• "不動産鑑定評価額"(1/1)
ツイート シェア
  1. 香川県議会 2021-09-01
    令和3年[9月定例会]総務委員会[政策部、出納局、監査委員事務局] 本文


    取得元: 香川県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-31
    ▼最初のヒットへ(全 0 ヒット) 新田委員長  これより、質疑、質問を開始いたします。 鏡原委員  私からは、2点質問させていただきたいと思います。  まず1点目は、かがわデジタル化推進戦略についてであります。  冒頭、デジタル戦略総室長から、素案についての説明がございました。骨子案でも示されておりました6つの基本方針に沿って進めていくということです。推進戦略の説明ですが、共創と創発の2点を柱として進めていくということでありました。  今、社会は、先行きが不透明・不確実な時代であるとともに、発想を超える極端な進化も起こり得る時代であり、新たなデジタル技術を活用したサービスも、現在、次々に生まれております。そうした中で、県民の皆様や民間事業者などとともに進めていく共創という考え方を示したことに加え、予想を超えるイノベーションを誘発するという意味の創発という考え方を示し、戦略策定時に期間中の取組を固定せず、環境の変化に柔軟に対応するよう適応しながら進めていくということについては、今の時代の考え方を反映した、まさに戦略というべきものになっていると思います。  しかしながら、一方で、そうした進め方には、優柔不断さや場当たり的な面も出てくるので、そのことにはぜひ注意をしていただきたいと思っています。  また、推進の基本姿勢に、骨子にはなかった県民起点ということを新たに取り入れていただいて、誰のための戦略なのかをより分かりやすくすることができていると評価したいと思っています。  そういった中で、官民が集い、学び、交わり、共創するコミュニティとして、「かがわDX Lab」を設けると伺っています。  この戦略の策定には、香川ならではの特徴を生かし、香川だからこそ実現できるデジタル社会を示すことが必要であり、コンパクトな県土で、官民が集う、このコミュニティが実現すれば、基本方針に掲げられたデジタルによる新しい流れを呼び込む第一歩になると期待をしていますし、そう考えています。  そこで、戦略の基本理念である「安心・便利・豊か 人が主役のデジタル社会・かがわの形成」の実現に向け、県民の皆様や民間事業者、市町、県など、官民が集うコミュニティとはどのようなものを考えているのかお伺いします。 井手下デジタル戦略総室長  かがわデジタル化推進戦略については、推進戦略として、「共創戦略」、「創発戦略」という2つの考え方を持って進めたいと考えています。  まず、この推進戦略で、この2つの柱を掲げたその経緯について御説明をさせていただくと、県民の皆様の立場になって、県民目線サービスの向上に資する取組を実践する際に重要なことを考えたときに、日常生活の中で、通勤や通学などで1つの自治体にとどまらず、複数の自治体を移動していることが、特にコンパクトな本県であるがゆえに、そういったことが多いと思っています。香川県を1つの生活圏として捉えた場合、ある市ではできているが、ほかの市町ではできていないという差が現れることは、お住まいの県民の皆様にとって、我々が掲げる「安心・便利・豊か」といった基本理念に沿っているのか、ということで、この生活圏の中では一定程度デジタル化を同じように進めてまいりたいと考えました。  一方で、この4月以降、市町の情報担当者等と意見を交わしたところ、国から自治体DX推進計画が示され、情報システムの標準化・共通化を令和7年度までにやっていくことになっており、規模の小さい自治体では、その対応だけでかなり手がかかり、地域社会デジタル化まで手が回っていないという現状が実情であると感じました。  こうした中で、県としては、地域社会デジタル化を生活圏として進めるためには、市町と常に胸襟を開き、膝を突き合わせて、ざっくばらんに地域社会のDXについて意見を交わす場所が必要ではないかと思ったのがこの戦略のきっかけです。  その際、行政だけで考えるのではなく、我々の生活をデジタル技術の面から革新していくのは、民間事業者の知見が占める割合が大きく、民間事業者の優れた技術、アイデアを取り入れることが不可欠だと考えており、民間事業者側から見ても、行政とともに地域課題の解決や新たな価値の創造という目的で自社のサービスを開発したり、行政の実務や法律等の規制について情報交換の機会を望んでいるという声もお聞きしました。そうした声も含め、行政と民間事業者を引き合わせるような仕掛けが必要ではないかと考えた次第です。  「かがわDX Lab」のLabは実験や研究所という意味ですが、そうした場を、現実空間あるいはオンライン空間にこだわらず、官民が集い、学び、交わり、共創するコミュニティとして設けたいと考えています。  これには、県と市町だけでなく、民間の事業者を国内外から広く募りたいと考えています。官民が一体となって、常に最新のデジタル技術に関する情報を共有し、デジタル技術とデータの活用によって、県民の皆様の「安心・便利・豊か」を向上させ、地域の課題は何か、それをどのようにすれば解決できるのかということを、ここに参加するみんなで、県民起点で地域の課題を解決して、幅広い分野でのデジタルトランスフォーメーションにつなげてまいりたい、意見をぶつけ合って、そこから生み出されたアイデアを早期に具体化し、実証実験等もやっていくことにより、継続的にサービスの質を高めていくということを基本的には考えています。  加えて、こういった取組を重ねることが、行政側の職員のデジタルリテラシーの向上といった人材の育成にもつながっていくのではないかと考えています。 鏡原委員  どういうような形でかがわDX Labに取り組もうとしているのかということについて、一定理解しましたが、その中で、民間業者の知恵を借りるとなると、その事業者からすれば、自分の技術などをオープンなところで提示していくことにもつながるので、公共的な場ではやりづらいところもあるだろうし、逆に、あまり近づき過ぎても、そこにしかできないことになってくるので、いろいろな問題が発生してくることも考えられます。そういったことをどうクリアにしていくのかも含め、今後、どのように進めていこうとしているのか、お伺いしたいと思います。  多くの方に関わりをつくってもらうことは必要で、おっしゃるとおりだと思います。特に、行政や企業がメインだとは思うのですが、県民自体も存在する必要性があります。存在の仕方はいろいろあり、直接存在することもあれば、考え方の基軸として存在するということもあると思いますが、いずれにしても、県民自体が存在する必要があると思っていますので、今後の進め方について、その点も聞かせていただければと思います。
    井手下デジタル戦略総室長  現在、かがわDX Labは、基本的な方向性や趣旨を、各市町に説明をして、一定の理解を得ております。今後の進め方については、県だけで考えるのではなく、各市町の意見もぶつけ合いながら考えていきたいと思っており、まだ、スタートに立ったばかりというところです。  その際に、民間事業者との距離感、あるいは技術的な秘密の開示的なものも含めて、今後検討し、民間事業者を全国から募集したいと考えていますが、その際には、それらを明らかにしながら、進めてまいりたいと考えています。  また、県民の皆様の参加という御指摘もありましたが、地域社会デジタル化は、県民の皆様の理解を得て、多くの方がそのデジタル化の取組に参加し、使っていただくことだと思っています。かがわDX Labの中で生まれたサービスを利用いただくのは、まさしく県民の皆様と考えており、今後、実証実験もしていく中で、関心を持っていただき、多くの皆様に理解と参加していただくことで、サービスの改善や新しいサービスが生み出されると思っています。そうしたことも含めて、このデジタル化戦略について、今後、パブリックコメントも実施し、集まった意見も参考に、検討を進めてまいりたいと考えています。 鏡原委員  デジタル化の本質は、情報の集約化といいますか、情報をいかにして一か所に集め、利用していくかということで、「安心・豊か・便利」という、いわゆるエンドユーザー向けのものは限られてきます。行政の手続のデジタル化など、デジタル化したものをどう集め、どう使っていくのか、そこが一番重要な点なのではないかと思っていますので、その点について、お考えいただきたいと思います。  この戦略の推進に当たっては、市町とも連携をして、パブリックコメントもするということですが、県民の声を十分に聞いていただき、県内全域に効果が波及をしていくようにやっていただきたいと思います。  各市町によっても、取り組む姿勢の違いが出てくると思います。高松は、既に取り組んでいると思うのですが、周辺市町と連携しようにもやりづらいと高松市から聞いたりもします。市町によって温度差はあると思いますので、全て同一に、高水準にというのは、一気には無理だとは思いますが、一定レベルを保ちつつ、県内の地域のデジタル化が進むよう、市町と一緒になって取組を検討していただきたいと思います。  先日も指摘しましたが、用語について、検討していただいて、言葉や意味合いも分かり易くしていただいているとは思うのですが、もう一歩、和訳しにくい言葉もあると思いますが、我々にとって何なのかというようなところを、もう少し落とし込んで、言葉の研究というか、辞書的なものがつくのだろうと思いますが、それを見て読む人はいませんので、見て一発で分かるような言葉の検討をしていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。  次に、行政手続オンライン化についてお伺いします。  かがわデジタル化推進戦略の策定によって、今後、生活や産業の分野でデジタル化の加速化が期待されるところですが、そのほか、今すぐにでもできるデジタル化の取組の一つとして、行政手続オンライン化があると思っています。これまで平日に時間を取って、役所の窓口に出向いていた手続が、時間や場所の制約がなく、いつでもどこでも行えるようになることで、県民がデジタル化の恩恵を実感できる最たるものではないかと思います。今回のデジタル化推進戦略次期総合計画にも、手続のオンライン化の取組が記載されており、その指標として、令和7年度には、行政手続のうち、オンライン申請等ができるものを100%にすると記載されていますが、まず、本県の行政手続オンライン化の現状についてお教えいただきたいと思います。 井手下デジタル戦略総室長  県では、県民の皆様の利便性向上を図るために、インターネットを利用して申請や届出などの手続ができるよう、平成16年度から行政手続オンライン化に取り組んでいます。令和2年度末時点では、電子申請届出システム公共施設予約決済システム電子入札システム等を含め、10のシステムを提供しています。  このうち、電子申請届出システムは、申請や届出の手続をオンライン化する汎用的なシステムであり、他の専用システムを持たない手続については、このシステムで運用しています。このシステムについては、市町と共同運用しており、香川県のほか4市3町、広域水道企業団が現在利用しており、10月からは、1市1町が加わる見込みです。  オンライン化している知事部局の手続数を調べたところ、令和2年度末で、全体の手続数は約4,000あり、そのうちオンライン化できているのは72手続、率にして1.7%という状況です。 鏡原委員  平成16年度から取組を進めており、知事部局オンライン化されている手続は全体の1.7%ということで、あと98.3%を令和6年までに進めていくということですが、デジタル化なので、すぐにできるのかもしれませんが、困難で、これまでできなかったものが、令和6年まで、あと3年、4年でできるのかというところもあるのですが、どのように取り組んでいこうというお考えなのか伺います。 井手下デジタル戦略総室長  1.7%から100%までどうやって持っていくのかということですが、先ほど申し上げたように、4,000手続中72手続がオンライン化、残り3,900余りについてオンライン化できていないということです。  この3,900余りについて、なぜオンライン化できていないのか、そういったものを妨げる要因があるのかを、今年5月庁内で調査し、その内容を分析しました。  主なものとしては、添付書類として原本の提出を求めているもの、本人確認の手段として押印や署名、自署を求めているもの、あるいは申請時に書類提出と同時に手数料を収納する必要があるもの、あるいは県への申請に際して、市町を経由して申請する手続があり、これらは今すぐ、電子申請届出システムに載せていくというのは難しいと考えていますが、その難しい手続を数えると、約1200あり、そういった要因がないものについては、残りの約2,700という数字になります。県としては、まずこの約2,700の手続を現行の電子申請届出システムを使ってオンライン化を行いたいと考えており、ボリュームも多いのですが、このうち1手続当たり処理件数年間ベースで120件程度、月に直すと10件以上といった一定のボリュームがある手続が140程度あり、この部分について、まずオンライン化を重点的に進めたいと考えています。  その約140手続に係る申請件数が、全体のうちの84万件を占めており、全体で約4,000件の手続に対して年間の処理件数が約155万件あり、140手続をオンライン化すれば、オンライン化した処理件数が113万件分まで上がり、割合にして約4分の3以上の手続がオンライン化可能になると見込んでおり、そこを重点的にオンライン化することにより、高い効果が早期に得られるのではないかと考え、今後、担当課の調整を速やかに進めてまいりたいと考えています。  併せて、現行のシステムの使い勝手、いわゆるユーザーインターフェースの改善にも速やかに取り組んでまいりたいと考えています。  そして、残りの1,200手続については、オンライン化が困難な要因がある手続ということになりますが、どうやればその要因を解消できるのかということを今後、検討していきたいと思っています。その際に、行政手続オンライン化が、最終的にどこを目指すのかとなった場合に、やはり県民の皆様が行う手続は、できるだけスマホやパソコンから簡素に、あるいは分かりやすくしたいと思います。その後、その申請を受け付けた県庁の中の業務についても、デジタルを活用し素早く審査を行い、結果を早く出し、そこから、県民の皆様にお返しする承認や決定の通知、これらも、紙ではなくオンラインを使って通知したいということで、言わば、最初から最後までを一貫したデジタル化が理想の姿であると考えています。それらを実現するには、ただ単に一つ一つデジタルに置き換えていくというよりも、どこかを省略したり、削除したり、あるいは新たな技術に置き換えていくと、そういったものをやっていく必要があると思っており、さらには、その手続が本当に必要なのか、そういったことも含めて、踏み込んで考えていきたいと考えています。そうなると、手続全体の抜本的な見直しというのが必要となりますので、この点については行政改革を所管する総務部とも連携して、オンライン化に向けた庁内の業務プロセスの見直しを進めてまいりたいと思います。  また、そういった部分について、かがわDX Labなどで、民間事業者の御協力もいただきながら検討を進めてまいりたいと考えています。 鏡原委員  ぜひそのように進めていっていただきたいと思います。一方で、どういうように移行していくのかという部分もあると思います。  例えば、最終的には、紙申請などの既存の申請は基本的に残さず、デジタル化に全てかじを切っていくと私は受け止めたのですが、エンドユーザーである県民にも十分配慮しながら、切替えを行っていっていただきたいと思いますし、手続きの迅速化について、私も、県民の方から「出したのだが、なかなか届かない。」などと言われることもありますから、その辺りの対応はぜひお願いしたいと思います。  市町との連携について、1点、お伺いしたいと思います。  政策課を中心に、広域自治体連携推進事業として、住民サービスを効率的・効果的に提供できるよう県と市町の連携を柔軟に進めていけるような検討を行っていると聞いています。コロナ禍で話合いが進捗しづらい状況にあるとも聞いていますが、県民、県内事業者利便性向上の観点から、県と市町の行政手続を、統合できるところは統合し、電子申請オンライン化ができるものがあれば、そうした県と市町の連携協議の場を活用して、行政手続の統合やオンライン化についても、この際、ぜひ検討を行っていただきたいと思います。その点、県庁内での各課の間や、各市町の間での調整も含め、どのようなお考えなのか、お伺いをしたいと思います。 淀谷政策部長  広域自治体連携推進事業については、まさしくデジタル化だけでなく、人口減少が進む中、各市町の住民サービスの効率化や効果的な提供の観点から、主体的にいろいろな課題に挑戦していけるよう、県と市町がしっかりと柔軟に連携していくために、白紙の状態で議論を始めようということで、昨年度の決算行政評価特別委員会でも御答弁させていただいたと思います。  本年1月に、第1回目の勉強会を開始しました。アイデアを出し合おうという趣旨で行い、入札参加資格の様式・添付書類の統一や、脱炭素、DXの取組等、全部で31項目の幅広い提案をいただきました。  