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  1. 徳島県議会 2005-06-01
    06月23日-02号


    取得元: 徳島県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-17
    平成17年 6月定例会   平成十七年六月徳島県議会定例会会議録(第二号) 平成十七年六月二十三日    午前十時三十二分開議      出席議員計三十九名          (その番号・氏名左のとおりである)     一  番     木  下     功 君     二  番     豊  岡  和  美 君     三  番     吉  田  益  子 君     四  番     本  田  耕  一 君     五  番     宮  本  公  博 君     六  番     扶  川     敦 君     七  番     達  田  良  子 君     八  番     古  田  美 知 代 君     九  番     山  田     豊 君     十  番     木  南  征  美 君     十一 番     川  端  正  義 君     十二 番     森  田  正  博 君     十三 番     須  見  照  彦 君     十四 番     重  清  佳  之 君     十五 番     嘉  見  博  之 君     十六 番     臼  木  春  夫 君     十七 番     黒  川  征  一 君     十八 番     庄  野  昌  彦 君     十九 番     橋  本  弘  房 君     二十 番     冨  浦  良  治 君     二十一番     宮  城     覺 君     二十二番     岡  本  富  治 君     二十三番     藤  田     豊 君     二十四番     西  沢  貴  朗 君     二十五番     吉  田  忠  志 君     二十六番     北  島  勝  也 君     二十七番     福  山     守 君     二十八番     森  本  尚  樹 君     二十九番     大  西  章  英 君     三十 番     長  尾  哲  見 君     三十一番     長  池  武 一 郎 君     三十二番     竹  内  資  浩 君     三十三番     遠  藤  一  美 君     三十四番     阿  川  利  量 君     三十五番     佐  藤  圭  甫 君     三十八番     児  島     勝 君     三十九番     中  谷  浩  治 君     四十 番     来  代  正  文 君     四十三番     榊     武  夫 君   ────────────────────────  出席職員職氏名     事務局長     竹  岡     忠 君     次長       後  藤  一  行 君     調査課長     新 居 見  勝  洋 君     議事課長     阿  部     博 君     調査課主査政務調査係長              木  村  輝  行 君     調査課課長補佐  谷     浩  二 君     議事課主幹兼課長補佐              矢  野  憲  司 君     議事課議事係長  西  本     肇 君     事務主任     臼  杵  一  浩 君     同        谷  本  か ほ り 君     同        宮  内  計  典 君     主事       木  邑  博  英 君   ────────────────────────  出席速記者氏名     速記者      井  上  順  子 君   ────────────────────────  列席者職氏名     知事       飯  泉  嘉  門 君     副知事      木  村  正  裕 君     出納長      谷  川  博  文 君     企業局長     笹  川  晧  一 君     政策監      下  保     修 君     病院事業管理者  塩  谷  泰  一 君     危機管理局長   中  川  順  二 君     企画総務部長   里  見  光 一 郎 君     県民環境部長   渡  邊     輝 君     保健福祉部長   三  木  章  男 君     商工労働部長   吉  田  悦  教 君     農林水産部長   河  野  博  喜 君     県土整備部長   武  市  修  一 君     病院局長     村  上  司  郎 君     財政課長     志  田  文  毅 君     財政課課長補佐  大  貝  誠  治 君   ────────────────────────     教育委員長    山  下  景  子 君     教育長      佐  藤     勉 君   ────────────────────────     人事委員長    川  田  雄  祥 君     人事委員会事務局長宮  崎     勉 君   ────────────────────────     公安委員長    糟  谷  三  郎 君     警察本部長    平  野  和  春 君   ────────────────────────     代表監査委員   今  津  吉  司 君     監査事務局長   高  岡  茂  樹 君   ────────────────────────  議 事 日 程   第二号   平成十七年六月二十三日(木曜日)午前十時三十分開議 第一 県政に対する一般質問         (四   名)   ──────────────────────── ○議長(佐藤圭甫君) これより本日の会議を開きます。   ──────────────────────── ○議長(佐藤圭甫君) 直ちに本日の日程に入ります。 日程第一、「県政に対する一般質問」を行います。 通告がありますので、通告の順序に従い、発言を許可いたします。 三十三番・遠藤一美君。   〔藤田議員退席、出席議員計三十八名となる〕   (遠藤議員登壇) ◆三十三番(遠藤一美君) おはようございます。 私は、六月定例県議会の代表質問の一番手として、自由民主党・新政会を代表し、県政に係る重要課題について質問を続けてまいります。 私たち自由民主党・新政会は、新たな決意のもと、県政のあるべき姿、進むべき道を探求し、理事者とともに厳しい状況を打破し、郷土徳島の再生を実現すべく発足いたしました。その第一歩として、数多くの県政課題の中から政策テーマを選び出し、重点的調査研究を重ね、理事者に対し提言を行ってまいる考えでありますので、皆様方の御理解と御協力をよろしくお願いを申し上げます。 さて、ことしは戦後六十年に当たります。私たち、この悲惨な戦争の後、社会に対し不平不満の文句を言いながら、心の中ではいつかよくなる日がやってくると希望を捨てずに頑張ってまいりました。子供も大人も未来に夢を持っており、しかし今の日本はどうでしょうか。「未来に明るい夢がある」と何の迷いもなく自信を持って言えるでしょうか。 現在、我が国は長引く不況やゆがんだ社会構造により、すっかり自信を失ってしまいました。景気は踊り場から脱却しつつあるとはいうものの、多くの中小企業者や県民にとっては、まだまだその実感はありません。また、日本各地で次々と発生する大規模な自然災害、そしてJR福知山線の脱線事故や多発する航空関連ミスなどの人的災害など、いつ自分や家族がその被害に巻き込まれるかわからない。そしてさらには、国、地方ともに行き詰まった財政状況や年金制度の崩壊など、社会システムは大きく揺れております。 つい暗い話題ばかりを続けてまいりましたが、月並みではありますが、こういう時代だからこそ私たちは現実から目をそらさず、歯を食いしばり、次の世代へと確かな道筋を残していかなければなりません。 そこで、きょうはこうした迫りくる現状をいかに打破すべきかという観点から質問を行います。議論のやりとりの中で明るい未来への何かがつかめたらと期待をしておるのであります。知事を初め理事者各位におかれましては、県民が夢を抱ける御答弁をお願いいたします。 まず初めに、三位一体改革についてお伺いをいたします。 先日、小泉改革の指針である骨太の方針・第五弾が閣議決定されました。今回は、小さくて効率的な政府の実現を冒頭に掲げ、社会保障費や公務員の削減など、いろいろと歳出の抑制を図ろうとしております。この小さな政府づくりという点は、今国会でもめております郵政民営化もその一つであります。 私たち地方にとっての最大の関心は、何といっても三位一体改革であります。地方の自立を目的としたこの改革は、初めから内容よりも数字合わせという批判がありました。そうして、今になってもその感はぬぐえておりません。そもそも、国と地方で税源をどう振り分けるのかを決めるには、まず初めに国と地方の仕事や役割をしっかりと決めなければ順調に事が運ぶものではありません。私たちは、改革の真の姿が見えないまま、国の数字合わせにつき合わされているのであります。地方の充実を進める上で、大変危険な状態であります。地方の仕事は地方みずからが考え、地域に合った方法で取り組んだ方が、当然、より住民が求めるものができるのであります。そして、国は、国でなければできないことをすればいいんです。当たり前の話ですが、この基本的な考えを常に確認しながら、改革を一歩ずつ進めるべきであります。国が決めたスケジュールに従い、私たち地方六団体は性急に改革案を返答してしまいました。そして、地方は今、この深刻な事態に苦しんでおります。 そこで、知事にお伺いをいたします。 国に先手をとられたまま三位一体改革が進められ、これからも数字合わせで押し切られてしまうおそれは十分あります。そうした中、改革の入り口論である国と地方の役割が明確になっていないこの現状をどう感じておられますか、御所見をお聞かせください。 さらに、もう一点お伺いします。 全国知事会において、義務教育費のことを初め、各県の知事がいろいろと主張されております。知事会として一たん結論を出していながら、それでも主張を続けているのは、県民の利益はもとより、国家の将来を思った上でのことだと思います。昨年八月に地方の改革案をまとめるとき、飯泉知事は、小異を捨てて大同につくと言われました。今さら結論をひっくり返す発言が出るとは期待しておりません。しかし、本県の実情を思えば、泥臭くてもいいから本心をさらけ出し、県民の思いをもっと訴えてほしいのであります。知事会での飯泉知事の発言を見た場合、確かに評価できる意見もありますが、いま一つ目立ったものがございません。誤解があるといけないので断っておきますが、ただ単に目立ってほしいというのではありません。 さて、来月十三日にはこの徳島で全国知事会が開催されます。今回の焦点は、残り六千億円分の補助金の削減メニューであります。県民を思う気持ち、将来を思う心があれば、他人の意見を聞いているだけでなく、もっと積極的に議論の中に飛び込んでいただきたいと思います。国民健康保険など社会保障のような大きな国家的な命題も、さきにも申し上げましたとおり、まず制度のあり方をしっかり議論した上で、国と地方の役割を決めていただく。私たち県議会三位一体改革に関する研究会を設け、この改革のあるべき姿をさらに突き詰め、地方六団体の一員としてもっと地方の立場を主張してまいりたいと考えております。少子高齢化の急速な進展は、本県では他県の状況よりも深刻であり、また過疎化も進んでおります。県民や国家の将来を見据え、徳島開催の全国知事会においても、少子高齢化や過疎化に悩む弱小県の立場を代表して、また県益を守るためにも、積極的に発言をしていただきたいと思うのでありますが、その意気込みをお聞かせ願います。 さらに、六千億円分の税源移譲に見合い削減される国庫補助負担金のメニューについてどのような考えをお持ちなのか、あわせて御所見をお伺いいたします。 次に、防災対策について質問をいたします。 初めは、地震防災対策行動計画についてお伺いをいたします。 昨年の相次ぐ台風被害から、私たちは大きな教訓を得たところでありますが、行政にとって、県民の安全・安心を守ることは最も基本的な課題であります。特に、今後三十年のうちに五〇%という高い確率で発生が予測される南海地震への備えは、県が取り組むべき最重要課題であります。知事もこうした確認のもと、「オンリーワン徳島」行動計画の大きな柱の一つとして掲げており、これまで精力的に取り組んでおります。 さらに、このたび、南海地震に備えた具体的な行動計画を策定すると打ち出されております。全庁挙げての総合的な計画の必要性については、我が会派の木南議員もかねてより強く訴えていたところであり、私は今回の取り組みを高く評価するものであります。南海地震対策は、ハード、ソフトの両面にまたがる対策であり、県庁各部はもとより、市町村、県民、地域社会が一体となり幅広い取り組みが必要であります。また、一口に南海地震対策と言いましても、地震が起きるまでの備えから災害発生時の初動態勢、さらに被災後の復旧・復興に至るまで、各段階ごとの非常に幅広い対応が求められます。 私が心配しておりますのは、一般的にこうした計画は非常に幅広い分野をカバーするだけに、具体的な取り組みがぼやけないようにしていただきたいという点であります。また、厳しい財政事情の上に三位一体改革の影響も重なり、非常に苦しい財政運営を強いられております。日本経済の飛躍的な復興を望めない今の現状では、当分明るい見通しはございません。厳しい社会・経済情勢の中、絶対に取り組まなければならない南海地震への備えを進めるためには、すべての人が知恵と工夫を絞り出し、実効性のある計画としなければなりませんが、県単独の計画策定に当たっての知事の基本認識をお伺いをいたします。 次に、この行動計画がどのような意味合いを持っているのか、計画の性格や位置づけについてもお尋ねをいたします。 本年三月に、国の中央防災会議において地震防災戦略が決定され、具体的な目標を設定した南海地震防災戦略が示されました。そして、関係自治体に対し、地域版の防災戦略を策定するよう要請があるとも聞いております。また、地震防災対策特別措置法に基づき、地震防災緊急五カ年計画が策定され、地震対策の基盤整備が進められております。 一方、県においても、災害対策基本法に基づき、「県地域防災計画震災編」を策定されております。こうした計画にはそれぞれねらいがあり、位置づけがあるのでしょうが、はっきりと申し上げまして計画だらけではよくわかりません。正直な感想であります。南海地震対策は、自助・共助・公助の三位一体で取り組むと言われており、県民、地域、市町村が一体となった取り組みでなければなりません。そのため、このたび策定する行動計画はどのような意味を持っておるのか。また、国や県の計画とどのような関係にあるのか。さらに、どういう性格の計画になるのかを明らかにして県民に示す必要がございます。 そこで、お尋ねをいたします。 今回策定する行動計画は、国の地震対策に関する各種計画との整合性や県地域防災計画との関連性はどのようになっているのでしょうか。行動計画の位置づけ、性格づけについて、御所見をいただきたいと思います。 また、これまでも繰り返して述べてまいりましたが、南海地震対策は緊急を要する待ったなしの対応であります。知事は所信表明において、このたびの行動計画は本年度末を目途に策定すると話されました。聞くところによりますと、政策監をトップに地震防災対策会議を設置し、去る十三日には第一回の会議が開かれたと言われております。今後精力的に協議や検討が進められると思いますが、私は本年度末に行動計画ができ上がるのでは少々遅いのではないかという気がするのであります。この計画は各部にまたがる幅広い内容で、庁内の調整を図るにも相当の時間がかかると理解します。しかし、予算編成が十二月ごろに始まることを考えると、計画が本年度末では、その中身に予算の裏づけがないのでは少々心配の面もございます。みすみす計画を尽くしても、実際に行動に移すまでに予算面で一年の空白が生じるのであります。平成十八年度を実質的に計画の初年度として、来年度の予算に反映できる計画となるように策定作業を進めるべきだと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。 また、具体的な達成年次を明示した計画にすると話されましたが、計画期間についてどのような考えをお持ちなのか、あわせてお尋ねをいたします。 次に、台風、大雨への対策について質問をいたします。 昨年、全国で多発した台風などの自然災害の猛威を前にし、私はその被害の大きさに驚くとともに、脅威すら感じました。本県でも、昨年は県下一円で台風による大規模な水害が発生し、治水基盤の弱さを痛感させられたところであります。大洪水の際に万一堤防が決壊すれば、多くの人命や財産が失われるばかりではなく、社会にも、経済的にも大きな打撃を受けることになり、県民生活への影響ははかり知れないものがあります。 このような水害を緩和するために、堤防などの施設整備を進めることが何よりも重要であります。現在の厳しい財政事情を考えますと、十分な対応を完了させるにはまだまだ時間がかかると思います。また一方で、治水施設の整備されている地域でも、施設の能力を超える洪水が起これば堤防の決壊に至る危険性は否定できないものでございます。このため、災害情報の伝達体制、避難誘導の充実、さらには住民意識の高揚などのソフト面での対応が重要であります。昨年の経験から、市町村や水防団などから河川の水位などの情報伝達の重要性が訴えられております。こうした中、先般の水防法の改正により、洪水が起こったときに市町村が円滑かつ敏速に避難措置を講ずることができるよう、浸水予想区域の指定対象が県が管理するような中小河川にまで拡大されました。 そこで、この分にお尋ねをいたしますが、県は昨年のたび重なる洪水被害の経験を生かし、洪水時の情報伝達体制の整備や浸水予想区域の指定などのソフト対策について今後どのように取り組んでいかれるのか、所見を伺いたいと思います。 御答弁をいただき、質問を続けます。   〔藤田議員出席、出席議員計三十九名となる〕   (飯泉知事登壇) ◎知事(飯泉嘉門君) 遠藤議員の御質問に順次お答えをしてまいります。 三位一体改革につきまして幾つか御質問をいただいております。 まず、三位一体改革の入り口論であります国と地方の役割が明確にならないまま改革が進められている現状についてどのように考えるのかについてであります。 三位一体改革は、国庫補助負担金地方交付税及び税源移譲のあり方を三位一体で検討をする改革でありまして、税財政に関し地方の自由度を高め、地方の自己決定、自己責任の幅を拡大をするなど、まさに真の地方自治の確立に向けた地方分権改革であります。 そもそも地方分権社会の実現のためには、まず国と地方の役割について国民的な議論を行い、国を、地方をこういった形にするというビジョンを示すことが重要であり、その上での国から地方への権限移譲、またそれを実現するための財源確保が必須条件であります。 三位一体改革の議論を行う際には、まず国と地方の仕事や役割を決めなければならないという議員の御提案は、まさに正鵠を射たものであり、私も全国知事会を初めあらゆる機会を通じまして、国と地方の役割について明確にしていく必要があると申し上げてきたところであります。 来月、本県で開催をいたします全国知事会議では、昨年の十一月の政府・与党合意で先送りをされました課題であります六千億円の国庫補助負担金メニューづくり、平成十九年度以降の第二期改革を初めとする今後の地方分権の取り組みなどを議論をすることとなっており、その中で真の地方分権改革を実現するという強い決意を持ちまして、地方が担うべき役割をしっかりと主張をしていかなければならない、このように考えております。 次に、徳島開催の全国知事会議への意気込みについて御質問をいただいております。 来る七月十三日本県で開催をされます全国知事会議におきましては、三位一体改革が議題となっておりまして、今も申し上げましたように、昨年の十一月の政府・与党合意で先送りとなりました六千億円の国庫補助負担金メニューづくりを初めとする課題について議論をいたすこととなっております。 申すまでもなく、三位一体改革につきましては、真の地方自治の確立に向けた地方分権改革として、国、地方を挙げて取り組んでいるものでありまして、地方の自主性、自立につながるものでなければならないと、このように考えているところであります。 一言に「地方」と申しましても、財政力を初め各地域の実情はさまざまでありますが、このような違いを超えまして、地方が一丸となって「地方分権」という旗印のもとに取り組んでいるものでもあります。 そうした中、昨年の全国知事会議におきましては、全国的な集中豪雨などにより甚大な被害がありましたこと、本県が台風の常襲地帯であることから、災害復旧事業だけでなく、災害予防事業につきましても国の責任において行われるべきであるとの主張を申し上げ、そして緊急提言をいたし、採択をされたところであります。そして、議員も御存じのように、その後、国の補正予算におきまして初めて災害予防事業といったものが、例えば国土交通省であっても二千億円を超える規模として創設をされたところであります。 来月本県で開催をされます全国知事会議におきましても、「徳島からの発信」を念頭に、徳島県自治体代表者会議での意見など本県の実情を踏まえ、開催県知事として積極的に主張をしてまいりたい、このように考えております。 次に、六千億円分の税源移譲に見合い削減をされます国庫補助負担金メニューについて御質問をいただいております。 去る五月三十一日に開催をされました全国知事会議におきまして、三位一体改革の今後の進め方が議論をされ、昨年地方六団体が取りまとめました「地方の改革案」に掲げました三・二兆円の国庫補助負担金の中から選定をすること、七月十三日の徳島会議では知事会案を決定をすること、この二点が合意をされたところであります。その際、選定する補助金につきましては、道路、河川、港湾、空港、下水道といった本県の社会資本整備に重大な影響を及ぼす公共事業は対象とすべきではないと、このように考え、いわゆる箱物補助金であります施設整備国庫負担金を優先するという地方六団体の方針に賛同をいたしているところであります。 今後、具体的な検討は地方分権推進特別委員会において行われることとなっており、私も委員として、この方針に基づき取りまとめられますように積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 次に、防災対策につきまして幾つか御質問をいただいております。 まず、徳島県地震防災対策行動計画策定に当たっての基本認識についてであります。 南海地震の発生確率が今後三十年で五〇%に引き上げられ、地震発生の切迫性が高まる中、去る三月に取りまとめました県地震動被害想定調査の結果では、東南海・南海地震が同時発生の場合に、人的被害では、建物の倒壊、津波などによりまして死者数が最大で約四千三百人にも及ぶ甚大な被害が予測をされたところであります。また、地震津波県民意識調査の結果からは、津波危険地域における地震発生直後の避難行動では、最終的に避難するつもりのない人が何と二割程度存在をするなど、正確な知識や適切な避難行動について一層の啓発が求められるところであります。 私といたしましては、地震発生の切迫性やこのような調査結果などから、従来の地震・津波対策を再点検をし、なお一層の減災対策を加速、推進することが必要である、このように痛感をいたしたところであります。 議員御提案のとおり、地震・津波対策は災害予防から応急対策、復興まで幅広い対応が求められ、今回の行動計画では、特に人的被害を減少させるための施策を主眼といたしまして、例えば住宅などの耐震化、津波避難対策の推進、海岸保全施設の整備などについて、緊急性や減災効果などの視点からより実効性の高い計画としていきたいと、このように考えております。 次に、行動計画は、国や県の各種防災計画とどのように関連、整合性をつけていくのか、また位置づけ、性格づけなどについて御質問をいただいております。 本県におきましては、災害対策基本法に基づく地域防災計画により、県を初め各防災関係機関などがさまざまな防災対策を講じてきているところであります。 今回新たに策定をいたします行動計画は、地域防災計画の実効性を高め、南海地震発生時における死者ゼロを目指します、より実践的な行動計画として位置づけているところであります。この行動計画策定に当たりましては、去る三月に国におきまして決定をされた地震防災戦略、また地震防災緊急事業五カ年計画の次期計画の動向などを勘案をいたしながら、具体的な目標や達成年度を明示をした本県独自の行動計画として取りまとめたいと、このように考えております。 次に、行動計画の平成十八年度予算への反映と計画期間についてお尋ねをいただいております。 議員御提案のとおり、減災に向けた有効な施策で特に早急に取り組む必要がある施策につきましては、平成十八年度当初予算に反映すべく鋭意作業を進めてまいりたいと考えております。 また、計画期間についてでありますが、全体計画といたしまして平成十八年度から十年間を考えておりますが、個々の事業の具体的な達成年次につきましては、緊急性や減災効果などの視点から、三年、五年、十年と設定をしてまいりたいと考えております。   (武市県土整備部長登壇) ◎県土整備部長(武市修一君) 洪水時のソフト対策の取り組みについての御質問でございますが、昨年はたび重なる台風の襲来により県下各地で甚大な浸水被害が発生し、洪水時の水位情報等の提供や水防体制のあり方について、改めてその重要性を認識させられたところでございます。 現在収集している県内各地の雨量や河川の水位情報は、市町村が行う避難勧告等の判断に役立つ重要な情報であると考えております。 