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  1. 徳島県議会 2002-09-01
    10月04日-02号


    取得元: 徳島県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-17
    平成14年 9月定例会   平成十四年九月徳島県議会定例会会議録(第二号) 平成十四年十月四日    午前十時三十五分開議      出席議員計四十一名          (その番号・氏名左のとおりである)     一  番     重  清  佳  之 君     二  番     木  南  征  美 君     三  番     川  端  正  義 君     四  番     嘉  見  博  之 君     五  番     森  田  正  博 君     六  番     喜  田  義  明 君     七  番     須  見  照  彦 君     八  番     臼  木  春  夫 君     九  番     黒  川  征  一 君     十  番     古  田  美 知 代 君     十一 番     山  田     豊 君     十二 番     森  本  尚  樹 君     十三 番     岡  本  富  治 君     十四 番     藤  田     豊 君     十五 番     谷     善  雄 君     十六 番     庄  野  昌  彦 君     十七 番     橋  本  弘  房 君     十八 番     冨  浦  良  治 君     十九 番     久 次 米  圭 一 郎 君     二十 番     長  池  武 一 郎 君     二十一番     大  西  章  英 君     二十二番     長  尾  哲  見 君     二十三番     樫  本     孝 君     二十四番     来  代  正  文 君     二十五番     竹  内  資  浩 君     二十六番     福  山     守 君     二十七番     西  沢  貴  朗 君     二十八番     吉  田  忠  志 君     二十九番     北  島  勝  也 君     三十 番     杉  本  直  樹 君     三十一番     佐  藤  圭  甫 君     三十二番     児  島     勝 君     三十三番     川 真 田  哲  哉 君     三十四番     遠  藤  一  美 君     三十五番     柴  田  嘉  之 君     三十六番     四  宮     肇 君     三十七番     元  木     宏 君     三十九番     大  西     仁 君     四十 番     阿  川  利  量 君     四十一番     谷  口     修 君     四十三番     榊     武  夫 君   ────────────────────────  出席職員職氏名     事務局長     佐  藤     功 君     次長       松  本  竹  生 君     議事課長     武  知  完  侍 君     調査課長     小  西     昭 君     調査課主幹兼課長補佐              八  木  利  昭 君     議事課課長補佐  滝     壽  郎 君     議事課課長補佐兼議事係長              木  村  輝  行 君     事務主任     多  田  清  治 君     同        張     功  人 君     同        大  屋  英  一 君     同        前  田  隆  司 君     主事       谷  本  か ほ り 君   ────────────────────────  出席速記者氏名     速記者      井  上  順  子 君   ────────────────────────  列席者職氏名     知事       大  田     正 君     出納長職務代理者副出納長              高  木  直  規 君     企業局長     中  村     稔 君     企画総務部長   迫  田  英  典 君     県民環境部長   飯  泉  嘉  門 君     保健福祉部長   谷  川  博  文 君     商工労働部長   神  野     俊 君     農林水産部長   錦  野  斌  彦 君     県土整備部長   上  総  周  平 君     財政課長     米  澤  朋  通 君     財政課課長補佐  坂  東  敏  行 君   ────────────────────────     教育委員長    古  川  一  郎 君     教育長      松  村  通  治 君   ────────────────────────     人事委員長    島  内  保  夫 君     人事委員会事務局長増  金  賢  治 君   ────────────────────────     公安委員長    武  田  克  之 君     警察本部長    北  村     滋 君   ────────────────────────     代表監査委員   四 十 宮  惣  一 君     監査事務局長   松  平     清 君   ────────────────────────  議 事 日 程   第二号   平成十四年十月四日(金曜日)午前十時三十分開議 第一 県政に対する一般質問         (四   名)   ──────────────────────── ○議長(川真田哲哉君) これより本日の会議を開きます。   ──────────────────────── ○議長(川真田哲哉君) 直ちに本日の日程に入ります。 日程第一、「県政に対する一般質問」を行います。 通告がありますので、通告の順序に従い、発言を許可いたします。 十三番・岡本富治君。   〔中谷議員出席、大西(仁)議員退席〕   (岡本議員登壇) ◆十三番(岡本富治君) 皆さんおはようございます。 自由民主党・県民会議を代表して、九月議会のトップの質問をさせていただきます岡本富治でございます。 考えてみますと、代表質問は二回目ということになってますが、全然立場が違う状況であることは皆さんも御承知のとおりだと思っております。 こんな歌を実は今、思っています。「秋来ぬと 目にはさやかに見えねども 風の音にぞ おどろかれぬる」という。 あの圓藤知事が辞職をして、正直言って驚きました。でも、六月議会の所信表明をお聞きしたときに、あっ、これはほとんど変わってないなあと、正直そう思いました。 そして、こんな歌もあるんです。「木の間より もりくる月の 影見れば 心づくしの 秋は来にけり」と。もう一個あるんです。「月見れば ちぢにものこそ 悲しけれ わが身一つの 秋にはあらねど」。 何となく、大田知事さんは、ずうっと、まさに知事という職がいかに孤独であるかということを日々感じながら、我が身一つの秋にはあらねどと思ってるんじゃないかなあ、そんなふうに思っております。 実は私は、そんなことなので、どういうスタンスで質問をしようかというのが、正直に言って、ここに立つまで、よく知事がおっしゃる、私の考えは定まっておりませんでした。でも、皆さんの議場の雰囲気、そして多くの傍聴者の皆さん、県議会と知事は、とにかくお互いに思っていることを議論をし、話し合って、徳島県のいい方向をつくっていかなきゃいけないなあ、そんな思いで、今はやろうと思っています。答弁によっては、また変わっていきます。 そこで、実はこの「生き方上手」という本を元木先生の全快祝いにいただきました。いいことを書いてあるので、今こう線を引いてきました。医師と患者は、知事さん、医師は聞き上手で、患者は話し上手であれば、どっちが医者か患者か──県議会と知事ね、それは別にして、県民と。とにかく十分話をすれば、六割のことは診断ができるって書いてるんです、この本の中では。九十数歳の人が。 こんなことも書いてるんです。最近は、余り話をせずに、要するに患者と医師が話をせずに、受ける必要のない数々の検査のために時間と費用をむだに使う。そういうふうに、実はこの本に書いてあるんです。そのことはあえて言わなくてもわかると思うんですが、いろんな問題がいっぱいあって、知事さんと私たちの考えが違ってたことも事実です。でも、お互いに腹を割って話をすれば、やらなくてもいいこともあったんじゃないかなあ、そう思っています。そんなことでいろいろ質問をします。さっきこれ読んだの、知事さん、お読みですよね、これ。(資料提示) それでは、財政の問題について質問をさせていただきます。 知事は、財政の構造改革を積極的に推進するため、改革の道筋となる改革基本方針を今年度中に策定し、現在の県債発行抑制基準の水準についても検討する必要があると、たしか森本議員の六月議会で答弁をされました。樫本議員の答弁には、財政健全化推進プログラムのあり方についても検討する必要があると、六月議会に答弁をされ、強調をされてます。 そこで、県債残高のとらえ方と、いま一度、そのことを確認と、それから、まだ出てない新しい数字を今から申し上げますから、そのことへの認識。そして、県債発行基準を、じゃあどの辺に置いたのがいいのか。八千億円がどうだって言ってた。じゃあ来年度予算に向かってそれどうするのか、それ大事だと思うので。変わった数字というのは、例えば、あの八千億円云々と言ってるときは七千九百二十億円の借金があって、実質は二千九百億円の県負担であった。そのとき知事はこう答弁しました、たしか。「表面上の県債残高ではなく、その内容に着目することが重要である」と言われてます。森本議員さんだったかな。新しい数字っていうのはこうなってまして、十三年度末の県債残高は八千三百六十億円になってるんです。今、一番新しい数字は。で、県が本当に負担しなければいけない額っていうのは二千九百二十億円なんです。つまり四百四十億円、県債は残高としてふえたけど、実質の県が負担するのは二十億円しかふえてない。財政当局が、いろんな人が一生懸命に頑張ったんだろうと思うんです。それから、今度それを返していく公債費という観点から見るときに、前年度とこの数字とで見ると、公債費に対して地方交付税措置額っていうのがありますね、それが五七%にまた上がったんです。昨年より充当の額が四%も上がったんです。そういう数字になってるんです。 そこで、知事さんにあえてお聞きしたいんですが、今私が申し上げた数字に間違いがないでしょうか。ないとすれば、そのことについての認識をどう持っておられるのか。 さらに、新しい財政制度のもとで、その五七%となってきた交付税措置がぐうっと低くなってきます。そうしたら、実質の県負担の増加はこれからは避けられなくなります。知事は、さっき言ったように、六月議会で「検討する必要がある」と何回も言われたんです。だから、私は県債の発行基準について大胆に見直されるんでないかなあ、そう思っています。そこまでいくとなかなか答弁しにくいから、じゃあ幾らに知事さんしたいんですかって聞きたいんです。でも、何か私が言わないとやりにくいなあと、正直思ってます。 例えば、四百十億円にするのか、四百四十億円にするのか。この九月補正が終わった段階では、たまたまでしょうが、今回結構ふえてますが、四億円しかふえないんです。三百九十六億円になるんです、今言ってる話のところは。九月補正が終わっても。ちなみに、昨年度は全部トータルして四百三十一億円です。その前が四百三十三億円です。十一年度は四百十九億円なんです。 だから、もう一回言いますが、そういうことを含めて、知事はああいう答弁をされたんだから、じゃあ今この程度でいきたい、そういうことを頭に描いてないと、まさに来年度の予算編成に向かっていけないと思います。知事の責任ある御答弁をいただきたいと思います。 次に、まさに大田知事が初めて予算編成をされた今回の九月補正についてでありますが、知事は今議会冒頭の説明で、たしかこんなふうに言われました。構造改革元年の予算だから、年間を通ずる総合予算として、その後の国庫支出金の決定、また、当初予算編成後の事情がいろいろ変わった。そんなことも含めて出したと言われております。それはそれだと思います。驚いたのは、四国四県を比べて、余りにも徳島県の伸び率が低いということなんです。 申し上げますと、香川県っていうのは、百四十五億円で百三十五億円です。基本的に今の時期ですから、昨年よりことしが多いということはないです。香川県、九二・八%です。愛媛県、二百一億円だったのが百七十六億円です。八七・三%確保しているんです。高知県は、災害をのけなければいけませんから、二十八億円から十七億円なんですね。そしたら六一・七%なんです。本県は、皆さんも御承知のとおり、四二・八%なんです。五〇%を割ってるのはうちだけです。なぜか香川と愛媛がぐっと、逆に言えば上がってるんです。そのことについて知事の見解をいただきたいと思います。 次に、一番お得意であります森林、林業に対する知事の基本姿勢と担い手育成対策についてお伺いをいたします。 知事は、今さら申すまでもなく、まさに森林、林業のエキスパートだと、あなたも思ってるし、私たちも、見識が高く、その強い決意には、特に私は県議会の林活議連の幹事長として大変大きな期待を持っておるところであります。あなたは、元気の出る、希望の持てる徳島をつくるために、いろいろ議論がありましたけど、今回特にまた、緑の公共事業っていうのを挙げられています。正直言って、余り私は、緑の公共事業という言葉は使いたくないんです。本当は、緑の雇用対策なんだと思うんですが、そのことについて具体的な御答弁を求めておきたいと思います。 次に、マリンピア二期事業と四国横断自動車道の南伸についての問題でありますが、非常に高速道路のあの民営化の委員会がぐうっと早く進んでいるのと同じように、実は一昨日、マリンピア検討委員会スケジュールが発表されました。予想をある意味で超えて、あと五回で、十一月中には全部決めるというスケジュールが決まったんですよね。たしかそうお聞きをいたしております。問題は、残り四回だけど、五回目の十一月上旬にあるという委員会では、高速道路の南伸を検討委員会の前提と当然してますよね。そのことは大変、六月議会から大きく変わったことかなと思ってますが、それは評価するんですよ。でも、そうなってて、十一月の一番最初の前半にするところで実質的に決まると、こんなふうに書いてあったと思いますが、有力案の評価と順位づけがそのときになされると書いてあるんです。で、私は、マリンピアに関係するインターチェンジは、知事みずからが一日も早く決断しないと大変なことになるなあと思ってるんです。これ質問の仕方が難しいんですが、マリンピアの問題を含めながら、まさにあの高速道路インターチェンジはあそこにするっていうのは、六月のときには明確に言わんかったんです。南伸はするって、ずうっと言ってました。でも、あそこにインターチェンジを決めるというのは一言も言わなかった。でも、それが前提条件になって、今、委員会が進んでます。 そこで、たまたまなんでしょうが、その時期っていうのは、あの皆さんで連合審査会でいろいろあった七月の重要要望をもっと具体化して、来年度予算に向けて十一月の要望をするというその印刷に回す、知事が決定をする、知事がこういうふうに確定をするっていう時期と全く同じなんですよ、なぜか。なぜか同じになってるんです。私に言わしたら、十一月八日ごろが徳島県の運命を決める日になるなあと、今、正直思っています。何らかの形でこれは国への重要要望に組み入れることを知事が決断をすべきだと思っています。知事の苦渋の決断を促します。期待をいたします。難しいかもわかりませんが。 次に、あと一点、第一問でお聞きしますが、市町村合併と県の支援策についてでありますが、端的に知事さん申し上げます。知事は市町村合併に賛成だって表明してるんですが、過去の経緯とか、今までの知事さんの言動からして、市町村は、あれ知事ってほんまに賛成なんかなあと、すごく不安がってます。これ正直なところ申し上げます。不安がってます。 例えば、県内の宍喰町では、この前、住民投票がありました。知事さんのお好きな、ありました。そういうことになってます。今年度末、来年の三月までに法定協議会というのがいっぱいできていくだろうと予想をしています。 知事はこう言ってますよね。「あくまでも市町村合併は自主的に行うべきであり、国や県が支援をちらつかせて進めるべきではない」と言ってるんです。それは表面では合ってます。でも、政治家の言葉ではないんです、これは。それを続けていくと、自主的、自主的って言ってると、法定協議会はできたけれども、空中分解します。今その危機にあります。できてるところが大変なんです。「何とかしてくださいよ、知事さん」というのが正直な声だと思っています。 ある意味で、市町村長さんや市町村の議会議員さん、また、それに関係する職員の皆さんは、まさにその自分の身分をかけて、一生懸命汗を流して頑張ってると思うんです。合併の中に大きな行政サービスの向上があり、快適な生活があると思うのは当然かもしれません。 そこで、いろいろ言ってると時間がかかるので、小松島市ほか一市四町の法定協議会──私が関係する部分ですが、そこでも、例えば四千数百ある法定協の議論の中でいろいろ出てくるんですね。そしたら、例えば、羽ノ浦町と勝浦町と小松島が隣接してるところの道路っていうのは、やっぱりやるべきじゃないか、合併があるんだから。知事もそういうことをいつも言ってるじゃないかと。大型公共事業はいいけど、それはやらなきゃいけないと言ってるじゃないかと、そんなことが言われてます。沼江パイパスといいます、二期工事。それを今言われてるんですが、あえてこういうことを出したのは、その具体的な県の対応策としてどう支援をしていくかっていうときに、この答弁をすっきりいただかないと、みんなが、本当に知事って賛成なんかなあと、そんなふうになっていくんです。 これ以上申し上げませんが、合併促進に向けて、大田知事のまさに勇気あるというか、積極的というか、そういう御答弁をいただきたいなあと思ってます。 御答弁をいただいて、次の質問になるか、もう一回再問するか、それは答弁をいただいてから。   (大田知事登壇) ◎知事(大田正君) 岡本議員の御質問にお答えをしたいと思います。 まず、県債残高の状況とその認識についてでございます。 十三年度分の県債残高は、まさに八千三百六十億円で、このうち実質の県負担分としては二千九百二十億円となっております。十二年度と比較いたしまして、県債残高の総額では四百四十億円の増加でございまして、このうち実質の県負担分で見ますと、二十億円の増加となっておりまして、まさに議員御指摘のとおりでございます。 また、県債残高に関しまして申し上げれば、本県では、財政健全化推進プログラムにおきまして、県の裁量で発行の調整が可能な県債を抑制するという健全化目標を掲げまして、その抑制に努めてきた結果として、議員御指摘のような現在の状況になっていることを認識しております。 しかしながら、現在、国におきましては、構造改革の議論がなされ、今後の動向によってはさらなる地方財政制度の見直しが予想されるなど、さらに、まことに厳しい状況が懸念されることなどを考え合わせますと、今後は必ずしも楽観できる状況ではないというふうに考えております。 次に、県債発行抑制基準につきましての御質問でございます。 本県では、県債発行の抑制に努めてきておりますが、昨年来の国の聖域なき構造改革によりまして、本年度から地方債制度につきましても大きく見直されることとなりまして、本県も大変大きな影響を受けているところでございます。 本県財政を取り巻く環境は、国の構造改革の動向など、まさに予断を許さない状況となっておりまして、このようなことから県債につきましても、新しい地方財政制度に対応するよう見直していくことも必要であろうと考えております。 本年度は、県政の構造改革を積極的に推進するため、改革の道筋となります改革基本方針を策定することとしておりまして、この基本方針を取りまとめる中で、現在の県債発行抑制基準の今後のあり方について検討してまいりたいと考えております。 次に、今回の補正予算についての御質問でございます。 今回の補正予算は、年間を通ずる総合予算として編成されている当初予算を踏まえまして、国庫補助金の決定など、当初予算編成後の事情変更を踏まえまして、所要の予算措置を講ずる等のため編成したものであります。 議員御指摘のように、補正予算の規模で申し上げれば、今回、五十八億円余りとなっておりまして、昨年度十月補正、約百九十九億円に比べますと、確かに規模は大変小さくなっております。特に、本県の十四年度当初予算は、国の聖域なき構造改革に対応しまして、構造改革元年予算と位置づけて編成されております。新たな地方財政制度のもとで、地方負担が増加する公共事業につきまして抑制せざるを得なかった影響も大きいものと考えております。 なお、公共事業関係の事業量で申し上げますと、大幅な地方財政制度の変更前の国の十三年度二次補正予算について積極的に計上し、十四カ月予算として編成しているところでありまして、昨年度とほぼ同水準の事業量が確保できているものと考えております。 また、補正予算につきましては、当初予算の計上方法やその後の事情変更など、他県との比較の面からは、各県のそれぞれの事情などによりまして、規模における単純な比較だけでは一概に言えない面があるのではないかというふうに考えております。 いずれにいたしましても、今回の補正予算の内容につきましては、次代を担う人づくりや少子・高齢化社会への的確な対応、雇用対策や県民に身近な公共投資関係などにつきまして、緊急性、重要性の観点から厳選するなど、質的に充実した予算となるよう意を用いたところでございます。大変厳しい財政環境にありますが、御理解をいただければと考えております。 次に、厳しい財政状況の中で、緑の公共事業をどのように進めていくのかという御質問でございます。 緑の公共事業は、森林の持っております県土の保全、水源の涵養、保健休養の場の提供など、まさに多面的な機能を広く活用するため、森林整備を中心に、環境対策、雇用対策、山村と都市との交流の促進など森林に対する施策を総合的に展開するものでございます。そして、その効果は、川上から川下へ、産業面から環境面まで、あるいは現在から未来へと大きく波及するものと考えております。 その推進につきましては、次の世代によりよい環境を引き継ぐための緊急の課題と位置づけまして、先日の国への重要要望に当たりましても、私みずから農林水産省に赴きまして、私の体験談とともに強く要望活動を行ってきたところでございます。 また、県議会におきましても、中山間地域の活性化を図るために、森林、林業の新たな担い手対策を柱としまして、「森林・林業・木材関連産業政策と新たな予算の確立を求める意見書」を、去る七月十八日に国などへ要望していただいたところであります。 既に御存じのとおり、森林整備に関する国の平成十五年度予算概算要求につきましては、地球温暖化防止対策として、森林が二酸化炭素の吸収源に位置づけられたことを受けまして、非常に大きな伸びとなっております。 今後、十二月の政府案決定に向け、引き続き森林整備の必要性を訴えてまいりますとともに、本県で必要な予算の確保につきまして強く要望活動を行ってまいりたいと考えております。 また、本県財政状況につきましても、非常に厳しいところではございますが、重点的に取り組む施策として、森林整備の強力な推進を図ってまいりたいと考えております。 