられております。その意味するところは、まずは関係者が今回の事態に至ったことをきちんと反省し、県民に対して謝罪すること、その上で二度とこうした事態を引き起こさないための強い決意を表明し、その実現に向け具体に実行することであり、あくまでも業界全体としてのコンプライアンスの確立が、請願項目を実施する前提条件となっております。 こうした趣旨、本県の置かれた状況、さらには本県を代表する経済団体からの、コンプライアンスの確立と経済、雇用への悪影響の回避を両立させなければという、県全体のことを思っての請願であることを重く受けとめ、本請願に賛成するものであります。 本県は、先ほども申し上げました南海トラフ巨大地震への備えや、おくれた社会資本の整備を着実に、かつスピード感を持って進めていかなければなりません。そのためにも、一日も早く、県民の皆様の公共工事の入札に対する信頼回復が図られることを願わずにはいられません。 そうした思いも込めて、同僚議員各位の御賛同をお願いして、賛成討論といたします。(拍手)--------------------------------------- △採決 ○議長(武石利彦君) 以上をもって、討論を終結いたします。 これより採決に入ります。 まず、第1号議案を採決いたします。 委員長報告は可決であります。委員長報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。   (賛成者起立) ○議長(武石利彦君) 全員起立であります。よって、本議案は委員長報告のとおり可決されました。 次に、第2号議案から第42号議案まで、以上41件を一括採決いたします。 委員長報告は、いずれも可決であります。委員長報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。   (賛成者起立) ○議長(武石利彦君) 全員起立であります。よって、以上41件の議案は、いずれも委員長報告のとおり可決されました。 次に、議発第1号「高知県子ども条例議案」を採決いたします。 委員長報告は可決であります。委員長報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。   (賛成者起立) ○議長(武石利彦君) 起立多数であります。よって、本議案は委員長報告のとおり可決されました。 これより請願の採決に入ります。 まず、請第3-1号「すべての子どもにゆきとどいた教育をすすめるための請願について」の請願を採決いたします。 委員長報告は不採択であります。委員長報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。   (賛成者起立) ○議長(武石利彦君) 起立多数であります。よって、本請願は委員長報告のとおり不採択とすることに決しました。 次に、請第3-2号「すべての子どもにゆきとどいた教育をすすめるための請願について」の請願を採決いたします。 委員長報告は不採択であります。委員長報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。   (賛成者起立) ○議長(武石利彦君) 起立多数であります。よって、本請願は委員長報告のとおり不採択とすることに決しました。 次に、請第4号「教育費負担の公私間格差をなくし、子どもたちにゆきとどいた教育を求める私学助成の請願について」の請願を採決いたします。 委員長報告は不採択であります。委員長報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。   (賛成者起立) ○議長(武石利彦君) 起立多数であります。よって、本請願は委員長報告のとおり不採択とすることに決しました。 次に、請第2号「独占禁止法に違反した建設業者37社に対する指名停止処分の短縮等を求める請願について」の請願を採決いたします。 委員長報告は採択であります。委員長報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。   (賛成者起立) ○議長(武石利彦君) 起立多数であります。よって、本請願は委員長報告のとおり採択することに決しました。--------------------------------------- △南海地震対策再検討特別委員長報告 ○議長(武石利彦君) この際、南海地震対策再検討特別委員会に付託中の調査事件について委員長の中間報告を求めます。 南海地震対策再検討特別委員長土森正典君。   (南海地震対策再検討特別委員長土森正典君登壇) ◆南海地震対策再検討特別委員長(土森正典君) 南海地震対策再検討特別委員会が付託を受けました、東日本大震災からの教訓を明らかにし、南海地震対策の再検討と強化を図るための調査について、その調査の中間報告をさせていただきます。 まず、調査活動の経過についてでありますが、委員会設置後、直ちに執行部から、東日本大震災の概要及び県の対応について、また南海地震対策行動計画、地震対策関連予算などについて説明を受けました。その後、有識者との意見交換、被災地の調査、県内外の地震対策の取り組み状況の調査など、精力的に取り組んできたところであります。また、ことし10月には、南海地震対策推進本部長であります尾崎知事に対しまして、平成25年度当初予算等における南海トラフ巨大地震対策に関する要請を行ったところであります。 今回、これらの委員会活動を通じまして、調査、検討した結果を中間報告書として取りまとめましたので、お手元に配付をしております。 それでは、中間報告書の概要について御報告をさせていただきます。 まず、地震研究の有識者の方々からは、南海地震対策を急ぐ必要性に加え、避難訓練の徹底などソフト対策が重要なこと、災害前の準備として、インフラなどの復旧対策や地域の復興計画の検討が重要なこと、また地震予知は、従来の観測に加え、複数の前兆現象を観測すれば可能性は十分あることなどの御意見をいただきました。 被災地で救助活動に携わった方々からは、災害時においては、情報収集や業務調整などを効率的に行える体制が重要であること、また事前に各種データの保管方法の検討が必要であること、さらに防災対応拠点となる消防庁舎の整備、石油基地の安全性の確認、また災害時における医療面での課題などについて御意見をいただきました。 民間企業の方々からは、BCPに関して、相談、指導体制の必要性や、行政からの情報不足といった課題、また備蓄基地の設置や災害時におけるラジオの有効性などについて御意見をいただきました。 次に、東日本大震災の被災地の現地調査についてであります。 被災地の調査は、地震発生の約3カ月後と約1年4カ月後の2回にわたって実施をさせていただきました。 最初は、陸上自衛隊の協力をいただきまして、宮城県沿岸部の被災地の調査と、気仙沼市で市長との意見交換を行いました。 被災地に立ち、まずその被害の大きさに驚きました。また、関係者の方々から当時の状況を聞き、地震対策の重要性を強く再認識したところであります。 沿岸部の調査においては、平野部では多数の住宅の流失、倒壊に加え、大規模火災が発生し、壊滅的な被害を受けたこと、地盤沈下や堤防の決壊により長期浸水が発生したこと、盛り土式の道路が防潮堤、避難場所として機能をしたこと、さらに保護者が学校から子供を連れ帰り被災したケースが多かったことなどを確認いたしました。 また、陸上自衛隊からは、南海地震への備えとして、道路網が寸断されることを想定した対策や応援部隊の拠点場所などの検討が必要なこと、また災害時においては迅速に判断と指示ができる体制づくりが重要であることなどの助言をいただきました。 気仙沼市の菅原市長さんからは、一番不自由した点は、電気がなく、情報収集・提供に支障を生じたこと、また住宅などの高台移転については費用面などの課題はあるが高台移転の必要性を感じているなどの御意見をいただきました。 次に、2回目の被災地の調査では、岩手県大槌町と陸前高田市の被害、復興の状況、また遠野市の災害時の後方支援について調査を行いました。 まず、大槌町、陸前高田市では、大震災の教訓として、重要な施設は高台移転を進め、移転できない場合には、重要なデータの保存対策を講じる必要があること、また津波被害の記憶の継承が何よりも大事であることなどの御意見をいただきました。復興計画では、住宅や公共施設は高台への移転を基本とし、低い土地はメガソーラーや野菜工場などに活用する計画であること、復興に向けての課題は、被災した住宅地の用地交渉や高台移転の合意形成には労力と時間がかかることなどの説明をいただきました。 遠野市では、5年ほど前から、災害時の後方支援に取り組み、県、自衛隊、医療機関、住民などが参加した大規模な訓練を実施し、宮城県沖地震に備えてきたこと、また高知県への助言として、後方支援拠点が備えておくべき条件や訓練の重要性などについて意見をいただきました。 次に、県外の先進的な取り組みに関する調査についてであります。 まず、静岡県沼津市では、津波避難ビルの指定、目的別の津波避難看板の整備、孤立が予想される地区への防災備蓄倉庫の設置などの取り組み状況や、集団高台移転については、さまざまな法律が絡み実現までのハードルが高いことなどの御意見をいただきました。 静岡県地震防災センターでは、静岡県の地震対策が進んだ大きな要因には、昭和53年の大規模地震対策特別措置法の制定があったこと。今後の課題としては、東海地震の震源地は陸側にあり、東日本大震災とは揺れが違うことを県民に理解してもらうことや、高齢者世帯の住宅の耐震化を進める必要があることなどの意見をいただきました。 和歌山県では、避難路に関する条例を制定し、特に重要な避難路沿いの建築物については、基準に違反する場合、県が勧告、命令できることとしていること、また緊急避難先を安全度によって3段階に分類したことなどの説明をいただきました。 次に、被災地の復興に中心的な役割を担った国土交通省の東北地方整備局では、被災地へ派遣した災害対策現地情報連絡員による情報収集が自治体支援に非常に有効であったこと、早期の復旧には地元建設業者との連携強化や資機材の確保が重要なこと、また災害時には、公園、道の駅、高速道路のサービスエリア等の有効活用が必要なことなどの意見をいただきました。 次に、県内自治体の南海地震対策についてであります。 県内の11市町から、南海地震対策について説明を受け、意見交換とともに、現地調査を行いました。加えて、県内3地区の防災組織の方々との意見交換も行いました。 各自治体では、東日本大震災を受け、避難場所、避難路の見直し、地域の実情に合わせた避難場所などの整備、またソフト対策として、避難訓練の強化、防災教育の充実などに取り組んでいること、また課題としては、財源の確保、自主防災組織の担い手不足、さらに中山間地では、安全な避難路、避難場所の適地が少ないことなどの御意見をいただきました。 以上のような意見交換や現地調査を踏まえ、南海トラフ巨大地震対策を加速化し、確実なものにするための提言を取りまとめたものであります。 提言の主な内容は、次のとおりであります。 最初に、「揺れたら逃げる」防災意識の徹底についてであります。 揺れを感じたら、まずは身の安全を確保し、速やかに高台へ避難することを周知するとともに、自分の生命、財産は自分で守る自助の意識啓発を徹底する必要があります。この取り組みを推進するために、高知県南海地震による災害に強い地域社会づくり条例について、自助、共助、公助のあり方の再点検、見直しが必要です。また、東日本大震災の教訓から、災害時要援護者等に対する避難支援体制の構築や、避難誘導における災害時行動マニュアルの策定、見直しが必要です。さらに、学校や社会福祉施設等の高台への移転の検討や、安全確保のためにライフジャケットなどの配備が必要です。 次に、地震動対策についてであります。 南海トラフ巨大地震では、強い揺れにより、建物の倒壊、地盤沈下、液状化などが危惧されており、公共的施設や木造住宅などの耐震化の加速や、避難路沿いの建築物等の倒壊防止対策が必要です。また、中山間地では、土砂災害や道路崩壊等の防止対策、通信手段の確保対策などを講じる必要があります。 次に、津波対策についてであります。 まず、海岸・河川保全施設等については、比較的頻度の高い津波を余裕を持って防ぐことができる高さとし、最大クラスの津波に対しても粘り強い構造とすることを求めておきます。また、長期浸水対策について、排水計画や救命ボートの配置場所など早期に具体的な対策を示すことを求めます。さらに、建物、自動車、船舶等の津波漂流物による被害を防止する対策を講じる必要があります。 次に、火災対策についてであります。 大規模火災の発生を防ぐためには、石油タンク等の耐震化や流失防止対策を行うとともに、倒壊した建築物が原因となる出火、延焼を防ぐための耐火対策が必要です。さらに、消防庁舎の耐震化を進めるとともに、津波による浸水時に備え、代替庁舎等の検討を行う必要があります。 次に、緊急避難場所対策についてであります。 市町村では、津波避難路などの整備を進めていますが、県の交付金の期限である平成25年度までに全ての整備を終えることは難しい状況にあることから、市町村に対する財政支援の継続を求めます。また、津波は長時間沿岸部に押し寄せることが想定されるため、緊急避難場所には一定の時間滞在できるよう、非常用電源やトイレなどの整備が必要です。 次に、情報収集伝達対策についてであります。 東日本大震災では、停電などにより情報の収集と伝達に支障が生じたことから、複数の情報収集伝達手段を構築するとともに、独立した非常用電源の確保が必要です。また、教育機関や社会福祉施設などへのJ-ALERTの設置や、避難所などへのラジオの配備も必要です。こうしたことに加え、国に対しては、引き続き地震、津波の観測機器の整備について政策提言を行うよう求めておきます。 