令和 4年 2月定例会 令和四年二月
徳島県議会定例会会議録(第四号) 令和四年二月十八日 午前十時一分開議 出席議員計三十五名 (その番号・氏名左のとおりである) 一 番 増 富 義 明 君 三 番 井 下 泰 憲 君 四 番 福 山 博 史 君 五 番 梶 原 一 哉 君 六 番 浪 越 憲 一 君 七 番 仁 木 啓 人 君 八 番 東 条 恭 子 君 九 番 原 徹 臣 君 十 番 北 島 一 人 君 十一 番 大 塚 明 廣 君 十二 番 山 西 国 朗 君 十三 番 岩 佐 義 弘 君 十四 番 古 川 広 志 君 十五 番 須 見 一 仁 君 十六 番 長 池 文 武 君 十七 番 吉 田 益 子 君 十八 番 井 川 龍 二 君 十九 番 元 木 章 生 君 二十 番 岡 田 理 絵 君 二十一番 南 恒 生 君 二十二番 岩 丸 正 史 君 二十三番 岡 佑 樹 君 二十四番 黒 崎 章 君 二十五番 扶 川 敦 君 二十六番 達 田 良 子 君 二十七番 寺 井 正 邇 君 二十八番 喜 多 宏 思 君 二十九番 重 清 佳 之 君 三十 番 嘉 見 博 之 君 三十一番 岡 本 富 治 君 三十二番 杉 本 直 樹 君 三十三番 西 沢 貴 朗 君 三十四番 臼 木 春 夫 君 三十五番 庄 野 昌 彦 君 三十六番 山 田 豊 君 ────────────────────────
出席職員職氏名 事務局長 田 中 稔 君 次長 島 田 浩 寿 君 議事課長 大 屋 英 一 君
政策調査課長 佐 金 由 美 君
政策調査課副課長 郡 公 美 君 議事課副課長 奥 田 理 悦 君
議事課主査兼係長 谷 本 か ほ り 君
議事課主査兼係長 一 宮 ル ミ 君
議事課係長 小 泉 尚 美 君
議事課係長 森 崎 美 里 君
議事課係長 幸 田 俊 樹 君
議事課主任 築 山 優 君
議事課主任 尾 崎 亮 平 君 ────────────────────────
列席者職氏名 知事 飯 泉 嘉 門 君 副知事 酒 池 由 幸 君 副知事 勝 野 美 江 君 政策監 瀬 尾 守 君 企業局長 板 東 安 彦 君
病院事業管理者 北 畑 洋 君
危機管理環境部長 谷 本 悦 久 君
経営戦略部長 仁 井 谷 興 史 君
未来創生文化部長 上 田 輝 明 君
保健福祉部長 伊 藤 大 輔 君
商工労働観光部長 梅 田 尚 志 君
農林水産部長 森 口 浩 徳 君
県土整備部長 貫 名 功 二 君
会計管理者 近 藤 理 恵 君 病院局長 新 居 徹 也 君 財政課長 岡 航 平 君 財政課副課長 藤 坂 仁 貴 君 ──────────────────────── 教育長 榊 浩 一 君 ────────────────────────
人事委員長 森 俊 明 君
人事委員会事務局長勢 井 研 君 ────────────────────────
公安委員長 齋 藤 恒 範 君
警察本部長 小 澤 孝 文 君 ────────────────────────
代表監査委員 近 藤 光 男 君
監査事務局長 三 好 誠 治 君 ──────────────────────── 議 事 日 程 第四号 令和四年二月十八日(金曜日)午前十時開議 第一 県政に対する
一般質問 (二 名) 第二 議案自第一号至第七十六号(除く第四十九号)、計七十五件 (質 疑) (
委員会付託) ────────────────────────
○議長(岩丸正史君) これより本日の会議を開きます。 ────────────────────────
○議長(岩丸正史君) 直ちに本日の日程に入ります。 日程第一、「県政に対する
一般質問」を前回に継続して行います。 一番・
増富義明君。 (
増富議員登壇)
◆一番(
増富義明君) 皆様おはようございます。
徳島県議会自由民主党の
増富義明でございます。 議長の許可をいただきましたので、通告順に従いまして
一般質問をさせていただきたいと思います。どうかよろしくお願い申し上げます。 まず、一昨日の重清議員の質問の中で、
オロナミンC球場の質問が出ました。これに対して知事の御答弁は、全面改築するというような温かいお言葉をいただきました。私は自席で聞いておりまして、涙が出るぐらいうれしかったわけでございます。 私は今、吉野川市の野球連盟の会長もしております。そしてまた、重清議員同様、四十年前にあの球場で、大したことはないんですが、甲子園を目指して頑張ったという経緯もございますので、非常にうれしく思います。できたら
ドーム球場ぐらい、ぱんと行くぐらいの勢いで行っていただきたいと思いますが、財政的にも大変だと思いますので、ひとつ
野球関係者とはじっくりとお話をしていただきまして、いいものができるようにお力添えを賜りますように、よろしくお願い申し上げたいと思います。 実は今の時点で数分足らない状況ではありますが、昨日の扶川議員の激怒しておりました、この人に何を言っても駄目だと言われるくらいのだらだらした御答弁は勘弁していただきたいと思いますので、どうかよろしくお願いします。私は建設的な意見しか申しませんので、どうかよろしくお願いいたします。 それでは、早速ですが、質問に入らせていただきたいと思います。 まず、高校の活性化に向けた
総合寄宿舎の整備についてお伺いしたいと思います。 この件につきましては、私の母校でもあります
池田高校の寄宿舎の問題でございます。 昨今の
コロナ禍において、都市部を中心に、地方移住やそれから
地方高校への進学に対する関心が非常に高まっております。少子化が進む本県におきましては、全国から多様な生徒を募集することは大変有意義なことだと思うわけでございます。
総合寄宿舎は、かつては、僻地それから離島等、
遠距離通学を余儀なくされる
県内生徒向けのものでありましたが、近年、高校の魅力化や部活動の活躍により、県外からの入学生がどんどんと増えておるというような現状がございます。
総合寄宿舎の中には、県外生の増加によって満室となっておる寄宿舎もたくさんあると聞いております。 そんな中、県南の
海部高校には、県内外から寄宿舎を必要とする生徒が六十八名も通っているそうです。
海部高校は、
魅力化プロジェクトと題しまして、人間力、
課題発見力、
課題解決力を人材育成の
重点ポイントとして、未来へ向かう原動力を備える
人材育成プログラムを提供し、これは大変人気があると聞いております。
池田高校についても、
県外入学生の募集上限を撤廃いたしまして、現在、
海部高校とほぼ同数の、県内外より寄宿舎を必要とする生徒が六十七名おるわけでございます。特に野球部、
ソフトボール部を中心に、大幅に県外生が増加している一方で、寄宿舎への入寮を確約できないために受験を断念する生徒がたくさんいると聞いております。 また、
新型コロナウイルス感染症の収束の見通しが立たない中、
感染症対策の隔離室がないという点にも大きな不安があり、残念ながら、一概に比較はしてはならないのですが、同じ県立高校の
海部高校と比べても非常に劣るというような現状が私はここにあると感じるわけでございます。 しかも、実は質問に当たりまして、先日、
海部高校の寮をこっそりと見学に行かせていただきました。学校の裏門を出まして、道を挟んで僅か五歩で寮に到達するという非常に恵まれた環境の寮でございました。 たまたまそこで、寮に帰ってきた生徒に会いましたので、少しお話を聞いてみました。その彼は三年生で、関西地方からの学生で、野球部に所属しておりました。卒業を機に関西方面に帰り、就職も決まっておるということでございます。
