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  1. 徳島県議会 2002-06-01
    07月03日-02号


    取得元: 徳島県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-17
    平成14年 6月定例会   平成十四年六月徳島県議会定例会会議録(第二号) 平成十四年七月三日    午前十時三十三分開議      出席議員計四十二名          (その番号・氏名左のとおりである)     一  番     木  南  征  美 君     二  番     川  端  正  義 君     三  番     嘉  見  博  之 君     四  番     森  田  正  博 君     五  番     喜  田  義  明 君     六  番     須  見  照  彦 君     七  番     臼  木  春  夫 君     八  番     黒  川  征  一 君     九  番     重  清  佳  之 君     十  番     古  田  美 知 代 君     十一 番     山  田     豊 君     十二 番     森  本  尚  樹 君     十三 番     岡  本  富  治 君     十四 番     藤  田     豊 君     十五 番     谷     善  雄 君     十六 番     庄  野  昌  彦 君     十七 番     橋  本  弘  房 君     十八 番     冨  浦  良  治 君     十九 番     久 次 米  圭 一 郎 君     二十 番     長  池  武 一 郎 君     二十一番     大  西  章  英 君     二十二番     長  尾  哲  見 君     二十三番     樫  本     孝 君     二十四番     来  代  正  文 君     二十五番     竹  内  資  浩 君     二十六番     福  山     守 君     二十七番     西  沢  貴  朗 君     二十八番     吉  田  忠  志 君     二十九番     北  島  勝  也 君     三十 番     杉  本  直  樹 君     三十一番     佐  藤  圭  甫 君     三十二番     児  島     勝 君     三十三番     川 真 田  哲  哉 君     三十四番     遠  藤  一  美 君     三十五番     柴  田  嘉  之 君     三十六番     四  宮     肇 君     三十七番     元  木     宏 君     三十八番     中  谷  浩  治 君     三十九番     大  西     仁 君     四十 番     阿  川  利  量 君     四十一番     谷  口     修 君     四十三番     榊     武  夫 君   ――――――――――――――――――――――――  出席職員職氏名     事務局長     佐  藤     功 君     次長       松  本  竹  生 君     議事課長     武  知  完  侍 君     調査課長     小  西     昭 君     調査課主幹兼課長補佐              八  木  利  昭 君     議事課課長補佐  滝     壽  郎 君     議事課課長補佐兼議事係長              木  村  輝  行 君     調査課政務調査係長松  永     隆 君     同        張     功  人 君     同        大  屋  英  一 君     同        前  田  隆  司 君     主事       谷  本  か ほ り 君   ――――――――――――――――――――――――  出席速記者氏名     速記者      井  上  順  子 君   ――――――――――――――――――――――――  列席者職氏名     知事       大  田     正 君     出納長職務代理者副出納長              高  木  直  規 君     企業局長     中  村     稔 君     企画総務部長   石  原  一  彦 君     県民環境部長   飯  泉  嘉  門 君     保健福祉部長   谷  川  博  文 君     商工労働部長   神  野     俊 君     農林水産部長   錦  野  斌  彦 君     県土整備部長   上  総  周  平 君     財政課長     米  澤  朋  通 君     財政課課長補佐  坂  東  敏  行 君   ――――――――――――――――――――――――     教育委員長    古  川  一  郎 君     教育長      松  村  通  治 君   ――――――――――――――――――――――――     人事委員長    島  内  保  夫 君     人事委員会事務局長増  金  賢  治 君   ――――――――――――――――――――――――     公安委員長    粟 飯 原  一  平 君     警察本部長    伴     敏  之 君   ――――――――――――――――――――――――     代表監査委員   四 十 宮  惣  一 君     監査事務局長   松  平     清 君   ――――――――――――――――――――――――  議 事 日 程   第二号   平成十四年七月三日(水曜日)午前十時三十分開議 第一 県政に対する一般質問         (四   名)   ―――――――――――――――――――――――― ○議長(川真田哲哉君) これより本日の会議を開きます。   ―――――――――――――――――――――――― ○議長(川真田哲哉君) この際申し上げます。 朝日新聞記事訂正の再申し入れに対する回答の件について、大田知事から、発言いたしたい旨の申し出がありますので、これを受けることにいたします。 大田知事。   (大田知事登壇) ◎知事(大田正君) おはようございます。 朝日新聞の記事訂正の再申し入れにつきまして、去る六月二十八日の本会議におきまして御報告をさせていただきましたが、昨日七月二日、同社広報室長から、回答文書を郵送したという連絡をいただきますとともにファクスでも送付をしていただいたところでございます。 その要旨は、記事の性格や紙面の制約などで、貴職の真意を十分伝えていないとしたら、まことに残念である。貴職からの申し入れを受けたことは真摯に受けとめ、取材や記事作成で誤解を招かないような報道に今後とも一層留意したいとなっており、朝日新聞社は、私が記事のような発言をしていないことを認め、事実上の謝罪をしていただいているものと受けとめております。 したがいまして、私といたしましては、この回答につきまして了としたいと考えておりますので、御理解いただきますようよろしくお願いを申し上げます。 以上でございます。   ―――――――――――――――――――――――― ○議長(川真田哲哉君) これより本日の日程に入ります。 日程第一、「県政に対する一般質問」を行います。 通告がありますので、通告の順序に従い、発言を許可いたします。 二十五番・竹内資浩君。   (竹内議員登壇) ◆二十五番(竹内資浩君) おはようございます。 庭に咲くアジサイの花も心なしか色あせて見えるこのごろであります。 そのアジサイの花をこよなく愛した前圓藤知事、その知事は逮捕され、まさかとの私どもの思いもむなしく、今は被告の身であります。この上は、一日も早い事件の解明を願うのみでございます。 最大与党として、我々県民会議は圓藤知事を支えてまいりました。私どもは深く反省をし、県民の皆様に心からおわびを申し上げる次第であります。 その後を受けられたポスト圓藤大田知事は、ちまたでは相手のエラーで勝利をつかんだなどと言う人もいれば、六カ月前の選挙で負けた同情で勝ったと言う人など、町の評論家の意見はまちまちであります。 何はともあれ、十六万票を超える支持を受け当選されました大田知事、この上は県勢発展のため、県益重視というその視点から一生懸命頑張ってほしいと願っておる一人でもあります。 しかしながら、現在の県政を見てみますと、全国で初めてという共産党が与党になり、新風21との連合も、事同和問題等では水と油であります。内部に大きな問題を抱えた船出であることは衆目の一致するところであります。 いまだ行き先の定まらない大田県政最初の六月定例議会に、自民党・県民会議を代表して質問をいたします。 県議時代の雄弁、論客をして鳴らした大田知事と堂々の論戦を期待をいたしておりますので、本音で明快な御答弁をいただきますよう、まずお願いをいたしておきます。 そして、今先ほど報告がありました例の朝日新聞六月十七日付朝刊の「時時刻刻」の記事、(資料提示)この記事でありますが、この中に、いわゆる空港周辺の工事を中止したというそういう流れの中で「大田知事は「四面楚歌で厳しかった。利権が絡み合った自民党と役人と土建業者のトライアングルの壁は厚かった」と疲れ切った表情だ」と、この新聞に書かれております。 このことにつきましては、大田知事もこう言った覚えはない、そういうことで六月二十四日の議運、同二十五日の事前総務委員会等で我々としても知事の真意を追及してきたところであります。 その中で知事は、今の報告で了解したというお話でありますが、これはね、先ほどこれ秘書課長が我々の会派に持ってきていただいたんですけどね、この記事がどうしてあなたが了解する内容なんですか。これは全く知事が言っていた回答にはなってないじゃないですか。あなたがこういう趣旨の発言をしたかどうか、そういうことで我々は追及をしていったわけです。あなたが、少なくともまじめに働く県庁の職員や我々自民党県議、そして業者のトライアングルの壁は厚かった。空港周辺対策、空港のそういう事業が本当に続けなくてはいけないという、本当の意味のあなたが公約を破ってまでもするそういう事業にもかかわらず、この新聞を見た全国の人は、土建業者と自民党の県会議員と、そして県庁の職員がトライアングルで利権が絡み合ったからやめたんだと、その壁は厚かったと、そういう意味ですよ、これは。 それをどうしてあなたが納得してこれで終わると言うんですか。あなたは訂正記事を求めると何度も言ったじゃありませんか。あなたが納得するとしたら、我々は、少なくともあなたと朝日新聞の間で、あの二回目の報告の後、何か話し合いがあったんじゃないか。これはあなたには傷つかないかもしれないけれども、この記事を書かれたまじめな県庁の職員や我々県会議員、業者、それを誹謗中傷した文章なんですよ、これは、記事なんですよ。それをなぜあなたが、あなたがもとでこの記事が出たんじゃないですか。それをどうして納得するんですか。このまま引き下がるんですか。あなたは法的手段にも訴えたい、総務委員会で堂々と発言をしたじゃありませんか。 これについては私は、朝日新聞にも当然今まで自民党県連としても抗議をしておりますが、我々県議会としても、この返答では納得はできません。返答になってません。知事の大体申し入れについて確かな返答になってないじゃないですか。 知事はもう一回、そういう法的手段に訴える気があるのか。そして、それはするとすれば、いつごろまでにするのか。その返事を聞かなければ、我々は、まじめに頑張っている県庁の職員──三日前にある喫茶店で、登校拒否をする人の気持ちがわかるということを、ある県庁の職員の奥さんが言ってたそうです。うちの主人がそう言よると。本当の話なんですよ。意欲を失いかけてますよ。きちっと答えてください。   (大田知事登壇) ◎知事(大田正君) 朝日新聞の回答をなぜ了とするのか、記事の訂正を求めて法的手段をとるべきではないか、それをするとすれば、いつまでにやるのかと、こういう御質問でございます。 私は、去る六月十七日の朝日新聞朝刊の記事に対して、私の真意と全く違う記事になっているということで、記事の訂正を求めました。一回目の回答は、まさに木で鼻をくくったといいますか、そういう御回答でございました。 なぜそういう回答になったのかということで、二回目、再び記事の訂正と、そして、こういう回答の内容になぜなったのかということの釈明を求める申し入れをいたしました。これに対して、先ほど言われましたような朝日新聞からの本社の広報室からのコメントが返ってきたわけであります。 私は、このコメントにつきまして、皆さんのお手元にあると思いますが、この中段ごろに、「その中で公共事業の現状に対する認識などについて、貴重なご意見をお聞かせいただきました」と、こういうふうに書かれております。つまりこれは、いわゆる空港拡張の問題に限っての取材というふうに私は書いてないんではないか、公共事業一般についての議論をいただいた、認識をいただいたと、こういうふうにとらえているように思っています。 「見直しにあたっては県議会を中心とした県民の意向に十分配慮する必要があること、徳島県の均衡ある発展のためには過去の経緯や現状を踏まえながら進めていかねばならない」、このように私が言ったというふうに書かれています。つまり、私はこの見直しに当たって、あるいは空港拡張並びに周辺事業の凍結を解除するということに当たって、県議会の皆さん方の御意向というものもきちっと踏まえてやらなければいけない。さらには、今までの多くの人たちの御苦労や経緯を踏まえて凍結解除に踏み切ったんだ、こういったことを申し上げたということが、ここに私は書かれているというふうに思っています。 また、最後のところでは、「貴職の真意を十分に伝えていないとしたら、まことに残念に存じます」ということで、私が朝日新聞に申し上げた、いわゆる私の意図とは違った報道になっているということを、ここで私は一部認めてるというふうに思います。 こういったことを朝日としては、真摯に受けとめ、取材や記事作成で誤解を招かないように、今後とも一層留意したい、こういうふうに書かれておりますので、私は、今回朝日から返ってきました回答につきましては、私のこの記事の発言をしていないということを事実上認めて、そして謝罪をしていただいているというふうに考えています。 このことを本日、この議会の本会議において報告することによりまして、県民の皆様方には御理解いただけるのではないかというふうに考えているところでございます。よろしくお願いいたします。   (竹内議員登壇) ◆二十五番(竹内資浩君) 知事から考え方を伺いましたが、我々が問題にしているのは、知事が一時間余りの対談の中でそういった意味のことを言わなければ、朝日の記者さんだって書かないですよ。結局はそういうことが今回のこの答えを見て我々は想像できます。聞いてないわけですから、あなたが言ったとは言い切れませんけれども、そういうことでないと天下の朝日の記者が、あれほどの自民党や県の職員、業者に対して真っ向から立ち向かうような記事を書くはずがない。 今回のこの少し歩み寄った、前回とは違う歩み寄ったこの回答書を読みながら私は、あなたが少しはそんなことを言ったんだろうなあ。あるいは新聞記者が、星野さんがこういうことですねと言うたことにあなたはうなずいたんでないか、想像すれば。そういうことがなければ、大新聞の全国版に徳島県のあの写真入りの記事が載るはずがない。 我々はこれは看過することができないんです。だから、朝日新聞に対して法的な手段もとる、そういう考えがありますが、あなたが起こしたもともと発端の記事ですよ、これは。どんな答弁をしようが、このことはきちっとあなたから、訂正記事をしてくれなくても申し入れる。できなかったら法的にでも訴えるというのが、徳島県の知事として、発言はもししてなかったとしても、全く発言してないことをしてるとしたら、それはもう当然訴えてもらわなければ、我々、本当にあなたの下で一生懸命に働いている職員さんまで非難されてるんですよ。誹謗されとんですよ。これをもっとあなた自身が真摯に受けとめて、そんな、ああこれでもうやっと朝日とのけんかが終わるわと、こんな単純な逃げの姿勢で県政を預かってもらったら困ります。大変な記事なんですから、これは。ぜひ再考を託します。   (傍聴席にて発言する者あり) ○議長(川真田哲哉君) 御清粛に。 ◆二十五番(竹内資浩君) 知事の政治姿勢、スタンスについてお伺いをいたします。 知事は、巨大でむだな公共事業は中止すること等を公約に掲げ、当選をされました。政治家にとって公約は命であり、その公約を守ろうとする知事の姿勢を理解できないわけではありません。大いに理解をいたしております。 しかし、あなたは公約を破りました。空港関連事業は二カ月の凍結を公約しておりました。そして、当選した早々の記者会見では、女性副知事登用を約束しました。五月二十日の会見では、突然空港関連事業を二週間中止する、そして精査をすることを発表されました。そのときの記者の質問に対して、二週間後に中断がストップすることはないと明言をされました。その舌の根も乾かない二日後のここの臨時議会では、つい口が走ったとして訂正をしたのであります。 また、あなたは緊急質問の答えの中で、県議時代の十四年間は空港関連を初めすべての議案に賛成してきたが、それはいろんな人と話をした結果、不見識であったと、そういう答弁もされました。また、連合審査でも質問とかみ合わない答弁。答弁書を繰り返し読み返す、そういうことをやられました。事前の県土整備委員会では、二週間中止の県益はあったのか、具体的に説明を求めた藤田議員の質問に、あなた自身が大変勉強になった、そのことがメリットだと答え、その後すぐ取り消しました。 この一連の言動について、あなたは間違いないのか。これは、これからの我々の審査にも大きな影響をいたしますので、まず確認、お伺いをいたします。 一方、あなたは、昨年五月ごろまで社民党の幹事長として大活躍でありました。特にイデオロギーについては強い信念を持ち、はっきりとした考えを持たれており、非武装・中立論のあなたは自衛隊は大嫌いです。絶対認めない。毎年、松茂の航空隊でのお祭りの際には、ハンドマイクで批判をしていたあなたの姿を何度も見受けした人の話を聞いております。 自衛隊について、あなたの考えを手短にお話をいただきたい。 天皇制、日の丸、君が代は、あなたは絶対反対でありました。東四国国体の開会式に出席していたあなたは、公安の警察官に見守られながら、ついに起立もせず、座ったままで天皇陛下におしりを向けたままでしたね。このこともあわせて御所見をお聞かせください。 そしてここに、新聞記事の切り取りを持ってまいりました。三十二年前、あなたの町議会、青年時代の活動の中枢をなしたその一端であります。昭和四十五年三月二十四日、徳島新聞です。大田・県反戦青年委事務局長逮捕、専売徳島への乱入事件とあります。 私は、この問題も知事の大きなイデオロギー、考え方、それがあなたの県議時代ははっきりとされておりました。だから、知事になったときにあなたはどうされるのかなあ、このイデオロギーを県政に持ち込まれたら県民はたまったものではない、そういう思いを強くいたしておりました。この事件の暴力的行為は別にいたしましても、あなたは当時から、反戦、反米、反安保、反自衛隊、反天皇、そういう大きな自分の信念の中で活動をされてきた方であります。それは政治家として認めます。しかし、一国の知事として、これから八十二万数余のトップとして、県益の代表としてあなたがかじ取りをしていただくこのふるさと徳島の知事としては、私はこの問題が足かせになるのではないか、そういう心配をいたしております。 あなたの、これらのこの事件についても御感想をいただき、知事が県民の福祉の向上のために、今後はどのような姿勢、スタンスで臨もうとするのかもあわせてお聞かせをいただきたいし、それにあわせて過去のあなたの政治活動をあなたなりに、できれば総括をしていただければと思います。 答弁をいただいて、再問をいたします。   (大田知事登壇) ◎知事(大田正君) 盛りだくさんの御質問をいただきましたので、御指摘をたびたびいただいておりますが、答弁漏れがあるかもわかりませんけども、御容赦いただきたいと思います。 まず冒頭に、この間の私の発言のぶれにつきまして厳しい御批判、御指摘がございました。このことは、まさに事実でございます。 私は、今回知事に就任をさせていただいて二カ月近くに今なろうとしておりますけども、政治家としての公約の重み、そして現実の県政の課題、この間で確かに揺れてきたことは事実でございます。 今後は、県議会の皆さん方や県民の皆さん方の御意見を十分拝聴しながら、県益最優先を基本に頑張っていきたいと考えておりますので、御理解をいただきたいと思います。 それから、具体的な問題につきましてお問いがございました。前後するかもわかりませんけれども、随時答弁をさせていただきたいと思います。 まず、自衛隊についてでございますが、自衛隊につきましては、国の専守防衛という任務に当たるためにつくられた組織でございまして、私がかつて所属をしておりました社民党、あるいは旧社会党につきましても、この自衛隊組織については今日認知をしているところでございますが、私としましては、県知事という立場でこのことは認めながら、今後自衛隊に対しての対応をしていきたいと思っております。 それから、日の丸、君が代の問題につきましてもお問いがございました。 日の丸、君が代につきましては、既に御承知のとおり、我が国の歴史の中で慣習としてそれぞれ国旗、国歌として位置づけられてきたものでございますが、平成十一年八月に国旗及び国歌に関する法律が制定されまして、正式に日本の国旗、国歌として規定されたものでございます。 しかしながら、法制化の段階で、日の丸、君が代が不幸にして過去の日本の近隣アジア太平洋地域の人々に対する侵略行為のシンボルになっていたことなどから、これに強く反対する意見がございました。また、法制化は学校現場等での日の丸、君が代の掲揚、斉唱を強制することにつながり、憲法に保障された思想、良心の自由を侵害するのではないかといった議論も巻き起こったことは事実でございます。 国におきましては、法律の制定に伴う内閣総理大臣談話で、法制化は国旗、国歌に関し国民に新たな義務を課すものではないとしておりまして、私自身も、思想、良心の自由はそれがあくまで内心にとどまる限り、絶対的に保障されなければならない基本的な人権であると理解をしております。 私としては、国旗、国歌はいずれの国でも国家の象徴として大切に扱われなければならないと考えておりますが、過去の不幸な歴史を二度と繰り返さないためにも、次代を担う子供たちに過去の歴史を正しく理解してもらい、日の丸、君が代が平和国家・日本のシンボルとして新たな歴史を刻んでいくことを期待しております。 