• "小・中学校ICT活用等検討委員会"(1/2)
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  1. 香川県議会 2021-09-01
    令和3年[9月定例会]文教厚生委員会[教育委員会] 本文


    取得元: 香川県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-31
    ▼最初のヒットへ(全 0 ヒット) 山本(悟)委員長  これより質疑、質問を開始いたしますが、新型コロナウイルス感染予防や円滑な委員会審議のため、質疑、質問及び答弁については簡潔にお願いいたします。 白川委員  本日は2点ほど質問させていただきたいと思いますが、まず1問目は、全国学力・学習状況調査の結果についてお伺いをさせていただきます。  令和3年度全国学力・学習状況調査の結果が8月31日に公表されましたが、4教科中3教科において全国平均を下回る結果であったと伺っております。かつて、香川県は教育県香川と言われ、平成19年度に全国学力・学習状況調査が開始された頃の成績に比べ、本県の児童・生徒の学力低下が危惧されるところでありますが、どのように受け止めているのか、また、このような結果を踏まえ、教育委員会として今後、学力向上に向けてどのような取組を進めていこうとお考えなのか、お伺いさせていただきます。 工代教育長  全国学力・学習状況調査については平成19年度から実施されており、委員御指摘のとおり、開始当初は相当いい成績を取っていたということですが、平成24年度に中学校国語Bで初めて全国平均を下回り、それ以降も小・中学校ともに全国平均を下回る教科が見られるようになってまいりました。今年度は、小学校で国語と算数、中学校で国語と数学の調査が行われましたが、御指摘のとおり、4教科中3教科において、全国平均を僅かではありますが下回る結果となっています。  調査結果の傾向を見てみますと、国語では文章と図表を結びつけて考えたり、文章を俯瞰して読んで、その構成のよさを自分の言葉で説明したりするという問題があるのですが、そういうところに課題が見られました。また、数学の問題文が非常に長くなっており、それにつれて無解答率というのが高くなるという傾向も見られました。  これらのことから、文章を正確に読むことに加えて、複数の資料を読んだり、文章の全体像を捉えたりするなど、目的や状況に応じた多様な読みの力、自分の考えを表現する力を育てていく必要があると思っています。  今後の取組としては、読む力や自分の考えを表現する力は、各教科等の学習を支える基盤であり、国語科をはじめとして様々な学習の場面で、意識して育てていく必要があると考えています。県教育委員会が主催する研修会やモデル校の指導等、あらゆる機会を活用して、その重要性を繰り返し伝えていきたいと思っています。  また、読む力を育てるためには読書習慣も非常に大切で、この頃スマホなどに時間を取られて、読書する時間がだんだん減っているというような、別の調査の結果もありましたので、新たに「香川の子どもたちに読んでほしい100冊」の選書を今進めています。子供たちに、この100冊への興味づけを図るとともに、授業における活用事例集を作成して、本に親しむ機会を十分に確保しながら、読解力の育成を図っていきたいと考えています。  学習指導については、本県の教員の強みである丁寧な指導を大切にしながら、子供たちが意欲を持って新しいことを知り、考えを深める授業づくりというのをもっと進めていかなければならないと思い、「さぬきの教員、授業づくりの三訓」を新たに作成して、10月中にポスター、解説を作って、県内全ての学校に配布することといたしています。ちなみに、その三訓というのは、「しかけて待って 語らせつないで 認め励ます」という3つですが、子供たちの興味を引き出し、子供たち同士が学び合い、その頑張りを教員が認め、励ます授業づくりに取り組んでまいりたいと思います。  また、指導技術を伝え、特に現在、増えつつある若年教員の指導力向上に資するよう、授業力の高い教員を総合授業力リーダーとして選定し、今後、これらの教員の実際の授業を録画した映像を作成し、教員研修用として配信する予定にしています。  また、9月28日に、全ての小学校の代表教員を対象に、今回の全国学力・学習状況調査の問題の作成・分析にも関わられた国の学力調査官とオンラインで協議する場を設けました。これにより、課題が見られた領域・設問を取り上げて、具体的な授業改善の方策について見通しを持つことができたと考えています。10月8日には、中学校教員を対象とした協議会も開催したいと思っています。  この全国学力・学習状況調査の結果だけが全てではないと思ってはいますが、こういう問題に挑戦できる力をできるだけ早くつけてまいりたいと考えています。 白川委員  教育長おっしゃるとおり、これが全てではないと私も考えますが、先ほどのお話の中にもありましたが、本を読む力ということで、ネットやテレビというのは受動的なものが多く、情報を聞いている感じにはなっていますが、吸収がなかなかできていないと思います。読書というのは自発的に時間を作らなければいけないというところで、子供たちに本を読む時間というのをしっかり意識づける、また、読むという習慣を意識づけて、自分の考えをその中から導き出すということもしっかりやっていただきたいと思います。  昨年度4月から5月にかけて、新型コロナウイルス感染症対策のために学校が臨時休業になったことについて、文部科学省では学力への影響は見られなかったという分析が出ているようですが、香川で子供たちの生活面や心の面で、本県の子供たちにとってどんな影響があったのか、お伺いをさせていただきたいと思います。 工代教育長  今回の調査においては、昨年度4月、5月の臨時休業時の子供たちの生活面や心の面を問う質問が3問、臨時に出題されていました。1つ目は、「勉強について不安を感じましたか」という質問ですが、小学校では59.8%、中学校では62.6%の子供が、「当てはまる」、「どちらかといえば当てはまる」と回答していました。2つ目は、「計画的に学習を続けることができましたか」という質問に、小学校では31.6%、中学校では58.1%の子供が、「当てはまらない」、「どちらかといえば当てはまらない」と回答していました。最後に、「規則正しい生活を送っていましたか」という質問には、小学校で32.8%、中学校では45.8%の子供たちが「当てはまらない」、「どちらかといえば当てはまらない」と回答していました。  国では、学力への影響は見られなかったと分析していますが、これらの結果から、子供たちの生活面や心の面においては感染症の影響が少なからずあったと考えられると思っています。現在、学校においても、感染症対策のため学校行事や交流活動等に制限がかかっていますので、特に子供たちの心の面に負の影響がないか、引き続き見守り支えていく必要があるのではないかと思っています。 白川委員  少なからず影響があったという分析があるのですが、それも踏まえて再度の質問になりますが、県教委からいただいた調査結果の速報を見ますと、「将来の夢や目標を持っているか」という質問に対して、「当てはまる」と回答した児童・生徒の割合が年々低下しているという結果が出ているようです。コロナ禍により気持ちを前向きに持って進んでいくことが難しい状況が調査結果からも出ているのかと思いますが、次期教育基本計画にどのような施策を盛り込んでいるのかお聞かせください。 工代教育長  御指摘のとおり、「将来の夢や目標を持っているか」という質問に対して、「当てはまる」と回答した児童・生徒は、小学校においては60.6%、中学校においては、36.1%という結果でした。ここ数年、本県においても全国においても、低下傾向で将来の夢や目標をなかなか持てないという子供が増えているということです。背景としては、流動的で予測困難な世相であり、私たち大人も夢や希望をなかなか持ちにくく、子供たちにもその影響が及んでいるのではないかと思われます。特に、今回の調査では、やはりコロナの影響だと思いますが、それに輪をかけたように将来の夢や目標を持っていない子供が増えているという結果です。  したがって、こういう状況も踏まえ、新たな教育基本計画の策定に当たっては、予測困難な社会であるからこそ、変化を前向きに受け止め、生涯にわたって自らの可能性に挑戦し続けてほしいという願いも込め、基本理念を「郷土を愛し 夢と志を持って 自ら学び 歩み続ける人づくり」としています。  このような時代に、子供たちが夢や志を持って生きるためには、心身を支える基盤をしっかり育成することが大事だということとともに、子供たち一人一人のよさや可能性を認めて、多様な個性や能力を伸ばしていくことが非常に重要になってくるのではないかと思います。
     そこで、「心の育成」とか、「郷土を愛し、郷土を支える人材の育成」等を教育基本計画案では重点項目として定め、小・中学校における主な施策として、学習や様々な活動の意欲の源となる「自己肯定感・自己有用感の育成」や、心身を支える基盤となり、人生の視座を得ることにつながる、「郷土に誇りを持つ教育」に取り組むこととしています。これらの事業を通して、子供たちが楽しく前向きな気持ちになることができる学校づくりをしていきたいと考えています。 白川委員  これから子供たちが成長して、夢を持って生きていくのは非常に重要ですが、そういう中で成功だけを持って成長するというのは難しいと思います。失敗をしながら成長していく、それが生きる糧になるというところで、最近の入社試験でも、成功体験ではなくて、挫折した部分だったり、みんなで協力して何をやってきたかということを問われることがよくあるということなので、学校の教育の中で、様々な人とぶつかりながらでもしっかりと自分の生き方を見つけていけるような経験を積んでいただきたいと思います。急激に変わっていく社会ではありますが、学習というのは基礎の繰り返しかなと思います。  特に、プログラミング教育で私が思うのは、最初に難しいと感じてしまうと、そこからすごく差がついてしまいます。それを取り返す間がなくどんどん進んでいくというのは、本当に取り残された人にとっては埋め難い溝があると思うのです。そこは最初の取っかかりで難しいところを何度も繰り返し、自分なりに、先生や周りの人から教えてもらうことが重要かと思いますので、生徒自らが解決すべき課題を見いだして、主体的に考え、また、多様な立場の人と学びながら自分を高めていけるよう、県教育委員会の皆さんにも市町と一層連携をして、児童・生徒の学力の確実な育成に取り組んでいただきたいという要望を踏まえて、2点目の質問に移らせていただきます。  2点目の質問は、部活動の推進についてであります。  部活動は、子供たちの心身の成長と豊かな学校生活の実現にとって大切なものであります。一方、教職員の働き方の観点からは、指導体制の充実、教職員の負担軽減などを図ることが求められています。私も先日お話を伺いますと、子供たちがどんどん減っていって部活動の運営は難しいが、子供たちがやりたいというクラブ活動が、なかなかその学校で運営できないという現状もあるようですが、国では今年度新たに、地域運動部活動推進事業を立ち上げ、休日の部活動を段階的に地域に移行していくモデル事業を行っており、本県でもその事業の採択を受け、実施をしているとお伺いしていますが、どのような取組か、お伺いをさせていただきたいと思います。 宮滝保健体育課長  お尋ねの地域運動部活動推進事業は、国において、今年度、休日の部活動の段階的な地域移行に向けて、地域人材の確保や費用負担の在り方、また、総合型地域スポーツクラブの地域部活動の運営主体の確保といった課題に、総合的に取り組むためにこの事業を立ち上げ、実践研究をしようとするものです。  本県では、東かがわ市教育委員会と三豊市教育委員会で実践研究を行うこととしております。  具体的な取組としては、東かがわ市では、合同部活動と休日の部活動での外部指導者の参画の実践の取組として、大川中学校を拠点校として、サッカーと剣道の2つの種目で同校の施設を活用して行っております。同市内の引田・白鳥の2つの中学校と合同による部活動を、それぞれの種目の特性に応じた各3名の教員OBらの指導のもと、土曜、日曜のどちらかで週1回行っております。  