ツイート シェア
  1. 徳島県議会 2016-02-25
    02月25日-03号


    取得元: 徳島県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-17
    平成28年 2月定例会   平成二十八年二月徳島県議会定例会会議録(第三号) 平成二十八年二月二十五日    午前十時四分開議      出席議員計三十八名          (その番号・氏名左のとおりである)     一  番     岩  佐  義  弘 君     二  番     山  西  国  朗 君     三  番     原  井     敬 君     四  番     島  田  正  人 君     五  番     眞  貝  浩  司 君     六  番     高  井  美  穂 君     七  番     古  川  広  志 君     八  番     上  村  恭  子 君     九  番     井  川  龍  二 君     十  番     藤  田  元  治 君     十一 番     元  木  章  生 君     十二 番     南     恒  生 君     十三 番     岸  本  泰  治 君     十四 番     岡     佑  樹 君     十五 番     須  見  一  仁 君     十六 番     中  山  俊  雄 君     十七 番     長  池  文  武 君     十八 番     達  田  良  子 君     十九 番     山  田     豊 君     二十 番     丸  若  祐  二 君     二十一番     寺  井  正  邇 君     二十二番     喜  多  宏  思 君     二十三番     木  南  征  美 君     二十四番     川  端  正  義 君     二十五番     岩  丸  正  史 君     二十六番     岡  田  理  絵 君     二十七番     木  下     功 君     二十八番     黒  崎     章 君     二十九番     岡  本  富  治 君     三十 番     樫  本     孝 君     三十一番     杉  本  直  樹 君     三十二番     西  沢  貴  朗 君     三十四番     重  清  佳  之 君     三十五番     嘉  見  博  之 君     三十六番     来  代  正  文 君     三十七番     臼  木  春  夫 君     三十八番     庄  野  昌  彦 君     三十九番     長  尾  哲  見 君   ────────────────────────  出席職員職氏名     事務局長     小  原  直  樹 君     次長       延     良  朗 君     議事課長     日  関     実 君     政策調査課長   仁  木     幸 君     政策調査課副課長 四  宮  哲  也 君     議事課副課長   阿  部  英  昭 君     議事課主査兼係長 松  永  照  城 君     議事課主査兼係長 谷  本  か ほ り 君     議事課主任    笹  本  時  代 君     議事課主任    廣  田  剛  志 君     政策調査課主事  森     陽  子 君   ────────────────────────  列席者職氏名     知事       飯  泉  嘉  門 君     副知事      熊  谷  幸  三 君     政策監      豊  井  泰  雄 君     政策監      海  野  修  司 君     企業局長     酒  池  由  幸 君     病院事業管理者  片  岡  善  彦 君     政策監補     小  谷  敏  弘 君     危機管理部長   黒  石  康  夫 君     政策創造部長   七  條  浩  一 君     経営戦略部長   原     一  郎 君     県民環境部長   高  田     浩 君     保健福祉部長   大  田  泰  介 君     商工労働観光部長 吉  田  英 一 郎 君     農林水産部長   犬  伏  秀  之 君     会計管理者    河  口  正  道 君     病院局長     西  本     功 君     経営戦略部次長  秋  川  正  年 君     財政課副課長   佐  藤  泰  司 君   ────────────────────────     教育委員長    松  重  和  美 君     教育長      佐  野  義  行 君   ────────────────────────     人事委員長    高  畑  富 士 子 君     人事委員会事務局長小 笠 原     章 君   ────────────────────────     公安委員長    玉  置     潔 君     警察本部長    鈴  木  信  弘 君   ────────────────────────     代表監査委員   川  村  廣  道 君     監査事務局長   小  川  卓  志 君   ────────────────────────  議 事 日 程   第三号 平成二十八年二月二十五日(木曜日)午前十時開議 第一 議案自第七十号至第九十二号、計二十三件(提出者説明) 第二 県政に対する一般質問         (四   名)   ──────────────────────── ○議長(川端正義君) これより本日の会議を開きます。   ──────────────────────── ○議長(川端正義君) 日程に入るに先立ち、諸般の報告をいたします。 知事から、お手元に御配布のとおり、議案の提出通知がありましたので、御報告いたしておきます。 諸般の報告は以上であります。   ──────────────────────── ○議長(川端正義君) これより本日の日程に入ります。 日程第一、「議案第七十号・平成二十七年度徳島県一般会計補正予算(第五号)より第九十二号に至る計二十三件」を議題といたします。 以上の二十三件について、提出者の説明を求めます。 飯泉知事。   (飯泉知事登壇) ◎知事(飯泉嘉門君) 本日、追加提出いたしました案件は、平成二十七年度徳島県一般会計補正予算案初め二十三件であります。 まず、一般会計補正予算案につきまして、その概要を御説明申し上げます。 歳入におきましては、地方消費税清算金について約五十億円の増額、県税については十五億円の減額など、事業費等の確定に伴い所要の補正を行うものであります。 歳出においては、減債基金に二十億円、命を守るための大規模災害対策基金に十億円の積み立てなどを行うものであります。 この結果、補正後の予算額は四千八百五十四億五千五百十一万三千円となります。 このほか、特別会計十七件、企業会計三件についても、それぞれ所要の補正を行うことといたしております。 予算以外の案件といたしまして、第九十一号議案は、平成二十八年度の税制改正における地方税法の一部改正に伴い、法人事業税所得割の税率の引き下げを初め、県税条例において所要の改正を行うものであります。 第九十二号議案は、国民健康保険法の一部が改正されたことに伴い、国民健康保険の財政の安定を図るため、徳島県国民健康保険財政安定化基金を設置するものであります。 以上、概略御説明申し上げましたが、十分御審議くださいまして、原案どおり御賛同賜りますよう、どうぞよろしくお願いを申し上げます。   ──────────────────────── ○議長(川端正義君) 次に、日程第二、「県政に対する一般質問」を前回に継続して行います。 十二番・南恒生君。   (南議員登壇) ◆十二番(南恒生君) 自由民主党・県民会議の南恒生でございます。 昨年、一昨年に引き続き三年連続でこの二月議会での質問でございます。寒い時期、インフルエンザの流行にもかかわらず地元から傍聴にお越しいただいた皆さん、遠路大変ありがとうございます。 また、鳴門市の瀬戸小学校の皆さんも議会傍聴に来ていただき、最近の小学生はいろいろなことを学習して大変だなというふうに感心しております。できるだけわかりやすく話そうとは思っていますが、難しい単語もたくさん出てくるので、最後までよろしく御清聴お願い申し上げます。 まず、食品の輸出促進に向けたHACCPの推進についてお伺いします。 去る二月四日、参加十二カ国によりTPP協定への署名がなされ、残るは参加各国による国内手続となり、TPP協定の締結も大詰めを迎えております。 TPP参加に対しては、かねてより農林水産業の生産現場において将来への不安の声が広がっておりますが、こうした不安に応えるべく、長期的な視点に立ち、継続的かつ弾力的な支援に取り組むために、農林水産業未来創造基金の創設が今定例会に提案されております。 本県農林水産業が多くの小規模経営体によって支えられている現状において、守りの対策も大変重要でありますが、一方で、市場の開放、自由化は、同時に海外市場へと食い込むチャンスともなり得ます。現に日本の農産物、食品は安全・安心とのブランドイメージが世界に定着しつつあり、我が国の農林水産物、食品の輸出額は前年を二割も上回り、三年連続で過去最高を更新しております。さらには、訪日外国人客数も過去最高を記録し、ユネスコ無形文化遺産として世界で認められた和食、そして日本の食材を世界に売り込む絶好の機会であり、今こそ輸出拡大に向けた攻めの対策にも力を注ぐべきではないでしょうか。 最近では、木頭ゆずや勝浦みかんなどのEUへの輸出を初め、一月末には徳島市食肉センターで処理された牛肉が初めて海外に輸出されたとの報道も拝見いたしました。私の地元は地鶏では日本一の生産量を誇る阿波尾鶏の一大産地であります。TPPでは畜産分野が最も影響が大きいと言われており、地元の畜産農家は戦々恐々としておりますが、一歩、目先を変えると、阿波尾鶏も今後の輸出拡大の可能性を大いに秘めた食材であると考えられます。 しかし、輸出に当たって大きな障壁が立ち塞がることがあります。それは、一般的には余り耳にしませんが、HACCPと呼ばれる国際的な衛生管理手法があり、国によってはこのHACCPを導入していない事業者は輸出できない場合があるということであります。我が国ではHACCPの導入は全般的におくれており、海外の市場開拓を目指す食品製造事業者にとって待ったなしの対応が求められている状況であります。 そこで、お伺いします。 食品の輸出拡大を図るためHACCP導入を推し進めるべきと考えますが、所見をお伺いします。 次に、クルーズ客船の寄港拡大について伺います。 私が所属する県民会議では、去る二月一日に沖縄県庁を訪問するとともに、那覇クルーズターミナルを視察し、クルーズ船の寄港状況や誘致活動についてお話を聞いてまいりました。 沖縄県においては、昨年、過去最高のクルーズ船寄港回数を更新し、特に中国からの寄港回数が増加したとのことでありました。そして、さらなる寄港拡大に向け、近年、クルーズ人口が急増している近隣アジア諸国との距離が近いといった地勢的優位性のほか、クルーズ業界における沖縄の認知度の向上や沖縄固有の伝統文化、歴史遺産などを生かし、寄港時の満足度の向上につながる取り組みを積極的に展開したいとのことでありました。 一方、本県においては、毎年八月に「飛鳥Ⅱ」、「ぱしふぃっくびいなす」、さらに「にっぽん丸」の国内三大クルーズ客船が相次いで寄港するとともに、昨年には四国に寄港する客船として過去最大となる英国船籍のダイヤモンド・プリンセスが初寄港するなど、着実に寄港実績を積み重ねております。これに加え、本年五月には台湾から、さらに十月にはヨーロッパから大勢の外国人観光客を乗せた外国船籍のクルーズ客船の寄港が予定されているとのことであります。 クルーズ客船の寄港は、乗員、乗客がもたらすグルメやショッピングなど地域経済にとって大きなプラス効果が期待できるほか、阿波踊りを初めとする本県の魅力を世界に発信できる大きなチャンスでもあります。このチャンスを確実なものとするためにも、そしてリピーターとなっていただくためにも、しっかりとした受け入れ体制を築くとともに、ポートセールスに一層力を入れ、一人でも多くの観光客の方に徳島のよさを知っていただくことが重要ではないかと考えております。 そこで、お伺いします。 今後、クルーズ客船のさらなる寄港拡大を積極的に推進していく必要があると考えますが、所見をお伺いいたします。 次に、介護分野の人材の確保についてお伺いします。 総務省の就業構造基本調査によると、家族の介護や看護により離職した雇用者数は平成二十三年十月から二十四年九月までの一年間で約十万一千人に上り、そのうちの八割が女性とのことであります。今後、高齢化率が上昇し要介護者が増加すれば、それに伴い介護を行う必要に迫られる労働者は増加していくことになっていくでしょう。介護のために離職するとなりますと、労働者本人の生計の維持が困難となることは言うまでもありませんが、企業にとっても中核となる人材の離職は大きな損失であります。 仕事と介護の両立は今後重要な課題となってまいります。政府は、介護離職ゼロを新たな三本の矢の一本に掲げ、介護の受け皿を五十万人分ふやすとしておりますが、介護職は低賃金で体力的にもきつい仕事とのイメージが定着していることもあり、介護現場では慢性的な人手不足が続いております。幾ら施設をふやしても、そこで働く人がいなければ介護の受け入れ人数はふえません。 本県の状況に目を向けますと、将来的な介護職員の需要数をサービス見込み量から推計した介護職員の需要推計によれば、平成三十二年には三百八十九人、三十七年には一千二百八十二人の人材が不足すると予測されており、介護サービスを担う人材の確保がますます重要となってまいります。 また、先般の厚生労働省の発表によりますと、平成二十六年度の介護施設の職員による虐待は過去最高を記録し、全国で実に三百件にも及ぶとのことであります。これは苛酷な労働条件や低賃金から来る将来への不安なども要因の一つにあると思いますが、施設で働く職員の資質の低下と無関係とは言えないと思います。介護の現場で働く職員の新規参入の促進や離職防止、一人一人の資質向上を実現する手段としては、一義的には介護報酬をふやし職員の賃金を上げることであると思います。それについては県は国へも提言をしているところでありますが、それ以外にも県として介護人材の確保や育成に対し何らかの方策が必要ではないでしょうか。 そこで、お伺いします。 県においては、介護分野への新規参入や経験者の現場復帰、介護人材の育成など、あらゆる手だてを講じ量的確保や資質向上を図るべきと考えますが、どのように取り組むのか、お伺いいたします。 御答弁をいただき、質問を続けてまいります。   (飯泉知事登壇) ◎知事(飯泉嘉門君) 南議員の御質問にお答えさせていただきます。 食品の輸出拡大に向けたHACCPの導入推進についてであります。 食品関連の製造・加工事業者の皆様に、TPPを見据え、そのデメリットを最小限に抑えメリットを最大限に享受いただくためには、県内で製造、加工される食品が安全・安心であることを国内のみならず海外へもしっかりと発信し、食品の輸出拡大を図る環境づくりが極めて重要である、このようにまず認識をいたしております。 中でも、食品衛生の管理手法でありますHACCPについては、EUやアメリカでは導入が義務化されているなど、既に国際基準として定着しつつあり、こうした国々への販路開拓を目指すためには、HACCP導入への早急な対応が求められるところであります。 一方、我が国では、HACCP制度が十分に認知されておらず、導入率は何と一〇%程度にとどまっていることから、昨年の十一月、直接塩崎厚生労働大臣に対し、中小企業者や消費者への制度の周知、HACCPを導入するための施設整備に対する支援制度の充実強化を求める政策提言を行ったところであります。その際、大臣からは、普及に向けた事業者の支援をしっかりと行うとの回答をいただいたところであり、HACCP普及を図る実証事業や人材育成のための事業が国の予算案に反映されたところであります。 さらに、県におきましても、県版HACCP制度を平成二十七年度新たに創設させていただきまして、これまで年間の処理羽数が三十万羽を超える大規模食鳥処理場を対象といたしまして、認証に向けた助言や技術的な支援を重点的に行ったところであります。現在四施設から申請が出ているところであり、今後、食品衛生の専門家で構成する審査会を開催し、適正な衛生管理が確認された施設については、初めてとなる県版HACCP施設として本年三月にも認証を行いたいと考えております。 さらには、制度の普及に向けまして新たな支援策といたしまして、HACCP制度に関する講習会、制度を助言する食品衛生監視員のスキルアップに向けた研修会など、取り組みを一層強化することで、菓子製造を初めとした新たな業界へと導入の拡大を図ってまいります。 今後、食品関連業界におけるHACCP導入の推進を初め、TPPを迎え撃つ攻めの戦略を積極的に展開することによりまして、世界を舞台に、議員からもお話のありました阿波尾鶏を初めとする県産食品の輸出拡大にしっかりとつなげてまいります。   (海野政策監登壇) ◎政策監(海野修司君) クルーズ客船の寄港拡大についての御質問でございますが、近年、中国を初め、アジアからの訪日外国人客が急増する中、昨年一年間の訪日外国人数は二〇二〇年の目標である二千万人に迫る過去最高の千九百七十三万人に達し、東京オリンピック・パラリンピックが開かれる二〇二〇年に向けた次なる目標として、年間三千万人達成への期待感が高まっております。 同時に、世界のクルーズ市場においても、アジアの経済成長を背景に、クルーズ客船のアジアへの配船が増加する中、我が国への寄港回数も増加傾向にあります。これを絶好のチャンスと捉え、クルーズ会社や旅行会社に対しあらゆる機会を通じ本県の魅力をアピールしたところ、平成二十八年度、本県におきましては、夏の阿波踊り期間を中心に寄港が定着している三隻の国内クルーズ客船のほか、八月には昨年に引き続きダイヤモンド・プリンセスが寄港するとともに、五月には台湾からのインバウンド、ゴールデン・プリンセスが、十月にはフランスのラグジュアリー船ロストラルがともに初寄港の運びとなっております。 四季を通じたクルーズ客船の寄港拡大を図るためには、クルーズ関連会社はもとより、本県を訪れる乗客の皆様に徳島の魅力を実感したい、そしてもう一度徳島に行ってみたいとの思いを強く持っていただくことが重要であると考えております。このため、臨時免税店や両替など買い物サービスの提供、通訳やWi-Fiなど案内サービスの拡大に加え、阿波踊り体験や地元食材を活用した料理の試食といった徳島ならではのおもてなしに一層の磨きをかけ、おもてなしの国徳島を大いに発信してまいります。 さらに、徳島最大の魅力であり、夏に加え春、秋にも開催される阿波おどり、瀬戸内の東の玄関口の地の利を生かした瀬戸内クルーズなど、全庁一丸となり戦略的なポートセールスに取り組んでまいります。 今後とも、国内外の新たなクルーズ需要を積極的に取り込み、本県のより一層のにぎわいの創出と経済の活性化に寄与するとともに、クルーズ来県者数のさらなる拡大による地方創生の実現にしっかりと取り組んでまいります。   (大田保健福祉部長登壇) ◎保健福祉部長(大田泰介君) 南議員の介護人材の確保や質の向上に向けた取り組みについての御質問でございますが、質の高い介護サービスを提供するためには、適正な人員配置と専門知識や技術を習得したすぐれた職員の育成が喫緊の課題であります。 県におきましては、これまでも県社会福祉協議会に設置されております県福祉人材センター社会福祉法人等と連携して、地域医療介護総合確保基金を活用し、事業所と求職者のマッチング機能の強化、求職者を対象とした介護職場の体験、事業所における職員のキャリアパス構築に対する支援等を実施しております。 また、女性や若者に対するイメージアップに向けた取り組みとして、福祉・介護分野で生き生きと活躍する女性をロールモデルとしてSNSやパンフレット等により広く紹介するとともに、来月二十七日には、徳島市の商店街において謎解きや音楽ライブへの参加を通じて福祉への関心や知識を持っていただく若者向け交流イベントを開催する予定であります。 平成二十八年度には、まず人材の確保に向けた取り組みとして、介護分野に興味を持つ高校生とその保護者を対象に一泊二日の宿泊型ワークショップを開催し、現役の若手介護職員との交流や介護ロボットを活用した先進の現場の見学を通じて介護職場のリアルな魅力に対する理解の促進を図り、新規参入を推進してまいります。 また、離職した介護人材のための再就職準備金貸付制度を創設し、県福祉人材センターに登録されている求職者への案内を初め、就職ガイダンスや各種イベントでの機会等を捉え幅広く制度を周知することにより、介護経験者の再就職を推進してまいります。 