岩国市議会 > 2024-06-18 >
06月18日-04号

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  1. 岩国市議会 2024-06-18
    06月18日-04号


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    令和 6年 第2回定例会(6月)令和6年第2回岩国市議会定例会会議録(第4号)令和6年6月18日(火曜日)――――――――――――――――――――――――――――――議事日程(第4号)令和6年6月18日(火曜日)午前10時開議┌───┬───────────────────────────────────┬───┐│日 程│   件                           名   │備 考│├───┼───────────────────────────────────┼───┤│第 1│会議録署名議員の指名                         │   │├───┼───────────────────────────────────┼───┤│第 2│一般質問                               │   │├───┼───────────────────────────────────┼───┤│第 3│議案第72号 岩国市中央公民館新築工事請負契約の締結について     │   ││   │議案第73号 岩国市中央公民館新築機械設備工事請負契約の締結について │   │└───┴───────────────────────────────────┴───┘――――――――――――――――――――――――――――――本日の会議に付した事件 目次に記載のとおり――――――――――――――――――――――――――――――出席議員(28人) 1番 小 川 安 士 君 11番 広 中 信 夫 君 21番 石 原   真 君 2番 松 田 一 志 君 12番 細 見 正 行 君 22番 山 本 辰 哉 君 3番 長 岡 辰 久 君 13番 瀬 村 尚 央 君 23番 武 田 伊佐雄 君 4番 姫 野 敦 子 君 14番 桑 田 勝 弘 君 24番 松 川 卓 司 君 5番 中 村 恒 友 君 15番 中 村   豊 君 25番 片 岡 勝 則 君 6番 広 中 英 明 君 16番 野 本 真由美 君 26番 貴 船   斉 君 7番 重 岡 邦 昭 君 17番 奥 江 徳 成 君 27番 植 野 正 則 君 8番 川 口 隆 之 君 18番 藤 本 泰 也 君 28番 桑 原 敏 幸 君 9番 矢 野 匡 亮 君 19番 藤 重 建 治 君 10番 丸 茂 郁 生 君 20番 石 本   崇 君 ――――――――――――――――――――――――――――――説明のため出席した者       市長             福 田 良 彦 君       副市長            杉 岡   匡 君       教育長            守 山 敏 晴 君       水道事業管理者        辻   孝 弘 君       審議監            村 田 光 洋 君       総務部長           石 橋   誠 君       防災危機管理担当部長     廣 田 雅 之 君       総合政策部長         國 廣 光 秋 君       デジタル改革担当部長     上 田 清次郎 君       基地政策担当部長       石 本 英 二 君       市民協働部長         河 村 憲 二 君       文化スポーツ振興部長     遠 藤 克 也 君       環境部長           穴 水 辰 雄 君       福祉部長           中 本 十三夫 君       こども家庭担当部長      宮 井 まゆみ 君       健康医療部長         神 足 欣 男 君       産業振興部長         賀 屋 和 夫 君       農林水産部長         藏 田   敦 君       建設部長           村 重 総 一 君       都市開発部長         内 坂 武 彦 君       由宇総合支所長        岸 井 清 市 君       周東総合支所長        竹 原 直 美 君       錦総合支所長         的 場   敏 君       美和総合支所長        藤 野 修 二 君       会計管理者          仁 田   泉 君       教育次長           丸 川   浩 君       監査委員事務局長       仁 田 誠 彦 君       農業委員会事務局長      佐 伯 史 公 君       選挙管理委員会事務局長    古 本 健二郎 君       水道局副局長         竹 嶋   勇 君       消防担当部長         冨 岡 英 文 君――――――――――――――――――――――――――――――会議の事務に従事した職員       議会事務局長         冨岡啓二       庶務課長           藤本佳子       議事課長           林孝造       議事調査班長         船本和利       書記             池田好士郎       書記             石川貴規       書記             中西祐一郎――――――――――――――――――――――――――――――午前10時 開議 ○議長(桑原敏幸君)  所定の出席議員がありますので、会議は成立いたしました。 これより本日の会議を開きます。 本日の議事日程は、お手元に配付しておるとおりであります。―――――――――――――――――――――――――――――― △日程第1会議録署名議員の指名 ○議長(桑原敏幸君)  日程第1 会議録署名議員の指名をいたします。 本日の会議録署名議員は、会議規則第81条の規定により、20番 石本 崇君、21番 石原 真君、22番 山本辰哉君を指名いたします。―――――――――――――――――――――――――――――― △日程第2一般質問 ○議長(桑原敏幸君)  日程第2 昨日に引き続き、一般質問を続行いたします。 7番 重岡邦昭君。 ◆7番(重岡邦昭君)  7番 市民クラブ・草の根 重岡邦昭、壇上からの一般質問をいたします。 まず、岩国市地域公共交通計画、由宇地区乗合タクシー実証運行の取組をお聞きいたします。 今回、9番議員、矢野議員も質問をされました。的確な質問、答弁もあり、理解をしておるところでございます。老婆心ながら、私は少し視点を変え質問をしてみたいと思います。 人口減少により、長期的には税収など歳入の減少が見込まれ、また、高齢化が進むことで、社会保障関係経費等は増加し、財政の硬直化は間違いなく進み、今行っている様々な公共サービスを維持することは難しくなってくるでしょう。今後、地域公共交通においても利便性は堅持しつつ、今以上、徹底的に無駄を削り、費用対効果を高めていく、その改革に取り組んでいかなければなりません。 例えば、令和3年度に要した移動手段全体の運行経費は7億4,000万円、対して歳入は1億8,000万円、不足分5億6,000万円が一般財源となっております。そして、令和4年度決算で見ますと、移動手段全体の運行経費は8億3,000万円、対して歳入は2億3,000万円、不足分6億円が一般財源となっております。たった1年間で約4,000万円、運行経費に係る一般財源が増えています。 つまり、令和22年度推計の人口10万人、高齢化率40%の時代に突入したとき、現在の移動手段を改革せず運行を継続した場合、今以上の一般財源が必要となることは明白です。そのさなか、市は今回、由宇町において既に導入している北・南河内、小瀬地区に続き4地区目となる乗合タクシーの実証運行を行います。 ついては、なぜ今回、由宇地区において乗合タクシー実証運行に至ったのか、その背景と目的についてお聞きいたします。 次に、在日米軍再編についてお聞きいたします。 平成18年5月、在日米軍再編計画が示され、はや18年が経過しました。その間、米軍岩国基地の滑走路も沖合1キロメートルに移設され、同時にペリースクールなど5ヘクタール返還に向けた移設工事も完了し、返還する体制は数年前からできております。しかし、今もって実現できておらず、道路整備など、まちづくりに支障が出ております。 また市長は、空母艦載機移駐を受け入れることに対し、安心・安全対策43項目を要望しておりますが、市民の生命・財産を守るための重要な項目が残念ながら未達成となっております。 また、昨年度の騒音度調査によって、岩国市の防音工事区域が大きく見直されます。新たな防音工事区域が確定すれば、今後、40年から50年は固定してしまう、極めて重要な年となってまいります。不作為の損失を市民に与えてはいけません。 ついては、1、安心・安全対策43項目中、未達成8項目の取組、2、昭和町藤生線に係る米軍提供区域5ヘクタールの返還、3、防音工事区域見直しに係る騒音度調査の進捗状況、以上3点についてお聞きいたします。 最後に、第3次岩国市総合計画、産業団地の確保に向けた協議の進展状況についてお聞きいたします。 熊本県菊陽町に世界最大手の台湾半導体企業TSMCによる第1工場が今年2月に完成し、今後、建設が始まる第2工場と合わせて投資総額は約3兆円、それに対して経済産業省は約1兆2,000億円の補助金をもって支援するとのことでございます。周辺地域では半導体関連企業の進出も相次ぎ、その経済効果は20兆円とも言われております。こうした海外資本の導入、国内企業の支援に国が積極的になってきた今、山口県は遅れることなく、半導体企業や半導体関連企業、物流センター誘致に動き出しています。 しかし、現在、山口県内に新たな大規模産業用地の開発計画はなく、また、空き産業用地が幾つかありますが、どれも10ヘクタール未満の団地で十分な受皿とはなっておりません。 こうした状況の中、各市町も産業用地開発に積極的に取り組んでいると伺っております。後れを取れば、岩国市の経済力、労働力はその町に流出するでしょう。急がなければなりません。改めて、山口県と岩国市による産業用地造成に向けた協議の進展状況についてお開きいたします。 以上で、壇上からの一般質問を終わります。 ◎市長(福田良彦君)  皆さん、おはようございます。それでは、重岡議員御質問の第2点目の在日米軍再編についてお答えいたします。 まず、(1)安心・安全対策43項目中、未達成8項目の内容と達成に向けた取組についてでありますが、米軍岩国基地に係る安心・安全対策の43項目につきましては、平成20年10月に治安対策の強化、騒音対策の強化、環境対策の徹底、地元の意向を尊重する制度の構築、その他を柱とする内容で要望を行っており、現時点で8件を未達成の事項として評価しております。 そのうち、被疑者の起訴前の拘禁移転に係る日米地位協定の見直しにつきましては、被疑者の起訴前の引渡しについて、これまで日米合同委員会合意により一定の運用改善が図られてきました。 しかしながら、抜本的な解決には日米地位協定の改定は避けては通れないと考えており、米軍基地等が所在する都道府県で構成する渉外知事会などを通じて、日米両政府に対し、日米地位協定の早急な見直しを行うよう、重点的に要望しているところであります。 また、基地外居住者の届出制度を創設し、居どころの明確化を行うことにつきましては、米側から、国際社会における米軍に対する脅威により、より厳しい考慮が必要であると懸念が示され、平成26年以降、在日米軍施設の区域内外に居住する米軍人等の人数について、米側から情報が提供されていません。 しかしながら、地方公共団体にとって、その所管域に住む米軍人等に関する情報は、基地対策を含む行政施策の基礎となる重要な情報であることから、渉外知事会などを通じて日米両政府に対し、これらの情報を地元自治体に提供するよう要望しているところです。 さらに、未達成項目の大部分を占める住宅防音工事に関する制度の拡充につきましては、空母艦載機移駐完了後、空母着艦資格取得訓練などの米軍の新たな運用等や相次ぐ外来機の飛来、日米共同訓練などに伴い、騒音測定回数が増加傾向となっていることを踏まえ、地域の実情に即した防音対策を要望しております。 国においては、現在、第一種区域等の見直しのための騒音度調査を実施し、その結果等を整理中であると伺っております。市としましては、この内容について、住宅防音工事に関する制度の拡充における未達成項目を踏まえ、しっかりと確認してまいりたいと考えております。 いずれにしましても、未達成の8項目につきましては、基地を取り巻く環境の変化等も踏まえながら、中長期的に取り組まなければならないものと認識しており、今後とも国との協議などを粘り強く継続し、残された課題の解決に向け、鋭意取り組んでまいりますので、よろしくお願いいたします。 次に、(2)都市計画道路昭和町藤生線に係る米軍提供区域5ヘクタールの返還時期についてでありますが、昭和町藤生線は、昭和町三丁目の国道2号昭和橋交差点南詰めから川下地区、尾津地区を通り、藤生町一丁目の旧中国電力株式会社岩国発電所前までを区間とする延長7,570メートルの都市計画道路です。 起点側の東地区から整備を進め、平成20年までに基地正門までの2,940メートルが供用開始され、平成23年度からは、基地正門から南側の門前川左岸までの約400メートルの区間の整備に着手しています。 この道路が整備されれば、国道188号を補完する道路として機能するため、通常時には、基地周辺の渋滞が緩和すること、災害などの非常時には、円滑な避難や救難活動を行うことができる道路となることが期待でき、地域の方々からも早期整備の要望を多く頂いております。 しかしながら、基地正門から南側の門前川左岸までの約400メートル区間のうち約350メートルが基地内を通るルートとなっており、現在まで基地内への立入りができていないことから、道路の実施設計に必要な測量に着手できず、完成時期も未定となっています。そのため、基地内の道路用地を含む約5ヘクタールの用地返還については、これまでも防衛省を窓口として、平成8年度から要望を行っているところであります。 令和5年3月定例会では、議員提出議案の昭和町藤生線早期完成のための米軍岩国基地内提供区域約5ヘクタールの返還の早期実現を求める意見書が全会一致で可決され、その後、国に提出されております。 これを受け、本市では改めて国に対し協議の加速化を求めており、昨年11月に私が上京した際、木原防衛大臣を訪問し、議会からの意見書の話もさせていただいた上で、早期に測量調査を実施できるよう重ねて要望をしております。 現在、国からは、岩国市からの要望である測量調査について米側と鋭意調整しているところであり、いまだ米側からは回答はないものの、引き続き岩国市の意向を踏まえつつ、連携を密に取りながら、しっかりと進めてまいるといった説明を受けております。 国と米側で具体的にどのような協議・調整がなされているかは明らかにされていませんが、市としましては、これまで以上に防衛省を窓口として、返還という選択肢だけでなく、共同使用も視野に入れた協議の加速化に努めてまいります。 最後に、(3)防衛省による防音工事区域見直しに係る騒音度調査の進捗状況についてでありますが、岩国飛行場における住宅防音工事の第一種区域の最終告示は平成4年3月で、区域面積は約1,600ヘクタールであり、現在の住宅防音工事はこの区域を対象範囲として実施されております。 第一種区域等につきましては、この最終告示から長期間が経過しており、この間、平成22年5月には滑走路沖合移設、平成30年3月には米海軍空母艦載機部隊の厚木飛行場から岩国飛行場への移駐が完了したこと等により騒音状況が変化していることから、実態に即したものに見直すため、国において、令和4年度から令和5年度にかけて、航空機騒音の現状を把握するための騒音度調査が実施されました。 国からは現在、この騒音度調査の結果等を整理中であり、準備ができ次第、本市をはじめ関係自治体に説明した上で、第一種区域等の見直しを行い、地元住民の方々への説明の場を設ける予定であると伺っております。 市としましては、騒音度調査の実施や区域等の見直しに当たっては、年間のW値だけでなく、空母艦載機部隊の滞在時や外来機の飛来など、米軍の運用によって大きく影響を受けている騒音状況を踏まえ、地域の実情に即した見直しを行うとともに、地元の意向も十分に尊重した上で進めてもらうよう要望してきており、国から説明があった際には、これまでの要望も踏まえて、しっかりと内容を確認してまいりたいと考えております。 最後になりますが、今回御質問の3点につきましては、本年4月9日に、私自ら防衛省と外務省に直接訪問し、木原防衛大臣をはじめ関係者の方々に対し、改めて要望を行ったところであります。 今後におきましても、引き続き、様々なレベルやあらゆる機会を通じた要望活動を積み重ねていくとともに、協議・調整なども粘り強く取り組んでまいりますので、よろしくお願いいたします。 ◎総合政策部長(國廣光秋君)  第1点目の岩国市地域公共交通計画についての(1)地域内支線の維持・確保・デマンド交通等への見直しについてのア、由宇地区乗合タクシー実証運行の取組についてお答えします。 本市では、バス、鉄道、離島航路、タクシーなどの公共交通機関が運行しており、市民の通勤、通学、買物などの日常生活における移動を支えています。 しかしながら、近年では、人口減少やマイカー利用を基本とした生活スタイルの定着などにより、公共交通の利用者数は減少に歯止めがかからない状況が続いています。このような背景を踏まえ、今後のさらなる人口減少や高齢化を見据えつつ、公共交通サービスが市民や来訪者にとって便利で利用しやすく、将来にわたって持続可能なものとするため、本市では岩国市地域公共交通計画に基づき、各種施策に取り組むこととしています。 そうした中、地域の方々や公共交通事業者と協議を行いながら、地域の特性に応じた移動手段の確保に努めているところです。議員御質問の由宇地区乗合タクシー実証運行は、こうした施策の一つとして実施するものです。現在、由宇地区においては由宇地区バスが運行しており、主に地区内の市民の移動を担っているところです。 しかしながら、当バスは、平成30年度に約2万1,000人あった利用者数が、令和5年度には約1万6,000人となり、この間で約24%減少しており、今後もこうした状況が続くことが見込まれることから、市では、効率的かつ効果的な輸送体制を検討していく必要があると考えています。 このような状況を踏まえ、公共交通の維持・確保に向けての最適な移動手段の検討を行うため、由宇地区において、乗合タクシーによる実証運行を来月7月1日から9月30日までの3か月間、実施することとしています。 当地区における乗合タクシーの詳細といたしましては、乗車、降車場所は、由宇地区内であればどこでも可能としており、例えば自宅前で乗車し、由宇地区内の病院やスーパーなどで降車できるものとなっています。 運賃は、1人1乗車500円で、運行時間は、午前9時から午後4時までの間で午前9時発の便、10時発の便、11時発の便といったように、1時間ごとに計8便を運行し、利用者は事前に電話もしくはウェブで御予約いただき、地区住民だけでなく、どなたでも利用することができます。 また、本市の福祉施策として、75歳以上で運転免許をお持ちでない高齢者へ配付しております高齢者活き行きサポート事業のタクシー利用券も使用できる設定となっております。 この実証運行の期間中には、乗合タクシーを利用された方や由宇地区の世帯に対してアンケート調査を実施することとしており、実証運行後にはアンケート結果を踏まえ、地区住民との話合いを行い、今後の運行形態等を検討していくこととしております。 今後におきましても、新たな移動手段の検討を行う際には、実証運行等を通じて利用者の利便性や運行の効率性などを検証するとともに、交通事業者とも実効性について協議し、公共交通サービスが市民や来訪者にとって便利で利用しやすく、将来にわたり持続可能なものになるよう取り組んでまいりますので、よろしくお願いします。 ◎産業振興部長(賀屋和夫君)  第3点目の第3次岩国市総合計画についての(1)山口県、岩国市による産業団地の確保に向けた協議の進展状況についてお答えします。 本市においては、第3次岩国市総合計画の基本目標の一つであります「創意工夫に満ちた活力あふれる産業と観光のまち」を実現するため、企業の誘致活動を積極的に展開しているところでございます。 御承知のとおり、企業の進出は雇用の創出や地域経済の活性化、さらには税収の増加など様々な波及効果が期待されますが、その一方で、大きな雇用を生み出す製造業等の立地の受皿となる産業用地を、現在、市では保有しておらず、誘致活動を行っていく上での課題となっております。 国内においてはコロナ禍からの脱却が進み、社会経済活動の維持が本格化するとともに、サプライチェーンの見直しにより生産拠点の国内回帰が進むなど様々な情勢から、企業の設備投資は今後も堅調に推移するものと見込んでいます。 こうした機会を逃すことなく優良企業の誘致を推進していくためには、岩国錦帯橋空港や山陽自動車道、山陽新幹線などの交通インフラが備わっているといった、本市の優位性を最大限に生かした企業誘致活動を力強く展開していく必要があり、そのためにも、一定規模の産業用地を早期に確保していくことが重要であると考えております。 そうした中、山口県においては令和4年6月に山口県産業団地整備方針を策定され、第1期事業として、光市において産業団地の整備が行われているところです。 しかしながら、第1期事業を実施しても、この分譲面積が8ヘクタール程度であり、県内の産業用地が十分に確保できる状況とは言えないことから、現在、第2期事業の実施に向けた候補地の検討が行われております。本市としては、この事業での候補地の確保に向け、県と情報交換を重ねながら具体的な検討・協議を行っているところです。 現時点では、地域や規模、整備手法などを明確にお示しできる段階にはございませんが、いずれにしましても市としましては、引き続き県と連携しながら、第2期事業の候補地も含め、早期の産業用地の確保に向けてしっかりと取り組んでまいりますので、よろしくお願いいたします。 ◆7番(重岡邦昭君)  それではまず、由宇地区乗合タクシーについて再質問をいたします。 現在の由宇地区バスに係る運行経費とその内訳、そして、今回実施する由宇地区乗合タクシーでの実証運行経費とその内訳について、まず、そこを確認したいと思います。 あわせて、由宇地区バスの運行経費と由宇地区乗合タクシー実証運行経費を比較検討した場合の費用対効果についても、どのように分析されているのか見解をお聞きしたいと思います。 ◎総合政策部長(國廣光秋君)  まず、現在運行しております由宇地区バスの運行経費でございますが、こちらの令和6年度の予算ベースの数値で申し上げますと、まず、防長交通において運行されている路線になりますけれど、主に笠塚カープ練習場前から由宇駅を経由いたしまして、相地までの路線の委託料としまして3,391万円を計上しております。 また、構内タクシーが運行しておられます路線としまして、舟木から由宇駅を経由しまして、由宇中学校までの路線の委託料としまして319万3,000円、あと修繕料などのその他の経費といたしまして19万6,000円ということで、合計額で由宇地区バスの運行経費につきましては3,729万9,000円ということになっております。 また、このたび7月から9月までの3か月間で実施いたします、由宇地区の乗合タクシーの実証運行に係る経費といたしましては、こちらも予算ベースになりますが、運行委託経費としまして322万2,000円、受付配車業務委託経費としまして890万5,000円、そのほかに、アンケート経費としまして43万1,000円、PR経費などが26万円ということで、合計額で1,281万8,000円ということになっております。 こういった状況ですが、両者の方式を比較した場合の費用対効果といったことにつきましては、今後、乗合タクシーの3か月間の実証運行を行う中で、利用状況によりましてタクシーの運行経費がどの程度必要になるかといったことが大きく変わってまいりますので、現時点では申し上げることがなかなか難しい状況ではございますが、こちらにつきましても実証運行後にしっかりと検証していきたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いします。 ◆7番(重岡邦昭君)  答弁によりますと、乗合タクシー実証運行は3か月間ではございますが、経費を年間に換算すると、由宇地区バス運行経費より乗合タクシーの運行経費のほうが約1,000万円近く高くなっております。単純に比較することはできませんけれども、由宇地区乗合タクシーに係る運行経費の費用対効果については、実証運行後において検証すると今、答弁されました。ぜひ、しっかりとやっていただきたいと思います。 私は、検証では、無駄は削る、利便性は上げる、負担は下げるを追求していただきたい、そのように思っております。できれば現行の由宇地区バス運行経費から1,000万円程度の削減を目指していただき、そして、削減した財源で乗合タクシー利用者の運賃を下げることをお願いするものでございます。 また、地域においては乗合タクシー導入を求める声があるものの、協力企業の課題もあり、厳しいというふうに聞いております。私は、中山間地域の最終的な移動手段はライドシェアしかないと思っております。当然のこと、現行の運行体制は見直し、財源を生み出すことが必須です。ぜひ、ライドシェアに向け取り組んでいただきたい。これは提案としておきますので、よろしくお願いいたします。 次に、順を変えて、産業用地の確保に向けた取組について再質問をいたします。 現在、山口県は産業団地整備方針により第2期事業の実施に向け、候補地の検討を行っている、そのように言われました。本市も早期の産業用地確保に向け、県と情報交換を重ねつつ、具体的に検討協議をしている。このように部長は先ほど答弁されました。 そこでまずお聞きしたいのは、早期の確保とは何年度を指しているのか、また、本年6月、経済産業省は半導体工場、物流施設など、産業用地のニーズが高まる中、本年6月下旬から5か年を目標に、自治体から公募を始め、年間数十件程度を指定し、適地調査や基本計画策定に乗り出すようですが、今後、国との連携については、どのように対応していくのかお聞きいたします。 あわせて、旭化成建材跡地の利用について、現在どういった協議がされているのかお聞きしたいと思います。 ◎産業振興部長(賀屋和夫君)  まず、早期の産業団地の確保の時期でございますが、壇上で答弁さしあげたとおり、産業用地の確保につきましては県と連携して取り組んでいるところでありまして、現時点で具体的な時期をお示しするのは難しい状況にございます。 しかしながら、市としましては、一定規模の産業用地の確保は誘致活動を行っていく上で大変重要であると認識していることからも、できるだけ早く、早期に産業用地を確保できるよう、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。 それから、2点目の国との連携についての御質問でございますが、経済産業省においては、今後行われる産業用地の確保、その整備を目指す自治体等への具体的な支援策について、現在、市としては情報を収集中でございます。今後は一般財団法人日本立地センターを通じて、自治体向けには職員の実務研修会の開催などが、企業に向けては立地動向等を把握するためのアンケート調査などが実施されると承知しております。 