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  1. 徳島県議会 1999-09-01
    10月06日-03号


    取得元: 徳島県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-17
    平成11年 9月定例会   平成十一年九月徳島県議会定例会会議録(第三号) 平成十一年十月六日    午前十時三十三分開議      出席議員計三十六名          (その番号・氏名左のとおりである)     一  番     川  端  正  義 君     二  番     嘉  見  博  之 君     三  番     森  田  正  博 君     四  番     喜  田  義  明 君     五  番     須  見  照  彦 君     六  番     黒  川  征  一 君     七  番     古  田  美 知 代 君     八  番     山  田     豊 君     九  番     岡  本  富  治 君     十一 番     谷     善  雄 君     十二 番     庄  野  昌  彦 君     十三 番     橋  本  弘  房 君     十四 番     冨  浦  良  治 君     十六 番     長  池  武 一 郎 君     十八 番     長  尾  哲  見 君     十九 番     樫  本     孝 君     二十 番     来  代  正  文 君     二十一番     竹  内  資  浩 君     二十三番     西  沢  貴  朗 君     二十四番     吉  田  忠  志 君     二十五番     北  島  勝  也 君     二十六番     杉  本  直  樹 君     二十七番     佐  藤  圭  甫 君     二十八番     児  島     勝 君     二十九番     原     秀  樹 君     三十 番     川 真 田  哲  哉 君     三十一番     遠  藤  一  美 君     三十三番     平  岡  一  美 君     三十四番     四  宮     肇 君     三十五番     近  藤  政  雄 君     三十六番     元  木     宏 君     三十七番     中  谷  浩  治 君     三十八番     大  西     仁 君     四十 番     谷  口     修 君     四十一番     大  田     正 君     四十三番     榊     武  夫 君   ────────────────────────  出席職員職氏名     事務局長     西  本  辰 年 男 君     次長       後 藤 田  一  夫 君     議事課長     西  成  忠  雄 君     調査課長     前  田     薫 君     議事課課長補佐  大  道  和  夫 君     調査課課長補佐  森  住  孝  義 君     議事係長     日  関     実 君     事務主任     島  尾  竜  介 君     同        堀  部     隆 君     主事       豊  田  孝  一 君     同        溝  杭  功  祐 君     同        谷  本  か ほ り 君   ────────────────────────  出席速記者氏名     速記者      井  上  順  子 君   ────────────────────────  列席者職氏名     知事       圓  藤  寿  穂 君     副知事      坂  本  松  雄 君     出納長      野  田  浩 一 郎 君     企業局長     牧  田     久 君     総務部長     寺  田     稔 君     企画調整部長   諸  橋  省  明 君     保健福祉部長   辰  巳  真  一 君     環境生活部長   井  内  孝  明 君     商工労働部長   飛  田  昌  利 君     農林水産部長   高  柳  充  宏 君     土木部長     甲  村  謙  友 君     財政課長     岡  本  誠  司 君     財政課主幹兼課長補佐              乾     和  雄 君   ────────────────────────     教育委員長    真  鍋  克  俊 君     教育長      青  木  武  久 君   ────────────────────────     人事委員長    村  崎  正  人 君     人事委員会事務局長中  川     巖 君   ────────────────────────     公安委員長    吉  成  敏  夫 君     警察本部長    塩  田     透 君   ────────────────────────     代表監査委員   大  和     恒 君     監査事務局長   十  川  勝  幸 君   ────────────────────────  議 事 日 程   第三号   平成十一年十月六日(水曜日)午前十時三十分開議 第一 県政に対する一般質問         (四   名)   ──────────────────────── ○議長(近藤政雄君) これより本日の会議を開きます。   ──────────────────────── ○議長(近藤政雄君) 直ちに本日の日程に入ります。 日程第一、「県政に対する一般質問」を前回に継続して行います。 二十九番・原秀樹君。   〔藤田・久次米・大西(章)・福山・阿川五議員出席、出席議員計四十一名となる〕   (原議員登壇) ◆二十九番(原秀樹君) おはようございます。 平成五年十月五日に圓藤知事が就任してから昨日でちょうど丸六年、きょう十月六日は七年目、二期目後半のスタートの日でございます。このような日に、知事初め理事者各位と論議ができますことに感謝しつつ、質問に入らせていただきます。 去る八月十三日に第百四十五回通常国会が閉会いたしました。延長を含めまして二百七日間の長期の国会でございましたが、百三十八本の法律が成立、条約その他を含めますと百六十六の法案等が成立いたしました。この成立した数もさることながら、この通常国会はいわゆる重要法案が数多く成立したのが特徴であったように思います。地方分権一括法情報公開法日米ガイドライン関連法、組織犯罪三法、新農業基本法住民基本台帳改正法、国旗・国歌法等々、どれを取り上げましても、一つの内閣の運命をかけるような国の基本問題に関する法律が、自・自連立内閣のもと、公明党さんの協力により成立したのは御承知のとおりでございます。 さらに、私は、この国会の特筆すべき点は、憲法調査会を衆参両院に置くことを定める国会法の一部改正が七月二十九日に成立したことが挙げられると思います。今まで、とかくタブー視されがちでありました改憲を含めた憲法論議が、三十五年ぶりに国会の場で始まるわけでございます。先日の民主党の代表選挙では、この代表選挙のための政策とはいえ、現鳩山党首は憲法改正を唱えておりました。このように、与野党問わず憲法論議がオープンになされ、国民的論議につながっていくことは、私は大いに賛成でございます。 くしくも、昭和二十一年の本日、十月六日は、憲法改正案が貴族院で修正可決され、成立した日でございますので、県政の課題に対する質問の前に知事にお伺いしたいと思います。 こういった状況の中で、知事としてではなく、政治家圓藤寿穂としては、現憲法に対してどう感じ、考えておられるのか。いわゆる憲法観をお聞かせいただければと思います。 次に、地方分権の受け皿として、そして地域主権に向けましての市町村合併についてお伺いいたします。 この問題につきましては、昨日の代表質問におきましても、我が会派の須見議員より質問がございまして、重複する点もあるかもしれませんが、御理解いただきたいと思うわけでございます。 平成十年四月、第二十五次地方制度調査会より市町村の合併に関する答申が出され、きょうまでの二年余りの間、国の動向や各政党の政策を見てまいりますと、この市町村合併問題は大きく動き出しました。二度にわたる合併特例法の改正、特に本年の改正では、合併特例債の新設と普通交付税の合併算定がえの期間延長が決められ、来年度の概算要求では、合併への補助金としては、実に四十年ぶりの合併準備交付金一億二千万円が要求されております。 また、自治省におきましては、市町村合併を総合的に支援する市町村合併推進本部が七月に設置されまして、八月六日には市町村の合併の推進についての指針が策定されております。その指針の中で、都道府県に対し、合併推進のための要綱の策定が要請されておりますことは御承知のとおりでございます。 各政党の政策を見てまいりましても、自・自・公の三党が、当面千をめどの合併推進で合意がなされるなど、数の違いはありましても、各党とも合併に対しては大変積極的でございます。 このような国の動きや政党の動きを見てまいりますと、あの昭和の大合併が思い起こされるわけでございます。昭和二十八年から三十六年までの昭和の大合併では、九千八百六十八の市町村を三千四百七十二まで減らしましたが、この決め手になったのが、合併推進を閣議決定した国の強い姿勢と、町村合併促進法に基づいて合併した自治体への補助金の傾斜配分でありました。合併はあくまで市町村の自主性に基づくものであるとはいえ、この平成の大合併というものが風雲急を告げる、そういう感すらするわけでございます。 本県におきましては、こういった現状や各市町村の将来の財政を十分認識され、他県に先駆けて合併パターンを作成し、市町村合併特別交付金制度を設けるなど、合併推進に積極的に取り組まれているところですが、本県におきましても、やはりこの市町村合併の最大の問題は、やはり住民意識であろうと思います。 本年三月に、とくしま地域政策研究所から出されました、「徳島県における広域行政・市町村合併に関する調査研究報告書」のアンケート結果を見てまいりますと、市町村合併について、「関心がある」と答えた方が、一般住民の方では三四・二%、行政・議会関係者では七七・九%、また合併の必要性について、「必要である」または「どちらかといえば必要である」と答えた方が、一般住民の方では三五・一%、行政・議会関係者では六一%となっており、知事や我々を含ました行政関係者が、幾ら合併の推進を唱えても、まだまだ住民意識は低いと言わざるを得ません。 市町村合併を進めるには、国の動向や、さらには各自治体の今後の財政強化に向けまして、もはや市町村合併は避けては通れない課題であり、平成の大合併がそこまで来ているという、こういう問題意識を地域住民にいかに持ってもらうかがかぎであろうと思います。 そこで、お伺いいたしますが、市町村合併に対する住民意識につきまして、どのように認識されておられるのか。また、今後の市町村合併に対する住民の意識高揚に向けましてどう取り組んでいかれるのか、お聞かせください。 もう一点、昨日知事は、合併に対する市町村の支援策についての質問で、「新しい町が誕生する場合においては、市町村建設計画に掲げられた県事業を重点的に実施していく」と、前向きな答弁がございました。合併に前向きな市町村に対しまして、県として積極的に支援をしていくことは最も重要なことであるのは言うまでもございませんが、先ほどの住民意識の高揚とともに県全体の施策として合併問題をとらえるのも重要な問題であろうと思います。 本県の場合、他県に先駆けて、既に昨年合併パターンを作成いたしております。恐らく、今後策定される本県の合併推進要綱、これもこのパターンで進められると思いますが、それならば、今後の公共工事などもこの合併パターンにはめ込む形、合併パターンと整合性を持って県の各種施策を進めていくべきであろうと思いますが、それが県全体の市町村合併推進につながっていくと考えますが、御所見をお伺いいたします。 続きまして、第十堰改築事業についてお伺いいたします。 第十堰の改築に関連して、本年六月に、徳島市におきまして、吉野川可動堰計画に対する徳島市住民投票条例が成立いたしましたが、その実施時期は、市議会の審議とは別のところで交わされました覚書によって、六カ月後、すなわち本年十二月ごろに本格的な協議が開始されるとの観測がなされております。 私自身、住民投票そのものを否定するものではございませんが、まずは我が国において法的制度が確立されていないことを問題にすべきでありまして、何が何でも地方自治法を拡大解釈して、個別に住民投票条例を制定してやるべきものではないと私は考えております。また、今のようなやり方では問題が多過ぎまして、住民も行政も大変なエネルギーと経費と時間を必要としてしまいます。 国におきましても、これだけ各地で住民投票で騒がれている現状を見れば、少なくとも法制度化が図れないかなど、研究に着手すべきではないでしょうか。また、生命や財産に直接関係する治水事業を、ある特定の地域だけで住民投票にかけるのは望ましくないというのが、これまでの建設省や県の考え方でございます。私もこれは当然のことだと思います。しかしながら、いずれにしましても、徳島市では住民投票条例が成立していますので、いつかは実施されることとなります。 そこで、問題となりますのが、この第十堰をなぜ可動堰として改築しなければならないのかということを市民が十分熟知しているかどうかということであろうと思います。住民投票の署名集めに際しては、随分と間違った情報も流されまして、これを信じて署名した方も少なからずあったと言われております。そのおかげで、固定堰を可動堰にするだけでヘドロがたまったり、水質が悪化して環境破壊になると信じ込み、可動堰イコール悪である、可動堰そのものが極めて環境に悪い施設のようなイメージを持っている市民も決して少なくはございません。そして、決まり文句のように、長良川河口堰がどうだから第十堰も云々と言います。このような誤った情報や誤解を持たれたまま、市民が住民投票を実施することは、事業促進や早期着工の意見書を決議してまいりました我々県議会議員としては、甚だ不本意であります。幾ら住民投票そのもの法的拘束力がないと申しましても、その結果は数字としてひとり歩きし、ひいては洪水に対し不安を持っておられる地域住民の声が少数意見として抹殺されかねないとも限らないのです。一度このように頭の中にインプットされた情報を覆すことは、決して生易しいことではございません。相当な努力と根気が必要でございます。これまでの建設省や県の懸命なる広報活動や説明会などによって、少しくらいは認識を改めていただくことはできたでありましょうか。 その一方で、改築促進を求める民間団体や住民などが一致団結し、「第十堰・署名の会」を結成し、九月二十一日から改築促進を求める署名集めを展開中でございます。もとより民間団体が自発的に行っている活動ですから、行政のようにスムーズではありませんが、皆さんの熱意と意気込みだけは何ものにも負けないものがございます。及ばずながら、私も、一市民として協力できるところは協力し、ぜひ十分な成果が上がることを期待している一人でございます。 そこで、建設省や県も推進を唱えるなら、彼らをもっと支援すべきだなどとは申しませんが、ただ、御苦労さまという気持ちだけではなく、何かできるものはないかと思うのは私だけではないはずでございます。 くしくも、建設省と県では、相次いで新しい広報用のパンフレットを作成したようでございます。もちろん、行政には行政としての立場があるでしょうが、少なくとも建設省や県の精力的広報活動の継続が、署名を集められている皆さんに対する間接的な支援になることだけは確かだと思います。 そこでまず、基本に返りまして、二点ほどお聞きします。 まず、可動堰そのものが悪と思われている、そういうことに対しまして十分に説明していく必要があると思いますので、可動堰と固定堰を比較して、可動堰のメリットやデメリット、またデメリットに対する対策について、いま一度わかりやすく説明していただきたい。 また、これまでの建設省や県が行ってきた広報活動の成果を客観的に評価した上で、今後住民投票などの実施に向け、どのような広報活動を進めていくお考えなのか、お伺いいたします。 もう一点、堰と道路橋の関係についてでございます。 去る八月五日、南環状線の側道部分の一部供用が、私の地元でございます徳島市国府町で始まりました。ことしじゅうには国道百九十二号までの部分供用が予定されております。そして、さらに百九十二号以北の徳島環状線も、徳鴨線までの区間は用地買収も順調に進み、埋蔵物調査が始まっております。さて、その先にあるのは、御承知のとおり第十堰でございます。今申しましたように、環状道路の整備が現実として目に見えてまいりますと、可動堰改築を望んでいる市民の中にも、橋と堰は分離して、まず環状道路の道路橋整備をしてはという声もございます。 さらに、先日建設省が発表いたしました「可動堰構造比較案」を見てまいりますと、従来の引き上げ式可動堰イメージパースでは、橋と堰の合併構造が明らかでありますが、他の二案、ゴム式可動堰起伏式可動堰の場合は、合併構造がよく理解できないという声もございます。 そこで、お伺いいたしますが、堰の改築位置は、河床の安定など治水面での安全性を確認して、河口から十三キロ付近と決定しているようでございますが、さきに言いました環状道路の進捗状況を踏まえた上で、今後堰がゴム式可動堰起伏式可動堰に決まっても、あくまで道路橋との合併構造として進めていくか否か、お聞かせください。 御答弁をいただき、質問を続けます。   (圓藤知事登壇) ◎知事(圓藤寿穂君) まず、私の憲法観についての御質問についてでございます。 申すまでもなく、現行憲法は、国民主権、平和主義、基本的人権の尊重という三つの重要な基本原理が示されていますと同時に、地方自治の保障も取り入れられておりまして、国際的にも誇り得る日本国の最高規範でございます。 一方、議員御指摘のとおり、現行憲法につきまして、広範かつ総合的な調査を行うための憲法調査会を設置する国会法改正案が可決され、今後、憲法問題が国会において議論されることになっております。各種の世論調査を見ましても、憲法を改正すべきであるという意見が若干多いものの、相半ばしている状況にございます。 私も、現行憲法の施行から半世紀を越え、例えば国際貢献の問題、首相公選制や二院制のあり方の問題、あるいは地球環境問題、さらには情報公開や地方分権の問題等々について、条文の新設あるいは改正を行うべきであるという意見があること。また一方では、現時点では改正する必要はないという意見があることも承知をいたしております。 私は、こうした状況の中で大切なことは、現行憲法を不可変更的なものと考える必要はないものの、戦後半世紀の日本の根本規範として大きな役割を果たしてきたこともまた十分認識した上で、二十一世紀の日本のあり方を日本国民一人一人が真剣に考え、冷静かつ十分な議論をなすべき問題であると考えているところでございます。 いずれにいたしましても、徳島県知事という職にある私といたしましては、現行憲法を遵守し、今後とも適切な行政運営に取り組んでまいる所存でございます。 市町村合併に対する住民意識についての御質問でございます。 昨年十月に県が実施をいたしました住民アンケートなどから、住民の市町村合併に対する関心は低いのではないかという指摘がなされているところでございますが、一方、詳細に分析をいたしますと、市町村合併について考えたことがある人の約七割が合併の必要性を認識をしておられまして、まず何よりも市町村合併について関心を持っていただくということが重要であるということは、議員御指摘のとおりであるというふうに考えます。 また、アンケートを実施をいたしました一年前と比較いたしますと、国の推進施策が拡充強化されますとともに、各都道府県でも合併パターンが順次作成されつつあります。さらには、兵庫県篠山市の誕生や、埼玉県浦和市、大宮市などにおいて合併への一定の方向性が出ているなど、最近の市町村合併をめぐる全国の状況は大きく変化をしております。 こうした中で、本県におきましても、民間団体等の活動が活発になるなど、住民の意識も徐々にではありますが、高まってきているように思われます。 県といたしましては、市町村合併は住民生活に大きく影響を及ぼす事柄でございまして、住民の方々の意向が十分に反映されるべきであると考えておりまして、この機を逸することなく、市町村と協力しながら、より多くの住民の方々に対しまして、市町村合併を認識していただく機会を提供することが必要であるというふうに考えております。 特に、行政組織としての市町村にとっての合併の意義、必要性ということについてはもとよりでございますが、住民生活にとって、合併の具体的メリットについてわかりやすく説明していくことが何よりも肝要ではないかと、このように思っているわけでございます。 こうしたことから、本年度も、昨年度に引き続きまして、広域行政・市町村合併シンポジウムを開催をいたしますとともに、県広報紙、インターネットや新聞、テレビ、ラジオなど各種メディアを通じた広報、住民にわかりやすいパンフレットの作成など、これまで以上に内容を充実させた広報活動を実施するほか、地域からの要望に応じまして、住民の方々が参加する説明会、意見交換会等に職員を派遣するなど、より積極的な情報提供及び機運の醸成に努めてまいりたいと、このように考えております。 それから、県の施策と市町村合併パターンの整合性についての御質問でございます。 合併は、市町村行政全般の諸課題と密接にかかわっておりまして、また県の施策との関連性も非常に大きいものでございまして、合併に向けたさまざまな段階に応じて、各部局間の調整及び連携が必要になるものと認識をいたしております。 一方、県が作成をいたしました市町村合併パターンにつきましては、それぞれの市町村や地域での市町村合併の具体的な議論を開始する際の参考となるものとして提示をさせていただいたものでございます。実際の市町村合併のエリアは、市町村や住民の意向を十分踏まえた上で決定されるべきものであるというふうに考えておりまして、各地域において具体的な検討が重ねられる中で、このパターン以外の組み合わせが出てくることも予想され、合併についての論議が沸き上がることも大いに期待しているところでございます。 このようなことから、県の各種施策の実施に当たりましては、既に提示した合併パターンだけではなく、地域での具体的な合併論議の動向も十分踏まえながら、市町村合併が円滑に推進されるよう、部局間の連携を図りますとともに、県を挙げて、適切かつ柔軟に対応してまいりたいと、このように考えているところでございます。 それから、可動堰と道路橋との合併についてのお尋ねについてでございます。 県道徳島環状線の吉野川を渡る道路橋は、徳島市及びその周辺の渋滞対策の切り札として取り組んでおります外環状道路を構成する重要な橋梁でございます。