次に、人材の育成についてですが、職員の資質向上を図る事業所に対し、介護の知識や技術、コミュニケーション能力等を身につけるための研修に係る支援、働きやすい職場づくりに向けたノウハウの提供、人材育成計画策定のための専門アドバイザーの派遣等を実施、職員の専門的知識や高い技術の習得、職場環境の改善等に積極的に取り組む事業所を支援してまいります。 また、事業所を客観的かつ専門的な立場から評価する福祉サービス第三者評価についても、評価を受審するためのプロセスにおいて、全職員を巻き込みながら介護サービスの質を向上させるための取り組みを共有していくことから、虐待を発生させない風通しのよい職場づくりや人材育成に極めて有効であり、この第三者評価を積極的に受審していただくための施策をさらに充実してまいりたいと考えております。 今後とも、介護人材の確保や職員の資質向上により、適切で思いやりのある介護サービスが確実に提供されるようしっかりと取り組んでまいります。   (南議員登壇) ◆十二番(南恒生君) それぞれ御答弁をいただきました。 まずは、食品の輸出拡大に向けたHACCPの推進について、知事から、県内でのさらなるHACCPの導入に向け、事業者に対し講習会を実施するなど積極的な支援を行うとのすばらしい答弁をいただきました。 食品の安全性の確保とその品質管理の徹底は食品製造事業者の社会的責任であり、それが保証されていなければ輸出拡大というビジネスチャンスの入り口には立てません。HACCPは入場券でしかありませんが、新たな世界が待っている気がします。訪日外国人客数が過去最高を記録し、和食や日本の食材が世界から注目を集めているというこの好機を逃がさず、徳島県版HACCP認証制度の普及を積極的に進めていただき、食品製造事業者の海外市場の開拓や食品の輸出拡大につながっていくことを大いに期待しております。 次に、クルーズ客船の寄港拡大についてでありますが、クルーズ船のスケジュールは一年前にはほとんど決まっているみたいなので、長い目で見たクルーズ運営会社への営業が必要ですが、実際に来てくれた人の印象が悪ければもう一度来てくれるのは厳しくなるのは世の中の常というものでございます。クルーズ船で来るのは中国人が多いようですが、中国と日本の関係が緊張を増す中、中国政府が宣伝する日本と実際に日本に来て自分で見たり感じた日本との違いに気づき、少しでも日本に対していい印象を持つ中国人をふやすことが安全保障の上においてもプラスになるのではないでしょうか。 次に、介護人材の確保についてですが、いろいろな施策の展開が予定される中、事業所を客観的かつ専門的な立場から評価する福祉サービス第三者評価を積極的に受審いただくための施策を充実していくとのことであります。私は、この第三者評価のことを求職者、介護サービスを受けようとしている人にも広く周知していただきたいと思います。 フリーライターの中村淳彦さんが自分で介護施設を経営した経験を踏まえて書いた「崩壊する介護現場」という本の中で、施設運営は誰でもオーケーという強烈な規制緩和で、町のラーメン屋さんから大企業まで介護のかの字も知らない者の異業種参入による施設の乱立がある。デイサービスを始めて間もなく介護という産業の異常さに気づいた。開設前の職員の求人面接におくれずに来た人は半数程度。来たとしてもできるだけ楽な仕事をしたい、すぐに有給休暇を全部欲しいなど常軌を逸脱したことを平気で言う人がたくさんいた。さらに、開設後の現場では職員たちによるいじめやパワハラ、セクハラが日常茶飯事だったと書かれています。このような極端な施設はほとんどないとは思いますが、第三者評価が広く実施され周知されることで、働く人にとっても、サービスを受ける人にとっても良好な施設がふえ、その中で人材の確保は進んでいくのではないかというふうに考えております。 それでは、質問を続けてまいります。 まず、観光振興についてお伺いします。 観光の振興は、人口の減少の克服と東京一極集中の是正を目指す地方創生実現のための重要な柱であります。県内各地でも、観光振興による地域活性化に向け、地元ならではの歴史、文化や豊かな自然に恵まれた観光資源を活用した取り組みが行われております。 地元つるぎ町では、西日本第二の高峰の剣山山登りツアーや日本一の大エノキをめぐる巨樹めぐりツアー、また貞光の二層うだつの町並みを楽しむ町歩きウオーキングなど、熱心に取り組んでいるところであります。今や訪日外国人観光客数二千万人時代に突入いたしましたが、本県におきましても五万人を超える外国人観光客が訪れており、地元つるぎ町にも毎年韓国から初心者でも登山ができる剣山登山ツアーに多くの観光客の皆様がお越しくださっております。 また、新聞報道によると、ことしの春節期には、鳴門の渦潮や大歩危峡、祖谷などにたくさんの外国人観光客が訪れたと聞いております。昨年、国土交通省が日本における第二のゴールデンルートを目指す広域観光周遊ルートとして選定した全国七ルートのうち、本県は三つのルートが含まれることになりました。また、来年の春には、四国では十四年ぶりとなるJRグループ六社が自治体と協働で行う大型観光キャンペーン、デスティネーションキャンペーンが開催されます。本県の魅力発信を積極的に行い、認知度のさらなる向上と観光客の大いなる増加につなげ、地域活性化を図っていく大きなチャンスであります。 一方、自動車が生活の足となっており、公共交通機関が充実していない本県においては、観光客の移動手段も不足しており、観光客からは県内各地の観光地を回るのが大変だといった声もよく聞かれるため、県内を周遊観光できるような取り組みをぜひともしていただきたいと思います。 そこで、お伺いします。 来年の四国デスティネーションキャンペーンに向けた観光誘致施策の展開について所見をお伺いいたします。 次に、にし阿波~剣山・吉野川観光圏のシンボルの一つである剣山へのアクセス道路である国道四百三十八号の整備についてお伺いします。 国道四百三十八号は、にし阿波~剣山・吉野川観光圏において、剣山国定公園を中心とした観光周遊道路の一角をなす道路であるとともに、観光振興の質問でも申しましたように、見事な自然、景観、文化を兼ね備えた、本県が世界に誇る霊峰剣山への主要なアクセス道路でもあります。 また、昨年の七月には、剣山山頂にあわエコトイレが新たに整備され、私もオープニングセレモニーに出席させていただきました。女性や子供、高齢者や障がい者など全ての方々が登山を楽しむ環境が整ったことから、今後ますます登山者の人気は高まっていくと期待されております。 こうしたことから、私は、昨年度もこの本会議の場で国道四百三十八号の貞光から剣山における道路整備の重要性を強く訴えたところであります。しかしながら、急峻な山々を貞光川に沿って走るこの国道は、さまざまな工夫を行いながら長い年月をかけて改良していただいてはおりますが、道路幅員が狭く、大型バスの通行が困難な区間やカーブがきつく見通しが悪い箇所もいまだに残っており、昨年のシルバーウイークには対向ができない区間で渋滞が発生し、マイカーで剣山に訪れた観光客が三十分以上立ち往生してしまいました。 今後、にし阿波~剣山・吉野川観光圏への観光客を一層増加させるためには、観光地へのアクセス道路の整備を進めることが重要であり、特に剣山への最も一般的なアクセス道路である国道四百三十八号の整備を早期に行っていく必要があると考えます。 そこで、お伺いします。 国道四百三十八号の貞光から剣山間について早期整備を図るべきと考えますが、現在の整備状況と今後の取り組みについてお伺いします。 次に、剣山系独特の傾斜地農業についてお伺いします。 TPPを初め、グローバル化の進展により、アメリカやオーストラリアのような大規模で機械化された農業にかなわない中山間や小規模農家はやがて消滅してしまうのではという懸念が広がっています。 こうした中、国連食糧農業機関FAOでは、地域独特の風土や伝統技術に支えられた多様な農業システムの世界的な価値を明らかにし、将来に引き継ぐものとして世界農業遺産の認定が進められています。 私の地元である県西部地域を中心とした剣山系では、昔から傾斜角二十五度を超えるような急傾斜地で棚田や石積みでなく斜面をそのまま畑として利用し、近代ではたばこを中心に、最近はたばこの生産がなくなってソバ、雑穀、コンニャクなどをつくっております。特に雑穀の種などは代々家に引き継がれた種をずっと使っていて、非常に古い遺伝子のものだというふうに聞いております。また、その雑穀をまぜた餅を正月に食べるのが子供のころは大変楽しみでございました。そして、カヤを採取するためのカヤ場を個人や共有地につくり、コエグロと呼ばれる方法で乾燥させ、地力増進と土壌の流出防止のため畑に敷き詰めるとともに、土を下から上に人力で戻すツチアゲなど独特の農法が行われています。また、高低差を利用し、収穫時期をずらして集落内での旬の野菜をお裾分けし合うという風習や傾斜地でのきつい作業を和らげる歌などの伝統的な風習や芸能が息づいております。 こうした剣山系の傾斜地農耕システムを熱心に研究している林博章先生の勧めもあり、前回世界農業遺産の申請を行いましたが、結果は急ごしらえで残念な結果となりました。 現在、県西部二市二町や県などで組織する推進協議会では、早ければこの春にも行われる次回申請に向け準備が進められているとお聞きしております。前回の反省も踏まえ、しっかりと取り組んでいただきたいと考えております。 また、こうした伝統的なシステムをいかに将来に引き継いでいけるか、地域としても大きな課題であり、このためまずは生産者が誇りを持ち若い人にも興味を持ってもらえる仕掛けづくりが必要ではないでしょうか。さらに、観光客から寄せられる日本独特の風景や文化に触れたいというニーズに応える魅力的な資源として、集落の景観、伝統的な暮らしや文化をしっかりと情報発信するとともに、こだわりの商品などを売り込むことが大切であると考えております。 そこで、お伺いします。 剣山系独特の傾斜地農業について、世界農業遺産認定に向けて取り組むとともに、魅力ある観光資源として生かすべきと考えますが、御所見をお伺いします。 御答弁をいただき、まとめに入ります。   (飯泉知事登壇) ◎知事(飯泉嘉門君) 来年の四国デスティネーションキャンペーンに向けた観光誘客施策の展開について御質問をいただいております。 本県には、議員からもお話がありましたように、西日本第二の霊峰剣山や貞光の二層うだつを初め、鳴門の渦潮、大歩危峡など、主要な観光地が県内各地に点在をいたしております。本県を訪れた観光客の皆様方は徳島の旅行を楽しんでいただく、そのために交通拠点、いわゆる交通の結節点ですね、交通拠点と観光地を結ぶ移動手段の充実が極めて重要であると、このようにまずは認識をいたしているところであります。 このため、平成二十九年四月からの四国デスティネーションキャンペーンを見据え、徳島阿波おどり空港や徳島駅などの交通拠点と吉野川流域の観光地や県西部をつなぐ定期観光バス、徳島市から鳴門市にかけて県東部を巡回する周遊バスなど、観光客の皆様方の足を整備することによりまして、全国で唯一三つのルートが認定された本県の広域観光周遊ルートの定着をしっかりと図ってまいりたいと考えております。 また、バス旅行の安全・安心を確保するため、貸し切りバスに対する助成制度を組みかえまして、全国に先駆け公益社団法人日本バス協会が実施している貸切バス事業者安全性評価認定制度において高い評価を受けたバス会社の貸し切りバスを利用した旅行商品に対し上乗せ助成を実施し、旅行者の皆様方の不安の払拭に努めたいと考えております。 さらに、観光客の皆様方から御要望の多かった食や土産に関する情報や観光地の情報につきまして、本県の強みである4K映像を活用し、見る者に感動を与え、わかりやすく発信することで観光誘客につなげたいと考えております。 加えて、今後ますます増加することが予測される外国人観光客の利便性の向上を図りますため、Wi-Fi環境のより一層の整備や多言語多機能アプリの導入によりまして、外国人観光客の皆様方が有益な観光情報を簡単に入手できるようにしたいと考えております。 今後とも、四国デスティネーションキャンペーンを絶好の機会として捉え、旅行者目線に立ったきめ細やかな施策を展開し、誰もが安心して旅行しやすい環境づくりを推進することにより、国内外の多くの観光客の皆様が徳島を目指し訪れていただけますようにしっかりと取り組みを進めてまいります。   (海野政策監登壇) ◎政策監(海野修司君) 一般国道四百三十八号の貞光から剣山間の整備についての御質問でございますが、一般国道四百三十八号の貞光から剣山間は、本県が世界に誇る地域の宝である剣山、祖谷渓、大歩危、小歩危などの類いまれな地域資源を有する剣山国定公園への重要なアクセス道路であるとともに、地域の皆様にとっては日々利用する生活道路であり、救命救急においては搬送路としての役割を担うまさに命の道であると認識いたしております。このため、道路幅員が狭小で見通しが悪い交通の隘路区間を解消するため、現在、皆瀬工区、河内工区、一宇工区、宮平工区の四工区で整備を進めております。 まず、皆瀬工区につきましては、平成十七年度に延長七百メートルの区間で現道拡幅事業に着手しており、これまでに全ての用地取得を終え、早期の工区完成に向け工事を全面展開しております。また、河内工区につきましても、平成二十三年度に延長四百メートルの区間で現道拡幅事業に着手し、用地を取得した区間から順次擁壁工事を進めております。さらに、一宇工区につきましては、平成二十六年度から延長五百メートルの区間で四カ所の待避所整備に着手し、これまでに一カ所を完成させ、現在二カ所目の用地調査に着手しております。 最も整備延長の長い宮平工区につきましては、平成七年度から延長二千四百メートルのバイパス区間について整備を進めており、これまでに蜂須トンネルを含む約千三百メートルの区間を供用いたしております。残る区間については、約八百メートルの大規模なトンネルを含むことから、その着手時期については、費用対効果や防災・減災の視点による総合的な評価を行い、県内における大規模構造物となるトンネルや橋梁の進捗状況を勘案しながら検討を進めてまいりたいと考えており、まずは現道部における通行車両の安全を確保するため、昨年度から落石対策工事を進めております。 今後とも、地域の安全・安心な暮らしを支えるとともに、剣山を初め、にし阿波~剣山・吉野川観光圏を訪れる県内外、さらにはインバウンドの観光客が安全・安心、快適に周遊できるよう貞光から剣山間の整備にしっかりと取り組み、交流人口の拡大による地域活性化を図るべく、地方創生の礎となる道路整備を積極的に推進してまいります。   (小谷政策監補登壇) ◎政策監補(小谷敏弘君) 剣山系独自の急傾斜地農業の世界農業遺産認定に向けた取り組みと観光資源としての活用についての御質問でございます。 にし阿波を中心とした剣山系では、切り立つ崖から見おろすような最大四十度を超える斜面をそのまま利用し、乾燥させたカヤのすき込みや独自の農具を使ったツチアゲ作業、また等高線に沿った畝づくりといった伝統的な傾斜地農法が今も息づいております。 このように苛酷とも言える土地条件を克服し、貴重な耕地を確保し続けてきた古来からの伝統技術は、剣山系を基盤とした農業の民でもある阿波忌部氏の流れをくむまさに徳島発の知恵として、国内外、そして未来へと大いに発信する価値があると認識をいたしております。 このため、にし阿波二市二町を中心とした徳島剣山世界農業遺産推進協議会に県も参画させていただき、前回では推進体制や価値の明確化が不十分であるとの反省に立ち、地域全体の取り組みとするため、セミナー、ワークショップ、傾斜地での体験研修会の開催、カヤ投入によります効果を測定するための生物多様性や土壌の専門的な調査分析、また人と自然のきずなを深める伝統文化の再発見などを行っているところであります。 また、来月十一日には、国内外に発信できますよう国連大学や国連食糧農業機関から講師を招聘し、剣山系での急傾斜地農業の世界的価値と可能性をテーマに、徳島大学で国際シンポジウムを開催することといたしております。 加えて、にし阿波地域はインバウンド三千万人を目標に国から認定を受けた広域観光周遊ルートの二つに入っており、議員御提案のとおり、山の上部から広がる集落の美しい景観とともに、天日干しでうまみを増すソバや雑穀、野菜や芋を使った素朴ながらも滋味豊かな食文化は、日本の原風景や本物体験として感動、共感を呼べるにし阿波の新しい魅力ある観光資源になり得るものと考えております。 しかしながら、情報発信や受け入れ体制など資源としてさらに磨きをかける必要があることも事実でございます。そこで、農作業や料理体験が行える農家民宿の開業支援、体験メニューの充実に向けたスキルアップ研修、都市圏のメディア、旅行会社のモデルツアーによります利用者目線でのアドバイスなどに取り組んでいるところであります。さらに、多言語表現による案内やコミュニケーション能力の向上、映像コンテンツの作成やホームページの充実など、世界からの誘客や若者への魅力発信に向けた取り組みを進めることといたしております。 今後とも、こうした取り組みを通じ、地元市町とともにいわば天空、そらの傾斜地農業として発信することによりまして、地域の皆様が誇りを持ち、未来に向けて続けられる農業や国内外の人を引きつける魅力ある観光資源づくりへしっかりとつなげてまいります。   (南議員登壇) ◆十二番(南恒生君) それぞれ御答弁をいただきました。 観光振興についての御答弁では、徳島阿波おどり空港や徳島駅などから吉野川流域の観光地や県西部をつなぐ定期観光バスや県東部を巡回する周遊バスなど、観光客の足を整備するとのことであります。観光バスとなれば、地域の紹介も含めていろんな徳島を知ってもらえるのかなというふうに思っておりますが、観光地を結ぶだけではなくて、私は、徳島にしかないような風景、例えば善入寺島や高地蔵などのあるような風景、あるいは傾斜地農業の見えるようなスポット、そういう徳島にしかないような景色のところを走っていただきたいな、観光地だけをめぐるのではなくて徳島にしかない風景、そういうものを重点的に取り入れて回ることで徳島に来た観光客の方が、ああ、よそと違ったな、そういうことを思ってもらえるのが一番いいのではないかなというふうに思っております。 次に、国道四百三十八号の整備についてでございますが、宮平地区の宮平トンネル、八百メーターもあって、なかなか大きな予算が要る中でずっと停滞しているわけでございますが、先ほど質問の中で言いました昨年のシルバーウイークに三十分の渋滞が起きた、これはちょうどそのトンネルができる区間の場所なんです。だから、地元の人は非常に待ち望んでいるというところの中で、三十分という渋滞は初めての経験でありましたが、常にぎりぎりの通行をしているという場所であるからこそトンネルが計画されたわけであって、そこの重要性も大いに考えて、少しでも早く発注させていただきたいなというふうにお願い申し上げます。 次に、剣山系傾斜地農業の世界農業遺産への登録に向けた取り組みでは、県も前向きに取り組んでいただいていることに心より感謝を申し上げます。秋の終わりごろ、香川県の林道に行くと、車で走るのに邪魔なくらい枯れ葉が落ちています。私の周辺の徳島ではそんな枯れ葉がいっぱい落ちているっていうことはございません。傾斜地農業では枯れ葉も堆肥化して使うからでありまして、家の近所だけでは足りなくて、家からずっと離れたところまで軽トラで集めに行っている方がたくさんいます。そういう部分も含めて傾斜地農業にはすばらしいところがいっぱいあるな、そしてまた傾斜地農業の地域の風景というのが本当に私にとっては心が癒やされるところ、魅力があります。こんな急な斜面で作業するのは見ていてもしんどいだろうと思うはずなのですが、遠い昔の風景、そして重なっている部分がございます。だからこそ観光資源としても有望なのだというふうに思います。 そして、先ほど申し上げた雑穀で、スーパーに行けばお餅を売っているわけですが、スーパーで売っているお餅の中にキビやアワでつくったお餅が幾つか入っています。こういうところはなかなか多分ないんだろうなというふうに思っています。地域の中の食文化に完全に溶け込んでいるからこそ、そういうものがスーパーで売られている、そういう部分を含めて傾斜地農業の地元に溶け込んだ文化っていうものを大事にしていきたいというふうに思っております。 緊張して早くしゃべったので少し時間が余りましたが、質問も通してなかったのでまとめというまとめもございませんが、以上で質問の全てを終わります。御清聴どうもありがとうございました。(拍手)   ──────────────────────── ○議長(川端正義君) 議事の都合により、休憩いたします。      