いずれにしましても、私としては、地方自治体の長として、今後とも憲法その他の法律を尊重、遵守し、個人の基本的人権に配慮しながら県政を推進してまいりたいと考えておりますので、議員各位を初め県民の皆様の御理解を賜りたいと存じます。 なお、これまでの国旗、国歌に対する考え方が変わったかという御意見につきましては、私も一人の個人としての思想、良心を持ち合わせておりますが、このことが県政に影響を与えるものではなく、また与えるつもりもありませんので、私の思想、良心については私自身の内心にとどめておきたいと思いますので、御理解をいただきたいと思います。 次に、天皇制についてどう考えているかという御質問でございます。 私、個人的ないわゆる内心についての考え方といいますか、それは持っておりますけれども、徳島県知事といたしましての所感を述べさせていただきたいと思います。 日本国憲法第一章第一条には、「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く」とあります。いわゆる象徴天皇制でございます。また、第九十九条には、「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ」とあります。 県知事といたしまして、この憲法を遵守することはもちろんのことと認識をいたしております。また、天皇や皇族の方々の行幸啓などの場合は、当然ながら失礼のないように、徳島県民が恥をかかないように、知事といたしまして適切な対応をとるよう努力をしてまいりたいと思います。 逮捕歴のことについてでございますが、今から三十数年前になると思います。私がまだ二十代で、私は当時、日本専売公社徳島工場に勤務をしておりました。この専売公社徳島工場で私の仲間に処分が出ました。懲戒処分でございます。この処分撤回闘争を闘いました。この処分撤回闘争の中で、今、隣のプリンスのホテルになっております、ここに地方局という、専売の徳島工場や池田工場、あるいは高知県をも統括しておりました地方局がございました。ここの地方局に処分撤回を求めて幹部に面会に行ったことが発端でございました。このことをめぐって逮捕されました。 また、さかのぼって、米国の原子力潜水艦・シードラゴンというのが長崎県の佐世保市に、日本で初めて原潜が寄港したことがございます。私は、この長崎県の佐世保港にアメリカの原子力潜水艦・シードラゴンが入港することに対して抗議の行動に佐世保に赴きました。このデモにおきましても逮捕されました。 逮捕されたかどうかとの質問につきましては、今申し上げましたように、事実でございます。ただ、日本の高度成長期直前におけます諸矛盾が社会の中にまさに圧縮されていた時代背景がございます。今よりも若い世代が政治に対して、また社会の諸矛盾に対して熱い思いを持っていた時代でもございました。私自身、その時代にどのように生きていくか選択、決断をしての行動でありました。政治に参画する、もっと日本をよりよくするという思いからの行動でございます。 この後、私は北島町議、徳島県議、そして今、皆様方の御支援をいただきまして県知事へと進んでまいりました。この思いが私の政治への原点となっていることは事実でございます。 ○議長(川真田哲哉君) 過去の政治活動の総括。 ◎知事(大田正君) 過去の政治活動をどのように総括するかということでございますが、私は、その都度その都度、とにかくみずからが信じるところによって政治課題に、あるいは社会的な問題に一生懸命取り組んできたつもりでございます。したがって、今までの私の政治活動は私自身をして評価をしておくべきだろうと思っています。 ただ、議員という立場で活動しておりました時代と、まさに県政の行政の最高責任者という立場になった今日では、これからの政治的なスタンス、言動、こういったものにつきましては、県民の皆様方の基本的な考え方をしんしゃくしながら私の行動をしていかなければならないであろう、このように考えておるところでございます。 答弁漏れがあるかもわかりませんが、以上でございます。   (竹内議員登壇) ◆二十五番(竹内資浩君) 朝日の記事については何の返事もありませんでした。これは重大なことなんでね、もう一度答弁してください。 それから、いろいろ大田知事の政治経歴といいますか、そういうものについてお聞きをしました。思いがいっぱいあるので非常に長い答弁になって、時間がこれ切れてしまうかもわかりませんが、あなたの思いはわかります。しかし、今大事なのは、最後にあなたが言われたように徳島県知事としての立場、そのことを決して軽んじてはならないし、あなたが一連の新聞記者さんとの会見とか、あるいは議会での発言も、やはり知事としての発言としては余りにも軽々しい部分があったように思う。私は、そういう本当に議員生活を十四年間され、その前は町会議員さんを十二年されたんですか、そういう長い議会生活の中で、議会のことを一番わかっているあなたが、やはり本当は議会のことをなめている、そういうふうに私は、当選して以来のあなたの言動、行動を見てそんなように感じていますので、ゆめゆめ徳島県には欠かすことのできない知事でございますから、慎重な言動、慎重な行動を強く求めておきたいと思います。 いろいろな日の丸、君が代の問題、これは内心におさめる。日本の国は非常に不幸な国で、自分の国の国旗や国歌を堂々と誇ることができない。そんな独立国としてはまだまだ道半ばであるような気がいたします。しかし、あなたたちが言っている憲法を守ろうというそういう中に、今あなたが読み上げられた天皇の象徴としての地位ははっきりとあるんですから、それは内心だろうがどこだろうが、天皇という国の中心を、やはり象徴であろうが、そのことをきちっとみんなが、国民がひとしく感じて国をつくっていかなければいけないというふうに私は思いますので、そこのところがあなたと少し前から違うところであります。しかし、いろいろ変わってきた、ぶれてきたこと、これは県民がよく御存じでありますので、その判断は県民の皆様の判断に任せたい、そのように思います。 私は、当面する一番の問題、あなたがずうっとぶれてこられた問題、そういう問題の前に一点だけ、あなたは自衛隊を認めると、今はっきりと言われました。そういう中で、那賀川町における陸上自衛隊の誘致について、これは地元の児島議員があす質問されると思います。しかし、私もずうっと今までこの問題にかかわってきましたので、ぜひ知事の考えをお聞きしたい。 この件については、知事は公約には何も触れてませんよね。反対するとかいう公約にはない。ただ、あなたが県議会で反対してきたことはあります。しかし、県議会で賛成したことを反対しようとしたこともありますから、これはぜひ、那賀川町民が少なくとも八割、数で言うと六千八百三十八人の会員さんがいると聞いてますね、八割。これはもうまさに圧倒的な数字です。町議会も決議をいたしておりますし、あなたが言うその民意、得意の民意ですが、この民意は既にもうあふれるほどあるわけですね、那賀川町は。そういう意味で県議会も決議をし、そして請願を採択いたしました。知事は、この議決をどう受けとめているのか。 そして、今回当面する県の重要要望事項、これはもう差し迫っております。そのことにこのことを従来どおり盛り込んで、前の知事は四回ほど防衛庁、市ケ谷へ行っていただいております。あなたもそこまでしてくれと、言いづらいですけど、そこまでしなければ、今、高知との綱引き、あるいは愛媛との綱引きの中で非常に厳しい立場にあるのが徳島県なんです。あなたが反対やいう態度を見せた途端に、これもほかに行ってしまう。 人の命を守る陸上自衛隊、防災、そういった面で徳島県だけが今、一県だけないんですね。そして、決められているいわゆる五時間から八時間以内に到着するというそういう中には、徳島県は三分の二が含まれていないんですよね。そういうことも考え合わせ、人命を守るために、ぜひ知事のイデオロギーを超えた決断を期待いたします。 次に、高速道路とマリンピア第二期工事についてお伺いをいたします。 さきの県土整備委員会でも質問をいたしましたが、知事は必要性については認めるという発言がありました。また、四国知事会でも要望があったように、「四国は一つ」のスローガンで、大きな8の字ルートはどうしても必要なんです。国幹審が出した、そして閣議で決定をした九千三百四十二キロという、この国が約束したまさに重い重い約束は絶対に守らなければならないんです。 今、都会の方はどんどん高速道路ができ、そして、地方がおくれながら整備が進んできた。しかし、徳島県は、一回目のルート変更のいろんな問題もあっておくれにおくれて、今全国で一番、高速道路がゼロメートルと言われた時代があって、あなたも知ってるとおり、そして今まさに徳島県では県南のルートがおくれている。徳島県全体のバランスを考えても、縦貫道ができておるのに横断道ができない。これはもう徳島県の知事としては、こんなアンバランスなことはないんです。不公平ですよ、これは。そういうこと。 そして、今まさに冷たい風が吹いてます、あなたも御案内のとおり。民営化推進委員会が、本当に地方の声がわかるような人は一人もいません、委員さんの中に。悲しいかな評論家や、あるいは実業家で効率だけ、そのことだけを考える人がほとんど委員さんじゃないですか。猪瀬なんていう小説家は、まさに言いたい放題。地方のことや全くわかってない。そういう人たちが審議をするというこういう重大な時期に、知事が先頭に立って、おくれている徳島県を、先できた者が得をして、おくれている徳島県が損をしなければならない、地方が泣き寝入りしなければならない、そんなばかなことはあってはならないんですよ、知事さん。 あなたはぜひそういう意味で、きょうの徳新にも載っておりましたが、だんだんその推進をしていただける方向になってきているようであります。この際、時期的に、今が大事な時期ですから、十二月では遅いんです。委員会が結論を出すまでに徳島県の態度というものをはっきりしなければならない。そのことを申し上げておきたいと思いますし、あなたは集会にも出られたようでありますので、熱い思いも聞いていらっしゃると思います。ぜひ決断をして先頭に立っていただきたい。このことをお伺いをいたします。 もう一つは、知事は公約でマリンピアの埋め立ての見直しというのを言ってましたね。公約との板挟みになる、これは当然そういうことであります。しかし、現ルート、それからインターチェンジというのは沖洲の埋め立てというのが前提になって進められてきております。整備計画もそのとおりなんです。これを変えるとなると、先ほど言った道路公団でさえノーと言いますよ、これは。 だから、あなたは大変な苦労があると思うんですけれども、もう勉強されていると思います。高架方式に変えたらどうかとか、いろんな意見があるようであります。しかし、あなたが今把握している高架方式、それから二段階埋め立て方式、もう一つの方式──南側埋め立てはこれはもう話になりませんけれども、そのことについてあなたが今把握して、その比較をどのように考えられて、心配をしている環境対策だってすごい金ですよ。これもあなたの口から、自分の大事な決断が要るときだと思いますので、その数字的なものもすべてこの場で県民の皆さんに、こういう問題があるからこうだということを御説明いただきたい。   (大田知事登壇) ◎知事(大田正君) 朝日新聞の件についてもう一度答えろということでございますが、先ほど来も申し上げましたように、昨日ファックスで返事をいただきましたことにつきまして、この内容を私も私なりに考えさせていただきましたが、私が記事のような発言をしていないということにつきまして、朝日は、私は認めて、事実上の謝罪をしていただいているものと考えております。このことを本日、議会の本会議におきましてこのように発言をさせていただきまして、県民の皆さん方にも御理解をいただけるのではないか、このように考えております。 次に、陸上自衛隊の那賀川への誘致の問題についてでございます。 私は、陸上自衛隊といいますか、陸上だけではなしに自衛隊等につきまして、誘致に当たりましてはやはり何よりも地域の意向というものが重要であると考えてますし、自衛隊そのものにとりましては、軍事戦略上そこに進出すべきかどうかということが基本になろうかと思っております。 那賀川町におきましては、地域の方々と精力的な対話が重ねられたと聞いております。十二年の八月に発足された自衛隊誘致の会には町内有権者の八割近くの方々が会員となって、その後さまざまな誘致活動を展開されていると聞いております。私に対しましても、過日、協力依頼が臣永町長、そして地域の女性団体の方々から御依頼があったところでございます。 県民を代表する機関である県議会におきましても誘致の決議がされていることにつきましては、十分承知をいたしております。 自衛隊は、現状におきまして、特に大規模災害対策などの面で重要な役割を担っていただいておることも承知をいたしております。 私といたしましては、県民の皆さんの御意見や県議会の意向を真摯に受けとめまして、適時適切に今後対応してまいりたいと考えております。 さらに、今後、国に対して要望する重要要望事項に対しまして自衛隊の誘致を入れるのかどうかというお話でございます。 自衛隊駐屯地の配置に関しましては、自衛隊による災害初動態勢空白地域解消という災害対策の面から、また平成十二年三月の県議会におけます陸上自衛隊一個普通科連隊の誘致に関する決議、さらには誘致に熱心な活動を展開されている那賀川町の住民の皆さんの声などを踏まえまして、国の調査に呼応する形で要望を行っているものでございます。 七月の要望スタンスにつきましては、地元の意向を要望として伝えてまいりたいと思います。 ただ、今回の重要要望の中に、私は新たに日本の災害救助部隊、このような専属の部隊を今後国において編成をし、国内はもちろんでございますけれども、国際的な災害救助にもいち早く、そのいわゆる災害救助部隊がどこの国からも敬遠されずに、すぐこういった災害に対応できる、そういう部隊を編成するべきではないかということを重要要望の中に今回入れさせていただこうと思っておりますので、申し添えておきたいと思います。 それから、高速道路の南伸の問題の御質問だったと思います。 高速道路につきましては、経済の発展、あるいは文化の交流、観光の振興など地域の活性化に大変大きな効果を発揮するとともに、災害時の通行区間の代替機能の確保、救命救急医療への貢献など県民が豊かで安全、安心に生活するための重要な社会基盤であると思っております。 高速道路の南伸につきましては、県民の中に高速道路の費用対効果や自然環境への影響などに疑問を持つ意見もありますが、県南の方々の御意見も参考にしながら、国に対する重要要望事項の取りまとめを行う七月上旬までにその方針を固めてまいりたいと申してまいりました。 そうした中で、私自身、今月一日に開催されました阿南市での徳島県南部高速道路建設促進住民の集い及び海南町での阿南安芸自動車道・地域高規格道路建設促進海南大会にお招きをいただきまして、出席をさせていただきました。県南の方々や地元の市長さん、町長さん、議会関係者などの御意見を直接お聞きをすることができました。皆さん方が高速道路整備を熱望されていることを肌で感じて帰ってきたところでございます。さらに、徳島商工会議所や徳島県沖洲産業団地協議会からは、高速道路整備の推進についての意見や要望を今日までいただいておるところでございます。 私といたしましては、これら県南の方々や自治体関係者の声、地元経済団体からの御意見、これまでの議会での御審議を参考にさせていただき、マリンピア沖洲第二期事業の埋め立てをどうするかの課題は残っておりますが、高速道路の南伸を県として推進していくとの方針を固めたところでございます。 したがいまして、今後は国に対する重要要望など、機会あるごとに国や関係機関に対して、阿南までの高速道路の整備促進を要望してまいりたいと考えております。 最後に、マリンピアの埋め立ての諸方式についてでございます。 基本的には、このマリンピアの二期工事につきましては、十二月末までに最終的な県民の皆さん方の御意見もいろいろ聴取する、意向把握しながら決めていきたい、このように申し上げておりますが、今マリンピアの埋め立てにつきまして多くの環境団体の皆さん方から、この埋め立てに強い反対の御意見があることは御承知のとおりでございます。 今後、高速道路の南伸についてのルートの変更はできないというふうに申し上げておりますので、マリンピアの埋め立て問題、あるいは今後どのようにするかということにつきまして、多くの県民の皆さんの御意見等を踏まえながら、県議会の皆さんの御議論も踏まえて、十二月末までに結論を出していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。   (発言する者あり) 比較の件、三案につきまして、従来どおり南も北も埋めてやる方法、あるいは北だけを先に埋めて、そして二段階に南を後から埋めていく方法、それから、いわゆる高架でずうっとマリンピアを埋め立てないで高速道路をつくる方法、こういうことをいわゆる担当部の方からいろいろ御説明を聞かせていただきました。 私は、担当部の方にお願い、御指示をさせていただいてますのは、これだけ、三案だけに限ってじゃなしに、もっと方法が考えられるのではないかということも申し上げております。 その案は、新町川を今、コンクリートの荷揚げをしている船が入ってきておりまして、そのマストが高いために新町川を渡る高速道路が随分高い位置で通過しなければいけない、このようにお伺いをしておりますから、もしこのコンクリート会社の方に御協力いただけるんであれば、この船の係留地を少し下流に持っていっていただくということに、もし御協力いただけるんであれば、新町川を渡る高速道路がそう高くなくってもいいのではないか。新町川を高くない形で高速が走るとすれば、今最も心配されておりますマリンピアの二期の北側を埋めなくっても、南側を埋めて例えばインターをつくるということも可能でありましょうし、あるいは南側の方に高架方式での、財政的にはたくさん要るというお話でございますけれども、そういう形でいわゆる南側にインターを埋めるか、あるいは埋めないで高架でつくるという方法も考えられるのではないか。いろんな角度からこのマリンピアの二期工事について、今後県民の皆さんの御意見、そして県議会の御議論を踏まえながら、十二月末までに結論を出していきたいと、このように思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。   (竹内議員登壇) ◆二十五番(竹内資浩君) 御答弁をいただきました。 高速道路、自衛隊、これ自衛隊は多分逆の返事もあるんかなあと、児島先生にあした詰めていただこうと思ってたんですが、まあほぼ知事の考え方が要望にも盛り込まれるということで、非常に前向きに御答弁をいただいたと思って評価をいたしておきます。 また、高速道路の問題もあなたの選挙公約、またこれは破ることになるんだろうと思いますが──えっ、高速道路は破らないんですか。約束してなかった。マリンピアだけ。高速道路はしてなかったそうです。知事は高速道路推進議員連盟の会員さんでありましたから、今私が会長をしておりますが、その必要性は前から認めておったということでありますから、それは訂正をいたします。 ただ、マリンピアのことについてね、知事さん、ここ一番大事な話で、あなた答弁ではぐらかされたんですけど、いわゆるあなたが言う事務方、事務方の説明を受けて、相当な県費の開きがあるでしょう。聞いてるでしょう、数字。だから、それはやはり同じようなことですよ、空港と。そして、環境団体の人は、それはそのことについて一生懸命、ルイスハンミョウを大事にしないかんと言う人は、そら絶対最後まで、どんなことがあっても反対しますよ。しかし、それでもですよ、二十六億円もかけて、私は知事さんからその本当は数字を言うてほしかった、本当は。二十六億円もかけてそういう環境を守ろうとしている前の県政の流れというのがあるんですよね、いろいろ積み重ねてきたんです、この問題は。それも一朝一夕にできたわけじゃなくて、非常に長い長い反対を含めて必死で環境アセスもやって、そしてやった結果が、この二段階埋め立てが一番ええと。これはいわゆる環境に最高に配慮した方法であるという結論が一応出てんですよ。そら事務局、あなたとか環境団体は、勝手につくった作文だと言うかもしれませんけど、そうではありません。私も相当検討してみましたけどね。これは高架方式にしたら三百七十億円、県費が要るんですよ。だから三百五十億円違うんです、県費の持ち出しが、高架方式といわゆる二段階方式とを比較したら。それぐらい大変な額なんですよ。これ、知事さん知ってます。 それじゃ、そういうことも含めて沖洲の町民のいわゆるまちづくり協議会というのが、今まではあの第一期工事してないときは、台風のときはもう大変な波が、しぶきがあの防波堤を越えて来てたんですね。そして台風のたびに地盤が割れたりとかいうことがあったんですが、今それがなくなったと。そして、当時は津田の新町川の方にだけしか砂浜なかったんですよ、僕らも覚えてますけどね。それがあの第一期工事ができてから現在のところに砂が集まり出したんですよ、浜に。そしてルイスハンミョウもめちゃめちゃふえたんですよ。ルイスハンミョウというのは、海水浴場のようなきれいなとこにはすみませんよね。五ppmぐらい前後のところでないとすまんと、こう言われてますよね。私は専門家でない。あなた専門家ですから。そういうふうに、とにかく現在ふえとるんです。それは今できてる砂浜というのは、いわば人工海浜と同じなんですよ。第一期工事をしたがゆえに、今の北側とあの間に砂浜がふえたんです。間違いないんです、このことは。いわば人工海浜なんですよ。そういう工事をしたからできて、そしてルイスハンミョウはその後ふえ続けとんです。 だから、今の浜は人工海浜であると言っても過言ではないんです。その沖洲の、あなたは民意とおっしゃる沖洲の二万の人たちが、ぜひ早くやってほしい。北側の防波堤もあそこだけないんですね。あそこだけ今、来てるんです、波が、台風のときに。そういうこともあるんです。あなたの言う民意です。ぜひひとつお願いをしたい。早くやらないと、先ほど言うたように、あなたが言よる十二月では遅いんです、これは。もう今、とにかく環境団体の人にも寄ってもらって、知事が本当の意味の説明、あるいは意見を聞く。そういう会を早急に、あなた得意ですからやってください。ぜひお願いをしたいと思います。 時間が来ました。私は空港問題をやるつもりでありましたけども、知事さんちょっと答弁が丁寧過ぎて長くなりました。私は議運の委員長として申し上げておきますが、あと質問する人たくさんいますので、早口に言えとは言いません。できるだけ簡潔にまとめて、先ほどから想定か何か知りませんけど、持ってきて読んでますけどね、そういうのをできるだけ簡潔にしてください。