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  1. 徳島県議会 2012-11-29
    11月29日-02号


    取得元: 徳島県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-17
    平成24年11月定例会   平成二十四年十一月徳島県議会定例会会議録(第二号) 平成二十四年十一月二十九日    午前十時三分開議      出席議員計三十九名          (その番号・氏名左のとおりである)     一  番     岡     佑  樹 君     二  番     藤  田  元  治 君     三  番     有  持  益  生 君     四  番     笠  井  国  利 君     五  番     中  山  俊  雄 君     六  番     長  池  文  武 君     七  番     元  木  章  生 君     八  番     南     恒  生 君     九  番     岸  本  泰  治 君     十  番     丸  若  祐  二 君     十一 番     寺  井  正  邇 君     十二 番     喜  多  宏  思 君     十三 番     三  木     亨 君     十四 番     岡  田  理  絵 君     十五 番     黒  崎     章 君     十六 番     松  崎  清  治 君     十七 番     達  田  良  子 君     十八 番     木  南  征  美 君     十九 番     川  端  正  義 君     二十 番     岡  本  富  治 君     二十一番     樫  本     孝 君     二十二番     杉  本  直  樹 君     二十三番     岩  丸  正  史 君     二十四番     重  清  佳  之 君     二十五番     嘉  見  博  之 君     二十六番     臼  木  春  夫 君     二十七番     黒  川  征  一 君     二十八番     扶  川     敦 君     二十九番     古  田  美 知 代 君     三十一番     西  沢  貴  朗 君     三十二番     竹  内  資  浩 君     三十三番     北  島  勝  也 君     三十四番     児  島     勝 君     三十五番     森  田  正  博 君     三十七番     来  代  正  文 君     三十八番     庄  野  昌  彦 君     三十九番     大  西  章  英 君     四十 番     長  尾  哲  見 君     四十一番     森  本  尚  樹 君   ────────────────────────  出席職員職氏名     事務局長     後 藤 田     博 君     次長       木  村  輝  行 君     議事課長     日  関     実 君     政策調査課長   宮  田     憲 君     議事課副課長   矢  野  憲  司 君     政策調査課副課長 仁  木     幸 君     議事課係長    森  内  悠  子 君     議事課係長    松  永  照  城 君     主任       藤  井  康  弘 君     主任       河  口  真 一 郎 君     主任主事     柏  原  い つ か 君   ────────────────────────  列席者職氏名     知事       飯  泉  嘉  門 君     副知事      齋  藤  秀  生 君     政策監      熊  谷  幸  三 君     企業局長(県土整備部長事務取扱)              海  野  修  司 君     病院事業管理者  片  岡  善  彦 君     政策監補     小  森  將  晴 君     危機管理部長   納  田  盛  資 君     政策創造部長   八  幡  道  典 君     経営戦略部長   豊  井  泰  雄 君     県民環境部長   妹  尾     正 君     保健福祉部長   小  谷  敏  弘 君     商工労働部長   酒  池  由  幸 君     農林水産部長   吉  田  和  文 君     会計管理者    三  宅  祥  寿 君     病院局長     黒  川  修  平 君     財政課長     坂  本  隆  哉 君     財政課副課長   香  川  和  仁 君   ────────────────────────     教育委員長    佐  藤  紘  子 君     教育長      佐  野  義  行 君   ────────────────────────     人事委員長    小  巻  真  二 君     人事委員会事務局長安  宅  恒  夫 君   ────────────────────────     公安委員長    前  田  和  正 君     警察本部長    吉  岡  健 一 郎 君   ────────────────────────     代表監査委員   西     正  二 君     監査事務局長   山  田  昌  俊 君   ────────────────────────  議 事 日 程   第二号 平成二十四年十一月二十九日(木曜日)午前十時開議 第一 議席の一部変更 第二 議案自第二十八号至第三十三号、計六件 (提出者説明) 第三 県政に対する一般質問         (四   名)   ──────────────────────── ○議長(樫本孝君) これより本日の会議を開きます。   ──────────────────────── ○議長(樫本孝君) 日程に入るに先立ち、諸般の報告をいたします。 知事から、お手元に御配布のとおり、議案の提出通知がありましたので、御報告いたしておきます。 諸般の報告は以上であります。   ──────────────────────── ○議長(樫本孝君) これより本日の日程に入ります。 日程第一、「議席の一部変更」を行います。 議員の欠員に伴い、三十六番議席を空席とし、欠番とするため、議席の一部変更をお手元に御配布の「議席変更表」のとおり行います。   ──────────────────────── ○議長(樫本孝君) 次に、日程第二、「議案第二十八号・職員の給与に関する条例の一部改正についてより第三十三号に至る計六件」を議題といたします。 以上の六件について、提出者の説明を求めます。 飯泉知事。   (飯泉知事登壇) ◎知事(飯泉嘉門君) 本日、追加提出いたしました案件は、いずれも給与関係の条例案六件であります。 まず、議案第二十八号、議案第三十二号及び議案第三十三号につきましては、人事委員会勧告に基づき、五十五歳を超える職員の昇給制度の改正を行うものであります。 次に、議案第三十一号につきましては、職員給与の臨時的削減について、厳しい財政状況のもと、県民サービスの著しい低下を防ぎ、持続可能な財政構造の実現に取り組むため、来年度におきましても、現行の減額率による削減を継続することとするものであります。 また、議案第二十九号及び議案第三十号につきましては、現在二五%の減額を行っている私を初め特別職の給与等の減額措置につきましても、引き続き実施することであります。 十分御審議くださいまして、原案どおり御賛同賜りますよう、どうぞよろしくお願いを申し上げます。   ──────────────────────── ○議長(樫本孝君) 次に、日程第三、「県政に対する一般質問」を行います。 通告がありますので、通告の順序に従い発言を許可いたします。 二十二番・杉本直樹君。   〔藤田(豊)議員出席、出席議員計四十名となる〕   (杉本議員登壇) ◆二十二番(杉本直樹君) 散髪に行ってきました。ごらんのとおり頭の外側はぴかぴかに磨くことができましたが、残念ながら中身を磨くことはできません。少々古くてさびておりますが、それなりに努力していきたい、努力のみを評価していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 なお、このたびは県民会議を代表させていただいております。チャンスをお与えくださいました竹内会長さん初め、会派の皆様方にまずは御礼を申し上げたいと思います。 また、前三問は会派、県民会議の質問でございます。御理解をいただきたいと思います。 また、質問が盛りだくさんになっておりまして、私も一生懸命に走ってみたいと思っておりますが、知事さんもマラソンが得意でございますので、おつき合いのほどよろしくお願い申し上げておきたいと思います。 それでは、内閣府が昨日発表しました十一月の地域経済動向では、全国十一地域の全ての景気判断を下方修正いたしました。全地域の引き下げは、リーマンショックの影響を受けた平成二十一年二月調査以来であります。同時に、四国においても個人消費が減速するなどしており、「弱含んでいる」に引き下げられたところであります。 また、過去、日本経済を牽引してきたパナソニックを初めとする家電業界、ホンダ等の自動車業界などの中間決算も、今回の景気判断を象徴するかのように苦戦をあらわすものとなっております。 加えて、我が県は、厳しい財政事情の中、南海トラフ巨大地震を初めとする防災対策が急がれるところであります。 このような中、知事は、平成二十五年度の予算編成方針を十月十九日に示されました。現在、各部局において編成作業が進んでいると思いますが、我々県民会議といたしましても、九月に防災減災対策経済雇用対策を柱とする次年度の予算編成に向けた提案、要望をさせていただきました。 そこで、平成二十五年度の予算編成についてお尋ねいたします。 まず、今回の予算編成において、誰もが夢と希望を持って将来を語ることができる社会の実現に向け施策を重点的に展開していくとし、既成概念にとらわれない進化する予算編成だと言われております。しかし、予算編成方針を見る限り、まさに財源の捻出や歳出の削減といった財政運営面だけに焦点が当たっており、現下の厳しい経済雇用情勢にもかかわらず、経済対策について言及がありません。 また、南海トラフ巨大地震対策を初めとした防災減災対策については、予算編成方針の中で、公共事業の質を転換し防災減災対策へ軸足をシフトするとされていますが、実際には、防災減災対策は幅が広く、現在のように県の財政事情の厳しい中では、全てに満足のいく対策を同時に行うのは非常に厳しい状況だと思います。 そこで、本県の経済雇用情勢南海トラフ巨大地震対策を初めとする防災減災対策などの諸課題について、知事はどのような認識で平成二十五年度当初予算編成に当たろうとなされているのかお尋ねします。 次に、現在、どのテレビや新聞を見ても間近に迫った総選挙の話題が連日大きく取り上げられておりますが、実は、年末を控え、中小企業の皆さんにとって気が気でない問題が間近に迫っております。それが、来年三月が最終期限と言われている金融円滑化法であります。 この問題は、県内中小企業の生死を左右する喫緊の最重要課題との認識から、我が会派の代表質問でも六月、九月とそれぞれ取り上げてきたところであります。県では、こうした質問を踏まえ、国に対する緊急提言や経済団体と連携した支援体制の強化などの取り組みを行っておられることに感謝いたしておりますが、しかしながら、経済界から厳しい声があるにもかかわらず、国においては、今月、金融担当大臣が法延長はないとの前提で、金融機関向けの談話を発表しております。 一方で、景気というと、ことし七月から九月のGDPがマイナス成長に転じ、景気後退が数字の上でも鮮明になったところであります。さらに、このたびの衆議院解散により、本格的な経済対策補正予算は棚上げされ、当初予算編成も越年が必至となっております。国における追加支援が見込めない状況で、果たして年が無事に越せるのか、中小企業の不安は募る一方であります。 このため、去る開会日には、我が会派の岡本議員を初め、県内の経済団体四団体の代表の皆さんから知事に対し、金融円滑化法の延長に向けた国への政策提言を引き続きお願いするとともに、県内中小企業の皆さんが何とか踏ん張り、事業を継続していくことができるよう、さらに資金繰りを初め、経営改善を図るための施策を早急に打ち出していただけるよう要望活動が行われたところであります。事態は急を要しております。年末までに何らかの対策を打ち出さないと、幾らどう頑張ってももうだめだということで、会社を畳み、年末倒産が急増するおそれもあります。 そこで、早急に対策を打ち出すべきと考えますが、知事の御所見を承りたいと思います。 昨年三月十一日に発生した東日本大震災では、津波が陸域に襲来するさまが映像で流れ、死者、行方不明者が合わせて二万人を超える悲惨な状況が全国に伝わったこともあり、多くの徳島県民が南海地震による津波と重ね合わせ、大変な脅威を感じています。 また、本年三月三十一日には、南海トラフを震源とする巨大地震における震度分布や津波高が国から公表され、大きな津波高に加え、内陸部の市町村においても震度七が想定されるなど、本県における震災対策の必要性や緊急性を強く実感したところであります。 県においては、震災直後から、これまでの防災だけでなく新たに減災の視点を加えた地震津波対策について、できるものから前倒しして進めているところと考えておりますが、対策に当たっては早過ぎるということはなく、さらに加速する必要があると考えております。 こうした中、九月の中央構造線活断層帯に係る活断層図や先月末の最終的な津波浸水想定の公表、さらには、今議会に県から提案された徳島県南海トラフ巨大地震等に係る震災に強い社会づくり条例、そして徳島県震災対策基金条例により、今後の徳島県における震災対策の基礎となるものが整ったんでないかと考えておるところであります。 そこで、お伺いいたします。 徳島県の将来にわたっての発展に不可欠となる震災対策をどのように進めていくのかお伺いいたします。 これまでが県民会議としての質問でございます。よろしくお願いいたします。 次に、前向きな話題をいたします。 林業の振興についてであります。 今回、徳島県県産材利用促進条例が提案されております。いよいよ本県の森林資源が充実し、利用ができる時代が来たことに感慨深いものがあります。反面、まだ中山間地域に人が多くいた時代にこの状況があればまた違った展開となっていたのでないかと複雑な思いもいたしております。 これまでは、県では、林業の再生から飛躍、そして次世代林業プロジェクトにより路網の整備や先進林業機械の導入、担い手の育成や間伐材のB級材、C級材といった低質材は合板や木質ボードの原材料に回すなど、その流通加工体制の確立をしてきました。その結果、森林所有者にも販売代金の一部が還元され、長年森林を経営してきた者に明るい兆しが出てきているのではないかと実感いたしております。 また、今年度には、県産材の需要拡大に力を入れていただき、四月には木材利用創造センターを創設し、新たな商品開発や木材利用の人材の育成を図ることとしております。 私といたしましても、森林資源の充実や県産材の利用を促進する今回の条例の制定を一つのきっかけに、徳島県の林業がこれまで以上に振興し、あわせて中山間地域のみならず県全体が活性化してもらいたいとの気持ちでいっぱいであります。私も、林業家として、この条例に多大な期待をいたしているところであります。 知事は、九月議会で、木材の需要拡大なくして林業の復権なしとの理念のもと、今回の条例の制定をきっかけに、今後は積極的に県産材の需要拡大に取り組んでいくとの方針を示されました。 しかしながら、今後、間伐から主伐に転換し、大量に生産された木材を消費し、また造林し、資源を循環させていく本来の林業の姿を取り戻すためには、A級材、すなわち柱、はり、桁などの住宅用部材となる良質材の需要拡大なくして将来の徳島の林業の姿を描くことはできないとの強い思いがございます。A級材の需要拡大をすることにより、県民の皆さんにはもっと本来の徳島すぎのよさを感じていただき、そして森林所有者が納得する木材価格の形成も図られるものと確信するものであります。 知事は、今議会の所信で、県産材の利用拡大と加工体制の発展、強化を積極的に推進していくことを表明されております。今後は、条例による県産材利用の拡大に取り組んでいただき、A級材の需要拡大にも取り組んでいってもらいたいと考えております。 そこで、お伺いいたします。 県産材の利用拡大を進めるに当たり、良質材、いわゆるA級材の加工体制の強化対策にどのように取り組むのか、御所見をお伺いいたします。 なお、全国に先駆けた本県のこうした取り組みをさらに全国に広めていくため、今議会最終日に、地球温暖化対策を推進するための森林整備等に係る財源の確保を求める意見書を提出することといたしております。徳島県議会林業木材業振興議員連盟といたしましても、国に対し強くアピールしてまいりたいと考えておりますので、議員各位の御賛同をよろしくお願い申し上げます。 次に、県民の暮らしに大切な森林についてお伺いいたします。 最近の日本の森林林業を取り巻く問題といたしましては、目的が明らかでない森林の買収が話題に上がっております。こうした森林買収は北海道などで多く見られており、住民が大きな不安を抱えている事態となったことから、本年三月、水源周辺の森林の適正な利用を目指した水資源の保全に関する条例が制定され、その後、埼玉県や群馬県においても相次いで制定がなされたところであります。 一方、本県の森林に目を向けてみますと、私有林が森林面積の大部分を占めております。かつて、木材価格が高く、価格上昇が貸付金利を上回るといった景気のよかりしころは、こぞって森林を取得し、木材生産や造林にいそしんだものであります。 しかし、昭和三十年代、外材丸太の輸入の自由化が段階的に始まり、昭和三十九年には全面自由化となったことから、次第に価格の安い外材丸太に押され国産材の価格が下落し、経営が成り立ちにくくなったことから、林業は衰退し、森林の価格も下がってしまいました。現在の森林の取引価格は大変安くなっております。少しの資本があれば、いつ何どき誰にでも買われておかしくない状況にあります。 我々日本人は、いにしえより、先祖代々、山林を受け継ぎ、資産の形成のみにとらわれることなく、誰もが安心して暮らせるよう水資源の保全や災害防止にも貢献するという使命感や責任感を持って森林を管理してまいりました。この結果、日本の森林は、今日、世界に類を見ない成熟した宝の山となったところであります。だからこそ、今後新たに森林所有者となった者は、先人の苦労に思いをいたし、森林を守り育てていく責務を負わなければなりません。 国による法整備が進まない中、もし今、無秩序に徳島の森林が買われ、水資源の独占や大規模伐採が進められることになれば、地域住民の生活に必要な水資源は枯渇し、山地災害も発生し、瞬く間に県民の安全・安心な暮らしが失われることになります。 こうしたことから、未来の県土を守るため、まずは徳島県からその大部分を占める森林から守っていくことが大変重要であると考えております。 そこで、お伺いいたします。 今後も県民の暮らしに大切な森林をしっかりと守っていくために、森林を守る条例の制定に取り組むべきでないかと考えますが、御所見をお伺いいたしたいと思います。 御答弁をいただいて、質問を続けさせていただきます。   (飯泉知事登壇) ◎知事(飯泉嘉門君) 杉本議員の御質問に順次お答えをさせていただきます。 まず、平成二十五年度当初予算編成について御質問をいただいております。 現在、我が国は、百年に一度の経済危機真っただ中に起こりました千年に一度の大震災、さらにはこれに追い打ちをかける歴史的な円高や不安定な海外情勢によりまして、日本全体がいまだ閉塞感に覆われている状態にあります。 本県をめぐる経済情勢も、日銀徳島事務所が十一月一日に発表いたしましたレポートでは、県内の景気判断が下方修正されており、特に雇用情勢の厳しさが増しておりますことから、本県の経済、雇用を何としても守るんだとの決意のもと、引き続き切れ目のない経済雇用対策を講じていく所存であります。 また、南海トラフの巨大地震を初めとする地震津波対策につきましては、去る十月三十一日、本県独自の最終的な浸水予測となります徳島県津波浸水想定を公表したところであります。 さらには、今議会におきまして、南海トラフの巨大地震に備える条例としては全国初となります徳島県南海トラフ巨大地震等に係る震災に強い社会づくり条例と、今後の対策の財源となる徳島県震災対策基金条例を御提案させていただいているところであります。 条例元年に当たる来年度におきましては、巨大地震や津波を迎え撃ち、震災時の死者ゼロの実現に向けた対策をより一層加速していく必要がある、このように認識いたしているところであります。 このような認識のもと、平成二十五年度当初予算の編成に当たりましては、例えば公共事業につきましては、その質を大胆に転換し、防災減災対策へと軸足をしっかりとシフトしつつ、同時に、経済雇用対策としての相乗効果も得られますよう、一石二鳥ならぬ三鳥、四鳥は当然のこと、歳出の中に歳入を見出すといった事業効果を最大限に発揮できる施策の構築に創意工夫を凝らしてまいりたいと考えております。 今後、議員お話しの防災減災対策、そして経済雇用対策を柱とする次年度予算編成に向けた御提案、御要望を十分踏まえながら、これら喫緊の最重要課題にしっかりと対応し、若者を初め、県民の皆様方に夢と希望を実感していただける宝の島・とくしまの実現を目指し、より重点化し、より効果的な施策を盛り込んだ平成二十五年度当初予算の編成に向け、あらゆる英知を結集してまいりたいと考えております。 次に、金融円滑化法期限切れに対して早急に対策を打ち出すべき、御提言をいただいております。 リーマンショックから四年を経て、今なお我が国経済は長期化するデフレや歴史的な円高によります産業空洞化の加速、そしてアジア諸国の台頭による競争力の低下など、一層厳しさを増す状況にあり、特に本県を初め地方の中小企業におきましては、極めて深刻な状況にあります。 また、経済危機への緊急対策として措置され、今日まで中小企業の資金繰りを支えてきた中小企業金融円滑化法、こちらが来年の三月末をもって期限切れとなる見込みでありまして、このままでは全国では三割、地方では五割の企業が谷底へ突き落とされる、米国の財政の崖ではない、日本企業の崖が目前に迫っているところであります。 このため、全国知事会議におきまして、この危機的状況を訴え、一定期間の延長へと議論を集約させるとともに、国や政党に対しまして一定期間の延長を求める政策提言を再三にわたり実施してきたところであります。 加えて、平成二十六年四月から消費税が引き上げられることとなり、下請企業や小売業など増税分を価格転嫁できない企業におかれましては不安感や閉塞感が高まっておりますことから、法延長について、予算措置を伴わない有効な対策として緊急経済対策への盛り込み、また衆議院選挙に向けた各政党の公約への反映を目指し、政治的判断を強力に訴え続けてきたところであります。 こうした中、去る二十六日には、県内経済四団体の皆様方から、法延長とあわせ、資金繰りを初め、経営改善を図るための対策を早急に打ち出すようにとの御要望をいただいたところであります。 また、期限切れとなる来年の三月末以降の問題ではなく、返済猶予を受けた企業の倒産が既に全国で急増しているとの報道もあり、これから年末を迎えるに当たりまして、中小企業の資金繰りが手詰まりを起こせば年内倒産の急増という事態に陥る、一刻の猶予もなされない状況にあるところであります。 そこで、国の対応を座して待つのみではなく、頑張る企業を何としても守るんだとの強い信念のもと、経営、金融両面におきまして一体的な支援を行う県独自の緊急対策を、今議会中の追加提案を視野に入れ、早急に取りまとめてまいりたいと考えておりますので、議員各位の御理解と御支援、御協力をぜひよろしくお願い申し上げたいと存じます。 次に、徳島県の将来にわたっての発展に不可欠となります震災対策をどのように進めていくのか、御質問をいただいております。 東日本大震災の被災地における本格復興への遠い道のりを鑑みますと、南海トラフの巨大地震や中央構造線活断層帯を震源といたします直下型地震による被害の発生が懸念される本県といたしましては、今を生きる我々のみならず、子々孫々への責務といたしまして、県民一丸となり継続的に地震津波対策に取り組むための仕組みが不可欠である、このように認識いたしているところであります。 このため、自助、共助、公助の役割を明確にし、実効性のある土地利用の適正化を盛り込んだ全国初となる徳島県南海トラフ巨大地震等に係る震災に強い社会づくり条例とともに、円滑な震災対策の実施に対し見える形で財源確保を図る徳島県震災対策基金条例につきまして、今議会に提案させていただいております。 今後、この二つの条例を両輪といたしまして、長期的な視点から土地利用の適正化を図るための津波災害警戒区域や特定活断層調査区域などの速やかな指定に努めますとともに、将来に向けた新たなまちづくりをしっかりと見据えた土地利用規制の緩和についても大胆に進めてまいりたいと考えております。 また、木造住宅や災害拠点施設などの耐震化、ハザードマップや避難計画の策定、命の道となる緊急輸送路を初めとする社会資本の整備など、ハード、ソフト両面の対策を盛り込みました「とくしま-〇(ゼロ)作戦」地震対策行動計画の取り組みをより一層加速してまいりたいと考えております。 これらの取り組みを通じ、震災時の死者ゼロを実現するため、県を挙げて、いかなる震災にも正面から立ち向かい、真に震災に強い社会づくりを強力に推進してまいりたいと考えております。 次に、県産材の利用拡大を進めるに当たり、良質材、いわゆるA級材の加工体制の強化対策にどのように取り組んでいくのか、御質問をいただいております。 本県では、恵まれた森林資源を背景といたしまして、間伐から主伐の時代への対応をしっかりと見据え、県産材の生産、消費の倍増を目指す次世代林業プロジェクトに取り組んでいるところであります。 また、今議会におきましては、県を挙げての木材利用を前面に打ち出しました全国初となる徳島県県産材利用促進条例、こちらを提案させていただいているところであります。