令和 3年11月定例会 令和三年十一月
山口県議会定例会会議録 第四号 令和三年十二月八日(水曜日) ──────────────────── 議事日程 第四号 令和三年十二月八日(水曜日)午前十時開議 第一
一般質問 第二 議案第一号から第七号まで及び第十一号から第二十四号(質疑) ──────────────────── 本日の会議に付した事件 日程第二 議案第一号から第七号まで及び第十一号から第二十四号まで 会議に出席した議員(四十四人) 塩 満 久 雄 君 林 哲 也 君 木 佐 木 大 助 君 先 城 憲 尚 君 友 田 有 君 髙 瀬 利 也 君 酒 本 哲 也 君 平 岡 望 君 西 本 健 治 郎 君 二 木 健 治 君 宮 本 輝 男 君 藤 本 一 規 君 猶 野 克 君 藤 生 通 陽 君 合 志 栄 一 君 小 田 村 克 彦 君 曽 田 聡 君 俵 田 祐 児 君 吉 田 充 宏 君 新 谷 和 彦 君 島 田 教 明 君 石 丸 典 子さん 井 上 剛 君 松 浦 多 紋 君 守 田 宗 治 君 森 繁 哲 也 君 槙 本 利 光 君 井 原 寿 加 子さん 橋 本 尚 理 君 山 手 康 弘 君 畑 原 勇 太 君 河 野 亨 君 笠 本 俊 也 君 有 近 眞 知 子さん 森 中 克 彦 君 友 広 巌 君 戸 倉 多 香 子さん 上 岡 康 彦 君 新 造 健 次 郎 君 坂 本 心 次 君 中 嶋 光 雄 君 江 本 郁 夫 君 柳 居 俊 学 君 国 本 卓 也 君 会議に欠席した議員(なし) 欠 員(三人) 議案等の説明のため会議に出席した者 知事 村 岡 嗣 政 君 副知事 小 松 一 彦 君 総務部長 内 海 隆 明 君
総務部理事 藤 田 昭 弘 君
総合企画部長 平 屋 隆 之 君
産業戦略部長 平 野 展 康 君
環境生活部長 神 杉 さとみさん
健康福祉部長 弘 田 隆 彦 君
商工労働部長 小 関 浩 幸 君
商工労働部理事 三 浦 健 治 君
観光スポーツ文化部長 三 坂 啓 司 君
農林水産部長 松 岡 正 憲 君
土木建築部長 和 田 卓 君
会計管理局長 内 畠 義 裕 君 財政課長 稲 垣 嘉 一 君
公営企業管理者 正 司 尚 義 君 企業局長 山 本 英 信 君 教育長 繁 吉 健 志 君 副教育長 西 村 和 彦 君
公安委員長 弘 田 公 君
警察本部長 谷 滋 行 君
代表監査委員 河 村 邦 彦 君
監査委員事務局長 本 多 昭 洋 君
労働委員会事務局長 松 田 一 宏 君
人事委員会事務局長 大 田 淳 夫 君
選挙管理委員長 秋 本 泰 治 君 会議に出席した
事務局職員 事務局長 前 田 安 典 君
事務局次長 粟 屋 桂 君 総務課長 原 田 和 生 君
議事調査課長 柳 原 廉 均 君
政務企画室長 白 井 雅 晃 君 秘書室長 嶋 田 英一郎 君
議事調査課主幹 作 本 真 得 君 主査兼
議事記録係長 益 本 悟 史 君 主任 河 村 美也子さん 主任 賀 山 智 江さん 主事 高 尾 大 輝 君 ───────────── 午前十時開議
○議長(柳居俊学君) おはようございます。これより本日の会議を開きます。 ─────────────
△日程第一
一般質問
△日程第二議案第一号から第七号まで及び第十一号から第二十四号まで
○議長(柳居俊学君) 日程第一、
一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第七号まで及び第十一号から第二十四号までを議題とし、質疑に入ります。
一般質問及び質疑の通告がありますので、それぞれの持ち時間の範囲内において、順次発言を許します。
木佐木大助君。 〔
木佐木大助君登壇〕(拍手)
◆(
木佐木大助君)
日本共産党の
木佐木大助です。今日、十二月八日は、本八日未明、西太平洋において、米軍と戦闘状態に入れりと大本営が発表し、
アジア太平洋戦争に突き進み、そして侵略戦争を拡大して、死者、日本人三百十万人、アジア諸国民に二千万人以上の惨禍を生み出したあの日から、八十年という節目の日であります。私は二度と戦争はしない、させない、そして誰一人取り残さず、みんなの声を生かす山口県政、これを目指す立場から、通告に従い、
一般質問を行います。 質問の第一は、県民の命と暮らしを守る諸課題についてです。 第一は、
新型感染症の感染拡大に備えた医療・衛生体制の拡充です。
新型コロナ感染は第五波の収束後、落ち着きを見せていましたが、新たな
変異株オミクロンの出現で、年末年始にかけての感染再拡大が危惧されています。 本議会に提案された補正予算において、感染再拡大等に備えた
医療提供体制の拡充のための施策が含まれていますが、足らざる点も多々残されています。 一つは、保健所・支所の体制強化であります。 県内の保健所・支所がこの二十年間に、十五か所から八か所に半減したことは繰り返し指摘し、拡充を求めてきましたが、現行の体制にも大きな問題があることが分かりました。 七保健所のうち、