お願いします。 私は、県土整備委員会ですから、これから空港の問題言いますが、一つだけ。知事は、中型機で便数をふやす方法がいいと思っているという発言を公式にやってますね。これは訂正してください。なぜかというと、いや、あなたがね、国土交通省に増便のお願いに何遍も行った。それで、そういう脈があるんだという確信があるんだったらいいですよ。これはだれが聞いたって、中型便で増便がいいと言うたらみんな賛成します、現状を知らない人は。だから、あなたは迷わしているんです。今の羽田空港の発着便の混雑ぶりはわかっているはずです。あなたが幾ら頼んだって、これはもう限度があります。ふえることはありません。あなた行ったことありますか。この場でいいですから答えてください。頼みに行ったことがありますか、増便の頼みに──ないでしょう。そういうこともしないで、現実の問題をそういうふうにしたら困りますよ。 だから、ぜひこれはあなたの口から変更、中型機を増便することは非常に不可能だということを言ってもらわんとね。一つの、空港の問題についても、それが一つの理由になってますよ。ぜひそのことについても勉強した上で、あの発言は理想論であって、現実には難しいということをどっかで必ずあなたが言うときが来ますよ。それを早く言ってもらわないと県民は惑います。あの方法は、大田さんが言よるあの方法はええなって皆言よるんです。ぜひこれは事務方と早急に相談して、公式な発表をお願いしたい。 知事は、公約との板挟みの中でやられてきた。公約がすべてとは言いません。しかし、あなたの公約は、少なくともけさの鳴潮に載っているように、余りにも軽々しくしたのではないか。あなたがいた去年の五月から九月までの間にいろんな人の意見を聞いて公約をつくった。私に言わしたら、それはつけ焼き刃でしかなかったのではないかな。だから簡単に、本当の圓藤県政が進めてきたようなこの大規模のものを今あなたはせざるを得なくなっている。これが本当に正しい道だからですよ。しかし、あなたはそれをわかって、しかしあなたが十四年間の県議生活の中でそれを知らなかったというのも不思議な話であります。 このきょう言われた発言が決して変わらないように心から期待して、私の質問を終わります。(拍手)   ―――――――――――――――――――――――― ○議長(川真田哲哉君) 議事の都合により、休憩いたします。      午前十一時四十六分休憩   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━    午後一時四分開議      出席議員計四十一名          (その番号・氏名左のとおりである)     一  番     木  南  征  美 君     二  番     川  端  正  義 君     三  番     嘉  見  博  之 君     四  番     森  田  正  博 君     五  番     喜  田  義  明 君     六  番     須  見  照  彦 君     七  番     臼  木  春  夫 君     八  番     黒  川  征  一 君     九  番     重  清  佳  之 君     十  番     古  田  美 知 代 君     十一 番     山  田     豊 君     十二 番     森  本  尚  樹 君     十三 番     岡  本  富  治 君     十四 番     藤  田     豊 君     十五 番     谷     善  雄 君     十六 番     庄  野  昌  彦 君     十七 番     橋  本  弘  房 君     十八 番     冨  浦  良  治 君     十九 番     久 次 米  圭 一 郎 君     二十 番     長  池  武 一 郎 君     二十一番     大  西  章  英 君     二十二番     長  尾  哲  見 君     二十三番     樫  本     孝 君     二十四番     来  代  正  文 君     二十五番     竹  内  資  浩 君     二十六番     福  山     守 君     二十七番     西  沢  貴  朗 君     二十八番     吉  田  忠  志 君     二十九番     北  島  勝  也 君     三十 番     杉  本  直  樹 君     三十一番     佐  藤  圭  甫 君     三十二番     児  島     勝 君     三十四番     遠  藤  一  美 君     三十五番     柴  田  嘉  之 君     三十六番     四  宮     肇 君     三十七番     元  木     宏 君     三十八番     中  谷  浩  治 君     三十九番     大  西     仁 君     四十 番     阿  川  利  量 君     四十一番     谷  口     修 君     四十三番     榊     武  夫 君   ―――――――――――――――――――――――― ○副議長(柴田嘉之君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 二十七番・西沢貴朗君。   (西沢議員登壇) ◆二十七番(西沢貴朗君) 自民党・交友会の西沢でございます。 ただいまから交友会を代表いたしまして質問してまいりますが、知事初め理事者の皆様におかれましては、わかりやすい言葉での御答弁をお願いいたします。 さて、大田知事におかれましては、初当選おめでとうございます。まずは心からのお祝いを申し上げます。 多くの同僚議員と同じく、私も県議時代大田知事の手腕には一目も二目も置いてまいりました。鋭い論理的な追及には目を見張るものがあり、こんな議論を展開してみたいと思ったことがありました。県議時代大田知事を知っているからこそ、もっと論理的に、もっとはっきりとした答弁をしてほしい、そう願っております。 まず、県政に取り組む知事の姿勢について御質問いたします。 知事就任以来、この二カ月間、あなたの言動の大きなぶれにより県政の方向が皆目見えず、多くの県民皆様に大変な不安をもたらしました。特に、少なくとも後世代に残さなければならない社会基盤整備として位置づけ取り組んできた空港及び周辺整備事業や高速自動車道の南伸問題です。あなたはこの両事業について、あなた自身の考えを述べるどころか、事業についての御自身の考えはないとまで言われ、県民世論の動向を見て決断したいと言われた。その後の一連の言動を見る限り、あなたは県政の最高責任者としての自覚が全く感じられない。それどころか、その責任を県民に転嫁しているとしか思えないのであります。 本来、知事は、県政のさまざまな事業に御自身の考えを県民並びに議会に披瀝し、その事業の必要性あるいは不必要性を訴え、その事業の是非を問うことにより、みずからの責任を明らかにすべき義務があります。その責任の所在も明確にせず、県民に責任をゆだねる態度は県政のヘッドとしての自覚に欠けると言わざるを得ません。 あなたは、知事として責任ということをどういうふうに考えておられるのか、お伺いいたします。 あえて言わせていただきますと、いわゆる陳謝問題は、このあなたの責任感のなさが問題になったことを認識すべきであると思います。 さらにもう一点、知事説明にもあります社会基盤整備についてお伺いいたします。 知事はこのあり方の転換を求めておられますが、それはそれとして、では、あなたにとって、我が県は今、従来の社会基盤整備の水準はどの程度のものと認識されているのか。また、どの程度整備できれば県民に対してよい状況と説明できると思われているのか、お伺いいたします。 続きまして、大田知事の施政に対するスタンスについてであります。 大田知事は選挙公約の中で、空港関連事業やマリンピア沖洲の二期事業の凍結及び見直しを掲げられました。これは月見ケ丘や沖洲海岸の埋め立てに対して反対であるためと思われます。つまり、これらの浜や海岸などは自然のままでおいておきたいとの思いからだと思います。 所信表明の中では、自然に対する思いを「私たちを取り巻く自然環境は、生命を維持し、安らぎや潤いをもたらす貴重な財産であり、本県の豊かな自然環境を可能な限り保全し、県民全体の資産として次の世代に引き継ぐべき責務があります。このため、私たちは社会経済活動による自然環境に対する負荷を軽減するとともに、これらの保全、再生、創造に取り組むことが必要」と述べられ、自然重視のお考えのようであります。 しかし、一方、山の方では積極的に間伐をして山を守り、また雇用も確保し、間伐材もどんどん利用したいと言っておられます。海では経済と切り離し、自然は自然のままにおいてほしい。自然との共生はしたくないとの思いのようであり、一方、山の方では間伐で森林に光を通して下草が生えるようにして自然にやさしく、また保水力も高め、山の産業も考えて大切にしたいとの思いのようであり、まさに自然と人間の共生の立場をとっておられると思われます。 海のスタンスで山のあり方を考えてみますと、人工林をやめ、自然林に戻して、本当に自然にやさしい、生物にやさしい山にすると言わなくてはなりません。自然に対する海でのスタンスは共生したくない、山では共生したい、私にはこのギャップが理解できません。 そこで、知事にお伺いします。 自然に対するスタンスとして、海では自然は自然のままでいい、そして山では共生していきたい。このギャップの違いは何なのか。知事は自然に対するスタンスをどう持って臨みたいのか、そのお考えをお教えください。 御答弁をいただきましてから、質問を続けてまいります。   (大田知事登壇) ◎知事(大田正君) 言動にぶれがあるではないかという御指摘でございますけども、午前中に竹内議員の方にもお答えをさせていただきましたように、まさに議会議員としての活動をさせていただいておりました時代と、そして今日、県政の最高の責任者という立場になりましてからの私のスタンス、このあたりにいろんなぶれがあることは事実でございます。 これから議会の皆さん方や、あるいは県民の皆さん方の多くの御意見をいただきながら、県政の振興のために、そして、県民の皆さんの幸せのために頑張っていきたい、このように思ってます。 責任についてということですが、私は私なりに責任感は非常に持っているというふうに自分自身思っております。ただ、その責任、特に政治家としての責任や、あるいは現在の知事という立場の八十二万県民に対する責任、こういうことでは若干今までの言動において私の心が揺れたということは事実でございますけども、これから、まさに県政の最高の責任者としての責任を十分わきまえながら言動に気をつけてまいりたいというふうに思っております。 それから、自然に対してのお問いでございますが、海の自然に対する物の考えと、山の自然に対する物の考え方に違いがあるのではないかというお問いであったかと思いますが、私は決してそれは全く違っていないと思っています。 海においても当然、特に都市部の本当に子供たちや、あるいは高齢者の人や多くの県民の皆様方が現に親しんでおられる海浜等について、特に大切に保存をしていかなければならない。あるいは現在一定壊されているものについても、基本的にはもとの姿に、あるいは自然に復元をさせていく、こういったことがこれから二十一世紀の政治、行政の中では問われているのではないかというふうに考えています。 特に今、漁場においては漁民の方々が、大変漁獲高が悪くなって、せんだっても漁民の方と話をしておりましたら、不況になると漁がない。なぜ、おかの経済と海の魚とが連動できるんだという、漁師の方がそんな話をしておりましたが、まさに、どこにそういったメカニズムがあるかはよくわかりませんけれども、今、沿岸漁業、大変な状況にあると伺っています。これも本当に、山の上流から海までつながっている川なり、水なり、大気なり、そういったものが大変海にも影響してるのではないかというふうなことも考えております。 私は、今、山間部の特に人工林の手入れのできていない山について間伐や枝打ちや、あるいは強化間伐等をした中で、広葉樹等の植林も含めて、より自然に近い山に戻していくべきではないかというふうにも考えておりますし、もちろん杉やヒノキの人工林が建築にとって大変重要な資材であることは明らかでありますから、それはそれとして育てる場所、あるいは山の地形によって広葉樹を本当に復元させていくところ、いろんな山のありようということを今後は考えながら徳島の森林(もり)づくりというものを基本的に考えていかなければいけないのではないか。いずれにしましても、海の自然も基本的に守っていかなければならないと思います。山の自然も間伐等をすることによって、今大変荒れ放題になっている山林を少しでも自然に近づけていく、復元させていくということがこれからの行政にとって非常に重要な課題ではないかというふうに考えているところでございます。 社会資本整備の現状認識はどうなのかということでございますが、徳島県はいろいろなデータを見る限りにおいて、決して社会資本の整備率が全国に先んじているというふうには思っておりません。ただ、発想として、おくれている社会資本整備というものをどういうふうにとっていけば、一番後ろからといいますか、あるいは大変全国の都道府県の中でも後発と言われておる徳島県がトップに踊り出たり、あるいは先頭集団に入れるようになるか、そういったこともこれからの行政の中では基本的に発想の転換をしながら考えていく必要があるのではないかというふうに考えております。   (西沢議員登壇)
    ◆二十七番(西沢貴朗君) 責任の問題ですけども、持っていると思う、心が揺れたのは事実。私も思いますけども、責任というのは、知事であろうと民間であろうと、だれでもが小さいころから責任という重み、責任ということを人間としてどうあるべきかという中で教えられてきました。だから、知事だからということではないですけども、でも知事という立場上大きな責任があるというのも事実であります。 だから、知事になってまだ間がないからいろいろ心が揺れるとかそういうような問題でなくて、まず自分の心をちゃんと決めたら、それなりに責任というのは生まれてくる、そういうふうに思います。自分の心が揺れている。自分の気持ちが定まっていない。要するに、もっと言うならば、公約とかそういうようなものまでちゃんと自分の気持ちの中に入って、筋が入ってない。そういうことが責任を問われたときに、うまく答えられないんじゃないかな、そういうふうに思います。まず、自分の心を定める。そして、それに対して責任を持つということが大切だというふうに思います。 自然へのスタンスですが、私が言うたことに対して余りきれいに答えてくれてません。海は全く自然は自然のままでいいというふうなことです。私たちが言ってるのは、高速道路、空港、すべて経済活動の中で、もっと言えば、人間の生活の中で、残念ながらこれはこうせないかんという思いの中でやっている。つまり自然との共生。共生というのはきれいな言葉とは思いますけども、本当は残念ながらやっていると私は思ってます。山の方でもやはり間伐やる。これは人間の生活のために、経営のために、経済のために仕方なくやってる。山は自然のままがいい。大田知事も間伐とかそんなんじゃなくて、人工林じゃなくて自然林がいい、そう思ってるはずです。私はその違いというのを言ってるわけです。山と海とどうしてそう違うんですか、ギャップがあるじゃないですかということを私は言ってるんです。どうもその答えが違うなあ、そういうふうに思います。 社会資本整備の水準はどうなってるんですかという問いに対しても、今徳島は非常に最下位だと認められておりますけども、発想の転換でトップを目指したい、そう言いましたけども、この前の所信表明の中ではそれが全く感じられませんでした。やはりもっと明快に、じゃあその発想の転換はどうしていくんだと、だからおまえらついて来いよというふうに言ってくれたら、私らでもよくわかります。そこらあたりが、発想の転換とだけ言われたら、よくわかりません。もっとみずからがこうしたい、こういうふうにしてほしいということを訴えてほしいなあ、そういうふうに思います。 続きまして、空港拡張及び周辺整備事業についてお伺いいたします。 知事は、二週間の一時凍結を解除し、凍結の部分については断念しましたが、残りの見直しの部分については、今月の末に何度かタウンミーティングを開いて云々と言っておられます。しかし、私にはやはり意地を張っておられるとしか思えません。 私は、この空港関連の事業については設計がまだこれからというものはありますが、見直す場所、物はないと思います。例えば、知事は今のターミナルをそのままターミナルとして利用できないかと言っておられます。しかし、そうしますと、今の計画の中で新ターミナル及びエプロン、そして、その前に位置する駐車場は埋め立てする意味がなくなり、つまりは埋め立てできなくなります。また、空港拡張工事は五百メートルの滑走路の延長工事と、ターミナル、エプロン、駐車場などの工事とセットでの申請であり、こちらも問題となってきます。よって、この案もだめということになります。 そこで、県土整備部長にお伺いします。 空港拡張及び周辺整備事業において工事を見直せる部分はあるのでしょうか、ないのでしょうか、お伺いいたします。 このタウンミーティング事業には約六百八十万円の費用がかかるそうですが、見直す場所がなければタウンミーティングをする必要はなく、これこそがむだな公共事業の筆頭であると思います。また、見直す場所がなく、すべてが計画どおりと言うならば、次は国との関係を修復しておく必要があります。今回のごたごたについて、知事はみずからが国へ行って説明していないと思いますが、せめて最後のけつはみずからが足を運んでちゃんと説明し、謝るべきところは謝らなければならないと思います。そうでなければ、今後、国との関係がぎくしゃくしたものになると思われます。 そこで、知事にお伺いします。 今回の空港関連の一騒動について、国の担当省へみずからが足を運んで説明し、謝るべきところは謝る必要があると思いますが、いかがでしょうか。 さて、今回の質問は夢ある話が少ないと思われますので、ここは一つ、そんな話をしてみたいと思います。 空港拡張の事業には見直しはないと思いますが、まだこれから設計、計画、立案をしていかなければならない部分がありますが、その部分について考えてみました。 私は、昨年の六月ごろ、ラジオで、リバプール空港をリバプール・ジョンレノン空港に名前を変える話を聞きました。そこで、空港の名前について調べてみました。日本では空港の名前は国の閣議決定の事項であり、変更は難しいかもしれないとのことです。しかし、愛称はある程度フリーであり、そして、その愛称をメーンの名前のように掲示板へ表示できること。例えば、鳥取県の米子空港は、正式には美保空港ですが、米子空港を表示しています。ここで徳島空港の名前を変えるとなると、これは県も関係している会社ですが、空港ビルとか自衛隊にも了解を得なければなりません。 私は、このことを昨年の六月議会の特定交通対策特別委員会で取り上げました。それまでに変更する名前をあれやこれやと考えてみましたが、写楽はどうかと思いつきました。 御存じのように、写楽は徳島藩出身ではと言われていますが、まだ確実ではありません。しかし、ここは早い者勝ちということもあります。写楽であれば外国にも通じる名前であり、奇抜さもあり、その意味で写楽空港を提案しました。そのときの交通政策課長は、検討してまいりたいとのことでした。残念ながら、明くる日の新聞には一行も載っておりませんでした。 新空港ビルの設計は平成十六年度のようですが、当然名称だけではなくて、新空港ビルや駐車場などの全体構想を写楽のイメージであるとか、その中でのイベントや土産物、そして、飛行機の機体のペイント等いろんなところで写楽は活躍してくれるものと思います。ただ、今は空港の場所もわかるように、写楽徳島空港の方がよいのではと思います。 そこで、知事に提案いたします。 徳島空港の愛称を「写楽徳島空港」とすることや、その名前の活躍する方法なんかも、この際タウンミーティングと言わず、県民全体の議論として大きく取り上げてほしいと思いますが、いかがでしょうか。 御答弁をいただきましてから、質問を続けてまいります。   (大田知事登壇) ◎知事(大田正君) 西沢議員の、この間のごたごたについて国へ行って謝罪をするべきだというお話でございますが、私が必要であればそのようにしたいと思いますけれども、今、国の方にそういった行動をとらなければいけないというふうには認識をしておりませんので、御理解をいただきたいと思います。 それから、徳島空港の愛称の御質問がございましたが、今、新ターミナルビルが建設される時点でそういうことを考えたらいいのではないかというお話であったように思いますが、これから、るる議会の方でも議論を進めていただくことになろうと思いますから、皆さん方の御意見も十分拝聴しながら、いろいろ今後の対策を立てていきたいと思います。 大変ユニークな御提案だとは思っております。   (上総県土整備部長登壇) ◎県土整備部長(上総周平君) 空港拡張並びに周辺整備事業において見直す部分はあるのか、ないのかという御質問でございます。 これは知事からもお話がこれまでありましたように、現計画に支障を来すような大規模な変更というのは考えられません。こういった現計画に大きく支障を与えない範囲で、科学的、物理的に実現可能な御提案があれば、それは積極的に考えていくべきだろうと思っております。それの具体的なものとしてどうかというのは、我々、今思いつくところはございませんが、そういった工法的なところ、あるいはいろんな利用面でのこと、そういったことで物理的、科学的に考えていく価値があるというものについては、しっかりと検討してまいりたいと思っております。 ちなみに、先ほど空港ターミナルビルのお話が出てまいりましたが、今回の国の空港拡張事業におきましては、現ターミナル施設は大型機を駐機させるには狭隘であるといったこと、それから現ターミナル地域における航空機の騒音解消、こういったこともあわせまして、滑走路の拡張に合わせてエプロンや旅客ターミナルなどを市街地から離れた埋立地に全面移転することとしてございます。 なお、移転に際しましては、現存価値のある現在の空港ビルの利活用の方策や移転財源の確保、移転のタイミング等について、ビルの所有者であります徳島空港ビル株式会社を初めとして、国や地元松茂町など関係機関とも協議しながら検討してまいりたいと考えております。   (西沢議員登壇) ◆二十七番(西沢貴朗君) 国に謝ってはという話ですけども、必要であればとか、今は認識していない。どうも私たちの認識とは大分ずれがあるなあ、そういう感じがします。