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  1. 徳島県議会 2016-06-01
    06月14日-02号


    取得元: 徳島県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-17
    平成28年 6月定例会   平成二十八年六月徳島県議会定例会会議録(第二号) 平成二十八年六月十四日    午前十時五分開議      出席議員計三十七名          (その番号・氏名左のとおりである)     一  番     山  西  国  朗 君     二  番     原  井     敬 君     三  番     島  田  正  人 君     四  番     眞  貝  浩  司 君     五  番     岩  佐  義  弘 君     六  番     高  井  美  穂 君     七  番     古  川  広  志 君     八  番     上  村  恭  子 君     九  番     須  見  一  仁 君     十  番     岡     佑  樹 君     十一 番     中  山  俊  雄 君     十二 番     元  木  章  生 君     十三 番     岸  本  泰  治 君     十四 番     井  川  龍  二 君     十五 番     南     恒  生 君     十六 番     長  池  文  武 君     十七 番     達  田  良  子 君     十八 番     山  田     豊 君     十九 番     岡  田  理  絵 君     二十 番     岩  丸  正  史 君     二十一番     木  下     功 君     二十二番     寺  井  正  邇 君     二十三番     喜  多  宏  思 君     二十四番     丸  若  祐  二 君     二十五番     木  南  征  美 君     二十六番     川  端  正  義 君     二十七番     黒  崎     章 君     二十八番     重  清  佳  之 君     二十九番     嘉  見  博  之 君     三十 番     来  代  正  文 君     三十一番     岡  本  富  治 君     三十二番     樫  本     孝 君     三十四番     西  沢  貴  朗 君     三十五番     杉  本  直  樹 君     三十六番     臼  木  春  夫 君     三十七番     庄  野  昌  彦 君     三十八番     長  尾  哲  見 君   ────────────────────────  出席職員職氏名     事務局長     東  端  久  和 君     次長       勢  井     研 君     議事課長     和  田  茂  久 君     政策調査課長   仁  木     幸 君     議事課副課長   阿  部  英  昭 君     政策調査課副課長 岡  田  和  彦 君     議事課課長補佐  松  永  照  城 君     議事課主査兼係長 谷  本  か ほ り 君     議事課主査兼係長 佐  野  弥  生 君     議事課係長    三  橋  昭  子 君     政策調査課係長  郡     公  美 君     議事課主任    廣  田  剛  志 君   ────────────────────────  列席者職氏名     知事       飯  泉  嘉  門 君     副知事      熊  谷  幸  三 君     副知事      海  野  修  司 君     政策監      後 藤 田     博 君     企業局長     黒  石  康  夫 君     病院事業管理者  香  川     征 君     危機管理部長   小  原  直  樹 君     政策創造部長   七  條  浩  一 君     経営戦略部長   大  田  泰  介 君     県民環境部長   田  尾  幹  司 君     保健福祉部長   吉  田  英 一 郎 君     商工労働観光部長 小  笠  恭  彦 君     農林水産部長   松  本  雅  夫 君     県土整備部長   原     一  郎 君     会計管理者    安  井  俊  之 君     病院局長     西  本     功 君     財政課長     岡  本  泰  輔 君     財政課副課長   田  上  賢  児 君   ────────────────────────     教育長      美  馬  持  仁 君   ────────────────────────     人事委員長    高  畑  富 士 子 君     人事委員会事務局長小 笠 原     章 君   ────────────────────────     公安委員長    玉  置     潔 君     警察本部長    鈴  木  信  弘 君   ────────────────────────     代表監査委員   稲  田  米  昭 君     監査事務局長   清  水  英  範 君   ────────────────────────  議 事 日 程   第二号 平成二十八年六月十四日(火曜日)午前十時開議 第一 県政に対する一般質問         (四   名)   ──────────────────────── ○議長(嘉見博之君) これより本日の会議を開きます。   ──────────────────────── ○議長(嘉見博之君) 直ちに本日の日程に入ります。 日程第一、「県政に対する一般質問」を行います。 通告がありますので、通告の順序に従い発言を許可いたします。 二十八番・重清佳之君。   (重清議員登壇) ◆二十八番(重清佳之君) 皆さんおはようございます。明政会の重清佳之でございます。 まず最初に、去る三月十九日に御逝去されました故北島勝也先生に対し、謹んで哀悼の意を表し、心から御冥福をお祈り申し上げます。 北島先生とは、関西広域連合議会の議員として、約二年半、御一緒させていただきました。連合議会においても、徳島選出の議員として堂々と質問されていたお姿が思い起こされます。北島先生からいろいろ御指導賜りましたことを心から感謝申し上げ、改めて御冥福をお祈り申し上げます。 さて、きょうは傍聴席に徳島市宮井小学校の皆さんにおいでいただいております。 選挙権、つまり選挙で投票できる年齢が二十から十八歳に引き下げられました。小学生の皆さんも、あと六年か七年たつと選挙に参加できることになります。 しかし、若い人の投票率は低い状態が続いています。若い人に社会や政治に関心を持ってもらうことが投票率のアップにつながるのではないでしょうか。そういう意味でも、きょう皆さんが県議会に来てくれたことは、まさに生きた勉強をしてもらう貴重な機会であると思います。 これから約七十分間、私たちが住んでいる徳島県をよくするため、いろいろな話が出てくると思います。皆さんにとっては少し難しい話になるかもわかりませんが、頑張ってしっかりと聞いてほしいと思います。 それでは、明政会を代表して、県が直面しております喫緊の課題について質問してまいりますので、飯泉知事初め理事者の皆様におかれましては、わかりやすく、希望の持てる答弁をお願いしておきます。 まず最初に、今話題となっております消費者庁等の移転について質問させていただきます。 今回の消費者庁等の徳島移転の提案は、去る三月二十二日に国が示した政府関係機関移転基本方針において、地方創生に資するという点で一定の意義が認められると明記されており、実現まであと一歩のところまで来ているのではないかとの期待を抱かせるものとなっております。が、一方において、新聞報道等によれば、霞が関官僚の抵抗が強いことや、全国の消費者団体などが消費者行政の後退を招くのではないかとして反対の意見を上げていることもまた事実であります。 私は、今回の消費者庁の徳島移転は、単に消費者行政の後退を招かないか否かという議論にとどまるのではなく、人口減少社会に突入した今、東京一極集中を是正し、地方への人の流れを新たにつくり出していくという、まさしく地方創生の実現に資するものとして捉えていかなければならないと思っております。大阪府でさえ、今、人口が流出する時代なのです。今のままでは東京一極集中はとまらない。これまでの人の流れを変えるためにも、これまでにない方法で立ち向かうしかありません。 時代は刻一刻と移り変わっています。インターネットやテレビ会議などのICTの技術を駆使するというのは、民間では当たり前です。その環境が整っている徳島であれば、消費者庁が行うかなりの部分の仕事は無理なくできるのではないでしょうか。しかも、東京よりもずっと高齢化や人口減少がいち早く進む本県に消費者庁が移転すれば、霞が関でいるよりも、より消費者目線に沿った政策を実現できるのではないかと思います。 これまでの国のあり方を見直し、真に地方創生を実現させる大きな一歩を踏み出すため、徳島への消費者庁移転をぜひとも実現させていただきたいと、私だけでなく多くの県民の方々も期待を抱いております。 知事は、さきの議会において、大義と大局観をしっかりと胸に抱き、強い覚悟を持って移転の実現に挑むとおっしゃいました。 来月には、消費者庁の県庁での実証勤務が始まります。今まさに徳島移転に向けた正念場を迎えつつあります。 そこで、改めてお伺いいたします。 今回の消費者庁等の徳島移転の意義をどのようにお考えになられているのか、そして移転の実現に向けた決意のほどをお伺いいたします。 次に、防災・減災対策についてお伺いいたします。 四月十四日に発生した熊本地震から、きょうでちょうど二カ月を迎えます。このたびの地震では、震度七を二度も観測し、死者四十九名、行方不明者一名、その後も災害関連死と思われる死者が二十名発生し、住宅や道路、水道などにも甚大な被害が生じました。お亡くなりになられた方々に謹んで哀悼の意を表しますとともに、被災された皆様方に心よりお見舞いを申し上げます。 いまだ熊本県では多くの方が避難生活を続けており、住宅や道路、農地などの復旧には長い時間がかかることが想定されております。被災地の一日も早い復興に向け、徳島県としても、必要な支援を続けていただきたいと思います。 既に県では、警察や消防を初め、保健・医療関係、宅地や建物の危険度判定など、これまで六百人を超える職員を熊本県に派遣し、支援活動に当たってきたと聞いております。派遣された方々は、現地の状況を肌で感じ、多くのことを学んだことと思います。この経験を、南海トラフ巨大地震など大規模災害の対応に生かしていただきたいと考えます。 また、県としても、これまでの支援を通じてさまざまな課題が見えてきたのではないでしょうか。熊本地震の課題を踏まえ、本県の地震対策をよりよいものに見直していくことが重要であり、できるところから早く対応していただきたいと思います。さらに、県だけで対応できないものは、国にも積極的に提言をし、国を挙げた対策の強化に結びつけていただきたいと考えます。 このたびの熊本地震は、本県の中央構造線のように、以前から指摘されていた活断層上で発生いたしました。活断層の周辺では、住宅だけでなく避難所や病院、さらには役場庁舎までが被災し、応急・復旧対応のおくれにつながったと聞いております。また、マスコミ報道では、活断層地震は発生確率が低く、これに対する備えが十分ではなかったのではないかとの指摘も拝見いたしました。 本県では、既に南海トラフ巨大地震の被害想定を公表し、県を挙げた対策の強化に活用しているところであります。熊本地震のように中央構造線活断層が動くとどれだけの揺れや被害が発生するのかという被害想定についても、県民の皆様にお示しし、事前から備えに生かしていくことがまずは重要ではないでしょうか。 そこで、お伺いいたします。 熊本地震の教訓を踏まえ、防災・減災対策の強化にどのように取り組むのか。また、新たに中央構造線活断層地震の被害想定を策定してはどうかと考えますが、御所見をお伺いいたします。 次に、総合防災訓練についてお伺いいたします。 今後三十年以内に七〇%と言われる南海トラフ地震については、待ったなしの対策が求められています。東日本大震災クラス、マグニチュード九の南海トラフ巨大地震が発生した場合、県下全域が六弱以上の強い揺れに見舞われ、津波などにより三万一千三百人もの死者が想定されております。これは、今回の熊本地震をも大きく上回る規模の被害であります。 また、本県だけでなく、高知や和歌山、三重、静岡などの太平洋沿岸では同様の被害が想定されております。被害が広域にわたる南海トラフ巨大地震の場合、熊本地震のように全国から救援部隊がやってくるのか。食料や水などの支援物資は届くのか。熊本の大変な状況をニュースで拝見するたびに、南海トラフ巨大地震が発生したら本県は大丈夫なのか。特に津波で孤立が想定される県南地域はどうなるのか、不安がよぎるところであります。 いざ発災となった場合、まずは迅速な救助活動や応急対策が求められます。これを可能とするためには、自衛隊や警察、消防など防災関係機関や、道路啓開やライフラインの復旧を担う事業者などと密接に連携し、日ごろから繰り返し訓練していくしかないと考えております。 また、訓練の中身も、広域的な大規模災害を想定し、全国からの応援部隊をいかにスムーズに受け入れるか。全国の部隊が到着するまでの間、県内の地域の力でどう対応していくのか。より実践を見据えた内容で繰り返し訓練を行い、対応力を磨いていく必要があります。特に、県が実施しているさまざまな訓練の中でも最大規模の総合防災訓練は、幅広い機関に参加していただける絶好の機会であります。ことしの訓練は、南海トラフ巨大地震はもちろんのこと、熊本地震の教訓をしっかりと踏まえた内容として、県全体の防災力が底上げされるよう、実のある訓練にしていただきたいと考えます。 そこで、お伺いいたします。 南海トラフ巨大地震を初めとする大規模災害に備えるため、ことしの総合防災訓練にどのように取り組むのか、お伺いいたします。 次に、とくしま新未来創造オフィスについてお伺いいたします。 人口減少の克服と東京一極集中の是正を図る地方創生を加速させ、地方間競争を勝ち抜き、一億総活躍社会の実現を徳島から先導していくためには、県職員一人一人が、前例や既成概念にとらわれることなく、県民目線、現場主義の徹底により、新たな政策を創造、実行していくことが重要であり、そうした人財の育成が不可欠となっているところであります。 県は、平成二十八年度の定期人事異動において、新たな価値観の創出による地方創生本格展開に向けた組織体制を打ち出し、これまで以上に県民目線、現場主義を徹底していくとしております。その取り組みの一つとして、去る四月十三日に、とくしま新未来創造オフィスが東部、南部、西部の三地域に設置されたところであります。 東部地域では、地方創生推進課サテライトオフィスとして神山オフィスが設置され、南部及び西部地域では、総合県民局をとくしま新未来創造オフィスに位置づけ、南部オフィス西部オフィスがそれぞれ設置されております。全国屈指の光ブロードバンド環境や本県の豊かな自然環境のもと、サテライトオフィスの進出が進み、今や地方創生のモデル地域となっているこれらの地域を活用し、地方創生人財や地方創生のモデルの創造を図っていきたいとのことであり、私も大いに期待し、注目しているところであります。 中でも、県南部の雇用増をさらに図っていくためにも、神山と同規模のサテライトオフィス進出を確保し、独創的な進化を続ける南部圏域のサテライトオフィスプロジェクトに対し、県として、より一層のてこ入れと具体的支援が必要ではないかと日々痛感しています。 そこで、お伺いいたします。 新たに設置したとくしま新未来創造オフィスにおいて、現場主義を重視した人財育成や政策創造をどのように図っていくのか、お伺いいたします。 次に、本県の財政運営についてお伺いいたします。 平成二十年九月定例会において、私は、本県の財政悪化を危惧し、実質公債費比率等の健全化四指標について質問させていただきました。その際の答弁では、全国水準よりは高いものとなっているが、財政構造改革に取り組んでいるところであり、長期的に見れば改善に向かっていくとの内容であったと記憶しています。 その後、実質公債費比率は一八%を超え、起債許可団体となりましたが、知事を筆頭に、財政構造改革基本方針のもと、血のにじむような努力を積み重ね、財政健全化を進めてきた結果、明るい兆しが見えてきたところではないでしょうか。県財政の健全化は、言うまでもなく重要課題の一つであり、子や孫の世代に負担を強いることのないよう安定的な財政基盤を構築することは県民からも求められているところです。こうした取り組みとその成果に対しては、大いに評価したいと思います。 一方、そのほかにも、本県を取り巻く課題は山積しています。 本県においては、南海トラフ巨大地震の発生が危惧されているところであり、さきの熊本地震の惨状を目の当たりにするに当たり、海部郡を初め県南地域における住民の不安は高まってきており、これまでも南海トラフ巨大地震の発生に備え県土強靱化を推進してきたところでありますが、こうした取り組みをさらに大きく前に進めていく必要があると考えます。 また、人口減少も大きな課題であります。平成二十七年の国勢調査では、過疎・高齢化が進む我がふるさと海陽町の人口は、五年前の調査に比べ千百六十一人の減少となり、ついに一万人を切ってしまいました。まさに地方創生への取り組みは急務であると危機感を持っています。 そこで、お伺いいたします。 財政構造改革基本方針の最終年度を迎えますが、県土強靱化や地方創生への取り組みなど、本県を取り巻く課題が山積する中、本県の財政運営について今後どのように取り組んでいくのか、御所見をお伺いいたします。 御答弁をいただき、質問を続けてまいります。   (飯泉知事登壇) ◎知事(飯泉嘉門君) 重清議員の御質問に順次お答えをさせていただきます。 まず、消費者庁等の徳島移転の意義と実現に向けた決意について御質問をいただいております。 地方の豊かさを奪いかねない過度の東京一極集中の進行を食いとどめ、地方への新たな人の流れをつくり出すためには、まさに国、地方を挙げた対応が求められているところであります。そのための突破口として国の本気度と我々地方の覚悟が試されているのが政府関係機関の地方移転であり、本県からは、国の募集に応じ、消費者庁の移転を提案しております。 本年三月に国から示された政府関係機関移転基本方針では、議員からもお話がありましたように、本県の提案が地方創生に資する意義が認められると明記され、移転に向けて八月末までに結論を得るとされているところであります。私は、この千載一遇のチャンスを県民の皆様方とともにしっかりとつかみ取る、このように考えているところであります。 消費者庁等の徳島移転が実現すれば、先進的な施策を実施している徳島を実証フィールドとして活用することによりまして、消費者目線、現場主義による政策立案が可能となり、これまでにない新次元の消費者行政が全国各地で展開されることとなります。 また、テレワークやワーク・ライフ・バランスの推進など、霞が関の働き方改革につながること、首都直下地震等への危機管理対応として極めて有効であること、地方在住の優秀な人材を採用可能となることなど、国にとっても大きなメリットがあると考えております。 さらに、大臣庁である消費者庁の移転が可能となれば、他の省庁も地方移転し得ることとなるため、霞が関を中心とした国家組織のあり方そのものにも多大な影響を与えることになります。 このように、徳島移転の意義は、本県だけではなく我が国全体に及ぶものであり、その成否は五十年後、百年後の将来世代から歴史の分岐点だったと必ずや評価されるものと私は確信いたしております。 これまで県内外から賛同と応援をいただきますとともに、県民の皆様には、徳島移転に向け、挙県一致での取り組みを進めていただいているところであります。とりわけ県議会の皆様方におかれましては、各定例会での活発な御論議や御提言、また徳島移転を求める意見書の採択や国への要請活動など、多大なお力添えを賜っているところであり、心から感謝を申し上げるところであります。 明治開闢以来の大改革に向け、県議会を初め県民の皆様方とともに消費者庁等の徳島移転を何としてもなし遂げるんだとの強い覚悟で全力を傾注してまいる所存でありますので、引き続き御理解と御支援を賜りますよう、どうぞよろしくお願いを申し上げます。 次に、防災・減災対策につきまして幾つか御質問をいただいております。 まず、熊本地震を踏まえた対策の強化についてであります。 このたびの熊本地震におきましては、さまざまな支援を通じ、建築物の耐震化のみならず、避難所運営に追われたことによる行政事務の停滞、避難所の安全性不足やトイレなどの生活環境の悪化、車中泊によるエコノミークラス症候群の発症など、さまざまな課題が明らかとなったところであります。 本県では、非常時における業務継続計画、県庁BCPを、平成二十年三月、都道府県では初めて策定いたしますとともに、平成二十六年度からは、災害関連死を初めとした防ぎ得た死をなくすため、平時と災害時のつなぎ目のないシームレスな医療提供体制の構築を目指す戦略的災害医療プロジェクトを全国に先駆け展開いたしてまいりました。 また、今回の熊本地震の教訓を踏まえ、六月補正予算案におきまして、県有避難施設天井落下防止対策、市町村における避難所の緊急安全診断耐震シェルター設置支援制度の拡大、簡易洋式トイレアレルギー対応食の備蓄など、緊急対策に取り組むことといたしているところであります。これらの緊急対策に加え、自治体の業務継続や応援・受援体制の強化、住民を主体とした避難所運営の促進、避難所における生活の質、いわゆるQOL向上を図るため、県庁BCPや地域防災計画などの見直しに着手いたしますほか、国に対しても、時宜を逸することなく、制度の拡充や支援の強化を提言いたしてまいります。 東日本大震災以降、これまで充実強化を図ってまいりました防災・減災対策につきましては、今回の熊本地震の教訓を踏まえ、その歩みを緩めることなく、一層加速いたしてまいります。 次に、中央構造線活断層地震に係る被害想定についてであります。 熊本地震では、震度七の強い揺れに二度も見舞われ、活断層沿いでは、多くの住宅や避難所に加え、防災拠点となる庁舎なども被災し、屋外での避難や初動対応のおくれにつながったところであります。 本県では、既に平成二十五年八月三十日、中央構造線に係る特定活断層調査区域を指定し、多数の方が利用する施設や危険物貯蔵施設などを建築する際には活断層を調査し、その直上を避けることを義務づける、都道府県で初となります土地利用規制を行っているところであります。これまで、調査区域においては、新たな建築事例はなく、活断層上の建築を避ける取り組みが市町村や事業者の皆様方に浸透してきたものではないか、このように考えるところであります。 一方、今回の熊本地震では、十四万五千棟に及ぶ建築物被害を初めといたしまして、道路やライフラインの被害が活断層周辺にも広がっており、本県の中央構造線活断層地震についても同様の甚大な被害が予想されるところであります。このため、既に公表している南海トラフ巨大地震に加え、議員御提案の中央構造線活断層地震に係る被害想定をお示しすることは、より効果的な防災・減災対策を講じるためにも大変意義があるものと、このように考えるところであります。 今後、国の最新の知見や熊本地震の調査分析結果なども取り入れ、中央構造線活断層地震に関する震度分布や被害想定の策定、公表に向け、しっかりと取り組んでまいる所存であります。 次に、今年度の総合防災訓練について御質問をいただいております。 南海トラフ巨大地震への備えが喫緊の課題である本県におきましては、広域の応援、受援のあり方、公助と自助、共助の連携のあり方など、熊本地震から得られた新たな課題も踏まえた、より実践的な訓練が必要不可欠である、このように認識するところであります。 そこで、今年度の総合防災訓練では、広域災害への備え、自助、共助、公助の連携の二つを主要なテーマといたしまして、震災を考える日であります九月一日に、海陽町のまぜのおか一帯を主会場として、また東部圏域や西部圏域にも副会場を配置した、全県下を対象とする新次元の訓練として実施いたしてまいりたいと考えております。 