なお、具体的な方針につきましては、森林審議会において森林の整備目標、森林の管理システム、あるいは雇用対策、交流の促進、県産木材の需要拡大などを柱に御議論をいただいておりまして、十二月に予定されています中間取りまとめを受けて、平成十五年度の当初予算に反映させてまいりたいと考えております。 次に、四国横断自動車道の南伸のためにも、一日も早く知事みずからが決断をして、マリンピア二期計画を十一月末の重要要望に組み入れて、国にしっかりと訴えるべきではないかという御質問でございます。 マリンピア沖洲第二期事業につきましては、現在、マリンピア沖洲整備手法検討委員会におきまして、四国横断自動車道の本線及び徳島東インターチェンジの設置を前提として、県勢の発展、自然環境との調和、経済性等幅広い観点から、ただいま御審議をいただいているところでございます。 また、去る十月二日に開催されました第二回目の検討委員会におきまして、十一月中を目標に意見の取りまとめを行うためのスケジュールも確認されたところでございます。 県といたしましては、十一月中に出される検討委員会の御報告及び関係自治体の御意見等を踏まえ、私としての方針案を作成した後、議会の皆さんの御審議をいただいた上で、遅くとも十二月末までに整備手法を最終決定してまいりたいと考えております。 したがいまして、国に対する重要要望の時期につきましては、検討委員会の審議の状況等を踏まえまして検討してまいりたいと考えております。 次に、市町村合併について、市町村の自主性に任せて放置するのではなく、具体的な支援策を打ち出していくべきではないかという御質問でございます。 市町村合併は二十一世紀の本県の姿にも大きくかかわる問題でございます。地域住民や市町村とともに手を携えて取り組んでいかなければならない課題であると認識いたしております。 このため、先般私は、脇町において国と共催で開催いたしました全国リレーシンポジウムに参加をしまして、市町村合併は住民みずからの問題であり、真剣に議論して判断することが重要である。県としても、住民の皆さんに御理解いただける市町村合併を推進する、こういった旨の訴えを行ってまいりました。 また、法定協議会を設置している市町村からは、合併市町村の一体化を促進する事業や、住民生活の利便性を向上させる事業などの要望がたくさん出てまいっております。議員の地元の勝浦町からも、県道阿南勝浦線沼江バイパスの未着工部分の整備促進などの要望を伺っておるところでございます。 県といたしましては、非常に厳しい財政状況の中ではありますが、職員の派遣などの人的支援、あるいは運営費の補助などの財政的な支援はもとより、法定協議会で策定されるまちづくりの計画に盛り込まれた、それぞれのさまざまな事業に対しまして、徳島県市町村合併支援プランに基づき、県を挙げて支援をしてまいりたいというふうに考えております。御理解いただけますようにお願いを申し上げます。   〔大西(仁)議員出席、出席議員計四十二名となる〕   (岡本議員登壇) ◆十三番(岡本富治君) いろんな答弁を賜りました。数字の訂正は後でしていただけるということでございますので、私からはあえて申し上げません。 県債残高についてなんですが、これ正直言って、数字のことはそれなりにはお話をしておったつもりです。認識はしてるっていうことは、それはそれで了解なんですが、まさに見直していくことね、県債基準のキャップの問題、四百五十億円云々という問題。そこはやっぱり私があえて数字を申し上げたんだから、数字が返ってきてほしかったなあと思ってます。ただ、それは大変だと思うんですが、それはやっぱり何とかそこを煮詰めないと進みませんからね。 それから、九月補正についてもいろいろ説明はありました。でも、よくよく考えると、今回の九月補正で知事みずからが東京にお願いに行ったという経過は、私が調査をした限りないんです、補正予算に関しては。だから、もっと言うと、七月にいろんな重要要望マリンピア以外は全部した。じっとしていて金が来るっていうふうに思われたら困るんです。あなたが一生懸命に汗を流して東京に行かない限り予算がつかない。それをみんなが今心配してるんです。県民の多くが、県議会が一番心配してるのは次の予算なんです。 そこで、もう一回聞くんですが、財政のことについてでありますが、骨太の方針というのが六月に出されました。例の三位一体であります。十五年度予算がそれに反映する。非常に厳しくなる。国依存からの脱却、地方の自立というのは聞こえはいいです。できれば私もそうありたいと思います。知事もそう思ってるんでしょう。でも、間違わないでほしいのは、ここは東京都ではないんです。徳島県という、ひょっとしたら永田町の地図から消えようとしている県なんです。じっとしていてはお金は動きません。 端的に、もう一回言いますと、とにかく知事が本県の実情っていうのを情熱を持って東京に、国にお願いに行かんといかんですよ、これは。そうでないと来年予算組めないですよ。私は相当の危機感を持ってるんです。そのことを、来年度の予算獲得、制度の問題、いろいろ含めて知事の見解と決意をお伺いをいたします。 さらに、森林、林業の問題で話がありましたが、国語の教科書を読んどるようで、少なくとも農業とか林業とかいう話じゃないと私は思いました。ただ、これから煮詰めていくんでしょうが、ずうっとこればっかり言ってるじゃないですか。進まないじゃないですか。 あえて私、申し上げたいんですが、今、国で来年度の概算要求として九十五億円という予算を、全国八十カ所なんです。八十隊と言ってもいいんです。一隊が三十名で、年間二百四十万円。一隊につき──いや、一人ね、一人二百四十万円。だから掛けると、一隊七千二百万円。事業費にしたら、九十五億を八十で割ると、一億一千八百七十五万円。そういう予算が今要望されてるんです。森林環境保全隊活動、そういう事業なんです。一〇〇%国費充当なんです。 こんなのを知事が聞いたら、これを何とかしなきゃいけないと思うと思います。そうしないとこれできないです、雇用は。この森林環境保全隊活動について、本県としての位置づけね。まだ今動いてるけど、必ず決まりますから。決まります、これは。その位置づけですよ。それから、組織等の取り組み。だから、この国の制度というのを受けて、それで終わっちゃうんじゃなくって、それを受けて、その中で、例えば二隊来るとね、二億三千万円、全額国費で来るんですね。それは絶対やらなきゃだめですよ。その中で徳島県版の新たな担い手対策というのをつくっていかれたら、本当に知事が言ってるようなことが意外と、お金がうまくいって、いけるんじゃないかなと私は思うんです。 ただ、もう一回言います。これは農林水産省、林野庁にとにかく足を運んでもらわんと、これもだめですよ。森林の面積から言うと、全国で知事、八十隊ですからね。最低二つですよ、徳島県。最低で二カ所取ってこないと、これは大変です。まさに政治生命をかけてこれはやってください。知事の見解を問います。 次に、マリンピアの問題でありますが、六月議会、児島先生を初め、いろいろな議員さんがこのことは質問をしました。十二月、十二月というのが知事の答弁でした。でも考えてみると、少し変わってきたと私は思ってるんです。いろんなマリンピア検討委員会とか、いろいろある。委員の中にもいろいろあるけど、少なくともそれを、マリンピアのインターを前段申し上げたように、そこにインターチェンジをやるっていうのを前提にやってるんですから、私は進歩したと思ってるんです。もっと言えば、これで私はマリンピアだけが残したけど、大きな論争にならないぐらい知事はやってると私は思ってます。やらなきゃもたないと思ってます。 私は、何らかの形で重要要望に入れてと言ったんです。あえて何らかの形で入れてくれと、さっき申し上げたんです。だから、マリンピア高速道路、両方を考えて答弁してほしかったんですね。で、この答えが出るときに、知事たち、皆さん方は十一月二十九日ぐらいには東京に、来年度予算の重要要望に向かって、一生懸命汗を流しに行くんでしょう。そのときに答え出てるんです。何もなくてどうするのかなあと、僕は不思議でしようがないんです。 だから、もう一回言います。答弁してくださいよ。何らかの形で重要要望に入れてほしいと言ったんです。私が言うのもなんですが、何らかの形というのは──よく聞いてくださいよ。そんな見なくていいですから、私の質問を聞いてください。何らかの形っていうのは、例えば横断道の南伸のことだったら、前も言ったように思いますが、徳島、小松島、その前に鳴門があってという、そこしか書いてないですよ。合同委員会で言いましたけど。それを要するにマリンピアのところにはインターするってもう前提で知事、決めてるじゃない。定まっていませんと言いながら、今はもう決まってんですよ。そしたら、その高速道路の南伸のところにそういう要望をしっかり明記すべきですよ。そしたら一つわかりやすいんです。あそこにインターするんでしょう。それは工法は別ですよ。あそこにインターするっていうのはわかってるでしょう。それは決めてんだから、そういうまず一つの重要要望の中のマリンピアじゃない、高速道路の方はそういうふうにしてください。何か工夫をしてください。そうでないと全然進みませんよ、これ。 もう一つは、十一月云々て言ったけど、それはマリンピアいろいろ配慮してるんでしょう、知事もね。でも、今度じゃあマリンピアの方の重要要望ですよ。印刷できるのが十一月十八日ぐらいと僕、聞いてるんですよ。知事が十一月八日か十日ぐらいに今度の重要要望はこれだって決めるってなってる。だから微妙なんですが、十一月二十九日ぐらいから東京に行くときに、何らかの形が決まれば、印刷して中に入れりゃええじゃないですか。決まればですよ。そういうことをやってほしいんです。それはどういう形になるかわかりませんよ。でも、それをやっとかないと、もう答えが出たときには予算はないです。その辺、やり方は別にして、必ず入れてください。間に合わなかったら、紙にもう一回入れてください。それ二つ答弁してください。 それから、市町村合併のことについてでありますが、法定協議会を設置している市町村からいろんなことが出てきてるから、そのことは県を挙げてやると、そういうふうに理解しました。進んでると思います、私は。だから、阿南羽ノ浦バイパスというのは、私はできると受けとめてますが、そういうことをやってって、具体化した問題を、ちゃんと知事が行ってって、リーダーシップをとっていけば、法定協議会がいろんな中で混乱しててもうまくおさまっていくんじゃないかなあ。単に、一億円乗っけて三億円とか書いてある、今まで書いてあるあの本だけじゃだめですよ。あの本だけは法定協議会をつくるためには要るんですよ。でも、法定協議会ができたらあの資料じゃだめですよ。それは要望しておきます。できるように思いますから。 あとは答弁いただいて、また次のことは考えます。   〔久次米議員退席、出席議員計四十一名となる〕   (大田知事登壇) ◎知事(大田正君) まず最初に、訂正をさせていただきたいと思います。 九月補正についての伸び率の御質問のところで、補正予算の規模で、今回「八十五億円」余りというふうに言うべきところを「五十八億円」というふうに、私、発言したそうでございます。訂正をさせていただきたいと思います。 国の制度改正に対して、今後、どのように本県として予算獲得に向けて対応していくのかと、知事の決意を聞きたいと、こういうことでございます。 昨年来、国は聖域なき構造改革に取り組んでおりまして、平成十四年度からは地方に対しても、地方債制度や、あるいは地方交付税制度が大きく見直されまして、本県のように財政基盤のまさに弱い地方公共団体にとりましては、かつてない大きな影響を受けているところでございます。 さらに、国においては、引き続き構造改革への取り組みを進めておりまして、地方の行財政改革についても強力かつ一体的に推進することとして、国庫補助負担金の廃止、縮減や国庫補助負担金、交付税、税源移譲等を含む税源配分のあり方の三位一体の検討を今なされております。また、地方交付税につきましては、財源保障機能全般につきまして見直すということなどをしておりまして、これら構造改革の影響を考えますと、本県を取り巻く環境は大変厳しいものがあると認識をしております。 こうした状況の中で、国が構造改革に取り組む際には、国と地方の役割分担や税源の偏在など地域の実態を把握した上で、地方にかかわる諸問題につきまして十分検討していただく必要があると考えているところでございます。 また、国、地方ともに厳しい財政環境下ではありますが、地方が自助と自立に基づく地域づくりを進めるためには、必要な制度や事業の創設などを地域の声として国に対し訴えかけていくとともに、特に本県のように財政基盤の脆弱な自治体にあっては、可能な限り財政的に有利な事業の導入を目指すなど、国に対し積極的な働きかけを行うことが不可欠であると考えております。 このため、これまでも県の重要要望を初め、関係地方公共団体と連携をしまして、地方の実情を訴えるべく、積極的な要望活動を行っておりますが、議員御指摘の点も踏まえまして、引き続きさまざまな機会をとらえまして、国の動向を注視しつつ、地方の声を訴えてまいりたいと考えております。 次に、森林環境保全隊についての御質問でございます。 国が来年度事業として概算要求を行っています緑の雇用担い手育成対策につきまして、緊急地域雇用対策により森林作業に従事した方を含めて構成する「森林環境保全隊」を組織し、管理等が不十分な森林の整備などを行うためのもので、最長二年間の就労や研修制度を活用できる内容と聞いております。これは、現在の緊急地域雇用対策が短期間の就労に限定をされておりますことから、新たな林業の担い手に結びつかないことから創設されようとしている事業と伺っています。 現在、当事業の内容につきまして概算要求の段階ではあります。詳細な発表はなされておりませんが、県といたしまして、新規林業就業者の雇用や養成など、新たな担い手対策としての森林環境保全隊は、緑の公共事業はもとより、低迷する森林、林業や中山間地域の活性化につながるものであり、可能な限り活用しなければならないと考えております。 したがいまして、議員御指摘のように、私も機会あるごとに、まさに林野庁等訪れまして、積極的にこの事業の本県への導入に向けて最大限の努力をしてまいりたい、このように考えております。 次に、マリンピアの関係で来年度の重要要望にぜひ何らかの形で入れるべきだというお話でございます。 まさに、今このマリンピア検討委員会が議論を重ねていただいております。ここからは十一月末までに一定の提起をいただくと、報告をいただくということになっておりますが、私としましては、この一定の方向が出まして、できるだけ早い機会に結論を出して、もしこの十一月の重要要望の提出までに間に合わない場合、単独でそのことを要望事項として、私自身が持って国交省の方への要望活動をしてまいりたい、このように考えております。よろしくお願いを申し上げたいと思います。 ○議長(川真田哲哉君) 市町村合併……。 ◎知事(大田正君) どうも失礼しました。 市町村合併の法定協が設置されて、それだけではどうしても市町村合併が進まない、あるいはそこから出されてくる要望事項等について、県の決意といいますか、いうお問いでございます。 議員の地元であります勝浦の方からも、先ほど申し上げましたように、沼江のバイパス、あるいは麻植郡の方からも美郷村から、トンネルをぬいてつなげとか、あるいはまだ合併協議会ができておるようではありませんけれども、三好郡等からも、こういうことができるんであれば合併してもいいというふうな大変強い、各地域からそれぞれの地域の実情に合った要望等たくさん出てまいっております。 したがって、県としては、先ほど申し上げましたように、合併支援プランに基づきまして全面的な支援をしていくということは、再三申し上げておりますが、今日の県を取り巻く財政状況等、全く無視することもできませんので、そういう中で精いっぱい支援をしてまいりたいと、このように考えております。   〔久次米議員出席、佐藤議員退席〕   (岡本議員登壇) ◆十三番(岡本富治君) いろいろ御答弁をいただきました。 まだ、実は質問をしようと思ってます。まだ時間ありますから。 さまざまな機会をとらえて、いろんなことを、とにかく東京に行くって知事さんもう本当言われてますよね。でも、現実の問題として、これからやってほしいんですが、今までは言ってるとおり何もしてないんです。とにかく大田知事が欠席云々というのは、例えば中四国サミットね。地域の声を訴える。だれに訴えるんですか。訴えなきゃいけないところには必ず欠席してるんです。今度も、きょうの徳島新聞にも入ってます。これは議会ですからね。でも、本当大事ですよ。例えば八日というのはすごく大事ですよ。恐らく総理官邸に知事は入ったことないと思うんですよ。その入る機会が八日なんです。八日が入る日──入れる機会なんです、逆に言やね。私、四回行きましたけど、新しい総理官邸に。そこはね、十分理解をしていただかないとね。さっきの林野庁の問題もそうですよ。今度の農林水産大臣、大島理森という人、徳島県に何回来てるか知ってますか。一番よく来てますよ。いろんなことを一番よく知ってますよ。それはだれを通じてかということ、言わなくてもわかるでしょう。そこを通して話に行かないと、何回行っても。 それから、マリンピアのときも、知事、単独で行きます、その決意はよくわかります。でもね、一人行ったってだめですよ、これ。だからお互いに、これ以上言いませんけど、とにかく最初に言ったでしょう。お互いに意見を交わして、お互いに議論をして、国会議員さんだって徳島県のことを思ってますよ。みんなが徳島の県益のために、今どうあるべきかということを考えなきゃいけないときなんですよ。政権政党の、例えば遠藤前総務副大臣ね。いっぱいいるじゃないですか。聞いたらね、その政権政党の国会議員さんには名刺交換はしたけど、話してないというのが皆さんの意見ですよ、知事さん。もうちょっとだから、その予算、いろんなことについてもうちょっと頑張ってよ、そこは。それはね、別に問題ない。そこをやんない限り、一生懸命訴えても悲しくなるのは徳島県なんです。 もうこれ以上は申し上げませんが。本当は議運の委員長が言ってましたけど、八日はね、本当は僕は、総理官邸に行った方が本当はいいと思うわ。これ以上言いません。 全国みんながそこに行って、まさにさっき知事が言った、地方の声を訴える一番いい機会なんですよ。懇談会もあるんですよ。総理大臣と各閣僚との。もうそれ、いいですね。 ちょっと時間があれしてきたから、あと政治姿勢等々でいろいろ聞こうと思ったんですが、谷先生の代表質問もありますので、一つ、県政創造アドバイザーというのが、知事さん、ありますね。これがね、どうも理解できないんですが、あなたは県づくりの基本として、民意に責任を持つ県政って、いつも言ってるんですよ。つまり県民主権なんです。県民主権を挙げられて、プランの策定だって、生活者の視点に立ってやるって言ってるんです。県民の目線から見てやるって言ってんですよ。いつも言ってるじゃないですか。なのに、何で徳島に何のゆかりもない、縁もない、県民でもない人が県政アドバイザーになるんですか。不思議で仕方がないんです。県庁の中にはいっぱいすばらしいブレーンがいるじゃないですか。その知事がいつも言ってることとの整合性がね、これは本当に理解できないんです。民意を把握する姿勢をね、何で東京の人に求めるんですか。   (発言する者あり) まさにそうかもしれません。あなたの言葉で、あなたの御答弁をいただきたいと思っています。 次に、汚職問題の委託等について聞こうと思ったんですが、谷先生からあると思いますので、このことはやめます。 ただ、その中で一つだけ、さっきの職員との関係があるんです。そのことだけはどうしても聞いておきたいんです。 政治家等からの行政に対する諸要求の記録及びその公開システムについては、今回の汚職事件とは関係ないと思うんですね。その実態を把握するために県の職員にアンケート調査を実施するっていうことは、いたずらに職員と職員、まさにさっき言われた知事と職員、その中に無用な混乱が起こるじゃないですか。職員を信用してないのって言いたくなりますよ。信用されてないのかもわかりませんよ。 こんなことも知事言ってるんですよ、今回の所信表明で。職員自身の自発的、創造的な改革を進めていきたいって、知事、三十日に言ったじゃないですか。私はそんなことはいたしませんという答弁いただきたいですね、これは。 次に、だんだん時間あれですが、新しくせっかく県警本部長さんがお越しになられたので、顔見せっていうことではないんですが、御答弁いただきたいなあと思ってます。 端的に、簡単に申し上げますが、交通安全が何か非常に得意な分野だというふうにお聞きをいたしました。本部長さんは、何か東京大学を管轄する本富士警察署の署長さんをされておったと。その署長さんというのはすごいエリートコースだというのも聞いています。 そんな中で、いろんな死亡事故というのは、言えば、百から七十三になって、八十五人になって、きょう現在五十人です。こんなんですね。三月がたまたま多いんですが、今の五十人というのは、死亡事故が減ってる率では上からいい方の二番目ですね。頑張ってるんです。その原因が何なのか。 それから、最近は高齢者は被害者じゃなく加害者になってる。いろいろあるんですけど、交通事故とか交通死亡事故の抑制について、例えば地域の安全協会とか、交通安全協会とか、本当にボランティアで頑張っている人の意見というのも十分に酌み入れることも大事だと思います。また、県警だけじゃなくって、ある意味では道路が悪いとか、信号がないとか、いっぱいある。そんなのはこっちの県の他部局とも十分に相談をしてやっていってほしいなあ。そんなことについて、まさにきめ細やかな──簡単でいいんですがね、きめ細やかな、温かみのある答弁をいただきたいと思います。 それから、総務委員会でもいろいろ言われておりましたが、今回のあの不祥事ね、非常に残念です。そのことについて本部長の受けとめ方、それは陳謝をされるんでしょうが、今後の防止策についてどう考えているか、御答弁をいただいて、また質問するかもしれません。   (大田知事登壇) ◎知事(大田正君) 岡本議員から、知事は何もやっとらんというおしかりでございますけども、この間、極めて多忙な毎日でございますけれども、自民党の国会議員さんのこういったいわゆる高速道路の関係の集会にも、私、参加をさせていただきましたし、あるいは四国地方建設局の方にも赴きまして、いろいろ強い要請も行っております。さらには、せんだって、御承知だろうと思いますが、まさに、与党の皆さん方の高速道路の関係の集会にもわざわざ行ってまいりまして、国会議員の皆さん方にもいろいろとお願いをしております。単に名刺交換をしたというだけの、そのようなおつき合いではなく、まさに誠心誠意、自民党の国会議員さんも、あるいは与党の皆さん方にも一生懸命、私としては努力してお願いをしてるということだけはひとつ申し添えさせていただきたいと思います。 県政のアドバイザーにつきまして、県民でない人間をなぜなと、こういうことでございます。 まさに、今日的な厳しい社会経済環境の変化にまさに正面から向き合っていかなければいけない。あすに希望の持てる徳島県を創造していくためには、行財政の改革を初め、県政の構造改革に積極的に取り組んでいかなければならない。当面する県政の諸課題に的確に対応していくことが、極めて私の職責上、大事なことであると、このように考えております。そして、これらの課題を乗り越え、まさに将来の徳島のあるべき姿を模索していくために、そして、私自身みずからが実現していくためには、私自身が先頭に立って、県民の皆様方の合意形成をいただきながら、本県独自の政策展開を積極的に行っていくということが何よりも重要であると考えております。 こうしたことから、私は、今後の県政運営に当たりまして、県政が民意とかけ離れることがないように、絶えず民意を把握する必要があると認識しております。県の実情を把握して、県内有識者の方々にも、県の審議会委員などにおいて幅広く現在御意見をいただいておるところでございます。 