平成 3年11月
定例会 平成三年十一月
徳島県議会定例会会議録(第一号)
徳島県告示第七百十二号
平成三年十一
月徳島県議会定例会を次のとおり招集する。
平成三年十一月二十一日
徳島県知事 三 木 申 三 一 期日
平成三年十一月二十八日 二 場所
徳島市
徳島県庁 ──────────────────────── 議 員 席 次 一 番 福 山 守 君 二 番 西 沢 貴 朗 君 三 番 吉 田 忠 志 君 四 番 樫 本 孝 君 五 番 来 代 正 文 君 六 番 猿 瀧 勝 君 七 番 竹 内 資 浩 君 八 番 北 島 勝 也 君 九 番 杉 本 直 樹 君 十 番 佐 藤 圭 甫 君 十一 番 長 尾 哲 見 君 十二 番 児 島 勝 君 十三 番 川 真 田 哲 哉 君 十四 番 宮 城 覺 君 十五 番 北 岡 秀 二 君 十六 番 亀 井 俊 明 君 十七 番 堺 廣 君 十八 番 遠 藤 一 美 君 十九 番 原 秀 樹 君 二十 番 大 田 正 君 二十一番 榊 武 夫 君 二十二番 板 東 敬 二 君 二十三番 岩 浅 嘉 仁 君 二十四番 平 岡 一 美 君 二十五番 四 宮 肇 君 二十六番 柴 田 嘉 之 君 二十七番 近 藤 政 雄 君 二十八番 湊 庄 市 君 二十九番 木 村 正 君 三十 番 元 木 宏 君 三十一番 俵 徹 太 郎 君 三十二番 七 条 明 君 三十三番 松 本 弘 君 三十四番 服 部 昭 子 君 三十五番 中 谷 浩 治 君 三十六番 小 倉 祐 輔 君 三十七番 大 西 仁 君 三十八番 原 田 弘 也 君 三十九番 阿 川 利 量 君 四十 番 谷 口 修 君 四十一番 木 内 信 恭 君 四十三番 日 下 久 次 君 ────────────────────────
平成三年十一月二十八日 午前十時三十七分開会
出席議員計三十九名 (その番号・
氏名左のとおりである) 一 番 福 山 守 君 二 番 西 沢 貴 朗 君 三 番 吉 田 忠 志 君 四 番 樫 本 孝 君 五 番 来 代 正 文 君 六 番 猿 瀧 勝 君 八 番 北 島 勝 也 君 九 番 杉 本 直 樹 君 十 番 佐 藤 圭 甫 君 十一 番 長 尾 哲 見 君 十二 番 児 島 勝 君 十三 番 川 真 田 哲 哉 君 十四 番 宮 城 覺 君 十六 番 亀 井 俊 明 君 十七 番 堺 廣 君 十八 番 遠 藤 一 美 君 十九 番 原 秀 樹 君 二十 番 大 田 正 君 二十一番 榊 武 夫 君 二十二番 板 東 敬 二 君 二十三番 岩 浅 嘉 仁 君 二十四番 平 岡 一 美 君 二十五番 四 宮 肇 君 二十六番 柴 田 嘉 之 君 二十七番 近 藤 政 雄 君 二十八番 湊 庄 市 君 二十九番 木 村 正 君 三十 番 元 木 宏 君 三十一番 俵 徹 太 郎 君 三十二番 七 条 明 君 三十四番 服 部 昭 子 君 三十五番 中 谷 浩 治 君 三十六番 小 倉 祐 輔 君 三十七番 大 西 仁 君 三十八番 原 田 弘 也 君 三十九番 阿 川 利 量 君 四十 番 谷 口 修 君 四十一番 木 内 信 恭 君 四十三番 日 下 久 次 君 ────────────────────────
出席職員職氏名 事務局長 宮 本 武 君 次長 尾 方 敬 二 君
議事課長 林 祐 次 郎 君
調査課長 田 辺 輝 雄 君
議事課課長補佐 三 原 孝 文 君
調査課課長補佐 松 本 竹 生 君 主査 小 泉 美 佐 子 君
議事係長 浜 本 道 男 君
委員会係長 森 本 哲 生 君 調査第二係長 木 村 輝 行 君
事務主任 板 谷 充 顕 君 主事 谷 浩 二 君 同 山 口 久 文 君 ────────────────────────
列席者職氏名 知事 三 木 申 三 君 副
知事 松 田 研 一 君
出納長 中 川 一 郎 君
企業局長 藤 井 格 君
総務部長 潮 明 夫 君
企画調整部長 荒 木 慶 司 君
福祉生活部長 内 藤 康 博 君
保健環境部長 岩 橋 健 次 君
商工労働部長 宮 本 清 君
農林水産部長 田 中 誠 君
土木部長 縣 保 佑 君
国体局長 宮 田 久 君
財政課長 丹 下 甲 一 君
財政課課長補佐 中 村 稔 君 ────────────────────────
教育委員長 中 村
和右衛門 君
教育長 近 藤 通 弘 君 ────────────────────────
人事委員長 佐 伯 重 雄 君
人事委員会事務局長津 川 敏 昭 君 ────────────────────────
公安委員長 佐 藤 久 子 君
警察本部長 奥 村 萬 壽 雄 君 ────────────────────────
代表監査委員 折 野 國 男 君
監査事務局長 勝 川 直 則 君 ──────────────────────── 議 事 日 程 第一号
平成三年十一月二十八日(木曜日)午前十時三十分開会 第一
会議録署名者の指名 (三 名) 第二
会期決定の件 (十九日間) 第三 議案自第一号至第十一号、計十一件 (
提出者説明) 第四 議第一号 (議 決) 第五 議第二号 (議 決) ────────────────────────
○
議長(
中谷浩治君) ただいまより、
平成三年十一
月徳島県議会定例会を開会いたします。 ────────────────────────
○
議長(
中谷浩治君) これより本日の会議を開きます。 ────────────────────────
○
議長(
中谷浩治君) 日程に入るに先立ち、諸般の
報告をいたします。 まず、
議長会関係等について申し上げます。 去る十月三十一日、三重県において
全国都道府県議会議長会定例総会が開催され、
地方行財政の
充実強化について等、
地方行政上の当面する諸問題について協議を行い、
関係方面に対し
善処方要望いたした次第であります。 次に、去る十一月二十一日、東京都において開催された
平成四年度
徳島県
重要要望事項説明会に出席し、
県選出国会議員と
意見交換を行うとともに、これらの
実現方について
善処方を要望いたした次第であります。 また、
財政窮乏対策県議会議長協議会総会等の諸会合にも出席いたした次第であります。 次に、去る十月三十一日から十一月十五日までの十六日間、
米国ロサンゼルスで開催されましたアンテナショップを視察するとともに
北米地方行政視察並びに北米県人会の
表敬訪問を行い、それぞれの視察・
訪問先において
関係者と
意見交換を行うなど
国際親善にも努めてまいりましたので、御
報告いたしておきます。 次に、
監査委員から、本年九月及び十月に実施した
現金出納検査及び
定期監査の結果について、
議長あて報告書が提出されておりますので、御
報告いたしておきます。 次に、
知事から、お手元に御配布のとおり、
議案等の
提出通知がありましたので、御
報告いたしておきます。 ────────────────────────
△財第361号 (参照) 財第361号
平成3年11月28日
徳島県議会議長 中 谷 浩 治 殿
徳島県知事 三 木 申 三
平成3年11
月徳島県議会定例会の議案について(提出) このことについて,別添のとおり提出します。 ────────────────────────
平成3年11
月徳島県議会定例会提出議案 第 1 号
平成3年度
農地保全に係る
公有地造成護岸等整備事業費に対する受益町
負担金について 第 2 号
平成3年度
農地保全に係る
地すべり防止事業費に対する
受益町村負担金について 第 3 号
平成3年度
県営林道開設事業費に対する
受益町村負担金について 第 4 号
平成3年度
漁港修築事業費等に対する
受益市町負担金について 第 5 号
平成3年度
県単独砂防事業費等に対する
受益市町村負担金について 第 6 号
平成3年度
県単独道路事業費に対する
受益市町村負担金について 第 7 号
平成3年度
県営都市計画事業費に対する
受益市町負担金について 第 8 号
平成3年度
港湾建設事業費に対する
受益市町負担金について 第 9 号
福井治水ダム建設工事の
請負契約の
変更請負契約について 第 10 号
漁港修築工事志和岐トンネルの
請負契約について 第 11 号
平成2年度
徳島県
一般会計歳入歳出決算並びに各
特別会計歳入歳出決算の認定について
報告第1号
徳島県
継続費精算報告書について
報告第2号
所有権移転登記手続等請求に関する訴訟上の和解に係る
専決処分の
報告について
報告第3号
損害賠償(
交通事故)の額の決定及び和解に係る
専決処分の
報告について
報告第4号