まず、広域災害への備えとして、陸上自衛隊第十四旅団が四国全域で展開する災害対応訓練と連携し、沿岸部の後方支援を担う西部圏域からのヘリコプターによる物資輸送、内陸部の交通途絶を想定した架橋訓練、海上保安庁と連携した東部圏域への部隊や物資の海上輸送、県災害対策本部と南部圏域に設置する支部との連携によります被災市町への職員派遣や情報収集などを実施し、関係機関とのさらなる連携強化を図ってまいります。 次に、自助、共助、公助の連携につきましては、地域の小中学校において実施いたします避難訓練に加え、新たに、市町やボランティアによる避難所運営訓練、福祉施設における安否確認や福祉避難所の設置・運営訓練などを実施し、より一層の地域防災力の強化を図ってまいります。 熊本地震から得られた教訓をも踏まえ、今後ともこうした実践的な訓練を積み重ね、南海トラフ巨大地震中央構造線活断層地震などあらゆる大規模災害における死者ゼロの実現に向け、しっかりと取り組んでまいる所存であります。 次に、本県の財政運営について今後どのように取り組んでいくのか、御質問をいただいております。 本県の財政状況は、過去の国の経済対策に呼応し県債を大量に発行したことによる公債費の増大、三位一体改革に名をかりた毎年約二百三十億円もの地方交付税の削減によりまして財政調整的基金が枯渇するとともに、実質公債費比率については平成二十一年度以降一八%を上回り、県債発行に国の許可が必要となります起債許可団体となるなど、厳しい財政運営を余儀なくされてまいりました。 こうした厳しい財政状況におきましても、県民サービスを決して低下させないとの強い決意のもと、本県におきましては、六年三カ月にわたります--職員の皆様方には大変申しわけなかったところでありますが--禁じ手であります職員給与の臨時的削減、新次元の行政モデルである歳出の中から歳入を生み出す取り組みや、とくしま“実になる”事業の積極展開など、歳入歳出全般にわたる聖域なき改革に全庁を挙げて取り組んでまいりました。 その結果、現在の財政構造改革基本方針に掲げた公債費や県債残高の縮減、財政調整的基金残高の充実などの改革目標につきまして、最終年度であります本年度中にその全てが達成をできる見込みとなりました。また、実質公債費比率につきましても、本年度、ついに一八%を下回り、起債許可団体からの脱却が実現する見通しとなるなど、徐々にではありますが財政状況に明るい兆しが見えてきたところであります。 本県におきましては、南海トラフ巨大地震を初めあらゆる大規模災害を迎え撃つ県土強靱化、人口減少の克服と東京一極集中の是正を図る地方創生の実現といった課題がまさに待ったなしの局面を迎え、これらを打開する施策展開に一気に加速することがまさに不可欠となっているところであります。そこで、これまで以上に積極果敢な取り組みを推進いたしますとともに、急激な社会経済環境の変化にも対応することのできる、持続力ある強靱でしなやかな財政基盤の確立に向け、その羅針盤となる新たな財政運営方針を年内に策定することといたします。 今後とも、厳しい状況の中でつかんだ明るい兆しを、知恵と工夫を凝らした戦略的な財政運営により、より確かな光とすることによりまして、さらに進化した県勢発展につながる取り組みを機を逃さず展開いたし、夢と希望があふれる一歩先の未来を県民の皆様方とともにしっかりと歩んでいけるよう、全力を傾注してまいる所存であります。   (熊谷副知事登壇) ◎副知事(熊谷幸三君) とくしま新未来創造オフィスについての御質問でございます。 我が国が本格的な人口減少社会に突入するとともに、東京一極集中がますます進行する中、待ったなしの地方創生、さらには一億総活躍社会の実現に向け、地方創生の旗手徳島として、これまでの取り組みをもう一段高い次元へと進化させ、県民目線と現場主義に立った施策展開を加速していくことが不可欠であると認識いたしております。 そこで、本年四月十三日、徳島ならではの地方創生に向けた新たな挑戦といたしまして、神山町や美波町などサテライトオフィスの集積が進み、日常的に多様で多才な人財が集まる地方創生のモデル地域を活用いたしましたとくしま新未来創造オフィスを東部、南部、西部の三圏域におきまして開設したところでございます。 このオフィスでは、各圏域で活躍する人財とのネットワークをより一層構築するとともに、希望する若手県職員を対象としたフィールドワーク研修の実施によりまして、現場主義でみずから政策を企画立案し、これを実践できる地方創生人財の育成、こうした人財による日本創成をも目指した、県民目線、国民目線による新たな政策の創造、地方創生の全国モデルであるとくしまサテライトオフィスプロジェクトの進化などに取り組むことといたしております。 全県的な牽引役として神山バレー・サテライトオフィス・コンプレックス内に設置いたしました神山オフィスでは、職員が二名常駐し、テレビ会議やウエブ会議、メール等の活用によるサテライト勤務を行うとともに、新しい働き方の最先端モデルを徳島から発信してまいります。 また、サテライトオフィスプロジェクトにつきましては、立地市町村の全県展開を図ることはもとより、南部圏域におきまして、短期間で本拠地とを行き来する循環型から、社員が常駐する滞在型への移行を促進するなど、地元雇用の増加にしっかりと取り組んでまいります。さらに、今月一日には、ファイナンス力や企業情報力といった地元金融機関のノウハウやネットワークを活用したサテライトオフィス相談デスクを、株式会社阿波銀行と共同で、美波町や東京など県内外に開設するとともに、県南部におきましてサテライトオフィスの誘致を手がける株式会社あわえが実施いたします地方創生担当者育成プログラム研修に、今週、南部オフィスの職員二名が参加し、民間の持つノウハウの習得を図っているところでございます。 今後とも、地方創生の最前線におきまして、徳島ならではの新たな挑戦を積み重ねることによりまして、職員一人一人の創造力、実行力に一段と磨きをかけ、県民目線、現場主義に立った地方創生の本格展開に全力を傾注してまいります。   (重清議員登壇) ◆二十八番(重清佳之君) それぞれ御答弁をいただきました。答弁に対する私の意見は後ほどまとめて申し上げたいと思います。 それでは、質問を続けてまいります。 まずは、四国横断自動車道及び阿南安芸自動車道の早期整備についてお伺いいたします。 第一登壇でも触れましたが、平成二十八年熊本地震では、容赦ない自然の脅威を再認識したところであります。また、さきの東日本大震災を教訓とし、できるところから地域の安全・安心の向上に取り組んできた結果、海部郡では海部病院や美波病院の高台移転、美波町の公共施設の高台移転構想、海陽町宍喰浦の高さ十四メートルの新たな津波避難タワーの完成など、震災から丸五年が経過し、ようやくその取り組みの一端が見えてきました。 しかし、一たび南海トラフ巨大地震による津波が発生した場合、県南唯一の幹線道路である一般国道五十五号が浸水、寸断し、救援はおろか、復旧、復興もできないことが懸念され、地域の取り組みとあわせて四国横断自動車道や阿南安芸自動車道を南伸することが急務であります。さらに、全国的に地方創生が叫ばれる中、基盤となる社会インフラの整備のおくれは、他の地域との競争においてスタート地点のおくれともなりかねず、県南地域の豊かな資源を生かすためには産業振興に資する高速道路などの整備が不可欠です。 現在、高速道路などの南伸は、四国横断自動車道の有料道路区間が平成三十一年度の開通を早々に公表されていますが、桑野道路、福井道路は鋭意整備を進めているものの、開通時期は示されておらず、また私が強く要望する海部道路に至っては、いまだ事業化されていない状況となっており、一層の整備促進が県南地域の悲願となっています。 そこで、お伺いいたします。 県南地域の地方創生に向けて、四国横断自動車道の新直轄区間や阿南安芸自動車道の南伸、さらには海部道路の早期事業化にどのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。 次に、大学等との連携による水産業の振興についてお伺いいたします。 本県水産業は、高齢化や後継者不足などによる漁業就業者の減少が続くなど、厳しい状況が続いています。また、近年の気候温暖化により、海水温上昇に伴う育成環境の悪化など、本県の漁業環境への影響が顕著になってきております。 漁業者の方の話では、近年、温暖化が進み、ことしのように冬場の海水温が十五度を下回らない年が多くなると、海藻が減ってしまうとのことです。海藻が減ると、それを餌として利用するアワビ、トコブシ、サザエに加え、産卵場や保育場として利用するアオリイカも減少するなど、海部沿岸の漁業においても極めて深刻な状況になっています。 こうした状況を踏まえ、県ではこれまで、資源管理型漁業の推進、アワビ等の種苗放流、稚魚の育成場となる藻場の造成や掃海の実施に加え、後継者の育成や水産物の販路拡大などに取り組んできました。しかし、現在の厳しい状況を打破し、本県の水産業を夢のある産業として未来へつないでいくためには、従来の取り組みにとどまらない新たな次元の取り組みが不可欠であると考えています。 同じ一次産業である農業に目を向けてみますと、本年四月に徳島大学において生物資源産業学部が新たに開設されたことを機に、県と徳島大学との連携によるアグリサイエンスゾーンを構築し、革新的な技術開発や人材育成に取り組むとお聞きしています。また、現在、県南地域においては、水産研究課美波庁舎の機能強化が進められているところであり、さらには、地元海陽町には栽培漁業センターもあります。 私は、こうしたチャンスや資源を有効かつ有機的に活用することにより、本県水産業の再生に本気で取り組む時期に来ていると考えています。 そこで、お伺いいたします。 新学部が創設された徳島大学等と連携し、本県水産業の振興にどのように取り組むのか、お伺いいたします。 次に、阿波藍のブランド化と販路拡大についてお伺いいたします。 藍染めの青い色は、ジャパンブルーとして世界に知られる、深く鮮やかな、日本を代表する色です。この美しさと風合いをあわせ持つ藍染めのもととなる藍染料がすくもであり、徳島でつくられたすくもが阿波藍と呼ばれ、全国に名をはせたことから、阿波藍の藍色こそがジャパンブルーと呼ぶにふさわしいものと考えております。 折しも、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックのエンブレムの色にジャパンブルー藍色が採用されたことは、本県の魅力を国内外に発信する上で大きな追い風になるものと感じており、あわせて徳島の藍製品の国内外への販路拡大をするまたとない好機であります。 これまでも、都市圏等での物産PRに積極的に取り組んできたことと思いますが、藍といえば徳島、ジャパンブルーといえば徳島の藍をこれまで以上に強力に打ち出し、徳島の藍のさらなるブランド化を図ることが重要であると考えております。そのためには、伝統的藍製品の積極的なPRはもとより、藍の新たな魅力を引き出した新製品の開発により付加価値を高め、国内はもとより海外の新たな市場へと売り込むことが必要なのではないかと考えております。 そこで、県として新たな藍製品の創出にどのように取り組んでいくのか。また藍製品の魅力をどう戦略的に発信し、販路拡大につなげていくのか、御所見をお伺いいたします。 最後の質問は、傍聴席にいる宮井小学校の皆さんのようにこれからの徳島を担っていく青少年の健全育成についての質問でございます。 私が小さかったころと今の皆さんの社会環境は大きく変わってきており、いろいろな問題も起きています。徳島でも、友達との関係が原因で学校に行けなくなってしまった子供もいます。また、本来、優しくしてくれるはずのお父さん、お母さんから暴力を受けたりして、とてもつらい思いをしている子供もいます。また、インターネットも便利ですが、使い方を間違えると犯罪に巻き込まれる危険性もあり、皆さんが安全に使えるような取り組みが必要です。 現在、県ではさまざまな青少年施策を実施していますが、その基本的な考え方をまとめた現在の計画、青少年プラン二〇一二は、計画期間が今年度までとなっています。次期計画は、今ここにいる皆さんのように、青少年が健やかに成長し、徳島という地に誇りを持てるような計画にしてもらいたいと切に願います。 そこで、お伺いいたします。 県は、次期青少年プランについてどのような視点から策定しようとしているのか、お伺いいたします。 それぞれ御答弁をいただきまして、まとめに入りたいと思います。   (飯泉知事登壇) ◎知事(飯泉嘉門君) まず、四国横断自動車道の新直轄区間や阿南安芸自動車道の南伸と海部道路の事業化に向けた取り組みについて御質問をいただいております。 最初に、四国横断自動車道の徳島東-小松島間につきましては、マリンピア沖洲地区において、当区間で初となる沖洲高架橋下部工の本格的な工事着手をいたしますとともに、小松島-阿南間では、用地取得が九割を超え、順次、橋梁やトンネルなどの構造物が完成し、道路の姿がはっきりと見えてまいりました。 また、南に続く阿南安芸自動車道の桑野道路や福井道路につきましては、今年度、新たに用地先行取得費が確保されたところであり、早期の工事着手に向けた用地取得を促進いたしてまいります。 さらに、こうした整備を加速させるため、去る五月十三日、国に対し、特に地方創生に資する道路や、津波を回避し命を守る道路など、地域にとって重要な道路の区間については、地方負担割合をふやすことにより整備促進を図る新たな制度創設を提言し、ストック効果の早期実現を図る攻めの道路整備を強く訴えてきたところであります。 道路はつながってこそその機能を最大に発揮することから、四国横断自動車道の新直轄区間につきましては、徳島ジャンクション-徳島東間が供用する平成三十一年度におくれることなく整備することができますよう、引き続き国に対し強く働きかけるとともに、四国横断自動車道や阿南安芸自動車道の南伸に全力を傾注いたしてまいります。 次に、阿南安芸自動車道の海部道路につきましては、平成二十七年四月に牟岐から高知県東洋町野根の間におきまして計画段階評価を終え、現在、事業化の次のステップとなる都市計画決定に向けた諸調査が進められているところであります。 そこで、海部道路とあわせて整備する宍喰地区地域防災公園の早期具体化が都市計画決定に向けた大きな弾みとなりますことから、去る五月二十三日、国、県、町、地元関係者によります第一回地域防災公園計画検討会が開催され、助かった命をつなぐ二次避難場所の確保や、地域防災公園と海部道路をつなぐ出入り口の必要性などについて、熱く議論が交わされたところであります。 今後、これらの意見を踏まえ、地域防災公園の位置や規模、その利活用、さらには海部道路との接続方法につきまして、地元海陽町と連携いたしまして、早期の計画策定を進めてまいります。さらには、こうした事業化に向けた取り組みを一層加速させ、地域、特に県南地域、安全そして安心で活力のあるまちづくりに資することができますよう、来月にも、県、海部郡三町、学識経験者、地元経済界などで構成する新たな懇談会を立ち上げ、海部道路を活用したまちづくり計画を策定し、命の道、活力の道となる海部道路の重要性をしっかりと国に発信いたしてまいります。 今後とも、県南地域の皆様方としっかりと連携し、海部道路の一日も早い事業化に全力を挙げて取り組んでまいりますので、議員各位におかれましても、一層の御支援、御協力を賜りますよう、どうぞよろしくお願いを申し上げます。 次に、新学部が創設された徳島大学などと連携し、本県水産業の振興にどのように取り組むのか、御質問をいただいております。 本県水産業を取り巻く情勢は、漁業就業者の減少や水産物価格の低迷に加え、近年の海水温の上昇による水産資源への影響など、大変厳しいものがあります。 これまでも、県におきましては、高水温に耐性のあるワカメの新品種、県南でのヒジキの養殖及び加工技術、アオリイカやハモの鮮度保持技術など、現場課題に対応した研究開発を初め、水産振興に取り組んできているところであります。また、昨年の十二月には、今後の水産行政の指針となりますとくしま水産創生ビジョンを策定し、研究開発における産学官金の連携強化を基本方針の一つとして掲げたところであります。 一方、徳島大学では、本年四月、三十年ぶりの新学部として、全国初、六次産業化人材を育成する生物資源産業学部が開設されたところであり、本県水産業のさらなる振興を図るために、議員御提案のとおり、この機会を捉え、高等教育機関や県が有する人的資源及び物的資源を相互活用し、研究分野での連携をしっかりと図ることが大変重要である、このように認識いたしております。 そこで、県及び徳島大学に阿南工業高等専門学校を加えた三者がより強固な連携協力体制を構築いたし、新たに鳴門及び海部地域をエリアとするマリンサイエンスゾーンを形成することにより、先端技術や水産海洋資源を活用した研究開発、六次産業化人材の育成を強力に推進いたしてまいります。 具体的に申し上げてまいりますと、県の水産研究施設や種苗生産施設及び徳島大学水圏教育研究センターを拠点とし、アワビ、イセエビなど水産資源の増産と品質の向上、ドローンを活用した水質観測や発災時の被害状況調査、LEDを活用した集魚灯の開発など、それぞれが持つ強みを生かした研究開発を推進いたしてまいります。また、来春完成予定の水産研究課美波庁舎のサテライト研究室や六次産業化研究室では、インターンシップやフィールド研究を行う人材育成の拠点機能を持たせるとともに、漁業者、民間事業者、研究者が交流する場として活用するなど、新たな取り組みを積極的に進めてまいります。 今後、高等教育機関との連携の深化を図ることによりまして、このマリンサイエンスゾーンを水産分野の知の集積拠点として発展させ、魅力あるもうかる漁業の実現に向け全力を傾注してまいる所存であります。 次に、次期青少年プランについてどのような視点で策定しようとしているのか、御質問をいただいております。 徳島の未来を担う青少年の皆さんが豊かな人間性や社会性を身につけ、自立した大人として成長することは、私たち県民全ての願いであります。しかしながら、青少年を取り巻く環境は大変厳しく、子供の貧困、児童虐待、ニートやひきこもりなど、深刻な状況が続いており、スマートフォンの普及を背景とするネットいじめ、ネット依存など、新たな問題も出てきているところであります。 一方、地方創生、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックなど、新たな時代の潮流を迎え、地域社会に貢献できる力や世界レベルで活躍できる力が今の青少年の皆さんには求められているところであります。 そこで、今年度、策定する新たなプランでは、困難を有する青少年やその御家族への支援、子供の貧困対策の推進、創造的な未来を切り開く青少年への応援などを新たな視点といたしますとともに、青少年を支援する人材の育成、地域やグローバル社会で活躍することのできる青少年の育成、情報化社会にしっかりと対応できる青少年の育成など、施策を盛り込むことといたしているところであります。 また、現在、次期プランの基礎資料として、県内在住三千人の青少年の皆さん方をメーンとして、自分の生活への満足度や悩み、将来についての夢や希望、家庭や学校への意識、そしてSNS、スマートフォンの利用などの項目から成ります意識調査を実施いたしているところであります。これによりまして、しっかりと分析を進め、青少年の皆さん方の実態を踏まえたプランを策定いたしてまいります。 今後、県議会での御論議、徳島県青少年健全育成審議会での御審議をいただきながら、青少年施策の新たな道しるべとなるプランを年内に策定いたしてまいります。 本日お越しの宮井小学校六年生の皆さん方、さっきの学校紹介、大変すばらしいものがありました。まさにあなたたちは我々徳島にとっての宝であります。皆さんが夢や希望を持って、そして健やかに成長していただき、お一人お一人が思う存分力を発揮できる社会、その徳島の実現に向けまして、県議会の先生方とともに我々もしっかりと取り組んでまいりますので、これから大いに頑張ってください。期待しております。   (熊谷副知事登壇) ◎副知事(熊谷幸三君) 阿波藍のブランド化と販路拡大についての御質問をいただいております。 阿波藍は、本県を代表する地域資源であり、歴史と伝統に培われた本県の宝であります。また、美しく深みのある阿波藍こそが、日本の伝統色ジャパンブルーであると認識いたしております。 議員からお話がありましたように、このたび東京オリンピック・パラリンピックのエンブレムの色にジャパンブルー藍色が採用されましたことは、藍といえば徳島の一層の定着を図るとともに、阿波藍の新たな魅力を創造し発信する絶好の機会であると考えております。 本県では、これまで二度の国民文化祭におきまして、阿波藍をあわ文化の四大モチーフの一つとして打ち出すとともに、昨年九月には、「JAPAN BLUE徳島!!」をキャッチフレーズに参加いたしましたミラノ万博におきまして、藍製品の展示や藍染めのファッションショーなどを開催するなど、国内外に向け阿波藍の魅力発信に取り組んできたところでございます。 一方、藍の新たな価値を創出するため、新用途開発にも積極的に取り組み、徳島藍ジャパンブルー推進協議会と連携いたしまして、これまで染色が困難でありました木材や革などに新たな染色技術を用いまして、徳島ならではの藍製品を開発したところでもございます。 今年度におきましては、これらの取り組みをさらに加速させるため、県中小企業団体中央会との連携により実施いたします藍プラットフォーム「寄り藍」におきまして、幅広い活用ニーズの発掘、国内外で活躍するコーディネーターを活用し、売れる商品を市場とともにつくり出すネクストマーケットインの手法による新商品開発などに取り組んでまいります。さらに、来る七月二十二日から二十四日までの三日間、羽田空港におきまして、阿波藍の魅力を前面に押し出した徳島観光キャンペーンを実施し、藍製品を国内外に強力に発信することといたしております。 今後とも、阿波藍の新しい魅力創出、情報発信、販路拡大を戦略的に推進し、国内はもとより世界の多くの方々から愛されるブランドへ昇華するよう、関係機関、団体と緊密に連携を図り、しっかりと取り組んでまいります。   (重清議員登壇) ◆二十八番(重清佳之君) それぞれ御答弁をいただきました。答弁に対する私の意見を申し上げます。 消費者庁等の移転については、移転に向けた知事の決意と覚悟を聞かせていただきました。県民の間でこれほど盛り上がっている中、何としても移転を実現させなければならないという思いを改めて強くいたしました。消費者庁等の移転に向けて、議会としても理事者と両輪の輪となり、実現に向けて応援や意思表示を行い、必ずや移転を実現させようではありませんか。 熊本地震を踏まえた防災・減災対策については、今回明らかになったさまざまな課題を踏まえ、一層加速させるとの答弁をいただきました。熊本県に派遣された職員の皆様には、現地で感じた課題をそれぞれの分野ですぐにでも生かしていただくとともに、全庁挙げて防災対策を強化していただくようお願いいたします。 中央構造線活断層地震の被害想定については、策定に前向きな答弁をいただきました。 熊本のような直下型地震が本県で発生した場合の被害を明らかにし、県や市町村の対策はもとより、県民の皆様の備えに生かしていただければと思います。 ことしの総合防災訓練については、南部圏域のまぜのおかを主会場に実施するとの答弁をいただきました。 言うまでもなく、南海トラフ巨大地震が発生すれば、南部圏域は長期間孤立することが懸念されています。こうした事態をしっかりと想定し、自衛隊など防災関係機関と、より実践的な訓練としていただきますようお願いいたします。 とくしま新未来創造オフィスについて、地方創生を推進することにより、県南部を初めとして県下全域にわたる雇用の増加にもつながるような施策が展開できる取り組みとなるよう期待しております。 財政運営については、飯泉知事を先頭に行ってきたこれまでの御努力に対し、大いに評価したいと思います。県土強靱化や地方創生など重要課題が山積しております。これらにしっかりと対応するためにも、強靱でしなやかな財政基盤の確立に向け、今後とも努力を続けていただきたいと思います。 県南地域にとって、高速道路はまさに命の道であり、その整備は急務です。新たに設置する懇談会では、事業化の大きな弾みとなるべく、海部道路の重要性を強く発信することを要望いたします。 高速道路ネットワークの早期構築は、県南だけでなく県全域の大きな課題です。議会として、海部道路はもとより、高速道路などの南伸について改めて意思を示していく必要があると考えておりますので、今後、議員各位に協力をお願いしたいと思います。 マリンサイエンスゾーンの創設は、水産業の振興に大きく貢献するものと評価します。これらの取り組みが、県南水産業の発展、ひいては県南地域の創生に大きな役割を果たすものと考えます。 今後は、産学官の連携がますます進み、本県水産業の成長産業化と関連産業の振興につながることを期待しております。またあわせて、地元の海部高校とも、体験学習などを通じて連携していただくことを要望いたしておきます。 