午前十時五十九分休憩   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━    午前十一時二十一分開議      出席議員計三十七名          (その番号・氏名左のとおりである)     一  番     岩  佐  義  弘 君     二  番     山  西  国  朗 君     三  番     原  井     敬 君     四  番     島  田  正  人 君     五  番     眞  貝  浩  司 君     六  番     高  井  美  穂 君     七  番     古  川  広  志 君     八  番     上  村  恭  子 君     九  番     井  川  龍  二 君     十  番     藤  田  元  治 君     十一 番     元  木  章  生 君     十二 番     南     恒  生 君     十三 番     岸  本  泰  治 君     十四 番     岡     佑  樹 君     十五 番     須  見  一  仁 君     十六 番     中  山  俊  雄 君     十七 番     長  池  文  武 君     十八 番     達  田  良  子 君     十九 番     山  田     豊 君     二十 番     丸  若  祐  二 君     二十一番     寺  井  正  邇 君     二十二番     喜  多  宏  思 君     二十三番     木  南  征  美 君     二十五番     岩  丸  正  史 君     二十六番     岡  田  理  絵 君     二十七番     木  下     功 君     二十八番     黒  崎     章 君     二十九番     岡  本  富  治 君     三十 番     樫  本     孝 君     三十一番     杉  本  直  樹 君     三十二番     西  沢  貴  朗 君     三十四番     重  清  佳  之 君     三十五番     嘉  見  博  之 君     三十六番     来  代  正  文 君     三十七番     臼  木  春  夫 君     三十八番     庄  野  昌  彦 君     三十九番     長  尾  哲  見 君   ──────────────────────── ○副議長(重清佳之君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 五番・眞貝浩司君。   (眞貝議員登壇)   (発言する者あり) ◆五番(眞貝浩司君) ありがとうございます。皆さんおはようございます。明政会の眞貝でございます。初めての質問でございます。大変緊張しております。緊張している中、先ほど控室で私を励ましていただけるのかと思えば、足を引っ張るように、ちょっと文字が小さいんと違うかとか、早くもプレッシャーをかけさせていただいております。先輩・同僚議員の皆様の御指導、御協力をいただきながら、一生懸命県民の皆様のために頑張ってまいる所存でありますので、どうかよろしくお願いいたします。 それでは、質問に移らせていただきます。 初めに、地方創生を実現する上で欠かせない規制改革の推進についてお伺いいたします。 我が国全体において、今後、数十年に及ぶ人口減少が避けられない問題として突きつけられている厳しい現状の中で、地方創生に向け、経済成長をしっかりとなし遂げていくためには、これまで以上に創意工夫を凝らした地域経済の活性化策が不可欠であります。 しかしながら、その大きな妨げとなっているのは、いわゆる岩盤規制であります。これまで医療、農業、教育、雇用などの分野において、既得権益を持つ関係者の強い反対に遭って、岩盤規制の見直しが後回しにされ、新規事業展開や創業といった新たな挑戦が数多く踏み潰されてきた歴史があります。私も、長年、商工会青年部の活動に携わってまいりましたが、その岩盤の厚さや高さに辟易としたことは何度もあるわけでございます。 一方、行き過ぎた規制緩和や規制改革により企業間の過当競争が起こって、安全・安心が脅かされ、また小規模事業者の市場が体力のある大企業に一挙に奪われるといったことは何としても避けなければならないと日ごろから私はそのような思いを強く持っているところであります。規制改革にとって大事なことは、やはり真の県民目線であり、地域で頑張っておられる中小の事業者を念頭に置いてのバランス感覚や適切なスピード感が不可欠ではないでしょうか。 こうした状況のもと、第三次安倍改造内閣においては、消費者庁や国民生活センターの徳島移転を推進しておられる河野太郎大臣が、国の規制改革会議もリードされています。県においても、飯泉知事の選挙公約の一丁目一番地に上げられた徳島版地方創生特区による規制改革へのチャレンジが展開されており、私の地元板野町もその第一号指定を受け、地域の特色を生かしたまちづくりへの挑戦が進んでおります。 まさに規制改革においても今強く求められているのは現場感覚や県民目線であります。これからは国だけでなく県においても地域の実情を一番よく知っておられる県民や県内の事業者の声にしっかりと耳を傾け、規制に関する課題を発掘し、県民のためのバランスのとれた規制改革ができるよう、継続して取り組む新たな体制整備が必要となってくるのではないでしょうか。 そこで、お伺いいたします。 より一層県民目線に立った規制改革を推進するため、徳島県版の規制改革会議を早期に設置するべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。 引き続き、地方創生関連として、徳島版特区制度のあり方についてお伺いいたします。 徳島版特区制度は、徳島ならではの規制改革を推進するための極めて重要な制度であると私も評価しております。特区という言葉には不思議な魅力があり、特区と聞くだけで新しい活力がその地域からどんどん湧き出てくるような気がしてしまうわけですが、申し上げるまでもなく、肝心なことはその中身であり、真の地方創生につながるかどうかであります。 幸い、昨年十月十三日に第一次指定されました板野町の新南海道再興戦略特区と那賀町の徳島ドローン特区は、大きな注目を集めるだけでなく、事業内容にも大きな進歩が見られるところであります。 県としては、我が意を得たりという気持ちもあるでしょうが、残念ながら国家戦略特区の指定という大きな目標にはまだまだ道のりが遠いというのが実情ではないでしょうか。 そこで、県においては、第二次指定に向けた作業を急ぐとともに、それに加えて、例えば毎年二カ所ずつの指定という原則を改め、市町村からのすぐれた提案については年二カ所にこだわらずどんどん前倒しで指定するといったことや、同一市町村からの複数提案も門前払いせずにまずは受け付けて、すぐれたアイデアに育て上げていくといったように、制度自体を積極的に改革していくべきではないでしょうか。ここはぜひとも飯泉知事の英断をお願いしたいと思う次第でございます。 そこで、お伺いいたします。 徳島版地方創生特区について、市町村からのすぐれた提案については前倒しで指定するなど、制度を進化させていくべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。 次に、地域防災の担い手である消防人材の確保と消防団の支援についてお伺いいたします。 近年、全国各地で地震や火山の噴火、そして集中豪雨などによる大規模な自然災害が多発しております。とりわけ一昨年の広島市における土砂災害や、昨年の関東・東北豪雨での鬼怒川の堤防決壊による家屋の流出や住民の救助の様子などは記憶に新しいところであります。 本県においても、那賀川流域での二年続けての浸水被害や海陽町における集中豪雨による家屋の浸水など、県内でもいつどこで災害が発生してもおかしくない状況であると言えます。 そうした中で、災害発生時にはいち早く駆けつけ、地元のことをよく知り、現場でのノウハウや技術を有する消防団の力が不可欠であります。私の地元板野町でも、現在、百十五人の消防団員が火災現場での消火はもちろんのこと、台風などの際には各家庭への声かけや安否確認、危険箇所の見回りや土のうの設置を行うなど、地域の安全・安心の確保に貢献いただくとともに、秋祭りなどの地元行事にも率先して参加するなど、地域の担い手として日夜頑張っていただいているところであります。 しかしながら、少子高齢化の進行や地域外で働く人の増加などにより、徳島県内の消防団員数は年々減少傾向にあるとお聞きしております。 昨年三月、徳島県議会においては、全国に先駆け、消防団を初めとする消防防災人材の育成を推進し、地域防災力の強化を図るための徳島県消防防災人材の育成の推進に関する条例を制定したところであります。県においても、消防団への加入促進や少年消防クラブの活性化など、消防人材の確保、育成に取り組んでいるとお聞きしておりますが、南海トラフ巨大地震などの大規模災害を初め、特に私が懸念しております豪雨による浸水被害や土砂災害などから県民の生命、財産を守るためには、消防人材の確保や消防団への支援が必要ではないかと考えます。 そこで、お伺いいたします。 地域防災の強化を図るため、消防人材の確保と消防団の支援について今後どのように取り組んでいくのか、御所見をお伺いいたします。 次に、大規模災害時の医療救護活動に必要となる医薬品等の確保についてお伺いいたします。 大規模災害発生時には、建物の倒壊や火災などにより多数の負傷者が発生し、東日本大震災では、既往症を持つ患者の常備薬が津波により流されるなど、災害時の医療救護活動において医薬品の迅速な供給が大変重要となっております。また、阪神・淡路大震災の被災現場では、主要幹線道路は寸断され、その結果、大渋滞が発生し、各種救援物資の搬送に大変支障を来したとの話を伺っております。 県民の中には、インスリンや循環器系の薬のように中断すると命にかかわる薬を服用されている方も多くおられ、被災した場合の服薬に不安を抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。医薬品の速やかな提供は生命維持のために大変重要であり、必要としている人へ必要なものを届けられるかが鍵となってまいります。 また、東日本大震災の教訓として、さまざまな事態を想定して必要とされる医薬品確保の実効性を高める手段として、事前に医薬品卸業団体等の民間団体との間で医薬品の供給調整などに関する協定やマニュアルを締結、整備していたことが円滑な医療救護活動につながったとの報告もあるようです。 県において、現在、災害関連死を初めとする防ぎ得た死をなくすことを目的に、平時から災害時へ、災害時から平時へつなぎ目のないシームレスな医療提供体制の構築などを行動方針とし、災害拠点病院を中心とした応援・受援体制の強化等を図る戦略的災害医療プロジェクトの策定作業を進めていると聞いております。被災者が必要とする医薬品等の迅速な供給は防ぎ得た死をなくすために必須であり、円滑な医療救護活動には、県、市町村など行政機関だけでなく薬事関係団体及び民間団体等との密接な連携も重要になってまいります。 そこで、お伺いいたします。 大規模災害時の医療救護活動に必要となる医薬品等の確保についてどのように取り組んでいくのか、御所見をお伺いいたします。 御答弁をいただき、質問を続けてまいります。   (飯泉知事登壇) ◎知事(飯泉嘉門君) 眞貝議員の御質問に順次お答えさせていただきます。 まず、地方版規制改革会議について御質問をいただいております。 我が国において、さまざまな構造的な課題が顕在化し、技術革新を初め、新機軸の導入による経済的、社会的変革が強く求められている今、経済だけではなく成長戦略全体の推進力といたしまして、新しい時代にふさわしい制度やルールの再構築を図る大規模な規制改革がまさに必要とされているところであります。 政府におきましては、首相の諮問機関といたしまして有識者によります規制改革会議が組織され、医療や雇用といった分野ごとに経済活動、また事業推進の妨げとなっているいわゆる岩盤規制に風穴をあけるべくさまざまな検討が進められており、改革のさらなる推進には、議員からもお話がありましたように、地域のニーズを的確に酌み取る現場感覚、また住民目線を制度改革にいかに反映させるのかがまさに肝となるところであります。 これまでも徳島県では知恵は地方にありと県民目線に立ちました政策提言を展開いたしてきたところでありまして、その結果、例えば高速道路ののり面、これを津波発生時高台避難場所として利用すること、高齢者の地方移住の加速化に向けサービス付き高齢者向け住宅への住所地特例の拡大といった国の規制緩和を導いてきた実績があります。 さらに、政府が地域限定の規制緩和によって経済再生や課題解決を図る地方創生特区の動きに呼応し、国の動きを待たず、地方でできることは地方から実践するとの強い意志を持ちまして、昨年新たに徳島版地方創生特区制度を創設し、十月には第一弾の指定を行ったところであります。 ただいまいただきました議員からの御提言も踏まえまして、規制緩和、これをこれまで以上に本県における地方創生の推進力としていくため、四月中には徳島版の規制改革会議を設置いたしたい、このように考えております。 本規制改革会議の運営についてでありますが、地域の選定や事業内容への助言を行うことで徳島版特区制度の推進役を務める組織といたしまして、県内の産学官言労金代表者で構成する「vs東京」実践委員会に担っていただく予定といたしております。早速、会議の立ち上げに先立ちまして、来月の一日から検討の対象となる県の所管する規制全般に対し、地域のニーズをしっかりとつかむため、県民の皆様方から具体的な提案、広く募集をいたします。 今後とも、県民生活をしっかりと守るため、その必要となる規制のあり方にも十分配慮しつつ、大胆な規制緩和を実践することにより、知恵は地方にあり発祥の地徳島から全国の先駆けとなる地方創生のモデルをしっかりと打ち出していきたいと考えております。 次に、徳島版地方創生特区について御質問をいただいております。 地方創生の実現には、今も申し上げましたように、国の動きを単に待つだけ、つまり受け身の姿勢ではなく、地方からの積極果敢な芽出しが不可欠との思いから、徳島県では、昨年、vs東京「とくしま回帰」総合戦略の策定にあわせ、徳島版の地方創生特区創設をいたしたところであります。 この徳島版特区制度は、県条例や各種の手続の規制緩和、県税の減免措置や事業開始時の財政支援、さらには県が関係機関との調整に出ていくコンシェルジュ機能、これらをパッケージで展開するという全国にも例のない制度となっており、昨年十月には、議員からもお話がありましたように、その第一弾として那賀町、そして地元の板野町を指定させていただきました。 このうち、那賀町では、ドローン特区として、徳島大学や地元企業と連携し、町内の各所での講習会の開催、林業分野での実証実験、さらにはドローンによるPRドラマの作成など、さまざまな事業を展開した結果、昨日大きく報道されておりますが、実施された国土交通省の全国初となる貨物輸送実験へとつながり、今後は空の産業革命を牽引するまさに実証フィールドとして一層の注目を集めるものと、このように期待するところであります。 また、板野町では、道の駅の新設と光ブロードバンド、光の道を利用した企業誘致の二つの道による活性化構想を掲げていただいているところであり、町有施設彩りの舘への誘致へ、県の仲介によりまして補助を行った四国経済産業局との調整の結果、昨年の十二月、補助金の返還なく目的外利用が可能となる協議が調い、現在積極的な企業誘致を展開されているところであります。 さらに、事業の実現可能性、いわゆるフィージビリティースタディーを検証し、三好市や石井町の観光誘客や六次産業化の御提案につきましても、県が関係機関との調整役となって、事業内容のブラッシュアップ、磨き上げを行っているところであります。 地方創生の本格展開元年に当たりまして、市町村の創意工夫をより一層引き出していくためには、徳島版地方創生特区制度の果たす役割はますます大きくなっていくことから、新年度を前に、来月早々より前倒しで第二弾指定への募集を開始いたします。また、制度二年目になる新たな取り組みといたしまして、次なる展開を検討する先行地域と今後の指定を目指す市町村との情報共有を図る情報交流の会議を開催いたします。 さらに、よりよい提案があった場合には、年間二カ所指定のペースにとらわれず、議員からもお話がありましたように、随時指定箇所の拡大、これを図ってまいりますとともに、これと連動した財政支援策につきましても、県独自の「とくしま回帰」推進支援交付金において徳島版特区制度と他の支援メニューとの間で弾力的な運用ができる制度設計を行ったところでもあります。 今後とも、徳島版特区制度を最大限に活用し国の地方創生特区につなげることはもとよりでありますが、地方創生の旗手徳島から全国モデルとなる地方創生の先進事例を積極的に創造してまいりたいと考えております。   (黒石危機管理部長登壇) ◎危機管理部長(黒石康夫君) 防災人材の確保と消防団の支援についての御質問でございます。 消防団は、火災や自然災害などからみずからの地域をみずから守る地域防災のかなめでありますとともに、地域の伝統行事などを支える地方創生の重要な担い手といたしましても期待されているところでございます。 一方、過疎化や少子高齢化の進行、サラリーマンの増加などによりまして全国的にも団員数は減少傾向にあり、本県におきましても、十年前と比較して一・六%減の一万八百八十人となっているところであります。 このため、これまで女性や若手団員の確保に向け、消防団員の入団促進シンポジウムの開催、大学の学園祭での消防団応援ブースの出展など幅広い層を対象に呼びかけを行ってきた結果、女性団員は過去最多の百八十二人の方々が現在活躍しておられます。また、本年の一月七日には、県と日本青年会議所徳島ブロック協議会との間で会員や従業員の方々などの消防団への加入促進を盛り込んだ災害時協定を締結し、加入を呼びかけていただいております。 さらに、昨年の八月、本県で開催をいたしました全国初となります少年消防クラブ交流会全国大会を契機といたしまして、平成二十八年度は新たに模範となる実践的な取り組みを行うモデルクラブの選定と資機材の支援、小中学生に消防団への関心を深めてもらうための出前講座の実施などによりまして少年消防クラブを活性化し、全ての県立高校、中学校に設置をいたしております防災クラブとともに、未来の消防団員の輪を全県下に広げてまいりたいと考えております。 こうした人材の確保に加えまして、消防団活動のさらなる充実に向け、自主防災組織と連携した地域における訓練、消防団OBによる若手団員への技術の継承など、先進的な取り組みに必要な資機材の導入に対し支援を行い、各地域で頑張る消防団をしっかりと応援してまいります。 今後とも、昨年三月、議員提案として制定していただきました消防防災人材の育成の推進に関する条例が目指します理念を実現することで、豪雨災害や土砂災害はもとより、南海トラフ巨大地震などの大規模災害を迎え撃ち、地域防災力の強化に全力で取り組んでまいります。   (大田保健福祉部長登壇