次に、救命・救急、被災者支援における避難所対策についてであります。 避難所と緊急避難場所の役割、機能、名称等を明確に区分し、地域住民へ周知徹底を図るとともに、最大クラスの津波を想定した避難所の設置場所や避難スペースなどの見直しが必要です。また、災害時要援護者が十分ケアが受けられるよう、福祉避難所の設置を促進することや、避難所の設置や運営などに関して女性の参画を検討する必要があります。あわせて、避難所以外の場所で避難生活を送る被災者にも、適切な支援が行き届く仕組みの構築が必要です。 次に、災害時医療救護対策についてであります。 高知県災害時医療救護計画については、今後示される新たな被害想定を踏まえ、さらなる見直しが必要です。また、県内の多くの災害拠点病院が津波浸水予測地域にあるため、事業継続に向けた機能強化を図る必要があります。さらに、被災者のニーズや医療情報を迅速に把握する仕組みの構築や、隣県等との広域医療連携体制の構築が必要であります。 次に、受援・支援対策についてであります。 大勢の防災関係者やボランティア等を受け入れる総合防災拠点を整備するとともに、円滑な支援活動ができる体制の構築が必要です。また、関係機関や住民などが参加する大規模な防災訓練の強化が必要です。 次に、緊急輸送路の確保対策であります。 事前の準備として、道路、港湾、空港等の啓開方法に関し、国土交通省などの関係機関と十分検討するとともに、地元建設業者の協力を得るため、災害協定に基づく機材や人員確保について十分に検討し、連携を図る必要があります。また、命の道となる高速道路の延伸、幹線道路の耐震化や港湾における耐震強化岸壁等の整備促進が必要です。 次に、被災者の生活再建支援における避難所対策についてであります。 長期間の避難所での生活を想定し、避難者のプライバシーに十分配慮した生活環境の整備に万全を期する必要があります。さらに、多数の死者を想定し、遺体の適切な取り扱いや迅速な身元確認の方法を検討しておく必要があります。 次に、生活再建支援対策についてであります。 仮設住宅の建設に必要な用地や資材などは、できる限り事前に確保するとともに、災害廃棄物の処理やライフラインの早期復旧対策についても検討しておく必要があります。 次に、被災者の生活再建支援対策についてであります。 仮設住宅に入居した被災者に対する相談窓口の設置など、仮設住宅におけるサポート体制を検討しておく必要があります。また、雇用対策や二重債務問題への対策を検討しておく必要があります。さらに、あらかじめ、災害公営住宅の建設用地等を確保しておく必要があります。 次に、復興への取り組みについてであります。 速やかな復興のためには、発災後その都度、特別立法措置をするのではなく、あらかじめ、発災時の特別措置や復興本部の設置などに関して法整備等を行うよう、国に求めていく必要があります。また、復興計画の策定に当たっては、住民の積極的な参加のもと、地域特性や地域力を最大限に生かした検討が必要です。 最後に、地域経済の再生支援についてであります。 被災した企業等の事業の早期再開のために、防潮堤や道路等の社会基盤の速やかな復旧に向けた対策や、高台への企業団地の整備について検討する必要があります。また、本県の基幹産業である農業、漁業、林業の早期再生に向けた対策を検討し、取り組みを進めておくことが必要です。さらに、企業のBCPの策定とあわせて、発災前の企業の高台移転に対して支援が必要であると考えます。 以上が中間報告としての提言であります。 特別委員会は、今回の提言やこれまでの要請に対する取り組みを注視するとともに、引き続き国や県の今後の対策も把握しながら、南海地震対策の検討をさらに深め、最終報告を行うことといたします。 以上をもって、南海地震対策再検討特別委員会の中間報告を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)--------------------------------------- △議案の上程、採決(議発第2号-議発第3号 規則議案、条例議案) ○議長(武石利彦君) 御報告いたします。 議員から議案が提出されましたので、お手元にお配りいたしてあります。その提出書を書記に朗読させます。   (書記朗読)   〔議発第2号、議発第3号 巻末298~303ページに掲載〕 ○議長(武石利彦君) 日程第2、議発第2号「高知県議会会議規則の一部を改正する規則議案」及び議発第3号「高知県議会委員会条例の一部を改正する条例議案」、以上2件を一括議題といたします。 お諮りいたします。ただいま議題となりました議案については、提出者の説明、質疑、委員会への付託、討論を省略し、直ちに採決することに御異議ありませんか。   (「異議なし」と言う者あり) ○議長(武石利彦君) 御異議ないものと認めます。よって、さよう決しました。 これより採決に入ります。 議発第2号「高知県議会会議規則の一部を改正する規則議案」及び議発第3号「高知県議会委員会条例の一部を改正する条例議案」、以上2件を一括採決いたします。 以上2件の議案を、いずれも原案のとおり可決することに賛成の諸君の起立を求めます。   (賛成者起立) ○議長(武石利彦君) 全員起立であります。よって、以上2件の議案は、いずれも原案のとおり可決されました。--------------------------------------- △議案の上程、採決(議発第4号 条例議案) ○議長(武石利彦君) 御報告いたします。 議員から議案が提出されましたので、お手元にお配りいたしてあります。その提出書を書記に朗読させます。   (書記朗読)   〔議発第4号 巻末306ページに掲載〕 ○議長(武石利彦君) 日程第3、議発第4号「高知県政務調査費の交付に関する条例の一部を改正する条例議案」を議題といたします。 お諮りいたします。ただいま議題となりました議案については、提出者の説明、質疑、委員会への付託、討論を省略し、直ちに採決することに御異議ありませんか。   (「異議なし」と言う者あり) ○議長(武石利彦君) 御異議ないものと認めます。よって、さよう決しました。 これより採決に入ります。 議発第4号「高知県政務調査費の交付に関する条例の一部を改正する条例議案」を採決いたします。 本議案を原案のとおり可決することに賛成の諸君の起立を求めます。   (賛成者起立) ○議長(武石利彦君) 起立多数であります。よって、本議案は原案のとおり可決されました。--------------------------------------- △議案の追加上程、提出者の説明(第45号) ○議長(武石利彦君) 御報告いたします。 知事から議案が追加提出されましたので、お手元にお配りいたしてあります。その提出書を書記に朗読させます。   (書記朗読)   〔提出書 巻末312ページに掲載〕 ○議長(武石利彦君) 日程第4、第45号「職員の退職手当に関する条例等の一部を改正する条例議案」を議題といたします。 ただいま議題となりました議案に対する提出者の説明を求めます。 県知事尾崎正直君。   (知事尾崎正直君登壇) ◎知事(尾崎正直君) ただいま追加提案いたしました議案について御説明申し上げます。 この議案は、退職給付の官民均衡を図る観点から、国家公務員の退職手当の支給水準が引き下げられることを踏まえ、県として必要な措置を講ずるよう、職員の退職手当について段階的に引き下げる改正を行うために必要となる条例議案を提案するものでございます。 県としましては、職員の退職手当制度については国家公務員の制度に準ずるという従来からの基本的な考え方などに基づき、慎重に検討してまいりました結果、職員への周知期間を一定考慮して平成25年3月1日を施行日とする改正を行うこととしたものでございます。 何とぞ御審議の上、適切な議決を賜りますようお願い申し上げます。 ○議長(武石利彦君) ただいま議題となっている議案につきましては、地方公務員法第5条第2項の規定に基づき人事委員会に意見を求めるため、暫時休憩いたします。   午後0時42分休憩---------------------------------------   午後2時再開 ○議長(武石利彦君) 休憩前に引き続き会議を開きます。--------------------------------------- △諸般の報告 ○議長(武石利彦君) 御報告いたします。 地方公務員法第5条第2項の規定に基づき人事委員会に意見を求めてありました第45号議案につきましては、基本的には国家公務員に準じて措置しようとするものであり、やむを得ないものと判断する旨の回答書が提出されました。その写しをお手元にお配りいたしてありますので御了承願います。   〔人事委員会回答書 巻末313ページに掲載〕--------------------------------------- △質疑 ○議長(武石利彦君) これより質疑に入ります。 通告がありますので、順次発言を許します。 37番吉良富彦君。   (37番吉良富彦君登壇) ◆37番(吉良富彦君) 私は、条例提案に対しまして、以下、質問をさせていただきます。 政府・民主党は、衆議院解散の11月16日、自民党、公明党とともに、国家公務員の退職金を15%、400万円以上も引き下げて暮らしと退職後の保障を脅かすこととなる国家公務員退職手当削減法案を衆参両院で採決を強行、成立させました。衆議院解散の閣議決定後に、衆議院と参議院の委員会と本会議の審議、採決をわずか1日、衆参合わせても2時間もないという驚くべき審議抜きの強行採決と言えます。 このような前代未聞の暴挙を知事はどう考えていらっしゃるのか、御所見をお伺いします。 削減法は、2013年1月から段階的に減額し、2012年度の人件費の削減額は130億円、完全実施の2015年度以降は年600億円の削減を見込んでいます。また、全自治体が実施すれば地方分で年3,400億円の削減になると試算されています。 本年度末、退職予定者の人数と影響額及び減額総額はどの程度になると予想しているのか、知事部局、教職員、警察職員ごとにお示し願いたい。また、完全実施までの各年度におけるそれぞれの額と総額についても総務部長にお聞きいたします。 もとより、退職手当を含め賃金は、労働基本権が認める勤務条件であり、極めて重要な労使交渉事項です。ゆえに、条例提案は労使双方の合意と納得があってしかる後になされるべきであるということは言うまでもありません。しかし、職員組合とは妥結に現時点でも至っていないと伺っています。にもかかわらず、条例案を提案することは、労働協約権を剥奪した上、人勧制度のような代償措置もとられないことに加え、労働組合の存在と交渉などの適法行為をも否定する不当労働行為と考えられるものです。 職員団体への説明や交渉はどのように行ってきたのか。県職、教育職、それぞれの経緯と主たる不一致点について総務部長、教育長にお伺いいたします。 また、これら使用者としての責務を放棄し、公務員の基本的人権と労働基本権を侵害する本条例案提出は見送るべきだと考えますが、知事にお聞きします。 そもそも地方公務員の退職手当は、各自治体がそれぞれ条例化して支給しているもので、権限は自治体にあります。総務省は8月7日付の文書で、全自治体に国の関連法の改正に合わせて条例を改正するよう要請しています。また、法案可決後、11月26日、副大臣名で通知を出していますが、いずれも要請、技術的な助言にすぎず、指示命令できるものではありません。 全国知事会を含む地方6団体は、国家公務員給与に関する臨時特例法に関して、地方の行政運営に係る事項は、国が指示すべきものではなく、地方みずからの判断に基づくものでなければならない。これまで地方は、地域の実情や厳しい財政状況を踏まえ、独自の給与削減や定員削減を断行するなど、国に先んじて行財政改革を実施してきたところであり、地方交付税や義務教育国庫負担金を削減するなど、国が地方に対し給与削減を実質的に強制することは、附則第12条に言う、地方公共団体において自主的かつ適切に対応されるものとするとの立法の経緯を踏まえれば、決してあってはならないと言い切っています。給与であり、性質は異なりますが、この精神は本退職手当についても同様だと考えられます。 総務省は、こういった地方6団体の声を無視し、退職手当債の発行の権限が国にあることを盾に、条例化の実行を強制しようとしているのではないかと思いますが、地方財政計画における影響について総務部長にお聞きいたします。 また、知事会も批判しているように、国が地方に対し実質的に強制するようなやり方について、どのような見解をお持ちか、知事にお聞きいたします。 本条例に見られるような、まず国準拠ありきでは、県民所得が全国一低く、公経済の比率が高い本県において、公務員の退職手当の削減は民間労働者へのさらなる引き下げ圧力という負のスパイラルを加速化させ、地域経済への影響など他県に比しても大きく覆いかぶさってくると考えます。 これら影響についてのお考えを、総務部長、お聞かせください。 この条例案の提示以降、年度途中だがやめたいと言い出している職員も多いと言われています。年度途中の変更には、モチベーションの低下など多くの影響もあります。そういった中、実際にやめる者が出てきた場合、県政運営上支障を来すことになるのではと危惧するものです。 その場合は、どのように対応なさるおつもりなのか、お聞きいたします。 また一方で、特別職は2月議会提案ということでは、公平性に欠き、職員の反感と職務遂行上の桎梏が大きくなると考えるものですが、見解をお聞きします。 そのようなさまざまな影響を鑑み、本県のように国準拠で早々に12月議会に条例案を提出している県、これは少ないとお聞きしています。 全国での条例案提案の現状と経過措置の状況、内容についてお聞きいたします。 今回の条例案では、県政運営の面でも、また地域経済、そして公平性を欠くことも含め公務員の権利を保障する面でも、さまざまな問題点が指摘されています。