デジタル化オンライン化の話でいうと、入札参加資格の様式・添付書類の統一や、情報システム共同調達という御意見もいただきました。これは、標準化、共通化の中でも議論される話だと思っています。  いずれにしても、各市町からいろいろな提案をいただいていますので、県の担当課とその実現に向けた検討・調整などを既に行っていますが、コロナ禍での支障もあり、第2回勉強会に向けて、いろいろなテーマについて、自由に意見交換ができるワーキンググループのようなものをつくって、活発に動かしていけるような進め方を考えています。 鏡原委員  ぜひ進めていただきたいと思いますし、せっかくですから、デジタル会議も活用しながら、間に合うかどうか分かりませんが、それを一緒にやっていけるようなスピード感でやっていただきたいと思います。  最後に、要望ですが、いつでもどこでも利用できる行政サービスとして、全ての手続をオンラインで行うことができる環境の整備は、価値があると考えています。また、行政手続オンライン化にとどまらず、業務の抜本的な見直しを積極的に推進することは、行政の効率化のみならず、さらなる県民の利便性の向上に資するものです。デジタル化は、目的ではなくツール、手段であるということを忘れずに、行政手続オンライン化がよりよいものとなるよう取組を進めていただくようお願いして終わります。 大山委員  まず、デジタルについてお伺いします。  今、まさに平井大臣デジタル庁で改革をやろうとしているところですが、私が1期生のときですから、18年前、このデジタル基幹システムの一番大きな問題は何だったかというと、ベンダーロックインといいまして、企業が発注を受け、そこに全部システムを任せてしまうと、システムを任せてしまったことにより、そこが暗号化してしまい、結局、そのシステムのアップデートや改修、維持管理などの際に、その運用が全て暗号化されていますから、その発注先のベンダーに全て発注することとなり、言いなりの値段で全部やっていくということになっていました。当時、私が覚えているだけで、県の基幹システム維持管理費だけで毎年33億円かかっていたと記憶しています。それを、基幹システムはある程度集約して、発注をし直して、オープンシステムにより発注し、基幹システムを見直したらどうかということで、いろいろと県も努力をしていただき、ある程度の箇所でそれができたと思っています。それにより、相当な経費の削減、年間1億円ぐらいは削減できたと思っています。それを今、デジタル庁が、平井大臣を中心に、日本全国、各省庁にまたがってやろうということで、いろいろな抵抗勢力が出てきて、週刊誌に変な情報を流したりというのが現状です。我々の時も、いろいろな抵抗があったと承知しております。  当時、三木氏という外部の専門家をCIO補佐としてお招きし、その方を中心に計画段階からやっていただき、システムをつくったと記憶しているのですが、その後の県の発注システムはどうなっているのでしょうか。 井手下デジタル戦略総室長  委員御指摘のとおり、平成17年度に、三木氏を外部からCIO補佐担当者としてお招きし、システムコスト削減や、仕様書は競争性があるかなど、そういった審査をしていただいていました。  外部の方による審査については、平成22年まで行っていましたが、職員にノウハウが蓄積されてきたということで、現在は職員がシステム調達審査委員会を開き、庁内の委員によって、競争性があるか、あるいはベンダーロックインにならざるを得ないものも中にはありますが、その理由が適当か、などをしっかりと審査して、発注をかけているという状況です。 大山委員  私から見た限りは、最終的にベンダーロックインにならざるを得ないというような状況は、専門に特化する徹底的な人材育成ができていなかったことと、外部専門家の登用が一時期で終わってしまったということもあると思います。再びだんだんと侵食されてきているイメージがあります。  その上で、今、デジタル庁が、各都道府県や市町がそれぞれで大きな基幹システムを発注していたらお金がかかり過ぎるので、地方自治体が共有できるクラウドシステムを国がつくることになっていくのだと思います。しかし、基幹システムはともかく、細かい部分に対してまで、国のつくったクラウドシステムが、全部に対応できるとは思えないのですが、そのあたりはどうですか。 井手下デジタル戦略総室長  現在、国が、ガバメントクラウド、自治体クラウドということで開発を進めており、そこにどういったデータやアプリを載せていくのかということは、まだ限定的なものしか示されておりません。地域社会デジタルトランスフォーメーションを進めていく上では、いろいろなデータやソフト、システムを載せていく必要があると思っていますが、これが今後、載せていけるのかどうか、こちらについてはまだ国から示されておりませんで、不透明な部分があります。 大山委員  ベンダーロックインについて、新しいシステムをつくるときに、専門家から意見を聞くということは、外部の専門家の意見を聞くことになりますが、その専門家は、ベンダーとつながっていて、そういうようなシステムを提案して、それに乗らざるを得ないという状況が出てくるかもしれないと私たちは心配しています。そこで大きな無駄がまた、どんどん発生していくということを我々は危惧するわけです。ここをきちんとするためには、当時の三木氏のような、県全体を統括し全てに対して対応できるような外部の専門家を、鏡原委員が言ったようなことを香川県が実現していくためには、そのリーダーシップを取る本当の意味の専門家が要ると思います。市町から、あまり情報システムにたけていない、少しパソコンが触れるぐらいレベルの人たちが集まって、それで幾ら議論したとしても、先ほどの鏡原委員の質問でもあった、約4,000あるシステムのうちの1.7%しか電子化できていない、これを電子化していく話であれば、それに対応するための人的構成をきちんとしないといけません。また、いろいろなところから荒らされて、デジタル化という名目の中で、余分な経費が議会をどんどん通過していくということになりかねません。我々議員は専門性を持っていませんので、出てきた予算は全部通していくというような話になってしまい、以前はそれで大きな予算が使われていたわけでありますから、そうならないようにするためのデジタル化をこれからは進めないといけないと思うのですが、政策部長、そのあたりどうお考えでしょうか。 淀谷政策部長  4月にこのデジタル戦略総室ができてから、いわゆる外部の専門人材の必要性を強く感じているところです。単に、ICTに強いなどではなく、戦略の中で申し上げました、県民起点に立って、本当に必要な行政サービスデジタルという手法で、どのように効果的に財政負担の少ない形で提供していくのかというマインドを持った方にお手伝いいただきたいと考えていますので、これについては庁内全体として、今後、早めに方向性を考えていければと考えています。 大山委員  これからは決して過去の轍を、同じ間違いを踏まないということを徹底していくということをやっていただかないと、結局、新しいシステム開発をすると、そこにまた、暗号化されたものが入ってきて、結局はまた誰かが一人もうけするというようなことになっては本末転倒だと思っていますので、政策部長をはじめ、皆さん方には、きちんとした人的システムを構築し、市町も含めて、そのリーダーシップを取れるような人たちで、専門家集団をつくっていただきたいと強く要望しておきます。  次に、サンポート高松のB2街区についてお伺いします。先般の代表質問で、我が会派の西川議員から質問がありましたが、そのときの答弁では、知事から、サンポート高松では、県立体育館の整備に関わる手続を進めているほか、今後、地域活性化につながる民間投資が計画されており、同地区の果たすべき役割については、当該土地の高度利用を通じて、にぎわい創出と交流人口の回復・拡大を図るとともに、地域経済の活性化につなげるといった重要な役割を担っているものと認識しているとの答弁がありました。  そこで、改めて、サンポート高松地区における今後の開発の動きにおいてどうなっているのか、お伺いします。 淀谷政策部長  17日の本会議で、知事から、サンポート高松では、令和6年度の開設に向けて、新県立体育館が手続を進めている中で、ほぼ同じ時期に、JR四国による高松駅ビルの開業、徳島文理大学の香川キャンパスの移転という大きい民間投資が計画されていると答弁させていただきました。  開発の動きのうち、新県立体育館については、6月定例会で債務負担行為を御議決いただき、8月31日には入札公告を行ったと聞いています。今後、その契約の手続を含め、種々の手続が進められると考えています。  もう一つ、JRの高松駅ビル、これも既に報道されていますが、JR高松駅北側のJRの用地で、「県都高松の玄関口として、『時間』と『こと』を楽しみながら『ここが目的地、出発地』となる施設」という開発コンセプトで、令和5年度に開業する見通しと聞いています。敷地面積は、約5,000平方メートルで、商業棟と駐車場棟があり、延床面積は約1.5ヘクタールと聞いています。  また、徳島文理大学の香川キャンパスについては、これも報道されましたが、JR四国から高松駅の隣接用地を購入したと聞いており、地上18階、地下1階建ての都市型キャンパスを建設し、令和7年4月には移転する予定であるとのことです。おおむね令和4年度から令和6年度にかけて、官民投資が集中的に行われる見通しであり、こういう動きがあると認識しています。 大山委員  その中で、新県立体育館の整備の手続が既に進められて、公募に入っているのでしょうか。それで、周辺整備の検討状況についてですが、土木部の所管だとは思いますが、分かる範囲でどうなっているのか教えてください。 淀谷政策部長  この新県立体育館の整備を機に、サンポート高松における回遊性の向上、あるいは鉄道駅や港からの安全で快適な歩行空間の確保など、利便性の向上を図る対策ということで、イベント開催時には交通渋滞も予想されることから、その対策が必要であるという認識の下で、土木部が高松市とともに新県立体育館整備に伴う動線等の周辺整備について検討していると聞いています。  高松市が組織する高松市サンポート地区都市再生検討委員会に県も参画し、動線等についての議論をしている状況であると聞いています。  8月の頭に、第2回の都市再生検討委員会が開催され、JR高松駅から新県立体育館までの歩行者動線については、多目的広場を経由しての平面移動が主になるということで、屋根つきの歩道・キャノピーや、市道高松駅北線上にアーケードを整備する案、また、高松港から県立体育館までの歩行者動線については、フェリー乗り場前の交差点でのフェリーからの降車円滑化や交通安全上考慮した立体構造であるデッキ等を整備する案が、この検討委員会で承認されたと聞いています。  また、自動車の渋滞対策も考えており、現状、フェリー到着時に、一時的な混雑が発生している玉藻交差点や玉藻北交差点において、左折の車線を増やすなどの交差点改良を実施して対応するということで、そういったハードの対策や、イベントの開催のときには、公共交通機関のアクセス性が高いものですから、公共交通機関を十分に利用してほしいと要請するなどのソフトの対策の両面からやっていこうということが承認されたと聞いており、今後、土木部や高松市と連携して、周辺整備についての検討が深まっていくのではないかと考えています。 大山委員  おそらく相当な開発が進んでいきますから、県立体育館が出来上がった後のことを考えると、滞留人口が大きく膨れ上がることを想定しておかなければならないと思っています。  そういう状況において、かつて、琴電が高松駅舎に乗り入れるということで、土地まで段取りしていたはずですが、それが今、中止か休止か分かりませんが、この構想については、どのような状況になっているのでしょうか。先ほど、アーケードなどの計画は聞きましたが、完全に中止になったのでしょうか。それとも、休止なのでしょうか。そのあたり、少し記憶が定かではないのですが。 淀谷政策部長  琴電のいわゆる連続立体交差事業の都市計画の存廃については、今、まさに検討しているところです。高松築港駅からの動線も、当然、いろいろな開発が進む中で考えなければいけない内容であり、この点については、その存廃の検討の結論と併せて、そごがないように対応を検討していくという考え方であると聞いています。 大山委員  その辺りも十分にその将来展望を見据えながら結論を出していただかないと、他県の事例を見ても、このような場所にはほぼ車を乗り入れさせないようにしており、公共交通機関で全て対応するというのが、将来的に交通渋滞等を引き起こさないことだと思いますので、そういった検討をぜひお願い申し上げたいと思います。  例えば、玉藻城の前を通ってトラックやF地区・市場関係の車などが入ってきていますが、そういう車がほかのルートで、例えば環状道路なども計画の一部だと思っていますが、そういうことも考えて計画的に進めていく必要があると思いますので、その辺りも、よろしくお願いしたいと思います。  そういう動きの中で、令和7年には開発を終える見通しですが、B2街区の公募について、今後、どのようなスケジュールで進めていくのか、お伺いします。 淀谷政策部長  現在、B2街区の管理は交流推進部が行っていますので、交流推進部において具体的な公募条件の検討をすることになると思いますが、今後、さらにその調整を進めたいと考えています。  公募のスケジュールについては、これまでの事例も参考にしながら、検討することになると思いますが、これまでB2街区売却等の事例の場合では、審査委員会をつくり、公募条件や提案内容の審査を行い、その結果、提案事業者を選定するという手続になり、契約に至るまで、5、6か月程度はかかると思っております。代表質問でも知事から答弁させていただいたとおり、商業施設や宿泊施設となると、整備に一定の時間がかかります。それらも踏まえ、令和7年度に開催される大阪・関西万博のイベント効果も十分に取り込みたい思いがありますので、逆算すると、少なくとも今年度中を目途に事業者を選定できればと考えています。そこから逆算すると、遅くとも年内には募集要項を配布するような手続が必要になるのではないかと考えており、今後、検討を深めて、速やかに開始していきたいと考えています。 大山委員  逆算すると、相当タイトなスケジュールになってくると思いますが、大切なことだと思いますので、ぜひ進めていただきたいと思います。  ただ、B2街区については、平成13年、平成17年度及び平成19年度の3回にわたってサンポート高松のにぎわい創出に資する商業施設等の誘致を目的とした公募を実施しました。その当時からは、相当周辺環境に大きな差は出てきているとは思いますが、3回とも不調に終わっています。その際は、どんな価格提示をしていたのか、今回は、価格はどのようになることを想定しているのか、そのあたりはどうお考えでしょうか。 淀谷政策部長  委員御指摘のとおり、B2街区は過去3回、不調になりました。それぞれ平米単価で申し上げますと、平成13年度は参考価格として、平米57万8000円、平成17年度には、平米35万3000円、19年度は32万8000円ということでお示ししました。これに5,000平米を掛ければ大体の値段が出ます。  いずれにしても、公募における売却価格は、いずれも契約締結時の不動産鑑定評価額を基準に県が決定した価格で売却するため、公募の際には、あくまでも参考ということで示させていただいています。仮に、今回売却するならば、その価格についても不動産鑑定をしなければならないのですが、今の時点の近傍の類似の土地の公示価格を踏まえれば、1平米当たり約30万円程度であると考えており、そうすると全体としては15億円程度になるのではないかと考えています。 大山委員  前回よりもさらに下げるということで、周辺環境が、先ほど言ったように相当下がってきていますので、それで何とかなればいいと思っていますが、今回は不調にならないように、よろしくお願いしたいと思います。これは、サンポート地区だけでなく、高松、香川県全体の中心の大きなエリアであり大事な土地だと思いますので、大変、これは、今後の命運がかかったことだと思います。  そのような中で、先ほど、公共交通機関を徹底的に利用するべきだとは言いましたが、新県立体育館の基本計画では、現状ではサンポート高松における各種イベントにおいて、主催者用駐車場としてB2街区が利用されており、新県立体育館整備後においても、新県立体育館で大規模イベントが開催される場合についても引き続き、同様に利用するものとするとなっています。  B2街区の公募によって、想定していた主催者等の駐車場がなくなるわけです。そうすると、利便性や使い勝手など、我々は今まで、特に主催者に、利便性がいいと主張してしたわけでありますが、主催者用駐車場としての使い方ができなくなるわけです。この支障についてはどのようにお考えでしょうか。 淀谷政策部長  主催者用駐車場ですが、基本計画上は、新県立体育館の駐車場としては、日常利用、イベント主催者に必要な駐車場ということで、体育館の敷地内に一定用意させて、100台をめどに整備することとなっています。また、電源車のスペースやチームバスのスペース10台程度ということで考えています。