ツイート シェア
  1. 徳島県議会 2020-09-01
    09月17日-03号


    取得元: 徳島県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-01-04
    令和 2年 9月定例会   令和二年九月徳島県議会定例会会議録(第三号) 令和二年九月十七日    午前十時二分開議      出席議員計三十七名          (その番号・氏名左のとおりである)     一  番     増  富  義  明 君     二  番     立  川  了  大 君     三  番     井  下  泰  憲 君     四  番     福  山  博  史 君     五  番     原     徹  臣 君     六  番     北  島  一  人 君     七  番     梶  原  一  哉 君     八  番     仁  木  啓  人 君     九  番     東  条  恭  子 君     十  番     浪  越  憲  一 君     十一 番     大  塚  明  廣 君     十二 番     山  西  国  朗 君     十三 番     岩  佐  義  弘 君     十四 番     須  見  一  仁 君     十五 番     井  川  龍  二 君     十六 番     古  川  広  志 君     十七 番     高  井  美  穂 君     十八 番     長  池  文  武 君     十九 番     吉  田  益  子 君     二十 番     岡     佑  樹 君     二十一番     元  木  章  生 君     二十二番     岡  田  理  絵 君     二十三番     南     恒  生 君     二十四番     岩  丸  正  史 君     二十五番     寺  井  正  邇 君     二十六番     黒  崎     章 君     二十七番     扶  川     敦 君     二十八番     達  田  良  子 君     二十九番     喜  多  宏  思 君     三十 番     重  清  佳  之 君     三十一番     嘉  見  博  之 君     三十二番     岡  本  富  治 君     三十三番     杉  本  直  樹 君     三十四番     西  沢  貴  朗 君     三十五番     臼  木  春  夫 君     三十六番     庄  野  昌  彦 君     三十七番     山  田     豊 君   ────────────────────────  出席職員職氏名     事務局長     秋  川  正  年 君     次長       和  田  茂  久 君     議事課長     大  屋  英  一 君     政策調査課長   佐  金  由  美 君     議事課副課長   高  杉  康  代 君     政策調査課副課長 日  下  栄  二 君     議事課課長補佐  新 居 崎  美  鈴 君     議事課主査兼係長 谷  本  か ほ り 君     議事課主査兼係長 一  宮  ル  ミ 君     議事課係長    幸  田  俊  樹 君     議事課主任    小  泉  尚  美 君   ────────────────────────  列席者職氏名     知事       飯  泉  嘉  門 君     副知事      後 藤 田     博 君     副知事      福  井  廣  祐 君     政策監      瀬  尾     守 君     企業局長     市  原  俊  明 君     病院事業管理者  香  川     征 君     政策監補兼政策創造部長              北  川  政  宏 君     危機管理環境部長 志  田  敏  郎 君     経営戦略部長   板  東  安  彦 君     未来創生文化部長 上  田  輝  明 君     保健福祉部長   仁 井 谷  興  史 君     商工労働観光部長 黒  下  耕  司 君     農林水産部長   松  本     勉 君     県土整備部長   貫  名  功  二 君     会計管理者    近  藤  理  恵 君     病院局長     梅  田  尚  志 君     財政課長     岡     航  平 君     財政課副課長   藤  坂  仁  貴 君   ────────────────────────     教育長      榊     浩  一 君   ────────────────────────     人事委員長    祖  川  康  子 君     人事委員会事務局長桑  原  孝  司 君   ────────────────────────     公安委員長    森     秀  司 君     警察本部長    小  澤  孝  文 君   ────────────────────────     代表監査委員   近  藤  光  男 君     監査事務局長   三  好  誠  治 君   ────────────────────────  議 事 日 程   第三号 令和二年九月十七日(木曜日)午前十時開議 第一 県政に対する一般質問         (三   名)   ──────────────────────── ○議長(寺井正邇君) これより本日の会議を開きます。   ──────────────────────── ○議長(寺井正邇君) 直ちに本日の日程に入ります。 日程第一、「県政に対する一般質問」を前回に継続して行います。 三番・井下泰憲君。   (井下議員登壇) ◆三番(井下泰憲君) おはようございます。徳島県議会自由民主党の井下泰憲でございます。新型コロナウイルス感染症対策に日頃より自らの感染リスクも顧みず、最前線で向き合われている医療従事者の皆様、また関係部局の皆様に心より感謝を申し上げます。また、県民の皆様におかれましても、感染拡大予防や新しい生活様式への御理解と御協力に心より感謝申し上げます。 PCR陽性者数も全国で七万人を超え、多くのデータからコロナウイルスの正体が徐々に明らかになってきているところでございます。昨夜の菅総理の会見においても、めり張りの利いた対策を行い、社会活動との両立を目指すとの発言もございました。経済活動の維持と感染症対策は表裏一体であり、現段階ではどちらかを優先するのは難しい中で行政や政治には文明的で冷静な判断が求められていると思います。 今回の質問は、ウイズコロナアフターコロナの時代にどのような政策を考え、ピンチをチャンスにする、また観光や飲食業を中心にまだまだ不安を抱えていらっしゃる県民の皆様に寄り添い、少しでも安心していただけるよう心がけた質問にしてまいりますので、理事者の皆様におかれましても、前向きで分かりやすい御答弁をよろしくお願いいたします。 それでは、質問に移ります。 本年度、地方創生対策特別委員会委員長を拝命させていただいております。そこで、徳島県における地方創生について、アフターコロナを見据えてどのように対応されるのかを念頭に幾つか御質問させていただきます。 まず、とくしま回帰の推進についてです。 コロナ禍を受けてリモートワークが日常となるなど、都会で暮らす方の価値観が大きく変化したと言われており、知事も全国知事会長としてこうした機運を真っ先に察知され、六月の全国知事会議では、分散型国土を求める提言を取りまとめたところであります。実際、知事が言うように、各種アンケートでは、二十代の三六・一%の方が地方での転職を希望されるとともに、退学を検討する大学生が二割を超えており、また立命館大学の調査でも、二五%の学生が退学を検討されるなど、若者を中心に都会暮らしを捨てて地方への回帰、ふるさと回帰の志向が高まる状況となっております。 私の地元三好市では、これまでも都市部から多くの方が移り住んできておりますが、この動きにもますます拍車がかかるのではないかと思います。 こうした流れを受けて、県ではさきの議会で県外の大学をやめ、県内の大学への転入学や就職される方へのリスタート支援金の創設をはじめ、県内での就職、創業の相談や助成制度を用意するなど、移住を徳島での暮らしのリスタートの機会として、様々な支援策が講じられているところでございます。 さきの議会で我が会派の嘉見議員の質問に対して知事は、このリスタートをさらに加速するため、若手職員を中心としたタスクフォースを立ち上げるとともに、特に暮らしのリスタートに加えて、空き家をリノベーションすることで建物もリスタートし、住居やオフィスといった地方移住の受皿としていくとのまさに一石二鳥となる方向性が示されたように思います。この方向性に沿って現在の地方回帰の機運を逃さず、スピード感を持って取り組んでいく必要があると思います。 そこで、お伺いします。 とくしま回帰の推進に空き家をはじめとしたリタイアインフラをどう活用していくのか、御所見をお伺いいたします。 次に、そのリタイアインフラを活用した移住促進についてです。 東京でも徳島でも、どこにいても仕事ができることに多くの方が気づいた今、移住者の住まいやオフィスの場所をしっかり確保し、いかに提供していくかという点も重要なポイントとなってきます。県内を見渡せば、人口減少のあおりを受けて多数の空き家が存在しています。さきの二月議会における私の質問に対する県土整備部長の答弁では、こうした地域に眠るリタイアインフラである空き家の有効活用を推進していくとの方向性が示されたところですが、私はコロナ禍の今こそ都市部からの移住を受皿とできる空き家を実際に利用できる状態に改修するなど、リタイアインフラの活用について、さらに踏み込んで推進していくことが必要であると考えています。 そこで、お伺いいたします。 コロナ禍においてリタイアインフラを改修することによる都市部からの移住の受皿づくりについてどのように取り組むのか、御所見をお伺いいたします。 次に、その移住や企業誘致の強みになり得る5Gの普及と、さらにその次世代を見据えた取組についてお伺いします。 5Gは、三月にようやく商用利用が始まり、次第に普及が進むものと思われます。本県では、今年一月から二月に海部病院と中央病院などをつないで実証実験が行われた遠隔医療や、私の地元祖谷で行われた無人運転の実験など、5Gを見据えた先進的な活用に取り組まれているところであります。 一方、世界に目を向けると、ICTへの投資、ブロードバンド整備や人材育成、技術開発などにおいて、日本はアメリカや中国の後塵を拝しております。新しい政権の下、デジタル庁創設の機運も高まってきております。今後、世界に勝つためには、国として何をなすべきかが重要ではございますが、地方の代表として前々からブロードバンド環境で売ってきた徳島として何かを仕掛けていく必要があるのではと考えています。 また、こういった5G環境の強みは、移住のきっかけや企業誘致の強みになることは間違いありません。そうなれば、災害対策やブロードバンド環境の安全性が今よりもっと求められてくると思います。私も総務省が予算づけしているIXの導入など、本県としてなし得ることを勉強しているところではありますが、そこでお伺いいたします。 5Gでは、諸外国にリードを許した日本が巻き返しを図るには、5Gの普及と、さらにその次世代を見据えることが重要と考えますが、本県としてどのように取り組んでいかれるのか、御所見をお伺いいたします。 御答弁いただき、質問を続けてまいります。   (飯泉知事登壇) ◎知事(飯泉嘉門君) 井下議員の御質問に順次お答えさせていただきます。 まず、とくしま回帰の推進にリタイアインフラをどう活用していくのかであります。 地方回帰を加速し、人の流れを呼び込むためには、移住者のお住まいやワークスペースなど、魅力あふれる受皿をいかに提供できるかが重要な鍵となるところであります。 本県では、県内に点在する空き家をはじめとしたリタイアインフラを負の遺産ではなく、地域に眠る資源として捉え、例えば県西部では築百二十年の老舗旅館をサテライトオフィスに、また廃校となった校舎をカフェや宿泊施設にするなど、全く異なる形へのリニューアルを支援してきたところであります。 議員からもお話がありましたように、コロナ禍によりまして価値観が大きく、特に若い世代の皆さん方に変容し、地方回帰の機運が高まる今、移住希望者のスタイル、ニーズを捉えた新たなスタイルへの再生についてさらなる加速化を図る必要があります。 県におきましては、これまで歳出の中から歳入を生み出すとの理念の下、役割を終えた水産、果樹両研究施設をミナミマリンラボやかんきつテラス徳島として地域のニーズを先取りする形で人を呼び込み、新たな仕事を生み出す地方創生の拠点として再生してきたところであります。 また、さきの六月定例県議会の御論議を受け創設いたしましたとくしまリスタート戦略タスクフォースに建築や不動産の専門家を加え、地域や移住に対するトレンドをしっかりと分析することによりまして、移住者ニーズを先取りしたリタイアインフラの利活用に係る実践型の調査研究を行うことといたしたところであります。 さらに、この調査結果を発展させ、空き家などのリノベーション手法だけではなく、具体的な暮らし方のプランを全国公募する「いいね!とくしま暮らしアイデアコンテスト」を開催するとともに、集まったプランをカタログ化し、移住を考える皆様方の胸に刺さるとくしま暮らしの未来像として提案させていただきたいと考えております。 本カタログを通じまして、とくしま暮らしの魅力を全国に向けて発信するとともに、本県を選んでいただいた方を市町村や関係機関とも連携の上、その夢の具現化に向けまして支援することにより、とくしま暮らしのモデルを構築してまいりたいと考えております。 今後とも限られた資源を創意工夫によりリスタートさせることで、ウイズコロナ時代に求められる新しい価値観の中で、人の流れを呼び込むとくしま回帰の実現にしっかりと結びつけてまいりたいと考えております。 次に、5Gの普及、さらには次の世代、Beyond 5Gを見据え、県としてどのように取り組んでいくのか、御質問をいただいております。 本年三月から商用サービスが開始された第五世代移動通信システム5Gは、デジタル化により様々な社会課題の解決を図るSociety5・0の実装において、重要な基幹インフラとなるものであります。 そこで、全国屈指の光ブロードバンド環境を有する本県では、その大きなアドバンテージを生かし、本年一月から二月にかけ、議員から御紹介をいただきました県立中央病院県立海部病院を5Gで結んだ日本初4K動画での遠隔医療の実証実験、本年三月三十日の都道府県初となるローカル5G用無線局の予備免許の取得など、5Gの積極的な利活用を推進いたしているところであります。 議員からもお話しのとおり、5G、諸外国にリードを許した日本が今なすべきことを考えるに当たり、5Gの次世代を見据える視点が極めて重要であり、先端技術で世界に日本の存在感--プレゼンスを再び示すためには、地域における早急な5Gの普及と国における挑戦的な戦略を両輪といたしまして、社会全体のDX、デジタル化を加速することが不可欠となるものであります。 そこで、本県におきましては、デジタルとくしま推進プランを今年中に策定し、デジタルで全てがつながる社会への転換を図り、Society5・0を通じて、安全で安心、そして豊かさを実感できる地域を創造するとの基本理念の下、遠隔医療の実装やローカル5Gの本格運用はもとよりのこと、eスポーツによるにぎわいと交流機会の創出、お話のあった自動運転の実用化に向けた取組、4KVRカメラによるイベントのライブ配信など、5Gを活用した未来志向の取組を最大限盛り込み、重点的に推進いたしてまいります。 一方、国に対しましては、5Gの次の世代の通信インフラ、いわゆるBeyond 5G、これは6G、シックスジェネシスに対するものでありまして、Beyond 5G推進戦略懇談会に私もメンバーとして参画させていただいておりまして、その会議の場で日本が世界一を再び取り返すためには、全ての技術の完成を待ってフルスペックでBeyond 5Gに移行するのではなく、大阪・関西万博が開催される二〇二五年までに日本の得意分野を徹底的に伸ばし、その時点で実現できるものや我が国の強みと言える技術をまずは実装して、世界へ広めていく必要がある、このように提言いたしたところであります。 これを受け、大阪・関西万博をマイルストーンとして、五年間の集中的な取組の成果を世界に示すことがBeyond 5G推進戦略に明記され、我が国が一丸となって進むべき道が示されたところであり、そして整ったところでもあるわけであります。これをBeyond 5G ready、このように呼んでおります。 