いずれにしましても、市としましては、新たな産業用地の確保の必要性は十分に認識しており、今後とも国や県、さらには一般財団法人日本立地センターと連携しながら、早期の事業用地の確保に努めてまいります。 最後の旭化成建材の跡地の利用につきまして、旭化成建材の跡地につきましては、これまでにも土地の使用者であります旭化成と情報交換を行っているところでございます。現時点では旭化成側から具体的な利用方法についての情報提供はございませんが、市としましては、早期に新たな活用がなされるよう、引き続き旭化成と情報交換を行うとともに、県とも連携しながら企業誘致を含めてしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。 ◆7番(重岡邦昭君)  今、部長は、早期の産業用地確保のため、国、県はもとより一般財団法人日本立地センターとの連携も行っていきたいというように考えを示されました。 ついては、本市には産業用地開発の専門職がおられないのではないかというふうに考えておるんですけれども――おられたら御無礼なことなんですけれども、今おられないのではないかというふうには思っております。 つまり、専門職養成のため、今、示された一般財団法人日本立地センターへの職員研修など考えてみるときではないのでしょうか。早急な産業用地確保には、早急な専門職の養成が必要となってくることは分かっておると思います。検討していただくように要望しておきたいんですが、少し時間もございますので、通告はしていないんですが、今、日本立地センターに対する職員の派遣研修について、実際にどういうふうに考えておられるか。それと今、当市に専門的な職員、こういった方がおられるのか、その辺りも併せてお聞きしたいと思います。よろしくお願いいたします。 ◎産業振興部長(賀屋和夫君)  先ほどの一般財団法人日本立地センターにつきましては、自治体向けに職員の実務研修会が開催されると聞いておりますので、そこに参加することで、そういった形でノウハウ等を収集したいと考えております。 それから、御質問のそういう専門職の配置といいましょうか、そういったものができているかどうかということにつきましては、残念ながら現在のところ、近年そういったことを手がけたような実績はございませんので、今後、しっかりと国がお示しする自治体等への具体的な支援策というのをしっかりと検討させていただきたいと考えております。 ◆7番(重岡邦昭君)  今、この岩国市の産業用地開発に向けての早期な確保を目指すと回答されました。しかし、それはそれなりに私は歓迎しておるんですが、残念ながら職員の体制、組織が整っていない、これも分かってきました。 したがって、今、一般財団法人日本立地センターに対する研修も行いつつ、とにかく岩国市が今後早急に産業用団地を造るための体制づくり、これもしっかりと研修を含めて取り組んでいきたいという力強い答弁もございましたので、ぜひお願いしておきたいというふうに思います。 それでは、最後になりますけれども、在日米軍再編について再質問をいたします。 相手もあり、5ヘクタールの返還や安心・安全対策43項目の完全実施は困難を極めることは、重々分かっております。しかし、基地が存在し続ける以上、市民の民生安定を確保するため5ヘクタールの返還、安心・安全対策43項目の完全実施は、繰り返し繰り返し、国・米軍に対して求め続けなければならない、そのように思っております。その姿勢に市民は感銘、納得し、さらには行政に対する信頼も高まってくる、そのように思っております。 そして、完全実施の先には、市長の言う基地との共存が、市民の理解を得て初めて成立するものと思っております。ついては、市長が目指す基地との共存について、思いを改めてお聞きしたいというふうに思います。よろしくお願いいたします。 ◎市長(福田良彦君)  この基地との共存という理念でありますけれども、岩国市での最重要計画であります総合計画、これの第2次総合計画を平成26年12月に策定しておりますが、基地との共存はそこで初めて明記したものであります。これは基地に関する安心・安全対策をしっかりと取り組むということをまず進めながらも、空港とか基地の特性を生かした取組、さらには基地との交流とか多文化共生の社会の実現、こういったことをしっかりとやっていこうということで、第2次の総合計画にそれを明記いたしました。これを今現在の第3次総合計画のほうにも引き継いでいるところであります。 まず、米軍岩国基地が存在することで、その運用に伴う航空機騒音等、やはり事故等も含めて不安がある市民の方々にもそういった負担感があるということは、これは確かなことであります。しかし、この基地との共存の理念でありますが、こうした基地が持つ負の側面に対して、まず、市民の皆さんが安心・安全に暮らすことができる環境整備を確保することが大事であります。 そして、ただ単に基地を否定的に捉えるだけではなくて、まず、基地があることを前提にしながら共存を図り、そして市の発展に生かしていくという、そういったある意味で現実的かつ前向きな視点、こういったことも必要だろうということで、今回、第2次総合計画からこの基地との共存というものを明記して取り組んできているところであります。 とりわけ、市民の悲願でありました滑走路の沖合移設、さらには岩国錦帯橋空港の開港とか、あとは愛宕スポーツコンプレックスの整備、こういったことは基地との共存だからこそ可能であった事業でありまして、まさにこの関係を象徴するような成果であったというふうに考えてもいいんじゃないかなと思っております。 しかしながら、もちろん先ほどから繰り返しになりますけれど、基地との共存は、これは重岡議員からもお話しのように、まず市民が安心・安全に暮らすことができる環境が確保されているかどうかが大きな前提となります。そういったことが前提の上で、この基地との共存は成り立っていかなければならないというふうに思っておりますので、今日の御質問でありました43項目の要望のうち未達成となっております項目については、これはやはり実現をすることはもちろんでありますし、市民の安心・安全確保のためには、しっかりと粘り強く、国と協議していかなければならないという思いは強く持っているところであります。 ◆7番(重岡邦昭君)  昨今、市長の国に対する姿勢といいますか、若干微妙に国に対して対応する姿勢が少し変わってきているようなことを、私はちょっと感じておるんですけれども――つまり、上関町での中山間地域におけるエネルギー基本政策に対する苦言もされた、そうした経緯もあります。 また、今回、米軍岩国基地の港湾施設に来たミゲルキースの情報伝達についても少し踏み込んで、国・米軍の対応について遺憾の意を示された。私はこの2つを取っても、大変失礼な言い方になりますが、従来の福田市長の市民に対する発表の仕方よりも、一つも二つも踏み込んだ、市民に対する安心・安全対策、安心・安全な暮らしを求めていくための市長の姿勢を示されたというふうに思っております。それで、これ以上は私もやぼったいことは言いません。 せんだって、3日前ですかね、市長は廊下で私に、今後は協力していきましょうというようなお声をかけていただきました。まさに望むところです。一緒にやりましょう。これはとにかく岩国市の未来をつくるのが我々議会であり執行部であります。究極の目的はここですので、個人的な感情は抜きにして、一緒に協力すればというふうに思っております。 以上で、質問を終わります。 ○議長(桑原敏幸君)  重岡議員も、ええ方向に向かってきた。 以上で、7番 重岡邦昭君の一般質問を終了いたします。 16番 野本真由美さん。
    ◆16番(野本真由美君)  皆様、おはようございます。16番 公明党議員団 野本真由美でございます。通告に従い一般質問を行います。 1人の女性が一生のうちに産む子供の数の指標となる合計特殊出生率が2023年、山口県は1.40となり、4年連続で前年を下回ったことが厚生労働省の公表により分かりました。少子化が急速に進む中にあって、日本の未来を支えるためにも、社会を安定的に発展させていくためにも、子供・子育て支援の充実は極めて重要であると考えます。 厚生労働省の公表と同日に、少子化対策を強化するための改正子ども・子育て支援法などが成立しております。児童手当の所得制限撤廃や育児休業給付の拡充などが盛り込まれており、男性の育児参加を促すことも期待されています。今後も子供を持ちたいと希望する人が安心して産み育てられる環境整備が進んでいくものと思われます。 本市においても、子供や子育て世代を支援していくためには、女性が出産後も仕事を続けていくことができる環境の整備、中でも安心して子供を預けることのできる保育施設や放課後施設の整備に取り組んでいく必要があると考えます。 出産後も働き続けたいと願う女性の後押しをしていただきたい。そんな思いから今回は、次の2点について質問をさせていただきます。 1点目、安心・安全な保育環境の整備について、2点目、「こどもの居場所づくり」について。 まず、1点目の安心・安全な保育環境の整備についてお伺いします。 山口県では、本年9月から第2子以降のゼロ歳から2歳までの園児の保育料の無償化が始まります。これまでは3歳から5歳までの全ての子供と、住民税非課税世帯のゼロ歳から2歳までの子供が無償化の対象となっていましたが、このたびの県の事業により無償化の対象が広がることになります。こういった制度が始まるということは、子育て世代にとっては大変喜ばしいものと歓迎いたします。 しかし、この制度を実施するためには、さらなる保育人材の確保や保育士の業務負担軽減等の環境整備が急務になってくると思われます。 そこで、(1)保育士の人材確保の現状と今後についてお伺いします。 全国的に保育士不足は大きな課題となっていますが、新しい年度を迎えた現在の岩国市の状況はどのようになっているのでしょうか。また今後、保育士を確保していくために、どのような対策をお考えなのかお聞かせください。 次に、(2)保育施設のICT導入についてお伺いします。 保育士の業務は、園児の登降園の管理や体調管理、給食管理、保護者との連絡相談等、多岐にわたります。しかし、多くの保育施設ではこういった業務に関する書類作成等を手書きでしておられるということを伺いました。 ICTサービスを導入することで、こういった様々な文書作成や管理といった業務負担を大幅に軽減することができると期待されています。事務作業の効率化が進めば、子供と向き合う時間も増え、保育の質の向上にもつながっていくものと思われます。県内他市においては既に導入しておられるところもありますが、岩国市の現在の状況についてお伺いします。 次に、2点目の「こどもの居場所づくり」についてお伺いします。 本年3月に子供の居場所づくりについての質問をさせていただきました。社会の急激な変化により子供を取り巻く環境が大きく変化し、それに伴い子供たちが安心して過ごせる場所が少なくなってきている。こういった状況を考えると、子供たちが安心して過ごせる居場所づくりを推進していく必要があるのではないか。具体的には、市内の子供の居場所の情報把握や情報提供、居場所同士のネットワーク構築、そして子ども・子育て支援事業計画への位置づけ等について質問をさせていただきましたが、 (1)進捗状況についてお伺いします。 現在、こども家庭庁と文部科学省が連携して推進している放課後児童対策として、全ての子供が放課後を安全・安心に過ごすことができる場所の拡充が求められています。 私たちが子供の頃は、放課後になれば学校の運動場や空き地、友達の家で遊ぶなど、自由に過ごせる場所がありました。しかし最近では、共働き世帯の増加や子供を狙った事件の頻発、公園での遊びのルールの厳格化などにより、子供たちが自由に遊べる場所が少なくなっていると感じます。子供たちの放課後の居場所や遊び場を確保することが大変重要であると考えます。 第2期岩国市子ども・子育て支援事業計画の中で、「安心して子どもを産み育てるために、市にどのようなことを期待しますか」といったアンケートに対して、「地域で子どもたちが遊んだり、スポーツしたりする場や機会を増やす」「放課後児童教室のほかにも、子どもの放課後の居場所を増やす」といった項目に、対象となった449人の小学生の保護者の約半数が期待しているといった結果が出ております。多くの方がこういった子供の居場所の確保に期待をされているということがよく分かります。就学前の子供だけでなく、小学校入学後も安心して預けられる施設や居場所を確保することが必要だと考えます。 岩国市の放課後児童対策としては、保育幼稚園課所管の放課後児童教室と教育委員会所管の放課後子供教室があります。放課後児童教室とは、いわゆる学童保育所で、共働き世帯の児童に放課後の適切な遊びや生活の場を提供する事業です。一方、放課後子供教室は、保護者の就労に関係なく全ての子供を対象として、地域の方々の協力を得て、学習やスポーツ・文化・芸術活動などの機会を提供する事業です。共に放課後児童対策として取り組んでいただいているところです。 先月、教育民生常任委員会の視察で兵庫県西宮市に行ってまいりました。西宮市では学校施設を活用した子供の居場所づくりとして、放課後キッズルーム事業を進めておられます。この事業は、放課後児童教室のような保育の場所ではなく、放課後子供教室のように集団遊びをしたり、何かを学んだりする場所でもなく、とにかく子供たちが思い思いにそれぞれの考えで自由に遊んだり勉強したりできる、安全な場所の提供ということを主な目的として取り組んでおられます。 この事業を立ち上げた理由としては、待機児童の解消や放課後に安心できる居場所の確保、また、遊びを通しての学びの必要性、そういったことがあったようです。ここでは親の就労等に関係なく、1年生から6年生まで利用申請をした子供たちが、小学校のランチルームや図書室、運動場などで自由に遊ぶことができます。そして、その子供たちを地域の見守りサポーターの方々が見守るといったものです。平日の放課後や長期休業中も開催します。この事業はあくまで市の事業ですので、教職員が運営に参加することはなく、教職員の負担になることもありません。 この事業に対する保護者の声として「子供が好きな日に友達と宿題をしたり、夏休みを過ごせたりして、とても充実している」「子供だけで公園で遊ばせるのは不安だが、学校内で遊べて安心だ」「帰宅せずに遊べるのでありがたい」、こういった声が寄せられています。この事業を開始して今年で10年目になるそうですが、大きな問題もなく着実に導入校の拡大をしておられるということでした。 本市においてもこういった、子供たちが自由に伸び伸びと遊べ、保護者も安心して預けることのできる居場所をつくることができないだろうか。そういった観点から現在の岩国市の状況について質問をさせていただきたいと思います。 (2)放課後児童教室の現状について、(3)放課後子供教室の現状について。 以上、壇上からの質問を終わります。 ◎市長(福田良彦君)  それでは、野本議員御質問の第1点目の安心・安全な保育環境の整備についてお答えいたします。 まず、保育士の人材確保の現状と今後についてでありますが、こども家庭庁によると、本年1月時点における保育士の有効求人倍率は、全国で3.54倍、山口県では1.92倍となっており、全国的な保育士不足により高い水準となっております。 一方で、(1)今年度から保育所等における保育士の配置基準が見直され、3歳児については、園児おおむね20人につき1人以上の保育士を置くこととされているところを、おおむね15人につき1人以上とするよう改められました。 また、4歳児と5歳児については、園児おおむね30人につき1人以上の保育士を置くこととされているところを、おおむね25人につき1人以上とするよう改められました。 さらに、昨年度、岩国幼稚園協会と岩国市保育協会から要望のありました、第2子以降のゼロ歳から2歳までの園児に係る保育料の無償化について、やまぐち子育て応援第2子以降保育料無償化事業を活用して、本年9月から実施する予定としています。 この事業により、多くの子育て世帯に支援が広がり、安心して子供を産み育てられる環境づくりが推進される一方で、これまで保育料の負担から子供を預けることを控えていた世帯からの保育需要が高まることが予想されます。 加えて、ゼロ歳から2歳までの園児は、保育士1人当たりの保育可能な園児数が少ないことから、これからの保育需要の高まりに対応するためには、保育士の確保が最も重要な課題であると認識しております。 こうした中、市においては、保育士を養成する学校である学校法人高水学園岩国短期大学において、岩国市保育の質の向上のための研修を年2回開催しています。この研修は、岩国短期大学の学生や現役の保育士のほか、現在、保育所等に就労していない潜在保育士も対象としており、保育現場への復帰の一助となっております。 また、岩国短期大学、岩国幼稚園協会、岩国市保育協会等との共催で、毎年3月にIwatan親子フェスタを開催しており、このイベントを通じて保育の楽しさや、やりがいについて、学生や来場された潜在保育士に体験していただくことで、保育施設における保育士の確保につながるよう努めております。 さらに、保育園等において、保育士の確保による保育の質の向上を目的に、国の配置基準を上回る保育士の配置に必要な費用の一部を助成する、保育士独自加配事業の実施に向けて、本定例会において補正予算案を提出しているところであります。 今後とも、保育士不足の解消に向けて、岩国短期大学や岩国幼稚園協会、岩国市保育協会と連携し、学生の求める支援制度や保育士の確保に向けた有効な手段等について協議・検討を進めてまいります。 次に、(2)の保育施設のICT導入についてでありますが、保育現場では、園児の事故防止や発達特性のある子供に対するきめ細やかな対応、保育計画の作成等の事務などの多くの業務がある中で、保育士不足により業務過多な状態が続いています。 この状態を解消するためには、安定的な保育士の確保に加え、業務そのものの効率化が大変重要であり、その手段の一つとして保育施設のICT化があります。 本市における保育施設のICT化については、国の保育所等における業務効率化推進事業の対象である民間保育施設等を中心として、平成28年度から取り組んでおります。 これまで、保育業務支援システムや自動翻訳機器等を多くの民間保育施設等が導入し、書類の作成支援や園児の管理、登降園管理システムの導入、外国人の園児への対応などの業務の効率化が図られてきました。 一方、市立保育園等におきましては、近年の保育士不足により事務の効率化に向けたICT化が望まれていますが、その対応は十分ではない状況であります。 こうしたことから、昨年度、保育士を中心としたプロジェクトチームを立ち上げ、市立保育園等のICT化に向けた検討を行っております。 また、昨年度、一部の保育園において、保護者からの欠席連絡を電子上で行う欠席連絡フォームを試験的に導入し、保護者の利便性の向上と保育士の朝の時間における事務の省力化を図り、双方から高評価を得たところです。 今年度は、保育施設の本格的なICT化に向けて、プロジェクトチームの構成員を増員し、より具体的な検討を行っています。また、昨年度、高評価を得ました欠席連絡フォームにつきましては、全ての市立保育園等で順次導入しています。 ICT化に当たっては、業務の効率化に向けて、実際に必要となる機能を見極めながら、進めていくことが重要です。効果的、効率的なICT化に向けて、日々の業務を分析し、業務に対するICT化の適合性のほか、保育士以外でも可能な業務の民間委託の可能性や、廃止を含めた業務の見直しなどを検討しながら取り組んでまいります。 市としましては、保育施設は、働く子育て世帯等にとって重要な社会インフラであり、安定的な運営のための保育士の確保や、ICT化による業務の効率化は保育士だけでなく、保護者の利便性や園児への保育サービスの向上につながることから、引き続き保育環境の整備に取り組んでまいりますので、よろしくお願いします。 ◎こども家庭担当部長(宮井まゆみ君)  第2点目の「こどもの居場所づくり」についてお答えします。 まず、(1)進捗状況についてですが、「こどもの居場所づくり」を計画的に推進するため、現在、令和7年度から令和11年度までを計画期間とする第3期岩国市子ども・子育て支援事業計画について、令和6年度中の策定に向けて取り組んでいるところです。 計画の策定に向けて実施しているアンケート調査により、児童や保護者が日々の生活の中でどのような御意見や御要望をお持ちであるかを把握し、また、これまでの実績を踏まえつつ、岩国市子ども・子育て会議で御意見を頂きながら、居場所の在り方についてもしっかりと検討してまいります。 また、子育て支援に関する制度や、交流の場等の情報を、市民の皆様に分かりやすくお伝えするため一冊にまとめた情報誌いわくに子育てガイドブックは、毎年度更新・作成しており、妊娠届出時や転入された御家庭にお配りしています。 2024年版のガイドブックにおいては、山口県こども食堂支援センターのQRコードを掲載し、山口県の登録を受けた子ども食堂に関する情報をより多くの御家庭に知っていただくよう周知しています。 また、市のホームページにおいても、支援センターのリンク先を掲載して必要な情報を得られるようにしており、様々な機会を活用して情報発信に努めているところです。 今後につきましても、地域の多様な民間団体や保育園、幼稚園、学校、民生委員・児童委員、児童福祉施設等の関係機関等と連携し、子ども食堂をはじめとした子供の居場所について周知を図ることで、安心して子供を産み育てることができる環境づくりに引き続き取り組んでまいります。 次に、(2)放課後児童教室の現状についてですが、放課後児童教室は、小学校に就学している児童に対し、就労、疾病、介護等により昼間家庭にいない保護者に代わって、主に授業の終了後などに適切な遊びと生活の場の提供を行うことで、児童の健全な育成を図ることを目的として設置しているものです。 本市では、市内27の小学校において放課後児童教室を運営しており、本年5月1日現在で、1年生438人、2年生375人、3年生318人、4年生102人、5年生52人、6年生19人の計1,304人の児童が利用しております。 また、待機児童の現状についてですが、小学4年生以上の児童を受け入れる教室の不足により、現在5校の教室において計36人の待機児童が発生しておりますが、本年4月までに岩国放課後児童教室及び愛宕放課後児童教室に新たに教室を開設したことや、認定こども園岩国東幼稚園内に東第二放課後児童教室を新規開設したことで、昨年度の待機児童数8校79人と比べて大幅に改善したところです。 待機児童の解消につきましては、主に教室の設置場所の確保に向けて、これまで継続的に取り組んでまいりました。具体的には、待機児童が発生している教室や校外の施設を利用している場合、活用されていない余裕教室等の提供について教育委員会や学校現場から御協力いただき、今年度は20教室の提供を受けております。しかし、先ほどお答えしたとおり今年度も待機児童は発生していることから、さらなる提供について申し入れ、協議を行っているところです。 今後につきましては、学校に余裕教室がないと判断された場合は、学校周辺で空き家や空き店舗等、教室として活用できそうな物件を改めて調査し、借受けが可能な物件は賃借し、開室する方向で検討いたします。また、周辺に適当な物件がなく、しばらく待機児童が続くと見込まれる学校につきましては、学校敷地内での新設や改修についても検討してまいります。 いずれにしましても、子育て世帯が安心して働ける環境を整えるため、これまでの取組は継続しつつ、民間活力も含め取り得る手段は積極的に検討し、待機児童の早期解消につながるよう努めてまいりますので、よろしくお願いします。 ◎教育長(守山敏晴君)  第2点目の「こどもの居場所づくり」についての(3)放課後子供教室の現状についてお答えします。 本事業は、国の補助事業により行っており、放課後や夏休みなど小学校の休業期間等において、学校の余裕教室等を活用して全ての子供たちの安全・安心な活動場所を確保し、地域と学校が連携・協働して学習や体験・交流活動等の機会を提供することを目的として、平成20年度から実施しているものです。 各教室は、地域の実情に応じて、学校関係者や保護者、地域の活動団体や住民等で構成された実行委員会により運営されており、市と各実行委員会との間で委託契約を締結しています。 各教室では、全ての児童を対象に、地域住民等の参画により様々な体験活動や地域住民との交流活動などが行われています。 具体的な取組としましては、習字教室や科学教室、夏休み学習会や宿題補助などの学習活動、サマーキャンプやグラウンド・ゴルフ、英語や百人一首などの体験活動、とんど焼きや芋掘り、郷土料理やしめ縄づくりなどの交流活動、海遊びや川遊び、竹とんぼや紙飛行機遊びなど、様々な活動が行われています。 令和5年度の実施状況につきましては、市内14の実行委員会に委託し、17小学校区において実施回数が234回、参加人数が延べ2,769人となっています。 教育委員会としましては、今後も地域と学校が連携・協働して、未設置の小学校区への設置の促進や、放課後児童教室と連携し、一体的な取組の推進に努めてまいりますので、よろしくお願いします。 ◆16番(野本真由美君)  それでは、自席より再質問をさせていただきます。 1点目、安心・安全な保育環境の整備についてでございます。 新年度が始まり、保育士の新しい配置基準もスタートしておりますが、現在、保育士は十分な人数が配置されているのでしょうか、お伺いします。 ◎こども家庭担当部長(宮井まゆみ君)  今年度から3歳から5歳児の保育士の配置基準が見直されております。各施設においては、新しい基準に基づき保育士の配置をされており、現時点において保育士が不足しているという状況ではないと考えております。 ◆16番(野本真由美君)  壇上でも述べましたが、9月から第2子以降のゼロ歳から2歳児の保育料無償化が始まりますが、そこに向けての対策は進められているのでしょうか。 ◎こども家庭担当部長(宮井まゆみ君)  9月から始まります第2子以降のゼロ歳から2歳児に係る保育料無償化により、各施設において園児を受け入れるための保育士の確保が必要となってくることが想定されます。 保育士不足が危惧される中で、どのような支援策が適切か、今検討しているところですが、本定例会で御審議いただきます保育士独自加配事業に係る補正予算案については、各施設における保育士確保の一助となる制度と考えております。 ◆16番(野本真由美君)  年度当初は配置基準の保育士が満たされていても、年度途中で入園してくる子供や保育士の休職等もあり、年度末に向けてだんだんと保育士が足りなくなる、そんなお話を伺っております。園によっては、保育士不足や定員の問題等により入園をお断りしなければならない、そういった場合もあるのではないかと思いますが、もし入園を断られた場合、ほかの園の空き情報については、市のほうで提供していただけるのでしょうか。 ◎こども家庭担当部長(宮井まゆみ君)  保育園の利用希望があった際に、本市が行っております入園調整の方法について御説明いたします。 保護者が希望される園への入園が可能か確認を行いまして、その園で受入れができない場合は保護者に連絡を取りまして、希望の園への入園ができない状況を御説明し、保護者の御意向を確認しながら条件に合うほかの園の情報をお示ししているところでございます。 ◆16番(野本真由美君)  市のほうでは、各園の空き情報、こういったものを把握しておられると思いますが、そういった各園の空き情報を保護者の皆さんにも提供していただきたいと思います。そういった情報が保育園を探すときの一つの目安になるのではないかと思います。 周南市、防府市、宇部市、下松市、そういったところでは、各園の空き情報を一覧にしてホームページで紹介をしておられます。