それでもスペースが不足するという場合には、このB2街区を使っていただくというのが基本計画での考え方であったと思っていますが、いずれにしてもここに施設を誘致するとなると、ここが使えなくなるということで、代替として、周辺になりますが、港湾の第3駐車場に10台程度、あるいは少し遠いですが、高松市が持っている杣場川の駐車場に14台程度あります。また、土木部では、高松港の長期構想を検討していると聞いており、その中では、玉藻公園北側のキャッスルプロムナードに、多目的利用が可能な広場を確保するとされており、その一環として、大型車両の駐車可能なスペースの確保も検討したいと聞いています。  いずれにしても代替機能は必要であると我々も考えていますので、既存駐車場、あるいは新たな駐車機能の確保を幅広く検討して、大型イベントの開催の際に支障が生じないように対応していければと考えています。 大山委員  主催者側にとっては、それが一番大切なことだと認識しています。我々も、委員会ごとにそれを主張してきています。しかし、そのB2街区は、今言ったように、大きく利用していただくのが正解だと思いますので、そのあたり、利便性が損なわれないように十分検討していただきたいし、あの周辺が一気に短期間で開発が進むわけですから、そういうことに対して、いろいろなことを想定しながら、今後も丁寧に対応していただくことを要望して、私の質問を終わります。 米田委員  私からは、2点質問させていただきたいと思います。  1点目は、第4次かがわ男女共同参画プランについてお伺いします  1976年、国連が国連女性の10年と定めて、女性差別撤廃の運動を指導してから45年が経過しました。1979年の国連総会で採択された女性差別撤廃条約は、国連の主要な条約の中で、締約国の数が多く、世界の女性の憲法として今日まで世界各国の男女平等政策を推し進める大きな役割を果たしています。  ですが、地球上のどこにも、いまだジェンダー平等を達成した国はありません。男女の賃金格差、意思決定への参画、教育へのアクセスなど、社会における全ての局面で、厳然と差別は存在しています。また、夫からのDV被害、性暴力やストーカー被害が増加の一途をたどっていて、様々な局面で女性が受ける不利益が顕在化しています。私たちの県民意識調査等にもそのことが表れています。  政府は、女性は輝け、輝けと、その掛け声とは裏腹に、私は人間が野蛮化の方向へ向かっているのではないかとさえ危惧をしているところです。  ところで、このジェンダー平等という言葉、社会的につくられた男女の性差という意味以外に、今では男と女という2分法ではなく、性はより多様であるという理解の広がりによって、男女平等という言葉に代わって、ジェンダー平等という言葉が使われるようになっております。国際化やグローバル化という言葉を簡単に使いますが、今、策定しようとしている第4次かがわ男女共同参画プランが、世界の流れに耐え得るものになっているのか、伺いたいと思います。  計画策定には、まず総括が必要です。計画をつくっての男女共同参画の取組が始まったのが、平成13年、2001年からです。およそ20年間の歩みをどのように総括しているのか、何が前進し何がまだまだなのか、世界の潮流であるジェンダー平等の視点に立って、香川県の取組の成果と課題についてお考えをお聞かせいただきたいと思います。  その問題意識の下、2020年の数字ですが、日本がジェンダーギャップ指数120位という結果をどう見ているのかについても、率直な感想をお聞かせいただければと思います。 淀谷政策部長  まず、20年間の歩みの総括ですが、平成13年度に香川県男女共同参画推進条例が制定されてから20年になり、この間、男女共同参画の推進は、行政、教育、企業など、様々な分野に関わる課題であるということへの理解は進んだのではないかと考えています。  特に、いわゆる女性活躍推進法が平成27年に成立し、採用者や管理職に占める女性の割合など、独自の数値目標を設定し公表することなどが、地方公共団体や大企業に対しては義務づけ、中小企業にも努力義務とされたことから、働くことを希望する女性が、その個性と能力を発揮できる環境の整備が進んでいるのではないかと感じており、人々の意識改革や、環境整備が一定程度は進んできたと総括できると考えています。  一方で、何が前進し、何がまだまだなのか、本県の取組の成果と課題ということですが、平成13年に策定したプランから指標としている「県の審議会等に占める女性委員の割合」は、平成12年度は21%だったものが、令和2年度は35.8%に増加しています。40%という目標には達していませんが、さらに積極的に取り組む必要があると考えています。  また、県民意識調査によると、「社会全体における男女の地位の平等感」について、「男性が優遇されている」と答えた者の割合は、平成13年度の75%から令和元年度は70%に減少しています。「平等」と答えた者の割合は8.6%から14.3%と、5.7ポイント増加しており、不平等感の解消は、やや図られているものの、依然として「男性優遇」と感じる方が男女とも7割近くいるということで、まだまだ家庭や地域、職場など、様々な場で不平等感が根強く、こうした意識を改善するために、改めて様々な声を聞いて、施策の検討を進めていかなければならないと考えています。  第3次男女共同参画プランでは、21の指標を設け取り組んできましたが、積み残された課題も種々あると認識しています。また、長時間労働の見直しや仕事と生活の調和等の働き方改革の推進、新型コロナウイルス感染症の影響による雇用の問題、あるいは女性への暴力の深刻化など、新しい課題も生じており、こうした課題への対応も必要であると認識しています。  ジェンダーギャップ指数の率直な感想ということですが、世界経済フォーラムが毎年公表している経済、教育、健康、政治の4つの分野で指数化されたもので、156か国中120位ということは、大変残念な状況であると受け止めています。このジェンダーギャップ指数のみにこだわるつもりはありませんが、この指数を上げることも重要であると考えており、我々地方側としても次期プランに沿って、各指標の達成を目指して、様々な対策により一層取り組んでいきたいと考えています。 米田委員  総括を踏まえて、さらに進めていっていただきたいと思います。  計画を見ますと、基本目標の1番に基盤づくりということを掲げていると思います。基盤がまだまだだという認識からだろうと受け止めていますが、意識改革、社会制度・慣行の見直しを重点目標の最初に掲げています。計画全体から受ける率直な印象は、総花的でめり張りが感じられないという感想を持っております。なかなか全部一遍に進むわけではありませんから、ここを動かしたらこう動いていくというような関連性があるだろうと思います。  そこで、新計画で、特に肝になるといいますか、力を入れていきたいと考える点はどこか、その進捗管理をどのように担保されていくのか、お聞かせいただきたいと思います。 淀谷政策部長  新計画において特に力を入れていきたい点ですが、依然として、「男性優遇」と感じる方が男女ともに約7割となっており、意識啓発や教育などの基盤づくりは重要であると考えております。その上で、あらゆる分野において、多様な視点の導入の観点から、女性の参画拡大が重要であると考えており、県が率先して政策・方針決定過程への女性の参画拡大を図るとともに、企業や各種団体に対しても、女性の登用などを働きかけ、身近な地域をはじめ、あらゆる分野における政策・方針決定過程への女性の参画拡大を図る必要があると考えています。  進捗管理については、第3次男女共同参画プランでは21の指標を設け進捗管理をしていましたが、次期プランは、重点項目ごとに、最低1つは指標を設けることとし、全部で28の指標を設けさせていただきました。この指標の進捗状況を評価し、男女共同参画審議会に報告させていただき、御意見を伺いながら、しっかりと進捗管理について担保していけるように努めてまいりたいと考えています。 米田委員  おっしゃるとおり、参画して初めて新たな視点が加わってくるということ、いろいろな分野で経験・報告がされているところだと思いますので、今日はその政策・方針決定過程の女性の参画拡大に絞って、最後に伺わせていただきたいと思います。  国は、2020年までに、社会のあらゆる分野において、指導的地位にある女性を少なくとも30%にすることを2003年に公約してきましたが、国際的に遅れた目標すら実現できておりません。  そんな中で、国は第5次男女共同参画基本計画で、国の審議会などの委員に占める女性の割合を2025年までに40%以上、60%以下にするなどの、分野ごとの成果目標を設定して取り組むこととしています。目標の設定自体は、自らを縛っていく上で重要なことだと思います。一応、国がこうした項目を示しているわけですから、県としても、その項目で香川の状況をチェックされているのでしょうか、香川県がどの位置にあるのかと推しはかる上で数値を拾い出して、国の設定目標を目指すのか、あるいはそこまでいかないから、独自の目標ということになるのか。いずれにしても、目標数字を上げるべきだと思います。国が掲げた項目をベースに、審議会など行政の委員会における女性委員の比率、県の管理職における女性比率など、分野ごとの目標を設定し、決意を示すべく県民に可視化すべきと考えますが、お考えをお聞かせください。  また、部長が1月の男女共同参画審議会の場で、「県の審議会に占める女性委員の割合D」の改善の働きかけを約束しておられます。指定難病審議会やがん対策推進協議会などが、専門性や指導的立場を理由に、ゼロになっている状況を例にして、委員の構成の変更という視点も要るとの言及もされています。私は、必要な条件があるのなら、その条件をつけて公募する方法もあろうかと思います。  また、同じ方が複数の委員を兼任している例もあるのではないかと思いますが、どれくらいあるのでしょうか。一度洗い出して、拾い出して、制限するなり、門戸を広げることも考えるべきだと思いますが、いかがでしょうか。  資料を見ていて驚いたことがあります。女性防災士の数の多さです。どのような働きかけがあってのことでしょうか。防災組織への女性の視点の効果は備蓄品を何にするかなど、顕著な違いが表れてきているという報告もあります。政治が女性の経験を反映する仕組みに乏しいという自覚の下で、「クウォーター制」に近い取組の強化を、この第4次計画の中で期待していますが、目標設定とその実現のための方策について、お考えと決意をお聞かせいただきたいと思います。 淀谷政策部長  国の第5次男女共同参画基本計画では、全11分野で、94の成果目標が設定されており、この中には地方公共団体の審議会等委員に占める女性の割合や、県防災会議の女性委員比率なども含まれています。  次期プランの指標については、数値化して把握できる項目のうち、こうした国の計画の指標や次期総合計画の指標などから各重点項目に最低1つの指標は設けるということで、先ほども申し上げました28の指標を設け、できるだけ定量的な数値目標を掲げさせていただいたところですし、国の目標値も参考にさせていただきました。  可視化ということで、ホームページで公開していますが、公開に当たっては、より視覚的に訴えられるよう工夫してまいりたいと考えています。  それと、複数の委員の兼任の事例を調べてみましたが、審議会等の数は70ぐらいあり、委員総数が864と聞いていますが、そのうち5つの審議会等を兼任されている女性委員が6名ほどおりましたので、結構ハードな審議会の委員になっておられると思います。  それと、女性防災士ですが、全国的な傾向、香川県の傾向もそうですが、平成27年度から令和2年度までの増加率を調べてみましたが、香川県の防災士全体として2.2倍、そのうち女性だけでみると3.6倍増になっています。何らかの働きかけがあったのかというご質問でしたが、増加の具体的な原因はよく分かりません。自然災害などが頻発していますので、そういった面に対して、女性のほうが感性を多く働かせて、そのような資格の取得に動いたのかと、これは想像ですが、そのようにも考えています。
     また、クウォーター制の関係ですが、いろいろな部分で一定の有効な手段であると言われていますが、一方でほかの意見もあり、賛否両論、様々な意見があろうかと思います。  そういう中で、例えば分野における女性参画の拡大、あるいは県の審議会等における女性の委員の割合を40%以上にするなどの目標は国の指標も参考に設定していますが、1月の審議会で、私自身はトレンドが落ちているのではないか、それを何とか動かしていくためには、何らかの具体的な、実質的な動きをしないと、目標達成することができないのではないかと、そういう思いを述べさせていただきました。  令和3年3月29日付で「政策・方針決定過程への助成の参画の拡大について」の通知を行い、事前協議のタイミングをより早めて、改選する大分前、早い段階から所管課と連携協議する体制を取りました。全庁にこういう意識づけをするということも大事だと思いますし、改選時期を捉えて性別による対応の視点の導入は必要ないのか、あるいは必要であれば委員構成の中で確保できないのか、そうしたことを今一度所管課とも検討して取り組んでいこうということで通知も出しましたし、今後もそういった考え方で、実効性のある方策について深く考えながら取り組んでいきたいという思いです。 米田委員  参画を拡大することによって化学変化が起きてくるという認識をもって、さらに庁内で意思統一をして進めていっていただきたいと思います。  それから、答弁の中にありました、女性の方で兼任をされている方の報告をいただいたのですが、私が着目しているのは、男性が複数の委員を兼任しているのを、どうやって女性に門戸を開放していくかというところを問題意識として持っておりましたので、そういう点でも再度チェックを働かせていただけたらと思います。  2点目は、コロナ禍の宿泊・自宅療養者の投票機会の保障についてです。  今年6月、自宅・ホテル療養中の新型コロナウイルス患者に、選挙の投票機会を確保するため、郵便投票の対象を拡大する法律が成立しました。特例郵便等投票は、公布の5日後から施行され、7月4日投開票の東京都議会議員選挙で初めて導入されました。コロナで入院中の有権者については、従来の入院者のための不在者投票で対応ができますが、宿泊・自宅療養者には投票できる仕組みがなかったことによるものです。  東京都議会議員選挙で特例郵便等投票を行った自宅・ホテル療養者は80人と、当時2000人を超えていた療養者数の僅か4%程度の低い数字でした。また、7月の兵庫県知事選挙と8月の仙台市長選挙ではゼロ、横浜市長選挙では41人だったようです。制度ができたことが十分知れ渡っていないという結果ではないかと思います。法制定時に、十分な周知期間を確保すべきだと野党が主張をしたわけですが、その主張が当たっている結果になっていると感じています。  衆議院議員選挙前に制度の周知についてどのような準備をしているのか、市町と連携した準備の状況について教えていただきたいと思います。  また、自宅・ホテル療養者に、どのように制度を認識してもらうかが、最終的には鍵になってくると思っています。コロナ感染前に情報に接しても、その時点では自分のことだという当事者意識が低いため、見過ごされてしまう可能性が高いと思いますし、保健所が感染者とのやり取りの際に伝えているとしている自治体も多いようですが、感染のショックで耳に入らないケースが多いのではと推測されます。それでも保健所から伝えていただくのが合理的だと思いますが、そのような準備はされているのでしょうか。感染者への周知徹底策について教えていただきたいと思います。 小瀧選挙管理委員会書記長  まず、広報としては、現時点では、法律の概要等を県選挙管理委員会のホームページで掲載しているところです。  この投票に該当する方が、選挙の期日の公示の翌日から選挙当日までの期間に外出自粛要請を受けている方ということで、対象の方がピンポイントになっていますので、まだ実際に投票日は確定していませんが、この秋の衆議院議員総選挙確定に合わせて周知を図っていきたいと考えています。  衆議院議員総選挙に向けては、臨時啓発事業において、各種媒体を通じて周知をしているところです。今後開設予定の衆議院議員総選挙の特設ホームページに掲載するとともに、駅や大型店舗などに掲示するポスターやSNSなどにより、選挙公示前後の早い時期に広報できるように努めてまいりたいと考えています。  また、特定患者の方が、投票用紙を請求する際には、いわゆる外出自粛要請の書面を併せて提出することになっていますが、書面がない場合には、市町の選挙管理委員会から保健所に、該当の有無の問合せ等が必要になってくることから、まず県選挙管理委員会の職員が保健所を訪問し、概要の説明をするとともに、市町の選挙管理委員会から照会があった場合の協力を要請しているところです。  また、保健所から伝えていただくのが合理的ということについては、まさにそのとおりだと思っていますので、現在、保健所もしくは健康福祉部と、どういった形で特定患者の方に周知を具体的にできるか、方法を詰めているところです。 米田委員  一般論としての周知は、まさに答弁にありましたように、ピンポイントでということですから、聞く側の県民の意識も、もしこういうケースになったときどうしてくれるのだろうという広報戦略といいますか、スポットでといいますか、知らせる方法を考えていただいたらと思います。  それから、保健所で周知をする場合も、口頭だけでなく、ペーパー等でも用意するなりして、配慮をしていただくことが必要ではないかと思います。  