この条例では、議員御提案のA級材を含めました県産材の加工及び流通体制の整備につきましても規定し、県産材の供給安定化を図ることといたしているところであります。 これまでの徳島すぎのA級材につきましては、その色合いや香りから住宅の内装材としての評価が高く、県内の製材工場では板材での製材加工が定着し主流となっているところであります。さらに、B級材、C級材といったいわゆる低質材は、合板や木質ボードの材料として、根元からこずえまで木材をくまなく利用する徳島ならではの加工体制をしっかりと構築してまいります。 しかしながら、今後、次世代林業プロジェクトを着実に推進していくためには、主伐によりまして増産されたA級材を、議員からもお話のあります住宅の柱、はり、桁などの構造材として加工、流通させる体制の整備が急がれるところであります。 このため、本県の構造材加工の強化対策といたしまして、住宅資材に関し全国トップクラスの販売網を有し、横浜市に本社を置くナイス株式会社との間で工場立地に向けた協議を現在進めているところであります。この工場の進出が実現いたしますと、A級材からC級材までを対象とした根元からこずえまでの加工体制がさらに強化されますとともに、新たな流通ルートも確保されることとなります。加えて、立地の候補地であります小松島市を初め、本県の経済、雇用の拡大にも資するものとして大いに期待いたしているところであります。 今後とも、徳島の宝であります森林資源を生かす次世代林業プロジェクトを加速させ、全国をリードする森林大県徳島の礎を確固たるものとしてまいりたいと考えております。 次に、森林を守る条例の制定に取り組むべきではないか、御提言をいただいております。 県民の皆様方の安全・安心な暮らしを守っていく上で、水資源の確保や大規模伐採によります山地災害を防止する森林保全管理対策は急務である、このように認識いたしているところであります。 そこで、県では、水源の涵養を初めといたします公益的機能の高度な発揮が求められる森林を中心に、林業公社や市町村によります公有林化や管理受託によります公的管理などを強力に推進いたしているところであります。 また、国に対しましても、国民共通の財産であります森林を守りますため、公有林化を支援する制度創設の積極的な提言を繰り返し行ってきているところであります。 しかしながら、本県森林の約八割を占める私有林は、所有者の高齢化や相続などによりまして森林の所在地と異なる市町村に居住されておりますいわゆる不在村所有者が有する森林面積が増加しているところでありまして、管理が不十分な森林の拡大によります公益的な機能の低下が大変懸念されますことから、これまでの取り組みだけでは限界があるものと、このように認識するところであります。 このため、議員からの御提案にあります森林を守る条例の制定につきましては、その必要性を十分に認識いたしているところであります。 条例の制定に当たりましては、本県の実態をしっかりと踏まえながら、森林所有者、林業関係者、そして行政が一体となった保全管理を目指し、森林取引の実態把握や無秩序な森林買収の防止、森林所有者の責務の明確化、公有林化や公的管理の一層の推進なども位置づけてまいりたいと考えております。 そこで、森林や水資源などさまざまな分野の有識者の方々に御参加をいただく第三者委員会を年度内に立ち上げ、あらゆる角度から早急に検討を進めてまいりたいと考えております。 今後、森林を守る条例につきましては、県議会での御論議はもとより、広く県民の皆様方に御意見を賜り、森林が育む安全・安心な暮らしを次世代へとつなぐ徳島ならではのものといたしますよう、全力を傾注してまいりたいと考えております。   (杉本議員登壇) ◆二十二番(杉本直樹君) 会派質問の経済問題は、大げさに申しますが、本当に今の政府がこの状態であれば、困った人々は知事さんにしか頼るところがないわけです。岡本商工会連合会会長と連絡を密にして、適切な支援をお願いいたしたいと思います。よろしく。 震災については、私の意見でございますが、先ほど仕組みというお言葉がございました。その仕組みの中に、県の職員さんを東日本の被災地に送ってはどうですか。現場のよくわかったプロの職員を育てることがまず肝要でないか。いよいよ優先順位を決めて取りかかっていかなければならないときに来て、アマチュアや評論家が余りにも多過ぎますと、船山の例えになるんではないかと心配いたしております。 県産材の利用促進については、感謝を申し上げます。これまで出口がなかったのです。入り口の私たちも、これで安心して仕事に励むことができます。本当にありがとうございます。 過去に、杉を植え過ぎた、杉を切ってブナ林にしろ、それが緑のダム、根拠のない理論がまことしやかに通った時代がありました。わずか十年前です。その緑のダムで知事さんができ、この場に立っていたんです。情けない時代でございました。何もかも投げ捨てたいような気持ちの毎日が続きました。 飯泉知事さんは、森林を資源として捉え、政策を的確に打っていただいております。ありがとうございます。ナイス株式会社は木材業界では最大手、特に木材の流通に強い会社と私どもは聞いております。山元の我々は、できる限りの御協力を申し上げなければと決意を新たにいたしております。 森林を守る条例でございますが、これは先手必勝、世界の木材ブローカーは、北半球での針葉樹はこれからは日本だと、日本の森林だというのは常識になっております。また、地球の人口がふえていく中で、食料よりまず先に水が資源だと、そんな考え方が定着してきております。水の島日本、これも常識でございます。年度内、大変ありがたい言葉がございました。竹島や尖閣列島のように後手にならないようお願いを申し上げたい。県ができれば、町村はまたそれに準じて条例をつくっていくだろうと思います。より密度の高い条例になれば守れるんでないかと、そのように想像はします。よろしくお願いいたします。 次に、国民文化祭の成果の継承と発展についてであります。 九月一日から始まった全国初、二度目の国民文化祭が大詰めを迎えております。今回は、平成十九年度のおどる国文祭以降に本県が取り組んできた文化振興の集大成ということで、文化の力でまちづくりをテーマに、四大モチーフや県内各地の文化資源を活用した多彩な催しが展開されております。 私の地元那賀町においては、かつては百カ所以上もの農村舞台において人形浄瑠璃公演などが盛んに行われていたのですが、だんだん廃れていたところ、県や地元の皆さんの取り組みにより、ここ数年の間に旧上那賀町の拝宮農村舞台や川俣農村舞台、旧木頭村の北川舞台、旧相生町の八面神社農村舞台が相次いで復活いたしました。あわせて丹生谷清流座という地元青年団による新たな人形座も立ち上がり、そうした取り組みがマスコミなどを通じて発信されることにより、今や地域の誇りともなってきております。 ことしの国民文化祭でも、町内各所の農村舞台において人形浄瑠璃公演が開催されております。大勢の方々が訪れております。これら那賀町ならではの取り組みは、地域の一体感の醸成や交流人口の増加にもつながるなど、今後における集落再生の処方箋の一つとなり得るものであります。 こうした成果はもちろん地域住民の頑張りや関係者の力があってのことですが、おどる国文祭を契機に、飯泉知事の強いリーダーシップのもと、継続的な文化振興に力を入れてきた県の取り組みの成果でもあると考えております。県議会においても、全国初の二度目の国民文化祭の開催を契機にして、私が座長となった検討会議を立ち上げ、本県の文化振興をさらに図るため、条例の制定について検討を重ねているところであります。 そこで、お伺いいたします。 県においては、財政状況が厳しい中ではありますが、二度目の国民文化祭を機に、農村舞台を初めとする徳島ならではの文化資源を活用する取り組みをさらに進めるべきであると考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、過疎対策についてお伺いいたします。 県では、知事を会長として関係市町村長や有識者らで構成する新過疎対策戦略会議を全国に先駆け設置し、地域の振興に真に必要な制度改革や支援策などについて検討されているところであります。この会議において、知事さんには、私が長年申し上げてきた野生鳥獣害対策に向けた狩猟者の確保や生活用水の確保に向けた財政支援の拡充など、過疎地域の抱える深刻な問題の解決策を国への提言として取り上げていただいております。お礼を申し上げます。また、日本一の木頭ゆずにつきましても、このたび年間売り上げ四兆円を超える日本第二位の大手スーパーと那賀町、農協、県との間で木頭ゆずに係る協定が締結されました。イオンは、木頭の黄玉のゆず販売はもとより、木頭ゆずの酢を使った加工品の開発を進めていくという運びとなっております。この動きは、県がイオンに木頭ゆずを紹介し、地元関係者との意見交換会、さらにユズの勉強会を進め、関心を持っていただいた結果であります。御尽力いただき、南部総合県民局の皆さんに改めて感謝を申し上げる次第でございます。私もイオンの執行役員さんから木頭ゆずのチューハイの開発を進めていただくとのお話を聞き、いささか、少々、大分酒をたしなむ私としては大変に期待しているところでございますが、ゆずばあちゃんも大変に喜んでおります。知事さんにもぜひよろしくお伝えくださいとのことでございます。 こうした明るい話ばかりだと大変よろしいのですが、私のかねてからの思いを少し述べさせていただきます。 私の地元では、野生鳥獣により畑が荒らされて、鹿の体についたヤマビルが農作業の妨げとなる事例も発生してきております。県を挙げた真剣な鳥獣害対策が必要となってきております。猿対策については、県下ではモンキードッグの育成が進んでいることは評価しておりますが、限られた頭数では過疎地域の広大な面積をとてもカバーし切れません。安全性の確保など検討すべき点があることは承知しているのですが、例えば犬の放し飼い特区のようなものを設け、野生動物の追い払いを実施できないかと常々思っております。 さらに、私の地元の那賀町では、移住交流推進のため、もんてこい丹生谷運営委員会が町出身者へふるさとの回帰、Uターンを呼びかける「もんてこい丹生谷」那賀町祭などのイベントを行っております。また、移住交流支援センターを設置し、ホームページでの空き家情報の提供や井本紙漉場などの移住・交流体験プログラムを行っており、那賀町への移住者は平成二十三年度には県内市町村では四番目に多い十人を数えています。しかしながら、町の予算は限られており、これら一つ一つの事業はまことに涙ぐましいばかりでありますが、効果はまだまだであり、課題が山積する状況にあります。そのため、市町村においては、多くの課題解決を目指したより効果の高い過疎対策が必要と考えております。 そこで、お伺いいたします。 県は市町村が行う過疎対策についてより積極的に支援を行う必要があると考えますが、知事の御所見を承りたいと思います。 南海トラフによる三連動地震と同様に、深層崩壊は近年、その危険性がクローズアップされてきております。今年九月、国土交通省が公表した深層崩壊に関する調査を見ますと、私の地元那賀川上流域は、全国的にも深層崩壊跡地が非常に多い地域となっています。九月議会の岡本議員の質問を聞き、勝浦のことと思っておりました。勝浦のことだけと思うとったんで、我がほうは関係ないと。岡本先生は住みにくいところに住んどんねと思っておりましたら、何と我がほうのことでございました。 目が覚めておりますが、事実、平成十六年の台風十号では、旧木沢村の大用知や阿津江、旧上那賀町の海川などで大規模な山腹崩壊が発生し、とうとい命や財産が失われました。河川内には大量の土砂が堆積するとともに、上流地域では浸水被害が発生しました。被害箇所においては既に対策が行われておりますが、海川谷川においては、それ以降にも土砂堆積が進んでおりますので、その対策についてはスピード感を持って取り組んでいただきたいと考えております。 さて、今回公表された深層崩壊の資料を見てみますと、那賀町には四段階評価の中で最も危険度が高いとされている渓流が二十カ所以上あります。一度深層崩壊が発生しますと、膨大な土砂が河川をせきとめ、道路の寸断によって上流の集落が長期にわたって孤立いたします。土砂ダムが決壊すると下流域は甚大な被害をこうむります。たとえ決壊しなくても、雨が降るたびに住民は避難しなければなりません。また、河川へ流入した土砂はダム湖などに堆積し、浸水被害や濁りの長期化など、二次災害や環境破壊を引き起こします。残念ながら、現在の科学や技術では深層崩壊の発生予知や防御が困難であるということも聞いておりますが、これまで実施してきた砂防事業などにより被害を軽減することができるものと考えております。 そこで、那賀川流域における土砂流入による治水、利水、環境面への影響を踏まえた総合的な土砂管理のあり方について、海川谷川の対策も含めて、県の所見をお伺いいたします。 最後に、那賀郡の道路整備についてお伺いします。 道路は、地域間交流の促進はもとより、豊かな生活を支援し、緊急時には命の道ともなる最も基本的な社会資本であります。しかし、道路整備予算は毎年減少しており、補助と単独を合わせた投資的経費は今や何と百五十億円ほどしかなく、整備箇所が厳選されるため、大変なペースダウンを余儀なくされております。 私の地元那賀郡の国道百九十五号には、かつて細川内ダム関連区間と呼ばれていた、いわくつきの未改良区間が残されております。先般、折宇トンネルが開通し、少しずつ事業が進捗している点は感謝いたします。重大な落石事故が起きた最も危険な平野-栩谷口の間は手つかずのままで、バイパストンネルの着手がいつごろになるのか全く不透明な状況であります。 また、今年二月の本会議でお尋ねした出合大戸バイパスにつきましても、現在工事中である出合橋の完成時期は明らかにしていただけませんでした。 さらに、長安口ダムのダムサイト付近には、見通しが悪く、大型車が対向できないトンネルや橋梁が手つかずのまま残されております。そこをダムの堆積土砂を運ぶダンプカーが連日のように走行するのですから、地域住民の生活道路は危険がいっぱいでございます。完成時期が明確であれば、それまでの我慢だと希望も持てますが、それさえ不透明では、町民の間には諦めムードが漂い始めております。これが県政の諦めに結びつくようなことは万が一にもあってはなりません。課題解決先進県を掲げる賢明な飯泉知事さんのことですから、既に対策を検討されているかもしれませんが、はたまた私の期待だけで終わってしまうのでしょうか。 そこで、お伺いいたします。 一般国道百九十五号線における西宇-折宇間と長安-出合間の未整備区間に対し、もっとスピード感を持って取り組むべきでないかと考えておりますが、進捗状況及び今後の見通しについてお伺いいたします。 御答弁をいただいて、まとめさせていただきたいと思います。よろしく。   〔庄野議員退席、出席議員計三十九名となる〕   (飯泉知事登壇) ◎知事(飯泉嘉門君) まず、全国初、二度目の国民文化祭を機に、徳島ならではの文化資源を活用する取り組みをさらに推し進めていくべき、御質問をいただいております。 平成十九年秋、おどる国文祭で盛り上がりました文化振興の機運、これを一過性に終わらせることなく、継承、発展させるため、平成二十年度に新たに文化立県とくしま推進基金を設け、毎年度ごとにテーマを定め、徳島ならではの四大モチーフ、阿波藍、阿波人形浄瑠璃、阿波踊り、そしてベートーベン「第九」の魅力を磨き、県内外に発信してまいりました。 議員地元の那賀町におきましても、おどる国文祭を契機といたしまして、ただいまそれぞれお話がございましたが、相次いで農村舞台が復活いたしますとともに、青年団の皆様方による新たな人形座が誕生し、住民の皆様方の自信や誇り、そして地域のきずなが生み出されるなど、その土地ならではの文化資源はまさにまちづくりにつながる重要な要素であることを確信いたしたところであります。 また、今回の国民文化祭では、これまでの取り組みの集大成といたしまして、文化の力でまちづくりをテーマとし、県下全二十四市町村を舞台とし、多彩な事業が展開されているところであります。中でも、次代を担う子供さんたちを初め、千人を超える県民の皆様が力を合わせた十月二十八日の総合フェスティバルにおきましては、吉野川の流れを縦軸に大型LEDスクリーンの機能を最大限に引き出す全国初の演出とともに、四大モチーフの融合、いわゆるコラボレーションによる新たな魅力を創造いたしまして、国内外に向け大いに発信するなど、あわ文化の力が遺憾なく発揮されたところであります。 こうした取り組みの成果を踏まえまして、市町村や文化団体、地域住民の皆様方との連携によりまして、農村舞台や阿波藍を初め、徳島ならではの文化資源を融合、コラボレーションやさらなる進化を図ってまいりたいと考えております。 今後、新たな文化資源の開拓、あわ文化の担い手となります次世代の育成、あわ文化の世界への情報発信、さらには地域の文化資源を活用した商品やサービスの開発によります経済面をも含めました地域の活性化などを基本戦略として、文化の力によるまちづくりを積極的に推進してまいりたいと考えております。 次に、県は市町村が行う過疎対策につきましてより積極的に支援をすべきではないか、御質問をいただいております。 本県過疎地域は、市町村数では約五割、面積では約七割を占め、著しい人口減少と高齢化に直面いたしており、祭りや伝統行事など地域文化の保存や継承、農作業における共同作業など集落機能を維持する活動を集落単独、独自で実施することが大変厳しい状況となってきております。 こうした課題に対応し集落を再生するためには、地域に応じた対策が大変重要であり、県におきましては、これまでも過疎地域の振興のため、県外の情報通信関連産業、いわゆるICT関連企業の事務所やクリエーターなどを呼び込みますとくしまサテライトオフィスプロジェクトを初めとする攻めの集落再生に現在取り組んでいるところであります。 過疎市町村におきましても、地域の自立促進の基本方針を初めといたします過疎地域自立促進計画を策定し、過疎対策に取り組まれているところではありますが、議員お話しのとおり、市町村が行う過疎対策をより有効に実施するためにも、県として頑張る市町村を支援していくことが不可欠である、このように認識するところであります。 県におきましては、地方の視点から処方箋を見出し、日本再生をリードする課題解決先進県を目指し、鳥獣被害対策の推進、県民防災力の強化、空き家対策の推進など、本県のみならず我が国全体が直面する課題の解決に向け、全庁を挙げ知恵を出し合い、部局横断で効果的な取り組みの検討を進めているところであります。 一方、市町村におかれましても、課題解決先進県を目指す県の取り組みと歩調を合わせ、過疎地域自立促進計画に列挙されている事業を個別に取り組むだけではなく、防災減災対策、高齢者の支援など、過疎地域の課題解決を目指し、戦略的に取り組んでいただきたいと考えるところであります。 このため、県では、創意工夫を凝らし企画立案を行いますとともに、熱意を持って主体的に過疎対策に取り組む市町村を課題解決先進市町村として支援する仕組みを現在検討しているところであります。 今後とも、厳しい財政状況の中ではありますが、選択と集中の視点を踏まえ、意欲のある市町村をしっかりと支援し、県と市町村が一体となった過疎地域の振興に全力を挙げてまいりたいと考えております。   〔庄野議員出席、出席議員計四十名となる〕   (熊谷政策監登壇) ◎政策監(熊谷幸三君) 県土整備に関しまして二点御質問をいただいております。 まず、那賀川の総合的な土砂管理についての御質問でございますが、那賀川流域は地質が脆弱な上、降雨量が多いため、流域の県土保全は大変重要であると認識しており、県ではこれまでも治山事業や砂防事業、河川改修事業などによる土砂災害や水害の防止に取り組んできたところであります。 しかし、平成十六年の豪雨により発生いたしました深層崩壊によりまして大量の土砂が那賀川上流に流入し、河床の上昇による浸水被害が発生したほか、ダムの貯水容量が低下し、治水、利水両面に影響を及ぼしましたことから、直ちに土砂撤去などの対策を講じたところであり、現在も国におきまして阿津江地区の地すべり防止対策や長安口ダムの堆積土砂の除去が行われておるところであります。 こうした土砂災害や洪水による被害の防止や軽減を図るためには、山地から海岸までの流域全体を視野に入れた土砂管理を行う必要があると考えております。このため、平成二十一年度から、国、県、四国電力等関係機関で構成いたします那賀川水系総合土砂管理勉強会におきまして、土砂に起因する災害や治水、利水、環境への影響、課題について検討、協議を行ってきたところであり、今後速やかに総合的な土砂管理の取り組みに向けて基本的な方針を取りまとめていくことといたしております。 この方針を踏まえ、那賀川流域の皆様の安全・安心の確保を図るとともに、豊かな河川環境を未来へ引き継ぐため、国を初め関係機関との有機的な連携のもと、森林整備による土砂の発生の軽減や治山、砂防堰堤等の整備による土砂の流出防止、ダム貯水池や河川に堆積した土砂の下流への供給など、流域全体の総合的な土砂管理にしっかりと取り組んでまいります。 また、山腹崩壊により海川谷川に堆積いたしました土砂につきましては、浸水被害を防止するため、災害復旧事業により土砂の撤去を行うとともに、その後も局所的に堆積した箇所につきましては、河川内での敷きならしを行ってまいりましたが、海川谷川全体では、土砂の堆積が進んでいることから、適切な対策が必要であると考えております。 このため、本年十一月に県、那賀町及び四国電力の三者による海川谷川における堆砂対策協議会を設置し、それぞれの役割分担と具体的な対応策につきまして検討しているところであります。 今後は、一日も早く対策を講じることにより、住民の皆様方の浸水被害に対する不安の解消を図ってまいりたいと考えております。 次に、一般国道百九十五号における西宇-折宇間と長安-出合間の道路整備についての御質問でございます。 那賀町を東西に走る一般国道百九十五号は、地域住民の皆様の通勤や通学などの日常生活を支えるとともに、地域間交流を促進し、産業の振興にも大きく寄与する主要幹線であり、また災害時には復旧活動や緊急物資の輸送を担う重要な緊急輸送道路でもあります。このため、当路線の未整備区間につきましては計画的にその解消を進めてきており、本年七月には、議員にも御出席をいただき、地元から強い御要望のありました折宇バイパスの開通式をとり行い、供用を開始したところであります。 議員お話しの西宇-折宇間における未整備区間のうち、石畳-栩谷間の約六百メーターにつきましては、昨年度までに全ての用地取得を終え、本年三月に着手いたしました山切り工事を現在急ピッチで進めており、来年一月には川側の擁壁工事にも着手し、工事の全面展開を図ってまいります。残る平野-栩谷口間につきましては、他の未整備区間の進捗状況を勘案しながら検討してまいります。 また、長安-出合間のうち、まず出合大戸バイパスにつきましては、昨年より実施しておりました那賀川にかかる出合大橋の左岸側橋台を本年五月に完成させ、現在進めております右岸側の大規模な山切り工事につきましては本年度内の完成を、本年度末に新たに着手いたします右岸側橋台の工事につきましては来年度の完成を目指し、事業を進めることといたしております。 さらに、来年度には、当該区間の最後の工事となりますアーチ橋の本体部分の製作に着手できるよう準備を進めてまいります。この橋梁は、橋長百八十メーターの県内最大規模となりますことから、詳細な工期は検討中でありますが、これにおおむね二年から三年の期間を要する見込みであり、その後、橋梁本体の架設を進め、当バイパスの早期完成を図ってまいります。 次に、カーブが連続しております長安口ダム付近につきましては、車両の安全な通行を確保する必要があるため、平成二十二年度からダム上流側の線形改良に着手し、これまでに測量設計や用地取得を終え、来年度から本格的に川側の擁壁工事に着手することといたしております。 今後とも、地域の活性化はもとより、安心・安全を実感していただけるよう、一般国道百九十五号の未整備区間の解消に向けてしっかりと取り組んでまいります。   (杉本議員登壇) ◆二十二番(杉本直樹君) かつては那賀町に百カ所以上もの農村舞台があったということは、私は実は知りませんでした。知事さんに教えられた感じでございます。申しわけないという気持ちでございます。 舞台や座があるところにはそれなりに人形もあったようでございますし、衣装なんかもそれなりにそろえていたようでございますし、また座同士の交流も盛んにされていたということも聞いております。 私の父親も、お酒を飲みますと、好きだったのか、浄瑠璃をうなっておりました。それが大変な音痴でございまして、私は、その声が、浄瑠璃に出ますとあの人の子供ではありませんというような顔をして逃げていっていたのを思い出しましたが、今になって振り返りますと、こうした文化は、継続がやはり大変大切だという感じでございます。まさに継続は力なりということであろうと思いますし、これは知事さんにお礼を申し上げたいと思います。 ユズにつきましては、これはお礼でございます。岡本先生であれば知事さんの前にユズ玉を持って走っていきよんだろうと思いますが、内気で気の弱い私はそれができません。ただ、イオンさんのお話ではユズ焼酎をつくっていただけるようでございます。完成しましたら、ゆずばあちゃんと一緒にお伺いし、批評していただきたい、そのように思っております。どうぞ御期待いただきたいと思います。 野生動物につきましては、ツキノワグマは人を襲わないというのが定説でございましたが、しかし何ぼか反例が出てきたようでございます。また、私どもにも、発情期の鹿が人に向かって角をふるって威嚇するというような報告もふえてまいりました。実情を踏まえて手を考えていただかないと、取り返しがつかないというようなことになるんでないかという心配でございます。夜の九時から朝の五時まで犬を放し飼いにするなどということを考えていただければ、少しずつではございますが何とかなるんでないか、そんな思いでございます。 河川でございますが、ダムができるときには地域社会がよくなると思ってみんな協力してきたんです。県も電力さんもそういう説明をしております。今どうなっていますか。ダム上で家が流される、立ち退かなければならないと。そしてまた、私どもがこれを言い出したのは平成十六年の災害からです。ですから、昨年も読みましたが、十七、十八、十九、二十、二十一、二十二、二十三、二十四が来とんです。一年またふえたんです。これまだ見舞いすらない状況。見通しもない。