    保健福祉部長(大田泰介君) 大規模災害時の医療救護活動に必要となる医薬品等の確保についてどのように取り組んでいくのかとの御質問でございますが、現在、県におきましては、大規模災害発生時に円滑に医薬品等を調達できるよう、県内薬事団体である徳島県医薬品卸業協会及び徳島県製薬協会と医薬品の供給について協定等を締結しております。 また、医療救護活動用の医薬品として、負傷者のための初動期医薬品五千五百人分、津波などで薬を失う患者のための慢性疾患治療薬六千五百人分を災害拠点病院である県立中央病院、県立海部病院や医薬品卸売販売業者の六営業所など、県内十一カ所に分散備蓄しております。さらに、災害時に医薬品分野の調整を担う薬務コーディネーターを設置するなど、災害時に必要となる医薬品や薬剤師の確保に向け、実効ある体制整備に努めているところです。 一方で、南海トラフ巨大地震被害想定においては、負傷などによる入院需要は約一万人と、かつての被害想定を上回る想定がなされております。このため、医療、警察、消防、情報通信等の関係者で構成される戦略的災害医療プロジェクト会議での協議内容を踏まえ、災害医療推進基金を活用し、初動期医薬品及び慢性疾患治療薬の備蓄量をそれぞれ一万人分に増強してまいります。 また、東日本大震災の被害状況から、幹線道路の寸断による陸路輸送の途絶など物資輸送面の課題が明らかになったことから、DMATの活動拠点となる災害拠点病院である県立三好病院、徳島県鳴門病院などを初動期医薬品の備蓄場所に新たに追加することにより、発災直後から医療救護活動を力強く支え、災害医療の強化につながる医薬品備蓄の体制を拡充してまいります。 さらに、医薬品及び医療機器等を取り扱う県内関係団体の御協力をいただき、各団体に所属される事業者が保有される医薬品及び医療機器等を優先的に調達できる体制も構築することで、南海トラフ巨大地震などの大規模災害時に助かる命を助けるための医薬品供給体制の充実強化にしっかりと取り組んでまいります。   (眞貝議員登壇) ◆五番(眞貝浩司君) それぞれ御答弁をいただきました。御答弁に対するコメントは後ほどまとめて申し上げたいと思います。 質問を続けてまいります。 次に、本県農業輸出振興における上海事務所の活用についてお伺いいたします。 TPPの大筋合意を受け、今後、本県産業の海外販路開拓はますます活発となり、県内の農業関係の事業者にとっても、海外での販路開拓への取り組みは必須となっていくものと思われます。特にアジア各国市場は、シンガポールやベトナム、フィリピン、インドネシアなど中間所得層が今後ますますふえるであろうと言われており、これらの市場を本県農業関係の販路として開拓していくことが本県農業振興の成否の鍵を握っているのではないかと考えます。 しかし、これまで国内向けに事業を展開してきた県内農業関係の事業者にとって、海外の情報というのはなかなか手に入りにくく、海外市場のニーズを把握するということも困難な状況です。特に各国によって違う検疫等の制度を初め、食文化、嗜好、調理法、消費される場面など、事業者が海外での販路開拓を行うに当たって必要な情報は多方面にわたり、数多くあります。 本県にはとくしまグローバル戦略の前線基地に位置づけられる上海事務所がありますが、海外の情報収集やニーズの把握という面においては、この上海事務所がこれまで県内企業のために活動してきたノウハウを農業分野でも生かし、東アジア、東南アジア地域の制度や市場、消費者の動向を調査し、それを農産品の海外展開のため県内の農業事業者に提供していただく活動を行うことを提案します。 そこで、お伺いいたします。 今後ますます広がる本県の農産品の海外展開に対して、徳島県上海事務所の役割をどのように考え、どのように活用していくのか、御所見をお伺いいたします。 次に、あすたむらんど徳島の活用についてお伺いいたします。 あすたむらんど徳島は、子ども科学館とふれあい公園が一体的に整備された複合施設として平成十三年七月にオープンしたところ、オープン当初から、多彩な展示物を通して科学を身近に捉えることができる教育施設として、また親子連れが気軽に訪れることができ、子供たちが伸び伸びと楽しいひとときを過ごすことができる施設として、県内外から毎年四十万人を超える来場者でにぎわっておりますが、こうした施設は常に新たな話題を提供しながら施設の魅力の維持向上に努めることが必要であると考えております。 さて、4K先進県徳島を標榜する本県では、昨年の十二月、神山町でスーパーハイビジョン4K映像の祭典「4K徳島映画祭」が開催され、本県の優位性を全国にアピールし、注目を集めました。県外では、高松市こども未来館(仮称)のプラネタリウムにおいて8Kのプロジェクターを投映機と組み合わせて上映するとお伺いしており、また東京都の足立区こども未来創造館のプラネタリウムでも高精細映像によりデジタルアート作品などを上映し、話題になっております。 そこで、あすたむらんど徳島においても、例えば4K、あるいは8Kの機器を導入しコンテンツの上映を行うとか、本県に関係する最先端技術を紹介する場を授けるなど、エンターテインメント、アミューズメント性を取り入れたり、新たに子供の体力向上に資するプログラムなどを導入すれば、施設に新たな魅力が加わり、親子連れの来園がふえるとともに、本県の新たな名所にもなると考えられます。 さらに、こうした映像機器を活用し本県の観光地や伝統芸能、阿波踊りなどを紹介すれば、県外客に向けても本県の魅力をアピールすることもできると思われます。あすたむらんど徳島の今年度の来場者は十二月末で既に四十万人を超えており、本県のにぎわい創出にとって貴重な資源でありますが、開園から十四年経過しており、そろそろ次の仕掛けも必要ではないかと思われます。 そこで、お伺いいたします。 あすたむらんど徳島の施設のハード、ソフトを充実させ、施設を活用した本県の魅力発信につなげてはどうかと考えますが、御所見をお伺いいたします。 最後に、自然公園の魅力アップについてお伺いいたします。 徳島には、鳴門の渦潮のある瀬戸内海国立公園、そして剣山や県南の海岸を中心とした二つの国定公園を初めとして、美しい景観と豊かな自然環境を有する観光地が多くあり、毎年多くの観光客が訪れています。特にこれからは二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックを控え、日本国内からの観光客はもちろんのこと、これまで以上に外国人観光客を徳島へ呼び込む必要があり、関係部局が知恵を絞って頑張っていただいております。我々議員も協力していきますので、引き続き工夫を凝らして頑張っていただきたいと思います。 しかし、ただ徳島に来ていただくだけではなく、来てもらった上でしっかりと楽しんでいただき、また来たいと思ってもらい、リピーターになって何度も訪れていただくことが重要であると考えております。そのことに関して、私の知人からこのような話を聞いたことがあります。剣山に行った際に、外国の方が案内板の前で立ちどまりきょろきょろしているので、どうしてなんだろうと見ていると、案内板の表記が日本語だけであったため、字が読めず困っていたそうです。日本語を理解できたり、ガイドがついていたりする人もいるとは思いますが、そういう人ばかりではありません。反対に、日本語がわからない人にも安心して来てもらえるような環境づくりが大切だと思います。そうすることにより、徳島のことがわかり、徳島ファンがふえ、また徳島の自然を見に来ようというリピーターもふえていくのではないでしょうか。 そこで、お伺いいたします。 外国の方々が安心して本県の豊かな自然を楽しんでいただけるよう、自然公園の案内板の多言語表記化に取り組むべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。 御答弁をいただき、まとめに入らせていただきたいと思います。   (熊谷副知事登壇) ◎副知事(熊谷幸三君) 農産品の海外展開に対する上海事務所の役割と活用についての御質問でございます。 本県では、これまで経済成長著しい東アジア、東南アジアの市場の勢いを本県の経済発展に取り込むために、県内企業による輸出の拡大と産業のグローバル化の推進を目的といたしましたとくしまグローバル戦略を策定いたしまして、県内企業の販路開拓の支援、海外からの観光誘客、グローバル人材の育成を柱とするさまざまな施策を積極的に展開してきたところでございます。 戦略では上海事務所をその前線基地として位置づけまして、海外で開催されます展示会やフェアへの出展協力、県内企業のための現地調査や個別営業のサポートなどの活動を行っており、企業の海外進出や新たな取引先との契約、小売店における本県産品の常設販売など、本県企業の販路開拓におきまして着実な成果を上げてきたところでございます。また、最近の貿易・国際事業実態調査によりますと、県内事業者の約半数は東アジア、東南アジアを今後の輸出の重点地域と回答しておりまして、現地の情報はこれまで以上に重要なものになると考えております。 上海事務所では、既に農産物におきましても、県内事業者からの個別の依頼を受けまして、現地の小売店や料理店での消費ニーズや価格動向の調査に取り組む一方で、幾つかの海外政府機関から日本の農業技術や農産品情報の提供、農業人材育成支援などについて要望をいただいているところでございます。 今後、議員の御提案も踏まえまして、こうした双方のニーズが本県事業者の輸出拡大に有機的につながるよう、中国に限らず、東南アジア各国の政府関係機関等との連携強化や情報収集先の開拓を積極的に進めるなど、事務所の調査機能を高めますとともに、上海事務所で委嘱しております本県ゆかりのアドバイザリースタッフに農産品の流通販売に精通した方を加えまして、その知識や経験、人的ネットワークを活用して情報収集の力の強化を図ってまいりたいと考えます。 上海事務所を今後とも商工業や観光分野のみならず農業分野におきましても東アジア、東南アジアにおける情報収集、情報発信の前線基地として、その活動を拡充、強化し、輸出を初めとする本県事業者のグローバル化にしっかりとつなげてまいります。   (吉田商工労働観光部長登壇) ◎商工労働観光部長(吉田英一郎君) あすたむらんど徳島を活用した魅力発信についての御質問でございますが、あすたむらんど徳島は、遊びや体験を通じて科学する心を育てる子ども科学館を中核施設とした科学と自然にあふれる大型公園として平成十三年七月にオープンして以来、ことしで十五年目を迎え、県内外から延べ六百六十万人を超える皆様に御利用をいただいております。 今後も、交流の拠点としてのにぎわいをつくり出し、多くの皆様に御活用いただくためには、議員御提案のとおり、常に新たな話題を提供しながら、施設の魅力の維持、向上に努めることが重要であると認識をいたしております。 これまでも、あすたむらんど徳島では、親子で来園された皆様の満足度を向上するため、広大で自然豊かな施設内に設置をいたしましたさまざまな遊具や設備を活用し、親子の触れ合いや子供の体力向上の場として提供をいたしております。さらに、今後、設備を活用して4K先進県としての本県の強みを生かし、スーパーハイビジョンの表現力豊かな映像美やすぐれた音声を再生できる環境を整備し、本県が誇る豊かな自然や阿波踊りを初めとする伝統芸能、文化などを常時発信することにより、見る人に新たな感動を与え、観光誘客につなげてまいりたいと考えております。 こうしたことから、遊具や設備の充実を図るため、利用実態や役割、耐用年数などの状況を考え合わせながら、施設の全体的な魅力が向上するよう総合的かつ計画的な整備のあり方について研究し、利用者の新たなニーズに応えてまいりたいと考えております。 次に、ソフト面につきましては、これまでも年間を通じて新しい事象やユニークな事柄を取り上げた企画展、講演会、体験プログラムを開催し、親子で訪れるたびに新たな発見や体験ができる機会を創出いたしております。加えて、来る二月二十七日からは、本県出身の猪子寿之氏が率いるチームラボによるLEDとデジタルアートが融合する三次元の立体アートを取り入れた最先端のLEDデジタルアート展を開催し、世界から称賛されたデジタル技術を身近に体験し、科学への興味を引き寄せていただく場を設けることといたしております。 今後とも、指定管理者と連携しながら魅力ある施設づくりを行い利用促進に努めるとともに、本県の魅力を発信するにぎわいの拠点として多くの方々を徳島に呼び込めるようしっかりと取り組んでまいります。   (高田県民環境部長登壇) ◎県民環境部長(高田浩君) 自然公園の案内板の多言語表記化に取り組むべきではないかとの御質問でございます。 平成二十六年度、環境省が行った外国人へのアンケート調査によりますと、自然豊かな場所に旅行したいという回答が九割を超えております。そうした訪日外国人観光客を徳島に呼び込むためには、県内の自然公園において、外国の方々が言葉の心配をせず、安心、そして快適に観光できる環境を整えていくことは極めて重要であります。 その環境づくりに当たりまして、議員御提案の徳島の自然を理解していただくための案内板の多言語表記化は取り組むべき最重要事項であると認識しております。また、公園利用者や環境保護団体の皆様方からも、案内板について、古くなって読みにくい、分かれ道になくて困ったというような声が寄せられていることから、多言語表記化とあわせて改修、新設にも取り組むべきと考えております。 そこで、平成二十八年度から案内板の多言語表記化や改修、新設に取り組む自然公園魅力アップ事業をまずは山の日制定で関心がより一層高まる剣山国定公園でモデル的に実施してまいります。具体的には、事業の趣旨に賛同いただける企業や団体、学校を公募し、スポンサーになっていただき、原材料を初め製作に要する経費の負担や設置作業に参加していただくことにより、新たな案内板をふやしていきたいというふうに考えております。その製作に当たっては、統一感を持たせるとともに、利用者にわかりやすいものとなるよう工夫を凝らしてまいります。 こうした取り組みを通じて、外国人を初め、全ての自然公園利用者の方々に安全で快適な利用環境を提供できるものと考えております。 今後とも、企業や団体、学校と密接に連携することにより、徳島が世界に誇る自然環境を未来に継承していくとともに、国内のみならず、多くの外国の方々にも徳島の豊かな自然を実感していただけるようしっかりと取り組んでまいります。   (眞貝議員登壇) ◆五番(眞貝浩司君) それぞれ御答弁をいただきました。コメントさせていただきたいと思います。 規制緩和の推進については、知事から、規制緩和を本県の地方創生の推進力として位置づけ、徳島版の規制改革会議を設置したいとの御答弁をいただきました。規制についてはただ緩和すればいいというものではなく、県民の皆さんの安全・安心や地域経済の活性化など、本県の地方創生に資するものをしっかりと見きわめることが肝要であります。県民の皆さんの生の声を聞いて、ニーズを的確に捉えた取り組みをお願いしたいと思います。 徳島版地方創生特区については、知事から、市町村からのすぐれた提案については積極的に特区指定を進め、県独自の交付金等を活用した支援を進めるとの前向きな御答弁をいただきました。御答弁にもあったように、板野町では彩りの舘について国補助金の目的外利用が認められ、地元に大きな経済効果をもたらす新たな有効活用に向けて積極的な取り組みが進められています。時代の社会経済情勢やニーズに合わせフレキシブルに新たな戦略により地域活性化に取り組んでいくことができるこうした状況も、特区指定に伴う大きな成果ではないかと感じています。第一次指定された板野町と那賀町でのさまざまな成果をぜひとも県内の市町村の地域づくりに生かしていただくとともに、徳島版特区を活用した特色ある取り組みにより、県内各地で魅力ある地域づくりにつながるよう積極的な取り組みをお願いいたします。 消防団につきましては、我が国全体として団員数が減少しており、本県も例外ではないわけではありますが、全国初の少年消防クラブ全国大会開催や小中学校への出前講座など、未来の地域防災を担う若い力を育てる取り組みが展開されていることは非常に心強く感じております。県としても、自分たちのふるさとを自分たちの手で守るんだとの志を持った若者の育成や頑張る消防団への支援により、地域防災力の強化を推進していただきますよう要望いたします。 災害時の医療品確保についてでありますが、大規模災害はいつ発生するかわかりません。いざ発災となった場合に、迅速かつ的確に対応し、防ぎ得た死を決して発生させないよう、医療、福祉、消防などさまざまな分野が緊密に連携して早急に万全の備えをしていただきたいと思います。 上海事務所については、中国語が堪能で現地事情にも詳しい頼もしい職員さんが勤務されていますので、市場やバイヤーなど現地のニーズを的確に把握していただき、経済成長著しい東アジア、東南アジアへの本県産品の輸出拡大をしっかりと進めていただきたいと思います。また、ここでの取り組みをモデルとして、世界を相手にしたグローバル戦略を積極的に推進し、世界に羽ばたく県産品となることを期待します。 あすたむらんど徳島は、子供から高齢者まで幅広い世代の多くの皆さんが県内からも県外からも集い、交流し、笑顔があふれる場所であり続けてほしいと、それが私の思いであります。ぜひ行ってみたい、楽しかったからまた行ってみたい、何度でも行ってみたいと多くの方に思ってもらえる魅力的な施設となるよう、常に時代のニーズに合わせてハード、ソフトの両面でさまざまな知恵と工夫を凝らしていただくようお願いいたします。 自然公園についてでありますが、一昨年、平成二十六年は瀬戸内海国立公園指定八十年、室戸阿南海岸国定公園指定五十年、剣山国定公園指定五十年、これらに四国八十八カ所霊場の開創千二百年も加わって、本県に注目が集まりました。知事は、この年を徳島県観光にとってエポックメイクの年として観光誘客キャンペーンを展開した結果、多くの観光客が県内の自然公園を訪れましたが、今は少しブームも去った感じがしております。徳島ならではのすばらしい景観、環境を持つ自然公園の魅力を十分にアピールし、全国から、また世界から多くの皆さんが何度も何度も訪れていただけるよう、看板の設置に当たっては、周辺景観との調和に配慮することはもとより、道案内などの必要な表示はわかりやすく、また見どころ、歴史など、その魅力も効果的に紹介するなど、利用者目線に立ち、かつ徳島らしさも発信できるようにしていただければと思います。 それでは、まとめに入ります。 今回初めての質問で身の引き締まる思いがいたしましたが、無事終盤を迎えることができました。冒頭にも申し上げましたが、私は県政にとって最も大事なことは県民目線の徹底であると考えます。子供から高齢者まであらゆる世代の県内各地にお住まいの皆さんが今何に困っているのか、何を求めているのか、地域に出かけて話を聞き、きめ細かに情報を収集し、施策に反映していく。今回医薬品の質問をいたしましたが、県民の皆さんが、地域が元気のないときには早くよく効く薬を処方していただくことにより、元気いっぱいで生き生きと活躍していただけるのです。そんな心の通う県政となるために、私は、地域の皆さん、県民の皆さんと県とのパイプの役目を果たせるよう頑張っていきたいと思っております。 最後になりましたが、きょうこの質問を無事終えるに当たりまして、私どもの会派のよき同僚の支えがあってこの質問が終えることとなったと思っております。きょういただいた非常にうれしい励ましの言葉をおなかの中にいっぱいため込んで、今後、皆様が質問するときにも一緒のように激励したいと思っております。 どうか今後とも御指導、御鞭撻のほどよろしくお願いいたします。御清聴ありがとうございました。(拍手)   ──────────────────────── ○副議長(重清佳之君) 議事の都合により、休憩いたします。      午後零時十六分休憩   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━    午後一時四十六分開議      出席議員計三十七名          (その番号・氏名左のとおりである)     一  番     岩  佐  義  弘 君     二  番     山  西  国  朗 君     三  番     原  井     敬 君     四  番     島  田  正  人 君     五  番     眞  貝  浩  司 君     六  番     高  井  美  穂 君     七  番     古  川  広  志 君     八  番     上  村  恭  子 君     九  番     井  川  龍  二 君     十  番     藤  田  元  治 君     十一 番     元  木  章  生 君     十二 番     南     恒  生 君     十三 番     岸  本  泰  治 君     十四 番     岡     佑  樹 君     十五 番     須  見  一  仁 君     十六 番     中  山  俊  雄 君     十七 番     長  池  文  武 君     十八 番     達  田  良  子 君     十九 番     山  田     豊 君     二十 番     丸  若  祐  二 君     二十一番     寺  井  正  邇 君     二十二番     喜  多  宏  思 君     二十三番     木  南  征  美 君     二十五番     岩  丸  正  史 君     二十六番     岡  田  理  絵 君     二十七番     木  下     功 君     二十八番     黒  崎     章 君     二十九番     岡  本  富  治 君     三十 番     樫  本     孝 君     三十一番     杉  本  直  樹 君     三十二番     西  沢  貴  朗 君     三十四番     重  清  佳  之 君     三十五番     嘉  見  博  之 君     三十六番     来  代  正  文 君     三十七番     臼  木  春  夫 君     三十八番     庄  野  昌  彦 君     三十九番     長  尾  哲  見 君   ──────────────────────── ○副議長(重清佳之君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 十九番・山田豊君。   (山田議員登壇) ◆十九番(山田豊君) 私は、日本共産党を代表して質問をいたします。 飯泉知事は、繰り返し県民に豊かさを実感していただきたい、豊かさが実感できる二十一世紀徳島づくりを訴え、三期目まではこれを公約の柱にしてきました。十三年間の県政を振り返って、果たしてこの県民の豊かさ、実感できているかと、この検証が不可欠です。この面で、アベノミクスの三年間のもと、国民、県民の暮らしの実態について述べます。 まず、雇用の実態ですけれども、総務省の労働力調査詳細集計で、安倍政権の三年間で正規雇用が二十三万人減少し、逆に非正規雇用が百七十二万人ふえると、不安定雇用が一段と拡大しております。