徳島県議会 > 2016-02-01 >
02月24日-02号

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  1. 徳島県議会 2016-02-01
    02月24日-02号


    取得元: 徳島県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-01-04
    平成28年 2月定例会   平成二十八年二月徳島県議会定例会会議録(第二号) 平成二十八年二月二十四日    午前十時五分開議      出席議員計三十八名          (その番号・氏名左のとおりである)     一  番     岩  佐  義  弘 君     二  番     山  西  国  朗 君     三  番     原  井     敬 君     四  番     島  田  正  人 君     五  番     眞  貝  浩  司 君     六  番     高  井  美  穂 君     七  番     古  川  広  志 君     八  番     上  村  恭  子 君     九  番     井  川  龍  二 君     十  番     藤  田  元  治 君     十一 番     元  木  章  生 君     十二 番     南     恒  生 君     十三 番     岸  本  泰  治 君     十四 番     岡     佑  樹 君     十五 番     須  見  一  仁 君     十六 番     中  山  俊  雄 君     十七 番     長  池  文  武 君     十八 番     達  田  良  子 君     十九 番     山  田     豊 君     二十 番     丸  若  祐  二 君     二十一番     寺  井  正  邇 君     二十二番     喜  多  宏  思 君     二十三番     木  南  征  美 君     二十四番     川  端  正  義 君     二十五番     岩  丸  正  史 君     二十六番     岡  田  理  絵 君     二十七番     木  下     功 君     二十八番     黒  崎     章 君     二十九番     岡  本  富  治 君     三十 番     樫  本     孝 君     三十一番     杉  本  直  樹 君     三十二番     西  沢  貴  朗 君     三十四番     重  清  佳  之 君     三十五番     嘉  見  博  之 君     三十六番     来  代  正  文 君     三十七番     臼  木  春  夫 君     三十八番     庄  野  昌  彦 君     三十九番     長  尾  哲  見 君   ────────────────────────  出席職員職氏名     事務局長     小  原  直  樹 君     次長       延     良  朗 君     議事課長     日  関     実 君     政策調査課長   仁  木     幸 君     政策調査課副課長 四  宮  哲  也 君     議事課副課長   阿  部  英  昭 君     議事課主査兼係長 松  永  照  城 君     議事課主査兼係長 谷  本  か ほ り 君     議事課係長    三  橋  昭  子 君     政策調査課係長  郡     公  美 君     議事課主任    笹  本  時  代 君   ────────────────────────  列席者職氏名     知事       飯  泉  嘉  門 君     副知事      熊  谷  幸  三 君     政策監      豊  井  泰  雄 君     政策監      海  野  修  司 君     企業局長     酒  池  由  幸 君     病院事業管理者  片  岡  善  彦 君     政策監補     小  谷  敏  弘 君     危機管理部長   黒  石  康  夫 君     政策創造部長   七  條  浩  一 君     経営戦略部長   原     一  郎 君     県民環境部長   高  田     浩 君     保健福祉部長   大  田  泰  介 君     商工労働観光部長 吉  田  英 一 郎 君     農林水産部長   犬  伏  秀  之 君     会計管理者    河  口  正  道 君     病院局長     西  本     功 君     経営戦略部次長  秋  川  正  年 君     財政課副課長   佐  藤  泰  司 君   ────────────────────────     教育委員長    松  重  和  美 君     教育長      佐  野  義  行 君   ────────────────────────     人事委員長    高  畑  富 士 子 君     人事委員会事務局長小 笠 原     章 君   ────────────────────────     公安委員長    玉  置     潔 君     警察本部長    鈴  木  信  弘 君   ────────────────────────     代表監査委員   川  村  廣  道 君     監査事務局長   小  川  卓  志 君   ────────────────────────  議 事 日 程   第二号 平成二十八年二月二十四日(水曜日)午前十時開議 第一 県政に対する一般質問         (四   名)   ──────────────────────── ○議長(川端正義君) これより本日の会議を開きます。   ──────────────────────── ○議長(川端正義君) 直ちに本日の日程に入ります。 日程第一、「県政に対する一般質問」を行います。 通告がありますので、通告の順序に従い発言を許可いたします。 二十三番・木南征美君。   (木南議員登壇) ◆二十三番(木南征美君) 皆さんおはようございます。自由民主党・県民会議の木南でございます。会派を代表して、質問を続けたいと思います。 今議会は、平成二十七年度の締めくくりであると同時に、新年度の県政の方向と予算を審議する極めて重要な議会であります。 地方創生は本格的な実践期、まさに地方の知恵と本気度が試される大きな局面を迎え、本県としては、他県との厳しい地域間競争に打ち勝ち、確実に結果を出していくことが強く求められることになります。徳島の明るい未来をつくるための重要課題について順次質問してまいりますので、県民の皆さんが夢と希望を持てる前向きな答弁を期待いたします。 また、きょうは、吉野川市の知恵島小学校六年生の皆さんがお見えになっております。心から歓迎いたします。ようこそ県議会へ。 未来の徳島を動かしていくのは、皆さんの若い力であります。きょうは、少し難しい言葉も出てきますが、しっかりと聞いていただいて、ふるさと徳島県をよくするためにどうしたらいいか、一緒に考えてみてください。 傍聴に来ていただいた地元の方々、私の友人の方が来ていただいております。きょうはちょっと、ある事情で、セキュリティーも厳しかったんでないかと思いますが、おわびを申し上げたいと思います。 まずは、消費者庁、消費者委員会及び国民生活センターの徳島移転の実現についてお伺いいたします。 政府関係機関の地方移転は、国、県を挙げて推進する地方創生の切り札として国の総合戦略主要事業に位置づけられた、まさしく国家プロジェクトであります。徳島県議会においては、昨年六月議会、九月議会で、我が会派の代表質問において、徳島移転に向けた県の取り組みと知事の覚悟を問い、さらに十二月議会では、徳島県議会を挙げる形で、徳島移転の実現を求める意見書を採択し、その翌日には、川端議長が直接、関係閣僚に提出するなど、知事初め理事者とまさしく車の両輪としてしっかりと連携しながら、明治維新以来の中央集権国家に風穴をあける政府関係機関の地方移転に挑んできたところでございます。 こうした一連の動きの中で、第三次安倍改造内閣で、山口俊一大臣の後を受けた、消費者庁を所管される河野太郎内閣府特命担当大臣が、昨年十二月十四日、徳島を訪問され、非常に可能性がある提案と評価され、本年三月における長官を初めとする消費者庁職員の徳島での業務試験を提案され、先週には、三月十三日から一週間程度、板東長官ら九人による神山町での業務試験の具体的な日程が発表されました。 また、十九日には、鳩山自民党地方創生実行統合本部長らが神山町を視察し、私も同行させていただきましたが、この際には、徳島誘致協議会からも、挙県一致で誘致に向けて取り組む行動宣言を盛り込んだ要請書をお渡しし、鳩山本部長からは、徳島の熱意に応えたいとの力強い発言がありました。さらに、二十日には、再度来県されました河野大臣から、大規模な業務試行を今年七月、約一カ月にわたり、職員数十名を派遣して実施を検討しているとの発言がなされております。 政府のまち・ひと・しごと創生本部が移転の基本方針の最終決定を行う本年三月まで、残すところ約一カ月であります。今求められるのは、追い風をしっかりとつかむとともに、逆風をはね返し、絶対になし遂げるという確固たる信念だと思います。 消費者庁、消費者委員会国民生活センターの徳島移転の実現に向けた知事の決意をお伺いしておきます。 もう一問、徳島移転に関してお伺いいたします。 反対意見への対応であります。 徳島県では、消費者問題の解決に必要な専門的知識を身につける消費者大学校、大学院や、消費者と行政をつなぐくらしのサポーター制度に多くの方が参画されるなど、県民の消費者問題に対する意識は非常に高いものがあります。また、食品表示Gメンによる監視など、食の安全・安心を守る県独自の取り組みもしっかりと行われております。 こうした先進的な消費者施策の実証フィールドを持つ徳島県への移転の実現を求める意見書をさきの十二月議会において取りまとめ、早速、川端議長から河野大臣に提出したところでもあります。徳島に移転し、これらの取り組みを参考に、消費者目線に立った施策を展開すれば、日本の消費者行政は同一レベル、さらによくなるものと考えております。 その一方で、日本弁護士連合会全国消費者団体連合会など一部の全国団体が、移転反対の意向を表明しております。反対する主な理由は、消費者問題の司令塔である消費者庁が東京から離れることにより、国会対応や各府省庁との調整、東京に本部を有する関係団体との連携などの面で機能が低下するおそれがあるといった内容が挙げられております。 また、移転が実現しても、徳島において人材の確保ができるのかとも言われております。このような、現状を変えようとしないガラパゴスといいますかガラケーといいますか、ガラパゴス症候群というべきでしょうか、徳島のことを知らな過ぎる、全くの的外れであります。 先日、実際に現場を見られた鳩山本部長や河野大臣からは、徳島にはすばらしい環境が整っていると感心され、この問題は徳島県だけの問題ではなく、五年先、十年先、五十年先の我が国のあり方を決めるシステムだと発言されました。知事には、将来の我が国のあり方を見据え、東京一極集中を打破するための消費者庁の移転をぜひ実現していただきたいと考えます。 そこで、伺います。 消費者庁、消費者委員会国民生活センターの徳島移転をめぐり、機能の低下や人材不足などの意見があるが、今後の取り組みについて知事の所見をお伺いします。 次に、TPP、環太平洋連携協定の対応についてであります。 TPPは、世界のGDPの約四割、人口の一割を占める巨大な経済圏ができようとしております。関税の削減、撤廃はもとより、サービス、投資の自由化を進め、さらには知的財産、電子商取引など幅広い分野で新しいルールを構築するものであります。 その結果や影響については、農林水産業などの特定分野へマイナスの側面と、ビジネスチャンスとして我が国の成長戦略や地方創生につながる光の側面の両方を持っております。マイナス、負の影響に対しては、農業と食料をしっかり守っていく必要があります。光の部分に対しては、世界市場を舞台とする新たな可能性を、日本に、そして徳島にとって大きな輝きとするため、積極的に打って出る姿勢が必要と考えます。 そこでまず、負の影響が大きい農林水産分野についてお伺いいたします。 先般、県から、TPPが本県農林水産業に及ぼす影響額が、国の試算に基づいてでありますが、試算が公表されました。その試算によると、生産額が年間十四・八億円から二十三・五億円程度減少するとなっております。 しかし、県内の関係団体からは、想定より額が小さいのではないか、もっと大きいのではないかという発言がありました。私自身も、地元の農業者の方々から、小規模農家の切り捨てだ、あるいは、耕作放棄地の増加につながるといった不安や懸念の声をお聞きいたしております。 このような中、今議会開会日の知事の所信において、既存の県単事業を抜本的に見直し、TPP対策推進エンジンとなる本県独自の基金を設置し、本県ならではのきめ細やかな支援を実施すると報告されました。新たな農林水産業未来創造基金については、今議会に設置条例や予算を提案するなど、知事の一歩先を見据えた素早い対応は評価したいと思います。 しかし、せっかくの対策も、その内容が旧態依然としたものであれば、迫りくるTPPを迎え撃つことは到底できないのではないか。生産者の方々の不安を本当に払拭できるよう、これまでよりも一歩も二歩も踏み込んだ、現場が真に求める、温かみのある対策が必要であると考えます。 さらに、基金の規模についてでありますが、TPPによる農林水産業への影響額が年間最大二十三億円に及ぶと試算される中、今回の造成額で実効性のある支援が可能なのか、懸念いたしております。この基金には、県内生産者の方々が将来を展望できる規模の造成が必要ではないでしょうか。 そこで、お伺いいたします。 地域経済を支える農林水産業者の方々がTPPによる不安を払拭し、次世代へ経営を継承するために、農林水産業未来創造基金をどのように活用するのか、また、この基金は対策の状況に応じ今後積み増しをする必要があると考えますが、所見をお伺いしておきます。 次に、光の部分であります。 国においては、TPPの発効により、将来的に実質GDP水準が二・六%、約十四兆円の拡大効果を見込んでいるところでございます。GDPを十四兆円押し上げると見込んでいるわけであります。 本県においても、TPPをチャンスと捉え、新たなビジネスチャンスにチャレンジし、直面する具体的な課題を解決しようとする中小企業経営者や、農林水産物の海外輸出はもとより、生産基盤拠点の海外進出などを模索する意欲的な若手農業者など、一歩先を見据えた意欲あるチャレンジの兆しが芽生えております。 国のTPP大綱においては、新たな市場開拓などについて積極的な支援を行う方針が示されておりますが、中小企業者や規模が小さい農林水産業者が多い本県にあって、県がしっかりとリードする形で、意欲ある事業者の事業展開を支援する推進体制が必要と考えます。 そこで、伺います。 地方創生をリードしていく上においても、TPPのメリットを商工業、農林水産業関係事業者がしっかりと享受し、新たなビジネスチャンスにつなげることができるよう、例えば輸出展開プロジェクトチームの設置など、県が核となった推進体制を構築すべきと考えますが、知事の所見をお伺いしておきます。 答弁をいただき、質問を続けていきたいと思います。   (飯泉知事登壇) ◎知事(飯泉嘉門君) 木南議員の御質問に順次お答えさせていただきます。 まず、消費者庁、消費者委員会国民生活センターの徳島移転の実現に向けた決意についてであります。 このたびの国勢調査で判明いたしましたように、大阪府においても人口減少に転じるという過度の東京一極集中の進行に何としても歯どめをかけ、地方創生、ひいては日本創成の実現へと大きくかじを切るためには、今こそ国、地方を挙げて政府関係機関の地方移転に全力で取り組むことがまさに不可欠である、このように認識いたしております。 このような日本の明るい未来へ向けての大義と大局観をしっかりと胸に抱き、まずは徳島が率先して日本のモデルとなり、移転をなし遂げるんだとの揺るぎない信念と強い覚悟のもとで、徳島の強みを最大限生かす、消費者庁を初めとする政府関係機関の徳島移転の実現に臨んでいるところであります。 議員からもお話をいただきましたように、徳島県議会におかれましては、各定例会における活発な御論議や御提言、また数度に及ぶ国に対する意見書の提出、さらには今議会における関連予算のいち早い先議をいただくなど、移転実現への道筋づくりに多大なるお力添えを賜っておりまして、心から感謝を申し上げるところであります。 また、今月の十二日には、民間主導の御発案により、挙県一致で徳島から新しい人の流れの突破口を切り開いていくんだとの熱い思いのもと、産学官金労言や消費者団体の代表者の皆様方から成ります「消費者庁・国民生活センター等徳島誘致協議会が創設されるとともに、早速、西宮会長さんによりまして、政府・与党に対する要請活動が実施され、大変心強く思っているところであります。 さらには、先月の八日には四国知事会としての、今月の二日には関西広域連合と関西経済界としての、移転実現を求める国への要請文が相次いで取りまとめられ提出されるなど、県内外に理解と賛同の輪が大きく広まってきているところであります。 いよいよ来月の十三日の週からは、消費者庁長官を初めとする消費者庁職員による一週間程度の業務試験、それを踏まえ、七月には、数十人規模の職員による一カ月に及ぶ業務試験、さらには四月以降、国民生活センターによる商品テストや教育研修部門の試験移転が行われることとなっており、課題解決先進県徳島だからこそ得ることのできたこれら全国初となる絶好のチャンスを生かしていくため、県を挙げ、万全の受け入れ体制の準備を図り、一つ一つ課題を丁寧かつ誠実にクリアいたしてまいりたいと考えております。 今後とも、日本創成への先陣突破を徳島からとの強い決意のもと、消費者庁、消費者委員会国民生活センターの徳島移転を一日も早く実現し、現場主義、消費者目線に立った新次元の消費者行政を全国へと展開できますよう、全身全霊を傾注してまいりますので、議員各位におかれましては引き続き御理解と御協力を賜りますよう、どうぞよろしくお願いを申し上げます。 次に、消費者庁等の徳島移転に向けた今後の取り組みについてであります。 県ではこれまで、県民目線、現場主義に立った全国モデルとなる先進的な取り組みを積極的に実践いたしますとともに、国に対し数多くの政策提言を行ってきているところであります。こうした地方の知恵が、消費者庁の創設を初め、食品表示法の制定、措置命令権限の移譲など、我が国の消費者行政に大きく貢献いたしてきているところであります。 消費者庁等の徳島移転につきましては、国を動かす魅力ある職場づくりができることで、本県への新しい人の流れをつくる突破口になりますとともに、真に消費者の立場に立った政策立案、法制化が可能となり、消費者行政の機能向上や国民全体のメリットにつながるものと考えるところであります。 また、本県の平成二十七年度人口当たりの消費者行政予算を初め、消費生活相談員数消費者行政職員数全国トップクラスであり、議員からお話のありました消費者大学校、大学院の卒業生やくらしのサポーターを初め、官民連携によりまして、地域で活躍する人材をこれまで数多く輩出するなど、消費者行政には格別の思いを持って積極的に推進いたしているところであります。 一方、国会、関係省庁や団体の多くが東京に集中する中、地方移転により機能低下をするのではないか、懸念する声があるのもまた事実であります。こうした課題の処方箋といたしまして、平成二十五年六月、閣議決定いたしました世界最先端IT国家創造宣言に基づき、本県のすぐれた情報通信環境を最大限活用した距離的障害の克服、一部機能を残す東京サテライトオフィスなどを提案させていただいているところであります。 今後、さらなる専門人材の確保に向け、早速、来月から相談員資格取得特別講座を開設し、百名の有資格者の確保を目指しますとともに、消費者問題の専門家や学識経験者として、関西、四国の各大学や弁護士の皆様方などに御協力をいただきたいと考えるところであります。 また、来る三月十三日、開催いたします消費者問題県民大会、十四日に開催する食の安全・安心フォーラムについて、移転反対を表明している関係団体にも御案内を差し上げたところであり、ぜひ本県の先進的な取り組みを目の当たりにしていただきたいと考えるところであります。 さらには、消費者問題に見識の深い弁護士の皆さん、また有識者で構成いたします消費生活専門会議を設置し、重大な消費者問題の解決を図るアドバイザー機能や紛争手続を担う体制を構築いたしてまいります。 こうした取り組みを加速するとともに、来月からの業務試験の着実な実施により、不安の声に丁寧に対応し、消費者庁等の徳島移転という一歩先の未来をしっかりと手繰り寄せてまいる所存であります。 次に、TPP対策につきまして幾つか御質問をいただいております。 まず、農林水産業未来創造基金の活用法についてであります。 TPPにより、厳しい影響が想定される農林水産業は、農山漁村における仕事の創出のみならず、県民の皆様の食を支え、県土の環境保全にも大きな役割を果たす、まさに本県の基幹産業であります。この農林水産業を守り、次代に継承していくため、昨年十二月、全国に先駆け、TPPを迎え撃つ徳島県TPP対応基本戦略を策定し、このたび、基本戦略の推進エンジンとして、守りの対策に重点を置いた農林水産業未来創造基金を設置することといたしたところであります。 とりわけ、本県の農業産出額の約四割を占める中山間地域農業や地域を支える小規模経営体におきまして、TPPによる影響が深刻であるとともに、その課題も多様でありますことから、地域の実情に応じ、きめ細やかな徳島モデルの守りの対策を講じることがまさに必要不可欠となるところであります。 そこで、基金で実施する農山漁村未来創造事業におきましては、従来の県単独事業を抜本的に刷新し、例えば、集落営農の推進や耕作放棄地対策といった中山間地農業の重点的な支援、低コスト園芸団地や省力化機械の導入による持続可能な産地づくり、新規就農者や地域の中核的経営体などの頼るべき守り手への支援、また産直市や農家レストランの整備によります顔の見える地産地消の推進などの対策を、地域の創意工夫による企画提案にしっかりとお応えし、基金事業の特性を生かし、複数年度にわたり柔軟かつ強力に推進してまいる考えであります。 次に、議員御提案の基金の積み増しについてであります。 一歩先の対策に必要な予算を十二分に確保し、推進エンジンフルスロットルで稼働させ続け、生産者の皆様方に安心感を持っていただきますことが何よりも重要であると認識いたすところであります。 そこで、TPPの発効時期、発効後の影響、対策の効果、さらには国に提言いたしております都道府県版基金の実現状況などをしっかりと見きわめながら、今回予算提出させていただいております五億円と同水準の造成を今後も行い、総額二十五億円程度の規模を目指してまいりたいと考えておりますので、議員各位におかれましては、こうした方向性にぜひ御理解そして御協力を賜りたいと考えるところであります。 今後とも、基金を最大限に活用いたしました地域に寄り添うきめ細やかで継続的な対策をしっかりと講じ、TPPの負の側面に温かみのある光をともすことによりまして、生産者の皆様方が未来に希望を持ち、そして大きな輝きを放つことができますように、全力で取り組んでまいります。 次に、TPPのメリットを享受し、新たなビジネスチャンスにつなげるよう、県が中核となった推進体制を構築すべき、御提言をいただいております。 本県ではこれまで、とくしまグローバル戦略やとくしま農林水産物等海外輸出戦略に基づき、本県企業のグローバル化や県産品の海外販路開拓を強力にサポートしてきたところであり、グローバルビジネスに取り組む事業者数は百社を超えるに至ったとともに、事業者の皆様方からの聞き取りに基づきます貿易・国際事業実態調査では、平成二十六年、本県の輸出額は約四千二百億円と、前年に比べ五百億円余り増加する見込みであり、着実に輸出拡大を果たしてきているところであります。 また、TPP交渉、その最終合意を受け、現状のグローバル活動の中で大きな障壁となっている税関・流通上の煩雑な手続や時間的ロス、関税が及ぼす価格競争の低下などが解消される見通しとなったことから、徳島県TPP対応基本戦略に基づく本県企業の海外展開の支援、六次産業化の推進、そして産業競争力の強化など、TPPを最大のビジネスチャンスとして、攻めの施策をしっかりと展開いたしてまいります。 