何とかしてやっていただきたい、その思いを訴えておきたいと思います。 道路については、出合の橋は少し前に進みました。評価させていただきたいと思います。これも本当はとまってしまったのは自然環境の問題でありました。荒谷が有名になりました。今、荒谷で保護しなければならない地域は土捨て場になっとんです。何だったんか。あの当時、六十億円の予算で完成予想図までできていたのが出合の橋です。時代の流れとはいえ、先ほど言いました緑のダムと同じです。随分と恐ろしいことがあるもんです。 まとめに入らせていただきます。 最後に、那賀川に対する私の意見を申し上げます。 平成九年の河川法改正によって、河川環境の整備と保全が目的に加わり、時代に即した河川管理を志してから既に十五年が経過いたしました。その間、那賀川における取り組みの成果はどうだったでしょうか。 那賀川では、細川内ダム計画の中止を受け、住民の意見を反映した河川整備計画が策定され、その中で既存ダムの有効活用という新たな方針が示されました。知事さんの御尽力のかいもあって、長安口ダムは県管理から国直轄管理に移行し、大規模なダム改造工事とともに堆積土砂の除去が行われております。ダム下流の減水区域についても、発電水利権の更新時期に合わせて河川維持流量が確保されました。  これだけを聞けば治水、利水、環境の対策が随分と進んだように感じますが、一方で、新たな問題や手つかずの課題も山積しております。平成二十一年の台風九号により、平谷地域で発生した浸水被害に対する対策は、被害に遭われた方々が一日も早くもとの場所で安心して暮らせるよう急ぐ必要があります。無堤地区への対応についても、和食地区の輪中堤計画は地元町とも調整中であり、工事着手に至っておりませんし、木頭出原地区は事業着手時期でさえ明らかにされておりません。 中でも、出水後における濁りの長期化については一向に改善の兆しが見られません。河川環境の回復は大きくおくれております。濁りの原因である微粒土砂は貯水池に滞留し、下流の河原に付着するとアユの餌となるコケの生育を妨げ、那賀川の生態系の代表格であるアユはすっかり影を潜めております。濁り対策として効果が期待されている選択取水設備の設置は放流設備の完成後とされ、排砂バイパス等の抜本的対策に至ってはいまだ研究中の域を出ておらず、水質環境の復元は後回しになっております。水は必ず上流から下流へ流れるように、河川管理も上下流の分け隔てなく、治水、利水、環境の全てを平等に扱っていただくことを強くお願いしておきたいと思います。 また、下流域のための治水・利水対策が優先され、水源地域の活性化を含めた環境整備が後回しになっているのではないか気がかりであります。私は、これまで議会活動等を通じて水源地域の活性化に力を注いでまいりました。森林整備を推進すれば、水源地域の生活の維持をしながら土砂崩壊の予防や豊かな水を確保することができます。残念ながら、水源地域の担い手は毎年減少しており、いずれ水源地域の荒廃による影響が下流地域に及ぶのは必定であります。 私は、流域は運命共同体であり、上下流が支え合ってともに発展することの重要性を強く主張してまいりました。中国には飲水思源という言葉があります。飲む、水、思う、源と書きます。直訳すると、水を飲むときは源を思いやれ、すなわち水を使うときは水資源地域への感謝を忘れるなという意味であります。一人でも多くの方に、下流域の発展は水源地域のおかげだと御理解いただき、上下流の連携強化につながれば、これにまさる喜びはございません。 釈迦に説法の感がございますが、飯泉知事さんには、飲水思源の言葉を胸に刻んでいただいて、心温まる行政を一層推進していただくよう切にお願いしながら、私の全ての質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)   ──────────────────────── ○議長(樫本孝君) 議事の都合により、休憩いたします。      午前十一時十五分休憩   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━    午前十一時三十七分開議      出席議員計三十五名          (その番号・氏名左のとおりである)     一  番     岡     佑  樹 君     二  番     藤  田  元  治 君     三  番     有  持  益  生 君     四  番     笠  井  国  利 君     五  番     中  山  俊  雄 君     六  番     長  池  文  武 君     七  番     元  木  章  生 君     八  番     南     恒  生 君     九  番     岸  本  泰  治 君     十  番     丸  若  祐  二 君     十一 番     寺  井  正  邇 君     十二 番     喜  多  宏  思 君     十三 番     三  木     亨 君     十四 番     岡  田  理  絵 君     十五 番     黒  崎     章 君     十六 番     松  崎  清  治 君     十七 番     達  田  良  子 君     十八 番     木  南  征  美 君     十九 番     川  端  正  義 君     二十 番     岡  本  富  治 君     二十二番     杉  本  直  樹 君     二十三番     岩  丸  正  史 君     二十四番     重  清  佳  之 君     二十五番     嘉  見  博  之 君     二十六番     臼  木  春  夫 君     二十七番     黒  川  征  一 君     二十八番     扶  川     敦 君     二十九番     古  田  美 知 代 君     三十 番     藤  田     豊 君     三十三番     北  島  勝  也 君     三十四番     児  島     勝 君     三十五番     森  田  正  博 君     三十七番     来  代  正  文 君     三十九番     大  西  章  英 君     四十 番     長  尾  哲  見 君   ──────────────────────── ○副議長(嘉見博之君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 十四番・岡田理絵さん。   〔西沢・庄野・森本三議員出席、出席議員計三十八名とな    る〕   (岡田議員登壇) ◆十四番(岡田理絵君) 明政会、岡田理絵でございます。本日は、お寒い中、議場へ傍聴にお越しくださいました皆様、またテレビの前でごらんいただいている皆様、まことにありがとうございます。 このところ、温暖化が進んでいるといいましても、本当に寒い日が続いております。飯泉知事、理事者の皆様におかれましても、厳しい寒さから県民を守る温かい御答弁をお願いしたく、よろしくお願いいたします。 今回の代表質問は、私にとって非常に感慨深いものがございます。と申しますのも、去る二十六日、議会の開会日になりますが、我が会派の福山議員が県議会議員を辞職され、新たな目標に向かってスタートを切られました。福山先生には、平成十九年に私が初めて議員となって以来、議員の大先輩として親身になって御指導いただき、厚く御礼申し上げます。特に平成二十二年一月、会派の取り組みとしては初めてとなる環境学習会、親子でエコを考えるエコプロジェクトを開催したことが心に残っております。福山先生の、県民の皆様と一緒に行動することで会派の取り組みを知ってもらおうというリーダーシップのもと、体験参加型のプログラムを実施いたしました。福山先生から教えていただいた県民の皆様とともにの精神を大切にし、すばらしい先輩に出会えたことに感謝しながら、これからも頑張ってまいります。 ところで、きょう傍聴席にお越しになられた皆様は、議会棟の玄関に入られたところでお気づきになられたと思いますが、「絆」と「彩」というすばらしい書が掲げられています。これらの書は、去る二十六日、四国大学の学生により書道パフォーマンスが行われ、そのとき学生たちがことしの二文字として選び、生き生きと格好よく書かれました。人と人との「絆」、ことし映画となり全国に発信された上勝町の「彩」、まさにことしの徳島をあらわす言葉でしょう。 そこで、まず初めにきずな社会の構築についてお伺いいたします。 昨年三月十一日の東日本大震災以降、人と人とがつながる温かさや助け合いの重要性が改めて見直され、人と人とのきずなが強く意識されるようになってきました。 今、日本社会は全世帯の三二%余りが一人で暮らす単身世帯という時代を迎えています。世界にも例のない少子高齢化や格差の拡大、また都会への一極集中などさまざまな課題が生まれ、人と人とのきずなの大切さ、必要性を感じさせられています。 かつての日本の社会には、冠婚葬祭の助け合いや五穀豊穣を祝う地域のお祭りなど、人と人とのつながりや思いやりの心、相互扶助の精神がありました。しかし、家庭、地域、職場などで当然と思われていた人と人とのつながり、きずなが希薄になったために、いじめや児童虐待、さらには高齢者の孤立化など、新たな問題も生じてきています。 そこで、県議会といたしましても、人と人とのつながりをきずなで紡いでいくことを目的とした徳島県人と人との絆を紡ぐ条例を制定するべく準備を進めているところです。いま一度人と人とのつながりや助け合い、思いやりの大切さを全ての県民の皆様に再認識していただき、お互いがお互いの人格と個性を尊重し、助け合い、いたわり合う社会、みんなが声をかけ合う社会、常に相手のことを思い、気遣い合う社会、そのような安心して暮らせるきずな社会の構築が必要であると考えています。 そこで、お伺いいたします。 県としても、人と人とのつながりが希薄化する現代社会にしっかりと対応できるきずな社会の再構築に向けて積極的に取り組むべきだと思いますが、知事の御所見をお願いいたします。 次に、津波避難対策についてお伺いいたします。 南海トラフ巨大地震に関しまして、国の被害想定をもとにした徳島県の最終的な津波浸水予測が先月末に示されたところです。南海トラフ地震に関する県レベルの浸水予測は全国で初めてということです。地震はいつ何どき起こるかもしれません。こうした中、全国に先駆けいち早く予測を公表し、津波対策を加速化させようとする知事の取り組みに対し、敬意をあらわす次第です。あわせて、今後、津波対策の一刻も早い確立をお願いいたします。 今回の想定では、浸水の深さや浸水エリアが拡大する結果となり、新聞やテレビなどでも大きく報道されました。これまで以上に避難の重要性を強く認識された方も多かったのではないでしょうか。 私の地元鳴門市では、一月に県が発表した暫定値よりも浸水地域が大谷地区よりさらに西の板東地区まで広がりました。津波高が五十センチ未満であった市の中心部でも、高さが二から三メートルまでふえる結果となりました。三メートルもの津波となれば、避難所の二階も安心はできません。多くの住民の皆さんは、どこに避難したらよいのか、どこを通ればスムーズに逃げられるのか、みずから考え直し始めているところです。 現在、鳴門市では、自主防災組織による防災マップづくりや消防団が住民に避難を呼びかける訓練などが行われています。しかし、今回発表された浸水予測を踏まえて、鳴門市を初め沿岸の自治体では、市や町の役割として、避難所や避難経路といった避難計画を見直すことが求められており、これにあわせたハザードマップの作成も急務となっています。 また、津波から避難はできたとしても、県南部のように特に津波の大きい沿岸の市や町では、商店街の通りや建物が壊滅的な被害を受けるのではないかと大変心配しています。こうした市や町では、速やかに復旧、復興が行われるよう、津波被害を想定した復旧、復興のためのまちづくり計画もあらかじめ準備しておく必要があるのではないでしょうか。 そこで、新たな津波浸水想定を踏まえ、沿岸部では避難計画の見直しやハザードマップの作成、事前の復興計画づくりが必要と考えますが、県はどのように支援していくのか、御所見をお伺いいたします。 続きまして、私の地元にあります鳴門病院についてお伺いいたします。 鳴門病院においては、ここ数年、社会保険庁改革の影響から、公的な存続が不透明となり、病院の職員だけでなく地域住民の皆さんにおいても大きな不安感が漂っておりました。ちょうど一年前となりましたが、知事の御英断により公的な鳴門病院の存続が決まりました。改めて御礼申し上げます。 また、その後、鳴門市民の代表者も参加した新たな鳴門病院のあり方検討会において、地方独立行政法人化という公的な存続の方針が示されました。毎回私も出席させていただきましたが、安心できる形で鳴門病院の将来が決まったと受けとめています。 さらには、病院職員の雇用においても、円滑な業務の継承を前提に、全職員を対象とした説明会が開催され、よかったとの声を聞いております。このことに対しても、私も地元住民の一人として感謝申し上げます。 県の地方独立行政法人となることを契機として、今後の鳴門病院に求められることは、住民からの信頼を高めていくことです。あり方検討会でも意見のありました救急医療や地域連携など、県北東部の中核的病院として役割を充実強化させるべきであると考えます。 また、鳴門病院は、ここ何年間か不安定な経営が続いたことから、医療機器などの設備投資も十分とは言えない状況であったように思われます。今後は、設備投資についても計画的、積極的に行っていただき、地域住民の信頼の向上や安心感につなげてほしいと願っております。 鳴門病院の機能強化をさらに進めていくことにより、経営力もおのずと強くなると考えます。さらには、地域住民からの信用も取り戻し、県の地方独立行政法人になって本当によかったと思ってもらえるのではないでしょうか。 そこで、お伺いいたします。 地域住民の皆さんが県の地方独立行政法人となってよかったと実感できるよう、鳴門病院の機能強化や設備投資に取り組むべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。 次に、世界に誇る鳴門の渦潮の世界遺産登録についてお伺いいたします。 ということで、きょうはうずしおくんを、これは鳴門市から借りてまいりました。(資料提示) 現在、徳島県では、四国三県と連携し、四国八十八箇所霊場と遍路道の世界遺産登録に向け、精力的な取り組みを進められています。平成十八年にスタートした取り組みは、登録の前段階となる暫定一覧表への掲載には残念ながら届いていませんが、その下のカテゴリーでは最も高い評価を得ており、市町村や経済界、NPO法人等と一体となり、地道ながら着実な歩みを進めているとお伺いしています。 一方、鳴門市では、昨年十一月に、鳴門の渦潮の世界遺産登録を目指し、国生みフォーラムin鳴門を開催、また本年三月には、淡路島島内の三市と連携し、国生みフォーラムin淡路島を開催するなど、機運の醸成に取り組んでいます。 本家である鳴門がもっとそのネームバリューを最大限に生かしつつ、淡路島のある兵庫県と連携し、本県が世界に誇る観光発信資源として新たな戦略を行う必要があると考えます。 そこで、世界遺産登録への道のりを一つの情報発信のツールとして活用し、積極的に観光振興につなげてはどうでしょうか。鳴門海峡、そして鳴門の渦潮、その世界に類を見ない偉大な自然の営みと景観美は、世界遺産と呼ぶにふさわしい地域資源であり、鳴門市の財産であるとともに、徳島県が世界に誇るべき財産です。 また、鳴門海峡で行われている鳴門わかめの育成やタイの一本釣りなど伝統的な漁法を守ることにもつながり、漁業の振興や後継者の育成にもつながっていくのではないでしょうか。 今、鳴門海峡を再評価し、その魅力を再発見することにより世界遺産登録を目指し、次の世代に美しい景観や自然を残していく努力をする必要があります。現在、鳴門市では世界遺産登録を目指し、市内循環バスへ車体広告を行ったり、鳴門市のマスコット、これがうずしおくんです、うずしおくんを使ってPRしたり、観光協会が鳴門市うずしお観光協会と名づけるなど、市民の機運の醸成を図っております。 しかし、鳴門市だけの取り組みでは、その情報発信力に限界がございます。知事は、先ほども若者の未来の実現を目指すといった言葉を使われておりました。 そこで、お伺いいたします。 夢はかなうもの、そんな強い気持ちで、鳴門の渦潮の世界遺産登録に向け、県と市が緊密に連携、協力し、対岸の淡路島をリードする形で精力的に取り組みを進めるべきと考えますが、その意気込みのほどをお聞かせください。 御答弁をいただきまして、質問を続けてまいります。   (飯泉知事登壇) ◎知事(飯泉嘉門君) 岡田議員の御質問に順次お答えをさせていただきます。 まず、人と人とのつながりが希薄化する現代社会において、しっかりと対応できるきずな社会の再構築に向け、積極的に取り組むべき、御提言をいただいております。 近年、少子高齢化、核家族化、過疎化などの進行によりまして、従来のコミュニティーが変容いたしまして、人と人とのつながりが希薄となる中で、高齢者の孤立、また児童虐待や自殺など社会問題化が進んでいるところであります。 昨年発生いたしました東日本大震災の被災地の極めて厳しい状況を目の当たりにいたしまして、人と人とのつながりの大切さ、支え合うことのとうとさを再認識する契機となったところでありまして、徳島県人と人との絆を紡ぐ条例の議員提案が検討されていることは時宜を得た大変意義深いものと、このように認識いたすところであります。 一方、県におきましては、県民の皆様へのサービスを行政だけで担うのではなく、県民の皆様との協働事業によりましてNPOや企業などの多くの御支援をいただき、ボランティアの訪問によります子育て支援、企業の皆様の健康づくり応援団への参加によります健康づくり活動への支援、NPOによりますがん患者の支援、約二百五十団体によりますきらめき縁結び応援団による婚活の推進などに取り組んでいるところであります。 今後は、条例制定を契機に、新たにこれまで支えられる立場であった方にも一歩この機会に踏み出していただきまして、支える立場になっていただく新たな視点から、例えば障害者の皆様方が社会的弱者を支える方策、退職者の皆様が災害時の要援護者を支援する仕組みなど、それぞれの地域やグループで困っている人たちを支える活動を主体的に行っていただく、こうした活動を通じまして、参加される方々が社会に貢献する喜びを得られるとともに、そうした行動が地域社会のさまざまな課題解決に結びつく施策のあり方をしっかりと工夫してまいりたいと考えております。 このように民間団体、企業、県民の皆様の知恵と力を融合いたしまして、まさに県民力の結集による防災、子育て、高齢者の見守りなどあらゆる場面におきまして、支え合い、助け合う社会の実現を図るきずな社会の徳島モデルとして発信できますよう積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 次に、新たな津波浸水想定を踏まえ、沿岸部の避難計画の見直しやハザードマップの作成など、県はどのように支援していくのか、御質問をいただいております。 本県における津波避難対策につきましては、東日本大震災、この教訓を踏まえ、でき得ることから前倒しして取り組んできており、去る十月三十一日には、全国に先駆け南海トラフの巨大地震に関する本県の最終的な津波浸水想定を公表させていただいたところであります。この想定では、本年一月に公表した暫定値に比べ、浸水区域が県北部を中心に拡大し、さらに浸水深が沿岸部全域で深くなるという大変厳しい状況となったところであります。 この最終的な津波浸水想定に速やかに対応いたしますため、九月補正予算におきまして、昨年六月に創設した津波から命を守る緊急総合対策事業に津波ハザードマップの作成、避難場所の選定や避難路の確保などを盛り込んだ津波避難計画の見直しを新たな支援メニューとして追加し、現在、関係市町におきましてこれらの取り組みが進められているところであります。 また、これまで実施してまいりました避難場所となります県有施設や崖崩れ対策とあわせた避難階段の整備、関係市町が行います避難場所や避難路の整備に対する支援など、ハード対策につきましても取り組みを加速し、県民の皆様方の速やかな、また確実な避難体制の構築に努めてまいりたいと考えております。 さらに、被災後を想定したまちづくりの基本方針、復旧、復興に向けました事業の実施手順などを盛り込みました事前復興計画を策定することは、震災からの早期復興を可能といたしますとともに、震災に強いまちづくりに向けた重要な視点ともなりますことから、今後県としての支援のあり方につきまして、関係市町の御意向を踏まえ、検討を進めてまいりたいと考えております。 今後とも、南海トラフの巨大地震を初めといたします震災時の死者ゼロの実現を目指し、市町村に対しますきめ細やかな支援に加え、より一層の連携強化を図ることによりまして、安全・安心とくしまの実現に全力を傾注してまいる所存であります。 次に、鳴門病院の機能強化について御質問をいただいております。 鳴門病院は、救急医療、災害医療などのいわゆる政策医療を担っていただいておりまして、県北部を初め、香川県東部、そして兵庫県淡路島において重要な役割が求められる中核的病院でありますことから、経営基盤の安定化や本県地域医療の最適化を図り、地域ニーズに的確に応えていくことができますよう、平成二十五年四月一日、本県が設置いたします地方独立行政法人徳島県鳴門病院の誕生に向け、鋭意取り組んでいるところであります。 こうした中、住民代表や医療機関関係者などで構成いたしました新たな鳴門病院のあり方検討会での御提言を踏まえ、平成二十八年度までの四カ年を目標期間といたしまして、病院運営の基本方針となる中期目標を今年度中に策定することによりまして、地域住民の皆様方の声にしっかりとお応えする機能強化を図っていくことといたしております。特に二次救急医療機関としての受け入れ体制の強化、地域医療支援病院としての地域医療機関との連携の強化、地域がん診療連携推進病院としてのがん医療のさらなる充実などに重点的に取り組んでまいりたいと考えております。 さらに、これらの病院機能を十二分に発揮できますよう、施設、設備などにつきましても、医療技術の進展や地域の医療需要、そして費用対効果などを総合的に勘案いたしまして整備していく必要がある、このように認識するところであります。 こうしたことから、新生鳴門病院のスタートに当たりまして、地域住民の皆様方や地域の医療機関の方々に地方独立行政法人となってよかったと実感していただけますよう、医療機器の計画的な整備も行ってまいりたいと考えております。 今後、本県初となる地方独立行政法人の運営によりまして、地域の皆様方から愛され、そして信頼される病院を目指すとともに、現行の県立三病院体制に県北部の医療のとりでとして新たに徳島県鳴門病院が加わることにより、本県の医療提供体制が一層強化できますようしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。   (齋藤副知事登壇) ◎副知事(齋藤秀生君) 鳴門の渦潮の世界遺産登録に向けた取り組みについての御質問でございますが、鳴門の渦潮は、世界三大潮流の一つにも数えられる本県が世界に誇る観光資源であります。世界遺産については、大きく分けて文化遺産と自然遺産の二つのカテゴリーがあり、文化遺産としては四国八十八箇所霊場と遍路道について、四国四県、関係市町村により共同申請し、ユネスコへの登録推薦候補リスト、いわゆる暫定一覧表への記載は見送られたものの、国からそれに次ぐ高い評価を得たところであり、現在、四国の産学民官が一体となり暫定一覧表記載に向けた資産の保護に精力的に取り組んでおります。 一方、鳴門の渦潮につきましては、自然遺産としての登録を目指すこととなりますが、この場合、世界最上級の自然現象であることなど大変高い登録基準をクリアしなければならないこと、日本国内での候補地選定は国の中央環境審議会が直接行い、地方公共団体の関与する余地がないこと、国における今後の候補地検討に係る方針が明確でないことなどの課題があります。 鳴門の渦潮の世界自然遺産登録については、こうした数多くの課題はありますが、議員からのお話のとおり、本県にとって貴重なすばらしい地域資源でありますので、鳴門市との緊密な連携のもと、対岸をリードする形で、地元の機運の醸成を初め、課題解決に向けた取り組みを一歩一歩しっかりと積み重ねてまいりたいと考えております。   (岡田議員登壇) ◆十四番(岡田理絵君) いただいた御答弁に対し、コメントさせていただきます。 きずな社会の再構築は、多様化する社会の変化にも対応できるきめ細やかな取り組みが必要です。 ことし、三つ上の先輩の京都大学iPS細胞研究所所長の山中伸弥博士がノーベル医学生理学賞を受賞されました。博士と同世代の私にとっても大変うれしいことです。その山中博士が受賞時の記者会見で何度も感謝という言葉をおっしゃられていました。多くの人に支えられ、強いきずながあったからこそ、弱音を吐かず、研究を続けることができたのではないでしょうか。 人は一人では生きていけません。多くの人とのかかわりのある社会の中で生きています。その社会が、温かみがあり、相互扶助の精神にあふれ、人と人とのきずながつながり合うものでなければならないと思います。きずな社会の徳島モデルの構築と全国に向けての発信を期待しています。 次に、津波避難対策について御答弁いただきました。 私も、九月一日に地元の自主防災会が開催しました避難訓練に参加いたしました。参加された地域の皆さんとともに、防災を人ごとの発想ではなく自分のこととして捉え、積極的に地域で取り組むことの重要性を今まで以上に実感いたしました。 防災対策には、県と市町村との連携が大切です。県は、地域の実情に合わせた避難路の整備などに対する支援が必要であると考えています。災害時死者ゼロを目指すためにも、ソフト面とハード面の両方の取り組みが不可欠です。スピード感を持った御支援をお願いいたします。 鳴門病院の地方独立行政法人化についてですが、鳴門病院は、鳴門市だけでなく、近隣の板野郡や淡路島、また香川県をエリアとする中核的な病院として、これまで多くの地域住民の医療を支えております。私自身も、家族が入院したときには鳴門病院の先生や看護師さんに本当にお世話になり、私にとっても、地域にとっても失うことのできない大切な病院であります。 独立行政法人への移行に当たっては、救急医療などの政策医療を中期目標に位置づけていただくようです。