特例郵便等投票制度では、投票日の4日前までに投票用紙の請求をしなければならない点もネックになっています。また、単身の自宅療養者は、外出制限がかかっているため、投票用紙の投函を第三者に依頼しなければなりません。この点も高いハードルになっています。外出自粛を求められる濃厚接触者も、投票所に出向いて行っていいのか困る場面も想像できます。  今秋の衆議院選挙でも療養者数が多くなることが予想されるため、制度の効果的な周知が求められます。投票用紙や封筒を選挙管理委員会に請求する際、透明のファスナー付のケースに封入する必要があると言われております。投票用紙の請求を郵便ではなくオンラインで行えるようにできないのか、ポストへの投函がままならない単身の自宅療養者には、宅配業者や郵便局が取りに行く等の方法が取れないのか、宿泊療養施設では、ロビーに特例郵便等投票の投票箱を置いて、施設管理者がまとめてポストに投函するような宿泊療養施設での対応の検討も必要ではないかと考えています。  以上のような点について検討されているのかどうか、現時点、あるいは今後に向けてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。 小瀧選挙管理委員会書記長  まず、自宅療養者に請求用紙や透明ケースなどを支給できないかとのお尋ねですが、国の通知によると、対象者から市町選挙管理委員会に対して求めがあった場合には、請求書受取人払い郵便物の表示をした封筒及びファスナー付の透明のケースなどを対象の方に交付するという取扱いをすることになっています。  また、オンライン化できないかという御質問ですが、今回の請求については、法律上、請求書に署名をした上で、外出自粛要請を求められた書類を添付することとなっており、オンラインを想定していませんので、現時点でオンラインによる請求は難しいと考えています。  また、宿泊療養施設への投票箱の設置等のお尋ねについては、今、具体的にどういった形での投票をするか、いわゆる宿泊療養施設の管理者等と協議をして詰めていきたいと考えていますので、現時点でははっきりと確定している状況ではありません。  また、集配はできないかとのお尋ねについてです。  基本的に、これは郵便による投票を原則としており、集配等を前提にしておりませんので、原則、あくまでも単身の自宅療養者については、知人の方などにお願いする場合も、その知人の方がそれをポストに入れるというのが国の疑義照会Q&Aに載っており、対面を原則防ぐ方法で、今、制度をつくっておりますので、郵便による投票をお願いする形になると考えています。 米田委員  いずれにしても、単身者で、動くことができない人はどうしたらいいのですかという問合せに対して、答えを用意しておかなければならないと思いますので、ぜひともさらに検討して、一人でも多くの方が投票権を行使できますよう、準備していただきますようお願いして、質問を終わりたいと思います。 高木委員  それでは、私から1点目で、かがわ創生総合戦略について質問させていただきます。  世界的な大流行で終息が見通せない新型コロナウイルス感染症は、昨年1月に国内で初めて患者が確認されて以来、日常生活や働き方、人々の価値観に大きな変化を与えており、県内でも感染症が流行する前では考えられなかったような状況が続いています。  このような状況を踏まえ、県の基本計画である次期総合計画について、6月定例会の総務委員会において質問させていただきましたが、新型コロナウイルス感染症の影響を考慮したものとするため、策定時期を遅らせ、今定例会での提案になったと認識しています。  そこで、質問ですが、新型コロナウイルス感染症の影響は、人口減少対策や地域活力の向上に関する施策でも生じていると思いますが、昨年3月に策定した第2期かがわ創生総合戦略についても、次期総合計画の策定等を踏まえて、見直す予定があるのか、質問させていただきます。 淀谷政策部長  第2期かがわ創生総合戦略については、昨年3月に「かがわ人口ビジョン」を改訂し、2060年に人口約77万人を維持するという目標を掲げるとともに、「若者に魅力のある働く場の創出」などの新たな施策も加え、令和2年度から令和6年度までを対象期間として策定し、取組をさらに進めているところです。  この着実な推進が総合計画にも生かされることになりますが、今般の新型コロナウイルス感染症が地域の活性化に向ける取組へ影響を与えており、感染状況を踏まえながら縮小するなど、十分な取組を今なお実施できていない状況が生じています。  一方で、感染拡大を契機に、大都市圏における過度の人口集中のリスクが認識される中、デジタル技術の活用やテレワークなど、場所にとらわれない働き方の広がりや人々の生活様式や企業行動の変化、地方への移住をはじめとした地方回帰の意識の高まりなど、価値観の変化が見てとれ、社会経済システムの様々な変革が促されるのではないかと考えています。  これらを踏まえ、見直しについて検討しましたが、第2期かがわ創生総合戦略は、次期総合計画の中で、人口減少問題の克服、地域活動の向上に関わる部分についての具体的な施策を取りまとめたものという位置づけとなっており、現状においても、次期総合計画案の項目をほぼ網羅していると考えていますので、全面的な見直しは考えていませんが、人口減少問題の克服に向けて、地方分散型社会に向けた都市部から地方への人の流れについてはしっかりと対応していく必要があるということで、この対応を中心にした見直しを行っていければと考えています。 高木委員  部長に答弁いただいたとおり、コロナ禍は、都市部から地方への人の流れに対しては有利だという人もいるようであります。  都市部からの地方への人の流れへの対応にポイントを絞っての見直しということですが、具体的にはどのように見直しを行っていくのか、また、第2期かがわ創生総合戦略の策定と同じ時期に改訂を行った、かがわ人口ビジョンについても見直しを行うのか、お伺いします。 淀谷政策部長  見直しの方向性としては、具体的には地方分散型社会ということを志向して、都市部から地方への人の流れを変えるため、地方での新しい働き方や地方での新しい暮らし方を希望する移住希望者の受入れを強化する内容を追加したいと考えています。  また、令和2年度の取組実績や事業の進捗を踏まえた上で、次期総合計画で設定した目標との整合性を図る観点も加味して、関係するKPI、重要業績評価指標の目標値についても、併せて見直しを行いたいと考えています。  具体的には、11月定例会には見直しの素案をお示しできればと考えており、県議会における御議論や有識者の御意見などを伺いながら、本年度中の見直しを行ってまいりたいと考えています。  また、人口ビジョンについては、2060年に人口約77万人を維持する目標を立てています。新型コロナウイルス感染症の世界的な流行により、今後の人口動態への影響は懸念されるものの、かがわ人口ビジョンは、「持続可能な香川県」を目指し、今から約40年後の長期的なスパンでの人口の目標を掲げたものであり、現時点において目標は変更すべきではないと考えています。  なお、かがわ人口ビジョンによる推計人口と、6月に速報値を発表した令和2年の国勢調査の速報値とはそれほど大きな乖離は生じていませんので、以上を踏まえ、かがわ人口ビジョンについては見直しを行わないとの取扱いにしたいと考えています。 高木委員  2060年に77万人の人口維持、国のデータでは、たしか61万人だったと思いますが、この目標を達成するために努力することは大切だと思いますし、その基本は、若者の働く場の確保だと思います。香川県においては、去年生まれた人が6,200人余で、40年前の1万3000人に比べたら半分に落ち込んでおりますので、答弁いただいたように、頑張っていただきたいと思います。  最後に、要望ですが、新型コロナウイルス感染症について大きな影響が生じていますが、これは人々の意識の急速な変化による、今までとは異なる新しい時代の始まりであるとも言えると思います。状況の変化の速度も速く、価値観も大きく変化していますが、試行錯誤し、新しい流れをしっかりと見極めて、その流れを取り込んで、今後の香川の発展に向けて、積極的に取り組んでいただきたいと思います。  2点目は、ワクチン・検査パッケージについてお伺いします。  県では、新型コロナウイルスへの対応として、病床や宿泊療養施設の拡充、酸素ステーションの設置をはじめ、様々な対策を実施してきましたが、今回の第5波については、一時期100人を超えていた1日の感染者数が1桁になるなど、9月中旬以降、ようやく落ち着きを見せています。今後も感染状況に応じたタイムリーな対策が必要だと思いますが、一方で、国内のワクチン接種が進捗し、中和抗体治療などが定着していけば、現在実施している、日常生活の様々な行動制限を緩和していくことも考えられます。  そうした中、9月9日に政府の新型コロナウイルス感染症対策本部において、「ワクチン接種が進む中における日常生活回復に向けた考え方」が示されました。  そこでまず、政府の対策本部が示した考え方の概要について、どういった内容となっているのかについて、お伺いします。 淀谷政策部長  政府が示した「ワクチン接種が進む中における日常生活回復に向けた考え方」については、ワクチンを接種していない人々が不利益を被ることがないよう十分配慮しつつ、ワクチン接種が先行している海外主要国の取組を参考に、国の新型コロナウイルス感染症対策本部において示されたものです。  ワクチン接種歴及びPCR等の検査結果を基に、個人が他者に2次感染させるリスクが低いことを示す仕組みであるワクチン・検査パッケージ、あるいは飲食店の第三者認証等を活用して、緊急事態措置区域及びまん延防止等重点措置区域において一定の条件の下で、様々な行動制限の緩和、見直しを進めていこうとするものであると承知しています。  この考え方においては、「飲食」、「イベント」、「人の移動」、「学校」の各分野において、例えば、緊急事態宣言等の発令下においても、ワクチンや検査を受けた方を対象に、飲食店の認証店において、営業時間、お酒の提供の制限を緩和すること、あるいはイベントにおける人数制限の緩和、緊急事態措置区域等の間の移動について原則自粛を求めないことなどが示されています。今後、国において、自治体や事業者との議論を深めた国民的な議論を踏まえ、具体化が進められていくと聞いています。  また、この考え方の中では、「このような制限緩和が、人流や感染状況に及ぼす影響について、注意深く検証しながら、問題がなければ、さらなる制限緩和を実施するとされている一方で、新たな変異株の出現などにより、感染が急速に拡大し、医療提供体制に逼迫が見込まれ、緊急事態措置によるさらなる行動制限が必要となる場合などには、強い行動制限を機動的に国民に求めることがある」とされているところです。 高木委員  国の考えがよく分かりました。  新型コロナウイルス感染症への対応について、全国知事会でも熱心に議論されていると聞いていますが、知事会としてはどのような議論が出て、どういったことを国に訴えているのかお伺いします。 淀谷政策部長  9月9日、政府本部会議で考え方が示され、翌々日の9月11日に、全国知事会の第28回新型コロナウイルス緊急対策会議が開かれました。  ワクチン・検査パッケージについては、「感染防止対策と社会経済活動の両立への出口戦略として、ぜひ進めるべきである」という意見がある一方で、「実効性の担保など、丁寧な制度設計が必要ではないか」、「行動制限の緩和だけが先行して、国民全体の気の緩みにつながらないか」などの意見がありました。これらの議論を踏まえ、全国知事会として、「パッケージを適切に運用するために、ワクチン接種率についてより高い目標を掲げ、その実現に向けてあらゆる手段を講じること」、「都道府県知事の意見を十分に踏まえて制度設計すること」、「国民が誤解しないよう、内容や適用地域、時期等について十分精査し、発表時期・発信方法にも十分留意すること」などを緊急提言として取りまとめ、国に対し、9月14日には河野大臣、9月16日には西村大臣に要望を行ったと聞いています。 高木委員  先日、9月定例会開会時の知事の提案理由説明において、「感染防止対策と日常生活の回復に向けた取組の両立に向け、県民生活の各分野におけるワクチン・検査パッケージ等を踏まえた対応について、関係機関との連携の下、主体的、積極的に取り組むため、政策部内にチームを編成し、情報収集、分析、検討等を進めたい」との説明がありました。  また、先日、本格的な制限緩和前の10月に、首都圏や大阪府などを候補として、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の対象地域において、実証実験を行うとの報道がされています。その中で、本県では、具体的にどのようなことをしていくのかお伺いします。 淀谷政策部長  ワクチン・検査パッケージについては、今後、国が大規模なイベントや飲食店において、期間や場所を限定し、各種対策のリスク低減効果やオペレーション、コスト等を検証する技術実証を行うとされています。  9月13日の時点で、緊急事態措置及びまん延防止等重点措置の27都道府県に、実証対象とする飲食店等の候補案件の提案を求められており、私どもも、ぜひその実証の候補に手を挙げたいということで、対象となる店舗などについて、検討を進めておりました。しかし、その後、国から、「10月から11月に予定されている実証時に対象となる飲食店に、営業時間短縮などの制限が課されていることが条件」との連絡もあり、現時点で10月以降の対策の状況、措置区域の状況を見通すことは難しいことから、今回の提案は見送りました。  また、国の新型コロナウイルス感染症対策分科会の提言においては、ワクチン・検査パッケージは国民的な議論を通して、自発的な民間の創意工夫を加えて、具体的に活用されることが期待されており、国や自治体は、検査体制の強化や民間の取組を後押しすべきであるとされています。  今般、県民生活各分野にわたる課題になろうかと思いますので、政策部内にチームを編成し、関係部局と連携しながら、これまでの感染状況に関するデータの細かい分析などを行うほか、国が行う技術実証の状況、あるいはワクチン・検査パッケージを活用した民間サービスの提供等に関する他県や民間などの取組の事例などについて情報収集・分析・検討を進め、香川県がこうした動きの中で出遅れることがないよう、取り組んでいきたいと考えています。 高木委員  1週間ぐらい前のニュースで、世界最先端でワクチン接種が進んでいたイスラエルの例が出ていました。イスラエルは、4月にはマスクを完全に外して日常生活に戻ったようですが、デルタ株が蔓延したので、再度マスクの着用と、3回目の接種を急いでおります。  このように、今回のコロナにつきましては、本当に今までのウイルスと違って、予測不能なことが起こっていますので、大変だと思いますが、最大の努力をしていただきたいと思います。県としても、繰り返し、新たな感染拡大への備えを固めながら、いわゆるウィズコロナの社会経済活動を進めていく必要があると思います。感染防止対策と日常生活の回復の両立に向けて、各部局、関係機関と連携して、しっかりと取り組んでいただきたいとお願いしておきます。 新田委員長  暫時、休憩いたします。  午後は1時から再開いたします。  (午後0時04分 休憩)  (午後1時05分 再開) 新田委員長  再開をいたします。質疑、質問を続行いたします。 高木委員  それでは、3点目に、四国遍路の世界遺産登録に向けた取組について、質問させていただきます。  日本の世界文化遺産として20番目となる「北海道・北東北の縄文遺跡群」が、今年7月世界遺産委員会において正式決定され、その地元では大いに盛り上がっているようです。  「四国遍路」は、四国4県に点在する多数の札所を巡る巡礼として、四国の地に古くから続く特色ある文化であり、大変価値あるものと理解しています。そこで、世界遺産登録に向けた取組状況について、お伺いします。 小川文化芸術局長  四国遍路の世界遺産登録に向けては、四国4県が中心となって、平成18年、19年に文化庁に提案書を提出し、「生きた文化遺産」として高く評価をいただきましたが、世界遺産の推薦への前提となる国内暫定一覧表への記載は見送られました。その際に、2点ほど課題が示されており、1点目は「顕著な普遍的価値の証明」と申しまして、四国遍路が世界遺産にふさわしい価値を持つことを学術的に証明するということ、それから「資産の保護措置の充実」ですが、これは、札所寺院や遍路道などを文化財保護法などの国内法で保護していくことといった課題が示されました。  このため、平成22年に、四国の産学民官が協力し、「四国八十八箇所霊場と遍路道」世界遺産登録推進協議会を設立し、世界遺産登録に向け、課題とされた「顕著な普遍的価値の証明」、それから「資産の保護措置の充実」、これらに加え、四国遍路をこれからも次世代に向かって承継していくといった機運の醸成といった取組を進めてきたところです。  そうした積み重ねの中で、昨年度、顕著な普遍的価値の研究の中間報告を取りまとめたほか、史跡に指定された札所や遍路道と四国の統一的な保護を図るための共通の指針を策定しました。