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09月11日-05号

  • "離島航路"(1/1)
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  1. 岩国市議会 2023-09-11
    09月11日-05号


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    令和 5年 第4回定例会(9月)令和5年第4回岩国市議会定例会会議録(第5号)令和5年9月11日(月曜日)――――――――――――――――――――――――――――――議事日程(第5号)令和5年9月11日(月曜日)午前10時開議┌───┬───────────────────────────────────┬───┐│日 程│   件                           名   │備 考│├───┼───────────────────────────────────┼───┤│第 1│会議録署名議員の指名                         │   │├───┼───────────────────────────────────┼───┤│第 2│一般質問                               │   │└───┴───────────────────────────────────┴───┘――――――――――――――――――――――――――――――本日の会議に付した事件 目次に記載のとおり――――――――――――――――――――――――――――――出席議員(28人) 1番 小 川 安 士 君 11番 広 中 信 夫 君 21番 石 原   真 君 2番 松 田 一 志 君 12番 細 見 正 行 君 22番 山 本 辰 哉 君 3番 長 岡 辰 久 君 13番 瀬 村 尚 央 君 23番 武 田 伊佐雄 君 4番 姫 野 敦 子 君 14番 桑 田 勝 弘 君 24番 松 川 卓 司 君 5番 中 村 恒 友 君 15番 中 村   豊 君 25番 片 岡 勝 則 君 6番 広 中 英 明 君 16番 野 本 真由美 君 26番 貴 船   斉 君 7番 重 岡 邦 昭 君 17番 奥 江 徳 成 君 27番 植 野 正 則 君 8番 川 口 隆 之 君 18番 藤 本 泰 也 君 28番 桑 原 敏 幸 君 9番 矢 野 匡 亮 君 19番 藤 重 建 治 君10番 丸 茂 郁 生 君 20番 石 本   崇 君――――――――――――――――――――――――――――――説明のため出席した者       市長             福 田 良 彦 君       副市長            杉 岡 匡 君       教育長            守 山 敏 晴 君       水道事業管理者        辻 孝 弘 君       審議監            村 田 光 洋 君       総務部長           石 橋 誠 君       危機管理監          桝 原 裕 司 君       総合政策部長         國 廣 光 秋 君       デジタル改革担当部長     上 田 清 次 郎 君       基地政策担当部長       穴 水 辰 雄 君       市民協働部長         小 玉 陽 造 君       文化スポーツ振興部長     遠 藤 克 也 君       環境部長           神 足 欣 男 君       福祉部長           中 本 十 三 夫 君       こども家庭担当部長      宮 井 ま ゆ み 君       健康医療部長         片 塰 智 惠 君       産業振興部長         加 納 芳 史 君       農林水産部長         藏 田 敦 君       建設部長           村 重 総 一 君       都市開発部長         内 坂 武 彦 君       由宇総合支所長        岸 井 清 市 君       周東総合支所長        竹 原 直 美 君       錦総合支所長         的 場 敏 君       美和総合支所長        藤 野 修 二 君       会計管理者          村 上 さ ゆ り 君       教育次長           丸 川 浩 君       監査委員事務局長       仁 田 誠 彦 君       農業委員会事務局長      有 馬 秀 樹 君       選挙管理委員会事務局長    藤 本 忠 夫 君       水道局副局長         竹 嶋 勇 君       消防担当部長         冨 岡 英 文 君――――――――――――――――――――――――――――――会議の事務に従事した職員       議会事務局長         冨岡啓二       庶務課長           仁田泉       議事課長           林孝造       議事調査班長         河村佳之       書記             石川貴規       書記             中西祐一郎       書記             田邨直暉――――――――――――――――――――――――――――――午前10時 開議 ○議長(桑原敏幸君)  所定の出席議員がありますので、会議は成立いたしました。 これより本日の会議を開きます。 本日の議事日程は、お手元に配付しておるとおりであります。―――――――――――――――――――――――――――――― △日程第1会議録署名議員の指名 ○議長(桑原敏幸君)  日程第1 会議録署名議員の指名をいたします。 本日の会議録署名議員は、会議規則第81条の規定により、21番 石原 真君、22番 山本辰哉君、23番 武田伊佐雄君を指名いたします。―――――――――――――――――――――――――――――― △日程第2一般質問 ○議長(桑原敏幸君)  日程第2 9月8日に引き続き、一般質問を続行いたします。 26番 貴船 斉君。 ◆26番(貴船斉君)  皆さん、おはようございます。26番 憲政会 貴船 斉でございます。早速ですけれども、通告に従い一般質問を行います。 1点目、人口減少下における岩国市のまちづくりについて、(1)10年後を見据えたまちづくりについて、ア、岩国市の現状について、イ、今後の対応について。 2点目、岩国錦帯橋空港の今後について、(1)現在の利用状況について、(2)沖縄便の利用促進と増便について。 以上2点について質問いたします。 1点目、人口減少下における岩国市のまちづくりについて。 我が国の人口は減少の一途をたどり、歯止めのかからない状態が続いており、都市圏に比べ地方がその傾向が顕著になっております。山口県においても本市においても同様で、本市では、令和2年の国勢調査では12万9,125人でしたが、本年令和5年8月1日発行の岩国市の広報紙によりますと、7月31日現在で12万7,411人(外国人を含む)となっています。 この状況を踏まえ、令和2年の岩国市まち・ひと・しごと創生総合戦略、令和5年3月改訂の岩国市人口ビジョン、同じく3月の第3次岩国市総合計画においても、市の人口減少の将来予測が明記され、危機感を持った対応策が示されております。 今回の一般質問では、人口は自治体の活力の源であるとの考えを基に、10年後を見据えたまちづくりについて、岩国市の現状について、今後の対応について伺います。 2点目、岩国錦帯橋空港の今後について、(1)現在の利用状況について。 新型コロナウイルス感染症の影響は、想定外の事態でしたが、間もなく開港11年目を迎えようとしております。現在の利用状況について伺います。 (2)沖縄便の利用促進と増便について。 現在、1日1便の往復運行をしているところですけれども、利用状況は好調であると聞いております。空港関係者の皆様の利用促進に向けた取組の努力のたまものであると敬意を表します。錦帯橋空港の便数枠があることは承知の上で、増便の可能性を伺います。 以上で、壇上からの質問を終わります。 ◎市長(福田良彦君)  皆さん、おはようございます。それでは、貴船議員御質問の第1点目の人口減少下における岩国市のまちづくりについての(1)10年後を見据えたまちづくりについてお答えいたします。 まず、岩国市の現状についてでありますが、我が国の人口推移につきましては、平成20年の約1億2,808万4,000人をピークに減少傾向にあり、令和4年には約1億2,494万7,000人となっております。また、山口県におきましても、昭和60年の160万1,627人から減少が続いており、令和4年には131万2,950人となっております。 このような減少傾向は、本市も例外ではなく、昭和55年の16万3,692人から人口減少が続いてきております。 令和2年の国勢調査における本市の人口は12万9,125人であり、平成22年の14万3,857人と比較いたしますと、10年間で1万4,732人減少しています。 こうした状況を踏まえ、本市における人口の現状を分析し、人口の将来展望と今後目指すべき将来の方向を提示するため、本年3月に岩国市人口ビジョンを改訂したところであります。 本市の将来人口は、このまま人口減の対策を講じない場合、令和2年の国勢調査で12万9,125人であった人口は、令和14年には11万540人に、令和52年には5万5,600人に減少し、また、少子高齢化も進行すると推計しています。 次に、今後の対応についてでありますが、こうした人口減少や少子高齢化は、本市の活力の低下につながることから、将来的に税収の減少や社会保障費の増加を招き、行政サービスの維持にも影響を及ぼすと予測されます。また、労働人口の減少による地域経済の活力の低下と地域社会におけるコミュニティー活動や伝統文化の継承などを担う人材不足を招くことが懸念されます。 こうした将来予測を踏まえ、人口ビジョンにおいて、目指すべき将来の方向を、若年層・子育て世代の定住希望をかなえる、出生率上昇を図るため若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる、人口減少・高齢化に伴う地域課題を解決すると示したところであります。 1点目の若年層・子育て世代の定住希望をかなえるにつきましては、企業誘致等による雇用創出を推進するとともに、観光、地域間交流や国際交流等の分野で、誰もが活躍できる雇用創出を目指すことで、定住人口の確保に努めます。 2点目の出生率上昇を図るため若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえるにつきましては、出産、保育、医療、教育に関わる経済的負担の軽減や、就業しながら出産・子育てができるワーク・ライフ・バランスのための環境整備等に取り組むことで、特に子育て世代等の満足度の向上と本市への定住促進を図ってまいります。 3点目の人口減少・高齢化に伴う地域課題を解決するにつきましては、人口減少下においても、効率的な行政運営を継続しながら、医療・介護、防災、地域交通等の社会システムの充実に総合的に取り組むこととしております。 このほかにも、今後の本市の将来を見据えて、教育の充実など未来を担う人材の育成をはじめ、高齢者や女性など幅広い人材が活躍できるまちづくり、さらには、地域づくりの活動への支援などを進めてまいります。 あわせて、デジタル技術の活用による行政手続や窓口業務の効率化等の行財政改革を進めるとともに、市民サービスの向上を図ることで、将来にわたり健全な行政経営に取り組んでまいります。 さらに、近年は高度経済成長期に整備されたインフラや公共施設の老朽化が進行しており、これらの維持管理や更新に大きな負担が生じるものと見込まれているところであります。そのため、市民の方が利用する公共施設については、より効率的かつ効果的な維持管理を図り、質と量の最適化に資する公共施設マネジメントを推進します。 市としましては、今後10年間のまちづくりの指針となる岩国市総合計画や岩国市まち・ひと・しごと創生総合戦略に基づく施策を着実に実施することで、国や山口県の地方創生に関連する事業などを積極的に活用することにより、人口減少の抑制やさらなる行政経営の効率化に取り組んでまいりますので、よろしくお願いいたします。 ◎副市長(杉岡匡君)  第2点目の岩国錦帯橋空港の今後についてお答えいたします。 (1)現在の利用状況についてですが、岩国錦帯橋空港につきましては、平成24年12月13日に開港し、現在では羽田線5便と沖縄線1便の合計6便が往復運航しているところです。開港以来、利用者も順調に伸び、令和元年11月には累計利用者数が300万人を突破するなど、堅調に推移をしておりました。 しかしながら、令和2年から発生した新型コロナウイルス感染症の影響を受け、近年は利用者数が大幅に減少したところでございます。 先行きが見通せない状況ではありましたが、新型コロナウイルス感染症が本年5月に5類感染症に移行されるなど、徐々に利用者数は回復の兆しを見せております。 現在の状況といたしましては、令和4年8月以降は全便が運行されており、令和4年度の搭乗率は、羽田便で52.6%、沖縄便で50.5%、全体で52.3%になるなど、令和元年度の搭乗率と比較して8割程度まで回復をしてきております。 また、令和5年度の7月までの搭乗率は、羽田便で57.1%、沖縄便で67.4%、全体では58.8%となっており、累計の利用者数も380万人を超えている状況でございます。徐々に増加傾向にあるインバウンドの需要を踏まえると、利用者数、搭乗率ともに、今後も増加していくものと期待をしております。 次に、(2)沖縄便の利用促進と増便についてでございますが、まず、利用状況につきましては、令和5年3月に過去最高の85.7%を記録しており、4月以降につきましても、コロナ前の令和元年度を上回る搭乗率で推移をしております。 その要因といたしましては、沖縄便の利用が主に観光目的となっている岩国錦帯橋空港などの地方空港においては、全国旅行支援の影響が大きいと推察をしております。 これまでの利用促進の取組につきましては、広島県西部地域を対象として重点的に実施をし、利用の掘り起こしと沖縄便の認知度の向上に努めてきたほか、文化・芸術、スポーツ等の交流促進を図るため、岩国市と沖縄県の市民団体を対象として、旅行費用の一部を助成する相互交流事業を平成28年度から継続して実施してきております。 また、岩国錦帯橋空港の全体の便数は、日米合同委員会において6枠での運航で承認されていることから、議員御案内の増便につきましては、現時点では難しいものと考えております。 市といたしましては、まずは、現在運航している沖縄便を継続就航させることが重要であり、岩国から沖縄に向けた観光利用だけでなく、沖縄から岩国への誘客につながる取組も必要と考えており、本市の観光PRをはじめ相互交流事業の強化など、さらなる利用促進に努めてまいりたいと考えております。 今後におきましても、山口県をはじめ関係機関、関係団体の皆様との緊密な連携の下、岩国錦帯橋空港利用促進協議会岩国錦帯橋空港支援協議会を通じて、ビジネスや旅行需要の喚起を強力に推進し、岩国錦帯橋空港の一層の利用促進に取り組んでまいりますので、よろしくお願いいたします。 ◆26番(貴船斉君)  それでは、自席から再質問を行いたいと思います。通告の順序を変えて再質問したいと思います。 最初に、岩国錦帯橋空港の今後についてから始めたいというふうに思います。 開港以来、かなり順調な利用状況で推移してきた中で、想定外の新型コロナウイルス感染症の大きな影響をも乗り越えて、本年度は利用者数、搭乗率ともに新型コロナ以前に回復しそうであるということで、大変喜ばしいことだと思います。特に沖縄便の搭乗率は大変好調であるということです。しかし、増便については、現時点では困難であるとのはっきりした答弁で、増便よりは、むしろ沖縄便については存続が重要であるとの答弁でした。 そこで、沖縄便のさらなる躍進を目指して質問いたします。沖縄便の利用客については、岩国側からの利用がほとんどで、沖縄県の方の利用は少ないと思いますけれども、もっと沖縄からの誘客に努力の余地があるのではないでしょうか。 ◎産業振興部長(加納芳史君)  岩国錦帯橋空港では、搭乗ゲート内におきましてアンケート調査を実施しているところでございまして、少し数字を御紹介しますと、沖縄便の利用客の状況は、昨年度の行き利用、岩国側からの利用が約95%、帰り利用、沖縄からの利用がおよそ5%と。これは、沖縄線の就航当時と比べましても、沖縄からの割合が半分程度になっているところでございまして、議員御案内のとおり、沖縄からの利用が少ないのが現状でございます。 しかし、これは本市に限ったことではないことでございまして、国内におけます大都市以外の地方空港におきましては、沖縄からの利用がおおむね5%で前後するというような状況になっているというふうに空港の関係者からは聞いているところでございます。 そのために、議員からも御紹介がありましたように、まずは沖縄便の運航路線を維持するということを最優先として、市としましては、県内ですとか広島の西部地区を対象にしまして、駐車場の5日間無料でありますとか、アクセスの利便性のPRといったことはもちろんのことでございますが、各旅行会社への広告PRなど、利用促進に努めてきたところでございます。とは申しましても、議員御指摘のとおり、沖縄からの一層の利用促進というのももちろん必要でございます。市としましては、副市長も壇上から答弁を申し上げましたけれども、沖縄での本市の観光のPRもまだまだ必要な中、現在実施をしております相互交流事業の拡充といったことを検討したりですとか、あるいは、那覇空港が国際線の就航するハブ空港であるということを踏まえまして、沖縄を経由してのインバウンドの誘客も視野に入れながら、沖縄からの利用促進にまだまだ取り組んでまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆26番(貴船斉君)  沖縄からの誘客については、増便が駄目だったら、今の時間を変更するということ――今はお昼頃ですか、運航時間をもっと朝早くするとか、沖縄からの利用をしやすいように時間の変更というのはできないものでしょうか。 ◎産業振興部長(加納芳史君)  沖縄便の運航時間は、就航当時は岩国発が11時、那覇発が13時45分でスタートいたしまして、岩国発の旅行者にとっては帰りの時間が早くて、最終日の行動時間が少ないという状況になっておりました。そのために、岩国側からもっと利用しやすいダイヤになるようにというふうに航空会社のほうに要望いたしまして、平成29年3月から15時台にダイヤを調整されまして、現在では那覇発が15時15分で運航しているところでございます。 議員のおっしゃる運航時間の変更というのは、沖縄からの利用を優先しますと、逆に岩国側からの利用減少につながるということが推察されますことから、根本的には増便をしないと実現できないということになってしまうわけでございますけれども、現在の運航枠では、それが難しいというのが現状でございます。 したがいまして、現時点におきましては、この沖縄便の1便をまずはしっかりと、何度も申しますが、維持・継続することが重要というふうに考えているところでございまして、現状維持の施策も行いながら、何度も申しますが交流事業の充実ですとか、観光PR、そういったことをしっかりと行いながら、誘客につながるように努めてまいりたいと考えているところでございます。 ◆26番(貴船斉君)  分かりました。増便についても大変困難であると。時間の変更については、以前ちょっと変更したときがありました。岩国からのお客さんを優先すれば沖縄からのお客さんにとってちょっと不利になると。こちら立てればあちら立たずみたいな感じで、なかなか今のところは時間を動かすのは難しいんじゃないかというようなことです。 それと、やはりまだ岩国錦帯橋空港を利用する沖縄からのお客さんが5%というのは、日本全国どこでもそうだといいますけれども、やはり5%というのはちょっと寂しいような気がします。とにかく沖縄線を維持する。それが最重要であるというふうに、そういうような答弁でありました。それはもっともだというふうに思います。 部長がさっきおっしゃいましたけれども、那覇空港がハブ空港であるということがありますので、それを利用した誘客についてということをちょっとおっしゃられましたけれども、沖縄からの誘客の取組について何かお考えがあれば。なければいい、あれば。 ◎産業振興部長(加納芳史君)  2月に市長とともに沖縄に観光宣伝で参りましたときにも、いろいろと旅行会社の方でありますとか、あちらのコンベンションビューローの方と御相談をすることもある中で、沖縄にはネイルサロン1店舗に行くためにも、ほんのちょっとの小旅行のためにも、海外からも、特に東南アジアの方面ですけれど、来られるお客さんも随分多いというふうに伺ったところでございます。 問題は、そこをハブとして岩国に来ていただくために、どれだけ海外の方にも岩国の魅力、岩国周辺の魅力というのをPRできるのか。もともとそういうお客様というのは、かなりコアな目的を持って来られる方ですから、どこに触れるかというのは、それぞれの方にいろいろなことがあると思いますが、例えば上海とか、それから香港についても、およそ200万人の方が沖縄を通じて訪れていらっしゃるということも聞いていますので、これをどれだけ岩国に魅力を感じてお越しいただけるようにするかは、どれだけ琴線に触れるようなコンテンツを紹介できるかにかかっていると思います。それを広く周知していくためには、まだまだ本市に努力の余地が十分あろうかと思いますので、関係者の方々ともしっかりと御相談をしながら、有効なPRというのをこれからも心がけてまいりたいと思いますので、よろしくお願いします。 ◆26番(貴船斉君)  今部長がおっしゃいましたようなことも含めて、まだいろいろな策はあると思いますので、私どもも沖縄に何度も行きますけれども、それも含めていろんなことを私どもも一生懸命考えます。岩国市としてそれを考えていけば、沖縄からの誘客についてはまだ伸びる余地があるというふうに思います。 それでは次に、これは関連の質問になりますけれども、本年6月定例会において、我が憲政会の岡会長から提案されました、沖縄県宜野湾市との姉妹都市提携締結に向けた交流についての状況は現在どのようになっているか、お伺いいたします。 ◎文化スポーツ振興部長(遠藤克也君)  宜野湾市との姉妹都市提携に向けた状況についてでございますが、本年6月定例会におきまして、今後、岩国錦帯橋空港を軸にした沖縄県との結びつきがさらに深まり、将来的に宜野湾市との民間交流が活発化することが期待されることから、宜野湾市との姉妹都市提携については、先方の意向を適宜把握するとともに、市民の交流を進めつつ、両市の足並みがそろうよう検討していく旨の答弁を行っております。 その後、去る7月22日に沖縄の基地負担軽減を考える議員有志の会が本市で開催された際に、松川宜野湾市長、関係市職員の方が来岩されまして、先方からの申出により、両市長が懇談されるとともに事務レベルでの協議を行ったところでございます。 協議の中では、姉妹都市提携締結に向けて、行政だけでなく、産業、観光、文化、スポーツなど様々な分野で交流していくこと。そのためには、まず、両市の代表的な地域イベントに参加するなどして、市民レベルの交流に広げていくことといった趣旨の方向性を両市の間で確認したところでございます。 この方向性に基づきまして、本市の産業、観光、文化といった様々な分野からの参加があります岩国祭の日程に合わせまして、宜野湾市職員のほか関係団体の方が来岩される予定になっておりまして、その際、両市職員、関係団体間で情報交換等を行う予定としております。また、本市からも今後の宜野湾市の代表的なイベント等に参加することも計画・検討しております。 そのほかですけれども、文化・スポーツ関係では、この秋から冬にかけまして本市で開催します日米親善リレーマラソンですとか、岩国徴古館における創建350年記念展示「錦帯橋展」や錦帯橋芸術祭などへの来場を呼びかけるチラシを宜野湾市に送付し、両市の交流促進を岩国沖縄便の利用促進にもつなげていきたいというふうに考えております。 ◆26番(貴船斉君)  姉妹都市提携の締結に向けては、両市が様々な分野で交流して市民レベルでの交流に広げていくという方向性を確認したということで、まず、地固めをということだというふうに思います。岩国沖縄便の利用促進のためにも、ぜひ締結が実現しますよう、よろしくお願い申し上げます。 それと、今の答弁の中に7月22日に沖縄の基地負担軽減を考える議員有志の会というのがありました。桑原議長の先導、リードでその会があったんですけれども、そのときに4つの市の沖縄の議員の方が岩国に来られたんですけれども、うるま市の議員たちは沖縄と岩国の直行の便があるにもかかわらず、一旦福岡に降りて福岡から新幹線で岩国に来られたというそういうのもあります。これはスケジュールがタイトであったんで、時間の関係、日程の関係でそうせざるを得なかったのだろうとは思いますけれども、そういう利便性がちょっと欠けているという点があるので、一番には沖縄、岩国の直行便があるのにというのが私たちの考えだったんですけれども、もったいないなというふうに思いますけれども、その辺のことも考慮に入れた上で、沖縄便の増便は無理にしても、時間の変更というのも考えていっていただきたいというふうに思います。 それでは、1点目の人口減少対策についてお伺いいたします。 人口減少対策について様々な対策を講じられておりますが、どれも一朝一夕に効果が上げられるものではなくて、長期的な視野で地道な取組が必要であると思います。再質問では、私は身近に感じた人口減少について、影響がある事柄についてお伺いいたします。 将来にわたる人口減少は、本市の財政運営に影響を与えるか。市税の減少も考えられますけれども、本市においてはいかがなものか、お伺いいたします。 ◎総合政策部長(國廣光秋君)  人口減少と主に市税との関係ということですので、市税の中の個人市民税について申し上げたいと思います。 個人市民税につきましては、前年の所得に基づきまして翌年度課税する前年所得課税主義というものが取られております。こういったことで、一般的には、人口減少した年の翌年度には、所得が変動しないということであれば税収は減るといったことが見込まれるところでございます。 ですが、近年は最低賃金の引上げなどがございまして、個々の所得は増える傾向にあるといったこともございまして、税収の見込みにつきましては様々な条件といったものが関わるといったことになります。そのため、こちらの税収につきまして、いつから減収になるとか、そういったことについて見込みのほうはなかなか難しいところがございますが、これまでの実績を見ても、本市の人口につきましては、直近の10年間におきましては、毎年1%程度減少しておりますが、この間の個人市民税につきましては、年によって上下といったものは見られますけれど、おおむね前年と同額の規模で推移しているところでございます。 こういったことを踏まえまして、令和4年度に策定いたしました財政計画及び財政見通しにおいて、市税全体の見込みについては、若干の増減はございますけれど、ほぼ前年同額を見込んでいるところでございます。 ◆26番(貴船斉君)  昨年度、本市の今後10年間の財政計画、財政見通しが発表されておりますけれども、それによりますと、最終年度の令和14年度には、財政調整基金及び減債基金の残高が枯渇するおそれがあるというふうに記載されております。この状態を回避するための今後の財政運営の方針を伺います。