しかし、目標や計画だけにとどまらず、実際の受け入れ体制についても充実させ、さらには地域の医療機関との連携も強化していただきたいと思っております。そのためには、必要な設備投資をしっかりと行っていくことも大切と思いますし、特に費用対効果だけでははかれないような医療機器についてはぜひ県の予算で御支援いただきたいと思います。ぜひとも新たなスタートとなる来年度においては、県からの積極的な支援をお願いしておきます。 また、今後の取り組みの要望といたしまして、鳴門病院は県の法人となるこの機会をチャンスに、十月に改築し最先端の医療機器が導入された県立中央病院とのさらなる連携強化、ネットワーク化といったことも進めていく必要があると思います。このことについても今後御検討をよろしくお願いいたします。 渦潮の世界遺産登録について御答弁いただきました。 世界遺産登録を目指すことは、非常にハードルが高いことです。また、取り組みも長期化することは想定内です。しかし、その高い目標に向かってみんなで取り組み考えていくことが何よりも大切だと思っています。そして、さらに世界遺産登録を目指すことで、渦潮のすばらしさや鳴門海峡の景観の美しさ、未来永劫今の自然を守っていくという環境の保護のあり方を知ることにつながります。現在営まれている漁業を初め、産業の発展にも寄与していくことができるのではないでしょうか。何より世界に向けて渦潮、徳島県をPRすることにつながります。ぜひ息の長い取り組みをお願いいたしたいと思います。 それでは、質問を続けてまいります。 農林水産物の海外輸出戦略についてお伺いいたします。 徳島の農林水産物の海外市場での販路拡大や新たな市場開拓を確実に進めるため、徳島農林水産物等海外輸出戦略を県がリードし、年内をめどに策定すると伺っております。現在、輸出をめぐる環境は、依然として円高が続き、厳しい状況にあります。また、東日本大震災以降続いている各国の輸入規制や風評被害など決してよい状況にあるとは言えません。 一方、景気の低迷、人口の減少や少子高齢化の進展などにより、日本の経済が縮小する中で、アジアを中心とした海外の市場は、高い経済成長とそれに伴う所得の急激な向上により、大きな広がりを見せつつあります。こういった状況の中で、今回、県が徳島農林水産物等海外輸出戦略を示すことは、農林水産業に携わる生産者にとって大変勇気づけられるものであります。 私の近所の若い生産者たちも、県の取り組みに対して非常に関心を寄せています。なると金時、梨、鳴門わかめなどのすばらしい産品を海外の人にも知って食べてもらえるように、販路の開拓にも意欲的に取り組みたいと希望を持たれています。私も、厳しい状況のもとで、ただ現状維持を求めるのではなく、知事がいつもおっしゃられるようにピンチをチャンスに捉え、積極的に取り組むことが必要であると実感しています。まさに今がそのときではないでしょうか。 徳島県が戦略的かつ効果的な取り組みを行うため、相手の市場や嗜好などの情報収集や分析を行い、輸出に対する高い意識を持つ生産者、特に次世代を担う若い生産者に対して積極的にサポートしていくことが重要であると考えます。 そこで、お伺いいたします。 農林水産物の輸出拡大を図るため、生産者が積極的に取り組む環境づくりと販路開拓をどのように進めようと考えているのか、御所見をお伺いいたします。 次に、徳島県産農林水産物の国内販路拡大についてお伺いいたします。 私の地元である鳴門市では、なると金時、レンコン、梨、鳴門わかめ、すだちなど、全国に誇るブランド農林水産物の生産、販売が行われており、国内の市場からも高い評価をいただいております。しかしながら、こうした県内でも有数の農業地帯を形成している鳴門市においても、長引く景気低迷や消費者からの低価格志向、肥料や燃料などの生産コストの上昇から、生産者からは経営が厳しいとの声が多く寄せられています。こうした声を聞くたびに、丹精込めてつくられた徳島県産農林水産物の県内外における一層の消費拡大を図っていく必要があると感じております。 現在、県では、新鮮とくしまブランド戦略を展開し、県産品の認知度の向上やブランド力の強化に取り組まれ、今後は、関西圏はもとより、首都圏に向けても積極的に販売を推進すると聞いております。首都圏への販路拡大は非常に有効で魅力的だと思いますが、関西圏と比べ流通量が少ない首都圏では、本県産の知名度はまだまだ低いと言わざるを得ません。 首都圏では、いかに徳島県産品の魅力を消費者に伝え、県産品の知名度を上げていけるかがポイントであると思います。例えば徳島知られざる食の魅力と題して、生産者のこだわりや産物に対しての思いをストーリーにして発信するのはどうでしょうか。徳島産の農林水産物を選んでいただく理由をはっきりとわかりやすくPRする場が必要と思います。 また、味、食べ方はもちろんのこと、旬の時期、機能性、料理との取り合わせ、保存方法や購入場所などの情報を消費者にスピーディーに伝える仕組みづくりを行うなど、継続的な購入につながる戦略的な取り組みが重要であると考えます。 このことから、インターネットによる情報発信機能の充実、フェイスブックなどソーシャル・ネットワーキング・サービスの活用など、これまで以上に生産者と消費者を直接的に結ぶ取り組みが必要であると考えます。 そこで、首都圏における徳島県産農林水産物の販路の拡大を図るため、県ではどのように取り組みを進めていくのか、御所見をお伺いいたします。 続きまして、女性の就労支援についてお伺いいたします。 徳島県は女性社長の割合が日本有数とのこと、これは阿波女の明るさとたくましさ、さらに勤勉さのあかしであり、私も阿波女の一人として大変誇らしく感じております。特に最近、徳島県の審議会等委員の女性比率が日本一となっており、女性ならではの視点や感性を生かした意見を求められる機会も多くなってきています。 しかし、女性の就業状況として、出産、育児を機に一旦離職し、その後、育児が一段落してから再び働き出す女性が多いことをM字カーブという言い方をしております。我が国における継続就業の難しさを示し、その改善が早急に求められています。 コールセンターなどの情報関連産業では、業務の特性として女性が多く雇用されており、最近の立地状況は約一千人の雇用を生み出すなど、目をみはるものがございます。コールセンターは、雇用人数が多いことに加え、短時間勤務からフルタイムまで個人の事情に応じた勤務形態が選べる等のメリットがあります。女性の働き方のバリエーションもふえてまいりました。働く女性の増加に伴うにぎわいの高まりは、経済的効果をもたらすと考えられます。 このような中、十月十九日には、京都女子大学と就職支援協定が締結されました。徳島県内に働く場を確保することで、ふるさとに帰って生活することによる定住人口の維持、また子供が帰ってくることによる家族や地域のきずなの維持など、大きく期待を寄せているところです。 そこで、お伺いいたします。 これまでの情報関連企業誘致に関する評価とともに、女性の人材育成やさらなる誘致について御所見をお伺いいたします。 次に、成長段階に応じた労働観、職業観の醸成についてお伺いいたします。 今日、若者の学校から社会に出て仕事につくという移行が円滑に行われていないという大きな課題に直面しています。文部科学省の中央教育審議会答申である今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方についてでも一番の課題と挙げられています。若者の完全失業率は約八%、非正規雇用率は約三五%、無業者は約六十万人、早期離職者については、高卒では四割、大卒では三割、短大卒等では四割という数字も出ています。また、職業意識、職業観の未熟さや進路意識、目的意識が希薄なことなど、多くの問題が考えられます。これらは若者個人だけの問題ではなく、社会を構成する家庭、地域、企業、経済団体、職能団体などの各界が互いに役割を認識し、歩み寄り、一体となり対応することが必要です。 現在、教育現場では、幼児期の教育から高等教育まで、発達段階に応じ、体系的にキャリア教育が実施されています。キャリア教育で、職場体験を通して仕事には努力や苦労、我慢がつきものだということを理解することができるのではないでしょうか。また一方、企業にとっても、若者の早期離職者が増加するというのは、企業の将来の担い手となる人材不足を招きかねないこととなり、危機感を持っています。経済団体においても、就職支援として企業説明会や見学体験、また企業と学生との就職支援のマッチング等が積極的に行われています。ちょうど十一月は子ども・若者育成支援強調月間であり、徳島県においてもフォーラム等いろいろな取り組みがなされ、地域と一体で健全育成を目指しています。 そこで、お伺いいたします。 若者の未就職者や早期離職を改善するため、知事部局、教育委員会が連携し、総力を挙げて職業観の醸成を行っていくことが必要と考えますが、御所見をお伺いいたします。 続きまして、発達障害のある生徒の就労支援についてお伺いいたします。 本年四月一日に、小松島市の旧徳島赤十字病院跡地に、全国に類のない発達障害者総合支援ゾーンがオープンいたしました。このゾーンは、発達障害者の就労等を総合的に支援するため、まず総合相談窓口となる発達障害者総合支援センターハナミズキ、次に高等学校段階の発達障害のある生徒を対象に社会的、職業的自立に向け専門的な教育を行う全国初の特別支援学校であるみなと高等学園、さらに医療面での支援を行う徳島赤十字ひのみね総合療育センターなど、福祉、教育、医療施設を結集したものです。 特にみなと高等学園には、開校以来、国内外から多くの方が視察に訪れるなど、全国的に注目されています。私も、開校式や委員会の視察、また八月にも学校訪問をさせていただきました。校内職場実習としての売店運営の様子や事業所見学の報告パネルの掲示などから、訪問するたび生徒たちが生き生きとした学生生活を送っていることを実感いたしました。 発達障害は一人一人の障害の特性が異なり、その教育には高い専門性が求められることや卒業後の就労に不安を持つ方も多いことから、保護者はもとより、私も就労に向けた実践的な教育について大きな期待を寄せているところです。 しかし、その一方で、生徒一人一人は多岐にわたる個性を持っていることや、小中学校の児童、生徒、保護者及び教職員に対し、みなと高等学園の取り組みが余り知られていないのではないかと感じるなど、さまざまな課題も少なくありません。今後は、生徒へのよりきめ細やかな支援や、みなと高等学園における取り組みや方針を小中学校や保護者等へ積極的に情報発信していく必要があると考えています。 そこで、みなと高等学園の現在までの取り組み状況と課題を踏まえた今後の具体的な教育的支援について、また就労に向けた手応え等について御所見をお伺いいたします。 御答弁をいただきまして、まとめに入りたいと思います。   (飯泉知事登壇) ◎知事(飯泉嘉門君) まず、農林水産物の輸出拡大を図るため、生産者の皆さんが積極的に取り組む環境づくりと販路開拓をどのように進めていくのか、御質問をいただいております。 農林水産物の輸出の拡大は、新たな市場の獲得はもとより、とくしまブランドの付加価値を高め、輸出額の増加によりまして生産者の皆さんの所得の向上につながるものでありまして、もうかる農林水産業の実現のためには欠くことのできない重要な取り組みであります。 このため、経済のグローバル化が進むまさにこの時期を捉え、人口が増加し、著しい経済発展を遂げているアジアを中心とする諸外国に対し、安全・安心で高い品質に支えられた本県農林水産物をより戦略的に輸出していくため、去る六月、農林水産物海外輸出戦略会議を設置いたしまして、先般、戦略案骨子を取りまとめたところであります。 議員からもお話がございましたように、農林水産物の輸出を進めるためには、生産者の皆様方に輸出への意欲を持っていただき、積極的な取り組みをいただくことが何よりも重要であります。このため、戦略の検討に当たりまして、鳴門市の農業者を初め、多くの若い生産者の皆様が委員として参画をいただきまして、香港やドイツなどでの現地調査を行っていただき、その体験をもとに生産者の視点からの海外輸出を進めるための御意見、御提言をいただくことといたしているところであります。 戦略案骨子では、こうした御意見、御提言をもとに、情報提供や取引など輸出に関するサポート体制の整備、海外での商談会や展示会の開催、海外で通用する安全管理や品質管理の認証取得など、生産者が輸出に積極的に取り組める環境づくりを進めることといたしているところであります。 また、販路開拓を進めるため、重点化を図る作物や国の選定、輸出の拡大を図るプロモーションの推進、継続的な輸出を支える産地の育成、さらには一定の輸出量を確保するための他府県産地との提携を戦略の柱として位置づけ、体系的に取り組んでまいりたいと考えております。 今後、県議会での御論議を踏まえ、年内の戦略の策定を行い、本県のすぐれた農林水産物の海外におけるブランド力や競争力を高め、将来を担う若い世代を初め、意欲のある生産者の皆様方に夢と希望を持っていただき、そして輸出に挑戦していただけるような、そうした体制の構築に全力を挙げてまいりたいと考えております。 次に、首都圏における農林水産物の販路拡大を図るためどのような取り組みを進めていくのか、御質問をいただいております。 本県の基幹産業であります農林水産業をもうかる産業として育てるため、ひろがる「とくしまブランド」戦略を展開し、「新鮮 なっ!とくしま」号やとくしまブランド協力店を活用いたしました売り込みの強化、百貨店、量販店、飲食店を対象といたしましたとくしま・まるごと商談会の実施によります販路の開拓、「新鮮 なっ!とくしま大使」やとくしまブランド・クチコミ応援隊によります情報の発信など、販路の拡大に向けました取り組みを積極的に進めているところであります。 東京を初めといたします首都圏につきましては、日本の人口の何と三分の一が居住する大消費地でありまして、東日本大震災発災以降、安全・安心な県産農林水産物への期待の高まりを受けまして、百貨店や量販店などからの需要が大変強まっており、これまで自他ともに関西の台所として位置づけられてまいりました本県は、今後、日本の台所としての役割をしっかりと果たしていく必要があります。このため、私が会長を務めておりますとくしまブランド戦略会議におきまして、本戦略の柱といたしまして首都圏を中心としたプロモーションの強化を盛り込んだところであります。 議員からも御提案がございましたように、徳島の食の魅力を積極的に発信する手段といたしまして、インターネットによります情報発信機能の充実、フェイスブックを初めといたしますSNS、いわゆるソーシャル・ネットワーキング・サービスの活用などによりまして、生産者と消費者を結んでいくことは大変有効な取り組みである、このように認識いたしております。 そこで、サテライトオフィス事業者やメディア関係者、そして大手食品メーカーなどに参画をいただきまして、とくしまブランド戦略会議メディア戦略部会を年内に立ち上げさせていただき、インターネットやフェイスブックの活用はもとより、テレビや雑誌などマスメディアによる情報発信、大手食品メーカーとのタイアップなど、より効果的なプロモーションの手法について検討を大いに進めてまいりたいと考えております。 今後とも、県産農林水産物の販路拡大に向け、さまざまな手法を用いとくしまブランドを強力にアピールいたし、もうかる農林水産業の実現にしっかりと取り組んでまいりたいと思います。 次に、若者の未就職や早期離職を改善するため、知事部局、教育委員会が連携し、総力を挙げて職業観の醸成を図っていくことが必要との御提言をいただいております。 現在、長引く不況によりまして、若年者の雇用環境が厳しさを増しますとともに、入社後の早期離職、フリーターやニートの増加などの課題が生じております。 このため、県におきましては、教育委員会と連携をいたし、とくしまジョブステーションでの就労支援、ビジネスチャレンジメッセにおける小中学生の就労、起業体験、高校生インターンシップなど、若年者の雇用支援に取り組み、本年三月末の県内就職内定率におきまして、高校生、大学生ともに過去十年間で最高となったところであります。 一方、金融円滑化法の期限切れや消費税増税などによりまして企業の経営環境が今後ますます悪化し、これまで以上に就職環境が厳しくなる中、若い世代におきまして希薄となっている働くことへの意欲や態度をしっかりと根づかせていく職業観の醸成がまさに重要であり、議員御提案のとおり、成長段階に応じまして職業に対する意識を育むためのきめ細やかな支援が不可欠である、このように認識いたしております。 そこで、小学校から大学に至るまで、実践かつ体系的な取り組みとして、来年四月開校予定の中央テクノスクールにおきまして、小中学生では、仕事を知る、触れる、考えるための工具を使ったものづくりやネイルアート、実際の職業訓練メニューなどの就業体験を初め、高校、大学生では、就職を目指す、体験する、歩み出すための企業採用担当者による出前授業、就職支援協定を締結いたしました大学における就職セミナーなど、ステップ・バイ・ステップによりまして支援を着実に行ってまいりたいと考えております。 今後、教育委員会や経済団体などと連携いたしまして、こうした取り組みを積極的に展開していくことによりまして、若年者の雇用環境の改善、早期離職の解消を図りますとともに、本県経済を支え成長を牽引する産業人材の育成にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。   (酒池商工労働部長登壇)
    商工労働部長(酒池由幸君) これまでの情報関連企業誘致に関する評価と女性の人材育成などさらなる誘致に向けた意気込みについての御質問でございますが、コールセンターを初めとする情報関連産業につきましては、高い雇用創出効果が期待できますとともに、正社員を目指す方はもとより、仕事と子育てを両立、あるいは子育てを終え仕事に復帰される女性がパートタイム勤務で働くことができるなど、多様な就労機会の提供が図られるものと考えております。 このため、全国屈指のブロードバンド環境と立地優遇制度を生かし、物件紹介から人材確保までをワンストップで行う企業誘致活動を積極的に展開してまいりました。 また、議員からお話がありましたように、コールセンターで働く本県女性のスキル、技能の高さときめ細やかさが高く評価されていることもあり、情報関連企業の立地はこれまでに本年度の新たな二社を含め計十三事業所で約千人の雇用創出が図られており、本県経済に大いに貢献いただいているものと認識いたしております。 こうした企業立地の流れをさらに加速させるためには、優秀な人材を今後いかに確保していくかが重要な課題となっております。 そこで、これまで実施してまいりましたコールセンターでの短期研修に加え、本年度からは一部テクノスクールにおけるテレオペレーター科の開設、来年一月実施予定のコールセンターの見学とあわせ、人事担当者や若手社員との意見交換を行う魅力発見バスツアーの開催、京都女子大学を初めとする就職支援協定を締結した大学と情報関連企業との就職マッチングの実施など、人材確保と即戦力となる人材の育成に鋭意取り組むことといたしております。 今後、こうした取り組みを積極的に行い、戦略的な企業誘致を展開することにより、雇用の場の創出と本県経済の活性化にしっかりとつなげてまいります。   (佐野教育長登壇) ◎教育長(佐野義行君) みなと高等学園の現在までの取り組み状況と課題を踏まえた今後の具体的な教育的支援について、また就労に向けた手応えについて所見を伺いたいとの御質問でございます。 みなと高等学園の現在までの取り組みといたしましては、基礎的な学力や体力の育成を初め、発達障害のある生徒の特性に応じた就業体験の実施やコミュニケーション能力の育成、生徒の悩みや不安を軽減する週に一度のカウンセリングの実施など、就労に向けた技能の習得や意欲の向上を目指した実践的な事業を展開するとともに、ホームページによる学習活動の紹介や国内外からの視察の積極的な受け入れなど、情報発信に努めてまいりました。 これまでの取り組みを通して、生徒からは、事業所で自信を持って働くことができ成長が実感できたとの感想が寄せられるとともに、事業所からは、即戦力として通用するなど高い評価もいただいております。 今後は、議員からお話がありましたように、生徒一人一人の個性に応じたきめ細やかな支援として、二年生からの個性や能力に応じた教育課程の編成、技能の向上を図る長期間の就業体験、地元企業と連携した各種検定の創設と実施など、充実した取り組みを行ってまいります。 また、保護者を初め県民の皆様方への発達障害教育への理解を促進するため、みなと高等学園の取り組みを初め、各特別支援学校が気軽に教育相談ができる場所であることのさらなる周知を行うなど、より積極的な情報発信を行ってまいります。 県教育委員会といたしましては、生徒たちが就労に向け着実に成長していると実感しているところであり、今後も生徒一人一人の力を十分に発揮できるよう、授業内容のさらなる工夫を行うとともに、事業所やハローワークなどの関係機関との十分な連携を図ることにより、生徒の働きたいという思いを実現できるようにしっかりと取り組んでまいります。   (岡田議員登壇) ◆十四番(岡田理絵君) 実は二回目の登壇のときに持ってこようと思ってて忘れてたので。御答弁いただきましてありがとうございます。 それでは、続けさせていただきます。 それぞれ御答弁をいただきまして、ありがとうございます。 今、知事にお渡しいたしましたのは、先ほど御答弁いただきました若者たちが、また意欲ある生産者たちが世界に向けて発信していきたいと思っている鳴門の農林水産物です。ぜひその心意気を酌んで、徳島県での支援をお願いしたいと思います。 そして、農林水産物の海外輸出戦略は、本県の農林水産業が力強く成長し、将来を担う若い生産者が意欲を持って従事できる産業へと発展していくためにも必要なことでございます。特に所得水準が向上し、市場参入の可能性が拡大している海外での輸出拡大は、若い生産者の皆さんの取り組む意欲と経営意識を向上させるものであり、新たな活力を生み出し、地域の活性化につながるものと考えます。知事の御答弁にもありましたように、ぜひとも海外へ活発な輸出拡大を図るため、若い生産者が輸出に取り組む環境整備と販路開拓の取り組みをしっかりと進めていただくようお願いいたします。 次に、首都圏における徳島県産農林水産物の販路の拡大について御答弁をいただきました。 販路の拡大に向け、さまざまな手法によりとくしまブランドを強力にアピールしていくとの力強いお言葉をいただきました。これからも徳島県におきまして、生産者の皆様とともに、消費者に向けた情報発信の取り組みを確立し、これを徳島県の知的財産としてデータベース化するなど、常に新しい情報発信ができるよう積極的に進めていただきたいと思います。ぜひ、メディア戦略部会、楽しみにしております。そして、そのことが農林水産業の発展、さらには後継者育成にもつながりますので、お願いいたしたいと思います。 就労支援について知事より御答弁をいただきました。 関係機関の連携と協力が不可欠であり、調整が難しい面もあると思います。しかし、徳島の子供たちが夢や希望を持ち、それを実現しようとする意欲を育てていく必要があります。また、企業サイドからも必要とする人材像を具体的に示していただくことで、子供たちの目標ができるのではないでしょうか。しっかりと御検討いただき、粘り強く取り組んでいただくようお願いいたします。 女性の就労支援につきましては、これまでの情報関連企業誘致の実績をさらに伸ばしていくこと、それとともに優秀な人材の確保に鋭意取り組んでいかれるとのことであります。女性の働く環境を整え、すばらしい力を発揮できる社会づくりのためにも、人材育成と一層の企業誘致の推進を期待しています。 みなと高等学園の取り組みと今後の教育的支援について御答弁いただきました。 みなと高等学園での具体的な取り組みを広く県民の方々に知ってもらえるよう情報発信の方法を考え、積極的に広報していただきますようお願いいたします。 それでは、まとめに入ります。 今回の代表質問は、夢を持てる社会づくりをテーマに、全ての世代の方々に夢を持つことの大切さを御提案させていただきました。早急に取り組む課題、中長期的に対応すべき課題、それぞれ重要と考えるものを取り上げ、質問や御提案をさせていただきました。飯泉知事初め理事者の方からは、工夫を凝らした対策や取り組みの方向性をお示しいただき、改めて心強く感じたところであります。 ことし五月二十二日、日本古来のたくみのわざと最新の技術の融合である東京スカイツリーが開業いたしました。私もスカイツリーを真下から見上げる機会がありました。視界に入り切らない六百三十四メートルの世界一のタワーですが、職人一人一人のわざの結晶ででき上がっています。金銭的な報酬にとどまらず、誇りや栄誉をかけて難度の高い仕事に妥協なき挑戦を繰り返すことにより、働くことの生きがいを見出しています。 世界一のタワー建設への挑戦は、大手企業のハイテクを支えた無名の何百もの中小企業の挑戦者たちの技術がありました。それにより成功へと導かれました。スカイツリー建設にかかわった女性副所長が、東京スカイツリーはあんなに大きいけれど、一人一人が小さなことを積み重ねつくり上げたもの、もちろん技術の力もすごいですが、やっぱりそこに人がいなければできないと言った言葉が印象に残っております。人がいて初めてなし遂げられた大事業、人こそ宝です。 徳島には、スカイツリーにも負けない阿波女の心意気がございます。徳島から未来を担う子供たちに夢を。明政会、これからも力を合わせて県勢発展のために頑張ってまいります。長時間御清聴ありがとうございました。(拍手)   ──────────────────────── ○副議長(嘉見博之君) 議事の都合により、休憩いたします。      