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  1. 徳島県議会 1993-11-01
    11月09日-02号


    取得元: 徳島県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-17
    平成 5年11月定例会   平成五年十一月徳島県議会定例会会議録(第二号) 平成五年十一月九日    午前十時三十九分開議      出席議員計三十八名          (その番号・氏名左のとおりである)     一  番     森  本  尚  樹 君     二  番     福  山     守 君     三  番     西  沢  貴  朗 君     四  番     吉  田  忠  志 君     五  番     樫  本     孝 君     六  番     来  代  正  文 君     七  番     猿  瀧     勝 君     八  番     竹  内  資  浩 君     九  番     北  島  勝  也 君     十一 番     久 次 米  圭 一 郎 君     十二 番     長  尾  哲  見 君     十四 番     児  島     勝 君     十五 番     川 真 田  哲  哉 君     十六 番     宮  城     覺 君     十八 番     亀  井  俊  明 君     十九 番     堺        廣 君     二十 番     遠  藤  一  美 君     二十一番     原     秀  樹 君     二十二番     大  田     正 君     二十三番     榊     武  夫 君     二十五番     平  岡  一  美 君     二十六番     四  宮     肇 君     二十七番     近  藤  政  雄 君     二十八番     湊     庄  市 君     二十九番     木  村     正 君     三十 番     元  木     宏 君     三十一番     俵     徹 太 郎 君     三十二番     松  田  一  郎 君     三十三番     松  本     弘 君     三十四番     服  部  昭  子 君     三十五番     小  倉  祐  輔 君     三十六番     中  谷  浩  治 君     三十七番     大  西     仁 君     三十八番     原  田  弘  也 君     三十九番     阿  川  利  量 君     四十 番     谷  口     修 君     四十一番     木  内  信  恭 君     四十三番     日  下  久  次 君   ────────────────────────  出席職員職氏名     事務局長     市  原     実 君     次長       西  本  辰 年 男 君     議事課長     鈴  木  行  雄 君     調査課長     佐  藤     功 君     議事課課長補佐  大  竹  将  夫 君     調査課課長補佐  大  西  完  治 君     議事係長     森  本  哲  生 君     委員会係長    板  谷  充  顕 君     企画調査係長   木  村  輝  行 君     事務主任     日  関     実 君     主事       山  口  久  文 君     同        佐  光  正  夫 君     同        四  宮  哲  也 君     主事       河  内  か ほ り 君   ────────────────────────  列席者職氏名     知事       圓  藤  寿  穂 君     副知事      松  田  研  一 君     出納長      中  川  一  郎 君     企業局長     藤  井     格 君     総務部長     富  田  辰  郎 君     企画調整部長   三  好  勝  則 君     福祉生活部長   古  川  文  雄 君     保健環境部長   内  藤  康  博 君     商工労働部長   宮  本     清 君     農林水産部長   安  丸  徳  広 君     土木部長     山  中     敦 君     国体局長     坂  本  松  雄 君     財政課長     河  内     隆 君     財政課課長補佐  高  岡  茂  樹 君   ────────────────────────     教育委員長    脇        健 君     教育長      近  藤  通  弘 君   ────────────────────────     人事委員長    大 久 保  久  夫 君     人事委員会事務局長齋  藤  喜  良 君   ────────────────────────     公安委員長    細  井  宇  八 君     警察本部長    栗  本  英  雄 君   ────────────────────────     代表監査委員   折  野  國  男 君     監査事務局長   三  澤  暢  男 君   ────────────────────────  議 事 日 程   第二号   平成五年十一月九日(火曜日)午前十時三十分開議 第一 県政に対する一般質問         (四   名)   ──────────────────────── ○議長(元木宏君) これより本日の会議を開きます。   ──────────────────────── ○議長(元木宏君) 日程に入るに先立ち、諸般の報告をいたします。 去る十一月六日から七日にかけて、本県において開催された第二十九回全国身体障害者スポーツ大会の開・閉会式等に出席いたしますとともに、同大会が成功裏のうちに所期の目的を達成し、あわせて本県選手団を含めた参加者全員が、日ごろの鍛練の成果を十二分に発揮され、かつ、友情と交流を深められるよう祈念・激励いたした次第であります。 諸般の報告は、以上であります。   ──────────────────────── ○議長(元木宏君) これより本日の日程に入ります。 日程第一、「県政に対する一般質問」を行います。 通告がありますので、通告の順序に従い、発言を許可いたします。 三十六番・中谷浩治君。   〔佐藤・北岡両議員出席出席議員計四十名となる〕   (中谷議員登壇) ◆三十六番(中谷浩治君) 千載一遇という言葉がございます。圓藤県政の初議会、そして最初の登壇、まさにこれ千載一遇というのでありましょう。県政の大きな節目に最初の登壇者として登壇できますことを、また千載一遇の機会を与えてくださった自由民主党・県民会議の同僚議員の皆様に感謝を申し上げまして、代表質問に入りたいと思います。 振り返ってみますと、去る六月定例県議会の閉会から今日まで、わずか四カ月足らずの歳月しか流れておりません。だが、このわずかな間に日本の政界は、明治維新にも比すべき画期的な変革を遂げました。与党の分裂、不信任案の可決、総選挙、そして自民党の一党支配に終止符が打たれ、細川連立政権の誕生など目まぐるしい動きの中、戦後の政界を長らく規定したいわゆる五五年体制は、あれよあれよという間に崩れさったのであります。この五五年体制の崩壊は、あのベルリンの壁の崩壊と同じようなショックと感慨で私の体を包み込みました。残念ながら、まさに一つの時代が終わったのであります。 また、本議会からも若い二人が激動する国政の中へと巣立っていきました。ここに改めて、お二人の御活躍を議員各位とともに期待する次第であります。 また一方、長引く深刻な不況の中、冷夏、豪雨、円高など幾多の試練が日本経済の上に襲いかかったのも、この四カ月の出来事であります。経済企画庁も、去る五月に出した経済の底入れ宣言を事実上取り消す平成不況は、トンネルの出口を容易には見出し得ない状況が続いております。今、日本は政治も経済も二十一世紀への新しい軌道の設定を探りながらも、まだレールが見当たらないという不透明、不安定かつ厳しい環境のもとにあります。 こうした状況下にあって、去る十月四日、三期十二年にわたる三木県政の幕がおろされ、多くの県民の輿望を担って、翌五日に圓藤新県政の幕が上がりました。 まずは圓藤新知事に対しまして、心からお喜びを申し上げるとともに、県民福祉の向上と県勢進展のため一生懸命の御尽力を御期待する次第であります。 さきに申し上げましたとおり、日本の政治経済、そして社会も厳しくかつ不透明、不安定であります。我が徳島県も決してその例外ではないわけでございます。その中での圓藤県政の船出であります。状況が厳しければ厳しいほど、先が見えなければ見えないほど、県政のかじ取りはより確かでなければなりません。県政のかじ取りよろしきをお願いいたしまして、圓藤新知事への質問に入らせていただきたいと思います。 まず最初に、圓藤知事の政治姿勢についてお伺いいたします。 知事は去る一日の県議会冒頭説明で、清潔、公正な県政、県民に顔を向けた県政、そしてチャレンジする県政の三つをみずからの基本姿勢とする旨、表明されました。私は基本的にはこの三点について評価するものでありますが、第三点のチャレンジする県政に的を絞って、いま少し掘り下げてみたいと存じます。 知事は初登庁の日、職員を前にして「チャレンジ精神を持って先例にこだわらず挑戦していただきたい。ただ大過なく職を務めるのではなく、積極的に前向き、攻めの行政を心がけてもらいたい。それによってたとえ失敗しても、私は評価を惜しむものではない。」との趣旨の訓示を行ったと聞いております。知事は同じく冒頭説明で、交流の時代、共生の時代、新地方の時代の三つに本県の将来認識と基本政策を集約されましたが、その三つの中に共通して言えることは、地方競争の時代、そして地方試練の時代という厳しい認識が貫かれていなければなりません。徳島県という地方も、厳しい競争の中を生き残っていかなければならないのであります。その意味で、チャレンジ精神を持って事に当たるということは、今後の県行政にぜひ必要な条件だと思うのであります。 しかし、ただそれはトップがその姿勢であっても、四千四百人の県職員が職員の一人一人がそうした気構えを持たなければ意味がないのは、申すまでもありません。私は決して県職員にチャレンジ精神が欠けているとは申しませんが、どちらかと言えば、挑戦していく姿勢がはっきりと見えてこないといった感を受けたことも数度となくございます。守り優先ではないかと思われることもしばしばございました。全職員は無理としても、大方の職員の中に、挑戦する意識、姿勢、そして日々の行動を植えつけていくことは、口では申せても、実際にはなかなか難しいものであります。そこで知事にお伺いいたしますが、挑戦する県政を職員の中にどう刻み込んでいこうとされるのか、お伺いいたします。 続きまして、三木県政の継承に関してお尋ねいたします。 圓藤知事はかねがね、三木県政を基本的には継承していくと述べられております。基本的に継承する──三木県政を継承することをベースとしつつも、創業者の心構えで新しき発展への道を切り開いていきたいとの趣旨だと理解されます。県政に断絶は許されません。細川連立政権も、自民党政権の基本を継承しました。しかし、ただ継承していればうまくいくという保証はどこにもありません。まして変化の時代、厳しさの募る時代であります。常に新たなるを求め、変革を目指さなければなりません。私は基本的にこの知事の姿勢を評価するものでありますが、二点、確かめておきたいと思うのであります。 それは、健康県徳島を標榜する総合計画二〇〇一と明石海峡への対応としての三〇〇〇日の徳島戦略にどう対処するかであります。この両計画について、知事の所信表明には触れられていないために、両計画を継承するか否か明らかではありません。私としては、まず総合計画二〇〇一は平成三年度から十二年度までの比較的長期の計画である、かつバブル経済下で策定されたものであるだけに、中間的に来年度にも経済社会情勢の変化を十分に見きわめた上で見直しを行い、その中に圓藤カラーを随所に盛り込んでいく。ただ健康県徳島という基本理念は変えないという考え方と、場合によっては健康県徳島という基本理念も変えることがあり得るという考え方、さらにはこうした重要なものについてはもう少し時間をかけて多方面から勉強すべきで、性急に結論を出すべきでないと、いろいろの選択が可能だと思うのであります。知事は、二〇〇一計画をどう取り扱われるつもりなのか。基本を継承するという観点から、現時点でのお考えをお聞かせ願いたいと思います。 また、二点目の三〇〇〇日の徳島戦略については、今、事務的に見直し作業が進められております。これについては、現在の四十八事業に知事みずからの発想によって、新事業を入れ込んだり内容変更を行うとともに、どうしても達成できそうもない事業、あるいは大幅に縮小になったために本計画に載せることがふさわしくなくなった事業等については、この際、知事の決断で計画から外してしまうという、いわゆるスクラップ・アンド・ビルド方式をとる以外に基本的継承にふさわしい方法はないと考えております。 と申しますのも、明石海峡大橋への対応としての三〇〇〇日戦略は、だれがトップになろうとも推し進めなければならないものであり、最低必要限度の、また時間的にももうそこに迫りつつあるだけに選択の幅は小さく、基本を継承する以外にないと目されるからであります。それに対し、一方の二〇〇一計画は、選択の幅は広いものがあり、両者、趣を異にしております。本計画をどう扱おうとされるのか、本計画も前県政の根幹をなすものであっただけに極めて重要だと思うのでありますが、知事は基本を継承するという観点から、この計画を今後どう持っていこうとされるのか、お伺いいたしたいのであります。 次に、圓藤カラーをどうされるかについてお伺いいたします。 今、景気はどん底にあります。それも、これまでの一過性のものと違って、構造的なものが根底にあります。それを突破することは容易なことでないと言われております。県財政も、それとともにいよいよ厳しさを募らせてまいっております。一方、人々の価値観はますます多様化してまいりました。多様化すれば、政策の選択の幅は膨らむと思われがちですが、多様化すればするほど、多くの要求にこたえていかなければなりません。勢い総花的にならざるを得ないのであります。かえって政策選択の幅は小さくなってまいります。それだけに新しいカラーを打ち出すことは非常に難しくなっているとも言えます。しかしまた一方におきまして、それだからこそ新しいカラーが求められるのだという意見もございます。 結論的なことから申してどうかと思いますけれども、私自身といたしましては、カラーというものは当初から意図的に打ち出すものではございません。結果として、ある程度の時間をかけてにじみ出るものだと思っております。 今回の所信表明において、圓藤カラーが見えてこないという批判も見られました。私は先に申し上げましたように、本当のカラーとは全人格、全行動から日常的ににじみ出てくるものと考えております。初めから、これが圓藤カラーであるとばかりに新しい言葉を並べ立てたり、パフォーマンスを繰り返すのは本来のカラーではありません。圓藤カラーは、ふだんの行動や節目として、例えば来年度当初予算の編成などを通じて積み重なった結果として生まれてくるものであろうと思います。 したがいまして、就任間もない知事に圓藤カラーを今の時点で聞くことは、あるいは無理かもわかりませんけれども、知事は自分自身で望ましいと考えておられる圓藤カラーがあると私は思っております。どのような圓藤カラーを胸のうちに描いておられるのか、お伺いいたしたいと思います。 次に、政治資金の問題についてお伺いいたします。 新聞報道等によって、東京の後援会が政治資金パーティー券や献金として運輸省関係下の企業などを中心に数千万円集めたとして、大々的に取り上げられた件でございます。 政治・選挙に金がかかることは紛れもない事実であります。そして、今ほど金のかからない透明性のある政治・選挙が求められている時期はかつてなかったというのも、また事実であります。そうした中での出来事であっただけに、大きく報じられたのであろうと思われます。法的にどうこうということではなくて、道義的にどうかという問いが投げかけられたと、私は思っております。 これを論議する場合、その点をまずきっちりと整理した上で行うことが必要であります。また、後援会はあくまでも後援会で、本人とは別個の独立した存在であることも考えた上でのものでなければなりません。しかし、とかく世間は、法的な問題も道義的な問題も、また本人と後援会の問題も同次元でとらえがちであります。そして政治に携わる者は、そのように受け取られても、それに対して反論することが許されないという重い責任を──言葉をかえれば、自己の責任以外の責任まで負わなければならない宿命を負わされております。 知事は昨日、本件に関して政治資金の収支を明らかにしたところでありますが、私はここで改めて圓藤新知事に対し、本件について具体的に質問をしようとは思っておりません。総括的に、本問題に関して知事はどう考え、どう感じておられるのか、忌憚のないところをお伺いいたしたいと存じます。 御答弁によりまして、再問いたしたいと思います。   (圓藤知事登壇) ◎知事(圓藤寿穂君) まず、お尋ねのチャレンジする精神を職員の中にどう浸透させるかということでございますけれども、私自身、まだ知事に就任いたしまして一カ月余の期間しか経過しておりません。まだまだ全体の職員の気質あるいは資質といったものを十分つかみ切っているような状況にはございませんが、そうした中で、県にとりまして大仕事でありましたのが、さきの東四国国体、そして身体障害者スポーツ大会でございました。この両大会は、御承知のように多くの職員の方が運営を支える側として参画し、準備から当日の運営まで大変一生懸命頑張っていただいたわけでございます。この中で見せていただきました県職員の能力・資質につきましては、非常に力強いものを私自身感じ、大いに評価をしておる次第でございます。 議員が御指摘のように、これからの県行政というのは、まさに地域間の競争が激化し、試練の時代を迎えるという厳しい状況下に置かれることは紛れもないことでございます。そうした中で、本県が厳しい地域間競争を勝ち抜いていくためには、やはり進取の気風と言いますか、チャレンジ精神を常に持ち、困難に積極的に立ち向かう姿勢が必要であると思っております。 中谷議員のおっしゃるように、県職員全体がこのチャレンジ精神を持って行政に当たるためには、おおむね三つのことが考えられるのではないかと私は思っております。 まず一つは、これは申すまでもないことでございますけれども、私みずからがチャレンジ精神を持って積極果敢に行政に当たる、この姿勢を職員の皆さんの前に示すということが、まずは必要なことだと考えておるわけでございます。 二つ目には、先ほどもおっしゃられましたように、先例に拘泥するとか、大過なく仕事をすればよいとかということではなくて、失敗を恐れずに、自信と勇気を持って、新しい発想のもとに新しいやり方を工夫しながら仕事に取り組んでいく、そういった姿勢を持っていただきたいと思うわけでございます。そのためには私自身も、結果だけを見るのではなく、職員の皆さんが仕事にどれほど一生懸命取り組み、工夫・努力し、そのためにどれほど汗をかいたか、そういう過程も評価をいたしたい、このように考えております。 三つ目には、風通しのよい職場づくりシステムづくりが必要であるということでございます。チャレンジ精神というのは創造する気風でございます。そのためには、役職にとらわれず自由闊達な議論、意見の交換ができるような職場づくり環境づくり、そういうものが大切だというふうに考えております。若い方々の意見も私がスムーズに聞けるようなシステムづくり、そういうものを考えたいと思っているところでございまして、今後こうしたことを通して、できるだけ多くの職員にチャレンジ精神が根づくように努力をしてまいりたい、このように考えているところでございます。 また、総合計画二〇〇一についてでございますけれども、この計画は、明石海峡大橋の開通を初め関西空港の開港、四国縦貫自動車道の完成等の大プロジェクトの進展、さらには情報化とか国際化とか人口の高齢化とか、そういう時代の潮流についても視野に入れた計画でございまして、二十一世紀へ向けての県政運営の基本指針として平成三年三月に策定されたものでございます。 現時点では、こうした本県を取り巻く状況に、この計画を直ちに見直すほどの大きな変化というものは認識されないわけでございまして、一九九〇年代に取り組むべき方策として、私はこの総合計画二〇〇一で貫かれている健康県徳島の創生という理念を基本的には継承して、積極的にこの計画の推進に取り組んでまいる所存でございます。 ただ一方、最近におきましては、地方が主体性を持って地域づくりを考えていこうとする地方分権意識の高まりなど、新しい地方の時代が大きなうねりとなってあらわれてきております。また国におきましては、出生率の急激な低下、経済人口の東京一極集中が予想以上に進展したことなどを踏まえて、四全総の総合的な点検が精力的に行われております。さらには、経済情勢の変化によりまして、国、地方とも財政状況が非常に厳しい状況になっている、そういったことなど、総合計画二〇〇一を推進する上でさまざまな変化が生じているということも事実でございます。私といたしましては、これらの状況変化を念頭に置きつつ、来るべき架橋新時代に向けて、この計画に盛り込まれました各種施策の実現に全力を傾注してまいりたいと考えておりまして、直ちにこの計画を見直すというようなことは現段階では考えておりません。もう少し検討してみたいと思っております。 次に、三〇〇〇日の徳島戦略についてお答えを申し上げます。 架橋新時代への行動計画、いわゆる三〇〇〇日の徳島戦略でございますけれども、これも関西国際空港の開港、そして明石海峡大橋の開通という本県を取り巻く国家的プロジェクトの効果を積極的に受けとめまして、本県の発展へ結びつけようと策定されたものでございまして、四国の玄関づくりを目標に交通ネットワークの整備と産業活性化策を重点的に推進することによりまして、本県発展の受け皿づくりを進めようとするものでございます。このことは、私が所信表明で述べました交流の時代への対応についての基本認識、基本政策と考えを同じくするものでございまして、私としても、基本的にこの計画の推進に努めてまいりたいと考えておるところでございます。 しかしながら、計画策定後の状況変化というのもあることは事実でございまして、バブル経済崩壊による景気後退に伴いまして財政事情が悪化した、そしてまた民間投資意欲の減退が顕著になるといったようなことが起こっております。