岩国保健所長は柳井、
山口保健所長は長門と萩、
宇部環境保健所長は周南の所長を兼務しており、七人の必要な所長が三人しかいないことが分かりました。
感染防止対策の最前線を担う七つの保健所のうち、四つにマネジメントの責任者である所長が不在という事態は異常であります。兼務を余儀なくされている所長にかかる負担も大変なものと推察されます。所長の兼務は一刻を争って解消されるべきです。どう対処されるのか伺います。 また、県は不足する保健師を確保するため、市町に保健師の応援派遣を要請し、昨年四月から今年九月までの間、各保健所は延べ三百五十九人の応援を受けましたが、それでも月二百六十時間を超える時間外勤務を余儀なくされる職員が出るなど、大変な状況です。保健師の大幅増員も急がれますが、どう対処されるのか伺います。 二つは、
PCR検査の拡充です。 この間、県が各所で集中検査などの自主検査に取り組んできたことは評価します。その上で、資料一のように、厚労省が取りまとめている
行政検査ベースで比較すると、八月から十一月の間の人口千人当たりの検査件数は広島県百三十二人、鳥取県百十四人に対し、山口県は五十五人と半分以下であります。行政検査にももっと積極的に取り組むべきではないかと考えますが、見解を伺います。 また、年末年始に向け、八月に取り組まれた新幹線駅、空港での無料検査や、受験や就職試験で県をまたぐ高校生を対象にした
無料検査等を必要と考えていますが、それぞれについて伺います。 三つは、三回目の
ワクチン接種の円滑な実施です。
医療従事者など、
優先接種者を対象にした接種が始まりましたが、本格実施は今からです。前回は予約の電話が通じない、ネットが使えないので予約できないなどの混乱もありました。 その中でも、
おまかせ予約など、行政の側が接種日と会場を決めて通知する方式は歓迎されたと聞いています。こうした経験を生かし、迅速・円滑に接種が進められるよう市町と協議すべきと考えますが、伺います。また、必要な
ワクチン確保の見通しも伺います。 第二は、
子育て世帯への負担軽減であります。 一つは、
子供医療費助成制度の拡充です。近年、中国、四国、九州地方でも、鳥取県の高校卒業までを筆頭に、島根県は
小学校卒業まで、岡山県は入院のみを
小学校卒業までに、徳島県、福岡県は中学卒業までに、鹿児島県が高校卒業までにと対象年齢の拡充の動きが広がっています。これでも、山口県は全国に比較して遜色ないという認識を、いまだに変わりはないのか、お尋ねします。 山口県は持続可能な制度として維持するためと言われますが、二十年度の決算額は約四億九千万円と五億円を下回りました。県が未就学児まで拡大した翌
年度決算額は約十三億円でした。その水準に戻すだけでも
中学校卒業まで拡充可能ではないですか。そろそろ拡充を検討すべきと考えますが、併せて伺います。 二つは、
国民健康保険料の均等割の減免です。 高い国保料の引下げを求める世論の高まりを受け、来年四月から
国民健康保険料の未就学児の均等割から五割軽減されます。均等割は年齢を問わず、人数で賦課される人頭税の一種です。高い自治体では一人年四万円を超えます。子供が一人増えれば年四万円の負担増になる、とんでもない話ではないでしょうか。 未就学児のみですが、五割軽減されることを機会に、県も上乗せをして全額免除することで、
子育て世帯を応援すべきではありませんか、伺います。 第三は、
生活保護行政の改善です。 一つは、
生活保護は権利、この徹底であります。
コロナ禍による
生活困窮世帯が増えています。自助ばかりを強調してきた、あの安倍元首相ですら、
生活保護は国民の権利、積極的に申請してほしいと言明しました。 これを受けて、庁舎内に「
生活保護は権利です」と大書きしたポスターを掲示する自治体も現れています。
県東部社会福祉事務所など、県の出先機関に、このポスターを掲示して啓発を強めてほしいと考えますが、見解を伺います。 二つは、生活に困窮する方々への
食料支援活動についてです。
コロナ禍による収入減で、生活に困窮する方々やバイトもままならない学生等を対象にした、
食料支援活動が各地で行われています。 その中で、
生活保護世帯の方は食事や食料支援の対象外、こうした対応をされている団体があると伺いました。大変残念な対応と思いますが、何か法的な問題が生じるのか、お尋ねします。 三つは、
灯油値上げへの支援策です。 国は、
地方公共団体が原油価格の影響を受けている生活者や事業者を支援するために行う、
原油価格高騰対策を
特別交付税の対象にしました。山口県が
追加補正予算案に、
事業者向けの支援策を盛り込んだことは評価をいたします。 そうであるならば、なおさら、
生活保護世帯や