海部高校での三年間どうやったでと聞いたところ、あっという間の三年間でしたが、ここに来て楽しかったし、来てよかったと思っておりますと、満面の笑みで私に答えていただきました。何の関係もない私ですが、徳島県を褒められたみたいで、非常にうれしく思ったわけでございます。 しかし、残念だったのはここからで、重清先生にこのことを報告いたしましたところ、それは前の寮で、今、生徒がいっぱいになって、新しい寮を学校の中に建てたんよというように言われました。何と、学校の中に二つ目の寮が完成しておりました。 やはりこれは力関係といいましょうか、
池田高校OBというのは私と元木副議長もおられるし、井下議員もおられるんですが、なかなか三人束になってもかなわないという現実が少し寂しさを覚えたんですが、余談ですが、ここにおられる議員の皆様方の出身校を少し調査いたしました。 第一位が二校あります。四名、四名通っております。第一位は鳴門高校です。そして、第一位、同数で
徳島市立高校が四名でございます。次に、
富岡西高校、
富岡東高校、それと城南高校と続いて、私の
母校池田高校は元木先生と二人、それから徳商が二人と、あとは一人、一人ということなんですが、一つびっくりしたのは、この中で、東京の世田谷区に学校のある
日大櫻丘高校の
野球部出身の先生がおられます。岡本先生、立派でございます、本当に。 また、何で行ったかというのは個人的に聞いていただいたらいいと思うんですが、質問に戻りたいと思いますが、先日、
池田高校の
PTA会長から
総合寄宿舎の増設について知事へ要望書が提出されましたが、私も
池田高校野球部OBとして同席させていただきました。その際に、知事からは大変心強い言葉をいただきました。このたびの二月補正予算で、寄宿舎の増設に向けた調査予算が提出される運びとなり、大変感謝いたしております。 そこで、お伺いいたしたいと思います。 今後、
池田高校の一層の魅力化や部活動の活性化に向けて、そして三好市にはなくてはならない地域に根差した愛される学校として、また
新型コロナウイルス感染症対策として、早期に
総合寄宿舎の増設を図る必要があると考えますが、どのように取り組んでいくのか、御所見をお伺いさせていただきたいと思います。 次に、子供の
貧困対策についてお伺いいたしたいと思います。 子供の貧困に関しては、令和二年度に国が初めて実施いたしました子供の
生活状況調査の結果が昨年十二月に公表されたわけでございます。 調査結果によりますと、特に
ひとり親世帯など低
所得世帯の子供が生活面や教育面で影響を受けているといった実態が明らかとなり、親から子への貧困の連鎖のリスクについても今回のエビデンスによって裏づけられたと報告されておるわけでございます。また、
コロナ禍が影響をより深刻化させている可能性もあるということでございます。 この調査において、低
所得世帯の約五割を占めている
ひとり親世帯の貧困問題を解決し、貧困の連鎖のリスクを回避するには、まず、保護者である
ひとり親の
経済的支援はもとより、
就業支援それから
生活支援など必要な支援を講じまして、負のスパイラルから脱出する必要があると思うわけでございます。 しかし、今回の調査結果では、
ひとり親に対する
就業相談から技能講習、
就業情報の提供を行うとともに
地域生活支援や専門相談を実施するため各都道府県に設置されております
母子家庭等就業・
自立支援センターについて、制度を知らない、それから手続が分からない、それから利用しにくいというような理由で利用していないという回答をしている
ひとり親世帯が約二割あるということでございます。改めて、
社会的孤立化の実態と
支援制度の周知の難しさが明らかになっていると思います。 誰一人取り残さない
情報発信を心がけ、支援が必要な家庭にしっかりと
支援制度、
相談窓口の情報を伝えることが施策の大前提であり、これは最も重要ではないかと考えるわけでございます。 そこで、お伺いいたしたいと思います。 子供の
貧困対策、特に
ひとり親家庭への
支援制度、それから
相談窓口について、周知の強化を図る必要があると考えますが、御所見をお伺いしたいと思います。 御答弁をいただき、質問を続けてまいります。 (
飯泉知事登壇)
◎知事(飯泉嘉門君)
増富議員の御質問にお答えさせていただきます。 高校の活性化に向けた
総合寄宿舎の整備について、どのように取り組んでいくのかについてであります。 本県では、徳島県
GIGAスクール構想によりまして、全国に先んじて
高等学校段階まで整備いたしました一人一台端末による学校のDX実装や、コミュニティ・スクールの導入による地域資源を生かした教育活動の展開、スポーツ、
文化芸術活動の活性化などによりまして、
高等学校の魅力化を図っているところであります。 さらに、県南部や県西部に位置する
高等学校におきましては、
県外募集枠の撤廃によりまして、全国からの生徒募集を推進してきた結果、
本県ならではの自然の豊かさや関西や中国方面からのアクセスのよさが相まって、特に近年、大幅に
県外入学生が増加しているところであります。 中でも、議員の母校であります
池田高校では、伝統ある野球部、全国上位の実力を持つ
女子ソフトボール部におきまして、県内外からの入学生が増加するとともに、地域を舞台としたフィールドワークにより
高校生目線での
地域課題解決を目指す探究科への注目も集まっているところであります。 こうした
高等学校を起点とする新たな人の流れを加速するため、
総合寄宿舎を増設し、進学しやすい環境を整備することがまさに必要でありまして、先般、
池田高校PTAの皆様方からも、生徒の安全・安心な
学校生活や地域の
にぎわいづくりのためにも、満室状態が続く
総合寄宿舎三好寮をぜひ本校から近い池田町内に増設してほしい、大変強い、また熱意の籠もった御要望をいただいたところであります。 また、同席された地元三好市の高井市長さんからは、全面的に御協力いただけるとの大変力強いお言葉を頂戴したところでありまして、今後、利便性の高い建設用地の選定について、三好市としっかりと協議を進めてまいります。 さらに、県南部の
総合寄宿舎阿南寮の増設につきましても、同様にPTAの皆様からの御要望をいただいているところであります。 そこで、
高等学校の活性化を図りつつ、県内外から多くの生徒の皆様方を受け入れるため、
新型コロナウイルス感染症への対策と安全・安心で快適な環境の両立を目指し、一人一部屋の個室仕様、
GIGAスクール構想に対応した通信環境の整備、高校生と地域の交流を促進する新たな機能の付加など、新しい形を取り入れた
総合寄宿舎を、地域の皆様方との連携の下、できるだけ早期に整備できるよう、しっかりと取組を進めてまいります。 (上田
未来創生文化部長登壇)
◎
未来創生文化部長(上田輝明君)
ひとり親家庭への支援についての御質問でございますが、
コロナ禍が長期化する中、
ひとり親家庭は非常に厳しい経済状況に置かれており、身近に相談する相手が少なく、孤立感を抱えやすい状況にあるため、一人一人に寄り添ったきめ細やかな支援が不可欠であると認識しております。 このため、県では、令和元年度に改定した
ひとり親家庭等自立促進計画に基づき、
相談支援体制の強化、
経済的支援の充実など六項目の基本目標を定め、鋭意、施策の推進に努めているところであります。 特に、子育てや生活に関する不安解消のため、
母子家庭等就業・
自立支援センターを
県母子寡婦福祉連合会に設置し、
就業情報の提供や資格取得の支援に加え、一般的な相談から法律や経営に関する専門的な相談まで幅広く対応するとともに、SNSによる
情報発信にも積極的に取り組み、登録者は昨年度と比べ約一・八倍に増加しております。 また、母子・
父子自立支援員を各
福祉事務所に配置し、令和二年度には一万六千件を超える相談に対応しており、