一方、三豊市では、休日の外部指導者参画の取組として、豊中中学校でバドミントン、ソフトテニス、軟式野球、剣道、柔道の5つの種目で地域人材を活用し、それぞれの種目特性に応じた5名の外部指導者を確保し、専門的な指導を行うこととしております。  県教育委員会としては、外部の専門家等で構成される香川県地域部活動検討委員会で、地域人材の確保や費用負担の在り方などの課題を検証し、今後の部活動の在り方について検討を進めていきたいと考えております。  なお、地域部活動の運営主体として期待されている総合型地域スポーツクラブについては、今後、地域部活動の受皿としての役割も期待されており、クラブ指導者の育成など、クラブの質的向上、充実に向け検討を進めていきたいと考えております。 白川委員  学校関係者からは、中学校の運動部の状況を聞くと、先ほど申しましたが、「実際バレーがやりたいけど、その学校にはバレー部がない。隣の中学校に行ったらバレー部がある。だけど、運んでくれる人もいない。どうやっても諦めざるを得ないから、現行にある中学校のクラブ活動に入る」ということで、やりたい種目がなかなかできないという状況があります。  先ほど三豊市で5名の指導者が任命されているという話でしたが、選ばれた人以外にも教えたいという情熱を持った方もいらっしゃると思いますし、なかなかその受皿に乗らない人もいるかと思いますが、その進め方に苦慮をしているようです。今後、このような課題についてどのように認識されて、どのように考えておられるのか、お伺いします。 宮滝保健体育課長  委員御指摘のとおり、生徒数の減少や専門の指導者となり得る教員の人材不足は、部活動を継続する上で大きな課題となっております。具体的には、生徒数の減少が続く場合は、学校内での部活動の種目を絞るといったほか、複数の学校による合同部活動を検討することも考えられますが、合同部活動については、練習場所への部員の移動手段や練習時間の確保、学校行事等により練習開始時刻に全部員がそろわないなど、様々な課題が挙がってまいります。また、教員はもとより、外部の専門指導者についてもその確保に苦心されているものと認識しております。  合同部活動の課題については、先ほど答弁した東かがわ市では、生徒の練習場所への移動に当たって、平日はスクールバスを確保し、土曜日・日曜日は保護者が送迎を行っており、今後、同市においては、中学校の部活動用に新たにバスを確保することも検討すると伺っております。  また、練習時間の課題については、限られた時間の中で、部員や指導者ともにコミュニケーションをしっかり取り、効果的な練習に努めるなど工夫を行っており、こうした取組はほかの地域でも参考になるのではないかと考えております。  専門指導者の確保については、現在、県教育委員会において、中学校と高校を合わせて66名の外部指導者を確保しており、今後、さらに拡充することで各学校への派遣数を増やし、指導者不足に悩む学校をサポートしていきたいと考えております。  次期教育基本計画案におきましても、「運動部活動の充実」は重点項目「体の育成」の主な施策に位置づけ、中でも合同部活動の推進や専門人材の確保においては、生徒にとって望ましい部活動の環境づくりに必要な取組として考えております。今後とも、国の事業を活用するとともに、先進県の取組状況や好事例等の情報収集、情報提供を行いながら、部活動の進め方について苦慮している学校に対して支援をしてまいりたいと考えております。 白川委員  生徒にとって望ましい部活の実現と、教職員の働き方、負担軽減はなかなか両立するのが難しい状況かと考えます。今の御答弁でも、様々な取組を模索中というところもあり、生徒の希望も聞いていただいている状況かと思いますが、今回の香川県の教育基本計画案の中にも、重点項目の7つ目、スポーツの振興ということで位置づけられています。  従来から、文化部もそうですが、運動部は練習した時間で成長が見受けられる部分もありますので、そのあたりしっかりと考えていただけたらと思います。  学校の中でも、先生の中でしっかりと指導したいという御意見もありますし、その辺の意見調整も本当に板挟みの部分もあるかと思います。昨日三野委員からも質問がありました放課後児童クラブの問題でもそうですが、校舎の空きをうまく利用できるような体制を、県としてもしっかりと市町と連携して、情報交換していただきながら実施し、学校施設をしっかりと有効活用していただくようにお願いできたらと思います。 松本委員  私からは2点質問させていただきたいと思います。  まずICTを活用した教育の推進についてお尋ねをしたいと思います。  ICTを活用した教育をすることによって、生徒の主体性を引き出すことができるという新聞記事を先日見ました。その学校では、ICTの活用によって、社会で求められる自己決定力や自己管理能力などを育み、生徒たちの主体性を引き出したいということで、予測不可能な未来に国際社会でも貢献できる人材を育む未来志向型教育をしているということでした。また、授業だけではなく、ホームルームや部活動など様々な場面で文房具のように使ってほしいということで、部活の様子をドローンやタブレットで、生徒たちのプレーを自ら動画で撮影、編集し、生徒たちが好きなときに繰り返し見ることができるようにもしてありました。これは、部員たちそれぞれに自分の課題を認知させるためで、生徒自身が理解、納得して課題を見つけることで、各自の練習の質を高めているということでありました。このように、ICTを活用した教育は身近なところで取り入れられるような時代になってきました。  このような中、本県では昨年度末をもって、小・中学校や特別支援学校の小学部・中学部において、学習用コンピューターの児童・生徒1人1台端末の整備が、高等学校や特別支援学校の高等部については3クラスに1クラスの割合で端末整備が完了し、本年度はGIGAスクール元年と言われておりますが、本県の県立学校や各市町でのこのICTを活用した教育がどのように今行われているのか、まずお尋ねしたいと思います。 工代教育長  委員御指摘のとおり、令和2年度末に小・中学校においては、児童・生徒1台端末の整備が完了しました。小・中学校においては、AIが過去の回答状況を分析し、子供のつまずきに応じた問題を提示してくれる、いわゆるAIドリルを使って授業で学んだ内容を効果的に定着させたり、学習支援ソフトを使って協働的な学習に取り組んだりしているところです。また、プログラミングソフトを用いて、コンピューターに指示を出しながら図形を描いたり、自分の学習の前後を動画で撮影して比べて、成長を実感したりする取組も多く見られるようになってきました。端末の活用状況について、7月末に市町教育委員会県育教委員会としてアンケート調査をした結果では、毎日授業で利用している学校がある一方で、ほとんど利用していない学校もあるというような結果が出て、同じ市町の中でも、学校による授業での端末等のICTの活用頻度に差が生じているという結果が分かりました。  次に、高等学校においては、タブレット端末等を活用して、例えば数学の授業でも二次関数のグラフの見える化や、音楽の授業でギター演奏の動画の視聴など、タブレット端末の特性を生かした授業実践に取り組んでいるものの、ICT活用を得意とする教員と苦手とする教員とでは、授業でICTを活用する頻度に差が生じているというようなことです。高等学校においては、夏季休業期間の延長時においては、生徒の学習の遅れをカバーするため、教員が作成したポイントを押さえた授業動画の配信や、課外授業のリアルタイムの配信を通じて、生徒が自宅で学習することができる環境づくりを積極的に行った学校もあります。  高瀬高校では3年生全クラスでタブレット端末を持ち帰らせてオンライン授業を行ったり、小豆島中央高校では、3年生特進クラスでタブレット端末を持ち帰らせてオンライン授業を行いました。高松西高校では、休み中にオンラインによるホームルームを行い、生徒の健康観察や課題の提供を行い、善通寺第一高校では数学科について課題を配信し、その解説動画をユーチューブにアップロードするなど、いろいろな試みが今行われているところです。先ほど申し上げたように、先生の得意、苦手によって少し差ができている状況です。特別支援学校においては、以前から障害に応じていろいろなICTの活用をしていましたので、生活や学習を支える日常的なツールとしての活用が進んでいるところです。 松本委員  先ほど、教育長が言われていた毎日活用しているとか、あまり使っていないなど、もし割合が分かれば後でも構わないので教えていただけたらと思います。  今回の学習指導要領の改訂のポイントは、知識、理解の質を高め、資質・能力を育む主体的・対話的で深い学びとして何ができるようになるかということが明確化されたことではないかと思っています。言語能力の確実な育成や理数教育の充実では、単に知識として覚えるだけではなくて、具体や抽象を押さえて考えるなど、情報を正確に理解し、適切に表現することや、授業内容を維持していく上で、日常生活から問題を見いだす活動や見通しを持った観察・実験などの学習の充実、質の向上が挙げられております。  そうした中、ICTを活用した教育の取組を進めていくに当たって、県立学校、市町の課題となっている事項は様々あると思います。また、取り組んでいるところだとは思いますが、こういった内容を県教育委員会としてどのように把握しているのか、また、この課題に対してどういった支援をしているのか、もしあればお尋ねしたいと思います。 工代教育長  先ほども若干申し上げましたが、どの学校でもやろうということでいろいろチャレンジはしているのですが、課題としては、小・中・高・特支共通だと思いますが、人材育成面でICTを活用して指導できる教員の育成が一番ではないかと思います。  2つ目は、学習指導面で授業での活用方法などの実践事例がまだまだ不足しているので、どういう場面にどう取り込んだらいいかがまだ若干分かっていないというところです。  それから、3つ目は、セキュリティー面で、町田市の小学校での非常に心の痛い事案もありましたが、IDやパスワードの適切な設定・管理、インターネットのフィルタリングや利用機能の制限や、家庭に持ち帰る際のルールづくり、そういうことが課題ではないかと、大きく言えば、3点ほど課題があるのではないかと考えています。  小・中学校については、県教育委員会では今年度から新たに、小・中学校ICT活用等検討委員会を設置しました。市町教育委員会のICTの活用状況について、効果的な取組事例や課題などを共有して、先進的な取組の普及を図ることとしており、9月27日に第1回の委員会を開催し、セキュリティー上の課題など現状認識の共有を行ったところです。また、本年度、教育の情報化モデル校として、小豆島中学校、高松市の林小学校、多度津中学校、観音寺市の一ノ谷小学校の4校を指定しており、その実践の成果を、年末に開催する香川の教育づくり発表会にて県内小・中学校に普及して、教育活動におけるICTの利活用を推進してまいりたいと考えています。  県立学校での取組では、今年度全ての学校でICT活用教育推進委員会を設置して、推進リーダーを中心に、機器操作の基本的な研修を行ったり、ICT活用強化週間を設定して、まずはICTを得意とする教員がアイデアを出し合って、授業を行ったりしている状況です。また、昨年度12校で構成されていたICT活用教育プロジェクトチームを、今年度からは全ての学校の参加に拡充して、先進的な学校の取組や学習支援ソフトの紹介を行ったり、各学校の実践事例の収集、共有を図っているところです。  あわせて、県教育センターにおいては、各学校に出向いての実態に合わせた研修サポートや、放課後でのオンラインセミナーの開催のほか、今後、必要性が高まるオンライン学習に関する研修も継続的に行っていくことにしています。こういうことを全て総合的にやりながら、どの先生も少しでもICTを得意になってもらい、いろいろな有意義なICTの使い方ができるようにしてまいりたいと考えています。 松本委員  最後に少し要望したいと思うのですが、今からちょうど30年前、私の学生時代なのですが、ある予備校が、どの地域の、どの教室にいても、東京の有名講師の講義が衛星で中継できるということをやっていました。もう30年前のことで、そういう装置や映像は大変大がかりではあったと思うのですが、こんなことができるのだと、私はすごく感心をしていました。  