愛媛県議会 1998-03-05
平成10年第257回定例会(第2号 3月 5日)
平成10年第257回定例会(第2号 3月 5日) 第257回
愛媛県議会定例会会議録 第2号
平成10年3月5日(木曜日)
〇出席議員 49名
1番 山 崎 尚 明 君
2番 高 橋 克 麿 君
3番 欠 番
4番 岡 田 志 朗 君
5番 井 原 巧 君
6番 寺 井 修 君
7番 毛 利 修 三 君
8番 薬師寺 信 義 君
9番 仲 田 中 一 君
10番 欠 番
11番 欠 番
12番 中 矢 民三郎 君
13番 村 上 要 君
14番 藤 田 光 男 君
15番 藤 原 敏 隆 君
16番 栗 林 新 吾 君
17番 竹 田 祥 一 君
18番 西 原 進 平 君
19番 伊 藤 春 起 君
20番 尾 崎 聡 君
21番 岡 野 達 也 君
22番 中 川 鹿太郎 君
23番 井 上 和 久 君
24番 笹 田 徳三郎 君
25番 在 間 功 典 君
26番 高 門 清 彦 君
27番 森 高 康 行 君
28番 帽 子 敏 信 君
29番 清 家 俊 蔵 君
30番 菊 池 平 以 君
31番 堀 内 琢 郎 君
32番 横 田 弘 之 君
33番 越 智 忍 君
34番 大 前 尚 道 君
35番 成 見 憲 治 君
36番 三 好 一二三 君
37番 亀 岡 秀 雄 君
38番 中 畑 保 一 君
39番 柳 沢 正 三 君
40番 篠 原 実 君
41番 浜 田 祐 功 君
42番 山 本 順 三 君
43番 山 本 敏 孝 君
44番 高 山 利 恵 君
45番 欠 番
46番 欠 番
47番 欠 番
48番 玉 井 実 雄 君
49番 谷 本 永 年 君
50番 池 田 忠 幸 君
51番 岡 田 稔 君
52番 小 田 慶 孝 君
53番 先 田 通 夫 君
54番 星 加 茂 実 君
55番 俊 成 薫 君
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〇欠席議員 なし
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〇欠 員 3名
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〇出席理事者
知事 伊 賀 貞 雪 君
副知事 小 菅 亘 恭 君
出納長 小 川 一 雄 君
公営企業管理者 中 矢 陽 三 君
理事 上 野 裕 君
企画部長 石 井 由 彦 君
総務部長 三 浦 勉 君
生活文化部長 石 川 晋 吾 君
県民福祉部長 長谷川 學 君
保健環境部長 高 橋 弘 君
環境局長 山 田 清 君
経済労働部長 宮 内 薫 君
農林水産部長 真 田 明 志 君
水産局長 武 智 忠 彦 君
土木部長 安 藤 信 夫 君
公営企業管理局長 清 家 齊 君
教育委員会委員長 村 重 享 君
教育長 阿 部 茂 君
人事委員会委員長 安 岡 文 雄 君
公安委員会委員長 山 泉 眞 也 君
警察本部長 篠 原 渉 君
監査委員 政 岡 弘 君
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〇
出席事務局職員
事務局長 永 野 英 詞 君
事務局次長 白 石 雅 造 君
参事総務課長 露 口 富 勝 君
参事議事課長 山 口 信 行 君
副
参事総務課長補佐 岩 崎 充 尋 君
副
参事議事課長補佐 中 岡 信 久 君
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〇本日の会議に付した事件
定第1号議案ないし定第48号議案
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午前10時5分 開議
○議長(中川鹿太郎君) ただいまから、本日の会議を開きます。
本日の会議録署名者に山本順三君、三好一二三君を指名いたします。
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○議長(中川鹿太郎君) これから、定第1号議案平成10年度愛媛県一般会計予算ないし定第48号議案を一括議題とし、審議を進めます。
なお、関係議案に対する人事委員会の意見は、お手元に配付のとおりであります。
――
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○議長(中川鹿太郎君) これから質疑を行います。
○49番(谷本永年君) 議長
○議長(中川鹿太郎君) 谷本永年君
〔49番 谷本永年君登壇〕
○49番(谷本永年君)(拍手)自由民主党の議員団の立場から、代表質問をさせていただきますが、質問に先立ち一言ごあいさつをさせていただきます。
我が党の代表質問は、これまで1党1会派として行ってまいりましたが、今議会からは、御案内のように1党2会派となりまして、私は、3期以上の我が党議員団20人の総意をもって質問をさせていただきますので、理事者におかれましては、御理解をいただきたく存じます。
この件につきましては、それぞれの立場からいろいろな見方や指摘が行われておりますが、しかしながら、これはどこまでも自民党県連、そして県政与党という大原則の枠内のことであります。
今、国と地方とを問わず、かつてない大改革の時代を迎え、今ほど政権与党たる我が党の責任が大きくなったときはないという状況に思いをいたしますとき、ただいまの会派問題をそれ以上でもなく、それ以下でもない事態として受けとめて対応すると同時に、あれこれのこと等を大きく乗り越え、いやこの局面を一つの契機にさえ変えて、愛媛の豊かな21世紀づくりに向け、県政与党としてわき目も振らず、愚直なほどの努力をしなければならないと考えておりますので、よろしくお願いを申し上げます。
さて、それでは質問に移ります。
まず、景気対策についてお伺いいたします。
経済企画庁が発表しました2月の
地域経済動向によりますと、全国各地域の景況は、個人消費の不振や企業の生産活動の落ち込みが続いていることなどを背景に、前回の12月調査よりも軒並み低下しており、経済情勢は一層厳しさを増しているようであります。
四国地域につきましても、「回復の動きが緩やか」から一挙に2ランク低下し、「足踏み状態」となっております。
また、総務庁発表の12月の家計調査報告におきましても、全国の1世帯当たりの消費支出は、前年同月に比べマイナス5.0%と石油危機に見舞われた昭和49年11月の5.9%以来23年ぶりのマイナス幅だそうで、生産活動も消費も大きく落ち込んでいる現状であります。
こうした中、政府の10年度予算案は、
財政健全化目標を定めた
財政構造改革の推進に関する特別措置法により、公共事業費については、前年度に比べ7.8%削減するなど財政再建に配慮したものとなっており、公共投資を取り巻く環境は大変厳しい状況であります。
公共投資は、道路や港湾、公園などの基盤整備を通して、私たちの暮らしにゆとりや快適性などをもたらすとともに社会資本整備を通じて幅広く需要を創出し、景気浮揚には大きく貢献していると思うのであります。
例えば公共事業一律7%減が実施されますと、本県で約420億円、四国4県で1,330億円の事業減と試算されるなどその影響は甚大なるものがあります。特に、本県のような地方におきましては、地域経済に占める公共投資の果たす役割は極めて大きく、県内総支出に占める公共投資の比率で見ましても、全国平均の8.5%を大きく上回る11.2%を占めており、公共事業費の削減は、低迷する本県経済にとって悪影響をもたらすのみでなく、高速自動車道の建設を初めとする
交通ネットワークの形成や第2次FAZ構想の推進など県の重要施策の推進にも、支障をもたらすのではないかと懸念をいたしております。
一方、県では、これまで景気対策として積極的に県単独事業を伸ばしていただいております。それにもかかわらず、公債費比率が平成8年度で7.1%と全国平均13.5%と比べて大きく下回っており、私は、これが財政の専門家である知事の手腕によるところと大きな評価をいたしておりますが、この健全財政を背景として、平成10年度予算においても、地方財政計画が対前年比4%減となっているにもかかわらず、ほぼ前年並みに県単独事業を計上しておられますことは、まことに心強い限りであります。
そこでお伺いをいたします。
県におかれましては、従来より的確な諸施策の実行により、その時々の社会・経済の状況変化に即応した機敏な対応をされているとことであり、現下の経済情勢をかんがみると、厳しい財政事情の中ではありますが、今こそ健全財政に裏打ちされた本県独自の目いっぱいの景気対策として、公共事業及び県単独諸事業を積極的に投入し、地域経済の安定を図り県勢発展に努めることが肝要であると考えますが、どう取り組んでいかれるのか、知事御自身のお考えをお伺いしたいのであります。
次に、景気問題と絡みのある農林水産問題2点についてお伺いをいたします。
その第1点は、ミカンの問題についてであります。
御案内のように9年産ミカンの価格は、9月下旬に出荷の始まった極わせミカンの販売から安値となり、例年なら確実に上昇する歳暮需要期の12月中下旬に至ってもなお回復せず、1月末までの京浜市場価格は、全国148円、愛媛165円と前年の半値以下にまで落ち込んだのであります。この異常な安値は、過去10年間における最低の価格であり、
ミカン生産者にとりまして、まことに憂慮すべき深刻な事態となっております。産地によりましては、生産者の手取り価格は1キロ当たり40円を切り、生計すら成り立たない農家も数多く出ているのであります。
私は、もし今後、このような低価格の状態が続けば、営々として築いてきたミカン産地の火が消えてしまうのではないかと強い懸念を抱いておるのであります。
本県のかんきつ地帯は、御案内のように、急傾斜の厳しい条件下に立地しており、他に有利な作物を見出すことは難しく、また、他業種への就業の機会も極めて限定されており、かんきつ農業に頼るしか方途がないのであります。
何とかして価格の回復を図り、
本県ミカン産業に光明がともせるよう、そして、生産者が意欲を持ってミカンづくりを継続していけるよう的確な対策を講じていただきたいと強く願うものであります。
そこでお尋ねをいたします。
県では、9年産ミカンの価格暴落をどのように受けとめ、今後、どのように対応されるのかお伺いをいたします。
第2点は、真珠問題であります。
ミカンと並んで全国屈指の生産量を誇る本県の真珠及び
真珠母貝養殖業におきましても、平成8年夏ごろから発生したアコヤ貝の大量斃死により、漁業者はもとより地域の経済活動に大きな影響を及ぼしております。
斃死原因につきましては、直接的な原因は感染症の可能性が強いとして、今後、感染症を引き起こす病原体の特定と防除対策の確立に取り組まれるとのことであり、一日も早い全容の解明をお願いするものであります。
しかしながら、生産現場では、2年続きの大量斃死により真珠の生産が大きく落ち込んでおります。産業に浮き沈みはつきものとはいえ、今回の事態はかつて経験したことがない厳しさであり、今後の推移いかんでは、運転資金の調達ができず
養殖経営そのものを断念せざるを得ない業者も出てくるのではないかと大変心配をいたしております。
現に、けさの新聞に報道されておりますごとく、南宇和郡の真珠養殖業者が、大量斃死後の資金繰りがつかず、ついに自殺をするという残念な報道がなされております。
申し上げるまでもなく真珠産業は、南予地域の経済を支える大変すそ野の広い産業であり、それだけに何としても現在の苦境を打開して、業界が再生しますよう県の強力な御支援をお願いするものであります。
そこでお伺いをします。
厳しい経営を余儀なくされている養殖業者が経営を継続できるよう金融面でどのような対策を考えておられるのか、お聞かせ願いたいのであります。
次に、地方分権についてお伺いをいたします。
昨年来、国の行政改革や
財政構造改革をめぐって、郵政三事業民営化の問題あるいは公共事業の削減・配分の問題など多くの議論がなされたのでありますが、その基調には、中央の経済効率を基本とする都市優先の論理があり、地方の切り捨てだとの見方があることは、御案内のとおりであります。
地方の立場としては、例えば公共事業については、一律カットをしないよう地方への傾斜配分を国に求めるなど適切な対応を行っていくことが大切であることは言うまでもありませんが、私は、今日のような社会経済の諸因難を招いた根本的な原因は、地方分権が確立されていないことにあるのではないかと思うものであります。
明治以来我が国は、
中央集権型行政システムによって急速な近代化と経済発展を達成したわけでありますが、戦後50年が経過し、おおむね
ナショナルミニマムを達成した今日、このシステムは、制度疲労の状況に陥っております。その病弊は、いわゆる東京一極集中問題や経済的、文化的な地域格差の拡大などに顕著にあらわれているところであり、さらには、少子・高齢社会への対応、個性豊かな地域づくりといった新たな課題への対応の面でも、さまざまな弊害が目立っているのであります。
したがって、現行の画一性、統一性を重視するシステムを抜本的に改革し、地域の特性を生かし、
地方公共団体の自主的、自立的な行政運営を可能とする地方分棒型の行政システムを確立することが焦眉の急となっていると思うのであります。
国では、今通常国会中に、
地方分権推進委員会の勧告を踏まえた
地方分権推進計画を作成することとしております。
私は、地方分権が議論の段階から実施の段階を迎えた今日、この推進計画において、国から地方への権限と財源の再配分に向けた道筋をしっかりと立て、この道筋に沿って地方分権を着実に実行することが重要であると思うのであります。
そこでお伺いしたいのであります。
地方分権に関しては、これまでもその時々に応じて適切な答弁をいただいたところでありますが、地方分権が実施の段階を迎えたこの時期に、改めて知事の所見をお聞かせ願いたいのであります。
次に、
福祉保健対策について2点お伺いをいたします。
第1点は、
介護保険制度の導入準備についてであります。
去る12月9日、3年を超える検討を経て介護保険法が成立し、平成12年度から施行されることになりました。
御案内のとおりこの制度は、老後の最大の不安要因である介護について社会全体で支え、利用者の希望を尊重した総合的なサービスが安心して受けられる仕組みをつくろうとするものであり、特に、
福祉サービスでは、これまでの措置制度から契約による利用となるため、利用者がみずから
サービス提供機関を選択できるようになる、すなわち利用者本位の制度となることが期待されております。
さらには、多様な事業者の参入が促進されることにより、効率的で良質なサービス提供や
福祉サービスと医療サービスの総合的かつ一体的な提供についても実現の期待が持たれているのであります。
その一方で、介護が必要かどうかを公平に認定できるのか、サービスの提供体制について市町村の格差は生じないのかなどいろいろ懸念が生じているのも事実であります。しかも今回の
介護保険制度の導入は、
社会保障構造改革の第一歩を踏み出す大きな改革でありながら、実施までわずか2年間しかないため、県当局や市町村の準備作業は非常に困難なものとなることが予想されます。
しかしながら、高齢化の進展により、深刻さを増しつつある介護問題を考えますとき、もはやおくれは許されません。もちろん国の政省令の制定や基本方針の策定などを持たなければならない面もあり、すべてが直ちに着手できるというものではありませんが、今や県民の期待にこたえるべく全力を傾注すべきときであると考えるのであります。
そこでお伺いします。
介護保険制度の円滑な導入に向けて県はどのように対応していかれるのか、これまでの対応状況とあわせてお聞かせいただきたいのであります。
福祉保健対策の第2点は、保健所の再編についてであります。
近年の我が国における平均寿命は飛躍的な伸びを示しており、まさに世界一の長寿国となっております。
この背景には、保健、医療、福祉の充実や栄養状態の改善などさまざまな要因が考えられますが、その中で公衆衛生の中核的機関として保健所が果たしてきた役割というものが極めて大きかったと思うのであります。
この間、結核などの感染症にかわって、がん、脳卒中、心臓病などといった生活習慣病による死亡が上昇し、疾病構造が大きく変化するとともに地域住民の健康に対する関心も高まり、地域保健に対するニーズも多様化、高度化してきたのは、御承知のとおりであります。
このため、国においては、社会防衛的な視点から、生活者個人の立場を重視した地域保健の新たな体系へと関係法令の改正等が行われ、県では、このような社会環境の変化や国の動向などを踏まえて、今後の
地域保健対策のあり方について総合的な検討を進められた結果、今年4月から現在の14保健所の再編を行い、一部の保健所を支所とする方針とされたと聞いております。
このたびの地域保健の見直しは、住民に身近で頻度の高いサービスを市町村が一元的に提供し、保健所は、より専門的、技術的で広域的な業務を実施することが基本となっており、住民にとって大変望ましいことであると考えております。
しかしながら、保健所が、県民の健康で快適な生活をサポートする極めて重要な行政機関であることに変わりはなく、機構改革や業務の見直しにより、住民の混乱を招くことのないよう留意する必要があると考えるのであります。