年度を区切り、ことしは実施せず、来年度4月1日からの実施としている県が、鹿児島県を含め6県ほどあると伺っています。 年度区切りの経過措置をとっている県など、現時点での全国の状況をお伺いいたします。 これらの県のように、せめて今年度の退職者への影響を回避するため、それらの県の対応を見習い、国準拠にすることなく、県独自の判断があってしかるべきだと考えるものです。 課題解決先進県にふさわしく、本県独自に地域経済と今年度退職者の権利を守るため、せめて年度区切りの経過措置をとるべきだと考えますが、なぜ年度区切りにしないのか、お聞きいたします。 最後に、人事委員長にお聞きします。人事委員長は、今回のような政治主導で年度途中に公務員の既得権、退職後の生活権を踏みにじるあり方について、どのような見解をお持ちなのか。また、誕生月によって差額が生じることについての見解もお聞きいたします。 さらに、代償措置がとられず、時の政府の政治姿勢や財政状況の都合、そして極めて流動的な官民較差を理由に決められる退職手当額について、どのような見解をお持ちなのかもお聞きして、私の第1問といたします。   (知事尾崎正直君登壇) ◎知事(尾崎正直君) 吉良議員の御質問にお答えをいたします。 まず、国家公務員退職手当削減法案の国会における議論についてお尋ねがございました。 国家公務員の退職手当を引き下げるための、国家公務員退職手当法等の一部を改正する法律については、11月2日に閣議決定がされ、議員のお話にもありましたとおり、衆議院解散の日の16日に成立したものであります。 退職手当の見直しについては、官民均衡を図る観点から実施されるものであり、見直しそのものは必要なことだと考えますが、平均で400万円もの額を引き下げるものであり、職員の生活にも大きな影響があることから、私としましても、国会において十分な議論が行われるものと考えておりました。しかしながら、衆議院解散の混乱のさなかに衆参両議院において、それぞれ1時間足らずの審議で採決が行われ、法案が成立したことには正直驚いたところであります。 次に、条例議案の提出を見送るべきではないかとのお尋ねがございました。 退職手当を含めた地方公務員の給与制度については、公務としての近似性、類似性を重視して、地方公務員法に言う均衡の原則を適用し、人事院等の専門的な体制によって制度設計されている国家公務員の給与制度を基本とすべきものであります。 今回の国家公務員の退職手当の見直しについても、人事院による官民の退職給付の支給実態に関する調査等を受け、官民均衡を図る観点から、国家公務員の退職手当の支給基準を段階的に引き下げることを内容とする、国家公務員退職手当法等の改正が行われ、あわせて総務副大臣から、地方公務員についても国家公務員に準じて必要な措置を講じるよう要請があったものであります。 本県職員の退職手当制度については、国家公務員の制度に準ずるという基本的な考え方などに基づき、慎重に検討するとともに、職員団体とも丁寧な話し合いを行い、合意には至りませんでしたが、話し合いの中で出された意見も踏まえて修正も加えた内容で、条例案を議会に提出させていただいたものでございます。 最後に、退職手当の引き下げについての国の手法についてお尋ねがありました。 今年度から国家公務員について特例的に行われている給与の減額を、地方公務員についても行わせようとし、そのために地方交付税等の削減を行うべきとの議論が一部にございました。これまで地方は、地域の実情や厳しい財政状況等を踏まえ、独自の給与削減や定員削減を断行するなど、国に先んじて行財政改革を実施してきたところであり、このような経緯を無視した一方的な国家公務員に準ずる給与の削減について、私も含め全国知事会として反対をしてきたものであります。 一方で、先ほど御説明しましたとおり、地方公務員の退職手当制度については、国家公務員の制度を基本とすべきものであり、人事院の実態調査の結果、明らかになった官民較差を解消し、官民均衡を図る観点から、退職手当の支給水準を引き下げるという法改正が行われたところであります。職員にとりまして、大変厳しい内容でありますし、心情的には県庁組織の長として大変心苦しいとの思いはありますけれども、やはり県民の理解を得るためには職員の退職手当の引き下げが必要と判断したものであります。御指摘のありましたような、国から強制されて実施するというものではございません。 私からは以上でございます。   (総務部長小谷敦君登壇) ◎総務部長(小谷敦君) まず、退職予定者数及び今回の改正に伴う影響額等についてのお尋ねがございました。 本年度末の退職予定者数は、知事部局が154名、教育委員会が263名、公安委員会が67名となっております。平均影響額は、定年退職者の平均で、知事部局が135万8,000円、教育委員会が141万4,000円、公安委員会が147万5,000円でございます。影響総額は、知事部局が約1億8,000万円、教育委員会が約3億7,000万円、公安委員会が約1億円となっており、公営企業局を含む県全体では6億9,000万円となっております。 平成25年度、26年度につきましては、一定の前提を置いての推計値となっておりますが、平成25年度の平均影響額は、定年退職者の平均で知事部局が271万8,000円、教育委員会が289万6,000円、公安委員会が291万1,000円、影響総額は知事部局が約3億1,000万円、教育委員会が約9億4,000万円、公安委員会が約1億7,000万円で、公営企業局を含む県全体で14億3,000万円でございます。 平成26年度の平均影響額は、定年退職者の平均で知事部局が383万2,000円、教育委員会が395万円、公安委員会が404万6,000円でございます。影響総額は知事部局が約5億円、教育委員会が約14億7,000万円、公安委員会が約3億3,000万円で、公営企業局を含む県全体で23億8,000万円となっております。 次に、職員団体への説明や経緯などについてお尋ねがございました。 11月27日に職員団体に改正内容の提示を行い、断続的に説明、意見交換を行った後、12月19日に課長が、22日には、まず私が話し合いを行い、その後に副知事が話し合いを行う中で、改正内容や改正の経緯などにつきまして御説明をさせていただきました。 話し合いにおいては、退職金の削減そのものに対して反対の意思表示があり、職員の生活に与える影響の大きさに鑑み、周知期間を十分に確保する等のため、施行日を平成25年4月1日とすること、経過措置を1年単位とすること、その中でも施行日を平成25年4月1日とすることに強い要求があったところでございます。 そういった意見があった中で、話し合いを丁寧に行うとともに、職員団体から出された意見については真摯に検討を行い、いただいた御意見も踏まえた修正案をお示しするなど、御理解を求めたところでございます。ただ、国家公務員と施行年度を変えて、年度末に退職する職員に対して国家公務員への支給水準を上回る退職手当を本県職員に支給することについて、県民の皆様の理解を得ることは困難であり、施行日を平成25年4月1日とすることはできないと判断したことから、残念ながら職員団体の理解を得るには至らなかったものでございます。 次に、退職手当債の地方財政計画における影響についてお尋ねがございました。 地方公務員の退職手当は、国家公務員の退職手当制度を基本として、地方財政計画にその総額が計上されております。このため、今回の見直しについても、地方財政計画においてこれを反映した退職手当の積算を行っていくことになるものと承知しております。 具体的に、今回の国の制度改正に準じて地方公務員の退職手当の見直しを行った場合の影響額としましては、平成27年度以降の平年度ベースで約3,400億円の減が見込まれております。 なお、今年度は影響額が700億円であり、地方財政計画における退職手当債の計上額を700億円分減少させることを基本に対処されるものと認識しております。 次に、公務員の退職手当削減の民間労働者への引き下げや地域経済への影響についてのお尋ねがございました。 今回の退職手当の見直しは、職員にとって大変厳しい内容ではあるものの、民間の状況を反映した国家公務員の退職手当水準を上回る退職手当を県職員に支給することは、県民の皆様の理解を得られないと判断したものでございます。 民間の退職手当に影響を与えるのではないかとのお話はございましたが、現段階においても官民較差が生じており、民間の退職手当は公務員の制度というよりは景気動向や業績等を一定反映したものになっているのではないかと考えられるところです。 そのためにも、景気対策につきましては、これまでもしっかり取り組んでまいりました。今年度の当初予算では、4年連続で前年度を上回る4,340億円余りの積極型の予算を計上するとともに、景気の下支えにも配慮いたしましたし、この議会におきましても、国の予備費使用による経済対策を活用した17億円余りの補正予算を盛り込み、議決をいただいたところでございます。 来年1月には、景気を下支えする緊急経済対策を盛り込んだ国の補正予算編成も予定されておりますことから、国の補正予算も積極的に活用した対策を講じることにより、県民の皆様の安全・安心の確保、県経済の浮揚に取り組んでまいりたいと考えております。 次に、年度途中に退職があった場合の対応について御質問がございました。 職員が年度途中に退職いたしますと、業務の遂行に少なからず支障が生じますし、その結果、県政運営の停滞にもつながりかねませんので、これまでも、年度途中に退職希望があった際には基本的には慰留に努めてまいりました。 今回、仮に慰留に応じてもらえず退職となった場合に、特に2月末退職が想定されます今年度につきましては、後任者の補充がなかなか困難な状態でございますので、残った職員の協力も得ながら、公務の運営に支障が生じないような態勢を整えていかなければならないと考えております。 次に、特別職の退職手当についてお尋ねがございました。 今回の退職手当の見直しは、職員にとって影響が大きいことから、十分な周知期間が必要であり、職員に対して早期に制度を示す必要性があると考え、今議会の日程や職員団体との話し合いの状況も踏まえて、本日、改正条例議案を提出させていただいたものでございます。 一方、特別職の退職手当の支給基準につきましては、高知県特別職報酬等審議会の諮問事項となっており、知事及び副知事の退職手当に関する条例を改正する場合には、審議会の御意見を聞くことが必要となります。 職員との公平性に欠くのではないかとのお話がありましたが、来年1月上旬から審議会を開催して議論をいただき、早期に結論を出したいと考えております。 次に、全国の条例提案の現状と経過措置の状況等について、またどの県が年度区切りの経過措置をとっているのかとのお尋ねがございました。あわせてお答えをさせていただきます。 今回の国家公務員の退職手当の見直しを受けて、現時点で退職手当条例の改正を議会に提案している団体は、本県を除きまして15団体ございます。国家公務員退職手当法等の一部を改正する法律の成立が11月16日と12月議会間近であったことから、12月議会の日程によりまして、各団体の議会上程日程に差が出たものと承知しております。 これらの団体の改正内容については、施行日を平成25年1月1日としたのは7団体、2月1日としたのは3団体、本県と同様に3月1日としたのは3団体、4月1日としたのは2団体となっております。本県と同様に年度内施行となっているのが13団体、4月1日施行となっているのが2団体でございます。 次に、これらの団体の経過措置の状況については、平成25年1月1日施行としている団体のうち、国と同様に9カ月単位の3段階で引き下げるのは6団体であり、独自に4段階で引き下げることとしている団体が1団体でございます。また、2月1日または3月1日施行としている6団体は、全て本県と同様に経過措置の適用年度を国と合わせて3段階で引き下げることとしております。最後に、4月1日施行で年度単位の3段階で引き下げることとしているのは島根県と鹿児島県の2団体となっております。 最後に、なぜ地域経済と本年度退職者の権利を守るために経過措置を年度区切りにしないのかとのお尋ねがございました。 公務員の給与制度と景気対策は分けて考えるべきだと考えております。景気対策はしっかりと講じていく一方で、県職員の退職手当については、均衡の原則に基づいて国に準じて定めていくことで、県民の皆様方の理解を得ていくことが重要であると考えております。 今回の国家公務員の退職手当の見直しについては、平成22年度中の退職者を対象とした人事院の調査結果に基づき、官民較差を早期に解消する必要があることから、施行日は平成25年1月1日とされ、経過措置についても、これまでの退職手当の引き下げの場合の経過措置である1年間隔よりも短い9カ月間隔とされたところでございます。 議員御指摘の内容については、職員団体からも同様の意見が出され、意見を踏まえた検討も行ったところですが、本県の退職手当制度はこれまでも国準拠を基本としてきており、今年度末退職者に支給する退職手当が国家公務員の支給水準を上回ることは、県民の理解が得られないものと考えます。今回提案させていただいた施行日及び経過措置が、国に準じた制度とする中で、可能な限り職員に配慮するとともに、県民の皆様からの理解も得られるぎりぎりの内容であるものと考えております。   (教育長中澤卓史君登壇) ◎教育長(中澤卓史君) 職員団体に対する説明の経緯などについてお尋ねがございました。 11月27日に、関係する4つの教職員団体に改正内容を伝え、その後、この4団体に対しまして、12月12日と13日に、私から改めまして改正内容や改正の経緯などについて御説明をさせていただきました。その中で、退職金の削減そのものに対しての反対の意思表示があり、また削減がどうしても避けられないとしたら施行時期を25年4月1日とすること、経過措置を年度単位にすること、その中でも特に今年度末に退職される方については配慮が必要だとして、4月1日にするよう強い要求がございました。