今回、このようなことに加えまして、私の政策形成面でのブレーン機能を補完したいと、こういうことで、県政全般に関する助言はもとより、現在直面する重要課題に対して、まさに大所高所から、あるいはより専門的な観点から御意見、御提言をいただくことを目的として、国の審議会委員などを歴任され、国レベルでも大変御活躍をされている五名の有識者の方々に、県政アドバイザーとして御就任をいただいたわけでございます。 私は、県民や県政創造アドバイザーの方々などから広く御意見をいただきつつ、それらを今後十分検討して、できる限り具体の政策に反映してまいりたいと考えております。 今回、選任いたしました県政アドバイザーの方々につきましては、結果として県外の大学教授になったわけでございますが、今後は、必要に応じて、県内外を問わず、さまざまな分野の有識者の方々に県政アドバイザーとして御就任をいただき、活動してまいりたい。御理解をいただきたいと思います。 次に、諸要求の情報公開システムの策定のために県職員にアンケート調査を行うということは、職員の不和を生むのではないか、あるいはそういった御指摘でございます。 議員御指摘のアンケート調査につきましては、私の公約であります県政の汚職構造を断ち切るという観点から、今回のような汚職事件が二度と起こらないように、より透明で公正かつ公平な仕組みづくりを構築するために、業者、政治家等から行政に対する諸要求の記録の情報公開システムについて、この際調査団にお願いをし、先進的な御提言をいただきたいということでございます。 したがいまして、具体的な実施方法につきましては、補正予算案の議決をいただいた後に調査団と詰めていきたいと思っておりますが、調査により職員間に混乱や不信感を招くことのないように調査の趣旨を徹底するとともに、プライバシーの保護や秘密保持の厳守等については、十分配慮する旨を職員に対して私自身の口から伝えてまいりたいと思います。そうすることによりまして、本県職員がまさに自信と誇りを持って、今後仕事に打ち込めれるようなことを確立してまいりたいと、このように考えておりますので、御理解をいただきたいと思います。   (北村警察本部長登壇) ◎警察本部長(北村滋君) 岡本先生には、顔見せの機会をいただきまして、まことにありがとうございます。 まず、第一点でございますけれども、交通死亡事故の件数の変動、平成十二年、七十三人の方が亡くなり、平成十三年、八十五人の方が亡くなったということでございます。特に、統計的に見ますと、三月期が多いということでございまして、この交通死亡事故の原因は複合的な要因でございますけれども、特に十二年から十三年における死亡事故の上昇といったものが目立ったということがございまして、県警は、関係機関と連携しながら、交通死亡事故ワースト記録返上のための県民運動といったものを展開させていただいたところでございます。 こういったことによりまして、夜間における事故でございますとか、それからまた歩行者の事故、それからまた高齢者の事故といったものが減少したということによりまして、現在、十月三日現在でございますけれども、死亡された方が五十人ということで、昨年比で二十人の減という状況になっているところでございます。 続きまして、交通事故抑止のための施策いかんということでございますが、この五十人の死亡された方でございますけれども、この原因を見ますと、一つは、高齢者の方々の事故が多い。それからまた、夜間の方の事故が多いということでございます。 警察といたしましては、指導取締り、それから広報啓発、それから交通規制という三点から施策を展開しているところでございます。 指導取締りにつきましては、特に飲酒でございますとか、それからまた、速度違反といった悪質性の高いものを中心に取り締まりをさせていただいて、また、死亡事故に直結するシートベルトの着用についての指導といったものも行わせていただいております。 第二点目でございますけれども、広報啓発の観点でございますが、特に高齢者の方々を中心に施策を推進させていただいております。関係団体とともにシルバーセーフティーチームといったものを設けまして、各戸に──高齢者の方がいるところに訪れまして、反射材を提供させていただいております。これによりまして、光作戦と呼んでおりますけれども、これによりまして高齢者の死亡事故を抑止したいというふうに考えております。 三番目が、規制の観点でございますけれども、交通規制につきましては、特に民意の反映といったところが肝要であろうと、かように考えているところでございまして、警察署協議会でございますとか、それから標識標示ボックス、また、各種交通安全総点検等の機会を通じて、より明確な交通規制の見直しといった観点で取り組ませていただいているところでございます。 三点目でございますが、先般お話をさせていただきました警察職員の不祥事の関係でございますが、当該職員につきましては、十八日にこれを逮捕して、現在捜査中でございます。二十日に厳正手続の上、懲戒免職といった処分にさせていただいたわけでございます。 この事案につきましては、私行上のこととはいえ、治安の一翼を担う警察職員としてはあるまじき行為ということでございまして、県議会、県民の皆様を初め、被害者の方はもとよりでございますけれども、まことに申しわけないことをしたと存じている次第でございます。 今後、この種再発の防止という観点で、特に身上監督及び規律の振粛の徹底ということで、各所属長に対しまして指示を発したところでございます。 具体的な方策といたしましては、実践的な職務倫理、教養の徹底ということと、二つ目は、個々面接等による生活指導の徹底という形の施策を展開させているところでございます。 今後、あらゆる機会をとらえまして、この種事案の再発の防止ということに邁進していく所存でございます。 以上でございます。   (岡本議員登壇) ◆十三番(岡本富治君) 県警本部長さんからは的確な答弁を賜りました。まさに、本県の県民の暮らしと安全を守るために、一生懸命に、今後とも指揮をとっていただきたいなあと思います。 それから、大田知事にはいろんな御答弁をいただきました。 先ほどの答弁に返りますが、自民党さんとの云々、あれがすべてです。知事が言われたこと全部ですね。あれ以外はありません。僕が言いたかったのは、あれがすべてなんですが、まさにその会も、例えば自民党には二回。それは向こうから要請があって四県の知事と一緒に行ってるんです。全部で五回しか行ってませんからね、東京に、すべてのことで。今議会の九月三十日の午後、東京に行って帰ってこられた。それは理由はあえてもう聞きませんが。とにかく、知事さん、もう一回言いますけど、東京に行ってください。与野党を問わず、いろんなところに行ってください。そして、ひざを交えて徳島県の実情を訴えてください。そして予算をいただいてきてください。 今、もう一回整理しますと、予算が来年来るのかなあ。県と議会、知事と議会との関係は新聞がいっぱい書いてますからそれは言わなくてもいいんです。予算が来るのかなあ。職員と知事の関係はどうなんかなあ。その二つが一番心配なんです、県民は。 こんな歌がありますが、「山川に 風のかけたるしがらみは 流れもあへぬ 紅葉なりけり」、「奥山に 紅葉踏みわけ 鳴く鹿の 声きくときぞ 秋はかなしき」。 そうならないように。政治は結果ですから。情緒ではないんです。結果ですから、少なくとも今までは忙しかったと理解をいたします。でも、これから十一月、十二月、一月で結果が出ます。来年度予算の結果も出ます。そのときにはいろんな答えが出るんです。頑張ってください。 平成十二年の二月議会、知事が新風21の代表質問で言った言葉があるんです。その言葉をまとめに贈ります。前知事にこう言ってるんです。 この議場の中に、たった一人だけ、きちっと物事を決める人がいる。ゴールを決める人がいる。たった一人だけ、この議場に。それは、あなたです。知事ですと、あなたがそう言ってるんです。 終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)   ──────────────────────── ○議長(川真田哲哉君) 議事の都合により、休憩いたします。      午前十一時五十一分休憩   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━    午後一時五分開議      出席議員計三十九名          (その番号・氏名左のとおりである)     一  番     重  清  佳  之 君     二  番     木  南  征  美 君     三  番     川  端  正  義 君     四  番     嘉  見  博  之 君     五  番     森  田  正  博 君     六  番     喜  田  義  明 君     七  番     須  見  照  彦 君     八  番     臼  木  春  夫 君     九  番     黒  川  征  一 君     十  番     古  田  美 知 代 君     十一 番     山  田     豊 君     十二 番     森  本  尚  樹 君     十三 番     岡  本  富  治 君     十四 番     藤  田     豊 君     十五 番     谷     善  雄 君     十六 番     庄  野  昌  彦 君     十七 番     橋  本  弘  房 君     十八 番     冨  浦  良  治 君     十九 番     久 次 米  圭 一 郎 君     二十 番     長  池  武 一 郎 君     二十二番     長  尾  哲  見 君     二十三番     樫  本     孝 君     二十四番     来  代  正  文 君     二十七番     西  沢  貴  朗 君     二十八番     吉  田  忠  志 君     二十九番     北  島  勝  也 君     三十 番     杉  本  直  樹 君     三十一番     佐  藤  圭  甫 君     三十二番     児  島     勝 君     三十三番     川 真 田  哲  哉 君     三十四番     遠  藤  一  美 君     三十五番     柴  田  嘉  之 君     三十六番     四  宮     肇 君     三十七番     元  木     宏 君     三十八番     中  谷  浩  治 君     三十九番     大  西     仁 君     四十 番     阿  川  利  量 君     四十一番     谷  口     修 君     四十三番     榊     武  夫 君   ──────────────────────── ○議長(川真田哲哉君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 十五番・谷善雄君。   〔大西(章)・福山両議員出席、大西(仁)議員退席、出席議員計四十名となる〕   (谷議員登壇) ◆十五番(谷善雄君) 我々交友会は、去る九月二十一日、阿南市加茂谷地区で、すなわち私の地元であって共産党の古田さんの出身地でありますが、県政報告会を開催しました。題目はと申しますと、非常にわかりやすい。「これでよいのか大田県政」。(資料提示)これが、そのときのパンフレットであります。交友会は十一名のうち十名が参加し、約二百名の住民を前に各議員から県政の報告を行いました。住民の方々は終始熱心に我々の話を聞いてくださり、最後には、地域の課題などについて真剣そのものの質疑応答もございました。 交友会がこうした県政報告会を行った背景には、大田県政の真の姿を一人でも多くの県民の皆様に知っていただきたかったからであります。一部マスコミ報道や県民の間には、ことし四月に知事に当選した大田知事こそが県民の民意であり、県議会での激しい論争や知事問責決議について、県民の民意を県議会が冒涜している、県議会こそが暴挙であるといった大ざっぱな図式で我々の活動を非難する考え方が一部にありました。 しかしながら、大田県政の問題点はそのような単純なものではございません。大田知事は公約を掲げて当選しましたが、公約と異なる政策判断をし、実行をしております。その一例として、空港関連工事の凍結問題しかりであります。しかし、民意を体現している大田知事を問責するのは民意に背く行為だと、我々は非難されるわけであります。皆さん、このような事実がねじ曲げられた認識が許されてよいものでしょうか。私たち交友会は、大田県政の実態を知っていただき、県民に過不足のない評価をしていただきたいと願うものであります。 我々県議会議員は、地域に入っていき、大田県政のただすべき点はただしていこうとしたものであり、空港問題、マリンピア二期問題、財政問題等々報告をいたしましたが、住民の皆様は熱心に聞いてくださり、こういった県政の真実の情報を求めていたからではないでしょうか。 我々交友会は、政策を提言し、県政に新たな展開を目指す政策集団でありたいと願っています。そして、その活動の場は県議会の中にあります。 以上、交友会の基本的考え方を申しまして、質問を行います。 まず、確認の意味から、最初に、質問に入る前に改めて知事にお伺いをしたいんですが、大田知事の選挙公約であった大型公共事業の見直しについてでありますが、その対象となった公共事業が去る六月議会において、空港問題、沖洲埋め立て問題、議論がございました。 そこで、あなたの言われる大型公共事業とは、何をもって大型と言われるのか。また、何を基準として大型と言うのか。その定義をまずお伺いをいたします。 単なる金額で大型と言われるのか。多大な環境負荷を与える事業なのか。具体的にお答えをいただきたい。 さらに、前段申し上げました二つの事業のほかに、大型と言われる事業に、あなたの考える、本年の県事業の中に当てはまる事業はどのようなものが想定されるのか。また、さらに来年度の予算編成進行の中で想定されるこういった事業はどうなのか、あわせてお伺いをいたします。 お答えをいただいて、質問を続けます。   (大田知事登壇) ◎知事(大田正君) 谷議員の御質問にお答えをさせていただきます。 大型公共事業についての定義、見直しの対象事業についての御質問でございます。 大型公共事業につきましては、社会資本や社会基盤を整備し、あわせて雇用や地域経済を支えるという役割を持ったもので、県民生活や県財政に特に影響が大きい事業といったものがこれに該当するのではないかというふうに考えております。 公共事業自体は、物をつくることそれ自体が目的ではございませんで、それを利用することで徳島のこの地に暮らす県民の方々の幸せのために基盤整備を行うことが、本来の目的であると思っております。 一方、国、地方を通じる厳しい財政環境のもとで、今後の動向によりましては、さらなる地方財政制度の見直しが予想されるなど、本県にとりまして、さらに厳しい状況が想定されますことを考え合わせますと、事業目的、事業規模の大小などにかかわらず、計画構想段階から事業実施段階に至るそれぞれの段階におきまして、事業をめぐる社会経済情勢の影響や県民ニーズの変化を踏まえた事業の方向性について、適切な再検討、見直しを実施していくことが重要であると考えております。 そのために、社会経済情勢を踏まえつつ、県民の皆様方が今何を求め、何を必要としているのかを最優先に考え、多くの県民の方々の声に真摯に耳を傾けながら、地域の本当の幸せにつながる事業であるかどうかを十分見きわめる必要があると考えております。 したがいまして、今後は、県の行財政に対する影響度や自然環境への負荷などを考慮しつつ、政策評価の手法などを活用しながら、投資規模、整備時期、費用対効果等を重視して、施策の選択と集中の観点から、これらの事業のあり方を十分検討していかなければならないと、このように考えております。   (谷議員登壇) ◆十五番(谷善雄君) 大田知事ね、私はこう質問したんです。金額は幾らぐらいから想定されておるんか。そして、何を基準──基準は今わかりにくかったけど、お聞きはいたしましたが、今の答弁の中で、県民が何を求め何を必要としているのか最優先に云々と言われておりますが、県民が望んだものが、要するに要求したものが公共事業と言うんじゃないんですか。最優先云々と言いますけども、望んで県にお願いして、その事業が公共事業と私は言うんじゃないんですか。そう思いますよ。 ですから、私が先ほど、最後にお伺いをした、じゃあ大型と言われるマリンピアについても、空港関連事業についても見直しはある程度今したし、しております。じゃあそのほかにどういうものがあるんですか、具体的にお答えくださいという問いをかけたと思う。そしてまた、来年度の予算編成に向かって、具体的にどういうものがありますか、教えてくれという問いをかけたと思うんですが、即答できない面もあろうと思うんですが、じゃあ大田知事の言われる一番わかりやすいんは、大型公共事業とは、金額で言うたら幾らになりますか。   (大田知事登壇) ◎知事(大田正君) 大型公共事業は金額で言うと幾らかというお話でございますが、これもいろいろ大小が私はあるのではないかと思うんです。必ずしも、幾らの金額から大型、幾らの金額から小型ということにはならないのではないか。まさに、空港拡張とかマリンピアでありますとか、こういった今まで計画されてきました事業等については、一般論としては当然大型であろうと思います。しかし、地域の小さな事業につきましても、それらがまさにむだな公共事業というふうなことであれば、その地域の人々にとっては、まさに大型公共事業というふうにも見られる節もあるのではないか。必ずしも、先ほど御答弁させていただきましたように、金額そのものでそのことをきちっと割り切っていくということは難しいのではないかというふうに考えております。   〔竹内・大西(仁)両議員出席、出席議員計四十二名となる〕   (谷議員登壇) ◆十五番(谷善雄君) 知事が当選して以来、この大型公共事業の見直し、これが四月の知事選における大きな焦点の一つであった。しかし、知事、私が具体的に教えてくれと言っても、なかなか具体的な答弁をいただけない。しかし、あなたは大型公共事業云々という勝手に判断して、勝手に見直しをするんですか。私たちは何をもって、今、県が提案しておる予算の中で、事業の中で、何が大型か、何が大型でないか、これを私たちは判断できないと、要するにあなたと議論をする内容がわからんかったら、私たちは議論のしようがないじゃないですか。あんたの個人的な考えでこれは大型じゃ、これは大型でないじゃ言われても、私たちには、要するに議会の予算の中で、事業の予算の中で、だれが見てもこれは大型じゃなと言われる一つの定義をぜひ出していただきたい。これは、私たちは県土整備委員会でも会派の中で多分議論をしていただけると思いますんで、次に移らせていただきますが。 さて、大田知事、九月議会、あなたの県政に取り組む基本姿勢──県政の改革と重要課題等について、今議会の開会冒頭、長時間にわたる所信表明をお聞きしましたが、正直に申し上げて失望をいたしました。なぜかと申しますと、それは徳島県政の出直し、県政の改革に取り組もうとするあなたの所信に夢や感動を覚えるようなしっかりした理念と政策提示がなく、しかも、次元や格調が低い上に迫力、説得力に欠ける点が目立つからであります。さらに、政策や課題に対し、知事自身の考え、意見が全くない。自分の意見、考えを持たずして、あらゆる課題について調査なり、検討なりをプロジェクト、委員会という形での組織にいわゆる丸投げしているとしか私には思えないのであります。 知事は所信で、力強いリーダーシップを発揮して云々と言われていますが、リーダー、トップとしての条件は、まず自分のしっかりした意見を持つ。そして他人の意見を求める。これが組織のリーダーであり、トップであると思うのであります。大田知事には、組織の長、リーダーとしてのしっかりした考え、意見をお持ちだとは到底この所信からは見えてこない。考えなし、意見なし、私にはそのようにしか受け取れないのでありますが、議場の皆さんはどう感じておられますか。   (「そのとおり」と言う者あり) ある著名な財界人は、部下に意見を求められると、「それで、君自身はどう思うんだ」。必ず、部下に意見を求められると、そう切り返したそうです。その人は、人を育てる名人であると言われ、それほど自分の考えを持つということは大切で、自分で考えることをせず、すぐにだれかに意見を求めたのではいつまでたっても成長しない。それに、結果が悪いとその人のせいにする。無責任な人間にならないために、まず自分で考えよ、そう言って部下を諭したそうです。 知事は所信で、民意は、今後の政策決定を図る上での貴重な判断材料であると言われていますが、ほなけんど塾やタウンミーティングがどれだけ政策形成に寄与しているのか。知事のパフォーマンスに終わっていないのか。むしろ、中途半端な聞き方は地域への偏り、聞く対象者への偏りが出て、公平な判断を阻害していないか。行政のプロ、トップリーダーがみずからの考えを持たずに、いわば行政に関してはアマチュアに教えを乞うようではいけないと思うのであります。県民を幸せにする施策について、まず県の組織、職員、あるいはとくしま地域政策研究所を使って現状分析と将来のシミュレーションを行い、データに基づいた、将来に目を向けた方向性を示してから県民のコンセンサスを得るよう努力すべきであると思います。 知事、あなたは、私の不安やこういった疑問にどう考えているのか、御答弁お願いいたします。 次に、今議会に提案された汚職問題の調査委託についてであります。 この件に関しては、午前中岡本議員からも少し触れられましたが、重要な案件であると思いますので、私からも、一部重複するかもわかりませんが、質問をいたします。 前知事の汚職問題については、あってはならない事件であるのは申すまでもございません。再発防止の取り組み、調査については、私は当然のことであると思っています。汚職の発生原因を分析するとともに諸問題について見直し、再発防止に役立てることは大切なことであります。にもかかわらず、この案件については、事前委員会の審査からあれやこれやと議論がございました。というのは、調査の方法や調査内容などに疑念がぬぐえず、釈然と理解できない。余りにも問題点が多いからであります。 以下、順を追って具体的に問題点を指摘し、お伺いいたしますので、知事には真剣にお聞きいただき、原案に固執することなく、謙虚に受けとめていただくようにお願いしておきます。 私が疑念を持ち、理解に苦しむ問題点の最たるものは、調査が外部委託方式で行われようとしている点であります。 前知事の汚職問題を追跡調査し、その発生原因を分析し、再発防止策を講ずるものであり、このことは徳島県庁を舞台とした汚職問題であります。いわゆる身内の中での事件でございます。私は、身内の問題は身内で解決すべきであるとの思い、考え方でございます。例えは適切でないかもわかりませんが、皆さんも家庭のもめごとを他人に仲裁を頼むんだろうか。私なら、身内のもめごとはまず家族で、次には親族で、だれしも身内の出来事は他人には知られたくないものです。まして恥ずべきことなら、なおさらでしょう。 これは文字どおり、徳島県政の根幹にかかわる重大な調査であります。知事は、県政にかかわりを持たない外部の人に調査してもらえば、しがらみもなく、気兼ねなくやれるといった発想からでしょうが、このような極めて責任の重い、しかも、今後の県政運営に少なからず重大な影響を及ぼしかねない重要調査を外部に委託するという発想それ自体が無責任であり、根本的に間違っていると指摘するものでございます。 どこに、東京の弁護士やオンブズマンに調査委託する理由があるのですか。いち早く庁内に調査分析班も発足させたのではございませんか。