今回の保健所の再編は、本県の保健所業務が始まって以来の大きな改革であるだけに、私は、将来これが時宜を得た的確な対応であったと言えるよう思い切った取り組みを行うとともに新しい体制への円滑な移行に努める必要があると思うのであります。
そこでお尋ねいたします。
今回の保健所再編により、新しい保健所体制はどのようになり、
住民サービスはどう変わるのか。
住民サービスは低下しないのか、あわせてお伺いしたいのであります。
次に、
本州四国連絡橋に関連した問題について2点お伺いいたします。
瀬戸内海は、古くから交通の要路として栄えてまいりましたが、自然の前に人は無力で、霧の日や海が荒れたときなどはとても手には負えないものがあり、瀬戸内の人々は、そんな目の前の海を眺めながら、ここに橋があればと長年願ってきたところであります。
振り返ってみますと、県民の熱意や要望を受けて、
本州四国連絡橋の建設が実現に向けて動き出したのが昭和45年のことでありました。以来、総需要抑制政策による着工延期などの曲折を経て、昭和63年4月に児島・坂出ルートが供用、本年4月5日には神戸・鳴門ルートの明石海峡大橋が供用されることになっているのであります。
また、尾道・今治ルートにつきましても、昭和50年の大三島橋の着工以来、多くの課題を解決しながら順次建設が進められ、来島大橋でも本年夏には橋げたで今治と大島がつながると聞いており、工事も最終段階を迎え、来年春の開通により、いよいよ瀬戸内三橋時代が実現し、私たちの長年の夢が間もなくかなえられようとしております。
さて、
本州四国連絡橋公団では、3橋の開通を控え、去る12月26日付で建設大臣から、本四道路の料金変更の認可を受けたところであります。新しい料金は、基本料金の20%引きを平成10年4月から5年間行う特別措置などが導入されており、今後の利用促進により架橋効果が一層生かされるであろうと思っております。
しかし、本四道路は、世界的にも長大な橋梁であり多額の建設費を要し、しかもこの資金を料金収入で償還するために、国及び
地方公共団体の出資金は必要不可欠の財源であります。
そこでお伺いいたします。
今議会において本四公団出資金31億円余りが計上されており、前年度と比較して23%増となっているのであります。地方財政の厳しい状況の中で、この出資金の増額についてどのようにお考えなのか、お伺いしたいのであります。
また、
西瀬戸自動車道は、全通して初めてその架橋効果が最大限に発揮できるものと考えているところでありますが、未着手となっている大島及び生口島の島内道路の整備見通しについても、あわせてお伺いしたいのであります。
次に、
豊予海峡ルートについてお伺いいたします。
県民の長年の夢でありました
本四連絡橋今治・尾道ルートが来春に開通する運びとなった今、21世紀において県民の期待する最大のプロジェクトが
豊予海峡ルートであります。
この
豊予海峡ルートの必要性や意義につきましては、これまでに十分議論がなされており、改めて申すまでもないところでありますが、単に本県と大分県を結ぶというものでなく、西瀬戸地域の環状交通体系を形成し、広域交流圏の構築に大いに寄与するとともに東海から紀伊半島、四国を経て九州に至る太平洋新国土軸の形成のかなめとなる極めて重要なルートであります。
その整備方式については、知事がこれまでも何度も御見解をお示しのとおり、将来的には、鉄道トンネルと道路橋の両面からの整備が必要であると私も認識をいたしております。
しかしながら、鉄道トンネルについては、昭和63年度に日本鉄道建設公団から、10年の工期で建設可能との調査報告が出ている一方、橋梁の建設については、水深がこれまでの経験をはるかに超えて深いことや世界最大の長大橋となる明石海峡大橋を大幅に上回る規模となることから、技術的には非常に難しいと言われてまいりました。
幸いこのルートが、平成6年12月に
地域高規格道路の候補路線として指定を受けたことから、県においては、大分県と共同で
豊予海峡架橋調査委員会を設置して調査を進め、去る2月18日、これまでの3年間の調査結果を踏まえ、架橋は技術的に可能との報告書がまとめられたとの報道がなされたところであり、大変喜ばしい限りです。
そこでお尋ねをいたします。
先般の調査委員会の報告書の概要はどうか。また、今後、
豊予海峡ルートの実現に向けてどのように取り組んでいかれるのか、知事の御所見をお伺いいたします。
次に、開会日の議案説明において、知事が6月に提案を予定していると言われた
情報公開制度の条例化についてお伺いをいたします。
本県の
情報公開制度は、平成6年1月の要綱実施以来4年余り経過いたしましたが、これまでのところ特にこれといったトラブルもなく円滑に運用され、申請件数も年を追うごとに増加の傾向にあるとお伺いしております。
先般、
全国市民オンブズマン連絡会議が制度の運用状況のランキングを発表しておりますが、これによると、本県は、条例未実施ということで順位は付されておりませんが、情報公開度等を含めた運用状況の比較では、全国14位の点数で昨年の12位に引き続き高い位置にあります。
私は、この結果については、本県が要綱実施とはいえ原則公開の立場から、他の条例実施県と全く格差のない積極的な公開に努めていることを示すものとして、率直に評価するものであります。
情報公開制度は、県民から信頼される公正で開かれた県政を実現するための基盤となるものであり、また、これまで以上に県民の県政に対する適正な意見の形成が可能になるという意味において、県民の意思が反映された県政を推進するためには、必要不可欠な制度であります。
情報公開制度がこのような県政の基本姿勢にかかわる重要なものであることを考えますとき、私は、公開基準をどうするかあるいは実施機関の範囲をどうするかといった制度の根幹ともいうべき問題については、これまでの要綱による試行実績を踏まえるとともに国の
情報公開制度の法制化の動きも視野に置きながら、本当に県民のためになる制度はどうあるべきかという基本に立ち返って、これらの問題を真剣に検討し、将来に禍根を残さない立派な条例にしていくことが何よりも重要であると考えます。
そこでお伺いいたします。
知事は、昨年の12月県議会で、情報公開検討委員会の研究会での検討は大詰めの段階にあるという答弁をされております。条例提案に向けてその検討内容と検討結果の今後の取り扱いはどうなるのかお聞かせください。
また、実施機関については、いまだ全国で4県しか公開対象とはしていませんが、県議会については、私は積極的に実施すべきと考えます。
公安委員会については、現在のところ他県でも実施機関としているところはなく、国においても、外交や防衛問題については極めて高い機密性を含んだ分野があり、公開できぬ事項のあることは当然であるように、警察事務の特殊性等から、本県のみが先行して実施機関とするのは問題があるのではないかとも考えます。
知事は、この実施機関の範囲についてどのように考えておられるのか、御所見をお聞かせいただきたいのであります。
次に、組織・機構の見直しについてお伺いをいたします。
御案内のとおり、近年の我が国の行財政を取り巻く環境は極めて厳しく、政府においては行財政改革の推進に取り組むとともに中央省庁の再編につきましても、西暦2001年の実施に向けて抜本的なプログラムづくりが進められているところであります。
一方、地方におきましても、このような動きに呼応して、行政改革、地方分権の推進が新しい段階を迎え、今まさに地方自治の新時代に踏み込もうとしているのであります。
地方自治制皮の本旨たるところは、住民自治の原則に立って
地方公共団体の事務の拡充や自治権の強化、財政上の自主性の確立等を進めると同時に国の関与や監督権限を極力少なくしていくことにあり、そのためには、行政運営のシステムそのものを国と地方との新たな関係を構築しながら、名実ともに地域主導のものにとってかえていくことが必要であると思うのであります。そして、これを実効あるものとするためには、何と申しましても、将来を見据えたしっかりとした組織機構づくりが不可欠になると考えております。
今議会に提案されました行政組織条例の改正案は、部局の統廃合など年頭に知事が表明されました思い切った樺構改革断行の方針に沿ったものとして、また、より簡素な組織で行革・分権の理念を着実に具現化していこうとする知事の強い決意があらわれたものと受けとめているところでありますが、今回の組織機構再編の視点と今後の行政運営の方針について御所見をお聞かせ願いたいのであります。
最後に、青少年の非行防止、健全育成についてお伺いします。
去る1月28日、栃木県で起きた中学1年生男子生徒による女性教師刺殺事件を初め、最近、中学生、高校生が教師や友達、警察官をナイフで殺傷する事件が相次いで発生し、社会に大きな衝撃を与えるとともに青少年の非行が改めて大きな社会問題になっております。
本県でも、先日、内子町で中学生がナイフを使用して恐喝するという事件が発生し、驚いております。
本県における昨年の少年非行の状況を見ましても、検挙・補導された刑法犯少年は2,339人と前年に比べ23.6%の増加となっており、まことに憂慮すべき事態と言うほかはありません。
御案内のとおり、青少年期は、生涯の中でも心身が最も発達する時期であり、この時期には正義や公正を重んじる心やみずからを律しつつ他人と強調する心、また、人権を尊重する心を育てていかなければなりません。
しかしながら、家庭や地域社会の現状に目を向けたとき、核家族化や少子化による過保護や過干渉など親の教育姿勢の問題や過熱する進学競争、また、テレビゲーム等室内でのひとり遊びの増加による豊かな生活体験や社会体験の減少、さらには地域社会の教育力の低下などから、青少年の基本的な倫理観や規範意識を養う基盤が弱体化しているのではないかと考えざるを得ないのであります。
また、普通の子と言われる子供たちが刃物等を携帯して事件を起こすのは、今日のさまざまな社会不安の中で、本来、親や地域の大人たちあるいは教師や友人との信頼関係のもとで安心して生活できる環境を見失い、自分を守るための一つの手段となってあらわれているのではないでしょうか。
去る2月3日に発表されました中央教育審議会の小委員会の中間報告の案を見ましても、もう一度家庭を見直そう、地域社会の力を生かそう、社会全体のモラルの低下を問い直そうなど根本的な事項が提言されており、いま一度社会全体で真剣に青少年の健全育成について考える必要性を痛感いたします。
昔から「鞭を惜しんで我が子を駄目にする」ということを言われますが、私は、今こそ、親が教師が勇気を持って、倫理観、親範意識をしつけや教育の中に傾注すべきではないかと考えます。
県教育委員会におかれましては、これまでも家庭教育の充実を図るなど各種の事業を実施し、たくましく豊かな心を待った子供たちの育成に取り組まれておられますが、今後は、これまでの成果を踏まえて、さらに充実強化していく必要があると思うのであります。
そこでお尋ねいたします。
今後、青少年の非行防止、健全育成にどのように取り組まれるのか、教育長の御所見をお伺いしたいのであります。
以上で私の質問を終わります。(拍手)
○議長(中川鹿太郎君) 暫時休憩いたします。
午前10時39分 休憩
――
――――――――――――――――
午前10時49分 再開
○議長(中川鹿太郎君) 再開いたします。
質疑を続行し、理事者の答弁を求めます。
○知事(伊賀貞雪君) 議長
○議長(中川鹿太郎君) 伊賀知事
〔知事 伊賀貞雪君登壇〕
○知事(伊賀貞雪君) 谷本議員にお答えをいたします。
きょうは、少しのどを痛めておりますのでお聞き苦しいところがありましたらお許しをいただきたい。
最初に、景気対策として、公共事業及び県単独事業にどのように取り組んでいくのかという質問であります。
最近、一部におきまして、公共投資に対するとかくの批判をする風潮がございますが、私は、公共投資は、景気の回復と社会資本の充実という一石二鳥の効果があると考えております。
本県におきましては、おくれている社会資本の整備を計画的に進めるため、公共事業を初め県単独事業を積極的に投入してきたところであります。特に、今日のような不況期におきましては、ケインズ経済学の原理が示しますように、公共投資の拡大が総合需要を誘発して、地域経済の広範な分野に寄与して波及効果があることから、これらを思い切って拡充し地域経済の下支えを図ってきたところであります。
10年度当初予算におきましては、非常に厳しい財政環境ではございますが、停滞感が強まっている県内景気に配慮して、定型的県単独事業につきましては、地元の要望を踏まえて1.7%増の591億3,440万円、大型県単独事業は4.3%増の286億8,200万円といずれも前年度当初を上回る予算を計上いたしますとともに政府主導の公共事業につきましても、国の予算が削減される中で、県の重要施策の推進に支障が生じることのないよう国の内示が見込める可能な限り予算を編成することにいたしました。
また、平成9年度の2月補正予算におきましても、公共事業についてゼロ国債を73億円計上いたしますとともに新たに、県単独事業につきましてもゼロ県債の制度を創設して20億円を計上し、事業の早期執行と平準化を図っておるところであります。
今後とも予算の執行に際しては、早期発注に努めますとともに国の景気対策と県内景気の動向を見きわめながら、財政事情にも十分配慮して今後とも適切に対処をしていく所存であります。
次に、農林水産問題の中で2つ。
第1点は、ミカンの価格暴落をどう受けとめ、どう対処するのかということであります。
9年産ミカンにつきましては、御案内のとおり、極わせミカンの販売段階から安値傾向が推移しておりまして、県では、果実緊急需給調整特別対策事業の計画数量の増枠と実施時期の延長を措置いたしまして、青果団体の出荷調整を支援してまいったところであります。生産者や団体の懸命な努力にもかかわらず販売価格は著しく低下し、農家にとって大変厳しい結果となっておるわけであります。
その原因は、景気の停滞感が強く買い控え傾向が続く中で、当初の予想以上に生産量が多かったこと、さらに、極わせの食味が不良であり、普通温州にも浮皮が多発して品質がよくなかったことなどによるものと考えております。また、子供さんや若い人々の嗜好の変化によって生果に対する消費需要が減退しつつあります。むしろジュースに向きつつあることは、私は、果樹産業の根本的な課題であると思っております。
県といたしましては、当面の対策として、価格の下落により経営が困難となっている生産者に対しましては、今回、県単独の果樹経営安定特別資金を創設いたしまして、融資枠20億円の低利資金を貸し付けることによって経営の安定に努めますとともに今後は、需要量に見合う生産、食味のよい果実の厳選出荷の指導強化や優良品種への改植、生産基盤の整備、流通施設の近代化を積極的に推進いたしまして、産地の強化を図っていかなければならぬ、こう思っております。
次に、アコヤ貝斃死問題に金融面でどのような対策を講ずるのかということでございます。
アコヤ貝の大量斃死によりまして、真珠及び
真珠母貝養殖業者は収入が大幅に減少し、当面必要な支払い資金の調達や借入金の返済が困難になりまして、事業の継続が危ぶまれる業者が増加しつつある傾向にあります。
このため県におきましては、漁業近代化資金において2年間の償還延長措置を実施いたしますとともに固定化債務を抱えている業者については、漁業経営維持安定資金として10億円の融資を行うことにいたしております。
さらに今回、新たに県単独の真珠養殖漁業経営安定資金を創設いたしまして、既往債務の返済や事業継続に必要な運転資金の調達が困難になっておる業者に対しまして総枠15億円を貸し付ける計画であります。
今後とも漁業団体等と連携しながら、各種の制度資金を有効に活用しながら真珠、真珠母貝養殖漁家の金融支援に努めていきたいと思うのでございます。
次に、地方分権に対する知事の所見でありますが、社会経済の構造的改革が求められている今日、制度疲労に陥っております中央集権型の行政システムを変革し、地方がみずからの判断と責任で住民本位の行政を展開できる地方分権型の行政システムを確立することは、極めて重要な課題であります。
そのためには、国から地方への権限委譲や国の地方に対する関与、規制の排除とあわせて、地方税財源の充実強化を図ることが根本的な課題であると思うのでございます。
国の
地方分権推進委員会におきましては、機関委任事務制度の廃止や国の関与の廃止・縮小、国庫補助負担金の税財源のあり方、権限委譲の推進などを内容とする4次にわたる勧告を行ったところであります。
また、政府におきましては、この勧告に沿って今通常国会終了までに推進計画を作成し、地方分権を総合的かつ計画的に進めるという考え方を示しております。
県といたしましては、引き続き政府に対しまして、地方税財源の充実方策を含めた
地方分権推進計画を作成し、関係法令の改正等所要の措置を講じますように全国知事会等を通じまして強く要請をしていきたいと思うのでございます。
次に、今回の保健所の再編問題について、
住民サービスに影響はないかというような意味の御質問でありました。
今回の保健所の再編は、少子・高齢化の進展、疾病構造の変化、ライフスタイルの変化など地域保健を取り巻く環境の変化に対応して、広域的で専門的で技術的拠点として保健所機能を強化していくことが目的であります。
新しい地域保健体制検討委員会、この報告や県内の実情などを踏まえて関係市町村の意見も聞きながら慎重に検討をいたしました結果、従来の14保健所を平成10年度から8つの保健所と6つの支所に再編することにいたしました。
