香川県議会 > 2021-11-02 >
令和3年11月定例会(第2日) 本文

  • "十河直"(/)
ツイート シェア
  1. 香川県議会 2021-11-02
    令和3年11月定例会(第2日) 本文


    取得元: 香川県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-31
    ▼最初のヒットへ(全 0 ヒット)   出  席  議  員    十  河     直 君    高  城  宗  幸 君    鏡  原  慎一郎  君    松  岡  里  佳 君    白  川  和  幸 君    岡  野  朱里子  君    秋  山  時  貞 君    斉  藤  勝  範 君    松  本  公  継 君    森     裕  行 君    米  田  晴  彦 君    木  村  篤  史 君    山  本  悟  史 君    谷  久  浩  一 君    氏  家  孝  志 君    高  木  英  一 君    樫     昭  二 君    山  田  正  芳 君    香  川  芳  文 君    高  田  良  徳 君    竹  本  敏  信 君    三  野  康  祐 君    西  川  昭  吾 君    新  田  耕  造 君    松  原  哲  也 君    広  瀬  良  隆 君    辻  村     修 君    石  川     豊 君    綾  田  福  雄 君    尾  崎  道  広 君    宮  本  欣  貞 君    山  本  直  樹 君    黒  島     啓 君    五所野尾  恭  一 君    花  崎  光  弘 君    大  山  一  郎 君    都  築  信  行 君    平  木     享 君
      欠  席  議  員    鎌  田  守  恭 君    ─────────────────────────────         地方自治法第百二十一条第一項による出席者           知     事    浜  田  恵  造 君           副  知  事    西  原  義  一 君           病院事業管理者    太  田  吉  夫 君           審  議  監    大  山     智 君           政 策 部 長    淀  谷  圭三郎  君           総 務 部 長    椋  田  那津希  君           危機管理総局長    寺  嶋  賢  治 君           環境森林部長     木  村  士  郎 君           健康福祉部長     土  岐  敦  史 君           商工労働部長     近  藤  清  志 君           交流推進部長     佐  藤  今日子  君           農政水産部長     新  池  伸  司 君           土 木 部 長    西  川  英  吉 君           文化芸術局長     小  川     剛 君           子ども政策推進局長  吉  田  典  子 君           会計管理者      田  中  一  裕 君           病 院 局 長    岡  田  総  一 君           デジタル戦略総室長  井手下   慶  博 君           知事公室長      尾  崎  英  司 君           教  育  長    工  代  祐  司 君           公安委員会委員長   泉     雅  文 君           警察本部長      今  井  宗  雄 君           代表監査委員     木  下  典  幸 君           監査委員事務局長   田  井  慎  二 君           人事委員会委員    高  濱  和  則 君           人事委員会事務局長  森  岡  英  司 君           労働委員会事務局長  河  内  一  裕 君    ─────────────────────────────     議  事  日  程(第二号)                令和三年十一月二十五日(木)午前十時開議 第  一 議案第一号から議案第二十一号までに関する質疑 第  二 県の一般事務に関する質問 第  三 議案第十八号から議案第二十一号(議案の先議) 第  四 発議案第一号 香川県議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当             支給条例の一部を改正する条例議案    ───────────────────────────── ◯議長(十河 直君)ただいまから本日の会議を開きます。  本日の日程は、配付のとおりであります。  日程に入るに先立ちまして、諸般の報告をいたします。  職員に朗読させます。    (職員朗読)   諸般の報告 一、議案第十九号及び第二十号の二議案に係る地方公務員法第五条第二項の規   定に基づく人事委員会の意見は、配付のとおりであります。 一、総務常任委員長及び文教厚生常任委員長から、会議規則第九十四条の規定   に基づく審査報告書を受理いたしました。 一、陳情二件を受理いたしました。 一、会議規則第二十三条の規定に基づく発議案一件を受理いたしました。 ◯議長(十河 直君)以上で諸般の報告を終わります。    ───────────────────────────── ◯議長(十河 直君)日程第一、議案第一号から議案第二十一号までを議題とし、ただいまから議案に関する質疑並びに日程第二、県の一般事務に関する質問を併せて代表により行います。  自由民主党香川県政会代表新田耕造君。    (新田耕造君登壇、拍手) ◯新田耕造君 自由民主党香川県政会を代表して質問をさせていただきます。  十月三十一日に第四十九回衆議院議員総選挙が行われました。結果は御承知のとおりでございます。大幅に減ると言われておりました我々自由民主党は十五減ということで、楽観論も一部では出ておりますけれども、私自身は大変厳しい結果と受け止めて、反省をしなければならないというふうに思っております。  しかし、ここで注目したいのは民意でございます。我々自民党は立党以来憲法改正が党是でありますが、今回、憲法改正を是とする議員が与党以外で増えたことであります。憲法改正は九条だけでなく、例えば、八十九条私学助成や緊急事態条項、それから環境問題など、様々な改正の必要がございます。  さて、世の中には大変非常に不思議なことがありまして、私常々思っております。それは、憲法改正を主張する我々が保守で、憲法改正に反対するほうが革新というレッテル貼りでございます。私から見れば、七十年以上も前の憲法を、しかも主権のなかった占領下でつくられた憲法を守れというのは頑迷な保守、守旧そのものであると思っております。そういう意味では今回、改正反対の議員が減ったということは、国民の皆様の正しい選択であったというふうに思っております。  その日本国憲法前文には、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」とあります。これは自国の安全を他人任せにするということであり、独立国としての基本をなしておりません。今日、我が国の固有の領土の領有権を主張したり、不法に占拠している近隣国があります。これらは着々と軍備増強を図っております。歴史に照らすと、圧倒的な戦力差の拡大は戦争の誘惑を招きます。ちなみに中国の国防費は二十二・六兆円、韓国の国防費は五・三兆円、我が国の防衛費も五・三兆円で、来年は多分韓国に抜かれます。このような時代状況、背景は、欧米列強の進出に対峙した幕末から明治の時代を思わせます。このとき福沢諭吉は、その著書「学問のすゝめ」の中で、一身独立し、一家独立する、一家独立し一国独立すると説き、民主社会では個々の人々の独立心が集まって社会全体の独立の気概が醸成されると説いたのであります。我々は今、この国をどう守っていくのかということを問われているのであります。私は、今、日本国憲法のことなどを批判いたしましたが、ある国では、この行為でひょっとすれば逮捕されるかもしれません。そういう国に我が国をしてはならないと思うのであります。  戦後、様々な戦争を我々は見聞きしておりました。大国の思惑や誤解で戦争が始まります。例えば、朝鮮戦争は、一九五〇年、アメリカのアチソン国務長官がナショナル・プレス・クラブで有名なアチソン演説というのを行い、その中でアメリカの防衛線には韓国と台湾は入っていないと発し、北朝朝鮮やソ連に間違ったメッセージを送ってしまい、これが朝鮮戦争の発端になったと言われております。また、一九九〇年の第一次イラク戦争、私も人質解放ミッションにバグダッドへ同行いたしましたけれども、当時のアメリカのイラク大使がサダム・フセイン大統領に、アメリカは中東問題に対し不介入を伝えたと言われており、これがきっかけになったと言われております。ことほどさように様々な要因はあるにしても、ちょっとしたきっかけで戦争は起こります。外交は本当に慎重に、しかも隙を見せてはなりません。  それは、我々の生存を他人の諸国に委ねるという精神で書かれた憲法を守るということでは、他国に誤ったメッセージを与えることになります。ここでアフガニスタンのアメリカ軍の撤退に我々は何を思えばよいのでしょうか。自らの国は自らで守らなければ誰も助けてくれないという当たり前の話が現実に起こったのだと思います。我々日本人は考えなければならないと思います。  それでは、質問の第一点は、新たな財政運営指針と来年度の予算編成についてであります。  県では、新型コロナウイルス感染症対策のため、令和二年度以降、数次にわたる補正予算を編成し、感染拡大の防止や医療提供体制の整備、雇用の維持・事業の継続などに取り組んでまいりました。新型コロナウイルス感染症対策の増加やそれに伴う国庫支出金の増額などにより、本県の令和二年度一般会計の決算額は、歳入総額五千二百十億円余、歳出総額五千七十三億円余となり、ともに三年連続して前年度の決算額を上回るとともに、平成十四年度以降で最大のものとなりましたが、歳入では、新型コロナウイルス感染症の影響により法人二税は大幅な減少となり、歳出では、人件費や公債費等の義務的経費が三七・九%を占めております。  今後も県税や地方交付税などの一般財源総額の大幅な増加は見込めない中、対応が必要な諸課題にしっかりと取り組むとともに、公債費や社会保障関係経費などの増加にも対応する必要があるなど、将来的に持続可能で安定的な財政運営を確保していくためには、歳入、歳出の両面について、県民生活や県内経済への影響に留意しつつ、見直しを進める必要があります。  先般公表された新たな財政運営指針は、昨年、新型コロナウイルス感染症の影響により、財政需要や一般財源総額をはじめとする地方財政全体の見通しが極めて不透明な状況となったことから、本年度策定したものと聞いております。  そこで、まず、この新たな財政運営指針について、どのような考え方で策定されたのか、知事に質問をいたします。  一方で、現在の本県の状況を考えますと、防災・減災対策や人口減少・地域活力向上対策に加えて新型コロナウイルス感染症への対応など、本県の活力を維持していくための課題は増え続けております。また、本県がコロナ禍からできるだけ早く立ち直るためにも、ワクチン接種証明等も活用しながら社会経済活動を一日も早く取り戻すことが必要であることなど、取り組まなければならない課題は多岐にわたっております。さらに今後、全国各地でコロナ禍からの回復に向けて様々な取組が行われていく中で、本県の活力を生み出すためには人口を増加させる必要があり、地域間競争を勝ち抜き、人口増につなげていくためには、本県が特色ある施策を打ち出し、全国に向けて発信していく必要があると考えます。  現在、県が進めている財源不足解消に向けた取組も大切であるとは重々承知しておりますが、国においては、大胆な財政支出を提唱する現代金融論が注目されており、積極的な財政運営が議論されているところであります。本県においても、県民がコロナ禍で不安な状況から一日も早く立ち直り、活力ある香川県を実現するためには、早急に将来の種となる魅力ある施策に対し、積極的な財政支出をしなければならないと考えるのであります。  そこで、コロナ禍以前の課題に加えて、新型コロナウイルス感染症への対応が社会生活の中に組み込まれていく中で、社会の変化を的確に把握し、将来を展望した施策展開を期待しますが、来年度の予算編成についてどのような考えで臨むのか、知事に質問をいたします。  質問の第二点は、県有公共施設等総合管理計画の見直しについてであります。  本県では、これまで多様化する行政ニーズに応えるため、庁舎や学校、病院等の県有建物から道路施設や河川管理施設、港湾施設、土地改良施設上下水道施設等のインフラに至るまで、様々な公共施設等を整備してまいりました。これらの公共施設は、昭和三十年代以降の高度経済成長期から平成初期にかけて数多く整備されたものであり、その多くが老朽化が進んでおり、今後、維持管理や更新等に多額の経費が必要となることが見込まれ、また、その時期が集中することも懸念をされております。  このため、国では、平成二十五年に閣議決定した、いわゆる骨太の方針二〇一三において、「インフラの老朽化が急速に進展する中、「新しく造ること」から「賢く使うこと」への重点化が課題である」との認識が示され、その後、インフラ長寿命化基本計画を策定しており、これを受け、本県でも平成二十八年三月に、計画期間を平成二十八年度から令和七年度までの十年間とする香川県県有公共施設等総合管理計画を策定し、県有建物や道路施設、下水道施設などの施設類型ごとに具体的な取組を進めており、県有公共施設等の維持管理や更新、統廃合、長寿命化等に総合的かつ計画的に取り組んでいると聞いております。  これらの公共施設等については、定期的に全体の状況を把握し、国や市町とも連携しながら計画的に維持管理や更新などを行うことで、地域の実情に合ったまちづくりを進めていくことが重要であると考えます。  また、一方で、本県の人口は平成十一年の約百三万人をピークに減少に転じており、今後、人口減少の進行や少子高齢化による年齢構成の変化に加え、デジタル化の進展など社会情勢の変化により、公共施設等の利用形態や求められる機能が変化すること、さらには、使用頻度や需要量などが減少していくことも考慮する必要があります。  そのため、公共施設等の計画的な維持管理や更新だけではなく、長期的な展望に基づき、施設の効率的な運営の観点からの検討を行い、施設の統廃合や集約化を行うとともに、不要となる施設の廃止や売却などについても柔軟に行うことにより、財政負担の軽減や平準化を図っていく必要があると考えます。  国においては、経済財政運営と改革の基本方針二〇一九等を踏まえ、具体的な施設の状況に基づき、長期的な視点を持って公共施設マネジメントを推進する観点から、総合管理計画の見直しを行うことが重要であることが示されております。  こうした中、今定例会において県有公共施設等総合管理計画の改訂素案が示されておりますが、県では今後、どのような課題認識を持って同計画の見直しを行い、公共施設等の管理運営に取り組むのか、知事に質問をいたします。  質問の第三点は、昨今の災害を踏まえた防災・減災対策についてであります。  近年、全国各地で毎年のように風水害が発生し、甚大な被害がもたらされております。本年七月三日には、静岡県熱海市で大規模な土石流が発生し、多くの貴い命が失われるなど、甚大な被害がもたらされました。報道等では、土石流が発生した際、特定の地域で多くの方々の所在が分からない状況となる中、静岡県災害対策本部安否不明者の名簿を積極的に公表して広く情報を募りました。これにより、本人や知人から連絡が寄せられたことで救助対象者の絞り込みにつながり、救助活動が効率的に行われたとのことであります。  こうした熱海市の事例を踏まえ、内閣府及び消防庁は九月に、災害時における安否不明者の氏名等の公表に関する通知を都道府県に発出し、国としての考え方を初めて示しました。これによると、人命の救助活動の効率化・円滑化に氏名等公表が資する場合があることや、発災当初の七十二時間が極めて重要な時間帯であることを踏まえ、氏名等公表の可否や判断基準等について、市町や関係機関と連携の上、平時から検討することとされております。また、安否不明者の氏名等の公表は、人の生命または身体の保護のため緊急の必要がある際に行う個人情報の提供であることを踏まえて、個人情報保護条例に定める個人情報の利用や提供制限の例外規定の適用についての検討や、公表に伴い、DVやストーカー行為の被害者等が不利益を受けないよう十分な調整を図ることなどが求められております。  本県では、近年、豪雨等により大きな災害は発生しておりませんが、長時間にわたって大雨をもたらす線状降水帯による水害等はどこで発生してもおかしくないほか、本県にも甚大な被害が想定されている南海トラフ地震の発生確率も高まっており、大規模災害時の迅速かつ円滑な救助活動を遂行するためには、安否不明者氏名等公表についての判断基準、また、氏名等の公表や寄せられた安否情報の確認・共有に係る手続等について早期に検討を進めていく必要があると考えます。  そこで、熱海市の事例や国の通知も踏まえ、安否不明者の氏名等の公表の在り方について、本県における現在の対応状況と、今後どのように取り組んでいくのか、知事に質問をいたします。  また、大規模災害時に毎回のように課題となるのが、高齢者や障害者等の災害弱者と言われる方々の避難体制であります。災害のおそれがある場合など、避難情報が発令された際に、自ら避難することが困難な避難行動要支援者、以後要支援者と言いますが、地域の民生委員や自主防災組織などの支援を受けて指定避難所等の安全な場所に避難することになりますが、円滑な避難のためには、避難を支援する役割を担う方々が要支援者の情報を把握しておき、いざというときにどのように支援するのかを平常時から検討し、さらには避難訓練を実施しておくことが必要であります。  聞くところによると善通寺市では、本人の同意の下、民生委員や自主防災組織等に要支援者の名簿情報を提供し、名簿に登録されている全ての要支援者に対する個別避難計画の作成が終わっているそうであります。一方、残念ながら私の地元多度津町では、要支援者の名簿情報が民生委員や自主防災組織等に提供されておらず、個別避難計画の作成も進んでおりません。制度上は、市町が名簿を作成した上で、本人の同意を得て、避難支援の役割を担う方々に提供することになっておりますが、市町によっては名簿情報の提供やその活用において差異があることから、せっかくの名簿を要支援者の命を守るため有効活用するためにも、市町において要支援者の名簿情報が避難支援を行う方々に適切に提供されるよう、県が積極的に助言・指導を行う必要があると考えます。  いずれにせよ、本県では、現在のところ、避難行動要支援者名簿については、全ての市町において作成されておりますが、個別避難計画の作成については、善通寺市など一部の市町を除いてなかなか進捗していない状況にあります。  そこで、本年五月に災害対策基本法が改正され、個別避難計画の作成が市町の努力義務となったことも踏まえ、市町の取組を一層促進していく必要があると考えますが、今後、県としてどのように対応していくのか、知事に質問をいたします。  質問の第四点は、森林整備と森林資源の循環利用の推進についてであります。  先月三十一日から今月十二日にかけて、イギリスのグラスゴーで国連気候変動枠組条約第二十六回締約国会議、COP26が開催され、脱炭素社会を目指すパリ協定の目標達成に向けた世界の動きが加速しており、我が国においてもカーボンニュートラルに向けた具体的な対策が急がれております。  地球温暖化防止カーボンニュートラルの実現の観点から、近年、森林資源の循環利用を通じた二酸化炭素の吸収や固定、化石燃料の代替など、木材の機能が注目されており、二酸化炭素の吸収源である森林の適正な整備を推進する重要性が増しております。  このため、国においては、二〇五〇年カーボンニュートラルへの挑戦を、経済と環境の好循環につなげるため、二〇五〇年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略を昨年十二月に策定し、森林及び木材における炭素の長期・大量貯蔵を実現するため、主伐後の再造林等の推進や木質建築部材の開発や新素材開発等に取り組むこととしております。また、本年六月に閣議決定された森林・林業基本計画においては、森林を適正に管理して、林業・木材産業の持続性を高めながら成長発展させることで、二〇五〇年カーボンニュートラルも見据えた豊かな社会経済を実現することが方針として打ち出されました。  本県においても、地球温暖化の防止や循環型社会の形成を基本理念に取り入れた、香川県県産木材の供給及び利用の促進に関する条例を平成二十九年に制定し、県産木材の供給及び利用の促進を通じた森林の適正な整備等に取り組んできているところであります。また、先月策定したみどりの基本計画では、その柱の一つとして新たに「森林整備と森林資源の循環利用の推進」を掲げ、今年度から令和七年度までの五年間、「みんなで育て、活かす、みどり豊かな暮らしの創造」を目指して諸施策を展開していくこととしております。  しかしながら、本県の森林面積は、大阪府、東京都に次いで全国で三番目に小さく、また、森林が小規模零細な所有構造にあり、人工林も分散していることなどから、本県において、森林整備と森林資源の循環利用を推進する施策の成果を上げていくためには、こうした特性を踏まえた取組が必要になると考えます。  そこで、本県の特性を踏まえて、今後どのように森林整備と森林資源の循環利用の推進に取り組んでいくのか、知事に質問させていただきます。  また、こうした取組を進めていくに当たっては、林業についての専門的な知識や技術を有する人材の確保が重要でありますが、市町では林業職の人材が不足しているのが現状であり、県において必要な人材を確保し、市町を支援していくことが求められます。  そこで、県として人材確保をどのように進めていかれるのか、知事に質問をさせていただきます。  質問の第五点は、新型コロナウイルス感染症対策についてであります。  新型コロナウイルス感染症については、今夏、感染力の強い変異株の流行により、全国でこれまでにないスピードと規模で感染が拡大し、本県も急激な感染拡大によって、まん延防止等重点措置の適用に至ったところであります。この間も、県や市町では、国の求めに応じ、ワクチン接種の促進や加速化に努め、今月末には希望者への二回目のワクチンの接種完了を見込んでおります。これは、県を挙げての取組に対し、これまで会場の整備、接種券の配送や接種管理などに取り組まれた市町をはじめ、ワクチン接種に従事していただいた医療機関や、職域接種を行っていただいた企業や団体などの御努力の成果であり、関係する方々に心から敬意を表したいと思います。