前知事の汚職問題を追跡調査し、そこからの教訓を引き出して再発防止策を確立しようとするならば、それはだれよりも県政の内情に精通し、的確、綿密に調査できる県幹部や職員が一丸となって、自主的、自立的、効率的に知恵とエネルギーを結集して自前の調査を行うのが行政本来の姿であり、筋であります。そのことこそが、八十三万県民の負託に責任を持ってこたえられる政治家としての大道ではないでしょうか。 知事、あなたはなぜ職員を信頼し、最も有効かつ合理的成果を得られるであろう庁内調査分析班を解散させてまで自前の調査をやろうとしないのか。庁内にしっかりとした調査体制をつくり、知事、あなた自身が本部長となって職員ともども知恵を絞り、汗を流してリーダーシップを発揮すべきではありませんか。県政への信頼回復と言うなら、トップである知事自身が陣頭指揮に立ち、職員ともども知恵を出し、汗を流し、悪戦苦闘してこそ、汚職再発防止策は魂の入った、実現可能なものになると思うのであります。トップと職員が一体となった意識改革こそが、他人任せでなく、みずからの力でみずからを清めていく、自浄能力の発揮こそが大切であります。知事の所見をお伺いいたします。 次に、委託業務の内容についてであります。 その内容が、前知事汚職事件発生原因の解明から、また、過去三年間における工事請負契約の分析と問題点の究明。例えば、一千万円以上の金額が想定をされていますが、三年間の間の一千万円以上の金額、膨大な件数になると私は思います。また、談合防止の諸施策の調査研究、県職員のアンケート調査、幅広い分野に及び、的が絞られていない点であります。あれもこれもと欲張り過ぎる気持ちはわかりますが、調査の手を広げ過ぎる余り、何もかもが中途半端な究明に終始し、結局は具体性に欠ける抽象的、一般論的な問題提起で終わるおそれが強い点であります。 検察の捜査過程や公判審理過程で明らかになった今回の汚職事件は、いわば個人プレーに基づくものであります。大田知事にとって、今回の追跡調査は、前知事の汚職に関連して県の工事発注や入札、落札、契約などの仕組みや運用にすきや欠陥がなかったかどうか。同時に、知事の周辺から特定のルートで関係部局に口ききや介入がなかったかどうかなど、解明したいのが大田知事のねらいでしょう。だが、法に基づく捜査権を持つ検察が、あれほど時間を費やし捜査を行ったにもかかわらず、県職員の責任を問われるような容疑事実は何一つ浮かび上がりませんでした。問題となった工事関係資料や刑事関係資料、公判審理の内容などを点検、分析、調査をすることについては否定をいたすものではありませんが、何を今さら過去三年間にさかのぼって工事請負契約を分析する必要があるのか。 また、談合防止の諸施策について調査研究を委託すると言うが、その施策は、国や地方団体において既に調査研究がなされ、本県においても改めて調査研究をする必要性はないと思うのであります。今必要なことは、県が最近、入札監視委員会とタイアップして打ち出している諸施策によって、いかにして談合防止の実を上げるかではないでしょうか。 このほか、委託案によれば、知事、県職員に対する倫理条例、業者、政治家等からの働きかけの記録やその公開システムなどについても提案を求めようとしていますが、こうした県政運営の根幹にかかわる問題をなぜ県独自で作業をせず、他力本願の外部委託で行おうとするのか、全く理解に苦しむものであり、さらに、その外部委託が、調査専門の会社やコンサル会社のような設備、経験ともに豊かな信頼できる法人組織でなく、弁護士、会計士とはいえども個人の寄り合い世帯である点であります。一名を代表者として委託契約を結ぶようですが、だれがどのように調査業務を分担し、どのようにして調査結果をまとめるのか、肝心の点があいまいであります。幾ら有能な人であっても、多岐にわたる委託内容、膨大な資料整理、県政の内情や請負契約の制度、県独自の仕組み、業界の実態など、それぞれの要因に加えて、県職員とは面識もないわけであり、核心からはほど遠い調査結果になることが危惧されます。 さらに、膨大な資料整理など、忙しさゆえに事務所の職員やアルバイトなどを使った場合、コピー流出など個人情報や県行政の運営、登録された業者の営業活動等に支障を来すような資料、情報が漏えいしかねないことであります。 以上、私の考え方を申しましたが、知事の所見をお伺いいたします。 また、次の事項についてもお答えをいただきたい。 関係職員の聞き取りとありますが、何名が対象になるのか。それ以外には何名程度聞き取りを行おうとしておるのか。 知事、県職員の倫理条例の想定は、大田知事が考えるこの想定の内容をお教えをいただきたい。 これは、午前中岡本議員からも質問がございましたが、業者、政治家等からの働きかけの記録公開、具体的システムとはどのような内容を想定しているのか。 私ども議員は、それぞれの地域の代表者であり、地域要望を県政に反映する代弁者としての責務が一面にはございます。政治活動と個人的利益誘導をどういった基準で判断しようというのか、伺うものでございます。   (大田知事登壇
    ◎知事(大田正君) たくさん御質問をいただきましたので、答弁漏れがありましたら、また後ほど御指摘をいただきたいと思います。 まず最初に、県政の重要課題の解決に向けて、第三者に任せて、みずから解決する努力をしていないのではないかという御指摘でございます。 私は、今後の県政運営を進める上で、県民の皆さんとの信頼関係、これが最も重要であると考えております。県政の不信感を一日も早く払拭をして、前知事の汚職事件を徹底解明するため、このたび、外部の第三者のみで構成する調査団を設置しまして、事件の調査などを委託することといたしました。また、先ほど議員御指摘がありましたように、マリンピア沖洲の第二期事業につきましても検討委員会等を立ち上げて、今対応しているところでございます。 私は、県政の改革、あるいは徳島の再生に向けて、まさに今申し上げましたような第三者にお願いをして、公平性や透明性を担保しなければならない案件、あるいは高度で、まさに専門性の高い諸課題について、法律の専門家や各界各層の有識者などに御提言をお願いしているところでございます。 このような手法で県民の信頼が得られるのかとの御指摘でございますが、私は、これらの第三者の方々に御提言をお願いするほか、議員の方からは、効果が余りないのではないかという御指摘がありましたけれども、ほなけんど塾などを積極的に開催をして県民の方々の意見集約に努めているところでございます。 私は、これらの御意見は、今後の政策決定を図る上での貴重なまさに判断材料として考えておりまして、県政が民意とかけ離れることがないように、絶えず民意を把握するとともに第三者の方々からの御提言や県議会の議論を踏まえながら、私としての意思決定を行ってリーダーシップを発揮し、政策を実行してまいりたいと、このように考えております。 そして、これらの御意見、御提言を新しい徳島づくりに向けての羅針盤として県政運営に邁進してまいりたい。議員各位初め、県民の皆さんの御理解と御協力をお願い申し上げる次第でございます。 次に、汚職事件の調査団のことにつきまして、たくさん御質問がございました。 私は、まず今回の汚職事件につきまして、まさに県職員が刑法に抵触するとか、あるいは逮捕される、起訴されると、そういった事実はありませんでしたが、御承知のように、七月十九日の前知事の汚職事件に係る第一回公判の検察側の冒頭陳述におきまして、犯行に至る経過あるいは犯行後の状況として、当該事件に関して県の組織的あるいは主体的な関与があったかのような指摘を受けているところでございます。このようなことから、調査するに当たっては、内部の職員で調査をするということよりも、客観性を最大限担保して、そして県民の皆様にその調査結果を御理解いただく、御納得いただくという立場から、今回、独立した外部の第三者による調査を委託する方法をとったわけでございます。 また、こういった調査のコンサル等に委託契約をしてやらしてもよかったのではないかという議員からの御提案でございますが、私としましては、まさに、今回調査を委託する五人の有識者につきましては、オンブズマンでありますとか、大変この筋には非常に見識の高い方々ばかりを私は選んだつもりでございます。そして、守秘義務と情報の漏えい等々の問題も含めまして考えます場合に、こういう方々にお願いする方がより適切な依頼であるというふうに考えておりまして、皆さん方から今回の補正予算につきまして御議決いただきました後に、そのような組織を立ち上げてまいりたいと考えております。 次に、過去の工事請負契約等の分析について、調査団の五人でその作業ができるのかということでございます。また、その調査の中で情報等いろいろ入手すると思うが、いわゆる漏えい防止についてその対策はとれるのかと、こういう御質問でございます。 工事請負契約の分析につきましては、対象となる契約をまさに一件一件、詳細に分析していくといった手法をとるということではなく、入札とか落札結果から、まさにマクロ的な分析を行いまして、問題がなかったかどうか等について調査を行うこととしております。 具体的な実施方法につきましては、補正予算案の議決をいただいた後に、調査団と詰めていきたいと思っておりますけれども、例えば、過去三年間程度、議員御指摘がありましたように、一千万円以上の契約を対象にするといった場合に、こういった一定の区切りを設けなければいけないと思っています。調査団の五人での作業がまさに可能であるというふうに配慮して行っていきたい、このように思います。 なお、委託契約の中で守秘義務等を課すことにしておりまして、情報漏えい等については絶対にあってはならないことでありますから、そのように扱っていきたいというふうに考えております。 知事及び職員に関する倫理条例の内容についての御質問でございます。 私は、県政の最高責任者である前知事が公共事業をめぐる汚職事件で逮捕、起訴されるという、まさに県政史上、未曾有の出来事を踏まえまして汚職の構造を断ち切ると、県政への信頼回復に向けた新たな仕組みづくりが急務であると考えております。そこで、私自身及び職員の倫理条例の制定を今議会の所信でも表明してきたところでございます。 知事の倫理条例につきましては、県政が県民の厳粛な信託によるものであることを認識いたしますとともに、その受託者たる知事がまさに、いやしくもその地位による影響力を不正に行使して自己の利益を図ることのないようにするため、必要な措置を定めることとしたい、このように考えております。 また、職員の倫理条例につきましては、職員が職務を遂行するに当たって、まさに全体の奉仕者として常に自覚しなければならない職務に係る倫理の保持に資するため、必要な措置を定めることとしたいと考えております。 なお、具体的内容につきましては、汚職問題調査団に御提案をいただくこととしておりますので、それらも参考にしながら、今後、検討してまいりたいと考えております。 次に、事件に関係した職員は何人いるのか、そして、その職員以外の人も聴取するのかということでございます。 七月十九日の前知事汚職事件に係る第一回公判の検察側冒頭陳述におきまして、職名あるいは氏名が挙がった職員は、現職が五名、県職員OBの方が二名の計七名でございます。 また、聞き取りをする相手方としましては、私の調査権限が及ぶ現職に限定するという形になるかと考えております。 次に、行政に対して政治家が行う要求等について、政治活動としての要求と利益誘導との区別という問題の質問でございます。 政治家の日常的な政治活動としての要求を県民の皆さんにオープンにすることによりまして、県民の皆さんの県政についてのお考えをいただきながら、県民参加の、まさに開かれた県政の一助になると同時に、特定の者の利益を図るような不適当な要求の予防線の役割を果たすのではないかと考えております。こういう制度の趣旨でございますので、行政に対する政治家からの要求につきましては、政治活動か利益誘導かといった区別は行いませんし、また、明確な一線が引けるというものではないのではないかというふうに考えております。 いずれにしましても、制度化に当たっては、要望等の趣旨が正しく把握できるのかどうか、公開対象とする人の範囲をどこまでするのか、個々の要望をどこまで文書化するのか、個人のプライバシーをどこまで配慮するのか等につきまして、一定の線引きが必要であろうと考えます。これらを踏まえまして、今後十分検討する必要があると考えております。 したがいまして、今後、今議会にその設置のための予算案を計上しておりますが、汚職問題調査団の御提言も踏まえ、また、議員の皆様方の御意見などもいただきながら取り組んでまいりたいと考えておりますので、御理解をいただきたいと思います。 以上です。   (谷議員登壇) ◆十五番(谷善雄君) 知事からお答えをいただいたんですが、知事の政治的なスタンスは、今までも重大な政策判断を求められた場合は、県民の意見を聞いてからと言って、みずからの判断を避けてきておるわけで、このことについては、これからも機会あるごとにただしてはいきたいと思うんですが、私は、今の県政の状況というのは、知事は所信で、議会と理事者は両輪のごとくだと言われましたが、知事は左へハンドルを切っとる、議会は右へハンドルを切っとる、間で、職員が真ん中で、どっち行こうか、こっち行こうか右往左往しておるのが、私は今の、はっきり言うて県職員の、県行政の状況だと思います。こういった中でいろんな施策をこれからやろうとしておるんですが、果たしてあなた自身の考えなしに何もかも丸投げ──工事で丸投げは違反なんですが、あなた、知事が考え方を丸投げして、違反と思わんのですか。 調査委託問題については、先ほど私の多くの疑問点にお答えはいただきました。しかし、まだまだこの問題については、すんなりと私は受け入れることもできません。 知事の倫理条例、また職員の倫理条例等については、知事自身がしっかりしておれば、また職員についても公務員法というものがありますし、職員を知事が信頼さえすれば、こういうことをする必要はあえてない。 また、我々の議会活動との個人的な要求と地方住民の要求、いろいろ線引きもするつもりはないと言われましたが、これも非常に微妙な問題を含んでおります。ですから、私は総務委員会に属しておりますんで、幸いにこれは総務委員会で議論をされるわけでありますので、私は提出されたこの議案について、地方自治法、会議規則に認められておる修正案を委員会で視野に入れながら議論を深めて、我々交友会のメンバーともども修正案を視野に入れて総務委員会でただしていきたい、このことを申し上げておきます。 次に、四国横断自動車道の南伸に関連して、マリンピア沖洲二期事業についてお伺いをいたします。 午前中、岡本議員からも若干質問もございましたが、六月議会以降、現計画ルートでの南伸を明確にされ、早期整備を図るため全力で取り組むと関係市町村の住民に約束したにもかかわらず、その後、今議会までの間、知事の取り組み姿勢を注視しておりますと、まことにもって消極的で、頼りない印象を持たざるを得ません。政府の道路関係四公団民営化推進委員会の中間整理での凍結、見直し旋風が吹き荒れる中で、本年十二月の最終報告へ向けて、果たして本県が高速道路南伸のピンチを切り抜けられるのかどうか、不安と不信が先に立つばかりであります。 知事がいかに消極姿勢であるかは、去る九月三日、松江市で開かれた中四国サミットに欠席したことであります。このサミットは、中四国九県のトップである知事が年に一回集まって、差し迫った重要課題を討議し合う会議でございます。ことしは、当然のこととして、道路関係四公団民営化委員会の八月末の整理報告の内容についての議題が中心であり、地方の必要性の少ない不採算路線の凍結、見直しが明記されたことに対し、地方の実情を無視して策定、整備されたもので、到底認めることができないとするアピールが採択されたのは御存じのとおりであります。 この緊急アピール一つを見ましてもおわかりのように、本県にとっても、極めて重要な中四国の知事会議に徳島県だけが欠席すること自体が、あなたが高速道路南伸に向けた取り組みがいいかげんであるか証明しているものであります。議題の内容も前もって認識されていたものだと思います。一県を代表する知事として不見識甚だしい限りであります。 このことを報道で知った県南延伸に燃える地元住民たちは、知事に対する不信と、県民のために何を最優先すべきか、知事としての見識を疑うとともに、怒りを通り越して、高速道路南伸について、今やあきらめの声さえ聞こえる今日であります。私自身も、地元民のこうした切なる思いには同感であり、知事就任以来、公務の選択ミスを繰り返す政治姿勢には改めて失望するものであります。 この事例だけを見ましても、去る六月議会において知事への問責決議は正しかったと思うのは、決して私だけではないと思います。重ねて知事に反省を求めたい。この件に関しての知事の所見を伺います。 そしてさらに、今月三十一日、高松市で予定されている道路公団民営化推進委員会の一日委員会、つまり地方の意見を聞く公聴会にはぜひ知事みずから出席して、地域住民の声を、思いを委員会に訴えていただきたいのですが、必ず出席してくれるようお伺いをいたします。 道路公団民営化委員会は、発足以来二十回以上の議論を重ねる中、地域公聴会や国土交通省とのヒアリングなど、最終報告に向けた取り組みがなされています。 去る九月二十日に行われた国土交通省とのヒアリングの内容を見てみますと、直ちに取り組むべき措置として挙げられている事項についての対応の中で、施行命令の全面執行の凍結、見直しを含む再検討として、地方公共団体を通じて、高速道路の整備を前提として実施している関連道路事業、各種プロジェクトの進捗状況を掌握するための調査をこの十月上旬を目途に取りまとめを行う予定と、国土交通省とのヒアリング資料に明記されています。 マリンピア沖洲二期事業は、民営化委員会なり国からすれば、高速道路と関連する各種プロジェクトの中に含まれており、十二月に民営化委員会が小泉総理に意見を言うということは、その前に各種調査の結果を踏まえなければならないということぐらいは、だれにでも容易に推測できることではないでしょうか。 このような委員会なり国の動きの中で、知事は、このマリンピア二期埋め立て問題は、今でも、十二月中に決断してもよいと今でも思っているのか。午前中の岡本議員の質問にも、そのように思っておると思うんですが、こういった民営化委員会と国土交通省とのヒアリングの中でのそういう明記の中で、なおさらに、十二月で間に合うと、そうお思いなのかお尋ねをいたしたい。 続いて、マリンピア沖洲整備手法検討委員会についてであります。 九月六日の四県知事による市町村合併に関するパネル討論の中で大田知事は、合併をしないことにより住民サービスが低下しても、住民はそれを受け入れればよいといった趣旨の発言をしております。田原さんからやゆされたことがあるんですが、私が言わいでももうおわかりだと思うんですが、大田知事が真剣に県民の幸せを考えているのか疑問であり、知事自身に自覚があるのかは別として、みずからの考えを押しつけ、県民は貧しくっても辛抱しろといった、高圧的で無責任な考えだと言わざるを得ません。もしも自分が言っている意味を自覚していないとすれば、県政トップとしては失格であり、マリンピア二期事業についてもこのような無責任な考え方で取り組まれては、県南住民はたまったものではありません。マリンピアの埋め立て問題で高速道路ができなくても、その結果、さらに貧しく不便になっても辛抱しろと知事は言うのですか。将来の県民の幸せのために、現在の民意に反してでもやらなければならないこともあるはずです。 沖洲の埋め立て問題については、県民の意見が分かれている。だから民意を聞くために検討委員会をつくり、合意形成に向けた整備手法を審議、報告をいただくということでありますが、委員会のメンバーを拝見しますと、関係団体の中には、埋め立てには明らかに反対だと思われる人、また埋め立てに賛成だと思われる人、学識経験者の中にも当初より結論ありきと思われる人がメンバーとなり、こういう中で公平・中立的立場で議論を行えるのか、不安であります。知事は合意形成と言われているが、報告書が私は両論併記となり、意見集約には至らないことが容易に想像できます。 一昨日の委員会においても、整備手法について県が示した三案に限定せず、考えられる整備手法すべてを出してもらい、すべて検討対象として議論することになったようですが、また、住民を交え、シンポジウムの開催や一般の人が会場で自由に発言できるようにもしたそうでございますが、これらの点からも、両論併記になろうとも意見集約には相当時間がかかることが予想できます。結局はタイミングを外した知事の決断となり、そのことが県益を損なうことになれば、知事の責任は極めて大きいものであり、私には、表面上は高速道路の南伸と言いつつ、本音は決断のタイミングを意図的に外し、委員会や国のせいにして高速道路の南伸をやめようとしているとしか私には思えてなりません。 伺いますが、委員会に示した整備手法、当初の三案以外にどのような手法があるのか。また、午前中の答弁にもございましたが、十一月中に合意形成の意見集約の報告が得られると考えているのか、お答えをいただきます。   (大田知事登壇) ◎知事(大田正君) 御答弁が前後いたしますが、お許しいただきたいと思います。 マリンピアの委員でございますけれども、検討委員会の委員さんですが、大変偏っておるという御指摘でございましたが、私はそうは思ってないんです。いろんな方にお入りをいただいて、まさに県民の皆さんの合意形成に向けて御審議をいただける方々に私は依頼をしてるというふうに思っております。 それから、両論併記が考えられると、こういう予測的な御発言でございましたが、最終結果はどのような考えを、結論をいただけるかよくわかりませんけれども、いずれにしましても、私はずっと前々から、十二月末までには必ず結論を出すということを申し上げておりますし、その折に議員の皆さん方にも御相談させていただく、こういうふうに言っておりますので、それが仮に両論でありましても、三案であっても、皆さんと御相談をする中できちっと決着をつけていきたいと、このように思っております。 それから、本当は南伸の高速進めると言いながら時間を稼いでるんではないかと、南伸はとめてもええと思うとんちゃうんかと、こういうお話ですが、それはまさに心外です。私は少なくとも、みずからが高速について南伸の腹固めをして以降は、まさに一生懸命いろんな形で取り組んでおりますし、その気持ちで今後も各方面に一生懸命働きかけていきたいと、こういうことをあえて申し上げておきたいと思います。 それから、中四国サミットに欠席したことについて御質問がございました。 中四国サミットにつきましては、先月の三日に、まさにおっしゃいましたとおり、島根県の松江で開催されたわけでございます。ただ、私は、あいにくこの日に、第三十三回徳島県敬老県民のつどいが重なっておりました。その他にも諸行事が入っておりましたが、したがいまして、やむを得ず欠席をしたところでございます。御理解をいただきたいと思います。 なお、道路関係四公団民営化推進委員会の中間報告に対する緊急アピールにつきましては、事前にサミット事務局の方から、私の考えというものをその事務局に対してはお伝えをして、アピールに反映をしていただいたということでございます。 十月三十一日の民営化推進委員会、香川県で開かれる一日委員会ですね、これに県南の思いを伝えるべく出席できるのかという御質問でございます。 四国横断自動車道の南伸につきましては、まさに四市を初め、本県人口の約六割が集中をしております地域を通過をします。阿南安芸自動車道とともに四国の大きな8の字ルートの一部を形成する、県全体の発展にとってまさに重要な区間である。その整備については、さきの六月議会におきまして、県として推進していくことを表明したところでございます。その後、私自身、平成十五年度政府予算に係る重要要望など、機会あるごとに、国や関係機関に対して高速道路に対する県南の方々の熱い思いを伝えまして、その整備促進を強く要望しているところでございます。 