このチャンスを最大限に生かし、TPPによるメリットを本県産業の隅々にまで行き渡らせるためには、本県事業者の皆様の取り組みがまさに必要不可欠であり、事業者の皆さんが積極的に動けるような場を創出し、県と連携した形での推進体制を整えることがまさに必要である、このように認識するところであります。 このため、本県産業界の各事業者の皆様が切磋琢磨しながら攻めの事業活動が進められますよう、海外ビジネスに意欲のある事業者から成るオール徳島攻めのグローバルタスク推進プロジェクトチーム、まだ仮称でありますが、三月中に創設させていただきたいと考えております。当チーム内では、アジア、北米などの市場を明確に定め、LEDや機械金属、木材加工品、農林水産物など、業種や製品ごとの具体的な売り込みテーマを設定したグループを柔軟に形成し、随時、必要な専門家や専門団体を加えながら、スピーディーな事業展開を促進してまいる考えであります。 今後、県のTPP対策本部と当チームが緊密に連携いたしながら、TPPを迎え撃つ体制を整え、各業界の取り組みの相乗効果を高めることにより、新たなビジネスチャンスをしっかりとつかみ取り、本県における輸出企業のさらなる増加と輸出額の拡大にしっかりと努めてまいる所存であります。   (木南議員登壇) ◆二十三番(木南征美君) それぞれ御答弁をいただきました。 消費者庁等の移転については、実現に向けた知事の力強い決意が示されました。 国の行政府というのは、おくれていますよ。民間企業では、数十年前から地球の裏側とグローバル戦略をしております。リアルタイムで意思疎通も十分にできています。IT活用ということもあります。何の支障もなく行われているところであります。 知事の答弁にもありましたように、大阪という大きな府市までも強力な引力で引き込むブラックホール的な首都圏であります。ブラックホールというのは、そのうちに終えんを迎えるわけであります。今こそ我が国の将来、国のあり方を真剣に考えるときであります。 徳島に行けば機能が低下するとの主張は、地方創生の大局に背を向けるものであります。県を挙げ、粘り強く賛同の輪を広げ、徳島移転の実現に向けた力強い実践を展開しなければなりません。 TPPについては、私は、我が国の成長戦略の起爆剤となり、経済成長をなし遂げる大きなチャンスと捉えております。しかしながら、本日質問させていただいたように、農林水産分野においては深刻な影響が及ぶ危険性があります。農業者は農業を継続できなくなり、後継者は農村から去り、荒涼とした農地だけが残るとなれば、国民の命をつなぐ食料を全面的に外国に依存することとなりかねません。 知事から、TPP対策基金の積み増しについて、二十五億円を目指すとの前向きな頼もしい答弁がなされました。今後、本県の農林水産業と従事する生産者の皆さんを守っていく万全の対策を期待いたしております。 一方、攻めの対策については、海外展開に意欲ある事業者の皆さんによる輸出促進のための組織を創設し、輸出の拡大を推進していくとの答弁がありました。 TPPがビジネスチャンスであるということは、他県にとっても他国にとっても同じであります。あらゆる産業のグローバル化は待ったなしの状況であり、他県、他国との厳しい競争に打ち勝ち、世界に冠たる徳島産品を目指して、しっかりと対応を進めていただきたいと思います。 それでは、質問を続けたいと思います。 ことしの八月は、リオのオリンピック・パラリンピックです。開催されます。四年後は、東京オリンピック・パラリンピックです。 オリンピックは、スポーツの祭典であるとともに文化の祭典でもあるとされており、リオ大会終了後から全国で文化プログラムが展開されます。これは、本県が誇るあわ文化の魅力を世界に発信する絶好の機会でもあります。 本県は、平成十九年、平成二十四年と、全国で唯一、二度の国民文化祭を開催し、阿波藍、阿波踊り、阿波人形浄瑠璃、ベートーヴェンの第九をあわ文化の四大モチーフとして魅力を発信したところでありますが、世界から注目が集まるこの千載一遇のチャンスを逃さないように、さらに取り組みを進める必要があります。 昨年十二月には、県議会芸術文化振興議員連盟からも、この機会を最大限に生かせるよう、文化の振興を図るための積極的な予算措置を知事に要請したところでございます。中でも阿波踊りは、本県が世界に誇る伝統芸能であり、日本の全国各地に広がり、踊られるなど、日本を代表する踊りとなっており、本県最大の観光資源でもあります。 近年、訪日外国人観光客が急激にふえ、二〇一五年には過去最高の二千万人に迫るなど、国を挙げて取り組みが進められている中、阿波踊りは訪日観光誘客の大きな目玉コンテンツであります。阿波踊りを日本を代表する文化として世界中の方々に知っていただくとともに、インバウンドを推進し、さらには本県への観光誘客を図るためにも、海外への効果的な発信は極めて重要であります。海外からのリクエストも多いと聞いております。 そこでお伺いしますが、東京オリンピック・パラリンピックを見据え、阿波踊りの魅力を海外へ積極的に発信してはどうかと考えますが、御所見をいただきたいと思います。 次に、徳島阿波おどり空港の機能強化についてであります。 さきに申し上げたとおり、訪日外国人の数が飛躍的に増加し、今後はさらなる増加が見込まれる中、全国各地がその風を取り込み、誘客増加に向けて取り組んでおります。そうした競争におくれることなく、世界から徳島への大きな人の流れをつくり出すためには、本県の魅力発信とあわせて、受け入れ環境の整備が極めて重要であります。 徳島阿波おどり空港に国際便が就航するようになれば、海外から直接徳島を訪れることができます。徳島の空の玄関として、徳島阿波おどり空港にはその役割にふさわしい機能を有する施設になってほしいと考えます。 しかし、徳島阿波おどり空港では、東京便のダブルトラック化や札幌便の再開など国内路線の充実に伴い、施設面で制約が生じ、現状では安定的に国際チャーター便を受け入れることが難しくなっております。また、出入国手続の施設が仮設であるため、旅行者に不便をかけていると聞いております。 こうした状況を解消するために、現在、徳島阿波おどり空港においてボーディングブリッジの増設や搭乗待合室の整備など、受け入れ能力の向上や、税関、入管、検疫施設といった国際便対応機能の強化、また大規模災害時における広域応援部隊の活動拠点としての防災機能強化などの施設整備が進められておりますが、訪日外国人三千万人時代における徳島の空の玄関として、しっかりと将来を見据えた機能強化を行うべきと考えております。 徳島阿波おどり空港について、機能強化によりどのような施設を整備するのか、また地域の活性化に向けて最大限に活用していくために今後どのように取り組んでいくのか、お伺いしておきます。 次に、徳島自動車道四車線化についてであります。 徳島自動車道が初めてできたのが平成六年、藍住インターから脇インターの間の部分開通でありました。来月で二十二年になるわけであります。平成十二年三月には井川池田インターから川之江東ジャンクションが開通し、十六年がたとうとしております。ようやくこれで松山までつながったわけであります。 昨年三月には、四国横断自動車道の鳴門ジャンクションから徳島のインターチェンジが開通しました。高松自動車道や神戸淡路鳴門自動車道と結ばれたことで利便性が向上し、通行台数もふえていると聞いております。 一方、高松自動車道は、後からお先であります。平成三十年度完成に向けて、四車線化の整備が進んでおります。しかし、徳島自動車道は、全線のほとんどが、まだいまだに暫定二車線区であります。これまでも、国や西日本高速道路株式会社に対し、早期の四車線化実現に向け要望活動を実施してきたところでありますが、平成十八年度と二十一年度にそれぞれ約一キロメートルの譲り車線が設置されて以来、全く進展しておりません。 特に大きな問題は、危険性であります。私も、対向車線から突っ込んできたら冷や冷やするなあ、何かあったら死ぬなあと思いながら運転しております。現に、そうした事故が何度も発生しております。 徳島自動車道は、物流の大動脈でもあります。オーシャン東九フェリーの大型化に伴って、貨物の取扱量もさらなる増加が見込まれ、四国横断自動車道の徳島ジャンクションからマリンピアの徳島東インターチェンジが供用すれば、その役割はますます重要となってきます。 さらに、先日の雪でも証明されました。降雪の折、あるいは豪雨の折には復旧もなかなか進まない、多くの方々から不安の声をいただいているところでございます。 徳島自動車道の早期四車線化に向けて、県も全力で取り組むべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。 次に、地域医療構想についてお伺いいたします。 県では、団塊の世代が後期高齢者となる二〇二五年を見据え、急激に増大することが予想される医療需要に対応するため、今年度から地域医療構想の策定に着手しております。医療提供体制の改革と言うべき構想策定に当たり、実現の過程で生じる課題の解決については十分に検討されているんでしょうか。 既に昨年六月の県議会においても、このような懸念を払拭するために、地域医療構想については地域の実情に応じた現実的な内容にするとともに、実現過程においても柔軟な対応を可能にするよう、政府の関係機関に対して意見書を提出したところであります。 その後、十二月議会においては、二〇二五年の推計として、県内の必要病床が--細かく言いますが--八千九百九十四床で、現状と比較すると三千百六十二床の病床が過剰になると推計結果が出ました。一定数の慢性期の入院患者を在宅医療へ移行させることが前提となっているとの報告がなされております。 それならば、入院から在宅医療への移行に際して、短期間のうちに再び入院してしまうことがないような、退院後の医療環境を十分に確保することや、単身者や老老介護の問題など、自宅に帰ること自体ができない場合どうするのかといった課題に適切に対応できていかなければなりません。 地域医療構想は、何が何でも病床数を合わせていくことに終始するといったものではなく、さまざまな課題解決にも取り組みながら、医療難民を発生させないという将来展望を示しつつ実現させるものでなければなりません。そのためには、構想の中に、策定段階で考えられる課題やその解決に向けた方策が盛り込まれ、関係者全員が問題意識を共有し、一丸となって二〇二五年に向けての取り組みを進めていくことが必要不可欠であると考えます。 そこで、伺います。 地域医療構想の策定において、県民の不安を払拭するために、何を課題として捉え、その対応策についてどのような検討が行われているのか、構想に盛り込む内容とともにあわせてお伺いしておきます。 次に、警察署の組織再編についてお伺いいたします。 一昨年春、県警察は、実に五十年ぶり、警察署の配置の見直しを行い、県西部の四警察署を二署に統合いたしました。この四署統合の際には、地元住民から、地域から警察署がなくなることは不安といった声が上がり、県議会においてもさまざまな議論がなされたところでありますが、統合後は事件事故が減少し、また重要事件の検挙にもつながるなど、まずは一安心しているところでございます。 さて、昨年の九月議会において、警察本部長は、組織体制のさらなる見直しに向け、今年度末にも大綱方針を定めるとのお考えを表明されました。さらなる見直しとなれば、警察署の統合も視野に入れるものと見ておりますが、警察署は地域住民にとって安全・安心のよりどころでありますから、事件事故の発生状況や住民のニーズなど、時代の実情に合った形で整備することが何よりも重要であります。 組織体制のさらなる見直しはどのような意義があるのか、お聞かせをいただきたいと思います。 また、今春にも策定する大綱方針の内容と、その実現に向けた警察本部長の決意について、あわせてお伺いしておきます。 答弁をいただいて、感想を述べたいと思います。   (飯泉知事登壇) ◎知事(飯泉嘉門君) まず、東京オリンピック・パラリンピックを見据えた阿波踊りの海外での魅力発信について御質問をいただいております。 オリンピック・パラリンピックは、オリンピック憲章におきまして、スポーツの祭典であるとともに文化の祭典でもあるとされており、二〇一二年のロンドン大会への機運を盛り上げるため、カルチュラル・オリンピアードでは十七万七千件の文化イベントがイギリス全土において実施されたところであります。 東京大会に向けましても、本県から文化プログラムの実施を提案した結果、文化庁は、ロンドン大会を上回る二十万件の文化イベントの実施を決定いたしたところであり、世界各国や地域から日本を訪れる選手や観光客の皆様にあわ文化の魅力を発信する絶好の機会である、このように認識いたしております。 本県は、全国初、二度の国民文化祭の開催を通じ、阿波藍、阿波人形浄瑠璃、そしてベートーヴェン第九アジア初演、さらには阿波踊りをあわ文化の四大モチーフとして大きく打ち出してきたところであり、今後、東京大会を見据え、徳島ならではの取り組みを継続的に展開し、あわ文化の魅力を強力に発信するための事業を平成二十八年度当初予算案に盛り込んでいるところであります。中でも、徳島の阿波踊りは、我が国が世界に誇る伝統芸能にして最大の観光資源であり、観光庁が作成いたしました国の海外プロモーション用PR映像でもトップ画面で日本文化の顔として紹介され、世界中から注目をいただいているところであります。 昨年九月、出展したミラノ万博におきましても、ステージ出演者による阿波踊りを披露いたしたところ、イタリア人を初め会場の皆さんもこぞって参加し、一緒に踊っていただくなど、大好評を博したところであります。また、フランス・パリで計画されている阿波踊り公演に先駆け、日仏両国政府の後援のもと、昨年秋に行われたプレイベントにおきましても、徳島の有名連による阿波踊りがパリ市民を熱狂させたとお聞きしており、さらにイギリスやスペインなどの現地の日本大使館からも、ぜひ阿波踊りを派遣してほしいという声が続々と寄せられているところであります。 このため、今後、本場徳島の阿波踊りが国家レベルの海外イベントに参加する場合にその費用を助成するなど、強力に支援を行ってまいりたいと考えております。このような取り組みにより、徳島に行ってみたい、阿波踊りの本場徳島で見てみたい、踊ってみたいと思っていただけるよう、日本をまさに代表する阿波踊りの魅力を世界に出向いて発信し、外国人観光誘客にしっかりとつなげてまいりたいと考えております。 次に、徳島阿波おどり空港の機能強化について幾つか御質問をいただいております。 まず、機能強化によりどのような施設を整備するのかについてであります。 観光立国の実現に向け、国を挙げて取り組む中、昨年、従来の二〇二〇年までに訪日外国人旅行者数二千万人という目標がほぼ達成されるとともに、本年一月におきましても、前年同月比五二%増と、訪日外国人旅行者の大幅な伸びが続いており、本県におきましても、国に任せるだけではなく主体的に、来るべき訪日外国人三千万人時代を見据えながら、外国人旅行者の受け入れ環境の整備を加速させていく必要がある、このように考えております。 議員御提案のとおり、海外から直接徳島を訪れることが可能となる空港機能の強化は、地方創生の実現や地域活性化に不可欠なインフラとして、将来の徳島発展の礎になるものであり、徳島阿波おどり空港においては、ボーディングブリッジや搭乗待合室を整備し、受け入れ能力の向上を図りますとともに、税関、入管、検疫など国際便に本格対応するための施設整備を進めているところであります。加えて、南海トラフ巨大地震などの大規模災害時における広域応援部隊の活動拠点や広域医療搬送の拠点などの防災機能をあわせ持つリバーシブルな施設として、平成二十九年度供用開始に向け、平成二十八年度から本格的な建設工事に着手したいと考えております。 次に、地域活性化に向け最大限に活用するため、今後どのように取り組んでいくのか、御質問をいただいております。 訪日外国人三千万人時代の目標、これを達成するためには、いわゆるゴールデンルートだけではなくて、地方への誘客を推進していくことが不可欠であり、国においては、本県が全国で唯一、三つのルートに含まれることとなった広域観光周遊ルートの認定に加え、平成二十八年度から、国際便について、地域の誘致策と協調した着陸料の軽減措置を設けるなど、地方空港を活用した外国人誘客を積極的に進めていることから、今まさに徳島阿波おどり空港には強い上昇気流が吹いているところであります。 この上昇気流を確実に捉え、徳島阿波おどり空港が訪日外国人三千万人時代にふさわしい空の玄関として大きく飛躍し、地域の活性化が実現できますよう、香港や台湾などからの連続チャーター便の誘致、LCCを含めた路線の充実などに向け、エアポートセールスを積極的に展開いたしてまいります。 今後は、より一層機能強化されます徳島阿波おどり空港を最大限活用することはもとより、進化する四国横断自動車道や徳島小松島港との連携により、さらなる飛躍を遂げる陸海空交通ネットワークを一体的に活用し、国内外との人や物の流れを大きく加速することで、徳島の一歩先の未来を着実に切り開いてまいります。 次に、徳島自動車道の四車線化について御質問をいただいております。 徳島自動車道につきましては、昨年の三月、鳴門ジャンクション-徳島間が開通し、神戸淡路鳴門自動車道やフェリー経由で東九州自動車道と結ばれ、大型化したオーシャン東九フェリーの就航により、九州や京阪神のみならず東京方面まで、物流の大動脈が新たに形成がなされたところであります。また、平成三十一年度には四国横断自動車道の徳島東インターチェンジが完成され、海の拠点徳島小松島港と高速道路が直結し、南からは新直轄区間の整備が進むことにより、人や物の流れが新しい次元へと飛躍することから、その受け皿となる徳島自動車道の四車線化を早期に実現を行う必要があります。 しかしながら、徳島自動車道につきましては、暫定二車線区間が何と全線の約八割を占め、対面通行となっていることから、夜間の維持修繕工事、正面衝突による死傷事故、大雨や大雪による異常気象などにより、全国の高速道路と比べ、長時間に及ぶ通行どめ区間が多数存在し、利用者の皆様方の安全性や快適性においてサービスレベルが確保されていない状況にあると言って過言でありません。 こうした中、社会資本整備審議会国土幹線道路部会の中間答申におきましては、暫定二車線区間の状態を長期間継続すべきではないとの指摘がなされ、国土交通省から、きめ細やかに交通状況、線形などを把握した上で付加車線の設置や四車線化などの対策を実施する方針が示されたところであります。 そこで、去る二月三日に、徳島自動車道の早期四車線化はもとより、一定のサービスレベルを確保すべき区間については付加車線を設置することに加え、暫定二車線区間を早期に解消する方策といたしまして、高速道路会社と地方の負担による新たな整備スキームを創設するよう、国土交通省に対し政策提言を実施いたしたところであります。 平成三十一年度には、陸海空の交通体系が一気にさらなる進化を遂げることから、エポックメイク第二弾の成果が最大化されますように、国や西日本高速道路株式会社へこれまで以上に強く働きかけを行い、九州と近畿を結ぶ四国の大動脈徳島自動車道の早期四車線化に向け全力で取り組んでまいる所存でありますので、議員各位の御理解そして御支援を賜りますよう、どうぞよろしくお願いを申し上げます。   (豊井政策監登壇) ◎政策監(豊井泰雄君) 地域医療構想の策定過程においてどのような課題を検討し、構想自体にどのように盛り込んでいくのかとの御質問をいただいております。 二〇二五年におけるあるべき医療供給体制とその構築の道筋を示す地域医療構想の策定につきましては、現在、医療関係者や市町村の代表者などから成る地域医療構想調整会議におきまして、幅広い御意見をいただきながら、鋭意検討を進めているところであります。 昨年十一月の第三回調整会議におきまして、国の推計方法をもとに、東部、南部、西部の各構想区域における二〇二五年の必要病床数の推計値をお示ししたところでありますが、議員からもお話がありましたように、地域の実情に即した有効な構想の策定とその実現を図るためには、本県の直面する課題を幅広く抽出し、十分な検討を加える必要がある、このように認識いたしているところであります。特に、必要病床数の推計に際しましては、慢性期の比較的症状の軽い入院患者の方々を中心に、居宅や施設における医療へ移行させることが前提とされており、訪問診療や訪問看護といった在宅医療の充実と、居宅に帰れない患者の方々の受け皿となる施設整備を一体的に進める必要があると認識いたしているところであります。 在宅医療の充実につきましては、これまでも、担い手となるかかりつけ医や訪問看護師などの人材確保に取り組んでまいりましたが、本県の地域によりましては、地理的条件から、効率的な訪問診療などの提供が困難でありますことから、なお一層、医師会を初め関係機関の皆様との連携や地域医療介護総合確保基金の活用も図りながら、なお一層、在宅医療の担い手確保に取り組んでまいります。 また、受け皿となる施設整備につきましては、現在、国におきまして、容体が急変するリスクにも対応できる医療内包型、住まいとしての要素を重視した医療外づけ型といった新たな施設類型が検討されているところではありますが、県といたしましても、医療機関において、今後、受け皿となる施設整備が円滑に進むよう、国への提言を行ってまいりたいと考えているところでございます。 今後とも、こうしたさまざまな課題とその解決に向けた方針を地域医療構想調整会議におきまして幅広い視点から御論議をいただき、その成果を構想に十分に盛り込むことによりまして、県民の皆様に安心して暮らしていただける医療提供体制の構築に向けましてしっかりと取り組んでまいります。   (鈴木警察本部長登壇) ◎警察本部長(鈴木信弘君) 木南議員の御質問にお答えいたします。 警察署再編の意義についてでありますが、県警察では、平成十六年度に策定した警察署及び交番・駐在所の配置と管轄区域の見直し計画にのっとり、交番、駐在所を三十カ所整理統合したほか、一昨年春には西部四警察署を統合したところであります。その結果、統合署管内の刑法犯や交通事故が減少したほか、未検挙事件の解決につながるなど、一定の成果があったものと認識しております。 もとより警察は、常時事件事故に対応できる体制を維持しながら、重大事件発生時には大量の捜査員を動員し事件の早期解決を図らなければならないという相反する課題を抱えております。こうした中、取り調べの可視化や科学捜査への対応など、事件捜査をめぐる環境も大きく変化しているほか、DV、ストーカーや全国規模で多発している特殊詐欺への対応など、新たな治安の脅威に対しては従来以上に柔軟かつ集中的な運用体制を確立する必要があります。また、女性警察官の増員や職域拡大、ワーク・ライフ・バランスへの配慮など、時代の要請に応じた適切な対応にも努める必要があります。 県警察の限られた人的資源の中で、これら諸問題に的確に対応するためには、従来の枠を見直し、より大きな体制を新たに確立しなければならないと考えております。そこで、これまでの統合の成果を踏まえ、組織体制のさらなる見直しを核とする大綱方針を策定し、各種施策を進めることとしたものであります。 次に、大綱方針の内容と実現に向けた決意についてでありますが、警察組織の再編に関しましては、これまでも委員会等で御論議を重ねていただいたところでありますが、警察施設の整備や延命化も重要な課題であることから、大綱方針には、警察署のさらなる再編整備のみならず、交番、駐在所等の施設整備のあり方や職員宿舎の集約化、その他さらなる行政サービスの向上を目途とする免許サブセンターの整備についても盛り込むこととしており、今後の県警察行政に関するハードとソフトを連動させる形で進めてまいりたいと考えております。施策の実現に向けては、多様な御意見が寄せられることと承知しておりますが、地域住民の方々には、より一層の丁寧な説明に心がけ、理解を求めてまいりたいと考えております。 警察本部長といたしましては、本県の治安維持に当たる最高責任者として、本施策の実現に向け、強い決意とリーダーシップを持って臨むとともに、積極的に組織を牽引してまいります。   (木南議員登壇) ◆二十三番(木南征美君) 時間が押しておりますので、はしょりますが、阿波踊りの魅力発信、阿波踊りは本当にほかにない、誰でもが踊りの輪に入れるという踊りでありまして、リオのカーニバル以上だと称されております。踊りの持つ力と連の皆さんの努力のたまものでもあります。世界からの観光誘客のため、また徳島をアピールするため、連の皆さんの頑張りをしっかりと支援していただきたいと思います。 ここで、観光についてちょっと意見を述べたいと思うんですが、我が会派は先日、沖縄へ視察旅行に行きました。まさに観光立県沖縄であります。特に印象に残ったのが、公衆トイレが非常に清潔で完備されとるというところであります。 おもてなしの第一歩というのは清潔なトイレでないかと思うんですが、本県はまだまだおくれております。特にあのJRのトイレってのは、いまだに水洗トイレはごく一部。くみ取りトイレ、これはもう論外であります。