そこで、本年度より、よりきめ細やかな情報提供ができるよう水位観測局を増設するとともに、市町村や住民の方々へより迅速に情報提供できるよう、現システムを更新するための調査、設計に着手いたします。さらに、現在各所管課が個別に運用、管理している各種防災情報を統合して、より迅速かつ的確な情報提供ができるよう、防災情報統合管理システムの構築を進めているところでございます。 一方、去る五月二日に改正されました水防法を受けまして、県管理河川における水位情報周知河川の指定及びこれに伴う浸水想定区域図の作成、公表にも積極的に取り組んでまいります。この浸水想定区域図をもとに、避難情報等を掲載した洪水ハザードマップの作成についても、関係市町村を支援してまいりたいと考えてございます。 今後とも国や関係機関、関係市町村との連携を密にしながら、ハード、ソフトの両面から治水対策を推進し、水害に強い県土づくりに取り組んでまいります。   (遠藤議員登壇) ◆三十三番(遠藤一美君) 三位一体改革についても、防災対策についても力強い御答弁をいただきました。知事の一つ一つの言葉が県民一人一人の勇気につながります。知事が必死になって頑張ればその思いは県民に伝わり、みんなが後押しをしてくれます。これからの行動になお一層御期待を申し上げます。 それでは、質問を続けます。 次に、指定管理者制度についてお尋ねをいたします。 御承知のとおり、指定管理者制度については、平成十五年に施行された改正地方自治法によりまして、公の施設の管理運営について、これまでの管理委託制度にかわって制度化されるものであります。本県においては、既に昨年指定管理者の指定の手続等に関する条例が制定され、いよいよ来年四月からの導入に向けまして、この六月県議会に関係条例の改正、制定案が提出されております。 指定管理者制度が管理委託制度と大きく異なるところは、これまで公の施設の管理運営の委託先は地方公共団体の出資法人や公共団体に限定されていましたが、株式会社などの民間事業者も管理運営できるようになった点であります。さらに言えば、公募による指定管理者を募り、選定委員会がその中からふさわしい団体を選定するという手法、今までとはがらっと変わっております。 今回、条例が可決されますと、次は十一月議会で指定管理者を決めるようになると思います。そのため、今後、選定委員会を設置し、公募を行い、審査をして候補者を選定していくことになるはずですが、この一連の作業の中で、何といいましても選定委員会の果たす役割が重要であります。まず、確かな識見を備えた方々を委員として委嘱する。そして次に、住民サービスを高めるにはどの団体の管理運営内容が最もよいのか、いろんな角度からしっかりと評価と審査をしていただく、これこそが最大のポイントであろうかと考えております。この極めて重要な役割を担う選定委員会について、外部委員にどのような分野の方々を選任しようとしておりますのか、委員の構成についての御見解を示していただきたいと思います。 さらにもう一点、この制度は、住民サービスの向上とあわせて、管理経費の削減を図ることを目的としております。これから本格的な作業を進めていくに当たり、経費削減について、県としての方針を明らかにすべきだと考えます。個々の施設の基準額については募集要項で示されるそうでありますが、この制度の導入によって全体としてどの程度の経費削減を図ろうとしているのか、明確な御答弁をいただきます。 次に、教育問題についてであります。 今月十八日に公表されました国の義務教育に関する意見調査において、ゆとり教育の目玉である総合的な学習の時間に対し、中学校教員の約六割が「なくした方がよいと考えている」とのことが明らかとなりました。ゆとりの中で特色ある教育を展開し、みずから学びみずから考える、生きる力を育成することをねらいとしたゆとり教育でありますが、スタートのときから生きる力の育成を期待する声とともに、学力低下を懸念する声もございました。昨年末に発表されました国際的な学力調査の結果、日本の子供の成績は国際的に見て上位にあるが、低下傾向にあり、世界のトップレベルとは言えないことが明らかになりました。また、学ぶ意欲や学習の習慣に課題があることも浮き彫りにされております。 本年四月に公表されました平成十五年度小中学校教育課程実施状況報告によりますと、前回の平成十三年度より正答率が上回る問題が多かったものの、国語の記述式の問題では低下が見られたそうであります。子供たちにとっても、ゆとり教育についてはそれぞれ思いがあるはずです。今月十六日の徳島新聞にも掲載されておりました、東京都杉並区の中学校で生徒たちが総合的学習について賛成、反対に分かれて討論を行い、その結果、行司を務めた中山文部科学大臣は、総合を削減して基礎的なものを学ぶと主張した側に軍配を上げたそうであります。私も、一本とは言えないけれども、どちらかといえば大臣と同じように旗を上げたと思います。これからの教育は、国際世界に通用するような人材を育てる大きな視野が必要であります。そして、そのためには、たくましく生きるための健康や体力ももちろん必要でありますが、確かな学力の向上こそが重要ではないかと思うのであります。 そこで、お尋ねをいたします。 県においては、少人数学級によるきめ細かな指導などさまざまな取り組みを行っておりますが、学力向上に向けての本県の課題と今後の取り組みについて、教育長の御所見をお伺いいたします。 人的被害の減少を主眼とした緊急性や減災効果などの視点から実効性の高い計画とすることの御答弁をいただきました。 そこで次に、学校における防災教育についてお尋ねをいたします。 学校での防災教育といえば、最初に思い浮かべるのはやはり避難訓練ではないかと思います。校内放送で地震や火事の発生が告げられ、机の下に隠れたり、一斉に校庭に避難したり、また消火器を使った消火体験や避難用救助袋を滑りおりたりする、皆さん似たような経験だと思います。私も学校を卒業して随分になりますけれども、最近のことはよくわかりませんが、恐らく今でも変わっていないと思います。私が思うことは、あの阪神・淡路大震災を思い返すことであります。確かにそうした基礎的な訓練は必要ですが、果たしてこの程度の内容で子供たちの安心・安全が守れるのでしょうか。被災から救われるのか、不安な気持ちを抑えることができないのであります。やはりこれからはさらにもっと地震や津波に対する防災教育を進めることが必要であります。 本県においては、今年度に防災教育推進モデル校を指定し、地域の自主防災組織や消防署、そして警察などと連携を図り防災教育を実施すると聞いております。防災教育で学んだことは子供たちにとって、単に学校で過ごす時間だけではなく、卒業しても、地域社会の一員になっても生かせる生涯教育だと思います。 そこで、お尋ねをいたします。 防災教育推進モデル校においてさまざまな取り組みや研究が行われるものと思いますが、災害時の対応能力をどのようにして高めようと考えているのか、教育長の所見をいただきたいと思います。 次に、地球温暖化対策についてお伺いをいたします。 皆さん御承知のとおり、現在、小泉首相を先頭に夏の軽装運動としてクールビズが展開されております。こうした取り組みは、国民に対し地球温暖化問題や省エネなどを意識させるきっかけにもなり、啓発効果は十分ではないかと思います。 一方、本県においても、夜に電気を消して星を眺めたり、買い物に行くときに車の利用を控え歩いていくというようなことであります。こうした身近な取り組みはこれからも続けてほしいと思います。しかし、これらの取り組みはどれだけの効果があるのだろうかと考えがちであります。一般にその効果を実感できないのも事実であります。さらに、自分がやらなくてもだれかがやるだろうとか、自分には関係ないと思ってしまいなかなか行動に結びつかないこともあると思います。昨年の六月県議会において、我が会派の川端議員が一〇%削減目標の認識について質問をされました。その際、知事は、確かに容易に達成可能な数値ではないが、環境首都を目指す本県にとって、より積極的な役割を果たさなければならないため一〇%削減という大きな目標を設定したと答弁されました。今では県民すべての意識が一つになって取り組みが始まったとは言えないと思いますが、中には本気でその目標を達成すると考えている方も多数おられます。 そこで、お尋ねをいたします。 このたび県において、地球温暖化対策の具体的な行動指針となる推進計画を策定されようとしております。県民の環境に対する意識はこれからますます高まっていくと思います。そうした気持ちにこたえるためにも、新たな計画でははっきりとした目標を設定し、一人一人が自分の取り組みが削減につながると実感できるものにしていただきたいと思います。どのような内容になるのか、御答弁をいただきたいと思います。 さて、飯泉知事、最後にお伺いをいたします。 現在の鬼気迫ると言ってもよいほどの渇水に対し、知事は所信表明において、那賀川の河川維持流量からの取水を国へ要望し、その実現を見た。また、来年の春までに方策を検討し実施すると話されました。この来年度の春までにということを聞いたとき、私はとってもそこまで待てないという感の思いでございます。また、それだけに具体策を打ち出せない知事の苦悩もうかがい知れます。しかし、那賀川は毎年のように渇水に悩まされ、これまで効果的な、抜本的な対策を講ずることができておらず、それだけに難しい課題であることは十分承知しております。また、知事御自身も現場を訪れ、関係者の悲痛な声を聞き、何とかこの状況から脱したいと必死になって頑張っておられることも十分わかります。しかし、このままでは企業や農家は立ち直れなくなるのであります。これまでどおりの対策では、来年もまた同じ事態を迎えようとしております。また、来年まで待っていられない、ぎりぎりの差し迫った状況でないかと思います。どうか飯泉知事、考えに考え抜いたこの苦しみから皆さんを救ってやっていただきたいと思います。あえて言わせていただきます。直ちにできるものから予備費を使ってでも予算措置を行い、一刻も早く打開策を打ち出していただきたいと考えておりますが、知事の決意のほどをお伺いをいたします。   (飯泉知事登壇) ◎知事(飯泉嘉門君) 次に、指定管理者制度につきまして幾つか御質問をいただいております。 まず、選定委員会の委員構成について、外部委員の選任も含めてどのように考えているのかについてであります。 指定管理者制度につきましては、地方公共団体が設置をいたします公の施設の管理運営の面で、多様化をいたします住民の皆様のニーズなどに的確に対応いたし、民間事業者のノウハウを活用することによりまして効率的な運営と質の高いサービスの提供の実現を目指すものであります。 この新しい制度を運営していく上で、指定管理候補者を選定する委員会の役割は極めて重要であるという議員の御意見についてはまさに同感であり、審査の観点の明確化や委員会のメンバー構成について十分意を用いてまいりたいと考えております。 選定委員会は、各申請団体の提案内容に対する審査を行い、最も効果的、効率的、安定的な管理運営に資する団体を選定する使命を帯びておりまして、住民の平等な利用と利用者サービスの向上、経費の節減、適切な人員配置、一定の財政基盤の保持といった観点からの総合的な審査に尽力を尽くしていただきたいと考えております。 御質問の委員会の構成につきましては、まず各部局ごとに五人から八人程度で構成することといたしまして、その透明性、公平性を確保いたしますため、半数以上を外部有識者とすることを予定をいたしております。 次に、外部有識者の人選につきましては、先ほど申し上げました四つの審査の観点を踏まえた委員構成が肝要と考えておりまして、具体的に申し上げますと、利用者サービスの向上などの面からは、学識経験者あるいは各施設分野の専門知識に明るい委員、経費の縮減と適切な人員配置の面では、そのバランスなどを複合的にとらえることの必要から、効率的な運営のあり方に詳しい委員と良好な就業環境の形成に識見を有する委員二名、一定の財政基盤の保持の面からは、財務状況の分析などについて専門的資格を備えた委員、以上四名程度の外部委員の選任を念頭に置いているところであります。 今後、選定委員会がその役割をしっかりと果たしていただき、それぞれの施設の設置目的や特性を十分に考慮をした納得の得られる選定結果が導き出されますよう、委員会の設置、運営に万全を期してまいりたいと考えております。 次に、指定管理者制度の導入により、全体としてどの程度経費縮減を図ろうとしているのかについて御質問をいただいております。 指定管理者制度は、多様化する住民ニーズにより効率的、また効果的に対応するため、公の施設の管理に、先ほども申し上げました民間の能力を活用いたしまして、住民サービスの向上を図るとともに経費の縮減を図ることを目的とするものであります。また、本県では、「リフレッシュとくしまプラン」に基づきまして、公の施設の改革を初めとした二十一世紀にふさわしい行政執行体制の構築に現在取り組んでいるところでありまして、このたびの指定管理者制度の導入につきましても、一定の経費の縮減を目的、目標としているところであります。 具体的な経費縮減額につきましては、選定委員会における審査結果を待たなければ明らかにはなりませんが、県の方針といたしましては、募集に当たり提案価格の上限であります基準額を設定をいたしたい、このように考えております。基準額の設定に当たりましては、各施設ごとにその内容を精査しているところでありますが、原則として、平成十七年度の当初予算額と比較をいたしまして少なくとも一割程度は縮減した設定にいたしたいと考えております。 次に、本県の地球温暖化対策の行動指針となります推進計画はどのような内容になるのかについてお尋ねをいただいております。 本県では、「オンリーワン徳島行動計画」におきまして、「環境首都とくしま」の実現に向け、温室効果ガス総排出量の一〇%削減という国の数値を上回る目標を掲げ、徳島夏のエコスタイルを初め徳島エコ・カーライフやLED信号機の設置など、さまざまな行動を既に展開をいたしているところであります。また、今年度におきましては、新たに「環境首都とくしま憲章」のさらなる普及を図りますため、トライ21に取り組む憲章家族の募集を、さらにはエコ・イベントシステム事業の導入やノーカーデー・ラッキーキャンペーンの実施など、積極的に取り組んでいるところであります。 地球温暖化対策は、議員からもお話がありましたように、一人一人が身近なところから一つ一つ行動を積み上げていくことが何よりも大切であり、目標達成のためには、県民、事業者、そして行政がより一層力を合わせ一体となって取り組んでいく必要がある、このように考えております。 このため、本年三月に策定をいたしました「とくしま地球環境ビジョン」の考え方や方向性に沿いまして、今後の本県における地球温暖化対策の具体的な行動指針となります推進計画を今年度中に策定をしたい、このように考えております。 計画の骨子といたしましては、温暖化の原因となります温室効果ガス排出の現状、部門別の排出削減目標、その目標達成のための県民、事業者、行政など各主体別の具体的な取り組み、すべての主体の参加と連携の方策などを考えているところであります。 策定に当たりましては、徳島県環境審議会で十分御審議をいただきますとともに、パブリックコメントの実施などを通じ県民の皆様にも広く意見を募集をし、よりわかりやすいものにしたい、このように考えております。 また、議員から御提案がありましたように、自分たちの身近な取り組みが温室効果ガスの削減や地球環境保全につながるんだと実感をしていただけることが、私自身も重要であると、このように認識をいたしておりますので、その点につきましても十分に配意し、具体的な行動目標などについても盛り込んでまいりたいと考えております。 策定後は、この推進計画によりまして、環境首都の名にふさわしい、全国をリードできるような地球温暖化施策をこれまで以上に積極的に推進してまいりたいと考えております。 次に、現在の渇水に対しまして、直ちにできるものから予備費を使ってでも予算措置を行い、一刻も早く打開策を打ち出すべきではないかとの御質問をいただいております。 現在の那賀川におけます渇水による被害におきましては、これまでにない深刻なものがございまして、特に利水企業の皆様におかれましては、既に莫大な被害が生じているところであります。さらに、今後事態が悪化することも危惧されており、まさに一刻の猶予もならない状況と受けとめているところであります。 議員御提案のとおり、今回の渇水に対する緊急対応策につきましては、予備費の活用といった点も視野に入れ、早急に検討してまいりたいと考えております。   (佐藤教育長登壇) ◎教育長(佐藤勉君) 学力向上に向けての本県の課題と今後の取り組みについての御質問でございます。 国際的な学力調査等の結果、読解力や学習意欲、学習習慣等に課題があることが明らかになり、国においては、各教科及び総合的な学習の時間の授業時数のあり方も含めて、学習指導要領全体の見直しが検討されているところでございます。 また、本県では、独自に実施をしております学力調査の結果、基礎学力の定着が十分満足とは言えない状況にあることや、家庭での学習時間や読書時間が少ないことが課題となっております。 学力向上への取り組みといたしましては、従来より少人数指導やチームティーチングによる指導の充実を図ってまいりましたけれども、さらに本年度より、県内すべての小学校一、二年生に少人数学級を導入し、一人一人に応じたきめ細かな指導を実施しているところでございます。 本年度は、平成十五年度から実施しております徳島県基礎学力定着化プロジェクト事業の一環といたしまして、新たに次の三つの取り組みを行ってまいりたいというふうに考えております。その一つは、確かな学力の育成のための実践研究を行う学力向上拠点形成事業を県内五地域の小中学校で展開をいたしてまいります。二つ目といたしましては、学力向上について県民とともに考える学力向上フォーラムを県下三カ所で実施をいたします。三つ目といたしましては、教育関係者、PTA関係者等から成る学力向上検討委員会を設置いたしまして、幅広く御意見をいただきながら具体的な学力向上策を取りまとめてまいりたいというふうに考えております。 県の教育委員会といたしましては、こうした学校、家庭、地域が連携した取り組みを通しまして、今後とも確かな学力の向上に努めてまいりたいというふうに考えております。 次に、災害時の対応能力をどのように高めようと考えているのかとの御質問でございますが、火災、風水害、地震などの災害発生時における児童、生徒の安全確保を図っていくためには、小さいころから防災に対する正しい知識や適切な対応能力を身につけていくことが重要であるというふうに考えております。 そこで、本年度の新規事業といたしまして、学校における防災教育の一層の充実を図るため、危機管理局等と連携をいたしまして防災教育推進事業を実施しております。当事業では、盲・聾・養護学校各一校と、南海地震の津波被害予測地域にございます小中高等学校各一校を推進モデル校として指定をいたしまして、それぞれの特性に応じた防災教育を地域の自主防災組織等と連携しながら推進するということにいたしております。各モデル校におきましては、各教科や学級活動、総合的な学習の時間等での防災に関する学習の中で、南海地震の特徴や津波等によります被害予測を学ぶこと、フィールドワーク等によって地域の被害の歴史を学ぶことなどによりまして防災の大切さを理解するとともに、防災意識を高めるように取り組んでおります。 また、県立防災センターを活用いたしましたさまざまな体験学習におきましては、災害に対してどのような備えをすればよいのか、災害発生時にはどのような行動をとるのかなどについて、資料にまとめたり、話し合ったりすることにより実践的な能力を身につけさせたいというふうに考えております。 こうした取り組みを通して、児童、生徒が学習成果を持ち帰り、防災に関する地域の取り組みに参加したり、家庭でも実践したりすることにより、防災意識が地域に広がっていくことも期待しておるところでございます。さらに、こうしたモデル校での取り組みや研究成果を指定されました六校以外の学校にも広く普及させまして、災害発生時における児童、生徒の対応能力の向上を図ってまいりたいというふうに考えております。   (遠藤議員登壇) ◆三十三番(遠藤一美君) 知事さんからは力強い御答弁をいただき、ありがとうございました。県南で渇水に苦しめられておりますこの私たちの切なる訴えに、これからもぜひともこたえていただきたい。どうかよろしくお願いをいたします。 また、それぞれの答弁についてでありますが、まず指定管理者制度については、事業者の選定いかんによっては県民の利用に大きな影響を与えかねません。慎重な取り扱いをお願いいたします。 学力向上につきましては、試行錯誤の中で今後さまざまな取り組みをされていくと思います。私は、学力向上を目指すには、やはり基礎学力を十分につけ、学習意欲を高めることが基本だと思います。そして、そのかぎを握るのは教員であります。教える技術はもちろんですが、やる気と豊かな感性を持った教員を養成することも大変重要でありますので、しっかりとした対策をお願いをいたします。 そして、防災教育です。これから先は何が起こるか本当にわかりません。全く予想外のことも出てくると思います。だからこそ、そういう事態に直面したとき、うろたえずにきちんと対応できる危機意識や能力を、子供のときから身につけさせておくことが必要でありますので、積極的にお取り組みを進めていただきたいと思います。 地球温暖化対策については、実際問題として温室効果ガスの数値は上がっており、非常に先行き不安ではありますが、私たち一人一人に任された役割だと思いますので、行政はその案内役としてしっかり果たしていただきたいと思います。 まとめに入ります。 さて、現在、個人の価値観は、一昔前の考え方では全くはかり知ることができなくなっております。地方自治体に対し県民一人一人が求めるニーズや期待も非常に移り変わっております。これを的確にとらえ、行政に反映させる知事の役目はまさに無限大であります。いや、知事だけではなく、県庁のスタッフみんなが同じだと思います。しかし、前向きに考えてください。何よりも県民を思い、一生懸命にやった上で、その結果を常に検証し、改善すべきときは改善すればいいんです。知事は、県民が何を求め、何に期待しているか、そのために今何をなすべきかを考え、そして未来にも思いをはせながら県政のかじ取り役に邁進されんことを願って、私のすべての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)   ──────────────────────── ○議長(佐藤圭甫君) 議事の都合により、休憩いたします。      午前十一時三十八分休憩   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━    午後一時三分開議      出席議員計三十六名          (その番号・氏名左のとおりである)     一  番     木  下     功 君     二  番     豊  岡  和  美 君     三  番     吉  田  益  子 君     四  番     本  田  耕  一 君     五  番     宮  本  公  博 君     六  番     扶  川     敦 君     七  番     達  田  良  子 君     八  番     古  田  美 知 代 君     九  番     山  田     豊 君     十  番     木  南  征  美 君     十一 番     川  端  正  義 君     十二 番     森  田  正  博 君     十三 番     須  見  照  彦 君     十四 番     重  清  佳  之 君     十五 番     嘉  見  博  之 君     十六 番     臼  木  春  夫 君     十七 番     黒  川  征  一 君     十八 番     庄  野  昌  彦 君     十九 番     橋  本  弘  房 君     二十 番     冨  浦  良  治 君     二十二番     岡  本  富  治 君     二十三番     藤  田     豊 君     二十四番     西  沢  貴  朗 君     二十五番     吉  田  忠  志 君     二十六番     北  島  勝  也 君     二十七番     福  山     守 君     二十八番     森  本  尚  樹 君     二十九番     大  西  章  英 君     三十 番     長  尾  哲  見 君     三十一番     長  池  武 一 郎 君     三十二番     竹  内  資  浩 君     三十三番     遠  藤  一  美 君     三十四番     阿  川  利  量 君     三十八番     児  島     勝 君     四十 番     来  代  正  文 君     四十三番     榊     武  夫 君   ──────────────────────── ○副議長(長尾哲見君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 三十八番・児島勝君。   〔宮城・中谷両議員出席、出席議員計三十八名となる〕   (児島議員登壇) ◆三十八番(児島勝君) 自由民主党・交友会を代表して代表質問をさせていただきます。 今、会場からもお声がございました。久しぶりの登壇でございます。いささか緊張いたしておりますが、本来、議会と、そして理事者というのはこのような緊張感が大変必要でございます。緊張感を持って、早速質問に入らせていただきます。 五月十八日、徳島県の命運をかけたあの選挙を勝利し、知事就任二カ年を過ぎ任期折り返しに入りました飯泉知事、若さと行動力で選挙を通じて訴えてきたマニフェストの実現に取り組み、多くの県民からの実績評価や期待の高さが八七・六%という高支持率を得たのだと思います。