具体的には、現在の5つの中央保健所と伊予三島、新居浜、大洲の一般保健所を存続させるとともにその他の6つの保健所については、地域住民の利便性等を考慮して中央保健所の支所として位置づけることにいたしました。
また、保健所機能強化のため、難病患者への支援や生涯健康づくり指導者の養成研修などを実施するとともに中央保健所と伊予三島保健所では、医療圏域内の企画、調査、研究に係る業務を強化するほか、試験検査及び食品衛生監視を中央保健所で集中的に実施するなど業務の集中化、効率化を進めながら、専門性の向上や地域支援の強化を図っていくことにしております。
なお、支所となる施設につきましても、市町村保健センターとの緊密な連携を図りながら、従来からの
住民サービスを低下させるようなことがないように十分に配慮をしておるわけでございます。
今回の再編によって、地域住民に対してより充実した質の高い保健サービスが提供できるものと期待をしております。
次に、本四連絡橋関連問題について、本四公団への出資金の増額をどう考えるかということでございましたが、県民の長年にわたる念願であった
西瀬戸自動車道今尾ルートが来春の開通が確実になってきたことは、まことに感慨深いものがございます。
本四公団におきましては、お話もございましたように、今回の料金変更認可申請に当たりまして、実績交通量と乖離が見られる計画交通量の修正を行う一方、費用の償還に必要な料金収入の確保や利用しやすい料金の設定、さらに、経費の節減等の自助努力を踏まえて国及び
地方公共団体の出資金の見直しを行ったわけであります。
本県といたしましては、当初からの3ルート共通のプール計算方式並びに広島県との折半負担方式に基づきまして、今回の増額はやむを得ないと考えておるのでございます。
今後とも本四公団に経費節減や経営合理化への取り組みを強く要望いたしますとともに広島県や経済界とも協調しながら、架橋効果が最大限に発揮されるよう利用促進に努めまして、できる限り負担の軽減が図られるように努力を重ねていきたいと思うのでございます。
次に、豊予海峡の架橋調査委員会の報告書の内容はどうか。また、今後、ルートの実現に向けてどう取り組んでいくのかというお話でございました。
今回の報告書によりますと、
豊予海峡ルートの架橋は、簡単に申しまして、水深100メートルのところに基礎を設置し、中央支間いわゆるスパンの長さが3,000メートルのものを主軸にして、4径間つり橋としてやれば技術的には可能である、このように報告されておるわけでございます。
しかし、お話もございましたように、これまでの長大橋の規模を大きく超えるものでありますだけに、今後、さらに具体的な調査、検討が必要であるとされております。
これまでの鉄道トンネル構想につきましては、お話がございましたように、青函トンネル並みの工法では、おおむね10年で可能であるという技術報告が行われておるわけでございます。今回の報告は、これとあわせて架橋も可能であるということでありまして、技術的には大きな前進であると私は大変心強く思っております。
今後とも引き続き、経済、社会、技術各面での必要な調査、検討を進めるとともに特に、当面の重要課題であります新しい全総計画への位置づけと国家的プロジェクトとしての推進体制が整えられるように全力を挙げて取り組んでいきたいと思うのでございます。
次に、
情報公開制度の問題でありますが、研究会での検討内容とその結果の今後の取り扱いはどうかということでございます。
検討委員会におきましては、昨年7月以降精力的に検討をしてきておるわけでございますが、最終的な報告は、国会における関連法案の動向を見きわめて決めることになっております。
現在までの検討状況から見ますると、本県条例の目玉となります「知る権利」の明記を初め実施機関、対象公文書、請求権者、非公開情報、費用負担などをどうするか、制度の根幹になる事項が十分に審議されておると聞き及んでおります。
私といたしましては、検討委員会の正式報告を待って、国の関連法案との整合を図りながら、6月議会には条例案を提案したいと考えておるのでございます。
また、実施機関の範囲はどう考えておるかということでございますが、私は、原則として、お話のあった議会の問題も含めて、県のすべての機関について制度を実施することが望ましいと考えております。
しかし、公安委員会につきましては、お話もございましたような警察事務の特殊性や全国統一性、一体性から、他県の動向等も視野に入れる必要があると思っておりますので、検討委員会の審議結果を踏まえて慎重に対処をしたいと思うのでございます。
次に、行政組織機構再編の視点及び今後の行政運営の方針はどうかということでございましたが、組織・機構につきましては、毎年所要の見直しを行っておるわけでありますが、今回は、平成8年4月に策定した愛媛県行政改革大綱を踏まえまして、簡素で効率的な組織・機構づくりを基本に、県政発展のもとになる重要課題の総合的、機能的な応対と多様化する県民ニーズに的確かつ弾力的に対応できる組織・機構の構築を目指して、抜本的な改革を行ったつもりであります。
機構改革の主な点は、企画部に環境局を統合した企画環境部の設置、保健環境部と県民福祉部を統合した保健福祉部の設置、農林水産部と水産局の統合などでありまして、現行の10部局を7部に再編することにしたわけであります。
また、行政組織簡素化の一環といたしまして、知事公室を思い切って廃止いたしますとともに本庁各課及び地方機関につきましても改革を検討しておりまして、近くの人事異動期までに内容を明らかにしたいと思っておるのでございます。
今後は、新たな組織・機構のもとで行政改革、地方分権の時代にふさわしい効率的で前向きの確かな行政運営に努めまして、県民の負託にこたえていかなければならぬ、こう思っております。
なお、県議会におきましても、議員定数のあり方について審議機関を設置する意向と聞いておりますので、行政改革の一環として取り組んでまいりたいと思うのでございます。
その他の問題につきましては、副知事並びに関係理事者からお答をいたします。
○副知事(小菅亘恭君) 議長
○議長(中川鹿太郎君) 小菅副知事
〔副知事 小菅亘恭君登壇〕
○副知事(小菅亘恭君) 谷本議員にお答えいたします。
介護保険制度の円滑な導入に向けての対応についてのお尋ねでございますが、
介護保険制度の導入につきましては、平成8年度から高齢者ケアサービス体制整備検討委員会を設置いたしまして、要介護認定等のモデル実施や介護支援専門員指導者の養成に努めてきたところでございます。
さらに、本年1月には、庁内に
介護保険制度準備推進班を、各地方局に
準備調整会議を設置するなど体制の整備を図りますとともに市町村担当課長会議の開催など市町村で格差が生じないよう円滑な導入に向けまして取り組んでいるところでございます。
平成10年度からは、要介護認定や介護サービス計画作成のモデル事業を全市町村に拡大して実施いたしますとともにサービス提供事業者に対しまして、説明会や地域懇談会の開催、パンフレットの作成配布などによりまして、制度の周知徹底を図ることにしております。今後とも制度が円滑に実施できますよう市町村への適切な指導に努めますとともに必要な準備を着実に進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○土木部長(安藤信夫君) 議長
○議長(中川鹿太郎君) 安藤土木部長
〔土木部長 安藤信夫君登壇〕
○土木部長(安藤信夫君) 谷本議員にお答えいたします。
本四連絡橋関連問題につきまして、島内道路の整備見通しはどうかとのお尋ねでございますが、大島及び生口島島内の未着手区間につきましては、本四公団及び建設省に対しまして早期着手を要請してきたところでございますが、現在、大島島内につきましては、すでに95%の用地取得が行われております。
さらに、出資金増額に関連して、島内道路の整備方針を明確にするよう公団に強く求めました結果、本年1月、本四公団、建設省及び愛媛・広島両県で構成します
西瀬戸自動車道生口島及び大島島内道路建設検討会が設置され、早期着工に向け諸課題の検討を進めることになったところでございます。
今後は、この検討会を通じまして、広島県と連携しながら一日も早い完通を強く要請してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○教育長(阿部 茂君) 議長
○議長(中川鹿太郎君) 阿部教育長
〔教育長 阿部 茂君登壇〕
○教育長(阿部 茂君) 谷本議員にお答えをいたします。
青少年の非行防止、健全育成にどう取り組むのかというお尋ねでございますが、県教委では、野外活動やグループ活動など体験、協調を重視した学習を進めますとともにいじめ・登校拒否に対する地域ぐるみの取り組み、子どものしつけ365日の配布、すこやかえひめっ子の放映等による家庭への働きかけ、PTA、愛護班等関係団体の活動強化など青少年健全育成のための対策を進めております。
これらの施策により、子供に自立やいたわりの心が育ち、学校と家庭や地域との連携強化、若い母親の学習意欲の向上が見られているところでございます。
今後は、これらの成果をもとにいたしまして、教師と子供、学校と家庭との対話をふやし、開かれた楽しい学校となるよう取り組みを強めますとともに関係団体による家庭への働きかけがさらに促進されるよう対処してまいりたいと存じます。
以上でございます。
○議長(中川鹿太郎君) 質疑を続けます。
○15番(藤原敏隆君) 議長
○議長(中川鹿太郎君) 藤原敏隆君
〔15番 藤原敏隆君登壇〕
○15番(藤原敏隆君)(拍手)自由民主党平成会を代表して、来年度当初予算案を初め当面する県政の諸課題について質問させていただきますが、それに先立ちまして、今回、私ども自由民主党所属1、2期生18人が新たに議会内交渉会派である自由民主党平成会を結成いたしましたことにつきまして、若干の時間をいただき、この歴史と伝統が生きづく愛媛県議会の場におきまして、存念の一端を申し述べたいと思います。
昨年12月県議会の一般質問冒頭でも指摘させていただきましたように、今日、有権者の政治離れ、政党離れはとみに深刻さを増しておりまして、いわゆる無党派層は、ことしに入ってからの各種世論調査結果でも55ないし60%に達しております。特に、そのうちの半分近くは、本来は政治的意識、政治的関心の高い積極的無党派層だと言われておりまして、それだけに政党政治の行く末に暗い影を投げかけております。
このような無党派層急増の原因につきましては、さまざまな要素が指摘されておりますが、やはり何と言いましても、政治や政党が長年の慣習と惰性の中でダイナミズムを失い、時代の流れと国民、有権者の意識の変化に十分に対応し切れなくなっていることが最大の理由として挙げられておりまして、政治の一隅に身を置く者の一人として大いに反省させられるところであります。
このような全国的趨勢の中、我が愛媛県では、比較的政治と県民の間の距離が近いと言われてまいりましたが、最近の選挙でかいま見える低投票率傾向などを見ますと、政治離れ、政党離れの波が本県の政治土壌をも侵食し始めていることは否定できず、早急な対応が迫られております。
周知のとおり本県では、これまで35年にわたる保守一枚岩体制のもと我が自由民主党の団結と強固な組織力を背景に、県理事者との緊密な連携の中で、着実で安定した県政の推進に努力が注がれました結果、県民福利の向上に多大な成果を上げてまいりました。
しかしながら、伝統と実績を誇る我が自民党県議団におきましても、21世紀を目前に控え、時代認識、政策課題、政治的発想などの面で政治的世代の相違による微妙なニュアンスの差、発想や感覚の若干のずれなどが生じてまいりました。
明治の情熱的女流歌人与謝野晶子は、歌集「みだれ髪」の中で「なにとなく君に待たるるここちして 出でし花野の夕月夜かな」と詠みましたが、当代の女流第一人者俵万智は、この歌を「なんとなく君が待ってる気がしたの 花野に出れば月がひらひら」「なんとなく君が待ってる気がしたの 花野に出れば月がひらひら」と現代語訳し大きな反響を呼んでおります。門外漢である私に歌のよし悪しを云々する資格はありませんが、ただ俵万智の歌が醸し出す現代にふさわしい伸びやかさ、自在さだけは感じとれるような気がしております。
もちろん和歌の伝統と重さが息づく与謝野晶子の歌もすばらしいのですが、この比喩を政治の世界に当てはめた場合、先ほども申し上げましたように国民、県民の意識、ニーズが多様化し、政治、政党離れが深刻化する中では、従来の与謝野流に加え俵流の感覚、感性を導入することも必要であることは、節目節目における歴史の教訓に照らしましても明かであろうかと思われます。
つまり今回の自由民主党平成会の旗上げは、時代感覚、時代気分、政治認識などを共有する政治的世代に属する者同士である18人が、自由民主党の枠内のことではありますが、議会内会派という形で結集し政策集団として行動していきたい。そして、そのことが愛媛県政の推進に重大な責任と役割を負っている自由民主党、ひいてはその自由民主党が圧倒的多数を占めている愛媛県議会そのものの活性化にもつながるのではないか。このような視点と判断に基づき行われたものであります。
政策集団である自由民主党平成会は、今2月議会を皮切りに、当然のことながら、県政与党の一翼を担う立場で議会内会派としての責任の重大性を十分に自覚しながら、議会活動、党活動に邁進していく所存であります。
伊賀知事におかれましては、長年にわたり理事者として県政の推進に全きを期される一方、議会活動に対しても大変に造詣が深いわけですが、今回の自由民主党平成会の結成につきましてどのように認識しておられるのか。また、政治、政党離れが進行する中で、今後、政治の信頼回復に向けて愛媛県議会のとるべき方向、さらには県議会と理事者間のあるべき姿について基本的にどのようにとらえられておられるのか、この機会に御所見を承りたいのであります。
予算案に関する質問の第1は、景気対策についてであります。
景気の失速状態が続き先行きに明るさの見えない経済情勢の中、一方では、財政再建を至上命題に2003年度までの
財政構造改革をにらみながら、政府、地方自治体とも、非常に苦しく厳しい財政運営を迫られておりますことは、先ほど御指摘があったとおりでございます。
本議会に提案されております98年度当初予算案は、一般会計で6,832億9,000万円、前年度当初比2.3%の増加となっておりますが、地方消費税収入の平年度化に伴う清算分を差し引いた実質伸び率は、1.6%減で、実に44年ぶりのマイナスに転じたことは、この間の事情を何よりも雄弁に物語っております。
先日の時事通信社による都道府県予算全国調査によりますと、一般会計の予算規模が実質増となっておりますのは、北海道、秋田、福島、群馬、埼玉、島根、宮崎の7道県だけで、知事選絡みで骨格予算となりました石川、京都、長崎の3府県を除き、本県を含む実に37都府県が前年度比マイナスという状況でありまして、地域経済の冷え込みと公共事業費の削減を中心とした行財政改革の影響が自治体予算を直撃していることを示しております。
このため、政府・自民党は、これまでに
財政構造改革路線を一時緩和する形で、2兆円の特別減税実施など4次にわたる緊急国民経済対策を実施する一方、最近では、先進7カ国蔵相・中央銀行総裁会議G7の結論を踏まえ、内需拡大をねらった第5次経済対策の発動を用意するなど懸命に景気のてこ入れを図っておりますが、昨年夏以来のアジア経済沈滞の余波もありまして、なかなか景気回復の糸口がつかめないのが実情であります。
このようなマクロ、ミクロ両経済の低迷の中で、本県も苦しい予算編成を強いられているわけですが、一方では、国の公共事業費が削減される中で、ほぼ前年度並みの県単独事業費を計上するなど意欲的な予算編成が特徴となっております。
なかんずくおよそ1,198億円を計上いたしました県単事業費は、前年度当初比0.08%減と地方財政計画の削減率4%を大幅に下回るなど事業費確保による景気下支え効果をねらったものとなっております。
また、中小企業支援の緊急金融対策、真珠養殖漁業経営安定資金融資制度、果樹経営安定特別資金融資制度の新設など先ほど御指摘のありましたアコヤ貝、温州ミカンなどの果樹対策、高校授業料の据え置き、特別減税の実施に対応した生活保護者等への特別給付金など各分野、各業界への多面的な目配りをきかせた景気対策も盛り込まれておりまして、日ごろは点数の辛いマスコミ論評も「厳しい財政環境にもかかわらず、各党・各種団体の要望に配慮し、直面する課題に対処した実務的姿勢が評価される」これは2月22日付の愛媛新聞社説ですが、などとなかなかに高い点をつけております。
来年度予算案に盛り込まれたこれら諸施策の景気刺激効果について、県はどのようにとらえておられるのか、改めて基本的な考えを伺いたいのであります。
一方、今回、県が初めて導入した県単独債務負担行為いわゆるゼロ県債は、県の債務負担行為として新年度での支払いを織り込み、前年度中の前倒し発注によって早期着工を図り、公共工事の端境期である年度当初からの事業量を確保し、地域経済の活性化や事業の平準化を図ろうとするものでありまして、ゼロ国債と合わせ景気刺激への積極的な姿勢を打ち出したものと言えます。