にぎわいづくりの第一歩はトイレでしょう。市町村や関係団体としっかり連携して、トイレ環境にも意を用いてほしいと思います。 徳島自動車道の四車線化については、国に対し、新たな制度の創設を提言したとの答弁をいただきました。対面交通というのは危険の固まりでありまして、安全性の面からも、人、物の交流を促進する面からも、私はもう対面交通、片側一車線というのは高速道路とは言いがたいと思っております。今後とも、四車線化に力を尽くしてほしいと思います。 地域医療構想につきましては、人口減少の予測から、このままでは病床が減るということは理解できますが、いろんな医療と介護の連携など、周辺整備をきちんと進めながら進めてほしい、お願いしておきます。 最後に、警察署の組織再編についてであります。 これまでの経緯を見ますと、本県警察署の体制は、現行警察が発足した昭和二十九年に十五署体制とされました。その後、道路事情や生活スタイルが本当にさま変わりしました。一昨年の西部四署の統合まで、大幅な見直しは行われておりませんでした。六十年間ほったらかし。私は、これまでの取り組みが遅きに失したと感じております。もっと早く議論を始めるべきでなかったかと感じております。 間もなく大綱方針が示されるとのことでありますが、検討に当たっては、地元住民の声に耳を傾け、時代の要請に応えられる体制づくりと住民目線に立った警察運営に取り組んでいただけるようにお願いいたしておきます。 本日は、県政の重要課題について何点か質問させていただきました。 飯泉知事は、今議会開会日に、県民目線、現場主義で、創造力、実行力、発信力を発揮し、地方創生を先導していくと、力強く所信を述べられました。県財政が非常に厳しい中、少ない投資で最大限の成果を生み出すため、確かな選択眼を持ち、より効果の高い施策を重点的に推進することが何よりも重要になってまいります。 国による地方創生の本格推進や景気動向等、さまざまな風をしっかりと帆に捉えて、県がしっかりとリーダーシップを発揮して、市町村も県民も、県内のあらゆる主体が同じ目的に向かって心を一つにして前へ前へと邁進していくことが、真の地方創生を実現するただ一つの航路であると私は考えております。今まさに荒波、TPP波、地方創生波、金利ゼロ波等々、この荒波を乗り越え、徳島丸の新しい船出のときであります。我々県民会議も、徳島発展のために、県民の皆様のために、力の限り頑張ることをお誓い申し上げて、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)   ──────────────────────── ○議長(川端正義君) 議事の都合により、休憩いたします。      午前十一時十四分休憩   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━    午前十一時三十七分開議      出席議員計三十七名          (その番号・氏名左のとおりである)     一  番     岩  佐  義  弘 君     二  番     山  西  国  朗 君     三  番     原  井     敬 君     四  番     島  田  正  人 君     五  番     眞  貝  浩  司 君     六  番     高  井  美  穂 君     七  番     古  川  広  志 君     八  番     上  村  恭  子 君     九  番     井  川  龍  二 君     十  番     藤  田  元  治 君     十一 番     元  木  章  生 君     十二 番     南     恒  生 君     十三 番     岸  本  泰  治 君     十四 番     岡     佑  樹 君     十五 番     須  見  一  仁 君     十六 番     中  山  俊  雄 君     十七 番     長  池  文  武 君     十八 番     達  田  良  子 君     十九 番     山  田     豊 君     二十 番     丸  若  祐  二 君     二十一番     寺  井  正  邇 君     二十二番     喜  多  宏  思 君     二十三番     木  南  征  美 君     二十五番     岩  丸  正  史 君     二十六番     岡  田  理  絵 君     二十七番     木  下     功 君     二十八番     黒  崎     章 君     二十九番     岡  本  富  治 君     三十 番     樫  本     孝 君     三十一番     杉  本  直  樹 君     三十二番     西  沢  貴  朗 君     三十四番     重  清  佳  之 君     三十五番     嘉  見  博  之 君     三十六番     来  代  正  文 君     三十七番     臼  木  春  夫 君     三十八番     庄  野  昌  彦 君     三十九番     長  尾  哲  見 君   ──────────────────────── ○副議長(重清佳之君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 二十七番・木下功君。   (木下議員登壇) ◆二十七番(木下功君) おはようございます。明政会の木下でございます。会派を代表して質問させていただきます。 本日は、常日ごろお世話になっておる皆さん方から、温かく御支援をいただいている方々が多くいらっしゃってくださいました。大変心強く思っております。 さて、四年ぶりの本会議でございますので、少し私自身も緊張しております。初心に返ったつもりで精いっぱい進めてまいりたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。 それでは、質問に入ります。 初めに、vs東京「とくしま回帰」総合戦略の進化についてでございます。 一億総活躍社会に向けた地方創生の推進に関してお伺いいたします。 昨年は、地方創生元年と位置づけられました。国、地方を挙げて、人口減少の克服、東京一極集中の是正を一体的に進めるかつてない取り組みが始まり、全国の全ての自治体において、今から約四十五年後に当たる二〇六〇年の人口ビジョン、当面五年間の対策を盛り込んだ総合戦略の策定が進められております。 徳島県において、昨年七月、vs東京「とくしま回帰」総合戦略を策定し、市町村での総合戦略の年内策定を先導するとともに、県も総合戦略の速やかな実行により、移住交流の促進や政府関係機関徳島移転などに取り組んでおります。 しかしながら、総務省が先月二十九日に公表した平成二十七年の人口移動報告によりますと、東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県のいわゆる東京圏においては転入が転出者を上回る転入超過が十一万九千三百五十七人となり、平成二十六年に比べて九千九百四十九人が増加している一方で、残念ながら徳島県を初め東京圏以外の大部分の道府県、転出超過が昨年を上回っております。東京一極集中に歯どめがかかっていない状況が明らかとなっています。 だからこそ、地方創生の推進、そして新しい日本のあり方を強く追求し、一億総活躍社会の実現につなげていかなければなりません。県の総合戦略の推進に当たっても、ピンチをチャンスに切りかえるための新たな進化が不可欠であると確信しているところであります。 そこで、お伺いします。 徳島ならではの地方創生の加速に向けて、vs東京「とくしま回帰」総合戦略の進化をどのように図り実行していくのか、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、防災の取り組みについてお伺いします。 あの東日本大震災から、来月十一日で、はや五年を迎えます。私ども明政会では、毎年のように会派研修会で被災地を訪れ、当時の被災状況や現在の復旧状況を学ぶことで本県の防災・減災対策に生かす活動を進めております。 昨年は、九月に宮城県の気仙沼市や南三陸町、女川町などを訪れました。いまだに多くの方が仮設住宅に暮らし、高台移転のまちづくり工事も途上といった様子をじかに拝見し、大規模災害時における復興の難しさを実感したところです。 本県も、南海トラフ巨大地震の発生が懸念されております。また、最近は異常気象のせいか、夏場は毎年のように大型台風や集中豪雨により各地で浸水被害が発生しております。冬場も、この一月の末に、異常低温による凍結で断水の被害が相次ぎました。 一昨年の十二月には、県西部で大雪による、多くの樹木が道を塞ぎ、長期間、集落が孤立いたしました。幸い、私の地元美馬市では、災害ボランティア団体まほろば応援隊、また地元の消防団とともに一緒に、道路沿いの支障木を伐採する活動を毎年行っています。こうした地道な活動を続けていたために、美馬市では孤立や停電の被害がほとんど発生いたしませんでした。 災害はいつ来るかわからない、忘れたころにやってくると言われる中、やはり継続は力でございます。平時から地道な活動を続けることが、いざというときに差になってあらわれます。東日本大震災以降、防災対策として基盤整備は進んできたと実感していますが、一方で、大震災で一気に高まった県民の防災意識が、五年がたった今でも継続しているのか、不安を感じております。 こうした中、東日本大震災から五年、南海地震からも七十年を迎えようとしています本年の防災の取り組みに関し、さきの十二月定例会で、我が会派の来代議員が代表質問をいたしました。また、さきの知事の所信表明でも、防災メモリアルイヤーと位置づけ、積極的に取り組むとお聞きしたところです。やはり防災は継続こそが重要であり、本年を契機に、さらに充実させていただきたいと考えております。 そこで、お伺いします。 防災メモリアルイヤーのことし、年間を通じ、どのような事業を展開し、防災意識の向上や防災力の強化に取り組むのか、お伺いいたします。 次に、西部健康防災公園についてお伺いいたします。 私はかねてから、県西部にお住まいの方々のスポーツとレクリエーションの拠点となる西部運動公園の整備について繰り返し知事にお願いしてまいりました。当時は、三位一体改革により、地方の財源確保が不透明であったこともあり、西部運動公園の整備スケジュールは示されることなく、私を初め県西部の方々、住民の方々は残念な思いをした記憶が残っております。 こうした中、平成二十三年の東日本大震災を契機に、これまでの西部運動公園の構想に防災・減災の視点を加え、西部健康防災公園としての整備が決定されたことはまさに英断であり、地域住民ともども喜ばしく思っております。 西部健康防災公園は、地元美馬市や三好市の公園、国土交通省の河川防災ステーションの予定地などを含む地域でございます。整備がなされる予定であると聞いております。西部地区では高齢化が進んでおり、健康増進、健康づくりに対する関心が高く、また一方で、近い将来発生が予想される南海トラフ巨大地震への備えも急がなければなりません。そうした今だからこそ、早急に西部健康防災公園の整備を行う必要があると思います。 そこで、お伺いいたします。 西部健康防災公園の現状と今後の取り組みについてお聞かせいただきたいと思っております。 次に、吉野川の歴史を踏まえた水利用についてお伺いいたします。 現在の吉野川は、昭和四十一年に取りまとめられました吉野川総合開発計画によって整備された早明浦ダムや池田ダムなどの運用開始以降、これらダムによって管理された水が吉野川に流されております。 私自身、吉野川の流れを見ながら、また時には川を遊び場として育ってまいりました一人であります。当時を思い出すと、洪水時には暴れ川となり、堤防を越えた水は、田畑はもとより住宅までものみ込み、また日照りが続けばどんどん細くなっていく川を何度も見てまいりましたが、こうした状況はダムの完成後も続いております。 こうした中、吉野川総合開発計画による治水・利水計画を、五十年後の今、改めて見直そうとする早明浦ダム再編事業が進められようとしております。これに対しまして、私の吉野川の水利用についての考えを述べさせていただきます。 早明浦ダムの整備により、約九億トンの水が新たに開発されました。このうち五割に当たる年間約四・五億トンが、香川用水などに、他県に分水されております。 川の命は水量であり、水量は農業や工業などの生産活動に欠かすことができない要素であることは言うまでもありません。水質や地下水はもとより、川が育むアユやウナギを初めとする動植物の生態系など、河川環境の保全のために極めて重要な位置づけであり、大河として名高い吉野川には相応の豊かな水量が必要との声がございます。 また、吉野川の水利用を論議する場合は、先人たちがどのように川とかかわり、時には洪水と対峙してきたかという歴史的な経過を知った上で、現在の治水・利水計画を見直すべきかと考えていかなければならないと思っております。 そこで、お伺いします。 早明浦ダム再編事業に対して、これまで吉野川の治水、利水の歴史を踏まえながら挑んでいくべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。 次に、美馬、三好から成る県西部圏域における道路整備についてお伺いします。 西部圏域は、東西に流れる吉野川上流部に位置し、流れに沿って両岸に開けた平野部や、讃岐山脈や四国山地の山麓一帯、祖谷や木屋平といった奥深い山岳地帯が生活の場となっております。圏域内の二市二町の人口は、平成二十七年四月時点において約八万一千人の人口を有していますが、過疎化の進行とともに若年層の流出が続き、高齢化が進む一方の状況であります。 圏域内の住民にとって、道路は日常生活だけでなく救急救命の役割も担う重要なインフラ基盤でありますが、吉野川沿川から離れた山麓部や山岳地帯を通る県道はまだまだ道路幅員が狭く、カーブで見通しの悪い未改良箇所が多く残されております。そういった地域に暮らす住民は、高齢化が一層進んでいる上に、夏場の台風や豪雨による通行どめ、冬場の積雪や路面凍結など、取り巻く生活環境は厳しく不便であることから、安全に安心して通行できる道路が一日も早く整備されることを待ち望んでおります。 中でも、吉野川の北岸地区の道路整備は、剣山、祖谷渓といった観光資源に恵まれた観光アクセス道路としても整備される吉野川南岸地帯に比べ、おくれているように感じております。吉野川北岸の道路について、東西方向の鳴門池田線や南北方向の国道百九十三号、国道四百三十八号といった幹線道路の整備に加え、まだまだ多くの住民が生活する山間地域の日常を支える南北方向に走る県道についてもしっかりと整備を推進する必要があると考えます。 そこで、お伺いします。 西部圏域の吉野川北岸地域における東西の幹線道路である鳴門池田線や、南北方向の幹線を補完する県道である多和脇線や穴吹塩之江線について、整備状況や今後の取り組みについて御所見をお伺いいたします。 御答弁をいただき、質問を続けてまいります。   (飯泉知事登壇) ◎知事(飯泉嘉門君) 木下議員の御質問に順次お答えさせていただきます。 まず、徳島ならではの地方創生加速に向け、vs東京「とくしま回帰」総合戦略の進化をどのように図り実行していくのかであります。 東京一極集中の是正と人口減少の克服を同時一体的に図る地方創生の実現に向けましては、現場主義により、県民ニーズや社会情勢の変化を迅速に捉え、PDCAサイクルのもとで施策や事業の効果検証を行い、進化する総合戦略として常に創造的実行力を発揮することがまさに不可欠であります。 そこで、本県では、昨年七月に全国に先駆け策定したvs東京「とくしま回帰」総合戦略について、施策や事業の追加見直しを行うなど、鋭意、平成二十八年度への進化を図っているところであります。改定に当たりましては、地方創生本格展開予算として一体的に編成いたしました平成二十七年度補正予算と平成二十八年度当初予算とをしっかりと連動させ、各主要事業が目指す成果の数値指標でありますいわゆるKPIを新たに十項目追加させていただき、百三十八項目とするなど、一段と高い新次元の戦略となりますよう創意工夫を重ねてまいります。 とりわけ、議員からもお話のありました東京一極集中に歯どめがかかっていない状況が明らかとなっていることから、ICTの積極的な活用を初め、相談から移住実現に至るまでの切れ目のない移住促進策の強化、新次元の商品テストを初め、消費者庁、国民生活センターなどの徳島移転実現に向けての実践、さらには地域の特性や強みを生かしました徳島型CCRCの実現に向けたハード、ソフト両面の支援体制の制度の創設など、とくしま回帰を加速する新たな施策を積極的に盛り込んでまいりました。 また、今月の十二日には、産学官金労言の各界代表が参画いたします地方創生“挙県一致”協議会を開催し、委員の皆様方からは、多様な地域づくりに向け徳島版地方創生特区をさらに推進すべき、切れ目のない子育て支援策をさらに充実すべきといった意欲的な御提言をいただいたところであります。さらには、県議会の御論議を初め、SNSやパブリックコメントなどを通じ、県民の皆様方の御意見を的確に反映し、三月を目途に、徳島ならではの進化版を策定いたしてまいります。 今後とも、挙県一致で総合戦略の進化を図り、これまで以上にスピード感を持って効果的に実行することにより、徳島ならではの地方創生のさらなる加速、ひいては徳島発一億総活躍社会実現へとしっかりとつなげてまいります。 次に、防災メモリアルイヤーの取り組みについて御質問をいただいております。 本年は、東日本大震災から五年、昭和南海地震から七十年を迎え、まさに大きな節目の年となり、議員からもお話しのとおり、この機を逸することなく防災意識の向上や防災力の強化に取り組むことは大変意義のあることと、このように認識いたしております。 このため、本年を防災メモリアルイヤーと位置づけ、県民のお一人お一人が防災について改めて見詰め直していただき、県を挙げて機運の醸成が図られますよう、年間を通じ、積極的な取り組みを展開いたしたいと考えております。 そこで、過去幾度も繰り返してまいりました南海地震や洪水、そして土砂災害などに関し、記録写真や文献といった学術資料の収集、災害遺産のデジタル地図化を初め、教育現場でも活用することのできる資料や自然災害誌の作成、県南部の津波碑をめぐるフィールドワークなどを通じ、過去の歴史や教訓を風化させることなく、未来の世代へと確実に継承いたしてまいります。また、これまで啓発行事に参加する機会が少なかった皆様方に向け、新たな企画といたしまして、東日本大震災発生の三月十一日や震災を考える日であります九月一日といった節目において、防災ゆかりの著名人をお招きする啓発イベント、気軽に楽しく参加していただく防災映画祭などを開催し、幅広い層への意識の浸透を目指してまいりたいと考えております。 さらに、夏休み期間には、地域の今を支える大人の防災士と未来を担う高校防災クラブとの世代を超えた交流会や、九月一日には、住民や自主防災組織の皆様方が参加をいただいた救出、救助や避難所運営など、自助、共助、公助の実践モデルとなる新次元の総合防災訓練にも取り組み、地域を挙げた防災力の強化を図ってまいります。 こうした取り組みの総括として、昭和南海地震発災の十二月二十一日には、災害の歴史を振り返る、安全で安心な未来を誓う昭和南海地震七十年式典や防災シンポジウムを開催いたします。 今後、防災メモリアルイヤーを契機として、歴史に学び、現在を見詰め、未来を守る、県民総ぐるみの体制をしっかりと構築いたしてまいります。 次に、西部健康防災公園の現状と今後の取り組みについて御質問をいただいております。 西部健康防災公園につきましては、全国平均に比べ高い糖尿病死亡率に代表される健康に関する課題とともに、南海トラフ巨大地震を初めとする大規模災害を迎え撃つ防災・減災対策に正面から取り組むべく、健康と防災の両面から利用のできるリバーシブルな公園を基本理念に、地元美馬市や三好市の公園や国の河川防災ステーションとも連携を図りながら、平成二十七年度、事業に着手いたしたところであります。 現在、健康に関する施設につきましては、美馬市と三好市の公園を一体化し、ウオーキングやクロスカントリーに活用できる園路や連絡路、またスポーツ大会やイベントの開催など幅広い利用が期待される電源設備などについて、実施設計を進めているところであります。また、防災拠点施設につきましては、県西部地域における広域応援部隊の活動はもとより、沿岸地域への後方支援を担う中核拠点となる西部防災館に加え、全国からの支援物資を迅速かつ効率的に配送できる大型トラックの進入を考慮した、県有施設では初となる物資集積施設につきまして、平時の防災啓発や健康増進への活用も想定し、規模や構造について基本設計を実施いたしたところであります。 平成二十八年度におきましては、園路や連絡路の工事着手を行いますとともに、西部防災館につきましては、実施設計完了後、速やかに建築工事に着手し、平成二十九年度の完成を目指してまいります。 加えて、ソフト対策といたしまして、糖尿病の予防に効果的な運動習慣の定着を図るスポーツ大会の開催、市町と連携した初の西部圏域防災訓練の実施、健康づくりや防災の大切さを楽しみながら学び体験することのできる健康防災フェスタの開催など、しっかりと利活用の推進に取り組んでまいりたいと考えております。 今後とも、一歩先の未来を見据え、公園整備と利活用の両面から健康づくりを促進するとともに、広域防災拠点の整備によります県土強靱化の取り組みを通じ、広く県民の皆様方に頼もしく、そして親しんでいただける西部健康防災公園となりますよう、国や地元市町、関係機関との密接な連携のもと、一日も早い完成を目指してまいります。 次に、早明浦ダム再編事業に対し、これまで吉野川の治水、利水の歴史を踏まえながら臨むべき、御提言をいただいております。 四国三郎と言われ、我が国を代表する暴れ川として全国にその名をはせました吉野川は、有史以来、洪水と渇水が繰り返されてまいりました。 そこで、明治時代には、政府が招いたオランダ人技師ヨハネス・デ・レーケによります、あえて岩津上流には堤防を築かないという考え方により、長らくは、いざ洪水となれば甚大な被害が発生しておりましたが、その後始まりました内務省による築堤工事や、昭和五十年の四国最大規模の治水、利水の機能を有しました早明浦ダムの完成などにより、現在の治水、利水の構図が形成されたところであります。このダム建設に当たりましては、さかのぼること昭和四十一年、当時の県議会での御論議を踏まえた苦渋の決断のもとで、香川用水を初めとする分水に同意した経緯があり、同意から五十年を経て、今回この構図を議論する早明浦ダム再編整備事業への協議の場が設けられたところであります。 そこで、吉野川の治水、利水を考えたとき、決して忘れてはならないことは、先人たちが絶え間なく注いできた治水の労苦の歴史があり、まさに再編事業に臨むに当たりましては、治水の上に利水が成り立つとの考えを基本とし、治水対策は最優先課題であること、あわせて銅山川の環境改善、渇水時や洪水時における香川用水の使い方など、過去の分水に端を発した他県との水問題の解決が協議着手の前提条件であるとの考えを私みずから明確に表明し、その実現を強く国に求めているところであります。 また、議員御提案の吉野川の歴史を踏まえた対応につきましては、労苦の歴史のもとで今この水を利用することができているんだという私たちの責務であると強く認識いたしているところであり、昨年の八月、若手県職員が中心となって開催いたしました吉野川の水問題をテーマとする研修会、流域に数多く残されている高地蔵や家屋浸水に備える上げ舟などを学ぶ本県独自の講座の開設など、これまでも吉野川固有の歴史、文化、人々の生活の伝承に取り組むとともに、こうした教育を進めていくことは、平成二十八年度に制定する治水、利水に関する条例にも反映してまいりたいと考えております。 今後とも、早明浦ダム再編整備事業に対しては、我々が吉野川の流れをしっかりと守り、その水によって一歩先の未来を切り開いていくとの覚悟のもと、県民の皆様とともに、いにしえより流れる命の水、そして歴史に育まれ、今、我々の眼下を勇壮に流れる吉野川の姿を次世代へとしっかりと引き継げるよう取り組んでまいります。   (海野政策監登壇) ◎政策監(海野修司君) 西部圏域の吉野川北岸地域における県道の整備状況と今後の取り組みについての御質問でございますが、吉野川北岸地域の幹線道路である鳴門池田線は、経済産業活動や地域間交流を支えるとともに、大規模災害時においては救急救命や緊急物資の輸送などを担う重要な道路であり、また幹線道路を補完する多和脇線や穴吹塩之江線は、地域住民の方にとっては唯一の生命線としての役割を担う、生活に欠くことのできない道路であると認識いたしております。このため、これら三路線が担うそれぞれの役割が十分発揮できるよう、交通の隘路区間となっている五カ所で鋭意、道路整備を進めているところであります。 