ツイート シェア
  1. 徳島県議会 2005-12-01
    12月01日-02号


    取得元: 徳島県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-17
    平成17年11月定例会   平成十七年十一月徳島県議会定例会会議録(第二号) 平成十七年十二月一日    午前十時三十七分開議      出席議員計三十九名          (その番号・氏名左のとおりである)     一  番     木  下     功 君     二  番     豊  岡  和  美 君     三  番     吉  田  益  子 君     四  番     本  田  耕  一 君     五  番     宮  本  公  博 君     六  番     扶  川     敦 君     七  番     達  田  良  子 君     八  番     古  田  美 知 代 君     九  番     山  田     豊 君     十  番     木  南  征  美 君     十一 番     川  端  正  義 君     十二 番     森  田  正  博 君     十三 番     須  見  照  彦 君     十四 番     重  清  佳  之 君     十五 番     嘉  見  博  之 君     十六 番     臼  木  春  夫 君     十七 番     黒  川  征  一 君     十八 番     庄  野  昌  彦 君     十九 番     橋  本  弘  房 君     二十 番     冨  浦  良  治 君     二十一番     宮  城     覺 君     二十二番     岡  本  富  治 君     二十三番     藤  田     豊 君     二十四番     西  沢  貴  朗 君     二十五番     吉  田  忠  志 君     二十六番     北  島  勝  也 君     二十七番     福  山     守 君     二十八番     森  本  尚  樹 君     二十九番     大  西  章  英 君     三十 番     長  尾  哲  見 君     三十一番     長  池  武 一 郎 君     三十二番     竹  内  資  浩 君     三十三番     遠  藤  一  美 君     三十四番     阿  川  利  量 君     三十五番     佐  藤  圭  甫 君     三十八番     児  島     勝 君     三十九番     中  谷  浩  治 君     四十 番     来  代  正  文 君     四十三番     榊     武  夫 君   ────────────────────────  出席職員職氏名     事務局長     竹  岡     忠 君     次長       後  藤  一  行 君     調査課長     新 居 見  勝  洋 君     議事課長     阿  部     博 君     議事課主幹兼課長補佐              木  村  輝  行 君     調査課課長補佐  谷     浩  二 君     調査課主査兼政務調査係長              矢  野  憲  司 君     議事課議事係長  西  本     肇 君     事務主任     臼  杵  一  浩 君     同        谷  本  か ほ り 君     同        宮  内  計  典 君     主事       木  邑  博  英 君   ────────────────────────  出席速記者氏名     速記者      井  上  順  子 君   ────────────────────────  列席者職氏名     知事       飯  泉  嘉  門 君     副知事      木  村  正  裕 君     出納長      里  見  光 一 郎 君     企業局長     笹  川  晧  一 君     政策監      下  保     修 君     病院事業管理者  塩  谷  泰  一 君     危機管理局長   中  川  順  二 君     企画総務部長   吉  田  悦  教 君     県民環境部長   渡  邊     輝 君     保健福祉部長   三  木  章  男 君     商工労働部長   美  馬     茂 君     農林水産部長   河  野  博  喜 君     県土整備部長   武  市  修  一 君     病院局長     村  上  司  郎 君     財政課長     志  田  文  毅 君     財政課課長補佐  大  貝  誠  治 君   ────────────────────────     教育委員長    日 比 野  敏  行 君     教育長      佐  藤     勉 君   ────────────────────────     人事委員長    島  田     清 君     人事委員会事務局長宮  崎     勉 君   ────────────────────────     公安委員長    土  居  弘  二 君     警察本部長    栗  生  俊  一 君   ────────────────────────     代表監査委員   今  津  吉  司 君     監査事務局長   高  岡  茂  樹 君   ────────────────────────  議 事 日 程   第二号   平成十七年十二月一日(木曜日)午前十時三十分開議 第一 議案自第五十三号至第五十六号、計四件 (提出者説明) 第二 県政に対する一般質問         (四   名)   ──────────────────────── ○議長(佐藤圭甫君) これより本日の会議を開きます。   ──────────────────────── ○議長(佐藤圭甫君) 日程に入るに先立ち、諸般の報告をいたします。 知事から、お手元に御配布のとおり、議案の提出通知がありましたので、御報告いたしておきます。   ──────────────────────── ○議長(佐藤圭甫君) 諸般の報告は以上であります。   ──────────────────────── ○議長(佐藤圭甫君) これより本日の日程に入ります。 日程第一、「議案第五十三号・職員の給与に関する条例の一部改正についてより第五十六号に至る計四件」を議題といたします。 以上の四件について、提出者の説明を求めます。 飯泉知事。   (飯泉知事登壇) ◎知事(飯泉嘉門君) 本日、追加提案いたしました第五十三号議案から第五十六号議案につきましては、平成十八年度における職員の給与について、人事委員会勧告に基づき改定を行う必要があるため、関係条例を一部改正するものであります。 今回の給与改定につきましては、社会経済状況等にかんがみ、給料月額を高齢層職員で最高七%、平均で四・八%引き下げることや、勤務成績を極めてきめ細かく給与に反映させるとともに、年功的な昇給制度を見直すなど、現行の給与制度が確立されて以来約五十年ぶりとなる給与構造の抜本的な改革を行う内容となっております。 議員各位におかれましては、十分御審議賜りまして、原案どおり御賛同賜りますようどうぞよろしくお願いを申し上げます。   ──────────────────────── ○議長(佐藤圭甫君) 次に、日程第二、「県政に対する一般質問」を行います。 通告がありますので、通告の順序に従い、発言を許可いたします。 二十三番・藤田豊君。   (藤田議員登壇) ◆二十三番(藤田豊君) おはようございます。 まだ九月議会が続いておるのかなと、そういう雰囲気の中ですが、もう残すところ本年度もあと一カ月となりました。自由民主党・新政会を代表して県政に対する質問を行わさせていただきます。 まず初めに、紀宮清子内親王殿下の御成婚について、我が会派を代表して心からお祝いを申し上げます。 さて、本日は、我が会派が政策テーマとして掲げ、追求している課題、また県政に直面する課題について、理事者各位にお尋ねをしますので、誠意ある御答弁をお願いいたしたいと思います。 まず、新聞でも御存じのとおり、スカイマークエアラインズが来年四月二十一日限りで撤退すると発表いたしました。燃料費の高騰、搭乗率の低迷が理由とのことでありますが、いきなり全面撤退すれば徳島にどのような事態が起こるのかわかっていたはずであります。 しかも、規制緩和されたことを幸いに、徳島線の羽田空港発着枠を既に一日約五十往復する東京-千歳便に回すそうであります。大都市と大都市を結ぶ幹線はますます便利に安くなるのに対し、地方は便数が減り、料金が高どまりになっても辛抱させられております。これは地方の切り捨てそのものではないんでしょうか。 日本航空の四往復だけで単純計算で搭乗率は一〇〇%を超え、乗れない悩みどころか、多くの人が本当に乗れないといった異常事態が発生し、これはまず近代の航空業界ではなかったことではないでしょうか。さらに、乗りたいときに乗れないことになれば、徳島県民のみならず、逆に全国の方々が徳島へ来たいときに乗れないということであります。これでは、県民生活全般、とりわけ経済活動への打撃が大きく、ビジネスや観光、さらにはフライト農業や文化交流といったあらゆる面に大きな影響が出ることは申すまでもありません。 我が会派といたしましても、議員各位の御理解、御協力を得ながら、県土整備委員会特定交通対策特別委員会の議論を踏まえ、国への意見書を提出し、エアラインズに対しても要望書を提出して、この状態を乗り切るべく努力してまいる所存でありますので、理事者におかれましても、この事態の打開に向けて最大限の努力を傾注してもらいたいものであります。 スカイマーク撤退後の対応について、知事からの取り組みに対する決意をお聞かせいただきたいと思います。 次に、三位一体改革についてお伺いをいたします。 昨日、三位一体改革にかかわる政府・与党合意が示されました。この改革を通じ、国と地方の役割分担を明らかにし、地方分権社会の推進や地方の自由裁量権の拡大といったことを進めるとしていたことがすべて建前であり、国の借金減らしでしかなかったことがはっきりと露呈したと受けとめております。 そもそも初めから数字合わせという批判はありました。それでも我々地方は、分権の名のもとに国の無理難題に一つ一つこたえてきたのであります。今回の国の方針決定は、確かに地方案を受け入れた部分もありますが、とても笑顔で受け入れられるものではないものとなっております。昨年の国民健康保険に続き、地方の改革案になかった児童手当や児童扶養手当が盛り込まれたほか、義務教育費国庫負担金については、負担率の引き下げという地方の自主・自立につながらない、真の地方分権改革にはほど遠いものと言わざるを得ません。これでは地方分権の名をかりた地方切り捨てであります。地方なくして国家などあり得ません。国には、地方で暮らす一人一人の将来を守っていかなければならない責務があります。三位一体改革は今後も引き続いていきます。我々県議会は、さらに気を引き締めこれからも立ち向かってまいりますが、知事とも足並みをそろえ、地方一丸で当たっていくことが肝心であります。 三位一体改革は、地方分権社会の実現のためにあると考えますが、今回示された国の方針についての御所見と、第二期改革に向けた決意についての御答弁をお願いいたします。 もう一点お伺いいたします。 それは、三位一体改革とも大きく関連する県財政についてであります。 来年度当初予算は、飯泉知事の「オンリーワン徳島」の実現への一期目の総仕上げに向かって非常に重要な予算であると考えておるわけであります。南海地震対策、少子化社会への対応を初めとして県政が対応すべき課題は数多く、また迅速、的確な対応が求められているものばかりであり、一刻の猶予もありません。 しかしながら、県の財政状況はといいますと、平成十六年度、三位一体改革の名をかり地方交付税の大幅カット、さらには予算規模を上回るどころか、倍に匹敵する九千四百億円余りの県債残高など、今までにない厳しい状況が続いております。こうした中、「オンリーワン徳島」の実現と、持続可能な財政構造への改革という二つの目標を実現していくためには、さらなる創意工夫、努力が求められることは言うまでもありません。 そこで、平成十八年度予算編成方針について、新たな工夫として政策推進特別枠を設けたとのことでありますが、このような仕組みを取り入れたねらい、そして来年度予算編成に向けた意気込みについて、知事の御所見をお伺いいたします。 御答弁をいただき、質問を続けてまいります。   (飯泉知事登壇) ◎知事(飯泉嘉門君) 藤田議員の御質問に順次お答えをいたしてまいります。 まず、スカイマークエアラインズ撤退後の対応について御質問をいただいております。 議員からもお話がありましたように、徳島-東京間の航空路は徳島と首都圏を結ぶメーンルートであり、県民生活のあらゆる分野において重要な役割を果たしております。スカイマークが撤退し、残る日本航空の四往復では、年間の利用者数が座席数を上回る、近年の日本における航空史上類を見ない異常事態となり、このままでは県内経済活動を初め、観光、農業、文化交流など、県民生活に大きな影響を与えることとなります。 このような事態を受け、私自身、急遽スカイマーク撤退発表の翌日に本社を訪問いたし、社長にその真意を確認したところでございますが、その後の発表等を分析いたしますと撤退は避けられない状況であります。 これに対応すべく、国土交通省には県の実情を伝え、できる限りの支援を強く要請したところであり、大手航空会社に対しましては、私のほか、副知事、担当部課長がたびたび訪問をし、それぞれ増便や参入を要請しておるところであります。さらに、県内の諸団体の要望活動も活発化してきており、先般の経済五団体の要望には私も同行させていただき、直接国土交通大臣に支援を要請したところであり、また徳島空港路線確保利用促進対策会議を設置し、全県を挙げて対応を図っているところであります。 羽田の発着枠という大きな障害はございますが、今後とも県民の皆様のお力をおかりしながら、また県議会の皆様のお力添えもいただきながら、徳島-東京線の便数を確保するため、JALの増便やANAの再参入について働きかけをすることはもちろんのこと、新規航空会社の立ち上げや他空港経由便などあらゆる可能性について検討をし、県民の足の確保に向け全力を傾注してまいる所存であります。 次に、今回示されました三位一体改革に関する国の方針について御質問をいただいております。 昨日政府・与党が取りまとめました三位一体改革の全体像におきましては、地方案になかった児童手当が組み入れられたことや、児童扶養手当の負担率の削減による地方への負担転嫁が行われたことにつきましては、極めて残念である、このように思っております。 また、義務教育費国庫負担金につきましては、文部科学省が国庫負担金削減に反対をいたしておりましたが、廃止ではなく負担率引き下げとなったものの、税源移譲に結びつくとともに、義務教育全般に地方が主たる役割を担うことが明らかになったところであり、一定の評価ができると思っております。 一方、三兆円の税源移譲が行われたことが確定をしたことにつきましては、画期的なことであり、高く評価をいたしているところであります。特に、地方が反対を強くしておりました生活保護費が削減の対象とされなかったこと、地方が求め、逆に各省が反対をいたしておりました施設整備費について、税源移譲の対象となったことなど、地方分権の趣旨に沿ったものであると評価したいと考えております。 そうしたことから、全体といたしましては内容に不満が残るものではありますが、真の地方分権社会の実現に向けての歩みが加速されたものと言えるのではないかと考えております。 また、第二期改革に向けた決意について御質問をいただいておりますが、二十一世紀の我が国が進むべき方向は、真の地方分権社会の実現であり、この歩みをとめることはできない、このように考えております。今後とも、地方六団体が一丸となって、国と地方の協議の場などにおいて地方の意見を主張するなど、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 次に、平成十八年度予算編成に関して、まず政策推進特別枠を設けたねらいについて御質問をいただいております。 私は、平成十八年度予算編成に当たり、さらなる少子化の進行、環境重視の視点など、時代潮流を的確にとらえ、県民ニーズを先取りする新たな施策に従前にも増して積極果敢に取り組んでいく必要がある、このように考えております。 特に、少子化対策、南海地震対策地球温暖化対策、さらには中小企業雇用対策など、全庁をまたがる政策課題に対し各部局が連携を図り、総合的に解決を図っていく取り組みが一層重要である、このように認識をいたしております。 政策推進特別枠につきましては、こうした政策課題に意欲的に取り組むために、効果的な新規事業に対し、既存事業の徹底した見直しによって得られた財源を活用し、部局の枠を超える思い切った重点配分を目的に、今回新たに設けたものであります。 また、平成十八年度予算編成に向けましては、まず歳入面では、本県財政にとって極めて重要である地方交付税の動向がいまだ予断を許さない状況にあること、歳出面でも引き続き公債費が累増するなど、極めて厳しい環境での予算編成を余儀なくされるものと考えております。 しかしながら、「オンリーワン徳島」の実現と持続可能な財政構造への改革は、私に与えられました使命であり、ピンチをチャンスにととらえ、県庁職員全員が前向きに取り組み、あらゆる知恵を凝らし、より重点的・創造的・効果的な予算が編成できますよう努めてまいりたいと考えておりますので、議員各位の御理解、御支援をぜひともよろしくお願いいたします。   (藤田議員登壇) ◆二十三番(藤田豊君) それぞれ御答弁をいただきましたが、東京便についてでありますが、やはりスカイマークさんの企業としての立場はわかりますが、やはり公共機関としての責務といいますか、お互いに、私ども議員もそうですが、公的な役割を担う人の心意気をどこに持つのか、考えさせられるところでありますが、企業だけにその責務を任せれればいいんですが、今の風潮はともすれば、知事初め理事者の皆さん一生懸命頑張っておりますが、やはり理事者の怠慢と言われないよう、本当に短い期間ですが、勝ち組のやることは仕方ないという今の風潮の中で、頑張っていただきたい。私どもも一生懸命頑張らせていただきますので、知事の本当に手腕を発揮していただきたいなと心からお願いをし、またエールを送りたいな、こういう気がしております。 また、三位一体についてもしかりでありますが、私どもは生きるために一生懸命声を張り上げてまいりますが、やはり分権の名のもとで地方の裁量権はだれも否定はしませんが、徳島県を含む弱小県では、やはり次の第二期改革に向けては交付税っていうものは避けて通れない。できるだけ県債を少なくするには、ない財源をやはりいかに持ってくるか、大きな課題があると思いますので、また次の機会にうちの親分の方から継続した質問が出ると思いますので、三位一体についてはやはり財源確保と、そして地方と国の責務、しっかりと見きわめた中で進めていただきたいな、こういう気がしております。 引き続き質問をさせていただきたいと思います。 防災対策についてお伺いをいたします。 さきの六月議会において我が会派の遠藤会長から、徳島県地震防災対策行動計画の策定に当たっての基本認識をただしたところであり、知事は、「今回の行動計画では、特に人的被害を減少させるための施策を主眼とし、緊急性や減災効果などの視点からより実効性の高い計画としていきたい」との答弁をされたところであります。防災対策は、飯泉知事が最重要と掲げる施策であるだけに、魂の入ったものとすべく策定作業が進められているものと思われます。 また、行動計画は、災害時において知事やそれぞれの責任者の指揮系統が途切れることなく、間違いなく機能が発揮されるものができ上がるものと期待をしております。現在では策定作業もおおむね進み、全体像も見えてきたと思いますが、この行動計画の基本方針と重点目標について、御所見をお伺いいたします。 また、その中で、県民一人一人の防災意識の向上をどのように図り、自主防災組織の育成、支援を盛り込むのか、御答弁をお願いいたします。 続いてお伺いをいたします。 兵庫県では、阪神・淡路大震災を教訓に、広域防災拠点を県内五カ所に整備し、そこでは救援資材の備蓄や地域内外からの救援物資の集積、配送、さらには応急活動要員の集結、出動が行われ、三木総合防災公園をこれらの広域防災拠点のネットワークの中核として総合的な機能を持った施設として整備されております。 本県においても、北島町に防災センター広域防災拠点として設置しており、またさきの九月議会においても、交友会の西沢議員から「まぜのおか」を南部防災拠点として活用してはどうかとの質問があり、検討するとのことでありました。 私は、南海地震対策を考える上で、東部や南部の広域防災拠点の整備はもちろんでありますが、西部においても広域防災拠点の整備はぜひとも必要であると考えております。特に、東部や南部においては南海地震によって甚大な被害をこうむる可能性があることを考えれば、比較的被害が少ないと予想される西部にこそ県庁の災害対策本部の補完とし、あるいは代替機能となる広域防災拠点を設置すべきであります。 本年二月議会に、私は、四国連携による防災対策として四国三郎の郷での防災拠点の整備を提案いたしました。現在、四国三郎の郷の隣では国により水辺の楽校として水鳥川河川敷の整備が進められておりますが、その周辺一帯は四国他県から人的・物的支援が容易であり、また陸上輸送では瀬戸中央自動車道、また西瀬戸自動車道からアクセスがあり、海上輸送では高松、新居浜、松山にかけての港湾施設からも、また広大で平たんな土地や、電柱等がなくヘリコプターの離発着も可能であるなど、各方面からのアクセスが可能であり、防災拠点としては最適な場所であると考えております。 そこで、お伺いします。 県西部における広域防災拠点として、四国三郎の郷周辺一帯での整備を国への要望も含め検討してはどうかと考えますが、御所見をお伺いいたします。 次に、畜産振興についてお伺いをいたします。 去る十月八日から三日間、神奈川県川崎市において開催されました「ちくさんフードフェア二〇〇五」に私も畜産議員連盟の皆さんとともに参加し、阿波尾鶏を初めとする本県畜産ブランド商品のPRを行ってまいりました。知事も一緒になって、「新鮮なっ!とくしま」号で行われた徳島ブランド商品を使った料理や、地鳥生産日本一を誇る阿波尾鶏の焼き鳥の試食提供には、御存じのとおり、長蛇の列が途切れることなく続いておりましたのは御承知のとおりであります。 本日は、畜産振興の中でも、特に養鶏振興について質問をさせていただきたいと思います。 まず、鳥インフルエンザ対策についてであります。 世界保健機関においては、鳥インフルエンザに関し、ことしの冬には多くの国で感染が拡大することを予期すべきだと警鐘を鳴らしております。また、本年六月以降、茨城県では約五百九十万羽もの鳥インフルエンザが大規模発生し、国内の養鶏農家を震撼させたところであります。 本県においては、防疫マニュアルに感染した鳥を焼却処分する際の要綱を盛り込むとともに、鳥インフルエンザ発生時に素早く対応するため、地理情報システムを活用した養鶏場検索システムを導入し、十二月上旬から運用を始めるとのことであります。 そこで、お伺いをいたします。 鳥インフルエンザの発生防止に向け、こうした取り組みも含め、本県ではどのような対策を図っていくのか。 また、万一発生した場合、発生農家等の防疫対策や、人への感染防止対策についてどのような措置を講じるつもりなのか。さらに、大きな被害をこうむることになる養鶏農家に対して、どのような支援策を講じるつもりなのか、御所見をお伺いいたします。 次に、養鶏振興についてお伺いをいたします。 本県の畜産は、京阪神の大消費地に近いという恵まれた立地条件のもと、食生活の高度化、多様化に伴う需要の増大を背景に発展し、農業の基幹部門として重要な位置にあります。中でも、私の地元である県西部では古くから養鶏が盛んであり、食鳥処理場など関連施設も整備され、多くの雇用者を受け入れるなど、地域経済を支える重要な産業として発展を遂げておりますが、ここにも少子高齢化の波が押し寄せており、多くの養鶏農家が将来に不安を抱いております。本年七月に県が養鶏農家に対して実施したアンケートによりますと、三百四十七戸のうち百六十二戸から回答があり、そのうちの二十八戸である一七%が五年以内に廃業を予定しているという結果が出ております。しかしながら一方、十五戸、約九%の養鶏農家が今後規模を拡大していきたいとの回答もされております。 