計画策定当時の状況と比べて、相当な変化が見られるところでございます。 したがいまして、本年四月から行っております総合的点検の中で、計画に掲げました各事業につきまして進捗状況を把握するとともに、今後の見通しとか推進方策についても検討しているところでございます。当然、その中でできないものもあるいは出てくるかもわかりませんけれども、逆に計画策定後に具体化した新たな事業の中で、ふさわしいものがあれば追加するよう関係機関等とも協議をしているところでございます。 私自身のカラーについての御質問でございますけれども、私も中谷議員のお話にありましたように、政治家それぞれのカラーは、その人それぞれの行動あるいは業績の積み重ねの中で、ある程度時間をかけてにじみ出てくるものであるというように思っております。私の場合も、県民の皆さんからお預かりした四年間、一日一日を大切にいたしまして、一歩一歩を踏みしめながら一生懸命取り組んでいく中で、おのずから結果としていわゆる一つの圓藤カラーといったものが浮き上がってきて、市民権を得ていくものだろうというふうに思っているところでございます。 そうしたことからいたしますと、望ましいと考える圓藤カラーということのお答えについては、県政を担当するに当たって、今、こんな気持ち、こんな覚悟でやっていきたいというようなことをお話を申し上げるということで、御答弁にかえさせていただきたいと思っております。 さて、徳島県の知事としての重責を担わせていただいているわけでございますけれども、私の前任の三木知事さんは、十二年にわたりまして県政を担当され、その間、三〇〇〇日の徳島戦略、徳島県総合計画二〇〇一等の計画を立てられるなど、大変立派なお仕事をされました。私は、その後を託されて県政をお預かりしたという認識がまずございます。したがいまして、先ほども申しましたように、基本的にはこれらの計画を立派に実現していきたいという考えが基本にございます。いわば継承ということでございます。 その一方で、社会情勢が私どもが予想もしなかったほどのスピードで変化をしつつある点も見過ごすわけにはまいりません。地域間競争の時代のリーダーとしては、与えられた課題を無難にこなすだけで済む時代は終わったと申しても過言ではございません。進取の心構え、いわばチャレンジ精神を絶えず持って、住みよい、暮らしやすい社会、そういうものを心に描きながら、これからの県政、創造的な行政を進めていきたいというふうに思っているところでございます。もちろん、私一人の力は微力でございますので、こうした行政の推進に当たりましては、四千五百人の職員、県議会議員の皆様方、そして八十三万県民の皆様の知恵やお力を結集してまいることが、大きなかぎになると考えておるところでございます。 それから、政治資金の問題についてでございますが、昨日、私の政治資金に関する概要を公表させていただいたところでございます。本来でございますと、年度末までに後援会の収支報告は、それぞれ所管する選挙管理委員会へ届け出すべきものでございますけれども、私自身、公正で清潔な政治姿勢をモットーにこれから県政に携わっていく以上、濁りや曇りがあってはならないと、そのように思いまして、中間段階ではございますけれども、東京の後援会に依頼をいたしまして、その概要を取り寄せて、それを公表させていただいたところでございます。 さて、私は、政治家本人と後援会は本質的には別個のものだ、またそうあるべきだろうというふうに私も思っております。これは中谷議員の御指摘と同じ考えでございます。しかしながら、後援会の目的は政治家の政治活動を支援することにある、そして、政治家のために活動を行っているということでございますので、今回のように後援会の活動内容について社会的な御批判があれば、道義的な部分では政治家個人としてもこれを真剣に受けとめる、そういう必要があるというふうに私も考えております。そうした意味から、今回、東京での後援会の活動内容につきまして、御心配、御批判を仰ぎ、社会的にお騒がせをしたということにつきましては、まことに遺憾だと思うところでございます。 なお今後、私自身、清潔で公正な県政を目指すためにも、県民の皆様方から寄せられました御批判の声につきましては、謙虚に耳を傾ける必要があると感じているところでございますし、また県政に取り組むに当たって、今後とも厳しく身を律していく覚悟でございますので、よろしくお願い申し上げる次第でございます。   (中谷議員登壇) ◆三十六番(中谷浩治君) ただいま知事から種々答弁をいただきました。代表質問の本旨は、しかも当初でございますので、これから四年間、圓藤知事がどのような県政を進めていくかということを聞くということが一つの責任であろうかと思って、今、答弁をいただいたわけでございます。ほぼ、答弁に対して了承いたしますが、ただ政治資金の問題につきましては、一言言わさせていただきたいと思います。 私は、この問題について知事の認識が甘かったのでないかと、このように考えております。と申しますのは、知事は今までは官僚でございました。政治家でございません。いわゆる世論の流れ、政治資金に対する厳しさ、そういうものが十分わかっていなかったということが、今回の発端でなかろうかと思うわけでございます。 さらに、これを証拠といたしますのは、知事がコメントとして当初発表されました、この問題はゼネコンと違う、徳島とは関係ない、対価を求めるものではないということを言われております。しかし、嫌々買わされたパーティー券、これは論外でございますけれども、寄附金、献金、そのたぐいのもので対価を求めないというのは、雨夜の星のようなものでございます。この認識が、私は知事になかったのでなかろうかと思っております。 問題は道義的責任でございますけれども、こういうものに知事が惑わされず、特に許認可、土木、そういう点で惑わされずに、厳正、公平、清潔な県政を行うということによって道義的責任を果たされる、私はこのように考えておりますし、知事は恐らくそういう行動をとっていただけると、このように考えております。我々も与党として、与党であればこそ、そういう知事の行動を一層見守っていきたいと、このように考えております。 次に、那賀川の上流と下流域で展開されております県政二つの重要課題である石炭火力発電所と細川内ダムについてお伺いをいたします。 まず、石炭火電についてでありますが、前段申し上げましたように、今、景気は低迷を続けております。しかも、その出口がなかなか見つからない厳しい状況下にあります。これを受けて、電力需要の伸びも大幅に鈍化し、例えば平成二年度に七・一%の伸びを示した需要は、平成四年度にはわずか一%の伸びにまで落ち込み、今年度は見通しとして三・三%の伸びを見込んでいますが、これまでの状況から推して、大幅な下方修正を余儀なくされざるを得ないのでないかと思っております。もちろん、電力需要は長期的な視点から見通さなければなりませんが、ときどきの景気の波によって一時的に生じる需要の高い、低いに目を奪われてはいけません。しかしそれにしても、この景気はまことに厳しいものがある。それだけに電力需要の伸びの回復も容易ではないと思われるのであります。 そこで、第一点お伺いいたしますが、平成十二年度の初号機運転開始について、両電力とも初期のスケジュールどおり整々と進める方針に変わりはないのか、変えないという両電力の確認をとっているのか、お伺いいたしたいと思います。 第二点は環境問題であります。現今の環境の流れは、地域問題という視点から全地球的な視点へ、フローとしての把握からストックとして把握される方向へ大きく転換してまいりました。今回の環境影響評価書をざっと読ませていただきましたが、このグローバルな視点、ストックとしての把握等に多少問題は残されておりますけれども、現時点では最高水準の防止設備ときめ細やかな運営が行われるように配慮されていることがうかがわれます。しかし、全く問題がないとは申されません。少なくとも、地域住民が重い荷物を背負わされることはないと確信をしております。しかしながら、この環境問題は基準や目標値をクリアすれば事足りるというものではありません。環境への負荷も限りなくゼロに近づける不断の努力が必要であります。 そこで、知事にお伺いいたしますが、環境影響評価の手続終了をもって環境問題がハードルを越えたと理解するかあるいはこれから第一歩が始まるとの決意で臨むのか、知事の環境問題に対する決意のほどをお伺いいたしたいと思います。 第三点は、発電所に隣接して設けられる公共用地についてであります。この用地については、先日もその青写真が公表されましたが、十二月に予定されている地方港湾審議会ももうすぐそこに迫っております。そのためには環境庁を初めとする省庁間調整が欠かせないものでありますが、具体的に調整は終わっているのか、終わっていないとすれば、それを終える目途はどうなっているのか、お伺いいたしたいと存じます。 次いで、上流の細川内ダムについてお伺いいたします。 この細川内ダムについては、本議会でも幾度となく取り上げられ、議論されてきたところであります。知事は長年にわたるこの懸案について、十一月十八日に現地を訪れて話し合うということが決まったと言われております。知事みずから先頭に立って物事に当たるのは、基本姿勢として大いに賛意を表するものでありますが、本件については、極めて長い歴史と解きがたい問題をはらんだ案件であります。それだけに一部には「知事がみずから出かけるとなればもう後はなく、そこで物別れに終わってしまえば、次に現地を訪れる機会はなかなかめぐってこないであろう。かえって難しくしてしまうだけで、決してプラスにならないであろう。」という極端な意見さえ出ております。 いろいろの意見はありましょうが、私は一番最初に申し上げましたように、チャレンジ精神を持って事に当たる、ただ大過なく職を務めるのでなく、積極的に前向きの行政を心がけるべきだと、知事が職員訓示を行ったことを踏まえてこのことを考えてみるとき、まさにそうであるべしとの感も強く働くのであります。 ただ、何度も繰り返して恐縮でございますけれども、本件は極めて厳しい状況下にあると判断されるだけに、一度行った限りは何が何でもということではなくて、今回は直接知事が、知事の目と耳で本問題について住民の話を聞くというようにしていただきたい。そして、お互いに率直な意見を出し合い、理性的な議論を尽くすことによってこそ、本問題の解決の糸口が見出されるのではないかと、一縷の希望を持っておるわけでございます。本問題について、知事はどう考えておられるのか、これもお伺いいたしておきたいと存じます。 次に、看護婦・准看護婦の確保対策についてお伺いいたします。 近年、我が国は高齢化が急速に進展しており、特に本県は全国に先駆けること十年であります。一方、保健医療の環境は高度化、多様化し、保健医療のマンパワー確保は極めて重要な課題となっております。その中においても看護職員については、女性の高学歴化、就業の多様化、児童数の減少、奉仕意識の希薄化等によりまして、その需給動向は極めて逼迫した状況下にあります。本県ではまだ目立っていませんけれども、大都市では看護職員が得られなくて閉鎖に追い込まれた病院も見られるなど、看護婦をめぐる状況は非常に厳しいものがございます。しかも、それは一時的な現象ではありません。高齢化社会の進展は、二〇二五年まで着実に進みます。看護婦の量的拡大と質的向上が求められ、また一方において、一・五二という厳しい合計特殊出生率も容易に上昇しないと予測されるなど、需要供給のアンバランスは長期にわたり、さらに厳しさを募らせるものであります。 本県におきましても、看護婦の確保対策については知恵を絞って努力を傾けているところでございますが、看護婦の確保対策、一に養成力の強化にかかっており、看護婦等の養成学校を魅力あるものとして充実強化することが何よりも重要であります。県内には十二施設十六科程の看護婦養成所があり、その総定数は二千八十五名で、一応の体制は整っています。この中でも徳島県立看護学院は、看護学科、准看護学科の二つの科程を擁し、総定員は七百八十名で、県下二千八十五名の三七%余りを占める看護婦養成の県の中核を担っている施設であります。 このように本学院は本県の看護婦養成に極めて大きな位置を占めているにもかかわらず、その学校施設はとなりますと、徳島県医師会館と徳島市医師会館の一部を間借りしているというまことに奇妙としか言えない状況下にあります。県立の学校でありながら間借りをしているというのは、私は詳しくは調べておりませんけれども、他に例は見ないと思います。この間借りという事態のため修学環境は非常に劣悪で、教室を初め設備や備品の充実もスペースの関係上思うに任せず、せっかく意気に燃えて入学した学生も、一部ではありますけれども、幻滅の悲哀を味わい、途中退学者も出るなど、大きな問題となっております。一方、こうした環境下にあっても、あすの医療を担う者として、使命感に燃え懸命に勉学に励んでいる多くの学生の目を見るとき、もっとよい環境に置いてやりたいなと、思いは切なるものがございます。 看護婦の確保対策は、福祉分野も含めて喫緊の社会課題であります。看護婦・准看護婦養成の中核を担う県立看護学院の校舎新築について、知事はどう考えておられるのか、前向きかつ積極的な御答弁をお願いする次第であります。 次に、子ども科学館についてお伺いいたします。 本問題に関しては、前知事が平成元年九月にその建設を打ち上げて以来、教育委員会において基本構想が検討され、現在は知事部局において基本設計が検討されていると伺っております。私事になって恐縮でございますが、平成二年の十月、私はカナダのオンタリオ州に設置されている子ども科学館を見学した際、その規模の雄大さや機能のすばらしさに感心し、ぜひともこのようなものを徳島に欲しいものだと、特に明石海峡大橋を控え、県外からの客を呼び込むためにも絶好の素材となるのではないかと深く心に刻み込み、前の議会で質問をした次第でございます。もちろん、カナダと徳島では中身も外も異なってまいりますが、徳島に新しいモニュメントを築くとすれば、子ども科学館は最適なものであると考えてきたところであります。 さきに申しましたように、この構想が打ち出されたのは平成元年であります。文化の森は打ち出されてから十年で完成しました。アスティとくしまは同じく打ち出されてから六年強で完成しました。しかし、この子ども科学館は打ち出されてから既に四年を経過していますが、まだ建設予定地も定まっていないし、どんな形のものになるのか余り明らかにされていないなど、少し遅きに失しているのではないかと気がかりでございます。一部の口さがないうわさでございますが、知事がかわれば、子ども科学館は消えてしまう可能性があるのではないかということさえ耳にしたことがございます。拙速を尊べとは申しませんけれども、余りにゆっくりしていては明石大橋に間に合わないのでないかと、これも心配されます。 ここで、改めて圓藤知事にお伺い申し上げます。子ども科学館について、従来の方針を踏まえ、そこに知事自身の発想も加味しながら、建設に向かって力を注いでいかれるのかどうか、まずその点を確認したいと存じます。 次いで、建設に力を注ぐということになりますとスケジュールでありますが、聞くところによりますと、今年度と来年度の二カ年をかけて基本設計を進めようとしているとのことであります。基本設計となりますと、具体的な建設場所を定めた上でなければ設計が成り立ちません。したがって、遅くとも来年度の早い時期には建設予定地を定めることになろうかと思います。そう理解してよろしゅうございましょうか。また基本設計後は実施設計、着工ということになるわけでありますが、完成までのスケジュールは一体どうなっているのか、お伺いいたしたいと思います。 御答弁により、再問をいたしたいと思います。   (圓藤知事登壇) ◎知事(圓藤寿穂君) 橘湾石炭火力発電所につきましてでございますが、今議会の所信でも申し上げましたように、県南地域におけます雇用の拡大や企業立地の誘発など、地域経済への波及効果が大いに期待されますことから、私といたしましては県南地域振興の中核プロジェクトとして位置づけ、環境保全に最大限の配慮を払いながら、地元阿南市ともども積極的に推進してまいりたいと考えております。 当発電所計画は、国の電力需給見通しを受けて、平成十二年以降の四国を含めた西日本の電源の一つとして計画されているものでございまして、西日本における電力の安定供給を図る上でも、平成十二年運転開始というスケジュールはぜひ確保していかなければならない状況にございます。そういう状況を踏まえまして、去る六月二十三日の建設申し入れに際しましても、県、両電力会社相互に確認しているところでございます。 今後のスケジュールといたしましては、本年十二月上旬の電源開発調整審議会に上程し、その後、地方港湾審議会及び来年三月の中央港湾審議会の議を経て、橘港港湾計画の変更を行いまして、平成七年二月に土地造成工事開始、平成八年十二月に本館工事開始、平成十二年七月に第一号機運転開始の予定となっております。 御質問の第一号機運転開始のスケジュールのためには、まずこれらの工程を確保していくことが必要でありますけれども、そのためにも、本年十二月上旬に予定されております電源開発調整審議会に上程して、国の電源開発基本計画に組み入れることが極めて重要なこととなるわけでございます。県といたしましては、今後ともこの工程確保を図られますよう、地元阿南市、両電力会社ともに努力をしてまいりたいというふうに考えております。 橘湾石炭火力発電所にかかわります環境保全対策についてでありますが、県民の健康を保護することはもとより、生活環境並びに自然環境を適切に保全する上で、極めて重要であると認識しております。去る十月十五日には、電源開発株式会社及び四国電力株式会社が取りまとめました環境影響調査書に対する私の意見を申し述べ、これに対し両社からは、最高の環境保全対策を適正に実施する旨の回答が十一月二日になされたところであります。 私といたしましては、橘湾石炭火力発電所に関する環境保全対策につきましては、地域環境の保全のみならずグローバルな視点も踏まえまして、今後、電気事業者との間で締結予定の環境保全協定の中で最高水準の環境保全対策を盛り込むなど、環境保全に万全を期してまいる所存でございます。 次に、細川内ダムについてであります。 細川内ダムは、治水・利水の両面において必要でありますが、地元木頭村の方々の御理解と御協力を得ることが、まずは大切であると考えているところでございます。村の状況は依然として厳しいものがあるようでございますが、私が所信でも申し述べましたとおり、関係者が話し合いの場を持つこともなく不信感を募らせているということは、まことに残念なことでございます。お互いに率直に意見を出し合い、理性的な議論を尽くすことによりまして、本問題の解決の糸口は見出されるのではないかと思われますので、当面は話し合いの場づくりに最大限の努力を傾注してまいりたいと、そのように考えております。 私は十一月十八日に木頭村を訪問いたしまして、村長さんにお会いし、ダム問題について話し合いをするとともに、あわせてダム建設予定地やその周辺を視察する予定にしておりますが、今後とも機会をとらえて村を訪問し、村当局はもとより多くの村民の方々の御意見もお聞きするなど、話し合いによる解決に向けて努力をしてまいる所存でございます。 それから、看護婦の養成の問題についてでございますが、議員御指摘のとおり、近年の高齢化社会の進展に伴いまして、保健、医療、福祉のニーズは非常に増大しております。この結果、看護職員の需要はますます大きくなっております。このため、県におきましては平成三年度から十二年度に至る看護職員の需給見通しを策定し、このことを踏まえまして、従来にも増して看護職員の確保対策に努めているところでございます。特に養成力の充実強化は、看護職員の確保対策におきまして、とりわけ重要な要素であると考えております。養成学校の施設を改善し、機能強化を図るなど、快適な勉学環境をつくることは極めて重要なことであると考えております。 このような状況の中で、徳島県立看護学院が校舎を他の施設の一部に間借りをしている現況から、勉学環境の改善も思うに任せない状況にありますことは、議員御指摘のとおりでございます。このため、徳島県立看護学院の独立した新校舎の必要性を含め、現在、関係有識者等からなります検討委員会を設置して御議論をいただいているところでございます。御指摘の徳島県立看護学院の独立校舎の建設につきましては、この検討委員会の結論を待って、建設適地の確保、建築規模等を早急に詰めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。 それから、子ども科学体験施設につきましてでございますが、昨年度、教育委員会に専門家を含めました子ども科学体験施設基本構想検討委員会を設置いたしまして、本県にふさわしい施設の性格、理念などについて協議、検討をいただきまして、本年三月に徳島県子ども科学体験施設基本構想として御報告をいただいたわけでございます。 この基本構想報告書におきまして、一つは、本県の持つ自然、社会、文化のストックを十分生かして、自然と人間の共存への意欲を創造する施設とすると、二つ目には、展示物に触れたり、それを動かしたり、実験に参加して遊び楽しむという体験を通じて、科学技術の本質を体得できる施設とすると、等々の御提言をいただいたところでございます。 私といたしましても、本県の次代を担う子どもたちに夢を与え、健全な育成を図ることは本県の将来にとって極めて重要な課題であると考えておりますので、その実現に向けて積極的に推進してまいる所存でございます。 本年度はこの基本構想の提言を踏まえまして、基本計画検討委員会を設置し、具体的な施設の規模、立地条件、展示施設の概要、展示内容などについて検討、協議しているところでございまして、その検討内容等を踏まえながら、具体的な計画内容を煮詰める段階でふさわしい建設場所を決定してまいりたいと考えておるところでございます。 その後のスケジュールにつきましては、施設の規模や内容、建設場所もまだ決まっていない段階でありますので、詳しいことは申し上げられませんけれども、大まかなスケジュールといたしましては、平成六年度に建築、展示、管理運営を含んだ県としての総合的な基本計画を策定する。平成七年度以降において基本実施設計、建築というような順番で順次進めていくということを予定しておる次第でございます。 また中谷議員におかれましては、私の政治資金の問題につきまして御指摘をいただきまして、十分留意してまいりたいというふうに考えておるところでございます。   (山中土木部長登壇) ◎土木部長(山中敦君) 発電所に隣接する公共用地計画の調整につきまして、お答えいたします。 公共用地計画や石炭火電計画等を位置づける橘港港湾計画の変更につきましては、十二月に徳島県地方港湾審議会の議を経た後、来年三月に開催予定の中央港湾審議会に諮問され、決定されるというスケジュールであります。 