保護者の負担を軽減していくといった意味からも、本市でもぜひこういった形での情報提供をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ◎こども家庭担当部長(宮井まゆみ君)  市内の保育施設の空き情報は、保育園の利用を検討される保護者にとって大変気になる情報でありまして、ホームページ等で公開されている自治体があることは承知しております。 本市といたしましては、ホームページに掲載する情報を日々リアルタイムで更新することは大変難しく、一定の期日における情報とならざるを得ないため、実際には入園が可能であっても、掲載情報では不可となっていて入園希望を取りやめられることや、逆に、掲載した情報では入園可能となっていても、最新の情報では入園ができない状況であったといった事態になってしまうことを危惧しております。 保育施設の利用を検討される際は、空きがあるといったような理由よりも、居住地や勤務地からある程度利用施設を絞り込んで検討される保護者が多いと思われます。また、入園決定後のミスマッチを防ぐために、申請前に施設見学をしていただくことをお勧めしており、申請手続の準備段階において直接施設に最新の状況を確認していただく機会があることも考慮しまして、現在はホームページでの情報提供は行っておりません。 しかしながら、情報提供の在り方について、どのような方法が適切であるかについては、引き続きしっかりと調査研究してまいりたいと思いますので、よろしくお願いします。 ◆16番(野本真由美君)  保護者への情報提供の在り方については検討いただき、積極的な情報提供を進めていただけることを期待いたします。 各園の空き情報の提供ということについてですが、岩国市内には、企業主導型保育園というのが3園あります。この企業主導型保育園というのは、待機児童対策として国が推進して導入された認可外の小規模保育園です。 地域の園児の受入れもしておられますので、こういった認可外の施設についても、市のほうで空き情報を把握し、情報提供していただけると、保護者にとっては選択の幅が広がるのではないかと考えます。 他市では、こういった企業主導型保育園とも連携を取り、空き情報の確認も毎月しておられるということを伺っております。岩国市でも、こういった保育園についての情報も提供していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ◎こども家庭担当部長(宮井まゆみ君)  保育施設の利用を希望される保護者に対しては、入園調整を行う過程で企業主導型の保育施設を御案内する場合もございますが、空き情報の提供の方法については、どのような方法が適切であるか検討してまいりたいと思いますので、よろしくお願いします。 ◆16番(野本真由美君)  保育士の人材確保といったことについて、市独自の支援については、これまでに何度かほかの議員も質問をしておられますが、岩国市にはそういったものが現在ございません。 県のほうでは、保育士修学資金貸付制度というものを設けておりますが、これは山口県内の保育士養成施設に在籍し、卒業後、県内の保育所等で5年間保育士等の業務に従事した場合、貸付金の返還が免除されるというものですが、この制度には当然定員がございます。希望しても定員から外れてしまう学生も毎年数人いるということです。 また、この制度は県の制度ですから、県内のどこに就職してもいいわけです。岩国市で学んだけれども、他市で就職されるといった方もおられます。こういった学生に対して、せっかく岩国市で学んでいただいたのですから、岩国市に就職していただけるような市独自の魅力ある支援をしていくということは必要ではないかと考えます。 岩国市は、保育士を目指す学生に対しても、しっかりと応援していますよといった姿勢を伝えていくことが必要だと考えますが、いかがでしょうか。 ◎こども家庭担当部長(宮井まゆみ君)  現在のところ、市内の保育所等に就職する場合の市の独自の支援策はございませんが、保育士の確保は喫緊の課題ですので、岩国短期大学や保育協会、幼稚園協会とも協議を行いながら有効な方策について、今後検討したいと思います。 ◆16番(野本真由美君)  宇部市では、保育士になるあなたを宇部市は応援しますといったキャッチコピーで、市内の保育園等に就職すれば助成金10万円といった事業を行っておられます。光市や下関市でも市独自の給付金や助成金といった支援を行っております。 岩国市の唯一の保育士養成校である岩国短期大学には、県内だけでなく県外からも保育士の求人募集がどんどん送られてくるそうです。遠くは関東からも――その中には就職試験を受けたら試験の最終日には東京ディズニーランドに御招待しますと、そういった特典をつけての募集も送られてくるそうです。 このように全国のどこの自治体もしのぎを削って保育士確保に努めておられます。本市もぜひ多くの皆さんから岩国市を選んでいただけるような、魅力ある支援策を期待いたします。 本市の保育士確保の要となっているのは、本市唯一の保育士養成校である岩国短期大学であろうと思います。毎年多くの保育士を育成し、本市の保育園等にも多くの保育士を輩出しておられます。しかし、今この短期大学が大きな危機感を抱いておられます。 それは、ここ数年の間に近県の広島や岡山、福岡でさえ保育士養成の短期大学の学生の募集停止が相次いでいるということです。岩国短期大学においても、最近では入学者の数が減少し、学生の確保に大変苦労しておられるということでした。もし、この短期大学が募集停止ということになれば、本市においても大変に大きな影響があるのではないかといったことを危惧しております。 もしもそういった事態になれば、保育士を志願する若い方々が市外に出ていってしまい、保育士確保がさらに困難になるだけでなく、同時に若者減少にも拍車がかかり、あらゆる方面に影響が出てくるものと思われます。こういった状況に対して、市としては何か対策をお考えなのでしょうか、お伺いします。 ◎総合政策部長(國廣光秋君)  まず、本市と岩国短期大学におきましては、平成28年に包括連携に関する協定を締結しているところでございまして、その協定の中におきましては、地域社会の発展と人材育成に寄与することを目的といたしまして、教育・文化・スポーツの振興・発展に関することでありますとか、子育て支援に関することなどの9つの項目の取組につきまして、相互に協力しまして各種事業を推進していくこととしているところでございます。 こちらの包括連携協定を締結して以降、本市の担当部署と岩国短期大学の学長をはじめとしました関係者が一堂に会します連携推進会議、こちらの会議を毎年開催しているところでございまして、その会議の中では、連携協力事項に基づく事業につきまして、お互いの取組状況等を報告しているほか、学生の確保対策でありますとか、市内の就職に向けました取組等につきまして、忌憚なく意見交換を行っているところでございます。 一方で、岩国短期大学が公表されております直近5年間の入学者数の推移を見てみますと、幼児教育科1学年の定員70人に対しまして、令和2年は60人の入学、令和3年は61人、令和4年は65人、令和5年は56人、令和6年は45人ということになっておりまして、定員に達していないといった状況が続いているということでございます。 こうした中、岩国短期大学におかれましては、進学と学生生活のサポートを行うための様々な支援を実施されているところでございますが、市といたしましても、子育て支援を担う若者が増えるような効果的な取組につきまして、検討してまいりますとともに、引き続き岩国短期大学と意見交換をしながら連携を図ってまいりたいと考えております。 ◆16番(野本真由美君)  本市にとっても大変重要な課題であると考えます。しっかりと声を聞いていただき、早急にまた具体的な対応に取り組んでいただくことを強く要望いたします。 保育士養成の志願者が減っているということは、保育士になりたいと思う方々も減ってきているのではないでしょうか。保育士という仕事の魅力を伝えるための中高生に対するキャリア教育については、どのようになっているのでしょうか。 ◎こども家庭担当部長(宮井まゆみ君)  本市の事例を申し上げますと、中高生のインターンシップを受け入れた際に、子育て関連施設の見学を行う中で、公立の保育園に御案内し、保育士の業務を見学できる場を設けております。 実際の保育に携わることはできませんが、保育現場を身近に感じることで、将来、保育士を目指そうという思いが芽生えたり、そういった思いと向き合っていただくきっかけにできればと考えております。 ◆16番(野本真由美君)  保育士確保の下支えとなるキャリア教育、保育士の魅力を伝えることができるよう、さらなる充実に努めていただきたいと思います。 保育士の人材確保のためには、新しい方の就職とともに離職される方をいかに減らしていくか、保育士の仕事を安心して続けていただける環境をどう整備していくのか、そういったことも大事ではないかと考えます。 本市では、いわくに保育士バンクといった制度を進めておられますが、ここではどういった支援を行っているのでしょうか。 ◎こども家庭担当部長(宮井まゆみ君)  本市におきましては、平成28年9月にいわくに保育士バンク制度を開始し、保育士が希望する勤務条件で就職先を探すことが困難な場合の支援制度として活用していただいております。 利用の方法としましては、保育士資格を取得している、あるいは取得見込みの方が、就職を希望する時期や地域、施設の類型等を登録票にまとめて提出され、本市職員が保育施設等とのマッチングを行うこととなっております。 近年の保育士需要の高止まりから、保育士として働く際に勤務先を探すこと自体は困難な状況ではございませんが、登録を受け付けた際には、岩国市保育協会や岩国幼稚園協会とも連携して、御希望に沿った勤務先とマッチングできるように取り組んでおります。 ◆16番(野本真由美君)  このバンクでは、保育園を途中で退職されたといった方の再就職の支援といったことも行っておられるのでしょうか。 ◎こども家庭担当部長(宮井まゆみ君)  保育士に限りませんで、現職を退職される場合には様々な理由があることと思われますが、保育士が退職した後、保育士資格等を生かして、別の施設で就職を希望される場合の理由としては、自分に合った就労時間や保育環境の選択を希望されるという場合もありますし、経済状況や体力的な問題からもっと働きたい、あるいは少し仕事をセーブしたいといった場合もあろうかと思われます。また、大規模な施設で多くの園児と触れ合いたい方もいらっしゃれば、小規模な施設での保育を希望されるケースもあるかと思われます。 先ほども答弁いたしましたとおり、現状では、保育士需要の高止まりから、保育士として働く際に勤務先を探すこと自体は困難な状況ではありませんが、いわくに保育士バンクに登録された方には、引き続き再就職の支援を行ってまいります。 ◆16番(野本真由美君)  ある保護者から、保育士が一斉に6人くらい退職されたが、このまま子供を見ていただけるのか不安だと、そういった心配のお声を頂きました。保育士の一斉退職といったことが全国的にも問題になっているようですが、保護者にとっては大変心配なことだと思います。こういったことを未然に防ぐ取組といったことも必要ではないかと思います。 こども家庭庁より、この4月に次のような事務連絡が発出されています。昨年来、保育士の一斉退職に関する報道が繰り返しなされておりますが、保育士の一斉退職の防止に向けた取組の一つとして、職場環境の改善が重要である。また、相談支援を実施する相談窓口の設置を行うといった相談体制の整備についての記載もあります。 保育士の方々が安心して働き続けることのできる環境整備、そのためにはこういった相談窓口の設置も必要ではないかと考えますが、未然防止のための取組についてお伺いします。 ◎こども家庭担当部長(宮井まゆみ君)  公立の園の事例で申し上げますと、保育幼稚園課に保育士の経験者を配置しておりまして、入庁から3年以内の新人職員や中堅の職員、副園長クラスの職員といった経験年数に応じた研修を行いながら、保育士の困り感や施設運営についての意見を酌み取ることで、職場環境の改善につなげ、離職防止の一助となるよう努めているところでございます。 ◆16番(野本真由美君)  保育士の働き方改革といった観点から考えると、保育業務の効率化、ICT導入は必要不可欠であろうと考えます。 壇上での御答弁では、民間の施設には既に導入がなされているということでしたが、導入したことによるメリット・デメリットについての声があれば御紹介ください。 ◎こども家庭担当部長(宮井まゆみ君)  保育園アプリを導入している市内の民間の保育園にお聞きしたところ、ICT導入は、保育士の負担軽減につながる部分はあるが、ベテラン保育士の適応が困難な点や使用できる機能の理解に時間を要する点がネックであるとのことでした。 また、保育園アプリを導入したほかの自治体の公立保育園を視察し、実際の運用状況を確認するとともに、現場の保育士の声を聞いたところ、現場の声としましては、アプリの導入で負担軽減につながった業務がある一方で、デジタルとアナログの両方の業務フローを残すことで逆に負担が増えることもあるので、改善したい業務フローを明確にしてアプリを導入したほうが効果的であること、また、保育園の現場でアプリを運用する機器について、機動性のあるタブレットがいいのか、多用途に使えるノートパソコンがいいのかなどについても、検討が必要であるなどの御意見を伺っております。 ◆16番(野本真由美君)  今現在、業務改善の検討中ということですが、具体的に導入を決めている機能があれば御紹介ください。 ◎こども家庭担当部長(宮井まゆみ君)  これから具体的な検討をすることになるんですけれども、既存の保育園アプリを調査する中では、欠席連絡とか連絡帳の機能、それから、保護者への緊急連絡や保育士の間での情報共有などといった機能は有効であると考えております。 なお、保育園アプリは、一般的に様々な機能を有しておりまして、今後、導入する具体的な機能を検討していきたいと思っております。 ◆16番(野本真由美君)  このICTの導入は、いつ頃を目指しておられるのでしょうか、お伺いします。 ◎こども家庭担当部長(宮井まゆみ君)  今年度、具体的なICT導入の検討を進めてまいりますけれども、導入する際は段階的にではなく、公立保育園と認定こども園、全園に導入していきたいと思います。具体的にいつということは、まだ申し上げられません。 ◆16番(野本真由美君)  以前、保育施設での乳幼児の睡眠中の死亡といった悲しい報道がありました。その原因の一つとされている病気に乳幼児突然死症候群があります。こういった突然死を防ぐために、乳幼児のお昼寝の時間には5分に1回とか10分に1回、保育士が定期的に子供たちの体に触れて呼吸の確認をするようです。これを午睡チェックといい、毎回手書きでその記録を残していくそうです。 最近では、こういった乳幼児の見守りにセンサーを活用しているというところもあります。こういったセンサーの活用については、どのようにお考えでしょうか。 ◎こども家庭担当部長(宮井まゆみ君)  保育現場の課題の一つに、今、議員から御紹介のありました乳幼児突然死症候群のリスクの低減や睡眠中の事故防止があります。ゼロ歳児については5分に1回、1・2歳児については10分に1回の午睡チェックが推奨されておりますことから、各施設においても基本的な対策として実施しており、山口県の監査においても実施状況を確認しているところでございます。 議員がおっしゃいました午睡チェックセンサーについては、カメラタイプのものとか、体につけるものとか、マット型など、様々な方法で午睡中の園児の異常を感知するツールのことと存じますが、こうしたツールの活用は、現場の保育士の負担軽減にもつながる有効な対策の一つであると理解しておりますが、一方で、センサーの導入で午睡チェックが完結するわけではなく、あくまで補助ツールの一つとして捉えた上で、保育士の業務を補完する形で有効な運用ができるかどうかの検討が重要であると考えております。 ◆16番(野本真由美君)  より安全で効果的な導入の検討を期待いたします。 今回の業務見直しやICTの導入については、専門性を必要とするものもあり、保育園や保育幼稚園課だけでは難しい場面もあるのではないかと考えます。そういった意味で、ICTの専門的知見を有する外部支援も必要となるのではないかと考えますが、いかがでしょうか。 ◎こども家庭担当部長(宮井まゆみ君)  議員御指摘のとおり、外部の視点や支援も必要と考えておりまして、このたびの検討に当たりましては、行政改革室やデジタル推進課の全面的な支援を受けながら実施していくこととしております。 ◆16番(野本真由美君)  支援をいただいているデジタル改革の担当から見て、現時点で今回の保育園の業務改革やICT導入の課題をどのようにお考えでしょうか。 ◎デジタル改革担当部長(上田清次郎君)  市立保育園の業務改革につきましては、市でも重要な課題と位置づけまして、本年度、デジタル推進課と行政改革室も支援を行い、重点的に取り組むこととしております。既に市立保育園の幾つかも視察をしましたし、先進自治体の視察等にも同行したところでございます。 現在、業務の洗い出しを行っているところですが、壇上でも御紹介しました欠席連絡フォームのように、デジタルツールの導入で効果が期待できるものも数多くあるというふうに今感じております。 引き続き、保育士の現場にも保育園の利用者にも効果が期待できるような業務改革やデジタルツールの導入について、検討してまいりたいと思っております。 ◆16番(野本真由美君)  様々な角度からの保育環境の整備に取り組んでいただいているところですけれども、まずは保育士確保のための支援、そして、保育士が安心して働き続けることのできる環境、また、子供を安心して預けられる環境、保護者も子供も保育士も皆が安心で安全な環境の整備に、より一層取り組んでいただくことを期待いたします。 それでは、2点目の「こどもの居場所づくり」について、少し時間がなくなりましたので、ちょっと割愛させていただきたいと思いますが、「こどもの居場所づくり」の進捗状況をお伺いしました。アンケートも取っておられるということでしたので、子供の意見も反映されるような、そういった計画に進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 では、放課後児童教室の現状について、幾つか質問をさせていただきます。 新しく1年生となった小学生、その中でも438人もの子供たちが放課後児童教室を利用しているということでしたが、いわゆる小1の壁、保育園のときは朝も早くから預けられ、夕方は少し遅くまで保育園のほうに預けることができる、そういったことがありますが、小学校に上がった途端、預ける時間が短くなってしまう、そういったお困りのこともあるかと思いますが、そういった小1の壁に対する、そういった声に対するものには柔軟に対応していただけるのでしょうか、お伺いします。 ◎こども家庭担当部長(宮井まゆみ君)  放課後児童教室の開室時間は、学校の授業がある日は授業終了後から午後6時30分まで、休業日は午前8時から午後6時30分までとなっております。保護者の皆様にはこの間にお迎えに来ていただいておりますが、何かの理由で午後6時30分に間に合わないと連絡を頂く場合もございまして、そのようなときは、お迎えがあるまで児童をお預かりして、完全に引渡しが終了するまで対応しているところです。 ◆16番(野本真由美君)  待機児童の解消に向けては大変御苦労をされているとは思いますが、それでもなお36人の子供たちが入室を待っております。こういった子供たちが待っている待機児童の中で、最も多く待機児童がいる教室は今現在何人いるのかということと、また、今後、少子化が進む中にあって、放課後児童教室の需要は、どのように推移していくと予測しておられるかお伺いします。 ◎こども家庭担当部長(宮井まゆみ君)  今年度につきましては、麻里布第二放課後児童教室で16人待機となっております。共働きの増加に伴いまして、今後もしばらく現在と同様の需要があると見込んでおります。 ◆16番(野本真由美君)  こういった状態がまだしばらくは続くということになるのかと思いますけれども、放課後児童対策については、こども家庭庁と文部科学省も学校施設の積極的な活用を引き続き推進するということになっておりますが、特別教室の活用についてはどのような状況になっているのでしょうか。 ◎こども家庭担当部長(宮井まゆみ君)  これまでも学校の図書室や音楽室など利用可能な特別教室を提供していただいておりまして、大変助かっているところです。今後も、待機が予想される教室におきましては、可能な限り引き続きお願いしたいと思っております。 ◆16番(野本真由美君)  これから子供たちにとっては楽しい夏休みを迎えますが、保護者にとっては毎日どうやって子供を過ごさせようかと頭を悩ます日々を迎えることになります。夏休みの間、子供の居場所や過ごし方については、親の就労等に関係なく大変大きな問題であろうと思います。午前中だけでも、また、午後の2時間だけでも預かっていただけるところがあれば、そんな思いを抱えておられる保護者は多いのではないかと思います。 放課後児童教室にも夏休みまでに何とか入室できないかといった御相談があるというふうに伺っておりますが、そういった声にお応えできるような取組はあるのでしょうか。 ◎こども家庭担当部長(宮井まゆみ君)  夏休みは多くの教室で利用の申込みがあり、常態的に待機の出ている教室では、毎年、対応に苦慮しているところです。 夏休みや長期休業中の特例的な対策といたしましては、学校区を越えて空きのある教室で児童の受入れを行っており、昨年度開設しました岩国放課後児童教室などでは、学校区外の児童を受け入れました。これにより、期間中の待機児童数の減少につながり、保護者の方からもお喜びの声を頂いております。 ◆16番(野本真由美君)  すみません、時間が足りなくなってしまったんですけれども、放課後子供教室のほうなんですけれども、この事業は地域の方々の御協力があってこその事業だと思いますけれども、こういったことの事業が今後開催回数が増えるとか、子供教室の開催場所が広がっていく、そういった可能性についてお伺いします。 ◎教育次長(丸川浩君)  現在のところ、まだ未設置の学校等もございます。また、開催回数も少ないところもございます。設置に向けての課題として担い手不足等もございますが、教育委員会としましては、今後も地域と学校が連携・協働して、未設置の小学校区への設置の促進に努めてまいりますので、よろしくお願いします。 ◆16番(野本真由美君)  地域の担い手不足とかという課題もたくさんあるかと思いますが、ぜひ、本市においても、西宮市のような全ての子供が自由に伸び伸びと遊べる場所をつくっていただきたいと思います。 以上で、質問を終わります。 ○議長(桑原敏幸君)  以上で、16番 野本真由美さんの一般質問を終了いたします。 ここで暫時休憩いたします。午前11時47分 休憩 ――――――――――――――――――――――――――――――午後 1時    再開 ○副議長(松川卓司君)  休憩前に引き続き、本会議を再開して一般質問を続行いたします。 17番 奥江徳成君。 ◆17番(奥江徳成君)  皆様、こんにちは。17番 公明党議員団の奥江徳成でございます。一般質問最終日の午後からの一番手で質問させていただきます。 それでは、通告に従い、壇上から一般質問を行います。 今回は、1、断らない相談支援体制の整備についてと、2として、税収の確保についての2点について伺います。 初めに、断らない相談支援体制の整備について伺います。 少子高齢化・人口減少が進む中、家族や雇用形態の多様化と地域社会の結びつきの希薄化が同時に進行する中、個人や家庭が抱える生きづらさやリスクが複雑化・多様化し、8050問題、介護と子育てを同時に担うダブルケア、虐待、孤独死、ごみ屋敷など、新たな課題が表面化してきています。 こうした課題は、従来の介護、障害、子育て、生活困窮など、制度・分野ごとでは対応するのが難しく、ようやく時間をつくって相談に行っても、たらい回しにされた挙げ句、何も解決できなかったという事例が発生している自治体もあるようです。 そのため、平成29年の社会福祉法改正により、制度ごとではなく、課題を抱えている本人や家族を丸ごと包括的に支援する体制の整備が市町村の努力義務とされました。 平成29年の改正法の附則において、法律の公布後3年、令和2年を目途として、市町村による包括的支援体制を全国に整備するための方策について検討を加え、必要があると認めたときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずる旨が規定されており、包括的な相談支援、参加の支援、地域づくりに向けた支援の3つの支援を一体的に実施する重層的支援体制整備事業が新たに創設されることになりました。 この3つの支援を一体的に行う重層的支援体制整備事業を実施することによって、制度の縦割りを打破し、制度に人を合わせるのではなく、困り事を抱えている本人と家族を中心とした支援へと、福祉の大転換を図ることが期待されており、断らない相談支援であって、誰も置き去りにしない社会を実現する基盤となる事業だと思います。 そこで、令和3年4月スタートとし、今年度中に全国346市区町村で実施が予定されており、また、山口県内では宇部市、山口市、長門市、周南市の4市で予定されている重層的支援体制整備事業について、本市としても積極的に取り組んでいく必要があると考えておりますが、そこで、(1)断らない相談支援を含めた重層的支援体制整備事業の概要について、(2)として、重層的支援体制の構築に係る本市の現状と課題、方向性について伺います。 次に、2点目として、税収の確保について伺います。 自治体には、地方税や国民健康保険料のほか、介護保険料や水道料金などがございます。こうした徴収業務は、自治体の歳入の確保という根幹を担うもので、住んでいる方が納付しやすい環境整備が大切になります。どの自治体においても、いかに自主財源を確保し、財源の健全化を進めるかと腐心している状況にあります。 そこで、(1)市税等の徴収体制、徴収の具体的取組について伺います。 次に、(2)市税等の滞納状況と具体的対策及び実施状況について伺います。 (3)として、AIコール納税案内の導入について伺います。 岩国市においては、市税の滞納者対策として、収納率の向上と公平性の確保の観点から、現年度分の初期滞納者を対象に、電話・文書等で自主納税を呼びかける岩国市納税確認センターを設置されていますが、5月に総務常任委員会で視察に行きました東京都羽村市では、徴収率が下がったことなどを契機に、徴税吏員である一般職員のコア業務時間を確保するため、ノンコア業務の電子化を図られ、AIコール事業・納税案内を実施され、効果を上げられておりました。岩国市においても、このAIコール事業・納税案内の導入について考えを伺います。 以上で、壇上からの一般質問を終わります。 ◎市長(福田良彦君)  それでは、奥江議員御質問の第2点目の税収の確保についてお答えいたします。 まず、(1)市税等の徴収体制、徴収の具体的取組についてでありますが、市税は、各種行政サービスの提供に必要不可欠な自主財源であり、持続可能な市政運営の基盤となるものであります。 そのため、本市では、納税の重要性を皆様に理解していただきながら、適正な徴収に取り組んでいるところであります。議員御質問の徴収体制の整備や取組としまして、平成24年度には、さらなる徴収体制の強化を図るため、岩国市納税確認センターを設置し、現年課税分の市税について、電話や文書による納税確認や納税勧奨などを行い、収納率の向上に努めているところであります。 