この橋梁の北側につきましては、藍住インターチェンジに結ぶ計画でございます。また、南側は、現在事業を進めております徳島環状線国府工区に接続することになっております。このことから道路橋は、河口から十三キロメートル付近に計画されるものでございまして、可動堰の計画位置とも極めて近く、大きな構造物が近接して建設されることによる河川管理上の問題、これは流水阻害──大きな構造物が近接してあるということによって、流れが二重に阻害されるということの意味でございます。河川管理上の問題からも合併構造とする方針が決められたものであります。 また、合併構造とすることによりまして、仮設構造物が共用できる。例えば、建設のために仮橋をつくるというのも、別々に二つつくる必要はないと。一つつくればそれを共用できるということになるわけです。など、施工性や経済性が向上する。この経済性というのは、約七十億円ぐらい、別々につくるよりも安く上がるということであります。さらに、工事中の環境に与える影響、同じような時期に二つのものを、工事を別々に、同時に行うということによって、工事中の環境に与える影響が大きくなると。それを合併施工することによって、そういう環境に対する影響が軽減できるということであります。そういったことなど、数々の利点がございます。 建設省から、可動堰の構造として、従来の引き上げ式に加えまして、ゴム式、起伏式が示されておりますが、どのような構造に決定されたといたしましても、今申し上げましたような利点があるものと考えております。 したがいまして、可動堰と道路橋を合併構造とする従来からの方針に変わりはなく、両事業ができるだけ早く、かつ円滑に進むよう、建設省ともども最大限の努力をしてまいりたいと、このように考えているところであります。 このため、県といたしましては、第十堰の可動堰への改築につきまして、昨日も申し上げましたが、早期に懇談会が設置され、環境アセスメントの手続に着手できるよう、建設省に協力をしてまいりますとともに、道路につきましては、ルートを決定するための各種調査に着手するなど、事業の促進に向け努めているところでございます。   〔柴田議員出席、出席議員計四十二名となる〕   (甲村土木部長登壇) ◎土木部長(甲村謙友君) 可動堰のメリット、デメリット、またデメリットに対する対策はという御質問でございます。 まず、治水面から見た場合には、現在の堰は、川底から約四メーターも突出しておりまして、このため、洪水のときにせき上げが生じておりますが、可動堰は洪水のときにはゲートを開放するためにせき上げがなくなり、洪水時の水位が低下して堤防の安全性を向上させ、洪水はんらんを防止するという大きなメリットがございます。 次に、利水面から見た場合には、現在の堰は老朽化しており、安全性に不安がありますが、これを可動堰に改築することにより、従来から取水している水道水、農業用水、工業用水を安定的に取水できるというメリットがございます。 なお、可動堰のデメリットとして、機械設備の故障や維持管理の経費が必要なことを懸念する声もございますが、故障に対する備えといたしましては、ソフト面では常に確実なゲートの開閉操作が行えるよう日常の点検整備を実施すること。また、ハード面では、ゲートの開閉装置や電気制御設備等に二重三重の安全機構を設け、操作に支障が出ないよう対応することとしております。また、維持管理の経費につきましては、さらに維持管理費が少ない可動堰となるよう検討をお願いしていきたいと考えております。 一方、環境面から見た場合には、現在の堰は、渇水時、水が少ないときには魚道に水が流れず、河川の環境が堰で分断されている状況にありますが、可動堰に改築しまして最新の魚道を設置いたしますと、年間を通じて魚道に水が流れることになり、多種多様な魚類が行き来しやすい環境になるというメリットがあります。 また、可動堰にしますと、長良川河口堰のようにヘドロがたまるという御意見がございますが、長良川河口堰におきましても、堰が原因でヘドロが堆積したことはないという裁判所の判決もございますし、吉野川と長良川を比較いたしますと、川の勾配、入ってくる水の水質等が大きく異なるため、さらにそのようなことは考えられませんが、可動堰はゲートを開閉することができる、一方、固定堰はゲートを開閉することができないということを考えますと、万々が一、堰の上流に堆積物がたまるような状況になりましても、可動堰の場合は洪水のときにゲートを開放することで堆積物を下流に流すことができますので、可動堰の方がヘドロの堆積防止上、メリットがあります。 また、これは可動堰と固定堰の比較ではございませんが、堰位置が下流になるため、貯水量の増加に伴う水質の悪化や、またその区間における地下水の上昇を懸念する声がございますが、一方で、ふえた貯水量を河川環境を維持するための用水として活用できるという意見もございます。 水質悪化の懸念に対しましては、汚濁の著しい神宮入江川の排水を浄化して堰下流に流すバイパス水路を施工することによりまして、また、地下水の上昇に対しましては、高水敷──川のふだん水が流れていない部分でございますが、高水敷に遮水工と排水暗渠工を設置することにより、これまでと同様な環境が保たれるものと考えております。 可動堰の景観につきましては、多くの方々の御提言や御指導をいただきながら、吉野川にふさわしいものにしたいと考えております。 このような環境上の問題や景観につきましては、今後実施することとなる環境影響評価の中で、県民の皆さんの意見も十分にお聞きしながら進めていくことになります。 なお、新しくできます可動堰は、道路橋との合併構造となりますため、交通渋滞の緩和にもメリットを発揮いたします。 このように、治水・利水・環境面などから総合的に検討した場合、住民の安全確保に加え、安定した生活や経済活動を確保するためには、可動堰は固定堰よりもはるかにメリットがあり、さらに可動堰のデメリットとされている部分にも十分対応できますので、県としては、現第十堰は可動堰として改築するのが妥当であると考えております。 次に、これまでの広報活動を客観的に評価した上で、今後どのような広報活動を進めていくのかという御質問でございます。 昨年度におきましては、第十堰の広報活動は、テレビ、ラジオ、新聞折り込み、インターネットなど、行政から一方的に情報を発進するものが中心となっておりました。そこで、今年度はこのような広報に加えまして、住民の方々との対話に重点を置きまして、地区別説明会や対話集会などを積極的に開催しておりますほか、住民の方々から寄せられた疑問にこたえるパンフレットを発行するなど、双方向の対話に重点を置いた取り組みを行っているところでございます。 その結果、地区別説明会や対話集会に参加していただいた方々や、パンフレットを読んでいただいた方々には、現堰の問題点や事業の必要性などについて一定の御理解はいただけたのではないかと考えております。 その一方で、地区別説明会や対話集会への参加者が少のうございまして、説明会等に参加する機会に恵まれなかった方々や、第十堰に関心を持たれていない方々も相当数おいでになると考えられますので、今後どうすればこのような方々に正しく御理解いただけるのかが、今後の広報のかぎになるものと考えております。 そのため、説明を希望されるグループには、こちらから説明会に出向く「出前説明会」を先月から開始したところでございまして、これに加えまして、下流域での二巡目の地区別説明会や、建設省が新たに作成しているビデオテープの積極的な活用等も検討しているところでございます。 また、第十堰に関心の低い方々に対しましては、例えば、吉野川歴史探訪ツアーや、吉野川洪水体験集の発行などによって、まず吉野川に関心を持っていただくというような取り組みも大切となってまいります。 いずれにいたしましても、県といたしましては、第十堰の改築の必要性について、県民の方々に正しくお伝えする責務があると考えておりまして、徳島市において住民投票が実施されるかどうかにかかわらず、今後とも建設省ともども、積極的かつ効果的な広報活動を展開してまいりたいと考えております。   (原議員登壇) ◆二十九番(原秀樹君) それぞれ御答弁いただきました。 憲法につきましては、政治家圓藤寿穂としてとお聞きしたわけでございますけれども、やはり現職知事としてはお答えにくいようでございますが、おぼろげながら知事の憲法観は理解できたというか、わかったような気がいたします。 合併につきましては、私がお聞きしたのはやっぱり、今国がどんどん進めておる、昭和の大合併のように国主導でなく、あくまで地域住民主体というのが大切だと思いますので、お聞きしました。国に強引にやられる前に、やはり地域住民に問題意識を持っていただく、そのことをさらに積極的に進めていただきたいと思います。 時間の関係もございますので、第十堰について一点だけちょっとお願いをしておきたいと思います。 あくまで合併構造で進めていくということでございますが、この経済性や施工性等々、わかります。その以前にもう一点、県民にもっともっと広報していただきたいのは、なぜ河口から十三キロ付近に決定しておるかという点が、ちょっと、大分前に決まっておりましたので忘れられているところがございます。経済性とか施工性とは別に、十三キロ付近──十二でも十四でもない、十三キロ付近に可動堰がつくられなければならないというような、必然性を広報の段階でももっともっと訴えていただきたいと。そういうことがやっぱり促進につながると思いますので、よろしくお願い申し上げます。 それでは、続いて質問を続けたいと思います。 次に、県出資の商法法人でございます沖洲マリンターミナルについてお伺いいたします。 沖洲マリンターミナルは、平成六年、関西国際空港の開港にあわせまして、本県の海の玄関として、県民期待のもとオープンいたしました。港湾施設とは思えないようなしゃれた外観や、七百六十台を収容できる駐車場を整備し、発着する徳島高速船と南海徳島シャトルラインの運航により、一日関空へ六往復、大阪港へ八往復、和歌山港へ五往復と、平成七、八、九を見てみますと、年間約百十万人の利用があり、特に徳島高速船は、海上八十四分で直接関空へ乗り入れということもございまして、まさしくこの沖洲マリンターミナルは世界へ旅立つ港となったわけでございます。 それから五年、現状はどうでありましょうか。徳島高速船は、明石海峡大橋開通に伴う航路再編の受け皿会社として徳島─関空ラインに生まれ変わり、運航体制も五隻十二往復から三隻八往復に縮小されました。旅客数も、十年度は三十二万六千人と、九年度実績の五二%減と大幅に落ち込んでおります。そして、あのターミナル内のレストランも平成九年度末には撤退いたしております。まさしく明石海峡大橋、そして高速道路交通網の威力を改めて見せつけられましたここ一年余りでございました。まさかこれほど海上輸送が落ち込むとはだれも予想できなかったのではないでしょうか。 しかしながら、この第三セクターとしてのマリンターミナルの経営状態を予想ができなかっただけでは済まされないと思います。当然のこと、経営状態は悪化し、十年度は赤字に転落いたしておりますし、事業費の償還はあと十五年続くわけでございます。 さらに、先日徳島─関空ラインが労使交渉の中で、経営悪化のため廃業したい意向を表明されております。この問題は、事前の総合交通対策特別委員会でも論議があったようでございますが、本年度に入りましても、六月末で前年度比六三・九%減と、こういう数字を見ますと、事業の存続の望みは薄いのではないかと言わざるを得ません。 仮に、徳島─関空ラインがなくなりますと、マリンターミナルを発着する船は南海徳島シャトルラインの五往復。その南海シャトルラインも、先日の新聞報道では存続の危機となっているようでございます。最悪の事態を考えますと、あのマリンターミナルから発着する船がなくなり、あのしゃれたターミナルビルが廃墟になるおそれさえございます。そして今や、株式会社徳島ポートターミナル自体が存廃の危機を迎えようとしているわけでございます。あの建物の今後の利用・活用方法を今からやはり早急に検討すべきでございます。 まず、このような現状を県は、出資団体としてどう認識されておられるのか、お聞かせください。 もう一点、私も、あのターミナルビルを県民のために活用できる方法はないものかと、ない知恵を絞り考えてみました。きのう論議のありました高速バスターミナルにという案もありますが、何とかあのしゃれた建築を文化施設として利用できないものかと思いました。 そこで思いつきましたのが、あのターミナル二階部分、レストランや特別待合室の部分を利用して、写真美術館にはできないかと考えました。本県からは立木義浩、立木三郎、三好和義と、日本を代表する写真家が生まれております。また、市内のデパートなどで開催されます写真展を見ましても、県民の写真に対する意識は大変高いようです。また、全国的に見ましても、公立の写真美術館は東京都と奈良市にあるだけであり、県出身の写真家の作品の常設展示や、県内写真愛好家のギャラリーとして、あるいは著名な写真家に、本県をテーマに写真を撮影してもらい企画展を開催する、そういったことも考えられると思います。まさに本県の文化振興、そしてイメージアップにつながるのではないでしょうか。 知事は、二十一世紀の発想として、多額の費用を投資して物づくりを行うんではなく、知恵を絞って、金をかけずに、いかに行政サービスを提供していくかを考えるべきだと言っておられます。そういった意味からも、既存の施設を有効利用し、本県写真文化の振興を図るというのは、まさに二十一世紀的な事業の進め方と考えますが、今後のターミナル利用につきまして、今申しました写真美術館を含め、どう考えられておられるのか、知事に御所見をお伺いいたします。 次に、教育問題についてお尋ねいたします。 県立普通科高校の学区再編の問題についてでございます。 今、小学生の子供を持つ保護者の間では、この学区再編の話題で持ち切りでございます。私も、下の子供二人が小学校一年生と五年生でありまして、学区再編には大いに注目いたしておりますが、このたび教育委員会より出されております、現在の甲、乙、丙の三学区を九学区程度の中学区制に分割する試案には、私は基本的に反対でございます。 二十一世紀は大競争の時代と言われております。そして今、我々も含め、子供たちに問われているのは自己責任ということではないでしょうか。高校がもはや義務教育化されているとはいえ、私は、あくまで自己の責任において学校を選択する。そしてその自由を尊重すべきであり、私は全県一区もしくは総合選抜を廃止した上で、二ないし三学区がベストであると考える一人でありますので、論議がかみ合わないかもわかりませんが、あえてお尋ねいたします。 それは、このたびの学区再編で、それぞれの高等学校の伝統や歴史、また特色をどう考えているのかという点でございます。確かに、昭和二十四年から二十七年まで完全小学区制の時代が短期間ありましたが、学校というのは、建学の精神や校是、また歴代の諸先輩により脈々と培われた校風によって特色が生まれ、それが伝統となっていくのではないでしょうか。教育長に御所見を賜りたいと思います。 もう一点、このたびの学区制度と、先ほども申し上げました市町村合併のパターンについて、あえてお尋ねいたします。 昭和の大合併のきっかけは、学制改革によりまして市町村に義務づけられた中学校の建設費負担であったと聞き及んでおります。この学制改革と一緒にするわけではありませんが、どうしても中学区制に再編するというのであれば、この市町村合併パターンと学区制はやはり切っても切り離せないと思います。このたびの再編試案を見てまいりますと、一部を除き、おおむね県の市町村合併パターンに沿った案のようですが、学区再編につきまして県の市町村パターンを前提に進めていくのかどうか、お聞かせくださいませ。 最後に、夢のある明るい話題でお尋ねいたします。 九月三十日、鳴門市、県サッカー協会、県の三団体が連盟で、二〇〇二年、日韓共同開催のワールドカップの公認キャンプ候補地になるべく申請がなされました。まずもって、申請に当たり、御労苦いただいた関係各位に心より敬意を表するところでございます。 亀井鳴門市長は、県の体育振興や、鳴門市を世界に発信、アピールするまたとない機会。そして、文化、経済的にも大きな波及効果が得られるのではと期待感を示され、まだ出場できるかどうかも決まっておりませんが、鳴門市とつながりの深いドイツに、早くもエールを送っております。しかし、申請にはこぎつけたものの、鳴門市が日本のエクスレバン、キャンプ地になることはまだ夢の域を出ていないかもしれません。出場国は、開催国である日本、韓国を含め三十二カ国であり、日韓共催でありますことから、単純に二で割りましても、日本国内でキャンプを行う国は十六カ国であります。日本組織委員会によりますと、キャンプ地に名乗りを上げました自治体は、鳴門市を含め八十三カ所に上っております。また、フランス大会では組織委員会が公認した自治体以外からキャンプ地を選定した出場国もあったようでございます。そういった中からキャンプ地に選定してもらうのは並大抵ではございません。 この県民の夢を実現するには、やはり鳴門市はもちろんのこと、サッカー協会と県と三団体がスクラムを組んで、県民とともに招致運動を展開していくことが必要不可欠でございます。 亀井市長は、実行委員会を組織して招致に取り組むと言っておられますが、このキャンプ地招致に向けて県はどのように取り組んでいかれるのか、お伺いいたします。 もう一点、招致に向けての第一関門は、まず推薦リストに掲載されるべく公認されることであり、選定基準を満たすことでございます。 練習場となります鳴門陸上競技場につきましては、この選定基準を満たすべく、改修についての請願を去る六月議会で採択したわけでございますが、改修の具体的スケジュールをお聞かせください。   (圓藤知事登壇) ◎知事(圓藤寿穂君) 沖洲マリンターミナルの現状及び今後の利用についての御質問でございます。 沖洲マリンターミナルは、平成六年九月に開港いたしました関西国際空港への海上アクセス基地とするとともに、当時分散しておりました高速船の基地を集約することによりまして、利用者の利便性、快適性の向上を図るために、徳島県の海の玄関にふさわしい旅客ターミナルとしまして、平成六年六月に完成したものでございます。 完成後は、年間最大で約百十万人、延べ約四百七十万人の旅客に御利用いただくなど、その役割はこれまで十分果たしてまいりましたが、平成十年四月の神戸淡路鳴門自動車道の全線開通に伴いまして、阪神方面への高速バスの運行が開始され、これが新たな県民の足として定着してきているところでございます。 高速船としても、全線開通にあわせ、一部航路の廃止や減便を行うなど対応を図ってきたところでございますが、本四道路通行料金の割り引きや高速バスの定時運行などもあって、当初予想していた以上に海上交通に大きな影響を与えているところでございます。 現状といたしましては、高速船の利用者数や沖洲マリンターミナル施設の利用率は大きく低下し、御指摘のマリンターミナルの運営も非常に厳しい状況になっていると認識をいたしております。 次に、今後のターミナルの利用につきましては、現在関空─大阪及び和歌山の二航路があるわけでございますが、大変厳しい経営環境下ではございますけれども、何とか維持していただきまして、引き続き旅客ターミナルとしての利用に供してまいりたいと、このように考えておるわけでございます。 現在、ターミナルビルの一部に空室が生じておることにつきましては、今後、事態の進展を注視しながら、こうした部分の有効な活用策につきまして多面的に検討してまいりたいと、このように考えております。 御指摘のように、本県はすぐれた写真家を輩出いたしておりますとともに、県民文化祭等でも写真展が活発に行われるなど、写真は県民文化の中でも重要な分野の一つであるというふうに認識をいたしております。 県といたしましても、立木義浩さんと三好和義さんには、阿波特使として、イメージアップのために御協力をいただいているなど、徳島の写真文化の振興やPRに努めておりまして、今後とも本県の写真文化の一層の発展が期待されるところでございます。 御提言をいただきました、写真美術館として既存施設を有効活用してはどうかというようなことも、それにつきましては、将来に向けて文化振興につきましての県民ニーズ等につきましても十分見きわめながら、一つの御提案でございますので、十分検討してまいりたいと、このように考えております。 ワールドカップ公認キャンプ招致に向けての県の取り組みについてのお尋ねでございます。 御指摘のように、二〇〇二年、平成十四年に日韓両国で共同開催されることになっておりますワールドカップサッカー大会の公認キャンプを鳴門総合運動公園に招致すべく、去る九月三十日、県、鳴門市及び県サッカー協会の三者連名で、ワールドカップ日本組織委員会に応募申請を行ったところでございます。 申すまでもなく、ワールドカップサッカー大会は、四年に一度開催される世界最大規模の大会でございまして、その予選は二年がかりで世界各地で行われ、二〇〇二年の大会はアジアで初めての、しかも史上初の二カ国共同開催となっておるわけでございます。 今回のキャンプ地応募申請は、この世紀の祭典の一翼を担いますとともに、本県の魅力を世界に発信し、イメージアップを図る千載一遇の機会になり得るものと期待をいたしておるところでございます。ワールドカップ日本組織委員会では、全国四十三都道府県、八十三カ所から寄せられました候補地を審査し、開催前年の二〇〇一年六月下旬に公認キャンプ候補地として選定した後、出場チームとの協議に入るというスケジュールになっております。 県といたしましては、今後鳴門市、県サッカー協会とともに実行委員会を組織いたしまして、県民の理解と協力を得ながら、招致実現に向けた努力をしてまいる所存でございます。   (青木教育長登壇) ◎教育長(青木武久君) 伝統、歴史、また特色についての御質問でございますが、議員御指摘のとおり、学校における伝統や歴史や特色については、尊重され、受け継ぎ、よりよいものとして向上させていくものではないかと考えております。こうした伝統や歴史を継承するのは、これからの本県を担う若者たちであり、その高校で学ぶ生徒たちでございます。平成十五年度から実施される新しい学習指導要領においては、みずから学び、みずから考える力の育成を図ることが求められております。徳島県教育振興基本構想の中間まとめに示された、地域に根差した学校づくりは、それぞれの学校が創意工夫し、特色ある学校づくりを推進する中で、こうした生徒の育成を目指すものでございます。 今後、みずから学び、みずから考える力を持った生徒たちが、それぞれの学校の校是、校風などを受け継ぎながら、新たな伝統や歴史を創造していくものと確信いたしております。 次に、学区再編は市町村合併パターンを前提に進めていくのかどうかという御質問でございますが、現在徳島県立高等学校教育改革推進委員会におきまして、普通科高校の通学区域の見直しについて審議をいただいているところでございます。この普通科高校の通学区域につきましては、さまざまな関連項目の検討を終えた段階で、具体的な実施案をお示しすることが適当であると考えているところでございます。 通学区域の再編につきましては、現状の通学区域、予想される生徒数の減少、通学状況等を基本にして検討を行っております。