しかし、最近ではiPadや、手軽にタブレットも活用して、塾などでは簡単に遠隔で講義をする時代にもなってきています。また、この8月30日に公表された文部科学省の最新の調査の速報値では、96.1%の自治体で端末の整備が済んでおり、残りが70市町村ぐらいになったことが発表されたわけです。今の小・中学生の子供一人一人に情報端末がほとんど行き渡った状況になってきました。  先ほど教育長もお話しされていましたが、このICTを活用した教育というのはまだ始まったばかりで、まだ道半ばであって、いろいろ大変な御苦労もあると思います。また、今のお話の中で、教師のスキル不足等も一生懸命今解決しているということですが、私はそこが本当の課題ではないような気がします。  文部科学省の調査を見ていると、タブレットの利活用の実態というのは、文部科学省でもまだ実態を把握できていないということで、香川県でもそうみたいですが、力の入れ具合は、学校での差も少し出て、地域によっても活用の仕方は差が出ています。それをまとめるのはやはり、県の教育委員会ではないでしょうか。県教育委員会が、全学校に協議会や勉強会への参加を呼び掛けることは、大変意義のあることではないかと思います。先ほども出ていたように、全国のほとんどの子供たちがタブレットに触れます。香川県とかの町単位で競うのではなく、ICTは、全国、もしかすると世界みんなが同じことを同時にできるのです。皆が携帯でメールをするということは、ICTは誰もが活用している時代になってきているので、大人になって差ができるのではなくて、子供のうちにこういうのに携わることも大事でしょう。先生方の負担なども減らすだろうし、いろいろなことに子供たちが挑戦をするきっかけになるので、ネット・ゲーム依存対策などいろいろなことに、香川県は取り組んでいますが、それだけではなくて、ICTというのはこれからの日本を背負う、世界を背負うぐらいの子供が香川県から出るためには、基本的なところは押さえていかなければいけないと思っています。  変異株の流行やコロナの感染のことも先ほども説明ありましたが、なかなか大変な時代で、本当に様々なことを心配しながら、部活や体育祭をしたりしていますが、今の子たちで心配なのは修学旅行です。「本当は行きたいのに行けないのですか」という声を聞くと、自分のときのことを思えば、修学旅行も楽しかったので、ぜひ行ってほしいと思うのですが、そういった溝を埋める一つのツールとして、このICTを活用して、行けないけどそこに行ったような取組みたいなものがいずれはできるかと思ったりもしています。新型コロナウイルス感染症の拡大は、予想がつかない状況が続いて、本当に大変な現場だと思いますが、児童・生徒の学びの保障という観点から、ICTの活用というのは大変重要だと思っていますので、今後とも教育長には、先ほどの意気込みのとおり積極的に今後、推進していただきたいと強く要望したいと思います。  2点目の質問、非認知スキル向上プログラムの活用についてお尋ねをしたいと思います。  私は、将来を担う子供たちには、優しく、そして、たくましく生きる力、自制心や最後までやり抜く力といった、いわゆる非認知スキルをしっかり伸ばしていっていただく必要があるのではないかと思い、これまでも一般質問をはじめ、ほとんどの議会でこのことについて質問させていただいています。  今年の6月の定例会の私の一般質問に対して、「非認知スキル向上プログラム」を今年3月に作成したところであり、今後、このプログラムを活用した取組が全ての幼稚園や小学校などで実践されるよう推進していきたい旨、教育長から答弁をいただきました。  そこで、現在、この非認知スキル向上プログラムの活用がどのように進められているのか、お尋ねしたいと思います。 渡邊生涯学習・文化財課長  非認知スキルとは、自尊心、勤勉性、協調性、思いやりといった数値で測ることのできない自己実現の原動力となる能力であり、子供たちが受け身ではなく、どんな状況でも諦めず、課題を見いだして解決していくために必要な能力だと捉えております。変化が激しく予測困難な社会を生き抜くためには、委員御指摘のとおり、子供たちの非認知スキルを育んでいくことが重要だと考えております。  県教育委員会では、平成29年度から令和元年度まで、小学校6校と幼稚園5園で、非認知スキル向上を目的としたモデル校事業を実施しました。また、昨年度には、モデル校以外でも取り組めるよう、事例や専門家からのアドバイスを取り入れた実践事例集である非認知スキル向上プログラムを作成して、今年3月に小学校や幼稚園等に配付しました。  今年度は、そのプログラムの有効活用を促すために、年度当初の4月に市町教育長会、また、校長会などでプログラムの周知を行うとともに、改めて、9月の校長会においてもプログラムの事例を紹介し、学校現場での活用を依頼したところです。  また、学校現場でのプログラムを活用した取組を、より一層広げていくためには、教員に指導や助言を行う指導主事に対する働きかけが効果的であると考え、指導主事会でプログラムを紹介しました。  こうした働きかけにより、配付したプログラムを参考に、幾つかの市町から非認知スキル向上に取り組んでいるとの報告を受けており、現場での実践が広がり始めていると思っているところです。例えば、ある小学校の取組を御紹介しますと、プログラムに掲載しておりますポジティブシャワーの取組、これは教職員が意識して、子供に前向きになれる声かけをするというようなものですが、その実践をしたり、同じくこのプログラムにある児童の頑張りを可視化するための掲示に取り組んだりしたところ、児童から自発的な申出があり、けん玉大会を実施するに至ったそうです。大会に向けた練習の中では、異学年で交流する姿や、児童同士が認め合う姿が見られたとともに、これらの学校での取組を学校だよりで保護者にお知らせし、非認知スキルを向上させることの重要性を啓発しているとのことです。  このほかにも幾つかの取組の報告を受けており、今後も機会を捉えて非認知スキル向上プログラムを活用した取組を紹介するなどして、全ての幼稚園や小学校などで実践されることを目指してまいります。  また、このプログラムは初任者や若手教員等にとっても、子供や保護者等と関わる際の手助けとなることから、県教育センターと連携して、若手教員に対する研修にも役立ててまいりたいと考えております。 松本委員  今、課長からいろいろと説明いただいた中で、私の地元の一宮の幼稚園、小学校、中学校でも、この非認知スキル向上プログラムを取り入れて実施しました。取り入れた学校だからかもしれないですが、先生方と直接お話をしていても、この非認知スキル向上プログラムというのは非常によいので続けたいということでした。県の教育委員会にもいろいろ御協力いただいて、県の教育委員会作成の子育て通信も配布しており、保護者が読むことによって、取組が当たり前のようになり、いい雰囲気になっているのです。  声かけについては、うちの地元の小学校、中学校、幼稚園が全部1か所に集まっているので、3つのPTA等が地域の団体の方々と一緒になって、月1回は挨拶運動をやっているのです。そういうことも私が議員になって間もない頃に比べると、子供たちが向こうからおはようと言ってくれるのです。1つは顔もなじんできたこともあるのかもしれませんが、様子を見ていると、心の余裕というか、何かしなければいけないという思いから、挨拶が自然に出ているのだと思います。これは、非認知スキルの教育を受けたことによって、子供たちの心が前向きになってきたり、一生懸命頑張ろうとなったり、何かやり抜く力など、いろいろなことが生まれてきているのかと思っていますので、ぜひ今後とも非認知スキル向上プログラムは、先生方ももちろん、全員に知っていただきながら、ぜひとも早く一校でもこのプログラムに取り組んでくれる学校が増えていただきたいと思うわけです。  今定例会に提案されている次期教育基本計画案の中でも、新たに自己肯定感、自己有用感の育成の項目を設け、子供たちの非認知スキルを伸ばしていこうということであります。この非認知スキル向上については、学校教育、特に家庭教育においての取組が大変重要だと私は考えておりますが、今後、どのような方向で取り組んでいくおつもりなのか、お尋ねしたいと思います。 渡邊生涯学習・文化財課長  子供の認知スキルを伸ばすことができるのは、保護者や保育者、教職員など日々子供と接する大人たちであることや、非認知スキルを育むチャンスは日常のあらゆる場面にあふれているといったことから、周囲の大人たちがどのように子供に関わっていくかを周知啓発していくことが重要と考えており、県教育委員会では、学校と家庭の両面から非認知スキル向上を目的とした取組を進めております。  まず、学校においては、これまで自己肯定感や自己有用感を高めるため、学級や学年の枠を超えて、子供たちが自発的・自治的な活動を行う「心の交流事業」を実施してまいりました。さらに、今年度は、先ほど白川委員の御質問に対して教育長が答弁しました「さぬきの教員 授業づくりの三訓」を作成し、その一つとして、子供たちをしっかりと「認め励ます」ことを示しております。授業の中でのその子なりの頑張りを見つけて認め、励ます授業づくりを通して、自己肯定感を育てる取組を日常的に推進していきたいと考えております。  また、家庭においては、保護者の適切な働きかけが子供の非認知スキルを高めることから、これまで当課の職員が小学校や幼稚園等を訪問して、保護者に子供の非認知スキルを向上させる関わり方について講話を行う家庭教育サポート事業を実施してまいりました。このほか、さぬきっ子「自分でできるよ!」プロジェクトにも取り組んでおります。これは、子供が家族の一員として家事を行い、家族に認められることで自己有用感や自尊感情を高め、生活習慣の改善や生活面での自立を促すことを目的としまして、小学生にはチャレンジシート─シールを貼るものですが─また、その保護者には子供のチャレンジをサポートするための手引書を配付するという事業です。  さらに、本年度は新たに、朝食の重要性を学ぶことを通して、生活習慣の定着を図る生活リズムでパワーUP事業にも取り組んでおります。具体的には、小・中学校のモデル校3校において、生活習慣の定着や食育について学ぶことを目的に、学校で児童・生徒が朝食作りの調理実習を体験し、家庭での実践につなげ、子供の頑張りを保護者が認めるよう働きかける取組や、子育てに不安や悩みを持つ保護者に対する子育て講演会を実施するというものです。このような取組によって、保護者への支援につなげてまいりたいと考えております。  非認知スキル向上に向けた取組を行うことは、子供の成長だけではなく、教職員や保護者にとっても、子供への具体的な対応スキルが身についたり、愛着関係を築き、自信を持って子供と向き合えるなどの効果が期待されるものです。このたび策定しようとしている教育基本計画案の中では、重点項目として「心の育成」を位置づけて、自己肯定感・自己有用感といった非認知スキルを育成することとしており、今後も学校教育と家庭教育の両面から非認知スキル向上につながる取組を実践してまいりたいと考えております。 松本委員  要望したいと思うのですが、実は非認知スキル向上に関して、ちょうど10年前、これはやらないといけないと思った機会がありました。よく教育委員会にもお話ししたと思うのですが、10年前の雪の降る日だったのですが、小学校5年生の子たちがサッカーをしていて、ちょうど私も議員になるという夢に向かって一生懸命頑張っているときだったので、一生懸命サッカーをしている子供たちを見て何かうれしくなって、子供たちと話している中で、将来の夢は何か聞いたんですね。そうすると、子供たちから返ってきたことは、景気が悪いのに夢などないと言われてしまったのです。私はただ単に景気が悪いというのではなく、子供たちの何かに向かって目標を持って頑張るとか、夢を持って頑張るというところがもっと出てきてほしいという思いがありました。当時、非認知スキルという言葉はなかったのですが、これを訴えている中で非認知スキルという言葉が出てきて、やっとそのプログラムが出てきて大変うれしく思っているのです。先ほど課長からも言われたとおり、家庭教育や、親育ち、地域の教育力を高めるには学力、体力ももちろん上げていかないかないといけないのですが、それにはまず心が整っていないと、この辺の3つの柱はうまくいかないと思うのです。  