午後零時四十六分休憩   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━    午後一時四十八分開議      出席議員計三十五名          (その番号・氏名左のとおりである)     一  番     岡     佑  樹 君     二  番     藤  田  元  治 君     三  番     有  持  益  生 君     四  番     笠  井  国  利 君     五  番     中  山  俊  雄 君     六  番     長  池  文  武 君     七  番     元  木  章  生 君     八  番     南     恒  生 君     九  番     岸  本  泰  治 君     十  番     丸  若  祐  二 君     十一 番     寺  井  正  邇 君     十二 番     喜  多  宏  思 君     十三 番     三  木     亨 君     十五 番     黒  崎     章 君     十六 番     松  崎  清  治 君     十七 番     達  田  良  子 君     十八 番     木  南  征  美 君     十九 番     川  端  正  義 君     二十 番     岡  本  富  治 君     二十二番     杉  本  直  樹 君     二十三番     岩  丸  正  史 君     二十五番     嘉  見  博  之 君     二十六番     臼  木  春  夫 君     二十七番     黒  川  征  一 君     二十八番     扶  川     敦 君     二十九番     古  田  美 知 代 君     三十一番     西  沢  貴  朗 君     三十三番     北  島  勝  也 君     三十四番     児  島     勝 君     三十五番     森  田  正  博 君     三十七番     来  代  正  文 君     三十八番     庄  野  昌  彦 君     三十九番     大  西  章  英 君     四十 番     長  尾  哲  見 君     四十一番     森  本  尚  樹 君   ──────────────────────── ○副議長(嘉見博之君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 三十八番・庄野昌彦君。   〔岡田・重清・藤田(豊)三議員出席、出席議員計三十八名となる〕   (庄野議員登壇) ◆三十八番(庄野昌彦君) 新風・民主クラブを代表して、重要課題について順次質問してまいります。知事初め理事者におかれては、県民に対しての答弁と考え、気持ちのこもった温かい御答弁をお願いいたしておきます。 まず初めに、復興予算、全国防災枠についてであります。 全国防災枠については、知事会などからの要望もあり、将来の復興経費を大幅に縮減する災害予防の観点から、緊急防災減災対策として、南海トラフ巨大地震や首都直下型地震に備えるために全国防災対策費として創設されたものです。十九兆円の復興予算のうち全国枠として一兆円確保されたものであり、本県でも大きな防災力の確保につながっています。 しかしながら、南海トラフ巨大地震に伴う大津波により甚大な被害が懸念される本県においては、津波から県民の生命、財産を守るため、堤防などの社会基盤整備をさらに推し進める必要があると考えています。 そこで、お伺いします。 南海トラフ巨大地震に備えるため、本県の社会基盤整備に必要な全国防災枠を含めた公共事業予算の確保にどのように取り組むのか、御所見をお伺いいたします。 次に、グリーンエネルギー改革の重要性に鑑み、本県でも再生可能エネルギー基本条例を制定し、再エネ事業を推進していくべきとの見地から質問いたします。 昨年三月の東電福島第一原発の事故後、日本のエネルギー供給の考え方が大きく変化してまいりました。人や環境に優しい再生可能エネルギーに向ける国民の期待値は大変大きなものとなっております。 先月二十三日、私はPHP研究所主催のセミナーに参加し、NPO法人再エネ事業を支援する法律実務の会の代表である水上貴央氏の講演を聞きました。内容は、現在国で進めている地域主導型再生可能エネルギーに関するもので、民間企業や環境NPO、さらには地域住民も参画し、地域の特性に適した再エネ導入の事業化計画を策定する手法についてでありました。水上氏は、特に再エネポテンシャルが高い地域の自治体の役割が重要で、多くの再エネ事業者が出現し、持続的な事業化、多様な雇用機会を創出し、自治体としての方向性を明確にするために再生エネルギー基本条例をつくり、自治体の公共施設における再エネ推進、地域住民の再エネ推進の補助、地域企業等の再エネ事業推進の総合支援を宣言すべきであると言われました。私も時代に合った鋭い指摘だと思います。 脱原発に向けた大きなうねりの中、地球温暖化防止の観点から、化石燃料への依存度が高まるということは避けなければならず、再生可能エネルギーの利活用に積極的に取り組むことは重要であります。 本県は、自然再生エネルギーの宝庫であります。既に風力については佐那河内村に風力発電施設が設置されており、現在、上勝町、神山町との境には大規模な風力発電施設のウインドファーム構想が民間で進められ、またメガソーラー建設も前進しております。これらの取り組みを支援するとともに、小水力や木質バイオマスなど他の自然エネルギーについても積極的に活用し、地域の特性に適した再生可能エネルギーの導入を図るべきですし、これらの自然エネルギーを活用したエネルギー産業の育成は、地域経済の進展や雇用にも大きく貢献すると考えます。既に本県においてはグリーンニューディール基金を用いて防災拠点などへの太陽光発電施設、蓄電池の設置を進めており、私も評価をいたしております。そこで、次はさらに地域へ、企業へと広げていくために、再生エネルギー推進基本条例(仮称)を制定し、県民に協力を求め、再エネ事業の普及を図るべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。 また、セミナーでは、神奈川県太陽光発電推進課の小碇副課長からかながわスマートエネルギー構想の推進、いわゆる屋根貸しによる太陽光発電の普及について講演があり、県有施設、高校等の屋根を民間企業に貸し出し、太陽光発電を推進する内容が示されました。FIT、固定価格買取制度では、十キロワット以上、非住宅は二十年間全量買い取りが約束されているため、設置から撤去までを考えて二十五年を超えない範囲で貸し出し、民間企業はFITを利用して四十二円パーキロワットアワーで電気事業者に売電するモデル事業を開始し、新たなビジネスモデルを発信しています。今後、工場、事業所等民間の施設の屋根貸しも視野に入れているといいます。このモデル事業は、屋根貸しが発電事業として成り立つ規模を勘案し、一棟の屋根面積が千平米以上の施設の中から耐震性や屋根の構造をチェックし、二十施設、二十五棟を選定し、公募した結果、十一事業者から応募があり、四事業者を選考、合計二千二百キロワットアワーの設置を決定したといいます。県に入る屋根貸し使用料収入は年間五百万円ということでした。 この構想は、埼玉県、岐阜県、福岡県など他の自治体へも波及しているそうです。また、本県は特に日照時間が四国一と言われておりますので、民間企業にとっても魅力的だと思います。 そこで質問ですが、本県においても公共施設での太陽光発電パネル設置の可能性を探り、本県にとっても収入増につながりますし、また民間企業にとっても新たなビジネスチャンスにつながる屋根貸しという事業の検討をしてみてはどうかと考えますが、御所見をお伺いいたします。 次に、地籍調査の推進についてお伺いします。 地籍調査事業は、土地の所在と境界を明確にするものであり、調査済みの地域については、県、市町村が行う道路整備などに必要な用地買収が迅速に行え、事業実施のスピードアップや地図混乱地域の解消による個人の土地売買の円滑化など、地域経済の活性化に貢献することが大いに期待できる事業であります。特に山村地域においては不在地主の増加や土地境界精通者の高齢化により山林の境界確認が困難さを増していることから、事業の早期の進捗が望まれております。 こうした中、知事の先見性ある判断により、厳しい財政状況にもかかわらず、地籍調査の加速度的促進を図るため、平成二十一年度から平成二十三年度までの三年間、それまでの事業予算から倍増させ強力に事業を推進していただき、本年度につきましても同額の予算を確保し事業の推進を図っているところであります。この結果、この三年間では、全国平均が一・四ポイントの増加であるのに対し、本県では四・〇ポイント増加するなど、全国平均の約三倍のペースで進捗しており、着実に成果が上がっているとお聞きしております。しかしながら、時間と予算を必要とする事業であり、トンネルや橋などのように華々しく見えるものではないことから、残念ながら事業主体となる市町村の取り組み状況に大きな差が出ており、特に阿南市以南の沿岸部市町においては大きく出おくれております。 一方、県では先般、南海トラフの巨大地震における津波浸水被害想定を公表されましたが、今までの公表数字と比べて沿岸部を中心に浸水面積が一・七倍になるなど、発生時には甚大な被害が想定されます。東日本大震災の復旧、復興事業においては、地籍調査が災害復旧の迅速化に必要であることが再認識されたところであり、本県においても同様の効果が望まれております。 そこで、お伺いします。 近く発生が危惧される南海トラフの巨大地震に備えるためにも、地籍調査のさらなる促進が必要であると思いますが、今後、県としてどのように取り組んでいくのか、御所見をお伺いします。 次に、木造住宅の耐震化事業についてお伺いします。 昨年三月に策定された「とくしま-〇(ゼロ)作戦」地震対策行動計画におきましては、南海トラフの巨大地震、活断層地震での死者ゼロの実現をスローガンに掲げ、木造住宅の耐震化について、住宅全体の耐震化率を平成二十年度の七二%から平成三十二年度には九五%にまで高めることが目標とされております。そのため、耐震診断の公費助成も実施しながら耐震改修へと進むように改修工事における県費補助も行ってきているところであります。 しかしながら、十月の新聞報道によりますと、旧耐震基準で建てられた木造住宅約九万戸のうち、これまでに耐震診断を受けた住宅は一二・四%、また耐震改修を実施した住宅は耐震診断を受けた住宅の七・一%程度にすぎないという状況が報告されておりました。 南海トラフの巨大地震の際に、本県で予測されている最大震度である震度七では、旧耐震木造住宅の約六五%が全壊すると言われており、死者ゼロの実現のためには、これらの住宅の早急な耐震化が不可欠であります。あらゆる方策を講じなければなりません。 私は、先月十七日、高知県議会を訪問し、高知県土木部住宅課震災担当の方から高知県の取り組みをお伺いしました。高知県でも診断から改修へとスムーズに進まない中、平成十九年度、耐震診断と耐震改修の間に存在する耐震改修設計という部分に注目し、改修設計費への独立した補助、上限二十万円を始めたことにより、改修工事の実施戸数が平成十九年度が八十六軒だったのが、二十年度は二百九十六軒、二十一年度は三百二十四軒、二十二年度は二百七十三軒、二十三年度は六百六十軒と大幅にふえてきたといいます。本県の場合、改修設計費への補助を改修工事費の一部として行っておりますが、参考にすべきだと考えます。 そこで、お伺いします。 本県においても、市町村や建築士会など業界団体と連携し、耐震改修をさらに促進する意味においても、耐震設計の補助も含め、耐震改修につながるあらゆる取り組みを行うべきと考えますが、御所見をお伺いします。 答弁をいただき、質問を続けてまいります。   (飯泉知事登壇) ◎知事(飯泉嘉門君) 庄野議員の御質問に順次お答えをさせていただきます。 まず、全国防災枠を含めた公共事業予算の確保にどのように取り組んでいくのかでございます。 本県におきましては、甚大な被害をもたらす南海トラフの巨大地震が切迫しておりますことから、生命や財産が失われてから予算を投じるのではなく、地震、津波を迎え撃つことが重要である、このように認識いたしているところであります。 このため、被災地に限らず復興支援の観点からも、災害予防として三連動地震対策が不可欠であるとの徳島発の政策提言を繰り返し行いました結果、国の平成二十三年度第三次補正予算におきまして、復興関連予算の中に全国防災枠が創設されたところであります。さらに、本県に対しましては、治水事業では全国防災枠の一七%、港湾事業では四四%、そして海岸事業に当たっては七四%に上る重点配分がなされるとともに、本年度の国の当初予算についても昨年度と同様の重点配分がなされましたことから、今まで手つかずでありました旧吉野川、今切川などの地震津波対策が飛躍的に前進しているところであります。 さきの国会におきまして、復興関連予算の使途について被災地に極力限定すべきとの議論がなされましたことから、去る十月二十五日の近畿ブロック知事会議におきまして、本県からの発議により「全国防災対策費」の確実な確保に向けた緊急決議を取りまとめますとともに、十一月七日、私みずから国に出向き緊急提言を行い、下地防災担当大臣からは南海トラフ巨大地震の影響がある地域に集中投資をするとの回答もいただいたところであります。 さらに、一昨日開かれました全閣僚から成ります復興推進会議におきまして、今後の復興関連予算に関する基本的な考え方の中で、本県のような大規模地震の対策地域における河川の津波遡上対策、海岸堤防、防波堤の耐震対策などの事業につきまして、引き続き全国防災対策費として認められたところであります。 しかしながら、具体的な方針や内容につきましては来年度の予算編成過程の中で決定されますことから、時期を逸することなく全国防災対策費を含む公共事業予算の総額の確保、南海トラフ巨大地震の発生が懸念される地域への予算の重点配分について強く訴えかけてまいりたいと考えております。 今後とも、東日本大震災の教訓をしっかりと踏まえ、想定外との言葉を二度と繰り返すことなく、南海トラフの巨大地震、これを迎え撃つとの強い気概を持ち、死者ゼロを目指すとくしま-〇(ゼロ)作戦の実現に不退転の決意を持ってしっかりと取り組んでまいりたいと思っております。 次に、再生可能エネルギー推進基本条例を制定すべきとの御提言をいただいているところであります。 本県は、太陽光、風力、水力など環境負荷が少ない再生可能エネルギーの宝庫でありまして、平成二十年十月には、中四国で初、地球温暖化対策に真正面から取り組みます地球温暖化対策推進条例を制定し、この時点で再生可能エネルギーの利用の促進についてしっかりと盛り込み、積極的にこれまでも取り組んできたところであります。 また、本年の三月には、自然エネルギー立県とくしま推進戦略、こちらを策定いたしまして、メガソーラーの誘致を初め、四つの戦略プロジェクト、これを平成二十六年度までの三カ年、集中的に展開いたしているところであります。 この結果、県内では再生可能エネルギーの導入の動きが活発になっているところでありまして、民間事業者によるメガソーラーの整備や新たな風力発電事業の計画が進められますとともに、県みずからも県有地二カ所におきましてメガソーラー事業に着手いたしたところであります。 今後は、これまでの取り組みに加え、産学官民の有機的な連携によります情報発信や専門家のコーディネートを図り、地域における再生可能エネルギーの導入の取り組みについてより細かく支援することによりまして、戦略の着実な展開を図ってまいりたいと考えております。 一方、国におきましては、現在、再生可能エネルギーの導入を含む今後のエネルギー政策について議論がなされているところであります。今後、こうした国の施策の動向も見きわめながら、その内容をも踏まえ、議員御提案の基本条例の制定も含め、本県における再生可能エネルギーの導入をさらに加速するための方策について鋭意検討を進めてまいりたいと考えております。 次に、南海トラフの巨大地震に備えるためにも、地籍調査に今後どのように取り組んでいくのか、御質問をいただいております。 地籍調査事業は、正確な不動産登記、公平な課税、そして公共事業の円滑な実施などのため、極めて重要な役割を担っておりまして、また雇用創出効果も大きいことから、県といたしましては、これまで事業推進に鋭意努めてきているところであります。 議員お話のとおり、特に平成二十一年度から本年度までにおきましては、県では地籍調査を経済雇用対策の主要事業に位置づけ、山林境界の明確化に重点を置き事業推進に努めた結果、お話がありましたように、全国平均を大幅に上回るスピードで進捗いたしているところであります。また、平成二十三年度までの新規雇用者数が七百八十四人になるなど、過疎地域の活性化や地域振興に大きく貢献いたしたところであります。 一方、東日本大震災後の復興事業におきまして、地籍調査の有無が事業の進捗率を大きく左右させるものであることが本県から派遣いたしております職員の報告からも明らかとなっているところであります。 このため、県といたしましては、平成二十五年度以降の地籍調査事業、こちらを南海トラフ巨大地震の津波浸水予測地域や直下型地震等による被害予測地域に重点化をし、発災後の復旧、復興を迅速に行うことができるよう、しっかりと備えてまいりたいと思います。 厳しい財政状況ではありますが、今後とも、計画的な事業の推進に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。   (妹尾県民環境部長登壇) ◎県民環境部長(妹尾正君) 公共施設への太陽光発電システム導入について、民間企業への屋根貸しを検討してみてはどうかとの御質問でございますが、本県における太陽光発電の導入につきましては、自然エネルギー立県とくしま推進戦略の四つのプロジェクトにおきまして積極的に展開しているところであり、特に災害に強いまちづくりプロジェクトにおきましては、国のグリーンニューディール基金などを活用し、公共施設に太陽光発電と蓄電池をセットで導入することで、防災拠点、避難所としての機能の強化を図っているところでございます。 屋根貸し事業は、太陽光発電普及のための新たなビジネスモデルとして注目され始めた事業であり、神奈川県を初め数県で取り組みがスタートしているところでございますけれども、長期にわたり貸し付けを行わなければならないことから、防災拠点機能等としての役割が求められている中で、屋上の活用方法に関する調整、また立地条件や屋根の形状、パネルの設置による耐震性などの把握、施設管理主体との調整などのさまざまな課題も考えられます。また、国においては、建物における屋根借り事業者の権利を明確にするため、屋根に対する登記制度の整備を検討項目に上げているところであります。 今後、こうした国の動向に留意するとともに、関連部局と連携を図り、再生可能エネルギーの導入推進や新たな歳入確保策の手法といたしまして、県有施設での導入の可能性について検討してまいりたいと考えております。   (海野企業局長(県土整備部長事務取扱)登壇) ◎企業局長[県土整備部長事務取扱](海野修司君) 耐震改修を進めるための取り組みについての御質問でございますが、本県では、南海トラフの巨大地震を迎え撃ち、住宅の倒壊による圧死や避難路の閉塞を未然に防ぎ、助かる命を助けるため、木造住宅の耐震化を最優先課題として取り組んでいるところであります。 このため、住宅全体の改修を行う耐震改修支援事業に加え、昨年度から、本県独自の制度として、一部屋改修などの簡易な耐震化と、これにあわせて実施する省エネ、バリアフリー工事に補助する住まいの安全・安心なリフォーム支援事業を創設し、市町村とともに耐震改修の促進に努めているところであります。 しかしながら、耐震診断の受診戸数に比べると改修工事の実施戸数の比率が低く、耐震診断から改修工事にスムーズにつながらないことが課題となっており、耐震診断後の住宅所有者への改修工事の内容や工事費、施工業者についての情報提供などが必ずしも十分ではなかったことが大きな要因であると考えております。 議員お話しの高知県では、改修設計費への独立した補助とともに、耐震診断から設計、改修工事までを同一の業者が実施することにより改修工事の実績が増加しておりますが、業者の選定や工事内容の透明性の確保が課題であると考えております。 そこで、本県では、今年度から新たに各地で個別相談会を開催するとともに、過去に耐震診断を受診した方についても戸別訪問やダイレクトメールの送付により本年度新たに作成した耐震化工事事例集の紹介や、工事内容、施工業者に関する情報をわかりやすく提供し、耐震改修の促進に努めております。その結果、十月末時点で耐震改修支援事業と住まいの安全・安心なリフォーム支援事業を合わせ、昨年同月比で一・五倍を上回る実績となっております。さらに、耐震改修の工期や工事費を抑え、耐震化に取り組みやすくするための工法として、六月補正予算により耐震性を備えた建具や小型耐震シェルターの開発を進めております。 今後は、高知県を初め、改修実績が多い他県の取り組み状況についてさらに研究、分析を行うとともに、耐震診断を受診した方を対象にアンケート調査を実施し、これらを踏まえて、市町村や関係団体と連携しながらさまざまな工夫を凝らし、耐震改修につながる取り組みをしっかりと進めてまいりたいと考えております。   〔竹内議員出席、出席議員計三十九名となる〕   (庄野議員登壇) ◆三十八番(庄野昌彦君) それぞれ御答弁いただきましたが、コメントにつきましては最後にしたいと思います。 質問を続けます。 次は、公契約条例の制定を目指し、県として検討チームを発足させていただきたいという趣旨で質問をいたします。 徳島県議会では、平成十七年二月定例会において、国に対して公契約法制定を求める意見書を可決し、提出しました。時を同じくして、県内二十四市町村においても法制定を求める意見書が可決されています。公契約における公共工事や委託契約、指定管理等における現場で働く労働者の賃金低下を食いとめたいという思いで、全国の地方自治体でも本年六月十五日現在で三十九都道府県、七百六十五の自治体で意見書が可決され、国に提出されております。しかしながら、いまだ法制定に至っていないのが現状であります。 ただ、法制定も重要ですが、地方自治体が発注する公契約は独自性を持っており、自治体がそれぞれの理念にのっとり独自で公契約条例を制定することは今や大変重要な意味を持つものとなってまいりました。 昨年四月には、日本弁護士連合会から全国の地方自治体に対し、貧困問題、ワーキングプア及び男女間賃金格差解消の見地から、公契約に基づいて労務に従事する者たちの適正な労働条件を確保するために、公契約条例を積極的に制定することを要請しました。それは、大阪市からの委託によって清掃業務に従事している労働者が、月二十六日フルタイムで働いているのに、受給額が生活保護基準に達せず、生活保護申請が認められたという事態が発生したことや、震災からの復興のために大量の公共工事が行われることになるが、同様の事態が生じないようにしなければならないという趣旨で要請されたものであります。 現在、千葉県野田市、川崎市、相模原市、多摩市、国分寺市、渋谷区において条例化がなされています。また、札幌市などのようにパブリックコメントにまで進んでいるところもあります。また、県の段階で言えば、長野県、佐賀県、大分県、奈良県、愛知県などでは公契約条例の庁内検討会議を正式に立ち上げ、検討に入ったところもあります。ここ一年余りの間に各自治体の動きは活発になってきております。 また、先日、環境省発注の福島第一原発周辺の除染作業において、現場作業員に特殊勤務手当が支払われていないという実態が報道されておりました。元請のゼネコンに続いて下請が幾つも連なる多重請負構造の中で、中抜きがされている可能性が指摘されております。このようなときに公契約法がきちんと整備されていれば、例えば作業現場において労働者の賃金、手当がきちんと表示されていれば、被曝の危険性と精神的労苦に対する手当がきちんと受け取れていたと考えます。 また、昨年に引き続き、本年十月二十七日に徳島県の公契約条例・公共サービス基本条例の制定を目指すフォーラムが開催されました。徳島県からも関係部局から多くの参加をいただきました。お礼を申し上げます。 フォーラムでは、川崎市公契約条例、多摩市公契約条例の制定にかかわってこられた弁護士の古川景一氏より、公契約規整、公契約は社会政策上の目標を実現させることが重要であり、公契約の業務に従事する就労者の労務報酬は生活保護費を下回らない賃金が支払われることは当たり前のことであり、地方自治体での公契約条例制定を促進することが重要であると述べられました。その理由として、一、国の法律との関係で言えば、地方自治体での公契約規整、とりわけ契約内容決定の自由に基づく規律を国の法律で義務づけることは原理的に不可能、二、公契約規整を通じて実現を図る政策目標の設定は地方自治体によって多様であるため、法律ができても自治体条例は必要であるとのことでありました。私は、先月二十四日、川崎市役所を訪問し、条例制定を担当された契約課長さんから説明を受けましたが、本県も制定に向け汗をかく時期に来ていると強く感じました。 そこで、お伺いします。 本県においても、条例制定を視野に入れ、公契約のあり方研究チーム(仮称)を設置し、公共工事、業務委託、指定管理業務、物品の調達など、本県が民間企業等と結ぶさまざまな契約、公契約のあり方について部局横断的に調査研究し、県としての対応を検討すべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。 次に、がん検診の受診率向上についてお伺いいたします。 がんは生涯のうちに二人に一人がかかり、三人に一人ががんで亡くなると言われています。本県においても、県民の死亡原因は昭和五十六年以降がんが第一位であり、厚生労働省の平成二十三年人口動態統計によりますと、本県の死亡者のうち、がんを死因とする方が二六%を占めているという状況にあります。また、高齢化の進展に伴い、がんによる死亡はさらに増加すると見込まれております。 このように、県民の多くの方ががんで亡くなっているという現状や、全国に比べても高齢化が早く進む本県の状況から、がんの対策は非常に重要な大きな課題であると考えます。 こうした中、去る十月に改築された県立中央病院には、高度ながん診療機器が導入されました。がんにかかられた人にとっては、これらの機器設置は非常に心強いものであります。しかしながら、これらの機器を使用して治療し、がんを克服して元気に家庭や地域、職場へ帰るためには、早期のがんの段階で治療することが必要であり、またそれが機器の持つ機能や効果を最大限に発揮するものだと思います。そのためには、何よりも一人でも多くの方ががん検診を受診し、がんを早期に発見することが重要であると考えます。本県が策定しているがん対策推進計画にも、検診受診率の目標五〇%が設定されておりますが、実態として、本県の受診率は全国状況と比べてもかなり低い状況であります。 