就任時に、休止あるいはおくれていた徳島空港拡張及び周辺整備事業、マリンピア沖洲第二期工事、それに関連する四国横断道の南伸への足がかりとなる先般の松茂町での起工式、長年議論のあった吉野川第十堰を含む河川整備計画策定に向けた方向性など、県政の重要課題が大きく前進し動き始めた点は大きな成果であると思います。 また、マニフェストにもありました四国初のJリーグ誘致、時代のニーズや地方分権に対応した南部県民局及び病院局の設置、県立中央病院の改築あるいは南海地震への対応、農作物ブランドの全国展開など、新しい分野での挑戦、そして実現は評価すべきと思います。 しかし、少子化問題や介護・福祉問題、三位一体改革による将来的県財政の問題、あるいは景気・雇用対策など、多くの諸課題も残っております。 そこで知事に、就任以来振り返ることなく駆け足で過ぎた二カ年であったと思いますが、まず八七・六%という高支持率についての自己分析と、この二年間の自己採点についてお伺いをいたします。 さらに、マニフェスト及びそれをもとにした「オンリーワン徳島行動計画」の達成度について、あわせて今後の最大の県政課題は一体何であると認識しておられるのか、お伺いをいたします。 次に、三位一体改革についてであります。 全国知事会の麻生会長は五月十八日の取材の中で、先送りをされた六千億円分の税源移譲に見合う国庫補助負担金削減案を七月中に地方六団体が作成、政府に提出するとの発言がなされております。六千億円に対する知事の考え方については、午前中の遠藤議員の御質問に対する御答弁でお聞きをしました。 このたび、我が県議会においても三位一体についての研究会を立ち上げております。経済財政諮問会議において財務大臣が発言された、主要一般財源をさらに四・三兆円削減、地方交付税の法定率を引き下げるなど厳しい意見もありますが、まずは先送りをされておる六千億円の税源移譲に見合う国庫補助負担金削減案の作成に当たっては、社会基盤整備のおくれている本県などの事情も考慮し、一般財源化には十分配慮して削減案を作成してほしいと思うわけであります。 私からは、各論として、今回の知事会議でもとりわけ議論になるであろう義務教育費国庫負担についてお聞きをいたしたいと思います。 同じく麻生会長は、同負担金については、地域の考え方を反映した多様な教育を実行できるよう、同負担金を削減し自治体の一般財源にすべきだと改めて言われております。しかし、義務教育費の暫定的な削減とされている負担金八千五百億円の一般財源化をめぐっては、我が自民党の義務教育特別委員会の中間報告では、義務教育の財源保障はまさしく国の責務で、全額国庫負担こそあるべき姿とし、国庫負担金を削減した場合かわる財源となる地方税や地方交付税は一般財源で使途が限定されておらず自由に使える財源となると指摘し、最も確実に財源保障するには義務教育に使途を限定した国庫負担金制度が最適であると、全廃を求める地方団体に対し正面から反論をしております。また、中教審の義務教育特別部会においても、負担金削減案が自治体の裁量の拡大につながるとする地方六団体と、裁量拡大を疑問視し、また税源移譲した際の財源保障となる地方交付税の不安定さを指摘する有識者委員との意見の対立があります。 そこで、お伺いをいたしますが、知事会を初め地方六団体の間でも意見が集約されていない中、六月には中教審からの中間報告、十月をめどに答申がまとめられる予定でありますが、そしてこれが崩れれば財源移譲が根底から崩れるとも言える大切な判断が求められるわけでありますが、知事としてのお考えについてお伺いをいたします。 続いて、吉野川河川整備計画と第十堰について、また那賀川の渇水対策についてお伺いをいたします。 去る四月十五日、国の社会資本整備審議会河川分科会が開催をされ、吉野川水系の河川整備計画策定の前段となる吉野川水系の河川整備基本方針の策定について審議が開始されました。このことは、県として吉野川の整備のあり方についての要望を御理解いただいた成果だと思います。今後は、速やかに御審議をいただき、早期の河川整備基本方針の決定、引き続いて河川整備計画の策定着手をお願いするものであります。 そこで、お伺いをいたします。 河川整備計画策定に至るプロセス及びスケジュールについて、そして特にプロセスとして、住民意見を聞いたり、検討をする場づくりは那賀川フォーラム的手法をとられるのか、どのような検討の場づくりを想定されているのか、お伺いをいたします。 次に、第十堰問題でありますが、県の方針要望、すなわち河川整備計画を堰のあり方と切り離して進める、堰については可動堰以外の方法から検討を始めるとのことであります。これにより、昨年四月二十七日、国交省は抜本的な第十堰の対策とそれ以外の吉野川河川整備の二つに分けて検討するとの発表があり、まずは早期の吉野川整備計画を策定すること、そして上流の無堤地区の解消、下流の堤防を強化する、抜本的な第十堰の対策のあり方は可動堰にこだわらず、これまで検討していない可動堰以外の方法について検討を進めるとの方針が示されたわけであります。 そこで、本年度に入って、昨年の相次ぐ台風、洪水による被害により第十堰の破損箇所のうち、上堰、下堰の各一カ所の補修が実施されることはまさしく評価するところであります。しかし、現堰を補修することと同時に、抜本的な対策も早急に進める必要があると思いますが、知事の御所見をお伺いをいたします。 次に、那賀川のまさしく渇水問題についてであります。 県土整備委員会の視察、そして今月十二日にも長安口ダム及び上流域を見てまいりました。昨年の相次ぐ台風、特に台風十号による大水で旧木沢村、上那賀町においては死者も出る山腹崩壊、無堤地区を中心とした浸水被害、そして流木がダム湖を覆い尽くすといった甚大な災害に見舞われたと思いますと、今回の渇水と、自然のなせるわざとはいえ余りにも極端な状況であり、それほど那賀川は急峻な地形であり、治水、利水の両面において管理しづらい厄介な川であります。平成五年以後の十年連続渇水が発生し、まさしく慢性化をし、毎年のようにその不安と被害を余儀なくされているわけであります。特に、ことしは平成十三年春の渇水に続く大渇水により、たび重なる利水者会議により利水制限がなされ、下流の工業・農業用水はもちろん、住民にも節水を余儀なくされております。その被害額も膨大な額となり、いつものごとく渇水がこれ以上続けば企業の存続すら危ぶまれている状況にあります。 知事みずから国交省四国地方整備局に出向かれて、河川維持流量を下回った場合でも農・工業用水の取水ができるように要請をされました。まさしく最後の手段、緊急処置でありました。那賀川については、那賀川流域フォーラム二〇三〇の提言の中で、長安口ダムの治水、利水の機能の最大限の活用のために、既存ダムの有効活用や既存ダムの堆砂対策などの案が示されております。確かに、長安口ダムの機能向上を図るには大規模な改造工事や抜本的な堆砂対策が必要であり、さきの二月議会で岡本議員提案による河川整備計画に国直轄ダムとして位置づけることが最も大切であると思われますが、国直轄管理に向けてのその取り組みとその手ごたえについて、まずはお伺いをいたします。 あわせて、フォーラム二〇三〇による提言を受け、那賀川水系河川整備方針、そして河川整備計画策定についてのスケジュールをお伺いをいたします。 次に、毎年のように発生する渇水対策として、堆砂対策を初めとする既存ダムの有効活用は急務でありますが、同時に将来にわたっての抜本的な対策とはなり得ないと思います。 私は、膨大な量の堆砂の処理、毎年流入してくる土砂をこれ以上ふやさない山腹崩壊防止のための森林整備、また細川内ダムにかわる治水・利水機能を備えたダムがまさしく必要であると思いますが、知事は渇水対策としての早急な対策と将来の抜本的対策として何が最も有効であるかとのお考えか、お伺いをいたします。 次に、公益通報制度及びいわゆる働きかけ対応制度についてお尋ねをいたします。 この二つの制度は、去る平成十五年九月定例会において可決をされた徳島県の公務員倫理に関する条例の補完的制度として位置づけられ、より透明で公正な県政の推進に資するために、平成十六年度当初から実施をしてきたことは既に御承知のとおりであります。その後、結果として一年間の実績はなく、制度の欠陥を指摘する声がある一方、制度そのものよりもむしろ職員の意識や姿勢を問う声もある中で、知事はこのたび定例会において新たな両制度の改正案を打ち出されました。 そこで、改めてお伺いをいたしますが、今回の両制度の改正に当たり、どのような基本方針で、何を重点に置いて臨んだのか、さらにそのことが改正案にどのように反映されているのかについてお伺いをいたします。 御答弁をいただき、質問を続けてまいります。   (飯泉知事登壇) ◎知事(飯泉嘉門君) 児島議員の御質問に順次お答えをいたしてまいります。 まず、八七・六%の支持率についての自己分析と、この二年間の自己採点について御質問をいただいております。 知事就任以来の二年間は、景気の回復、雇用の安定など「経済再生とくしま」、南海地震対策を初めとする「安全・安心とくしま」などに取り組み、全力疾走でまさに駆け抜けてきた、あっという間の二年間でありました。この間、できる限り多くの県民の皆様とお会いをし、そしていただきました多くの夢や希望の実現、「オンリーワン徳島」の実現に向けまして積極果敢に取り組んでまいったところであります。 就任当時、県政の混乱や景気低迷が重なり、いわばマイナスからのスタートでありましたが、県議会を初め関係各方面の皆様方の御協力を得る中で、ようやく本県の置かれた状況をマイナスからゼロにすることができたのではないか、このように考えているところであります。 また、コールセンターを初めといたします企業誘致の実現、四国初のプロスポーツチームでありますJリーグ徳島ヴォルティスの誕生、全国第五位となった情報公開度ランキング、さらには今お話もありました吉野川新時代の幕あけ、四国横断自動車道の着工など、一定の成果が見えてきたのではないかとも考えております。 次に、自己採点につきましては、本来ならば合格点を八十点程度と設定すべきところではありますが、昨年のたび重なる台風やこのたびの記録的な少雨による異常渇水といった自然災害もあり、県民の多くの皆様方に御労苦をおかけをいたしていることを考慮いたしまして、合格点を仮に七十五点と下げたといたしましても、七十四点ぐらいではないか、このように考えているところであります。 このため、このたびいただきました支持率につきましては、驚きとともに大変光栄の至りであると、このように感じており、その多くは今後における私の県政推進への期待感、激励である、このように受けとめておりまして、少しでもおこたえできますようにこれまで以上に頑張ってまいりたいと考えております。 次に、マニフェスト、それをもとにした「オンリーワン徳島行動計画」の達成度及び今後の最大の県政課題について御質問をいただいております。 「オンリーワン徳島行動計画」につきましては、「カモン・マニフェスト」を軸に、県民の皆様方の意見や夢を盛り込み発展をさせた三カ年の県政運営指針として平成十六年三月に策定をいたしたところであり、これまで計画の実行に向け、県を挙げスピード感を持って取り組んできたところであります。 計画に盛り込みました施策、事業につきましては、ほぼすべてにつきまして平成十六年度から着手をいたし、それぞれの目標達成に向け着実な推進を図っているところであります。この結果、知事直轄の危機管理組織の設置、県内すべての小学校一、二年生への少人数学級の導入、シルバー大学院の創設など、計画に掲げました目標に既に達成したものも一定数に上るなど、これまでの計画達成度を総括して申し上げたとすればおおむね順調に進捗してるのではないかと、このように考えております。 また、今後最大の県政課題につきましては、多くの県民の皆様から期待をされております景気雇用対策の推進であると、このように認識をしておりまして、踊り場にあるとされております本県経済を他地域よりも一歩でも二歩でもプラスの方向で脱するように、県民の皆さんに景気の回復、そして雇用の安定を実感していただけますように全力で取り組んでまいりたいと考えております。 さらには、生涯を通した健やかな暮らしを支える医療、福祉の充実、南海地震対策を初めといたします自然災害への防災対策、徳島のすばらしい自然環境を守り育て、そして戦略的に生かすための環境対策、出生率低下に歯どめがかからず今や全国的な課題ともなっております少子化対策につきましても、着実に推進をしていく必要があるものと考えております。今後とも「オンリーワン徳島」の実現に向けまして、これら諸課題に対しまして取り組みを一層加速をしてまいりたいと、このように考えております。 次に、三位一体改革におけます義務教育費国庫負担金の削減についての考え方について御質問をいただいております。 御承知のとおり、昨年八月、新潟県で開催をされました全国知事会議において、義務教育費国庫負担金につきましては、その制度の変遷や義務教育にかかわる国と地方の役割のあり方を初めさまざまな議論が交わされたところであります。その結果、完全な税源移譲と地方交付税による確実な財源措置を前提条件といたしまして、真の地方分権の実現に向け、地方六団体といたしまして国庫補助負担金等に関する改革案を取りまとめ、政府に提出をいたしたところであります。 これまでも地方六団体におきましては、国と地方の協議の場を通じまして、地方の改革案の趣旨に沿った改革が図られますよう、さらに結束を強化してその実現に努力をしてまいったところであります。本県といたしましても、全国の知事とともに連携をいたしながら、三位一体改革が真の地方分権改革につながりますよう、国に対し強く求めてきたところであります。 私は、真の地方分権社会の実現を国と地方の相互信頼の中で円滑に進めていきますためにも、改革案の取りまとめを地方に依頼をした国としてこの提言を真摯に受けとめ、義務教育費国庫負担金の取り扱いにつきましても誠意を持ってこたえるよう強く求めてまいる所存であります。 次に、吉野川、那賀川の問題につきまして幾つか御質問をいただいております。 まず、吉野川の河川整備計画の策定に至るプロセス及びスケジュールについて、また検討の場づくりについてであります。 吉野川につきましては、本年三月、国土交通省におきまして平成十七年度中の河川整備基本方針の策定を目指すとともに、その後速やかに河川整備計画の策定に着手するとの方針が示され、去る四月十五日に開催をされました社会資本整備審議会河川分科会では、吉野川水系に係る河川整備基本方針の策定について審議が開始されたところであります。 今後は精力的に御審議をいただき、早期に河川整備基本方針が策定をされますとともに、引き続き速やかに河川整備計画の策定に着手していただきますよう国土交通省に対し強く要望をしてまいりたいと考えております。 また、河川整備計画の策定に当たりましては、学識経験者の意見聴取、公聴会の開催などによる住民意見の反映、地方公共団体の長の意見聴取といった手続が必要であります。那賀川におきましては、河川整備計画の策定に先立ちまして、住民の皆様の意見を反映させる場といたしまして那賀川流域フォーラム二〇三〇の設置という手法をとりましたが、全国の各河川ではそれぞれ地域の実情に合った方法でさまざまな取り組みがなされているところであります。吉野川につきましても、国土交通省におきまして流域の意見が的確に反映できますよう、吉野川にふさわしい方法を検討していただきたいと考えておりますので、県といたしましても吉野川河川整備連絡調整会議などの場を通じまして要望、議論をしてまいりたいと考えております。 次に、第十堰の抜本的な対策について御質問をいただいております。 第十堰の抜本的な対策につきましては、流域住民の皆様方の間にさまざまな御意見があります。このため、平成十六年三月に流域や議会の御意見も踏まえまして流域全体としての意見を取りまとめ、その中で現堰につきましては早急に維持補修を実施すること、及び抜本的な第十堰のあり方を検討する場では、まずは可動堰以外のあらゆる方法から検討することとの意見を国土交通省に提出させていただいたところであります。これに対し国土交通省からは、抜本的な対策とは別に、必要な補修を適宜行うこと、及び抜本的な第十堰の対策のあり方につきましては、吉野川水系を現状よりも少しでもよくするため、可動堰にはこだわらずにこれまで検討していない可動堰以外の方法について検討を進め、あらゆる選択肢について評価を行い、結論を得たいとの方針が示されているところであります。 現在、現堰につきましては、今年度より補修工事が実施される予定となっておりますが、すべての補修を終えますには数年を要する、このように考えております。 また、第十堰の抜本的な対策につきましても、洪水時の水位観測などの基礎的データの蓄積を行っているところであります。今後、引き続き国土交通省との連絡調整を密にいたしますとともに、国に対し抜本的な第十堰のあり方について検討が進められますよう強く要望してまいりたいと考えております。 次に、長安口ダムの国直轄管理に向けての取り組みとその手ごたえについて御質問をいただいております。 長安口ダムの治水、利水両面にわたります有効活用につきましては、先ほども申し上げました那賀川流域フォーラム二〇三〇の提言の中にも対策案が示されておりますが、その具体化には大規模な施設改造を伴いますため膨大な経費と高度な技術力が必要となってまいります。 また、抜本的な堆砂対策につきましては、全国的にも実施例が大変少ない状況の中で最先端の技術検討を行わなければならないなど、県だけで取り組むには非常に重い課題であります。このため、長安口ダムの大規模な改造工事を国直轄事業として取り組んでいただくこと、国直轄管理ダムとして将来にわたって管理していただくことが必要であると、このように考えております。 こうしたことから、去る五月に行いました平成十八年度政府予算に対する重要要望におきまして、河川整備計画の策定に当たりましては流域の意見も踏まえ、長安口ダムの国直轄管理について検討をすることの一項目を初めて上げ、要望活動を行ったところであります。さらに先般、那賀川の厳しい渇水状況にかんがみ四国地方整備局長に渇水対策の要望を行った際、長安口ダムの国直轄管理につきましても、那賀川水系の河川整備計画を策定する過程で十分検討するとの回答をいただいたところであります。 昨年の相次ぐ洪水被害に続き、今年は大渇水という那賀川の実情を国に十分御理解をいただきまして、長安口ダムの国直轄管理が河川整備計画に位置づけられますよう国への要望を重ねますとともに、那賀川再生に向け全力で取り組んでまいりたいと考えております。 次に、那賀川水系河川整備基本方針及び河川整備計画策定のスケジュールについて御質問をいただいております。 吉野川同様、那賀川につきましても、本年三月国土交通省におきまして、平成十七年度中の「那賀川水系河川整備基本方針」の策定を目指しますとともに、その後速やかに河川整備計画の策定に着手をするとの方針が示されているところであります。 現在、国土交通省におきましては、河川整備基本方針案の検討が進められておりますが、河川整備基本方針の策定には社会資本整備審議会河川分科会による審議が必要なことから、吉野川に引き続き、その審議が早期に開始されますよう国に要望をいたしているところであります。 また、その後の河川整備計画の策定に当たりましては、学識経験者の意見聴取を初めとする河川法に定められた手続を経る必要があります。河川整備計画策定までの期間は、全国におけるこれまでの事例を見ますと、河川整備基本方針の策定後一から二年程度を要しておりますが、那賀川の厳しい状況にかんがみ少しでも期間短縮が図られますよう国土交通省とともに取り組んでまいりたいと考えております。 次に、渇水に対する早急な対策と将来の抜本的な対策として何が最も有効であるのかについて御質問をいただいております。 那賀川におきましては、三月以降異常少雨のため、四月二十六日より農業用水、工業用水で取水制限が開始をされ、現在も六〇%という厳しい取水制限が継続されているところであります。 県では、去る五月二十五日に徳島県渇水対策本部を設置をいたしまして、川口ダムの最低水位以下の貯留水の活用、貯留水をも使い切った後における河川の自然流量から取水など、今回初めてとなる応急対策を講じてまいったところであります。那賀川ではほぼ毎年のように渇水が発生をいたしておりますことから、来春には同様の渇水被害が生じないような方策を早急に検討、実施していく必要があると、このように考え、現在戦略的調整会議におきまして早急な対策について全庁的に取り組みを行っているところであります。 また、抜本的な対策といたしましては、ダムなどによる貯水容量の確保が必要と考えており、御提案の既存ダムの堆砂対策、ダム湖への流入土砂をこれ以上ふやさない山地崩壊防止のための森林整備、細川内ダムにかわる利水機能を備えたダムなどは有効な対策の一つであると、このように認識をいたしております。しかしながら、新規ダムにつきましては、那賀川流域フォーラム二〇三〇におきましてもさまざまな御意見があり、長期的な将来の姿として検討することと提言をされているところであります。 このため、今後二十から三十年の渇水対策といたしまして、水源地域での治山事業や間伐等の森林整備によります水源涵養機能の増進に積極的に取り組んでまいりますとともに、長安口ダムの有効利用や堆砂対策などにも取り組んでまいりたいと考えておりまして、那賀川流域フォーラム二〇三〇の御提言をもとに河川整備計画を策定する中で、国の力もおかりをしながら具体的な検討を進めてまいりたいと考えております。 次に、公益通報制度及び働きかけ対応制度の改正についての御質問をいただいております。 両制度につきましては、過去一年余の間通報などの実績はなかったところでありますが、そのこと自体が制度上の欠陥ということではなく、むしろ不当な働きかけに対し抑止力が働いたといった一定の効果があったのではないか、このように考えているところであります。 このため改正に当たりましては、現行制度のよい点は残し、改善すべきところは改善するという基本方針のもと、公益通報制度につきましては、職員が通報しづらいのではないかといった御意見を踏まえた改善方策、働きかけ対応制度につきましては、相手方の署名を得られない場合の改善方策に重点を置いて検討を進めてきたところであります。その結果、公益通報制度につきましては、職員がより通報しやすい環境を整備することといたしまして、現在の受付相談窓口に追加する形で外部通報窓口を設置をし、その業務を弁護士に委託をすることといたしたところであります。あわせて、業務改善等管理委員の機能強化を図るなど、所要の改善も図ることといたしたところであります。 また、働きかけ対応制度につきましては、相手方に働きかけの事実確認を行い、そのあかしといたしまして署名を得て、相手方の氏名を含めて公開をするという本県制度の特徴を維持した上で、働きかけの事実の有無の確認を第三者である弁護士に委託をすることによりまして、客観性、透明性を確保するという制度を新たに設けることといたしたところであります。 以上のとおり、現時点においてとり得る限りの措置を講じたものであり、今後とも両制度の運用のみならず、あらゆる機会を通じ、透明で公平、公正な県政の推進に全力を傾注してまいりたいと考えております。   (児島議員登壇) ◆三十八番(児島勝君) 知事から就任二年間の総括と今後二年間の県政の重要施策について御答弁をいただきました。知事のアイデアと実行力はだれしも評価するところでありますが、まさしく所信に示されましたように、今本県にとって何が必要かつ急務な政策であるかの選択と、まさしく優先順位が必要であると思います。部局版マニフェストが作成をされ、着実なその実現に向けてさらなる御努力をお願いする次第であります。 七月の全国知事会において、三位一体改革については六千億円分の税源移譲と義務教育費の国庫負担金の方向性については地方の意見を十分に反映していただけますようにお願いをいたしますとともに、十九年からの第二期改革に向けての議論も始まると思います。基本にあるのは、まさしく国と地方のなすべき役割をより明確にし、地方においてもひとしくインフラ整備や同レベルの行政サービスを受けることのできる制度改革が図られますように、まさしく地方の声を上げていただきたいと思う次第であります。 吉野川、那賀川においては、まず河川整備計画の早期策定に全力を傾注することが今喫緊の課題であると思います。那賀川につきましては、当面の渇水対策について、長安口ダムの改修と堆砂対策でありますから、国直轄管理の実現こそが最も大切なものであると思います。お話にもありましたけれども、第十堰にしても、那賀川の細川内ダムにかわるダムにいたしましても、抜本的な対策というのは決して二十年後、三十年先の長期的な対策ではなくして、緊急対策と同じく検討すべき重要な将来の課題だと思いますので、この点についてもよろしくお願いを申し上げる次第でございます。 公益通報制度及び働きかけの制度につきましては、あえて申しますと、これまで両制度についての議論を振り返ってみますと、余りにもその成り立ちに固執したとも言える議論に終始をしてきた感があると思います。その呪縛からやっと離れた視点で今回の制度改革を改めて評価をするところでありますが、まさに激流の中にある県政のあるべき方向性を見出すことこそが我々の使命でなかろうかと痛感をする次第でございます。 それでは、続けて質問をしてまいります。 県立病院と中央病院改築についてであります。 県立病院のあり方と県立中央病院の改築についてお伺いをいたしたいと思います。 中央病院、三好病院、海部病院のそれぞれの地域の中核医療機関として特性を発揮しながら、また公立病院としての役割を果たしてまいったと思います。しかし、それに並行して、経営赤字が累積するという経営面での問題も抱えております。そして、今日、時代変化に対応できる公立病院のあり方が問われ、また南海地震に耐え得る県の中核病院としての中央病院の改築が計画をされ、平成十七年度からは地方公営企業法の全部適用を機会に、「徳島県病院事業経営健全化計画」が示されたわけであります。