公共用地計画につきましては、去る九月に学識経験者や地元の方々で構成する橘港港湾計画調査委員会の報告を受けた後、県として計画案を取りまとめ、現在、運輸省との協議調整を進めており、この協議を整えた後、地方港湾審議会に諮問することとなります。環境庁等の関係省庁との調整につきましては、運輸省が中央港湾審議会の前に行うことになっており、正式にはこの時点で調整が図られることになっております。 しかしながら、県といたしましては、石炭灰処分の変更や公共用地計画の策定に至ったこれまでの経緯もありますことから、環境庁に対しましては橘港港湾計画調査委員会での検討状況等について適宜報告しておりまして、今後ともこの港湾計画の変更がスムーズに行くよう調整を図ってまいりたいと考えております。   (中谷議員登壇) ◆三十六番(中谷浩治君) 御答弁を伺いました。 まず石炭火電の環境問題については、より一層厳しい態度で臨んでいただきたい、監視をしていただきたいと、このように思っております。 それから、土木部長さんは来られたばっかりで、まことに御迷惑でございました。今後ひとつ、もうちょっと勉強していただきまして、部長に答弁していただくつもりでなかったんですけれども、ひとつよろしくお願いいたしたいと思います。 子ども科学館につきましては、私は従来から、山より大きいイノシシはないとか、カニは甲羅に似せて穴を掘るとか申しますけれども、ひとつこの子ども科学館だけは、関西地域、そういうものを念頭に置いて、山より大きいイノシシの子ども科学館をつくってほしいと、そうしていわゆる近畿圏から人を呼べるような、そういうようなものを徳島県も、せめて圓藤知事時代に一つぐらいはつくっていいんじゃないかと、このように思っておりますので、ひとつよろしくお願いいたしたいと思います。 知事は去る一日の所信表明で、時代認識を踏まえた施策の柱として、交流の時代、共生の時代、新地方の時代、三つを示されました。私は、これを厳しさの時代、優しさの時代、らしさの時代と置きかえてみたいと思います。 交流の時代、それは厳しさの時代であります。明石、関空、高速道、それらは言葉のイメージとしては明るい響きを持っております。しかし、現実にはそれと裏腹ではありませんか、あるいは厳しい結果をもらたすことになることもあると思う、いわゆるもろ刃の剣でございます。過疎地域に道路ができれば、より一層の過疎が進む。過疎地域に住む我々は、この言葉は身にしみます。これは既に実証された事実であります。交流は常に双方向になるとは言えません。片道切符の場合も多いのであります。ストロー現象、人はこうとも呼びます。交流の時代は、本県にとって厳しさの時代であることを十分に認識していなければなりません。 共生の時代、それは優しさの時代でなかろうかと思います。行政と言えばとかくマニュアル中心、無機的で冷たい感じを持たれがちでありますが、本来、県行政と県民の間は共生よりも強い一体性を持つべきであります。どうしても越えられない一線が画されてしまうこともいたし方がない面もありますけれども、県行政と県民は少なくとも共生しなければなりません。ともに生きる、共生を支えるのは優しさであります。県政そして県行政の中に優しさを育てていくためには、工夫と努力が求められます。自然に優しく、地球に優しく、そして県民に優しい県政が今、求められているのではないでしょうか。 地方の時代、それはらしさの時代、徳島らしさの時代であります。圓藤知事はこれまで、東京からの視点で日本、そして世界を見つめてこられました。しかし、それはもう許されないのであります。徳島県という一地方から、日本そして世界を見詰めかつ見通し、来世紀に向かって力強く突き進む徳島県独自の論理と行動を打ち立てていかなければなりません。徳島らしい自己表現、徳島からの自己主張、徳島という地域に根づいた圓藤カラーを新しく打ち立てることが肝要であります。 厳しさと優しさ、そして、らしさを十二分にかみしめつつかつ発揮していただくことを念じまして、私の全質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。(拍手)   ──────────────────────── ○議長(元木宏君) 議事の都合により、休憩いたします。      午前十一時三十五分休憩   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━    午後一時四分開議      出席議員計三十八名          (その番号・氏名左のとおりである)     一  番     森  本  尚  樹 君     二  番     福  山     守 君     三  番     西  沢  貴  朗 君     四  番     吉  田  忠  志 君     五  番     樫  本     孝 君     六  番     来  代  正  文 君     七  番     猿  瀧     勝 君     八  番     竹  内  資  浩 君     九  番     北  島  勝  也 君     十一 番     久 次 米  圭 一 郎 君     十二 番     長  尾  哲  見 君     十三 番     佐  藤  圭  甫 君     十四 番     児  島     勝 君     十五 番     川 真 田  哲  哉 君     十六 番     宮  城     覺 君     十七 番     北  岡  秀  二 君     十八 番     亀  井  俊  明 君     十九 番     堺        廣 君     二十 番     遠  藤  一  美 君     二十一番     原     秀  樹 君     二十二番     大  田     正 君     二十三番     榊     武  夫 君     二十五番     平  岡  一  美 君     二十六番     四  宮     肇 君     二十七番     近  藤  政  雄 君     二十八番     湊     庄  市 君     二十九番     木  村     正 君     三十一番     俵     徹 太 郎 君     三十二番     松  田  一  郎 君     三十四番     服  部  昭  子 君     三十五番     小  倉  祐  輔 君     三十六番     中  谷  浩  治 君     三十七番     大  西     仁 君     三十八番     原  田  弘  也 君     三十九番     阿  川  利  量 君     四十 番     谷  口     修 君     四十一番     木  内  信  恭 君     四十三番     日  下  久  次 君   ──────────────────────── ○副議長(湊庄市君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 四十一番・木内信恭君。   (木内議員登壇) ◆四十一番(木内信恭君) 私は、ただいまから社会党県議員会を代表して、当面する県政の重要課題について、知事初め理事者各位に御質問をいたしたいと存じます。もとより、与えられた時間に限りがありますから、執行部は私の意図を正しく把握し、簡潔な御答弁を賜りますよう、冒頭、注文をつけておく次第であります。 圓藤知事、あなたは多数県民の熱い期待を担って、過日の知事選挙において、強いライバルがなかったためか投票率こそ五〇%を切ったものの、得票率は他の二候補に大きな差をつけ、極めて高い得票率、すなわち七一・五三%で、見事初陣を飾られたのであります。心からお喜びを申し上げますと同時に、今期定例会冒頭の所信表明で声を大にして述べられた数々の基本姿勢を忠実に遵守すると同時に、向こう四年間初心を忘れず、八十三万県民の先頭に立って、すべての県民が徳島に住んでよかったと喜び合えるような県政の確立を目指し、一生懸命汗を流して頑張っていただくよう、強く御期待を申し上げる次第であります。 そしていま一つ、「出会い 競い そして未来へ」のテーマで開催された第四十八回東四国国民体育大会秋季大会が、県を挙げて十年余の歳月をかけ万端の準備を整え、郷土徳島の名誉にかけて戦った監督、選手諸君の華々しい活躍ぶりで、男女総合成績第二位、女子も第八位入賞を果たされたことは、この日のために長期にわたってハードな練習に励まれた監督、選手諸君の並々ならぬ御努力のたまものと、心から祝意を表したいと存じます。 そしてまた、引き続き開催された第二十九回全国身体障害者スポーツ大会、いわゆる躍動のうず潮大会も、本県選手団のすばらしい活躍により、金メダル十六種目を初め、続々上位入賞を果たされ、あらゆる障害を乗り越え全国から集まった選手諸君のベストを尽くした戦いぶりに、数々の感動とドラマを演出し、見事な友情の輪が大きく広がり、すばらしい成果を残し、県民挙げての温かいもてなしにより南国徳島の豊かな自然を満喫していただき、極めて成功裏に一昨日終了したことを八十三万県民挙げて喜び合いたいと存じます。 さて、質問の第一点は、戦後三十八年に及ぶ自民党単独支配の中から数々の汚職を生み、政治家として許しがたい恥ずべき行為と申しましょうか、みずからの責任もプライドもかなぐり捨てたかのようなロッキード汚職、リクルート、佐川急便などなど、相次ぐ汚職事件、果ては金丸自民党元副総裁の巨額脱税事件から派生した相次ぐ大手ゼネコン汚職と、国民の不信は募るばかりであります。 そこで、圓藤知事にお伺いをいたします。 地方自治体首長と大手ゼネコン業者との贈収賄事件は、まさに泥沼に陥った感が強いのであります。このような背景の中で初登場された圓藤知事として、今後の公共工事入札執行に当たって、これまでの三木県政とここが変わったと言える具体策をお示しいただきたいのであります。我々県民として望むところは、公正さ、透明さと競争の原理が明確に導入され、地方財政法に照らすまでもなく、最少の経費で最大の効果を発揮できるような入札システムをつくることはできないものか、願う一人でありますが、知事から公共工事入札制度の具体的改善策があれば、お示しをいただきたいと存じます。 次に、知事みずからの政治姿勢に大きくかかわる問題として、毎日新聞社が十月六日付夕刊で、「運輸省OBの圓藤徳島県知事監督企業から七千万円 政治団体通じ 先月当選 選挙資金に」という大きな見出しで、圓藤知事の写真入りと、一口二万円の会費で開かれた圓藤寿穂徳島県知事のパーティー、都内で七月十六日(えんどう寿穂後援会会報)の写真を掲げて報道され、片方で、政・財・官の構造汚職は断固排除しなければ、真の政治改革はあり得ないと信じておる我々にとって、極めてショッキングな報道であったのであります。 このことに関して知事は、昨日の定例記者会見の中で、地元徳島後援会の幹部とえんどう寿穂東京後援会の幹部を同席させた上で、パーティー資金の集め方や政治献金の集め方、集めた資金の流れ、特に選挙資金との関係を明らかにされたとのことでありますが、この際、県民の疑問に答えるため、さきの中谷質問にもお答えをいただきましたが、社会党の代表質問でもありますので、この議場でその実態を明らかにし、知事自身の率直な御意見を賜りたいのであります。 そしてまた、新聞は社会の公器でありますだけに、その報道にもし間違いがあるとするならば、この際、圓藤知事御自身の名誉のためにも、事実関係を明確にしていただきたいのであります。 次は、徳島空港ダブルトラッキング化の見通しについてであります。 我々県議会では、これまで何回となく本会議や委員会でこの問題が論議され、県民の中から、乗れない飛行機の悩みを解消してほしいとの要望を一日も早く解決するため、ダブルトラッキング化を国に要請したのでありますが、その都度、年間需要七十万人以上の壁に阻まれ、実現できず今日に至っておるのであります。最近、その方針がやや緩和されたようでありますが、運輸省OBとして国の航空運輸行政に精通しておられる圓藤知事は、この際、一日も早く多数県民の期待にこたえて、ダブルトラッキング化を進めるべきであると思うのでありますが、具体化への御方針をお示しいただきたいのであります。 次に、知事が当選直後のテレビインタビューで、Jリーグサッカーチームを徳島につくってはどうかとの県民の声に、知事として素直に地域の活性化、徳島の地名アップ、スポーツ振興のため極めて有意義なことだと答えられたことは今なお記憶に新しいのであります。本県には、Jリーグに次ぐJ1リーグで第四位の大塚製薬チームが活躍しており、Jリーグサッカー公式試合のできるサッカー競技場関連施設を早急に整備する方針が決まれば、四国の代表チームとしてJリーグ入りは極めて有望であります。 そうした機運の中から、我々県議会も先月十四、十五日の一泊二日で、茨城県庁と鹿島アントラーズの視察に超党派で十八名が参加したのであります。そして、百聞は一見にしかずのことわざどおり、鹿島町とは、切込港湾による京浜に近い住友金属をメーンとする素材型産業コンビナートであることは承知しておりましたが、茨城県当局の積極的な協力と、鹿島町を初め地元五町と地元企業、住金グループなどによる共同出資で株式会社鹿島アントラーズが設立され、一万五千名の観客席を持つすばらしいサッカーグラウンドを見学したのでありますが、今年度、Jリーグで前期優勝に輝いたのであります。 そこで、アントラーズ効果として、常陽産業開発センターが経済波及効果を初めて試算したところ、二百二十三億円に及ぶとのことで、何よりも鹿島という地名が全国にとどろいた上、若者が集まる町となったこと、サッカーという競技で、各家庭でお年寄りから子どもに至るすべての世代が、共通の話題としてサッカーを通してにぎわうようになったとのことであります。 本県でも、Jリーグ加盟促進のための署名運動が一段と高揚し、つい先日も徳島にJリーグを作ろう会会長三木俊治さんが、多数の共鳴者とともに私のところへ陳情書をお寄せいただいたのであります。その中で、県議会でも十分御論議いただき徳島へのJリーグ誘致を新たに三〇〇〇日の徳島戦略に位置づけていただきたいと述べておられるのであります。四国の代表チームとしてJリーグ入りを果たすことができると、その波及効果は、本県のみならず四国全域に及ぶことは必至であります。地域活性化への明るい話題として、豊かなスポーツ文化を提供することになりますから、県を挙げての問題と真剣かつ早急に取り組むべきだと思いますが、知事から御所見をいただきたいのであります。 最後に、本県職員定数条例では昭和四十九年四月一日以降、四千四百五十七名で据え置きとなっておるのであります。爾来ちょうど二十年、行政需要は多様化し、新規にこの十年間でも文化の森建設事務局から今年度設置された橘湾開発局、地域振興室、児童家庭室に至る新たなセクションが実に十九設置されておるのであります。県はできる限り効果的行政需要の見直しに努め、あえて基本定数を据え置きにしたようでありますが、それで果たして県民ニーズに的確に対応でき得たと言えるのでありましょうか、極めて疑問であります。 そして、平成二年二月県議会において北岡秀二議員の質問にこたえてか、同年四月一日条例改正で、国体・身スポ関係職員については定数外処置とするようになったようであります。これら定数外職員は総数で何名なのか、そして、今年度国体、身スポが成功裏に終了しましたので、来年度、これら定数外職員をどのように処置するお考えなのか、この際、基本定数の再検討をすべきであると思うが、これらを含めて、知事から御方針をお示しいただきたいのであります。 御答弁により、再問をさせていただきます。   〔松本議員出席、大田議員退席〕   (圓藤知事登壇) ◎知事(圓藤寿穂君) まず最初に、初心を忘れずに頑張ってほしいという激励をいただきまして、まことにありがとうございます。一生懸命頑張ってまいりますので、御支援のほどお願い申し上げる次第でございます。 最初の御質問の最近のいわゆるゼネコン汚職についてでございますけれども、他県における事件とは言いながら、公正な行政執行に対する国民の信頼を損なうものでございまして、事態はまことに深刻だと、私も認識しております。 これに対しまして、現在、国におきましては中央建設業審議会の場などでさまざまな議論、検討がなされておりまして、指名基準をできるだけ具体化、明確化すべきだとか、あるいは新しい入札制度の試行もなされておるわけでございます。本県におきましても、庁内各部局を横断したプロジェクトチーム、入札手続改善検討作業班というものを編成いたしまして、県民により信頼される入札制度の導入及び運用方法について検討させているところでございます。 検討項目につきましては、指名基準を一層具体化、明確化するための運用基準の策定の問題、それから新たな入札方式の導入の問題、それからより一層の競争性を確保するための見積もりに関する手続の改善強化の問題、こういったものを検討することになっておるわけでございます。 新たな制度の導入につきましては、地場中小建設業者の育成の問題、それから発注・監督業務が増大するというような問題、さらには工事の品質の確保をいかに図っていくかというような問題、あるいは外国企業の参入をどうするかというような問題、そういったような諸問題があるわけでございますが、一定の分野におきます条件つき一般競争入札の導入等も含めまして、国と協調しながら国民の信頼を回復していく努力をしなければならないと考えておりまして、担当部局に検討作業を急ぐよう指示をいたしておるところでございます。今月中には中間報告が出される予定となっておりますが、私といたしましては、その内容を踏まえまして、本県としての改善の方向を見出した上、実施の諸準備を急がして、来年度早々には試行をいたしたいと、そのように考えているところでございます。 二つ目の私の東京の後援会の政治資金についてのお尋ねでございますが、東京の後援会の事務局の資料に基づきまして、昨日、十月末日現在の概要を公表させていただいたわけでございますが、ここで改めて、その概要につきまして申し述べさせていただきたいと思います。 きのうの状況の中で、東京と徳島の方は同席しないで、私一人で記者会見をさせていただいたものでございます。 収入につきましては、七月十六日に開催しました政治資金パーティーによる事業収入が三千六百万円、これは二千三百枚で二万円でございますので、四千六百万円でございます。ホテルに一千万円支払っておりますので、これは寄附金と違って事業収入ということになっておりますので、それを差し引いたものが事業収入になるわけでございます。したがいまして、これが三千六百万円。それから寄附金が二千六百万円でございます。合計で六千二百万円となっております。新聞等で七千二百万円と書いてありますのは、パーティーの費用をホテルに払った一千万円がそれに加算するかどうかというだけの差額でございます。 これらにつきましては、個人が約五百人、それから会社が約三百社からパーティー券や寄附をいただいております。この六千二百万円のうち、五千五百万円を徳島の後援会に寄附したわけでございます。徳島の後援会では、これに県内からの寄附金二千万円をあわせて、後援会活動に使用することとしたわけでございます。そのうち四千六百万円については既に後援会活動のために支出をしておりまして、残る二千九百万円は今後の活動のために支出する予定だというふうに聞いております。これらはいずれも政治資金規正法に基づき適正に収受し、支出してきたものであると聞いております。 東京での政治資金につきましては、私が長年籍を置いておりました運輸省を退職いたしまして、郷土徳島の知事選挙に出るということで、それを聞きつけた私の知人、友人、先輩たちが中心となって、地元での後援会活動を少しでも手伝ってやろうということで、後援会をつくって、知り合いの方や会社にパーティー券の購入や寄附を呼びかけていただいたというふうに伺っております。 当時、私は既に徳島で後援会活動に没頭しておりまして、東京での後援会のお話を聞きまして、そのこと自体はありがたいと思ったわけでございますけれども、事の詳細につきましては、私自身、徳島での後援会活動に没頭しておりましたので、十分承知をしているような状況ではございませんでした。中谷議員にもお答え申し上げましたが、政治家個人と後援会とはそれぞれ別の存在でございます。しかし、後援会の目的は政治家の政治活動を支援することにあり、そのための活動を行っている以上、後援会の活動が社会的な批判を受ければ、やはり政治家も道義的な部分でこれを真剣に受けとめる必要があると思うわけでございまして、こうしたことから今回のことは遺憾だと申し上げた次第でございます。 なお、今後につきましては、けさほども申しましたように、県民の皆さんからの御心配や御批判の声については謙虚に耳を傾けてまいりますとともに、みずからをさらに厳しく律し、清潔で公正な政治姿勢で県政に臨む覚悟でございますので、よろしくお願い申し上げる次第でございます。 報道機関の件についてでございますけれども、いろいろと報道がなされておるのは承知しております。報道機関それぞれのお考えがあろうと思っておりますので、謙虚な気持ちで受けとめておる次第でございます。 それから、徳島─東京線のダブルトラッキング化の問題についてでございますが、これまで国に対する重要要望事項として位置づけておりまして、経済界の方々ともども要望活動を展開するなど、これまでも積極的な取り組みを行ってきたところでございますが、最近の需要の低迷等を背景とした航空会社の経営状況の悪化、あるいは羽田空港の発着枠は既に飽和状態にあるというようなこと、さらには他の空港における東京線のダブル化との競合など、なかなかダブルトラッキングの実現についてはこれまで難しい状況にあったわけでございます。 しかしながら、ダブルトラッキングは旅客サービスの向上という意味でも非常に意味がございますし、新規航空会社の参加による全国的なネットワークを通じたイメージアップとか観光PRの効果が期待できるために、本格的な交流の時代を迎える本県にとりまして、早急に実現しなければならない県政の重要課題であると、私も認識しております。したがいまして、私自身、先頭に立ちまして、関係者に対し、さらに強力に働きかけを行い、ダブルトラッキング化が一日も早く実現できるように全力を傾注してまいりたいと思っております。 先月でございましたが、私自身、運輸省に参りまして、ぜひこれは頼みたいということで、強く働きかけをしてまいったところでございまして、運輸省の方でも、本県については真剣に検討してもらっておるところでございます。これは航空会社間の調整とかいろんな問題がございますので、すぐにとかいうことではなかなか難しいかと思いますが、若干のお時間をお貸しいただきたいと思います。 それから、Jリーグの誘致の問題についてでございます。 Jリーグの誘致につきましては、単にスポーツの振興というだけでなく、御指摘のとおり地域の連帯感の高揚、あるいは地域の活性化、さらには若者の定着、あるいは徳島の名前を全国にアピールするという意味でも、非常に有効な手段であるということでございまして、私としても、誘致について強い関心を持っているところでございます。 