また、二〇一二年十一月から二〇一五年十一月までの三年間で、パート労働者の実質賃金のみならず、一般労働者の実質賃金も三%も減少しております。さらに、内閣府が十五日に発表した二〇一五年十月から十二月期のGDP速報値では、年率一・四%のマイナスでした。こういう結果が国民生活基礎調査で生活が苦しいという回答が過去最高の六二・四%になっているのもそのあらわれです。アベノミクスの効果も本県では実感できない、これが多くの県民の声です。この三年間で国民、県民の暮らしはますます厳しくなり、この認識をしっかり持って県政運営に当たることが本当に必要だと私考えております。 ことしの一月に、二〇一三年度の県民経済計算年報が発表されました。徳島県の足元の地域経済の実態を知るための情報として、実はこの資料、極めて重要な統計です。それを見ると、徳島県内の一人当たりの雇用者報酬、知事が就任してから十三年の間で最も高かったのが二〇〇七年度、そのピーク時より直近の二〇一三年度は八万円も下がり、前年度よりも二万八千円、率にして〇・六%も下がっています。さらに、最近発表された二〇一五年の家計調査の徳島分、これでも生活実感に近い実質可処分所得を見ると何と二十年間で二五%の減少、これは実収入が減って税や社会保険料の負担がふえたことが背景にあります。この家計調査、雇用者報酬の状況、さらにさきに指摘したアベノミクスの深刻な影響から見て、とても豊かさなど実感できる状況ではなく、逆に貧困と格差の広がりが徳島でも深刻になっているというふうに思います。 そこで、質問します。 知事は県民の暮らしが厳しくなっているという認識はあるのでしょうか、御答弁ください。 続いて、非正規雇用解消問題についてお伺いします。 県民の所得をふやすことが知事が以前たびたび言われたこの豊かさの実感の土台です。県民の所得をふやすためには、非正規雇用の解消が不可欠です。二〇一三年度の先ほど示した県民経済計算年報によると、県民雇用者報酬が二〇〇二年度をピークに下がり続け、一方、企業所得は二〇〇八年度以降ふえ続けています。要は、企業の収益分が雇用者報酬に回っていないことが示されています。徳島県の経済状況の活性化からも、豊かさの実感、実現からも、雇用者報酬の引き上げに県の知恵と予算を投入することが急務になっていると私は思います。徳島県で貧困と格差の広がりを解消し、暮らし最優先で徳島再生に向けて取り組む課題を幾つか提案したいと思います。 第一は、非正規など解消し正規雇用をふやすなど、雇用のルールを守り、仕事をつくり、賃金を上げる対策です。県は、本人が望まない不本意非正規の問題を中心に据え、非正規の取り組みを強化していくと言ってきましたけれども、一方で、正規、非正規を問わず雇用全体を底上げすることが重要だと、こういう認識も示しています。不本意非正規についてはもっと底上げしなければいけない状況になれば、数値目標の提示も検討したいと、こういうふうにも言ってきました。 昨年の六月の経済委員会で、一旦は数値目標など具体的な取り組みを内部で詰めて提示したいと表明しながら、いまだに示されておりません。非正規問題の危機感が全くない、こう指摘したいと思います。 一方、国は、昨年六月に閣議決定した日本再興戦略改訂二〇一五で非正規雇用の正社員転換の重要性を指摘し、取り組みを加速するとしました。ことし一月には、正社員転換・待遇改善実現プランを策定し、不本意非正規比率など目標値を設定し、三月までに各労働局が地域プランを策定することになっています。非正規雇用が四割台に達し、国が正社員転換へ取り組みを開始した、こういう状況でも、県はまだ不本意非正規の対策について数値目標を掲げ本格的に進める状況でないという認識なんでしょうか。非正規の正社員化を名実ともに中心に据えた雇用対策が県としても必要です。 そこで、徳島版正社員転換・待遇改善実現プランの内容と準備状況及び発表時期、県がどのように参画しているか、この点について答弁を求めます。 この非正規雇用の解消問題とあわせて二つ目に提案したいのが小規模企業の振興、これが不可欠です。現行の徳島県の中小企業振興条例には、小規模事業者に最も求められる持続的発展を支援するという視点が全く欠けています。徳島県内には県内企業の九割の小規模企業が存在し、地域経済の主役として頑張っております。この小規模企業の皆さんの対策も、豊かさを実感する重要な取り組みになっております。しかし、二十一世紀に入って二〇一四年までで何と県内の小規模企業が経済センサスなどで五千五百三十二も姿を消している、起業もありますから結果的には実際はさらに多くの企業がなくなっていると、こういう状況になっております。 経営資源の確保が困難な小規模企業においては、成長発展のみならず、事業の持続的発展を図ることが必要です。小規模企業振興法の制定により、法的にも小規模企業への支援が自治体の責務として位置づけられました。小規模企業憲章を踏まえ、事業の持続的発展を図り推進する施策の策定の早期具体化及び施策実現に向けた実態調査、そしてそれを検討、具体化する委員会の設置、この対策が急務中の急務になっております。 小規模企業振興法は、中小企業基本法の基本理念である成長発展のみならず、技術やノウハウの向上、安定的な雇用の維持等を含む事業の持続的発展を基本原則として位置づけたことが最大の特徴になっております。徳島県の小規模企業振興憲章でも、行動指針の県の取り組みで、国、市町村、関係団体と連携して持続的な発展を支援すること、人材の育成や確保を支援することがうたわれています。一方、現行の中小企業振興条例は、小規模企業者に最も求められる持続的発展支援の視点が全く欠けています。つまり現行条例は成長分野で頑張る中小企業は対象にする、こういうふうな弱点があります。小規模企業支援で先行している他の自治体の取り組みから、小規模事業者の要求は、仕事の確保、事業の持続への支援、そして三つ目に後継者問題、これが三大要求であることが明らかになっております。 新潟県の条例では、経営資源の確保が困難な小規模企業においては、成長発展のみならず、事業の持続的発展を図ることは必要だという理念を盛り込んだ県条例が制定されております。小規模事業の支援を実効性を持って取り組むためには、中小企業振興条例の改正に当たって、事業の持続的発展を図るという視点から、どのような施策を盛り込もうとしているのか、明確な答弁を求めます。 次に、消費者庁問題についてお伺いします。 私たちが消費者庁の移転に反対しているのは、国民、県民にとって非常に大切な消費者行政への機能低下を招き、本当の意味で徳島の地域再生につながらないと考えるからです。そもそもなぜ消費者庁の移転なのか。国と県の双方に消費者行政の軽視があるのではないか、私そのように思います。 緊急対応に当たる消費者庁は、官邸や担当大臣のもとで司令塔として各省と連携して迅速に対応しなければなりません。政府全体で迅速に対応しないと犠牲者が拡大するからです。徳島に移転するとこうした機能が低下するのではないかという声が、全国の消費者団体などから反対、懸念の声が上がっております。 知事は、テレビ会議システムを使えば解決できるとか、地方に本体を置いて霞が関にサテライトを置けばいいなどと言っていますけれども、消費者行政はその程度の仕事だと思っているのでしょうか。例えば県の重要な意思決定をするときに、知事が知事室、部長は部長室にいて、テレビ会議で会議できますか。県が国に対して予算要望するときに、担当大臣をテレビの前に座らせて要望できますか。同じ場所で場の空気を感じ、対面でなければ伝わらないことがあるはずです。 政府は、政府の危機管理業務を担う機関や中央省庁と日常的に一体として業務を行う機関などは移転の対象としない方針を示しています。消費者庁はまさにそういう機関であって、本来移転の検討対象に該当しません。消費者庁の移転によって人の流れはふえるかもしれません。しかし、そのために消費者行政の機能を低下させてはなりません。消費者行政の機能低下の影響は、全国の消費者ともちろん徳島県民にも及びます。 もう一つ、移転費用の問題です。国の政府機関の地方移転に係る対応方針では、国の新たな財政負担は極力抑制すると示されています。つまり消費者庁の移転に伴う費用は徳島県が持つということになります。今年度の二月補正で二百万円、新年度予算で千八百万円、消費者庁や国民生活センター誘致関連費用として県費を計上しておりますけれども、その内容は、消費者庁の職員が業務試験をするための通信ネットワーク環境整備や移転候補地施設整備の実施設計策定のための費用とされています。移転が決まったわけでもないのに、施設整備の実施計画策定のための費用が先取りされています。消費者庁は霞が関の合同庁舎に今移転の最中です。その移転費用は十一億円と言われています。神奈川県の相模原市の国民生活センターは整備費用に四十六億円かかったと言われています。徳島へ移転するとなると、それらが無駄となり、新たなコストがかかることになります。そんな税金の無駄遣いが許されるのでしょうか。 そこで、知事に伺います。 この夏の実証実験で全国の消費者団体などから上がっている反対の声や消費者行政の機能低下に対する懸念の声、全て解消できると考えるのですか。また、消費者庁や国民生活センターなどの移転及び周辺環境整備に一体どれだけの県費を投入するつもりか、消費者庁等の移転にかかる総費用について見通しを示していただきたい。 答弁をいただいて、質問を続けます。   (飯泉知事登壇) ◎知事(飯泉嘉門君) 山田議員の御質問に順次お答えさせていただきます。 まず、県民の暮らしについてどう認識しているのかについてであります。 私は、平成十五年五月、知事就任以来、常に県民目線、現場主義を念頭に置き、県内各地をくまなく歩かせていただきまして、県民の皆様方と機会あるごとに直接お話をさせていただく中、景気をよくしてほしい、雇用を何とかしてほしいとの切実な声、これは当時も今も変わらないところでありますが、このお声に対し、当時危機的と言われていた県内経済、最初はマイナスからゼロ、そしてプラスへと転換すべく、徳島の強みを生かした経済成長戦略を積極的に展開をいたしてきたところであります。 例えば、全国的にはテレビが双方向、便利になるとされた一方、本県にとっては可視聴チャンネルが十チャンから三チャンへと激減する地上デジタル放送、その導入に際しましては、多くの高齢者の皆様方から、時代劇を初めテレビが見れなくなる、これは困るんだ、こうしたお声をいただき、それにお応えしていくために各家庭をつなぐ全県CATV網の整備により全国屈指の光ブロードバンド環境を構築し、ピンチをチャンスへと一変させていただいたところであります。 その結果、女性を中心に千名を超える雇用を創出したコールセンターやデータセンターなど情報通信関連産業が集積するとともに、三十社を超える東京を初めとする大都市圏のICT企業によるサテライトオフィスが進出し、新たな働き方であるテレワークの先進地として全国から今大きな注目をいただいているところであり、消費者庁を初め政府関係機関の徳島移転への動きが現実のものになろうとしているところであります。 また、平成二十六年四月の消費税増税に際しましては、小規模事業者の皆様方を初め、県民の皆様方から直接切実な多くのお声をいただき、三%の増税ではなく消費税そのものが八%になるんだとの意識が消費行動、あるいは事業継続に大きな負の影響を与えるとの考えのもと、八%を超える一〇%のプレミアムをつけた阿波とくしま・商品券を都道府県としては唯一発行したところ、可処分所得に対する消費の割合を示す総務省の統計、平均消費性向が、四月に全国平均では八八・四%であるにもかかわらず、全国最高の一三四・九%を記録し、消費税増税に伴う県内消費の落ち込みに対する一定の下支え効果を生んだのではないか、このように考えるところであります。 さて、今月、日銀徳島事務所が発表した徳島県金融経済概況によりますと、県内景気は緩やかな回復を続けており、雇用・所得情勢に関しましても、労働需給が着実な改善を続ける、有効求人倍率が過去最高の一・二八となっているところでありまして、そうした意味でも、また雇用者所得についても緩やかに持ち直しているとされているところでありますが、TPPや中国の景気減速、原油安、円高、さらには株安、さらには日銀によるマイナス金利の導入など、経済情勢は不確実性を増しており、今後、景気動向への影響が懸念されるところであります。 そこで、平成二十八年度当初予算案におきましては、経済・雇用対策を最重要課題と位置づけまして、徳島に集う人が新たな仕事を生み出す経済・好循環とくしまの実現に向け、国の補正予算に呼応した平成二十七年度二月補正予算と一体的に切れ目のない対策を進めていこうとしているところであります。 特にTPP対策に関しましては、農業を初め多方面に大きな影響を及ぼしますことから、昨年の十月、大筋合意後、直ちに生産者を初め市町村、関係団体、企業の皆様方のもとへ足を運び、TPPが及ぼす影響や対策などについて県庁を挙げて御意見を伺ったところであります。その結果、深刻な影響が予想されます本県の農業産出額の約四割を占める中山間地農業や地域を支える小規模経営体をまず守るために、平成二十八年度に五億円、最終的には総額二十五億円程度の造成を目指す農林水産業未来創造基金を創設し、生産者の皆様方が未来に希望が持てるTPP対策を講じてまいりたい、このように考えるところであります。 今後とも、県民目線、現場主義を肝に銘じ、全国から注目される地方創生の旗手徳島、一層磨きをかけ、一億総活躍のモデル、ひいては日本創成の礎を築いていくために、一歩先の未来をしっかりと見据えた積極果敢な施策展開を図ってまいります。 次に、消費者庁の移転について幾つか御質問をいただいております。 まず、移転により県が負担する総経費額の見込みについて御質問をいただいております。 過度な東京への一極集中、何としても歯どめをかけ、地方創生、ひいては日本創成へと導いていくためには、国、地方を挙げて政府関係機関の地方移転を実現し、地方への新たな人の流れを生み出していくことがまさに不可欠である、このように認識するところであります。 特にこの政府関係機関の地方移転、その前に方針が決まった東京に集中している大企業の本社、その地方移転、こちらについては既に地方拠点強化税制、こちらが創設を昨年されたところでありますが、やはり企業の皆様方も国の本気度をしっかりと見きわめている状況にあり、これらの本社が地方へ移転する、その大きなトリガーはまさにこの政府関係機関の地方移転にあると言って過言でないところであります。 そのため、徳島が率先して日本のモデルとなり、移転をなし遂げるとの信念と覚悟のもと、消費者行政の先駆的な施策を展開している徳島の強みを最大限に生かすことのできる消費者庁、消費者委員会、そして国民生活センターの徳島移転の実現に向け、全力で取り組んでいるところであります。 消費者庁の移転につきましては、来月の十三日の週から始まる全国初の消費者庁長官を初めとする業務試験や、その後の来月末、まち・ひと・しごと創生本部によります政府関係機関移転基本方針の決定、さらには国民生活センターによる商品テストや教育研修部門の試験移転などを踏まえ、今後、国において移転の可否や規模、時期など具体的な内容が定められていくものと、このように考えるところであります。 このような一連の動きの中で、移転に伴う国、県が負担する総費用の考え方については、来る三月下旬の基本方針決定時において国から示されるものと考えておりますが、県といたしましては、今後予定されている業務試験や試験移転に向けて県を挙げて準備を図りますとともに、今後の国の動きに迅速かつ臨機応変に対応しながら移転受け入れ体制の整備を図るため、当面必要となる予算について今議会に提案させていただいたところであります。 次に、今後実施する実証実験によって反対の懸念の声を全て解消できるのか、御質問をいただいております。 地方移転によりまして消費者庁の司令塔機能が低下するのではないか、緊急時の危機管理対応が困難となるのではないか、専門知識を有する人材確保は困難ではないかと懸念する声があるのは事実であります。こうした課題の処方箋として、まずは平成二十五年六月、閣議決定がなされました世界最先端IT国家創造宣言、情報化のものとして閣議決定された初のものであり、私もこのメンバーに加わっておりまして、この中では、徳島で既にICT企業が行っているテレワーク、このものが全国へ広げていくものということで位置づけがなされたところでありまして、その意味で、本県がすぐれた情報通信環境を最大限に活用した距離的障害の克服、先ほど県の幹部での意思決定、テレビ会議でできるのか、実は既に庁議は毎度毎回テレビ会議で行わさせていただいておりますし、例えば国との関係におきましても、各大臣とか、あるいはそれぞれ政府・与党の皆さん方とも機会があればテレビ会議という形を既にとらせていただいているところであり、テレビ会議で行うというのは官としてはまだまだ先進的かもしれませんが、世界的な企業においてはテレビ会議どころかモバイルワークを行うというのが今や常識となっているところであり、こうした方向性がなかなか実現できないことをいわゆるガラパゴス、このように言うものであります。また、一部機能を残す東京サテライトオフィスなどを徳島から提案させていただいているものであります。 また、さらなる人材育成や関西、四国の各大学、弁護士の皆様方との連携協力体制の構築に向けた取り組みを今進めているところであります。 ちなみに、第三回目の有識者会議からのヒアリングの場におきましても、有識者の皆様方から、何も東京と徳島とだけを対比する必要はないのではないか、徳島に消費者庁、あるいは国民生活センターが移転するということであれば、四国の協力、しかも徳島は関西広域連合の一員ですよねということであれば、近畿のその応援、こうしたものもしっかりと取りつける、そのデータを出してほしいとも言われたところであり、すぐさまこの点については四国知事会議の決議、あるいは関西広域連合はもとより、関西全経済界の合意、こうした点についてお出しさせていただいたところであり、決して東京と遜色のあるものではない、この点は言わせていただくところであります。 さらには、消費者庁による来月十三日の週からの業務試験、これを踏まえた七月の一カ月に及ぶ業務試験、さらには四月以降、国民生活センターによる試験移転を通じ、国ともしっかりと連携しながら一つ一つの課題に丁寧かつ誠実にクリアしていくことによりまして、さまざまな懸念や不安を可能な限り払拭できるように努めてまいる所存であります。 今後とも、新しい人の流れの突破口を徳島からとの強い気概を持ち、地方創生、ひいては日本創成を目指し、挙県一致の体制で消費者庁、消費者委員会、そして国民生活センターの徳島移転の一日も早い実現に向け全力で取り組んでまいる所存でありますので、ぜひ共産党の皆様方にも、この国家的な大きな岐路である、この点を認識いただいて、御賛同をいただければと思います。   〔木下議員退席、出席議員計三十六名となる〕   (吉田商工労働観光部長登壇) ◎商工労働観光部長(吉田英一郎君) 議員から二問御質問をいただきました。 徳島版正社員転換・待遇改善実現プランについての御質問でございますが、平成二十七年六月三十日に閣議決定されました日本再興戦略改訂二〇一五に非正規雇用労働者の正社員転換等を加速化させていくことが盛り込まれたことを踏まえ、厚生労働省において、同年九月二十五日に大臣を本部長とする正社員転換・待遇改善実現本部の第一回会合が開催され、正社員転換・待遇改善実現プランを策定するとともに、正社員転換・待遇改善等の雇用対策について省を挙げて取り組むこととされたと承知しております。 これを受け、都道府県労働局においては、地域における正社員転換・待遇改善等を推進することとされ、徳島県においても、昨年十月二十六日、徳島労働局に正社員転換・待遇改善実現本部が設置され、非正規労働者の正社員転換・待遇改善について経済界への要請、キャンペーン等が行われてきているところでございます。 去る一月二十八日には厚生労働省の正社員転換・待遇改善実現本部の第二回会合が開催され、平成二十八年度から平成三十二年度までの五年間を計画期間として、不本意非正規労働者の割合について、平成二十六年平均で一八・一%であったものを一〇%以下に、新規大学卒業者の正社員就職の割合について、平成二十七年三月卒業者が九二・二%であったものを九五%に、正社員と非正規労働者の賃金格差の縮小を図ることなどを主な目標とする正社員転換・待遇改善実現プランが決定されたところであります。 これを受け、徳島労働局におきましては、正社員転換・待遇改善実現本部において、産業構造など地域の実情等を考慮した具体性かつ実効性のある地域プラン--(仮称)でございますが--を策定するべく、基礎データを収集、整理するなど作業を進めているところであり、策定時期につきましては、議員御指摘のとおり、本年三月末を予定していると伺っております。 県といたしましては、これまでも徳島労働局と緊密に連携しつつ県としての具体的な雇用対策を着実に進めてきたところでございまして、今後、徳島版地域プランの策定に当たりましても、この正社員転換・待遇改善実現本部に積極的に参加していくことを予定しております。 