     ワクチン接種については、国は、二回目接種を終えた十八歳以上の方について、三回目接種を行う方針を決定し、実施に係る詳細を示しました。現在、本県でも、二回目接種終了からおおむね八か月以上経過した方への三回目の接種について、来月から開始するための準備を進めていると聞いておりますが、これまでの課題を踏まえ、現場で再び混乱が生じないよう、円滑な接種体制を整備しておく必要があると考えます。加えて、報道では、米国では五歳から十一歳までの子供にも接種が始まり、我が国でも接種対象拡大の議論が進められていると思いますので、本県もその動向を注視しておく必要があります。  一方、本県の現在の新規感染者の状況は落ち着いておりますが、引き続き対策に万全を期すことが求められております。そうした中、国は、次の感染拡大に向けた安心確保のための取組の全体像を示し、その中で、ワクチン接種による効果を踏まえつつ、今後、感染力が二倍になった場合にも対応できるよう、都道府県ごとに必要な病床確保を含めた保健・医療提供体制確保計画の策定を要請しております。県では、国から示された考え方に従い、最大療養者数、最大要入院者数等の想定を行い、確保病床については二十六床増加し、二百六十四床としたと聞いております。現在、関係機関等とも調整を行いながら、保健・医療提供体制確保計画の策定作業を進めていると聞いておりますが、感染の再拡大時にも県民が安心できる総合的な保健・医療提供体制の整備が必要と考えます。  そこで、新型コロナウイルス感染症対策について、二回目のワクチン接種の状況と三回目の接種の円滑な実施に向けてどのように取り組むのか、また、今後の感染拡大に備え、保健・医療提供体制の整備等について、どのように取り組むのか、知事に質問をいたします。  質問の第六点は、結婚支援についてであります。  本年九月、厚生労働省から令和二年人口動態統計が公表され、昨年の全国の出生数が八十四万八百三十五人で過去最少となり、婚姻件数も五十二万五千五百七組に減少し、戦後最少となりました。これは、いまだ少子化に歯止めがかからず、ますます深刻さが増していることを示すものであり、少子化は、今この瞬間も進行しており、少子化への対応は遅くなればなるほど将来への影響が大きくなるため、早急に取組を進めることが必要であります。  昨年五月に閣議決定された国の少子化社会対策大綱によれば、少子化の主な原因として、若い世代での未婚率の上昇や初婚年齢の上昇を挙げており、若い世代の結婚をめぐる状況を見ると、男女ともに多くの人が、いずれ結婚することを希望しながら、「適当な相手に巡り会わない」、「資金が足りない」などの理由でその希望がかなえられていない状況にあるほか、「一生結婚するつもりはない」という未婚者の微増傾向も続いているとされております。  それに加え、昨年からの新型コロナウイルス感染症の感染拡大によって、私たちの生活様式は大きく変わりました。三密の回避が求められ、結婚式の中止や延期も生じており、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による不安が婚姻件数にも影響しているのではないか、また、コロナ禍が長期化することにより、その影響がさらに続くのではないかと危惧しているところであります。一方で、民間の調査では、コロナ禍で絆の大切さが改めて認識され、若い世代で結婚への関心が高まっているという調査もあるなど、その影響については様々な意見があります。いずれにせよ、コロナ禍にあっても、未婚化・晩婚化の流れを変えていくための工夫や、効果的な施策を進めていくことが必要とされております。  そうした中、県のかがわ縁結び支援センターが先月十四日に開所五周年を迎えました。平成二十八年十月の開所以来、企業など民間とも連携しながら、これまで多くの結婚を希望する男女の応援に取り組んできており、成果も上がっていると聞いておりますが、コロナ禍で出会いの場が少なくなる中、この節目に、県が結婚を希望する男女を応援する取組がより重要になっていると考えます。  そこで、結婚支援について、今後どのように取り組んでいくのか、知事に質問をさせていただきます。  質問の第七点は、経済対策についてであります。  現在、本県では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の長期化に伴う個人消費の減少や企業活動の停滞などにより、県内事業者は大きな影響を受け続けております。このような中、政府は、第二次補正予算の年内成立に向け、新型コロナウイルス感染症の拡大防止、「ウィズコロナ」下での社会経済活動の再開となる次なる危機への備え、未来社会を切り拓く「新しい資本主義」の起動、防災・減災、国土強靱化の推進など国民の安全・安心の確保の四つを柱とした経済対策を取りまとめたところであり、今後、国会での審議が行われる予定であります。  本県でも、これまで、飲食店への営業時間短縮要請や、まん延防止等重点措置に伴う協力金、酒類提供停止要請に伴う酒類販売業支援金、かがわ安心飲食店への認証取得応援金、事業者の営業継続応援金の支給などを行ってきておりますが、業種やまん延防止等重点措置の適用地域内との取引実績などが支援対象という限定が多くありました。コロナ禍による経済活動への影響が県内全域に及んでいることに加え、二年に及ぶ停滞からいまだ抜け出すことができていないことからも、国の補正予算の成立を待つことなく、早期に経済対策として県内事業者に対し、広く支援を行う必要があると考えます。  そこで、本県の現下の状況を踏まえ、県内事業者の事業活動を活性化させるための経済対策に、どのように取り組むのか、知事に質問をさせていただきます。  質問の第八点は、アフターコロナを見据えた企業誘致の取組についてであります。  香川県人口移動調査報告によると、本県の人口は平成十一年の百三万人余をピークに毎年減少し、昨年は九十五万人余となっております。同様に、生産活動を中心となって支える十五歳から六十四歳までの生産年齢人口は、平成元年の六十八万人余をピークに、令和元年では五十二万人余と、三十年間で約四分の三にまで減少しております。これは、二十歳前後の多くの若者が、進学や就職を契機として県外へ転出することが大きな要因の一つと言われております。  一方で、一昨年末からの新型コロナウイルス感染症の拡大により、大都市圏を中心に多くの新規感染者が発生したことから、身体的距離の確保や通勤等で混雑時の公共交通機関の利用の回避など、新しい生活様式の徹底が求められたこと、また、在宅勤務やオンライン会議がこれまで以上に普及したことに伴う働き方の変化もあり、大都市圏に住む人々が、よりよい生活環境を求めて地方に移住する地方回帰の動きが見られるようになってきており、この機を逃すことなく、本県への移住の促進等につなげていく必要があります。  大都市圏をはじめ県外からの移住や若者の県内定着を促進するためには、その生活基盤となる多様で安定した雇用の場の確保が重要であります。そのためには、既存の県内事業者による積極的な採用活動はもとより、情報通信関連産業などの若者が興味や魅力を感じるような新たな企業の立地による雇用の創出が必要であると考えます。本県では、これまでも企業誘致活動を積極的に行っており、工場誘致をはじめ、着実に成果が上がっていると聞いております。  そこで、まず、本県におけるこれまでの企業誘致の実績について知事に質問をいたします。  また、国において、安定した良質な雇用の創出を通じて地方への新たな人の流れを生み出すため、本社機能の地方移転等に対する税制上の優遇措置である地方拠点強化税制などの支援施策を実施したことに加え、新型コロナウイルス感染症の拡大による地方移住の動きなどもあり、企業も地方への機能移転や立地に目を向けてきております。  長引く新型コロナウイルス感染症の感染拡大は、県内経済にも様々な影響を与えており、アフターコロナにおいて本県の活力を取り戻すためには、交流人口だけでなく、移住・定住の促進による人口の増加が欠かせないことから、企業誘致はこれまで以上に重要となると考えております。  そこで、企業の地方への機能移転や立地の動きをめぐり、企業誘致の地域間競争が激化する中で、アフターコロナを見据えた今後の本県の企業誘致活動についてどのように取り組むのか、知事に質問をいたします。  質問の第九点は、今後の観光振興についてであります。  二年近くに及ぶ新型コロナウイルス感染症の感染拡大は、全国で緊急事態宣言や、まん延防止等重点措置が継続的に適用されるなど、人々の生活や社会経済に大きな影響を与えております。この間、感染防止のため、都道府県をまたぐ不要不急の移動や往来の自粛をはじめとする移動の制限が求められたことに加え、令和元年まで堅調に推移していたインバウンドによる外国人観光客の需要が、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う国の水際対策強化によって望めなくなり、観光需要が激減したことから、観光関連産業は大きな打撃を受け、現在も大変厳しい状況が続いております。  インバウンドについては、新型コロナウイルス感染症が収束し、国による入国時の水際対策が緩和され、観光客の入国が容易にできるまでには時間を要すると考えられ、早期の回復は見通せない状況であることから、当面は、国内観光客に重点を置いた観光振興に取り組む必要があると考えます。  国内観光客については、国のGo To トラベル事業が昨年七月二十二日から実施され、観光関連の需要を喚起していたところ、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、昨年十二月二十九日以降、全国で一時停止され、現在に至っても再開されていない状況でありますが、現在、感染拡大が下火となったことから、本県の新うどん県泊まってかがわ割など、都道府県内旅行客を対象とした事業が、本県を含む多くの県で再開されております。  これに加え、我が国の新型コロナウイルスワクチンの二回目の接種率が、今月一日には七二%を超えるなど順調に進捗していることなどから、国においては観光分野でのワクチン接種証明書等を活用した実証実験を実施しており、今後、Go To トラベル事業の再開も含め、都道府県をまたぐ移動を伴う観光振興のための施策に期待が集まっているところであります。  コロナ禍に伴う新しい生活様式の定着や、旅行に対する個々の価値観が多様化していることなどから、観光を取り巻く環境が大きな転換点を迎えていると言われている中で、今後、観光分野の地域間競争が一段と激化することが予想され、これまで以上に旅行者の新しいニーズに即した効果的な観光振興策が求められると考えます。  そこで、インバウンドの回復が見通せない中、新型コロナウイルスの感染影響下において、国内客を対象とした観光振興について、今後どのように取り組むのか、知事に質問をいたします。  質問の第十点は、環境保全型農業への取組についてであります。  近年、地球温暖化の進行に伴い、大規模災害の頻発に加え、種の絶滅や生息または生育域の減少など、生物多様性の急速かつ大規模な損失が問題となる中、国は、二〇五〇年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする脱炭素社会の実現を目指すことを宣言しております。国の環境に関する研究を行う国立環境研究所によると、地球温暖化に影響するとされる温室効果ガスの日本における排出量は、二〇一九年度にはCO2換算で十二億一千二百万トンであり、そのうち農林水産分野での排出量は約四千七百万トンと、全排出量の三・九%であるとされております。また、農業分野では、地球温暖化による自然災害に加え、農業従事者の減少や高齢化といった課題のほか、新型コロナウイルスを契機とした生産や消費の変化などといった新たな問題にも直面しており、将来にわたって食料の安定供給を図るためには、農業従事者の減少やポストコロナなども見据えた持続可能な農業を推進していくことが求められております。  このような中、本年五月、国は、みどりの食料システム戦略を策定し、二〇五〇年までに環境負荷の軽減を図りつつ、食料・農林水産業の生産力向上と持続性の両立をイノベーションにより実現するという新しい政策方針を示すとともに、十月には温室効果ガスの排出削減に向けた地球温暖化対策計画を改定し、二〇三〇年度の排出量を二〇一三年度比で四六%削減する政府目標のうち、三・五%分を農林水産分野で担う新目標を提示したほか、令和四年度の国の概算要求においても、みどりの食料システム戦略に関連する予算を重点事項としているところであります。  一方、本県でも、先般、策定された香川県農業・農村基本計画において、「環境に配慮した農業の推進」という項目を新たに設け、今後、農業の持つ自然循環機能を生かし、生産性との調和などに留意しつつ、土づくりなどを通じて化学肥料や化学農薬の使用量の削減などによる環境負担の軽減に配慮した持続的な農業、いわゆる環境保全型農業を展開していくというビジョンを示したところであります。  しかしながら、例えば、化学農薬や化学肥料を全く使用しない有機農業の面積は約七十三ヘクタールと、本県の耕地面積の〇・二%にとどまるなど、まだまだ十分とは言えない状況にあり、二〇五〇年度に二酸化炭素の排出を実質ゼロにするためには、有機農業を含む環境保全型農業の普及拡大を図ることが必要であると考えます。  そこで、本県では、今後、環境保全型農業にどのように取り組んでいくのか、知事に質問をいたします。  質問の第十一点は、ダムの整備についてであります。  近年、気候変動の影響により、全国各地で毎年のように発生する記録的な大雨による河川の氾濫などで、人命や社会経済に甚大な被害が発生しております。このような現状を踏まえて国においては、気候変動に伴い頻発・激甚化する水害・土砂災害等に対し、防災・減災が主流となる社会を目指すため、流域治水の考え方を示しており、これまでの河川、下水道、砂防、海岸等の管理者がそれぞれ主体となって行う対策に加えて、河川の流域のあらゆる関係者が協働して流域全体で行う治水対策を推進することとしております。  この国が示した流域治水の考え方を受けて県が策定した流域治水プロジェクトでは、ハード、ソフトの両面から様々な対策を講じることとしており、その柱の一つである氾濫をできるだけ防ぐ・減らすための対策を進めるためにも、新たなダムの整備や既存のダムの有効活用にしっかりと取り組んでいくことが重要であると考えられます。  さらに、本県は瀬戸内海式気候で雨が少なく、また、雨が降っても、川の延長が短く急勾配であり、すぐに海に流れ込むという地理的条件により度々水不足に見舞われてきたことから、洪水を防ぐだけでなく、水が豊富なときに水をためることができ、必要時に安定して水を供給するための水源確保の観点からも、ダムの整備は必要であります。  県では、現在、三つのダムについて事業が進められております。このうち県内最大の多目的ダムである椛川ダムについては、本年七月に竣工式が行われ、現在、試験湛水が行われており、その整備効果の一日も早い発現が望まれます。また、本年二月議会の我が会派の代表質問でのダム整備の現在の状況と今後の見通しについての質問に対し、知事からは、長柄ダム再開発事業については、早期の用地買収への着手を目指すこととしており、五名ダム再開発事業については、香川県広域水道企業団において実施された将来人口推計に基づく水需要予測で既存の水源の供給能力を下回る結果となったことから、ダム計画の見直しも含めた検討を進めることなどの答弁がなされました。いずれのダム事業も地元から早期整備が強く要望されているところですが、ダムの整備は完成までに非常に長い時間を要する事業であり、その効果を早期に発揮させるためには、計画的に、かつ着実に事業を進めていく必要があります。  そこで、椛川ダムの整備事業について、残された事業の今後の見通しはどのようになっているのか、また、今後の整備が予定されている長柄ダム再開発事業及び五名ダム再開発事業について、今後の整備に向けた方針を知事に質問いたします。  質問の第十二点は、県立特別支援学校における教育の推進についてであります。  近年、少子化により学齢期の児童・生徒数が減少している中、特別支援学校においては児童・生徒数が増加しているほか、小・中学校においても特別支援教育の対象となる児童・生徒が増加し、教育的ニーズの多様化も進んでいる一方で、慢性的な教室不足や教員不足などが全国的にも報じられており、本県も同じ傾向にあると聞いております。  こうした中、本年一月、中央教育審議会の「令和の日本型学校教育の構築を目指して」の答申において、新時代の特別支援教育の在り方が示されました。そこでは、障害のある子供の自立や社会参加に向けた主体的な取組を支援する視点に立ち、一人一人の教育的ニーズを把握し、その持てる力を高め、生活や学習上の困難を改善または克服するために適切な指導や支援を行うという考え方の下、障害のある子供の学びの場の整備・連携強化や、特別支援教育を担う教師の専門性向上などが大きな方向性として示されております。  県立特別支援学校では、これまでにも児童・生徒一人一人のニーズに応じた適切な指導や必要な支援に取り組んできたほか、小・中学校や保護者からの教育相談を行ってきたと聞いておりますが、こうした国の動きを踏まえ、これからの時代にふさわしい特別支援教育が行われるよう、より一層の充実が求められています。そのためには、それぞれの学校の学びの場の現状について課題を整理し検討していく必要があるとともに、より専門的な指導が行える教師の人材育成が必要になると考えます。加えて、地域の小・中学校などへの指導・支援にも当たる県内八校の県立特別支援学校は、地域のニーズに応えるセンター的機能としての役割を強化していかなければなりません。  また、現在、小豆地域では、本県で九校目となる特別支援学校の整備が進められているところであります。昨年度は、建設予定地の造成工事や校舎等の実施設計が行われ、今年度から校舎建設工事に着手するなど、令和五年四月の開校に向け、地元土庄町や小豆島町をはじめ様々な関係機関との連携の下、着実に準備が進められていると聞いております。小豆地域での特別支援学校の設置は、地元の方々にとって長年の悲願であり、島外の学校に遠距離通学や寄宿舎生活をしている児童・生徒とその保護者の利便性向上や負担軽減などが実現するだけでなく、今後、子供たちを地域で育てようという小豆島のよさを生かしつつ、まさに令和の日本型学校教育のモデルとなるような取組を進めていただきたいと、我が会派としても大いに期待を寄せているところであります。  そこで、新設校も含め、県教育委員会として、県立特別支援学校における教育の一層の推進に向け、今後どのように取り組んでいくのか、教育長に質問いたします。  最後に、質問の第十三点は、大規模地震災害への対応力の強化についてであります。  十月に入って、国内で最大震度五強を観測する大きな地震が続発いたしました。六日には岩手県沖を震源とする地震が発生し、その翌日の七日には千葉県北西部を震源とする地震が発生し、東京都二十三区内では東日本大震災以来十年ぶりとなる最大震度五強を観測し、鉄道のダイヤの乱れにより多くの帰宅困難者が駅前に長い列をつくる姿が報道されました。今年は、それまでにも最大震度五弱以上の地震が、二月に福島県沖、三月には和歌山県北部や宮城県沖、また、五月にも宮城県沖、さらに、九月には石川県能登地方で発生しております。このうち二月の福島県沖地震は東日本大震災を引き起こした地震の余震とされ、二名の方がお亡くなりになっております。改めて、我が国は地震大国であり、いつ、どこで、どのような地震が発生するか予断を許さない状況であることを実感するところであります。  本県においては南海トラフ地震の発生が懸念されており、マグニチュード八から九クラスの地震の発生確率は今後三十年以内に七、八〇%と高い値になると言われております。平成二十五年八月に発表された南海トラフ地震による本県の地震・津波被害想定調査報告書では、冬の深夜に最大クラスの地震が発生した場合には、死者六千二百人、負傷者一万九千人、避難所への避難者十一万九千人という甚大な被害等が想定されております。  本県では、これまで、このような被害を減らすため、建物の耐震化や津波対策をはじめ、家具類の転倒・落下防止に至るまで、様々なハード、ソフト両面での防災・減災対策が取られてきたところでありますが、実際にこのような大規模な地震が発生した場合には、建物等の倒壊や火災、あるいは津波による直接的な人的被害や要救助者の発生にとどまらず、土砂崩れ等による集落や施設の孤立、揺れによる信号機の損傷や大規模な停電による信号機の作動停止による交通事故や渋滞の発生などが想定されます。  