そういった要求があった中で、私からは提示内容について御理解を求めたという経緯でございます。なお、各教職員団体の要求の内容は知事部局に私のほうから伝えてございます。   (人事委員長山本俊二郎君登壇) ◎人事委員長(山本俊二郎君) お答えを申し上げます。 まず、今回の見直しの経緯、また誕生月で差額が生じることについて、どのような見解を持っているかとのお尋ねがございました。関連をいたしますのであわせてお答えを申し上げます。 退職手当につきましては、これまでも一貫をして国家公務員に準拠して制度化がされてきておりまして、このことは全国の大半の自治体においても同様でございまして、当委員会といたしましてもこうした制度運用が適当であるとのスタンスに立ってまいりました。 今回の見直しにつきましては、職員にとりましては大変に厳しい内容となっておりますけれども、大枠においては国家公務員に対する措置に準じて措置をされておりまして、やむを得ないものと考えております。 次に、代償措置がとられず、政府の政治姿勢、財政状況の都合、官民較差を理由に決められる退職手当額について、どのような見解を持っているのかとのお尋ねがございました。 先ほどもお答えをいたしましたように、職員にとりましては大変に厳しい内容となっておりますが、国におきましては、これまでと同様、人事院が実施をした全国の民間の退職給付に関する調査の結果に基づいて見直しがなされたものでありまして、こうした状況のもと、地方公務員法に言う均衡の原則からいたしましても、基本的には国家公務員に準じた措置とすることが適切であると考えております。繰り返しになりますけれども、今回の見直しも大枠においては国家公務員に準じて措置がされるものでございまして、やむを得ないものと判断をいたしました。 以上でございます。 ◆37番(吉良富彦君) ありがとうございました。 第2問を行います。知事は、国会における強行的な採決について驚くべき事態だというふうに感想をお漏らしになりましたけれども、今回の本県における追加提案の仕方も、当然審議を尽くすことを期待しての提案ではないと私は考えます。なぜかというと、この12月議会の閉会日当日に提案してくると、そのこと自体が、国会の審議の決定が見られたと同じように、十分に議会での審議を期待してということじゃないと思うんですね。そういうことでいうと、同じような轍を踏むということになりますので、一旦撤回して職員団体とももう一回十分に合意を果たして、再提案すべきだと考えます。 それが先ほど知事がおっしゃった、驚いたということに対する誠実な対応の仕方だというふうに思いますけれども、再度御答弁をお願いします。 それから、退職手当債の発行にかかわって、やはり地財計画に影響があるというふうに見ているというわけですね。700億円ぐらいということですけれども、手当債を発行しようが発行しまいが、使用者として退職金を払うのは当たり前なんです。だから、債券を発行しなくても払うわけですから、金利がちょっといろいろ借り方によっては違ってくると思います。今の現場の職員に負担をかける、申しわけないという気があるならば、地財計画を本県で見直しして、計画を立て直せばいいわけです。遅かれ早かれ払うわけですから。そういう面でいうと、やはり退職手当債のこと、あるいは地財計画のことを理由に、今後どうなるかわからないからという不安の中で、今年度退職する方々の権利を奪うということは私は避けるべきだと。 ですから、使用者としての責任を果たすためには、そういうことを鑑みて地財計画を立て直して、きちっと保障するという立場に立つべきだと思いますけれども、これについての御答弁もお願いいたします。 それから、そもそも退職手当については、給与とは違って、民間準拠というのは定められていないんですね。ですから、その見直しを図るというのであれば、その官民比較だけを指標にするのではなくて、公務員の職務の特殊性とか、それから地域経済への影響など、さまざまな観点から十分な検討がなされることが必要だと思うんです。ところが、人事院の調査結果を国のほうは唯一の根拠として、402万6,000円の全額を極めて短期間のうちに引き下げるというものになっているわけです。 ですから、人事委員長はやむを得ないと言ったわけですけれども、本県独自でこういうような不合理な決め方自体を問題にして、国家公務員の退職手当に基づく削減に準拠するという姿勢は改めるべきだと思いますけれども、人事委員長にもう一度これについては御答弁もお願いします。 それから、職員団体との交渉の中で、せめてと、今年度退職する方々の権利を守れという思いが強かったというふうにお聞きします。私もそう思います。ですから、せめて鹿児島県や島根県では4月1日からというふうにしているわけですから、これについてはほかの県でできて、なぜ本県ができないのかということの理由もお尋ねすると同時に、4月1日実施ということに修正するお考えはないのか、総務部長にお聞きをいたします。 以上、第2問です。 ◎知事(尾崎正直君) 退職手当の水準につきましても、いかに県民の理解を得るかということが全ての基本だと、そのように思っております。確かに、国会での審議が非常に物すごいスピードで行われたことについては正直驚きました。しかし、実際に国会で法改正が行われた、その後、じゃあ我々としてどうするかということを考えれば、そこから先でどうやったら県民の理解を得られる対応ができるかということを考えなければならんわけでございます。驚いた後、私たちはそういうことで検討を始めました。 今年度内において、国家公務員は民間に合わせて削減された退職手当を受け取るのに、高知県の職員は民間よりも高い退職手当を今年度受け取っておると。そういう状況になって、これは果たして県民の皆様方の理解が得られるであろうか、それは得られないんじゃないかと。そのように判断をいたしまして、心苦しくはありますけれども、今年度内に退職手当の引き下げを行い、始めなければならんと、そのように考えたところであります。 そうなりますと、どうしてもこの周知期間も考えますれば、どうしてもこの12月議会で御審議をいただかなければならんのではないかと、そういうことでございまして、他方、組合の皆様方ともしっかり話をさせていただかなければならん、時間をかけて話をさせていただかなければならん。その均衡をとり、ぎりぎり、大変恐縮ではございますが、本日最終日に提出をさせていただいたと、そういうことになるところでございます。 ◎人事委員長(山本俊二郎君) お答えをいたします。 国準拠という形を改めてもいいのではないかと、こういう趣旨の御質問だったところでございます。 若干繰り返しになりますけれども、国におきましては、これまでと同様に、社会経済状況等を踏まえたときに、官民の退職給付の差があるのではないかということで人事院にその調査を依頼し、人事院のほうは全国の企業の調査をして、その結果、400万円程度の差があると。これは社会経済状況というものを勘案すれば、やはり官民較差を埋める必要があると、早期に埋める必要があると。こういう人事院の見解というのを出しております。ただし、引き下げ幅が非常に大きいので、これは経過措置が必要だと。あわせて、こういう見解を人事院が出しているわけでございまして、これを踏まえて、今回の国における退職手当法の改正があったということでございますが、地方自治体においては、従来からもこうした国の対応というのを受けて措置をしてきております。 これは、国における人事院の調査と、全国的な官民、企業と公務員との比較というものにおいて措置される国での対応というのを受けて対応することが、地方自治法に定める均衡の原則に沿うのではないか。こういう基本的な考え方によって、のっとっているわけでございますんで、これは先ほども私も御答弁申し上げましたように、ほとんどの団体と言っていいと思いますが、これを是としているわけでございまして、違う形の退職手当の考えがあってもいいのではないかということにつきましては、現在の仕組みでいいのではないかという考えを持っております。 以上でございます。 ○議長(武石利彦君) 再質問ありませんか。 ◆37番(吉良富彦君) 答えてないよ。なぜ本県ができないのか。ほかの県ができて。 ◎総務部長(小谷敦君) 各県それぞれ個別の団体の事情に応じて対応しているものでございます。本県においては、先ほど知事からも御答弁申し上げましたとおり、この年度に退職する本県職員に対して、国家公務員の支給水準を上回る退職手当を支給することは適当でないという判断がありますので、本県において独自に本年度内施行、3月1日施行という判断をしたものでございます。 ◆37番(吉良富彦君) だから、それが知恵がないと言うんですよ。本県だって公経済に依拠する部分が多いわけですから、公務員の給与など退職手当が少なくなれば、当然各事業体、県内の経済は非常に影響を受けるということは当たり前なわけですから、ほかの県にない影響を受けるということを前提にして、県独自のもっと知恵を出してこれについては考え直していただきたいと思います。 鹿児島県や島根県というのも、そんなに裕福な県ではございません。それでも知恵を出して、せめてというふうに頑張っておるわけです。それから、3段階でなくて4段階とか6段階で経過措置を設けている県もあるわけですから、到底私は今の提案の仕方については納得できないと。県の職員も県民です。そして、県民のために一生懸命働いてきた方々です。 その方々に心苦しいというならば、どういう形であらわすのかということも含めて、最後に知事にお聞きして第3問、全ての質問を終わります。 ◎知事(尾崎正直君) 退職手当を削減する、公経済に依存度が高い高知県において影響が出るかもしれないと今おっしゃられましたけれども、それは退職手当を削減した分、予算の額がそのまま削減されていれば確かにそうなるかもしれません。退職手当という形で一定財政措置がなされていくか、その分削減されたとしても県民の皆様のためになる事業を、そちらを原資として行っていくか、後者であれば公経済に対する影響が生じることはありません。県民の皆様方の御理解を得て、そしてまた公経済への影響も、先ほど御答弁しましたように、補正予算なども生かしていきながら、十分措置も講ずるということを行っていきたいと、そのように思っています。 職員の皆様方には大変心苦しいと、そのように思っておりますけれども、しかしながら県民の理解が得られない退職手当をもらう、それによって県民の皆様から厳しい御批判を受けるということ、これ自体もまた職員の皆様にとっては大変つらいことではなかろうかと、そのように思う次第であります。県民の理解を得ての県政だと、そのように思っています。本当に心苦しくはありますけれども、職員の皆様方にはこの点ぜひ御甘受賜りたいと、そのように考えております。 ○議長(武石利彦君) 33番坂本茂雄君。   (33番坂本茂雄君登壇) ◆33番(坂本茂雄君) お許しをいただきましたので、ただいま議題となりました第45号「職員の退職手当に関する条例等の一部を改正する条例議案」について、質問をさせていただきます。先ほどの吉良議員の質問と多少重複する部分があるかもしれませんが、お許しを願いたいというふうに思います。 今回の退職手当削減は、退職手当法においても根拠となり得ない人事院による官民比較調査に基づいて行われているという代物であり、しかも国会での審議過程は、先ほど吉良議員が指摘されたとおりの極めて乱暴なものでありました。 審議の中でも、退職手当というのは月額給与とともに生活設計にかかわる重要な労働条件であり、労使交渉で決める範疇のものである。公務員には労働基本権が制約されている中で、約400万円もの大幅な退職手当の切り下げなどということを提案するのであれば、激変緩和措置を講じるなど慎重な審議をして決めることが筋ではないかなどと、審議のあり方に対して大きな批判が出されるなど、お粗末な国会審議の末に成立した退職手当法でありました。 まさに、このような混乱の中で、住宅ローンや高額な教育費を抱える退職間近の職員を初めとして、全ての職員の働きがいや将来への期待を破壊し、不安を増大させるものであり、本来認められるべきものではありません。 教職員、警察職員等も含む県職員1万4,000人、市町村職員9,300人、さらに県に準拠する関係団体の職員とその家族の生活設計等に大きな悪影響を与えるだけに、本来は職員団体とも時間をかけて交渉し、2月議会で慎重に審議すべきだったというふうに考えます。 知事は、本会議4日目、溝渕議員の職員のモチベーションの維持向上に関する質問、さらには先ほどの吉良議員の質問に対して、県庁職員の長として心苦しい点もあるというふうに答弁をされました。しかし、退職時点でさらに追い打ちをかけるこの退職手当減額の条例は、職員からすれば血も涙もない仕打ちであるというふうに言われています。 まず、そのことを踏まえて、これまで、成案が得られれば追加提案したいと議会側に説明をしてきた執行部でありますが、職員組合とは合意もせずに、なぜ成案が得られないまま追加提案することとしたのか、その理由を知事にお尋ねします。 次に、国家公務員と県職員の退職手当の格差についてお尋ねします。民間の退職給付との比較において、国家公務員の平均退職手当額は、基幹職種の行政職俸給表(一)の適用職員で勤務年数20年以上を対象としていますが、人事院によれば平成22年度の退職者で約2,700万円となっているわけであります。一方、本県の行政職給料表適用者の退職手当額は約2,470万円で、その差額約270万円となっています。 国家公務員と同じ水準というのならまだしも、県職員からすれば、県職員の水準を上回る国家公務員の退職手当と比較されて、同じように削減されることは理解しがたいものがあろうかと思います。 