それには、音楽や演劇、絵画を見たり、いろいろな体験をしたり、また、郷土愛を持つといった様々なことが総合的にあるものが非認知スキル向上プログラムではないかと思っています。この取組は、学力みたいに数値で測るのであればぱっとできるのでしょうが、なかなか測れず、すぐ効果が上がるものではないので取組も大変だとは思うのですが、これをすることによって生活習慣の定着やコミュニケーション能力の向上、ひいては最近もちょっとまた問題になり始めているいじめや不登校の問題など、様々な解決の糸口になるきっかけになると私は思っています。  これからの子供たちには地元香川で育ってよかった、将来はこんな人になりたい、こんなことを頑張ってみたい、何でもいいのです、ゲームでも何でもいいのですが、何か一つ自分にとって自信を持てるようにするため、褒めたり認めてあげたりすることも大事なのです。別に難しい問題ではなく、ちょっとしたことで、子供たちの目標や夢を作ってあげるきっかけを私たち大人もできると思いますので、教育委員会だけでなく、家庭の中でもしっかり非認知スキルの向上を深めていっていただきたいと思います。教育委員会の中で先ほどのICTの問題など、いろいろなことをしないといけないので大変だと思うのですが、非認知スキルに関しても、しっかり教育委員会として進めていただきたいと、要望に代えて質問を終わりたいと思います。 氏家委員  まず初めに県立高校の魅力化に向けた令和5年度入試の見直しについてお尋ねをいたしたいと思います。  ここ一、二年、県立高校の志願倍率の低下、言い換えますと県立高校を受験することなく、私立高校を専願する生徒が増えてきているなど、県立高校を取り巻く環境が大きく変化をしていると感じているところです。  このようなことから、さきの6月定例会の文教厚生委員会におきまして、県立高校の魅力化をより一層推進していくことが必要であり、そのための一つの方法として、進学目的に合った、本当に学びたい学校に積極的にチャレンジできるような入試制度の見直しを検討しているとの答弁が教育長からありました。  そこで、入試制度の見直しについては、学区の弾力的な運用を含め、令和5年度入試に向けた検討を進めるということでありましたが、その検討状況、進捗等々についてお尋ねをいたします。 工代教育長  委員御指摘のとおり、県立高校を取り巻く状況がいろいろな面で大きく変化しています。より一層の県立高校の特色化、魅力化を図らなければいけないと思っております。  今年度、全ての県立高校で「スクールポリシー」を作成しました。このスクールポリシーというのは、どのような生徒を求めているか、高校でどのような学びを行い、どのような資質・能力を育成するかということなどについて各学校が示したものであり、これを中学生やその保護者、中学校の先生方にしっかりと発信して、求める生徒像を理解し、入学していただくことが高校の特色化・魅力化につながるものと考えています。  それと並行して、中学生が自分の得意分野や長所、進学目的に合った学びたい高校に積極的にチャレンジでき、学ぶ意欲を持って高校に進学できるようにすることも非常に重要です。  そのために、入学制度の見直しが必要であると考えて、検討を進めてまいりました。令和5年度入試に向けた制度の見直しとして、自己推薦入試の充実を考えています。  高校入試には、自己推薦入試と一般入試の2つがあります。自己推薦入試は、学校の求める生徒像に合わせて、生徒自らが得意分野や長所、進学目的等を積極的にアピールして受験する入試であり、一般入試では測り切れない力を見ることができると思っています。一般入試は自己推薦入試の後に実施され、5教科の学力検査をしてトータルの力を見るという入試です。  この自己推薦入試において、学校の裁量により、自主的な特色ある入試を行うことで、各高校が自校の特色化・魅力化の方向を再認識するとともに、中学生にとっては、自分は何が得意なのか、高校で何がしたいのかなど、自分の得意分野や長所、進学目的に合った高校選択の促進につながるのではないかと考えています。  具体的に、令和5年度入試において4つの見直しをしたいと考えています。  1つ目は、「学校の自主性や意欲に基づいて希望する高校で実施」するということです。既に実施している高校に加えて、自己推薦入試を実施することで自校の特色化や魅力化を図りたいと希望する高校において実施することが1つです。  2つ目としては、「特色ある入試の実施」ということで、学校の求める生徒像に応じた、また、生徒自らが得意分野や長所、進学目的等を積極的にアピールし、自らの考えを表現できるような各学校独自の特色ある入試を実施することです。  3つ目として、「募集割合の拡充(弾力化)」ということで、自己推薦入試の入学定員に対する募集割合は、現在、普通科20%以内、専門学科・総合学科は30%以内、デザイン科・美術科・音楽科は50%以内となっていますが、この割合を拡充をしたいと考えています。  4つ目は、「学区の弾力的な運用」ということで、学区によって出願に制約のある普通科と理数科において、入学定員の5%を上限とした他学区枠を入学定員の内側に設定し、生徒自らがより学びたい高校を選択できるようにすることということで、この具体的な4つの自己推薦入試における見直しをしたいと考えています。  こうした入試制度の見直しは、現在の中学校2年生が受検する令和5年度から始めたいと考えており、特色ある入試の在り方や実施校などの詳細については、本年11月頃に中学生等に示したいと考えているところです。 氏家委員  自己推薦入試の見直しということで、各学校の希望に応じて枠の割合を変えるということであり、非常にいい見直しであると思っています。また、学区の弾力的運用は、当初は一般入試での導入ということでしたが、今回は自己推薦ということになりましたので、当初言われていたような弊害というのは少なくなるのかと思っています。今の中学校2年生からの見直しということなので、早急に固めていただいて、しっかりと周知をしてもらいたいと思います。  それから、入試制度の見直しに加えて、県立高校の魅力化に向けて、昨年度の高校入試より、希望する高等学校で全国からの生徒募集を実施したとお聞きしております。現在、21名の他県からの生徒が、県内の高校で学習や部活動に励んでいるということであり、これは県内の生徒にとって大きな励みになっているのではないかとも思っております。  そこで、今年度末に行われる高校入試からは、全ての公立高校と県立中学校で、全国からの生徒募集を実施するということですが、その準備状況についてお尋ねします。 工代教育長  今年度末に行う高校入試から、全ての公立高校と県立中学校で、「せとうち留学」と呼んでおりますが、全国からの生徒募集を実施することとしており、7月に実施する学科と受入れ上限数を発表いたしました。今年度は、公立高校と県立中学校31校、上限数は291名の受入れ枠で実施したいと考えています。  作成したせとうち留学のパンフレットには、学校の魅力に加えて、地域の魅力、また、全国からの生徒募集枠で今年度入学した生徒のインタビュー記事などを掲載していますが、これを基に他県の市町教育委員会などへの周知、地元の市町やふるさと回帰支援センター、県の東京事務所や大阪事務所などの関係機関と連携したPR、SNS等を利用した広報を展開することで生徒確保に努めるとともに、各校におきましても機会を捉えて生徒確保に向けた広報活動を行っていくことにしています。  また、受入れ体制の整備についてですが、県教委としても引き続き下宿先や身元引受人に係る情報収集を行っています。各校でも、PTA、同窓会、後援会、地元自治体など、地域と連携した整備を行っていくこととしています。  今年度、転入してきた生徒の下宿先や身元引受人等については、同窓会や後援会、地元自治体などの御支援で実現していますが、全国募集に関して他県の事例を見ると、それが活発に成功しているところは、地域と連携して、地域の支援もいただきながら行っているところが多いと感じています。今後とも、地域ならではの御支援をいただけると非常にありがたいと思っており、各市町等といろいろな情報交換、意見交換も活発にやっていきたいと思っています。  昨年度の実施状況も踏まえながら、広報活動のさらなる充実と受入れ体制の整備、また、高校の魅力化を進めていくことにより、生徒確保に努めてまいりたいと考えています。 氏家委員  今、教育長から答弁があったようなソフト的なものも大事なのですが、受入先、宿舎や食事が大変重要になってくると思いますし、この取組は単発ではないんです。例えば、香川に来た生徒が、よかったと感じれば、次の生徒にも推薦するとか、いろいろどんどん膨らんでいく政策であると思います。  今、県でも交流人口や関係人口を増やしていこうということで一生懸命取り組んでいますから、まさにその目玉となり得るような施策ではないかと思っております。そういった地域とのつながりやハード面の整備、予算的な面があると思いますが、非常によい政策であると思いますので、しっかりと取り組んでいただきたいと強く要望して、次の質問に移ります。  次に、情報モラルの育成についてお尋ねをいたしたいと思います。  先ほど、教育長からの答弁の中でも触れられておりましたが、先日、東京都町田市の小学6年生が、同級生からのいじめを苦に昨年11月に自殺をしたという大変痛ましいニュースがありました。この中でも特に私が問題だと感じているのは、これが学校に配備された1人1台端末のチャット機能を使った悪口の書き込みによるのではないかという疑いが指摘されているというところであります。  香川県ネット・ゲーム依存症対策条例においては、学校において、子どもの健全な成長のために必要な学校生活における規律等を身に付けさせるように定められているわけであり、学校での指導は、冒頭のような悲しい出来事を起こさせないために、極めて重要であると考えているわけです。  小学生については、まだ情報モラルが十分に身についていない状態であると考えられ、発達段階に応じた利用のルールづくり等、学校での指導が不可欠であると考えております。町田市の事案では、端末のIDやパスワード等の管理のずさんさも指摘をされているわけです。  そこで、学習を楽しく、深いものにするはずのタブレット端末が子供たちの成長を阻み、心を傷つける悲しい道具とならないため、学校ではどのような対策を取っているのか、お尋ねをいたします。 原田義務教育課長  まず、町田市の事案につきましては大変痛ましいことで、亡くなられた児童に対し哀悼の意を表したいと思います。  本県の情報モラルの育成については、例えば市町教育委員会では、小学校1年生から3年生では「パスワードを安全に管理する」、4年生から6年生では、「なりすましやウイルスなどの危険を理解する」のように、発達段階に応じたルールを定めるところがあったり、また、6年生の学級活動の授業で、電子掲示板への安易な書き込みから個人情報が流出し、トラブルに巻き込まれる可能性もあることについて考えたりするなど、各市町や学校の実情に応じた取組が進められていると承知しています。  端末のIDやパスワードの管理については、管理を誤ると他人に悪用される危険性が高まりますから、県教育委員会においてもその取扱いに十分留意するよう啓発してきたところですが、今回市町教育委員会に聞き取りを行ったところ、他人が類推できないようにIDとパスワードを児童・生徒に設定させている市町もあれば、そうした配慮が十分ではない市町も見られました。  県教育委員会の取組としては、情報モラル教育については、これまで平成27年から令和2年4月まで、「情報モラル啓発リーフレット」を全ての小・中学生と保護者に配布し、スマートフォン等の適正な利用を促し、令和2年の夏休み前からは、児童・生徒にネット・ゲーム依存予防対策学習シートを配付し、自分も他の人も傷つけない使い方をするということに気をつけながら、ネット・ゲーム等の正しい利活用を行うよう促してまいりました。  端末のセキュリティー対策については、9月27日に小・中学校ICT活用等検討委員会を開催し、市町教育委員会の情報教育担当者らと、1人1台端末のセキュリティー対策の実施状況や、運用に当たっての課題について意見交換を行い、その際にIDやパスワードの適切な管理、フィルタリングソフト等のセキュリティー機能の設定、不必要なソフトのダウンロードや利用の制限など、子供たちが安全に端末を利用できるような対策をお願いしました。