このような困難な状況にあっても、県警察には、被災者の避難誘導及び救出・救助、行方不明者の捜索等のほか、検視・身元確認、各種交通対策、被災地における各種犯罪対策等の広範な活動に従事することが求められておりますが、こうした活動を迅速かつ的確に行うためには、日頃からの訓練に加えて、関係機関との連携や、県民の理解と協力を得るための取組が不可欠であると考えます。  また、過去の震災においても、制服を身につけた警察官の存在は、家族の安否を気遣いながら、さらなる災害の発生に不安を感じる中で、被災地を狙った犯罪を心配する被災者にとって大きな安心につながったと言われており、大規模地震等の発生時においても、各種の阻害要因に適切に対処しつつ、警察活動が継続されることは非常に重要であります。  そこで、県警察では、大きな被害の発生が想定される南海トラフ地震のような大規模な地震による災害への対応力を強化するために、どのように取り組んでいるのか、県警本部長に質問いたします。  以上で自由民主党香川県政会を代表しての質問を終わらせていただきます。(拍手、降壇) ◯議長(十河 直君)理事者の答弁を求めます。  浜田知事。    (知事浜田恵造君登壇) ◯知事(浜田恵造君)自由民主党香川県政会代表新田議員の御質問にお答えいたします。  まず、新たな財政運営指針と来年度の予算編成方針についてであります。  新たな財政運営指針につきましては、議員御指摘のとおり、一般財源総額が伸び悩む中、社会保障関係経費が累増するとともに、財源対策用基金が減少するなどの本県の置かれた財政状況並びに、新型コロナウイルス感染症への対応及び防災・減災対策、人口減少・活力向上対策など山積する諸課題に的確に対応しつつ、時代の流れを捉えた新たな課題にもチャレンジしていく必要性などを踏まえ、持続可能で計画的な財政運営を行っていくため策定したものであります。  新たな指針における財政見通しといたしましては、令和四年度から七年度までの四年間で八百七十四億円、年平均二百十八億円の収支不足が見込まれ、その対応として、財源対策用基金等の全額取崩し、資金手当債の活用などの歳入確保策や、予算執行段階での経費の節減、一層の事業の見直し、スクラップ・アンド・ビルドの徹底などの歳出抑制策を講じ、対象期間中の財源不足の解消を図ることとしております。  さらに、同指針の目標といたしましては、対象期間中の各年度の収支均衡はもとより、山積する諸課題への対応など、明日の香川づくりに必要な財源確保を図りながら、将来を見通した持続可能な財政運営に向け、社会経済情勢の変化などにも対応しつつ、引き続き県債残高の減少を目指すとともに、財源対策用基金について、対象期間中、収支均衡を図るため全額取り崩すこととしておりますが、今回新たに、災害等の不測の財政需要に備え、可能な限り取崩しを抑制するよう努めることといたしました。  私といたしましては、今後、一層厳しさを増す財政状況の中で、財政規律の確保に意を用いつつ、県政の諸課題に積極的に取り組んでいけるよう、新たな指針に沿って、中長期を見通した持続可能な財政運営を進めてまいりたいと考えております。  また、来年度の予算編成に当たりましては、今回策定した新たな指針に沿って財政の持続可能性を高めつつ、先般示された国の経済対策にも適切に対応するほか、足元の新型コロナウイルス感染症対策に万全を期すとともに、議員御指摘のとおり、本県の将来を展望し、新たな総合計画「みんなでつくるせとうち田園都市・香川」実現計画の基本目標である「せとうち田園都市の確かな創造」の実現に向け、直面する大きな課題である「災害に強い香川づくり」、「人口減少問題の克服と地域活力の向上」に加え、「デジタル化の推進、グリーン社会の実現などの社会変革への対応」などにも力点を置きたいと考えております。  具体的には、新型コロナウイルス感染症対策南海トラフ地震、豪雨災害等に備えた防災・減災対策などの喫緊の課題に対しては、引き続きスピード感を持って効果的な施策を展開するほか、社会変革へ柔軟に対応するため、行政や企業のデジタル化、脱炭素や地球温暖化対策を積極的に進めるとともに、情報通信関連産業をはじめとする戦略的な産業や観光の振興、農畜水産物のブランド力向上などにより、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた本県経済の回復・活性化や、感染症に強い社会・経済構造を構築できるよう、予算を重点的に配分してまいりたいと考えております。  さらに、企業誘致や移住促進、瀬戸内国際芸術祭二〇二二を契機としたアート県かがわの魅力向上などに加え、「子育て県かがわ」の実現に向けた取組、香川の将来を担う豊かな人間性と個性あふれる子供たちを育てるための教育の充実など、本県の将来の発展に資する施策にも重点を置き、限られた財源を有効に活用して、創意工夫を凝らしつつ、効果的でめり張りのある予算編成を行ってまいります。  次は、県有公共施設等総合管理計画の見直しについてであります。  県では、公共施設等の総合的な管理を推進するため、平成二十八年三月に香川県県有公共施設等総合管理計画を策定し、効率的な維持管理や更新等の実施、安全で安心できる公共施設等の維持、取組体制の整備等の三つの柱を掲げて取り組んでおります。  こうした中、少子高齢化や人口減少等の社会情勢の変化を見通して、国の公共施設等総合管理計画の策定にあたっての指針が平成三十年に改訂され、将来の財源の見込みを踏まえた維持管理・更新等に係る中長期的な経費の見込みや、今後の利用需要を考慮した数量等の適正規模など、検討すべき課題が示されたことから、今般、本計画の見直しの検討を行っているところであります。  具体的には、現在保有する施設等を対象に、一定の条件の下、今後三十年間の維持管理・更新等に係る経費の見込みを改めて試算したところ、長寿命化対策を行った場合の年平均額は、こうした対策を講じない場合と比べて約百二十億円縮減されて約四百二十億円となり、長寿命化対策には一定の効果が見込まれる一方、なお多額の経費が必要となります。  こうしたことから、厳しい財政状況を踏まえ、県有建物保全計画の策定や公共土木施設の補修箇所を計画目標に設定し、計画的に予防保全を行うことにより、施設やインフラの長寿命化に努め、ライフサイクルコストのより一層の縮減や平準化を着実に進めるとともに、施設の統廃合や集約化を行うなど、スクラップ・アンド・ビルドやダウンサイジングを基本として、国や各市町とも積極的に連携しながら、保有総量の適正化に努めてまいります。  私といたしましては、今後とも県議会の御意見を伺いながら、人口減少等の社会情勢の変化を踏まえ、財政負担の軽減を図るとともに、効率的かつ効果的な公共施設等の管理運営に取り組んでまいります。  次に、昨今の災害を踏まえた防災・減災対策についてであります。  災害時における安否不明者の氏名等の公表につきましては、本年六月に策定された全国知事会のガイドラインや、氏名等の公表が効率的な救助活動に寄与したとされる七月の熱海市の事例等も踏まえて、新たに県独自の公表基準を策定する必要があると考え、現在、検討を進めているところであります。  具体的には、個人情報保護条例の規定を踏まえつつ、住民基本台帳の閲覧制限等がない場合には、御家族の同意を得て、安否不明者の氏名や住所、性別等を県において公表することとしますが、人命救助や捜索活動の効率化や円滑化の観点から緊急を要すると判断した場合には、同意がなくても公表することとしたいと考えております。引き続きこうした考え方について、各市町や警察など関係機関と調整を進め、年内をめどに県としての基準を策定したいと考えております。  高齢者等の避難行動要支援者に対する避難体制につきましては、市町において要支援者の個別避難計画の作成が努力義務となったことから、その作成が進むよう、今月四日に開催した市町防災・減災対策連絡協議会において、先進事例の紹介や県の補助制度の活用などを説明したほか、県としても、地域の実情に詳しい自主防災組織や民生委員、ケアマネジャーなどに対して、引き続き作成への協力を働きかけてまいります。  また、平常時において避難行動要支援者の名簿情報を避難支援を行う方々に提供することにつきましては、発災時の迅速な救出・救助活動につながることから、取組が進んでいない市町に対して、速やかに本人の同意を得て、名簿情報を適切に提供するよう強く働きかけてまいります。  私といたしましては、県民の皆様の生命を守ることを最優先に、昨今の災害の教訓も踏まえながら、防災・減災対策に万全を期してまいりたいと考えております。  次に、森林整備と森林資源の循環利用の推進についてであります。  我が国においては、戦後植林された杉、ヒノキなどが本格的な利用期を迎えており、国においては、カーボンニュートラルに寄与するグリーン成長を実現する観点からも、伐採、木材利用、再造林の循環利用による森林の若返りなどを通じ、林業・木材産業の持続性を高めながら成長発展させることを目指すとされております。  一方、本県では、昭和四十年代後半に、松くい虫被害を受けた後にヒノキ等を植林したことから、全国に比べ林齢の若い森林が多くなっており、また、森林経営に適したヒノキ等の人工林の多くが小規模で分散しているほか、ため池や市街地に近接し、伐採による表層土の流出の影響を受けやすいといった特性を有しております。  こうしたことから、本県の特性を踏まえた森林整備と森林資源の循環利用を推進するため、皆伐を避け、長期的に間伐を繰り返すことで下流域への影響を最小限にとどめるなど、森林資源の長期的・持続的な利用を図るとともに、本県に適した小型の高性能林業機械の導入による林業の生産性の向上や、植林による森林資源の充実などに取り組む、環境に優しく持続可能な香川型林業を構築してまいりたいと考えております。  また、こうした香川型林業を進めていくためには、民有林の経営管理に大きな役割を担っている各市町と連携して取り組むことが重要でありますが、各市町には、林業の知識やノウハウを有した職員が十分には確保されていないことから、県では、昨年度までにかがわ森林アドバイザーを十五名育成し、市町での活用に努めるとともに、他県の取組事例等の情報提供や専門知識を高めるための研修を行うなど、各市町の支援に取り組んでおります。  私といたしましては、こうした取組により、森林整備と森林資源の循環利用を推進し、林業・木材産業の成長発展を図ってまいります。  次は、新型コロナウイルス感染症対策についてであります。  まず、ワクチンの接種状況は、今月二十三日時点の二回目の接種率は県人口の約七四%となっており、各市町に確認したところ、全ての市町において、国が目標とする今月末までに、希望者への接種がおおむね終了する見込みとなっております。  しかしながら、冬場を迎え、感染再拡大が懸念される中、一人でも多くの未接種の方に接種を御検討いただくことが求められますことから、幅広い年代をターゲットに、鉄道の中つり広告、駅やショッピングモール等でのデジタルサイネージなど各種媒体を活用した広報を今月七日から順次実施し、私からも県民の皆様に向けたメッセージ動画をユーチューブにおいて配信したところです。  三回目の追加接種につきましては、現在、各市町において、二回目接種からおおむね八か月以上経過した十八歳以上の全ての方を対象に接種の準備が進められているところであり、来月から医療従事者等への接種が開始され、来年一月からは高齢者への接種も開始される見込みとなっております。今月十九日には市町担当者会を開催し、現段階での準備状況や課題等について情報交換を行ったところであり、今後とも国からの通知等を踏まえ、各市町や関係機関と緊密に連携し、追加接種が円滑に実施できるよう、接種体制の整備や広報に努めてまいります。  保健・医療体制の整備につきましては、先月策定いたしました今後の保健・医療提供体制の構築方針で、今夏の本県における感染拡大時の課題等を検証した上で、感染のピーク時における最大療養者数を八百六十七人、最大要入院者数を百九十七人等と設定したところであり、今月末までに病床の確保などの具体的な取組を保健・医療提供体制確保計画として取りまとめ、国に報告することとしております。この計画において、病床は最大必要病床数二百四十六床を上回る二百六十四床を確保するとともに、一層の感染拡大に備え、臨時の医療施設を既存の酸素ステーションと合わせ二十床設置することとしております。  また、宿泊療養施設につきましては、新たに一棟を中・西讃地域に設置することとし、四棟で感染のピーク時における最大宿泊療養者数と見込んでいる二百七十人以上が療養できる体制を整えることとしております。  このほか、自宅療養をされる方への支援として、地域の医師等による健康観察や往診体制を整備するとともに、繁忙期における保健所機能の維持についての方策などを定めることとしており、今後、この計画に沿って、感染の再拡大時にも県民の皆様に安心していただける体制の整備を進めてまいりたいと考えております。  次に、結婚支援についてであります。  少子化の要因となっている未婚率の上昇や晩婚化の進行を抑制するためには、結婚を希望する男女の出会いや結婚を支援することが重要であり、議員御指摘のとおり、とりわけコロナ禍の中で、出会いの機会の創出や結婚支援の取組を一層進めていく必要があると考えています。  かがわ縁結び支援センターでは、平成二十八年の開所から先月末までに千八百十組のカップルが誕生し、そのうち百四十七組が成婚されているところですが、開所五周年を契機として、より多くの方に御利用いただけるよう、十月から十二月にかけて、県内三か所でのマッチング会員登録説明会や結婚応援セミナーの開催、プロのカメラマンによる会員登録のためのプロフィール写真無料撮影会などを実施しているところであります。さらに、マッチング会員の利便性向上を図るため、センターの開所日や時間にかかわらず、また、外出自粛期間でも、御自宅のパソコンやスマートフォンなどでお相手の閲覧やお引き合わせの申込みができるようシステム改修を進めており、来年一月十一日から稼働いたします。  また、引き続きボランティアである縁結びおせっかいさんのスキルアップ研修を実施しながら、縁結びマッチングでのお引き合わせの立会い、カップルの交際フォローなどの手厚い支援を行っていただくとともに、システム改修により、マッチング会員がセンターへ来所する機会が少なくなることを踏まえ、縁結び支援員による個別相談を行うなど、会員の皆様への支援を充実してまいります。  私といたしましては、センターの利便性向上や支援体制の充実に、より積極的に取り組み、一組でも多くの成婚につなげるとともに、お引き合わせの場所等を提供する応援団体や社員等にセンターへの登録等を案内する協力団体、各市町の取組とも連携し、県全体で結婚を希望する男女を応援する機運の醸成を図ってまいりたいと考えております。  次に、経済対策についてであります。  コロナ禍が長期化する中で、感染拡大防止のため、都道府県をまたぐ移動制限や不要不急の外出自粛を要請したことに伴い、県外からの来訪や県民の皆様の外出が減少したことなどにより、その影響を受けた県内事業者が厳しい経営環境に置かれていることから、本県では、これまで給付金や助成金、融資などの各種支援策を実施し、県内事業者の事業継続を支援してまいりました。現在も、売上げの減少に直面した事業者の事業継続を支援するため、九月議会で御議決いただいた、幅広い業種の事業者が活用できる第三次の営業継続応援金や、飲食店に酒類を納入する事業者を対象とした酒類販売業支援金のほか、雇用維持への支援として緊急雇用維持支援金の申請受付を行っているところであります。  一方で、今月二十日以降、新型コロナウイルス感染症に対する香川県対処方針に基づく警戒レベルを準感染警戒期から感染予防対策期に移行し、感染拡大の防止に努めながら社会経済活動の回復に向けて取り組んでいるところでありますが、今月五日に開催しました新型コロナウイルス対策本部会議における経済・雇用対策ワーキングチームの報告などによると、新型コロナウイルス感染症の影響は、宿泊業、飲食サービス業をはじめ幅広い業種に及び、現在も厳しい状況が続いているものと認識しております。  このようなことから、国に対して、全国知事会を通じ、補正予算による大胆かつ強力な経済対策の断行による事業者への支援や雇用対策を要請しておりますが、議員御指摘のとおり、県内事業者の事業活動を活性化させるための経済対策が早期に必要であると考えております。
     そこで、新型コロナウイルス感染症の影響が残る県内事業者を幅広く下支えする支援を行うことにより、早期の営業活動の回復や次の事業展開へつなげていただくことを目的として、本年十月から十二月の県内事業所での売上げの合計額が、令和元年または平成三十年の同期比で二〇%以上減少している事業者に支援金をお支払いする香川県営業活動回復加速化支援事業や、公共交通機関等の維持・確保を図るため、特に厳しい経営環境に置かれている公共交通事業者等が実施する新しい生活様式に対応した取組に対し助成する公共交通等利用回復緊急支援事業を、今議会に補正予算として御提案しているところであります。  私といたしましては、今後の再度の感染拡大につながらないよう十分に留意し、感染防止対策の徹底に努めながら、一日も早く社会経済が回復するよう、国や各市町、関係団体とも連携し、時機を逸することなく必要な支援に全力で取り組んでまいります。  次に、コロナ収束後を展望した企業誘致の取組についてであります。  地方移住への関心や企業の拠点整備の機運の高まりを好機と捉え、若者にとって魅力的な企業の立地を進めていくことは、若者の働く場の確保や新たなビジネスの創出にもつながるものであり、コロナ収束後の地域の活力を取り戻していくために重要であると考えております。  このため、県が大都市圏の製造業等の事業者を対象に実施している企業立地アンケート調査について、昨年度からは、新たに情報通信関連産業も対象に加え、地方への移転や拠点開設等を検討している県外企業に、本県の温暖な気候や自然災害の少なさ、医療水準の高さ、世界に誇れる瀬戸内の景観など、本県の優れた立地環境をアピールしてきたところであります。  その取組の中で、昨年度、番の州臨海工業団地に兵庫県のゴム・ビニール手袋製造国内最大手であるショーワグローブ株式会社が、国内初の医療用等ゴム手袋の製造工場を、広島県の株式会社ハローズが、四国物流センターをそれぞれ設置することを決定し、情報通信関連では、給与計算業務受託の国内最大手で東証マザーズに上場する東京都の株式会社ペイロールが、本年七月に高松市に事務処理センターを開設したところであり、これらを含めた企業立地件数は、新・せとうち田園都市創造計画において平成二十八年度から昨年度までの五年間の目標であった百四十件を上回る百五十八件となったところであります。  また、新たな雇用の創出について、株式会社ペイロールは、パート社員を含め約百七十名を既に雇用し、ショーワグローブ株式会社は、来春、県内高校の新卒者七名を一年前倒しで採用するとともに、令和五年度に予定している本格稼働時までには約二百名を新規に雇用すると伺っております。さらに、このたび、東京都に本社を置く情報通信関連企業で、企業や自治体のアウトソーシング事業やICTを活用したDX推進運営事業等を行う東証一部上場の株式会社エスプールが、来年二月、三豊市に事務処理センターを開設することを決定したところであります。同社は、創業開始時に三十名程度の従業員を雇用した上で、県内企業のECサイトの受注処理や人材採用の受付代行のほか、企業や自治体のオンライン窓口業務を請け負うことにより、事務手続のデジタル化にも積極的に取り組むとのことであり、地域の雇用創出のほか、地域のDXの推進にも貢献いただけるものと考えております。  今後は、コロナ収束後を展望した上で、本県が持つ特性や独自の優遇制度等について、情報通信関連企業等が参加する産業フェアへの出展や県ホームページなどの各種広報媒体を通じた情報発信に努めるとともに、企業訪問とオンラインでの会議等を効果的に併用しながら、より一層積極的に県外企業の誘致に取り組んでまいります。  私といたしましては、引き続き私自身が直接企業のトップにお会いして、本県の立地環境の優位性や支援施策のPRに努めるとともに、各市町や金融機関、不動産事業者等と緊密に連携し、ワンストップサービスの一層の充実を図ることにより、若者が魅力を持つ働く場の確保と地域経済の活性化につながる企業の立地を促進してまいります。  次は、今後の観光振興についてであります。  議員御指摘のとおり、インバウンドの早期回復が見通せない中、まずは国内からの誘客に重点を置き、厳しい経営状況にある観光関連産業の回復に向け、即効性のある需要喚起に取り組むとともに、コロナ収束後を展望し、多様化する旅行ニーズに対応した施策を展開していく必要があると認識しております。  現在、国の補助金を活用し、県民の皆様を対象に県内宿泊費用等を助成している新うどん県泊まってかがわ割については、広報等による利用促進に努めるとともに、感染状況を踏まえた利用期間の延長や対象地域の拡大を国に要望してきたところ、先般、国から制度の見直しが示されたことから、その内容を踏まえ、一層の需要喚起に取り組んでまいります。  また、宿泊施設が行う非接触チェックインシステムの導入やワーケーション利用を促進するためのWi─Fi環境の整備など、観光客が安全・安心に旅行するための感染対策や新たな需要創出に向けた取組についても支援しており、先月末現在で、三百三十五の宿泊施設から五億二千万円余の交付申請を受け付けております。  さらに、本県の豊かな資源を活用したイベントや体験コンテンツ造成等に支援を行うとともに、個人旅行者の利用が多いインターネット上のみで取引を行う旅行会社、いわゆるOTAと連携し、コロナ禍において注目されているアウトドア・アクティビティーなど、新たな体験型商品を十九商品造成し、先月から販売を開始しました。  そのほか、個人旅行の増加に向けて、旬の観光情報を県公式観光サイトやSNSでタイムリーに紹介するとともに、テレビ番組や雑誌等を通じ、インターネット以外での発信にも継続的に取り組んでおります。  