今後とも国としっかりとスクラムを組み、日本が再び世界最先端の地位を奪取するとの強い気概を持ち、課題解決先進県である徳島でこそなし得る5G、Beyond 5G利活用モデルの創出に全力で取り組んでまいる所存であります。   〔山西議員退席、出席議員計三十六名となる〕   (貫名県土整備部長登壇) ◎県土整備部長(貫名功二君) リタイアインフラ改修による都市部からの移住の受皿づくりに関しての御質問でございますが、とくしま回帰の流れを加速し、新しい人の流れを創出するためには、貴重な地域資源である空き家をより一層活用していくことが大変重要であると認識しております。 本県におきましては、これまで市町村と連携し、古民家や廃校を地域交流の拠点施設とする改修をはじめ、移住者や観光客を迎え入れるための空き家活用を支援してきたところでございます。 議員お話しのとおり、リタイアインフラを活用したコロナ禍における移住の受皿づくりは有効な施策であり、今年度創設したSociety5・0対応型耐震リフォーム支援事業では、宅配ボックスをはじめ、人と人との接触機会を減らす改修工事も支援対象としていることから、今後は、本事業を新しい生活様式に対応したリフォームを通じて移住者にとっての安全・安心を実現する事業としても広く周知することといたします。 また、「とくしま・移住・DIY」空き家利活用促進事業は、実際のDIY体験を通じ、空き家活用に向けたきっかけを広く提供するものとして昨年度も好評を博した取組であり、今年度も引き続き移住の側面支援として県民の間でも移住を受け入れやすい環境づくりの機運の醸成を図ってまいります。 さらに、コロナ禍におけるテレワークの増加に伴い、地方移住へのニーズが高まっている現状を絶好の機会と捉え、住生活の向上に関する方針を示すとくしま住生活未来創造計画の改定に向け、空き家を活用した移住の促進施策について今年度から議論を進めることといたします。 今後とも、働く場所にとらわれず、住む場所を自由に選択できる新しいライフスタイルであるリビングシフトによる地方創生の実現に向け、リタイアインフラである空き家を活用した取組をしっかりと推進してまいります。   〔山西議員出席、出席議員計三十七名となる〕   (井下議員登壇) ◆三番(井下泰憲君) それぞれ御答弁をいただきました。 私は地方創生の柱は、最初から今も変わらず「まち・ひと・しごと」であると確信しております。コロナ禍においてリモートワークテレワークがこれまで以上に当たり前の社会となりました。それにより二拠点居住やコワーキングなどが当たり前となり、これまでの通勤の概念も変化しつつあります。しかし、場合によっては変化することで、残念ながらこれまで培ってきたものやつくり上げたものは、新しい価値観の社会の中では意味をなさない可能性や必要とされない可能性は十分に考えられます。しかし、これは、テクノロジーを活用しつつ、人間を中心に地域を再設計し、あらゆる物事を根本的に変えていくというデジタルトランスフォーメーションの本質であり、過疎化から得たチャンスなのです。古い物を捨てるには勇気が要ります。しかも、本気で地域を変えるには行政だけでなく、地域の企業、金融機関、また大学などが一斉に足並みをそろえて連動していかなければ、新しい地域経済のシステムを構築することや機能させることはできません。 社会変動による転出は必ず減らすことができます。個人の意識や価値観のトランスフォーメーションが活性化している今しかできない徳島ならではの回帰戦略に、スピード感を持って挑んでいただきたいと思います。 また先日、大手人材派遣会社パソナの淡路島への大規模な移転も話題になりました。これからはサテライトオフィスだけでなく、どっしりと地方に腰を据えてくださる本社移転の誘致を本気で行っていく必要があると考えます。 また、人の移住についても、法人から個人へと働き方や仕事の価値観が重視されていく中で、新しい価値観や先進的技術を取り入れた徳島におけるアーバントランスフォーメーションの実現こそが、企業や個人の徳島に移転、移住する理由になると考えます。そのためには、県有地を活用し、新しいビジネスの創出や移住などを経営的視点に立ってより有効に活用していくことと、先ほどお話しした5G環境やコワーキングスペース、シェアオフィスなど、しっかりと民間ニーズに合わせ、民間を強力にサポートしていくというソフトとハードの両方を用意していく必要があります。 あわせて、居住者のデメリットの一つは、人材不足なのに教育や研修の機会が少ないことが挙げられます。これからは地域の強みや未来をしっかりと意識して足りないものを創出していかなければなりません。ぜひ新しい箱をつくる際には、こうした人材育成や教育などの機会になるものも取り入れてほしいと思います。そして、スケールメリットを感じるものをつくってください。 いずれにせよ、まちの形をつくるには時間がかかります。だからこそ、ほかの地域をリードするためにも、その実現に向けて遅れることなく挑んでいただきたいと思います。 それでは、次の質問に移ります。 通学時におけるJRの三密対策についてです。 ウイズコロナ時代において、JRやバスといった公共交通機関をどのように安心・安全な環境の下で活用していくかは、徳島はもとより、全国的なテーマとなっております。中でも高校生にとっては、登下校時になくてはならない交通手段がJRやバスであり、利用時における生徒や保護者の感染に対する日常的な不安感をいかに払拭できるかが重要な課題でもあります。 こうした状況の下、去る六月、JRを利用して通学している県立学校生の列車内における三密対策として、貸切りバスの運行にスピード感を持って対応すべきと申し上げたところ、県教育委員会において迅速に対応いただき、七月下旬から現在も県内四区間において運行中と把握しております。また、この運行は十月末までの期間限定の臨時的なものとのことでありましたが、九月補正予算案に当該事業が計上されているように、二月末までの継続も議論されているところでございます。私もこの運行は継続すべきと考えており、四区間での運行継続と混雑時の実態に応じた新たな区間における運行も検討していただきたいと思います。 JRの三密対策は、JR、乗客、県教委、学校、それぞれが知恵と工夫を持ち寄ることが大切だと思います。ウイズコロナ時代にふさわしいJR利用による通学の在り方を県教委として積極的に関与しながら、最適解を導き出してほしいと思います。 そこで、お伺いいたします。 これまで臨時通学バス運行の効果をどのように評価し、十一月以降のJRの三密対策についてどのように取り組んでいくのか、御所見をお伺いいたします。 次に、コロナ禍における学校の働き方改革についてです。 新型コロナウイルス感染症拡大に伴う学校臨時休業が終了することで、全国的にも学校の多忙化が進んでいると言われています。本県においても、県立学校が五月下旬に再開して以降、教員の二割以上が国の定めた上限の月四十五時間を超える時間外労働をしているとのことです。学校の再開後、休業期間の遅れを取り戻すために、補充授業の実施や夏季休業の大幅短縮、部活動の再開等に加え、コロナウイルスへの対応や熱中症対策などが必要になったことで、教育現場の多忙化に再び注目が集まっております。 教員の多忙化については、持続可能な質の高い教育を実践していく上で、コロナ感染症発生以前から教育現場における大きな課題でもありました。これまで働き方改革の一環としてICTを活用した効率的な校務運営や客観的な出退勤時間の把握、外部人材活用、業務の精選、管理職も含めた教員の意識改革等により、多忙化解消に効果を上げつつあったことは、私も承知しております。 今回、学校現場におけるコロナ禍のピンチをいかに今後働き方改革のチャンスに変えていくかが、県教育委員会にとっての新たな課題ではないでしょうか。 そこで、お伺いいたします。 新型コロナウイルス感染症への適切な対応の機会を捉え、学校における働き方改革をさらに推進することにより、教員の多忙化を解消していく必要があると思いますが、教育長の御所見をお伺いいたします。 御答弁をいただき、質問を続けてまいります。   〔杉本議員退席、出席議員計三十六名となる〕   (榊教育長登壇) ◎教育長(榊浩一君) 井下議員から二点御質問をいただいております。 まず、臨時通学バス運行の効果をどう評価し、JRの三密対策にどのように取り組むのかとの御質問でございますが、二か月半にも及ぶ県立学校における臨時休業の教訓を踏まえ、何としても学びを継続させるとともに、児童生徒の進学、就職に支障が出ることがないよう、再度の一斉臨時休業リスクを軽減することは極めて重要であると認識しております。また、ウイズコロナ時代においては、新しい生活様式の実践と早期定着が強く求められていることから、本年七月からの臨時通学バス運行を通して、県立学校生全員に対し、集中的かつ重点的に意識の浸透を図るとともに、JR通勤者をはじめ県民の皆様の機運醸成につなげられるよう努力を重ねているところです。 現在、百二十七名の生徒が利用しており、安心して通学することができるとの声が届くとともに、保護者や学校関係者からも、新しい生活様式への意識向上が図られていると評価する声を多数いただいているところです。 そこで、十月末までを予定しておりました現行の四区間での運行を来年二月末まで延長することといたします。加えて、混雑状態にあるものの、バスの待機場所、降車場所の確保が課題となり未運行であった鳴門方面について、このたび確保のめどが立ったことから、板野駅から撫養駅までの間において早急に準備を整え、十一月から新たに臨時通学バスを運行してまいりたいと考えております。これによりまして、六月の調査では、JR鳴門線に百六十七人の生徒が乗車していましたので、そのうち二十五人が臨時通学バスを利用した場合、約一五%の乗客数が減少することになり、既に運行している区間も含めまして、JR車内における三密の軽減が期待されるところです。 もとより、列車内の感染防止と三密回避を持続可能な対策とするため、JR四国に対しましてマスク着用の呼びかけやアルコール消毒液の設置と使用の呼びかけの徹底など、ガイドラインに基づいた感染防止対策への取組とともに、車両増結の継続やダイヤ面での配慮についても働きかけてまいります。 県教育委員会といたしましては、今後とも児童生徒の安全・安心の確保を第一に考え、学校でクラスターを発生させないとの方針の下、創意工夫を凝らしてまいります。 次に、新型コロナウイルス感染症への適切な対応の機会を捉えた学校における働き方改革の推進についての御質問でございますが、子供たちの成長は教員一人一人の情熱と誇りに支えられており、全ての教員がこうした熱い思いを持ち続けるとともに、児童生徒と向き合う時間をしっかり確保するためにも、学校における働き方改革は、極めて重要であると認識しております。そのため、県教育委員会では、平成三十年十一月に、とくしまの学校における働き方改革プランを策定し、重点モデル地域やモデル校の指定による実践とその優れた改善事例の紹介、県立学校への出退勤システムの導入等、多忙化解消の取組を積極的に推進してきたところです。 今月上旬、夏季休業後のタイミングを捉え、小中学校、高等学校の副校長や教頭から成る学校における働き方改革推進チームの会議を開催し、活発な意見交換を通して学校現場においては、通常業務の上に、学習の遅れの取戻しや消毒作業、マスク着用指導等の感染症予防業務が加わることで、教員の多忙化とともに、負担感が増しているとの実情を改めて把握したところです。 そこで、新型コロナウイルス感染症対策に係る教員の多忙化解消に向けては、授業準備の補助や授業中の学習支援及び放課後の補習等を行うとくしま学びサポーターの新設、教室の換気や消毒、配布物や課題の準備を行うスクール・サポート・スタッフの追加配置等、人的サポートの強化を図っているところです。 また、働き方改革のさらなる展開として、今年度、教職員研修の抜本的な見直しを行い、必要な研修の精選とオンライン化を推進するとともに、業務効率化に資する統合型校務支援システムについて、県内全ての公立小中学校で令和三年度から運用を開始してまいります。 さらに、教員の長時間勤務の大きな要因の一つとなっている部活動についても、現場主義に立ち、年間を通じた休養日の確保や計画的な活動時間の設定をより一層周知徹底し、併せて部活動指導員の配置を積極的に進めてまいります。 今後とも、教員の多忙化解消に向けた働き方改革にしっかりと取り組み、持続可能な質の高い学校教育を実現してまいります。   〔杉本議員出席、出席議員計三十七名となる〕   (井下議員登壇) ◆三番(井下泰憲君) それぞれ御答弁をいただきました。 先日の文教厚生委員会でもお願いした通学時におけるJRの三密解消対策の事業における増便ですが、路線を増やして対応いただけるということで、とても感謝しております。ありがとうございます。 また、これからインフルエンザの流行期にもなります。受験や就職活動を控えた子供たちにとって、これ以上コロナウイルスなどによる負担を強いらないためにも、県として考えられる限りの子供たちを守る対応をJRや交通機関と連携し、引き続き進めていただくようお願い申し上げます。 また、仮にPCR陽性者や濃厚接触者になれば、二週間近い時間が奪われることとなります。受験や就職活動にも大きな影響が出た場合、陽性者だけでなく、陰性であるにもかかわらず、機会を失った双方に大きな不利益をもたらすこともあるかもしれません。子供たちの心のケアのみならず、大学や企業へのチャンスの機会の創出を御理解と御協力も併せて行っていただきますようお願い申し上げます。 次に、働き方改革についても御答弁をいただきました。コロナ禍になる以前から少しずつ進められ、実行のフェーズに突入したばかりの教員の働き方改革でしたが、そんな矢先に起こったコロナ禍による学校での感染症対策や環境の変化により、時間的にも精神的にも教員の負担がより増す中で、教員の働き方改革の停滞を心配しておりました。御答弁いただいた学びのサポーター、学習指導員について、子供たちの学習活動を支えるため、今年度新たに導入されたこの施策は、学校現場の多忙化解消に資するところの効果は大であり、学校現場では大変好評を博しているとお伺いしておりますので、ぜひコロナ禍対応のための一時的な措置としてではなく、人的サポート体制の柱として、次年度以降も継続して実施することを強くお願いしたいと思います。 また、小中学校における教員の勤務超過はより深刻であります。市町村教育委員会も改革に乗り出しているところではございますが、超過の原因でもある部活動の対応に至っては、外部指導員の地域偏在や競技ごとの指導員の数の限界や違いもあり、根本的な解決には市町村との連携だけでなく、県民の皆様のお力もお借りしながら行っていかなければなりません。あれもこれも学校でといって教員の負担を増やさず、地域との連携や地域に必要なカリキュラムの選択をしっかり行い、教員も子供も余裕を持って取り組んでいける環境づくりが今必要とされています。 二月に質問したように、学校と地域との協働を今後ますます推進し、またそれをしっかりと生かしてほしいと思います。 とある記事に、地域連携や地域協働がふだんからある高校とそうでない高校とでは、コロナ禍の中で様々な違いが出ているとありました。社会参加することは、子供たちの当事者意識を認識させます。これは自ら考え自ら動くという新しい教育の中で求められている基礎であり、地域にとって重要な部分でもあります。それに、高校生に対する地域の意識や態度は、正直に地域にはね返ってきます。先日の知事の所信にあったように、徳島で就職したいという方が大幅に増えている中にあって、もう一度地域を担う子供たちのために、我々がこれまでやってこなかった部分を見直して、郷土愛をしっかり養っていく環境をつくるべきではないでしょうか。子供たちの学びを止めず、むしろ子供たちにとっても地域にとっても、コロナ禍だからこそできたこの機会をしっかりとチャンスにしてほしいと思います。 それでは、次の質問に移ります。 人口減少、コロナ禍に並ぶもう一つの国難である災害に関する質問です。 まず、私の地元、一般国道三百十九号八千坊地区の整備についてお伺いいたします。 九月といえば、防災です。私の地元三好市、とりわけ山城町に甚大な被害をもたらした平成三十年七月豪雨からはや二年が経過しましたが、本年も去る七月三日、九州で線状降水帯が発生したのをはじめ、約一か月という長期間にわたり猛烈な豪雨が九州や中部地方を襲い、目を覆うばかりの被害が連日のように報道され、命の道となる道路が無残にも崩れ去る姿を目の当たりにし、衝撃を受けたことは言うまでもありません。県西部では、険しい山地が連なる地形から、河川沿いの僅かな平地や山の斜面に人家が点在しており、自然災害により道路が寸断されれば、たちまち集落が孤立してしまう、まさに陸の孤島となるおそれがあります。近年の災害を見るにつけ、逃げ遅れて命を失わないためにも、地域の道路整備は大規模自然災害への備えとして必要不可欠かつ喫緊の課題であるとの思いを私自身強くしているところであります。 