私は、たとえやむを得ず養鶏農家が減少することになっても、養鶏生産自体は減少させることのないように努力すべきと考えております。そのためには、効率的で生産性の高い経営体の育成や生産基盤の総合的整備、加工・流通施設の近代化などを積極的に指導していくことが必要であると考えますが、養鶏振興に対する御所見をお尋ねいたします。 養鶏に関しもう一つ質問をさせていただきたいと思います。 平成十六年十一月から家畜排せつ物法が全面施行され、適正処理とともに有効利用が求められる資源循環型農業の推進が課題となってきております。本県の場合、養鶏についてはほとんどが堆肥化されており、畑に散布する労力は軽減されてはいるものの、肥料としての農地への還元が十分に行われているとは言いがたいのが現状であります。 私は、先日、宮崎県の先進事例を調査に行ってまいりました。ある一社では鶏ふんを発電燃料として発生した電力を販売しており、また別の会社では鶏ふんを燃料とする発電ボイラーを設置し、蒸気を生産過程で熱源として利用しておりました。さらに、どちらの会社も鶏ふん焼却灰を肥料原料として有効活用しており、この二社で宮崎県下の徳島県の約五倍に当たります一億一千万羽すべての鶏ふんの処理を行っているのであります。 私は、鶏ふんの処理が悪臭を伴うような現在の堆肥化で満足するのではなく、バイオマス発電や熱エネルギーに変換し、その焼却灰を無臭の肥料として利用する、これこそが常日ごろ知事が言っておられます一石二鳥、三鳥と、鳥ではございませんが、考えるわけであります。資源循環型農業を推進するため、他県のすぐれた先進事例を十分活用、調査し、鶏ふんなどの畜産バイオマスを利活用していくべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。 次に、先ほど質問いたしました鳥インフルエンザに関連し、新型インフルエンザについてお尋ねをいたします。 一昨年以来、東南アジアにおいて鳥インフルエンザに百人を超える人が感染し、六十人以上の方々が亡くなられております。また、現在、ウイルスの変異によって人から人へ感染する新型インフルエンザウイルスが誕生し、世界的に蔓延し猛威を振るうことが懸念されております。新型インフルエンザが我が国で流行した場合、約四分の一の人が感染すると言われており、医療機関を受診する患者数は二千五百万人に上ると予想されております。既に国においては、国民への正確な情報提供、予防及び治療などの対策を総合的に推進するため、新型インフルエンザ対策推進本部を設置するとともに、新型インフルエンザ対策行動計画を策定し、具体的な取り組みを進めております。 予防策としては、やはり外出後のうがいや手洗いの徹底、マスク等の活用、また休養を十分にとることなどでありますが、予防面の対策とあわせて、かかってしまった場合の感染に関し大きな問題が残っております。決定的に有効な薬はまだ開発されていないとか、有効と思われる薬はあるが数が足りないとか、いろんな情報が飛び交う中で県民の間には不安が広まりつつあります。新型インフルエンザ対策として、国の行動計画を受け、県としてどのような取り組みを行っていくのか。特に、全国で二千五百万人の薬の備蓄が必要とされている中で、県民の薬をしっかりと確保することはできるのか。御答弁をお願いいたします。 次に、観光振興についてお尋ねをいたします。 まず、県西部地域の観光振興についてであります。 知事は、昨年四月に、開設予定の西部総合県民局において、観光振興などを通じ地域のにぎわいを生み出す新たなセクションを設置すると打ち出されております。これまで県内の出先機関に観光振興の担当者が置かれていなかったことを考えますと、これからの取り組みに大いに期待をするところであり、今後、本庁と県民局、民間事業者、地元自治体などが思いを一つにして、県西部の観光資源の集客力を高め、地域活性化の原動力にしてほしいと願っているところであります。 そこで、お尋ねしますが、県西部の観光振興について、現状を超えてさらに魅力を高め、アピールをするためにはどういった点がポイントとなるのか、どう分析しているのか、そしてどのような取り組みに重点を置くべきと考えているのか、御所見をお伺いいたします。 最後に、阿波十郎兵衛屋敷の活用についてであります。 県は、徳島県観光協会の約三十二億円の債権を放棄し、代物弁済により約三億円の土地、建物が県の資産となったのであります。この債権放棄については、議会としても苦渋の決断を迫られたとこであり、それだけになおさらのことこれらの土地や施設をいかに活用していくかが問われるところであります。 その一つが阿波十郎兵衛屋敷であり、これまでの人形浄瑠璃の上演によって多くの観光客に喜ばれてきた、県としても非常に重要な施設であります。現在は、施設が老朽化し利用客が減少傾向にありますが、平成十九年度の国民文化祭の開催をにらみ、新たな人形浄瑠璃の上演の拠点とすべく改築が進められているところであります。また、人形浄瑠璃の振興について、アドバイザー会議等から上演技術の向上や幅広い演目の習得、今の時代に合った演じ方の工夫など、さまざまな提案がなされていると伺っております。こうした中、私は、阿波十郎兵衛屋敷を人形浄瑠璃に着目した文化振興の拠点とするため、また観光拠点としての再生を図るためにも、ハード、ソフト両面での取り組みをさらに充実すべきではないかと考えております。 また一方で、県の資産となったわけですから、設置管理条例の制定が必要となりますし、指定管理者制度の導入についても検討を進めていかなければなりません。県として、阿波十郎兵衛屋敷の活用について、どのような構想を描いているのか、またどのようなスケジュールで指定管理者制度を導入していくのか、御所見をお伺いします。それぞれ御答弁をお願い申し上げます。   (飯泉知事登壇) ◎知事(飯泉嘉門君) まず、徳島県地震防災対策行動計画の基本方針と重点目標、また防災意識の向上及び自主防災組織の育成、支援について御質問をいただいております。 このたびの地震防災対策行動計画は、切迫性が高まる南海地震の発生に備えまして、地震防災対策を計画的かつ効果的に取り組むことにより、地震に強い徳島県を実現するために策定いたすものであります。 この行動計画では、今ほど議員からもお話がありましたように、県民の生命を守ることを第一に考え、南海地震発生時の死亡者ゼロを目指すことといたし、事前対策、応急対策、復旧対策の各段階におきまして各種の施策を強力に展開してまいりたいと考えております。 計画期間といたしましては、平成十八年度からの十年間といたし、特に前期五カ年におきましては、揺れや津波による死者ゼロを目指し、防災意識の向上や自主防災組織の充実強化、住宅、建築物の耐震化、津波避難意識の向上と津波避難困難地域の解消などについて、より積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 議員御提案の県民の皆様の防災意識の向上と自主防災組織の育成につきましては、地震からの被害を大きく減らすための重要な柱である、このように認識をいたしております。 県全体の地域防災力の向上のためには、地震防災意識が県民の隅々にまで浸透すること、自主防災組織がどのような地域においても結成をされ、地域防災の核となる活動が行われることが重要であると考えております。 そのためには、行動計画に、県民、自主防災組織、行政などの防災関係者が連携、協力をいたし、県民の皆様お一人お一人の防災意識の向上と、自主防災組織を初めとする地域防災力を向上させるための県民運動の展開、県民の皆様が一丸となって地震に強い徳島県を実現するための地震防災にかかわる憲章の制定、さらには地域における防災リーダーとなります人材の育成及び自主防災組織の結成や活動の促進などを盛り込んでまいりたいと考えております。 今後とも、南海地震対策につきましては、死者ゼロを目指すという強い信念と決意を持ちまして、県政の最優先課題として積極的かつ重点的に取り組んでまいりたいと考えております。 次に、畜産バイオマスの利活用の推進について御質問をいただいております。 本県の畜産は、議員からもお話がございましたように、全国的に見てもブロイラーや肉用牛などの頭羽数が多く、家畜排せつ物の年間排出量は約六十五万トンと見込まれておりまして、多くの有機性の資源を有しております。 こうしたことから、農業の基本となります土づくりを推進するためにも、この豊富な資源を堆肥化し活用する必要があり、持続性の高い農業の実現に向け、家畜、土地、作物を結ぶ資源循環型の農業の推進を図っているところであります。しかしながら、畜産経営におきましては、排せつ物処理施設の管理や地域的な需要の偏在に生じます堆肥の販売先の確保が大きな負担となり、健全な畜産経営の確立に向け一層の合理化や改善が求められているところであります。 こうした状況の中、議員からも御提案がございました鶏ふんを燃料といたしました発電ボイラーにつきましては、近年技術開発が進み、鶏ふんの大量・無臭処理の新たな取り組みといたしまして、国内数カ所で既に実証プラントが稼働している、このように伺っております。こうした取り組みは、堆肥の需要先の確保が困難な中山間地域におきます新たな鶏ふん処理方法の一つとして大変注目をされているところであります。今後、本県におきましても、畜産環境保全と資源エネルギーの有効活用を図る観点から、国や専門機関などと連携をいたしながら、施設内容やランニングコストなどの調査研究に取り組んでまいりたいと考えております。 次に、国の新型インフルエンザ対策行動計画を受け、県としてどのように取り組みを行っていくのかについて御質問をいただいております。 十一月十四日に厚生労働省から示されました新型インフルエンザ対策行動計画によりますと、新型インフルエンザが全国的に流行した場合、約四分の一の人が感染をいたし、最悪の場合入院患者が約二百万人、死亡者が約六十四万人に上るという推計がなされており、県民生活に与える影響について重大な危機感を持っているところであります。 そのため、新型インフルエンザの県内での感染拡大を防止いたし、県民の皆様の健康被害発生を阻止するために、常設の危機管理会議を中心といたしまして、全庁体制による対応を行うよう直ちに指示をいたしたところであります。 具体的な取り組みといたしましては、本県における総合的な対策を推進するための徳島県新型インフルエンザ対策行動計画を年内に策定いたしますとともに、医療機関を初めとする関係機関との連携、協力のもと、検査体制、患者の移送方法、感染拡大防止策、保健所における具体的な対応などに関しまして状況に応じた対策を迅速に行うための対処マニュアルを早期に整備することといたしております。今後とも、これらの取り組みを通じまして、県民の皆様の安全・安心の確保に万全を期してまいりたいと考えております。 次に、県民の薬をしっかりと確保することはできるのかという点について御質問をいただいております。 国の行動計画において今後懸念をされるこの新型インフルエンザの発生に備え、抗インフルエンザウイルス薬の備蓄が打ち出され、昨日厚生労働省で開催をされました全国感染症主管課長会議におきまして、タミフルについて具体的な備蓄目標量が示されたところであります。それによりますと、各都道府県それぞれ管内人口の約八・三%を目標とされ、本県につきましては約六万八千人分となっており、これを平成十八年度、十九年度二カ年で備蓄するように要請されているところであります。 インフルエンザの世界的流行(パンデミック)への対策は、国家レベルでの危機管理の最重要事項の一つであり、国家的な備蓄と流通管理システムを構築するべきものであると考えており、県民の皆様の健康被害を防ぐために、国に対ししっかりとした財政措置を求め、必要な備蓄量の確保に努めてまいりたい、このように考えております。 次に、県西部の観光振興について、どういった点がポイントとなるのか、これについて分析をし、どのように取り組みをし、しかも重点を置くべきか、これについて御質問をいただいております。 県西部は、西日本第二の高峰剣山や四国一の清流穴吹川などの豊かな自然に加え、うだつの町並みやかずら橋など、歴史・文化資源が多数存在をする地域であります。また、四国の中央に位置するという地理的優位性を有することから、観光による地域活性化が大いに期待できるものと、このように考えております。 特に、ことしは、うだつの町並みでテレビ時代劇「水戸黄門」や、来年の六月公開予定の映画「バルトの楽園」のロケが行われましたほか、県西部を舞台とした映画「村の写真集」が、カンヌ映画祭にも匹敵をする上海国際映画祭において、日本映画として初めてグランプリを受賞したところであり、さらには東祖谷山村落合が国の重要伝統的建造物群に選定されるなど、県西部の魅力を広く全国にアピールする好機を迎えているところであります。 こうしたことから、県西部の観光振興に当たりましては、この地域ならではの魅力であります山岳や渓谷での自然体験や農業体験などの体験型観光と、うだつの町並みや、これらを筆頭といたしました寺町や郡里廃寺などの史跡の集積を生かしました歴史・文化再発見の二つをキーワードとして、魅力あふれる観光周遊ルートを設定することが重要である、このように考えております。 県西部は、産業における観光の重要性が高く、さらなる観光による活性化を図る必要がありますことから、来年の四月に発足をいたします県西部総合県民局が、地元自治体を初め関係機関などと一体となった組織的な活動を行うとともに、地理的条件を生かした県外エリアとの交流を促進することによりまして、県西部が四国の観光ルートの結節点としてにぎわいと活力に満ちた地域となりますよう積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 次に、阿波十郎兵衛屋敷の活用について、どのような構想を描いているのか、またどのようなスケジュールで指定管理者制度を導入していくのかなどにつきまして御質問をいただいております。 阿波十郎兵衛屋敷は、傾城阿波の鳴門と関連づけられる史跡として、また県下有数の観光施設としてこれまで多くの方々に親しまれてきたところであります。このたび、特定調停の成立に伴いまして観光協会の所有から県有財産になることを契機に、県立の施設として、観光面のみならず文化面での魅力もあわせ持つ、新たな阿波人形浄瑠璃の振興を図るための象徴的な施設として位置づけてまいりたいと考えております。 このため、上演回数や演目の充実はもとより、多くの人々に人形浄瑠璃に親しんでもらうためのイベントの開催や、人形浄瑠璃を紹介する展示機能の充実などを図りますことにより、多機能な機能を備えた文化・観光施設として再生をし、積極的に活用してまいりたいと考えております。 今後のスケジュールについてでございますが、舞台と観客席につきましては本年度中に改修工事を完了いたし、来年の四月からは新たな人形浄瑠璃の拠点として供用開始をすることといたしております。 新たな施設の管理運営方法などにつきましては、県、人形浄瑠璃振興会や阿波農村舞台の会など、人形浄瑠璃の振興と深いかかわりを持つ関係者の御意見をお伺いしながら、指定管理者制度を見据えた検討を進め、二月定例県議会には所要の条例を提案させていただきたい、このように考えておりますので、どうぞよろしくお願いをいたしたいと思います。   (下保政策監登壇) ◎政策監(下保修君) 防災対策に関連しまして、県西部におけます広域防災拠点として四国三郎の郷周辺の整備を国への要望も含めまして検討してはとの御質問でございますが、防災拠点につきましては、大規模災害の発生時におきまして支援物資の集配基地、消防防災ヘリコプター等の離発着場などの防災活動の場でありますとか、住民の避難地、備蓄倉庫などの機能を有する必要がございます。 昨年度開館いたしました県立防災センターは、これらの機能を有しまして、県下全域を対象とする広域防災拠点としてその役割を担うものでございます。南海地震や台風時の洪水等の大規模災害時に備えまして、必要な資機材の備蓄やヘリコプターの離発着といった防災機能の確保につきましては、議員の御提案のとおり、県西部におきましても必要であると認識しております。 御提案の美馬市の四国三郎の郷周辺での防災拠点の整備につきましては、吉野川の岩津から池田の中間に位置しますとともに、避難地ともなるオートキャンプ場の既存の施設と相まって、候補地として貴重な御意見であると考えておるとこでございます。 県西部の防災拠点の整備につきましては、まずは地域の特性を踏まえまして、水防の観点から検討することとし、その活動を担います地元市町村の御意見をお聞きしながら、今後策定されます吉野川の河川整備計画に水防拠点としての整備が位置づけられるよう、国土交通省に強く要望してまいりたいと考えております。 また、今後、地元自治体や、来年度に設置されます西部総合県民局と連携を図りつつ、総合的な防災拠点の整備につきまして引き続き検討してまいります。   (河野農林水産部長登壇) ◎農林水産部長(河野博喜君) 二点お答えを申し上げます。 まず、一点目の鳥インフルエンザの発生防止等の取り組みについての御質問でございますが、鳥インフルエンザの発生防止など防疫対策を確実に実施していくことは、養鶏農家を初め関連産業を守るばかりでなく、人への感染防止を通じた安全・安心の確保、とくしまブランドの信頼確立に向け大変重要であると認識をいたしております。 このため、まず発生防止対策が第一と考えておりまして、そのために養鶏団体や養鶏農家等と連携し、毎月「〇」のつく日に全県一斉に鶏舎等への消毒を徹底して実施してまいりたいと考えているところでございます。また、採卵鶏農家におきますサーベイランス検査の実施や、養鶏農家からの死亡した鳥の数等の報告により、県内へ鳥インフルエンザウイルスの侵入がないか的確に把握に努めているところでございます。 次に、万一県内で発生した場合の対応といたしまして、徹底した封じ込め、これで拡大を防ぎ、被害を最小限にとめるため県の防疫マニュアルを作成しており、このマニュアルに基づく防疫演習の実施、発生直後の初動防疫に必要な資材の備蓄、GIS(地理情報システム)を活用した防疫マップの整備などにより迅速かつ的確な防疫措置が講じられるように努めております。 一方、養鶏農家の影響を軽減するため、鶏の殺処分等に係る手当金や経営を再開するための資金の交付、売上減少額や保管輸送費等への助成について、国と連携して実施することといたしております。 現在、鳥インフルエンザは世界的な流行が危惧されており、防疫作業にかかわる人はもちろん、養鶏農家を初め、県民の皆様方の安全・安心を確保することはまさに県の責務であり、全庁挙げての取り組みはもとより、市町村や関係団体等との連携を密にしながら、万全を期してまいりたいと考えているところでございます。 次に、今後の養鶏振興の展開についての御質問でございますが、本県の畜産は、県民の皆様方を初め、京阪神、京浜など大消費地の皆様へ安全・安心、高品質と食生活の豊かさを提供するのみならず、本県の経済を支える重要な産業として発展をいたしております。 中でも、お話がございましたように、本県が誇る地鶏「阿波尾鶏」につきましては、出荷羽数が二百万羽を突破し、日本一の座を不動のものといたしておるところでございます。このブランドをキーとして展開をいたしております「新鮮なっ!とくしま」号を用いたPR活動においても消費者から好評を得るなど、本県養鶏産業の将来に明るさを感じているところでございます。 こうした状況を踏まえ、本県養鶏の発展を確かなものとするため、先進的な経営や生産技術等の導入、さらには近代的な生産施設の整備等、総合的な取り組みが急がれております。また、アンケート調査においても、今後生産規模の拡大を目指している元気のある養鶏農家もございますので、今後、このような意欲的で元気のある畜産農家を核とした生産集団等に重点的に支援することが、これからの本県養鶏振興に大変重要なことであると認識しており、ソフト・ハード面の両面から総合的に取り組める施策について検討し、畜産業界や関係団体と一体となって取り組んでまいりたいと考えております。   (藤田議員登壇) ◆二十三番(藤田豊君) それぞれ御答弁をいただきました。 私の地元であります美馬郡、それから三好郡は、御存じのとおり養鶏の盛んな地域であります。特に、関連を含めましても相当の経済効果があるわけですが、御存じのとおり、少子、そして高齢化、過疎化の中で生産が非常に先行き不安定な面があるな。そして、知事にお願いして「新鮮なっ!とくしま」号を使いながら川崎での「とくしまブランド」の売れ行きを見たとき、この火を消す消さないは、やはり行政の地域に対する思い、そして生産者、そして販売をしておられる業者の皆さん方のお互いの息の合った取り組みが、わざわざ立派な阿波尾鶏という商品を開発した、そしてそれを生き残していく大きな曲がり角かな、そういう思いの中で生産性の変革、そしてそれに伴う大もとのインフルエンザ対策等を総合的な形でお願いをしていかなきゃならないな、ぜひやっていただきたいな、こういう気持ちが私の思いにあるわけでありまして、御答弁いただきました中に積極的にお取り組みいただける、一安心をさせていただいておりますが、これから大変な時期でありますので、実現ができるような形でぜひ取り組んでいただきたいな、こういう気がしております。 また、防災関係についてでありますが、先ほどの御答弁のとおり、今、四国三郎の郷周辺では、国土交通省の肝いり、また県行政のお骨折りの中で水辺の楽校が着工されると。そして、お話しのとおり水防センターが開設される、本当にありがたいことかなあ、こういう気がしておるわけですが、私は、ことしの二月の質問でもお願いしておりましたように、どう見てもやはり本当に災害が起こったときに徳島、そして県南地域の被災地周辺での防災ができるのかな、危惧しておるわけでありまして、中央構造線がある地域でありますが、中央構造線の地震発生率は相当長期間、百年ぐらいあるのかなっていうような気もしております。そして、地形も造成地ではなく自然の形での河川水域でありまして、もし災害が来てもそれが被害が同じように少ないかな。そういうとこにこそ、県西部の拠点はもちろんですが、四国四県の連携の中での拠点整備にぜひ知事に一肌脱いでいただいて、まず県西部の拠点としながら、その施設が四国四県で共用できるような施設をお考えいただきたい。そして、ぜひお願いしたい。再度お願いをしておきたいと思います。 いろいろとたくさんの質問をさせていただきましたので、一つ一つ御返答するわけにもまいりません。そして、時間も押し迫ってまいりましたので、最後に普通はまとめをやるわけですが、私からまとめのかわりにお願いをさせていただいて本日の質問を終わりたいと思います。 去る九月議会において、男女共同参画社会基本法及び同基本計画について、教育現場での恣意的運用、乱用は甚だしく、もはや男女差別の解消という策定趣旨からは限りなく遠く離れたものとなっているなどの理由により、男女共同参画社会基本法の廃止もしくは抜本的改正を求める請願が県議会議長あてに提出されたのは皆さん御存じのとおりであります。 この請願について、さまざまな議論を重ねた結果、継続審査といたしましたが、県議会といたしましては、こういった意見があったことを踏まえ、国が現在進めている男女共同参画社会基本法の改定に当たって、特に教育現場等への懸念に配慮し、真の男女共同参画社会の実現に向けて真摯な作業が進められるよう強く要望することとし、国に対し意見書を提出したところであります。 その審議過程において、県議会に対し多くの意見が寄せられました。十一月九日現在での集計結果によりますと、基本法の改廃を求める請願に賛同する意見が圧倒的多数を占め、賛成九百四十五通、反対は二百六十六通となっております。「真の男女共同参画社会の実現を求める意見書」についても、同様に賛成の方が大きく上回っております。これらの意見を読んでみますと、「新聞などを見てジェンダーフリーや男女混合名簿、性教育について関心を持つようになりました。教育には子供の将来がかかっております。大人が正しいことを選択し、子供に伝えてあげなければなりません。どうかジェンダーフリー思想を子供たちに植えつけないでください」などといった子供の将来を心配する保護者の声が数多く寄せられたわけであります。自民党が組織する、過激な性教育、ジェンダーフリー教育に関する実態調査プロジェクトチームが広く全国に情報提供を呼びかけましたところ、学校の性教育や男女の取り扱いに対する保護者の不平、不満が寄せられ、その数は三千五百件にも及んだとのことであり、全国的に大きな問題となってきております。 知事はこれまで、「男女共同参画社会は、個人の内面にかかわる男らしさ、女らしさ、あるいは伝統や文化などを否定しようとするものではない」と答弁されてきました。我々も基本法の趣旨に反対するものでは決してありませんが、その運用のありようによっては大きな混乱を招くわけであります。真の男女共同参画社会を実現していくためには、ジェンダーフリー思想に対する県民の不安を払拭しなければなりません。これは県及び私どもに課せられた大きな義務であります。