損害賠償(
道路事故)の額の決定及び和解に係る
専決処分の
報告について ────────────────────────
○
議長(
中谷浩治君) 次に、お手元に御配布のとおり、
議員提出議案が提出されておりますので、御
報告いたしておきます。 次に、
知事、
教育委員長、
人事委員長、
公安委員長及び
代表監査委員から、お手元に御配布のとおり、
説明者委任の通知がありましたので、御
報告いたしておきます。 ────────────────────────
△財第363号 (参照) 財第363号
平成3年11月28日
徳島県議会議長 中 谷 浩 治 殿
徳島県知事 三 木 申 三
説明者の委任について(通知)
平成3年11
月徳島県議会定例会に
説明のため出席することを,次の者に委任したので通知します。 副
知事 松 田 研 一
出納長 中 川 一 郎
企業局長 藤 井 格
総務部長 潮 明 夫
企画調整部長 荒 木 慶 司
福祉生活部長 内 藤 康 博
保健環境部長 岩 橋 健 次
商工労働部長 宮 本 清
農林水産部長 田 中 誠
土木部長 縣 保 佑
国体局長 宮 田 久
財政課長 丹 下 甲 一
財政課課長補佐 中 村 稔 ────────────────────────
△教総第768号 教総第768号
平成3年11月28日
徳島県議会議長 中 谷 浩 治 殿
徳島県
教育委員会委員長 中 村
和右衛門 説明者の委任について(通知)
平成3年11月28日開会の
徳島県議会定例会に出席して
説明する者を,次の者に委任しました。
教育長 近 藤 通 弘 ────────────────────────
△人委第707号 人委第707号
平成3年11月28日
徳島県議会議長 中 谷 浩 治 殿
徳島県
人事委員会委員長 佐 伯 重 雄
説明者の委任について(通知)
平成3年11月28日開会の
徳島県議会定例会に
説明のため出席することを,次の者に委任したので通知します。
事務局長 津 川 敏 昭 ────────────────────────
△
徳公委第68号
徳公委第68号
平成3年11月28日
徳島県議会議長 中 谷 浩 治 殿
徳島県
公安委員会委員長 佐 藤 久 子
説明者委任について
平成3年11月28日開会の
定例県議会に出席して
説明する者を,次のとおり委任したので通知します。
警察本部長 奥 村 萬 壽 雄 ────────────────────────
△
徳監第262号
徳監第262号
平成3年11月28日
徳島県議会議長 中 谷 浩 治 殿
徳島県
代表監査委員 折 野 國 男
説明者委任について(通知)
平成3年11月28日開会の
徳島県議会定例会に出席して
説明する者を,次のとおり委任しましたので通知します。
監査事務局長 勝 川 直 則 ────────────────────────
○
議長(
中谷浩治君) 諸般の
報告は以上であります。 ────────────────────────
○
議長(
中谷浩治君) これより本日の日程に入ります。 日程第一、「
会議録署名者の指名」を行います。
会議録署名者は、
議長において、 柴 田 嘉 之 君 堺 廣 君 日 下 久 次 君の三君を指名いたします。 ────────────────────────
○
議長(
中谷浩治君) 次に、日程第二、「
会期決定の件」を議題といたします。 お諮りいたします。
今期定例会の会期は、本日から十二月十六日までの十九日間といたしたいと思います。 これより、本件を起立により、採決いたします。
今期定例会の会期は、本日から十二月十六日までの十九日間と決定することに御賛成の方は、御起立を願います。 (
賛成者起立)
○
議長(
中谷浩治君) 起立多数であります。 よって、会期は、本日から十二月十六日までの十九日間と決定いたしました。 ────────────────────────
○
議長(
中谷浩治君) 次に、日程第三、「議案第一号・
平成三年度
農地保全に係る
公有地造成護岸等整備事業費に対する受益町
負担金についてより第十一号に至る十一件」を議題といたします。 以上の十一件について、
提出者の
説明を求めます。
三木知事。 〔竹内・北岡両
議員出席、
出席議員計四十一名となる〕 (
三木知事登壇)
◎
知事(
三木申三君) 本日、十一月
県議会定例会を招集いたしましたところ、
議員各位におかれましては、御多忙中にもかかわりませず御出席をいただき、まことにありがとうございます。
提出案件の御
説明に先立ちまして、県政に関する最近の状況について御
報告申し上げます。 まず、「三〇〇〇日の
徳島戦略」の推進についてであります。 架橋新時代への
行動計画いわゆる「三〇〇〇日の
徳島戦略」の推進につきましては、計画への
民間企業の積極的な
事業参加や国・公団の強力な取り組み及び御支援をいただくため、六月の大阪での開催に引き続き、去る二十一日には東京で
首都圏の企業や
中央省庁の方々に多数御参加をいただきまして、三〇〇〇日の
徳島戦略プロジェクトセミナーを開催し、計画の実現に向けた各種の御協力をお願いするとともに、架橋新時代に向けた本県の
可能性を強くアピールしたところであります。 今後、この大阪、東京での両
セミナーの成果を「三〇〇〇日の
徳島戦略」の
計画推進に十分生かしてまいりたいと考えております。 次に、
四国縦貫自動車道の建設についてであります。
四国縦貫自動車道徳島─脇間につきましては、
事業の促進に懸命の努力を続けているところでありますが、
用地取得に係る
団体交渉では、未
妥結地区の
地権者会との間で鋭意交渉を重ねた結果、藍住町の二地区で御理解が得られ、去る十月上旬及び下旬にそれぞれ妥結を見たところであり、この結果、全体の約九四%に相当する三九・一キロメートルの区間で妥結したことになりました。
個別交渉におきましては、十月末現在で全体面積の約八三%に相当する約二百十四ヘクタールが
用地取得契約済みとなっており、移転を必要とする
家屋等については、全体四百十九件の約六七%に相当する二百七十九件が
契約済みとなっております。 また、工事につきましては、全体の約七九%に相当する三十二・七キロメートルの区間で
発注済みとなっております。
徳島─脇間のより一層の
事業促進を図る観点から、
推進体制の
強化策として、去る十月八日付で
現場事務所の
用地担当職員を増員の上、
用地取得等をより弾力的に進めるため
機動班を設置するとともに、十一月一日付で県・
日本道路公団及び
関係市町で構成する
縦貫道建設促進会議を発足させたところであります。 今後におきましては、これらの
強化策を加えた
推進体制のもと、残された問題の
早期解決に努めるとともに、
地権者の御理解、御協力がいただけるよう、
誠心誠意を尽くして交渉を重ね、
用地取得の促進を図り、一日も早い供用を目指し、全力を傾注してまいる所存であります。 脇─美馬間につきましては、
日本道路公団において実施されております
設計協議が現在までに全体の約七八%に相当する九・一キロメートルの区間で整い、残る区間についても早期に協議が整うよう鋭意協議が進められておりますので、県といたしましても、これに協力するとともに、協議が整った地区から順次
用地交渉を進めることとしております。 美馬─川之江間につきましては、
地元関係者に対する
事業説明に引き続き、現在、
日本道路公団において
中心ぐいの設置及び
設計協議用の図面の
作成作業が進められております。 これら両区間につきましては、それぞれ
平成七年度の供用、
平成九年度の
明石海峡大橋開通時の供用を目指し、県民の皆様の御協力をいただき、
事業の促進に努めてまいる所存であります。 次に、
工業開発の推進についてであります。
西長峰工業団地につきましては、
四国縦貫自動車道のインターチェンジに隣接した
内陸工業団地として、
開発面積約十八ヘクタールを造成することとし、
平成五年度の
分譲開始に向け、これまで
用地確保、
埋蔵文化財調査等に努めてきたところであります。 このほど地元町を初め、
関係者各位の深い御理解と御協力のもとに、年内に
造成工事着手の運びとなりました。 私といたしましては、
平成四年度中の
造成完了を目指し、
周辺環境に配意しながら
事業促進に努めてまいりたいと考えております。 次に、
同和対策の推進についてであります。
同和対策の推進につきましては、昭和四十四年の
同和対策事業特別措置法施行以来、県の
総合計画等の
重要施策に位置づけ、二十二年間、各種の施策を実施してまいりました。その結果、各般にわたり一定の成果をおさめつつあると考えているところであります。 しかしながら、