また、県においても、それに対応すべく病院局を新たに設置をされ、初代管理者に塩谷先生が就任をされたわけであります。 しかし、前段申し上げましたように、病院経営と県立病院としての公的な役割という相反する状況がありますが、病院再建という豊かな経験を持たれている塩谷先生の改善の理念に職員の意識改革を挙げられておりますが、先生から本会議において今後の徳島県立病院のあるべき姿と事業経営健全化の理念及び基本方針についてお答えをいただきたいと思います。 また、中央病院改築につきましては、新整備方針が出されておりますが、改めて改築に当たって中央病院の新しい特色と担うべき役割について、さらに今後の改築スケジュールについてお示しをいただきたいと思います。 次に、教育問題に入ります。 教育は、国家という存在を抜きにしては語れないと思います。その国がどのような状況にあり、どこに進もうとしているかによって、人々の生きざまも、したがって教育の中身も変わってくるからです。私たちが教育を考える上では、この家族、社会、国家の関係を抜きにしては語れないと思うのであります。二十一世紀の日本では、二十世紀に比べてはるかに一人一人の人間が大切にされなければならないと思います。と同時に、それは国家の存在を否定することでもありません。国境は存在し続け、国籍が持つ意味は相変わらず重いものがあります。国民国家としての現代国家では、個人の自由濶達な生き方と主権の確立された国家の存在は何ら矛盾することではなく、両立できるはずと思います。国民国家としての日本が生き生きとして存続していく条件とは一体何であろうか。日本の新しい国家観が今問われているゆえんであります。 戦後の日本は、経済が順調に成長し自由を謳歌できた分だけ、なぜか国家という存在が希薄になってまいりました。同時に、個人が家庭や社会との接点を喪失してしまいがちになり、そのことがまさにいろいろな矛盾や問題を引き起こしているのではないでしょうか。アメリカを見ればよくわかりますが、国家を構成しているのは肌の色や文化が違うさまざまな異なる民族の人々であります。彼らはアメリカ国籍を持つことによってアメリカ国民としての生活をしております。このともに生きる知恵を生むのがまさしく教育であろうと思います。人間としてこうした基盤の上に、私たちは子供にしっかりとした学力をつけてやらなくてはならないと思います。 国旗や国歌を否定したり、ジェンダーフリーで議論があったように単に自由と平等だけが強調され、本来の日本人としての国に対する誇りやよき文化までも歪曲した教育は、若者を、そして国家を滅ぼしかねないと思います。 そこで、知事に教育観についてお伺いをいたしたいと思います。 次に、文部科学省は、受験戦争に明け暮れた詰め込み教育のひずみによる中途退学の急増、いじめ、青少年非行増大などの解消の一環としてゆとり教育の導入を図ってまいりました。しかし、ここにきて学力の低下やいろいろの弊害から、ゆとり教育の見直しが図られようといたしております。 そして、残念なことではありますが、全国的にも、特に本県においても教員の不祥事件が相次ぎました。学校教育の成否は、個々の教員の資質、能力に負うところが大きく、いかに採用段階で教員としてふさわしい資質、能力を備えたすぐれた人材を確保するかであると思います。これは決して学力だけでなく、教員としての情熱ややる気、使命感を持った人材であるかが重要であるということであります。採用の割合を見てみますと新卒に比べて経験者が多いことから、そういった見きわめや適性がやり方によっては十分反映されると思います。 そこで、教員採用試験において、本県としてどの点に力点を置き実施しているのかお伺いをいたします。 次に、教員の研修についてであります。 今、初任者研修、五年次研修、十年次経験者研修といった基本研修のほかにも、職務研修ということで希望により多くのカリキュラムが組まれております。このことは、教員としての技術力アップには成果をおさめていると思われます。しかし、研修の内容の中でみずからの教員としての自覚を高めたり、教える力をさらに養う研修がなされているかどうかは疑問に思えてなりません。文部科学省からの決まり切ったメニューではなく、教員の教える力、指導力アップにつながる研修がなされているかどうか、また本県として独自性のある研修がなされているか、お伺いをいたします。 次に、入学者選抜制度が、学校選択の機会を充実し、生徒の主体的な進路選択を促進するとともに、学校自体も特色ある学校づくり、入試にも反映することを目的に、平成十六年度実施、ことしで二回目が実施されたわけであります。 実施に当たっては、保護者、学校現場からもさまざまな意見があったと思います。平成十六年入学者が卒業する十八年度を経過してみなければその成果を語ることはできないと思いますが、二回目を実施して、改善案についてのアンケートもされ、十八年度に向け改善検討委員会も開催をされておりますが、入学制度、学区制により学校の特色が失われ、学力低下やスポーツの成績の低迷を招いている気がしてなりません。前期、後期の入試制度でこれらの課題を解決できるのかどうか、教育長のお考えをお伺いをいたしたいと思います。 御答弁をいただき、質問を続けてまいります。   (飯泉知事登壇) ◎知事(飯泉嘉門君) 私の教育観について御質問をいただいております。 近年、国際化、高度情報化、少子高齢化の進展など急速な社会変化が加速化する中で、さまざまな社会の変化に柔軟に対応する教育や一人一人の個性、多様性に応じた教育の展開が強く求められているところであります。 一方、目まぐるしく社会が変化をいたし価値観の多様化が進む中で、従来にも増して美しいものや自然を愛する心、他人を思いやる心、我が国の歴史や文化、伝統などを大切にする心など、時代が変わろうとも尊重されるべき価値を見きわめ、次代に継承していくこともまた極めて重要である、このように考えております。 こうしたことを踏まえまして、私が本県教育に求めますことは、徳島のよき伝統文化を大切にしながら、時代の変化に的確に対応をし、二十一世紀の「オンリーワン徳島」を創造する個性あふれる、心豊かでたくましい人づくりであります。そのためには、子供たちがゆとりを持って学習できる環境づくりや、子供たちの個性を尊重し、一人一人の能力、適性などを生かした教育を進めていくことが重要である、このように考えております。 二十一世紀徳島の将来を担う子供たちが、夢を持ち、未来に羽ばたいていけますよう、教育の振興に全力で取り組んでまいりたいと考えております。   (塩谷病院事業管理者登壇) ◎病院事業管理者(塩谷泰一君) 今後の県立病院のあるべき姿と経営健全化の理念及び基本方針についての御質問ですが、私は県民に支えられた病院として、県民医療最後のとりでとなるという、本県病院事業の基本理念の具現化された病院、すなわち県民の皆様方から税金という形での御負担と信頼をいただき、救命救急医療、がん医療等の高度医療や特殊医療、また地域に密着し、かつ地域の特性を反映した医療、このような医療を提供できる病院こそが、今まさにお尋ねの県立病院のあるべき姿だと考えております。 そして、三つの県立病院がそれぞれ期待される役割を十二分に理解した上で、患者さん中心の医療を提供してまいりたいと考えております。そのためには経営基盤の確立が必要不可欠であり、「経営の安定なくして良質な医療なし」との信念を持って病院改革に取り組んでまいりたいと思っております。 次に、どのような基本方針のもとで経営健全化を図るのかということでありますが、私は、職員の意識の覚せいがなければ県立病院の再生はあり得ないと考えております。 そこで、ことし一月より理事に就任して以来、三つの県立病院のすべての部門の職員との対話を重ね、日常性に埋没するのではなく、みずからの仕事を根本から見詰め直し、やり直し、仕事に対する誇りと生きがいを持ち、またファインチームワークで支える思いやりの心、これを共通言語に、県民の皆様方から「そこまでやっていただいてるのなら税金を投入して結構ですよ」と言っていただけるような県立病院にしようと訴えてまいりました。幸い、職員みずからの仕事に対する意識、経営改善に対する意識、これらは徐々に変わりつつありますが、まだまだ十分であるとは言えず、今後さらに意識の覚せいを求めつつ、経営の健全化に向けたさまざまな施策を確実に、着実に実施してまいりたいと考えております。 次に、まず県立中央病院の新しい特色と担うべき役割についての御質問でございますが、県立中央病院は築後三十年余りを経過し、施設が老朽かつ狭隘化していること、さらには災害拠点病院としての機能を果たすためには構造上の問題があること等の理由により改築することとし、本年度基本設計に着手することとなりました。平成十六年十月に策定した徳島県立中央病院改築新整備方針において、新しい中央病院の役割として、救命救急医療、小児救急医療、がん医療、災害医療、へき地医療等を重点的に担うべきとしております。また、徳島大学病院と連携し総合メディカルゾーンとしての整備を図ることも、新しい特色の一つであると考えております。 次に、今後の改築スケジュールについてでございますが、現在予算化されております基本設計の発注に向け諸準備を進めているところでございます。次年度以降におきましては、基本設計の完了後、引き続き実施設計に取り組むとともに、埋蔵文化財の発掘調査等にも着手したいと考えております。 なお、開院時期につきましては、平成二十三年度中というのが最も早い開院となる見込みですが、今後さまざまな諸課題につきまして関係機関とも十分協議を行い、できる限り早期に開院できるよう努力してまいりたいと考えております。   (佐藤教育長登壇) ◎教育長(佐藤勉君) 教員採用試験において、どの点に力点を置いているのかという御質問でございますけれども、学校を取り巻く状況が大きく変化する中で、教員に対しては実践的な指導力や専門性に加え、豊かな人間性や幅広い社会性が従来にも増して求められておるところでございます。 このようなことから、県の教育委員会といたしましては、教員採用審査において、一次審査では、専門的な知識、技能を見るための筆記・実技試験に加え、多面的に受審者を評価する目的で集団面接を取り入れるとともに、二次審査におきましては、総合的、実践的な指導力や専門性を見るための模擬授業、論文審査、より深く人物を見きわめるための個人面接を行っているところでございます。また、集団面接及び個人面接におきましては、民間人面接官による評価も行っております。 このように採用審査においては、教員としての能力、資質を総合的に評価をしておるところでございますけれども、本年度の採用審査においても、一次審査の集団面接の時間を従来よりも長く確保することで、受審者一人一人の能力、資質をより適切に把握できるようにすることとしておるところでございます。今後におきましても、本県の教育を担う教員としてふさわしい人材の確保に一層努めてまいりたいというふうに考えております。 次に、教員の教える力、指導力アップにつながる独自性のある研修がなされているかとの御質問でございますけれども、すべての教員が受講する初任者研修と十年経験者研修は、教育公務員特例法で義務づけられ、内容については大枠を決められているわけでございますが、例えば企業研修やボランティア研修等を実施し、体験的な活動を通して教員としての視野を広めるとともに、教員としての自覚を高めるよう努めるなど、工夫を凝らしているところでございます。また、五年次研修は本県独自の研修であり、これまでの教職経験を振り返り教員としての使命を自覚するとともに、教員に求められる教育実践の向上を図っているところでございます。 言うまでもなく、研修において最も重要なことは、みずからが研修の意義を認識し、みずからの人間性または指導力を高めるための努力をすることでございます。そのため、昨年十一月にオープンした総合教育センターを中心といたしまして、大学や地域社会と連携しつつ、教職員一人一人のニーズに対応できる多様な研修を行っているところでございます。県の教育委員会といたしましては、今後とも教員としての情熱や使命感を持ち続けるとともに、児童、生徒に対する指導力の向上を図れるような研修の充実に努めてまいりたいと考えております。 次に、前期、後期の入試制度で学力低下やスポーツ成績の低迷を解決できるのかとの御質問でございますが、平成十六年度の入試から、学校選択の機会を拡充し、生徒の主体的な進路選択を促進し、特色ある学校づくりを進めるため、前期選抜、後期選抜による入試制度を実施しております。 この入試制度の前期選抜では、各高校が学校の特色や志願してほしい生徒像を示し、学習活動面を重視した選抜と、芸術、文化、体育、スポーツなどの活動面を重視した選抜を行うなど、志願者一人一人がその特性を生かすことができる制度となっております。その結果、各高校におきましてはそれぞれの学校、学科の特色に応じた能力や適性を持つ生徒が入学するようになり、特に体育・スポーツの分野におきましては、以前の推薦入試による三百七十名ほどの合格者に対しまして、五百五十名前後と大幅に増加をしておるところでございます。 学力やスポーツの成績につきましては、新入試がこれまで二回しか実施されていない状況でもございます。その成果があらわれるにはまだしばらく時間が必要でございますけれども、生徒、保護者へのアンケートの結果や中学校、高校教員の意見によりますと、本入試制度の目標におおむねかなった評価を得ているところでございます。 県教育委員会といたしましては、今後とも本入試制度の趣旨が十分に生かされるよう努めてまいりたいと思っておりますけれども、なお議会での御議論を初め多くの皆様方の御意見をいただく中に、外部委員を含めた入学者選抜制度改善検討委員会で十分な議論をしながらさらなる改善に取り組んでまいりたいと、このように考えております。   (児島議員登壇) ◆三十八番(児島勝君) 久しぶりの質問で時間が足りません。予定をいたしておりました項目を一部省かせていただきますが、塩谷管理者におかれましては、まさしく就任のあいさつにもございました地域医療の最後のとりでということで、先生の改革に向けてのその意思を十分貫いていただいて、徳島県の公立病院のあるべき姿の確立に向けて思う存分頑張っていただきたいと思います。 教育に関しては一点だけ、入試制度の前期・後期選抜についてでありますが、まさしく後期の合格者のほとんどが前期の受験校に入学しているという状況からすれば、あえて前期で不合格にする必要性があるのかどうか、これがどうしても理解をできないわけでございます。今後、十八年度を経過し、見直しを含めて検討してまいりたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。 それでは最後に、観光問題について御質問をさせていただきます。 私はかねてより、少子高齢化が急速に進む本県にあって、県勢発展を図るためには交流人口を増大させることが最も効果的であると考えてまいりました。こうしたことから、これまでもこの壇上から、神戸-鳴門ルートの全線開通後の本県への観光客の増加見込みや経済効果についてお伺いをするとともに、高い経済効果を見込める滞在型観光の推進の方策についてお尋ねをしてまいりました。本県経済の現状は幾分明るさが見えるとの報道もありますが、その実感がわいてこないのは私だけではないと思います。 観光は、ホテルや観光施設といった観光産業のほかに、農林水産業や各種製造業にも波及効果を及ぼすすそ野の広い分野であると言われております。このため、全国各地において地域活性化の切り札として注目をし、さまざまな創意工夫を凝らした取り組みが行われ、地域間競争も相変わらず強いものがあるわけであります。 これまで本県では、阿波踊りや鳴門の渦潮といった従来からの観光資源に依存し、新たな資源の発掘や創造といった面が弱いのが実情でありました。しかしながら、ここにきて四国初のJリーグチームである徳島ヴォルティス、新たに誕生した四国アイランドリーグ、板東俘虜収容所を舞台とした映画「バルトの楽園」の制作が決定をし、秋ごろから鳴門の大麻に建設をされるロケセットを中心に撮影が開始をされるなど、まさしく交流人口を増大させ、本県の観光を飛躍させる上での大きなチャンスがめぐってまいりました。これからの知恵と汗の出し方が、本県の観光のありさまを決める大事な時期であります。この正念場とも言える今こそ、県はもとより市町村、観光業者、さらには県民が知恵を出し合い、県外の方々にとって魅力ある徳島の観光ブランドの確立を高めていかなくてはなりません。 そのためには観光振興における官民一体となった取り組みが求められており、その中で行政と民間の調整などを行いながら、地域のイメージを演出していく観光ネットワークの中心的な存在が不可欠であると考えます。この核となって本県観光振興を推進できるのは、公益法人という特性から事業者や観光客に信頼をされ、しかも行政が推進する施策や事業のパートナーとなり得る徳島県観光協会だと思うのであります。しかし、残念ながら現在の協会は、事業者や観光客から期待される主体的な事業展開が十分行われていないのが実情であり、また過去の観光開発に伴う用地取得などによる三十二億円の負債の処理が懸案となっております。 このたび、観光協会の今後のあり方などを抜本的に検討する観光協会改革推進委員会からの報告書が県に提出をされ、議会にも報告がなされるところであります。その中で、観光の持つ地域経済への効果等も勘案をし、観光協会が本県観光振興のために必要な組織として再生を図るべきであること、そのためにもまず速やかに債務超過を解消すべきであるとの提言がなされております。私も、この方向性を踏まえた対応が速やかに図られる必要があると考えております。その上で、観光協会は本県観光の活性化につながる取り組みを積み重ね、その成果が目に見える形で示されなければならないとも考えております。 そこで、新生観光協会が取り組む事業の一例として提案がございます。旅の大きな楽しみの一つは、訪れた土地の歴史や文化に触れることであります。むしろ歴史小説好きにはそれが唯一にして最大の目的とも言えます。来年、NHKの大河ドラマは司馬遼太郎原作の「功名が辻」でありまして、お隣の高知県では早くもこれを観光資源として売り出すべく積極的な情報発信を行っております。 翻って本県におきましても、歴史を踏まえた地域振興の素材として活用できるものがございます。その一つとして、地元でございますが、室町時代後期に那賀川町に居を構えた当時の足利将軍家の流れをくむ、すなわち阿波公方であります。歴史をひもといてみますと、中央との複雑な政治情勢の中で、九代、二百七十年にわたり、当時は県南部における学問、文化の中心として地域に大きな影響を与えてまいりました。幸い那賀川町においては、おいしいお米や天然アユ、ウナギといった食材も豊富であります。こうした歴史や文化、それに食などを組み合わせて地域の魅力づくりにつないでいく必要があります。このような取り組みは、既に周知のもの以外では直ちに旅行エージェントが商品化し取り上げることは、採算面などから実現性に乏しいものと考えられます。しかしながら、こうした地域の観光資源を地道に掘り起こし、磨きをかけていけばすばらしいものになると思うのであります。そのためには、地元に何度も足を運んで地域の機運を盛り上げるとともに、観光事業者にも働きかけるなどして商品化にまでこぎつけるといった粘り強い取り組みが不可欠であります。ピンチをチャンスにかえるためにも、こうした役割を観光ネットワークの中心的存在として期待をされる観光協会が果たすべきと考えますが、知事の御所見をお伺いをいたします。 陸上自衛隊の誘致に関して質問がございましたが、これはまとめで御提案にかえさしていただきます。   (飯泉知事登壇) ◎知事(飯泉嘉門君) 地域の観光資源の商品化には粘り強い取り組みが必要であるが、こうした役割を観光協会が果たすべきではないかとの御提言をいただいております。 議員御提案のとおり、那賀川町の阿波公方を初め、地域に長く受け継がれ今も息づく歴史や文化には果てしない夢やロマンがあり、多くの人々を引きつけてやまない魅力を秘めております。 今後の観光振興におきましては、歴史や文化といった地域の誇りであります資源にスポットライトを当て、風景や食など新たな趣向を凝らし、組み合わせ、観光資源にまで磨き上げていく取り組みが重要である、このように考えております。 そのためには、地域に働きかけ機運を盛り上げていくとともに、行政や民間事業者とのパイプ役、調整役などネットワークの中心となって魅力ある旅行商品にまで高めていく組織がまさに不可欠であります。この役割を担うのが県観光協会であると、このように考える次第であります。協会が本県観光振興のために必要な組織として再生を図るべきであるという徳島県観光協会改革推進委員会からの御提言を真摯に受けとめ、県議会を初め県民の皆様の御理解を賜りながら、一日も早く観光協会を再生をさせ、積極的にその活用を図ることによりまして本県の観光振興につなげてまいりたい、このように考えております。   (児島議員登壇)
    ◆三十八番(児島勝君) それぞれ御答弁をいただきました。 逆境のときこそ打って出る、我が県は観光面で県外に向けて売り出す自然、歴史、イベントの条件が今整っております。観光協会が再生をされて、新しい徳島の観光、魅力を全国に発信をしていただきたいと思います。 陸上自衛隊については、質問の時間はなかったわけでございますが、昨年、那賀川町に本県の初めての陸上自衛隊が誘致ということで政府の方針が示されたわけでございます。次期中期の防衛計画の年数から算出をいたしますと、ことしじゅうに用地を決定し、来年の概算要求に向けて県としての条件整備を全力で取り組まなくてはならない、そんな重要な時期を迎えております。先般も知事が防衛庁へみずから足を運んでいただいて要請もいただいておるようでございますが、さらにことしのそういった一歩前進に向けましての御努力をお願いを申し上げる次第でございます。 欲張りまして質問の時間もございません。今我が国は、悪い言葉で言うならまさしく平和ぼけをいたしております。全く危機管理意識が、そして体制がなっていないというのが実感であります。先般のJR西日本での列車事故に象徴されますように、本県においても、今回の大渇水の対策においても同じであります。毎年のように渇水の危機が起こりながら、打つ手もなく先送りをされてきたわけであります。我が県も、南海地震対策や食の安全、県財政、水不足、少子化問題など、多くの危機を抱えておるわけであります。 先人が言う「転ばぬ先のつえ」、このことわざのように、今しておかなくてはならない政策の選択と、まさしく予防が重要であります。今は、水がない、金がない、時間もない、しかし我々には知恵があるわけであります。知事、理事者、議会も、そして知恵を出し合いながら県民の御理解もいただき、当面するこの危機に対応すべく相互の検討を確認し合いながら、私のすべての質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)   ──────────────────────── ○副議長(長尾哲見君) 議事の都合により、休憩いたします。      午後二時十三分休憩   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━    午後二時三十九分開議      出席議員計三十六名          (その番号・氏名左のとおりである)     二  番     豊  岡  和  美 君     三  番     吉  田  益  子 君     四  番     本  田  耕  一 君     五  番     宮  本  公  博 君     六  番     扶  川     敦 君     七  番     達  田  良  子 君     八  番     古  田  美 知 代 君     九  番     山  田     豊 君     十  番     木  南  征  美 君     十一 番     川  端  正  義 君     十二 番     森  田  正  博 君     十三 番     須  見  照  彦 君     十四 番     重  清  佳  之 君     十五 番     嘉  見  博  之 君     十六 番     臼  木  春  夫 君     十七 番     黒  川  征  一 君     十八 番     庄  野  昌  彦 君     十九 番     橋  本  弘  房 君     二十 番     冨  浦  良  治 君     二十一番     宮  城     覺 君     二十二番     岡  本  富  治 君     二十三番     藤  田     豊 君     二十四番     西  沢  貴  朗 君     二十五番     吉  田  忠  志 君     二十六番     北  島  勝  也 君     二十七番     福  山     守 君     二十九番     大  西  章  英 君     三十 番     長  尾  哲  見 君     三十一番     長  池  武 一 郎 君     三十二番     竹  内  資  浩 君     三十三番     遠  藤  一  美 君     三十四番     阿  川  利  量 君     三十五番     佐  藤  圭  甫 君     三十八番     児  島     勝 君     三十九番     中  谷  浩  治 君     四十三番     榊     武  夫 君   ──────────────────────── ○議長(佐藤圭甫君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 十七番・黒川征一君。   〔木下・森本・来代三議員出席、出席議員計三十九名となる〕   (黒川議員登壇) ◆十七番(黒川征一君) きょうはちょうど六十年前の太平洋戦争の事実上の終結であるって言われる沖縄戦の戦いがあって、六月二十三日というのはそうした意味できょう慰霊の日があったわけでありますが、沖縄の小学校六年生の上原さんが「戦争は嫌です」と、平和でなければいかんということを力強く述べておりまして、総理大臣との違いを感じていたのは私だけではないと思ってます。 