実際に、平成22年度退職者で、国と同じように勤続20年以上の行政職給料表適用の退職者の平均退職手当額との差は幾らになるのか。また、そのような格差がある中で、なぜ国と同様の減額措置をとらなければならないのか、総務部長にお尋ねします。 今回、職員組合に提示があったのが11月27日で、提案当初は施行日を2月1日としており、交渉を経て3月1日となりましたが、これでも職員、とりわけ今年度定年を迎える職員にとってはまさに寝耳に水としか言いようがありません。定年退職の3月31日まで勤めるとすれば、退職手当が減額されるわけですから、場合によっては2月いっぱいでやめるという判断をされる職員がいたとしても不思議ではありません。現実問題、そう判断する職員の方は出てこられると思います。 職員の皆さんからは、「30年、40年働いて、最後の最後でこんな仕打ちとは情けない」、あるいは「長年働いてきた先輩に失礼な話、こんなことを平気でする当局のもとで、県民のために頑張って働こうという気持ちが薄れる」といった声も出されているわけで、私は県職員のモチベーションの低下を現実の問題として強く心配をするものです。 そこで、この条例案における施行日と年度途中退職の問題点についてお聞きします。誰しも3月31日まで働いて有終の美を飾りたいと思われているわけですが、それぞれ生活がありますから、背に腹はかえられず、やめざるを得ない方もいらっしゃることと思います。そんな中で、残された職場の皆さんの御苦労も大変です。今でさえ、手薄な人員体制の中で県民のために業務を遂行しているわけで、昨年度の時間外勤務は過去最高を記録し、今年度上半期も前年度同期5%増となっていると聞き及んでいます。職場を去る人、残る人、それぞれが大変です。 それは施行日が3月1日だからです。4月1日または3月31日にすることをなぜ考えないのでしょうか。当たり前に職員の長年の労に報いる制度をなぜ維持しないのでしょうか。円滑に業務が回ることをなぜ考えないのでしょうか。また、経過措置についても、年度途中で区切っていれば、同じようなことが発生することは容易に推測できます。なぜ年度単位の経過措置を考えないのでしょうか。 結局は施行日を3月1日とすることで生じている問題であり、なぜ定年退職予定者の誕生日における分断を持ち込むようなことをするのか、副知事にお聞きします。 執行部として、やむを得ず施行日以前に退職される方について、吉良議員に対しての先ほどの答弁では、慰留に努めるというふうにおっしゃっておりましたが、どのような方法で慰留に努めるのか。それでも退職せざるを得なかった方の欠員補充については、現状では困難かのように言われておりますけれども、残った職員の協力で対応できない職場についてはどのような対応をされるのか、副知事にお伺いします。 加えてお聞きしますが、提案をする際に、このことに関して職員の皆さん、とりわけ今年度退職を迎えられる職員の声を執行部としてどのように把握し、職員の理解と納得を得る努力についてどのようにされたのか。そして、それは納得いただけたものとお考えになっているのか、副知事にお伺いします。 次に、3月31日、つまり定年退職日を待たずして退職する場合に、県の取り扱いは60歳定年に達した日以降に退職した場合は、定年退職に準じるとしておりますが、60歳に達していない場合は、個別に事情を聞いて勧奨または自己都合扱いとするというふうになっております。その場合、よほどの事情がない限り自己都合扱いとされることが想定されると聞き及んでおります。 そうしますと、今回、退職手当減額の施行日は3月1日となっておりますから、仮に施行日前日の2月28日で途中退職する場合、既に誕生日が来ておれば現行の支給額となり、誕生日が3月2日以降の職員は自己都合退職となり、不利益の幅は一層大きくなるわけであります。誕生日の違いでこのような差が出るというのは、まさに差別以外の何物でもありません。これは経過措置についても同様であります。 また、職場の事情などによって、途中退職が不可能な方々は、定年退職日まで働くことによって、約136万円減額されるという不都合が生じるのです。知事を就任以来支えてくれた県職員の先輩方、副知事と同じ釜の飯を食べてきた同期の職員が、ことし退職を迎えるというのに何の手だても打てないのでしょうか。 退職を控えて、そのような分断を生じさせないためにも、施行日を4月1日、最低でも3月31日とできないのか。また、経過措置が年度途中区切りになっていることで生じる問題点はないのか、知事にお伺いします。 最後に、人事委員会から施行日が3月1日であることも含む条例議案でやむを得ない旨の回答書が提出されましたが、施行日が同じ年度内の3月31日となった場合は、適当でないのかどうか、人事委員長にお尋ねして第1問とさせていただきます。   (知事尾崎正直君登壇) ◎知事(尾崎正直君) 坂本議員の御質問にお答えをいたします。 まず、職員団体とは合意をせずに追加提出をすることとした理由についてお尋ねがございました。 今回の退職手当の見直しについては、国家公務員退職手当法等の一部を改正する法律が本年11月16日に成立し、同月26日に交付され、また同日付で総務副大臣から、地方公務員についても国家公務員の改正に準じて必要な措置を講ずるよう要請を受けております。これを受けて検討した結果、本県職員の退職手当についても国家公務員に準じて引き下げを行うこととし、翌日の27日に職員団体への提示を行い、丁寧に話し合いを行ってきたところであります。 退職手当の見直し内容としましては、平成24年3月に示された人事院の退職給付に係る官民比較調査結果を踏まえて、退職給付における官民較差の解消を退職手当の支給水準の段階的な引き下げにより実施するものであります。 本県職員について国家公務員に準じて改正を行った場合、今年度末退職者については、平均136万円の引き下げ、経過措置修了後の26年度末退職者については、平均383万円の引き下げとなり、職員にとっては大変厳しい内容であることは十分に理解をしており、県庁組織の長として大変心苦しく思っております。 私は、これまでも職員団体との話し合いに当たっては、意見を聞いて合意を目指し、場合によっては提案を変更することもあり得るという基本姿勢で臨むように指示をしているところであります。今回の話し合いは、先ほど御説明しましたとおり、職員にとって大変厳しい内容でありますことから、課長、部長、副知事と話し合いを丁寧に行うとともに、職員団体から出された意見については、真摯に検討を行い、意見を踏まえて、条例の施行日や段階的に引き下げていくための経過措置の時期については、2度にわたって修正案をお示しし、御理解を求めたところであります。 議会に提出しました案については、この2度の修正を加えた成案であります。残念ながら職員団体の理解を得ることはできませんでしたが、十分な周知期間が必要との意見も踏まえて、職員に早期に制度を示すためにも、今議会で判断をいただくことが必要と考えたところでございます。今後とも、職員団体には誠意を持って対応をしていきたいと考えております。 次に、施行日を4月1日、最低でも3月31日とできないか、また経過措置の問題点はないかとのお尋ねがございました。 国家公務員の退職手当の見直しについては、平成22年度中の退職者を対象とした人事院の調査結果に基づき、官民較差を早期に解消する必要があることから、施行日は平成25年1月1日とされ、また経過措置についても、有識者会議の報告書の中で、現下の財政状況のもとで国民の理解と納得を得るためには、引き下げに長期を要するのは適当でないとの意見も出されたことから、これまでの退職手当の引き下げの場合の経過措置である1年間隔よりも短い、9カ月間隔とされたところでございます。 議員御指摘の内容については、職員団体からも同様の意見が出され、意見を踏まえた検討も行ったところでありますが、本県の退職手当制度はこれまでも国準拠を基本とし、また今回も国に準じた措置を講じるようにとの要請を受けている中で、今年度末退職者に支給する退職手当が、国家公務員の支給水準を上回ることは県民の理解が得られないものと考えます。 このため、施行日については、国と年度を合わせる必要があることから、2カ月の周知期間を確保した3月1日施行とし、経過措置についても、適用年度は国と合わせながらも、2段階目の適用日を平成26年1月1日に、3段階目の適用日を平成27年1月1日とする経過措置を講じることとしたものでございます。 今回、提案させていただいた施行日及び経過措置が、国に準じた制度とする中で、可能な限り職員に配慮するとともに、県民の皆様からの理解も得られるぎりぎりの内容であるものと考えております。 なお、経過措置が年度途中になることにより、一つの懸念として、途中退職を希望する職員が出ることが想定されますが、県政運営に支障が生じることのないよう、基本的には慰留に努める考えであります。また、結果として途中退職となる場合にも、何らかの後任の補充など、その時点でとり得る手だてを講じ、業務に支障がないように対応をしてまいります。 私からは以上でございます。   (総務部長小谷敦君登壇) ◎総務部長(小谷敦君) 平成22年度に勤続20年以上で退職した国家公務員と本県職員の平均支給額と、今回の見直しについて国と同様の減額措置をとらなければいけない理由についてお尋ねがございました。 人事院が調査対象とした、平成22年度中に勤続20年以上で退職した職員の平均額を比較すると、国家公務員の行政職俸給表(一)の適用を受けている職員の退職手当の平均額は、議員からありましたとおり2,707万1,000円のところ、本県の知事部局の行政職給料表適用者の平均額は2,591万5,000円となっており、国家公務員の退職手当の支給額が115万6,000円高い状況にあります。 国家公務員の支給額が高い理由は、勧奨退職を受けて退職する職員の割合が多いためでございます。このため、平均支給額が引き上げられたものと考えられます。このため、勤務年数の条件を外して平成22年度に退職した職員全体の退職手当支給額を比較すると、国家公務員の平均支給額は2,553万5,000円であるのに対して、本県職員の平均支給額は2,598万6,000円となります。 退職手当制度につきましては、国準拠を基本としている中で、今回も制度として国に準じるべきとの判断をしたものでございます。   (副知事岩城孝章君登壇) ◎副知事(岩城孝章君) まず、定年退職予定者の誕生日を基準にした退職手当の算定に関してのお尋ねがありました。 職員の定年は、条例により年齢60年としており、また定年退職日は定年に達した日以降における最初の3月31日と定められております。他方で、定年退職予定者が3月31日を待たずに退職する場合もありますので、その場合の退職手当の算定方法は、国と同様に条例に根拠がございまして、その職員が既に誕生日を迎えている場合は定年退職と同じ扱いとし、誕生日を迎えていない場合は普通退職扱いを基本としております。 したがいまして、誕生日を迎えているか迎えていないかによって退職手当の算定方法が切りかわりますが、これは定年を年齢60年としていることから来る制度上の相違ですので、分断を持ち込むという考え方ではございません。 次に、条例の施行日以前に退職する職員の補充などのあり方についてお尋ねがございました。 今回は、退職手当の支給水準を見直しますので、私としましても大変心苦しいという思いはありますものの、県政の円滑な運営を確保するために、職員には年度末まで勤務を続けていただくようお願いをしたいと思います。 とは申しましても、結果として今年度については、2月末日で途中退職があった場合には、先ほど吉良議員の御質問に総務部長からお答えしましたように、後任者の補充が極めて困難な状況ですので、どれぐらいの人数の方が退職をされるのか、そうした状況も見きわめ、残った職員の協力も得ながら、場合によっては臨時職員を雇用するなど公務の運営に支障が生じないような体制を整えていかなければならないというように考えております。 最後に、退職を迎える職員の声の把握や、職員の理解と納得を得る努力をどのようにしたのかとのお尋ねがございました。 職員の声の把握につきましては、職員団体が組合員を対象に意見集約をして取りまとめました24ページにわたる退職手当見直しに関する意見集約書を読ませていただき、間接的ではありますが、退職後の生活設計などに大きな影響を及ぼすとか、定年退職の直前に引き下げるとは長年の働きに対してひど過ぎるなど、切実な声をお聞きしました。また、1,411名もの職員が署名をしました退職手当の見直しに関する要請書も拝見をいたしました。 直接声を聞く機会としましては、私が行った職員団体との話し合いの場に定年退職を迎える職員の代表者の参加もございまして、その場で立ち上がって私に訴えかける声をしっかりとお聞きをしましたほか、特に今年度退職するのは私の同級生でもありますので、過去これまでいろいろ悩みを分かち合ったり、仕事を教えてもらった方々からも直接話を聞くこともございました。いずれの声も気持ちは痛いほどわかるつもりでございます。 しかしながら、今年度末退職者に支給する退職手当が国家公務員の支給水準を上回ることは、県民の理解が得られるものではないと考えます。大変心苦しいことではございますが、提案させていただいた内容が、退職手当制度については国に準じるという基本的な考え方の中で、県民の理解が得られる範囲で、職員の声を聞いて、私どもができる精いっぱいの内容であると考えております。 納得をしていただきたいと申しましても、なかなか難しい面はあるかもしれませんが、県民のために働いてこられた職員の皆様においては、理解していただきたいというふうに考えております。   (人事委員長山本俊二郎君登壇) ◎人事委員長(山本俊二郎君) お答えを申し上げます。 施行日が同じ年度内の3月31日となった場合に関してのお尋ねがございました。 