     チャット機能もそうですが、端末は、活用によっては、教育効果が高まるものだと思いますが、児童・生徒が安全かつ効果的に使用できることが大前提ですので、今後とも市町教育委員会に対し、端末活用に当たっての情報モラルの取組の推進や、適切なセキュリティー対策の整備について周知してまいりたいと考えております。 氏家委員  町田市の事例を見ますと、たしかIDが出席番号、パスワードが1から9までの整数で、誰でも成り済まして書き込んだり、入り込んで閲覧したりできるため、見てしまったということらしいのです。町田市の学校の校長先生はITを非常に推進していたということです。また、子供の主体性に任せて、失敗の中から学ばせるという方針を取っていたようです。多少はいいと思うのですが、それが生命に関わるとか、子供の心を傷つけるといったリスクをはらんでいる場合は、そういった冒険をしないようにしないと、取り返しのつかないことになると思っています。例えば、交通ルールが分からない子供に、中央通りの歩道に立たせて、あっちまで渡りなさいといって、失敗したらもう終わりです。それと一緒だと思いますので、ぜひ慎重にやってもらいたいと思います。  それと、果たしてチャット機能が学校のタブレットに必要なのかと思うんです。学校のタブレットでユーチューブを見る必要はないと思うんです。それから、先ほど読解力が大事という話もありましたが、はっきり言ってこれはタブレットでは、身につきません。ですから、教員の使い方の得手不得手という話もありましたが、それ以前にこの学年ならここまでという決まりをきちんとつけて、それに合ったタブレットの設定をして指導するということです。授業を見てみないと分からないのですが、先生がタブレットで問題を出すのはいいでしょうが、それを答えるのはノートに書きましょうとかいうことにしないと、タブレットに書くと、コピー・アンド・ペーストしたりして、書くことすら不得意になってしまうし、全く考えなくなってしまう可能性もあります。そういうこともありますので、小学校1年と6年に同じことをさせるわけにもいかないと思いますから、教育にとっていい、便利だと思う最低限の機能に限定して、学年に応じて、ここまでということでやってほしいと思います。  小学校1年からパソコンに触れたらIT人材になるようなこともないので、決してIT化を否定しているわけではないのですが、早い段階での悪影響で成長を阻害されてしまうことのないように、段階的に慎重にやってほしいということを要望しておきます。学校でも、お願いします。  それから、コロナや災害時等の緊急時にタブレット端末を家庭に持ち帰って活用する必要性が高まっています。学校での学習以上に、家庭では、教師の目の届かない場所で子供が分別なく端末を活用することが非常に心配です。そこで、端末持ち帰りに向けて今後、どのように取組を進めていこうとしているのか、お尋ねします。 原田義務教育課長  今年3月に、文部科学省から「GIGAスクール構想の下で整備された1人1台端末の積極的な利活用について」という通知が発出され、そこで1人1台端末運用時のチェックリストや持ち帰りのルールの例が示されており、それを各市町教育委員会に周知し、共通理解を図りました。そういったこともあり、本県では7月末時点で8市町が端末持ち帰りのルールを定めていると承知しております。  ルールを見てみますと、例えばユーザーIDやパスワード等は厳重に管理し、他人には教えないこと、学校から指示のないファイルのダウンロード、ソフトのインストールを禁止することなどが定められているようです。県教育委員会としても、子供たちが安全に端末を利用できるよう、市町教育委員会に対して文書を発出し、IDやパスワードの適切な管理等について注意喚起したいと考えております。  また、持ち帰りのルールが未策定の市町に対しても策定を促すとともに、そのルールを学校においても子供たちに確認・指導すること、保護者の協力も必要となりますから、保護者会等の機会を捉えて丁寧に説明し、実効性のあるルールとなるよう、校長会等を通じて伝えていきたいと考えております。 氏家委員  香川県の端末がどうなっているか分かりませんが、そこの端末は学校でIDやパスワードをもらうと、家のパソコンでそれを使えば開くらしいのです。そうすると、家のパソコンは親のアカウントでログインしていますから、フィルタリングや利用1時間という制限をかけているらしいのですが、学校から持って帰ってきたID、パスワードで開くと、それよりも緩く、時間制限もなく、もちろん、ペアレントコントロールもないということで、いろいろなものが見え、逆に依存症に陥ってしまう懸念もあるそうです。  そういったこともありますから、周知徹底は非常に大事なのですが、私は本当に持ち帰る必要があるのかと思うんです。これも何年生までは持ち帰らないとかルールを決めないと、先ほど言いましたように、主体性に任せて失敗の中で学ぶという話もありましたが、各家庭に注意しなさいと紙に書いて渡して、それでも駄目だったので、実効性のあることをしっかりと行ってもらいたいと思います。これは要望でお願いします。  それから、これも要望なんですが、先ほど、部活動で教員の働き方改革などがあって、外部指導員などを入れるという話がありました。確かに教員の中には自分のしたことのないスポーツの顧問などを担当することが非常にプレッシャーになっていることもお聞きしていますから、専門的なところは外部指導員などを活用していったらいいと思います。あまり生意気なことを言うといけないのですが、部活動は教育の一環であると思っています。多分、授業よりも、生徒に密接に関わることができるということで、教員の方々もそれを通じて貴重な経験ができると思っています。ぜひ部活動も積極的に学校教育の一環として取り組んでいただいて、働き方改革というのは校務の支援でしょうか、様々な校務のうちで、どういう校務がIT化して時間が少なくなるのか分かりませんが、そういったところで働き方改革を推し進めていってください。昔の学校での話が出て、楽しかった、つらかったという話の中で、名前が出てくるのは担任か部活の先生です。そういった思い出づくりも大事だと思いますので、そういうところも念頭に置いて、部活動の推進にも取り組んでもらいたいと思います。 山本(悟)委員長  暫時休憩いたします。  午後は、1時から再開いたします。  (午前11時39分 休憩)  (午後 1時03分 再開) 山本(悟)委員長  それでは、再開をいたします。  質疑、質問を続行いたします。 三野委員  それでは、コロナ禍での見守りを要する児童、小学校の低学年を対象にした学童保育の問題について、昨日も健康福祉部にお願いを申し上げましたが、教育委員会と連携して対応していただきたいという視点で質問をさせていただきたいと思います。  8月の新型コロナウイルスの感染の急拡大を受け、一部の市町で夏季休業を延長し、市町立小・中学校は全て9月1日始業となりました。また、始業式から数日間午前授業を実施した市町があったとお聞きしております。その結果、昼間児童の世話をできない家庭では、放課後児童クラブなどに預けることとなり、施設によっては密な状態が発生したと聞いております。今後、学校において感染症による学級閉鎖や学年閉鎖、学校閉鎖などがあったとき、低学年の児童の世話が困難な家庭もあるため、早期の感染拡大防止の対応や学校の消毒を行い、なるべく短期間で学校を再開するとともに、必要に応じ休業中の学校の空き教室や運動場を開放することにより、密を避ける対策も必要なのではないかと思っております。  第5波が収束し、今後、拡大しなければよいのですが、一方でいわゆる行動規制の緩和の在り方も検討ということになりますと、もう一方の感染防止対策をしっかりやらなければならないという視点がありますので、今後、第6波に備えてどう対応されようとしているのか、教育長のお考えをまずお伺いしたいと思います。 工代教育長  委員おっしゃるとおり、第6波も十分考えられるわけで、なるべく学校の判断を早くして、短期間で学校を再開するということも非常に重要だと思っています。冒頭報告で申し上げたように、県教育委員会では、学校における感染症予防ガイドラインを8月末に改定し、臨時休業等の基準を示すことにより、学校で新型コロナウイルス感染症が発生した際に、学校が迷うことなく迅速に臨時休業等の措置が取れると、逆に言いますと、早く収束もできるよう、具体的な基準を示したものです。  また、委員おっしゃられているように、放課後児童クラブが休業したとか、夏休みの延長で困られた御家庭もあったように伺っておりますし、9月の第1週目は半日授業という市町もあったように伺っています。放課後児童クラブの必要性は非常に高いものがあると思っていますので、市町教育委員会とも、具体的に密に話合いを行いたいと思っております。 三野委員  昨日の文教厚生委員会でも、これまでの感染者数の55%を高松地域で占めているという答弁がありました。高松市の人口は県全体の44%で、それに比べて高い感染者が発生しており、学校もそれなりに多いわけで、それが少し危惧されるところです。昨日も言いましたが、感染者の多いところにしっかりした対策をしないと、高松市で発生したのが、他の市町に波及が出て、感染が全体化していくのではないかと思っております。昨日も言いましたが、高松市の保健所も一生懸命取り組んでいると思いますし、頭が下がる思いでありますが、この前みたいに1日で111人も出て、感染爆発したときには、幾ら頑張ってもどうしようもない状況が作り出されているのだろうと思います。それは、保健所が頑張っていないのでなく、頑張ってもどうしようもない状況があるでしょう。そうなると、予防処置となる積極的疫学調査もままならない状況に追い込まれるわけです。新聞でも、大都会ではもう疫学調査ができなくなって、感染拡大が爆発的に膨れているのだろうと思います。  そのことを前提に次の質問をさせていただきたいと思うのですが、これは保育所の話ですが、親が接触者になり、その子供が通っている保育所の同じクラスの子供たちを保育していいかどうか悩んだようです。民間の行政検査で対応するとなると、それが行政検査に該当するのかなど、いろいろ時間がかかるわけです。保育所調査になると、親が接触者になったら親が感染しているかどうかもまだ分かりませんし、その子供もどうか分かりません。そして、その子供と同じクラスの子供たちもどうか分かりません。そんな状況がある中で悩まれましたが、子供さんが年長だったので唾液が採れ、親子とも早く民間のPCR検査を受けて陰性だったため、何とか休園しなくて済みました。その後も定期的に検査して、陰性が続いたものですから休園しなくて済んだわけです。  感染が爆発的に拡大した地域では、検査に時間がかかり過ぎているのではないかと思います。昨日も健康福祉部長の答弁では、PCR検査の結果が出るまで、大体1日から2日とは言われていました。でも、感染爆発したときは3日から4日、それ以上かかっているという答弁がありました。実際、我々が危惧していた状況はあったのだろうと思うのです。そうなりますと、その間に感染が拡大していく可能性が高いのではないかと思っております。検査を早くして、結果を早く出して、その間に感染が拡大しないよう対策する必要があると思うのです。陽性者が出た場合には、クラス休校や、学年休校、学校休校、それから消毒の処置など対応を決める必要があるかと思いますが、早く対応を決めるには、早く検査結果を知らさなければならないと思います。  また、昨日も言われましたが、感染から2日間ぐらいしないと陰性が出ない状況もあるのであれば、その後定期的に2日後にまた、検査もすればいいのだと思うのです。そのようにきちんとやらないとその間に感染が拡大していくことがあると思うのです。陽性者が出れば休校にすることになると思いますが、そうなれば誰かが家庭で子供たちの面倒を見る必要が出てくるために、共働きの両親などどちらかが仕事を休まざるを得ず、仕事にも影響が出てくると思います。みんなが大企業に勤めているわけでありませんで、昨日も申し上げましたが、もともと少人数で仕事を行っているような中小零細企業に勤めている親御さんになる、経営者にとっては長期に休まれると仕事が回らないという状況があり、離職の引き金にもなりかねない状況も作り出されると思います。