国の方では多分、徳島県を大分もう見限っているんじゃないかな、そういうふうに思います。だからこそ知事みずからが行ってちゃんと説明して、そして謝るべきは謝って、やはりそれが知事がしなければならない、自分自身がそのことに対して心が苦しくても、知事という立場でそれをしなきゃいかん。それこそが責任ということだと私は思います。 写楽という空港、写楽徳島空港という名前ということですが、なぜ知事がいつも民意、民意と言っているのに、こういうことこそ民意で大議論してほしいなあ。なぜここで、議会で議論してほしいとか消極的になるのかなあ。どうもこれもギャップがあります。こういうことこそ県民に大きな議論していただくべき問題だというふうに思います。もう一度、これちょっとお答え願いたいなと。 それから、県土整備部長の話はちょっとわかりづらいんで、もう一度明確に、変更するべきところはあるのか、ないのか、もう一度お答え願います。   (大田知事登壇) ◎知事(大田正君) 写楽空港ということで民意を聞いてはどうかというお話でございますが、ターミナルビルの新しく建築をするというそういった状況になりましたときに、県民の皆さん方に、今、西沢議員から御提案のありました写楽空港という名称も含め、徳島空港のお名前等について、場合によっては公募というふうなことも、正式名称ではありませんけれども、通称名称として県民の皆さんに問いかけてみてもいいのではないかというふうに考えております。   (上総県土整備部長登壇) ◎県土整備部長(上総周平君) 空港拡張並びに周辺整備事業において、変更するべきところはあるのか、ないのかという再度のお問いでございます。 私の立場から申し上げまして、これまで議論を重ねて進めてきた事業でございます。私の立場から積極的に変更するという点は、今のところ見当たりません。 ただ、これからいろんな御意見を、御提案をいただく中で、それが本当に実現可能なものであり、取り入れるべきと考えられるものについては積極的に検討していくべきだろうと考えておるところでございます。   (西沢議員登壇) ◆二十七番(西沢貴朗君) 空港の基本構想というのは来年度、平成十五年度にやられると。順調にいけば十六年度からちゃんとした設計をするということですんで、今から議論してもおかしくない。もう知事がやろうと言うたらそれで終わりやから、ぜひこれ県民挙げての大議論してほしいなあと。もうタウンミーティングと言わず、そんなちゃちなこと言わず、全県民挙げてやってほしいなというふうに思います。 それから、積極的にはない。ないんでしょう、結局。うなずいておりますけども。ということで、私も何でやるのかな、ようわかりませんので、ぜひ本当はやめてほしい。そんなことよりも、さっき言いました、もっといい方向で夢のある話をしてほしいなというふうに思います。 続きまして、四国横断自動車道についてお伺いします。 私は、二週間ぐらい前、国の担当官に会い、この沖洲の徳島インターチェンジについて聞いてみました。担当官の話によりますと、徳島インターチェンジ付近は今でもキロメートル当たりの単価は他に比べて非常に高い。海面の埋め立てによる方法でなければ事業費はもっと高くなり、そうなれば整備は難しいとのことでした。この難しいという言葉は、現実にはできないということであろうと思います。この沖洲の部分の高速道路ができなくなれば、当然阿南安芸高規格道路も含んで、それ以南の道路整備もできませんよとも言われました。このマリンピアの工事こそが、大きな8の字ルートができるかできないかの大きなかぎを握っています。 ここで、仮に海面のままで高架をし、その工事費の高くなる分を県費でしようとしても、それは県から国への寄附行為となり、法的に認められません。先ほど知事が言われました、多分セメントサイロのことだと思いますが、海側に移し橋を低くしたとしても、海面のままで高架にすると、足が多数となり、また作業によりかなり自然を壊してしまうことにもなり、現計画どおり北側に浜をつくり、ルイスハンミョウも含む砂をそちら側へ移してやる方がよっぽど自然にやさしいと思います。そして、このことは、どちらか半分の浜を残すとしても同じことが言え、浜のままで高架の工事をすると、その工事によりその浜の自然は大きく傷むものと思われます。 今、国の方では四公団の民営化推進委員会も始まり、いよいよ地方の高速道路建設は厳しいものとなり、全力で頑張らなくてはならない大変なときであります。この徳島県のごたつきをお隣の高知県でも大変心配しておりますが、高知県では早々と、来年度の県の提案型重要要望事項として、高速道路の整備、そして地域高規格道路の整備を盛り込み、国へ要望しています。また、高知県議会でも、この五月二十日、高知県議会東部開発議員連盟が阿南安芸自動車道の整備で国へ陳情に行っており、また同じく高知県議会の企画建設委員会でも、この六月七日、四公団民営化推進委員会設置法の成立に合わせて国へ陳情に行っております。 高知県では国の現況に危機感を覚え、これからもどんどん国へ陳情していくようでありますが、残念ながら、我が徳島県では知事が態度を決めていただかなければ、我々県議会としても国への要望活動について身動きがとれません。今は、知事も議会も県民も総力を挙げて陳情活動をしなければならない重要な時期であり、早急にマリンピア沖洲における事業のあり方を決定していただかなくてはなりません。今既にでき上がったものでなければ国への陳情に迫力がなく、熱意も心も伝わらず、一番に切られてしまいます。 そこで、知事にお伺いします。 国の担当官の言葉、自然への配慮、国の状況などからして、マリンピア沖洲の二期事業は計画どおり二段階整備方式が一番よいと思われますが、いかがでしょう。それも今すぐ決定していただかなければならないと思いますが、いかがでしょうか。 また、来年度の重要要望事項へ盛り込み、積極的に行動を起こさなければなりませんが、ここで知事にお伺いします。 四国横断自動車道の建設促進について、来年度の重要要望事項として前年と同様に盛り込まれると言われましたが、そうであれば、前知事と同じく、高知県知事と合同で国へ陳情に行っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 続きまして、阿南安芸自動車道についてお伺いします。 おととい、自民党の道路調査会顧問をしておられます村岡兼造代議士をお迎えして、阿南市と海南町で阿南安芸自動車道の建設促進大会を実施いたしました。海南町の大会では、会場始まって以来と思われるほどの人々であふれましたが、この大会に知事も出席され、あいさつされました。知事はそのあいさつの中で、「最終的な判断は、県南の皆さんが高速道のメリット、デメリットを承知した上でどんな決断を下すのか、そのことに私は従いたい。また、皆さんの熱意を体で感じるために来ました」と話されました。その後、三名の意見発表があり、国道五十五号は雨が降ると陸の孤島となることや、振興のためにぜひ必要なこと、救急搬送のとき国道五十五号線はカーブが多いことなどが発表されました。そして整備促進などの決議文を満場一致で議決いたしました。海南の、そして阿南の大会で知事が、「皆さんの熱き思いがよくわかりました。ぜひ頑張ってつくってもらいましょう」と言っておれば、知事はヒーローになれたと思います。 やはりおとといの七月一日、高知県では、後免から奈半利間で土佐くろしお鉄道が長い年月をかけてやっとこさ開業いたしました。しかし、まだ奈半利から甲浦間は途切れており、地域住民の長年の夢でありました全線開通、循環鉄道の夢は夢のままであります。 鉄道がだめなら、せめて道路をとの思いから、高速道路または高規格道路をと全力で頑張ってまいりました。その最後の夢も、大田知事、あなたの決断一つに大きくかかっています。 この四国の東南部は、今まで取り残されてきた地域として住民はとらえています。今、徳島市から高知市まで行くのに、池田回りでは高速では三時間程度であり、県南回りなら四時間半以上、五時間近くかかります。県外から道路地図を頼りに来る人は、かなりのへんこつでなければ池田の方へ回ると思われ、西へ西へと車が流れていくのは当然であります。最近では通勤の範囲も広がりを見せ、また県南の地場産業も道路が完備していないため他地区との競争には厳しいものがあり、今特に県南部の海を利用した構想もでき上がりつつあり、関係者からも熱い視線が向けられています。 また、先ほど話に出てまいりましたが、国道五十五号線は日和佐で三百ミリ以上の大雨により通行が遮断され、救急車も通してくれません。この雨による通行制限は、残念ながらまだ解決できそうにありません。この通行制限にひっかかる日和佐から、南の病院から阿南や小松島の病院への救急搬送の状況を見てみますと、平成十一年度では一年間に八十七回と大変多く、一刻を争う患者にとって、高速、高規格道路は、まさに命の綱、命の道であります。 また、この前、ある県立病院の院長先生に、子供の急患について診る自信があるか、ないかのアンケートをとりたいと言いますと、その先生は、「そんなことをしなくても、みんな自信を持って、自信がないと言える」と言われました。 また、この四月一日から県南医療圏の小児の救急拠点病院として小松島の日赤が指定されました。私は、徳島にくっついている小松島にある日赤をなぜ救急の拠点病院にするのか、大分詰め寄りました。が、それはさておき、特に子供の救急患者には海部病院は大変不利であります。 また、海部病院を例に取り上げますと、輸血のための血液ストックは、普通の型のものでも常時牛乳瓶で二、三本しか持っていないとのことです。なくなれば徳島市内からの取り寄せとなり、混んでいれば三時間ぐらいかかることもあると言われました。この前そういう事例がありました。したがって、これらの救急によって、残念ながら命を落とす方も出てくるものと思われます。また、次の南海地震も近づいてきており、国道一本ではなく、高速、高規格との二本柱が望まれます。ともあれ、救急とか大災害時などの非常事態のときには命の道路ともなります。 この四国東南部を結ぶ阿南安芸自動車道は、今まで行政関係の方はもちろん、民間の方々も長年にわたり大変活動され、盛り上げてこられました。例えば、海部郡内の有志の方々による海部郡地域振興懇談会は、年二回、阿南安芸自動車道の進捗状況を住民に知らせる会報を発行したり、その必要性を問う新聞も時折出したりして、民間が機運を盛り上げてまいりました。また、民間により、四国のみちを考える会が平成九年に設立され、阿南から安芸間の市町村で両県の関係住民が一つになって、何度となく大会を開いてまいりました。その参加人数は総勢五千人以上にも達し、次は日和佐でと盛り上がっています。 このように、民間も、それも高知県東部の住民も含み、大勢の方々が全力で阿南-安芸間の高規格道路の必要性を訴え、早くぜひつくってほしいと大声を上げて頑張ってまいりました。 知事は、七月一日の海南及び阿南での大会に参加され、県南の民意を十分肌で感じられたはずです。 そこで、大田知事にお伺いします。 知事は、この阿南安芸自動車道の必要性についてどのようにとらえておられるのか、お聞きいたします。 また、来年度の重要要望事項の決定の締め切りが数日後に迫っていますが、もうここまで来ると知事の決断一つであります。先ほどの竹内議員の答弁で阿南安芸高規格道路も含んでいたのかどうかわかりにくかったので、再度お聞きいたします。 来年度の重要要望事項の中で阿南安芸自動車道の整備の促進を盛り込んでいるのかどうか。盛り込んでいるのであれば、横断と同じく、高知県知事と合同で国への陳情をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 御答弁をいただきましてから、質問を続けてまいります。   (大田知事登壇) ◎知事(大田正君) まず、マリンピアについて、とにかく早く埋めなければいけないのではないかという御質問でございます。 私は、広域交通ネットワークを形成する四国横断自動車道の南伸につきましては、県南部の振興はもとより本県の発展に必要なものであることから、県として推進していく方針を固めたところでございます。しかしながら、マリンピア第二期事業につきましては、今日においても埋め立てにつきまして見直し等を求める意見が多数あることから、事業を進めるに当たっては、再度、県民の皆さんのコンセンサスを得る必要があると考えております。 このため、その整備手法については、現計画の他に、極力埋め立てを抑制するなど何案かをまとめまして、それぞれの利害得失などを整理した上で県民の皆様方にわかりやすい情報提供に努めまして、県民の意向把握を行ってまいりたいと考えております。 また、関係自治体や関係機関の御意見及び議会の御審議等をいただきながら、遅くとも国が設置しております道路関係四公団民営化推進委員会が総理大臣に報告を行う平成十四年十二月末までに、マリンピア二期の整備について県としての方針を固めてまいりたいと考えております。 次に、阿南安芸自動車道の取り組みについての私の姿勢でございます。 四国横断自動車道及び地域高規格道路・阿南安芸自動車道は、四国の大きな8の字ルートの一部として四国の高速交通ネットワークを形成し、県南地域の経済、観光などの振興にとって重要な道路と認識をしております。 さらに、阿南安芸自動車道の日和佐道路は、異常気象時の通行規制区間の解消という住民の生命と暮らしを守る道路として、国土交通省により鋭意工事が進められているところでございます。 私といたしましては、四国横断自動車道の南伸や阿南安芸自動車道の建設促進につきましては、県南地域の方々の御意見を参考にしながら方針を固めたいと申してまいりました。七月一日に海南町及び阿南市で開催されました大会に参加をさせていただきまして、この道路にかける皆様方の熱い思い、御意見をお聞かせいただき、建設への熱意を感じたところでございます。私といたしましては、これらの御意見を真摯に受けとめまして、四国横断自動車道の南伸の方針を固めたところでございます。 この四国横断自動車道と連結して四国の高速交通ネットワークを形成する阿南安芸自動車道につきましても、整備促進に向け、国土交通省に協力してまいりたいと考えております。 なお、国への重要要望事項につきましては、この阿南安芸自動車道につきましても盛り込む予定としております。 なお、重要要望に盛り込むのであれば、高知県知事と一緒に国へ行くべきだという御提案でございますが、先般来高知県知事とは、この問題に限ったわけではありませんけれども、若干連絡をとり合っておりますので、場合によってはそういうことになるかもわかりませんが、現時点では、特に一緒に国へ行こうという話にはなっておりません。 以上です。   〔大西(仁)議員退席、出席議員計四十名となる〕   (西沢議員登壇) ◆二十七番(西沢貴朗君) どうも知事の熱意というか、心というか、そういうようなものがない。見えない。 全体に言えることですけども、国はそういう熱意なんかで、今まで物すごく、じゃおまえとこやったろうというようなことを言ってきた節があります。同じように全国から要望があります。その要望に心がこもっとるか、熱意があるか、そういうことで決まっていく、私はそう思います。十二月の末にはそういうやり方の方針決められる。しかし、それ以前に、まず熱意、それがなければだめですよ。だから、そのためには、自分でちゃんとこうしたい、こうするんだとちゃんと固めてそれで持っていかんかったら、だれも熱意があるなんて感じてくれません。だからこそ皆さんが言ってるんです。早くして、早くちゃんと計画を決めて、そしてみんなが一緒に頑張ろうと、そういうことを言っているんです。 知事の考え方がよくわかりません。このまま行っきょったらポシャります。この前の七月一日の両大会で熱いものを感じた。しかし、熱いものを感じて、じゃあどうするんだと。先ほど私が言った高知県知事との合同の話。熱い心があれば、自分から行きましょうと言ってくれるはずです。先ほど、いや、場合によってはという話がありました。そうじゃないんですよ。こちらから一緒に行きましょうと持ちかけないかんのですよ。向こうはこちらを疑心暗鬼に思ってるんですから。だからこそ、こちらから持っていったらこちらの熱意が高知県知事にも伝わるんですよ。そういうまず熱意というものをまず自分で持ってほしいなあ、そういうふうに思います。 話をもとへ戻します。予備で置いておりました。政治姿勢の中で二点ほど質問いたします。時間が十四分あります。 大田知事は、知事になってから今まで、みずからの公約のために大変窮屈な答弁を強いられている気がしますが、ここに大田知事県議時代の平成元年六月議会で、三木申三元知事が三選出馬を決め、二期八年の公約に違反したことを追及する場面があります。そのとき、大田知事はこう言われております。「何人も、政治を志すときに、公約という形でみずからの政治姿勢、つまりこのような政治家でありたい、あるいはみずからの政治目標、つまりは当選後はこんな施策を行っていきたい、こういうことを有権者に訴え、支持を訴えていくわけであります。政治目標の方は、財政事情やその当時の時代の要請、第三者との対人関係等々で実施がおくれたり、あるいはあきらめざるを得なかったり、また、他の方法に変えることがしばしばあるわけであります。しかし、これらの有権者に対する約束については、そのような変動があっても許されるものであります」とあります。つまり、政治目標の公約とは、できなくても許されるものでありますと言っておられます。 大田知事は、少なくとも知事になるまでは公約を非常に軽く考えておられたんじゃないですか。だからこそ、中身を検討したり、現状を調べたりせずに、空港拡張及び周辺整備事業などの中止、そして見直しなどを公約し、今回大問題となったんじゃないか、そう思います。 そこで、知事にお伺いします。 今、知事は公約というものをどうとらえ、その重みについてどう考えておられるのか、お伺いします。 さて、大田知事は所信表明の中で、県政を預かる最高責任者として、県民との信頼関係を再構築していかなくてはならない。そのためには、まず県民と県政の距離をできるだけなくしていく取り組みが大切。また、県政の透明性や公平性といった観点から、施策に関する情報の公開をより一層徹底し、お互いに信頼関係が生まれる県政を進めていくと言われていますが、知事が就任してからのこの二カ月間、議会との話し合いがない中で、空港関連工事を一時中止したり、答弁にばらつきがあったり、自分の考えを出さなかったり、また県幹部職員の説明を無視していることなども聞こえてきたりと、議会並びに県幹部職員などともごたごたしており、信頼関係があるというふうにはほど遠いものと思われます。 そこで、大田知事にお伺いします。 県民との信頼関係を持つこと、そして県政への透明性や施策に関する情報の公開を徹底するのは当然ですが、それよりも知事自身がもっとみずからの心、気持ち、思いを情報公開し、透明にして、県議会並びに県職員に対しても信頼関係を築く必要があると思いますが、いかがでしょうか。 答弁をいただきましてから、まとめに入ります。   (大田知事登壇) ◎知事(大田正君) 平成元年の三木申三氏に私が質問したことを引き合いに出されまして、公約をどのように認識しているのかということでございます。 既に御承知のとおり、公約は政治家が選挙の際に有権者と交わすものであります。有権者は、公約内容や候補者の人物などを総合的に判断をして投票行動を決定するものと思います。したがいまして、公約は政治家にとって、有権者との信頼関係をつなぐものでありまして、私自身、大変重いものと理解をしております。 私は、さきの知事選において、県政の改革や徳島の再生についての公約を掲げまして県民の負託を受けたわけでございますので、それを実現するために誠心誠意努力する責任があると考えております。 そこで、私としては、個々の公約についてどのような県民の意見があるのかについて、できるだけ多くの声に真摯に耳を傾けていきたいと考えております。 また、最大の民意であります県議会ともよく相談をして、県議会での議論を踏まえながら、私自身の公約を現実の施策に近づけるよう努力をしていきたいと考えております。 また、仮にさまざまな検討、議論の結果、公約が実現できなかった場合は、そこに至る経過を県民の皆さんに対して、その都度十分な説明を行い、理解をいただいてまいりたいと考えております。 現在、私は、政治家としての公約の重みや具体的な行政課題への対応について熟慮に熟慮を重ね、県民生活にとって何が大切で、県民は何を望んでいるのかを真剣に考え、日々重い決断を行っているのが現状でございます。 私としては、今後とも公約の実現に向けて、県議会の皆様と議論を深めながら県政を推進してまいりたいと考えておりますので、議員各位初め県民の皆さんの御理解を賜りたいと思います。 なお、マリンピア沖洲二期工事の問題、あるいは空港拡張の問題、さらには第十堰の問題、こういったものにつきまして、今、御質問いただいております西沢議員を含め、多くの皆さんが御支援をされた河内候補と私の政策、公約はほとんど変わっていなかったということをここで申し上げておきたいと思います。 今後、県民との信頼関係を持つべきだ、みずからの思いをきちっと発信して情報公開すべきだと、こういう御指摘でございます。今後、そのように取り組んでまいりたいと思います。   (西沢議員登壇) ◆二十七番(西沢貴朗君) 今聞いておりまして一番残念でありましたのは、河内候補のことを持ち出したということです。他人はどうあれ、まず自分はこうある、こうだということでなければ、どっかの辻何とかとよく似た話でございますけども、やはり知事さん、自分の心をちゃんとしたら他人がどうあれ関係ないんですよ、他人の公約なんか。やはり自分の公約は、自分はどう考えて、そのためにどうやるか。公約をどういう過程でどういうふうにつくってというのはやはり自分ですから、他人は関係ございません。だから、他人と似通っているというのはそれは関係なくて、やはり自分の公約は自分で責任持つ。責任持つからにはちゃんとした公約にする。そのためには、どういうふうにそれを調べたり、考えたり、いろんな人に意見を聞いたり、そして考えをまとめるというところから始まると思いますんで、ちょっとそこらあたりがどうも残念な思いがいたします。 まとめに入ります。 一九九九年、海洋科学技術センターは室戸沖の南海トラフで人工地震を発生させ、大規模な地下構造の調査をいたしました。その結果、プレートが沈み込んでいるところに火山を発見いたしました。私はこのことを新聞で知り、すぐに日和佐町の明丸にある枕状溶岩と結びつけましたが、同時に室戸沖にある大正ばえのことが、この火山の沈み込みによってできたのではないかと考えました。そこで、海洋科学技術センターに位置の確認をしたところ、やはり沈み込んだ火山の真上にこの大正ばえがありました。この大正ばえは、やはりこの火山の沈み込みによってできたものと思われます。 