ゼロ県債を導入する都道府県は1990年を境にふえ始め、昨年9月現在で、中四国9県のうちゼロ県債を導入していなかったのは本県、徳島、広島の3県にとどまっておりましたが、本県は、2月補正予算案で国庫債務負担行為およそ73億4,000万円とともにゼロ県債およそ20億円を計上、いよいよゼロ県債時代に突入したことになります。ゼロ県債につきましては、端境期に施工するため、労働者や建築資材の確保が容易で事業がしやすく地域の中小建設業者の救済につながるなどきめ細かな景気対策として期待されております。
ゼロ県債導入の意義と利点、対象事業など運用方法についてどのような配慮をなされるのか、お示し願いたいのであります。
また、先ほども指摘いたしましたように、昨年夏以降の韓国、タイ、インドネシア等を中心としたアジア大不況は、鉄鋼、セメントなど素材産業を中心に、我が国にも多大な影響を与えつつ今日に至っております。
本県唯一の国際航空路線であります松山−ソウル便も韓国経済危機の余波を受け、昨年12月の松山−ソウル便の往復の搭乗者数は1,548人、搭乗率41.1%、前年同月比7.4%の減、ことし1月も2,017人、搭乗率53.2%、同5.8%の減と低迷、県と松山市は、来年度予算で同便を運航しておりますアシアナ航空の松山空港施設使用料の半額を補助する方針を打ち出しております。唯一の国際航空路線を維持するための苦肉の策と言えますが、今後、アジアの経済危機が、さらに本県経済にも悪影響を与えることが懸念されます。
アジア不況の本県に与える影響とその対策について県はどのような見通しを持っておられるのか、お聞かせ願いたいのであります。
景気対策の最後として、金融機関によるいわゆる貸し渋り対策について伺います。
貸し渋りにつきましては、明確な定義はありませんが、四国通産局によりますと、企業活動としては業況、資産等に特に問題がないにもかかわらず、金融機関側の事情のために十分な量の資金供給が行われないようなケースと一応はされておりまして、この4月から導入されます早期是正措置、これは自己資本比率が国内銀行の場合は4%、国際業務を行う銀行であれば8%を下回る銀行に対し、大蔵省が業務停止命令を含む経営是正措置をとることですが、この早期是正措置に金融機関が対応するために、自己資本比率を引き上げようと貸出額の圧縮や選別融資を強める傾向などが、監督官庁や金融業界などの再三の否定にもかかわらず、依然として中小企業者等から指摘され続けております。
このため、県におかれましては、昨年11月27日中小企業対策相談窓口を設置して、経営、金融、雇用に関する相談を受け付ける一方、四国通産局も同月、同様の相談窓口や貸し渋り110番を設けるなど中小企業者に対する金融支援がスムーズに行われるよう体制を整えております。
しかし、実際問題としては、各地域、業界では、貸し渋りか否かの専門的な判定は別として、不自由な金融状況に対する困惑といら立ちの声も少なくなく、不透明で不安定な重苦しい経済的ムードに拍車をかけていることは否定できません。
統計を見る限りでは、中小企業向けの融資制度の利用件数、利用額は、一応右肩上がりになっているようですが、このような経済情勢下では、時期、規模、形態いずれの意味でも真に効果的な金融支援が求められているものと思われます。
貸し渋り対策を含め、金融機関の中小企業支援について県はどのように臨まれるのか、指導方針を伺いたいのであります。
続きまして、来年度予算案における財源確保策と今後の短・中期的な財政運営の基本方針について伺います。
先ほど来指摘させていただきましたように、県は、厳しい財政状況の中で積極的な景気対策を打ち出されておりますが、反面、必要な財源確保のために相当苦心をされているように見受けられます。
本県は1996年度決算で、公債費比率が7.1%と全国平均の13.5%を大幅に下回ることに象徴されますように、長年にわたり全国でも有数の健全財政県と言われ続けてまいりました。これはバブル期を通じて各種基金の積み立てや県債の発行抑制により、いわゆる財政冬の時代に備えてきたためですが、長引く不況のあおりを受けて、この健全財政にも若干のかげりが見えてきたようであります。
来年度予算案での県債は、対前年度比9.93%の減となっておりますが、公債費は前年度比7.15%増の421億円となり、県債残高は、ここ7、8年で3倍近くまでふえておりまして、新年度の一般会計予算規模に近い水準まできております。
また、来年度予算案では財源確保策として、財政基盤強化積立金いわゆる財政調整基金から30億円、県債管理基金から81億円、さらに大規模県有施設整備基金から51億7,200万円をそれぞれ取り崩すなど、家計で言えば貯金に当たる各種基金の取り崩しが急ピッチで進んでおりまして、基金全体の残高は459億円とピーク時の半分以下に落ち込んでおります。緊縮財政下での積極予算という言わば二律背反的な状況の中での予算編成を強いられていることを考えれば、公債費の増加や基金の取り崩しはやむを得ないこととも思われますが、一方で、健全財政は、長年にわたり本県財政運営上の基本的な安定要因の一つだっただけに、今後双方の要素のバランスをどのようにとっていくか、難しいかじ取りを迫られるものと思われます。
来年度予算案の財源確保に関する考え方、厳しい財政事情下での短・中期的な財政運営の理念、特に、本県の財政事情、政策運営を勘案した場合のあるべき公債比率、財政基盤強化積立金の規模などについてお聞かせ願いたいのであります。
質問の第4は、厳しい財政状況下での財政運営とも関連してくるわけですが、ハード事業とソフト施策のバランスの確保、政策の優先順位決定に当たっての判断基準など今後の政策選択、政策遂行に当たっての基本的な考え方についてであります。
近年、本県を初めとする四国におきましても、高速自動車道の建設、瀬戸内三橋時代の到来などいわゆるインフラストラクチャーの整備がようやく本格化してまいりましたが、社会資本全体の整備水準から言えば、本県はまだまだ発展途上の段睦にあります。
一方、高齢化、情報化、国際化などの進展に伴い、県民のライフスタイルの多様化、ニーズの多様化は加速度的に進んでおりまして、これに伴う行政需要、とりわけソフト面の行政需要の増加はさらに見込まれるものと思われます。
伊賀知事が提唱され、順次実行に移されております生活文化県政は、ある意味では、このハード、ソフト両面からの需要に総合的に対処しようとの構想に基づくものでありまして、3期目の仕上げの年と位置づけられております来年度予算案でも、随所にそのような配慮が見受けられるようであります。
ただこもごも御指摘がございましたように、バブル経済の崩壊と長引く経済不況、政府の打ち出した
財政構造改革路線によりまして、政府はもとより地方自治体も大変に窮屈な財政運営を迫られております。当然自治体におきましても、政策課題のしぼり込み、優先順位の洗い直しなど従来にも増して効果的な予算執行が期待されるわけですが、県におかれましては、ハード、ソフト両事業の兼ね合い、また、多くの行政需要の振り分けに際しての基本的な判断基準に関してどのように取り組まれるのか。
また、事業採択など政策の取捨選択、優先順位の見直しなどにつきましては、各地域、各市町村との緊密な協議、調整がより一層重要になってくるものと思われますが、この点についてどのように対処されるのか、御所見を賜りたいのであります。
次に、来年度予算案も含めて、21世紀を見据えた県政の重要課題として位置づけられます地方分権、規制緩和、地方行革、情報公開について伺います。
まず、地方分権についてであります。
地方分権推進委員会は、平成7年7月の発足以来、これまでの4次にわたる勧告で機関委任事務制度の全廃や国と自治体の対等・協力関係の確立などを打ち出しておりますが、国から都道府県、都道府県から市町村への権限委譲は、児童扶養手当の受給資格認定など48件にとどまっております。
このため、先月末から第5次勧告に向けて始まった分権委員会の審議では、1つ、国の行政組織のスリム化。2つ、都道府県から市町村への権限委譲。3つ、国と地方の役割分担の明確化など地方分権論議の骨格部分が盛り込まれることが予想されます。
さらに、この中では、国の直轄事業の地方委譲、国の補助事業の地方単独専業への切りかえなど地方自治体の関心が最も高く、また、自治体サイドからすれば、地方分権の成否のかぎを握ると思われる財政的側面が取り上げられる予定であるなど分権委員会の論議は、いよいよ佳境に入っていくものと思われます。
伊賀知事におかれましては、先ほどの答弁の中でも再三にわたり地方分権の意義を強調される一方、分権の実を上げるための財政的裏づけの重要性を指摘されておりますが、7月にも予想される第5次勧告に向け、財政面での地方分権についてどのように考えておられるのか、改めて御見解を承りたいと思います。
また、直接地方分権とはかかわらないかもしれませんが、地方の事業量確保、市町村合併の地ならし、ひいては地方の主体性確保という観点から、各市町村が強い関心を寄せております広域的連携による地域活性化事業への取り組みについて伺います。
この事業は、自治省が来年度から新たに創設するもので、複数の都道府県や市町村などの境界を超えた広域的連携事業に対し、主要財源としてこれまでにも大きな役割を果たしてまいりました地域総合整備事業債、地総債を活用しようというもので、事業主体となる複数の都道府県や市町村、広域連合、一部事務組合などで、この制度を望む地域は、連携、協議の上、1年間かけて推進計画を策定するとともに自治省の事業指定を受けた後、およそ5年間で事業を展開することになっております。
地総債につきましては、県内の今年度実績を見ましても、ふるさとづくり事業、まちづくり特別対策事業、若者定住促進等緊急プロジェクト、地域福祉特別対策事業の4分野で計30件、総事業費規模でおよそ1,000億円が活用されております。
今回新設される広域的連携地域活性化事業では、事業内容として、1、道路架橋や鉄道新線の開通などを契機とした交通基盤インフラ整備による地域間交流の活性化。2、旧街道沿いの自治体間協力による観光案内所や歴史遊歩道の整備による集客力向上。3、原材料地と加工地相互間の物流施設整備による効率的な生産体制の構築などが想定されておりまして、活用方法いかんによりましては、都道府県間連携、市町村、事務組合レベルのいずれの規模でも、かなりの政策効果が見込まれるものと思われます。
中四国間、四国間などの県同士の連携事業はもとより、県内各市町村間の広域事業ということになりますと、各自治体の主体性を尊重する一方で、県の調整機能にも大きなウエートがかかってくるものと思われますが、この新制度の創設をどのように受けとめておられるのか、承りたいのであります。
次に、行政改革、民間活力の導入の両側面からの大きなテーマであります規制綬和についてであります。
政府は、95年度からの規制緩和推進計画が年度末で終わるのに伴い、来年度からの新たな規制緩和推進三ケ年計画の策定に着手しておりまして、その中では、
地方公共団体による規制の全国統一性、国際公約との整合性、国の法令や制度による地方管理規制の見直しなど地方に直結するテーマも重点項目として取り上げられるようですが、ここでは、自由民主党が先ごろ決定した第四次緊急国民経済対策で打ち出しました諸施策のうち、規制緩和に関連する2つの法案について質問させていただきます。
その1つは、優良田園住宅の建設促進に関する法律でありまして、これは自然環境豊かな郊外や田園に位置する300平方メートル以上の敷地に2,000〜3,000万円くらいでゆとりのある家を建設できるようにするもので、市町村の計画認定を受けたものを政策的に支援するため、税制上の優遇措置、金融上の配慮、許可手続の迅速化などが盛り込まれております。
第1次取得者だけではなく、セカンドハウスの取得に関しても優遇しておりますのが最大の特徴で、あわせて市街化調整区域における地区計画の策定促進と開発許可の特例措置、農地転用許可の弾力的運用が打ち出されているため、対応次第では、相当の景気浮揚効果も見込めるものと思われます。
2つ目は、自治体、国の公共事業等に民間企業のビジネスチャンスを拡大し、経済の活性化を促進するための特定事業への民間資金導入に関する特別措置法いわゆるPFI推進法の制定であります。
民間事業者の参入を促すためには、個別事業に関しての地域の実情に合わせた条件設定、官民リスクの明確化、民間経営資源の活用のための規制緩和など基本的なルールの策定が不可欠となりますが、公共事業への民間資金導入が実現すれば、従来の発想のパターンを覆す画期的な試みといえます。
これら2つの法律とも、民間活力による景気浮揚と
財政構造改革を実現するという規制緩和本来の趣旨にのっとった施策と思われますが、県は、これについてどのように評価されておられるのか承りたいのであります。
本県における行政改革につきましては、先ほど御答弁がございました知事部局の本庁8部2局を7部に再編する新年度からの組織機構改革、事務事業の見直しと経費節減による394件、額にして204億7,700万円の縮減など行政改革大綱に基づく事務事業の統合、縮小、廃止や旅費、食糧費など経費節減、外郭団体の統合・運営改善、行政手続の簡素合理化は一定の成果を上げているように思われます。引き続きこの面での県当局の御尽力をお願いするものでありますが、来年度中にも策定が予定されております行政改革大綱見直しの基本的な取り組み方針について、改めてお聞かせ願いたいのであります。
一方、情報公開につきましては、先ほども御指摘がございましたように、政府が今国会に情報公開法案を提出するのを受け、県もことしの6月議会に情報公開条例を提出するとの方針を明かにされております。
本県の情報公開に関しましては、全国オンブズマン連絡会議の実施した情報公開度調査で、条例未制定の本県を初め5都県が失格とされたのに対しまして、県側は、要綱に基づいて条例と格差のない運用をしていると反論されるなど条例制定を前にかまびすしい議論が続いておりますが、県民世論もオンブズマン側のランクづけに気をとられる余り、やや
情報公開制度の本質を離れた議論に陥っているようでもあります。
最近、政治や行政につきましては、従来からの結果責任・リスポンシビリティに加え、説明責任・アカウタビリティという意味での政治、行政責任を明らかにせよとの主張が強まっていることは、周知のとおりであります。
民主主義のもとにおける政治や行政は、住民からの負託にこたえているわけですから、政治や行政の遂行に伴って知り得る情報を広く住民に開示し、アカウンタビリティを果たすのは当然のことですが、一方で、政治や行政は、結果として住民やその福利をよりよい方向に導く責任・リスポンシビリティも負っております。
言いかえれば、基本的に情報は、公開すべきだとの視点と住民の福利、安全を守るための方法論のバランスをどのようにとるかというのが情報公開論議の本質だと思われます。その意味で、本県の情報公開条例制定に当たりましても、結果責任の立場から、行政文書の定義、不開示情報の範囲などデリケートな部分については冷静な論議が望まれるわけであります。
しかし一方、本格的な情報化時代を迎え、行政側の説明責任も無視できない要素になると思われますが、条例制定に当たり、両者間のバランス、整合性をどのように図っていかれるのか、改めてお聞かせ願いたいのであります。
続きまして、中四国地域連携軸構想について伺います。
島根、広島、愛媛、高知を対象に、日本海から瀬戸内海を経て太平洋まで南北に横断する中四国地域連携軸構想は、日本海国土軸、西日本国土軸、太平洋新国土軸の3つの国土軸を背骨とすればあばら骨に当たり、世界レベルでの地域間競争に対応できる自立的で、国際的な広域交流圏の形成を目指すものでありまして、国土づくりの一方の核となる構想とも言えます。
この世界レベルでの地域間交流に対応できる自立的で、国際的な交流圏という定義づけは、あながち誇張ではありませんで、若干古い資料で恐縮ではありますが、1993年度の4県の県内総生産の合計は1,826億ドルで、韓国の3,328億ドル、台湾の2,412億ドルには及ばないものの、香港の1,319億ドル、タイの1,234億ドル、インドネシアの1,580億ドルをも上回っておりまして、この地域が経済面からも相当の潜在的パワーを持っていることをうかがわせております。
連携軸構想では、産業経済、生活関連の両分野で7つのネットワーク形成を重点として取り上げますとともに高規格道路、航空ネットワーク、国際港湾・海上交通、軌道系交通、マルチメディア・ネットワークという交通・通信網の整備による連携強化を急ぐこととしております。
地域連携軸は、それぞれの地域が抱える産業、生活、文化、観光などあらゆる要素を有機的に結合することによって、各地域が持っている独自性を、より一層効果的に引き出しますとともに財政支出が制約される中で、有無相通じ合う効率的な社会資本投下が図られるなど国レベルでも地域レベルでも、あるいは地方自治体レベルでも、はかり知れないメリットをもたらす可能性を秘めております。
本県は、瀬戸内三橋時代を迎え、中四国連携軸構想にさらに意欲的に取り組むべき段階を迎えたと思われますが、県は、構想実現に向けて関係各県との連携強化をどのように図っていかれるのか。また、中四国地域連携軸構想と愛媛、広島両県によります瀬戸内中央都市圏構想をどのように関連づけていかれるのか、見解をお聞かせ願いたいのであります。
次は、福祉・保健問題に関しまして、2点質問させていただきます。
その第1は、施設福祉への既存建物の活用についてであります。
県におかれましては、新ゴールドプランに沿った特別養護老人ホームの設置など順次福祉施設の拡充に取り組んでおられることに敬意を表するものであります。