御指摘のように、市町村合併パターンとの関連につきましては、いずれも生徒の通学状況を要素とするなど、幾分似通っているものとなっております。 いずれにいたしましても、現在及び将来の県民生活に即した改革案にいたしたいと考えております。   (甲村土木部長登壇) ◎土木部長(甲村謙友君) 鳴門陸上競技場の改修の具体的スケジュールについての御質問でございます。 鳴門陸上競技場は、県内唯一の第一種公認施設として、陸上スポーツの振興、普及を図る上で中核をなす大変重要な施設でございます。 この陸上競技場をサッカーの公式戦ができる多目的な競技場として改修することについて、鋭意関係機関と協議を進めてまいりましたところ、サッカーの公式戦の開催に必要な、縦百五メーター、横六十八メーターの芝生フィールドに拡張することにつきまして合意が得られたところでございまして、第一種公認の改修とあわせて整備することとしております。 今後のスケジュールにつきましては、工事の実施時期、工事中の代替の陸上競技施設の確保等について、関係機関との協議、さらには具体の設計や工事方法についての検討を行い、工事着手するという手順で進めることになります。 こうしたことから、キャンプ地としての利用時期を考えますと、これらの協議、検討を早期に完了させ、平成十三年度中に改修が完成するよう、関係者の御理解、御協力を得ながら、県として積極的に取り組んでまいりたいと考えております。   (原議員登壇) ◆二十九番(原秀樹君) それぞれ御答弁いただきました。 マリンターミナルにつきましては、厳しい運営状況は認識しているが、航路が維持されているので、引き続き旅客ターミナルということでございます。もちろん船があるうちは当然のことでございますが、はっきり申し上げまして、海上輸送の未来は暗いと思います。高速バスターミナルや文化施設など、あの建物やっぱり複合的な活用策を早急に検討すべきであると申し上げておきたいと思います。 高校の伝統と特色については、どうも教育委員会と私の考えでは見解の相違があるようでございまして、これ以上申し上げることはございません。 ワールドカップのキャンプ地招致につきましては、ようやく鳴門陸上競技場も改修をしていただけるとのことでございます。質問でキャンプ地招致は並大抵ではないと申し上げましたが、地理的条件、高速交通アクセスやら、六月一日に開会は決まっておりますので、そのコンディションの調整ということで気候条件を考えますと、鳴門は大いにチャンスがあると思いますので、ぜひ積極的な取り組みをお願いいたしておきます。 最後に、あと八十六日で西歴二〇〇〇年、新ミレニアムを迎えます。二千円札もできるようでございますが、そしてその向こうにあるのは、言うまでもなく二十一世紀でございます。知事の任期は平成十三年、二〇〇一年の秋、これは文字どおり、県民が世紀をまたいで圓藤知事に県政を託しております。このような大きな節目、そして大転換期に、山積する県政課題を解決していくには、行政マンのトップとして政策を遂行していくことは当然のこととして、やはり政治家としての知事の役割が大変重要になると思います。 知事の政治家としてのリーダーシップに県民とともに大いに期待し、私のすべての質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。(拍手)   ──────────────────────── ○議長(近藤政雄君) 議事の都合により、休憩いたします。      午前十一時三十一分休憩   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━    午後一時三分開議      出席議員計三十六名          (その番号・氏名左のとおりである)     一  番     川  端  正  義 君     二  番     嘉  見  博  之 君     三  番     森  田  正  博 君     四  番     喜  田  義  明 君     五  番     須  見  照  彦 君     六  番     黒  川  征  一 君     七  番     古  田  美 知 代 君     八  番     山  田     豊 君     九  番     岡  本  富  治 君     十  番     藤  田     豊 君     十一 番     谷     善  雄 君     十二 番     庄  野  昌  彦 君     十三 番     橋  本  弘  房 君     十四 番     冨  浦  良  治 君     十七 番     大  西  章  英 君     十八 番     長  尾  哲  見 君     二十 番     来  代  正  文 君     二十一番     竹  内  資  浩 君     二十二番     福  山     守 君     二十三番     西  沢  貴  朗 君     二十四番     吉  田  忠  志 君     二十六番     杉  本  直  樹 君     二十七番     佐  藤  圭  甫 君     二十八番     児  島     勝 君     二十九番     原     秀  樹 君     三十 番     川 真 田  哲  哉 君     三十一番     遠  藤  一  美 君     三十二番     柴  田  嘉  之 君     三十三番     平  岡  一  美 君     三十四番     四  宮     肇 君     三十五番     近  藤  政  雄 君     三十六番     元  木     宏 君     三十八番     大  西     仁 君     四十 番     谷  口     修 君     四十一番     大  田     正 君     四十三番     榊     武  夫 君   ──────────────────────── ○議長(近藤政雄君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 六番・黒川征一君。   〔久次米・長池・樫本・北島・中谷・阿川六議員出席、出席議員計四十二名となる〕   (黒川議員登壇) ◆六番(黒川征一君) 私は、三月一日に池田町役場をやめまして、三十年間の地方公務員のキャリアを持ちながら、四月十一日の統一地方選挙で当選させていただきました。そして六カ月、九月議会初めての登壇であります。大変いろいろと心配するところでありますが、役場の行政経験をもとに、私の今までの生きざまを明らかにしながら、県理事者に質問をしたい、そう思っています。真摯な御答弁をお願い申し上げます。 私の人生のライフワークになるであろう農山村振興問題、そして役場生活の最後の五年間は介護保険の準備に携わってきた人間であります。そうした意味でも、現場から物を考える人間として、何点かにわたって質問をさせていただきます。 最初、新農業基本法について。 農政は今、大きな変革期に直面しています。一九六一年制定の農業基本法が廃止され、新たに食料・農業・農村基本法が七月十六日に公布、施行されました。いわゆる新農業基本法は、農業者のための基本法だけにとどまらず、食料供給のあり方、総合的な農村振興の手法などを規定し、全国民にとっての食料・農業・農村にかかわる憲法という性格を持っています。 新農業基本法は、生産者に良質な食料を合理的な価格で、安定的に供給し得る努力を、消費者には国産農産物への回帰を訴えるなど、消費生活のあり方まで踏み込んで問題提起をしました。一方、国会審議では、政府責任の消極姿勢が指摘され、政府は今年度内に食料・農業・農村基本計画で、品目ごとの自給率目標を策定し、国会に報告することとなりました。 農業・農村の基本的価値は市場原理だけではかれないことが新たに盛り込まれたのも大きな特徴であります。農業・農村が持つ多面的機能、中山間地域等への直接支払い等、食料安全保障という言葉が初めて日本の法律に登場しました。今後、新農業基本法をもとにした農業・農村の総合的振興と同時に、あらゆる局面で戦後農政を塗りかえる農政大改革が進行することになります。 旧農業基本法の三十八年間を振り返ってみますと、食料の自給率が七九%から四一%に低下し、農業人口の減少、高齢化により農業初め林業、農山村の崩壊を招きました。 そこで、質問したいと思います。県としては、旧農業基本法のもとに進められた農政をどのように総括し、その結果をどのように認識されているのかを所見をお伺いいたします。 次に、具体的にお尋ねします。新農業基本法は、食料供給の重要性を強調しつつ、農業の多面的機能、すなわち国土の保全やきれいな水、空気をつくり、伝統文化を守ることが国民的課題であると述べています。農業・農村を守り育成していく立場で、県は何を、どのように実施しようと考えられているかをお尋ねします。 新農業基本法は、持続可能な農業を重視し、集落営農の強化、担い手づくり、農薬の軽減、有機農業や地域循環型農業の育成などが提起されています。 そこで、二点にわたり、私の提案を申し上げます。 一つは、農業や食に関する教育分野からの取り組みであります。 小さいころから農業になじませ、農業、林業の大切さを知り、学ぶという視点から、小学校初め中学、高等学校まで、学校農園、学校果樹園、学校林というものを設置し、自然環境の中で友達づくり、思い出づくりになるような体験学習の時間をつくってはどうでしょうか、お考えをお聞かせください。 そのことは農林業を大切にするだけでなく、いじめをなくし、豊かな人間づくりにもなると考えます。その際、林業ならば広葉樹林、農業ならば有機農業といった視点や配慮も必要かと思います。 また、地域の農業を理解する教育の一環として、少々お金はかかっても、地域で取れたものを学校給食に活用することも重要であります。あわせて所見をお伺いいたします。 二つ目は、地域循環型農業の確立であります。定年帰農、脱サラ、農民、高齢者福祉農業などと言っても、つくったものが売れなければ意欲もなくなるので、生産物の販売、販路の確立ということからも必要かと考えます。また、最近では有機農産物への注目が高まるなど、安全で新鮮な野菜、果実の供給が期待されているところであります。そこで、青空市などの地域内流通を支援し、地域で生産され、安心して食べることのできる農産物を地域内で消費するシステムづくりを進めることが必要であると考えますが、所見をお伺いいたします。 続きまして、中山間地農業の育成について質問をいたします。 これ以上、農村・農業を衰退させないためには思い切った取り組みが必要であると考えます。三好郡内の農家就業人口及び農業従事者数は年々減少の傾向にあります。農家就業人口は、一九八五年の九千九百九人が、一九九五年には七千百十八人と、十年間で二千七百九十一人減少しています。年齢別には、一九八五年、十六歳から二十九歳までが五%、三十歳から六十四歳までが五九%、六十五歳以上が三六%でありましたが、一九九五年には、十六歳から二十九歳が三%、三十歳から六十四歳が四一%、六十五歳以上が五六%と、六十五歳以上の農業就業者数が、この十年間で二〇%ふえているのであります。農家数は、一九八五年、七千四百戸が、一九九五年には五千三百戸と、十年間で二千百戸の減少となっています。 こうした状況を見るとき、十年後の中山間地域、とりわけ山間地域におけるこれ以上の農村・農業の衰退をさせないための防止策として、県はどのようにするのか、四点についてお尋ねしたいと思います。 第一点は、デカップリングについてであります。 国は、中山間地域等直接支払制度の骨子を発表し、その目的は、耕作放棄地の増加などにより多面的機能の低下が特に懸念されている中山間地域等において、農業生産の維持を図りつつ、多面的機能を確保するという観点から、国民の理解のもとに直接支払いを実施すると述べています。 制度の仕組みは、対象地域を特定農山村法などの指定地域とし、対象農地は、このうち、傾斜等により生産条件が不利で、耕作放棄地の発生の懸念の大きい農用地区域内の一団の農地とし、指定は国が示す基準に基づき、市町村長が行うということでありますが、現在、中山間地域における耕作面積や農業収入額を考えた場合、十アール当たり単価が、水田で八千円から二万一千円、畑は三千五百円から一万一千五百円などとなっております。これでは、厳しい環境で農業を続け、村を守り、また農業に従事しようという若者を農家に呼び込むことは非常に困難と言わざるを得ません。 この事業の目的は、さきに述べたように、耕作放棄地の拡大防止などにより、農業の多面的機能の低下を防止する観点からすれば、国が示した単価に上乗せして、直接支払制度、デカップリングの充実を図ることが、喫緊にして緊要な課題であると考えますが、所見をお伺いいたします。 二点目は、自給率を高めるために、麦、大豆といった奨励作物の名前が挙がっているわけでありますが、祖谷地方のソバは全国的にも味がよいということで、専門家の間では大変評判がよいのであります。そこで、祖谷そばをすだち、ワカメに並ぶ特産物にしていく必要があると思うわけであります。五穀豊穣と言われますように、米、麦、アワ、ヒエなどと同じように、ソバは日本人の食生活になじんできたものであります。ソバの原産地は東アジアの北部と言われ、中国、朝鮮から日本に渡来しました。ロシアに多く栽培され、夏ソバ、秋ソバがあり、収穫までの期間が短く、荒れ地によく育つものであります。自給率の向上にはこうした雑穀類の奨励も、中山間地の畑に適した作物として大事にする必要があります。中でもソバは、今日でも相当な消費量があり、奨励作物として推進していく価値があると考えます。県はどう考えるのか、お尋ねいたします。 三点目は、耕作放棄地等に関してであります。 耕作放棄地の拡大を防止しながら、これをどう活用するかということが、地域農業を確立するためにはどうしても必要であります。長野県に宮田村という村があります。ここでは、村が主体となって委員会を設置し、成果を上げております。中四国農政局管内には、休耕田や耕作放棄地を行政単位で預かり、管理していく機関として農地保有合理化法人が五十を超えると聞いております。つきましては、本県の耕作放棄地の実態、これを防止するための県の取り組み状況についてお伺いいたします。 また、県内の農地保有合理化法人の実態と利点、県内における状況をあわせてお伺いいたします。 第四点目は、林業でのデカップリングについてお考えをお聞きしたいと思います。 さきに述べましたように、農業の直接支払制度が導入されるようになっておりますが、本来中山間地域において、農業と林業が一体となって生産活動が行われております。確かに、林業につきましては、早くから直接森林所有者に対して、造林用の苗木の補助や間伐に対する助成が行われていることも私も承知しております。しかし、中山間地域における生産の形態からして、我々が守らなければならない多様な公益的機能は、農産地域における農業、林業が一体となって営まれることによって維持、保全されるものであると考えております。 そこで、お伺いいたします。農林業を一体的に支援し、多様な公益的機能を維持、保全するためには、農業における直接支払い制度と同様に、林業の特性をとらえた林業型デカップリングが導入されるべきであると考えますが、県の考えはいかがですか、所見をお伺いいたします。 次に、介護保険制度について御質問いたします。 一九九七年十二月に成立しました介護保険法に基づき、二〇〇〇年四月から介護保険制度はスタートします。公的介護保険制度導入に関する議論を政府が初めて公式に取り上げたのは、一九九四年九月の社会保障制度審議会の第二次報告においてであります。法成立からさかのぼって、わずか三年余りにすぎません。 しかし、厚生省の官僚は、この報告以前の一九九二年ごろから、当時の老人保健福祉局長岡光序治氏らによって厚生省内に研究チームをつくっており、一九九四年四月にはそれを大臣官房の高齢者介護対策本部に格上げし、そのもとに設置された高齢者介護自立支援システム研究会が、同年十二月に報告書、「新たな高齢者介護システムの構築を目指して」を提出しました。ここでは高齢者介護の費用負担のあり方について、租税を財源とする公費負担方式から、保険料を強制拠出される社会保険方式に転換すること、国民は保険料の拠出と相当額の利用の負担を条件として介護サービスの給付を受けられるものとすることが強調されています。 社会保障制度審議会が介護保険制度の創設を勧告したのは一九九五年十二月であるにもかかわらず、厚生省は、早々と老人保健福祉審議会に介護保険方式の是非を諮問し、翌年の一九九五年二月から、早速老健審の審議がスタートしています。この流れを自然に追えば、厚生省の官僚が審議会報告のシナリオを書き、自分たちの私的研究会の結論を政府に文書として公式化させようとしたことが容易に推測できます。ところが、この研究チームの中心メンバーとは、一九九六年十二月に発覚した、特別養護老人ホームの建設補助金をめぐる収賄事件で逮浦された岡光序治氏らの面々であります。岡光氏はミスター介護保険と称されていまして、介護保険はこうした癒着の中から生み出されたと言えます。 ところで、老人保健福祉審議会の審議は、介護の各論に入るや紛糾が続き、当初の答申予定の一九九五年末を過ぎてもまとまらず、制度の骨格についての両論併記を残した中間報告が一九九六年一月に出され、同年四月には骨格がまとまらないまま最終報告が出されました。最後まで残った少数意見つきで答申がまとめられたのは、一九九六年の六月、通常国会会期切れ直前でありました。最終報告が出た時点で、毎日新聞が、二十六人の委員のうち、二十一人にアンケートした結果、十一人が議論不十分と回答し、法案を提出するための見切り発車だと不満を述べています。委員の証言によれば、家族介護はどうあるべきか、介護保険で提供される介護サービスモデルが適当かどうか、どのサービスにどれぐらいの保険給付が適当か、保険料は幾らにすべきかなど、核心的な部分についても議論する余裕がなかったと述べています。 厚生省の官僚が情報を小出しにし、介護保険の正確な全体像や問題点をぼかしたまま、自分たちの思いどおりに審議と世論を誘導しようとした様子が伝わってきます。「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」とは、日本国憲法第二十五条の生存権の規定であります。ただし、これは同条の第一項であって、第二項では、この国民の生存権をいわば担保するものとして、国家の社会保障などの義務をうたっています。「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」と、国家による社会保障義務が十分に果たされなければ、国民の生存権は絵にかいたもちにすぎないのであります。 本当にすべての人が介護サービスの給付を受けられるなら、所得にかかわらず生存権として給付を受けられる公費方式の方がすぐれていることになるはずであります。実際に、後で述べるように、社会保険方式は逆進的な、保険料や定率の利用料に耐えられない低所得者をサービスから強制的に排除するシステムとしてしか作用しないのであります。 現に、高齢者福祉が進んでいる北欧諸国は社会保険方式を採用していません。社会保険方式を採用しているのはドイツ、オランダだけであり、そのドイツは混乱や矛盾が出ています。 日本が模倣した介護保険の先進国ドイツは、介護保険の導入に当たって、二十年間国民的議論をした上での施行でありました。日本は、社会保障制度審議会の議論が始まってからわずか五年でスタートしようとしているのであります。介護保険法では制度の骨格だけが明記され、肝心の介護認定基準、介護報酬額、保険料を初め、厚生省の官僚が決める政省令事項が三百近くあり、しかも重要な関心事は、いまだに明らかになっていません。厚生大臣は、歩きながら考えると公言していますが、高齢者サービスを提供する人たちや市町村の担当者は大変な状況に追い込まれています。 私は、前段で長々と介護保険の成り立ちを述べました。保険方式を取り入れたことによる矛盾と、その制度を拙速に導入したことによって、国民的議論が皆無であったことが、二〇〇〇年四月スタートを目前にして、迷走と混乱の中にあると考えます。このことについてどのように思っているかを率直に答弁をお願いいたします。   〔阿川議員退席、出席議員計四十一名となる〕   (圓藤知事登壇) ◎知事(圓藤寿穂君) まず、旧農業基本法のもとに進められた農政をどのように総括し、その結果をどのように認識しているのかという御質問についてでございます。 旧農業基本法下におきます農業の動向を総括いたしますと、我が国経済社会が急速な成長や国際化の著しい進展など、大きな変貌を遂げる中、食料・農業をめぐる状況は大きく変化し、成果を上げた面がある一方で、懸念を覚える事態も生じてきております。 具体的には、この法律が目指した生産性の高い農業の実現や農家所得の向上、さらには野菜団地や畜産団地の育成など、生産の選択的拡大に成果を見ている反面、食生活の高度化、多様化が進む中で、米の消費は減少し、輸入農産物が増加したことなどによりまして、食料自給率は低下してきております。 また、農村部の若い人たちが他産業に吸収されたことなどから農業就業人口の減少や、また高齢化が進み、農業・農村の活力は次第に低下してきたと認識をいたしております。 本県におきましても、全体的には同様の傾向にあると考えますが、幸い、本県は、京阪神地域など大消費地に近いといった地の利や自然条件などに恵まれ、野菜などの産地形成が図られ、全国的にも有名なブランド産品が育成されるなど、一定の成果を上げてきていると考えております。 今後は、新しい基本法のもと、本県農業の振興を図っていくことになりますが、新法が目指す食料の安定供給の確保や、農業・農村が持つ多面的機能の発揮といった新しい農政の基本方向に沿った取り組みを、本県の特性を生かしながら力強く進め、本県農業・農村の発展に努めてまいりたいと、このように考えております。 介護保険制度の導入に関する御質問についてでございます。 介護保険制度は、老後の最大の不安要因でございます介護問題にこたえるために、高齢者が介護を要する状態になっても、尊厳を持って自立した生活を送ることができるよう、国民の共同・連帯の理念に基づき、社会全体で介護を支える仕組みをつくろうとするものでございます。 また、この制度は、今後の急速な高齢化の進展に伴い、介護サービスに要する費用の増加が避けられないことから、その財源を安定的に確保していくために、給付と負担の関係が明確な社会保険方式で運営することになったものであります。 介護保険を我が国に導入するに当たりましては、市町村長や保健・医療・福祉関係者等の意見聴取を重ねながら、審議会や国会等で三年余りの審議の末、平成九年十二月に介護保険法の成立に至ったものでありますが、制度の詳細が直前に決定されたこともあり、実際に事務を担当する市町村や一般国民の間で十分理解が得られていたかどうかについては、議員御指摘のような感想を持つ方も多いのではないかと、このように思われます。 