地域改善対策特定事業に係る国の財政上の
特別措置に関する法律いわゆる地対
財特法の期限切れを来年三月末に控え、本県の
同和対策の現状を見た場合、
物的事業面における
残事業の問題、生活、就労、産業、
教育等の非
物的事業面における
地区内外の格差の問題、いまだに
差別事件が発生しているといった
問題等多くの課題が残されており、地対
財特法後においても基本的な
法的措置が不可欠であると認識しております。 このため、去る十月三十日、私自身も出席し、東京都において
徳島県
同和対策法的措置中央要請行動を実施し、国等に対し要請を行ったところであります。 今後におきましても、同和問題は必ず解決できるという展望に立ち、総合的な
同和対策を推進し、差別のない真に民主的な
郷土づくりに努力してまいりたいと考えております。 次に、
女性総合文化会館(仮称)の建設についてであります。
女性総合文化会館の
建設位置につきましては、
基本構想検討会からの
報告及びこれまでの
県議会における御論議などを踏まえまして、県下一円から集まりやすく、緑豊かな広々とした、県の
発展方向にも沿う等の観点から総合的に検討を行った結果、文化の森、アスティとくしまの所在する
徳島市の
南部地域を
建設予定地として作業を進めてまいる所存であります。今後におきましては、
地権者の御理解を得まして一日も早い会館の建設に向けて努力してまいりたいと考えております。 次に、
埋蔵文化財総合施設(仮称)の建設についてであります。 埋蔵文化財に関する調査・研究及びその公開・展示等を総合的に行う
埋蔵文化財総合施設を設置することとし、
平成二年度に基本構想を策定して建設の適地を検討してまいりましたが、このたび、板野町犬伏を
建設予定地とし、基本計画調査に着手したところであります。 今後は、
地権者等の御理解を得まして一日も早い建設を目指し、本県の埋蔵文化財の保存・活用の中核的施設として県民の文化的資質の向上に資することができるよう取り組んでまいる所存であります。 次に、来年度の予算編成をめぐる状況について申し上げます。 現在、国におきましては、来年度の予算編成作業が進められておりますが、国の財政は依然として極めて厳しい状況が続いており、各省庁の概算要求基準について、投資的経費では公共投資充実臨時
特別措置や生活関連重点化枠の設定が行われたものの、経常経費では九年連続で原則一〇%の削減がされるなど厳しい予算編成がなされるものと考えられます。 本県の財政も国と同様に厳しい状況にあり、しかも、県税等自主財源の乏しい財政構造においては、国の予算の影響を受ける度合いが非常に大きいことから、本県の来年度予算も厳しい編成を余儀なくされるものと考えております。このような厳しい財政環境下ではありますが、二十一世紀に向けて大きく変貌しつつある社会経済情勢に対応し、健康に満ちあふれた新しい
徳島の実現を目指す必要があります。 したがいまして、今後、国の予算編成及び地方財政対策の動向等を十分見きわめながら、行財政全般にわたる見直しや経費の節減合理化に努め、限られた財源を計画的かつ重点的に配分することにより、「
徳島県総合計画二〇〇一」及び架橋新時代への
行動計画いわゆる「三〇〇〇日の
徳島戦略」を着実に実施するための予算編成に努めてまいりたいと存じております。 また、本県発展の基盤
事業となる明石海峡大橋建設
事業や
四国縦貫自動車道建設
事業等について国の予算を確保するため、本
県選出国会議員の御協力を得るとともに、私みずから陣頭に立って予算獲得に努める所存であります。
議員各位におかれましても、格別の御支援、御協力をお願い申し上げます。 また、最近、一部の県行政の事務執行において不適切な対応が問題となったことにつきまして、
議員各位を初め県民の方々に対し、心から遺憾の意を表するものであります。 こうしたことから、全所属長に対し、事務執行体制について改めて再点検を行い、事務の進行管理の把握に努める等適正な事務執行について万全を期するよう指示したところであります。 今後は、さらに一層適正な事務執行体制を確保するよう努力し、県民の負託にこたえてまいる所存であります。 次に、今回提出いたしました案件のうち、主なものにつきまして御
説明申し上げます。 第一号議案から第八号議案までは各種県営
事業に対する受益市町村の
負担金について議決を経るものであります。 第九号議案は工事の
変更請負契約について、第十号議案は工事の
請負契約について、それぞれ議決を経るものであります。 以上、概略御
説明申し上げましたが、その詳細につきましては、お手元の
説明書等を御参照願うこととし、また、御審議を通じまして御
説明申し上げたいと存じます。十分御審議くださいまして、原案どおり御賛同賜りますようお願い申し上げます。 最後になりましたが、去る十月三十一日から十一月十五日までの間、米国とカナダの各州を訪問し、海外アンテナショップの開催と国際交流の推進を図ってまいりました。 まず、本県の農林水産物を原料としたふるさと食品のアンテナショップにつきましては、去る二日から十日までの九日間、
米国ロサンゼルス郡トーレンス市において関係団体、企業等の参画のもとに開催されました。 私もオープニング・セレモニーに参加するとともに、ロサンゼルス市長等とお会いし、本県の紹介を初め、幅広い分野での交流をお願いするとともに、米国での市場開拓や新しい需要の発掘に努めたところであります。 開催期間中には一万五千人余の来場があり、すだち酢など香酸柑橘関連商品等が非常に好評を博しました。 また、カナダのブリティッシュ・コロンビア州政府及びバンクーバー市を訪問し、本県の青年・婦人派遣団の受け入れをお願いし、快諾を得たところであります。 さらに、オンタリオ州政府を訪問し、あわせて、州立オンタリオ・サイエンスセンターも視察いたしましたが、同センターは、「
徳島県総合計画二〇〇一」に取り上げている「子供たちの夢を育て科学する心や態度を培うための体験学習施設」のお手本となるものと考えているところであり、本県が近い将来このような施設をつくる上で大変参考になりました。 私といたしましては、来年度に、子供の科学体験学習施設の整備に向けた研究会を発足させたいと考えているところであります。 また、同州立博物館も視察し、本県の博物館の内容を一層充実させるための展示物等の相互交換を図ることで合意したところであります。 このほか、ロサンゼルスを初め、各地の県人会を訪問し、海外で活躍されている県出身の方々を激励するとともに、今後、本県や県民の方々と現地との交流のお世話役をお願い申し上げたところであります。 以上申し上げましたように、所期の成果をおさめて帰国いたしましたので、御
報告申し上げます。 ────────────────────────
○
議長(
中谷浩治君) 次に、日程第四、「議第一号・「国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律案」の撤回を求める意見書」を議題といたします。 本件に関し、
提出者の
説明を求めます。 二十一番・榊武夫君。 〔阿川議員退席、
出席議員計四十名となる〕 (榊議員登壇)
◎二十一番(榊武夫君) 私は、社会党県議員会、日本共産党議員を代表して、ただいま議題となっております「「国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律案」の撤回を求める意見書」の提案理由の
説明を申し上げ、