私といたしましては、これらの取組を着実に進めるとともに、今後の観光需要の変化に的確に対応した施策を積極的に展開することにより、本県への誘客促進に全力で取り組んでまいりたいと考えております。  次は、環境保全型農業への取組についてであります。  県では、これまで消費者の安全志向やニーズの多様化などを踏まえ、化学農薬・化学肥料の使用低減や有機農業など、環境保全型農業の取組を進めてまいりましたが、通常の農業生産に比べ労力やコストがかかること等から、品目や対象者、技術の導入が限定的となっており、普及定着が十分に進んでいない状況にあります。  こうした中、本年五月に国が策定したみどりの食料システム戦略では、農業や地域の将来も展望した持続可能な食料システムの構築に向け、農業分野における脱炭素化や環境負荷の軽減が施策の柱に位置づけられたところであり、環境保全型農業の推進は、今後より一層重要となってきております。  このため、県では、環境保全型農業の持続的発展に向けた今後の方向性を示す、かがわの「環境にやさしい農業」推進計画を今年度新たに策定することとしており、産地に適した栽培技術や省力化技術の普及、有機農業指導員の確保・育成などによる「環境にやさしい農業の取組拡大」と、有機農産物等のPR強化などによる「環境にやさしい農産物の需要拡大」を車の両輪として、各種施策を連動させながら進めていきたいと考えております。  また、こうした取組は、農業者や農薬・肥料メーカー、食品事業者、消費者、行政などが一体となって推進していく必要があることから、各主体の関係者による推進体制を新たに組織し、情報共有を図りつつ、総合的かつ計画的に進めてまいりたいと考えております。  私といたしましては、生産者はもとより、消費者も含め、環境保全型農業への理解促進を図るとともに、技術革新等も踏まえ、各種施策に積極的に取り組むことにより、環境に優しい農業を推進し、本県農業の持続的発展につなげてまいりたいと考えております。  最後は、ダムの整備についてであります。  まず、椛川ダムにつきましては、本年三月から試験湛水を開始し、先月末時点の総貯水容量に対する貯水率は約四一%となっており、今後、洪水調節容量の確保のため、洪水期には貯水位を一時的に低下させながら試験湛水を進め、令和六年度中の完了を見込んでいるところであります。  なお、試験湛水中においても、渇水時には新規水道用水の取水が開始できるよう、現在、香川県広域水道企業団など水利用に係る関係機関との調整を行っているところであります。  また、長柄ダムの再開発につきましては、付け替え町道等の用地取得に向け、用地測量などを進めているほか、来年度から用地買収に着手するには建設に要する費用等を定めるダム工事に関する全体計画の策定が必要であるため、詳細な地形測量や地質調査を実施した結果、ダムの高さが一・二メートル高くなることや、掘削除去する必要がある風化した岩盤の量が約二倍に増加すること、労務単価上昇等の社会的要因の影響などから、全体事業費が百五十億円から二百二十一億円に増額となる見込みとなったところであります。  なお、椛川ダムについては、最終的な全体事業費は四百六十三億円、工期としては二十七年を要しております。  ダム事業は全体事業費が大きく、事業期間も長期に及ぶことから、今後、国との協議や公共事業評価委員会の御意見も踏まえ、今年度中に全体計画を策定するとともに、ダム本体の実施設計において、事業費の縮減や予算の平準化を検討しながら事業を進めてまいりたいと考えております。  一方、五名ダムの再開発につきましては、東かがわ市での新規水道用水の取扱いについて香川県広域水道企業団とともに検討し、国とダム計画の見直しも含めた協議を重ねた結果、新規水道用水の水源確保は行わないことで合意が得られたところであります。企業団からは、早明浦ダムを水源とする香川用水の取水制限が頻発する中、本県における水道水源の確保に向け、現況の水道施設を活用できる範囲で異常渇水による県民生活への影響を緩和するため、五名ダムにおける新たな水源の確保に向けて検討する必要があると伺っており、引き続き企業団と協議を行うこととしております。  私といたしましては、県民の皆様の安全・安心の確保のため、厳しい財政状況の中ではありますが、今後とも香川県広域水道企業団、地元市町等との連携を図りながら、計画的なダムの整備に努めてまいりたいと考えております。(降壇) ◯議長(十河 直君)工代教育長。    (教育長工代祐司君登壇) ◯教育長(工代祐司君)自由民主党香川県政会代表新田議員の県立特別支援学校における教育の推進についての御質問にお答えいたします。  県教育委員会では、特別支援学校における幼児・児童・生徒の障害の状態が重度・重複化、多様化している現状に対し、例えば、コミュニケーションや学習を補う手段としてのICT活用の拡充や、医療的ケアを必要とする幼児・児童・生徒が安心して学校生活を送ることができるよう、看護師配置をはじめとする実施体制の整備を図るなど、一人一人の学びを大切に、教育環境の整備と充実に努めております。  また、特別支援学校は、地域の小・中学校等からの相談に対する指導・助言や研修協力など、特別支援教育のセンター的機能も果たしており、きめ細かな支援を行えるよう、特別支援学校教員の専門性向上のための研修の提供や、オンラインを活用した相談しやすい環境づくりの提案など、支援体制の充実に取り組んでおります。  さらに、小豆地域に初めて設置する特別支援学校については、令和五年四月開校に向けて、現在、建設工事を進めており、新設校では、池田小学校に隣接する学習環境を生かして、日常的・継続的な交流及び共同学習に取り組むことや、小豆島の恵まれた自然や環境の中で、地域の方々との触れ合いや島の資源を活用した学習を積極的に取り入れることで、お互いを尊重し合う豊かな人間性や、ふるさとを愛する心を育んでまいります。  校名につきましては、地元の皆様の願いが込められた学校であり、学校と地域が手を携えて子供たちを育てていこうという基本理念と、何より、子供たちが伸び伸びと仲よく学んでほしいとの思いから、「小豆島みんなの支援学校」としたいと考えております。今後、開校までの諸準備が適切に進められるよう、令和四年二月県議会定例会で香川県立学校条例の改正をお願いしたいと考えております。  また、議員御指摘のとおり、中央教育審議会答申において新時代の特別支援教育の在り方が示されたことから、現在、学識経験者や福祉・療育の専門家等から成る、今後の香川県立特別支援学校の在り方検討委員会を設置し、取り組むべき具体的施策について議論いただいているところであり、在籍者数の増加に伴う教室不足や狭隘化に対する早急な解消についての提言、教員に対するOJTによる研修強化やオンライン研修の活用、関係機関との連携強化の在り方など、具体的な御意見もいただいております。  県教育委員会といたしましては、検討委員会におけるこうした議論も踏まえ、新設校を含めた県立特別支援学校九校において、障害のある子供の自立や社会参加を目指し、一人一人の教育的ニーズに応じた特別支援教育の一層の充実に取り組んでまいります。(降壇) ◯議長(十河 直君)今井警察本部長。    (警察本部長今井宗雄君登壇) ◯警察本部長(今井宗雄君)自由民主党香川県政会代表新田議員の大規模地震災害への対応力の強化についての御質問にお答えいたします。  議員御指摘のとおり、本県では南海トラフ地震の発生が高い確率で予想されており、大規模災害から県民の皆様の生命・身体・財産を守ることは県警察の重要な責務と考えております。  県警察といたしましては、平素から危険箇所の実態把握、各種教養・訓練の実施、装備資機材の充実等により災害への対応力の強化に努めているほか、県警察だけで対処することが困難な場合には、全国から派遣される警察災害派遣隊とともに、初期における救出救助のみならず、パトロール等の長期的な対応を行うこととしております。また、関係機関と緊密な連携が図れるよう、消防や自衛隊との合同による救出救助訓練を行っているほか、災害発生時に自治体に設置される災害対策本部に派遣する連絡要員を指定し、情報共有を行うなど、平素から顔の見える関係の構築に努めております。  一方、大規模災害への対応に当たっては、地域住民の皆様の理解と協力が不可欠であるため、地域の防災訓練に積極的に参加するとともに、防災教室や広報誌等を通じて早期避難の重要性について呼びかけるなどの情報発信を行っております。さらに、大規模災害発生時にも警察活動を継続できるよう、警察施設の耐震化をはじめとする耐災害性の向上、非常電源設備の整備、代替施設の確保、食料・飲料水の備蓄、民間事業者との連携等による警察活動の基盤確保に努めております。  県警察といたしましては、危機管理体制について不断の見直しを行い、今後発生が懸念されるあらゆる大規模災害を見据え、災害への対応力を一層向上してまいります。(降壇) ◯議長(十河 直君)理事者の答弁は終わりました。  暫時休憩いたします。                         午前十一時五十五分休憩                         午後 一時  七分開議     ─────────────────────────────   出  席  議  員    十  河     直 君    高  城  宗  幸 君    鏡  原  慎一郎  君    松  岡  里  佳 君    白  川  和  幸 君    岡  野  朱里子  君    秋  山  時  貞 君    斉  藤  勝  範 君    松  本  公  継 君    森     裕  行 君    米  田  晴  彦 君    木  村  篤  史 君    山  本  悟  史 君    谷  久  浩  一 君    氏  家  孝  志 君    高  木  英  一 君    樫     昭  二 君    山  田  正  芳 君    香  川  芳  文 君    高  田  良  徳 君    竹  本  敏  信 君    三  野  康  祐 君    新  田  耕  造 君    松  原  哲  也 君    広  瀬  良  隆 君    辻  村     修 君    石  川     豊 君    尾  崎  道  広 君    宮  本  欣  貞 君    山  本  直  樹 君    黒  島     啓 君    五所野尾  恭  一 君    花  崎  光  弘 君    大  山  一  郎 君    都  築  信  行 君    鎌  田  守  恭 君    平  木     享 君   欠  席  議  員    西  川  昭  吾 君    綾  田  福  雄 君    ─────────────────────────────         地方自治法第百二十一条第一項による出席者           知     事    浜  田  恵  造 君           副  知  事    西  原  義  一 君           病院事業管理者    太  田  吉  夫 君           審  議  監    大  山     智 君           政 策 部 長    淀  谷  圭三郎  君           総 務 部 長    椋  田  那津希  君           危機管理総局長    寺  嶋  賢  治 君           環境森林部長     木  村  士  郎 君           健康福祉部長     土  岐  敦  史 君           商工労働部長     近  藤  清  志 君           交流推進部長     佐  藤  今日子  君           農政水産部長     新  池  伸  司 君           土 木 部 長    西  川  英  吉 君           文化芸術局長     小  川     剛 君           子ども政策推進局長  吉  田  典  子 君           会計管理者      田  中  一  裕 君           病 院 局 長    岡  田  総  一 君           デジタル戦略総室長  井手下   慶  博 君           知事公室長      尾  崎  英  司 君           教  育  長    工  代  祐  司 君           公安委員会委員長   泉     雅  文 君           警察本部長      今  井  宗  雄 君           代表監査委員     木  下  典  幸 君           監査委員事務局長   田  井  慎  二 君           人事委員会委員    高  濱  和  則 君
              人事委員会事務局長  森  岡  英  司 君           労働委員会事務局長  河  内  一  裕 君    ───────────────────────────── ◯議長(十河 直君)再開いたします。  休憩前に引き続き、代表による質疑・質問を続行いたします。  自由民主党議員会代表石川 豊君。    (石川 豊君登壇、拍手) ◯石川 豊君 私は、ただいまから香川県議会自由民主党議員会を代表して、当面する県政の諸課題について、知事、教育長にお伺いいたします。  質問に入るに先立ちまして、一言申し述べたいと思います。  明治維新以降、近代の日本は大きな変革の波に襲われました。第一の波は幕末から明治維新、第二の波は敗戦からGHQ占領の戦後の時代、第三の波は協調から対立への二十一世紀世界覇権争いの見通しの利かない時代に。今、日本の国は令和の時代ですが、昭和は激動の時代であり、平成は激変の時代であり、令和は挑戦・チャレンジの時代であるとも言われております。  政治は何をやっているんだと皆さんからお叱りをいただかないためにも、信頼される政治でなければなりません。信頼される政治は、真実を語ることからだと思います。また、政治は極論であり、極論は本音であります。建前と本音の使い分けをやめて、本音をぶつけ合って真剣に議論することが、今の政治に一番求められていることだと思います。それを怖がっては、信頼される政治はできないと思っております。  令和の時代の日本人は、先人が残してくれた歴史・伝統・文化に内在する日本精神を自らに正しく刻み込んで、やすきに走るな、社会のために尽くせに戻らなければならない時代ではないだろうか。誇りある日本人として、令和の時代に生きる日本人に課せられた責務であるように思います。  以上、申し上げまして、質問に入ります。  質問の第一点は、新たな財政運営指針を踏まえた財政運営と来年度予算編成についてであります。  昨年来、長期にわたり猛威を振るう新型コロナウイルス感染症は、九月三十日をもって、全ての都道府県において緊急事態措置及びまん延防止等重点措置が解除されました。本県の感染状況は、ワクチン接種の進展に伴い落ち着きが見られるものの、足元の経済状況は、外出自粛や移動自粛、時短営業といったこれまでの感染拡大防止対策や社会生活の変化が、県内の事業活動に大きな影響を及ぼしており、この冬に向けて再度の感染拡大の可能性も否定できず、当面、不透明な状況が続くと予想されることからも、とにかく、まずは県内経済の回復・正常化に向け、着実に対策を講じていかなければなりません。  その一方で、防災・減災対策をはじめ、人口減少対策や地域活性化への取組、高齢化社会への対応としての社会保障施策の推進、地域公共交通の確保、県内中小企業への支援や企業誘致といった本県が従来直面する様々な課題につきましても、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、さらに厳しさを増したものと言えます。  そうした中、計画的な財政運営を行うために県が今般策定した新たな財政運営指針では、本県の財政状況は、対象期間である令和四年度から令和七年度については、資金手当債の活用増などの歳入確保策や一層の事業の見直しによる歳出抑制策を最大限講じることができれば財源不足解消が可能とされているものの、今後も厳しい状況が続く見通しとなっております。しかしながら、県民生活を守り、本県の確かな未来を築くためには、新型コロナウイルス感染症の影響による眼前の課題への対応に止まることなく、その先を見据え、持続可能な財政運営と山積する諸課題への対応の両立にしっかりと取り組んでいくことが求められます。  そこで、新たな財政運営指針を踏まえ、今後の財政運営をどのように進めていくのか、また、来年度当初予算の編成時期を迎えるに当たり、どのような考えで予算編成に臨むのか、知事のお考えをお伺いいたします。  質問の第二点は、消防団の充実強化についてであります。  消防団は、火災だけに限らず、災害時においても非常に大きな役割を担っています。活動中に命を落としてしまう危険性と常に隣り合わせであります。地震だけに限らず、近年は豪雨など大規模災害が日本各地で頻発しており、消防や警察、自衛隊といった公的機関の援助や支援活動だけでは、どうしても人手が足りない中、消防団の果たすべき役割は大きいものがあります。消防団は地域密着性、動員力、即時対応力を持っており、期待はこれからも大きくなる中、近年、消防団員数は全国的に減少傾向にあり、特に二十代の入団者数が著しく減少するなど、若年層の新規加入の増加が喫緊の課題となっております。  消防団を取り巻くこうした厳しい状況を受け、国は、団員数を確保することを目的とした消防団員の処遇等に関する検討会を昨年十二月に発足し、これまで七回の議論を重ね、本年四月には、消防団の処遇の在り方について、また、八月には、平時の消防団活動の在り方や団員確保策などについて報告書が取りまとめられました。報告書では、消防団員の適切な処遇の在り方として、出動に応じて支払われる出動報酬と、個々の出動とは別に消防団員に対して年額で支払われる年額報酬の標準的な額が示されたほか、消防団員に対する理解を促進するための広報活動の充実、さらには、女性や学生の入団促進といった団員確保策などが示されております。この報告結果を踏まえ、国においても四月に消防団員の報酬等の基準が策定されたことから、県内市町においても関係条例の改正が進められていると聞いております。  地域の消防団員は、火災がいつ起こるか分からないため、いつでも出動できるよう団員は生活上の制約も多く、精神的負担も大きいはずです。団員はいわゆるボランティアではなく、特別職の地方公務員として報酬が支払われております。報酬や手当が適切に処理されているか、自治体側からの管理体制の充実をも図らなければならないと考えます。  そこで、まず、県内消防団員の処遇改善に向けた、これまでの県の対応と市町における取組状況について、次に地域防災力の中核としての役割がますます重要となっている消防団の充実強化に向け、県としてどのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。  質問の第三点は、脱炭素に向けた行政の率先した取組についてであります。  先月末から今月にかけてイギリスで開催された国連気候変動枠組条約第二十六回締約国会議、いわゆるCOP26では、今後の世界的な気候変動対策の推進に向けた各国の取組が表明されるなど、脱炭素社会を目指す世界の動きは強まっております。  我が国においても、昨年十月、二〇五〇年までに二酸化炭素の排出を実質ゼロにするカーボンニュートラルを目指すことを宣言して以降、「グリーン社会の実現」が主要施策の一つに位置づけられた二〇五〇年カーボンニュートラルの実現に向け、本年五月には地球温暖化対策の推進に関する法律が改正されたところです。この法律の改正により、地域の再エネを活用した脱炭素化を促進する事業を推進するための制度が新たに創設されるとともに、企業の温室効果ガス排出量情報をより迅速かつ透明性の高い形で見える化するための仕組みを導入し、企業の脱炭素に向けた前向きな取組が評価されやすい環境を整備するなど、地域や企業における脱炭素化の一層の推進が図られております。  また、六月に、脱炭素社会の実現に向けた地域における移行戦略として地域脱炭素ロードマップが策定されたほか、脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律が成立し、さらに、先月には、国の新たな地球温暖化対策計画やパリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略も閣議決定されるなど、脱炭素社会の実現に向けた動きが加速化しています。  こうした動きに対して、県も、本年二月に二〇五〇年までに二酸化炭素の排出を実質ゼロにすることを目標に掲げる表明を行うとともに、先月、新たな香川県地球温暖化対策推進計画を策定し、二〇二五年度の温室効果ガス排出量を二〇一三年度比で三三%削減するという目標を掲げたと承知しております。  もはや環境対策は経済の制約ではなく、社会経済を大きく変革し、投資を促し、生産性を向上させ、力強い成長を生み出す鍵となるものであり、目標の達成に向けて、県民、事業者、行政など、全ての主体が方向性を一にし、一丸となって対策を進める必要があります。そのためには、行政が、県民や事業者の取組への支援に加え、県自らが率先して取り組むことで、県全体を力強く牽引していくことが必要ではないでしょうか。  そこで、脱炭素に向け、県自らの取組をどのように進めようとしているのか、知事にお伺いいたします。  質問の第四点は、介護人材の確保についてであります。  少子高齢化の進展に伴い、今後ますますの、介護が必要となる高齢者の増加と、介護人材の担い手となる現役世代人口の減少が見込まれます。本県の人口に占める十五歳から六十四歳の生産年齢人口の割合は全国よりも低い一方で、六十五歳以上の高齢者人口の割合は全国よりも高く、二〇一九年の生産年齢人口が五五・九%、高齢者人口が三一・八%であったのに対し、二〇四〇年には生産年齢人口が五二・一%と三・八ポイント低くなり、高齢者人口は三七・〇%と、五・二ポイント高くなると推計されております。  