一方、去る八月三十日に民営化推進委員会から出されました中間整理におきましては、施行命令の全面執行の凍結を含む再検討など採算性の議論に終始をしまして、地方の声を全く無視した内容となっておりまして、到底容認することはできないということを申し上げてまいりました。 このため、十月三十一日に高松市で開催されます一日委員会につきましては、私みずからがぜひ出席したい旨の意向を関係機関に伝えまして、現在最終的な調整をしているところでありますが、出席がかないましたら担当大臣や民営化推進委員会委員の方々に直接、高速交通ネットワークの意義や本県の実情、県南の方々の熱い思いを伝えてまいりたいと、このように考えております。 マリンピア沖洲整備手法を十二月に最終決定し、その後に取り組んで推進委員会の結論に反映されるのか、御質問でございます。 高速道路の整備のあり方につきましては、道路関係四公団民営化推進委員会におきまして、今年十二月末までに最終報告が行われ、その後、国により個別路線の整備方針が決定されると伺っております。 したがいまして、マリンピア沖洲の整備手法につきましては、マリンピア沖洲整備手法検討委員会で、十一月中を目途に意見を取りまとめていただき、関係自治体や関係機関からの御意見を踏まえまして方針案を決定した後、議会での御審議をいただく。遅くとも十二月末までに県の最終方針を決定してまいりたいと思います。 しかしながら、議員御指摘のとおりに、国土交通省におきましては、既に高速道路の整備を前提としている関連道路事業、あるいは各種のプロジェクトの進捗状況などの調査が進められております。その成果が、今後の個別路線ごとの整備のあり方の具体的な検討に活用されることも考えられるところでございます。 このため、私といたしましては、今後とも国や関係機関に横断道の南伸を強く要望するとともに、マリンピア沖洲の整備手法につきましても、できる限り早期に方針を決定するよう努めまして、南伸に支障を来すことのないように、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 マリンピアの県が提示した三案以外の整備手法が議論されているというお話でございます。 マリンピア沖洲第二期事業の整備手法につきましては、現在、マリンピア沖洲整備手法検討委員会におきまして、県民の合意形成に向け御審議をいただいているところでございます。去る十月二日に開催されました第二回検討委員会におきましては、県がこれまでに提示した三案に加えまして、高速道路のルートは変えない、徳島東インターチェンジマリンピア沖洲事業地内に設けるという前提のもとで、考え得る整備手法を検討対象にすることが確認をされてきたところでございます。 どのような整備手法を検討するかは、今後、まさに検討委員会が議論されることでありますが、前回の委員会では、高速道路インターチェンジの形状を変更する案でありますとか、北側埋立案に派生した部分埋立案につきましても多様な案が考えられるとの意見が出されておるところでございます。 今後、検討委員会の中で整備手法案につきまして活発な議論をしていただきたいと考えておりますが、県としましては、事業者の立場から必要な意見を申し上げ、整備手法の取りまとめが円滑に行われるよう努めてまいりたいと考えております。   (谷議員登壇) ◆十五番(谷善雄君) まとめに入りたいと思うんですが、政治家は、選挙民に希望を与えることが大事だと思いますし、選んだ有権者を映す鏡でもございます。私はあの人を選んでよかった、すばらしい政治家だと言われるように、選んでいただいた有権者に恥をかかさないよう、日々の努力を改めて感じている今日であります。 人間の力、能力にはそれぞれの個性があり、個人差はありますが、無限の能力を努力によって引き出せるのも人間の魅力でもあります。しかし、人には向き、不向きがあります。よく言われるように、あの人は何々には向いているけれども、何々には向いてないなあ、これは皆さん言われると思うんですが、人間の英知は努力によって補うことができるが、向き、不向きはどうにもならないと思います。 あなたに、知事、私は申し上げたい。名選手、名監督にあらず。名県議、名知事にあらずと申し上げて、質問を終わります。(拍手)   ──────────────────────── ○議長(川真田哲哉君) 議事の都合により、休憩いたします。      午後二時十三分休憩   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━    午後二時三十八分開議      出席議員計三十九名          (その番号・氏名左のとおりである)     一  番     重  清  佳  之 君     二  番     木  南  征  美 君     三  番     川  端  正  義 君     四  番     嘉  見  博  之 君     五  番     森  田  正  博 君     六  番     喜  田  義  明 君     七  番     須  見  照  彦 君     八  番     臼  木  春  夫 君     九  番     黒  川  征  一 君     十  番     古  田  美 知 代 君     十一 番     山  田     豊 君     十二 番     森  本  尚  樹 君     十三 番     岡  本  富  治 君     十四 番     藤  田     豊 君     十五 番     谷     善  雄 君     十六 番     庄  野  昌  彦 君     十七 番     橋  本  弘  房 君     十八 番     冨  浦  良  治 君     十九 番     久 次 米  圭 一 郎 君     二十 番     長  池  武 一 郎 君     二十一番     大  西  章  英 君     二十二番     長  尾  哲  見 君     二十三番     樫  本     孝 君     二十四番     来  代  正  文 君     二十五番     竹  内  資  浩 君     二十六番     福  山     守 君     二十七番     西  沢  貴  朗 君     二十八番     吉  田  忠  志 君     三十 番     杉  本  直  樹 君     三十一番     佐  藤  圭  甫 君     三十二番     児  島     勝 君     三十四番     遠  藤  一  美 君     三十五番     柴  田  嘉  之 君     三十六番     四  宮     肇 君     三十七番     元  木     宏 君     三十九番     大  西     仁 君     四十 番     阿  川  利  量 君     四十一番     谷  口     修 君     四十三番     榊     武  夫 君   ──────────────────────── ○副議長(柴田嘉之君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 九番・黒川征一君。   〔北島・中谷両議員出席、出席議員計四十一名となる〕   (黒川議員登壇) ◆九番(黒川征一君) 新風21を代表して、大田知事に初めての質問ができる喜びをかみしめて登壇いたしました。 私は、九月の初めに、大田知事が生まれた東祖谷の、四国で一番美しい、もっと言及するなら、日本で一番美しい山、三嶺というんですが、三嶺へ登山してきました。これは、徳島県は「みうね」と言うんですが、徳島県以外は、高知県も香川県も、そして愛媛県も「さんれい」と言うのが多いわけでありまして、その山は本当に美しいコメツツジがあり、ミヤマクマザサがあり、国の指定のすばらしいツツジの群落があるところであります。あんなところで、雲海が出るようなすばらしいところで生まれ育った知事の気持ちを思いながら登山をさせていただきました。明鏡止水の心境という言葉がありますが、そんな気持ちを私は持って質問させていただきたいなあ。大田知事もそういう気持ちで、本当に頑張るぞという、やってやるぞということで御答弁をいただければ大変うれしい気持ちであります。 さて、県政の最高責任者である圓藤前知事が、公共事業をめぐる汚職事件で逮捕されるという徳島県政史上前代未聞の出来事があり、その出直し知事選挙が四月二十八日に実施されてから五カ月余りが経過しました。大田知事は、民意に責任を持つ県政を基本に据え、県政の改革と徳島の再生に向けて、誠心誠意、懸命に頑張ると表明しております。 大田知事が誕生してから今日まで公共事業をめぐって混乱し、異常な議会運営が続いてきました。「雨降って地固まる」のことわざどおり、知事と県議会はともに県民の意思を代表しているゆえに、適度な緊張関係を保つことが必要であります。もっとわかりやすく言えば、フリーゲージトレーンというような状態にあってほしいと考えます。 さきの知事選挙の争点は、公共事業に対して大きな違いはなかったように言えます。大田知事に県民の多数が期待したことは、公共事業の口ききによる収賄事件を徹底的に解明し、二度とこのような事件が起こらないようにしてほしい。大田さんであれば正してくれるだろうと思って知事に選んだと言えます。県政への信頼回復に向けた取り組みは、前知事の公共事業に絡む汚職事件の公判を受け、一日も早く事件の全容を明らかにするとともに、このような事件が二度と発生しないような対策を講ずることであります。 大田知事は、今議会に、事件の全容を徹底解明するとともに将来の再発防止などに資するため、弁護士及び公認会計士による調査団を設置する予算を提案しております。まことに時宜を得たものと言えます。 そこで、この調査委託の目的、内容、今後のスケジュールなどについて明らかにしてほしいと思います。県としてはどんなことを考えているのか、あわせて知事にお伺いします。 また、大田知事は所信表明の中で、知事及び職員の倫理条例の制定について述べています。全国的に見れば、北海道では、不正な予算執行などにより道民の道政に対する信頼を損ねたことの反省に立ち、知事を含む特別職と一般職員を対象とした倫理条例が制定されています。大田知事自身はどのようなものを考えているかをお伺いします。 次に、東京電力の原発トラブル隠しで不正行為を暴いたのはアメリカ、ゼネラル・エレクトリック社の元従業員であります。アメリカでは、公的分野の内部告発者保護法が制定されています。日本では唯一、原子炉等規制法によって、内部告発した者に対し、解雇などの不利益な取り扱いをすることを禁じています。この法律は、一九九九年、東海村臨界事故で、長年の不法行為を従業員が告発していれば防げた可能性があったと指摘されてから、改正して二〇〇〇年七月に施行されたものであります。アメリカ人がこの法律を利用した第一号であったわけです。 今日、日本ハムの牛肉偽装事件や雪印食品の不正など、企業の不祥事が続発しています。こうしたことから政府は、現在進めている消費者保護基本法の見直し作業から告発に関する部分を切り離し、告発者の保護を前倒しするとの報道がなされております。 一方、公務員は、市民の健康や安全に関する情報を多種多様に、かつ多量に持っております。それに携わる公務員にはみずからの決定に対する説明責任があります。原子炉プラントの構造上の危険、貯蔵された放射性廃棄物の危険性、安全でない食肉や家畜製品、危険な医薬品、公務員の贈収賄など、公開することは公益を守ることになります。情報公開制度は、行政内部で何が行われているのかを知らなければ、公開請求を求めること自体ができないというところにおのずから限界があります。こうした限界を乗り越えるためにも、また、一連の不祥事や問題を繰り返さないためにも、内部告発者保護の仕組みが必要であります。 刑事訴訟法第二百三十九条第二項には、「官吏又は公吏は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発をしなければならない」と規定され、公務員には法律による告発義務があります。この規定は、告発義務を訓示規定と解する見解もありますが、通説は法律上の義務と解し、この義務違反は公務員上の懲戒事由となり得るものです。しかし、現実には、内部告発の義務がありながらも、告発することに伴う不利益な取り扱いなどによって昇進の道が閉ざされることを恐れて沈黙するケースが多いのではないかと危惧されます。 そのためにも大田知事には、県職員の不正、腐敗を許さないためのシステム、条例づくり、すなわち内部告発者に対する不利益な取り扱いを禁止する条例の制定を求めるものであります。この条例ができれば、全国で最初の県庁組織の健全な発展に資するための内部告発者保護条例となろうかと思います。知事の所見をお伺いします。 続いて、北村県警本部長にお伺いします。 昨年九月の徳島県知事選挙の直前に、圓藤前知事から県会議員十一人と首長八人に現金が渡っていたと報道されてから、今日でちょうど六カ月が経過することになります。このことに関して、さきの六月定例県議会で新風21の榊会長が、当時の伴県警本部長に、こうした報道に対して県警はどのように対応しているのか。県民からいろいろと疑問が出されている。県議会と各首長の名誉のためにも、ぜひ明らかにしていただきたいと尋ねました。これに対して県警本部長は、「捜査の具体的内容にかかわる事柄でありますので、答弁を差し控えさせていただきます」と述べています。 その後、捜査当局の動きが見えないことにしびれを切らした二つの市民団体は、徳島地検と県警に対し、十一人の県議と八人の首長を氏名不祥で、公職選挙法違反、買収などの容疑で告発し、徳島県警はこれを受理したと報道されています。 一方、北村県警本部長は、着任後の記者会見で、「県民の声に謙虚に耳を澄ませ、県民が現在の安全に対してどんな懸念を持っているかを把握しなければならない。官僚主義ではいけない」と述べた上で、警察は、「厳正・公平でありながらも、悪や不正を憎む人間の顔をした警察でありたい」と力強く述べています。 全国的に、近年の警察に対する信頼は低下しています。神奈川県警や新潟県警を見るまでもなく、国民の目線を忘れた部分があります。全国の刑法犯の検挙状況は、十年前、一九九〇年の検挙率が四二・三%であったのが、昨年は一九・八%まで落ち込んでいます。こうした中にあって、徳島県では昨年でも四六・一%の検挙率となっています。これは県警に対する信頼があることの証左だと思っております。 今回の告発人の代表であります小林謙二さんは、「県民からの告発に対する反響は大きい。今後の捜査を見守りたい」と語っています。徳島県警は実態を徹底解明すべきであり、やみに葬り去ってはいけないと思います。県民の政治不信は高まっており、うやむやにするようでは県警に対する信頼がなくなります。県民の抱いた疑惑を解明するとともに民主主義を守るためにも、前知事の資金提供問題について決然と捜査に取り組んでほしいと思いますが、県警本部長の御所見を求めます。 次に、常設の住民投票条例についてお伺いいたします。 去る九月三十日、大田知事は、「県民の声に真摯に耳を傾け、県民が何を望んでいるのか、民意はどこにあるのかを真剣に考え、民意が反映できる県政を追求し、あすの徳島づくりに邁進したい」と力強く所信を表明しました。 一方、その日の朝刊各紙は、「徳島県宍喰町」「住民投票で法定合併協議会設置」「合併特例法による全国初の住民投票」との見出しで大きく報道されています。また同じく、秋田県岩城町では、全国で初めて十八歳、十九歳にも投票権を認め、どこと合併すべきかの住民投票を実施したとの報道もなされました。両方とも、市町村合併について住民の判断を求めたものであります。 私は、この場でこの内容について議論するつもりはありません。住民投票については、既に全国に、いや世界に徳島県からニュースを発信しました。住民投票により、いわゆる吉野川可動堰建設計画の賛否を問うたことは大変有名になりました。 また、昨年十一月十八日、三重県海山町が行った原発誘致の是非を問う住民投票があります。海山町の住民投票は、中部電力の原発立地計画のない段階で是非を問うもので、これも全国で初めてでありました。 総務省によりますと、住民投票を制度化しているのは全国二十二自治体二十四条例で、対象は、原発の是非、新潟県の巻町などが八条例。産業廃棄物処分場の是非、岐阜県の御嵩町などが六条例のほか、吉野川第十堰改築、日米地位協定の見直し、沖縄県などがあると聞いております。 三重県海山町の住民投票について、地域の意思をまとめようという初めての合意形成型と言われています。全国各地で住民と議会、首長との間の意見に相当の乖離が見られるケースが多いため、住民の声を聞いて判断する手段として、今後も、住民投票を用いることが増大するのは必至であると考えられます。 総務省は、住民投票の法制度化を検討してきたが、選挙で選ばれた首長、そして議会の権限との関係を整理できなかったと言われています。ただ、総務省は、市町村合併の推進では住民投票を活用する道を開きました。住民発議で法定の合併協議会を設置する場合、議会が否決しても、有権者の六分の一以上の署名があれば、住民投票でその是非が問えるものです。 これは、ことしの三月、国が合併特例法の改正で住民投票制度を導入したものです。さきに述べました宍喰町の住民投票は全国で初めての適用であります。今日、国に先んじて既に四つの自治体がこの住民投票制度を常設化しています。北海道ニセコ町では、条例をつくるまでの労力を省き、焦点の議論に時間をかけるべきだというのがその理由であります。全く同感であります。 地方分権一括法が施行されて二年半が経過しました。地方分権の流れは言うまでもなく、少子・高齢化や環境問題など、社会経済情勢の急速な変化に対応して、住民に最も身近な地方自治体が画一的、硬直的な基準ではなく、住民のための行政を地域の実情に応じて自己決定し、柔軟に実施していくことが要請されています。 これらのことからも、県は徹底して情報公開を進めながら県民のニーズや意見を十分に把握し、県民の参画を得た上で、その施策を適切に実施していくという住民自治を展開することが求められています。 大田知事は所信表明の中で、「最近の目まぐるしい社会経済情勢の変化や、価値観が複雑・多様化する状況にあっては、県民の皆様方の目線や感覚を大切にし、常に民意を把握する姿勢が重要である」と述べています。そのために知事は、対話集会「ほなけんど塾」やタウンミーティングを積極的に開催するとともに、具体的な施策形成においては、審議委員会委員の公募制の導入やパブリックコメント制度の活用を図り、できるだけ多くの民意を聞くように努めることを明らかにしました。 そこで、大田知事にお伺いします。 私は、これだけでは二十一世紀の新しい地平を切り開いていくためにはまだまだ不十分であると考えています。北海道では、原子力発電やダム建設など、賛否が分れるであろう行政上の重要な問題では、その都度、具体的な条例案が別途提起されるとはいえ、都道府県レベルで初めての常設型住民投票条例が九月議会に提案され、現在審議されております。 県政の重要な施策の決定に当たっては、県民に直接その賛否を問う住民投票制度が非常に有効であることから、常設の住民投票条例を制定すべきであると考えます。大田知事の力強い、明快な答弁を求めます。   (大田知事登壇) ◎知事(大田正君) 黒川議員の御質問にお答えをさせていただきます。 まず、汚職問題調査団への調査委託の目的、内容、さらに今後のスケジュールなど再発防止策についての御質問でございますが、今回の調査委託の目的は、七月十九日の圓藤前知事の汚職事件第一回公判における検察側の冒頭陳述を受けまして、当該事件により失われた県政に対する県民の信頼を回復するために、県としても独自に、一日も早く事件の全容を県民の皆様の前に明らかにいたしますとともに、事件発生のメカニズムの解明とこれに付随する諸問題について調査検討を行い、将来の再発防止措置等の実施に資することでございます。 委託業務の内容は、前知事汚職事件発生原因の解明、過去の工事請負契約の分析と問題点の把握、さらに談合防止のための諸施策についての調査研究等を行い、新たな談合防止策の策定、知事、県職員に関する倫理条例の制定、また、業者、政治家等からの働きかけ等の記録及びその公開システムなどに関し、先進的な提言をお願いするものでございます。 今後のスケジュール等につきましては、本議会で補正予算の議決が得られましたら、十一月一日を目途に委託契約を締結し、調査を始めていただきまして、本年度末には最終報告書の提出を受けることとしたいと考えております。 なお、条例提案が必要なものにつきましては、できれば来年一月中に中間報告を受けることといたしたいと考えております。 県といたしましては、調査団からの報告結果も参考にしながら、倫理条例の制定など、適切な再発防止策を講じてまいりたいと考えております。 次に、知事及び職員の倫理条例の制定について、私自身がどのようなものを考えているのかとの御質問でございます。 先ほど、谷議員の質問にもお答えいたしましたとおり、知事の倫理条例につきましては、県政が県民の厳粛な信託によるものであることを認識をして、その受託者たる知事が、いやしくもその地位による影響力を不正に行使して自己の利益を図ることのないようにするために必要な措置を定めることといたしたいと考えております。 また、職員の倫理条例につきましては、職員が職務を遂行するに当たって、まさに全体の奉仕者として常に自覚しなければならない職務に係る倫理の保持に資するため、必要な措置を定めることとしたいと考えております。 なお、具体的内容につきましては、汚職問題調査団に御提案をいただくこととしておりますので、それらも参考にしながら検討してまいりたいと考えております。 次に、県職員の不正、腐敗を許さないためのシステムとして内部告発者保護条例を制定すべきとの御質問でございますが、刑事訴訟法第二百三十九条第二項は、刑事司法の適正かつ効果的な運用を図るために、各種行政機関に対して刑事司法の運営についての協力義務を課するとともに、あわせて公務員に告発義務を課することにより公正な行政運営が確保されることを期待して設けられたものでありまして、告発を行った職員が不利益な取り扱いを受けることのないように配慮することは、任命権者の当然の責務であると認識をいたしております。 議員御指摘のとおり、内部告発者を保護する制度といたしましては、現在、国におきまして、製品の品質や安全に関する企業の不祥事の多くが内部告発で発覚したことを受けまして、内部告発を行った社員の権利の保護に向け、法案化の動きがあると聞き及んでおります。 また、国家公務員の場合、国家公務員倫理規程の中で、各省庁の長の責務として、職員が国家公務員倫理法に違反する行為について適切な機関に通知したことを理由として、不利益な取り扱いを受けることのないよう配慮しなければならないことが規定されているところでございます。 議員御指摘の内部告発者の保護制度の確立は、職員間に不正を見逃す風潮を生み出さないという点において意義深いものであり、現在検討を進めております職員倫理条例の制定に際し、そういった内容をどのような形で盛り込むことができるかを含めて検討してまいりたいと考えております。 次に、常設の住民投票条例についての御質問でございます。 私は、これからの県政の推進に当たりまして、これまでのどちらかといえば行政主導の県民参加から、県民主導の行政参加に変わっていくべきではないかと考えております。今後とも、県民の目線や感覚を大事にしながら考えてまいりたいと思います。そして、県民と行政が責任を共有し分担していくというパートナーシップを醸成しながら、民意が生かされた施策を一つ一つ着実に実行することにより、民意に対して責任を持つ県政を推進してまいりたいと考えております。 