感染拡大防止のためには、学級閉鎖や休校等の判断はやむを得ないものと考えますが、これからは、なるべく早期に学校などの再開につながるような取組が必要になってくるのではないかと思います。  先ほども述べましたが、早く検査をして結果が分かるようにすることが必要ですし、また、それが陰性であっても二、三日後に定期的にPCR検査をする、その場合の民間検査機関での検査費用を補助することも、必要な時期に来ているのでないかと思います。さらに、仮に行政検査でするのであれば、クラスター発生を阻止するために、例えば小学校や保育所などは別ルートでPCR検査を早期に実施できる体制を構築しないと、一般の人たちと行政検査を一緒にすると問題が大きくなりかねず、特別なところできちんと別ルートでしなければならないのではないかと思っております。そして、休校が長くなると、共働きの低学年の生徒の保護者も困ってしまいます。ただでさえ定期的にこの日は休まないといけないとか、学校の行事で休まないといけないというのは、それでもやりくりしているのです。急に明日から休校になるなど、本当にやりくりが大変な状況には、学童保育の支援も必要だろうと思います。これからそういうことが頻繁に起こらなければいいのですが、起こるとてんやわんやになって、どう対応していいか分からないと思っています。  コロナはもう1年半たつわけですから、これまでの蓄積から、子供や親が陽性者になった場合だけでなく、濃厚接触者になった場合にどう迅速に対応するかというルールが一定必要なのではないかと思います。  学校における感染予防対策のガイドラインを策定したと思いますが、いろいろなケース・バイ・ケースの判断もあると思います。一定の方針を決められていると思いますが、学校等が判断しやすい環境を整えるべきだと考えますので、改めて教育長の考えをお聞かせいただきたいと思います。 工代教育長  委員御指摘のとおり、保育所だけでなく学校においても、家族が濃厚接触者に特定されたなどということもありますし、児童・生徒の登校について学校が判断する場面が想定され、どうしたらいいのか迷われる場合も十分考えられます。  冒頭でも申し上げたように、学校における感染症予防対策ガイドラインを策定して、場合分けしてきめ細かに、こういう場合はこうする、ああいう場合はこうするというフローチャートも作って各学校にはお示ししております。児童・生徒や教職員が感染した場合や濃厚接触者に特定された場合、家族が濃厚接触者になって接触者になっているような、ケースごとに迅速に対応できるように基準は決めているものです。  この基準の中で、接触者という言葉を使っていないのですが、使っていないのは、これは定義がないのだそうです。健康福祉部にもいろいろお話を聞いたら、いわゆる接触者という言い方で、保健所が程度を決めるときに使っているもので、国の文章にも接触者という言葉がないので、ガイドラインには接触者という言葉は使っていません。  このガイドラインでは、接触者等になった場合に、保健所がPCR検査をしますと言うのであればそれでお任せするし、接触者等だが保健所の行政検査対象から外れた場合があると思います。  そういうことで、PCR検査に係る補正予算を御議決いただきましたが、あの制度を活用したいと思っています。行政検査から外れた児童・生徒でも、学校医等と相談して、クラス全体に広がってもいけないし、これはやっぱりPCR検査したほうがいいというのであれば、その該当クラス全体を、先般御議決いただいた学校感染対策検査実施事業で検査をするということにしてまいりたいと考えています。ただ、幼稚園や保育所にはその制度がおそらく適用されません。それは様々な理由でされませんので、学校においては今申し上げたような対応をしてまいりたいと考えております。 三野委員  それは、民間検査機関でもオーケーということなのですか。行政検査から外れたが、保健所の許可なく、学校医と相談して自主的に学校長が判断して、どこで検査を受けても、補助があるのかお聞きしたいんですが。 工代教育長  県立学校では今日から実施できるのですが、市町の場合は、県の事業ですから2分の1県に負担金を納めていただく制度になっておりますので、各市町と協定を結び、市町の予算確保等のため、1週間から2週間ぐらい開始が遅れると思います。  この検査は行政検査ではなくて、校長と学校医が、このクラスは全員実施したほうがいいという判断になれば、全員にPCR検査キットをお渡しして、それを郵送で民間の検査機関に送ります。民間の検査機関がそれを判定して、各個人や学校に陽性、陰性の判定を通知することになっています。当然、陽性になれば、保健所には陽性が出たことを連絡しなければいけないというシステムです。 三野委員  今、郵送と言われたのですが、高松の場合には民間の検査機関ができているのです。午後1時までに持ち込めばその日に結果が出るような状況になっているのです。郵送では、大分時間がかかるような気がするので、郵送に限らず県内の民間検査機関を利用していただければ早くなるのでないかということを、まず1点お願いしたいと思います。  もう一点は、初期のガイドラインを見せてもらったのですが、接触者という規定がないんです。濃厚接触者の場合は、取りあえず出席停止となって、PCR検査を受けることとなりますが、接触者の場合は、「児童生徒教職員の同居者が感染者と判明した学校の対応」を見せていただくと、ここには何も書いておらず、保健所から濃厚接触者を特定されていないので、本人が体調不良だったら出席をやめなさいと記載されています。要は、家庭や本人に判断が任せられているのです。  実を言うと、家庭内感染が増えているわけです。そうなると、同居の家族というのは家族ですから、ここの対応が必要ではないかと思うのです。ここを民間の検査機関を使って早急に検査すれば、当面の陰性だったということになっても、2日間ぐらい発症が遅れるのであれば、また、2日後に検査してもいいのです。そういうことを小まめにしたら、私は感染拡大防止になるのではないかと思うのです。とりあえず同居だったら我慢して2日間だけは休んで、また、3日後に検査しましょうと。今は陰性だけど、もう一回検査したら、やっぱりそこで感染はしてないということです。親が感染しているから気をつけないといけないというのは、これから保健所との話になるだろうと思うのです。せっかくガイドラインをつくったと思うのですが、そういうことをしないと、家庭内感染が増えている中で、昨日も10歳未満の児童と書いていましたが、家庭内感染だったのです。だから、家族から子供にうつっています。逆もあるのかもしれないですが、子供にうつることが多い状況の中で、このガイドラインに該当しない部分まで検査しないといけないのではないかと思うのですが、どうお考えかお願いします。 工代教育長  このガイドライン自体は8月末に策定しました。その後、PCR検査事業を検討したため、ガイドラインにはまだPCR検査をどうするかは記載されていないんです。  保健所に濃厚接触者に特定されていないという者について、校長と学校医等が相談してPCR検査を実施すると判断すれば、今回のPCR検査事業を実施するということで、このガイドラインに掲載すべきですが、その作業がまだできていないということです。 三野委員  分かりました。  ぜひ、ここも、PCR検査ができる話であれば、検査できるというようにしてあげてください。それから、学校医の判断等もあるだろうと思うのですが、校長や幼稚園の園長は、どうするかという判断は早急に決めなければいけないわけです。そうであれば、当面の処置として検査結果がどうであるかが一つの知見としての判断材料になると思うので、ここをぜひ丁寧にしていただければ感染を防止できるのではないかと思っております。もしガイドラインを直すのであれば、そこの記載を、よろしくお願いしたいと思います。  それからもう一点、空き教室と運動場の開放の話ですが、学童保育の施設へ行くと、非常に脆弱であり、狭く、密になるのです。広い場所へ行きたいと思っても、栗林公園は閉まっている、さぬき運動公園も閉まっているとなると、親が見ていても、行く場所がないのです。おじいちゃん、おばあちゃんが見ていても、低学年の子も、小さな公園にたむろしている状況があるのです。ですから、やむを得ず休校にしなければならないときには、消毒してからになるだろうとは思うのですが、学童保育している人に運動場や体育館、もし空き教室があればそこを開放してあげないと、逆に休校にして自粛することが感染拡大につながりかねないと思っております。  そのために、支援員の動員も健康福祉部にお願いしましたが、学校もいろいろあると思うのですが、先生方にも少し御協力いただきながら、運動場や体育館で遊ぶ場合には、その管理ぐらいはできると思ったりもします。そういう分も含めて、市町の教育委員会と話をしていただいて、なるべく子供があまり萎縮せずに、感染してない子供たちが日常生活を送れるような環境づくりをお願いします。単に休校するのは簡単だと思うのです。これから行動規制の緩和の在り方を検討するのであれば、そういうことも含めながら、感染対策を考えていただきたいと思うのです。なかなか答弁が難しいと思うのですが、再度御答弁いただきたいと思います。 工代教育長  放課後児童クラブについては、去年の4月、5月に臨時休業を全国一斉で実施したときに、国からも通知があり、できる限り空いている学校の先生も子供を見るようにということで各市町に対応していただきました。  放課後児童クラブの施設自体も、平時においても学校の体育館や運動場や空き教室を利用しているところもあります。ただ、これから休校にならなくてもずっとコロナと付き合っていかなければならない時代に入るわけで、できるだけ密を避けるというのは今後の課題になろうかと思っています。各学校にお聞きすると、やはりセキュリティーの関係でなかなか難しいとか、空き教室みたいになっているが少人数指導とか特別支援教室などで使っているので、いろいろ物を置いているとか、いろいろな課題もあるようです。  今後、その辺の少し突っ込んだ話を、市町教育委員会とも協議していきたいと思っております。 三野委員  いろいろ問題はあると思うのですが、これは緊急です。休校になるということは、感染爆発とかになっているわけですから、そのときにいろいろできないことはあるのだろうとは思うのですが、緊急的処置としてそれを実施するという方向で、ぜひ努力をしていただきたいと要望して終わります。 都築委員  質問の前に、一言述べておきたいと思います。日本全国を熱狂と感動に巻き込んで、感動を与えていただいたオリ・パラが終わりました。こういうコロナ禍ですが、本当に元気をいただいたような感じであります。特に、後半戦のパラリンピックの人の強さ、また、技術の向上等々を含めれば、何ら健常者と変わらない、それを上回るようなパフォーマンスを見せていただいて、本当に感動したところであります。多分、お茶の間もそうですし、また、実際に一部の学校ではオリ・パラを見学に行かれた方もいらっしゃると思うのですが、まさに前回私が議会で取り上げさせていただいたインクルーシブ教育の一環として、御覧になられた多くの子供たちも、本当に意義があることだったのではないかと思っております。  また、今回提案していただいた教育基本計画案の中にも、インクルーシブ教育について掲示をいただいております。なかなか取っつきにくい言葉でもあるかもしれませんが、用語解説も丁寧につけていただいております。そうした点に配慮いただいたことに感謝を申し上げたいと思います。  本題でありますが、今回がん教育について取り上げさせていただいております。  現在、コロナ禍でありますので、当然その対策は大事なんですが、それがために人を取り巻く環境、例えば、精神的なものとしてストレスのようなものなどが人をさいなんでいます。その一つに、がんの進行というのがあるのではないかと思っております。  実際にも、早期発見ができるがん検診の受診率も過去に比べるとこのコロナ禍で減っております。非常に危惧されるわけですが、様々なポイントがあるわけです。  昨日の健康福祉部の審査では、15歳から40歳未満のAYA世代のがん患者への支援について、部長の御答弁をお伺いしたところです。