また、納税者の利便性向上に向けて、これまでの口座振替に加え、平成27年度からは、コンビニエンスストアでの納税を可能にしております。 さらに、令和元年度には、インターネットによる電子納税システムのeLTAXを導入し、令和3年度からは、ペイペイやLINEペイを使ったバーコード決済による納税を可能にしております。 加えて、本年1月に、収納情報を即時に記録・集計するシステムを完備したPOSレジを導入の上、3月からは、窓口でのクレジットカードなどによるキャッシュレス納付を開始しました。 このように、多様な収納方法を提供することによって、納税者の皆様の生活スタイルに応じた納税機会の確保を図っているところであります。 今後も、納税者に寄り添った徴収体制の整備や取組を行い、収納率の向上による自主財源の安定的な確保に努めてまいります。 次に、(2)市税等の滞納状況と具体的対策及び実施状況についてでありますが、本市の市税の収納状況につきましては、令和4年度の決算では、現年課税分の収入済額は約186億1,900万円で、収納率が99.15%、滞納繰越分の収入済額は約1億5,400万円で、収納率が31.5%となっております。 多くの納税者の方に納付期限内に納税していただいているところでありますが、納付期限内の納税が確認できない方に対しては、文書によるお知らせの上、自主納税に向けて、電話や窓口、訪問などで納税相談を行っております。 納税相談の際には、相手の事情を丁寧に伺い、自主納税へと結びつくよう、それぞれの状況に配慮した納税計画の策定に注力しております。 それでもなお、滞納が解消されない状況が続く場合には、文書による催告を重ねて行うとともに、納税相談によるフォローアップを行っているところですが、応じていただけない方については、法律に基づいた財産調査に着手し、納税能力を調査いたします。 その後、自主納税の意思が確認できず、財産調査の結果、納税のための十分な資力があると認められた場合には、差押えなどの法的措置を取ることになります。 市税においては、公平・公正な賦課徴収が重要であり、今後も納税者の方々の事情に真摯に耳を傾けつつ、適切な滞納整理に取り組んでまいります。 最後に、(3)AIコール納税案内についてでありますが、本市の納税案内につきましては、岩国市納税確認センターにおいて、業務委託により3人体制で実施しているところであります。 業務内容としましては、現年課税分において納付期限内の納税が確認できていない方を中心に、電話や文書により早期の納税をお願いするもので、必要に応じて納付書の送付なども行っております。 この納税確認センターの令和5年度の実績としましては、4,922件の納税案内を実施しており、初期段階での徴収対策として効果を上げているところであります。 一方、他の自治体において、AIの分野における急速な技術革新を背景として、この技術を活用した納税案内が行われている事例があります。 議員御案内のAIコール納税案内は、このAIを活用した納税案内として、あらかじめ設定した相手に対して電話による案内を行うもので、一定の会話が可能であり、納税案内に限らず、市の業務に対する簡易な問合せの対応に活用している事例もあります。 しかしながら、会話が定型的な内容に限られ、きめ細やかな対応や臨機応変な受け答えができないとされています。 一方で、曜日や時間にとらわれることなく、効率的に多くの納税案内を行うことができるなどの利点があります。 市としましては、これまで実施してきた、人による丁寧な対応により一定の効果が上がっている中、さらなる収納率の向上に向け、新たな技術の活用を視野に入れつつ、今後の納税案内の体制について研究してまいりますので、よろしくお願いいたします。 ◎副市長(杉岡匡君)  第1点目の断らない相談支援体制の整備についてお答えいたします。 まず、(1)断らない相談支援を含めた重層的支援体制整備事業の概要についてでございますが、重層的支援体制整備事業は、地域共生社会の実現のための社会福祉法等の一部を改正する法律により改正された社会福祉法において創設され、令和3年4月1日から施行されております。 この事業が創設された背景には、少子高齢化や人口減少、世帯構造の変容などにより、福祉のみならず、様々な生活課題に対するニーズの複雑化や多様化が進んでいることが挙げられます。 また、地域でのつながりの希薄化が問題となる中で、社会的孤立を防ぎ、住み慣れた地域で自分らしく暮らすことができるよう、住民の身近な圏域で様々な相談に応じる包括的な支援体制を整備する必要が生じてきたことが挙げられます。 この重層的支援体制整備事業は、各市町村の任意事業となっており、厚生労働省によると、令和6年度における全国での実施予定自治体は346自治体で、割合にして2割弱、19.87%が行う予定となっております。 事業の概要といたしましては、3つの支援が必須となっております。 まず、1つ目が、属性や世代を問わず包括的に相談を受け止める「相談支援」で、アウトリーチによる支援もこの中に含まれます。 2つ目は、社会とのつながりや参加を支援する機能の「参加支援」で、就労支援のような既存の取組や既存の取組では対応できない隙間のニーズにも対応した支援となります。 3つ目としては、世代や属性を超えて交流できる場や居場所を整備する「地域づくりに向けた支援」で、住民同士の顔の見える関係性の育成支援等により、新たな参加の場が生まれ、地域の活動が活性化することが期待されます。 これら3つの支援を一体的に実施し、複合化・複雑化した支援ニーズに継続的に対応する、断らない包括的な支援体制の整備を進めるためには、各分野の関係部署が連携し、分野を超えた横断的な取組が必要となります。 また、本事業は、相談・地域づくり関連事業に係る補助等について、属性を超えた支援を円滑に行うことを可能とするため、国の財政支援により、本事業が実施される際には、高齢、障害、子供、生活困窮の各制度の関連事業について一体的な執行ができるよう、国の交付金が一本化されることになります。 次に、(2)重層的支援体制の構築に係る本市の現状と課題、方向性についてでございますが、本市において、今後、重層的支援体制整備事業にどのように取り組んでいくのか、関係各部署との十分な協議が必要であると考え、断続的に関係部署による庁内会議を行っております。 会議においては、制度の確認や各課それぞれの支援の現状、課題等の取りまとめ、他市における実際の取組事例などを基に意見交換を行っております。 その中で、外部組織や地域等にもどのように協力を促していくのかなど、事業の実施に向けての課題は多いと感じております。その辺りも含め、関係各所との連絡調整を行い、支援体制の整備について協議を重ねていく予定としております。 本市における方向性についてですが、市として既存の相談支援の取組を生かしつつ、相談者とつながり続ける包括的な支援体制の整備が必要であると考えております。 今後も、関係各部署と事業の実施に向けて、十分な協議を行ってまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆17番(奥江徳成君)  それでは、自席より順番を変えて税収の確保についてから再質問をいたします。 通告では、市税等の滞納状況と具体的対策及び実施状況についてということでありました。壇上では、市民税を中心に御答弁いただきましたので、初めに、国民健康保険料、介護保険料、市営住宅料、それから水道・下水道料の滞納状況と具体的対策について伺います。 ◎健康医療部長(神足欣男君)  健康医療部からは、国民健康保険料と介護保険料についてお答えします。 まず、国民健康保険料の収納状況についてですが、令和4年度の決算では、現年度分の収入済額は約23億800万円で、収納率が95.08%、滞納繰越分の収入済額は約1億4,800万円で、収納率が29.81%となっております。 次に、介護保険料の収納状況についてですが、令和4年度の決算では、現年度分の収入済額は約28億9,000万円で、収納率が99.7%、滞納繰越分の収入済額は約1,000万円で、収納率が26.39%となっております。 このように、ほとんどの方は納付期限内に納付をしていただいておりますが、納付期限内に納付がない方に対しましては、文書によるお知らせや電話、窓口、訪問等により納付相談を行っています。 なお、納付相談の際には、相手の事情をお伺いしながら、滞納解消に向けて実情に合った納付計画を立てていただいております。 また、それでもなお納付されないときには、保険証や保険給付に制限がかかることを伝え、納付相談の機会をつくりながら納付を促していきます。そして、最終的に自主納付が見込まれない場合は、財産調査を行い、納付のための十分な資力があると認められる場合には、差押えなどの法的措置を取ることとしております。 今後も、納付が困難な方については、事情をしっかりと聞きながら滞納整理に取り組んでまいりますので、よろしくお願いします。 ◎都市開発部長(内坂武彦君)  都市開発部のほうからは、市営住宅料の滞納状況と具体的対策についてお答えいたします。 市営住宅料の収納状況について、令和4年度決算の状況を概数で申しますと、現年分の収入済額が3億17万円で、収納率は98.75%、滞納繰越分の収入済額が394万円で、収納率は18.65%となっています。 このように、ほとんどの入居者の皆様に収納期限内に納付をいただいているところですが、納付期限内に納付をいただけない方に対しましては、文書によりお知らせし、それに続いて、電話や窓口、訪問等を通じて納付相談を行っているところでございます。 それでもなお滞納が解消されない状況が続く場合は、丁寧に催告を行い、最終的には住宅の明渡し請求など、法的措置を取ることになります。 いずれにいたしましても、市といたしましては、今後も、納付にお困りな方の様々な事情に丁寧に向き合い、滞納整理に適切に取り組むことで公平・公正な収納に努めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◎水道局副局長(竹嶋勇君)  水道局では、水道料金の収納状況について御説明します。 令和4年度決算の状況を概数で申しますと、現年度分の収入済額が16億6,900万円で、収納率は91.53%、滞納繰越分の収入済額が1億7,200万円で、収納率は98.76%となっております。 具体的な対策についてですが、納入期限までに納付のなかった使用者に対して督促通知書及び催告通知書を送付し、それでも納付いただけない場合は、現地へ赴き、納付を促すため、給水停止の期限を定めたお知らせを可能な限り手渡しております。最終的には、相手の状況等に配慮し、やむを得ず給水停止を執行しております。 水道局としては、引き続き、収納率の向上に取り組んでまいります。 ◎建設部長(村重総一君)  建設部からは、公共下水道使用料についてお答えします。 公共下水道使用料の収納状況につきましては、令和4年度決算の状況を概数で申しますと、現年度分の収入済額が7億4,282万円で、収納率は82.15%、滞納繰越分の収納済額が1億6,804万円で、収納率は84.52%となっています。 収納率の向上の対策につきましては、納付期限内に納付がない方に対しては督促状を送付し、督促状を発送しても未納の方に対しては、催告書により未納のお知らせをしています。また、あわせて、電話催告や個別訪問、窓口での納付相談を行っています。 こうした取組を粘り強く行い、それでも納付していただけない場合には、市税と同様に、法律に基づいた財産調査を行い、十分な資力があり自主納付の意思が見られない場合に限り、差押えなどの法的措置を取ることになります。 いずれにしても、根気強く適正な滞納整理に努めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆17番(奥江徳成君)  ほとんどの方に納付期限内に納付していただいているということは分かりました。しかしながら、令和4年度決算の市税滞納額は4億7,700万円になっているとお聞きしております。少ない額ではありません。 それでは、次に、総務常任委員会で視察に行った羽村市では、保育料、学童育成の少額なものについては、まだ一本化できていないけれども、市税、国民健康保険税、介護保険料、後期高齢者医療保険料については、収納は納税課で行っているということでした。岩国市においても、市民税や国民健康保険料等の滞納の情報を共有して、着実に早期解決につなぐ仕組みを庁内で構築すべきと考えますが、見解を伺います。 ◎総合政策部長(國廣光秋君)  本市におきましては、収納部門を担当しております収税課、保険年金課、下水道課、保育幼稚園課の本庁の4課におきまして、平成27年度に前身の未収金対策会議を立ち上げておりまして、その後、令和5年度に現在の収納部局情報共有会議に改名しまして、毎年、定期的に会議を開催しているところでございます。 こちらの収納部局情報共有会議におきましては、滞納者の状況につきまして具体的な情報を共有することで、滞納の早期解消につなげるとともに、各課共通の困難事案でありますとか滞納解消に向けました事例などにつきまして協議することで、担当職員のスキルアップも図っているところでございます。 なお、国民健康保険の保険料等の滞納分のうち特に高額の滞納案件につきましては、収税課に設置しております滞納整理室におきまして、市税と併せて対応しているところでございます。 今後も、こうした会議等を通じまして庁内連携を深めることによりまして、早期の滞納整理につなげてまいりたいというふうに考えております。 ◆17番(奥江徳成君)  国民健康保険料等のうち高額滞納案件については、市税と併せて対応しているということですけれども、高額滞納になる前に早い段階で対応することによって、当然、滞納が減ってくると思います。しっかりとした連携を図っていただき、今以上の早期の対応を期待しております。 それでは次に、この問題は後でやります、断らない相談支援体制の整備にも関連するのですけれども、熊本県玉名市や福岡県北九州市などの自治体において、ライフライン事業者等と滞納の早い段階で関係機関につなぐ仕組みを構築し、協定を締結している自治体があります。岩国市においても、こういう仕組みをつくるべきと思いますが、考えを伺います。 ◎福祉部長(中本十三夫君)  本市におきましては、現在のところは、まだライフライン事業者に特定した、生活困窮者を早期に発見・通報するための協定は締結しておりません。 しかしながら、本市では、一般の事業者が日常業務の範囲内において行政と連携する高齢者等見守り活動に関する協定を、高齢者支援課において平成26年から締結しております。現在、39の事業所と協定を結んでおりますが、この中には、ライフライン事業者として岩国市水道局も含まれておるところでございます。 これらの事業所は、高齢者等の異変を察知した場合に、地域包括支援センターに報告することにより、担当部署が速やかに必要な支援に結びつける仕組みとなっております。また、協定を締結していただいている事業者以外からの報告や、ライフライン事業者を含む債権者等への問合せも実際に行われているところでございます。 また、適宜開催しています生活困窮者自立支援法に基づく支援会議におきましては、関係機関で情報共有し、生活困窮者の早期発見や迅速な支援の開始等に努めておるところでございます。 今後につきましては、御本人からの相談をただ待つだけではなく、生活困窮の端緒をつかみ、できるだけ早期に必要な支援につなぐことが重要と考えておりますので、引き続き、対象者だけではなく、関係機関や地域の事業者への仕組みの周知に努めるとともに、先進事例の研究も行っていきたいと考えておりますので、よろしくお願いします。 ◆17番(奥江徳成君)  それでは次に、公平性の観点から滞納は許されないという姿勢を示すと、これは大変大事なことだと思います。ですが、滞納するには様々な理由や生活状況があると思いますが、そうした方に対してはどのように配慮されているのか伺います。 ◎総合政策部長(國廣光秋君)  壇上でも市長がお答えしましたとおり、納税相談のときには、相手方の御事情を丁寧にお伺いしまして、その上で、相手の状況に配慮しました実行可能な納税計画の策定に努めているところでございます。 議員御指摘のとおり、滞納には様々な理由がありますので、例えば、自営業者であれば事業の収支の状況でありますとか、債務の返済中の方であれば、その返済額であるとかをお聞きしたりしまして、生活状況の全般を踏まえた上で、生活のバランスを崩すことのないよう配慮しております。 また、災害や病気とか、事業に大きな損失を受けた場合など、やむを得ない事由があると認められるときには、延滞金の減免を適用するほか、財産に災害等を受けたり、事業の休廃止等があり納付期限内に納税することができないと認められるときには、納税者に納税資金の調達を図るための時間的余裕を与えるため、一定期間、徴収を猶予します――徴収猶予を適用しております。 さらに、滞納処分をすることができる財産がないときや、滞納処分をすることによってその生活を著しく窮迫させるおそれがあるときなどにつきましては、差押えなどの滞納処分の執行を一旦見合わせる執行停止を適用しているところでございます。 ◆17番(奥江徳成君)  悪質な滞納者でない方には、配慮しながら納税をしていただけるよう働きかけをしていただきたいと思います。 それでは、市民の皆様の利便性向上に向け、3月からクレジットカードなどによるキャッシュレス納入を始めていますが、この手数料について伺います。 ◎総合政策部長(國廣光秋君)  令和6年3月の1か月分の状況について申し上げますと、市税等の収納金額、こちらが合計で約33億円ございましたが、そのうちの約1,500万円がキャッシュレス決済によるものでございまして、その決済手数料につきましては約46万5,000円ということになっております。 また、令和6年度の年間の決済手数料の見込みでありますけれど、こちらにつきましては、窓口収納のうちの20%をキャッシュレス決済と想定しておりまして、金額的には約378万円を見込んでいるところでございます。 なお、一般的なクレジットカード等の決済手数料につきましては、決済事業者によって異なっておりますが、2.9%から3.34%ということになっております。 ◆17番(奥江徳成君)  視察に行った羽村市では、手数料については納税する方が負担されておるということでした。本市では、手数料については市で負担され、市民の利便性向上に向けて取り組まれているということで、頑張っていただいていると感謝しております。 この項の最後の質問になりますけれども、視察に行った東京都羽村市では、長期かつ安定的に歳入を確保していくことを目標に、納税者の納付環境の質を向上するため、クレジットカード定期納付(継続課金決済)を導入されておりますが、岩国市においても、市民の方の利便性を考え、導入してはいかがかと思いますが、見解を伺います。 ◎総合政策部長(國廣光秋君)  議員御提案のクレジットカードによります定期納付、クレジットカードによる自動払いということになりますけれど、こちらにつきましては、一般的に使われております口座振替、こちらは銀行等の自動引き落としということになりますけれど、こちらに比べますと、クレジットカード払いにつきましては、納税者にとりましては、カードのポイント還元があるとか、また、複数あります支払い日をカードの支払い日に一本化できるなどのメリットがございまして、納税意欲の向上につながる面もあるとは思われますが、市としましては、新たな手数料負担が発生するといったことにもなります。 市としましては、県内他市に先駆けまして、本年3月からPOSレジによる窓口でのクレジットカード決済を開始したばかりでございまして、まずはこうした利用者の動向でありますとか推移といったものを見極めた上で、納税者のニーズの把握に努めるとともに、費用対効果についても調べていきたいと考えているところでございます。 ◆17番(奥江徳成君)  県内他市に先駆けて、3月からPOSレジによる窓口でのクレジット決済を開始されたと、これは評価いたします。また、クレジットカード定期納付についても、他市に先駆けて導入していただきたいというふうに思っております。また、AIによる効率化と人によるきめ細やかな対応の両立ができますよう、よろしくお願いいたします。 それでは、相談支援体制の整備について再質問を行います。 先ほどの重層的支援体制の構築に係る本市の現状と課題、方向性についての答弁については、申し訳ないですが、ちょっとがっかりしたという思いがいたします。重層的支援体制整備事業は、各市区町村の任意事業になっていますが、これからの少子高齢化等を考えたとき、必要不可欠な事業であると考えております。 そこで、3つの事業について答弁がございましたが、この事業の整備に当たっての大事な点と大きな変更点としては、どういったことがあるのか伺います。 ◎福祉部長(中本十三夫君)  この重層的支援体制整備に当たっての大事な点と、また、大きな変更点についてということですが、まず、大事な点につきましては、この3つの柱、相談支援、参加支援、地域づくりに向けた支援が相互に補い合うことで成立しているということです。それぞれの支援が個別に存在するだけでなく、それぞれの相互作用が効果的に機能することで、全体としての包括的な支援が可能となります。その意味で、必ずしも全ての人が全ての支援にアクセスするわけではなく、その人の状況やニーズに応じて必要な支援に接することが重要であると考えております。 また、大きな変更点といたしましては、世代や属性を超えた対応の強化が挙げられます。これまでの支援体制では、年齢や生活状況などによって支援が分かれ、一部の人々が取り残されるという問題がございました。しかし、重層的支援体制整備事業では、包括的な視点から支援を提供するということで、より多くの人々が適切な支援を受けられるということが期待されます。 さらに、地域づくりに向けた支援に力を入れることで、住民同士の交流を促進することも大きな変更点です。これにより、地域全体の活動が活性化し、地域の絆を強化することが可能となります。 一方で、このような地域づくりは、長期的な視点から取り組む必要がありますので、継続的な支援が求められるところであるとも考えております。 ◆17番(奥江徳成君)  今、大事な点として、それぞれの相互作用が効果的に機能することで、全体としての包括的な支援が可能になる。また、この事業では、包括的な視点から支援を供給することで、より多くの人々が適切な支援を受けられることが期待されているという御答弁でありました。これはそのとおりで、これが重層的支援体制整備事業であります。 そこで、現在、総合的な課題を抱えている方の相談状況は、どのようになっているのか、また、それについての対応は、どのようにされているのか伺います。 ◎福祉部長(中本十三夫君)  これまでお受けした相談の中で、複合的な課題が判明した場合におきましては、庁内の他部署や、また、関係機関とも連携しながら相談支援を行っているところでございます。 このようなケースへの対応につきましては、課題の解決までに継続的な支援が必要である場合が多くありますことから、今後は、関係部署同士がさらに連携を取りやすい環境を整え、部局横断的な体制づくりを進める必要があると考えております。 その一方で、個人情報の取扱いなどの問題、例えば、支援担当課以外が不要な個人情報を知ってしまうという懸念もございますので、慎重な対応を心がける必要があると考えているところでございます。 ◆17番(奥江徳成君)  関係部署同士がさらに連携を取りやすい環境を整えて、部局横断的な体制づくりを進める必要があると考えておられるということですので、しっかりと考えていただきたいというふうに思います。 それでは、庁内会議で現状・課題等の取りまとめを行っているということですが、どのような課題が出て、それに対してどのような対応をされたのでしょうか、伺います。 ◎福祉部長(中本十三夫君)  課題についてということでございますが、まずは相談支援についての体制をどのようにしていくべきなのかということをテーマにしまして、壇上の答弁にもございましたが、外部組織や地域等にもどう協力を促していくのかといったことや、岩国市ではどのような形で整備していくのかといったことについて、関係各部署と検討を行っているところでございます。 対応については模索中ではありますが、今後も引き続き検討を進めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆17番(奥江徳成君)  もう少しほかのこともあるのかなというふうに思っておりましたが、あまり進んでいないのかなというふうに感じました。 次に、今年度、346自治体で重層的支援体制整備事業が実施されております。他市における実際の取組事例などを基に意見交換を行ったとありましたが、どのような取組を基に意見交換をしたのか伺います。 ◎福祉部長(中本十三夫君)  厚生労働省が全国の本事業の実施自治体の取組事例を紹介しております。その中で、岩手県盛岡市などの体制を参考にしまして、それを岩国市に置き換えた際に実施が可能かどうか、また、今後どのように取り組んでいけばよいのかといったことについて、庁内で意見交換を行っているところでございます。 ◆17番(奥江徳成君)  今、実施している各自治体では、それぞれ抱えている問題、今までの形態、既存の施設・事業、そんなものを踏まえながらやっておられるわけです。当然そこには、やってみて、これはできる、できないということもあるとは思いますが、それでも前向きに今の皆さんのニーズを酌み取って実施されているわけです。岩国市も、岩国市独自の重層的支援体制整備事業をどう構築していくのか、考えていただきたいというふうに思います。 次に、各種会議等で連携することはもちろんですけれども、断らない総合的な相談窓口があればスムーズな支援につながるのではないかと思います。市民の多様性、そして困り事の多様化に応じられるよう、今ある制度を使いつつ、断らない相談窓口設置に向けての取組を進めるべきと思いますが、考えを伺います。 ◎福祉部長(中本十三夫君)  議員御提案のとおり、総合的な相談窓口があるということは、市民の立場から見ればスムーズな支援につながり、市民満足度の向上にもつながるものと考えております。さらに、庁内会議の中でも総合相談窓口を設置することが望ましいのではないかという意見も確かに出ております。しかしながら、現状におきましては、この総合相談窓口に充てる人員の確保などの問題もありまして、岩国市で実施するには現実的ではないのではないかという意見もあるところでございます。そこで、例えば既存の窓口で所管以外の相談も受けることができるような体制をつくりまして、他部署や関係機関との連携を強化することで、総合的な相談窓口と同様な機能が果たせるような体制づくりということも一つの案であるというふうに考えております。 いずれにしましても、この断らない相談窓口の設置につきましては、今後の課題といたしまして検討を行っていきたいと考えておりますので、よろしくお願いします。 ◆17番(奥江徳成君)  地域共生社会の実現のための社会福祉法等の一部を改正する法律により改正された社会福祉法において、重層的支援体制整備事業が、先ほども言いました、令和3年度から施行されて3年たちます。重層的支援体制整備事業は、市町村の任意事業になっており、岩国市においてあまり進んでいないというふうに感じております。重層的支援体制整備事業を進めていただくために、市長の御見解を伺います。 ◎市長(福田良彦君)  多様化する困り事に応え、属性や世代を問わない相談を受け止めるに当たりましては、やはり高齢、子供、障害、精神保健、生活困窮などに関する知識とスキルが必要となることから、包括的な相談支援を行うときには、やはり庁内連携の強化が何よりも重要であるというふうに考えております。