介護保険法の成立後も、国の審議会等では、政省令等に委任された事項を中心に、制度の細部について審議を継続するとともに、制度の施行を半年後に控えた今日においても、介護保険制度をより一層円滑に導入するために、低所得者対策の充実や、認定対象外となった高齢者対策等について、さらなる議論が行われているものでございまして、こうした議論の積み重ねによって介護保険がよりよい制度になるものと確信をいたしております。 いずれにいたしましても、今後の本格的な少子・高齢化の状況が、我が国の社会経済に及ぼすさまざまな影響を考えますと、介護保険制度は二十一世紀を目前に控えた今日、導入することが必要な制度であると認識いたしておりますが、県といたしましても、この制度の一層の充実を目指しまして、必要な事項につきましては、今後とも国に対し要望活動を継続して行ってまいりますとともに、県として必要な施策の推進に努めてまいりたいと、このように考えているところでございます。   〔阿川議員出席、出席議員計四十二名となる〕   (青木教育長登壇) ◎教育長(青木武久君) 児童・生徒の豊かな体験学習の推進及び教育の一環として、地域で取れたものを学校給食に活用することについての御質問でございますが、核家族や少子化の進行、さらには生活様式の変化などにより、人間関係の希薄化や自然体験、社会体験の不足が指摘されております。 そのため、さまざまな体験活動を通して豊かな人間性や社会性の育成を重視した教育の推進が強く求められております。 現在、多くの小・中・高等学校におきましては、学校行事などの特別活動の時間を活用し、少年自然の家や青少年野外活動センターなどを利用した、さまざまな自然体験学習などに取り組んでいるところであります。 また、農園、果樹園や学校林等を活用した米づくりや野菜の栽培、杉、ヒノキの枝打ちなど、学校外での体験活動の取り組みも近年増加してきているところであります。 県教育委員会といたしましては、小・中学校では平成十四年度から、高等学校では平成十五年度から実施となる新学習指導要領により、新たに設けられます総合的な学習の時間の活用も視野に入れながら、豊かな人間づくりのための体験活動の推進に向けて一層取り組んでまいりたいと考えております。 また、学校給食に地域で取れた農作物を使用することは、郷土で生産する農産物に親しむことができ、あわせて地域の食文化及び地域農業を知る上においても大切なことであります。各市町村においては、すだちやタケノコ、大根、鳴門金時などの地場産品を使ったメニューを学校給食に積極的に取り入れておりますが、地域の野菜を使用するには供給体制や季節的な課題もあります。 県教育委員会といたしましては、今後とも学校給食の献立を立てる学校栄養職員の研修会などの機会をとらえ、地域で取れた農産物を利用するよう指導してまいりたいと考えております。   (高柳農林水産部長登壇) ◎農林水産部長(高柳充宏君) 地域で生産された農産物を地域内で消費するシステムづくりについての御質問でございますが、本県は、恵まれた立地条件を生かしながら、京阪神等の大消費地へ、周年を通じた、新鮮で安全な生鮮食料品の安定供給を目指し、農業の振興に取り組んでおります。 こうした中、県内産地を見てみますと、大型産地では大口のロットで大消費地へ向けての出荷が中心となっておりますが、県内の消費者にも視点を向けた地域では、農家自身が直売する朝市や青空市がふえており、新鮮さなどを売り物に活況を呈しております。 議員御指摘のとおり、消費者は安全で新鮮な農産物の供給を期待しているところであり、今後も、ますます地域内における農産物の流通についての社会的ニーズが高まることが予想されております。 このため、県といたしましては、産直市の設置など支援や、地域内流通のシステムづくりをなお一層進め、農産物の地域内流通を積極的に推進してまいりたいと考えております。 次に、中山間地域等への直接支払制度について、国が示した単価に上乗せをしてはどうかとの御質問でございますが、平成十二年度から実施される予定の直接支払制度は、耕作放棄地の拡大を防止し、農業生産の維持を図りつつ、多面的機能を確保するという観点で、全国の中山間地域等を対象に実施することとされております。 この交付金は、中山間地域等と平地地域等の生産条件の格差の範囲内で、全国一律の単価が設定され、集落協定に参加した農業者等に対し、直接支払われる仕組みとなっております。 この制度の推進に当たっては、国と地方公共団体とが共同で緊密な連携のもとで実施するとされており、県、市町村も応分の負担をすることとなっており、県独自の上乗せにつきましては困難であると考えておりますので、御理解を賜りたいと思います。 県といたしましては、この制度の趣旨について、広く関係者の理解を求めるとともに、市町村を初め関係機関と十分連携し、中山間地域支援のための各般の施策の推進とあわせて、地域の活性化に結びつけてまいりたいと考えております。 次に、中山間地域において、特にソバを奨励作物として推進してはどうかとの御質問でございますが、県内のソバの栽培面積は百三十二ヘクタールであり、県西部中山間地域を中心に各地で栽培されております。 議員御指摘のとおり、ソバは生育期間も短く、やせ地での栽培に耐えることから中山間地域での生育に適しており、特に祖谷そばは知名度も高く、観光産品の一つとして、県内はもとより県外観光客にも高い評価を得ております。 県としましては、中山間地域の特産物となっているソバにつきまして、ソバと雑穀の組み合わせにより生産面積の拡大を図るための「新特産産地形成促進事業」や、今年度から新たに商標登録された阿波・雑穀街道の品目の一つとして、ソバなどの消費拡大を図る「農山村地域おこし支援事業」等によって産地の一層の振興に努めてまいりたいと考えております。 次に、耕作放棄地の実態と県の取り組み状況等についての御質問でございますが、県下で耕作放棄されております面積は、最近の農業センサスによりますと、千八百九十七ヘクタールで、この面積は県全体の耕地面積の約六%を占めており、とりわけ中山間地域でこの割合が高くなっております。 県としましては、農業振興を図る上で、農地を良好な状態で確保し、その有効利用に努めることは極めて重要であると考えております。このため、農地保有合理化事業の推進、ファームサービス事業体の育成、体験農業や市民農園の整備の促進の施策に取り組むほか、本年度には農地の流動化を促進するため、市町村ごとに流動化目標を定め、県、市町村、関係団体が一体となって取り組むことにしております。 さらに、担い手が不足する地域においては、地域の農地を守っていくために、高齢農家や兼業農家を取り込んだ集落営農システムづくりに取り組むこととしております。 次に、本県における農地保有合理化法人についてでありますが、現在本県には、県下一円を対象とする徳島県農業開発公社があり、この法人は昭和四十六年から今日までに約八百八十ヘクタールの農地保有合理化事業の実績を上げております。また、地域段階では、昨年九月に阿南市農業協同組合が法人の指定を受け、事業の積極的な取り組みを始めております。 こうした農地保有合理化事業は、個人間では進みにくい農地の売買や貸し借りを促進できるという利点がありますので、今後とも積極的な推進を図り、農地の有効利用に努めてまいりたいと考えております。 次に、林業の特性をとらえた林業型デカップリングが導入されるべきではないかとの御質問でございますが、森林の多様な機能の発揮を図るため、山村集落等の活力を維持することが重要だと考え、農林業と一体となった地域振興や森林の整備を推進しているところであります。 しかしながら、林業における施策の枠組みは、旺盛な木材需要を背景に、活発な生産意欲が広く存在することを前提としたものであり、今日の林業を取り巻く現状においては十分な効果を発揮しにくいというふうに考えております。 そこで、国においては、本年五月、森林・林業・木材産業基本政策検討会を設置し、基本的な課題の整理、検討を行っております。 林業のデカップリングにつきましては、公益的な機能に着目した既存の助成措置との関係や、森林・林業の実態等を十分踏まえ、総合的な観点から今後検討がなされると聞いております。 県といたしましては、この動向を注視しながら、林業・山村の振興を図るため、今まで以上の手厚い施策が講じられるよう、国に対し、積極的に要望を重ねてまいりたいと考えております。   (黒川議員登壇) ◆六番(黒川征一君) 今の答弁について感想を述べさせていただきます。 教育長さんの答弁については、私も文教厚生委員会でありますから、付託委員会の中で不十分なところを詰めさせていただきたいなというふうに思ってます。 あと、農林水産部長さんの方からの答弁で、今の段階ではこの程度かいなと思いながらも、私は、冒頭申しましたように、農林業再生が私のライフワークでありますから、機会を通じてこの問題について議論し、そして問題を解決するというよりは、本当に農林業の再生ということが海をきれいにすることであるし、空気や水をきれいにすることであるし、グローバルの視点からでも地球環境を守るということから考えても、この問題には、一農林業に携わる問題ではないということが明確になっている状況であれば、ここにお金をつぎ込むことは、すべて人類や生物にとって必要であるというふうに思ってますし、このことなしに宇宙船地球号は守れないというか、宇宙船地球号の存在がないということから考えたら、この問題に対する大きくウエートを置いた金の配分、金の使い方が必要になってくるだろうというふうに思ってますから、この問題については、引き続いて私の、あらゆる機会を通じて取り組みを強化させていただきたいというふうに思ってます。 それでは次に、介護保険法の中身を具体的に質問し、真摯な答弁をお願いいたします。 介護保険法は、御案内のとおり、老人保健法と医療保険法の一部を取り出して、介護を必要とする高齢者等の皆さんに保健・医療サービス、福祉サービスの給付を行うことを目的とするものであります。それゆえに、六十五歳以上の高齢者の九〇%に近い人たちは介護サービスの適用除外となります。この人たちの中で、現在在宅サービスと言われるホームヘルパーの訪問やデイサービスなどを利用されている皆さんの中に、介護保険で自立と認定される人たちがたくさん出るのであります。私の試算では、ホームヘルパーの派遣が一千人、デイサービスの利用者で八千人程度がサービスの供給からはじき出されることになります。この人たちは介護保険制度では自立と認定されますが、現在の老人保健法ではサービスを必要とする皆さんであります。いわゆる要介護、要支援の予備軍と言われる人たちであります。高齢者の皆さんが住みなれた環境のもとで、いつまでも健康で明るく楽しい老後を過ごしていただくことは、国家、国民のすべてが願っているわけであります。もっと言及するならば、いかにして介護保険の適用にならないようにするかが、第一義的課題だと思っています。 次に、介護保険制度の中に組み込まれたサービスでありますが、非常に貧弱なために、徳島県が実施しているサービスより非常に後退しているものがあります。高齢者の在宅での生活を援助するために設けられた住宅改造であります。厚生省の介護報酬単価の住宅改修支給限度額というのが先ほど発表になりました。限度額は二十万円となっています。ちなみに、徳島県の住宅改造費助成の限度額は九十万円であります。以上、在宅サービスの一例でありますが、これ以上にもたくさんあるということを申し添えておきます。 介護保険制度は、自立が困難になった場合に、介護を社会全体で支える制度であります。国、県、市町村は、介護が必要な人をつくらない、ふやさない、むしろ少なくすることを念頭に置いた制度の確立が急務であります。 以上の観点から、県は、国に対して、介護保険制度の適用除外者、いわゆる自立と認定される人たちの支援制度の構築を強く働きかけるとともに、県単独で実施している制度も維持強化すべきであると考えます。御答弁を願います。 次に、介護保険制度の中身についてお尋ねします。 第一点目は、現在特別養護老人ホームに入所されている人たちは、来年四月一日から五年間に限って、入所者の自己負担額を七段階に区分して介護費用を納めるように提示されています。しかし、現在特別養護老人ホームに入所されている人たちの中で、収入がないために一切の費用徴収がゼロ円となっている方が、県下で百十五人、入所者の四・六%を占めています。この人たちも介護保険料プラス八千三百円が必要になります。年間十一万七千円ほどになるわけですが、老人ホームの負担額を支払うことができない人たちはどうなるのでしょうか。このことに対してどのような対応をしていかれるかを御所見をお伺いいたします。 第二点目は、十月一日から始まっています要介護認定であります。 介護認定は、日常生活の動作や心身の状態などを全国共通の調査票により調査するため、次のような大きな問題点があります。施設サービスの特別養護老人ホームや老人保健施設等は、施設整備段階において国の基準を満たしているため、全国一律の介護認定基準が適当とは言えます。しかし、在宅サービスを受ける高齢者の家族構成、住宅事情、生活環境は一人一人異なっています。もっと平たく言えば、高齢者や障害者が生活しやすいように設計された住宅と、借家でトイレの改造や段差の解消もできない住宅であったり、家族のいない高齢者と家族介護も一定程度保障された人たちや、隣近所へ行くにも相当な時間を必要とする山間僻地の高齢者など、在宅サービスを受ける環境は千差万別なのであります。例えば、介護度三や要支援と認定されても、施設サービスの介護とは根本的に違うということです。高齢者が日々生活している住環境を全く無視した認定基準によって、二〇〇〇年四月一日から在宅サービスも同時にスタートするということであります。人間を真空状態にして判断し、そして介護度一じゃ五じゃと決めたとしても、真空状態で生活することができるということはだれも思えない。 そういった中で、在宅というのは、本当に今言ったような状況に置かれている人たちを、同じ介護度で判断して、その人たちの生活をどう保障するかということを考えたときに、今度の来年四月一日からスタートする介護保険の介護認定というのは、全く人間を無視した制度であるということを皆さんに訴えたいわけであります。 介護度が同じであっても、生活実態が異なるので、在宅老人の介護認定についてこうした点を配慮するよう、国に求めるべきだと思うが、これについて県の見解をお伺いいたします。これは当然にして当然のことを求めています。 第三点目は、介護保険の保険料は、所得が多くなれば高くなることになっています。しかし、実際には所得がゼロの人でも標準保険料を取られる人がいます。その一方で、高額所得者は確定申告すれば税金が戻ってきますから、実際の保険料は少なくなります。例えば、標準保険料を三千円とした場合、第一階層は生活保護または老齢福祉年金の受給者で、世帯全員が住民税非課税者の層ですから、保険料は千五百円です。第二階層は、低所得者層のうち、生活保護や老齢福祉年金を受けておらず、世帯全員が住民税非課税の層ですから、保険料は二千二百五十円になります。第三階層は、低所得者層のうち、世帯のだれかが住民税を課税されている層で、保険料は三千円です。本人の所得がゼロでも三千円の保険料を支払わなければなりません。第四階層、本人の所得が百二十五万から二百五十万円までの層で、保険料は三千七百五十円です。所得がふえるにつれて税金の還元がふえますが、還元率が一〇%から二〇%と低いため、実際の保険料は、所得が百二十五万円の人で三千三百七十円、所得二百五十万円の人で三千百八十円となり、最も多数の保険料を負担する層であります。第五階層は、本人所得が二百五十万円から一千八百万までの層で、保険料は四千五百円ですが、しかし、税金が還元されますから、実際の保険料は二百五十万円の所得の人で三千百八十円、所得が一千八百万円の人は二千五百六十円でいいことになります。 このことから、第三階層の標準保険料を支払うことになる低所得者が一番苦しむことになるのであります。これを解消するために国に働きかけるべきだと考えるが、所見をお伺いいたします。 第四点目は、介護保険は現物給付を常としますが、福祉用具の購入費や住宅改修の支給などは償還払いとなります。また、高額介護サービス費なども高齢者が一たん立てかえ払いとなり、後日支給されるということになります。こうしたことは、低所得者の皆さんにとっては家計を圧迫することになります。よって、徳島県独自の施策として、介護保険の費用に係る生活福祉資金の貸付制度を創設することを提案します。 具体的には、徳島県社会福祉協議会が市町村社協を窓口にしての貸付制度がありますから、この制度に乗せればよいと考えます。この点についても御所見をお伺いいたします。 以上、介護保険制度の中身について、四点ほど、私の見解を述べさせていただきました。 このほかにも、低所得者への負担軽減、調整交付金の国庫負担二五%の別枠化、保険料未納などを補てんする財政安定化基金の財源を国と都道府県にするなど、枚挙にいとまがないほどありますが、それ以外については、全国町村会や全国市長会が国に要望していることを踏まえて、別の機会に譲ります。 最後に、県として国に要望することによって課題や問題点を解決する方法と、県独自の判断で実施できる課題も提案させていただきました。圓藤知事が新しい徳島づくりにかける思い、「いのち輝く世界の郷とくしま」を実現させるためにも、前向きな御答弁をお願いして、発言を終わります。   (辰巳保健福祉部長登壇) ◎保健福祉部長(辰巳真一君) 要介護認定で自立と判定された方々への支援制度に関する御質問でございますが、要介護認定で自立と判定されまして、介護保険サービスが受けられない高齢者への施策につきましては、国におきまして、今年度より在宅高齢者保健福祉推進支援事業が創設されまして、生きがい対策や保健予防対策など、さまざまな事業を市町村が総合的に取り組むことができるようになったところでございます。 県といたしましては、これまでに国に対して、自立と判定された方々に対する施策の充実と財政措置について要望してまいりましたが、今後とも、さらに強く働きかけてまいりたいと考えております。 また、県におきましても、国の事業とともに、高齢者保健福祉サービスの向上を図るため、議員御指摘の高齢者住宅改造などについて、県単独の支援事業を行っているところでございます。こうした県単独の支援事業につきましては、国における新たな施策や、他県における検討状況を見きわめつつ、そのあり方について十分検討し、今後なお一層、国、県、市町村の連携を密にいたしまして、支援施策の推進に努めてまいりたいと考えております。 次に、特別養護老人ホームの入所者負担金に関する御質問でございますが、介護保険の導入によりまして、介護保険施策の入所者に係る負担費用の仕組みは、従来のものと異なりまして、入所者には介護費用の一割と食費負担をしていただくことになります。ただし、特別養護老人ホーム入所者につきましては、制度の変更に伴い、施設利用時の負担が急激に増大することがないよう、五年間の経過措置が設けられることになります。 その特例措置の内容につきましては、現在国の審議会で審議中の事項でありますが、現在示されている案では、年間対象収入が二十四万円以下の方につきましては、一部負担は無料で、食費負担については無料から月額八千三百円までの範囲で段階的に設定されるというものであります。それ以上の詳しい内容は示されておりませんが、国においては、現行の低所得階層の利用者負担金と同様の設定を行う方向で検討していると伺っております。 また、六十五歳以上の方の保険料につきましても、所得段階に応じて、原則五段階で設定されるとともに、生活保護を受けられる方には、保険料や利用者負担金相当額が生活保護費として支給されるようになります。このほかにも、介護保険制度では低所得の方へのさまざまな対策が講じられることになりますが、県におきましては、制度の導入に伴いまして、低所得の方の負担が急激に増加することにならないよう、国に対して、さらに低所得者対策の充実が図られるよう要望してまいりたいと考えております。 次に、要介護認定の基準について、生活実態を配慮するよう国に働きかけるべきではとの御質問でございますが、要介護認定につきましては、国の審議会において、高齢者の心身の状況や介護の必要性を的確に評価することができ、事務負担が過重とならないよう簡便なものとする必要があることから、また高齢者をめぐる社会環境に左右されることなく、高齢者の心身の状況に基づき、客観的に行われることが重要であることなどの報告がなされておるところでございます。 現行の要介護認定基準は、この報告を踏まえて制定されたものであり、認定に係る訪問調査は、心身の状況に関する調査が基本となっているほか、認定審査会での審査判定においても、施設入所か在宅かどうか、あるいは住宅環境がどうかといった心身の状況以外の状況については、原則として勘案しないことになっております。このような経緯もございますので、市町村における要介護認定につきましては、現行の法令等の基準に基づき、公正かつ適正に運用されるものと考えております。 続きまして、所得段階別の介護保険料では、第四、第五段階の人は確定申告をすれば税金還付により負担が軽減されるが、第三段階の人は何の措置もないので、対応を国に働きかけてはどうかという御質問でございますが、税法上の社会保険料控除による税金還付を加味すれば、介護保険料の負担が結果的に低くなるという御指摘でございますが、税法上の取り扱いと介護保険制度上の保険料設定を一体として議論することが適切かどうかということもございますし、第三段階の方につきましても、同一世帯の課税対象者の方におきまして、税法上の社会保険料控除の対象となり得るものと考えるところであります。 なお、五段階の保険料設定につきましては、市町村の判断により、ある程度弾力的な設定が制度上、可能となっておりますが、これまでのところ、市町村から、国の標準以外の保険料設定を行いたいという意向等は聞いておりません。 県といたしましては、基本的に、国の標準に基づいた保険料設定はやむを得ないものと考えておりますが、今後市町村から別段の設定を行いたいという希望が出てまいりました場合には、適切に指導、助言を行ってまいる所存であります。しかしながら、県といたしましては、介護保険制度施行に向けまして、一層の低所得者対策や保険料の軽減対策などが必要と考えており、県の重要要望、中四国民生主管部長会議などあらゆる機会を通じまして国に対する要望活動を行ってまいりましたし、現在国におきましては、介護保険制度の円滑な実施のため、特別な対策等を検討中とのことでございますので、引き続き要望等を行ってまいりたいと考えております。 次に、徳島県独自の施策として、介護保険の費用に係る生活福祉資金の貸付制度を創設してはどうかとの御質問でございますが、介護保険制度におきましては、サービス利用者から徴収する一割の利用者負担が著しく高額にならないよう、高額介護サービス費を支給することになっておりますが、払い戻しを受けるまでの立てかえ資金等の調達が困難なケースも考えられるところでございます。 議員御指摘の、徳島県社会福祉協議会が市町村社会福祉協議会を窓口にした社会福祉資金による貸付制度につきましては、国に照会いたしましたところ、現在のところ、介護保険に係る資金は対象外との回答でございました。一方、介護保険法におきまして、市町村は利用者負担に対する資金の貸し付け等の事業を保健福祉事業として実施することができることになっております。 県といたしましては、保健福祉事業の活用について、市町村への周知を図ってまいりますとともに、生活福祉資金による貸付制度の介護保険への拡充について、国に対し要望してまいりたいと考えております。   (黒川議員登壇) ◆六番(黒川征一君) 最初の圓藤知事さんの方からの御答弁で、非常に前向きな答弁をいただいた介護保険の問題でありますが、当該保健福祉部長の答弁では非常に不満であります。 例えば、県単独の貸付制度についても、これを積極的にやるべきじゃないかという話が出ましたが、国がどうとか、市町村がどうとかという話でありますが、こういった問題、低所得者の問題やると言うなら、積極的に県が、県も汗かくきんど、市町村も頼むぜよと、こう言わなきゃ、市町村だけ汗かきなはれ、国も頑張んなはれ、県は何ちゃせんぞよという話にはならんと思います。こういった問題。 それから、県単独でやっている住宅改造、これについても、やっぱり継続するという答弁をいただきたいわけであります。そういった話。 それから、介護認定の問題でも、これ心身の状況、本人の心身の状況だけ見て、それ以外の生活の領域、生活環境とか一切無視して、人間を真空の中で評価して、それが正しいんじゃという話は、日本全国、世界どこへ行ってもあり得ない話でありまして、こんなばかげたことがわからないような状況。こんな制度をつくったという人間が、全くどこで生活しているんか。空気も吸わなきゃ、水も飲まない。そしてそこにうんこもしっこもしないというような状況の中で、介護度を決めるようなことは非常にばかげであるというふうに思っています。 県知事は、一偶を照らす、そして「いのち輝く世界の郷とくしま」を実現すると、こういうふうに申しております。私は、今、保健福祉部長が御答弁いただいたことについては、私の所属は文教厚生委員会であります。この中でしっかりと議論させていただくことを約束して、発言を終わります。(拍手)   ────────────────────────