しかしながら、将来的に見まして、福祉施設へのニーズには膨大なものが予想され、厳しい財政事情の中で、新しい施設の建設によって福祉需要に対応することが非常に難しくなってくるような事態も懸念されます。
そこで1つの発想転換として、公共、民間を問わず、既存の建築物で十分に使用されいないものを福祉施設に転用することを考えてみる時期に来ているのではないでしょうか。
バブル時代の名残りも含めて現在わが国には、福祉施設に転用可能な建物のストックが相当あるはずですし、行政改革委員会の最終報告では、規制緩和の一環として、特別養護老人ホームの企業による経営も可能となるように求めているなど既に民間活力と福祉の連結は現実のものとなりつつあります。民間のストックを活用する一方、過去の公共投資を有効に再生活用するためにも、既存施設、建築物の福祉施設への転用を将来の福祉施策の選択肢の重要な一つとして位置づけられると思われますし、とりあえずは県単独事業により試験的に取り組む方法も考えられます。
今後、増大する一方の福祉施設へのニーズにどのようにこたえていかれるのか、既存建築物の福祉施設への転用に対する御見解を含め、承りたいのであります。
福祉・保健問題の2つ目は、松山市堀之内にあります国立病院四国がんセンターの移転問題についてであります。
国立病院四国がんセンターは、昭和41年10月四国4県知事の要望により、国立松山病院に地方がんセンターの機能が付与されて以来、年を追って地方がんセンターとして整備され、昭和54年9月には国立病院四国がんセンターに名称変更、平成6年度からはコンピューターネットワークによるがん診療支援システムの導入によりまして、ナショナルセンターとの連携のもとに四国のがん診療、がん研究の拠点として重要な役割を果たしております。
しかしながら、建築後30年を経過した施設は、患者のための病棟としては狭く、最新のがん医療の研究施設としても老朽化が進んでおりまして、厚生省も移転による新築整備に積極的な姿勢を見せているようであります。
また、同センターの移転につきましては、本県と松山市の対応いかんでは誘致に強い意欲を見せている隣県もあるなど、本県が四国のがん診療、がん研究の中心を今後とも確保するために代替地の検討など早急に対応が望まれる次第であります。
このことにつきましては、本県の医療関係者、患者はもとより一般県民の間にも、本県内とりわけ松山市内での移転、新築への希望が強いと思われますが、県の基本的な対応について伺いたいのであります。
最後に、スポーツ諸施策の推進について要望いたします。
伊賀知事は昨年の2月議会での私の質問に対する答弁の中で「本県のスポーツ選手の活躍は、県民に感動と勇気を与え競技力の向上にも直結するだけに、今後とも物心両面から支援をしていきたいと思っております。また、市町村や民間と連携をいたしまして、機能を分担しながらスポーツ施設の整備、指導者の育成、高度な技術をはぐくむ機会の確保など本県スポーツの振興に一層の努力を重ねていきたいと思っております」と述べられ、本県スポーツの振興に並々ならぬ意欲を見せられました。
この発言は、スポーツ関係者の間でも徐々にではありますが好感を持って迎えられ、その後の弓道場の移転・新設、総合運動公園の整備などと相まって、スポーツ環境の整備、競技力の向上に対する県サイドの強力なてこ入れに対する期待が高まっております。
言うまでもなくスポーツの振興、文化の発展は、県勢これは県の勢いですが、県勢発展のバロメーターであり、我々といたしましても極めて注目しているところであります。引き続きこの面での御高配をお願い申し上げます。
さまざまに申し上げてまいりましたが、県議会の先輩、同僚議員の皆様、知事を初めとする理事者の方々、マスコミの皆様、そして何よりも県民の皆様方の自由民主党平成会に対する叱咤激励を心からお願い申し上げまして、代表質問を終わらさせていただきます。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(中川鹿太郎君) 休憩いたします。
午後1時5分から再開いたします。
午前11時50分 休憩
――
――――――――――――――――
午後1時5分 再開
○議長(中川鹿太郎君) 再開いたします。
質疑を続行し、理事者の答弁を求めます。
○知事(伊賀貞雪君) 議長
○議長(中川鹿太郎君) 伊賀知事
〔知事 伊賀貞雪君登壇〕
○知事(伊賀貞雪君) 藤原議員にお答えいたします。
まず最初に、自民党の平成会の結成についてどのように認識をしておるかということでございました。
今回、自民党平成会や公明・民社会議が発足をいたしまして、県議会の交渉会派は、これまでの3つから5会派になったわけであります。この2つの会派は、いずれもその目的の一つとして、議会の活性化を掲げておるわけでありますが、地方分権の時代を迎えて、私は大いに結構なことであると思っております。
特に平成会は、先ほどお話がございましたとおり、自民党を離脱するのではなくて自民党県議団の中の政策集団として行動していくと、こういうことでありまして、私は、これからのあり方を十分に注目していきたいと思っております。
また、お話によりますと、県政与党の一翼を担う立場に変わりはない、このように言われておりますので、引き続き生活文化県政の推進に御協力を願えるものと期待をしております。
次に、愛媛県議会のとるべき方向と県議会と理事者間のあるべき姿について基本的にどう考えるかと、こういう質問でございます。
最近の国政における多党分派化の傾向、政治不信、政治離れには、極めて著しいものがあるわけでありますが、地方政治におきましても、無党派主義やあるいは政治に対する無関心層の広がりなど同じような傾向にありますことは、まことに残念なことであると思うのでございます。
政治離れの解消のためには、やはり何と申しましても、まず政策面で、各政党がいかに魅力のある政策、だれもが理解と納得のできる政策を示すことができるかどうか、これが私は基本的に重要なことであると思うのでございます。
しかし、現実には、国政の段階におきましても、与野党の政策は、国民本位であるだけに大きな政策の格差、開きは見られないのが現状であると私は思うのであります。
また、現在の地方自治制度は、御承知のように、住民の直接選挙で選ばれた執行機関である首長と議決機関である議会とによって構成をされております。県議会と理事者とは、お互いがそれぞれの役割、機能を尊重しながら、議会は議会として、理事者は理事者としての責務を全うすることこそあるべき姿ではないのかと、私は率直にそう考えております。
また、首長と議会を同じ次元で見て、強いとかあるいは弱いとかいう見方があるようでありますが、これはまことにナンセンスではないかと私は思うのでございます。
次に、景気対策についてでありますが、来年度予算案に盛り込まれた諸施策の景気刺激効果についてどのように考えるかということでございました。
平成10年度の当初予算の編成に当たりましては、国、地方を通じて極めて厳しい財政環境の中にございますが、当面の重要課題として、景気対策に積極的に取り組むことにいたしました。
特に、県単事業におきましては、お話のように、地方財政計画では4%の削減が示されておる中で、本県ではほぼ前年度並みの予算額を計上しておりまして、地方財政計画レベルとの比較で申し上げますと、本県の場合は、約47億円の事業費を上乗せしたことになるわけであります。この上乗せ額だけでも、その波及効果を愛媛県産業連関表によって試算をいたしますと、総生産額で約76億円、雇用者所得で約17億円それぞれ増加することが見込まれるわけであります。
今後は、当初予算に計上した公共事業、県単事業と2月補正予算に計上した公共事業やゼロ国債、ゼロ県債とを総合的に連動させて、より効果的な執行に努めたいと考えております。
さらに、県立高校授業料の据え置き、生活保護者等への特別給付金の支給、県単独融資制度の充実やミカン農家、真珠養殖業者への新たな金融支援によりまして、県民生活の安定や消費需要の確保を図ることにしております。
私は、これらの県の施策と国の経済対策の着実な実行とが相まって一日も早く景気が回復することを強く期待するわけであります。
次に、アジア不況の本県への影響と対策についてどのように見通しを立てておるかということでありましたが、東アジア諸国の経済不況による県内産業への影響については、2月中旬に県内の企業や団体に対しまして聞き取り調査を行いましたが、その結果を見ますると、「影響を受けている」というのが約22%、「今後影響を受けるだろう」というのが約17%、「影響なし」というのが約61%になっております。
また、影響を受けているのは輸出関連業種が中心でございまして、合成繊維では、輸出製品の採算悪化や輸入製品の価格低下の問題、一般機械では、取引先の資金調達難による納期の延期要請、非鉄金属では、業況悪化による受注量の減少、造船では海運市況の悪化による受注案件の減少などが挙げられております。
先般、ある大手製造会社の社長にお会いいたしまして、その話を聞きますと、大手企業では、既にコスト削減や高収益製品への生産シフトや東アジア地域以外への営業活動の強化などに手をつけておるということでありました。
現在、国におきましては、IMFや各国と協力をいたしまして支援体制を整えておるわけでありますが、県といたしましても、今後、中小企業を含めた影響の広がりが懸念されることでありますので、引き続きアジアの経済、金融面での不況の影響を注意深く見守っていきたいと思うのであります。
次に、財政問題でありますが、来年度予算案の財源確保に関する考え方と厳しい財政事情下での短期、中期的な財政運営の理念はどうかというような意味の質問でありました。
10年度予算の編成に当たりましては、極めて厳しい財政環境を踏まえまして、経費の節減合理化などとあわせて、思い切った基金の取り崩しや県債の活用によりまして、財源の確保を図ったわけであります。
今後の財政運営に当たりましては、厳しい財政環境が続く中で、景気動向や社会経済情勢の変化、多様化する県民ニーズに的確にこたえていくためには、従来にも増して限られた財源を有効活用し、重点的、効果的な行政の推進を心がけていかなければならぬと思うのでございます。
したがって、歳出面では、引き続き経費の節減合理化、事務事業の徹底した見直しなどを行いますとともに歳入面では、税収など自主財源の確保はもとよりでありますが、国に対しては、地方分権の実現と関連して、地方交付税を初め地方税財源の拡充強化を強く要請してまいらなければならぬと思います。
私は、健全財政の運営は、いつの時代にも「入るを量って出ずるを制する」とともに最小の経費で最大の効果を上げる、これが基本原則であると思っております。
次に、今後の政策選択、政策の遂行に当たっての基本的な考え方はどうか。
政策の選択、遂行に当たっては、県政の基本指針となる新プラン21などを基本に置いて、その時々の社会経済情勢や財政状況を考慮しながら、本県発展の基盤となる交通、通信基盤や産業基盤のように長期的な視点に立って取り組むべきハード主体の政策、県民生活や県民経済の活力を維持・発展させていくために、臨機応変に取り組むべきハード・ソフト一体となった景気対策、県民の安心・安全を確保するために、常に取り組むべきソフト中心の福祉や保健や環境政策などを県民ニーズや地域バランスあるいは投資効果等を考慮して、選択しながら計画的に実施していくことが大事であると思うのであります。
今後とも各党や市町村の要望を踏まえるとともに地域や各種団体などとも緊密な連携を図りながら、偏りのない確かな県政を推進していきたい。
特に、事業執行に当たりましては、公共事業投資評価制度の趣旨に沿って、公正で効率的な運用に配慮をしていきたいと思うのでございます。
次に、地方分権についてでありますが、財政面での地方分権についてどう考えておるかという質問であります。
地方分権を実効あるものにするためには、事務事業の権限委譲、国庫補助・負担金の整理合理化などに対応して、地方一般財源の充実確保を図ることが肝要であると思うのであります。
このため、県におきましては、これまでも地方税源の充実、地方交付税による財源保障の強化、社会資本整備に対する財源措置などを全国知事会等を通じて国に要請しておるところでありますが、率直に言って、必ずしも十分とは言えない状況にあります。
御案内のように、現在政府では、
地方分権推進計画の作成作業が進められており、また、
地方分権推進委員会では、第5次勧告に向けた検討が行われておりますので、これら政府の計画や勧告の中で必要十分な地方税財源の充実方策が明確に示されることを強く期待をしております。
次に、広域的連携による地域活性化事業の創設をどう受けとめておるかということでありますが、お話の広域的連携による地域活性化事業は、リーディング・プロジェクトの新たなメニューとして創設されたものと理解しております。自治体間の広域的な連携を強化し、単独自治体では達成できない政策効果の実現を図るために、地域総合整備事業債という地方債で財政支援をしようとする考え方であります。
県におきましては、既に隣県との広域共同プロジェクトとして、広島県との間で西瀬戸アイランズオアシス整備事業、高知県との間で四国カルスト高原観光ネットワーク整備事業などに取り組んできたところであります。
市町村におきましても、広域市町村圏を対象とするまちづくり特別対策事業などを推進しておるわけであります。
この制度の活用については、今後、中四国地域連携軸構想、瀬戸内中央都市圏構想等を推進する中で、その可能性を検討いたしますとともに市町村に対しましても、広域行政推進の観点から事業化について指導をしていきたいと思うのでございます。
ただ心配なことは、先ほども申し上げましたとおり、財源対策が地方債が中心であり、このことは後年度において大きな課題を抱えることになるわけでありますので、十分留意をすべきことであると思っております。
次に、自由民主党の規制緩和策をどう評価するか。
お話の規制緩和策は、2月20日、自民党が発表した経済対策の一環でありますが、まず第1点の優良田園住宅の建設促進に関する法律については、田園住宅の整備を図ることによって、土地の流動化が促進されれば景気対策に寄与するものと考えられますが、この法律は、現在のところ、具体的な施策の内容について明かにされておりません。
第2点のPFI推進法につきましては、現在建設省において検討委員会を設置をして、事業の仕組みや民間事業者の選択方法、制度面での対応策などを検討している段階であると聞いております。
現在我が国は、社会資本の整備や運営のあり方、財源確保などについて抜本的に問い直すべき重要な時期に来ておると思うのでありますが、こうした新しい民活導入手法が、民活の弱い我々の地方においても導入することが可能かどうか十分に見きわめていくことが必要であると思うのであります。
なお、関連して、政府・自民党の景気対策は、
財政構造改革の問題もございまして、さまざまな面でタイミングがずれているものが多い。私は、もっと国民に明るいマインドを持たせるような前向きのタイミングのよい積極的な景気対策をとってもらいたい、率直に期待をいたします。
次に、情報公開条例制定に当たって、結果責任と説明責任との整合性をどう図っていくのかというごとであります。
県政に対する県民の理解と信頼を深めていくためには、県政について県民に説明する責任を持つことは当然のことであります。この立場から、県が保有する情報は、原則公開を基本に置くべきであるというふうに考えるのであります。
しかし、お話にもありましたように、情報の中には、公開することによって個人のプライバシーや公共の利益を損なうものなど非公開にすべきものもたくさんあるわけであります。したがって、行政の結果責任の立場から、これらの情報は厳正に保護しなければならないわけであります。
このような考え方から、
情報公開制度の条例化に当たっては、原則公開を基本にしながら、非公開情報の範囲をいかに調整するかが最も重要な問題であると考えております。情報公開検討委員会におきましても、このような基本的な考え方に立って調査、検討を進めておるわけであります。
県といたしましては、その検討結果を十分に尊重して、適切に対応していきたいと思っております。
その他の問題につきましては、副知事並びに関係理事者からお答えをいたします。
○副知事(小菅亘恭君) 議長
○議長(中川鹿太郎君) 小菅副知事
〔副知事 小菅亘恭君登壇〕
○副知事(小菅亘恭君) 藤原議員にお答えいたします。
まず、行政改革大綱見直しの基本的な取り組み方針についてのお尋ねでございますが、新たな行政改革大綱につきましては、現下の厳しい財政状況や国の行政改革・地方分権など諸制度の改革を踏まえまして、今年中に作成をしたいと考えております。
策定に当たりましては、県民意識調査を実施いたしますとともに学識経験者、各界各層代表者で構成する行政改革・
地方分権推進委員会や県の推進本部において十分な検討を行い、自主性、自立性のあるものにしてまいりたいと考えております。
次に、中四国地域連携軸構想実現に向けて、関係各県との連携強化をどのように図っていくのか。また、瀬戸内中央都市圏構想をどう関連づけていくかとのお尋ねでございますが、来年春の
西瀬戸自動車道の完成によりまして中四国が一体化することになり、これを契機に、関係各県が人、物、情報の交流はもとより、それぞれの豊富な資源や特性を生かし広域経済文化圏を形成することは、21世紀に向けて本県の発展を図る上で極めて重要なことでございます。