阿波藍のブランド化と販路拡大については、先日の事前委員会において、理事者全員が藍染めを着用している委員会がありました。ここ数年、県の関係部局は、クールビズとして藍染めを積極的に取り入れているとのことです。見た目にも爽やかですし、何といっても県職員が率先して着用することでPRにもなると思います。 ジャパンブルー藍色が東京オリンピック・パラリンピックのエンブレムに採用されたこの機会を捉え、大いに藍製品をPRしていただくとともに、東京オリンピック・パラリンピックの開会式などで藍製品が採用されるよう、JOCに対しロビー活動もぜひ行っていただきたいと思います。 青少年プランについては、きょう見学に来てくれております宮井小学校の皆さんを初め青少年の皆さんが夢や希望を持てる計画となるよう、しっかりと策定に取り組んでいただきたいと思います。 それでは、まとめに入ります。 一億総活躍社会、県土強靱化、そして地方創生、我々には取り組まなければならない課題が山積しております。飯泉知事の強いリーダーシップのもと、課題解決先進県を標榜する本県は、積極果敢にさまざまな課題に挑戦していただくよう要望しておきます。 県内においても、人、物、金が、徳島市を中心とする東部地域に集中しております。私の住む県南部は、海、山、川と、美しい自然に囲まれた人情味あふれるすばらしい地域ですが、地域の雇用環境や経済状況は厳しく、地理的にも大きなハンディキャップがあります。 県におかれましては、県南部や県西部の振興にもこれまで以上に取り組んでいただくよう強く要望して、私の全ての質問を終わります。御清聴まことにありがとうございました。(拍手)   ──────────────────────── ○議長(嘉見博之君) 議事の都合により、休憩いたします。      午前十一時十分休憩   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━    午前十一時三十一分開議      出席議員計三十六名          (その番号・氏名左のとおりである)     一  番     山  西  国  朗 君     二  番     原  井     敬 君     三  番     島  田  正  人 君     四  番     眞  貝  浩  司 君     五  番     岩  佐  義  弘 君     六  番     高  井  美  穂 君     七  番     古  川  広  志 君     八  番     上  村  恭  子 君     九  番     須  見  一  仁 君     十  番     岡     佑  樹 君     十一 番     中  山  俊  雄 君     十二 番     元  木  章  生 君     十三 番     岸  本  泰  治 君     十四 番     井  川  龍  二 君     十五 番     南     恒  生 君     十六 番     長  池  文  武 君     十七 番     達  田  良  子 君     十八 番     山  田     豊 君     十九 番     岡  田  理  絵 君     二十 番     岩  丸  正  史 君     二十一番     木  下     功 君     二十二番     寺  井  正  邇 君     二十三番     喜  多  宏  思 君     二十四番     丸  若  祐  二 君     二十五番     木  南  征  美 君     二十六番     川  端  正  義 君     二十七番     黒  崎     章 君     二十八番     重  清  佳  之 君     三十 番     来  代  正  文 君     三十一番     岡  本  富  治 君     三十二番     樫  本     孝 君     三十四番     西  沢  貴  朗 君     三十五番     杉  本  直  樹 君     三十六番     臼  木  春  夫 君     三十七番     庄  野  昌  彦 君     三十八番     長  尾  哲  見 君   ──────────────────────── ○副議長(喜多宏思君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 三十二番・樫本孝君。   (樫本議員登壇) ◆三十二番(樫本孝君) おはようございます。自由民主党・県民会議の樫本孝でございます。 会派を代表しての質問の機会を与えていただき、会派の先輩、同僚議員の皆様に心から感謝を申し上げます。 初めに、去る三月に御逝去されました故北島勝也議員に対しまして、謹んで哀悼の意を表し、また心から御冥福をお祈り申し上げます。 さて、去る六月二日、アベノミクス第二弾として、ニッポン一億総活躍プランが閣議決定されております。 一億総活躍社会とは、女性や高齢者、障がいのある方、若者など全ての人々が自分の力を発揮し輝く社会を目指すということであると私は認識いたしております。その実現のためには、これまで進めてきた地方創生に向けた施策をより一層推進しなくてはなりません。 本日は、徳島における地方創生をさらに飛躍発展させていくための処方箋の一助となるような質問をいたしてまいりたいと考えております。知事初め理事者の皆様には、前向きで力強い御答弁をいただきますようにお願いいたします。 まず初めに、熊本地震を踏まえた災害時の物流体制づくりについてであります。 熊本地震から、はや二カ月を迎えます。この熊本地震では、四十九名もの方がお亡くなりになるとともに、まだ多くの人々が避難所の不自由な生活を強いられております。 まずは、犠牲になられました方々への御冥福と、被災されました皆様、また避難生活をされている皆様への心からのお見舞い、さらには被災地の一日も早い復興をお祈り申し上げます。 さて、今回の熊本地震においては、避難所の水、食料等の支援物資の調達が課題となったところであります。熊本市の場合、四月十六日未明の本震発生後、避難所では避難者が急増し、配給をもらうのに毎回二時間以上も並ぶという声がある一方で、集積場には物資が届いているものの、人手不足などにより、そこから先の配送が滞っているとの声もありました。 物資の受け入れを一時的に中止する被災自治体もありました。現場は混乱し、避難者のニーズと送られる物資とのマッチングの課題が浮き彫りになったのであります。また、物資の届かない避難所の校庭にパイプ椅子を並べて、紙、パン、水、SOSとメッセージを書いた画像がツイッターを通じて広がり、物資が届いたということも話題になったところであります。 こうした中、徳島県においては、熊本地震よりはるかに甚大で広域的な被害が想定されている南海トラフ巨大地震の発生が喫緊に迫っているとされております。また、発生の確率が上昇との報道もございました。 県においても、これまでの熊本地震の状況を通じて、災害時の物流に関するさまざまな課題が見えてきたものと思われますが、発災してからではなく、平時よりあらかじめ十分な体制をとっていく必要が重要と考えます。 そこで、お伺いいたします。 熊本地震では、物流の混乱、停滞や物資のミスマッチが問題となりましたが、今までの県や市町村の取り組みでは限界を感じます。ゆえに、民間物流システムを活用した災害時の調達体制を構築すべきではないかと考えるところであります。知事の御所見を賜りたいと思います。 次に、消費者庁の徳島移転に向けた機運醸成についてであります。 昨年度、統一地方選挙を終えた直後の六月定例会、私は自由民主党・県民会議を代表して、国の姿勢が必ずしも積極的とは言えない状況のもと、政府関係機関の徳島移転に向けどのように取り組むのかと県の姿勢を問いました。それに対して飯泉知事は、全国に先駆けた食の安全・安心、食品表示など、本県の強みを発揮できる分野で検討を進めたいと、そして国の厳しい条件に対し、全庁を挙げて一つ一つクリアしてまいりたい、また地方創生、ひいては日本創成につながる移転を目指したいと、強い決意を示されたのであります。 あれから一年、飯泉知事初め県当局、そして県議会、さらには経済界など民間のあらゆる機関の並々ならぬ意欲と努力により、三月二十二日、決定された国の基本方針において、消費者庁と国民生活センター等の徳島移転は、さまざまな検証を経て、八月末までに結論を得ると明記され、徳島県は大きな可能性に満ちた歴史的な挑戦権を手にしたのであります。 こうした状況のもと、去る五月二十二日、徳島の駅前のホテルにおいて、地元新聞社の主催によります「消費者庁を徳島へ!」地方創生シンポジウムが開催され、六百名を超える、会場をいっぱい埋め尽くす県民の皆様が参加し、河野太郎消費者担当大臣初め山口前大臣、飯泉知事、そして民間有識者の方々の丁寧かつわかりやすい説明に耳を傾け、多くの聴衆が、国の本気度を感じた、誘致への熱意を感じたと共感されたのであります。私も、この約三時間に及ぶシンポジウムに最後まで出席し、大きな手応えと県民の皆様の大きな期待を直接感じたところであります。 今、徳島県は、歴史的な転換期に立っております。その認識を改めて強く持ち、八月末の国の移転決定に向け、機運醸成に弾みをつけるべきではないでしょうか。 そこで、お伺いいたします。 消費者庁及び国民生活センター等の徳島移転に向け、大詰めの段階を迎えている今、県を挙げて、より一層の機運醸成を図り、移転の実現をつかみ取るべきではないでしょうか、知事の強い強い意志を伺わせていただきたいと思います。 次に、アグリサイエンスゾーンを中核とした本県農業の振興についてお伺いいたします。 本県農業は、関西の台所との言葉が示すとおり、京阪神地域における生鮮食料供給地としてその重要な地位を築いておりますが、一方で、就業人口の減少や従事者の高齢化の進展に加え、国際的にはTPP協定発効に向けた動きが進展する中、将来を見通すと、不安が存在するのも確かであります。 こうした中、石井町の旧農大跡地に新設された徳島大学生物資源産業学部農場と県農林水産総合技術支援センターを中核として形成されるアグリサイエンスゾーンにおいて、今般、タキイ種苗株式会社、Tファームいしい株式会社が参画し、産学官連携による次世代型農業研究実証事業に関する協定が締結された旨、本会議の開会日に知事の所信において報告がなされました。 私は、農業を取り巻く情勢が厳しくなる中で、成長産業化こそが本県農業の未来を築くものと考えており、このたびの協定締結により、県と徳島大学の連携に加え、国内トップの種苗メーカーが参画し、農業に関する高度な研究実証が行われることは大変有意義なことであると考えております。 そこで、さらに私はこれらの取り組みをもう一歩前に進め、このアグリサイエンスゾーンに、次世代型農業を目指す生産者はもとより、農業関連及び食品関連企業を初め、技術力や資本力のある、業種、業態を超えたさまざまな企業の参加を促すとともに、その知見を融合させることによりシナジー効果を生み出すなど、徳島ならではの新たなビジネスモデルの創造を目指すべきではないかと考えます。 そこで、お伺いいたします。 アグリサイエンスゾーンを核とした農業振興について今後どのように展開していこうとするのか、御所見をお伺いいたします。 次に、結婚支援対策についてであります。 先月、厚生労働省より公表されました人口動態統計--速報値でありますが--徳島県の平成二十七年の合計特殊出生率は一・五五と上昇し、伸び幅では全国第二位、また出生数については平成二十四年から減少傾向にありましたが、四年ぶりの増加となったところであります。 一方、徳島県における平均初婚年齢は、昨年は、男性三十・六歳、女性二十九・〇歳で、上昇傾向にあります。穏やかに晩婚化が進行している状況であります。また、婚姻件数も、近年、減少傾向にあり、人口減少と相まって、今後の少子化への影響が危惧されるところであります。 私の地元でも、未婚者がふえているように思います。一昔前ですと、近所の若者同士を引き合わせる地域の世話役などがいたんですが、最近はそういった人たちもなかなか見受けることができません。 こうしたことから、私の地元でも熱心に婚活イベントを開催いたしております。昨年、吉野川商工会議所主催で、藍染めの体験とパーティーを合わせた内容のバスツアーを行ったのでありますが、このツアーの中で誕生したカップル数は十一組ございました。 婚活イベントにおいて、一緒に何かを体験しようというのは、そのことをきっかけとした話題も広がり、次へのステップへと自然な流れをつくっていってくれるものであります。徳島には、藍染めに限らず、阿波和紙や大谷焼などの、これまで培われてきたさまざまな文化の土壌があります。このような文化的な体験やスポーツなど、これまでと視点を変えた婚活イベントがあれば、もっと参加しやすく、カップルが成立しやすいのではないでしょうか。 さて、県では、今年度は、これまでにはない一歩踏み込んだ婚活支援に取り組むと聞いております。 そこで、お伺いいたします。 第二期徳島県はぐくみプランの目標に掲げた希望出生率一・八の実現に向け、工夫を凝らした結婚支援が必要だと考えますが、御所見をお伺いいたします。 次に、障がい者の雇用の推進についてお伺いいたします。 徳島県は、全国に先駆け人口減少・超高齢化社会が目前に迫っており、今後の労働力人口の確保がこれからの徳島県の成長、発展の大きな鍵を握るものであると確信いたしております。中小企業が大部分を占める徳島県においては、働き手の確保がままならない状況であります。このままでは企業経営の継続が見通せず、徳島県の経済規模の縮小、地域経済の崩壊、さらには自治体の消滅が危惧されるところであります。 このため、これまでその能力が十分に活用されてこなかった女性や障がい者、そして高齢者など、誰もが活躍できる県民総活躍社会を構築することが喫緊に取り組むべき課題であると考えます。特に、障がいを持つ方々は、そのさまざまな障がいの特性のために、何ができるのか十分に理解されず、支えられる側になる場合が多かったところであります。 人は誰かのために役立ちたいという思いを持っておりますが、この思いは障がいのある方もない方も同じであります。障がいのある方のできることが企業などで理解されることで、その多様な能力が生かされ、生き生きと働く社会は、女性や高齢者も活躍できる社会であり、まさに県民総活躍社会であります。この社会の実現のためには、個々の障がいの特性に合わせたきめ細やかな就労体験の機会や就業能力開発を提供することで、障がい者と企業の双方が理解し合いながら就職につなげていく仕組みづくりが必要であります。 そこで、お伺いいたします。 今後、障がいのある方が持つ特性を育む就労支援の構築に向け、県としてどのように取り組んでいくのか、御所見をお伺いいたしたいと思います。 御答弁をいただき、質問を続けてまいりたいと思います。   (飯泉知事登壇) ◎知事(飯泉嘉門君) 樫本議員の御質問に順次お答えをさせていただきます。 まず、熊本地震を踏まえた災害時の物資調達体制についてであります。 このたびの熊本地震におきまして、国や全国の自治体などから多くの物資が届いたものの、集積所の混乱による配送作業のおくれ、避難所ニーズと支援物資とのミスマッチという課題が明らかとなりました。 南海トラフ巨大地震の発生が懸念される本県におきましても、物資調達体制の構築は喫緊の課題であり、広域的な応援、受援を見据えた輸送体制の整備、避難所ニーズの的確な把握について、国、県、市町村並びに民間事業者がそれぞれの役割を定め、連携していくことが極めて重要となります。 そこで、南海トラフ巨大地震に備えた国の広域的な支援計画に呼応する受援計画として、昨年の十二月、徳島県広域防災活動計画を全面的に見直し、緊急輸送ルートを初め、広域物資輸送拠点七カ所、地域内輸送拠点三十カ所などを位置づけたところであります。また、この計画をより具現化するため、本年二月からは、徳島県トラック協会と連携し、民間物流事業者の皆さん方のノウハウを最大限に活用した災害時の効率的な輸送体制の構築を進めており、今回の熊本地震の教訓を踏まえ、この取り組みをさらに加速いたしてまいります。 さらには、避難所ニーズに的確に対応するため、昨年の七月、アマゾンジャパン及びヤマト運輸と協定を締結し、必要なものを必要な量だけ支援可能な、ほしいものリストを活用した、全国に類のないきめ細やかな避難所支援体制を構築いたしてまいりました。 こうした取り組みをさらに発展させるため、このたび、セブン-イレブン・ジャパンが運用する防災システム、セブンVIEWとの全国初となる連携に合意し、各店舗の被災状況や配送車両の運行情報、県が有する通行規制情報などを双方が共有することで、物流インフラの効果的な活用を推進いたしてまいります。 今後とも、専門的なノウハウを有する民間事業者の皆様方との連携を一層密にし、大規模災害時における円滑な物資調達体制の構築にしっかりと取り組んでまいります。 次に、消費者庁等の徳島移転に向け、県を挙げて、より一層の機運醸成を図り、移転実現をつかみ取るべき、御提言をいただいております。 まず隗より始めよ、昨年の六月定例会本会議におきまして樫本議員から、東京一極集中の是正、これに対しての歯どめ、これをしっかりとかけていくんだ、そして地方への新しい人の流れを創造していくためには政府関係機関の地方移転にまずは国が率先垂範し、そして地方も強い覚悟を持って取り組み、企業の本社機能の地方移転を強力に推進していくことが重要である旨の御提言をいただいたところであります。消費者庁等の徳島移転に向けては、まさしくそのような大局観と大義をしっかりと胸に抱き、徳島の強みを最大限に生かす戦略と実証、そして県内外に向けた県を挙げての熱意と行動がまさに不可欠である、このように認識いたしているところであります。 県議会におかれましては、昨年来、いち早く、徳島移転に向けたさまざまな活動を展開していただき、その熱意がしっかりと伝わる形で、民主導の御発意により、本年の二月、県内の産学官金労言の代表者に消費者関係団体の皆様が加わりました「消費者庁・国民生活センター等」徳島誘致協議会が設置されたところであります。今年度に入りましても、誘致協議会の皆様方の先導によりまして、ただいまもお話のありました去る五月二十二日、消費者庁等徳島移転に向けた地方創生シンポジウムが六百十名に及ぶ参加者のもと開催され、大いに賛同を得るとともに、また当日、会場におきましては、女性有志の皆様方が設立したvs東京ウーマンプロジェクトによります缶バッジを用いての工夫を凝らしたPR活動が展開されたところであります。 さらに、去る五月三十一日には、誘致協議会の会長や副会長の皆様方の対応によりまして、東京の経済同友会に対する支援要請が行われ、小林代表幹事から活動への御理解を示していただくなど、県内外において積極的に理解の輪を広げていただいていることに対し、大変心強く感じますとともに、御尽力を賜っておられます皆様方に対し、心から感謝を申し上げたいと思います。 今、徳島は、移転の実現に向け、七月からの一カ月間に及ぶ業務試験を間近に控え、さらにその後の八月末までに国の決定がなされるという極めて重要な局面に差しかかっているところであります。こうした状況のもと、誘致協議会の会長を初め多くのメンバーの皆様方から、まずは七月の業務試験に万全の準備で臨み、そして試験終了後には間髪を入れず、改めて挙県一致による機運醸成を図り、県内外に広く発信してはどうかとの御提案をいただいているところであります。 事務局を預かる県といたしましては、このような貴重な御提案を真摯に受けとめさせていただきまして、八月上旬の誘致協議会開催に向け、速やかに準備を進めますとともに、開催を通じ、より一層の機運醸成を図り、県民の皆様方とともに、徳島移転をつかみ取るべく、しっかりと正念場に臨んでまいります。 今後とも、県議会を初め徳島誘致協議会、そして県民の皆様方と力強く手を携え、日本創成を徳島がリードするんだとの決意のもと、消費者庁等徳島移転の一日も早い実現に向け、全身全霊を傾注してまいります。 次に、アグリサイエンスゾーンを核とした農業振興について今後どのように展開していくのか、御質問をいただいております。 本年四月、徳島大学に、三十年ぶりの新学部となります、全国初、六次産業人材を育成する生物資源産業学部が開設されたところであります。この新学部の教育実習拠点となる石井キャンパスと農林水産総合技術支援センターを中核として形成されたアグリサイエンスゾーンにおきまして、県と徳島大学の連携によります革新的な技術の開発や、本県の次代を担う人材育成に向けた取り組みが本格的に稼働を始めたところであります。 本県の基幹産業である農業の未来を切り開くためには、議員からもお話がありましたように、本県農業の成長産業化と関連産業の振興が何よりも重要である、このように認識するところであります。このため、去る五月十八日、県と徳島大学に加え、国内トップの種苗メーカーでありますタキイ種苗株式会社及び県内の若手農業者が参画したTファームいしい株式会社を新たなパートナーとした四者において、産学官の連携協定が締結し、民間企業のノウハウと大学の最先端技術を駆使した次世代型農業の研究、実証を行うことといたしました。 具体的に以下申し上げてまいりますと、本年度、整備いたします最新鋭の大規模な高度環境制御型園芸施設を活用し、トマトの超多収性品種の育成、ICTによる環境制御技術や無人搬送ロボットの開発など革新的技術開発や、高校、農大、大学に至る幅広い学生の皆様方のインターンシップの受け入れ、高度環境制御機器を使いこなせる農業経営者の育成など、実践的な人材育成に取り組むとともに、その成果を速やかに県内へ波及させることによりまして、本県の農業の新たなステージへと躍進させれればと考えるところであります。 また、農業分野にとどまらない研究開発といたしまして、地域資源である藍の食品や医療への応用、バイオ技術を用いた医療用豚の実用化、すだち、阿波尾鶏など農畜産物の機能性の解明などに取り組むことにより、農業、食品、医療、健康などさまざまな業種との連携を推進いたしてまいります。 さらに、このたび次世代育成六次産業集積特区として県版地方創生特区の事業指定を行った石井町とも連携し、意欲ある農業者はもとより、さまざまな企業の参画を促進することによりまして、六次産業化の推進と関連産業の集積をしっかりと目指してまいります。 こうした産学官連携の取り組みを強力に推進し、アグリサイエンスゾーンを核とした知とわざの集積を図ることによりまして、新たな農業ビジネスモデルを確立し、徳島から地方創生の流れをしっかりと創出いたしてまいります。 次に、希望出生率一・八の実現に向けて、工夫を凝らした結婚支援が必要ではないか、御提案をいただいております。 本県ではこれまで、子どもはぐくみ医療費助成制度の拡充、子育て総合支援センターみらいの開設、ファミリー・サポート・センターの全県展開など、全庁を挙げ少子化対策を進めてきたところであります。また、平成二十六年十月には、徳島県少子化対策緊急強化基金を県単独で創設いたし、結婚から子育てまで切れ目のない支援に取り組んでいるところであります。 こうした取り組みの成果として、先月発表されました平成二十七年人口動態統計では、本県の合計特殊出生率は伸び幅全国第二位、そして全国平均一・四六を〇・〇九ポイント上回る一・五五となったところであります。 さらに、少子化対策の新たなステージとして、今年度を結婚支援強化元年と位置づけ、戦略的かつ重点的な施策の展開を図ってまいります。 まず、県庁内に準備室を設けておりますとくしまマリッジサポートセンター、略してマリッサとくしまを、来る七月三十一日に、とくぎんトモニプラザ内にオープンいたします。マリッサとくしまでは、専門スタッフを配置いたしますとともに、結婚支援システムの導入を行い、魅力的な出会いイベント情報の提供、希望する相手とのお見合いのセッティングなど、結婚に結びつく効果的な取り組みを進めてまいります。 また、結婚を後押しする阿波の縁むすびサポーターの養成、独身者を対象とした魅力アップセミナーの実施など、出会いから結婚に至るまでお一人お一人にしっかりと寄り添ったきめ細やかな支援を行ってまいります。 さらには、昨年度、実施いたしましたとくしま結婚支援フューチャーセッションでの若い世代の皆さん方からのアイデアをもとに、共通の趣味を持つ独身者の皆様方に自然な出会いを提供する、いわゆる趣味コンや、移住、定住につながる大都市圏在住の女性と徳島の独身男性との出会いイベント、県内への移住者と地元の独身者との交流イベントなど、市町村や民間企業、そして関係団体と連携いたしながら、本県ならではの結婚支援を実施いたしてまいります。 今後、こうした取り組みを通じまして、結婚を希望する全ての人にアイの花が咲き、希望出生率一・八がしっかりと実現できますよう、全力を傾注してまいる所存であります。   (熊谷副知事登壇) ◎副知事(熊谷幸三君) 障がいのある方への就労支援についての御質問をいただいております。 人口減少、超高齢社会が到来する中、障がいのある方を初め全ての皆さんが主役となる県民総活躍社会の実現は、本県にとりまして待ったなしの課題であると認識いたしております。 とりわけ障がいのある方の就労に関しましては、官民連携による障がい者雇用促進ネットワークの活用によりまして、昨年六月一日には、民間企業における障がい者雇用率が二・〇四%と、法定雇用率を達成したところであります。一方で、就職を希望する障がいのある方は六年連続で増加し、働きたいのに働けないとの声も届いているところであります。 こうした障がいのある方の働きたいという生の声を直接届けることで相互理解を深める、特別支援学校高等部一、二年生と企業との交流会、「You Me(ゆめ)チャレンジフェア」を開催するとともに、企業の御協力のもと、直接企業に出向きまして就業体験をも行っているところでございます。県立みなと高等学園の生徒の就業体験に際しまして、企業から、実習生のおかげで相互成長ができた、障がいのある方との交流をどんどん進めていくきっかけとなったといったお声をいただいたところでもございます。 また、求職中の障がいのある方や雇用を検討している事業主に対しましては、それぞれの障がい特性やニーズに応じました、より実践的な就業体験の場を提供するため、オーダーメード型就業職業訓練の拡充を行うことといたしております。 さらに今回、全国初となります、県と業界団体、県教育委員会による三者の協定の第一弾といたしまして、一般社団法人徳島ビルメンテナンス協会及び徳島ビルメンテナンス協同組合と協定を締結し、就業体験や就労支援を推進することで障がい者理解や雇用の促進を図ることはもとより、障がい者技能競技大会でありますアビリンピック出場選手の育成にもつなげてまいりたいと考えております。 今後とも、県といたしましては、就労支援のシンボルといたしまして、各種業界や団体との協定締結を進め、障がいのある方が働く喜びを実感できる県民総活躍社会の構築に向け、積極的に取り組んでまいります。   (樫本議員登壇) ◆三十二番(樫本孝君) それぞれ御答弁をいただきました。コメントは最後にまとめさせていただき、質問を続けてまいりたいと思います。 新たな治水・利水条例の制定についてお伺いいたしたいと思います。 地元吉野川市は、清流で名高い吉野川に育まれた町であり、いにしえより日本最大の水量によって四季折々の美しい景色が創出され、農業や漁業などが営まれている地で生まれ育った私にとって、川に対する思いは強く、現在策定が進んでいる治水・利水等流域水管理条例には大きな期待を寄せているところであります。 昨年八月には、理事者と、とりわけ若手の皆様とともに、吉野川の水問題をテーマに捉えた職員研修会へ参加させていただきました。吉野川における過去の分水の歴史、四国三県の水利用状況などを学ぶ機会をいただきました。 講演をお聞きし、幼かったころの吉野川の姿を思い出しました。五十年以上前の吉野川は、十分今日のように堤防も築かれておりませんでしたが、川中には樹林や土砂の異常堆積もなく、水は勇壮に流れ、アユがあちらこちらで泳いでいたことを思い出すなど、昔の川への思いをはせるとともに、治水利水環境のもとでの川づくりの大切さを再認識いたしました。 その後、私は、県議三十六名の方々とともども、徳島県議会治水・利水を考える議員連盟に参加したほか、独自に、先人たちが水を治めることに苦労してきた歴史、この努力のもとで生み出された利水によって農業や工業が発展してきたこと、そして使うことなく流れていく水をエネルギーに転換することは化石燃料の消費を減少させ、これにより地球温暖化の緩和、他面には国民の所得増加にもつながるという、流水から得られる便益の大きさなど、数多くのことを勉強いたしてまいりました。 去る五月十八日には、元国土交通省河川局長で、日本の治水利水史に精通し、水の番人とも呼ばれている竹村公太郎氏を講師にお招きし、日本文明と河川とのかかわり、異常気象、水エネルギーの活用に焦点を当てた勉強会を催し、今回は理事者の皆様方にもお声がけし、百名を超える方々とともに水資源行政を勉強いたしました。勉強会では、竹村氏から、講演の総括として、川を見て文明をつくり直す、川のあるところは発展するとの言葉をいただき、改めて未来へ残す川の姿を思い抱くとともに、川は次代のエネルギー戦略の一翼を担うポテンシャルを備えるとのお話はまさに我が意を得たものであり、治水・利水等流域水管理条例は、将来の川、そして徳島のあるべき姿を追求する上での重要な役割を果たすものになると意を強くいたしました。 そこで、お伺いいたします。 治水・利水等流域水管理条例の制定により、県が描く川づくりを通じた徳島の将来像について御所見をお伺いいたします。 次に、プレミアム付き商品券の発行についてお伺いいたしたいと思います。 通常国会が終了し、安倍総理から、来年四月に予定されていた消費税率一〇%への引き上げを二年半延長し、平成三十一年十月とすることが発表され、六月二日には正式に閣議決定がされたところであります。 この消費増税の延期に対しては、消費の落ち込みを回避できるため歓迎する声がある一方で、社会保障関連の財源の確保の問題や財政規律についての懸念など、さまざまな意見があるところであります。子育てや介護を初めとする社会保障は喫緊の課題であり、国が責任を持って対策を講じる必要があるとともに、地方においても知恵を絞っていく必要があると考えております。 社会保障と同時に重要であるのは、消費マインドの低下を防ぎ消費喚起につなげるカンフル剤となる経済対策であり、県内景気の上昇や雇用の安定化を確かなものとしなければなりません。 これまで県では、市町村と連携し、全国に先駆けプレミアム付き商品券を発行し、消費喚起につなげることにより地域経済の好循環を図ってきたところであり、いち早く商品券事業を打ち出した飯泉知事の英断に敬意を表するところであります。 また、商品券事業には、吉野川商工会議所を初め、我が会派県民会議の岡本副会長が会長を務める徳島県商工会連合会等の経済団体もしっかりと協力をいただいたところであり、私の地元吉野川市においても市単独で吉野川市プレミアム付き商品券を販売するなど、独自の取り組みを行うことにより、県、市町村を巻き込んだ相乗効果により、大きな消費喚起効果を生み、吉野川市におきましても久々に商業吸引力指数の向上が見られたところであります。そして、本県経済の活性化に大きな役割を担ったところであります。県民の皆様の評判もよく、私も大いに評価いたしておるところでございます。 そこで、お伺いいたします。 消費増税の延期が決定した今こそプレミアム付き商品券を発行し、個人消費を喚起させ、本県経済を持続的に発展させる必要があると考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、多発いたしております交通死亡事故の対策についてであります。 第九次の交通安全計画の最終年であった昨年の交通事故死者数は、昭和三十五年から始まった交通統計史上最少かつ全国最少の二十七人と、先日まで交通事故防止に取り組む県交通安全協会の会長を務める者として大変喜ばしく思っておりました。この成果を踏まえ、平成二十八年度から平成三十二年度までの五カ年間の交通事故死者数の抑止目標を二十台前半とする第十次の交通安全計画が今年からスタートいたしたところであります。 これまでの努力結果からすれば、二十台前半とは言わず、二十人台以下を目指してほしいと私は考えておりましたが、今年に入り、新年早々から交通死亡事故が多発いたしております。交通事故死者数は、昨日現在でございますが、三十人の方が亡くなっており、昨年一年をもう既にプラス三名も上回る大変極めて厳しい状況でございます。 交通事故発生件数は前年比マイナス一一%と減ってきておりますが、死者数の増加は余りにもひどい。このペースでいけば、ことし一年で六十人を超える方々が悲惨な交通事故に巻き込まれてお亡くなりになるのではないか、第三次交通戦争がやってくるのではないかと、大変危惧いたしております。 発生した交通死亡事故の特徴を分析いたしますと、三十人中、高齢者が約八割の二十四名を占めており、その中でも、自動車運転中にみずからが擁壁にぶつかったりし、自損事故で亡くなる方々が十名と最も多く、他の自動車との接触による事故、衝突による事故、これが六名でございます。また、歩行中に自動車にはねられた事故が四人と続いております。 個人差はありますが、加齢とともに、聴力、視力、筋力などが低下いたします。御高齢の方々にはこのことを正しく認識していただき、なれた道だからこそ慎重に安全確認をして、交通事故に遭わないよう気をつけることを啓発するとともに、御家族を初め御近所の皆さんが、大切なおじいちゃん、おばあちゃんが交通事故に遭わないよう、外出時に交通事故に気をつけるよう声かけ運動を行うべきであります。 また、県民の皆様お一人お一人が交通事故の被害者にも加害者にもならない、交通事故のない社会を目指した、人優先の交通安全思想を普及浸透させる交通安全の県民大会を開催するべきではないでしょうか。 そこで、お伺いいたします。 安全・安心な社会を実現するため、県民総ぐるみで、多発する交通死亡事故の抑止対策を強化すべきであると考えます。知事の御所見をお伺いいたします。 次に、徳島県における生徒の英語力向上について、教育長にお伺いいたします。 世界的な競争と共生が進む現代社会において、日本人としてのアイデンティティーと多様な価値観への理解と国際的な視野を持ち、主体性と積極性を兼ね備えたグローバル人材の育成が重要な課題となっております。グローバルな人材養成とローカルな人材養成、これがあわせて必要であります。今回は、グローバルの養成についてお伺いいたします。 そして、何より、こうした能力の基盤となるコミュニケーション能力の育成が不可欠であり、世界の共通語である英語力の向上が喫緊の課題であると認識しているところであります。 文科省が英語力を把握するために行ったアンケート形式の平成二十七年度の英語教育実施状況調査結果によりますと、英検三級程度以上の英語力を持つ県内中学生--これは三年生でありますが--英検準二級程度の英語力を持つ県内高校三年生とも、全国平均を上回っております。しかし、この検査のいわゆる能力は、準二級程度を持っているのがまだ全体の四〇%に達しない状況であります。 そこで、英検一級、これは準でございますが、準一級程度の英語力を持つ英語教員も、中学校が全国で第六位、高校が十八位と、比較的順位はいいのですが、平成二十九年度までに、中学校の教員で五〇%、高校の教員で七五%という国の数値目標は達成いたしておりません。まだまだ物足りないところであります。 現在、国においては、中学三年生を対象とした英語力を正確にはかる全国学力調査を平成三十一年度から実施することが検討されております。課題解決先進県・徳島としては、国の動きを待つのではなく、早急に生徒の英語力を的確にはかり、指導の改善へとつながる新たな仕組みをつくるとともに、教員の英語力、指導力もさらに高めていく必要があると考えるのであります。 昨年十二月に策定されました徳島教育大綱には、「グローバル社会で活躍!徳島から世界への扉をひらく教育の推進」が重点項目として位置づけられておりますが、これをしっかりと実現させる抜本的な取り組みが今まさに求められており、県教育委員会にはぜひとも全国の英語教育をリードする気概を持って取り組んでいただきたいと、強く願っておるところでございます。 そこで、お伺いいたします。 グローバル人材を育成するため、徳島県の生徒の英語力向上に向け今後どのように取り組んでいくのか、教育長の御所見をお伺いいたしたいと思います。 最後に、県立病院運営の今後の方向性について、香川先生にお伺いいたしたいと思います。 県立病院では、未来への集中投資として、新中央病院の整備を皮切りに、三病院の改築等を積極的に進めているところであります。この結果、中央病院を基地病院とするドクターヘリの運用や、手術用ロボット「ダヴィンチ」の導入、三好病院高層棟への緩和ケアの病棟の整備など、県下の医療機関を牽引する新たな医療機能の整備も進んでいるところであり、また海部病院の高台移転も順調に整備が進んでいるところであります。 今後は、これらの充実した医療機能を十分発揮し、県民に還元することにより、本県の安全・安心の医療を支えていくことがまさに求められているところであります。 一方で、三好・海部病院における医師不足や医師の診療科偏在の問題、国民総医療費の抑制の中で経営健全化をどう進めていくのかなど、課題も多く見受けられるところであります。とりわけ、昨年、国から公表された二〇二五年の地域の医療需要の見通しと、こうした人口減少社会に備える各圏域での地域医療構想策定の取り組みは、各医療機関の将来の経営に大きな影響を与えるものであり、特に県立病院には、地域医療において果たすべき役割を踏まえた的確な対応を図る必要があることは間違いのないところであります。 このような中、県立病院事業は、この三月まで徳島大学学長を務められた香川先生を本年四月から病院事業管理者として迎え、新たなスタートを切ったところでありますが、香川先生の識見の高さと卓越した実行力は誰もが評価するところであり、県立病院の運営に大いに力を発揮していただけるものと期待しているところであります。 そこで、お伺いいたします。 将来の本県医療の姿を展望する中、今後どのような方向で県立病院を運営していかれるのか、先生の御所見を賜りたいと思います。 御答弁をいただき、まとめに入りたいと思います。   (飯泉知事登壇) ◎知事(飯泉嘉門君) まず、治水・利水等流域水管理条例--仮称でありますが--の制定によりまして、県の描く徳島の将来像について御質問をいただいております。 現在、全力を挙げ制定に取り組んでいる治水・利水等流域水管理条例につきましては、本県における水戦略の根幹をなす治水の上に成り立つ利水との考え方を明確にし、未来を切り開く水管理の道しるべとなるものであります。 そこで、今後の水管理の基本となる理念には、あらゆる災害を見据えた強靱な県土づくりによる県民の皆様方の安全・安心の確保、先人の治水の労苦を鑑み、治水対策を最優先とする水循環秩序の構築などをしっかりと掲げ、条例を通してこうした考え方を県民の皆様方と共有し、また県内外の方々にも力強く宣言してまいりたいと考えております。 この理念を具現化するに当たりましては、徳島が持つ英知と総力を結集し、治水と利水に水教育、水循環・環境、災害対応を加えた五本柱のもとで、県を挙げて施策を展開していくつもりであります。 まず、治水におきましては、無堤地区の解消はもとより、避難時間の確保まで重点を置いた河川改修や、川上から川下までの総合的な土砂管理など、ハード、ソフトを総動員した事前防災・減災対策により、安全・安心な県土をつくり上げてまいります。 次に、利水では、異常渇水への備えを強化する適切な水利用の徹底を初め、既存ダムの最大限の活用や、本県が誇る豊かな流水エネルギーの積極的な利用など、水を賢く使い、新たにつくり出すことにより、県民の皆様方が水資源の恩恵を持続的に享受していただきますように、しっかりと取り組んでまいります。 さらに、治水の歴史と水文化を継承する水教育の充実はもとより、水循環・環境の整備や災害対応の強化といった取り組みを治水・利水対策と一体的に推進し、本県の水管理をもう一段高い次元へと進化させてまいります。 こうした総合的な水管理を通しまして、災害に強い社会を築き、人や物が集うまちをつくり、農業を初めとする産業を育むといった本県の可能性を一層高め、次代を担う若者が夢と希望を実感できる徳島の未来を形づくってまいります。 今後とも、議員各位を初め、広く県民の皆様方から御意見を賜りまして、徳島が全国の川づくりを牽引し、日本の治水、利水を変えるとの強い気概を持って、年内を目途に、新たな水戦略の幕あけとなる条例を制定できますように、取り組みを加速いたしてまいります。 次に、プレミアム付き商品券を発行し、本県経済を持続的に発展させるべき、御質問をいただいております。 国内景気を着実に回復させ、経済の活性化につなげていくためには、消費者マインドの喚起に取り組み、個人消費の向上につなげることがまさに不可欠であります。 このため、県では、商工団体、市町村との連携のもと、国に先駆け、まずは平成二十六年四月、消費税八%のスタートに呼応し、一〇%のプレミアム、そして総額三十三億円の商品券を発行し、徳島市の平均消費性向が全国第一位となる経済効果を生み出したところであります。この成果を受け、国に対し政策提言を行った結果、徳島ならではの商品券事業が日本経済の好循環創出モデルとなり、平成二十七年には国の交付金事業として全国に広がりを見せたところであります。 そこで、本県では、この交付金を活用し、プレミアムを二〇%、総額四十八億円へと拡充し、阿波とくしま・商品券を二年連続で発行し、一層大きな経済効果につなげたところであります。 議員御提案のとおり、この効果を一過性のものとせず、景気を足元から安定化させ消費喚起に直結する商品券事業を継続して行うことは極めて重要である、このように認識するところであります。 そこで、県では国に対し、消費喚起を促進するための交付金制度の拡充について再び政策提言を行いましたところ、国はすぐさまこれに呼応し、六月二日、閣議決定がなされました経済財政運営と改革の基本方針二〇一六、いわゆる骨太の方針の中で、消費者マインドの喚起策の検討が明記され、秋にも総合的かつ大胆な経済対策を講じる、このように言われているところであります。 そこで、県におきましては、この機を逃すことなく、県内の消費喚起を図りますため、商品券事業について検討を重ねてまいりたいと考えております。 なお、過去の商品券事業では、県民の皆様方から事業に対する高い御評価をいただく一方で、商品券を求め窓口に並んだが結果として購入できなかった、電話予約センターへの電話は全くつながらなかったなど、販売方法の課題についての御意見もたくさんいただいているところであります。このため、今後の商品券事業の検討に当たりましては、商品券を購入する際に、往復はがきによる事前予約や抽せん方式なども含め、公平性に配慮するとともに、プレミアム率や販売数についても、より多くの県民の皆様方に御満足していただくことができますよう工夫を凝らし、しっかりと準備を行ってまいる所存であります。 今後、これまでの商品券事業の成果や課題を踏まえ、商工団体及び市町村としっかりと連携し、より進化した商品券事業の検討を行い、国の経済対策を活用し、間髪を入れず、県内の消費の喚起と本県経済の飛躍につなげてまいります。 次に、県民総ぐるみで交通死亡事故の抑止対策を行ってはどうか、御提言をいただいております。 悲惨な交通事故は、とうとい人命を奪うばかりではなく、大きな社会的また経済的な損失をもたらすことから、事故のない安全で安心して暮らすことのできる社会を実現することは県民の皆様方全ての願いであります。このため、県では、警察あるいは交通関係団体などと連携し、春と秋の全国交通安全運動、高齢者宅の戸別訪問、県民交通安全の日の街頭指導など、さまざまな対策に取り組んでまいったところであります。 また、昨年の十月、視覚障がい者の方が後退中のトラックにひかれ亡くなるという痛ましい事故が発生した際には、県から国に対し直ちに緊急提言を行いますとともに、県議会からも意見書を御提出いただき、提言した翌日には、後退時等の安全確保を徹底する、その通知が国から発出され、県におきましては、後退時等の警告音発信を義務づける全国初の条例を、昨年の十二月、施行いたしたところであります。 こうした取り組みにより、昨年の交通事故死者数は二十七名となり、統計史上最少かつ全国最少を記録いたしたところであります。しかしながら、本年、年明け早々より交通死亡事故が多発し、高齢者の方が全体の八割を占めていることから、県下全域に交通死亡事故多発警報を発令いたしますとともに、緊急の高齢者交通安全推進員会議の開催、老人クラブ連合会での交通安全の啓発など、高齢者の皆様方の事故防止対策を今重点的に強化させていただいているところであります。 議員からもお話しのとおり、交通事故を根絶するためには、交通安全思想を県民の皆様方お一人お一人に浸透させる必要があり、家庭や地域での声がけや県民大会の開催が大変有効である、このように考えるところであります。このため、新たに、世帯普及率の高いケーブルテレビを利用した、子供さんからおじいちゃん、おばあちゃんへ呼びかける交通安全CMの放映、交通死亡事故ゼロを目指した産学官言労金が連携した挙県一致交通安全県民大会--まだ仮称でありますが--を実施するなど、県下隅々にまで人優先の交通安全思想の浸透を図ってまいります。 今後とも、県、市町村、警察や関係団体を初め、県民の皆様方と総力を挙げて、悲惨な死亡事故を根絶するという誓いのもと、まさに県民総ぐるみで、安心して暮らせる社会の実現に邁進いたしてまいりたいと考えております。   (美馬教育長登壇) ◎教育長(美馬持仁君) グローバル人材を育成するために、本県生徒の英語力向上に向け今後どのように取り組んでいくのかとの御質問でございますが、県教育委員会では、グローバル人材の資質の一つとして英語力は欠かせないものであると認識しており、これまで英語の授業改善や徳島サマースクールを初めとする校外体験活動を小中高の各ステージで実施し、児童生徒の英語力向上に努めてきたところでございます。しかしながら、議員からお話のありました平成二十七年度英語教育実施状況調査の結果につきましては、まだまだ満足のいくものではなく、生徒の英語力を一層向上させる必要があると強く感じております。 そこで、今年度から三年間を、生徒の英語力向上のための集中期間とし、まずは生徒の英語力を的確に把握するため、国の調査に先んじて、県内公立学校の中学一年生から高校三年生までの全生徒を対象とした英語力判定テストを新たに実施し、その結果から課題を分析し、授業改善へとつなげてまいります。 また、文部科学省は、英語科教員に求められる英語力を英検準一級程度以上としていることから、採用審査における本県の取り組みとして、全国初となる英検準一級程度以上の資格保有を出願要件とし、平成二十九年度からは高校英語科に、平成三十一年度からは中学校英語科に、それぞれ導入することといたします。 さらには、中学校、高校の現職教員に対しても英語力向上研修を再構築する中で、全ての英語科教員の英検準一級等の資格取得を目指して、外部検定試験の受験を促進し、英語力のさらなる向上を図ることといたします。 加えて、生徒の海外留学を奨励するため、留学の際に必要とされる国際基準の英語資格試験の受験を多面的に支援してまいります。 県教育委員会といたしましては、県内生徒の英語力を一層高め、夢あふれるグローバル人材の育成に向け、英語教育といえば徳島と全国から言われるような英語教育先進県徳島を目指し、全力で取り組んでまいります。   (香川病院事業管理者登壇) ◎病院事業管理者(香川征君) 県立病院の今後の方向性についての御質問でございますが、二〇二五年の本県の医療需要の予測では、人口減少に伴う必要病床の調整や、回復期病床の不足、在宅医療の充実など、多くの課題が示されております。こうした課題に対応していくためには、地域医療構想を踏まえた県内医療機関との適切な機能分担と円滑なネットワークの構築を通じ、本県医療の最適化を図っていく必要があります。 このため、県立三病院間の医療人材の交流や、ICTを活用した地域医療情報ネットワークの構築により、効率化、一体化を図るとともに、徳島大学病院との総合メディカルゾーン構想や、県鳴門病院を初め中核病院との連携強化、地域の医療機関との役割分担と連携により、県民の皆様へ最善の医療を提供するために取り組んでまいりたいと思っております。 二〇二五年に向けて、県立病院は引き続き高度急性期や急性期医療の機能を担っていく必要があります。その一方で、地域包括ケアシステムの構築に向けても県立病院としては役割を果たしていくこととして、早期の在宅等への復帰、復帰後の患者支援など、各病院の地域特性に応じた取り組みを推進してまいります。 また、地域医療の確保については、昨年秋から海部・那賀モデルの構築に着手し、これからの地域医療の先駆けとなるよう、保健福祉部とともに積極的に取り組んでおります。具体的には、海部病院を中心とした医師の連携診療や、地域医療研究センターを核とした魅力的な医師の研修環境の整備などにより、地域の皆様に継続して医療が提供できる体制づくりを推進してまいりたいと考えております。 病院局では、新たに病院事業経営計画の策定を進めておりまして、その着実な実行を通して、県民の皆様に最善の医療が提供できますよう、しっかり取り組んでまいります。   (樫本議員登壇) ◆三十二番(樫本孝君) 御答弁いただきました。ありがとうございました。 時間が迫ってまいりました。