    ○議長(近藤政雄君) 議事の都合により、休憩いたします。      午後二時二分休憩   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━    午後二時二十三分開議      出席議員計三十六名          (その番号・氏名左のとおりである)     一  番     川  端  正  義 君     二  番     嘉  見  博  之 君     三  番     森  田  正  博 君     四  番     喜  田  義  明 君     五  番     須  見  照  彦 君     六  番     黒  川  征  一 君     七  番     古  田  美 知 代 君     八  番     山  田     豊 君     九  番     岡  本  富  治 君     十  番     藤  田     豊 君     十一 番     谷     善  雄 君     十二 番     庄  野  昌  彦 君     十三 番     橋  本  弘  房 君     十四 番     冨  浦  良  治 君     十五 番     久 次 米  圭 一 郎 君     十六 番     長  池  武 一 郎 君     十七 番     大  西  章  英 君     十八 番     長  尾  哲  見 君     十九 番     樫  本     孝 君     二十 番     来  代  正  文 君     二十一番     竹  内  資  浩 君     二十三番     西  沢  貴  朗 君     二十四番     吉  田  忠  志 君     二十五番     北  島  勝  也 君     二十八番     児  島     勝 君     二十九番     原     秀  樹 君     三十 番     川 真 田  哲  哉 君     三十一番     遠  藤  一  美 君     三十二番     柴  田  嘉  之 君     三十三番     平  岡  一  美 君     三十四番     四  宮     肇 君     三十六番     元  木     宏 君     三十九番     阿  川  利  量 君     四十 番     谷  口     修 君     四十一番     大  田     正 君     四十三番     榊     武  夫 君   ──────────────────────── ○副議長(川真田哲哉君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 十七番・大西章英君。   〔福山・中谷・大西(仁)三議員出席、出席議員計三十九名となる〕   (大西(章)議員登壇) ◆十七番(大西章英君) 公明党県議団を代表いたしまして質問をさせていただきます。 先ほど、黒川議員さんが大変すごい緊迫した、格調高い質問をされたんで、私もやりづらいんですけども、四月の二期目の県議選を当選をさせていただきました。これはひとえに支持者の皆様方の御支援と思っております。皆様方に心より御礼を申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。また、引き続き四年間重責を担うことに対しまして、まことに身の引き締まる思いでございます。 二期目になりまして──議員としても二期目、そして党県本部の幹事長としても二期目を迎えまして、大変忙しくて、なかなか質問につきまして深く掘り下げることがなかなかできずに、きょうを迎えてしまいました。反省をしながら、また、しかしながら、理事者の皆様方はそれをお酌み取りをいただきまして、本当に簡単な質問でございますけども、いい答弁をしていただきたいと思っております。 改めまして、選挙というのは大変なエネルギーが必要なことを実感をいたしました。選挙を通しまして、体重が十キロぐらい少なくなりまして、当初は大変、本当に身も軽く、体も軽く、そして若返ったような気持ちでございましたが、いつの間にかまたもとに戻りました。本当に半年もして早くももとに戻るというのは何ということかと思いましたけども、体重はふえたり減ったり大変変化をいたしておりますけども、県政に対する責任感と初心は変わることなく、引き続き全力投球で取り組んでまいりたいと思います。 選挙が終わりまして、初めての一般質問ということでございまして、選挙前後を通しまして、大変さまざまな御要望を皆様方からいただきましたので、早速県民の代弁者として、少しでも多くの問題、課題を取り上げてまいりたいと思います。 まず、高齢者の対策についてお尋ねをいたしたいと思います。 まず、高齢者の方々、年金生活者の皆様方から多数お声をいただきました。最近は生活が苦しくなってきた、こういう声を多く聞きました。また、来年四月から介護保険が始まり、きょうも黒川議員さんが大変熱弁を振るわれておりましたけれども、新たな負担が生じ、そしてますます苦しくなるばかりでございます。年金制度というものは、少子・高齢化社会にあって、今難しい局面に差しかかっていることは事実でございます。大変パンク寸前だと厚生省は危機感を募らせておるわけです。これまで続けてきた年金制度は絶対に崩壊させるわけにはいきません。年金制度は国が責任を持って維持すべきであると私は思います。しかしながら、高齢者が老後を豊かに暮らすために年金以外でとるべき手段があるならば、積極的にその手段を取り組むことが必要と考えるわけでございます。 そこで、最近注目されているリバースモーゲージ制度というもの、これにつきまして、高齢化率の高い我が徳島県でも導入するべきではないかという御提案をして、それについて質問をしたいと思います。 リバースというのは逆のという意味で、モーゲージというのはなかなか聞きなれませんが、抵当という意味だそうでございます。つまりリバースモーゲージとは、逆抵当ということでございまして、ローンを完済している自宅に住み続けながら、その自宅を担保に融資を受け、利用者の死亡などで契約期間が終了したときに、担保不動産を処分することなどによって融資金を返済するというシステムでございます。 近年、急速に少子・高齢化が進む中、厚生年金や国民年金の給付水準を引き下げるというような報道を目にし、耳にします。こういうことに対し、年金に対する不安が増しておるわけです。また、夫婦だけやひとり暮らしの高齢者がふえておる状況でございます。また、自宅など資産はあっても現金収入が少なく、生活費や、来年四月から始まる介護保険の保険料を初めとする社会保障費が賄えないなどという高齢者世帯がふえているという社会状況となってもおります。 そういった状況の中、高齢者の方で持ち家所有者が、住みなれた町を離れることなく、これまで住んでいた自宅に住み続け、生活形態を変えることなく、ゆとりある生活を営むための、また高齢期の生活保障、生活設計のための自助努力の選択肢の一つとして、この制度がクローズアップされているわけでございます。 これまでに、武蔵野市と中野区が直接融資方式で実施をしております。また、東京都の八区三市、それから大阪市などの四市が間接融資方式で導入をしておるわけでございます。都道府県といたしましては、四国では高知県、そして大阪府が今後の導入を検討しているということをお聞きいたしました。 全国でも少子・高齢化が進んでいる我が徳島県でも、豊かでゆとりある社会を築くためには、行政がなし得る手段を積極的に行うべきでありまして、このリバースモーゲージ制度の導入を図るべきと考えますが、御所見をお伺いいたしたいと思います。 二点目、来年四月から介護保険がスタートするわけでございますが、御承知のとおり、この制度は在宅介護を推進し、支援することを重点的に考えている制度と言ってもいいわけでございます。在宅でのホームヘルプサービスにより要介護者の介護支援を行うものであります。ホームヘルパーさんが連日連夜、在宅の要介護者の介護のために、あの家この家へと訪問しておられます。ここで、ホームヘルパーさんに大変困ることがあります。それは、介護のために訪問する家に十分駐車スペースがある場合はよいのですけれども、駐車場がある家ばかりではございません。そういうときに駐車スペースを見つけるのは一苦労なことであります。それでも近くで見つかればよいのですけれども、なかなか見つけるのは大変なことです。これは徳島市を中心にした都市部の問題ではあるかと思いますけども、こういう現状があるということでございます。 公明党県本部では、長尾議員が本部長となりまして、介護問題対策本部を設置いたしました。ここで、介護の現場、最前線で働かれておられるホームヘルパーさんや介護支援相談員の方々と御意見を交換をしたところ、この駐車場問題で大変困っているという声が上がってまいりました。 私は、以前県に対しまして、せめて徳島市の二十四時間ホームヘルプ事業の夜間、深夜についてのホームヘルパーさんの安全のため、ホームヘルプサービスに使用する車の道路上における駐車許可を与えていただきたい、こういうことを要望いたしました。関係当局の御尽力、御配慮によりまして、やっとこの夜間の分につきましては実現することができました。その際お聞きしましたところ、他県では夜間だけでなく、ホームヘルプ事業全体にその措置をされているところがあるということでございまして、この際、徳島県におきましても、介護保険がスタートする来年四月をめどに、ホームヘルプ事業全体に、昼間のホームヘルプ事業、これにもそういったものを適用して拡大すべきであると考えますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。 次に、福祉施策についてお伺いをいたします。 一点目、まず、最近マスコミで報道されておりますが、福祉施設内で入所者に対し、職員が体罰を与えた、こういうことで問題になっておるわけでございます。このことについてお伺いをいたしますが、障害者施設に対し、県が特別監査を行うのは徳島県では初めてということのようでございます。どのような理由で特別監査まで行ったのか。そういったところをぜひお聞したいと思います。 また、その特別監査の結果はどうなったのか、この結果をお聞きしたいと思います。 それに関連しましてもう一点、それは私は、前回の質問でございますが、本年の二月議会で質問をさせていただきました。その際、福祉施設の運営には、今回事件の起こった障害者施設、ここだけでなく、福祉施設全体に種々問題、課題があるということがよく話としてお聞きをしております。 ついては、福祉施設の運営についての実態調査の実施並びに施設運営改善のための施設オンブズマンを設置してはどうかということを、その二月議会で質問をさせていただきました。その際は、保健福祉部長さんの御答弁をいただいたわけでございますが、「検討をいたしたいと思います」というような御答弁でございました。それからすぐにこういった事件が起こりまして、私といたしましては、そういう事件が起こらないように、日常的にそういう苦情とか改善点をぜひ県が吸い上げるべきではないかと、こういう趣旨でその質問をさせていただいたわけで、この際、こういった事件が起こった今回、ぜひこれにつきましてもう一度取り組みをしていただければありがたいなと、こういう思いで、今度は知事さんにお伺いをしたいと思います。 それから次に、交通安全対策についてお伺いをいたします。 道交法、道路交通法が改正をされ、来年四月からチャイルドシートの着用が義務づけられることになりました。御承知のとおりと思います。交通事故から子供の命を守るために、チャイルドシートの着用というものはどうしても避けることができないわけでございまして、新聞によりますと、子供さんがチャイルドシートをつけて事故に遭った場合と、つけてなくて事故に遭った場合というのは、そのチャイルドシートをつけて事故に遭った場合は、その死亡率が四分の一に減るというようなことが、数字として挙がっているということでございます。 そういうことで、今回の交通安全対策として、どうしてもチャイルドシートの着用の義務化は必要な改正ではあったと思います。しかしながら、シートベルトの着用義務と──これまでしておりましたけども、チャイルドシートの着用義務には違いが一つだけございます。それは、シートベルトは自動車そのものに備えつけられた安全装置であるわけです。既に法制化されて、こういうふうに、必ずシートベルトは車の一部としてついておるわけです。しかしながら、チャイルドシートは自動車には備えつけられておらず、使用する者が購入しなければならないという点があるわけで、これが大きな違いでございます。子供の命を何万円かで守れるのなら安いものだという、そういう考え方もありますけども、昨今の不景気の中で特別の出費は大変厳しいものでございます。 そこで、何点かお伺いをいたしますが、まず、現在、各警察署、高速道路交通隊等でチャイルドシートの無料貸し出しが行われております。これを質問をしたいという話をいたしましたら、これは警察のことではありませんや言う人がおりましたけども、何か私もその後調べましたら、大西仁先生が会長の交通安全協会がされてるということで、大西先生が答えていただいても結構なんですが、大変すばらしい施策であると私は思います。 徳島北署で七月から実施したところ、大変な反響があったと新聞記事に載っておりました。申し込みが殺倒したというわけです。貸し出し数には限りがあるようでございまして、私はぜひこの貸し出し個数を大幅にふやしていただきたいと強く要望するものでございます。 第二点目は、現時点でのチャイルドシート対策は警察だけで行っておりますけれども、私は知事部局でも交通安全の対策として取り組むべきだと考えます。少子化対策臨時特例交付金でチャイルドシートを購入して、貸出事業を実施する市町村があると聞きましたけども、どの市町村で、どれくらいの規模で実施するのか、お尋ねをいたします。 また、県は、市町村がチャイルドシート貸出事業を実施できるよう支援すべきであると思います。長野県では県がチャイルドシート貸出事業実施の手引書、マニュアルをつくり、市町村での実施を促進しようと取り組んでおります。徳島県におきましても、チャイルドシート貸付事業実施のマニュアルを作成し、市町村に配布するとともに、貸出事業を実施する市町村に対し補助を行うべきであります。 さらに、子供さんが大きくなり、家庭で不用となったチャイルドシートを行政が引き取って希望者に貸し出しをするチャイルドシートのリサイクルレンタル制度も有効な手段であると考えます。これはごみの減量化にも役立つもので、一石二鳥と思います。 県は、積極的に、今申し上げたチャイルドシートに対する諸施策、事業を実施すべきであると考えますが、御所見をお伺いいたしまして、再問をするとともに次の質問に移らさせていただきたいと思います。   (圓藤知事登壇) ◎知事(圓藤寿穂君) 福祉施設の実態調査の実施と、オンブズマン制度の導入についての御質問についてでございます。 社会福祉施設は、障害者や高齢者などの社会的弱者と言われる人たちが暮らす生活の場でございまして、利用者の処遇を初めとして適正な運営が行われなきゃならないのは当然でございます。 このため、県におきましては、毎年度施設に対しまして関係資料の報告を求めますとともに、県の係員を現地に派遣いたしまして指導監査を実施をいたしまして、施設の実態把握等に努めているところでございます。 また、国におきましては、苦情解決のための第三者機関の設置の方針を去る八月十日、中央社会福祉審議会に示したところでございます。 県といたしましては、これら国の動向を見きわめながら、福祉施設に対する第三者機関の設置につきまして、福祉サービスの質の確保とその向上を図る観点から検討してまいりたいと、このように考えております。   (辰巳保健福祉部長登壇) ◎保健福祉部長(辰巳真一君) リバースモーゲージ制度の導入を図るべきとの御質問でございますが、高齢者の老後の不安要因といたしまして、健康面や社会参加の問題とともに、所得保障の問題が挙げられます。 議員御質問のリバースモーゲージ制度は、こうした現役引退後の所得保障に関連し、高齢者の所有する土地や建物など不動産を担保に、生存中に年金の形で融資を受け、担保期間終了後に当該不動産を処分して償還するもので、収入はないものの資産を有する方にとって、住み続けながら資産を活用できるというメリットがございます。 現在、東京都武蔵野市等を初め、幾つかの都市部の自治体において導入されているところでありますが、担保期間を過ぎても生存している場合の資金回収の問題、貸付期間中の金利の上昇や不動産価値の下落による損失の発生など、まだまだ検討すべき多くの課題があると聞いております。 県としましても、リバースモーゲージ制度は所得保障の手段の一つとして考えられますが、国において議論されております年金制度改革の動向や、高齢者自身が就労により収入を得ながら社会に参画する傾向が強くなっていることなども勘案しながら、高齢者に対する総合的な所得保障の視点から、今後研究してまいりたいと考えております。 次に、知的障害者通勤寮等に対する特別指導監査の実施理由とその結果についての御質問でございますが、当該施設については、施設内において複数の職員が利用者にきゅうを行い、やけどを負わすという事態が生じたことが明らかになったことから、体罰の事実関係、利用者に対する処遇の状況、管理体制等を把握するため、毎年度実施しております定期監査とは別に、特別指導監査を実施したところであります。 監査の結果につきましては、現在施設から提出を受けた資料の精査等の詰めの作業を行っているところでありますが、今後厚生省とも協議を重ねながら、できるだけ早期に監査結果を取りまとめた上で、具体的な改善点を示し、適切な利用者処遇が行われるよう指導してまいりたいと考えております。   (塩田警察本部長登壇) ◎警察本部長(塩田透君) お答えをいたします。 まず、ホームヘルプ事業に使用する自動車の駐車許可についてです。 これは、道路交通法の規定によりまして、当該駐車する場所を管轄する警察署長の駐車許可を取っていただくこととしております。したがいまして、来年四月一日介護保険法の施行後も、従来どおり、申請に基づいて、昼夜を問わず駐車許可を出すことといたします。 次に、チャイルドシートの貸し出しの関係でございますが、チャイルドシートの使用については、円滑な施行を目指し、関係機関・団体との連携を強化しながら、重点的、集中的な広報啓発活動を進めており、その一環としてチャイルドシートの貸し出しや、警察署での展示を行っております。 チャイルドシートの貸し出しについては、正しい方法で使用し、その安全性を体験し、有効性を認識することでより普及が進むことから、現在各地区交通安全協会で約二百三十台が運用されているものであります。 お尋ねの貸し出しの個数については、現状で相当機能していると承知しておりますが、増強の必要性が認められれば所要の働きかけも検討してまいりたいと考えております。   (井内環境生活部長登壇) ◎環境生活部長(井内孝明君) チャイルドシート貸出事業を実施する予定の市町村についての御質問でございますが、今年度に実施を予定しておりますのは、徳島市、勝浦町、貞光町の三市町でございます。これらの事業は、国の少子化対策臨時特例交付金を活用して実施される事業でありまして、その事業費等につきましては、徳島市が五百万円で百台、それから勝浦町が百二十万円で三十台、それから貞光町が三百七十一万円で百九十一台となっております。 次に、チャイルドシート貸出事業について、市町村ができるように県が支援すべきでないかというふうな御質問でございますけれども、県におきましては、シートベルトの着用の推進とともにチャイルドシートの利用促進のために、交通安全運動等を通じまして広報・啓発に努めているところでございます。 チャイルドシートの貸出事業につきましては、県内の市町村や各地の交通安全協会などにおいて、その団体や地域の実情に応じて、自主的に実施されておるところでございまして、こうした主体的な取り組みが期待されるところでございますので、県といたしましても、情報の提供や指導、助言など、積極的に支援してまいりたいというふうに考えております。 また、チャイルドシートのリサイクルレンタル制度は、経費の節減の面からは効果的ではありますけれども、安全性を確保するといった面に問題がございまして、慎重な対応が必要であるというふうに考えております。 いずれにいたしましても、チャイルドシートの利用促進につきましては、重要な課題として、県、市町村等が連携を図りながら、この普及啓発に取り組んでまいりたいというふうに考えておるところでございます。   〔佐藤議員出席、出席議員計四十名となる〕   (大西(章)議員登壇) ◆十七番(大西章英君) それぞれ御答弁をいただきました。 まず、チャイルドシートにつきましては、答弁漏れ。チャイルドシートの貸出事業への補助をお願いしたいと、やるべきであると、こういうような話でございますが、一言も触れられておりません。