まず、鳴門池田線につきましては、にし阿波~剣山・吉野川観光圏の重要な観光拠点であるうだつの町並みへのアクセス道路となっており、このうち、特に人家が連檐し、道路幅員が狭く、交通安全上支障がある区間について、共進-新町工区として、延長五・一キロメートルのバイパス事業を実施しており、これまでに国道百九十三号から西側三・三キロメートルを供用し、現在、残る東側一・八キロメートルの区間において、早期の全線供用に向け事業を推進しております。 次に、国道百九十三号から分岐し、さぬき市へ通じる多和脇線につきましては、特に道路幅員が狭く交通の支障となっている落合工区を初め三工区で事業を実施しており、これまでに全ての用地取得を終え、鋭意工事を進め、落合工区については平成二十八年度、完成させることといたしております。 また、穴吹塩之江線につきましては、徳島自動車道との交差部の北側六百三十メートルの区間を井口工区として、平成二十六年度から事業に着手しており、これまでに詳細設計を終え、一日も早い工事着手に向け、引き続き用地取得に全力で取り組んでまいります。 今後とも、人、物の流れを加速し、産業振興に資する道路はもとより、山間集落をつなぐ地域に根差した道路においても、日々の暮らしを支えるとともに、地域の活性化や安全・安心の向上に寄与する道路整備をしっかりと進めてまいります。   (木下議員登壇) ◆二十七番(木下功君) 質問を続けてまいります。 まず、地球温暖化対策についてお伺いします。 昨年末にパリで開催された国連気候変動枠組条約第二十一回締約国会議、いわゆるCOP21において、温室効果ガス排出削減の新たな国際的枠組みとして、全ての国が参加する歴史的な合意、パリ協定が採択されました。その中では、気温上昇を二度未満に抑えるなどの長期目標が設定されたことで、今世紀後半までに温室効果ガス排出量の実質ゼロを目指すこととなり、世界は脱炭素社会に向けて大きな一歩を踏み出したと言えます。 ただ、その実現のためには、今のままでは到底無理であり、エネルギー環境分野での革新的な技術開発を初めとするさらなる地球温暖化対策が必要となってまいります。国においては、二〇三〇年の削減目標を国連に提出しており、今後、地球温暖化に国全体で取り組むと計画を策定するなど、国内対策を整備していくことになっております。本県においても、知事のほうから、地球温暖化対策の充実を図るため新たな削減目標を設定するとの話があったところでございます。 一方、地球温暖化対策の基礎となる地球温暖化対策推進条例は、平成二十年の制定から既に十年近くがたち、その間に、本県の環境を取り巻く情勢は大きく変化しております。そのような変化を踏まえて、条例についても見直しが必要な部分を改正するとともに、県が導入を進めている水素エネルギーを追加するなどの検討をすべき時期に来ているのではないかと考えております。 そこで、本県の地球温暖化対策を総合的かつ計画的に推進するため、地球温暖化対策推進条例の見直しをすべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。 次に、保健・医療・福祉分野における取り組みについてお伺いいたします。 私は文教厚生委員会の委員長を仰せつかり、これまで一年間にわたり、幾たびかの審議を重ねてまいりました。おかげさまで、委員の皆さん方の積極的な協力と活発な御審議により、円滑な会議の運営ができましたことは、委員長である私の何にもまさる喜びでございます。関係する全ての皆様に、この場をおかりして厚く御礼申し上げます。 さて、県民の皆様の日々の生活に密接に関連する保健・医療・福祉の分野では、県民の健康づくり、地域医療の確保、超高齢社会への医療介護の体制づくり、障がいのある人もない人も暮らしやすい社会づくりなど、多くの課題があります。こうした中、本県では、発達障がい者支援体制のさらなる充実を図るための県西部における新たな拠点となる発達障がい者総合支援センターアイリスの開設、地域医療介護総合確保基金を活用した在宅医療の推進や医療・介護人材の確保養成、障がいのある人もない人も暮らしやすい徳島づくり条例の制定や、全国トップクラスの福祉的就労における月額工賃の確保などの成果があらわれているところでございます。 その一方、私の地元美馬市を見ましても、依然、少子高齢化や過疎化の進行はとどまることなく、非常に厳しい状況が続いております。折しも国においては、一億総活躍社会の実現に向けて、成長の足かせとなる少子高齢化などの構造的な問題に真正面から取り組むことで、年金や医療、介護などの社会保障制度改革が進められておりますが、私は、生老病死、全ての人間にとって避けては通ることのできない課題に対し真正面から取り組むのがまさに保健・医療・福祉の分野であり、その充実こそが、そこに住む人々だけでなく、さまざまな理由で県外から来る人たちにとっても、住んでよかった、来てみたいと思わせる重要な要素ではないかと考えております。 そこで、お伺いいたします。 厳しい財政状況の中ではありますが、全ての県民が安心して生活でき、住んでよかった、来てよかったと言っていただけるように、今後とも保健・医療・福祉の分野における施策の充実にしっかりと取り組んでいくべきと考えますが、知事の決意をお願いいたします。 次に、生涯活躍のまち、いわゆる日本版CCRC構想の推進についてです。 日本版CCRC構想は、高齢者の希望の実現や、地方への人の流れの推進、さらには東京圏の高齢化問題への対応を図る観点から、国が昨年六月に閣議決定し、まち・ひと・しごと創生基本方針二〇一五にその方向性を示して推進を図ろうとしています。 高齢者の地方移住については、本県ではvs東京「とくしま回帰」総合戦略に徳島型CCRCの構想を掲げ、既に具体的な事業展開を行ってきております。これに関しましては、昨年の六月議会文教厚生委員会において、元気な高齢者に移住していただくことは地域の活性化や雇用の確保にもつながるとして推進すべきとの意見がある一方で、将来の医療、介護に係る市町村の負担の増大やサービス水準の低下につながるのではないかといった懸念があるという議論があり、また十一月議会においては、そうした懸念の声を踏まえた上で、本会派の来代議員が県民の不安の解消について質問されたところであります。 県内では、美馬市、三好市を初め二市四町が推進の意向を示している中で、地元美馬市では、昨年十月に策定した総合戦略に、美馬市版CCRCづくりの展開を掲げ、年度内に基本構想を取りまとめることとしております。 来年度は、いよいよ各市町村がそれぞれの地域の魅力や特性を生かした生涯活躍のまちの実現に向けて具体的な動きを本格化させることとなりますが、そうした市町村の動きを積極的に後押しすることが今後の県の大きな役割になるのではないかと考えております。 そこで、お伺いします。 生涯活躍のまちを県内各地域で展開するに当たって、取り組みの熟度に違いがある各市町村に対しどのような支援を行うか、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、TPPに対応した本県畜産業の振興対策についてであります。 交渉参加表明以来、生産者を初めとする農業関係者最大の関心事でありましたTPP協定に、本年二月四日、ついに参加十二カ国が署名いたしました。現在、各国では批准に向けた作業が進められているところでありますが、こうした国際的な経済の自由化は、農業分野、とりわけ畜産業への影響は大きいと危惧されております。 TPP交渉の話が持ち上がった当時は、関税の即時完全撤廃に国民の注目が集まりましたが、政府の粘り強い交渉の結果、主要品目の関税撤廃は何とか回避されたところであります。 しかしながら、TPP協定が発効されるとなると、本県畜産業に大きな影響があると考えております。私の住む県西部は、阿波尾鶏や養鶏産業や阿波牛のもととなる子牛の生産が盛んな地域でございますが、生産者の皆さんのお話を伺うと、飼料価格が高騰して経営が厳しいであるとか、家業を継いでくれるかどうか将来が心配だといった声がよく聞かれます。 本県はこれまで、阿波尾鶏や阿波牛などの畜産ブランドを築いてきたところでありますが、畜産農家の皆さんが生産意欲をなくせば、関連産業はもとより、地域経済に大きな影響が起こります。私も、県議会畜産振興議員連盟の監事としての立場からも、生産者や関連業界の皆さんが将来に希望を持って経営を維持発展させていってもらえたらと強く思っております。 畜産業は、肉や卵、子牛などの生産から出荷までに長い期間を必要とします。安価な輸入畜産物に対抗するためには、将来を見据えた計画的な振興方策が必要であると考えます。 そこで、お伺いいたします。 TPPに対応するため、今後どのように本県畜産業の振興に取り組むのか、御所見をお伺いします。 次に、キャリア教育の充実についてお伺いします。 今、子供たちは、将来、社会的、職業的に自立し、社会の中で自分の役割を果たしながら自分らしい生き方を実現するための力が求められております。なぜ仕事をするのか、仕事や職業を人生の中でどのように位置づけるのかなど、学校や家庭等のさまざまな育成の場を通して勤労観、職業観を形成し確立していくことが重要であります。 しかしながら、私の周辺を含め、こうした力が十分身についていない若者が見受けられる実態があります。学校から社会への円滑な移行ができず、就職しても早期に離職したりフリーターとなったりと、全国的にも社会問題になっている状況です。将来の夢や希望、働くことへの意欲を持てないでいる若者の姿を見るにつけ、本当に残念に思います。 子供たちは、小学校から中学、高校へと成長してまいります。それぞれの発達の過程において、学校の特色や地域の実情、子供たち一人一人の特性を踏まえつつ、その発達段階にふさわしいキャリア教育をしっかりと行うことが、今、強く求められているのではないでしょうか。 県教育委員会は、平成二十六年三月、徳島県キャリア教育推進指針を策定し、県下の全ての小中高等学校において、家庭、地域、経済団体が一体となり、企業経営者等から学ぶ出前授業やインターンシップなどさまざまな取り組みを推進しておられます。 本年度、県議会文教厚生委員長として、こうした取り組みを目の当たりにし、これからの時代をしっかりと生き抜く力を育成するキャリア教育の重要性、その一層の充実について、改めて実感したところです。 また、これからの徳島、日本を担う子供たちが、みずからの未来を切り開く力を身につけ、将来、自立した社会人として活躍する人材を育成するためには、本県の多様な企業、地域、大学等と一層連携を深め、この豊かな資源を活用した本県ならではのキャリア教育を展開していくことが不可欠であると考えております。 そこで、お伺いします。 本県の豊かな資源を生かし、徳島ならではのキャリア教育を一層推進すべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。 御答弁をいただき、まとめに入らせていただきます。   (飯泉知事登壇) ◎知事(飯泉嘉門君) まず、地球温暖化対策推進条例の見直しをすべきではないか、御質問をいただいております。 アメリカの航空宇宙局とアメリカ海洋大気局の発表によりますと、世界の年平均気温の上位十位は全て一九九八年以降であり、二〇一五年は二〇一四年に続いて、一八八〇年統計開始以来、二年連続で最も高温の年を更新することとなりました。 このような年に、京都議定書にかわる温室効果ガス排出削減の新たな国際的枠組みとして採択されたパリ協定において、今世紀後半には温室効果ガスを実質的にゼロにするとの目標が掲げられ、世界全体が脱炭素社会に向け歩み出したことは、まさに画期的な出来事であります。 本県におきましても、自然エネルギーの導入加速化や水素社会の早期実現など地球温暖化対策に関し、三十四道府県、二百を超える企業で構成する自然エネルギー協議会会長県として全国をリードしてきているところであります。こうした取り組みの羅針盤である地球温暖化対策推進条例は、制定以来十年近くがたち、この間における環境分野での技術革新や県民の皆様方の意識変化は目覚ましく、条例を見直すべきとの議員の御提案はまさに時宜を得たものであります。 そこで、これまでは温室効果ガスの排出抑制をする緩和策が中心であった条例に、地球温暖化対策の切り札と言われている水素エネルギーの活用や、気候変動に適切に対応するための適応策などを新たに取り入れる必要があると考えるところであります。加えまして、今後さらに導入を加速すべき自然エネルギーや、次代を担う若い世代への環境学習教育などの項目を充実させていく必要がございます。 このように、水素や適応策など、これまでにない新しい概念を導入するとともに、現在の取り組みを気候変動対策として再構築しようと考えておりますことから、改正という手法をとらずに、県議会での御論議はもとより、環境審議会での専門的な知見や県民の皆様方の御意見もいただきながら、本年十月を目途に、一歩先の未来を見据えた新たな条例の制定を目指してまいります。 今後は、脱炭素社会の構築に向け、全国をしっかりとリードすることができますよう、温室効果ガスの排出を抑制する緩和策と、気候変動に適切に対応し、その影響をできるだけ和らげる適応策を、気候変動対策の両輪として、環境首都・新次元とくしまの実現に積極的に取り組んでまいります。 次に、今後とも保健・医療・福祉の分野における施策の充実にしっかりと取り組むべきではないか、御質問をいただいております。 全ての県民の皆様が未来へ明るい夢と希望を育みながら生き生きと自己実現することのできる社会を具現化するためには、議員からも御提案のとおり、その基盤となる保健・医療・福祉の施策の充実が必要不可欠であると認識いたしております。 そこで、これまで、徳島の医療資源を効率的に活用した総合メディカルゾーンの構築や、海部・那賀モデルの推進、全国に先駆けて開始されました友愛訪問活動や、ICTを駆使した上勝町のいろどりなど、元気高齢者、つまりアクティブシニアの皆様方が活躍してきた実績を踏まえた高齢者の皆様方の旺盛な向学心に応えるシルバー大学院の創設、また全国初となる、障がい者が繋ぐ地域の暮らし“ほっとかない”事業を初めとした障がい者の皆様方の自立と社会参加の促進など、県民の皆様方の健康と命、そして暮らしを守る本県ならではの施策を展開いたしてまいったところであります。 これらに加え、過疎化、高齢化など社会状況の変化に対応し、県内のどの地域でも安心して医療サービスを受けられる体制を構築するとともに、生活習慣の改善や健診受診率の向上により健康寿命の延伸を目指す地域医療・健康づくり体制の改革と充実、また、医療、介護の連携強化や地域ぐるみの支援体制によりまして質の高い地域包括ケアシステムを構築いたしますとともに、高齢者の皆様が社会の担い手となるよう活躍の場を創出する超高齢社会への対応と挑戦、さらには、障がい者や難病患者、そして生活困窮者を初めあらゆる皆様方が生き生きと暮らすことのできるユニバーサル社会の推進と下支えなど、一歩先の未来を見据えた新たな課題にも積極的に挑戦いたしてまいります。 今後とも、全ての県民の皆様が住みなれた地域で自分らしく、そして安心して暮らし続けることのできる徳島の実現に全力を傾注いたしてまいる所存であります。 次に、生涯活躍のまち県内展開に係る市町村への支援について御質問をいただいております。 昨年六月、閣議決定されましたまち・ひと・しごと創生基本方針二〇一五における生涯活躍のまち、いわゆる日本版CCRC構想は、人口減少、超高齢社会の処方箋としていち早くゆかりの高齢者のふるさと回帰を打ち出した本県の動きが国においても具現化されてきたものである、このように考えるところであります。 議員からもお話しのように、二市四町が生涯活躍のまち構想を推進する意向を示しておられますが、中でも美馬市、三好市では、市や社会福祉法人において地域の強みや特性を生かした基本構想の検討が先行して進められているところであり、県としても積極的に支援いたしてまいります。 平成二十八年度は、各地域の基本構想の実現のため、事業主体の選定やサービス提供体制の整備など具体的な動きが活発化してくると見込まれ、事業の進捗状況に応じたきめ細やかな支援が必要となってまいります。このため、生涯活躍のまちの核となる地域交流拠点について、ハード、ソフト両面から支援を行いますとともに、提供される各種サービスについて、徳島ならではの魅力にあふれたプログラム開発によります大学、NPO、民間企業などさまざま多様な事業主体の参入促進を図るほか、やる気のある市町村の自主的かつ創造的な取り組みを支援する徳島版地方創生特区制度の活用も含め、あらゆる側面から積極的な支援を行ってまいります。 また、これから検討を具体化する市町村に対しましては、昨年十月に設置いたしました「ゆかりの徳島」里帰り戦略会議における御意見や、先行する自治体の取り組みを踏まえ、事業に活用できる国、県の連携施策も盛り込んだ事業化マニュアルを作成するとともに、参考となる先駆的な取り組みの情報提供とノウハウの活用を図ってまいります。 今後とも、徳島への人の流れを確実なものとし、徳島から地方創生、ひいては日本創成をリードするとの強い気概を持ちまして、高齢者の皆様方が生き生きと活躍する町を創出するとともに、徳島が持つ魅力や強みを最大限に活用した徳島版CCRC生涯活躍のまちの推進の歩みを着実に進めてまいります。   (小谷政策監補登壇) ◎政策監補(小谷敏弘君) TPPに対応するため、今後どのように本県畜産業の振興に取り組むのかと御質問いただいております。 本県の畜産農家は、高齢化や担い手不足に加え、我が国を取り巻く経済のグローバル化の進展に伴い、厳しい経営環境に直面しており、とりわけTPPに対し、畜産農家の方々からは、将来に対する多くの不安や懸念の声が寄せられております。また、昨年末、国から公表されました影響試算におきましても、牛肉や豚肉に係る関税の大幅な削減や撤廃などにより、畜産業が最も甚大な影響を受けることが明らかになったところであります。 そこで、TPPへの対策を効果的かつ戦略的に進めるため、全国に先駆けいち早く策定いたしました徳島県TPP対応基本戦略に加え、特に畜産分野の対策にスピード感を持って取り組むため、とくしま畜産成長戦略を、今議会での御論議を踏まえ、三月末を目途に取りまとめてまいりたいと考えております。 本戦略では、目標年度を平成三十年度とし、阿波尾鶏、阿波牛、阿波とん豚などのブランド化を加速するとともに、小規模な家族経営体が多いという本県の特性に応じた守りの対策をしっかりと講じ、その上で、意欲ある生産者が輸出を初めとした攻めの対策を速やかに行うことができるよう施策を展開することといたしております。 具体的には、まず、畜産物の高品質化、高付加価値化に向けて、高能力牛の受精卵や多産系母豚の供給によります改良促進、阿波尾鶏を初めとした畜産ブランドへの経営転換、畜産物の安全性を確保する農場HACCPや生産情報公表JASの認証取得の推進などに重点的に取り組んでまいります。 また、作業の省力化による生産拡大や生産性向上に向けては、哺乳ロボットや自動給餌器等の導入支援、ICT技術を活用し温度や湿度、換気などをコントロールするいわゆるスマート畜舎の整備支援、また飼料用米の利用促進と収穫機械の導入によります飼料自給率の向上などの取り組みを推進してまいります。 さらに、本県畜産物の輸出に向けては、畜産物の処理加工施設へのHACCP導入や、ハラール認証取得の取得促進を行い、積極的な海外展開、輸出展開を進め、阿波尾鶏を初めとする本県畜産ブランドを日本のブランドから世界のブランドへと飛躍させてまいりたいと考えております。 今後、TPPに打ちかつ生産流通モデルを徳島から築いていくとの気概を持ち、新たな畜産成長戦略へ掲げる施策を強力に推進し、TPPによる環境変化のもとでも県内畜産農家の皆様に夢と希望を持っていただけるよう、足腰の強いもうかる畜産業の確立に全力で取り組んでまいります。   (松重教育委員長登壇) ◎教育委員長(松重和美君) 徳島ならではのキャリア教育を一層推進すべきとの御質問でございますが、キャリア教育は、子供たち一人一人の社会的、職業的自立に向け基盤となる能力や態度を育てることを通して、みずから考え判断し解決していく力をつけるという重要な役割を担っていると認識しております。 昨年十二月に策定されました徳島教育大綱--ここにあります(資料提示)--においても、次代を生き抜くキャリア教育の推進が盛り込まれており、発達段階に応じ推進し、社会に貢献する人材を育成することが明記されているところであります。 県教育委員会ではこれまで、小中学校における職場見学や職業体験、高等学校におけるインターンシップを通して、企業経営者から実社会で働くことの意義や厳しさを学ぶ講演、出前授業を実施し、家庭教育、経済団体と連携し、子供たちの職業観、勤労観の形成に努めたところであります。今後、こうした取り組みに加えて、議員御提案のように、県内企業や大学等との連携を深める中で、徳島ならではの取り組みを一層推進してまいります。 まず、県内の多様な企業を小中高校生や保護者、教員が訪問する企業見学バスツアーを新たに実施し、企業の現場を体験するとともに、卓越した商品企画開発力、その独創性を学ぶ機会を設け、県内企業への関心を高め、就職支援にもつなげてまいりたいと思っております。 次に、地域企業や商店街と連携し、オリジナル商品の企画開発や空き店舗での出店を行う小中高校生起業塾を開講いたします。特に高校生は、模擬株式会社を設立し、仕入れから商品開発、販売、決算に至る一連の経営の流れを実践的に体験することにより、経営の難しさとともに楽しさを学ぶ機会を提供してまいります。 また、徳島大学生物資源産業学部との協力のもと、県内専門高校生が農業、水産、食品の分野で徳島ならではのものづくりを実践するとともに、その成果をネットショッピングサイトで全国に発信、販売するeとくしま高校生マルシェを展開するなど、高校生のキャリアプランニングをしっかりと支援してまいります。 県教育委員会といたしましては、未来を担う若者が将来の予測困難な時代を強くたくましく生きることができる本県ならではのキャリア教育の一層の充実に向け、全力を向けて取り組んでまいります。   (木下議員登壇) ◆二十七番(木下功君) それぞれ御答弁をいただきました。 総合戦略については、しっかりと見直していただくということでございます。 防災メモリアルイヤーの幅広い意識の浸透を図って、しっかりとさまざまな訓練をしていただけるということでございます。 また、西部運動公園については、二十九年度に仕上げていただけると、本当に西部住民の方々に喜ばしいお答えをいただきました。ありがとうございました。 吉野川の分水は、これ以上減らさない、そういう気構えで知事が対応していただくということでございます。地域の住民の方々もしっかり期待しておりますので、よろしくお願いします。 地球温暖化については、大きな問題でございます。しかしながら、それぞれが力を合わせてやっていかなければならないと思っております。 今回は、文教厚生委員会で委員長を務めさせていただける関係上、保健・福祉全般に対して質問してまいりました。大変、地域住民にとりましても私にとりましても、いい答えを出していただいたように感じております。どうか地域住民の方々の御期待を裏切らないように、しっかりと対応していただきたいなと思っています。今後ともよろしくお願いします。 以上で私の質問は全て終わりました。大変御清聴ありがとうございました。(拍手)   ────────────────────────