今、憲法第九条第二項を改正して戦争をする国、できる国へ向けて、何か危険な方向へ進んでいるような感じがするわけでありまして、そうした意味で六十年前の敗戦というこの思いを見たときに、本当に戦争の悲惨さ、二十三万人が亡くなったというのが沖縄のあの戦いであったわけであります。そうした意味で、きょうの慰霊の日の小学校六年生の上原さんの、きょう聞きながら意を強くして、戦争に反対する、平和を守る、憲法第九条を守る、憲法第九条第二項を守る、そこまで力強く進まなければいけない、これが私の使命であると、そんな思いをしておるとこであります。 そこで、知事の所信表明の中で、最後につけ加えていただきました徳島県西部を舞台とした「村の写真集」が先般の第八回の上海映画祭で日本映画として初めて見事グランプリに当たる金爵賞を受賞されましたことは非常に喜ばしいことでありますと。映画の力に加えて、本県の自然と人情が広く世界にも通用するすばらしいものであることを確認できたことは、今後「にぎわい活力とくしま」を創出していく上で県民の大きな自信と誇りになりましたということを述べられていました。本当にそういう意味で徳島県の誇りでありますし、上海映画祭で金爵賞をもらった、そんな意味で知事もそういう思いであるというふうに述べましたが、この六月定例県議会の中におけるやりとりを聞いて、徳島県民としても、ああ知事の答弁は誇りを持てるし、潤いを持てるし、元気が出る、頑張れると、そんなような答弁もいただくことを心からお願い申し上げまして、私の本題の質問に入りたいと思います。 新風21を代表して、県政の当面する喫緊の重要課題について質問いたしますので、よろしくお願いいたしますし、真摯で前向きな答弁もお願いしておきます。 それでは、質問に入りたいと思います。 昨年は徳島県内に六回も台風が上陸し、多くの人命が奪われ、また家屋、道路、河川などの破壊、流出といった甚大な被害を受けました。いまだ復旧・復興の途上にあるわけですが、ことしは三月以降の少雨に伴う那賀川の渇水で、まことに厳しい状況にあります。知事は、渇水被害を最小限に食いとめるため、河川維持流量から少しでも取水できるよう国に要望し、実現できました。しかし、農業用水、工業用水については多大な被害が発生しています。こうした渇水はほぼ毎年のように出ていますから、来春には同様の渇水被害が生じないよう、水も漏らさぬ方策を早急に検討し、実行されるよう強く要望しておきます。 また、不信任された前知事との激戦を制して初当選した飯泉知事さん、早いものです、二年余りがたちました。この間、元知事の汚職事件以来続いてきた県政の混乱、選挙のしこりは過去のものと思えるようになりましたか。世論調査の高い支持率を見る限りにおいては、私も混乱が過去のものと思えるようになったと思います。就任三年目に入りました飯泉知事の評価について、徳島新聞が行った世論調査によれば、「支持する」、「ある程度支持する」を合わせて支持率が八七・六%になりました。長野県の田中知事が就任当初に九〇%を超えていましたが、これに迫る高い水準です。マスコミは就任以前の県政混乱の反動が高い支持率につながったと見ています。この結果におごることなく、さらなる御精進を期待するものであります。 さて、徳島県町村会は、新市町村合併特例法に基づき総務省が先月告示した基本指針に関し、国はいかなる形でも合併を強制することのないように努める要請書を知事と議長に提出する予定と仄聞しております。構想では合併の対象となる市町村の組み合わせを示すこととされ、指針では、その対象となる市町村の一つとしておおむね人口一万人未満を目安とする小規模な市町村が例示されています。しかしながら、それぞれの町村は、歴史的な経緯、文化、風土や自然的・地理的条件が異なっているので、構想の作成に当たっては、指針にも明記されている地理的条件や人口密度、経済事情等を重視し、地域の実情を十分踏まえたものとすることであります。特に、知事は合併協議会設置勧告などができますが、自主的な合併に必要な助言、情報公開にとどめ、合併ができない、しない町村に対して制裁的な財政措置を講じないように求めておるところであります。知事の見解を求めます。 次に、出先機関の再編統合についてであります。 二十一世紀の地域機関のスタンダードを目指して設置した南部総合県民局は、六月一日の県民センターの開設により全面オープンとなりました。今後、県南部圏域の将来を地域とともに考え、皆さんから愛され、頼りにされ、名実ともに地域完結型の総合行政機関を目指すとうたわれております。知事は一週間にわたって移動知事室を開催し、県民局の機能、役割の周知に努めましたが、そこで何を体得しましたか。二〇〇六年度、来年度の西部総合県民局開設に向け、それをどのように生かそうと考えていますか。南部総合県民局の成果もあれば、欠陥もあると考えます。不安と不満を取り除ける御答弁を求めます。 次に、全国知事会議が来月の十二日から十四日にかけて徳島県で初めて開催されます。飯泉知事は歓迎の言葉で、「徳島県は、鳴門の渦潮、四国三郎・吉野川に代表される豊かな自然を有し、阿波踊り、人形浄瑠璃、藍染といった伝統文化が息づくとともに、進取の気質に満ちた県民性もあわせ持った県でございます」と述べています。続けて、「徳島に生まれてよかった、住んでよかったと実感いただける、全国に誇る「オンリーワン徳島」の実現を目指している」と語っていますが、今回の会議は、三年目を迎える国の三位一体改革に向けて、知事の姿勢を示す重要な場であります。知事は記者会見で、義務教育費の国庫負担の扱いなど積み残しとなっている課題とともに、第二期改革につなげていくかがポイントになると述べています。知事会議に向けて、こうした知事の姿勢、意気込みが具体的にどのような形であらわれるのか、注視していきたいと思います。 このことに関連して、一点お伺いいたします。 今回の知事会議では、「環境首都とくしま」らしく環境負荷を最小限に抑えた運営を行うようにしていますが、環境問題で言えば、全国で初めて「ごみゼロ行動宣言」を発した四国一小さい町の大きな取り組みをしている上勝町を大いに宣伝すべきと考えます。御答弁を求めます。 次に、公益通報制度及び働きかけ対応制度について、この際、一点申し上げておきたいと思います。 まず、公益通報制度については、通報者の不安をぬぐうためにも、外部に通報先を置くべきであると私も主張してきたところであり、今回の改正内容を評価するものであります。また、いわゆる働きかけ対応制度については、相手方への確認、署名は不要ではないかと主張してきたところでありますが、その枠組みは残しつつも、相手方の署名が得られない場合に弁護士に委託して、その確認状況に応じて公表していくということであり、一歩前進であるが、それ以上は今後の制度の運用状況を見て判断することとし、保留したいと思います。 ただ言えることは、両制度を生かすも殺すも職員の認識次第であるということであります。知事の強いリーダーシップのもとさらなる工夫を重ね、有効に機能することを期待しながら、両制度の実施状況を見守っていきたいと思います。 指定管理者制度について。 青少年センター、郷土文化会館など、公の施設は地方公共団体の管理権限のもとで管理委託制度がとられてきましたが、二〇〇三年六月の地方自治法の一部改正により、これまでの制度にかわり新たに指定管理者制度が導入されました。徳島県においても、二〇〇四年九月の県議会で手続条例が制定されたことから、現行の管理委託制度にかわる公の施設の管理は直営に切りかえるか指定管理者制度に移行するかのどちらかとなりました。公の施設に民間も参入できる指定管理者制度を来年四月から導入するため、今議会に三十施設にかかわる二十三件の条例案が提案されています。 ことしの二月、公の施設の見直しについて、「公の施設の中には、設置から相当な年月を経過し社会情勢や経済環境が大きく変化する中で、設置の意義が薄れたり、民間施設との競合等により利用率が低下しているものの民間事業者の活力を利用した方がさらなる効率化と利便性の向上が期待できるものなどが見受けられ、時代に即応した的確な見直しが求められています」と述べています。また、さきの総務委員会で里見企画総務部長は、県有三十施設の管理者の応募資格について、「徳島県内の経済情勢や雇用に配慮し、県内に主たる事務所、本店を置く業者を要件にしたい」と述べています。これは県内企業への優先発注の指針からも当然と言えます。 そこで、指定管理者制度を具体化する場合、選定委員会の設置内容や選定委員の選任などについて企画総務部長に具体的にお尋ねいたします。 第一点、応募要領の作成に当たっては、最低賃金、雇用保険、健康保険、厚生年金、退職金制度など、労働者の福利厚生は審査項目の最低条件であると考えますが、どうでしょうか。なぜなら、公共事業の経営審査では加点・減点方式が導入されていますからであります。 第二点、選定委員会では、①サービスの向上、②施設の適正な維持管理、③コスト縮減、④企業の財政的基盤や人的体制などを審査することとなっていますが、このことからしても単に応募金額の多寡のみで判断できないと考えますが、どうでしょうか。 以上、二点について明確な答弁を求めます。 次に、男女共同参画の実現について。 これまで国際社会や国内の動向を踏まえてさまざまな取り組みが進められてきましたが、今の性別による固定的な役割分担意識やこれに基づく社会慣行は依然として根強く、真の男女平等の達成には多くの課題が残っています。これからの徳島県は、少子高齢化等の社会の急激な変化に的確に対応しつつ、男女が社会や職場で活躍しやすい環境をつくり出すことを重要な課題として位置づけ、社会のあらゆる分野において男女共同参画の推進を図っていく必要があります。 そこで、男女共同参画の実現は、まず「隗より始めよ」の格言どおり、県の審査会等における女性委員の割合を早期に四〇%以上を達成すべきであります。現在五十七の審議会があり、女性委員の比率は三六%にとどまっています。特に、徳島県防災会議のメンバー五十一人中、女性は一人で、比率は二%であります。この会議は災害対策基本法により委員のほとんどが、知事、県警本部長、経済産業局長、地方整備局長などのいわゆる充て職で占められています。これを具体的に当てはめると物の見事に男性ばかりになります。これでは困ります。災害の被災者の半分は女性であることを考慮すれば、防災における女性の視点は欠かせません。例えば備蓄のあり方です。これを男性だけで検討すると、食料品だと乾パンや缶詰などと思いつくのですが、粉ミルクや紙おむつや生理用品までは考えが及びません。このほか、徳島県水防協議会の女性委員の割合は六・七%、徳島県銃砲刀剣類審査委員会と徳島県石油コンビナート等防災本部は、ともに女性の割合はだれ一人とおりませんでゼロ%であります。審議会の中には四〇%を超えて六〇%に達するところもある中で、ゼロ%の審議会があることは大変な驚きであります。 そこで、具体的に質問します。 災害対策基本法の条文改正を国に働きかけるとともに、災害対策基本法第十五条第五項のうち、知事が指名、任命することができる五号、七号の職員については、ぜひ女性を指名すべきであります。知事の明確な御答弁を求めます。 次に、予算編成過程における男女共同参画についてお尋ねします。 予算のうち、教育、福祉、環境の分野では、女性が責任者となり予算編成を担当することは大変意義があります。徳島県では、財政担当職員数二十人のうち二人が女性であり、女性比率は一〇%となっています。全国的には、石川県が二十七人中九人が女性、三三・三%でトップ、鳥取県は二十一人中女性が五人、二三・八%で二番目であります。ちなみに、徳島県は上位から十七番目にあります。徳島県の財政課における女性職員の割合をふやすべきであります。一番大事な予算編成の段階から男女共同参画社会を進めることが問われています。実際、家庭における立場は県庁職場とは逆転している現実を見たとき、当然の成り行きと考えます。飯泉知事の勇気と英断のある答弁を求めます。 次に、先ほど申し上げました審議会以上に重要なのは地方公共団体の議会であります。しかし、地方議会の現状は決して男女共同参画にはなっていません。徳島県内の市町村議員七百五十五人中、女性は三十六人で、女性比率は四・八%となっています。平成十六年七月一日現在でありますが、徳島県議会の女性比率は九・五%で、全国的にはベストテンに入っています。鳥取県では、県の主催により女性の政策決定参画セミナーを開催し、女性が選挙に挑む際のハードルを低くする試みをやっておられ、片山知事自身が「女性の政治参画の必要性」と題して講師を務めています。この講座の卒業生の中から既に地方議会にも出ているようです。ことしの四月、片山知事が来県し、学び合う、助け合う、連携することを唱え、飯泉知事は、連携や交流を通してお互いの持つすばらしい点をさらに深め合えればいいと述べています。そこで、徳島県でも鳥取県のような講座を開設し、知事みずから講師を務める考えはありませんか。 前向きな御答弁をいただいて、質問続行します。   (飯泉知事登壇) ◎知事(飯泉嘉門君) 黒川議員の御質問に順次お答えをしてまいります。 まず、市町村合併についてであります。 徳島県町村会がいかなる形でも合併を強制しないよう、また合併ができない、しない町村に対し制裁的な財政措置を講じないよう求めていることについてどのように考えるかについて御質問いただいております。 地方分権型社会におきましては、市町村が地域における包括的な役割を担うにふさわしい行財政基盤を確立すべきであると、このように認識をいたしております。 また、平成十七年四月一日から施行されました市町村の合併の特例等に関する法律、いわゆる合併新法におきましても、行財政基盤の確立に資する市町村合併は引き続き推進すべきものとされております。先般、全国町村会が、議員からもお話がありましたように、総務大臣などに対しまして要請を行い、これを踏まえ本県の町村会におきましても、いかなる形でも合併を強制しないよう、また合併できない、しない町村に対して制裁的な財政措置を講じないようとする内容の決議を行い、近く私のところにも要望されると承知をいたしております。市町村合併は強制されるべきものでなく、あくまでも自主的に推進されるべきものであり、合併ができない、しない町村に対しまして制裁的な財政措置を講じるということは考えておりません。 ただ、このような町村におかれましても、みずからを取り巻く環境を十分に認識をされ、住民重視の立場から地域の将来をしっかりと見据えた、そういう対処をしていただくことを期待をいたしたいと思います。 次に、移動知事室を開催をし、南部総合県民局の機能、役割の周知に努めたが、そこで何を体得をしたのか。また、西部総合県民局の開設に向け、それをどのように生かそうと考えているのかについて御質問をいただいております。 二十一世紀の地域機関のスタンダードを目指し設置をいたしました南部総合県民局のスタートに当たりまして、私自身、一週間、県南部地域を対象とした移動知事室を開催をいたしまして、地域の皆様と触れ合い、そして語り合う中で、南部総合県民局の機能、役割の周知に努めてまいったところであります。 今回の移動知事室を通しまして、南部児童相談所や県民センターの開設など新たに開始をされましたサービスを初めとした利便性の向上や、市町やNPOなどの各種団体との連携、協働によります地域づくりやまちづくりへの支援、さらには南海地震によります津波被害や台風などによる風水害への災害対応能力の強化、南部総合県民局に対する数多くの期待の声を直接いただいたところであります。特に、防災意識の高揚を図りますために開催をいたしました南海地震防災フォーラムにおきましては、定員を大幅に上回る多くの皆様に御参加をいただき、建築物の耐震に関して熱心な御相談をされるなど、地域の皆様の南海地震に対する危機感の強さを実感したところであり、さらなる防災対策に取り組む決意を新たにしたところであります。 今後とも、移動知事室でいただきました地域の皆様の声を生かしながら、管内市町や地域住民の皆様との連携をさらに深め、地域の将来を見据えた政策の立案や地域ニーズを的確に反映をした事業展開を図ってまいりたい、このように考えております。 また、こうした南部総合県民局での取り組みは、西部総合県民局を開設するに当たりましても参考になる事柄が数多くあるものと思います。今後、県西部地域の皆様の声をよくお聞きいたしますとともに、圏域の特性を生かした機能の設置や事業の展開につきましても幅広く検討を行うなど、平成十八年四月開設に向けまして着実に準備を進めてまいりたい、このように考えております。 次に、全国知事会議におきまして、全国で初めて「ごみゼロ行動宣言」をした上勝町を大いに宣伝すべきではないかとの御提言をいただいております。 上勝町の「ごみゼロ行動宣言」は、二〇二〇年を目標に、焼却や埋立処分されるごみの排出をゼロに抑えることをみずから宣言し、ごみの徹底的な発生抑制や分別回収に取り組もうとするものであります。このようなごみゼロを目指す地域の取り組みは大切なことであり、大いに評価すべきものと考えております。 県におきましては、「環境首都とくしま憲章」のもと、持続可能な循環型社会を目指しまして、廃棄物の発生抑制(リデュース)、再使用(リユース)、再生利用(リサイクル)、いわゆる三Rの推進を基本に、環境関連産業の振興や県民、事業者、行政が一体となった県民運動の推進などに努め、今後ともこのような取り組みを一層推進をしていきたいと、このように考えております。 一方、全国知事会議では、徳島らしさを全国にアピールする絶好の機会である、このように考えておりまして、会議運営に工夫を凝らし、徳島らしさをぜひともアピールしてまいりたいと考えております。 具体的には、県政PRコーナーを設け、徳島の観光や文化などを紹介することといたしておりまして、この中で上勝町の取り組みも紹介できないか、検討を行ってまいりたいと考えております。 今後とも、市町村はもとより、県民や事業者の皆さんとの連携・協働を進めながら、「環境首都とくしま憲章」の普及と浸透を図りますとともに、あらゆる機会を通じまして全国に「環境首都とくしま」の取り組みを情報発信してまいりたい、このように考えております。 次に、男女共同参画社会の実現について幾つか御質問をいただいております。 まず、県の審議会などの委員に女性を指名・任命すべきではないかとの御質問をいただいております。 男女共同参画社会の実現は、少子高齢化の進展など社会経済情勢の急速な変化に対応していく上で重要な課題であり、男女共同参画に関する施策を積極的に推進していく必要がある、このように考えております。 議員御提案の県の審議会などの委員の人選に当たりましては、公募制の導入、団体代表委員について柔軟な対応などによりまして女性委員の選任拡大について努めてきたところであります。その結果、平成十七年四月一日現在の女性委員の選任状況は三六・二%、先ほどお話をいただいたとおりでございまして、平成十四年度末と比較してこの二カ年で一一・二ポイント向上をしたところであります。しかしながら、県防災会議など法令設置によります審議会などにおきましては、その委員の所属する組織、役職などが規定をされておりまして、女性の登用促進を図る上で事実上の阻害要因となっております。 このため平成十五年度から、国に対しまして、職指定制度の見直しなど委員資格要件の緩和について要望をしているところであります。今後、県防災会議を初めとする各種審議会等における女性委員の指名・任命につきましては、所属機関の長などにとらわれることなく、適材適所はもとより、幅広く女性委員の指名または任命を検討する方針のもとに取り組んでまいりたいと考えております。 次に、財政課における女性職員の割合をふやし、予算編成の段階から男女共同参画社会を進めるべきとの御提言をいただいております。 県におきましては、毎年四月の定期人事異動における基本方針の一つに、男女共同参画の理念に基づき、女性職員の能力の一層の活用を図ることを掲げておりまして、これまでも議員御提案の財政部門を初め、企画立案部門や対外折衝部門などに幅広く女性職員を登用してきているところであります。特に、本年度の定期人事異動におきましては、これまで男性職員のみが担当しておりました東京事務所、総合政策局、高規格幹線道路推進局の係長ポストに初めて若手女性職員を抜てきしたところであります。もとより男女共同参画社会の推進には、県庁全体が一丸となりまして取り組むべき課題であり、そのためにも予算編成段階にとどまらず、政策立案や事業執行の段階におきましても女性の視点を積極的に取り入れることが極めて重要であると、このように考えております。 私自身、女性職員が県政のさまざまな分野におきまして、より一層活躍していただくことを大いに期待しているところでありまして、今後におきましてもその職域の拡大に積極的に取り組んでまいりたい、このように考えております。 次に、鳥取県の事例を出されましたが、女性の政策決定参画セミナーを開設をし、知事みずから講師を務めてはどうかとの御提言をいただいております。 徳島県におきましては、社長を初め会社、団体役員に占める女性の割合は全国第一位であるなど、女性の社会参加は進んできておりますが、政策決定過程への女性の参画は今後とも推進すべき重要な課題であり、そのためには人材育成が急務である、このように考えております。 県といたしましては、政策決定の場へ女性がチャレンジするに当たり、必要となる討議能力などを身につけていただくための実践的な講座として男女共同参画総合講座を実施をし、女性のチャレンジ支援コースとエキスパート養成コースの二つのコースを設けているところであります。また、私自身もパネリストの立場ではありますが、毎年「女と男(ひととひと)のフェスティバルとくしま」に出演をさせていただきまして、そして啓発なども努めているところであります。今後とも、あらゆるステージにおける男女共同参画を推進をいたしまして、男女が互いに個性と能力を十分に発揮できる「男女共同参画立県とくしま」の早期実現に努めてまいりたいと考えております。   (里見企画総務部長登壇) ◎企画総務部長(里見光一郎君) 指定管理者制度につきまして二点お答えいたします。 まず、一点目の指定管理者制度の導入に関して労働者の福利厚生の確保についてのお尋ねでございます。 指定管理者制度は、公の施設について民間事業者による管理を可能にするものであり、効率性の追求とともに、利用者サービスの向上を図ることを目的とするものでございます。良質なサービスの提供は、施設管理に従事する職員が存分に働ける就業環境の上に成り立つものと認識いたしておりまして、公の施設の指定管理者につきましても、当然に労災保険の加入を初めとして使用者としての法令上の義務を果たす必要がございます。このため、指定管理者を公募する際の募集要項の中で、労働基準法を初めとする労働関係法令を遵守することを申請に当たっての要件とすることといたしており、指定後に万が一法令違反等の事実が確認された場合には、業務停止や指定の取り消しといった措置を行うことといたしております。 また、選定委員会としての審査の観点の一つに適切な人員配置を掲げておりまして、委員会におきましてどういった雇用条件のもとで人的体制の組み立てを行うのかといった視点からの評価を加えることもできるものと考えております。 二点目は、選定委員会においては、応募金額のみを判断基準とすべきではないのではないかとのお尋ねでございます。 選定委員会の任務は、それぞれの公の施設につきまして、指定管理者としての指定の申請があった団体の中から最も効果的、効率的、安定的な管理運営に資する団体を選定することであります。選定委員会におきましては、どのような利用サービスを提供するのか、財政負担の軽減が図られているのか、また適切な人員の配置を初め管理体制が整っているのか、さらには管理業務を全うできるだけの財政基盤が備わっているのかといった点をポイントといたしまして、総合的見地からの審査が行われるものであります。 したがいまして、管理コスト面でどのような提案がなされるかは重要な要素の一つではありますけれども、それのみを基準として選定が行われることはございませんので、御理解を賜りたいと存じます。 以上でございます。   (黒川議員登壇) ◆十七番(黒川征一君) それぞれ御答弁いただきました。 新しい新市町村合併問題については、財政制裁措置を講じないというお話でありました。本当に一生懸命に頑張って、人口が多いだけでいい自治であるか、いい町であるかということはないと思うんですね。特に、先ほど話がありました上勝町は人口二千二百人で、そしてなおかつゼロウエストという日本で初めてのごみゼロ宣言をやった。そしてもう一つは、彩(いろどり)というすばらしい実績を上げて年間二億五千万円の収益を上げてる。そして、相当な年配の人が年間八百万円も一千万円ももうけるというような、こんな町が日本全国にどれだけありますかということ考えたら、ゼロウエストと同時に、そういう彩(いろどり)の町、ここをやっぱり徳島県が打ち出して、環境首都と同時に、これほど元気な町、これを売り出すのが飯泉知事の責務であるというのが全国知事会議におけるPRだろうと思ってますんで、ぜひ頑張ってほしいし、そのことによって全国の知事がそれを紹介できるというように思っているんで、ぜひ、一万人未満だからだめなんだと、ほんなら人口が十万人も二十万人も三百万人もおるところはしっかりした自治なんかったら、そこには形骸化された、非常に木で鼻くくったような行政がされているというのが実態でないかと。心の琴線に響くような行政がやられてないっていうのが私の思いであります。そういう意味で、ぜひ新市町村合併特例法に基づいてやることも大事にしてほしいなということをぜひ強く申し上げておきます。 それからもう一つ、指定管理者制度。部長の方から答弁ありました。これはやっぱし労働条件を無視してええ仕事をせえというのは長続きしないですね。そういう意味で、あらゆる福利厚生をぴしっとして、そしてその上でいい仕事してくださいよ、そしてその上で効率とかきれいな仕事という話になるんで、そこのところを大事にしてほしい。労働者の福利厚生。 