高齢者が、介護が必要な状態になっても、可能な限り住み慣れた住宅や地域で自分らしい暮らしを続けるためには、高度化・多様化が見込まれる介護ニーズに的確に対応できる質の高い介護人材の安定的な確保が重要であります。  本年七月、国は、二〇四〇年度には介護職員の必要数が約二百八十万に上るとの推計を公表し、二〇一九年度の職員数は約二百十一万人で、新たな人材確保が進まなければ、団塊の世代全員が後期高齢者になる二〇二五年度には約三十二万人不足し、二〇四〇年度には約六十九万人不足すると試算しています。本県の介護職員数について見ると、二〇二五年度では約千三百人の介護職員が不足し、本県の八十五歳以上人口が一割を超える二〇四〇年度には、このままだと約四千百人もの介護職員が不足すると見込まれておりますほか、本県の本年九月の有効求人倍率は一・三六倍であるのに対し、職業別で見ると介護サービスは三・二四倍であることなどからも、慢性的な介護人材不足の状況がうかがえます。  一方、公益財団法人介護労働安定センターが実施した調査では、自宅などを訪問し、日常生活を助けるホームヘルパーの四人に一人が六十五歳以上の高齢者であり、高齢者が支え手となっている状況も浮き彫りとなっています。  これらを踏まえますと、現役世代だけで介護ニーズに対応していくにも限りがあり、多様な人材を受け入れる環境整備など、介護分野への参入促進を図る仕組みが必要です。  さらに、要介護リスクの高い高齢者が急増する中、労働力人口自体が減少を続ける一方で、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止対策など介護職員の業務負荷はさらに増しているものと伺っており、介護職員の負担軽減と介護業務の効率化は喫緊の課題であると考えます。また、他業種に比べ介護職員等の処遇改善が遅れているとして、国において早期の賃金アップを目指し、具体的な検討に着手するとの報道もありました。  そこで、二〇二五年、二〇四〇年を見据え、介護人材の確保・定着のため、県としてどのように取り組んでいくのか、知事にお伺いいたします。  質問の第五点は、社会情勢の変化を踏まえた県内企業の人材確保支援についてであります。  厚生労働省が公表した本年九月の有効求人倍率は、全国の一・一六倍に対し、本県は全国よりも〇・二ポイント高い一・三六倍であり、また、正社員の有効求人倍率も、原数値で全国の〇・八九倍に対して、本県は一・一五倍となっており、新型コロナウイルス感染症の影響はあるものの、本県には求人意欲のある企業が多くある反面、人手不足の分野では企業の人材確保が難しい状況にあると感じます。  一方で、厚生労働省によると、十一月十九日現在、全国で新型コロナウイルス感染症に起因する解雇等見込み労働者数は累計で十二万九百七十人に上り、このうち非正規雇用労働者が五万四千九百七十五人であると発表されています。それぞれ把握が開始された時点が異なるため、一概に比較できるわけではないかもしれませんが、解雇や雇い止めとなった方などのうち、非正規雇用労働者が半分近くを占めており、このように人材が不足している企業と解雇せざるを得ない企業があることは、労働力需給にミスマッチが生じていると言えるのではないでしょうか。  また、学生の就職活動に目を向けますと、コロナ禍の収束がいまだ見えず、対面でのコミュニケーションが制限される中、大手就職支援会社によれば、二〇二二年卒の新卒採用では七割の企業がウェブ面接を実施しており、学生からは、「オンラインであれば移動時間がなく、より多くの企業説明会に参加できる」との歓迎の声も聞かれるなど、就職活動の在り方も大きくさま変わりしております。学生の地元志向が従来より高まっていることもあり、地方にとっては県外からの人材確保のチャンスであるとも言え、学生の受皿となり得る企業の確保とともに、就職活動の変化への対応が必要であります。  企業の人材確保のためには、長時間労働の是正や多様で柔軟な働き方の実現に向けた取組などを通じ、働きやすく、働きがいのある職場づくりを進め、求職者に選ばれる魅力ある企業にならなければならないと思います。加えて、採用した社員の定着のためには、若手社員の適切な人材育成が重要である反面、特に、社員数が少なく人材育成のノウハウを十分に持ち合わせていない中小企業は、若手社員の定着の面でも問題を抱えているものと想像します。  そこで、新型コロナウイルス感染症の影響による社会情勢の変化を踏まえ、県内の雇用創出や県内企業の人材確保支援に向けた現在の取組状況と、今後の方向性について知事にお伺いいたします。  質問の第六点は、交流人口の回復・拡大についてであります。  新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う移動自粛要請により、観光需要が長期間にわたり低迷するなど、県内外との交流が激減しており、観光産業をはじめ、県内経済にも大きな影響が生じているところであります。観光をはじめ、県内外との交流再開は、閉塞感が漂う県内経済の回復の起爆剤となり得ると考えております。そして、交流人口の回復・拡大のためには、多くの方々にとり、旅行先や訪問先として魅力ある香川、選ばれる香川である必要があります。  世界的な旅行ガイドブック「ロンリープラネット」の、今訪れるべき世界の最も魅力的な旅行先を紹介するランキング、「BEST IN TRAVEL二〇二二」の地域部門で四国が六位に選ばれました。観光振興においては、まず、観光資源の掘り起こしが必要であります。例えば、三豊市の父母ヶ浜が、干潮時の夕暮れに南米ボリビアのウユニ塩湖のような写真が撮れることから、日本のウユニ塩湖として注目されております。また、風光明媚な多島美を誇る瀬戸内海は世界の宝石とも称され、本県は、その価値が世界に認められる瀬戸内にあります。クルーズ客船の寄港地としても最適ですが、経済効果をより一層高めていくためには、観光資源や瀬戸内海の魅力を十分に取り入れ、一日でも多く宿泊してもらえる仕組みや観光ルートを県が主体となってつくる必要があります。広島県では、航路事業者と鉄道事業者のグループにより観光型高速クルーザーが二〇二〇年に就航しており、船と鉄道とを組み合わせた新しい瀬戸内周遊ルートの旅行商品も販売されております。  本県は、瀬戸内海における観光の先進県として、また、瀬戸内海観光の中心的地域として、香川のブランド化に努め、国際的な認知度向上を図っていかなければなりません。これらのシステムをつくることが喫緊の課題であり、出遅れないためにも、遊覧船を利用した一日コース、半日コースなど、瀬戸内海の魅力を十分に堪能できるよう、県が主体的に先行投資して、民間業者にも参加してもらえるシステムを県が主体でつくっていくべきだと考えます。  加えて、各分野における全国大会や国際会議といった、いわゆるMICEの誘致も重要です。感染症の影響などにより、オンライン会議への移行が今後も見込まれる一方で、対面会議は空間を共有することで真意や熱意が伝わりやすいという特徴がありますので、MICE主催者の意向をより丁寧に把握し、働きかける必要があります。さらに、来年度は、五回目となる瀬戸内国際芸術祭二〇二二も予定されております。  県が先月策定した新たな総合計画「みんなでつくるせとうち田園都市・香川」実現計画では、交流人口の回復・拡大に関する各指標について、いずれもコロナ影響前の令和元年の実績値まで速やかな回復を図ることを目標に掲げており、一日も早い交流人口の回復が望まれます。  そこで、交流人口の回復・拡大に向け、その準備も含め、今後どのように取り組んでいくのか、知事にお伺いいたします。  質問の第七点は、本県における水稲生産の取組についてであります。  農業は、食料を安定供給するとともに、美しい風土や中山間地域を守る多面的な機能を持つ、まさに国の礎であります。しかしながら、近年における農業を取り巻く環境は、農業従事者の高齢化や人口減少に伴う労働力不足に加え、地球温暖化による農業生産の不安定化や新型コロナウイルス感染症を契機とした消費行動の変化など、大きく変動してきています。このような時代の趨勢も踏まえながら、将来にわたり食料の安定供給を確保するとともに、農業の持つ多面的な機能を維持していくためには、足腰の強い農業・農村を構築するとともに、もうかる農業となるような成長産業化を進める必要があります。  このような中、現下の大きな農政課題である米対策に目を向けますと、全国的に米の生産が豊作基調である中、近年は主食用の需要が、一人当たりの消費量や人口減少等の影響により需要量が毎年十万トン程度減少していることに加え、長引く新型コロナウイルス感染症対策に伴う業務用需要の減少なども相まって米の需要は低下しており、令和三年九月末時点で二百十四万トンと、全国の米の在庫は前年同月と比較して二十四万トン増加しており、米価が大幅に下落しております。  一方、本県の水稲生産の状況に目を転じれば、令和三年産の主食用米の作付面積は、本年の目標値である一万二千六百ヘクタールに対し、本年九月の統計では一万一千三百ヘクタールと目標値を下回り、かつ前年産より三百ヘクタール減少しており、また、予想収穫量は五万五千九百トンと、前年度より千六百トンも減少する見込みとなっており、米価についても全国と同様、本県においても低下するなど、生産者は採算が取れない状況となっております。  また、本県が積極的に生産拡大を図ってきた県オリジナル品種おいでまいについても、県内の地域によっては貯蔵用カントリーエレベーターの受入れができない関係で、作付ができない農家がいると聞いております。早急に何らかの調整が必要であると思います。水稲の作付面積の減少には、さきに述べた社会情勢に加え、様々な要因が関与するものと推測しております。  このような厳しい状況ではあるものの、本県の耕地面積の八三%を占める水田において最も多く生産されている水稲については、本県農業にとって非常に重要な基幹作物であり、その作付面積の減少は、本県水田農業の持続的発展にマイナスの影響を及ぼすものと危惧しているところであります。  そこで、県が主体的にブランド振興を図っているオリジナル品種おいでまいをはじめとする本県における水稲の生産について、県では今後どのように取り組んでいくおつもりか、知事にお伺いいたします。  質問の第八点は、直轄国道の整備についてであります。  直轄国道は、本県の道路ネットワークの中枢をなす幹線道路であり、道路管理者である国土交通省において、改築事業や交通安全事業等が県内各所で進む中、昨年末には国道三十二号の猪ノ鼻道路が供用開始となりました。  本県と徳島県の県境にある猪ノ鼻峠は、急カーブや坂道が多く、大雨による通行止めや冬場の凍結によるスリップ事故の発生など、走行上の問題があったため、香川、徳島両県、両県議会及び関係市町村等が国土交通省に対し、新猪ノ鼻トンネル整備の要望を続け、平成十五年度に三豊市財田町から徳島県三好市池田町の八・四キロメートルの区間が新規事業化されました。約十七年の歳月をかけて整備が進められ、昨年十二月に新猪ノ鼻トンネルを含むバイパス道路が供用開始となったところで、安全性・走行性が向上し、今後、本県と徳島県間の一層の連携強化が図られるものと考えます。  一方、国道十一号は、県内を東西に貫き、徳島、愛媛両県に通じる本県の重要な幹線道路ですが、特に東讃地域や西讃地域の二車線区間では、慢性的な交通混雑が発生し、通学児童など歩行者の安全確保も十分でないことから、現在、国において、東讃地域では大内白鳥バイパス、西讃地域では豊中観音寺拡幅の二つの改築事業が進められております。  大内白鳥バイパスは、東かがわ市において、国が平成十二年度から着手した延長九・二キロメートルのバイパス事業であり、これまでに暫定二車線で供用した四・五キロメートルの区間に加え、年内にはさらに一・四キロメートルの区間が開通予定と伺っており、現道の国道十一号からバイパスへの交通転換により、現道の渋滞緩和や高松自動車道の白鳥大内インターチェンジへのアクセス向上が期待されます。  また、豊中観音寺拡幅は、三豊市及び観音寺市内の四・六キロメートルの区間において、国が平成二十年度から四車線化事業に着手しており、令和五年春頃には、三豊市豊中町内の一・三キロメートルの区間の四車線化供用が予定されていると公表されています。  これらの改築事業は、交通混雑の緩和や交通事故の削減、また、大規模災害時における緊急輸送道路としての機能強化等の観点から、早期の事業完成が望まれているところであります。  そこで、国道三十二号猪ノ鼻道路の供用後の利用状況や整備効果について伺うとともに、現在、整備が進められている国道十一号大内白鳥バイパス及び豊中観音寺拡幅の整備状況と今後の予定、これらの直轄国道の整備促進に向けた知事のお考えについてお伺いいたします。  最後に、質問の第九点は、小・中学校におけるふるさと教育の推進についてであります。  子供の頃から生まれ育ったふるさと香川について関心を持ち、ふるさとに対する誇りと愛情を育むふるさと教育は、大変重要なことだと考えます。子供たちには、ふるさと香川に愛着を持ってほしいし、好きになってほしいと思います。一時、県外に出ることがあっても将来は帰りたいと思う子供、あるいは、帰れないが何かふるさと香川に貢献できることはないだろうかと考えられるような子供に育ってほしいと思います。  地元観音寺市においては、伊吹島プロジェクトとして、市内の四年生が、伊吹島の漁の様子や加工について、オンラインも駆使しながら地域の理解を深めたり、古墳の魅力発信プロジェクトとして、大野原小学校の六年生が小学校周辺の古墳を見学し、古墳周辺の清掃を行っています。また、観音寺中学校では、全校生徒と保護者からボランティアを募り、琴弾公園にある銭形砂絵を美しく整える砂ざらえをもう三十年も続けております。これらの取組は、地域の人々と一緒に活動していることが多く、活動全体を通して子供を褒める機会が増えており、子供に地域のために役に立っているという気持ちが醸成されていると考えます。  また、各小・中学校において、ふるさと教育の教科書的に活用している県オリジナル教材「ふるさと香川」は、香川県の自然、文化、歴史等がコンパクトにまとめられており、子供たちがふるさとに興味・関心を持つよいきっかけになっていると聞いています。課題解決の展開も興味深く、ふるさと香川を知る入門編として内容も充実しているため、ぜひ積極的な活用をお願いいたします。  そのような中、第四期香川県教育基本計画が策定され、「郷土を愛し 夢と志を持って 自ら学び 歩み続ける人づくり」を基本理念とし、重点項目の一つに「郷土を愛し、郷土を支える人材の育成」を掲げておられます。そして、郷土香川の中で成長していく子供たちが、郷土について深く学ぶことは、子供たちの自信や意欲を養い、人生を歩んでいく上で重要な視座の確立につながるとされており、今後、ふるさと教育の充実を図ろうとしている姿勢を感じます。また、ふるさと教育が充実すれば、過疎化・少子高齢化等の地域課題やふるさと香川の将来を自分自身のこととして捉え、ふるさと香川を牽引できる人材の育成にもつながるものと思われます。  そこで、本県におけるふるさと教育の現状について、また、今後どのようにふるさと教育を推進していこうと考えているのか、教育長にお伺いいたします。  以上で、自由民主党議員会を代表しての質問を終わらせていただきます。(拍手、降壇) ◯議長(十河 直君)理事者の答弁を求めます。  浜田知事。    (知事浜田恵造君登壇) ◯知事(浜田恵造君)自由民主党議員会代表石川議員の御質問にお答えいたします。  まず、新たな財政運営指針を踏まえた財政運営と来年度予算編成についてであります。  このたび策定した新たな財政運営指針における財政見通しといたしましては、令和四年度から七年度までの四年間で八百七十四億円、年平均二百十八億円の収支不足が見込まれ、その対応として、財源対策用基金等の全額取崩し、資金手当債の活用などの歳入確保策や、予算執行段階での経費の節減、一層の事業の見直し、スクラップ・アンド・ビルドの徹底などの歳出抑制策を講じることにより、対象期間中の財源不足を解消し、対象期間中、各年度の収支均衡を図ることとしておりますが、一方で、議員御指摘のとおり、新型コロナウイルス感染症対策をはじめ、防災・減災対策、人口減少対策や地域活性化の取組など、山積する諸課題に的確に対応していく必要があり、そのためには、国に対し、一般財源総額の確保を強く働きかけるなど徹底した歳入確保と、一層の事業見直しなどによる歳出削減を強力に進めていくことが不可欠と考えております。特に、施策の有効性等の観点からの事業の見直しやスクラップ・アンド・ビルドの徹底、さらには、業務プロセスの見直しやデジタル化の推進による事務の効率化について、県民生活や県内経済への影響等にも留意しつつ、これまで以上に積極的に進めることにより、新規事業等に必要な財源を確保してまいりたいと考えております。  私といたしましては、今後、一層厳しさを増す財政状況の中で、財政規律の確保に意を用いつつ、県政の諸課題に積極的に取り組んでいけるよう、新たな指針に沿って、中長期を見通した持続可能な財政運営を図るとともに、新型コロナウイルス感染症の影響による財政状況の変動や社会経済情勢及び国の動向なども踏まえ、同指針については、毎年度見直しを行ってまいります。  また、来年度の予算編成に当たりましては、新たな指針に沿って財政の持続可能性を高めつつ、先般示された国の経済対策にも適切に対応するほか、足元の新型コロナウイルス感染症対策に万全を期すとともに、新たな総合計画「みんなでつくるせとうち田園都市・香川」実現計画の基本目標である「せとうち田園都市の確かな創造」の実現に向け、直面する大きな課題である「災害に強い香川づくり」、「人口減少問題の克服と地域活力の向上」に加え、「デジタル化の推進、グリーン社会の実現などの社会変革への対応」などにも力点を置きたいと考えております。  具体的には、新型コロナウイルス感染症対策や防災・減災対策のほか、行政や企業のデジタル化、脱炭素や地球温暖化対策を積極的に進めるとともに、中小企業支援や雇用対策の推進、戦略的な観光振興、農畜水産物のブランド力向上などにより、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた本県経済の回復・活性化や、感染症に強い社会・経済構造を構築できるよう、予算を重点的に配分してまいりたいと考えております。さらに、企業誘致やアート県かがわの魅力向上、「子育て県かがわ」の実現に向けた取組、香川の将来を担う豊かな人間性と個性あふれる子供たちを育てるための教育の充実など、本県の将来の発展に資する施策にも重点を置き、限られた財源を有効に活用して、創意工夫を凝らしつつ、効果的でめり張りのある予算編成を行ってまいります。  次に、消防団の充実強化についてであります。  火災はもとより、近年の激甚化・頻発化する風水害や、近い将来の発生が予測される南海トラフ地震への対応など、消防団に求められる役割がますます重要となる中、各市町においては、国が策定した非常勤消防団員の報酬等の基準を踏まえ、地域の実情に応じて、団員の労苦に見合う処遇の充実を早急に図る必要があると考えております。  このため、県では今年度、消防団主管課長会議を六月と九月に開催し、報酬額の見直しや支給方法などについて各市町と意見交換を行うとともに、必要な条例改正や予算措置が実施されるよう助言を行ってきたところ、これまでに三市町が条例改正を行い、三町が年内に改正を予定しているほか、残りの市町においても年度内の条例改正等に向けた見直しを行っていると伺っております。  また、今月四日には市町防災・減災対策連絡協議会を開催し、女性や学生、若者など幅広い層への入団促進や装備等の充実など、消防団の充実強化について各市町に働きかけるとともに、県としても、災害に強い香川づくり集中対策推進事業補助金により、消防団の訓練や準中型免許の取得、資機材の新規整備等を支援するほか、消防団員が飲食店や販売店など登録事業所で各種の優遇サービスを受けられる消防団員応援制度の充実を図ることとしております。  さらに、消防団員等のより一層の技能強化を図るため、実火災体験型訓練装置を消防学校に整備するための補正予算を、今定例会に御提案したところであります。  私といたしましては、「安全と安心を築く香川」の実現に向けて、今後とも各市町と緊密に連携し、消防団の機能充実や団員確保に対する取組を支援することにより、地域の消防・防災力の強化に努めてまいります。  次に、脱炭素に向けた行政の率先した取組についてであります。  議員御指摘のとおり、地球温暖化対策は、県民、事業者、行政等が、それぞれの役割の下、連携・協力して取り組むことが重要であり、県民の皆様や事業者の方々に取組を進めていただくためには、まずは県自らが率先して取り組む必要があると考えております。  県では、これまで県の事務事業に伴い排出される温室効果ガスの排出抑制のための実行計画であるかがわエコオフィス計画に基づき、施設・設備の省エネルギー化や太陽光発電設備の導入などに取り組んでおりますが、国・地方脱炭素実現会議が示した地域脱炭素ロードマップでは、地方公共団体に対してより一層の取組が求められており、また、先月策定された政府の実行計画においても、政府自らの取組として、これまで以上の取組を進めることが示されたところです。  こうしたことから、現在策定中の次期かがわエコオフィス計画では、再生可能エネルギー比率を指定した電力調達や新築建築物の消費エネルギー収支をゼロにすることを目指すZEB化の検討など、新たな取組を盛り込みたいと考えております。加えて、これまで導入を進めてきた太陽光発電設備について、二〇三〇年までに設置可能な建築物等の約五〇%に導入することを目指すことが地域脱炭素ロードマップで求められていることを踏まえ、より一層の取組を目指すほか、職員の意識改革や施設・設備の運用改善についても徹底を図るなど、ハード、ソフト両面から、これまで以上の取組を進めてまいりたいと考えております。  また、県としての取組体制を強化するため、私を本部長とする香川県脱炭素・地球温暖化対策本部(仮称)を立ち上げ、全庁を挙げて地球温暖化対策を推進することとしており、私としましては、こうした取組により、県民、事業者、市町を牽引することで、脱炭素社会の実現に向けた取組を推進してまいりたいと考えております。  次は、介護人材の確保についてであります。  議員御指摘のとおり、介護が必要となる高齢者が増加する中、ニーズに的確に対応できる質の高い人材を安定的に確保し、その定着を図ることは重要であると考えております。  このため、将来の担い手として期待される小・中・高校生を対象とした出前講座の実施や、現任職員が技術を競う介護技術コンテストの開催等を通じ、介護現場の専門性や魅力を広く情報発信しているほか、定年退職予定者や中高年齢層等の介護未経験者に対し、入門的な研修の開催や介護助手としての育成を進めるとともに、外国人材の受入れ環境の整備を図るなど、多様な人材の参入促進に向けて取り組んでいるところであります。加えて、介護職員それぞれの階層に応じた研修の実施や、研修中における代替職員の派遣支援等を行うなど、職員の資質向上にも努めております。  介護現場の負担軽減や効率性の向上に向けては、業務改善に取り組む事業者に対し経費の一部を助成するとともに、現場から強い要望のある見守り機器をはじめとした介護ロボットやICTの導入を支援しているところであり、今後も人的制約の中、サービスの質を確保しつつ、介護職員の身体的負担の軽減や業務の効率化を図る取組を進めてまいりたいと考えております。  また、定着促進に向けて、事業所に対するセミナーの開催や社会保険労務士等の専門相談員の派遣により、介護報酬における処遇改善加算の取得等を促しておりますが、現在、国において賃金引上げに向けた議論がなされていると伺っており、その動向も注視の上、適切に対処してまいります。  私といたしましては、介護人材の安定的な確保をはじめとした各種施策に積極的に取り組むことで、高齢者の方々が住み慣れた地域で自分らしい暮らしを続けることができる香川の実現を目指してまいりたいと考えております。  次に、社会情勢の変化を踏まえた県内企業の人材確保支援についてであります。