議員各位の御賛同をいただきたいと思うわけであります。 今月五日開会されました第百二十二回臨時国会で審議に付されております国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律案すなわちPKO協力法案は、まさに憲法違反の自衛隊派兵の法案であると言わざるを得ません。国際貢献に名をかりて自衛隊海外派遣に道を開こうとする宮沢内閣の意図は見え見えであります。昨年の第百十九回臨時国会に海部内閣が提案した国際連合平和協力法案は、国民の圧倒的反対で廃案となったことは記憶に新しいところであります。にもかかわらず懲りない海部内閣は、無理やり憲法解釈をねじ曲げ、ペルシャ湾へ機雷撤去のためと、戦後我が国が平和憲法のもと四十五年間守り通してきた壁を打ち破って自衛隊の派兵を強行してきたところであります。そしてまた、今回、PKO協力法案の成立によって、いつでも、どこへでも、自由に自衛隊を派兵できることをもくろんでいるのがこの法案であります。 私は、今の自民党政府の考え方が全くわからないのであります。今、世界が軍縮に進んでいる中でなぜ日本だけが軍事大国への道を進まなければならないのかということであります。軽軍備、経済優先を叫び、わずか四カ月前の七月二十日、津市における講演で、日本は世界の先頭に立って軍事大国にならない道を歩んでいくべきだ。憲法でできないことはできないと言うべきだ──と言ったのはだれであろう宮沢総理本人であります。総理の座というものはそれほど人間を変えてしまうのでしょうか。だから、わからないと言わざるを得ないのであります。今後の日本の行方を決める重大な法案にもかかわらず、その審議内容は御存じのとおり国連側と日本側の指針の食い違いが明らかになり、指揮権問題、武器使用や行動範囲問題についても苦し紛れの答弁が繰り返されるだけで、到底国民を納得させるものでないことは皆さん方の御存じのとおりであります。にもかかわらず、昨日、衆議院特別委員会において、怒号と混乱の中で強行採決が行われてしまったのであります。まさに十一月二十七日という日は日本国民にとって最も悲しむべきのろわれた日となったのであります。 私たちは、国際貢献について決して反対するものではありません。しかし、その方法、内容が重要であります。 本県選出の後藤田代議士も、平和憲法の枠は守らないとだめだ。日本が軍事的貢献──軍事大国になることなんてどこも望んでいない。当然国際貢献はやらなければいけない。人の貢献も必要というのもいいだろう。しかし、それが自衛隊といった考え方は短絡的だ──と述べられておりますし、まさにそのとおりであろうと思います。過去の反省に立って平和憲法に基づく国際貢献の道、すなわち非軍事、文民、民主の基本的原則に立って、経済技術大国の持ち味を最大限に生かした貢献を模索すべきであります。そのためには、平和確立の外交努力や開発援助、貧困救済、災害救助、人道援助、地球環境保全などこそが国際社会が日本に求めているものではないでしょうか。そのような形の中で国際貢献を行うべきであります。二度と過ちは繰り返すべきでないと思います。 私たちが、子や孫の代で本当に血を流さなくてもよい日本国をつくるべきであります。そういう意味で皆さん方の全員の御賛同を心からお願い申し上げまして、この法案が皆さん方の賛同で
徳島県の良識を示していただきたいと思います。皆さん方の御協力をお願い申し上げまして提案理由の
説明といたします。
○
議長(
中谷浩治君) これより質疑に入ります。 質疑はありませんか。 (「なし」と言う者あり)
○
議長(
中谷浩治君) 質疑なしと認めます。 お諮りいたします。 本件については、委員会の付託を省略いたしたいと思います。 これに御異議ございませんか。 (「異議なし」と言う者あり)
○
議長(
中谷浩治君) 御異議なしと認めます。 よって、さよう決定いたしました。 これより討論に入ります。 討論の通告がありますので、発言を許可いたします。 二十三番・岩浅嘉仁君。 〔阿川
議員出席、
出席議員計四十一名となる〕 (岩浅議員登壇)
◆二十三番(岩浅嘉仁君) 私は、自由民主党・県民会議を代表いたしまして、ただいま議題となっております「議第一号・「国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律案」の撤回を求める意見書」につきまして、反対の立場から討論を行うものであります。 先般のイラクのクウェート侵攻という国際秩序と平和を踏みにじる行為を契機として、世界平和を維持する上での国連の役割はますます増大いたしております。その中で、今日まで国連中心主義を掲げてきた我が国が、国際社会共通の目標である世界の平和と繁栄のためにどのような役割を果たすかについて、各国から大きな期待と関心が寄せられており、これにいかにこたえるかという課題に直面をいたしております。 国連平和維持活動(PKO)は、世界各地の紛争の平和的解決を助けるため、中立・非強制の立場で、あくまで国連の権威と説得により任務を遂行するものであって、多くの国の参加を得て、国際平和と安全の維持のため多大の貢献をしているものであります。 現在、国会において審議されております「国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律案」は、国連平和維持活動及び人道的な国際救援活動に適切かつ迅速に協力することができるように国内体制を整備することによって、我が国が、国際連合を中心とした国際平和のための努力に積極的に寄与することを目的としております。 我が国憲法は、国際協調のもとに、恒久の平和を希求していますが、かかる平和主義の理念を具現化するためにも、人道的な国際協力を一層進めるとともに、世界平和を守る秩序づくりの国際共同作業には、我が国としても誠実に協力し、なし得る役割を担っていくことが重要であります。 この法案は、目下、国会において論議されているところであり、国民の合意を得てこの法案が成立するよう、その推移を重大な関心を持って見守っておるところであります。 以上の観点から、ただいま議題となっております「議第一号・「国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律案」の撤回を求める意見書」に反対するものであります。
議員各位の賛同をお願い申し上げまして、反対討論を終わります。
○
議長(
中谷浩治君) 四十番・谷口修君。 (谷口議員登壇)
◆四十番(谷口修君) 私は、社会党を代表いたしまして、ただいま議題になっておりますPKO法案反対の立場から討論を行いたいと思います。 昭和九年、私は尋常小学校に入学いたしました。そして渡されたのがこの本であります。(資料提示) 「修身」と「国語」、この「修身」の第一ページを開けますと、天皇陛下が近衛兵に守られて行進をしているところが出てまいります。この国定教科書は昭和八年から変わったものです。同じ「修身」の本、今、大正生まれの方はこの「修身」の本、(資料提示)ごく平和な「修身」の本であります。まず最初に、「ヨクマナビ ヨクアソベ」から始まっています。そしてもう一つ「国語」の本、(資料提示)、この「国語」の教科書には、「サイタ サイタ サクラ ガ サイタ」から「コイコイ シロ コイ」。「ススメ ススメ ヘイタイ ススメ」と、ここから軍国主義教育が始まるんです。同じ「国語」の本も、これには平和な「ハナ ハト マメ マス ミノカサ カラカサ カラス ガ イマス」と、こういくんです。私はこの古い本もみな棒暗記しておったぐらいで、その当時は読む本がなかったから姉の話を聞いて覚えておりました。その中には何一つ戦争性格は出てまいっておりません。 この教科書に基づいて私たちはいわゆる軍国主義教育を進められてまいりました。しかしながら、当時昭和九年ごろからは、それまでも進んでおりましたけれども、だんだんと生活状態は苦しくなってきていたんです。日本は周りからだんだんと攻められてきて孤立状態になりつつあった。ついに昭和十二年七月七日、盧溝橋事件という銃声一発から日支事変が起こりました。私たちは小学校の三年生、四年生のころに日の丸の旗を打ち振って「万歳、万歳」と出征兵士を送ったものです。しかしながら、昭和十三年、十四年になりますと、白木の箱に入った遺骨が帰ってきた。そして、だんだんと戦争が進む中でついに昭和十六年十二月八日、一九四一年十二月八日に日米戦争が開戦されたんです。当初は破竹の勢いで勝っていたと言われておりましたけれども、だんだん、だんだんと、十九年にもなってまいりますと、ついに、神国日本──侵されないと言っていた神国日本は、敵の爆弾によって全国各地が爆撃を受けるようになってきた。ついに
徳島も焼け野原になり、そして広島、長崎の原爆投下によって終戦になってまいりました。 この恐ろしい戦争の惨めさ、これは経験をした者でないとわかりません。その反省に立ってできた平和憲法、この平和憲法が今日まで四十六年間、こうして日本の輝かしい平和発展を約束してきたのではありませんか。私は、あの昭和二十年八月十五日、戦争が終わった、日本は負けたんだと聞かされたときに、学問を中断さされて工場に送られていた、あの公害の見本であった三菱直島の自家発電、電気発電所の一万キロ蒸気タービンに抱きついて男泣きに泣いたんです。周りの仲間も皆泣いていた。あの涙は今も私は忘れていません。あの言うに言われぬ悔しさは私は今も忘れることができません。 今この時点に立って、再びPKO法案──日本があの恐ろしい道を歩もうとしていると思えば、私はここ数日間、夜中に目を覚ましてついに朝まで眠れなかったことがたびたびありました。そして、どんなことがあっても、あの昭和二十年の八月十五日、直島製錬所で流した涙を子供・孫に再び流させるようなことをやってはならないという強い決意に今燃えております。 アメリカでは、あれから五十年が経って、今、パールハーバー五十年と、一つの行事を計画されているとありますけれども、日本は今、五十年経って再び日米開戦の前夜よりももっと危険な状態になっていると私は思っております。すなわち再び権力支配の暗黒時代に突入していくのか、それとも世界に冠たる平和国家への確固たる路線を進んでいくのか、極めて重大な時期に到達していると思います。 しかし、その暗黒時代に突入する寸前の危機的状況と言いながら、昨夜、衆議院国際平和協力特別委員会では、自民党、公明党によって質疑打ち切り、強行採決という方向でPKO法案を可決するという暴挙を行いました。 けさの新聞を見てみますと、地元