そこで、県全体のがん診療体制の環境が整いつつある中で、改めて県民の皆様にがん検診受診の重要性を訴え、受診していただくように取り組んではどうかと考えますが、本県における受診率の向上に向け、現在どのような取り組みや啓発等を行っているのか、また今後の取り組み方針をお伺いいたします。 次に、有機農業の推進についてお伺いいたします。 今月十五日、宮崎県綾町を会派で視察しました。綾町は、宮崎市北西部に隣接した人口七千数百人の町です。当町は、本年七月、ユネスコエコパークに登録されました。エコパークは、ユネスコが認定する生物圏保存地域の国内通称です。過去、国内では志賀高原など四カ所が登録されていますが、綾町の登録と大きな違いがあります。それは、四地域は国が選んだのに対し、綾町の場合は、地元が苦労して申請し、地域主導の持続可能な開発と自然保護の両立が重視された九五年以降のユネスコ戦略に合致した結果と言われております。 綾町の広大な照葉樹林、シイ、タブ、カシ、ヤブツバキ、モッコク、サザンカ、サカキなど、葉っぱが艶々していて落葉しない常緑広葉樹は、新鮮な空気や豊富な水を生み出し、多様な動物を育てていると言われています。生物多様性を保全し守ってきたことと環境を壊さない農業や産業を長年進めてきたことが認められた結果であります。すばらしいことと思います。 役場を訪れて一番最初に目にとまったのは、綾町憲章の看板でした。昭和五十八年に制定された憲章の一番目は、自然生態系を生かして育てる町にしようでした。前町長郷田實氏--一九六六年就任--の思いが伝わってきます。郷田氏は、ふるさとの自然をなくしてはいけないとの思いから、国の針葉樹植林政策に反対を貫き、てるはの森の伐採を最小限に食いとめ、昭和六十三年には綾町自然生態系農業の推進に関する条例をつくり、化学肥料、農薬などの合成化学物質利用を排除することや、土の自然生態系への回復、食の安全と健康保持、遺伝毒性を除去する農業、遺伝子組み換え作物の栽培を行わないことを宣言し、し尿や生ごみを肥料とした土づくりを進めました。 綾手づくりほんものセンターには、近郊から買い物客が訪れます。綾町の人口は、昭和四十五年から現在までおよそ七千人余りで推移し、入り込み客数は昭和五十五年は二十一万人でありましたが、現在では年間百万人の方が訪れるとお聞きしました。野菜には金銀銅の印があり、金は三年間無農薬、有機肥料でつくったもの、銀、銅は町の認証基準に沿い、農薬や化学肥料を抑えてつくった野菜です。このような綾町の自然生態系の中で有機農業に取り組む先進性には感心したところであります。 本県においても、家畜由来や菌床シイタケのブロックを有効に活用した堆肥を使用し、有機農業が営まれております。今回の視察を踏まえ、綾町の自然生態系農業の推進条例を参考にしながら、今後さらに安心・安全な有機農業を推進する必要があると感じたところであります。 そこで、お伺いします。 本県においても、今後、有機農業の推進に積極的に取り組むべきと考えますが、御所見をお伺いします。 次に、口蹄疫や高病原性鳥インフルエンザなどの家畜伝染病の防疫対策についてお伺いします。 二〇一〇年四月に発生した宮崎県の口蹄疫は、約三十万頭に及ぶ牛や豚を殺処分し、同年八月二十七日に終息宣言がなされました。私は、当時、宮崎県川南町、新富町で家畜の処分にかかわった者として、その後、家畜がいなくなった畜産農家はどのようになっているのだろうか、畜産農家の方々の当時の苦悩を思い出すたび気がかりでありましたが、今月十六日、会派研修で全処分頭数の半数以上、十七万六千頭が処分された川南町を訪問いたしました。 日高町長さん、山下町議会議長さんの挨拶もいただく中で、当時からの課長さんからお話を伺うことができました。課長さんは、反省点として、発生農場の封鎖は完了し、町道も封鎖し、交差点では人員を配置し防疫作業を開始したが、当時、県警察との連携がうまくとれなくて、県道の封鎖に三日もかかったことを踏まえ、あらかじめ迂回看板や標識を準備しておくことの必要性、またマスコミが入るのを阻止するのに時間がかかったこと、消毒ポイントが多数になるので水の確保、バキュームカーの確保、消毒関連機材--消毒薬を含む--の三日から四日の確保などを教えてくださいました。また、一番つらい仕事だったのが、職員として発生農家に対して全頭処分の依頼をしに行くのが悲しかったとおっしゃっていました。 復興に向けては、現在、約六割の農家が牛、豚などを導入していますが、頭数は発生前の約五割くらいです。経営中止を決めた農家が三三%、不明が三%あり、もとの川南町に戻ることは厳しい現状です。しかし、復興に向け、農場の入り口への消毒ゲート設置、畜産から露地園芸農家への転換、六次産業化に取り組む農家の支援、農商工連携の推進などの対策をとっておられました。 なお、この十月に長崎県で開催された第十回全国和牛能力共進会では、口蹄疫で多くの牛を失いましたが、九部門中五部門の優等首席に加え、第七区の総合評価群における内閣総理大臣賞、さらには団体賞で一位を獲得しました。宮崎県知事は、宮崎牛が日本一を連覇できたのは、今回の出品に携わった方々を初め、長きにわたる肉用牛改良における歴史の中で挙県一致で取り組んできた成果であり、口蹄疫に際し、全国の方々から寄せられた多大な御支援と励ましのおかげですとのコメントを表明いたしております。 川南町で和牛の繁殖を再開した農家を訪問いたしましたが、畜主の方は、連覇はうれしい、これからも頑張っていきたい、そして伝染病対策には非常に重きを置いているということをおっしゃっておられました。 そこで、質問いたします。 口蹄疫や高病原性鳥インフルエンザなどの伝染力が強く、発生すれば甚大な被害を及ぼす悪性家畜伝染病については、日ごろから十分過ぎるくらいの備えが必要であり、本県の防疫対策をどのように構築しているのかお伺いいたします。 また、獣医師の確保は将来的に大丈夫なのかどうか心配しています。仮に獣医師職員の欠員状態が続くということになると、防疫体制に大きな支障が出ると思います。六年制の教育を受けてきた獣医師が大多数になる中、今こそ県においても医師、歯科医師同様の給料表の適用や初任給調整手当の改善などの処遇改善についても検討し、全国知事会や関西広域連合など、あらゆる機会を通じて獣医師確保、処遇改善の主張をすべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。 御答弁をいただき、まとめに入りたいと思います。   (飯泉知事登壇) ◎知事(飯泉嘉門君) がん検診受診率の向上に向けた取り組みや啓発、そして今後の取り組み方針について御質問をいただいております。 がんは、昭和五十六年以降、国及び本県の死亡原因の第一位であり、本県では毎年約二千五百人もの皆さん方ががんによって死亡されるなど、県民の皆様の生命や健康にとりましてまさに重要な課題となっております。 そこで、本県では、国に先んじ平成二十二年十月、全国で三番目となります中学三年生を対象といたしました子宮頸がんワクチンの公費助成による接種を開始いたしますとともに、県立中央病院へのPET-CTやリニアックなどの高度ながん診療機器の設置、また現在改築中の三好病院への緩和ケア病棟の整備など、がん対策に積極的に取り組んでいるところであります。 また、がんで亡くなる方を減らしていくためには、早期発見につながるがん検診の受診が不可欠であり、これまでも市町村検診におきまして、子宮がん及び乳がん検診の広域化や、子宮がん、乳がん及び大腸がんの各検診を無料で受診することのできる無料クーポン事業などに取り組んできているところであります。さらに、今年度末の改定を進めているところであります徳島県がん対策推進計画におきましても、がん検診の受診率の一層の向上を重点課題の一つに位置づけ、働く世代のがん対策とがん教育に積極的に取り組んでまいりたい、このように考えるところであります。 具体的には、働く世代ががんに罹患することは、本人や家族はもちろんのこと、職場や社会に及ぼす影響も大きく、企業の従業員はもとより、来訪者に検診の受診を勧めるがん検診受診促進事業所の増加、ショッピングセンターでのがん検診受診啓発イベントの共催など、企業などによります検診の受診に向けた取り組み、こちらをさらに強化してまいりたいと考えております。 また、がん教育といたしましては、NPO法人AWAがん対策募金との連携によります高校生などへのがんに関する教育や子供たちから両親へ検診受診を促すメッセージカードを送付する取り組みなどを行い、本県の将来を担う若者のがんの正しい知識やがん検診の重要性の理解を進めていただくよう創意工夫しているところであります。 今後とも、県内の約五十の関係団体で構成いたします「みんなでつくろう!健康とくしま県民会議」におきまして受診率の向上を重点目標として掲げるなど、県民お一人お一人に自主的な予防や早期発見に取り組んでいただくことができますよう、市町村や医療機関はもとより、企業、学校、地域が一体となってがんの制圧に向け、県を挙げて取り組んでまいりたいと考えるところであります。   (熊谷政策監登壇) ◎政策監(熊谷幸三君) 口蹄疫や高病原性鳥インフルエンザなどの悪性家畜伝染病の防疫対策についてどのように構築しているのかとの御質問でございますが、口蹄疫や高病原性鳥インフルエンザなど悪性家畜伝染病が発生すれば、議員からお話がありましたように、畜産関係業界のみならず、地域経済活動や県民生活にも大きな被害を及ぼすこととなります。 このため、まずは発生させない予防対策が不可欠でありますことから、特に鳥インフルエンザにつきましては、一年を通じゼロのつく日、十日、二十日、三十日を消毒の日と定め、養鶏場の一斉消毒を初め、関係団体や市町村と連携した本県独自の防疫対策を徹底して進めてきた結果、現在まで養鶏場での発生は認められていないところであります。 一方、万一の場合に備えた防疫体制にも万全を期す必要があります。去る十一月一日には、美馬市におきまして、香川県境の養鶏農家で鳥インフルエンザが発生したとの想定のもと、一連の初動防疫対応に加え、四国四県での連携作業の確認、警察官による消毒ポイントでの車両誘導など、自衛隊、国、市町村、さらには建設業協会を初めとする支援協定締結団体など関係者二百五十名が参加し、実践的な防疫演習を実施したところであります。 また、迅速な初動防疫に必要な防護服七千着、消石灰七十トンなど県内における資材の備蓄に努めるとともに、四国四県での四国家畜防疫支援チームや近畿ブロック十府県で構成する家畜伝染病対策協議会におきまして、消毒薬や防疫資材の共同活用、防疫活動の相互支援など、広域連携体制の充実強化をも図っているところであります。 さらに、異常家畜の早期通報の徹底、畜舎への野生動物侵入防止対策など、生産農場における防疫体制を強化するとともに、鳥インフルエンザの感染源とされております渡り鳥の飛来情報を関係団体と連携し農家へ提供する取り組みを新たに進めることといたしております。 今後とも、地鳥出荷羽数日本一の阿波尾鶏や阿波牛、阿波ポークを初め、本県が誇る畜産ブランドはもとより、地域経済や県民生活をしっかり守るため、悪性家畜伝染病を発生させない、持ち込ませないとの強い決意のもと、関係者一丸となり全力で取り組んでまいります。   (豊井経営戦略部長登壇) ◎経営戦略部長(豊井泰雄君) 質問を二点いただいております。順次お答えいたします。 まず、条例制定を視野に入れ、公契約のあり方研究チームを設置し、部局横断的に調査研究し、県としての対応を検討すべきとの御質問でございますが、議員からお話のありました公契約条例につきましては、県が発注する工事や委託業務の受注者に対し、県の定めた水準以上の賃金の支払いなどを契約により義務づけることを主眼としたものでございますが、賃金を初めとする労働条件につきましては、発注者が県であるか民間であるかにかかわらず、最低賃金法や労働基準法などの労働関係法の定める範囲内で労使間で自主的に決定することが原則でございます。 このため、労使間で決定した賃金を上回る賃金を強制することは現行法との整合性から問題があること、また県の発注する業務に従事する労働者の賃金のみを条例で引き上げることの公正性や妥当性の問題、賃金コストの上昇による事業者の経営への影響や下請に至るまで賃金の支払いをどのように確認するかといった実効性の確保などさまざまな課題がありまして、現在のところ、どの都道府県におきましても条例を制定しない状況にあります。 このような中、本県におきましては、現行の契約制度の中におきまして、業務の質や適正な労働環境が確保されますよう積極的な取り組みを行ってまいっているところでございまして、公共工事につきましては、入札制度改革といたしまして最低制限価格及び低入札調査基準価格の引き上げを初めといたしまして、低入札に対するペナルティー強化などの総合的なダンピング対策に取り組みますとともに、低入札価格調査や下請企業との契約などの調査により指導を行っているところでございます。 また、警備やビルメンテナンスなどの業務委託契約につきましても、業務の実施体制や労働者の労働条件等の状況把握や適切な指導に努めているところでございます。 さらに、本年十月には、業務委託の質の確保及び県内企業の健全な発展や労働者の適正な労働条件の確保を図るため、業務委託への最低制限価格制度の導入につきまして、部局横断的に庁内の関係各課で構成する検討会を立ち上げ、現在鋭意検討を進めているところでございます。 このため、まずはこの会におきまして清掃業務などの業務委託契約への最低制限価格の導入につきまして検討を行いますとともに、公契約条例につきましても、既に条例を制定している市の運用状況や公契約のあり方研究チームの設置も含めまして、他の都道府県の状況について十分情報収集するなど、しっかりと調査研究を進めてまいりたいと考えております。 獣医師の確保、処遇改善についての御質問でございますが、近年、国内における高病原性鳥インフルエンザや口蹄疫などの発生を契機といたしまして、食の安全・安心や畜産物の安定供給に対する国民の関心がより一層高まってきていますとともに、また同時に、健康を脅かす人と動物の共通感染症への適切な対応も強く求められているところでございます。 こうした状況の中、食品の安全確保、人と動物の共通感染症の予防、家畜伝染病の防疫などにおいて、地方自治体の獣医師が果たすべき役割は極めて重要なものであり、その社会的責務は増大の一途をたどっているものと認識いたしております。 一方、最近のペットブームによる小動物志向や獣医学生の小動物分野での就業希望の高まり、さらには獣医系大学の地域偏在などを受けまして、今後、地方自治体における獣医師の確保がさらに難しくなることが懸念されるところでございます。 このため、本県では、獣医師を確保するための方策といたしまして、複数回の試験を実施することによる受験機会の拡大、受験可能年齢の二十九歳から三十九歳への段階的な引き上げ、さらには獣医師に対する初任給調整手当の創設を行っているところでございます。加えまして、昨年度からは、大学において獣医学を履修しており、将来本県機関において獣医師の業務に従事しようとする学生に対しまして修学資金を貸与する制度を創設するなど、処遇改善を含めましたさまざまな取り組みを実施してまいりました結果、近年では、採用者数の確保につきまして一定の成果が得られているところでございます。 しかしながら、議員からお話がございましたように、家畜伝染病対策など地方自治体の果たすべき業務に支障を来さないよう、今後も安定的に獣医師を確保するための取り組みが必要であると認識いたしているところであります。そのため、これまでも機会を捉えましては、本県のみならず、四国知事会といたしましても関係省庁や人事院に対しまして医師と同等の俸給の制定や初任給調整手当の支給などの待遇改善、地方自治体に勤務する獣医師の役割や必要性に関する獣医大学のカリキュラムの充実など、地方自治体における獣医師の確保に向けた提言、要望を積極的に行っているところであります。 今後におきましても、他の都道府県との緊密な連携を図りながら、四国知事会などを通じまして、関係機関に対し、地方自治体に勤務する獣医師の処遇改善のための提言、要望を粘り強く行うなど、本県の獣医師確保に向け、引き続き努力してまいりたいと考えております。   (吉田農林水産部長登壇) ◎農林水産部長(吉田和文君) 有機農業の推進に積極的に取り組むべきとの御質問でございますが、議員からお話のございました宮崎県綾町は、自然生態系農業の推進に関する条例を制定するなど、有機農業に関し先進的な取り組みが行われていると伺っております。 本県におきましても、徳島県食料・農林水産業・農山漁村基本条例に基づきまして、自然生態系に配慮した環境に優しい農業を推進いたしておりまして、有機農業につきましても、新たな参入や経営の安定化が図られるよう、生産者に向けまして有機農業に取り組むための事例集の作成、配布、生産者と量販店のバイヤーやシェフとの商談会の開催、堆肥の供給者情報の提供など、さまざまな支援を行ってまいりました。 また、消費者に対しましては、エコ農産物フェアや児童、生徒による環境に優しい農業絵画コンクールの開催によりまして、有機農業への理解を一層深めていただくための取り組みを行ってまいりました。この結果、畜産や菌床シイタケに由来する有機肥料を活用いたしました美馬市の有機ゆず、小松島市のいのち育むたんぼ米、海部郡のかいふエコブランド農産物など、県下各地で新たな取り組みも始まっております。 しかしながら、農薬を極力使用しないという有機農業は、雑草や病害虫の被害を受けやすく、品質や収量が不安定となる傾向にありまして、また必ずしも労働やコストに見合った単価での販売が見込めないといった課題もございます。このため、今後、生産者に対しまして、天敵である昆虫を用いた農薬を使わない技術の普及、土づくりに欠かせない堆肥散布機の導入、有機肥料を用いた栽培基準の策定など、安定した生産体制の構築に向けまして、これまで以上に積極的な支援を行ってまいります。 また、消費者の皆様方に対しましては、有機農業体験ツアーや生産者との交流会を開催するなど、生産者の取り組みを御理解いただくための機会をふやしてまいりたいと考えております。 こうした取り組みによりまして、安全・安心はもとより、自然生態系に配慮した有機農業を今後ともしっかりと進めてまいりたいと考えております。   (庄野議員登壇) ◆三十八番(庄野昌彦君) それぞれ御答弁をいただきました。コメントを申し上げます。 まず初めに、全国防災枠の確保については、本県にとって南海トラフの大地震から県民の命と財産を守るため、事前の防災減災対策としてぜひとも必要な事業でございます。どうか今後とも予算確保に向けた御尽力をお願いいたしておきたいと思います。 また、再生エネルギー推進条例については検討していくとの答弁でございました。本県の方向性を示すためにも、ぜひとも早期条例化を期待しております。 また、昨年からことしにかけまして会派として木質バイオマスの可能性を探るために、J-POWER本社を初め、長崎県松浦石炭火力発電所、阿南の橘湾発電所、また松浦石炭火力発電所で混焼する木質ペレットを製造している宮崎県小林市にある宮崎ウッドペレット株式会社を視察いたしました。化石燃料を削減し、地球温暖化防止対策にもなる石炭火力発電所での木質ペレットの混焼は有効な手段であり、阿南の橘湾発電所でも所長さんにお聞きすると、供給があれば混焼は可能とのことでありました。また、宮崎県、高知県などでは、園芸用ハウスの熱源として石油にかわり木質ペレットの使用を開始、検討いたしております。 現在、本県では、次世代林業プロジェクトにより生産された木材を製材工場に供給し、残りの低質材については合板やMDFに加工するなど多段階利用に努め、できるだけ木としての利用を進めておられます。次世代林業プロジェクトは、今後、四十万立方メートルの増産計画を立てておりますが、お聞きしますと、徳島すぎは現在年間百万立方メートルの成長量があると言われます。杉本先生のこれはもうおはこでございますけれども、木材の生産には基盤整備や担い手の育成、採算性など課題は多くあることは存じ上げておりますが、本県の豊富な森林資源を背景に、さらに増産を図って、自然再生エネルギーとしての木質バイオマスの将来をにらみ、研究されますように要望いたしておきたいと存じます。 また、県有施設での屋根貸しについては、導入の可能性について検討していくとの答弁でありました。しっかりとした検討をお願いいたします。 地籍調査については、市町村としっかり連携して進めていっていただきたいと思います。 木造住宅の耐震化事業については、個別相談会や耐震化工事事例集など、工事内容や施工業者に関する情報をわかりやすく提供し、耐震改修の促進に努め、実績も上がってきているとの答弁であり、県としても耐震改修促進に努力していることは私も評価いたします。今後、さらに耐震設計費補助の検討も含めて、建築士会などあらゆる団体にも協力いただき、耐震改修へとつなげていっていただきたいと思います。 公契約条例に関して答弁をいただきました。 本年十月に、業務委託への最低制限価格制度の導入について、庁内関係各課で構成する検討会を立ち上げて検討を進めている、まずはこの検討会で業務委託契約について検討し、公契約のあり方研究チームの設置は調査研究していくとの答弁でありました。業務委託の検討会立ち上げについては評価できますが、公契約全般についてもその検討会を拡大し、協議を開始すべきであります。強く要望すると同時に、委員会でまた議論したいと思います。 がん検診受診率の向上については、今までも努力されておりますが、新中央病院が診療を開始し、がん高度治療機器も導入されたのを機に、より一層のがん検診の普及を図り、早期発見、早期治療、早期社会復帰につなげていっていただきたいと思います。 有機農業の推進については、宮崎県の綾町の例を紹介しましたが、コンセプトは持続可能な地域発展です。本県においてもさらに自然生態系に配慮した農業を展開していっていただきたいと思います。 高病原性鳥インフルエンザなどの悪性家畜伝染病対策については、絶対発生させない、また拡大させない対策がしっかりととられております。家畜保健衛生所の職員さんにかかる負担は大変大きいものがありますが、アンテナを高くし、本県の畜産を守り振興させていくため、どうか頑張っていただきたいと存じます。 また、獣医師職員の確保対策については、大学訪問も実施し、本県への就職を求めております。確保に向けた御努力には敬意を表します。しかし、医師、歯科医師同様六年制教育を受け、国家資格も獲得している獣医師職員の処遇については寂しい思いがします。処遇改善について、引き続き全国知事会などあらゆる機会を通じて主張していただきたいと思います。 最後に、提案を一つしておきたいと思います。 会派で先日宮城県岩沼市を視察いたしました。岩沼市は、宮城空港の南部に位置し、三・一一大震災では、市域の約四八%、被災した沿岸市町村では最大割合となる二十九万平方キロメートルの津波による浸水面積となりました。伊達藩以来、四百年の歳月を経て植え継がれてきた松林は失われましたが、海浜公園の丘で助かった事例や居久根が減災効果を果たしたことから、岩沼市震災復興計画で、震災により生じた瓦れきを活用し沿岸部一帯に丘陵地を造成し、シイ、タブノキ、カシ、山桜などを植林し、津波よけとなる千年希望の丘を整備することとしております。これらの丘は、津波の威力を減衰、分散させるとともに、災害時における避難時間を確保する役割と防災教育の拠点としての役割を担います。 昨年五月二十六日には、森の防波堤実現に向けた実証実験として、瓦れきをまぜて人工的につくった丘に、市民千人が十六種、約六千本の苗木を植樹しました。津波対策からすれば、連続した森の防波堤、特に照葉樹林帯を造成していくことがよりベターなのかもしれませんが、その地域ででき得る規模、手法で少しでも未来のための安心・安全を確保することが重要だと思います。 本県においても、二次減衰、三次減衰効果を狙い、市町村や地域住民の方々の理解も得ながら、海岸部分について常緑広葉樹などの植樹を積極的に進め、防潮林をつくり、未来への安心につなげていくことは非常に有効な手段であると私は確信しております。今後の検討事項として、県としても深く認識していただきますよう要望し、全ての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)   ──────────────────────── ○副議長(嘉見博之君) 議事の都合により、休憩いたします。      午後二時五十八分休憩   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━    午後三時二十二分開議      出席議員計三十七名          (その番号・氏名左のとおりである)     一  番     岡     佑  樹 君     二  番     藤  田  元  治 君     三  番     有  持  益  生 君     四  番     笠  井  国  利 君     五  番     中  山  俊  雄 君     六  番     長  池  文  武 君     七  番     元  木  章  生 君     八  番     南     恒  生 君     十  番     丸  若  祐  二 君     十一 番     寺  井  正  邇 君     十二 番     喜  多  宏  思 君     十三 番     三  木     亨 君     十四 番     岡  田  理  絵 君     十五 番     黒  崎     章 君     十六 番     松  崎  清  治 君     十七 番     達  田  良  子 君     十八 番     木  南  征  美 君     十九 番     川  端  正  義 君     二十 番     岡  本  富  治 君     二十一番     樫  本     孝 君     二十二番     杉  本  直  樹 君     二十三番     岩  丸  正  史 君     二十五番     嘉  見  博  之 君     二十六番     臼  木  春  夫 君     二十七番     黒  川  征  一 君     二十八番     扶  川     敦 君     二十九番     古  田  美 知 代 君     三十 番     藤  田     豊 君     三十一番     西  沢  貴  朗 君     三十三番     北  島  勝  也 君     三十四番     児  島     勝 君     三十五番     森  田  正  博 君     三十七番     来  代  正  文 君     三十八番     庄  野  昌  彦 君     三十九番     大  西  章  英 君     四十 番     長  尾  哲  見 君     四十一番     森  本  尚  樹 君   ──────────────────────── ○議長(樫本孝君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 十番・丸若祐二君。   