さらに、専門家の御意見等を踏まえ、四国遍路の多様で広がりのある文化の重要性を示し、不動産だけにとどまらない無形的な価値などをイメージできる概念を示すために、資産の名称を四国遍路に改め、協議会の名称も四国遍路世界遺産登録推進協議会としたところです。  それから、本県の取組としては、札所寺院の史跡の指定に向け、県下22か寺のうち18か寺の調査を終えており、今年度、道隆寺、国分寺の調査を行うこととしています。  さらに、機運の醸成を図るため、札所寺院の文化財調査の成果を県民の皆様に分かりやすく紹介する調査報告会や、報告会に合わせ、近隣の小学生を対象とした事前授業や現地での見学授業を行っているほか、四国遍路体験ウォークも毎年開催しています。  加えて、昨年度から、四国遍路を生かしたまちづくりや地域活性化を考える「まちづくり講座」を開催しており、本年は7月に多度津町で開催し、新田委員長をはじめ、137名の方に御参加いただいたところです。  世界遺産登録に向け、暫定一覧表の改訂など、国の動きに速やかに対応できるよう、引き続き、普遍的価値についての研究、それから札所寺院、遍路道の文化財調査、文化財指定を進めるとともに、関係団体一体となって、一層、機運の醸成等に取り組んでまいりたいと考えています。 高木委員  最後に、要望ですが、国遍路は江戸時代初期まではなく、牟礼町の岡家の墓地に眠る道休和尚が裸足で12回、全部で27回回って、その八十八ヶ寺の素地をつくり、土佐の人と言われているのですが、牟礼町の洲崎寺に眠る真念和尚が、実際に二十数回回って、1687年に88か所と決めたのが、始まりだと私は理解しています。今申し上げたことは知らない人も多いので、しっかりと機会あるごとには伝えていっていただきたいし、保存についても遍路道の沿道の高松市などとも協力して取り組んでいただきたいと思います。  また、局長のほうから、統一的な保護という言葉がありましたが、私も今年の春から「お四国」を始めようということで、徳島県内23か寺を回りましたが、私の地元、八栗寺の場合は、表参道、裏参道とも県道ですから、きちんと整備がなされていましたが、23か寺を回った中では、各札所や参道の整備にばらつきがありました。四国遍路の保護措置、具体的には、環境整備や受皿整備を通して、永続的な文化価値を継承するために大切なことだと思いますので、産学民官、四国4県が協力し合ってすばらしい四国遍路になるように取り組んでいただくようお願いして、質問を終わります。 竹本委員  2点お伺いします。  1点目は、デジタル化の推進及びマイナンバーカードの普及促進についてです。  今月の1日に、菅総理の肝煎りであったデジタル庁が発足をし、民間からも多くの人材を採用し、約600人の職員を抱える官民一体となった組織であります。  デジタル庁は、デジタル社会形成の司令塔として、マイナンバーカードを使った行政手続オンライン化のほか、教育や医療などのデジタル化に向けて各省庁にまたがるシステム整備を進めるとのことです。我が国のデジタル化は、行政分野をはじめ、諸外国と比べ大きく遅れていると言われており、デジタル庁の今後の取組を期待したいところです。  デジタル庁の発足と軌を一にして、県でも今年度からデジタル戦略総室を立ち上げ、デジタル化の取組を進めているところです。先ほど、かがわデジタル化推進戦略(仮称)の素案の説明もあったところですが、本県のデジタル化の推進について、本県の現状と課題の認識、目指すべき方向や今後の進め方についてお伺いをしたいと思います。 井手下デジタル戦略総室長  デジタルを使うにあたっては、その基盤となるものが必要であり、最も重要なのは、ネットワークを利用する際の通信網と考えています。総務省が発表している令和元年度末ブロードバンド基盤整備調査の結果では、携帯電話等の移動系超高速ブロードバンド利用可能人口率は県内で99.9%、また、家庭等への光ファイバー等の固定系超高速ブロードバンド利用世帯率は99.7%となっており、現在、ほぼ全ての世帯が高速通信を利用できるといった環境は整っているものと認識しています。  一方で、行政手続オンライン化で見ますと、知事部局での割合は、令和2年度末で約1.7%にとどまっています。  また、電子申請オンライン申請において、本人認証にも利用するデジタル社会の基盤となるマイナンバーカードの交付枚数率は、令和3年9月1日現在で、本県は37.8%と、まだ全体的に普及しているとは言えない状況です。  こういった状況から、通信インフラは十分整備していますが、それをうまく生かせていないといった認識です。  また、情報通信産業として見た場合に、本県のGDPの産業別構成比を全国平均と比較した経済活動別特化係数で見ると、全国平均を1とした場合、本県における情報通信産業の構成割合は0.6となっており、本県の中の全産業中で最も小さく、本県においては情報通信産業がやや手薄で、情報通信産業に関わる人材、いわゆるデジタル人材が少ないということも課題として認識しています。  一方で、かがわデジタル化推進戦略を策定する過程で、有識者の方や香川県デジタル化戦略推進委員という外部委員の方にお話を伺うと、SNSサービスやネット通販などの利用状況を全国で順位づけすると、10位台前半であり、たくさん利用されているということです。  また、学校の大学数としては少ないのですが、情報系の人材を育成している高等専門学校が県内に2つキャンパスがあること、県立高校で情報学科を持つ高校が2校あること、外国出身の戦略委員の方の御意見では、香川県民は勤勉で能力が高いというお話もいただきました。こうしたことを見ると、今後デジタル人材を輩出するポテンシャルは高いのではないかと考えています。  こうした現状、あるいは課題認識の下、目指すべき方向ですが、基本理念として、「安心・便利・豊か 人が主役のデジタル社会」を目指してまいりたいと考えており、進め方としては、共創戦略と創発戦略の2つによって、県民の皆様、事業者の皆様、市町、いろいろな方々と一緒につくり、デジタル技術の革新とともに、今後どのような社会が到来するのかという中で、いろいろなアイデアを掛け合わせて革新的なサービスを生み出し、デジタル化を進めてまいりたいと考えています。 竹本委員  デジタル庁発足式の大臣挨拶では、「我々のミッション、つまり存在理由は、誰一人取り残さない、人に優しいデジタル化である」と発言をされました。まさにそのとおりだと思います。単なる行政事務の効率化や一部のITに精通した人だけが恩恵を受けるようなデジタル化ばかりを進めるのでは、駄目だと思います。デジタル化の推進によって、お年寄りから子供まで、広く県民が便利になった、デジタル化が進んでよかったと思えるような取組でないといけないと考えています。デジタル化の推進といっても、県民の多くは、自分たちの生活がどう変わって、何が便利になるのか、十分分かっていないのではないでしょうか。「誰一人取り残さない、人が主役のデジタル社会の形成」という点において、県は今後どのように取り組んでいくのか、お考えをお聞かせください。 井手下デジタル戦略総室長  本県のデジタル化推進戦略基本理念である「安心・便利・豊か 人が主役のデジタル社会・かがわの形成」は、デジタル庁のミッションである「誰一人取り残さない、人に優しいデジタル化」と同じだと考えています。  県としても、行政の効率化だけではない、あるいは一部のITに精通した人だけではない、県民の皆様が「安心・便利・豊か」と、基本理念に掲げているこの3つを実感いただけるような取組を進めてまいりたいと考えています。  具体的な取組としては、今後、共創と創発によっていろいろなサービスをつくり上げてまいりますが、戦略期間中の県の取組を戦略本体の中でお示ししており、例えば、暮らしに関する生活分野のデジタル化の中では、防災あるいは医療、教育、交通など、様々な場面でのデジタル化デジタル技術の活用によって、このように便利になるということをお示ししています。今後もデジタル技術の革新がさらに進むものと考えておりますので、県、市町、民間事業者、多様な主体とともに、今後も引き続き検討を続けてまいりたいと考えています。 竹本委員  行政のデジタル化を進めるに当たって、国や県ではマイナンバーカードの普及促進に取り組んでいるところですが、マイナンバーカードは、令和3年9月1日現在、37.8%の普及率ということです。先ほどと同じですが、県民はマイナンバーカードを持つことで、生活がどう便利になるのか、十分に分かっていないのではないか、この点が伝わらない限り、普及促進は難しいのではないかと思います。また、情報漏えい等を含め、リスクの心配をする人たちのお話も聞きます。その点について、県の考えや今後の取組についてどうしていくのか、お聞かせください。 小瀧政策部次長  令和3年9月1日現在、本県のマイナンバーカードの交付枚数率は、37.8%であり、令和4年度末に全ての県民の方にお持ちいただくには、引き続き、普及を促進する必要があると考えています。  マイナンバーカードの利便性ですが、公的な身分証となるほか、現在では、6市3町ということで、全市町ではありませんが、夜間、休日でもマイナンバーカードを使ったコンビニでの住民票の取得が可能となっています。今後は、本年10月からマイナンバーカードの健康保険証としての利用が本格活用を開始することとなっています。さらに、令和6年度末には運転免許証とマイナンバーカードの一体化も予定されています。
     また、9月6日に開催された国の第1回デジタル社会推進会議において、今後のデジタル改革の進め方の一つとして、マイナンバーカードを活用して、ワクチン接種証明のスマートフォンへの搭載を実現するとの案が示されたところです。具体的な方法は、国において今後検討されますが、実現すればマイナンバーカードをお持ちいただくメリットとなると考えています。こういったマイナンバーカードの利便性について、さらに広報啓発するため、9月1日にはマイナンバーカードの利便性をお伝えし、申請を呼びかける新聞広告を掲載したところですが、来年早々にはマイナンバーカードの健康保険証利用の喚起等に関する広報を、新聞広告、インターネット広告等を活用して実施したいと考えています。  また、マイナンバーカードの普及拡大のためには、広報のほか、申請機会の拡大も重要だと考えています。そのため、新型コロナウイルス感染症の状況を見極めつつではありますが、年内に丸亀町壱番街前ドーム広場において、県内市町合同でのマイナンバーカード出張申請を開催したいと考えています。現在、8市町から参加希望をいただいていますので、今後、新型コロナウイルス感染症対策をしっかり講じつつ、開設に向けて必要な準備、調整を進めてまいりたいと考えています。  県としては、今後とも各市町と連携しながら、マイナンバーカードの利便性を県民の皆様に周知することにより、デジタル社会の基盤となるマイナンバーカードの普及促進に取り組んでまいりたいと考えています。 竹本委員  マイナンバーカードを保険証や運転免許証として使えるなど、確かに利便性をPRするのはいいと思います。ただ、県民が心配しているのは、紛失したり、落としたときに、どうなるのかということを聞きます。そういうときに、「そんなときはここへ言えば、全部止められます。」とか「リスクに対応する窓口はここです。」といったものをお知らせしなければ、安心感がないと思います。ただ利便性ばかり伝えるのではなく、もしもの場合の対応方法を載せないといけないと思うのですが、どうでしょうか。 小瀧政策部次長  竹本委員の御指摘も踏まえ、広報啓発、県民の方への周知に当たっては、そういった心配事も含めてお知らせするように取り組んでまいりたいと思います。 竹本委員  私は別に、マイナンバーカードをするなと言っているのではありません。いいところはしないといけませんが、県民の人が心配している部分は、きちんと県がこういうことをするので安心です、ということを同時にしなければ、利用者は増えないということを言いたいだけです。そこも考えていただけるということですので、よろしくお願いします。  2点目は、新型コロナウイルスの感染症対策についてです。  新型コロナウイルス感染症が問題になって、はや1年半が経過しますが、いまだに収束のめどは立たない状況にあります。政府の対応は後手に回っているとの批判もありますが、まさにそのとおりではないかと思います。後手後手にならないようにするためには、これまでの感染状況等をしっかり把握し、そのデータ分析を行い、先手先手の対策につなげていくことが必要であると思います。  県は、これまで健康福祉部の新型コロナウイルス感染症対策本部を中心に、感染状況等の把握や、今後の対策について検討を進めてきたことは承知しています。ただ、今回のデルタ株による第5波の感染拡大は、本県でも新規感染者が100人を超える日もあり、多くの自宅療養者が出るなど、これまでにない危機的状況になっています。また、ワクチン接種ができない子供たちへの感染の広がりも問題になっています。  県は、これまでにも感染拡大防止に向けて、3密回避や県外への往来自粛をはじめ、飲食店等への時短要請やイベント開催への人数制限、ワクチン接種の取組など、対策に取り組んできました。こうした取組が無駄だったとは思っていませんが、第5波の感染拡大を防ぐことはできなかったのは事実です。  現在、進めているワクチン接種について、その副反応の状況はどうなっているのか、また、感染者の中には、回復後も後遺症が長く続き、日常生活に支障が出ているケースもあると聞いています。県内では、こうした後遺症に悩む人がどれぐらいいるのか、今後、そういった問題も顕在化してくるのではないかと思っております。  今後、冬場にかけて第6波が起こることも十分想定されるため、後手の対応にならないよう、今のうちに先手の対策を検討しておく必要があると考えます。その点について、県の取組や政策部長のお考えをお伺いします。 淀谷政策部長  まず、ワクチンの副反応の状況ということですが、副反応の発生等に対応するため、専門の相談コールセンターを設置しており、持病やアレルギーがある方からの接種の相談、接種後の頭痛や発熱への対応に関する相談ということで、9月15日時点で7,473件の相談があり、副反応への説明や接種医への受診を勧めているなどの対応をしていると聞いています。  また、接種医やかかりつけ医から副反応に関する高度な相談、あるいは診療を行う専門医療機関を県内8か所に設けていると聞いており、これまで相談が3件、診療を40件行ったと聞いています。  もう一点、後遺症に悩む人々がどれぐらいいるのかというお尋ねですが、後遺症の実数については把握してないとお聞きしていますが、保健所などで相談に対応しており、その都度かかりつけ医などの受診を勧めるなどのアドバイスをしているということです。  県の新型コロナウイルスの健康相談コールセンターでも味覚・嗅覚障害、あるいは倦怠感などの相談に応じており、9月15日現在で9件の後遺症に関する相談が寄せられています。  後遺症については、国において調査研究が進められており、中間報告も行われておりますので、そういった研究の状況も県として注視しながら、対応、検討していくこととなると考えています。  また、今のうちに先手の対策を検討しておくべきではないかという御指摘ですが、おっしゃるとおりであり、これまでも一定の想定の下に、大きく6つの観点から、感染防止対策を講じてきたところであり、感染拡大防止対策と医療提供体制の確保、雇用の維持・事業継続対策、県民の生活支援、学校再開・学びの場の提供、地域経済の回復活性化、感染症に強い社会経済構造の構築など、この9月補正予算までに、約1000億円に上る対策経費を計上して、適宜対策を行ってきたところです。  今後、感染状況がどうなるかということについて、確たることは申し上げられない状況ですが、昨年6月に、状況分析等を踏まえ、適時の対策を行うために、対策検証ワーキングチームと経済・雇用対策ワーキングチームを立ち上げていますので、健康福祉部を中心に、引き続きワクチン接種を円滑かつ速やかに進め、この夏のいわゆる第5波については、データに基づいた検証を行った上で総括し、今後の感染拡大に備えた医療提供体制の見直し等を含め、時期を逸することなく適切な対応がなされるよう関係部局と連携調整を行ってまいりたいと考えています。 竹本委員  今、9月30日までまん延防止等重点措置の期間になっていますが、これは最初の申請では国が認めてくれず、2回目で認められて、それが30日まで延長になったという経緯だと思います。  私の記憶違いかどうか分かりませんが、延長するときに、他の県知事は国へ延長を申し出たというニュースがありましたが、香川県の浜田知事は、「私からは延長してくれと言わない。」と言ったそうですが、それは事実ですか。申請するときに、感染者数とか、あるいは医療の逼迫度合いを考えて、県が言わないといけないのではないかと思うのですが。 淀谷政策部長  国の緊急事態宣言地域、あるいはまん延防止等重点措置地域の公示については、政府対策本部長、いわゆる総理大臣の専権事項だと私は理解しています。今回の特別措置法の中で、都道府県対策本部長である知事が、要請することができるという法律上の規定がありますので、それにより要請したり、あるいは延長要請などもできると思います。そして、法律上の権限が総理にあるということを前提に、医療の逼迫状況、あるいは分科会、専門分科会の判断に沿ってというのが今回の実情ではないかと理解しています。 竹本委員  総理大臣が決めるというのは分かっています。知事が決めるわけではない。