    ◎総合政策部長(國廣光秋君)  今後の財政運営の方針について、まず、財政調整基金につきましては、予算編成の際に歳入の不足のときには取り崩し、財源を補いまして、反対に歳入超過の際には、積み立てることで将来の支出に備えるために設置している基金でございます。こちらの基金の令和4年度末の残高につきましては約94億円、令和5年度末の残高見込みにつきましては約87億円ということになっております。 また、減債基金につきましては、公債費の負担が多くなった場合に取り崩しまして、この財源とすることとしておりまして、令和4年度末の残高につきましては約40億円、令和5年度末もほぼ移動がなく約40億円といった見込みになっております。 先ほど申し上げましたとおり、人口の減少につきましては、必ずしも税収にダイレクトに影響を与えるものではございませんが、少子高齢化といった人口構造の変化と併せまして、今後の長期的な見通しにおきましては、市の財政面におきましても少なからず影響を与えるものであるというふうに考えておりまして、その傾向といたしましては、例えば高齢化の進展などによる社会保障費の増加などが見込まれるところでございます。 こういった財政状況に対応するためには、先ほど申しました財政調整基金でありますとか減債基金、こういった基金を活用するといったことになりますけれど、仮に特に対策もなく、そうした基金に頼りきった財政運営を継続していくことになれば、先ほどの基金残高は年々減少していきまして、いずれは枯渇することになるというふうに見込んでおります。 さらに、今後、令和7年度まで合併特例債を活用した大規模事業が続くといった見通しがございまして、加えてDX、デジタル関係の推進でありますとか、公共施設の保全等の課題にも引き続き取り組んでいかなければならないといった状況がございます。 こういったことで、今後も多額の財政需要が継続することが見込まれているところでございます。このような厳しい見通しではございますが、健全で持続可能な行財政運営を実現するために、財政計画及び財政見通しにもお示ししておりますとおり、自主財源の確保と併せまして、投資政策的経費の抑制及び市債残高の縮減といったことを柱とした、こういった取組を進めることによって将来負担の軽減を図り、なおかつ必要な基金残高を確保することにより、将来にわたり市民の方々にとって必要な行政サービスを提供していけるように努めてまいりたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いします。 ◆26番(貴船斉君)  今るる御説明をいただきました。人口減少が必ずしも税収に大きな影響を与えるものではないということ。特に財政調整基金の減、減債基金の減については、ちゃんと手を打たなかった場合は枯渇するということで、それがないようにちゃんとやりますというふうな今お答えだったので、ちょっと自信をちょっと見たような気がしたので頼もしく思っておりますから、一生懸命頑張ってやってください。 それから、高齢化の進展で社会保障費の増、大規模事業とか公共施設の保全など多額の財政需要が見込まれる厳しい財政運営ということは重々分かっておりますけれども、先ほどおっしゃいましたように、将来的に市民にとって必要な行政サービスを提供できるように努めるというふうに答弁をいただきましたので、私どもも協力いたしますので、ぜひ岩国市のため、市民のために頑張ってやっていただきたいというふうに思います。 それでは次に、今は財政についてお伺いしましたけれども、岩国市まち・ひと・しごと創生総合戦略というのが、国、県、岩国市も策定しましたけれども、それにのっとって、岩国市の創生総合戦略におきましては4つの基本目標、たくさんあるので、全部合わせたら項目が30も40もあるんですけれども、その中の大きい4つの基本目標を掲げられておりますけれども、その達成状況というか、進捗状況についてお伺いしたいんですけれども、お願いいたします。 ◎総合政策部長(國廣光秋君)  本市におきましては、議員御案内のとおり、現在、第2次岩国市まち・ひと・しごと創生総合戦略に基づきまして、人口減少の抑制と地域活力の向上に取り組んでいるところでございます。 こちらの総合戦略におきましては、4つの基本目標を掲げておりまして、その基本目標ごとに、数値目標でありますとか施策といったものを設けておりまして、また、その施策には、その下には具体的な取組でありますとか重要業績評価指標と言われておりますKPIを設定しておりまして、こういったことにより総合戦略の進行の管理と推進を図っているところでございます。 このうち4つの基本目標ごとの数値目標につきまして、現在公表しております、直近の数値であります令和3年度の実績状況について申し上げたいと思います。 まず、基本目標1の「まちとまちをつなぐ交流づくり」につきましては、こちらは数値目標を観光入込客数ということで設けておりまして、令和3年度の目標値400万人に対しまして、実績につきましては135万1,377人といったことでございまして、こちらにつきましては大きく下がっておりますが、こちらは新型コロナウイルス感染症による大きな影響があったということで考えております。 続きまして、基本目標2の「産業振興によるしごとづくり」につきましては、こちらは従業者数を数値目標としておりまして、令和3年度の目標値3万5,450人に対しまして、実績値につきましては3万5,753人ということで、こちらについては目標を達成しているといった状況でございます。 続きまして、基本目標3の「結婚・出産・子育ての希望をかなえる環境づくり」につきましては、こちらは合計特殊出生率を数値目標としておりまして、令和3年度の目標値1.68でございますが、こちらに対しまして実績のほうは1.53ということになっておりまして、こちらは全国的な傾向と同じように、おおむね出生率の低下が続いているといった状況でございます。 最後に、基本目標4の「地域の暮らしを支えるまちづくり」につきましては、こちらは市民満足度調査総合満足度を数値目標としているところでございますが、令和3年度の目標値56.4%に対しまして、実績は56.5%ということでございますので、こちらは目標を達成しているといった状況でございます。 こういったように数値目標につきましては、目標値に達していないものもございますけれど、計画期間の最終年度の令和6年度には目標値を達成できるよう、引き続き総合戦略に掲げているそれぞれの施策を着実に実施してまいりたいというふうに考えております。 ◆26番(貴船斉君)  今、御答弁いただきましたけれども、4つの目標のうち、まちとまちをつなぐ交流づくりについては、観光入込客数の数値目標は達成していなかったわけです。これはお答えにありましたように新型コロナウイルスの影響があったので、これについてはしようがないと思います。 それから、2番目の産業振興によるしごとづくりについては、従業者数を数値目標としていると。これは3万5,450人に対して、実績は3万5,753人ということで、これは達成していると。 4番目の地域の暮らしを支えるまちづくりについて。これは市民満足度調査総合満足度、これを数値目標としていて、令和3年度の目標値は、56%に対して実績は56.5%、これも達成をしている。 達成していないのが、合計特殊出生率を数値目標としている結婚・出産・子育ての希望をかなえる環境づくり。これについて合計特殊出生率が1.68に対して、実績は1.53と。ちょっと目標に届かなかったということです。 これについては目標値を達成できていないものがあるけれども、答弁の最後に、令和6年度には目標値を達成できるように、引き続き総合戦略に掲げるそれぞれの施策を着実に実施してまいりますと、これも自信を持って言い切っておられますので、ぜひ頑張っていただきたいというふうに思います。 目標を達成している項目なんですけれども、人口減少に伴う労働力人口についてお伺いいたします。市内の事業所においての外国人の就労状況について伺います。 令和5年8月15日の岩国市の広報紙では、岩国市の全体人口が12万7,411人となっておりますけれども、そのうちの外国人住民の人口は何人でしょうか。 ◎市民協働部長(小玉陽造君)  本市における外国人住民基本台帳に登録されている方でございますが、7月1日現在で2,134人となっております。 ◆26番(貴船斉君)  外国人人口2,134人ということですけれども、今、労働力人口が不足しているといってそういうふうに言われておりますけれども、実際にそういう事業所も何件も目にしておりますけれども、労働力の確保が問題となってきています。それで、外国人労働者が岩国市内で何人ぐらいおられるかということなんですが。 ◎産業振興部長(加納芳史君)  外国人労働者の数ということでございますけれども、これは岩国公共職業安定所の管内の数字でございますが、山口労働局の発表によりますと、昨年10月の時点で1,028人、外国人を雇用している事業所数が231社というふうになっております。 産業別で御紹介しますと、主なところでは製造業で460人、建設業で191人、卸売業、小売業で107人、宿泊業、飲食サービス業で69人、医療・福祉で44人といった数字になっているところでございます。 ◆26番(貴船斉君)  今お答えいただきましたけれども、かなりの数の外国人住民の労働人口がおられますけれども、今から先はどういうふうになるのか。その辺のこともちょっと。これから先、今の外国人労働人口が増加するだろうと思いますけれども、見込みについて。 ◎産業振興部長(加納芳史君)  県内で申しますと、近年、外国人労働者の数、それから外国人労働者を雇用している事業所数ともに増加傾向にございます。 その一方で本市におきましても、人口減少に伴って労働力人口も減ってきておりまして、労働力の確保というのが全体の大きな課題でございます。 したがいまして、今後こうした課題を解決していくためには、外国人の労働力の獲得ということが有効な方策の一つになってくるであろうという市内企業のお声も実際に伺っておりますし、また、そうなっていく必要があるだろうと、このように考えているとこでございます。 ◆26番(貴船斉君)  労働力の確保について、なかなか人口減少の中で難しいことだというふうに思いますけれども、外国人住民の力も借りて貴重な労働力であるという認識で、今から各事業所もやっていかれると思いますので、これから先、本当に貴重な労働力になると思いますので、その辺の対応についても、岩国市としてのいろんな対応の仕方はあると思いますけれども、よろしくお願いいたします。 それから多岐にわたりますけれども、次に、人口減少で困るのが消防団の話を聞いたんですけれども、消防団については全国で76万人というふうに聞いております。消防団員数がかなり減っているということです。地域防災を支える消防団員数が、今言ったように76万2,670人で過去最少となったということ――全部で76万2,670人です。 岩国市の状況について、消防団員数の確保ができているかどうかということをお伺いいたします。 ◎消防担当部長(冨岡英文君)  岩国市の消防団の団員数についてですけれども、条例定数1,685人に対しまして、10年前の平成25年4月1日には1,559人、5年前の平成30年4月1日は1,498人、そして現在は1,343人ということで、過去10年間で216人減となっております。 ◆26番(貴船斉君)  今、過去10年間で216人減少しておるということで、消防団は市民の安心・安全を守る大事な存在でございます。今歯止めがかからない状況であるということですけれども、その原因についてはいろいろあると思いますけれども、減少の抑制策について、どういうことを考えておられるか。 ◎消防担当部長(冨岡英文君)  消防団員の減少は全国的な課題となっております。こうした中、本市では、団員数を確保する取組としまして、令和4年4月から報酬額等の見直しを行うなど処遇改善を行いました。 また、装備品の充実としましては、今年度7月末に夏用の活動服を支給しましたし、10月末には高視認性のかっぱを全団員に支給する予定としております。 広報活動としましては、まさに現在、アイ・キャンの市政番組かけはしのほうで消防団員の魅力について発信をしております。9月17日までの放送となっております。 また、来月実施されます岩国祭でも消防団員募集のブースを開いて、PR活動をしていこうというふうに考えております。 ◆26番(貴船斉君)  消防団員につきましては先ほども申し上げましたように、地域のコミュニティーを支える核のうちの一つである大きな存在であります。その消防団員数が減るということは、岩国市にとっても損失だろうと思います。消防団員の方は使命感と責任感と誇りを持ってその任務に当たっておられます。私たち地域住民は深く感謝しておるところです。市としても団員の確保に向けて、より一層の努力をしていただきたいというふうに思います。 次に、人口減少や高齢化により地域の担い手不足が顕著になっておりますけれども、地域行事、祭りなどの伝統文化の継承、自治会等での草刈り、側溝清掃などの実施が困難になっております。外部委託をしているところがあるというふうに聞いておりますけれども、市は実情及びその状況を把握しておられるでしょうか。 ◎市民協働部長(小玉陽造君)  自治会におきましては、安心・安全な住みよい地域づくりを目指し、様々な活動を通じ地域を支えていただいております。現在、自治会が行っておられます清掃活動につきましては、市へ事前に届出をしていただき、市におきまして、集められた雑草やしゅんせつ土などのごみ処理支援やボランティア保険への加入手続を行うことで活動状況の把握を行っているところでございます。 しかしながら、議員御質問の清掃活動の外部委託につきましては、こうした方法を取られている自治会があるということは聞き及んでおりますが、詳細については把握できておりません。 ◆26番(貴船斉君)  市民アンケートを取っていろんな単位自治会を超えて、地域全体、他団体との連携・協力についてというのがありましたけれども、これはこうだったらいいなという理想に近いもので、現実はかなり厳しいものがあると思います。再度、そのアンケートを取るなりして、地域住民の声を聞き取り、行政に反映していただきたいというふうに思います。 今いろいろお聞きしましたけれども、総合戦略について数値目標に達していない部分もありますけれども、先ほど総合政策部長がおっしゃいましたように、とにかく数値目標を達成できるように一生懸命頑張る、基金についても枯渇しないように市民サービスの低下につながることがないように一生懸命頑張ると言っていただきましたので、本当に頑張っていただきたいというふうに思います。 ここで、人口減少下での市政について、今後10年間、20年間ありますけれども、市長は、次の4年間を自分が岩国市のかじを取るというふうに言われました。決意を一般質問初日におっしゃられましたけれども、次の4年間をどういうふうに、特に人口減少について、どういうふうに考えてかじを取っていかれるか。期待を込めて、エールを送るとともに、そのお考えを伺いたいと思います。 ◎市長(福田良彦君)  議会の一般質問初日に自分の決意表明させていただきましたが、まさにこれまで選択と決断の16年間でありましたが、それを踏まえて、まず、まちづくりというのは決して終わりはないものでありますので、これまで定めてきております総合計画等をしっかりと実行していくことが大切だろうというふうに思っております。 そういった中で、今日は貴船議員のほうからも将来の人口ビジョン、また、目指すべき将来の方向性についてのやり取りをさせていただきました。まさに人口ビジョンで定めた3つの方向性をしっかりと実行していくことはもちろんでありますが、あとは中山間地域の様々な課題、さらには、中心市街地におきましても今、民間が進めております再開発事業、こういったこともしっかりと支援もしていかなければなりません。 また、自然災害に備えた防災・減災、こういったことも引き続きしっかりと予算を確保しながらやっていくことも大事であります。さらには空港等を活用した企業誘致なり、また、高等教育機関の誘致も若い方々には必要になろうかと思っております。そして、議会と共に取り組んでおります錦帯橋の世界文化遺産登録に向けての動き、これもしっかりとその目的を成就していきたいと思っております。 または、市民活動への支援、DX、行財政改革、いろんな課題があるわけでありますが、これらにつきましては、これまでもいろんなまちづくりの中で実践をしてきておりますが、こういったことの成果を生かしながら、今後のまちづくりを進めていかなければならないと思っております。 議員のほうから今後4年間ということでありますが、まずは残りの任期が4か月余りありますので、これをしっかりとやっていくことが私の責務だと思っています。大きなエールをいただいたと思っておりますので、そういうことを含めて、まずはしっかりと任期いっぱい頑張っていきたいと思っています。ありがとうございます。 ◆26番(貴船斉君)  以上で、一般質問を終わります。 ○議長(桑原敏幸君)  以上で、26番 貴船 斉君の一般質問を終了いたします。 23番 武田伊佐雄君。 ◆23番(武田伊佐雄君)  23番 憲政会の武田伊佐雄です。通告に従い一般質問を行います。 1、急傾斜地の予防保全について、(1)本市独自の対策や要件緩和の検討状況について伺います。 昨年6月の岩国市議会定例会において、防災・減災対策の推進を岩国市に求める決議を全会一致で行いました。 私は中山間地域から選出された議員として、急傾斜地等土砂災害対策について注視しており、過疎化が進んでいる地域にとっては、特に急傾斜地崩壊対策事業等の要件緩和が重要と捉え、昨年の12月定例会において、その検討状況を確認させていただいております。 このとき建設部長からは、市が独自で支援する制度について、横断的な検討会議を開催するに至っていないが、年度内には関係部署を集めて検討を始めたいとの答弁をいただきました。その後の進捗についてお尋ねいたします。 (2)市民に分担金を求めることについて伺います。 急傾斜地崩壊対策事業について、事業費の1%を市が受益者に求めることは、これまでは受益者負担の観点から妥当と考えていました。しかし、先日、市民からこの事業の相談を受けたことにより、急傾斜地崩壊対策事業は山口県の事業でありながら、受益者に対する分担金の設定は本市で定めているということを知りました。県事業のことなので、県が定めていると思い込みがあったことに、私は反省をいたしました。 改めて調べてみると、確かに他の自治体では、必ずしも市民からの負担を求めているようではありません。昨今の環境や社会情勢の変化とともに、制度の見直しが必要ではないかと考えますが、まずは近隣の自治体と比べてどのような状況かお示しください。 2、教員の働き方改革について、(1)教員の配置と労働時間の改善について伺います。 全国的にも教員不足問題がメディアに取り上げられる中、広大な面積を有する本市においては、学校の適正配置についても直面している大きな課題の一つであると考えております。小規模校で育った自分は、大規模校に関しては十分な教員数が配置されているものと考えていましたが、先日、大規模校の校長と意見交換した際に、どうやらそれは私の偏見であったような状況を伺いました。 そこで、本市の状況についてお尋ねします。 義務教育という一くくりの中でも、小学校と中学校では、学級担任と教科担任というふうに制度は異なりますし、大規模校と小規模校を比較しても、抱える問題は異なるのだろうと捉えております。 2学期を迎えた現在、教員の配置状況について問題はないかお聞かせください。また、遅くまで学校に電気がついていることで教員の健康を心配される市民からの声がいまだに届きますが、労働時間の改善がどの程度進んでいるのかお尋ねいたします。 (2)地域住民との授業における協働について伺います。 中学校の教員のことになりますが、免許外教科担任制度によって授業されている状況があると承知をしております。これは、当該学校の普通免許状を有する教員に他の教科を担当させることを特別に認める制度です。地元は小規模校なので致し方ないことなのかと考えておりましたが、やまぐち型地域連携教育の推進を開始して、それなりの時間が経過しました。 そこで、地域の方々との協働で生徒の学習環境をよりよいものにできないかと思い直しました。例えば技術の授業ですが、許可免許で授業を持たれている教員の下で、木材加工など必要な技術をお持ちの方に指導していただくような取組はあるのかお尋ねします。免許外教科担任制度による授業状況と地域住民との取組状況についてお示しください。 3、岩国市過疎地域持続的発展計画について、(1)地域資源を活かした地域づくりの推進について伺います。 今年度から錦川清流線再構築検討事業について取り組まれているところだと承知しております。また、JR岩徳線の存続に関しても、これまで多くの議員からも質問がなされてきたところで、共通の解決策としては、利用者の拡大を図るということがあると思いますが、本市も人口減少が止まらない状況では、容易ではありません。 今年は久しぶりに美川サマーフェスティバルに足を運びました。駐車場に他県から来場された車も多くとめられていたことを目にして、中山間地域の様々な課題解決の糸口として関係人口拡大の必要性を改めて感じました。 私はこれまでにも、中山間地域の活性化策としての観光について市の取組を伺ってきましたが、地域の活性化は、経済活動を伴うものでなければならないと考えるからです。 本計画の基本方針に掲げている地域資源を活かした地域づくりの推進には、過疎地域の特徴である山や川の豊かな自然と共生したまちづくりの推進とありますが、特に経済活動を促進するための取組についてお尋ねいたします。 (2)計画策定における優遇措置の効果について伺います。 