そのためには、県として、県民の皆さんは何を望んでいるのか、民意はどこにあるのかを真剣に考え、可能な限りさまざまな方法で民意を把握、そして分析し、今後の政策の決定、展開を図っていく上での判断材料として活用いたしますとともに、その判断結果を必要に応じて議会の皆様に御説明し、御議論や御提言をいただきながら県政運営に当たっていきたいと考えております。 このようなことから、特に県民世論を賛否二分するような事案の是非につきましては、県民の直接参加による住民投票も民意の把握、分析の一手法と考えられますが、いずれにいたしましても、今後、先例や効果、隘路等を研究してまいりたいと考えております。   (北村警察本部長登壇) ◎警察本部長(北村滋君) 黒川先生の御質問でございますけれども、昨年の知事選挙におきまして、関係方面に対しまして選挙資金が供与されたという報道がなされたことについての御質問かと存じます。 当該事案につきましては、県警察といたしまして、告発を受け、刑事訴訟法の第二百四十二条の規定に基づきまして、これを適切に処理してまいることとしております。 なお、当該捜査の具体的な内容及び進捗状況につきましては、答弁を差し控えさせていただきます。 いずれにいたしましても、警察といたしまして、捜査の過程におきまして刑罰法令に触れる事実を把握しました場合におきましては、法と証拠に基づきまして、厳正に対処する所存でございます。   〔大西(仁)議員退席、出席議員計四十名となる〕   (黒川議員登壇) ◆九番(黒川征一君) それぞれ御答弁をいただきました。 冒頭、さんれい、みうねの話をしましたが、知事が公用車を四百三十五万円で前知事が乗っていた車を売って、新しい車、二千四百㏄、四輪駆動で銀色のミニバンを四百二十万円で買うたというような新聞情報がありますが、この四百三十五万円で売って四百二十万円っちゅうけん、十五万円プラスになったんかいなというお話が新聞でありました。 そんな意味で、ミニバンに乗って徳島県内を駆けめぐって、民意がどこにあるんか、山地がどう荒廃したんか、それこそ体と心一体で県民の民意を把握する。そして、大きな問題については住民投票条例を常設化して、そして、この民意を問うという作法が、二十一世紀の新しい地平を切り開く、民主主義の原点であると。北海道がやってるから徳島県がやるというんじゃなくて、やっぱり正しいことはおれがやるという気持ちで大田知事は頑張ってもらいたいなということを申し添えておきます。 次に、伴県警本部長と同じような形で、北村県警本部長から御答弁をいただいたわけですが、これも新聞で「がんばって県警」という報道がされてました。立件されたら県議会が麻痺するんじゃないか、機能不全もあり得るんじゃないか。しかし、この際すべてのうみを出してほしい。臭いものにふたをしてはいけない。県警がその組織力と捜査能力を発揮し、県民が納得する幕引きをしてほしい。そうすれば、本部長も頭を下げずに胸を張れる。拍手も送れる。でも、まだ捜査不十分。県議の嫌疑を十分に晴らせるかどうかだというような報道がされておりますが、県警本部長もこれを多分読んでおると思いますが、本当に県民の民意ですから、県民が一番望んでいることは、大田知事が先ほど、当選した理由は前知事の汚職腐敗構造をあばいて、そして二度とこのようなことが起こらないようにしてほしいと、このことが県民が望んだ最大の、大田知事を選んだ理由だろうというふうに私は思って過言ではない。大きな、一番の大きなメルクマールであったというふうに思ってます。 どうかそうした意味で、知事に重ねて頑張ってほしいなあということを申し添えて、質問に入ります。 次に、緑の公共事業についてお伺いいたします。 日本の森林面積は国土の約六六%あり、これは世界の他の国と比較すると、比率では世界第三位と言われています。例えば、ヨーロッパでは、森の国ドイツでも約三〇%、フランス、イタリアは二〇%台、イギリスに至っては約一〇%台であります。北欧はさすがに多いが、スウェーデンで六〇%、日本よりも比率は少ない。わずかにフィンランドだけが日本より大きいぐらいです。アジアでは一番の大国、中国が一〇%台で、東南アジアでは日本よりも比率の多い国はありません。地図の上では森林でも実際は荒れ地になっているところが目立ってきています。アメリカ大陸に目を移しても、アメリカ合衆国やカナダも三〇%台であり、地球の心臓と言われていますブラジルでさえ五八%ぐらいであります。 日本が地球の中でこれだけ特別な国だということをもっともっと国民全体が認識すべきであります。人口が多く、一人当たりの森林は少ないとはいえ、こんなに森林面積の高い日本が環境的に崩壊し始めたら、世界の他の国は確実にだめになります。日本がだめになるということは、世界がだめになるということです。 日本の森林は生態的に見て非常に変化に富んでいます。南は西表島から屋久島ぐらいまでは亜熱帯林が分布しており、海に注ぐ河口付近ではマングローブ林も発達しています。九州、四国、中国、関西、関東の一部では暖温帯の森林が主流であり、九州から関西までの山岳地帯と、中部、関東から東北にかけては冷温帯の森林となっています。これは落葉広葉樹林であり、北海道に行くと亜寒帯の針葉樹林になります。こんな小さな島国で亜熱帯から亜寒帯まである国は非常に珍しいのであります。このことでも日本は世界に誇れる森林王国と言えます。 徳島県の面積の七六%を占めている森林面積は三十一万三千ヘクタールあります。そのうち民有林が九四%で、圧倒的に針葉樹林が多く六六%を占めています。針葉樹の中で人工林が九四%、天然林が六%となっています。このうち、人工林の中で間伐対象面積は九万五千ヘクタールで、その実施率が五四%となっています。森をつくるといえば、ついつい木を植えることを連想しますが、日本の森林の現状を見ると、むしろ除伐や間伐をして森を整備すること、すなわち木を切ることの方が大変重要な課題となっています。日本人ほど人工林をたくさんつくった民族は歴史上ないと言われるぐらい、杉、ヒノキ、松を植えました。特に、杉はもう植え過ぎだと言われるぐらい植えました。 今日、木材の国産材自給率は一八%、四十年前は八〇%の自給率でありました。そのころの山林労働者は、農業と林業の連携はうまくかみ合っており、若き後継者も育っていました。国勢調査によると、一九六五年、県内の林業労働者は五千三十六人、二〇〇〇年は八百四十六人で約六分の一に激減しています。六十歳以上の従事者数は、一九六五年が一二%であったのが、二〇〇〇年には何と四四%を占めるに至っています。 昨年七月十一日に森林・林業基本法が施行され、森林の有する多面的機能を発揮するための森林整備や地域木材の利用推進、林業労働力の確保に向けた対策がとられるようになりました。しかし、今日の林業や木材関連産業をめぐる情勢は改善されるどころか、ますます厳しくなっております。国産材の価格低迷が長期化する中で、林業の採算性が悪化し、このことが山林所有者の林業に対する経営意欲の減退を招き、適切な施業がなされないまま放置される森林がふえるという悪循環から、結果的に森林の多面的機能の低下が心配される状況にあります。 ちなみに、二〇〇一年十一月、日本学術会議から農林水産大臣への答申によりますと、徳島県の森林の多面的機能の評価額は八千百四十四億円となっており、徳島県の年間予算を大きく上回っております。 大田知事は東祖谷山村に生まれ育った人であるだけに、山林の厳しい労働実態を経験し、今日の荒れ果てた農山村を何とかしなければと思う気持ちはだれにも劣ることはないと言っても過言ではないと思います。今なお県内に残る豊かな自然環境は、私たち徳島県民の誇りであると同時に、生命を維持し、安らぎや潤いをもたらす重要な財産であります。 知事は、県政創造アドバイザーを設置し、東京大学の神野直彦教授らから、森林政策、環境対策などの重要課題に対して、適宜適切な御意見、御提言をいただけるようになったと表明しています。 また、徳島県森林審議会においても、緑の公共事業を進めるための議論がなされています。これまで県が取り組んできた過疎対策は、都会に出たがる人を引きとめる政策でありました。お隣の和歌山県はことしから緑の雇用推進局を新設し、都会から地方への人口移動が可能となる政策を展開しています。まさに都会の失業者を地方が救う方策であります。 以上のように、緑の公共事業は、森林の多面的機能の維持から、雇用対策に至る幅広い効果を持つ施策であり、積極的に推進すべきものと考えますが、緑の公共事業推進局といった組織づくりを含め、緑の公共事業に対する大田知事の所見をお伺いします。 次に、介護保険における低所得者対策についてお伺いいたします。 現在、本県においては、二〇〇三年度に予定されている介護保険料の改定に合わせて、とくしま長寿プラン二〇〇〇を見直すことになっています。新しい長寿プランでは、県内六地域で分化する現在の高齢者保健福祉圏を見直して、それぞれの福祉圏ごとに必要な施策の種類や定員を設定し、市町村と連携して在宅サービスの必要量や供給見込量などを定めることになります。 そのために、県は、十月段階で介護サービス量などの見込み、最終見込値の取りまとめをすることになります。厚生労働省においては、十二月に介護サービス量などの見込みの集計結果の公表とゴールドプラン21の見直しといったスケジュールになると考えます。そして、来年三月には、介護保険事業支援計画の策定と介護保険条例の一部改正に至るのであります。 それゆえに、まず低所得者対策を実施するよう国に働きかけてほしいと考えるのであります。現在年金から天引きされているため、保険料の滞納とはなっていませんが、生活を切り詰め介護保険の給付を制限している高齢者からの、何とかしてほしい、助けてほしいと悲痛な叫び声が私のところに届きます。このような高齢者には生活保護を受けるように言っても、はい、わかりましたとはなりません。役場や国の世話になるのをちゅうちょする高齢者が多いからであります。 今日、特別養護老人ホームの入所者で約六五%の高齢者が、一年間の年金収入が六十万円以下であると言われています。最低生活保障の生活保護基準が、地域によって若干の差はありますが、年間九十万円から百万円程度が独居老人に支給されます。このことからしても、最低限度の生活保護基準以下の収入で生活している高齢者から介護保険料や介護費用の一割負担を徴収することは許されないと思うのであります。 六十五歳以上の高齢者の介護保険料は、第一階層から第五階層の五段階徴収となっています。本人が住民税非課税でも、同一世帯の中に住民税の課税者がおれば第三階層となります。本人が老齢福祉年金受給者であっても、同居家族の中に住民税課税者があれば、第一階層とはならずに第三階層となってきます。同居家族であっても、介護保険料や給付費の一割負担を子供や孫に請求することができず、みじめな思いをしているという実態にあります。本来の介護保険法の趣旨からも逸脱している制度であります。 さらに、介護保険法と国民健康保険法を比較した場合、国民健康保険税の場合は、最も低い住民税非課税者で独居老人は、一年間の国保税が一万七千円程度に対し、最高限度額の納税者が五十三万円程度でありますから、ざっと三十一倍の較差となっています。これが介護保険法の第一号被保険者、すなわち六十五歳以上の高齢者の場合は、一番安い第一階層が年額一万九千九百二十円、一番高い第五階層は年額五万九千七百六十円となりますから、較差は三倍であります。どちらも社会保障制度でありながら、介護保険料は収入、すなわち支払能力を全く無視した制度であり、最低限度の生活を保障した憲法にも抵触するものと言えます。早期に国民健康保険税のような定率制の導入を図る必要があります。 介護保険料の滞納者が少ないのは、あくまでも低額の年金受給者からも、特別徴収というやり方で有無を言わさず年金から天引きしているからにすぎません。加えて、来年四月に改定される六十五歳以上の介護保険料は、県内の多くの自治体で増額されることが確実となった旨の報道がされており、いよいよ低所得者に厳しい実態となっています。 介護保険制度が真に高齢者の、なかんずく低所得者にも納得していただけるような制度になるためには、国民健康保険制度並み以上の社会保障制度にしなければなりません。そういう意味から申し上げると、この市町村民税の課税、非課税の違い、また、世帯全体での課税、非課税の違いだけに着目した現在の介護保険料の設定基準を、もっときめ細やかで、個々の高齢者の実情に十分対応できるような設定方法に変更する必要があります。 そこで、高齢者や市町村の声を国に向かって代弁していくべき県の責務として、介護保険制度の低所得者対策を講じるよう国に対して強力に要請すべきだと考えます。大田知事の御所見を伺います。 次に、少人数学級の導入についてお伺いいたします。 二〇〇一年度の法律改正により、公立の小学校、中学校の学級編制は、二〇〇二年度から、都道府県の教育委員会の判断により、児童、生徒の実態を考慮して、国の標準により定める四十人以下のクラス編制が可能となりました。この制度改正の趣旨を踏まえ、クラス編制を少人数学級にしてスタートさせたのは二十二道府県に上っています。一方、何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、児童、生徒が登校しない、あるいはしたくてもできない状況にある児童、生徒、いわゆる不登校の子供たちが増加しています。二〇〇一年度は全国で小学校二万六千四百六人、中学校で十一万百九十八人、合計十三万六千六百四人となっています。 徳島県内においても、昨年は、小学校百六十三人、中学校八百四十三人で、合計千六人が不登校でありました。この数字は毎年増加しているのであります。不登校の子供を持つ両親や家族にとって、義務教育であります小学校、中学校に子供が行かない、あるいは行けないことの悩み、苦しみははかり知れないものがあります。 山形県は、全国で初めて、小学校の全学年で三十三人以下の学級編制を導入することを明らかにしました。山形県の少人数学級編制の取り組みは、高橋和雄知事からのトップダウンで始まりました。昨年八月、高橋知事は定例記者会見で、雇用の厳しいときこそ三十人学級を考えてよいと教員採用枠を広げ、小学校、中学校への少人数学級の導入を表明し、橋の一本か二本、倹約することになると述べ、公共事業に優先させて財源を確保する姿勢を打ち出しました。 また、高橋知事は、公共事業は何年ストップしても待ってくれるが、子供の教育機会は一度しかないとも述べています。ちなみに、山形県が小学校の全学年を三十三人以下のクラスに編制すれば、教員数が二百十一人ふえて、十二億円の県予算が必要になると言われております。限られた予算をどう使っていくのか、まさに米百俵の精神が問われていると言えます。 人と人とのかかわりを初めとして、人と地域や社会のありよう、さらには人と自然の関係が真剣に問い直される時代の大きな転換期でもあります。徳島県の明るい未来を切り開くためには、将来を担う人づくりが重要です。そのためにも、きめ細かで多様な教育・社会環境を整備することが急がれます。 大田知事は、こうした時代の変化に正面から向き合い、県政の活力の源は人にあるという基本認識のもと、「もの」から「ひと」への価値観の転換を図り、県民主権を基本とした、元気の出る、そして希望の持てる徳島を実現できるように頑張ってほしいと思います。仮に政治信条などが異なっても、県民全体が将来を担う子供たちのために教育・社会環境の整備を願っていることは間違いありません。そのためにも、二〇〇三年度、来年度には、最も多感で大事な時期と言われる小学校一年生と中学校三年生からでも、まず少人数学級の編制が実現できるよう強く要請し、大田知事の中身のある答弁を求めます。 最後に、四国ジェイティエス電装の閉鎖問題についてお伺いいたします。 私の地元の問題であります。今年七月四日、池田町の中心部にあり、町内最大規模の雇用能力を誇る四国ジェイティエス電装が、来年の三月をもって工場閉鎖すると発表しました。 この四国ジェイティエス電装は、一九九〇年九月に閉鎖した日本たばこ産業池田工場の跡地と建物を引き継ぎ、自動車の部品を製造する地域の中核的企業であります。 池田町は、江戸時代から葉たばこの製造が行われております。江戸末期には民間のたばこ製造が盛んになり、明治に入って隆盛をきわめ、県下第一の工業都市にまで発展しました。明治三十八年には民営のたばこ製造は官営となって専売所が設立され、この地域の発展に大きく貢献し、昭和六十年には再び民間経営となり、日本たばこ産業池田工場として発足し、一九九〇年九月まで土地の狭い池田町の町の中心部に四万二千五百九十平米という用地を構える、地域経済の象徴として大変重要な役割を担ってきたのであります。 県西部になれ親しんだ企業の灯が消えることは、単に失業問題の発生という以上の、複雑でショッキングな思いがあるわけであります。池田町では、平成十一年にジャスコが撤退し、平成十二年にはNTT池田支店が閉鎖され、地域経済の活力が減退していく寒々とした流れの中で、ついにここまで来たかという思いを禁じ得ないのであります。 このような厳しい状況を受け、大田知事においては「仕事興しフォーラム」を県内三カ所で開催し、各地域の実態に応じた本県独自の経済・雇用対策を検討するため、それぞれの地域の企業、商工団体関係者などと意見交換を行われたことは、まことに時宜を得たものと考えます。 そこで、知事にお伺いいたします。 今回の「仕事興しフォーラム」では、どのような意見、提言がなされ、それをどのように感じ、今後の施策にどう反映させようとしているのかをお伺いします。 また、四国ジェイティエス電装株式会社の工場閉鎖については、地元池田町を初めとして地域の各種団体が、同事業所の存続や存続がかなわなかった場合の土地の活用などを要望しているところですが、県としてどのような支援策を講じようとしているのか、講じていただくのかをお尋ねいたします。   (大田知事登壇) ◎知事(大田正君) 緑の公共事業を積極的に推進するための取り組みについての御質問でございます。 森林には、林産物の供給はもとよりとしまして、県土の保全、水源の涵養、保健休養の場の提供など、まさに多面的な機能がありまして、県民生活に大きく寄与しているところでございます。 緑の公共事業は、森林の整備を推進し、こうした森林の持つ多面的機能を高度に発揮させ、適切な森林の管理、雇用の促進、都市交流の促進などを図る総合施策であります。 今後、本県の緊急の課題である人工林対策、あるいは地域振興策として強力に推進してまいる所存であります。 事業の推進に当たりましては、農林水産部を中心としまして、関連部局や関係機関が一体となりまして、積極的かつ効果的に取り組むことが重要であると考えております。 事業の推進体制につきましては、議員御指摘の和歌山県のような組織、または部局を横断する組織、あるいは関係機関を含めた体制など、いろいろな形態が考えられると思っています。 今後、森林審議会の御意見もいただきながら、緑の公共事業を構築する中で、私といたしましては、着実に事業推進ができる組織体制を検討してまいりたいというふうに考えております。 次に、介護保険制度の低所得者対策につきまして、国に対して強力に要請すべきではないかという御質問でございますが、介護保険制度は、将来にわたって介護を社会全体で支えるために、給付と負担の関係を明確にした社会保険方式により創設されたものでございますが、このため、被保険者の方全員に保険料を負担していただくとともに、サービス利用時には介護費用の一割を利用者に負担していただく仕組みになってございます。 これらの負担につきましては、一律に負担していただくわけではなく、段階別の保険料設定や利用料における高額介護サービス費など、所得状況に応じた各種の軽減措置がとられているところであります。 しかしながら、昨年、県が実施しました要介護認定者等に対するアンケート調査結果では、「将来の不安が少なくなった」、「家族の負担が減少した」などの御意見とともに「保険料や利用料が負担に感じる」という御意見もいただいております。 県といたしましては、所得の低い方々に対する保険料や利用料の軽減につきましては、よりきめ細やかな対応や制度の拡充等が必要であると考えますが、このような重要な課題につきましては、将来にわたって安定した制度とするためにも、全国統一的に実施される必要があると考えております。 このため、県といたしましては、これまで国に対する重要要望におきまして、介護保険制度における低所得者対策の拡充等につきまして要望してまいってきたところでございます。 議員御指摘の点も踏まえながら、引き続き重要要望などあらゆる機会をとらえまして、国に対して強く要請してまいりたいと考えております。 次に、少人数学級の導入についての御質問でございます。 時代の大きな転換期にありまして、「もの」から「ひと」への価値観の転換を図り、「明日を拓く人づくり」を進めていくことは、極めて重要な課題でございます。とりわけ、学校教育におきまして、子供たちが心豊かで生き生きとした学校生活を送れるよう、一人一人に行き届いた、きめ細かな指導を推進していくことが非常に重要であると考えております。 そのため、これまでも教科等に応じた少人数グループ指導や複数教員の配置等により、きめ細かな教育の推進に取り組んできたところでありますが、さらに、御指摘の少人数学級の導入についても、これらの方策とあわせて有効な方策の一つであると考えております。 少人数学級については、現在、財政上の課題とともに、教育委員会におきましては、その具体的な導入方法について、少人数指導等の多様な方策とも組み合わせながら、最も教育効果を得られる方法を幅広く検討しているところでございます。検討に当たっては、最も効果的であると考えられる学年等を十分見きわめ、導入後におきましても、その教育効果について十分検証していく必要があると考えております。 なお、少人数学級を実際に導入する際には、学校設置者であります各市町村とも十分な意見調整を図らねばなりません。各市町村においても、教室の確保を初め、導入のための諸準備を行っていただくことが必要となります。 このため、現在のところ、どの学年に導入するかにつきましてお示しすることは難しい状況にありますが、私としては、来年度から何らかの形で導入できるよう、今後、教育委員会ともども積極的に検討を進めてまいりたいと考えております。 次に、「仕事興しフォーラム」につきましての御質問でございます。 議員御指摘のように、本県経済はまことに厳しい状況にあります。私自身、このことを強く感じているところでございまして、こうしたことから経済活性化、あるいは雇用の創出に向けまして、さまざまな立場の県民の皆様と意見交換を行うため、「仕事興しフォーラム」を開催してきたところでございます。 このフォーラムにおきましていただいた御意見、御提言は、一つとして、企業間競争に打ち勝つためには新商品の開発、新サービスの提供等が必要であり、今後、産学官連携による研究開発等の重要性が増してくる。二つ目として、廃棄物処理、水の確保、道路・港湾整備など、企業活動を取り巻く諸課題を解決するためのインフラ整備等を一層推進すべきである。三つ目として、NPO法人によります障害者の方々に対する就労支援や、それぞれの地域の課題を地域で解決していきながら、少人数の雇用が生まれるそういった新しい雇用の場所の確保などといった内容の御意見をいただいてきたところでございます。 特に、企業関係者の皆様方からは、現在中国等への企業進出が急激に進む中で、国内でのまさに生き残りをかけて必死に努力されております姿を強く感じてまいりました。私自身、経済・雇用問題にこれまで以上に積極的に取り組まなければならないと決意を新たにしたところでございます。 現在、今回のフォーラムでいただきました御意見、御提言を精査した上で、短期的に対応できるもの、そして、中長期的に対応しなければならないものに整理しているところでございます。可能なものから、今後の経済・雇用対策の具体的な施策として取り入れていきたいと考えております。 次に、四国ジェイティエス電装の工場閉鎖についての御質問でございます。 