Jリーグに加盟するには、Jリーグの日程に合わせて自由に使用できる一万五千人以上の観客が収容可能で、夜間照明設備のあるスタジアムを確保しなければいけない。それから、チームが独立した法人格を有し、経済的基盤が確立されていなければならない。それから原則として、市町村を単位としたホームタウンを持つことなどのいろんな条件がございます。また、チーム戦力、観客動員力も評価の対象となっております。 こうしたもろもろの条件を満たすためには、企業、団体、自治体、そして市民グループなどの主体的な取り組みと、それを支える多くの県民の御協力が不可欠でございますので、まずは関係者間でJリーグ誘致検討委員会といったものを設立していただきまして、県も参加の上、Jリーグ誘致に当たってのいろんな諸課題、役割分担などの議論を深めていく必要があるのではないかというふうに考えておる次第でございます。 また、県としましても、Jリーグ誘致に関する客観的なデータを得るために、誘致における前提条件、チーム運営と地域とのかかわり、入場者予測等について調査を早急に実施する必要があると考えておるところでございます。 なお、三〇〇〇日の徳島戦略の新規事業として加えるかどうかという点につきましては、今後の推移も十分見きわめながら検討してまいりたいと、真剣にはもちろん検討いたしますけれども、見きわめをつけてから対応したいと、このように考えておるところでございます。 それから、国民体育大会及び全国身体障害者スポーツ大会に関する事務に従事する職員を定数外の扱いとしておるわけでございますけれども、その数は九十二名でございます。この定数外措置は、条例上、平成六年三月三十一日までの間となっておりますので、今年度末には定数内に組み入れることといたしておる次第でございます。 次に、定数条例の改正についてでありますけれども、昭和五十六年の国における臨時行政調査会発足以降におきます厳しい行財政環境のもと、本県におきましては職員定数については抑制基調を堅持すると、そういう方針のもとに定数管理を行ってきておりまして、知事部局職員の定数条例は、昭和四十九年以降二十年にわたって、基本的には据え置いてきたところでございます。 一方、行政需要は複雑多様化しながら、増大化の傾向にあります。行政執行の面におきましても、幅広い目配り、きめ細やかさ、広範な利害の調整といったようなことが求められてきているわけでございます。特に本県の場合は、今、二十一世紀を間近に控えまして、関西国際空港の開港、明石海峡大橋の完成など、世紀の大プロジェクトの進展によりまして、大きく変貌を遂げようとする時期でございます。こうした歴史上経験したことのない大変化の時期を迎えまして、これを千載一遇の好機として生かすべく、積極的な施策展開が強く求められているという固有の事情が加えてございます。そのためには、計画的、重点的な事業実施、事業選択が必要でございまして、それに応じた人員の重点的配置も必要となってまいります。申しますまでもなく、県行政は一人一人の職員の積極果敢な職務遂行を通じて運営されていくわけでありますから、施策の実施に必要な人員の確保は不可欠であり、定数条例についてかたくなな姿勢を持ったり、その改正をタブー視するものではありませんけれども、厳しい行財政環境のもとにおいては、行政運営の効率化に十分配慮して、定数条例の改正については慎重な検討が必要であるというふうに私は考えております。 私自身、知事に就任して日も浅いわけでございますけれども、歴史の転換期とも言うべき重要な時期を飛躍へと乗り切ってまいるためには、基本政策であります交流の時代、共生の時代、新しい地方の時代への対応ということに的確にこたえ得る体制について、政策遂行の根幹として十分意を尽くしてまいらなければならないと考えておるところでございます。   〔大田議員出席、近藤議員退席〕   (木内議員登壇) ◆四十一番(木内信恭君) 知事から、それぞれ御答弁をいただきました。 まず、公共工事の入札方法についてでありますが、前段申し上げましたとおり、既に指名停止を受けておる最大手ゼネコンは八社に及んでおると伺っております。しかも、東京地検特捜部の捜査が一段と厳しさを増す中で、首を洗って待っておる首長は非常に多いのではないかと推測されておるところでございます。 そこで、こういう時期でありますだけに、圓藤知事の登場に大きな意義を見出したいのであります。御承知のように、圓藤知事の御尊父様は進歩的な憲法学者として、香川大学学長を初め本県四国大学学長として大きな足跡をとどめておられる畏敬すべき立派な学者であります。昔からよく言われるとおり、親の背を見て子は育つとも、この親にしてこの子ありとも言われます。毅然とした判断と、何よりも不正を憎むあなたの御尊父の影響を最も多く引き継がれておるのは圓藤知事御自身であると、かたく信ずるものであります。 そこで、前段申し上げましたとおり、公正さと透明性と競争の原理を正しく生かされた入札制度を庁内専門家の意見を入れて、最終的には知事御自身の判断によって、さすがと言われるシステムの確立を図り、卑しくも天の声などと言われるような大きな汚点を残すようなことは一切しないということをひとつお約束いただいて、来年度から実施に移すのではなくて、一日も早く実施できるような体制を強く要望いたす次第であります。 次に、えんどう寿穂東京後援会、運輸政経調査研究会が窓口となった東京パーティーや企業献金の実態が明らかにされました。ただ、ゼネコンからの献金と違って、直接本県の公共工事に関係ないとは言え、圓藤さんの運輸省在職中の人柄のよさから、全く善意の発想で、本人とはかかわりなく第三者が企画して、徳島県知事選挙に出馬する圓藤さんを励ましてやろうとのパーティーであったと思いますが、許認可権を数多く掌握する運輸省傘下の企業・団体に幅広く資金づくりをした行為は、必ずしも望ましい企画ではなかったと思うのであります。政治資金規正法上問題はないにしても、政・財・官の癒着が大きく政治腐敗の温床となる可能性を数多く持っておるだけに、本人の意図とは別に善意の第三者による企画だから許されるということはないと思うのであります。何事にも、おのずから節度があるということを申し上げておきたいのであります。 圓藤知事は、今スタートしたばかりの一地方政治家であります。今後、本県のため、さらには我が国のために大いに貢献していただきたい有能の士でありますだけに、今後の大成へ向けての試練と受けとめ、一層みずからを戒め、節度のある政治家として、今後、発展の糧にしていただくよう強く望んでおく次第であります。 次に、徳島空港ダブルトラッキング化への具体的御方針を知事からお示しをいただきました。さすが運輸官僚として航空行政に豊富な御経験を持っておられる知事ですから、一日も早くダブルトラッキング化の実現を図られる、そして八十三万県民の熱い期待にこたえられることを強く望んでおく次第であります。 次に、本県が積極的に推進役となって、四国の代表チームとして大塚製薬チームを軸にJリーグ入りを果たすべく、諸般の準備体制を早急に整えなければならないのでありますが、知事答弁で、その方向への熱意を読み取ることができました。我々県議会も、極めて明るい話題として、超党派で積極的に協力し合うことが十分可能であると思いますので、議会側とも相談しながら、諸般の準備体制確立のため、早く体制を整えられるよう強く望んでおく次第であります。 次に、本県職員定数条例の問題についてでありますが、昭和四十九年四月、これまでの四千三百九十二名から現在の四千四百五十七名に改正し、ここで六十五名増加しておるのであります。その後、昭和五十六年十月、三木県政が発足したのでありますが、およそ二十年間も職員の定数を据え置きにしてきたのであります。平成二年四月、国体・身スポ関連職員だけを別枠として定数がえ措置をしたようでありますが、行政に対する県民ニーズは日増しに高まるばかりであります。ちなみに四国各県の状況を調べてみますと、香川県は昭和五十二年四月以降据え置き三千三百名、高知県は昭和五十四年四月以降四千六百十八名で据え置き、愛媛県は昭和三十九年四月以降四千五百九十二名から平成二年四月三十名増、平成三年四月二十八名増、平成四年四月十二名増と、七十名増の四千六百六十二名となっておるのであります。 そこで、ただいま知事御答弁のとおり、基本定数の見直しも含めて、行政需要の多様化にこたえるべきだと思うのでありますが、総務部長から、来年度、組織・機構改革構想があれば、その方向性をお示しいただきたいのであります。 次に、ここで二問だけつけ加えさせていただきます。 その前に、御承知のように今年は何十年ぶり、いや何百年に一回というような大飢饉の年であります。長引く冷夏・長雨被害、さらに相次ぐ台風被害に見舞われた農家の皆さんに、心からお見舞いを申し上げますと同時に、県としてできる限りの救済対策を確立していくよう強く要望しておきたいと思います。 さて、いわゆるバブルが崩壊し、経済界は長引く不況にあえいでおるようであります。特に、今年に入って一ドル百円台という異常な円高で、輸出関連企業はピンチに立たされておるようであります。百貨店、量販店などの売れ行きも一向に伸びない、むしろ前年対比マイナス成長が続いている状況であります。 そこで県としては、年末を控え、県内の景況は依然停滞局面が継続し、個人消費も低調であると日銀徳島事務所の先月一日発表の月例報告で、県内金融経済概況によると、住宅投資は増加基調を持続し、公共工事も高水準で推移しておる、しかし、個人消費、設備投資はともに低調で、企業の生産活動も総じて抑制基調であり、県内経済は依然停滞局面にあると報じておるのであります。最近、奈良では大手ゼネコンの倒産がありました。本県の場合、企業倒産を含めた危機的な状況はないのか、その実情をどのように把握しておられるのか、中小零細企業の長期化する不況克服のためのどのような指導・救済対策をとろうとしておられるのかをお示しいただきたいのであります。 最後に、本県が推進中の三〇〇〇日の徳島戦略総合計画二〇〇一と大きくかかわる地方拠点法施行に伴って、本県も県都徳島市を中心とした四市八町一村で、徳島東部地方拠点都市地域として、今年四月二十六日、同法第四条に基づく国の指定を受け、早速、関係市町村は共同して基本計画策定のための本格的作業を開始し、本年六月、「徳島東部地方拠点都市地域基本計画の基本的考え方について」を取りまとめると同時に、基本計画の内容について、県と承認に向けての事務折衝を行ってきたとのことであります。 最近、この事務折衝がほぼ終わり、徳島東部地方拠点都市地域基本計画案を取りまとめるに至ったようでありますが、今月中旬、徳島東部拠点都市地域推進会議を開き、合意を得た上、速やかに県知事に向かって地方拠点法第六条に基づく基本計画の承認を申請する予定だと伺っておるのでありますが、その基本計画案の中身をお示しいただきたいのであります。識者の言をかりれば、本県がポスト架橋に備えて何よりも重要なことは、県都徳島市が都市機能を集積し、拠点都市にふさわしい状況をつくらなければ、文字どおり四国の表玄関にはなり得ないとのことであります。 本県にとって、二十四時間供用の関西新空港の開港、ポスト架橋に備えて、大きく飛躍、発展を遂げなければならない千載一遇のチャンスを生かすために、四全総に盛られた東京一極集中を排して、多極分散型国土形成に向けての重要施策の柱として生まれた地方拠点法をできるだけ一日も早く徳島東部拠点都市地域基本計画案を県は承認し、具体化を急がなければならないと思うのであります。しかも、この法律は十年間の時限立法でありますから、本県として現在進行中の三〇〇〇日の徳島戦略総合計画二〇〇一と同時進行するものであります。この基本計画推進に当たって、多額の財政支援を国から得られるとするならば、本県にとって願ってもない慶事というべきであります。我々はこの計画の一日も早い具体化を願っておりますだけに、なるほどとうなずけるような基本計画の中身をお示しいただきたいと思うのであります。 以上、御答弁をいただいて、まとめに入りたいと思います。   (富田総務部長登壇) ◎総務部長(富田辰郎君) 木内議員から御質問がございました新年度に向けての組織・機構改革を含めた庁内の体制整備をどのように総務部長として考えているかという御質問にお答えいたします。 御質問の新年度に向けての組織体制の整備についてでありますが、複雑多様化し、増大化しつつある行政需要に的確に対応し、計画的かつ重点的に施策を展開していくためには、行政ニーズを絶えず見つめ、組織体制の整備に努めてまいる必要があります。 そこで、本県におきましては、徳島県行財政改革大綱に基づき、長期的な展望のもとにスクラップ・アンド・ビルドを原則として時代の変化に即応し、新たな行政を展開し得るよう組織・機構の整備に努めてまいったところであります。 具体的には、役割を終えた文化の森建設事務局や阿佐東線建設準備室などを廃止する一方、重要施策を積極的に推進するために環境局、橘湾開発局、縦貫道推進局を設置するなど、重点的に体制整備を図ってきたところであります。 さらには、組織横断的な対応を必要とする重要政策について、三〇〇〇日の徳島戦略推進本部、徳島県環境対策連絡調整本部、あるいは徳島県橘湾石炭火力発電所立地推進本部等々の庁内組織を設置し、事業推進体制の強化を図ってきたところであります。 ただいま知事から御答弁申し上げましたとおり、執行体制の整備は施策推進の根幹にかかわるものでありますので、新年度に向けましては、当初予算編成も踏まえ、行政需要に的確に対応した、簡素にして効率的な体制整備を図ってまいりたいと考えております。   (宮本商工労働部長登壇) ◎商工労働部長(宮本清君) 私からは、円高不況に対する対応策についてお答えをいたします。 長引く不況に加え、急激な円高や天候不順などにより、県内中小企業におきましても、電気製品製造業や自動車製造関連産業を中心に生産調整や雇用調整を余儀なくされるなど、影響が深刻化しつつあります。このため、中小企業設備貸与事業の貸与損料の引き下げを行ったのを初め、県単独の中小企業向け協調融資制度の中において、円高あるいは親企業の経営合理化等により影響を受けている中小企業者を支援するための円高下請対策特別融資を新たに創設することとしております。また他の融資制度につきましても、最近の金利情勢を考慮して、小口資金、一般資金を〇・四%引き下げるなど、これまでの最低水準の融資利率とし十一月一日から実施しているほか、特に年末資金融資制度につきましては、昨年に比べて〇・八%という大幅な引き下げを行うとともに、融資枠の確保を図っているところであります。さらに、下請中小企業者を支援するため、下請受注あっせんの強化に努めるほか、雇用対策として求職者ニーズに合った求人開拓や雇用調整助成金の有効活用を図ることとしております。 なお、去る十月十五日には商工団体、政府系金融機関、行政等で組織しております徳島県中小企業関係施策推進連絡会議を開催し、国の総合経済対策、緊急経済対策に呼応してそれぞれの機関で展開している施策について、関係機関が緊密な連携のもと推進していくなど、総合的に対策を講じていくことの申し合わせをいたしたところであります。 今後におきましても、県内の景気並びに本県中小企業の動向の的確な把握に努めるとともに、効果的な中小企業関係施策の推進について、関係機関と緊密な連携を図りながら進めてまいりたいと考えております。   (三好企画調整部長登壇) ◎企画調整部長(三好勝則君) 地方拠点都市地域に関する御質問にお答えいたします。 法律のねらいとするところは、多様な都市機能の集積や良好な居住環境の整備を図ることによりまして、地方の自立的な成長を牽引し、地方定住の核となる都市エリアを創造しようとするものでありますことから、県といたしましては、これまで積極的な取り組みを行ってきたところでございます。すなわち、本年四月二十七日には徳島市を中心市とする四市八町一村の徳島東部地域を地方拠点都市地域として指定したところであります。 その後、指定地域内の市町村では、共同して当地域の整備にかかる基本計画の作成作業を本格的に開始し、県としても適宜指導、助言を行いますとともに、国を初めとする関係行政機関との調整を図るなど、基本計画の早期作成に向けまして、関係市町村を支援してまいったところであります。 関係市町村におきましては、このたび事前の折衝が終了し、議員御指摘のとおり、近く県知事に対し基本計画の承認申請をする予定となっております。 現在まで取りまとめられております基本計画案の内容といたしましては、まず拠点地域整備の基本理念といたしまして、都市機能の増進及び居住環境の向上をさらに推進することにより、若者が希望と魅力を持つ職・住・遊・学の備わった生活空間を創造することを目的とし、その整備コンセプトを「水と緑が映える四国の玄関都市地域を目指して」というふうにしております。 これらを踏まえた整備の基本方向といたしましては、徳島県をリードする高次都市機能の整備、交流と連携を図る交通ネットワークの整備、水と緑が映えるゆとりある居住環境の整備、豊かな自然資源、歴史文化を生かした広域交流拠点の形成の四つの方向に定めております。このために、道路、上下水道等の各種基盤整備を初め、学術・教養文化施設、スポーツレクリエーション施設、公園等の整備に積極的に取り組むこととしております。これらの各種事業には、関係市町村が事業主体となって推進していく施策はもちろんのこと、国、県などの事業も数多く含まれており、関係機関が一体となって、この基本計画を推進していくものとなっております。 県といたしましては、この法律に基づく各種の支援措置を活用するため早期に計画を承認するとともに、公共事業の重点実施などにより計画の目標が達成されるよう努力してまいりたいと考えております。   (木内議員登壇) ◆四十一番(木内信恭君) 各部長から、それぞれ御答弁をいただきました。 前段申し上げましたとおり、県庁職員定数枠を動かさないで十分な行政効果を上げることが望ましいことは申すまでもありませんが、職員定数に縛られる余り、多様化する行政需要に適切な対応に欠けるのではないかとの疑問が数多く散見されるのであります。したがって、人事の最高責任者である圓藤知事は、事務事業の見直しの中から、職員と十分な意見を闘わせながら、大事なプロジェクト推進に当たっては思い切った対応ができるよう機敏な取り組みを望んでおく次第であります。 商工労働部長からは、国の緊急経済対策に呼応した県の対策として、十一月補正予算において円高下請対策特別融資資金貸付金制度の創設や中小企業設備貸与事業の貸付損料の引き下げ、年末資金融資制度の取り扱い開始、県単独協調融資制度の金利引き下げを検討中とのことでありますが、企業みずから不況克服への努力と相まって、企業倒産など最悪の事態を招かないよう適切な指導を強く望んでおきたいと思います。 企画調整部長からは、県へ近く申請する徳島東部地方拠点都市地域基本計画のアウトラインをお示しいただきました。我々は究極の願いとして、県土の均衡ある発展を願うものでありますが、当面の緊急課題として、ポスト架橋に備え県都徳島の都市機能集積を積極的に進め、文字どおり四国の表玄関にふさわしい体制の整備を急がなければならないと思うのであります。現状では残念ながら、高松市に大きく水をあけられておることは否めない事実であります。したがって、本県が大阪湾ベイエリア構想での機能分担なども積極的に進める中で、あすへの飛躍、発展を心から願うものであります。そうした意味合いから、地方拠点法という国の施策に乗って、全国的にも先進的モデル地域と言える体制への整備充実を希求してやまない次第であります。 さて、八十三万県民の先頭に立って、県民とともに歩む圓藤県政がスタートしたばかりであります。知事は、今期定例会冒頭の所信表明で明らかにされたとおり、「交流の時代、共生の時代、新しい地方の時代、それぞれ本県にとって飛躍的発展への可能性を与えてくれるものでありますが、同時に、さまざまな困難とリスクを伴う厳しい試練でもあります。これからの四年間、私は透徹した目を持ちつつ、困難な局面には全身全霊で立ち向かい、本県にとってのチャンスを一つ一つ着実に得点につなげていく中で、いきいきとした徳島、あたたかい徳島、個性のある徳島を目指してまいりたい。」と、力強く述べておられるのであります。私も、本県の限りない発展をこいねがう立場から、圓藤新知事に協力し合いながら真剣に取り組んでまいりたいと思っておる次第であります。圓藤知事も、どうぞ初心を忘れることなく、一層の御精進を重ねられ、八十三万県民の先頭に立って頑張り抜かれることを心から御期待申し上げる次第であります。 ここに「権不十年」という小冊子がございます。(資料提示)一昨年八月、NHKの衛星放送で、「緑陰講座」と銘打って、今をときめく総理大臣細川護熙さんが五夜にわたる放送に少し手を加え、単行本として昨年一月、日本放送協会から発刊されたものであります。私は興味深くこの本を一夜で読み下したのであります。ここに、政治家としてだれもが拳々服膺すべきリーダーとして五つの条件が述べられております。 その一つは、何事にも公平無私でなければならないこと。その二つは、常に使命感を持って対処すべきこと。その三つ目は、誌心、ロマン、言うならば実践的理想主義ということ。その四つ目は、歴史感覚を忘れるなということ。その五つ目が、距離感、すなわちセンス・オブ・プロポーションを持てということでございます。私も深い感銘を受けたのでありますが、圓藤知事も常々こんなことを頭に描きながら対処されることを強く望む次第であります。 後進県と言われる本県を少しでもレベルアップを図るために、あなたの多年にわたる中央での役人生活で得た豊富な行政経験と卓越した情報収集能力と人脈を生かし、近づく二十一世紀に向けて、八十三万県民が、冒頭申し上げましたとおり、徳島に住んでよかったと実感できる理想郷の実現を目指して、たゆまぬ御精進、御努力を心から御期待申し上げ、私のすべての質問を終わります。 御清聴まことにありがとうございました。(拍手)   ──────────────────────── ○副議長(湊庄市君) 議事の都合により、休憩いたします。      午後二時三分休憩   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━    午後二時三十分開議      出席議員計三十八名          (その番号・氏名左のとおりである)     一  番     森  本  尚  樹 君     二  番     福  山     守 君     三  番     西  沢  貴  朗 君     四  番     吉  田  忠  志 君     五  番     樫  本     孝 君     六  番     来  代  正  文 君     七  番     猿  瀧     勝 君     八  番     竹  内  資  浩 君     九  番     北  島  勝  也 君     十一 番     久 次 米  圭 一 郎 君     十二 番     長  尾  哲  見 君     十三 番     佐  藤  圭  甫 君     十四 番     児  島     勝 君     十五 番     川 真 田  哲  哉 君     十六 番     宮  城     覺 君     十七 番     北  岡  秀  二 君     十八 番     亀  井  俊  明 君     十九 番     堺        廣 君     二十 番     遠  藤  一  美 君     二十一番     原     秀  樹 君     二十三番     榊     武  夫 君     二十五番     平  岡  一  美 君     二十六番     四  宮     肇 君     二十七番     近  藤  政  雄 君     二十八番     湊     庄  市 君     二十九番     木  村     正 君     三十 番     元  木     宏 君     三十一番     俵     徹 太 郎 君     三十三番     松  本     弘 君     三十四番     服  部  昭  子 君     三十五番     小  倉  祐  輔 君     三十六番     中  谷  浩  治 君     三十七番     大  西     仁 君     三十八番     原  田  弘  也 君     三十九番     阿  川  利  量 君     四十 番     谷  口     修 君     四十一番     木  内  信  恭 君     四十三番     日  下  久  次 君   ────────────────────────