さて、この大正ばえは、大正の初めに牟岐町出羽島の漁師である山村雪太郎とその長男源太郎が、当時不漁続きであったため、もう少し沖、もう少し沖へと出ていって、魚が沸き返っているすごいはえを発見しました。この漁師はその時代、多くの漁民が不漁のため困窮していたことから、そのはえを一人占めせず、公に知らしめました。このことは牟岐町出身で「黒部の太陽」の執筆者、木本正次さんの本、「黒潮の碑文」に詳しく書かれています。 今現在、景気が落ち込み、この徳島も大変なときを迎えていますが、知事におかれましては、自分のことよりももっと公に徹せられ、八十二万県民のために全力で頑張っていただきますよう心からお願いいたします。 御清聴ありがとうございました。(拍手)   ―――――――――――――――――――――――― ○副議長(柴田嘉之君) 議事の都合により、休憩いたします。      午後二時十三分休憩   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━    午後二時四十四分開議      出席議員計四十二名          (その番号・氏名左のとおりである)     一  番     木  南  征  美 君     二  番     川  端  正  義 君     三  番     嘉  見  博  之 君     四  番     森  田  正  博 君     五  番     喜  田  義  明 君     六  番     須  見  照  彦 君     七  番     臼  木  春  夫 君     八  番     黒  川  征  一 君     九  番     重  清  佳  之 君     十  番     古  田  美 知 代 君     十一 番     山  田     豊 君     十二 番     森  本  尚  樹 君     十三 番     岡  本  富  治 君     十四 番     藤  田     豊 君     十五 番     谷     善  雄 君     十六 番     庄  野  昌  彦 君     十七 番     橋  本  弘  房 君     十八 番     冨  浦  良  治 君     十九 番     久 次 米  圭 一 郎 君     二十 番     長  池  武 一 郎 君     二十一番     大  西  章  英 君     二十二番     長  尾  哲  見 君     二十三番     樫  本     孝 君     二十四番     来  代  正  文 君     二十五番     竹  内  資  浩 君     二十六番     福  山     守 君     二十七番     西  沢  貴  朗 君     二十八番     吉  田  忠  志 君     二十九番     北  島  勝  也 君     三十 番     杉  本  直  樹 君     三十一番     佐  藤  圭  甫 君     三十二番     児  島     勝 君     三十三番     川 真 田  哲  哉 君     三十四番     遠  藤  一  美 君     三十五番     柴  田  嘉  之 君     三十六番     四  宮     肇 君     三十七番     元  木     宏 君     三十八番     中  谷  浩  治 君     三十九番     大  西     仁 君     四十 番     阿  川  利  量 君     四十一番     谷  口     修 君     四十三番     榊     武  夫 君   ―――――――――――――――――――――――― ○議長(川真田哲哉君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 四十三番・榊武夫君。   (榊議員登壇) ◆四十三番(榊武夫君) 大田知事の初めての定例会であり、私にとっても大田県政初登壇でありますので、新風21を代表いたしまして、改めて御当選を心からお喜び申し上げたいと思います。 大田知事とは、十五年前、ともに初当選をし、同じ会派で議席も常に隣で県議会活動を続けてきた同志でありました。それが昨年の七月、市民団体などの強い要請を受けて九月の知事選挙に立候補する決意を打ち明けられました。そのとき、私の脳裏にはいろいろなことが駆けめぐりました。 まず、第一に思ったことは、既に出馬表明をしている現職知事に対抗して本当に勝ち目はあるのか。また、この圓藤知事二期目の県政については、会派内ではいろいろ議論もされ、批判する点も多々あったわけでありますが──会派全員がです。そういうことから、前回も前々回も推薦した関係もあることから、会派内でも議論があったのも事実であって、会派全員が一致をして推薦できないかもわからないということをお伝えいたしました。 しかし、そのような状況を十分認識の上であなたがおっしゃられた言葉は、「私は、県議生活を通じて、是々非々の立場を常にとり、ある部分では圓藤県政にも協力もしてまいりました。常に県民の目線に自分を置いて県政にかかわってきたつもりでいたが、最近いろいろな立場の方々と接触する中で、自分が今の環境にならされ、県民の目線からかなり離れてしまっていることに気がついた。そこで、今まで三十年近くにわたっての政治にかかわってきた政治家の集大成として決断したので、ぜひ了解を得たい」との言葉を残して県議会を去っていき、九月の知事選挙に立候補をし、大方の予想を上回る善戦はしましたけれども、潔く散りました。 選挙後、お会いをいたしましての言葉は、「知事戦に出て本当によかったと思っています。多くの県民の声が聞けました。多様な意見があることも知りました。すばらしい勉強になりました。一切後悔はしていません。すがすがしい気持ちで政界から去っていきます」という言葉でした。それが、だれしもが思いもしなかった圓藤前知事の贈収賄事件に伴う辞職でありました。祖谷の山に帰って仙人になろうとしていたあなたを六カ月間で皮肉にも呼び戻すことになり、四月二十八日、十六万人余りの得票で知事に当選されたことは周知のとおりであります。 この知事選挙であなたは、多くの公約や政策を提起をされ、その実現のため、就任後約二カ月、一生懸命取り組んでおられますが、改革がいかに困難なものか、既に計画されたものを見直すということがいかに大変なものかということをつくづく感じられていると思います。しかし、政治家にとっては公約は非常に重いものであり、仮にできないことや変更しなければならないことであっても、その基本的な理念は持ち続けなければならないと思います。 そこで、今回の質問は、公約に関する諸問題について知事の見解、覚悟、思いをお伺いしてまいりたいと思います。 まず第一点は、空港周辺整備事業及び関連施策についてであります。 あなたは公約の中で、徳島空港拡張・周辺整備事業についてどうしますかとの問いに、「一たん凍結し、二年程度かけて再検討する。代替案を含めて見直しが必要と考えている」と言われておりました。他の候補も、県民の意向が定かでない巨大事業については白紙とし、県民の意見を聞きながら見直しを行いたい。また、早期に評価を検討するなど、大体同じような趣旨で県民の多くの意見を包含しての見解であったと思います。 そして、あなたがこの事業に対する県民の多様で多岐にわたる意見に答えるために、一たん立ちどまって県議会や県民の意見を聞いた上で、この事業全体について判断をする必要性から、五月二十二日から工事の一時中止を行いました。しかし、そのことが、御承知のとおり、野党議員からの総ブーイングでありました。その要旨の第一点は、議会に対して説明がなかった。第二点は、多くの県民に迷惑をかけて謝罪すべきであるとの緊急質問、五委員会連合審査会、事前委員会、議会運営委員会などで厳しい追及を受けました。 私は、第一点についてはもう少し配慮があってもよかったかなとも思う点はありますが、知事の専権事項であり、法的には何ら違反したものではなく、また第二点については、事業の凍結、見直しは知事の掲げた公約であり、これに反対する方々の理解を得ることはどだい無理なことであり、平行線をたどらざるを得ない点は当然だったと思うのであります。 また、知事が県議会議員時代に賛成して承認した計画である事業にもかかわらず、中止して見直すのはおかしいとの追及がありましたが、これもさきにも申したとおり、知事自身が県民の目線から外れてきていると自覚したため、昨年七月県議を辞職し、みずからの方針、考え方を変えたことであり、他の人から批判を受けるようなことには当たらないと思うのであります。 徳島新聞の六月六日の社説では、「工事再開の判断は苦渋の選択であった。しかし、県民世論を二分する事業だけに、工事を一たん中断したことによって、問題点を改めて県民に提示したとも言える」と述べられていますが、私も全くそのように思います。反対議員の方々からは、県民すべてが知事のとった施策を批判しているかのような攻撃を受けていますが、私のところへは、知事の決断に対し、関係者から激励と感謝の言葉すらいただいております。 知事、あなたは、去る五月二十二日から二週間の工事の一時中止後、工事関係者に与える影響やこれまでの投資額の大きさ、地元松茂町との約束、廃棄物処理や下水処理の問題などを総合的に勘案し、地形の変更を伴うような大規模な見直しは極めて困難であるという苦渋の決断をされました。このことは多くの県民から、大田知事の現実性、柔軟性について理解と歓迎をされたところでありますが、一方、大枠は見直しされなくても、個々の部分には大田知事の基本的な理念を生かした見直しが当然なされるべきだと思います。来年度、再来年度とじっくり取り組んでいただきたいと思うのであります。 七月下旬から開かれます予定のタウンミーティングにおいて出された県民の意見のうち、現計画に大きく支障を与えない範囲で、科学的、物理的に実現可能な提案があれば事業に反映させるとの点についても、ベンチの数や植栽の量をふやす程度では意味がないというような異論の言葉もあるようでありますが、私はそんなようなことでもまず県民の意見を聞くという立場からは、よいのではないかと思っております。歴代知事は生の県民の声を聞くと言いながら、なかなか実現できなかったことであり、タウンミーティングやほなけんど塾などはぜひ続けていくべきだと思うのであります。 そこで、以下、数点についてお伺いをいたします。 まず第一点目は、事業費の削減についてであります。 最近の埋立造成事業である橘湾公共用地等においては、埋立材として公共事業等から発生したしゅんせつ土砂を使用しております。これは公共用地側にとっては、埋立費用を削減するとともに他の公共事業から見れば処分費用を削減することにつながり、一石二鳥の効果があります。もちろん、しゅんせつ土砂の発生時期や埋め立て後の地盤の強度の問題等の関係から、こうした例がそのまま採用できるものではないと思いますが、考え方は大いに取り入れるべきものと考えております。地形や工期等は変更しないという厳しい前提条件ではありますが、事業費の削減が実現すれば、まさに工事を一たん中断したことによって問題点を改めて県民に提示したことが生かされるのではないでしょうか。知事の御英断に期待をするものであります。 第二点目は、現在捨て石工事がほとんど終わっている外周護岸等の構造についてであります。 関空の建設工事では、特に海藻や藻の生えやすい、また魚のすみやすい石垣をそのまま沈めていくような特別な配慮をしていることを強調した説明がありましたけれども、現に予想どおりの藻場が発生し、多くの魚がすみつき、また産卵の場となっているとも聞いております。 また、国は、次期港湾整備五箇年計画において海岸の埋め立てなどで消失した干潟や藻場を新たに三百ヘクタール前後再生する方針を固めた旨の報道もなされております。 こうした動きを踏まえ、また地先の漁業関係者からも要望が出されていると聞いております魚や海藻にやさしい施設、工法とするよう、さらに検討を重ねるべきであると思います。県土整備部長にお伺いをいたしたいと思います。 次に、第三点目として、海水浴場についてお伺いいたします。 埋め立てに伴い月見ケ丘の自然海水浴場が消え、南側に人工ビーチがつくられるわけですが、自然愛好家や周辺住民、県民にとって大変寂しく、残念に思うところです。それだけに、つくられる人工海浜が自然に近いものであってほしいと思うのであります。 兵庫県などで起こった人工海浜事故などは、到底許されません。万全の対策は当然だと思いますが、ここが違うのだという点があれば、ぜひ強調すべきであろうと思います。 計画書の中で残されたこの地域の海岸にはポケットビーチが維持されること及び将来の海浜地形の予測結果から、海浜地形の変化は少なく、安定した海浜地形が形成されると言われています。大体、昔から海水浴場は自然に砂が堆積し、そこが利用されていたもので、人工海浜などというものは、ここ数十年の間に埋め立てや周辺形状の変化による影響で利用できなくなった代替施設であり、理想的にはいわゆるポケットビーチ的に地形条件が整ったものが自然だと思います。 そこで、御提案ですが、堤防や離岸堤、防波堤等により砂の堆積状況が今までとは全然変わってしまったところが国内にも随所に見られます。導流堤一つで全然砂の堆積場が変わってしまった。鳴門岡崎海岸などはその例であろうと思います。こうしたことを利用して人工海浜に砂がたまるような検討を加えることはできないのか、県土整備部長にお伺いをしたいと思います。 四点目は、廃棄物処分場の問題に関してお伺いをいたしたいと思います。 空港工事一時中止に際し、関係市町村長より、廃棄物処理状況の緊急性に伴い、ぜひこの施設は計画どおり実施願いたいとの要請を受けたときに、知事は、「現状は把握をしている。この埋立地だけが計画どおり実施されても、県下のごみ問題、廃棄物処理問題の抜本的解決とはならない。だから、全体的に廃棄物問題に対応しなければ、今のままでは、また繰り返し繰り返し議論をし、また工事も繰り返し実施していかなければならない」と、循環型社会の形成に早急に、かつ真剣に取り組む必要性を述べられておられました。私も全くそのとおりだと思います。 私は、廃棄物問題について、今まで事あるごとに論議を求め、提案をしてまいりましたが、ここで改めて提案をいたしたいと思います。 大田知事は、県民の満足度に主眼を置いた行政に脱皮を図り、県民とともに考え、ともに行動する県政の推進を基本理念とした、新たな県政の構造改革に取り組むという所信を表明されておりますが、その実践として、ぜひ積極的な御見解がいただけることを期待して、質問に移ります。 廃棄物処理問題は、第一に、まずごみを出さないことであります。しかし、近代社会は大量生産、大量消費、大量廃棄の生活、社会となり、ごみがふえ続けております。このごみをいかに少なく、またなくすることができるか。最近では多くの市民や団体がごみ減少の運動として再利用、再資源化等、リサイクル機運が高まっており、歓迎すべき現象でもあります。 しかし、それだけでも解決するものではありません。現在のごみ処理は、一般廃棄物、産業廃棄物ともに、大体、リサイクル再資源化か焼却、埋め立ての方法で処理をされています。しかしながら、その処理場が嫌悪施設として地域住民の理解がなかなか得られないため、随所でいろいろな問題が起こっているのが現状であり、事実でもあります。現在、自分のところで処理できず、県外の民間業者に委託をしている市町村が既に二十数カ所になっています。産業廃棄物においても同様な状況であります。 県は現在、全県を六広域に分け、ごみ処理計画を改定して指導をしています。一部進みつつある地域もありますが、私はこれは机上の空論にも等しい計画だと思います。 そこで、私の持論、県下一カ所処理構想を提案をいたしたいと思います。しかし、この構想の一番のネックは、処理施設を受け入れる地域の設定及びその地域の御理解が得られるかであります。そのためには、その地域に大きなメリットを与える計画でなければならないし、施設も今までのようなものではなく、すべてオープンに情報公開を行い、最新式で公害は絶対に出さない、地域産業として成り立つ立派なものでなければならないと思います。最近では、煙も出さない、焼却灰などの埋立物も皆無に等しい、高温処理の溶融方式等が実現をしております。産業廃棄物もほとんど同時に処理ができる状況であります。 今までの県の指導姿勢は、一般廃棄物は市町村が、産業廃棄物は排出業者が責任を持って対応すべきであるとの法の基本的見解のみが繰り返されるだけで、極めて消極的な対応でありました。しかし、知事も御承知のように、毎日のように新聞やテレビで報道されるように、各市町村のごみ問題は深刻で、行政が費やしている経費や労力、また市町村長の悩みははかり知れないものがあります。 そこで、知事が率先して呼びかければ、必ずはせ参じてくると思います。その成功のキーワードは、知事の決断であろうと思います。知事がごみ危機対策のトップ会議を市町村長及び産業界に呼びかけるのです。そして全庁機能を挙げて汗をかく決意が必要であろうと思います。ごみ処理施設だけは広域化、大規模施設がより合理的で、より精巧性が追求でき、設備建設費も処理経費もコスト削減となる大きなメリットがあります。しかし、まだまだクリアしなければならない諸問題はたくさんあります。しかし、決断さえされればクリアできると思います。知事の一大決断を強く強く要請をするものであります。 続いて、エコタウン構想についてお伺いをいたします。 昨年五月、圓藤前知事は、全国十カ所ほど港湾を利用する国のエコタウン指定構想を念頭に、小松島港赤石に完成した四万トン級岸壁を活用したリサイクル産業団地、すなわちエコタウン誘致を発表されたことについては、私はこれが単に産業廃棄物処理だけの観点でなく、雇用の創出と地域振興を目的とするとの趣旨に賛同し、質問もいたしましたが、その回答は、八月を目途に、県内外の産学官から成る有識者で構成する徳島県ゼロエミッション推進検討会をつくりたいと言われました。その後、環境関連企業、有識者、行政機関が参加したゼロエミッション推進検討委員会及びエコタウン東京懇話会が設置をされ、この会の議論や提言を踏まえて、エコタウン事業の実現に向けて積極的に取り組むと言われていましたが、その後どのように進んでいるのか、県民環境部長にお伺いをしたいと思います。 また、本県の周囲を取り巻く他県のエコタウン事業について、特に周辺の香川県の直島とか神戸港の事業進捗状況についてもあわせてお答えをいただきたいと思います。 続いて、手入れ砂問題についてであります。 この問題も、さきのごみ問題と同様、私のライフワークとも言うべき問題で、幾度となくこの場や委員会で強く要請をしてきたことは知事も十分御承知していただいておることと思います。もはや十分御理解いただいている問題で、詳しくは申しませんけれども、全国的なブランド、カンショ「鳴門金時」に欠くことのできない海砂の手入れ砂について、ようやく千ヘクタールに及ぶ農家の願いがかなえられようということに農家は大きな期待を持ち、私も非常にうれしく思っているところであります。 ただ一点、知事の総合的な判断が八月中旬までに行われることによって、手入れ砂の採取に影響があるのではないかという農民の心配の声もあります。 どうか知事、地元農家の長い願いであります手入れ砂の確保に影響が及ぶことのないような適切な対応方を強く要望しておきたいと思います。 以上、御答弁をいただきまして、次の質問に移りたいと思います。   〔中谷議員退席、出席議員計四十一名となる〕   (大田知事登壇) ◎知事(大田正君) 榊議員の御質問にお答えをさせていただきます。 徳島空港拡張及び周辺整備事業の見直しに当たり、事業費の縮減を図ることについての御質問でございます。 公共事業の建設コストの縮減につきましては、厳しい財政状況の中で大変重要な課題と考えております。公共事業等の建設発生土を有効利用することは事業費の縮減に有効な手段と考えております。 空港周辺整備事業の埋立土量は約三百三十万立米を予定しており、今後、周辺の海域工事で発生するしゅんせつ土や内陸部での建設発生土の有効利用について、鋭意検討を重ねてまいりたいと考えております。 このほかにも、工事の進捗により不要となる既設ブロックの新設護岸への転用や使用後の汚濁防止膜の砂防シートへの再利用など資源の有効利用について、環境負荷の低減の観点も含め、さまざまな角度から積極的に取り組むことにしております。 さらに、タウンミーティングにおきまして県民の方々からコスト縮減につながる有効な御提案があれば、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 次は、ごみ処理について、県下一カ所処理構想の御提案でございます。 県はこれまで、国のごみ処理広域化計画につきましての通知を受け、平成十年に平成十九年度までを計画期間とする焼却施設、リサイクル施設及び最終処分場の廃棄物処理施設を県下六ブロックに集約した徳島県ごみ処理広域化計画を市町村との協議の上策定し、その推進を図っているところでございます。 議員の御提案につきましては、立地場所の選定や地元住民の御理解など多くの問題があり、直ちに着手することは困難でありますが、廃棄物がゼロとなる循環型社会の実現を視野に入れ、中長期的には県内一カ所に溶融施設やリサイクル施設を整備することも重要な課題であると認識いたしております。 このため、県も積極的に関与する形で現行の広域化計画に基づく施設整備や協議会での当該地域におけるごみ処理のあり方の検討を積極的に推進し、県民一人一人に広域的な廃棄物処理への理解を深めていただくことがまずもって必要であると考えております。 以上です。   〔久次米議員退席、出席議員計四十名となる〕   (上総県土整備部長登壇) ◎県土整備部長(上総周平君) 空港周辺整備事業におけます外周護岸等の構造についての御質問でございます。 今回の事業の実施に当たりましては、自然環境との共生という観点から、埋め立てによる影響をできるだけ抑えるため、海辺の生物のすみかとなるような新たな環境創造に積極的に取り組むこととしております。 具体的なものとしましては、海藻が生えやすいように護岸の傾斜を緩やかにしたり、ブロック表面に加工を施すなどの工夫をすることとしております。また、これらの効果については、今後四季ごとに環境監視を行い、海藻や魚など生物の生息状況の変化把握に努めることにしております。 次に、人工海浜の造成方法についての御質問であります。この計画に当たりましては、基本計画段階から、専門家で組織する海浜創造技術検討委員会等において、技術的な課題についてさまざまな角度から検討を重ねてまいりました。 自然に砂がたまる人工海浜の造成方法についてでございますが、当海域は自然の地形条件から砂の供給が少ないため、議員御提案のように自然に砂が堆積する構造とはできないことから、ここでの人工海浜の造成に当たりましては、まず他の場所から砂の補給が必要となります。