以前、本計画策定に伴う優遇措置が3つあると担当部署から説明がありました。それは、過疎対策事業債の発行、過疎地域における事業用設備等に関わる割増し償却、地方税の減収補?措置と伺っております。過疎地域に対する持続的発展に向けたこれまでの取組をお尋ねします。 以上で、壇上からの質問を終わります。 ◎市長(福田良彦君)  それでは、武田議員御質問の3点目の岩国市過疎地域持続的発展計画についてお答えいたします。 まず、(1)地域資源を活かした地域づくりの推進についてでありますが、昭和45年に過疎地域を支援する最初の法律である過疎地域対策緊急措置法が10年の時限立法として制定されて以来、これまで5次にわたって、いわゆる過疎法が制定され、様々な施策が講じられてきました。 本市におきましても、令和3年4月1日に、現行の過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法が施行されたことから、同年9月に、議員御質問の岩国市過疎地域持続的発展計画を策定したところであります。 この計画では、計画期間を令和3年度から令和7年度までの5年間とし、策定当初は、過疎地域とみなされる本郷町、錦町、美川町、美和町の区域を対象としておりました。その後、令和2年の国勢調査の結果を踏まえて、昨年4月1日から新たに周東町が過疎地域とみなされる区域となったことに伴い、本計画を変更し、現在は本郷町、錦町、美川町、美和町、そして周東町の区域を対象としております。 本計画では、地域の持続的発展の基本的方針として、都市や周辺地域との交流・協働・循環の促進、地域資源を活かした地域づくりの推進、防災対策の推進、少子高齢化に対応した地域づくりの推進の4つの方針を掲げております。 このうち、地域資源を活かした地域づくりの推進として、地域資源を活用した地域活力の向上のため、農林水産業や観光産業の振興、休廃校施設の有効活用の検討を行い、地方再生に取り組んでおります。 今後も、人口減少が著しい過疎地域において、引き続き、住み慣れた場所で皆様が安心して暮らしていくことができるよう各種事業を展開し、地域づくりを推進してまいります。 次に、(2)計画策定における優遇措置の効果についてでありますが、計画策定に伴う優遇措置は3つあります。 1つ目は、過疎対策事業債であります。過疎対策事業債は、計画に基づいて行う事業の財源として、特別に発行が認められた地方債であり、過疎地域における市道などの施設の整備や地域医療の確保、集落の維持、産業振興施設等の改修による地域活性化などに必要な経費の財源とすることができます。 なお、この事業債につきましては、充当率が100%であり、元利償還金の70%が普通交付税の基準財政需要額に算入されます。 2つ目は、減収補?措置であります。これは、対象業種において、過疎地域内で一定の事業用資産を取得した場合における固定資産税を3年間の課税免除の上、その減収分の75%が普通交付税により補?されるものであります。 3つ目は、割増し償却です。過疎地域内に生産等設備を新増設し、一定の事業に用いた場合、建物、機械等の資産について、5年間一定割合を通常の償却額に上乗せして計上し、課税の繰延べができます。 議員御質問の現行計画における過疎対策事業債全体の借入状況と、そのうちの産業施設等の借入状況につきましては、まず、令和3年度全体の実績は、事業数が18件でありまして事業費が4億2,062万1,000円、借入額が2億5,360万円となっております。このうち、産業振興施設等の実績は、事業数が2件で事業費が737万4,000円、借入額が570万円となっており、全体の約11%となっております。 続いて、令和4年度全体実績は、事業数が25件、事業費が5億1,379万2,000円、借入額が2億6,340万円となっております。このうち、産業振興施設等の実績は、事業数が3件、事業費が3,736万1,000円、借入額が3,320万円となっており、全体の12%となっております。 なお、令和5年度における全体の借入状況につきましては、事業数が25件、事業費が23億9,969万6,000円、借入額が10億2,740万円を予定しております。このうち、産業振興施設等の借入状況は、事業数が3件、事業費が9,105万5,000円、借入額が8,700万円となっており、全体の12%となる予定であります。 これら産業施設等における主な事業としましては、道の駅施設やレイクプラザやさかの観光施設改修事業などとなっております。 令和4年度と令和5年度における減収補?措置の実績につきましては、共に2件となっております。 割増し償却につきましては、対象税目が所得税と法人税であるため、市ではその実績を把握できません。 産業振興施設等を利用しての関係人口づくりとしましては、地域おこし協力隊によるアウトドア・アクティビティを活用した地域観光の充実、錦川清流線を利用したイベント列車の開催、大水車「でかまるくん」の周辺整備などに取り組んでおり、市内外からの人の往来を図っております。 市としましては、引き続き、過疎対策事業債などを有効活用しながら、過疎地域における持続可能な地域社会の形成や地域資源を活用した地域活力のさらなる向上を目指し、推進をしてまいりますので、よろしくお願いいたします。 ◎建設部長(村重総一君)  第1点目の急傾斜地の予防保全についての(1)本市独自の対策や要件緩和の検討状況についてお答えします。 昨年6月の定例会において全会一致で可決された防災・減災対策の推進を岩国市に求める決議の中で御提言をいただきました、急傾斜地等土砂災害対策の本市独自の対策や要件緩和の検討状況についてですが、本来、急傾斜地の予防保全については、急傾斜地の所有者や管理者、または崩壊により被害を受けるおそれのある方が、自ら対策に努めなければなりません。 ただし、急傾斜地の崩壊により被害を受けるおそれのある人家が多く、急傾斜地の高さが高い場所などは、対策に多額の費用と高度な土木技術が必要となり、自ら対策することは困難であることから、保全人家の戸数や高さなどの一定の要件を満たす場所については、崩壊による災害から生命を守るため、急傾斜地の対策事業を山口県や岩国市において実施しています。 しかしながら、現在の急傾斜地の崩壊対策事業制度では、国や県の補助金が含まれることから、保全人家の戸数や高さなどの一定の対策要件を市の判断で緩和することは難しい状況のため、市が独自で支援する制度について検討しているところです。 検討状況ですが、昨年の7月に、自らが崖地対策工事などを実施する場合に補助金交付をする事業を実施している広島市へ、制度の内容や活用状況などについてお話を聞きに伺ったところです。 また、今年3月には、急傾斜事業の担当部署と治山事業の担当部署の間で、市において新たにどのような対策ができるか、互いの制度の確認や求められている支援などについて、共通の認識を持つための協議を実施しています。 現在は、市独自の事業制度の構築や、自ら行う事業に対して補助金を交付することを含め、県内他市町の状況や内容も参考に支援する方法を検討しており、今後は、部署間で協議を進め、年内をめどに方向性を取りまとめたいと考えています。 なお、近年は自然災害の頻発化、激甚化により、急傾斜地の崩壊対策について市民の関心が高まっていることから、昨年12月に国、県へ事業予算の増額を要望していますが、今後、さらに事業要望件数は増加することが見込まれることから、早期に事業の進捗が図れるよう、今年度も国、県へ予算の増額を要望してまいります。 次に、(2)市民に分担金を求めることについてですが、令和5年9月時点で実施している急傾斜地の対策に関する事業の件数については、予定箇所も含めて、県が実施する急傾斜地崩壊対策事業が21か所、自然災害防止事業が20か所、市が実施する小規模急傾斜地崩壊対策事業が5か所となります。また、現在は実施していませんが、その他の急傾斜対策に関係する事業として、市が実施するがけ崩れ緊急対策事業、災害関連地域防災がけ崩れ対策事業があります。 これら全ての事業において、利益を受ける方が限られることから、岩国市分担金徴収条例により受益者の中で決められた代表者を通じて分担金を徴収しているところです。 分担金の負担割合については、急傾斜地崩壊対策事業、自然災害防止事業の県事業は、事業費の1%、小規模急傾斜地崩壊対策事業、災害関連地域防災がけ崩れ対策事業、がけ崩れ災害緊急対策事業の市事業は、事業費の5%となっております。 また、分担金割合について、事業実施中または事業を予定している急傾斜地が激甚災害により崩壊した場合などは、分担金割合が軽減され、急傾斜地崩壊対策事業、自然災害防止事業では、事業費のゼロ%、小規模急傾斜地崩壊対策事業、災害関連地域防災がけ崩れ対策事業では、事業費の2%となっています。. 令和4年度の各事業における分担金の実績は、急傾斜地崩壊対策事業では、8か所で252万円、自然災害防止事業では、1か所で13万円、小規模急傾斜地崩壊対策事業では、1か所で18万円、災害関連地域防災がけ崩れ対策事業では、1か所で42万円。なお、がけ崩れ災害緊急対策事業では事業を実施していませんので、総額で325万円となっています。 ちなみに、令和3年度の分担金は総額569万円となり、令和2年度の分担金は、総額346万円となっています。分担金については、年度により事業件数や事業量、事業内容が異なることから、金額にはばらつきが出ています。 次に、県内各市町の急傾斜地の対策事業における分担金徴収状況ですが、岩国市を含め下関市、下松市、光市、周南市、山陽小野田市、和木町、上関町、田布施町、阿武町の6市4町では、県事業・市町事業、全ての事業において分担金を徴収しています。 また、長門市、柳井市、美祢市、周防大島町、平生町の3市2町については、一部の事業のみで分担金を徴収しています。 しかしながら、宇部市、山口市、萩市の4市は、全ての事業において分担金を徴収していません。お隣の広島県の大竹市や廿日市市も徴収はしておりません。 続いて、分担金を徴収している近隣市町の受益者への分担状況についてですが、周南市では、急傾斜地の対策事業の5事業で、市負担額の5%を分担金として徴収しています。 また、柳井市では、急傾斜地の対策事業のうち3事業で分担金を徴収しておらず、がけ崩れ緊急対策事業、災害関連地域防災がけ崩れ対策事業の2事業で事業費の5%を分担金として徴収しています。 隣の和木町では、急傾斜地の対策事業の5事業で、町負担額の50%を分担金としておりますが、分担金の総額が1人当たり150万円の上限を設けています。 このように、急傾斜地の事業における分担金の徴収については、県内の市町においては徴収しているところ、していないところがあり、また、徴収していても分担割合にはばらつきがある状況です。 本市においては、急傾斜地の崩壊対策工事により、特定の地域の限られた方が利益を受けられることから、分担金の徴収は妥当であると考えていますが、議員御指摘のように、急傾斜地の事業が災害から市民の生命を守るという観点から、受益者負担に疑問の声があることや、受益者にとって分担金が負担となっていることも承知しています。 今後は、防災・減災対策を推進し、安心・安全なまちづくりを実施していく上で、分担金割合の見直しをしていく必要性があるかどうか、市における分担金を徴収する事業は、急傾斜地の対策事業のほかに小規模治山事業などもあることから、事業間で不公平が生じないように整合性を取り、関係部署と調整を図りながら検討を進めてまいりますので、よろしくお願いいたします。 ◎教育長(守山敏晴君)  第2点目の教員の働き方改革についてお答えいたします。 まず、(1)教員の配置と労働時間の改善についてですが、教員の配置につきましては、県の配置基準によって、学級数に応じて教員数が決まっております。それに加え、少人数指導等の充実のため、学校の状況や規模に応じて加配教員が配置されます。 しかし、今年度は教員不足により、県教育委員会が加配教員の一部を凍結し、加えて中学校2・3年生は38人学級としました。これにより、4月始業時は担任等の不足はありませんでしたが、年度途中の育休・病休等に対応する代替教職員の確保は大変難しい状況になっております。 市教育委員会としましては、県教育委員会と連携して、引き続き代替教職員の確保に全力を挙げてまいります。 また、教員の勤務状況についてですが、加配教員の凍結により常勤の教員が少なくなったことを受けて、それぞれの教員が抱える授業以外の業務が増えている現状があります。それについては、非常勤講師の追加配置もあり、授業時間数の負担軽減が図られております。 市立小・中学校においては、校務用端末を更新し、クラウド型のファイル管理を可能としたほか、各学校においては、朝夕の自動応答電話の導入、時間割を見直しての業務時間の確保、ICTを利用したアンケートフォームなどの活用、部活動終了時刻の繰上げ等の工夫を行っており、各学校の毎月の時間外在校等時間は、前年度に比べて若干減少しております。 市教育委員会としましても、これらの好事例の共有を図るなどの取組を進めております。 また、(2)地域住民との授業における協働についてですが、先ほど申しましたとおり、配置教員数が定められているため、学校規模によっては、保有免許以外の免許を県教育委員会の許可によって取得できる免許外教科担任制度を利用して教科指導に当たっております。地域や関係機関の方々の協力は大変有効であり、これまで、家庭科の授業の調理実習やミシンの指導、体育科の水泳指導、社会科の郷土について学ぶ授業、総合的な学習の時間等において、地域の方々にゲストティーチャーとして支援していただいております。他市町においても、技術科の木工実習で地域の方々の協力をいただいていると伺っております。 地域の方々の専門性や技術を生かすことは、教員の免許の保有にかかわらず、地域連携教育推進の視点からも、引き続き推進してまいりたいと考えております。 また、コミュニティ・スクールの仕組みを使って学校課題を共有し、新たな地域人材の発掘や地域の力を取り入れることで、地域住民との授業における協働を進め、子供たちの豊かな学びや地域の方々のやりがいの創出を進めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆23番(武田伊佐雄君)  それでは、順不同で再質問を行います。 まず、教員の働き方改革について、教員の配置と労働時間について伺います。 年度途中の代替教員の確保が難しい状況とのお答えでしたが、具体的にはどのような状況なのかお尋ねします。 ◎教育次長(丸川浩君)  本市の臨時的任用教員登録者数は、小・中学校合わせて、この3年間、毎年約10人ずつ減少しております。登録者数の減少については、教員採用試験への合格や他業種への就職、定年退職後も引き続き勤務していた教職員の減少などが考えられます。 今年度初めについては、必要な産休・育休等による欠員や非常勤講師等を登録者から任用し、結果として何とか担任等を配置してスタートできましたが、年度途中の育休・病休等に対応する代替教職員の確保は難しく、現時点で小学校3人、中学校3人の確保ができていない状況です。 そのため、非常勤講師希望の登録者に常勤での勤務を打診したり、退職教職員を含めて幅広く声かけをしたりするなど、代替教職員の確保に努めているところでございます。欠員が生じた小学校では、教頭や専科教員などが担任を兼務しております。また、教科担任制を取っている中学校では、同じ教科の教員で受け持つ授業数を増やすなどして対応しております。 ◆23番(武田伊佐雄君)  思ったより深刻な状況なのかなと受け止めました。 本市の臨時的任用教員登録者数の説明がありましたが、現状の不足分に対して、山口県教育委員会とはどのような対応が取られているのかお尋ねします。 ◎教育次長(丸川浩君)  教職員の任用は、臨時的任用教員も含めて県教委が行います。臨時的任用教員の登録も市教委や県教委の窓口やホームページ等から行うことができ、登録状況は全県で共有される仕組みになっております。 現在の本市の状況は、県教委とも常に連携して共有しており、他市町から協力可能な場合は相互に助け合う仕組みとなっております。 引き続き、県教委と協力して確保に努めてまいりますので、よろしくお願いいたします。 ◆23番(武田伊佐雄君)  ということは、今、本市では6人の教員が足りないという状況なんですけれど、全県的にもそういった6人の不足分を補えるような状況でないという解釈でよろしいですか。 ◎教育次長(丸川浩君)  そういうことでございます。 ◆23番(武田伊佐雄君)  大変深刻な状況だろうなというふうな理解をしました。 それでは次に、各学校の毎月の時間外在校等の時間というのは、前年度と比べ若干減少しているとのお答えでしたが、小学校、中学校、大規模校、小規模校、それぞれの傾向などあれば具体的にお示しいただきたいのですけれど、個人的には、小学校より中学校の教員のほうが遅くまで学校に残られているように感じておりますし、最終的に退出される時間は、何時から何時に改善されたとかいうのはお伺いできるのかお尋ねします。 ◎教育次長(丸川浩君)  市立小・中学校の教員の1人当たりの1か月の時間外在校等時間を、昨年度と今年度で4月から6月までの3か月間平均で比較しますと、小学校で、昨年度も今年度も約49時間で横ばい、中学校では、昨年度の約70時間から今年度は約65時間へと減少しており、小・中学校全体として、僅かではありますが改善が見られます。特に中学校での削減分は、部活動でのガイドラインの遵守などの取組の成果が現れているものと認識しております。 本市では、答弁でも申しましたように、各学校で様々なアイデアを出し合い、それを共有し、効果的な取組は何かということを実行しながら検討している状況であります。 県教育委員会は、山口県学校における働き方改革加速化プランにおいて、時間外在校等時間が月45時間、年間360時間を超える教員の割合をゼロ%に近づけることを目標に掲げています。本市においても、この目標の実現に向けて引き続き努力をしてまいります。 ◆23番(武田伊佐雄君)  今の答弁では、小学校より中学校のほうが残業時間は長いというふうな受け止め方でよろしいでしょうか。 ◎教育次長(丸川浩君)  中学校のほうが長くなっております。 ◆23番(武田伊佐雄君)  ぜひ部活動のほうも改善されるということなので、しっかりと先生方もあまり仕事で遅くまで残らないように工夫していただきたいと思います。 先ほどの答弁では、中学校は70時間から65時間に改善されたということですけれど、例えば20日勤務だとして――仮に3時間残業であれば7時半ぐらいまで残られていると思うんですけれど、個人的には近隣の学校などでは9時を過ぎても電気がついていることが多い気がするんですよね。そういうことからすると、先ほどの答弁と私たちが感じているところに若干の差があるように思うんですけれど、先生方というのは一生懸命やられていると思うので、なかなか意識変革というのは難しいと思うんですね。私も以前、会社勤めしていたときに、やはり会社のほうから残業時間を減らすということがすごく取り上げられて、半ば強制的に残業を減らすような取組をやってきました。当時は一社員としてはなかなか難しいなというふうな感じで思いながら、経営者のほうの動きを捉えて努力しておりました。程なく残業時間の短縮というのが可能になったときに、やはりちょっと無理してでも、そういった外圧的なプレッシャーによって変化することによって、後から、当時は大変しんどい思いをしましたけれど、やはりそういった多少の無理で残業時間が減って早く帰れるということになると、健康面、また、次の日の仕事に対してもモチベーションが上がったりということで、そういう意味では、現場にいる先生方というのはなかなかその意識変革が難しいと思うんですけれど、教育委員会のほうからも、ぜひ先生方を守るという観点から知恵を出していただきたいと思います。 次に、地域の方々との協働について伺いたいと思うんですけれど、先ほどの答弁、本市のほうでもそういった取組をやられているというふうな答弁でしたが、まだまだちょっと不十分なところがあるやに感じるところがありますので、しっかりとそういった取組の事例を水平展開で、できていないところにも、ぜひ地域の方々でお力添えいただけるところは先生方のフォローに回っていただけるように、子供たちの教育環境改善を求めたいと思います。 それでは、教員の働き方改革については、今後注視しながら見守りたいと思います。 次に、岩国市過疎地域持続的発展計画について伺います。 地域資源を活かした地域づくりの推進について伺います。本計画の中に交通施設の整備、交通手段の確保という項目があります。その中で、「錦川清流線は、岩国市中心部と過疎地域を結ぶ唯一の公共交通機関として地域住民の生活に欠かせない幹線」と記載されております。人口減少に歯止めがかからない状況で経営の安定化を図るためには、まずは地域住民以外の利用者の開拓も考えなければならないと思います。 これまでにも、中山間地域の活性化に向けた観光業の取組について質問してきましたが、公共交通を利用することを前提に、アウトドア・アクティビティを活用した地域観光の充実について構想はあるのかお尋ねします。 ◎市民協働部長(小玉陽造君)  錦川清流線を利用することを前提、必然といたしましたイベント等についての開催状況を御紹介いたします。 岩国市内の小学生が錦町地域で川遊びや神楽観賞をするわんぱくトレイン、少年少女がソフトボール大会に参加する清流線少年少女親睦球技大会、利用者が錦町の町歩きの魅力を体験できる婚活列車、にしきフリーマーケットなど、利用促進に寄与するイベントを展開しているところでございます。 また、錦川清流線の沿線の中山間地域におきましては、体験型観光といたしまして、錦川とその支流をフィールドとしましたラフトボートや沢トレッキング、地元の素材を使った草木染め、コンニャク作り体験など、地域の自然や伝統文化など地域資源を活用し、体験交流を通じた地域活性化に取り組んでおります。 議員御指摘のとおり、中山間地域の活性化に向け地域経済活動の促進を図る上で、アウトドア・アクティビティを活用した地域観光の取組は有効な手段の一つであると認識しております。 市としましては、交通機関や観光施設、各種体験の受入れを行う団体と個人、地域おこし協力隊員などの外部人材と連携しまして、地域一体となり、自然豊かな中山間地域へ公共交通機関を利用し訪れる体験型観光となるよう仕組みづくりを進めております。 なお、錦川清流線の利用促進につきましては、清流線車両を利用しました観光イベントや旅行企画の実施などにより誘客を図り、沿線地域の活性化を目指すことを主業務といたしました地域おこし協力隊の活用を現在進めているところでございます。 ◆23番(武田伊佐雄君)  岩国市内の移動を考えると、利便性から車で来られる方が多いのではないかと思います。先日開催された美川サマーフェスティバルでは、錦川清流線からのシャトルバスが運行されたと思いますが、鉄道利用と車利用では来場者数にどの程度の差があったか、分かればお示しください。 ◎錦総合支所長(的場敏君)  先日、議員にお越しいただきました美川サマーフェスティバルは、来場者は約800人でした。そのうち錦川清流線を利用して来場された方にジュースまたはビール等の交換券を差し上げておりますが、利用者は5人と非常に少なく、ほとんどが自家用車での来場となっております。 ちなみに、コロナ禍前の令和元年度の開催時には、来場者が約1,000人で錦川清流線利用者は21人となっており、いずれも自家用車の来場者が多い状況です。 ◆23番(武田伊佐雄君)  やはりなかなか車のほうが、自分たちも移動するときには利便性が高いかなということで、そこら辺、やはり公共交通もうまいこと活用して使っていただけるように、また工夫していただきたいんですけれど。 過疎対策事業債の借入額や事業費を先ほどお尋ねしましたが、大きな事業費は施設改修費だと思います。金額だけではありませんが、今後も様々なアイデアを出して、本計画の目標を達成していただきたいと思います。 総務省のホームページを見ますと、令和4年度過疎地域持続的発展優良事例の表彰のパンフレットがありまして、この中には、平成4年度に当時の本郷村が国土庁長官賞を受賞されたことが載っております。目標達成の過程として、優良事例として表彰されるような取組を目指してはいかがかと思いますがどうでしょう。 ◎美和総合支所長(藤野修二君)  議員御承知のとおり、平成4年度に旧本郷村が過疎地域持続的発展優良事例として国土庁長官賞を受賞しております。私のほうからは内容の紹介も含めて御答弁させていただきます。 当時の本郷村は過疎化が進んでおり、総合的な村の活性化対策としまして、大きく2つの取組を行いました。 1つ目は、昭和60年度に創設しました本郷村営農村定住ミニ団地貸付事業です。