    ○議長(元木宏君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 六番・来代正文君。   (来代議員登壇) ◆六番(来代正文君) 質問も三人目になりますと、一番疲れが出るときでございますが、私にとってはこの与えられた貴重な時間を私なりの観点から一生懸命郷土のためにというつもりで質問に入りたいと思います。どうか、圓藤知事を初め理事者の皆さんには、わかりやすい誠意ある御答弁を強く要望しておきます。 さて、先ほどは木内先生も述べられましたが、第四十八回国民体育大会と第二十九回全国身体障害者スポーツ大会が無事終了しました。国民体育大会では男女総合で二位という本県の国体史上に残るすばらしい成績でありました。今思えば、教育長が当初から優勝を目指すとはっきりと言い切っておられれば、あるいは優勝が──と思わないでもありませんが、いずれにしましても、この立派な成績に対し、選手の皆さんに心から敬意を表します。また、鳴門市で開かれました開会式でのあの子供たちの鼓笛隊やすばらしい集団演技には、心を込めて拍手を送らせていただきました。また、文字どおり寝食を忘れて大会の運営に当たられた関係者の皆さんや、一人一役を合い言葉に大会の運営に最後まで協力してこられました県民の皆さんにも、心から感謝を申し上げる次第でございます。一つの大きな事業をやり遂げるのには、表に立つ人もまた大事でありますが、陰で一生懸命支えてくれた人も忘れてはなりません。 さて、圓藤知事さん、今、私は二カ月前の知事選挙のときを思い出しております。圓藤寿穂という人は東京の偉い人だと聞いたことがあるが、顔も知らない。見たこともない。しかし、圓藤さんが知事になれば暮らしがよくなる、働き場所ができて、東京にいる息子が、大阪にいる孫が帰ってくる、こんな期待を持って、いわば神にも祈る気持ちで、目立たなくとも常に圓藤知事の誕生に大きな夢と期待をかけておられた人を、この目で見、耳にしてまいりました。この人たちはいわばゼネコンの人ではありません。別に大きな利益を求めているのでもございません。圓藤知事を信じて、ただひたすらにふるさとを思い、先祖代々の土地を守り、いつの日か家族そろって暮らしたいと願っている人たちなのであります。このような人たちにとって、これまでの行政の目は少々曇りがちだったのではないでしょうか。 実際、これまでの県政を見てまいりますと、三〇〇〇日の徳島戦略総合計画二〇〇一を基本にして、四国の玄関づくり、いきいきとした人づくり、ゆとりある社会づくりといった、どれをとりましても、やがて徳島の持つポテンシャルが花開き、そこに住む私たちの生活もすばらしく輝いてくる、そんな夢を与えられましたし、またそう信じておりました。 ところが実態はどうでしょう。経済不況のあおりを受けてか、雇用の場は減り、しかも、あれほど推し進めていた減反政策をあざ笑うがごとく米不足、そしてついには米泥棒、あげくの果てには国道でトラックの米検問と、私たちはまるで昔のセピア色した映画を見ているのではないかとの錯覚を覚えたものでありました。 こうした中で、つい先日、徳島県が二百億円をかけて建設を進めておりましたアスティとくしまが完成をいたしました。このほか、これまでに文化の森、沖洲マリンピア、ブレインズパーク徳島と、数え上げれば切りがないくらい大型事業が組み立てられてまいりました。確かにこれらの事業は、表から見る限りでは必要なものばかりであり、徳島県の発展には欠かせないことはわかっております。 しかし一方では、徳島市中心への一極集中に弾みをかける結果となったのではないでしょうか。しかも、アスティとくしまは連日大にぎわいの報道がなされてはいるものの、県の収支計画書では、多目的ホールの稼働率が六〇%、徳島体験館への入場者数が四十万人と、当初から厳しい条件となっており、収入額は四億五千五百万円、これに対して人件費など維持管理費が五億一千八百万円と、実に六千三百万円の赤字が予想されております。また、アスティとくしまの知名度は知事らが期待するほど高くなく、県選出の国会議員ですら別のビルの名前と間違ったくらいだと聞いております。 ちなみに、県の大型事業と言われているものの大半が、こうした支出が収入を上回る赤字経営となっており、例えば文化の森が九億九千万円、青少年センターが一億八千七百万円、県郷土文化会館が一億八千四百万円などと、それぞれ維持費、管理費が収入を上回る、収入が支出を下回る赤字経営となっております。その額は実に二十億円を超えております。 しかるに、今年度の過疎対策費はわずか三億円が計上されたにすぎず、これでは県の言う均衡ある県土の発展にはほど遠い、いわばかけ声だけの行政ととられてもしようがないのでないでしょうか。 もちろん、これらの維持費すべてが悪いとは言えません。現に、赤字経営だから県が運営するんだと決めつけている県幹部の声も聞かれます。が、しかし、既にバブル経済が崩壊し、各企業は何とか生き残りをかけて体質改善を図っている折でもあります。そうした中で、本県だけが親方日の丸というわけではないんでしょうが、毎年毎年二十億円もの赤字が維持管理費に消えていくとあっては、人不足、資金不足にあえぐ過疎地域から見れば、これらの二十億円はむだ遣いともとれますし、せめてその半分、いや三分の一、十分の一でもあればと、まさにのどから手が出ると言ってもいいくらいであります。 圓藤知事所信表明の中で、交流の時代、共生の時代、新しい地方の時代を掲げ、地方に住んでいても豊かさが享受でき、高齢者となっても安心して暮らせる時代がやってくると位置づけられておりますが、私たちはその言葉を額面どおり信じていいのでしょうか。 例えば、本県はその区域を大きく分けますと、東部地域、南部地域、西部地域の三つに分かれます。このうち東部地域には、三〇〇〇日の徳島戦略のほか、地方拠点都市整備構想や大阪湾ベイエリア法、こういった重要プロジェクトが次から次へと計画されております。また県南部は、辰巳工業団地や橘湾の石炭火力発電所のほか内陸工業団地、さらには県南部のリゾート構想などによって一定の方向づけがなされているのであります。しかるに県西部といえば、特にこれといったプロジェクトはどこにも見当たりませんし、所信表明の中でも、県西部という言葉は一度も聞かれませんでした。 さらに、私の生まれ育った三好郡では、ちょっとした行政のぬくもりがあれば、あるいはちょっとした政治の光が当たれば、すぐにでも解決できる、いわば行政のおくれという点が多々目立っております。例えば、主要県道三好井川線の美濃田大橋であります。ここは幅三・六メートルの一車線で、しかもすぐ橋のたもとがJR徳島線の踏切となっています。もちろん信号機はありません。この大混雑、大渋滞の中を生徒やお年寄りは、学校に病院にと通っております。また、池田町の鮎苦谷川は、去年の十二月から改善されるとのことでありましたが、いまだに荒れ放題で、見た限りではどこも改善されておりません。 こうした直面する地域の問題にきちんと目を向けていただかなければ、圓藤知事の言う共生の時代は空念仏と言いますか、全くのかけ声だけに終わってしまうおそれがあります。これらの問題を解決するのに、何も二十億円は要らないのです。私は、今こそバランスのとれた財政運営が望まれると痛感いたしておりますが、共生の時代を掲げる圓藤知事が、自分自身の足で歩き、その目で見た地域の実情を踏まえ、今後どのような財政運営に当たられるのか、基本的な考えをお伺いいたします。 次に、地域振興への取り組みについてでありますが、圓藤知事は、新しい発想で、どこに住んでいても安心して生活が送れるよう地域間格差の是正に努めると述べられておりますが、これは、これまで三〇〇〇日の徳島戦略に入っていない地域でも、今後新たなプロジェクトを設けて地域の振興を図るととってもいいのでしょうか。例えば、県西部の三好町においては、四国縦貫自動車道の開通を過疎からの脱却の最後のチャンスととらえ、美濃田の渕の周辺に観光施設をつくり、ここで地域の人が生産した観光土産品を販売するほか、県の計画するオートキャンプ場の誘致など、みずからの再生を求めて、何とか過疎に打ちかとうと懸命の努力を重ねようといたしております。このような地域に対して、県としても積極的に助成し、支援の手を差し伸べるべきであると考えますが、企画調整部長の見解をお伺いいたします。 以上、御答弁によって再問に入ります。   (圓藤知事登壇) ◎知事(圓藤寿穂君) 私の目で見、足で訪ねた過疎地の現状についての感想を踏まえての今後の対応、あるいは私の政治信念についてのお尋ねであると思います。 御指摘のように、私は知事選挙を通じまして、県内を二巡三巡させていただいたわけでございます。この間、私を温かく迎えていただきましたことに対し深く感謝を申し上げます。 議員御指摘のように、東京で承知しておりました過疎地の状況と、実際に見聞きした過疎地の現状には、認識において相当な違いを感じたところでございます。確かに地方には切実な問題が残されているということを実感した次第でございます。 今後は、これら地域を支え、担う人たちの側に立って、細やかなぬくもりのある県政を推進してまいりたいと、このように思っております。そのため、地域での会合等にも出向き、できるだけ自然な形で、それぞれの地域で生活している住民の方々が何を感じ、何を望んでいるかなどの生の声をお聞きし、県民一人一人の心に触れ合い、県民とともに進める行政に努めてまいりたいと、このように考えているところでございます。 来代議員が御心配の交流、共生、新しい地方の時代が必ず来るように、誠心誠意県政に取り組んでまいりたいと決意しておるところでございますので、御支援のほど、よろしくお願い申し上げます。(拍手)ありがとうございます。 次に、財政運営についてであります。 確かに御指摘のように、アスティとくしまを初め文化施設に多額の維持管理費を要することは否めないわけでございます。しかしながら、議員も述べられましたように、あすの徳島を目指すためには必要な施設であります。長期にわたった景気拡大が、バブル崩壊によって終えんを迎え、打って変わった不況の中、民間企業の体質改善が進むなど大きな経済変動のもと、本県におきましても財政状況は大変厳しいものがあります。そのため、これら施設の有効利用を進めるため、みんなで知恵を出し合うとともに、施設の維持運営につきまして、それぞれの部局で点検、見直しを行い、経費の一層の節減、合理化を図ってまいらなきゃならない、このように思っております。 また、過疎町村への財政支援でありますが、御指摘のように過疎地域総合整備事業費補助金としては三億円となっておるのは事実でございますが、そのほかにハード面では産業振興、交通通信体系の整備などを行っておりますし、またソフト面では三好郡のふるさと市町村圏への一億円の助成を初めとして、県政全般にわたりまして実施しているところでございます。今後とも過疎町村に対しましては、より細やかに、温かみのある支援策について真剣に取り組んでまいりたいというように考えております。 さて、今後の県西部の振興策についてでありますけれども、先ほど御指摘ございまして、所信表明の中に県西部という言葉が触れられていないという御指摘がございました。しかしながら、私としては十分県西部ということも認識しているわけでございまして、そこには地域間格差の是正ということの項目の中で述べさせていただいたつもりでございます。御理解を賜りたいと思います。 ちょうど現在、三〇〇〇日戦略の総合的な点検を行っているところでございますので、県西部の振興策につきまして、地元の町村とも相談し、ふさわしいものがあればそれを取り入れたいと考えておるところでございます。御理解をいただきたいと思います。これを通じまして、抜本的な均衡ある県土の発展を図ってまいる所存でございますので、しばらくお時間をかしていただきたいと思います。 なお、美濃田大橋南詰交差点の交通安全対策につきましては、関係機関と十分協議、検討を行い、交通が安全かつ円滑に処理できるような対策を講じてまいりたいと考えておりまして、関係部に指示をしたところでございます。 また、鮎苦谷川につきましては、箸蔵橋下流から池田学園までの区間を昨年度から調査に着手しておりまして、来年の三月末に全体的な整備計画を策定し、順次着工することといたしております。   (三好企画調整部長登壇) ◎企画調整部長(三好勝則君) 過疎に打ちかつための努力をしている地域に対して、県の支援措置についての考え方ということについてお答えいたします。 過疎問題は、当該町村にとって深刻な問題であることはもとより、県としても均衡ある発展を図る上で、極めて重要な課題であると考えております。このため、これまでも県の総合計画を初めとする各種の計画や諸調査の中で、その振興を図る方策を講じることとしてきたところであります。 最近の過疎町村を取り巻く状況としましては、本州四国連絡橋神戸─鳴門ルートの完成及び四国縦貫・横断自動車道の開通などにより、今後大きく変化する可能性があります。これら、高速広域交通網の整備に伴って、広域的な交流が活発になることが期待され、徳島県という圏域にとらわれることなく、県境を超えた視点からの振興策も考えていく必要があり、さらに長期的には第二国土軸あるいは中国地方から太平洋に抜ける南北軸上の位置づけなど、それぞれの地域特性を生かして、地域の果たすべき役割や期待される機能を探っていく必要があると考えております。 県西部では、議員が具体的に例を挙げて御指摘いただいた三好町のように、四国縦貫自動車道を活用した地域振興策を独自に構想している町村もあり、解決すべき諸課題について、県も指導、助言を行うなど、積極的に協力してまいることといたしております。 さらに、県といたしましても、地域振興の先導的施設として、県西部と県南部に本格的なオートキャンプ場を中心とした野外交流の郷──これは仮称でございますが──これを整備し、豊かな自然を生かした交流、滞在の拠点とするとともに、これを核として、周辺町村が行う振興施策と有機的にネットワークさせたいと考えております。 今後は、関係町村と一致協力し、また四国の他の各県とも協議を進め、広域的構想づくりができるよう取り組んでまいりたいと考えております。   (来代議員登壇) ◆六番(来代正文君) さて、知事と企画調整部長から、心のこもった県西部あるいは過疎地への真剣な取り組み方についてお聞きし、安心はいたしました。 さて「まかぬ種は生えぬ」ということわざがあります。これらは、日ごろから一つ一つ基礎を積み重ねていかねば、何にもできないといった意味にも使われますし、また「空樽は音が高い」とのことわざもございます。これは、中身がないほど大きなことをいう意味らしいんですが、県行政もまた、一つ一つ心のこもった行政を推し進めてもらわなければ、いかに大きなプロジェクトを立てても、それは単にかけ声だけに終わってしまうおそれがあります。こういった観点に立ち、中身のある行政を期待しながら、質問を続けます。 四国縦貫自動車道の建設は、県西部にとりましてただ一つのプロジェクトとも言えるのであります。ところが、これまでの縦貫道は、脇─藍住間にばかり重点が置かれた格好で、余り現実性がわきませんでした。しかし、このごろになって、高速道路が目に見えてまいりますと、私たち県民の夢も膨らんでまいります。現に脇─藍住間は、予定より少々おくれたものの、いよいよ今年度中には開通の運びとなりました。さらなる夢は、川之江─脇─徳島間の全線開通であります。高速道路は全線が開通してこそ、その役目を果たすものであります。圓藤知事は、徳島を四国の東玄関と位置づけしておりますが、徳島が四国の東玄関なら、県西部はまさに四国の奥座敷であります。高速道路が開通すれば、徳島からも高松からも高知からもわずか一時間足らずで県西部に到着いたします。しかも、ここにはすばらしい観光資源があります。このすばらしい景勝地に恵まれた県西部をこのままにしておくのは、まさに宝の持ち腐れといっても過言ではありません。景勝地ばかりではありません。高速道路が開通しますと、県西部は愛媛県の川之江市や伊予三島市、あるいは香川県の坂出市まで、わずか十分から三十分の距離となります。そこで重要なことは、この便利さを生かした人口定住のためのベッドタウン構想や企業誘致を忘れてはならないのであります。 ところが、現在の状況はどうでしょう。円高不況などの消費の伸び悩みで、収益の悪化に敏感な大企業は軒並みリストラに走り、生産調整や雇用調整を行い、そのあおりで来年三月の卒業予定者の就職戦線は、ここ十年では最も厳しい状況にあり、中でも女子大学生はかなりの就職浪人が予想されております。しかも、新規卒業者を採用する企業の数も限られており、現在の状況では、優良企業への就職は至難のわざとなっております。 このような状況を見るとき、幾ら過疎対策だ、人口定住策だと唱えてはいても、働く場所がない限り、夢に夢見るだけで、全く効果がないことはわかりきったことであります。しかしながら、西長峰工業団地やブレインズパーク徳島は、その造成に莫大な費用はかかったものの、企業立地については、呼べども呼べども反応は鈍く、その結果は全く芳しくない状況であると聞いております。明石海峡大橋の開通予定は平成九年度であります。四国縦貫自動車道の全線開通予定も平成九年度であります。 私は、ここで圓藤知事にお伺いをしますが、本県の発展にとって必要不可欠な四国縦貫自動車道川之江─徳島間は間違いなく、例えば政治責任をかけてでも平成九年度中に全線開通させる自信があるのでしょうか。また、それには絶対に避けて通れない用地交渉に対し、圓藤知事自身が現地に赴いてまでも用地交渉に当たる熱意があるかどうか、お伺いをいたします。 さらには、三〇〇〇日の徳島戦略の基本ともなるべき縦貫自動車道と本四連絡道路は、四国横断自動車道の鳴門─松茂─北島を経て徳島インターの東部で縦貫自動車道と結合するものと予想されておりますが、この見通しで間違いはないのでしょうか。 また、四国縦貫自動車道と本四連絡道路の結合がおくれればおくれるほど、国道十一号線や県道鳴門池田線などはかなりな渋滞が予想されておりますが、今、現在、知事さんは板野町の御自宅から県庁まで車で通われているとのことであります。知事御自身の経験から、徳島市周辺の朝夕の交通渋滞に関する御感想、さらには今後の道路対策についてもお伺いをいたします。 また、圓藤知事は、企業誘致は徳島の経済の発展の基盤であると言っておられ、自分がセールスマンになったつもりで企業誘致に全力を挙げるとも述べられておりますが、この経済情勢の中で、果たして西長峰工業団地など本県に進出してくる企業の目星はついているのでしょうか。その見通しと今後の企業誘致作戦についてもお伺いをいたします。 次に、米に関する問題であります。 ことしの稲作は、たび重なる台風の襲来によって、十月十五日の作況指数は七五と著しい不良となり、戦後最悪の凶作になることが確定的であります。このため、農家から出荷される米の量は例年になく減っており、不安感は全国に広がっております。政府は、ことしの米不足に対する不安や混乱をなくするため、タイなど外国から加工米を輸入することを決定いたしました。また、主食用の米についても緊急輸入の検討を始めております。 このように、全国的に米不足が心配される中で思い出すのは、およそ二十年前のオイルショックのときのことであります。主婦は朝からトイレットペーパーの買い出しに並び、私たちは灯油の買い出しに長い列をつくりました。二十年たった今、まさにあの悪夢がよみがえろうとしているのであります。 そこで、農林水産部長にお伺いをしますが、県民の主食である米をどのように確保し、今後、米不足や米の値上がりにどのような対策を立てて県民の不安を取り除いてくれるのか、また一方では、冷夏、長雨、日照不足で、農家は稲作だけでなく野菜や果樹にも莫大な被害を受け、農業経営の維持に大きな不安を募らせておりますが、県はこれらの被災農家に対してどのような救済策をとられるのか、お伺いをいたします。 以上、答弁によって、再問に入ります。   〔大田・松田両議員出席出席議員計四十名となる〕   (圓藤知事登壇) ◎知事(圓藤寿穂君) まず、四国縦貫自動車道の件についてでございますけれども、高速自動車道網の一日も早い完成は、特に求められている社会基盤整備の中でも、最重点の施策として位置づけられるべきものでありまして、徳島の将来を展望するとき、明石海峡大橋開通時に徳島─川之江間の全線供用はぜひとも必要である、このように思っております。また、この早期全線供用は県西部の発展にとって欠かせないことも、十分認識をいたしておる次第でございます。 県といたしましては、四国縦貫自動車道に関するあらゆる状況を常に把握いたしまして、関係各方面に積極的な働きかけを行い、また誠心誠意用地取得に努めるなど、平成九年度完成を目指して総力を挙げて事業の促進に取り組んでいるところでございます。ただ現在、道路整備、特に地方の採算性のよくない高速道路に対する厳しい見方をする向きもございます。今後、これらの動向に左右されることも考えられますけれども、ともあれ、この事業の進捗のかぎは、直接県で対応しております用地取得がいかに順調に進むかにかかっておるわけでございます。用地等関係者はもとより、地域の皆様方の四国縦貫自動車道に対するさらなる御理解、御協力をいただかなくてはならないところでございまして、必要とあれば私自身も現地に赴くなど、早期完成に向けて全力で取り組んでまいる決意でございます。 