教育の関係ももちろん課題としていますし、また、経済的な点、あるいは相談窓口といった様々な課題もあり、そうしたものについては、教育関係でいろいろと授業が受けられないかという角度で、議会で取り上げられたこともあるのですが、それはまた、別の機会として、今回がん教育の関係を取り上げさせていただきます。  先ほども申しましたように、こうした環境があるのですが、がんという認識について、子供のうちから情報、あるいは命の大切さについて学んでいくことにつながるという意味で、大変に意義があることだと思っております。その推進手段として、現場の皆様には大変お手数、御苦労をおかけしておりますが、こうした教育の中の一環として進めていただくというのも大変大事であるのではないかと思っております。これまで、私も何度かこの分野について訴えさせていただき、香川県も知事部局、教育委員会が一体となって、全国でも先駆的に取り組んでおられることは認識しており、高く評価をいたしております。中学校だったと思いますが、実際に、がん教育をされている現場にも視察に行かせていただいております。本当に熱心にされていました。  そこで、大分時間もたちましたので、改めてがん教育についての教育長の御認識をお聞きしたいと思います。あわせて、現在、取り組まれておられる状況についてお伺いいたします。 工代教育長  現在、がんは日本人の死亡原因の第1位という現状の中で、がんそのものの理解や、がん患者に対する正しい知識を深め、がんと向き合う人々に対する共感的な理解を深めることを通して、自分と他者の健康と命の大切さについて学んだり、ともに生きる社会づくりに寄与する資質や能力は非常に大事なことだと思っています。そういうことを育成するのは非常に大事なことであり、学校教育等で推進してまいりたいと考えています。  現在の状況ですが、本県においては、御承知のとおり全国に先駆けて平成23年10月に香川県がん対策推進条例が制定され、14条に、「がん教育の推進」が明記されました。健康福祉部では、平成26年に香川県がん教育の手引きを作成し、各学校に配付するとともに、中学校を対象にして、ゲストティーチャーとして専門的な知識を持つ保健師や看護師等を派遣しています。  県教育委員会でも、教職員対象の研修会を開くなど、健康福祉部と連携して、がん教育の推進に努めており、令和2年11月には、がん教育の実施状況を把握するため、県内全ての小・中・高等学校、特別支援学校280校を対象に調査を行いました。調査の結果、小学校では75%、中学校では74%、高校では63%が、がん教育を実施しているという結果でした。  この調査において、小学校から「中学校のようにゲストティーチャーを小学校にも派遣してほしい」という声もいただきました。県教育委員会では、文部科学省の委託事業を活用して、今年度より新たに小学校及び高等学校におけるがん教育の授業に対し、がん専門医や保健師等をゲストティーチャーとして派遣できるよう体制を整備したところです。ゲストティーチャーの専門性を生かすことで、がん教育の普及・啓発が一層図られるものと考えています。 都築委員  子供さんが授業を受けられた声が、もしお手元にあるのであれば、何かありますか。 宮滝保健体育課長  高校でも研究授業を行っており、身近にがんで家族の方を亡くした生徒もいたり、また、そのがんというのがもう治らない病気ではなく、早くに検査、治療することで治るのだということを学ぶことができたということで、実際にゲストティーチャーに来ていただいて、話を聞いたことは非常にためになったという感想があります。 都築委員  がん教育の実施校が280校を調べたところ7割弱ぐらいとなっており、大変な進捗で、現場の声も、子供さんからためになったという評価だと思います。  これは、当初は条例もありましたので、先駆的に実施していただいていたんですが、御承知のとおり、2017年に改定された学習指導要領で、がんも取り扱うということが行われております。私も知らなかったのですが、今年度から中学校の保健体育の教科書に、がんが本格的に登場したということもお伺いしました。保健体育の教科書は、1年生から3年生までで1冊ですが、その1冊の中で、2年生のところで学ぶとお聞きしております。これまで生活習慣病との関連項目や、巻末資料等の形で若干取り上げられたというのは知っていたのですが、今年度の教科書には、目次にも、がんの予防という項目がしっかりと立てられ、中では2ページにもわたってポイントが記述され、教科書出版社2社の教科書を拝見して、4ページも扱っているところもあるようですが、おおむねがんとはどういう病気なのか、がんにかかる要因や、予防などが記述されているようです。  こうした学習指導要領に定められて、本格的に行われていくがん教育ですが、改めて今回の定例会で提案されている香川県教育基本計画は、目標と施策という形で御提案していただいているのですが、がん教育が、どの分野のところに書かれているのか、お尋ねをしておきたいと思います。 工代教育長  次期香川県教育基本計画案の中では、「がん教育」という言葉は残念ながら使用されていないのですが、当然ながら学習指導要領にも入っておりますし、教科書にも載っています。  今日お配りした教育基本計画案でいえば、体の育成「未来を支える健やかな体づくりの推進」のうち、「健康課題に対応した教育の推進」、「基本的な生活習慣を身に付けるための取組みの推進」の中で、生活習慣の改善や生活習慣病の予防に向けて、教職員研修の充実や子供への生活リズムを整える等の指導の充実などにより、「健康教育」を推進していくということが書かれています。当然ながら、この中にがん教育というのは入っていますし、教科書にも記載されておりますので、先ほど申し上げたようにゲストティーチャーによる講演を聞く以外にも、正規の授業の中でがん教育が推進されるものと考えています。 都築委員  個別に、アレルギーとか様々あります。実際に子供たちが課題に直面するようなことも書かれておりますし、また、今教育長におっしゃっていただいたように、がん教育についても忘れることなく、基本計画に定められていることが確認できましたので、これはよしといたしておきます。  最後の質問ですが、先ほど申しましたように、保健体育の授業でも具体的にがん教育について推進されていく、その担当は保健体育の先生であります。先ほどるる述べられておられた、専門家の方々、ゲストティーチャー、そうした方々については率先してやっていただいていますし、今度は本格的に学校で先生方に行っていただくということになります。大丈夫だとは思うのですが、その先生方ががんの理解や、あるいはお持ちの知識を子供たちにうまく伝えられることが必要になってこようかと思います。  そこで、これまでにも教員に対する支援等もあったかと思いますが、今後、本格的に教鞭に立たれて、こういった分野に立ち向かっていただく先生に、ぜひ県教育委員会からも後押しをしていただきたいという思いで、がん教育に対する事務的な体制等々について再度お伺いしたいと思います。 工代教育長  中学校、高等学校の学習指導要領にがん教育が位置づけられたことで、中学校では本年度から教科で習うということであり、高等学校では令和4年度からがん教育が始まるということです。  がん教育の実施に当たっては、全国的に現場の先生方からは、がんについて専門的な知識がなく、教えることに不安があるとか、小児がんや家族など身近な人ががんの治療中であったりすることもあるので、そういう子供たちにどういうふうに配慮すればいいのかちょっと悩んでいるというような声があると伺っています。これに対して、国は外部講師を用いたがん教育ガイドラインの改訂や、がん教育シンポジウムを開催し、教員や外部講師の質の向上を図っているところです。  県教育委員会では、これらの情報を県立学校や、市町教育委員会を通じ各校に周知するとともに、教員が授業の中でがんについて指導ができる体制整備のため、独自対応を行おうとしています。  1つは、教職員を対象としたがん教育研修会です。昨年度は、県外においてがん教育を実践している教職員を講師に迎えた講演会を開催し、がん教育を実践するに当たり、その経験からゲストティーチャーとの連携をどのようにするかという留意点とか、児童・生徒への配慮方法など、より実践的な内容を紹介することができたと考えていますので続けていきたいと思います。  2番目として、研究授業の開催や実践例の紹介です。高松東高等学校において、昨年10月に、県内のがん専門医をゲストティーチャーとしてお招きして、がん教育の研究授業を行ったところ、授業後、検診の大切さや、がん治療を受けている家族への思いを感想で書いた生徒も見られたようですし、授業を行った教員はがん教育の大切さを感じているようでした。残念ながら、新型コロナウイルスの影響で、この研究授業自体は公開ができなかったのですが、今年度行われる各校のがん教育の取組も含め、機会を捉えて教職員に紹介していきたいと考えています。  県教育委員会としては、今後、教職員だけではなくて、外部講師や保護者、それから大学ではあまり学習指導要領もありませんので、習っていない大学生が教職に就くということもありますので、教職を目指す県内大学生等を対象に研修会を行うこととしています。今後とも、健康福祉部と連携し、がん教育の充実強化に努めてまいりたいと思っております。 都築委員  進捗度合い、また、様々な準備についても遺漏なくしていただいていると感じました。教育現場で様々な課題、特に今はコロナ対策で御苦労されているのは重々承知をいたしております。そうした部分で、将来の子供たちの未来の、健康的な面だけではなくて、命の大切さを学ぶことでも非常に大事な分野でもありますので、時間のやりくりも含めて、ぜひ県教育委員会からの御支援をいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。 黒島委員  あまり高度な質問ではないので端的に答えてくれたらいいと思うんですが、昨日、菅総理の記者会見を皆さん見ましたか。私は、いろいろな質問があった中で、非常に「ああ、そうか」と思ったのが、官房長官の質問です。名官房長官と言われて、最長の5年数か月、官房長官をやりましたが、総理大臣は1年ちょっとで非常に短く、官房長官と総理大臣の違いは何ですかと聞かれたときに、何と答えたかというと、順番が逆だったかも分かりませんが、最初に決断力、その後、責任の重大さ、これはもう官房長官と総理大臣では比較にならないということを記者会見で見ました。私は、これは大変大切なことで、組織のトップというのは、常にそれぐらいの覚悟が要るのだろうと感じたのです。  そこで、私が聞きたいのは高等学校の校長のことです。高等学校の校長というのは、70人とか80人の集団、もっと少ないところもあるかもしれませんが、それなりの大人の集団を率いて、子供たちの大事な教育をするトップです。校長の権限というのは、非常に大きいんです。入学、卒業、あるいは停学、退学、あるいは先生の評価というのが多分校長の権限だろうと思うんです。大体、一つの学校のことについては、校長が全て把握しているというか、責任を持っていると考えて間違いはないのか、教えてください。 工代教育長  校長の権限ということですが、この権限は学校教育法で決まっていて、学校教育法で学校の最高責任者であり、校長の職務は、「校務をつかさどり、所属職員を監督する」と規定されていますので、委員おっしゃられたように、全般的な学校のことは校長が最高責任者だと認識しております。 黒島委員  大変な責任を校長は持っているわけです。  そこで聞きたいんですが、それでは校長の監督、これは一度校長になるとなかなか校長から教頭に下がったというのは聞いたことがないので、多分一度校長の試験に受かったら、もうそのままなのだろうと思うんですが、極端な言い方をして、学校の先生が不祥事を起こしたら、教育委員会が謝っているのはどういうことなんですか。 工代教育長  教育委員会としては、設置者として学校に対する人事監督権を持っていますので、そういう意味で、人事監督権を持っている教育委員会としておわび申し上げるというようなことです。 黒島委員  それは、ちょっと筋が違うんではないですか。逆に言えば、人事から校務から全て校長がやっているわけですから、常日頃監督をしている校長がまず謝るというのが筋ではないんですか。