徳島新聞は、社説で、特別委での採決に至る過程では文民統制(シビリアンコントロール)を守る立場から民社党が強く主張した国会承認をめぐって折衝が難航、最終的に政府・自民党が政府案を修正する形で妥結、公明党もこれに同調した。PKOのような基本問題が一部の限られた政党だけで強行処理されたことはとても民主的とは言いがたい。極めて遺憾だ。改めて言うまでもなく、PKO法案は、これまでの審議を経ても憲法や国連の指揮権など基本的問題であいまいさが残されたままだ──このように指摘しております。 また、朝日新聞は、「乱暴なPKO法案の強行採決」という見出しで国連平和維持活動(PKO)協力法案が衆院の特別委で強行採決された。法案の審議の最中に、しかも公党間で公式、非公式の折衝が続いていたときにこのような強行採決に出た自民党、公明党の姿勢は遺憾と言うほかない。PKO協力法案の審議はまだまだ不十分だ。繰り返し主張してきたように、自衛隊の海外派遣は、たとえ平和目的であれ、戦後の日本の国是の変更につながりかねない重要な問題である──全くそのとおりであります──戦後史を軸に据えた反省と平和の展望が基本にあって初めてPKOの成果を上げることができるのではないのか。最初から到着時点を設定した短時間の審議でそうした足元を熟視した考察ができるはずがない。しかし、せめて法律の内容にあいまいさが残ることのないよう、法案審議だけは慎重にやってほしいと私たちは願ってきた──とも書いてあります。 また、日経新聞は、二十八日には参院に送付される見通しだが、我々はこの際シビリアンコントロール(文民統制)を徹底させる見地から、自衛隊の国連平和維持軍(PKF)への派遣には国会の事前承認を必要とする制度を確立するよう再度強調したい。政府案のPKF派遣手続は、遅滞なく国会に
報告するという
報告制で、事前にも事後にも国会承認は義務づけられていなかった──と、いずれにしてもこのような厳しい社説を載せております。 昨夜、中央で強行採決されましたけれども、国会における自民党、公明党の国会議員さんは別といたしまして、私たちは地方の議会で住民とともに生活をしております。自民党の皆さん、公明党の皆さん、皆さんの周りにいる県民のそんなに多くの人がPKO法案に賛成と言っておりますか。公明党の皆さん、あなたの支持母体であります創価学会の皆さんがそんなにPKF、PKO賛成だと言っておりますか。少なくとも私の周辺にいる自民党を支持してきた方も創価学会の方もPKOに賛成だと言う人は一人も聞いておりません。むしろ、自民党を支持してきた人の中にも、創価学会の人の中にも、これは困ったものだという声を聞かされてきております。 もし政治が住民の意思を無視して行われる場合に、そこにファッショが生まれるんです。そのことを強く戒めて、
徳島県の自由民主党の県連会長であり衆議院議員であります後藤田代議士は次のようなことを申されております。 「権力というものはもろ刃の剣なのです。その恐ろしさは使った者でないとわからない」。申すまでもなく後藤田さんは戦前、内務官僚でありました。権力の中枢にいたんです。あの恐ろしい戦争の時代をずっと内務官僚として過ごされてきた。だからこのように厳しく申されております。また、先ほども話がありましたけれども、金を出すが汗はかかない。血の流す場所に人を出さないというんでは日本は世界から孤立をするという議論が盛んに行われている。これに対しても、「平和憲法の枠は守らなければだめだ」と。「日本が軍事貢献、軍事大国になることなんて、どこの国も望んでいないよ。自民党内だって三十代の若い連中をつかまえて、PKOで「おいどうだ」と聞いたら、みんな「先生が頑張ってくれ、私たちはみんな先生の意見と同じだ」と。また、「血を流すってどういうことだ。どこの国の人間も血を流さないで済むようにする協力を日本はすればいいじゃないか」。さらには、国際貢献で特に人的貢献については次のように申されております。「当然、国際貢献はやらないといけない。人の貢献が必要というのもいいだろう。が、自衛隊で、といった考え方は短絡的だ。日本は不戦──武力行使はしないという平和憲法を持っている。一方、侵略に対する反撃は独立国家の当然の生存権としてある。自衛隊というものはそのための国家機関だ。専守防衛だ。国際協力といえども自衛隊は使えない場合があることを明確に区別しなけりゃならない」と、このように申されております。まず憲法論議を十分やるべきだと申されているではありませんか。 今、「日本は汗もかかない、血も流さない」と言っておりますけれども、外国に行かれた議員の皆さんは、あるいは
知事を先頭に理事者の皆さんも御承知のように、日本人は今世界各国に出て行ってその数百五十万人とも二百万人とも言われております。その多数の日本人が現に世界で汗を流しているではありませんか。「血も流さない」と言ったけれども、あのペルーでは農業指導に行っていた日本人が命を奪われるということがあったじゃありませんか。武装はしていなくても、体を張って平和のために、平和の戦士として世界中で日本人は働いております。その日本人をどこの国がそういう武装をしない自衛隊でないからいけないと言ったところがありますか。否、むしろ、今、日本の自衛隊が出ることに対して、世界のほとんどが拒否反応を示しているではありませんか。一体どこの国が日本の武装した自衛隊に出てきてもらいたいと言ってくるところがありますか。言っているのは日本の自民党と、あるいはまたそれに協力した公明党、さらには独占資本、野望を遂げようとする裏の独占資本、こういう一部特権階級が盛んにそのようなことを言っている。 今、日本の国民に本当に信を問うてほしい。こういう重大なときにこそ国会解散をして真に国民にその声を聞くべきであります。しかしながら今の政府・自民党は、多数を握れば何でもやるということが習慣になっている。あの消費税そのとおりじゃありませんか。消費税はやらないと言いながら多数を握ればこれをやってしまう。まさにファッショ的な状況だと私は心配でなりません。自衛隊が世界へ出て行って平和活動をするというけれども、世界歴史のどこに軍隊が国を守ったところがありますか。軍隊によって国を滅ぼしたのは日本を初め数多くあります。そしてその常に、戦争を始めて被害が大きいか少ないかによって勝敗は決まっている。勝ったから国を守ったことにはならない。多くの犠牲を払い被害を出している。その被害はだれが背負うのか。一部特権階級ではないんだ。常に庶民、大衆、国民がその被害のすべてを負わされ、そして、その利益は一部独占資本とそれに結託をしているところのかいらいの権力者がすべてを獲得しているではありませんか。こういう恐ろしいことをこのPKO法案が起こすんです。この歯どめを一つ切ったならば後は後藤田代議士が言っているように歯どめが効かない。どうかそういう過去の歴史を振り返って、中央における国会ではどのような決議をされようとも、どうぞこの場にいるところの県会議員、そして理事者の皆さん、あるいは報道関係の皆さん、一人残らずこのPKO法案反対に満場一致の御協力をいただきますようにお願いをして、私の賛成討論を終わります。
○
議長(
中谷浩治君) 十九番・原秀樹君。 (原議員登壇)
◆十九番(原秀樹君) 私は、自由県民クラブを代表し、ただいま議題となっております「議第一号・「国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律案」の撤回を求める意見書」に対し、反対の立場から討論を行うものであります。 現在、第百二十二臨時国会において審議されております「国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律案」の趣旨につきましては、これまでの討論においても明らかなように、我が国が求めております国際協調のもとの恒久の平和という理念を具現化するために、人道的な国際協力を一層進めるとともに、世界平和を守る秩序づくりの国際共同作業に我が国としても積極的に参加し、なし得る役割を担っていこうということでありまして、そのために人的な面での協力を一層適切かつ迅速に行うことができるよう国内体制を整備するものであります。 この政府原案に対しまして、今国会においてもさまざまな論議がなされております。 一つには、国連活動の安全全般が脅威にさらされた場合という幅広い状況を想定した平和維持軍いわゆるPKFと武器を使用できる自衛の範囲と隊員の生命・身体を守るためと限定的に解釈しておりますこのPKO法案との問題、また、国連の要請に機動的に対応する必要があることから、国会承認による文民統制の