この制度では、村が造成した住宅団地で1か月につき1坪100円の貸付料を20年間完納することで、その土地を無償で譲渡する仕組みで人口定住を図りました。 2つ目は、昭和62年度に設置した本郷山村留学センターで現在も運営されています。御承知のとおり、都市からの子供たちを本郷小・中学校に受け入れ、教育振興と都市との幅広い交流を図り、地域の活性化に貢献しております。 市といたしましては、引き続き中山間地域の豊かな自然の恵みや歴史、文化、産業など多くの地域資源を生かし、魅力ある地域づくりの推進に向けて、優良事例として再び表彰されるように様々な事業に取り組んでまいりますので、よろしくお願いします。 ◆23番(武田伊佐雄君)  今、総合支所長のほうから説明がありましたけれど、やはりこういった各地域の売りというのは、各総合支所長とかがよく分かっているんじゃないのかなというので、これまでの観光の質問でも問うてきたところではあるんですけれど。また、今年度新たな組織編成もありまして、これからどこの部署がリーダーシップを発揮して、こういった事業計画とかを立てていかれるのかというのは、私もまだよく把握していないところがありますけれど、しっかりとそういったところを取り組んでいただきたいと思います。 先ほど話をしました、美川サマーフェスティバルの帰り道に考えたことで一つ提案があるんですけれど、ふるさと納税の返礼品として、カップルや御家族などに、アクティビティをセットにした宿泊型の観光プランをつくるというのはいかがかなと考えております。また、そのプランには、岩国錦帯橋空港もしくは岩国駅、新岩国駅から錦川清流線を利用したパッケージにすればいいのではないかと思いますが、そういった考えにはどのように感じておられますか、お尋ねします。 ◎産業振興部長(加納芳史君)  議員御案内のとおり、地域の魅力発信の一つとしまして、ふるさと納税の返礼品に、関係人口の創出に向けたアクティビティなどのプランを開発するというのは、とても有効なことであろうというふうに考えます。 そこで、今現在、市におきましては、実はやましろ体験交流協議会のほうと連携をいたしまして、先ほど市民協働部長の答弁の中にも出てまいりました、沢トレッキングでありますとか、コンニャク作り、豆腐作り、草木染めといったような地域の魅力を体験できる返礼品の開発というのを行っているところでございます。こういった返礼品を用意することで、錦川清流線の利用の促進も併せて期待をしているところでございます。 交通手段までパッケージ化するということになりますと、一つの返礼品の中に複数の事業者が関わるということになりますので、今時点では、そこまでの調整はまだいたしておりませんけれども、今後そうした研究もしていきながら、引き続き、本市の豊かな自然を活用した記憶に残る体験を提供いたしまして、また訪れてみたいというふうに思っていただけるような魅力的な返礼品を造成していくことを検討していくと。それから、ひいては、そうした返礼品を契機といたしまして、岩国市のファンになっていただいて、移住・定住につながればというふうに考えているところでございます。 ◆23番(武田伊佐雄君)  ぜひ各御家族の思い出の一ページに岩国市が入っていけるように取り組んでいただきたいと思います。 また、1年を通じて田舎暮らしを体験できるような仕組みづくりについて伺います。 例えば会員制で米作りを1年体験していただく事業などを行い、ふだんの管理は地元の方に集めた会費や、また、先ほどちょっと言いました、優遇措置を活用して運営していくということはできないのか。最終的には、会員同士が新米で作る塩むすびやどぶろくの品評会みたいなことができると楽しいことができるんじゃないかと思うんですけれど、いかがでしょう。 ◎産業振興部長(加納芳史君)  貴重な御意見をありがとうございます。議員から今、例を出していただきましたけれども、そういった体験事業というものにつきましては、本市の魅力を感じていただくには大変有用なことと思います。観光の課題であります滞在時間の延長ということにもつながってこようかというふうに考えます。 ただ、体験事業となると、担い手となる民間の方々のお力をお借りすることも必要となりますので、前もって各方面の方々としっかりと御相談をさせていただきながら、御理解・御協力を得られていくようにしていかなければならないというふうに考えております。 その上で、本市には、玖北地域はもちろんのことでございますけれども、玖西地域にも、由宇地域にも、あるいは旧岩国地域にもぜひ体験していただきたいような豊かな自然が数多くございますので、市としましてはそうした豊かな自然を観光資源として生かしながら、これまでにも力を入れてまいりましたけれども、体験型観光の一層の推進というところにしっかりと取り組んでまいりたいと考えているところでございます。 ◆23番(武田伊佐雄君)  それでは、最後の質問に入ります。急傾斜地の予防保全について伺います。 横断的な検討会議は今年の3月に開催されたとの答弁でしたが、本市独自の対策となると財政の担当部署はその会議に入らなくていいのか疑問を持つのですが、そのあたりはどのようになっていますでしょうか。 ◎建設部長(村重総一君)  会議に財政の担当部署が入らなくていいのかということですが、まずは、支援する制度の方向性や対策の内容、規模などを急傾斜及び治山事業の担当者の部署間で検討していますが、これからは、財政の担当部署も加わってもらい協議を行ってまいりたいと考えています。 ◆23番(武田伊佐雄君)  年内をめどに方向性を取りまとめるということなので、今後も注視してまいりたいと思います。 次に、分担金について伺います。 先ほど対策工事により利益を得られる方が限られることから、分担金の負担は妥当であるとの考えをお答えいただきました。私も同様に考えておりましたが、改めてこの場合の利益とは何かというのを考えると、主には受益者の安全であり、土地の付加価値が上がるというものにとらわれてはならないのではないかと考えるようになりました。 分担金を求めていない自治体は、どのような考えでそのような施策を取られているんだと思われますか、お聞かせください。 ◎建設部長(村重総一君)  分担金を求めていない自治体はどのような考えを持って徴収していないかということですが、急傾斜地の崩壊対策事業の実施に当たりましては、分担金が負担になることとか、同じ対策事業地内でも、崖の危険状態や崖から人家までの距離などが異なりますので、受益者範囲の特定や分担金などの確立が困難であるからではないかと思っております。 ◆23番(武田伊佐雄君)  今の答弁の内容でありますと、本市においても同じことが言えるのじゃないかなと思います。 ただ、激甚災害により崩壊した場合など、分担金割合の軽減が説明されましたが、災害がひどかった場合は軽減され、予防のためには徴収するという受け止め方をされる市民に対し、合理性を持って説明いただけますでしょうか。 ◎建設部長(村重総一君)  激甚災害により崩壊した場合などの分担金割合の軽減についてどうだろうかということですが、本来は自らが予防保全対策に努めなければならない急傾斜地の崩壊対策事業を、山口県、岩国市が実施していることから分担金を徴収しております。 ただ、激甚災害のような大きな災害で急傾斜地の崩壊が発生しますと、急傾斜地に接する家屋や敷地が被災するケースが多くあります。土砂撤去や被害家屋の復旧は、急傾斜地の保全を目的とする対策事業には含まれないことから、被災者側の対応となります。 こういうことから、被災者のほうの費用負担を少しでも軽くすることを目的に分担金の負担割合を現在軽減しているところです。 ◆23番(武田伊佐雄君)  市民の負担を考えてということですね。 それでは、岩国市分担金徴収条例、平成18年3月20日に制定されたと思うんですけれど、これを確認しますと、8市町村が合併したときの経過措置も記載されていると思うんですけれど、旧岩国市と旧玖珂町について記載がないのですが、合併以前の分担金はどのようになっていたのかお尋ねします。 ◎建設部長(村重総一君)  合併以前の分担金についてですが、旧岩国市につきましては、分担金徴収条例を定めずに、岩国市小規模急傾斜地崩壊対策事業要綱などによりまして、小規模急傾斜地崩壊対策事業で事業費の25%、災害関連地域防災がけ崩れ対策事業とがけ崩れ災害緊急対策事業で事業費の10%の分担相当額を寄附金として受け取っております。また、旧玖珂町では、分担金を各事業で徴収しておりませんでした。 こうしたことから、旧岩国市と旧玖珂町については、岩国市分担金徴収条例に記載がされていないということになります。 ◆23番(武田伊佐雄君)  合併前の旧岩国市と旧玖珂町については、分担金を求めていなかった部分があったということを確認させていただきました。 金額の大小の話ではないと思いますが、分担金を求めない方向で現実的に検討しようと思うと、例年幾ら程度の分担金が市の歳入として上がっているのかは重要だと思います。焦点を絞るために、今回治山事業については触れておりませんが、今日の答弁を基にすると、大体400万円程度の財源が必要だと受け止めてよろしいのでしょうか。 ◎建設部長(村重総一君)  今回は治山事業を除いて急傾斜地の崩壊対策事業に絞ってお答えをしますが、分担金については、年度によって事業数や事業量、実施内容が異なることから、過去3年間の実績を基にしますと、年間300万円から600万円程度の市の負担が必要になってくると思われます。 ◆23番(武田伊佐雄君)  今日様々な質問をさせていただきましたけれど、今日の質問を機に、市民に求める分担金について改めて見直しをしてはいかがかと思いますけれど、御意見いかがでしょうか。 ◎建設部長(村重総一君)  急傾斜地の崩壊対策事業の分担金につきましては、やはり当事者にとって負担になっていることや、受益者範囲の特定や負担割合が曖昧なことなど様々な課題があることは承知しておりますので、今後、分担金の在り方などについて関係部署と協議をしてまいりますので、よろしくお願いいたします。 ◆23番(武田伊佐雄君)  市民が安心して暮らせるまちづくりが進むことを期待して、一般質問を終わります。 ○議長(桑原敏幸君)  以上で、23番 武田伊佐雄君の一般質問を終了いたします。 ここで暫時休憩いたします。午前11時59分 休憩 ――――――――――――――――――――――――――――――午後 1時    再開 ○副議長(植野正則君)  休憩前に引き続き、本会議を再開して一般質問を続行いたします。 10番 丸茂郁生君。 ◆10番(丸茂郁生君)  皆さん、こんにちは。志政いわくにの丸茂郁生でございます。それでは、通告に基づきまして一般質問をさせていただきます。 1番、えきまえ保育園とひがし保育園について、(1)今後の運営方針についてですが、これまで子供に関する取組は、厚生労働省、文部科学省、内閣府など様々な省庁に分散されていましたが、2023年4月1日にこどもまんなか社会の実現を目的として、こども家庭庁が発足されました。 こどもまんなか社会とは、常に子供の最善の利益を第一に考え、こどもに関する取組・政策を我が国社会の真ん中に据えることを意味しています。 「こどもがまんなかの社会を実現するためにこどもの視点に立って意見を聴き、こどもにとっていちばんの利益を考え、こどもと家庭の、福祉や健康の向上を支援し、こどもの権利を守るためのこども政策に強力なリーダーシップをもって取り組みます」とされています。 近年、核家族化の進展、共働き世帯の増加や働き方の変化などにより、子供や子育て家庭を取り巻く状況や環境は日々変化し続けています。そのようなことから、今後もよりよい子育てのための保育ニーズは高まっていくものと考えます。そのため、子育てに対する孤立感や負担感を軽減し、安心して子育てができる環境を整えることは、岩国市にとって重要な役割であります。 また、安全で安心な保育環境を引き続き提供できるよう、既存の子育て支援をさらに充実させるとともに、施設の老朽化が進行している中で、保育の質の向上を目的に、ソフト・ハードの両面から着実に保育施設の再整備を促進していく必要があります。 本市には数多くの公立保育園等が点在しています。近年、新しく整備された保育園もありますが、そのほとんどは老朽化が顕著に現れており、今後の整備に向けた適切な計画を進めていかなければなりません。 そこで、今回は、どちらか一方を民営化するとしている、えきまえ保育園とひがし保育園に着目して、老朽化が著しい両保育園の現状と再整備に向けた進捗状況、そして今後の方向性について、本市の考え方を聞いていきたいと思います。 以前にも、ひがし保育園については、特に着目して一般質問等でもお伺いしておりますので、えきまえ保育園、ひがし保育園両園の一日も早い整備を進めていただきたいと願うことから明確な答弁を求めておきます。 以上のようなことから、えきまえ保育園とひがし保育園の今後の運営方針について、どのような在り方が望ましいと考えておられるのかお伺いいたします。 以上で、壇上からの質問を終わります。 ◎市長(福田良彦君)  それでは、丸茂議員御質問のえきまえ保育園とひがし保育園についての(1)今後の運営方針についてお答えいたします。 本市においては、平成25年3月に岩国市保育園整備に関する基本方針及び整備計画を策定し、市立保育園の役割や整備方針、方向性を整理しております。 また、同年11月には、岩国市保育園整備実施計画を策定し、市立保育園の民営化や統廃合などの検討を行ってきました。それと同時に、岩国市保育園民営化実施基準を策定し、子供や保護者に安心し、満足していただける保育を継続して提供できるよう、民営化に際しての基準を設けているところであります。 その後、平成31年3月に、令和元年度から令和10年度までの10年間を計画期間とする岩国市立保育園の整備に関する基本方針及び整備計画(第2次)と、令和元年度から令和5年度までの5年間を計画期間とする岩国市立保育園の整備実施計画(第2次)をそれぞれ策定したところであります。 これらの計画に沿って市立保育園の整備に取り組み、これまでに、さかうえ保育園とちどり保育園を認定こども園に移行しました。さらに、よねがわ保育園をわかば保育園に統合する形でわかば保育園の建て替え工事を行い、新たな園舎で保育を提供しているところであります。 議員御案内のえきまえ保育園とひがし保育園についてですが、えきまえ保育園は、昭和57年に岩国市福祉会館の1階に整備されてから約40年が経過しています。ひがし保育園は、鉄筋コンクリート造りの2階建てで昭和47年に建築されていますが、保育需要の高まりを受けて、昭和50年に園舎東側に1棟を増築し、現在は2棟で運営する、市内でも最大規模の保育園でありますが、いずれも建築から約50年が経過しています。 両園とも耐震性が低く、駐車場も不足しており、また、施設や整備は老朽化が著しく進んでいますが、不具合が生じた場合は、保育に支障を来すことがないよう、必要に応じて速やかに改修や修繕を行いながら現在に至っております。 また、岩国市立保育園の整備実施計画(第2次)において、両園は高い保育需要が見込まれる施設として位置づけられております。そのため、それぞれの施設における将来的な保育や就学前の教育ニーズの見込みを踏まえ、いずれか一方については、民間の柔軟かつ機動的な運営体制を活用できる民営化について検討し、もう一方については、市立保育園として存続させる予定としております。 今年度中に策定する予定の岩国市立保育園の整備実施計画(第3次)においては、ひがし保育園とえきまえ保育園についての耐震化や民営化の方針を定め、早期の事業着手を目指すこととしております。 しかしながら、最も重要な場所の選定や仮園舎の建設の可否に加え、麻里布地区と東地区の子供を取り巻く環境についても勘案する必要があり、現在、関係各所と検討を行っているところであります。 また、計画の策定に当たりましては、市民や外部団体を含めた子ども・子育て会議等で御意見を頂きながら方針を決定していく予定としております。 市としましては、一日も早い両園の安心・安全な保育環境の整備に努めてまいりますので、よろしくお願いいたします。 ◆10番(丸茂郁生君)  それでは、自席より再質問させていただきます。 全国的に市立の保育園等を民営化する動きは進んできているようですが、市立の保育園と民営化される保育園はどのような違いがあるのか、具体的に教えていただきたいと思います。 また、そもそも、えきまえ保育園とひがし保育園のどちらかを民営化する必要性を示されておりますが、なぜにどちらかなのか、どのような考えで進めようとされているのかお伺いいたします。 ◎こども家庭担当部長(宮井まゆみ君)  市立の保育園と民営化される保育園はどのような違いがあるのかというお尋ねですが、民間の保育園は、公立保育園とは異なる視点から、独自のノウハウによる運営や異文化交流やリズム遊び、運動に特化するなど、特色のある保育の実施により多様な保育環境を期待することができます。 また、民間事業者が、障害者福祉事業など、保育分野だけでなく多業種に携わる人材を有しているときには、その各種スキルを生かした保育の実施が期待できます。 さらに、民間事業者による施設の整備費及び運営費等については、国費及び県費により補助があることから市の財政負担の軽減が図られ、その財源を新たな保育施策や子育て支援策に活用できることなどが上げられると思います。 次に、なぜどちらかを民営化するのかということにつきましては、岩国市立保育園の整備に関する基本方針において、市立保育園の配置については、民間保育園や認定こども園、小規模保育事業所などの保育施設の設置状況や地理的状況、地域における子育て支援拠点の必要性などを総合的に判断して検討することとしております。 旧岩国地域には、ひがし保育園、かわしも保育園、くろいそ保育園、えきまえ保育園の4つの市立保育園がありますが、ひがし保育園がある東地区や、えきまえ保育園がある麻里布地区については、岩国駅を挟んで東西に広がる中心市街地を含んでいるという地理的状況があり、就学前児童数が多く、高い保育需要が見込まれております。そのため、いずれの施設につきましても、民営化する場合あるいは市立保育園として整備する場合であっても、旧岩国地域における保育施設として重要な施設になると考えております。 その中で、岩国市立保育園の整備実施計画(第2次)において、各地域に1つ以上は市立の保育施設があることを条件として民営化を検討することとしていることから、えきまえ保育園とひがし保育園については、一方は民営化、一方は市立として存続させる予定としております。 ◆10番(丸茂郁生君)  民営化に向けての方針はおおよそ理解いたしました。 では、どちらか1園を民間の柔軟かつ機動的な運営体制を活用できる民営化とするのであれば、これまで2園の市立の保育園も移行したように、よりよい保育環境の充実のため、えきまえ保育園、ひがし保育園の両園においても、新たにより柔軟な保育環境を提供できる認定こども園へ移行して運営していくことは検討されていないのかお伺いいたします。 ◎こども家庭担当部長(宮井まゆみ君)  まず、保育園は、ゼロ歳から小学校就学前の乳幼児が保護者の就労等の理由により家庭での保育ができない場合に保育を行う児童福祉施設です。 幼稚園は、満3歳から小学校就学前の幼児を教育し、年齢にふさわしい適当な環境を整えて、その心身の発達を育成する学校教育施設です。 認定こども園は、保育園と幼稚園の機能や特徴を併せ持ち、3歳児以上の幼児は保護者の就労等の有無にかかわらず、一緒に教育・保育を受ける施設です。 議員御案内のとおり、本市におきましては、令和2年度に由宇地域、美和地域にある、ちどり、さかうえの両市立保育園を認定こども園へと移行しております。認定こども園への移行については、地域内にほかの幼稚園がないことなどを踏まえて検討を行った経緯がございます。 民営化に際しましては、小学校就学前児童の保育の必要性の有無に関係なく、教育と保育を一体的に提供する幼保連携型認定こども園への移行をまず優先して検討いたしますが、麻里布地区と東地区においては、既に民間事業者による幼稚園や認定こども園が複数設置されておりますことから、小学校就学前児童の教育・保育のニーズ量と提供量を基に検討してまいりたいと考えております。 ◆10番(丸茂郁生君)  それでは、一方が民営化された場合、現在働いておられる職員の方々はどうなるのでしょうか。職員の方々も不安を感じておられると想像しますので、これについてどのようにお考えなのかお伺いいたします。 ◎こども家庭担当部長(宮井まゆみ君)  各保育園には、保育士及び調理員を園児数に応じて配置することで園の運営を行っております。 民営化される園の職員の待遇についてのお尋ねですが、正規の職員については、ほかの市立保育園等での勤務となります。 一方、会計年度任用職員につきましては、御本人の希望をお聞きしながら対応してまいります。市の会計年度任用職員としての勤務を継続希望される場合には、今後、勤務を希望される園や勤務条件などを確認した上で、ほかの市立保育園の会計年度任用職員の配置状況等を勘案しながら園を調整してまいります。 なお、今まで勤務されていた園への愛着や勤務条件等の理由から、民営化される園での勤務を希望される方がいらっしゃった場合には、民営化を実施する事業者に対して、業務水準の確保や業務継続性の観点から、優先的に再就職の受入れに努めるよう働きかけていくことを検討しております。 ◆10番(丸茂郁生君)  相談室とか、例えばこども館での勤務になると、やはり子供たちと関わる時間が極度に減少します。子供たちと関わり、子供たちの笑顔が見たいという夢を持って保育士になられたわけですから、きちんと御本人の意向に耳を傾けて円滑なローテーションに配慮していただきたいことを求めておきます。 それでは、先ほどお話しした認定こども園というものには、幼保連携型、幼稚園型、保育所型、地方裁量型と4つのタイプがあります。そのうちの幼保連携型を国もこれまで進めてきているところでありますが、本市も認定こども園の移行を進めていく場合、幼保連携型への移行という考え方なのでしょうか。 そしてもう一点、今職員の方々の今後についてお聞きしましたが、幼保連携型として運営する場合、幼稚園教諭免許状と保育士資格の両方の免許・資格を有することを原則としています。特例制度も設けられていますが、それについても期限が令和7年3月末までとなっているようです。今現在、働く職員の方々がどれぐらい両方の免許をお持ちなのか分かりませんが、これをどのように考えておられるでしょうか。 それからもう一点なのですが、民営化される場合、認定こども園の移行では、先ほど述べたタイプまで市のほうで決めていくようになるのでしょうか。あわせて、市立保育園についての今後の考え方についてもお伺いいたします。 ◎こども家庭担当部長(宮井まゆみ君)  議員御案内のとおり、認定こども園は4つのタイプに分類されますので、簡単に御説明いたします。 まず、1つ目として、幼稚園的機能と保育所的機能の両方の機能を併せ持つ単一の施設として認定こども園の機能を果たす幼保連携型。 2つ目として、認可幼稚園が、保育が必要な子供のための保育時間を確保するなど、保育所的な機能を備えて認定こども園としての機能を果たす幼稚園型。 3つ目は、認可保育所が、保育が必要な子供以外の子供も受け入れるなど、幼稚園的な機能を備えることで認定こども園としての機能を果たす保育所型。 最後に、幼稚園、保育所いずれの認可もない地域の教育・保育施設が認定こども園として必要な機能を果たす地方裁量型とされております。 これら4つのタイプの中でも幼保連携型認定こども園につきましては、平成27年4月に開始された子ども・子育て支援新制度において、認定こども園法の改正により、学校及び児童福祉施設としての法的位置づけを持つ単一の施設として普及が促進されております。 本市といたしましても、令和2年度に行った、ちどり、さかうえ両保育園の認定こども園への移行に際しましては、幼保連携型認定こども園として整備を行っております。 今後も市立保育園を認定こども園に移行する場合につきましては、幼保連携型認定こども園として整備する方向で検討してまいります。 次に、職員の幼稚園教諭免許状と保育士資格の取得状況についてどう考えているのかという御質問ですが、議員御案内のとおり、幼保連携型認定こども園は学校教育と保育を一体的に提供する施設であるため、その職員である保育教諭については、幼稚園教諭免許状と保育士資格の両方の免許・資格を有していることが原則となります。 ただし、平成27年4月から令和6年度末までは、幼保連携型認定こども園への円滑な移行を図るために、幼稚園教諭免許状と保育士資格のいずれかを有していれば保育教諭となることができます。 現在、市立保育園の正規職員については、おおむね両方の免許・資格を有しており、また、会計年度任用職員につきましても、令和4年度末時点で7割以上の職員が両方の免許・資格を持っておりますことから、今後、市立の幼保連携型認定こども園を整備する際の職員配置につきましても対応が可能であると考えております。 