全ての項目、十項目でございます。今回、少し欲張り過ぎまして、項目が多過ぎました。反省いたしております。全ての項目についてコメントができませんが、コメントできる時間の範囲内でいたしたいと思います。 まず、熊本地震を踏まえた物流体制の見直し、再構築については、民間業者のノウハウを最大限に活用して、避難所のニーズに的確に応えていくことのできる仕組みづくりをしっかりと進めてまいりたいと、こういうことでございますので、これは大いに民間業者のいわゆる専門的なノウハウを利用して、皆さんの期待に応えていただきたいなと、こんなふうに思います。何もかも全てが公共がするわけにはいきません。民間にやっていただくと、非常に合理的にやっていただけると思います。よろしくお願いいたします。 次に、消費者庁の徳島移転については、今、日本中が徳島の取り組みを見ております。国の本気度や徳島の本気度を熱く見守っております。ここがまさに正念場であります。徳島の産学官金労言の総力を結集して、知事、これは必ず実現しましょう。頑張りましょう。県議会も一生懸命今まで取り組んでまいりましたが、さらに御支援してまいりたいと思います。 次に、アグリサイエンスゾーンの次なる農業振興策についてでありますが、意欲のある農業者はもちろん、さまざまな企業の参画を促進することによって関連産業の集積を目指すとのことでありました。非常にいいお答えでございまして、私は、さらにここで、この農業をいわゆる観光化にも努めていただきたいと思います。アグリパークの誘致、これもやっていただければ、楽しいゾーンになるのではないかと思っております。 ロンドンの郊外にバンフォードという施設がございますが、これはロンドンから三十キロぐらいのところだろうと思いますが、たくさん多くの都会の方々がその郊外の農村のこういう施設を楽しんでおります。非常に多くのレストランがあったりショップがあったり、あらゆるものがそこにあって、農業を楽しむことができる施設があります。ぜひ視察に行っていただきたいと思います、ビジネスクラスで。 婚活支援による少子化対策でありますが、とくぎんトモニプラザ内にマリッジサポートセンターを開設して専門スタッフを配置すると、こういうことでございます。そして、出会いのイベント情報や出会いのセッティングを行うなど、結婚を後押しする阿波の縁結びサポーターの養成を行うとのことでございます。 このサポーターの養成でございますが、これはぜひ全県下にその組織が網羅されております婦人会連合会の力をぜひかりていただきたいと思います。これはもう藤田会長さんが必ずしっかりとまとめて頑張っていただけて貢献いただけるものと、こう思っておりますので、よろしくお願いいたします。 それから、真の県民総活躍社会の実現のための施策として、いわゆる障がい者の雇用の開発でございますが、しっかりとこれは取り組んでいただきたいと思います。今、産業界は一・三〇のいわゆる有効求人倍率で、中小零細企業はなかなか人の雇用の問題でその経営がままなりません。非常に人手を求めているわけです。高齢者も女性も、そして障がい者にも職場に、ぜひ産業界に出て活躍していただき、そして喜びや感動の少ない方々に--今まではそんな世の中だったと思います--ぜひ働くことのできる楽しさ、達成感、生きがいが実感できる社会づくりをぜひ目指していただきたいと思います。 それから、もう時間がなくなりました。もうこれで半分、あと五つほどあるんですが、ちょっともうおきたいと思います。 これで、まとめでございます。 県財政が非常に厳しい中、少ない投資で最大限の効果を生み出すためには、効果の高いところに重点的に打つ戦略が何よりも重要になってまいります。いま一度、地方自治法第二条第十四項に規定した精神をしっかりと守り、飯泉知事を先頭に県がしっかりとリーダーシップを発揮して、市町村も県民も、県内のあらゆる主体が心を一つにして、真の地方創生、そして一億総活躍社会を達し得たいと思います。 私も、新たな気持ちで、新たな判断のもとに、県民の皆様のために頑張ってまいりたいと思います。御清聴ありがとうございました。(拍手)   ────────────────────────
    ○副議長(喜多宏思君) 議事の都合により、休憩いたします。      午後零時四十二分休憩   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━    午後一時四十八分開議      出席議員計三十七名          (その番号・氏名左のとおりである)     一  番     山  西  国  朗 君     二  番     原  井     敬 君     三  番     島  田  正  人 君     四  番     眞  貝  浩  司 君     五  番     岩  佐  義  弘 君     六  番     高  井  美  穂 君     七  番     古  川  広  志 君     八  番     上  村  恭  子 君     九  番     須  見  一  仁 君     十  番     岡     佑  樹 君     十一 番     中  山  俊  雄 君     十二 番     元  木  章  生 君     十三 番     岸  本  泰  治 君     十四 番     井  川  龍  二 君     十五 番     南     恒  生 君     十六 番     長  池  文  武 君     十七 番     達  田  良  子 君     十八 番     山  田     豊 君     十九 番     岡  田  理  絵 君     二十 番     岩  丸  正  史 君     二十一番     木  下     功 君     二十二番     寺  井  正  邇 君     二十三番     喜  多  宏  思 君     二十四番     丸  若  祐  二 君     二十五番     木  南  征  美 君     二十六番     川  端  正  義 君     二十七番     黒  崎     章 君     二十八番     重  清  佳  之 君     二十九番     嘉  見  博  之 君     三十 番     来  代  正  文 君     三十一番     岡  本  富  治 君     三十二番     樫  本     孝 君     三十四番     西  沢  貴  朗 君     三十五番     杉  本  直  樹 君     三十六番     臼  木  春  夫 君     三十七番     庄  野  昌  彦 君     三十八番     長  尾  哲  見 君   ──────────────────────── ○議長(嘉見博之君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 二十五番・木南征美君。   (木南議員登壇) ◆二十五番(木南征美君) 自民創政会の木南でございます。お疲れのところでございますが、しばしの間、おつき合いをいただきたいと思います。 自民創政会は、新会派として初の質問となります。会派の名前のごとく、地方創生を主眼とした県政における問題を提起し、解決するための施策を提案しながら、順次質問してまいります。知事初め理事者の皆さんには、実りのある前向きの御答弁をお願いいたします。 まず初めに、人口減少の克服と東京一極集中の是正という二つの大きな命題の解決に向けて、とくしま回帰の強力な促進についてお伺いいたします。 徳島県では、昨年七月に、全国に先駆け、徳島ならではの実践策を盛り込んだvs東京「とくしま回帰」総合戦略を、まさに挙県一致の議論をして策定したところであります。二〇六〇年に六十万人から六十五万人超を目指すという人口目標や、二〇二〇年までに社会増減をゼロにといった数値目標を明確に示し、徳島版地方創生特区を初め具体的な取り組みが既に前進するとともに、県内全二十四市町村においても、本年三月、総合計画が出そろったところでございます。 しかしながら、現実を客観的に映し出す人口に関する統計は、極めて厳しい数値を我々に突きつけております。本年二月に公表された二〇一五年国勢調査の速報値では、徳島県の総人口は五年前と比べて三万人減の七十五万六千人で、減少率は、国全体も減ったわけでありますが、〇・七%を大きく上回る三・七五%となっております。 さらに深刻なのが、東京一極集中の加速であります。国が本年一月に公表した平成二十七年の人口移動報告によると、東京都ほか三県から成るいわゆる東京圏では転入超過が前年比一万人増の十二万人と、国の目指す一極集中の縮小どころか、逆に四年連続拡大となっております。 徳島県においても例外ではなく、県が先月下旬に集計した直近値である平成二十七年度中の社会増減では、県外への転出が転入者を二千人上回る転出超過となっており、前年度の一千七百人と比べると三百人増加しているわけであります。二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックを控え、東京圏が好況に沸いているという特殊事情は考慮すべきでありますが、この状況を甘受するのではなく、今こそ危機感を改めて強く持ち、徳島ならではの地方創生を県を挙げて推進し、まさしく日本創成を実現しなければなりません。 お伺いします。 県人口の転出超過が続く中、四年後の社会増減ゼロを目指し、とくしま回帰を一段と促進していくべきと考えますが、知事の御所見をお伺いしておきます。 次に、消費者庁、消費者委員会及び国民生活センターの徳島移転の実現についてお伺いいたします。 去る三月二十二日にまち・ひと・しごと創生本部において決定されました政府関係機関移転基本方針によりますと、消費者庁等が徳島に移転することは、徳島を初め近畿、西日本の地方創生に資するという点で一定の意義が認められると示されたところであります。現在進められております国民生活センターの教育研修事業や商品テストの試験移転業務並びに七月に予定されている県庁での消費者庁の業務の検証により、移転に向けて八月末までに結論を得ることを目指すとされております。 その一方で、なぜ徳島かについて、他の地域に理解を得られるかという視点から、徳島県への移転による具体的なメリットを明らかにする必要があるとも明記されております。 消費者庁設置の経緯といたしましては、食品の産地偽装や中国製冷凍ギョウザ中毒事件などの消費者被害に対し、縦割り行政の弊害により行政の対応がおくれたことから、消費者行政を一元化する強い権限を持つ組織が必要となり、設置されたと伺っております。そのとき、徳島県はいち早く徳島発の政策提言により、消費者庁の設立や景品表示法による措置命令権限の知事への移譲など、今日の国の消費者行政の構築に貢献したと考えております。 また、本県では、地域の消費者を見守り地方消費者行政をサポートするくらしのサポーター制度など、消費者が主役となって消費者問題の解決を進めるという全国のモデルとなる先進的な事業も実施されております。 私は、消費者庁移転が実現したならば、徳島は政府機関の地方移転の先駆者となる。これは、徳島から全国の地方創生につながる第一歩となるのではないかと確信いたしております。いまだに残る、なぜ徳島かという問いに対し、各機関の移転の可否を検証する業務試験が実施されるこの時期にしっかりと、本県の消費者行政が真に全国の消費者行政の推進に寄与することをアピールしていくべきだと思います。 そこで、お伺いいたします。 消費者庁の誘致を契機に、本県の消費者行政の強みを県民や全国に発信するべきと考えますが、御所見を伺っておきます。 次に、本県農業の振興策に関して、私の思いを述べさせていただきながら、二点の質問をさせていただきます。 昨年のTPP大筋合意を踏まえ、県では、TPPに打ち勝つ明確なビジョンとして、現場の声や地域特性を反映しつつ、徳島県TPP対応基本戦略を全国に先駆け策定されたところでございます。また、現場から寄せられた生の声とともに、TPP対応を徳島発の提言として取りまとめ、関係省庁へ政策提言した結果、本県からの提言が国の補正予算に反映されるなど、これまでの県の取り組み姿勢について私は評価しているものであります。今後の施策の展開においても期待を寄せているところであります。 しかしながら、農業や農家の現状を見てみますと、まだ不十分であります。私の思いとしては、TPPが発効される前に、県内農家の抱く不安や懸念を払拭すべく、本県の基幹産業である農業への事前対策を県が不退転の決意を持って推進し、農業者が将来に希望を持てる、もうかる農業を実現してほしいと強く願っている次第であります。 県事業の展開に当たっては、将来に向けた対策を、攻めと守り、ディフェンスとオフェンスに分け、攻守のバランスをうまく図りつつ、それぞれ時代に即した有効策を進めていくとお聞きしておりますが、私としては、特に農業に関しては守りをしっかりと固めることが何より肝要だと思います。その有効対策の実施に向けては、事前に本県の農業経営の実態や産地のニーズを十分に把握していくことが最も大切であると考えております。 これまで、高品質で安全・安心な農産品の生産や新品種開発、栽培方法の工夫を先人が長い歴史の中で積み上げてきた結果、各地域ならではの多くの農産品が生み出され、本県が関西の台所として認知されるまでに至っております。こうした先人が築き上げてきたブランド産地を次世代の農業の担い手に確実に継承するなど、まずはしっかりと守りの基盤を固めることが、ブランド産地としての飛躍を遂げるための大前提となる要件であり、かつ最善の道筋であるものと考えております。 しかしながら、本県農業者の年齢構成は、六十五歳以上の高齢者割合が約六四%を占め、十年前と比べてみますと約五%増加しております。これが農業者数の減少に拍車をかけている原因でもあります。 高齢化する農家にとって、力作業である収穫・運搬作業や手間暇のかかる調整作業は大きな悩みの種となっており、こうした高齢化に伴う課題解決に向けた対策の推進が求められております。 そこで、お伺いいたします。 高齢者が支えている農業の現状を踏まえ、先人が築き上げてきたブランド産地をどのように守り発展させていくのか、御所見を伺っておきます。 続いて、オフェンス、攻めであります。攻めの対策をお伺いいたします。 吉野川北岸中下流域は、春の訪れを告げる春ニンジンの大産地であり、また我が会派杉本議員の地元であります那賀町木頭地区では、ユズが香る町として、我が国の食卓には欠かせない木頭ゆずが生産されております。 本県の農林水産業はこれまで、春夏秋冬、移り行く季節の食を彩る食材の一大供給地として確固たる地位を築いてまいりました。四季を生かしながら、高い技術力により、旬の農林水産物や多様な食品を提供できることは、本県農林水産業の大きな強みであります。 攻めの対策として県が積極的に進める輸出促進の取り組みは、本県農林水産物、食品の新たな需要の創出や販路の拡大につながる有効な手段であると考えます。これらの取り組みが大きな成果を上げることで、生産者の所得向上や魅力ある農林水産業の形成、意欲ある若い生産者の新たな参入などが期待でき、農林水産業全般に漂う閉塞感の打開にきっとつながると思います。 輸出を取り巻く環境を見てみますと、昨年、食をテーマにイタリアで開催されたミラノ万博において、本県が出展した日本館が高い評価を受けたことは記憶に新しいところであります。加えて、我が国の農林水産物の輸出金額が三年連続で過去最高額を更新したことや、訪日観光客が昨年は約二千万人と過去最高を記録したことなど、まさに日本食に対する追い風が吹いております。 輸出促進の観点で考えてみますと、長年、農業分野への影響を憂慮してきたTPP交渉の大筋合意も、関税の撤廃により、世界に売り込むチャンスが大きく広がったと考えられます。こうした状況を的確に捉え、時期を逃すことなく、本県農林水産物の輸出を加速、定着化させることが重要であると考えます。 昨年度に改定されたとくしま農林水産物等海外輸出戦略では、平成三十年度末の輸出金額として、現在の本県農林水産物の産出額のおよそ一%に当たる十一億円を目指すこととされております。戦略目標を実現し、一層の飛躍につなげるため、大胆かつ具体的な取り組みが必要であると考えます。 これまで三年間の取り組みを振り返り、今後、輸出を加速するために、今年度、どのような視点で進めようとしているのか、お伺いしておきます。 御答弁をいただき、質問を続けてまいりたいと思います。   (飯泉知事登壇) ◎知事(飯泉嘉門君) 木南議員の御質問に順次お答えをさせていただきます。 まず、四年後の社会増減ゼロを目指し、とくしま回帰を一段と促進していくべきとの御質問でございます。 昨年の国勢調査におきまして、五年前の調査と比べ、東京圏では五十一万人もの人口増となる一方、戦後の一九四七年臨時国勢調査以来増加し続けてきた大阪府の人口が六十八年ぶりに減少に転じたことに象徴されますように、三十九もの道府県で人口減少となるなど、東京一極集中や人口減少に歯どめがかからない状況が明らかとなり、県でも危機感を強めているところであります。 本県では、待ったなしの人口減少対策として、自然動態と社会動態の両面から、いち早く徳島ならではの対応を行うべく、昨年七月に策定いたしましたvs東京「とくしま回帰」総合戦略に掲げた具体的な実践策にスピード感を持って取り組んでいるところであります。 こうした取り組みの中、自然動態につきましては、先月、厚生労働省から発表されました平成二十七年人口動態統計によりますと、合計特殊出生率の全国平均が対前年比で〇・〇四ポイント増の一・四六となったのに対し、本県では対前年比〇・〇九ポイント増の一・五五となり、その伸び幅は全国第二位にランクづけされるという明るい兆しが見えてきたところであります。 一方、社会動態につきましては、本県推計人口によりますと、昨年度一年間の転出超過は二千二十三人と、一昨年度よりも三百人増加するという厳しい結果となっており、本県におきましても東京一極集中の影響が色濃くあらわれているところであります。 こうした状況にあっても、転入者数は昨年度と比べ着実に増加していることから、総合戦略に掲げた四年後の社会増減ゼロを目指し、さらなるとくしま回帰を促すためには、転入促進策と転出抑制策の両面から、より一層の創意工夫と実践が不可欠である、このように認識いたしているところであります。 進化する戦略といたしまして、まず転入促進策につきましては、消費者庁、国民生活センターなどの徳島移転の早期実現、東京有楽町に設置し相談件数を伸ばしております移住相談ワンストップ窓口のリニューアルによる相談機能の充実強化などに鋭意取り組んでまいります。 また、転出抑制策につきましても、昨年度、創設いたしました奨学金返還支援制度の対象業種や学部の大胆な拡大、新成長戦略産業分野に挑戦する本県のものづくり企業における雇用創出を図るとくしま新未来雇用創造プロジェクトの推進など、徳島ならではの新たな実践策に積極果敢に取り組んでまいります。 今後とも、産学官言労金の総力を結集し、挙県一致で、もう一段、もう二段とギアを上げ、とくしま回帰への好循環をより一層促進し、徳島創生の加速から一億総活躍社会の創造、ひいては日本創成の実現へと全力を尽くしてまいる所存であります。 次に、消費者庁の誘致を契機とした本県消費者行政の強みの発信について御質問をいただいております。 近年、増加する悪徳商法や特殊詐欺など、高齢者を中心に深刻化する消費者被害から県民の皆様を守ることはもとより、消費生活に必要な知識を身につけた自立した消費者の育成が極めて重要である、このように認識いたしております。 このため、県では、地域消費者リーダーを養成いたします消費者大学校大学院の創設、消費者と行政をつなぐくらしのサポーター阿波の助っ人の養成、就学前から高齢者までライフステージに応じた消費者教育の実践など、本県独自の取り組みを積極的に進めているところであります。中でも、くらしのサポーターの取り組みにつきましては、平成二十六年の消費者安全法の改正によりまして、消費生活協力員・協力団体として国の制度に位置づけられたところであります。 また、鳥取県では、本年五月に、とっとり消費者大学が開校されるとともに、四国大学から講師派遣も予定されるなど、本県の先進的な取り組みが他県にも広がりを見せてきているところであります。消費者庁等の移転が実現すれば、こうした全国モデルとなる施策を展開している本県を実証フィールドとして活用することにより、国の消費者行政の政策立案や法制化により一層貢献をできるものと確信するところであります。 また、現在、消費者庁におきましては、人や社会、環境に配慮した消費行動がよりよい社会を構築するというエシカル消費を普及させるため、各界の有識者から成る調査研究会を設置しており、私も調査研究会委員として参画させていただいているところであります。この調査研究会におきまして、私のほうから、若者のエシカル消費が未来をつくるとの観点から、本県の高校生の皆さんによる実践活動を紹介させていただいたところ、出席する委員から高い御評価をいただき、エシカル消費を広く国民に普及させるため、国が主催するシンポジウムを東京ではなくぜひ徳島で開催してはどうかとの御提案をいただき、来る七月二十四日、エシカルラボin徳島二〇一六の開催が決定されたところであります。 当日は、徳島をメーン会場として、東京と鳥取をテレビ会議で結んで開催いたしますことから、本県の先進的な取り組みを全国に発信する絶好の機会であり、議員お話しの、なぜ徳島かについて、全国の皆様方に御理解を深めていただける、このように考えるところであります。 消費者庁移転の業務試験が行われるこの時期を捉え、消費者目線、現場主義に立った本県の消費者行政の強みをしっかりとアピールし、消費者庁等の徳島移転のメリットを御理解いただきますよう全力で取り組みを進めてまいります。 次に、農林水産振興のこれまでの取り組みを振り返り、輸出を加速化させるため、今年度、どのような視点で進めるのか、御質問をいただいております。 国内の食市場の縮小が見込まれる中、需要のフロンティアである世界の食市場に挑戦する輸出の取り組みは、販路拡大の重要な手段であります。 県におきましては、指針である海外輸出戦略を、輸出の拡大に合わせ、二度の上方修正を行い、海外での販路開拓にワンストップで対応する輸出サポートセンターを中心に、関係機関との連携のもと、積極的な支援に努めてきたところであります。 こうした取り組みによりまして、平成二十七年度の輸出実績は、なると金時が百トンを超えたこと、木材が一億円を突破したこと、水産物の販売がアジア市場で大幅に拡大したことなどによりまして、前年度比約六割増に当たる六億一千万円へと順調に拡大してまいりました。 今後、さらに輸出を加速させるためには、これまで開拓してきた販売ルートの強化、グローバル化に対応した新たなマーケットの開拓、物流上の技術的課題への対応、輸出に取り組む新たなプレーヤーの発掘と育成への対応が急務である、このように認識いたしております。 まず、販売ルートの強化では、EUで先行するかんきつ輸出の拡大を目指し、現地ミシュランシェフや量販店バイヤーなどと生産者との交流による関係強化や、スイーツを初めとする新たな需要の開拓、すだち、ユズにユコウを加えた徳島三大香酸かんきつを前面に打ち出したラインアップの強化など、販売ルートをより太い幹へと育ててまいります。 次に、新たなマーケットの開拓では、香港、ベトナムへの初輸出などにより前年度比三倍増と拡大した米のEUへの展開、年明けにドバイで開催される中東最大の見本市ガルフード二〇一七へのハラール商品の初出展など、拡大する世界の食市場へ積極果敢に挑戦してまいります。 また、物流上の技術的課題への対応では、なると金時の品質安定のため、適温に保たれた専用のコンテナに満載して運ぶコンテナ丸ごと輸出の実施、六月補正予算で計上いたしております研究事業により、産学官連携のもと、イチゴの鮮度の保持、低コスト化を目指す海外輸出技術の開発など、高い品質を保ちつつ、より安く運ぶ仕組みづくりに着手してまいります。 さらに、新たなプレーヤーの発掘と育成では、TPP市場に挑戦する若手生産者グループの海外への売り込みを支援するほか、貿易実務の出前講座を通じまして、みずから海外で市場開拓に取り組む事業者の育成に取り組んでまいります。 今後、攻めの輸出戦略にこうした新たな視点も取り入れ、生産者、事業者及び行政が一丸となって取り組むことにより、まさに輸出が本県農林水産業における利益の源泉となるよう、全力を傾注してまいる所存であります。   (熊谷副知事登壇) ◎副知事(熊谷幸三君) 高齢者が支えている農業の現状を踏まえ、ブランド産地をどのように守り発展させていくのかとの御質問でございます。 