この点を知事初め教育長、そして理事者の皆さんに強く申し入れ、私のすべての質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)   ──────────────────────── ○議長(佐藤圭甫君) 議事の都合により、休憩いたします。      午前十一時四十六分休憩   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━    午後一時三分開議      出席議員計三十七名          (その番号・氏名左のとおりである)     一  番     木  下     功 君     二  番     豊  岡  和  美 君     三  番     吉  田  益  子 君     四  番     本  田  耕  一 君     五  番     宮  本  公  博 君     六  番     扶  川     敦 君     七  番     達  田  良  子 君     八  番     古  田  美 知 代 君     九  番     山  田     豊 君     十  番     木  南  征  美 君     十一 番     川  端  正  義 君     十二 番     森  田  正  博 君     十三 番     須  見  照  彦 君     十四 番     重  清  佳  之 君     十五 番     嘉  見  博  之 君     十六 番     臼  木  春  夫 君     十七 番     黒  川  征  一 君     十八 番     庄  野  昌  彦 君     十九 番     橋  本  弘  房 君     二十 番     冨  浦  良  治 君     二十一番     宮  城     覺 君     二十二番     岡  本  富  治 君     二十三番     藤  田     豊 君     二十四番     西  沢  貴  朗 君     二十五番     吉  田  忠  志 君     二十六番     北  島  勝  也 君     二十七番     福  山     守 君     二十八番     森  本  尚  樹 君     三十 番     長  尾  哲  見 君     三十一番     長  池  武 一 郎 君     三十二番     竹  内  資  浩 君     三十三番     遠  藤  一  美 君     三十四番     阿  川  利  量 君     三十八番     児  島     勝 君     三十九番     中  谷  浩  治 君     四十 番     来  代  正  文 君     四十三番     榊     武  夫 君   ──────────────────────── ○副議長(長尾哲見君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 二十五番・吉田忠志君。   〔大西議員出席、出席議員計三十八名となる〕   (吉田(忠)議員登壇) ◆二十五番(吉田忠志君) 自由民主党・交友会を代表して質問をいたします。 冒頭、紀宮清子内親王殿下御成婚に県民とともに心からお祝いをいたしたいと存じます。 私ども自民党三会派の代表質問はできるだけ重複を避けようと努力をいたしたわけでございますが、午前中の新政会代表質問の藤田議員さんの質問としょっぱなからダブるところがございまして、何とか違う視点でなりやろうかと思いますが、しょせん価値観を同じゅうするメンバーでございますんで、切り口変えろと言うても変えることができません。そこで、ダブった分については、もしつけ加えることがございましたらおつけ加え願い、同じところははしょっていただいて結構でございますんで、御答弁をいただきたいと思います。 十八年度の予算編成についてから質問を進めたいと思います。 実は、この予算編成に向かって、知事さんがどのように十八年度はするのかなあ。もちろん、平成十六年十月に財政改革基本方針を出されて、その改革目標をしっかりと明示され、しかも詳細な要求基準を設けられております。そういうことで、あえて無謀にも十八年度予算を知事がどのように積み上げていかれるんかなあと思いながら、平成十八年度の地財計画案、あるいは、わかっとる資料ですね、それから地方債計画案など、もう一つ、経済財政諮問会議がこれからの地方財政にかかわる分についてのコメントなどをベースにして、とりわけ県につきましては十七年度のやり方を踏襲して一回やってみようと無謀にもやり始めたわけです。残念ながら一人の力ではとても無理だったんですが、正直申し上げて。私は、その過程の中で、正直申し上げまして飯泉知事さんのすごさみたいなものを感じました。それはいい意味です。厳しい地方財政の中で、さまざまな御発言をされ、大変な作業をされておることをしっかり認識させていただきました。とにもかくにも、こんな厳しい中で、ややもすると非情としか思えないような切り口で財政カットをし、ああこれでいけるんかなと思えばしっかりと要求に対しての特別枠、努力に対しての新規政策的な経費の要求枠をつくったり、まさに飯泉知事ならではの予算編成作業ではないかなあ、やってこられとんだなあということをつくづく感じさせていただきました。心からこれについては敬意を表したいと、素直に思いました。 しかし、そうは言いながら、やはり厳しい財政の中であっても県民の皆さんに夢も与えなきゃならんし、逼塞もしたくないし、新しい事業もどんどんある意味ではやってもいただきたいと思いますんで、かなり無理なと承知の上で質問をしとるつもりでございますんで、割り引いてお聞きをいただきたいと思います。 午前中の藤田議員のお話もあったように、この政策推進特別枠並びに、一生懸命切ったんだから自主的な努力に対して報いると、そのために設けられた新規政策的な経費の要求枠、これについては十一月十六日、スケジュールではですね、すべてあけさせておられると思いますんで、つけ加えることがございましたら、午前中の藤田議員の御答弁につけ加えることがございましたらつけ加えていただきたい。 一方、歳入面での目標である発行抑制対象県債、限りなく三百億円に近づけたいという目標についてはどうなったのか。また、新たな歳入確保対策について、とにもかくにも努力するという目標を掲げておられましたんで、平成十八年度についてはどのようになっとるのか、御答弁をいただきたいと思います。 続いて、これもダブるわけでございますが、一応平成七年から具体的にスタートしました地方分権推進について、トータルで流れを感じていただきながら御答弁をいただきたいと思います。 御案内のとおり、地方分権は平成五年の衆参両院において地方分権推進決議が採択されたことから具体的に動き出し、平成七年、地方分権推進法の成立を経て、平成十一年、いわゆる地方分権一括法が成立し、機関委任事務の廃止等事務の再構成など、国と地方の役割分担の明確化を目指す大規模な改正が行われました。その後、置き去りにされた財政問題を解決するため、三位一体改革として交付税改革も含め、国庫補助負担金の改革と税源移譲を一体として行われることになったのは御案内のとおりであります。 三位一体改革は、来年度の十八年度までに当面の改革を実施することとされ、昨年十一月の政府・与党合意で三兆円の税源移譲の目標に対し、これまで先送りされた六千億円をめぐり十八年度予算に向けて官邸主導で行われてきました。その過程において各省庁が見せた、とても地方分権に対して理解があるとは思えないことについては失望を禁じ得ません。いわんや生活保護費の取り扱いの経過、あるいは今般の決着を見るにつけても、甚だ遺憾であります。 そもそも、地方分権の推進は、画一と集積の行政システムから住民や地域の視点に立った多様と分権の行政システムへの変革を図り、新しい時代にふさわしい地方自治の確立を目指すものであったはずです。国、地方を通じる極めて厳しい財政環境から、財政再建に資する観点ではやむを得ない面もあるとしても、改革の視点はあくまでも地方分権の視点が重要なのではないでしょうか。全国知事会を含む地方六団体の言う第二期改革に向け議論を進めていくためにも、これまでの改革が真に地方分権の趣旨に沿うものとしてなっているのかどうか、改めて総括を行う必要があるのではないかと思います。ただし、この分についても藤田議員の御答弁の中で一応総括的なことをおっしゃられましたが、それにつけ加えてお話がございましたら御答弁をいただきたい。 そこで、国庫補助負担金の整理、合理化がなされた十六年、十七年、さらに十八年度のこれまでの状況を踏まえて、税源移譲につながる改革は、改革として私は評価はしていないんですが、これまでの交付金化の改革について、どのような点で地方の裁量範囲が拡大したのか、地方分権に資する改革となっておるのか、またさらにどのような点で問題があったと考えているのか、この件もあわせて御所見をお伺いしたいと思います。 その上で、二期改革に向けて我々地方六団体としてどのような戦略を構築し、さらなる地方分権推進、とりわけ自律的な地方財政を確立していくべきか、あわせて率直な知事の御所見をお伺いいたしたいと思います。   (飯泉知事登壇) ◎知事(飯泉嘉門君) 吉田議員の御質問に順次お答えをさせていただきます。 まず、平成十八年度予算編成について幾つか御質問をいただいております。 まず、各部局からの要求は改革目標にかなったものとなっているのか、また政策推進特別枠の状況などについて御質問をいただいております。 平成十八年度の予算編成方針につきましては、持続可能な財政構造への改革、これを推進するために、真のゼロベースからの見直しの観点から各部、各課が達成すべき目標をしっかりと定め、優先順位づけ、取捨選択など、既存事業の見直しを徹底することといたしまして、政策経費の継続事業をマイナス一五%とするなど、平成十九年度を目指す改革目標の達成に向け厳しい要求基準を設定いたしたところであります。 その一方で、議員からもお話がございましたが、予算の質、これを一層高めるために、見直しによって得られた財源を積極的に活用し、部局の枠を超え思い切った重点配分を行う政策推進特別枠、これを設けるとともに、各部局におきましてさらに自主的な見直しを行った場合には、その倍の額の新規施策の要求ができることといたしたところであります。 このような編成方針に沿いまして各部局から要求がなされているところでありますが、政策推進特別枠や新規の政策的経費につきましては、少子化対策を初め全庁をまたがる横断的なテーマ等に対しまして、さらには国民文化祭の開催を契機とする阿波文化の創造やユニバーサルデザインの推進など、各部局の連携により数多くの新規施策が提案をなされているところであります。今後、年末に編成をされます政府予算や地方財政対策など財源状況を見きわめながら十分に検討いたし、次回定例会に平成十八年度予算案としてお示しすべく鋭意検討を進めてまいりたいと考えております。 次に、歳入面の目標であります発行抑制対象県債三百億円、この達成状況について御質問をいただいております。 とくしま財政中期展望で示されましたように、公債費の大幅増加傾向と地方交付税を初めとする一般財源の厳しい状況から、起債制限比率の悪化が大きな課題となっているところであります。このため、財政改革基本方針におきましては、投資的経費の徹底した重点化を通じまして県債発行を抑制することといたし、平成十九年度に向けまして地方交付税が振りかえられました臨時財政対策債などを除く発行抑制対象県債につきまして、毎年度の発行額を三百億円に近づけていくことを順次抑制をしていくという目標を掲げたところであります。 今年度当初予算では、発行抑制対象県債の発行額は三百三十五億円となっておりますが、平成十八年度の予算編成方針におきましても、投資的経費を中心に進度調整や一層の重点化を検討するなど、改革目標が確実に達成できますように取り組んでまいりたい、このように考えております。 また、新たな歳入確保についてでありますが、歳出の見直しと同時に、財源の開拓を初めとする歳入の確保の取り組みは極めて重要である、このように認識をいたしております。 こうしたことから、住民税の徴収率の向上により税収の確保を図る徳島滞納整理機構の設立支援、職員駐車場の有料化、県広報での広告収入の導入、住民参加型ミニ市場公募債しっかり!ぼう債の利息軽減分の活用による新規事業の展開など、新たな工夫にこれまでも努めてきたところであります。 平成十八年度予算に向けましては、さらに公有財産活用推進会議におきまして、不用遊休県有地などの早期、計画的な処分を検討するなど、今後、予算編成を通じましてあらゆる角度から積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 次に、地方分権推進について幾つか御質問をいただいております。 まず、三位一体改革の総括について御質問いただいております。 「地方にできることは地方に」との小泉構造改革の一環といたしまして、補助金、税源移譲、地方交付税を同時に改革をいたします三位一体改革につきましては、地方の自主・自立を確保し、真の地方自治の確立をするための画期的な取り組みとして高く評価ができるところであります。 三位一体改革は平成十六年度から実施されているところであり、これまで改革内容を順次見てまいりますと、議員からもお話がございましたが、まず国庫補助負担金の改革につきましては、地方六団体が一丸となって改革案を取りまとめ、対応をしてきたところ、地方の改革案になかった国民健康保険負担金などが削減の対象に組み入れられたり、交付金化やスリム化といった、地方が求めた改革とは違った形での改革がなされたことは遺憾でありますが、目標としていた四兆円の国庫補助負担金の改革の実現はめどがついたところであります。 次に、税源移譲につきましては、これも目標としておりました三兆円の税源移譲が実現されようとしており、地方にとって画期的なことであり、そして地方の自主財源の拡大が図られ、地方の創意工夫を促すものと評価できるところであります。 また、地方交付税改革につきましては、昨年度、唐突、しかも一方的に大幅な地方交付税が削減をされたわけでありますが、国と地方の信頼関係を大きく損ねたところであるものの、地方六団体が一丸となって取り組んだ結果、平成十七年度及び平成十八年度につきましては地方団体の安定的な財政運営に必要な地方交付税を初めとする一般財源の総額が確保されることとなっており、一定の成果を得ております。さらには、協議の過程で国と地方の協議の場が設置をされ、国と地方が対等な立場で議論をするシステムが確立したこと、これも高く評価することができます。 二十一世紀の我が国の進むべき方向は真の地方分権社会の実現であり、そのためには三位一体改革を初めとする地方分権改革は引き続き進めていかなければならないものである。そして、今後とも地方六団体が一致団結をし地方の意見を主張するなど、不退転の決意で取り組んでまいりたいと考えております。 次に、第二期改革に向けてその戦略について御質問をいただいております。 三位一体改革、今ほども申し上げましたが、地方分権型の新しい行財政システム、これを構築することを目的としており、二十一世紀におけるこの国の形にかかわる極めて重要な改革である、このように考えております。 そこで、まずは第一期改革の総仕上げに当たりまして、その結果につきまして、全国知事会を初め地方六団体として検証、総括を行い、今後の取り組みについて、共通認識、これをしっかり固める必要があるのではないか、このように考えております。 第一期改革におきましては、国と地方の役割分担に関する議論、これが不十分なまま取り組んだため数字先行の議論となり、地方の自主・自立を高めるといった地方分権改革の理念には必ずしもそぐわない結果となった感が否めないところであります。 このため、第二期改革に向けましては、まず国と地方の役割分担を明確にした上で、地方への権限移譲とそれに見合った財源の確保を行い、財政面での地方の自主性、自立性、これをしっかりと確保することが必要である、このように考えております。 地方公共団体が国の関与を排し主体的に行政運営を行い、個性豊かで、そして豊かな、そして活力に満ちた地域社会づくりに取り組むことのできる真の地方分権社会の実現に向け、今後とも全国知事会、全国都道府県議長会を初め地方六団体が一丸となって取り組んでいくことがまさに不可欠である、このように考えておりますので、議員各位におかれましてもどうぞ御理解、御支援を賜りたいと思います。   (吉田(忠)議員登壇) ◆二十五番(吉田忠志君) 二期改革については、私の思いと少し、本当は感じておられるんだろうと思うんですけども、立場上お話にならなんだんかなあという、そんな感じの御答弁でございました。時間の関係で先に問題を進めていき、後ほど時間の余ったところでこの問題について再問をいたしたいと思います。 それでは、進めます。 次に、地方分権推進に向けて国と地方との関係を見ながら、一層分権化にふさわしい自立する県政運営のため、さらなる行政改革についてお伺いをいたしたいと思います。 一昨年十月、知事は、従来の行財政改革アクション21から、社会変革のスピードに対応すべき新しい価値基準に基づき、新たな徳島づくりと将来の安心につながる徹底した行財政改革プラン「リフレッシュとくしまプラン」を策定され、具体的戦略を五つのカテゴリーに分け、百項目の改革工程を明らかにし、県独自の改革を進められております。本年二月にはその進捗度などを示され、着々と執行されておられることには十分評価いたしたいと思いますが、さらに徳島らしさを発揮していただきたく、提案も含め数点お伺いをいたしたいと思います。 第一点は、来年度の西部県民局開設に先立ち発足した南部県民局の予算及び執行についてであります。 実質的に初めての予算編成に臨む南部県民局の予算についての作業は具体的にどのように進めておられるのか。 また、先般の九月議会で嘉見議員への答弁にもございましたが、地域のニーズに即応するため、災害防止対策緊急事業や県単独維持補修事業において枠配分方式を導入しているとのことでありますが、地元の要望に十分こたえるためには、この枠配分方式の対象となる事業の拡大が必要であると思うところであります。平成十八年度予算に向けてその拡大を図っていくお考えがあるのか。また、拡大する場合には具体的にどういった事業を考えておるのか、お伺いしたい。 さらに、従来縦割りで執行してこられた事業については、知事のいわゆる出先機関の概念を打ち破り、地域に根差した施策、事業の企画立案及び執行可能な機関として機能しておられるのか、お伺いをいたしたいと思います。 第二点は、市町村への権限移譲の現状についてであります。 本年四月現在、十二の事務移譲がなされたやに伺っておりますし、来年度には推進要綱の見直しをされることになっておりますが、どういうわけかこの項目についてはスピード感がないのはいかなる理由によるものか不思議でなりません。もちろん、市町村の希望や受け入れ体制など、合併間もない市町にとっては、組織や運営の再構築など、さまざまな面で喫緊の課題が山積しておられるのもうなずけますが、別の見方をすれば、合併という新しい枠組みの中でこそ権限移譲を根づかせるよい機会だとも言えなくもないわけであります。市町村の希望や状況を待つまでもなく、県が積極的に受け入れ体制や環境の整備に尽力する必要があるのではないでしょうか。 地方分権の推進は、国との関係だけでなく、市町村との関係のあり方も当然その方向に進めねばならないはずであると思います。北海道などでは二千項目を上回る移譲項目を示し、現状の制度分析をしながら、移譲に向けて三段階に分けて積極的に取り組んでおられるのを見るにつけ、本県の取り組み方に焦燥感を持つのは私だけではないと思いますが、この点どのように考えておられるのか、お伺いいたしたいと思います。 三点目は、地方債についてお尋ねをいたします。 御案内のように、来年度より起債許可制度が廃止され、起債協議制度に移行をされます。すなわち、起債する場合の協議相手は変わりませんが、総務大臣または都道府県知事が同意した地方債についてのみ公的資金を借り入れることができ、これらの地方債のみその元利償還金が地方財政計画に算入されることになり、事前協議による起債不同意による地方債はこの限りではないことになります。この起債自由化とも考えられる一方で、国は、地方自治体のいわゆる借金支出とでも言いましょうか、起債制限比率にかえて、より条件が厳格な実質公債費比率を導入する地方財政法施行令の改正を年内にも決定することになっております。地方の自主的な資金調達を進める一方で、まず現在の地方債残高の削減に一層努力せよということでしょう。現に、平成十八年度の地方債計画案を見ますと、臨財債などの特別分を除いた通常の総額は四・四%減となっており、ますます政府保証つきの起債が削減されることになります。 翻って本県財政を見るとき、県債残高の半分以上この政府保証つきの、すなわち交付税で後年度償還される県債で投資的な事業を進めてきたことを考えますと、一層厳しい投資状況が生じるということになります。交付税総額の抑制をも勘案すれば、知事が厳しい予算要求基準を設けた理由もうなずけますが、だからこそこの不同意起債をどのように考えるのか。抑制対象県債の発行との絡みでどう対応していこうとするのか。やはり知事の御所見をお伺いせねばならないと思っております。 もう一点、地方債にかかわる問題でお伺いをいたします。 今度は逆に、起債自由化をより積極的にとらえ、起債残高にカウントされない目的別歳入債権、すなわちレベニュー債の発行を考えてみてはと思うわけであります。社会資本整備のおくれている本県としては、やはりアベレージを目指さなければならないと思います。しかし、先ほどお話ししたように、投資的事業に回す資金状況はますます厳しさを増します。これらを達成するには大変な工夫が必要であると思います。飯泉知事の工夫については、先ほどもお話ししたように十分な評価をしておりますが、私はさらなる取り組みについてお願いをするためにも、他府県がまだ取り扱っていない分野にぜひ乗り出していただきたいと思うわけであります。御所見をお伺いいたします。 行財政改革にかかわる最後の質問として、本県の財政面における今後の方向性についてお伺いをいたしたいと思います。 国においては、プライマリーバランスを二〇一〇年の初頭に黒字化することをにしきの御旗にして、持続可能な国の財政を目指した取り組みを推進しております。プライマリーバランスとは、御案内のとおり、借り入れを除く税収などの歳入から過去の借り入れに対する元利払いを除いた歳出を差し引いた収支のことで、簡単に言えばその年度の税収の範囲内で政策的な経費を賄えているかどうかということであります。目下、国のプライマリーバランスは今年度で十五兆九千億円の赤字状態にあります。確かに国民へのプレゼンテーションとしてはわかりやすいものでありますが、私にはどうしても財務省の戦略的な意図を感じざるを得ません。このような中で行われてきた地方交付税の大幅な削減や国庫補助負担金の廃止による負担転嫁などにより、ある意味では瀕死の状態となっている地方財政を見るにつけ、持続可能な財政運営は何も国の専売特許ではなく、国民に密着した地方財政においても極めて重要な課題であります。 振り返れば、本県においても、前段お話ししたように、国に先駆けて財政健全化推進プログラムの策定、実施や、飯泉知事も中期財政展望を策定し、現在取り組んでおられるところです。これらの本県独自の努力を知る私としては、大きな改革をしてこなかった国がさらなる改革を地方に押しつけているように感じられてなりません。今後、国の改革に物申す意味においても、三位一体改革が一段落するこの時点で、国で言うところのプライマリーバランスの均衡に匹敵するような本県独自の持続可能な財政運営の指標、目標を明確にする必要があると思います。もちろん、本県財政が国依存型であり、国の動向に大きく左右される財政構造であることから、なかなか難しい命題であることは十分承知した上で、知事の御所見をお伺いいたしたいと思います。   (飯泉知事登壇) ◎知事(飯泉嘉門君) まず、行財政改革につきまして幾つか御質問をいただいております。 最初に、南部総合県民局の予算作業についての御質問であります。 南部総合県民局の予算につきましては、権限移譲や役割分担に応じまして適切な予算措置が行えますよう県民局と関係部局において十分調整をし、圏域行政の総合化や地域完結型の効率的かつ効果的な予算編成執行に積極的に取り組む方針のもと、現在予算編成作業に取り組んでいるところであります。 また、県民局では、圏域における県行政を一体的に推進し、地域の特性に応じた振興を図るため、県民局長の統括のもと、総合的な見地から圏域内の振興策の企画立案、主要事業の相互調整を行うことといたしております。このため、県民局みずからが企画立案をする事業に必要な予算につきましては、事業内容の決定から知事査定に至るまで県民局が直接対応するなど、実質的に県民局から予算要求を行っているところであります。 