次に、四国縦貫自動車道と本州四国連絡道路をどこで接続し、どのようなルートで結ばれるのかにつきましてでございますが、本県の今後の発展に大きな影響を与えるものでございまして、大変重要であると考えております。このことにつきましては、まだ公表されていない状況でございますけれども、御指摘がございましたようなことが考えられるものでありまして、その詳細につきましては、都市計画決定の手続である地元説明会において明らかになるものであります。 なお、この地元説明会を早期に開催するため、現在、都市施設との関連が深い小松島─鳴門間において都市計画決定の手続を進めておりまして、横断道が環境に及ぼす影響について、専門家の方々に御審議をいただき、種々御意見を賜っているところでございますが、これをできるだけ早くまとめてまいりたいというふうに考えているところでございます。 また、徳島市内及びその周辺の交通状況につきましては、私自身も板野町から車で通勤をいたしておりますので、朝夕のラッシュ時におきます交通渋滞は大変なものだと感じておる次第でございます。私の体験から申しますと、首都圏におきましても、道路交通事情は大変でございますけれども、地下鉄などの公共輸送機関が発達しております。そういう関係で定時性が確保されるという面がございますが、本県の場合は、四国の中においてもひときわ車の利用度が高い状況でございますので、交通渋滞によって定時性の確保が非常に困難だという事情がございます。このことが県民の経済・社会活動に大きな影響を与えるものであることから、渋滞対策を積極的に推進しなければならないと考えております。 この対策の取り組みについてでありますが、既に県単独道路整備七箇年計画が策定されておりまして、これに基づきまして、国庫補助事業に単独事業を効果的に組み合わせて、放射・環状道路の整備推進に努めておるところでございます。具体的には、矢三応神橋を含む県道大麻徳島線や県道徳島北環状線等の整備を促進するとともに、末広延伸道路につきましても、都市計画決定の作業を進めているところでございます。また、このたび新渋滞対策プログラムというものを取りまとめまして、早期に実施可能なものから積極的に取り組んでまいり、この緊急の課題である交通渋滞の緩和に向けて、最大限の努力を重ねてまいりたいと考えておるところでございます。 それから、企業誘致の件についてでございますが、県勢の発展のためには、県民生活を支える産業の振興と経済活動の活性化が肝要でございまして、これらを実現していくための方策としての企業誘致の推進は、県政の大きな柱であると考えております。 しかしながら、現在の経済環境は、バブル経済崩壊後の景気の低迷に加えまして、冷夏、長雨、さらには急激な円高の追い打ちを受け、かつてない不況下にあります。これらに対応するために各企業は経営戦略の再構築を進めており、このため、設備投資意欲は急激に冷え込み、その結果として、企業立地動向につきましても減少の一途をたどっているというのが実態でございます。 一方、本県の企業誘致促進のための地域環境は、本州四国連絡道路等の広域高速交通網の整備の進展でありますとか、あるいは文化の森総合公園とかアスティとくしまなどの文化施設とか交流施設が整備充実されるというような状況がございまして、全体としては向上しつつありますので、これを機に、企業誘致に積極的に取り組む必要があるというふうに私も考えておる次第でございます。 先ほど御指摘ございました西長峰工業団地等につきましては、もう分譲を開始しておるわけでございますけれども、去る十月十四日、十五日に、東京、大阪など県外企業二十八社を徳島にお招きしまして、そして工業団地等の現地説明会を開催するなど、努力を続けておるわけでございます。私自身も、歓迎会といいますか、その席に参りました。そういう努力は一生懸命やっておるわけでございますけれども、御指摘がございましたように非常に厳しい状況にあるわけでございます。企業誘致は本県の活性化にとって極めて重要であると思っております。議員御指摘のとおり、私自身が先頭に立って、そして徳島県のセールスマンになった、そういう気持ちで企業誘致に懸命に取り組んでまいる所存でございます。御理解のほどをお願いいたします。 また、県土の均衡ある発展、特に過疎地域への過疎化歯どめ対策として雇用の場の確保をするということは非常に重要でございますので、そういう面からも企業誘致が必要であるというふうに私も認識しております。今後ともいろんな優遇制度等を活用し、町村と連携を図りながら誘致活動を行ってまいりたいと、このように思っております。 今後の企業誘致に当たりましては、工業技術センターを中心とした本県の技術集積を図るほか、有能な人材の確保、さらには交通ネットワークづくりなど、企業立地の条件整備を進めてまいるということが第一でございます。さらに、幅広い人的ネットワークの形成による的確な企業動向を把握することによりまして、業況が優良な企業・業種にターゲットを絞る、そして県内外での徳島のイメージアップ、PR作戦、工業団地等の現地説明会を開催する、こういったことを積み重ねまして、積極的な誘致活動を展開してまいりたいと考えておるところでございます。 どうぞよろしくお願い申し上げます。   (安丸農林水産部長登壇) ◎農林水産部長(安丸徳広君) 災害に関連いたしました農業問題についてお答えいたします。 本年産の水稲の作柄につきましては、御指摘のとおり過去に例を見ない不作となり、その対応について全国的に大きな問題となっているところでございます。 御質問の県内の米につきましては、当面十一月から二月までの間は、過去三カ年の同時期の平均供給量に見合う量を供給する旨、食糧庁から示されておりますので、県民が消費する必要量は確保できるものと考えております。ただ、消費者の購入する米の価格につきましては、現在の情勢から、ある程度の上昇は避けられないものと受けとめておりますが、県の消費生活モニターによる情報等を参考にし、食糧事務所等と連携し、異常な価格上昇がないように監視を強めるとともに、必要な量の確保も含めて県民の不安解消に努めてまいりたいと考えております。 また、本年の相次ぐ災害による農作物の被害額は、近年にない甚大なものとなっておりますが、これら災害による被災農家に対する救済策といたしまして、水稲等の被害に係る共済金を年内に支払う措置や来年用の水稲種子の確保対策に万全を期するとともに、営農の継続に必要な資金を低い金利で融通するため、このたび徳島県農業災害対策特別資金制度を創設し、現在、貸し付けのための作業を進めているところであります。なお、被災農家に対しましては、これらの対策とともに、今後とも濃密な営農指導を実施し、経営の安定に努めてまいりたいと考えております。   (来代議員登壇) ◆六番(来代正文君) 知事と農林水産部長から、頼もしい、そして心強い御答弁をいただき、安心いたしました。 さて、知事はまた、あたたかい徳島、個性のある徳島を目指して、その基本方針に人づくりを掲げておられますが、ここで教育問題についてお伺いをいたします。 過疎地域においては子供不足で、近い将来、小学校の統廃合やついには高等学校の統廃合にまで話が進むのではないかと心配されております。こうした中で、父兄の間からは、もう高校は義務教育に等しくなったのだから、わざわざ入学試験で切り捨てなくても、希望者は全員入学させるべきだとの声も持ち上がっております。現に県西部では、県内の高校に入学しなかった子供たちが、お隣の香川県や愛媛県の高校に通っております。これは、入学試験の問題もありましょうし、また現在の学科に満足しない生徒が、魅力ある学科を目指して県外に流出しているのかもしれません。それだけに、魅力ある学科の再編成が強く望まれる時期を迎えたといっても過言ではありません。これからの我が国の発展を考えるとき、さらに時代に対応した職業高校をつくっていかないと、現在の徳島県はちょっと心配なわけであります。 さて、こういう職業高校の充実を図っていくときに、教育長は現在の学科で満足しているのでしょうか。それとも、これまでの慣習のようなものに押し流されているのではないでしょうか。例えば、本県には農業科を持つ全日制高校が分校を含めて七校ありますが、これらの農業高校に学ぶ生徒のうち、どれだけの生徒がみずから希望して入学し、そこの教育に満足しているのでしょうか。私がよく父兄や生徒から耳にするのが、出身中学の勧めなどからやむなくその学校に進学したが、本当はほかの学科に進みたかったという声が圧倒的に多いのであります。一回しかない高校生活がその生徒の将来を決定づけるといっても言い過ぎではありません。それだけに、高校のあり方は日本の将来を左右するぐらい貴重なものであり、学科もその時代にマッチしたものでなければなりません。教育長は前の議会で、学科再編成の取り組みについて検討するとの御答弁であったと思いますが、例えば、三好農林高校に商業科あるいはコンピューター専門の学科のようなものを申請するなど、時代に合った魅力ある高校の学科再編成を行う気はないか、改めてお伺いをいたします。 また、ことし二月、文部省より、中学校での業者テストの実施に関与することは慎むべきとの指導があり、今年度から我が徳島県も、業者テストを全部廃止しております。が、しかし、本県の場合は、高校進学に関して客観的な判断の材料となる成績資料が不足し、結局は業者が実施する別のテスト会場へ出向くいわゆる会場テストがふえていると聞いております。しかも現場からは、教師の数が多い都会の学校ならいざ知らず、地方の学校においては共通の問題もつくりづらいし、またつくる時間的余裕もない、しかも、高校入学選抜制度の改善もなされていないのに加えて、大学入試そのものがまさに偏差値によるものであり、これは全く地方の実情を何にも知らない文部省の思いつきの押しつけ行政ではないかとの声に加えて、父兄の間からも、自分の子供が全国どのレベルの成績なのかわからないし、希望校を決める判断もできないとの不満の声が持ち上がっております。私自身も、現在の状況で全国一律に業者テストを廃止したのは早過ぎたのではないかと思いますが、教育長の正直な胸の内と、今後の中学校の進路指導などにどのように取り組んでいくのかをお伺いいたします。 知事はまた、すべての人が希望を持って生きる幸せを感じ、優しさと温かみのある社会を築きたい、そのためには、いつでも、どこでも、だれでもが必要なサービスを利用できる施設の拡充を図りたいと所信を述べておられますが、その実態をどのように把握しておられるのでしょうか。 知事さん、例えば県立三好病院ですが、ここでは心臓外科の手術のシステムすらないんです。人が生きていくのに一番大切な心臓を、より早く治す手だてがありません。このように、不便だから人が住まない、人が住まないから、ますます不便になる、いわば、卵が先か鶏が先かの禅問答にも似たこの言葉は、過疎地の現状の姿であります。その過疎地の大きな悩みが、万が一の際の医師不足であります。 本県の状況を見てみますと、人口十万人当たりでは医師の数が二百三十・二人と、これは全国第三位、薬剤師数が二百四・一人で、これは全国第一位、さらに看護婦数は四百八十五人で、これも全国第三位であります。このように医師の数や看護婦など、いずれも全国有数の高位置にあります。しかしながら、これは都市部も入れてでの話であり、逆に過疎地では、常時医師のいない無医地区が十二町村、二十八地区にわたっているのです。全国有数のお医者さんの県でありながら、その実態は行政と同じ、一部の地域に偏ったものとなっているのであります。本来、人は平等に暮らせているはずでありますが、過疎地域においては、健康を保持する機会さえも満足に与えられていない深刻な状態にあるのであります。まさに「健康県徳島」は名ばかりの状態であります。医療行政のおくれは、医者のいない地域に住む人にとって、ますます不安が募り、心配からさらに体が悪くなるというもう一つの悪循環を繰り返しているのです。 私は以前の県議会におきまして、警察官のOBに交番に勤務してもらうOB警察官による交番の留守番制度を提唱し、それが取り入れられ、現在好評との声を聞いておりますが、これと同じように、第一線を退いた医師や県外からUターンを考えている医師などに強くお願いをして、医師の登録制度のようなものをつくってみてはいかがでしょうか。もちろん、同じ人がずっと僻地で勤務してもらえるのが一番いいのはわかっておりますが、人にはそれぞれの事情があります。一生そこで勤務することを義務づけなくてもいいんじゃないですか。例えば医師のグループのようなものを組み、当番を決めて巡回をしてもらったり、あるいは数人の医師が何年かずつ引き継ぎながらでもいいのではないかと思います。要は医師不足に悩み、毎日不安を背負って生きている過疎地の悩みが、いっときでも早く解消されればいいのであります。 これらを加味して、内藤保健環境部長にお伺いをいたします。温かい御答弁を切に要望しておきます。   〔阿川議員退席、出席議員計三十九名となる〕   (近藤教育長登壇) ◎教育長(近藤通弘君) 教育に関しまして二点のお尋ねがございましたので、お答えをさせていただきます。 その第一点が、時代に対応した職業高校の充実を図る必要があると思うが、魅力ある職業高校の学科再編にどう取り組むのか、特にそのうちの三好農林高校についてどのように考えているのかというお尋ねについてでございます。 まず、職業高校の学科の設置状況はこのままでよいのかということでございますが、この点につきまして、過去十年間で十四の高校で学科を廃止したり、八つの高校につきましては新しい時代に合った学科を新設するなど、その改変の努力を続けてきたところでございます。現在も、勝浦園芸高校について地元の強い御要望もございまして、園芸科と家庭科の学校から、普通科を含む学校への再編を検討しているところでございます。 また、具体的に御指摘のございました農業高校につきましては、残念な事実ではございますが、農業という職業に余り深い関心を持たない生徒や、高校卒業後も農業関係に従事する者が少ないという実態は確かに御指摘のとおりございます。しかしながら、教育課程にも工夫を加えるなどいたしまして、入学した生徒が生き生きとした学生生活が送れますよう、今後とも魅力ある学科への転換に向け努力をしてまいりたいと考えております。 次に、県西部の学科の配置状況についてでございますが、現在、普通科が三校、職業高校四校、あわせて七校の学校がございますが、これまで一応普通科、職業科のバランスもとれ、個性的な教育活動を行いながら、一定の成果を上げているものと認識をしているところでございます。 この中で、三好農林高校につきましても、現在、農業科、林業科、食品製造科の三学科がございますが、県西部における唯一の農業高校として、地域に密着した特色ある農業教育を行ってまいった経緯もございます。しかしながら、今後、生徒数が減少するという中で、県西部における産業構造の変化や多様化した生徒の実態を考えますときに、なお一層、学科の適正配置が必要であると考えているところでございます。 翻って、各学校にはそれぞれの歴史や伝統がございますし、しかも地域社会との密接な結びつきがあるわけでございますので、今後とも学校の関係者や地域住民の方々にも御意見を伺いながら、御提言の趣旨を踏まえまして、三好郡内にございます三つの高校の学科の適正配置にも配慮しながら、真に魅力ある高等学校となるよう、さらなる検討を進めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いをいたしたいと思っております。 第二点が、中学校における学校での業者テストの廃止について、私の正直な胸の内を言えということとあわせて、今後、中学校の進路指導などにどのように取り組むのかというお尋ねでございます。 御指摘のように、中学校における学校を舞台としての業者テストにつきましては、文部省の指導方針が全国一律に即時廃止ということで、本県の学校現場や保護者においても不安のあることは、議員御指摘のとおりでございます。私といたしましても、この点、苦慮しているところでございまして、今後、可能な限りその解消に努めてまいりたいと考えておるところでございます。そのために、現在、全県的に行われております校長会テストを、従来でございますと六月と十一月と一月と三回行っておりましたが、これを今年度から十二月にも新たに実施する、あわせて四回実施することとなっているほか、現状を踏まえて、高校入試のあり方あるいは適切な情報提供などについても検討を進めることといたしております。 しかしながら、もとより業者テストの廃止は、それ自身が目的ではなくて、本来のあるべき方向に向けて、中学校の進路指導そのものを抜本的に見直す一つの契機とすべきものでございますので、今後とも、まず第一といたしましては、生徒一人一人がみずからの進路を主体的に考え、選択する能力や態度を育て、それが進路指導に生かされる点。第二点といたしまして、中学校におきましては、進路指導体制を見直し、進路指導主事が中心となって、生徒、保護者が一年生から進路指導や進路相談に計画的、系統的に進めること。第三点といたしましては、従来から実施している学校独自のテストを進路指導の参考として現在以上に活用すること。四点目といたしましては、さまざまな職場を見学したり、職業人の体験談を聞くなどの進路に関する啓発的経験学習の取り組みのさらなる充実を図ること。第五点といたしましては、教師はもちろん、生徒、保護者にも進路指導に対する啓発を行うことなどにつきまして、学校現場や保護者の御理解を得つつ進めることによりまして、望ましい進路指導の実現と学校から業者テストがなくなったことに対する関係者の不安の解消に努めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。   〔阿川議員出席出席議員計四十名となる〕   (内藤保健環境部長登壇) ◎保健環境部長(内藤康博君) 私の方からは過疎地の医療対策につきまして御答弁申し上げます。 本県の僻地医療の中核病院の一つでございます県立の三好病院の充実に関しましては、かねてより来代議員から折に触れまして、貴重な御意見、御指導を賜っておるところでございます。 議員御質問の僻地医療対策でございますけれども、本県におきます僻地医療対策といたしましては、自治医科大学卒業医師の僻地派遣──現在、自治医科大学の卒業生は累計三十三名に上っておりますが、もう既に十三名が退職をされまして、現在二十名になっておりますが、その二十名の方々を僻地の中核病院である三好、海部、僻地の診療所、あるいはまた県関係等に派遣をいたしておるところでございます。 それから、僻地の出張診療医師の確保に関する経費を一部市町村に対しまして補助をいたしておりまして、昨年度は宍喰、美郷、半田、山城、三加茂等に補助をさせていただいております。さらに僻地の中核病院の運営といたしまして、三好・海部病院におきまして運営をいたすとともに、県立診療所に医師派遣をそこから行っておるところでございます。さらにまた、県立診療所といたしまして、阿部、それから出羽、西祖谷の各診療所を設置いたしまして、地域住民の医療の確保に努めておるところでございます。 また、歯科医師関係といたしましては、無歯科医師地区の巡回診療を行っておりまして、四十八年度から県の歯科医師会、市町村等の協力を得まして、無歯科医師地区を対象といたしまして、巡回診療を実施いたしております。現在、上勝、木沢、東祖谷、西祖谷の四カ町村で行っておるところでございます。 しかしながら、こうした施策を行っておりますけれども、自治医大の卒業の医師の派遣の数にも、先ほど申し上げましたように員数の制限がございまして、また、僻地の医療の担い手でございます開業医師の非常なる高齢化に伴いまして、後継者難が生じております。あるいはまた、確保できましても、診療日数、診療時間が少ない等によりまして、僻地医療を取り巻く環境といったものは依然厳しい状況にございます。 そうしたことを踏まえまして、今後の僻地医療の勤務医師等の確保対策といたしまして、義務年限が経過後の自治医大卒業生の医師の僻地における確保、定着化等を検討いたしてまいりますとともに、来代議員の御提言がございました御趣旨を踏まえながら、僻地の医療機関に勤務あるいはまた開設等を希望する医師、それから歯科医師と受け入れを希望いたしております市町村等をそれぞれ登録いたしまして、そのあっせん、紹介等を行いますとともに、僻地におきまして勤務あるいはまた開業しやすくするための普及啓発、情報等ができます体制づくりにつきまして、関係機関と協議、検討しながら進めてまいりたいと思っておるところでございます。   (来代議員登壇) ◆六番(来代正文君) 部長から誠意のある御答弁、ありがとうございました。 人が生きていく上で、医師に頼る面は物すごく大きいのであります。おなかでも、頭でも、あっ痛と思ったら、まず医者に飛んで行ける安心感が一番必要なのであります。今後とも保健環境部長の温かい取り組み方を御期待申し上げます。 さて、「県民一人一人の立場になって、一つ一つの行政を積み重ね、そして大きな行政を目指す、いわば一つ一つの花が集まって大輪の花をなす、アジサイの花のようなすばらしい行政に私は取り組みたい」これは圓藤知事が大勢の有権者を前にして何度となく語られた言葉であります。交流の時代、共生の時代、新しい地方の時代、今まさに圓藤丸は四年間の航海に旅立ったのであります、私たちの将来の夢と幸せを求めて、地方自治の花を咲かすべく。が、しかし、圓藤知事さん、アジサイの花言葉を御存じでしょうか。アジサイの花言葉は、自慢家であり冷淡であります。どんなにすばらしい計画やどんなにすばらしい演説を並べ立てても、実はそれはただの自慢話だけだったとか、すばらしい計画だが、実は一部の権力者に偏ったもので、住民から見れば冷淡であったと言われないようなしっかりとしたかじ取りを進めていただきたいのであります。 私は、圓藤知事の言うアジサイの花もすばらしいとは思いますが、ひっそりと谷間に咲いたスズランの花もまた忘れてはならないと思うのであります。スズランもまた小さな花を積み重ねた風に揺れるかれんな花であります。しかし、この花の意志は強く、花言葉は意識しない美しさであり、春の訪れを告げる幸せの花とも言われております。 私は、これからの圓藤行政が、自分から大きな評判を気にし過ぎて事を急がなくても、県民一人一人の立場になって、ゆっくりとぬくもりのある県政を進めていただきたいのであります。さすれば、すばらしい圓藤丸、光輝く圓藤丸には、知らず知らずのうちに心のこもった拍手がわき起こるものと信じております。そんなすばらしい圓藤県政を願って、私の質問を終わらせていただきます。 御清聴ありがとうございました。(拍手)   ──────────────────────── ○議長(元木宏君) 議事の都合により、休憩いたします。      