また、これはやはり優先的に取り組んでいかなければならないとも同時に考えております。 議員御質問の重層的支援体制整備事業でありますが、これにつきましては、今後もこの事業の実施に向けて、十分な協議を行いながら既存の制度も生かしつつ、断らない相談支援体制の整備について引き続き検討してまいりたいと思っていますので、よろしくお願いしたいというふうに思います。 ◆17番(奥江徳成君)  ありがとうございました。重層的支援体制整備事業は、繰り返しになりますけれども、これからの少子高齢化社会等を考えたときに必要不可欠な事業であると思います。これからも一般質問でしっかりと取り上げてまいりたいというふうに思っております。 以上をもちまして、一般質問を終了いたします。 ○副議長(松川卓司君)  以上で、17番 奥江徳成君の一般質問を終了いたします。 3番 長岡辰久君。 ◆3番(長岡辰久君)  日本共産党市議団の長岡辰久です。今、朝ドラの「虎に翼」というのが大変好評だというふうに伺っております。日本で初めて女性弁護士と女性判事になった三淵嘉子さんをモデルにしたもので、主人公の口癖が「はて」です。今の岩国市の「はて」を通告に従い3点質問いたします。 1点目、重要土地等調査法に基づく「注視区域」及び「特別注視区域」の指定について伺います。 (1)制度の周知について、(2)財産権やプライバシーの保護について。 2点目、中学校教科用図書岩国採択地区協議会の場での誤った発言について。 (1)過去2回の場での委員の誤りの原因とその対策について、(2)静ひつな環境で市民に開かれた協議会にすることについて、(3)市民の声を反映することについて。 3点目、いこいと学びの交流テラスについて。 (1)工事による環境被害についてです。 まず、1の重要土地等調査法に基づく「注視区域」及び「特別注視区域」の指定について伺います。 同法は2021年6月16日未明、自民、公明、維新等の賛成で可決し、6月23日に公布されました。日本共産党は、安全保障上の懸念を持ち出せば何でも通ると言わんばかりに、基本的人権を脅かし、市民監視を強めるとして反対しております。私は、同年9月7日、市議団を代表し、重要土地等調査法の前身であります土地利用規制法について質問をしております。市長は、具体的内容は決まっておらず、現段階において国からも詳細についての説明もなく、本市や市民への影響が具体的にどのようなものになるかもはっきり申し上げることはできませんと答弁しています。2024年4月12日、新たに岩国市の3か所が特別注視区域に、2か所が注視区域に指定され、5月15日に施行されております。 資料1を提示してください。これは内閣府のホームページから取ったものです。岩国基地に係る指定部分です。愛宕小学校区、川下小学校区はほとんど、平田小学校区、東小学校区、麻里布小学校の相当な部分が指定されております。世帯数にして1万世帯を超え、人口で2万人以上の市民が対象になっていると考えられます。 資料2の提示をお願いします。これも同じように内閣府のホームページですが、岩国高等学校のグラウンドの半分が対象になっております。詳しくは内閣府のホームページを御覧いただければと思います。ありがとうございました。 4月24日、市長は定例会見で、市民の理解が得られるよう制度の周知にしっかりと取り組んでいきたいと言っております。5月1日付の広報いわくにに同法のことが掲載されておりますけれども、5月15日、テレビの報道で、街頭で4人にインタビューをしておりますけれども、4人全員がこのことを知りませんでした。制度の周知について質問をいたします。 次に、財産権やプライバシーの保護について伺います。この調査法の第7条は、関係地方公共団体の長などに注視区域内の利用者などの氏名、住所、本籍、国籍、生年月日、連絡先、性別の提供を求めることができるとしております。本人の了解なく、このような個人情報を国が取得することは、明白なプライバシー権の侵害ではありませんか。岩国市個人情報保護条例に反していませんか。 また、同法第9条では、内閣総理大臣は、注視区域内においては機能を阻害する行為の用に供し、またはそのおそれがあるときは、行為の用に供しないこと、その他の措置を取ることを勧告できるとし、同条第2項では、勧告に従わない場合は、勧告に従うように命ずることができるとされ、それに違反すれば2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金という重罰が科されます。これは憲法で保障される財産権の侵害であり、加えてあまりにも重い刑罰の重さではないでしょうか。国民を刑罰で威嚇するものではありませんか。 さらに、同法第13条では、特別注視区域内にある200平方メートル以上の土地・建物を売買等するときには、事前の契約の届出を強制し、これに違反した場合は懲役刑などの重い罰則が定められています。この点においても、財産権の侵害であることは明白です。財産権やプライバシー権の保護について質問いたします。 次に、2の中学校教科用図書岩国採択地区協議会の場での誤った発言について伺います。 教育委員会の大事な任務であります教科書採択の場で、委員の事実誤認の発言があり、それを訂正することもなく採択されるという、あってはならないことが2回も連続で起きております。市民の監査請求に対しまして、岩国市監査委員から、教科書の採択は、厳密な調査研究を踏まえた上で、公正性・透明性に疑念を生じさせることのないように適切に行われることが適切である。そのような中で、事実誤認の発言があり、それを看過したことにより疑念が生じたことは誠に遺憾であると意見されております。市教育委員会の権威と信頼を失墜させる重大な事態だと考えます。このような認識が教育委員会にありますか。2024年度の教科書採択は既に始まっておりますが、過去に2回の採択協議会の場での誤った発言について伺います。 最後に、3のいこいと学びの交流テラスについての(1)工事による環境被害について質問いたします。 藤生地区にあった旧国病跡地にハード面だけでも約119億円のお金をかけまして、令和7年度末の完成を目指し工事が行われております。周辺の方々は、工事による騒音、粉じん、振動などの被害に耐え、我慢して日々暮らしております。それは旧国病の解体が始まったときから続いております。洗濯物が外に干せなくなった、粉じんでアレルギーを発症し、医者にかかっているなどの悲鳴にも似た声が寄せられております。工事に伴う環境被害への対策とその効果について質問をいたします。 以上で、壇上での質問を終わります。 ◎市長(福田良彦君)  長岡議員御質問の第1点目の重要土地等調査法に基づく「注視区域」及び「特別注視区域」の指定についてお答えいたします。 まず、(1)制度の周知についてでありますが、重要施設周辺及び国境離島等における土地等の利用状況の調査及び利用の規制等に関する法律、いわゆる重要土地等調査法は、我が国における安全保障上重要な施設や国境離島等の機能を阻害する土地や建物の利用を防止するため、令和3年6月23日に公布され、令和4年9月20日に全面施行されました。 この法律では、重要施設の周辺や国境離島等を注視区域や特別注視区域として指定し、国において区域内の土地や建物の利用状況等の調査を行い、重要施設や国境離島等の機能を阻害する行為が認められた場合には、土地等の利用者に対し、その行為の中止等の勧告や命令を行うものとされております。 注視区域に指定される区域としましては、重要施設である防衛関係施設や海上保安庁の施設、原子力関係施設、空港が立地する敷地の周囲おおむね1,000メートルの区域内や国境離島等の区域内において、土地等が機能阻害行為の用に供されることを特に防止する必要があるものとされております。 また、注視区域に係る重要施設や国境離島等の機能が特に重要な場合や、その機能を阻害することが容易であり、代替が困難な場合においては、その区域を特別注視区域として指定することとされております。 この特別注視区域内で、面積が200平方メートル以上の土地や建物を売買する場合などにつきましては、国に対する事前の届出が必要とされています。 本市においては、本年5月15日に、艦艇装備研究所岩国海洋環境試験評価サテライトと祖生通信所の周囲おおむね1,000メートルの区域内が注視区域に指定されています。 また、岩国航空基地、岩国飛行場と美川送信所、銭壺山無線中継所の周囲おおむね1,000メートルの区域内が特別注視区域に指定されています。 議員御質問の制度の周知についてでありますが、国において、内閣府のホームページやリーフレットによって、法律に基づく各種措置の趣旨や区域の範囲、届出手続等について周知が図られています。 また、コールセンターを設置の上、地域住民や事業者の方々からの問合せに対応されているところであります。 市におきましては、市のホームページに内閣府からのお知らせとして、法律の概要や区域の指定の内容、国の問合せ先などを掲載しており、先月1日号の広報いわくにでは、本市における区域の指定についてお知らせしたところであります。 また、窓口などで国のリーフレットを配布するほか、山口県宅建協会岩国支部に対して、法制度や区域の指定について情報提供を行ったところであります。 引き続き、市民の皆様の理解が進むよう、より分かりやすい方法などを検討しながら周知に努めてまいります。 次に、(2)財産権やプライバシーの保護についてでありますが、議員御案内のとおり、注視区域や特別注視区域の指定により、区域内の住民の財産権やプライバシーなどが侵害されるのではないかといった不安の声があることも承知しているところであります。 重要土地等調査法では、注視区域や特別注視区域内にある土地等で機能阻害行為が行われることを防止するため、国は土地等の利用状況について調査を行うこととされています。 また、調査において必要がある場合は、不動産登記簿や住民基本台帳などの公簿等を収集することができ、保有する関係行政機関等に対して情報の提供を求めることができるとされています。 この情報提供の求めを受けた関係行政機関等は、国に対してその情報を提供するものとされています。 市に対して提供を求められる情報としましては、法令で氏名または名称、住所、本籍・国籍等、生年月日、連絡先及び性別と明示されております。 国においては、この調査に当たって、土地等の利用者等の思想や信条等に係る情報を含め、その土地等の利用には関連しない情報を収集することはないとされています。 また、先ほど御説明したとおり、特別注視区域内においては、土地や建物の売買等の際、事前の届出が必要となる場合があります。 しかしながら、その取引自体を規制するものではなく、機能阻害行為が確認された場合に、その行為をやめるよう勧告・命令等の措置を行うものであることから、一般的な生活や事業活動に影響を及ぼすものではないとされております。 市としましては、この調査は対象区域内の土地や建物が機能阻害行為の用に供されることを防止するために、必要最小限度の範囲で実施されるものであり、財産権やプライバシーなどが侵害されることがないよう、国の責任において、適切に実施されるものと理解しているところであります。 今後も、法の趣旨に基づき、国の事務手続にのっとって適切に対応してまいりますので、よろしくお願いいたします。 ◎教育長(守山敏晴君)  第2点目の中学校教科用図書岩国採択地区協議会の場での誤った発言についてお答えします。 まず、(1)過去2回の場での委員の誤りの原因とその対策についてですが、誤りの原因としては、中学校社会歴史的分野の教科書採択において、これまでも御説明したとおり、事務局の確認不足及び、委員に対する資料の提供が不十分であったと考えています。 対策としましては、新旧の教科書担当者だけで業務の引継ぎを行うのではなく、令和2年度以降の教科書担当者や今年度の協議会事務局職員が共に打合せを行うことで、情報を共有し、再発防止に努めています。 また、協議会では、令和6年2月1日文科省の通知文「令和6年度における義務教育諸学校用教科書の無償給与事務の適正な処理について」を提示し、社会歴史的分野や地理的分野のように、第1学年で給与した教科書を複数の学年で継続して使用するものや、国語や数学のように学年ごとに教科書を給与するものなど、各教科用図書の種類と給与形態を確認することとしています。 加えて、協議会にオブザーバーとして研究調査員の長に出席を依頼し、専門的な視点で、委員の発言内容や事務局の対応について確認できる仕組みづくりも検討しています。 さらに、協議会終了後は、速やかに議事録を作成し、協議会での発言に誤りがないかの確認を複数の事務局職員で行い、公正性・透明性に疑念を生じさせることのないよう取り組んでまいります。 次に、(2)静ひつな環境で市民に開かれた協議会にすることについてですが、教科書採択に係る会議を行う際は、静ひつな審議環境の確保等の観点から、外部からのあらゆる働きかけに左右されることがないよう、協議会や調査研究を非公開としています。 市民に開かれた協議会にするために、委員に保護者代表を加え、保護者の意見がより反映されるように努めています。 また、これまでも採択された教科書の発行者を市ホームページで公開してきましたが、今後は採択した理由を公開することも検討してまいります。 最後に、(3)市民の声を反映することについてですが、より幅広い視点からの意見を反映させるために、保護者等の意見を踏まえた調査研究の充実に努めることが重要と考えています。県教育委員会が指定している教科書センター4か所に加え、市教育委員会が独自に錦中学校と美和中学校で教科書展示をしています。各学校の展示期間には学校公開週間も含まれており、より多くの保護者や地域住民に御意見をいただけるように工夫しています。 本年度は展示会終了後に意見を集約するのではなく、協議会ごとにお寄せいただいた御意見を委員に迅速に提示することにしています。 こうした取組を行うことで、前回の採択より改善されると考えておりますので、よろしくお願いします。 ◎都市開発部長(内坂武彦君)  第3点目のいこいと学びの交流テラスについての(1)工事による環境被害についてお答えします。 黒磯地区の岩国医療センター跡地に整備するいこいと学びの交流テラスは、誰もが支え合う地域支援と交流のまちを基本方針に掲げ、福祉・科学学習施設を中核施設とし、ふれあい交流施設、自然交流施設、健康増進施設などを配置した総合的な福祉交流のまちづくりを目指しています。 この区域は、約9.4ヘクタールの広大な敷地で、中央を流れる上浜川の北側と南側に大きく2つのエリアに分かれています。 まず、北側には、スポーツ活動やウオーキングなど様々な用途に利用できる健康増進施設エリアの整備を計画しています。 次に、南側は、丘陵地のひな壇状の地形を生かし、海側から順番に、屋内施設と連携し、各種イベントに利用できる芝生広場や展望デッキを配置したふれあい交流施設エリア、本まちづくりの中核を担う屋内施設として、福祉機能と科学学習機能を有する福祉・科学学習施設エリア、ビオトープなどを設けた自然交流施設エリアの整備を計画しています。 この整備の工事進捗状況については、造成工事を令和3年度から令和5年度まで行いました。 現在は、いこいと学びの交流テラスの福祉・科学学習施設の建築工事なども始まり、建物基礎の地盤改良工や区域内の道路などの工事を行っています。 あわせて、この区域の周辺道路の改良工事も行っています。県営住宅前の道路や南側の市道黒磯町27号線については、おおむね完了し、現在は北側の市道黒磯町1号線について、迂回路用の仮設道路の工事を行っており、その後、道路改良工事に着手する予定です。 この区域では、大小様々な工事が行われている一方、周辺には黒磯団地などの住宅地に隣接しており、中洋小学校や灘中学校も近いことから、工事用車両の交通安全対策や粉じん、騒音、振動、濁水などの環境対策に十分配慮しながら工事を行っています。 その対策については、まず交通安全対策ですが、原則、朝夕の通勤、通学時間帯を避けて工事用車両の入退場を行うことや、出入口に交通誘導員を配置するなどの安全対策を行っています。 次に、粉じん対策ですが、飛散防止のため、適宜散水を行うことや、区域内を走行する工事車両の速度制限を行うなどの対策を行っています。 そして、騒音、振動対策ですが、騒音規制法や振動規制法などの法令を遵守することはもとより、建設機械を低騒音型とするなどの対策を行っています。 また、住宅地に近い場所でのコンクリート擁壁の取壊しは、運搬できる大きさの塊を住宅地から離れた場所に運び、そこで細かく砕いて搬出するなど、騒音や振動を軽減する対策を考えています。 最後に、濁水対策ですが、濁った雨水などを直接河川や水路へ流出させないように、区域内に設けたため池から放流するなどの対策や、影響の大きい上浜川の河口では、濁った水が海域へ大きく広がらないよう汚濁防止膜の設置も行っています。 こうした交通安全対策や環境対策を行いながら、これからも工事を進めていくこととしていますが、あわせて、それぞれの工事の内容や影響の大きさなどを把握し、周辺住民の方々に対して、影響を小さくできるよう配慮した丁寧な対応を心がけた施工方法で行いたいと考えています。 また、これまでは、工事の内容を案内チラシなどでお知らせしてきましたが、今年4月からは、より工事の進捗や内容などを分かりやすくお伝えするために、新たにいこいと学びの交流テラスニュースを発行しているところです。 市といたしましては、引き続き、安全第一に工事を進めるとともに、周辺の環境対策に配慮し、住民の方々へ寄り添った対応を心がけ、令和7年度末のいこいと学びの交流テラスの完成を目指して取り組んでまいりますので、よろしくお願いいたします。 ◆3番(長岡辰久君)  それでは、自席より順不同で質問をさせていただきます。 まず、3番のいこいと学びの交流テラスについて質問をさせていただきます。様々な努力をしていると答弁をされていますが、現実は壇上で述べたとおりでございます。現地を視察し、地域の方から御意見を頂き、写真も撮らせていただきました。資料4の提示をお願いします。今あそこにありますけれども、工事用車両がかなり所狭しとまではいきませんけれど、かなり工事が進んでおります。大型の機械で工事が進められているのが分かると思います。資料5を提示してください。これは近くの方の郵便ポストですね、名前が分かるといけないので、ちょっと加工していますけれども、家を見ていただければ分かるんですが、これはひさしの中なんですね、ひさしの中だけれど、あんなにほこりをかぶっているんです。この家主は掃除をしていないからと恐縮されておりますけれども、明らかに工事によるものだと思っております。ありがとうございました。 対策は十分と考えていらっしゃるでしょうか。 これから夏を迎え、暑い季節がやってまいりますが、7月から電気代も上がると報道されております。窓を開ければ、粉じんや騒音で窓を開けることもままなりません。地域は高齢の方がたくさん生活をされていらっしゃいます。これから夏に向けて、どのような対策をされるのか、簡単に説明してください。 ◎都市開発部長(内坂武彦君)  確かに工事をするからには、周りの方にいろいろな迷惑がかかっているかと思います。 夏とは言わず、先ほど壇上でも答弁いたしましたけれど、今行っています交通安全対策を含めた環境対策を継続して、当然、夏であれば適時散水ということで申し上げましたけれど、散水の回数を増やすとか、そういった工夫できる対策を現場条件に応じて取り入れながら、周辺の自治会の住民の方々に寄り添った対応を心がけて、工事のほうを行ってまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。 ◆3番(長岡辰久君)  今、部長に答弁していただきましたけれども、随時点検をしていただいたり、大きな工事、そういうときには自治会の皆さんとも、自治会などとも連絡をしていただきまして、また適宜、自治会の皆さんの意見を聞くとか、住民の方に理解していただいて、市も努力しているという姿勢を見せていただきたい、このようなことを要望したいと思います。 それでは、この項を終わりまして、重要土地等調査法につきまして、質問をさせていただきます。 この重要土地等調査法ですけれども、壇上でも言いましたけれど、あまり知られていないと思うんです。今、市長が壇上でも言われましたけれども、広報いわくにに載っているからと私も見ましたけれども、ちょっとどこに載っておるんかいのうというぐらい扱いが小さいというんですかね、15ページに載っておりますが、ちょっと小さいんじゃないか。さらに、内閣府が出しておりますリーフレットですね、これを見ました。なかなかこれを見ても、何がどうなるのかというようなことがあまり詳しく載ってはおりません。周知の努力をしなければいけないというふうになっております。まず、周知の問題ですけれども、岩国市には国から周知について協力を求められると承知しております。現状は極めて不十分だと私は思っております。論語に「知らしむべからず、由らしむべし」というのがありますが、今は論語の時代ではありません。提案ですけれども、市報において再度分かりやすく地図等で示していただきまして、国が示す法の概要、リーフレットがありますけれども、そして私が壇上で言いましたけれど、これを守らなければどうなるのかというようなことも触れていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ◎総合政策部長(國廣光秋君)  こちらの制度の周知の方法ということでお答えいたしますが、市といたしましては、先ほど市長が壇上で答弁しましたとおり、国の要請に基づきまして、これまでも広報いわくにでありますとか、ホームページへの掲載、またリーフレットの設置といったことで、制度の周知に努めてきたところでございます。ですが、市民の多くの皆様に対しまして、こうした制度に関します十分な理解が進んでいるのかといえば、まだまだ十分なものとは言えないのではないかというふうに考えておりますので、さらなる周知につきまして、この場でどういった方法が効果的かということはまだ申し上げられませんが、具体的な方法についてはまだお示しはできませんが、今後引き続き検討してまいりたいと考えております。 ◆3番(長岡辰久君)  これから検討するということです。それでは、この市報にはありますが、ちょっと私は気になったことがあります。特別注視区域内にある面積が200平方メートル以上の土地、建物を売買するなどの際には、事前の届出が必要になりますと、こう書いてあります。必要となりますと、これをもし忘れていたり、届出をしなかった場合はどうなるのかというのをお示しください。 ◎総合政策部長(國廣光秋君)  特別注視区域内での届出について御説明いたしますが、届出の対象となりますのは、所有権またはその取得を目的とします権利の移転または設定をする権利となっておりまして、具体例といたしましては、売買、贈与、交換などの契約が示されておりますが、借家等の賃貸借契約や相続による所有権移転などは対象外とされております。 国におかれましては、こうした届出が円滑に行われるよう様々な取組をされているところでございます。例えば、制度の趣旨や具体的な手続等について周知、広報を的確に実施することや、届出の様式をできるだけ簡素化した上で、その記載マニュアルを作成、公表するとともに、届出に係るQ&Aを公表すること、また、オンラインによる届出を可能としまして、届出手続の負担軽減及び利便性の向上を図ること、また、宅地建物取引業法に基づきまして、宅地建物取引士に重要事項の一部として説明させることを義務づけるなどの取組をされているところでございます。また、事前の届出をしなかった場合につきましては、法律では6か月以下の懲役または100万円以下の罰金に処するとございますが、国からは、仮に事前の届出を忘れてしまった場合などにおきましては、速やかに相談していただきたいというふうにされております。 ◆3番(長岡辰久君)  今、答弁がありましたけれども、この法律の第7章、罰則というのがありまして第26条にあります。6か月以下の懲役または100万円以下の罰金、要するにこういう罰則があるわけですね、ちょっと私も調べてみてびっくりしましたけれども、宅建業者とかこの方々には説明されているかもしれませんが、こういう中身だよということは、やはり知らすべきじゃないかと思います。 2点目です。プライバシーの件の問題について伺います。答弁にありましたけれども、氏名とか住所、このような情報を国が市に対して情報提供が求められるとされますけれども、これは岩国市に、先ほど言いましたけれども、岩国市の個人情報の保護条例に基づき、本人の同意が求められるべきじゃないかと私は考えておりますが、いかがですか。 ◎総合政策部長(國廣光秋君)  国のほうから提供を求められます個人情報につきましては、法律で規定されているとおり、氏名または名称、住所、本籍・国籍等々になりますけれど、こういったものに関連しない情報を収集することはないとされているところでございます。また、収集しました情報につきましては、個人情報の保護に関する法律第69条第1項の規定、法律に基づく場合に該当しますため、本人の同意を得ることなく対応していけるものというふうに考えております。 ◆3番(長岡辰久君)  岩国市の個人情報保護条例は、1番が本人の同意があるとき、2番、法令等の規定に基づくとき、3番、個人の生命、身体、健康、財産または生活を保護するため、緊急かつやむを得ないと認めるとき、このようにずっとあるわけですね。これは今、部長が言いましたけれど、法令でこの個人情報を集めることができると、このような法律なんですね。この法律というのは、有事法制なんです。こういうふうに考えると、憲法第9条の関係で違反のおそれがある法律なんです。日本弁護士連合会もきちんと言っております。また思想、信条の自由とか、この財産権の自由を侵害するおそれがあります。憲法違反が疑われる法律なんです。そのような法に基づき、市民の同意なく個人情報を提供するということは、岩国市の個人情報保護条例の趣旨に反すると言わざるを得ないと思っています。岩国市として本人の同意の下に情報提供が行われるべきだと考えております。再考を求めておきたいと思います。 3点目です。指定の範囲につきまして伺います。 今回の指定については、愛宕山の住宅、スポーツ施設が重要施設とされております。この法の第5条は、重要施設の施設機能を阻害することを防止するために区域指定するとしております。施設機能とは、法の第2条第4項第1号におきまして、我が国を防衛するための基盤としての機能と定義されています。愛宕山の家族住宅やスポーツ施設は、防衛するための基盤とは言えないのではないでしょうか。住宅やスポーツ施設を重要施設として区域指定されることにつきまして、撤回を国に求めるべきではないかと考えますが、いかがですか。 ◎総合政策部長(國廣光秋君)  重要施設の中に生活関連施設が含まれているといったことでございますけれど、法においては重要施設として生活関連施設も規定されておりまして、その指定は政令で定めることとされております。また、法の施行令におきましては、原子力関係施設と空港が明記されているところでございます。注視区域等の指定に当たりましては、国のほうで基本方針にのっとり、適切に対応されているものと理解しているところでございます。 ◆3番(長岡辰久君)  今、国が指定したんだということを言いましたけれども、生活関連施設――防衛省の市ヶ谷庁舎というのがあります。防衛省の市ヶ谷庁舎、これは注視区域なんですよ。だけれど、周りは特別注視区域になっている、このようなダブルスタンダードになっているんですね。特に岩国市の場合は、特に指定する場合に注意しなければいけないのは、経済的な面、経済に及ぼす影響、これもちょっと勘案しなければいけないというふうに書かれております。岩国市では、愛宕周辺ですね、すぐには影響は出ないかもしれませんが、土地の売買とかそういう面に大きな影響が出るんじゃないか、そのように考えております。 これの基本方針にも――基本方針の第4の3では補償のことが書かれておりまして、このように書かれております。土地等の利用が制約され、財産権について、特別の犠牲が生じることがある、このようにちゃんと基本方針に書いてあるんですよ。ということは、特別指定されると財産権とかそのようなことが脅かされるというか、このように書かれているわけですね。このような面から考えましても、今、愛宕のスポーツ施設とか住宅は、それに当たらないんではないか、重要施設に当たらないんではないかと私は考えるんですが、いかがですか。 ◎総合政策部長(國廣光秋君)  このたびの指定につきましては、国のほうで決められたものでございまして、その辺の決まった経緯というのは承知しておりませんが、法の目的を踏まえまして国のほうで適切に対応されているというふうに思っております。 ◆3番(長岡辰久君)  一度指定されたからといっても、指定を外すということはできるんです。ちゃんと書いてあります。それで、そういう意見を上げてはどうかということを私は言っているわけですね。国はそういうふうに言ったかもしれないけれど、市として何も言えないということはないわけです。では、市長にお伺いします。注視区域とか特別注視区域に指定された地域は、土地の価格や固定資産税の評価額、この下落に影響があるんじゃないかと私は考えておりますが、どのように考えていらっしゃいますか。見解を伺いたいと思います。