また、本庁各部局が要求する予算のうち、圏域内での執行が予定をされている事業につきましても、事前に局議を経るなど、県民局の意向、要望を反映した要求としているところであります。 一方、地域完結型の総合行政機関として地域のニーズに迅速かつ柔軟に対応いたしますためには、議員からも御提案がありましたように、枠配分方式の対象となる事業の拡大が必要である、このように考えております。今後、地域のニーズをより反映した事業展開が図られますよう、市や町への補助事業などについて、枠配分方式の対象となる事業を来年度以降順次拡大をしてまいりたいと考えております。 次に、南部総合県民局は、地域に根差した施策、事業の企画立案及び執行が可能な機関として機能しているのかどうかとの御質問をいただいております。 南部総合県民局は、地域振興、特に総合的かつ効率的に推進をいたし、地域完結型の総合行政機関として機能させるために、今申し上げたように開設をいたしたところであります。このため、地域の政策課題に対する施策の企画立案につきましては、地域住民の代表や市長、町長から成る地域政策総合会議でさまざまな御意見をいただきながら、地域の目線に立った住民の皆様の夢の実現や課題解決を図っていく指針となります南部圏域振興計画の本年度中の策定に向け鋭意取り組んでいるところであります。 また、平成十八年度の予算編成におきましては、総合行政機関としての機能を発揮すべく部局間の協議を重ね、効率的かつ効果的な新規施策の立案に努力をいたしているところであります。さらに、地域課題の解決に向け、各種施策の実施に当たりましても、局内協議を重ねますとともに、平成十八年度開設予定の地域支援センターを活用いたし、市や町並びに地元住民団体の皆様と連携を図りながら効果的な事業の推進に努めてまいりたい、このように考えております。 今後とも、県民局職員の意識啓発はもとより、事務執行体制につきましても不断の見直しを行い、地域から信頼をされる県民局を目指し機能の充実強化を図ってまいりたい、このように考えております。 次に、市町村への権限移譲を推進するために県が積極的に受け入れ体制や環境整備、これらに尽力すべきではないかとの御質問をいただいております。 分権型社会の実現のためには、県と市町村との適切な役割分担のもと、住民に身近な事務は、基礎自治体であります市町村が地域の実情に即して主体的に処理できるようにすることが肝要であります。こうした考えから、平成十四年三月、徳島県権限移譲推進要綱を策定いたし、市町村への権限移譲に取り組んでまいりましたが、議員からもお話がございましたように、これまでのところ十分な成果が上がっているとは言えない状況であります。 一方、平成十七年度末には市町村合併も一段落をし、新しい市や町におきましては新たなまちづくりに向け本格的に取り組むこととなります。合併により規模、能力が拡大する自治体につきましては、人的にも、また財政的にも体制がこれまでより充実をされることから、権限移譲により総合的、主体的な自治体へ転換するまさにチャンスであります。 こうした状況を踏まえまして、平成十七年度末までに新たな権限移譲推進要綱を策定することといたしております。その策定に当たりましては、市町村の人材育成や財政面での支援、関連する複数の事務をまとめて移譲するパッケージ方式の設定など、議員御提案のとおり、権限移譲をより積極的に行うための環境整備を図り、市町村の意欲を引き出すような工夫を凝らしてまいりたいと考えております。 真の地方分権型社会の構築のためには、国から地方へと同様に、あるいはそれ以上に県から市町村へが重要であると認識をいたしているところであります。市町村が名実ともに分権型社会の主役となり、個性的で魅力あふれたオンリーワンの地域づくりを自主的、主体的に行えますよう積極的に権限移譲を推進してまいりたい、このように考えております。 次に、地方債の事前協議制度における不同意債の発行について御質問をいただいております。 地方債の協議制につきましては、現在、国において平成十八年度からの移行に向け、地方財政法施行令の改正や同意基準の策定作業が進められているところであります。同意を得た地方債につきましては、元利償還金が地方財政計画に算入をされ、財源保障がされるなど、現行の許可制と同様の発行条件が確保されることとなっております。また、同意基準につきましては、現行許可制度において許可された事業は基本的に同意する方向で、国において詳細な検討がされているところであります。こうしたことから、現行制度で許可されるものについては、協議制移行後においても同意をいただけるもの、このように考えております。 抑制対象県債に着目した県債管理ですとか、あるいは財源保障に基づく円滑な資金調達、これを実施いたしますため、今後とも同意を得て県債を発行することを基本としてまいりたいと考えております。 一方、今回の制度改正では、議員からお話がございましたように、適債性のある事業であれば、国との協議を経ることにより、同意がなくとも地方公共団体の自己決定により自由に地方債を発行ができるといった改正もなされているところであります。同意を得ない地方債につきましては、資金調達の自由度が増す反面、財源保障がないことや市場の評価が不透明であることといった課題もありますので、これらを総合的に勘案しながら慎重に判断をしてまいりたいと考えております。 次に、レベニュー債の導入について御提言をいただいております。 御提案をいただきましたレベニュー債につきましては、アメリカにおける地方債の一種であり、調達をした事業資金の償還をその事業収益のみで行う債権と理解しております。この債権につきましては、資金調達を通しまして市場が事業の収益性を判断し、結果として財政規律を確保できる有効な手段であるという意見がございます。 一方、我が国では、地方財政計画に基づく償還財源保障や許可制度や財政再建制度による事前の発行制限により、地方債償還における債務の不履行は生じないこと、レベニュー債と同様に事業収益により起債が償還をされる公営企業におきましても、大半の事業が水道、下水道といった県民生活に不可欠ないわゆるナショナルミニマムに関するものであり、独立採算制がなじまない部分は一般会計からの繰り入れで賄われていること、またアメリカではレベニュー債の購入者に対しまして税制上の優遇措置が講じられ、投資する上で大きなメリットがあることから低利回りでの発行が可能となっていることなど、両国の地方債の発行事情に相違点が多々あることから、導入に当たりましては、地方債制度や税制の根幹に踏み込んだ、まさに国レベルでの議論が必要である、このように考えております。 しかしながら、地方分権により地方債制度全般が大きな変革期を迎える中で、資金調達の多様化への取り組みが今後ますます重要となりますことから、県といたしましても国の動向に注視をしながら、新たな資金調達手段につきましても研究を続けてまいりたい、このように考えております。 次に、本県独自の持続可能な財政運営の指標、目標について御質問をいただいております。 財政改革基本方針では、平成十九年度を目標に、拡大する財源不足のうち百五十億円を圧縮すること、臨時財政対策債など地方財政措置に伴う県債を除き、毎年度の発行額を三百億円に近づけていくことという数値による改革目標を掲げ、現在その達成に向け取り組んでいるところであります。これは、平成十六年度に作成をした徳島財政中期展望で財源不足の大幅な拡大傾向や県債残高の累増による起債制限比率の急速な悪化傾向が見られましたことから、基金の大幅な減少や起債の制限といった事態を回避すべく、財政改革の取り組みを一層強力に推進していくために設定したものであります。 もとより財政改革を進めていく上では、県民の皆様の御理解、御支援を得ることが不可欠であり、そのためにも明確でわかりやすい目標を設定することが求められております。しかしながら、国の財政に大きく依存をする本県といたしましては、地方交付税、地方債を初めとする地方財政制度を十分に踏まえたものとする必要があると、このように認識をいたしております。 県といたしましては、引き続き財政改革基本方針に掲げた目標が確実に達成をできますよう全力で取り組んでまいりますとともに、財政運営の指針、目標のあり方につきましても、議員御提案の趣旨を十分に踏まえ、研究をしっかりとしてまいりたいと考えております。   (吉田(忠)議員登壇)
    ◆二十五番(吉田忠志君) 時間の関係で先へ進みます。 続いて、少子化対策についてであります。 我が国の少子化は、毎年出される合計特殊出生率を見るまでもなく、下げどまることなく進んでいることは既に御案内のとおりであります。このことにより、我が国の人口減少につながり、労働人口の減少、経済成長への影響、また国民生活水準への影響など、言いしれぬ将来不安を増大させております。 本県においても、今後一層少子化が進んでいくことが予想され、県勢の維持、発展のためにはさらなる対策が必要なのは言うまでもありません。私ども自民党三会派及び公明党県議団は、去る二十八日、両党の本年度の最重要施策であるこの少子化対策について、国における検討をまつまでもなく、県としてより積極的な対策を講ずるよう、「少子化対策の強化に関する要望」を行ったところであります。 そこで、改めて本年四月からスタートした行動計画徳島はぐくみプランの中で、とりわけ早期に実施すべき点を中心にお考えをお伺いしたいと思います。 少子化に歯どめをかけることの困難さは、この十数年に及ぶ施策にもかかわらずほとんど効果が見えないことでわかります。ただ、今日まで十分にはやってこなかったこと、すなわち事業者に対するアプローチであったことを思いますと、今般の一連のプランは特にそこに重点を置いており、期待が持てそうであります。その意味で、この際、県民、事業者、行政がそれぞれの役割分担を踏まえつつ、一体となって取り組むための行動指針を示し、一層の機運の醸成を図るべきであると思いますが、いかがでしょうか。 二点目は、仕事と子育ての両立が図れるような一層の環境整備が必要です。そのためには、このプランにありますように、保育サービスの充実だけでなく、子育てを中心に生活を見直すという視点が重要であり、県民や事業者の仕事と子育ての両立のための取り組みを促進するような施策を実施すべきだと思います。 三点目は、現在、市町村、NPO、子育てサークルなどさまざまな方々が子育て支援に積極的に取り組んでおられますが、県として新たなサポート体制、支援法を考えるべきだと思いますが、いかがでしょうか。 そして、四点目として、党派を問わずこの議場で望まれ続けてきた乳幼児医療費助成の対象拡大についてであります。知事は、就任直後の平成十五年六月議会において、中谷議員に対してこのようにお答えになっております。「安心して子供を産み、健やかに育てられる環境づくりを推進するという意味で、本県少子化対策を支える重要な制度である」という認識を示された上で、本県の制度は、自己負担がなく、充実度としては全国中位であり、六歳未満まで対象範囲を拡大すると、県、市町村の財政負担が大きく、市町村の意向や県の財政状況などを見ながら総合的に検討していきたいと述べられております。以来、多くの議員各位から再三の質問に対しても、財政状況を理由に、知事にしては珍しく慎重な姿勢を続けられておられます。しかし、少子化対策は本県にとって焦眉の急であります。知事が新たに設けられた政策推進特別枠を使ってでも決断すべきであると思います。 私は、まず対象年齢を引き上げること、これこそが、苦しい財政状況の中、少子化対策を一生懸命行っているという姿勢を、県民、とりわけはぐくみプランを有効ならしめる事業者に見ていただけると思うのであります。もちろん、市町村財政の状況を勘案すれば、拡大する範囲については一部自己負担もお願いをしてもよいのではないかと個人的には思っております。何よりもまず、まずは対象年齢を引き上げること、これを決断すべきだと思います。いかがでしょうか、お伺いしたいと思います。 続いて、吉野川水系河川整備基本方針についてお尋ねを申し上げます。 去る十八日、吉野川水系河川整備基本方針が官報で告示され、いよいよ河川整備計画の策定作業に入ります。御案内のように、今回の基本方針は、一九八二年策定の工事実施基本計画を踏襲した内容になっております。すなわち、治水計画の基本となる基本高水ピーク流量が基準地点の阿波市岩津で毎秒二万四千トン、計画高水流量が毎秒一万八千トンと定められており、上流での洪水調整が六千トン必要になります。従来の計画では、このうち三千トンは既設の施設で調節できるとしており、残る三千トンの洪水調節には新たな施設、すなわちダムなどにより調節するということになっておりましたが、昨今のダムに対する意識を考えますと不可能だと言わざるを得ません。これから策定される整備計画の中で、この残りの三千トンの洪水調整をいかにしていくかが大いに議論になると思います。整備計画策定の中で県としての考え方を示さねばならない立場として、現在のところどのような方法で三千トンの調節をしていこうとされておるのか、お伺いいたしたいと思います。 また、吉野川では昨年の台風二十三号によって観測史上最大の流量を記録し、ほぼ全域で浸水被害が発生したことから、流域住民は水害に対して大変な不安感を持っております。国土交通省は一刻も早く河川整備計画を策定し、計画的に河川整備を進め、住民の不安を解消する必要があり、そのためには河川法に定められている住民意見の反映方法や、いつまでに計画を策定するといった目標を早く示すべきであります。 そこで、河川整備計画策定までのおおよそのスケジュールと、二つに分けて設置することになっておる検討の場に住民はどの時点でどのような形でかかわっていけるのか、あわせてお尋ねをいたしたいと思います。   〔冨浦議員退席、出席議員計三十七名となる〕   (飯泉知事登壇) ◎知事(飯泉嘉門君) まず、少子化対策の強化について御質問をいただいております。 平成十六年の合計特殊出生率は一・三一と過去最低となるなど、本県におきましても急速に少子化が進んでおります。 このため、県におきましては、本年四月にスタートした少子化に対応するための行動計画徳島はぐくみプランに基づいて、全庁を挙げて取り組んでいるところであります。また、今年度には、次世代育成タウンミーティングを県内二カ所で開催をし、少子化対策についての県民の皆様の御意見も伺ったところであり、来年の一月二十九日には、内閣府と共催で少子化を考える国民の集いを徳島市で開催することといたしております。 このような中で、先日、自由民主党・新政会、交友会、明政会及び公明党県議団の四会派の皆様から、「少子化対策の強化に関する要望」といたしまして、今後の少子化対策を考える上で大変重要なポイントを御提言いただいたところであります。 私といたしましても、今まで以上に少子化対策を積極的に取り組んでいかなければならないものと思いを強くいたしたところであり、平成十八年度を徳島における「少子化元年」と位置づけ、今回御提言をいただきました内容や、タウンミーティングなどでいただきました県民の皆様の御意見を参考としながら、先進的かつ効果的な施策を実施してまいりたい、このように考えております。 以下、御質問をいただきました事項につきまして順次お答えをしてまいります。 まず、県民、事業者、行政が一体となって少子化に取り組むための行動指針の策定についてであります。 今日の少子化の問題は、生活環境や国民の価値観の変化などにより生じてきたものであり、行政のみの努力では一朝一夕に解決できる問題ではありません。子育てやその支援を子育て家庭や行政だけの問題とせず、すべての県民の皆様がそれぞれの立場でできることから取り組み、社会全体で子育てを支えることが重要であります。そのためには、県民、事業者、行政がそれぞれの役割のもとに、一体となって少子化対策に取り組むための行動指針となる憲章を策定する必要がある、このように考えております。 今後、県民の皆様の御意見も伺いながら、本年度中に憲章を策定をし、徳島県全体として少子化対策に取り組んでいく機運の醸成を図り、子育てに対する意識改革を促進してまいりたいと考えております。 次に、県民や事業者の仕事と子育ての両立を促進する施策を実施すべきではないかとの御質問をいただいております。 子育てを中心に生活を見直すということを徳島はぐくみプランの重点課題の一つに掲げておりますように、今後の少子化対策を考える上では、仕事中心の生活ライフスタイルを見直し、仕事と子育ての両立を図るという視点が不可欠であり、そのためには子育てを支援する職場環境の整備や、さまざまな就労形態を選択できる社会の実現が必要であります。県民の皆様お一人お一人がライフスタイルを見直すことはもとより、各職場におきましても子育て支援に向けた取り組みが進められますためには、何よりも子育てや働き方の意識改革を進めなければなりません。 このため、今後、仕事と生活の調和を図る「ワーク・ライフ・バランス」をキーワードとして、市町村や事業者にも御協力をいただき、県民、事業者、行政が一体となった仕事と子育ての両立を支援する取り組みを積極的に進めてまいりたいと考えております。 次に、地域における子育て支援の取り組みをサポートする体制の充実についてであります。 子育て支援につきましては、住民に身近な市町村、NPO、子育てサークルなどの地域における取り組みが必要であります。徳島はぐくみプランにおきましても、それぞれの機能を高め、相互の連携強化を図りますことにより、地域における子育ての総合力を高めるということを重点課題の一つとし、位置づけております。現在も、それぞれの市町村、NPO、子育てサークルなどがさまざまな活動をされておりますが、これら個々の取り組みを支援することはもとより、相互の連携を強化することによりそれぞれの地域の子育ての総合力を高めていくことが必要であります。そのため、来年十一月、アスティとくしまにオープン予定の男女共同参画推進拠点内に子育ての総合的な支援センターを設置し、関連組織相互の連携、関係者の育成、支援施策の調査研究などを行い、地域における子育て支援の活動を積極的にサポートしてまいりたいと考えております。 次に、乳幼児医療費助成制度の対象範囲の拡大について御質問をいただいております。 乳幼児医療費助成制度につきましては、平成十五年六月定例会におきまして中谷議員の御質問に御答弁をさせていただいて以来、さきの九月の臼木議員の御質問への答弁に至るまで、多くの議員の皆様の御質問に対し、厳しい財政状況、殊に三位一体改革の影響による財政の一層悪化の中にあって、この制度が将来的にも安定して継続できることが大切であるという観点から総合的に検討してまいりたいと御答弁を申し上げてまいりました。 しかしながら、今般、今議会開会日における自由民主党三会派及び公明党県議団の皆様方からの少子化対策の強化に関する要望の中でも、特に乳幼児医療費助成の対象範囲の拡大について大変熱い思いを伺ったところであります。現在、財政状況はさらに厳しさを増しておりますが、本県にとりまして県勢を維持、発展させていくためにも、また憲章の制定に実を加えるといった意味からも、乳幼児医療費助成制度につきましては、全国的な動向や持続可能な制度設計を早急に検討し、全国をリードできる制度といたして、来年度予算に反映してまいりたい、このように考えております。 以上、今後の少子化対策についてお答えを申し上げてまいりましたが、平成十八年度を「少子化対策元年」と位置づけ、積極的に取り組んでまいる所存であります。 次に、吉野川の河川整備基本方針について幾つか御質問をいただいております。 まず、吉野川水系河川整備基本方針では上流の既設ダムにおける調節後も毎秒三千トンの洪水調整が必要であるが、県の考えについて御質問をいただいております。 去る十一月十八日に策定をされました吉野川水系河川整備基本方針におきましては、基本高水のピーク流量を基準地点岩津において毎秒二万四千トンとし、このうち既存ダム及び流域内洪水調整施設により毎秒六千トンを調整することとされております。また、基本方針策定のための委員会で示された資料におきましては、既設五ダムにより毎秒三千トンの調節が可能であり、残る毎秒三千トンにつきましては既存施設の徹底的な有効活用を図り、不足する調整量につきましては洪水調節施設の整備が必要であるとされたところであります。 具体的な既存施設の有効活用方法といたしましては、既設ダムの操作ルールの変更や、利水容量や堆砂容量など治水容量への活用などを考えております。 一方、本県における吉野川の整備状況はいまだ十分ではなく、無堤地区の解消、内水対策のための排水機場の整備、また地震や洪水に備えた堤防の強化、これらの整備が極めて急務であります。 したがいまして、洪水調節設備の整備につきましては、今後の河川の整備状況、出水による被害の発生状況などを総合的に勘案をしながら、段階的に治水安全度の向上を目指すものになる、このように考えております。 次に、吉野川の河川整備計画策定までのおおよそのスケジュールや二つの検討の場への住民参加の時期、かかわり方などについて御質問をいただいております。 去る十一月十八日の吉野川水系河川整備基本方針が策定をされましたことから、これを受け、現在、国土交通省におきましては、河川整備計画策定のために必要な学識経験者や住民などの意見聴取など、諸手続を検討しているところであります。既に国土交通省におきましては、具体な計画、吉野川の河川整備と抜本的な第十堰のあり方の二つに分けて検討し、おのおのの検討の内容や進捗状況を勘案し河川整備計画を早期に策定するとの方針が示されているところでありますが、これまでの堤防の安全性や河川環境などの課題に対する専門分野の委員会での検討状況などを勘案いたしますと、まずは吉野川の河川整備にかかわる河川整備計画から検討していくものになる、このように考えております。 現在、国と県との間で設置をいたしております吉野川河川整備連絡調整会議が年内にも開催をされますよう調整をいたしているところであり、この会議の中で、今後の策定スケジュールや住民意見の反映方法など具体的な取り組みについて調整してまいりたい、このように考えております。 また、住民等の意見を反映させる場の設置につきましては、中立性、透明性が確保されるよう要望するとともに、昨年の相次ぐ洪水による災害発生状況などにかんがみ、一日も早く河川整備計画が策定されますよう積極的に国に働きかけてまいりたいと考えております。   〔冨浦議員出席、出席議員計三十八名となる〕   (吉田(忠)議員登壇) ◆二十五番(吉田忠志君) 欲張りまして再問する時間が五分しかありませんので、まとまったお話ができないような気がいたします。残念ですが仕方ありません。 そこで、御答弁はまた何かの機会にいただくことにして、まず分権化に対する二期改革でありますが、先般、私ども交友会と明政会合同で実は勉強会をいたしました。総務省並びに財務省の皆さん方ともいろいろ話をしながら、一つだけ、我々が思ってる以上に大変なやっぱり改革なんだなあと思い知らされました。 すなわち、私どもは、三位一体改革で二十兆円と言われる国庫補助負担金をどんなふうに削減、圧縮して一般財源に振り向けるかということにきゅうきゅうとして議論をしておったのですが、既に土俵をかえてみようと、こういうことなんですね。すなわち、補助金ベースでの地方財政の確立は大変な省庁の抵抗もあり、速やかな財源確保が難しいと。そこで、皆さん方が何となく感じておられるのは、この際、十九年度から始まる税制改革の中で改めて財政の移転の土俵を広げやりとりをしてみようじゃないかという地方自治を擁護する立場の人たちの考えが相当あるわけです。 私の場合は、この十年の間、最後の詰めとして三位一体改革をスローガンとして地方に対する税源移譲を一生懸命取り組んできたにもかかわらず、せいぜい四兆円の幅でしかなかなか動かせない。しかも、権限移譲や地方裁量が拡大をそんなにしたとも思えないような、この幅でしかできなかったことに大変失望をいたしましたが、しかしこういうやり方を初めてやったということについてはやっぱり評価をしなきゃならん。しかし、二期改革はまさにここにあるとやはり思います。 例えば、消費税一つをとりましても、五%としても現在の地方と国とのやりとりは四対一です。これを二・五対二・五あるいは三対二にしても相当地方税はシフトします。まだある。偏在性の高い法人税をいっそのこと国税にしてしまい、あわせてその分だけ偏在性の少ない税費目を地方税に移しかえると、こういう議論もやっぱりあるわけです。そうしますと相当規模、おおよそやっぱり、やり方にもよると思いますが、簡単に、簡単にっていうのはそら言い過ぎですが、十兆円規模の税源移転が可能なんですね。そうはいっても、ほなスローガンを何にしてやっぱり国民の皆さんにそれを納得していただくかというのは、ちょっとショックだったんですが、道州制がスローガンでやろうとしておるんですね。まだ早いと私は思っておりますが、いずれにしましてもそこまで実は行っとるということは、うれしい反面、厳しいとかいろんな複雑な思いをさせられました。 