最後に、民営化される園が認定こども園へ移行する際のタイプについて、市が決定するのかということですが、民営化を実施する保育園の施設類型、タイプにつきましては、地域のニーズと既存の就学前児童の教育・保育施設の定員数や在園児数などから、市が決定し、事業者を選定する際の条件として設定していく方向でございます。市立保育園についても同様に判断し、必要に応じて認定こども園への移行を検討してまいります。 ◆10番(丸茂郁生君)  分かりました。それでは、民営化される場合、公私連携保育所制度という考え方で進められていくという認識でよろしいのでしょうか。 ◎こども家庭担当部長(宮井まゆみ君)  議員御案内の公私連携保育所制度とは、市が保育園の設置運営主体である法人と協定により連携し、土地、建物、備品などの公有設備の無償または廉価での貸付けや譲渡を行うとともに、職員配置や提供する保育などの運営に関与し、適正な運営が行われるよう法人を支援、指導するなど、市の関与を明確にできる運営制度です。 市立保育園の民営化に際しましては、保育の質の継続性を担保し、保護者の不安を軽減するためにも、選定条件や引継ぎの方法についてしっかりとした取決めを行う必要がありますので、民間団体を決定するプロセスの中でそれらのことを仕様に盛り込んでまいりますが、協定の締結につきましては、その方法としてどういった形が適当か、今後検討してまいります。 ◆10番(丸茂郁生君)  民営化したらそれでいいというわけではないと思いますので、今の公私連携保育所制度、これをしっかりと研究しながら進めていただけたらと思います。 それで、先月なんですけれども、ひがし保育園では、2棟あるうちの1棟のエアコンの空調が壊れて、修理の間その1棟を閉鎖して、もう1棟のほうだけで園児を保育する状態でありました。約1か月ぐらいでしたか、復帰するのになぜそのような時間を要したのか、どのような対応されたのか、御説明いただきたいと思います。危険な暑さと言われるこの異常気象の時期で、熱中症のリスクもあり、保育スペースも非常に狭く、子供たちがかわいそうでなりませんでした。 私が実感したことを少しお話しさせていただくと、私も子供を送迎する際に毎日見ておりましたが、本当にすごい光景で、自分の子供がどこにいるのかすぐに確認できないぐらいの密集でした。職員の方々も園児を確認することなどの対応に相当な苦労をされたことと思います。なかなか話だけでは皆さんに伝わらないと思います。正確な面積を調べていないので、あくまでもイメージなのですが、1階・2階もありますので、簡単に言うと、この議場の半分ぐらいに120人の園児が一日中、1か月間過ごしていたというものです。これもあくまでもイメージなんですけれども、午睡いわゆるお昼寝もきちんとできたのかどうかも心配でした。 私も内心、腹が立っているんですけれども、冷静沈着に話しますけれども、昨年通園バスの車内に取り残されて熱射病で園児が死亡した事件や園児が保育園で行方が分からなくなった事件があったわけです。一昨日も車内に置き去りになった2歳の子が亡くなるという痛ましい事件が起きました。保育園側も登園の確認をしていれば防げたことですと、保護者会を開き謝罪しておられます。 今回のひがし保育園のような状況では、確認が難しくなり、そういう事件を誘発させてしまう可能性もあったのではないかと思います。ただ、保育園の先生方も相当の大変さがあったんでしょう。日がたつごとにつれて疲れ果てて憔悴しているように私の目には映りました。 園長先生が、子供たちがかわいそうだから、かき氷の機械を買ったんですよとお話しされていました。職員の方々には子供たちへの配慮を一生懸命にしてくださったことに大変感謝しております。 以上、私の所感を述べさせていただきましたけれども、その上で御説明いただきたいと思います。 ◎こども家庭担当部長(宮井まゆみ君)  議員御質問のひがし保育園の空調故障への対応についてお答えいたします。 故障の経緯といたしましては、本年7月18日、19日の両日、冷房の効きが弱いという兆候があり、翌7月20日の夕方に機械が故障して運転できない状態になりました。同日すぐにスポットクーラーを準備し保育園に搬入すると同時に、メンテナンスを委託している業者に依頼して復旧を図ったところ、空調機器2機のうちの1機は復旧したものの残りの1機については故障箇所の交換部品が既に製造されておらず、対応できず復旧ができませんでした。 そこで、復旧した1機を活用しながら、いち早く空調機能を回復させるための方法を業者と検討しまして、7月25日の段階で、2階の保育室3部屋に個別にエアコンを設置し、復旧した空調機器1機の機能と合わせまして冷風を循環させ、1階の空調を行う方法で対応することといたしました。 しかし、故障が発生した時期は、梅雨が明けて間もない時期でもあり、空調の設置や故障などのため業者もなかなか手が回らず、実際の施工に至るまでには相当の時間を要してしまいました。8月1日に見積書の提出がございまして、さらに機器の納入などの都合もあり、工事は8月10日より開始され、8月12日までに2階の2つの保育室にエアコンを設置し、残った保育室1部屋には8月17日にエアコン設置を完了したところです。 復旧までの期間の保育につきましては、1歳から5歳児クラスの園児は、基本的にはもう1棟の冷房が効いている園舎の保育室で、乳児はスポットクーラーを設置した部屋で行いました。また、プールの時間を長めに取ったり、ミストを発生させる機械を使用したり、先ほど議員からも御紹介がありましたが、かき氷を楽しむイベントを行ったりと現場の保育士が創意工夫しながら対応いたしましたが、長期間にわたり園児の皆さんに不自由な思いをさせてしまい、また、丸茂議員をはじめとする保護者の皆様方にも御心配をおかけしたことについては大変申し訳なく思っております。申し訳ございませんでした。 今回の対応について、もう少し迅速にできなかったのか、ほかに対処方法がなかったかという点につきましては、改めて確認を行いまして、今後の検討課題としていきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆10番(丸茂郁生君)  ひがし保育園のほうでも、こども館にっこりを代替で使用させてもらえないかと相談していたことも承知しております。 ただ、やはり今回のことは、老朽化が原因でこういった状況につながっています。すぐに対応されたことでしょうが、もう1棟も古いわけですし、併設されている太陽の家や市内のほかの保育園も老朽化が激しいところもありますので、今後もこのようなことは起こり得ることであります。起きてからあたふたするのではなくて、そういったことも起こり得ると想定して、そのときにどのような対応を行うかを事前にしっかりと備えておくことを強く求めておきます。 それでは、感染症対策の観点から健康医療部長にお伺いいたします。 新型コロナウイルス感染症の感染症の位置づけは2類から5類に移行しておりますが、このエアコンが壊れ、園児が狭い空間で密集していたことは、果たしてよかったのか、よくなかったのか。この時期、岩国市の感染者も多かったようですし、新型コロナウイルスだけではなくて、子供の中ではやりやすいRSウイルスやアデノウイルス、手足口病、溶連菌などもありますことからお伺いいたします。 ◎健康医療部長(片塰智惠君)  保育所などで注意が必要な感染症には、議員御案内のとおりインフルエンザやRSウイルス感染症、それからノロウイルスなどによる感染性胃腸炎などがあります。また、新型コロナウイルス感染症対策も引き続き必要となっております。 一般的な感染予防に必要なことは、消毒、手洗い、それから健康管理であって、インフルエンザや新型コロナウイルス感染症などについては、換気がとても重要になってきます。 今回の事案については、感染症上の観点から適切であったかどうかについてですけれども、詳細な状況が分かりませんので判断というのは難しいんですが、7月下旬より熱中症警戒アラートの発令が継続しておりました。熱中症に特に注意が必要な幼児を保育する上で、熱中症対策は感染症予防対策と同様に重要であると考えております。 保育園においては、あらゆる状況を判断した上で、室内の温度調整が可能な教室で保育し、テーブル、ドアノブ、手すり、おもちゃなどの小まめな消毒、また、保育者及び園児の手洗いの徹底、定期的な換気、園児の健康観察に細心の配慮をされるなど、危機管理の観点からも、より安全な環境の下で保育できるように判断され、対応されたものであると考えております。 ◆10番(丸茂郁生君)  やはりこの時期ですと換気が十分にできたとは到底思えませんし、こういった感染症は、やはり先ほども部長からもお話がありましたように、接触などによるものであったりもします。また、重症化する危険性の少ない感染症でも、やはり体の弱い子供や持病がある子供、生後間もない子供は重症化に気をつける必要があるわけです。長期間であればなおさらリスクは高まります。 それを踏まえて、またこども家庭担当部長にお伺いいたしますけれども、保育園の先生方の中からも、早く建て替えておけばこんなことにならなかったですよねと、お話を聞きながら私も同感しておりました。 老朽化に関しては、今回園児たちが密集して過ごした棟では、昨年、階段のところでひどい雨漏りもありました。園児たちが滑って転んでけがをするのではないかと心配した時期もあります。今後懸念されている南海トラフ巨大地震もいつ発生するか分かりません。それに伴う津波到来の心配もあります。このようなことから早期の建て替えが必要だと私は思っています。 以前にもお話ししましたが、ひがし保育園に関しては、耐震性や老朽化の問題だけでなく、送迎車両の問題や職員の方々の駐車場、また、併設されている太陽の家のこともありますし、えきまえ保育園に関しては、これも福祉会館の1階で、老朽化に併せて耐震性の問題や園庭もかなり狭く、ひがし保育園と同様の駐車場の問題もあります。現在の場所での建て替えは非常に難しいことから、ほかの場所での建て替えについて、これまで用地取得のための取組はされたのでしょうか、お伺いいたします。 ◎こども家庭担当部長(宮井まゆみ君)  えきまえ保育園、ひがし保育園ともに90人を超える大きな園でございますので、園舎や園庭、また、現在両園に不足しております送迎車用駐車場等、まとまった広い土地が必要となります。このため、麻里布地区、東地区において、候補地としての可能性がある市有地等の情報収集を行い、候補地があれば現地に赴き、周辺の家屋や建造物、環境等を調査し、今後の利活用の方針などから保育園用地として活用できるかどうか、また、建設に当たっては都市計画法などの関係する法令を所管部署に個別に確認をし、検討を進めているところでございます。 ◆10番(丸茂郁生君)  それでは、壇上の御答弁の中に仮園舎の可否とありましたが、仮園舎を建てるとなると、土地を取得して建設して取り壊す費用がかかるため、やはり無駄なコストがかかるようなことはないようにしっかりと考えていただきたいと思います。 それと、一つ気になっていたことがありますのでお聞きしますけれども、新しく大変すばらしい小・中一貫校の岩国ひがし学園が建設されまして、地元の者としましても大変ありがたいと思っているところではありますが、この東小・中学校を建てる際に幼保小中連携として、今の場所にひがし保育園も一緒にというお話はなかったのかどうかお聞きしたいと思います。もともとこども支援課におられた丸川教育次長であればよく御存じであると思いますので、お伺いいたします。 ◎教育次長(丸川浩君)  施設一帯型小・中一貫校である東小学校、東中学校については、平成28年度に基本設計に着手し、令和2年度に校舎完成、同9月に開校を迎えました。 校舎改築の際には、現在の北側グラウンドとして整備されている旧小学校敷地と新校舎が建設されている旧中学校敷地を円滑に活用する形で、旧小学校敷地内に併設されていた放課後児童教室を組み込むこととし、設計を進めました。 議員から御質問のあったひがし保育園の建設につきましては、小・中学校の設計業務を進める際には、建て替え計画がなかったことから検討には至りませんでした。 ◆10番(丸茂郁生君)  なかなか用地がない中で、そういったことも可能性としてあったのではないかなと、私もそのとき言えばよかったんですけれども。なので、やはり用地取得がなかなかこの地域は難しいので、いろんな方向からしっかりと考えていただきたいと思います。 そういうことで、こども家庭担当部長にまた求めておきますけれども、えきまえ保育園やひがし保育園の場合、建て替えに関しては関係する所管部署も多岐にわたりますし、用地確保がなかなか難しい地域だと思いますので、やはり様々な可能性は今後も考えていただきたいと強く求めておきます。 それで、建て替えに際して、ひがし保育園にはプールがなくて、太陽の家から借りて使用している状況です。 それからホールというか、子供たちが一堂に集まる専用の遊戯室がありませんし、えきまえ保育園も同様かと思いますが、その遊戯室を設置することを考えるのであれば、室内で遊べる大型の遊具も設置していただきたいことや、園庭の遊具も年齢に合ったものをしっかりと選定していただくことなど、やはり保護者の方々からのいろいろな思いもあると思います。子ども・子育て会議などでも、これから先、意見を聞かれることと思いますが、やはりいつも子供のことを見ている保護者や職員の方々に御意見を聞くことが、魅力と活力あるよりよい保育ができるすばらしい保育園になると考えますので、ぜひともできるだけ早急にアンケートを実施していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ◎こども家庭担当部長(宮井まゆみ君)  保育園の建て替えに際しましては、保護者の方の御意見は大変重要なものと考えておりますので、建て替え方針を発表いたしましたら適宜アンケート等、御意見を頂ける機会を設けてまいりたいと思っております。 ◆10番(丸茂郁生君)  それでは、ひがし保育園とえきまえ保育園は規模の大きな保育園になるため、建て替えるにも相当の予算が必要だと思います。 そこで、やはりこの両園に防衛の予算が適用できるのかどうか、また、子供たちの命が関わっていますので、優先的に考えていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。村田審議監、よろしくお願いいたします。 ◎審議監(村田光洋君)  保護者が安心して園児を預けられる、そういった環境を整備して安定的な保育施設の維持を図ることは大変重要なことであると考えております。 一般論ではありますが、防衛省の補助金交付金は、保育に関するメニューもありますので、本件につきましては、今後整備方針を検討する過程で有利な財源を確保する、こういった観点から調整を行ってまいりたいと考えております。 いずれにいたしましても、将来を担う子供たちのためになることでもありますので、ロマンを持ってしっかりと対応してまいりたいと考えております。 ◆10番(丸茂郁生君)  建て替えの早期実現に向けて、審議監のほうからもしっかりと働きかけをお願いしたいと思います。 次に、これは担当課で答えるのは難しいと思いますので、副市長、御答弁をお願いしたいと思います。 先般、我が会派、志政いわくにの20番 石本議員よりシェルターについての一般質問がありました。ユーチューブを見てくださいということで御紹介にあったもの以外にも、宮崎県都城市の企業などもシェルターを開発されているみたいで、やはり全国的にもシェルターへの関心も高まってきているようです。 そこで、この両保育園の建設も今からということでありまして、建て替える際に子供たちの命を守るためにシェルター機能を持たせることも必要と考えます。 例えば平常時には、子供たちが雨の日などでも室内で遊べる遊具などが置いてある空間としてなど、全国に先駆けて、先進的に取組を検討していただきたいと思いますが、副市長の御所見、よろしくお願いいたします。 ◎副市長(杉岡匡君)  ただいまのシェルターに関する御質疑でございますけれども、先般からシェルターに関する質問等も出ておりますけれども、私も様々な情報を取ることがございますけれども、その中でも、現在国においても、そういったシェルターの設置について、議連等も含めていろいろ検討されているという情報はございます。 ただ、そうした情報がある中でも、それぞれどういったものがシェルターと言えるようなものなのか。具体的な施設の内容など、どういったものがシェルターとしての機能を有するのか。また、先ほど審議監のほうからもありましたが、まさにこの園舎の建て替えを防衛予算で行うということを仮に考えたときに、国のほうもどういったものをシェルターとして認めるのか、それに対する財源をどういうふうに考えられるかというところも、これは問題となってきますので、課題であろうかと思います。 これまでも市の様々な公共施設を整備していく中で、その時点その時点において様々なメニュー――そういった基本計画なりを立てるときに、まさに今の時代は、シェルターも一つの考え方として取り上げるべき項目の一つになってきているというふうに認識しておりますから、今後、この移転計画、新築計画が具体化していく中においてはそういった項目も頭に入れて、これはまさに国の動向が必要になっていまいります。 そういうことを含めて検討することも、これはやぶさかではございません。 ◆10番(丸茂郁生君)  やはり、命を守るために、やはりしっかりとこういったことも考えていただきたいと思います。 それでは、最後に市長にお伺いいたします。 私、先般の6月定例会で岩国市のロマンについて語らせていただきました。ロマンというと大人の目線になりますので、子供の目線に立って市長にお願いがあります。 それは何か。市長には子供たちのヒーローになっていただきたいと思います。子供たちのヒーローというと、困っている人を助け、命を守る、わくわくするような笑顔を与えるものだと私は思っています。子供たちもきっとそう思っているのではないかと考えます。 今回の質問で、子供たちを守るためにるる述べさせていただきましたが、熱中症や感染症から守ること、また、南海トラフ巨大地震がもたらす津波などの脅威や、ミサイル攻撃などから身の安全を守ること、そして子供たちがわくわくのびのびと遊ぶことをかなえてこそ、子供たちのヒーローだと私は考えます。 先般、市長におかれましては、一般質問の初日に次期市長選への決意を述べられました。えきまえ保育園とひがし保育園のみならず、ほかの老朽化が著しい市立保育園も同様に、早期の建て替えを実現していただきたいと思います。子供たちの笑顔のためにも、意気込みをお伺いしたいと思います。 ◎市長(福田良彦君)  なかなか、どういった答弁がいいかなと、今、思考したんですが、今回は、丸茂議員におかれてはえきまえ保育園、特にひがし保育園に特化しての質問のやり取りということで聞いておるんですけれど、これまで夏の空調の故障についてはまさにこれは昨今のこの猛暑日が続く中で、園児また、保護者の方々にも御心配をおかけしたなというふうに私も改めて思ったところであります。 施設が古いがゆえにそういった故障等が、不具合があるということもある程度想定しながら健全な保育環境をしっかりと提供するということは、今後もしっかりと肝に銘じなければならないというふうに思っているところであります。と同時に、やはりもちろん今日はえきまえ保育園、ひがし保育園についての一般質問でありますが、岩国市内にはほかにも保育園等はあります。全ての子供たちにとってやはり、そういった保育環境を、またすくすくと育てていくような、そういった環境をつくっていくことが我々行政に求められております。今回、議員におかれましては、議員としての御質問をいただき、また、保護者の観点、様々な観点からの御質問をいただきました。ロマン、ヒーロー、まさに丸茂議員がヒーローなんだろうというふうに思います。 ということで、ヒーローは決して一人ではないと思いますので、これは全ての大人がそれぞれの立場でヒーローになることが自在だと思っておりますので、そういった意味でこれから次代を担う子供たちがすくすくと育って、健康に育って、心身ともに、そして自分たちの夢がかなえられるような、そして、これからもこの岩国に住んでみたい、住み続けたいと思えるような、そういった施策を総合的に展開していくことが大事だなというふうに思っております。ということで、ロマンということになりますと、なかなかこれは難しいところでありますが、要はロマンイコール夢だと思いますので、そういった夢・ロマン、そういったものを形にできるように、私なりに思いを持って頑張っていきたいというふうに思っています。ぜひ、それぞれの議員一人一人もヒーローとして、これからも共に岩国市のために頑張っていくということで、私もお願いしたいと思っております。 ◆10番(丸茂郁生君)  市長がおっしゃるように、みんながヒーローになれるように、しっかりと頑張っていかなければならないと思います。 市長には、さらにスーパーヒーローになっていただくことを願いまして、私の一般質問を終わります。 ○副議長(植野正則君)  以上で、10番 丸茂郁生君の一般質問を終了いたします。 1番 小川安士君。 ◆1番(小川安士君)  1番 日本共産党市議団 小川安士です。 通告に基づきまして、一般質問を行わせていただきます。 質問項目は、地域公共交通の見直し作業について、農業基本法の見直しについて、日本ペルー親善150周年、移民125周年について、以上3点です。 まず、最初に、地域公共交通の見直し作業について伺います。 JR西日本が赤字と言われる路線の経営状況の一部を新聞報道したことで各地から不安の声が上がりました。 政府も対応策を示していますが、それらを見ましても住民は不安を解消できず、さらに豪雨被害を受けた鉄道の復旧状況やバス転換したところのその後の情報も新たな不安となっています。3月に地域公共交通活性化再生法が改定され、6月には各地で実務者説明会も行われ、その後もまだ様々な議論が続いています。こうした状況の中で、岩国市では今後どのように公共交通の充実、錦川清流線やJR岩徳線の存続を目指すのか、見解を求めます。 まず、(1)総合的な考え方については、国が進めようとしている対策は全国の鉄道システムの問題を棚上げにして、地方自治体にローカル線の課題解決を押しつけようとしているとしか思えません。 分割民営化の枠組みは破綻した、このように指摘される現状を克服しなければ、多くの地方自治体がますます衰退するので、それを阻止する方策が必要ですが、不十分と言わざるを得ません。総合的な公共交通政策の在り方に関し、積極的に打開策を求めて地域振興を訴えるべきだと思いますが、執行部は地域振興にどのような効果をもたらすと考えておられるのか、見解を伺います。 次に、(2)JR岩徳線存続対策についてただします。 現状では、各地のローカル線は沿線自治体が支えられないなら、自治体の責任で廃線を選択させられると感じます。国やJR各社は、分割民営化でローカル線存続を約束したのに守ろうとせず、責任も取らないでさらに新たにローカル線を切り捨てようとしていると感じます。 岩徳線の存続に関し、国の責任はどのように定められているのか見解を求めます。 次に、(3)錦川清流線存続対策について伺います。分割民営化は特定地方交通線を国鉄から切り離してJR各社の経費負担を軽減することと並行して進められました。このことから、三セク移管でも維持が困難なことが明らかになったら、改めて国鉄の分割民営化の時点に立ち返って特定地方交通線の対策を検討するべきだと考えます。 現在、進められている対策では、錦川清流線の救援策は何もないというのはやはり国の責任放棄ではないでしょうか、見解を求めます。 次に、2項目め、農業基本法の見直しについて伺います。 食料・農業・農村基本法は農政の基本方向を示すものですが、制定から約20年たつので、世界的な食料安全保障などの情勢の変化に対応して見直しの議論が行われています。 夏には全国でこの基本法を点検する意見交換会が開かれました。この機会に、積極的に農水省に働きかけてほしいと思いますが、どのように取り組んでおられるのか2点ただします。 (1)中間取りまとめに対する市の考えについて伺います。 中国地方で行われた意見交換会では、自給率向上や家族農業、地域農業を守るように求める意見も多く、輸入増加が農業を弱体化させているとか、若い人が農業に定着しないのは農業では食えないからだと、こういった発言が報告をされています。自給率引上げのための施策を強化するべきです。その有効な対策は、価格保障制度や所得保障制度の実現であり、積極的に求めるべきではないでしょうか、見解を求めます。 (2)生態系を生かした持続可能な農業の実現について伺います。 これまでも、有機栽培支援などを求めてきましたが、農業基本法改定もその方向に進むと考えます。