     新型コロナウイルス感染症の拡大により雇用情勢に大きく影響が及んだ一方で、オンラインによる就職活動の増加など、社会情勢が急速に変化する中、本県経済の持続的発展を図っていくためには、こうした変化を的確に捉えながら、若者の受皿となる企業の新規立地や県内企業の人材確保の支援を進めていく必要があると考えております。  このため、企業誘致の取組に当たっては、昨年度から、従来製造業等を対象としていた企業立地アンケート調査に、若者にとって魅力ある情報通信産業も対象に加え、地方への移転や拠点開設を検討している企業に、優れた立地環境を備えている本県の強みを積極的にアピールしてきたところであります。  こうした中で、番の州臨海工業団地への立地を決定したショーワグローブ株式会社は、令和五年度の本格稼働時までに県内高校の新卒者を含めた約二百名の新規雇用を行う見込みであり、また、本年七月に高松市に拠点を開設した東京都の情報通信関連企業である株式会社ペイロールは、パート社員を含め約百七十名を雇用したところです。さらに、このたび東京都の情報通信関連企業で東証一部上場の株式会社エスプールが、三豊市にECサイトの受注処理や、企業や自治体オンライン窓口業務等を請け負う事務処理センターの開設を決定したところであり、来年二月の開業時には三十名程度を雇用する予定と伺っております。  県内企業の人材確保支援につきましては、求人意欲のある県内企業と、非正規雇用労働者や感染症の影響により離職を余儀なくされた方などが出会う機会として、かがわ正社員就職フェアを今月三日には対面方式で、八日から十六日まではオンライン方式の併用で開催したところであり、ワークサポートかがわにおいても、専門のコーディネーターによる対面相談に加え、オンラインでの相談も実施するなど、きめ細かなマッチング支援を行っております。  議員御指摘のように、県内企業の人材確保には企業の魅力向上も重要であることから、中小企業等に働き方改革に関するアドバイザーを派遣するとともに、誰もが働きやすい職場環境づくりの取組に対する助成を行うほか、若手社員の職場定着を図るため、若手社員はもとより、先輩社員や経営者を対象とした階層ごとのセミナーを開催し、企業の人材育成を支援しているところです。  今後の雇用創出と人材確保の支援に向けた取組といたしまして、情報通信関連企業等が参加する産業フェアへの出展などでの情報発信や、企業訪問とオンラインでの会議等を効果的に併用しながら、より一層県外企業の誘致に取り組むとともに、ワークサポートかがわにおいては、企業ニーズが高いデジタル人材と県内企業とのマッチングイベントや、就職活動前の学生を対象としたWeb版企業研究フェアなどをオンライン開催するほか、企業の魅力向上に向けた支援の充実を図ってまいりたいと考えております。  私といたしましては、社会情勢の変化を踏まえながら、情報通信関連企業をはじめとする若者が魅力に感じる企業の立地を促進するとともに、ワークサポートかがわの機能強化や企業の魅力向上を促進し、県内企業の人材確保支援に全力で取り組んでまいります。  次は、交流人口の回復・拡大についてであります。  議員御指摘のように、新型コロナウイルス感染症の拡大により県内経済は多大な影響を受けており、感染状況を踏まえた交流人口の回復・拡大は、喫緊の課題であると認識しております。  このため、県では、まず、観光振興において、多様化する旅行ニーズに対応するため、身近にある豊かな資源を活用したイベントや体験コンテンツ造成等に支援を行うとともに、インターネット上のみで取引を行う旅行会社、いわゆるOTAと連携し、新たな体験型商品十九商品を造成し、先月から販売を開始したほか、大手旅行会社に対して、多島美が織りなす瀬戸内海の風景をはじめ、歴史や文化など多様な観光資源やモデルコースなどの情報を提供し、滞在型商品の造成や送客の働きかけを行っており、これらの取組を着実に進めてまいります。  また、議員御提案の遊覧船等、民間事業者と連携した瀬戸内海の魅力を生かした誘客策については、他県の事例等も参考にしながら研究してまいりたいと考えております。  さらに、MICEの誘致につきましては、その高い経済効果を本県に取り込むため有効であることから、感染症の落ち着きが見え始めた先月から主催者を直接訪問するなど誘致活動を本格的に再開するとともに、コロナ禍での実地開催やオンラインと組み合わせたハイブリッド開催についての課題や要望等の把握に努めているところであり、今後、回復に向かいつつある国内会議はもとより、コロナ収束後の国際会議の開催も見通しながら、一層積極的に誘致活動に取り組んでまいります。  加えて、瀬戸内国際芸術祭二〇二二につきましては、アートプロジェクトや受入れ環境の整備等を着実に進めているところであり、できるだけ多くの皆様に御来場いただけるよう、新型コロナウイルス感染症対策の徹底など安全・安心にも十分留意しながら、準備に万全を期してまいりたいと考えております。  私といたしましては、旅行先として選ばれる香川となるよう、感染状況に留意しつつ、戦略的な誘致施策などに全力で取り組み、交流人口の回復・拡大を図ってまいります。  次は、本県における水稲生産の取組についてであります。  全国的に米の過剰在庫が生じている中、国においては、主食用米から加工用米や輸出用米、高収益作物等の新たな需要拡大が期待される作物への転換を促進することとしており、こうした作物の産地の育成・強化を目指しております。一方、本県においては、水稲の作付面積が毎年四百ヘクタールの規模で減少し、本年においても、前年からさらに約三百ヘクタール減少しており、水田の重要な基幹作物である水稲の安定的な生産量を確保するためには、作付面積の減少に歯止めをかける必要があります。  このため、国の経営所得安定対策を活用して、主食用米と麦や野菜との組合せによる収益性の高い二毛作をより一層推進し、農家の経営安定を図るとともに、主食用米を需要に応じて飼料用米や加工用米などの非主食用米に転換することにより、水田の有効活用を推進してまいります。  さらに、国内の米の消費量が減少する中、新型コロナウイルス感染症の影響下でも国産米の輸出は増加傾向にあり、今後の需要拡大が期待できることから、本県においても、新たに輸出用米などの新市場開拓用米への転換も図ってまいりたいと考えております。  議員御指摘のカントリーエレベーターの受入れなどの集荷体制につきましては、地域の実情も踏まえ、JA香川県等の関係機関と連携して、生産者が栽培品種を選ぶ際に支障が生じないよう調整に努めてまいります。  また、米の需給安定に向けては、県産米のより一層の需要拡大も重要であることから、新たな米取扱店への販路開拓や学校給食への導入促進などの取組を強化するとともに、SNSやウェブサイトなどの多様な媒体を活用しながら、飲食店や量販店とも連携した消費拡大にも積極的に取り組んでまいります。  私といたしましては、今後とも生産者や関係機関などと連携しながら、多様な水稲の生産強化により作付面積の確保に努め、本県農業の根幹である水稲生産の持続的発展につなげてまいります。  最後は、直轄国道の整備についてであります。  昨年十二月の国道三十二号猪ノ鼻道路の開通により、香川、徳島県間の所要時間は約九分短縮され、両県の間を通行する車両の約九割が猪ノ鼻道路を利用しており、一日当たりの交通量は、開通前と比較して平日で約二割、休日で約一割増加しております。また、猪ノ鼻道路開通後、先月末まで交通死傷事故が発生しておらず、並行する旧道区間内での過去五年間の年間平均事故件数の五・六件と比較すると安全性が大幅に向上しているほか、冬場の積雪時にも安全走行が確保されているなど、本県と徳島県の人流・物流の活性化や観光振興等に寄与するものと期待しております。  国道十一号大内白鳥バイパスにつきましては、これまで四・五キロメートル区間が一部供用され、現道での交通渋滞の緩和や周辺の通学路の安全性が向上するなどの整備効果が確認されており、現在、未供用区間の用地買収や道路改良工事などが進められております。来月十八日には、東かがわ市松崎から土居の一・四キロメートル区間が一部供用され、慢性的な渋滞の緩和や定時性の向上、高速道路へのアクセス強化等が一層図られるものと考えております。  また、国道十一号豊中観音寺拡幅は、車道の四車線化や歩道の拡幅により、交通渋滞の緩和や追突事故等の減少、歩行者の安全性の向上などが期待されており、令和五年春頃に三豊市豊中町の一・三キロメートル区間について四車線化が完了予定であり、現在、この区間の道路改良や舗装工事などを行うとともに、他の区間についても橋梁工事や用地買収などが進められております。  直轄国道は、全国的な道路ネットワークを構成するものであり、その整備は、地域経済の活性化や緊急輸送道路としての機能強化を図る上で重要な事業であり、私といたしましては、早期の事業進捗に向けて、地元市と連携し、国に働きかけるなど、今後とも整備促進に取り組んでまいりたいと考えております。(降壇) ◯議長(十河 直君)工代教育長。    (教育長工代祐司君登壇) ◯教育長(工代祐司君)自由民主党議員会代表石川議員の小・中学校におけるふるさと教育の推進についての御質問にお答えいたします。  子供たちがふるさとについて学び、愛着や誇りを持つことは、子供の自信や意欲を養うとともに、人生を歩んでいく上での視座の確立につながります。このため、小・中学校段階からふるさと教育をより一層充実させていくことが重要であると考えております。  小・中学校においては、これまで議員御指摘のオリジナル教材「ふるさと香川」を活用しながら、主に総合的な学習の時間や社会科等で、郷土を開いた先人について調べたり、文化財を見学する等の学習を行ってまいりました。また、昨年度から、コロナ禍の影響もあり、修学旅行先等を県外から県内に変更している学校も多く、豊稔池堰堤を見学して重要文化財について学んだり、讃州井筒屋敷で和三盆づくりを体験する等、本県の魅力を再発見する機会も増えております。  県教育委員会では、ふるさと教育をより一層充実させる方策等を検討するため、有識者等から成るふるさと教育推進検討委員会を本年六月から十月にかけて開催いたしました。委員からは、変化が激しく予測困難な時代である現在、自ら問いを見つけ、主体的に解決する力がますます重要となっており、ふるさと教育においても、そうした力を身につけることが必要であるとともに、学校や地域など様々な立場の大人がふるさとの魅力を子供たちに語り継ぐことや、子供たち自らがふるさとの価値について発信すること、ふるさとの可能性を模索し支えていく人物を育成することが重要であるなどの意見をいただきました。  県教育委員会では、今後、いただいた意見も参考にして、ロールモデルとなる地域人材との連携強化、子供の自発的な課題解決を引き出す指導方法の確立、ふるさとの将来を自分事として捉える意識の醸成等を軸として施策を展開してまいりたいと考えております。具体的には、ふるさとの歴史、文化、自然や産業を伝えるとともに、現在、地元を支えている方々や、ふるさとのよさを語り継ぐ地域の方々との交流を促すなど、体験的な学びを充実させてまいります。また、子供が主体的にふるさとの魅力を発掘・発信する活動や、地域の方々と協働して課題解決を試みる実践活動等を推進し、その好事例を収集し、広く県内に普及させてまいります。  ふるさとについて深く学ぶことは、長い人生を支えるとともに、夢や志を持って生きる原動力ともなり得ると考えています。県教育委員会といたしましては、子供たちの郷土に対する愛着や誇りを育み、郷土で生きる価値を見いだし、香川の未来を支えられるよう、ふるさと教育の充実に一層取り組んでまいります。(降壇) ◯議長(十河 直君)理事者の答弁は終わりました。  暫時休憩いたします。  なお、十分後に再開の予鈴を鳴らしますので、御参集をお願いいたします。                          午後二時  七分休憩                          午後二時二十一分開議     ─────────────────────────────   出  席  議  員    十  河     直 君    高  城  宗  幸 君    鏡  原  慎一郎  君    松  岡  里  佳 君    白  川  和  幸 君    岡  野  朱里子  君    秋  山  時  貞 君    斉  藤  勝  範 君    松  本  公  継 君    森     裕  行 君    米  田  晴  彦 君    木  村  篤  史 君    山  本  悟  史 君    谷  久  浩  一 君    氏  家  孝  志 君    高  木  英  一 君    樫     昭  二 君    山  田  正  芳 君    香  川  芳  文 君    高  田  良  徳 君    竹  本  敏  信 君    三  野  康  祐 君    新  田  耕  造 君    松  原  哲  也 君    広  瀬  良  隆 君    辻  村     修 君    石  川     豊 君    尾  崎  道  広 君    宮  本  欣  貞 君    山  本  直  樹 君    黒  島     啓 君    五所野尾  恭  一 君    花  崎  光  弘 君    大  山  一  郎 君    都  築  信  行 君    鎌  田  守  恭 君    平  木     享 君   欠  席  議  員    西  川  昭  吾 君    綾  田  福  雄 君    ─────────────────────────────         地方自治法第百二十一条第一項による出席者           知     事    浜  田  恵  造 君           副  知  事    西  原  義  一 君           病院事業管理者    太  田  吉  夫 君           審  議  監    大  山     智 君           政 策 部 長    淀  谷  圭三郎  君           総 務 部 長    椋  田  那津希  君           危機管理総局長    寺  嶋  賢  治 君           環境森林部長     木  村  士  郎 君           健康福祉部長     土  岐  敦  史 君           商工労働部長     近  藤  清  志 君           交流推進部長     佐  藤  今日子  君           農政水産部長     新  池  伸  司 君           土 木 部 長    西  川  英  吉 君           文化芸術局長     小  川     剛 君           子ども政策推進局長  吉  田  典  子 君           会計管理者      田  中  一  裕 君           病 院 局 長    岡  田  総  一 君           デジタル戦略総室長  井手下   慶  博 君           知事公室長      尾  崎  英  司 君           教  育  長    工  代  祐  司 君           公安委員会委員長   泉     雅  文 君           警察本部長      今  井  宗  雄 君           代表監査委員     木  下  典  幸 君           監査委員事務局長   田  井  慎  二 君           人事委員会委員    高  濱  和  則 君           人事委員会事務局長  森  岡  英  司 君           労働委員会事務局長  河  内  一  裕 君    ───────────────────────────── ◯議長(十河 直君)再開いたします。  休憩前に引き続き、代表による質疑・質問を続行いたします。  かがわ立憲みらい代表森 裕行君。    (森 裕行君登壇、拍手) ◯森 裕行君 かがわ立憲みらいの森 裕行です。  ただいまから会派を代表しての質問を、知事、教育長並びに警察本部長に行います。  質問の一点目は、コロナ禍における財政運営と来年度予算についてです。  新型コロナウイルス感染症が発生して、早くも二年近くが経過しました。その間、県民生活や地域経済にも大きな影響を及ぼしています。現在は感染状況が落ち着いているものの、世界に目を向ければ感染が拡大している国もあり、今冬の再拡大が懸念されています。