農業における深刻な課題であります農業従事者の減少や高齢化の進行を踏まえ、徳島の人と風土に育まれてきたブランド産地をしっかりと守り発展させるためには、労働環境の改善、若者が希望の持てる魅力あるブランド産地の育成、そしてそれを次世代へ継承する、この三点が極めて重要であると認識いたしております。 まず一点目の、労働環境の改善につきましては、高齢農業従事者はもとより、全ての従事者の負担軽減を図りますため、国のTPP対策予算の積極的な活用はもとより、今年度、創設いたしました農山漁村未来創造事業を活用いたしまして、農作業の機械化の促進や出荷調整作業の集約化を推進してまいります。また、農繁期の労働力不足を解消するため、関係機関と連携しながら、求職者に対し農業技術を就業前に指導するとともに、労働力を求める産地と地域の潜在する労働力とのマッチングを進めることといたします。 次に二点目の、魅力あるブランド産地の育成を図りますためには、本県の高品質な農産物を、価格競争に巻き込まれることなく、顧客の皆様方から適正に評価していただけるよう、互いの信頼関係を構築し、農家所得を向上、安定化させることが重要であります。この役割を担う組織といたしまして本年一月に設立いたしましたとくしまブランド推進機構、愛称「地域商社阿波ふうど」は、これまで積極的かつ精力的に活動を展開いたしまして、早くも消費者ニーズに即した産地づくりや新たな販路での商談など、これまでにないビジネスの芽が出始めております。 今後も、阿波ふうどの活動の幅を広げることによりまして、さらなるブランド産地化、もうかる農業の実現を図ってまいります。 三点目の、次世代への継承につきましては、すぐれた農業経営者であります指導農業士がマンツーマンによるアドバイスを行うとともに、農地中間管理機構が農地の確保を支援することにより、産地が有する知恵、技術及び農地を円滑にバトンタッチする取り組みを進めてまいります。具体的には、県南部でスタートしておりますきゅうりタウン構想のように、就農希望者に対しまして農地やハウス施設の確保を初め、地元のベテラン農業者が生産現場で寄り添いながら、栽培技術の基礎から農業経営のノウハウ取得までサポートする取り組みを、農業版地方創生モデルとして成功に導き、県下全域へと広げてまいります。 今後とも、こうした取り組みをオール徳島体制で推進し、ベテラン農家のノウハウと若者の活力を融合することでブランド産地をさらに大きく発展させ、ともに将来明るい希望を持って歩んでいける徳島ならではの農業未来予想図を描き、これが実現できるよう、しっかりと取り組んでまいります。   (木南議員登壇) ◆二十五番(木南征美君) それぞれ御答弁をいただきました。幾らか私の感想、意見を述べたいと思います。 地方創生、とくしま回帰は、人口問題に尽きると思います。人、物、金がブラックホールのごとく首都圏に集中、これがなかなか地方に回ってこない、これを地方に取り戻すことこそが地方創生、vs東京「とくしま回帰」だと思います。地方に人、物、金を取り戻す施策を真剣に考えましょう。 消費者庁の徳島移転の実現につきましては、今、中央省庁等の地方移転の正念場です。これは地方創生の一丁目一番地と言っても過言でないというふうに思うんですが、霞が関の抵抗も想像できます。今東京で勤めている方が地方で勤めよと言われるんですから、まずは抵抗すると思うんです。しかし、この方たちにも理解をいただいて、これは政治主導でしょう。政治主導で風穴をあけましょう。 TPPについては、本県の農林水産業にとっても深刻な影響を及ぼす危険性がある反面、輸出拡大についてはビジネスチャンスでもあります。TPPを見据えて、現場は既に変わりつつあります。この方たちの応援をしっかりやってほしいと思うところでございます。地域のニーズに応じた守りの対策と攻めの姿勢を見せるとくしまブランドが世界に羽ばたくための積極的な攻めの支援策について、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。 私らは、今はとくしまブランド、地域ブランドと言われておりますが、我々は地場産業、こんなふうに言っとったんですが、なぜ地場産業という言葉がなくなったかと考えてみますと、じいとばあとがやるんでじば産業だと、こんな言い方もありますが、力の入れようによっては地場産業に若い人が参入してくる。この方策を考えていきたい、お願いしておきます。 それでは、質問を続けてまいります。 外国人観光誘客についてお伺いいたします。 ことしの三月三十日、国が公表した明日の日本を支える観光ビジョンにおいて、東京オリンピック・パラリンピックが開催される二〇二〇年の訪日外国人旅行者数の目標を二千万人から四千万人にふやすという新たな目標を掲げております。また、観光ビジョンでは、東京や大阪などゴールデンルートに偏る訪問先を地方に広げていくことが示されておりますが、このことはとりもなおさず、日本の各地域において旅先に選ばれるかという熾烈な地域間競争を意味しております。この競争に打ち勝つためには、本県のすぐれた観光資源のPRはもとより、徳島を鮮烈に印象づける効果的な発信戦略が重要でないかと考えます。 二〇一五年の訪日外国人旅行者数の国・地域別の状況を見てみますと、香港、台湾などの東アジア市場が軒並み過去最高を記録していることに加え、シンガポールやタイなどの東南アジア市場も二百万人を超える規模に達しており、大きなマーケットとして注目されているところであります。 ことし二月定例会において、私は、東京オリンピック・パラリンピックを見据えた阿波おどりの海外への積極的な魅力発信について質問しましたが、これに対して知事からは、国家レベルの海外イベントへの阿波おどりの参加に強力に支援を行い、阿波おどりの魅力を世界に発信することで外国人観光誘客にしっかりと取り組むとの答弁がありました。 知事は今議会所信で、香港などで商談会を行い、旅行業者との関係を強化すると述べられましたが、香港は本県への観光客が最も多い地域であり、徳島国際観光大使の率いるEGLツアーズ、袁社長が率いますEGLツアーズとのパイプもあります。まさに御縁もありますから、こうした強みをもとに、さらなる誘客促進に取り組んでいただきたいと思います。 さらに、シンガポールはことし、日本と国交五十周年で、国レベルでの交流行事も計画されていると聞いております。こうしたトピックも十分に活用して、阿波おどりを初め本県ならではのほかにない魅力をふんだんに盛り込んだ、これまで以上の戦略的な取り組みを進めれば、徳島をアピールできる大きな誘客につながるのではないでしょうか。 お伺いします。 東アジア、東南アジアからの訪日外国人旅行者数が大きく増加している好機を捉え、本県ならではの魅力を活用し、工夫を凝らした観光誘客戦略を積極的に行ってはどうかと考えますが、御所見を伺っておきます。 次に、県立スポーツ施設の整備についてお伺いいたします。 いろいろ言われております徳島県の現状は、糖尿病死亡率は長年、ワーストワン、平成二十六年は関係者の創意工夫により、七年ぶりにワーストワンを脱却したものの、依然、自慢できる数字ではありません。また、延べ宿泊者数は、平成二十五年と二十七年はワーストワン、全国最下位となっております。国民体育大会天皇杯順位も、平成二十五年の東京国体では最下位であります。その後の長崎あるいは和歌山国体は四十六位と、最下位争いを繰り広げております。 糖尿病は健康の問題、宿泊数は経済の問題、国体は競技力の問題、関連性がないように見えますが、私は全てリンクしていると思っております。 私は、あるスポーツ団体の代表を務めており、数多くの地区大会、全国大会に参加する機会があります。その際には、私だけでなく多くの選手、スタッフ、家族を含めた応援団が一緒に参ります。宿泊し、買い物をし、食事もするわけであります。これにより、開催地では多くの経済効果があります。ぜひ徳島県でも全国大会やスポーツ合宿を誘致し、地域の活性化につなげたいとの思いはありますが、施設の老朽化が進み、受け入れができない状況であります。 県内の施設を見てみますと、蔵本公園の野球場は昭和二十七年、築六十四年、競技用プールは昭和四十八年、築四十三年、長年にわたり使用されてきたために老朽化が著しい施設が多くなってきております。これまでも、競技ルールの変更や老朽化に伴う改修が行われてきましたが、日進月歩で進んでいるスポーツの環境の変化に改修だけでは十分に対応できない状況になっていることも事実であります。 昨年九月の藤田議員の代表質問--藤田議員はこのたび美馬市長に就任されますが--この代表質問に対して、二〇一九年から続く三大国際スポーツ大会を契機に、世界を目指す選手の育成や、徳島がメッカと言われる競技の構築を目指すとの答弁がありました。それを実現させるためには、思い切って県立スポーツ施設の整備に取り組むことが必要であると思います。 スポーツ施設を充実することにより、県民のスポーツに対する意欲の高まり、また競技者のモチベーションが上がり、県が掲げる競技力向上にもつながっていくものと考えます。さらに、全国大会等の誘致なども行いやすくなり、地域の活性化にもつながります。 そこで、お伺いします。 競技力の向上や地域の活性化を図るためにも、県立スポーツ施設の整備に取り組んでいくべきと考えますが、知事の御所見をお伺いしておきます。 次に、先ほども話題に出ましたが、熊本地震からきょうでちょうど二カ月となります。このたびの熊本地震を受けて、県の取り組みについて二点お伺いします。 このたびの地震では、二度にわたる震度七を観測し、多数の死者や避難者が発生するとともに、住宅や水道、道路などの社会基盤も甚大な被害を生じました。お亡くなりになられた方々に謹んで哀悼の意を表しますとともに、現在もなお不自由な生活を送られております被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、発災直後から、国、県の迅速な支援活動に対しては、深く敬意を表するところでございます。 このたびの地震では、二度にわたる震度七を観測し、多数の死者や避難者が発生するとともに、住宅や水道、道路などの甚大な被害が生じました。今回の熊本地震は、活断層が動いたことによる直下型の地震であり、我が県でも、県北部阿讃山ろくに中央構造線活断層が通っております。活断層地震については、南海トラフ地震に比べると発生確率は低いと言われております。しかし、一たび発生すれば内陸部で大きな被害が出るのではないかと、思いを新たにしたところであります。南海トラフだけでなく直下型地震への備えも忘れてはならないと思っております。 今回の熊本地震で一番の課題となったのは、住宅の耐震化であります。二度にわたる震度七の揺れに耐えられず倒壊した住宅が多く、前震がおさまったため一度自宅に戻り、そこで本震に遭い犠牲になられた方もいらっしゃると聞いております。また、南海トラフ地震においても、最大震度七の強い揺れが想定されるところであり、南海トラフ地震にあっても今回のような活断層地震であっても、まず地震の揺れによる建物の倒壊から身を守る対策が求められるのではないでしょうか。 まず、一点目としてお伺いします。 熊本地震の被害状況を踏まえた住宅の耐震化の促進に向け、どのように取り組んでいくのか、御所見を伺っておきます。 次に、熊本地震で浮き彫りになった課題として、避難所の問題があります。本震の翌日、熊本県内で避難者が一時、十八万人を超えました。しかし、避難所自体が強い揺れに耐えることができず、天井の落下や窓ガラスの損傷、壁にひびが入るなど、避難所があるのに使えなかったという問題が発生しております。 また、避難所が使えても、断水でトイレが使えなくなったり、仮設トイレが不衛生であったり、プライバシーの問題など、被害者を受け入れるべきはずの避難所環境が十分でなかったことや、余震による家屋の倒壊による恐怖からやむを得ず野外や車中で避難される方が多数発生したと聞いております。特に車中避難においては、狭いところで同じ姿勢を長時間続けることにより、エコノミークラス症候群を発症し死亡するという痛ましい出来事も発生しました。 このように、熊本地震では避難所をめぐるさまざまな課題が指摘されており、南海トラフ地震中央構造線活断層地震などが発生した場合、本県においても同じような問題が起きることが懸念されます。ついては、いつ大規模な災害が発生しても、被災者が安心して避難所を使うことができるよう、その対策を今から講じておくべきだと考えます。 そこで、二点目としてお伺いします。 南海トラフ巨大地震中央構造線活断層地震に備え、避難所の安全性確保や環境整備にどのように取り組んでいくのか、御所見を伺っておきます。 最後に、徳島自動車道早期四車線化についてお伺いいたします。 徳島自動車道は、昨年三月に高松自動車道や神戸淡路鳴門自動車道と結ばれたことにより、高速交通ネットワークとしての重要性が一層増しております。一方、全線のほとんどがまだ暫定二車線区間であり、対面通行ということで、規制速度が時速七十キロメートルと低く、また車両の追い越しができないため、全体としての走行速度が低下するなどの課題があります。 さらに、暫定二車線区間では正面衝突が発生しやすく、徳島自動車道だけではなく全国的に重大事故が発生しており、死亡事故の発生率は四車線以上の区間の約二倍となっているなど、安全性の面からも大きな課題を抱えていると強く感じたところであります。 これまで、徳島自動車道の早期四車線化については、知事も積極的な姿勢で臨んでおり、私たち徳島県議会においても、徳島自動車道整備促進議員連盟として、国などに対し繰り返し要望を行ってまいりました。また、さきの二月定例会においては、徳島県議会を挙げ、「徳島自動車道の早期四車線化を求める意見書」を取りまとめ提出するなど、徳島自動車道の四車線化に全力で取り組んでいるところであります。 久しく整備が進展していなかった徳島自動車道に対し、去る六月七日、国土交通省から、付加車線設置検討路線に選定するとの発表がありました。これにより、徳島自動車道に新たな付加車線が整備されることになります。しかしながら、徳島自動車道においての目標はあくまで全線四車線化であり、我々はまだまだ取り組みの手を緩めるわけにはいきません。 そこで、お伺いします。 徳島自動車道の早期四車線化に向けて県はどのように取り組んでいくのか、御所見を伺っておきます。 御答弁をいただきまして、まとめに入りたいと思います。   (飯泉知事登壇) ◎知事(飯泉嘉門君) まず、本県ならではの魅力を活用した外国人観光誘客の取り組みについて御質問をいただいております。 国内の人口減少が進行する中、外国人観光誘客は幅広い分野に大きな経済効果をもたらすことから、地域経済の活性化にまさに不可欠であります。 本県では、平成二十七年の外国人延べ宿泊者数が、速報値ながら、対前年比約六一%増、過去最高となります五万七千六百八十人を記録し、これまでの官民挙げての取り組みの成果が着実に発現しているところであります。 本県では、観光庁がインバウンド対策として認定した全国七つの広域観光周遊ルートのうち、全国で唯一、三つのルートに位置づけられるとともに、今年四月、同庁が策定した二十の具体的なモデルコースのうち、全国最多の七コースに組み込まれているところであります。さらに、東京オリンピック・パラリンピックのエンブレムにジャパンブルー藍色が採用されたところであり、これまでの取り組みを加速させ、さらなる高みを目指し、徳島を世界へ売り込んでいく、その時期はまさに今であります。 折しも香港では、ことし十月から十一月にかけて、在香港日本国総領事館の主催で、日本文化の魅力発信と交流の促進を目的に、日本秋祭in香港が、また日本との国交五十周年を迎えるシンガポールでは、十月に、両国の友好と相互理解を深めるイベントSJ五〇が、それぞれ予定されているところであります。これらの行事を絶好の機会と捉え、徳島が世界に誇る伝統芸能阿波踊りを派遣し、豪快さとしなやかさをあわせ持つ研ぎ澄まされたわざを披露し、現地の皆様方も巻き込んで熱気あふれる踊りの渦を展開することで、徳島を強烈に印象づけるとともに、阿波藍を初めとするあわ文化や豊かな自然、食、さらにはLED、そしてアニメなど、徳島ならではの魅力を余すことなく発信してまいります。 加えて、県内観光事業者の皆様方と連携し、現地旅行会社との商談会を行い、徳島自慢の観光素材を効果的に組み合わせた旅行商品の造成にもしっかりとつなげてまいります。 今後とも、旅行者や旅行会社のニーズを的確に捉え、東アジア、東南アジアを初め世界に向けて、知恵と工夫を凝らした誘客戦略を積極的に展開し、新たなゴールデンルートは徳島からと言われますよう、外国人観光誘客を通じた徳島発の地方創生の実現に全力で取り組んでまいります。 次に、県立スポーツ施設の整備に取り組んでいくべき、御提言をいただいております。 本県を取り巻くスポーツ環境といたしましては、二〇一九年から三年連続して、日本、関西、徳島の地で、ラグビーワールドカップ、東京オリンピック・パラリンピック、関西ワールドマスターズゲームズのいわゆる三大国際スポーツ大会が開催され、国際レベルのプレーを身近に体験をできるとともに、選手として、またボランティアとして国際大会に参加することによりまして、県民の皆様方のスポーツに対する関心や意欲がこれまで以上に高まるものと考えられるところであります。 このため、本県では、三大国際スポーツ大会のキャンプ地や開催地の誘致によりまして、青少年の体力、運動能力の増進、生活習慣病対策、競技力の向上など、本県が抱える深刻な課題を一気に打破し、さらには、スポーツを取り巻く環境を新たなステージへと飛躍させレガシーの創出につなげる千載一遇のチャンス、このように考え、本年四月から、副知事を本部長といたします国際スポーツ・文化推進統括本部を新たに設け、挙県一致でその誘致に取り組んでまいります。 また、スポーツの振興を強力に推し進めていくためにはハード面の充実も不可欠であり、これまでも、建設から数十年を経過した施設につきましては、単なる長寿命化を目指す改修だけではなく、鳴門・大塚スポーツパークポカリスエットスタジアムなどのように、バックスタンドの改築に伴う観客席の増加に加え、防災拠点としての整備を行うなど、一歩先を見据えた取り組みを行ってきたところであります。 議員御提案のとおり、スポーツ施設の整備は、競技力の向上はもとより、県民の皆様方の健康の保持増進や健康寿命の延伸、さらには大規模な大会や合宿の誘致が可能となるなど、地域の活性化にも大いに資するものであります。そこで、三大国際スポーツ大会の開催を控えたこの絶好の機会を捉え、今後、県民の皆様がスポーツを身近に親しみ、健康で活力に満ちた生活を送り、交流の輪を広げられますよう、統括本部長である副知事をキャップとし、未来に継承できる本県スポーツ施設のあり方を検討するプロジェクトチームを早急に立ち上げてまいります。 次に、徳島自動車道の四車線化についての御質問であります。 徳島自動車道につきましては、本県の経済、産業の発展や観光振興による活力ある地域づくりなど、地方創生の礎となる重要な道路であり、さらに九州と近畿を結ぶ四国の大動脈であることから、早期の四車線化が強く求められるところであります。しかしながら、暫定二車線区間が全線の約八割を占め、対面通行であることから、正面衝突による死傷事故、異常気象や工事による通行どめなど、利用者の安全性や快適性においてサービスレベルが確保されていない状況にあります。 一方、昨年の七月、開催されました国の社会資本整備審議会の中間答申におきまして、暫定二車線区間についてはその状態を長期間継続すべきではないとの指摘がなされ、四車線化を進める最初のステップとして、付加車線の設置、追加などの対策を実施する方針が示されたところであります。 こうした方針を受け、徳島自動車道の対策が急がれる箇所とその要因を把握するため、交通量や速度低下の状況、事故発生場所の道路構造、通行どめ時間などについて、県独自のきめ細やかな分析を行い、効果的な付加車線の設置を具体的に提示し、その必要性を国に対し繰り返し提言してまいったところであります。また、県議会におかれましては、徳島自動車道整備促進議員連盟の皆様方の積極的な要望活動や意見書の提出など、力強い御支援を賜ってきたところであります。 その結果、去る六月七日、全国四カ所の付加車線設置検証路線の一つとして徳島自動車道徳島-川之江東間が選定されたところであり、今後、近傍の四車線区間に比べおおむね二五%以上の速度低下が生じる区間に付加車線が試行設置され、通行車両の速度データに基づき、安全性や走行性に係る検証が行われることとなります。今回の検証路線の選定を絶好の機会と捉え、国の検証作業に全面的に協力いたしますことにより、さらなる四車線化につなげ、利用者の皆様方の安全性、快適性を高めてまいります。 今後とも、一日も早く全線四車線化されますよう、機会あるごとに国や西日本高速道路株式会社へ力強く働きかけてまいりますので、議員各位のこれからも変わらぬ御支援をどうぞよろしくお願いを申し上げます。   (海野副知事登壇) ◎副知事(海野修司君) 熊本地震の被災状況を踏まえた住宅の耐震化についての御質問でございますが、直下型活断層地震である熊本地震は、想定せぬ二度の震度七の強い揺れにより、十四万棟を超える住宅が被災し、多くの人命が失われました。一度目の揺れで持ちこたえられた住宅が二度目の揺れで倒壊した事例も数多く見られ、昭和五十六年の新耐震基準以降の住宅でも被害が報告されているところであります。 このような状況を踏まえ、本県での発生が懸念される南海トラフ巨大地震中央構造線活断層地震に対して、助かる命を助ける住宅の耐震化が重要であると改めて認識したところであります。 これまで、新耐震以前の住宅については、平成十六年度に木造住宅耐震化促進事業を創設し、平成二十三年度には、簡易な耐震改修を支援する住まいの安全・安心なリフォーム支援事業を加え、平成三十二年度末に耐震化率一〇〇%を目指し、市町村と連携して取り組みを進めてまいりました。平成二十五年度からは、その対象を、より基準が強化された平成十二年の新新耐震基準以前のものにまで拡大するなど、全国に先駆けた、大規模地震に対してより安全な実効性の高い制度へと進化させてまいりました。 また、今年度は、震災により犠牲になることが多い高齢者の命を守るため、新耐震以前の住宅の高齢者世帯の方が耐震シェルターを設置する場合に、補助率を二分の一から五分の四に、補助の上限額を四十万円から八十万円にまで拡充したところであります。 さらに、一階が完全に押し潰された住宅や、原形をとどめないほど崩れた今回の状況を見るにつけ、二度とこのようなことを起こさぬよう、助かる命を助ける耐震シェルターの設置が急務であると考え、この補正予算において、その対象を、高齢者のみの世帯から全世帯へ、新耐震以前から新新耐震以前へとさらなる支援拡充を図り、耐震シェルターの設置を促進してまいります。 加えて、去る六月三日には、耐震改修の基準を新新耐震にまで引き上げた本県発の取り組みを全国に展開すべく、新耐震も対象とする耐震改修促進税制の拡充、新たな交付金の創設などについて、国土交通大臣に対し政策提言を行ったところであります。 今後とも、南海トラフ巨大地震はもとより、中央構造線活断層地震など大規模地震における死者ゼロを目指し、県民の皆様の命を守る住宅の耐震化をなお一層加速させてまいります。   (後藤田政策監登壇) ◎政策監(後藤田博君) 避難所の安全性確保や環境整備についての御質問でございます。 熊本地震におきましては、ただいま木南議員のお話にもありましたように、天井や照明器具の落下、窓ガラスの破損などで、約七十カ所もの避難所が使用不能になるとともに、避難所自体は無事であっても、ライフラインの寸断による衛生環境の悪化やプライバシーの確保など、さまざまな課題が浮き彫りとなったところでございます。また、多数の方が車中泊を余儀なくされ、エコノミークラス症候群による災害関連死の事例も報告されており、安全で快適な避難所の整備が何よりも重要であると再認識したところでございます。 こうしたことから、これまで取り組んでまいりました耐震化や避難所の指定拡大などに加え、今回新たに六月補正予算案において避難所緊急安全診断事業を創設し、安全性の確認が必要な約九百カ所の避難所を対象に、市町村が実施する天井や照明などの安全性の調査を緊急に支援することといたしております。この緊急診断の結果、必要な対策につきましては、避難所の機能強化をメニューに盛り込んだ進化する「とくしま-0(ゼロ)作戦」緊急対策事業を活用し、市町村をしっかりと支援してまいります。 また、本県では、全国に先駆け、災害関連死ゼロを目指す戦略的災害医療プロジェクトを展開しているところであり、これまで、住民の皆様方が主体となった快適避難所運営リーダーの養成、福祉避難所向けの介護食の備蓄などに取り組んできております。さらに、避難所運営において、人道支援の国際的基準でありますスフィアスタンダードの考え方を取り入れるとともに、今回の熊本地震の教訓をしっかりと踏まえ、新たに、野外避難に対応したテント設備、高齢者にも配慮した簡易洋式トイレなどの緊急備蓄に取り組むほか、仮設トイレを含めた避難所の衛生環境の向上に取り組んでまいります。 