また、岩国市の農業生産は少量多品目の家族経営が主体で、消費者と密着した地域農業で生産が続けられています。国に対しては、こうした小規模農家への支援強化を強く求めるとともに、可能な事業は先手を打って速やかに具体化されるべきだと考えますが、見解を求めます。 3点目、日本ペルー親善150周年、移民開始125周年に関し、ペルー駐日大使の岩国市訪問の実現について伺います。 今年は、日本とペルーの親善150周年に当たり、国交樹立の祝いと移民開始125周年を記念する企画が各地で取り組まれています。山口県ペルー協会の皆さんも、ぜひペルー大使をお招きしたいと準備をされているようです。もし、大使が山口を訪問されるなら、ペルー移民の開拓に深い関わりのある岩国市もそれなりに対応し、日本とペルーの友好親善を進めるとともに、田中貞吉さんにも思いを寄せていただきたいと思います。 ペルー大使の山口県訪問に対して、岩国市ではどのように対応されるのか見解を伺います。 以上、壇上からの質問といたします。 ◎市長(福田良彦君)  それでは、小川議員御質問の第1点目の地域公共交通についてお答えいたします。 まず、(1)総合的な考え方についてでありますが、本市ではバス、鉄道、離島航路、タクシーなどの公共交通機関が運行しており、市民の通勤、通学、買物などの日常生活における移動を支えております。しかしながら、本市の公共交通機関の利用者数については、近年の自家用自動車の利用を基本とした生活スタイルの定着などにより、減少に歯止めがかからない状況が続いております。 また、将来にわたってさらなる人口減少や少子高齢化が懸念されることから、地域公共交通を取り巻く環境は厳しさを増している状況にあります。 こうしたことから、本市における公共交通機関を市民や来訪者にとって便利で利用しやすく、将来にわたり持続可能なものとするため、本年3月に岩国市地域公共交通計画を策定したところであります。 本計画では、基本方針として「変わりゆく地域の暮らしとまちのすがたに対応した持続可能な公共交通の構築」を掲げ、デマンドバスや乗合タクシーをはじめとした効果的、効率的な運行への見直しを進めていくほか、デジタル技術を活用した運行や情報提供など、様々な施策に取り組むこととしております。 一方で、国においては、全国的に利用者が減少している地域公共交通について利便性や持続可能性、生産性の高い地域公共交通ネットワークへのリ・デザイン、つまり再構築を進めるため、本年4月に地域公共交通の活性化及び再生に関する法律を改正されています。その改正の内容としましては、利用者が少ないローカル鉄道の再構築に関する仕組みの創設・拡充、地域の関係者の連携と協働の促進、そして、バス・タクシー等の地域公共交通の再構築に関する仕組みの拡充などとなっております。 本市におきましては、今後もこうした国の動きを踏まえるとともに、岩国市地域公共交通計画に基づき、誰もが安心して快適に公共交通を利用していただけるように、施設や車両等の整備、運行形態の見直しのほか、沿線関係者との連携・協働を推進し、持続可能な公共交通の再構築に取り組んでまいります。 次に、(2)JR岩徳線存続対策についてでありますが、JR岩徳線は通勤や通学、通院などの利用者にとって欠かせない移動手段でありますが、平成20年度に約117万7,000人であった利用者数は、令和3年度には約84万9,000人となり、この間で約28%減少しております。また、令和3年度における1キロメートル当たりの1日平均乗客数、いわゆる輸送密度は1,064人となっております。 これらのことから、平成29年度に沿線自治体である周南市、下松市及び本市の3市、そして山口県、JR西日本を構成メンバーとするJR岩徳線利用促進委員会を立ち上げ、JR岩徳線の利用促進などに取り組んでいるところであります。 この利用促進委員会では、イベント列車の運行や、駅カードの配布などの観光利用を促進する事業のほか、こども絵画展の開催や、スタンプラリーなどの沿線住民の利用啓発にも取り組んでおります。 しかしながら、新型コロナウイルス感染症の蔓延による影響などもあり、利用者の増加には至っていない状況であります。 そうしたことから、利用促進委員会では、今年度中に山口県の地方ローカル線活性化事業補助金を活用して、JR岩徳線の沿線住民を対象としたアンケート調査を実施し、利用ニーズの把握を行う予定であります。 また、JR岩徳線を団体利用されるグループに対し、運賃の一部を助成する制度を来年度から実施できるよう準備を進めているところであります。 一方、国においては先ほど御説明した法改正により、赤字が続くローカル鉄道の経営改善や存廃などを話し合う再構築協議会制度が創設されることになりました。 この再構築協議会は、輸送密度が1,000人未満の区間を優先して国が設置するもので、今後のJR岩徳線の利用状況によっては、その基準に該当する可能性があります。 市としましては、今後もJR岩徳線利用促進委員会の取組を継続的に実施し、一人でも多くの方に関心を持っていただくことで、JR岩徳線の利用促進につなげてまいりたいと考えております。 最後に、(3)錦川清流線存続対策についてでありますが、錦川清流線の利用状況としましては、利用者数が最も多かった昭和63年度の約58万4,000人に対し、沿線人口の減少や少子高齢化、車社会の進展などに伴い、令和4年度には約12万6,000人まで減少しており、令和4年度における輸送密度は205人となっております。 こうしたことから、鉄道に係る維持経費などを運賃収入では賄えない状況が続いており、令和4年度における錦川鉄道株式会社の経常損失額は過去最大の約1億5,500万円となりました。こうした経常損失額が1億円を超える状況は今後も続くものと見込まれております。 これまでも、錦川鉄道株式会社の赤字額については、市から過疎債や合併特例債、鉄道経営対策事業基金を財源とした補助金を支出することで、毎年度補?していました。しかしながら、今後は、過疎債の発行上限額の段階的な引下げや、合併特例債の発行期間の終了、基金の枯渇により、財源の確保が非常に難しくなるほか、老朽化が著しい施設等の修繕や更新のために多額の経費が恒常的に必要になることが予想されております。 このようなことから、市としましては、錦川清流線の将来の在り方について検討するため、本年5月に副市長をチーフとし、関係する部長級の職員で構成する錦川清流線あり方検討プロジェクトチームを組織したところであります。 また、鉄道運営に関する専門的な知見などを取り入れるため、有識者などで構成する錦川清流線のあり方について意見を聞く会を本年の7月に開催をしており、今後も定期的に開催する予定であります。 あわせて、錦川清流線の現状分析などを行うため、全国において地域公共交通の再構築を多く手がけた実績のある一般財団法人地域公共交通総合研究所と錦川清流線あり方検討支援業務の委託契約を締結をしております。 今後、この委託業務によって、錦川清流線の費用構造や、施設・設備などの現状を調査・分析するとともに、将来の収支についてシミュレーションを行うほか、沿線住民や利用者へのアンケート調査、関係者へのヒアリングなどを行いながら、今後の在り方として複数案をまとめていく予定であります。 市としましては、地方鉄道に関する有効的な財源となる交付金や補助金の活用方法などを調査・研究しながら、令和7年3月末までには、市としての一定の方向性を導き出したいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◎農林水産部長(藏田敦君)  第2点目の食料・農業・農村基本法の見直しについてお答えします。 まず、(1)中間取りまとめに対する市の考えについてですが、食糧・農業・農村基本法につきましては、食料や農業、農村に関する施策についての基本理念とその実現を図るための基本となる事項を、国が定めたものでございます。 平成11年にこの法律が制定されて20年以上が経過する中、前提となる社会情勢や今後の見通し等が変化していることを踏まえ、昨年9月29日、農林水産大臣から食料・農業・農村施策審議会に対して、食料、農業及び農村に係る基本的な政策の検証及び評価並びにこれらの政策の必要な見直しに関する基本的事項に関することについて諮問されたところでございます。 これを受けて同審議会内に設置された検証部会において、16回の会議が開催され、本年5月29日に中間取りまとめとして示されております。 なお、中間取りまとめを踏まえ、農林水産省により全国11か所において地方意見交換会が開催されたところであり、中国ブロックにおいては、7月20日に岡山市において開催されたものと承知しております。 この中間取りまとめにおきましては、今後20年を見据えた予期される課題として、「平時における食料安全保障」「国内市場の一層の縮小」「持続性に関する国際ルールの強化」「農業従事者の急速な減少」「農村人口の減少による集落機能の一層の低下」が挙げられており、現行法制定後の約20年間における情勢の変化と併せて、見直しに関する方針が示されているものでございます。 このうち、基本理念の見直し方針として、「国民一人一人の食料安全保障の確立」「環境等に配慮した持続可能な農業・食品産業への転換」「食料の安定供給を担う生産性の高い農業経営の育成・確保」「農村への移住・関係人口の増加、地域コミュニティの維持、農業インフラの機能確保」の4点が示されており、これに基づく分野別の主要施策が提言されております。 国の検証部会が課題として捉えている点、その中でも農業従事者や農村人口の減少、集落機能の低下につきましては、本市においても大きな課題と捉えているところであり、これまでも国や県の各種支援策を活用しながら対策を講じてきたところです。 国の検証部会におかれましては、地方意見交換会を踏まえて、速やかに最終答申を取りまとめるものと承知していますが、本市におきましては様々な機会を通じて本市の実情を国に伝えるとともに、法改正や施策展開の状況を注視しながら、今後の取組に反映させてまいりたいと考えております。 次に、(2)生態系を生かした持続可能な農業の実現についてですが、先ほどの食料・農業・農村基本法の見直し方針においても、環境等に配慮した持続可能な農業・食品産業への転換が基本理念として位置づけられており、環境に関する基本的施策として、有機農業の拡大、温室効果ガス排出削減、生物多様性の環境に配慮した農業の推進等が示されております。 本市におきましては、農林業振興基本計画において多面的機能の維持・強化を重点項目に掲げており、これまでも国の環境保全型農業直接支払制度を活用しながら、化学肥料や化学合成農薬を原則5割以上低減する取組と併せて行う、地球温暖化防止や生物多様性保全などに効果の高い営農活動等について支援をしているところです。 今後も、食料・農業・農村基本法の改正、そして施策展開の状況も注視しつつ、また、農業者とも連携を図りながら、本市における持続可能な農業の取組について検討してまいりたいと考えていますので、よろしくお願いします。 ◎文化スポーツ振興部長(遠藤克也君)  第3点目の日本ペルー国交150周年、移民125周年についての(1)ペルー駐日大使の岩国市訪問の実現についてお答えします。 日本とペルーの関係は、150年前の1873年に遡り、通商航海の自由を相互に認めた条約である、日本国秘魯国和親貿易航海仮条約の締結によって、外交関係が樹立しています。 その後、1899年第1回の移民船が日本からペルーに向けて出港し、この移民船に乗り込んだ790人のうち187人は山口県出身の人たちでした。そして、この移民計画に尽力したのが、旧岩国藩士の家に生まれ、東京郵便電信学校長などを歴任された田中貞吉という人物になります。 ペルーに渡った移民は、契約内容と異なる労働実態や劣悪な環境、伝染病の流行による死者の続出などトラブル続きだったとの記録が残っています。 田中氏は、それらの課題の一つ一つを解決し、南米移民の道を切り開き、移民の生活を定着させたことから、人々は田中氏を「ペルー移民の父」と敬意を込めて呼ぶようになったと言われています。 また、第1回目の移民船がペルーに到着したのが4月3日で、この日は日本・ペルー友好の日となっています。 このような郷土の先人とゆかりのあるペルー共和国の大使が岩国市を訪問されることとなれば、大変喜ばしいことと考えます。 しかしながら、本日現在で、議員御案内の駐日ペルー大使館からの連絡や通知は、県や市に届いていない状況でございます。 通常、各国の駐在日大使や総領事が岩国市を表敬訪問される場合は、大使館や領事館を通じて、事前に県や市に連絡があり、その後、日程調整等を行っています。 そのため今後、大使館からの連絡があれば、本市への訪問の対応について検討してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆1番(小川安士君)  それでは、自席から再質問させていただきたいと思います。 まず、最初に、地域公共交通に関しましては鉄道を中心にお尋ねさせていただきます。 公共交通機関の利用者の減少につきましては、人口減少や自動車中心の生活スタイルの定着等を挙げておられます。今後はさらに厳しくなる状況も予想をされています。 そのことを思いますと、今残されている住民が利用率を上げるということだけでは事態を打開できない、このことは明らかです。いろんな、利用を増やすことで取り組んでおられることには敬意を表しますけれど、住民だけでは不可能だと思います。 鉄道は産業振興とか人口増加を牽引をしてきました社会基盤です。人口減少に悩んでいる地方にとりましては、今こそ重要さが増している、こういう状況ではないかと思います。この鉄道を抜本的な支援によって強化をするということが必要だと思うんですけれども、今回の法改定にはそのような方向性はあるのかどうかお尋ねいたします。 ◎総合政策部長(國廣光秋君)  このたびの法改正の考え方でございますけれど、国におかれましては、現在、ローカル鉄道の再構築といったことを検討されておりますが、こちらにつきましては利用者が減少しております一部の路線につきまして、そもそも鉄道が持っております大量輸送機関としての特性といったものが現在、十分に発揮されていないといったことを契機としたものでございます。こうした中、このたびの法改正におきましては再構築協議会を設置することが盛り込まれておりますが、その協議会での協議に当たりましては、鉄道の廃線ありきでありますとか、あるいは、存続ありきといった前提を置かずに議論を進めまして、再構築の方針を作成すべきであるということがうたわれているところでございます。 ◆1番(小川安士君)  今の御答弁ですけれども、そもそも鉄道が持っている大量輸送機関としての特性、このことが現状の運用と管理の不十分さで十分に生かされていない、この面を強く感じるところです。こういった状況を放置しておいたのでは、現状はさらに守れなくて、ますます利用が減少すると思います。線路の整備をJRにもしっかりと働きかけていくとともに、そのことを国のほうも支援をするようにと市のほうからも働きかけていかれるべきではないかと思います。 また、諸外国では公共性を強化する、こういった方向で鉄道の改革が進められている状況だと思います。民営化にこだわっている、こういった政策を取っているのは日本だけのようです。 鉄道の独立採算制の原則をローカル線の沿線自治体に押しつけて廃線に追い込む、こういったやり方は間違っているのではないかと思うんです。鉄道の全国的な網の目を分断をすることになると、その点から間違っていると思うわけです。 既に日本でも、新幹線は建設財源の50%を国や自治体が負担しております。地域公共交通の見直しでは国の財政負担を拡充していく、こういった新たな方向は出ているのかどうか、その点いかがでしょうか。 ◎総合政策部長(國廣光秋君)  国の財政支援でございますけれど、このたびの法改正によりまして鉄道の再構築計画を策定し、国に認定された場合には、計画に記載した施設整備、例えば駅の施設でありますとか、線路の設備などの機能向上に関わる鉄道投資に対しては国からの交付金、社会資本整備総合交付金になりますけれど、こういった財源措置がされるということになっております。 ◆1番(小川安士君)  整備がされたところにはということになると思いますけれども、やはり鉄道というのはネットワークであって、しかも公益であってこそ高い効果を発揮するのではないかと思うんです。ですから、問題が起きた地域に国のほうが予算をそれなりに配置するといった能力というか力があるということであれば、むしろその前に国のほうは公益のネットワークを維持する、そのためにこそ予算投入をされるべきではないかというふうに思うわけです。ぜひその面からも力強く働きかけていっていただきたいと思います。 それにも関するわけなんですけれども、7月の集中豪雨では美祢線が破壊され被災しました。JR西日本の社長はこのことに関する記者会見で直ちに復旧するといった発言にはなっておりませんでした。冷ややかな態度だというふうに感じているんですが。JR各社はこういった自然災害での被災に対しまして、線路の早期の災害復旧にはなかなか着手をしていないというふうに感じています。 JR西日本では、早期に復旧するように方針を変換されているのかどうか、その点御確認いたします。 ◎総合政策部長(國廣光秋君)  このたびのJR美祢線の状況について申し上げますと、こちらにつきましては、報道等で公表されている内容にはなりますけれど、さきの6月末の豪雨被害によりまして、JR美祢線におきましては現在も全線にわたって運休となっておりまして、現在もバスによる代替運送が行われているといった状況でございますが、JR西日本におかれましては、今後につきましては復旧の見通しは立っていないといったことでホームページのほうに掲載されているといった状況でございます。 ◆1番(小川安士君)  そういった状況が利用率を下げている一つの要因であって、それはJRのほうが取っている態度が利用を引き下げていく方向に作用しているというふうに思います。線路の復旧が遅れることで鉄道の信頼性を失うといったことのないように、JRも積極的な働きかけをされるべきではないかと思います。今の美祢線の状況を見てみますと、恐らく岩徳線が被災をした場合も同じような扱いを受けるのではないかということで危機感を持っておりますので、ぜひ力強い支援を要請したいと思います。こういった問題に関してなんですけれども、現在の鉄道の基本的な仕組みを諸外国と比較をしてみますと、諸外国ではほとんどの鉄道が公共施設となっているようです。日本では民間所有となっている。このことがローカル線の復旧が遅れてしまう、その根本的な原因ではないかと思います。鉄道の利用者を増やすには自動車と同様に線路も国道や県道にして、きちんと管理をして利便性の高い運行を実現する、このことによってこそ鉄道のよさが改めてみんなに認識してもらえるし、災害が起きても速やかな復旧が実現をするというふうに思うわけなんです。そういった方向に、市や町からも積極的に求めていくというスタンスが必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。 ◎総合政策部長(國廣光秋君)  鉄道利用者の減少に伴いまして、経営が困難となっております地域鉄道事業者などにおかれましては、地元自治体などに対して支援を求めておられまして、その結果、上下分離方式などといった方式を採用されまして、鉄道運営の再構築が行われるといった事例が一部見られているところでございます。 こういった上下分離方式、列車の運行を担う主体と鉄道のインフラの維持管理を行う主体を別々に分けて管理するといった仕組みになりますけれど、こういった上下分離方式による鉄道の再構築につきましては、様々な手法を検討した上で行われるものでございまして、全ての鉄道に対して行うといったことは難しいものでございまして、こういったものは個々の状況についてよく捉えてから対応すべきものではないかというふうに考えております。
    ◆1番(小川安士君)  JR西日本そのものも上下分離方式で新幹線は伸ばしておられるわけです。そこでちゃっかりと稼いでおられる、もうけておられるわけなんですよね。そういったことから考えても、在来線は難しいとかいう理屈にはならないのではないかというふうに思うんです。むしろ、営業が困難なローカル線だからこそ上下分離方式を促進する、こういったスタンスに国が立つべきではないかというふうに思うわけです。 南海トラフの巨大地震、いろいろ言われておりますけれども、このことでは在来線も各地で破壊されると思います。しかし、JR各社が独自に、その破壊された在来線の全てを復旧するとはとても思えません。いずれその時点では国費での線路復旧が議論されると思います。であれば、できるだけ早く上下分離方式を基本にして鉄道網の再構築をする、このことによって地域の経済発展や人口減少を阻止していくという大きな流れをつくっていくことができるのではないかと思うわけです。もし、そういった方向での上下分離が実現したら、当然、岩徳線なんかも今、保線の状況も改善されますし、あるいは電化をするといった方向にも可能性が開けてくるのではないかと思いますので、積極的な対応をされるべきではないかというふうに思います。 それから、JR西日本に関してなんですけれども、西日本では公益事業としての恩恵は受けておられると思うんですけれども、最近の経営の状況を見ますと、本来の鉄道輸送よりは付随した営利事業を重視しているのではないかというふうに感じます。また、安全性とか利便性の向上に対しての費用を切り詰めて、株式の配当は強化している、こういう傾向が見られます。国鉄の資産を受け継いだ事業運営としては、私は違和感を感じております。JR西日本では、株主に利益を還元する度合いを示しております総還元性向、このことが他の運輸事業と比べても高くなっていると思います。もっと安全管理や利便性の向上に力を入れるように求めていただきたいと思いますけれども、御見解をお尋ねいたします。 ◎総合政策部長(國廣光秋君)  JRに対しまして安全管理や利便性向上をもっと申し入れるべきであるという御質問でございますが、市におきましてはこれまでもJR西日本に対して、安全運転でありますとか利便性の向上に関しまして様々な機会を通じて要望を行っているところでございます。 今後におきましても必要に応じて、安全運行、利便性向上に対して要望を行ってまいりたいというふうに考えております。 ◆1番(小川安士君)  働きかけていただいている御尽力には敬意を表します。ただ、要請をしても働きかけてもJRのほうは経費の負担が難しいとかいうことでの事業の遅れではないかと思うんですけれども、JR西日本では赤字のひどいローカル線は廃止すると、このように言っていることを御承知と思います。このJR西日本の経営全体としての経営状況については、行政のほうでも市のほうでもチェックをされているのかどうかお尋ねいたします。 ◎総合政策部長(國廣光秋君)  鉄道各社全ての会社の経営状況につきまして全て把握しているものではございませんけれど、身近な会社でありますJR西日本等につきましては、一定の経営状況につきましては把握しているところでございます。 ◆1番(小川安士君)  ぜひ続けていただきたいと思います。私の持っている数字では、東洋経済会社四季報オンラインの記事がございました。それを見ると、赤字でも株主に配当金を支払った企業の全産業ランキングがあるんですけれども、そのランキングでJR東日本が3位、JR西日本が5位ということで、鉄道が上位に上がっております。 また、別の情報ですけれども雑誌経済があります。ここには日大の桜井先生のレポートが載っておりました。これを見ると、JR西日本は2019年、2020年の数字で輸送密度2,000人未満部分の赤字額、その金額よりは株主への配当金のほうが多いということが研究で明らかになっているようです。 赤字だから効率の悪いローカル線は廃止するんだといった論旨だったと思いますけれども、JRは、配当を減らせば十分黒字になる。だったらローカル線を切り捨てる根拠にはならないというふうに思うんです。 それから、そのお金を充てればローカル線を運行できるということですので、当然、経営の姿勢に関わった問題であって、ただ単に赤字だからというものじゃない。この面に十分注意をされながら、引き続き経営分析を行政としても進めていっていただきたいと思います。少なくとも、線路とか踏切の安全確保や利便性の向上、これらを犠牲にして株主への配当を優先する、こういった経営姿勢については私は改めていっていただくべきだというふうに思います。引き続きの調査をお願いしたいと思います。 岩徳線につきましては、今まで私のほうから意見をさせていただきました。そういったものを基にして、引き続き安全性とか運用の利便性を上げていっていただきたいと思います。 