県としましては、本年七月の日本たばこ産業株式会社による四国ジェイティエス電装株式会社の解散発表以降、地元池田町を初め阿波池田商工会議所、徳島労働局など関係者と雇用対策を初め、今後の対応を協議するため、四国ジェイティエス電装問題連絡会を設置したところでございます。地元池田町ともども、四国ジェイティエス電装の株主である日本たばこ産業及び住友電装に対しまして、会社の存続について要望してまいったところであります。今後も引き続き強く要望してまいりたいと考えております。 しかしながら、先月発表された住友電装の生産体制再構築計画におきましても、同社は解散されることになっておりまして、事業の継続は非常に厳しい状況にあります。また、土地の所有者であります日本たばこ産業株式会社からは、来年三月末の事業所閉鎖、解散以降に、基本的には売却する方向で検討すると聞かされております。 こうしたことから、地元池田町や阿波池田商工会議所などから、どうしても存続がかなわなかった場合に、県としても我々と一緒になって跡地活用を検討してほしい旨の要望がございました。 県としましては、旧専売公社跡地につきまして、駅東側の町の中心部に位置し、広大な面積を有していることから、その有効活用は池田町の活性化を初め、県西部の活性化にも影響があるものと認識をしているところでございます。 したがいまして、用地の活用策につきましては、厳しい経済情勢下ではありますけれども、どのような方策が可能なのか、地元池田町の意向を初めとして、土地の所有者であります日本たばこ産業や関係機関とも連携をとりながら、今後とも検討を進めていく必要があると考えております。   (黒川議員登壇) ◆九番(黒川征一君) 今回の代表質問では知事一人にお答えしていただく、そういう気持ちですべての原稿を用意したつもりであります。 知事が責任を持ち、そして、山形県の高橋知事ではありませんが、トップダウン、これが重要な時期である。と同時に、民主主義というのはボトムアップがあって、また、一番基本であります。そういう意味で知事と職員が一体となるというんですか、そういう意味での機能的にしなきゃならないなというふうに思ってますが、そういう意味で知事と職員と同時に、知事と教育長も同じだろうというふうに思ってます。 知事は、少人数学級、子供の教育に対する気持ちから、来年度から何らかの形で学校に少人数学級を導入したい、教育委員会ともども積極的に検討を進めてまいりたいという発言がありました。松村教育長もそのことを拝聴しておったと思いますが、私も文教厚生委員会に在籍している一人として、何らかの形で来年度から導入する。そして、そこを突破口にして、今、子を持つ親の気持ちに依拠する、そして不登校が千人を超えている、全国で十三万六千人おる、こういった問題にどう対応するか。 もう一つは、今、雇用の問題が言われてますが、この間も鳴門教育大学に視察に行きましたが、百人の定員の中で五十人ぐらいは先生になれるけんど、あとは先生になれないという鳴教大の実態をかいま見ることができました。そういう意味で、学校教育に少人数学級を入れて、本当に人づくりを大事にしてもらいたいなあ。米百俵の精神という小泉総理大臣が言ったように、本当にそんな時期であろうかというふうに思っています。新しい地平を切り開く、この「地平」という言葉は大田知事が好きな言葉ではなかろうかと勝手に推測する人間であります。 大田知事は、東祖谷、祖谷では、一番親しい人たちからはニックネームを「ターコ」っていう呼び名で──ターコです。そんな意味で、ターコ頑張れよということを三好郡内のいろいろな人から聞くわけであります。どうか、そうした意味で知事、ニックネームがどういう形で命名されたかはよくわかりませんが、どうかターコ頑張れ。それは、やっぱり労働者上がりの知事である。そして、一番身近な存在である。何かをしてくれるだろう。そして、圓藤前知事が起こした前代未聞の事件、これを解決し──解決というよりは、この問題から新しいシステムをつくって、こういうことが二度と起こらないようにしてほしいという県民八十二万の総意があろうかと思ってます。その気持ちに精いっぱいこたえる意味で、大田知事頑張れということを壇上から申し上げて、新風21を代表しての質問にさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)   ──────────────────────── ○副議長(柴田嘉之君) 議事の都合により、休憩いたします。      午後三時四十七分休憩   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━    午後四時十三分開議      出席議員計三十六名          (その番号・氏名左のとおりである)     一  番     重  清  佳  之 君     二  番     木  南  征  美 君     三  番     川  端  正  義 君     四  番     嘉  見  博  之 君     五  番     森  田  正  博 君     六  番     喜  田  義  明 君     七  番     須  見  照  彦 君     八  番     臼  木  春  夫 君     九  番     黒  川  征  一 君     十  番     古  田  美 知 代 君     十一 番     山  田     豊 君     十二 番     森  本  尚  樹 君     十三 番     岡  本  富  治 君     十五 番     谷     善  雄 君     十六 番     庄  野  昌  彦 君     十七 番     橋  本  弘  房 君     十八 番     冨  浦  良  治 君     二十 番     長  池  武 一 郎 君     二十一番     大  西  章  英 君     二十二番     長  尾  哲  見 君     二十三番     樫  本     孝 君     二十四番     来  代  正  文 君     二十五番     竹  内  資  浩 君     二十七番     西  沢  貴  朗 君     二十八番     吉  田  忠  志 君     二十九番     北  島  勝  也 君     三十 番     杉  本  直  樹 君     三十一番     佐  藤  圭  甫 君     三十二番     児  島     勝 君     三十四番     遠  藤  一  美 君     三十五番     柴  田  嘉  之 君     三十六番     四  宮     肇 君     三十七番     元  木     宏 君     三十九番     大  西     仁 君     四十 番     阿  川  利  量 君     四十三番     榊     武  夫 君   ──────────────────────── ○副議長(柴田嘉之君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。   ──────────────────────── ○副議長(柴田嘉之君) 本日の会議時間を延長いたします。   ──────────────────────── ○副議長(柴田嘉之君) 二番・木南征美君。   〔藤田・中谷・谷口三議員出席、出席議員計三十九名となる〕   (木南議員登壇) ◆二番(木南征美君) 四人目の登壇でございます。 さきのお三方の格調高い代表質問の後での新人の質問でございますので、非常にお聞き苦しい点があるかと思いますけども、六十分のおつき合いをいただきたいと思います。 同時多発テロの大惨事から一年たちました。平和を願う二十一世紀の幕あけでありましたが、振り返ってみますと、同時多発テロの大惨事やその後の国際情勢の不安定感、長期低迷を続けている経済不況の深刻化、県内では現職知事逮捕等々、さらにはBSE問題、農薬関連事件による食に対する信頼感の失墜、北朝鮮の拉致問題と、内外ともに激変、激動、憤りと恐怖を与えた衝撃的なスタートを切りました。 しかし、人類の歴史は利便性と安定を求めての歴史であると言えます。利便性を求め、いろいろな発明、工夫がなされてまいりました。そのおかげで世界人口はこの五十年で二・五倍、六十三億人を数えております。ここ十年で十億人と驚異的な増加であります。地球環境も著しく変化してまいりました。深刻なのは地球温暖化であります。 そこで、持続可能な開発に関する世界首脳会議、いわゆる環境開発サミットがヨハネスブルクで開かれたのは御存じのとおりでございます。このままでいくと、今世紀末には地球全体の平均気温が摂氏二度、海水面が五十センチ上昇すると予測され、自然界に与える影響ははかり知れないと言われております。しかし、さきの環境開発サミットでも、地球を守るとともに人類社会の発展を目指す具体的な行動に踏み出す行動指向的なものであるとし、また、環境と経済に加えて社会面に注目し、環境問題と経済社会の問題を同時に解決する必要があると強調しております。 我が国の温室効果ガスの排出量は十三億七百万トンであり、一九九九年の資料でありますが、十年前に比べると六・八%の増加であり、前年に比べると二・一%の増加となっております。 こうしたことから国では、地球温暖化対策推進大綱を策定するとともに、地球温暖化対策の推進に関する法律やエネルギー使用の合理化に関する法律を改正するなど、温暖化対策に国を挙げて取り組み始めたところでございます。 徳島県においては、湖沼の環境はだんだんよくなりつつあります。これは地域の方々の努力のたまものと感謝を申し上げるところでございますが、徳島市周辺の大気汚染が進んでおります。数カ月前、二酸化窒素が県庁所在地では全国で四番目の濃度であると新聞で発表されました。県内にある環境大気測定局に顕著にあらわれ、周辺住民は大都会並みの汚染の中で生活をしております。これは徳島県の道路事情によると言わざるを得ない。とりわけ徳島市街周辺、国道十一号線は、一日八万四千台余りの通行量、飛び抜けの四国一でございます。主要道路の通行のピーク時には、交差点通過平均時間を出してみますと、五キロメートル当たり三十分、三十分以上かかります。この三十分のうち二十分は、いわゆるエンジンかけて停車という状態、停滞であります。経済性、大気汚染の面からも憂うべき状態であり、今のモータリゼーションの波の中では道路行政と環境とは切り離せないのが現状であります。 知事は、今議会の所信でも環境問題に触れられておりましたが、しかし、本県の環境議論は限られた地域での環境保護にシフトをしているように思えてなりません。限られた地域での環境保護だけでは十分でありません。もっと大きな地域単位で環境を考えるべきだと思います。人口密集地の環境、田園地帯、山間地、そして県全体を考える。これを踏まえ、早急に徳島県版環境保全と開発に関する基本的な方向を示すべきだと考えます。 本県では、平成十一年三月に徳島県環境基本条例を制定しておりますが、この条例によれば、知事は環境の保全及び創造に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、環境基本計画を定めることになっております。現在、この計画に相当する暫定的なものがありますが、これは既に条例制定から三年半が経過しております。 先般、本年度初めての環境審議会が開催されたところでございますが、新たな基本計画の策定は来年度になると伺っております。私は、一日も早く環境基本計画を策定しなければならないと思っております。すぐれた長期展望があってこそ冷静な議論と計画的な施策が成り立つと思います。バランスのとれた環境と開発が行われるよう、より明確に県全体の環境保全の方向を県民に示し、皆さんに理解と協力を求めるべきだと思います。 そこで、環境基本計画の策定に向けた知事の基本的な考えとともに、現在の進みぐあい、さらに、計画の策定が来年度の何月ごろになるのか、今後の見通しについて知事の御所見を伺いたい。 次に、農薬の無登録農薬問題についてお伺いをいたします。 昨年の九月、BSE問題や食品の偽装表示事件が相次ぎ、消費者の食に対する不信感が高まるなど、食と農に関するさまざまな課題が表面化してきました。国はこうした状況に対処するため、本年四月、食と農に関して国民の信頼を回復することを目指し、食の安全と安心の確保や農業の構造改革の加速化、都市と農山漁村の共生・対流を柱とした「食」と「農」の再生プランを発表しました。この中で、食の安全と安心の確保については、食に関する法制度の抜本的な見直しや新たな食品安全行政組織の構築を打ち出すとともに、農場から食卓まで生産情報を届けるトレーサビリティ・システムの導入など、取り組む方針が表明されたところであります。 現在、国においては、食品安全基本法制定の検討や食の安全に対するリスク管理部門の設置を行うため、農林水産省設置法の見直し作業が進められており、次の通常国会に上程されるとお伺いをしております。 また、食品表示に関しては、去る六月七日、農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律、いわゆるJAS法が改正され、違反者への対応として、公表期日の弾力化と罰則の強化が規定されたところであります。 こうした動きは消費者に軸足を置いたものであり、県民の生活にも一層の安心感をもたらすものでありますが、一方で、農産物など生鮮食品を生産する産地にとっては、安心、安全に関する消費者の信頼確保に向けたさらなる努力が求められることになります。 園芸産地として消費地の信頼を獲得し、力強く発展してきました本県は、このような安心、安全への関心の高まりを新たなチャンスととらえ、これまで蓄積された技術や販売戦略に磨きをかけ、より安全な農産物を生産、供給することにより、園芸産地としての一層の飛躍も期待できると考えておりました。こうしたやさき、無登録農薬問題が発生しました。この問題は、回復しつつあった国民や県民の食の安心、安全に対する信頼を著しく損なうものであり、早急かつ適正な対応が求められるわけでございます。 県は、九月十一日に無登録農薬に係る対策会議を設置し、農業団体と連携してこの問題に対応されるということでありますが、県民の食に対する不安は広がっております。一日も早い信頼の回復を望むものであります。 そこで、まずお伺いいたします。 国民や県民に対し、安心、安全な食料を供給するためには、トレーサビリティの導入や農薬の残留チェックを行うことこそ最大のポイントであると考えます。本県では、トレーサビリティの導入や、県や産地段階における農薬残留検査体制の整備をいかに進めようとしているのか、お伺いをいたします。 また、このたび、無登録農薬の問題は、日本では登録のない農薬が海外で製造され、そして、貿易会社等を通じて輸入され、全国各地に販売されていたことが大きな問題となっております。なぜそんなことが起こったのでしょうか、甚だ疑問であります。私は、農家や農薬販売業者が農薬を適正に販売、使用することは当然なことでありますが、一方、無登録農薬が流通していること自体はあってはならないことだと考えております。 今ちょうど、農薬取締法の見直しが検討されているとのことであります。無登録農薬が流通しないような措置をも含め検討されるよう国に強く求めていくべきでないかと考えます。いかがでしょう。 次に、私は、本年の二月議会において、急増する輸入野菜が県内野菜生産に及ぼす影響を懸念し、輸入問題を取り上げ、県の早急な対策を求めたところでございました。しかしながら、最近の青果物の市場流通状況をよくよく分析してみますと、この数年の青果物販売単価の下落は、確かに輸入野菜等の急増や経済不況による要因もあると思いますが、ほかにも重要な要素があるのではないかと考えております。 本県の重要農産物、洋ニンジンを例にとりますと、輸入量は前年比四七%でかなり減少しているにもかかわらず、販売単価は輸入量の最大でありました平成十一年の半分以下でございます。去年に比べましても二割方、下落をしております。確かに、輸入野菜の増加は高値の年をなくしており、青果物の単価を平準化するとともに押し下げているということは考えられますが、それ以外に単価を下げる要素があるのではないかと思います。 その一つは、平成十一年の卸売市場法の改正であります。本来、卸売市場法は競り売りを原則としております。例外的措置として相対取引が認められておりましたが、量販店のシェアの拡大により、青果物市場における価格形成に量販店の影響力が増大してきました。農林水産省の資料によりますと、中央卸売市場の青果物取引における競りの割合は、昭和六十年度七五%、平成十一年度には四六%と、既に法改正がされた平成十一年は競り売りより相対での取引が多くなっていたことになります。これから考えますと、平成十一年の法改正は現状を追認する形で行われたと考えざるを得ません。 相対取引というのは、競りあるいは入札を行わずに、市場の係と量販店のバイヤーが相談によって値を決めるということであります。その比率が、東京中央卸売市場では、大根、ニンジンは九八%以上、ほとんどが相対取引で、ほとんど競りが行われてないということであります。野菜全体では九三%以上相対であります。ほとんどが市場の担当者とバイヤーとによって、相談で値段が決まっているというのが野菜の値決めの基本でございます。顧客サービスの名のもとに、店頭で安い売り値を設定し、卸売市場において店頭価格に見合った市場価格を要求しているように思えてなりません。 しかし、平成十一年法改正以降の青果物価格急落は、農家の再生産意欲をなくし、ひいては農政の根幹を揺るがしかねないと思うわけであります。農産物以外の品目においても価格破壊が進んでおります。農産物の低下もある程度はやむを得ないと思うんでありますが、販売価格をみずから決められない卸売制度の中では、価格形成において透明性が不可欠ではないかと思います。 さらに、京阪神市場を見てみますと、大阪市中央卸売市場本場においては、大根、ニンジン、レンコン、ホウレンソウ、ネギについては、業務規定により相対取引が認められておりません。にもかかわらず、現実は相当数が相対取引によって行われていると言われております。この現状はどうなっているんでありましょうか。 また、徳島市中央卸売市場における現状はどうなっているのか。県としては現状を把握されているのでしょうか。 そこで、お伺いいたします。 青果物流通における取引形態の変化をどのようにとらえ、青果物の流通販売をいかに進めていこうと考えているのか、お伺いをいたします。 次に、県民サービスについてお伺いをいたします。 現在の社会経済情勢は、少子・高齢化、高度情報化の進展に加え、長引く不況のもと、多くの企業倒産と失業者の増大という極めて厳しい未曾有の社会経済情勢にあることは言うまでもありません。このような中、県民の皆さんの中にはさまざまな悩みを抱え、どうしてよいかわからずに困っている方も多くいらっしゃるのではないかと思われます。 現在、県ではそのような状況に対応するため、関係各課や出先機関において各種の相談事業、業務をそれぞれ実施しております。例えば、県民環境政策課や財務事務所での県民相談、消費生活センター、交通事故相談所、児童相談所、女性支援センター、身体障害者更生相談所、保健所や福祉事務所それぞれにおける各種の相談、労働政策課での労働相談が挙げられるのではないかと思います。それらは一定の役割を果たし、県民サービスに大いに貢献しているものであり、だれもがその必要性を認めているものであります。 しかしながら、それらの相談の多くは、それぞれの相談機関の勤務時間内に限られており、勤労者を初めとする多くの県民には時間的制約から利用しにくい場面もあるのではないかと考えます。平日に利用できない勤労者の占める割合は県民の中でも非常に高いことから、その潜在的ニーズも多く存在しているものと思われます。 このようなことから、現状での相談サービスの利用が困難であるとするならば、何らかの施策を講じる必要があるのではないかと考えております。 そのような中、商工労働部において、今議会において総合労働相談サービス推進事業を補正予算に計上しております。この事業は、緊急地域雇用創出特別交付金を活用し実施するものであり、平日の夜間及び土曜、日曜における雇用、労働に係る相談に対応するというものであり、まさに時宜にかなった取り組みとして大いに評価するものであります。 そこで、提案をいたします。 先ほど申しました、現在県が実施している相談サービスはもとより、広く県民ニーズが高いと思われる県行政にかかわる事項も加え、例えば毎月第一日曜日というように、特定の休日に県民総合相談を実施することにしてみてはいかがでしょうか。もちろん、これを実施するに際しては職員の皆さんには御苦労をかけることになりますが、月に一回ということで県民サービスのより一層の向上につながるという観点からも御理解がいただけるのではないかと考えるところであります。 日ごろより、行政は最大のサービス産業である、顧客満足度の向上を言われております知事の、特定の休日に総合県民相談を実施することに対する考えと、知事がリーダーシップを発揮し、早急に実施できるよう具体的な検討を進めるべきだと思いますが、あわせて知事の率直な御所見をお伺いします。   (大田知事登壇) ◎知事(大田正君) 木南議員の御質問にお答えを申し上げたいと思います。 まず、環境基本計画の策定に向けた基本的な考え方と現在の進みぐあい、今後の見通しについての御質問でございます。 本県では、環境基本条例に基づく環境基本計画に相当するものとして、平成七年に策定しました徳島環境プランを位置づけ、中長期的な視点のもとで県の環境行政の総合的、計画的な推進を図ってきたところでございます。 しかしながら、近年の県民の環境に対する関心の高まりを十分に受けとめまして、本県の豊かな自然環境の保全、再生あるいは創造、こういったことはもとより、循環型社会の構築や地球環境問題などの新たな課題への取り組みをより充実していく必要があると認識をしております。 このため、目下、現行プランを見直し、新たな環境施策の方向性を示す徳島県環境基本計画の策定に向けた取り組みを進めているところでございます。 策定に当たりましては、環境基本条例の基本理念であります「人と自然との共生」、「持続的発展が可能な社会の構築」、「地球環境保全に向けた地域の取り組み」の実現に向けまして、環境を中心に据えた県づくりを念頭に進めてまいりたいと考えております。 現在、昨年度に実施いたしました環境の現況等の基礎調査結果を踏まえまして、鋭意、計画策定を進めているところであります。 今後、県環境審議会の御意見やパブリックコメント制度による県民の皆さんの御意見も幅広く伺いながら内容の検討を進め、平成十五年の秋までには策定できるよう努めてまいりたいと考えております。 次に、県民サービスの向上のために、特定の休日に県民総合相談を実施してはどうかという御提案でございます。 私は、日ごろから、県庁は県民の皆様に対する最大のサービス産業であると考えておりまして、職員に対しても、この自覚を持って業務執行に当たるよう指示しているところでございます。 また、県民の皆様の悩みや不安を解消するための相談体制の確立は、県民サービスのまさに基本であると考えます。大変重要な課題であると考えているところでございます。 これらのことから、御提案いただきました休日における総合的な県民相談につきましては、ライフスタイルの多様化や顧客満足の視点からも大変意義のある取り組みであると考えております。 このため、実施に当たりましては、どういった相談業務を対象にするのかといった県民ニーズの把握、あるいは実施場所や回数といった実施体制のあり方などにつきまして、具体的な検討を進めてまいりたいと考えております。 私の方からは、以上でございます。   (錦野農林水産部長登壇) ◎農林水産部長(錦野斌彦君) 無登録農薬問題に係ります御質問をいただきました。 