造成したこの砂浜を長期的に安定させるためには、議員御提案の趣旨のように、波浪や潮流等に逆らわず、自然の力によってバランスをとることが肝要でございます。このため、突堤等を配置し、いわゆるポケットビーチ的な計画とすることで安定した美しい人工海浜にしてまいりたいと考えているところでございます。   (飯泉県民環境部長登壇) ◎県民環境部長(飯泉嘉門君) エコタウン事業の実現に向けたその後の取り組み状況及び本県の周囲を取り巻く他県のエコタウン事業の事業進捗状況について御質問をいただいております。 昨年度、環境関連企業、有識者、行政機関の参加のもと、ゼロエミッション推進検討委員会並びにエコタウン東京懇話会を設立し、それぞれの立場から徳島県におけるゼロエミッション推進方策やエコタウン事業への御提言をいただいたところであります。 本年度は、この検討委員会及び懇話会における議論や提言等を踏まえまして、エコタウン事業の実施可能性調査を国に申請いたしているところであります。 次に、他県のエコタウン事業の進捗状況についてでありますが、現在までに高知県高知市、香川県直島町等十六地域のエコタウンプランが既に国の承認を受けている状況でございます。 そのうち、香川県直島町については、ハード事業として、溶融飛灰再資源化施設が本年三月二十八日に承認されたところであります。また、神戸港は、現在エコタウンプランの承認は受けておりませんが、他の計画により各種環境産業が想定されており、そのうち自動車リサイクルシステムが来年度に稼働される予定と聞いております。 本県といたしましても、エコタウン事業に積極的に取り組み、各種リサイクル産業を初め環境関連産業の振興を図ってまいりたいと考えております。   〔久次米・中谷両議員出席、出席議員計四十二名となる〕   (榊議員登壇) ◆四十三番(榊武夫君) それぞれ御答弁をいただきました。 まず、空港周辺整備事業についてであります。 知事が二週間一時中止をしたために多くの批判や追及がありましたが、これは知事の公約であり、そのことを支持して投票された県民にとっては至極当然のことだと受け取っております。 さきの東京都青島知事が、第二副都心の開発に絡む世界都市博を中止をし、多くの補償金を支払い、世界各国におわび行脚を行い、議会の反対にもかかわらず公約を守り切り、いろいろ世論を巻き起こしたことは記憶に新しいところでありますが、公約というものは物によってはそれほど重いものもあるのだということを多くの県民は理解をしております。 三重県の北川知事はこのように言っております。「前例がこうだから、前例がないからと過去の共通の考え方に縛られていては、何も変えることはできない。今までつくり上げてきた制度やシステムをすっかり入れかえる勇気がないと、改革はできない」。まさにそのとおりであります。 知事の一層の頑張りを願っておきたいと思います。 また、廃棄物処理システムの問題について御回答をいただきましたが、さきにも申し上げましたように、この問題は知事の決断が非常に大きなウエートを占めております。PFI方式で民間企業がメーンとなって県や市町村が株主となってやる方法もあろうかと思います。また、県が主体となって市町村と契約を結び、第三セクターで実施する方法など幾つもの方法もあります。積極的に検討に入れば、必ず市町村や業界からも感謝をされ、協力をされると思います。ぜひとも知事が先頭に立ってごみサミットが開かれる日の一日も早いことを望んでおきたいと思います。 そして、部長からもお答えがありましたけれども、中長期的な計画の具体的な計画に入れるような知事の指示が出る日を一日も早く要望しておきたいと思います。 続いて、県土整備部長からも御答弁をいただきました。部長は我々と違って技術の専門家ですので、我々が提案するような幼稚なものではなく、きっといい見直し案や工法を出されるものと期待をしております。 手入れ砂については、今までずっと思っていましたが、何か余分なことをしているような、おずおずとしているような感じに思われてなりません。農林水産部長においては、県下農業の一大産地事業であるとの自信と誇りを持って臨んでいただきたいということを要望しておきますし、またこの事業によってこの手入れ砂の問題は完了というものではなく、一過的なものであって、今後事あるごとに取り組んでもらわなければならないことを十分認識していただきたいと思います。 続いて、質問を続けていきたいと思います。 これも知事の選挙公約の一つでありますが、知事は、「汚職構造を断ち切って、県民の誇りと県政に対する信頼を取り戻す必要がある。そのために、前知事の公共事業に絡む汚職事件の調査分析班を設置するとともに公判の推移を見ながら、必要に応じ、第三者も加えた特別調査チームを設置して、汚職構造を解明する」と所信で述べられております。この第三者機関とは、どういう人を想定しているのか。また、時期はいつごろを考えられているのか。答えられる範囲で結構ですので、知事の御所見を聞かせていただきたいと思います。 続いて、公共事業の発注方法についてであります。 これも公約の中で、ゼネコンよりも地元企業を優先すると明言されており、県民の関心も非常に強いものがあります。知事就任後、どのような取り組みをされているのか、あわせてお聞かせをいただきたいと思います。 続いて、県警本部長にお伺いいたします。 四月四日、徳島新聞で報道され、県議会はもちろん全県民に大きな衝撃が走りました、前知事からの県議に現金、昨年の知事選直前、選挙費用百万円から二十数万円、与党十一人授受認める。県内首長にも現金、総額五百万円以上、八人が授受認める等の報道がなされるとともにその後も逐次関連記事が掲載をされてきました。こうした報道に対して、県警はどのように対応をし、どのような反応をしているのか、現在捜査の対象になっているのか、それとも新聞報道には真実性がないと判断しているのか、県民からはいろいろと疑問が出されております。 県議会、各首長の名誉のためにも、ぜひ明らかにしていただきたいと思います。県警本部長の御所見をお伺いしたいと思います。 次に、雇用対策についてでありますが、まずワークシェアリングについてお伺いいたします。 先日発表された五月分の各種資料によれば、完全失業率は全国で五・四%、四国では五・三%となり、完全失業者数は全国で三百七十五万人、四国では十一万人となっております。有効求人倍率は全国が〇・五三倍、徳島県は全国平均よりも非常に厳しく、〇・四七倍となっております。これを見れば、県内の雇用・失業情勢が依然として大変な状況にあることは明らかであります。私も聞いたところでは、求職活動の方ばかりではないかもしれませんけれども、県内のハローワークの中には周辺道路に渋滞が起こるところもあるそうであります。 また、県内の中学・高校・大学卒業者の就職状況につきましても非常に厳しい結果となっており、以前のように必ず就職できるとは限らない状況で、先日も徳島工業高校の同窓会がありましたが、平成五年ぐらいまでは求人倍率が県外では三十倍、県内でも五倍以上はあったのが、十四年は三月現在では県外は十倍、県内で一・三倍と非常に厳しくなって、自分の希望する職種につけない状況があると知らされました。一方、県内企業におきましても、厳しい経済状況の中でどうやって雇用を維持するか、大変苦心をされているところがたくさんございます。 このような中で、県においては、平成十三年度から前回事業を見直して、継続している緊急地域雇用創出特別基金事業の実施並びに本年度から新規事業のワークシェアリング導入支援策として、緊急地域雇用創出特別基金の活用、雇用調整助成金の活用など、既に具体的な施策が実施をされております。徳島県としましても、こうした国の取り組みと連携しながら何らかの施策を検討する必要があるのではないかと考えるわけであります。もちろん、雇用対策については、例えば雇用のセーフティーネットなどは基本的には国が行うべきでありますが、国が本腰を入れた施策をさらに積極的に展開しなければ根本的な解決にはならないと考えております。しかし、現在のように県内の雇用・失業情勢を見れば、徳島県として主体性を持って取り組む施策を早急に検討する必要があると考えるものであります。 そこで、私は県全体の雇用対策を考える中で、県も昨年から準備を進めておりますワークシェアリングについて積極的に取り組むべきではないかと考えております。 ワークシェアリングについては、本年三月に政労使三者によるワークシェアリングに関する政労使合意が出され、この合意の中におきまして、我が国では少子・高齢化、経済・産業構造の変化などが急速に進展する中で、これまでの動きやライフスタイルの見直しを行うことが必要とされていると述べ、多様な働き方の選択肢を拡大する多様就職型ワークシェアリングの環境整備に早急に取り組み、また当面の厳しい雇用情勢にも対応するため、緊急対策型ワークシェアリングについて緊急的な取り組みも行うことが選択肢の一つと示しております。 しかし、労働者のこの厳しい雇用状況の中で仕事を分け合うことを了承したが、あくまでも一人当たりの労働時間を減らし、その分で雇用を維持したり、ふやしたりするもので、まさに労働者が身を削り、それでも職場を守ろうとする必死の思いを考慮に入れた上で、目の前の課題である緊急的な施策は当然必要でありますが、一方、こうした厳しい雇用情勢であるからこそ、今後の低成長時代における働き方としてワークシェアリングは避けて通れない施策だと思うのであります。 そこで、知事にお伺いします。 県全体の雇用対策を検討する中で、ワークシェアリングをどのようにお考えなのか、御所見をお伺いしたいと思います。 続いて、ファミリー・サポート・センターについてお伺いいたします。 少子・高齢化が急速に進行する中で、女性労働者だけではなく、男女労働者が仕事と育児、介護を容易に両立させ、生涯を通じて充実した職業生活を送ることができるようにすることは大きな課題であり、特に近年の少子化の進展の背景として、仕事と子供の両立の負担感が増大していることが強く指摘をされております。働きながら子供を産み育てやすい雇用環境を整備し、仕事と子供の両立の負担を軽減することが重要であると考えております。 さらに、昨年六月には、国の男女共同参画会議の仕事と子育ての両立支援方針に関する意見の中においても、地域こぞって子育てという基本方針の中でファミリー・サポート・センターを整備することが提言され、具体的目標、施策の中で必要な整備を進めることが示されております。 私の知り合いの若夫婦はそれぞれ仕事を持ち、日々頑張っておりますが、先日保育所から、子供が熱が出たので迎えに来てほしいという連絡があったそうでありますが、たまたまこの日は夫婦ともに仕事が忙しかったようですが、母親の方が非常に苦労をして休みをいただき、対応したようであります。そういう方こそファミリー・サポート・センターを有効に活用していただきたいと思うのであります。 私は、今、脚光を浴びております、全国的に増加をしているファミリー・サポート・センターは、仕事と育児の両立を目指す労働者にとって非常に心強く有効な制度と考えております。県内では、平成十一年度に四国で初めて徳島市で活動が開始をされておりますが、開始以降、急な用事等のとき安心して子供を預けられると非常に好評を得ており、既に会員も四百人を超えたとのことであります。また、この七月一日から、板野郡の藍住、北島、松茂の三町共同により活動が開始されたと聞いております。 そこで、私はこのような好評なファミリー・サポート・センターの設置について、さらに積極的に進める必要があると思います。商工労働部長の御所見をお伺いしたいと思います。 御答弁をいただきまして、次の質問に移ります。   (大田知事登壇) ◎知事(大田正君) 公共事業の発注方法における地元企業を優先する取り組みについての御質問にお答えいたします。 建設業は県内における主要な産業の一つであります。地元建設業者の育成や受注機会の確保は大変重要であると認識しております。私としては、選挙期間中も、地域振興の観点から、ゼネコンよりも地元企業優先で身近な公共事業をふやすことにより元気な徳島をつくっていきますということを申し上げてきたところでございます。そういったことから、知事就任後は、ゼネコン等県外業者に発注する工事や県外コンサルタントに発注する設計委託等につきましても、当面発注部局から協議を受けながら進めているところでございます。 具体的には、徳島県立城東高等学校校舎改築工事の教室棟及び消防学校・防災センター新築工事の本館工事につきましては、従来、工事規模等からゼネコン等県外業者を活用するところでありましたが、種々検討させた結果、地元企業による施工としたところでございます。 県が発注する工事につきましては、これまでにも分離・分割発注や大型工事における共同企業体の構成員として地元建設業者を参加させるなど、その育成に努めてきたところでございます。 しかしながら、特殊な技術を要するトンネル、橋梁、あるいは意匠的に高度な技術を要する大規模な建設工事等につきましては、従来どおりゼネコン等県外業者を活用せざるを得ないところでありますが、今後とも、可能な限り地元建設業者の受注機会を確保するとともに、平成十四年二月県議会における「地場産業振興のための県内建設業者優先発注を求める決議」の趣旨を踏まえながら、地元建設業者の育成に努めてまいりたいと考えております。 また、このように県内業者への発注はもとよりでございますが、これらの仕事に係る物資の調達につきましても、できるだけ県内での物資調達をそれぞれお願いしてまいりたいと考えております。 次に、県全体の雇用対策を検討する中で、ワークシェアリングをどのように考えているかとの御質問でございます。 議員御指摘のとおり、有効求人倍率が〇・四七倍と昭和六十年以来、十六年ぶりの低水準になるなど、県内の雇用情勢が非常に厳しい状況にあることは十分認識をしております。 一段と厳しさを増している雇用情勢への対応につきましては、今後とも国の機関である徳島労働局などと十分連携を図りながら、就労対策や職業能力開発に積極的に取り組んでまいりますとともに、特に本年度は、国から交付された約四十一億円の緊急地域雇用創出特別基金を活用し、予算額約十六億円により、県、市町村合わせて一千二百名の新規雇用を予定しております。 議員御指摘のワークシェアリングにつきましては、厳しい雇用情勢と少子・高齢化などを背景に、去る三月に政労使の合意がなされ、既に六月から事業主に対する支援策等、具体的な取り組みがなされているところでございます。 本県におきましては、このような国の状況や他の都道府県の動向等を踏まえながら、県内の各企業、労働組合などに対してワークシェアリングの意識調査を実施しております。現在、調査結果の分析を進めているところでございます。この分析結果を踏まえて、近く労、使、行政、学識経験者で構成するワークシェアリング検討委員会を設置したいと考えております。 今後、この検討委員会の中で本県におけるワークシェアリングの推進について十分御議論いただき、本県の実情に即した有効なワークシェアリングが実施され、雇用の維持、創出が図られますように鋭意努めてまいる所存でございます。   (石原企画総務部長登壇) ◎企画総務部長(石原一彦君) 特別調査チームに加える第三者とはどのような人を想定し、また、設置の時期はいつごろかという御質問でございます。 前知事の公共事業に絡む汚職事件は、徳島県政始まって以来の事件でございまして、早急に具体的再発防止策を講じ、それを県民に明らかにすることにより県民の県政に対する信頼を回復することが大きな課題となっております。 具体的再発防止策を検討するためには、事件発生のメカニズムを調査、分析することが肝要でございまして、そのメカニズム等につきましては、前知事の公判過程で明らかになってくるものと考えております。 このようなことから、本格的調査に先立ち、内部組織として、汚職事件調査分析班を設置いたしまして、当面、公判の傍聴、分析、関係資料の収集等を行うとともに、公判の推移を見ながら必要に応じて第三者も加えた特別調査チームの設置を検討してまいりたいと考えております。 仮に特別調査チームを設置する場合には、調査の客観性を担保する意味からも第三者を加えることが適当ではないかと考えておりますが、具体的な人選や設置の時期につきましては、今後の公判の推移に応じて、調査対象や調査方法等が具体化した段階で検討してまいりたいと考えております。   (伴警察本部長登壇) ◎警察本部長(伴敏之君) 昨年の知事選挙において、前知事側から県議及び首長に現金が渡された旨の報道に対する警察の対応についての御質問ですが、御指摘のような報道がなされたことは承知しておりますものの、警察が当該報道に基づいて捜査をしたか否か、あるいはしているか否かについては、捜査の具体的内容にかかわる事柄でありますので、答弁を差し控えさせていただきます。 なお、一般論として申し上げれば、警察はいかなる場合でも、刑事事件として取り上げるべきものがあれば、法と証拠に基づき厳正に対処しているところであり、今後とも同様に対処してまいる所存であります。   (神野商工労働部長登壇) ◎商工労働部長(神野俊君) ファミリー・サポート・センターの設置を積極的に進める必要があるのではないかとの御質問でございますが、ファミリー・サポート・センターは近年の核家族や都市化等の進展により、育児に対します家族や近隣の協力が得られにくくなったため、仕事と育児を両立できる環境を整備し、勤労者の福祉増進を図ることを目的といたしまして、平成六年度から開始されました国の補助事業でございます。事業主体は市町村となっており、県は設置を促進するために必要な指導、啓発を行っているところでございます。 議員御指摘のとおり、徳島市のファミリー・サポート・センターにおきましては、平成十一年度の利用開始以来、保育所、幼稚園の送迎、また終了後の預かり保育、さらには疾病時の預かりなど、非常に好評を得ております。 また、平成十二年度からは育児にあわせて高齢者の介護も認められ、さらには平成十三年度からは専業主婦も含め育児を行うすべての人が対象となるなど、一層充実強化がされているところでございます。 県内では、御指摘のとおり、徳島市に続き、藍住町、北島町、松茂町の三町で板野東部ファミリー・サポート・センターが去る七月一日に設置をされましたが、今後は未設置の市町村に対しまして、設立を促進するために必要な指導や啓発をより一層積極的に行ってまいりたいと考えております。   (榊議員登壇) ◆四十三番(榊武夫君) それぞれ御答弁をいただいたわけでございますけれども、県警本部長からの御答弁でございますが、警察独特の言い回しというのか、言葉というのか、私は余りよく、どのようにするのかという理解がしにくかったわけであります。多くの県民もそうでないかと思います。 けさも出かけに県民の方からお電話で、この問題については、その後何も報道されていないので、もやもやしているが、どのようになっているのか、ぜひ納得のいくように聞いていただきたいと、こんなことも言われました。それでもう一度、改めて次の点をお伺いしたいと思います。 まず、第一点ですが、それぞれの選挙に際しましては、選挙違反取締本部が設置をされて対応されておりますが、この本部の解散は、その選挙違反取り締まり活動を終了したということを意味するのですか。また、本部長が言われました、いかなる場合でも刑事事件として取り上げるべきものがあれば、法と証拠に基づき厳正に対処しているということですが、選挙違反もこの刑事事件には含まれているのか、改めて御答弁をお願いしたいと思います。   (伴警察本部長登壇) ◎警察本部長(伴敏之君) 選挙違反取締本部が解散されれば取り締まり活動は終了するのかとの御質問ですが、選挙違反取締本部は、違反取り締まりを通じて選挙の公正確保に寄与するため、選挙期日の前後の一定期間は特に選挙違反取り締まりに重点を置いた活動を行うとの趣旨で設置するものであります。 したがいまして、選挙違反取締本部の解散により、特に選挙違反取り締まりに重点を置いた活動は終了することとなりますが、選挙違反取り締まり活動が選挙違反取締本部の設置期間中に限定されるわけではありません。 それから、刑事事件の中に選挙違反事件も含まれるのかとの御質問ですが、刑事事件には選挙違反事件も当然に含まれるのであり、先ほども申し上げましたように、警察はいかなる場合でも、選挙違反事件を初め、刑事事件として取り上げるべきものがあれば、法と証拠に基づき厳正に対処しているところであり、今後とも同様に対処してまいる所存であります。   (榊議員登壇) ◆四十三番(榊武夫君) 予定をしております質問のそれぞれの御答弁をいただきました。 まず、公共事業に絡む汚職構造事件を教訓として、今後このようなものを一切発生させないと、こういう形の中でその内容を十分に審査していく必要について、企画総務部長から御説明をいただきました。 そのことによって、二度とあのような汚職事件が起こらないようにするのは当然であります。県民も望んでいるところでありますので、県政の信頼を取り戻すためにも、積極的な今後の取り組みを要望しておきたいと思います。 もう一つは、公約でありました知事の公共事業の地元企業優先への取り組みについてでありますが、非常に御努力をしているようでありますので、厳しい業界の中に一筋の光明が差したものとの思いがいたします。建設業界も大きな期待を寄せています。一層の御努力を要望しておきます。 続いて、警察本部長からただいま再問をいただきました。ぜひ今後とも公正な対処をお願い申し上げておきたいと思います。 続いて、ワークシェアリングについての御見解も伺いました。 高度成長期には到底思いもしなかった政策であり、労働組合がこれを容認するということは、いかに現在の経済界、労働界が厳しいものか、本当に想像ができるものであります。 本年三月二十九日に、政労使ワークシェアリング検討会議で、多労就労型と当面の緊急対応型を想定し、先ほど御答弁をいただきましたような、一番に労働時間短縮に伴うもの、それから労使の協議合意によるもの、それから推進のための環境整備、公正な処遇、賃金・人事制度の検討、見直し、五番目には、経営者は雇用維持、労働者は時間短縮に伴う収入については柔軟に対応の取り組み等に関する五原則が基本的に合意がなされたのですが、機械、金属、電気、自動車など大手企業では既に取り組まれておるようであります。自治体でも取り組みが始まっており、内容的には議論になっているところもありますけれども、全国的に公労使三者による検討委員会が各地で開かれ、本県でも早急に設置されるとのことでありますけれども、緊急性が求められているものであるだけに、積極的な対応を要請しておきたいと思います。 次に、ファミリー・サポート・センターについてでありますが、早急に進む少子・高齢化対策にはあらゆる施策が必要であると思います。その中でのファミリー・サポート・センターは、お互いの共働、共助につながる事業で、早急に全県下に広げる必要が大いにあると思うわけであります。