    ○副議長(重清佳之君) 議事の都合により、休憩いたします。      午後零時四十七分休憩   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━    午後一時四十六分開議      出席議員計三十七名          (その番号・氏名左のとおりである)     一  番     岩  佐  義  弘 君     二  番     山  西  国  朗 君     三  番     原  井     敬 君     四  番     島  田  正  人 君     五  番     眞  貝  浩  司 君     六  番     高  井  美  穂 君     七  番     古  川  広  志 君     八  番     上  村  恭  子 君     九  番     井  川  龍  二 君     十  番     藤  田  元  治 君     十一 番     元  木  章  生 君     十二 番     南     恒  生 君     十三 番     岸  本  泰  治 君     十四 番     岡     佑  樹 君     十五 番     須  見  一  仁 君     十六 番     中  山  俊  雄 君     十七 番     長  池  文  武 君     十八 番     達  田  良  子 君     十九 番     山  田     豊 君     二十 番     丸  若  祐  二 君     二十一番     寺  井  正  邇 君     二十二番     喜  多  宏  思 君     二十三番     木  南  征  美 君     二十五番     岩  丸  正  史 君     二十六番     岡  田  理  絵 君     二十七番     木  下     功 君     二十八番     黒  崎     章 君     二十九番     岡  本  富  治 君     三十 番     樫  本     孝 君     三十一番     杉  本  直  樹 君     三十二番     西  沢  貴  朗 君     三十四番     重  清  佳  之 君     三十五番     嘉  見  博  之 君     三十六番     来  代  正  文 君     三十七番     臼  木  春  夫 君     三十八番     庄  野  昌  彦 君     三十九番     長  尾  哲  見 君   ──────────────────────── ○副議長(重清佳之君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 二十八番・黒崎章君。   (黒崎議員登壇) ◆二十八番(黒崎章君) 新風・民主クラブの黒崎でございます。平成二十七年度の代表質問、実は昨年の六月に済ませておるんですが、会派の都合によりまして、再度、二十七年度にもう一度代表質問させていただきます。よろしくお願いいたします。 それでは、質問に入りたいと思います。 まず第一問目は、鳴門わかめの産地偽装についてお尋ねを申し上げたい、そう思います。 今、鳴門市内の各漁港内では、ワカメを養殖棚から刈り取りまして、それをボイルする作業の真っ最中でございます。ワカメの香りが春の到来を感じさせる大変すばらしい時期となっております。鳴門海峡の渦潮も日増しに大きくなりまして、全国からたくさんの観光客の皆さんが来られまして、鳴門わかめをお土産に買って帰られると、そんな時期を迎えております。 私は、代表質問に当たりまして、鳴門わかめの産地偽装についてお伺いしようと準備を始めたやさきに、何と鳴門わかめブランド対策部会の部会長が経営するワカメ加工会社による偽装が発覚いたしまして、ショックの余り筆がとまってしまいました。 私が初当選いたしまして一期目の折り返しの年に、すなわち平成二十一年、鳴門市内の加工業者がJAS法違反により摘発され、翌年に逮捕されるということがございました。その事件から四年間も産地偽装は続き、鳴門わかめに対する信用が地に落ちてしまった状態になってしまいましたが、ようやく平成二十六年の秋に鳴門わかめ認証制度が立ち上がりました。にもかかわらず、このたびの偽装であります。部会長による偽装ということで、部会全体による偽装、あるいは業界による悪意に満ちた偽装と言われても仕方がない。悲しい限りでございます。 鳴門わかめブランド対策部会は、部会長の産地偽装により、部会存続の意味がなくなったということで、二月十日に解散いたしまして、十二日には、制度の普及と偽装の再発防止を目指して、県の認証制度を受けている加工業者によりまして、鳴門わかめ認定業者連絡会議が設立されました。私は、この素早い対応についてはよかったなあと考えております。関係者の方々による信頼回復を推進していただきたいと心から思う限りでございます。 地場産業としましても、鳴門わかめ業界は長い歴史を持った業界でございまして、その形態はさまざまでございます。まず、生産者という形態、そして、生産しながら他の生産者から原藻を仕入れて加工するという、そういった業態、そしてまた、生産者から原藻を仕入れ加工するという業態、販売のみの形態をとる業者、こういった形がございまして、県の認証制度に対する取り組み方も温度差が生じていると考えられます。 鳴門わかめの生産、加工、販売に携わる多くの方々は、鳴門わかめの品質保持、加工技術の向上、全国への販売経路の拡大の努力を惜しまず、黙々と日々の作業に取り組んでおられます。この現状を見るたびに、何とかしなければならないという思いでいっぱいになるのは鳴門市民だけではなく、徳島県民であれば当然の気持ちではなかろうかと思います。と同時に、不正を働けば自分に返ってくる、それは当然のことでありますし、真面目に取り組む者がばかを見るようなことがあってはいけないと思う次第でございます。 かつて昭和三陸大地震において壊滅的な損害を受けた岩手県の田野畑村のワカメ産業の復興に尽力した里浦町の鳴門わかめ生産者の活躍と、田野畑村のワカメ産業復活の実話は、まさに利潤を度外視して、ともにワカメで生きる者同士が敵対する生産地を助けたという美談があります。決して古ぼけた昔話ではございません。プライドを持って伝統ある地場産業に携わっていただきたいと心から思う次第でございます。 連絡会議の今後は、さまざまな困難が予想されると思います。県民の理解と御支援を受けての再スタートができますようにと祈るばかりでございます。 また、県におかれましても、アドバイスと御支援をお願い申し上げたいと思うわけでございます。ぜひ鳴門わかめの信頼回復のために可能な方策を尽くしていただきたいと思います。 そこで、お伺いいたします。 鳴門わかめの信頼回復に向けて県はどのような対策に取り組むのか、お伺いいたします。 引き続きまして、県下農協の合併について質問いたします。 私は、先月の二十日、高知県の農協合併に関する調査で高知県議会を訪れました。高知県では、平成三十年、一JA達成を目指して、その取り組みの真っ最中でございます。 当初、我が県の例をモデルにしていたという話を聞きまして、そうだったのかと、少し残念な気持ちでお聞きいたしました。立場が逆転してしまったわけでございます。 先般公表されました二〇一五年の農林業センサスによりますと、本県の総農家数は三万七百八十二戸で、五年前に比べて一四%減少しております。農業産出額は、一昨年に引き続き一千億円を下回る結果となっております。これは、水稲の収量と米価の大幅な下落などが影響しているということであります。 農林水産業は、県民の食を守り、農山漁村の暮らしや環境を守る重要な産業でありますが、従事者の減少に歯どめがかからない等、厳しい状況が続いております。このような状況の中で、日本の農業を揺るがしているのは、TPPの問題であります。さまざまな問題を抱えながら、今後の経営をどうするのか、経営努力だけでは解決できない問題であると、不安を募らせております。 徳島県では、TPPについて、各分野、品目別の影響を試算して、TPP対応基本戦略を策定して対策を講じようとしておりますが、県の試算した影響額は最大で二十三億四千五百四十万円減になるということであり、しっかりと各分野に対する対策に取り組んでいただきたいと、そう思います。 一方で、個々の生産者にとっては、売れる農産物の生産拡大や販売、マーケティングの強化などがますます重要になってくるものと思われます。これについては、本来、地域の農協がリードしてきたところであり、今後も期待される役割でございます。 しかしながら、TPPという巨大なうねりの中で、産地規模の縮小、組合員のニーズが多様化していることが想定される中、将来にわたって農協の機能が組合員の要求を満たしながら十分に発揮されるかどうか、危惧しているところでございます。農業経営の安定には、地域の農業をリードする農協が健全かつ安定して経営を継続することが重要であり、時代の要請に素早く対応することが求められております。すなわち、スケールメリットを生かした農産物販売や資材の調達、効率的で効果的な業務の運営、そしてこれらを可能とする農協の広域合併が必要であると考えます。 農協の合併については、全国的に取り組みが加速化しておりまして、四国においても、私が視察いたしました香川県では平成二十五年に一JAを実現し、高知県においても平成三十年の一JAを目指して取り組みを加速させているところでございます。今後の本県農業を展望すれば、担い手の減少やTPPによる農産物輸入の急増などの懸念等、先行きの不安が増大しており、地域農業や産地を守り個々の農業経営の安定を図るためにも、農協の合併は避けては通れない大切な事案であります。 そこで、お伺いいたします。 地域農業をリードする農協に対して、県としてどのように農協合併を進められていくのか、御所見をお伺いしたいと思います。 引き続き、これも何度も質問しておるんですが、マイナンバー制度について質問させていただきたいと思います。 平成二十八年一月から、公平で公正な社会を実現するための社会基盤として、税と社会保障の共通番号制の運用が始まりました。公共、民間とさまざまな用途で利用可能な番号システムでありますが、当初は、税、社会保障、災害対策の三分野において利用が開始されます。 私のところにもマイナンバーの通知カードが十一月末に届き、写真を添付して返送いたしましたが、いまだに市役所からは連絡がないところを見ると、全体的に発行業務がおくれているのだと、そのように思います。 私は、これまでの本会議で、マイナンバー制度について積極的に利活用を進めるべきとの立場で質問や提言をしてまいりました。そして、本年一月から制度がスタートしたところでありますが、昨年の日本年金機構へのサイバー攻撃による個人情報の流出、また昨年八月のJR北海道への鉄道の安全性に関するサイバー攻撃などがあり、マイナンバーは大丈夫かとの声が国民の間に広がっているところであります。 ここ二、三日も続けて県内の状況が新聞報道でもございました。個人情報の保護という観点からさまざまな安全管理策が講じられていることは承知しておりますが、サイバー攻撃や情報流出が頻繁に起これば、マイナンバー制度導入による個人情報が漏えい、悪用されたりはしないかという不安が広がっております。 開会日、知事による提案者説明において、自治体情報セキュリティークラウド構築のための予算が説明され、可決したところでございます。今後、マイナンバー制度の運用に当たっては、自治体情報セキュリティークラウドを活用して県や市町村の情報セキュリティーを確保するとともに、県民に対してわかりやすく広報を行い、懸念を払拭する必要があるのではないかと思います。県民の懸念を払拭する努力を重ねた上で、マイナンバー制度を牽引する本県としても、新しい発想で、県民の生活に役立つマイナンバー制度の利活用を積極的に推進することが求められているのではないでしょうか。 そこで、お伺いいたします。 マイナンバー制度の運用に当たり、どのようにして情報セキュリティーを確保して制度の利活用を進めていかれるのか、御所見をお伺いいたします。 引き続き、徳島東警察署の新庁舎の整備についてお伺いいたします。 今定例会に提出されております来年度予算案には、徳島東警察署新庁舎の整備に関しての、PFI手法により実施するためのアドバイザリー経費が含まれております。 我が国の多くの公共インフラは、高度経済成長期に集中的に整備されたものでありまして、今、その多くが更新の時期を迎えているわけでございます。現在のような厳しい財政状況のもと、必要な社会資本整備を進めるには、民間の資金やノウハウの活用が必要不可欠でございます。我々民主党においても、PFI等の推進に関して提言しているところでございます。 本県においても、全国に先駆けて徳島県公共施設等総合管理計画を策定し、PFI等導入件数を現在の三倍以上にすることを目標に掲げていると聞いております。そんな中、徳島東警察署新庁舎整備に際して、県はPFIによる整備を進めるとの方向に大きなかじを切ったわけでございます。 もっとも、この決定に当たっては、従来手法よりもメリットがあるという、その判断をしたものと理解しておりますが、この手法を採用する経緯や理由について県民にお示しすべきだと考えております。また、PFI手法を用いた事業は、施設の設計、建築、維持管理に加えて、青少年センターのように当該施設を活用して収益事業を行うというケースが一般的と考えますが、警察庁舎という特殊性を鑑みると、このような収益事業は想定しがたいものと思われます。 そこで、お伺いいたします。 徳島東警察署新庁舎整備について、PFI手法を採用する経緯や理由とともに、どのようなスキームで事業を進めていかれるのか、お伺いいたします。 それぞれ御答弁をいただきまして、この後も質問を続けてまいりたいと思います。   (飯泉知事登壇) ◎知事(飯泉嘉門君) 黒崎議員の御質問に順次お答えさせていただきます。 まず、鳴門わかめの信頼回復に向けた取り組みについてであります。 昨年の十一月、鳴門わかめ不適正表示事案の発生を受け、適正表示に関する研修の開催に加え、鳴門わかめ認証制度の周知啓発など、信頼回復に向けた取り組みを進めているさなか、新たな不適正表示事案が発生したことは、消費者の皆様の信頼を裏切る、まことに許しがたい行為であります。 そこで、県では、たび重なる加工業者の偽装再発防止に向け、まずは一月二十九日の緊急のとくしま食品表示Gメン会議を開催し、全ての加工業者への食品表示に係る監視指導などを三月末までに緊急に実施いたしますとともに、二月十五日には、不正を徹底して見抜く、許さないとの方針で、当該事業所を鳴門警察署に告発いたしたところであります。 こうした中、二月十八日には、ブランドの失墜に危機感を深めた認定加工業者が、新たな組織として鳴門わかめ認定業者連絡会議を立ち上げたところであり、法令遵守やトレーサビリティーの徹底、セルフチェックの推進や会員相互間での監視の仕組み、鳴門わかめ増産に向けた取り組みなど、業者みずからが信頼回復やブランド力の向上に向けた活動を展開しようといたしているところであります。こうした動きが加工業者から出てきたことは極めて有意義なものと認識いたしておりまして、消費者に対するPR活動や、研修会や勉強会への職員派遣など、連絡会議の取り組みを積極的に支援いたしてまいります。 さらに、県といたしましても、生産から加工、販売、そして消費に至るまで全ての関係者から成ります鳴門わかめ認証事業推進協議会を来月にも立ち上げ、認定加工業者の増加、県外の小売事業者等への制度の周知徹底を含めました新たな販路開拓、コンプライアンスの徹底などに取り組んでまいります。 今後とも、一日も早く消費者の皆様方の信頼回復が図られるよう、認証制度を定着させ、とくしまブランドを守り育てるとの強い決意のもと、しっかりと取り組みを推進いたしてまいります。 次に、マイナンバー制度の運用に当たり、どのようにして情報セキュリティーを確保し、制度の利活用を進めていくのか、御質問をいただいております。 マイナンバー制度は、本年の一月から、社会保障、税及び災害対策の三分野で利用が開始されるとともに、マイナンバーカードの交付が始まったところであります。 マイナンバー制度は、県民の皆様方の利便性を高める大いなる可能性のある制度であり、議員からもお話しのとおり、制度の利活用をさらに進めていくためには、自治体の情報セキュリティーを強化するとともに、わかりやすく周知、広報を行い、広く信頼を確保することが不可欠である、このように認識いたしております。 そこで、本県におきましては、平成二十九年七月から始まる国と地方公共団体との情報連携に向け、複雑かつ巧妙化するサイバー攻撃に対応するため、先議によりお認めをいただきました二月補正予算により、自治体情報セキュリティークラウドの構築を進めてまいります。このシステムは、県と市町村が連携いたしまして、インターネットの出入り口を集約し、専門人材による二十四時間三百六十五日の監視を行うとともに、高度なセキュリティー対策を講じることにより、インターネット通信の適切な管理を行うものであります。 今後は、情報セキュリティークラウドを活用し、安全で安心な仕組みを確保した上で、マイナンバーカードの利活用を大いに進め、県民の皆様方に制度の利便性を実感していただく必要があると、このように考えております。そのため、私もメンバーとして参画いたします総務大臣の懇談会におきまして、マイナンバーカードに搭載される公的個人認証機能を活用し、公共施設の利用証や、あるいは商店街のポイントカードなど、官民の各種サービスをカード一枚で利用するための基盤となるマイキープラットフォームの構築に向けた検討を新たに開始いたしたところであります。 また、本県におきましても、災害時の活用策として、カードに搭載されたアプリケーションやあるいは公的個人認証を活用した避難所へのチェックインや、平成二十九年一月からの運用が開始されます個人用ポータルサイト、マイナポータルの活用を行う、遠隔地に居住する御家族の皆様方への避難者情報の提供、さらには平時の活用策といたしまして、利用者お一人お一人に合った行政情報のマイナポータルへの発信など、マイナンバーカードを活用した本県ならではの取り組みを進めてまいりたいと考えております。 今後とも、県、市町村が密接に連携し、情報セキュリティーを一層強化し、県民の皆様方の信頼を確保するとともに、マイナンバー制度の平時、災害時における利活用を積極的に進めることにより、真に利便性を実感していただける社会の実現に向け、しっかりと取り組みを進めてまいります。   (犬伏農林水産部長登壇) ◎農林水産部長(犬伏秀之君) 地域農業をリードする農協に対して、県としてどのように農協合併を進めようとしているのかとの御質問でございますが、農協は、農業生産力の増進と農業者の経営安定を図る重要な役割を担っており、県は農協と連携し、野菜増産プロジェクトや輸出戦略など、地域農業の振興に努めてきたところでございます。 一方で、農協の経営状況は、組合員の高齢化や減少、他業種の参入といった従前からの影響に加え、TPPへの対応が迫られるなど、一段と厳しさを増していることから、今後とも農協が農業者のための中核組織としての役割をしっかりと果たしていくためには、一層の機能や財務基盤の強化が求められており、農協合併はその有効な手段であると考えております。 このような中、JAグループ徳島では、経営の効率化やスケールメリットを生かしたサービスの向上を図るため、平成十六年一月には県下一農協構想を打ち出すなど、これまで農協合併に取り組んでまいりました。その結果、現在の農協数は十五まで合併が進んでおりますが、より強靱な農協経営の確立を目指していくためには、もう一段の合併推進が必要と認識しております。 このため、県におきましては、農協みずからの取り組みをしっかりと支援するために、平成二十四年度から、主管課長クラスの県職員を徳島県農業協同組合中央会に継続して派遣しているとともに、平成二十七年七月に策定したさらなる農協合併を視野に入れたJAグループ徳島組織・事業活性化プランにつきましても、県職員二名がオブザーバーとして参加し、策定の支援を行ってまいりました。さらに、本年度、新たに合併いたしました大津松茂農協に対しましては、合併の効果を最大限発揮させるため、集出荷施設の統合や、販売管理の一元化に向けた電算システムの再編を支援しているところでございます。 TPP協定が去る二月四日に最終合意となり、今後、農業への影響が懸念される中、農家を身近で支え地域農業をリードする農協の果たす役割はますます重要になってまいります。今後におきましても、JAグループによるさらなる合併を見据えた組織改革や、次代の農協を担う人材の育成を支援するなど、県として、農業者の経営安定につながる農協合併の取り組みをしっかりと後押しすることで、本県農業が未来に向かって一層飛躍できますよう取り組んでまいります。   (鈴木警察本部長登壇) ◎警察本部長(鈴木信弘君) 徳島東警察署新庁舎整備について御質問をいただいております。 まず、PFI手法を採用する経緯や理由についてでありますが、同署の新庁舎整備には多額の経費を必要とすることから、可能な限り財政負担を軽減させつつ最大の成果が上がる事業手法を選択する必要があると認識しております。 そこで、高いサービスの確保とコスト縮減に期待が持てるPFI手法について検討することとし、これまでに、PFI手法により整備された他県警察本部庁舎への視察や、PFI手法導入の適否に関する調査研究を進めてきたところであります。 その結果、PFI手法では、庁舎の整備はもとより、維持管理においても質の高いサービスの提供が期待されること、従来手法と比較して財政負担の縮減や平準化につながることなど、多くのメリットを認めたことから、同署の庁舎整備についてはPFI手法により進めることが最適であると判断したところであります。 次に、どのようなスキームでPFI事業を進めていくのかとの御質問についてでありますが、議員御指摘のとおり、警察署庁舎はあくまで警察活動の拠点であり、収益事業を行うものではありませんが、庁舎整備に加え、維持管理などのランニングコストで一定の事業規模が確保された場合、たとえ収益事業がなくとも、PFI手法の多くのメリットが得られるものと認めているところであります。 そこで、本事業における維持管理業務は、徳島東警察署のみならず周辺の庁舎も包括して行うバンドリングという新しい手法について検討しているところであります。また、警察署庁舎整備におけるPFI事業の形態は、庁舎利用者の増減などに関係なく、施設の整備費や維持管理に要する経費を公的資金より割賦の上支払うものであり、安定的に事業を行うことも可能と判断しております。 同署の新庁舎整備に関しましては、県民の皆様の関心も高く、移転用地決定後は早期完成を望む声がさらに高まっているところであり、県警察といたしましても、平成二十八年度から二カ年で、いわゆるPFI法に基づく特定事業の公表や事業者の選定などを行い、平成三十年度の整備着手に向け、しっかりと計画を進めてまいりたいと考えております。   (黒崎議員登壇) ◆二十八番(黒崎章君) 御答弁を賜りましたが、それに対するコメントはまた後ほどさせていただきたいと思います。 質問を先に進めたいと思います。 次に、県南部の観光振興について御質問いたします。 平成二十七年の春、神戸淡路鳴門ルートと徳島自動車道が直結いたしました。鳴門市、徳島市から、吉野川に沿って県西部、すなわちにし阿波観光圏へとつながりました。徳島市から板野郡内を通過して、阿波市、美馬市を通り、三好市まで一時間ほどで移動が可能となりました。 民間レベルでは、ルートの沿線にある観光地と連携を持って、新たな観光の流れをつくるべく、活動が始まろうとしております。一昨年、鳴門うずしお観光協会は、にし阿波観光圏のまち、三好市観光協会と観光協定を締結いたしました。また、ことしは、沿線上のまちと協定を結ぶべく働きかけをされていると伺っております。 高速道路の完成とともに、県内の観光地が点から線へとつながり、県北部から県西部の観光地はまさにしっかりとつながっております。これによって、午前中、自家用車で鳴門に入ってこられた観光客が徳島市経由で吉野川沿いの観光地をめぐり、お昼過ぎには祖谷のかずら橋で祖谷そばに舌鼓を打つ、そんなことが可能となってまいりました。 にし阿波観光圏内の観光地では、修学旅行、内外の個人客、団体客が増加しており、民間の努力と行政の後押しが功を奏して、大きな成果を導きつつあります。大歩危、祖谷地区のホテル五社の外国人宿泊客は、二〇一四年の一・六倍の九千八百八十四人になりました。国別では、香港の四千八百三十八人を筆頭に、台湾の千百七十三人、アメリカ、中国、オーストラリア、フランス、イギリスと、世界中から観光客が訪れております。 また、徳島県を訪れ宿泊する外国人観光客は、平成二十七年に五万人を突破して、平成三十二年には十万人を目標にするという方針でございます。また、徳島県への観光入り込み客数についても、年によって若干の出入りはあるものの、平均すれば年間一千九百万人を超える実績があります。 二〇一五年、観光庁は、複数の国内の観光地をネットワーク化して観光周遊ルートをつくり、内外の観光客を呼び込む計画を発表いたしました。現在、七つの国内ルートが設定されていて、「美の伝説」、「せとうち・海の道」、「スピリチュアルな島~四国遍路~」の三つのルートに徳島県が該当しており、関係各県が連携して協議を進めているところでございます。 徳島県には現在、東から西へ、あるいは西から東への観光ルート開発は可能となってまいりましたが、県央部から南へつなぐ県南部のルートを開発することによって、県への観光客の入り込みを線から面へと展開が可能となると考えております。県南においては、魅力的な観光地が点在しており、既に観光地と食を、四国の右下というフレーズで、徳島県南部県民局がまとめ上げております。 また、県は、阿佐海岸鉄道、阿佐東線へのデュアル・モード・ビークルの導入に大きくかじを切っております。実現すれば、日本国内で唯一のDMVが走る路線となり、全国の鉄道ファンのみならず多くの観光客の注目を浴びることとなると思います。 また、将来的に、室戸岬を経由して高知へとつなぐことも可能となり、夢の広がる観光商品の開発が十分可能となってまいります。鳴門の渦潮や「四国八十八箇所霊場と遍路道」の世界遺産登録を目指す取り組みも始まっており、徳島県の魅力を国の内外に向けて大きく発信することが可能となってまいります。