山城町北部を東西に流れる銅山川に沿って通る国道三百十九号は、地域住民の生活を支えるとともに、国道三十二号や高知道新宮インターチェンジへつながる地域防災を担う唯一の幹線道路であります。これまでも急峻な地形にもかかわらず、整備していただいているところではありますが、未改良地区が多く残されており、まだまだ道半ばといった感じがしております。このうち、八千坊工区では、道路幅員が狭い上に、平成三十年七月豪雨で被災しており、地元住民の日々の生活に支障を来していることから、安心・安全に、そしていざというときのためにも、一日も早い完成を待ち望んでいるところであります。 そこで、一般国道三百十九号八千坊工区の進捗状況と今後の見通しについてお伺いいたします。 次に、山地災害対策についてお伺いいたします。 先ほども言いましたが、日本列島は近年、これまでの経験が通用しない規模の豪雨災害が相次いでおります。平成三十年七月の豪雨では、三好市において降り始めからの雨量が一千ミリに達し、七月の月間平均降水量の三倍を超える記録的な大雨となりました。この大雨による影響で、同時多発的に大規模な山腹崩壊や土砂災害が発生し、県道や市道が多くの箇所で寸断され、三好市の山城地区では一時期、八十一世帯二百六十二名もの住民が孤立するなど、住民生活に大きな影響を及ぼし、今現在も十六世帯二十八名の方が避難生活を強いられているところであります。その後も、令和元年には東日本台風、そして今年の七月豪雨と毎年大規模な自然災害が発生し、その被害も激甚化の一途をたどっております。まさに飯泉知事が言うように、我が国は災害列島の様相を呈し、国難に直面しているところであります。 このように全国各地で豪雨災害が相次ぐ現在、いつどこで誰が被害に見舞われるか分からない状況にあり、私の地元からは安心して住み続けられるよう対策を取ってほしいといった声が寄せられております。地域住民が安心して暮らせる県土づくりには、崩壊した森林の復旧はもとより、山地災害を未然に防止する治山事業は非常に重要であると考えております。 そこで、お伺いいたします。 豪雨災害が頻発化、激甚化する中で、県民の安全な暮らしを守る治山事業を今後どのように進めていくのか、御所見をお願いいたします。 最後に、新型コロナウイルス感染症が終息したアフターコロナ時代の観光振興についてお伺いいたします。 今年に入ってから世界的な新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、観光産業はこれまでにない深刻な影響を受けております。三月から日本における感染者数の増加、四月の緊急事態により海外はもとより、国内の移動自粛が必要となり、これまで順調に伸びておりましたインバウンドの需要は、四月にはほぼ蒸発し、国内観光客も激減したところです。私が住む県西部地域においても、これまで宿泊業者の団体が官民一体となった観光プロモーションなど、観光政策に積極的に取り組み、香港や台湾などの外国人宿泊者数を十年間で三十倍以上に増やすなど、実績を上げていただけに、観光事業者の皆さんは本当に大変な状況に置かれていると思います。 こうした中、県においては六月八日から県民限定の宿泊割引制度「とくしま応援割」の実施や市町村の宿泊割引制度もあり、六月、七月の宿泊需要の下支えになったことは私も評価しております。一方、今後ワクチンや治療薬が開発されても、新型コロナウイルスがなくなるわけではありません。ウイズコロナ時代、そして終息後のアフターコロナ時代においては、新生活様式を取り入れたニューノーマルの形での観光振興を図っていくことが重要であります。イベントにせよ、宿泊施設にせよ、新生活様式を導入し、その取組をアピールすることによって、徳島県が安心・安全な観光地として国内外から観光客に選んでいただけるようになるのではないでしょうか。 そこで、お伺いいたします。 アフターコロナ時代に向けてニューノーマルに対応した観光振興にどのように取り組んでいくのか、御答弁をお願いいたします。 御答弁をいただき、まとめに入ります。   (後藤田副知事登壇) ◎副知事(後藤田博君) アフターコロナ時代に向けてニューノーマルに対応した観光振興にどのように取り組んでいくのかとの御質問でございます。 新型コロナウイルス感染症によりまして大きな影響を受けた本県観光の回復を図るためには、まずは感染拡大防止対策の徹底、それに加えまして社会経済活動の引上げに応じた誘客エリアの段階的拡大が極めて重要と考えております。 去る六月八日から実施いたしました県民限定の宿泊割引制度「とくしま応援割」は四万人泊を超える好調な利用状況であり、また六月十五日から募集を開始いたしました「新生活様式」導入応援助成金につきましては、県内の宿泊事業者の方々から既に百件を超える申込みをいただくなど、業をしっかりと支える支援を積極的に展開しているところでございます。 こうした中、NEXCO西日本におきましては、明日九月十八日からでありますが、四国をはじめ西日本エリアの高速道路が定額乗り放題となる西日本観光周遊ドライブパスを開始いたしますが、今回初めて本四連絡橋の通行料金がセットになった周遊性をより高める格安プランも実施されることとなりました。さらに、国の観光支援策でありますGo To トラベルにつきましては、いよいよ十月から対象エリアへの東京都の追加と地域共通クーポンの開始の見通しが示されるなど、広域観光を進める環境も徐々に整いつつある中で、本県独自の誘客策であります「徳島で得するケン」をはじめとするあらゆる観光施策を総動員いたしまして、国内誘客をしっかりと促進してまいります。 一方、コロナ禍によりましてインバウンド需要の低迷、また旅行者の行動やニーズの変化など、本県観光を取り巻く環境が大きく変化しておりまして、施策展開の羅針盤であります徳島県観光振興基本計画に掲げる一部の計画の実現が難しい状況ともなってきております。 そこでまず、観光審議会の委員の皆様をはじめ、観光業界の皆様方からも幅広く御意見をお伺いすることとしておりまして、アフターコロナ時代を見据えたより実効性の高い観光振興基本計画となるよう、早急に取りまとめを行ってまいります。 今後とも、刻々と変化する時流をしっかりと捉えまして、観光施策にさらなる工夫と磨きをかけ、本県観光の成長産業化に向けた再始動に全力で取り組んでまいります。   (貫名県土整備部長登壇) ◎県土整備部長(貫名功二君) 国道三百十九号の整備についての御質問でございますが、国道三百十九号は三好市山城町川口地区におきまして、国道三十二号から分岐いたしまして、銅山川に沿い愛媛県四国中央市へ至る幹線道路であり、平時は地域の暮らしや経済活動を支える生活道路としてあるとともに、発災時には緊急輸送道路として復旧・復興活動や緊急物資の輸送を担う大変重要な命の道であると認識しております。 そこで、山城町川口地区から愛媛県境までの区間において、安全で円滑な通行を確保するため、鋭意道路整備を進めており、現在、山城町大野地区までの約六・四キロメートルが一部区間を除き完成しているところでございます。 こうした中、大野地区までの唯一残る未改良区間、延長約二百メートルの八千坊工区におきましては、平成三十年七月豪雨により約四十メートル間の路肩が崩落する道路災害と護岸が崩壊する河川災害が同時に発生し、約五か月間にわたり全面通行止めをはじめとする通行規制を強いられ、地域の日常生活に大きな支障を来しておりました。このため、河川災害復旧事業と並行して、被災した区間を復旧する道路災害復旧事業、さらには未改良区間の現道を拡幅する道路改良事業を一体的に整備すべく、発災後速やかに関係機関との協議を進め、必要となる国の承認を得るとともに、道路改良に必要な事業費についても、国の三か年緊急対策を集中的に活用することにより、狭隘で見通しが悪く、交通の隘路でありました八千坊工区の早期完成にめどが立ったところでございます。 去る八月には、被災した区間の河川護岸の復旧が完了し、引き続きその上側の斜面崩落を防止するアンカー工事や道路拡幅部分の土台となる軽量盛土工事を進めるとともに、残る区間においても、川側への道路を拡幅するための大規模擁壁工事に取りかかるなど、来年度の完成供用を目指し、道路改良工事を全面展開しているところでございます。 今後とも、大規模自然災害を迎え撃つ県土強靱化をさらに加速させ、県民の皆様の命と暮らしを守る道路整備に全力で取り組んでまいります。   (松本農林水産部長登壇) ◎農林水産部長(松本勉君) 治山事業の推進についての御質問でございますが、県土の四分の三を占める森林を保全する治山事業は、水源の涵養や地球温暖化の防止とともに、山地災害から県民の生命、財産を保全する上で必要不可欠な事業であります。このため、本県の政策提言により認められた防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策の積極的な活用により、今年度は、この三か年で約二割増となる三十二億四千万円の予算を確保するとともに、今定例会においても、二億三千万円を増額する補正予算案を提出し、山地災害対策を積極的に展開することとしております。 また、集落や学校、病院などへの被害の危険性が高い山地災害危険地区における被害の未然防止に向け、ドローンを活用した危険箇所の点検、地域住民への防災マップの配布、防災教室を通じた啓発活動などを実施しております。 こうした取組に加え、平時から山地災害につながる小さな兆候も見逃さない、きめ細やかな情報収集がとりわけ重要になると考えております。 このため、地域住民や建設業などの関係者で構成し、周辺の危険情報を収集する山地防災ヘルパーを増員するとともに、新たに森林GISを活用した情報の一元化を図り、地域と一体となっていち早く、より広範囲に災害の兆候を把握してまいります。 これらの情報を基に、渓流における不安定土砂や流木の流出防止、避難路や緊急輸送路における落石や倒木の防止など、大幅に増額された県単維持補修費を活用し、これまで以上にきめ細やかな未然防止対策を講じてまいります。 また、議員お話しのとおり、平成三十年七月豪雨により甚大な被害に見舞われた三好市山城地区については、本年七月、国に対し、知事を先頭に国の直轄治山事業の採択を要望したところであり、県営事業と連携した復旧工事を積極的に展開し、一日も早い復旧につなげてまいります。 今後とも、地域住民の安全・安心な暮らしを守る山地防災力の強化に全力を挙げるとともに、県民生活に不可欠な森林を将来にわたり保全する緑の県土強靱化をしっかりと推進してまいります。   (井下議員登壇) ◆三番(井下泰憲君) それぞれ御答弁をいただきました。 まず、国道三百十九号の整備について、八千坊工区の見通しが立ったということで安心しました。私の地元には、ほかにも県道三十二号山城東祖谷山線、県道百四十号大利辻線など、生活主要道となる県道が幾つかあります。緊急時の命の道としての役割、また観光や農林業、建設業など、地域の産業を支える役割がこれらの道路にはあります。これまで多くの先人の犠牲や協力を得ながら今日まで道はつながってきました。人口減少の中で、新しい道路の必要性について様々意見のあるところではございますが、サンクコストの重要性についてしっかりと分析していただき、先人たちが守り継いできた地域をしっかりと次代に残していくために、中山間地域の基幹産業である建設業における人材確保に関しましても、同時に進めていただきますようお願い申し上げます。 また、同じく治山事業の必要性、重要性についても、同じように防災・減災対策だけでなく、地域経済をつないでいくための大きな役割があります。今年七月に起きた九州の豪雨災害では、堤防の決壊だけでなく、山の木々が谷や川に流れ出し、橋の橋脚などにかかり、そこから洪水などの被害が広まったと言われています。改めて山の保全の必要性と重要性が再認識されたところであります。山の保全のために治山事業と同時に、より計画的な森林整備を進めていく必要もございますし、谷や河川の土砂、木などの除去についても、引き続き行っていただきますようお願い申し上げます。 これら公共事業において、今後は地方創生としっかりと結びつけて、新しい時代、新しい感覚に適応したグリーンインフラの要素をしっかりと取り入れ、先人の知恵と最新技術を融合し、その地域に合った持続可能なインフラ整備に取り組んでいただきますようお願い申し上げます。 温暖化の影響もあり、これまでと違う災害がいつどこで起きるのか。そんな中で自分の住んでいる場所についても、先入観なく判断することが県民の皆様お一人お一人にも求められていると思います。自助の精神が根づいたとき、公助の作用はその効果を何倍にも倍増させることができます。一人の犠牲も出さないために、県民の皆様の御理解をお願いいたします。 最後に、これからの観光対策についてです。 先ほども言いましたが、コロナウイルス感染症対策を行いながら、元のような経済活動を行っていくのは難しいと感じています。それぞれの業種や職場において変えざるを得ない部分が必ず存在します。観光においては、これまで軸足を置いていたインバウンドという方針から一旦大きくかじを切る必要があるのではないでしょうか。しかし、言い換えれば、これまでこんなにも自分たちの住んでいる徳島という地域に目を向けたことがあったでしょうか。日本の桃源郷とうたわれ、多くの原風景の残る県西部、雄大な自然と海の恵みの豊かな県南部、文化と自然の融合した徳島の玄関口、県東部など、まだまだ知らない徳島がたくさんあります。また、六月に文教厚生委員会でもお話しさせていただいた修学旅行の代替に関しましても、県内という選択肢が入りました。県外に出た人たちが徳島って何あるのと聞かれても、徳島には何もないわと言わせないためにも、すばらしい修学旅行にしてほしいと思います。 話を戻しますが、五月のゴールデンウイーク、八月の連休など、これまで当たり前だった流れは当たり前でなくなりました。売上げが去年の半分以下、そんな中で観光業に携わる皆様がぐっと歯を食いしばって今も頑張ってくださっています。コロナウイルスがなくなることはなくても、新しい生活様式に沿った新しい観光はもう始まっています。コロナウイルスの怖いところは、コロナウイルスそのものよりも、コロナウイルス感染者に対する差別やコロナウイルス感染症に対する間違った知識が広がることです。長引くコロナ禍による疲弊した様々な業界や多くの人たちのためにしっかりと寄り添って、共に正しく恐れながら進んでいきたいと思います。 最後に、先日、神山町に行ってグリーンバレーの大南理事長とお話ししてきました。その際に印象的だった言葉があります。それは「すき」なふるさとを「すてき」なふるさとにする方法です。すきに「て」を加えるとすてきになるのです。自分の愛するふるさとは、待っていても変わりません。誰かが「て」を加え続けていかなければいけないのです。私の周りには大好きなふるさとのために「て」を加え続けている人がたくさんいます。皆さんもそうだと思います。大きな手から小さな手、様々です。中には「て」を加え続けることすら認識せずに、ふるさとのために頑張っている人もいます。私がこのコロナ禍から得た一番大きなものは、人の生き方の大切さに気づいたことです。コロナ禍の中、県議会議員として何をすべきか悩むこともありました。しかし、どんな立場にあっても、どんな境遇にさらされても、一生懸命誰かのために生きていくことや、地域にとっての自分の役割を感じて生きることの大切さを教えてくださる人がたくさんいました。私もこの手がどれだけのものを作っていけるのか分かりませんが、大好きなふるさとをすてきなふるさとにしていけるように、徳島県議会議員としての責務をしっかりと果たしていく、そのことを改めてこの場所でお誓いするとともに、一刻も早いコロナの終息を願って、私からの全ての質問を終わります。 ちょっと時間がなかったんで、少し早口になりましたが、御清聴ありがとうございました。(拍手)   ──────────────────────── ○議長(寺井正邇君) 議事の都合により、休憩いたします。      