今回、県内で無登録農薬の販売事実が確認されまして、また、かつ農家での使用実態が明らかになりましたことは、まことに遺憾に思っておるところでございます。 このため、出荷団体等関係団体と協力いたしまして、無登録農薬に係る対策会議を設け、この問題に対して適切な対応を進めてまいります。 さて、御質問の第一点目は、トレーサビリティの導入と、県や産地段階における農薬残留検査体制の整備、それをいかに進めようとしているのかという御質問でございますが、産地として安心、安全な農産物の生産、販売に努め、消費者の信頼を獲得いたしますとともに、それを実行していきますことは、生産過程における農薬の適正使用の徹底はもとより、議員御指摘のとおり、トレーサビリティの導入や農薬残留検査を実施することが極めて重要であると考えております。 農薬残留の抽出検査につきましては、これまで全農とくしま県本部が主要な品目について実施してきたところでありますが、このたびの問題を教訓といたしまして、産地における自主検査体制の整備を図ることが必要との認識から、現在、JA等出荷団体は農薬残留分析機器の早期導入の検討を進めているところでございます。 県といたしましては、これらJA等の分析機器整備や分析技術の指導などに対し、積極的に支援を行ってまいりたいと考えております。 また、県は独自に抽出検査を実施してきたところでございますが、なお一層、分析能力向上のため、体制整備を含め、その充実強化に努めてまいる所存でございます。 さらに、トレーサビリティにつきましては、さきの徳島県無登録農薬に係る対策会議におきまして、まさに喫緊の課題として位置づけをしたところでございます。このため、消費者の方々に農薬の使用状況などの生産履歴情報を正確に伝えることができる仕組みの早期構築に向けて、関係団体と連携し、取り組んでまいりたいと考えております。 第二点目は、無登録農薬が流通しないような措置も含めて検討がなされるように国に強く求めていくべきとの御指摘でございます。 今回の無登録農薬の流通問題は、国内で使用できない農薬を化学物質として輸入し、農薬として販売、使用されていたことにより起こったものとされております。 一連の問題に対し、農薬取締法の不備を指摘されました国におきまして、秋の臨時国会に無登録農薬を使用、所持した場合等の規制について、法案提出に向け、作業に取り組んでおりますが、無登録農薬の輸入規制につきましては、なお検討課題とされている状況と聞いております。 議員御指摘のとおり、無登録農薬の輸入を水際でとめることができれば、今回のような大問題は起こらなかったと考えられます。 私どもといたしましては、国に対して、各省庁が一体となり、化学物質の規制を初め、食品の安全性を損なう無登録農薬の流通を厳しく規制する等の取り組みについて強く要請してまいりたいと考えております。 次に、青果物流通について、取引形態の変化をどうとらえ、流通販売をいかに進めていくかとの御質問でございますが、卸売市場における相対取引の現状につきましては、品目や地域ごとに異なっており、例えば徳島市中央卸売市場では、主に個人出荷の軟弱野菜などは競りで、JA等の出荷物は相対で取引されておるところでございます。さらに、競りの割合が比較的高い京阪神地域におきましても、近年は競りを基本としつつも、効率化を図るため、相対取引の導入が順次進められていると伺っております。 このように卸売市場においては、量販店の取扱量の拡大、物流の広域化等に伴いまして、大口取引等に適した相対取引を拡大して取引と物流の効率化が図られてきたところでございます。 一方、国におきまして、公正な価格形成を確保するため、価格や数量など取引の結果を公表するよう義務づけているところではございますが、議員御指摘のとおり、相対取引の性格上、価格形成に不透明感があり、買い手の低価格志向が農家の生産意欲に影響を及ぼす側面を持つことも事実でございます。しかしながら、消費者の購買行動を反映した量販店主導の取引形態がまた大きく変わっていくとは言いがたい状況でも、またございます。 このような状況を踏まえ、出荷団体においては、取引形態の変化に応じた新たな販売対策が必要であり、さらに、価格形成へ産地の意向を反映させるために、販売残品や取引面の信用リスクを視野に入れながら量販店等との直接取引に取り組むと、そういったことも検討すべき課題であると考えられます。 このため、県といたしましては、出荷規模の拡大や数量調整機能の強化など出荷体制の整備に向けた支援、市場流通を補完する多様な流通形態についてのJA販売担当者への研修などを実施しているところでございます。 今後さらに、消費者の方々に向けたとくしまブランドの定着を図ることはもとより、IT技術を活用した生産出荷情報の提供等情報受発信機能の強化などの取り組みを進め、流通環境の変化に対応した流通販売対策の充実に努めてまいりたいと考えております。   (木南議員登壇) ◆二番(木南征美君) それぞれ御答弁をいただきました。 休日の県民相談開設については、非常に前向きな御答弁をいただきました。実施に向けて具体的な検討を進めるということでございます。 県民のニーズについては、知事あなたが一番ようわかっとるでしょう。勤労者の代表をする人でございますんで、県民ニーズについては今さら調べることはありません。知事が一番よく御理解をされとると思います。できるだけ早い時期に開設いただきますようお願いをしておきます。 環境問題については、全人類的な課題です。開発のバランス、共生する地域、あるいは原生のまま残す地域、それぞれ知事の冷静な判断を期待しております。 食の安全については、生産者みずからが細心の注意を払うのが大事でございますが、検査体制、チェック体制の構築により安心感を与えると思います。トレーサビリティ・システムと検査体制の整備に的確な対応をお願いしておきます。 相対取引については、実態をよく調査していただくことをお願いするとともに、JAなどとよく連携を図り、需給のバランスを常にチェックし、マーケティングの指導が今後の農政の大きな柱となると思います。一層の御努力を期待するところでございます。 次に、改革特区構想についてお伺いをいたします。 国においては、首相を本部長として、全閣僚で構成する構造改革特区推進本部が設置され、今日まで何度となく言われながら遅々として進まなかった各種の規制緩和。構造改革特区を設置することにより積極的に推進しようというものであります。 今回は地域の自発性を最大限尊重する形で進め、我が国経済の活性化及び地域の活性化を実現するため、構造改革特区のプランを地方から幅広く募集し、制度化する手法をとっております。 知事は、六月議会、あるいは先般の本会議においても、新たな行財政運営の仕組みを構築するため、行財政の構造改革に積極的に取り組むと表明されており、国の構造改革特区構想に対し、本県から多くのプランが提案されるものと、私は大いに期待をしておりましたところでございます。 しかしながら、新聞紙上等においては、本県も含めて、全国の自治体や民間から四百二十六件もの提案があったとのことでございますが、四国の他県においても、香川県三件、高知県四件、愛媛県十件と提案がされております。残念ながら、本県は一件のみの提案であります。 本会議において知事は、特区の導入は、本県経済を活性化させ、雇用の場を創出する上で非常に有効な制度であり、幅広い分野における研究開発型企業の集積を図ることを目指すと述べております。 そこで、お伺いいたします。 提案に当たり、知事は、この国の地域の特性に注目した規制改革を実施することにより、全国的な規制改革につなげるというこの改革特区構想をどのように理解されていたのか。なぜ一件しか提案がなされなかったのか、お伺いをしておきます。 次に、唯一の提案でございます研究開発型産業集積特区についても伺いたい。 本県経済は、地場産業の衰退、誘致企業の工場閉鎖、地場企業の海外移転など閉塞感が漂い、この先展開が開けない状況にあります。板野郡内では大塚化学家具事業部や東邦レーヨンが工場閉鎖や海外に移転するなど、地域の大きな雇用が失われております。 今後、県民が安心して暮らしていくためには新たな雇用の場を確保することが県政の重要課題であり、競争力の強い企業を集積させていく必要があります。競争力を確保するには研究開発に重点を置くべきであり、産学官の連携、とりわけビジネスのコアとなる技術シーズといいますか、技術のもとを持つ地域の大学の役割は非常に大きいと考えられます。 国においては、大学発ベンチャー一千社の育成などに取り組んでおり、本県においても、大学には高度な研究、人材の育成など、さまざまな役割がありますが、地域の産業振興という観点から、地域の大学の持つポテンシャルを生かしていく取り組みが不可欠であると思います。 知的クラスター創成事業、これの本格的な事業実施地域への移行に向け、国に対し積極的な行動をされておられますが、本事業は産学官の連携を軸に新たな成長シナリオを描く、県の産業政策には欠かせないものであり、不退転の決意を持って取り組んでいただきたい。企業の国際競争力が問われる今、県内企業が生き残るためにも構造改革特区の実現はぜひとも必要であり、その行方次第で、ある意味、徳島県の二十一世紀の産業地図を変えるものであると思っております。 そこで、今回提案した特区構想について、目標はいかなるものなのか。また、今後どう進めていこうとしているのか、その決意を伺いたい。 次に、新徳島交流ターミナルについてお伺いをしたいと思います。 新徳島交流ターミナルについて、松茂町の国道十一号線に整備されております新徳島交流ターミナルは、徳島の誇る豊かな自然の恵みをアピールするとともに、高速バスを利用する方々の利便性、快適性を向上させることによって広域的な地域間交流をますます拡大していこうという目的のもとにこれまで整備が進められ、土地造成に合わせ、鉄骨の建築物も立ち上がってきており、その全容を見せ始めております。 高速バス利用者のための駐車場につきましては、鳴門市が競艇場駐車場跡にスロープカーを備えた有料駐車場を整備し、利用率が高く、好評を得ております。私も時々利用しておりますが、満車であきがないときもしばしばであります。車をどこに置こうかとうろうろすることがあります。御承知のように、徳島駅周辺に車を置くには乗り入れが大変であり、私の耳にも、松茂の駐車場を早く整備してほしいとよく話を聞きます。 また、物産館につきましても、一日も早く施設を完成させ、その設備効果を速やかに発揮させなければなりません。観光バスやマイカーを利用して本県にお訪ねになる観光・レジャー客の多い春の観光シーズンに間に合わせるという目標を持って、鋭意建築工事を進める必要があると思います。 そこで、いつ新徳島交流ターミナルをオープンさせることができるのか、その供用時期について御答弁をいただきたい。 次に、物産館でありますが、最近の観光を取り巻く状況は厳しく、国内観光は景気が低迷していることなどから宿泊、観光レクリエーションの回数及び宿泊数とも減少し、また消費総額も前年を下回るということになっております。 本県におきましては、渦の道やあすたむらんど徳島が相次いでオープンしたことや、エックスハイウェイの効果が浸透してきたことなどから、県下の観光地を訪れた入込客は堅調に推移しているようでありますが、宿泊客が減少するなど、非常に厳しい状況であります。このような状況下では、単に土産を販売する場でなく、徳島県産の四季折々の農産物、海の幸、山の幸を県内外の人々に提供することを通じて、その新鮮さや豊富さを肌で感じてもらうような、にぎわいと親しみにあふれた空間とすることが大切であり、また、そのことを入居業者と連携し、一日も早く県外旅行会社等へPRしなければ、物産館の入居業者の安定的経営は難しいのではないかと危惧するところであります。 そこで、二点目として、物産館のオープンに向け、今後、関係者と一体となった広報活動をどのように展開し、利用客の増加をどのように図ろうとしているのか、商工労働部長の御答弁をいただきたいと思います。 次に、空港拡張・周辺整備事業についてお伺いします。 知事、私はあなたの同年代の者として、あなたを長年つぶさに見てまいりました。労働組合の闘士として、北島町の議会議員として、とりわけ県議会議員としては四期十四年間は、あなたの発言、行動はすばらしく、目を見張るものがあったと思います。私も板野郡の者として、立場はいささか違いましたが、高く評価をしていた次第であります。私のみならず板野郡内の住民多くがそんな評価であったと思います。 しかし、あなたは知事に当選された後、議会等で、県議時代は不勉強、不見識であったと数回述べられ、私を含め、板野郡内の多くの方々が大変なショックを受けられたのではないかと感じます。 発言の趣旨は、あなたの発言をできるだけ忠実に再現してみますと、県議時代は社会党あるいは社民党に所属していたが、知事に出るに当たっては党を離党しました。無所属で、まさに県民の皆様と直につながっていくんだ、そういう姿勢で今後の政治姿勢を打ち出してきました。県民の皆様と選挙前における議論の中で、空港拡張やマリンピア二期事業や、こういったものについて大変な疑義があるということを私も認識させられました。県民の目線で県政をただしてきたつもりでしたけれども、実はそうではなかった。極めてみずから不十分な政治家であったのだ、そういう思いがあって、空港拡張について凍結、見直しという公約を出しました。また、今まで特段の議論もしないで、松茂の空港拡張について議案に賛成してきたわけですが、まさにみずからの不勉強、不見識というものを恥じた。こんな内容であったかと思います。 しかし、あなたは、二週間の工事凍結の後、工事を再開し、空港拡張は必要であり、国においては積極的にしていただくとともに、周辺整備事業についても基本的に現計画どおりの事業推進に努めると所信でも述べられております。 そこで、お伺いをいたします。 空港拡張・周辺整備事業は、知事の本当の心の中は不本意であるが、中止による県費の負担の増大や、あるいは議会や市町村長さんなどの圧力で現計画どおりの事業を推進していかざるを得ないのか。そう考えておられるのか。あるいはまた、御自身の意思で積極的に事業を推進していこうと思われるのか、お尋ねをしておきたいと思います。   (大田知事登壇) ◎知事(大田正君) まず、特区構想をどう理解しているか、なぜ本県が一件の提案となったのかという御質問でございます。 国が打ち出しております構造改革特区構想は、進展の遅い分野の規制改革を地域の自発性を最大限尊重する形で推進し、ひいては特定の地域での新たな産業集積など、地域の活性化を目指すものでございます。 こうした国の方針を踏まえまして、全国各県、各市町村などにおいて、地域の実情に応じたさまざまな分野での提案がなされておりますが、本県におきましては、地域活性化につながる各分野での規制改革につきまして、全庁的に検討を加えてまいったところでございます。その結果、本県にとって重要かつ喫緊の課題であります地域経済の活性化、さらには雇用の創出に重点を絞りまして、現在取り組んでおります知的クラスター創成事業と呼応した形で、研究開発型産業集積特区構想の提案に至った次第でございます。 地域からの提案を踏まえました法整備等の制度設計に当たっては、具体的な規制改革についての社会的コンセンサスに向け、今後、さまざまな議論がされることと予測されております。 議員からも御説明いただきましたように、本県への特区の導入は本県経済の活性化などに非常に有効な手段であると考えております。 去る九月十三日には、私自身、内閣府に対しまして、本県の構想を説明を申し上げまして、支援を求めてきたところでございます。 今後とも、本県提案を生かした制度設計がなされるように、また、本県地域の特区指定を目指して、関係機関と連携しつつ、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 次に、新徳島空港ターミナルのオープンはいつごろになるのかということでございます。 新徳島空港ターミナルのオープンの時期につきましては、この事業が明石海峡大橋の開通による効果を本県の物産観光の振興に結びつけますとともに、さらなる交流の促進を図るために、松茂町中喜来地区において、国土交通省及び松茂町と一体となりまして、物産観光機能を持たせた物産館や、大型駐車場を備えた高速バスのバス停留所機能を有する「バスの駅」として整備を図っているところでございます。 議員御指摘のとおり、高速バス利用者のための施設整備につきましては、徳島駅周辺の交通渋滞の緩和や高速鳴門の混雑状況からも、高速バス利用者並びにバス事業者双方から早急な整備が望まれておるところでございます。 また、京阪神方面へのアクセスは、飛行機や高速船のルートがなくなりまして、高速バスが主要な交通手段であります。徳島駅発着の京阪神向け高速バスは、年間百七十万人余りが利用されておりまして、県民の、観光客の足として、既に定着を見ているところでございます。 特に、本県への観光入込客は、五月、八月が目立って多くなっております。高速バスの利用者の多い時期とも重なっております。このように利用客の多い混雑をいっときも早く解消し、また高速バス利用者の期待にもこたえるために、国土交通省並びにバス事業者と十分調整を行いながら、平成十五年四月にオープンできるよう施設整備に努力をしてまいりたいと考えております。 次に、空港拡張・周辺整備事業の推進についての御質問でございます。 去る八月二日の県議会会長・幹事長会、さらには今議会の冒頭におきまして、私は徳島空港拡張及び周辺整備事業を積極的に推進するとの最終判断を報告いたしました。私のこの判断は、県議会での御議論でありますとか、関係市町村からの深刻なごみ問題や地元松茂町からの騒音問題についての御要望、また、タウンミーティングでの県民の皆さんの御意見などを総合的に勘案した上での私自身の意思による判断でございます。 一連の経過を踏まえまして、現在の私の認識といたしましては、本県の地理的条件から首都圏への交通アクセスでは航空機に対する依存度が極めて高うございます。羽田空港の発着枠の関係からも空港拡張については必要であり、また、周辺住民の方々の騒音対策としても有効であると考えております。 また、空港周辺整備事業につきましても、喫緊の課題となっているごみ問題に対応するとともに、全国最低水準にある下水道整備の推進など、必要性は極めて高いと考えております。 このようなことから、国への重要要望のみならず、その後も空港拡張事業に絞って、私自身が国土交通省に赴きまして、事業推進について要望を行ってきたところでございます。 今後も、機会あるごとに要望を行いますとともに、国土交通省と十分連携を図りながら、これらの事業が円滑かつ着実に推進できるよう、今後も全力で取り組んでまいりたいと、このように考えております。 その他の質問につきましては、担当の部長の方から答弁をさせていただきます。   (神野商工労働部長登壇) ◎商工労働部長(神野俊君) 本県の研究開発型産業集積特区構想の目標に関する質問でございますけれども、議員も御指摘のように、これからの本県の経済の活性化のためには、単なるものづくりから、まねのできないものづくりへと、本県の産業構造を転換をして、競争力のある研究開発型企業の集積を図っていく必要があると思います。 幸い、本県には、日亜化学工業など世界一、日本一のシェアを持つすぐれた研究開発型企業があります。また、非常に研究水準の高い理系学部を擁する徳島大学もございます。また、知的クラスター創成事業などの成果として、企業と大学の共同研究によります技術力アップ、大学の研究成果の企業への技術移転など、産学官の連携によります研究開発型企業を輩出できる体制が整備できるような状況にございます。 しかしながら、現在、産学官連携によります共同研究成果の事業化を推進していくためには、国立大学教員等の企業役員兼業規制の緩和、研究開発税制の拡充など、幾つかの規制が支障となっております。 こうしたことから、本県の特区構想の目標は、規制緩和によりこうした障害を取り除き、大学からの技術移転等が促進され、研究開発型企業の創出と集積を進め、雇用の場を確保し、地域の活力再生につなげることにあります。 次に、今後の特区構想をどう進めるかについてでございます。 先ほども知事の方からも御答弁いたしましたように、全国で四百二十六件と非常に多くの提案がなされ、今後、厳しい地域間競争も想定もされます。このため、今後とも、徳島大学等との連携を強化し、引き続き情報収集に努めながら、国に対しまして本県の特区指定に向けまして、積極的に活動を要望したいと思います。 なお、続きまして、新徳島交流ターミナルの物産館の広報活動をどのように展開し、利用客の増加を図っていくのかという御質問でございます。 物産館は、本県で生産されました新鮮な野菜、果物等々を初め、土産物などの販売促進を図る目的で、松茂町で現在整備を進めております。物産館への観光客の誘客には、入居業者と一体となったPR活動を積極的に進める必要が、議員御指摘のようにございます。 このため、先ほど知事がお答え申し上げましたように、平成十五年四月オープンに向けまして、これから旅行会社、観光業者、バス事業者一体となりながら誘致活動を行いますとともに、PRイベント等々も積極的に展開をしてまいらなければいけないと考えております。 特に、平成十五年度には、「こころのふるさと癒しの四国」、このような大規模なキャッチフレーズに、魅力ある四国を日本全国に紹介していくキャンペーンが展開されることになっております。この時期を逃さずに、この物産館についても積極的にPR活動を進めてまいり、多くの観光客等が誘客されるように努めてまいりたいと思います。   (大田知事登壇) ◎知事(大田正君) 先ほどの御答弁の中で、「新徳島交流ターミナル」と言うべきところを「新徳島空港ターミナル」と発言したようでございます。訂正をさせていただきたいと思います。   (木南議員登壇) ◆二番(木南征美君) 時間がありませんので、改革特区、あるいは新徳島交流ターミナルについては、また経済委員会で議論を深めていきたいと思います。 現在の日本は、景気の低迷、危機的な雇用環境という大変厳しい状況下にあります。私は、今こそ進むべき道筋をしっかりと見定めていかなければならないと思うわけでございます。産業構造や人口構成など、時代の変化に対応して本格的な経済政策、社会保障政策の改革を打ち出す時期に来ていると思います。 県政においても、行財政改革、市町村合併、大きな変革期にあって、県としての政府とのかかわりや県としての明確な意思表示が試されていると思います。 このような困難な厳しいときであればこそ、知事の力強いリーダーシップが求められます。しかし、知事、あなたの基本的姿勢が見えてきません。住民の意思を聞き、尊重する姿勢は多としますが、御自身の考え方を率直に述べる部分が少な過ぎるように思えてなりません。指針を示して議論をいただく、これも民主主義であります。御自身の考え方を具体的に述べる中で共感を呼ぶ手法も、五カ月経過した今、考えるべき重要なポイントではないかと私は考えます。 知事のリーダーとしての意思表示を御期待申し上げまして、私のすべての質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)   ──────────────────────── ○副議長(柴田嘉之君) 以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。   ──────────────────────── ○副議長(柴田嘉之君) 明十月五日及び十月六日の両日は県の休日のため休会、十月七日再開いたします。   ──────────────────────── ○副議長(柴田嘉之君) 本日は、これをもって散会いたします。      午後五時十六分散会   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━...