ひとり親の視点に立った寄り添い支援に取り組んでいるところであります。 一方、
議員お話しのとおり、内閣府の調査結果からは、
支援制度のさらなる周知が求められており、
子供たちの経済格差を解消し、世代間の貧困の連鎖を断ち切るためにも、支援を求める
ひとり親家庭に確実に情報を届け、さらなる支援につなげることが重要であると考えております。 また、今年度、本県が実施した、
コロナ禍における子供と保護者を対象とした実態調査においても、子供、保護者とも多くの悩みや困り事を抱え、特に、約四割の保護者が誰にも相談できていない状況であることが明らかとなり、相談機関や
支援制度に関する積極的な情報提供が求められております。 そこで、学校から配信される情報に対する保護者の注目や信頼の高さに着目し、
ひとり親家庭に係る
支援施策について、
子供たちが通う学校を通じた周知を行うなど、関係部局と連携し、あらゆる機会を活用した
情報発信に取り組んでまいります。 今後とも、誰一人取り残すことなく、支援を必要とする
ひとり親家庭に寄り添い、全ての
子供たちが未来に向かって夢を広げることのできる社会の実現に向け、しっかりと取組を進めてまいります。 (
増富議員登壇)
◆一番(
増富義明君) それぞれ御答弁をいただきました。答弁に対する私の意見は、最後にまとめて申し上げたいと思います。 それでは、質問を続けてまいります。 次に、
新規就農への支援についてお伺いいたしたいと思います。 私は、
県議会議員に当選以来、農政の問題について、地元農家の方々と多くの議論を重ねてまいりましたが、その根幹はやはり、いかにして次代を担う担い手を確保するか、これに尽きると思います。 徳島においても、これまで、とく
しま就農スタート研修事業、
農業経営者サポート事業、
就農促進支援強化事業、
担い手確保・
経営強化支援事業と、様々な施策を展開してきました。 一方、国においても、
担い手確保の重要性に鑑み、平成二十四年度から、就農に向けて研修を行う
就農希望者や就農後間もない
新規就農者に対しまして年間百五十万円の資金を交付する
青年就農給付金事業が創設されたわけでございます。平成二十九年度からは、
農業次世代人材投資事業として一貫して事業が継続され、県内ではこれまでに合計五百五十一人の
新規就農希望者が活用してきたところであります。 これに比例するかのように、直近の
新規就農者も初めて百五十名を上回るなど、徐々に成果が現れてきておりまして、この事業は次代を担う担い手の拡大に貢献していると大きく評価するところでございます。国によって再構築される
新規就農者育成総合対策をどのように活用するかが
新規就農者の拡大の鍵を握っていると考えるわけでございます。 一方で、
新型コロナウイルスの感染拡大によりまして、国民の
地方回帰への関心が高まっており、徳島県の状況を見てみますと、県外からの移住者は、平成二十七年度は六百十二人だったものが、令和二年度は千六百七十七名と、平成二十七年度に比べましても二倍以上にまで増加し、都市部から地方への
地方回帰の流れを大いに実感しているところでございます。 こうした中、国においては、
デジタル田園都市国家構想を打ち出し、農業とほかの仕事を組み合わせた半農半Xに意欲を見せており、本県においても、こうした潮流を捉え、さらなる担い手や新たな労働力の確保に取り組むべきであると考えるわけでございます。 そこで、お伺いします。
地方回帰の流れをしっかりと捉え、徳島県ではどのように担い手の育成や新たな労働力の確保を図っていくのか、お伺いさせていただきたいと思います。 次に、
介護職員に係る
処遇改善と
介護給付費の適正化についてお伺いさせていただきたいと思います。 私は、二年前の二月議会でも、高齢者の介護を担う
介護職員の人材確保について質問させていただきました。 その後も
少子高齢化は進んでおり、昨年七月に
厚生労働省が公表した
介護保険事業計画に基づく
介護職員の必要数によりますと、二〇二五年度には全国で約三十二万人、二〇四〇年度には約六十九万人を追加で確保する必要があると言われておりますが、その根底にはやはり恒常的な賃金の低さが、これに尽きると思います。 こうした中、国におきましては、さきの経済対策に基づき、
新型コロナウイルスへの対応や
少子高齢化への対応が重なる最前線で働く
介護職員の
処遇改善に向けまして、本年二月分から賃金改善を行う事業者に、
介護職員一人
当たり月額九千円相当の賃上げを行うことが打ち出されており、
介護人材確保に寄与するものと、これは大変喜んでいるところでございます。 一方、その具体的な中身になりますと、今回の賃上げはその対象が
介護保険サービスに限定されておりまして、同じ高齢者の介護を行っている
養護老人ホームそれから
軽費老人ホームに勤務する方は実は含まれておりません。同じ高齢者の介護を担っているこうした施設の職員も対象に加え、介護に携わる全ての職員に
賃金改善効果を行き渡らせる必要があるのではないでしょうか。 また、昨年十一月末に公表されました
高齢化率は、徳島県では三四・二%となっており、前回五年前の調査と比べ三・二ポイント上昇しております。高齢化の進行によりまして
介護サービスの利用が増えるに従って、当然、私たちが負担する
介護保険料も高額となるわけですが、本県においても、制度開始時には平均で月額三千三百二十円だったものが、今年度からは六千四百七十七円と二倍近くに上昇し、この負担感も次第に大きくなっておるわけでございます。 こうした中、最近では
サービス付き高齢者向け住宅も増えてきておりますが、こうした住宅に入居された方に日中の
介護サービスを限度額いっぱいまで利用させ利益を上げる、いわゆる囲い込みというような実態も見られるわけでありますから、今年度からの
介護報酬改定では、
ケアプランの検証や点検に新たな仕組みを導入いたしまして、さらなる適正化を図っていくと聞いております。過剰なサービスの利用による不必要な給付は、持続可能な
介護保険制度を支えるためにも削減していかなければならないと思うわけであります。 そこで、お伺いいたしたいと思います。 高齢者の介護を持続可能なものとするため、
介護保険の
対象外職員についても
処遇改善を図るとともに、適正化についても今後どのように取り組んでいくのか、御所見をお伺いしたいと思います。 御答弁をいただきまして、質問を続けてまいります。 (勝野副知事登壇)
◎副知事(勝野美江君) 農業の担い手の育成や新たな労働力の確保についての御質問をいただきました。 これまで県では、農業大学校での実践教育、社会人を対象としたアグリビジネスアカデミーにおけるリカレント教育など、農業を目指す方々のキャリアアップを支援するきめ細やかな教育体制を構築し、担い手の育成に取り組んでまいりました。 また、
新規就農者の経営安定を支援するため、国の給付金制度を積極的に活用しておりまして、今年度も新たに六十九名の方々が利用するなど、担い手の育成につながっております。 こうした中、この事業のさらなる充実に向けまして、徳島発の政策提言や全国知事会などを通じまして国へ提言した結果、これまでの給付金に加え、
新規就農者の機械、施設の導入を支援する新たなメニューが創設され、最大事業費で一千万円までの支援が可能となりました。 来年度は、事業を最大限活用するため、今年度比五割増しとなる約六億円の予算を計上しまして、ハード、ソフト両面から
担い手確保の支援を強化することで、若者の就農意欲の喚起と
新規就農者の定着を図ってまいりたいと考えております。 また、農業現場では高齢化が一段と進み、新たな労働力の確保が急務となる中、
議員お話しのとおり