このため、西中四国4県の知事等で構成する中四国地域連携軸構想推進会議や経済団体等で構成する中四国セントラルルート地域連携軸推進協議会が連携、協力をいたしまして、構想の策定や具体化方策の計画調査を進めているところでございます。
また、瀬戸内中央都市圏構想につきましては、この圏域が中四国地域連携軸の中心に位置しておりますので、広島県や関係市町村、経済団体と緊密な連携をとりながら国際交流都市圏や新産業創造都市圏、高質生活文化都市圏の形成を目指しまして、構想の推進に取り組んでいるところでございます。
今後とも新しい全総計画の位置づけの中で、より積極的な推進を図ってまいりたいと考えております。
以上でございます。
○総務部長(三浦 勉君) 議長
○議長(中川鹿太郎君) 三浦総務部長
〔総務部長 三浦 勉君登壇〕
○総務部長(三浦 勉君) 藤原議員にお答えを申し上げます。
財政問題につきまして、財政事情、政策運営を勘案した場合のあるべき公債費比率、財政基盤強化積立金の規模はどうかとのお尋ねでございますが、本県の公債費比率は、お話のとおり、平成8年度で全国平均13.5%に対しまして7.1%、経常収支比率も全国平均83.7%に対し73.2%と、いずれも全国的に見まして健全な水準にあります。
自治省の地方債許可方針では、公債費比率と類似の指標でございます起債制限比率が20%を超える場合には、起債発行が制限されることとなっております。
本県のこの比率は、平成8年度で5.5%でございまして、大きく下回る状況にございますが、引き続き有利な起債の活用に努め、適正な公債管理に意を用いてまいりたいと存じております。
また、財政基盤強化積立金の規模につきましても、明確な基準はございませんが、地方財政法により各年度の決算剰余金の2分の1以上を積み立てることとなっておりますので、今後とも円滑な財政運営を確保するため年度間の財源調整には十分配慮してまいりたいと存じます。
以上でございます。
○県民福祉部長(長谷川 學君) 議長
○議長(中川鹿太郎君) 長谷川県民福祉部長
〔県民福祉部長 長谷川 學君登壇〕
○県民福祉部長(長谷川 學君) 藤原議員にお答えをいたします。
増大する福祉施設へのニーズにどう対応するのかとのお尋ねでございますが、県におきましては、福祉施設へのニーズに対応するため、老人保健福祉計画、エンゼルプラン等に基づきまして、対象者、市町村の意向、地域バランスなどを勘案しながら、計画的に適切な施設整備に努めているところでございます。
施設整備に当たりましては、老人施設と児童施設の合築など効率的な整備を図るほか、既に公民館や集会所、空き教室等を老人デイサービス、放課後児童クラブに活用することにも意を用いているところでございます。
なお、既存施設の福祉施設への転用につきましては、関係法令に基づく福祉施設の基準や費用効果、会計検査院の対応方針等の問題もありますので、今後の課題として検討してまいりたいと存じます。
以上でございます。
○
保健環境部長(高橋 弘君) 議長
○議長(中川鹿太郎君) 高橋
保健環境部長
〔
保健環境部長 高橋 弘君登壇〕
○
保健環境部長(高橋 弘君) 藤原議員にお答えをいたします。
国立病院四国がんセンター移転問題に対する県の基本的な対応はどうかということでございますが、四国がんセンターの整備につきましては、平成7年から8年ごろに移転新築の用地問題について相談があったことがありますが、その後、国の財政事情や用地確保が困難なことなどから早期整備が難しいと聞いており、現在まで相談は受けておりません。
しかし、御意見のような事情も十分に考慮して、今後、厚生省から協議があれば、県としても可能な範囲内で相談に乗りたいと考えております。
以上でございます。
○経済労働部長(宮内 薫君) 議長
○議長(中川鹿太郎君) 宮内経済労働部長
〔経済労働部長 宮内 薫君登壇〕
○経済労働部長(宮内 薫君) 藤原議員にお答えをいたします。
景気対策に関連いたしまして、金融機関による中小企業支援について、貸し渋り対策を含め県の指導方針はどうかとのお尋ねでございますが、県におきましては、中小企業対策相談窓口を開設して金融や雇用の相談に応じるとともに金融機関等連絡会を開催して、企業の実情に応じた融資制度のあっせん、保証人や担保の弾力的な運用など親身な対応を金融機関に要請しておりまして、窓口での相談内容や日銀、民間調査機関の調査から判断しましても、県内では、貸し渋りはそれほど大きくはないものと見ております。
また、平成10年度においても、県単融資制度の融資利率の引き下げや融資条件の緩和、融資枠の増枠などを行い、中小企業の資金調達を支援することとしております。
今後も金融制度内容の一層の周知徹底を図るとともに貸し渋りの防止や資金供給の円滑化を強く指導してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○土木部長(安藤信夫君) 議長
○議長(中川鹿太郎君) 安藤土木部長
〔土木部長 安藤信夫君登壇〕
○土木部長(安藤信夫君) 藤原議員にお答えいたします。
景気対策に関連しまして、ゼロ県債導入の意義と利点はどうか。また、対象事業など運用方法についてどのような配慮をするのかとのお尋ねでございますが、ゼロ県債は、事業の早期執行と平準化によりまして、停滞感が強まっている県内景気の下支えを図るため、単年度会計原則の例外として新たに創設したものでございます。
これによりまして、平成9年度の補正予算と10年度の当初予算を連動させ、年度末から年度初めにかけての事業量を確保するとともに労働力の安定的な活用や資材需給の適正化などによりまして、厳しい経営環境にある県内企業の経営支援が図られるものと考えております。
今回対象とした事業は、道路、河川、港湾などの6つの定型的県単事業でございまして、予算成立後直ちに発注が可能な箇所、地域から早期執行が求められている箇所など57カ所、20億円余りを計上したところでございます。
また、連用に当たっては、関係市町村の意見や地域の状況を十分に見きわめまして、適切に運用をしてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○教育長(阿部 茂君) 議長
○議長(中川鹿太郎君) 阿部教育長
〔教育長 阿部 茂君登壇〕
○教育長(阿部 茂君) 藤原議員にお答えいたします。
スポーツ諸施策の推進についての御要望についてでございますが、さきの長野冬季オリンピックでの日本人選手団の活躍はすばらしく、能力と技術の限界に挑む選手の姿は、日本中に大きな感動を呼ぶとともに久々に明るい話題を提供したところでございまして、スポーツの持つ効用に改めて実感しているところでございます。
御要望の趣旨につきましては、昨年知事から答弁をしておりますとおり、本県スポーツの振興が図られるよう地域の実態に即した施設整備や競技力の向上などに努めてまいりたいと存じております。
以上でございます。
○議長(中川鹿太郎君) 質疑を続けます。
○13番(村上 要君) 議長
○議長(中川鹿太郎君) 村上要君
〔13番 村上 要君登壇〕
○13番(村上 要君)(拍手)社会民主党を代表して、当面する県政の主要課題について質問いたします。
戦後復興から高度成長そしてバブル景気と拡大、膨脹を続けた日本経済が、今、金融不安と大型倒産、高い失業率など長期の停滞に。
一方、行政と政治は、国、地方とも巨額の財政赤字を抱えるとともに不信の渦の中に。
また、少子高齢社会を迎えての深刻で緊急な諸課題、未来を担う子供たちの教育環境の悪化と少年非行の増大や教育問題。自然破壊、温暖化を初めとする地球的規模での環境問題などなど、経済、政治そして社会や自然界すべての分野において不安と不信、不透明さの中で新しい年を迎えています。
世は「一大転換期だ」「明治維新、戦後改革に次ぐ第3の改革だ」「国際大競争の時代だ」と声高に叫ばれ、国会では、橋本内閣が6大改革を提唱するとともに地方分権、
財政構造改革、規制緩和などの論議が行われています。
しかし、進められようとしている改革の論議や方向は、主権者である国民とりわけ高齢者や子供たち、女性、障害者など社会的弱者の人権を尊重したものとなってなく、相変わらず弱肉強食のシステムが強化されようとしているように思えてなりません。
21世紀まで1,000日余り、社会や県民は何を求めているのでしょうか。大切にされるべきものは何であり、改革されるべきは何なのでしょうか。人類、社会の進むべき方向、価値観が問われているところであります。
歴史的な転換期、第3の改革とも言われている今日の社会、経済システムの現状をどう認識され、あるべき改革の方向についてどのような見解を持たれているのでしょうか、御所見をお聞かせください。
また、ことしは、知事が提唱され取り組んでこられました第3期生活文化県政仕上げの年になります。
私ども社会民主党は、生活文化県政スタートの際に、基本理念については賛意を表明するとともに具体的な政策展開に当たっては、健全野党の立場から、県政発展に向けて意見提起を行ってきたところであります。
知事は、生活優先、文化重視の基本理念のもと平成7年に、それまでの4年間の社会、経済、環境の変化を踏まえ大幅な改訂を行い新プラン21を策定され、具体的戦略構想のもとに施策を推進されてきているところであります。また現在、2010年を目標年次とする新しい愛媛県長期計画の策定作業に取り組まれています。
生活文化県政仕上げの年、今日までを振り返って、取り組みをどう評価されどのような感想を持たれているのでしょうか。また、残された課題は何であり、今後、どのような方向づけをされようとしているのかお聞かせください。
次に、新プラン21の具体的構想に関してお尋ねします。
豊かな海づくり構想の基本的な考え方として、愛媛県新水産振興基本計画の着実な実施により、西暦2000年、2000億円産業の実現を目指すとともに水産愛媛にふさわしい中核拠点、水産えひめのシンボル施設整備に取り組まれることとされています。
私は、過去の一般質問において、新水産振興基本計画のうち、東予分場を中予水産試験場に匹敵する試験場に拡充整備するとの計画を取り上げ要請したところ、ニーズを踏まえ検討するとのことでありました。機能強化と相まって拠点施設としても期待されるものであります。
今議会冒頭の知事説明にも、当面の重要課題として瀬戸内三橋時代への対応などに力点を置くとの表明をいただき、意を強くしているところであります。
国の動向や財政状況など困難な点があることは承知するものでありますが、瀬戸内ハートランドシティ構想の推進はもとより、これら施策が計画に沿って実現されますよう強く期待するものであります。
水産愛媛の中核拠点施設として東予分場の拡充、整備に取り組むべきと思いますが、現状及び取り組みの決意のほどをお聞かせ願います。
次に、景気対策についてお尋ねします。
北海道拓殖銀行、山一證券といった大手金融機関が相次いで破綻するなど有名企業、大企業の倒産が景気低迷に拍車をかけるとともに一層の経済不安、信用不安を生じさせています。
ことしに入っても、さきに民間信用調査会社が発表した1月の負債1,000万円以上の企業倒産は、前年同月比24.8%の増1,502件で、1964年の統計開始以来最悪という状況であり、業種別では、建設業が30.9%の増436件と大幅にふえており、卸売業、小売業、製造業も30%前後の増加と目立っています。
一方、いよぎん地域経済研究センターの調査による県内企業の97年下半期の実績見込み全般に対する景気判断指標はマイナス21.0と13期連続で悪いとするものが上回り、マイナス幅は前期比で17ポイント拡大、今回は、かなりの悪化をうかがうことができます。また、98年上期の景気判断指標はマイナス23.0となり、さらに悪化超の幅が拡大する見通しであるとしています。
92年8月以降の6次にわたる総計66兆円を超える景気対策、超低金利策、規制緩和策といったカンフル注射にもかかわらず、過剰生産という業病から抜け出せないまま、後に巨額の財政赤字を上積みすることとなっており、公共事業による景気対策という従来型の財政運営からの転換が求められています。とりわけ景気回復の最大の足かせになっているのが、内需の6割を占める個人消費の低迷であり、消費拡大に向けた対策が最も求められている施策の一つであると考えるものであります。
景気、業績の悪化が言われていますが、すべての企業ではありません。和光経済研究所がまとめた昨年9月の金融を除く主要企業802社の中間決算では、売上高の合計は前年同期と比べ2.9%増、経常利益は9.3%増であり、これによって企業収益は、94年9月以来3年半に及ぶ増加を続けているというのであります。
春闘の要求が出されいよいよ攻防が本格化するとき、私は、積極的な賃上げと可処分所得の増大こそが今一番求められている方向だと考えるのであります。
労使の攻防を前に行政が口をはさむことは注意せねばなりませんが、今日の長期にわたる国内の景気低迷をどのように認識され、また、どのような対策が望まれると考えておられるのか、御所見をお聞かせください。
あわせて、県内景気及び企業の状況と今後の見通しについてどのように判断されているのでしょうか、お尋ねします。
次に、中小企業、零細業者の支援についてお尋ねします。
97年版中小企業白書では、従業員299人以下の企業では、廃業が起業を上回るとともに96年度の中小企業の倒産件数は、全倒産件数の99.3%、1万4,731件にも上っていることが報告されています。
中小企業経営を苦しくしている要因の一つは、徹底したコストダウンをねらう親企業や納入先の下請いじめであり、この1年間、円安にもかかわらず、下請中小企業に対する発注単価の低下は59.9%、横ばいが34.7%で、上昇したというのはわずか5.4%しかない現状であります。発注単価の適正化、不公正取引是正などの監視が必要と考えます。さらに昨年からは、金融機関の貸し渋りが目立ち、中小の資金繰りを悪化させているとの指摘もあります。
日本の総事業所数の99%を占める中小企業の経営安定は、国内、県内経済にとっても、また、そこに働く労働者にとっても死活問題であり、中小企業、零細業者支援と社会的公正取引の確保が求められていると考えるのであります。
中小企業支援の取り組みについてどのような対策を講じられようとしているのか、御所見をお聞かせください。
次に、雇用と労働法制見直しについてお尋ねします。
御承知のとおり、景気低迷とともに90年以降雇用状況も悪化し、97年5月の完全失業者は244万人に達し過去最悪を記録、今日においても完全失業率が3.5%と依然として高く、勤労者にとって厳しい状況が続いています。
また、男女雇用機会均等法の改正で、女性労働者に対する差別禁止と引きかえに、女性の深夜業禁止と時間外、休日労働への規制が撤廃され、さらに労働基準法の見直しが進められようとしています。弱い立場にある労働者を保護し、あるいは対等の関係を保障するという今日の進歩的な法制度は、ひとり労働者のためだけではなく、日本の経済発展にも大きく寄与してきたところであります。
ところが規制緩和の名のもとに、労働契約法制や裁量労働制の拡大などが検討されており、ゆゆしき事態であると受けとめるものであります。少子化が叫ばれる今日、男女がともに家庭責任を担える労働条件を確立する男女共通規制の法制化が求められているのではないでしょうか。
県内の雇用の状況について御説明ください。
また、労働法別の見直しについて御所見をお聞かせいただきますとともに国に対し、県民の声を届けていただきたいのであります。
景気対策に関連して、財政問題についてお尋ねします。
国、地方を問わず厳しい財政運営となっていることは御承知のとおりであり、財政の優等生と言われている本県にあっても、基金の取り崩しや県債の発行などを行い予算編成をされていますが、98年度当初予算は、44年ぶりに実質ベースで前年度比でマイナスの予算編成となっています。
財源の1つである基金は、94年度末残高約923億円であったものが、97年度末見込みでは約608億円と大幅に取り崩され、そして98年度に162億7,200万円取り崩すこととされています。また、県債の残高は約6,600億円にも上ることとなり、これは県民1人当たりに直せば約44万円の借金となります。国の借金1人当たりの金額440万円とはけたが違いますが、県民にとっては後年の負担として気にかかるところであります。
県税収入の伸びが期待されないこともありますが、財政運営の基本姿勢と今後の対策及び見通しなどについて御所見をお聞かせください。
次に、環境問題についてお尋ねします。
特定の地域で問題が発生した従来の産業公害や都市、生活公害問題から、現在は、地球的規模での環境問題が深刻な課題となっています。ダイオキシンや酸性雨、砂漠化など多くの課題がありますが、ここでは地球温暖化問題についてお尋ねします。
温暖化は、私たちの生活にさまざまな影響を及ぼすばかりでなく、生態系を初めとして、私どもの生存そのものが問われる地球規模での環境問題であります。
地球温暖化に関する調査を行っている国際組織・気候変動に関する政府間パネルの第2次報告によりますと、19世紀末以降、地球の平均気温は0.3から0.6度上昇し海面も10ないし25センチ上昇している。このまま地球温暖化が進むと2100年には、平均気温が現在よりも2度、海面は50センチ上昇すると予測しています。平均気温が2度上昇するということは、日本列島が毎年3キロメートルずつ南下していくのと同じ計算になるとのことであり、こうした環境の変化が、私たちの生活と命に影響を及ぼすことは避けて通れないと考えられます。