問題等であります。 しかしながら、このいわゆるPKO法案は、憲法で禁じられております武力行使を目的としたものでないということが明らかである上、シビリアンコントロールに関しましても、二年後には国会承認を得るという修正が加えられまして、御承知のとおり、昨日、衆議院国際平和協力特別委員会におきまして可決されたわけであります。この際は、速やかに国際貢献ができるべく、この法案が早期成立に向けまして、さらに今後、参議院の場で論議を重ねていただくのが当然であると考えるものであります。 米ソ冷戦終結後、国連の役割は一段と高まり、国連による地域紛争の拡大防止は、世界の安定にとって不可欠な要素となっております。このような国連の活動を支持し参加することは加盟国として当然の責務であります。 また、中東に続くカンボジア和平の合意により、日本の国際貢献に対する期待は、経済的分野のみならず人的分野でもますます強まることに間違いなく、国連暫定統治機構におきまして、先日来日いたしましたベーカー米国国務長官から、財政的・人的貢献に関して期待が表明されたことは、そのあかしでもあります。 日本は、もはや平和の受益者の立場だけにとどまっていることは許されない状況にきております。我々日本人一人一人が地球に住む人間いわゆる地球市民として、世界平和の貢献者にならなければならないと私は確信いたしております。 以上、申し上げました理由によりまして、この意見書に反対するものであります。
議員各位の御賛同のほどをよろしくお願い申し上げまして、反対の討論といたします。
○
議長(
中谷浩治君) 三十四番・服部昭子君。 (服部議員登壇)
◆三十四番(服部昭子君) 私は、日本共産党を代表いたしまして、提案されております「「国際連合平和維持活動に対する協力に関する法律案」の撤回を求める意見書」に賛成の立場から討論を行います。 昨日、自民党、公明党は、衆議院PKO特別委員会で海外派兵法案の採決なるものを強行いたしましたが、到底認められるものではありません。 自民党、公明党は、ついに法案審議に不可欠な国連文書もひた隠しにしたまま、国会審議を一方的に打ち切り、強行採決の暴挙に出ました。これは言語道断であります。手続からいっても採決など存在しなかったと言うべきであります。議会制民主主義を踏みにじるものであると同時に、日本国民はもちろん、自衛隊海外派兵反対の声をますます強めているアジアなど世界の諸国民に対する挑戦であります。 PKO(国連平和維持活動)協力に名をかりたこの法案が、武装した自衛隊を戦後初めて海外の紛争地域に出動させ、武力行使をする紛れもない自衛隊海外派兵法であることは明らかであります。 宮沢首相もPKO、PKF(平和維持軍)への自衛隊参加を「国連協調主義」などと称して、あたかも憲法に反しないかのように述べております。しかし、日本国憲法は、紛争の平和的解決、主権尊重と平和共存、戦争放棄、戦力不保持の平和原則を明記しております。たとえ国連の活動であっても、海外の軍事活動に自衛隊が参加することがこの憲法のもとで許されないことは明らかであります。しかも最近、その内容が判明した国連文書によりますと、PKOは武力行使を認めており、その際、すべての要員に武力行使を義務づけております。政府は、国連の指揮には従わないなどとごまかしを図っておりますが、国際的にも通用しない議論であることは明らかであります。 さらに重大なのは、自民党・政府が、この憲法じゅうりんのPKO協力法を、自衛隊の世界の憲兵戦略PKO、PKFへの参加にとどまらず、世界各地の紛争に軍事介入をするアメリカの「世界の憲兵」という、こういう戦略に自衛隊が軍事力をもって参加をする口実にしようとしていることであります。それは国際貢献どころか、世界の平和の流れに逆行して、日米軍事同盟を地球的規模に拡大をするものであります。 自民党・政府は、自衛隊をPKOに参加させることが、世界に対する「人的貢献だ」と言っておりますが、世界の人々は日本の軍事参加など求めてはおりません。それどころか、かつての日本軍国主義の侵略を受けたアジアの国々からは、軍国主義の復活・強化としてこのPKO協力法に強い警戒の声が上がっております。「国際貢献」と言うならば、世界的にも有数な経済力や技術力を持つ日本が、今、世界が抱えている大問題、飢餓や貧困、教育、環境、災害問題などの分野で人的な貢献をすることこそ、真の国際貢献であります。 日本共産党はPKO法案を絶対に許さないために全力を尽くすことをお約束し、
議員各位の御賛同を心からお願いをして討論を終わります。
○
議長(
中谷浩治君) 十一番・長尾哲見君。 (長尾議員登壇)
◆十一番(長尾哲見君) 私は、公明党議員団を代表して、ただいま議題となっております「議第一号・「国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律案」の撤回を求める意見書」に反対の立場から討論を行います。 冷戦構造崩壊後のことしのロンドンサミットでは、政治宣言の冒頭において、新しい国際秩序の構築に当たって国連の役割を「国際体制の中核」と最重要視し、「我々は、人権を擁護し、すべてのものにとっての平和及び安全を維持し、侵略を抑止するために国際連合を一層強化し、かつ、一層効率的・効果的なものにすることを誓約する」とうたい上げております。我が国としても、国連の平和維持機能強化に努めることはサミットでそれを誓約した当事国としてのみならず、国連加盟国としての義務からも、さらに戦後一貫して国連中心主義を日本外交の支柱の一つとして唱えてきた我が国政府の立場からも当然の責務であるし、また、それは憲法の平和主義からも強く要請されているものであります。その意味でも、公明党はPKOには積極的に参加すべきだと考えます。さらに国際貢献の実を上げる意味からも、PKFつまり平和維持隊まで参加すべきだと考えます。言うまでもなくPKOは、国際紛争の平和的解決のため非暴力、非強制、中立を原則として行う尊い平和への貢献活動であり、将来にわたってその重要性が高まってきております。PKOにはこれまで八十八カ国以上の国が参加しており、永世中立国で国連に加盟していないスイスでさえ参加し、さらにPKFへの参加も既に決定しているのであります。また、PKFは一九八八年にはノーベル平和賞を受賞しております。 なお、我が国が持つことになるPKO組織は自衛隊とは別個の組織とすべきであることは言うまでもありません。ただし、要請されているPKOの実際活動が専門的、組織的、系統的訓練を習得していることが必要不可欠視されていること、あるいはPKO組織としての国際的通用性から自衛隊の活用、自衛隊員の参加を認めるべきだと考えます。 その身分は、自衛官としての身分を失わないままPKO隊員としての身分を併任するのが妥当であります。もとより、PKO組織は自衛隊とは別組織である以上、自衛隊参加者に対する指揮系統はPKO組織が持つべきことは当然であります。それは自衛隊の海外派兵に道を開かせないためにも不可欠な歯どめであります。また、自衛隊の構成員がPKOとして海外派遣されることについては、それが国連の要請で参加し国連の指示に従うこと、PKOの目的・任務が武力行使を伴うものでないことなどからして、憲法上許される海外派遣であって、憲法上禁じられている海外派兵に該当しないと考えます。 ただし、この点に関して国民の理解と合意を深め、特に隣接するアジア諸国の懸念を解消する努力を尽くすことは当然であります。 PKO参加について多くの議論があり、その代表的議論の一つに、国際貢献はPKOだけではない、他にやるべきことが多いという主張があります。私どももこの意見には反対はしません。しかし、だからPKO、PKFへの参加は必要ないという議論は誤りであると思います。戦争ほど悲惨なものはないとの人類的体験を思うとき、確保できた平和を守る、これ以上の優先事項はないと確信するものであります。国際貢献のあらゆる分野に参加するという態度こそ新しい日本のとるべき国際貢献のあり方であると同時に、PKO、PKFへの参加を否定しては画竜点睛を欠くことは明白であります。 また、国会承認問題については、公明党の主張で実現したPKF参加五原則の法制化、つまり、 一 停戦合意が成立している。 二 紛争当時国が受け入れに同意している。 三 平和維持隊が中立的立場を厳守する。 四 以上のいずれかの条件が満たされない状況が発生すれば日本は撤収する。 五 武器の使用は要員の生命等防護の必要最小限に限定する。との法制化が明確にされた以上、そのときどきの国会の状況によって変わる承認制より、参加五原則の法制化の方が明らかに武力行使の歯どめとして機能するし、それに基づいた実施計画の