であるからこそ、県南部の観光ルートの開発は急がなければならないものと考えます。 県南の観光素材は、四国の右下ということで既に存在いたしております。あとは、拠点をどうつなぎ、観光商品をどのように磨き上げるかということだと考えております。 そこで、お伺いいたします。 観光ルートの開発など、県南部の観光振興に取り組むべきだと考えておりますが、御所見をお伺いいたします。 引き続き、観光関係の質問をいたします。 外国人観光客への災害時対応について質問いたします。 徳島県は、北は瀬戸内海、東は紀伊水道、南は太平洋に接し、西は四国山脈が隆起する、変化に富んだ地形となっております。また、京都、大阪に大変近いということもあって、古来より、四国八十八カ所を初め歴史ある多くの寺社とそれにまつわる物語などが事欠かない土地柄でございます。 私の生まれた鳴門市も、鳴門海峡を初め、大谷焼の里、ドイツ人俘虜との交流の物語、四国八十八カ所一番札所霊山寺、二番札所極楽寺、釣りのメッカ小鳴門海峡と北灘町など、さまざまな観光エッセンスが点在しており、また最近では、コウノトリも話題を提供してくれております。 ここ数年の徳島県への観光入り込み数も、平成二十三年から平成二十六年の間、一千八百万人から一千九百万人の間をキープしております。県観光政策課によると、旅館業法に基づく宿泊施設が県内七百三十六カ所、交通拠点であるJRの駅、ターミナル等が七十五カ所、博物館、美術館、歴史資料館が五十四施設、食の拠点である飲食店、道の駅が十五カ所存在しており、これらの施設が県下一円に分散しており、観光客でにぎわっております。 最近、徳島県には外国人観光客の来訪がふえ、平成二十七年、五万人達成、オリンピックイヤーである平成三十二年には十万人を目指すことになっておりますし、徳島阿波おどり空港にも新たに三基目のボーディングブリッジを設置し、入国審査施設も設けられることになっており、着々と準備が進んでおります。また、政府の観光ビジョン構想会議において、二〇二〇年、訪日客三千万人台へ目標値を上げる案も浮上しておると新聞紙上では報道されております。 最近の外国人観光客の動向傾向については、JAL徳島支店の方に聞いたところ、欧米、ニュージーランドとかオーストラリアからの観光客が成田、羽田空港経由で徳島県を訪れており、歴史・文化的なことに大変興味を持たれて来日している傾向が強いと伺っております。徳島県ならではの歴史、文化、風習などをさらに掘り下げて磨き上げ、海外からの観光客を受け入れる準備をしなければならないと思うわけでございます。 このような中、観光庁は、自然災害が多い日本においても外国人観光客が安心して旅行することのできる環境整備に着手し、訪日外国人観光客の安全確保のための手引を平成二十六年十月に発表いたしました。県内の観光地においても、外国人観光客に対して外国語で対応した災害時の避難表記がされているのか、気にかかるところでございます。 そこで、お伺いいたします。 外国人観光客が増加している中、避難表記を初め災害時の対応が必要ではないかと考えておりますが、所見をお伺いいたします。 続きまして、障害者差別解消法の周知について質問いたします。 障害者差別解消法が、共生社会の実現に向け、障がいを理由とする差別の解消を推進することを目標に、平成二十五年六月に制定されまして、いよいよこの四月一日から施行されることになっております。この法律の基本方針に則して、地方行政機関は、職員の取り組みに資するための対応要領を、主務大臣は、事業者の取り組みに資するための対応方針を作成して、あるいは合理的配慮ということもあると思いますが、広く国民に周知することを努力義務ということで担っております。 法律の施行に伴って、国は、全国の公共団体に障害者差別解消支援地域協議会の設置を奨励しておりまして、徳島県の市町村ではその準備に取りかかっているところであると伺っております。国は、さまざまな関係団体で構成する地域の協議会について、設置の義務はないものの、協議会に寄せられている相談の内容や解決例を集約して、そのノウハウを法務運用に活用するということでございます。 しかしながら、政府の対応のおくれから、現在、全国的に協議会の設置がおくれているとお聞きしておりますが、この法律が大変広い分野に及ぶこともありまして、各分野の方々から御意見を伺い解決の道を探していく協議会の存在は何よりも大切であると思いますので、ぜひ早急に全市町村に設置していただきたいと思います。丁寧な対応が図られるよう望んでいるところでございます。 徳島県は、県下の市町村に対して、設置推進についての情報を提供する役割を担っているわけでございますが、設置する市町村への対応要領の策定への支援をお願い申し上げたいと考えております。 また、教育の場において、障がいを持つ子供に対する支援、配慮が国公立の学校には義務づけられているとお聞きいたしております。ぜひ学校においても支援や配慮を行っていただきたいと思います。そのためには、各学校に向け、この法律の目的や理念を十分に周知していただくことが必要だと考えております。 さて、私は、このたびの障害者差別解消法の目的である共生社会の実現や差別の解消の推進は、多くの県民の皆様の声や、民間の団体、行政組織の経験、さらにはこれまで積み重ねてきた県議会での議論を生かすことによって達成に近づくものと考えております。この徳島県議会においても、障がい者福祉に関連する本会議での質問は、平成二十年以来、十三回を重ね、多くの議員の方々がさまざまな視点から質問を重ねてこられております。 また、理事者の皆様方も、真摯な、そして熱心な答弁をしっかりとされておりまして、障がい者福祉に向けた熱意を強く感じておるところでございます。ぜひ県がリーダーシップをとって、自治体を初め事業所や学校、全ての県民の皆さん方にこの法律を周知していただきたいと心から思います。 そこで、お伺いいたします。 県内市町村や県民に向け、障害者差別解消法の理念や法律の推進についてどのように周知されていくのか、知事にお伺いいたします。 また、教育現場において、障害者差別解消法の周知についてどのように取り組まれていくのかを教育長にお伺いいたします。よろしくお願いいたします。 いよいよ最後の質問に近づいてまいりました。最後に、認知症患者の社会参加について質問いたします。 厚生労働省によると、二〇二五年には日本で七百万人以上の認知症患者がいるであろうと推計しております。これは、六十五歳以上の五人に一人という数字であります。また、十八歳から六十四歳で発症する若年性認知症の患者数は二万七千から三万五千人で、現実にはその三倍以上存在すると言われております。 一月二十六日、私は、和の会の長池議員とともに、東京都町田市のNPO法人町田市つながりの開--つながりの開は、開くという字を書いて、かいと読ませております--が運営するデイサービス「DAYS BLG!」を訪問いたしました。 この施設のことを知ったのは、医出づる国--医者の医ですね、医療の医。医出づる国、「国民病に負けるな」と題する日本経済新聞のコラムからでした。内容を読み、ぜひ訪問したいと思い、視察を受け入れていただきました。 「DAYS BLG!」の一日は、まず、きょうは何をしたいのかということをメンバーさん本人の希望を確認するというところから始まります。訪れる患者さんのことを、施設ではメンバーさんと呼んでおります。メンバーさんは、例えば、一、洗車、二、買い物、三、タマネギの皮むきといった選択肢の中から、その日の作業を御自身でお選びになります。 視察当日、私は、私たち二名に説明してくださった方を、てっきり施設のスタッフさんと思っておりました。ところが、実は認知症の患者のメンバーさんであると知り、驚きと感動が心の底から湧き起こってまいりました。 彼は、一九四一年生まれ、六十四歳のころに発症し、現在、要介護三でございます。説明の後、名刺交換をいたしましたが、そのお名前の下には自分の病状が書き込まれておりました。お話を伺いますと、発症した当時は、前途を悲観されて、何度か死のうとしたが、この施設に来ることによって社会との交流が復活して、また感謝されることに生きがいを感じると、そうおっしゃっておられました。 このデイサービス「DAYS BLG!」の前田理事長によると、メンバーさんに提供される作業は、理事長がみずから苦労を重ね、何年もかかって地域の事業者の理解を求めたものとお聞きいたしております。メンバーさんは、事業所から直接謝礼を受け取り、月に数千円の収入となるということでございます。もちろんNPO法人への支払いはないとのことでございます。 昨年六月の定例会代表質問において、私は認知症サポーターの増員に向けた取り組みを問いましたが、しっかりと徳島県は推進していく旨、御答弁をいただきました。その成果は目に見える形となってきております。 認知症の対策では、基本になる部分は国策としての対応が必要でございますが、患者さんをどのように見守っていくのか、県民挙げての課題でございますし、我々自身の問題でもございます。在宅医療や在宅介護が推進される中、介護される側にもする側にも多くの問題が存在し、こうした認知症患者を取り巻くさまざまな問題点を地域社会、個人や企業がどう支えていくのか、行政がどのように取り組みができるのか、腰を据えて議論していかなければならないと考えております。 県は、認知症患者の、あるいは若年性患者の社会参加についてどのように取り組んでいかれるのか、お伺いいたします。 それぞれ御答弁をいただきまして、まとめに入りたいと思いますので、よろしくお願いいたします。   (飯泉知事登壇) ◎知事(飯泉嘉門君) まず、観光ルートの開発など、県南部の観光振興について御質問をいただいております。 本県では、豊かな自然と新鮮な食材を生かした体験型観光や地域グルメの開発に積極的に取り組んでいるところであり、昨年十一月に開催した全国丼サミットinあなんでは、県内外から六万人もの来場者が訪れ、県南の食を初めとした地域の魅力を全国に向け発信いたしたところであります。また、JR四国との連携により、ジャズを楽しみながら花火大会に向かうジャズトレイン、出前コンサートの会場までの合唱のレッスン場となるにぎわい音楽列車など、鉄道を活用した新たな観光ツアーも取り組んでおり、大変好評をいただいているところであります。 こうした取り組みの成果を踏まえまして、さらなる観光誘客を進めるためには、さまざまな観光資源を効果的に組み合わせるとともに、近隣地域と連携し、魅力的な観光ルートを開発することが必要となります。 このため、全国の旅行エージェントが注目する平成二十九年四月からの四国デスティネーションキャンペーンを絶好の機会と捉え、夜に阿佐海岸鉄道の臨時列車を運行し、那佐湾で美しい星空を観察する夜の阿佐鉄と星空観察、通常では参加することができない漁協の競りに参加し、水揚げされたばかりの新鮮な魚介類を買うことのできる宍喰漁協競り体験など、県南ならではの新たなコースメニューを提案いたしてまいります。 また、近隣の高知県には、室戸世界ジオパークやモネの庭マルモッタンなどの観光地がありますことから、相互に連携することにより、より広がりのある取り組みが可能となってまいります。 今後、JR四国や阿佐海岸鉄道の協力のもと、地元商工団体や観光協会、そして自治体などで構成する四国の右下・魅力倍増推進会議を活用し、高知県との広域連携を見据えた観光コースの開発、ここにしかない魅力を追求した旅行商品の造成促進に取り組み、県南観光振興を強力に推進いたしてまいります。 次に、障害者差別解消法の周知について御質問をいただいております。 障がい者の方々の権利を擁護するため、行政機関や事業者に対し、障がいを理由とする不当な差別的取り扱いの禁止と合理的配慮の提供を求めました障害者差別解消法が、四月から施行されます。法律の円滑な施行に向けましては、国民理解の促進が不可欠でありますことから、昨年五月、国に対し、国のリーダーシップによる強力な啓発を推進すること、全国統一的な判断ができるよう合理的配慮の具体的かつ詳細な事例を示すことを政策提言いたしたところであります。 法律に基づき閣議決定がなされました障害を理由とする差別解消の推進に関する政府の基本方針では、各種啓発活動に積極的に取り組み、国民各層の障がいに関する理解を促進するもの、このようにされているところであります。 そこで、県では、内閣府からアドバイザーを招き、昨年十月に市町村や事業者向けの説明会を開催し、特に市町村に対しましては、障害者差別解消支援地域協議会について助言をいただいているところであります。また、各雇用の分野における障がい者の差別の解消のため、障害者雇用促進法が改正された四月から同時施行となりますことから、徳島労働局と県による事業者を対象といたしました合同説明会を県内三地域で開催いたしたところであります。 さらに、広く県民の皆様方に対しましては、ポスターの掲示やリーフレットの配布、新聞広告を初めとする各種広告媒体による周知などを行い、法施行に対しての認知度を上げるとともに、平成二十八年度におきましては、合理的配慮の好事例を紹介したハンドブックの作成、フォーラムや講演会といった啓発イベントの実施などにより、理解を深める取り組みを進めてまいります。 時期を同じくして、障がいのある人もない人も暮らしやすい徳島づくり条例が全面施行されますことから、法律と条例をあわせて積極的な周知そして啓発を行い、その理念の浸透を図ることにより、全ての県民の皆様方にとりまして暮らしやすい徳島が実現できますように、しっかりと取り組んでまいります。   (吉田商工労働観光部長登壇) ◎商工労働観光部長(吉田英一郎君) 外国人観光客への災害時対応についての御質問でございますが、本県において、外国人観光誘客を一層進めるためには、外国人観光客が災害時においても安全に避難できるような環境を整えることが重要であると認識いたしております。 平成二十七年三月に策定いたしました徳島県観光振興基本計画第二期においては、本県を訪れる観光客の安全及び安心の確保を掲げ、観光地において災害が発生した場合に必要な情報、例えば災害関連ニュースや交通情報、気象情報等を速やかに受け取ることができるよう、県、市町村の観光施設や民間の宿泊施設等へ適切に情報提供を行うこととしております。災害が発生した場合には、公益財団法人徳島県国際交流協会の中に災害時外国人相談センターを立ち上げ、多言語で対応できる職員が外国人観光客に対し被災状況、避難所及び医療救護所の設置状況等の情報提供を行うことといたしております。 また、平時において、外国人観光客に対しては、観光庁が作成した災害時情報提供ポータルサイトの周知を図り、観光宿泊施設に対しては、自然災害発生時の訪日外国人旅行者への初動対応マニュアル策定ガイドラインの普及啓発に努めております。さらに、平時のみならず災害時においても通信手段として活用ができます無料Wi-Fiを県有施設や避難所に整備するとともに、宿泊施設などの民間施設には、無料Wi-Fiの整備に加え、多言語化についても支援を行い、災害時における適切な避難誘導が可能となるよう努めておるところでございます。 加えて、外国人を含む国内外からの観光客の安全を確保する体制づくりに向けて、観光施設の避難訓練に加え、県西部では、にし阿波観光危機管理セミナーを開催するなど、市町村、観光協会を初め観光関連事業者への啓発を行っているところでございます。 議員から御提案のありましたとおり、多くの外国人観光客が訪れる県有の観光施設の表記につきましては、災害時においても有効に機能する表記となっているか、改めて点検、改善させていただくとともに、市町村や民間事業者に対しては、多言語表記の取り組みが一層進むよう普及啓発を行ってまいります。 今後とも、このような取り組みにより、外国人観光客が安心して本県を訪れ、観光できるよう、市町村や関係機関と連携し、災害時対応を初めとした受け入れ環境の整備に積極的に努めてまいります。   (佐野教育長登壇) ◎教育長(佐野義行君) 教育現場における障害者差別解消法の周知の取り組みについての御質問でございます。 障害者差別解消法の施行により、障がいを理由とする不当な差別的取り扱いの禁止と合理的配慮の提供が法的義務となることは、教育現場におきましても大変重要なことであると認識しております。 このため、県教育委員会では、本年四月からの法律の施行に向けて、文部科学省が所管分野の事業者に対して示したガイドラインである対応指針についての県立学校や市町村教育委員会への通知を初め、法律の目的や趣旨について周知を図ってまいりました。 また、教職員が法律に適切に対応するために、県立学校を初め県教育委員会に勤務する教職員を対象とした職員対応要領を本年三月に策定いたします。この職員対応要領の策定に当たりましては、学校ではさまざまな障がいのある児童生徒へのきめ細やかな対応が求められたことから、県教育委員会事務局各課はもとより、障がい種別ごとの特別支援学校の教員などをメンバーとしたワーキンググループを立ち上げ、不当な差別的取り扱いに当たる具体例や合理的配慮の提供の具体例などについて、多様な視点から検討を進めているところであります。また、策定した職員対応要領は服務規律の一環に位置づけ、教職員の意識の共通化を図るとともに、保護者向けの広報紙を活用し、広く家庭にも周知を図ってまいります。 県教育委員会といたしましては、教育現場において、障がいを理由とする差別の解消を推進し、児童一人一人の個性輝く自立の支援にしっかりと取り組んでまいります。   (大田保健福祉部長登壇) ◎保健福祉部長(大田泰介君) 認知症患者の社会参加についてどのように取り組んでいくのかとの御質問でございますが、現在、全国では、高齢者に対する認知症の方の割合は七人に一人と考えられ、十年後の平成三十七年には五人に一人になると推計されてございます。 このように認知症の方が急増する中、認知症の方を単に支えられる側として捉えるのではなく、地域社会で支える側に回るなど、これまで培ってきた経験や能力を生かし活躍できる社会の実現が必要であると認識しております。 本県においても、初期の若年性認知症と診断され、勤めていた会社をやめられた後、介護職員初任者研修を受講し、介護職員として再び社会の中で働くことを目指している方がおられ、こうした方々の社会参加を進めるためには、住民や企業の認知症についての正しい理解を深めることが必要です。 そこで、認知症のことを理解し、認知症の方やその御家族の応援者となる認知症サポーターの養成、積極的に認知症サポーターの養成に取り組む認知症サポーター養成協力事業所の登録、認知症の方やその御家族などが地域の方と交流し理解し合う認知症カフェの設置促進等を行ってきたところであり、平成二十八年度は新たに、若年性認知症の方の自立支援にかかわる若年性認知症コーディネーターを配置し、仕事との両立支援や活動の場の確保に取り組んでまいります。 また、今後、県が開催する講演会などで、認知症の方御自身に生きがいを持って暮らしている体験談をお話しいただくことにより、認知症の方やその御家族に対しては希望や安心感を与えながら、県民の皆様には認知症についての正しい理解を深めていただく機会を設けてまいります。さらに、認知症の方の治療やケアに当たる医療機関や介護事業所、本人や御家族を支援する団体、就労や活動の場となる地域の企業など、関係機関の方をメンバーとする勉強会を立ち上げ、認知症の方の社会参加がより現実的なものとなるよう、解決すべき課題などについての検討を進めてまいります。 今後とも、認知症の方とその御家族が自分らしさを失わずに生き生きと暮らし続けていくことができる社会の実現に向け、しっかりと取り組んでまいります。   (黒崎議員登壇) ◆二十八番(黒崎章君) それぞれ御答弁をいただきましたので、コメントさせていただきます。 まず、鳴門わかめの偽装でございますが、鳴門わかめ認証事業推進協議会、これが立ち上がりました。比較的若い、三十代、四十代の事業主の方々が多うございまして、これから仕切り直して一生懸命頑張ろうというところでございますんで、ぜひとも県からの広い方面での御支援をよろしくお願い申し上げます。 県下農協の合併につきましては、これは農協独自のやはり方針というのがございます。その中でも、やっぱりTPP対策の一つとして体質の強化というのが求められていると思いますんで、従来どおり徳島県からもしっかりと御支援をしていただきまして、できれば一JAを目指して一日も早く達成していただきたいと、そう思います。 マイナンバー制度につきましては、専門人材による監視強化へというふうなことでございまして、いろいろな施策を考えていただいておるようでございますんで、個人情報の保護をしっかり守った上で、新たないろんな使い道を検討していただきたいと思います。 徳島東警察署でございますが、このバンドリングという手法というのは商業の世界でよく使われる手法でございまして、二つの商品を組み合わせてというふうなサービスを提供するということでございます。経費の平準化が図れるということで、大変いい方法だと思いますんで、県民の注目も浴びておりますんで、ぜひ予定どおりの推進をしていただきたいと思います。 それと、県南部の観光施策、外国人観光への災害時の対応でございますが、ぜひとも高知県と広域連携ができますように一日も早く頑張っていただきたいし、徳島県の県有の施設の中にはWi-Fi施設が既に備わっているところもございますが、災害でWi-Fiが使用不可能になったときにはやはり表記による案内が要ると思いますんで、これも御検討いただきたいと思います。 障害者差別解消法の周知について、これは大変広い分野へのやはり周知が必要になってまいります。行政については、徳島県を中心に市町村がしっかりやっていただけるものと考えておるんですが、事業所、民間に対してどのように周知していくのか、これが一つの課題だと思いますんで、よろしくお願いいたします。 それと、認知症患者の社会参加でございます。これについては、この「DAYS BLG!」の前田理事長の一言がございます。認知症になると何もわからない、何もできなくなるという偏見は根強く存在する。福祉や介護の業界はとても狭い。業界の外に出ないと、理解も進まない。そこで、当事者も頑張らないといけない。この当事者というのは、認知症本人のことでございます。その結果、周りの人の目も変わっていく。企業が変わると社会も変わると、このようにおっしゃっておりました。この言葉が耳に残っております。 どうか多くの事業者に御理解を賜って、一人でも多くの若年性認知症の方が一年でも二年でも長くお仕事が続けられるようなことを、ぜひとも徳島県方式のようなものをお考えいただきたいと、このように思います。 いろいろ申し上げました。今後も徳島県の発展につきまして精いっぱい頑張ってまいりたいと考えておりますので、どうかよろしくお願いを申し上げまして、簡単でございますが、私からの質問を終わらせていただきたいと思います。御清聴ありがとうございました。(拍手)   ──────────────────────── ○副議長(重清佳之君) 議事の都合により、休憩いたします。      午後二時五十五分休憩   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━    午後三時十七分開議      出席議員計三十八名          (その番号・氏名左のとおりである)     一  番     岩  佐  義  弘 君     二  番     山  西  国  朗 君     三  番     原  井     敬 君     四  番     島  田  正  人 君     五  番     眞  貝  浩  司 君     六  番     高  井  美  穂 君     七  番     古  川  広  志 君     八  番     上  村  恭  子 君     九  番     井  川  龍  二 君     十  番     藤  田  元  治 君     十一 番     元  木  章  生 君     十二 番     南     恒  生 君     十三 番     岸  本  泰  治 君     十四 番     岡     佑  樹 君     十五 番     須  見  一  仁 君     十六 番     中  山  俊  雄 君     十七 番     長  池  文  武 君     十八 番     達  田  良  子 君     十九 番     山  田     豊 君     二十 番     丸  若  祐  二 君     二十一番     寺  井  正  邇 君     二十二番     喜  多  宏  思 君     二十三番     木  南  征  美 君     二十四番     川  端  正  義 君     二十五番     岩  丸  正  史 君     二十六番     岡  田  理  絵 君     二十七番     木  下     功 君     二十八番     黒  崎     章 君     二十九番     岡  本  富  治 君     三十 番     樫  本     孝 君     三十一番     杉  本  直  樹 君     三十二番     西  沢  貴  朗 君     三十四番     重  清  佳  之 君     三十五番     嘉  見  博  之 君     三十六番     来  代  正  文 君     三十七番     臼  木  春  夫 君     三十八番     庄  野  昌  彦 君     三十九番     長  尾  哲  見 君   ──────────────────────── ○議長(川端正義君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 二十一番・寺井正邇君。   (寺井議員登壇) ◆二十一番(寺井正邇君) 自由民主党・県民会議の寺井正邇でございます。本日最後の質問者として登壇の機会をいただきました。皆様お疲れかと思いますが、最後までひとつ御協力のほどよろしくお願いを申し上げます。 きょうは、地元阿波市から、お忙しい中、爆発の予告もあるのにもかかわらず、たくさんの方々が県議会に傍聴にお越しいただきました。本当にありがとうございます。 さて、皆様御承知のとおり、昨年十月に環太平洋連携協定交渉が大筋合意に至りました。今月四日には、参加十二カ国が協定文書に署名し、発効に向けた手続が始まっているところであります。 こうした状況を踏まえ、県におかれては、去る十二月、百項目に及ぶ守りと攻めの対策を盛り込んだ徳島県TPP対応基本戦略を策定されるとともに、今議会においては地方創生本格展開予算案が提出され、知事から、一歩先の未来を見据えた徳島ならではの地方創生を本格展開したい、地域産業に携わる皆様が夢と希望を持てるよう県の総力を挙げて取り組むとの力強い表明がなされました。 しかしながら、農業者の皆様から、今後の動向に不安を感じているといった生産現場の声も受けており、こうした県民の皆様の声をしっかりと県政に届けていかなければならないと感じるところであります。 小説家宮城谷昌光は、中国秦の時代を舞台にした小説「奇貨居くべし」の中で、農業についてこのように紹介されています。「天、時を下し、地、財を生ずるに、民と謀らず」。天は農耕の時を与え、地は実りを生むが、民と相談するわけではない。そして、常に自然を相手とする農業者は、天と地の間において孤独な存在であって、天の気色を伺い、地の機嫌をとって生きていかなければならず、妄想や幻想に溺れることなく現実を直視し続ける、これが農業者の堅忍不抜の精神であり、天地に生かされていることを感謝するという農業者の降心の気持ちではないかと記されております。 本日、私は、こうした皆様の立場に立って、ライフワークであります農業を初めとする県政の諸課題について質問いたします。 まず、徳島の農業を支える水資源であります。 吉野川の治水、利水の問題についてお伺いいたします。 去る昨年十月十三日、水の恵みと洪水という河川が持つ功罪に立ち向かい、治められた水を最大限に生かすとの信念のもと、徳島県議会治水・利水を考える議員連盟が設立されました。会派の枠を超え、過去最大となる三十七名の方々とともに参加し、私はその会長の任につかせていただきました。 私自身、この議員連盟の活動に取り組むに当たって、強い思いを抱いております。今から二年前となる平成二十六年二月、私は、徳島市内で開催された気候変動と適応策に関するシンポジウムに参加いたしました。その中で、今後さらに地球温暖化が進めば異常気象が頻発し、吉野川においてもこれまで経験したことのない洪水と干ばつが発生する危機迫る状況になることを改めて認識させられました。そして、吉野川の治水・利水対策をしっかりと行わなければならないと決意するとともに、清らかな水だけが香川県に流されていることの意味を考え直されたことを今でも鮮明に記憶いたしております。 私の地元に、吉野川の川中島である善入寺島がありますが、その歴史については皆様御承知のとおりであります。この島を遊水池化するために、国策により、大正四年までに約五百戸、三千人の島民全員が学校や神社などとともに島を離れたという先人の苦労を我々も伝え聞いております。 また、農業用水を例に挙げますと、阿波の北方、月夜にヒバリが足を焼くと言われるほど干ばつに悩まされ続けた北岸に、池田ダムから板野町までの田畑を潤す吉野川北岸用水、また南岸の穀倉地帯に水を供給する麻名用水などの、我々の大先輩が苦難の時代を乗り越えてつくり上げてきた水利用の歴史があります。 そして、忘れてはならないのが、昭和四十一年の早明浦ダムの整備や香川用水を初めとする分水が吉野川総合開発計画として同意されまとめられる中で、本県が求めた上流無堤地区の解消、さらには渇水時でも水が流されていない銅山川の現状など、国との間にはいまだ守られていない約束事があるのです。 このような中、本県の水資源行政に目を向けると、国が主導して現在の吉野川の治水・利水計画を見直す早明浦ダム再編事業が議論されるとともに、利水は治水の上に成り立つとの考えのもと、全国の都道府県で初となる治水、利水に関する条例の制定作業が進められています。私は、こうした今後の治水・利水対策に臨むに当たっては、まずは県民の生命と財産を守ること、そして過去の約束事が守られることが第一であり、その次に利水対策に取り組むべきと、強い思いを持っております。 そこで、お伺いいたします。 吉野川の将来を見据えた治水・利水対策に今後どのように取り組むのか、また本県の河川行政の指針となる治水、利水に関する条例が目指す具体的な方向性についてお伺いいたします。 次に、とくしまブランド推進機構を活用した農産物の生産拡大についてであります。 本県農業は、豊かで肥沃な農地に、温暖な西南地域、高度な農業生産技術といった強みを生かして、なると金時や春ニンジンを初め、レンコン、ブロッコリーなど、安全・安心で高品質な農産物を生産しており、関西の台所として、京阪神市場に頼られる重要な産地となっております。一方、首都圏では、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて農産物の需要が高まっており、東日本大震災以降、徳島の農産物が広く求められていると聞いております。 私の地元阿波市の若い農業者の中には、東京に向けての野菜をデパートやレストランに出荷している方がおり、京浜市場は今後、県としても目を向けるべき魅力的な市場であると思われます。本県の基幹産業である農業の持続的発展のためには、これら市場のニーズに的確に応えるとともに、農産物の生産拡大が重要不可欠であると考えております。 そんな折、県や農業団体など四者により、去る一月二十九日、もうかる農林水産業をオール徳島で総合的に支援する組織として、とくしまブランド推進機構、愛称「地域商社阿波ふうど」が設立されました。この組織は、地域商社としての機能のほか、農産物の増産を図る生産振興機能をあわせ持つと聞いております。まさに時宜を得た取り組みであり、今こそオール徳島の力を集結して、生産拡大に本腰を入れて取り組んでいただきたいと考えております。 そこで、お伺いいたします。 とくしまブランド推進機構を活用し、農産物の生産拡大にどのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。 次に、農業生産の礎である農業水利施設の老朽化、長寿命化対策についてであります。 本県の農業を支える用排水路やポンプ施設などの農業水利施設の多くは、先人の苦労により、戦後から高度成長期にかけて県内各地で整備されてまいりました。これらの施設は、土地改良区を初め農家による継続的な管理により地域の発展に貢献するとともに、県土の保全、水資源の涵養、生産活動を通じたふるさとの原風景の保全や食文化の形成など、多様な役割を担っております。 私の地元である吉野川北岸地域においても、平成元年度に念願の吉野川北岸用水が完成し、関連する支川水路の整備も順調に進み、八市町、約六千三百ヘクタールの農地に農業用水が届くようになりました。このおかげで、用水量の増大と安定供給が可能となり、北岸用水は地域農業を支える第二の吉野川として、地元の農家にとってはなくてはならないものになっております。 一方で、造成後、長い年月を経過している施設もあり、老朽化が進行し、用水路からの漏水やポンプ施設の不都合が生じてきているところもあります。また、農業者の減少、高齢化、混住化などの進行に伴う集落機能の低下により、地域の共同作業によって支えられてきた水利施設の維持管理にも支障が生じつつあります。 こうした中、TPP協定が発効されようとするところであり、農家経営がさらに厳しくなることがあれば、農業水利施設を維持管理する方が減ってくるおそれがあります。農業水利施設を次の世代に健全な状況で引き継いでいくことが大変危惧されております。 TPPを迎え撃つためには、生産性を向上し、農業の競争力を高める必要があり、清らかな徳島の水を使った農産物の栽培を支える農業水利施設はその根幹をなすものであります。 そこで、お伺いいたします。 農業水利施設の老朽化・長寿命化対策について今後どのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。 次に、小規模企業の振興についてであります。 アベノミクス効果が地方にまで浸透していると言えない状況のもと、先ごろ内閣府から、平成二十七年十月から十二月期のGDP速報値が公表され、マイナス成長であったことが報じられました。地方の中小企業、とりわけ従業員二十名以下の小規模企業を取り巻く環境は厳しいものと言わざるを得ません。 県内には二万八千に及ぶ中小企業があり、そしてその九割を小規模企業が占めている状況で、これら小規模企業は地域の経済、社会、雇用をしっかりと支える、まさに地域社会の重要な担い手でもあります。このような中、国において、小規模企業の重要性に焦点を当てた小規模企業振興基本法が制定され、本県においても、小規模企業を応援するとくしま小規模企業振興憲章を取りまとめようとしており、県民総ぐるみで小規模企業を応援しようとする機運をつくろうといたしております。 小規模企業の中には、製造業や小売業、サービス業という枠組みを超えて、農業者が自分たちで栽培した穀物や果物の加工も行う六次産業化の動きも活発化してきており、私の地元阿波市においても、地元の農産物である小麦やトマトを利用した洋菓子などを特産認証品として後押しし、地方創生につなげようとする動きも見られます。 私は、憲章の理念である小規模企業の地域における大切な役割や重要性を、県、市町村、商工団体の現場のみならず広く県民の皆さんにきちんと共通認識され、支援施策の充実につなげていくことが、今後において、より一層重要になってくると考えます。小規模企業は、本県経済を支える屋台骨であり、地方創生の担い手でもあるわけですから、知事がいつも言っておる一歩先の未来の徳島の実現のために、さらなる取り組みが必要ではないでしょうか。 そこで、お伺いいたします。 地域経済の重要な担い手である小規模企業の振興について、今後どのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。 次に、小規模企業の輸出支援についてであります。 TPP大筋合意を受け、これまで国内を中心に活動していた県内の事業者も、積極的な海外展開に取り組まないと生き残っていけない、攻めの時代が到来いたしました。組織力やマンパワーを有する大企業や中堅企業は、自分で海外販売開拓に取り組んでいけると思いますが、TPPの流れは、事業者の規模に関係なく一様に、事業活動をグローバル競争へと巻き込んでしまいます。 こうして流れにのみ込まれ、少量でもしっかりとしたいいものをつくる事業者が、海外展開のためのノウハウや人材がない、海外に販路がないなどの理由により事業廃止などに陥るのは非常に惜しく、絶対にあってはならないことであります。だからこそ、今こそ県がしっかりとサポートする必要があるのではないでしょうか。 そもそも小規模企業は、海外の情報もなく事業ノウハウも乏しいため、一から取り組めるよう、きめ細やかに、かつ極力リスクがない方法で支援を行わなければなりません。一方、県内の小規模企業の中には、これまで積極的な海外展開への取り組みを行い、海外事業の経験を有しているところもあるため、一律の支援策を行うのではなく、初級者には初級者に応じた支援を、進んでいる企業にはその活動をさらに後押しする支援をといった、その事業者に合った支援が必要であります。また、特に進んでいる事業者の経験を、まだまだ経験の浅い事業者のために活用するシステムの構築も必要ではないでしょうか。 そこで、お伺いいたします。 TPP大筋合意を受け、県では、新規参入で輸出に取り組む小規模企業にどのような支援を行うのか、お伺いいたします。 御答弁をいただき、質問を続けてまいります。   (飯泉知事登壇) ◎知事(飯泉嘉門君) 寺井議員の御質問に順次お答えさせていただきます。 最初に、河川の治水・利水対策について幾つか御質問をいただいております。 まず、吉野川の将来を見据えた治水・利水対策の取り組みについてであります。 早明浦ダム再編事業の動きや、那賀川での昨年度に続き二年連続となる大規模浸水被害の発生など、治水、利水に関する課題への迅速な対応を求められている本県において、昨年十月、会派を超えた議員の皆様方による過去最大の参加人数で徳島県議会治水・利水を考える議員連盟が設立されましたことは、大変心強く感じているところであります。 吉野川においては、議員からもお話がございましたように、昭和四十一年の吉野川総合開発計画により、吉野川の恵みが香川用水や銅山川分水によりまして四国の恵みとして分かち合うこととなりましたが、これらの分水を開始するに当たって、本県は当時の県議会での御論議を踏まえ、苦渋の決断をし、岩津上流の無堤地区の解消、県益である正常流量の優先的確保など、国との約束のもと、分水に同意した経緯がございます。 しかし、総合開発計画策定後五十年を経た今日、吉野川の現状に目を向けてみますと、気候変動により雨の降り方が新たなステージに入り、洪水リスクが増大しているものの、岩津上流の堤防整備率は六三・七%と全国平均を大きく下回り、また長年の悲願である無堤地区の解消が残され、いまだに洪水被害が頻発している本県に対し、四国三県には清らかな水が送られ、また銅山川は水なし川同然となり河川環境が悪化するなど、まさに本県の犠牲のもとに各県への分水が成り立つ構図が形成されているところであります。 このため、早明浦ダム再編事業の協議に当たりましては、無堤地区の早期解消や銅山川の水量確保など、過去の約束の履行と、ダム建設に伴い生じた課題の解決を強く国に求めますとともに、これらの実現がなければ進まないとの考えを明確に表明いたしているところであります。 また、吉野川の将来を見据え、引き続き、議員の皆様方と手を携えながら、治水の上に利水が成り立つとの考えを第一義に、今、本県で求められている地方創生の礎となる吉野川の治水・利水対策をしっかりと推進いたしてまいります。 次に、治水、利水に関する条例が目指す具体的な方向について御質問をいただいております。 現在制定に取り組んでおります本条例におきましては、本県を取り巻く水に関する諸課題に対処するため、洪水や渇水だけではなく南海トラフ巨大地震まで含む最大級の災害への対応、先人たちの労苦の歴史を鑑みた優先的な治水対策とともに、県民の皆様方が最大限の恩恵を享受すること、水循環への理解を深める水教育を推進し、流域全体での総合的な対策の実施、これらを基本理念とし、治水、利水、水循環、環境、そして災害対応及び水教育の五つの柱で構成いたすことといたしております。これらの柱のもと、これまで線としての河川から、流域全体を面として捉え、治水、利水などのかかわる流域の水管理を実施しなければならないと考えております。 この実施に当たりましては、ハード、ソフトを総動員した事前防災・減災のための治水対策、エネルギーまで含む戦略的な水利用や異常渇水への事前対応などの利水対策、健全な水環境と豊かで多様な生態系のもとで流域づくりによります水循環、環境対策に加え、先人の皆様方からの絶え間ない治水の労苦の歴史を未来へ確実に伝える教育機会の提供や人材の育成を行う水教育の強化など、総合的な対策の実施が必要であると考えております。 これら治水や利水などの水管理に関する考え方を今後速やかに条例骨子案としてお示しし、県議会での御論議を初め、平成二十八年度早々には、外部有識者で構成いたします検討委員会を設置いたしますとともに、広く県民の皆様方の御意見をいただきながら、本県の特性に合わせたきめ細やかで全国初となる条例として、平成二十八年度中の制定を目指してまいります。 今後とも、地方創生の旗手徳島として、徳島から日本の治水、利水を変えるとの強い気概を持ち、県民の皆様方の英知を結集した総合的な治水・利水対策をしっかりと推進し、県民の皆様に安全・安心や潤いのある豊かな生活を心から実感していただけるよう全力を傾注してまいる所存であります。 次に、小規模企業の振興について御質問をいただいております。 本県企業の大部分を占め、かつ多くの県民の皆様方の雇用の場となっている中小企業の振興を図ることは、本県経済を持続的に発展させていく上で極めて重要である、このように認識いたしております。 このため、県では、平成二十年三月に、経済飛躍のための中小企業の振興に関する条例、いわゆる頑張る中小企業振興条例を制定し、徳島ならではの製品開発、販路開拓に対する財政支援や技術支援、経済変動に柔軟に対応する経営支援や融資制度など、積極的な施策の展開を図ってきているところであります。 こうした中、平成二十六年六月、国においては、小規模企業の活力を最大限に発揮させるため、小規模企業振興基本法が制定されました。これを受け、県では、地域経済の主役である小規模企業の役割や重要性を県民の皆様方に広く御理解をいただき、県民総ぐるみで応援するための羅針盤となるとくしま小規模企業振興憲章の制定に取り組んでいるところであり、その行動指針として、企業の取り組み、県民の取り組み、そして県の取り組みを三本柱として位置づけているところであります。 今後、この憲章の理念や行動指針をスピード感を持って具現化し、より一層、小規模企業の振興の取り組みを強化いたしますとともに、本県の中小企業振興施策の核である頑張る中小企業振興条例を改正いたしてまいります。 この条例には、小規模企業において喫緊の課題となっている創業・起業、事業承継、人材確保はもとより、TPP対策、さらには観光振興など、時代の変化に対応した商工、労働、観光の各施策を一体的に盛り込み、これまでの頑張る中小企業振興条例からさらにもう一歩踏み込んだ徳島ならではの実のある施策展開が図られるよう取り組んでまいります。また、条例の改正に当たりましては、経済団体、有識者や関係各機関など多方面から御意見を頂戴し、平成二十八年九月県議会に条例案の上程を目指してまいります。 今後とも、本県企業の大部分を占める小規模企業の振興を図り、住民生活の向上、地域雇用の確保など、本県経済の活性化にしっかりとつなげてまいる所存であります。   (熊谷副知事登壇) ◎副知事(熊谷幸三君) とくしまブランド推進機構を活用し、農産物の生産拡大にどのように取り組むのかとの御質問でございます。 県では、オール徳島の連携によりまして、もうかる農林水産業の実現を図るため、昨年八月に、挑戦するとくしまブランド戦略を策定し、これまでにない発想による挑戦的な取り組みを展開しているところであります。 議員からお話がありましたように、今後マーケットの拡大が見込まれる首都圏では、本県農林水産物へのニーズが高まりを見せておりまして、この千載一遇のチャンスに、関西市場はもとより首都圏市場への販売をも強化し、関西の台所から東京の台所、日本の台所に飛躍するためには、さらなる農産物の生産拡大が不可欠であると認識いたしております。そして、このことを実現するためには、消費者のニーズを的確に把握し、求められるものを生産者の皆様にしっかりとつくっていただき、これを少しでも高く売ることによりまして、生産者の皆様のモチベーションを高め、さらに多くの農産物をつくっていただく、まさにマーケットイン型の生産振興に転換していく必要がございます。 そこで、徳島県、徳島県農業開発公社、JA徳島中央会、JA全農とくしまの四者により、先月二十九日に、とくしまブランド推進機構、愛称「地域商社阿波ふうど」を設立し、農地の流動化や多様なマーケティングルートなど、それぞれが持つ強みを最大限に生かし、生産、流通、販売を一貫して推進する全国でも類を見ない取り組みがスタートしたところであります。 機構の生産拡大における施策といたしまして、県とJA徳島中央会それぞれの支援策を連動させ、売れる品目の増産に取り組む生産者の皆様に対し、新しい栽培方法の実証、苗代や資材費の支援、農業機械導入や予冷センターの設置など、きめ細やかなオーダーメード型の支援を実施してまいります。また、これらの施策の推進に当たりましては、県農業支援センターや農協などで構成いたします野菜増産プロジェクトチームが、生産現場におきまして生産者の皆様お一人お一人に寄り添いながら、互いの顔が見える形で支援してまいります。 今後とも、こうしたオール徳島の支援体制で、産地構造改革と流通構造改革を加速させることによりまして、関西はもとより首都圏の要望にも応え得る生産拡大を推進し、生産者の皆様が所得の向上や経営の安定を実感できるもうかる農林水産業の実現にしっかりと取り組んでまいります。   (小谷政策監補登壇) ◎政策監補(小谷敏弘君) 新規参入で輸出に取り組む県内の小規模企業への支援についての御質問でございます。 本県ではこれまで、意欲のある積極的な事業者の海外展開を支援するため、とくしまグローバル戦略に基づき、海外における見本市や展示会への出展支援、また商談会や個別取引先のリストアップやあっせんなどによりまして県産品の販路開拓を進めてきたところであります。しかし、TPPの大筋合意に代表される経済の急速なグローバル化が進む中にあって、これまでは輸出経験がなくノウハウもない小規模な企業にとっても、海外事業への取り組みは不可欠であり、これを支援していくことは本県産業の着実な成長にとって極めて重要であると考えております。 そこで、県では来年度、新規に輸出に取り組む小規模企業を初め、企業の輸出経験の熟練度に合わせた三段階での支援を強化してまいりたいと考えております。 まず、第一段階として、輸出経験のない企業に対しましては、真っ先に直面する言語面での課題を解消するため、民間の専門企業を活用した翻訳や通訳のサポート体制を整えますとともに、ビジネスの初段階で必須となります海外市場動向の把握や海外戦略の策定、また貿易実務などについて、わかりやすい内容のセミナーや研修を提供してまいります。 次に、既に輸出実績がある企業に対しましては、個々の企業のニーズに合わせまして、新たな顧客層の開拓や新商品の開発について専門家による指導を行うなど、これまで以上に個別の支援を強化し、企業のレベルアップを図ってまいります。 さらに、議員御提案の、特に進んでいる企業の活用につきましては、その企業が持つ人脈を生かした現地バイヤーとの商談会や、海外で培ったノウハウを生かしたマッチングフェアの開催などを通じまして、次の企業につないでいく支援事業を実施し、企業間の連携により相乗的な市場拡大を図ってまいります。 今後とも、事業者のニーズに沿ったきめ細やかな支援を実施することにより、このたびのTPPの大筋合意を初めとした経済の急速なグローバル化の流れを追い風とし、輸出に取り組む事業者の裾野の拡大や底上げを図り、厚みのある本県産業のグローバル化にしっかりと取り組んでまいります。   (犬伏農林水産部長登壇) ◎農林水産部長(犬伏秀之君) 農業水利施設の老朽化、長寿命化対策について今後どのように取り組んでいくのかとの御質問でございますが、用水路を初めとする農業水利施設は、基幹から末端までの施設が一連となって機能を発揮することにより農業用水を河川から農地まで供給する、本県の農業生産を支える重要な基盤でございます。 しかしながら、県内の農業水利施設は、議員からお話がありましたように、戦後から高度成長期にかけて建設されたものが多く、用水路やポンプ場などの老朽化が進行し、維持管理費が増大してきているところであります。また、農業者の高齢化や後継者不足による集落機能の低下により、末端施設を維持管理する体制に支障が生じることが懸念されているところであります。 このため、県では、老朽化した基幹施設を対象として機能診断を実施し、適時適切な補修、補強による施設の長寿命化対策に取り組んでいるところであり、国においても今年度から、吉野川北岸用水を対象に、施設の老朽化対策や耐震対策を検討するために、地区調査が開始されたところであります。また、国、県、市町村の三者が、多面的機能支払交付金により、地域が共同で行う水路の清掃や軽微な補修などの維持管理活動に対し支援を行ってきております。 