今後とも、これまで以上に連携を密にし、正規、非正規にかかわらず働きたい人がみずからの力を最大限発揮できる地域づくりに全力で取り組んでまいります。 続きまして、中小企業振興条例の改正についての御質問でございます。 本県の経済・雇用対策を推進し、経済の好循環を実現するためには、中小・小規模企業の事業活動を活発化し、地域経済の活性化を図ることが極めて重要と認識をいたしております。このため、県では、県内企業の大部分を占める中小・小規模企業の振興を図るため、全国に先駆けて制定した頑張る中小企業振興条例に基づき積極的な施策展開を行ってまいりました。 こうした中、国においては、平成二十六年六月に、小規模企業の活力を最大限に発揮させるため、小規模企業振興基本法が制定されたところであり、県におきましても、県民の皆様に小規模企業の役割、重要性などを幅広く知っていただくため、行動指針として企業の取り組み、県民の取り組み、県の取り組みを三本柱に位置づけているとくしま小規模企業振興憲章の制定に現在取り組んでいるところでございます。 今後は、この憲章の理念や行動指針をスピード感を持って具現化し、小規模企業振興の取り組みを強化するため、頑張る中小企業振興条例を改正してまいります。 これまでも、本県では、小規模企業の喫緊の課題に対応するため、経営支援では、経済変動や経営課題等に柔軟に対応する専門家派遣などの経営と県制度融資の金融面、両面からの支援や、新商品お試し発注制度、県内企業優先発注制度による支援、人材育成では、とくしま経営塾「平成長久館」事業による職層、階層別の研修による支援、御指摘をいただいた事業承継では、関係団体と連携した事業引継ぎ支援センターやよろず支援拠点などによる支援、さらには人材確保では、都市部などからの人材還流を促し県内企業とマッチングを図るプロフェッショナル人材戦略拠点の設置など、各種施策を迅速かつ効果的に展開しているところでございます。 条例の改正では、これまでの取り組みに加え、本県の地域資源が持つ強みを生かした攻めの海外展開を支援するTPP対策や、国内外からの観光客の増加に対応する観光振興など、時代の変化に対応した商工、労働、観光の各施策を一体に盛り込みつつ、厳しい経営環境のもと懸命に頑張っておられる小規模企業が抱える経営課題等にしっかりと応えられる内容にしてまいりたいと考えております。また、徳島ならではの強みを生かした条例とするため、経済団体、有識者や関係各機関など多方面から御意見を頂戴することといたしております。 今後とも、本県企業の大部分を占める小規模企業の振興を図り、住民生活の向上、地域雇用の確保や本県経済の活性化にしっかりとつなげてまいります。   〔木下議員出席、出席議員計三十七名となる〕   (山田議員登壇) ◆十九番(山田豊君) 消費者庁の問題、いろいろ知事のほうから答弁をいただきました。私自身は、最も移転にふさわしくない省庁だと思っております。省庁等の機能低下、強化の方向とまさに逆行するものと。私は、知事の話聞いとって、テレビ会議で何でもできるという思い込み、全国の消費者団体などが反対していても突き進んでいくというのは思い上がりではないかということだけ指摘をしときたいと思います。 そして、質問を続けていきます。 まず、先ほど知事からも消費税増税の影響が出ました。この県民の生活状況について、楽観的な見通し発表されましたけれど、厳しいという見通し示されませんでした。先日の世論調査でも、日銀のマイナス金利導入によって景気がよくなるとは期待できないという回答が八割を超えたと言われております。さらに、生活が苦しいということは先ほどの調査等々でも明らかになっております。そして、この県内の雇用者報酬や家計調査の状況を見て、この厳しい状況下で消費税一〇%増税の中止を、やってはいかんと、これは中止を働きかけるべきやという声を政治家飯泉嘉門知事としてやっぱり進めるべきだと、私そういうふうに思います。この面で政治家飯泉知事の認識、そして取り組みをお伺いします。 そして、指摘したい一つの面があります。実は、県内の中小企業を平等に支援する、先ほど吉田部長のほうからも話がありました。県行政の役割として見過ごせない問題がある。平成六年、一九九四年以来二十二年間、徳島化製という一社に全国に例を見ない補助金を県が出し続けております。実に新年度の予算額を含むと二十二年間で商工政策課で十一億二千八百五十万円、安全衛生課で十二億九千四百七十一万三千円、畜産課では実に二十四億一千八百三万八千円、三課合わせると四十八億四千百二十五万一千円という信じられない補助金を県が徳島化製という一民間企業一社に県民の税金として出し続けている。県民の皆さんがこれを納得できるでしょうか。とても納得できない。県下の中小企業の皆さんが苦労して経営を維持して地域経済に貢献してきています。そんな中で、全国でも例を見ない徳島化製一社に五十億円近い補助金、余りにも異常です。この点を指摘して質問を続けます。 鉄道高架の問題です。 鉄道高架事業は、好景気に沸いた昭和四十年代半ばに構想、一期の構想策定からでも既に四十年がたっています。当初目的としていた渋滞解消が影を潜める中、県は、防災対策を前面に出してこの事業の必要性を強調してきました。何としても知事の公約であった二〇一四年度の都市計画決定をと達成しようとしましたけれども、公約は達成されませんでした。知事は、四期目の公約で鉄道高架事業は一期区間、新町川から冷田川付近の事業着手をことしじゅうに着手するとしています。しかし、見通しも全く立っていません。 そういう中、徳島市が鉄道高架の車両基地候補地として文化センター周辺案が浮上との報道がありました。市民からは、市民の同意も全くない無責任な案だとの批判の声も上がっています。しかし、徳島市南部の地蔵橋駅付近も徳島市は困難だと判断しているようですが、県は合意済みで最善だとしています。県と市がさまざまな問題で見解が食い違い、何よりも市民合意、県民合意のない事業がずるずるずると続けられています。一期事業後も、県の計算で、これ低く見積もっておりますけれども約二億五千万円も支出している事業の進展は全く見えていません。事業がまさに全く長期にわたって見通しも立たず、市民の関心も薄れ、必要性にも疑問が上がるこの事業、県の財政状況からしても中止を表明すべき時期に来ている。知事の見解をお伺いします。 次に、保健所長の兼務問題について伺います。 二〇一二年に当時の徳島保健所長が急逝し、吉野川保健所長が兼務しました。吉野川保健所と徳島保健所が管轄する地域の人口は、実に県全体の七五%を占める大世帯になっております。本来なら早急に徳島保健所長を配置し正常な状態に戻すのが当たり前なんですけれども、県は、吉野川保健所長を徳島保健所に異動させ所長の空白を解消したものの、吉野川保健所長と兼務させ、そのまま間もなく四年間が経過しようとしております。四国でも現時点で兼務が続いているのは徳島県だけです。四年間も兼務が解消されていない。しかも、県内の人口の七五%を占める地域の保健所長が兼務状態のまま放置されている状況は全国的に見て余りにも異常です。 現在、所長はそのほとんどを徳島保健所で勤務し、吉野川保健所で勤務に当たるのは週一日程度というふうに聞きました。保健所には平時からの公衆衛生の向上と増進、いざというときの危機管理まで幅広い活動が求められており、保健所長は多岐にわたる専門分野について統括する立場として非常に重要な役割を果たしております。今はやっているインフルエンザだけではなく、地球規模で新種の感染症が次々と広がっている状況、また今後予想されている南海トラフ巨大地震など県民の命と安全を脅かす危険性が高まっている時代に、現地の保健所長さんさえまともに配置できていないということはまさに行政の怠慢であり、知事の責任が厳しく問われる、こういう状況になっております。 知事は、先ほども答弁で現場主義だと言いました。現場主義と言うんやったら、何でこの吉野川と徳島保健所、人口の七五%、ここの所長の兼務状況を解消せんのかと、一刻も早く吉野川保健所に所長を配置して兼務状態を解消することこそ最優先の課題として行うべきだと考えます。知事の回答を求めます。 日本の貧困の問題で、子供の貧困対策についてお伺いします。 日本の将来を担う子供の貧困率が先進諸国の中で最悪となっているというショッキングな報告がされています。一刻も放置ができない深刻な事態だと考えています。県も徳島教育大綱で子供の貧困対策を推進することを掲げ、部局を超えた連携をとるとして幾つかの対策を打ち出してきましたけれども、ここでは従来から行われてきた小中学校の児童生徒への就学援助制度について絞ってお伺いします。この制度への取り組みに自治体の姿勢が顕著にあらわれていると考えるからです。 就学援助は一番古くから行われてきた子供の貧困対策の一環であると同時に、その受給状況は子供の貧困状態をある程度あらわす重要な指標になっております。昨年文科省が実施した平成二十五年度全国就学援助実施状況等調査の結果によると、全国では公立の小中学校に通う子供の一五・四%が就学援助を受けています。一方、徳島県の受給率は一三・三三%と全国平均に比べても低い結果が出ています。マスコミでも報道されました。市町村別に見ると、何と六・四四%の町から一六・八八%の自治体まで、このように市町村によって一〇%以上の大きな差が出ています。地域によって経済状況が異なることも考えられますが、制度の周知方法や支給基準が異なっていることが影響していると思います。 文部科学省は、結果を公表するとともに、昨年十月六日付で各都道府県委員会教育長宛てに通知を出し、各市町村教育委員会に対して制度の周知徹底や周知方法の充実を図ること等を通知いたしております。文科省は、これまでは都道府県ごとのデータのみ公表しておりましたけれども、今回は自治体などによる子供の貧困対策に生かしてもらうためとして、市区町村別のデータを初めて公表しました。この問題は、我々議員も含めて早急に対策をとる問題です。その面でも、教育委員会の本気度が問われます。文科省の今回の通知に基づいてどのような取り組みを行っていくのか、明確な答弁を求めます。   (海野政策監登壇) ◎政策監(海野修司君) 鉄道高架事業についての御質問でございますが、徳島市内の鉄道高架事業につきましては、徳島駅西から文化の森駅付近までの約四・七キロメートルについて、都市交通の円滑化や一体的なまちづくりといった平時の効果はもとより、避難路や救援路の確保、とりわけ東日本大震災の教訓を踏まえ、刻一刻と迫る南海トラフ巨大地震を迎え撃つ事前防災・減災対策推進の観点から、想定される大規模浸水に対し、広域から避難してくる数多くの方々の助かる命を助ける一時避難場所として不可欠であり、二十一世紀にふさわしいまちづくりのため、早期に実現すべきものと考えております。 当該事業を進めるに当たり、県が提案しております分割案の必要性については、延長が長く、できる限り早期に効果を発揮させるため区間を分ける必要があること、加えて新町川以南では津波浸水想定が二メートルから三メートルと大変厳しく、近くに避難場所がないため、地震津波対策が一刻の猶予もない喫緊の課題となっていること、さらに徳島駅周辺の整備には公共交通機関の利用促進につながるまちづくりの検討など都市計画決定を行うには解決すべき課題があることなどから、整備が可能なところから早く着手し、事業進捗が県民や市民の皆様に目に見える形で進めていくことが何よりも重要と考え、市やJR四国に対し、新町川から冷田川付近までの約二・九キロメートルを先行して都市計画決定を行い整備に着手する分割案を提案しているものであります。 この分割案は、事業の進展を図るため最も早く整備に着手し、結果として全区間を早期に完成することができる最善の手法であると考えております。このことから、平成二十六年十月からの県、市、JR四国の三者協議の中で、これまでに新町川以南を先行する施工手順や早期に着工し全区間の早期完成を目指すことについて三者で一致するところまで来ております。 県としましては、引き続き早期合意に向けた協議を真摯に進めるとともに、県民の皆様に対して、都市計画決定における説明会を初め、あらゆる機会を通じ積極的な情報発信に努めてまいりたいと考えております。 鉄道高架事業は、地域の活性化や防災・減災機能の強化など、平時、災害時ともに大きな効果が期待されるものであり、二十一世紀にふさわしい県都の顔づくりのため、早期に実現すべき事業と考えていることから、今後とも、県市協調のもと、JR四国の御理解をいただきながら、早期に事業着手できるようしっかりと取り組んでまいります。   (七條政策創造部長登壇) ◎政策創造部長(七條浩一君) 消費税増税についての御質問でございますが、国、地方とも厳しい財政状況のもと、人口減少や少子高齢化の急激な進行により持続可能な社会保障制度の維持が大変厳しくなっている現状におきましては、将来的な安定財源の確保が重要であると認識いたしております。 来年四月に予定されております消費税率一〇%への引き上げにつきましては、安倍総理を初め閣僚から、社会保障制度の充実、安定化を図り、次の世代へしっかりと引き渡していくため、リーマンショックのような重大な事態が発生しない限り、確実に実施するとの強い決意が示されているところでございます。 一方、去る十五日に内閣府が発表した昨年十月から十二月期の国内総生産GDPの速報値が年率換算で一・四%の減と二・四半期ぶりのマイナス成長となったことに加え、中国を初めとする世界経済の減速、原油安や円高など景気動向への影響が懸念されております。また、景気回復の実感が地方にまで十分及んでいない状況のもとでの消費税率の引き上げは、中小・小規模事業者の方々やお年寄りの皆様を初め、日々の暮らしにお困りの方々に一層厳しい負担となることから、国におきましては、確かな経済成長につながる実効性のある経済対策の実現に向け、全力で取り組んでいただきたいと考えております。 県におきましては、これまでも県内事業者の皆様のお声を受けとめ、切れ目のない経済・雇用対策を展開してきたところであり、平成二十六年四月に消費税率が八%へ引き上げとなった際には、年度当初における個人消費の拡大を促進し地域経済好循環の創出を図るため、市町村や商工団体と連携し発行いたしましたプレミアムつき阿波とくしま・商品券を初め、増税の影響を最小限に食いとめる本県独自の対策をスピード感を持って講じてまいりました。さらに、平成二十八年度当初予算におきましても、経済・雇用対策の推進として、TPPを迎え撃つ対策はもとより、最先端技術を活用した県内ものづくり産業の高度化、高付加価値化による成長産業の育成と地域経済の活性化など、経済好循環の流れを加速する対策に鋭意取り組むことといたしております。 県といたしましては、引き続き全国や県内の景気動向を注視しつつ、実効性のある経済対策の実施につきまして、全国知事会や四国知事会、関西広域連合などと連携を図りながら、必要に応じ政策提言を行うとともに、県内経済や県民の皆様の暮らしを守るための施策に全庁一丸となってしっかりと取り組んでまいります。   (大田保健福祉部長登壇) ◎保健福祉部長(大田泰介君) 早急に吉野川保健所に所長を配置し、徳島保健所との兼務解消をすべきではないかとの御質問でございますが、保健所は地域保健法に基づき都道府県及び指定都市や中核市など特定の市区に設置されるものであり、栄養の改善及び食品衛生に関する事項、難病や感染症その他の疾病の予防に関する事項、歯科保健や精神保健に関する事項などに関する企画、調整、指導を行うほか、必要に応じ地域住民の健康の保持及び増進を図るための事業や地域保健対策の実施にかかわる市町村相互間の連絡調整及び技術的助言などの支援を行うこととされております。 本県においては、東部、南部、西部の三圏域に各二カ所、計六カ所の保健所を設置しており、各所管区域における地域保健に関する広域的、専門的、技術的拠点として地域の第一線で業務を行っているところです。 保健所長は、その役割上、地域における保健、医療にかかわる幅広い知識と経験を有することが求められており、原則として医師であって三年以上の公衆衛生実務従事経験を有するか、または特別の養成訓練課程を受けることなど、法令で厳格な要件が定められております。近年、こうした要件を満たす保健所長を目指す医師、いわゆる公衆衛生医師は全国的に不足する傾向にあり、全国の都道府県に設置されている保健所のうち、平成二十七年七月一日時点において所長を他の保健所長が兼務しているものの数は四十六カ所に上り、一割を超える保健所が所長の兼務を余儀なくされているところです。 本県でも徳島保健所長が吉野川保健所長を兼務しておりますが、毎週一回徳島保健所長が吉野川保健所で勤務するほか、不在時にあっても円滑に業務を実施できるよう豊富な知識と経験を有するベテラン保健師を次長や幹部職員として配置するとともに、緊急時においては電話やメール、ファクシミリ等による即時の連絡体制を整備するなどにより危機管理体制についても万全を期しているところです。 今後とも、徳島大学や県医師会を初め関係機関とも連携を図りながら公衆衛生医師の確保に努めるとともに、若手公衆衛生医師を計画的に育成することで、本県保健所が地域保健の中核としての役割を十分に発揮できるようしっかりと取り組んでまいります。   (佐野教育長登壇) ◎教育長(佐野義行君) 市町村の就学援助率を向上させるためにどのように取り組むのかとの御質問でございますが、学校教育法第十九条には、経済的理由によって就学が困難と認められる学齢児童の保護者に対して、市町村は必要な援助を与えなければならないとされており、就学援助は市町村が実施主体として経済的に苦しい家庭における学用品の購入費や修学旅行費などに支援を行う制度であります。 文部科学省の調査によると、平成二十五年度現在で全国で百五十一万四千五百十五人、公立小中学生全体の一五・四%が受給しており、本県では八千四百二十七人で一四・七%と全国に比べ若干下回るものの、ほぼ同様の状況にあると認識しております。 就学援助は、生活保護の受給世帯を対象に、国の補助金が交付される要保護者とこれに準じて困窮していると認定される準要保護者があり、準要保護者については、平成十七年度からそれまでの補助金が廃止され地方交付税により一般財源化されたところであり、各市町村において財政状況や地域のニーズを踏まえ主体的な運用が図られている状況であります。 国においては、平成二十六年八月、子供の貧困対策に関する大綱が閣議決定され、就学援助について適切な運用ときめ細やかな広報等の取り組みを促し、各市町村における就学援助の活用、充実を図ることが明記されております。こうした動きを受け、本県においても、就学援助が適切に実施されるよう市町村教育委員会に対し入学時や進級時に学校で就学援助制度の書類を配布するなど、多くの手段を通じて制度の趣旨や申請手続の広報に努めるとともに、福祉部局、民生委員との一層の連携をとるよう周知徹底を図っております。 県教育委員会といたしましては、引き続き実施主体である市町村に対し就学援助の適切な運用と充実が図られるよう国からの情報をしっかりと伝えるとともに、保護者への周知方法の充実について助言に努めてまいります。   (山田議員登壇) ◆十九番(山田豊君) それぞれ答弁いただきました。 知事が四選されたときに、知事に力を入れて取り組んでほしい政策を地元紙が世論調査しました。医療、福祉の充実、次に地域経済の活性化、子育て支援や少子化対策、雇用対策などが上位に上がりました。この県民の願いが開会日の知事説明にはほとんど説明されておりませんでした。私のきょうの質問は、この県民の願いを届け、県政の無駄遣いなどをチェックする立場で臨みました。引き続き同僚議員や県民の皆さんとともに県民が主人公の県政改革に取り組む、その決意を述べまして、私の全ての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)   ──────────────────────── ○副議長(重清佳之君) 議事の都合により、休憩いたします。      