退職手当につきましては、これまでも一貫をして国家公務員に準拠して制度化がされてきておりまして、このことは全国の大半の自治体においても同様でございまして、当委員会としてもこうした制度運用が適当であると判断をしております。 お尋ねのありました施行日につきましては、国家公務員は1月1日施行でございますので、当委員会といたしましては、国準拠という考え方からすれば現在提案をされています3月1日が妥当なのではないかという考えを持っております。 以上でございます。 ◆33番(坂本茂雄君) それぞれに御答弁いただきましたけれど、まずちょっと人事委員長、国準拠という制度で先ほどからしきりと答弁をされておりますが、3月1日という施行日そのものが1月1日とは違うわけで、国とは違っているわけですよね。しかし、それはやむを得ないと判断をして、じゃあなぜ3月31日だったらいかんのかということを私は聞いているわけで、それが3月31日がいかんという理由にはなっていないと思いますよ。 そのことをもう一度お答えください。 それと、知事の答弁の中で、経過措置は早期に解消すべきということで、経過措置をできるだけ短くとるというようなことで、年度途中の区切りになっているというようなお話がありました。だとすれば、今回トータルでいくと400万円近い大幅な引き下げ額で、引き下げ幅であり、それを緩和するために経過措置をとっているわけですけれども、その引き下げ幅が大き過ぎるということについては、やはりこれは先ほど別の部分で引用もされていました有識者会議の報告書の中でも、懸念を指摘しているわけですね。というのは、就業規則の不利益変更に係る判例法理がそのまま適用されるものではないが、その考え方を踏まえる必要はあり、民間企業であれば、労働条件の重大な不利益変更として訴訟リスクを抱える可能性が高いレベルであるというふうに、有識者会議報告書の中でも報告されています。 労働基準法第91条において、「就業規則で、労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、その減給は、1回の額が平均賃金の1日分の半額を超え、総額が一賃金支払期における賃金の総額の10分の1を超えてはならない。」というふうにされております。このことを踏まえたら、今回の経過措置では、次年度の方は経過措置の引き下げポイントが12ポイント減額されることになります。6ポイント、6ポイントで、12ポイント。ということは、この労働基準法91条に定めているところの10分の1を超えることになるわけですね。そういう意味で、言えば、訴訟リスクを抱える可能性が高いというふうに指摘されているんだろうというふうに私は思うんです。 その意味では、この経過措置はやはり年度区切りにすることによって、そのことも、言えば、解消することになるというふうに思うんですが、年度の途中でやることによって、こういうリスクを抱えた極めて大きな引き下げ幅になっているということについて、どのようにお考えなのかということをお聞きします。 退職手当債のことを先ほど吉良議員に答弁されておりました、総務部長のほうからですね。地財計画との絡みなども含めて言われておりましたし、今回の引き下げについてはその退職手当債がどうなのかということを随分とこの間、説明もされてこられたように思います。 そこでちょっとお聞きしたいんですけれども、退職手当債の許可の同意要件のどこに違反しているのか。施行日が国と違っているということが違反するのか。だとしたら、3月1日がよくて、3月31日はなぜだめなのか、それはその同意要件のどこに抵触するのか。そのことについて総務部長からお考えをお聞かせいただきたいと思います。 それと、先ほど知事が、これも吉良議員への答弁の中で、退職手当を減額してそのままであればそれは地域経済への大きな影響になるかもしれないと。ところが、そうじゃなくて、そういった退職手当を減額した分をほかのいろんな政策の中で使うとしたら、それは地域経済への影響を及ぼすものではないというふうに言われたと思うんです。 けれど、これは言うところの退職手当でなければ退手債は起債できんわけですから、その分は、減額した分については起債をしないわけで、それをほかにお金使うということにはならないというふうに私は思うんですけれども、その点についてお聞きして、第2問といたします。 ◎人事委員長(山本俊二郎君) お答えを申し上げます。 再質問の趣旨は、国準拠というけれども、そもそも議案は既に1月1日でなくて3月1日施行になっているじゃないかと、であれば3月31日ではなぜだめなのかと、こういう趣旨の質問であったというふうに思います。 先ほど来も御答弁申し上げているんですけれども、国においては、3月、人事院が調査をして400万円程度の差があったと。これは社会情勢等踏まえれば早期に官民の較差を解消すべきだと。こういう人事院の見解というものを述べておるわけでございます。国準拠という物の考え方につきましては、地公法の国や都道府県あるいは民間等々給与の均衡を図るということは、これは均衡の原則で大原則になっているわけでございます。この大原則を踏まえ、各自治体、地方におきましては、この国の給与制度の見直しを受けて、これに沿ったといいますか、準じた対応をするということが、地公法の先ほど言った均衡の原則を踏まえるということでもあり、それがずっと定着をしておるということであり、私どももこうした対応が適切であるというふうに考えているわけでございます。 国のほうにおいては、1月1日から既にこの官民較差の解消に向けてスタートするわけですね。御提案のように3月31日ではどうかという話になれば、本当に年度末のぎりぎりの1日をつかまえた対応というよりも、それは現条例の提案のように3月1日とするほうが、これは実質というか、国準拠という考え方からいえば妥当ではないのかという考えでございますので、御理解をいただきたいと思います。 ◎知事(尾崎正直君) まず、年度途中に経過措置が来ることについてであります。 一定、その削減幅が大きい、このことについて例えば法的訴訟リスク、そういうものもあるんではないか。そういうことを考えても年度を越えたほうがいいんじゃないかと、御指摘であったかというふうに思いますけれども、そのようなさまざまな法的な他の法規との関係、こういうことも考えて、国においては3段階の措置をとられたんだと、そのように考えております。我々もそういう国の対応に準拠していくということが必要であろうかと考えております。 我々が仮に4段階、5段階もしくは年度がずれるということになりますと、ある年度において、民間とほぼ同水準の退職手当をもらっている国家公務員と、しかしながら民間よりも高い退職手当をもらっておる地方公務員と、県庁職員ということになってしまいます。これは県民の皆様の理解が得られないものと、そのように考えております。 ただ、県としての一定の配慮もさせていただいたところでありまして、経過措置を何日にするかということを考えましたとき、国は1月1日であります。しかしながら、我々では、検討を国よりも、決まった後から始めているわけでございますから、当初2月1日からということで遅目の施行日を提案させていただきましたが、交渉の過程でいろいろお話をさせていただく中で、3月1日という追加提案もさせていただいて、1カ月おくれ、3月からのスタートとさせていただいたところでもございます。こういう形で県独自としてのあり方についても検討させていただきました。 2つ目、経済への影響についてであります。 経済への影響は、いずれにいたしましても、県予算全体としてどうかという視点から捉まえるべきだということを申し上げておるわけでございます。全体としてどういう内容か、全体としての総量がどうかということで判断すべきことではないかということを申し上げているところでございます。 ちなみに、給料を削ると、退職手当を削ると、公経済に大きな影響が及ぶので退職手当の削減には慎重であるべきではないかという論、一定考えられるかもしれませんけれども、公経済への影響がどうかということを、その給与もしくは退職手当の水準に直結させて考えるというのはいかがなものかと思います。そういうことであれば、公経済へのよい影響を及ぼすために公務員の給与を引き上げるべきという話が出てくるんでありましょうか。それは県民の理解が得られないのではないかと思います。 官民均衡、この観点から、また国と均衡する、そういう観点から県民の皆様方の一番理解を得られる手当のあり方はどうか、このことをじっくり検討させていただいて、心苦しくはありますけれども今議会に提案をさせていただいたと、そういうことでございます。 ◎総務部長(小谷敦君) 退職手当債の許可基準等についてのお尋ねがございましたけれども、退職手当債は地方債の中でも特別な地方債でございます。すなわち地方債というのは、普通は例えば道路ですとか施設ですとか、一度建設されればその便益というのは将来の世代も享受できるということを考慮して、負担の平準化という観点から、地方財政法の規定により発行が通常の場合は認められているものでございます。都道府県が起債を起こします場合には、財政状況に応じまして国の許可が必要、国との協議が必要、そして財政状況がよい場合には国への届け出が必要というふうになっております。 これに対しまして、退職手当債は、団塊の世代の大量退職が始まる平成18年度から、職員の大量退職が続く平成27年度までの10年間に限りまして、厳しい財政状況などを踏まえて特別に立法措置により発行が認められているものでございます。 まず法律で、都道府県の場合であれば総務大臣の許可を受けて発行ということになっておりまして、これは財政状況にかかわらず総務大臣の許可が必要となっておりますし、その許可を受ける際に、地方公共団体は当該年度以後、特例期間内における各年度に支給すべき退職手当の合計額の見込みが、職員の数の現況及び将来の見通し、給与の適正化に関する書類、その他の事項を定めた計画を作成し、許可の申請書に添えて提出するというふうに、まず法律で規定がされております。その発行の許可に当たりましての地方債同意等基準の中で償還に当たりまして、まず許可ができる団体は、退職手当額を含めまして総人件費の削減に取り組むものに対して発行ができると。しかも、その償還財源の関係で定員管理・給与適正化計画の作成を通じた将来の人件費の削減により、償還財源が確保できるものと認められる範囲内の額についての許可を出すとされております。 また、その中で支給基準が国、国家公務員を上回る場合には、国家公務員の基準により算定するなどとなっております。実際、償還額の算定というよりも、退手債の発行可能額などともいろいろとリンクいたしますけれども、この算定に当たっての将来の職員の純減数などについては、例えばですけれども、当局側で勝手に計画しているというのはだめで、国の削減計画について議会の了承も得ている集中改革プランというのがございましたけれども、それに定められた額であるかどうか等のチェックがなされておるものでございます。 ◆33番(坂本茂雄君) 最後の総務部長の答弁、私は、施行日が違っていることが、それはだめなのかどうか、とされるのかどうかということを聞きゆうんで、そこのところについては答えられていないと思いますが、もし後でお答えがあったらお聞かせください。 もう最後の質問になりますからあれですけれども、副知事の答弁と、ちょっと知事の答弁の中で、いわゆる途中退職者が出た場合の職場への対応というのが、若干ニュアンスが違って聞こえたんですね。どうしてもそういうことが生じたときには、どういうふうな補充対応などを考えているのかというのは、ちょっときちんと答えてもらいたいということと、もう一つは、慰留するに当たってどういう方法で慰留するのかと、例えば所属長なのかどうなのかということを含めて、その方法をお聞かせいただきたい。 そして最後に、今回の条例を強行的に可決成立させた場合には、職場に極めて大きな混乱が私出ると思うんですね。その大きな混乱が出たときに、それへの対応、それへの責任は知事が受けて立つというふうな決意で臨まれているのかどうか、そのことを最後にお聞きいたしまして、一切の質問とします。 ◎知事(尾崎正直君) まず、途中退職の方が出られた場合、後任者の補充についてという話であります。 私は、何らかの後任の補充など、その時点でとり得る手だてを講じ、業務に支障がないように対応してまいりますと、そのように申し上げました。副知事からは、よりその背景を詳しく述べるということであります。極めて補充が難しい状況にあると、後任者の補充が極めて困難な状況があります。しかしながら、何らかの工夫をしていくことで後任の補充などさまざまな手だてを講じていって、公務に支障がないように努力をするということでございます。以上、それが私どもとしての考えであります。 最終的に、この問題に伴って出てくる責任を私がとるのは当然のことであります。私といたしまして、職員の皆様方にも--その慰留の仕方はさまざまなレベルで行っていく、状況に応じて行っていくということになろうかと思いますけれども、最終的にそういう状況の中で公務を円滑に運営していく。県民の皆様方の生活が極めて厳しい中において、県勢浮揚に向けて公務を円滑に遂行していくということ。このことをなし遂げていく責任は私にあるわけでございます。そのために、あらゆる努力を行っていきたいと、そのように考えておるところでございます。 公務員として長年志高く仕事をしてこられた皆様方、その給与であれ手当であれ、原資は県民の皆さん、国民の皆様方の血税であるということ、そのことを理解しておくことを、多くの皆様は深く理解しておられることと思います。退職手当につきましても、官民の均衡が図られていくということが大事だということについて、多くの職員の皆様方には、確かに心苦しいことでありますけれども、厳しいことではありますけれども、御理解を賜れるものと私は思っておりますし、引き続き理解を賜れるような呼びかけもしていかなければならんと、そのように思います。 ◎総務部長(小谷敦君) 退職手当債の同意等基準の中に明確に施行日により区分するという話は出てきておりませんが、先ほど申しましたように、退職手当債は特別な起債であり、法律の規定等も踏まえまして、その償還財源について確認するために、給与の適正化計画ですとか定員管理の計画などをあわせて総務省において判断することとされております。 今回、提案させていただいた施行日及び経過措置というのは、国に準じた制度とする中で可能な限り職員に配慮すると。県民の皆様から理解も得られるぎりぎりの内容であるものと考えておりますし、退職手当債の許可に当たっても、この旨考え方などを御説明して理解を得たいと考えております。 ○議長(武石利彦君) 以上をもって、議案に対する質疑を終結いたします。--------------------------------------- △議案の付託 ○議長(武石利彦君) これより議案の付託をいたします。 ただいま議題となっている第45号議案をお手元にお配りいたしてあります議案付託表のとおり、総務委員会に付託いたします。 付託されました総務委員会は、速やかに審査の上、結果の報告を願います。   〔議案付託表 巻末314ページに掲載〕 審議の都合により、暫時休憩いたします。   午後3時26分休憩---------------------------------------   午後7時15分再開 ○議長(武石利彦君) 休憩前に引き続き会議を開きます。--------------------------------------- △諸般の報告 ○議長(武石利彦君) 御報告いたします。 総務委員会から審査結果の報告があり、一覧表としてお手元にお配りいたしてありますので御了承願います。   〔委員会審査結果一覧表 巻末340ページに掲載〕--------------------------------------- △委員長報告 ○議長(武石利彦君) これより常任委員長の報告を求めます。 総務委員長溝渕健夫君。   (総務委員長溝渕健夫君登壇) ◆総務委員長(溝渕健夫君) 総務委員会が付託を受けた案件について、その審査の経過並びに結果を御報告いたします。 当委員会は、執行部関係者の出席を求め、慎重に審査いたしました結果、第45号議案については賛成多数をもって可決すべきものと決しました。 以下、審査の過程において論議された主な事項について、その概要を申し上げます。 当委員会に付託された条例議案は、国家公務員退職手当法等の一部改正を考慮し、長期勤続者等に対する退職手当に係る調整率を改定し、あわせて当該調整率の適用対象に、自己の都合または勤続20年未満の退職者を含めようとするものであります。 執行部から、提案された条例議案について、国家公務員制度に準じて、長期勤続者等に対する退職手当に係る調整率を来年3月から平成27年1月にかけて段階的に引き下げる。また、当該調整率の適用対象に、自己の都合または勤続20年未満の退職者を含めようとするものであるとの説明がありました。 委員から、自治体の裁量として、施行日を3月31日にすることはできないかとの質疑がありました。執行部からは、それぞれの団体が条例で定めることになっているが、今年度末に退職する県職員に支給される退職手当の水準が、国家公務員に支給される水準を上回ることについては、県民の理解を得られないだろうということで、このような判断をした。職員への説明や検討の期間を考えた場合、2月1日では厳しいという声もあり、ぎりぎりの判断として3月1日施行としたところであるとの答弁がありました。 委員から、給与の水準を民間準拠とすることは考えられるが、退職手当についても準拠するという定めはあるのかとの質疑がありました。執行部から、民間企業の退職手当について調べたわけではないが、民間と退職手当の較差があるとする国家公務員が下げているので、均衡の原則から本県が違った措置はできないと判断したとの答弁がありました。 委員から、3月1日なら県民の理解を得られるが、4月では得られないとする根拠は何かとの質疑がありました。執行部から、判断の根幹は県民の理解を得られる水準になっているかどうかである。職員の生活に大きな影響があるのでさまざまな議論をしたが、今年退職する職員への手当が国の水準を超えた場合は県民の理解は得られないと考えて、3月1日にすべきと判断したとの答弁がありました。 委員からは、退職手当の引き下げが購買力の低下や民間企業労働者の退職金の引き下げの圧力にもつながってくることで、地域経済への悪影響を及ぼすような一つの要素になると思うが、それについてどのように考えているのかとの質疑がありました。これに対して執行部からは、いろいろな民間の雇用状況とか、いろいろな水準の話と、公務員の給与とか、退職手当の支給水準を一緒に議論すべきではないと考えている。職員に支給する給与や退職手当については、民間企業や国家公務員の状況とか見た上で決めるものであり、本県における景気対策等については、別に国の対策などに合わせて積極的に当然対応すべきものであるとの答弁がありました。 委員から、今年度末に退職する対象者は、各部局で何名なのか。また、2月末までに退職する者はどの程度いると考えているのかとの質疑がありました。執行部から、対象者は、知事部局98名、教育委員会158名、警察本部67名となっている。職員にとっては約140万円の減額は大きいので、2月末までに退職する者が出てきてもやむを得ない面があるのではないかと思っているとの答弁がありました。 以上をもって、総務委員長報告を終わります。--------------------------------------- △討論 ○議長(武石利彦君) お諮りいたします。 この際、委員長に対する質疑を省略し、直ちに討論に入ることに御異議ありませんか。   (「異議なし」と言う者あり) ○議長(武石利彦君) 御異議ないものと認めます。よって、さよう決しました。 これより討論に入ります。 通告がありますので、順次発言を許します。 37番吉良富彦君。   (37番吉良富彦君登壇) ◆37番(吉良富彦君) 私は、日本共産党を代表して、第45号「職員の退職手当に関する条例等の一部を改正する条例議案」について、反対の立場で討論を行います。 本条例案が準拠する国家公務員退職手当削減法は、衆議院解散の閣議決定後に、衆議院と参議院の委員会と本会議の審議、採決をわずか1日、衆参合わせて2時間もなく、実質的に審議抜きで強行成立させられたものであり、到底容認できるものではありません。 本条例案についても、十分な審議をはなから否定するかのように、12月定例会閉会日に追加提案という姿勢は、平均383万円もの大幅な退職金引き下げをそそくさと決めようとするものであり、強く抗議するものであります。 反対理由の第1は、本条例案の退職手当削減は、政府が進める公務員総人件費の2割削減の対象となっており、本条例案は、退職手当の大幅削減を通じてこれを実行するものであるからです。今後、市町村職員の引き下げにも及んでまいります。数値を見て、人と暮らし、そして地域経済をも顧みずデフレスパイラルを加速させる人件費削減は許されません。このようなことを行えば、民間労働者の退職金引き下げにもつながり、官民での労働条件悪化の悪循環にさらに拍車がかかることにしかなりません。 反対理由の第2は、給与とは違い、退職手当については民間準拠とは定められていません。その見直しを図るというのであれば、官民比較だけでなく、公務員の職務の特殊性や地域経済への影響など、さまざまな観点から十分な検討がなされることが必要です。ところが、人事院の従前にない権限外の調査結果を唯一の根拠として、400万円もの全額を極めて短期間のうちに引き下げるものに、本条例案は無批判に準拠するものとなっており、認められません。 反対理由の第3は、年度途中であるにもかかわらず引き下げを強要し、今年度退職者の権利を守る立場にないことです。手当額が国家公務員を上回ることとなっても、既に鹿児島県や島根県では年度区切りとしています。せめて、本県でも業務年度に対応すべく、年度区切りにすべきです。退職手当債の発行額にこだわらなければならない状況をつくり出したのは、三位一体改革などを推進した国政と使用者側の責任であり、職員にその負担を負わすことになる本条例案を認めることはできません。 以上、申し述べ、反対討論としまして、同僚各位の賛成を心より求めるものです。(拍手) ○議長(武石利彦君) 33番坂本茂雄君。   (33番坂本茂雄君登壇) ◆33番(坂本茂雄君) ただいま議題となりました第45号「職員の退職手当に関する条例等の一部を改正する条例議案」について、反対の立場から県民クラブを代表いたしまして討論させていただきます。 本会議での質問を通じて、今回の条例案の内容が、県職員、市町村職員、さらに県に準拠する関係団体の職員とその家族の生活設計、将来への期待権に大きな悪影響を与えるものでありながら、改めて矛盾を抱えた制度であり、職員組合はもちろん、多くの県職員の理解が得られないことも明らかになりました。 国準拠を大義とした条例議案は、職員に精いっぱい配慮したとはいえ、施行日を3月1日に固執する余り、誕生日による差別と分断で、退職者を県庁生活の最後の最後で気持ちよく送り出せないことに変わりはありません。 本会議で、知事、副知事も繰り返されたように心苦しい措置に対して、だったら何とかならないのかとの思いが職員の間に広がっています。副知事も答弁の中で披瀝された、職員組合が取りまとめた職員の意見の中には切実な思いが込められています。「定年まで40年必死で働いて400万円の減。情けなくて涙が出てきます。何とかならないものでしょうか」、「高知県は、今まで十分職員の痛みを伴う削減を独自に実施してきている。この上、国に準拠する退職手当の削減は、職員の仕事意欲の低下につながるとともに、退職後の生活にも影響が出かねないため、絶対反対である」、「今まで責任を持って働いてきた。この段になって無責任にやめることはできんが、いよいよ職員を大事にせんという思いである」、「内容よりも施行時期の設定に悪意を感じる。途中退職も自己都合扱いで減額、3月末まで勤めたら数カ月分ただ働き同然。長年勤めた諸先輩も最後がこれでは後味が悪過ぎる。裏切り行為ではないのか」、「ゴール寸前でルール変更されたような感じ。もう少し長期で見直しをしてもらいたかった」など、たくさんの声がございます。 施行日の3月1日を挟んで、その扱いが大きく異なる今年度末定年退職予定者の方、さらに経過措置を経て400万円近く減額される方、将来に対する期待権と生活設計を破綻させられる方、それぞれの段階で大きな不安を抱えることになります。 施行日が3月1日とされることによる弊害は、単なる金額の多寡ではなく、組織運営においても年度末を控えて大きな問題を招きかねないこととなっています。やむを得ず、施行日以前に退職される方を慰留するといっても、事、退職手当の減額を甘受することを条件に慰留するのは、まさに心苦しいでは片づけられないのではないかと思います。慰留に当たって何らの経済保障もなく、慰留することが困難なだけに、強圧的な慰留工作につながることのないように要請するとともに、そのような心配事を惹起させる退職手当の減額条例は、いま一度考え直していただくことを強く求めておきたいと思います。 県民の理解を得られる制度にということですが、せめて今年度末で退職される方々に長年の勤務に報いることが、断じて許されないことなのでしょうか。比較される民間企業であれば、労働条件の重大な不利益変更として、訴訟リスクを抱える可能性が高いレベルの大幅減額措置の経過措置の緩和が、なぜ図られないのでしょうか。 退職金が下がるようならやめたい、しかしやめた後の補充がないのが気がかり、私のような方はいっぱいいる、やめたい人はいるが、その後の現場がどうなるかはわかっている。そんな声に代表されるように、退職を控えた職員の皆さんは悩みに悩んでいます。皆さん真剣に県民サービスのことも考えていますし、生活者としてのみずからの生活、家庭のことも考えているのです。悩んでいる方々を追い詰めたり、退職予定者が在職する職場の人間関係が悪くなったりすれば、それこそ知事の責任は大きいものがあるだろうと思います。 そのようなことを生じさせないためにも、退職手当の大幅減額措置を行う条例改正について、再検討いただきますよう、同僚議員の皆様にもお願いして、反対討論といたします。(拍手)--------------------------------------- △採決 ○議長(武石利彦君) 以上をもって、討論を終結いたします。 これより採決に入ります。 第45号「職員の退職手当に関する条例等の一部を改正する条例議案」を採決いたします。 委員長報告は可決であります。委員長報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。   (賛成者起立) ○議長(武石利彦君) 起立多数であります。よって、本議案は委員長報告のとおり可決されました。--------------------------------------- △議案の上程、採決(議発第5号-議発第10号 意見書議案) ○議長(武石利彦君) 御報告いたします。 議員から議案が提出されましたので、お手元にお配りいたしてあります。その提出書を書記に朗読させます。   (書記朗読)   〔議発第5号から議発第10号 巻末315~327ページに掲載〕 ○議長(武石利彦君) お諮りいたします。 ただいま御報告いたしました議発第5号「患者数が特に少ない希少疾病用医薬品(ウルトラ・オーファンドラッグ)の開発促進・支援のための法整備等を求める意見書議案」から議発第10号「じん肺・アスベスト被害根絶を求める意見書議案」まで、以上6件をこの際日程に追加し、議題とすることに御異議ありませんか。   (「異議なし」と言う者あり) ○議長(武石利彦君) 御異議ないものと認めます。