〔岸本・重清・竹内三議員出席、出席議員計四十名となる〕   (丸若議員登壇) ◆十番(丸若祐二君) 自由民主党・県民会議の丸若でございます。本日最後の代表質問ということで、皆さん選挙のほうに気が行っとる方が多いんじゃないかと思いますが、もうしばらくおつき合いをいただきたいと思います。ちょっと風邪ぎみでして、途中で水入りになるかもわかりませんけど、御協力よろしくお願いします。 その選挙ですけれども、近いうちにと言っとったのが、私も来年早々ぐらいになるんじゃないかと思うとったんですけど、突如として選挙になりました。その選挙の中で、この間うちの、この徳島新聞で一二年衆院選で問われるものという特集がありますけれども、その中で、道州制を含んで地方分権改革についての議論が再燃するのではないかというふうな、このような記事が出ておりました。 質問の第一番目として、この地方分権改革についてお伺いいたします。 地域主権改革を政権の一丁目一番地に据えた民主党政権は、地方に権限を分け与える分権ではなく、地域にこそ主権があるという地域主権の実現を目指すなど、地方分権よりさらに踏み込んだ地域主権の社会を実現すると公言しておりました。その象徴とも言える国の出先機関改革では、自民党政権下で廃止、縮小とされていたものをさらに踏み込み、原則廃止という大風呂敷を広げたことから、本県を初め地方に大きな期待を抱かせたものの、現実を見れば、地域主権の定義も曖昧なまま政権交代から三年が過ぎ、三人目の首相となった野田総理が繰り返し今国会に法案を提出すると言い続けながら、結局は解散前日の深夜、党内調整もままならないうちに閣議決定だけ強引に行いましたけれども、結論は棚上げにされ、この約束もまた守られることなく終わることになりました。しかも、その法案の中身を見れば、地方に任せる事務の内容については政令に委任するほか、人員や権限の移管に伴う前提条件とも言える財源移管についてははっきりとした形で担保されていないなど、政治主導を掲げていたはずの民主党が、結局は霞ヶ関に太刀打ちできず、霞ヶ関の意のままにされてきてしまったとしか思えない、およそ改革の名に値しないものとなっております。 こうした口先だけの地域主権、政治主導には即刻決別し、今回の選挙で恐らくは自民党主体となるだろう次の政権には、地に足のついた改革を進めるとともに、一日も早く地域の実情を一番よく知る地方の創意工夫に基づく地域活性化が可能となるよう、地方分権改革に取り組んでほしいものと思っております。 本県は、これまでにも地方分権改革の突破口を関西から開くことを目指し、全国に先駆けて関西広域連合を設立し、ドクターヘリの広域運航など地に足のついた広域行政を展開しているほか、国の出先機関の移管に向けては、政府の方針に即応し、まだ仮称ではありますが四国広域連合の設立を目指すなど、まさに実践なくして改革なし、地方分権改革のパイオニアと言っても過言ではないと思っております。 そこで、政権交代後に民主党政権が進めてきた地域主権改革に対する知事の評価と今後さらに進めるべき地方分権改革への取り組みについて、知事の意気込みを伺いたいと思います。 次に、これに関連し、統治機構改革についてお伺いします。 私は、住民に直接関係する行政課題は住民に一番近い基礎自治体にその権限と予算を任せるという地方分権改革の、そのまた先には、国、都道府県、基礎自治体という現在の国と地方のあり方を見直す統治機構改革が必要だと考えており、今回の総選挙こそ、それを問う絶好の機会であると確信しております。 十一月十九日の産経新聞において、評論家の屋山太郎氏も、選挙で問うべきは統治機構改革との一文の中で、野田首相を、消費増税で名を残そうとしたのだろうが、官僚に服従した最後の指導者と位置づけられるかもしれないと厳しく非難し、官僚制度の改革を叫び続けたみんなの党や教師と職員の規律回復、強化に取り組んだ橋下徹大阪市長の姿勢を高く評価するとともに、総選挙後に登場するであろう安倍晋三内閣の使命もまた統治機構改革だと述べております。 かつて自民党政権下には、政府に道州制担当大臣が置かれ、新たな国の形として道州制に向けた議論が行われてまいりましたが、民主党政権下では、道州制については今後射程に入れるとされたのみで、導入に向けた議論は積極的に行われておりませんでした。今般の選挙においては、第三極と言われる政党はもとより、自民党、ひいては民主党までもがその政権公約に道州制を掲げ選挙を戦おうとしていることから、選挙の結果を待つまでもなく、今後、道州制論議が再燃することは明らかであろうと思います。 知事は、さきの九月議会で、森本議員の国主導の道州制と地域主権型道州制の違いについての質問に対し、道州の区割りや基礎自治体の機能や権限について国主導で一方的に進められているものを悪い道州制として、逆によい道州制とは、地方分権の理念のもと、地域振興に関する立法権を道州が持つなど、憲法改正も排除しない連邦制のようなものとの考えを示されました。私も、新しい国の形として統治機構を考えるとき、道州制よりも地域の独立性を勘案した連邦制を採用すべきと考えておりましたので、一歩踏み込んだ知事の発言は大いに歓迎するところでありますし、今回の総選挙も統治機構に対する考え方の違いも一つの争点になるのではないかと思っております。 私は、こうした時期であるからこそ、今後、道州制を初め、徳島県が取り組んでいる広域連合など、どのような形での広域行政が地方にとってベストなのか、広域行政のあるべき姿についての議論を開始し、飯泉知事が常におっしゃっている悪い道州制とならないよう機先を制しておくべきだと考えております。 全国知事会における組織のあり方検討プロジェクトチームにおいて、従来の道州制特別委員会を廃止し、より幅の広い論議が可能となる地方行政体制特別委員会を立ち上げたことは、知事会においても飯泉知事がこの問題について先駆であることの証明だと考えております。 そこで、道州制に対する政策は自民党、民主党、維新の会、それぞれ違いはあるものの、統治機構改革という意味においては共通しているところであり、総選挙に向かう今だからこそ言える今後の広域行政のあるべき姿についてお伺いします。 次に、その選挙後の新政権に対し、これも今だからこそ言える県が求める経済政策とは何かについてお伺いいたします。 経済音痴とやゆされる民主党政権発足から三年がたち、日本経済が確実に厳しい状況となっていることに対し、現内閣は景気減速の原因を海外要因に求めようと躍起になっておりますが、問題の本質はデフレをそのまま反映する名目ベースのGDPが個人消費とともに今年度に入り連続減少となったことであるにもかかわらず、担当大臣である前原経済財政担当相が事後的に見て景気後退局面に入っていたことになる可能性も否定はできないなどという、のうてんきなコメントを発したことはあきれるばかりであります。 そんな中、党首討論で野田首相が近いうちにと言っていた衆議院解散を突如として持ち出し、来月十六日の投票日という日程で各党が実質的な選挙戦に突入しております。この選挙戦に際し、安倍晋三自民党総裁が、デフレ、円高からの脱却を最優先に、我が国の経済を立て直すことを念頭に、その政権公約としてデフレ、円高からの脱却を最優先に、名目三%以上の経済成長を達成、欧米先進国並みの物価目標二%を政府、日銀による政策協定で定める、日銀法の改正も視野に、政府、日銀連携強化の仕組みを整える、新政権発足後、第一弾緊急経済対策を実施、大型補正予算と二〇一三年度予算を組み合わせて実行などの経済政策を発表しました。市場はそれを好感し、十一月第三週の日経平均は三・八%高の九千三百六十六円と続伸し、ドルも八十二円台半ばと円安の流れが続いており、これまで出口の見えなかった日本経済に大きな変化があらわれつつありますが、このことは資本主義国家におけるトップのガバナンスがいかに重要であるかということのあらわれでもあります。 政治に「たら」、「れば」は厳禁であると言われますが、今回の総選挙において、政権が再び交代するとともに、安倍晋三首相誕生も間違いないでしょうし、新政権発足後は、公約どおり速やかに本格的大型補正予算と新年度予算を合わせ、切れ目のない経済対策を実行するものと思われます。その中で、事前防災の考え方による国土強靱化を推進し、必要な防災対策、公共事業を推進するとの政策がありますが、他の政党もそれぞれ経済対策の必要性を主張しているという状況を踏まえ、衆議院選挙の結果により政権の枠組みがどうなるかにかかわらず、徳島県として経済対策を国に対して何を求めていきたいと考えるかお伺いいたします。 次に、平成二十五年度予算の編成方針についてお伺いいたします。 午前中、我が会派の杉本副会長から平成二十五年度当初予算の方向性についての質問がありましたが、私からは、去る十月十九日に公表された予算編成の基本となる平成二十五年度当初予算編成方針についてをお伺いいたします。 国においては、七百兆円を超える借金を抱え、大変厳しい財政運営を余儀なくされております。年内には国民の審判を経て新たな政権が誕生いたしますが、欧州を初め国際的な経済低迷の中、どのような枠組みの政権においても、国の財政状況が直ちに改善することは考えにくい状況にあります。本県の基幹的な歳入で三分の一を占める地方交付税についても、現在でさえ法定五税で賄い切れておらず、地方固有の財源であるとはいえ、今後拡充していくことは期待薄だと思われます。 先般公表された予算編成方針においては、このような状況を踏まえてか、政策評価対象事業費の二十億円削減を目指すことや、十五テーマについて類似事業統廃合を集中的に取り組むなど、経費の削減に関する項目が目立っております。本県の財政状況は、自主財源が乏しく、地方交付税も先ほど申し上げましたような状況で、県は禁じ手である職員の給与カットまで行っております。義務的経費で見直すべき点は少ないと思いますが、政策評価対象事業費だけで二十億円もの削減を行えば、義務的経費の削減同様、県民生活に大きな影響を与えるのではないかと危惧しております。私も既存事業を見直していくことは必要だと感じており、今回各部局の類似事業を取りまとめ再編、集中という取り組みは重要であると思っておりますが、県民から見れば、県民サービスが二十億円分削減され、さらに類似事業統廃合でこれまで受けていたサービスが低下するのではないかとの懸念もあることから、どのように取り組もうとしているのか、予算編成方針について丁寧な説明が必要だと感じております。 そこで、平成二十五年度当初予算編成方針には政策評価対象事業費を二十億円削減や、類似事業統廃合など県民サービスの低下が懸念される内容も含まれますが、どのような認識で策定されたのか、また今後どのように進めていくのかお伺いいたします。 前半最後の質問として、教育問題、まなびの邦・育みとくしまについてお伺いいたします。 自民党総裁に復帰した安倍晋三氏が首相在任中の平成十八年十二月、約六十年ぶりに教育基本法が改正され、これからの教育のあるべき姿、目指すべき理念が明らかにされ、平成十九年一月の教育再生会議第一次報告である「社会総がかりで教育再生を~公教育再生への第一歩~」において、教育再生のための緊急対応として、学校教育法の改正を初めとする教育三法の改正が提言されました。その後、日教組を支持母体とする民主党政権となり、教育再生への期待は大きく損なわれましたが、今回の総選挙における自民党の政権公約には、教育投資の充実や平成の学区制大改革、科学技術、文化、スポーツへの支援など、教育再生への決意が強く示されております。 徳島県においても、これまで知事は、「いけるよ!徳島・行動計画」においてまなびの邦・育みとくしまを基本目標の一つとして、個性、創造性を伸ばすオンリーワン教育に取り組んでこられました。また、県教育委員会では、平成二十年には徳島県教育振興計画を策定し、郷土に誇りを持ち、社会の一員として自立した、たくましい人づくりを基本目標に掲げて、積極的にこれからの徳島を担う人材の育成に取り組んでまいりました。 このように、知事と県教育委員会が連携してこれまでさまざまな課題に取り組んできたところではありますが、学力向上の推進を初め、子供の体力向上、不登校児童の問題など本県教育をめぐる諸課題についてはなお一層の取り組みを望むところであり、また滋賀県大津市におけるいじめが背景事情として認められる生徒の自殺事案に端を発し大きな社会問題となっているいじめ問題や、南海トラフの巨大地震に代表される大規模災害に対する学校の安全・安心対策、またグローバル化の急速な進展に対応する人材の育成など、喫緊の課題への対応が早急に求められていることから、今後、こうした諸課題に対応し、まなびの邦・育みとくしま、そして現在策定中の次期徳島県教育振興計画を着実に推進していくためには、その実現のための推進エンジンが必要と考えます。 そこで、グローバル人材の育成、防災教育等喫緊の課題に機動的に対応し、まなびの邦・育みとくしまの着実な推進を図るための基金を創設し教育理念具現化への一助とすべきと考えますが、所見をお伺いいたします。   (飯泉知事登壇) ◎知事(飯泉嘉門君) 丸若議員の御質問に順次お答えをさせていただきます。 まず、民主党政権の地域主権改革に対する評価と今後の地方分権改革への取り組みについてであります。 現政権が一丁目一番地に掲げる地域主権改革につきましては、平成二十二年六月に定められた地域主権戦略大綱に基づき、その取り組みが進められてきたところであります。中でも、地方が長年求め続けてまいりました国と地方の協議の場が法制化されましたことは、政策の企画立案段階から国と地方が対等なパートナーとして政策をつくり上げる新たな関係を構築する端緒となるものと評価するところであります。 また、地方の自由度を高めるための取り組みとして、法令による義務づけ、枠づけの見直しや市町村への権限移譲を含む第一次、第二次一括法の成立、国庫補助金、交付金の一括交付金化の実現などにつきましても、今後さらに見直しは必要であるとはいうものの、一定の成果があったものと、このように考えるところであります。 しかしながら、真の分権型社会を構築していくためには、現政権が進めた改革、その多くはいまだ道半ばの状況にあり、我々四国を初め、本県が参加いたしております関西広域連合や中国、九州、いわゆる西日本全体がその実現を望む国の出先機関の地方移管、地方において安定的な行政運営が可能となります地方行財政システムの構築など依然として課題が山積している中、今般の衆議院の解散総選挙を迎えるに至ったところであります。 こうした課題を克服し、真の分権型社会を実現していくためには、着実にこうした流れを進めていく必要があるところでありまして、地方の声を一層国の施策に反映できるよう、国と地方の協議の場につきましては、地方からの開催の求めに国が応じる応諾義務の創設、社会保障や税財政など政策課題に応じた分科会の設置など、より実効性を担保していくための仕組みを政府の「アクション・プラン」推進委員会や全国知事会の政権公約への申し入れの場において提案させていただいたところであります。 今後、総選挙後に発足いたします新たな政権に対しましても、現在棚上げ状態となっております国の出先機関の地方移管に向けた特例法案の成立を求めますとともに、これらの提案を積極的に行い、真の地方分権型社会の突破口を四国と近畿の結節点であるこの徳島から切り開いてまいりたい、このように考えておりますので、議員各位の御支援、御協力を賜りますようどうぞよろしくお願いを申し上げます。 次に、最近の道州制の議論を踏まえました今後の広域行政のあるべき姿について御質問をいただいております。 いわゆる道州制につきましては、これまでも国や経済団体、政党などでどちらかといいますと議論のみが先行し、道州制という言葉がひとり歩きするなど、国主導で区域や制度が決められる中央集権的ないわゆる悪い道州制へ進む傾向がございます。このため、例えば全国町村会におかれましては、都道府県よりも先に合併を行った過去の経験から、道州制によりさらなる強制合併につながるのではないか、住民との距離が遠くなるのではないかといった懸念を強く持たれまして、去る十一月二十一日には、道州制は地方分権の名をかりた新たな集権体制であり、改めて導入に反対するとの特別決議が採択されたところであります。 そこで、県民の皆様方に親しまれております府県制度を生かしたままで広域行政に取り組み、そのメリットを具体的に実感していただくことが何よりも重要である、このように考え、一昨年の十二月、我が国初の責任ある広域行政の主体であります関西広域連合を設立し、広域医療や広域防災を含む七分野で広域事務を展開するなど、着実に実績を積み重ねているところであります。 一方、私が組織のあり方検討プロジェクトチームの座長といたしまして組織再編を主導いたしました全国知事会におきましても、従来道州制を検討していた特別委員会をこの機会に廃止いたしまして、幅広い広域行政のあり方を検討できるよう、新たに地方行政体制特別委員会を設置いたしたところであります。 去る十一月十五日には早速この特別委員会が開催されたところであり、私のほうから、今後の広域行政のあり方につきまして、道州制ありきではなく既に実績のある広域連合制度について検証を行うこと、国の主導ではなく地方主導で数合わせや小手先の対応ではない新しいこの国の形として地域振興に関する立法権を持ついわゆる連邦制をも視野に入れた骨太の議論をすべきとの意見を申し上げたところ、多くの知事の皆さん方から御賛同いただいたところであります。 今後とも、この全国知事会の特別委員会を有効に活用し、我が国で唯一広域行政を展開している関西広域連合の一員として、机上の空論ではなく、実践を踏まえた現場感覚の意見をしっかりと主張していくことによりまして、地方主導、国民目線の真に血の通った広域行政像の議論を徳島からしっかりとリードしてまいりたいと考えております。 次に、県としてどのような経済対策を国に対し求めていくのか、御質問をいただいております。 我が国は、言うまでもなく、百年に一度の経済危機真っただ中に発生いたしました千年に一度の大震災、それに伴う原発事故、さらには欧米の債務危機などの国際リスク、これが拍車をかけ、まさに国難の状況となっているところであります。 最近の経済指標におきましても、本年第三・四半期のGDPが再びマイナス成長に転じるとともに、雇用面におきましても、有効求人倍率が直近の公表値である九月には、三年二カ月ぶりに前月比マイナスとなるなど、経済雇用情勢はさらに不透明感を増しているところであります。 県におきましては、平成二十年秋のリーマンショック以降、緊急出前相談として、厳しい状況に置かれております県内企業を訪問させていただき、経営者の皆様方の切実な声をお聞きするなど、常に現場目線に立ちつつ、国の経済対策に一歩先んずる形で延べ三十回に及ぶ切れ目のない補正予算を編成し、県内経済の回復や雇用の確保に懸命に取り組んできたところではありますが、国難脱却のためには、まさに国レベルでの抜本的な対策が不可欠となるところであります。 このため、徳島発の政策提言として、日本経済再生に向けた対策の実施をこれまで繰り返し強く求めてきたところでありまして、先日の衆議院解散後にも、直ちに厳しい中小企業の経営を下支えするための中小企業金融円滑化法の一定期間での延長、緊急雇用創出事業を初め経済対策関連基金の期間の延長、積み増しなどのいわゆる充実強化、そして公共事業の質の転換を図り、緊急を要する防災減災対策に重点化するとともに、地域の創意工夫が生かせる交付金の創設など、日本再生のための経済雇用対策について徳島ならではの知恵と工夫を盛り込んだ提言を取りまとめ、自由民主党、そして民主党、公明党の三党に対し、政権公約並びに来年度政府予算への反映について強く訴えかけてきたところであります。 また、全国知事会におきましても、都道府県の総意として、本年の七月、各政党の政権公約への反映を求めます日本再生十二箇条を取りまとめ、私自身、全国知事会を代表し、緊急経済対策の実施につきまして、衆議院解散前後二度にわたりまして各政党へ強く申し入れを行わさせていただいたところであります。 現下の厳しい経済情勢を踏まえまして、さらなる経済対策の必要性が議論されておりますが、新政権には、喫緊の課題であります堤防のかさ上げや橋梁の耐震化、また緊急輸送道路の整備など、南海トラフの巨大地震への対策を含め、日本再生につながる大胆な経済雇用対策の実施に迅速に取り組んでいただきたいものだと心から思うところであります。 今後とも、県内経済と県民生活を何としても守っていくんだ、こうした強い決意のもと、全国知事会ともしっかりと連携する中、本県発展の原動力となります中小企業の振興と若者の雇用安定につながる経済雇用対策が速やかに実行されますよう、国に対し引き続き強く提言を申し上げているところであります。 次に、まなびの邦・育みとくしまの着実な推進を図るための基金の創設について御提言をいただいております。 これまでの本県では、二十一世紀を担います人材の創造に向け、徳島らしさ、こちらをふんだんに盛り込んだまなびの邦・育みとくしまの実現を目指してきたところであります。例えば少人数学級の編制につきましては、国に先駆け、平成十六年度より小学校一、二年生、さらには中学一年生におきまして三十五人学級の導入を図り、本年度には小学校四年生にまで対象を拡大いたしますとともに、平成二十六年度までには小学校全学年での三十五人学級の実現を目指しているところであります。 また、本年の四月には、発達障害のある高等学校段階の生徒さんに対し、社会的、職業的自立を目指した専門教育を行います全国初の特別支援学校でありますみなと高等学園を開校いたし、全国的にも大きく注目をいただいているところであります。 このように、これまで徳島ならではのお一人お一人に行き届いた教育、きめ細やかな教育の実現に努めてきたところであります。 一方、グローバル化の急速な進展や南海トラフ巨大地震に対する備えなど社会情勢が大きく変化してきているところであり、こうした多様で変化の激しい時代を切り開き、そして未来に飛躍する人材の育成への取り組みはまさに待ったなしである、このように認識いたしているところであります。 現在、県教育委員会におきましては、徳島の教育力を結集し、未来を創造するためのたくましい人づくりを実現するため、平成二十五年度から五カ年を計画期間といたします次期徳島県教育振興計画の策定作業を進めているところであります。 こうしたことから、議員御提案の基金の創設につきましては、グローバルな視点を持ち、創造性豊かな未来志向の人材を育成し、もってまなびの邦・育みとくしまの着実な推進を図るためには、まさに時宜にかなったものであり、次期徳島県教育振興計画のまさに推進エンジンとすべく、新年度予算編成にあわせ、その中身をしっかりと詰めてまいりたいと考えております。   (豊井経営戦略部長登壇) ◎経営戦略部長(豊井泰雄君) 平成二十五年度当初予算編成方針についての御質問でございますが、本県におきましては、厳しい経済雇用情勢のもと、平成二十四年度当初予算におきましては、県税収入は六百六十五億円と五年前に比べまして約二五%落ち込むなど、自主財源の確保が一段と厳しくなる一方で、歳出面におきましては、公債費が高水準にあるとともに、扶助費などの社会保障経費は五年前と比べましておよそ二五%増加しておりまして、依然として厳しい財政状況が続いているところでございます。 こうした中、県におきましては、昨年七月に新たな財政構造改革基本方針を策定いたしまして、歳入歳出両面にわたる改革の推進によりまして、三年間で約百三十億円の収支不足の解消を初めとした改革目標の達成に向け、積極的に取り組んでいるところでございます。 また、議員からも地方交付税についてお話がございましたが、国におきましては、国家公務員の給与削減を契機として、地方交付税の削減の議論がなされるなど、今後の国の予算編成におきましては地方交付税に厳しい目が向けられることが強く懸念されるところでございます。 こうした状況にありまして、平成二十五年度の当初予算編成方針におきましては、持続ある財政基盤を確立するため、財政構造改革基本方針に基づき、歳出の中から歳入を生み出すといった財政健全化への取り組みを全庁挙げて着実に推進する一方で、県民サービスのさらなる向上を目指しまして、新たな手法として、部局間連携事業、部局長トップマネージメント事業に取り組むことといたしたところでございます。 まず、部局間連携事業につきましては、県民防災力の強化を初めとする十五テーマを定めまして、全庁的に類似した事業はないか改めて検証いたしまして、統廃合を初め、徹底した既存事業の見直しを行いますとともに、部局横断的に効率性が高く創意工夫のあふれる施策の構築を図るものでございます。 また、部局長トップマネージメント事業につきましては、全庁での財源枠を設定した上で、ゼロベースからの自由な発想による新規事業を部局間で競うことによりまして、切磋琢磨された施策が選抜され、さらに必要性、事業効果の高い施策の展開を目指すものでございます。 こうした新たな取り組みを含めまして、平成二十五年度の当初予算編成に当たりましては、本県の置かれた厳しい財政状況の中にありましても、限られた財源を有効活用し、より重点的、効果的な施策を展開することによりまして、より一層県民サービスの向上を図りまして、地震津波災害に強いまちづくりに取り組む安全安心・実感とくしまや徳島の強みを生かした産業の育成や雇用を促進する経済・新成長とくしまなど、「いけるよ!徳島・行動計画」の実現が着実なものとなりますよう全力で取り組んでまいる所存でございます。   (丸若議員登壇) ◆十番(丸若祐二君) 時間がちょっと押しておりますので、質問を続けて、まとめてまた感想といいますか、まとめていきたいと思います。 次に、きょうもこれ産経新聞ですかね、社説、主張のところで、電力料金値上げということで、産業界の悲鳴が聞こえるというのが出てましたけども、これに関連したことでちょっと質問させていただきます。 経済支援ということですけども、県のお試し発注制度拡充による県内の中小企業支援についてということで質問をさせていただきます。 