報告によってシビリアンコントロールは確実に達成されると考えるものであります。ちなみに、これまでPKOに参加してきた国は国連加盟国百六十六カ国のうち八十一カ国ありますが、この中で国会で承認制をとっているのはオーストラリアとアイルランドの二カ国だけであり、最大の歯どめは五原則の法制化という点を正しく認識すべきであります。 以上申し上げましてこの意見書に反対するものであります。
議員各位の御賛同のほどをお願いいたしまして、反対の討論とさせていただきます。
○
議長(
中谷浩治君) 以上をもって通告による討論は終わりました。 これをもって討論を終結いたします。 これより、「議第一号・「国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律案」の撤回を求める意見書」を起立により、採決いたします。 本件は、これを原案のとおり決することに御賛成の方は、御起立を願います。 (
賛成者起立)
○
議長(
中谷浩治君) 起立少数であります。 よって、本件は、否決されました。 ────────────────────────
△議第一号 「国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律案」の撤回を求める意見書 (参照) 議第一号 「国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律案」の撤回を求める意見書 右の議案を別紙のとおり
徳島県議会会議規則第十四条の規定により提出する。
平成三年十一月二十八日 提 出 者 木 内 信 恭 谷 口 修 榊 武 夫 松 本 弘 日 下 久 次 大 田 正 服 部 昭 子
徳島県議会議長 中 谷 浩 治 殿 ──────────────────────── 「国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律案」の撤回を求める意見書 政府が先に提出した「国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律案」は国連が中心となって世界各地の紛争の平和的解決を図るという名のもとに、自衛隊の海外派遣を行うものであり断じて容認することはできない。 また、この法律案は、国際貢献の課題をいわゆる国連平和維持活動(PKO)への参加問題にわい小化し、特に、自衛隊の部隊ごとの海外派遣に焦点を当て、その狙いを押し通すためには国会の承認というシビリアン・コントロールの基本さえも踏みにじろうとするものである。 冷戦の終結という国際情勢の中で、アジア近隣諸国に不安を与える憲法違反の自衛隊海外派遣をやめ、非軍事・文民・民生の原則に立った国際貢献策を国民に提示すべきである。 よって、本
県議会は、政府に対してこの法律案を撤回されるよう強く求める。 右、地方自治法第九十九条第二項の規定により意見書を提出する。
平成 年 月 日 議 長 名 提 出 先 内閣総理大臣 外務大臣 運輸大臣 自治大臣 防衛庁長官 協力要望先 衆参両院
議長 県選出国会議員 ────────────────────────
○
議長(
中谷浩治君) 次に、日程第五、「議第二号・米の市場開放阻止等に関する意見書」を議題といたします。 本件に関し、
提出者の
説明を求めます。 十七番・堺廣君。 (堺議員登壇)
◎十七番(堺廣君) 私は、提案者を代表して、ただいま議題となっております「議第二号・米の市場開放阻止等に関する意見書」の提案理由について
説明を申し上げます。 米の輸入自由化問題につきましては、我が国の基幹産業である農業と国民生活を守るため、さらに、地域経済社会の安定に資するため、本
県議会としても再三にわたり自由化反対の意思を表明してきたところであります。 しかしながら、この問題をめぐる国内外における情勢には極めて厳しいものがあり、年内合意に向け各国間の交渉が続けられているガット・ウルグアイ・ラウンドの農業交渉において、すべての農産物を対象とする包括的な関税化を内容とする作業文書が示され、交渉の最終合意に向け重大な局面を迎えているところであります。 万一、我が国の米市場が開放されることになれば、農業は壊滅的な打撃を受けるばかりでなく、食糧安全保障、国土・自然環境の保全、雇用、地域社会の維持等々国民生活にもはかり知れない影響を及ぼすものであります。 よって、あくまで米の関税化を拒否するとともに、市場開放を阻止し、食糧管理制度の根幹を堅持することを強く要望するものであります。 以上が、「議第二号・米の市場開放阻止等に関する意見書」の提案理由であります。
議員各位の御賛同をお願い申し上げまして、提案理由の
説明を終わります。
○
議長(
中谷浩治君) これより質疑に入ります。 質疑はありませんか。 (「なし」と言う者あり)
○
議長(
中谷浩治君) 質疑なしと認めます。 お諮りいたします。 本件については、委員会の付託を省略いたしたいと思います。 これに御異議ございませんか。 (「異議なし」と言う者あり)
○
議長(
中谷浩治君) 御異議なしと認めます。 よって、さよう決定いたしました。 これより討論に入ります。 討論の通告がありますので、発言を許可いたします。 二十二番・板東敬二君。 (板東議員登壇)
◆二十二番(板東敬二君) ただいま議題となっております「議第二号・米の市場開放阻止等に関する意見書」について公明党議員団を代表して討論を行うものであります。 この問題は、昨年の十二月議会、そして、本年六月議会におきましても既に論議を進めてきたところでございますが、米の市場開放をめぐる国際交渉すなわちガットの新多角的貿易交渉が大詰めの段階を迎え、連日の報道にもありますように、日本は今、米輸入の完全自由化につながる関税化を迫られるという、まことに厳しい局面に立たされていることは皆さんも御承知のとおりであります。 我が党が昨年から米の輸入部分自由化(案)を提示いたしましたのは、あくまでも日本の農家を守るためであり、それがひいては日本農業を守り発展させることができるとの見地からであります。 これだけの国際化時代にあって、今日の経済的繁栄を亨受している日本こそ、自由貿易の恩恵を最も受けているということを忘れてはなりません。そうしたときに、米は一粒たりとも輸入しないなどと閉鎖的な政策をとるべきではないと考えるのであります。 我が公明党は、何も完全自由化をやれと言っているのではございません。日本の稲作農業を保護するために、年間一千万トンの生産量に対し、十年かけて、上限を五十万トン、すなわち生産量の五%の輸入を許し、残る九五%の九百五十万トンについては国内生産を保障しようとするものでありまして、これで関税化を防げないかというぎりぎりの選択として提言しているのであります。この数値は、ガットで示す農産物の輸入数量制限を認めた関税貿易一般協定の第十一条二項Cの条項に基づくものであり、理論的にも正当性が認められるのであります。 先般も、ジュネーブでのウルグアイ・ラウンド農業交渉の合意に向けた、基本的な事項の確立を目的とするドンケル・ガット
事務局長から出されておりますあの「作業文書草案」を見ますと、「包括的な関税化」の表現がなされており、極めて厳しい情勢となっておりますが、ここでラウンド決裂の責任が日本にあるなどと言われるようでは、今後において国際的非難の的となってしまうのではないでしょうか。私は、政府自民党の本件に対する決断がおくれているのでないかとさえ思うのであります。自由貿易体制の中で日本は生きていかなければなりません。一段と国際化が進む中で農業の活性化を図りつつ、米をつくっておられる日本の農家を守っていかなければなりません。今こそ、農家をどうやったら守ることができるか、このことを冷静に、真剣に、そして責任を持って考えるべきであります。そうでなければ最後に苦しむのは農家だけあります。五%の部分自由化に見合う手当ては今後の農政の上で考えることができるのではないでしょうか。したがいまして、我が党は、将来の日本農業を守る上からも、米は一粒たりとも輸入しないとの「議第二号・米の市場開放阻止等に関する意見書」には賛成することができません。 以上、私が申し上げてきました内容に、数多くの皆さん方が心の中では賛同されている姿が見受けられます。どうかこの機会に勇気を持って態度で示していただきますよう、