午前十一時一分休憩   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━    午前十一時二十六分開議      出席議員計三十六名          (その番号・氏名左のとおりである)     一  番     増  富  義  明 君     二  番     立  川  了  大 君     三  番     井  下  泰  憲 君     四  番     福  山  博  史 君     五  番     原     徹  臣 君     六  番     北  島  一  人 君     七  番     梶  原  一  哉 君     八  番     仁  木  啓  人 君     九  番     東  条  恭  子 君     十  番     浪  越  憲  一 君     十一 番     大  塚  明  廣 君     十二 番     山  西  国  朗 君     十三 番     岩  佐  義  弘 君     十四 番     須  見  一  仁 君     十五 番     井  川  龍  二 君     十六 番     古  川  広  志 君     十七 番     高  井  美  穂 君     十八 番     長  池  文  武 君     十九 番     吉  田  益  子 君     二十 番     岡     佑  樹 君     二十一番     元  木  章  生 君     二十二番     岡  田  理  絵 君     二十三番     南     恒  生 君     二十四番     岩  丸  正  史 君     二十六番     黒  崎     章 君     二十七番     扶  川     敦 君     二十八番     達  田  良  子 君     二十九番     喜  多  宏  思 君     三十 番     重  清  佳  之 君     三十一番     嘉  見  博  之 君     三十二番     岡  本  富  治 君     三十三番     杉  本  直  樹 君     三十四番     西  沢  貴  朗 君     三十五番     臼  木  春  夫 君     三十六番     庄  野  昌  彦 君     三十七番     山  田     豊 君   ──────────────────────── ○副議長(岡田理絵君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 六番・北島一人君。   (北島議員登壇) ◆六番(北島一人君) 徳島県議会自由民主党の北島一人でございます。昨年の九月議会にて初登壇させていただき、一年が経過いたしました。人口問題に始まり、県内経済各界の担い手確保、また南海トラフ巨大地震を迎え撃つ県土強靱化、復興指針など、新たな徳島県の創造に向けた課題について質問させていただきました。しかし、現在まだ収束の気配が見られない新型コロナウイルス感染症の発生により、県、国内はもとより、世界的な経済への悪影響や感染拡大予防に対する対応、また県民の皆様の生活様式の変化等により、県行政、施策そのものの方向性や進め方の見直しが求められているのが現状であります。 そのような中、昨日、さきに行われました自由民主党総裁選において、自民党徳島県連として二票を投じ、地方創生実現に大いに期待を寄せる菅総理が誕生されました。その菅総理が総裁選出馬時から一貫いたしまして新型コロナウイルス対策では、感染拡大の防止と経済活動を両立し、ポストコロナを見据えた改革を着実に進めていくと明言されておりましたことを踏まえますと、徳島県においても地方創生の名の下に、徳島県の見据えるべき将来像の実現のため、新型コロナウイルス対策など、継続して取り組むべき課題、また県内経済の立て直しなどの進めていくべき、また改革すべき課題について、確実にかつスピード感を持って取り組んでいかなければなりません。 今回はこれら社会の流れ、国政の方向性を踏まえ、新しく選出されました国のリーダーの下、徳島県政における経済活動の維持強化に関する施策及び県民の皆様の安心と希望あふれる生活の実現に向けたコロナ対策、アフターコロナ時代における施策、この大きな二つの視点に分け、質問させていただきます。 まず最初に、県内経済を大きく牽引します製造業の企業立地戦略について質問させていただきます。 国の発表による新型コロナウイルス感染拡大の影響として、四-六月期の国内総生産GDPは実質前期比七・八%減、年率換算では二七・八%減で、戦後最悪のマイナス成長となり、また民間調査会社が七月に実施いたしました新型コロナウイルスの企業活動への影響に関する全国アンケートでは、六月の売上げが前年同月より減少したと回答した企業が八割に及んだとともに、九月七日に内閣府より発表されました七月の景気動向指数、DIにおいては、景気の現状を示す一致指数の基調判断がリーマンショック前後の十一か月を上回る十二か月連続での悪化となるなど、言うまでもなく未曽有の危機となっております。 このように日本経済はこれまでに類を見ない大きなリスクに直面するとともに、コロナ禍の収束への見通しが依然として不透明な状況でありますが、感染防止に留意をしながら社会経済活動のレベルを徐々に上げ、経済を回復軌道につなげることが求められております。 いわゆるウイズ・アフターコロナの世界におけるニューノーマルへの転換が求められているのであります。このニューノーマル、マクロな視点で捉えますと、国の在り方や資本主義そのものの考え方まで及びますが、ミクロな視点で捉えた場合、働き方や教育・学習環境、生活様式など、これまでの日常における考え方や様々な活動内容を大きく転換、変化させるものであります。 では、企業活動に目を向けた場合はといいますと、企業の生産活動そのものや新たな需要、ニーズに対する供給システム等の転換が問われることになり、さきの国の二次補正予算においても、非対面型ビジネスモデルの転換、導入やサプライチェーン毀損対応、また製造工場の国内回帰など、これまでとは異なる、このような企業活動が補助対象として盛り込まれましたことは、このニューノーマルへの転換がいかに重要であるかを明確に表しているのではないでしょうか。 加えて、去る五月二十九日、経済産業省、厚生労働省、文部科学省によってものづくり企業や技術の動向について取りまとめた二〇二〇年版ものづくり白書が公開されました。この白書は、政府のものづくり基盤技術の振興施策に関する報告書であり、その中においては、日本の製造業が米中貿易摩擦やこのたびの新型コロナウイルス感染症の拡大、またこれらによるグローバルサプライチェーンの寸断のリスクなど、世界で高まる不確実性に対処するためには、企業を取り巻く環境や状況の急変に対応する製造業の企業変革力を求めることが重要だと繰り返し強調されております。そして、この変革力の向上には、IoT、ビッグデータ、AIといった最先端技術を徹底的に活用することにより、製品及び工程設計力を強化すること、いわゆるデジタルトランスフォーメーション、DXの実装が必須であるとされております。これは遠い未来のことではなく、今すぐ取り組まなければならないものであり、各企業、業界においては、このDXの実装推進は不可欠なものであると考えられております。 そこで、企業立地戦略についてお伺いいたします。 徳島経済を牽引する製造業等をはじめとする立地企業に対し、このデジタルトランスフォーメーション、DX実装を戦略的に進める目的として、県として新たな立地戦略が必要と考えますが、御所見をお聞かせください。 次に、県内経済の根幹をなす農業の発展に寄与する施策、スマート農業の実装について質問させていただきます。 昨年、県議会経済委員会の県外視察にて岡山県倉敷市にございます農業機械メーカー、ヤンマーの研究拠点を訪問させていただきました。この拠点では、養液や土、またLEDによる人工光、温度や湿度など、環境を高度に制御した栽培ハウスや収穫時の負担軽減を図るイチゴの移動栽培装置、また資源循環型の食料生産モデルなどを見せていただき、まさしくこれからの農業の姿を実感した次第であります。 このようなAIやIoTを活用したいわゆるスマート農業は、生産者の高齢化や担い手不足、また近年の気候変動への対応などの重要課題解決に大きく寄与するものと考えられ、今後の展開、普及に注目が集まっているところであります。 私の地元板野郡においても、全国一の生産量を誇る春夏ニンジンをはじめレンコン、カリフラワー等、全国に誇る農産物が生産されておりますが、生産者の方々からは、圃場を見回る時間を減らしたい、年を取って力仕事がきつくなり、体の負担を軽くしたい、また、最近の気候変動でこれまでと異なる栽培管理が必要となってきたといったお声を聞く機会が増え、ますます安定的な農業経営に資するこのスマート技術の必要性を強く感じているところであります。 加えて、新型コロナウイルス感染症の影響で、都市部から地方回帰の意識が高まっており、移住等で新たに農業を始めようとする方々に対する栽培支援や技術指導においても、このスマート技術の活用が有効ではないかと考えます。しかしながら、このスマート農業の普及に当たっては、過剰な投資とならないよう、導入によって生産者が望む経営への効果とそれに伴うコストの分析、検討が必要と考えます。 そこで、お伺いいたします。 農作業の省力化や安定した高品質な作物生産などの課題解決に向け、このスマート農業の実装にどのように取り組んでいくのか、御所見をお伺いいたします。 次に、全ての経済活動の基礎となる社会資本整備、その充実に欠かすことのできない地域のエッセンシャルワーカーであります建設産業における人材確保・育成対策についてお伺いいたします。 先ほどもお話がずっとありましたが、令和二年七月豪雨やこのたびの台風十号など、気候変動の影響による自然災害が頻発・激甚化する中、今年度公共工事予算は十四か月県土強靱化加速予算及び本定例会に提案されました増額補正を合わせますと、十四年ぶりに一千億円を超える規模となります。県においては、昨年十月や本年五月に不調・不落対策等を盛り込んだ新たな入札制度と強力な執行力により、昨年度を大きく上回る今年度予算が早期に執行されており、今後迅速な事業執行をもって地域防災力の充実強化の推進と県民の生命、財産を守る県土強靱化がより一層加速されるものと期待しているところであります。 一方、建設産業においては、このコロナ禍の中、感染防止対策の徹底を図りながら着実に工事を進めるとともに、地域経済の下支えにも貢献していただいているところであります。しかしながら、前回の国勢調査による県内建設業の就業者の状況は、五十五歳以上が四割を超えるとともに、一方、三十歳未満の若年層は一割にも満たない状況であり、入職者の減少や高い離職率が課題となっております。このままでは、これまで長年にわたって各企業が蓄積してきました技術力が後世に継承されることなく、途切れ、さらには失われてしまうのではないかと危惧しているところであります。 このような中、建設業法が改正され、昨年六月十二日に公布されました。これにより本年十月以降、技術者に関する規制の合理化や新たな技術者制度として技士補が創設されることになり、この制度の活用によって若年層のキャリアステップや要件緩和による早期資格取得の実現とともに、若い技術者がベテランから技術を承継する機会の増加も見込まれるものであります。 県としても、建設業に従事する若い技術者が建設という仕事に誇りとやりがいを持って現場で活躍ができるよう、今後さらに将来を見据えた取組を進めるべきと考えます。 そこで、お伺いいたします。 県土強靱化の加速や地域経済を支える建設産業を育成するため、今回の建設業法改正のこの機会を捉え、若手技術者の確保・育成に積極的に取り組むべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。 それぞれ御答弁をいただきまして、質問を続けてまいります。   (飯泉知事登壇) ◎知事(飯泉嘉門君) 北島議員の御質問にお答えさせていただきます。 県内企業のデジタルトランスフォーメーションを戦略的に進めるべき、御提言をいただいております。 本県経済の成長発展を図る上で、地域経済をお支えいただいている県内企業の生産性の向上を実現するとともに、新事業創出や競争力強化を図っていくことがまさに不可欠と、このように認識いたしております。 本県ではこれまで全国屈指の立地優遇制度を生かし、LEDや医薬品、そして機械金属といった競争力を有するものづくり企業の集積を進めるとともに、立地企業の設備の更新、徳島への機能集約や拠点化など、新たな投資に対しましても、強力に支援を展開いたしているところであります。 目まぐるしく変化する国内外の社会経済情勢や動向の予測が難しい新型コロナウイルス感染症など、不確実性がこれまで以上に高まる中、企業の生産現場におきましても、デジタル技術を活用した新たなビジネスモデルへの切替えとして、デジタルトランスフォーメーション、いわゆるDXの導入が強く求められているところであります。 県内企業におきましても、既に、在庫から生産、出荷に至るラインを一元化し、労働生産性を飛躍的に高めた企業や、従来目視で行っていた製品の検品工程に最新のAI画像認識システムを導入し、製品ロスの大幅な低下と人材の有効活用を実現するなど、ものづくり現場におけるDX活用の好事例がどんどん生み出されているところであります。 こうした最新技術の導入によりまして、環境変化に強い企業づくりを加速させ、かつ戦略的に推進していくことがまさに不可欠と、このように考えるところであります。 そこで、県内企業のDX投資を総合的に支援するため、奨励指定制度を活用し、大型投資を対象とした補助の新設、県内企業を対象にDX導入を幅広く支援する融資の新設、DX導入・運用に必要となる企業人材の育成から成る支援パッケージを創設いたしたいと考えております。 これらの取組により、全国屈指の光ブロードバンド環境の下、「DX投資するなら、徳島で」を合い言葉といたしまして、未来をしっかりと志向し、躍進するとくしまの実現に向け全力を傾注してまいる所存であります。   (松本農林水産部長登壇) ◎農林水産部長(松本勉君) スマート農業の実装についての御質問をいただいております。 AIやIoT、ロボットなど先端技術を活用するスマート農業は、農作業の超省力化をはじめ作物の高品質化や高収量化など、生産性の飛躍的な向上に必要不可欠であると認識しております。 このため、まず実用段階にあるスマート技術の普及に向け、水稲での農薬散布用ドローンをはじめGPS誘導による自動走行ロボットトラクター、子牛の哺育用自動哺乳ロボット、作業工程や栽培状況のクラウド管理システムなどの導入を支援するとともに、本年七月、施設園芸アカデミーを開講し、最先端の環境制御技術を駆使する人材の育成に取り組んでいるところであります。 次に、研究段階にある技術の実用化に向け、生産者の経験や気候変動にかかわらず、高品質・高収量生産を実現するため、春夏ニンジン栽培におけるビニールトンネル内の温度をリアルタイムでいつでもどこでもスマホ等で確認でき、最適な温度管理を可能とするIoT環境測定システムの実証にこの秋から県内八か所の生産現場で取り組んでまいります。 また、超省力栽培を実現するため、新たに露地栽培ではレンコンにおけるドローンを活用した農薬散布、分散する圃場の水管理遠隔監視システム、施設栽培ではミニトマトにおける自動農薬散布機、収穫コンテナ搬送ロボットやアシストスーツなどの導入効果とコスト分析を、モデル経営体において技術、経営の両面から検証を行います。 さらに、次代を見据えた研究開発を進めるため、本年六月、Society5・0の実装に関する協定を締結したNTTドコモと連携し、かんきつテラス徳島において、気象と土壌のデータなどを活用し、熟練農家の経験に基づく技を見える化した露地ミカン高品質生産モデルの構築を図ってまいります。 加えて、今後の5G環境の拡大を見据え、今年度、農林水産総合技術支援センター内にローカル5G基地局を整備し、超高速、超低遅延、同時多数接続といった5Gの特性を生かしたスマート農業の実証フィールドとして、リアルタイム高精細動画を活用した遠隔診断や技術指導など、未来技術を活用した研究を進めてまいります。 今後とも、新たな農業スタイルを具現化し、全国に誇る産地としての競争力を強化するため、先端技術でさらなる高みを目指すスマート農業の実装に積極的に取り組んでまいります。   (貫名県土整備部長登壇) ◎県土整備部長(貫名功二君) 建設業法改正の機会を捉え、若手技術者の確保・育成に積極的に取り組むべきとの御質問でございます。 建設産業は、良質な社会資本整備、そしてその適切な維持管理に重要な役割を果たし、地域の経済や雇用を下支えする本県の基幹産業であるとともに、災害時には最前線で復旧・復興を担っていただく、地域の守り手としてなくてはならない存在でございます。 一方、急速な高齢化と若者離れによる担い手不足が深刻化する中、将来にわたり公共工事の品質を確保するには、若手技術者の確保・育成が喫緊の課題であると認識しております。 このため、本県では建設業の魅力を実感してもらう建設現場の見学会や作業体験、そして女性の技術者と学生が交流を図る建設女子カフェなど、そういった催しを開催するとともに、キャリアアップの支援として、国家資格の受験準備、講習会、ICT施工の技術を習得する現場講習会など、建設業界の団体と連携した取組を推進してきたところでございます。 また、若手技術者が活躍する機会を創出するため、主任技術者の交代要件の緩和、総合評価落札方式における経験年数評価の廃止、表彰制度の創設や拡充などといった入札契約制度の見直しを行ってまいりました。 議員のお話のとおり、建設業法改正に伴う技士補制度の創設は、若者の入職促進や人材育成、建設技術の継承につながるものと考えており、このタイミングを生かし、資格取得に向けた支援、技士補を活用した登用機会の創出など、若手技術者が誇りとやりがいを持って活躍できる施策を検討してまいります。 