午後三時二十九分休憩   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━    午後三時五十分開議      出席議員計三十九名          (その番号・氏名左のとおりである)     一  番     森  本  尚  樹 君     二  番     福  山     守 君     三  番     西  沢  貴  朗 君     四  番     吉  田  忠  志 君     五  番     樫  本     孝 君     六  番     来  代  正  文 君     七  番     猿  瀧     勝 君     八  番     竹  内  資  浩 君     九  番     北  島  勝  也 君     十一 番     久 次 米  圭 一 郎 君     十二 番     長  尾  哲  見 君     十三 番     佐  藤  圭  甫 君     十四 番     児  島     勝 君     十五 番     川 真 田  哲  哉 君     十六 番     宮  城     覺 君     十七 番     北  岡  秀  二 君     十八 番     亀  井  俊  明 君     十九 番     堺        廣 君     二十 番     遠  藤  一  美 君     二十一番     原     秀  樹 君     二十二番     大  田     正 君     二十三番     榊     武  夫 君     二十五番     平  岡  一  美 君     二十六番     四  宮     肇 君     二十七番     近  藤  政  雄 君     二十八番     湊     庄  市 君     二十九番     木  村     正 君     三十一番     俵     徹 太 郎 君     三十二番     松  田  一  郎 君     三十三番     松  本     弘 君     三十四番     服  部  昭  子 君     三十五番     小  倉  祐  輔 君     三十六番     中  谷  浩  治 君     三十七番     大  西     仁 君     三十八番     原  田  弘  也 君     三十九番     阿  川  利  量 君     四十 番     谷  口     修 君     四十一番     木  内  信  恭 君     四十三番     日  下  久  次 君   ──────────────────────── ○副議長(湊庄市君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 二十二番・大田正君。   (大田議員登壇) ◆二十二番(大田正君) 傍聴席、大分空席がといいますか、埋まっているところが少ないのでございますけれども、少数精鋭でやってみたいと思っております。 さて、十年近くいろいろと準備を進めてまいりました国民体育大会あるいは身体障害者のスポーツ大会と、関係者の皆さん方の大変な御尽力で、大変すばらしい大会が終えることをできました。いろいろ御尽力いただきましたすべての皆さん方に、深甚なる敬意を表しますとともに、久々に熱い感動をプレゼントしてくださいましたすべての皆さんに、心から御礼を申し上げて、質問に入ってまいりたいと思います。 さて、知事就任一カ月余りになりました。この間、知事の一挙手一投足に、県職員はもちろんのこと、議員もあるいはすべての県民が視線を注いできたのであります。とりわけ、今議会の議論は注視の的でございます。知事は新憲法のもとで民主教育を受けられ、最高学府を卒業するとともに、日本の政治中枢でございます官界入りをいたしました。そして、まさにその頂点をきわめる人でございました。この知事を迎えて、県民は今、官界育ちというその体質や、あるいはその政治手法に少なからず危惧の念を抱いているものでございます。今議会を通じまして、この県民の不安を払拭されますように、そして変革の時代にふさわしい本県のトップリーダーとして、その意気込みを披瀝していただきたいと思うわけでございます。 さて、質問の第一でございます。 東西冷戦構造やイデオロギーの対立を巧みに利用し、政・官・財の癒着や中央権力による地方の支配を通じまして、三十八年間続きました自民党の一党支配が、八月六日の細川護熙氏の首班指名をもちまして終わりを告げました。細川連立政権の第一の課題は政治改革であります。八党派の連立政権樹立に関する合意事項を中心に、今後、日本の国政は進められていくと思うのであります。特に私どもが期待をいたしますのは、生産者中心から生活者・消費者中心への政治の流れであり、経済成長重視の社会から成熟社会への転換であり、さらに政治や行政、社会システムなど、制度、慣行の抜本的変革を進めようとしていることであります。今まさに細川政権は責任ある変革を唱え、新しい民主主義の壮大な実験を試みようとしております。細川政権に対する知事の所感と基本的スタンスをまずお伺いをしておきたいと思います。 次に、総合建設業者、いわゆるゼネコン汚職の問題についてでございます。仕切り屋、天の声、談合、やみ献金などなど、カラスの鳴かない日があっても、ゼネコン汚職のニュースが流れない日はない、そういう日々でございます。今まさに金権スキャンダルが地方政治を直撃しているというべきであります。国民の政治家不信、政治離れは頂点に達しております。だが、それだけでは済まない事態も進行しております。汚職事件の頻発で公共事業はおくれ、景気回復への影響さえも出始めている昨今でございます。まさに、ゼネコン汚職の最大の被害者は我々納税者であると言わなければなりません。本県も今後、箱物や大型土木工事など、少なからず準備をされております。また、県が今、鳴り物入りで進めようとしております石炭火電の受注をめぐり、既にこの徳島の地において政商が暗躍し始めているというニュースも流れているわけであります。ゼネコン汚職に対する知事の所感と、こうした事件根絶への決意をお伺いしておきたいと思います。 さて、私はさきの知事選挙で、微力ながら圓藤知事の誕生に向けて応援をした一人でございます。後援会活動や選挙戦に突入してからは個人演説会にも、あちらこちらに出席をさせていただきました。沖浜にありました事務所へ行きますと、入口に、「陣中見舞い等は一切御遠慮します」と大書されたものが目につきました。当然とはいえ、応援する者にとりまして、事務所や候補者がクリーンであればあるほど、大変さわやかなものはありません。しかし、ちょっと気になることもありました。それは、圓藤後援会に複数の政治団体があると聞いていたからであります。昨日の知事の定例記者会見の中で、東京後援会の資金の流れが報告をされたようでありますが、この中にその複数の政治団体も出てまいりました。 知事、あなたの政治活動を支援したり、連帯する政治団体、特に私は政治資金規正法に基づく政治団体を言っているわけでありますけれども、一体幾つあるのでしょうか。また、今日活動している組織、あるいは選挙戦の最中には組織しておって、今日は解散している組織、そういうものがあればここで披瀝をしていただきたいと思います。 以上、御答弁をいただきましてから、次の質問に移ってまいります。   (圓藤知事登壇) ◎知事(圓藤寿穂君) まず、細川政権に対する所感と基本的スタンスということについてでございます。 細川政権は、自民党にかわる三十八年ぶりの連立政権としまして、日本の政治の大きな変化の中で生まれたわけでございます。細川政権はいろんな変革を目指しているわけでございますけれども、とりわけ内閣が命題といたします政治改革、規制緩和、地方分権の推進といったものには、大きな期待を私も持っておる次第でございます。とりわけ、年内にという政治改革につきましては、これからの政治の方向が見定まるだけに、ぜひやっていただきたいというふうに思っているような次第でございます。ただ、政治改革につきまして、地方の政治にももう少し踏み込んだ議論とか配慮があってもいいのでないかなというふうに思っております。 地方分権の推進につきましては、政府を束ねる総理が熊本県知事を経験されているというようなことは、地方に身を置く私どもにとりましては、大変心強いものがございます。地方分権が具体化する中では権限の移譲の問題、それから財源確保の問題、二つの問題があるわけでございますけれども、各県によって事情が相当異なるということでございますので、余り画一的に処理するのはいかがかと私は思っております。本県のように、まだまだ社会基盤の整備がおくれている県におきましては、権限の移譲だけではなくて、財源の傾斜配分等にも特別の意を用いていただけるようにお願いをしてまいりたいと、このように思っているような次第でございます。 それから、ゼネコン汚職に対する所感と決意ということでございますが、ゼネコン汚職に限らず、汚職は絶対にあってはならない、そのように思っております。基本的に汚職は政治家個人のモラルの問題でございます。今、政治家に求められておりますのは、清潔、公正な政治姿勢だと思っております。私自身、そのためには初心を忘れることなく、常に身辺を清潔に、自戒の気持ちを持ち続けたいと思っておるところでございます。ただ、ゼネコン汚職のような汚職は、モラルの問題に加えまして、誘因となったさまざまな制度の改善が必要だと思っております。例えば入札制度につきましては、できるだけ透明性は高く、競争原理が働くようなものにする必要があると考えておるところでございまして、現在、検討を命じているところでございます。 それから、知事選挙に向けてできた政治資金規正法に基づく政治団体は幾つあったのかというようなお尋ねについてでございますけれども、私を後援する団体につきましては、知事選挙への出馬表明以来、東京に二団体、徳島に五団体ございました。現在は東京に二団体、徳島に四団体と聞いております。解散した徳島の一団体につきましては、私の親族を中心としたものでございまして、既に目的を達したという理由で解散届を出したというふうに伺っておるところでございます。   (大田議員登壇) ◆二十二番(大田正君) 御答弁をいただきました。 細川政権に対しましては、地方のあり方の問題を含めて注文をされたあたり、大変見識の高さ、あるいは地方のトップとしての熱意を感じるところでございます。 ゼネコンの問題につきましては、今後、知事みずからも自戒をし、身辺を清潔にしていきたい、こういう決意でございました。置いておきたいと思います。 知事の政治団体につきましては、東京に二つ、徳島には五つあったけれども、一つ解散して、現在四団体、こういうことでございます。これから、この問題について関連して質問を行っていきたいと思います。 知事の基本的な政治姿勢、とりわけ身辺と言いますか、極めて個人的な問題も含めまして今から再問していきますが、まず第一に、知事は清潔、公平な県政を目指す、あるいはみずからも、今、御答弁にもありましたように、自戒の心をずっと持ち続けたい、清潔にいきたい、公平にいきたい、こういうことをたびたび繰り返し言われております。問題は、スローガンだけで終わるのか、それが実のあるものになるのかということが一番問題でございます。決意だけなら、だれでもできますし、いつでもできるわけであります。 今まで、金権スキャンダル等で事件に巻き込まれた首長さん、こういう方々を見ておりますと、逮捕される前は全員、私はシロだと言います。ところが、逮捕されまして少し日がたってきますと、クロになってきまして、そして、やがて判決をいただきまして、塀の内側へ落ち込んでしまうわけであります。ゼネコン汚職は、終わりのない旅のようなものだというふうに言う人もありますが、私は終わりを告げさせなければならないと思います。 金丸前自民党副総裁の巨額脱税事件に端を発しました多額のやみ献金問題、今、自治体の首長へ波及し、先ほどのどなたかの御質問にもありましたように、今度はどこの首長がやられるのか、あるいは永田町あたりに波及はしないのか、こういうことで事件はますます拡大の様相を呈しているのであります。 さきに報道されました圓藤知事の支援のための東京後援会のいわゆる資金パーティーといいますか、その内容を見ておりますと、法的には違法性がないと言われておりますし、そのとおりだろうと思います。しかし、折から今、ゼネコン汚職の大問題で日本列島は揺れております。このようなときにこういうことが行われることに対して、県民はゼネコン汚職と同一視をして見ているのであります。知事の言う清潔、公平との言葉、まさに空虚に聞こえるのであります。知事が清潔で公平、クリーンな県政をというのであれば、口先だけでなく、形にあらわす必要があろうと私は思います。 そこで知事に若干御提案を申し上げながら、決意のほどをお聞かせいただきたいのでありますが、今の国会では政治改革法案がいろいろと審議をされております。この法案に書かれております内容を先取りをして、知事の清潔さ、クリーンさ、公平さというのを証明してはいかがでありましょうか。 その第一としまして、東京に二つ、県内に四つの政治団体があると言われております。今回、国会で議論されております政治改革法案の中には、政治資金の管理団体を一つにするべきだという法案が出ております。私は、政治資金の流れの透明度を高めるためにも、ぜひこの法案を先取りをして、今、東京二つ、県内四つという政治資金団体、これを一つにまとめてはどうか、そして、いつでもいかなるときでも公表できる、そういう体制にすることが、知事の口先だけでない清潔、公平な本当の姿勢ではないかというふうに思います。 第二には、企業・団体献金の問題でございます。 今、国会で議論されておりますのは、当面は企業・団体献金をそのままにして、五年後に見直す、こういうふうに言っておりますが、私は、この際、知事は企業・団体献金を一切受けない、そのことを決意するべきではないか、この場で明らかにしていただきたい、今後の政治活動については、そのための資金は個人献金のみでやっていくという決意をしていただきたいと思うのであります。 また、この献金の問題に絡みまして、今、国会で議論されております法案には、寄附の公開基準について、現行法では百万円以上が公開基準でございましたが、年間に五万円以上は公開するという法案が審議されております。私は、圓藤知事みずからが、今から五万円以上の寄附については公開をしていく、こういう決意をいただけたらと思うのでありますが、いかがでございましょうか。 第三は、圓藤知事の選挙戦で、市町村長の後援会長が、県下のほとんど──木頭村を除いてすべてと言っていいでしょうが、後援会長につかれました。知事の許認可権限は、総務庁の許認可等の実態の統一的把握基準に照らして集計をいたしますと、およそ二千六百項目というふうに言われております。この数字から推しはかりますと、市町村長さんにも相当の許認可権があることは言うまでもありません。後援会や選挙を支援していただく側にとりましては、まことに市町村長さんはありがたい存在でございますけれども、逆に市町村長から応援を依頼される側にとりましては、自分の意思に反して投票行動を行わなければならない、あるいは後援会活動を行わなければならない場合も多々あると思います。これは権力選挙、非民主的な政治と映っても仕方がないのではないでしょうか。 また、市町村長さんにとりましても、隣の町も、その隣の町も、そしてあそこの市も、それぞれ首長さんが後援会長になられた、こういう話になってきますと、自分の町の、あるいは市町村の行政運営に、ひょっとして後援会長を断れば支障を来すのではないか、あるいは補助金等で不利益なはからいを県からされるのではないだろうか、こういうふうに心配されることもなきにしもあらずであります。もちろん、今回の知事選で、圧倒的な市町村長が「政を治むるは人にあり」その人こそ圓藤寿穂だと信じて引き受けられたとは思うのでありますが、この際、私は、このような市町村長さんが全員首を並べるという後援会組織ではなくして、もっと圓藤個人にほれ込み、圓藤の政治姿勢を高く評価している自然発生的な後援会組織に改組、再編をしていくべきではないかと思うのですが、御決意をお聞きしたいと思います。 第四に、先日、しばらくぶりに細川首相の「明日はござなくそうろう」という本を見ておりますと、知事選に不出馬を表明したときの議会での発言が載っておりました。権力は知らず知らずのうちに腐りやすい、熊本の発展のために情熱と見識を持たれた新しい方に県政をお任せすることが最も望ましいとして、進退に区切りをつけたという記事でございます。「花に十日の紅無く 権に十年久しからず」という格言がございます。知事はこの格言についてどのような御感想をお持ちか、お伺いをしておきたいと思います。 次に、建設業者等指名停止等措置要綱というのが本県にございますが、これの見直しの問題についてお伺いをしたいと思います。 この間の一連のゼネコン汚職事件に関連しまして、建設業者等の指名停止を受けた実態がございます。本県の実態を見ておりますと、どうも指名停止は形式的なもので、一罰百戒の効果は生まれていないのではないかというふうに私は思うのであります。 去る六月に起こりました仙台市長に対する贈賄問題が発覚をしまして、このときに三井建設や西松建設に指名停止が行われました。十月二十九日にこの指名停止期間は既に終わっております。大成や清水などについても、指名停止期間は四カ月であります。四カ月たてば無罪放免でございます。 県の建設業者等指名停止等措置要綱の別表を見ておりますと、談合や贈賄、供応等を行った者には、県工事の中で起こした者に対しては十二カ月間の指名停止、それ以外の場合は八カ月となっているわけであります。今回の一連のゼネコン汚職に関して、一部自治体では一年間の指名停止を行うなど、厳しい対応をしているところもございます。 今、県は先ほどの木内議員の質問に対してお答えありましたが、入札制度の見直し等を行っていると聞いております。この指名停止等措置要綱もこの際見直して、そして実のある中身にしていくべきではないかというふうに考えるわけでございます。 また、その際に見直しの中身としまして、汚職事件を起こした業者に対しては、私は基本的に永久追放すべきだと思います。しかし、当該事業所で働く従業員の方々、あるいは下請け等の方々のために、そこまではできない、こういうふうにおっしゃるのであれば、せめて一つの事件の判決が確定するまで、そういった業者は追放しておくという厳しい姿勢で臨むべきではないかというふうに思うわけであります。 次に、ゼネコンとの絡みもありますが、県職員の天下りについてお伺いをしたいと思います。 一連のゼネコン汚職をきっかけに、今、全国の自治体では、官民癒着の元凶と言われます土木建築関係職員らの天下りを見直す自治体が相次いでおります。本県での土木職員──これは勧奨退職者に限られておりますが──の再就職の実態を見ておりますと、一九八九年には八人中六名が再就職をし、九〇年には五人中四名が再就職、九一年は十人中八人、九三年は六人中六人となっております。八〇%前後のほとんどの者が再就職をし、しかもその再就職先は建設業やコンサルタントが圧倒的でございます。このような実態を見ておりますと、現職中に業者に便宜を図ったのではないか、あるいは後輩の職員との間に癒着が生まれるのではないか、また再就職の際、手土産と称する工事を持っていったのではないか等々の疑心が県民から生まれるのも、無理からぬことだと思うのであります。 去る十月二十七日に出されました臨時行革審の最終答申では、国家公務員の再就職規制──今日、再就職の規制がありますが、これを見直すような答申が出されました。私は、今のまさに時代に逆行したものと、この答申を批判せざるを得ません。地方公務員には特段の再就職規制はございませんが、今日的情勢の中で、野放しにしていくというのはいかがなものかと思うのであります。一定の規制を設けてはいかがでしょう。 また、今後、入札制度の見直しに伴う事務の煩雑化や、あるいは工事現場における監視や各種審査など、高度な専門スタッフが必要な、そういう機関も県として必要になってくると思います。こういった第三者機関的なものを県みずからがつくり、人材活用を考えてはいかがでございましょう。 ゼネコン関係で最後の質問でございますが、今、私どもが全く考えもつかなかったような手口で、いろんな汚職が行われていたということが明るみに出てき始めております。これらの中身として、自治体への、あるいは県市町村などのトップなどへの業者の営業あいさつ回りというのがあるそうでございます。今、一部の自治体では業者の営業あいさつを全面的にお断りをしようという自治体も出てきております。本県においても、こういったいろいろと疑いを持たれるような行為をなさらないために、業者の営業のあいさつというのを断ってはいかがでございましょうか。 以上、御答弁をいただきまして、再問をしてまいりたいと思います。   (圓藤知事登壇) ◎知事(圓藤寿穂君) いろいろと御指摘を賜りまして、率直に御答弁を申し上げたいと思っております。 政治資金の流れを透明にしていくために、政治資金団体を一つにすべきではないかというお尋ねでございますけれども、現在、御指摘のように政治改革法案の中で、政治資金団体は政治家につき一団体という方向が出されているということも十分承知しております。そうしたことも考えあわせながら、そういう方向が可能かどうか、関係者にお願いをしたいというふうに考えておるところでございます。 それから、企業・団体献金について一切やめるべきだというような御指摘、あるいは寄附の公開基準の点についてでございます。 政治活動に実際に費用がかかるということは現実でございまして、その適正な資金の確保につきまして、種々の論議が現在なされておるわけでございます。私としては、個人献金、企業・団体献金、そして公的助成を含めて、どういう形であれば資金の透明度が高く、しかも簡素なものになるか、これは国だけではなく地方も含めた政治全体の問題として幅広い議論をして、その方向性を出す必要があると考えておるところでございます。 議論の方向はそれといたしまして、さて、現実に現在、まだその法律は通っておりませんので、案の段階でございますので、現実にどうすればいいのかという問題に直面をいたすわけでございますが、やはり政治にお金がかかるという実態があるということも──本当はそうあってはならないと私は思いますけれども、そういう事実があるということも否定できないわけでございますので、現行法の枠内で政治資金を確保せざるを得ないと、そういうこともあるのではないかというふうに私は思っております。ただ、その場合であっても、企業献金、個人献金も含めまして、できるだけ広く、そしてできるだけ薄く政治資金をいただくという姿勢で臨むことが、今のところは一番適当な道ではないかと、そのように私自身は率直に思っております。 また、公開基準を先取りして、五万円以上のものについては公開してはどうかというお尋ねかと思いますけれども、現行法では百万円を超えるものについて公開をすることになっておるわけでございまして、現行法との兼ね合いがございますのと、寄附をしていただいた先方の意思もあるということでございます。