地方回帰の流れが顕著となっており、これを好機と捉え、都市部から地方に多様な人材を呼び込むことが重要であるというふうに考えております。 そこで、来年度は、半農半Xによる多様な人材の移住就農に向け、初心者でもスマート技術を駆使した農作業の省力化を学べるアカデミー教育の充実や、県単独事業で、お試し耕作といった支援をするメニューの創設など、新たに農業にチャレンジできる環境を創出してまいります。 さらに、県外在住者をはじめ農業に関心のある方々が、週末農業など、自由な時間を生かしまして農作業に参画できるよう、シェアリングエコノミーの新たなモデルを創出するとともに、農作業によるストレス軽減やフレイル予防など健康増進効果を実証し発信することで、農業関係人口の増加につなげてまいりたいと考えております。 今後とも、担い手の育成、新たな労働力の確保はもとより、農業に関心のある方々を拡大して、創意工夫を凝らして、徳島ならではの多様な農業の発展に積極的に取り組んでまいります。 (伊藤
保健福祉部長登壇)
◎
保健福祉部長(伊藤大輔君)
介護保険の
対象外職員に係る
処遇改善と
介護給付費の適正化について御質問いただきました。 介護分野の職員の賃金については、対人サービス産業平均こそ上回っているものの、全職種の平均に達していないことから、国では、昨年十一月に閣議決定されたコロナ克服・新時代開拓のための経済対策において、エッセンシャルワーカーである
介護職員の収入引上げに向けた取組が行われることとなり、国の令和三年度補正予算において、本年二月から九月分の賃金改善に対する補助に要する予算が
介護職員処遇改善支援事業として盛り込まれたところです。 これを受け、県では、県内の
介護保険施設において賃金改善に向けた取組を進めるための費用として、令和四年度当初予算に十億五千五百九十万四千円を計上いたしました。 また、今般の経済対策に基づく
介護職員の収入引上げにおいては、その効果が一時的なものにとどまらず継続的かつ確実なものとなるよう、制度的担保として、国の補正予算に加え、十月以降のさらなる対応として、介護報酬の臨時改定も予定されております。 このため、県としては、今後、事業者に対して、今回の県予算も活用し、
介護職員の
処遇改善に継続的に取り組むよう、しっかり指導してまいります。 議員御指摘のとおり、今回の一連の取組の実施に当たっては、
介護保険制度が直接適用されない
養護老人ホームや
軽費老人ホームは対象外とされております。県としては、こうした対象外の施設においても継続的な賃上げが取り組まれるよう、今後、国への提言をはじめ、適切な処遇の在り方に係る必要な措置について早急に研究を進め、施設形態にかかわらず、介護の現場で働く方々に幅広く成長の果実が行き渡る環境づくりを推進してまいります。 一方、
介護職員の持続的な
処遇改善には、
介護保険料など一定の負担増が必要となることから、
介護保険料等が介護を必要とする方に必要なサービスとして効果的に活用されていると県民の皆様に御理解いただけるよう努めることが不可欠であると考えております。 しかし、最近、全国では、有料老人ホームや
サービス付き高齢者向け住宅などの住まいの場の提供とともに、訪問介護やデイサービスの過剰利用を
ケアプランに盛り込む囲い込み事案が確認されるなど、保険料を負担する皆様から不信感を抱かれかねない事態も生じております。 このため、県では、適切な
ケアプランの作成や点検を強力に進めていくことが重要であると認識し、市町村が行う
ケアプラン点検の場に主任ケアマネジャーをはじめとした専門家の派遣を行ってきたところです。 また、昨年十月には、国保連合会が有するビッグデータを活用した適正化システムの改修が完了したことから、国保連合会と連携したシステム活用に係る市町村研修会を開催したところであり、
ケアプランの適正化に向けた取組をさらに強化しております。 加えて、利用者の自立支援につながる
ケアプランの作成ができるよう、ケアマネジャーに対するフォローアップ研修を実施し、ケアマネジャーの資質向上を図ることにより、質の高いケアマネジメントの実現につなげてまいります。 今後とも、増加しつつある
介護保険料負担について、県民の皆様方に十分納得していただけるよう、不適切な
ケアプランの根絶に向けた取組と自立支援に向けた効果的な
ケアプラン作成への支援をしっかりと進めてまいります。 (
増富議員登壇)
◆一番(
増富義明君) それぞれ御答弁をいただきました。 引き続き、質問を続けてまいります。 次に、今後の観光振興についてお伺いいたしたいと思います。 長引く
新型コロナウイルス感染症の影響に伴いまして、人々のライフスタイルはもとより、旅行に対する意識も大きく変化しているものだと思います。例えば、安心・安全で開放感が得られるアウトドア体験や地域ならではの伝統文化の体験、それから地元産品を使った郷土料理を楽しむなど、その土地の自然環境や暮らし、交流等が重視されるというような傾向があるわけでございます。 ポストコロナにおいては、従来型の観光旅行から脱却し、こうした地域資源を観光分野に生かして地元経済の持続的な発展へとつなげる、いわゆるサステナブルな視点からの観光が期待されているということではないでしょうか。 本県は、自然や食をはじめ、世界に誇る伝統文化、農山漁村での生活体験など、県内全域にわたって豊かな地域資源に恵まれており、SDGs先進県として大きなポテンシャルを秘めておるわけでございます。 そこで、お伺いいたしたいと思います。 ぜひこのような徳島の強みを生かし、旅行者の新しいニーズをタイムリーに捉えた
本県ならではの新たな旅を展開していただきたいと思いますが、今後、大阪・関西万博やインバウンド回復を見据え、本県への観光誘客をどのように図っていくのか、お伺いいたしたいと思います。 次に、県立博物館の誘客促進についてお伺いさせていただきたいと思います。 昨年の六月議会におきまして、須見議員より、博物館のグランドオープンを契機に学びの場としての機能を今後どのように発展させていくのかとの質問をされたわけでございますが、私は、博物館がオープンしてからの状況、それからコロナ後を見据えた県立博物館の在り方について質問させていただきたいと思います。 これもこっそりですが、先日初めて、新しくなった博物館を訪問させていただきました。オープン以来六か月余りで、来館者は約四万人に迫ったそうです。 また、遠足、修学旅行での利用については、十二月末までに百四件、四千人を超える受入れがあったそうでございます。私の地元の西麻植小学校や高越小学校も来館したということでございます。 新展示では、徳島の自然、歴史、文化の実物資料の数々が、イラストそれから映像とともに分かりやすく解説されておりまして、さらに感心したのはタブレットを使った展示でありまして、恐竜が動いたり、
子供たちが楽しむ仕掛けが随所にありまして、至るところに楽しく学ぶ環境が整えられており、とてもいい場所だと思いました。 この新生博物館の楽しさをどんどんとPRし、コロナが収束した暁には、県内外からの遠足をはじめたくさんの方に来館していただき、徳島のすばらしさを知っていただく必要があると思います。また、大事なのは、何度でも足を運んでもらうために、さらなる工夫が必要であると考えるわけでございます。 そこで、お伺いさせていただきたいと思います。 博物館において今後どのような誘客促進を図るのか、お伺いさせていただきたいと思います。 最後に、飯尾川流域の治水対策についてお伺いさせていただきたいと思います。 近年、全国各地で水災害の激甚化、頻発化が顕著化しており、吉野川や那賀川などの大河川をはじめとして多くの河川を有する本県においても、いつ甚大な被害が発生してもおかしくない状況でございます。 私の地元吉野川市を流れる飯尾川を含む吉野川流域でも、戦後最大流量を観測いたしました平成十六年台風二十三号をはじめ、これまで幾度となく水害を経験しており、流域住民の安全・安心確保に向けて、治水対策、これは喫緊の最重要課題でございます。こうした中、堤防やダムなどの整備といった、行政が主体となり実施するこれまでの治水対策だけでは、大洪水に立ち向かうことには限界があるということが言えると思います。 一昨年、流域全体で水害に備える流域治水の考え方が国から打ち出されたわけでございます。吉野川水系においても、水害リスクを軽減するための対策を盛り込んだ流域治水プロジェクトを策定し、流域一体で対策に取り組んでおるわけでございます。 昨年の