午後二時四十七分休憩   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━    午後三時十一分開議      出席議員計三十八名          (その番号・氏名左のとおりである)     一  番     岩  佐  義  弘 君     二  番     山  西  国  朗 君     三  番     原  井     敬 君     四  番     島  田  正  人 君     五  番     眞  貝  浩  司 君     六  番     高  井  美  穂 君     七  番     古  川  広  志 君     八  番     上  村  恭  子 君     九  番     井  川  龍  二 君     十  番     藤  田  元  治 君     十一 番     元  木  章  生 君     十二 番     南     恒  生 君     十三 番     岸  本  泰  治 君     十四 番     岡     佑  樹 君     十五 番     須  見  一  仁 君     十六 番     中  山  俊  雄 君     十七 番     長  池  文  武 君     十八 番     達  田  良  子 君     十九 番     山  田     豊 君     二十 番     丸  若  祐  二 君     二十一番     寺  井  正  邇 君     二十二番     喜  多  宏  思 君     二十三番     木  南  征  美 君     二十四番     川  端  正  義 君     二十五番     岩  丸  正  史 君     二十六番     岡  田  理  絵 君     二十七番     木  下     功 君     二十八番     黒  崎     章 君     二十九番     岡  本  富  治 君     三十 番     樫  本     孝 君     三十一番     杉  本  直  樹 君     三十二番     西  沢  貴  朗 君     三十四番     重  清  佳  之 君     三十五番     嘉  見  博  之 君     三十六番     来  代  正  文 君     三十七番     臼  木  春  夫 君     三十八番     庄  野  昌  彦 君     三十九番     長  尾  哲  見 君   ──────────────────────── ○議長(川端正義君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 十七番・長池文武君。   (長池議員登壇) ◆十七番(長池文武君) 和の会の長池でございます。 今回も、これまでの私の質問と同様、防災対策と青少年問題について質問いたします。また同じやなというふうに思っていらっしゃる方もいると思います。そのとおりでございます。ちなみに結論も同じであります。全部で五問を一問一答形式でいきたいと思いますので、何とぞよろしくお願いいたします。 まず、防災対策について御質問いたします。 来月、三月十一日には、東日本大震災から早くも五年が経過いたします。この五年間で、公助である行政では、学校の耐震化や防災無線のデジタル化、津波避難場所、避難路の整備など、十分とは言えないまでも、少しずつ着実に進んできていると実感しています。 一方、私が考える一番大切な自助に関しましては、五年前に防災の重要さを改めて認識した県民の方々も、五年がたてば防災意識が風化しているのではないかと危惧しております。 先日、県が実施した地震・津波県民意識調査の結果を拝見いたしました。これによると、南海トラフ巨大地震への関心度は、多少関心があるを含めて九六%もの方が関心を抱いているなど、一応関心はあるのだということは確認できました。しかし、危機意識というか、緊張感はどうでしょうか。調査の中の例えば家具の固定をしているかとか、防災訓練への積極的な参加といった個人の備えに関する質問には、東日本大震災直後はぐっと伸びた数値も、今では伸び悩んでいるようであります。これは、地震や津波の脅威を頭ではわかっていても、みずからの行動となると実践できていない方々がまだまだ多いということであります。 県民の皆さんには、公助に頼らない意識を持ってみずから備えていただきたいと思いますし、行政側は、いかにして自助を強化するかを考えなくてはならないと思います。あと何年、何%で地震が発生しますとか、何メートルの津波が来ますとか、いわゆる危機をあおるだけの情報の提供ではなく、自分で備える行動を促すような県の取り組みが重要なのではないでしょうか。 こうした中、県では、昭和南海地震から七十年を迎える本年を防災メモリアルイヤーと位置づけ、県民の皆様に毎月一つのテーマで身近な点検を呼びかける毎月一点検運動を始めたと聞いております。私は、以前、防災対策特別委員会にて、徳島県備蓄の日というのを定め、年に一度県民に備えを呼びかけてはどうかと提案させていただきましたが、今回の点検運動にしっかりと取り入れてくれているというふうな言葉をお聞きし、県民への浸透を大いに期待しているところであります。この運動を盛り上げていただきたいのですが、意識の浸透や行動の定着には時間がかかります。メモリアルイヤーだけの一過性に終わらせず、粘り強く続けていく必要があると思います。 そこで、お伺いいたします。 災害時に最も重要である自助の力の向上を目指す毎月一点検運動について、どのような内容でどう盛り上げていくのか、また本年だけのものとせず、定着を目指し、本年以降も継続していくべきだと思いますが、御所見をお聞かせください。   (黒石危機管理部長登壇) ◎危機管理部長(黒石康夫君) 長池議員の御質問にお答えをいたします。 自助の力の向上を目指す毎月一点検運動の推進についての御質問でございます。 南海トラフ巨大地震を初めとする大規模災害時におきましては、公助や共助の力にはおのずと限界があり、自分の命は自分で守る、自助の果たす役割が非常に重要な高い防災意識を持ってふだんから防災の力を磨いていただくことがとりわけ重要であるというふうに認識をいたしております。このため、昭和南海地震から七十年を迎える本年を防災メモリアルイヤーと位置づけまして、重点的な啓発活動を推進することといたしており、この一環といたしまして、県民の皆様がみずから取り組んでいただく毎月一点検運動をこの一月から実施をいたしているところであります。 この毎月一点検運動は、去る一月は阪神・淡路大震災を教訓に家具固定を設定いたしました。今月二月は備蓄を取り上げまして、県民の皆様や事業者の方々に広く点検運動を呼びかけているところであります。今後も、九月九日の救急の日にちなみAEDを初めとする救急法についての理解、十一月五日の国連が定める世界津波の日にちなみ津波の避難といったその月にふさわしい毎月一つのテーマを提示してまいります。 現在、点検方法をわかりやすく紹介するチラシを作成いたしまして、防災出前講座やホームページなどで啓発を行いますとともに、市町村や徳島県防災会議、学識経験者や関係団体、事業者の皆様で構成するとくしま地震防災県民会議などを通じまして浸透を図っているところでございます。 さらには、毎月のテーマに沿ったパネル展や体験教室の開催、自主防災組織や関係団体などによる訓練の実施など、創意工夫を凝らした企画を年間を通じ展開をいたしまして、運動を盛り上げてまいります。 また、議員お話のとおり、意識の浸透や行動の定着には時間を要しますことから、防災メモリアルイヤーを一過性のものに終わらせず、来年以降も毎月一点検運動を本県ならではの県民総ぐるみ運動といたしまして定着させてまいりたいと考えております。 今後とも、東日本大震災で高まった防災意識を決して風化させることなく、県民お一人お一人のさらなる災害対応力の向上に向け積極的な啓発活動を展開することで、南海トラフ巨大地震を初めとする大規模災害時の死者ゼロを目指してまいります。   (長池議員登壇) ◆十七番(長池文武君) 御答弁をいただきました。 本年度は防災メモリアルイヤーとして年間を通じて防災の啓発活動を積極的に取り組まれるということでありました。毎月一点検運動では、既に一月は家具の固定、二月は備蓄をテーマにしっかりと呼びかけられたそうでございます。ただ、この二つのキーワード、実はもう随分前から皆さんももうわかっているといいますか、言われ続けていることであります。身近な防災対策であります。しかし、今になってもその備えが十分ではないというアンケート結果が出ているわけです。一体これはなぜでありましょうか。徳島県民がだめなんでしょうか。それとも、徳島県の行政がいけないのでしょうか。 ただ、私が思いますのは、行政の啓発活動は十分に人の心を動かすことができていない、そんな印象があるということです。これは防災対策だけの話ではなくあらゆる行政施策に通じて言えることであります。民間企業なら新しいサービスや商品の開発、または宣伝において、人々のニーズを把握し、心を捉えようと必死であります。同じく、行政の施策においても、民間企業と同様の姿勢や努力が必要な時代になっていると思います。つまり、家具の固定や備蓄がいかに重要かだけを訴えても期待する効果は得られないのであって、行動を起こしてもらうにはこれまでにない創意工夫が必要だということであります。自助をいかに強固なものにしていくか、私もこの最重要な課題に必死になって取り組みたいと思っております。我々は、企業のような営利目的ではなく、県民の命を守る、安心した暮らしをつくるといった最も重要で崇高な使命があるということをいま一度肝に銘じなくてはならないと思います。 続いての質問に移ります。 私は、四年前、この場にて無縁社会について質問をいたしました。社会から切り離されて孤立化してしまった人が多くなった、そんな現代社会を表現する言葉であり、当時は主に高齢者の方の孤立や孤独死が問題と上がっておりました。それは今も問題となっておるわけでございますが、最近では若者が仕事をしていない無業の状態で孤立化してしまっている実態が明らかになり、問題視されています。きょうはその若年無業者について質問いたします。 若年無業者とは、十五歳から三十四歳の非労働人口のうち、家事も通学もしていない者という定義があります。ニートと同義語であると思っていただいて構いません。ただ、ひきこもりとは少し違います。家でじっとしている人もいれば、そうでない人もいるということです。学校でもなく、福祉サービスや医療の管理下でもなく、独身で収入を伴う仕事をしていない、いわば社会とのつながりが切れてしまっている若者をあらわしまして、そんな若者が実は最近多くなっているということであります。 実際どのくらいの数であるかといいますと、厚生労働省の発表では、全国で約六十万人と推計されております。同世代の人口に占める割合は二・三%、年齢階級別に見ますと二十五歳から二十九歳、三十歳から三十四歳、この五歳区切りのところでともに十七万人、その後が少し若くなりますが二十歳から二十四歳で十四万人という数字が出ております。さらに、厚労省によりますと、就職後三年以内の離職率は、長期的には減少傾向にはあるとはいいますが、平成二十四年三月の新規学卒者の三年以内の離職率は、高校卒業者は四〇%、大学卒業者は三二・三%に上っています。日本社会では、一度離職し無業状態になってしまうと、人間関係や社会関係の資本が大きく低下し、当事者の意欲も失ってしまいがちであります。再就職しようにも、悪い影響しか与えておりません。現在、日本で働いている人の三分の一が非正規労働者で、五人に一人が年収二百万円以下という数字もあります。若者を取り巻く状況は本当に厳しいものだと言えます。 では、皆さん、そうなったのは本人の責任だから、どうせ本人が甘えているのだろうと言ってこの状況をほっといていいのでしょうか。少し違う視点で考えます。 厚生労働省が、生活保護を受給し続けた場合と就業した場合の社会保障等に与える影響についてという資料を二〇一二年に発表しています。この資料の中で、若年無業者が、平均年齢二十五歳として、二十五歳から生涯にわたって生活保護を受給し続けた場合の総受給額が一人当たり一億円から八千八百万円と推計されています。先ほど無業者の数を六十万人と申しましたが、そうなると単純計算で六十兆円から五十三兆円もの支出が必要になってきます。さらに、この六十万人という数字には、先ほど言いましたように三十五歳以上の無業者は入っておりません。さらには、将来、この後、新規の無業者の数というのもこの六十万人には入ってきておりませんので、それを考慮すると数字はさらにどんどん膨れ上がります。六十兆円以上ということになります。 ちなみに、徳島県の二十七年度一般会計予算が約四千八百億円です。そういう規模であります。 したがって、若年無業者の問題の放置は、社会保障費の無秩序な増大を引き起こしかねず、当事者の自己責任として切り捨てることができない大きな社会問題であるということであります。 そこで、お伺いいたします。 若年無業者、いわゆるニートの対策について今後どのように取り組んでいくのかをお聞きしたいと思います。   (吉田商工労働観光部長登壇) ◎商工労働観光部長(吉田英一郎君) 若年無業者対策についての御質問をいただきました。 少子化の進行を背景に若者の数が減少しているにもかかわらず、通学や仕事を行わず家事や職業訓練も行っていない若年無業者、いわゆるニートと呼ばれる若者の数は、平成十四年以降、高どまりしている状況にあり、要因も多様化するなど、ニートの問題は深刻化し続けています。一旦ニートの状態になると、社会との関係が断ち切られがちになり、その状態から抜け出しにくいという実態があることから、早期自立や進路決定のサポート、生活面でのフォローアップなど、継続的な支援を行うことが重要であると認識をいたしております。 このため、県におきましては、働くことに悩みを抱える若年者の就労支援の拠点である徳島駅前のとくしま地域若者サポートステーションと阿波市内のあわ地域若者サポートステーションにおきまして、キャリアコンサルタント、臨床心理士による専門的な相談、職場におけるコミュニケーション能力の向上訓練、職場見学、職場体験の場の提供など、職業的自立や再就職に向けた支援を行っているところであります。 また、去る二月六日には、徳島県内の商工三団体青年部の主催により、初の試みであります中小企業経営者と徳島商業高等学校、中央テクノスクールの生徒との交流会「あわとーーく」が開催され、参加学生からは、経営者と話し合うことによって仕事に興味が持てた、よい体験となった、経営者からは、地元の中小企業に関心を持ってもらえた、学生との対話で新たな視点を発見したなどの声が聞かれたところでございます。 このようなことから、従来のインターンシップや若年者と企業との合同説明会に加え、企業経営者と学生との交流の場の設定を支援するなど、学生の職業観醸成や企業とのマッチングの向上に向け、商工団体を初め関係機関との連携を強化してまいります。 加えて、早期離職が原因でニート状態に陥るケースもあり、予防支援を行うことが重要であることから、平成二十八年度におきましては、経済団体、労働団体との連携により早期離職の要因を分析するとともに、職業観の醸成を目的とした高校、大学等への出前講座の実施、企業や若手従業員向けの離職防止セミナーの開催など、若年者の早期離職対策に本格的に取り組んでまいります。 今後とも、若者の就労支援と職業観の醸成、さらに徳島労働局や商工団体、労働福祉団体など関係機関と緊密に連携し、早期離職の防止にしっかりと取り組み、誰もが再挑戦できる社会を構築し、若者が働く喜びを実感できる徳島づくりに全力を尽くしてまいります。   (長池議員登壇) ◆十七番(長池文武君) 御答弁いただきました。 御答弁の中で御紹介のあった商工三団体青年部による「あわとーーく」では、私も会場で様子を拝見いたしました。生徒さんたちの生き生きとした表情に、仕事に対する真剣な思いを感じることができました。ぜひ継続して開催できますよう県の支援もお願いしたいと思います。 さて、就労支援は若者に対する支援の中でも極めて重要だと思います。若者が働くということは、単にお金を稼ぐ、生計を立てるという意味だけではなく、社会とつながるという大きな意義があると思います。若者の無業状態で孤立化している実態に危機感を感じ、支援活動をしているNPO法人育て上げネットというところがございます。東京都の立川市に本部を置き、独自のプログラムによる若者の就労支援や、また無業状態の子供に悩んでいる親のサポートを自主事業として行っているところであります。 先月、実際にNPO法人の育て上げネットを訪問いたしまして、その独自の就労基礎訓練プログラムの様子を拝見することができました。そこでは、働くためのスキルアップではなく、まずは働くことに対する不安を取り除くということに重点が置かれているとのことでありました。つまり今問題になっている若者の無業者は、就職活動がうまくいかないのではなく、就職活動の手前で立ちどまってしまっているということなのです。働くことに自信を失い、社会から切り離されて孤立化している若者の支援には、カウンセリングなどの福祉の要素や、またキャリアアップなどの教育の要素など、それぞれを組み合わせた複合な支援が必要であり、従来の単独の支援の形ではなかなか成果が上がらなくなっているようであります。 支援の現場ではそういった現状がありながら、しかし県ではそれぞれの部局がお互いの領域を侵さないようきっちりと線引きがあるように思います。いわゆる縦割りでございますが、そこに支援の限界を感じている現場の支援者がたくさんいるのも事実であります。 就職のミスマッチを防ぐという支援は有効でありますし、必要だと思いますが、入り口だけの支援にとどまらず、社会の見えないところに落ち込みもがいている若者にいかに手を差し伸べるか、真剣に考えなくてはならない時代になってきたということであります。 先ほど紹介した育て上げネットの若者の支援事業部担当部長の蟇田さん、女性の方ですが、蟇田さんは、目指すべき社会像をだめになっても助けてもらえる社会とおっしゃいました。若者を使い捨てにしたり見殺しにする世の中であっては断じていけない、私はそう思います。 続きまして、次の質問に移りたいと思います。 次に、発達障がい者への支援についてお伺いいたします。 私の地元小松島には、徳島県の発達障がい者総合支援センターハナミズキというのがあります。平成二十四年四月、旧日赤病院跡地に開設されました。周辺には徳島県立みなと高等学園、徳島赤十字ひのみね総合療育センター、徳島赤十字乳児院が集結しており、全国に例のない発達障がい者総合支援ゾーンを形成しております。ゾーンの中の各施設が連携した支援を実施しておりまして、発達障がいのある方やその御家族が安心して充実した生活を送ることができるよう、総合的な支援を行っています。 しかし、正直、多くの小松島市民は、その施設の意義や発達障がいそのものについての理解が深いわけではございません。ですので、改めて本日この支援センターにスポットを当てて質問したいと思います。 さて、発達障がい者総合支援センターでは、福祉、教育、医療、就労といった分野において発達障がい者への支援がなされているということであります。三年前に文部科学省が発表した調査結果では、発達障がいの可能性がある児童生徒の割合は全体の六・五%ということで、約十五人に一人の割合だそうであります。これまでの支援は早期発見、早期対応を基本としておりまして、支援の対象者が割合年少者でありましたが、近年は、青年期における支援が重要視され、その中で就労についてもさまざまな支援が行われているところであります。ただ、発達障がいは外からは見えにくく、また社会性の障がいやコミュニケーション障がいのため対人関係がうまくいかず、就職できなかったり、就職しても長続きがせず、離職、転職を繰り返している方も多いのが実情であります。 また、発達障がいが原因でひきこもり状態に陥る人もあり、ひきこもりが長期化すると社会生活の再開が著しく困難となり、発達障がいによる二次障がいとして鬱病になる事例も見られます。特に若者のひきこもりについては、国の調査研究において約三〇%が発達障がいの診断がついたとも言われております。未来ある若者が発達障がいにより社会的に自立できずにひきこもりになってしまうのは深刻な社会問題であり、親亡き後のことも考えると、より一層積極的な支援が求められます。 そこで、お伺いいたします。 発達障がい者総合支援センターにおいては、本年度、総合支援プランを策定されていますが、成人期の発達障がい者、特に若者に対する就労を初めとする支援についてどのように充実強化を図っていくのかをお伺いいたします。   (飯泉知事登壇) ◎知事(飯泉嘉門君) 成人期の発達障がい者、特に若者に対する就労を初めとする支援について御質問をいただいております。 本県では、発達障がい者支援の充実に向け、今もお話がありましたように、小松島市の発達障がい者総合支援センターハナミズキに加え、昨年の五月には、県西部、こちらがやはり小松島まで通うのは少し遠いと、こうした多くの御意見をいただきまして、県西部での新たな支援拠点としてアイリスを開設し、この体制整備によりまして本年度における十二月末までの相談支援件数は前年同時期と比べ一五%増加しているところであります。 発達障がい者の支援につきましては、乳幼児期、就学期、そして成人期それぞれのライフステージに応じた取り組みが求められ、特に成人期にあっては、障がい特性がお一人お一人異なることに加え、ひきこもり状態にある方、職場の人間関係に悩んでおられる方など、その状況も人それぞれであります。このため、総合支援センターにおきましては、個人面談を通じ、就労を初めとする課題を明確にした上で、みずからの障がい特性の理解を深めていただくこととあわせ、仕事と生活のリズムを身につけ、就労意欲を高める支援を行っているところであります。 具体的に以下申し上げてまいりますと、業務への適性と能力を見出すための実習専用のワークサンプルを活用した実務作業のほか、美馬市のアイリスにおきましては、西部テクノスクールとの連携による実践的な職業訓練もスタートさせているところであります。