続きまして、錦川清流線存続対策についてお尋ねいたします。 分割民営化につきましては、輸送密度の低い特定地方交通線を国鉄から切り離して、そのことでJRの経費負担を縮減すると、そのこととセットで進められたと思います。 そうであれば、地域公共交通活性化再生法を修正するという今の状況である以上、第三セクターに移管をした岩日線への支援についても改めて検討を進められるべきだというふうに思うんですけれども。6月定例会では今回の法改正でも扱いに変化はないという説明を受けております。錦川清流線の活性化に活用できるような新たな補助事業等は何もないのかどうか、この点をお尋ねいたします。 ◎総合政策部長(國廣光秋君)  今回の法改正におきましても、錦川鉄道株式会社が利用促進などを行った場合に活用できる補助メニューにつきましては特にございませんけれど、これまでも錦川鉄道株式会社におかれましては、官公庁の補助事業であります、訪日外国人旅行者受入環境整備緊急対策事業といった補助メニューを活用されまして施設の整備を行っておられまして、そういったことを通じまして利用促進などを図っておられます。今後も、こういった補助メニューをしっかりと活用しながら利便性の向上や利用促進に努めていきたいということで伺っているところでございます。 ◆1番(小川安士君)  ぜひ、その点は続けていただきたいと思いますけれども、あわせて、ぜひ抜本的な改善を求めていくべきだと思います。 道路や自動車に比べまして、ローカル鉄道は全く劣悪な補助水準ではないかというふうに思うわけです。第三セクターの鉄道の存在そのものを支えるという支援策にはなっていないというのが先ほどの御答弁の中身ではないかと思います。何かがあったらそれなりの対応をした自治体には支援をしますよということですけれども、国のほうから第三セクターの鉄道の存在そのものを支える、そういう支援にはなっていないと感じました。 錦川鉄道の現場の皆さんの御心痛、大変と思いますので、支援をする制度の充実・改善が必要です。このことに関しては、例えば道路とか港に関しましては地方交付税の措置がありますけれども、鉄道にはありません。もし、錦川清流線に交付税の措置があれば赤字を削減できるというふうに思うんですけれども、可能性についていかがでしょうか。 ◎総合政策部長(國廣光秋君)  交付税措置でございますけれど、議員御案内のとおり、普通交付税の基準財政需要額の算定項目におきましては、こちらの測定単位などにおきましては、そういった鉄道に対するものが含まれていないといった状況でございます。 ただ、地方鉄道に対する地方財政措置といたしまして、地方鉄道の事業者等が行います施設整備などに対しましては、地方自治体が地方債を財源に補助を行った場合には元利償還金の一部が普通交付税の対象となるといった制度がございます。 また、こうした制度とは別に本市におきましては、地方債を財源として錦川鉄道が行う施設整備に対して補助金の交付を行うほか、錦川鉄道の経常損失額を補?する補助金の交付も行っているところでございます。こういったことを通じて、地方債の元利償還金の一部、70%になりますけれど、こういった高率なものが普通交付税の基準財政需要額に算入されるといったことにもなっております。 こういった制度によりまして錦川清流線におきましては、国からの運営に関する支援といったことが行われているというふうに考えております。 ◆1番(小川安士君)  やはりまだまだ不十分ではないかというふうに思います。特に人口減少がいろいろ言われておりますけれども、中心部に比べて周辺部のほうが人口減少がひどいという状況があります。こういったところで、本当に人口を守ろうとする政府の意図があるのであれば、何としても周辺部への予算配置をしっかりするべきだと、鉄道に関しましても、もうかるところを支援するのではなくて、苦しんでおられる、そういったところの現場こそ支援をしてほしいと思います。 最後になりますけれども、この間のJRの動きを見てみますと、政府の動きを見ますと、やはりローカル線の問題は地域の問題だというふうに捉えている国の考え方に問題があるし、それが変わらないことにはどうにもならないのではないかというふうな思いもするわけなんですけれども、西日本旅客鉄道株式会社が現在の社としてのメインプロジェクトとして打ち出しているのは、関西の都市圏ブランドの確立だというふうに誇示しておられます。その目玉商品が北陸新幹線の延伸や大阪周辺の都市の再開発で、このことに向けてグループの力を総結集しているという状況です。その実現に向けまして、芸備線以下のローカル線の廃線を目指しているというふうに私は観察しています。 国では、西日本旅客鉄道株式会社の全体計画を容認して、ローカル線問題を各自治体の個別課題に矮小化をしていると感じます。これは、西日本地域の総合的な鉄道ネットワークの在り方について国が判断を放棄する、このこととともに個別の地方自治体に責任を転嫁していると、こういうふうに受け止めています。 執行部では、企業活動をより深く分析していただきまして、鉄道のネットワーク等公共交通を守るために、引き続き全力を挙げていただきたいと願うものです。三江線は廃止されましたけれども、あるいは狙われております芸備線、そして美祢線、これらをよそごとのように考えずに、ぜひ連携をされて住民の暮らしを守る、このことに向けて全力を挙げてくださいますように求めまして、この項を終わります。 次に、2項目め、農業基本法関連に関してなんですけれども、(2)生態系を生かした持続可能な農業の実現について、この取組について伺います。 6月定例会で紹介いたしましたいすみ市の企画は全国に広がると思います。岩国市でもぜひ具体化されるよう期待するわけなんですが、その第一歩といたしまして、岩国市で買上げ基準を示してそのお米が集まれば買い上げる、この形で可能なところから始める、こういった取組は取っていただけないでしょうか。 先日、一般質問で取り上げられました学校給食のお米の価格は、30キログラム当たり8,300円程度になるのではないかとメモ書きから計算したわけなんですけれども、もしそれであるとすれば、通常の岩国市でのお米の生産に必要なコストを割り込んでいると思います。コストに合わない農業は持続できません。いすみ市のように有機JASや特別栽培米で2万円ないし2万3,000円、そして別途補助金が一反当たり1万2,000円加算されると、このような農家の再生産を支持する、農家の生産コストに見合った価格での購入を導く、そういった取組はできないのか見解を求めます。 ◎農林水産部長(藏田敦君)  有機農産物の生産推進に向けての、市が買上げ基準を示す手法について御提言をいただきましたけれども、市が農業生産における環境負荷低減の度合い等に応じまして支援先を設けることにつきましては、生産者の意欲を高める上で重要な取組であるとは感じております。 一方で、生産者、消費者、そして両方を結ぶ販売店等との調整が必要になってくるものと考えております。また、有機農産物にどのような付加価値を見いだすのかも重要な課題であろうと思っております。 本市においてはどのような形が有効なのか、県や農協とも連携を図りながら、また、他自治体の事例も参考にしながら調査・研究を進めてまいりたいと思います。 ◆1番(小川安士君)  ぜひ、研究を深めてくださいますようにお願いいたします。 あわせて、有機農業作物に関してなんですけれども、有機農業作物の認証制度には国の第三者認証のほかに参加型認証、こういった制度もあるようです。そのほうが農家の支援には効果的だといった研究者の発言もあります。こういった第三者認証といった在り方から参加型認証を増やす、こういった方向でいろいろ働きかけていく、このことが岩国市でも事例として増えるような方向をぜひ行政のほうとしても支援をしていただきたいと思いますが、そういった方向での調査・研究を願いたいところです。ぜひお願いできませんでしょうか、お尋ねいたします。 ◎農林水産部長(藏田敦君)  有機農産物の認証制度としまして有機JAS制度というものがございます。それと、今、議員御提案の参加型認証システムという2つがございます。有機JAS制度に基づくものにつきましては、生産農家が登録認証機関に申請を行いまして、書類審査や実地検査を経て認証を受けるものでございます。これをすることによりまして、有機農産物であることを表示できることとなります。 一方で、議員御提案の参加型認証システムにつきましては国際有機農業運動連盟が推進する有機農業の仕組みでありまして、人と人の密接な結びつきにより各地域で有機農業を推進するものとされております。 有機JASに比べまして認証経費や事務負担の軽減が見込まれる一方で、有機農産物であることの表示をすることができません。それぞれ特色が異なることから、農業者の趣向に応じた選択が必要であると考えておりまして、市としましても調査・研究を進めてまいりたいと思います。 ◆1番(小川安士君)  ぜひ、お願いいたします。 続いて、有機農業の促進に関してなんですけれども、山口市では有機農業推進の事務局を市役所が担っているということで、支援を強めて生産を増やしているようです。新年度ではぜひこういった山口市の取組なども先進事例として調査・研究していただきたいと思いますけれども、また、今既にできることがあればぜひ、積極的に展開していただきたいと思うわけです。 新年度に向けて何か想定しておられる新たな事業等がございましたら御紹介をお願いいたします。 ◎農林水産部長(藏田敦君)  新年度に向けての施策ということでございますけれど、現在、本市におきましては畜産業者から出た堆肥を農地に散布する取組のほか、堆肥を散布した農地で家畜の餌となる飼料作物を栽培する、いわゆる循環型の耕畜連携も一部で行っておるところでございます。 今後、こうした取組も継続発展させながら、環境に配慮した農業の推進を図ってまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆1番(小川安士君)  ぜひ、頑張っていただきたいと思います。 最後になりますけれども、日本ペルー国交150周年に関してなんですけれども、日本ペルー親善に関しましては、山口県のペルー協会の関係者の方々の中には、ペルー移民の実現に尽力をした岩国市民の田中貞吉さんについて長年研究されている方もおられます。歴史の事実を解明するということで岩国市民のために尽力をいただいている、この点ではぜひ感謝の気持ちが伝わりますように、配慮した取組を続けてくださいますように要請をいたします。 以上で、私の一般質問を終わります。 ○副議長(植野正則君)  以上で、1番 小川安士君の一般質問を終了いたします。 ここで暫時休憩をいたします。午後2時50分 休憩 ――――――――――――――――――――――――――――――午後3時15分 再開 ○議長(桑原敏幸君)  休憩前に引き続き、本会議を再開して一般質問を続行いたします。 11番 広中信夫君。 ◆11番(広中信夫君)  皆さん、こんにちは。市政改革クラブの広中信夫です。今回の一般質問も私が最後となりました。岩国市議会の一般質問の最後は、広中信夫がトリを取る。今回も行います。いつもどおり、市民目線に立った分かりやすい、元気のいい一般質問を行いますので、どうかよろしくお願いいたします。 それでは、通告に従いまして、壇上から一般質問を行います。 今回は大きく分けて3つ質問を行います。 まず、1点目として、岩国市デジタル化推進計画についてお伺いいたします。デジタルは地方の社会課題を解決する鍵であり、また、新たな付加価値を生み出す源泉と言われています。 本市においても、社会全体での仕組みをデジタル化に合わせて変革していく、デジタル・トランスフォーメーション(DX)を推進していく上で、「市民のライフサイクルに合わせた行政サービスの利便性向上」「国の多様な施策に対応するための行政事務の効率化」「誰もがデジタル化による恩恵を享受できる社会の実現」を岩国市デジタル化推進計画によって目指しておられます。 そこで、まずはじめに、窓口業務の効率化についてお伺いいたします。 本年4月に策定された岩国市デジタル化推進計画の中で、行政手続のオンライン化による窓口業務の効率化として「行かなくてもいい窓口」「迷わない窓口」「書かなくてもいい窓口」の実現を目指すとありますが、今後の具体的な取組内容をお伺いいたします。 続きまして、デジタルディバイド、インターネットやスマホ、パソコンなどの情報通信技術を利用できる人と利用できない人の間に生じる格差、いわゆる情報格差対策についてお伺いいたします。 DXを推進していくに当たっては、デジタル技術の利活用により、誰も取り残されない形で、デジタル化の恩恵を受けられる仕組みづくり、環境の整備が求められます。特に、デジタル機器に不慣れな方や、高齢者の方にも容易に操作できるよう、利用者に優しい行政サービスを提供するためのデジタルディバイド対策をどのように考えておられるのかお伺いいたします。 続きまして、大項目の2番目、岩国市鳥獣被害防止計画についてお伺いいたします。 この中でも今回は、猿被害に特化してお伺いいたします。 まずはじめに、猿による農作物被害とその対策についてお伺いいたします。私は、皆さんに市政について少しでも関心を持っていただきたいとの強い思いから、議会ごとに議会報告、一期一会を作成し、地元南河内、北河内、藤河、御庄、師木野の約3,300軒に渡して歩いております。 その中でお会いする多くの方から頂く御意見、御要望は猿、イノシシの鳥獣被害の件が多く、特に最近は猿による被害の対応の案件が一番多くなっています。皆さんが精魂をかけて作った農作物が食い荒らされ、営農意欲を減退させる。そしてそこからの耕作放棄地の増加、放任果樹の増加による猿の格好の餌場となるものが増加し、人里へ降りてくるという悪循環が急速に進んでいます。 このことは被害額として数字に現れる以上に、中山間地域に深刻な影響をもたらします。被害がここまで増えてくると、もはや一刻の猶予もならない状況です。中山間地域にとっては死活問題というふうに言っても構わないと思います。市として、この課題をどのように考えておられるのかお伺いいたします。 続きまして、猿による住民の生命・身体に係る被害とその対応についてお伺いいたします。 皆さんの記憶にも新しいことだと思いますが、今年の1月、2月に玖珂町の阿山北地区で、6人の方がかみつかれるなどの人身被害が発生しております。 市としてもあらゆる手段を講じて、最終的には専門業者による遠隔操作で扉を閉める捕獲おりでの2頭の捕獲となりましたが、あと1頭の捕獲に至らなかったので心配しておりましたが、聞くところによると、その後の出没は見られないとのことで安堵している状況です。 しかしながら、中山間地域では住宅地にも頻繁に猿が出没し、登下校中の小学生を追いかけたり、威嚇したりするなどの心理的な被害も数多く報告されています。 先般の阿山北地区での猿被害の教訓を生かして、早めの判断、早めの行動がキーポイントかと思います。今後、第2の同様な被害が発生しないような対策をどのように考えておられるのかお伺いいたします。 最後に、大項目の3つ目として消防団員の処遇改善についての(1)火災発生時における出動要請方法の改善策の進捗状況についてお伺いいたします。 私はこれまでの2回の定例会の一般質問で、消防団員の防災行政無線戸別受信機、俗に言うケーブルラジオでの出動要請について、旧岩国市全域で消防団員の呼び出しサイレン吹鳴が出動担当分団以外の団員への耐えがたいプレッシャーと、旧岩国市内の全域のケーブルラジオの設置の一般家庭の住民への昼夜を問わないサイレン吹鳴で精神的なストレスを抱えていらっしゃるということで、この問題の改善を求めてきたところです。 そこで、この件に対してのその後の改善の取組の進捗状況についてお伺いいたします。 以上3点、明快な答弁をお願いいたしまして、壇上からの質問を終わります。 ◎市長(福田良彦君)  それでは、広中信夫議員御質問の第1点目の岩国市デジタル化推進計画についてお答えいたします。まず、(1)窓口業務の効率化(行なくてもいい窓口・迷わない窓口・書かなくてもいい窓口サービス)についてお答えいたします。 本市における窓口業務の効率化に向けた取組としまして、まず、行かなくてもいい窓口についてでありますが、マイナポータルを利用して電子申請が行えるぴったりサービスや、様々な手段に活用が可能なやまぐち電子申請サービスにより、市民の皆様が自宅から行える手続の拡大を図っております。 また、本庁でなければ対応が困難な専門的な相談等について、本庁と出張所を結ぶオンラインでの遠隔相談が可能となるシステムの導入により、最寄りの出張所でも対応が可能となる環境を整備してまいりたいと考えております。 次に、迷わない窓口についてでありますが、市役所の窓口での手続は、転入や転出、出生や死亡など様々な場面で必要となり、一連の手続を手間をかけずに、かつ、スムーズに行えるよう改善していく必要があります。 そこで、パソコンやスマートフォンにより、一定の質問に答えることで、その人にとって必要な手続の一覧を作成するツールを活用することで、手続をされる方が迷わないよう、必要な情報を効率的に提供できるような仕組みづくりを行ってまいりたいと考えております。 最後に、書かなくてもいい窓口についてでありますが、窓口においては、申請書などに住所や氏名といった情報を書くといった手間も、手続をされる方にとって負担となっております。 また、複数の手続を行う場合には、同じ情報を何度も記入していたこともあり、手続に時間がかかるといった御意見をいただいております。 そこで、マイナンバーカードの情報や基幹系システムのデータを利用し、住所や氏名などの必要な情報があらかじめ印字された申請書を作成できれば、手続における負担軽減や正確な申請書の作成につながることから、現在、具体的な手法の検討を進めています。 市としましては、ICTを積極的に活用をしながら、市民の皆様の利便性や窓口サービスの向上に、引き続きスピード感を持って努めてまいります。 次に(2)デジタルディバイド(情報格差)についてでありますが、令和5年度から令和9年度までの5年間を計画期間とする岩国市デジタル化推進計画において、デジタルディバイド対策として、国や山口県の事業を活用しながら、高齢者等の社会参画と安心して生活できる環境づくりを推進するための事業に取り組むこととしております。 昨年度には、山口県によるデジタルデバイド対策事業において、キャッシュレス決済体験教室が開催されました。 この教室は、市内の商業施設の駐車場において、スマホ決済の使い方教室を実施した後、実際にその商業施設でスマホ決済による買物を体験していただくもので、10人の参加がございました。 また、市においては新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用し、デジタル機器に不慣れな高齢者を対象に、高齢者スマホ活用支援事業を実施しました。 この事業では、市や市内の協力店が実施するスマホ教室の参加者に、マイナンバーカード対応型スマートフォンを購入する際の費用の助成を行いました。 この教室には約600人の参加があり、200件のスマートフォンの購入費用を助成しました。 今年度の取組としましては、山口県の事業として本年7月1日から今月30日までの期間で、自宅訪問型の無料スマホ教室を実施していただいているところであります。 この教室は、1人や2人の少人数を対象に、その方のレベルに合わせた密着型の講習を行うもので、30組の募集に対し32組の応募がありました。 これまで参加された方へのアンケートでは、全ての方から「満足」または「やや満足」との高い評価をいただいています。 また、市におきましても岩国錦帯橋空港やワーケーション施設において、スマホ教室の開催を計画しています。この教室は、1回当たり20人程度を対象に、スマートフォンの基本的な操作やアプリの活用方法を学ぶもので、合計2回実施する予定としております。 加えて、今年度、市の窓口にキャッシュレス決済に対応したPOSレジを導入するとともに、キャッシュレス決済の未経験者や初心者に向けて、代表的な使用方法等を紹介する動画を作成し、地元のケーブルテレビやユーチューブ等を活用した周知を計画しております。 市としましては、今後もデジタルディバイド対策の事業に取り組むとともに、高齢者等のデジタル機器に不慣れな方でも容易に操作できるアプリ等を活用しながら、利用者に優しい行政サービスの提供に努めてまいりますので、よろしくお願いいたします。 ◎農林水産部長(藏田敦君)  第2点目の岩国市鳥獣被害防止計画についてお答えします。 まず(1)猿による農作物被害とその対策についてですが、野生鳥獣による農作物被害は、被害額の大小にかかわらず、農業に対する意欲を失うものであると認識しており、特に高齢化が進む中山間地域においては、生産意欲の低下を招き、耕作放棄地を増加させる一因となるものと考えています。 岩国市鳥獣被害防止計画に掲載されている令和3年度の農作物被害額は、農協や共済組合の資料等を基に算出しており、家庭菜園などの自家消費分については反映されておりませんので、実際の被害はもっと大きいと認識しております。 本市では、有害鳥獣対策を進めるに当たり、侵入防止柵の設置などの被害防除、集落周辺の緩衝帯整備等を行う、鳥獣の生息地管理、捕獲による個体数管理の3つの対策を複合的にバランスよく実施していくこととしています。 被害防止対策としては、侵入防止柵の設置や爆竹などを用いての追い払いがあり、市といたしましても補助金制度を備え、ホームページや広報等で利用の促進を図っています。 次に、生息地管理対策につきましては、鳥獣の餌となる野菜の取り残しや放任果樹の除去、緩衝帯整備などの農地への出没を軽減させる対策を、これまでもホームページによる情報発信、自治会へのチラシ配布などを通じて周知を行っているところです。 この緩衝帯整備は、移動経路や潜み場となるやぶや雑木林、耕作放棄地等を整備し、見晴らしのよいエリアとすることにより、人里に鳥獣を寄せつけない環境につながることから、有効な対策と考えています。 最後に、個体数管理対策につきましては、猟友会との連携に努め、捕獲おりの設置や銃による捕獲など、捕獲対策にしっかりと取り組んでおります。 いずれにしましても、今後も引き続き鳥獣被害防止のための3つの対策を、地元の方々、猟友会及び関係機関で連携を図りながら被害軽減に努めてまいりますので、よろしくお願いします。 次に(2)猿による住民の生命・身体に係る被害とその対応についてですが、近年、全国的に猿による農業被害、生活被害が増加している中、市街地に侵入した群れから離れた、いわゆる離れ猿による被害増加が地域の重要な課題となっています。 本市では、議員御指摘のとおり、今年の1月に玖珂町で、住民が離れ猿にかみつかれる等の被害が発生し、捕獲までの約1か月間に市が把握している事案で、6人の方が被害に遭われました。これを受けまして、市としましては、県自然保護課や岩国農林水産事務所等と協議を進めながら被害対応を行い、猟友会や岩国警察署と連携しながら、被害発生の拡大防止に努め、結果としまして、2月22日に専門業者により、住民に被害を加えていたと思われる猿2頭を捕獲しました。 この事案以降、猿による住民の方へのけがを伴う被害は報告されておりません。 現在、猿の出没連絡を受けた際は、現場での状況把握及びパトロール等を行っておりますが、今後も関係機関と情報を共有し、出没場所や出没状況に応じて、最善策を見極めながら対処してまいりたいと考えています。 また、先に述べました鳥獣被害防止対策の被害防除、生息地管理、個体数管理の3つの対策を効果的に行い、猿の移動状況や目撃情報、被害状況などを猟友会等関係者で共有するとともに、地域の方々の御理解と御協力を得ながら、安心・安全な暮らしを維持できるよう、被害防止に努めてまいりますので、よろしくお願いします。 ◎消防担当部長(冨岡英文君)  第3点目の消防団員の処遇改善についての(1)火災発生時における出動要請方法の改善策の進捗状況についてお答えいたします。 本市の一般建物火災・林野火災発生時における消防団の招集手段としましては、メールの配信、防災行政無線の屋外スピーカーの使用、ケーブルラジオを活用した配信の3つの方法で実施をしております。 その中でも、ケーブルラジオによる消防団員招集用のサイレン吹鳴につきましては、サイレン音に不安を覚える方や、ケーブルラジオを利用されている方のストレスになっていることも認識をしていたところであり、この招集手段について、旧岩国市内の消防団員を対象にアンケート調査を実施いたしました。また、併せて屋外スピーカーが聞こえにくい地域にお住まいの消防団員を対象とした聞き取り調査も行いました。 その結果、火災発生時は各分団内でグループラインや電話などの媒体を活用して対応されており、ケーブルラジオのサイレンが廃止をされても支障がないということを確認いたしました。 