民主党政権の経済音痴、先ほども言いましたけれども、重ねてになりますけれども、それと日銀の相も変わらず逐次投入と時間意識のなさから円高と株価下落がとまらず、また国家のエネルギー戦略を語ることなく、我が国が小資源の経済大国であることも忘れ、原発ゼロや不安定な再生可能エネルギーのポピュリズムに走ることから、電力不足と料金高騰の懸念が現実のものとなりつつあり、中長期的な経営戦略構築が不安視されることから、大企業が次々と拠点を海外に移しており、その下請企業の多い本県製造業などの中小企業についても国外への移転が進んでおります。 しかし一方で、円高により国外から安い製品がどんどん入る状況の中で、まさに企業の生き残りをかけ、雇用の確保に使命感を持ちながら、すぐれた品質や新たな機能を持った新商品の開発に必死に頑張っている中小企業の皆さんが多数いることも事実であります。 しかし、せっかく独自の発想と技術で有望と思われる新商品を開発しても、残念ながら販売力が弱く、その商品のよさを世間に知ってもらう機会が見出せず、せっかくの商品が埋もれたままになっているということが多々あります。そういった課題を解決するために県が行っている制度として、飯泉知事が就任当初から力を入れておられるお試し発注制度があり、中小企業の販路開拓支援策として実際に利用した企業からは、県のお墨つきが得られた、よかったとの声もお聞きしております。 単に商品を購入しPRするだけではなく、県庁をテストベッドとして実際に使ってみて性能等のモニタリングを行い、それをまた企業にフィードバックし、ブラッシュアップに役立ててもらうという実証実験としての性格を有しており、中小零細企業の不足を補う行政支援経済対策として有効なものであり、全国的にも珍しく、さらにお試し専用の予算をつけ購入しやすい制度となっていると聞いておりますが、私は、この制度をもう一段拡充させ、例えば現在は経営革新計画など四つの認定制度に限られている応募要件を、BCPや少子化対策等を進めている企業にも広げること、また上限金額も見直し、高い技術力を生かした機械も購入できるようにするなど、もっと幅広い制度としてはどうかと考えます。 そこで、中小企業の販売支援をさらに拡充するため、より幅広い企業が対象となるよう間口を広げるとともに、予算面でも大型の商品が購入できるよう拡大する必要があると考えますが、所見をお伺いいたします。 次に、環境問題についてお伺いいたします。 今、我が国の環境を取り巻く情勢が大きく変わろうとしております。昨年三月の東日本大震災の強大な地震動や予想をはるかにしのぐ津波は、東北各地で膨大な震災瓦れきを発生させ、発災当初の迅速な復旧を図る上で大きな課題となりましたし、避難所における照明や暖房による電気などのエネルギーの確保も課題となりました。南海トラフ巨大地震が懸念される本県においても、万一の際の瓦れき処理を初め、避難所等での自然エネルギーによる電力確保など、防災の観点から見た環境対策といった新たな課題が浮き彫りになっており、また福島第一原発の事故は国民に放射能拡散の不安を与え、今後のエネルギーに関する国民の議論が高まっております。これに対する野田内閣の対応は、九月に出された革新的エネルギー・環境戦略において、二〇三〇年代に原発依存ゼロを可能にする方針を打ち出しましたが、閣議決定における決定文には、これまたとるべき戦略の本文を含めないという実に中途半端な対応となっております。 こうした中、本県の環境に関する将来像とその実現に向けた方策を示す徳島県環境基本計画は来年度で計画期間の最終年度を迎えると聞いております。これは、飯泉知事が最初に就任された後に策定されたものであり、本県の将来像として、人と自然が共生する住みやすい徳島を掲げ、自然共生や循環型社会、環境保全など各分野において具体的な施策が展開されております。 環境という分野は、道路や橋をつくる公共事業と違って、最終的に実践するのは県民一人一人であり、それぞれの事業者であります。こうした取り組みを県を挙げた大きな力としていくためにも、これまでの取り組みを踏まえ、改めて県民や事業者と理念と方向性を共有し、一丸となって環境の諸施策に取り組むための幹となる指針が必要だと考えております。 そこで、県がこれまで進めてきた環境基本計画の実績と評価についての所見を伺いたいと思います。また、災害と環境、新たなエネルギー社会を迎える中での自然エネルギーの普及など、新たな視点を加えた次期基本計画の策定に取り組むべきと考えますが、所見を伺いたいと思います。 次に、建設業者への支援について御質問いたします。 建設業は、平時には地域の中で良好な社会資本の整備や維持管理を行うとともに、特に中山間地域においては、雇用を確保し経済を支える重要な産業であり、また台風時はもちろんのこと、南海トラフの巨大地震などの大規模災害発生時にも、被災直後の厳しい状況の中で応急復旧活動などを率先して行っていただくことが期待されており、平時、災害時を問わず最も身近で地域を守る存在であります。 しかしながら、実際に地域の建設業者に目を向けてみると、長引く不況や建設投資の減少に伴う競争激化によってかつてない厳しい経営を強いられ、倒産や自主廃業する業者も後を絶たず、建設業者の疲弊、減少が続いており、このままでは災害対応や維持補修の中心となるべき建設業者がいなくなり、災害対応空白地帯が生じるのではないかと懸念しております。 さらに、若年者の就職の減少や熟年技術者の退職や高齢化などの問題が拍車をかけ、現場を支える技術者や技能労働者などが不足するなど、建設業者の基礎体力は著しく低下しつつあると言わざるを得ない状況になっており、実際、私も既に足腰の弱った零細な建設業者にとっては公共事業の入札に必要な申請書類の作成でさえ負担になっているという声も聞いております。 このような中、去る十一月二十日に、県内十六の市町村長が、建設業者の負担軽減のために、入札に参加するための申請を県に一元化するよう要望され、知事が前向きに対応したい旨の回答をされております。県当局がこれまでも建設業者に対するさまざまな支援策を実施され、これが一定の効果が上がっているということは理解しておりますが、さらに特に零細な建設業者に手を差し伸べ、こうした申請一元化の早期実現を初め、負担を軽減するための取り組みが必要ではないかと考えます。 そこで、地域を支える建設業者を支援する観点から、県としてより一層の負担軽減を図るべきであると考えますが、御所見をお伺いします。 通告九番目の質問はちょっと時間の関係で次の質問に、残念ですが送りたいと思います。 最後の質問になります。 新しい公共としての道路の官民協働型維持管理システムについてお伺いいたします。 歩道の草が見苦しい、植え込みの管理ができていないなどの県民からのお叱りを受けるのは私だけではないと思います。県内を縦横に走る道路は、地域住民にとっては通学や通勤など日常の生活を支える生活基盤であり、また四国八十八カ所を初めとする観光地や地域の産業を支える経済基盤であるにもかかわらず、近年の財政状況の悪化から、道路の維持修繕に要する予算は減少を続けており、舗装の修繕や雑草の草刈りなどに手が回らない状況にあるのではないかと思われます。 こうした状況を勘案し、本県でも公共施設の管理を住民団体などが主体となって行うという、いわゆる新しい公共の考え方に基づいた官民協働型維持管理システムを導入し、草刈りなどの維持管理を自治会や老人会、婦人会などの地域の団体に委ねる取り組みが行われております。しかしながら、これまで地域活動を担ってきたこれらの団体の多くは、高齢化や地域の結びつきの希薄化などにより、かつてのパワーと組織力を失いつつあり、今以上の広がりが期待できない状況にあるのではないかと思われます。 こうした中、私の地元の地域おこしグループや企業からは、自分たちの道は自分たちで守り、草花を植えるなど地域づくりやまちおこしに活用したいといった声もお聞きしております。これからは、このような小規模な地域のグループや周辺企業も地域の新しい公共の担い手としての貴重な戦力になってくるのではないかと考えております。 しかしながら、現在の道路の官民協働型維持管理システムは自治会などを想定しており、その除草区間が一キロ以上と規模の大きい活動を対象としていることから、小さなグループでは参加したくてもできないとの声も聞いております。 そこで、小規模な地域グループや周辺企業も参加できるよう、募集団体の範囲拡大と実施範囲の規模を緩和するとともに、除草だけでなく季節の草花を植えるなどの活動支援も対象とすることで、より広くこの取り組みに参加されるようになり、この制度の意義が生きることになると思われます。 そこで、お伺いします。 新しい公共として、道路の官民協働型維持管理システムが広く普及するようその内容を見直すべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。   (飯泉知事登壇) ◎知事(飯泉嘉門君) まず、お試し発注制度について、より幅広い企業が対象となるよう間口を広げるとともに、予算面でも拡大してはどうか、御質問をいただいております。 お試し発注制度につきましては、本県企業の特徴であります進取の気質やチャレンジ精神、こちらを最大限に生かし、新商品の開発や成長分野への進出に積極的に取り組む企業を支援するため、他県に先駆け創設し、平成十六年度事業開始から昨年度までで、県内中小企業の五十六社、五十九製品の率先購入という実績を上げてきているところであります。 また、この制度では、経営革新計画で認定された製品を対象にスタートし、県の施策との連携や企業ニーズを踏まえまして、あったかビジネスパラダイス、環境リサイクル、健康・医療クラスター認定製品の追加、関西広域連合の新商品調達認定制度との連携、LED版お試し発注とも言えるLED応用製品普及加速化事業の創設など、それぞれの時代のニーズに対応し制度を拡充させてきたところであります。この結果、本制度を御活用いただいた企業の皆さんへのアンケート調査では、売上高の増加、新規取引先の獲得、製品認知度の向上など、目に見える効果があったとの多くのお声をいただいているところであります。 一方、国内産業の空洞化によりまして岐路に立たされているものづくり企業のすぐれた技術を生かしまして、設備機器の開発や防災減災、障害者雇用や子育てなど多様化する社会的課題に対し積極的に取り組む企業の皆さんへの支援を強化する必要がある、このようにも認識いたしているところであります。 このため、議員御提案の対象企業の拡大を初め、さらなる制度の進化につきまして、来年度に向け、直ちに制度の見直しを行ってまいりたいと考えております。 今後とも、県内の頑張る企業の販路開拓支援を一層強化することによりまして、新商品の開発や成長分野への進出を促進し、県内経済の活性化や雇用の確保にしっかりとつなげてまいりたいと考えております。 次に、環境基本計画につきまして二点御質問をいただいております。 まず、これまで進めてきた環境基本計画の実績と評価についてであります。 徳島県環境基本計画は、本県の環境に関する将来像とその実現に向けた基本的な目標や方策を示すものとして、平成十六年三月策定をいたしたところであります。 この基本計画では、本県の目指すべき将来像といたしまして、人と自然が共生する住みやすい徳島を掲げ、一人ひとりが取り組むストップ温暖化、廃棄物ゼロとくしまの実現、豊かな生態系を育む地域づくりなど、六つの重点プログラムに沿った施策を展開することといたしております。 これまで県民一体となった環境活動の指針となります環境首都とくしま憲章の策定を初め、希少野生生物の保護及び継承に関する条例、ニホンジカやイノシシに係る適正管理計画の策定によります多様な自然環境や生態系の保全、生活環境保全条例の制定、また優良産業廃棄物処理業者認定制度の創設によります健康で安全な生活環境の保全を進めてきたところであります。 また、中四国初の地球温暖化対策推進条例の制定を初め、本県独自の徳島県版サマータイムを含みます徳島夏・冬のエコスタイル、とくしま協働の森づくり事業など、地球温暖化対策の問題解決に向けた取り組み、また環境学習の推進に係る指針とプログラムの作成、環境首都とくしま創造センターの設置によります主体的、そして積極的に環境保全に取り組む人づくりなど、まさに地方の知恵と工夫を生かした具体的な施策について県を挙げて展開してきたところであります。 さらには、地球温暖化防止や自然エネルギーの導入推進など新たな状況の変化に対しましても、自然エネルギー立県とくしま推進戦略を初め、部門ごとの実践的な計画を策定し、タイムリーな対応を講じてきたところであります。 この結果、この夏に見られました県民の皆様方を初め多くの事業者、団体によります節電、省エネの取り組みや、四国初となりますメガソーラーの稼働など、省エネ社会の構築に向けたライフスタイルの転換が進んできているところであり、計画に基づく各種施策の効果があらわれてきているのではないか、このように考えるところであります。 次に、新たな視点を加えた次期基本計画の策定に取り組むべき、御質問をいただいております。 議員御提案のとおり、今日、万一の大規模災害発生時の廃棄物の処理、原子力発電所の重大事故によります環境への影響、エネルギー政策の動向に応じた自然エネルギーの推進といった新たな課題も生じてきているところであります。 こうした変化に的確に対応するため、環境分野における時代の要請に応じて変革を進めていくべきものと、一方で、将来にしっかりと守り伝えていくべきものを見きわめ、全ての県民の皆様が目標を共有していただき、協働、そして連携のもと、環境の保全、創造に取り組むことが極めて重要である、このように認識するところであります。 こうしたことから、新しい環境基本計画につきまして、速やかに環境審議会に諮問し、策定作業に着手してまいりたいと考えております。 今後、災害と環境の視点や自然エネルギーのさらなる推進を初め、広域環境の推進における本県の役割など新たな課題も含め十分議論を尽くし、二十一世紀の環境社会づくりを徳島から発信し、全国をできればリードする計画となりますようしっかりと取り組んでまいる所存であります。   (熊谷政策監登壇) ◎政策監(熊谷幸三君) 地域を支える建設業者を支援する観点から、より一層の負担軽減を図るべきとの御質問でございますが、建設産業は県民生活の基盤である社会資本の整備や維持、更新は言うまでもなく、地域の経済、雇用を支え、災害発生時には救援活動や応急復旧活動を通して地域住民の生命、財産を守るなくてはならない重要な産業であります。 しかしながら、建設投資の減少に伴う競争の激化により、厳しい経営環境に直面していることから、建設企業が地域づくりの担い手として将来的にも地域を支えていくためには、現場の施工力向上のための技術力の強化はもとより、経営基盤の強化や経営コストの削減が不可欠であり、県としても多方面からのきめ細やかな支援が必要であると認識しているところであります。 このため、建設企業の格付の要件となる技術者の資格取得や入札時の見積もり能力向上のための講習会を開催するなど、技術力の強化を図るとともに、新分野に進出しようとする企業に対するセミナーの開催や表彰制度、建設企業自身の災害対応能力を強化するための建設業BCP認定制度を創設するなど、経営基盤の強化に努めてきたところであります。また、電子入札制度や電子納品の導入を推進するなど事務手続の負担軽減を図り、建設企業の経営コストの削減にも取り組んでまいりました。 議員からお話のありました入札参加資格審査申請につきましては、これまで毎年提出していたものを、平成二十三年度から隔年に変更し負担軽減を図ったところでありますが、現状では県や市町村それぞれに申請する必要があることから、建設企業にとりましては依然として大きな負担となっているところであります。 こうしたことから、建設企業の経営コストのさらなる削減と市町村の事務の効率化につなげるため、申請書類の共通化等の準備を早急に進め、平成二十五年度分の受け付けから申請窓口の県への一元化を実施してまいりたいと考えております。 今後とも、市町村とも連携しながら、きめ細やかな建設企業の支援に取り組み、地域の経済や雇用、防災減災対策など、地域づくりの担い手として真に県民の期待に応えられる足腰の強い建設産業の育成に努めてまいります。   (海野企業局長(県土整備部長事務取扱)登壇) ◎企業局長[県土整備部長事務取扱](海野修司君) 道路の官民協働型維持管理システムの見直しについての御質問でございますが、行政がこれまで担ってきた公共サービスに、県民の皆様、NPO、企業など多様な主体が共助の精神により参加するいわゆる新しい公共が社会を支える仕組みとして全国的に広がっております。 本県においては、平成十年に全国に先駆け神山町の住民の発意により始まった住民参加型美化活動であるアドプトプログラムが身近な道路や河川などの公共物を住民みずからが愛着を持ってともに助け合いながら清掃を行う活動として広く県内に根づいております。これまで培ってまいりましたアドプトプログラムを発展させ、維持管理の向上と道路や河川の愛護意識の啓発を目的に、地域住民の皆様に御協力いただき除草作業を行う官民協働型維持管理システム推進事業を平成二十二年度に創設したところであります。 このうち、県民の皆様の生活に密着した道路の除草につきましては、初年度の参加団体数は三団体でありましたが、その後、順調に増加し、現在では十三団体となっております。この取り組みをさらに広げていくためには、より多くの多様な団体に参加していただき、地域に定着した活動として継続的に行われることが重要であります。 このため、議員の御提案も踏まえ、地域に密着したグループなどにも参加いただけるよう、小さな規模の活動も対象とするほか、道路に愛着を持ち、その活動を継続していただけるよう、除草だけでなく草花の植栽といった活動も加えるなど、制度の見直しを行い、来年度からより幅広い団体の参加を募ってまいりたいと考えております。 今後とも、県民の皆様の御協力をいただきながら、この制度の普及拡大に努め、新しい公共の担い手を育て広げるとともに、美しく快適な道路空間の維持に取り組んでまいります。   (丸若議員登壇) ◆十番(丸若祐二君) 御答弁いただきました。最後の質問の講評といいますか、意見は後のほうから言いたいと思いますけど、新しい公共についてということで、これ本当に多分皆さんも一緒だと思うんです。それで、阿波市でもエリアを見てみたら、多分地元からいろいろ苦情を言いよるところは割とするんですよね。ですから、余り株が張らんうちに草が枯れるから、ちっちゃい。ただ言ってないエリアっていうか、一キロぐらいのところっていったらもう株が太くなって木のようになっとるわけですね。ですから、やはりその地域地域での周辺環境に対する意識ということがその差になってくるんだろうと思いますけど、やはり事業主体といいますか、管理主体は県でありますから、県に対するそれが評価になってくるだろうということだと思います。 ですから、最近、本当に先ほど言いました老人会、婦人会、あるいは商工会であったり青年部であったりというのが、こういうふうな経済状況の中で、本当にパワーが落ちとんですね。ですから、何かを公共といいますか、ボランティアでやろうよというたら、誰か一人、二人がやめんかほんなんっていうたら、もうぱっと終わってまうわけやね。ただ、ほなけどその中にもやはり、やりたいという人がいるんですよね。ですから、一人だけに公費が行くというのは私も難しいと思いますから、その人が誰々さんやろうだっていうて何か申請していったら、こういう計画をやっていったら、それが百メートル、余り短いものはちょっと問題と思いますから、百メートル程度であってもお任せするということでやっていただいたらもう少しまし、ましといいますか、よくなると思います。そしてまた隣のそこまできれいになっとって隣がおかしかったら、その周辺の住民の心がうずいていって私もしようかという話になるんじゃないかと私は思いますので、どうぞよろしくお願いします。 それから、建設業者の支援、これはもう言われるとおりで、本当に私の地元でもだんだん、これだけ公共事業が減ってきたら大変な状況の中で、もう廃業していったりしております、後継者がいないということも含めて。ですから、業者としてユンボを動かしていったりいろいろ人的な動きで工事に直接タッチするところというのはいいんですけれども、やはり利益を生み出さない管理部門であったり事務的なところであったりということの負担というのはどんどん減らすようなところで、業者側のほうも組合等で考えておりますので、連携して支援のほうよろしくお願いしたいと思います。  環境問題なんですけど、これは先ほど私再生エネルギーのことをちょっと挙げて言うたんですけど、これは僕は経済活動の飯のネタであるエネルギーと、それと行政側が発する自然エネルギーとは僕は別だと思ってます。やはり行政側というのは環境を守るということの中で考えないかんので、再生可能エネルギーということも考えないかん。何でかというと、これは経済効率が悪いですからね。だけど、一方で、やはりそれに産業界も頼るということは、これはもう先進国であるスペインとドイツで太陽光を中心としたビジネスモデルというのはもう破綻しとんですから。ただ、企業局のほうが四十二円、二十年でやるということですから、これは利用したほうが絶対得です。ですから、私、太陽光発電については企業活動やなんかのエネルギー政策としてはとても賛成できないんですけど、各個人の家庭の上に、屋根に置くということは私は有効だと思っとんです。なぜか。そうしていったらやはり日々の生活の中で、メーターがありますから、どこまでうちは電気使いよんな、ほんで何かいっちょ二つ消していったらそれで数値が上がるとなっていったら、こんだけ節約したということになっていって、いわゆるエネルギーに対する考え方の教育ということにもなりますし、子供に対してもね。ですから、太陽光中心ですけど、そのあたりのことを家庭といいますか、個人住宅のところを中心として支援していただいたほうがいいと思っております。 中小企業の支援についても、これも先ほどの建設業者と一緒で、やはり総務部門といいますか、管理部門のところの経費というのはなかなかかけれない状況が続いておるので、そこらのところを支援していくというのがやはり行政がする経済支援の王道だと思っておりますので、ぜひよろしくお願いいたします。 それから、まなびの邦・育みとくしま、教育関係ですけど、これ私教育三法改正のときにもここで質問させていただいたんですけど、教育と広域行政というのを私はテーマとして思っております。ですから、今回もこの自民党の政策パンフレットですけど、経済の次、二番目に教育を取り戻すということになっております。これは大いに私としては期待しております。やはり郷土に誇りを持ち、家族を大切にしてというところからが教育の基本だと思っておりますし、家庭教育と学校教育と連携しながらよい子を育てるということをもう一回、僕は安倍晋三さんに期待したいと思っておりますし、徳島県は全国でも教育についてはいい教育をしてくれる県だと思っておりますので、なおよろしくお願いいたしたいと思います。 それから、一、二、三、四、私の中ではちょっと連携しとるんです。四については、言われたように二十五年度予算編成ということですけど、県がこれからやっていく中で、これから地方分権改革が進んでいって、そして広域行政になっていったら、県のやるべきことというのは、私は基礎自治体の広域行政体の役割というのは、地方分権一括法にもうたわれているように、基礎自治体でできないことの補完であるし、連携の調整であったりということだと思うんですね。やはり住民生活に密着しとる事業というのは基礎自治体が中心となってやっていくと。それでも単独の自治体で、基礎自治体でできないところは協力してエリアで何ぼかやるという調整をするのは広域自治体の絡みだと思うし、そういうふうなことの中で、広域自治体のちっちゃい版である県というのはやはり役割をもっと特化していく必要があると思います。 そういうふうな中でこれから考えていくべきときが来とると思います。私自身は今回の総選挙、そして来年の参議院選挙で国の形が大きく変わると思っております。その中で、本当にすばらしい日本となることを、私も一生懸命頑張りますし、この広域自治体の改革ということも期待しておりますので、特に先駆であります飯泉知事に大いに期待いたしますので、よろしくお願いします。 それでは以上で質問を終わります。これからもよろしくといいますか、頑張りましょう。(拍手)   ──────────────────────── ○議長(樫本孝君) 以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。   ──────────────────────── ○議長(樫本孝君) 本日は、これをもって散会いたします。      午後四時三十三分散会   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ △平成24年11月徳島県議会定例会の議案について(提出)                                    財第412号                               平成24年11月29日 徳島県議会議長 樫 本 孝  殿                     徳島県知事 飯 泉 嘉 門      平成24年11月徳島県議会定例会の議案について(提出) このことについて,別添のとおり提出します。第 28 号  職員の給与に関する条例の一部改正について第 29 号  知事等の給与に関する条例の一部改正について第 30 号  特別職の職員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正について第 31 号  職員の給与の特例に関する条例の一部改正について第 32 号  徳島県学校職員給与条例の一部改正について第 33 号  徳島県地方警察職員の給与に関する条例の一部改正について △議席変更表 議席変更表30313233  3435 37  38394041藤田 豊西沢貴朗竹内資浩北島勝也児島 勝森田正博    来代正文庄野昌彦大西章英長尾哲見森本尚樹181920212223242526272829木南征美川端正義岡本富治樫本 孝杉本直樹岩丸正史重清佳之嘉見博之臼木春夫黒川征一扶川 敦古田美知代78910111213141516 17元木章生南 恒生岸本泰治丸若祐二寺井正邇喜多宏思三木 亨岡田理絵黒崎 章松崎清治 達田良子1234  5 6   岡 佑樹藤田元治有持益生笠井国利  中山俊雄 長池文武     演   壇  ...