今後とも、建設産業が魅力ある産業として持続的に発展できるよう、次代を担う若手技術者の確保・育成にしっかりと取り組んでまいります。   (北島議員登壇) ◆六番(北島一人君) それぞれ御答弁をいただきました。コメントは最後にまとめてさせていただきます。 質問を続けてまいります。 ここからは、県民皆様の安心と希望ある生活の実現に向けたコロナ対策及びウイズコロナアフターコロナ時代における施策について三点質問させていただきます。 まず、県内スポーツ競技力強化策についてお伺いいたします。 昨年十月に開催されましたラグビーワールドカップ二〇一九、開幕前は本当に盛り上がるのかといった心配の声が多くあった中、その予想をはるかに超える盛り上がりを見せ、日本代表戦だけではなく、ほぼ全試合が満員となり、まさしく日本中が熱狂した四十四日間でありました。 一方、県内においても、ジョージア代表チームが事前チームキャンプのために来県し、世界レベルの迫力ある公開練習やスクールビジットなどにより、多くの県民を魅了するとともに、とくぎんトモニプラザで行われましたパブリックビューイングにおいても、にわかの方々を含め大勢のラグビーファンの来場の下、大変な盛り上がりを見せたところであります。 そして、本年は東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックの開催により、さらに日本中が盛り上がるものと期待されていたところではありますが、今回の新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大により、一年延期となってしまったことは、非常に残念なことであります。 また、高校生の皆様におかれましては、自分の夢に向かって日々一心不乱に練習に打ち込み、その集大成としての舞台でありました夏の甲子園やインターハイなどが中止、延期となり、一般においても数々のスポーツ大会やイベントなども中止、さらにこの十月に鹿児島県にて開催が予定されておりました国民体育大会についても、一九四六年の第一回大会以来、初めての延期となったところであります。 この国民体育大会については、私自身、昨年、茨城国体の開会式に参加させていただき、各試合会場でも徳島県勢頑張れと声援を送らさせていただきました。全国から多くの選手が集まり、これまでの厳しい練習で培った力と技術で真剣勝負が繰り広げられる光景に心を揺さぶられたことを思い出しますと、今回の延期は本当に残念であり、何よりもじくじたる思いをされましたのは、選手の皆さん、指導者の皆さんはじめ多くの関係者の方々であります。 現在、各競技団体や高校の部活動においては、県外への強化遠征は自粛、日々の練習においても、集合練習や接触プレーを避けるなど、それぞれの種目ごとのガイドラインに沿った様々な感染防止対策の徹底が求められており、練習等の環境、時間、方法などが急変した状態が今もなお続いている状況であります。 このような中において、今後懸念されますことは、技術力の低下はもちろんのこと、選手、チームをはじめ関係者の方々のモチベーションの低下等により、県内競技力が衰退し、ひいては地域の活性化、県民の皆様の健康、体力の保持増進と豊かなスポーツライフの創造に寄与することを目的といたしましたスポーツ王国とくしまづくりの実現に大きな悪影響を及ぼしかねないということであります。 しかしながら、この状況下におきましても、県内アスリートの皆様は限られた練習環境の中で、新たなアイデアを駆使し、今できることをと、前向きにかつ熱い思いを持ってチャレンジされているところであります。 本県におきましても、今こそ新型コロナウイルス感染防止を図りながら、本県競技力をさらに強化するため、県を挙げて様々な知恵と工夫を凝らしながら、新たな取組に果敢にチャレンジしていく必要があるのではないでしょうか。 そこで、県としてこのような県内スポーツ界を取り巻く現状について、今どのように理解、把握し、今後来るべきウイズコロナアフターコロナ時代における本県競技力強化策をどのように推進していくのか、御所見をお伺いいたします。 次に、近年、もう既に想定外と言えない頻度で、かつ広域的な大規模災害が発生している現状を踏まえ、事前復興のさらなる取組についてお伺いさせていただきます。 さきの令和二年七月豪雨においては、九州・中部・東北地方におきまして、線状降水帯や梅雨前線の停滞による大雨で球磨川をはじめ筑後川、最上川など、一級河川での氾濫が相次いだほか、土砂災害や広範囲の浸水等により人命や家屋、ライフライン、地域の産業等へも甚大な被害をもたらしたものであります。 現在、被災地におきましては、発災直後から政府をはじめ全国多くの自治体からの支援を受け、様々な復旧・復興並びに被災者お一人お一人の生活再建に向け、今もなお懸命な取組が行われているところであります。 私は昨年九月の定例会一般質問におきまして、当時、素案が示されました徳島県復興指針案に関連し、発災後の復旧・復興の遅れは被災者の生活再建はもとより、その後の生活や人生に大きな影響を及ぼすという観点から、被災された方々にとっての復興は生活再建そのものであると、その重要性について述べさせていただきました。その後、県におきましては、発災後の迅速な復旧・復興に向けた手順や事前に取り組む事項を取りまとめました徳島県復興指針を昨年十二月に策定、公表されたところであり、万が一、何らかの災害が発生したときには、この指針が重要な役割を担うものと期待しているところでありますが、いざ災害発災時において、この指針の目的を実現するためには、それぞれの対策に複数の県庁内部局が関係する部分が多いことを鑑み、庁内各部局の連携を密に図り、スピード感を持って取り組むことが重要であると、同じく昨年の一般質問時にコメントさせていただいたところであります。 そのような中、指針策定後間もなく、社会的には新型コロナウイルスの発生、足元では庁内組織改編等、大きな変化が起きており、新たな課題や問題点、さらに考慮すべき事項や取り組むべき事項も刻々と変化し、事前復興の推進を図る上で人的、時間的にも影響が少なからずあるのではないかと危惧しているところであります。 しかしながら、南海トラフ巨大地震をはじめとする災害がいつ発生するか予想がつかないことを鑑みますと、この事前復興の取組は、現在の顕在化している様々な課題を乗り越え、着実に推進していくべきと考えます。 そこで、お伺いいたします。 事前復興の推進における現在の取組状況や様々な課題に対する考え、また今後どう取り組んでいくのか、御所見をお伺いいたします。 最後に、県民の皆様の健康や衛生を支える本当に重要な機関であり、このたびの新型コロナウイルス感染症に対し、まさしく最前線で対応されております保健所の人員体制強化について御質問させていただきます。 皆様御承知のとおりでございますが、七月下旬以降、県内におきまして新型コロナウイルス感染者が急増いたしました。その大きな要因といたしましては、八月に入り県内初の発生と確認されました阿南市の通所介護施設をはじめとする四例のクラスターの発生が挙げられます。以降、感染者確認数が急激に増加し、保健所、医療機関、また県、各市町村自治体をはじめあらゆる関係機関においては、今まさに新型コロナウイルスとの厳しい闘いの真っただ中にあります。常に感染リスクと背中合わせの厳しい環境の下で、強い使命感を持って、今この瞬間も頑張ってくださっておられます皆様に心より敬意と感謝を申し上げる次第でございます。 さて、先ほどのクラスターに関してでありますが、国立感染症研究所感染症疫学センターによれば、この新型コロナウイルス感染症は、やや若年の年齢層において無症状や軽症の感染となるケースが多く、このことにより見えにくいクラスターの発生が潜在的かつ広範に起こりやすいことが指摘されております。また、それらの見えにくい感染の伝播が高齢者などの高リスク群へと一気に移行した場合、同時期かつ大規模な集団発生、いわゆるメガクラスターとなり、このような状況は公衆衛生、そして医療への大きな脅威となることは明らかでもあると指摘されております。 さらに、このような患者発生は、国全体レベルではなく、都市レベル、地域レベルで発生することから、都市や地域の保健所単位で平時より体制を整え、感染の動向をよく分析し、対峙していくことが重要でもあると述べられております。 この点を踏まえますと、現在、保健所において積極的疫学調査が確実に実施されておりますことは、今後、県内における感染拡大防止・抑制、そして終息の実現に向けて有効な手段であると考えられますが、この調査の実施には重点的な人員の投入が必要となります。現在、保健所においては様々な工夫を凝らしながら、調査をはじめとする諸業務に当たっていただいておりますが、今後先行きがいまだ不透明な状況におきましては、現体制を逼迫する事態も起こりかねません。 そのような中、八月二十八日、政府の新型コロナウイルス感染症対策本部にて決定、そして公表されました新型コロナウイルス感染症に関する今後の取組において、次の三点の保健所体制強化対応策が示されました。 一点目は、コロナ関連業務の専門職が担うべき業務の明確化、二点目として、専門職が専門性の高い業務に専念できる環境づくり、そして三点目が、応援派遣スキームの構築であります。 現在のこの難局に立ち向かい、今後、県内における地域の保健衛生に関する第一線機関として、その機能を維持強化させるためには、これらの強化対応策を早急に具現化する必要があると考えます。 そこで、お伺いいたします。 新型コロナウイルス感染症対策における保健所の人員体制強化について、今後どのように取り組んでいくのか、御所見をお伺いいたします。 それぞれ御答弁をいただきまして、まとめに入りたいと思います。   (飯泉知事登壇
    ◎知事(飯泉嘉門君) ウイズコロナ時代に対応した競技力強化策について御質問をいただいております。 新型コロナウイルス感染症の拡大により、鹿児島国体はじめ多くのスポーツ大会が中止や延期を余儀なくされ、感染防止対策に係るガイドラインへの適切な対応が求められるなど、競技スポーツを取り巻く環境は大変大きな変化、これを今遂げようとしているところであります。 県では、県内における競技力への影響について、本年の七月、国体正式競技である四十一競技団体に対しアンケートを実施いたしたところ、議員からもお話がありましたように、選手の技術、体力及びモチベーションの低下、県外遠征をはじめ強化に必要となる練習機会の減少が明らかとなったところであります。 また、競技の本格的な再開に向けまして、スタッフの増員や備品、消耗品の手配、試合会場での三密を回避するスペースの確保、関係者に対するガイドラインの周知など、感染防止対策の徹底が大きな課題であるとの声が数多く寄せられているところであります。 県ではこれまで、団体競技の強化、優秀な選手や指導者の確保、接戦を勝ち抜くサポート体制の構築など、本県の課題を克服するため、ハード、ソフト両面にわたる強化策を展開してきているところでありますが、このたびのコロナ禍による影響を食い止め、選手の高いモチベーションを維持しながら、本県競技力の着実な向上を実現していくためには、ウイズコロナ時代に対応した強化策を早急に確立し、オール徳島体制によりまして、強力に推進していくことがまさに不可欠となるところであります。 そこで、去る八月十七日には、県内スポーツ関係機関・団体から構成される徳島県国体飛躍対策本部を私が本部長となって立ち上げ、県内での大会、合宿へのシフト、オンライン環境の積極的な活用など、新たな強化方針を取りまとめたところであります。 さらに、八月二十一日には、各競技団体に対し、この苦難を共に乗り越え、来年の三重国体で本県選手が大いに活躍し、悲願である天皇杯三十位台を実現できるよう計画的かつ積極的な取組を呼びかける文書を知事、徳島県スポーツ協会会長の連名により発出いたしたところであります。 今後も、アフターコロナ時代をしっかりと見据えながら、新たな強化方針に基づく対策に知恵と工夫を凝らし、競技力の飛躍的な向上を図ることによりまして、スポーツ王国とくしまの名を何とか全国にとどろかすことができますように、積極果敢にチャレンジしてまいりたいと考えております。   (瀬尾政策監登壇) ◎政策監(瀬尾守君) 事前復興の取組状況、今後の取組についての御質問でございます。 大規模災害からの復興は、復旧業務の著しい増加と人手不足、さらには復興に向けた住民の皆様方との合意形成などに時間を要することが想定されることから、議員御紹介のとおり、本県では被災後、迅速かつ円滑な復興を図るために、昨年十二月に策定した徳島県復興指針に、被災前から復興に向けた手順や事前に取り組むべき事項を事前復興の取組として盛り込んだところであります。 指針策定後におきましては、事前復興を分かりやすく周知するため、東日本大震災の被災地である南三陸からのメッセージを含めた動画のユーチューブ配信、またボランティア、NPOなど多様な主体の皆様との連携をはじめ、今後五年間で取り組むべき内容を整理したロードマップの作成など、コロナ禍におきましても、部局間連携を図りながら事前復興の推進に全庁挙げて取り組んでいるところであります。 また、より被災現場に近い市町村の取組を後押しするため、事前復興を促進する補助金を創設し、全市町村への個別訪問による働きかけを行った結果、沿岸市町を中心として復興計画策定に向けた検討が始まるなど、具体的な動きが芽生えているところであります。 さらには、被災後のまちづくりを円滑に進めるには、住民の皆様との合意形成が不可欠となるため、今後は市町村と連携し、住民参画型の合意形成モデルを構築するとともに、その成果を全県的に展開し、事前復興の取組を加速させてまいります。 加えて、近年頻発している大規模災害において課題となっている災害廃棄物の迅速な処理は、復興に向けた暮らしの再建の第一歩となることから、新たな取組といたしまして、市町村や産業廃棄物処理業者の皆様の協力を得ながら、分別から仮置場への収集運搬、処分までの実地訓練を検討しているところであります。 こうした取組を全国展開するため、国に対しましては、県からの政策提言はもとより、全国知事会、関西広域連合などを通じ、事前復興に関する法整備や自治体に対する支援について積極的に提言してまいります。 今後とも、平時から復興と向き合い、被災しても力強く立ち上がっていただけるよう、市町村、地域住民の皆様、事業者の皆様と連携し、事前復興の推進にしっかりと取り組んでまいります。   (仁井谷保健福祉部長登壇) ◎保健福祉部長(仁井谷興史君) 保健所の人員体制の強化について御質問をいただいております。 保健所は、新型コロナウイルス対策において、相談業務や検査実施の調整、検体の搬送、そして積極的疫学調査など、最前線の役割を担っており、国内での感染例が増え始めた二月以降、長期にわたり膨大な業務を行っております。 県ではこれまで、保健所の業務を支えるため、保健所以外に勤務する保健師や保健所での勤務経験のある行政事務職員、薬剤師、獣医師、管理栄養士に兼務発令を行い、四月一日から八月三十一日までの間に延べ九十七名を応援職員として保健所の現場に派遣してまいりました。しかしながら、八月に入り、県内で四件のクラスターが発生し、一か月で百七人もの新規感染者が出たことから、これ以上の感染拡大を阻止し、県民の皆様の安心と安全をお守りするためには、保健所機能のさらなる強化が不可欠であると強く感じております。 そこで、八月末から、これまで日によってメンバーが入れ替わっていた保健所以外の保健師や他部局の技術職員などの応援職員について、人員を固定し、徳島保健所に配置するとともに、新たに万代庁舎と保健所の連携を図るために、リエゾン職員を配置するなどの対応を順次開始しております。 加えて、徳島保健所内のほかの担当から保健師、薬剤師などを疾病対策担当に配置し、積極的疫学調査の推進体制の強化を図ってまいります。これによりまして、徳島保健所の疾病対策担当の人員体制は、従前の十名から約四倍に増強されるとともに、保健所及び万代庁舎の融合一体化が図られ、クラスター発生の早期探知や感染拡大防止の徹底、感染源の探索による感染経路の特定とそれを踏まえた感染予防策の立案など、県内の最前線基地として効果的な感染症対策を強力に推進してまいります。 さらに、徳島保健所に集約される経験や知見を全県的な対応へと生かすため、所内に感染症対策特別チームを設置し、保健師などの技術職を中心とした専門班の複数編成、ローテーション化を図ることにより、ほかの保健所管内で多くの感染者が発生した場合には、迅速かつ機動的に対策班の派遣を行う体制を構築してまいります。 こうした健康危機管理対応組織としての保健所機能の強靱化を図ることにより、現状におけるさらなる感染拡大を防止するとともに、秋冬における感染発生を最小限に抑えるべく全力で取り組んでまいります。   (北島議員登壇) ◆六番(北島一人君) それぞれ丁寧な御答弁、また知事からは力強い御決意の言葉をいただきまして、今後の取組を期待するところであります。 