よって、日程に追加し、議題とすることに決しました。 これらの議案を一括議題といたします。 お諮りいたします。ただいま議題となりました議案については、提出者の説明、質疑、委員会への付託、討論を省略し、直ちに採決することに御異議ありませんか。   (「異議なし」と言う者あり) ○議長(武石利彦君) 御異議ないものと認めます。よって、さよう決しました。 これより採決に入ります。 議発第5号「患者数が特に少ない希少疾病用医薬品(ウルトラ・オーファンドラッグ)の開発促進・支援のための法整備等を求める意見書議案」から議発第10号「じん肺・アスベスト被害根絶を求める意見書議案」まで、以上6件を一括採決いたします。 以上6件の議案を、いずれも原案のとおり可決することに賛成の諸君の起立を求めます。   (賛成者起立) ○議長(武石利彦君) 全員起立であります。よって、以上6件の議案は、いずれも原案のとおり可決されました。--------------------------------------- △議案の上程、討論、採決(議発第11号-議発第12号 意見書議案) ○議長(武石利彦君) 御報告いたします。 議員から議案が提出されましたので、お手元にお配りいたしてあります。その提出書を書記に朗読させます。   (書記朗読)   〔議発第11号、議発第12号 巻末330~332ページに掲載〕 ○議長(武石利彦君) お諮りいたします。 ただいま御報告いたしました議発第11号「国民の意思を正確に反映する選挙制度の抜本的改革を求める意見書議案」及び議発第12号「地方の意見を尊重した衆議院選挙制度改革を求める意見書議案」、以上2件をこの際日程に追加し、議題とすることに御異議ありませんか。   (「異議なし」と言う者あり) ○議長(武石利彦君) 御異議ないものと認めます。よって、日程に追加し、議題とすることに決しました。 これらの議案を一括議題といたします。 お諮りいたします。ただいま議題となりました議案については、提出者の説明、質疑、委員会への付託を省略し、直ちに討論に入ることに御異議ありませんか。   (「異議なし」と言う者あり) ○議長(武石利彦君) 御異議ないものと認めます。よって、さよう決しました。 これより討論に入ります。 通告がありますので、発言を許します。 39番塚地佐智さん。   (39番塚地佐智君登壇)
    ◆39番(塚地佐智君) 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となっています議発第11号「国民の意思を正確に反映する選挙制度の抜本的改革を求める意見書議案」に賛成をし、議発第12号「地方の意見を尊重した衆議院選挙制度改革を求める意見書議案」に反対の立場で討論を行います。 小選挙区の1人別枠方式を違憲とした2011年3月の最高裁判決を受け、また政治不信、政治批判が交錯するもとで、衆議院では選挙制度改革をめぐる各党協議が進められてきました。国会の中でも、小選挙区制度による議員の質の劣化が議論となり、200人を超える衆議院議員で構成される、衆議院選挙制度の抜本改革を目指す議員連盟、略称中選挙区制議連が結成されるなど、小選挙区制度の見直しを求める機運も大きくなっています。 しかし、さきに行われた衆議院選挙は、解散の土壇場で衆議院小選挙区の議員定数を5議席減らす、いわゆる0増5減の衆院定数削減等関連法案を成立させ、選挙後の通常国会で民意を反映する国会議員の議席をさらに削減するとの民、自、公の合意文書が取り決められ、制度改革をすることなく実施がされました。次期通常国会では、選挙制度の改定が大きな議論となっていきます。さきの総選挙の結果から、その問題点をしっかり酌み取ることが求められています。 今回の総選挙では、戦後最低の投票率で、自民党が定数の6割を超える294議席を確保するという結果となりました。しかし、小選挙区で自民党候補者名を書いたのは全有権者の約25%、比例代表に至っては約16%にすぎず、12月18日付東京新聞も、「自民 民意薄い圧勝」との記事を報道。選挙区でも比例代表でも、自民党候補者名や党名を書いた有権者数は、議席占有率と大きくかけ離れたものであり、議席数と世論との間に大きな乖離が生ずる結果となりました。 民主党は、小選挙区で自民党の約半分に当たる22.81%の得票でしたが、小選挙区での獲得議席は自民党の10%強の27議席にとどまっています。今回は自民党が43%の得票で79%の議席を独占しましたが、前回の選挙では民主党が4割台の得票で、7割を超す議席を占めています。いわゆる大政党のひとり勝ちは、小選挙区制のもともとの欠陥と言えます。 大政党に有利な反面、小選挙区は大政党以外を議席から締め出し、議席に結びつかない大量のいわゆる死に票を生み出します。今回の選挙でも自民党と民主党以外の党が小選挙区で獲得した議席は全体の10%強で、小選挙区選挙で投票された約5,962万票のうち、議席に結びつかなかった死に票は53%にも上ります。こうした結果が、選挙への参加意欲を低下させ、低投票率という結果につながっていることも大問題と言えます。 1990年代に、それまでの中選挙区制にかえて小選挙区制を導入した際、盛んに政権交代が実現可能な制度であるとの宣伝がなされました。しかし、小選挙区制は得票がわずかに移動しただけでも、議席が大幅に変動する不安定な制度となっています。実際、今回の自民党の得票は、自民党が大敗した前回の選挙よりも219万票も少ないのに、民主党の不振と低投票率で、自民党の得票率が39%からわずか43%に上がったことだけで、議席は4倍に膨れ上がっています。本来、政権交代は民意を正確に反映してこそ行われるべきで、選挙制度を使って人為的に政権交代を実現しようとすること自体、本末転倒と言わねばなりません。 このような今回の選挙結果は、民意を反映しない小選挙区制度の問題点が如実に示されたものとなり、マスコミも含めた各方面から、小選挙区を中心とした選挙制度の抜本見直しを求める声が大きく上がっています。 1票の格差の問題でも、小選挙区制は全国を300の選挙区に細分化するため、人口の移動に伴い絶えず1票の格差が生まれるという欠陥を持っています。また、本県のような東西に長く1市集中の県にあっては、行政区の分断、生活圏を無視した区割りが常につきまとい、以前のような中選挙区制に戻すべきだとの声も上がっています。最も民意を正確に反映させる比例代表制を中心とした見直しこそ急ぐべきです。 地方の意見が尊重されることを求めた自民党の皆さん提出の意見書は、この小選挙区制度の根本問題の指摘もなく、国民の合意にもなっていない憲法改定まで提言をし、国民主権、議会制民主主義にとって最も重要な1票の格差を軽んじる意見書となっており、賛同できません。 また、地方の声が生かされるかどうかは、小選挙区の定数や区割りの問題ではなく、各党の政策によって形づくられるもので、各党が地方を重視した政策を打ち出すかどうか、それを実践するかどうかにかかっています。それは選挙制度による問題とは筋の違った問題です。今日、地方が疲弊したのは、ひとえにこれまでの木材の関税ゼロや米などを含む輸入の自由化の拡大、大型店舗進出の規制緩和など、1次産業や地域産業を衰退に追い込んだ財界やアメリカ資本言いなりの歴代政府のもたらせた政治の結果であり、今後改めるとすれば、各党の政策、とりわけ、政権党となった自民党自身が地方重視の政策判断をとるかどうかにかかっています。 民意を切り捨てる小選挙区制度を廃止し、民意を正確に反映させる比例代表の定数削減ではなく、充実の方向へと選挙制度の抜本改革を進めることこそ、民意を正確に反映する改革となるもので、今後の選挙制度の改革議論にこの声を届けることこそ、県民が求めているものです。 何とぞ、同僚各位の御賛同をお願いし、私の討論といたします。(拍手) ○議長(武石利彦君) 以上をもって、討論を終結いたします。 これより採決に入ります。 まず、議発第11号「国民の意思を正確に反映する選挙制度の抜本的改革を求める意見書議案」を採決いたします。 本議案を原案のとおり可決することに賛成の諸君の起立を求めます。   (賛成者起立) ○議長(武石利彦君) 起立少数であります。よって、本議案は否決されました。 次に、議発第12号「地方の意見を尊重した衆議院選挙制度改革を求める意見書議案」を採決いたします。 本議案を原案のとおり可決することに賛成の諸君の起立を求めます。   (賛成者起立) ○議長(武石利彦君) 起立多数であります。よって、本議案は原案のとおり可決されました。--------------------------------------- △継続審査の件 ○議長(武石利彦君) 御報告いたします。 各常任委員長及び議会運営委員長から、お手元にお配りいたしてあります申出書写しのとおり、閉会中の継続審査の申し出がありました。   〔継続審査調査の申出書 巻末334ページに掲載〕 お諮りいたします。ただいま御報告いたしました閉会中の継続審査の件を、この際日程に追加し、議題とすることに御異議ありませんか。   (「異議なし」と言う者あり) ○議長(武石利彦君) 御異議ないものと認めます。よって、日程に追加し、議題とすることに決しました。 閉会中の継続審査の件を議題といたします。 お諮りいたします。各常任委員長及び議会運営委員長から申し出のとおり、これらの事件を閉会中の継続審査に付することに御異議ありませんか。   (「異議なし」と言う者あり) ○議長(武石利彦君) 御異議ないものと認めます。よって、各常任委員長及び議会運営委員長から申し出のとおり、閉会中の継続審査に付することに決しました。--------------------------------------- ○議長(武石利彦君) 以上をもちまして、今期定例会提出の案件全部を議了いたしました。--------------------------------------- △閉会の挨拶 ○議長(武石利彦君) 閉会に当たりまして、一言御挨拶申し上げます。 今議会は、平成24年度高知県一般会計補正予算を初め、高知県新型インフルエンザ等対策本部条例議案など、当面する県政上の重要案件が提出されるとともに、議員からは、高知県子ども条例議案が提出され、議員各位におかれましては、これらの議案に対し終始熱心な御議論をいただきました。おかげをもちまして、全議案を滞りなく議了し、予定どおりの日程をもって無事閉会の運びとなりました。議員各位の格別の御協力に対しまして、心からの感謝を申し上げます。 また、知事を初め執行部の方々並びに報道関係の皆様方におかれましても、この間何かと御協力を賜りましたことに対しまして、厚く御礼を申し上げます。 ことし一年を振り返ってみますと、県政の重要課題である南海地震対策の加速化と2期目に入った産業振興計画の着実な歩みを感じましたし、また県議会におきましても、南海地震対策再検討特別委員会や公共交通問題調査特別委員会の精力的な活動に、議員各位の県勢浮揚に向けた意欲を感じる1年でありました。 ことしも残りわずかとなりましたが、これから寒さも一段と厳しさを増してまいります。議員各位を初め執行部、報道関係の皆様方におかれましては、くれぐれも御自愛の上、皆様お元気でよき新春を迎えられ、また新しい年が県民の皆様にとって希望あふれる年になりますよう心より御祈念を申し上げまして、閉会に当たっての御挨拶とさせていただきます。 どうもありがとうございました。(拍手) これより、県知事の御挨拶があります。   (知事尾崎正直君登壇) ◎知事(尾崎正直君) 平成24年12月議会定例会の閉会に当たりまして、一言御挨拶を申し上げます。 今議会には、補正予算を初め、高知県税条例の一部を改正する条例議案などを提出させていただきましたほか、職員の退職手当に関する条例等の一部を改正する条例議案を本日追加提出させていただきました。議員の皆様方には熱心な御審議をいただき、まことにありがとうございました。また、ただいまは、それぞれの議案につきまして御決定を賜り、厚く御礼を申し上げます。 今議会では、南海トラフ巨大地震対策や談合問題などを中心に多くの御意見や御提言をいただきました。今議会の御審議の過程でいただきました貴重な御意見や御提言を十分肝に銘じ、私自身も一層気持ちを引き締めて県政の運営に努めてまいります。 昨日召集されました特別国会におきましては、さきの衆議院議員総選挙の結果を受け、自由民主党の安倍総裁が第96代内閣総理大臣に指名されました。発足した安倍内閣におかれましては、長引くデフレからの脱却と円高の是正に向けた日本経済の立て直しを初め、道半ばの社会保障制度改革の具体化やエネルギー政策、南海トラフ巨大地震への備えを初めとする防災・減災対策、あるいは地方分権の推進など、国と地方が抱える諸課題に真っ正面から取り組み、地方の意見をしっかりと反映した施策をスピード感を持って実行していただけることと、大いに期待をしております。 またあわせて、大型の補正予算を新年度予算と連動して編成するとの指示も出されましたので、県勢浮揚に向けた5つの基本政策のさらなる加速化に向け、当初予算とあわせて十分な予算の確保ができますよう、各般の政策提言を初め、しっかりと対応してまいりたいと考えております。議員の皆様方には、なお一層の御指導、御鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。 年の瀬となりまして、慌ただしい時期を迎えておりますが、議員の皆様には、この1年の御指導、御鞭撻に改めて感謝申し上げますとともに、十分御自愛の上、今後とも一層の御活躍をされますことをお祈り申し上げまして、簡単ではございますが、私からの閉会の御挨拶といたします。 まことにありがとうございました。--------------------------------------- ○議長(武石利彦君) これをもちまして、平成24年12月高知県議会定例会を閉会いたします。   午後7時52分閉会...