何となく常に私が違和感を覚えるのは、何か不祥事があると教育委員会が謝る。それでは、校長にだって、いろいろな校長がいるわけですが、校長の指導監督、教育は誰が行っているんですか。 工代教育長  大きく言えば教育委員会が指導監督に当たっているということです。 黒島委員  教育委員会が校長にいろいろ指導監督、それから教育を実際やっているんですか。私は、どうもやっているように思わないんです。これをどうして言うかというと、私はそういう意味で校長会を作って、うまく彼らは責任を逃げていると思っているんです、自分たちの保身のために、責任が分からないように。本来なら、一つの学校の校長が、その学校の全ての責任を一応負うという覚悟でやらなければいけないのを、校長会という組織をつくってその中に溶かし込んでしまって、教育委員会なんかが手を出す場所はないんじゃないですか。私はそう思うんですが、教育長はどう思いますか。 工代教育長  校長会というのがあり、高等学校等のいろいろな教育課題に対する情報交換を行ったり、研究協議等を行っていますが、教育委員会といたしましては、各校長と年3回、高校教育課で面談して、こういうことをやるように、こういうことは注意するようにと伝える等、様々な場面において指導・助言は行っていると承知しております。 黒島委員  4年ぐらい前、小豆島に新しい高校ができたときに、中身の審議もせずに高野連から出場停止を受けたのです。そのときに、香川県の高野連は、全国の高野連の言いなりです。そこでは、子供の指導や中身については一切示されていません。そのときに、私は香川県の高体連というのがあって、「野球も教育の一環だというのなら、当然高体連が入って、野球の役職をつけたらいいのであって、そういうふうにしたらどうですか。」とその当時の教育長にお話をして、全国の高野連に対して朝日新聞の主催をやめるようにということまで言いました。  そういう状況の中で、学校の教育の現場の中にまで高野連の意向が入ってきて、その子供たちの部活まで制約するのはおかしいと思いまして、これは香川県の責任、教育委員会の中で、校長会が持っている高野連を指導すべきだと思ったのですが、全然相手にもしないのです。なぜ高野連だけ別なんですか。高体連の中に入ったらいいんじゃないですか。 工代教育長  歴史的には、全国高等学校野球連盟というのが昭和21年にでき、全国の高体連というのが昭和23年にできておりますが、全国高野連の前身というのが全国中等学校野球連盟ということで、これはもう大正4年ぐらいに野球大会を開くという非常に長い歴史があって、そういうことから、高野連より高体連が後にできたので、その中には入らずに独立して、今まで来ているということではないかと思っています。 黒島委員  全国はそれでいいです。しかし、香川県は高体連の中に野球の組織をつくって、高体連の中へ入って全体のバランスを取るほうがいいんじゃないですか。高野連という組織のその中で、高体連の中の一部が加盟していたらいいじゃないですか。でなければ、常に高野連は香川県の教育の中で別組織になっているんです。香川県は、香川県の子供に対して教育委員会が一体的に責任を負うんですから、高体連の中に野球担当の組織をつくって、それが高野連に加盟していればいい話であって、別に香川県が別組織でつくる必要はないと思います。それが当たり前の教育であって、多分香川県がやればよそもそうすると思います。そう思いませんか。 工代教育長  今も野球以外でも幾つか、ゴルフやボウリング、トランポリンなど、高体連の中に入ってない競技もあります。委員おっしゃる御意見も当然で、理屈が十分あると思いますが、歴史的な経緯や、その団体の独立性ということで、その団体が高体連には入らないという道を歩んでいるということですから、こちらから高体連の中にということまで申し上げられていないというのが現実です。 黒島委員  おかしなことを言ってはいけないです。私は高野連に高体連の中に入れと言っているのではなく、香川県の高野連が高体連の中に入ったらどうですかと言っているんです。別に、そこであった一つのサッカー部も全部それぞれ役員がいるのですから、それが高野連に加盟していたらいいじゃないですか。香川県のスポーツについては、高体連が一本化でやるということは当然考えていいんじゃないですか。別に、私は全国もしなさいと言いましたが、したくないという、非常に今いびつな感じでマスコミと組んで全国大会をやっていますから、これもおかしな話なんです。しかしながらそれはそこまでやるということは、それは香川県では無理です。  しかし、香川県の中の校長会が組織している高野連を高体連の中に入れるぐらいのことは、教育委員会でできるんじゃないのですか。 工代教育長  県の高野連は校長会とは別組織ですので、校長会の中に高野連が入っているわけではないというようなことなのです。   それぞれほかの高体連に入っている各スポーツ団体も、それぞれその団体としての役員もおられますし、一つの組織ですので、県の高野連が高体連に入るというのであれば、そういうことは考えられると思っています。 黒島委員  中途半端な逃げはいけません。子供たちへの責任は、県の教育委員会が負っているわけでしょう。私は、そこに今言う校長会だとか、校長の巧みな逃げがあると思っているんです。先ほど言いましたように、責任はトップが負うとなると、高校のトップというのは校長です。それが、不祥事が起きると教育委員会が謝る。私はそうではないと思うんです。  それから、もう一つ言わせてもらうと、各校長のいろいろな教育がある、いい悪いはここで言いたくないんですが、やはりおかしなところがあると注意したり直させたりするのは、教育委員会がしないといけないわけでしょう。私は、力関係が逆だと思っているんです。これは高校教育課長にお気の毒ですが、ここを辞めたらどこかの校長に行くわけでしょう。それは一種の慣例的にいうと出世コースみたいなものです。これは逆でしょう。校長の上に高校教育課の課長がいないと、話にならないです。だから、かつて高松高校が不祥事を起こしたときに、こちちから注意したら、後から平気で、「ああ、そんなこともあったな」というような返事で、向こうの校長は全然何とも思っていなかったのです。逆でなかったらいけないのではないですか。これをどこかでそれを変えないと、県の高校教育課と言ったところで、校長から見たら何とも感じてないと私は思うのですが、教育長はどう思いますか。
    工代教育長  私としては、言うべきことは言っていかないといけないと思っていますし、大きな制度の話で、こうしたほうがいいということは申し上げようと思っています。そこでいろいろ御意見は各校長先生方においてあると思いますが、それは教育委員会として、こちらのほうがよりよいということであれば、今後とも意見は申し上げたいと思っております。 黒島委員  申し上げたいというのは将来の話なんです。本当は、今までも言ってきて、やってこないと変わらないんです。だから、香川県の教育は駄目だと言われているわけです。文科省が言うとおりの教育しかできず、今は私学に子供を取られています。高校が面白くないからです。  もっと幅があって、子供たちが興味を持ってやるという教育の話をしたときに、小豆島へ島留学に行ったときに、香川県の校長会がどれだけ抵抗したんですか。「小豆島だけには認めるわけにはいけない。」とうことで、2年も3年も延ばして、4校から5校を一緒にしたじゃないですか。そういう組織でしょう。変わったことをすると言えば、すぐに「それはいけない。」と言うような校長が集まって話をして、それに対して教育委員会は何も言えない。これから先の香川県の教育はそれこそ面白くも何もない、画一的な教育にしかならないと私は感じます。  そこで、これは本来校長を指導できるような立場の人を、教育委員会の中に置くべきだと私は思います。小学校から高校までですから、教育長が全部やるわけにはいかないです。でなければ、高校は変わらないと思います。高校にも暗黙のうちに順番ができているじゃないですか。その順番を変えようとして、いい学校を作ろうと思ったら潰しにかかるじゃないですか。こんな教育をしているのでは、大人の普通の会社よりもおかしな組織です。  そこで、ここで、変わった知恵を出してもらおうと思うんですが、小豆島中央高校ができて4年たつんです。これは、最初に校名を考えたときに、小豆島高校でどうかという意見が一番多かった。しかし、小豆島高校と土庄高校とが一緒になるから、小豆島高校が継続してしまうということに対しての反発が非常にあった。私もそれはよく分かりました。それで、小豆島中央高校という「中央」を入れたんです。ある人に「実にくだらない高校名をつけたな。」と言われました。中央といえば今のところ香川中央、高松中央、小豆島中央の3つあるんですかね。名前をつけるときには我々OBや大人がつけたんですが、第1回目の卒業生がもう大学4年です。今年、卒業する子供たちは、昔の土庄高校や小豆島高校は全然知らないんです。一遍、その子供たちに学校名を考えさせたらどうですか。実に、中央というのをつけたらややこしいんです。病院も、小豆島病院があったから小豆島中央病院にしているんですから、中央病院といえば香川県か小豆島かと、皆一々聞き直すんです。素直に考えて、小豆島高校でいいのではないかという意見が、結構、土庄の方の中にもいらっしゃいます。それを我々がやると、これはやはり反発を感じるのです。子供たちに素直に一遍聞いてみたらどうですか。校名を変えるのは難しいんですか。 工代教育長  校名は、香川県立学校条例に規定されていますので、校名を変えるとなると条例改正という手続になろうかと思います。平成以降で校名変更は幾つかありますが、既存の高校で校名を変更した場合も二、三校あったと思います。それから、統合で校名が変わったということがあります。  既存高校の校名変更は、平成に入ってからの話ですが、学科が1つ追加されるので校名を変えました。例えば、志度商業高校であれば工業科ができましたので、商業を取って志度高校にしたとか、丸亀商業高校も普通科ができましたので、商業を取って丸亀城西高校にしたというようなことです。  実際的な手続としては、まずは、校名変更の必要性の有無や、それをどう捉えるかということがあるのだと思いますが、そういう有無を検討して、それから同窓会やPTAや教職員や生徒など関係各方面からの意見聴取をして、「校名検討委員会」、これまではそういうような委員会を教育委員会内に作っていたようですが、そういうものを作って、それぞれの検討結果を踏まえて、最終的には県の教育委員会で検討・審議した上で、条例の改正案を議会に提出するという手続になろうかと思います。 黒島委員  小豆島中央高校の目指す方向というのは、私は少し変わってきていると思うんです。特に、島外、県外に目を向けて学校を発展させていかなければいけないということが1点と、OBという点になると、今大学4年生までしかいないので、それ以上は別の学校の卒業生です。今の高校のOBというのは、大学4年生が最高なんです。  だから、私はこれがあまり固定化しないうちに、子供たちの意見を聞いて、子供たちの意見を中心に学校あるいは校名を変えるチャンスではないかと。これをまた、地域とか、昔のOBだとかPTAだとかも入れると、また、同じような問題が噴出して、県の教育委員会はそんなことを言い出しません。  しかし、今の高校生、これからの高校生、OBは大学4年生までしかいないわけですから、まだ今のところ住所を完全につかめます。彼らの意見を聞いて、私はいい校名にする必要があるのではないかという感じを持っているので、検討できるのなら一遍検討してください。私としたら、チャンスというのは度々ではないですから、やるタイミングやチャンスというのは、商売でもそうですが、やはり時期があるのです。それをやはり考える必要があるというのが私の意見です。  以上で終わります。 山本(悟)委員長  以上で、教育委員会関係の質疑、質問を終局いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) 山本(悟)委員長  御異議なしと認め、教育委員会関係の質疑、質問を終局いたします。  本日は、これをもって散会いたします。 Copyright (c) Kagawa Prefectural Assembly Minutes, All rights reserved....