環境庁においても、水資源、自然生態系、農業、海岸侵食や人の健康などについて検討が進められていますが、まさしく地球の一構成員いや環境を破壊している当事者として、真剣に考え合わなければならない課題であります。
少し古いデータですが、95年11月に行った県民アンケートでも、地球温暖化については85.4%の人が関心を持ち、日常生活の中で温暖化防止への配慮や何らかの工夫を既に実施している人が25%、できることはしようと思う人が60%となっており、積極的な姿勢がうかがえます。
また、97年6月に実施した総理府の意識調査を見ましても、関心と行動は同様の傾向を示し、「国民一人一人が省エネルギーの努力を行うことによってかなりの程度防止することができる」と認知度も78.3%と高くなっています。
日々の生活の中での工夫では、ごみの分別とリサイクル、節電、節水、自転車や公共交通機関の利用、待機時のエンジンの停止などが挙げられています。
これに別のアンケート、小売店舗に関する世論調査を関連づけることは少し無理があろうかとは思いますが、買い物の交通手段として「自家用車を利用する」と答えた者の割合は66%にも上っています。頭では理解できてもいざ実践となると少々はと思うのは私だけならいいのですが、いま一度、県民一人一人の果たすべき役割や企業、行政の責任についても具体的に示し、ともに努力し合うことが大切だと考えるものであります。
県におかれましては、96年3月に環境基本条例を制定するとともに温暖化対策地域推進計画を策定し、重点的取り組みの方向を明らかにされていますが、現状と課題についてどのように認識され、どのように具体的に取り組みを進められるのか御説明ください。
また、今回の予算において、アイドリングストップのリーフレット及びステッカーを作成するなどの啓発事業に取り組まれることとされていますが、職員や企業におけるマイカー通勤の自粛と複数乗車、公共交通機関の利用促進、ノー残業デーの普及なども有効と考えますが、身近に取り組める温暖化対策についてはどのように考えておられるのか、あわせて御所見をお聞かせください。
さらに私は、すべての県民参加のもとに、環境意識の高揚と心を養う活動として、ごみのぽい捨て禁止運動を強めてはと考えるものであります。
御承知のとおり県内各地で、自治会やPTA、ボランティア活動として空き缶などの回収や清掃活動が取り組まれています。しかし、これではイタチごっこであり、もとから絶つ取り組みの強化とあわせ、ポイ捨ては、反社会的行為であるとの認識を高める取り組みが必要だと考えるのであります。
全国的にも、罰則つきのポイ捨て禁止条例は148市町村で、また、18県でも禁止条例を設け、鳥取県においては、公園や商店街などを中心に環境美化地区を指定し、旅行者も含めて悪質な違反者には2万円以下の罰金を科す条例を制定しています。
より実効性のあるものとするため、条例制定に取り組んではと考えるものであります。御所見をお聞かせください。
環境問題に関連して、瀬戸内海の海砂利採取問題についてお尋ねします。
瀬戸内海が、我が国のみならず世界においても比類のない美しさを誇る景勝地として、また、国民にとって貴重な漁業資源の宝庫としてその恵沢を国民がひとしく享受し、後代の国民に継承すべきものであると明記した瀬戸内海環境保全特別措置法を持ち出すまでもなく、我々愛媛県民にとってはかけがえのない財産であることは、だれしもが認めるところでありましょう。
しかし一方で、海をめぐるトラブルが後を絶たないことから、海の適正利用と環境の保全を図るため、95年に愛媛県の海を管理する条例を制定されたところであります。ところが今回、県内の海砂利採取23業者すべてが採取量超過など違反の実態が明らかとなり、海砂利採取問題がクローズアップされています。
行政におかれましても、昨年11月、各県知事などが出席しての第9回中四国サミットにおいて、海砂利採取問題は、瀬戸内海全体の問題であり各県連携のもとに対応しようとの方向が論議されたと聞いております。
また、瀬戸内海沿岸の兵庫県は海砂の採取を取りやめ、広島県も延長方針を撤回し予定を前倒しして全面禁止に、香川、岡山両県は、年2%ずつ減らす方向と聞いています。
海砂利採取に対する県の基本的な考え方と今後の取り組みについて御所見をお聞かせください。
なお、本県においては、需要予測に基づき採取総量制限を決められているとのことでありますが、需要予測はどのような方法、根拠に基づき確定されているのでしょうか、あわせてお答えください。
また、海砂利採取に関連して、採取海域の環境や水産資源、海岸の侵食などへの影響が心配されています。県においては、海砂利採取の環境への影響について毎年調査をされているとのことでありますが、この環境影響調査について、より一層の充実を求めるものであります。御所見をお聞かせください。
なお、本県においては、海砂利採取海域として現在7海域を指定されていますが、このうち重信川地先は、環境庁がシギ、チドリ類の重要渡来地域として湿地保全を求めている干潟に関連する海域であります。現在は採取されていないようですが、豊かな生態系を持つ干潟の保全は、県民の責務と考えるものであります。このような海域での採取は避けるべきと思いますが、御所見をお聞かせください。
また、関連して、カワウソの生息調査について簡単にお尋ねします。
御承知のように、本県の県獣、ピストルではありません。県の獣ですが、これはカワウソであります。指定当時の思いは今も大切にされなければなりませんが、現在の生息調査の状況はどのようになっているのでしょうか。真剣な取り組みと対応を求めるものであります。御所見をお聞かせください。
次に、福祉問題についてお尋ねします。
高齢社会は、ただ高齢人口がふえるだけでなく社会構造をも変え、それに拍車をかけるかのように出生率の低下となり、少子高齢社会を迎えています。
統計では、よく65歳以上人口と15歳未満人口が比較をされ、初めて子供人口が上回ったとのことでありますが、進学率の向上による就業年齢の高まりは、数字以上に深刻な社会であると言えるのではないでしょうか。
国においては、新ゴールドプランの達成はもとより、
介護保険制度のスタートに当たって、ハード、ソフト両面から整備に取り組むこととしています。
本県におきましても、老人保健福祉計画に基づき各種の整備に取り組まれていますが、具体例として、特別養護老人ホームについて過去数回質問してきておりますが、重ねて質問をいたします。
97年度末には、62施設3,768床となり計画に基づく整備が進められてはいますが、計画が策定された93年3月末では、671名であった入所待機者が97年10月末には1,981人と大幅に増加、この間、65歳以上の高齢者の増加は1.18倍であるのに対し、待機者の数は3.77倍にもふくれ上がっています。
県におかれましては、介護保険事業計画の策定にあわせて12年度を初年度とする新たな計画づくりに取り組むこととされていますが、ゼロ県債ではありませんけれども、計画の前倒しによる早期整備を強く要望するものであり、真剣に検討いただきたいのであります。御所見をお聞かせください。
次に、マンパワーの確保と職員の労働条件の改善についてお尋ねします。
福祉サービスを提供するに当たっては、マンパワーの確保が何よりも大切であり、計画に基づき推進されているところではありますが、計画の達成状況はどうなのでしょうか。
また、職員の労働条件について過去の議会において、適正給与水準が確保されるよう指導するなどの答弁がされていますが、えひめ福祉オンブズネットの皆さんの施設指導台帳に基づく調査によれば、同じ平均勤続年数でも平均本俸額に格差があり、また、期末、勤勉手当にも相当の格差が見られます。措置費が人事院勧告と公務員の給与改定に基づいて毎年改定されていることを見れば、それに準じるものであるべきと考えるものであります。
また、労働時間についても法に準じたものとなっていない状況を見受けます。現状をどのように認識されているのでしょうか。改善に向け指導を求めるものでありますが、どのような対応をなされているのでしょうか、御説明を願います。
次に、農林水産問題についてお尋ねします。
人々の命と健康、生存そのものの維持に重要な役割を担っている第1次産業の基本方向についてお尋ねします。
今国内では、米問題を初め農業の再構築、森林の再生と林業の活性化、海の環境改善と漁業の発展など食の自給と安全、持続可能な農林漁業の再生を目指すことが求められています。
先日、松山市で開催されました食と農・林・漁と環境を考えるフォーラムにおいて、来賓としてあいさつに立たれた全国農業会議所桧垣徳太郎会長の日本は食糧問題にのんきな国だ。金があれば調達できるとの思い込みは危険だとの言葉は、参加者はもとより国民すべてへの警告であり、真剣に受けとめ合わなければならないと感じたものであります。
また、大内力東大名誉教授も基調講演では、輸入農産物の30%がむだになっている。外食店の食材の40%がごみになっている。食料は市場経済の原理に基づく調達ではなく、人道的な国際ルールに基づくとの考えに改めなければならないとの厳しい指摘もなされました。
地球環境問題、世界の人口と食糧問題、国内自給の問題など大局的な見地から検討し合わなければならない重要な課題であります。
県におかれましては、主要基幹産業でありますこれらの課題に対し、それぞれに振興基本計画に基づく取り組みや新しい計画づくりに取り組まれています。担い手不足と高齢化、産業活動の環境悪化など厳しい諸条件のもと、本県農林水産業の展望と進むべき方向についてどのような見解を持たれているのでしょうか。
また、当面する対策として、本県の主要産業である真珠養殖業と温州ミカンの価格暴落に対する緊急支援の問題があります。2年続きのアコヤ貝大量斃死は、魚水産試験場の強い月づくり実証試験などに期待されるものの、業界全体の97年度売り上げが前年度の2分の1から3分の1に落ち込むとの予想であり、温州ミカンも収入減どころか肥料代や農薬代などを差し引くと赤字になるとも伝えられています。
県におかれましては、経営安定を図るため、融資制度を創設されるなど積極的な対応をされていますが、生産現場では、将来への展望に確信が持てないことから、低利とは言え融資による借金の増加に不安を抱えています。
また、午前中にも触れられましたが、先が見えない、金繰りが悪化したとのことから真珠養殖業者が自殺していたことが報道されています。
愛媛の基幹産業を守り発展させるためにも、今は、もっと低利、端的に言うなら実質無利子となるような支援ができないものでしょうか、御所見をお聞かせください。
次に、教育問題についてお尋ねします。
御承知のとおり教育は、豊かな21世紀を切り開く重要な事業であります。また、次代の担い手を創造する崇高な営みであります。
しかし、現状は、いじめや不登校、高校の中途退学者が年々増加、中学生による女性教師殺害事件やこともあろうに警察官にナイフを向けるなどとても考えられない事件が多発しています。
これらの原因について、学識者や学校関係者は一致して、中学校から高校への激しい受験競争、知識偏重の詰め込み教育あるいは少子化の中で育った子供たちの自己中心的な人格形成などを挙げています。
ところが、これらは直ちに解消できるものではなく、学校はもとより家庭と社会が一体となって、それぞれが責任を持ち連携を強め、しかも時間をかけて取り組まなければならない課題であります。特に、大人の感覚で規則や生活習慣を押しつけただけでは、むしろ反発はあっても、心身ともに健康で自主性と創造性をしっかり身につけた人間育成はできないと考えます。
何よりもまず、子供たちの人権を認めることから出発しなければならないと思います。子供の権利が、権利条約に基づき教育現場でどのような形で名実ともに生かされているのでしょうか、お尋ねします。
また、学校数育にあっては、教職員と子供の信頼関係、子供同士の信頼関係から立派な教育が進められるものと信ずるものであります。傷つきやすく不安定な思春期の子供たちにあって、仲間外れがあったり教職員との間で不信感が漂うようなことになれば、学校での居場所をなくし考えられない行動に出ることも指摘されています。学校において、子供同士の信頼関係、子供と教職員との信頼関係を高めるためには、各教科、教科外のあらゆる機会を通じ目的意識的に取り親む必要があります。
信頼関係を高めるための具体的な対策についてどのような考えを持たれているのでしょうか。また今日、各学校の校則は、子供たちの声に十分こたえているものとなっているのでしょうか、お尋ねします。
本来学校数育は、子供を主人公と位置づけ、その地域その学校その学級に適した教育の営みが大切であると言われています。そのためには、何よりも教職員が専門的な知識と経験を最大限に発揮することが求められ、そのためには、教職員の自由な研究と自由な計画と自由な教育活動が保障されることが大切であることは言うまでもありません。
今日の学校現場では、教育委員会の行き過ぎた介入がありはしないか、あるいは学校長からの厳しい管理体制がありはしないかと心配の声を聞きます。教育の場で管理はなじみません。教育の場での管理は、そのまま子供への管理教育につながるからだと言われています。
教職員が自由に伸び伸びと教育研究と実践に取り組める環境づくり、すなわち学校経営が必要と考えますが、教育現場においてどのような努力がなされているのでしょうか、具体的にお尋ねします。
また、現在開会中の国会で、我が党の土井党首の質問に対し橋本総理は、特色ある教育ができるよう地方教育行政システムの見直しが必要である。主体的な地方教育行政を展開できるように、また、学校の自主性を確立するなどの改善を図りたいとの答弁がなされ、その方向で中央教育審議会の審議が進められているとのことであります。
ここにいう特色ある教育とは、まさにその地域に適した教育活動を指し、自主的な教育行政とは教育の地方分権を指し、自主性の確立とは教職員と学校に教育の自由を保障することであると理解するものであります。
そこでお尋ねします。
橋本総理の答弁に見られる教育行政の地方分権、学校と教職員の自主性の確立についてどのように考えておられるのでしょうか。また、改善したいと思われる事項などについて考え方をお示しください。
なお、終わりに、懸案でありました情報公開条例について知事は、今議会冒頭、6月議会に提案したいとの考えを表明され、先ほど来質疑が交わされているところでありますが、私ども社民党の立場からは、全国に先駆けて検討を進めてきたという観点からすれば、遅きに失したとの感を持ち、この際、県民の負託にこたえ全国に誇れるすばらしい条例となりますよう期待をするものであります。
また、私たちも議会の一層の活性化のもと県政発展に努力することを表明をいたしまして、質問を終わります。(拍手)
○議長(中川鹿太郎君) 暫時休憩いたします。
午後2時12分 休憩
――
――――――――――――――――
午後2時22分 再開
○議長(中川鹿太郎君) 再開いたします。
質疑を続行し、理事者の答弁を求めます。
○知事(伊賀貞雪君) 議長
○議長(中川鹿太郎君) 伊賀知事
〔知事 伊賀貞雪君登壇〕
○知事(伊賀貞雪君) 村上議員にお答えをいたします。
最初に、今日の社会・経済システムの現状をどう認識するか。また、あるべき改革の方向をどのように見ているか、見解はどうかというようなお話でありました。
我が国は、敗戦の中から立ち上がりまして、国民の英知と努力によって、欧米先進国に追いつき成熟した豊かな社会を築いてきたと思うのであります。
しかしながら、今日、これまで有効に機能してまいりました社会、経済、政治、行政システムは、財政危機、産業の空洞化、教育の各種の問題、金融不安などをもたらすとともに社会経済のグローバル化、人口の高齢化、少子化など大きな時代の変化に相応し切れなくなっており、我が国のシステム全体が、いわば制度疲労を起こしていると言わざるを得ない状況にあるように思うのであります。
この現状を打開し、安心、安全な社会を形成するためには、スリムで効率的で地方が自主、自立できる行財政システム、新規産業の創出やベンチャー企業の育成が可能な経済構造、市場原理の働く透明な金融システム、だれもが長生きしてよかったと思えるような社会福祉制度、思いやりのある人間性豊かな子供を育てる教育などの実現を目標にして、抜本的な諸制度の改革を行う必要があるというふうに思っております。
次に、生活文化県政の取り組みをどう評価し、どのような感想を持っているのか。また、残された課題と今後の方向づけはどうか。
政策の評価はそちらの方が上手だと思いますけれども(笑声)、第3期生活文化県政では新プラン21に示した5つの基本政策と21の戦略構想をもとに105項目のプロジェクトを掲げまして、その実現に向けて努力をしてきたところであります。おかげで現在までにそのほとんどを達成できる見通しになっておりまして、経済情勢や財政状況が非常に厳しい中にありながら、まずまず順調な進展を見ておるものと思っておるのであります。
第3期生活文化県政の仕上げの年であることし平成10年度におきましては、中核美術館、えひめこどもの城など残された事業の完成を期するとともに当面の重要課題である景気対策、
介護保険制度の円滑な導入を軸とした
福祉保健対策、瀬戸内三橋時代への対応に力点を置いて取り組んでおります。