    ◎審議監(村田光洋君)  まず、そもそもこの重要土地等調査法は土地の売買を制限するものではございませんので、土地の売買に影響はない、要するにどういったものを利用する、重要施設に阻害行為を行うような利用があることを規制する、まさに重要施設――原発とか基地とかに対して様々な攻撃あるいは阻害行為、例えば高いところから監視するとか、地下に穴を掘って原発施設の中に入っていくとかそういった土地を利用する、それを規制する法律です。いわゆるセキュリティークリアランスを高める、こういった趣旨ですので、その辺はよく御理解願いたいというふうに思います。 ◆3番(長岡辰久君)  今、審議監が言ったことは、ちゃんと法律の中にも、それから、このリーフレットの中にも赤字でちゃんと書いてあります。そういうことも含めて、やはり私が思うのは土地の評価額が下がるのではないか、私は土地の専門家ではありませんけれども、一般的に考えているわけですが、いかがでしょうかということをお尋ねしております。 ◎審議監(村田光洋君)  答弁にもありましたように、事前に宅建協会の方々とか商工会議所の方々から意見も聴取して、そういったおそれはないということは、そういった取引業者からも意見を聞いて、我々は問題ないというふうに判断しております。まさにこれは利用を制限する法律ですので、土地の売買を規制するものではございません。 ◆3番(長岡辰久君)  それでは、残り時間が少なくなりましたので、最後のところに行きたいと思います。 それでは、教育長にお尋ねしたいと思います。まず、なぜかといいますと、やはり認識を知りたいから教育長にまず最初お伺いしたいと思います。本市の大前提になると思いますので、本市の教育は何に基づいて行われるのか、2つあると思うんですけれども、それから、2つ目は教育委員会は長から、いわゆる市長から独立した行政委員会の一つなんですね。私がるる言うことはありません。なぜ教育委員会は行政委員会なのか、このことにつきまして、答弁をお願いします。 ◎教育長(守山敏晴君)  どういった法律とかに基づいておるかどうかですけれども、日本国憲法と教育基本法が基本であります。どうして教育行政が独立しておるかということですね、これはいかなる支配にも属さないというか、政治的圧力とか宗教いろんなものに対して独立した組織であるということで、教育はそういった組織になっているということでございます。 ◆3番(長岡辰久君)  そのとおりですね。行政委員会、要するに憲法と教育基本法に基づいて教育行政は行われると、これは改正された教育基本法にもちゃんと書いてあります。それから行政委員会、なぜ政治と教育は分離しなければいけないのか、これは私がるる言うことはありませんが、これは戦前に国家と教育が一体化していって大変なことになりましたね。この反省から教育委員会は行政委員会になっているんですね。長から独立した、いわゆる市の教育行政から独立したものにならなければいけないと書いてあるわけです。ある政治家がこのように言っております。教育に政治がタッチしてはいけないのかと言えば、そんなことはないですよ、当たり前じゃないですか。市長が非常に教育について強い信念を持っていれば、その信念に基づいて教育委員を変えていくんですよ。例えば、あの横浜で育鵬社の教科書が採択されているのは驚きなわけですよ。相当な決意を持って一人一人、順次、教育委員に自分たちが決めようという強い意思を持っている人に変えていった結果なんです。それができている地域だってあるんですよと、このような発言をする政治家がいらっしゃるんですね。私は、これは今、教育長がおっしゃいましたことに反していると思います。 それでは、具体的にお聞きしようと思います。令和6年3月29日付で各都道府県教育委員会教育長宛てに文書が出されております。教科書採択における公正確保の徹底等についてという通知を出しております。この中で、時間がありませんので私が答えを言いますけれど、公正性・透明性に疑念を生じさせることのないよう適切に行われることが必要であることはもとより、採択権者である教育委員会や学校長は、採択結果やその理由について、保護者や地域住民等に対して説明責任を果たすことが重要となります、このように書かれています。これはいいですよね。 ではお伺いします。間違いがないようにチェックをするというふうに答弁されました。もし万が一ですよ、万が一間違いがあったら、見つかったら、再び採択協議会を開くんですか。どのようにするかということですね。 ◎教育長(守山敏晴君)  今そうならないような方策を考えて、和木町教育委員会、岩国市教育委員会と話し合いながら取り組んでおるところでございますけれども、その中で今回は、採択協議会に各教科の研究調査代表の方にも入っていただいて、その内容を聞いていただくということもやっております。その上でもミスがあったというときについては、それがどのように影響があったかということをまた確認して、どう対応するかはまた判断してまいります。最悪の場合には、またもう一回開き直すということも考えております。 ◆3番(長岡辰久君)  なかなかあってはならないことですからね、ないことを私も期待しております。 それでは、静ひつな環境につきましてお伺いいたします。静ひつな環境を保持するために非公開とすると答弁されました。静ひつな環境イコール非公開、このように私は感じているわけですが、そのように答弁されたと理解しているんですが、これは思考停止ではないですか。いや、なぜかといいますと、岩国でコロナがあったとき、議会の傍聴は、ここではできませんでしたよ。だから外でやるようなことをしました。このような工夫をされたのか、このことをまずお伺いしたいと思いますが、いかがですか。 ◎教育次長(丸川浩君)  教育委員会としましては、外部からの働きかけに左右されることなく、公正・公平な教科書採択に向けての協議及び審議を行うための適切な環境、いわゆる静ひつな環境を確保するため、協議会につきましては非公開で実施しています。協議会委員には、教育委員だけではなく、学校関係者や保護者も委員になっていることから、非公開にすることでそれぞれの立場で活発に協議を行うことができると考えております。 ◆3番(長岡辰久君)  文部科学省が言っているのは公正・公平じゃありませんよ。透明性ですよ。公正性・透明性に疑念を生じさせることがないようにしなさいと、このように言っているわけです。非公開で公正性・透明性に疑念を生じさせることがない、このことを担保できますか、教育長。どうですか、このように言えますか。 ◎教育長(守山敏晴君)  文部科学省の文書には、このようにも書いてあります。外部からの働きかけについて、域内の状況を適切に把握し、過当な宣伝活動その他外部からの不当な働きかけにより公正かつ適正な教科書採択に問題が生じていると考えられる場合には、各市町教育長、教育委員会、学校は適切な措置を講じるように指導するとともに、速やかに文部科学省に報告することということが書いてあります。そういったことも配慮しながら、考えて対応しているというところでございます。 ◆3番(長岡辰久君)  前回の歴史教科書の採択で、岩国市は育鵬社の教科書を採択しました。これを調べてみますと、全国は581地区の採択地区があるんですね。そのうち6地区がこの育鵬社の教科書を採択したということでございます。石川県金沢市、小松市、加賀市、栃木県大田原市、山口県岩国市、下関市ですね。この6つが育鵬社を採択しているんですよ。この6つの地区は公開していますか、公開していませんか。これは調べていますか。御存じですか。――していないね。分かりました。私はちょっとこれを調べてみました、議会事務局を通してですね。そしたら、全部非公開なんですよ。非公開のところが全部、これは偶然かもしれませんよ、非公開なんです。そして、前回育鵬社の教科書をやめた横浜市、それから藤沢市、大阪市、全部公開しているんですね。公開も、例えば横浜市なんか……(発言する者あり)静ひつな環境でやりたいと思いますのでね、よろしくお願いしますが、もう横浜市なんか300万人以上いるわけだから傍聴だって大変なんです。だからネット中継までやっているんです。これは私が今、教育長に言いましたけれども、ぜひね――私はちょっと疑念を抱いております。今いろいろるる言われましたけれど、第3回目の採択協議会の資料を取り寄せて、委員の発言を全部調べました。採択協議会は全部で12人いらっしゃるんですよ。そして会長が教育長ですね、だから11人が発言できます、11人が発言できる、これでいきますよ。国語は11人でプラス3人が言いました。ずっといって、歴史教科書だけがちょっと多いんですよ、発言がね。ほかは全部なんか11人プラスアルファなんです。今いろいろ言われましたけれど、監査委員から、公正性等に疑念を生じさせないように万全を期してもらいたいって言っていますよ。万全を期す――考えられるあらゆることをやろうじゃないかっていうのが万全でしょ。ぜひ公開を求めたいと思います。以上です。 ○副議長(松川卓司君)  以上で、3番 長岡辰久君の一般質問を終了いたします。 ここで暫時休憩いたします。午後2時50分 休憩 ――――――――――――――――――――――――――――――午後3時15分 再開 ○議長(桑原敏幸君)  休憩前に引き続き、本会議を再開して一般質問を続行いたします。 ここで、あらかじめ会議時間の延長をいたしておきます。 14番 桑田勝弘君。 ◆14番(桑田勝弘君)  皆さん、こんにちは。14番 公明党議員団 桑田勝弘でございます。通告に従い、壇上から一般質問を行います。よろしくお願いいたします。 1、岩国市の防災対策について、(1)岩国市地域防災計画及び岩国市国土強靭化地域計画の課題と取組について、(2)岩国市立地適正化計画の課題と取組について。 以上の2点についてお尋ねいたします。 まず、(1)岩国市地域防災計画及び岩国市国土強靭化地域計画の課題と取組についてお尋ねします。 南海トラフ地震などの発生により想定される被害リスクに対する本市の対応方針についてお尋ねいたします。 (2)として、岩国市立地適正化計画の課題と取組について、計画区域内における各種災害被害への対応方針をお尋ねします。 以上で、壇上からの質問を終わります。 ◎市長(福田良彦君)  それでは、桑田議員御質問の第1点目の岩国市の防災対策についてお答えいたします。 まず、(1)岩国市地域防災計画及び岩国市国土強靭化地域計画の課題と取組についてでありますが、近年、全国各地におきまして、毎年のように地震や台風、ゲリラ豪雨などの災害が相次いで発生し、甚大な被害をもたらしております。 本市におきましては、こうした災害に対応するため、災害対策基本法に基づき、岩国市地域防災計画を定めております。 また、令和4年3月に岩国市国土強靭化地域計画を策定し、様々な災害リスクを見据えつつ、どのような災害が発生した場合であろうとも、最悪な事態に陥ることが避けられるような強靱な行政機能や地域社会、地域経済などを事前につくり上げていくための施策を進めております。 議員御質問の本市で大規模な地震が発生した場合の被害想定でありますが、南海トラフ地震については、平成26年3月に山口県により被害想定が発表されております。 本市における被害想定としては、最大震度6弱、岩国港の最高津波水位は3メートルで、到達時間が223分、由宇港の最高津波水位は2.8メートルで、到達時間が418分、浸水面積は、1センチメートル以上が1,573ヘクタール、30センチメートル以上が1,377ヘクタール、1メートル以上が876ヘクタール、2メートル以上が252ヘクタール、死者286人、負傷者833人、建物全壊棟数1,637棟と想定されております。 この被害想定については、このたびの能登半島地震の発生を受けて、山口県において本年4月に山口県地震・津波防災対策検討委員会が設置され、現在、見直しが行われております。 また、大竹断層による地震については、平成20年3月に山口県により被害想定が発表されており、本市におきましては、最大震度7、死者1,364人、負傷者3,162人、建物全壊棟数が1万7,495棟と想定されております。 こうした被害想定に対し、岩国市国土強靭化地域計画では、想定される災害リスクを踏まえ、起きてはならない最悪の事態として、建物・交通施設等の複合的・大規模倒壊や住宅密集地等における火災による死傷者の発生などの39項目のリスクシナリオを設定しております。 また、本市の現行の施策を整理し、大規模自然災害等に対する脆弱性の評価を行っており、評価の結果、住宅・建築物等の耐震化や、道路施設の防災対策の推進、洪水対策の推進などを主な課題として洗い出し、今後の施策の対応方針を示しております。 さらに、施策ごとに重要業績評価指標でありますKPIを設定し、それぞれの取組状況を数値・数量で表して評価しながら、計画の進行管理を行うこととしております。 この計画は、令和4年度から令和9年度までの6年間を計画期間とし、計画期間中でありましても、必要に応じて見直しを行うものとしております。 計画の策定から2年が経過し、また、このたびの能登半島地震の発生などによる情勢の変化を踏まえ、より分かりやすく、現状に即した指標とするために、掲げた施策の指標や目標値等の見直しについて、検討してまいりたいと考えております。 今後も様々な災害リスクを見据えつつ、どのような災害が発生した場合においても、最悪な事態に陥ることが避けられるよう、関係機関や関係部署と連携し、国土の強靱化に向けた施策を進めてまいります。 次に、(2)岩国市立地適正化計画の課題と取組についてでございますが、本市では、平成23年3月に、本市の都市計画に関する基本的な方針である岩国市都市計画マスタープランを策定し、その目標の一つとして、都市・地域拠点の形成・充実と集約型都市づくりを掲げています。 この集約型都市づくりの推進を図るため、都市再生特別措置法に基づき、令和2年3月に岩国市立地適正化計画を策定しました。 この計画は、長期的な視野に立って、居住機能や医療・福祉・商業等の都市機能の立地、公共交通の充実等について、まちづくりに関わる様々な関係施策と総合的な連携を図り、コンパクト・プラス・ネットワークの実現を目指すものであります。 この計画では、都市計画区域を対象として、3つの区域を定めております。 まず、1つ目は、にぎわい居住区域であります。 これは、都市計画法上の用途地域内における法定の居住誘導区域であり、高い人口密度を維持するために、新たな住宅開発等の誘導や既存のインフラ施設等の有効活用、各種誘導施策による生活サービス施設の立地の維持・誘導を図る区域であります。 この区域では、行政施設や商業施設、医療機関等の多様な機能が集積した、利便性の高い市街地環境の形成を目指しています。 2つ目は、ゆとり居住区域です。 この区域は、用途地域内において、既存の住宅を中心とした良好な住環境と地域コミュニティーの維持を図り、公共交通機関や自家用車などを利用して日常生活を送り、周囲に自然が広がる、ゆったりとした静かな市街地環境の形成を目指しています。 3つ目は、自然・田園居住区域です。 この区域は、市街化調整区域や用途が定められていない地域において、農地や山林と共にある暮らしを前提とした、豊かな自然と田園を保全しながら住環境の維持を目指しています。 この3つの居住区域のうち1つ目のにぎわい居住区域内では、都市機能誘導区域を設定しております。 この区域では、行政機能や保健・医療機能、教育・文化機能といった公共施設と病院や大規模小売店舗といった民間施設の都市機能の集約を目指しております。 こうした中、近年の頻発、激甚化する自然災害に対応するため、令和2年6月に都市再生特別措置法が改正され、居住誘導区域内に残存する浸水等の災害リスクに対し、防災対策や安全確保策を定める防災指針の策定が義務づけられました。 これを受けて、市では、コンパクトで安全な防災まちづくりを推進するため、都市計画に関する事項の調査・審議を行う岩国市都市計画審議会に加え、都市計画や防災等の学識経験者、国、山口県、市の関係部署で構成する岩国市立地適正化計画推進協議会を設置いたしました。 この協議会では、居住誘導区域であるにぎわい居住区域内の洪水浸水や土砂災害、高潮浸水等のハザード情報を網羅的に整理し、災害リスクの回避や低減に向けた取組方針、取組施策等の防災指針を盛り込んだ計画として改定するための検討を行っております。 現在の防災指針の検討状況でありますが、災害リスクの回避や低減に向けた取組方針に基づき、災害リスクを回避するための施策や災害リスクを軽減するための施策といった取組施策の整理等を行っております。 具体的には、災害リスクを回避するための施策としては、災害ハザードエリア内における立地規制や建築規制等などの取組施策が上げられます。 一方、災害リスクを軽減するための施策としては、河川施設の改修、ポンプ場の整備などのハード対策や防災意識の向上、ハザードマップの周知などのソフト対策などの取組施策が上げられます。 こうした取組施策を総合的に組み合わせ、必要な防災・減災対策について検討しているところであります。 防災指針の検討に当たりましては、市民の命を守ることに主眼を置き、国や山口県とも連携を図りながら、今年度末の改定を目指し、引き続き、検討や取りまとめを進めてまいります。 市としましては、防災指針を盛り込んだ改定後の計画に基づき、防災・減災対策を継続的に推進することにより、居住誘導区域内の災害リスクの軽減を図り、持続可能で自然災害に強い安心・安全な都市になるよう、しっかりと取り組んでまいりますので、よろしくお願いいたします。 ◆14番(桑田勝弘君)  それでは、自席より再質問を行います。 災害に関するインフラ整備については多くの論点があると思いますけれども、引き続き取り組んでいくこととして、今回は各計画について、二、三点ずつお伺いいたします。 まず、1番として、岩国市の地域防災計画では、地震、豪雨災害の取組についてお尋ねいたします。 まずは、地震の関連性についてお伺いいたします。 令和6年3月発表の岩国市地域防災計画によると、第2節、計画の性格の中で、「この計画は、国の防災基本計画及び山口県地域防災計画に基づき、市域における防災対策に関し、総合的かつ基本的性格を有するものである」と。また、「他の計画等で定める防災に関する部分は、この計画と矛盾し、又は抵触するものであってはならない」というふうに記されております。 山口県の地域防災計画を見ると、その震災対策編の中で、想定地震の概要が記されているんですが、(1)で、地震規模マグニチュード8から9クラスとされている海溝型の南海トラフ巨大地震ですが、(2)に設定がマグニチュード7.25である安芸灘から伊予灘のスラブ内地震、(3)が、県内活断層による地震として大竹断層、これはマグニチュード7.2と設定されていますが、ほかにはマグニチュード8.0程度もしくはそれ以上の中央構造線断層帯も記されております。 そこでは、海溝型地震と県内活断層による地震について関連が次のように述べられております。県内で確認されている主な活断層による地震は、東海・東南海・南海地震の前後で発生の確率は高くなる。特に地震の後には地殻の応力――活断層の動きを拘束する力が低下するため、地震は発生しやすくなるとあります。 さらに、中央構造線断層帯については、本活断層による地震が発生した場合には、周防大島町などの県東部沿岸地域での影響が大きいと考えられるとの記述もあって、さらには、東北地方太平洋沖地震では海溝型、活断層地震、スラブ内地震、3種類が全て発生しているというふうに記されております。 これに対して、岩国市地域防災計画では、各地震には触れられてはおりますが、関連性についての記述がございません。この点は大変重要な視点であると考えています。県の計画にはあり、本市の計画にはないこの点について、本市の計画にはないので、必要ならば科学的知見の確認をして、次回の見直しの際に明示することが妥当と考えますが、市の考えをお尋ねします。 ◎防災危機管理担当部長(廣田雅之君)  地震を含む災害が発生した場合には、岩国市地域防災計画に基づいて対策を講じることとなりますけれども、この計画は、毎年、必要に応じて見直しを行っています。 山口県の地域防災計画や他市の地域防災計画には、山口県が平成23年に設置した大規模災害対策検討委員会において再検証された地震別の類型別に想定される被害や関連地震の発生、液状化による被害などについて記載されていることは承知しております。 このような中、山口県では、令和6年能登半島地震を受けて、防災・減災対策のほか、地震や津波の被害想定の見直しを実施するため、本年4月1日に山口県地震・津波防災対策検討委員会を設置され、4月22日には第1回目の会議が開催されたところです。 先ほど議員に御案内いただきました市の防災計画には、「国の防災基本計画及び山口県地域防災計画に基づき、市域における防災対策に関し、総合的かつ基本的性格を有するものである」と記載もございます。 市といたしましては、先ほど県の検討委員会における震度や液状化の危険度、津波や被害想定の見直し結果を踏まえ、より実効性の高い地域防災計画となるよう反映してまいりたいと考えております。 ◆14番(桑田勝弘君)  南海トラフ地震は報道等でよく見るんですが、その他の地震が本市にも影響がある、連動することも考えられると読めるような表現なので、非常に心配をしております。その想定が岩国市の計画にないが、ほかの市町の計画を見ると載っているんですよね。岩国市にはその記載がなかったので、ここは指摘をしておきたいというふうに思いました。 東北地方太平洋沖地震では、3種類全部が発生していたというような記載もありましたので、しっかりと検討していただきたいと思います。 今、このような質問をさせていただいたのは、この6月8日に、我が党の機関紙の公明新聞での、多発する地震、建物の耐震性、どう確保するかという特集記事で、広島大学大学院の三浦教授への群発地震など過去に起きた地震が耐震性に及ぼす影響をどう考えるかという問いに、教授は次のように答えられています。過去の地震の影響は建物の表面上からは分かりにくく、今日の耐震診断でもなかなか見えづらい。現行の耐震基準では、震度7の揺れを1回耐えて、命さえ守ることができればよいとなっている。その後も、そのまま住み続けられるかどうかまでは考慮されていないのが実情だとありました。より安全に配慮することが必要と考えております。地震間の関連性についても触れた見直しを期待いたします。 次に、台風や豪雨災害についてお尋ねいたします。 まず最初に、ハザードマップについてお尋ねします。 県の2級河川である通津川等は、ハザードマップがないエリアがあると以前申し上げました。避難の際に、安全確保に支障が出るのではないかというふうな話もしました。これは2021年だったと思うんですが、国が中小河川についても、ハザードマップの作成を決めました。岩国市における中小河川7水系54河川について、新たにハザードマップ作成のための調査が、県において、令和5、6年にかけて行われていると聞いております。このデータを受けて、令和7年度に本市でハザードマップが作成されると聞いておりますが、この7水系について詳細をお尋ねいたします。 ◎防災危機管理担当部長(廣田雅之君)  今年度中には、山口県が県内の中小河川について洪水浸水想定区域を指定する予定であると聞いております。 岩国市内の河川につきましては、今、御紹介がありましたように、7水系54河川が対象になっておりまして、水系別の内訳で申し上げますと、麻里布川水系が1河川、錦川水系が31河川、通津川水系が1河川、由宇川水系が3河川、室岡川水系が1河川、島田川水系が14河川、小瀬川水系が3河川、これら合計7水系の54河川となっております。 今後の予定といたしましては、今年度末までには県から浸水想定区域のデータの提供を受けることになっております。市といたしましては、令和7年度に7水系54河川の全てについて洪水ハザードマップを作成する予定です。ハザードマップの作成後は、速やかに関係する地域の市民の方々に配布させていただき、災害リスクの確認や事前の備えにつなげてまいりたいと考えております。あわせて、ウェブ版の洪水ハザードマップにつきましても、速やかに更新を行うこととしております。 ◆14番(桑田勝弘君)  よろしくお願いします。 このハザードマップは、避難訓練であるとか、地域の方々が本当に頼りにする。今、テレビ等でも、ハザードマップを確認してというふうな報道なんかも本当にたくさんあります。我が地域の河川にはハザードマップがないと。どういうふうに避難すればいいんだろうかと。経験的に避難をされることもあるかも分かりませんけれども、やはり一番信用できるのは、ハザードマップだと思いますので、しっかりと活用ができるように、本当に取組をしていただければというふうに思います。 それでは、3点目に、防災学習館の活用についてお尋ねいたします。 地域防災計画については、地震等の想定される災害リスクは載るんですが、台風とか水害等についてはないんだろうと思うんですが、それで、豪雨災害の被害も心配されるので、何ができるかということで御提案をさせていただきたいなと思って質問で取り上げました。 想定リスクに豪雨災害は入りませんが、昨今の線状降水帯等の異常気象を考えると、自治会や小学校から、また、他地域からの来場もある防災学習館をもっと活用すべきと考えております。例えば、マイ・タイムラインづくりなど、作成体験の事例が全国にございます。 マイ・タイムラインとは、住民一人一人のタイムライン――防災行動計画であり、台風などの接近による大雨によって河川の水位が上昇するときに、自分自身が取る標準的な防災行動を時系列的に整理し、自ら考え、命を守る避難行動の一助とするものをいいます。講演などは実施しているとお聞きしておりますけれども、個別具体的な個々の計画ですから、なかなか実際に自信を持って使える計画にするためには、情報収集の仕方も含めて、様々な学びの機会、作成の機会を増やすことが非常に大事だと考えるんですが、御所見をお伺いいたします。 ◎防災危機管理担当部長(廣田雅之君)  議員御案内のとおり、マイ・タイムラインとは市民一人一人の防災行動計画のことで、自分自身が取るべき防災活動、防災行動を時系列に整理し、自ら考え、命を守る避難行動のための一助とするもので、市としても命を守る大事な手段だと考えております。 こうしたことから、今行っておりますのは、自治会など地元に出向く防災講話において、マイ・タイムラインの必要性や作成については推進しているところです。 