そのように大きく地方自治をめぐる、財政も含め、制度も含めて大転換が行われておりますが、それは吉野川についても大変おもしろい論争があったのをちょっと皆さんに御紹介しながら、何が問題なのかということについてもお話をしたかったんですが、とうとう時間が参りました。これはまた何かの機会に同僚議員にお願いしてさらなる議論を発展させられればなあと思っております。 以上で私の質問を終えたいと思います。御清聴ありがとうございました。(拍手)   ──────────────────────── ○副議長(長尾哲見君) 議事の都合により、休憩いたします。      午後二時十三分休憩   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━    午後二時三十九分開議      出席議員計三十八名          (その番号・氏名左のとおりである)     一  番     木  下     功 君     二  番     豊  岡  和  美 君     三  番     吉  田  益  子 君     四  番     本  田  耕  一 君     五  番     宮  本  公  博 君     六  番     扶  川     敦 君     七  番     達  田  良  子 君     八  番     古  田  美 知 代 君     九  番     山  田     豊 君     十  番     木  南  征  美 君     十一 番     川  端  正  義 君     十二 番     森  田  正  博 君     十三 番     須  見  照  彦 君     十五 番     嘉  見  博  之 君     十六 番     臼  木  春  夫 君     十七 番     黒  川  征  一 君     十八 番     庄  野  昌  彦 君     十九 番     橋  本  弘  房 君     二十 番     冨  浦  良  治 君     二十一番     宮  城     覺 君     二十二番     岡  本  富  治 君     二十三番     藤  田     豊 君     二十四番     西  沢  貴  朗 君     二十五番     吉  田  忠  志 君     二十六番     北  島  勝  也 君     二十七番     福  山     守 君     二十八番     森  本  尚  樹 君     二十九番     大  西  章  英 君     三十 番     長  尾  哲  見 君     三十一番     長  池  武 一 郎 君     三十二番     竹  内  資  浩 君     三十三番     遠  藤  一  美 君     三十四番     阿  川  利  量 君     三十五番     佐  藤  圭  甫 君     三十八番     児  島     勝 君     三十九番     中  谷  浩  治 君     四十 番     来  代  正  文 君     四十三番     榊     武  夫 君   ──────────────────────── ○議長(佐藤圭甫君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 四十三番・榊武夫君。   (榊議員登壇) ◆四十三番(榊武夫君) 新風21を代表いたしまして質問をさせていただきます。 九月議会が閉会したのが十月十七日でありました。あれからまだわずか四十日余りしかたっておりませんが、この間に我が国を取り巻く政治状況は大きくさま変わりをし、国民の不安は毎日のように増幅し、果たして日本の将来はどうなるのかと心配する国民も少なくない状況であります。郵政民営化に論戦を挑み反対した自民党国会議員は、改革の足を引っ張る抵抗勢力だとの烙印を押され、離党を強制され、その議員を推薦し支援した各県連に対しても厳しい責任追及をされている状況は、他党から見ても、同情は当たらないかもわかりませんけれども、非常に違和感を感じるところであります。衆議院の三分の二を獲得した小泉首相にはだれもが抵抗できない状況が、果たして今後の政治にどのような結果を生み出すのか、注視をしていく必要があると思います。 このような政治状況の中で進められております三位一体改革に対しましては、今月上旬の朝日新聞が行った四十七都道府県の知事に対してのアンケートでは、過去二年間の成果を「評価できる」と答えたのはわずか三人だけで、「評価できない」が十四人、「どちらとも言えない」が三十人と、厳しい評価が浮き彫りとなっています。最終コーナーを回ったその改革の成果は実感できないで、特に〇四年から〇六年度までの三年間で約四兆円の補助金を削減し、約三兆円の税源を地方に移譲する数値目標のうち、二兆四千億円のめどをつけて、残る六千億円をめぐる国と地方との攻防も一応決着を見たとこであります。 そもそも三位一体改革とは、地方分権と行財政改革を進めるため、国から地方への補助金削減と税源移譲、地方交付税の見直しを一体的に行い、地方の裁量権を拡大し、小さな政府を目指すというものでありますが、今回の国の手法は、地方に赤字を転嫁し、国民の個人負担を増大させるものとも考えられ、真の地方分権社会の実現にはほど遠いのではないかと思うところがあります。 一方、知事は所信表明の中で、今回の結果いかんにかかわらず、三位一体改革は不要などと考えてはならない。二十一世紀の我が国の進むべき方向は真の地方分権社会の実現であり、必ずや実現するものと確信すると述べられております。さきのお二人の御質問に対しましても、本当に地方分権は絶対に必要なもので、三位一体改革の総括や二期計画に向けた決意などが御答弁の中でされましたけれども、私は今回の三位一体改革に当たり、大きな眼目であった義務教育費国庫負担制度と厚生労働省関係の補助金の削減問題について、具体的にお伺いいたしたいと思います。 まず、義務教育費国庫負担制度についてでありますが、国は、小中学校を通じて負担率を現行の二分の一から三分の一に引き下げ、八千五百億円を削減するとしていますが、知事はさきの記者会見で批判もされておりましたように、この制度が導入されると現実に本県にとってはどのような影響が出るのかをお伺いいたしたいと思います。 次に、厚生労働省関係の補助金の削減についてでありますが、当初考えられていた生活保護関係にかわり、児童手当、児童扶養手当関係の補助金を対象とすることになりました。これについては、単なる数合わせを優先し理念があいまいになった、負担率引き下げでは地方分権は進まないなどとの批判や、あるいは生活保護が改革の対象から外されたことは大変よかったという知事等のいろいろの声が聞かれるところでありますが、国は、児童手当制度については、国負担分を三分の二から三分の一に、児童扶養手当制度については、国負担分を四分の三から三分の一にそれぞれ引き下げることとしていますが、これについてもどのように受けとめているのか、お伺いをいたしたいと思います。 続きまして、三位一体改革と関連して、国において進めようとしております制度改革についてお伺いをいたします。 まず、税制問題についてであります。 既に、〇六年からは所得税と個人住民税の定率減税幅を二分の一に削減する法律改正がなされており、〇七年一月からは所得税を、六月からは個人住民税を全廃するよう政府税制調査会の答申が小泉首相に提出されました。小泉首相は、選挙期間中はこのことについて否定をしていたにもかかわらず、早速増税路線が鮮明になってきております。 消費税については、来年六月の中期答申に先送りされましたが、経済状況の改善を理由に増税への道を突っ走ろうとしている一方、果たしてどれだけの国民が、景気がよくなった、暮らしがよくなったという感じを受けているのでしょうか。税調答申が示した方向での税制改革は、体力の弱い地方により厳しいものになると思います。国の財政再建はもちろん重要でありますが、今が果たしてその時期なのか。景気悪化に逆戻りをする懸念はないのだろうか。特に、地方の景気、経済にどのような影響を与えるか、心配されるところであります。知事の御見解をお伺いいたしたいと思います。 次に、政府系金融機関改革として八つの政府系金融機関を一つから三つに集約する三案の基本方針が議論されていましたが、二十九日、政府・与党では一機関に集約する基本方針が正式決定しましたが、そうなった場合に、特に本県における中小零細企業を初めとする農林漁業者、商工労働者の資金調達や、既に借り入れられている長期借入金への影響についてはどのような影響が出るのか、お伺いをしたいと思います。 最後に、二〇〇八年十月から、今まで全国一律で政府が実施をしてきた政府管掌健康保険が社会保険庁から全国単位の公法人に移管され、財政単位を都道府県とし、保険料率も都道府県ごとで違ってくることになります。その試算によりますと、最も高いのが北海道で、徳島は二番目に高い八・六%となり、現在の全国一律の保険料率八・二%を〇・四%上回ることとなり、一番低い県よりは一%も高い保険料となります。労働者はもちろん、中小企業の経営者も他県より重い負担を強いられ、厳しい競争にさらされることになり、企業の立地条件にも影響し、企業誘致にも悪影響を与えるのではないかと懸念するところであります。今後の県の最大限の対応を強く望んでおきたいと思います。 次に、指定管理者制度の導入についてお伺いをいたします。 地方自治法の改正に伴い、官から民へ、そして住民サービス向上と経費の節減といった規制緩和や行財政改革の観点から進められてきた指定管理候補者が発表され、今議会に提案をされております。その内容を見ますと、正直言って私の思っていたイメージとはかなりかけ離れたものとなっております。 その第一点は、知事も所信表明で述べられている、経費の縮減という行革の観点と住民サービスの向上という一見相反する効果を実現するためには、どうしても民間のノウハウを取り入れたいとの思いがあったと思いますが、実際にはその内容は七割までが従来の外郭団体で占められていることに驚きました。言わなくてもわかるように、経費の削減と住民サービスの向上を図るためには、絶対に民間の新しいノウハウがなくては目的達成は非常に難しいのでないかと思うのは私一人ではないと思います。今までの管理者に委託をするということは、単に経費だけを削減して、その団体に厳しい運営を要求するだけのことではないかと思うのであります。いろいろな今までの経験を生かして、新しいノウハウを発揮して期待にこたえたいとの提案を認めて決定したと報告されていますが、それでは今までは何だったのかという疑問も残るわけであります。今回の指定管理者候補の七割が従来から管理をしてきた外郭団体であるという状況を見て、経費の削減と住民サービスの向上が達成できると考えているのか、お伺いをいたしたいと思います。 次に、県の外郭団体についてもお伺いをいたします。 本県において、昨年十月に本年度から三年間で取り組む財政改革基本方針を発表し、今後三年間で百五十億円削減を目標としておる方針が出されておりますが、国からの交付税や国庫負担金に頼っている現状から、昨年の三位一体改革で百九十八億円の財源不足を生じ、今後も歳入は地方交付税の減少等で次第に減る一方、歳出は横ばい状態で、特に団塊の世代の大量退職に伴う退職手当と、過去に発行した県債の償還が増大することから、歳出の削減が緊急の課題とされております。このような財政状況下でも、県は外郭団体に対して毎年百億円近い補助金や委託金を支出しているのが現状で、県の歳出削減のためにはこの外郭団体の見直しが緊急の課題であると思うのであります。 現在、県が二五%以上出資、出捐し、または債務保証をしている団体は三十八団体ありまして、このうち一〇〇%出資が十団体、五〇%以上の出資が十一団体ありますが、このうち十団体の財務事務及び事業の管理について、平成十一年度から十五年度までの包括外部監査を受けてその内容が発表されました。各団体とも非常に厳しい指摘を受け、今後の問題点が浮き彫りとなってきておりますが、このことについて知事はどのように受けとめ、どのように対処するつもりであるのか、お伺いをいたしたいと思います。 次に、さきの質問者も言われましたけれども、東京便スカイマーク撤退についての質問を続けてまいりたいと思います。 既に前質問者も触れられ、重複するかと思いますけれども、この問題は会派を代表しての代表質問としては避けることのできない大きな問題であろうと思います。 去る十月十三日の徳島新聞一面のトップ記事で「スカイマーク、徳島撤退 来春から」の文字が一番に飛び込んでまいりましたが、一瞬何のことかと目を疑いました。それぐらいにびっくりする中で記事を読み進めていくうちに、来春四月二十一日で休止をする、それも一日四便すべてを休止をするということであります。寝耳に水などで片づけるわけにはいかない。徳島県の産業、経済、観光、すべてに与える影響の大きさに唖然とするとこでありました。 知事は、早速上京し、スカイマーク本社や国土交通省に経緯の説明や運航継続の要請を行ったようでありますが、さきにも説明があったように、スカイマークの西久保社長は、「会社の収益性から、徳島線、鹿児島線、関空線も撤退したくて撤退するのではないが、今後の新空港に乗り入れる場合に羽田の発着枠に限りがあるので、残念ながら撤退しなければならない」と言われ、この先違った収益源がない限り継続はできないなどとの意向であったと新聞で発表されておりますが、ここでまず第一点、違った収益源とは何を意味し、本県がそれにこたえられるような内容であったものかどうかをお伺いしておきます。 また、知事は、国土交通省に、東京-徳島間は十六年度には過去最高の八十三万二千人が利用し、東京間の最大輸送手段として定着し、年々増加している状況から、今もし四便が廃止されますと、さきにも言われたように、残りJALの四便だけとなると搭乗率が一〇〇%を超えて本当に乗れない空港となり、東京への県民の足は限定されたものとなります。人、物の動きに大きな影響を与え、産業、経済、観光への打撃もはかり知れないものとなります。地方切り捨てにつながるもので、スカイマークの路線維持やJALの増便、新たな航空会社の参入など、あらゆる選択肢の支援を要請されたようでありますが、その感触及び見通しはどのようなものであったのか、お伺いいたします。 また、本県の経済界、産業界も必死で問題の打開にいろいろの行動を起こしており、本議会においても事前委員会でそれぞれ今後の行動、打開策が議論され、議会挙げての行動が進んでおりますが、そもそもこの問題の原因は、スカイマークの経営方針だけでは片づけられないもので、構造改革により官から民への規制緩和政策により国の需給調整がきかなくなり、航空会社の判断で路線の新設や廃止、増減便や、また運賃設定も各自の企業でできるようになったことが大きな原因であると考えられます。 県においては、全庁挙げて徳島空港路線確保利用促進対策会議を設置し、木村副知事を会長に増便、参入、誘致に全力で取り組む必要性を確認し、経済団体とも歩調を合わせて要望活動を展開する方針を確認した上で、航空会社への経済支援も検討課題とすると言明していますが、今後、後背人口の少ない地方の空港はすべて航空会社へ経済支援をするような方向でしか打開策がないのであろうかということは、地方にとって本当に悲哀を感じるところであります。本当に知事の御見解をお伺いしたいと思います。 以上、御答弁をいただきまして、次の質問に移りたいと思います。   (飯泉知事登壇) ◎知事(飯泉嘉門君) 榊議員の御質問に順次お答えをいたしてまいります。 まず、義務教育費国庫負担制度について、負担率を現行の二分の一から三分の一に引き下げた場合、現実にどのような影響が出ると考えているのかという点について御質問をいただいております。 御承知のとおり、義務教育費国庫負担金につきましては、地方の改革案の中でそれぞれが独自に創意工夫を発揮し、地域のニーズに合った自主的、自立的な教育を実現するため、まず第一期改革において中学校教職員分の一般財源化を、第二期改革においてその全額を廃止することを求めてまいりました。 今回、政府・与党が取りまとめました三位一体改革の全体像における義務教育費国庫負担金の負担率の引き下げにつきましては、国の関与が依然として残るものの、文部科学省が強い抵抗を示しておりました税源移譲が一定程度実現し、本年度暫定措置であったものが恒久的措置とされたところであります。義務教育全般に地方が主たる役割を担うことが明らかとなったことは、一定の評価ができるものと考えております。 私といたしましては、教育における真の地方分権改革の実現に向け、今後とも積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 次に、児童手当及び児童扶養手当の国負担分の引き下げについてどのように受けとめているのかについて御質問をいただいております。 児童手当及び児童扶養手当は、支給要件、支給額などの基準はすべて法律で定められており、実施主体であります地方公共団体の自由度は全くない制度であります。児童手当につきましては、もともと地方六団体の改革案には入っておらず、これまで何の議論もなされていないにもかかわらず、理由もなく唐突に示されたものであります。また、児童扶養手当につきましては、生活保護費及び児童扶養手当に関する関係者協議会におきまして議論がなされてきたことから、地方側は国庫負担率の引き下げについては強く反対をしてきたところであります。 今回、三位一体改革につきましては、生活保護費につきまして地方の意見が取り入れられるなど、一定の成果があったと考えておりますが、両手当につきましては、三位一体改革の本来の趣旨にそぐわない、国から地方への単なる負担転嫁と言わざるを得ず、極めて残念な結果であった、このように考えております。 次に、政府税制調査会の答申が示した方向での税制改正は、今が果たしてその時期なのか、景気悪化に逆戻りする懸念はないのかという点について御質問をいただいております。 著しく停滞した経済活動の回復のために導入をされました所得税及び個人住民税の定率減税につきましては、個人所得課税の抜本的見直しまでの間の緊急避難的な特例措置といたしまして、平成十一年度の税制改正において措置された経緯がございます。この定率減税につきましては、平成十七年度の税制改正におきまして二分の一に縮減され、平成十八年以降の所得税、平成十八年度以降の個人住民税から適用されることとなっております。また、本年十一月に政府税制調査会から、経済状況が導入当時に比べ改善する中、見合いの財源なしに将来世代の税負担により継続されていることなどを踏まえれば、経済状況を見きわめ廃止すべきであるとの答申が提出されております。 この定率減税の廃止につきましては、国民生活に深いかかわりがあり、さまざまな御意見があることも承知しておりますが、国、地方を通じた財政状況、国民の暮らしや地域経済を含めた景気への影響、さらには個人所得課税のあり方といった観点から、今後、国会の場におきまして幅広く議論がなされるもの、このように考えております。 次に、政府系金融機関の統合による本県の中小零細企業者並びに農林漁業者の資金調達などへの影響について御質問をいただいております。 政府系金融機関の改革につきましては、去る十一月二十九日、経済財政諮問会議におきまして、中小企業金融公庫、国民生活金融公庫、農林漁業金融公庫など五つの機関を新しい政府系金融機関に統合し、商工組合中央金庫及び日本政策投資銀行は民営化するとの改革の基本方針が決定をされました。 本県の中小零細企業者への影響についてでございますが、中小企業金融公庫、国民生活金融公庫、そして商工組合中央金庫の三金融機関の県内融資残高は、平成十七年九月末現在で約一千六百億円で銀行融資残高の約八%であります。また、改革の基本方針には、改革後におきましても、民間金融機関が採算上供給困難な中小零細企業への事業資金の貸し付け、政策誘導を目的とする特別な資金は政策金融として残すものとされておりまして、政府系金融機関がこれまで担ってきた重要な機能は継続されるもの、このように考えております。 次に、本県農林漁業者などへの影響についてでございますが、本県での農林漁業金融公庫の農林漁業者などへの融資残高は、平成十六年度末現在約二百三十一億六千万円であります。改革の基本方針において、農林漁業金融公庫が有している機能のうち、資本市場が代替できない範囲の農業・林業・水産業向けの超長期低利融資機能、食品産業向け融資のうち、中小企業に対する十年を超える貸し付けが政策金融として必要であり、残すものとされております。 なお、この改革によりまして、既に貸し付けを受けているものに対し弊害が発生しないようにすることともされております。 今後、この改革の基本方針に沿って、融資制度のさらに詳細な制度設計の検討が進められますが、その検討内容によりましては何らかの影響も考えられますことから、国の動きを十分に注視しながら、本県の中小零細企業者や農林漁業者の資金調達に支障がないよう必要に応じて要望を行うなど、適時、適切に対応してまいりたいと考えております。 次に、今回の指定管理候補者の状況で経費の節減と住民サービスの向上が達成できるのかという点について御質問をいただいております。 指定管理者制度は、地方公共団体が設置をいたします公の施設の管理運営について、民間事業者の参入を図り、そのノウハウを活用することなどによりまして経費の縮減と住民サービスの向上という一見二律背反する効果の実現を目指すものであり、本県におきましては、来年の四月から二十四施設群に制度を導入することといたしております。 各施設の指定管理者を定めるに当たりましては、公募により申請を募り、外部委員を交えました各部局ごとの選定委員会におきまして、利用者サービス向上、経費の縮減、適切な人員配置、一定の財政基盤の保持といった観点から管理運営計画の総合的な審査が行われ、その結果を踏まえ、県として指定管理候補者を決定いたしたところであります。 結果といたしまして、二十四施設群のうち、約七割に当たります十七施設群の指定管理候補者が現行の管理委託団体となったわけでありますが、施設管理に要する県負担額は、平成十八年度の予算額と今年度の予算額との比較で全体としてマイナス二三・一%、金額に直しますと約五億三千五百万円の縮減が図られております。この数字にもあらわれておりますように、現行管理団体においては、民間企業などとの競争に打ち勝つべく、より効率的な管理体制の構築、職員の給与体系の見直しなどさまざまなコスト縮減に取り組んだところであります。また、住民サービスの向上の面につきましても、休業日の削減や供用時間の拡大、新たな体験講座や集客イベントの開催、さらには貸館事業における利用料金の一部引き下げなど、現行管理団体の創意工夫を含めましていろいろな角度から意欲的な提案が盛り込まれております。 これらのことから、経費の縮減のみならず、住民サービスの向上にも十分期待できるものであり、今後とも指定管理者制度の導入効果が最大限もたらされますよう、その適切な運営に努めてまいりたいと考えております。 次に、県の外郭団体につきまして、包括外部監査の厳しい指摘をどのように受けとめ、どのように対処するつもりなのかについて御質問をいただいております。 県の外郭団体におきましては、これまで県行政の補完、代替などの観点から、機動性、弾力性を発揮し公共的、公益的事業活動を行っているところであります。 こうした中、昨年度末、包括外部監査におきまして、外郭団体の運営の効率化や財務の健全化などにつきまして種々御指摘を賜り、県といたしましても真摯に受けとめているところであります。 外郭団体の見直しにつきましては、これまでも平成十五年十月に策定をいたしましたリフレッシュとくしまプランの中で、団体の将来のあり方や進むべき方向性を公表いたし、さらに指定管理者制度の導入や公益法人制度改革を見据え、外郭団体見直しなどの基本方針を策定し、各団体に対して、現下の厳しい環境の変化に速やかに対応できるように指導をしてきたところであります。 特に、包括外部監査で指摘をいただきました団体のみならず、県が基本財産の二五%以上を出資または出捐あるいは債務保証契約を締結をしている三十八団体につきましては、団体みずからが本年度末までに見直しの方向性を踏まえました問題解決プラン、これを策定いたしまして順次改革に着手することとなっております。策定されました問題解決プランは、第三者機関でありますリフレッシュとくしまプラン推進委員会に報告がされた後、県のホームページにも事業内容、経営状況、公的支援のあり方などについて積極的に情報公開をいたしてまいります。 今後、県といたしましては、各団体みずからが進める問題解決プランに沿った経営改革が着実に進みますよう進行管理を行いますとともに、適時、適切な助言も行ってまいりたい、このように考えております。 次に、スカイマーク問題につきまして、国土交通省に対し支援要請をした際の感触及び見通しについて御質問をいただいております。 