また、今後の本県の方向づけにつきましては、生活優先、文化重視の潤いと活力のある愛媛づくりを基本的な理念として、少子・高齢化の進展や地球環境問題への関心の高まり、地方分権や規制緩和の進展など時代の潮流を踏まえながら、新しい長期計画を策定する中で、県政のビジョンを明確にしていきたいと思っておりまして、現在、その方向で取り組んでおるところであります。
次に、水産えひめの中核拠点施設として、東予分場の拡充整備に取り組むべきと思うが、現状と取り組みの決意はどうかということであります。
東予分場の中核拠点施設としての整備は、燧灘における漁業の動向や漁業資源の状況等を踏まえながら検討をしなければならない課題であるというふうに認識をしてまいりました。
しかし、行財政改革の推進が強く求められる今日、抜本的な拡充整備に取り組むことは困難別犬況にあります。
したがって、地域漁業者のニーズを踏まえた地域特産資源の放流技術や養殖技術の開発など試験研究内容の充実と近代的な機器整備を図っておるところでございまして、今後とも試験研究機能の充実に努めていきたいと思っておるのでございます。
次に、景気対策の問題でありますが、長期にわたる国内の景気低迷をどう認識しておるか。また、どのような対策が望まれるかということでございました。
我が国経済は、ちょうど平成5年10月を景気の谷といたしまして回復期に入ったわけでありますが、自律回復力は弱くて平成5年度から8年度までの実質経済成長率は、年平均で約1.8%と非常に低いものとなってまいっておりまして、最近におきましては、特に、停滞感がさらに強まり厳しい状況が続いております。
この原因といたしましては、バブル期に過剰となった設備や雇用等の下向調整が行われていること、2つ目は、資産価値の下落あるいは不良債権等に対応するための企業や金融機関のバランスシート調整が長引いておること、経済の先行きについて不透明感が増幅し、企業や家計が慎重な行動をとってきたことなどが挙げられると思うのでございます。
このため今後は、政府において、規制緩和を中心とした緊急経済対策や金融システムの安定化対策を着実に実施するとともに2兆円の特別減税に続く大胆な消費刺激策や公共事業を中心とする公共投資の拡充など、思い切った景気対策をタイミングよく実施することを私は強く期待をするわけであります。
次に、県内景気及び企業の状況と今後の見通しについてどのように判断しておるかということでありますが、県内経済は、先ほど申し上げたこととほぼ同様でありまして、設備投資と公共投資は比較的堅調でありますけれども、個人消費や住宅建設が低調であるほか、雇用情勢も弱含みになるなど停滞感が強く厳しさが増してきております。企業の業況判断も悪化傾向にあるなど引き続き厳しい状況にあります。
今後も、個人消費や住宅建設の不透明感に加えまして、先ほど来お話のあります東アジア諸国の通貨、金融不安の影響も出てきておることから、予断を許さない状況が続くものと厳しく判断をしております。
次に、財政運営の基本姿勢と今後の対策及び見通しはどうかということであります。
国、地方ともに極めて厳しい財政環境の中で、財政運営に当たりましては、先ほど来お答えを申し上げましたとおり、歳入、歳出の両面から徹底した見直しを行い、財源の重点的、効率的な配分に努めておるところであります。
今後とも健全な財政運営に努めまして、可能な限り県政諸施策を円滑に推進していくように努力を重ねていきたい。
なお、お話の県債残高は、近年増加傾向にございますが、公債費比率で見ますると、全国平均13.5%に対しまして、本県の場合は7.1%ということで、全国的に見ても低位にございます。
また、県債の発行につきましても、いろいろ議論はあるわけでありますけれども、従来から交付税など財源措置のある県債を優先発行するというようなことで、後年度の財政負担が過重にならないように十分配慮をしていっておりますので、当面の財政運営に大きな影響はないというふうに考えております。
また、財政構造の良否を判断する指標であります経常収支比率を見ますると、平成8年度で、本県は73.2%であり全国第2位の低位にありますので、財政構造の面から見ましても、まず健全であるというふうに考えております。
次に、福祉問題でありますが、老人保健福祉計画の前倒しによる特別養護老人ホームの早期整備を図れということでございます。
特別養護老人ホームは、県及び市町村の老人保健福祉計画に基づきまして、老人保健福祉圏域ごとに高齢者人口、施設整備状況、在宅福祉に対する取り組み状況などを勘案して整備を進めてまいっておるのでございますが、平成10年度末には、66カ所で達成率が98%になる見通しでございますので、今後とも計画の早期達成に努めていきたいと思っております。
次に、マンパワー確保の達成状況はどうか。また、施設職員の労働条件の現状と改善策はいかん、こういうことでありましたが、老人保健福祉計画におけるマンパワーの達成状況は、9年度で見ますると、ホームヘルパーは78%、福祉施設職員は90%、在宅介護支援センター職員は72%と順調に確保が進んでおります。
また、施設職員の労働条件は、昨年4月1日現在で、勤務年数が4年10カ月で平均本俸月額17万7,000円、労働時間はおおむね週40時間ということになっております。
また、施設職員の給与は、
地方公共団体の給与を基準として改善されるなど適正な運営に努力がなされつつありますが、良好な労働条件の確保とともに今後とも十分指導をしていきたい。
なお、お話の同一勤務年数による本俸額の格差はなぜかというお話がございましたが、就職前の他の勤務経験を勘案して本俸額を格づけするという取り扱いでありますので、単純にその施設での勤務年数だけを見て比較することは困難な問題であります。
次に、農林水産問題でありますが、第1点は、本県の農林水産業の展望と望むべき方向について見解はどうか。
桧垣先生のお話は十分に拝聴いたしました。
農林水産業は、急激な自由化に伴う価格の低迷やあるいは産地間競争の激化、担い手の減少、高齢化の進展など極めて厳しい局面にあるわけであります。
しかし、農林水産業は、食料の安定供給はもとより国土や環境の保全、形成に貢献し、あらゆる産業活動や生活文化の基礎となるものでございまして、今後とも本県の地域経済を支える主要な産業として維持発展させなければならない。農業は、昔から国の基でありますから、私は、何としても愛媛の農業は守っていきたい。これが基本理念であります。
このため、県では、本年度から新しい農業ビジョンと新林政計画の策定に取り組んでおります。水産業におきましても、国が新たに平成10年度中を目標に将来ビジョンを策定することになっておりますので、その方向に沿って、将来に希望の持てるような愛媛の農林水産業を再構築していきたい、このように願っております。
今回創設した真珠及びミカンの融資制度について、さらに低利で支援できないのかという御提案でありましたが、今回の融資制度は、先ほど来申し上げておりますように、果樹価格の下落やアコヤ貝の斃死に伴い経営が困難となった農家や漁家に対して、再生産に必要な資金を低利で融資することによって経営の安定を図ろうということで特別に創設をした制度であります。
貸付利率につきましては、過去にもいろいろとこの種の減収対策資金というものがございまして、その金利水準というものがあるわけであります。そしてもう1つは、農林漁業関係の制度資金との均衡を十分に考慮するとともに市町村や関係団体との協調の問題もございます。そういうことで、あれやこれや考えまして、現行の金利体系の中で最低の2%ということで合意をしたわけでございます。
これ以上引き下げる考えはございません。
その他の問題につきましては、副知事及び関係理事者からお答えをいたします。
○副知事(小菅亘恭君) 議長
○議長(中川鹿太郎君) 小菅副知事
〔副知事 小菅亘恭君登壇〕
○副知事(小菅亘恭君) 村上議員にお答えいたします。
まず、中小企業支援の取り組みについてどのような対策を講じるのかとのお尋ねでございますが、県では、これまで低利融資制度や情報化の推進、産学官による共同研究の実施を初めベンチャー企業の育成支援、販路開拓の促進や下請取引の適正化、中小企業対策相談窓口の設置などきめ細かな支援対策を通じまして、中小企業の経営安定や公正な取引の確保に努めてきたところでございます。
さらに、今回、県単融資制度の拡充や新製品、新技術開発への支援強化を図ることとしておりまして、これらを通じまして、今後とも中小企業の育成強化に努めてまいりたいと考えております。
次に、県内の雇用の状況はどうか。また、労働法制の見直しについての所見はどうかとのお尋ねでございますが、最近の県内の雇用状況は、1月の有効求人倍率が0.85倍で全国平均の0.64倍は上回っておりますものの、2カ月連続で前月及び前年同月を下回る厳しい状況にございますので、今後とも各種雇用対策の積極的な推進を図ってまいりたいと考えております。
また、労働法制の見直しにつきましては、今国会に労働基準法改正案が上程されておりますが、労使間の主張には、時間外労働や裁量労働制等につきましてかなりの隔たりが見られます。
今後、国会で十分審議が行われ新たな時代に対応したルールづくりが整われることを期待をしております。
以上でございます。
○環境局長(山田 清君) 議長
○議長(中川鹿太郎君) 山田環境局長
〔環境局長 山田 清君登壇)
○環境局長(山田 清君) 村上議長にお答えをいたします。
環境問題についての御質問で、初めに、地球温暖化についての現状と課題をどう認識し、具体的な取り組みをどう進めるのかとの点でございますが、地球温暖化を防止するためには、社会システムやライフスタイルを省資源、省エネ型へと転換することが強く求められておりますが、温暖化の影響が身近に感じられず、また、生活の利便性の制約を伴うことから、意識が直ちに行動に結びつかないことが実施面での大きな課題であると考えております。
このため、県では、これまで地球温暖化対策地域推進計画を策定し、パンフレットやビデオの作成、配布、環境フォーラムの開催などにより普及啓発に努めてきたところでありますが、引き続き、省資源・省エネルギー研修会の開催、啓発パンフレットの作成・配布などにより、温暖化対策の実践促進に積極的に取り組んでまいりたいと思います。
次に、身近に取り組める温暖化対策についてどう考えているのかとのことでありますが、地球温暖化問題は、日常生活に深いかかわりがあり、地球温暖化対策地域推進計画におきましても、県民、事業者の取り組むべき行動として、マイカーの利用回数の削減、公共交通機関の積極的な利用などの自動車の省エネ対策を初め電気やガスの節約、古紙や空き缶のリサイクルの推進など身近な実践対策を示しております。
県といたしましては、この計画に沿って、今後とも県民や事業者に対し、研修会やパンフレットなどにより身近に取り組める温暖化防止対策の一層の推進を啓発、指導してまいりたいと思います。
次に、ごみのポイ捨て禁止条例制定に取り組んではどうかとのことでありますが、いわゆるポイ捨て禁止条例は、空き缶やたばこの投げ捨て等を防止しようとするものでありますが、これらは、既に廃棄物処理法、軽犯罪法、道路交通法などにより、罰則をもって禁止されているところであります。
この問題は、条例で強制するよりも、いかに県民の環境美化意識やモラルを向上させるかが重要であると認識しており、県といたしましては、引き続き、6月の環境月間や7月のクリーン愛媛運動強調月間を中心にした環境美化活動や喫煙マナー意識啓発事業などにより、県民総ぐるみの実践活動と意識高揚に努めてまいりたいと思います。
次に、カワウソの生息調査の状況はどうなっているのかとのお尋ねでありますが、県では、ニホンカワウソの保護を図るため、平成4年度から、生息情報の収集や確認調査を行っており、これまでに寄せられました情報につきましては、その都度現地調査を実施し、動物の死体やふんなどの収集鑑定を行っておりますが、生息に結びつくものはない状況にあります。
以上でございます。
○土木部長(安藤信夫君) 議長
○議長(中川鹿太郎君) 安藤土木部長
〔土木部長 安藤信夫君登壇)
○土木部長(安藤信夫君) 村上議員にお答えいたします。
海砂利採取問題につきまして、まず、海砂利採取に対する県の基本的な考え方と今後の取り組みはどうかとのお尋ねでございますが、本県では、県内で使用する砂は県内で賄うとの方針のもとに厳存量調査を実施するとともに毎年度、県内の需要見込量を推計いたしまして採取認可総量を決定し、その範囲内で認めているものでございます。
海砂利は、公共事業などに欠かすことのできない主要な骨材でございまして、代替資材が十分確保されていない現時点では、直ちに海砂利採取を中止することは困難であると考えております。
今後は、違反防止対策や認可方法を見直すとともに検査体制を強化しまして、再発防止に万全を期してまいりたいと考えております。
次に、需要予測はどのような方法と根拠に基づき確定されているかとのお尋ねでございますが、海砂利の県内需要予測は、毎年度、民間工事や公共工事に使用されます砂の需要量をもとに推計しているものでございまして、なお、県外搬出につきましては、阪神・淡路大震災のような場合を除きまして、原則的に禁止しているところでございます。
さらに、環境影響調査をさらに充実させてほしいがどうかとのお尋ねでございますが、県においては、影響調査を毎年実施し、なぎさや海底の地形の変化等を調査しているところでございます。平成8年度に実施した4カ所7海岸の調査では、いずれも砂利採取に伴う海岸への影響はあらわれておりません。
なお、水質や生物等に与える影響につきましては、環境庁が平成6年度から7カ年計画で調査を実施しておりまして、この調査結果が平成12年度に取りまとめられるところから、当面、この調査を見守ってまいりたいと存じます。
最後に、保全すべき海域での採取は避けるべきと思うが対応はどうかとのお尋ねでございますが、お話の重信川河口周辺は、平成5年11月以降砂利採取を中止しているところでございます。
昨年9月環境庁では、重信川河口を含む全国13地域をシギ・チドリ類重要渡来地城としてリストアップしているところでございまして、県といたしましても、重信川河口周辺での海砂利採取につきましては、自然環境の保全の見地から適切に対応する考えでございます。
以上でございます。
○教育長(阿部 茂君) 議長
○議長(中川鹿太郎君) 阿部教育長
〔教育長 阿部 茂君登壇)
○教育長(阿部 茂君) 村上議員にお答えをいたします。
まず、子供の権利が教育現場でどのような形で生かされているのかというお尋ねでございましたが、各学校では、子供たちの人権が尊重されるよう各教科や特別活動などすべての教育活動を通じて、個性や主体性を重視し、人間関係を豊かにできるよう配慮した学習を進めております。
また、家庭や地域との連携を図りながら、いじめ問題解決に向けた取り組み、子供の意見を取り入れた校則の見直しなど子供の人権を尊重した楽しい学校づくりに取り組んでいるところでございまして、今後ともその促進に努めてまいりたいと考えております。
次に、信頼関係を高めるための具体的な対策についてどう考えるのか。
また、校則は、子供たちの声にこたえたものとなっているのかという点でございますが、信頼関係の確保は、教育効果を高めるための重要なファクターでありますことから、対話や共同作業など教師や児童生徒の相互理解を深めるための機会の創出に努めておりまして、各学校におきましては、個別の教育相談、勤労や体験学習、グループ活動やボランティア活動等に積極的に取り組んでいるところでございます。
また、校則につきましては、実情に即した見直しを行うよう指導してきておりまして、現在、大半の学校において教員、児童生徒、保護者による校則等の検討委員会が設置され、お互いの合意のもとにルールの設定が進められている状況にございます。
次に、教職員が自由に教育研究と実践に取り組める環境づくりのためどのように努力しているのかという点でございますが、学枚は、児童生徒が立派な社会人となるよう教育する任務を担っておりまして、校長の指揮監督のもとに、その役割が果たせるよう一致協力して取り組むことが求められております。
このため県教委では、研究団体や研究グループの活動を支援いたしますとともに計画的に教員研修を進めておりまして、各学校においては、これらの研修の成果が生かせるよう教員一人一人の自主的な研究促進に努めているところでございます。
最後に、教育行政の地方分権及び学校と教職員の自主性の確立についてどう考えているのかというお尋ねでございましたが、子供たち一人一人の多様な個性や能力の伸長を図り、生きる力をはぐくみ、学校や教師が、地域の実情に応じ自主性を持って主体的に教育活動を展開できる環境をつくってまいりますためには、教育行政の地方分権を進めていくことが必要であると考えております。
具体的に申し上げますと、現在、中央教育審議会において検討されております枚長の権限と責任の強化、学校に対する教育委員会の関与の見直し、学校の設置者である市町村の主体性の重視、教育委員会の基礎体力の強化などが促進されるよう改善がなされることを期待しているところでございます。
以上でございます。
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○議長(中川鹿太郎君) 以上で本日の日程を終了いたしました。
明6日は、午前10時5分から本会議を開きます。
日程は、全議案に対する審議の続行であります。
本日は、これをもって散会いたします。
午後2時53分 散会...