もう一つは、やっぱし金額が安いから高いからというような話じゃなくて、まさにプロポーザル方式ということは総務委員会なり、そこで議論を私もしてきたところでありますから、そういう意味で本当に徳島のやり方が日本全国で同じように指定管理者制度は来年の四月に導入されたけんど、あれこそ見習うとこじゃと。そして、その県がやってることは、今度徳島県内の市町村が、二十四の市町村が学ぶべき手法じゃと言えるようなやり方をやっていただくことを切にお願いしておきたいと思います。 質問に入ります。 地球温暖化対策について。 日常的に起こっている猿やイノシシ、シカなど野生鳥獣による被害面積、被害額はウナギ登りとなっています。今では猿やイノシシの被害は日常会話にもなりませんが、昨年からことしにかけてツキノワグマが出没したのは大変な驚きであります。私の家から三百メートルほどの近距離で出没するツキノワグマも、山にえさがないので身の危険を顧みず人里近くまでえさを求めて、生きるために必死の様子がうかがえます。あれもこれも地球温暖化の影響だと一言で片づけるだけでは無策、無責任のそしりを受けますが、そんな状況が今の地球環境を取り巻く状況だろうと思ってます。 日本経済は、年間五百兆円のGDP(国内総生産)を稼ぎ出すのに二十億トンの資源を毎年使っています。空気中に炭酸ガスを十三億トン排出して、四億五千万トンの廃棄物を出しています。持続可能性の観点からは、これを維持するのは到底不可能です。東大名誉教授の養老孟司さんは、「世界で一番持続した社会は江戸時代であり、基本的に自給自足の持続可能な社会であった」と述べています。「環境首都とくしま」を目指す本県は、地球温暖化の防止についてもより積極的に貢献し、全国をリードしなければなりません。京都議定書の発効により二〇一〇年の温室効果ガスの削減は日本全体で一九九〇年に比較してマイナス六%ですが、徳島県は一〇%削減する目標を掲げています。これは大変評価ができます。 地球の温暖化は一七五〇年ごろから始まった産業革命以降、石炭、石油などの化石燃料を大量に消費するようになり、人間の排出する二酸化炭素が急激に増加することによって始まり、今も地球の平均気温はどんどん上昇しています。二十世紀の百年間の地球の平均気温は〇・六度上昇し、一九九〇年代の十年間は過去千年で最も温暖な十年となりました。一九九八年には観測史上最高気温を記録し、二〇〇二年には二番目、二〇〇三年には三番目の気温を記録しています。徳島県内でも同じような傾向となっています。地球温暖化の特徴は、電気やガスなどの大量消費によるものであり、人間の社会・経済活動そのものに原因があります。このまま放置すれば、海面上昇による土地の侵食、気候変化による洪水や干ばつ、食糧生産の減少などが生活に重大かつ深刻な影響を与えます。 そこで、具体的に質問します。 徳島県内の温室効果ガス排出量の九三・九%が二酸化炭素であり、あとはメタン、フロン等です。これを排出部門別に見ますと、産業部門、運輸部門、民生部門からの排出が九〇%を占めています。特に、運輸部門、民生部門は大幅に増加しています。 以上のことから、温暖化にストップをかけるため、民生部門は、例えば夏の適正冷房や軽装を呼びかける徳島夏のエコスタイルや、「もったいない精神」を県民運動として家庭や職場で省エネライフをどのように展開しようとしていますか。 また、運輸部門や産業部門も同様に、徳島エコ・カーライフ運動、ハイブリッド自動車の導入、環境配慮型事業所への転換等、具体的にお答えください。 また、温暖化対策を総合的に推進するためにも、まず「隗より始めよ」の精神から県庁職員が徹底して取り組むべきであると考えます。 そこで、これまでやってきたこと、これからさらに強化すべきことなどを明らかにしてください。 次に、二酸化炭素の吸収源対策について質問します。 森林は大気中の二酸化炭素を吸収し、長時間にわたって蓄積するなど、貯蔵庫として重要な役割を発揮しています。日本の二酸化炭素排出量削減目標の三分の二は森林によって賄うことになっています。しかし、そのためには間伐や下草刈りなど、適切な森林経営を行うことが必要であります。現実には、立ち木の価格低迷などによって手入れが進まず、山林は非常に衰退しています。特に、小規模の森林所有者を中心に林業離れが進んでいます。徳島県内の林業従事者は、戦後のピーク時の一九六〇年には一万二千人いましたが、二〇〇〇年の国勢調査では八百人余りに激減しています。ことしの国勢調査では五百人を割るかもしれません。 このことからも、徳島すぎを使った木造住宅の推進、木製のガードレール、間伐材を利用した木製のコンクリート型枠、杉の芯黒、曲がり材、これは池田の方では芯黒のことをイヌスギと言ってますが、そういった曲がり材の鋼板への活用、県産木材の利用を推進することによって林業の活性化を図るべきです。島根県では、今年度から治山や林道事業のコンクリート工事では県産杉の間伐材を使用した鋼板型枠を全面的に採用し、工事発注の際の仕様書に明記しています。また、新潟県では、新潟県産材の利用促進を図るため、山元から市場までの運搬費の一部を補助すること、木材の乾燥費の一部を補助する制度を今年度から導入しました。これによって外材と新潟県産材との値段の差がなくなり、県産材の消費拡大につなげるようにしております。知事の言う川上から川下対策の推進は、地球の温暖化対策と相まって、まさに一石二鳥、三鳥、四鳥の効果となります。 以上の排出対策、吸収源対策としての森林、飯泉知事の夢と希望のある答弁を求めます。 教育問題について。 次に、教育長にお尋ねいたします。 警察庁は、昨年一年間の自殺者は三万二千三百二十五人で、一九七八年以降一番多い自殺者となった一昨年より二千人余り減ったものの、七年連続して三万人を超えたことを発表しています。公表された自殺の動機は、経済・生活苦問題や健康問題が大幅に増加しています。 こうした悲しい社会を映し出すように、子供の世界にも、学校でのいじめ、不登校、保健室登校、家庭においては児童虐待等が増加しています。また、教員の不登校、うつ病、教員自身の不祥事による懲戒処分も目立っています。こうした社会も、学校も、家庭も病んでいる、悩んでいる深刻な実態を踏まえ、具体的な施策について質問いたします。 第一には、学校現場にエキスパート教員、いわゆる達人教員の認証制度を導入すべきであると考えます。人には向き不向きがあり、同じ職業でも管理職向き、技術者向きがあります。ところが、不思議と学校になると多くの人が最終目標を校長等の管理職になることにあるようです。校長になった人は出世と考え、周りの人もそのように見ています。 広島県教育委員会は、昨年度からエキスパート教員認証制度を導入し、昨年度、県立高校の教師の中から五人、今年度は小中学校にも対象を広げ十五人を認証し、合計二十人が学校現場での指導に能力を発揮し、学校の活性化と他の教員の力量アップにつなげています。また、宮崎県教育委員会では、中堅の優秀な人を教頭にすることはすぐれた教師を子供から奪っていることで、すぐれた実践家を教室に残したいという趣旨から、給与を校長や教頭並みにするスーパーティーチャー制度を導入し、指導力の高い先生に管理職にならなくても尊敬される称号と給与を与えるようにするようです。二〇〇六年度を目途に、校長級はスーパーティーチャー1と格付け、教頭級はスーパーティーチャー2の二種類の導入を予定しています。 文部科学省の調査によりますと、昨年四月の時点で全国二十九教育委員会が教師の表彰制度を設け、七つの教育委員会が給与でも優遇しています。いわゆる校長等の管理職以外の第三の道を選べる制度を導入したということです。 私は以前から、管理職には不向きだが、教育者としてはすばらしい先生を見てきました。教育現場が混乱し大変難しい状況にあるからこそ、日ごろから生徒指導や教育活動に体ごとぶつかっていく現場中心の先生が必要と考えます。佐藤教育長は記者会見で、「百の施策よりも一人の教師と言われる。汗をかき、動き回る行動力のある教員が求められている」と力強く語っています。全くそのとおりであります。徳島県教育委員会も他府県に負けないように、子供たちの欲するエキスパート教員制度を、子供たちのために早急に導入すべきであると考えます。夢と希望のある明快な御答弁を求めます。 第二に、児童虐待やいじめなど、子供たちを取り巻く状況は極めて憂慮すべきものがあります。子供たちが自分の心と体を大切にしていくための人権意識を育てると同時に、さまざまな暴力やいじめから子供自身が自分を守るためのプログラムであるCAP(キャップ)、チャイルド・アソールト・プリベンションの略でありますが、日本語では子供への暴力防止プログラムと言われるもので、子供の自尊感情を高めた上で暴力への対処法を身につけさせるとともに、保護者や教師の側にもそのことを受けとめることのできる力をつけさせるための有効なプログラムとして一九八五年にアメリカから導入されました。各学校においては、教育活動全体を通して人権尊重の精神の涵養や生きる力の育成に努める必要があります。こうしたCAPの研修を通して得られた具体的な効果としては、自分や他人を大切にする心を育てることができることや、被害を免れるための実践的な技能の習得ができるということなどが挙げられております。 松村前教育長は、昨年、「子供自身が自分を守る力を身につける方策としてCAPは有効なものであると考えており、今後教員の人権教育や生徒指導の研修会などにおいてなお一層情報提供に努め、その普及に取り組んでまいりたいと考えております」と答弁しています。 そこで、今年度はCAPが予算面においてどのように手当てされ、人権教育、生徒指導、PTA活動等の分野においてどのように具体的に実践されているかをお伺いします。 また、教師自身がCAPスペシャリスト認定証を得るための研修の機会の提供を含め、教員の育成を教育委員会はどう考えているのかをあわせて御答弁を求めます。 最後であります。過疎地のバス路線維持について。 過疎地における交通手段の確保についてお尋ねいたします。 今日、過疎地におけるバス路線は、国、県、市町村の補助金を受けて細々と運営されているのが実態であります。国のバス運行対策は、生活バス路線を確保する一環として、広域的、幹線的なバス路線の経常損失額を国と県が協調して補助する制度であります。この補助制度の対象路線については、広域的路線として複数市町村にまたがるバス路線であることが要件の一つであります。この要件は、国の補助金交付要綱において平成十三年三月三十一日における市町村の状態に応じて決定することとなっております。 しかしながら、この補助制度は、平成十三年度に創設され、五年間の運用の後、平成十八年度から見直しを行うこととされております。その一定要件、すなわち複数の市町村にまたがって運営されているということが、国が進める、県が進める平成の大合併によって大きな問題となります。徳島県内の合併状況から見れば、ほとんどの自治体がこの要件に該当しないことになりますから、バス運行対策補助金が出ないことになります。そうすれば、過疎バスと言われる生活交通路線が運行しなくなるということであります。四国運輸局の話によりますと、現行制度の適用は平成十七年度分の補助金までとなっています。十八年度以降国や県からの補助金がなくなれば、過疎地におけるバス路線は廃止となります。現行のバス路線でも、高齢者、障害者、子供たちなど、いわゆる交通弱者と言われる皆さんは大変な不自由をなさっています。これが町村合併によってバス路線の廃止となれば、病気やけがなどの通院、通学の手段が奪われ、まさに交通弱者の切り捨て、死活問題となります。 乗合バスは県民の日常生活に必要不可欠な公共交通機関であり、生活バス路線を維持していく上でこの補助制度は特に大きな役割を果たしています。このことから、平成十八年度以降においても、補助対象路線の取り扱いも含め、引き続き国において生活バス路線の維持、確保に向けた効果的な支援措置が図られるのかどうか、現在の取り組み状況、国などへの要望も含めて、飯泉知事の確固たる構えのある答弁を求めます。 御答弁がありました後、時間があればまとめます。   (飯泉知事登壇) ◎知事(飯泉嘉門君) まず、地球温暖化問題につきまして幾つか御質問をいただいております。 まず、家庭や職場で省エネライフなどをどのように展開しようとしているのかについて御質問をいただいております。 地球温暖化の防止に向けましては、県民、事業者、行政が一体となって取り組んでいく必要がありまして、県民お一人お一人が身近なことから一つ一つ行動を積み上げていくことが大切である、このように考えております。 このため、県民すべての方々が同じ目標と意識で行動できますよう、わかりやすい指針、また行動規範となります「環境首都とくしま憲章」を昨年三月に策定したところであります。この中で、トライ21として具体的な取り組みを御提示いたしておりますが、議員御提案の省エネライフにつきましても、この取り組みの中で取り上げさせていただいております。このトライ21につきましては、県内最大の環境団体でありますとくしま環境県民会議や各種イベントなどを通じまして県民の皆様や事業所に浸透を図ってきており、今年度は新たにトライ21に取り組んでいただける憲章家族を募集をいたし、引き続き県民運動として一層の定着を図りたい、このように考えております。 次に、運輸部門や産業部門ではどのように展開をしようとしてるのかについて御質問をいただいております。 まず、産業部門につきましては、環境に配慮した事業所の育成が重要でありますことから、今年度環境保全施設整備等資金の融資対象を拡大をいたしまして、地球温暖化対策にも融資できるように改正いたしたところであります。また、大規模排出事業者に対しましては、温室効果ガス抑制目標を定めた地球温暖化対策計画書の提出を通じまして自主的な取り組みを促進してまいりたい、このように考えております。 次に、運輸部門におきましては、特に自動車からの排出が多い現状を踏まえまして、徳島エコ・カーライフを推進をし、公共交通機関の利用促進やノーカーデーへの取り組みを進めているところであります。今年度からは、アイドリングストップ協力店の募集やノーカーデーラッキーキャンペーンの実施など、なお一層環境に配慮した自動車の使い方に努めていただくよう呼びかけを強めているところであります。今後とも、お一人お一人が心を合わせ日常生活の中で地球温暖化対策に取り組んでいただきますよう、創意工夫を凝らしながら各種施策を推進してまいりたい、このように考えております。 次に、県産木材を利用推進することにより林業活性化を図るべきではないかとの御質問をいただいております。 県産木材の利用を促進することは、林業、木材産業の振興はもとより、地球温暖化防止などに貢献する重要な課題である、このように認識をいたしております。このため、県が率先をいたしまして県産木材を利用するとともに、住宅での利用促進に努めているところであります。 まず、徳島すぎを使った木造住宅の推進につきましては、住宅の新築、リフォームを通しまして県産木材、とりわけ徳島すぎのPRのために、柱、壁材などの部材を提供します徳島すぎ魅力向上推進事業を実施しているところであります。今年度第一回の募集を行いましたところ、募集枠に対しまして約二倍の申し込みをいただき、大変好評をいただいているところであります。また、県産材住宅資金貸付事業につきましては、今年度は昨年度よりさらに金利を引き下げまして、利用者が活用しやすい制度に改定をさせていただいております。 次に、公共事業においての利用促進についてでありますが、昨年度、本県からの提案で四国ローカルスタンダードとして認められました木製ガードレールにつきましては、先般、国に対し全国に広げるよう省庁間での連携についてもお願いをしてきたところであります。さらに、今年度は容易な設置方法やコスト削減などの研究に取り組んでまいりたい、このように考えております。 さらに、林業再生プロジェクトによりまして生産されました杉間伐材を使用した鋼板を木製コンクリート型枠として利用できますように、性能評価試験や工事現場での試験施工を行いまして、仕様書への記載について検討するなど、公共工事で使用できるように努めてまいりたいと考えております。 今後におきましても、こうした徳島すぎの利用拡大や間伐材のより一層の利用促進に取り組み、林業の活性化を積極的に図ってまいりたいと考えております。 次に、平成十八年度以降におけます生活バス路線の維持、確保に向けた国の支援措置の状況について御質問をいただいております。 生活バス路線は県民の皆様の日常生活に不可欠のものである、このようなことから、この維持、確保に向けた国の補助制度は特に大きな役割を担っているものと認識をいたしております。この補助制度につきましては、議員からも今ほどお話をいただきましたように、平成十三年度から五年間運用の後、平成十八年度からの運用につきましては見直しを行うこととされております。現在、国におきましては、本年十二月をめどとした検討が進められているところであります。このため先般、私自身も国土交通省に赴きまして、本県の過疎地における実情や、特に市町村合併における影響などを十分に踏まえた上で、平成十八年度以降におきましても生活バス路線の維持、確保に向けた効果的な支援措置が図られますように要望をいたしてきたところであります。 今後におきましても、関係都道府県などと連携を図りながら、地域の実情に即した公共交通機関の確保につきまして積極的に取り組んでまいりたいと考えております。   (渡邊県民環境部長登壇) ◎県民環境部長(渡邊輝君) 地球温暖化防止のために県職員がこれまで行ってきたこと、またこれからさらに強化すべきことについての御質問でございますが、先ほど知事から御答弁申し上げましたように、地球温暖化対策は県民、事業者、行政が一体となって取り組むことが必要であり、そのためにはまず県職員が率先して取り組むことが何より重要であると認識しております。 このようなことから、昨年度より夏の冷房温度を省エネレベルにするための夏のエコスタイルや、通勤に徒歩や自転車、公共交通機関などを利用するノーカーデーを中心とした徳島エコ・カーライフなどの取り組みをまず県庁で率先的に取り組み、県民運動としての拡大を図っているところでございます。 また、県は、県内において最大規模の事業者であり、消費者でもあることから、従来より「エコオフィスとくしま・県率先行動計画」を策定し、用紙類や電気の使用量、さらには公用車の燃料使用量などの削減に全庁挙げて推進しているところでございます。さらには、公用車にハイブリッド車など低公害車を率先導入するなど、グリーン調達にも積極的に取り組んでおります。 今後、こうした取り組みを一層推進するとともに、特に今年度から新たにスタートいたしました「第三次エコオフィスとくしま・県率先行動計画」の中で、各部局にさらなる取り組みの徹底を呼びかけるなど、地球温暖化防止に向け全庁挙げて取り組んでまいりたいと考えております。 また、自動車からの温室効果ガスの排出量の伸びが大きいことから、徳島エコ・カーライフにつきましても一層の推進を図ってまいりたいと考えております。   (佐藤教育長登壇) ◎教育長(佐藤勉君) 二点御質問をいただいておりますが、一点目のエキスパート教員制度を早期に導入すべきでないかとの御質問でございますけれども、広島県において平成十六年度から導入されているエキスパート教員、また宮崎県において平成十八年度から導入を予定しておりますスーパーティーチャー制度、ともに教員の質の向上を図るための制度であるというふうに承知をしております。教員として地道に努力を積み、すぐれた実践的指導力を有し、顕著な実績を上げている者について、管理職とは別の教科指導等における指導者として活用していくことは、教育現場の活性化のみならず、授業や研修会等さまざまな場でこれらの教員から指導を受け、また互いに切磋琢磨することにより教員の資質の向上につながる有効な方策であるというふうに考えております。 本県におきましては、議員御指摘のように、エキスパート教員制度に類似した制度といたしまして、平成十五年度からその日常的な活動が他の模範となり、教科指導等にすぐれた実践が見られる教職員を対象に表彰を行う優秀な教員等の表彰制度を実施しているところであり、今後はこの被表彰者の研修会等での活用を図っていくことが重要であるというふうに考えております。 なお、エキスパート教員制度の導入につきましては、その認定方法や処遇のあり方等について十分な検討をする必要があり、これらの点については現在検討中の教員一人一人の能力や実績等を適切に評価し、教員組織の活性化を図るための教員評価制度と密接なかかわりがありますので、教員評価制度の実施状況等も踏まえつつ十分に検討してまいりたいというふうに考えております。 次に、CAPの件でございますが、まずCAPが人権教育、生徒指導、PTA活動等の分野においてどのように具体的に実施されているのかという御質問でございますけれども、CAPとは、子供が自分の心と体を大切にしていくための人権意識を育てると同時に、さまざまな暴力やいじめから子供自身が自分を守るためのプログラムでございます。県内の幼稚園や小学校においては、子供の被害を防止し、子供の安全を守ることを目的に、子供や教職員を対象としたワークショップが現在実施されているところでございます。県の教育委員会といたしましても、子供自身が自分を守る力を身につける方策として、CAPは有効なものであるというふうに考えております。本年二月には、徳島県人権教育青年リーダー育成事業の一環でございます青年集会において大人向けワークショップを実施し、CAPに対する県民の理解を深める機会を設けたところでございます。 さらに、本年度からCAPとくしま代表を徳島県社会人権教育指導員に委嘱をいたしまして、学校や社会からの要請に応じて、子供の安全、子供の人権などをテーマとした講演やワークショップを実施できる体制を整えたところでございます。また、PTA関係者等が参加する家庭教育研修の場におきましても、そのプログラムの一つとしてCAPによるワークショップを実施する計画を進めております。 次に、教員の育成をどう考えているのかという御質問でございますけれども、これまでも県の教育委員会におきましては、CAPとくしまから講師をお招きいたしまして教員を対象とした子供の人権を守るための研修を行ってきたところでございます。今後も、CAPスペシャリスト認定証を得るための研修機会等につきましては、さまざまな場をとらえて情報提供に努めてまいりたいというふうに考えております。   (黒川議員登壇) ◆十七番(黒川征一君) 間伐材を、今までは山が荒れてきてるけど、切り捨て間伐を指導したけれど、切り捨て間伐も進まない。ましてや搬出間伐にはほとんど手がつかないという状況でありまして、川上から川下へという施策ができてなかったわけでありますが、まさに切り捨て間伐はもうやむを得ないところではやりましょう、それ以外は搬出間伐に力を入れますと、そういうような施策をすることによって、地球の温暖化もそうですが、それ以外の山が元気になる。そしたら、山が元気になれば猿やイノシシからクマさんの話も解決するわけでありまして、そういう意味で先ほど御答弁で知事が、工事現場での試験施工を行いながら性能の評価試験をして仕様書への記載について検討するなど、公共工事で使用できるように努めてまいりたいと答弁されましたが、時間があればこれを再問したいと思っとったわけでありますが、この公共工事での仕様書に記載するということは画期的でありますが、これを来年度から、ことしから島根県は導入してますから、来年度から徳島県も導入するというぐらいの構えを、これは県土整備委員会との調整もあるだろうけんど、公共工事というところで農林と県土整備と両方相まって、知事がイニシアチブをとって仕様書に書き込んでいただく、そしてそれが来年度四月一日からということをお願いしておきます。そうすれば間伐材が搬出間伐になります。そうすれば山が元気になるということを強く申し入れておきたいと思います。 次に、エキスパート教員制度、佐藤教育長初めて御答弁いただいたわけですが、先ほど教員評価制度の実施状況を踏まえつつ十分に検討してまいりたいと考えておりますと、こう御答弁いただいたわけですが、実は昨年、松村教育長も、教員制度の実施状況を踏まえつつ十分に検討してまいりたいというふうに御答弁いただいたんですね。まあ松村教育長か佐藤教育長かにかわっただけでペーパーの色が変わったぐらいの程度であろうと思ってます。ほんまに子供たちのために何をするんかという意味で考えたら、非常にこれは一日千秋ですが、前へ進んでないというように思います。このことについても、また厳しく、早く子供たちのために現場が元気になる、そしてそれが子供たちの将来を大切にしていく責務が教育委員会にあると思ってますので、これも今までと同じような答弁を、これは再問してこれも質問したかったわけですが、時間がありませんからいたしません。 それでは、もう時間が過ぎましたが、最後に、一点だけコメントをしときます。飯泉知事の支持率が八七・六%、すごい数字でありますが、山高ければ谷深しということがあるんですね。そういう意味で、山が高いほど、後どういうような施策を継続するかということで大変厳しい状況でありますから、そういう意味でぜひ頑張ってほしいということをエールを送りまして、私のすべての質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)   ──────────────────────── ○議長(佐藤圭甫君) 議事の都合により、休憩いたします。      