一般質問でも求めました吉野川の支川飯尾川の治水対策についても、県による河道掘削や吉野川市による農業用ため池の活用がこの流域治水プロジェクトに盛り込まれておりまして、吉野川市におきましては、農業用ため池を管理する土地改良区等との協定締結を終え、ため池において事前放流等を実施し、洪水調節を行う仕組みを構築するなど、流域での取組が着実に進められてきておるわけでございます。 これまで浸水被害を度々受けてきた飯尾川において、被害の軽減を図るためには、流域全体で流域治水に一生懸命取り組むことが重要であると考えるわけでございます。 そこで、お伺いいたしたいと思います。 流域治水の考えの下、飯尾川流域での取組を今後どのように進めていくのか、お伺いいたしたいと思います。 それぞれ御答弁をいただきまして、まとめに入りたいと思います。 (
飯泉知事登壇)
◎知事(飯泉嘉門君) 大阪・関西万博やインバウンド回復を見据え、本県への観光誘客をどのように図っていくのか、御質問をいただいております。
コロナ禍により、旅行者の意識やスタイルが多様化する中、持続可能な観光、サステナブルツーリズムをはじめ、新たな旅への関心が高まっており、今後の誘客促進には、旅行トレンドを先取りした戦略的なプロモーションがまさに重要である、このように認識いたしております。 県ではこれまで、豊かな自然や食、伝統文化といった徳島ならではの魅力を生かした体験型観光にいち早く取り組み、旅行会社との商談会や観光キャンペーンを通じ、積極的なPRを行ってきているところであります。 こうした取組が国内外から注目され、昨年には、講談社「FRaU S-TRIP」創刊号におきまして、サステナブルを学ぶ「徳島」への旅をテーマに、SDGs先進県として走る徳島として、その魅力が、オール徳島を何と全編にわたり取り上げられたほか、世界的に著名な旅行ガイドブック「ロンリープラネット」において、二〇二二年にお薦め全世界の旅行先上位十地域に、日本で唯一四国が選定され、中でも、祖谷渓の自然美や上勝町の自然と共生したまちづくりが何と写真つきで大きく紹介されたところであります。 そこで、この機を捉え、これまでのオール徳島での取組をさらに進化させるべく、県内三圏域で活躍していただいているDMOをはじめ多様な事業者、団体、自治体などから成る徳島県DMO観光推進協議会を立ち上げ、観光誘客を強力に推進いたしてまいります。 とりわけ、戦略的なプロモーションにつなげるため、AIを活用したデジタルマーケティングにより、旅行者の嗜好や行動を収集分析し、新たなニーズに応える観光資源の創出、磨き上げを行うとともに、県内での周遊性や滞在性を高める徳島ならではのモデルルートの創出に取り組んでまいります。 また、国際観光の再開に向け、多言語でのSNS配信やホームページのリニューアルなど
情報発信の強化に取り組むとともに、インバウンド誘客が期待される大阪・関西万博をしっかりと見据え、四国、関西、瀬戸内と全国で唯一、三つのDMOに参画する徳島県の強みを生かした広域的なプロモーションを実施することにより、本県の魅力を国内外へ効果的に発信いたしてまいります。 来るべき
コロナ禍からの観光復活に向けまして、今後とも知恵と工夫を凝らした観光誘客を展開し、観光産業が本県経済をしっかりと牽引するリーディング産業となるよう、しっかりと取組を進めてまいります。 (上田
未来創生文化部長登壇)
◎
未来創生文化部長(上田輝明君) 博物館の誘客促進につきまして御質問いただいております。 五十五万点を超える豊富な実物資料を備え、四国唯一の総合博物館である徳島県立博物館は、このたび開園三十周年を迎えた文化の森総合公園の記念事業の総仕上げとして、これからの時代にふさわしい新しい博物館を目指し、常設展の全面リニューアルを行い、去る八月九日、グランドオープンいたしました。 新常設展は、「徳島まるづかみ!-“いのち”と“とき”のモノ語り-」をコンセプトとし、郷土徳島の自然、歴史、文化を余すことなく見て触れて感じることができる施設であり、
増富議員はじめ多くの
県議会議員の皆様にも御視察賜りますとともに、オープンから八月末までの十九日間の来場者数は前年同期の四倍となる一万三千八百四十九人に達するなど、大勢の皆様方にお楽しみいただいております。 とりわけ、タブレットやスマートフォンを活用したアプリ上に現れた扉から古墳の石室に入っていくVRドア、突然恐竜が現れるAR虫めがねなどは大変好評で、まさに新未来型博物館の醍醐味を実感していただいているところでございます。 今後、さらに博物館への誘客を進めるためには、議員御提案のとおり、来館者が訪れるたびに新たな興味関心を持っていただく展示を用意し、その満足度の向上を図る必要があります。 そこで、県といたしましては、博物館誘客強化事業として、好評いただいているVR技術を活用した新たなコンテンツの開発、新常設展のフレキシブルな展示機能を生かした各コレクションコーナーの定期的な展示替えを実施し、展示の充実を図るほか、最新の調査研究成果をいち早く展示や普及活動に反映し、来館者にアピールしてまいります。 また、県内外での知名度を高めるため、新常設展内に撮影スポットを増設し、来館者自らが博物館で体験した感動や驚きを積極的にSNSに発信できるよう取り組むとともに、ホームページの多言語化、読み上げ機能や閲覧機能の充実、県内各博物館の資料や遺跡等のデジタルデータを集めた仮想博物館の構築など、ウェブ上での
情報発信の強化に努めてまいります。 今後とも、博物館が、来館者にとって、本県の誇るたくさんのモノ語りを発見し楽しく学ぶ場となるよう進化し続けるとともに、まさに徳島を丸ごとつかむ文化観光拠点として、コロナ収束後のインバウンドの増加を見据え、新たな来館者、リピーターの獲得に努めるなど、国内外から教育旅行や団体旅行の旅のエントランスとなるよう積極的に取り組んでまいります。 (貫名
県土整備部長登壇)
◎
県土整備部長(貫名功二君) 飯尾川流域の取組についての御質問でございますが、近年、気候変動の影響に伴いまして、全国各地で水災害が頻発化、激甚化する中、これまでの河川整備に加え、国、流域自治体、企業、住民など、流域のあらゆる関係者が協働で水災害対策を進める流域治水の考え方は非常に重要であると認識しておりまして、昨年三月、国や関係市町などと共に、飯尾川を含む吉野川水系流域治水プロジェクトを策定し、流域全体で被害軽減に取り組んでいるところでございます。