ただ、マスコミによれば、他の県は知事が先頭に立って延長要請をするとはっきりと言っていますが、浜田知事は、私から要請しませんと言っていたという記事だったと思います。事実確認ですが、どうだったのでしょうか。 淀谷政策部長  しませんという報道があったかないかというのは記憶にありませんが、いずれにしても、先ほども申し上げたように、感染拡大の防止と医療提供体制の整備をしっかりやっていかなければならない一方で、これは社会経済活動に制限を加える対策ですので、私どもの知事も、先頭に立って、厳しい判断をその都度されてこられたのではないかと私は受け止めています。 竹本委員  事実確認をしたかっただけで、良い悪いということを言っているのではありません。決めるのは総理大臣ですから。  それと、ワクチン接種ですが、若い人の接種が進んでいないという話がよくマスコミ等で流れていますが、私は、その大きな原因が、SNSやネット上で、ワクチン接種についての否定的な情報が氾濫しているからではないかと危惧しています。その情報の多くは、根拠のない誤った情報ではないでしょうか。誤った情報が広く流れてしまうことで、若者等のワクチン接種が進まないということは大きな問題ではないのかと思います。例えば、ワクチン接種をすれば、子供が生まれにくいなど、そんな情報が流れ、医者が医学的な見地から、そういうことは一切ないという話をしていましたが、科学的な根拠、見地に立った内容でなく、よく分からないままに誤った情報を流してしまい、それを見た人が、見分けのできない人がいますから、すぐ信用してしまうということが起きているのではないかと思っています。そういう意味では、ワクチン接種の拡大をしていくためには、県のような信用のある公の立場として、若者等が正しい知識と認識を持つことができるよう、適切な情報発信を行う必要があるのではないのかと思いますが、政策部長、いかがですか。 淀谷政策部長  データを見ても、年齢が若くなるにつれて接種率が低いという状況です。この要因としては、最初、年齢の高い順から接種券をお送りするという対応をしていましたので、予約の順番に差をつけていたことが主な原因なのかとも思っていますが、御指摘のとおり、若い方々の間でいろいろな情報、あるいは風評により、ためらっておられる方もいるということは承知しています。若い年代の方々に対しては、専門家の知見やエビデンスに基づく正しい情報を効果的に伝えることが重要であり、これによりワクチンの接種につなげていくことが必要なのではないかということで、9月13日から、若い世代になじみが深いSNSで、しっかりと発信していこうということで、ワクチンの効果や接種の予約方法、接種後の副反応という情報について、主に若い世代の方にターゲットを絞って、分かりやすく的確に情報を入手できるように広報を開始したと聞いています。  県としても、ワクチン接種に抵抗感を持っている若い世代の方々に対して、こういった正しい情報を適切に提供し、ワクチンの持つ効能や副反応等について御理解をいただき、接種が進んでいくように努めてまいりたいと考えています。 竹本委員  ぜひ積極的に対応をお願いしたいと思います。  ただ、今の日本の状況、先般の連休の人出の状況を見たら、どこも増えており、心配をしています。  ワクチンで感染を抑えることと経済との両立を言いますが、私は個人的には、ワクチンで抑え込んでから経済対策に行かないと、両方しようとすると増えたので規制かけて、また緩めて、と、繰り返しになったのではいけませんので、本当はきちんと十分な補償をして、抑え込むということに力を入れることが大事なのではないかと思います。  11月から、2回接種していれば行けるというような、抑え込んだ後の話をしているので、準備をしておいたらいいといいますが、受け止め方が人によっては違って、もう解かれるのだと。もう行けるのだと。こういう誤解を招く発言は、国も慎んでもらわないと、勘違いして、11月から、さあ、どこ行こうと。旅行会社もそれに合わせてキャンペーンを張っている。これは、後悔をするような気がしてなりません。  今日も香川県では、4人の感染者で、1桁が続いています。昨日はお休みでしたから、多少減ったというのは分かります。  もう一つは、今の気候が、窓を開けても十分暮らしていける状況です。どこの家でも換気が十分できています。このようなことも、感染が抑え込まれている大きな理由ではないか思っています。逆に言えば、寒くなってくると、みんな戸を閉めて、換気が十分できません。そうすれば、また増えるということになりかねませんので、県からの確かな情報発信をお願いをして、質問を終わります。 山田委員  それでは、私からは簡潔に1点だけお尋ねをしたいと思います。  県内における文化芸術活動に対する支援についてであります。  当たり前のことですが、人というのは、食べたり飲んだりするだけでは人生楽しく過ごせないわけです。やはり、生活の身近なところで潤いを与えてくれるもの、あるいは心を豊かにしてくれる何かがないと、充実した日々を過ごせないわけです。その何かの一つが、私は文化芸術であろうと思っています。ですから、ほかに喫緊で取り組まなければならない大事な課題もあるかとは思いますが、県として、この文化芸術の振興というのは、これもまた、重要な課題の一つと考えるべきだと思うわけです。  そんな中、今年もかがわ文化芸術祭が今月1日から大みそか、12月31日まで4か月間と、超ロングランで開催をされています。今年で63回目を迎えたということで、そんなに1つの芸術祭が長く続いているのも、他県ではあまりない珍しいことではないかと思います。  ただ、今はコロナ禍ですから、県内のアーティストの方々、また、文化芸術団体に所属して活動されている方々にとっては、社会的制約があり、やりにくい中で活動されている状況ではないかと思います。文化芸術に関わる人たちにとっては、今や氷河期ということが言えるのではないかと思います。  そんなときだからこそ、県が例年どおりイベントを実施することは、意義深いと思うわけです。  中央で活躍している大物のアーティストに来県していただき、しかるべき施設でコンサートを開いていただくことも意義のあることかもしれません。それなりに盛り上がりますし、県民の満足度も高まりますので、それはそれでいいのかも分かりませんが、むしろ、県内で、地元で頑張っているアーティスト、あるいは文化芸術団体に所属して頑張っておられる方々に、その活動の発表の場や機会を与えてあげることのほうが意義深いものがあると思いますし、県民が気軽に、手軽に文化芸術に触れられるという意味からいいますと、県全体としては、文化水準のレベルの底上げに結果的にはつながるもので、意義深いと思っています。  この芸術祭は県の主催ですが、企画立案は、個々の参加アーティストや団体が自由にやっており、あくまでもそちらが主役で、主体性を持ってやっており、県は、助成金などは出すが、バックアップをするだけということで、大変魅力的だと思っています。長く続いた要因の一つにこのこともあるのではないかと思います。  既に、今年の芸術祭は始まっているわけですが、せっかくですので、今後のスケジュールや内容について、詳しく御紹介いただけたらと思います。 小川文化芸術局長  冒頭、文化芸術に対して力強いお言葉をいただき、本当にありがとうございます。  「かがわ文化芸術祭」は、委員御指摘のとおり、県民誰もが気軽に参加できる文化芸術の祭典として、今年で63回目を迎えます。  コロナ禍の中、文化芸術に携っている方々が、他の分野の方々と同様、本当に厳しい状況の中ですが、「アートによって皆が元気になるように」といったスローガンで9月から12月末までの間、県内の多彩なジャンルの文化芸術団体等が企画する美術展、音楽展などが各地で開催をされています。  そうした地域の方々の発表の場というのは、大事なことであり、かがわ文化芸術祭はその一翼を担っているということです。  主催公演については、11月23日に県民ホールにおいて、没後100年となるカミーユ・サン=サーンスの動物の謝肉祭を中心に、動物をテーマとした音楽・舞踊・朗読・美術など、様々なアートパフォーマンスを組み合わせた舞台公演を開催します。ピアノや小編成オーケストラ、声楽アンサンブルの音楽に合わせて、バレエやダンスなどの舞踊を行うほか、谷川俊太郎さんの詩「動物の謝肉祭」を朗読するなど、子供から大人まで楽しむことができる公演となっています。  また、県内各地に出向いて、アート体験講座を実施している「かがわアート塾」では、今年の秋の県立ミュージアムの特別展「多度津ものがたり」の開催に合わせ、多度津町の文化的景観を巡りながら、地域の人々の生活の中で育まれた文化を再発見する「多度津マチアルキ・アート探訪」を、10月23日に予定しています。  それから、コロナ禍の今だからこそ、ぜひ参加いただきたい企画で、「コロナ禍で発見した新しいアート活動」をテーマに、新しい生活様式の下で、先進的な取組を展開している活動を御紹介するとともに、イベントの主催者、参加者、施設管理者など、様々な立場でウィズコロナ時代における文化芸術活動を考える座談会を12月に開催する方向で調整を進めています。  こうしたコロナ禍での経験を踏まえながら、文化芸術に親しむ機会、文化芸術に対する知識や理解を深める機会を提供し、県民の皆様が文化芸術活動を日常生活の身近なものとして捉え、楽しさを感じていけるような文化芸術祭としてまいりたいと考えています。 山田委員  ありがとうございます。ただ、そうはいいましても、コロナ禍ですので、参加されるアーティストや文化芸術団体のメンバーの方々は、新型コロナウイルスの感染防止対策などを講じて公演をやらなければなりませんので、例年とは違ってハードルが高いと思うんですが、コロナの影響で、今年は公演を中止したり、参加そのものを辞退する団体や個人の方々はいらっしゃったんでしょうか。  もう一つ、文化芸術振興活動費助成金という助成制度があったと思いますが、その申請状況はどうなっているのでしょうか。この時期ですから、コロナに対する万全の予防策をとっていないと交付の対象にはならないと思うんですが、その申請状況も御紹介いただけたらと思います。 山本文化振興課長  まず、かがわ文化芸術祭の参加公演・行事への各団体の参加状況についてですが、9月10日現在で、美術や音楽、生活文化などの幅広い分野から52件の参加・登録をいただいています。しかし、8月から9月にかけて、県内の感染状況が厳しい状況にあったことから、うち6件については、中止の連絡をいただいています。  こうした参加公演や行事は、11月1日まで随時登録の受付をしています。登録した公演や行事の内容については、文化芸術の総合情報サイトである「かがわアートナビ」やメルマガなどで広く周知することにより、できるだけ多くの県民の皆様の発表の機会や鑑賞の場にしていただきたいと考えています。  それから、文化芸術振興活動費助成金については、広く県内の文化芸術活動全般を支援するものであり、今年度は37の団体等から申請をいただき、満額にいかないものもありますが、全ての事業を採択し、総額760万円余の交付決定を行いました。このうち18件、472万円については、先ほど申し上げた、かがわ文化芸術祭の参加公演・行事に登録された団体等への助成となっています。  申請者からは、「コロナ禍が続き、落ち込んだ情勢を打破するきっかけとなる」、「公演を続けることで、芸術の灯を絶やさないようにしたい」などの意見が寄せられています。また、コロナ禍前の令和元年度に比べ、12件、370万円多く交付決定しており、文化芸術活動の再開に取り組んでいる団体等の皆様への支援として、一定の効果があったものと考えています。  今後とも、新しい生活様式の下、地域に根差した文化芸術活動を積極的に支援していくともに、文化芸術の灯を絶やさないよう、県民の皆様の文化芸術活動の継続と再開、そして鑑賞機会の確保に向けて、鋭意、取り組んでまいります。 山田委員  香川の文化芸術の灯を消さないように、よろしくお願いいたしたいと思います。こういう時期だからこそ、香川の地元の頑張っているアーティストに元気が出るように、そして県民の皆さん方が文化芸術に触れられる機会を提供していっていただきたいと思います。応援しております。頑張ってください。 辻村委員  大きく3点お伺いいたします。  6月定例会の総務委員会において、田中会計管理者から、証紙については、廃止した他県の状況を確認しながら検討する。本県においても、電子マネーやスマホの活用について、一部導入している公金もあるが、今後、さらに進めるに当たっては、利便性の向上と業務の効率化に要する経費などを踏まえ、業務のプロセスの見直しを進める中で、スケジュール含めを検討してまいりたい。との御答弁をいただきました。  本日御説明いただいた「かがわデジタル化推進戦略(仮称)素案」の中で、出納事務のデジタル化の推進ということで、証紙収納の在り方については、各省庁のデジタル化の動向や関係機関の意見等を踏まえ、中長期的な視点で検討を行うと明記していただきました。前回聞いたときは消極的かと思いましたが、この計画を見ると、かなり積極的に転換されたと思い、その取り組む熱意を高く評価したいと思います。  それで、先般お伺いした先進事例の課題と、その後どう分析されたのか、また、中長期的と明記していますが、今後の具体的なスケジュールについてどう取り組まれるのか、お伺いしたいと思います。 田中会計管理者  委員御指摘のとおり、今回御報告させていただいた「かがわデジタル化推進戦略(仮称)素案」にも記載させていただいていますが、証紙を含めた公金収納のデジタル化については、行政手続デジタルで完結できる業務プロセスの見直しに合わせて進める必要があることから、全庁的に検討を行い、取り組む必要があると考えています。このため、出納局会計課及びデジタル戦略総室を事務局とし、各部、教育委員会、警察本部、病院局、人事・行革課、税務課等をメンバーとする部局横断的な体制である「公金収納のキャッシュレス化等に関するワーキンググループ」を来月にも設置し、各部局等で取り扱う公金収納の特性や課題を踏まえ検討し、キャッシュレス決済導入に必要な手続等を示した手順書を早急に作成してまいりたいと考えています。  この手順書を基に、手数料を所管している各所属において具体的な検討を進め、できるところから順次デジタル化、キャッシュレスに向けて取り組んでいくものと考えています。  また、ワーキンググループの中で、他県の状況なども分析していきたいと思っています。  また、証紙収納の見直しに当たっては、現在、600種類ある証紙収納の一部を残し、段階的にデジタル化することは、手数料を収入としている、県内に101か所ある証紙売りさばき所の確保が難しくなり、12種類の証紙についても、毎年一定の額が印刷費として発生していますので、県内で一斉に見直す必要があるものと考えています。このため、先ほど御説明したワーキンググループにおいて、本年10月に証紙を廃止する鳥取県や、また、既に廃止している都道府県の先進的な、効果的な取組を具体的に分析し、また、各省庁のデジタル化の動向、さらには関係機関の意見等を十分踏まえ、しっかりと検討してまいりたいと考えています。 辻村委員  今の答弁をお伺いしたら、ワーキンググループをつくることは決めたが、何も検討していないという答弁だったと思います。全部歩調を合わせてやることも大事だと思いますが、この証紙収納のデジタル化については、大阪をはじめ、鳥取県など、先進地は既に取り組んでいるところもありますし、今まさに取り組もうとしているところもあるわけです。デジタル化について、井手下デジタル戦略総室長から説明がありましたが、確かに一遍に進めることも大事かと思いますが、その中でもできるものから進めていく、その最たるものが証紙収納のデジタル化であると思い、6月定例会で言ったわけです。既に取り組んでいる事例があるものは取り組みやすいし、先進地の取り組みにどういった課題があったかということも分析しやすいのではないかと思います。今後、この証紙を含めた公金収納のデジタル化を県が取り組もうとしている全体のデジタル化の先進事例として、そういったいろいろな課題を検証するのに先んじて取り組んでいただきたい。  計画をいつまでにするという計画、他県を見ると、そういうものをつくってやっています。ゴールを決めて取り組まなければ、デジタル化はずるずる遅れていくのではないかという懸念もあります。それについて御所見を再度お伺いしたいと思います。 田中会計管理者  先進事例として鳥取県が10月から廃止を進めるということですが、コロナ禍で現地に行くことはできませんが、オンライン会議などで、その状況や、証紙を廃止した場合の代替措置、その問題点、現金収納も一部残してPOSレジを導入すること、大口案件に対する聞き取りなどの取組を参考にし、今後も、もう少し具体的に検討していきたいと思っています。先ほどの答弁では抜けておりましたが、そういうことはさせていただいています。  それと、期限ということですが、できるだけ、証紙以外のものに関しては、先ほど申し上げた手順書を作成し、できるところからやっていきたいと思っています。今回、目標として、令和4年度から順次導入という形で予定しています。  あと、証紙収納に関しては、そういった状況を十分把握して、代替措置と、県下一斉にやらないといけないという状況もありますので、できるだけ早くと考えており、このデジタル化推進戦略の期間である令和7年度までには、方向を示してまいりたいと考えています。 