午後三時五十分休憩   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━    午後四時十七分開議      出席議員計三十五名          (その番号・氏名左のとおりである)     一  番     木  下     功 君     二  番     豊  岡  和  美 君     三  番     吉  田  益  子 君     四  番     本  田  耕  一 君     五  番     宮  本  公  博 君     六  番     扶  川     敦 君     七  番     達  田  良  子 君     八  番     古  田  美 知 代 君     九  番     山  田     豊 君     十  番     木  南  征  美 君     十一 番     川  端  正  義 君     十二 番     森  田  正  博 君     十三 番     須  見  照  彦 君     十四 番     重  清  佳  之 君     十五 番     嘉  見  博  之 君     十六 番     臼  木  春  夫 君     十七 番     黒  川  征  一 君     十八 番     庄  野  昌  彦 君     十九 番     橋  本  弘  房 君     二十 番     冨  浦  良  治 君     二十一番     宮  城     覺 君     二十二番     岡  本  富  治 君     二十三番     藤  田     豊 君     二十四番     西  沢  貴  朗 君     二十五番     吉  田  忠  志 君     二十六番     北  島  勝  也 君     二十七番     福  山     守 君     二十九番     大  西  章  英 君     三十 番     長  尾  哲  見 君     三十一番     長  池  武 一 郎 君     三十二番     竹  内  資  浩 君     三十三番     遠  藤  一  美 君     三十四番     阿  川  利  量 君     三十八番     児  島     勝 君     四十三番     榊     武  夫 君   ──────────────────────── ○副議長(長尾哲見君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。   ──────────────────────── ○副議長(長尾哲見君) 本日の会議時間を延長いたします。   ──────────────────────── ○副議長(長尾哲見君) 七番・達田良子さん。   〔森本・中谷・来代三議員出席、出席議員計三十八名となる〕   (達田議員登壇) ◆七番(達田良子君) 議長の許可をいただきましたので、日本共産党を代表して質問をいたします。 まず初めに、那賀川流域の渇水対策について伺います。 深刻な影響が出ている状況は、さきに質問をされました議員から詳しく述べられましたので、省略をさせていただきますが、知事に緊急な対策を求めたいと思う願いは同じでございます。渇水になったときにどのように対処するのかの対策だけでなく、日常的に総合的な対策を進めていただきたいというのが私の質問の趣旨でございますが、さきの知事の御答弁の中で、那賀川の再生について全力で取り組むという決意をお伺いいたしました。また、治山事業や水源涵養機能の向上などに向けて取り組むという、そういうお答えが返っているわけでございますけれども、こういう点には大いに期待をしたいと思っています。 ただ、この総合的な対策を進めるという上で、今の体制で本当にできるのだろうかという不安がございます。私も、長期の対策、また緊急の対策、いろいろありますけれども、既存ダムの有効活用であるとか、また間伐促進で山の保水力を高める緑のダムづくりであるとか、また短期的には農業用水の余り水も利用したり、雨水も利用したり、さまざまな水源の確保の利用、節水のまちづくりなど、いろいろすることがあると思います。そうしたさまざまな対策をどのように統合的に進めていくのかが問題だと思います。渇水対策を総合的に強力に推進していける体制が必要ではないか、お尋ねをいたします。 次に、飯泉知事の政治姿勢に関してお尋ねをいたします。 まず初めに、平和と民主主義の問題です。 ことしは、戦後六十年、被爆六十年の節目の年です。ところが、日本とアジア諸国の関係がこんなに悪化しているときはありません。その最大の根源は、日本側の問題で言えば過去の戦争や植民地支配に対する日本政府の態度、特に小泉首相の靖国神社参拝問題にあることは明らかです。この問題は、中国や東南アジアに進出をしている県内企業や、そこで生活をされている県人にも深刻な影響が及ぼされる問題です。既に、本県に本社を持つ企業のうち、中国を初め東アジア、東南アジアに海外進出をしている企業は三十社に上ると聞いています。県民の安全と利益を守る上からも、私は首相が靖国参拝をやめ、不戦の誓いを行動で示すことが重要な時期だと思います。河野洋平衆議院議長初め歴代の首相も参拝慎重論、中止論の立場を表明し、保守の人も、マスコミも行くべきではないという声が大きくなっています。当然だと思います。 そこで、知事にお伺いいたしますが、県民の安全と利益を守るため、小泉首相に対し靖国参拝をやめるよう意見を言うべきと考えますが、答弁を求めます。 次に、核兵器廃絶に向けた取り組みについて伺います。 広島、長崎の被爆から六十年目のことしを、核兵器廃絶の転機の年にしようという行動が世界じゅうに広がっています。この五月、ニューヨーク国連本部で核不拡散条約(NPT)再検討会議が開かれました。このNPT再検討会議に向けて、徳島県からも我が会派の山田議員を初め十一人が参加をいたしました。五年前の再検討会議で確認をした核兵器保有国による核兵器廃絶の明確な約束を実行するよう、非同盟諸国や非核地帯三カ国などの代表が迫りましたが、アメリカ政府により最終文書がまとめられないまま終わりました。しかし、このことは、核超大国の横暴への批判や、NPT締約国政府の反発を生むなど、核兵器廃絶を追求する確固とした流れが発展していることを浮き彫りにしました。さきのNPT再検討会議において、核保有国は核兵器の使用と威嚇、開発を行わず、直ちに核兵器廃絶の実行に踏み出すこと、すべての国の政府は核兵器廃絶国際協定の実現のために行動することという二つの要請を、県内の自治体首長や議員に平和行進実行委員会のメンバーが要請しました。ところが、飯泉知事はサインをされなかったそうです。主義主張を別にしても、県内でも三十四人の首長さんや議長さんがサインをしたそうでございますが、非核自治体宣言をしている県知事として核兵器廃絶を本当に願っているのなら、この要請は当然受けるべきではなかったでしょうか。 そこで、知事に伺います。 知事はこの二つの要請をどう受けとめているのか。あわせて、被爆六十年に当たり、県として核兵器廃絶に向けた取り組みをどう進めるのか、お伺いいたします。 次に、知事の政治姿勢の二点目、阿南東部土地改良区から県職員への飲食提供に関する知事の認識です。 東部土地改良区では、圃場整備事業と並行し河川拡幅や県道、市道などの整備も行われ、県、阿南市合わせて五十億円を超える土地代金が改良区に支払われています。このお金は、事業の農家負担分や改良区の運営費に使われた残りを関係農家に清算金として支払わなければならないものです。ところが、前理事長が理事を兼任していた農業振興組合と野菜生産組合に資金を流用し、平成十五年度末の時点ではお金が全くなくなるという事態でありました。 平成十三年十二月に、組合員が百七十八名の署名を添え、資金流用は違法などの内容で県に会計検査を請求しました。ところが、県は会計検査はしたものの、一概に違反とまでは言えないが、不適切な点があると回答し、結果的に資金流用にお墨つきを与えてしまったのです。このため、平成十四年、十五年度も資金流用が続きました。その後、平成十五年七月、組合員の有志が当時の理事長らを業務上横領の疑いで告発しました。こうした中で、県は昨年末、ようやく土地改良法違反として、振興組合の税金支払いに充てた金や理事会の承認なく理事長が支出した金の処理などについて措置命令を出しました。十三年の末に不明朗な会計処理を指摘されながら、改良区理事長を毅然と指導しなかった県の姿勢は大いに問題ですが、平成五年から十三年までの九年間に、少なくとも五十三名の県職員が計百八十一回の飲食提供を受けていたなどの事実が県の調査で明らかになっています。こうした関係で検査が甘かったのではないかと、県民の疑問の声が聞かれます。 ところが、知事は記者会見の際、「当時と今では時代背景が違う」と述べられ、懇親会も必要だったという認識を示しています。また、「もちろんそれによっていろいろと手心を加えるということがあってはならないことです」とも述べておられます。この五十億円を超える土地代金、県民の税金の使われ方が今問われているのです。当時であっても、現在であっても、本来農家に返すべきお金が一億四千六百万円も飲食費に使われ、このうち約三千万円は県の職員も参加をしていたのです。こうした関係が少なくとも平成十三年までは続き、結果的には手心を加えたのではないかと思わざるを得ない状況になっているではありませんか。まさに知事自身の事態の深刻さに対する認識が欠如していると言われても仕方ないのではないでしょうか。当時懇親会は必要だったとか、時代背景が違うなどの知事の発言は撤回をし、認識を改めていただきたいと思いますが、明確な答弁を求めます。 次に、公益通報制度と働きかけ記録制度の改革についてお尋ねをいたします。 汚職調査団からの提言を受けて知事が制度を創設して以来一年間、私たちは調査団が提言した内容を全面的に実践することが汚職再発防止に必要だと、知事の創設した制度の不備と改善点を指摘をしてきました。さきの二月議会のときにも、我が党の質問に対して知事は、一年たった後にしっかりともう一度検証していきたいと答弁されていました。そして、今議会に制度改正が提案されたわけですが、知事の説明ではこういうように改善をするという点は示されたものの、どのような検討がなされたのかは説明をされていません。 そこで、知事にお伺いしますが、今回の制度の改正はこの二つの制度の仕組みのそれぞれどこに不十分な点があったために必要になったとお考えなのか、まずお聞かせをください。 次に、指定管理者制度導入についてお尋ねをします。 この制度のねらいが、民間活力を活用し、住民サービスの向上と経費削減を図ることという、朝からの知事の答弁でも言われております。しかし、県民から見れば、相反するような目的をどのように統一していくのかという疑問がございます。住民の福祉の増進を目的として、その用に供すると定義をされている公の施設に営利企業が参入すればビジネスとして位置づけざるを得ず、住民サービスが本当に維持、向上できるのかというのが一番心配されます。これらの施設は、県民の税金でつくった県民の共同財産です。営利会社の参入で利益追求が優先をされ、公平、公正な運営が担保をされず、利用者、県民の声が後回しにされるということがあってはなりません。また、民間事業者の参入や雇用の機会を拡大するなどとして労働市場の劣化、劣悪な労働条件や不安定雇用を持ち込み、広げるようなことがあってもならないと考えるものです。 そこで、お尋ねをいたします。 公の施設の公共性、住民利益の保障と労働者の働く権利保障など、制度導入に当たっての知事の基本的姿勢をお尋ねいたします。 次に、補助金カット問題についてです。 飯泉知事は、今年度の予算案についての記者会見の際に、県民が負担を感じるような影響はないというような趣旨の説明をされていました。しかし、その後、予算案を審議する過程で、少子化対策や高齢者対策、また合併浄化槽設置に対するものなど、県民の暮らしや福祉に直結する補助金がカットされていることが、徳島市議会における議論を通じて初めて県民の前に明らかになりました。これは県議会にも報告をされていませんでした。これでは県民だましではないでしょうか。知事は「オープンとくしま」と言いますが、この一連の過程を見れば、県は県民にも、県議会にも、市町村にも説明責任を果たしているとは到底言えません。これらの補助金カットによって県民への影響が出てきていることが事前の委員会で明らかになりました。 そこで、知事に伺いますが、飯泉知事はこれらの補助金カットによって県民生活にとって深刻な影響が出ているという認識を持っておりますか。 また、当初県民への影響はないと言っていたのが、実際は影響が出てきているのですから、県政の役割からすればこれらの補助金カットは撤回をし、補正予算で措置すべきではありませんか。知事の明快な答弁を求めます。 次に、橋梁工事の談合事件に関してお尋ねをいたします。 国発注の鋼鉄製橋梁工事の入札談合事件が発覚をし、長年にわたり業界ぐるみの談合が繰り返し行われ、莫大な不当利益を上げていたことに厳しい批判の声が上がっています。本県でも、二〇〇〇年度から二〇〇四年度までの五カ年で、鋼鉄製橋梁工事で一億円以上の本課執行分だけでも二十四件発注をされ、二つの談合組織に加盟する企業がそのうち十五件を受注していました。詳しく見ると、この二十四件の当初請負額は百三十八億二千四百八十二万五千円に対し、A会、K会に加盟する企業分は十五件で百十八億六千四十八万五千円に達し、実に八五・八%のシェアに上っています。さらに、落札率で見ましても、二つの談合組織に加盟する企業の落札率の平均は九四・五二%です。公正取引委員会が刑事告発をした関東、東北、北陸地方整備局の平均落札率が九四・四五%ですから、本県発注の平均落札率がより高いという状況になっています。談合を繰り返していた四十九社の中に、県内業界最大手のアルス製作所が含まれていました。そのアルス製作所が加盟をしていたA会は、西日本でもN会という別組織をつくり、西日本の国交省地方整備局や地方自治体の発注分で受注調整していたことも朝日新聞が報道しています。本県では、汚職問題調査団が報告書の中で、「徳島県は談合の海」と厳しく指摘をしていました。それだけに、談合の被害者は国民、県民、すべての談合の疑いを調査し、解明してほしい、これが多くの県民の声です。 そこで、知事にお伺いをいたします。 知事は、本県での鋼鉄製橋梁の発注についてどう認識をしているのか。また、問題の調査、解明に向け努力をする決意はあるのかどうか伺います。 御答弁をいただき、再質問をいたします。   (飯泉知事登壇) ◎知事(飯泉嘉門君) 達田議員の御質問に順次お答えをいたしてまいります。 まず、那賀川の渇水対策を総合的に責任を持って推進していける体制づくりが必要ではないかとの御質問をいただいております。 県内河川におきまして渇水が発生をし、その影響が深刻かつ広域に及ぶ場合、私を本部長といたしました徳島県渇水対策本部を設置をいたしまして、渇水情報の把握や用水確保の計画調整を初めといたしまして、応急対策の実施調整などを行ってるところであります。 今回の那賀川における渇水におきましても、渇水対策本部を早期に設置をし、このたび初めて実施をいたしました川口ダムに貯留した水の有効活用などの応急対策を積極的に講じてきたところであります。 また、今年度からは、部局をまたがる県政の重要懸案事項の迅速な解決に資するため、副知事をトップといたしました戦略的調整会議を立ち上げたところであります。その中で、特に被害が甚大となっております企業への工業用水の確保について、検討対象といたしておりまして、来春には同様の渇水被害が生じないような方策の検討を行っているところであります。 今後とも、渇水対策につきましては、これらの体制をも十分に活用し、総合的かつ全庁的な取り組みを進めてまいりたいと考えております。 次に、私の政治姿勢につきまして幾つか御質問をいただいております。 まず、首相に対し靖国神社参拝をやめるよう意見を言うべきではないかとの御質問であります。 現在、小泉首相の靖国神社参拝に関し、国内外におきまして、議員からもお話がありましたように、中止や慎重な対応を求めるなどさまざまな声があることは承知をいたしております。こうした中で、小泉首相はみずから適切に判断するという考えを表明されており、今後外交関係など諸条件を勘案した上で適切な判断がなされるもの、このように考えております。 次に、核兵器廃絶について幾つか御質問をいただいております。 まず、核保有国は核兵器の使用と威嚇、開発を行わず、直ちに核兵器の廃絶の実行に踏み出すこと、すべての国の政府は核兵器廃絶国際協定の実現のために行動することとの二つの要請を知事はどのように受けとめているのかという点についてであります。 議員も御承知のとおり、本県におきましては昭和五十七年十月二十日に、県議会において「非核の県」宣言が議決をされてるところであります。この宣言につきましては、核兵器廃絶による恒久平和を求める県民すべての願い、思いが託されたものと受けとめております。私といたしましても、宣言の趣旨であります核兵器廃絶による恒久平和を求めるその思いは同じであります。 次に、被爆六十年に当たり、県として核兵器廃絶に向けた取り組みをどのように進めていくのかとの御質問をいただいております。 先ほど申し上げました「非核の県」宣言の趣旨を踏まえた各種啓発事業、すなわち懸垂幕の掲示や新聞、ラジオなどによる広報、平和啓発ポスターの掲示などについて、引き続き実施してまいりたいと考えております。 さらに、本年は、県立文書館で戦後六十年特別企画展や終戦六十周年記念事業を実施することとしており、より一層核兵器廃絶による恒久平和を県民の皆様に訴えてまいりたい、このように考えております。 次に、阿南東部土地改良区の飲食提供について御質問をいただいております。 平成五年度から十三年度にかけ、県職員が阿南東部土地改良区関係者との会食に出席をしたことにつきましては、事業推進のためその必要があったものと認識をしており、不正や癒着があったとは考えておりません。しかしながら、結果として誤解を招いた点もあり、県民にいささかの疑問をも持たれないよう、今後とも業務執行に当たりましては、昨年度から実施をされました徳島県公務員倫理に関する条例に基づきまして、服務規律の徹底に努めてまいりたいと考えております。 次に、現行の公益通報制度及び働きかけ対応制度のどこに欠点や不十分な点があったのかについて御質問をいただいております。 まず、公益通報制度につきましては、職員に対し通常の事務処理ラインとは別に、提案及び相談することができる受付窓口を設置をし通報の機会を確保したことに意義があったものと、このように考えております。ただ一方で、職員が通報しづらかったのではないかという意見があったことも踏まえまして、現在の受付窓口に追加をする形で新たに外部通報窓口を設置をし、その業務につきましては弁護士に委託することといたしたところであります。 次に、働きかけ対応制度につきましては、相手方の署名による確認を得ることによりまして、氏名を含め情報公開の対象にすることが不当な働きかけに対して一定の抑止効果を生んだものと考えております。この現行制度の根幹部分は本県制度の大きな特徴であり、引き続き維持していくものとの認識を持っております。 しかしながら、職員が相手方に署名による確認を求めても相手方が応じない場合には、職員と相手方の双方の当事者間で主張が異なっていることから、働きかけの事実があったのかどうかにつきまして確認するシステムが必要であると、このように考えたものであります。したがいまして、今回の改正は、このような場合に第三者の立場である弁護士に確認を委託することによりまして、客観性、透明性を確保するという制度を新たに設けることといたしたところであります。 次に、指定管理者制度につきまして、公の施設の公共性、住民利益の保障と労働者の働く権利保障など、制度導入に当たっての基本姿勢について御質問をいただいております。 指定管理者制度の導入につきましては、国から地方へ、官から民へといった方向性のもとに社会経済構造の再構築が進む中で、官と民との新たな役割分担を形づくる制度改革の一つである、このように認識をいたしております。 この新しい制度におきましては、公の施設の管理運営面で民間ノウハウの活用を図ることが大きなポイントでありますが、制度の導入によりまして公の施設が本来的に備える公共性はいささかなりとも揺らいではならないと考えておりまして、指定管理者と締結をいたします協定書の中で公共性の尊重について規定をいたすことといたしております。 また、経営の効率化ばかり優先をいたしまして住民サービスがおろそかになることは決して許されないところでありまして、さらには公のサービスを提供する場におきまして、労働者の法的な権利は当然保障されるべきであると、このように考えております。 それぞれの施設ごとに、基本的には公募という手法によりまして、より効率的な管理運営、さらなる利用者サービスの向上などによりまして創意工夫を凝らした提案を募ることといたしております。今後、寄せられました御提案につきまして、透明性、公平性を備えた選定委員会におきまして総合的な見地から審査をいただいた上で、それぞれの施設を管理運営する最もふさわしい指定管理候補者を選定してまいりたい、このように考えております。 次に、市町村向け県単独補助金への財政力に応じた補助率設定に関し、県民生活へ影響が出ているという認識を持っているのかどうか。また、この制度は撤回すべきではないかとの御質問をいただいております。 真の地方分権社会にふさわしい県と市町村の役割分担を再構築する観点から、市町村向けの県単独補助金につきましては、統合メニュー化を図り、市町村企画型など新しいメニューを加え、より市町村の自由度を高め、主体性や創意工夫が発揮できる制度へ変革をする。あわせて、限られた財源の中で多様化するニーズにこたえ、県全体の均衡ある発展を図るために、従来画一的であった補助率について、財政力に応じた設定を導入するという方針を、昨年十月に策定をいたしました財政改革基本方針に位置づけ、本年度予算編成を通じ見直しに取り組んだところであります。 ちなみに、市町村の財政力に応じた補助率設定方式につきましては、本県ではこれまでも、平成八年度から公共下水道整備促進事業費について、また平成十六年度からは地域にぎわい創出補助金において導入をいたしております。また、全国的に見ましても、このような財政力や自治体の規模に着目した補助率設定方式は約三十の県で制度化をされているものであります。 今回の見直しは、公費負担の総額は確保する中で、県と市町村の負担割合を一部変更しようとするものでありましたが、見直しへの対応で一部の市や町によっては住民負担が異なっていることは承知をいたしているところであります。そして、このことは、事業主体であります市や町のおのおのの政策判断の結果であると、このように受けとめておるところであります。 また、この制度は撤回すべきであるとの御質問をいただいておりますが、今回の見直しの中で、「徳島はぐくみ統合補助金」につきましては、詳細な制度設計など時間を要し、対象の市や町に連絡が遅くなりましたことから、これらの団体からの御要請も受け、事業の執行に支障を来さないよう対象メニューを絞り込むなど、配意いたしたところであります。 県といたしましても、今後とも、市町村向け県単独補助金の見直し趣旨について、市町村に十分御理解をいただけるように努めてまいりたい、このように考えております。 次に、本県での鋼鉄製橋梁の発注についての認識と、事件の調査、解明に向けての決意について御質問をいただいております。 国土交通省発注の鋼鉄製橋梁工事の入札に関し、独占禁止法に違反する行為があったとして、公正取引委員会から二十六社が刑事告発されたことはまことに遺憾であり、県としては悪質かつ重大な事案に該当すると判断をいたしまして、同種の事案といたしましてはこれまでで最長の十カ月間の指名停止措置を行ったところであります。 一方、本県発注の公共工事の入札につきましては、地方自治法などの関係法令や関係規則に基づきまして適切に執行に努めてきたところでありますが、より一層公正で透明性、競争性が確保された制度となりますよう、第三者機関であります入札監視委員会による監視の強化、県議会の御議論を踏まえました入札契約制度の改善を図っているところであります。このことから、本県の鋼鉄製橋梁工事につきましては適正に執行されていると認識をいたしております。 なお、事件の解明に当たりましては、今後、公正取引委員会からの情報提供などの御依頼があれば積極的に協力をしてまいりたい、このように考えております。 今後とも、公正取引委員会の調査や東京高等検察庁の捜査結果などを注意深く見守りながら、厳正に対処してまいりたいと考えております。   (達田議員登壇) ◆七番(達田良子君) それぞれ御答弁をいただきましたけれども、納得できない部分が非常に多い答弁でありました。 まず、公益通報制度、働きかけ記録制度へのお答えをいただきました。実は、二月議会で知事は、私に対しては働きかけはなかったと答弁をされております。そういうことは考えられないことではないかと思うんですけれども、議会の場で堂々と答えられました。今回、改正案を提示をして、透明で公正、公平な県政に向けて努力をされると、こう言われるんですけれども、今御答弁をお聞きしておりましても非常に他人事のように聞こえます。この制度に魂を吹き込み、機能させていくためには、知事自身のイニシアチブの発揮が最も重要なことだと思います。二月議会でも指摘をしましたけれども、知事が作成しないものを部長は作成せず、部長が作成しないものを課長は作成しません。同じように職員も作成しないと思います。 そこで、知事にお伺いしますけれども、ただ単に努力をするとか言うだけではなくて、知事は具体的にどのようにイニシアチブを発揮するつもりなのか。まず、この制度そのものをみずからきちんと運用していこうという、先頭に立っていこうというお気持ちがあるのかどうか、お尋ねをいたします。 私どもは、昨年四月に施行したこの制度が、汚職問題調査団の提言を骨抜きにする大きな欠陥を持っていたということでずっと取り上げてまいりました。今回、公益通報制度について、調査団の提言どおり、弁護士に委託をして、外部に通報窓口を置くということは、通報者が安心感を持って通報できるようにするためにも当然の改革だったと思います。そもそもこの改革のきっかけというのは、当時の現職知事による汚職事件でありました。こういうことを見ますと、弁護士の選任というのは知事が行うというのではなくて、弁護士会に委託をする方がより客観性を担保できるのではないかと思いますが、この点、知事のお考えをお聞かせください。 次に、働きかけ記録制度であります。 この制度の目的は、県職員に対する不当な働きかけを抑止することにあります。