     今年七月下旬からの第五波では、本県もまん延防止等重点措置区域に指定され、一日の新規感染者数が百人を超える日もあり、病床使用率が六割を超え、多くの自宅療養者が出るなど、医療現場が逼迫しました。また、飲食店等に対し営業時間の短縮要請を行うなど、感染拡大防止のために人流抑制を行ったこともあり、飲食業や観光・宿泊業、交通業などを中心に多くの事業者で売上額が落ち込むなど、県内経済にも大きな影響が出ました。  コロナ禍の影響が続く中、県民の健康や暮らしを守り、地域経済の立て直しを図るためには県の果たす役割は大変重要であり、今後も状況に応じて時機を逸することなく、必要な対策を効果的に打っていくことが求められています。特に、感染拡大防止対策については、現在はワクチン接種も進み、感染状況が落ち着いているものの、これまでの感染動向を踏まえると楽観視するのは時期尚早であり、第六波の再拡大にしっかり備えておく必要があると思います。  そのような中で、このたび新たな財政運営指針が示されました。新たな指針では、コロナ影響も一定考慮した上で、令和七年度までの計画期間において、財源不足額が解消された推計となっています。しかし、財源対策用基金を全て使い果たし、事業の廃止・見直しを徹底することで何とか帳尻を合わせた内容となっており、本県財政は依然厳しい状況にあることがうかがえます。  前回の指針では、目標に掲げていた臨時財政対策債を含む全県債の減少についても令和元年度決算において四十九年ぶりに達成するなど、財政健全化に向けた取組が進められてきたことは評価したいと思います。依然厳しい財政状況にありますが、新たな財政運営指針の中でも県債残高の減少や基金残高の確保に努め、持続可能な財政運営に取り組んでもらいたいと思います。  そこで、コロナ禍の影響もあり、本県財政は依然厳しい状況にありますが、持続可能な財政運営に向けて、今後どのように取り組んでいくお考えか、また、来年度の予算編成を迎えるに当たり、どのように進めていくお考えか、知事にお伺いします。  質問の二点目は、災害に対する自助・共助・公助の位置づけと、県の姿勢についてです。  自助・共助・公助という言葉は以前からよく使われてきましたが、菅前総理が政策理念として掲げたことから、メディアでもよく取り上げられるようになりました。自助・共助・公助の議論、とりわけ自助や共助の役割に着目する議論には、公助の縮小を正当化していると批判されることが多くあります。しかし、本来、自助・共助・公助は、県民生活や仕事の安全・安心を社会のどこで支えていくかを表す言葉で、それ自体に意図的な方向性はありません。この先の社会を展望していけば、急激な高齢化、大規模災害や新たな感染症の可能性、テクノロジーの進化による仕事の変化など、県民生活の安定に関わる変化やリスクが待ち受けています。  特に、近年、全国各地で地震が相次いで発生し、南海トラフ地震の今後三十年以内の発生確率も七〇から八〇%と高まる中、本県でも、いつ大規模地震が発生してもおかしくない状況にあります。また、近年の気候変動の影響等もあり、台風や線状降水帯などによる風水害や土砂災害も全国各地で毎年のように発生しており、自然災害のリスクは確実に高まっています。  このような災害リスクに対処するためには、自助・共助・公助それぞれの取組が必要であり、そのバランスが重要です。まずは、自らの命を自らが守るという自助の意識の徹底、そして、地域の安全は地域住民が互いに助け合って守るという共助の意識を深め、地域の防災力の向上を図っていく必要があります。併せて、行政機関としては、これらの自助や共助が災害時にきちんと機能するように、平常時から支援をするとともに、災害時には、救助活動や避難所運営から復旧・復興までを行う公助としての役割があります。  現状どうしても不足しているのは共助の取組ではないでしょうか。自主防災組織など地域の支え合いによる共助の取組を一層強化しなければならないと思います。そのためには、公助である行政が共助に対して限定的支援にとどまるのではなく、共助とパートナーシップを組んだり、共助が育っていけるような役割を持っていかなければならないと思いますが、県はどのように取り組んでいくお考えか、知事にお尋ねいたします。  質問の三点目は、今後の地域医療提供体制についてです。  地域医療構想は、二〇二五年に向け、病床の機能分化・連携を進めるため、四つの医療機能である高度急性期、急性期、回復期、慢性期ごとに二〇二五年の医療需要と病床の必要量、その実現のための施策を定めるものです。今後、構想の実現に向けて関係者が自主的な取組を行うとともに、毎年度の病床機能報告の内容と構想の必要病床数を比較して、機能分化・連携について調整するものとしています。県民に対しては、医療機関の機能分化・連携の重要性について理解を深めることや、医療機関の選択に当たり、医療機関の機能に応じて適切に受診することを期待するものとされています。  医療機関や患者をはじめ関係者が相互の信頼関係に基づき、構想の実現に向けた取組を進めることにより、患者の状態に応じた良質かつ適切な医療を持続可能な形で提供できる体制が構築されるとしていますが、今回のコロナの状況を経た中で医療計画の見直しが必要となってくるのではないでしょうか。新型コロナウイルス感染症の発生により、医療計画、地域医療構想であまり想定していなかった状況になっていると思います。  医療計画見直し検討会の下部組織、地域医療構想に関するワーキンググループにおいて、一、感染症対策の専門的議論をまって、医療計画・地域医療構想への反映を検討する。二、病床規模が大きく人員配置が手厚い病院ほど新型コロナウイルス感染症の対応能力が高いことが明らかになった。三、公立・公的病院の再編統合は期限を切って再検証を求めるべきか検討されてきたところです。医師・看護師などの人員配置が手厚いほど、新型コロナウイルス感染症患者を受け入れる能力・実績が高いことが実証されています。また、医療と介護が必要となる高齢コロナ患者については、中小病院では対応に限界もあります。  様々な議論が今回のコロナ禍の中で出されている状況から、県としても今後の地域医療構想の進め方についてもう少し慎重に対応するとともに、質の高い医療提供体制の構築に向けた取組を進める必要があると思いますが、知事の御所見をお伺いします。  質問の四点目は、コロナ禍で疲弊した中小・零細事業者への支援についてです。  東京商工リサーチの報告によりますと、二〇二〇年度の全国の企業倒産件数は、負債額一千万円以上は七千百六十三件で、三十年ぶりに八千件を下回り、過去五十年で四番目の低水準だったとのことです。コロナ禍で当初は倒産件数が急増することが懸念されていましたが、国や自治体、金融機関の支援もあり、大幅な減少となっています。しかし、新型コロナウイルス感染症の関連倒産は増加の気配を見せており、収束の見通しが立たない中で、息切れ倒産が今後増加することが懸念されています。また、負債額一千万円以上の倒産が減少した一方で、一千万円未満の倒産は二〇〇〇年度以降で初めて六百件台に乗せ、この二十年間で最多となっています。ここに、コロナ禍の影響が小規模・零細事業者に著しく出ていることが分かります。  加えて、経営者の高齢化も問題となっており、後継者がいないため経営改善の意欲も低下し、倒産に至るというケースも見受けられます。このように、今後、後継者が育たないことによる倒産・休廃業という事案が増えることが懸念されていると思います。  コロナ禍で経済的苦境に立たされているサービス業や飲食業、旅館・ホテル業、トラック、タクシー、イベント業などの業種や商店街の各店舗には、中小・零細事業者も多く存在します。本県の地域経済や雇用を守るためには、こうした中小・零細事業者が少しでも倒産や休廃業の危機に陥ることのないよう、県は事業継続や事業承継などを支援していく必要があると思います。  そこで、コロナ禍が続く中において、県内中小・零細事業者が今後も存続していくためには、直面する多様な課題やニーズに対応できるよう、国や県の支援が引き続き必要であると考えますが、後継者の確保に悩む事業者の事業承継に向けた取組も含め、今後の中小・零細事業者への支援について知事の御所見をお伺いいたします。  質問の五点目は、居住支援対策についてです。  戦後日本の住宅政策の中心は、住宅ローン供給による持家取得の促進でした。高度成長を通じて、終身雇用・年功賃金の日本型雇用が成立し、雇用と所得の安定が長期のローン支払いを保証していました。仕事と収入を安定させ、結婚して家族を持ち、賃貸住宅から持家に移り住んでいくのがかつてのライフコースでした。しかし、バブル崩壊以降経済成長が停滞し、日本型雇用が縮小して非正規雇用が増大しました。低賃金で不安定な雇用が広がる中で未婚率が高まり、家族形成が困難な若者が増えていきました。こうして持家取得は困難になり、賃貸住宅にとどまり続ける賃貸世代が形成されてきたのです。  実際、持家率は平均値としては六割前後でほとんど変化はしていないのです。ただ、世帯主が三十歳から三十四歳というのは、一九八三年から二〇一八年にかけては四五・七%から二六・三%に減っています。また、三十五歳から三十九歳も、六〇・一%から四四・〇%に減っています。  賃貸住宅市場では、より低所得の借手が増えているにもかかわらず、低家賃住宅は減少しています。そのために家賃負担率も、一九八九年の一二・二%から二〇一四年には一七・一%に増えています。その上、低所得の若者に限定すると状況はさらに厳しくなります。ビッグイシュー基金が行った首都圏・関西圏に住む二十歳から三十九歳、未婚の年収二百万円未満の個人を対象とした調査では、住居費負担率が三〇%を超える者が五七・四%、五〇%を超えるものが三〇・一%というように、重い住居負担を強いられています。  このように、若い世代にとっては、もはや長期の住宅ローンを負担することで持家という資産を形成することは現実的ではなく、長期にわたって賃貸住宅に住み、重い家賃負担に耐えるか、実家に頼るかというふうになってしまっています。実家に頼ることができない若者や実家を持たない若者の数は、増えることはあっても減ることのないのが現状です。こうした若者が賃貸住宅に住もうと思っても、経済的な理由や保証制度の壁で入居さえ拒否される場合があります。賃貸住宅の若者に居住を保証する上では、持家政策一辺倒から転換し、普遍的な住居保障として、家賃補助や安価で入居しやすい公的住宅の必要性が求められていると思います。  そこで、県として居住支援対策については、今後どのように取り組んでいくお考えか、知事にお尋ねします。  質問の六点目は、瀬戸内国際芸術祭におけるコロナ対策についてです。  来年四月に開幕する瀬戸内国際芸術祭の企画発表会が先般開催されました。瀬戸内国際芸術祭は、第一回から「海の復権」をテーマとして開催されていますが、今回もそのテーマで開催されるようです。国内外から多くのアーティストが参加予定であり、また、各種プロジェクトも行われるようで、その陣容は百組にも及ぶそうです。企画発表会で北川フラム総合ディレクターは、瀬戸芸の原点に返ってゆったりと見ていただく、お客さんが行ってよし、迎える人たちが来てよしという歓迎・歓待される芸術祭にしたいと話されています。また、今回は、会場となる島や港だけでなく、地元市町と連携し、本土側も含めて来場者に周遊してもらえるような作品やルートづくりをしているとも話されています。現在の新型コロナウイルスの感染状況から、来場者の検温や体調確認、飲食の制限などのほか、島ごとの実情に応じた感染対策を検討しているとの話もありました。  最近の県下の感染状況は落ち着きを見せているものの、これまでの感染状況を踏まえると、第六波が来ることが懸念されているのが実情ではないかと思います。また、これまでの感染状況などから考えると、他県から多くの人が来県したことで、県内でのコロナ罹患者が増えたという状況もつくり出されました。これまでの瀬戸内国際芸術祭では、多くの人たちに来県していただき、瀬戸内のすばらしさを知ってもらい、本県が有する多様な文化芸術に触れてもらうことで、うどん県だけでなくアート県としても香川県の認知度が向上しました。そして、文化芸術面からの認知度は世界中に広がったと思っています。そのような芸術祭ですから、ぜひ今回も開催してもらいたいと思っている人は県民の中にも多くいると思います。瀬戸内国際芸術祭の開催に合わせてコロナが収束することが一番理想的ですが、そのような都合のいい状況がつくり出されるとは到底思えません。  そこで、県としては、今回の瀬戸内国際芸術祭の開催において、来場者や県民の不安を取り除くためにコロナ対策に万全を期す必要があると思います。これまでのようにボランティアに頼っての運営では、不都合が出たときの初動対応に不安があります。また、島のお年寄りの皆さんがコロナ対策に精通し、適切な対応を取るということも難しいのではないかと思います。  そこで、瀬戸内国際芸術祭の開催に当たり、新型コロナウイルス感染症対策に県としてどのように取り組んでいくのか、知事の御所見をお伺いします。  質問の七点目は、文化財を取り入れた地域づくりについてです。  いろいろな地域にある文化財は、観光資源としてのポテンシャルを持っています。忘れられているような一つの石塔に地域の古い歴史が詰まっており、地元の人々はふだん見慣れて何も感じない風景が、光の当て方、編集の仕方によって珍しい風景となり、一つの観光資源となることがあります。しかし、それらは全て潜在的可能性にすぎません。これが現実の観光資源となるためには、人々が面白いと思い、行ってみたいと思わせることが必要です。そのためには、人の心をつかむような魅力的な情報発信が不可欠であり、その情報が欲しいと思う人々に的確に届けることが必要です。  また、実際に現地に赴いた際、これらを分かりやすく解説できる優れたガイドの存在や、現地をストレスなく移動できる交通手段、滞在するための質素であっても高質の宿泊施設や食事どころ、地域らしい物産などが不可欠です。観光とは文化行為であるとともに経済行為であり、そのことによって地域が経済的に潤うことが大切だからです。  日本の文化財保護法の体系では、有形文化財、無形文化財のほか、民俗文化財、記念物、文化的景観、伝統的建造物群の六種類を文化財として定義しています。もちろん、これらの概念では捉え切れない歴史的価値のある文化的所産が数多く存在しています。  これまでは、文化財は保存・保護することを主眼に置いてきましたが、この間の文化財保護法の改正や新たに創設した日本遺産などにより、魅力あふれる有形や無形の様々な文化財群を地域が主体となって総合的に保存・活用し、国内だけでなく海外へも戦略的に発信していくことで、地域の活性化を図っていくことができるようになりました。これまでの文化財スキームからいえば、これはある意味大きな転換であります。  もとより、個々の文化財にはそれ自体に一つ一つの物語があります。しかし、時代背景や分野も異なる個々の文化財では、それを生み出した地域の歴史文化の全体像が見えてきません。個々の文化財の優劣や希少性を超えて、これらを生み出した地域のすばらしさに光を当てる作業が求められています。そこには、地域住民の地域に対する理解や愛着、つまり地域の誇りの自覚が必要です。まだまだ進んでいないのが現状ですから、文化財を取り入れた取組を行おうとする地域に対し、県はもっと積極的に関わり、様々な支援を行っていかなければいけないと思います。  そこで、文化財を取り入れた地域づくりについて、県としてどのように取り組んでいくのか、知事の御所見をお伺いします。  また、文化財主管の教育長は、個々の文化財に対する補助について、どのように取り組んでいかれるのか、併せてお伺いします。  質問の八点目は、ジェンダー差別解消のための対策についてです。  三月末に世界経済フォーラムが発表したグローバル・ジェンダー・ギャップ・レポート二〇二一では、日本は百五十六か国中百二十位に位置づけられています。ジェンダーギャップが日本社会に根深く潜在していることを改めて示す結果でした。  ジェンダーギャップ是正には様々な場面からの働きかけが必要であり、教育にできることも多くあると思います。私たちは、男はこうあるべき、女はこうあるべきなどのジェンダー規範を他者との関わりの中で内面化し、規範に合った言動を取れるよう学びながら成長します。この過程をジェンダー・ソーシャライゼーションといい、生まれてすぐの親との関わりをはじめ、学校や社会に出てからも継続的に続きます。  一生涯続くジェンダー・ソーシャライゼーションですが、特にジェンダー観に強く影響を与える時期があります。第一に幼少期です。子供たちは五歳の時点でジェンダー規範が内面化されていると言われています。幼少期に加え、十歳から十九歳の時期はジェンダーの影響が顕著に現れ、強化される時期です。同時に、それまでに築かれたジェンダー観や影響を転換してジェンダー意識形成に大きな影響を与えるとされています。最近では変わりつつありますが、日常的に使われる学校の名簿は、いまだに男女別名簿を使っている学校があります。男女別名簿は、女子は順番を待つことで忍耐強さや待つ力がつくられる一方で積極性を失う可能性を、男子は男性が優位という意識を抱く可能性などを考えることができます。このような無意識のうちにジェンダーギャップを浸透させる可能性があると同時に、子供たちと一緒に考えることでジェンダー観を転換させていくこともできます。  ジェンダーギャップの課題は、もちろん教育の現場だけで解決できるものではありません。しかし、アクションを起こしていくことが大切です。日頃から子供たちに接する教員に向けたジェンダー研修は、大きな有効策の一つです。ほかにも、児童・生徒が抱くジェンダーバイアスに気づかせる機会を設け、ジェンダー教育を行う必要性も考えられています。また、女性の理系教員の配置を増やすことや、女性が管理職を務めやすい環境づくり、男女混合名簿を使っていくなどの組織的な対策も重要だろうと思っています。  そこで、教育長にお伺いします。  県下の学校の状況はどうなっているのでしょうか。また、市町の教育委員会の管理下にある学校の状況はどのようになっているのか、把握できているのでしょうか。今後の取組についても併せてお伺いいたします。  質問の最後は、交通死亡事故対策に係る県警察の今以上の取組についてお伺いします。  本県は、交通事故死者数が人口十万人当たりで全国ワースト上位の年が続いています。その原因についてはいろいろと言われていますが、死亡事故の詳細を見ますと、高齢者の数が依然として多く、時間帯では夜間、早朝が多くなっています。横断歩道において起こる事故も多く、また、現時点では自転車による交通事故も多いのが現状です。それぞれの年によってある程度の動きはありますが、今述べた事故が大半を占めています。  高齢者には、これまでも地域での高齢者運転の講習等を通じて交通安全指導を行うとともに、学生・生徒には学校行事や課外活動の一環として交通安全教育がされているところです。研修、講習などを通じて、ある一定の効果が認められることは否定するものではありません。しかしながら、交通事故の割合は減ってきているものの、人口当たりの数値を見ますと、全国の中で本県は悪いほうから数えたほうが早い状態となっています。これは、ほかの都道府県よりも対策に遅れが見られるからではないでしょうか。もしそうでないのであれば、これまで行政や県警察が行ってきた対策の対象者以外で、何か原因があるのかもしれません。  警察官による交通指導取締りも、県内のいろいろなところで行われています。その効果は数字として表れているのでしょうか。交通指導取締りによる抑止効果の結果、どのように交通事故が減っているのか、お伺いします。  また、免許更新時の研修についても、どの程度の交通事故抑止効果が見られるのか、また、研修の効果を一層高めるため、今後どのような取組を行っていく考えか、併せてお伺いします。  あおり運転については、悪質で痛ましい事故が起きたことでマスコミが連日この問題を取り上げ、警察をはじめ関係機関が対策に乗り出したことにより、最近ではあおり運転は減少してきていると思います。全てを警察に任せて済むものでないことは承知していますが、良心に呼びかけるだけでない対策も必要ではないかと思います。  そこで、交通死亡事故の一層の抑止に向けて、今後どのように取り組んでいくお考えか県警本部長にお聞きしまして、私の代表質問を終了いたします。(拍手、降壇) ◯議長(十河 直君)理事者の答弁を求めます。  浜田知事。    (知事浜田恵造君登壇) ◯知事(浜田恵造君)かがわ立憲みらい代表森議員の御質問にお答えいたします。  まず、コロナ禍における財政運営と来年度予算についてであります。  議員御指摘のとおり、新型コロナウイルス感染症の影響が県民生活や地域経済に大きく及んでおり、県では、これまで感染状況に応じ、適時・適切な対策を講じるとともに、今定例会には、今後の感染拡大に備えた保健・医療提供体制の整備や営業活動回復加速化に向けた支援等に係る予算議案を提案しているところであり、今後も時機を逸することなく必要な対策を効果的に講じていく必要があると考えております。  こうした中、このたび策定した新たな財政運営指針では、後年度、引き続き多額の財源不足額が見込まれるなど、厳しい財政状況が続く中で、あらゆる歳入確保策や歳出抑制策を講じることにより、対象期間中の財源不足の解消を図ることとしておりますが、今後とも新型コロナウイルス感染症対策をはじめ、山積する諸課題に的確に対応していくためには、国に対し、一般財源総額の確保を強く働きかけるなど歳入確保を図るとともに、施策の有効性等の観点からの事業の見直しや、スクラップ・アンド・ビルドの徹底などによる歳出削減を強力に進めていくことにより、必要な財源を確保してまいりたいと考えております。  お尋ねの持続可能な財政運営に向けては、後年度の財政負担となる県債残高や、年度間の不測の事態に備えた基金残高にも十分意を用いる必要があると考えており、指針の目標として、社会経済情勢の変化などにも対応しつつ、引き続き県債残高の減少を目指すとともに、財源対策用基金について、対象期間中、収支均衡を図るため、全額取り崩すこととしておりますが、今回新たに、災害等の不測の財政需要に備え、可能な限り取崩しを抑制するよう努めることとしております。  私といたしましては、今後、一層厳しさを増す財政状況の中で、県債残高や基金残高も含め、財政規律の確保に意を用いつつ、県政の諸課題に積極的に取り組んでいけるよう、新たな指針に沿って、中長期を見通した持続可能な財政運営を進めてまいりたいと考えております。  また、来年度の予算編成に当たりましては、新たな財政運営指針に沿って財政の持続可能性を高めつつ、先般示された国の経済対策にも適切に対応するほか、足元の新型コロナウイルス感染症対策に万全を期すとともに、新たな総合計画「みんなでつくるせとうち田園都市・香川」実現計画の基本目標である「せとうち田園都市の確かな創造」の実現に向け、直面する大きな課題である「災害に強い香川づくり」、「人口減少問題の克服と地域活力の向上」に加え、「デジタル化の推進、グリーン社会の実現などの社会変革への対応」などにも力点を置きたいと考えております。  具体的には、新型コロナウイルス感染症対策として、引き続き感染拡大防止と医療提供体制の整備、地域経済の回復・活性化などに取り組むほか、南海トラフ地震や豪雨災害等に備えた防災・減災対策、行政や企業のデジタル化、脱炭素や地球温暖化対策を積極的に進めるとともに、「子育て県かがわ」の実現に向けた取組や、香川の将来を担う子供たちを育てるための教育の充実なども含め、限られた財源を有効に活用して、創意工夫を凝らしつつ、効果的でめり張りのある予算編成を行ってまいります。  次に、防災における共助の促進についてであります。  大規模災害がいつ発生してもおかしくない状況にある中、災害による被害を最小限に抑えるためには、警察や消防、自衛隊などの公助による対応だけでなく、議員御指摘のとおり、共助によって地域で互いに助け合うことが極めて重要と考えております。  このため、県では、共助の要となる自主防災組織の活動を促進するために、豊富な知識や経験を有するアドバイザーの派遣などを行うとともに、今月二十日には自主防災組織リーダー研修会を開催し、自主防災活動の先進事例の紹介や「香川県防災ナビ」の活用促進、さらには気象情報の知識の習得など、地域の防災人材の育成に取り組んでおります。  また、地域住民が主体となって地域の災害リスクの理解を深め、平常時や災害時に住民の皆様が取るべき行動について、地域で考え、検討する契機となる地区防災計画の策定など、自主防災組織の先進的な取組に対して支援するとともに、災害に強い香川づくり集中対策推進事業補助金により、高齢者などの避難行動要支援者の円滑な避難に向けた個別計画の作成促進や防災士の養成など、各市町が行う共助の取組についても引き続き支援してまいりたいと考えております。  さらに、かがわ自主ぼう連絡協議会と連携して地域における防災訓練の指導を行うとともに、県の総合防災訓練やシェイクアウト訓練では、県民の皆様の防災意識の啓発に取り組んでいるほか、香川県防災士会の御協力の下、家具類転倒防止対策促進事業を実施するなど、平常時から、共助の中心的役割を担う団体等と緊密な連携体制の構築に努めているところであります。  