住民税非課税など生活に困っている世帯等を対象に、灯油代の一部を助成する
福祉灯油制度も必要だと考えますが、伺います。 質問の第二は、どの子供にも豊かな教育を保障する課題であります。 小中学校における少人数学級の問題については、同僚議員が取り上げますので、まず、
県立高校の将来構想について伺います。 二〇二二年度から三一年度までの第三期
県立高校将来構想の策定に向けた協議会が行われ、近く素案が提示されると聞いています。
県教育委員会は、第一期
県立高校将来構想で示された望ましい
学校規模、一
学級当たりの生徒数は原則四十人、一学年四から八学級を目安にして、二〇〇五年から
県立高校再編整備計画に沿って、高校の統廃合を推進してきました。 その結果、同年度の六十六校四分校は、今年度四十七校八分校、すなわち十五高校が消滅、四校は分校化されました。 望ましい
学校規模は、第三期将来構想の素案の検討資料でも据え置かれていますが、気がかりになるのは、第二期の将来構想の第四章二、学校・学科の再編整備の(四)にあった配慮事項が削除されていることです。 配慮事項には、再編整備の対象校であっても、一つ、特色ある教育活動を行う学校、二、学び直しや不登校等の多様な学びのニーズに対応した柔軟で弾力的な教育活動を展開する学校などは、県全体の教育効果を高めることが特に期待される学校においては、当面は学校を維持することも検討しますと明記されていました。 一つは、
県立高校の望ましい
学校規模については、一
学級当たりの生徒数は原則四十人とするのではなく、少
人数学級化を目指すべきであります。 二つに、
教育的効果を考えることはもちろんですが、高校の存在は地域の活力を維持する上で不可欠の問題であります。地域社会を維持する役割も考慮すべきです。 三つに、これまでの配慮事項は欠かすことはできません。 以上、三点について見解を求めます。 第二は、
ICT教育への支援強化です。
ICT教育の推進のため、県教委は
ICT支援員制度を設けていますが、各学校に派遣されている支援員は一週間に一日しか駐在しません。先生方からは一校に一人配備されないと現場が回らない、こういう声が寄せられています。改善が必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。 第三は、
私立学校運営費補助の拡充です。
保護者負担の
公私間格差は極めて深刻です。このため、
私立学校運営費補助制度が設けられていますが、資料二に示したように、中国五県を見ても、水準の違いは歴然です。 中高校の生徒一人当たりの補助単価が一番高いのは鳥取県で、山口県とは十万円の格差が生じています。私学助成の拡充は県議会の全ての会派が一致して要望している施策でもあります。大幅な引上げを急ぐべきですが、いかがでしょうか。 また、
運営費補助金について、国は補助単価や
地方交付税措置を増やしていますが、山口県は年々単県上乗せを減額しています。これは、道理的にも許されない対応と考えますが、その理由は何ですか。今後、このような対応はやめるべきであります。それぞれ見解を伺います。 質問の第三は、平和と安全を守る課題についてです。 第一は、
米軍岩国基地の新たな機能強化を許さない問題です。 まず、九月議会でも議論した、
岩国基地滑走路沖合移設事業に伴い出現した、巨大な
港湾施設の問題であります。 資料三に示したように、近年、同港湾岸壁に大型艦船の寄港が相次いでいます。私が九月議会で
港湾機能強化の不当性をただしたのに対し、県は、国からは
岩国基地の
港湾施設の運用については、あくまでも、補給物資の
荷揚げ作業を行うことを目的とした施設であり、米軍艦船のいわゆる母港となるという計画はない。そして、乗組員に岩国への訪問の機会を目的とする寄港は、一般的にはあり得るとの見解が示されていると説明をして、寄港が、主として親善目的であることを踏まえると、
岩国基地の
港湾施設において、過去の国の説明に反する運用が行われているとまでは考えていないと答弁をされました。 逆説的には、親善目的以外の運用は、過去の国の説明に反する運用になる、このことを明言されたわけであります。 しかるに、十月十四日には、
米海軍ミゲルキースが艦上訓練のために寄港し、十一月十八日には、米海軍の
強襲揚陸艦アメリカが運用目的の確認のために寄港しました。さらに、九月三十日には、
海上自衛隊の護衛艦という名の空母いずもが、
米海兵隊岩国基地所属のF35Bの
発着艦検証作業のために寄港しています。 米軍はもとより、自衛隊も含め、
岩国基地の
港湾施設において、過去の国の説明に反する運用が行われていることは明白です。厳しく抗議すべきですが、見解を伺います。 二つは、