これまで、国土交通大臣や航空局長にお会いをし、便数の半減により座席利用率が一〇〇%を超えるという本県の置かれた異常な状態について御説明をし、できる限りの御支援をお願い申し上げたところであります。 これに対し国土交通大臣は、航空ネットワークを阻害する動きは問題であるとの認識を示され、側面的な支援をお約束いただいたところであります。これによりまして、本県の置かれた状況や意向は国土交通省からも大手航空会社に伝わっており、それぞれ御検討をいただいている、このように認識いたしておるところであります。   (木村副知事登壇) ◎副知事(木村正裕君) 東京便からのスカイマークの撤退に関連いたしまして、私の方から二点御答弁を申し上げます。 まずは、西久保社長の意向として発表された中で、「違った収益源」とは何を意味し、本県がその内容にこたえられるかとの御質問でございますが、去る十月十二日に都内で開催されましたスカイマークの記者会見におきまして、西久保社長が、「赤字を抱えてこの先就航しなければならないとするならば、違った形の収益源が必要である」との発言がなされております。翌日、スカイマーク本社を訪問し西久保社長に直接撤退の真意を尋ねたところ、違った形の収益源の話は一切なく、低価格を武器に主要路線で大手と戦いたいという趣旨の発言を繰り返されたところでございます。 したがいまして、「違った収益源」の意味は定かではありませんが、スカイマークとしては本業である航空事業を収益性の高い千歳、福岡などの幹線に振り向け展開するという意味での撤退であり、県に対して何らかの対応を求めることを意味したものではないというふうに理解をいたしております。 次に、地方空港は航空会社へ経済支援するような方向でしか打開策はないのかとの御質問でございますが、航空自由化の進展は、航空運賃などの値下げによりまして空の旅を身近なものとしたことは事実であります。一方、規制が廃止され、路線の改廃も航空会社の判断に任されたことから、地方航空路線の存続を危うくしていることもまた事実でございます。特に、貴重な羽田の発着枠を地方空港から吸い上げてすべての収益性の高い主要路線に振り向けるという今回のスカイマークの経営判断が許される状況につきましては、憤りすら感じているところでございます。 やはり空の便も公共交通機関であり、公共事業で整備された空港を使う航空会社が、地方の航空路線を容易に廃止できる現状には非常に大きな問題があるということで、国においてしっかりとしたルールづくりが必要であるというふうに強く認識しているとこでございます。   (榊議員登壇) ◆四十三番(榊武夫君) それぞれの御答弁をいただきました。 三位一体改革については、やはり国がその関与を依然として残している部分について、本当に地方が独自の運営を、地方分権を実現できないという面もあるようでございますし、それからまた児童手当の問題につきましては、知事も非常に厳しい見方をされております。本当に少子化問題が現在の時代の中で大きな重要課題となっているときに、本当に逆行するような面もありますので、この点につきましては毅然とした態度でひとつ今後対処していただきたいと思います。 それから、政府管掌の税制問題でございますけれども、本当に今果たして景気がそんなによくなってるのかと。踊り場から上昇気流に変わったと、こういうことでございますけれども、やっぱり地方においてはまだまだ厳しい問題があろうかと思います。そういう状況の中で、本当に税金が大きく伸びますと今度やっぱり消費の面で衰退されるような状況があるかと思います。そうしますとやっぱり景気に影響しますので、そういう面につきましてもひとつ十分考慮の上で対応をしていただきたいと思います。 それから、中小企業の政府系金融機関の合同につきましても、いろいろ問題等々もありますので、今後、県におきましても本当に十分な配慮を考えていっていただきたいと思います。 それから、指定管理者制度の問題でございますけれども、今言われましたけれど、本当にこの制度というのは、非常に頭で考えると経費を少なくして、そしてサービスをよくすると、本当にこんないいことないわけでございますけれども、現実には非常に厳しい状況を押しつけられますので、応募者についても本当に少なかったんでないかと私も考えるとこでございますけれども、今後、本当にこれが一つの大きな試金石となって今の公共施設の運用の将来性にかかわっていくと思いますので、本当に十分に今後も指導を怠ることなく、それが成功するように要望しておきたいと思います。 それから、県の外郭団体でございますけれども、これも外部監査の指摘を見ますと非常に厳しい指摘のところがあって、本当に外郭にそれを委託することが正しいんであるかどうか、県が直接やってもいいんではないかというような指摘もありますし、それからその中の団体におきましても非常に早速いろいろ検討すべき問題が多々あると思いますので、十分な検討を、今後の対応をお願い申し上げておきたいと思います。 それから、スカイマークの問題ですけれども、これは本当に大変な問題でございますね。まだ今後の問題として本当に私たちも一緒にひとつ県と、それから県民、経済界、産業界それぞれの方々と連携を取りながら打開策を見つけていきたいと思いますので、知事におかれましてはひとつ先頭に立ってぜひとも対応していただきたいと思います。 それでは続きまして、次の問題に移りたいと思います。 今、スカイマークの撤退の問題が出ましたけれども、次の問題は、私はJR四国の将来性についての問題でお伺いをしたいと思います。 本県にとって暗い質問ばかりが続きますけれども、これも地域の足を守る重大な問題でありますので、今すぐの問題ではないかもわかりませんけれども、そのときになってスカイマーク徳島撤退のように慌てることがないように、今から議論をしておきたいと思います。 まず第一番に、JR四国が置かれている立場ですが、国鉄民営化の際に、北海道、九州及び四国の三社は、その当時の現状では到底正常運営は困難との考えから、北海道旅客鉄道株式会社、四国旅客鉄道株式会社、九州旅客鉄道株式会社として三島会社と呼び、設立当初から営業損益の赤字分に相当する経営安定基金を積み、その額は一兆二千七百八十一億円、北海道が六千八百二十二億円、四国が二千八十二億円、九州が三千八百七十七億円と、これが計上され、これの運用収益から毎年補てんをするとして、一九八七年の四月から民営化が発足をして来年で二十年を迎えることになったわけであります。 この間、本州三社は既に株式の売却及び上場が行われておりますけれども、JR四国を初め三島会社は依然として鉄建公団がその株全体を保有する特殊会社のままとなっており、発足当時の経営安定基金の契約当時の七・五%の運用益は無理でありましたけれども、当初は七・三%の運用益が上がり、その後金利の低下とともに下がり続け、JR四国においても当初の三年間は一年間で百五十一億円の運営利益が生み出されて、営業損益の大体二倍の収益がそれからは補てんをされておったわけでございますが、平成十三年度からは営業損益が七十四億円に対し運用益は七十七億円、十四年度は損益が七十億円に対し運用益が七十二億円、十五年度は七十億円に対し七十一億円とほとんど同額となり、今後の状況がどうなるかということを危惧する状態のところまで来ております。 しかも、この制度が来年十八年度末で切れ、その上、固定資産税等の特別措置も切れます。そうしますと、十九年度以降は到底経営は無理になるのではないかと。政府も、このままではどうにもならないので、十八年度末を見据えて検討していく必要があると国会等で答弁をしておりますが、四国を初め北海道、九州ともに鉄道の持つ役割はこれもまた非常に大きなものであり、住民に与える影響も重大であると思います。 そこで、知事にお伺いしますが、JR四国を含めた三島会社の現状をどのように認識され、将来展望をどう考えているのか。その上に立って、関係知事にも呼びかけ、全国知事会等にも問題を提起して、国会への働きかけをすべきだと思いますけれども、御見解をお伺いしたいと思います。 続いて、耐震強度偽造問題について質問を行います。 去る九月議会でアスベスト問題が大問題になり、対策についていろいろと議論が交わされ、全国の知事発言でも、先月十五日現在で調査対象八百三十一施設のうち七百四十三施設の調査は完了したが、いまだに七十八施設が残り、使用が確認された十三施設でも処理ができていない状況で、そのような状況の中で今度は震度五強以上で倒壊するマンションやホテルが関東を中心に一建築士によって設計され、建築されている事実に、関係者は無論、一般国民にも地震以上に不安と驚愕を与えたところであります。 そして、今、その責任はどこにあるのか、手抜き設計をした一設計士か、その設計士に発注をした設計会社か、その工事を行った建設会社か、またこの欠陥建築をチェックできなかった検査機関か、民間に検査機能を認めた行政なのかなどなど議論をされ、その建築物も毎日のようにふえ、これをつくったときは四十でありましたけれども、本日でもまた二棟ふえたようでありますし、そのように四十棟を超えるホテルやマンションが指摘をされ、関東圏だけではなく、奈良県の二カ所のホテルから九州、中国にも及ぶように既に多くのホテルが閉鎖をし、または休業している状況であります。 全国的にどこまで広がるかわからないような状況で、さきの県土整備の事前委員会で本県では幸い該当する建築物はないとのことで、検査も民間に委託をせず県が直接行っているので心配はないとの報告であったようですが、県民は絶対安心と感じられないところもあるわけであります。先日も、徳島市内の新築分譲マンションの売れ行きが好調と発表されていましたけれども、一般購入者は、もし今問題になっているようなマンションであれば大変で、一生の生活計画も一瞬で崩壊する不安と隣り合わせているわけであります。 本県では、南海・東南海地震に備えて耐震検査が進められ、補強事業の促進が叫ばれている現在、このような全国を震撼させた事件に一日も早く終止符を打ち、県民に安心を与えるために、県の徹底した状況把握と調査が必要と思います。そして、本県の建物は安全で安心であるとの安全宣言を行うべきであると思いますが、見解をお伺いしたいと思います。 次に、平成十七年度の政策評価の結果についてお伺いします。 県は、来年度の予算編成に向けて千百五十一事業の評価を行い、その結果が公表されましたが、まずこの制度については、今までの何でもかんでも前年並みだ、成果のいかんにかかわらず毎年引き継いでいくと言われた、これがお役所行政だと言われたような、その行政に厳しいチェックを行い、評価をして公表し、来年度の予算に活用するということは、職員にとっても使命感と緊張感が与えられ、評価すべき制度だと思いますが、その内容を見たときに少し疑義を感じるとこでありますので、お伺いをしていきたいと思います。 その第一点は、対象事業のうち、何らかの見直し事業が昨年度も今年度も五〇%で、そのうち廃止すべきは昨年の百二十件、九%に比べて、本年度は百七十七件、一五%にも増し、休止も六件から九件にふえていることがありますが、この点は何が原因であるのか、より厳しい評価の結果なのかをお伺いしたいと思います。 また、縮小事業が二百二十五事業、二〇%と昨年に比べて数も率も大幅にふえ、一方改善が減少し、本年度より新しい格付の拡大が八件、一%以内しかないことは、これも何かの原因があるのか、お伺いしたいと思います。 この政策評価事業で評価できる点は、今まではややもするとあいまいもことしていた事業の優先度の判定基準が公表されたことは、情報公開が叫ばれている現在、時宜を得た手法だと思います。ただ、十八年度予算編成における事業の見直しの方向性の中で、何らかの改善見直しを実施する予定の事業数五百八十事業のうち、終期設定がわずか五件しかされておりません。廃止事業も含めて百八十二件、三一%しか明らかにされていないし、平成十八年度予算編成に活用する前提で、事業目的、効果をいつまでに実現させるかということを明らかにするという意味から、原則として終期、終了期間ですね。終期設定を義務づけるべきであると思いますけれども、御見解をお伺いしたいと思います。 続いて、今までの質問の大半は暗く、問題意識を提起し、苦言や心配事でありましたけれども、これから二問はすばらしい取り組み事業であるとの観点からお伺いをしたいと思います。 まず第一問目は、先日発表された「阿波の逸品」九十四品目の商品を県が大々的に販路を拡大していこうという事業であります。 本県には、阿波踊り、鳴門の渦潮のように既にとくしまブランドとして確立、認知されているものがありますが、県民にとってすらその価値が十分に認識されていない貴重な素材や物品はたくさんあるはずなんです。 その一つとして、県も大きな支援を行っている映画「バルトの楽園」の公開や、その舞台となった地元の人々とドイツ人俘虜との交流の中から生まれたベートーベンの「第九」が初演の地として全国に情報発信され、年々関連の行事が盛んになっていることは御承知のとおりでありますが、本県の魅力を物を通してなお一層アピールするため、交流推進局において農林水産物の生産から販売までの施策を総合的に展開し、そのブランド化と産地の育成を進める新鮮とくしまブランド戦略が取り組まれておりますが、さらに今年度からは、農畜海産物を原材料とした加工食品や伝統の工芸品などから魅力的な県産品を発掘して、その販売を全国的に広め、「阿波の逸品」としてオンリーワン商品をつくり出す事業がスタートをしております。その中で、これまでの定型的な物産展やアンテナショップでの商品紹介といった取り組みとは異なり、商品開発や流通の現場にまで踏み込む、これまでの待ちの姿勢から積極的に打って出る事業展開を図る大変意欲的な試みであると大いに評価するものであります。 先日、この事業の一環として、県外の販路拡大に意欲的な事業者から応募された商品のうち、徳島県の商品として県外の消費者にアピールできる商品として二十六品目、徳島ならではのストーリーやこだわりのある商品として十五品目が設定され、重点的に販路拡大支援が行われるとのことであります。 物産振興については、全国的に産地間競争が激化する中で、ますます創意工夫が要求をされています。そうした状況の中で、一村一品運動などで一躍有名になって全国的なブランドの地位を確立した事例もありますけれども、どれもがそんなにうまくいくことは並大抵のことではありませんので、あえてチャレンジすることが大切で、一つでも着実に「阿波の逸品」としてヒット商品が創出できるように尽力をすべきであると思います。 そこで、これからの取り組みについてでありますが、まずは応募された多くの商品の中から、重点支援をするとされた商品の選定に当たっての考え方についてお伺いするとともに、今後、具体的な販売拡大のための戦略について、県内での認知度のアップに加えて、広く全国にどのようにアピールしていくのかをお伺いいたします。 続いて二問目は、農林水産物の輸出についてであります。 今まで、日本の農産物は高級で高値のため、外国からの安い作物が大量に輸入され、これに対抗するのが精いっぱいというのが一般の考え方であり、常識であったように思っておりましたが、本会議で知事が表明されたように、十二月には台湾のバイヤーを本県に招き商品説明会をするなど、今後、新たな海外市場の開拓について攻めの姿勢で強力に進めたいとの意向ですが、さきの商工労働部の「阿波の逸品」事業と同様に、本当に奇抜な発想と思うのであります。ぜひ成功させていただきたいと思うところでありますが、どのような内容で、どのような販売戦略を考えているのかお伺い申し上げまして、質問を終わりたいと思います。 御答弁をいただき、再質問をするかもわかりませんが、よろしくお願いします。   (飯泉知事登壇) ◎知事(飯泉嘉門君) JR四国を含めました三島会社の現状に対する認識及び将来展望などにつきまして御質問をいただいております。 三島会社におきましては、今ほど議員からもお話がありましたように、さまざまな経営改善策が講じられ、経営の安定化に尽力をされておられますが、経営安定基金の運用益の確保を初めとした国の支援措置が期限切れとなれば厳しい経営状態となり、赤字路線の維持が問題となる、このように認識をいたしております。 特に、JR四国は、通勤、通学など県民の日常生活における中核的な移動手段を担っており、本県にとって不可欠な公共交通機関であります。支援措置の期限であります平成十八年度末を見据え、関係道県などとの連携を図りながら、三島会社の経営安定化が図られますよう国に対し状況に即応した要望をしっかりと行ってまいりたいと考えております。   (武市県土整備部長登壇) ◎県土整備部長(武市修一君) 耐震強度偽造事件について、県による徹底した状況把握と調査により、本県の建物は安全で安心であるとの「安全宣言」を行うべきとの御質問でございますが、今回の姉歯建築設計事務所の構造計算書の偽造に端を発しました事件は、多くの住民に被害を与えたことにとどまらず、建築確認制度の信頼を揺るがすものであり、まことに許しがたい行為でございます。 問題となっております設計事務所が関与した建築物につきましては、国土交通省の事情聴取による百九十四件の物件の情報に基づき調査を行ったところ、本県に該当する建築物はございませんでした。 なお、県民の不安の解消に向け、本日付で、マンション等の耐震性に関する相談窓口を建築確認の審査機関でございます県及び徳島市に設置するとともに、関係団体である徳島県建築士会及び徳島県建築士事務所協会にも協力を依頼し、相談窓口を設置していただいたところでございます。 今後の対応策につきましては、引き続き状況の把握等に努めますとともに、国土交通省におきまして確認検査制度、建築士制度等の見直しについて検討が行われることもあり、そうした国の動向を踏まえ、適切に対応してまいりたいと考えております。   (吉田企画総務部長登壇) ◎企画総務部長(吉田悦教君) 平成十七年度の政策評価について二点御質問いただいております。 まず、平成十七年度の政策評価結果についての御質問でございますが、厳しい財政状況の中、県政の推進に当たっては、時代の変化に即した新たな政策課題や県民福祉の向上のために継続的に取り組むべき課題等に適切に対応するとともに、効率的で実効性のある真に県民にとって必要な施策・事業を明らかにするなど、選択と集中による重点的な取り組みが強く求められております。政策評価は、こうした取り組みを着実に進めるため、平成十四年度から導入しているところであります。 こういった中、平成十七年度政策評価においては、前年度に比較して廃止・休止事業が増加したこと、また改善事業より縮小事業が大幅に増加したことでございますが、これは政策評価システム導入後四年目を迎え、職員間においても改革・改善の意識が浸透し、各部局において徹底した事業のチェックが行われ、新たな政策課題に対応するための事業のスクラップ・アンド・ビルドや効率化を図る見直しが進んだ結果ではないかと考えております。 また、拡大事業につきましては、数としては少ないものの、南海地震対策や少子化対策といった施策の事業が上がっており、大変厳しい財政状況の中でも必要な事業には財源を捻出し、重点的に投入していくべく各部局で工夫した見直しが行われたものであるというふうに認識しております。 次に、各事業に原則として終期設定を義務づけるべきではないかとの御提案でございますが、事業には、その目的、対象、内容によって比較的短期間で事業効果が発現するものと、最終的な成果が出るまでには長期的な息の長い取り組みが必要なものとがございます。そういった事情がございますので、すべての事務事業に一律に終期設定を義務づけることは困難ではないかと考えております。 しかしながら、今日のように財政的見通しが不透明な時代にありましては、目標の実現に向けて常に成果を見きわめながら、必要な施策・事業に重点的に投資する成果重視の行政運営がますます重要になってくるという認識をしております。このことから、毎年度の政策評価の実施に当たりましては、終期設定の有無にかかわらず、事務事業の真のゼロベースからの見直しという観点から取り組んでいきたいと考えております。 今後とも、達成すべき目標をしっかりと見定めた、計画、実施、評価、改善のいわゆるPDCAサイクルの確立に向け継続的に評価システムの改善、見直しを行い、成長性のあるシステムとして充実を図ってまいりたいと考えております。   (美馬商工労働部長登壇) ◎商工労働部長(美馬茂君) 「阿波の逸品」につきまして二点質問をいただいております。 まず、「阿波の逸品」で重点支援する商品の選定に当たっての考え方についての御質問でございますが、観光交流の推進のためには、魅力的な観光資源や温かなもてなしはもとより、その地域ならではの食や物産など総合的な魅力を発信していくことが重要となっております。このため、今年度、物産振興の新たな取り組みとして、販売や流通の専門家などから成る「阿波の逸品販路拡大協議会」を設置し、「阿波の逸品」として全国に通ずる県産品の発掘と育成を図ることとし、応募のありました九十四商品の中から、県外の消費者に徳島をアピールできる商品、こだわりやストーリー性がある商品という二つの視点から重点支援する四十一商品を選考し、決定したところであります。 一点目の県外の消費者に徳島をアピールできる商品におきましては、すだちや鳴門わかめ、なると金時など既に県外で高い評価を得ている本県が誇る農林水産物などを生かした商品と、地酒、しょうちゅうブームや健康志向に沿った商品など、県外の消費者の注目を浴び、興味を引きつける商品を選定いたしました。 また、こだわりやストーリー性がある商品といたしましては、美郷や山城、上勝や宍喰などの中山間地域ではぐくまれました地元の原材料や古くからの製法などにこだわったふるさと産品などを選定したところであります。 次に、「阿波の逸品」の今後の県内外における具体的な販売拡大のための戦略についての御質問でございますが、今回決定いたしました「阿波の逸品」の重点支援商品を全国に売り出し浸透させていくためには、一人でも多くの方々にこれらの商品を知っていただき、手にとってその価値と魅力に触れていただく機会をふやすことが重要であると考えております。 このため、議員御提案のとおり、県内での認知度アップを図ることが大切であり、県内の消費者や本県を訪れる観光客を対象としまして、百貨店における「阿波の逸品展」の開催や、県の物産展示施設での「阿波の逸品コーナー」の設置などの浸透策を展開していきたいと考えております。県外に向けましては、事業展開の季節や場所、地域ごとの消費者の嗜好などを念頭に置き、百貨店での棚を買い取ってのテスト販売、製造業者や商社等と連携した売り込み、「新鮮なっ!とくしま」号による農林水産物と連携した全国各地でのPRなど、効果的な販路開拓を図りたいと考えております。 こうした県内外でのさまざまな事業展開を通じ、「阿波の逸品」が全国に通じるブランドとして確立されるとともに、これらの商品の中から一つでも多くのヒット商品が生まれるよう積極的に取り組んでまいります。   (河野農林水産部長登壇) ◎農林水産部長(河野博喜君) 農林水産物の輸出への取り組みについての御質問でございますが、輸出への取り組みで海外でも競争力を持つことがわかれば、経済的な面はもちろん、国内におけるブランド力にさらに磨きをかけることができますし、産地の自信と活力につながるものと考えております。 こうしたことから、本県の農林水産物の輸出の可能性を探るため、本年六月に徳島県農林水産物輸出促進協議会を立ち上げ、JA、漁業関係者を対象に研修会や調査活動を実施してまいりました。また、九月からは台湾の台北市におきまして、なると金時とすだち酢、そして半田そうめんの三つの品を日本食フェアに参加する形で試行的に販売をいたしております。その結果、なると金時はその甘さと外観のよさが高く評価されるなど、三品とも注目されたと聞いております。このようなことから、本県の高度な栽培技術によって生産される高品質な農林水産物は海外におきましても十分評価される可能性を秘めていると、そういうふうな認識をいたしております。 このため、本格的な販売に向けまして、今月二十一日には台湾から輸入に携わる業者を招きまして徳島輸出商品説明会を開催することとし、本県の農林水産物や加工食品を紹介し、商品としての評価をしていただき、海外進出の契機としたいと考えているところでございます。海外は少し遠い市場ではございますが、国内市場と同様継続的な販売が重要でありますので、引き続きさまざまな品目で販売活動を展開し、本格的な輸出の可能性を探ってまいりたいと考えているところでございます。   (榊議員登壇) ◆四十三番(榊武夫君) それぞれ御答弁をいただきました。 一つ一つについてコメントをする時間がだんだんなくなりました。それで、簡単にもうまとめをいたしたいと思いますけれども、いろいろな問題点を提起いたしました。そして、理事者から真剣な御答弁をいただきました。