しかしながら、段取り、準備があるかと思いますので、また書面ででも終わってから答弁をしていただきたいと思います。大体答弁の内容はわかっているような感じがしますので。 チャイルドシートのその貸出事業につきましては、市町村が実施できるように、少なくとも平成十二年度、この着用義務化が始まる平成十二年度、それから、その翌年の十三年度ぐらい、二年間ぐらいはぜひ行政としても支援するのがいいんじゃないかと私は思います。それで、この平成十二年度、十三年度ぐらい、二年間ぐらいは、ぜひとも私は、各市町村が貸出制度ができるように、ぜひとも県の取り組みをしていただきたい、こういうふうに思っております。 また、この点につきましての警察本部長さんのお答えでございますが、増強の必要性が認められれば、また今後そういうことも考えていきたいというお答えをしていただきましたけども、私もチャイルドシートの着用義務化は、大変非難ごうごうというのが本来実態なんですね。新たな負担が要るじゃないかと、どうしてくれるんですかという、安全性はわかっててもそういう皆さんの、若いお父さん方お母さん方の悩みというのが訴えられております。そういう中で、私はあえて、その私の質問の中で、この着用義務化はいたし方ない、交通安全対策なんだと、こういうことを評価した上で言ってるんですから、ぜひそこら辺をしんしゃくをいただきまして、これはもっと必要なんだということを申し上げておるわけで、ぜひ増強の必要性は認められる、こういう思いがいたしますので、ぜひ増強していただきたいと思います。 それから、またチャイルドシートですが、実は新潟県の上越市では、市単独でチャイルドシート購入の方に補助金を出すということをしております。それからまた、秋田県の横手市では、先ほど言ったリサイクルレンタル制度を既に実施をいたしておりまして、不用になったチャイルドシートを回収して、そしてそれをまた貸し出しをしていると、こういうことをやっておりますので、現実に。恐らく理事者の皆さん方は御存じの上で言われているかと思うんですが、念のため申し上げたいと思います。 次の質問に入らさせていただきます。 続きまして、教育問題についてお尋ねをいたします。 一点目、徳島中央高校についてお伺いをいたします。 この徳島中央高校は、昨年度より昼間の単位制高校が開設をされました。単位制高校は、御承知のとおり、大学と同じように、自分の意思で、自由に好きな科目単位を履修し、単位を取得するということができる学校でございます。それはいろんな意味があろうかと思いますが、通常の全日制高校、そういったものには対応できない子供たち、その子供たちのために。また高校中退者が多い。その高校を中退する人たちが、こういう学校だったら行ってもいいんじゃないかということで、そういう方々を受け入れる、そういった学校でなかったかなと私は思います。私の認識でございますが。 そういう状況の中で、この徳島中央高校の昼間の単位制課程が創設されて、その創設された年は、同課程への入学希望者は定員を大幅に上回りました。ちょっと、何人かというのは、正確な数字ではないと思うんですが、たしか定員が五十名で百名ぐらい入学希望したというふうに聞いておりますけれども、大変人気が高く、入学できない子供たちが続出をいたしました。そして、さらにはそのような状況であるがゆえに、昨年度、他の高校からこの中央高校、昼間の単位制高校に転校を希望した生徒が、私の知っている限りでは、だれ一人として受け入れてもらえなかったという事実がございます。これは当初の目的が果たされていないという感を受けるわけでございます。 この徳島中央高校の昼間の単位制課程の定員を大幅にふやして、そういった希望している皆さん方にぜひ対応できるようにしていただきたいと思います。 また、そのままでは高校中退となってしまうだろうという可能性が大きい、年度途中における転校希望者、全日制高校から単位制への転校希望者、この方々の受け入れもぜひ行うべきであると考えます。 さらに、この昼間の単位制課程の大幅定員増を行うために、またこの学校には通信制と夜間の定時制があるわけでございますけども、同校の施設規模では到底難しい状況でございます。現在の状況でも学校関係者は大変苦慮していると聞いております。現在地でグラウンドの拡大、駐輪場の拡大、体育館の拡大は行えないと思います。三課程が時代に対応し、多くの希望者を受け入れられるように、広い敷地に大きな施設をつくるべきだと考えます。この際、移転改築を行うべきであると考えますが、すぐには無理だということであったとしても、そういったものを念頭に、ぜひ施設の拡充を行うべきであると思います。これについてお聞きをしたいと思います。 教育関係では最後に、養護学校についてお尋ねをいたします。 現在、県内には養護学校が、板野──これ県立でございますが、板野、国府、鴨島、ひのみね、阿南の五校、並びに池田、日和佐の分校二つ、七校の体制で行っております。それぞれの養護学校における在籍児童・生徒数は、板野が百一、国府が二百二十一、池田が六十二、鴨島二十七、ひのみね六十六、阿南八十九、日和佐二十二の各人数でございます。断トツに国府養護に通う子供たちが多いわけでありまして、徳島市の子供たちが七十九名通っておるということがその原因の一つでもあります。 国府養護以外では、ほぼ二けたの児童・生徒数で、板野が百一名、国府養護の生徒数は、他の学校の二倍以上であります。生徒が国府養護に集中しているのはさまざまな理由があるかとは思いますけども、しかしながら、徳島市内で通学という形で子供さんが国府養護に通っている保護者の方々からは、徳島市内にぜひもう一校、養護学校をつくっていただきたい。この国府養護は、徳島市内でもかなり西部に位置しておるわけでございまして、徳島市東部地域にもぜひ養護学校をつくってもらいたいという声が上がっておるわけです。 先ほど私が御説明しましたように、国府養護は、他の養護学校に比を見ない、断トツの生徒数を持ってるわけでございまして、こういった状況を考えますと、ぜひ養護教育を受けたいとの需要が、さらなる充実のためにこういうことをぜひ対応していただきたいと考えるわけでございます。 それから、次に移りますが、次は骨髄バンク、臍帯血バンクについてお伺いをいたします。 私ども公明党といたしましては、これまで白血病、再生不良性貧血の治療法として骨髄移植、臍帯血移植があるということで、その公的機関として骨髄バンク、臍帯血バンクを設置して、そしてそういった治療に対して行政が手を差し伸べるべきであるということで、一貫して主張して取り組んでまいりました。 今現在としては、骨髄バンク、臍帯血バンクともに今機能しておるわけでございますが、その状況といたしまして、まず白血病につきまして年間五千人、重症再生不良性貧血の方が年間三百人、毎年発病しておるということでございます。骨髄移植につきましては、骨髄バンクで全国で三十万人のドナー登録を目指しておりまして、本年七月末現在で全国十二万人、徳島県では五百三十人の登録がなされておるようでございます。全国におけるドナー登録目標から、人口比で徳島県の目標数を計算をいたしますと、二千人。この二千人が徳島県としての目標でございます。現在は五百三十人。また、臍帯血移植につきましては、平成十年八月に、中四国の臍帯血バンクが設置され、本年八月には全国ネットが発足いたしました。全国で二万個、中四国で二千個の採取・保存を目標にしております。昨年十月の時点で、全国二千七百個、徳島県で約百個の保存登録をしておるようでございます。 第一点といたしましては、保存あるいは登録の目標からいたしますと、現状、徳島県としてはまだまだ十分ではない数字であり、これは啓発活動が十分ではないのではないか、こういうふうに思うわけでございます。一層積極的な啓発活動が必要だと思いますけども、いかがでございますでしょうか。 ちなみに、この骨髄移植の推進の団体につきましては、庄野議員さんも一生懸命、会員となられて頑張っておるところでございます。 例えば、こういうこの啓発活動につきましては、地区ごとに、小さな単位でございますが、患者や家族、また関係者の実際の体験談の講演などを中心としたPRの会合を行ってはどうか。その生の体験談を聞くと、大変感動するとともに、本当にこの必要性を感じるところだと思います。 第二点目、臍帯血バンクにつきましては、中四国臍帯血バンクの本部が徳島県にあることは御存じだと思います。県は、臍帯血の採取保存に全力を尽くすべきであると思います。現在、採取について、徳大医学部が民間の一病院に委託をして実施しておる状況であります。広島市の県赤十字血液センターでは、今月から臍帯血保存業務がスタートいたしました。これは、中四国臍帯血バンクにおいて三番目の施設となります。ここでは、広島赤十字原爆病院、それと広島大学病院、県立広島病院の三つの病院から採取されたものを集中保管することになっております。徳島県におきましても、一つでも多くの臍帯血を採取できるよう、県立中央病院において採取を実施するべきであると思いますが、御所見をお伺いいたしたいと思います。 次に、少子化対策についてお伺いをいたします。 少子化対策でございますが、知事も所信表明の中で、「平成十年度には、本県の合計特殊出生率が一・四二と過去最低となるなど、少子化の進行は、将来の生産労働人口の減少や、一人当たりの社会保障費の負担の増大など、社会全体の活力に大きく影響する重要な問題だと考えております。そのため、本県においては、とくしま子ども未来21プランにより、子育て支援施策の推進を図ってきたところでありますが、云々」と、こういうふうに述べられております。 この合計特殊出生率一・四二という数字は、一組の夫婦で一・四人のお子さんが生まれておるということでございます。しかしながら、これは一・四人生まれているからいいじゃないかということでございますが、どうも統計学というか、学問上は、この一・四人ということは、人口が自然減をするという数字だそうです。したがいまして、徳島県はこういう数字が続く限りにおいては、徳島県の人口が自然減少していくということを意味するわけでございます。知事さんはもう御承知だと思います。 それで、私は、これにつきまして申し上げたいのは、このとくしま子ども未来21プランというのは子育て支援施策の推進であります。私は、この少子化対策の一番の根本は、子育て支援も重要でありますし、私どもも言ってきたところでありますけども、やはり子供さんが生まれなければどうしようもないんじゃないかということがあるわけで、そういったことで、私も以前から質問をしてきた問題が、不妊の御夫婦の問題、不妊治療についてを質問をしてきたところでございます。 この不妊症に悩む御夫婦は、全国で百三十万組に上ると言われております。実に十組に一組が何らかの不妊症に悩んでいる計算でありまして、不妊治療のうち、人工受精、体外受精、顕微受精といった高度な生殖技術が必要な治療には、現在医療保険が適用されておりません。そして、こういった状況の中で、厚生省研究班がアンケート調査をしたところ、これの費用の問題でございますが、治療、検査の費用負担については、十万から三十万円未満が一九・二%、五十万円から百万円未満が一五・八%、百万円以上かかった人が全体の四割という結果が出ております。不妊治療の負担の高額さを物語る結果でございます。また、通院にかかった交通費や宿泊費、はり・きゅうや整体などの東洋医学、精神科の受診や心理カウンセリングなど、直接の治療以外に使った費用は、やはり高額な金額が示されております。 そういった状況の中で私が申し上げたいのは、不妊治療に保険が適用されることがまず大変に重要なことだと思っております。不妊治療に保険が適用されるよう、ぜひ徳島県としても、一生懸命国に働きかけていただきたいと思います。 また、不妊治療に対し保険が適用されるまでの間、徳島県として、不妊治療に対し県独自の助成を行うべきであると考えますけども、いかがでございますでしょうか。 さらに、不妊治療専門の相談窓口を開設して、そういった悩んでおられる方々に対して対応するべきであると思います。これにつきましては、「いのち輝く世界の郷」、いのちを輝かせたいという知事さんに直接お答えをいただきたいと思っております。 続きまして、時間あるようでございますので、ついでに全部質問いたします。 放置自動車の対策についてお尋ねをいたしたいと思います。 放置自動車というのは、新聞紙上を常ににぎわしておる問題でございまして、私の選挙区、徳島選挙区におきましても大変大きな問題となっております。具体的に言うのもいかがなものかと思いますが、具体的に言わないとわからないかもしれませんので、沖洲の地区で公共の河川敷、そして海岸地帯、それから津田の木材団地、こういった道路や、それから公共用地、こういったところに我が物顔で車が放置されております。中にはナンバーがないものも多数ありますし、タイヤの取られているものもあります。ボンネットがあいているものもあるし、窓ガラスが割られているものもあります。そういったものが山積をしているわけでございますが、こういった状況がこのまま続いては大変なものになる。これをだれが処理しているかというと、それぞれの河川なり、港湾なり、その管理者がそれぞれ費用を出して処理をしております。中にひどいのは、民間の駐車場にそのまま置きっ放しにして、何度その通告をしてもそれをのけない、こういう悪質な人もおるようでございます。 こういったものを野放しにしておけるのか。自動車を放置した者が勝ちなんだというような、そういうことは絶対にあってはならない、私はこういうふうに思いますので、ぜひこれに対して、条例制定が必要であれば、条例制定も含めて、取り締まりを強化し、放置自動車を一掃すべきだと考えております。これについての県の御所見をいただきたいと思います。 最後に、河川管理についてお聞きをいたします。 河川管理については、谷口議員なんかもいつも吉野川の河川管理はできてないというふうに言われておりますが、私は鮎喰川のことを取り上げたいと思います。 鮎喰川の河川敷、特に中鮎喰橋というんでしょうかね、中鮎喰橋下流でございますが、こういった地域はいろんなものが、小屋が建ててあったり、自動車のスクラップが山となっておったり、そういった箇所が幾つもあるわけでございます。それぞれになかなか難しいから今もそういう状況になっているのかもしれませんが、こういった状況が河川管理上、問題ではないのかと。そして県は適正な管理を行うべき義務があると思うんですけども、こういったものにつきましては、どういうふうに対処される考えがあるのかと、こういうことをお聞きしたいと思います。 御答弁によりまして、また再問したいと思います。   〔杉本議員出席、出席議員計四十一名となる〕   (圓藤知事登壇) ◎知事(圓藤寿穂君) 骨髄バンク、臍帯血バンクへの登録、採取を推進してはとの御質問についてでございます。 白血病や再生不良性貧血などの血液難病の有効な治療法として、骨髄移植や臍帯血移植がございまして、これを推進するため、骨髄バンクや臍帯血バンクが設立されているわけでございます。 本県におきましては、議員御指摘のように、骨髄バンクへの骨髄提供希望登録者数が、本年八月末で五百七十三名と、全国で最少となっております。このため、去る八月二十五日に、骨髄移植二千例達成記念として、全国展開されておりますキャラバン隊の表敬訪問をいただきました際に、白血病でお子さんを亡くされた方などから、骨髄バンクや臍帯血バンクの推進に対する御要望をお聞きいたしました。登録の推進策の一つとして、早速この十月から骨髄バンクへの登録受付窓口を三カ所から、二次医療圏ごとの六カ所に増設したところでございます。 臍帯血バンクにつきましては、徳島大学医学部附属病院が中四国臍帯血バンクとして、四国で唯一の検査・保存施設となっておりまして、県内の医療機関の協力をいただいて、約百個の臍帯血の採取・保存が行われております。しかしながら、臍帯血の採取・保存には厳しい技術指針が定められておりまして、また多額の費用を要することから、近畿ブロック知事会などを通じまして、国において、全国規模で臍帯血移植実施体制の緊急整備を図るよう要望を重ねております。 いずれにいたしましても、骨髄移植や臍帯血移植については、提供しようとする県民の皆様の深い御理解と御協力があって初めて、白血病等で苦しんでおられる患者や御家族の助けとなるものでございます。 県といたしましては、日々悩み苦しんでおられる患者や御家族のために、骨髄移植や臍帯血移植の重要性、有効性などを県民に広く、積極的にPRいたしますとともに、議員御提案の趣旨も踏まえまして、普及啓発方法にも工夫を凝らし、患者さんや御家族などの御協力をいただいての啓発パネル展や街頭キャンペーンの実施、徳島県ホームページへの掲載など、骨髄移植や臍帯血移植の普及啓発に積極的に努めてまいりたいと、このように考えております。 不妊治療についての御質問でございますが、不妊は、一般的に十組の男女に一組あるというふうに言われておりまして、子供を希望される御夫婦にとりましては、家庭的、社会的側面も含めて深刻な問題でございます。 県といたしましても、人口の自然減少が進行し、他県に先駆け、少子・高齢化社会を迎える中で、子供を希望される御夫婦の願いを大切にし、その悩みにできる限りこたえていかなければならないと、このように考えております。 国におきましては、現在内閣総理大臣が主宰をいたします少子化への対応を推進する国民会議におきまして、不妊治療に対する医療保険の適用も含めた支援方策について検討が行われているとお伺いをいたしております。 不妊治療には多額の費用を要することから、議員御指摘のように、不妊治療への保険の適用や、不妊治療に対しての助成といった経済的負担の軽減策を講じていく必要があると考えておりまして、県といたしましては、不妊治療の保険適用も含めた少子化対策としての経済的支援策の実現につきまして、国に対して強く働きかけてまいりたいと、このように考えております。 また、保険適用されるまでの間の、県としての不妊治療に対する助成につきましては、対象者の範囲を初め、検討すべき課題も多く、国の動向や他県での実施状況なども見きわめながら、慎重に検討してまいりたいと、このように考えております。 また、不妊に悩まれている方々への相談につきましては、これまでも保健所におきまして、一般相談の一つとして対応しておりますとともに、県立病院におきましても、専門の相談日を設けて対応いたしております。 県といたしましては、今後不妊に悩まれている方々に対しまして、精神的な負担を軽減できるよう、不妊治療も含めた、より医学的、専門的な相談窓口の設置につきまして、関係医療機関とも十分協議しながら検討してまいりたいと、このように考えているところでございます。   (青木教育長登壇) ◎教育長(青木武久君) 徳島中央高等学校の昼間単位制の受け入れを拡大してはどうか、また全日制からの転校希望者の受け入れを積極的に行ってはどうかとの御質問でございますが、徳島中央高校につきましては、平成十年四月から単位制課程を導入いたしましたが、特に昼間部におきましては、平成十一年度に募集定員を若干ふやしましたものの、二カ年とも予想を上回る志願状況がございました。 単位制高校の特色であります柔軟な履修形態や、自由な雰囲気の中で学べることが、生徒や保護者のニーズに合った結果と考えております。このような志願状況から考えまして、議員御指摘のように、昼間部への受け入れ拡大や、全日制からの転校希望者の受け入れにつきましては、その必要性を認識いたしております。 しかしながら、徳島中央高校は、定時制昼間部、夜間部、通信制を持つ学校であり、そのため、現在の施設設備ではこれ以上、受け入れにつきましては困難な面がございますので、御理解を賜りたいと存じます。 続きまして、移転改築を視野に入れながら、徳島中央高等学校の施設拡充を検討してはどうかとの御質問でございますが、定時制課程全般につきましては、徳島県教育振興基本構想の中間まとめにおきまして、生涯学習の視点から、さまざまな高校教育の場を提供するためにも、その一層の充実を図ること。また、そのためには地域的な条件等に配慮しながら、多様な高校教育が可能な学校規模を維持するために、定時制の統廃合を推進し、新たな独立校を設置することとの方向性が示されております。 したがいまして、改築につきましては、徳島県立高等学校教育改革推進委員会での検討結果や、議員御提案の趣旨を踏まえ、いろいろな角度からそのあり方を検討してまいります。 障害児教育の充実のために、徳島市東部地域に養護学校を新設すべきとの御質問でございますが、本県における障害児教育につきましては、平成二年の学校配置に関する徳島県立学校学科適正配置検討委員会の報告、平成八年の教育の充実に関する徳島県教育振興審議会障害児教育部会の答申を踏まえ、現在その充実、振興に努めているところであります。 このうち、学校配置に関しましては、さきの検討委員会の報告を踏まえ、国府養護学校の拡大規模解消と県南地域における障害児教育に対するニーズへの対応のため、平成八年に阿南養護学校を設置したところでございます。この結果、知的障害養護学校といたしましては、県立では、本校二校のほかに、日和佐、池田の二分校、また徳島市内に設置されている鳴門教育大学附属養護学校を含め、ほぼ全県的に配置されている状況にあると考えております。児童・生徒数の点でも、全体として少子化傾向もあり、今後著しく増加するとは考えにくい状況でもあります。 なお、県立本校二校には、通学の便を図るためスクールバスを運行しており、徳島市内の方々の要望におこたえいたしているところでございます。 県教育委員会といたしましては、今後とも障害児教育諸学校の教育内容の充実、地域の障害児学級の充実を通じまして、障害のある児童・生徒にとって適切な教育が実施できるよう、全県的な視野に立って努力するとともに、児童・生徒数の推移についても慎重に見守ってまいりたいと考えております。   (辰巳保健福祉部長登壇) ◎保健福祉部長(辰巳真一君) 県立中央病院でも臍帯血採取を行うべきであるとの御質問でございますが、県立中央病院におきましては、徳島大学との連携のもと、臍帯血採取を実施しているところでございます。ただ、採取する臍帯血の条件といたしまして、例えば妊婦が妊娠中に薬を服用していないこと、妊娠三十二週以降、定期検診を受診していることなど、厳しい条件のために、事例といたしましては、昨年度一件となっております。 県といたしましては、血液難病の有効な治療法である、臍帯血移植推進のための採取について、徳島大学と連携を図りながら、今後とも努力してまいりたいと考えております。   (塩田警察本部長登壇) ◎警察本部長(塩田透君) 放置自動車の取り締まりの強化についてお答えをいたします。 放置自動車につきましては、放置されている場所、態様及び車両の外観的状態等によりそれぞれ対応方法が異なるところであります。 放置自動車のうち、解体業者等による悪質な不法投棄は環境犯罪ととらえ、廃棄物の処理及び清掃に関する法律により徹底した取り締りを行うべきものと考えております。 また、事故の発生が予想される、危険な状況下にある放置自動車や、交通上の支障となっている路上放置自動車等の事案につきましては、廃棄物の処理及び清掃に関する法律を初め、道路交通法令等、各種法令を適用した取り締まりを行うとともに、道路管理者や関係行政機関と連携して適正に処理してまいる所存であります。   (井内環境生活部長登壇) ◎環境生活部長(井内孝明君) 放置自動車対策について、県条例制定を含めて取り締まり強化をし、放置自動車を一掃すべきという御質問でございますけれども、経済情勢の変化に伴いまして、自動車の廃棄処分に際しまして処理費用が必要になってきております。このため、山間部や河川等に自動車が放置されております。 放置自動車につきましては、不用物として放置されたものであれば廃棄物に該当し、廃棄物処理法の適用を受けますが、放置者の特定や所有の意思の確認などが必要であり、その処分は非常に困難なものとなります。また、遺失物や犯罪等の観点から警察との連携も必要であります。 このような状況に対しまして、県条例の制定の御提案ではありますが、県といたしましては、これら放置自動車の問題に適切に対処するため、不法投棄一一〇番制度の設置、市町村、保健所、警察、建設省等、関係団体で構成する「徳島県産業廃棄物不法投棄対策連絡協議会」を通じ、積極的に指導監視を行っているところでございます。また、さらに平成九年には廃棄物処理法が改正されまして、不法投棄に対する罰則が大幅に強化されておりまして、その指導監視に努めているところであります。 今後におきましては、警察等関係機関並びに土地及び施設の管理者との連携をさらに強化し、放置の未然防止に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。また、社団法人日本自動車工業会等事業者団体との連携も図りながら、放置自動車の一掃に向けて努力をしてまいりたいと考えておりますので、よろしく御理解いただきたいと存じます。   (甲村土木部長登壇) ◎土木部長(甲村謙友君) 鮎喰川の河川管理についてでございます。 まず、小屋についてでございますが、これは河川区域内の民有地に耕作上の必要から設置されております。しかしながら、河川本来の機能は洪水などの災害防止でございますので、民有地といえども河川の中にみだりに工作物が設置されることは、この機能を減ずることとなる場合がございます。こうしたことから、その設置箇所が特に河川の流水を阻害すると認められるものについては、民有地所有者等との調整を図りながら、適正な指導に努めてまいりたいと考えております。 次に、自動車スクラップの存置についてでございますが、この行為は河川管理上、流水を阻害するおそれがあると認められますので、再三再四撤去指導を行っているところでございます。 今後とも、監視を継続し、関係部局とも連携しながら、早い時期に原状回復が図られるよう強力に指導してまいりたいと考えております。   (大西(章)議員登壇) ◆十七番(大西章英君) 意外と時間がなくなってしまいまして、養護学校につきましては、私は、県全体で平成五年が三千六百五十七名、八年度には四千百二十三、平成十年度では四千三百九十八、徳島市でも同じような傾向で療育手帳の交付状況がございます。したがいまして、養護学校はぜひ私は考えていただきたい。ふえてるわけです。そういうことで御理解をし直していただきたいと思います。 それから、不妊治療への県単独の補助も鳥取では行っております。そういったことで、ぜひそれぞれの施策は私もいいかげんに言っておるわけでございませんので、ぜひ積極的にやっていただきたいと思います。 最後になりますけども、二期目の初めての登壇でございますが、一期目、四回質問いたしまして、いつも検討しますとか、いつも慎重にとか、いつもそれはどうこうと言われまして、だんだんなれてきて、あんまり私も反応しなくなってきたんですけども、私もこれではいかんなと思いながらも、再問をしたいと言うと、いやいやそれはこうこうこうでということで、大変なかなかそういう中で、ぜひやっていただきたいことにつきましては、しつこく、これからも繰り返し本会議でも委員会でも質問してまいりたいという決意だけ述べさせていただきまして、終了いたします。本当にありがとうございました。(拍手)   ──────────────────────── ○副議長(川真田哲哉君) 議事の都合により、休憩いたします。      午後三時二十三分休憩   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━    午後三時五十二分開議      出席議員計四十一名          (その番号・氏名左のとおりである)     一  番     川  端  正  義 君     二  番     嘉  見  博  之 君     三  番     森  田  正  博 君     四  番     喜  田  義  明 君     五  番     須  見  照  彦 君     六  番     黒  川  征  一 君     七  番     古  田  美 知 代 君     八  番     山  田     豊 君     九  番     岡  本  富  治 君     十  番     藤  田     豊 君     十一 番     谷     善  雄 君     十二 番     庄  野  昌  彦 君     十三 番     橋  本  弘  房 君     十四 番     冨  浦  良  治 君     十五 番     久 次 米  圭 一 郎 君     十六 番     長  池  武 一 郎 君     十七 番     大  西  章  英 君     十八 番     長  尾  哲  見 君     十九 番     樫  本     孝 君     二十 番     来  代  正  文 君     二十一番     竹  内  資  浩 君     二十二番     福  山     守 君     二十三番     西  沢  貴  朗 君     二十四番     吉  田  忠  志 君     二十五番     北  島  勝  也 君     二十六番     杉  本  直  樹 君     二十七番     佐  藤  圭  甫 君     二十八番     児  島     勝 君     二十九番     原     秀  樹 君     三十 番     川 真 田  哲  哉 君     三十一番     遠  藤  一  美 君     三十二番     柴  田  嘉  之 君     三十三番     平  岡  一  美 君     三十四番     四  宮     肇 君     三十六番     元  木     宏 君     三十七番     中  谷  浩  治 君     三十八番     大  西     仁 君     三十九番     阿  川  利  量 君     四十 番     谷  口     修 君     四十一番     大  田     正 君     四十三番     榊     武  夫 君   ──────────────────────── ○副議長(川真田哲哉君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 十五番・久次米圭一郎君。   (久次米議員登壇) ◆十五番(久次米圭一郎君) ただいまから一般質問をさせていただきたいと思います。 私は、ただいま現在の徳島県の課題、住民の要望、住民の関心事といったことに絞りまして、具体的な質疑をさせていただきたいと存じますので、知事を初め理事者の皆さんにおかれましても、どうか明快なる御答弁を要望しておくものであります。 まず、徳島─関空ラインの廃業といった問題について質疑をさせていただきます。 九月二十五日付の新聞紙上で大きく、徳島─関空ラインが廃業するんだということで、会社が組合との間で話し合いを始めておると、既に二回目の交渉を持っておると、こういう記事が載っておりました。 正確に言いますと、これは徳島─関空─大阪港ラインの廃業なんですが、しかし、その影響度の大きさから言いますと、大阪までの海上交通路が廃業されましても、大半の住民の方はやむを得ないなと、そうかなと、こう思うだろうと思うんですが、関空ラインというところにやはり大きな問題があるんだろうと思います。報道の見出しもそうなっておったのはそこにあると、こう私は思うわけです。 きょうの午前中の原議員の質問の中で、これに関連したことが取り上げられたのは御案内のとおりですけれども、知事のこれに対する認識と申しますか、御答弁を私は、あれっという思いで聞いたわけです。知事の答弁は、徳島─大阪航路及び徳島─和歌山航路は現在継続されておる。だからマリンターミナルのターミナルビルについても続けて、いましばらく続けるんですと、こういう御認識でありました。しかし、聞いた方は、もうやめるんだということを前提にしているわけですね。 私は、これまでの交通対策特別委員会の質疑とか、その後の担当者とのお話し合いとか、私は会社側のトップの方とも会って話聞いてますけれども、事態は労使交渉の結果を見守るというような段階ではないんですね。もう会社側としては、この航路を現在の状態で継続することは一〇〇%あり得ない。それはみすみす倒産を待つだけだと、こういうことをはっきり言よるわけです。言うまでもありませんけれども、その主たる原因は、明石海峡大橋の実現によって、大阪への県民のこのアクセスがバス路線に大方奪われてしまったと、こういうことが原因です。その巻き添えみたいな形で徳島─関空間の航路も廃止されると、こういうことであります。 試みに、どういう状況になっておるか調べてみましたところ、徳島と大阪間、同じく徳島─関空間について、船の乗客数の推移ですけれども、平成九年度、これは明石の橋ができる前ですけれども、徳島─大阪間が四十九万二千人、これ年間。翌、橋ができた後、十年度は十六万四千人。半数を大きく割ってしまっておるわけです。それでは関空と徳島間はどうかといいますと、十八万九千人であったものが十六万二千人に減っておる。大阪までの航路と比べると微減という程度ですね。 この航路の重大性はもう言うまでもありません。そもそも関空そのものが、二期工事で滑走路を拡張工事をするということで、この本年七月十四日に起工式をしたことは、知事も御案内のとおりであります。そしてこの関空には、徳島の至近距離にある、海上わずか八十四分で結べると、こういうことがあるからこそ、この関空の事業に対しても、これまで十九億二千六百万の出資をしとるのも御存じのとおりであります。また、けさほどの論議にもありましたように、マリンターミナルを平成六年に完成させて、これを基地にしたことも言うまでもありません。つまり、今や関西国際空港というのは、海外に行く便だけでなしに、国内の遠距離を含めて、非常に関西の中心的な空港です。今後もその役割はうんとふえるだろう。ちなみに関空の二期工事が完成するのは、稼働を始めるのは八年先。そして完成後は、現在の発着便数が五〇%ふえると、こういうことになっております。そうすれば乗客もふえる。徳島へ来る人もふえるだろうと。あるいは徳島からこの関空を利用する人もふえるだろうと。これは見え透いたことであります。 こういう情勢の中で、関空を結ぶ各船舶ですね、フェリーの状況どうなっとるか。徳島航路のほかに淡路航路があります。淡路エアポートラインという会社がありまして、こちらは淡路島の津名町が中心になって、一市十町の経営で、いわゆる三セク経営で、そして頑張っとるわけです。これはやはり淡路島の大きな意味での振興を目指して、住民の理解を得ながら、多少の出費を覚悟で継続しようという意気込みですね。淡路島にしてこの意気込みがあるのに、徳島は少なくとも徳島─関空間は何とか残す、こういうふうな方法を模索してはどうかなと、こういうことを提言申し上げたいんです。 これまでの県の対応をお聞きしてみますと、じっと手を打たないで推移を見守っておるやに見える。これは委員会での質疑を通しても、労使交渉の経過を見たいというふうなことを言われますのでね。しかし、私がこれまで申し上げたような、いわゆる会社の経営状況については、先刻県は御承知のはずであります。なぜなれば、本年平成十一年度からは、県は会社に対して、まあこれ私企業ですけども、現在は、会社に対して年間三千万円の特別の補助金を出しております。これも知事は御承知のとおり。それぐらいこの航路が継続してほしいという知事の意思があったと、当然思います。それであるだけに、会社側が廃業を前提として労使交渉に臨むとすれば、それに先立って、もういよいよ廃業したい、労使交渉にも入りたいということは、当然県に意思表示があったと思います。これいかがでございますか。あったと思いますね。 そこで、私は御提言申し上げたいんですけども、徳島─関空間に限って言えば、乗客は減り方が少ないと思うんですね。大阪まではバスに対抗できないけれども、関空間とのバスということになると対抗できるかもわかりませんね。三時間以上、バスでかかりますし、阪神間の渋滞をくぐり抜けて行きますと、その時間的な信頼性はうんと落ちます。そういう意味で、徳島─関空間に限ってこの航路を継続するようにしてはいかがかな。そして、できたら十年ぐらいは頑張ってみるのもどうかいな。今申し上げましたように、航空をめぐる、特に関西国際空港をめぐる乗客の今後の推移は、ふえるかもわからんのですよ、前段申し上げた前提条件をもって考えればね。 そこで、徳島県及び県下の関係する自治体、徳島市とか関係する自治体に積極的に働きかけて、あるいは県内の主要な企業等にも協賛をお願いして、第三セクターの会社をつくって、そして船と従業員は現在の会社が持っとるわけですから、これを契約で、用船契約でもして雇って、今後頑張ってやってみたらどうかいなと、こう思うわけであります。 「いのち輝く世界の郷とくしま」が、世界に開かれた門戸をみずから閉ざすことはないと思います。私は、少なくともこれ検討には値すると思うんですよ。何にもせんのはいかんですよ。この航路を続けるかどうか、これは一にかかって知事の政治手腕にかかっておると存じますので、明快なる御答弁をお願いいたします。   (圓藤知事登壇) ◎知事(圓藤寿穂君) まずは、先ほどのお尋ねの、会社から航路について、今から労使交渉に入るというようなことについての意思表示は、確かにございました。これから、そういったことで会社としては非常に厳しい状況にあると。会社としてはなかなか継続しがたいと考えておると。しかし、組合ともよく相談をしなきゃいかんので、これから相談をしたいというようなお話はございました。 それから、徳島と関西空港を結ぶ航路について、第三セクターの会社でもつくって、この現在の会社が持っておる船と従業員を活用して、関空航路だけでも十年間ぐらいでも継続できないかというようなお尋ねについてでございますが、もとより議員御指摘のとおり、関西空港は、本県にとりまして、国際交流あるいは広域交流の拠点施設でございまして、これを海上七十キロメートルで結ぶ海上航路というものは、県民利便の観点から最も重要なルートの一つとして位置づけてまいったわけでございます。 議員御指摘のとおり、昨年四月の神戸淡路鳴門自動車道の全線開通によりまして、本県と京阪神地域を結ぶ海上交通には大きな影響が予想され、航路の大幅な縮小あるいは廃止といった、航路を再編する動きが起こったところでございます。徳島と関西空港を直接連絡する高速船航路につきましても、運輸省による予測など、航路維持は非常に難しいといった見方も示されていたわけでございます。 県といたしましては、関西国際空港への直接アクセスとしての重要性にかんがみまして、航路事業者に対しまして、県民利便の確保とともに公共交通機関の担い手としての責任を果たすために、関西国際空港への航路を何とか維持してほしいということを強く要請したわけでございます。その結果、徳島高速船株式会社を徳島関空ライン株式会社に改組をいたしますとともに、県民にとりまして最も需要の多い便を残しながら、利用者にとって不便を来すことがなく、経営上も合理的な体制とすることにいたしまして、便数につきましても、それより前は五隻十二往復をしていたわけでございますけれども、それを見直しまして、三隻八往復体制にするなど、架橋開通後においても航路維持を継続していただけることになったところでございます。また、このように合理化を図ったとしても、旅客数の状況によっては、さらに厳しい経営を余儀なくされる心配もございまして、航路事業者より何らかの助成の要望が寄せられていたわけでございます。 県といたしましても、議会の御同意をいただきまして、航路事業者に対しまして、航路維持に必要な経費の一部を助成すると。先ほどおっしゃった三千万のことでございます──というような措置を講じるなど、最大限の協力をしながら、航路事業者とともにその維持にこれまで努めてまいったところでございます。 しかしながら、航路事業者より、旅客数の減少がいまだに続いているということから航路維持が困難な状況になっているというようなことを伺っておりまして、まことに残念に思っておるわけでございます。 こうしたことで、徳島─関空間の航路につきましては、民間事業者がこれまで長年の経験を生かして懸命の努力を傾注して、なお厳しい経営状況にございます。現実に、今、十年度におきまして一億二千万円の赤字ということでございますし、十一年度はさらにそれより大幅な赤字の予測を会社はしておるわけでございます。そういった非常に懸命な努力をしていただいても、相当な赤字が出ておるというような状況でございますので、県が中心となった第三セクターを設立をして経営をするということにいたしましても、その状況は基本的には改善されないと。相当な赤字を覚悟しなきゃいけないということになるわけでございます。 議員御指摘のように、じゃ関西空港に行く交通手段が何にもないということになりますれば、これは話は別かもわかりません。しかし、これはまだわかりません。わかりませんけれども、いろんなバスの計画でありますとか、そういった計画もあるやに聞いております。そういった様子を見ながら、やはり適切に対応していく必要があるんじゃないかなと、このように思っております。 確かに、第三セクターについて全く否定するわけじゃありません。ありませんが、会社が一生懸命努力をしてこれまでやっていただいております。それでもそれだけの赤字が出る。第三セクターをつくって、これが到底ですね、もっと赤字が膨らむかもわからない。それぐらいの覚悟をしなきゃいけない問題だと思います。   (久次米議員登壇) ◆十五番(久次米圭一郎君) たしか知事さんは、運輸省時代に関空課長さんをせられておるね。関西国際空港を運輸省がつくろうという大プロジェクトの企画・立案・推進のその衝にあられたと。たしか二代目ですかね、初代ではないけど、私はそういうふうに聞いとんです。この関空というものが地域に対してどれぐらい大きなインパクトがあるか、これはだれよりも御存じだと思うんですよね。ですから、御提言申し上げとんです。 赤字が多いからということですが、先ほど申し上げました淡路エアポートラインの昨年度の乗客数は十四万六千人です。徳島─関空間は十六万二千人です。まだ徳島が多いんですよ。ですから、徳島だけに限ってやれば、生きる道はあるんじゃないかと、こういうことを申し上げとんです。会社がやめたいというのは、これは大阪航路をひっくるめてではとてもいけんと。わかり切った話なんですよ。そこのところをどうぞ、賢明な知事さんに御理解をいただきたいと思う。 それで、どれぐらい赤字が出るかはかり知れないというてしり込みしとったんでは、事態は解決できない。たくさん部下がおいでるんだから、何とかならんか、検討してみてはどうだと、こういう指示を下されてはいかがですか。ただ、いろいろな困難が起こった、これは困難な問題ですけれども、困難が起こったら頭を抱えて逃げとるような印象ではいけません。それこそチャレンジ精神でぶち当たってください。 事の重大性から言いますと、赤字予想幅によっては、県民や議会も理解十分できるんではないかと思う。しかし、その検討もせずに放棄するのは、これは責任の回避になるやもしれない。徳島がやめたら一番喜ぶのは淡路航路ですがな、これ、わかり切っとる。 そこで、第二の御提言をついでにしときますけども、検討の第二として、淡路エアポートラインは三セクですから、これに徳島市や徳島県が参入させてもらって、それで淡路─津名、徳島から言うと、徳島─津名─関空ですか。関空から言えば、関空─津名─徳島ラインに切りかえてもらえれば、その赤字の危険分担もできるし、それからやはり海上ルート、ある意味では非常にこれ信頼性ありますのでね、この継続にもなるし、一番いいんでないかなと、こういうふうに感じるんです。 ちなみに、記憶に新しいところですが、平成七年の一月ですか、阪神大震災のときに、いち早く建設省の調査隊が入ったんです、現地へ。しかし、陸路では調査隊が行けない。それで徳島市に本部を置きまして、徳島市の旅館を借りて、ホテルを借りて、そして高速艇をチャーターして、十七日間に千七百人が毎日毎日往復したんですよ。交通輸送というのは、いざという場合に陸上にはないような強みもある。これは運輸省のエリート御出身の知事さんには釈迦に説法かもしれませんけども、これ事実ですから。 だから、私が申し上げるのは、検討してくださいと言うんです。何にもしないで、まだ生き残るかもわからんなんというような態度は、これは問題を直視してないと、こう思いますので、もう一回申し上げますけれども、今の御提言を含めて、とにかく検討してほしい。いかがですか。   (圓藤知事登壇) ◎知事(圓藤寿穂君) 今、議員から、徳島から津名を経由して関西空港を結ぶ航路というようなことで、現在ある津名─関空の淡路航路ですか、それに乗っかるといいますか、出資するような格好で、徳島─津名─関空というような航路の設定はできないかというようなお尋ねかと思いますが、これは想定いたしますと、片道で約百キロになるわけです、百キロに。百キロになりますと、現在の高速船の平均航海速度、これは三十ノットでございますから五五・六キロ、でございますから約二時間の時間がかかります。寄港に要する時間とか、あるいは関西空港のポートターミナルから空港旅客ターミナルまでの所要時間を考慮いたしますと、大体二時間半かかると見なければなりません。 一方、船ということで申し上げますと、既存の南海シャトルラインというのがございます。和歌山と徳島沖洲が一時間で結んでおりますですね。この南海シャトルラインを経由した経路によって、そこからバスで関空に行くということの航路が設定されるかどうかわかりませんが、そういうことになりますれば、これもやはり大体二時間半程度ということに相なるわけでございます。 そのほかに、例えばバスで関西空港に直行の、大阪とか神戸とか寄らずに、直行で関西空港に高速道路を利用していくというような、そういったことも考えられるわけでございますが、これも二時間半ちょっとということで設定できるという可能性があるわけでございます。 そういうことで考えてみますと、海路とも陸路とも同じぐらいの時間がかかるということになりますと、料金もさほど変わらないということになりますと、乗りかえの利便性ということから言いますと、直行バスの場合ですと乗りかえが要らない。海上交通の場合ですと、和歌山の南海シャトルラインにいたしましても、また津名経由にいたしましても、これは乗りかえを必要とします。