県の積極的な一層の指導、施策を要請しておきます。 以上で質問、要望のすべてを終わりましたが、冒頭にも申し上げましたように、私がこの場で質問を行い、そこの場に大田さんが知事として答弁をいただく、この図式は余りにもなじみ切れないものが今回はありました。しかし、現実なのですから、あなたの肩には八十二万余の県民の期待がかかっておるんであります。それだけ権限も大きいけれども、責任も重大なんであります。 大田知事におかれましては、健康に十分留意をされ、庶民知事、普通のおっさん知事であり続けていただくことを要望して、私の質問のすべてを終わりたいと思います。 どうも御清聴ありがとうございました。(拍手)   ―――――――――――――――――――――――― ○議長(川真田哲哉君) 議事の都合により、休憩いたします。      午後三時四十八分休憩   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━    午後四時十四分開議      出席議員計三十九名          (その番号・氏名左のとおりである)     一  番     木  南  征  美 君     二  番     川  端  正  義 君     三  番     嘉  見  博  之 君     四  番     森  田  正  博 君     五  番     喜  田  義  明 君     六  番     須  見  照  彦 君     七  番     臼  木  春  夫 君     八  番     黒  川  征  一 君     九  番     重  清  佳  之 君     十  番     古  田  美 知 代 君     十一 番     山  田     豊 君     十二 番     森  本  尚  樹 君     十三 番     岡  本  富  治 君     十四 番     藤  田     豊 君     十五 番     谷     善  雄 君     十六 番     庄  野  昌  彦 君     十七 番     橋  本  弘  房 君     十八 番     冨  浦  良  治 君     十九 番     久 次 米  圭 一 郎 君     二十 番     長  池  武 一 郎 君     二十一番     大  西  章  英 君     二十二番     長  尾  哲  見 君     二十三番     樫  本     孝 君     二十四番     来  代  正  文 君     二十五番     竹  内  資  浩 君     二十六番     福  山     守 君     二十七番     西  沢  貴  朗 君     二十八番     吉  田  忠  志 君     二十九番     北  島  勝  也 君     三十二番     児  島     勝 君     三十四番     遠  藤  一  美 君     三十五番     柴  田  嘉  之 君     三十六番     四  宮     肇 君     三十七番     元  木     宏 君     三十八番     中  谷  浩  治 君     三十九番     大  西     仁 君     四十 番     阿  川  利  量 君     四十一番     谷  口     修 君     四十三番     榊     武  夫 君   ―――――――――――――――――――――――― ○副議長(柴田嘉之君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。   ―――――――――――――――――――――――― ○副議長(柴田嘉之君) 本日の会議時間を延長いたします。   ―――――――――――――――――――――――― ○副議長(柴田嘉之君) 十二番・森本尚樹君。   〔杉本・佐藤両議員出席、出席議員計四十一名となる〕   (森本議員登壇) ◆十二番(森本尚樹君) 自民党・県民会議の森本尚樹でございます。 県政一般について大田知事に質問をさせていただきます。 けさから三人の方の代表質問お聞きをいたしました。これまでずっと、知事御就任二カ月で私が感じていたことが一つございます。大田知事には、この八十三万徳島県の知事としての、リーダーとしての大きな覚悟がないまま徳島県知事になってしまったなあというのが、私のこの二カ月の印象でございまして、大変僣越なんですけど、心からそう今思っております。 ヨーロッパなんかを例にとると、ドイツとか、フランスとか、イギリスとか、大体大統領とか首相になる方というのは、二十ぐらいのときに各政党に目をつけられまして、被選挙権が出たと同時に、地縁、血縁のない地域にわざとにほうり込まれるらしいです。そこで選挙ではい上がってこいと。とうとう上がることがないまま挫折する方もいらっしゃるでしょうけども、何人かがまたそこからはい上がってくる。そして二十年、三十年、将来君は大統領になるんだぞというのを徹底的にたたき込んで、本当に一つの国家を支える人材として、自分の中に猛烈な自意識と国家意識と愛国心とが芽生えて初めてリーダーになるということができるというのは、私の友人の、通産省に齋藤健というのがおるんですけど、彼が、リーダーの在り方というのを中央公論に最近書いておって、なるほどなと思いました。アメリカなんかを例にとっても、一年間の長い選挙期間、お互いの候補者が本当に血の出るような政策論争をすべての国民の前で、テレビを通じてやります。また、プライバシーも本当に丸裸にされて、その中で勝ち残った者だけがアメリカの大統領になれるんだと。だから、日本の指導者とは違って、やっぱり欧米のリーダーというのは物すごい自意識があり、国を思う気持ちがあるというのをその本に書かれておったんですが、県知事なんかというリーダーも一緒だと思います。 大田知事の場合、昨年ああした形で圓藤知事に挑み、敗れました。今回は本当に圓藤知事のオウンゴールという形での勝利でなかったかなあと思います。非常に知事になるという自分の中の自意識というのが育たないままこの席に座られたんではないかなあと思っております。しかしながら、いろんなこうして論戦を通じて御自身を鍛えていただいて、やっていただきたいなあと強く望んでおります。 私も、二十代のとき初めて北島の町議会議員をされている知事とお会いしました。GパンとTシャツで非常にさわやかで、元気で、なかなか鋭いことをばしっと言う方だなあという印象が残っております。議会の方でも私がおくれること数年、また四十代になってから再会をいたしましたけども、やっぱり若いときの情熱が残っている方だなあというような印象は受けておりました。しかしながら、三たびお会いして、ちょっとがっかりしている私でございます。 質問に入る前にいろいろお話をさせていただいたんですけども、朝方も我が会派の竹内副会長の質問に対して、非常に知事の青春時代の経歴なんかを、その部分については真摯に語っていただいたなあと思っております。知事という職務にイデオロギーは本当に持ち込んでいただきたくないというのは私の思いですけども、やっぱりあのブルーのヘルメットをかぶって走っていた時代の情熱だけはこれから六十歳を超えても持ち続けて、県政運営に当たっていただきたいなあと思っております。 質問に入ります。 県政誕生から丸二カ月がたちましたが、本当に徳島県にとって迷走の二カ月だったような気がいたします。混乱の幕あけとなった空港問題では、今さらながら、知事にとっての公約とは一体何だったのかなあと、野党の立場である我々はもちろん、知事を熱く支援した多くの人たちにも多大な不信感を抱かせているのではないでしょうか。 空港問題を初めとする一連の知事の発言を聞くにつけ、私は、いまだ大田知事が公務と政務の分別がはっきりできていらっしゃらないような気がしてなりません。同じ重要なテーマでありながら、旧勝手連の皆さんとの会合、対報道機関、県庁内の幹部職員との会合、そして私たち議会議員との質疑での発言が、順序はもちろん、全く一貫性に欠け、混乱の原因になってきたことがその証左ではないでしょうか。 これまでのパターンでは、まず大田知事は支持者の会合で重要な政策を打ち上げ、それを大きくマスコミに報道される。それを見た、何も聞かされていなかった担当幹部職員が驚く。そして私たち議会で厳しく追及をされ、大きく方向転換をしながらも、民意に問いたいと決断を先延ばしにする。この繰り返しであったような気がいたします。 まず、大田知事の公務、政務への認識、政策決定の順序はいかにあるべきかをお聞かせ願います。 空港問題については、多くの時間をかけ、私たちと議論をしてきたところであります。その結果、知事は結果的に公約違反を犯しました。知事はなぜ、あなたの公約の大きな目玉であった空港問題について凍結宣言を撤回し、滑走路拡張と周辺整備事業を継続するよう方向転換をされたのか。もう今まで何人もの議員の方が聞いておりますが、いまだ多くの県民が知事の本当の転換をした真意をはかりかね、疑問を残したままとなっております。 私が思うに、知事のその大きな理由は、県幹部のレクチャー、あるいは議会との厳しいやりとりを通じ、事業の必要性、重要性が十二分に認識できたためなのか、あるいは本当に中止したかったのだが、二百三十億円という県費の損失に驚き、中止は無理と判断されたのか、あるいは議会議員の声や県民世論の厳しい批判の声に耐え切れなかったのか、はっきりと──この三つの中から、多分あると思うんです。はっきりと表明をしていただきたいなと思っております。 空港問題とか女性副知事登用問題など、次々と公約違反とかそれに近い形で公約が崩れ、知事の施策に反対する方々も、また賛成した人も、多くの県民は不信感が募っております。先ほどの西沢議員もお聞きをされておりましたが、大田知事にとっての公約とは一体何であったんだろうかと。あの選挙を乗り切るためだけのものだったのでしょうか、お答えをいただきたいと思います。 今議会の所信表明、私も何回も読み返しました。随所に、県民主権とか、自然との共生とか、言葉が踊って市民派知事を強調をされておりますが、内容は前県政の継承のような気がしたのは私だけでありましょうか。知事の生の言葉で、一体どんな徳島県をつくりたいのか、そのビジョンを簡単な言葉でいいですから語っていただきたいなあと思います。 私たちは、今のところすぐに民意に逃げ、きちっと自分の言葉で決断しない知事に、知事のあいまいな態度に、八十三万県民のリーダーとしての資質に疑問を感じざるを得ません。知事としてのリーダーシップはどうあるべきか、お答えを願います。 あと一つ、初めにマリンピアの二期工事について、もう一度確認だけをさせていただきます。 高速道路の南伸は、マリンピアの二期工事とまさに一体のものとなっております。昨年の委員会なんかを通じても、やはり採算性が重視される高速道路計画に対して、徳島県としてはマリンピアの埋め立て工事をきちっとめどをつけて、国に強く要望をしてその結果を待つというのを上総県土整備部長、あるいは前の知事なんかも十分委員会、本会議を通じて表明をされておりました。非常に高速道路南伸について強い御決意を示しながら、やっぱりマリンピアの二期工事を十二月まで引き延ばすというのは本当に問題の先送りではないかなあと、ずっと先ほどからの皆さんの質問を聞いて痛感をいたしておりました。 やっぱり知事がおっしゃるように、自然を守りたいという皆さんの声もあり、マリンピアの埋め立てについては賛否両論の意見があるのは私どももわかっておりますが、我々やっぱり全員が選挙を抱えておる身であります。特に徳島市選挙区の人間というのは、こうした問題が──可動堰のときもそうでありましたが、非常に影響を与えてきます。しかしながら、共産党のお二人さんを除くほとんどの方が、そうした自分の問題を捨ててでも、やっぱり未来、私たちの孫子のために徳島県を交通ネットワークにきちっと組み入れるためにも、マリンピアを埋めて高速道路をつくろうということを何度もこれ表明をいたしております。やっぱり南伸の決意を示しながら半年も後まで先送りをするというのは、これは非常に無責任な形であります。本当にこれはできんようになるんではないかなあと、私たち、心の中から心配と不安でいっぱいで、再三再四大田知事に対して要求をいたしておるところでございます。 十二月まで先延ばしして、ああ徳島県は全然準備してないんやなと、そういう形になることは十二分に考えられますので、今この場でもう一度、南伸の決意に加え、そうした問題をお聞きをいたしますので、はっきりとお答えをいただきたい。私どもとしては、一日も早くマリンピアの二期工事について結論を出していただきたいということを私もこの場から強くお願いをいたします。そのことに対して、もう一度御見解をお願いを申し上げます。   〔大西(仁)議員退席、出席議員計四十名となる〕   (大田知事登壇) ◎知事(大田正君) 森本議員から盛りだくさんの質問をいただきました。 ひょっとすると答弁漏れがまたできるかもわかりませんが、御指摘をいただきたいと思います。 まず最初に、知事の公務と政務の区別はできているのかというお問いでございます。 私の知事としての職には、まさに県政の行政の最高責任者という側面とともに政治家としての側面、こういうものもあると思っています。そして、知事は県政の最高責任者としてその職務の権限も多岐にわたっていることから、公務、政務を明確に分けるということは、場合によっては非常に困難な状況もあると思っています。 このようなことから、例えば私の公務としてのスケジュール管理につきましても、公平で公正な県政を推進する観点から、公務、政務があいまいなものについては公務から除外をするなど、その適正な運用を図っているところでございます。 今後とも、県の施策かどうか、県政に関することか、また公共性や公益性はどうかなどの視点から適切に判断し、知事日程や諸行事が公正で円滑に運ぶように調整してまいりたいと考えております。 なお、私自身は後援会を持っておりませんが、そのことをもって政務を公務と混同するようなことはございませんので、御理解を賜りたいと思います。 政策決定のプロセスでございますが、所信表明でも申し上げておりますように、基本は、今、県民の皆さん方が何を望んでいるか、最も何を早く県政に求められているか、そのことをいろんなアンテナの中で推しはかりながら県政の政策決定というものをしていかなければならない。もちろん、議会の皆さん方や、あるいは県の職員の皆さん方ともども議論を重ねる中で、そういったことについての政策決定をしていきたいというふうに思っております。 空港拡張の凍結という公約を撤回した、いわゆる二週間の凍結を解除したその最も大きな原因は何かと、こういうことでございますが、再三再四繰り返して申し上げておりますように、この事業はまさに空港の滑走路の延長というだけの事業でなく、むしろ三位一体となったそれらの事業が絡み合っている、そしてそのことを各市町村、あるいは関係住民、関係市町村長、こういった方々が大変、たちまちの必要な事業として求められている。さらには県財政が相当つぎ込まれておりまして、この事業をやめることによって多額の県の財政がまさに死に金として必要になってくる、こういったもろもろのことを勘案をしまして、私は当初から空港拡張の凍結という問題につきましては、一時凍結をして、そして拡張工事をそのまま続けるか、あるいは一部見直すか、あるいは全面的に中止をするか、こういったことを決めたいというふうに申し上げてきたわけですが、その公約の一過程として二週間の凍結ということで、業者の方々にも御理解をいただき、お願いをして、その精査の結果として、このまま凍結するということについては大変問題があるという判断をしまして、事業の実施を今後十三年度の予算等について請け負いをしていただいている分についてはそのまま実施をしていくという結論に達したわけでございます。 これから県民の皆さん方に、今、計画をされている地形等について大きく変更することは極めて困難でありますが、県民の皆さん方からタウンミーティング等で御意見を聞きながら、御意見の中で事業に反映できる御提案等あれば、ぜひ反映していきたい。こういうことで、今から八月中ごろまでに集約をしていきたいと、このように考えております。 知事としてのリーダーシップが発揮されていないという御指摘でございますが、今後、皆さん方の御指導をいただきながら、おいおいそういった勉強を重ねてまいりたいというふうに思います。 マリンピアの二期工事につきましては、これも再三申し上げておりますけれども、マリンピアの沖洲第二期事業につきましては、海岸の埋め立てより干潟を保全すべき、こういう意見がたくさん、また強くあることも事実でございます。その整備方法等につきまして、構造変更も含めて検討する必要があると考えております。 このため、構造変更に伴う自然環境への影響、あるいは建設コストの増大などのメリット、デメリット等につきまして情報開示しながら、整備方法につきまして県民の意向把握を今後行うとともに、関係機関や関係自治体の御意見及び議会の御審議をいただきながら、さらには国ともよく協議をし、今後、マリンピアの二期事業について結論を出していきたい、このように考えております。 徳島県を今後どのようにしていくかということにつきましてですが、今回の六月議会の冒頭に、所信表明で若干私の考えを述べさせていただきましたが、今後、九月議会あるいは二月議会に向けまして、最終的に方針を固めてお示しをし、議員の皆さんの御議論を賜りたいと思っております。   (「まだ答弁漏れ、答弁漏れ」と言う者あり)   〔大西(仁)議員出席、出席議員計四十一名となる〕   (森本議員登壇) ◆十二番(森本尚樹君) さきの西沢議員さんからも質問がありましたけども、公約は選挙に通るためのものだったのかということについてお答えが飛びましたので、後でお願いをいたします。 今、公務と政務の認識についてもお聞きをしたんですけども、どういうことを私聞きたかったかと申しますと、やっぱり県の幹部との会合、あるいは私たちの議会に出席をして御自分の意見を話すというのが公務、そして自分の支持者の皆さんとの会合とか集会に出るのは政治家としてのお仕事で、政務ではないかなあと思っておりますが、私、若干やっぱりスタートにこの公務と政務が逆転した状況が生まれたんではないかなあ、それが混乱のもとになったんでないかなあという気がいたしております。政務の方で発言をされたことが後から大騒ぎになって、どんどんどんどん修正をしたというような事実がたくさんございますので、その部分について、やはりきちっと認識をいただきたいので質問に加えました。 空港問題での公約違反をした最大の理由というのは、これ何度もお伺いをいたしましたけども、私が先ほど三つ挙げたうち、全部総合したものというようなお答えでしたけども、なぜきょうこの質問を改めてまたしたかというと、やっぱり私どもにとっては、あの朝日新聞の記事というのは非常に頭の中に残っております。空港をやめた理由は、自民党と役人と土建業者の利権のトライアングルの壁が厚かったためだという非常にセンセーショナルな言葉が出ておりましたので、ああ、本当の理由はほれかなあというのがやっぱり私どもの頭にまだ残っておりますし、あの朝日新聞の問題というのはもう全然議会の中では解決をしていないということを改めて申し上げておきます。 どんな徳島県をつくりたいのか、所信を見ていただいたらということでしたんですけども、所信でなかなかわからなかったのでもう一度お聞きした次第ですけども、やっぱり次の議会などを通じて方向を示したい、こういう答弁に最初私お話をした、ああ知事としての覚悟がないなあということを申し上げた次第です。やっぱりこの初議会でぴしっと自分の形で、徳島県をどのように県政の改革をするのかというのをきちっと自分の言葉で述べていただきたかったなあと思っております。 次に移ります。 マリンピアについては、恐らくやまた我々の御意見も十二分に聞いていただいて、十二月という時期は早まるんではないかなあと御期待を申し上げておりますし、そうしていただかないと、これ徳島県政本当に大変なことになるということを強く申しておきます。 次の質問に参ります。 また公約なんですけども、知事は公約の中で、徳島県の利権構造を断ち切るということを強く訴えておられました。今こそ政治への信頼、県政への信用を取り戻すために、この公約実現は最も重要で緊急を要するものでないかなあと私も考えますし、多くの県民も強く望んでおります。 しかしながら、選挙のさなか、あるいは当選直後述べられたお言葉に若干の薄ら寒さを禁じ得ない言葉が多々ございました。政治家の行政への陳情内容をすべて公開条例の対象にする。あるいは、前知事の汚職事件については、県庁内にも捜査機関並みのチームをつくって、もう一度徹底的に県庁内の調査をするなどであります。二度と同じような事件を起こさないようにというのは当然のことですけれども、職員の皆さんは当初の知事のこのお言葉に本当に白けて、知事に対する信頼がなかなかできない一つの理由になっております。前知事の汚職事件では職員の方はだれ一人、刑事事件で検挙された方はございませんでした。知事の一連の発言は、何か本当に市民派知事でありながら、私は恐怖政治の感が否めないような気がいたします。知事のこうした発言に危険なものを感じ取っている県民の方も多数おります。山田さん、おりますよ。 所信の中でもはっきりとうたっている汚職事件の特別調査チームですが、先ほど榊議員さんの質問でお答えをいただきましたので同じようになると思いますけども、私もちょっと重ねてお聞きをいたします。 特別調査チームというのは、どういったもので、何を調査をするのか、お答えをいただきます。 企画総務部長、先ほど公判を傍聴してって、これ多分、知事の公判、第一回が冒頭陳述、冒陳。二回目は多分情状証人、弁護士からの情状。三回目が論告、四回目が判決と思うんですよね。ほとんど裁判から学び取るものはないと思うんですけども、どんな形でやるのか、もう一度お答えをいただいたらと思っております。 また、職員倫理条例の制定についても触れておりますが、私は何か大きなことを知事さんがお忘れになっているような気がいたします。県の最高執行権者は、だれでもない知事御本人ではないでしょうか。御本人が汚職構造を断ち切るために、不正を許さない、断固たる姿勢を貫くなどという言葉だけで終わってよいものでしょうか。知事という権力の前には、私たち議員や行政の幹部職員といえども、本当に吹けば飛ぶような存在でございます。ああした汚職事件を踏まえれば、知事御自身が公共工事の発注に介入できないシステムをつくる知事の倫理条例こそ今求められていると思いますが、つくる気はおありでしょうか。ちなみに、大田知事に負けた河内候補は、知事自身の倫理条例の制定を公約の一つに挙げておられました。 