けれども、もう本当に世の中の移り変わりってものは速いもので、ことしもはや師走を迎えて十二月になったわけでございますけれども、ことしの前半は郵政民営化問題が本当に大きな議論となって、そして衆議院選挙が行われ、そして現在のような政治状況が生まれてきておるわけでございますけれども、来年度はひとつ新しい初日とともに徳島県がすばらしい年でありますように、そして飯泉知事にとっても一期目の最終年度を迎えるわけでございますので、ひとつ一層の御努力をお願い申し上げたいと思います。 そして、一つ、最後になりましたけれども、皆さん方にお願いをしておきたいと思います。午前中の藤田議員から知事に対し、さきの九月議会で議論のありました「男女共同参画社会基本法の改廃を求める請願」に賛同する意見が圧倒的に多数を占め、賛成九百四十五通、反対二百六十六通。また、私どもが反対いたしました「真の男女共同参画の実現を求める意見書」についても同様のように理解をされておりますけれども、改めて申すまでもなく、「真の男女共同参画社会の実現を求める意見書」については、県内の教育現場での実態のことなどでありますが、県が同基本法、同計画に基づき推進している「とくしま男女共同参画実行プラン」の趣旨には大きくブレーキをかけると、同意見書について県民の皆さんから大きな不満と批判の声が寄せられております。ここに積んであります同基本法や同基本計画の改廃を求める意見ではなく、およそ七千名もの県民の皆さんから寄せられましたさきの議会で可決された意見書に対する反対と、県の実行プランの積極的かつ着実な推進を求める本当の男女共同参画社会を進める決議を求める請願でありますが、知事を初め理事者各位、議員各位におかれましてもこの声を十分に受けとめていただき、「とくしま男女共同参画実行プラン」を着実に積極的に推進されますようお願い申し上げまして、私のすべての質問を終わります。どうもありがとうございました。(拍手)   ──────────────────────── ○議長(佐藤圭甫君) 議事の都合により、休憩いたします。      午後三時五十分休憩   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━    午後四時十八分開議      出席議員計三十七名          (その番号・氏名左のとおりである)     一  番     木  下     功 君     二  番     豊  岡  和  美 君     三  番     吉  田  益  子 君     四  番     本  田  耕  一 君     五  番     宮  本  公  博 君     六  番     扶  川     敦 君     七  番     達  田  良  子 君     八  番     古  田  美 知 代 君     九  番     山  田     豊 君     十  番     木  南  征  美 君     十一 番     川  端  正  義 君     十二 番     森  田  正  博 君     十三 番     須  見  照  彦 君     十四 番     重  清  佳  之 君     十五 番     嘉  見  博  之 君     十六 番     臼  木  春  夫 君     十七 番     黒  川  征  一 君     十八 番     庄  野  昌  彦 君     十九 番     橋  本  弘  房 君     二十 番     冨  浦  良  治 君     二十一番     宮  城     覺 君     二十二番     岡  本  富  治 君     二十三番     藤  田     豊 君     二十四番     西  沢  貴  朗 君     二十五番     吉  田  忠  志 君     二十六番     北  島  勝  也 君     二十七番     福  山     守 君     二十八番     森  本  尚  樹 君     二十九番     大  西  章  英 君     三十 番     長  尾  哲  見 君     三十二番     竹  内  資  浩 君     三十三番     遠  藤  一  美 君     三十四番     阿  川  利  量 君     三十八番     児  島     勝 君     三十九番     中  谷  浩  治 君     四十 番     来  代  正  文 君     四十三番     榊     武  夫 君   ──────────────────────── ○副議長(長尾哲見君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。   ──────────────────────── ○副議長(長尾哲見君) 本日の会議時間を延長いたします。   ──────────────────────── ○副議長(長尾哲見君) 十四番・重清佳之君。   〔長池議員出席、出席議員計三十八名となる〕   (重清議員登壇) ◆十四番(重清佳之君) 自由民主党・明政会の重清佳之でございます。この十一月議会はことし一年の締めくくりの議会でございますが、明政会を代表いたしまして質問を行ってまいります。 今回、県議会において若輩の私が代表質問に立つわけであります。めでたく県議会議員歴三十年を刻まれました我が会派の中谷会長のようにこの壇上から鋭い質問を浴びせることはなかなかできませんが、先行き不透明な社会経済情勢の中で、飯泉知事はこの徳島をどのような未来に導こうとしているのか、いろんな角度からお尋ねをしていきたいと思っております。 また、私のふるさとである県南地域が抱える課題につきましても、道路整備から教育問題に至るまで、できるだけ幅広く取り上げてまいるつもりであります。私なりに本音で質問を行ってまいりますので、理事者の皆様におかれましてはわかりやすい御答弁をよろしくお願いします。 さて、国においては、小泉内閣による改革の総仕上げとして、郵政改革に続いて三位一体改革、医療制度を中心とした社会保障改革などの重要課題について、既成概念にとらわれない思い切った方向性が示されようとしております。こうしたいわば最終コーナーを迎えた改革論議の中で、私が特に気になりますのが道路特定財源の一般財源化の問題であります。国家財政が危機的状況の中で、財政再建のためには確かに避けて通れない課題の一つなんだろうと受けとめてはおりますが、道路整備という面でいわば取り残された県南地域出身の私といたしましては、何とも釈然としない思いが残るのであります。こうした思いは決して私だけの思いではないと思いますし、県南だけ、徳島だけの問題でもないと受けとめております。 そこで、国の問題と片づけるのではなく、地方にも大きな影響を及ぼす問題と受けとめ、地方の多くの地域、人々の心配の声、疑問の声を代弁する意味で、道路特定財源の問題につきまして何点かお伺いをいたします。 まず、基本的な押さえとして、これまで道路整備の原動力となっていた道路特定財源について、仮に使途を特定しない一般財源になった場合、今後の我が国の道路整備にどのような影響を与えるのか。また、道路整備のあり方はどう変わると見通しているのか、知事の御認識をお聞かせください。 また、県南高速交通網を初め道路整備のおくれている徳島県の知事として、この一般財源化の動きに対しどのような考えをお持ちなのか、御所見をお聞かせください。 さらに、所信表明において知事は、四国横断自動車道とこれにつながる阿南安芸自動車道は、本県臨海地帯の発展にとって、また地震に備える「命の道」として非常に重要な路線であるとの認識を示されるとともに、四国8の字ネットワークを形成するものであると述べられております。一方、先日の四国の道を考える会安芸大会におきまして、住民から、いつになったらできるのか、十年後にはどこまでできているのかとの問いに対し、国土交通省道路局長は「腹七、八分目」と答えられております。 そこで、日和佐以南の地域高規格道路の今後の取り組みについて、十年後の見通しを踏まえた知事のお考えをお聞かせください。 続きまして、教育問題について質問を行ってまいります。 この際、緊急に質問をいたします。 去る二十二日に、広島市において小学一年生の女の子が下校時に殺害されるという痛ましい事件が発生しました。容疑者は昨日逮捕されておりますが、私も子供を持つ親として、御両親を初め御家族の悲しみは決していやされるものではないと拝察しております。 昨年十一月にも奈良県で同様な事件が発生し、また本日の新聞報道によると、本県でも四月から七月までの間に百九十一件の不審者情報が寄せられているとのことであり、今回のような事件が起こる可能性も危惧されております。この広島の事件を受けて、本県においても緊急に対策を講じる必要があると思いますが、教育委員会としてどのように取り組もうとしているのか、お伺いします。 次に、高校再編についてであります。 県教育委員会においては、昨年八月、外部識者による検討委員会を立ち上げ、全県的な高校再編について検討を進めており、本年度末には高校再編方針を公表するとのことであります。少子化が進行する中、先送りが許されない問題だけに、私は、この機会に各地域の高校教育のあり方を十分に検討し、将来の子供たちのためにしっかりとしたビジョンを示し、多くの県民に理解が得られる再編方針を策定していく必要があると思います。 そして、何よりも大切なことは、生徒が減ったから単に統廃合するというのではなく、再編を契機に生徒たちが夢と希望を持って高校生活を送ることができるよう、活力と魅力ある学校づくりを進めていくことではないかと考えます。 私が今なぜこのようなことを申し上げるのかといいますと、全県的な高校再編の先駆けとなったのが、我がふるさと海部郡における高校再編であったからであります。日和佐高校、宍喰商業高校、海南高校を再編し新たに誕生した海部高校は、来年四月三度目の春を迎えることになり、一年生から三年生まですべての学年がそろうことになりますが、私は海部高校での魅力ある学校づくりが、今後における全県的な高校再編の成功のかぎを握っているのではないかと思っております。 そうした気持ちを込めて、まず初めにお伺いいたしますが、再編の先駆けとして誕生した海部高校について、これまでどのような学校づくりに取り組み、今後どのような学校に育てていくつもりなのか、教育長の所見をお伺いします。 また、海部高校は、バスケット、バレー、野球など部活動が盛んであり、海部郡内はもとより、阿南市など広範な地域から生徒たちが通学しておりますが、JRやバスなど公共交通機関を利用できない者や、遠距離通学を余儀なくされ、本来の勉強や部活動に支障が生じる生徒も出てきているのが実情であります。実際問題、JRで阿南駅から海南駅まで通学している生徒は毎朝六時に起き、帰宅は十時過ぎになることから、このまま部活動を続けるかどうか悩んでいる生徒もいると伺っております。 そこで、私からの提案ですが、県南部の生徒たちの利便性はもとより、海部高校で学びたいという県下の生徒たちのため、学生寮などの設置を検討すべき時期に来ていると考えますが、知事の御所見をお聞かせください。 また、海部高校は現在、普通科、数理科学科、情報ビジネス科という三科体制で教育を進めておりますが、私は、文武両道ということを考えると、スポーツが盛んな地域環境を生かしながら特色ある運動部などを強化し、将来的にはスポーツ科やコースなどの設置についても検討していくべきではないかと思います。県教育委員会においては、来年度から、各高校の伝統的な部活動や競技力の高い部活動について強化指定校制度を導入するということでありますが、まずは県南部では海部高校への導入を図り、優秀な指導者を配置し、有力選手の育成に努めていくべきであると考えます。 そこで、特色ある学校づくりを進めるため、海部高校に強化指定校制度を導入し、中長期的な視点に立ち競技力の向上を図っていくべきであると考えますが、教育長の前向きかつ明快な御答弁をいただきますようよろしくお願いいたします。 次に、スポーツを通じたにぎわいの創出について二点お伺いをいたします。 一点目は、徳島インディゴソックスについてであります。 オフの最大の関心事でありますプロ野球ドラフト会議の結果につきましては、同リーグの有力選手が選択されることを私も祈るような思いで期待しておりましたが、初年度として極めて厳しいものとなってしまったことはまことに残念であります。 しかしながら、四国の新たなブランドとしてのアイランドリーグの存在は、野球を通じた地域の一体感の醸成に寄与するとともに、必ずしも恵まれているとは言えない環境下でプロ野球選手になる夢を追い続ける若い選手のひたむきな姿は、多くの人々に勇気と感銘を与えるものであり、そのことがまたリーグの運営に対する地域の支援の輪となって広がりを見せております。 知事は、所信の中で、「地域に根差したチームの活躍を通じて、本県のにぎわいの創出はもとより、スポーツ文化の振興や、さらなるイメージアップにつなげてまいりたい」と述べられております。 そこで改めて、我が国初の野球の独立リーグである四国アイランドリーグと地域に根差したチームである徳島インディゴソックスのこの一年の活動を踏まえ、プロスポーツを活用したにぎわいの創出の観点から、次年度以降、県としての支援も含めてどのように取り組まれようとするのか、御所見をお伺いいたします。 次に、県民、企業、行政という三位一体の取り組みの中で誕生した徳島ヴォルティスのJ2参戦もあと最終戦を残すのみとなりました。Jリーグ参入の功罪については、その経済波及効果を含め、これまでの県議会でもさまざまな議論がありましたが、幸いにも地元「徳島」の名を冠したプロスポーツチームの活躍を多くの県民が直接競技場において目の当たりにし、またサッカー教室の開催を通じて地域の子供たちの夢や希望をはぐくむことなど、徳島ヴォルティスの存在がもたらすいわば社会的な波及効果も着実に根づいてきていると思われます。 一方、このような明るい話題の傍ら、不名誉なオンリーワンの一つとして糖尿病死亡率日本一という残念な記録があります。みずからの健康管理はみずからが行うのが大原則ではありますが、運動不足を解消するために適切な運動を日常的に行うための動機づけや、正しく行うための指導が不可欠であると思います。近年、競技スポーツの交流活発化に伴い、コーチング理論やスポーツ医学の面でも多くの新たな知見が見出されており、そうしたノウハウは一般の人々の健康管理にも生かされるものであると考えます。 そこで、プロスポーツチームの誕生を契機とするスポーツを通じたにぎわいの盛り上がりを、今度は県民の健康管理に生かしていくような取り組みも、さきに申し上げた社会的波及効果の一つの要素として考えられるのではないかと思います。一石二鳥、三鳥を目指す知事として、「見るスポーツ」、「するスポーツ」に加え、健康管理に「役立つスポーツ」といった三つの側面からも、県や市町村といった行政だけでなく、さまざまな関係者のノウハウを生かしながら新たな取り組みを始めるべきだと考えますが、知事の所見をお聞かせください。 御答弁をいただいて、質問を続けてまいります。   (飯泉知事登壇) ◎知事(飯泉嘉門君) 重清議員の御質問に順次お答えをいたしてまいります。 まず、道路特定財源が一般財源化となった場合、今後我が国の道路整備にどのような影響を与えるのか、今後の道路整備のあり方はどのように変わると見通しているのかという点について御質問をいただいております。 平成十七年度の我が国における総道路投資額は約九兆三千億円で、そのうちの約五六%、五兆三千億円が道路特定財源に依存をいたしております。このように道路整備予算に大きな割合を占めます道路特定財源が使途を特定しない一般財源になった場合には、これまでのように道路予算の安定的な確保が困難となり、国が実施をいたします直轄事業や、国の補助事業などで実施をいたしております国道、県道、市町村道の整備のスピードに大きな影響を及ぼすのではないかと懸念するところであります。 また、今後の道路整備のあり方についてでありますが、施設の老朽化による維持管理費の増大が予想される中、これまで以上の厳しい財政状況になれば、ますます新たな整備が困難になるのではないか、このように考えております。 次に、県南高速道路網を初め道路整備のおくれている県として一般財源化の動きにどのような考えを持っているのかという点について御質問いただいております。 道路整備につきましては、オンリーワン徳島の実現を目指し、これまで大変厳しい財政状況の中におきましても、県政の最重要施策として懸命に取り組んできたところでありますが、本県の国道、県道の整備率は残念ながら全国平均よりもおくれているところであります。また、本県の人口の約六割が集積をしております東部沿岸を結び県土の軸となる県南地域に向けた高速道路の整備は、まさにこれからであります。 こうしたことから、本県臨海地帯の発展にとって、また東南海・南海地震に備える「命の道」として非常に重要な路線であります四国8の字ネットワークの整備促進につきましては、去る十月に四国四県が力を合わせて推進するためのフォーラムを東京において開催をし、その必要性を強く訴えますとともに、早期整備について国などに対して強く要望をいたしたところであります。 今後とも、国におかれましては、地方の実情を十分に理解をされ、道路特定財源は一般財源化することなく、おくれている地方の道路整備に必要な予算、その確保に充てていただけますよう国等に対し強く訴えかけていきたいと考えております。 次に、日和佐以南の地域高規格道路の今後の取り組みについて、十年後の見通しを踏まえた考えを御質問いただいております。 日和佐以南の海部道路につきましては、国道五十五号が唯一の幹線道路であり、救急医療や東南海・南海地震対策の観点からも「命の道」として早急に整備を推進する必要がある、このように認識をいたしております。 また、この道路は、県南地域のすばらしい自然環境を生かした体験型観光の推進や地域の活性化に貢献をする根幹的な社会資本であり、その整備の必要性、緊急性については機会あるごとに訴えているところであります。十年後にはできる限り長い区間が整備されますよう、まずは平成十六年度に事業化をされました牟岐バイパスの早期完成に向けて積極的に国に働きかけてまいりますとともに、残る区間につきましては、整備が急がれる区間から順次事業着手されますよう、国に対し今後も強く要望をしてまいりたいと考えております。 さらに、将来は整備された区間が一体のものとして結ばれ、四国8の字ネットワークを形成する地域高規格道路となりますように努めてまいりたいと考えております。 次に、海部高校で学びたいという県下の生徒たちのために学生寮などの設置を検討すべきではないか、御提言をいただいております。 海部高校につきましては、新たな時代に対応した学科の設置や伝統ある部活動を生かした特色ある教育活動の推進などによりまして、県下の生徒たちから「行きたい学校」として支持される魅力ある学校づくりを進めることが最も大切である、このように認識をいたしております。このため、地理的条件や交通の利便性など、海部郡の実情を踏まえた適切な教育環境の確保に十分留意する必要がある、このように考えております。 こうした中、本年の七月に、海部郡における「しゃべり場とくしま」を開催いたしましたところ、保護者の経済的負担を軽減し、生徒たちが充実した高校生活を送れるよう学生寮をぜひ整備してほしいとの御要望をお聞きし、海部高校をよくしたいという切実な願いを強く感じたところであります。こうした地域の方々の熱い思いや地域の教育力を結集することが、真に魅力と活力のある学校づくりを進めるために必要不可欠であり、学生寮につきましても、交通条件など恵まれない生徒たちが安心して学習や部活動に専念するためのみならず、学校の活性化、さらには地域の活性化につながる視点に立つ必要があると、このように考えております。 こうしたことから、利用希望者数を見きわめた上で、地域の御支援を得て、地域と一体となり、地域の活性化に結びつくような民間活用も視野に入れた新しいスタイルを幅広い観点から検討し、海部高校が名実ともにオンリーワンハイスクールとなるよう、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 次に、四国アイランドリーグと徳島インディゴソックスのこの一年間の活動を踏まえ、プロスポーツを活用したにぎわいの創出の観点から、次年度以降、県としての支援も含めどのように取り組むのかという点について御質問をいただいております。 四国アイランドリーグは、四国四県を舞台に日本初の野球独立リーグとして発足をし、本県のチームとして徳島インディゴソックスが誕生をいたしたところであります。特に、徳島インディゴソックスは最後まで優勝争いを演じるなど、終盤にかけリーグを大いに盛り上げてくれたところであります。また、選手の皆さんも、野球教室の開催やさまざまなイベントへの参加など、地域に根差したチームとしての地道な活動にも熱心に取り組まれ、県民の皆様からは好感を持って受け入れられつつある、このように感じているところであります。 お尋ねの県としての支援についてでありますが、四国アイランドリーグに対しては四国四県が連携を図りながら行うことを主眼に取り組んでおり、今年四県知事の連名で実施をいたしましたMVP賞の授与など、リーグ盛り上げの方策について四国知事会の場などで協議してまいりたいと考えております。 また、徳島インディゴソックスが地域に根差したチームとしてより力強く前進していただけますよう、引き続き鳴門及び蔵本の両県営野球場の円滑な利用や使用料の減免を行いますとともに、ホームページや県広報を活用した試合日程の告知などを行ってまいりたいと考えております。さらには、徳島ヴォルティスの試合でも好評でありました遠足などで試合観戦をしていただく学校招待事業について、新たにインディゴソックスの試合でも採用いただけるよう働きかけ、県民の皆様に夢と感動を与え、本県ににぎわいをもたらすことができますよう積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 次に、「見るスポーツ」、「するスポーツ」に加えて、健康管理に「役立つスポーツ」といった三つの側面から、行政だけではなく、さまざまな関係者のノウハウを生かして新たな取り組みを始めるべきではないか御提言をいただいております。 プロスポーツチームの誕生は、県民の皆様に夢、そして感動を与え、本県ににぎわいをもたらしてくれております。 まず、「見るスポーツ」でありますが、特に徳島ヴォルティスの今期の観客数は約十万人となり、着実に県民の皆様の中に定着をいたしております。また、「するスポーツ」といたしましては、サッカーや野球教室の開催を通じプロ選手と直接触れ合う機会ができたことにより、子供たちを中心としてスポーツ熱も盛り上がってきております。 さらには、県民の皆様の健康管理に「役立つスポーツ」をとの御提案でございますが、極めて重要な視点であり、今年度設立予定の「みんなでつくろう!健康とくしま県民会議」におきましても、そのような観点からの取り組みの方策などを含め、幅広く御意見を賜りたいと考えているところであります。 また、県内各地で総合型地域スポーツクラブもできつつあり、例えば一つのモデルケースとして、来年板野町にスポーツ拠点を整備するNPO法人徳島スポーツビレッジと連携を図りながら、医学や栄養学の専門家はもとより、スポーツ指導の面での専門スタッフを擁する徳島ヴォルティスなどの協力を得て、その新たなスポーツ拠点を県民の健康管理に役立つスポーツを実践する場として活用することも積極的に検討してまいりたいと考えております。   (佐藤教育長登壇) ◎教育長(佐藤勉君) 三点御質問をいただいておりますけれども、まず一点目でございます。広島の事件を受けて緊急に対策を講じる必要があると思うが、教育委員会としてどのように取り組もうとしているのかとの御質問でございます。 このたびの事件を受けまして、十一月二十四日に市町村教育委員会及び各学校に対しまして、通学路の再点検など幼児、児童、生徒の安全確保に万全を期すよう通知したところでございます。県の教育委員会におきましては、本年四月にとくしま学校安全・安心プロジェクトチームを設置いたしまして、危機管理体制の整備、地域の教育力の活用、安全・安心確保に係る学習の三分野について検討を重ねてまいりました。このたび、その検討結果が報告書案として取りまとめられたところであり、引き続きまして学校安全に関するチェックリストを作成しておりまして、学校現場などで早急に活用することといたしております。また、本年度から新たにスクールガードを養成いたしまして、地域と一体となった通学路の安全確保を推進する事業を実施しているところでございます。 こうした取り組みを一層効果的なものにするためには、関係機関相互の連携が極めて重要であり、これまでも定期的な打ち合わせなどを行ってきたところでございますけれども、今回の事件を受けまして、警察、市町村教育委員会、青少年補導センターなどとの緊急連絡協議会を年内にも立ち上げ、子供たちの安全確保に万全を期してまいりたいと、このように考えております。 