私といたしましては、今後、より一層こうした取組を進め、災害発生時に自助・共助・公助が相まって被害を最小限に抑えられるよう、各市町や防災関係機関と連携しながら災害に強い香川づくりに取り組んでまいります。  次は、今後の地域医療提供体制についてであります。  本県においては、平成二十八年十月に策定した地域医療構想に沿って、各構想区域に設置された地域医療構想調整会議での議論も踏まえながら、回復期病床等への転換など、医療機関の自主的な取組に対する支援を通じて、医療能の分化・連携に取り組んでおります。一方で、今般の新型コロナウイルス感染症の拡大は、本県の医療提供体制に大きな影響を与えていると認識しております。  このような中、国の医療計画の見直し等に関する検討会が昨年十二月に取りまとめた「新型コロナウイルス感染症対応を踏まえた今後の医療提供体制の構築に向けた考え方」では、地域医療構想について、病床の必要量の推計や考え方など基本的な枠組みを維持しつつ、引き続き着実に取組を進めていく必要があると示されたところです。  私としましては、新型コロナウイルス感染症等の新興感染症に適切に対応するための地域医療提供体制の構築は重要であると考えており、国に対する重点要望において、地域医療構想の実現に向けた医療機関の再編・統合を拙速に進めることなく、県と十分に協議の上、各医療機関が地域で担う役割や機能分化・連携の状況等を踏まえた施策を実施するよう強く要望しております。現在、国においては、令和六年度からを計画期間とする第八次医療計画について、従来の五疾病五事業に、新たな事業として新興感染症への対応を位置づけ、検討が進められており、今後は国の検討状況を注視するとともに、これまでの本県における経験や知見等を踏まえ、次期保健医療計画の策定に向けた検討を行ってまいります。いずれにしても、今後とも地域医療構想調整会議での議論など、地域の実情に応じた丁寧な協議と併せ、保健医療計画に基づいた必要な対策を着実に実施しながら、良質かつ適切な医療を持続可能な形で効率的に提供する体制の確保を図ってまいりたいと考えております。  次に、コロナ禍における中小・零細事業者への支援についてであります。  全国的に新型コロナウイルスの新規感染者数が減少傾向ではありますが、これから年末年始を迎えるに当たり、外出や飲食の機会も増えてくるものと想定されるため、今後の再度の感染拡大につながらないよう十分に留意し、引き続き感染防止対策の徹底に努める必要があると考えております。そのため、本格的な消費活動の回復には、まだ一定の時間を要するものと考えられ、県内の中小企業、特に小規模事業者を取り巻く経営環境は、引き続き厳しい状況にあるものと認識しております。  県ではこれまで、これらの事業者の方々の事業継続を、新たな制度融資である新型コロナウイルス感染症対応資金融資をはじめ、持続化応援給付金や家賃応援給付金などにより支援してきたところであり、現在も、売上げの減少に直面した幅広い業種の事業者に活用いただける香川県営業継続応援金(第三次)や、雇用維持のための香川県緊急雇用維持支援金等の申請受付を行っております。さらに、議員御指摘のコロナ禍で経済的苦境に立たされている業種をはじめ、多くの事業者の方々に早期の営業活動の回復や次の事業展開へつなげていただくため、新たに今議会の補正予算議案として香川県営業活動回復加速化支援金や公共交通等利用回復緊急支援事業等を御提案しております。  また、県内中小企業が培った技術やノウハウを次世代に引き継ぐ事業承継につきましては、専門家を活用した事業承継計画の策定や第三者への事業の引継ぎ等に係る経費の助成を行っているほか、本年四月からは親族内承継や第三者承継などをワンストップで支援する事業承継の総合支援センターとして、香川県事業承継・引継ぎ支援センターが高松商工会議所内に設置されたところであり、本センターとの連携をはじめ、香川県事業承継ネットワークを構成する商工会・商工会議所、金融機関等の支援機関とも連携しながら、後継者の確保も含めた様々な課題の解決に向け、きめ細かな支援を行ってまいります。  私といたしましては、全国知事会等を通じて、国において大胆な経済支援等を講じるよう求めていくとともに、県においても県内中小・零細事業者のニーズを踏まえた事業継続や事業承継への支援を実施することにより、地域活力の向上と地域経済の活性化に、引き続きスピード感を持って取り組んでまいります。  次は、居住支援対策についてであります。  県では、平成二十八年度に策定した香川県住生活基本計画において、若年層を含む低額所得者や障害者など住宅確保要配慮者の世帯が多様化していることを背景に、適切な住宅供給が図られるよう、「住宅セーフティネット機能の確保と強化」を住宅施策の目標の一つに掲げております。  この目標を実現するため、公営住宅については、住宅セーフティネット機能を担うものとして、各市町と連携し、真に住宅に困窮する世帯への適切な供給を確保することとしており、県営住宅では、平成三十年度に単身世帯の入居年齢を六十歳以上から三十歳以上に引き下げるとともに、昨年度、生活保護受給者について連帯保証人を免除できることとしたほか、本年七月から、従来の定期募集で応募がなかった住戸について、随時申込み可能となる常時募集を行い、入居機会を増やしたところであります。  また、住宅確保要配慮者の安全な民間賃貸住宅への円滑な入居を促進することとしており、住宅確保要配慮者の入居を拒まない住宅、いわゆるセーフティネット住宅の登録制度は、公営住宅を補完するものとして平成二十九年度に創設され、本県での登録戸数は先月末現在、一万二千九百十七戸となっており、そのうち住宅確保要配慮者専用の賃貸住宅については三戸となっております。  低額所得者など住宅確保要配慮者に対する家賃補助につきましては、市町が、住宅確保要配慮者専用住宅の入居者に対して国の補助制度を活用して行うことができることとなっており、引き続き県内ニーズを把握するほか、事業の実施主体となる各市町の意向も十分に確認するとともに、他県の先行事例の情報収集を行いながら検討してまいります。  私としましては、各市町や関係団体とも連携しながら、公営住宅の適切な供給や利用促進を図るとともに、セーフティネット住宅の登録を促すなど、若者を含む住宅確保要配慮者への支援に取り組んでまいりたいと考えております。  次は、瀬戸内国際芸術祭における新型コロナウイルス感染症対策についてであります。  次回の芸術祭に向けては、瀬戸内国際芸術祭二〇二二取組方針に沿って鋭意準備を進めており、今月九日に開催した企画発表会において、アートプロジェクトの概要や新型コロナウイルス感染症対策の方針等を発表するとともに、接触機会の低減にも資するデジタル作品鑑賞パスポートを新たに導入することなどについて情報発信を行いました。  新型コロナウイルス感染症対策につきましては、国や本県の新型コロナウイルス感染症に関する対処方針を基本的な指針とし、業種別の感染拡大防止ガイドライン等に沿って適切に実施したいと考えております。具体的には、マスクの着用や手洗い、手指消毒、換気、密集の回避、飲食の制限、イベント出演者等の行動管理などの基本的な対策を徹底するほか、来場者の検温等の実施や島での有症状者の発生時の対応等について、効果的かつ効率的に実施できるよう検討を行っております。今後、会場の多くが離島であることを十分踏まえ、また、それぞれの島の実情に応じて、専任のスタッフの配置も含め、地元市町や関係団体等とも連携しながら、島ごとに具体的な対策を取りまとめたいと考えています。その後におきましても、感染状況や国の対処方針の動向等を注視し、県議会での御議論等を踏まえながら、適切かつ柔軟に対応できるよう努めてまいります。  私といたしましては、島民の皆様や来場の皆様の安全・安心に意を用いていくことを基本に、万全の態勢で開幕を迎えられるよう取り組むことで、次回の芸術祭を成功に導き、本県の活力向上や発展につなげてまいりたいと考えております。  最後に、文化財を取り入れた地域づくりについてであります。  議員御指摘のとおり、魅力あふれる有形、無形の様々な文化財群を活用し、地域の活性化を図っていくことは、大変重要であると考えております。  このため、県立ミュージアムでは、県内各地域に根差した歴史や民俗、美術等の調査研究を継続的に行い、一定の成果がまとまった段階で、地元報告会や展覧会を開催するなど、文化資源の掘り起こしとその活用に取り組んでいます。本年の秋の特別展「近代香川を生み出したまち 多度津ものがたり」では、江戸時代末期から昭和にかけての近代化への変遷や当時の建物が残るまちの魅力を紹介するとともに、より深く理解いただけるよう、学芸員による現地でのガイドツアーや町立資料館での関連企画展の開催など、地元と連携した新しい試みも行ったところであります。  また、四国遍路の世界遺産登録に向けた取組として、札所寺院の文化財調査の成果を分かりやすく紹介する報告会や、地元小学生を対象とした見学授業を実施しているほか、昨年度から四国遍路を生かしたまちづくりや地域活性化を考える講座を開催し、地域住民が主体となって身近な資産の保存・活用を行っていく機運を高めております。  さらに、地域活力の向上を図るためのモデル的な事業等を行う市町や魅力ある地域づくりに資する事業を行う団体への補助事業、香川県文化芸術振興財団の助成事業等を通じて、地元の祭りの復活や伝統芸能を披露するイベントの開催、地域の伝統文化や歴史の保存会の活動などに対する支援も行っております。  私といたしましては、地域の誇りであり、固有の貴重な資産である文化財を将来にわたり保存・活用し、文化財を取り入れた地域づくりを進めていけるよう、引き続き積極的に取り組んでまいります。(降壇) ◯議長(十河 直君)工代教育長。    (教育長工代祐司君登壇) ◯教育長(工代祐司君)かがわ立憲みらい代表森議員の御質問にお答えいたします。  まず、文化財を取り入れた地域づくりについてであります。  議員御指摘のように、多様な文化財を総合的に捉え、それらを生み出した地域の特色や魅力を明らかにしていくことは、地域づくりにおいて極めて重要であると考えております。昨年十二月に策定した香川県文化財保存活用大綱では、「「せとうち・香川」ならではの歴史文化の探求とそれを生かしたまちの魅力向上」を基本目標とし、文化財の掘り起こしや担い手の育成、文化財を生かした地域づくりなどに取り組むこととしております。
     文化財を積極的に活用するためには、適切な保存修理を実施することが必要であり、国や県では民間所有者や市町に対して、技術的・財政的な支援を行っているところであります。国指定文化財につきましては、県において、民間所有の文化財の修理等への補助に加え、市町が管理する文化財に対しても、令和元年度からは保存活用計画の作成を前提とした補助を行っており、国や各市町と連携して貴重な文化財の保護に取り組んでいるところであります。県指定の文化財につきましても、有形文化財の維持管理や無形民俗文化財の後継者育成事業等に対して、その経費の一部を支援しているところであります。  また、県の大綱に基づき市町が作成する文化財保存活用地域計画は、地域の多様な文化財について総合的な保存や活用の在り方を示すものであり、国の計画認定後は、活用事業に対する国の補助事業等の優遇措置が受けられるようになることから、県教育委員会では、市町による地域計画の作成に対する支援に、より一層取り組んでまいります。  県教育委員会といたしましては、国に対して補助事業の拡充等を要望するとともに、知事部局や各市町と連携しながら、文化財を核とした地域づくりにつながるよう、今後とも文化財の適切な保存と活用に努めてまいります。  次に、ジェンダー差別解消のための対策についてであります。  議員御指摘のとおり、学校教育の期間は、ジェンダー意識の形成に大きな影響を与えることから、学校教育においても、性別の違いによる格差が生じない取組を進めていく必要があると考えています。  県教育委員会では、学校に出向いて行う出前講座において、消防士は男性のみの仕事であるといった無意識の思い込みの例を取り上げるなど、教職員が性別に関する固定的な観念や偏見を持って子供たちに接することがないよう、研修の充実を図っているところです。また、県内の公立学校では、男女別の整列や上靴の色の固定化などの習慣や慣行を見直すことや、中学校の保健体育の授業では、性差について理解するとともに、異性を尊重し合うことの大切さを学ぶこと等を通じて、一人一人の個性や能力が尊重される教育を推進しています。  女性の理系教員の配置を増やすことについては、その比率は上昇傾向にありますが、採用広報活動に工夫を凝らすこと等により、引き続き教員を志望する女性の増加に努めてまいります。  女性が管理職を務めやすい環境づくりについては、勤務時間の管理や業務改善などの働き方改革を一層推し進めることにより、男女を問わず全ての教職員が働きやすい職場環境を整備し、仕事と家庭の両立支援を進めてまいります。  また、男女混合名簿については、令和三年度において県内公立学校の九三・八%が使用しており、その取組が進められているところです。  県教育委員会といたしましては、性別に関わりなく、その個性と能力を十分に発揮することができる社会を目指し、市町教育委員会と連携しながら人権教育を一層充実してまいります。(降壇) ◯議長(十河 直君)今井警察本部長。    (警察本部長今井宗雄君登壇) ◯警察本部長(今井宗雄君)かがわ立憲みらい代表森議員の交通死亡事故抑止対策についての御質問にお答えいたします。  議員御指摘のとおり、本県における交通死亡事故は、高齢死者や夜間・薄暮時間帯の発生割合が約六割を、交差点や横断歩道での発生割合も約五割を占めるなどの特徴があり、依然として人口当たりの死者数は全国ワースト上位と厳しい交通情勢が続いております。  このため、県警察では、交通事故分析に基づいた交通指導取締りをはじめ、各年齢層や交通手段に応じたきめ細かな交通安全教育の推進、交通事故の起きにくい交通環境の整備など、総合的な交通死亡事故抑止対策に取り組んでまいりました。  特に、交通指導取締りでは、地域の交通事故実態や県民の要望等を踏まえ、重大事故に直結する横断歩行者等妨害や、一時不停止等の交差点関連違反の取締りを強化したことにより、本年十月末現在で歩行者が犠牲となる事故が昨年同期比で九人減少したほか、交差点及び交差点付近の事故による犠牲者も十人減少するなど、一定の効果が見られるところです。  また、高齢者に対しては、セーフティアドバイザーが高齢者宅を個別に訪問し、具体的な交通安全指導を行っているほか、危険な交通行動を取る高齢者に対する街頭指導を強化したことにより、高齢死者も昨年同期比でマイナス十五人と大幅に減少しております。  さらに、独自の講習用教材を制作・活用して運転免許更新時講習の高度化を図り、十年前には七十歳未満の運転免許更新者に占める優良運転者の割合が四九%であったところ、昨年は五六%に向上しております。そこで、現在、県警察では運転免許更新時等に使用する新たな交通安全教育用映像教材を制作し、令和四年度から活用することとしております。  県警察といたしましては、引き続き関係機関や団体と緊密に連携して、悲惨な交通死亡事故の抑止に努めてまいります。(降壇) ◯議長(十河 直君)理事者の答弁は終わりました。  代表による質疑・質問を終局いたします。    ───────────────────────────── ◯議長(十河 直君)次に、日程第三、議案第十八号から議案第二十一号までの四議案を一括議題といたします。  本件に関し、総務常任委員長及び文教厚生常任委員長の報告を求めます。  総務常任委員長新田耕造君。    (新田耕造君登壇、拍手) ◯新田耕造君 総務委員会の審査の経過及び結果について御報告いたします。  本委員会に付託されました案件は、議案二件であります。  議案第十九号は、本年度の民間給与との較差等を踏まえた人事委員会勧告の趣旨等に基づき、職員の期末・勤勉手当の改定を行うものであり、議案第二十一号は、一般職の職員の期末・勤勉手当の改定を踏まえ、知事等の期末手当の改定を行うものであります。  本委員会では、議案の内容について理事者の説明を聴取し、期末・勤勉手当の改定のポイントについて、意見、要望を交えながら理事者の見解をただした後、付託されました議案の採決を行った結果、原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。  これをもって総務委員会の報告を終わります。(拍手、降壇) ◯議長(十河 直君)文教厚生常任委員長山本悟史君。    (山本悟史君登壇、拍手) ◯山本悟史君 文教厚生委員会の審査の経過及び結果について御報告いたします。  本委員会に付託されました案件は、議案二件であります。  まず、議案第十八号は、新型コロナウイルス感染症対策に伴う増額補正を行うものであります。  これは、健康上の理由等によりワクチン接種を受けられない者が社会経済活動を行う際の検査等を無料化するために要する経費並びに軽症者等が医療機関外で療養するための受入れ施設の確保等に係る経費や臨時医療施設の設置に係る経費など、医療提供体制の整備・強化に要する経費のほか、年末年始に帰省する県外居住者に対する事前のPCR検査や、高齢者施設等の従事者に対する年始直後のPCR検査の実施に係る経費について、増額補正を行うものであります。  また、議案第二十号は、本年度の民間給与との較差等を踏まえた人事委員会勧告の趣旨等に基づき、公立学校職員の期末・勤勉手当の改定を行うものであります。  本委員会では、議案の内容について理事者の説明を聴取した後、議案の採決を行った結果、付託されました議案二件につきまして、原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。  これをもって文教厚生委員会の報告を終わります。(拍手、降壇) ◯議長(十河 直君)以上で委員長報告を終わります。    ───────────────────────────── ◯議長(十河 直君)これより議案の採決に入ります。  まず、議案第十八号及び第二十一号の二議案を一括議題といたします。  これらの二議案については、討論の通告がありませんので、直ちに起立により採決いたします。  これらの二議案を、いずれも原案のとおり可決することに賛成の諸君の御起立を求めます。    (賛成者起立) ◯議長(十河 直君)起立全員、よってこれらの二議案は、いずれも原案のとおり可決いたしました。    ───────────────────────────── ◯議長(十河 直君)お諮りいたします。  ただいま議案第十八号を原案のとおり可決いたしました結果、議案第一号の数字の整理を要しますので、その整理を議長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。    (「異議なし」と呼ぶ者あり) ◯議長(十河 直君)御異議なしと認め、そのように決定いたします。    ───────────────────────────── ◯議長(十河 直君)次に、議案第十九号及び第二十号の二議案を一括議題といたします。  これらの二議案については、討論の通告がありませんので、直ちに起立により採決いたします。  これらの二議案を、いずれも原案のとおり可決することに賛成の諸君の御起立を求めます。    (賛成者起立) ◯議長(十河 直君)起立多数、よってこれらの二議案は、いずれも原案のとおり可決いたしました。    ───────────────────────────── ◯議長(十河 直君)次に、日程第四、発議案第一号、香川県議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当支給条例の一部を改正する条例議案を議題といたします。  本発議案の提出者及び案文は、配付のとおりであります。  お諮りいたします。  本発議案については、提出者の説明及び委員会付託を省略いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。    (「異議なし」と呼ぶ者あり) ◯議長(十河 直君)御異議なしと認め、そのように決定いたします。  本発議案については、討論の通告がありませんので、直ちに起立により採決いたします。  発議案第一号を、原案のとおり可決することに賛成の諸君の御起立を求めます。    (賛成者起立) ◯議長(十河 直君)起立全員、よって、本発議案は、原案のとおり可決いたしました。    ───────────────────────────── ◯議長(十河 直君)ただいま議決いたしました議案を除く議案及び陳情を、お手元に配付の委員会付託一覧表及び請願陳情文書表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。    ───────────────────────────── ◯議長(十河 直君)お諮りいたします。  委員会審査等のため、十一月二十六日、十一月二十九日から十二月三日まで、及び十二月六日から十二月八日までの九日間を休会といたしたいと存じますが、御異議ありませんか。    (「異議なし」と呼ぶ者あり) ◯議長(十河 直君)御異議なしと認め、そのように決定いたします。    ───────────────────────────── ◯議長(十河 直君)以上で本日の日程は、終了いたしました。  次会は、十二月九日午前十時本会議を開きます。なお、議事日程は、追って報告いたします。  本日は、これをもって散会いたします。                          午後三時二十五分散会 Copyright (c) Kagawa Prefectural Assembly Minutes, All rights reserved....