さて、汚職構造を断ち切るため、入札制度の改革についてもうたわれております。私自身、五、六年前から入札制度の改革に取り組んでまいりましたが、ベストのシステムは今のところないというのが実感でございます。当時は施工能力も管理能力もほとんどない、いわゆるペーパー会社に近い悪質業者が特Aと言われる上位ランクにも多数入り込み、丸投げや談合が一部で日常化をいたしておりました。この結果、悪質な競争入札妨害事件が県警によって摘発され、大きく報道されたのは記憶に新しいところでございます。 こうしたことを踏まえて、五年前から県の方も入札制度の改革を着実に進めてまいりましたが、知事から見られて、今現在ある入札制度の改革の中でどんなものが不足をしているでしょうか。これは思いつくままで、御専門家でございませんから、思いつくままで結構です。わかればお答えをいただきたいと思います。 さらに、利権が介入しない、談合が行われない、理想的な入札制度というのはいかなるものでありましょうか。これは公約にも述べておられます。お示しをいただきたいなあと思っております。 また、これは支持者の方の集会でもお話をしていたということですが、下請、孫請に対するいわゆる口ききビジネスなるものも取りざたをされて、今回の事件でされましたが、民民間の問題に果たして行政がどこまで介在できるのでしょうか。大変難しい問題ではありますが、知事のお考えと口ききを排除する方策を、できたらお示しをいただきたいと存じます。 先ほどもお話がございましたが、知事は後援会組織を持たないことを言明をされております。会費名目で業者から一切のお金を集めないというのは、それはそれで本当に立派なことかもわかりません。理想です。しかし、政治家は、支持者を初めいろんな方々の切実な陳情を受けるのも一つの仕事であり、知事が言う民意を酌み取る一つの手段でもございます。後援会事務所はこうした民意を集めるのはもちろんでありますが、知事にかわって多くの方々と面談し、政治活動にふさわしくない方についてシャットアウトできる場でもあります。 今後、後援会事務所を持たない知事に対しては、自宅とか公舎とか、あるいは知事室など、特定の建設業者などは知事御本人と接触するケースも十二分に考えられますが、こうした状況の中でどのように排除をするおつもりでしょうか。 また、政治家でありながら後援会を持たないということは、やっぱり資金管理団体も持たないということですが、これは非常に政治家としての資質の中で不透明な部分が必ず出てくると思います。今現在はよくても、必ず将来的に出てくると思います。今後、この後援会事務所と資金管理団体についてもどのように考えておられるか、お答えをいただきたいと思います。 時間がないので、続けて次に移ります。 財政問題についてもお伺いをいたします。 知事は昨年九月、圓藤前知事と戦ったとき、公約の大きな目玉として、当時八千億円を超えておりました県債残高について現職候補を激しく攻撃していたことを私もきのうのことのように思い出します。私もちょうど補欠選挙を戦っておりましたが、街宣車でこの八千億円について演説をしている当時大田候補を二、三、お見かけをいたしました。すなわち、大田知事がむだな公共事業と位置づける巨大事業を前県政が強引に推し進めてきたがために、ここまで膨大な借金がたまったかのごとく厳しく批判をなされておりました。もちろん御記憶と存じます。 しかしながら、改めて申し上げるまでもありません。県債残高の多くは、知事が忌み嫌っておられる巨大事業そのものから発生したのでは断じてありません。昨年の十月の議会、吉田議員さんもこの問題について一時間をかけて議論をいたしておったところでございます。景気刺激のため、本来なら国が交付税なり補助金で直接財源手当てすべきところを、しかしながら国の財政に余裕がないから、償還について交付税で措置することを担保にして、起債の発行を地方に求めて景気の浮揚対策を講じてきた結果であることは、行政マンあるいは私たち議員であれば、もう本当にだれでもわかる明白なことではないかなあと思っております。言いかえれば、県が独自で巨大公共工事を進めた結果ではなく、本来なら国が行うべき景気刺激策を地方も一緒になって進めた結果であると言えます。全国の都道府県、市町村とも起債残高がふえて、例外なく同じ悩みを抱えております。 批判するのはもちろん簡単ではありますが、しかし、今は知事として県政のトップに立った以上、こうした負の遺産も引き継いで県財政の破綻を食いとめるというのは、大田知事の最も重要な責務の一つであります。知事となった今、この膨大な県債残高についてどのような認識でおられるのか、できれば交付税措置される起債、そうでない起債の割合なども考慮に入れた上で御答弁をいただきたいなあと思っております。 こうした背景はさておき、いかに交付税措置される起債が多いとはいえ、全体の交付税が減少していく中で、膨大な県債残高を減らしていくことはもちろん容易なことではございません。知事は、一体、今後どうした方法で県債残高を減らしていく計画があるのでしょうか。たとえ今後一切県債を発行しないと仮定しても、当分の間、七百億円前後の起債償還することに計算上はなっておって、本当に難しい問題ですが、できる限りお答えをください。 また、起債発行を減らせば減らしたで県内の不況はますます厳しくなることを覚悟しなければなりません。景気対策にも注意を払いながら、どうやって県債残高を減らしていくつもりなのか、知事のお考えをお聞かせをいただきたいと思います。 もう一つ、経済に関連して公約の中からお伺いをいたします。 知事は、巨大公共工事をやめて、その分、生活に密着した公共事業に振り向けると訴え、一部の建設業者の皆さんからも大きな賛同を得ておりました。しかし、県単独の公共事業はともかく、国の補助を受ける公共事業に関しては、巨大事業を削ったら、ただ事業がその分徳島県から減るだけで、それを身近な事業に振り向けるといったことは到底できないのは子供でもわかる理屈ではないでしょうか。 知事はどうやって巨大事業から身近な事業への転換を図るおつもりなのか、見解をお示しいただきたいと思っております。 たくさんの質問になりましたが、よろしくお願いをいたします。   (大田知事登壇) ◎知事(大田正君) 大変盛りだくさんの御質問をいただきました。 事前に御通告も詳しくいただいておりませんので……。   (「議会と話をせんと言うたのは、だれぞい」と言う者あり) いやいや、話はしますが、話はしますが、正確に答弁をさせていただくために少しお時間をいただけたらと思います。よろしくお願いします。   (「休憩、休憩」、「小休、小休じゃ」等発言する者多し)   ―――――――――――――――――――――――― ○副議長(柴田嘉之君) 小休いたします。      午後四時五十四分休憩   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━    午後五時二十二分開議      出席議員計四十名          (その番号・氏名左のとおりである)     一  番     木  南  征  美 君     二  番     川  端  正  義 君     三  番     嘉  見  博  之 君     四  番     森  田  正  博 君     五  番     喜  田  義  明 君     六  番     須  見  照  彦 君     七  番     臼  木  春  夫 君     八  番     黒  川  征  一 君     九  番     重  清  佳  之 君     十  番     古  田  美 知 代 君     十一 番     山  田     豊 君     十二 番     森  本  尚  樹 君     十三 番     岡  本  富  治 君     十四 番     藤  田     豊 君     十五 番     谷     善  雄 君     十六 番     庄  野  昌  彦 君     十七 番     橋  本  弘  房 君     十八 番     冨  浦  良  治 君     十九 番     久 次 米  圭 一 郎 君     二十 番     長  池  武 一 郎 君     二十一番     大  西  章  英 君     二十二番     長  尾  哲  見 君     二十三番     樫  本     孝 君     二十四番     来  代  正  文 君     二十五番     竹  内  資  浩 君     二十六番     福  山     守 君     二十七番     西  沢  貴  朗 君     二十八番     吉  田  忠  志 君     二十九番     北  島  勝  也 君     三十 番     杉  本  直  樹 君     三十一番     佐  藤  圭  甫 君     三十二番     児  島     勝 君     三十四番     遠  藤  一  美 君     三十五番     柴  田  嘉  之 君     三十六番     四  宮     肇 君     三十七番     元  木     宏 君     三十九番     大  西     仁 君     四十 番     阿  川  利  量 君     四十一番     谷  口     修 君     四十三番     榊     武  夫 君   ―――――――――――――――――――――――― ○副議長(柴田嘉之君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 大田知事。   〔中谷議員出席、出席議員計四十一名となる〕   (大田知事登壇) ◎知事(大田正君) 大変お待たせをしまして申しわけありませんでした。 森本議員の御質問に順次お答えをさせていただきたいと思います。 まず、公約は単なる選挙対策だったのかということでございますが、県民へのお約束であったというふうに先ほども申し上げました。約束を果たせないものも出てまいると思いますが、公約はできる限り今後実行していきたい、このように考えております。 政務での発言が常に先行しているという御指摘でございました。政務と公務についてはっきりと区別すべきだという御指摘でございます。今後、知事としての発言の重みに十分配慮しながら対応してまいりたいと思います。 特別調査チームの関係でございますが、先ほど企画総務部長の方からも榊議員にお答えしましたが、前知事の公共事業に絡む汚職事件は、徳島県政始まって以来の事件でございます。早急に具体的再発防止策を講じ、それを県民に明らかにすることにより県民の県政に対する信頼を回復することが大きな課題となっております。 具体的再発防止策を検討するためには、事件発生のメカニズムを調査、分析することが肝要でありまして、そのメカニズム等につきましては、前知事の公判過程で明らかになってくるものと考えております。 このようなことから、本格的調査に先立ち、内部組織として汚職事件調査分析班を設置し、当面公判の傍聴、分析、関係資料の収集等を行うとともに、公判の推移を見ながら、必要に応じて第三者も加えた特別調査チームの設置を検討してまいりたいと考えております。 仮に、特別調査チームを設置する場合には、調査の客観性を担保する意味からも第三者を加えることが適当ではないかと考えておりますが、具体的な人選や設置の時期につきましては、今後の公判の推移に応じまして調査対象や調査方法等が具体化した段階で検討してまいりたいというふうに考えております。 次に、職員倫理条例もつくると言っているが、知事の倫理条例はどうするのかということでございますが、今後、検討してまいりたいと考えております。 次に、今まで進めてきた入札改革の中で何が不十分だったのかということでございます。 入札のチェックシステム、これが高度につくられるシステム、入札のチェックシステムというのが考えられるわけですが、なかなか機能しないという一面もございます。第三者の機関によりますチェックが今後必要であろうと。このために、昨年、外部の学識経験者で設立されました入札監視委員会を活用、強化いたしまして、今後、公平・透明・競争性、こういったものを高めていきたいというふうに考えます。 理想的な入札制度とはどんなものを考えるかということでございます。県ではこれまでも入札談合を防止するための制度改正に取り組んでまいりました。議員御指摘のような切り札となるようなものはなかなか難しいということでございますが、今後とも透明性、競争性を高めて、入札・契約適正化法の趣旨を踏まえて進めていくことがそういった不正防止への近道であると考えております。 口きき排除は民民の問題で難しいのではないかという問題ですが、行政がどこまで関与できるかということでございます。下請業者等の口きき選定は元請業者の自由裁量でございます。全国的な課題でもありまして、今、国会でも議論をされております。官製談合法案を今後見守りつつ、さらには元請から下請までのきちっと仕事ができているかどうかチェックが必要であると、このように考えております。 今後、情報開示を進めまして、透明性、公平性を生かすための方策も必要でございます。平成十三年度に施行されました入札・契約適正化法の完全実施を目指してまいりたいと思います。 後援会の役割の問題でございます。業者等との接触を防ぐことが本当にできるのかということでございますが、利害に絡んで業者等とは会わないようにしまして、新しい政治スタイルを確立していきたいと考えております。 後援会事務所と資金管理団体との関係をどう考えるのかということでございますが、金銭等の政治献金は今後一切受けないということにいたしておりまして、後援会もつくらないということにしておりますので、新たな政治スタイルを確立していきたいというふうに考えております。 県債残高の関係でございますが、県債残高につきましては、知事就任前には、予算規模を超える県債残高となっている状況につきまして、県民の方々から将来に対する不安や心配する声をお聞きしておりました。知事に就任後、県債につきましては、自主財源の乏しい本県にとって、限られた財源の重点的・効率的配分の徹底を図る中で一定の有効活用を図らざるを得ないことがわかりました。地方財政をめぐる環境の中で、地方財政措置に伴う県債について発行を余儀なくされているところでございます。財政健全化推進プログラムを通して、発行抑制のための現在取り組みを行っているところでございます。 こういったことを財政当局から説明を聴取しまして、複雑な地方財政制度のもとでは、表面上の県債残高ではなく、その内容に着目することが重要であると認識をしたところでございます。 一方で、県民の皆様方の心配する声に対し、県債管理面についての御説明が必ずしも十分ではないことも改めて感じたところでございます。 私といたしましては、県の財政状況や県債についての発行額、残高における実質的な県負担に配慮した県債管理を行うことなどについて、県民の皆様方に十分なお知らせをしまして、より一層理解をしていただくよう努力してまいりたいと考えております。 今後、県債残高をどうするのかということでございます。今後の県債発行につましては、新たな県政の構造改革を積極的に推進するため、改革の道筋となる改革基本方針を今年度中に策定することとしております。この基本方針を取りまとめる中で、政策評価の手法などを活用しながら施策の選択と集中を行うとともに、現在の県債発行抑制基準の水準についてもあわせて検討する必要があると考えております。 最後に、巨大事業の身近な事業への転換ということについて、どういうことを考えているかということでございますが、現在の国の補助事業制度の中では急激な転換を図るということは困難であると思っております。御指摘のとおりでございます。しかし、国も地方も財政的には大変厳しい状況下でございます。限られた予算の中で事業の内容、箇所を峻別し、効率的、効果的な事業を進め、徐々にでも公共事業の質の転換を図りながら、生活に密着した身近な事業を充実してまいりたいと考えております。 大変遅くなりましたが、以上でございます。どうぞよろしくお願いします。   (森本議員登壇) ◆十二番(森本尚樹君) たくさんの質問だったので、なかなか大変だったとは思うんですけども、短時間なので、なかなか答弁になってない、あいまいな抽象的なお答えが多かったように思います。 先ほど一つだけ気になったことが、細かな通告をいただけんかったので時間をくれというのは、非常に私としてショックでございました。大田知事が誕生して何がうれしかったかなあと言うと、一つだけあったんですよね。マスコミに、議会への根回しはしないと。ああ、これやったら本当にこれ、議会の場で論戦ができるなあって、これ嫌みじゃなく、心から私、楽しみにいたしておりましたけども、ああしたお言葉をいただいて、ちょっと残念だなあという気がいたしております。 入札制度については本当に難しい、ベストのものというのがなかなかないんですけども、やっぱり県土整備部の方と御一緒に利権を排除できるような制度、少しでも改革を進めていっていただきたいなあと思っております。 しかし、私の今までの実感としては、やっぱりいかなる制度づくりよりも、発注に係る担当部局の毅然たる態度、対応というのが一番ではないかなあというのが実感であります。過去には、県発注工事に外部の利権屋の力が大きく働いて入札そのものがゆがめられる残念なケースも多々ございました。職員の方が勇気を持って、毅然たる態度で仕事ができるというのは、やっぱり知事のこれからの姿勢にかかっておると思いますので、その点はよろしくお願いをいたします。 あと、財政なんですが、知事が非常に今、不快な言葉があるというのを、これまた聞きですけども、わかりませんけども、ちょっと聞きました。大田不況と言われることに非常に嫌な思いをされとるというのを聞きましたけども、私はこれも一つの、知事も真摯に受けとめていただきたいのは、庶民の方の肌で感じるものではないかなあと思っております。 財政の持つ機能の一つに、ビルトイン・スタビライザーというのがあります。これ簡単に言ったら、税収が落ち込んでも歳出を減らさんかったら国債発行がふえて景気を支えることになるというようなことです。不景気なときに歳出を抑制すれば、余計不景気になるというような財政の機能でございます。今、多分県民の方が感じ取っているのは、知事の公約、むだな公共事業をやめるぞというので、ああ徳島県、仕事が減っていくんではないかなあ。それともう一つ、中央にパイプのない知事だから、来年またこれ徳島県の予算は減るんではないかなあという大きな不安をやっぱり県民の方は抱いている。その結果、こうした言葉がちょっと出ているんではないかなあと思います。 ことしの予算、大田知事が組んだものではございませんので、責任はないと思うんですけども、やっぱりそうした先行きに不安を感じる庶民の感覚というのを大事にしていただきたいなあ、これも民意の一つではないかなあと思っております。 先ほど、さかのぼりますけども、いろんなことをお聞きをしてまいりました。マリンピアの二期工事について、私たち議員だって、特に市内の者は、非常に厳しい中でやっぱり高速道路を進めるということを一番の目標に置いて、このマリンピア二期工事、埋め立てた方がいいんではないかな、一日も早くということを主張しております。 こんな中で、昨夜、我が会派の中谷顧問さんとちょっとお食事をしたんですが、そのときに、また米百俵の話が出ました。小泉首相のあの有名な米百俵のお話ですけど、明治維新の長岡藩の出来事です。このときの大参事の小林虎三郎、県で言うたら副知事クラスの方と思うんですけど、藩から百俵の米を、大変藩の皆さんが飢えていて、今にも死にかけ、飢え死にしそうな状態の中で百俵の米を送ってきた。その中で小林虎三郎は、きょう米をみんなに配ったら、多分二日間御飯が食べれるだけやと。それよりも藩の将来のためにこれを貯めておこう。そしてそれを十分将来生かされて立派な藩になったというようなお話なんですけど、このときに、今で言う多分タウンミーティングかな、そうした意見が出たらしいです。藩のみんなに意見を聞いて米の使い方を考えようと。このとき小林虎三郎は毅然とした形でそれをやめたらしいです。多分、今タウンミーティングをしたら、全員がきょう米くれと言うだろうと。そしたら米はその二日でなくなってしまう。でも、藩のためにはやっぱりこの米を残しておこうと、飢えた皆さんに嫌われても、最終判断をこの大参事小林虎三郎がしたというのが、これ本当の米百俵の物語でございます。 私は、政治家というのはやっぱりそうした厳しい決断が要るときがあるんではないかなあと思っております。もちろん民意を聞くのは非常に一番政治家として大切なことですけど、やっぱりそうした決断をして、民意に、政治家として自分の考えを伝えて、説得して同調をしてもらうというのも政治家がなすべき大きな仕事と努力の一つではないかな。特にトップに立つ──議員ではありません。知事さんですから、民意を聞いてから物を決めるのではなく、やっぱり自分がリーダーとして決断したことを民意に訴えて、同調をしていただくというのも政治家の本当の仕事の一つではないかなあと思っております。 ワールドカップも熱狂のうちに終わりました。わずか三十センチのあのゴールデンカップをめぐって、本当にすばらしい試合が行われ、毎日世界じゅうで二十億人の方が熱狂をいたしておりました。 知事がサッカーのチームでどんなポジションかなあというのを考えたんですけども、私はやっぱり攻撃的ミッドフィルダーではないかなあと思います。日本チームだったら中田英寿がやっていた。試合を形づくるのがこの攻撃的ミッドフィルダーの役割でございます。やっぱり知事の仕事もこれに似たようなものがあるんではないかなあと思っておりますけども、大田知事は、試合開始のホイッスル以来、どうもディフェンダーのあたりでうろうろとボールを追っていたような気がいたします。早くミッドフィルダーの正位置に戻って、この徳島県の試合を形づくっていただきたいなあ。私どもとか、やっぱり支持者の間からも、空港問題を中心にもうイエローカードが一枚出されております。あと一枚出たらこれ退場で、次の試合は出られません。かと言って、やっぱり慎重になるのではいけません。思い切って情熱を持って、昔を思い出して、あの熱い情熱で県政運営に当たっていただきたいなあと思っております。 御清聴ありがとうございました。(拍手)   ―――――――――――――――――――――――― ○副議長(柴田嘉之君) 以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。   ―――――――――――――――――――――――― ○副議長(柴田嘉之君) 本日は、これをもって散会いたします。      午後五時四十三分散会   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━...