岩国基地が、海兵隊に加え、海軍、空軍、陸軍の拠点基地に変貌する危険性であります。海軍についてはさきに触れました。空軍もF22ラプターに続き、F35Aを展開することが明らかになりました。陸軍についても、さきに攻撃ヘリのアパッチが一時展開をしました。 中国の海洋進出などを受けて、米軍の世界戦略に変化が生じ、
岩国基地を、海兵隊に加え、海軍、陸軍、空軍の機能が加わる総合的な戦略拠点に変貌させようとしていることは明らかであります。これを機能強化と言わずして、一体何というのでしょうか。改めてお尋ねします。 こうした
岩国基地の質的な変貌が、近い将来、周辺住民の生活環境に甚大な影響を及ぼすことは必至であります。断固容認できないと国に直言すべきではないでしょうか、見解を伺います。 第二は、上関町への原発建設をやめさせる問題です。 九月議会の
商工観光委員会での質疑で、私が国の
エネルギー基本計画において、原発の位置づけは、第三次と第五次では大きく変わっていると指摘したことに対し、執行部も変わっていることを認めました。にも関わらず、村岡知事は、国が
上関原発計画を引き続き
重要電源開発地点に指定し、今後も維持されることを理由に、原発建設のための
公有水面埋立免許の延長を認めているわけであります。 結局、村岡知事は、残っているのは奇跡とも評される
原発建設予定地の自然環境を破壊する、そして
福島原発事故を通じて安全神話も崩れ去った
原子力発電所の建設を容認する立場に立っておられる、このことを改めて伺いたいと思います。 そうではないと言うなら、国の
エネルギー基本計画に、原発の新増設の記述が消えている今、国に
重要電源開発地点の指定の解除を申し出るべきと考えますが、いかがでしょうか、お尋ねします。 私は、少なくとも世界有数の地震国である日本で原発をつくるなどとは、絶対にあってはならないと確信しています。知事の見解を伺います。 質問の第四は、性差別のない、ジェンダー平等の県づくりについてです。 第一は、
県男女共同参画基本計画の改定です。 SDGsの
ターゲット目標は、政治、経済、公共分野でのあらゆるレベルでの意思決定において、完全かつ効果的な女性の参画及び平等なリーダーシップの機会を確保することであります。 これに比べ、第五次基本計画にある、例えば、事業所の
課長相当職に占める女性の割合の目標値は、二〇二三年度に二〇%にする、これは余りにもかけ離れていると思います。二〇三〇年までに政策・意思決定の徹底を男女半々にする、こうした数値目標を掲げるなど、抜本的な改定が必要と考えますが、伺います。 第二は、生理の貧困の解消を目指す取組であります。
コロナ禍の影響が長引く中、女性の貧困が顕在化し、経済的な事情などで必要な生理用品を買えない、生理の貧困が社会問題となっています。女性の生理は世界でも、また日本でも、歴史的につくられた汚れの思想概念が強く、長い間、語ることがタブー視されてきました。「#みんなの生理」という団体が、高校生、大学生を対象に行ったアンケートでは、五人に一人が、金銭的な理由で生理用品の入手に苦労したと答えています。 こうした実状を踏まえて、県としても、生理用品の恒久的な無償配布、学校など公的施設のトイレへの設置を進めるとともに、職場や学校などでも生理に関する知識や理解を深め、女性が過ごしやすい環境を整える努力を強めるべきであります。見解を伺います。 質問の第五は、公立大学の在り方についてです。 先日、下関市は
下関市議会に対し、下関市立大学に、一、二〇二四年度から経済学部の定員を八十名減らして三百七十名にする、二、同年度から
データサイエンス学部を定員八十人で開設する、三、二〇二五年度から看護学部を定員八十名で開設するという計画を示しました。 この計画は、同大学の関係者を一人も含まない、下関市立大学新学部設置に関する有識者会議なるものが、三回の非公開での会合で決定したものです。同大学経済学部の教授会や学生には何の説明もないままであります。 一つに、新学部設置に関する三つの計画について、認可団体である山口県に対して何らかの相談なり、情報提供はあったのでしょうか、お尋ねします。 二つに、大学運営に関わる重大な事柄を、当事者である経済学部教授会や学生、これらに何の説明もないまま進めることが果たして許されるのか、見解をお尋ねして、私の一回目の質問を終わります。(拍手)
○議長(柳居俊学君) 村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕
◎知事(村岡嗣政君) 木佐木議員の御質問のうち、私からは、