それぞれにコメントを申し上げさせていただきます。 まず、徳島県政における経済活動の維持強化に関する施策の一点目と二点目、企業立地戦略とスマート農業の実装に関してでありますが、この二点についてはともにAIやIoT、ビッグデータ等、これまでの経験値が蓄積されましたデータを基とした生産体制のデジタルシフトが求められているものであります。いずれも、今後、県としては企業経営、農業経営の安定に対し、必要な取組を行っていくとのことでありましたが、これらスマート技術、DXの導入がそれぞれの安定経営に恒久的に寄与するものとは限らず、求める効果を得るためには、しっかりとした知識を持った者によるオペレーションが不可欠であります。いずれの施策におきましても、今後必要な人材育成への取組についても、強力に推進していただきたいと思います。 そして、三点目の建設産業の人材確保・育成対策につきましては、これまでも県として入札制度の改正、魅力発信、技術力向上等をはじめとする様々な施策、加えて建設企業自らの改革も相まって、官民一丸となって取り組まれておりますが、全国的に見ましても、この課題の抜本的な改善には、今後とも地道にさらなる改革を推し進める必要がございます。 昨日の代表質問、岡本議員の御質問の中に、災害発災後の道路啓開のお話がございましたが、この道路啓開の作業を担っていただけるのは、地元の建設産業の方々でございます。そのような観点から、県として地域に必要な建設産業の維持・発展に大きく影響する、この人材確保、若手育成に対し、今回の建設業法改正を一つのチャンスとして捉えていただき、全力で取り組んでいただけるようお願い申し上げる次第でございます。 そして、ここからは県民の皆様の安心と希望ある生活の実現に向けた新型コロナウイルス対策及びウイズ・アフターコロナ時代における施策についてであります。 まず、県内スポーツ競技力強化策についてでありますが、御答弁にありましたとおり、既に四十一競技団体に対しアンケート調査を行っていただき、このコロナ禍における様々な影響や競技再開に向けた課題について把握されておるということでありましたが、その内容についてプラス面の回答が非常に少なかったのかなと思われます。しかし、この状況をじっくりと競技力強化を図る絶好のチャンスと捉え、ウイズ・アフターコロナ時代に対応した強化策に取り組むという方針を打ち出されたこと、非常に心強く感じているところであります。 また、先月には徳島県国体飛躍対策本部が設置されたということでありますので、ぜひともオール徳島で様々なアイデアにより、新たな強化対策の推進に努めていただきたいと思います。御答弁にもありました来年の三重国体での徳島県勢の躍進を期待しているところであります。 次に、事前復興のさらなる取組に関してでありますが、御答弁にもありましたとおり、庁内組織改編、新型コロナウイルス対策等の大きな変化の中で着実に取り組んでいただいているということ、安心いたしました。また、関係市町村との連携強化、支援も推進されているということであり、いざ発災時、あるいはその後において、本指針対策が確実に施されるよう、より一層の連携強化を図っていただくことをお願いしますと同時に、発災後の復旧・復興に関しましては、県、市町村の自治体だけではなく、県民皆様の理解やお力をいただかなければなりません。そういった意味で、今後、各自治会や自主防災組織、関係機関との目的の共有、連携の構築も視野に入れて取り組んでいただければと思います。 最後に、保健所人員体制の強化でありますが、御答弁をお聞きし、この点についても大変心強く感じた次第であります。八月二十八日に政府から公表されたばかりの新型コロナウイルス感染症に関する今後の取組について、既に相応の体制構築スキームを明確に示されましたことは、日常的に問題意識を持ち、県民の健康や衛生を支える重要な機関としての使命を全うしようとする思いとその行動力のたまものと思います。 御答弁にもありました、横の連携の進化としての融合・一体化、これはこれまでの新型コロナウイルス感染対策がさらに強化されるものと期待するものであります。 今後予測される秋冬の第三波、またインフルエンザの流行期にも確実に対応されますよう、引き続いて取り組んでいただきたいとお願いを申し上げるところであります。 以上、いただいた御答弁へのコメントを終わりますが、一つ、地方への移住に関してのお話でございます。先月、AERAという雑誌におきまして、「後悔しないコロナ移住先ランキング」という特集がされておりました。そして、その中の中国四国地方版ですね、それに限ったランキングのトップ二十に、徳島県から四市町がランクインされておりました。 御紹介いたしますと、二十位タイに阿南市、十一位タイに徳島市、また二位タイに松茂町、そして単独一位で北島町が選ばれております。この高い評価の理由といたしましては、大規模商業施設の充実や子育てしやすい環境、また医療体制の充実等が挙げられておりますが、やはり各市町におけるこれまでの地道な取組も相まっての結果であると私は思います。 県といたしまして、一雑誌の独自の記事とはいえ、このインパクトある結果を受け、今後、新しい考え方、ニューノーマルをいち早く取り入れ、経済発展と多くの雇用があり、また災害に強く、安全で安心して暮らせる移住に最適な県、徳島県として多くの国民の皆様に認識していただけますよう、そして現状の諸課題に対する対応はもちろんのこと、同時に様々な事態の分析と慣例等にとらわれない柔軟な創造的発想、そして機動力を駆使し、諸課題に対し積極的に取り組んでいただきたいとお願いを申し上げる次第でございます。 最後になりましたが、県職員の皆様方におかれましては、県民生活に不可欠な様々な基盤整備を日々担っていただいております。しかしながら、特にここ数か月間、新型コロナウイルス感染拡大防止対策や、また災害対応等に関し、担当部局はもちろんのこと、多くの職員の皆様方が日々それぞれの最前線で職務に当たっていただいておりますことを鑑みますと、職員の皆様のメンタルヘルスケア対策も、県民の生活を守るという観点から重要かつ必要不可欠な対策であると考えます。どうかこの点につきましても、飯泉知事はじめ理事者皆様の配慮とさらなる対応、対策をお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)   ──────────────────────── ○副議長(岡田理絵君) 議事の都合により、休憩いたします。      午後零時二十一分休憩   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━    午後一時三十一分開議      出席議員計三十七名          (その番号・氏名左のとおりである)     一  番     増  富  義  明 君     二  番     立  川  了  大 君     三  番     井  下  泰  憲 君     四  番     福  山  博  史 君     五  番     原     徹  臣 君     六  番     北  島  一  人 君     七  番     梶  原  一  哉 君     八  番     仁  木  啓  人 君     九  番     東  条  恭  子 君     十  番     浪  越  憲  一 君     十一 番     大  塚  明  廣 君     十二 番     山  西  国  朗 君     十三 番     岩  佐  義  弘 君     十四 番     須  見  一  仁 君     十五 番     井  川  龍  二 君     十六 番     古  川  広  志 君     十七 番     高  井  美  穂 君     十八 番     長  池  文  武 君     十九 番     吉  田  益  子 君     二十 番     岡     佑  樹 君     二十一番     元  木  章  生 君     二十二番     岡  田  理  絵 君     二十三番     南     恒  生 君     二十四番     岩  丸  正  史 君     二十五番     寺  井  正  邇 君     二十六番     黒  崎     章 君     二十七番     扶  川     敦 君     二十八番     達  田  良  子 君     二十九番     喜  多  宏  思 君     三十 番     重  清  佳  之 君     三十一番     嘉  見  博  之 君     三十二番     岡  本  富  治 君     三十三番     杉  本  直  樹 君     三十四番     西  沢  貴  朗 君     三十五番     臼  木  春  夫 君     三十六番     庄  野  昌  彦 君     三十七番     山  田     豊 君   ──────────────────────── ○議長(寺井正邇君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 十六番・古川広志君。   (古川議員登壇) ◆十六番(古川広志君) 公明党県議団の古川広志でございます。通算六回目の本会議での質問となります。本日最後の質問でございますが、もうしばらくお付き合いをいただければと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。 現在、世界はコロナ禍という新たな挑戦を受けております。未知のウイルスとの闘いであり、特に医療現場の皆様には大変な御苦労をおかけし、御奮闘いただいております。このことに対しまして、心より感謝と御礼を申し上げます。 世界中の人々が力を合わせてこの挑戦にしっかりと応戦し、新たな未来を切り開いていかなければならないと思っております。 また一方で、地球温暖化による激甚災害の常態化、少子高齢化、そして人口減少、これらにより引き起こされる様々な問題、日本の社会を持続可能なものにするため、超えなければならない大きな課題が横たわっております。 今回は、これらのことについて質問したいと思っておりますので、知事はじめ執行部の皆様の率直なお考えをお聞かせいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 それではまず初めに、脱炭素社会実現のためのカーボンプライシングの導入についてお聞きします。 昨年十二月、旭硝子財団が創設したブループラネット賞の受賞者記念講演会が京都大学で開催され、受賞者であるジャレド・ダイアモンド氏の講演を聞く機会を得ました。氏は一九九八年、「銃・病原菌・鉄」でピューリッツァー賞を受賞され、続いて二〇〇五年に出された「文明崩壊」では、過去の文明がどのような環境変化にどう対応し、その結果どうなったのか、事例を挙げて分析しており、私も大変感銘を受けました。特に、南米チリのはるか沖合に浮かぶイースター島がモアイ像を造れるまで高度な文明を発展させたにもかかわらず、なぜ現在では少数の人が細々と暮らす島になってしまったのか。当時は世界最大級のヤシの木が生い茂っていた島がどうして今では灌木しか生えないはげ山の島になってしまったのか。その過程や原因を考察した記述は、太平洋に浮かぶ小さな島、イースター島を大宇宙に浮かぶ小さな星、地球に見事に重ね合わせました。「文明崩壊」を読んだ当時、私は環境分野の仕事に携わっておりましたので、この地球環境を何とか持続可能なものにしなくてはならないと思いまして、東京大学で教授をし、グリーン購入ネットワークの名誉代表も務めておられた山本良一先生を本県にお招きし、セミナーの開催なども行いました。 その山本先生が二〇〇六年に編集された著作「気候変動+2℃」、この冒頭にはこうあります。二〇二〇年、今日生まれた子供が中学校に通う頃、大陸部では水不足が深刻化し、沿岸部では洪水が続発する。その子が二十歳を過ぎる頃、海面上昇によって多くの人が難民化する。やがて、その子の子供の時代には、地球の気候の揺らぎが一層激しさを増し、気候帯の移動によって生態系が変わり、多くの人の暮らしが奪われてしまう。そんな未来を想像させる一つのシミュレーションがある。地球の平均気温がプラス二度を超え上昇し続ける、これから百年の未来。シミュレーションどおりに進むか否か、私たちは今その分かれ道にいる。こういった予測がおよそ十五年前にはなされていて、現在ほぼ予想どおり、もしくは少し早めに進んでいるように思われます。SDGs十三番目の目標「気候変動に具体的な対策を」、これをしっかり前に進めていかなければなりません。 カーボンプライシングは、あらゆる主体が温室効果ガスのコストを意識して行動するよう、炭素の排出に対して価格をつける経済的手法の一つです。この導入については、持続可能な土地利用の研究でブループラネット賞をダイアモンド氏と同時に受賞したエリック・ランバン教授も強く導入を主張されておりました。 カーボンプライシングには二つの手法があって、炭素税などの価格アプローチと排出量取引制度などの数量アプローチ。本年四月時点で四十六の国、三十六の地域が導入、あるいは導入決定しており、環境省は、日本においては価格アプローチのほうが効果的だと考えているようであります。 また、日本では地球温暖化対策のための税、温対税が二〇一二年に全化石燃料に対し導入されておりますが、税率はCO2排出一トン当たり二百八十九円で、導入諸外国と比べて極めて低い水準です。経済産業省は、石油石炭税をはじめ、燃料別に揮発油税、軽油引取税、航空機燃料税、石油ガス税などがあり、エネルギー関連諸税の全体を考えれば、諸外国と比べて決して安くはないと言っておりますが、これらの税が、あらゆる主体が温室効果ガスのコストを意識して行動するような税制になっていないのは確かなところであると思います。 また、同省は、カーボンプライシングが事業規模や所得の小さい主体ほど負担感が大きくなる逆進性がある、また、冷暖房需要や自動車のガソリン需要を考えると、都心よりも地方への負荷が大きい、製造業の国際競争力に影響が及び、カーボンリーケージ等のリスクが生じる等々の反対意見を強力に展開しております。 確かに産業界においても、炭素税を課してエネルギーコストをさらに高くしてしまうと、産業の基礎体力を低下させかねないとの強い懸念があります。しかし、こういった懸念や反対意見は税全体での見直しや他施策との組合せでカバーできるものであり、今こそ地球環境を持続可能なものにするため、様々なシステムを再構築すべき時期ではないかと考えております。 特に税制の改革は重要で、減耗税を課すべきであるのに、減耗控除を与えているような実態があると思われてなりません。パリ協定では、今世紀前半にCO2排出を実質ゼロにするとの目標を定めましたが、時間は刻々と少なくなっています。 知事はカーボンプライシングの導入をどのように考えるのか、見解をお聞きしますとともに、全国知事会においてカーボンプライシングに関する議論の一層の深化を図っていただきたいと思っておりますが、この点についても知事の所見をお聞かせください。 続いて、豪雨時における逃げ遅れを出さない取組についてお聞きします。 ここ数年、豪雨による洪水や土砂災害などの大災害が毎年、日本列島を襲っております。本年は七月に熊本県を中心に日本各地で集中豪雨が発生し、球磨川、飛騨川、長良川、江の川、最上川などが氾濫して九十名近い死者、行方不明者を出しております。また、先日は非常に大きな台風十号が九州西岸沖を北上し、猛烈な風やしけ、大雨をもたらし、多数の死傷者を出しました。 昨年は八月に九州北部、長崎から佐賀、福岡県にかけて長時間にわたる豪雨が発生し、各地点で観測記録を更新。九月、十月には台風十五号、十九号が来襲しました。特に台風十九号は、東日本に記録的な大雨をもたらし、千曲川、阿武隈川をはじめ多くの河川が氾濫し、堤防決壊は何と全国で百四十か所。死者、行方不明者も百名に及びました。 そして一昨年は、七月に西日本豪雨、二百名を超える死者、行方不明者を出し、その前年には七月にやはり九州北部で豪雨があり、多くの被害を出しております。これだけ激しく雨が降るようになると、洪水や土砂災害に対し、ハード対策だけでは住民の命を守ることは難しく、避難対策が大変重要となってきております。 最近の様々な報道によると、ハザードマップで既に示されている浸水想定区域で実際に被害が出ているんだということでありますので、私も自宅を洪水ハザードマップで確認してみましたが、マップを拡大していって自宅を探し出すのはかなり難しく、想定水深も色分けされておりますけれども、その色の境目も曖昧で、最大水深が五メートルなのか、十メートルなのか判別がつきにくい状態であります。災害時にどのような対応を取ればよいのか、正直判断しづらいという印象でありました。役所に長く勤めていた私でもこうですので、住民の皆さんがハザードマップを確認し、避難行動を判断するのはかなりハードルが高いと思われます。 