これらの取り組みによりまして、本年度に就労面の支援を行った方で相談を開始した時点では未就労であった六十名のうち、四割の方が一般就労、障がい者雇用、そして福祉就労などにより社会参加を果たすなど、着実にその成果が上がってきているところであります。 発達障がいのある若者の自立と社会参加はまさに今日的課題であり、現在策定中の発達障がい者総合支援プランでは、成人期における取り組みの柱として、若者の就労や職場定着に向けた支援の充実強化を位置づけているところであります。このプランを実行に移すため、平成二十八年度におきましては、若者に対する新たな就労準備支援として、県庁の業務に従事し、臨場感のある職場体験を積んでいただくジョブトレin県庁を初めとする就労スキルアップ対策を推進いたしますとともに、発達障がい者の皆様方の就労と定着に不可欠となる企業サイドの御理解をより一層深めるため、専門家の出前講座や先進事例を学ぶセミナーの開催を繰り広げてまいります。 今後とも、労働関係機関との連携を密にしながら、発達障がいのある若者が未来への希望を抱きながら自分らしく社会生活を送ることができるよう、全国に先駆けた発達障がい者支援の徳島モデルをさらに進化し、積極的に展開を行ってまいる所存であります。   (長池議員登壇) ◆十七番(長池文武君) 御答弁いただきました。 今知事の御答弁や、また先日の開会日の知事説明、さらには昨日の障がい者の支援についての知事の答弁からも、知事が障がい者の特に就労支援に力を入れているということがしっかり伝わってまいりました。当事者やその御家族、また関係する全ての人々にとって本当に心強いことだと思っております。ただ、一方では、社会における発達障がいに対する正しい理解、特に就労における理解が社会においてはまだまだ不十分であると私は思います。知識がないから不安や戸惑いが起こり、遠ざけてしまっているのだと思います。仕事を通じて社会につながることに意義があるということはさきの質問でも述べましたが、同様に、障がいをお持ちの当事者やその家族もその点において働くことを強く望んでいるのです。いかに手厚くても社会から遠ざけるような福祉サービスを望んでいるわけではありません。そこを踏まえた上で、社会全体が理解を深めていけば、新しい障がい者雇用のあり方も見えてくるのではないでしょうか。 発達障がいを初めとする全ての障がい者に対する理解と支援が満ちあふれている社会、そんな成熟した福祉社会が私の地元小松島の町に、そして徳島県全域に広がっていくようこれからも努めていきたいと思っておりますので、何とぞよろしくお願いいたします。 次の質問に移ります。 次は、LGBTについて質問いたします。 昨年四月に電通が全国約七万人を対象に調査したところ、LGBTに該当する人が全体の七・六%になるという発表をいたしました。 LGBTの言葉から説明いたします。 (資料提示)これを御参照ください。お手元にあれば御参照ください。 Lはレズビアンです。女性同性愛者。Gはゲイ、男性同性愛者です。Bはバイセクシュアル、両性愛者ですね。Tはトランスジェンダー、性同一性障がいということで、その頭文字をとった単語でセクシュアルマイノリティー、性的少数者というふうに言われております。これ覚えといてください。 続きまして、二枚目です。(資料提示)この図はとても簡略されたものでありますが、大まかな性のあり方がわかります。性っていうのは男性、女性というだけじゃなくて、三段階に分かれているということであります。一番上が身体の性、次が心の性、一番下にあるのが好きになる性であります。私は、男性で、心の性も男性でして、好きになるのは女性ですから二番でございます。ただ、これはっきり分かれているんじゃなくて、グラデーションがあるというか、境がはっきりしないということです。例えばこの身体の性、今男性と女性の絵があると思いますが、この身体の性もはっきりしない方がいます。例えば性器が二つ、男性、女性両方の性器があったり、染色体がどちらかに統一されていないということであります。これをインターセックスと言います。また、心の性、男性でも女性でもないという方もいらっしゃいますし、さらには一番下、好きになる性、この好きになる性の対象がいないという、これをAセクシュアルと言うのですが、そういう方もいます。この性というのは本当に多様であるということをまず認識いただきたいと思います。 そのLGBTに該当する方が約七・六%いるということであります。まさに十三人に一人の割合でして、学校のクラスに二、三人あると言われております。先ほど申し上げました発達障がいの可能性がある児童の割合が六・五%、十五人に一人ということですので、それよりは少し多い数字となっております。 先日、ある方にお会いしてお話を伺いました。お名前は清水展人さんと言いまして、その方は女性の体で生まれたわけでありますが、性同一性障がいを乗り越え、現在は男性として戸籍変更した後、女性の方と御結婚されています。今はLGBTの方を支援するNPOの理事長として県内外で活躍されており、特に御自身の経験をもとにお話をされる講演活動がお忙しいということであります。 その清水さんにお話をお伺いした中には、御自身の子供のころからの苦悩や周囲に打ち明けたときの家族や友人の反応など、御自身が経験したことを切実にお話いただきました。また、LGBTの当事者や家族の悩み、そして今の社会の生きづらさというものも聞かせていただきました。まずは社会全体が正しい知識を持つことですと清水さんはおっしゃいます。間違った知識や風評が誤解や差別を生み、本人を苦しめるわけです。これはいろんな差別に共通して言えることではないでしょうか。そして、その根本的な解決にはやはり学校教育が重要であると考えます。 昨年四月に、文部科学省より全国の教育委員会にある通知が出ました。性同一性障がいに係る児童生徒に対するきめ細かな対応の実施等についてという通知であります。通知の内容は、性同一性障がいや性的マイノリティーとされる児童生徒に対する学校の支援のあり方を定めたものであります。教育の現場でも大きく変化しつつあるようであります。 そこで、お伺いいたします。 学校教育において性的マイノリティーに対する理解を深めるためにどのように取り組んでいくのかをお聞きしたいと思います。   (佐野教育長登壇) ◎教育長(佐野義行君) 性的マイノリティーに対する理解を深めていくための取り組みについての御質問でございますが、性的マイノリティーを取り巻く問題につきましては、学校生活を送る上での悩みや生きづらさなど児童生徒の心身に大きな負担を生じさせており、いじめや不登校、さらには命にかかわる重大な問題であると認識しております。 県教育委員会では、これまでにも性同一性障がいを初めとする性的マイノリティーの問題に対する教職員の理解を深めるため、人権教育主事や養護教諭を対象とした研修を初め年次研修などさまざまな機会を捉えた研修を実施しており、学校においては、申し出があった場合、本人の希望に沿った服装、多目的トイレの使用など、学校生活面での配慮をしてきたところでございます。 さらに、昨年四月、文部科学省から出されました性的マイノリティーとされる児童生徒に対する相談体制の充実や支援の事例を受け、当該児童生徒に対する支援のあり方や教職員の理解を促進していく必要性などについて周知を図ってきたところであります。 しかしながら、性的マイノリティーに対する社会的な関心が急速に高まってきた一方で、思い悩んでいる児童生徒が周りに相談できる状況には至っておらず、学校での当該児童生徒の支援についてなお一層のきめ細やかな対応が必要であると認識しております。 そこで、県教育委員会の教職員一人一人がこの問題に対する理解をより深めるため、新たに当事者として御自身の思いや葛藤を語り、正しい知識の普及に御尽力されている方を講師にお招きし、「性別違和を乗り越えて『自分らしく生きる』」をテーマとした研修会を先月実施したところであります。 また、平成二十八年度には、御本人の同意をいただいた性的マイノリティーの当事者である方を徳島県人権教育指導員に委嘱しまして、学校リーダー研修を初め、各種研修会、さらには児童生徒の人権学習やPTAを対象とした研修を実施し、より広く理解を深めるとともに、学校医やスクールカウンセラーを含めた関係機関との連携を図り、性的マイノリティーとされる児童生徒や保護者の心情に寄り添い、適切に対応できるよう取り組んでまいります。 県教育委員会といたしましては、今後とも、多様性を認め合う人権教育を推進し、一人一人の人権が尊重される学校づくりにしっかりと取り組んでまいります。   (長池議員登壇) ◆十七番(長池文武君) 御答弁をいただきました。 御答弁にもありましたが、これはもはや男性、女性といった単に性に関する問題ではなくて、人間の尊厳にかかわる基本的な人権の問題であります。青少年期における悩みはさまざまでありまして、中でも性的な問題は周囲に知られたくない部分であります。それがLGBTに類する悩みであれば、なおさら解決できずに一人で苦しむこととなるでしょう。十五歳から二十四歳の若者の自殺未遂経験という調査があるんですが、男性のゲイやバイセクシュアルの方の自殺未遂経験が平均の六倍以上という調査結果も出ております。最近では随分と周知されているように見えますが、現実にはまだまだきちんと理解していない社会があり、そのために苦しみ、悩み、そういう当事者がいるということであります。 先日、大企業のパナソニックが社内規則を変更し、この四月から社員の同性婚を認める方針を明らかにしたそうであります。オリンピックの憲章が性的志向による差別を禁止しているということでありまして、そのスポンサーであるパナソニックがそのことを重視したということでありますが、日本の大企業もLGBTに配慮する姿勢を明確にするようになってきたということであります。 誰もが自分らしく生きやすい社会であるためには、社会全体の意識を変えていかなくてはなりません。これはたやすいことではありません。しかし、何も罪を犯していない若者が、他の人と少し違う個性だというだけで生きづらさを感じながら、一人で悩み、苦しみ、さらにはみずから命を絶つような、そんな社会ではいけないのであります。社会の意識を変えるためにも、まずは学校教育を通じてしっかりと取り組み、さらには社会教育へと展開していくべきだと考えております。 最後の質問であります。 青少年が将来に夢や希望を持ち、次の時代の社会の担い手として健やかに成長していくことは私たちの願いであるとともに、地域社会の発展にとっても非常に重要な課題であります。 本来、子供たちは、家庭、学校、地域社会において大切に育まれ、さまざまな体験や他者との交流の積み重ねにより豊かな人間性や社会性、生きる力を身につけていくものであります。しかしながら、近年、核家族化や少子化の進行、地域のつながりの希薄化、またインターネットの急速な普及などにより、青少年を取り巻く環境は目まぐるしく変化してきております。特にニートやひきこもりなど社会的自立が困難な若者が大変増加してきており、さらにこれらの若者の多くはその生育環境において貧困や児童虐待などさまざまな問題を複合的に抱えています。ところが、問題を抱える子供たちや若者への支援は、年齢に応じて、もしくは福祉、教育、就労などの専門分野に応じて、それぞれが支援しているというのが実情であります。私は、困難を抱える若者を支援するためには、それぞれが抱える困難に丁寧に向き合い、社会の一員として自立することができるよう総合的かつ長期的に支援することが重要だと思います。 そこで、お伺いいたします。 県において、一昨年の平成二十六年四月、次世代人材育成統括本部を設置し、部局を超えて青少年への支援に取り組むという体制を整えているところでありますが、困難を有する青少年の支援について今後どのように進めていくのか、御所見をお伺いいたします。   (高田県民環境部長登壇) ◎県民環境部長(高田浩君) 困難を有する青少年への支援について今後どのように進めていくのかとの御質問でございます。 近年、核家族化による家庭環境の変化や地域のつながりの希薄化などにより、貧困、児童虐待、ニート等の問題が相互に影響し合うなど、子供、若者の抱える問題が複雑化、深刻化してきております。 こうした状況に対応するため、県におきましては、青少年プラン二〇一二に基づき、困難を有する子供、若者の悩みに寄り添いながら健全な成長を後押しするため、地域のボランティアから成るユースサポーターの養成、青少年こころの電話相談による支援、青少年活動のリーダーを対象とした指導者養成講座の開催などを実施してきたところであります。しかしながら、子供や若者の抱える問題に、より的確に対応していくためには、一つの機関による支援だけでは限界があり、多様な機関による連携した支援が求められております。 そこで、県におきましては、議員のお話にもありましたとおり、平成二十六年四月、次世代人材育成統括本部を設置、さらに平成二十七年五月には、これを女性活躍・次世代育成戦略統括本部に改組し、徳島の未来を担う子供、若者の健全育成の推進、勤労観、職業観の醸成、自立に向けたキャリアアップなど、部局の垣根を越えた一体的かつ戦略的な施策の推進を図っておるところでございます。 また、平成二十七年八月には、子ども・若者育成支援推進法に基づき、教育、福祉、医療、更生保護、雇用など四十七の関係機関のネットワークであります徳島県子ども・若者支援地域協議会を設置し、困難を有する子供、若者に対する効果的な支援のあり方について検討してまいりました。 さらに、平成二十八年度におきましては、このネットワークの連携強化を図り、各関係機関の支援者間で顔の見える関係をつくり、円滑な支援につなげるための意見交換会、支援者のスキルアップを図るための支援者養成講座を開催するなど、子供、若者の年齢や特性に応じた切れ目のない支援を推進してまいりたいと考えております。 今後とも、部局間はもとより、関係機関とより一層緊密に連携をしながら、徳島の未来を担う全ての子供、若者が自立した大人として健やかに成長し、将来に夢と希望を持って生き生きと活躍できるよう、総合的な支援にしっかりと取り組んでまいります。   (長池議員登壇) ◆十七番(長池文武君) きょう取り上げた若年無業者や発達障がい、さらにはLGBTなどはこれまでにも潜在的には存在した問題だったとは思いますが、社会問題として表面化してきたのはそう前のことではないかと思います。まだまだ社会全体で正しい知識を共有できていない、誤解や不安がある、そういった観点で質問させてもらいました。 答弁にもありましたように、そんな多様化、複雑化する青少年の課題、その多くについて、従来の組織や部局のあり方では対応し切れていない課題が見えてきています。部局間の連携と言いますが、他の部局の所管に関する案件にはほかからは少しのコメントもできないというのが行政組織の性質でありまして、それぞれの施策を報告し合うような連絡協議会的な今の統括本部には、これまで以上の大きな効果は望めないと思っております。 例えば、医療の世界では、新しく総合診療科というのがあるそうであります。診療科の一つ、新しい診療科の一つでありまして、余りにも専門化、細分化し過ぎた現代医療の中で、全人的に人間を捉え、特定の臓器、疾患に限定せず、多角的に診療を行う部門であります。複数の疾患を有し、特定の専門診療科のみでは対応困難なときに必要とされる診療科でもあります。青少年問題においても同じことが言えないでしょうか。多様化、複雑化する青少年の課題を専門部局がそれぞれ頑張るというだけではもはや対応できない時代だと思います。青少年問題の総合診療科が必要だということであります。 そこで、以前から申し上げているとおり、これらのさまざまな青少年問題に取り組むべく、次世代育成部を新しく設立すべきだということを改めて提言したいと思います。次世代育成を総合的に受け持つ部を県の中心に構えることで、専門部局間の垣根を越えた真の支援と対策ができるのだと思います。 知事は、先日の開会日に、一億総活躍社会のモデルを本県から発信するとおっしゃいました。私の考える一億総活躍社会とは、これまで取り上げたようなマイノリティーな若者の悲痛な声なき声を聞き、丁寧に拾い上げていくことで実現するのだと思います。徳島の未来のため、毎回しつこいようでございますが、ぜひとも御検討くださいますようお願いいたします。 それでは、まとめに入ります。 本日、この後、この後ですが、徳島県議会表彰の表彰式が行われます。スポーツや学芸部門で全国大会以上の大会において最優秀、一位とかですね、最優秀の成績をおさめた小学生以上の児童生徒さんをたたえるべく、議長さんから表彰状が手渡されます。毎年多くの若者の表彰を見ると、徳島の子供たちもすごいものだなとうれしく感じております。今廊下で待機しております。ぜひ傍聴に来られた方でお時間のある方は、約三十分だそうです。ぜひそのままお残りになって、一緒に子供たちを祝福していただければと思います。これは非常に大事なことであります。   (発言する者あり) はい。残っとってください。 今の社会は、行き過ぎた経済至上主義の陰で、ニートだとか、ひきこもりだ、もしくは障がいだ、精神疾患だと少しでも不都合な若者をまるで欠陥商品のようにレッテルを張り、世の中から排除しようとしてしまっているように私は感じております。夢を持ちましょうと言いながら、夢を持つことができない社会になっていることを実はここにいる多くの方も感じているのではないでしょうか。そんな将来に対する不安を当の子供たちはもっと敏感に感じているのであります。人一倍努力して優秀な結果を出した若者には、しっかりと称賛をすべきであります。そして、その一方で、きょう紹介したようなうまくいかず一人で苦しんでいる若者にも同様以上の手を差し伸べることができる、そんな社会を目指すべきだということを最後に申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。御清聴まことにありがとうございました。(拍手)   ──────────────────────── ○議長(川端正義君) 以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。   ──────────────────────── ○議長(川端正義君) 本日は、これをもって散会いたします。      午後四時十一分散会   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ △平成28年2月徳島県議会定例会の議案について(提出)                                   財第568号                              平成28年2月25日 徳島県議会議長 川 端 正 義 殿                        徳島県知事  飯 泉 嘉 門       平成28年2月徳島県議会定例会の議案について(提出) このことについて,別添のとおり提出します。        平成28年2月徳島県議会定例会提出議案(追加)第 70 号   平成27年度徳島県一般会計補正予算(第5号)第 71 号   平成27年度徳島県用度事業特別会計補正予算(第1号)第 72 号   平成27年度徳島県市町村振興資金貸付金特別会計補正予算(第2号)第 73 号   平成27年度徳島県都市用水水源費負担金特別会計補正予算(第1号)第 74 号   平成27年度徳島県母子父子寡婦福祉資金貸付金特別会計補正予算(第1号)第 75 号   平成27年度徳島県中小企業・雇用対策事業特別会計補正予算(第2号)第 76 号   平成27年度徳島県中小企業近代化資金貸付金特別会計補正予算(第1号)第 77 号   平成27年度徳島県農業改良資金貸付金特別会計補正予算(第1号)第 78 号   平成27年度徳島県林業改善資金貸付金特別会計補正予算(第1号)第 79 号   平成27年度徳島県県有林県行造林事業特別会計補正予算(第1号)第 80 号   平成27年度徳島県沿岸漁業改善資金貸付金特別会計補正予算(第1号)第 81 号   平成27年度徳島県公用地公共用地取得事業特別会計補正予算(第2号)第 82 号   平成27年度徳島県流域下水道事業特別会計補正予算(第3号)第 83 号   平成27年度徳島県港湾等整備事業特別会計補正予算(第1号)第 84 号   平成27年度徳島県奨学金貸付金特別会計補正予算(第1号)第 85 号   平成27年度徳島県証紙収入特別会計補正予算(第1号)第 86 号   平成27年度徳島県公債管理特別会計補正予算(第1号)第 87 号   平成27年度徳島県給与集中管理特別会計補正予算(第1号)第 88 号   平成27年度徳島県病院事業会計補正予算(第1号)第 89 号   平成27年度徳島県電気事業会計補正予算(第3号)第 90 号   平成27年度徳島県工業用水道事業会計補正予算(第1号)第 91 号   徳島県税条例等の一部改正について第 92 号   徳島県国民健康保険財政安定化基金条例の制定について...