新型感染症の感染拡大に備えた医療・衛生体制の拡充に関して、行政検査についてのお尋ねにお答えします。 私は、感染拡大防止に向けては、迅速かつ的確な検査の実施により、いち早く感染の芽を摘み、速やかに感染の連鎖を封じ込めていくことが重要であると考えています。 このため、感染の疑いのある方のみならず、クラスターの発生が懸念される地域や施設に対する集中検査をはじめ、変異株の影響等で日常的に感染リスクが高まった場合には、無症状の方に対しても幅広く検査を実施するなど、感染拡大防止に向けた積極的な検査に取り組んでいるところです。 検査は、その県の感染状況に応じて実施されるものであり、お示しのように、人口当たりの検査数で一律に比較することはできませんが、本県では、感染が拡大していた八月から九月の検査陽性率は平均四・四%と、国の基準値五%を下回っており、必要な検査は実施してきたものと判断しています。 また、こうした検査の実施により、本県では、同時期の感染経路不明者の割合は二〇・一%と、これは全国平均の五三・七%を大きく下回っておりまして、全国二番目に低い水準に抑えられていたところであります。迅速かつ適切な検査が実施できていたものと考えています。 私は、第六波に向け、急激な感染拡大にも対応できるよう、一日当たりの検査能力を七千五百件から八千件に拡充を図ったところであり、今後とも、感染状況に応じて、効果的な検査に積極的に取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。
○議長(柳居俊学君) 弘田
健康福祉部長。 〔
健康福祉部長 弘田隆彦君登壇〕
◎
健康福祉部長(弘田隆彦君)
新型感染症の感染拡大に備えた医療・衛生体制の拡充についての数点のお尋ねにお答えします。 まず、保健所長の兼務の解消についてです。 全国的に公衆衛生医師が不足する中、本県においても、一人の所長が複数の保健所長を兼務する状況が生じていますが、薬剤師や保健師等の技術職員を保健所次長等の管理職として配置しているなど、適正な業務執行体制を確保しています。 なお、公衆衛生医師の確保については、県のホームページ等を活用し、通年で募集を行っているところであり、本年四月と十一月には、各一名の医師を採用したところです。 次に、三回目
ワクチン接種の円滑な実施についてです。 一月からは、高齢者向け接種が開始される予定ですが、集団接種など、接種手法や予約方法等については、地域の実情を踏まえ、実施主体である市町において決定することとされています。 このため、県では、市町の参考となるよう、各市町における取組状況等について、担当課長会議等を通じ、情報共有を図っているところです。 また、必要な
ワクチン確保の見通しについては、現時点、国からは、来年三月実施分までの配分量が示されているところであり、引き続き、全国知事会等を通じて、必要量の円滑な供給について、国に要請してまいります。 次に、
子育て世帯の負担軽減のうち、まず、
子供医療費助成制度についてのお尋ねにお答えします。 本県の制度は、受診回数の多い三歳未満児を無料とした上で、一部負担金は中国地方で最も低額であるなど、全国的にも遜色ないものと考えています。 また、本制度は一定の福祉医療の水準を確保することを目的に、基準を定めて助成しているものであり、厳しい財政状況の中、将来にわたって持続可能な制度とするため、現行水準を維持することが基本と考えており、対象年齢の拡大は考えていません。 次に、
国民健康保険料の均等割の減免についてです。 県としましては、子供に係る保険料の取扱いについては、国の責任において制度設計されるものと認識しており、県が独自に支援を行うことは考えておりませんが、軽減割合の拡充等について、全国知事会等を通じて、国に要望しているところです。 次に、
生活保護行政の改善についての数点のお尋ねにお答えします。 まず、
生活保護は権利、の徹底についてです。
生活保護の申請は国民の権利であることから、これまでも市町と連携して、ホームページ等で
生活保護制度の周知を行ってきたところです。 県としては、お示しのポスター作成までは考えていませんが、申請の意思が確認された方に対しては、速やかな申請手続につなげ、生活に困窮された方が必要な
生活保護を受けることができるよう、引き続き取り組んでまいります。 次に、生活に困窮する方々への
食料支援活動についてです。 お示しの
食料支援活動については、各支援団体の主体的な判断により実施されているものであり、
生活保護法上で特段の問題を生じさせるものではありません。 次に、原油高による
灯油値上げへの支援策についてです。 お尋ねの、いわゆる福祉灯油につきましては、国のエネルギー価格高騰対策の一環として、
特別交付税措置の対象とされたもので、これまでも、主に北海道、東北などの寒冷地の道県において、灯油購入費を助成する市町村に対し、経費を補助する形で実施されています。 このたび、各市町に対し調査を行ったところ、実施する市町はなかったことから、助成制度の実施は考えていません。
○議長(柳居俊学君) 内海総務部長。 〔総務部長 内海隆明君登壇〕
◎総務部長(内海隆明君)