汚職問題調査団は、職員に対して権限を持つ政治家の働きかけや団体等の威圧的な働きかけが県職員の仕事に影響を与えてきたという実態をアンケートで把握をしました。そして、行政がゆがめられることを防止するには、既に高知県が制度化していたように、政治家からの働きかけや威圧的な内容の働きかけは、その中身が不当であるか正当であるかを問わず、記録、公表すべきだと考えました。記録の公表によって、それが不公正あるいは威圧的にならないよう抑制でき、同時に県民によるチェックができると考えたわけです。記録の対象をこのように限定することにより、実務的にも対応が可能なはずでした。 これに対して、昨年四月から施行された徳島県の制度の欠陥は当初から明らかでした。第一に、内容を確認する際に相手の署名を求める作業を入れた。こういうことで、知事もおっしゃいましたけれども、心理的に記録しにくく、相手が署名拒否をする場合も想定されることになりました。また、第二には、そうやって記録へ高いハードルを設けながら、一方では単なる紹介とか日常的で軽易なものは除外するあいまいな規定を設けて、職員が記録をしなくても済む抜け穴をつくりました。こうした欠陥のために、一年が経過しても一件の記録もされなかったのではないでしょうか。相手の署名を求める方式は今回の改正でも変えておりませんが、署名なしに記録をする高知県に倣った調査団の提言とは異なり、慎重過ぎるようにも感じます。しかし、弁護士の介在により署名を拒否された場合も内容を公表できる手続を定めたことは、第一の欠陥を補正する一定の改善になると思います。 より重要なのは第二の欠陥の是正です。この点では、今回、単なる紹介や日常的に受ける軽易なものというようにあいまいであった除外規定の一部を、事例によって明確化するとしたことは重要です。なぜなら、汚職問題調査団が提案をした制度と形は違っても、例示の内容次第で似たような抑止とチェックの効果が得られるからです。 そこで、お尋ねをいたします。 威圧的な行動、言動を伴う場合、また政治家からの働きかけは軽易とみなさないという内容を事前に盛り込むべきだと考えますが、知事のお考えをお聞かせください。 次に、指定管理者制度について伺います。 知事は、二月の記者会見で、施設の管理費について、指定管理者制度の導入が図られることを踏まえて、より一層の管理コストの縮減を図るとして、約五・六億円の削減などの見直しを行った、こういう発言をされています。導入前から削減をしてかかっているわけですけれども、やはりコスト縮減のみに重点が置かれる制度導入ではないかとの感が否めません。また、朝ほどの御答弁でも、導入によって一割の削減を目指すということも申されました。これまで施設管理を地方自治体の出資法人に限っていたのを、民間団体やNPO、企業にも委託できるようにしたということで、地方自治体の業務、施設を民間に開放してビジネスチャンスをふやす財界、政府のねらいもうかがえます。 そこで、具体的に何点かお伺いをしておきたいと思います。 その一つ目は、利用料金を取っている施設で利用料金の値上げにつながらないか。だれもが安心して利用できる低廉な利用料金をどのように保障するのか。今後ずっと保障できるのかどうかという意味でお聞きをいたします。 また、二点目は、毎年度の事業報告書は県に提出をしなければならないことになっていますが、議会への報告義務は制度化されておらず、これは問題だと思います。議会としてチェック機能を果たせるよう、改善、運用するべきではないでしょうか。 また、三点目に、現在の委託をしているセンターが仮に継続して指定が受けられなかった場合に労働者の雇用問題が生じますけれども、これをどのように保障していくのか、お尋ねをいたします。 また、四点目には、首長や議員、その関係者が経営をする会社、法人の参入を規制する措置をとるべきではないか。この点で知事のお考えをお聞きいたします。 次に、補助金カットについてでございます。 知事は、補助金カットを撤回する意思は示しませんでした。まあ市町村に頑張ってもらいたい、こういう御答弁だったと思います。一体知事は県政の役割というのをどのように考えているのでしょうか。県民の暮らしや福祉を最優先に考えて、市町村がそのための仕事をするのを応援するのが県政の第一の役割ではないのでしょうか。平成十七年度の予算編成に当たり飯泉知事は、少子化対策に本腰を入れるとか、「環境首都とくしま」を実現するとか、言葉だけは踊っておりました。しかし、それらの補助金を削って、予算の裏づけもなくどうして実行できるんでしょうか。今回の補助金カットは明らかにそれに逆行するものです。一方では、県民の暮らしや福祉に直結する補助金でも、八市町は財政が豊かだからと補助金カットをする。後は市町村頑張ってください、こういう態度です。 その一方で、四国で長者番付一位になった岸小三郎氏、その前は二年続けて徳島で長者番付一位でしたけれども、こういう人物が理事長をしている徳島化製に対してはこれまでどおり三億円の補助金、予算につけている。ここは県や国の補助金で施設をどんどん拡大をし、全国展開も図っている企業です。これでは県民も市町村も納得できません。予算を削るところと出すところが逆立ちをしているのではありませんか。県民も市町村も納得いく説明ができるのですか。知事の明快な答弁を求めます。 次に、企業献金問題についてお尋ねをいたします。 さきに橋梁工事の入札談合事件について質問いたしましたけれども、知事は今までどおり談合の存在は否定をし、実態を調査するような意思も示しませんでした。そうしたことがなぜできないのか、その背景に迫る必要があります。今回橋梁談合で問題になった二つの談合組織、K会、A会の参加企業四十九社のうち三十三社が自民党に献金をし、その金額は平成十五年までに約十六億円に上ることが国会で我が党の指摘により明らかになっています。県内企業では、A会所属のアルス製作所が平成十年、十二年、十三年に十二万円ずつ献金をしています。 実は、そのうちの一部が飯泉知事の選挙運動資金に流れた可能性が生まれています。二年前、平成十五年五月に知事選挙が行われましたが、当時の選挙運動に関する収支報告書によれば、飯泉知事は自民党本部から二百万円の寄附を受けています。橋梁談合企業から自民党への献金は平成十五年までの十一年間で約十六億円。平成十五年だけを見ましても約六億円です。その自民党本部から飯泉知事は資金提供を受けて選挙を戦った、こういう構図です。 知事は、選挙公約で汚職再発防止を優先課題とし、清潔感と自信みなぎる「オープンとくしま」の実現を第一に掲げていました。これを一体県民にどのように説明するのでしょうか。橋梁談合企業からの献金は自民党を通じて知事に一切渡っていないと言い切れるのでしょうか。知事の明快な答弁を求めます。 さらに、飯泉知事の政治団体と自民党の政治資金の流れを調べてみますと、知事と自民党の根深い関係がより一層明らかになります。飯泉知事関係の政治団体に資金管理団体の二十一世紀あすの徳島を創る会と、飯泉嘉門後援会、ふるさと再生県民の会がありますが、これらと自民党との政治資金の流れを平成十五年分について見てみます。まず、知事側からの資金の流れですが、知事が代表者を務める二十一世紀あすの徳島を創る会からの支出は七百十五万五千円、そのうち二百十五万五千円が飯泉嘉門後援会へ行き、残りの五百万円が自民党県連に流れています。この二十一世紀あすの徳島を創る会の収入は約九百万円です。つまり、その大半が自民党県連に渡っているのです。そのうち、個人献金の内訳を見ますと、公務員が六割、ほかに本県の元副知事も含んだ団体役員や会社役員、国会議員、さらに他県の市長や知事などが名前を連ねています。これらの人たちは確かに飯泉知事を支援するために寄附をされたのでしょうが、それが自民党に流れていくことを想定していたのでしょうか。知事はこのことを何とも思わないですか。まず、この点で知事の明快な答弁を求めます。 また一方、自民党側からは、県連から六十万円、党支部から三百万円がふるさと再生県民の会に流れています。ちなみに、このふるさと再生県民の会と自民党県連は、事務所の場所は違いますが、事務担当者は同一人物になっています。 さらに、今焦点になっている橋梁談合企業から自民党支部への企業献金について見ますと、自民党の第三選挙区支部へK会常任幹事の横河ブリッジが百五十万円、松尾橋梁が二十四万円、A会常任幹事の川田工業が十万円、高田機工が二十五万円献金をしています。こうした知事と自民党と企業との政治資金面での密接な関係は、圓藤元知事時代にも形成をされていました。それが大田前知事の時代には一たんは断ち切れたものの、飯泉知事になって復活をしたのです。行政のトップである知事と政治家、そしてそこへ献金する企業、この政・官・業の癒着こそが汚職構造を生む土台ではないでしょうか。 そこで、知事に伺いますが、このような企業献金を中心にした政・官・業の癒着が汚職構造を生み出すという認識はありますか。それをきっぱり断ち切る意思があるかどうか、知事の明快な答弁を求めます。 時間の関係で、最後に鉄道高架事業と、それに伴うまちづくりについて伺います。 国も、県も、徳島市も厳しい財政状況の中、私たちが納めた税金がむだ遣いはされていないか、今ほど問われているときはありません。 まず、まちづくりについて伺います。 二軒屋駅周辺の区画整理は地権者の九割が強く反対をし、市長が白紙撤回をし、知事も県も都市計画マスタープランから削除をする手続に入りました。そして、先月末、反対同盟が住民合意もないままの説明会は中止を求めたにもかかわらず、名ばかりの地元説明会を開きました。変更案では確かに二軒屋駅周辺の区画整理は削除としていますが、まちづくりについて、徳島駅付近から二軒屋駅周辺においては鉄道の高架化とともに街路整備事業や市街地再開発事業をあわせて実施すると文言が残されたままです。反対同盟の皆さんは、鉄道高架に利用されるまちづくりではなく、自分たちのまちづくりがしたいと頑張っているのです。二軒屋地区には市街地再開発をしないと説明をしたそうですが、それならなおさら住民が不安を持つ文言を削除するべきです。我が党参議院議員の質問に、まちづくりには住民参加が不可欠と担当者が答弁をしています。鉄道高架の申請のために急いで都市計画の変更をしようとしていることは明らかです。変更案はそのままで公告縦覧になりました。このような状態では住民合意が図られるはずもありません。住民の望むように都市計画マスタープランの二軒屋駅付近に関する文言をすべて削除すべきと考えます。知事の答弁を求めます。 次に、鉄道高架事業についてです。 鉄道高架に五百億円、まちづくりに五百億円、合わせて一千億円の事業です。鉄道高架事業への国の負担は二分の一、JRの負担分を除いたとしても二百三十億円余りを県と市が負担しなくてはなりません。さらに、まちづくりの分も加わります。今、県の借金は九千三百八十億円と、県予算の約二年分に匹敵する額に上っています。ますます大きなツケを子や孫の時代に引き継ぐことになってしまいます。しかも、佐古駅付近の一期事業でもわかるように、鉄道高架事業は大きな橋をつくる事業と同じですから、県外大手の業者に仕事が回ります。また、渋滞がひどいと言われてきた徳島駅の西側にあるお花畑踏切の遮断時間は八時間四十分から三時間四十七分に短縮されました。ここがボトルネック踏切だと言いますが、朝のラッシュ時にも大きな渋滞は起こっていない状況です。そして、牟岐線は一日に上下合わせて六十一本しか通らない単線です。さらに、南北道路は城山の原生林や徳島城址の史跡を守ろうという運動で歩行者・自転車道に変更され、二軒屋駅周辺の区画整理は白紙撤回です。計画をしていたまちづくり案はすべて破綻をしてるのに、なぜ知事と市長は強引に鉄道高架事業を進めるのでしょうか。今急いで行うべきこと、徳島新聞の県民意識調査でも行政対策は六六%の方が不十分と答えた地震・災害対策ではないでしょうか。子供たちの通う小学校、中学校の耐震化率は全国で下から二番目、住宅の耐震化目標につきましては、去年建てた九百戸の目標に対し、ことし二百戸の予算しかつけていない状況です。また、人命にもかかわる県単急傾斜地崩壊対策事業は遅々として進まず、昨年の台風で大きな被害の出た河川改修も課題が山積している状態です。選択と集中というのであれば、ここにこそ私たちの納めた税金をもっとつぎ込むべきです。生活に密着をした事業は県内の地元の業者に仕事が回ります。 そこで、知事に伺いますが、鉄道高架事業の十八年度着工準備採択を目指す県民合意のないままの申請はやめるべきと考えます。知事の明快な答弁を求めます。 以上、御答弁をいただき、まとめに入ります。   (飯泉知事登壇) ◎知事(飯泉嘉門君) 達田議員の御質問に引き続きお答えをいたしてまいります。 まず、このたびの公益通報制度の運用について御質問をいただいております。 県として、この公益通報制度も含め新しく制度を創設した場合には、知事である私が率先垂範をすること、これはもう当然のことであります。また、このたびの制度につきましても、議会での御論議などを経て、そして制度として確立した暁には、県庁内におきましても速やかに周知徹底を行い、そして職員隅々にまで理解ができるような形をとりたいと、このように考えております。今後とも引き続き、透明性が高く、公平、公正、「オープンとくしま」の実現に邁進してまいりたいと考えております。 次に、徳島化製への補助金について御質問をいただいております。 御質問の補助金とは、保健福祉部において所管をいたしておりますと畜場等衛生確保対策事業補助金、商工労働部の小売・卸売商業安定化事業費補助金及び農林水産部の食鳥副産物有効利用促進事業補助金、以上三つの補助金制度について御質問がなされたものと理解をいたしております。 平成十七年度の当初予算の編成に当たりましては、政策評価システムに基づきまして、県行政全般にわたる千三百三十九の政策的な継続事業につきましても、早い段階から十分な時間をかけ例外なく事業評価を行ってきたところであります。 当該補助金の事業評価といたしましては、食肉生産業の振興、環境保全、小売・卸売商業の安定化、食鳥産業の健全な発展などの観点から、公益的必要性が大きく、また県民多数の公衆衛生や生活環境の保全に密接な関係を持つことから、今年度におきましても引き続き事業を行う必要があると判断をいたしたところであります。 なお、今後におきましても、補助事業の目的、有効性、効率性などにつきまして引き続き見直しを検討をし、事業の適正な執行に努めてまいりたいと考えております。 次に、さきの知事選挙に関する費用について御質問をいただいております。 去る平成十五年の知事選挙に際しましては、私は県内の市町村、経済界、女性団体の皆さんや医療福祉団体の皆さんなど関係各方面の皆様方から、本県の危機的状況を何とかしてほしい、混乱からの脱却に尽力してほしいというまさに身を切るような御要請をいただき、出馬を決意をいたしたところであります。 選挙に当たりましては、無所属で出馬をいたしましたが、自由民主党本部から御推薦をいただいたところであり、このため自民党から推薦料として御寄附をいただいたところであります。自由民主党におかれましては、当時混迷をきわめていた県政を正常化する候補として私を御推薦いただいたものと考えておりまして、政党全体的な資金収支の中での推薦料の由来につきましては承知をしていないところであります。 次に、私の政治団体の資金収支について御質問をいただいております。 二十一世紀あすの徳島を創る会の収入につきましては、私が突然知事選挙に立候補いたしましたため、全国のこれまでおつき合いをさせていただいておりました皆様方から寄せられたカンパであります。なお、政治資金規正法におきましては、政治団体間の政治資金の流れについて規制をされてないとこでありますので、申し添えさせていただきたいと思います。 次に、企業献金と汚職について御質問をいただいております。 これまでの政治資金をめぐるさまざまな問題が国民の間に政治不信を起こしてきたことは、私も十分に承知をいたしているところであります。このため国民の政治に対する信頼を回復する方策として、政治資金規正法の改正が行われ、企業その他の団体が行う政治活動に関する寄附の制限が強化されております。すなわち、政党以外の知事も含めた政治家及び政治団体は、企業や団体からの寄附を受けることはできない仕組みとなっております。国民の皆様方から疑義を持たれる政・官・業の癒着に起因をする汚職構造は、議員のお話もありますように、あってはならないことであり、私も常に身を厳しく律し、清潔で信頼される県政を築いてまいりたい、このように考えております。 県が示した都市計画変更案から二軒屋駅付近に関する文言を削除すべきではないかとの御質問をいただいております。 今回の徳島東部都市計画区域マスタープランの変更手続は、まちづくりの主体であります徳島市から二軒屋駅周辺地区土地区画整理事業について住民の御理解が得られないことから、土地区画整理事業を実施しないこととしたのでマスタープランを変更してほしいとの要請を受け、進めているものであります。この変更案は、徳島駅付近から二軒屋駅付近にかけての広範囲にわたる地域におけるものであり、この部分から二軒屋駅付近に関する文言すべてを削除することは適当でない、このように考えております。今後、マスタープランの趣旨を十分に御理解をいただき、住民の方々と徳島市との間で二軒屋駅周辺のよりよいまちづくりに向け話し合いを進めていただきたい、このように考えております。 次に、平成十八年度の着工準備採択を目指す今後について、住民合意のないままの申請はやめるべきではないかとの御質問をいただいております。 徳島市内の鉄道高架事業は、都市交通の円滑化、中心市街地の活性化などに大きな効果が期待できることから、県市連携をし推進しているところであります。 先月二十七日には、これまで県議会及び徳島市議会での御議論や経済団体など各界各層からの鉄道高架を推進してほしいとの要望を踏まえまして、国土交通省に対し連続立体事業での平成十八年度着工準備採択を県の重要施策として要望いたしたところであります。今後とも徳島市と連携をいたしながら、平成十八年度の着工準備採択を目指し、鉄道高架事業の着実な推進に努めますとともに、まちづくりに対する住民の皆様の御理解が得られますよう、徳島市を支援してまいりたい、このように考えております。   〔来代議員退席、出席議員計三十七名となる〕   (里見企画総務部長登壇) ◎企画総務部長(里見光一郎君) 公益通報、働きかけ対応制度について二点、指定管理者制度につきまして四点御再問いただいておりまして、順次お答えしていきます。 まず、公益通報制度、働きかけ対応制度についてであります。 弁護士の選任を弁護士会に委託する方がより客観性を担保できるのではないかとの御質問でございます。 業務を委託する弁護士につきましては、制度を円滑かつ適正に運用するため、公正中立の立場で業務を遂行していただける方、県行政に関し一定の識見を有する方、業務に誠実かつ適切に取り組んでいただける方、このような方が適任であるものと考えております。 弁護士の選任につきましては、今回改正いたします制度の実務の一部につきまして具体的に携わっていただくという委託内容でございますので、今申し上げましたとおりの基準を踏まえまして、今後早急に人選を進めてまいりたいと考えております。 次に、要綱におけます日常的に受ける軽易なもの、その事例の取り扱いについての御質問でございます。 日常的に受ける軽易なものは、働きかけ対応制度による書類の対象とはしないと規定いたしております。県の事務には、税と環境、福祉、医療、土木、そのような現場などで県民の方々や関係者から日常的に要望や通報などを受けるものがあります。日常的に受ける軽易なものとは、このような担当職員の職責におきまして通常業務として処理するものを示しておりますので、働きかけ対応制度の対象外としているものであります。 今回の見直しの一つといたしまして、その判断基準を明確にするため、要綱の中に事例を挙げて明記することを考えているところであります。 なお、働きかけの相手方がだれであるか、あるいはその言動がどうであるかという形式いかんで対象となるならないということではなく、その行為の具体の内容に即して働きかけに該当するかどうかの判断をするものでありますので、御理解をいただきたいと存じます。 指定管理者制度について四点いただいております。 まず一点目、だれもが安心して利用できる低廉な利用料金をどう保障できるのかとの御質問でございます。 指定管理者制度を導入する施設の利用料金につきましては、地方自治法の規定により条例で定めているところであり、今回値上げをお願いし、提案しているものはございません。 なお、今後、社会経済情勢の変化などによりまして利用料金に関する事項の改定が必要となる場合には、議会に条例の改正をお諮りし、御審議をお願いすることとなります。 二点目は、議会としてのチェック機能を果たせるよう改善、運用するべきではないかとの御質問でございます。 今回導入予定の指定管理者制度におきましては、指定管理者に対する監督権は、従来の制度に加えまして、新たに指定の取り消しとか、業務の全部または一部を停止を命ずることができるなど、より一層拡充、強化されているものと認識いたしております。 議会に対しましても、県は指定管理者の指定を行おうとする場合には条例に基づきまして議会の議決をいただかなければ指定ができないなど、チェック機能を働かせていただくことになっております。 県におきましては、指定管理者から必要に応じまして管理業務の実施状況など施設の管理業務に関する報告を求めるようにいたしております。このように指定管理者において企画提案書どおりの管理や、住民サービス向上に向けての不断の努力が行われているかなど、その管理運営内容について十分チェックしていくこととしておりまして、議会への報告につきましても適時適切に対応してまいりたいと考えております。 三点目は、仮に指定が受けられなかった団体の労働者の雇用をどう保障するのかということでございます。 指定管理候補者につきましては、原則として選定委員会の審査により選定をされることになっておりまして、その結果によりましては現行管理団体にとりまして厳しい状態が生じることも予想されます。今回、仮に指定が受けられなかったことにより生ずる雇用問題につきましては、第一義的には当該団体における労使協議及び当該団体の独立性や自主性を尊重するものと考えられます。また、それぞれの施設や団体の置かれた状況、業務内容、財務内容等によりましてその対応はさまざまではないかと認識いたしております。 こうしたことから、個別、具体的に団体みずからが行う事柄と県ができる事柄とを整理した上で、法令を遵守しまして、県民の皆様方の御理解を得られますよう、適宜適切な対応を行ってまいりたいと考えているところでございます。 最後、四点目は、首長や議員、その関係者が経営する会社、法人の参入を規制する措置をとるべきではないかとの御質問でございます。 指定管理者制度につきましては、公の施設の管理権限を指定管理者に委任することによりまして、指定管理者が地方公共団体にかわって施設の管理運営を行うものでありまして、請負等の契約には該当しないとされております。したがいまして、地方自治法上の首長や議会議員に関するいわゆる兼業禁止規定は適用されないところとなっておりますので、御理解を賜りたいと存じます。 なお、申請団体の提案内容を審査する選定委員会におきましては、委員の半数以上を外部有識者とするほか、申請団体の役員を務める県職員などは委員に選任しないこととするなど、透明性、公平性の確保に十分配慮いたしたいと考えているところでございます。   (達田議員登壇) ◆七番(達田良子君) さまざまな問題で御答弁いただいてまいりました。その一つ一つについていろいろまたお聞きをするという時間もございませんが、一番最後の部長答弁の指定管理者制度導入、非常に大きな問題があるということを感じました。 まず、この管理費が約一割導入したときに削減したいというような希望をおっしゃっておりましたけれども、今より一割削減するということは、この三十の施設で約三億六千万円を削減するということになっていくと思います。もうこの利用料金の値上げにはつながらないのかどうか、また労働条件は低下しないのか、雇用がどうなるのか、これについても非常に不安な御答弁でございました。今後の委員会でこの問題点をしっかりと明らかにして、そして本当に県民のための、県民の目線に立った制度導入になるように取り組んでいくつもりでございます。 また、この指定管理者制度で一点だけ、弁護士さんのどのような方が適切なのか、こういう意味で聞いたわけではありません。知事が選ぶというのでなく、弁護士会に委託をした方がより客観性が担保できるのではないか、こういう点でお聞きしたんですけれども、全く御答弁はこの方向に沿わない答弁でありました。もう御答弁をいただく時間もありませんので、またこれも委員会の方で取り上げていきたいと思います。 最後になりましたが、二軒屋の反対同盟の代表の方、本日国土交通省へ、マスタープランから二軒屋のまちづくりが削除されない限り、当然住民合意をするつもりはない、話し合いにも応じない、住民合意がない状況の中での鉄道高架事業の着工準備採択をしないでください、こういう要請に行かれております。本当に住民の皆さんの思いに耳を傾ける知事なら、直ちに住民の望む二軒屋駅周辺に関する文言を削除するべきだと思います。そして、不要不急の鉄道高架事業は白紙に戻すべきです。 先ほども言いましたように、公共事業は学校の耐震化、住宅の耐震化などを初め防災対策に力を入れる。安全にかかわる身近な事業に切りかえて、本当に県民に喜ばれる事業に変えていただきたい、そして地元業者の仕事をふやしてもらいたい、こういうことを申し上げて私の質問を終わります。(拍手)   ──────────────────────── ○副議長(長尾哲見君) 以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。   ──────────────────────── ○副議長(長尾哲見君) 本日は、これをもって散会いたします。      午後五時二十六分散会   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━...