今後につきましては、地域の希望を伺いながらワークショップ形式での実施も検討してまいります。また、議員御提案の防災学習館を活用しての実施についても、イベント形式や常設など、どのような方法が効果的であるのか研究してまいりますので、よろしくお願いいたします。 ◆14番(桑田勝弘君)  期待いたします。防災科学技術研究所がホームページで公開しております地震ハザードステーションで自分が住む地域の地盤を確認したりとか、その他防災に関する情報収集についても説明できるスタッフなどの常駐の検討も含めて期待をいたします。 次に、国土強靭化計画についてお尋ねいたします。 壇上から、国土強靭化地域計画の脆弱性評価について説明をいただきました。そこで、この脆弱性評価について教えていただきたいと思うんですが、起きてはならない最悪の事態を回避するための施策を選択して、KPIを設定し、進捗管理をすると聞いていますが、実効性を担保できるのか、そこを大変心配しております。御見解をお尋ねします。 ◎防災危機管理担当部長(廣田雅之君)  国土強靱化地域計画では脆弱性を評価し、対応方針や施策を設定し、具体的な事業取組を個別事業として位置づけております。 また、施策ごとに重要業績評価指標(KPI)を設定し、それぞれの取組状況を数値・数量で表して評価しながら、計画の進行管理を行うこととしております。 議員御案内の計画の実効性を担保するためには、PDCAサイクルによって着実に推進することが重要だと考えております。 したがいまして、計画の期間中であっても、必要に応じて施策の指標の見直しを行うとともに、社会情勢の変化や総合計画、地域防災計画などの関連計画が見直されたときには、それらの計画との整合性を確保しつつ、見直しについて検討してまいりたいと考えております。 ◆14番(桑田勝弘君)  例えば、本計画によると、脆弱性評価の結果として住宅・建築物等の耐震化が挙げられております。そこには、住宅耐震診断・耐震改修への支援を行っているが、旧耐震基準で建てられた住宅がいまだ数多く存在するため、より一層の支援、耐震化に係る普及啓発を行うなど、住宅の耐震化を促進する必要があるというふうに、脆弱性――地域の弱点ですが、その結果を示しております。 その施策のKPIの指標は、耐震改修件数(木造住宅)についてであり、令和3年の現状値はゼロ、令和9年度の目標値が1件とあります。 先日、3月定例会の委員会では、年間の予算は2件分とのことでした。市として到達すべき、目指すべき姿がなかなか想像できません。本当に必要性を感じているのかどうかというのが、なかなか分かりません。こういった件もしっかりと検討していただくために、いろいろ取組をしていただきたいんですが、令和3年6月に、内閣官房国土強靭化推進室が示した国土強靭化地域計画策定ガイドライン(第8版)策定・改訂編の中に、「地方公共団体においても、地域計画を策定しただけで終わらせないようにすることが重要であり、そのツールとして国の年次計画(国土強靭化アクションプラン)に相当する内容を地域計画の中に盛り込む、又は別途地域計画の年次計画(アクションプラン)を策定することが極めて有効です」との記述がございます。 これの答弁は要りませんけれども、さらなる実効性を担保する取組について、アクションプランを含め、必要性も含めた検討を期待いたします。 次に、(2)立地適正化計画についてお尋ねいたします。 こちらでは、液状化対策と防災指針についてお尋ねいたします。 立地適正化計画の作成・運用に係るQ&Aによると、30番目の問いで、「浸水想定区域に居住誘導区域を設定することは可能でしょうか」との問いに対して、ちょっと長い引用になるんですが、記載がございます。「浸水想定区域については、避難態勢の整備状況、災害を防止し、又は軽減するための施設の整備状況や整備見込み等を踏まえた上で、災害頻度が高い地域にコストをかけて将来的に居住を誘導していく合理性や、河川事業の進捗等を総合的に勘案し、居住誘導区域の設定を慎重に検討することが重要です。その上で、浸水想定区域に居住誘導区域の設定が必要な場合には、居住エリアの安全性を強化するための取組を位置づける防災指針において、ハード・ソフト対策の両面から、適切な防災・減災対策を定めることが求められます」という記述がございます。 そこでお伺いしたいんですが、まず、下水道工事についてです。 今、本市が道路――避難のために道路が必要ですから、拡幅工事とか、特に川下なんかは狭いところも多いので、そういった道路の拡幅であるとか、そして、地域の方と協力して2項道路、例えば、建物を建てるときにセットバックしたりとか、道路を拡幅するんですが、そういった事業を視野に入れてというふうなお話もお聞きいたしました。 また、避難する上で、よく液状化対策で、下水道のマンホールがばーんと浮き上がっている姿とかをよく報道で見たりするんですが、下水道工事については、本市では、どのような取組をされているのかについてお尋ねいたします。 ◎建設部長(村重総一君)  現在進めております本市の下水道事業による管路施設整備につきましては、国の定める設計基準に沿った耐震設計により整備を行っています。 具体的な液状化に対する被害の軽減対策としましては、直接地面を掘削する開削工法により管渠の敷設をする際には、リブ付の硬質塩化ビニール管を使用し、管渠の周りを透水性の高い砕石により埋め戻すことで液状化を抑制しています。 また、鋼製の立坑内にマンホールを設置する際には、鋼製の立坑とマンホールとの間にコンクリートを充填し、重量を持たせることで浮き上がりの抑制対策を行っております。 既設施設の対応につきましては、管路施設を健全な状況に保ちながら継続して使用していけるようにストックマネジメントを実施し、施設の状態を見ながら計画的に強度の復元や耐震性の向上を図る管更生を行うことで、液状化に対する被害の軽減を図っております。 ◆14番(桑田勝弘君)  分かりやすい説明をありがとうございました。 液状化に関する基礎知識が、国土交通省が令和元年6月に公表しました市街地液状化対策推進ガイダンスによると――改訂版の有無を確認しておりませんけれども、ちょっと引用させてもらいます――あれば、また教えていただければと思います。 液状化に関する基礎知識として、液状化を起こす要因として、1、緩い砂地盤であること、2、飽和した(地下水位よりも深い深度にある)土層であること、3、地震動の強さが大きいことや継続時間がある程度長いことの全てが満たされる場合に発生すると考えられているとの記述がございます。 一般的には、これら1から3を全て満たさない場合は、液状化しないものと考えられるというふうにもございました。詳しい話は、私は分かりませんけれども、このような対策を本市としても、下水道の分野ではしっかりと取り組んでおられるということで安心いたしました。 今後、宅地に関する工法としても記載がされておりました、地下水位低下工法とか、格子状地中壁工法などが紹介されておりました。詳細は分かりませんが、また機会がありましたら取り上げていきたいというふうに思います。 先ほども御答弁いただきましたけれども、立地適正化計画に防災指針の記載が必要になりました。そこにハード事業、ソフト事業の整備を記載するようにというふうにありました。 本市は、防災指針の防災・減災対策として、液状化現象についてハード対策をどのように考えているかについてお尋ねいたします。 ◎都市開発部長(内坂武彦君)  ハード対策をどのようにして考えているかというところですけれど、国においては、東日本大震災や熊本地震などの被災地で実際に得られた知見や学識者の意見を踏まえ、事前の調査方法や対策方法などの概要が示されているものの、その対策の効果や確認方法など具体について、まだ不明瞭な部分が多いのが実情となっております。 また、事前防災、事前の備えといたしまして、その効果を最大限に発揮するには、道路などの公共施設と宅地などを一体的に、広範囲を対象にして対策を講じることが望ましいようですけれど、膨大な時間と対策費がかかると伺っております。 現在、市では、宅地液状化防止事業の、そういった国の制度の支援事業については予定がございませんけれど、全国では数は少ないんですが、東京都の葛飾区などでは、宅地などの土地利用に対しまして、地盤調査や液状化の対策に係る費用の一部を助成しているところもございます。 他市の支援状況や新たな対策方法、対策されたところの工法などについて注視するとともに、様々な災害リスクの軽減に向けて取り組む必要があると考えているところでございます。 ◆14番(桑田勝弘君)  期待をいたします。精いっぱい前向きな御答弁だろうというふうに理解しております。一般的に、支持くい等も含めて分かりやすいので、先進事例等の調査研究を期待しております。 ただ、本当に市民の方の命を守る大事な事業、取組なので、ハード事業だけに全て期待するわけにはいきません。それまでの間もそうですし、今の安心・安全対策のためにソフト事業も重要だろうと思いますが、このソフト事業として、液状化現象に対する対策があればお伺いいたします。 ◎都市開発部長(内坂武彦君)  液状化現象につきましては、自分の住む地域の液状化の発生傾向に気づき、液状化による危険性を把握することを目的といたしまして、液状化の発生傾向図が公表されているところでございます。 国からは、過去の液状化被害の実態を考慮すると、液状化に対して埋立地などの最も脆弱な地域では震度5程度から液状化被害が発生しており、震度が大きくなるにつれ液状化の発生傾向やその危険性も大きくなるとされております。 市といたしましては、これは日本建築防災協会による「住まいの液状化被害で困らないために」と題したパンフレットがございまして、そのパンフレットを用いて、液状化対策をしないとどんなリスクがあるのか、沈下、傾斜した建物の復旧方法は、ハード的対策の案内に加えてソフトとして地震保険の案内、連絡先や被害に遭ったときの支援策などについて啓発活動を行っているところでございます。どうぞよろしくお願いいたします。 ◆14番(桑田勝弘君)  以上で、質問は終わりたいと思うんですけれども、被害想定等を考えても本当に大規模災害なんだろうなというふうに思います。全身全霊あらゆる取組をして、一人でも市民の皆さんの命を守れる取組を真剣に取り組まれているとは思いますけれども、さらに連携をして、一人でも被害想定を小さくできるよう、取組を期待します。 以上で、終わります。 ○議長(桑原敏幸君)  以上で、14番 桑田勝弘君の一般質問を終了いたします。 10番 丸茂郁生君。 ◆10番(丸茂郁生君)  皆さん、こんにちは。6月定例会一般質問最終日、大トリを務めさせていただきます志政いわくにの丸茂郁生でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 それでは、通告に基づきまして一般質問をさせていただきます。 まず第1点目、太陽フレアについて、(1)総務省の警告の認識と本市における被害想定についてですが、皆さん御承知のとおり、私たち人類をはじめ地球上の生命にとって、恵みとなる太陽は生命活動を続けていく上で必要不可欠な存在です。 今回の質問事項として挙げております、そもそも太陽フレアとは、太陽表面に現れる黒点周辺で起こる大規模な爆発現象が太陽フレアと呼ばれます。 太陽フレアの規模には等級があり、A、B、C、M、Xの5段階に分けられ、小規模な太陽フレアは、ほぼ毎日のように観測されていますが、問題はX等級以上の大規模な太陽フレアです。 また、太陽活動は、およそ11年を周期に極少期と極大期を繰り返しており、現在は極大期の活動が活発になる時期を迎えようとしています。 多くの研究者によれば、次の太陽活動が活発になる時期が2025年頃と言われており、大規模な太陽フレアが発生するおそれがあるようです。 2022年6月には、総務省がこの太陽活動に関して考えられる危機の想定を報告書にまとめています。 この報告書の中では、100年に1回ほどの頻度で発生する大規模な太陽フレアが、実際に地球を襲った場合の最悪のシナリオを警告しています。 それによれば、太陽フレアによる電磁波や大量に届く粒子によって、例えば、スマートフォンの通信・通話ができなくなるおそれがあります。また、防災行政無線や消防無線が使えなくなるかもしれません。さらに、大規模停電が起こるかもしれません。GPSやレーダーにも影響が及ぶため、航空機や船舶なども運航が困難になるかもしれません。それに加え、GPSがうまく作動しないとなると、カーナビなど数十メートルの誤差が生じて、衝突事故が発生するかもしれません。こういった影響による状況が2週間程度、断続的に継続するかもしれないというものです。 最悪の場合、私たちが日常生活を送る上で必要不可欠な社会インフラが多大な影響を受ける可能性があり、我々の生活に困難を来すということです。 人類の技術革新により、我々の生活は大変便利になりましたが、その技術革新がもたらす自然災害がこれからは起こる可能性があります。 そのとき、我々は、かつて経験したことがないような情報が遮断された世界で、何が起こっているのかを判断する知識を身につける必要があります。 現実として、実際に被害を受けたとき、情報を受け取るすべがなく混乱は免れないと考えます。 私たちの日常に被害が及ぶかどうかは、あくまでも可能性としているため、決して不安をあおるわけではありませんが、これまでも様々なメディアでこの太陽フレアについて取り上げられており、様々な情報をかいつまんで私も話をさせていただいております。その上で、様々な情報を酌み取り、正しく恐れる必要があることから、今回の質問に至っております。 それからまた、総務省は、大規模な太陽フレアの危害要因そのものを低減することは困難であり、社会インフラ側の脆弱性を低減することで被害を最小化する必要があるとしています。私たち個人にできる対策としては、大規模な停電に備える備蓄など、できる対策もあります。そこで、総務省の警告を受けて、大規模な太陽フレアについて、本市はどのような認識を持たれているのか、また、実際に起こり得るとされる被害の想定をどのように考えておられるのか、お伺いいたします。 次に、第2点目のシティプロモーションについて、(1)事業の現状と強化についてですが、シティプロモーションは、地域再生、観光振興、住民協働など、様々な概念が含まれており、自治体が持つ様々な魅力――観光資源、文化、都市基盤等を市内外に、効果的・戦略的に発信しようとするために大変有効な方策であります。 シティプロモーションを実施する目的には、当該地域に関する認知度の向上やブランド力の向上などがありますが、実際にその地域で生活している住民に対しても、地域の魅力をさらにアピールすることで、住んでいてよかったと、そこに住む地域住民の愛着度の形成という目的もあります。 施策を実施する、その結果として移住・定住者数が増加し、住民の地域に対する愛着度の向上、また、地域活性化の実現がなされていくものです。 本市においても、シティプロモーション施策に力を入れていることはよく理解しております。ただ、人口減少が加速する中においては、地域の活性化に向けた取組をさらに進展させ、強化していく必要性を感じます。 そこで、本市のシティプロモーション施策の事業の現状と強化についての考えをお伺いいたします。 次に、第3点目、新岩国駅前広場改修事業について、(1)進捗状況と今後の課題についてですが、JR山陽新幹線新岩国駅は1975年の山陽新幹線岡山駅から博多駅間の開業の際に設けられた駅の一つで、その当時、開業した駅の中で唯一、新幹線単独駅とされた駅という歴史があります。この新岩国駅については、現在も岩国市民の方々のみならず、近隣の市町のほうからも利用される方々は数多くおられます。 新岩国駅の駅舎については、利便性の向上のため様々な整備がなされていますが、駅前広場については老朽化が著しく、課題が山積しています。利用者の方々からは、送迎場の問題をはじめとした様々なスペースの確保の課題について、快適でスムーズな新幹線の利用ができるように交通結節機能としての利便性の向上を求める御意見が多数寄せられている状況であると考えます。 こうした様々な声を受けて、課題解消のために、本市では駅前広場の全面的なリニューアルのための新岩国駅前広場改修事業が進められているところでありますことから、現在の事業の進捗状況と今後の課題についてお伺いいたします。 最後に、第4点目のMICE(マイス)について、(1)誘致の可能性と現在の取組状況についてですが、MICEとは企業等の会議(ミーティング)、企業等の行う報奨・研修旅行(インセンティブトラベル)、国際機関・団体、学会等が行う国際会議(コンベンション)、展示会・見本市、イベント(エキシビション、イベント)の頭文字のことであり、多くの集客交流が見込まれるビジネスイベントなどの総称です。 このMICEがもたらす効果として挙げられる点をかいつまんで少し御説明いたしますと、1つ目としては、高い経済効果を生み出すことができます。MICE開催を通じた主催者・出展者・参加者等の消費支出は、開催地域を中心に大きな経済波及効果となり、レジャー目的(一般観光)よりも高い経済効果を生み出すとされています。 2つ目は、ビジネス機会等の創出です。国際会議・展示会の機会を活用したネットワーク販路拡大、グローバル企業との共同研究や世界の先進的研究者との交流創出、インセンティブにおける現場体験を通じて日本の技術力や商品・サービスに対する認知・理解を深め、日本製品の購入や地域の産業振興を促進することができます。 3つ目は、都市ブランド・競争力の向上です。国際会議等のMICE開催を通じた国際・国内相互の人や情報の流通、ネットワークの構築、集客力などはビジネスや研究環境の向上につながり、都市の競争力、ひいては国の競争力向上につながります。 そして4つ目は、交流人口の平準化です。休日型の一般観光とともに、平日型のMICEの開催によって、交流人口の平準化が図られます。 以上、御説明させていただきましたが、誘致するに当たっては、国際会議ともなるとハードルが高く、なかなか難しいことは承知しておりますが、小規模的なものであれば誘致は可能であると考えます。 そこで、本市の現在の取組状況はどのようになっているのか、お聞きしたいと思います。 また、本市においては、多様なメディアを活用したシティプロモーションに力を入れて取り組んでいるところであるため、これに合わせて、MICE誘致のために、受入れのための様々な環境を整備した上で情報発信に取り組んでいただきたいと考えますが、いかがお考えでしょうか。 以上のようなことから、本市のMICE誘致の可能性と現在の取組状況についてお伺いいたします。 以上で、壇上での質問を終わります。 ◎市長(福田良彦君)  それでは、丸茂議員御質問の第2点目のシティプロモーションについての(1)事業の現状と強化についてお答えいたします。 現在、我が国では急速な少子高齢化の進行に伴う人口減少が深刻な状況となっており、本市においても人口減少を抑制し、将来に向かって持続的に発展していけるよう、様々な施策を講じる必要があります。 こうした中、本市におきましては、若年層の近隣自治体などへの転出が人口減少の主な要因であると 考えられることから、特に子育て世代に向けて、本市の魅力でもある充実した子育て支援策や国際交流への盛んな取組などを効果的に発信し、認知度や好感度の向上を図っているところであります。 本市のシティプロモーションとしては、特産品の高付加価値化に向けた支援などによる岩国ブランドの構築、テレビメディアを核としたウェブ、SNS等の多様なメディアを活用したプロモーション、市内外でのイベント実施によるPRなどを行い、幅広いターゲットに向けて市の魅力を発信しているところであります。 まず、岩国ブランドの構築については、お土産統一ブランドである「つまんでちょんまげ」を軸に、本市が有する特産品のブランド力の向上、販路開拓、販売促進、認知度の向上を行い、特産品の地域ブランド化を図っております。 具体的には、大都市圏で開催される商談会への出展や、大手小売店での販売機会の提供を通じて、バイヤーとのマッチングを支援することにより、特産品の販路を開拓し、売れる特産品を増やす取組を行っているところであります。 次に、多様なメディアを活用したプロモーションについては、本市の認知度や魅力度の向上を図るため、国内のみならず国外に向けても、テレビメディア等を活用して市内の観光名所や特産品などの情報を広く発信しています。 具体的には、昨年4月に、株式会社テレビ東京ダイレクトと包括連携協定を締結し、本市の魅力を発信する番組制作などに取り組んでおります。 また、世界約160か国で放送されている「NHK WORLD-JAPAN」の番組である「CATCH JAPAN」において、インバウンド向けのプロモーション番組の制作にも取り組んでおります。 このほか、インスタグラム広告などを活用して、本市の施策やイベント情報などを市内外に発信し、本市の魅力度向上や発信強化を図っております。 最後に、イベント実施によるPRについては、再び岩国に訪れたくなるきっかけづくりを目的に、本市の空の玄関口である岩国錦帯橋空港において、岩国の魅力である観光資源や特産品などをPRする誘客イベントを開催しています。 市街地に近い空港の立地を生かし、岩国市民や市内に住む外国人にとっても参加しやすいイベントにすることで地域住民の空港利用促進を図っています。 また、関係団体や市内事業者などと連携し、大都市圏において本市の魅力発信や特産品の販売を行うPRイベントを実施しており、物と人の交流を生み、岩国の特産品などの認知度や魅力度を向上させることで本市のファンの増加に努めているところであります。 さらに、本年9月には、コンピューターゲームをはじめとするコンピューターエンターテインメントの総合展示会であり、世界中から多くのファンや関係者が集まる日本最大級のイベント「東京ゲームショウ2024」において、岩国市のブースを設置し、本市の魅力を広く発信する予定としております。 こうした中、さらなるシティプロモーションの充実を図るため、岩国市公式ファンクラブを先月開設しました。 このファンクラブは、地域と多様に関わる関係人口を創出することを目的に、ファンの皆様が本市と継続的につながり、市内居住者はもちろん市外の人材にも地域づくりの担い手となっていただき、本市全体の地域活力が向上することを期待して開設したものであります。 例えば、本市で開催されるイベントに参加したり、いわゆる映えスポットをSNSで投稿したり、本市の特産品を買って食べたり、本市へふるさと納税をしてみるなど、自分なりに岩国市を楽しむことが本市への応援となり、共に岩国市を盛り上げていくことにつながります。 ファンの皆様には、様々な方法で本市とつながっていただき、今以上に岩国市を楽しんでいただきたいと考えているところであります。 市としましては、今後も引き続き関係人口の創出や本市への定住につながる情報発信を推進し、本市が「選ばれるまち」となるよう、戦略的なシティプロモーションに取り組んでまいりますので、よろしくお願いいたします。 ◎防災危機管理担当部長(廣田雅之君)  第1点目の太陽フレアについての(1)総務省の警告の認識と本市における被害想定についてお答えします。 太陽フレアとは、太陽の活動が活発になると太陽の表面にある黒点の周辺で巨大な爆発現象が起きるもので、電磁波や高エネルギーの粒子、電気を帯びたガスが放出され、最短で8分、遅くとも数日で地球に届き、社会インフラ等に様々な影響を発生させるとされています。 具体的には、携帯電話などの通信障害、テレビなどの放送障害、飛行機や船舶などのレーダー障害、カーナビゲーションやスマートフォンなどの地図アプリなど、人工衛星を利用したGPSの精度低下、電力分野への影響による停電などが挙げられます。 議員御質問の総務省の警告については、総務省において、宇宙天気予報の高度化の在り方に関する検討会が令和4年1月から同年6月まで計10回開催され、その中で100年に1回、またはそれ以下の頻度で発生するとされる極端な宇宙天気現象がもたらす最悪シナリオが示されています。 その影響としては、携帯電話などの通信・放送が2週間断続的に途絶する。携帯電話が一部地域でサービスが停止する。衛星測位の精度にずれが発生し、ドローンなどの衝突事故が発生する。多くの衛星に障害が発生し、衛星を用いたサービスが停止する。これらの影響により航空機や船舶の世界的な運航見合わせが発生し、運航スケジュールや計画の大幅な乱れが生じる。対策がされていない電力インフラにおいて広域停電が発生するなど、社会インフラや社会経済に大きな影響が発生するとされています。 過去には、1989年にカナダで約9時間に及ぶ大規模な停電が発生し、600万人に影響が出ていますが、太陽フレアの影響によるものとされています。 太陽フレアによる本市の被害想定については、現在行っておりませんが、通信や交通、電気など様々な障害の発生が見込まれ、市民の生活に大きな影響を及ぼすことが懸念されます。 国の検討会においては、太陽フレアによる影響を文明進化型の災害として、産学官の相互協力等により、国全体として危機管理に当たること、今後、災害対策基本法等に組み込み、国全体として確実にリスクに対応していくこと、また、社会インフラの脆弱性を軽減させることなどを提言しています。 現在、国立研究開発法人情報通信研究機構が太陽フレアの監視を行い、観測結果を宇宙天気予報として発表しておりますが、今後は、社会インフラの被害に着目した予報や警報の制定などを進めていくとされています。 市におきましては、国の動向を注視しつつ太陽フレアに関する情報収集に努め、市民への情報発信など、適切に対応してまいりますので、よろしくお願いいたします。 ◎都市開発部長(内坂武彦君)  第3点目の新岩国駅前広場改修事業についての(1)進捗状況と今後の課題についてお答えします。 新岩国駅は、昭和50年に、山陽新幹線岡山駅、博多駅間の開業の際に設けられ、現在の乗降客数は、令和5年度では1日平均が1,884人で、山口県内の新幹線駅の中で、新幹線単独駅でもあることから最も少ない乗降客数の状況となっています。 新岩国駅前広場は、昭和53年に、御庄土地区画整理事業によって整備が完成し、バスやタクシーの乗降場、時間制の一般車駐車場を備え、県道新岩国停車場線と接続する約7,000平方メートルの広場で、JR西日本との協定広場として相互に協議、協力しながら管理運営しています。 新岩国駅の駅舎については、平成28年3月に、JR西日本によりバリアフリー化の整備が完了し、エレベーターや多機能トイレ、スロープ、音声音響案内装置などの設置がされたことで、高齢者や障害者の方など、誰もが安全で快適に利用できるようになりました。 一方で、完成から50年近く経過した駅前広場の施設は、老朽化したバス停の案内板や屋根、照明の撤去、また、樹木の成長に伴う歩道などの舗装の修繕など、快適な利用や安全面に対して課題があります。 加えて、駅前広場を利用される方々からは、送迎場がなく、特に年末年始やお盆などは送迎用の車両が路上に駐車して通行に支障がある、そうしたときはバスやタクシーと一般車両が広場内で滞留し、危険を感じる、広場内の一般車駐車場の案内が分かりづらく利用しにくいなどの声も頂いています。 そのほかにも、駐輪場がないことやユニバーサルデザイン化されていないなどの課題も抱えています。 市としては、こうした課題を解消するため、令和4年度から国土交通省の社会資本整備総合交付金を活用して、駅前広場の全面的なリニューアルである新岩国駅前広場改修事業に取り組んでいます。 この改修事業の整備内容については、これまでは一般車両とバスやタクシーの交通事業者の車両が混在していたことから、大きく2つのエリアに分けて、それぞれのエリアの間は送迎場やバス待ち用の幅広歩道により、双方の通行車両が交わらないようにして通行の安全性、利用のしやすさを確保しました。 