関西空港で、港から関西空港のターミナルビルまでの間はバスで行かなきゃいけません。そういうことで乗りかえの利便性の問題、あるいは船の場合ですと非常に天候に左右される。台風だとか、風が非常に強い日、そういったときは欠航になります。そういった不安定性というものがどうしてもつきまとってくる。そういったことを総合的に考えますと、競争力が相当厳しいと言わざるを得ないと私は思います。 さらに、今おっしゃられたので申し上げますと、淡路エアポートラインにつきましては、平成十年の上半期分の決算で六千万余りの赤字でございまして、通年では大体、約一億二千万──倍しますからね、一億二千万ぐらいの赤字が予想されておるわけでございます。さらに、先ほどもちょっと申しましたけれども、徳島と関西空港とを結ぶ徳島─関空ラインにつきましては、平成十年度で一億二千万の赤字。十一年度では、これは会社の見込みでございますけれども、約四億五千万の赤字というようなことが見込まれておるわけでございます。 そういったことでございますし、なかなか、私は検討しないということを申しとるんじゃありません。検討はしなきゃいけないと思いますし、十分部下の方に検討を命じますけれども、航路の実現ということから言いますれば、解決すべき非常に課題が山積をしておるということを申し上げておるわけであります。 それ以外に問題点として申しますれば、船舶の現在淡路ラインというのは、これは一隻でやっとるんですね。一隻しかないんですね。それでございますから、当然船も買わなきゃいけないという問題になります。さらに、その航路ごとに通行可能な船舶の大きさというのは決まっとるんです。現在のあの淡路から、津名から関西空港へ行ってる船がですね、徳島から津名まで通れるかどうかは、これはわかりません。ですから、恐らくもっと大きな船でなけりゃだめだということになるんではないかと思います。そういった船の大きさとか、あるいは船の隻数、それから非常に航路が長くなりますですね。運航時間も、先ほど二時間半ぐらいじゃないかということを申しましたけれども、そういった問題。そういった不確定な要素がたくさんございますので、部下に十分検討はさせますけれども、現段階ではやや難しいということを申し上げたいと思います。   (久次米議員登壇) ◆十五番(久次米圭一郎君) ただいまの御答弁の結論は、第三セクターで独自にやるか、あるいは淡路の三セクに参入するか検討するというのが結論であったと思うんです。十分検討した結果を当議会に、そして県民に発表していただきたい。当たり前のことですね、これは。 後ろ向きの思考では突破はできません。あらしのときとか風のときは船は走らんと言うけども、そんなときは飛行機も飛びませんからね。 次の質問に移らせていただきたいと思います。 けさのやはり原議員の質問に対して、第十堰の可動堰に併設する道路、北環状線の道路、併設する方がいいんだと。併設というか合併施工がいいんだと、橋と堰とを一緒にするのがいいんだ。理由としては安う上がるんだ、七十億円安いと、こうおっしゃったんですね。私はこれまで認識しておりましたのは、付近にかかった橋の建設費と比べて考えとったんですけれども、今できております四国三郎橋が、あれは非常に役に立っておりますね、建設して二年ですか。そしてこれが百億円です。土木部に聞いたから間違いないわね、これは。それから、西条大橋が、ことしの一月に起工式をした。今工事中、これが六十五億円。上流に行くと径間が短いから、これは少ない工事費で済むのはわかり切ったことですけれども、ちょうど第十堰地点というのは中間ですから、これは中間ということであれば、その中間で八十億ぐらいかなと思うとったんですが、七十億も安うつく。これは一体どこが、だれが試算したのか。質問だけに答えていただきたい。だれが、いつ試算したのか。 そして、それは現在堰の形式も決まってないんでしょう。引き上げ式にするか、ゴム式にするか、起伏式にするか決まってないのに、それぞれ工事費は違うはずですね。不思議な御答弁かなと思って聞いたのは、一人私のみにあらずと、こう感じますので、この点についてお答えをいただきたい。 なお、ついでにですが、これが非常に重大な橋であることは言うまでもありません。しかし、合併施工しますと、肝心の可動堰がいつできるか今はわからん状態でしょう。環境のアセスメントにも取りかからないですよね、建設省は。そして懇談会が先だと言うとんでしょう。堰の形式については懇談会で皆の意見を聞くなんて言うとんですね。大変無責任な話であります。これまで国や県が言うてきた、これこそ技術的、専門的な世界でありませんか。それを言わば素人の皆さんに聞いて決めたいなどということは、私、本気だと思えん。どうですか、知事さん。 それで、端的に一つ聞きますけど、今後この堰の三形式、いつまでに、どういう手順で、だれが決めるんですか、お答えをいただきます。   (圓藤知事登壇) ◎知事(圓藤寿穂君) 原議員にも御答弁いたしましたように、建設費が七十億円、合併施工の方が安くなるということでございますけれども、これの、だれが建設費を決めたのかというのに答えろというようなお話でございますので申し上げますと、これは引き上げ式の可動堰ということを前提としたということでありまして、これは審議委員会で議論しておるときに、建設費は幾らかかるかというようなことを建設省として提出したわけですね。それの根拠で、なぜ七十億かということをもう一度申し上げますと、引き上げ式の可動堰と道路橋の合併構造とした場合の建設費は千三十億円ですね。それから、堰単独とした場合が約九百五十億円というふうに公表されておるわけであります。道路橋を単独で建設する場合につきましては、規格が高い四車線の道路橋でございますから、およそ百五十億円程度の建設費になると言っておるわけであります。四国三郎橋は二車線の道路橋でございます。二車線でございます。ですから、これは百億円ということで、橋梁の幅といいますか、橋は実際は長いんだけれども、二車線でございますから百億円で済むと。可動堰の上の橋は四車線でございますので、これが百五十億円程度だということを申し上げておるわけです。それで、橋が単独の場合は百五十億円ですし、それから堰単独の場合ですと九百五十億円ですから、千百億円になるわけですね。合併施工の場合は千三十億円ということでありますから、七十億円安くなると、こういうことになるということでございます。御理解をいただきたいと思います。 それから、三形式ということについて、いつ、だれが決めるのかと。これは当然、第十堰の建設の主体は建設省でありますから、それは建設省が最終的に決めるわけでありますけれども、そういったどういう形式がいいかというようなことについては、もちろん県の意見も聞いてくれるでしょうし、それから住民の皆さん方の要望というものを十分踏まえた上で、最終的には建設省が決めると、こういうことであります。   〔大西(仁)議員退席、出席議員計四十名となる〕   (久次米議員登壇) ◆十五番(久次米圭一郎君) 吉野川に交通の一番大事な橋をかけようとしとんですね。これは二車線より四車線が橋としての機能を発揮しますよね。わかり切ったことです。これまでの橋は皆二車線だけれども、可動堰の合併施工を目指しておる環状線は非常に重要だからこそ四車線にするんでしょう。そんならもっと早くかけたらどうですか。それほど大事な橋なら、どうですか。 だれでも感じることですよ。 それで、現状では、この可動堰化計画、これ建設省と県が進めてるわけですが、これまでは、私は各委員会の質疑なんかで、今からかかって十年ないし十五年と聞いたんですね、完成までに。それが現状を見てみますと、知事もこの議会でも答弁をなさいましたけれども、住民の理解を得ながら前に進めると言よるわけですよ。その住民の理解を得る手段として懇談会ということを言うとるわけでしょう。この懇談会がいつスタートするかも、まだ今はっきりしない。堰の形式も振り出しに戻して、いみじくも先ほどおっしゃいましたけれども、最初は引き上げ式だけだったんですよね。それが三形式で、いつ決まるかわからん。 ということになりますと、知事さん、可動堰は二十年はかかりそうですよ、これ。四車線でないと困るような重大な橋を、何で早うせんのですか。私が御提案申し上げたいのは、分離、分離で橋だけ先かけるということについても、検討だけでもしたらどうですか、検討だけでも。最初に合併施工ありきじゃなしに、これほど重大な環状線の橋だから、交通対策にはこれぐらい力入れとんだからということで、橋だけ先に分離してかけることを検討する意思はありませんか。お伺いをいたします。   (圓藤知事登壇) ◎知事(圓藤寿穂君) 橋が非常に重要な、交通体系上、非常に重要で橋であることは私も十分認識をしておりますし、早く橋をかけるべきだということは、久次米議員と全く同じ気持ちであります。そのためにも久次米議員にもぜひ可動堰で早く改築するように御賛成をいただきたいと、こう思っておる次第であります。 それから、原議員の御質問に対して十分なお答えができなかった部分だけ追加して申し上げておきますと、堰の位置をなぜ十三キロメートル地点にするのかということについては、建設省において、いろんな深掘れの状況、それから水が流れる方向、河床が安定しているかどうかと、治水面での安全性について模型実験を行った結果、河道の横断形状が筒形断面に近いと。つまり川底がでこぼこしてないと。こっちが深掘れしてて随分深いと、こっちが砂がたまっていると、いびつな格好でないところがいいんですよということですね。それから、水の流れがですね、川は蛇行してます。蛇行してます。蛇行してるところは非常に水の流れが不安定なんですよ。蛇行してるところから次の蛇行してるところの中間点というのが一番安定しているんです、その十三キロメートル地点というのが、これが川底も非常に平らで、筒形形状に近いと。かつ川の流れも安定しているということで、これは十三キロメートル地点にこの可動堰をつくるのがいいと、こういうことに専門的になってるわけですね。くしくも道路計画もその十三キロメートル地点ということで、今までずっと進んできたわけです。そういうことであるということを御理解いただきたいと思います。   〔大西(仁)議員出席、出席議員計四十一名となる〕   (久次米議員登壇) ◆十五番(久次米圭一郎君) 議論のすりかえというのも知事さん、大分上手になったなあと。昔から、「忠言は耳に逆う」「良薬は口に苦し」と言いますね。私はね、本当に県民のため、お互いに同じ立場ですけれども、そういう立場でやってるんですよ。 私が可動堰に賛成であろうと、反対であろうと、今おくれておる理由は、知事さんがよう御存じでしょう。徳島市及び藍住町において住民投票を求める署名がびっくりするほど多かったからおくれてるんですよ。わかり切ったこと。私が賛成ですって急に変節したってですね、何ぼ早うても可動堰は十五年はかかるでしょう。橋はそれまで待てませんよ。 ここで次の質問に移りたいと思います。 これは、けさほど、これも原議員が言われた高校普通科の学校区に関することですけども、私も原議員と全く同じ考えを持っとんですが、なるべく規制を廃するべきだと思うんです。今のやり方であったら、現在の三つの学校区を九つに細分して、もっと細かく規制しようとしとるわけです。やはり行きたい学校へ行けるようにしてあげるのが、今の時代じゃないでしょうかね。基本的に考え方が私はそう思うんです。 それといま一つ、なぜこの時期に今、徳島県で高校普通科課程の学校区の見直しをしなければならないか。これを教育長ははっきりおっしゃってないけれども、真実の一番大きな理由は、高校の生徒数が激減することが予想されとんですね。これはもう生徒数の推移を慎重に見守るいうて今さっきあんた答弁しよったけども、慎重に見守らんでも、現在の小学校の生徒の数を見ればわかり切ったことじゃないですか。違いますか。 私が調査したところでは、数年先には高校の生徒数は二五%も減るんですよ。そうなりますと、現在の学校区をそのままにして、学校をそのままおいといたら、それこそ空っぽの学校ができかねんのですね。これはやはり避けないかんと思う。これはいろいろな抵抗もあるし、議論があっても、根本的な議論として取り組まないかんと思う。しかし、本当のことは言えないから他の理由を言よんだろうけども、私がかわって説明しといてあげます。 そこで、ちょっと注文しときたいんですが、これは新聞でも報道されたんですが、私のおります板野郡上板町ですね、ここは現在、例えばことしの四月の町から高校へ入学した生徒数を見てみますと、阿波高校へ五十人入ってます。それから、板野高校へ四十九人入っております。試みに見てみますと、鳴門高校はゼロ人です。一人もいない。鳴門一高が三人ですか。ところが、学校区の試案では、上板町の新しい学校区は、板野高校と鳴門高校と鳴門一高ということになっているんですね。ですから、板野高校へ行けない生徒は鳴門へ行きなさい。上板から鳴門まで自転車しかないんですよね。バスもない。競輪の選手でも相当かかりますよ。それから、雨の日もあります。風の日もあります。そんなん知っとんですか。けさほどのあなたの御答弁では、現在の住民の生活パターンを十分尊重して学校区を決めると、あんたさっき言うた。 ここで御要望しときたいんです。これまでの行きがかりにとらわれんように、上板町について、これまでと同じように、それこそ住民の生活パターンを尊重して、阿波高校へも行けるように考えてほしい。明快な御答弁をお願いしておきます。 さらに一つお願いしておきたいと思います。これは環境問題ですが、吉野町と土成町にまたがる地点に一般廃棄物処理場ができるという構想があります。できる地点は、ちょうど吉野町と土成町との境界線上です。中心点をとって円を描きますと、六五%ぐらいは土成町の方なんです。現在まだ一部事務組合は結成されておりませんけれども、こういう問題について地元の理解がなければ前に進められないことは言うまでもありません。 私が聞き及んでおる範囲によりますと、吉野町長は、選挙のときは反対であったけど、今回は推進て言よんですね。要らんことも今ちょっと言いましたけど。土成町長は、地元の七カ所で住民との対話集会をしたら、全部圧倒的に絶対反対。しかも、地元の農協を中心とする各生産組合を網羅した農協の協議会では、これ全町的に絶対反対を申し合わせしとる。そしてそれを受けて、土成町の板東町長は、白紙撤回をしてほしいと言よる。つまり、吉野町は賛成だけれども、土成町は反対ということですが、今後のこの進め方についてひとつ確認しておきたいと思うのであります。 これは、いずれにしましても、町との協定書を結んで、そして前へ進めることになりますね。法に定める手順を進めていることになります。地元の反対があってもできるんですかね。地元との協定書は必要不可欠だと思いますが、この点いかがですか。 あわせて聞いときますけども、この同じ場所に、平成五年から平成九年までシー・アール・イー協同組合という産廃処理工場ができて、猛烈な反対の中にできて、操業四年で倒産した。四年の間に何と八億円も負債をつくって。それで倒産して、裁判所で破産整理を受けて、そして協同組合の出資者と同一人が別会社をつくって、施設を譲り受けて、操業再開を目指しておると、こう聞くんですけども、この場合には、私はこれまで議会の委員会でみっちりとこれ議論してるんです、この三月の委員会で。こういうふうに聞いとんですが、業の許可ですね、業の許可は改めて受け直さないかんのだと。確かに、二段階の許可が必要であって、第一段階は設備の設置許可──県知事の許可ですかね、これは。そしてその次に業の許可が要るんだと。この産廃処理業者の復活せんとしておる構想どおりとしてもですね、最低限、業の許可は必要である、こういうふうにこれまで、三月の文教厚生委員会ではっきりお聞きしております。 改めて確認させておきたいんですが、業の許可が改めて必要なりや否や。その場合に、それまでの業者と県及び吉野、土成両町との間に交わされておる協定書に従って、改めて文書による協定を巻く必要があると、こういうふうにも聞いとんですよ、これ。これは委員会で聞いとんです。読んどらんのなら、その議事録読んどいてくださいよ。勉強しとりませんでは済みませんからね、きちっと御答弁をお願いします。   (青木教育長登壇) ◎教育長(青木武久君) 普通科高校通学区域の再編についての御質問でございますが、通学区域につきましては、徳島県教育振興基本構想の中間まとめを受けまして、地域に根差した学校づくりを推進する中で、普通科高校の序列意識の解消や、生徒の急激な減少などへの対応を目的として、徳島県立高等学校教育改革推進委員会を新たに設置し、全県的な視野に立ち、検討しているところでございます。現在は審議途中でございまして、最終的な方向性は本年度末には明らかになる予定でございます。 しかしながら、過日地元紙に改革試案が報道され、地域によりましては、県民の皆様から直接、間接にさまざまな御意見をいただき、また町議会からは意見書が送付されてきております。こうしたことを踏まえ、議員御指摘の件につきましては、推薦制度の活用を検討するなど、柔軟な対応をしてまいりますので、御理解を賜りたいと思います。   (井内環境生活部長登壇) ◎環境生活部長(井内孝明君) 土成町と吉野町の町境に計画されておりますごみ処理施設建設の現状、あるいは見通し等についての御質問でございますけれども、まず、この計画を進めるに当たりましては、新聞報道でも御承知かと思いますけれども、地元情勢は非常に反対運動等起こっておりまして、この計画の推進にも今後非常に見通しは厳しいものがあるというふうに考えております。 議員御指摘のように、地元との調整を十分進めるということが、この事業推進の重要な前提条件になると考えております。 協定という形をとるかどうかにつきましては、地元住民の皆さんと事業者の間で、今後協議しながら決めていかれるものだというふうに理解をいたしております。 それから、この業の許可につきましてでございますけども、焼却施設の設置許可、あるいは業の許可について必要かどうかということでございますけれども、シー・アール・イーの破産に伴いまして、バンドウリメークが、本年の十一年四月の六日でしたか、施設の購入を行いまして、産業廃棄物処理施設承継届出書が提出されまして、県の許可自体の財産価値を含めまして売却するということが許可されておるようでございます。地方裁判所の許可でございますけども。 御指摘の産業廃棄物処理業の許可につきましては、必要であるというふうに考えております。   (久次米議員登壇) ◆十五番(久次米圭一郎君) 時間が切迫して、まことに心せかれるところですが、御理解をいただきましてありがとうございます。 教育長が、柔軟に対応すると言うてですね、その前段の言葉が聞こえにくかったんです。大事な言葉はわかりやすく言うてください。生徒に言うようにね。お願いしたい。みんな聞こえなんだと思う、あれ。 柔軟に対応するというのは、上板の生徒が鳴門まで行かんでもええように柔軟に対応するんでしょう。この点、御答弁をお願いします。はっきりそのことを言うてください。 それから、環境の問題ですけども、あなたはやっぱり不勉強だ。シー・アール・イー協同組合は、ばいじんの飛散、付近のレタスを初めとする農産物ができた上にばいじんをいっぱい降らしたんだ。御存じですか。悪臭を四方八方にばらまいたんです。そして焼却炉からの排水は垂れ流したんだ。その末に倒産したんです。これは事実です。知っとるでしょう、そんなことぐらい。しかも、このシー・アール・イー協同組合と、県及び二町との間で、操業に先立って、環境保全の協定書を巻いとるんですよ。そしてその協定書の中には、シー・アール・イー協同組合が第三者に設備や事業を承継させる場合においては、あらかじめ県と二町との間で書面による同意を得なければならないとなっとんですよ。こういう協定書を信用しなければ、今後業者に公害防止を守らせることができますか。あなたはこの協定書を知っておれば、先ほどのように、協定を新たに巻く必要があるかどうかわからんみたいな答弁はないはずだ。絶対に協定書は必要と思うが、この点について再度答弁を願いたい。 ○副議長(川真田哲哉君) 久次米議員に申し上げます。 議会運営等に関する申し合わせにより、六十分でございますので、今後よろしくお願いいたします。   ──────────────────────── ○副議長(川真田哲哉君) 本日の会議時間を延長いたします。   ────────────────────────   (青木教育長登壇) ◎教育長(青木武久君) 御質問でございますが、柔軟に対応するという前の言葉が聞こえにくいということでございますが、推薦制度の活用を検討するなどと申したわけでございます。 それから、柔軟に対応するということについて、鳴門へ行かなくてもということでございますが、上板町の生徒さんは鳴門へも行けますし、板野高校でも十分受けるところもありますし、阿波高校へも行けるような方策を考えるということでございます。   (井内環境生活部長登壇) ◎環境生活部長(井内孝明君) 失礼をいたしました。答弁の勘違いをいたしておりまして、中央広域の東部第三ブロック協議会の施設についての協議だというふうに誤解をいたしておりまして、それは新しい施設として地元との十分な折衝が必要だという意味で申し上げたわけでございまして、シー・アール・イーの協同組合の環境保全協定書の件につきましては、議員御指摘のとおり、協定書の第十二条第二項におきまして、第三者に施設を譲渡し、または継承させる場合においては、あらかじめ書面により同意を得なければならないというふうな規定がございます。 破産手続におきまして、あらかじめ第三者に書面で同意を得るということは事実上困難になっております。 したがいまして、環境保全協定の重要性については非常に大事なことでありますんで、今後新たな事業者が産業廃棄物処理の再建または事業の開始をする場合においては、地元町村と十分協議を図り、前回の環境保全協定の趣旨等を十分に遵守しながら協定書を締結するように指導してまいりたいと、こういうふうに考えております。   (久次米議員登壇) ◆十五番(久次米圭一郎君) 議長初め議員の皆さんの御理解に感謝申し上げながら終わります。 最後に、協定書は県が当事者ですよ。関係者を指導するというのは、部長のあんたがここに座っとる知事さん指導するんかいな。しゃんとしなはれ。 それから、教育長の御答弁は、大変あっち行ったり、こっち行ったりという感じがするんですよね。推薦入学制度を活用するやいうんは、大変例外的な、限定されたことかいなあと思とったらですね、阿波高へも行けるようにすると。最後のくだりを忘れんようにお願いしたい。 これで終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)   ──────────────────────── ○副議長(川真田哲哉君) 以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。   ──────────────────────── ○副議長(川真田哲哉君) 本日は、これをもって散会いたします。      午後四時五十六分散会   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━...