議員各位の賢明なる御判断をよろしくお願い申し上げ、討論を終わります。
○
議長(
中谷浩治君) 四十一番・木内信恭君。 (木内議員登壇)
◆四十一番(木内信恭君) 私は、社会党県議員会を代表をいたしまして、ただいま議題となっております「議第二号・米の市場開放阻止等に関する意見書」に賛成の立場から討論を行うものであります。 米の輸入自由化問題を含めたガット・ウルグアイ・ラウンドの農業交渉は、米国とECが急速に歩み寄るなど年内決着に向け重大な局面を迎えております。去る十一月二十二日には輸入障壁の一律関税化を内容とする作業文書が示され、今後これを軸に具体的な交渉が進められるものと見られます。 この交渉において、我が国は、一貫して「基礎的食糧について、食糧安全保障の観点から、所要の国内生産を維持するために必要な国境措置を講じ得るものとする」などの立場を主張してきましたが、今回提示された内容はこれと相入れない極めて厳しいものであります。 一九八六年に同交渉が開始されて以降、我が国は牛肉・かんきつを初めとした市場開放、米・小麦等主要農産物における支持価格の引き下げ、全水田面積の三割に及ぶ米の生産調整を実施する等、世界の農産物貿易の安定・拡大に貢献してきたところであります。その結果、食糧自給率は四八%に、穀物の自給率は三〇%にまで低下し、先進国の中では最も低い水準となっているのであります。 さらにこの上、一億二千万人の主食である米までを市場開放することになれば、単に稲作への影響にとどまらず、国民に対する食糧の安定供給、快適な自然環境・国土の保全などに大きな役割を果たしてきた我が国農業全体に深刻な影響を及ぼし、国民生活に取り返しのつかない大きな打撃を与えることになります。 また、本県においても、稲作農家は四万戸に上り、水田面積は耕地面積の六〇%を占めるなど、本県の基幹産業そのものであり、自由化に伴う地域経済への影響ははかり知れないものがあると考えられます。 このような観点から、本
県議会においては米の自由化阻止のため繰り返し意見書を提出してきたところでありますが、現今の逼迫した状況を踏まえ、改めてここに米の関税化を拒否し、輸入自由化阻止についての意思を表明することはまことに時宜を得たものであります。 今、反対討論に立たれました公明党の主張する制限自由化論は、米の市場開放へ道を開くものであり、我が党としては絶対に容認することができないのであります。 以上申し上げました理由によって、「議第二号・米の市場開放阻止等に関する意見書」に賛成し、議員全員の御賛同をお願い申し上げまして、討論を終わります。
○
議長(
中谷浩治君) 三十四番・服部昭子君。 (服部議員登壇)
◆三十四番(服部昭子君) 私は、日本共産党を代表いたしまして、提案されております「議第二号・米の市場開放阻止等に関する意見書」に賛成の立場から討論を行います。 ウルグアイ・ラウンドの農業交渉は大詰めを迎えておりますが、農産物の貿易摩擦は、アメリカなど農産物輸出国が輸出補助金を出してまで安売りをしているところに原因があり、世界一の農産物輸入国である日本に責任はないものであります。「ウルグアイ・ラウンドがまとまるためには日本の譲歩が必要だ」という議論が横行をしておりますが、これは、アメリカやECにとっては厚いマントを脱ぐ程度の譲歩であっても、牛肉・オレンジ自由化に続く米輸入自由化は、日本にとっては丸裸になるにひとしい譲歩であり、日本農業の息の根をとめるものであります。 ところが、宮沢総理は、歴代総理の中で初めて所信表明演説で「米については国内産で自給する」との表現を外し、「部分自由化」さえも明確に否定をした三回にわたる国会決議にも触れませんでした。これは米輸入自由化を受け入れる意思のあることを示しているのではないでしょうか。さらに政府・自民党の一部には、公然と米開放を主張する声も出ております。食糧は人間が生きていく上で一日も欠かすことのできないものであり、各国の食糧自給率を高めることこそが必要であります。地球的規模で見れば、食糧の深刻な危機が始まっているとき、日本が農業を切り捨て、米まで輸入することは真に国際協力とは言えません。どこから見ても日本が米輸入自由化を受け入れなければならない道理はありません。今、七三%の国民が米輸入自由化に反対し、地方議会の九〇%が反対の決議をしております。国会でも三度にわたって米輸入自由化反対の決議をしております。国の主権、国土・環境、民族の文化を守り抜くためにも米輸入自由化は絶対に許すことはできません。日本共産党は全力を尽くすことをお約束をし、本議案に賛成の討論といたします。
議員各位の御賛同をお願いいたします。
○
議長(
中谷浩治君) 以上をもって通告による討論は終わりました。 これをもって討論を終結いたします。 これより、「議第二号・米の市場開放阻止等に関する意見書」を起立により、採決いたします。 本件は、これを原案のとおり決することに御賛成の方は、御起立を願います。 (
賛成者起立)
○
議長(
中谷浩治君) 起立多数であります。 よって、本件は、原案のとおり可決されました。 ────────────────────────
△議第二号 米の市場開放阻止等に関する意見書 (参照) 議第二号 米の市場開放阻止等に関する意見書 右の議案を別紙のとおり
徳島県議会会議規則第十四条の規定により提出する。
平成三年十一月二十八日 提 出 者 堺 廣 杉 本 直 樹 平 岡 一 美 北 島 勝 也 樫 本 孝 北 岡 秀 二 阿 川 利 量 谷 口 修 榊 武 夫 原 秀 樹
徳島県議会議長 中 谷 浩 治 殿 ──────────────────────── 米の市場開放阻止等に関する意見書 米は、国民の主食であるばかりでなく、我が国、なかんずく、本県農業の根幹をなすものであり、地域経済の維持、発展、国土や自然環境の保全にも重要な役割を果たしている。このため、本
県議会においては、米の輸入自由化反対の意思を再三にわたり表明してきたところである。 しかしながら、国外からの米市場開放圧力はますます強く、また、国内でも一部に市場開放を容認する発言がなされるなど、米をめぐる内外情勢は一段と厳しさの度を増している。このような情勢の中で、年内合意に向け各国間の交渉が続けられているガット・ウルグアイ・ラウンドの農業交渉において、ガット
事務局長からすべての農産物を対象とする包括的な関税化の方向を強く打ち出した作業文書が示され、交渉の最終合意に向け重大な山場を迎えようとしている。 従来、我が国政府は、各国国民の基礎的食糧についてはガット協定上輸入制限を明確に認めるよう主張し米の完全自給という基本方針を貫いてきたところであるが、万一、我が国の米市場が開放されることになれば、農業は壊滅的な打撃を受けるばかりでなく、食料の安全・安定供給はもとより、自然環境の保全など国民生活にも計り知れない影響を及ぼすことは必至である。 よって、政府におかれては、毅然たる態度であくまでも米の関税化を拒否するとともに、市場開放を阻止し、加えて食糧管理制度の根幹を堅持されるよう強く要望する。 右、地方自治法第九十九条第二項の規定により意見書を提出する。
平成 年 月 日 議 長 名 提 出 先 内閣総理大臣 外務大臣 大蔵大臣 農林水産大臣 通商産業大臣 自治大臣 経済企画庁長官 協力要望先 衆参両院
議長 県選出国会議員 ────────────────────────
○
議長(
中谷浩治君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。 ────────────────────────
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議長(
中谷浩治君) お諮りいたします。 明十一月二十九日及び十一月三十日の両日は議案調査のため、十二月二日及び十二月三日は議事の都合により、それぞれ休会といたしたいと思います。 これに御異議ございませんか。 (「異議なし」と言う者あり)
○
議長(
中谷浩治君) 御異議なしと認めます。 よって、さよう決定いたしました。 十二月一日は県の休日のため休会、十二月四日再開いたします。 ────────────────────────
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議長(
中谷浩治君) 本日は、これをもって散会いたします。 午後零時六分散会 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━...