今後とも、ハード、ソフトの両面から、きめ細やかな対策を展開し、あらゆる大規模災害に対しまして、県民の皆様方が安心して避難できる環境づくりにしっかりと取り組んでまいる所存でございます。   (木南議員登壇) ◆二十五番(木南征美君) それぞれ御答弁をいただきました。 まず、県立スポーツ施設の整備について申し上げたいと思います。知事からは、副知事をキャップにしたプロジェクトチームを早期に立ち上げると、こういう御答弁をいただいて、関係者も非常に喜んでいるんでないかと思います。 この整備について、私は先日、高校総体、徳島県高等学校総合体育大会の水泳競技、この日は雨でして、気温が二十三度、水温二十二度という厳しい条件のもとで開催されました。蔵本プールであります。ここしか公認プールはないわけであります。 築四十三年ですから、スタート台、旧の形です。今、主力に使っているのは、後ろにキックする羽根がついとるわけですが、これは使えません。それぐらい買ってやれって言われるんですが、古いもんですから水深がない。スピードスタートすると危険なんです。させません。 こんな環境の中で、いわゆるタッチパネルというんがあるんですが、普通は五十メートルごとのラップをとるんですが、ここは片方しかありません。両方つけようとすると、公認がもらえないんです。で、レースができないというプールであります。 飛び込み競技というのがあります。この飛び込み競技、高飛び込みあるいは板飛び込みというのがあるんですが、飛び込んでスタートしてから水中に入るまでに二秒弱です。一秒ぐらいで入ります。これは全く集中の競技です。六本ぐらい飛ぶんですが、この飛び込み施設は蔵本プールの機械室の上にあるもんですから、オスプレイとまでは言いません、しかし物すごい騒音の中で、集中した競技なんかできないんです。そんな中でやっています。 これは何で言っているかというと、プロジェクトチームをつくった暁の参考にしてほしいと思うわけです。こんなところで競技をしているから、非常に子供たちかわいそうであります。箱物ですから、県民の皆さんに御理解いただきたい、あるいはマスコミの皆さんにも御理解いただいて、余りにも子供がかわいそう過ぎますんで、御理解を賜って、できるだけ早く環境改善してやってほしい、心からお願いを申し上げるところでございます。 いろいろ申し上げたいことがありますが、こんなことで、余分なことを言いましたので時間がなくなりましたから、まとめに入りたいと思います。 本日は、県政の重要課題について何点か質問させていただきました。飯泉知事は今議会開会日に、県民目線、現場主義で徳島創生の加速、さらには一億総活躍、ひいては日本創成の実現へと全力を傾注していくと力強く所信を述べられました。 徳島県は、日本の課題でもある高齢化と少子化が全国平均を上回り、また、これまでになく厳しい財政環境にあります。少ない投資で最大限の成果を生み出すため、確かな選択肢を持ち、より効果の高い施策を重点的に推進することが何よりも重要になってまいります。 我々自民創政会も、徳島発展のために、県民の皆様のために、一生懸命力の限り頑張ることをお誓い申し上げて、私の全ての質問を終わりたいと思います。御清聴ありがとうございました。(拍手)   ──────────────────────── ○議長(嘉見博之君) 議事の都合により、休憩いたします。      午後二時五十六分休憩   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━    午後三時十六分開議      出席議員計三十六名          (その番号・氏名左のとおりである)     一  番     山  西  国  朗 君     二  番     原  井     敬 君     三  番     島  田  正  人 君     四  番     眞  貝  浩  司 君     五  番     岩  佐  義  弘 君     六  番     高  井  美  穂 君     七  番     古  川  広  志 君     八  番     上  村  恭  子 君     九  番     須  見  一  仁 君     十  番     岡     佑  樹 君     十一 番     中  山  俊  雄 君     十二 番     元  木  章  生 君     十三 番     岸  本  泰  治 君     十四 番     井  川  龍  二 君     十五 番     南     恒  生 君     十六 番     長  池  文  武 君     十七 番     達  田  良  子 君     十八 番     山  田     豊 君     十九 番     岡  田  理  絵 君     二十 番     岩  丸  正  史 君     二十一番     木  下     功 君     二十二番     寺  井  正  邇 君     二十三番     喜  多  宏  思 君     二十四番     丸  若  祐  二 君     二十五番     木  南  征  美 君     二十六番     川  端  正  義 君     二十七番     黒  崎     章 君     二十八番     重  清  佳  之 君     三十 番     来  代  正  文 君     三十一番     岡  本  富  治 君     三十二番     樫  本     孝 君     三十四番     西  沢  貴  朗 君     三十五番     杉  本  直  樹 君     三十六番     臼  木  春  夫 君     三十七番     庄  野  昌  彦 君     三十八番     長  尾  哲  見 君   ──────────────────────── ○副議長(喜多宏思君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 三十六番・臼木春夫君。   (臼木議員登壇) ◆三十六番(臼木春夫君) 新風・民主クラブの臼木春夫です。新風・民主クラブを代表し、質問させていただきます。 本日は、大変お忙しい中、傍聴にお越しをいただきました皆さん、本当にありがとうございます。心よりお礼を申し上げ、皆様方の思いを代弁させていただきます。 去る四月十四日に発生しました熊本地震は、震度七を二回も観測する連鎖地震で、熊本を初め九州全土を揺らし、甚大な被害を出しました。このたびの震災でお亡くなりになられた方々の御冥福をお祈り申し上げます。また、負傷された方々、今なお避難所生活を余儀なくされている被災者の皆さんに心からお見舞いを申し上げるとともに、一日も早い復旧、復興をお祈り申し上げる次第でございます。 さて、安倍総理は、さきの衆議院選挙では、消費税増税を再び延期することはないと断言していました。ところが、皆さん、どうでしょう。強引にも参議院選挙前に、消費税一〇%への増税を再延期すると表明したのです。常々私どもが言っている、アベノミクスの成果が地方まで届いておらず、景気はまだまだ回復していないことの証拠であります。 このままでは、少子化対策や社会保障の財源はどうなるのか、また日本の財政健全化はどうなるのか。消費税増税にかわる財源が示されておらず、このままでは社会や経済の不安が広がってしまいます。総理は改めて国民に対して丁寧な説明をし、誠実に責務を全うしなければならないと思うところでございます。 それでは、近々の県政に対する課題と身近な方々の意見や要望などを取り上げて質問に入らせていただきます。本日、私が最後の代表質問となりますので、皆様お疲れと思いますが、県民の皆さんの切実な要望や願望に対しまして、理事者の皆さんの簡潔明瞭で丁寧な御答弁のほどよろしくお願いしておきます。 最初に、食の安全・安心対策の推進についてお伺いいたします。 去る五月二十二日、消費者庁の徳島移転に向けた地方創生シンポジウム「消費者庁を徳島へ!」が開催されました。私も出席させていただきましたが、まず驚きましたことはテレビ会議システムで、徳島のICT環境のすばらしさですね。三月に神山で実施された業務試験では支障があったように聞いていたんですが、今回は、東京本部から参加されていた河野大臣とのやりとりも非常にスムーズで、距離の壁は徳島移転の問題にはならないと感じました。 通勤に二時間もかかる東京で働くのではなく、徳島で働くことになれば、働き方が変わる。そして新しい人の流れが生まれ、消費者庁を初めとする政府機関の地方移転は東京一極集中を変えられると実感したものであります。 消費者庁の発足は、平成十九年度以降に相次いだ食品の偽装表示や中国冷凍ギョウザ事件が一因でもありますが、先般も、廃棄カツが食品として流通するなど、相変わらず消費者の食の安全・安心を揺るがす事件が多発しており、食品に対する不安が増大しております。このような状況の中、徳島の消費者行政の中でも、食品表示の適正化に関する条例の制定や食品表示ウオッチャー制度に代表される食の安全・安心に係る各種施策については、全国モデルとなるような先進的・先駆的取り組みとして県内外で広く認識されているところであります。 消費者庁の徳島への移転が実現すれば、地域の消費者に密着した現場の声を反映した制度設計や施策展開が可能となり、さらなる消費者行政の進展が期待されます。言うまでもなく、消費者が安全で安心な消費生活を営む上において、食の安全・安心の推進は極めて重要な役割を果たしております。 そこで、お伺いいたします。 消費者庁誘致を実現し、徳島の先駆的な取り組みを国の施策に生かせるよう、さらに食の安全・安心対策を推進すべきだと考えますが、御所見をお伺いいたします。 次に、鳴門わかめの産地偽装問題についてお伺いいたします。 徳島を代表する四大ブランドの一つである鳴門わかめについては、たび重なる加工業者の偽装を受け、これまで関係者が連携して消費者の信頼確保に向けた取り組みの中、残念ながら、昨年十一月に続き本年一月にも産地偽装が判明いたしました。県も、これらの加工業者を刑事告発するなど厳正に対処されており、その対応については大いに評価しておりますが、当の事業者がこれだけ頻繁に産地偽装に手を染めていれば、消費者の信頼を取り戻すことは到底できません。 我が会派としても、こうした状況を打開したいと、三月に、ワカメ生産量、消費量ともに日本一である岩手県に出向き、ワカメの生産、加工や産地偽装対策について、行政、生産者団体の双方から直接お話を伺ってまいりました。三陸ワカメは、ほとんど全てが全国漁業協同組合連合会の登録を受けた加工業者による入札で取引されており、入札参加資格を失うリスクを冒してまで産地偽装を行おうとする加工業者はいないとのことでした。 徳島では、長い歴史のもと、各生産者がそれぞれ加工業者と取引を行っており、こうした入札制度の導入が大変難しいことは承知しておりますが、関係者の方々には、将来を見据えて、この制度の導入についてぜひ御検討をいただきたいと思います。 さきの二月議会で、我が会派の黒崎議員の代表質問に対し、知事からは、鳴門わかめ認証制度を定着させ、しっかりと取り組みを進めていくとの力強い答弁をいただきました。その取り組みとして、生産から加工、流通、消費に至る関係者で組織する鳴門わかめ認証事業推進協議会を立ち上げ、さらには徳島県鳴門わかめ認証制度の事業推進に関する指針を策定しております。 こうした取り組みを大いに評価しておりますが、大切なのは、加工業者だけでなく、鳴門わかめに携わる関係者が自分たちでブランドを守るという自覚と強い危機感を持って、二度と産地偽装を起こさせない仕組みをつくり取り組んでいくことだと思います。 そこで、お伺いいたします。 新たに策定した指針に基づき、今後どのように鳴門わかめの産地偽装の根絶に向け取り組んでいくのか、お伺いいたします。 次に、食品ロス対策についてお伺いいたします。 日本では年間約二千八百万トンの食品廃棄物が排出されていると言われており、このうち、食べられるのに廃棄される食品、いわゆる食品ロスは年間六百四十二万トンと推計されています。これは、日本の食用魚介類年間六百二十二万トンに匹敵する大変な量であります。 食料自給率が低い我が国において、食品ロスは、企業、消費者双方にとって真剣に取り組まねばならない課題であります。食品ロスを減らすために、県民の一人一人ができることから始める必要があるのではないでしょうか。 例えば宴会の場合は、始まるとすぐにお酒のつぎ合いになり、料理はほとんど残っているということを皆さん経験していると思います。聞くところによると、宴会の最初に主催者が、始まってからの三十分と終わる前の十分は席に座って料理を食べようという宣言する運動があるようです。 私も最近、実践するようになりましたが、やはり食べ残しは減りました。それと、最初から飲み始めるより、ちゃんと食べてから飲むので、悪酔いもしなくなったような気がします。皆さんもきょうからどうぞ実行されてはどうでしょうか。よろしくお願いします。 このように、食品ロス対策といっても、誰もがすぐできる活動もあるので、身近なことから始めて、少しずつでも食品ロスを減らしていければと思います。 また、最近、企業が取り組んでいるのが、フードバンクです。食品メーカーなどから寄附された食品を、ホームレスの人々や災害被害者、福祉施設など食に困っている人たちに無償で提供する活動で、発祥地のアメリカでは二百以上の団体が活動しており、日本でも沖縄や大阪を初め、徳島においても最近、活動が始まっております。さらに、個人の参加も進み、賞味期限が近づいた食品を持ち寄るなど、もったいないという思いを共有する人々の輪が次第に大きくなりつつあります。 こうした動きも、食品ロスの削減に効果があると考えられますので、しっかりと連携を図りながら活動を進めていくことが重要であります。 そこで、お伺いいたします。 今後、食品ロス対策について、県としてどのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。 次に、本社機能の移転を初め、企業誘致をどのように進めていくのか、お伺いいたします。 地方創生については、本県においても、県を初め全ての市町村が総合戦略を策定しており、本格的な事業展開が始まっております。政府のまち・ひと・しごと創生本部の名前のとおり、地方創生を実現するためには、まずは人の流れを東京一極集中から地方へと変えなければなりません。 そのためには、人を大都市から地方へ流入させること、そして地方から人の流出を食いとめることが重要であり、それには働く場所の確保が大きな鍵であると私は考えております。まずは、既存の県内企業において、設備投資や販路拡大などにより雇用のパイをどんどん広げていただくことが重要であり、厳しい経営環境の中、そう簡単ではないと思いますが、できるだけ努力をお願いしたいところであります。 また、起業、創業の促進支援を行い、雇用の場を創出していくことも大事だし、直接的に首都圏や関西から企業を誘致してくることもあわせてやっていくべき取り組みであります。特に企業誘致においては、全国の地方自治体が取り組んでいるところであり、激しい地方への誘致競争の最中ではありますが、即効的に雇用を生むので、積極的に進めるべきと考えます。 中でも、企業の本社機能の移転は、地元雇用だけでなく人材そのものが外から流入を伴うという利点があるとともに、研究開発や情報処理など専門的かつ優秀な人材の移住が期待できます。さらに、将来の支社・支店開設などの広がりも期待できるので、積極的に促進するべきと考えます。 そこで、お伺いいたします。 首都圏からの本社機能の移転誘致を初め、徳島ならではの企業誘致にどのように取り組んでいくのか、所見をお伺いいたします。 続いて、地方での雇用創出についてお伺いいたします。 徳島においては、平成二十五年七月から三十四カ月連続で有効求人倍率が一・〇倍超えを維持し、また本年四月には、徳島労働局にデータが残る昭和四十年以降で最高の一・三〇倍となるなど、雇用情勢はぼつぼつではありますが改善しているものの、地域や業種によっては大きなばらつきがあるところです。 さらに、全国に先駆けて人口減少・超高齢化社会が到来する徳島県において、地域経済の縮小や将来の労働力不足が目前に迫っているところであり、地域経済の活性化や県内企業の持続発展を実現させるためには、成長分野などにおける企業誘致の推進や産業人材の育成確保などが必要ですが、安定した雇用の場の確保に向けては、特に地域の実情に応じた徳島ならではの雇用政策を進めることが重要であると思います。 また、事業の実施に当たっては、より効果的な雇用創出に向け、地域における総合労働行政機関である徳島労働局と一体となって、安定した雇用を創造するためのビジョンを明確にした上で取り組みを進めるべきであると考えます。 そこで、お伺いいたします。 県内経済を支える徳島ならではの雇用創出に向け、今後どのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。 御答弁をいただいて、質問を進めてまいります。   (飯泉知事登壇) ◎知事(飯泉嘉門君) 臼木議員の御質問に順次お答えをさせていただきます。 まず、消費者庁誘致を実現し、さらに食の安全・安心対策を推進すべき、御質問をいただいております。 消費者行政、とりわけ食の安全・安心対策は、食品の生産から加工、流通、消費の現場の実態をしっかりと把握し、得られた現場感覚をもとに施策の企画立案制度化が進められるべきものと、このように認識するところであります。 本県では、国に先駆け、食の安全・安心を初め消費者行政全般を一元的に所管する部署を設置いたしますとともに、全国初となる食品表示の適正化等に関する条例の制定、食品表示Gメンによる監視体制の強化、生産から消費に至る過程の見える化を進める県版トレーサビリティー制度の創設などに取り組んできているところであります。 こうした取り組みをもとにした国への政策提言によりまして、これまで消費者庁の創設に大きく貢献させていただいたほか、消費者の皆様方にわかりやすい食品表示制度、都道府県知事への措置命令権限の移譲、違反行為に対する罰則強化などがまさに日本の制度として具現化されてまいりました。本年五月には、消費者と一体となった監視体制であります本県独自の食品表示ウオッチャー制度を国の制度として位置づけるよう政策提言を行ったところであります。 また、新たな取り組みとして、従来の行政主体ではなく、事業者みずからが消費者と意見交換をするリスクコミュニケーション事業を七月には実施することができますよう鋭意準備を進めているところであり、ぜひ消費者庁の皆様方にも現場の実態を目の当たりにしていただきたい、このように考えるところであります。 このように、本県は消費者目線、現場主義の実証フィールドとして最適であり、消費者庁の移転によりまして、本県の先進的、先駆的な施策を実証モデルとした新次元の消費者行政が実現をできるものと、このように確信するものであります。そして、これらの施策の全国展開は、日本全体の消費者行政、食の安全・安心対策の機能向上に資するものであり、まさに徳島発の日本創成につながるものであります。 さらに、食の安全・安心情報が徳島から全国に発信されることで、とくしまブランドのイメージが向上し、本県にもたらされるメリットもまた極めて大きいものと、このように考えるところであります。 今後とも、本県が日本の消費者行政をリードするんだとの気概を持って、消費者庁移転を現実のものとし、そして消費者目線、現場主義に立ったさらなる食の安全・安心対策にしっかりと取り組んでまいります。 次に、食品ロスに対する今後の対策について御質問をいただいております。 我が国で年間に発生する食品由来廃棄物、議員からもお話がございましたように約二千八百万トン、そのうちから五百から九百万トンが、食べられるにもかかわらず捨てられている、いわゆる食品ロスであります。この数字は、米の国内生産量とほぼ同じ、さらに世界の食料援助量の何と約二倍という途方もない数字でありまして、生産された方々や日々の食事にも事欠く世界の多くの方々のことを考えると、まことに憂うべき事態であります。 この問題は、先月、富山県で開催されましたG7環境大臣会合においても議論がなされ、世界的にもその削減が重要課題となっており、喫緊に取り組むべき課題である、このように認識するところであります。 本県におきましては、昨年の一月、県民の皆様方の環境活動の行動指針として策定いたしました環境首都とくしま・未来創造憲章におきまして、食べ物の恵みに感謝し、食材を無駄なく使い、食べ残しをやめようという項目を掲げ、出前授業や各種イベントを活用し、実践行動の促進に取り組んできているところであります。また、本年二月にはアスティとくしまで、「食品ロス・消費生活の中での3Rを考える」をテーマにシンポジウムを開催いたしまして、県民の皆様方への普及啓発に努めたところであります。 今後は、県民の皆様が気軽に取り組むことができる身近な活動といたしまして、家庭を初め飲食店やホテルでの食事においておいしく食べ切る運動を、県内最大の環境団体でありますとくしま環境県民会議やフードバンク活動を行う団体の皆様方と連携を図り、県民お一人お一人が主役となる県民運動にまで広げ、さらには事業者の皆様方にも御協力いただけるよう全力を傾注してまいりたいと考えております。 また、来る十月、中四国では初となります3R推進全国大会が本県で開催されることから、この機会を逃すことなくしっかりと活用し、県民の皆様方みずからライフスタイルを見直すきっかけとしていただきますとともに、3Rに関する理解を深めていただければと考えております。 加えて、全国大会のプレイベントとして予定しているとくしま3Rフェスティバルにおきまして、食品ロスに関する講演会の開催、先進事例の展示ブースの設置、エコ料理レシピの提供などを通じて、食品ロスの現状やその対策についてしっかりと学んでいただきますとともに、行動の実践を促したいと考えております。 今後、県民、事業者、行政が一丸となって、日本が世界に誇るもったいない精神を発揮し、食品ロスの削減に努めるとともに、あわせて廃棄物の焼却量を減らすことにより二酸化炭素の排出抑制を進め、環境首都・新次元とくしまの実現に積極的に取り組んでまいる所存であります。   (熊谷副知事登壇) ◎副知事(熊谷幸三君) 臼木議員の質問に対しまして二点御答弁を申し上げます。 まず、鳴門わかめの産地偽装の根絶に向けた取り組みについてでございます。 県では、昨年度、相次ぎ判明いたしました二件の産地偽装を、ブランド存続の危機と重く受けとめまして、この三月に立ち上げました鳴門わかめ認証事業推進協議会の御意見を踏まえ、五月二十日には、産地偽装の根絶に向けた指針を策定いたしました。この指針では、県に加え、生産者、加工業者、流通業者など鳴門わかめに関する全ての関係者が連携し、鳴門わかめ認定加工業者の増加、認証商品のブランド力向上と販路拡大、コンプライアンスの徹底、鳴門わかめの増産、品質向上を重点的に取り組むことといたしております。 中でも、現在十六事業者にとどまっております認定加工業者につきましては、平成三十年度末までに八十にふやすとの新たな数値目標を掲げ、その目標達成に向け、簡易な加工を行うワカメ養殖業者の加工履歴の簡略化、県と漁協が連携したワカメ生産数量等の確認体制の強化のほか、認証シール印刷制度の導入など、大幅な制度改革を行ったところであります。 現在、関係漁協に出向きまして、認証制度の改正内容を順次御説明いたしますとともに、今月下旬には、加工業者の方々を対象に、新たに策定いたしました認証制度申請ガイドラインによる説明会を開催するなど、新たな認証制度の周知徹底を図り、七月には申請の受け付けを開始したいと考えております。 次に、認証商品のブランド力向上、販路拡大に向けましては、物産観光交流プラザあるでよ徳島におきまして、全ての納入事業者が認証を取得するよう取り組みを強化いたしますとともに、ポスターやチラシなど宣伝資材の作成、活用、県が主催いたします展示商談会における認証商品の使用の徹底を図ってまいります。 また、コンプライアンスの徹底に向けましては、新たに、東京、大阪両本部に職員を置き、とくしま食品表示Gメンを任命したところであります。県内はもとより県外で流通する食品に対しましても、監視の目を光らせてまいります。 さらに、鳴門わかめの増産、品質向上に向けましては、高温耐性品種の普及や色落ち被害の防止対策などを進めてまいります。 今後とも、産地偽装の根絶に向け、不正行為は決して許さない、起こさせないという強い決意のもと、関係者の皆様としっかりと連携を図り、鳴門わかめのブランド確立に向け全力で取り組んでまいります。 次に、首都圏からの本社機能の移転誘致を初め、徳島ならではの企業誘致にどのように取り組んでいくのかとの御質問でございます。 