また、今年の七月豪雨では、熊本県の球磨川流域にある特別養護老人ホーム千寿園において、施設利用者がバックウオーター現象により逃げ遅れ、十四名の方がお亡くなりになられました。ここは要配慮者利用施設でもあり、避難確保計画を作成し、避難訓練も行っていたとのことですが、結果的に被害を防ぐことができず、尊い人命が失われてしまいました。 国は災害時の浸水リスクを地図上に三次元、3Dで表示する事業を始めることにしました。浸水がどれぐらいの高さまで迫るかや、浸水しない建物がどこにあるかを分かりやすく発信し、迅速な避難につなげるというものです。 また、自治体の中には、洪水ハザードマップに、より住民の主体的な態度を引き出すような仕掛けをするべきではということで、洪水リスク特性の理解促進に焦点を絞って表記を概略化した通称「気づきマップ」、適切な避難行動の理解促進に焦点を絞り、自宅の家屋形式による浸水倒壊の可能性や湛水時間なども加味した通称「逃げどきマップ」などを作成、提供しているところもあります。 また、避難行動には言うまでもなく、いつ逃げるか、どこに逃げるかの二つの要素が重要でありますが、まずいつ逃げるかについては、気象庁や自治体などからの情報、川の流れや崖の状況等がこれまでの豪雨時とは違うなといった身近な異変、御近所の声かけや離れた親類からの電話など人からの呼びかけなど、これら避難行動を起こすきっかけとなる「避難スイッチ」をあらかじめ決めておくことが大事とのことであります。 また次に、どこに逃げるかについては、自治体が指定している避難場所がベストな避難先とすれば、親戚の家やホテルなどはスーパーベストな避難先、近くの高台や自宅の二階などはセカンドベストな避難先として、これらもあらかじめ決めておくことが大事だと言われております。 このように、避難行動を促すための新たな試みや提言もなされつつあります。もちろん、ハザードマップは国や県が出した浸水想定を参考に各市町村が作成し、住民に提供するものであり、避難所の指定等も市町村の役割ではありますが、避難行動が命を守るための最重要の対策となっている現状では、市町村の避難対策をサポートする最大限の取組が県に求められていると思います。 またさらには、避難に時間がかかる要配慮者利用施設の利用者をはじめ災害弱者と言われている方々の対策強化は言うまでもありません。ついては、豪雨時における逃げ遅れを出さない取組をどう進めるのかお聞きするとともに、より効果的な方策を検討するため、若手職員のタスクフォースなどにより市町村も含め協議できる場を設けてはどうかと考えますが、所見をお聞かせください。   (飯泉知事登壇) ◎知事(飯泉嘉門君) 古川議員の御質問にお答えさせていただきます。 カーボンプライシングについて御質問をいただいております。 パリ協定で掲げられた世界全体の共通目標である温室効果ガス排出実質ゼロを目指し、我が国におきましても、本年の七月三日、非効率な石炭火力発電所を段階的に休廃止するとの方針が表明され、脱炭素に向け大きくかじが切られたところであります。 議員お話しのカーボンプライシングにつきましては、脱炭素社会への移行を促す有効な手段の一つであり、環境にダメージをもたらす炭素の価格づけを行い、その負担を排出主体に求めることで、削減へのインセンティブが生まれると考えられるものであります。 このようにカーボンプライシングは、温室効果ガス排出の対価を見える化することで、削減に向けた方向性を示すことができるとともに、新たなサービスやイノベーションを生み出すチャンスともなり得ることから、本県として、また自然エネルギー協議会会長県としても、国に対しカーボンプライシングの導入を提言してきたところであります。 さらに、全国知事会におきましては、今年度、新たにゼロカーボン社会構築推進プロジェクトチームを設置し、脱炭素に向けての現状と問題意識を共有する中で、去る八月六日、第一回の会議では、小泉環境大臣に参加いただき、カーボンプライシングにつきましても意見交換を行い、議論のスタートを切ったところであります。 一方、この制度の円滑な導入につきましては、コスト負担の増加はもとより、国際競争力への影響、低所得者層ほど負担が重くなる逆進性などへの緩和措置も併せて検討する必要があるとともに、新型コロナウイルス感染症が我が国経済に及ぼすインパクトを考慮し、さらにはアフターコロナ時代を見据え、経済社会情勢に応じたきめ細やかな制度設計が極めて重要となるところであります。 今後とも、環境首都とくしまとして人類を含む自然界全体に深刻な影響を与える気候危機を迎え撃つとの気概を持ちまして、脱炭素社会への転換と経済再生を同時に成し遂げるための取組に全力を挙げるとともに、全国知事会におきましても、当プロジェクトチームを中心に、カーボンプライシングの制度化をはじめとする今日的課題についてしっかりと議論を進めてまいりたいと考えております。   (瀬尾政策監登壇) ◎政策監(瀬尾守君) 豪雨時における逃げ遅れを出さない取組についての御質問でございます。 近年の気候変動に伴う異常気象により、先ほど議員から詳しく御紹介がありましたように、全国各地で洪水や土砂災害が頻発化、激甚化しており、施設整備だけでは災害は防ぎ切れないとの思いを一段と強くすると同時に、災害時における避難の重要性や難しさを改めて認識しているところであります。 このため、河川改修や土砂災害対策などのハード対策に加え、危機管理型水位計やIoT雨量計の設置によるきめ細やかな情報発信、防災情報を分かりやすく伝えるホームページの一元化など、ソフト対策にも積極的に取り組んでまいりました。 また、迅速かつ円滑な避難が必要となる要配慮者利用施設に対しましては、市町村と連携し、避難確保計画作成のための手引や施設に出向いての避難訓練など、様々な支援を実施してきたところであり、その結果、計画の策定状況といたしましては、洪水浸水想定区域につきましては七七・九%、また土砂災害警戒区域につきましては六五・七%と全国でもトップクラスとなったところであります。 一方、施設の実情に合った計画の作成方法を教えてほしいといった要配慮者利用施設からの御意見や防災情報が十分に伝わっていないとの調査結果もあり、これらの課題解消が急務であると考えております。 そこで、着実な避難を促すため、要配慮者利用施設の避難確保計画の作成を支援する戸別訪問や講習会、必要な雨量情報をより迅速かつ確実に届けるプッシュ型配信へのシステム改良などに係る予算を今定例会に提案させていただいております。 また、災害リスクが高まる中、市町村と課題を共有し、より確実な避難につながる効果的な方策が重要となることから、県と全市町村で構成します徳島県災害時相互応援連絡協議会の活用をはじめ、防災情報の在り方や周知の方法などについて検討を進めてまいります。 今後とも、市町村と連携し、県民お一人お一人の避難意識の醸成を図ることにより、逃げ遅れゼロの実現を目指し、防災・減災社会の構築にしっかりと取り組んでまいります。   (古川議員登壇) ◆十六番(古川広志君) それぞれ御答弁をいただきました。 まず、カーボンプライシングにつきましては、これまでも国に対し提言してきた、知事会でも議論のスタートを切ったとのことでありました。また、アフターコロナを見据えてとのことでありますので、税制全体の見直し論議を知事会から起こしていくぐらいの勢いで、また前に進めていただければと思います。よろしくお願いいたします。 また、逃げ遅れを出さない取組につきましては、要配慮者施設への具体策はよく分かりました。一般県民への対策についても、先ほどの協議会でしっかりと検討を進めていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 それでは、続けてまいります。 次に、「新しい生活様式」に対応した学校空調モデル創出事業についてお伺いします。 昨年二月定例会において、我が会派の先輩である長尾元県議から、避難所として大きな役割を果たす県立学校体育館の温度環境への配慮は重要な課題であり、冷暖房設備の設置を進めていくべきではと知事の所見を求めたところ、知事は、マニフェストに快適な避難環境の整備として、県立学校体育館快適避難所モデルの展開を盛り込み、昨年度の肉づけ予算では鳴門渦潮高校の、今年度の当初予算では中央高校、しらさぎ中学校の体育館空調整備費を計上し、着実に進めておられます。 こうした中、新型コロナウイルスの感染が拡大し、避難所においても三密対策をはじめとする感染症対策をしっかりと行っていくことが求められるようになってまいりました。そして、さきの六月定例会において、新しい生活様式に対応した感染症対策がなされている避難所を整備するため、換気にも配慮した高換気・高機能空調モデルの構築を表明されたことは、時宜を得た政策であると評価するところであります。 そこで、三つ目のモデルとして、熱中症と感染症の双方に対応した高換気・高機能の新たなモデル、言わばハイブリッド型のモデルをこれまでの二校とは異なる種類の学校に目を向け、例えば特別支援学校をターゲットとして検証を行ってはどうか、さらには大規模災害時の県民の安全・安心を確保するため、福祉避難所の指定も併せて検討してはどうかと考えます。この取組は、県内はもとより、全国モデルとしても参考になるのではないかと思いますので、御所見をお伺いしたいと思います。 続いて、新型コロナウイルス感染症対策について二点お聞きいたします。 一点目は、高齢者・障がい者施設等におけるPCR検査等の拡充についてであります。 本県における感染の拡大状況につきましては、第一波の際は幸い大きな広がりにはならなかったものの、今回の波では多数の感染者が発生いたしました。七月二十四日に十一人目の感染者が確認された後、ほぼ毎日のように新規感染者が確認され、現時点での感染者数は累計で百四十七人となっております。阿南市及び徳島市の高齢者施設でクラスターが発生し、この感染症で亡くなられた方は、高齢の方を中心に九名となりました。ある高齢者施設の現場からは、介護業務は業務内容が濃厚接触そのものであり、感染防御策を種々講じたとしても、クラスターの発生リスクが高い。もし感染が発生した場合、入所者はもちろん、職員や家族のリスクも非常に高くなる。したがって、新たな入所者の受入れを停止するか、受け入れざるを得ない場合は、リスクにおびえながらの状況を強いられているとの声が届いております。 国においては、高齢者施設の入所者は重症化リスクが高い特性があり、早期発見の取組強化が重要であるとして、施設における検査体制に関する留意事項を整理した事務連絡を八月七日に発出いたしました。この事務連絡には、施設の新規入所者に対して地域の感染状況等を勘案し、医師が必要と認める場合には、症状の有無にかかわらず検査を行うことができる旨が示されております。障がい者施設においても同様の事務連絡が出ております。また、八月二十八日に開催された政府の感染症対策本部において、感染拡大地域にある高齢者施設等で働く人や施設の利用者に対するPCR検査等の定期的な一斉実施を行政検査として公費で行うことを今後の対応方針として決定いたしました。 一方、全国の自治体の動きとしては、八月十三日に兵庫県明石市が高齢者施設の新規入所者を対象にPCR検査を無料で実施すると発表し、東京都の千代田区や世田谷区も介護施設の新規入所者や職員等にPCR検査を実施することとしております。 また、東京都は九月補正予算案に高齢者施設等が実施するスクリーニング検査費用の補助も盛り込んでおります。 本県におけるPCR検査の体制強化の取組は、一日当たりの最大の検査件数を五百件と定め、検査センターや検査機器の大幅な増設、民間医療機関での実施拡大など、精力的に進めてくれております。この一日五百件という数は、四国の他の三県と比べてもはるかに高い数値であり、全国においても本県の人口規模を勘案すると、かなり高い目標となっており、私は高く評価しております。この検査能力を活用して、本県においても高齢者・障がい者施設等において、新規入所者や必要性のある職員を対象にPCR検査等を公費もしくは少ない負担で受けられる仕組みをぜひつくっていただきたいと思いますが、県のお考えをお聞かせください。 二点目は、新型コロナウイルス感染症対策に係る在宅の障がい児・者及びその家族への支援についてであります。 重症化リスクについては、障がいのある方についても大変に懸念されており、生活の場にウイルスを持ち込まないよう、当事者はもちろん、介護をされている家族の皆様も細心の注意を払っておられます。また、訪問介護や通所等の事業所においても、クラスターを出さないよう徹底した対策に取り組まれておりますし、国や県もそれぞれの場における感染防止対策に対し、衛生用品の供給をはじめとする支援等を行っております。しかしながら、在宅で暮らす障がい児・者、そして介護をされている家族の皆様は、果たして自分たちが感染した場合に必要な支援が本当に受けられるのか、強い不安を抱いておられます。 また、障がい児・者と一くくりで言っても、その特性は様々で、例えば人工呼吸器を常時装着されるなど医療的ケアが必要な方もいらっしゃいます。万一感染が発生した場合、多種多様なケースに対応できる幅広い関係機関の連携によるきめ細やかな支援が必要となります。 そこで、本県において新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、在宅の障がい児・者及びその家族に対してどのように安心を確保していくのか、具体策をお伺いいたします。   (飯泉知事登壇) ◎知事(飯泉嘉門君) 「新しい生活様式」に対応した学校空調モデル創出事業の実施について御質問をいただいております。 地域の拠点施設である学校の体育館は、平時には児童生徒の学びの場、災害時には地域住民の皆様方の避難所としてシームレスで重要な役割を担っており、どんなときでも快適に過ごせる環境の整備が不可欠である、このように認識いたしております。 県におきましては、快適避難所空調モデル事業によりまして、体育館が有する機能の高度化を図ることとし、県内唯一のスポーツ学科が設置されている鳴門渦潮高等学校と、令和三年四月に全国初の県立夜間中学校が併設される徳島中央高等学校の二つのモデル校を戦略的に整備しているところであります。 こうした状況の下、本県独自の取組として、ウイズコロナ時代を先導するため、十分な換気と適温保持という相反する目的を両立させる、新たな学校空調モデルを創出することといたしました。 この新たなモデルにつきましては、議員からの御提案も踏まえ、これまで進めてきた快適避難所空調モデル事業の三校目のモデルとしても位置づけ、言わばハイブリッド型の新次元モデルとして整備いたしてまいります。 具体的に少し申し上げてまいりますと、ダイバーシティの象徴ともなります特別支援学校を新たなターゲットとし、比較的新しい施設で耐震性を十分に備えていること、ユニバーサルデザインにより障がい者のための設備が整っていることなどから、徳島視覚支援学校、徳島聴覚支援学校において着手することといたします。 また、視覚障がい者や聴覚障がい者の皆様方にとりまして、これまでにない利便性の高い避難所となることから、新たに福祉避難所に位置づけることとし、一日も早い指定に向けまして徳島市及び関係機関と速やかに協議を開始いたしてまいります。 今後とも、ウイズコロナ、そしてアフターコロナの時代にふさわしい教育環境の整備推進と、平時、有事を問わない安全・安心の確保のため、県を挙げて感染症に強い空調モデルを創出し、県内はもとより、全国にしっかりと発信いたしてまいります。   (仁井谷保健福祉部長登壇) ◎保健福祉部長(仁井谷興史君) 私から二点お答え申し上げます。 まず、高齢者・障がい者施設などへのPCR検査等の拡充についての御質問でございますが、高齢者や障がい者施設等においては、利用者が新型コロナウイルスに感染した場合に、重症化のリスク、クラスター化の懸念など影響が極めて大きく、ウイルスを持ち込ませないための対策を一層強化する必要があります。 各施設においては、新規入所者を迎えるに当たり、入所前二週間の健康観察や家族等が流行地を訪問していないかなどの確認、入所後、施設内の個室で一定期間過ごしていただいた後、多床室へ移動するなど、未然の防止に取り組んでいる動きもありますので、まずはこうした取組をさらに周知徹底する必要があると考えております。 一方で、PCR検査についてでございますが、本県では医師により必要と判断された検査は全て実施することといたしておりますので、各施設に対しては職員の解熱後、一定期間の出勤の禁止と併せてPCR検査についての医師への相談を積極的に行うよう依頼しているところであります。 さらに、感染者の発生が相次ぎ確認された際には、感染が発生していない周辺施設等への感染拡大を防ぐため、こうした周辺施設の新規入所者を検査の対象とすることとしており、八月には実際にこうした対応を行ったところでございます。 