辻村委員  先ほど竹本委員から質問があったとおり、例えば、免許証などは、今、紙媒体ですが、近い将来、アプリになるのではないかと言われています。タイミングを合わせないといけないとちゅうちょしていたら、なかなか進みません。せっかくデジタル戦略総室をつくって推進するのであれば、できるところから計画的にゴールを決めて取り組んでいっていただきたいと思いますが、最後にその件について、淀谷部長の御所見をお伺いします。 淀谷政策部長  デジタル化は、社会の変化が早い中でのデジタル技術を使ってのサービスの向上という観点では、スケジュール感やスピード感が極めて重要であると考えています。改めて、職員とも議論し、どのような行程を組んでやっていくのかしっかりと検討を深めてまいりたいと考えています。 辻村委員  よろしくお願いします。  続きまして、コロナ禍での選挙についてお伺いします。  来月、コロナ禍では初めてとなる国政選挙が香川県でも行われます。8月以降、県下で急拡大したコロナ感染者数は、9月に入ると減少し始めて、いわゆる第5波は収束の方向に向かいつつあるという気がします。しかし、世界的には、ミュー株やカッパ株といった、新たな変異株が拡大の兆候を見せている上に、これらの新株はワクチンの有効性が低く、ブレークスルー感染のおそれがあると言われています。さらに、早期にワクチンを接種された方々は、半年が経過し、再度ワクチン接種を行わないと、危険な状況になるのではと危惧されています。  東京大学の教授によると、今の第5波の数倍の第6波が来るというシミュレーションなどもあり、そういった最悪の事態も想定に入れ、再来月の選挙以降、市町選挙管理委員会とも力を合わせて、今度の選挙にどう取り組むか考えていく必要があると考えています。  香川県選挙管理委員会では、新型コロナウイルス感染者、入院者、ホテル療養者、自宅療養者、さらに、調整中待機者や陽性者の濃厚接触者を含め、期日前・不在者投票、投票所、また、役所の方が行う開票への対応について、県選挙管理委員会としてどのように指導し、どのように取り組むのか、お伺いします。 小瀧選挙管理委員会書記長  新型コロナウイルス感染症の感染拡大が懸念される状況で、選挙を執行する場合には、選挙人の皆様が安心して投票し、また、安全に開票作業が行われるように、感染対策を講じる必要があると考えています。  新型コロナウイルス感染者の投票機会の確保については、先般成立した特例郵便等投票による投票制度、これは自宅療養者、また、宿泊療養施設の療養者の方に実施していただくことになりますが、こういった制度の周知や、機会の確保に努めてまいりたいと考えています。  入院者の方については、特例郵便投票のほか、指定施設により不在者投票においても投票することができると考えておりますので、そういった形の投票をお願いしたいと思っています。  また、濃厚接触者については、今回の特例郵便等投票の対象ではありませんが、選挙自体が不要不急の外出には当たらないという解釈の下に、十分な感染対策、マスクの着用や手指消毒をした上で投票所、期日前投票で投票を実施していただくように周知してまいりたいと考えています。  また、開票作業については、市町選挙管理委員会に実施していただきますが、どうしても人が集まって作業をせざるを得ない状況にあります。そういったことから、これはあくまでも、換気やマスク着用、手指消毒など、原則を徹底しながらやっていただくことになりますが、そういった感染対策に万全を期すように、先般、9月3日付で県選挙管理委員会の委員長からの通知もしたところです。衆議院議員総選挙に向けて期日が確定しましたら、改めて、市町への周知にも努めてまいりたいと考えています。 辻村委員  今の答弁で、濃厚接触者については、陽性か陰性かはっきりするまでは、いくら十分な予防をしていても駄目だと思うのですが、再度、間違いないかどうか確認したいと思います。  さらに、この特例郵便等投票について、個人的には、この郵便投票自体に問題があるのではないかと思います。大きい声では言えませんが、公職選挙法に当たらない自民党の総裁選挙は、往復はがきが来て、名前を書いて出すだけです。こんなことをしたら、誰が出したか分かりません。いくら厳格にしても、本当にその人が投票したかどうか、チェックすることが難しい。先ほど、指定投票所という話がありました。これは分かります。オンライン化は駄目だと午前中に答弁がありましたが、確かにオンライン化も駄目だと思いますし、この郵便投票もなりすましなどを考えたら同じぐらいの危険度があるのでないかと思います。  さらに、投票日の4日以上前に申請しなければなりません。投票も発送しなければなりませんし、投票日に必着なんです。アメリカなどは、逆にその日までに出していればいいといって、結果が出るのが何か月も遅れましたが、日本は即日開票を目指しているということで、5日前までに申請発送しなければならないため、投票日から4日前以降に感染された方は、もう投票できないという話になります。  また、一人暮らしの自宅療養者の方などは、知人の人に持っていってもらえばいいと言いますが、頼む人がいなければ、実際、申請してはがきを書いたが、出しに行けない人はどうするのかという課題もあります。  本年行われた国内選挙、実際、兵庫県の知事選挙や仙台の市長選挙では、利用者がゼロだったそうです。コロナになったら選挙どころではないという考えかも分かりませんが、低調であると聞いております。  そういった自宅療養者の件もありますし、様々な郵便投票にどのような課題がこの夏あったのか、どう認識されているのか、お伺いしたらと思います。  手続のオンライン化、ポストへの投函支援、利用者視点に立って、対策を講じるべきと考えますが、投票の公正さを維持しながら、感染者に対して投票の機会をいかに保持していくのか、御所見をお伺いしたいと思います。 小瀧選挙管理委員会書記長  まず、濃厚接触者について再確認ということでしたが、まず、濃厚接触者については、今回の特例郵便等投票の対象ではないということで、ただ、その場合どうするかで国会での議論もありましたが、濃厚接触者については、不要不急の外出の自粛は求めておりますが、投票については不要不急の外出ではないということで、選挙の投票に関しては、期日前投票もしくは投票所での投票をお願いしているところです。  続きまして、今まで行った郵便投票の中の課題ということですが、まず単身の自宅療養者の方についてどうするのかということについての課題、また、投票日の4日前に市町選挙管理委員会に請求しなければならないということで、それ以後判明した感染者についてどうするのかということは課題であると認識しています。これについては、まず4日前までに請求できず、しかも期日前投票をしていない場合は、現行制度では投票は難しいことになると考えています。また、単身の方で、自宅におられる方については、例えば、知人の方にポストに投函を依頼するなども考えられますが、市町の実情に応じての対応していただくということで、どういったことができるのか、今後、検討してまいりたいと考えています。  いずれにしても、今回、この法律ができた際に、衆議院、参議院、両院において、東京都の都議会議員選挙もしくはこれから行われる衆議院の総選挙における特例郵便等投票の実施状況を検証した上で、この制度をどうするか検討するということで、今度の衆議院議員総選挙には間に合わないと思いますが、県選挙管理委員会としてもできる限り周知に努め、一人でも多くの方が投票できるように努めてまいりたいと考えています。 辻村委員  濃厚接触者については問題があると思いますので、十分、検討していただけたらと思います。  あと、私の聞き方が悪かったのかも分かりませんが、オンラインや郵便投票は、なりすましの危険性が高いので、そこをどう担保するのか、どう対策等を講じるのかということを聞きたかったのですが、それについて再度お伺いします。 小瀧選挙管理委員会書記長  郵便等投票については、御指摘の点は十分慎重に対応しながら、いずれにしても、郵便投票の不正が発生しないような形で、郵便等投票がきちんと行われるよう、配慮することになろうかと考えています。 辻村委員  郵便のほうには問題ないんですよ。先ほどパッケージに入れると言っていましたが、封筒も触って、パッケージも触るので、一緒ではないかと思うんです。それはいいとして、投票するまでになりすまし行為の危険性があることを考えているのでしょうか。そうならないのか、努力するのか、担保するのかということをお伺いしたんです。  先進事例では、簡易にやっていたが、ほとんど利用事例がなかったと聞いています。国政選挙など、激しい選挙になってくると、それこそ不正の温床になるのではないかという懸念もありますので、その辺について、一生懸命検討していただきたいということを要望してこの質問を終わります。  次に、瀬戸内国際芸術祭2022についてお伺いします。
     9月定例会の代表質問で、知事が、何が何でもやるというような御答弁をされました。危惧するところもありますが、新型コロナウイルス感染症の第6波、第7波も、想定に入れた上で検討していくことも大事だと思います。  次回の瀬戸内国際芸術祭については、国内でワクチン接種が進んだ来年4月の開幕ということで、今までは楽観視されていましたが、新型コロナウイルスのデルタ株が夏に流行し、コロナ禍が相当長期化するのではないかと指摘されるようになりました。そうした中での開催も視野に入れて、検討しなければならない状況になってきていると思います。  瀬戸内国際芸術祭の特徴の一つとして、国内外のアーティストが会場の島に入り、地元の住民やボランティアと共同して作品を制作するということが、好評だったと思います。現在のように、海外との往来や国内の移動が制限される中で、難しい点も多いと思いますが、この作品制作は、今までのようにできるのかどうか、どのように進めていくのか、お伺いしたいと思います。  また、コロナ禍での開催となった場合には、島民の方が安心して来場者を迎えることができるよう、ワクチン・検査パッケージ等の運用など、適切な対策をしっかりと講じていく必要があり、先般政府が発表した行動制限の緩和策も踏まえ、島民の御理解を十分いただいた上で、対策の中身を充実したものにしていかなければならないと考えます。  そこで、会期中におけるコロナ対策についてどのように考えているのか、お伺いします。 小川文化芸術局長  まず、作品制作の状況についてですが、現在、作家の選定を進めているところです。一般公募は既に終わっており、国内外から421組501点の応募があり、現在、一般公募の審査と招待作家の選定作業を並行して進めながら、作品制作場所の候補地の調査なども並行して行っているところです。  委員御指摘のとおり、コロナ禍で海外との往来の見通しなど、不透明な部分があります。そのため、国内作家の調整を中心に、それを先行して進めているところです。今後は、新型コロナウイルス感染症の状況を注視しながら、海外作家も含めた全体の作家、作品の方向性を固め、11月上旬に予定している企画発表会に向けて、作家の選定を加速化させたいと考えています。  また、実際の作品の制作ですが、作品制作については、作家が島に入り、島の方々、ボランティアの方々と一緒に作品を作ることが基本で、今回もできるだけそうしたいと考えております。国内作家については、来月以降、落ち着いてくれば、現地で順次作業も行っていけると思いますが、海外作家については、なかなか現地に入れないということも想定されますので、リモートでの作品制作を行わざるを得ない状況もあると思います。  このリモートの作品制作ですが、現在、協賛をいろいろな企業からいただいており、その協賛企業の中で、ICTを活用した遠隔作業新システムを無償で提供してもいいというお話もいただいています。このシステムは、スマートグラスなどを用い、ハンズフリーで映像を転送したり、状況を報告したり、指示をもらったりできるというものですが、新しい技術も有効に活用しながら、作品制作の準備を進めてまいりたいと考えています。  それから、会期中のコロナ対策についてですが、基本的な考え方としては、会期中の対策は、国の新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針を踏まえた県の対処方針、そしてアートプロジェクトの中身、イベントや屋内の施設に応じて、業種別のガイドラインに沿って対応することになります。そういった中で、会場の多くが離島であるということを踏まえ、今後の感染状況やワクチン接種の進捗状況などを注視し、状況の変化に柔軟に対応しながら、しっかりと取り組んでいきたいと考えています。  具体的な対策ですが、現在、石川県珠洲市で開催されている奥能登国際芸術祭や、来月、長野県大町市で開催予定の北アルプス国際芸術祭がどういったことを実際にやっているのか、そういった実施状況なども現地に行って参考にしながら、地元市町や関係団体と連携して、島の実情に応じた検温や救急搬送体制などの検討をしていくとともに、手指消毒や密の回避、マスク着用等の基本的な対策の周知徹底など、効果的かつ効率的に行ってまいりたいと考えています。  それから、何より重要なことは、来場者に医療の脆弱な島に行くという自覚を促すことであり、島民や自らの安全のために、来場する前にきちんと検温を行って、体調不良時には来場を控えていただくこと、発熱時には、作品受付で鑑賞はお断りすることなどを、ホームページや公式のアプリ、ガイドブックなど、様々な各種広報媒体を活用し、周知を徹底してまいりたいと考えています。  それから、ワクチン・検査パッケージのお話もありましたが、政府の行動制限の緩和やワクチン・検査パッケージに基づく行動制限の緩和については、具体的な案がまだ示されてはおりませんが、芸術祭を楽しみにしていただいている方々をお迎えし、また、島民の皆さん、県民の皆様の安全・安心にもつながる、有意義なものとなるということを期待しています。午前中、政策部長の答弁もありましたが、そうした県全体の対応も踏まえ、瀬戸内国際芸術祭としても考えてまいりたいと思います。  こうした様々な対策をしっかり講じていくことで、会場となる島々の皆様が安心して来場者を迎えることができ、また、多くの来場者に安心して芸術祭を楽しんでいただけるよう、しっかりと対策に取り組んでまいりたいと考えています。 辻村委員  いろいろ考えられているようですが、コロナ対策について、安心していただける体制とおっしゃいましたが、瀬戸内国際芸術祭の特徴は、会場が離島であるということです。実際、手指消毒や検温をすると思うんですが、検温で熱があった人は、どうするのでしょうか。定期船に乗って帰ってくださいと言うんでしょうか。チャーター船を用意しておくんでしょうか。ましてや、病院に行かなければいけないほどであれば、病院施設や医師はいるんでしょうか。そういったことも踏まえて検討すべきと考えますが、その辺についてどう考えているのかお伺いします。  さらには、瀬戸内国際芸術祭に欠かせないのは、こえび隊であると思っています。国内はもとより、国外からも大勢のこえび隊の支援者に今まで協力していただき、どうにか瀬戸内国際芸術祭を運営してきたのではないかと思います。  こえび隊の話を聞くと、実際は、県外から来たこえび隊の人は、宿泊所に雑魚寝して、劣悪とは言いませんが、あまり快適でない宿泊環境であったと聞いたことがあります。そういった県外から来られるこえび隊について、どう対応するのか、また、そういうリスクがあるのであれば、今回は見送るという人も増えるかもしれません。実際、必要なこえび隊を確保できるのでしょうか。  さらには、新潟の大地の芸術祭は、瀬戸内国際芸術祭の1年前にずっとしてきましたが、1年間延期したため、我々と同じ来年になり、そこでもこへび隊というのがおり、同じようなボランティアをしてくれるわけですが、いろいろと聞いていたら、同じ人がこえび隊にも参加するため時期が被っているという懸念もあるのです。そういった面も含め、こえび隊を確保できるのかどうかお伺いしたいと思います。  さらに、コロナ禍が長期化する中、地域の観光や文化・芸術は厳しい状況に置かれています。瀬戸内国際芸術祭が、コロナが改善後の経済面に関し、特に観光もV字回復するのではないかという期待があるわけです。せっかくそういう効果があるのであれば、これまでも徐々に進めてきたように、県内、本土地域にも波及するような取組を行っていただきたいと思いますが、それについてどう考えられているのか、お伺いします。 小川文化芸術局長  まず、コロナ禍での救急搬送の件についてですが、前回の芸術祭では、地元市町の消防部門や本土側も含めた病院、診療所、警察など、そういった関係機関と緊急時の連絡体制を取っており、輸送が必要な場合の輸送手段等を事前に確認をし、関係者で共有した上で対応していたということです。  具体的には、まず、瀬戸内国際芸術祭の各島の案内所のスタッフが、そうした医療機関なり119番に通報して、市町の救急艇やフェリーなどの定期船、あるいは海上タクシー、漁船など、いろいろな手段で島外への搬送ということを考えていたようです。ただ、実際の件数はあまり多くなく、全体で6件だったと聞いています。  次回に向けて、新型コロナ感染症の対応ということがありますので、前回の取組をベースとしながら、地元市町と十分協議しながら、効果的かつ効率的な方法を検討したいと考えています。  