議員お話しの飯野川流域におきまして、県では、洪水を安全に流すため、これまで進めてきた河川改修と併せ、飯尾川本川や放水路におきまして、約一万六千立方メートルの堆積土砂の撤去、また約二万五千平方メートルに及ぶ樹木の伐採を実施し、河道断面を確保するなど、即効性が高いハード対策に取り組んでいるところでございます。 また、洪水発生時の確実な避難行動を実現するため、支川渡内川合流付近での河川監視カメラ及び流域内四か所での危機管理型水位計の設置、新たな避難情報に対応した洪水タイムラインの改定など、防災情報の充実に取り組むソフト対策を着実に進めております。 二市一町にまたがり広範囲な流域を有する飯尾川におきましては、河川管理者によるハード対策を着実に進めることはもとより、浸水被害リスクの軽減や確実な避難行動の実現がより一層重要であることから、市街化調整区域の浸水ハザードエリアなどにおける開発許可の厳格化を進めるとともに、地元自治体との連携を強化し、家族や近隣の方々の防災行動を時系列に整理するファミリータイムラインの作成支援などに取り組んでまいります。 今後とも、飯尾川流域の皆様方に安全・安心を実感していただけるよう、流域一丸となって流域治水の取組を進めてまいります。 (
増富議員登壇)
◆一番(
増富義明君) それぞれ御答弁をいただきました。御答弁に対する私の意見を申し上げたいと思います。 まず、高校の活性化に向けた
総合寄宿舎の整備についてでありますが、
総合寄宿舎の増設につきましては、
新型コロナウイルス感染症対策を含めた生徒の受入体制の充実にしっかりと取り組んでいくとの御答弁をいただいたわけでございます。 少子化が進む地域におきまして、高校生の活躍は地域に大きな活力をもたらしますので、今後、高校を核とした地域活性化、それから新たな人流創出が進むことを御期待申し上げたいと思います。 とりわけ、この寄宿舎の件につきましては、地元議員であります井下議員に早くから、PTAそれから野球部、
ソフトボール部から相談がよくあったわけでございますが、よく一緒に教育委員会に説明をもらったというようなこともありました。ぜひとも
子供たちが安心して生活できる環境をつくってあげていただきたいと切に願うわけでございます。 次に、子供の貧困についてでありますが、子供の貧困と聞いてもなかなかぴんとこない人もたくさんいると思います。周囲を見ても、外国で見られるようなストリートチルドレンのような姿はどこにもございません。 日本での子供の貧困は、飢えや家がないといったことではなく、目に見えにくく気づきにくいという特徴があるということだと思います。子供の健康や食事はどうか、学習や進学状況、それから親の労働や経済状況など、こうしたことに対して包括的な対策と支援が必要になってくることだと思います。そのためには、やはり貧困の実態を細かく把握することが早道だと思いますし、
貧困対策のネットワークを構築することが大事なことだと思います。 ぜひ、御答弁にもありましたように、
ひとり親家庭への
支援制度や
相談窓口の周知強化というのは入り口の非常に大切なことでありますので、しっかりと進めていかなければならないことだと思います。次代を担う
子供たちが希望を持ち成長できる社会の実現に向け、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。 次に、
新規就農への支援については、担い手の育成や新たな労働力の確保について、副知事からしっかりとした御答弁をいただきました。 今回大幅に拡充させた国の制度を十分活用することで、若者の就農意欲を喚起し、
新規就農者の確保につなげることはもとより、定着に向けた機械、施設導入を支援することで、十年後そして二十年後、本県を支える中核的な農業者として活躍していることを御期待申し上げたいと思います。 私は、
新規就農は、定着させるためのフォローが大変重要なことだと思っております。今回の
新規就農者育成総合対策の活用だけではなく、県が補正予算として計上しておりますスマート農業導入支援事業などハード整備をうまく組み合わせていただきまして、就農直後の不安定な時期を支えることで、若い生産者が集い切磋琢磨する活気に満ちあふれた本県農業の未来をつくり上げていただきたいと思うわけでございます。 また、農業のシェアリングエコノミーに向けたモデルづくりやフレイル予防など、農業による健康増進効果を明らかにし、本県農業の発展につながることを大いに期待しておるわけでございます。 次に、
介護職員に係る
処遇改善と
介護給付費の適正化についてでございますが、まず、介護福祉の現場で働く人たちの
処遇改善は大変重要であります。
介護保険サービスの現場の
介護職員さんの待遇改善が支援補助金や加算という形で行われているのであれば、都道府県や市町村、管轄の福祉現場の
介護職員さんも当然、同等の待遇改善が行われるべきだと感じるわけであります。 ましてや、地方交付税措置が行われるのであれば、なおさらのことだと思います。どうかこの件についてはしっかりと事業を展開していただきますよう、よろしくお願い申し上げたいと思います。 有料老人ホームや
サービス付き高齢者向け住宅の入居者への過剰な
介護サービスについては、厳しい目を持って対応していただきたいと思います。
介護保険サービスは、自立支援のための制度でございます。利用者の希望ばかりを聞き入れる
介護サービスや、家賃を安くした分、
介護サービスを受けさせ、不正に介護報酬を受給しているといううわさも実はちょくちょく耳にいたすわけでございますが、
介護保険サービスでの不正は断じて許してはなりません。また、グレーゾーンの
介護サービスについてもしっかりと目を向け、適切な指導を随時お願いしたいと思います。 次に、今後の観光振興についてでございます。 やはりポストコロナの大きな柱であります大阪・関西万博の中で、徳島の魅力を大いにアピールしなくてはなりません。今回の議会でも、多くの理事者の御答弁でも、徳島の宝である人、物の仕掛けをつくり、大阪・関西万博でこれを積極的に発信していくとの御答弁がございました。万博に向けて、これはしっかりと準備を進めていただきたいと思います。 次に、県立博物館の誘客促進についてでございます。 博物館があらゆる世代の学びの起点となり、本県の豊かな自然、歴史、文化に対する興味関心をなお一層高めていただきますとともに、さらなる調査研究や資料収集を重ね、新たな発見や探究の成果を県民の宝として、展示や普及活動にこれをしっかりと反映していただきたいと思います。 コロナ後を見据え、インバウンドにもしっかりと目を向け、世界に誇るあわ文化の発信と交流人口の拡大に、博物館を通して積極的に取り組んでいただきたいと思います。 最後に、飯尾川流域の治水対策についてでございます。 御答弁にもあったと思いますが、これまで飯尾川については、堆積土砂の撤去や樹木の伐採等様々な事業を展開していただいているのは十分承知しておりますし、大変感謝もしております。しかし、取水堰撤去等、抜本的な対策にはなかなか至っておらず、飯尾川流域の住民にとりましては、台風や大雨ごとに不安な日々を過ごしている現実もあるわけでございます。 感情的なことも含めまして難しい局面も多々あるのは重々承知もしておりますが、園瀬川等の県内河川改修等においても、知事の強力なリーダーシップの下、手腕を発揮し、問題をどんどんと解決してきたことを踏まえ、飯尾川本流や放水路の進展も何とぞよろしくお願い申し上げたいと思います。 それともう一点は、問題解決のためには、流域自治体、それから県、それから国交省と、それぞれが同じ問題意識を持ち、協力しながら解決していくということが非常に大事なことだと思います。 昨年の十一月には、飯尾川の河川改修について、河川整備課、それから東部吉野川庁舎、それから吉野川市と三者が集い、現状説明を含めた勉強会に参加していただき、吉野川市としてもこれは大変喜んでおりました。その後、川田川についても、国交省を含めて県が積極的に参加していただいたと聞いております。 この飯尾川の洪水との闘いは歴史があります。一朝一夕に解決ができないのは重々理解しておりますが、周辺自治体とはしっかりとチャンネルを持ち続け、協力していただけますよう、よろしくお願い申し上げたいと思います。 時間も五分ということで少し余ったんですが、理事者の皆様方につきましては終始熱心な御答弁をしていただきまして、誠にありがとうございました。これからも引き続き、県勢発展のため最大限の努力をしていただきますよう、よろしくお願い申し上げたいと思います。 私自身も、常に初心を忘れず、精いっぱい任期を全うしたいと思いますので、どうか今後とも御指導、御鞭撻のほど賜りますように何とぞよろしくお願い申し上げまして、私の全ての質問を終わりたいと思います。御清聴ありがとうございました。(拍手) ────────────────────────