このような中、国からも今後の季節性インフルエンザの流行期を控え、感染拡大防止のために必要がある場合は、地域の関係者も幅広く検査することも可能とするなど、検査体制の抜本的な拡充に関する方針が八月二十八日に示されたところでございます。 今後、国においてこの抜本的な拡充の具体的内容が示されると考えられますため、その動きに迅速に呼応し、高齢者・障がい者施設等の入所者や職員など、必要な方に適切な検査が実施できる検査体制の強化を進め、新型コロナウイルスの感染予防対策にしっかりと取り組んでまいります。 次に、在宅の障がい児・者及びその家族に対し、どのように安心を確保していくのかとの御質問でございます。 本県では、在宅の障がい児・者の新型コロナウイルスへの感染防止対策のため、障がい福祉サービス事業所や医療的ケアが必要な障がいのある方の御家庭に対し、マスクや手指消毒用アルコールを配布するなど、支援を行ってまいりました。 さらに、感染を防ぐために外出を控えられ、居宅で長い時間を過ごされる御家庭への支援として、心身の状況や生活実態などの現状把握を行い、必要に応じた関係支援機関へのつなぎを行うなど、必要な支援につなげる体制を整備し、在宅の障がいのある方とその御家族の安心の確保を図ることといたしております。 特に居宅で生活される方やその御家族が新型コロナウイルスに感染した場合には、迅速な支援が必要と考えており、県、市町村の福祉部局、保健所、相談支援事業所など、福祉・保健・医療の各分野の関係機関の連携による支援体制の構築が不可欠であります。 そこで、先般、市町村福祉担当課と協議を行い、在宅の障がい児・者や要介護等高齢者とその御家族への支援を行う場合の課題や関係機関の連携の在り方などについて情報共有を行ったところであります。 さらに、御家族が感染、入院されるなど、介護をされる方が不在となった場合においても、障がいのある方へのケアと安全・安心を確保するため、障がい福祉施設内に一時的に保護するための受入れスペースを確保し、個室化や換気設備の設置、他の利用エリアとの空間的な分離、いわゆるゾーニングに必要な改修など、濃厚接触者に当たる方の受入れにも対応できる機能の整備を支援することといたしております。 さらに併せまして、障がい特性に応じた障がい福祉サービスを継続的に利用できるよう関係団体と連携し、サービス提供に必要な人材確保にも努めてまいります。 今後とも、障がいのある方とその御家族の皆様が住み慣れた地域の中で、安全で安心な生活を送ることができるよう、支援体制の強化に向けて関係機関との密接な連携の下、着実に取り組んでまいります。   (古川議員登壇) ◆十六番(古川広志君) それぞれ御答弁をいただきました。 まず、学校空調モデルにつきましては、特別支援学校で、また福祉避難所も併せてということでございます。しっかりと進めていただければと思います。 そして、PCR検査につきましては、これまでもかなり幅広くやっているし、これからもさらに検査体制の強化を進めていくということかと思います。ただ、もう少し施設の現場に安心感を与えられるようなメッセージ、例えば検査に余裕がある場合を除いては、実施をしたいというくらいのメッセージを出してほしかったかなあと思います。今回は部長答弁でしたので、知事のほうでまた再考いただければと思いますので、よろしくお願いいたします。 在宅の障がい児・者への支援についても、またしっかりと進めていただけたらと思いますので、よろしくお願いいたします。 それでは次に、地域共生社会構築の推進についてお聞きしたいと思います。 地域共生社会とは、制度や分野ごとの縦割り、また支え手、受け手という関係、こういったものを超えて地域住民や地域の多様な主体が我が事として参画し、人と人、人と資源が世代や分野を超えて丸ごとつながることで、住民一人一人の暮らしと生きがい、地域を共につくっていく社会、このように定義されておりますが、その構築について平成二十九年、三年前の九月定例会一般質問でもお聞きしました。国における地域共生社会実現本部の設置、実現に向けての工程表の策定等を受け、県は全国に先駆けた取組を進めるべきとの問いに対し、県からは制度改正に迅速に対応するため、庁内関係部局と一層連携を図る、これまでに構築した連携体制の活用、市町村はじめ関係機関とのさらなる協働によって地域共生社会の実現にしっかりと取り組んでまいりますというものでありました。そして、全国各地においても、この三年間に様々な取組が進められ、その総括として国の地域共生社会推進検討会がこのたび最終報告を取りまとめました。そこで示された今後の方向性は、本人や世帯が有する複合的な課題、例えば八〇五〇世帯やダブルケア世帯、さらには地域から孤立している世帯等々が抱える諸課題を包括的に受け止め、継続的な伴走支援を行いつつ、適切に支援していくというもので、次の三つの支援を行うということでございます。 一つは、断らない相談支援、二つ目はそういった方々の参加支援、そして地域づくりに向けた支援、この三つを一体的に行うというものでありました。この方向性を受けて、さきの通常国会では社会福祉法等が改正され、地域住民の複雑化、複合化した支援ニーズに対応する包括的な支援体制を構築するための新たな事業である重層的支援体制整備事業が創設されました。ただ、この事業は市町村の手挙げに基づく任意事業との位置づけでありますので、今後、本県において地域共生社会の構築を推進していくためには、一か所でも多くの市町村がこの事業に取り組めるよう県が最大限にサポートしていく、このことが求められると思います。それには、様々な工夫が必要でありますが、一つの方策として、ぜひ市町村へのアドバイザー派遣を検討していただきたいと思います。県内の人材のみならず、県外からの人材も受け入れて、この重層的支援体制整備事業のアドバイザーを確保し、市町村に派遣する事業であります。 先日、厚生労働省の鈴木前事務次官のお話を聞く機会がありました。ウイズコロナ時代の社会保障を考える視点としても、既に示されている二〇四〇年を見据えた社会保障改革の展望、この基本構造は揺るがない。各制度の縦割りを超えたシステムの構築、そして全世代・全対象型地域包括支援の重要性は変わらず、地域共生社会の構築を今後も全力で進めていくとのことでありました。県の見解をお聞きしたいと思います。 最後に、子供の養護や支援に関する総合的な施設の整備についてお聞きしたいと思います。 近年、少子化が急激に進んでおります。出生数は二〇一六年に百万人を割り込み、昨年は八十六万五千人余りと一気に減少幅が拡大しました。合計特殊出生率は希望出生率一・八を目指しておりますが、昨年は一・三六と前年比〇・〇六ポイントの低下となりました。一方、児童虐待については、厚生労働省における相談対応件数、警察庁における摘発件数、児童相談所に通告した件数、これらいずれも右肩上がり、過去最多を更新し続けております。本県においても、ほぼ同様の状況であります。急激に減少する子供たちを社会全体で大事に育てることが求められておりますが、大変厳しい現実であると思います。 こうした状況の下、本県においては児童を養護、支援する施設が十分に整備されておりません。児童心理治療施設は、心理的問題を有する児童の治療を行う施設でありますが、県内には設置されていないため、近隣県の施設を利用しています。この施設は、各都道府県に少なくとも一か所の整備が求められていますが、四国では設置されていないのは本県だけであります。また、自立援助ホームは、一昨年、県内初の施設が開所されておりますが、女性専用であり、男子が入所できる施設がありません。児童家庭支援センターも、地域の家庭からの相談や市町村からの求めに応じた助言、児童相談所からの委託による在宅指導措置など、今後、子ども・子育て支援策を進めていく上で極めて重要な施設でありますが、県内には一か所しか整備されておりません。これら施設の整備は真剣に検討されねばならず、整備を進めるためには大胆な発想が必要と思われます。 昨年十月、東京都の品川区が新しい施設を本格始動させ、私も視察に行ってまいりました。この施設は、障がい児・者の総合的な支援施設で、地域拠点相談支援センターや児童発達支援センター、さらには訪問系サービス、日中活動・短期入所系サービス等々が一つの建物に完備され、しかも精神科の医療系サービスも併設されておりました。そして、これら多様な専門性を要する事業を全国から公募された三つの社会福祉法人と一般社団法人日本精神科看護協会で構成される共同事業体で運営されておりました。現在、社会的養育を必要とする子供も多様なケアニーズを抱えておりますので、様々な課題に対応できる総合的な施設を全国から専門的な人材を求めて整備するのも一つの方策かと考えますが、県のお考えをお聞かせください。   (仁井谷保健福祉部長登壇) ◎保健福祉部長(仁井谷興史君) 地域共生社会の構築に向けた市町村への支援に関する御質問をいただいております。 現在、地域社会においては、ひきこもりの長期化により、五十代の無職の子供を八十代の親が支える八〇五〇問題や、介護と育児のダブルケアなどの支援ニーズが複雑化、複合化しており、単独の制度や既存の制度では対応できないといった社会的な課題が生じております。 こうした課題に対応するため、国においては地域共生社会の実現を掲げ、市町村に対し包括的な支援体制の整備を求めております。その一環として、本年六月に改正された社会福祉法において、来年四月施行となる新たな市町村の事業として、議員が御紹介されましたように、三つの支援、すなわち介護、障がい、子供、困窮の相談を一体として実施する断らない相談支援、各制度のはざまのニーズに対応した社会参加に向けた支援、交流や居場所確保などの地域づくりに向けた支援といった包括的な支援を実施する重層的支援体制整備事業が創設されたところであります。 市町村において縦割りを超えた包括的な支援体制を構築するには、地域の課題や目指すべき方向性を踏まえた具体策の検討を行うことが求められますが、市町村にはこれまでの行政手法に基づかない支え手、受け手の関係を超えた支援体制に関するノウハウが不足しており、県においてさらなる支援が必要であると認識しております。 このため、市町村に対し地域共生社会の実現に向け、知見を持った専門家が新たな地域のつながりを紡ぎ、具体的なアドバイスを行うことは、こうした取組の推進に資するものと考えますので、議員が御提案されましたアドバイザーの派遣につきましては、今後の実施に向けて検討を開始してまいります。 あわせまして、市町村における先駆的事例やノウハウなどの情報について共有する場を新たに設けるなど、強力に市町村の体制づくりを支援することにより、誰もが共に支え合い、安心して暮らせる地域共生社会の実現に向け、しっかりと取り組んでまいります。   (上田未来創生文化部長登壇) ◎未来創生文化部長(上田輝明君) 子供の養護や支援に関する総合的な施設の整備についての御質問でございますが、児童養護施設をはじめとした社会的養護施設は、虐待を受けた子供や事情により実の親が育てることができない子供を成長へと導く最後のとりでとしての役割を果たしており、子供たちを社会全体で守り、育てていく上で大変重要であると認識しております。 そこで、これまで県では児童養護施設や乳児院の施設整備を進め、様々な事情を抱える子供たちが健やかな成長と安定した生活を送れるよう環境を整備するとともに、こうした施設が子育て支援拠点としてショートステイや育児疲れを癒やす、いわゆるレスパイトケアといった一時預かりなどを実施してまいりました。 一方で、昨今、施設養育を取り巻く環境は変化しており、地域の実情を勘案した専門的な在宅支援や退所後の社会的自立に向けた支援、精神的・心理的問題を抱えるケアニーズに応じた専門性の高い治療的養育など、新たな課題への対応が求められております。 このため、平成三十年二月には、児童養護施設を退所した子供が社会生活力を身につける場として、県内初となる女子専用の自立援助ホームが開所され、就労をはじめとした自立支援が行われております。 さらに、県では本年三月に策定した徳島こども未来応援プランにおいて、地域の在宅支援の核となる児童家庭支援センター、男子が入所できる自立援助ホーム、心の問題を抱える児童をケアする児童心理治療施設など、施設整備の促進に努めることとしております。 施設整備の促進に当たりましては、議員御提案の総合的な施設の整備や全国から専門的な人材を求めるという考え方を含め、施設関係者にも御意見を伺いながら、どのような手法が可能なのかについて研究してまいります。 今後とも、プランに基づきこれまで県内の施設が培ってきた豊富な経験による専門性をより発展させながら、子供の最善の利益を最優先とした社会的養育施策の推進にしっかりと取り組んでまいります。   (古川議員登壇) ◆十六番(古川広志君) それぞれ御答弁をいただきました。 まず、地域共生社会の構築につきましては、アドバイザーの検討を開始するとのことであります。ぜひ実効性のある派遣事業にしていただきたいと思います。国の検討会のメンバーの中にも協力してくれる方はいらっしゃると思いますので、アプローチしていただきたいと思います。 また、子供の総合的な施設につきましては、特に情短の施設については、本当に長年の懸案事項でございます。現状を打開する大胆な発想が必要かと思いますので、研究をしっかりと進めていただきたいと思います。 それでは、ここで最後にもう一点、時間の関係で質問できなかったことについて一点要望させていただきたいと思います。 それは地方創生の取組の強化についてであります。今回のコロナ禍は、都市部での過密な生活から脱却し、地方の緩やかな生活を再評価する流れをつくっており、今後はこの動きが具体的なものとしてますます顕著なものになってくると思っております。 そこでまず、関西への取組としまして、高速バスの利用促進をもっと強力に進めてほしいと思っております。高速バスを利用した関西の方の声を聞きますと、徳島がこんなに近いとは思わなかったとか、またこんなに多くのバスの本数があって便利とは知らなかったといった声がよく聞かれます。まだまだ徳島が関西圏であるということが実感されていないのが現実かと思います。したがって、高速バスの存在をもっと知ってもらって、もっと気軽に徳島に遊びに来てもらえるような工夫、例えばバスとホテルの格安なパック商品を提供するなど、そういうことを考えてはどうかと思っております。 また、鳴門市においては、四国の各地に向かう高速バスのほとんどは高速鳴門の停留所前を通過しており、ここをハブターミナル化して、四国の東玄関口にできないかといったようなことも考えておられます。県も一緒になって検討を進めていただければと思っております。 次に、首都圏に対しては、やはり徳島の知名度をともかくアップしていくということが重要かと思います。昨年の一般質問でも渋谷のターンテーブルに隣接する公園において、県産野菜の定期市を開催してはどうかというような提案もさせていただきましたけれども、今回の補正予算では県産野菜の産直マルシェの整備費が計上されております。これは森社長が県産野菜、また産直市の可能性を評価しての取組と聞いておりまして、大変期待しているところでございます。ただ、産直市の魅力は、見た目が少々悪い野菜であっても、新鮮さやこの価格でこの量があるのかといったお得感でございますので、こういった点を間違えないように進めていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。 また、先日、中央大学の名誉教授で日本国づくり研究所理事長の佐々木信夫氏の講義を受ける機会がありました。氏は移住を促す大胆な一手ということで、東京二割減反を掲げ、これを推進するため、航空機を含む高速交通網の移動コストを劇的に削減するといった案を持っております。そのため、地方創生として毎年使われている五兆円近い予算を充ててはどうかと提案しておりました。確かにまだまだ使われ方の低い高速交通インフラを有効活用して都市部へただ同然に動けるようになれば、地方で暮らす人も格段に増えるのではないかと思いました。こういったこともまた知事会でちょっと取り上げていただければと思います。 最後になりますが、今回様々御提案させていただきました大きなことから細かいことまでございましたけれども、来年度当初予算の編成に向けてぜひ御検討いただければと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。 以上で全ての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)   ──────────────────────── ○議長(寺井正邇君) 以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。   ──────────────────────── ○議長(寺井正邇君) 本日は、これをもって散会いたします。      午後二時二十九分散会   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━...