次に、二点目でございますけれども、海部高校について、これまでどのように学校づくりに取り組み、今後どのような学校に育てていくつもりなのかとの御質問でございますけれども、再編による新しい学校づくりに当たりましては、活力ある教育活動の基盤となります学校規模の確保はもとより、魅力ある教育内容と施設設備の充実を図り、生徒たちによりよい教育環境を提供していくことが必要でございます。 このため、平成十六年四月に開校いたしました海部高校につきましては、普通科を初め、新たな時代に対応した情報ビジネス科、数理科学科を設置いたしまして、学科を超えて学ぶことができる総合選択制を導入するなど、多様な教育の展開を図っております。また、部活動におきましても、実績のある優秀な指導者を配置し、その強化を図るなど、特色のある教育活動の推進に努めているところでございます。 さらに、施設面では、新しい教室棟や地域開放も視野に入れた小体育館の新設、生徒が集い交流や連帯感をはぐくむことを目的といたしました憩いの広場の整備を行うとともに、校舎や体育館の耐震改修などを進めてきたところでございます。 海部高校は、「絆(きずな)、学(まなび)、夢(ゆめ)を大切にした人づくり」、これを教育方針に掲げまして、生徒一人一人の個性や能力を伸ばし、将来地域社会を支えていく人材の育成に積極的に努めているところでございます。県教育委員会といたしましても、海部高校の生徒たちが夢と希望を持って高校生活を送ることができるよう、今後とも魅力ある学校づくりをより一層推進してまいりたい、このように考えております。 最後に、三点目でございますけれども、海部高校に強化指定校制度を導入し、中長期的な視点で競技力の向上を図っていくべきではないかとの御質問でございますけれども、少子化が進行する中、高等学校の運動部活動を活性し、競技力の向上を図るためには、有力選手を特定の学校に集めることによって強化することが効果的でございます。 県の教育委員会といたしましては、選手の確保や周知を図り、そこに優秀で熱意のある指導者を配置するとともに、学校全体として運動部活動を支えていく仕組みをつくり、あわせて強化費の支援を行う強化指定校制度の導入を検討しているところでございます。この制度の詳細につきましては、今後、来年度の予算編成の中で検討を進めてまいりますけれども、指定校の選定に当たりましては、各学校がこれまで培ってまいりました伝統や競技成績などとともに、その地域でどのようなスポーツが活発に行われているかといった地域性なども配慮する必要があると、このように考えております。また、何よりも各学校におきまして指定を受けようとする運動部の強化計画を立て、学校経営の中にしっかりと位置づけることが大切であり、申請のありました学校の中からこれらの観点を総合的に判断し、すぐれた学校を指定してまいりたい、このように考えております。 海部郡三校の伝統を引き継ぎます海部高校には、県高校総体で過去二十四回優勝しております男子バスケットボール部を初め数多くの有力な運動部がございます。教育委員会では、海部高校へ熱意のある指導者の配置など、これまでも部活動の活性化に取り組んできておりますけれども、今後におきましても他校との競争の中で、指定が受けられますよう海部高校みずからが強化に向けた取り組みを精力的に行っていただけるよう期待をしているところでございます。   (重清議員登壇) ◆十四番(重清佳之君) それぞれ御答弁をいただきましたが、最後でまとめてコメントをしたいと思います。 質問を続けてまいります。 次に、南海地震への備えについて何点か質問を行ってまいります。 南海地震が発生した場合、特に県南地域では甚大な津波被害のおそれとともに、唯一の生命線とも言うべき国道五十五号の寸断による地域の孤立化が懸念されます。つまり、県南地域にとっての死者ゼロに向けた南海地震対策としては、津波避難対策と孤立化した地区の支援・救援対応が非常に重要なポイントとなるのであります。 県が行った津波浸水予測調査では、県南の沿岸部で最大九メートルを超える津波が予測されております。九メートルの津波といってもぴんとこないと思います。知事、この議場の天井大変高いです。そこの床から天井までが六・六七メートルでございます。県南ではこの議場の天井を優に超える津波が来ると言われております。しかも、県南沿岸部では地震発生から津波到達までの時間も少ない中で、いかに津波被害から貴重な人命を守るか、まさに自助・共助・公助が一体となった取り組みが求められます。 県では、けさの藤田議員の質問でもさまざまな質疑がなされておりましたが、現在、南海地震対策の総合的な行動計画として地震対策行動計画を策定しております。この地震対策行動計画の中で、特に津波対策にどのように取り組もうとしているのか、お伺いいたします。 続いて、南海地震への備えとしての訓練の大切さの点で質問を行ってまいります。 県南地域での地震への備えを考えるに当たってのもう一つのポイントは、孤立化にどう対処するかであり、地域における対応策と孤立化を想定した救援・支援体制を前もって練っておくことは非常に重要となります。去る九月十日には、南海地震の発生を想定し、海南町を中心に、陸上、海上、航空の三自衛隊合同の大がかりな実動訓練が行われました。残念ながら雨天により予定していたヘリコプターの出動による訓練は取りやめとなりましたが、地元住民にとっては非常に心強い訓練でありました。昨年の新潟県中越地震の例を見ましても、孤立化した集落に対する救援活動には何といってもヘリコプターによる空からの救援・支援が頼りでございます。悪天候によるフライトの不安定さはあるとしても、やはり頼みの綱は自衛隊等が持っている大型ヘリです。孤立化した集落での避難・支援体制を確立するためには、ヘリの活用を中心とした対策並びに日ごろの訓練が欠かせないと思うのであります。 そこで、お伺いいたしますが、県としても積極的に自衛隊と連携を図り、孤立化を想定し、自衛隊ヘリ等による救援活動を中心とした実践的な防災訓練を県南地域において継続的に実施するべきと考えますが、御見解をお聞かせください。 また、知事は、この春の南部総合県民局の開設に合わせた防災担当の新設に引き続き、この十月には、陸上自衛隊でヘリコプターの専門家であった方を防災専門職員として採用し南部総合県民局日和佐庁舎に配属するなど、南部圏域における防災対応能力の向上に非常に心を配っていただいております。県南地域の防災対策に対する知事の姿勢には、県南住民を代表して深く敬意を表する次第でございます。 新聞報道で拝見いたしましたが、この鎌田防災専門員は着任に当たって、「孤立化した地域にはヘリでの救出活動が非常に有効。自衛隊の経験を県南部の防災対策に存分に生かしたい」との力強いコメントを述べられておられました。先ほども述べましたが、南海地震による孤立化が懸念される我々県南住民にとって非常に心強い限りであります。 そこで、孤立化が心配される地域にうってつけのヘリ専門の自衛隊OBが防災専門員として配属されたという人的資源をフルに活用するという意味において、一つ私から提案があります。防災専門員のノウハウを生かし、県並びに自衛隊が密接な連携を図り、海部郡内の一定エリアごとに災害時のヘリの離発着ポイントを定め、住民の避難場所との避難・物資等支援ルートをつなぎ合わせたいわば孤立時避難・支援ルートマップのようなものを県、関係自治体及び自衛隊が一体となって共同で作成してはどうかと考えますが、御見解をお聞かせください。 さらにもう一点、南海地震対策の一環として、医師不足対策、医療体制強化についてお伺いいたします。 県南地域の災害拠点病院には、県立海部病院と町立海南病院が指定されています。地域の孤立化が懸念される中で、災害発生から一定の時間がたてば医療支援チームによる支援も得られるでしょうが、即応的な災害医療対応に当たっては、一定の地域完結型の救命救急体制を準備しておく必要があります。海部病院は、新建築基準に基づき建設されているとのことでありますが、津波浸水の被害が想定される地域にあり、津波被害にも機能を失うことのないような病室、医療機器の配置などを初め、ハード面からの検証、対策もやはり必要となってくるはずです。 阪神・淡路大震災を経験した兵庫県では、神戸赤十字病院と一体となって県立の災害医療センターを整備し、平時は救命救急センターとしての機能を担い、また災害時には病床数をふやし、被災地からの重症患者の受け入れや救護班の派遣といった機能を発揮するという体制整備ができているようであります。厳しい県財政あるいは厳しい県立病院運営の中で、残念ながらそこまでの体制を組むことは本県では難しいというのは私も理解します。しかしながら、南海地震が起これば県南地域で甚大な被害が確実視される以上、南海地震の死者ゼロを目指す知事としては、このままの災害医療体制でよいということではないと思うのであります。海部病院では、今現在、平時においても医者の慢性的な不足が問題となっております。平時でも不十分な医療体制が、災害時には果たしてどこまで機能するのでありましょうか。 そこでまず、お伺いいたします。 県立病院、とりわけ海部病院の慢性的な医師不足の解決に、塩谷病院事業管理者が先頭に立って取り組まれていると聞いておりますが、現在の状況と今後の対応策についてお考えをお聞かせください。 また、医療体制の強化対策の一つとして、ドクターヘリによる救急搬送体制の確立が、災害時のみならず平時においても効果的と考えますが、県としての御所見をお伺いいたします。 次に、警察官の大量退職への対応についてお伺いします。 最近の治安情勢を見ますと、刑法犯の認知件数が減少し、犯罪の急増に一定の歯どめがかかったとは言うものの、比較的治安がよいとされていた昭和期の約二倍ということであり、特に本県においても、平成十年の明石大橋開通後は、来日外国人犯罪や凶悪犯罪が急増いたしました。加えて、最近は振り込め詐欺や、子供が被害者となるような新手の犯罪が多発傾向にあり、治安情勢は依然として厳しいものがあります。こうした傾向は都市部だけに限ったものではなく、県民にとっては大きな不安材料と言えます。 聞きますと、平成十九年から平成二十年にかけて警察職員の大量退職期が迫っているということであります。特に、警察官は退職者の減耗補充として新規採用しても、警察学校等において長期研修があるため、その間は現場配置がおくれ、結果的に現場警察官が減少するということであります。こうした状況は、警察力の大幅な低下を招くのではないかと危惧の念を隠し切れないのであります。こうした情勢を踏まえてお尋ねいたします。 警察官の大量退職に伴いどのような影響が生じるのか。そして、その影響に対してどのような対策を講じるのか、県警本部長の御所見をお伺いいたします。 時間の都合で農林水産業の振興の質問は割愛をいたします。 答弁をいただきまして、まとめに入ります。   (飯泉知事登壇) ◎知事(飯泉嘉門君) 南海地震対策につきまして幾つか御質問をいただいております。 まず、地震対策行動計画の中で、特に津波対策についてどのように取り組もうとしているのかにつきまして御質問をいただいております。 南海地震の発生が切迫をいたしておりますが、平成十六年度に実施いたしました地震動被害想定調査では、特に県南沿岸部におきまして巨大な津波により最大で約千七百人という甚大な人的被害が危惧されているところであります。このような中、地震による被害を最小限に抑え、県民の皆様の生命、財産を守っていくことは県政の重要課題でありますが、特に県南部におけます津波対策は最重要かつ喫緊の課題である、このように認識をいたしております。 このため、本年四月には、南部総合県民局に防災担当を配置いたし、県南部の災害対応能力の強化に努めているところでありますが、津波対策において最も大切なことは、沿岸部の住民の皆様が津波の怖さを知り、地震が発生をいたしましたときには一刻も早く高台などに逃げることである、このように考えております。 こうした観点から、現在策定を進めております地震防災対策行動計画におきましては、津波対策の大きな柱として、津波避難意識の向上や津波避難が困難な地域の解消を考えているところであります。まず、津波避難意識の向上につきましては、県民の方々が地震発生後速やかに避難する意識を日ごろから持っていただきますよう、県民の皆様の津波避難意識を高めるための啓発や避難訓練を積極的に行いますとともに、市や町における津波避難計画の早急な策定を促進してまいります。 また、津波避難が困難な地域の解消につきましては、地理的な条件によって避難が困難な地域に避難路や避難施設の整備を促進いたしますとともに、海岸保全施設などの整備を計画的に実施してまいりたいと考えております。 次に、自衛隊ヘリなどによる救援活動を中心とした防災訓練を県南地域において継続的に実施してはどうかとの御提言をいただいております。 議員からもお話がございましたように、去る九月十日に実施をされました三自衛隊共同訓練におきましては、県といたしましても現地災害対策本部を設置し、自衛隊及び地元自治体との密接な連携のもと、孤立化対策を重点とした実践的な訓練を実施いたしたところであります。 当初予定をされておりました訓練のうち、あいにくの天候不良からヘリ訓練は中止となったものの、非常に有意義な訓練を実施することができました。特に、南海地震により地域の孤立化が懸念される県南地域において、日ごろから孤立化を想定いたし、ヘリを活用した実践的な訓練を反復して行うことは、地震への万全の備えに向けた重要な取り組みであるとともに、県南住民の皆様の地震への不安を払拭する上でも非常に重要である、このように考えております。 そうしたことから、自衛隊に対しましてヘリを使用した再度の訓練実施を強く要請いたしましたところ、来る十二月十八日に海南町の防災訓練と連携をし自衛隊ヘリの参加による避難訓練が実施されることとなりました。御提案をいただきました継続的な訓練実施につきましても、今後、防災関係機関並びに地元自治体と協議を行い、前向きに検討を進めてまいりたいと考えております。 次に、ドクターヘリによる緊急搬送体制の確立に今後どのように取り組んでいくのかという点について御質問をいただいております。 ドクターヘリとは、救急医療用の医療機器などを装備いたし、救急医療の専門医及び看護師などが同乗をいたし救急現場に向かい、そこから医療機関に搬送するまでの間、患者に救命医療を行うことのできる専用のヘリコプターを指し、平成十三年度から国による運用補助制度が創設をされているところであります。 現在、この補助制度を活用したドクターヘリは一道八県、計十機が運用をされておりますが、国が当初目標といたしました五年間で三十機の目標には達していないのが現状であります。全国的にドクターヘリの導入が必ずしも順調に推移をしていない背景といたしましては、まず費用面、受入病院の体制整備、運航が昼間に限られていることなど多くの課題が挙げられているところであります。 したがいまして、ドクターヘリ専用機の導入につきましては、今後、その運用のあり方や、現在救急搬送を実施いたしております消防防災ヘリの活用なども含めて研究いたしてまいりたい、このように考えております。   (中川危機管理局長登壇) ◎危機管理局長(中川順二君) 南海地震対策につきまして、孤立時避難・支援ルートマップを県、関係自治体及び自衛隊が協力して作成してはどうかとの御質問でございますが、南海地震による甚大な津波被害、あるいは孤立化が懸念される県南地域におきましては、これまで各自治体あるいは地域におきまして避難計画の策定等の取り組みがなされておりますが、孤立化した集落に対する救援・救護につきましては、より広域的な支援体制の確立が必要となってまいります。昨年十月に発生をいたしました新潟県中越地震における山古志村での救援活動におきましても、自衛隊ヘリが大きな貢献を果たしたことは記憶に新しいところであり、地震による集落の孤立化の際には、ヘリを主体とした避難・支援体制が非常に有効と考えております。 このため、来る十二月十八日海部郡内で実施予定の自衛隊ヘリによる救難訓練におきましても、離発着ポイントの確認、避難ルートの検証等を行うなど、ルート選定のための基礎的データの集積を行い、ノウハウの蓄積を図ってまいります。 また、議員からもお話をいただきましたが、南部総合県民局には十月よりヘリによる災害派遣の豊富な経験を有する自衛隊OBを防災専門員として配置しているところであり、今後、実践的な訓練の成果を踏まえ、地元自治体、防災関係機関と連携を図り、南部圏域での避難・支援のルートマップの作成に取り組んでまいりたいと考えております。   (塩谷病院事業管理者登壇) ◎病院事業管理者(塩谷泰一君) 海部病院の慢性的な医師不足の解決のための現在の取り組み状況と今後の対応策についての御質問でございますが、現在の海部病院における取り組み状況につきましては、県立病院は三つで一つの理念により、内科、小児科及び泌尿器科について、中央病院からの応援診療を実施しております。特に内科については、中央病院病院長みずからの応援はもとより、十月からは内科医師も加わり、呼吸器科、消化器科、循環器科の専門外来を新たに実施しております。また、徳島大学病院等からの継続的な医師派遣を強く要請するとともに、県及び全国自治体病院協議会のホームページ掲載による全国公募も実施しております。 さらに、妊産婦への対応として、保健指導や不安に関する相談業務を個別に行う助産師相談外来を実施するなど、診療体制・機能の充実に努めているところでございます。 地方における医師不足は、新医師臨床研修制度に加え、医師の専門医志向、都市志向、価値観の変化、女性医師の増加等により医師の地域偏在や診療科偏在をもたらし、単に徳島県だけでなく、全国的に深刻な問題となっております。 このような状況の中で、県及び県立病院における医師確保は重要かつ緊急の課題であると認識しております。このため、魅力ある臨床研修プログラムの実施による臨床研修医の積極的受け入れ及び自前の医師の養成、自治体病院群の再編、ネットワーク化や医療機能の集約化等による限られた医療資源の効果的な活用、島根県のような大学からの医師の派遣を補完するための公的病院等の連携による専門医確保システムの構築等も有効な方策であると考えております。 今後、これらの施策の実現のため、関係部局、地元町、公的病院、医師会等と連携し積極的に取り組むことにより医師確保の体制整備を進め、海部病院が県南部の地域医療の中核としての役割を果たしていくことができるように努めてまいりたいと思っております。   (栗生警察本部長登壇) ◎警察本部長(栗生俊一君) 警察官の大量退職に関しまして、その影響と対策についてお尋ねをいただきました。 まず、警察官の退職者数につきましては、これまで毎年四十名程度で推移してまいりましたが、御指摘のとおり、平成十九年度、同二十年度には連続して七十名を超える定年退職者が想定され、加えまして勧奨退職者などの早期退職者も含めますと、この二年間で百六十名を超える退職者が見込まれるところでございます。 この大量退職に伴う警察業務などへの影響でございますが、まず一つには、退職者にかわる新規採用警察官の教養期間が、御指摘もございましたように、十五カ月から二十一カ月もの長期間を要するため、この間実動員が一時的に急激に減少いたしまして人員不足が生じることがございます。二つ目には、いわゆるベテラン警察官が減少いたしまして、経験の浅い若年警察官が増加することによりまして、現場執行力の低下の可能性があると、こういったことが挙げられます。先ほど議員がまさに指摘されました厳しい治安情勢を考慮いたしますと、これに的確に対処するだけの現場執行力、警察力の維持が極めて重要な課題であり、私の責任であると考えております。 このようなことから、県警察におきましては、先取りいたしまして次のような対策を講じているところでございます。まず、交番相談員や安全相談員等の非常勤職員への定年警察官の雇用による警察活動の補完、また優秀なベテラン警察官による若年警察官への指導体制の充実、学校教育のさらなる実践的な教養へ向けた取り組み、IT化によります業務の効率化と警察装備資機材の充実、これらのことを推進しているところであります。 さらに、本年度におきましては、県当局並びに県議会の御理解、御支援をいただきまして警察官二十人の増員が認められますとともに、いわゆる前倒し採用を御承認いただいたところでございまして、厳しい治安情勢と大量退職に伴う人員不足に対応するためにはさらなる警察官の増員が必要でありますことから、今後とも国に対して強力に要望してまいる所存でありますので、今後とも御理解、御支援を賜りますようお願いいたします。   (重清議員登壇) ◆十四番(重清佳之君) それぞれ御答弁をいただきました。 県南地域の高規格道路につきましては、知事は所信において、本県臨海地帯の発展、また地震に備える「命の道」と述べられておりますが、そのとおり、国道五十五号一本に頼る現状を改善し、県南住民の安全・安心を支える「命の道」であります。地域高規格道路の整備促進については、改革のあらしの中にあっても、県南住民の思いを強く受けとめていただき、引き続き強力に推進していただきたいと思っております。 次に、教育問題のうち、特に海部高校で学びたい県下の生徒たちのための学生寮の設置につきましては、知事から力強い御答弁をいただき、ありがとうございました。一刻も早く海部高校で学びたいという生徒の遠距離通学を解消し、安心して学習や部活動に専念できるようになることを期待いたしております。 一方、海部高校の学校づくりへの取り組みにつきましても、教育長から前向きな御答弁をいただきました。再編の先駆けとなった海部高校は、三校のよき伝統を引き継ぎながら、生徒が夢や意欲を持ち、さらに魅力の高い学校として新たな伝統を培っていくためには、教育長の強力なリーダーシップが必要であると考えております。今後、県下の生徒たちが有意義な青春を過ごし、立派な社会人として成長していくことができるような学校の再編、教育環境の整備が進むよう、それぞれの施策の早期実現に向けた一層の御尽力をお願いいたします。 次に、スポーツを通じたにぎわいの創出についてでありますが、徳島インディゴソックス、徳島ヴォルティスという県民にとって子供のころから親しみのある二大スポーツのプロチームの誕生は、本県により多岐にわたる社会的な波及効果をもたらしてくれるものであると願っております。 また、南海地震への備えにつきましては、これまでにもさまざまな側面からの質問をさせていただいております。知事が目指されている南海地震による死者ゼロを実現するためには、どうしても被災の軽減に向けた日ごろからの着実な準備が不可欠であります。その上で、さらに救助活動としての実践的な訓練の継続的な実施や、避難・支援対策の検討、医療体制の強化を進める必要があると考えております。 また、ぜひとも不審者から子供を守るための対策、警察官の大量退職への対応を含めまして、子供たちを初めとする県民の安全・安心をより高めていただくための努力をさらに進めていただきたいと思います。 少子高齢化社会を迎えても、地域の方々が明るい希望を持って暮らすことのできるよう、より効果的な第一次産業の振興による地域の活性化にも誠心誠意取り組んでいただきたいものでございます。 具体的な一次産業の振興策につきましては、委員会でお伺いいたしますので、よろしくお願いします。 私の政治家としてのモットーは、「常に前へ」であります。強い志を持って一歩一歩、歩を進めていけば、いかなることも必ずやなし遂げられると日々信じて行動しております。飯泉知事初め理事者各位におかれましても、徳島の明るい未来の実現に向け、志を強く、そして高く掲げ、御尽力いただくことを心から御期待いたしまして、私の質問を終わります。御清聴まことにありがとうございました。(拍手)   ──────────────────────── ○副議長(長尾哲見君) 以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。   ──────────────────────── ○副議長(長尾哲見君) 本日は、これをもって散会いたします。      午後五時二十四分散会   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ △平成17年11月徳島県議会定例会の議案について(提出)                                   財第428号                                平成17年12月1日 徳島県議会議長 佐 藤 圭 甫  殿                      徳島県知事 飯 泉 嘉 門     平成17年11月徳島県議会定例会の議案について(提出) このことについて、別添のとおり提出します。       平成17年11月徳島県議会定例会提出議案(追加)第 53 号  職員の給与に関する条例の一部改正について第 54 号  技能労務職員の給与の種類及び基準を定める条例等の一部改正について第 55 号  徳島県学校職員給与条例の一部改正について第 56 号  徳島県地方警察職員の給与に関する条例の一部改正について...