そういうことでございますが、先方の了解を得られるものにつきましては、できるだけその方向で検討するように後援会の方にも申しておきたいというふうに思っております。 それから、市町村におきます知事の後援会長がほとんど市町村長がなっておる、これをもう少し考え直したらどうかという御指摘についてでございます。 このたびの知事選挙やそれに先立つ後援会の活動におきましては、後援会の会長をお引き受けいただきました県下の各市町村長の方々には、ほとんど無名とも言える私のために一生懸命御尽力いただいておりまして、このことについては心から感謝を申し上げておるところでございます。選挙が終わったばかりということでありますが、御指摘のように、今後の後援会活動のあり方にも関係する部分でございますので、これにつきましては今後、後援会内部でも十分検討いただけるのではないかと、そのように思っております。 それから、権不十年についてどう思うかということでございますが、この言葉はたしか細川総理大臣が熊本県知事当時に、県議会本会議答弁の中で述べられたものと承知しております。私といたしましても、一般論として、余り長く同一人物が特定の権力の座にとどまることは好ましくないものと考えております。また先日、国におきまして、臨時行政改革推進審議会の最終答申がなされ、その中において、自治体の首長の多選は住民の意思により排除することが望ましい旨の報告がなされております。いずれにいたしましても私といたしましては、このたび向こう四年間県民の負託を受けたばかりでございますので、何よりもまず清潔で公正な、そしてチャンレジ精神を持って、県政運営に全力を挙げて取り組むことに専念したいと、このように考えているところでございます。   〔近藤議員退席、出席議員計三十八名となる〕   (松田副知事登壇) ◎副知事(松田研一君) 大田議員の御質問のうち、数点につきまして、私の方からお答えをさせていただきます。 まず、建設業者等指名停止等措置要綱の見直しについてでございます。指名停止の期間につきましては、その原因となった事件の違法性・不当性の程度、先例との均衡、指名停止による下請け業者や労働者への影響といったことを総合的に勘案して、公平に決定しなければならないと考えております。 今回のいわゆるゼネコン汚職に対する指名停止期間につきましては、国を含む各発注機関の要綱、先例が異なることから、全国的に必ずしも統一されたものではございませんが、本県におきましては、基本的に四カ月ということで措置したものであり、国に比較すると重く、各都道府県に比較すると平均的な結果となり、おおむね妥当な範囲内にあると、かように考えております。 しかしながら、現在、国において今回の事態に対する反省から、汚職や談合に対する措置について見直す動きがありますので、本県におきましても、国の動きを見きわめバランスを失することのないよう対応してまいりたいと、かように考えております。 次に、県の退職職員の関係業界への再就職についてでございますが、県職員の再就職の規制につきましては、憲法で職業選択の自由が保障されていること、規制法令が存在しないことなどから、極めて困難であると考えております。 また、本県におきましては従来から、関係業界への再就職について、組織的にこれを行うとか、あるいは推薦状を発行するといったようなことは行っておらず、再就職先の企業を優遇するようなこともありませんが、県民から疑惑の目で見られることのないよう、公平な指名審査等につきまして、今後なお一層職員に徹底を図ってまいりたいと、かように考えております。 なお、監視や審査を行う機関につきましては、現在、国においても議論がなされておりますので、その動向を見きわめて対処してまいりたいと考えております。 次に、業者の営業のあいさつについてでございますけれども、あいさつの場は、業界や個々の業者の実情等を把握するための貴重な機会の一つでもあり、また業者も県民の一人である以上、完全にあいさつを禁止するといったようなことは事実上不可能ではないかと考えております。しかしながら、行政と業者の関係に一般県民が疑惑を抱くというようなことはあってはなりませんので、節度のある営業活動を業界団体を通じて求めるとともに、関係職員にもなお一層の自覚を促してまいりたいと考えております。   〔原田議員退席、出席議員計三十七名となる〕   (大田議員登壇) ◆二十二番(大田正君) それぞれ御答弁を賜りまして、まず、政治団体を一つにしてはということにつきましては、可能かどうか関係者に今後検討させるという御答弁でありましたので、評価をして置いておきたいと思います。 それから、団体献金、企業献金等につきまして、知事からいろいろ御答弁がありました。 現行法が百万円であるから、五万円にはできない。現行法がこうなっているから、こうはできないという、私は論理ではないと思うんです。少なくとも政治資金規正法は諸問題をなくさないために、最低基準を決めておるものでありますから、政治家みずからが率先してあらゆるものを公開し、透明度を高めていくということについて、とがめがあるはずはありません。私は、今後知事はぜひとも──決意として何回も言われております清潔、公平な県政、みずからもそういうふうに自戒をずっと持ち続けていきたい、こういうことでありますから、単に言葉ではなくして、今、国会で議論されております法律、通過すれば当然、我々の政治活動にもそのことは影響するわけでありますから、通過したらやりましょうというのではなしに先取りをして、みずからの身をきれいに透明にしていく、こういうことを早急にひとつ確立していただけますように要望しておきたいと思います。 権不十年につきましては、一般論としてそのとおりだろうということでございますから、これはそういうことで置いておきたいと思います。 さて、副知事からいろいろ御答弁を賜りました。 どうも副知事の御答弁を聞いておりますと、ここが徳島県政か国政の議論の場か、よくわからなくなります。国の動向を見て、あるいは国の考えている範囲内で、どうも国の政治を徳島県はそれを超えることもできなければ、バックすることもできない。果たしてそれが地方自治でありますか。私は、答弁の中身そのものよりも、副知事のそういう姿勢がはっきり申し上げて気に入りません。国が動かないから県が動こう、中央政府が動かないから地方の政府が変わって見せようではないかというふうに今の細川総理は言いました。私はすばらしいと思うんです。私ども徳島県政は、国の政治の下請機関ではありません、地方自治でありますから。ぜひひとつ、今後、本県の特色や独自性ということを知事は何回も言われているわけですから、あらゆる行政の分野においても、そういったものを出されるように要求をしておきたいと思います。 さて、質問に移ってまいりますが、知事は所信表明の中で、共生の時代ということを強調しております。まさに今、その時代であろうと私も評価をいたしますが、先ほど来、ゼネコン関係、あるいは政治家の姿勢の問題等についても言いましたように、単にスローガンに終わったりするのでは、何の価値もないのであります。具体的に行動を起こし、一歩一歩この共生の時代を実績を積み上げていく、そういう政治でなければならないと思います。 私はかつて、全国に先駆けて徳島県の福祉条例をつくろうではないかということを呼びかけました。先輩議員の方々にも問題提起をしてまいりました。残念ながら、本県の脆弱な財政事情や、あるいは民間のそれぞれの事業者の理解が得られるんだろうか、さらには市町村は対応できるだろうか、あるいは建設省からクレームはつかないか、運輸省はどうだ、こういうことで実現には至っておりません。しかし幸いなことに、超党派で「徳島県やさしいまちづくり研究委員会」というものを発足していただきました。まちづくりの内容やあるいは条例制定など、いろいろこの間、勉強会を重ねて、先進地の視察等も行ってまいりました。昨年の十二月、これらの検討結果が出まして、提言としてまとめて議長に提出し、議長から理事者の方に要望されたのであります。この間、福祉条例の関係では、我が徳島県よりも後から発議をし、後発県であったと思っておりました大阪、兵庫、山梨で福祉条例が制定されました。施行されております。 知事は所信の中で、共生の時代、そして対立と排除でなく、相互の受容と共存と言い、障害者が社会活動へ参加できるように条件整備をというふうに言っているのであります。現在の県障害者等社会環境改善整備指針は、そのことを実現することが可能なんでありますか。私に言わすと、これは否であります。この指針は若干の手直しはしたものの、一九七七年に実はつくられております。既に十六年も経過をしているわけであります。やさしいまちづくり研究委員会がその提言の中の第一項で、実効性のある施策として、社会的コンセンサスの形成を図るとともに条例化に向けと言っているのは、この指針では、官はともかく民に対しては大変実行が難しいというあかしであります。 知事、お帰りになってから、選挙戦も通じていきますと、相当な期間が過ぎました。市内のレストラン、ホテル、マーケット、映画館あるいは郵便局や銀行や病院、公園、駅舎、列車、バス、タクシー、数えれば切りがありませんけれども、見てください。この建造物や乗物やは、あるいは道路は、障害者や病弱者を排除していないと言えるんでありますか。これで、知事が言われる共存、共生の社会と言えるのでありましょうか。優しさと温かみのある社会と言えるのでしょうか。障害者が社会活動に積極的に参加できる社会とは、とてもじゃないが言えないのであります。 日本で、最も障害福祉の諸施策の進んでいると言われる東京都町田市の前市長であります大下勝正氏、この人は次のように言っています。「悲しいことに、人の心には抜きがたい偏見、差別、あきらめがある。福祉は常にこれとの闘いである。だがしかし、ありがたいことに人々の心の底にはくめども尽きぬ熱い涙がたまっている。」と言っています。 私は、圓藤知事にも、くめども尽きぬ熱い涙がたまっていると確信します。もう私どもが提案して、これこれでできないという言いわけは余りこれからは聞きたくありません。知事自身が選挙公報でも、また所信表明の中でも、たびたび共生の社会を力説しているのであります。その言葉の意味を本当に知事は理解していると思います。そうであれば、アメリカ人障害者法ぐらいの条例を本県においてつくるべきではありませんか。上級法に抵触するからできないなどという御答弁は要りません。知事自身、地方主権、地方分権の推進者の一人として、県やさしいまちづくり条例について、あなたのチャレンジ精神を持って決断をしていただきたいのであります。 次に、女性の政策決定の場への参加についてお伺いをしたいと思います。 「県民の過半数は女性であり」ということで、知事が所信表明で述べられております。この一くだり、私、まさに共感であります。知事の言われることをぜひとも本県において実現をしていきたい、こういうふうに思っております。県の職員やあるいは教育委員会関係だけを見ましても、女性の職員や先生は年々増加の傾向にあります。また女性管理職も、若干ずつではありますが、増加傾向にあるのは大変喜ばしいことであります。だが、管理職だけを見てみますと、圧倒的に女性が少ないことは御承知のとおりであります。 今、衆議院議長は女性であります。土井たか子氏であります。文部大臣、環境庁長官、経企庁長官も女性でございます。歴代の内閣の中で、女性閣僚が三人誕生したのは日本の民主政治始まって以来のことでありましょう。細川内閣のパフォーマンスというふうに片づけてはならない時代の流れ、変革の時代、これをうかがわせる出来事でございます。また全国では、女性副知事が数名、そして副知事に準ずるような方が一名、あるいは世界に目を向けてみますと、あちらこちらで女性の大統領が誕生しています。女性の声を県政に積極的に取り入れるために、条例を改正して副知事二人制にしてはいかがでありましょうか。もし、それがかなわないというのであれば、兵庫県や滋賀県のように、審議官や政策官などのようないわゆるトップレベルの政策決定の場に女性の参加を求める手法を考えていただきたいと思うのでありますが、知事の見解をお伺いします。 次に、石炭火電についてお伺いします。 知事は所信表明の中で、環境保全に最大限の配慮を払い、積極推進していくと言われました。今日までの県の取り組みや阿南市等の動向、また四電や電発等の姿勢を勘案して、こうした所信を述べられたと思いますが、私の今日までの調査では、経済効果も雇用もあるいは企業立地の誘発なども、どれを見ても大して期待できるものではないと思います。むしろ、石炭火電は公害の百貨店と言われております。今後、徳島県はもとより阿南市民、周辺の人々に大きな禍根を残すことになりはしないか、大変心配をしております。いずれにしても、火電は十二月の電調審に向けまして、今、大詰めを迎えております。気になる点が二、三ありますので、伺っておきたいと思います。 第一は、石炭灰の処分に関する問題であります。 当初、県は石炭灰の有効利用を進め、その残余については県計画の港湾計画の中で、廃棄物として埋め立てていきたいという計画を出しました。環境庁の待ったで白紙に戻りました。次に、本年二月にこの見直しを進めて、石炭灰の処分は有効利用と、既免許取得海域──これは県外でありますが──で行うというふうに発表をいたしました。そして、火電の操業後十年間は県内での処分は一切行わないとも言ってきました。しかしこの間、知事の電力に対する意見や、あるいは電力からの答弁などを見ておりますと、これらのことが一切触れられていないのであります。この、県が言われた石炭灰の処理について、既免許海域での処分を行う、あるいは十年間は本県において処分をしない、このことは今、生きているのでありますか、はっきりとお答えをしていただきたいと思います。 また、十一月三日の地元紙を見ておりますと、電発の宮田取締役は、この二日の記者会見で、有効利用、そして全国のみずからがお持ちになっておられる処分場へ処理をしていく、十年を過ぎても、徳島県においてはできるだけ処理をしないという方向の記者会見をされておるようであります。この報道は事実なんでありますかどうか、確認をしておきたいと思います。 次に、そういうことが確認できれば、この際ですから、私は電発側あるいは四電側と県が早く文書確認をして確定するべきではないかと思います。 次に、第二点は大気汚染関係であります。 特に硫黄酸化物について、業者側は行政目標値の一二〇〇ノルマル立米を守るために、既設の阿南火力発電所の三号機の排煙脱硫装置を高性能なものに取りかえたいという、そして電力側に示された八四〇ノルマル立米を守っていきたいということを言われました。その内容はどのようにして守っていかれようとしておるのか、わかっておればお聞きをしておきたいと思います。 第三点として、知事は就任早々、石炭火電反対の四団体と直接会われ、陳情を受けられました。県民に顔を向けた県政を進めるという姿勢、大変、私は評価をしてまいりたいと思います。 さて、知事もおわかりいただいたことと存じますが、阿南市を初め県内には、石炭火電に不安を抱く県民が少なからずおられます。今後とも、これら反対の人々とも討論を重ねる用意があるかどうか、お伺いをしておきたいと思います。 最後に、細川内ダムの問題について質問をしておきたいと思います。 知事は積極的に木頭村に参られて、話し合いをしたいという話がありました。しかし私は、評価をしつつも、少し順序が違っているのではないかというふうに思います。県は、一昨年から国への最重点要望事項の中に、細川内ダムの新規採択を要望しております。一方、木頭村及び同村議会は、細川内ダム反対ないしは白紙撤回を自治体の意思決定として当初から──これは昭和四十七年ごろから行っているわけであります。知事は所信で、県下の自治体に美しい花を咲かせる、そして各自治体もみずからの権限と責任のもとに、もっと知恵を絞って個性的な魅力ある地域づくりを進めよう、こういうふうに呼びかけられました。自治体の意思決定を無視して、美しい自治の花は咲くのでございますか、あるいは地方分権、いや、地方主権は推進できるのでありましょうか。 知事も御承知のとおり、あの国家的事業と言われて、農民や自治体の意思を力で押さえつけて、強権を発動して行った成田空港、去る五月末、運輸省は第二期工事の白紙撤回をしました。これは、学識経験者などの方々の所見を了承するということで行われました。「技術と人間」という雑誌がございます。今年の七月号によりますと、調停役の政府、運輸省推薦の高橋寿夫氏というんでありましょうか、知事の先輩ではないかと思いますが、この人は、「地元の農民の声を謙虚に聞かず、力任せに強制収用した成田空港は、戦後運輸行政の最大の汚点であった」と、こういうふうに言っています。この高橋氏は、開港当時、空港局長として成田空港建設を推し進めてきた人であります。成田の教訓、一体何でありますか。単にごり押ししないというだけではなしに、成田では新しい民主主義が生まれたと思います。 私は、この教訓は運輸省だけ、あるいは建設省だけというのではなく、本県にも当然当てはまるのではないかと思われます。「衣の下によろいをちらつかせ」という言葉がございます。知事の木頭村への話し合いという提案は、一方で刀を振り上げたまま、相手に話し合いをしよう、握手をしようと求めているのとかわらないと私は思うのであります。この際、ダム計画の白紙撤回ないしは凍結をして、話し合いに入るべきであると思いますが、いかがでございましょう。 また、細川内ダムの推進を重点要望事項から外して、せめてそこから入るべきではないかというふうに思うのですが、知事の所見をお伺いをして、終わりにしたいと思います。   (圓藤知事登壇) ◎知事(圓藤寿穂君) まず最初に、やさしいまちづくり条例を早期に制定すべきという点についてでございますけれども、私も大田議員御指摘のとおり、このやさしいまちづくりにつきましては、障害者や高齢者などハンディキャップを持つ方々が積極的に社会参加ができ、安全かつ快適に生活できる住みやすい社会環境をつくる上で、極めて重要なことであると思っております。私自身、運輸省におりましたときに、身体障害者のための公共交通機関の施設基準みたいなものをつくった、そういう仕事もしたことがございまして、この面に関しては、私自身、非常に深い思い入れがあるわけでございます。 そういうことで、本県では平成二年に障害者等社会環境改善整備指針を策定するなどして、関係者の御協力をいただきながら、やさしいまちづくりに積極的に取り組んでおるわけでございますが、昨年末御指摘ありましたように、県議会のやさしいまちづくり研究委員会からも御提言をいただいているところでございます。 このやさしいまちづくりの推進に当たりましては、十分な社会的コンセンサス、県民の皆さんの御理解、御協力が必要でありますので、福祉、商工、建築等、関係団体を初め県内各界の有識者で構成しましたやさしいまちづくり懇話会を発足したところでございまして、現在、るる検討をいただいておる最中でございます。来年の十二月を目途に御提言をいただくことになっておりますので、これを受けまして、早い時期にこの条例化についての結論を出したいというふうに考えておるところでございます。 それから、第二点の女性の政策決定の場への参加ということの御質問でございますが、私自身、県民の過半数は女性であるので、女性の社会参加を促進してその能力をあらゆる分野で積極的に活用していくことが、共生の時代への対応の重要な柱の一つであるというふうにずっと思っておりますし、これまでも申し上げてまいりました。 県におきましては、審議会等の委員への女性の参加拡大を図ってきたところでございますけれども、これを一層促進するために、去る十月十八日の庁議におきまして、登用率の向上とともに、幅広く人選にあたるよう、私から強く指示をしたところでございます。職員の登用に当たりましては、その職位を限定的にとらえることなく、能力の実証を通じて女性の登用に努めてまいりたいと考えておりまして、トップレベルの職につきましても、適任者があれば女性も選考対象に含め、最適任者を人選してまいりたいというふうに考えているところでございます。 それから、石炭火電につきまして、もっと話し合いをということでございますので、それにつきましては今後とも引き続き話し合いの場を持つという基本方針を堅持してまいりたいと、このように考えております。 それから、ダムの問題についてでございますけれども、細川内ダムにつきましては県はこれまで、治水・利水の両面において必要な施設として、事業の促進に取り組んでまいりました。このようなことから、県といたしましては昭和六十三年の七月には重要要望として、また平成四年の八月には最重点事項に掲げ、次年度の予算に反映されるようにお願いしてきたところでございます。 議員御提案のような御意見もあるところではございますけれども、いろいろ難しい問題もございます。私といたしましては、ダムの問題につきましては、必要性があるからといって何が何でも進めるという考え方ではないということをまず申し上げておきたいと思います。何が何でも進めるという前提ではなくて、そのことをお互いに理解した上で、まず話し合うことからすべてが始まるということで、これは衣の下からよろいが見えているわけでも何でもないと、私は思っております。したがって、やらない場合もあり得るということを考えているわけですから、それは別によろいが見えているわけではないということを御理解いただきたいと思います。 いずれにしましても、話し合うことからすべてが始まるということでございますので、お互い率直な意見を出し合って、理性的な議論を尽くす、これがまずは第一であると私は思っております。   ──────────────────────── ○副議長(湊庄市君) 本日の会議時間を延長いたします。   ──────────────────────── ○副議長(湊庄市君) この際、申し上げます。 ただいまの大田正議員の質問に対する関係部長の答弁については、時間の関係もありますので、十一月十日までに答弁書の提出をお願いいたします。   ────────────────────────   (大田議員登壇) ◆二十二番(大田正君) 圓藤知事とのディスカッションは初めてでございますので、大変欲張りまして、時間延長しまして、議員各位に大変御迷惑をおかけいたしました。御清聴いただきましたことに心から御礼を申し上げます。 最後に知事に「苦言は薬なり甘言は病なり」という言葉がございますが、このお言葉を贈りまして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。(拍手)   ──────────────────────── ○副議長(湊庄市君) 以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。   ──────────────────────── ○副議長(湊庄市君) 本日は、これをもって散会いたします。      午後四時五十六分散会   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━...