それから、発熱者が出た場合ですが、新型コロナウイルスの感染者であるとの確定の結果が出ていない発熱者ということになると思いますが、発熱者が出た場合に、どうするかということは課題です。先ほど申し上げましたように、まずは発熱のある方は来場をお控えいただきたいということを周知徹底してまいりたいと考えておりますが、それでも、島で発熱者が出るということは想定されます。消防で対応いただくという場合においても、いろいろな搬送手段があると申し上げましたが、消防が判断をして、高松市の救急艇を使ったりする場合もありますし、フェリーを使うこともあると思います。まずは、新型コロナウイルス健康相談コールセンターに連絡し、そこで指示を受けることになると実行委員会としては考えていますが、基本的には公共交通機関でということになると思います。状況によって救急搬送という形になれば、高松市の救急船や傭船、海上タクシーを利用する場合もあるかと思います。せきが多い方などはチャーター船に乗っていただくことをお勧めしたり、船が大きい場合は、デッキで乗船をいただくなど、いろいろな対応が考えられると思います。専用船を確保するということができればよいのですが、費用面、効率面から、この間、海上タクシーもいっぱいいっぱいで走っていますので、ずっと待機させておくというのも非効率であるといった課題があります。いずれにせよ、救急搬送体制、それから救護体制を今後、市町と詰めてまいりますので、その中でできることはないか、どういうことができるのか、検討してまいりたいと考えています。  こえび隊については、お寺をお借りして、広いところに皆で一緒に寝るという状況もあります。こえび隊の宿泊をどうするかというのは、今、検討をしているところです。  それから、御指摘のあったこへび隊とかぶる時期が出てくるということは承知していますが、向こうの会期がどうなるか、決まっていませんので、どれだけ被るか分かりませんが、そういった御心配はおっしゃるとおりです。地元の企業や大学など、いろいろなところに、地元の方にできるだけたくさん参加していただけるよう、早くからお願いに上がって、できるだけ確保したいと思っています。  それから、内陸も含めた県内全域への瀬戸内国際芸術祭の効果の波及を全県的にということですが、会期中に県内各地で開催される文化芸術イベント、それから観光スポットなど、前回は89件を県内連携事業と位置づけ、ウェブサイトなどで情報発信を行うとともに、瀬戸内国際芸術祭の来場者がそれらを訪れて、集めたスタンプの数によって、抽せんで県産品をプレゼントするビンゴラリーを実施しました。会場以外の来場者の主な訪問先としては、栗林公園や満濃池、銭形の砂絵などのほか、国の登録有形文化財に指定されているJR善通寺駅など、県内各地の名所旧跡が多かったと聞いています。会期中に行った来場者のアンケートでは、3人に1人の方が、県内の芸術祭以外の観光地を訪問したという結果も出ており、一定の効果はあったものと考えています。  それで、次回に向けた取組ですが、コロナ禍での開催ということもあり、ビンゴラリーではなくて、非接触型の新たな取組を行いたいと考えています。  具体的には、県内の文化芸術イベントや観光スポットを100か所程度選定し、瀬戸内国際芸術祭の公式ホームページなどで積極的にPRするとともに、これらのスポットを訪れた来場者に、その場で撮影した写真を、芸術祭を示すようなハッシュタグをつけてインスタグラムに投稿していただくハッシュタグキャンペーンを実施したいと考えています。魅力的な写真を投稿された方には、県産品をプレゼントして、キャンペーンをしたいと思っています。  この取組により、芸術祭の来場者に、県内の他のスポットを訪問していただくことはもちろん、それに加え、芸術祭に関心がある層に、インスタグラム上で他のスポットの情報も見ていただけるという効果も期待できると考えています。地域の観光や文化、芸術が厳しい状況に置かれている中で、芸術祭の開催効果を広く県内に波及させることができるよう、県内連携事業にもしっかりと取り組んでまいりたいと考えています。 辻村委員  発熱者への対応は、やはり一考の余地があると思います。  例えば、各島に医師がいれば、その医師が定期船で帰っても大丈夫だと言ってくれれば、島の人も患者さんも安心するのではないかと思います。そういった面で、各島に医師や、緊急のチャーター船が手配できるような体制を十分準備して、各島の人たちに納得していただける体制を構築していただきたいということを要望しておきます。  また、こえび隊ですが、広い空間といっても雑魚寝は駄目です。こえび隊の人に来てもらうために、どういった体制ができるのかを十分に検討していただきたいと思います。  あと、新しい試みとして、ハッシュタグキャンペーンをやるそうですが、確かにインスタグラム、ツイッター等で、ハッシュタグで拡散されると、拡散効果は大きいということで、いい企画だと思います。  ただ、抽せんで商品を渡すとなると、今度は、住所を聞かなければならないとなれば、個人情報が流れたり、偽者が出てきて情報を聞き出したり、そういう懸念があるのですが、その辺、いろいろな課題がネットを見たら出ておりました。その辺、考慮に入れて、どういったものが適切なのか。まだ、計画中だと思いますので、十分に検討して、ハッシュタグキャンペーンを充実させていただきたいと思います。  また、これは瀬戸内国際芸術祭とは直接関係はないんですが、瀬戸内国際芸術祭の核と言える直島のランドマークとも言える黄色いカボチャが、先般の風雨で破壊されたと聞いております。これは確か、ベネッセの所有だと聞いていますが、瀬戸内国際芸術祭に関係ないかといえば、私はあると思います。県民の方も多く心配されています。瀬戸内国際芸術祭開幕までに復旧していただきたい。県がアシストしてでも復旧していただきたいと思いますが、その辺について御所見をお伺いします。 小川文化芸術局長  直島の黄色いカボチャにつきましては、8月9日の台風9号の接近で、海に流されて、防波堤に当たって分裂したという状況です。当時、その状況を直ちに確認をしたところ、いつもはきちんと外しておくのだけれども、今回は大丈夫かと思ったらこんなことになってしまったという話で、当然、重要な作品、ランドマークですので、修復なりに向けてきちんとやっていくと伺っています。改めて確認をしたところ、現在も修復に向けて、草間事務所と事務協議をしているということです。この作品がなくなるというようなことはないと聞いています。直島を代表する作品、それから瀬戸内国際芸術祭でも人気のある作品ですので、多くの人が待ち望んでおります。私も早期の復旧を期待しているところです。 辻村委員  今後も、新型コロナウイルスの状況をめぐり、先行きがなかなか見通せないことから、どうなるのか、どうしたらいいのか、といったことが出てくると思いますが、少なくとも4月から開幕するのであれば、11月定例会までには、こういう点を想定して、こういう開催をするという、先ほどいろいろ種々課題がありましたが、そういったものを十分説明責任を果たせるように御検討いただきますことを強く要望して終わります。 宮本委員  辻村委員からいろいろとありました瀬戸内国際芸術祭について質問させていただきます。  我が会派の代表質問に対して、知事から、アートプロジェクトや広報、受入れ環境の整備等の準備を確実に進めているとの答弁がありました。新型コロナウイルスの感染拡大防止と社会経済活動の両立、今回の瀬戸内国際芸術祭は課題も踏まえていますが、やはり何回もやっていて、この芸術祭を期待しておられるファンの方が多いということです。  前回の芸術祭を振り返ってみますと、欧米を中心に瀬戸内の島々に対する評価が高まったという中で、海外から来場者が大きく増加したということですが、ゴールデンウイークなどの繁忙期において、高松港に設けられた作品鑑賞パスポートの引換窓口で、長い行列ができて大変困ったり、来場者が予定していた船の時間に間に合わないケースがあったり、積み残しがありました。そういう状況で、今回はコロナ禍ということですので、その対策は大事になってくると思います。  今回、芸術祭は、コロナ禍の中で開幕を迎えることが予想されており、当面、インバウンドを期待することは難しいと思っています。近県からの日帰り客など、国内の来場者が一定増加することは考えられると思っておりますし、それには感染拡大防止に留意しながら、来場者に瀬戸内の島々を快適に巡ってもらうような受入れ環境の整備にしっかり取り組む必要があると思っています。  そこで、交通対策や会場運営、チケット販売などの運営面での準備が大事になってくると思っています。どのように、この運営準備をやっていくのか、具体的にお話をお聞きしたいと思います。  また、運営面の取組の中で、新規のものがあると聞いていますが、この新規のものについて、具体的にお伺いをしたいと思いますので、よろしくお願いします。 小川文化芸術局長  次回の芸術祭に向け、瀬戸内国際芸術祭2022取組方針に沿い、地元市町、関係事業者等とも協議を重ね、交通対策や会場運営、チケット販売など、運営面の準備を順次進めているところです。  まず、交通対策のうち、海上交通については、航路事業者等と協議し、会場となる島々を結ぶ交通アクセスの向上を図るため、会期中における臨時航路の開設、既存航路の増便・臨時便の確保に向けた調整を進めているほか、窓口付近の混雑緩和にも資するよう、期間限定のフェリー共通乗船券、3日間乗り放題券の導入に向けた調整も進めているところです。  そして、島内交通についても、地元市町と連携しながら、既存のバス路線のダイヤの増便等の調整を行っているところです。  次に、会場の運営については、これも地元と協議しながら、土地勘のない来場者を現地で円滑にサポートできるよう、会場の島々や本土側の港周辺に設置する案内所の必要な人員体制等について調整を進めています。  また、来場者に、会場の島々を快適に周遊していただけるよう、各種の情報集約拠点となる芸術祭の公式ホームページのリニューアルや作品までの最適な経路等を検索することができるスマホのアプリの開発、作品パスポートのデジタル化、公式ツアーの充実などに取り組んでいるところです。  このうち、新規の取組ですが、まず作品鑑賞パスポートのデジタル化については、来場者の利便性の向上を図ること、それからコロナ禍での接触機会の軽減にもつながるということで、導入の準備を進めています。  具体的な機能等ですが、専用のアプリをスマホにダウンロードをしていただくことで、パスポートの購入と利用ができる、いわゆるもぎり機能があります。それから、作品のスタンプラリー、かざすと行った作品がぱっと出る、ここには行ったということがスタンプラリー形式に出てくる機能や、協力施設でクーポンの利用で割引などが受けられる機能があります。これは全て、これまでの紙パスポートにあった機能ですが、今ある機能は全て満たすということで、電子化を進めているところです。  前回の芸術祭でも、パスポートのオンライン販売はしていましたが、あくまでも紙パスポートへの引換券を売っていたということで、現地で、高松港などの案内所で、実際の紙のパスポートに引き換えるという手続が必要であり、繁忙期に引換えのために行列ができるという状況が生じていました。デジタル化により、次回はこのパスポートの手続は不要となりますので、混雑緩和にも資するものと考えています。  新規の取組の2点目として、公式ツアーの充実の中で、2つの新たな取組を考えています。公式ツアーについては、来場者の満足度の向上、リピーターの確保ということで、前回の芸術祭で初めて催行をしましたが、高松港を起点とする7つのコースがあり、主要な作品をガイドつきで効率よく鑑賞できるということで、いずれのコースも好評をいただき、90%を超える参加率を記録したところです。  そうした成果を踏まえ、次回の芸術祭は新たに岡山側の港を起点に、会場の島々を巡るツアー、それから歴史や文化、食など、テーマを決めて不定期に催行するスペシャルツアーを実施する方向で準備を進めています。  芸術祭の来場者の方々に、瀬戸内の島を快適に楽しんでいただくように、交通対策や会場運営、様々な準備を着実に進めてまいりたいと考えています。 宮本委員  新型コロナウイルス感染症をめぐる状況は厳しい中でありますが、来年4月の開幕に向けて、継続的に情報発信を行って、機運の醸成を図っていくことが重要です。そうした取組は、芸術祭に期待している人たちへの応援のメッセージにもなると思います。今後、どのように広報を進めていくのかお伺いをしたいと思います。  それと、インバウンドを期待することは難しいということですが、これからコロナがある程度収束したときに、欧米、海外から来る人に対して、前回と同じような形、そして前回の反省点を活かし、前回以上に、外国の方が来られたときにはこうしようということも、考えておられるのでしょうか。海外に発信するというのは、日本という国、そしてまた、香川県という県のアピールにつながっていくと思います。厳しい中でありますが、私の知り合いもスペインから来たりしていますので、今回も、ぜひ来ようという人もおられるようですから、その辺も踏まえて、広報の話も含めてお伺いをしたいと思います。 小川文化芸術局長  今後の広報ですが、まず11月上旬に開催を予定している企画発表会が最初の山場だと考えています。それに向け、公式ホームページのリニューアルや各種広報物の作成準備を進めているところです。  当面の取組として、今月末と来月中旬に企画発表会につながるような発信の行事を考えています。まず、ポスターのデザインの基となった、瀬戸内国際芸術祭の顔となるメインビジュアルについて、今月29日にマスコミの関係者を招き、発表会を高松市内で開催したいと考えています。このメインビジュアルについては、2010年の第1回目から日本を代表するグラフィックデザイナーの原研哉氏に担当していただいていますが、当日、原研哉氏によるメインビジュアルの披露、それからコンセプト等の解説を予定しており、会場はコロナの関係もありますので、マスコミの方だけですが、一般の方向けにはオンライン配信を行いたいと考えています。  前回のメインビジュアルは、黒を基調とした、タコなどの斬新なデザインでしたが、今回、どのようなものになるのか、ぜひ御期待をいただけたらと考えています。  それから、来月17日に、瀬戸内アジアフォーラムを開催したいと考えています。アジア各国、地域で、アートに関わる人々が交流し、継続的な関係性を築くことを目的に開催するもので、前回の芸術祭では15の国と地域から、38の自治体や企業、芸術団体等を本県にお招きし、アートや文化による地域づくりなどをテーマとした講演や事例発表、ディスカッションなどが行われたところです。  今回は、次回の芸術祭に向けたプレ開催のような位置づけで、コロナ禍での芸術、文化の在り方等に関する講演や事例報告会をオンラインで開催する予定としています。こちらも、一般の方向けにもオンライン配信をしたいと考えています。11月の企画発表後も、新型コロナウイルス感染症の状況を注視しながら、継続的な情報発信を行い、瀬戸内国際芸術祭への機運の醸成を図ってまいりたいと考えています。  それから、インバウンドの方々に対し、前回の反省点なり、何かできないかというお話をいただきました。前回のインバウンドは、アンケート上、全体の中、23.6%というたくさんの方にお越しいただきました。  その中で、反省点と申しますか、島で外国の方がキャッシュレスで現金をあまり持ち歩いてないという状況の中で、帰りの船賃が現金で困ったとか、そういったお話も聞いています。キャッシュレス対応については、それぞれ事業者に負担がかかるお話ですので、どこまでできるかという問題もありますが、そういったところを呼びかけてまいりたいですし、実行委員会についても、キャッシュレス化をできるように考えてまいりたいと思います。  また、海外の方で、来たくても来られない方もいらっしゃるかと思います。来られない方に向け、来なくても十分満足だということは、瀬戸内国際芸術祭とは違うと思いますが、来られない方に対して、ICTを使って、どういった情報発信ができるのか、また、コロナが収束すればぜひ来たいと思っていただけるような情報発信ができないか、考えてみたいと思います。 宮本委員  最後ですが、この瀬戸内国際芸術祭というのは、香川県の看板になっている事業ですので、県や海外まで期待しておられる皆さんが多いということです。  何回もコロナの話をしますが、収束に向けて、この4月からこの瀬戸内国際芸術祭を成功させることができれば、香川モデルのコロナ対策にもなると思っていますし、また、疲弊している地元の皆さんに希望の明かりにもなるのでないかという気がしていますので、関係各局長以下、皆さんにしっかり取り組んでいただき、すばらしい瀬戸内国際芸術祭ができますことを期待申しておりますので、これから頑張っていただくことを祈念申し上げまして、最後の要望に代えさせていただきます。頑張ってください。 新田委員長  以上で、政策部関係の質疑、質問を終局いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) 新田委員長  異議なしと認め、政策部関係の質疑、質問を終局いたします。  本日は、これをもって散会いたします。 Copyright (c) Kagawa Prefectural Assembly Minutes, All rights reserved....