本社機能移転につきましては、新たな雇用の創出及び地域経済の活性化など、地方創生の実現にとりまして極めて重要であると認識いたしております。 このため、本県への本社機能移転を図るべく、昨年度、全国に先駆け地域再生計画を策定し、国の支援措置に加え、本県独自の取り組みといたしまして、県税の優遇措置、オーダーメード型の補助制度の拡充など、受け入れ体制の強化を図り、企業誘致に努めてまいりました。その結果、本年二月には、兵庫県に本社を置きます、清涼飲料水の製造を行いますキンキサイン株式会社の本社機能移転が実現したところでございます。 また、LED、光ブロードバンド環境という二つの光の強みを生かし、首都圏や関西圏での誘致フォーラムの開催を通じたトップセールスに加え、コールセンターを初めとする情報通信関連事業及びサテライトオフィスを対象といたしました補助メニューの創設が相まって、とりわけ情報通信関連企業におきましては、現在、県内三市三町に二十事業者が立地し、千人を超える雇用を生み出しているところであります。これらの事業者の中には、アニメや4K映像などのデジタルコンテンツ制作、インターネットを活用したリユース事業、クラウドアプリケーションのシステム開発などを行います、県内外の学生や若手人材が働きたいと思うような先進的で魅力的な事業所の立地も進んでおり、今こそ戦略的に人材の育成や確保に取り組む絶好の機会であると認識いたしております。 そこで、今後は、立地企業が有します事業ノウハウやブランド力、情報発信力を最大限活用し、将来の業界を担う技術者の創出を目的としたプログラミングセミナーや合宿の開催、クリエーターの集積につながるようなデジタル作品の制作展示などにより、産学官と地域が一体となって、クリエーティブ人材の育成や企業の魅力発信を行ってまいります。 今後とも、東京、大阪に配置する企業誘致コーディネーターや県人会の関係者、企業との連携を一層強化し、本社機能移転を初めとした企業誘致や有能な人材の育成確保を促進し、本県ならではの企業集積と雇用の好循環を図ってまいります。   (小笠商工労働観光部長登壇) ◎商工労働観光部長(小笠恭彦君) 県内経済を支える徳島ならではの雇用創出に向けた取り組みについて御質問いただきました。 人と仕事の好循環を生み出し、とくしま回帰を加速するためには、地域産業の競争力の強化や、安定的かつ良質な雇用創出が必要不可欠であります。本県特有の産業構造や雇用状況に応じた施策が求められております。 そのため、これまでも、vs東京「とくしま回帰」総合戦略において、地域における仕事づくりを基本目標に掲げ、コールセンター、データセンター等の情報通信関連産業の誘致、LED関連企業の開発、生産、ブランド化等の支援、女性や高齢者等の多様な人材の活躍の場の創出などに積極的に取り組んでいるところであります。 議員御提案のとおり、より効果的な雇用政策を進める上で、地域に密着した専門的な労働行政を行う徳島労働局との連携は極めて重要であると考えており、本年三月には、徳島県雇用対策協定を労働局と締結したところでございます。また、四月には、雇用対策協定に基づき、vs東京「とくしま回帰」総合戦略の考え方を取り入れた基本計画を策定し、当計画により、地域産業を支える人材の確保、働き続けられる労働環境の整備を二本柱として、互いの強みを生かし、効果的かつ一体的に、徳島ならではの雇用対策を進めているところであります。 この取り組みの一つとして、光ブロードバンド環境を最大限に生かし、従来の標準的な公的職業訓練のスキームでは対応できない地域のニーズに応じた柔軟な訓練プログラムの実施により、4K、8Kの映像技術者、地域活性化コーディネーターなどの新たな人材育成を行う地域創生人材育成事業に鋭意取り組んでいるところでございます。さらに、これまで本県の経済、雇用を支えてきた製造業における雇用創出を図るため、産学官金労の関係機関と連携し、平成三十年度までの三年間で七百人の雇用を目指すとくしま新未来雇用創造プロジェクトの実施に向け、今議会に予算案を提出させていただいております。 今後とも、徳島労働局を初めとする関係機関との強い連携のもと、産業政策と一体となった徳島ならではの雇用創出にしっかりと取り組んでまいります。   (臼木議員登壇) ◆三十六番(臼木春夫君) それぞれ答弁をいただきました。コメントは最後にまとめて述べさせていただきます。 それでは、質問を続けます。 徳島市内の鉄道高架事業についてお伺いいたします。 昨年の二月議会で質問したところですが、やはり徳島駅前の交通渋滞の原因の一つである花畑踏切の高架化は早く事業着手していただきたいという案件であり、多くの県民の要望であると考え、再度質問させていただきます。 きのうも家まで--北島ですが--帰ったんですが、私はきのうが典型的な交通渋滞でございました。北島の北村まで一時間三十分かかりました。 申すまでもありませんが、徳島市内の鉄道高架事業は、鉄道を高架化し踏切をなくすだけでなく、鉄道と交差する道路の整備や、鉄道により分断された街の一体化など、県都である徳島市の総合的なまちづくりを目指すものであります。踏切遮断の解消や交通渋滞の緩和を初め、消防車や救急車などの活動経路の分断解消など、都市の活性化や安全・安心、ユニバーサルなまちづくりが期待できます。 事業は、駅前広場と街路などのまちづくりを徳島市が行い、それに合わせて徳島県が鉄道を高架し、踏切を除去するものであり、佐古駅付近の高架化は平成七年度までに完成しております。 一方、JR高徳線、牟岐線の徳島駅西から文化の森付近までの約四・七キロメートルの区間については、平成十八年に連続立体交差事業の着工準備箇所に採択され、都市計画決定に向けた取り組みを進めているようですが、採択されてから既に十年がたっております。この間にも、花畑踏切のある出来島周辺の住民の方々や、毎朝毎夕通勤で渋滞に巻き込まれておられる皆さんは、首を長くして、今か今かと、一日も早い花畑踏切の高架化を待ち続けているのです。 そこで、お伺いいたします。 徳島市内の鉄道高架事業の現在の進捗状況と、事業の早期着手に向け県として今後どのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。 次に、胃がん対策についてお伺いいたします。 日本における死因の第一位はがんで、年間約三十七万人の方が亡くなっており、特に胃がんは、肺、大腸に次いで死亡者が多く、日本では約五万人、世界においても約百万人が亡くなっています。 胃がんの原因はさまざまですが、二〇一四年のWHOの専門組織である国際がん研究機構の報告によると、胃がん発病の八割はピロリ菌感染が原因であるとし、特に胃の入り口以外の胃がんでは九割が原因であると同時に、ピロリ菌を除菌することにより胃がんの発症は三割から四割減らせるとのことです。 ピロリ菌とは、胃の粘膜にすみ着く細菌で、衛生状態が悪かった時代に幼少期を過ごした団塊の世代以前では八〇%前後の方が感染しており、高齢者ほど感染率が高いと言われています。また、ピロリ菌に感染するのは子供のころで、一度感染すると自然に菌が消えることはなく、胃の細胞はピロリ菌の出す毒素によってダメージを受け続け、慢性的な胃炎が起こり、ストレスなどのダメージが加わると胃潰瘍や十二指腸潰瘍、最悪の場合には胃がんになると言われています。 一方、ピロリ菌の除菌のため抗生物質を服用すると、耐性菌がふえるおそれがあるなどのマイナス面も指摘されています。しかし、実態としては、二〇〇〇年に、胃潰瘍、十二指腸潰瘍について、その後、慢性胃炎についてもピロリ菌の除菌治療が保険適用となるなど、除菌治療はだんだんと身近なものになってきております。 こうした中、まだまだピロリ菌の存在自体を知らない人も多く、検査や除菌の必要性とともに、啓発の重要性を実感しているところであります。 そこで、お伺いいたします。 原因の一つとされるピロリ菌を含めた胃がん対策に県としてどのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。 次に、介護の必要な高齢者の増加と担い手不足が進行する中、一人で複数の高齢者を介護せざるを得ない事態に陥る多重介護の問題についてお伺いいたします。 本格的な少子高齢化の中、介護の担い手不足は深刻であり、アベノミクスの新三本の矢に位置づける介護離職ゼロの実現にはなお解決すべき課題が山積みしています。 介護保険の主たる利用者は七十五歳以上ですが、二〇二五年には団塊の世代の全員が仲間入りし、私自身もその一人であります。一方で、現役世代は今後も減少を続け、二〇二〇年代前半にも全国で二十五万人の介護人材が不足すると見込まれています。 介護人材の不足は、家族の介護を任せられる受け皿の減少につながり、最終的に介護のために仕事を続けられないという悪環境に陥るのではないかと危惧しているところでございます。今から将来を見据え、介護を任せられる環境の整備に取り組むべきです。 まず第一に必要なのは、介護職場で働く人が将来に希望を持って働ける処遇改善です。 介護現場では、肉体的に大きな負担を担うにもかかわらず、賃金が他の職種より月額で十万円程度低いことが、高い離職率の要因であると言われています。平成二十七年四月の介護報酬の改定では、全体がマイナス改定となる中、賃金アップに充てられる処遇改善加算が増額されましたが、賃金面での充実に加えて業務の負担軽減を図り、介護人材の定着率を高める取り組みが必要です。 第二に、地域密着型特別養護老人ホームやグループホームなどの施設の充実です。 要介護度が上がり、在宅での介護が困難になった場合でも、安心して任せられる環境がなくてはなりません。本格的な少子高齢化が進む中で、多重介護は避けては通れない問題であり、ハード、ソフトの両面からのサポートが求められているのではないでしょうか。 そこで、お伺いいたします。 多重介護の問題に直面する県民の不安解消のため、介護を任せられる環境の整備に今後どのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。 次に、高齢者の交通事故に関連して質問いたします。 全国的に、高齢ドライバーによる高速道路での逆走、アクセルとブレーキの踏み間違い、さらには認知症が原因と推測される重大交通事故の発生がたびたび報道されております。本県においても、ことしに入り、交通死亡事故が急増しており、死者の約八割が高齢者、その約半数が高齢ドライバーとお聞きいたしております。 本県の高齢化は全国よりも速いペースで進んでおり、これに比例して、高齢ドライバーが関係する交通事故の増加も懸念されます。高齢者の安全・安心を確保しながら、豊かな生活を送ることのできる取り組みが必要ではないでしょうか。 三年前の平成二十五年二月議会において、高齢者の交通死亡事故減少のための取り組みをお尋ねしたところ、警察本部長からは、車の運転に不安のある高齢者の方が免許証を自主的に返納した場合における公共交通機関の割引制度を支援するとの答弁をいただきました。本県の公共交通機関の状況を見ると、買い物や通院など日常生活を送る上で車の運転が不可欠であることは承知しておりますが、高齢者が交通事故の犠牲あるいは加害者となるようなことはあってはならないと考えております。 そこで、お伺いいたします。 県警察におかれて進めてきた、免許証を自主返納した高齢者に対する支援策と今後の取り組みについてお伺いいたします。 御答弁をいただいて、コメントし、締めに入ります。   (飯泉知事登壇) ◎知事(飯泉嘉門君) 鉄道高架事業について御質問をいただいております。 徳島市内の鉄道高架事業につきましては、都市交通の円滑化や一体的なまちづくりといった平時の効果はもとより、避難路や救援路の確保、一時避難場所としての活用など、南海トラフ巨大地震を初めとする大規模災害を迎え撃つ県土強靱化の観点からも、ぜひとも早期に実現すべき事業と、このように考えているところであります。 議員からお話しの花畑踏切につきましては、これまでも、県が実施いたしました歩車道分離や、JR四国による遮断時間の大幅な削減により、渋滞緩和が図られたものの、本年四月施行の改正踏切道改良促進法におきましても、対策が不可欠なボトルネック踏切とされており、早期の整備の必要性を十分認識いたしているところであります。 しかしながら、花畑踏切を含む徳島駅周辺の整備には、車両基地を移転する必要があり、回送列車による踏切遮断時間を最小限にするため、新町川以南の高架化を先行して整備することが不可欠であります。加えて、徳島駅周辺の整備につきましては、公共交通の利用促進につながるまちづくりや、徳島駅北口へ接続する東西道路の検討など、都市計画決定を行うに当たり解決すべき課題があり、その解決には一定の時間を要するものであります。 このため、県といたしましては、整備が可能なところから早く着手し、事業の進捗が県民や市民の皆様に目に見える形で進めていくこと、これらが何よりも重要である、このように考え、新町川から冷田川までの付近約二・九キロメートルを先行して都市計画決定を行い、早期に着手し、結果として全区間を早期に完成できる分割案を提案しているところであります。 これまで、県、市、JR四国の三者協議におきまして、新町川以南を先行する施工手順や、早期に着工し全区間の早期完成を目指すことについては三者で一致しており、残る課題である徳島駅周辺の整備に向けた取り組みやスケジュールについて協議を進めてきているところではありますが、三者合意には至っていないところであります。現在県が提案している分割案は、既に三者で合意している車両基地移転計画とあわせ、早期完成への最善の手法である、このように考え、新たな体制となった徳島市さんにおきましては、できるだけ早くお考えをおまとめいただき、早期事業化に向けた道筋がつきますよう、一歩先の未来を見据え、協議を重ねてまいります。 鉄道高架事業は、地域の活性化や防災・減災機能の強化など、平時、災害ともに大きな効果が期待されますことから、県市協調のもと、JR四国にも御理解をいただきながら、新しいステージに向け、しっかりと取り組みを進めてまいります。   (吉田保健福祉部長登壇) ◎保健福祉部長(吉田英一郎君) 臼木議員からの御質問に関しまして、私から二点ほど御答弁を申し上げます。 まず、ピロリ菌を含めた胃がん対策についての御質問でございますけれども、日本における死因の第一位はがんであり、特に胃がんは、肺がん、大腸がんに次いで死亡率が高く、平成二十六年には徳島県で三百八人の方がお亡くなりになっております。 県といたしましては、早期発見、早期治療につながる胃がん検診の受診率向上に向けまして、企業、団体等と連携した啓発活動の実施、若い世代を対象としたがん教育の実施、大切な家族へがん検診を呼びかけるメッセージカードの作成等に取り組んできたところでございます。この結果、本県における胃がん検診の受診率は、平成二十二年の二七・五%から平成二十五年の三五・一%へと、七・六ポイント向上いたしまして、取り組みの成果があらわれてきているところでございます。 胃がんの原因の一つとされるピロリ菌に関しましては、平成十二年に、胃潰瘍、十二指腸潰瘍について除菌治療の保険適用が認められ、平成二十五年には慢性胃炎についても適用対象となったところでございます。 しかしながら、ピロリ菌検査の胃がん検診への導入につきましては、国のがん検診のあり方に関する検討会において、死亡率の減少効果を示す明確な科学的根拠がないため、さらなる検証が必要とされているところでございます。加えて、胃がんのリスク要因がピロリ菌だけではないこと、また除菌治療による副作用や除菌がうまくいかなかった場合の耐性菌の増加なども指摘されているところでございます。 県といたしましては、こうした点を踏まえつつ、専門の医師や検診機関などで構成されます徳島県生活習慣病管理指導協議会において議論を進めてまいります。また、ピロリ菌を初めとするがんに関する正しい知識の普及のため、昨年度は、市町村及び各保健所の保健師を対象とした研修会を開催したところでございまして、今年度は、県民向けの公開講座の開催や職場におけるがん検診の受診促進などを積極的に実施していくこととしております。 今後とも、胃がんの早期発見、早期治療につながるよう、がん検診の受診促進に努め、胃がんによる死亡率減少にしっかりと取り組んでまいりたいと考えてございます。 続きまして、介護を任せられる環境の整備に今後どう取り組んでいくのかとの御質問でございますが、核家族化の進行により、一人で複数の高齢の家族を同時に介護する多重介護の問題が注目を集めているところでございますが、高齢者の介護が必要となった場合、家族だけが介護を担うのではなく、社会全体で支え合う環境の整備が今後ますます重要となってまいります。 平成十二年四月にスタートいたしました介護保険制度は、介護を社会全体で支え合う画期的な制度として着実に定着してきたところであり、今後、高齢者が住みなれた環境で長く暮らすことができる地域包括ケアの構築に向けて、介護人材の確保、介護基盤の整備により一層取り組む必要があると認識しております。 まず、介護人材の確保につきましては、本県から介護職員の処遇改善を提言した結果、平成二十七年度から月額一万二千円相当の処遇改善加算の拡充が図られたところであり、本年六月二日に閣議決定されたニッポン一億総活躍プランにおきましても、キャリアアップの仕組みの構築、月額平均一万円相当の改善が盛り込まれたところでございます。 今後とも、あらゆる機会を捉え、制度の周知徹底を図り、より多くの事業者に介護職員の処遇改善を進めていただけるよう、引き続き取り組みを進めてまいります。さらに、学生や求職者などに就業を呼びかける、介護の裾野を広げる取り組みを着実に進めるとともに、平成二十八年五月の政策提言で提案いたしましたアクティブシニアの活躍による世代間の介護シェアの実現に向けた規制緩和、介護ロボットの活用促進など、新たな着眼点から具体的な施策を提言してまいりたいと考えております。 また、介護基盤の整備につきましては、本県はこれまでも基盤の充実を図ってきた結果、介護保険施設の高齢者人口に対する整備率が全国トップクラスと、充実した環境にございますが、さらなる充実を図るため、地域医療介護総合確保基金を有効に活用し、市町村が介護保険事業計画に位置づけた地域密着型特別養護老人ホームやグループホームなど介護の受け皿となる基盤整備を支援してまいります。 本格的な人口減少、超高齢社会を迎える中、高齢者の介護は県民の誰もが直面する問題であり、その不安を解消するためにも、今後とも地域包括ケアの構築に向けた取り組みをしっかりと進めてまいりたいと考えております。   (鈴木警察本部長登壇) ◎警察本部長(鈴木信弘君) 県警察がこれまで進めてきた、免許証を自主返納した高齢者に対する支援策と今後の取り組みについて御質問をいただいております。 運転免許証の自主返納制度につきましては、加齢に伴う身体機能の低下等により自動車の運転を継続する意思がなくなった方が、御本人の申請により運転免許を取り消すものであり、本県における昨年中の自主返納者は約千四百人と、十年前の約五倍となっております。 運転に自信がなくなった高齢者の方々がこの制度を活用して運転を控えていただくことは、交通事故防止の観点からは有効な方策の一つと考えておりますが、本県の公共交通機関の実情等を鑑みますと、高齢者の方々が日常の生活を送る上で車両を運転する必要性が高いことも事実であります。先般、免許証の更新に訪れた高齢運転者の方々を対象に実施したアンケートにおいても、免許証を返納した後の移動手段の確保が困難であることや、日々利用することとなるバスやタクシーなどの乗車運賃の負担が大きいとの意見が多く寄せられたところであり、自主返納制度を有効に機能させるためには、高齢者の方々がお住まいの地域にかかわらず、車両の運転に頼ることのない交通環境を整備する必要があることを再認識いたしました。 県警察におきましては、これまでにも、議会の御議論を踏まえ、一部地域のタクシー事業者の御理解により、免許証を自主返納された高齢者に対する運賃の割引サービスをお願いしてまいりましたが、このたび、さらなる支援策といたしまして、県内ほぼ全域で路線バスを運行している徳島バス株式会社に協力を申し入れたところ、返納者に対するバスの割引制度の導入計画を進めていただけることとなったほか、同社に運行を委託している自治体にも現在協力を呼びかけているところであります。 また、一部自治体においては、既に高齢者に対する割引制度や移動手段の確保のための施策を導入していることから、これらの事業と有機的に連動することにより、自主返納された方々に対する支援が県内全域に広がるものと期待しております。 来春には改正道路交通法が施行され、高齢運転者の認知機能検査なども強化されますが、交通事故防止は何よりも県民一人一人が思いやりや譲り合いといった交通安全意識を高めていくことが重要であり、割引制度等の新たな施策を推進することはもとより、関係機関や団体との連携により、これまで進めてきた各種の施策をさらに進化させ、悲惨な交通事故を一件でも抑止してまいります。   (臼木議員登壇) ◆三十六番(臼木春夫君) それぞれ御答弁をいただきました。コメントを述べさせていただきます。 まずは、食の安全・安心対策について、知事の消費者行政に対する熱意がよく伝わってまいりました。この徳島県の熱意をもって、消費者庁移転を必ず実現してください。それが地方創生を実現する道だと私も思います。 次に、鳴門わかめの産地偽装根絶については、県がリーダーシップをとって、認定加工業者をふやす取り組みを着実に進めていただき、二度と産地偽装を起こさせないようお願いいたします。 次に、食品ロス対策については、食べ物の恵みに感謝する気持ちを県民の皆さんに育んでいただけるよう、県民運動にまでぜひとも取り組みを広げていただきたいと思います。 次に、企業誘致と雇用創出については、県下全域に整備されている光ブロードバンド環境の強みを生かして、4K映像を初めとするデジタル企業の誘致や関連業種の人材育成、訓練に一層取り組んでいただき、若者のとくしま回帰が一段と進むようお願いいたします。 次に、鉄道高架事業については、都市計画決定にはまだ時間を要することは理解しておりますが、ぜひとも新体制となった徳島市と県が協調し、早期事業化に向けて一日も早く道筋をつけていただきたいと思います。 次に、胃がん対策については、やはりより多くの人にがん検診を受けていただくことにより、早期発見、早期治療、死亡率の減少につながりますので、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。 次に、介護を任せられる環境の整備については、介護人材の確保、そして基盤施設の充実を図り、地域包括ケアシステムの構築にしっかり取り組んでいただき、社会全体で支え合い、笑顔で家族の介護ができるような環境を整備していただきたいと思います。 次に、免許証を自主返納した高齢者に対する支援策については、さらなる支援策として、御答弁のありました徳島バスによる割引制度の導入計画や、こうした事業と自治体の施策との連動によって、自主返納した高齢者の方が生活に不便を感じることがなく、かつ悲惨な交通事故が起こらないよう、積極的な支援をお願いしたいと思います。 さて、この夏行われる参議院選挙より、十八歳からの投票となりました。投票率が低下している現在、若い世代の声を直接選挙という形で政治に反映できるのは大変すばらしいことです。若者がもっともっと活躍ができる社会をつくっていただくために、国として県としてさらに考えていかなければなりません。 この国の未来のために私が常々考えておりますのは、誰にも丁寧に接することの大切さです。どうすればよいのかといえば、答えは二つ、笑顔で、そして挨拶です。笑う門には福来るや、笑顔にまさる化粧なしという言葉どおり、笑顔で挨拶すれば人の心を和ませ、周りも自分も明るく幸せな気分になります。幸せだから笑うんじゃなく、笑うから幸せになれるというのは、逆説ではなく真実であると思います。 自分が、周りだけでなく、徳島県民全てが笑顔でいられるように、政策、施策にしっかりと取り組んでいただき、徳島に生まれてよかった、徳島に住んでよかったと思える郷土徳島を創生するようお願いを申し上げ、私の全ての質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)   ──────────────────────── ○副議長(喜多宏思君) 以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。   ──────────────────────── ○副議長(喜多宏思君) 本日は、これをもって散会いたします。      午後四時二十四分散会   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━...