また、先月8月3日に開催されました消防団の幹部会議におきまして、ケーブルラジオによるサイレン吹鳴を廃止することについて、了承を得たところでございます。 消防団員の方も地域を守るため、初動体制に遅れが生じないようにそれぞれの分団で対応策を講じておられますので、市民の皆様も安心をしていただきたいと思います。 こうしたことから、来月10月15日から旧岩国市内のみケーブルラジオによるサイレン吹鳴を廃止することとし、このことについて10月1日号の広報いわくにで周知する予定としております。あわせて、ケーブルラジオを御利用の方で、火災情報が知りたい方に対しましては、市民ニュースアプリや市民メールの登録を呼びかけてまいります。 消防団は、火災活動や災害時の救助など地域防災の要であり、いざというときに初動対応を行う重要な役割を担っております。 情報が確認できないことなどによる初動対応に遅れが生じることがないよう、今後も努めてまいりますので、よろしくお願いいたします。 ◆11番(広中信夫君)  それでは、順不同で再質問を行います。 まず、はじめに大項目3の消防団員の処遇改善についての、火災発生時における出動要請方法の改善策の進捗状況についてですが、先ほど壇上の答弁で消防担当部長のほうから、今後10月15日以降は、旧岩国市内のケーブルラジオでのサイレン吹鳴はやらないという答弁をいただきました。 これまで私が市民の声を代弁してずっと取り組んできたことが1つかなったというふうに思っております。 これで旧岩国市内の担当分団以外の消防団員が吹鳴による出動要請の昼夜を問わないプレッシャーから改善されるというふうに思っております。 また、旧市内のケーブルラジオに入っておられる市民の方々の夜間から深夜にかけてのサイレン吹鳴も改善されることによって、いろんなストレスから改善されるというふうな形で、大変うれしく思います。消防担当部長の英断に感謝いたします。ありがとうございます。 それで、また、岩国市消防団におきましては、このたび夏の制服が、岩国市の消防団員全員に支給されました。これまで、夏の炎天下の出動、訓練、ポンプ操法の練習などなど、冬服の分厚い活動服で活動しておりまして、本当に汗びっしょりで活動してきたという経緯がございます。これも、ずっと私たちが主張してきた案件でございますが、これも福田市長の英断で改善されたということでございますので、ありがとうございます。ということで、この件に関しての再質問はございません。 それでは次の大項目の1としての、岩国市デジタル化推進計画についてお伺いいたします。 壇上の答弁で、岩国市デジタル化推進計画により行政サービス、窓口業務の効率化が進んでいくということがよく分かりました。 そこで、まずは行かなくていい窓口についてお伺いいたします。 このシステムの導入は、本市のような市町村合併によって873平方キロメートルという広大な行政区を擁する、また21もの出張所が設置されている本市では大変有効なものであるというふうに私は思います。このサービスの恩恵を受けられる具体的なものはどういうことがあるのか、そこを詳しくお答えください。 ◎デジタル改革担当部長(上田清次郎君)  行かなくてもいい窓口の取組としまして、現在の電子申請サービスによる手続等の拡充に努めているところでございます。 具体的な例としまして、現在、エネルギー価格高騰対策として実施していますが、補助金の申請に電子申請を採用したところですが、こうした補助金等の申請において、これまで市役所の開庁時間の平日昼間に職場や事業所を離れて窓口に行くことは負担であるといった声もお聞きしておりました。電子申請を可能にすることで、市民や事業者の皆さんは市役所の開庁時間にとらわれず申請が可能になるとともに、申請書類に不備があった場合でも電子申請の場合、改めて窓口に出直すことなくメール等で対応が可能になります。大幅な負担軽減、サービスの向上につながるものと評価をしております。 また、住民票を移動する際も、これまでは窓口に赴き転出届を提出し、発行された転出証明書を持って転居先の自治体の窓口で改めて転入手続を行う必要がございましたが、マイナポータルの引越し手続オンラインサービスを使うと、転出元の窓口に行く必要はなく、また、転入先でも事前に書類を準備してもらえるなど、転出者転入者ともに引っ越し手続の負担軽減につながっております。 このように、行かなくてもいい窓口の拡充は議員御指摘のとおり、広大な地域を有する本市においては特に住民の皆様の負担の軽減、利便性の向上につながる取組だというふうに考えております。 ◆11番(広中信夫君)  これらの電子申請サービスは、大変有効なものだと私も思います。中でも、本庁から遠い方や事業者の方にはよく私も本庁でそういう方に出会うんですけれど、わざわざ仕事中の時間を取って申請に来ているんですとかいう声をよく聞いておりましたので、そういう方にとっては大変、朗報じゃないかなというふうに思います。 続きまして次の質問ですが、岩国市デジタル化推進計画によると、このオンラインによる対面相談システムの導入は来年度から本格導入、運用開始というふうにありましたが、この導入準備の進捗状況と今後の工程についてお答えください。 ◎デジタル改革担当部長(上田清次郎君)  オンラインによる対面相談システムは、デジタル化推進計画において令和6年度からの運用を目指しているところでございます。 オンラインの対面支援としまして、これまでマイナンバーカードやマイナポータルの申請支援、また、新型コロナの事業者向けの国の補助金の申請サポートなどで支援の実証を行ってきたところでございます。この実証では、モニター越しで実際にオペレーターと会話をしながら支援を受けることにより、機械による対応と比べ相談者の疑問や不安に対応ができるといったことが確認できました。 来年度の具体的な導入計画については、現在、検討を進めているところではございますが、このオンライン対面相談システムを導入することで、本庁から離れた出張所等での専門的な相談等を可能にするなど、市民の皆様の負担軽減、利便性向上に努めていきたいというふうに考えております。 ◆11番(広中信夫君)  分かりました。21の出張所があるということで、できましたら一斉導入が理想的なんですけれど、やはり今回初めてのことですので、運用に不具合が生じてはいけないということですので、まずはモデルケースをつくって、それで慎重にやってみて、それから順次拡大という形のことが私は理想ではないかなというふうに思います。 では、続きまして、デジタルディバイド対策という形で、これは高齢者に特化した取組についてどのようにお考えか、お聞かせください。 ◎福祉部長(中本十三夫君)  高齢者に特化した取組ということでございますが、昨年度は高齢者の方に集まっていただいてのスマホ教室を開催したところでございますが、今年度は高齢者が集まっているところにこちらから出向いていって、スマホ教室を行っていこうということで取り組んでいるところでございます。 まずは、老人クラブのほうに出向いていきたいと考えておりまして、現在、市内の老人クラブと老人クラブ連合会の145団体にスマートフォンの初心者教室の案内をしておりまして、明日9月12日を期限として開催の希望を受け付けておるところでございます。 先週9月8日の金曜日時点では53団体から回答がありまして、11団体が開催を希望しているということでございます。 教室の内容としましては、今年度はスマートフォンを所有されている方を対象といたしまして、受講人数は10人以内、内容を受講団体の意向に沿ったレベルにした初心者教室を開催していくこととしておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆11番(広中信夫君)  今言われましたように、6月の一般質問で部長は、これまでの集まってもらうスマホ教室から、集まったところに自分たちが出向いていって行うスマホ教室的なことを考えているというふうに言われて、早速、開催希望の募集をされたということで、すばらしいことでございます。ということで、まさに今回の募集は明日が締切日ということでございますので、これまでの数多くの開催希望が出ているということでございますので、しっかりと計画して実践していただきたいなというふうに思います。 また、県に関しても、デジタル推進課と同じようにスマホ教室というのも開催しているということでございますので、しっかりと連携を取りながら、より中身の濃いすばらしいスマホ教室を展開していただけたらというふうに思いますので、よろしくお願いします。期待しておりますので。 このたびは、岩国市デジタル化推進計画を取り上げましたが、急速に進むデジタル化の中で、本市も決してデジタル化の波に乗り遅れてはいけないというふうに思います。 着実にこれを進めていただけたらというふうに思うんですが、同時にデジタルディバイド、情報格差の対策にしっかりと取り組んでいただきたいというふうに思います。誰もが取り残されない、デジタル化の恩恵を受けられる、そういう仕組みづくりと環境づくりに邁進していただきたいというふうに思いますので、しっかりと取り組んでください。お願いいたします。 それでは、大項目の2点目に移ります。岩国市鳥獣被害防止計画についての猿の被害についてお伺いいたします。 令和2年の山口県によるニホンザルの生息状況調査によりますと、本市のニホンザルの群れは大きく13グループあるということで、290頭から370頭の群れが推測できるという形、それに加えて雄だけのグループというのと、離れ猿という形のものを加えると、約450頭の猿が今生息しているというふうに推測されております。 レベルによりますと、1年を通じて群れの全てがほとんどが耕作地に現われて、農作物の被害を及ぼし、ときに町場に地域住民とか社会的な被害、人的被害を及ぼす可能性があるというレベル4の地域がそこには示されております。 それと、もう1ランク下の、季節によっては群れ全体が耕作地に現れて農作被害を頻繁に起こすというレベル3の地域があるというふうに言われております。 岩国市において、この地域はどういうところか、部長お答えください。 ◎農林水産部長(藏田敦君)  山口県が令和4年に策定しました、第3期第二種特定鳥獣(ニホンザル)管理計画におきましては、令和2年度の山口県のニホンザルの生息状況は95群、2,800から3,700頭の生息が確認されていると示されております。議員御指摘のとおり、本市では13群のニホンザルの群れが確認されております。この中でレベルごとの群れの状況の定義でございますけれども、レベル4、こちらは「サルの群れ全体が、通年耕作地の近くに出没し、常時被害がある。生活環境被害が発生する」となっています。これは該当する群れが1群、杭名地域から多田地域周辺となっております。 次に、1ランク下のレベル、レベル3の定義についてでございますけれども、「サルの群れは、季節的に群れの大半の個体が耕作地に出てきて、農作物に被害を出している」となっております。これに該当する群れが6群、錦町の深川地区から大野地区の周辺、錦町府谷地区周辺、美川町の小郷地区周辺、岩国市の大山周辺、岩国市柱野周辺及び周東町の川上地区から西長野地区周辺となっております。 ◆11番(広中信夫君)  分かりました。地域的には今言われたところだというふうに思います。すみません、資料1を映してください。これが住民の皆さんが精魂を込めて作った大根を猿が朝一で行って食い荒らすという状況のところでございます。 本当に、住民の方にはこういう状況を見たらもう涙が出るというふうな状況があちこちで頻繁に行われているというのが状況でございます。閉じてください。 それでは、猿による被害状況の実態と調査方法についてお答えください。 ◎農林水産部長(藏田敦君)  有害鳥獣による農作物被害についてでございますけれども、毎年、山口県より野生鳥獣による農林業被害状況調査の依頼がございます。農作物別、鳥獣別に報告をしております。 調査の方法につきましては、農家からの報告や地域の鳥獣被害状況をよく把握している農業協同組合、それから農業共済組合、森林組合からの報告等により、被害面積を把握しまして、推定値を含め被害金額を算定しております。 家庭菜園などの自家消費分につきましては調査対象から除外されておりまして、反映されておりませんので、壇上でも申し上げましたように実際の被害はもっと大きいものと認識しております。 ◆11番(広中信夫君)  分かりました。一昨年の被害状況は県の報告によりますと、617万円という形で出ておりましたけれど、今、部長が言われたとおり、これは氷山の一角であって数字には表れない被害の状況というのが、現状ではないかなというふうに思います。 それでは、資料2を出してください。ちょっと見えにくいかも分からないですが、これは岩国市の猿捕獲の状況の一覧を示した、時系列で見える化した表でございます。 特に左側のほうをよく見ていただけたらと思うんですが、平成26年に試験的に美和町の生見地区で1基の捕獲おり、大型捕獲おりを150万円ですけれど、これを試験的に導入したということでございました。そこで、平成26年度を見ていただいて、下から3列目の捕獲設置状況というところで見ていただければと思うんですが、その2つ上、1年間で28頭の捕獲ができておるというすばらしい実績がありました。これを見まして、私はほかの地域でも計画的にこれを導入していただきたいということで、平成27年3月定例会で福田市長にお願いしたところでございます。 福田市長の英断で、27年、28年、29年の3年間で8基の、金額的には、ここの下にありますけれど1,148万7,000円の予算を取っていただいて、市の単独の事業という形で取り組んでいただきました。大変すばらしい実績が上がっておりまして、ここにありますように、猿の捕獲率がもう半分は、その捕獲でできたということで、これまで20頭の捕獲でありましたけれど、62頭、69頭、67頭という形で捕獲がぐっと上がったという状況でございます。すばらしい捕獲ができたということでございます。 次に、資料3を見ていただければというふうに思います。出してください。 これも、今まで10基ほど設置して稼働しておりますけれど、その中で設置して何年後に何本とかという形を時系列で出したものです。 先ほど言いました生見地区は、設置した次の年には28頭捕れて、現在では43頭、合計で捕れておるという状況でございます。 場所によっては、設置した3年間のうちに捕れて、後はもう出没がないというふうな地区もございます。これが大体、南河内の大山とか、美和町の岸根地区、周東町の長野明神か、そんなところまでもう出没はなくなったというふうな状況。それと、ほかに毎年のようにたくさん捕れると、大体皆さんよく言われるのは「猿は賢いけえ1回入ったらもう二度と入らんで」とよう言われる方がいらっしゃるんですが、それはありませんのでね。ほかの群れが入ったり、どんどん入ってきますという形で、毎年入るところもございます。設置3年目で全体の捕獲数の約69%、7割方が3年間で捕獲できているという短期成果が上がっているというのがこの表でございます。 もう1回、資料2を出していただけたらというふうに思いますけれど、これは平成28年9月定例会の答弁で、今後も積極的に防護対策と捕獲対策を行っていきたいというふうな答弁があったんですが、この資料2を見てみますと、捕獲数が平成30年から去年までに2基の設置という形にとどまっております。1基は元年の大山地区の豪雨によって流されたところの再設置ということでございますので、正式には1基という形でございます。 その代わりに箱わなを4基購入して、その対策を講じているんだということを言われておりましたけれど、箱わな1基が20万円、4基で80万円、この四、五年で80万円という、そういう形で使っているという状況でございます。 これを見ていただければ、過去3年間の捕獲目標が毎年150頭で合計450頭ということでございますが、実際、それで捕れた達成率、これはもう45%、目標の45%しか捕獲できていないというのがこれから読み取れます。猟友会による、その下の銃による捕獲というのを見ていただければ平成26年度は年間で182頭、銃で捕ったというのがどんどん減っていきまして、昨年はもう20頭、そういう形でこれも猟友会の高齢化が原因なのかどうかがよく分らないんですが、山の中でやるというのはなかなか重労働で、こういう形の減少が出ているんじゃないかなというふうに思います。 これを見ていただくと、決して計画的に捕獲管理をしているとは言い難い状況が見て取れるんじゃないかなというふうに思います。私からすれば、いつまでこの状況を続けるつもりですかということでございます。ますます猿被害が拡大していく中で、やはり大型捕獲おりの存在は大きいんじゃないかというふうに思っております。戻してください。 それでは、続きまして猿による住民の生命・身体に係る被害とその対応についてお伺いいたします。 猿が頻繁に住宅地に出没して、住民や通学路の小学生に威嚇するなど、ここ数年、特に今年に入って急増しているように聞いております。この実態の現状把握はどのようにされているか、お伺いいたします。 ◎農林水産部長(藏田敦君)  本市の猿の目撃被害通報数は、記録されているもので令和元年度が79件、令和2年度が79件、令和3年度が86件、令和4年度が108件、令和5年度は7月末までの時点でございますけれども41件となっております。 これらの目撃被害通報は、錦、美川、本郷、美和、北河内、南河内及び玖珂、周東の北部などの中山間地域に集中して発生しております。本年度の通報でも、通学路や民家にまで出没し、追い払いをする人に対して威嚇をするなど深刻な状況報告も受けております。追い払いだけでは対処しきれない地域も見受けられますので、猟友会と協力しながらより一層の対策の強化をしてまいりたいと考えております。 ◆11番(広中信夫君)  資料4を映していただければというふうに思います。 これ、ちょっと見にくいんですけれど、北河内の方が撮られた写真でございますが、これは北河内の赤谷にあります天尾橋、錦橋より上流に架かる天尾橋でございますが、こっち側が吉谷ということで、向こうが赤谷地区でございます。これ、1、2、3、4と斜めに4頭のサルが並んで、これは後ろからですが向こうに行きよるんです。この橋の向こう側に、10頭の群れが実はおるんです。それを守るような感じで4頭が行っているという状況でございまして。この先ほどの表でもありますけれど、赤谷地区は毎年のように10頭以上が捕れるところでございますが、まだこんな状況で住民の方が大変怖い思いで、実はこれは車の中から撮られた写真なんですけれど、外に出られんのでしばらくずっと停まっていたというふうな状況でございます。閉じてください。 実際、猿被害に関しまして、私もついこの間、柱野の二軒屋というところでございますが、そこにスクーターで一期一会を配って歩きよったんですが、家のガレージの上に多分離れ猿1頭がいました。すごい威嚇するんですよね。私がやばい人間と思ったのかもしれませんが、すごい威嚇しました。その顔が、映してください。これ。このような顔で、まさにこの顔で威嚇してきました。めっちゃ私も――大体勝ち気な人間ですから、大体のものは怖くないんですが、さすがに恐怖感を覚えました。今からずっと、この映像は映したままにしておきますので、皆さんの頭の中にインプットしていただけたらというふうに思います。 小学校でいろいろ聞いてみました。杭名小学校、藤河小学校、御庄小学校。皆さん、先生方は大変苦慮していらっしゃるという状況でグラウンドの中に入ってきたり、屋根の上を走ったりということで、通学路の途中は教員の方はできる限り下校時は同行して行きよるんだというふうに言われました。親御さんによっては車で迎えに行ってという形で、そういう対応を取られておられるという方もいらっしゃるということでございました。 一番危惧されるのは、先生方が同行しているところは、できるところはいいんだけれど、いつもそれができるわけじゃないから児童だけで帰るときはそりゃもう心配なんですというふうな切実な思いを訴えられておりました。ということで、この顔を皆さんしっかりとインプットしていただいて、今晩は夢に出てくるんじゃないかと思いますけれど、そこまで覚えていただけたらというふうに思います。それでは、閉じてください。さっきも言いましたように、先ほどの答弁にも、対応をより一層強化するというふうにありましたが、群れの加害レベルが4から5に上がりつつある状況、そういう杭名とか細利地区を含む、杭名から多田、阿品を含む地域にも、いつ人身被害が起きてもおかしくないという状況に来ているんじゃないかというふうに思います。地域住民や児童の安全確保のために、追い払いとかパトロールもしっかりとやっていただくということも大事ですが、早急な対応として大型捕獲おりの設置までの間は箱わなとかいう形の捕獲の対応があってしかるべきかというふうに思うんですが、お答えください。 ◎農林水産部長(藏田敦君)  議員御指摘のとおり、杭名地区から多田地区周辺では本年度も猿の目撃情報や農作物の被害情報が寄せられ、7月には多田地区で朝の通学時間帯に職員による立哨を行ったところでございます。今後、人身被害等が発生しないように地域住民の方や関係機関から猿の出没情報や被害情報を早急に聞き取りまして、猟友会と連携し、効果的なわなの設置場所を選定の上、対応してまいりますので、よろしくお願いいたします。 ◆11番(広中信夫君)  早速対応するということで、箱わな等を仕掛けるということで大変ありがとうございます。住民の方も大変喜んでいただけるんじゃないかなというふうに思います。 それでは、最後に、福田市長にお伺いいたします。 もう一度資料2を出してください。 8年前の私の一般質問で、福田市長の英断により3年間で8基、114万8,700円の予算を取っていただきました。しかしながら、残念ながらそれ以降が継続していなかったもので、今、岩国市内で2基を大至急設置してほしいという要望も出ているようでございます。先ほどの杭名から多田にかけての大型捕獲おりの設置と、今の2か所の、できましたら今年度中、今予算がないということで先延ばしになっているそうでございますが、今年度中の設置と今後3年間の計画的な設置の計画を、市の単独事業として、もう一度考えていただけたらというふうに思いますが、市長の見解をお願いいたします。 ◎市長(福田良彦君)  以前の、議員からの質問はよく記憶しております。 以前は、花火とかで追い払ったりとか、モンキードッグを導入したりしておりましたが、この美和町の生見に置いた大型の捕獲おりは非常に効果がありましたので、その後も随時設置を増やしていくということで答弁をさせていただきました。 先ほど議員のほうから資料で説明があったように、銃による捕獲頭数よりも、この箱わなでの捕獲のほうが増えてきていると、そして、以前は1回捕獲すると、一遍に入ったら何年か入ってこないという状況がありましたけれど、毎年入る――特に赤谷地区はそうであります。そこでやはり、この費用対効果は非常に効果てきめんだというふうに思っております。地域の方の協力とか、また、いろいろな場所の提供もありますので、そういった調整がしっかり整えばこれは速やかに対応したいというふうに考えております。今後も全体マップがありますので、全体的に群れは移動しますので、効果的な場所とか、これも専門家や猟友会とも調整しながら随時設置を前向きにやっていきたいというふうに考えております。 ◆11番(広中信夫君)  12月の補正予算からの対応かなというふうに思いますので、その辺のことをしっかりと考えていただいて、中山間地域を守っていただきたいというふうに思います。 以上で、終わります。 ○議長(桑原敏幸君)  以上で、11番 広中信夫君の一般質問を終了いたします。 以上で、通告されました一般質問は全て終了いたしました。これにて一般質問を終了いたします。 以上をもちまして、本日の議事日程は全て終了いたしました。 ここでお諮りいたします。明9月12日から9月24日までの本会議は休会とし、次の本会議は9月25日に再開いたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(桑原敏幸君)  御異議なしと認め、さよう決しました。 本日はこれにて散会いたします。午後4時15分 散会 ――――――――――――――――――――――――――――――   地方自治法第123条第2項の規定により署名する。                         岩国市議会議長   桑 原 敏 幸                         岩国市議会副議長  植 野 正 則                         岩国市議会議員   石 原   真                         岩国市議会議員   山 本 辰 哉                         岩国市議会議員   武 田 伊佐雄...