○議長(岩丸正史君) 議事の都合により、休憩いたします。 午前十時五十八分休憩 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 午前十一時二十一分開議 出席議員計三十五名 (その番号・氏名左のとおりである) 一 番 増 富 義 明 君 三 番 井 下 泰 憲 君 四 番 福 山 博 史 君 五 番 梶 原 一 哉 君 六 番 浪 越 憲 一 君 七 番 仁 木 啓 人 君 八 番 東 条 恭 子 君 九 番 原 徹 臣 君 十 番 北 島 一 人 君 十一 番 大 塚 明 廣 君 十二 番 山 西 国 朗 君 十三 番 岩 佐 義 弘 君 十四 番 古 川 広 志 君 十五 番 須 見 一 仁 君 十六 番 長 池 文 武 君 十七 番 吉 田 益 子 君 十八 番 井 川 龍 二 君 十九 番 元 木 章 生 君 二十 番 岡 田 理 絵 君 二十一番 南 恒 生 君 二十二番 岩 丸 正 史 君 二十三番 岡 佑 樹 君 二十四番 黒 崎 章 君 二十五番 扶 川 敦 君 二十六番 達 田 良 子 君 二十七番 寺 井 正 邇 君 二十八番 喜 多 宏 思 君 二十九番 重 清 佳 之 君 三十 番 嘉 見 博 之 君 三十一番 岡 本 富 治 君 三十二番 杉 本 直 樹 君 三十三番 西 沢 貴 朗 君 三十四番 臼 木 春 夫 君 三十五番 庄 野 昌 彦 君 三十六番 山 田 豊 君 ────────────────────────
○議長(岩丸正史君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 二十三番・岡佑樹君。 (岡議員登壇)
◆二十三番(岡佑樹君) おはようございます。無所属の岡佑樹でございます。 まず、コロナウイルス対応に日々取り組んでいただいている全ての方々に心より感謝申し上げたいと思います。 今回は、特に関心を持っている三点に質問をまとめさせていただいて、コンパクトにさせていただきました。最終日の最後ということで、お疲れのところもあると思いますが、御協力また御清聴のほどよろしくお願いしたいと思います。理事者の皆様には、明確な答弁を求めておきます。 それでは、質問に入ります。 最初に、SNS等によるインターネット上での誹謗中傷についてお伺いいたします。 スマートフォンの普及や通信環境の発達などにより、インターネットは我々の生活になくてはならない重要なインフラの一つとなりました。 スマートフォン一つあれば何でも容易にできる時代です。中でも、動画再生サイトやSNSは、若者のみならず幅広い年齢層で利用が広がっており、経済活動や
情報発信のツールとして定着しています。 こうしたネット社会の発展の一方で、SNS等によるいじめや誹謗中傷が大きな社会問題となっています。 バラエティー番組の出演者が、多数の人間による心ない誹謗中傷により自らの命を絶ってしまった事件は、まだ記憶に新しいところではないかと思います。この事件のほかにも、芸能人やジャーナリストをはじめ著名人に対する誹謗中傷はもとより、一般の方がターゲットになる事例も後を絶ちません。 ネット上の誹謗中傷は、匿名性の高さゆえに表現が過激化する傾向が多く、不特定多数の利用者が閲覧、同調していくことにより、爆発的な拡散をする危険性があります。また、その発信者の特定には、裁判所での煩雑な手続に加え、プロバイダーの利用者情報が一定期間経過すると消去されるという障壁もあり、極めてハードルが高いものとなっております。 こうした状況を踏まえ、先般、いわゆる改正プロバイダ責任制限法が施行されるとともに、現在、政府において、刑法の侮辱罪の厳罰化に向けた準備が進められていると聞いております。 現行の刑法に規定されている侮辱罪の法定刑は、拘留または科料と、刑法の中で最も軽いものとなっています。先述したバラエティー番組出演者の方への誹謗中傷では、投稿者として特定された者に刑事的責任が追及されましたが、科せられた処分は科料九千円の略式命令。あまりにも軽過ぎる処分ではないでしょうか。ネット上の誹謗中傷の現状を鑑みるに、一刻も早い厳罰化が求められるところであると考えています。 また、このような事案を警察に相談に行っても、なかなか動いてもらえないというような声も耳にしております。 ネット社会はますます劇的に発展し、それに伴い、今までにない様々な問題が出現してくるということは容易に想像がつきます。全ての人が安全で安心して利用できるネット社会の環境づくりが必要であると考えております。 とりわけ、ネット上での誹謗中傷に対しては、利用者のモラル向上はもとより、法改正をはじめとするルールづくり、SNS事業者による対策、そして捜査機関である警察が厳正な取締りを行い、警鐘を鳴らすことが、非常に重要なことであると考えております。 そこで、
警察本部長にお伺いいたします。 SNS等を利用したネット上での誹謗中傷に対して、県警察としてどのような姿勢で取り組んでいくのか、御所見をお伺いいたします。 (小澤
警察本部長登壇)
◎
警察本部長(小澤孝文君) ネット上の誹謗中傷に対してどのような姿勢で取り組んでいくのかとの御質問がございました。 スマートフォンの普及等、近年のインターネット利用の拡大に伴い、今やサイバー空間は、多くの県民が参画する重要な社会経済活動を営む場となっております。 その一方で、議員御指摘の、SNS等により個人等を誹謗中傷する投稿については、どこにいても匿名で容易に投稿ができることから、県内でも発生が見られるところです。 昨年、SNS等による誹謗中傷等に関し県警察に寄せられた相談は六十六件であり、その中には、名誉毀損等の犯罪に至る悪質なケースも見られ、こうしたケースは、被害の届出を得て、必要な捜査を実施しているところでございます。また、事件化に至らない場合でも、被害者等に対して、掲示板の管理者等に対する削除依頼の方法や相談機関を教示するなどして、不安の解消に努めているところです。 しかし、SNS上で行われる不特定多数の書き込みの投稿者の特定に当たっては、海外サーバーの利用や接続履歴の保管期限の問題等から、その特定や捜査が困難となる場合も多いところです。また、これらの事案への対処については、捜査のみならず、利用者のネットリテラシーの向上のための広報啓発も重要であると認識しております。 県警察といたしましては、ネット上の誹謗中傷事案に対し、事案認知時の必要な捜査とともに、関係機関と連携した広報啓発を強化する等、所要の対策を講じてまいります。 (岡議員登壇)