新型感染症の感染拡大に備えた医療・衛生体制の拡充のうち、保健師の増員についてのお尋ねにお答えします。 新型コロナの感染拡大に伴い、保健所に大きな負担が生じたことから、県では、これまでも保健師の増員や他部局職員の応援派遣、市町保健師の応援受入れ、相談業務の外部委託等により、業務執行体制の強化や職員の負担軽減を図ってきたところです。 県といたしましては、引き続き、感染状況や現場のニーズ等を踏まえながら、保健師の増員も含めた体制の強化等に、柔軟かつ機動的に対応してまいります。 次に、
私立学校運営費補助の拡充についての数点のお尋ねにまとめてお答えします。 県では、私立学校振興助成法の趣旨を踏まえ、経常的経費の二分の一の助成を念頭に置きながら、厳しい財政状況の中でも、国の財源措置に単県措置額を上乗せする形で
運営費補助金の充実に努めており、平成二十九年度以降、五年連続補助単価の引上げを行っているところです。 今後についても、私立学校を取り巻く環境の変化や県の財政状況等を勘案しながら、適切に対応してまいります。
○議長(柳居俊学君) 三坂
観光スポーツ文化部長。 〔
観光スポーツ文化部長 三坂啓司君登壇〕
◎
観光スポーツ文化部長(三坂啓司君)
新型感染症の感染拡大に備えた医療・衛生体制の拡充に関する
PCR検査の拡充についてのお尋ねのうち、新幹線駅、空港での無料検査についてお答えします。 八月に実施した新幹線駅や空港での
PCR検査は、全国的に新型コロナウイルス感染症が拡大する中、県内への感染拡大を防止する水際対策として、短期間・集中的に行ったものです。 現在、感染リスクは低い状態が続いていることから、現時点、年末年始の期間に
PCR検査を実施することは考えていませんが、今後の対応については、新型コロナウイルス感染症の拡大や行動制限の状況等を勘案しながら、検討してまいります。
○議長(柳居俊学君) 藤田
総務部理事。 〔
総務部理事 藤田昭弘君登壇〕
◎
総務部理事(藤田昭弘君)
米軍岩国基地の新たな機能強化についての数点のお尋ねのうち、まず、過去の国の説明に反する
港湾施設の運用について、抗議すべきではないかとのお尋ねにお答えします。
港湾施設の運用については、県では、沖合移設の経緯を踏まえ、軍艦等の母港及び寄港地とならないことを基本的な考え方とし、寄港の際には、目的や基地での運用等について国に事前の情報提供を求め、その内容に応じて、地元市町と連携して必要な要請を行っているところです。 お示しのように、今年に入り、補給物資の荷揚げや親善以外を目的とする寄港が行われていますが、いずれもその運用は一時的なものであり、基地周辺住民への影響も少ないことから、県としては抗議しなければならない問題とは考えていません。 今後とも、軍艦等が寄港する際の事前の情報提供の徹底などの要請を積み重ねることにより、なし崩し的に軍艦等の母港及び定期的な寄港地とならないよう、適切に対応してまいります。 次に、
岩国基地を総合的な戦略拠点に変貌させようとしていることは明らかであり、これを機能強化と言わずして何というのかとのお尋ねです。 お示しの基地の戦略拠点化など、軍事機能に関する問題は、地方自治体として判断することができないものです。したがって、県では、地方自治体の役割等を踏まえ、基地問題に対する基本姿勢において、新たな部隊の移駐等の基地機能の変更が行われる場合には、航空機騒音や安全性等の面で、基地周辺住民の生活環境が現状より悪化するかどうかを判断基準として対応しているところです。 次に、基地の質的な変貌が近い将来の周辺住民の生活環境に影響を及ぼすことは必至であり、断固容認できないと国に直言すべきとのお尋ねです。 基地の運用については、今後とも、地元市町と連携して状況把握に努め、住民の生活環境に影響が及ぶなど、問題がある場合には、その都度、国や米側に必要な対応を求めるとともに、今後、仮に、基地機能の変更が行われる場合には、基本姿勢に沿って適切に対応してまいります。
○議長(柳居俊学君) 三浦
商工労働部理事。 〔
商工労働部理事 三浦健治君登壇〕
◎
商工労働部理事(三浦健治君) 上関町への原発建設についての三点のお尋ねにお答えいたします。 まず、原発の建設に関する立場についてです。
原子力発電所の建設を容認する立場に立っているのかとのことですが、県では、
上関原発計画について、これまで一貫して地元上関町の政策選択や国のエネルギー政策を尊重するとともに、県民の安心・安全を守る立場から、国に対して言うべきことは言うという姿勢で対応しているところです。
上関原発計画に関しては、国に対し、安全確保や環境保全など六分野二十一項目の要請をしており、今後も、計画の進捗に応じて、国の対応状況をチェックしてまいります。 次に、
重要電源開発地点の指定の解除についてです。 上関原発に関する