こうした対策に加えまして、来年度からは、施設の造成者、所有者、管理者が一体となって、基幹から末端まで一連の農業水利施設の老朽化・長寿命化対策に取り組む全国初となる農業水利施設アセットマネジメント事業を実施してまいりたいと考えております。 具体的には、モデル地区において、県が一連の施設情報を収集し総合的に管理するデータベースを構築するとともに、GIS、地理情報システムを活用した老朽化状況の見える化を行い、関係者間で情報を共有してまいります。また、当該地区において、関係する国、県、市町村、土地改良区などによる協議会を設立し、診断、補修、補強を行う時期や方法、役割分担などを定める中長期計画を策定し、関係者が一体となって施設の徹底的な長寿命化に努め、老朽化に伴い増加する修繕費用、将来の更新費用などの縮減に取り組んでまいります。 今後とも、こうした取り組みを展開していくことによりまして、農業水利施設の機能を適切に保全し、豊かできれいな徳島の水を農地まで安定的に供給することで、高品質で収益性の高い農作物の生産を拡大させ、TPPを迎え撃つ競争力の強い農業の実現を図ってまいります。   (寺井議員登壇) ◆二十一番(寺井正邇君) それぞれ御答弁をいただきました。 コメントは最後にまとめてさせていただきます。 それでは、質問を続けてまいります。 まず、市町村総合戦略の本格展開に対する支援についてであります。 地方創生の原動力、それは地方の皆さんの情熱であります。これは、現在開会中の第百九十回通常国会における安倍内閣総理大臣が述べられた施政方針演説の一節であります。そして、その情熱や創意工夫が盛り込まれた市町村版の総合戦略が、本県においても全二十四市町村においていよいよ来月中に策定されようとしております。 二十四市町村の創生なくして徳島県の創生なし、日ごろから抱いている私の言葉であります。平成二十八年は、二十四市町村の総合戦略が本格展開される極めて重要な年であり、これまで以上に各市町村のそれぞれの実情に即した、県による親身になったサポートが必要となってまいります。 本格展開に必要な財源については、徳島発の政策提言が実る形で、総額一千億円の地方創生加速化交付金や総事業費二千億円の地方創生交付金が創出されておりますが、事業内容については先駆性やモデル性が強く求められており、所要額が確保できるのかどうかという懸念が市町村で徐々に高まってきております。 県においては、まずはそのような懸念の払拭に向け、交付金獲得に向けた適切なアドバイスとともに、県費助成による的確な支援をこれまで以上に行っていくべきではないでしょうか。 市町村における総合戦略の具現化に向け、まさしく絵に描いた餅をおいしく食べられるように調理し、県民のもとにしっかりとお届けするための知恵と工夫が、県と市町村の双方に強く求められているのであります。 そこで、お伺いいたします。 市町村総合戦略が本格展開されるに当たり、県として、来年度予算を初め、きめ細やかな支援をどのように展開するのか、具体策をお伺いいたします。 次に、地方創生に向けた若者のとくしま回帰についてであります。 先日、総務省から公表された昨年版の人口移動報告によりますと、東京圏への転入超過が二十年連続となり、その人数も前年より一万人近くもえ、約十二万人の転入超過であったとされております。これを年齢別に見ると、進学や就職の時期と重なる十五から二十九歳が十一万三千人余となっており、九割超を占めているとのことであります。 次世代を担う若者が東京圏に引き寄せられるということは、地方から若者が流出し、地方の人口減少に拍車がかかるということであります。本県もその例外でなく、転出の超過が続いております。 この状況に対し、徳島県版総合戦略において、二〇二〇年までに転入・転出者数を均衡させるとの目標を掲げ、政府関係機関の誘致やサテライトオフィスのさらなる展開など、とくしま回帰を加速させるさまざまな取り組みを実践していることに対し、私も心から応援するものであります。 中でも、若者の徳島への定着を進める奨学金返還支援制度は、就職後間もない、給料もまだ安い時期に奨学金の返還を支援するものであり、実効性の高い制度ではないかと考えるところであります。特に、農業や林業、漁業という本県の基幹産業とも言える業種を対象としており、本年四月に徳島大学に新たに開設される待望の農学系学部である生物資源産業学部の効果と相まって、本県の農林水産業の成長産業化に貢献するものと、大いに期待しているところであります。 一方、もっと支援対象にする業種を広げてほしいとか、県外で就職しているが支援があるなら徳島に帰ってきたいという話も聞こえてまいります。国の要綱に沿った制度として創設していることから、自由に制度設計ができないことは重々承知しておりますが、徳島に帰ってくることを希望する、より多くの人が使える制度にできないものかと考えるところであります。 そこで、お伺いいたします。 徳島県奨学金返還支援制度について、本年度における応募状況はどうなっているのか、また来年度に向けての制度の改善を検討しないのか、お伺いいたします。 次に、水素元年の成果と今後の方針についてであります。 昨今、地球温暖化が原因とされる集中豪雨や干ばつなどの異常気象が頻発しており、本県においても、年平均気温が過去百年間で約一・三九度上昇、最高気温が三十度以上となる真夏日も七十年前と比べて十年平均で三十八日から六十三日に増加するなど、温暖化の影響と考えられる現象が見られ、米など農産物の品質低下が発生しているところであります。 このような中、地球温暖化対策の切り札と言われる水素の活用に向け、知事は平成二十七年度を徳島県における水素元年と位置づけ、全国に先駆けて水素エネルギーの普及を目指すとの方針を示すとともに、二〇三〇年には燃料電池自動車三千六百台、水素ステーション十一基を県内全域に普及させるとの意欲的な目標を定めました徳島県水素グリッド構想を打ち出し、積極的な施策展開を進められております。 現在、我が国の二酸化炭素排出量のうち約五四%を運輸部門と産業部門が占めており、排気ガスを全く排出しない燃料電池自動車の普及により、本県が誇る豊かな自然環境を次世代にしっかりと引き継ぐための環境対策として非常に有効であると期待しております。 一方、現在、四大都市圏を中心に燃料電池自動車の普及が進められており、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、燃料電池バスや水素タウンといった新たな構想も打ち出されております。しかしながら、本県を初め地方ではまだまだ目に見える形にはなっておらず、水素エネルギーを身近なものとして実感できるような新たな取り組みも必要であると考えます。 そこで、お伺いいたします。 水素元年となる本年度、どのような成果が実現し、来年度以降、本県でも水素社会の実現にどのように取り組むのか、お伺いいたします。 次に、グローバル人材の育成についてであります。 世界はグローバル化が急速に進展し、人や物、情報等が国境を越え、そして行き交う大競争時代を迎えております。このことは、TPPを迎え撃つ大きなビジネスチャンスが広がっているとも言えます。 日本そして徳島が将来にわたり国際社会で発展し続けていくために、果敢に挑戦する主体性と創造性、豊かな人間性を備え、将来において経済、社会のさまざまな分野で活躍するグローバル人材が強く求められております。こうした背景のもとにおいては、教育のあり方が重要であり、若者の能力を最大限に伸ばすことが不可欠であると同時に、高い志を持ち、国際感覚にあふれ、コミュニケーション能力を兼ね備えた人材を育成することが極めて重要であります。 グローバル人材を育成する上において、とりわけ英語力はこのコミュニケーションの大切なツールの一つであり、欠かせないものであります。しかしながら、日本人の英語力はどうでしょうか。英語は、聞く、話す、読む、書くの四技能をバランスよく育成することが重要でありますが、日本人は聞くことと話すことが弱いと言われています。 現在の日本の英語教育は、小学校高学年の外国語活動から始まりますが、日常的に英語でコミュニケーションする機会や多様な価値観を身につける機会が十分ではないと感じています。例えば外国人との触れ合いや海外での文化交流など、小中学校や高等学校を通じ、豊かな語学力、コミュニケーション能力を養い、国際感覚を備えたグローバルな人材の育成をより強力に推進すべきものだと考えます。 そこで、お伺いいたします。 徳島ならではの特色を生かしたグローバルな学びの場を一層充実発展させていくべきではないでしょうか、お伺いいたします。 御答弁をいただき、まとめに入ります。   (飯泉知事登壇) ◎知事(飯泉嘉門君) まず、市町村総合戦略が本格展開されるに当たり、きめ細やかな支援をどのように展開していくのか、御質問をいただいております。 人と仕事の好循環からとくしま回帰を生み出し、活力に満ちたまちづくりを目指す徳島ならではの地方創生を推進するに当たりましては、地域の最前線で日々住民の皆様方と向かい合っておられます市町村の創意工夫がまさに不可欠であります。 国、地方を挙げてのかつてない取り組みに際し、いち早く、県の担当者が全市町村のカウンターパートとなるワンストップ型の相談体制を構築するとともに、県版総合戦略を全国に先駆け昨年七月に策定するなど、県において市町村目線に立ったきめ細やかなサポートを実施し、本年三月末には県内全ての市町村において総合戦略の策定が完了する予定であり、まさしく平成二十八年は地方創生の本格展開元年となるところであります。 そこで、各市町村が知恵を結集し盛り込んだ具体的な実践策の推進に向け、まずは、徳島発の政策提言が実り、国において制度化されました平成二十七年度国補正予算における地方創生加速化交付金や平成二十八年度国予算における地方創生推進交付金が効果的かつ戦略的に活用されますように、県職員が務める全市町村カウンターパートが引き続き丁寧かつ的確な助言を行いますとともに、市町村版総合戦略のPDCAサイクルにも積極的に参画いたしてまいります。 また、国の交付金の対象外とはなったところであるものの、将来性やモデル性が高い市町村の創意工夫につきましては、本県独自の新たな制度である「とくしま回帰」推進支援交付金により、しっかりと支援いたしてまいります。さらには、これまでの概念を超えた積極果敢なチャレンジにつきましても、今年度、創設いたしました徳島版地方創生特区制度によりまして、新次元の提案を発掘し、市町村とともに育んでまいりたいと考えております。 加えて、情報支援といたしましては、人口動態や地域の企業間取引などのビッグデータを見える化する地域経済分析システム、いわゆるRESASの積極的な活用支援を通じまして、市町村版総合戦略の高度化を促進いたしてまいります。 今後とも、人的支援、財政的支援など多面的な観点からきめ細やかな支援を展開し、市町村の総合戦略の着実な推進を図り、全二十四市町村の創生を通じ、徳島創生の加速、ひいては日本創成の実現へしっかりとつなげてまいります。 次に、徳島県奨学金返還支援制度について、本年度における応募状況がどうなっているのか、また来年度に向けて制度の改善を検討すべき、御提案もいただいております。 人口減少を迎え撃ち、地方創生を推進していくためには、各世代にわたる徳島への移住や地域における仕事づくりなど、挙県一致による取り組みが必要不可欠であり、とりわけ若者のとくしま回帰の流れをつくり出すことが極めて重要である、このように認識いたしているところであります。 このことから、vs東京「とくしま回帰」総合戦略の基本目標に、新しい人の流れづくりを掲げ、徳島県の中核企業などを担うこととなるリーダー的人材を確保するとともに、地域経済の牽引役となる産業を成長、拡大させ、新たな雇用創出につなげる施策として、企業や経済団体と連携し、大学生などの徳島県内での就職を促す徳島県奨学金返還支援制度をいち早く創設いたしたところであります。 この制度につきましては、県内の高校生を対象とする県内枠と、全国の大学生などを対象とする全国枠を設定し、十二月定例会において予算をお認めいただき、直ちに本年の一月五日から支援対象者の募集を開始したところであり、このうち県内枠につきましては、高校三年生を対象としておりますことから、大学受験を考慮し、今月中に各高校を通じ応募をいただくことといたしております。 一方、全国枠につきましては、今月の十五日に募集を締め切ったところでありますが、百名の募集枠に対し十二名の応募者となったことから、応募資格を初めとする制度全体についてさらなる検討を進めてきたところであります。また、この制度につきましては、県民の皆様方から、議員からもお話がありましたように、既卒者も対象としてほしい、他の業種にも拡大してほしいといったさまざまな御意見、御要望が実は寄せられているところであり、私も直接言われたところであります。 このことから、まず全国枠につきましては、平成二十七年度の第二回募集として、来年度に大学等を卒業する者としておりました対象者を、三十歳以下の既卒者まで拡大し、あす二十五日から募集を開始したい、このように考えております。 さらに、平成二十八年度におきましては、就職先の業種や卒業した学部を拡大いたしますとともに、長期の募集期間を設定するなど、県内はもとより全国の多くの若者が活用できるよう、より柔軟な制度に大胆に改善を図ってまいりたいと考えております。 今後とも、全国の優秀な若者の県内における就職を強力に支援を推進し、若者のとくしま回帰の流れを加速いたしますとともに、産業振興による新たな雇用を創出し、本県の地方創生にしっかりとつなげてまいります。 次に、水素元年となる本年度、どのような成果が実現し、来年度以降、本県での水素社会実現にどのように取り組んでいくのか、御質問をいただいております。 フランスで開催されました条約締約国会議COP21で歴史的合意を得たパリ協定のもと、今世紀後半に温室効果ガス排出を実質ゼロとする目標を実現していくためには、未来エネルギーである水素や自然エネルギーの積極導入が極めて重要である、このように認識いたしております。 本県では、平成二十七年一月、産学官の関係者から成る徳島県水素グリッド導入連絡協議会をいち早く立ち上げ、水素社会実現の第一歩となる水素ステーションや燃料電池自動車の導入に向けた取り組みを積極的に推進いたしてまいったところであります。その結果、四国初となる事業者の移動式水素ステーションと、中四国初となる県庁舎の自然エネルギー由来水素ステーション、この全国屈指となる二つの水素ステーションが近く完成を迎えるとともに、県公用車への燃料電池自動車の率先導入が実現する運びとなりました。 そこで、本県における水素社会到来を県民の皆様方に実感していただくため、県庁舎において、来る三月九日、公用車となる燃料電池自動車の出発式、三月二十二日には、二つの水素ステーションの開所式を開催する運びとなりました。 今後は、整備いたしました水素ステーションを最大限に活用し、未来を担う子供さんたちへの環境学習、燃料電池自動車の災害時活用など、県民の皆様方が水素エネルギーを直接体験できる機会を創出いたしてまいります。また、本年夏には水素グリッドフォーラムを開催し、同時期に川口ダムに開設される企業局の自然エネルギーミュージアムとも連携しながら、最新の科学技術を初め、水素の有用性やすぐれた環境性など、徳島ならではの取り組みを全国に発信いたしてまいります。 さらに、徳島発の政策提言により実現した移動式水素ステーションの実用運用を南部、西部圏域へと拡大するほか、燃料電池バス、フォークリフトといった運輸物流分野への新たな展開、副生水素の有効活用によるエネルギーの地産地消の促進など、本県での水素エネルギー導入をより一層加速いたしてまいります。 今後とも、一歩先の未来である水素社会の具現化に英知を結集いたし、地方創生、ひいては日本創生につなげるとともに、今世紀末をも見据えたパリ協定の着実な実現をしっかりと徳島がリードいたしてまいりたいと考えております。   (佐野教育長登壇) ◎教育長(佐野義行君) 徳島ならではの特色を生かしたグローバルな学びの場を一層充実発展させていくべきとの御質問でございますが、国内外でグローバル化が急速に進展する中、子供のころから英語に触れ、国際感覚を育むことは、重要な課題であると認識しております。 県教育委員会では、本県の豊かな自然の活用や、海外大学生、留学生等との交流を通し、小学生を対象に、初歩的な英語をベースとしたデイキャンプ、中学生を対象に、異文化体験や交流を行うイングリッシュキャンプ、高校生を対象に、生きた英語とともに多様性を学ぶ疑似留学体験徳島サマースクールなど、小中高の各ステージに応じたさまざまな世界を体感する場を提供してまいりました。 今後、さらなる実践的な学びの創造に向けて、本県を訪れる外国人観光客を対象に、徳島の魅力を英語で発信する高校生ジュニア観光ガイドを養成いたします。徳島サマースクールの参加生徒を初め意欲あふれる高校生が、徳島の自然、食、伝統、文化、アニメなどを学び、改めて郷土への愛情を育むことにより、ふるさと徳島の魅力を世界に発信するとともに、来る二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックのホストタウンとしての交流においても大いに活躍が期待されると考えております。 また、昨年、ドイツ・ニーダーザクセン州並びに台湾・新竹市と締結しました教育交流に関する協定を契機に、両州市との学校間交流、体験プログラムを一層推進してまいります。 ドイツ・ニーダーザクセン州との交流では、徳島商業高校が友好協定を結ぶシェーラベルク職業学校と、ICTを活用し、新商品の企画開発やマーケティング調査から販売まで共同で取り組む新たなビジネスモデルを展開し、豊かな創造性を持った人材の育成につなげてまいります。さらに、台湾・新竹市では、本年八月、鳴門渦潮高校が姉妹校新竹市立成徳高級中学校を訪問し、野球の交流試合を開催することとしており、今後、教育、スポーツを中心とした活発な交流を通し互いを理解する中で、日本とドイツ、台湾との大きなかけ橋となることを期待しております。 県教育委員会といたしましては、本県ならではの新たなグローバルな学びの場を通し、未来を担う若者が豊かな感性とコミュニケーション能力を身につけ、地域や国際社会の一員として、日本そして世界を舞台に活躍する真のグローバル人材の育成に全力で取り組んでまいります。   (寺井議員登壇) ◆二十一番(寺井正邇君) それぞれ御答弁をいただきました。 吉野川治水・利水対策について御答弁をいただきました。 早明浦ダムや池田ダムが運用を始めた後の吉野川の現状を申し上げますと、洪水時、相も変わらず本県には、田畑はもとより家屋までのみ込むような濁水が流れてまいります。しかし、香川県にはこの濁水は流れず、清らかな水だけが流され、洪水におびえることはありません。 一方、渇水時、早明浦ダムが異常な渇水に見舞われたとき、愛媛県は真っ先に銅山川の水を流すべきであり、これが吉野川からの恩恵を得ている上流の県として、常に洪水に悩まされ多大な費用負担などを強いられている本県に対してとるべき姿であると考えます。 改めて香川県、愛媛県には、両県の利水は本県の洪水被害の上に成り立っていることを十分に認識していただきたいと思う次第であります。 そこで、知事を初め理事者の皆様には、ぜひこうした考えのもと吉野川の治水・利水対策に臨んでいただくことを強く求めさせていただくとともに、県民の皆様にも、この大切な吉野川についてもう一度思いをいたしていただきたいと考えます。 農産物の生産拡大につきましては、とくしまブランド推進機構という新たな取り組みによる東京へのさらなる進出には大いに期待を寄せるものであります。 ここで、知事に一点要望がございます。 本県の農産物の販売は、古くは藍の商いの時代から経済的交流が密接であった京阪神地域を中心に行われ、大阪市場で一位という地位を確立してまいりました。しかし、近年では、北海道、長野、和歌山に次ぐ第四位となっております。いま一度原点に立ち返り、これまでの本県の野菜産地を育てていただいた京阪神市場への販売強化を行い、足元をしっかりと固めることが必要ではないでしょうか。 そこで、とくしまブランド推進機構の取り組みを契機に、関東への新たな展開、関西での首位奪還をスローガンに掲げ、吉野川を初め清らかな風土に恵まれた安全で安心な農産物を増産し供給することにより、名実ともに日本の台所を任される産地づくりをお願いしたいと考えております。私も精いっぱい協力いたしますので、ぜひよろしくお願いいたします。 農業水利施設の老朽化、長寿命化対策につきましては、これまでの対策に加え、基幹から末端までの水利施設を一連の施設として捉えた新たな取り組みも進めるとのことでございますが、計画的に補修、補強することは、農業用水の安定供給や施設の維持管理費の軽減につながる有効な取り組みであると考えます。また、TPP協定の発効に向け、知事の言われる一歩先の未来のために、競争力の強い農業の実現を図るためにも、農業水利施設の長寿命化対策が重要であると考えますので、今後ともしっかりと取り組んでいただきたいと思います。 小規模企業の振興については、中小企業振興条例を改正し、さらなる施策展開を図るとの御答弁をいただきました。 私の地元でも、六次産業化に取り組んでいる農家の方がいらっしゃいます。このような前向きな取り組みを応援することが、地域の活性化、ひいては徳島の地方創生につながりますので、条例改正を契機に、ぜひとも小規模企業の振興に努めていただきたいと要望いたします。 また、新たに輸出に取り組む小規模企業への支援については、柔軟な支援制度が用意されているということで、ぜひきめ細やかな支援をお願いしたいと思います。 県下では、徳島ならではの地域資源を利用した個性的な商品が次々に生まれておりますが、県ができる、県に期待したい役割はもう一つ、県が音頭をとることによる統一的なブランディングであります。ぜひ世界にも通用するブランド化を進めていただき、事業者の製品やビジネス展開を大いにバックアップするという視点から事業者や地域の産品を支援してもらいたいと思います。 市町村総合戦略の本格展開に対する支援については、市町村への人的支援と財政的支援により、市町村の創意工夫を積極的に支援していく姿勢が示されました。どうか県においては、市町村の総合戦略が住民皆様にしっかりと評価されるよう力を尽くしていただきたいと思います。 徳島県奨学金返還支援制度につきましては、この制度が多くの優秀な若者を県内に呼び込み、農業を初めとする本県産業の発展にも寄与する制度になることを期待しておりますので、今後も効果的な制度の運用をお願いいたします。 水素元年の成果につきましては、これまでの産学官を挙げて取り組んでこられたたまものであると敬意を表したいと思います。 今、地球温暖化対策は待ったなしであります。水素は遠い未来のエネルギーではなく、県民の皆様の新しいエネルギーとなるべく、今まさにそのスタートが切られたところであります。県におきましては、全国に誇れる環境首都・新次元とくしまの実現に向けて、水素エネルギーのなお一層の普及にしっかりと取り組んでいただきたいと思います。 グローバル人材の育成については、佐野教育長より、豊かな感性とコミュニケーション能力を身につけた、日本、世界で活躍する真のグローバル人材育成に全力で取り組んでいくとの力強い御答弁がありました。 人材育成には実践的で質の高い教育が不可欠であり、高校生のジュニア観光ガイドの育成や、ドイツや台湾との学校間交流に力を入れていくとのことであります。 教育委員会には、我が国の未来を担うすばらしい人材の育成に引き続きしっかりと取り組んでいただきたいと思います。 さて、小説「奇貨居くべし」の中では、孫子のこのような言葉も記されております。功はおかざるにあり。本当の成功とははるかかなたにあると同時に、今ここにある。おかざるということは、捨てないとかやめないということで、持続する今がなければ未来の成功はないという意味の言葉であります。 御承知のとおり、今、農業を初め本県を取り巻く環境は大きな転換期、かつ正念場を迎えております。一歩先を見据えた徳島の未来も、今があってこそのものであります。 徳島の未来のために、知事を初め理事者、職員の皆様方にはさらなる御努力をお願いするとともに、私自身精進を重ね、今後とも県民の皆様の声をしっかりと代弁していく決意を新たにいたしまして、全ての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)   ──────────────────────── ○議長(川端正義君) 以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。   ──────────────────────── ○議長(川端正義君) 本日は、これをもって散会いたします。      午後四時二十五分散会   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━...