一般車駐車場側については、現在と同台数程度の37台の機械ゲート式の駐車場を設け、新たに送迎場や身体障害用の乗降場、自動二輪、自転車駐車場を整備します。 交通事業者側については、バスやタクシーへスムーズに乗降できるようなスペースを確保します。 また、駅舎から車道を横断しないで、それぞれの乗降場へ行けるように設けた幅広歩道は、その一部に駅舎と各乗降場をつなぐ形で雨風や日差しをしのげる屋根を設置します。 これらの整備によって、利用される方々にとって通行方法が分かりやすくなるとともに、利便性も大きく向上し、誰に対しても優しく、安全性の高い駅前広場となる計画です。 今後は、早期の工事発注を目指して、JR西日本やバス事業者などの関係交通事業者、御庄まちづくり協議会などとの協議、調整を加速させ、令和7年度末の完成に向けて取り組んでまいりますので、よろしくお願いいたします。 ◎産業振興部長(賀屋和夫君)  第4点目のMICE(マイス)についての(1)誘致の可能性と現在の取組状況についてお答えします。 議員御案内のMICEについてですが、このMICEを活用した取組は、交流人口の拡大や観光による消費の拡大など、開催地における高い経済波及効果のほか、ビジネス機会・イノベーションの創出、都市ブランド・競争力の向上等が期待されております。 また、観光庁においては、国のMICE誘致を牽引することができる実力ある都市を育成するため、札幌市、仙台市、東京都、千葉市、横浜市、名古屋市、大阪市、神戸市、京都市、広島市、福岡市、北九州市の12都市を、グローバルMICE都市として選定されています。 本市のMICEに関する取組としましては、広島広域都市圏の第2期広島広域都市圏発展ビジョンにおいて、「MICE受入態勢の整備」が事業として掲げられており、本市も連携市町としての役割を担っているところです。 事業概要としましては、歴史的建造物や文化施設等での会議の開催など、特別感や地域特性を演出するユニークベニュー等の充実に向けて、圏域内市町等と連携して取り組むこととされています。 ユニークベニューとは、博物館・美術館、歴史的建造物、神社仏閣、城郭、庭園・公園等の屋外空間などで会議・レセプションを開催することにより、特別感や地域特性を演出できる会場のことで、広島城や宮島エリアとともに、本市からは錦川エリア(錦帯橋・岩国城)などが、広島市のホームページで紹介されています。 本市におけるMICEの開催につきましては、大規模な国際会議になれば施設の規模など様々な問題が生じるため、開催に向けては多くの解決すべき課題があると考えております。 一方で、近年、Wi-Fi設備等の環境整備が進み、小規模な企業等の会議や研修旅行等は対応可能となってきていることから、そうした既存施設を十分生かし、一層の活用が図られるよう観光PRと合わせて情報提供を行うことが重要であると考えております。 市といたしましても、MICEを活用した取組は、交流人口の拡大や観光による消費の拡大などがもたらされる有効な手段であると認識していることから、関係機関と連携しながら様々な角度から総合的に検討してまいりますので、よろしくお願いします。 ◆10番(丸茂郁生君)  それでは、順不同で第3点目の新岩国駅前広場改修事業についてから再質問させていただきます。 新岩国駅前広場改修事業によって利用者の方々の利便性が向上されることについては期待しているところではありますけれども、一方で新幹線を利用される方々からは、新幹線に乗ろうとしたが駐車場がいっぱいで新幹線に乗り遅れた、新幹線を利用しようとしたが車を止めることができなかったので、そのまま高速道路を使った、また、駐車場がいっぱいの可能性があるので新岩国駅は使えないなど、駐車場がなくて困ったという数多くの声が上がっています。 そこで、そのような状況の中、駅前広場の工事中の一般車駐車場の代替などは考えておられるのか、お伺いいたします。 ◎都市開発部長(内坂武彦君)  新岩国駅前広場の駐車場を含め、周辺の民間の時間貸し駐車場について、繁忙期や休日などは満車で駐車場が利用できないときがかなりあるということは、私としても承知しているところでございます。 また、駅前広場のリニューアル工事につきましては、バスやタクシーなどの公共交通の利便性を優先しながらの工事となりますため、駅前広場内の一般駐車場は工事期間中の利用は難しくなります。 そのため、議員がおっしゃられたように、現状でも時間貸し駐車場が不足しているという状況を踏まえ、現在の駅前広場の一般駐車場の35台分相当につきまして、駅周辺で仮設駐車場が確保できるよう、現在の駐車場を管理していますJR西日本と協議を重ねているところですので、よろしくお願いいたします。 ◆10番(丸茂郁生君)  先般、経済常任委員会の行政視察で、関西方面に行くために新幹線を利用するに当たって、駐車場に車を止められない場合を想定して、わざわざ駐車場を前もって予約して利用させていただいたという状況がありました。やはり、駐車場がないかもしれないという不安解消のため、新幹線を安心して利用できる環境整備は必要と考えます。 そのようなことから、岩国市のほうからJR西日本に対して強く要望していただきたいと思います。 また、これは岩国商工会議所のほうからもJR西日本に対して要望されたこともお聞きしております。 そこで、周辺の駐車場不足の解消対策についてどのように考えておられるのか、お伺いいたします。 ◎総合政策部長(國廣光秋君)  新岩国駅の周辺を含めました駐車場不足の対策でございますけれど、こちらにつきましては、新幹線を運行しておられますJR西日本において、新幹線を利用されている方のために対応していただく必要があると考えているところでございます。 こうしたことから、毎年度、県を通じて行っております西日本旅客鉄道株式会社に対する要望の中に、今年度から新たに新岩国駅駐車場の確保といったことを追加いたしまして要望を行ったところでございます。 そのほか、市といたしましても、駐車場不足の解消に向けまして、随時JR西日本とも意見交換を行っていきますとともに、公共交通の利用促進といった観点からも、市として何ができるかといったことにつきまして検討していきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆10番(丸茂郁生君)  しっかりと要望していただきますよう、また、強く求めておきます。 また、新岩国駅周辺の駐車場の空き情報や場所についても分かりやすく表示した案内板などの設置も併せて検討いただきますよう、重ねて要望しておきます。 それでは、次に、MICEについての再質問に移ります。 MICE誘致に関しては、残念ながら現在、本市では実績が見られないのが現状です。また、先般、経済常任委員会と岩国商工会議所で意見交換会を開催させていただいた際に、議題の一つとしてMICEの誘致について取り上げさせていただきました。岩国商工会議所から毎年、継続的な要望書が本市に提出されていますが、その一つの要望事項にMICE誘致が挙げられています。本市からは効果的なPRを行うことで誘致活動に取り組みたいと考えていると回答しているわけでもございますから、地域経済の発展に向けての有効な手段として期待されるMICE誘致の実績を、これからも積み重ねていく必要があると思います。 そのためには受け身ではなくて、こちらから積極的な働きかけで誘致を促進していくことが必要不可欠であることから、壇上からの御答弁に関係機関と連携しながらとのお言葉がありましたが、それでは実際、今後、どのように働きかけを行っていく考えなのか、お答えいただけたらと思います。 ◎産業振興部長(賀屋和夫君)  壇上からも答弁させていただいたとおり、MICEの誘致につきましては、大規模な国際会議等の開催には多くの課題があるというふうに考えております。 ただ、本市でのMICEの開催ということであれば、近隣の広島市で開催される国際会議のサテライト会議や国際会議の開催期間中、または開催後の視察旅行などで本市を訪れていただくことなどが想定されているところです。 今後の取組としましては、広島広域都市圏のほか山口県観光連盟におかれましてもMICE誘致に取り組まれておりますので、そうした機関とも情報共有を行いながら、また、MICEに取り組んでおられます他市の事例なども参考にしながら、手法について調査研究してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆10番(丸茂郁生君)  先般、私も出席した会合の中で、桑原議長のほうが御挨拶の中で、観光PRを大使館にも行っていきたいとの思いを述べられました。それを聞いて、そういった観点もあることに、なるほどなと感じました。その場には副市長も同席されておられましたので、話は御存じであると思います。 そこで、このMICE誘致に向けても、大使館をはじめ様々な場所に働きかけを行うことについて、副市長の御所見をお願いできたらと思います。 ◎副市長(杉岡匡君)  先般の会議におきまして、桑原議長のほうから発言されたことは確かに私もその場におりましたので伺っております。 やはり、MICEに関しましては、なかなか大規模な会議を岩国で行うというのは、先ほど部長も申し上げましたけれども、それに伴う波及的な効果を岩国市としてどのように享受できるか、そういった考え方を持っておかなければならないと、まずは思います。 そういった中で、どういった方面にどのように活動していくか、それにつきましては大使館なり、観光という縛りにかかわらず、そういったあらゆる方面にPRをしていくことも一つの考え方として、これは全く否定はいたしません。そういったことも効果がある可能性があるんだろうなというふうに思っておりますので、幅広く考えてまいりたいと思います。 ◆10番(丸茂郁生君)  前向きな御答弁をありがとうございます。議会と岩国市、一緒になって大使館のほうへ行ければなというところがありますので、よろしくお願いいたします。 それでは次に、太陽フレアについての再質問をさせていただきたいと思います。 先ほど、壇上からも御説明がありましたようなことが起こるかもしれないと、知っているか、知っていないかで、被害を受けたときの一人一人の対応も変わってくると思います。 東京都江戸川区などでは、この太陽フレアの問題についてホームページで周知を図っています。また、全国各地の市議会とか町議会の中でも、この問題を一般質問でされている議員たちもたくさんおられます。 壇上からの御答弁に、国の動向を注視しつつ太陽フレアに関する情報収集に努め、市民への情報発信など適切に対応してまいるとありましたが、本市としても市民の皆様に向けて、市報やホームページで周知を図るということで理解してよろしいのでしょうか。 ◎防災危機管理担当部長(廣田雅之君)  議員御案内のとおり、江戸川区のホームページに太陽フレアの概要について掲載している内容を確認いたしました。 市といたしましても、危機をあおるという観点ではなく、知っていただくことも大切なことだと思っております。どのような内容になるのかも含め、ホームページへの掲載について検討してまいりたいと考えております。 ◆10番(丸茂郁生君)  その辺のところもしっかりと検討していただきたいと思います。 それで、様々な被害が起こることは想定されますけれども、その一つとして、本庁のシステムが断続的にダウンする可能性はあると考えてよろしいのでしょうか。また、その場合、さらにどのような問題が発生する状況に陥るかについて、お伺いいたします。 ◎デジタル改革担当部長(上田清次郎君)  市民サービスの提供や市役所の機能維持に各種のシステムはもうなくてはならないという存在になっております。太陽フレアが発生した場合、システムに関しましては、特に広域停電の影響が懸念されます。停電が発生した場合、システムの基幹となるサーバーやクラウドなどは、無停電装置などで一定期間、電力が供給されるよう対策を取っているため、システム本体のダウンやデータの喪失といった事態は回避できます。 一方、運用するためのネットワークや端末について、停電の影響を受け、窓口サービスが提供できないといったようなことが起こるおそれはあると考えております。停電が短時間であれば、こうした事態もすぐに復旧することが可能ですが、停電が継続的に長期間に及んだ場合にはシステムの運用への影響が心配されます。 また、システム以外でも電話やメールなど、職員間や市民との通信手段の遮断、また、交通インフラの障害により職員自体が登庁できないなど、市役所全体の機能維持に影響を及ぼす可能性があるというふうに考えております。 ◆10番(丸茂郁生君)  公共施設も機能が停止するということになります。そのようなことから、大規模な太陽フレアの被害が発生していた場合、これを危機管理課だけで対応するのは困難であると想定することから、万が一に備え防災計画に掲載することや全庁的に対策会議を事前に行う必要があると考えますが、いかがお考えでしょうか。 ◎防災危機管理担当部長(廣田雅之君)  現時点では具体的な対策をちょっと申し上げることはできないんですけれども、またしっかりと情報収集を行った上で、国や県の動向を踏まえながら対応を検討してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆10番(丸茂郁生君)  しっかりと国や県の動向を把握しながら情報収集に努めていただきたいと思います。 今回、私がこの質問をすることが、市役所内でも何か話題になっているとのお話を聞きました。こういったことがあるかもしれないと思っていただくことで、一歩早く対応できると思います。 さらに、対策会議などで早めに話合いをしていくことで、この太陽フレアの脅威を知らない自治体よりも一段階早く、素早く対応ができると思います。ぜひしっかりと調査していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 大規模な対策会議をしっかりとしていただきたいと思うんですけれども、この太陽フレアに関して、市長、何か御所見があればお願いしたいと思います。 ◎市長(福田良彦君)  まさに、もう地球規模から宇宙規模の話になるんだと思いますが、非常にロマンを感じると同時に、やはりこういった課題についても日頃から意識しておくことは大切なのだろうと思います。 今回、改めてこの太陽フレアの課題について今、総務省から警告等が出ておるのは、やはり携帯電話とか通信関係を所管する上で総務省なんだろうというふうに推察するわけでありますが、幅広く国民全体のいろんな生活に影響が及ぼうとするならば、やはりこれはもっと総務省だけでなくて内閣官房とか危機管理を含めたところでも、全体的に国からいろんな想定をしながら全国の自治体、また関係企業も含めていろんな対策ということは、しっかりと今のうちから出てくることがあるんだろうと思います。 そういった意味で、今回、丸茂議員からこういった太陽フレアについての意見を一般質問で上げてもらうことによりまして、我々も改めてこういったことにも認識を日頃から持つという意味では、非常に大きな課題を投げかけてもらったというふうに受け止めているところであります。 大きな影響がないことは望むわけでありますが、昨今、何が起きてもおかしくない時代でありますので、我々も日頃からこういった技術的なことが含んでまいりますが、我々としても注視し、関心を持って取り組んでいきたいというふうに思っております。 ◆10番(丸茂郁生君)  何が起きるか分からないと、今、市長がおっしゃいましたけれども、そういったことが起きるかもしれませんので、しっかりと心構えをみんなでできればと思っております。 それでは、最後のシティプロモーションについてなんですけれども、戦略的なシティプロモーションをさらに強化していくためには、目的を明確化した上で施策の評価、または効果の検証を行うことが大切です。そこで、本市におけるシティプロモーション施策の効果の検証についてお伺いいたします。 ◎産業振興部長(賀屋和夫君)  本市におけるシティプロモーション施策の効果につきましては、岩国市総合計画において、達成度を図る指標としまして、株式会社ブランド総合研究所が毎年行っております地域ブランド調査の情報接触度という項目を設定し、検証していくこととしております。 情報接触度とは、過去1年間に、本市について情報、話題などを見たり聞いたりしたことがあるかという問いに対しまして、何度も見聞きしたを100点、見聞きしたことがあるを50点、全く見聞きしていないをゼロ点として、それらを加重平均して点数を算出するものになります。 このほか、個別の事業につきましては、テレビメディアを活用した取組では視聴率や広告換算値を、ウェブ、SNSを活用したものでは再生数やリーチ数、フォロワー数など、イベント実施によるPRなどではアンケートを行うなど、それぞれの取組の数値や御意見なども幅広く参考にしているところでございます。 ただ、シティプロモーションの効果がどの程度、個々の取組の数値に反映されているかということにつきましては、なかなか検証が難しいというのが現状でございます。 こうした中、本年5月には、関係人口の創出拡大を目的に、岩国市公式ファンクラブを開設しており、この会員数についても、効果の検証を図る指標の一つと考えております。 市としても、こうした数値の検証も重ねながら、今後も効果的なプロモーションに努めていきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆10番(丸茂郁生君)  先般、経済常任委員会の視察で奈良県生駒市のほうに、シティプロモーションの調査のために行かせていただきました。その生駒市では、社会価値を生み出す設計図として、初期成果、中間成果、長期成果の指標を示す価値創造モデルを作成し、シティプロモーション施策の成果の見える化に取り組んでおられることを学ばさせていただきました。シティプロモーション施策の効果の検証というのは、今、御答弁にもありましたように、なかなか難しい課題ではありますが、生駒市のような先進的な取組も参考にしていただきたいと思います。我々も視察に行って勉強して学んだことをやはり生かしていきたいので、これも参考にしていただきたいと思います。いかがでしょうか。 ◎産業振興部長(賀屋和夫君)  議員御案内の生駒市が実施しておりますシティプロモーションにつきましては、主体的に地域に関わろうとする意欲を高めることで、主体的な地域参画やシビックプライドの醸成につなげ、暮らす価値のある町を目指す取組というふうに理解しております。こうした取組に関わった方におかれましては、参加する意欲や知人等に推奨する意欲などが向上することから、これらを数値化した指標を設定しているというふうに認識しております。 議員御指摘の効果の検証につきましては、生駒市などの取組を参考にしながら、引き続き調査・検討していきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆10番(丸茂郁生君)  しっかりと調査研究していただきたいと思います。 それでは最後に、市長にお伺いいたします。 先日、岩国市の御当地ヒーローの事業を運営する副代表の方とお話をする機会がございました。そのお話の中で、今後の岩国市のシティプロモーションのヒントになることを見つけました。それは、人の温かさを生かした、行きたくなるプロモーションです。私が思う岩国人のよさというのは、岩国の人は、特に優しい人が多いですし、人のよさを多く感じることがあります。市長におかれましては、岩国市民の特性・特色をどのように感じておられるのでしょうか。これを聞くというよりも、本市の商工振興課では、企業誘致を行う際に、不動産を一緒に回って物件探しをお手伝いするなど、懇切丁寧に対応を行っておられるようです。最近、岩国市で起業された中の一事業者がおっしゃられたようなんですけれども、岩国市を選んだ理由、それは、親身になって一緒に考えてくれた、それが一番の決め手になったとのことです。何が言いたいかというと、これまでのハード・ソフトの両面で本市のプロモーションをしていくことも大変大切なことだと思いますが、岩国人の特色である岩国らしさ、優しさや温かさでもって、おもてなしの心で、岩国市に行きたくなるシティプロモーションを展開していくことも、新しい魅力発信の手だてではないかと思います。この私の思いをどのように受け止めていただけるか分かりませんけれども、こういった新しい観点というか、いろいろな観点で、岩国市の魅力を発信していければと思っておりますが、市長の御所見がありましたら、何かお願いできたらと思います。 ◎市長(福田良彦君)  シティプロモーションなり、企業誘致につきましては、職員もいろんな民間の方々といろいろ接触をするわけでありますけれど、これまで岩国錦帯橋空港開港以来、数多くのIT系の企業、サテライトオフィス等が我が市に立地しております。まずは職員が、岩国に関心を持ってもらうために企業にアプローチするわけでありますが、やはりアプローチした最初の段階から、民間の方々のリクエストとかに、物件探しもそうでありますが、熱量を持ってしっかりと――民間の企業は、やはり時間が、タイムイズマネーでありますから、非常に時間的なこと、また、いろんな規制緩和、また、いろんな市の独自の補助メニュー、こういったことも打てば響くような感覚で市の職員も対応してきております。これに企業からいい受け止めをしていただいて、岩国市はそういった意味では非常にポテンシャルが高いと、非常にフットワークもいいということで、実際に岩国に足を運んでいただいて、一緒にいろんな相談なり物件探し、そういったことに岩国市の対応が非常によかったという、ほかの市と比べてもよかったという中で立地を決めていただいた、進出を決めていただいたという経緯は確かにあります。 また、実際に進出協定ができた後のお付き合いも、岩国市といたしましても、その企業にはその後のフォローアップも含めて真摯にいろいろできる、また支援も継続してやっていきますという、そういった関係をつないでおります。 そういった取組がほかの企業にも、岩国市にはどうもそういった対応をしてもらっているという話がいろんな企業の中で広まっていく中で、新たな企業進出の話が来るという、そういったいい連鎖が広がっているんだろうと思っています。そういった意味では、市職員の民間の企業や事業者との接触・やり取りについては非常にフットワークよく、スキルも上がってきているんだろうと思っていますので、これはまさに職員の頑張りだと思っております。 また、そういった意味では、シティプロモーションも同じだろうと思っています。外に出ていろんな方々、民間の意見も聞きながら商工会議所や各議員が視察に行かれる中で、そういった視察先の話も聞かせていただいていまして、先進地の取組を聞くだけであれば何も生まれませんので、そういった聞いてきた話を我々としても吸収して、岩国市の場合、じゃあどういった形でアレンジできるのかとか、しっかりといろいろな課題を聞いた上ですぐに行動を起こしていく。行動に移す中で、いろいろな試行錯誤もしていきながら、シティプロモーションなり企業誘致の実績をさらに増やしていきたいなというふうに考えております。 そういった意味で、常日頃から、やはり現場に行かないと分からないことがたくさんありますので、我々は、岩国市職員を含めて、やはり現場にしっかりと赴いて、いろんなことを感じながら市政運営に生かしていくという、そういった発想は大事にしていきたいなというふうに思っているところであります。 ◆10番(丸茂郁生君)  人の心に寄り添ったシティプロモーションをこれからも展開していただきたいと思います。それが私のロマンであります。 以上で、終わります。 ○議長(桑原敏幸君)  以上で、10番 丸茂郁生君の一般質問を終了いたします。 以上で、通告されました一般質問は全て終了いたしました。 これにて一般質問を終了いたします。―――――――――――――――――――――――――――――― △日程第3議案第72号岩国市中央公民館新築工事請負契約の締結について        議案第73号 岩国市中央公民館新築機械設備工事請負契約の締結について ○議長(桑原敏幸君)  日程第3 議案第72号 岩国市中央公民館新築工事請負契約の締結について、議案第73号 岩国市中央公民館新築機械設備工事請負契約の締結について、以上2議案を一括議題といたします。  (議案別添) ○議長(桑原敏幸君)  当局の説明を求めます。 ◎総務部長(石橋誠君)  議案第72号 岩国市中央公民館新築工事請負契約の締結について及び議案第73号 岩国市中央公民館新築機械設備工事請負契約の締結についてをまとめて御説明いたします。 これらの2議案は、岩国市中央公民館の新築工事、新築機械設備工事の請負契約を締結することについて、岩国市議会の議決に付すべき契約及び財産の取得は処分に関する条例第2条の規定により、市議会の議決を求めるものです。 工事の内容につきましては、解体した旧岩国市中央公民館の跡地において、同施設が備えていた公民館、出張所、図書館、市民活動支援センターの機能を引き継ぎ、交流し、学び、考え、育み、実践する拠点づくりを目指して、鉄骨造3階建て、延べ床面積約2,964平方メートルの公民館施設等を整備するものです。 まず、議案第72号の契約につきましては、条件付一般競争入札の方法により、消費税及び地方消費税の額1億5,260万円を含めた予定価格16億7,860万円で入札を執行した結果、3社の入札参加者のうち株式会社大島組が、消費税及び地方消費税の額1億4,275万円を含め、請負金額15億7,025万円で落札いたしましたので、同社と工事請負契約を締結しようとするものです。 次に、議案第73号の契約につきましては、条件付一般競争入札の方法により、消費税及び地方消費税の額1,958万円を含めた予定価格2億1,538万円で入札を執行した結果、4社の入札参加者のうち株式会社桐田商会が、消費税及び地方消費税の額1,810万8,500円を含め、請負金額1億9,919万3,500円で落札しましたので、同社と工事請負契約を締結しようとするものです。 これらの工事の期間につきましては、議会の議決を経た後、市長が本契約を成立させる旨の意思表示をした日の翌日から令和8年3月27日までとしています。 なお、令和6年度の歳出予算、令和7年度までの限度額を設定する債務負担行為について、本年3月市議会定例会において御承認をいただいているところです。 以上、御審議のほど、よろしくお願いいたします。 ○議長(桑原敏幸君)  本2議案に質疑はありませんか。  〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(桑原敏幸君)  別になければ質疑を終結し、本2議案は委員会において審査していただくことにして、2議案とも総務常任委員会に付託いたします。 以上をもちまして、本日の議事日程は全て終了いたしました。 ここでお諮りいたします。明6月19日から6月26日までの本会議は休会とし、次の本会議は6月27日に再開いたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(桑原敏幸君)  御異議なしと認め、さよう決しました。 本日はこれにて散会いたします。午後4時56分 散会 ――――――――――――――――――――――――――――――  地方自治法第123条第2項の規定により署名する。                         岩国市議会議長  桑 原 敏 幸                         岩国市議会副議長 松 川 卓 司                         岩国市議会議員  石 本   崇                         岩国市議会議員  石 原   真                         岩国市議会議員  山 本 辰 哉...