重要電源開発地点の指定については、引き続き有効であり、事情の変化がない限り解除することは考えていないとの国の見解も示されており、国のエネルギー政策上の位置づけは現在も変わっていないと認識しております。 また、原発立地によるまちづくりを進めたいという地元上関町の政策選択は、現在も変わりありません。県としては、このように事情の変化がない中で、上関原発の
重要電源開発地点の指定の解除を申し出ることは考えておりません。 次に、地震国である日本に原発をつくることに関する見解についてです。 エネルギーは、国民生活の安定向上並びに国民経済の維持・発展に欠くことができないものであり、エネルギー政策は国家運営の基本です。したがいまして、原子力発電を活用するかどうかについては、地震への対応を含め、安全性・信頼性の確保を大前提に、国において判断されるべきものと考えています。
○議長(柳居俊学君) 神杉
環境生活部長。 〔
環境生活部長 神杉さとみさん登壇〕
◎
環境生活部長(神杉さとみさん) ジェンダー平等の県づくりについての二点のお尋ねにお答えします。 まず、男女共同参画基本計画についてです。 県では、本年三月に、二〇二五年度までの五年間を計画期間とする、第五次男女共同参画基本計画を策定し、あらゆる分野における政策・方針決定過程への女性の参画拡大を重点項目に掲げ、諸施策を進めているところです。 お示しの数値目標については、これまでの成果や国の目標値等を勘案するとともに、経済団体や女性団体等で構成する審議会等の意見も踏まえて、適切に設定したものであり、県としては、現行の基本計画に掲げた数値目標の達成に向けて、市町や関係機関・団体等と連携して取り組んでまいります。 次に、生理の貧困の解消についてです。 新型コロナウイルスの影響が長期化する中で、生理の貧困の問題をはじめ、経済的な困窮など、特に女性に深刻な影響が及んでいることから、県では、生理用品の無償配布を行う女性相談会や生理用品配布会を実施するなど、様々な困難を抱える女性への支援に取り組んでいるところです。このため、現時点では、お示しの生理用品の恒久的な無償提供や、学校をはじめ、県立の公立施設のトイレへの設置を行うことは考えていません。 また、生理など、女性の健康に関する知識や理解を深め、女性が過ごしやすい環境を整えることは重要であることから、引き続き、企業に対して、生理休暇に関する制度等の周知を図るとともに、学校等において、健康相談や健康教育に取り組んでまいります。
○議長(柳居俊学君) 平屋
総合企画部長。 〔
総合企画部長 平屋隆之君登壇〕
◎
総合企画部長(平屋隆之君) 公立大学の在り方についての二点のお尋ねにまとめてお答えします。 地方独立行政法人法の規定に照らし、県としては、大学の学部の設置について指導・助言を行う権限は有しておらず、設立団体においても、県への報告は求められていないところです。したがいまして、お尋ねの新学部設置に関する計画については、県は、法人の設立団体である下関市から相談等は受けておりませんし、また、教授会や学生への説明に関し、見解を述べる立場にはありません。
○議長(柳居俊学君) 西村副教育長。 〔副教育長 西村和彦君登壇〕
◎副教育長(西村和彦君) 教育に関する数点のお尋ねにお答えします。 まず、
新型感染症の感染拡大に備えた医療・衛生体制の拡充に関する
PCR検査の拡充についてのお尋ねのうち、高校生を対象にした無料検査についてです。 県教委では、修学旅行や部活動等、学校が行う教育活動を対象として
PCR検査を実施しているところであり、受験や就職活動など、個人的なものは対象外としています。 次に、どの子にも豊かな教育を保障する課題についてのお尋ねのうち、
県立高校の将来構想についてです。 まず、少
人数学級化を目指すべきというお尋ねです。 一
学級当たりの生徒数については、いわゆる標準法に基づき、原則四十人として検討しているところです。 次に、地域社会を維持するという高校の役割も考慮すべきとのお尋ねです。 学校・学科の再編整備については、地域における高校の実情や地域バランス、分散型都市構造にある本県の特性等も踏まえることとしており、様々な観点から検討してまいります。 次に、配慮事項についてのお尋ねです。 再編整備の実施に当たっては、高校教育の質の確保・向上を図る観点や地理的条件、交通事情による生徒の教育への影響等を総合的に勘案しながら、検討することとしており、基本的な考え方は変わっていません。 次に、
ICT教育への支援強化についてです。 県教委では、教員のICT活用促進や負担軽減を図るため、ICT支援員を各学校へ派遣しており、その配置については、国の基準に基づき、四校に一名程度としています。 また、ヘルプデスクを設置し、支援員が不在の際には、教員が直接問い合わせることで課題に対処できるよう、体制を整備しているところです。
○議長(柳居俊学君)
木佐木大助君。 〔
木佐木大助君登壇〕(拍手)
◆(
木佐木大助君) 再質問を行います。