◆二十三番(岡佑樹君) 御答弁をいただきました。 本当にたくさんの方々がこのインターネット上での誹謗中傷というものに苦しんでおられます。先ほど、相談件数六十六件と御答弁いただきましたけども、容易に想像できることと思いますが、もっとたくさんの方々、相談にも行けない、諦めてしまっているという方々がたくさんいらっしゃいます。 表現の自由というものが大事だということは十分に承知しておりますが、度を超えた汚い言葉での罵りや、相手をあざけり、それに同調し、同じようにここでは表現できないような言葉で相手をおとしめる状況を見るにつけ、明らかに表現の自由という範囲を逸脱していると考えています。 質問中に例示した事件の加害者たちは、事が大きくなるとその投稿を削除し、決まって言うのは、そんなつもりではなかった。他の事例でも、人の命が奪われることはなくとも、心に大きな傷を負い、通常の社会生活が営めない状態に陥ってしまっている方はたくさんいらっしゃいます。 自由を重視するインターネット文化であっても、これだけ社会に与える影響が大きくなっているのであれば、一定の規制が必要であることは当然であると考えています。 また、相手をおとしめるために虚偽の情報を投稿する事例も多数見受けられます。自分自身で真偽の確認をすることもせず、あたかもそれが真実であるかのように、耳にしただけ、別の方の投稿を見ただけで、うその情報を平気で書き込む。また、うそであると分かっていながら投稿する。そのような発信された情報を、意図的に、相手をさらにおとしめるために拡散している方々もいらっしゃいます。あまりにも無責任であり、軽率、思慮の足りない行動であると言わざるを得ません。 こういった投稿は、侮蔑的、挑発的な言葉が非常に多く、見るに堪えない投稿が多いことも特徴的です。このような行為は非常に悪質であり、誹謗中傷などという軽いものでは済まされることではなく、明らかな犯罪行為であると考えます。 問題になれば投稿を消せばいい、ばれたら謝れば大丈夫だろう、ばれたところで大した罪には問われないだろうという安易な考えの下で発信された投稿によって、会社が倒産し、人の命や尊厳が奪われるということが十分に起こり得る、実際にそのような状況が生まれてしまっているということを、現在そのような行為をしている人たちには、いま一度よく考え、猛省を願いたいと思います。 幼少期からのインターネットリテラシー教育が必要不可欠であることは当然でありますが、今現在起こっている事案にもしっかりと対応していかなければなりません。県警察においては、より一層の積極的な取組をしていただくように強く要望いたしておきたいと思います。 それでは次に、伝統産業の振興についてお伺いいたします。 我が県には、今までにも質問で取り上げてきた阿波藍はじめ、阿波正藍しじら織、大谷焼、阿波和紙、さらには優れた木工技術により生み出される鏡台や遊山箱に代表される木工製品など、他に誇れる伝統産業が数多くあります。 しかし、これらをはじめとする伝統工芸品は、海外製品や規格化され大量生産された安価な商品に取って代わられるとともに、職人の高齢化や後継者不足により、伝統技術や技法の継承が困難になってきています。 さらに、
コロナ禍による売上げの減少もあり、今後の状況次第では、事業者が廃業に追い込まれてしまうという懸念も大きくなってきています。このままでは徳島の誇る伝統産業が失われてしまうのではないかということを大変強く危惧しております。 時代の趨勢と言ってしまえばそれまでなんでしょうが、伝統産業は、今日まで徳島の経済を支え、徳島の基礎をつくってきた重要な産業であるとともに、歴史と伝統ある魅力あるコンテンツであると考えています。また、地域の暮らしにしっかりと根づき、県民のアイデンティティーの一角をなす非常に大切なものであります。自然な流れによる衰退を待つのではなく、将来をしっかりと見据えて、今こそ伝統産業の復興を進めていくべきと考えています。 他県での事例にはなりますが、赤青白三色のブランドロゴでおなじみの今治タオル、かつて今治は日本有数のタオル産地として栄えましたが、バブル崩壊や海外製品に追いやられ、壊滅的なダメージを受けたそうです。しかし、関係者は諦めることなく、今治タオルプロジェクトを立ち上げ、戦略的なプロモーションに全力を挙げて取り組み、皆様方も御存じのとおり見事な復活を成し遂げてまいりました。今では、高品質なタオルの代名詞的な存在として、全国に名の知れたブランドとしての地位を築き上げてきました。 昨日、報道されておりましたが、県内の業界においても、伝統産業の復興に向けて、異業種の民間団体が集まり、新たな団体を設立という動きがあるということをお聞きしております。 まだ時期ははっきりしませんが、コロナ収束後のポストコロナにおいて、政府観光局は、インバウンドは元の水準以上に回復していくとの分析をしており、クールジャパン戦略による販路拡大の可能性も十分に期待できるのではないかと考えています。 また、我が国においても、
コロナ禍による生活様式や価値観の変容がある中で、本質を求め、伝統工芸品にも関心が高まってくる可能性もあるのではないかと期待しております。 そこで、お伺いいたします。 県においても、意欲ある民間の動きに応えるべく、伝統産業の復興、振興に向けて積極的に取り組んでいくべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。 (
飯泉知事登壇)
◎知事(飯泉嘉門君) 岡議員の御質問にお答えさせていただきます。 伝統産業の振興に向けて積極的に取り組むべきとの御提言をいただいております。 阿波藍はじめ、本県が誇る優れた伝統産業は、地域資源や伝統技術を背景に、長い歴史や風土の中で成長し、主力産業として多くの富を創出するとともに、県民生活に豊かさと潤いを与え、地域経済の発展に大きく貢献いたしてまいりました。 現在、本県には様々な伝統産業が息づいており、阿波正藍しじら織、大谷焼、阿波和紙の三品目が国の伝統的工芸品の指定を受けるとともに、長期間にわたり郷土で育み受け継がれてまいりました藍染め製品、鏡台、唐木仏壇など十五品目を徳島県伝統的特産品として指定し、地場産品の育成を図ってきているところであります。 また、県におきましては、伝統産業の振興を図るため、関係団体が取り組む伝統技術や製品の
情報発信、見本市や商談会への参加、セミナーや講習会の開催などに対し、様々な支援を行っているところであります。 一方、伝統産業を取り巻く環境は、生活様式の変化による需要の低迷、人口減少や高齢化による担い手不足などの課題に加え、
コロナ禍により売上げが減少し、大変厳しい状況に直面しているものと、このように認識いたしているところであります。 こうした中、業界団体におかれましては、業種の枠組みを超えて連携し、本県の伝統産業の振興を図る新たな団体を、議員からもお話がありましたように、三月中に設立すべく尽力されていると、このようにお伺いしているところであります。 そこで、県では、業界団体の動きに呼応する形で、県物産協会をはじめ関係機関との連携をしっかりと図りながら、全国規模の見本市への共同出展、時代や若者のニーズを捉えたコラボ商品の開発、海外の新市場をターゲットとした販路の開拓など、創意工夫を凝らした取組を促進することによりまして、ポストコロナ新時代における経済復興の潮流にしっかりと乗り、本県の伝統産業が全国から注目されるとくしまブランドとしてその地位をより一層高めることができるよう、しっかりとサポートいたしてまいります。 今後とも、何としても伝統産業を守り抜いていくとの強い気概の下、伝統産業の継承、発展に全力を傾注してまいります。 (岡議員登壇)
(紹介議員氏名)提出者
住所氏名17令和4.
2.9『最低賃金の改善と中小企業支援の拡充を求める意見書の採択を求める請願』
最低賃金を抜本的に引き上げ,地域間格差をなくし,中小企業支援策の拡充を実現するため,次の事項を求める意見書を国に提出願いたい。
① 政府は,労働者の生活を支えるため,最低賃金1,500円以上を目指すこと。
② 政府は,最低賃金法を全国一律最低賃金制度に改正すること。
③ 政府は,最低賃金の引上げができ,経営が継続できるように,中小企業への支援策を最大限拡充し,国民の生命と暮らしを守ること。
(山田 豊 達田良子 扶川 敦)徳島県労働組合
総連合
議長
山本 正美...