子供医療費助成制度の拡充についてですが、相も変わらず、遜色ない持続可能な制度とするためには、現行水準を維持するという態度に固執されておられます。 これまでも指摘しましたが、この制度の予算が当初予算に占める割合を比較すると、鳥取県は〇・二七%に対して、山口県は何と〇・〇九%、三分の一であります。 実は、山口県でも十七年前の二〇〇四年度の当初予算に占める割合は〇・一八%、現在の二倍です。持続可能な制度をするために比率を二分の一にしなければ持続できないほど、山口県財政は逼迫しているのでしょうか、お尋ねをいたします。 生理の貧困についてですが、公立学校のトイレへの生理用品の配備について、県教委は保健室において行っていると説明されてきましたが、これまでお聞きしたところでは、保健室に来てもらったら相談を通じて家庭状況等を把握できるなどとの理由を挙げています。家庭の状況を聞かれることに抵抗を感じない生徒なら問題はないでしょうが、そうしたことを嫌い、我慢している生徒もいると思われますが、この点についてお尋ねをいたします。 トイレットペーパーがトイレに置かれているのと同様、
県立高校の女子トイレに生理用品を置くべきだと考えますが、改めて伺います。 基地問題ですが、米軍艦船の寄港について県は、十月十四日の口頭要請の際には、母港及び寄港地とならないようにすることを要請されています。 ところが、十一月十六日の口頭要請では、母港及び定期的な寄港地にならないようにすることと、定期的な文言が加わっていますが、一体これはなぜなのか伺います。 うがった見方をすれば、定期的ではないものはウエルカムだ、こういう態度に変更したように受け取られますが、いかがでしょうか、伺います。 関連して、
強襲揚陸艦アメリカの艦長の見解についてです。
岩国基地に寄港したアメリカの艦長は、十一月十九日、記者会見で、
岩国基地について、寄港するのに十分な機能が整っている、自衛隊との相互運用を高めるために非常に重要な位置を占めていると述べ、今後の定期的な寄港の可能性については、保安上の理由で、将来的な運用は言えないと言いながら、一方で、今後も来られたらよいと思うと述べました。 山口県は、米海軍等の軍艦等の母港及び寄港地としないよう国に要請してきましたが、ところが、米艦船のその艦長は、定期的な寄港の可能性を否定をしていません。こうした発言をどう捉えるのか、改めて伺います。 私は、国を通じてでも、外務大臣、防衛大臣にきちんと抗議すべきと考えますが、いかがでしょうか。 最後に、市立大学の問題では、二〇一九年度以来、前田下関市長のお友達優遇をきっかけとした、いわゆる下関市立大学私物化問題は、極めて重大な局面を迎えました。 さきに指摘したように、本年八月以降、僅か三か月、非公開の有識者会議を三回開いただけで、六十年にも及ぶ歴史を持つ市大経済学部の二割を縮小する、新学部、開設する計画を断行しようとしています。 教授会や学生はもとより、下関市民も誰も知らない中での強行であります。手続的にも、まさに大学の自治への乱暴なじゅうりんであります。 認可権者たる山口県は、見て見ぬふりをするのではなく、地方独立行政法人法百二十二条四項、五項に基づき、下関市と市大経営理事に対して、計画の一時中止、市民への説明を果たすよう指導・助言をすべきであります。これは意見であって、答弁は求めません。 以上で、再質問を終わります。(拍手)
○議長(柳居俊学君) 弘田
健康福祉部長。 〔
健康福祉部長 弘田隆彦君登壇〕
◎
健康福祉部長(弘田隆彦君) 木佐木議員の再質問にお答えします。
子供医療費助成制度に関し、現行水準を維持しなければならないほど財政的に逼迫しているのかとのお尋ねについてですけれども、財政的な問題だけではなくて、現行水準を維持することを基本としているのは、本県の助成制度は、国の医療保険制度を補完して、一定の福祉医療の水準を確保するために、市町に助成しているものであります。将来にわたって持続可能な制度とするため、現行水準を維持することを基本と考えています。
○議長(柳居俊学君) 藤田
総務部理事。 〔
総務部理事 藤田昭弘君登壇〕
◎
総務部理事(藤田昭弘君) 再質問にお答えします。 まず、定期的な寄港という文言を加えた理由等について御質問ございました。 基地の
港湾施設は、補給物資の
荷揚げ作業を行うことを目的とした施設であります。また、親善などの訪問の機会を目的とする寄港もあり得るという国の見解も示されておりまして、県としては、軍艦等の寄港を一切認めないという考えではございません。 しかし、沖合移設の経緯を踏まえ、なし崩し的に母港及び寄港地とならないように要請してきているところであり、こういった国の見解等を踏まえて、要請をより明確にするために、定期的という文言を加えたということでございます。 県の考え方は変わっておりませんが、今後とも寄港の際の事前の情報提供の徹底などを、国に対し重ねて要請することなどにより、なし崩し的に母港及び定期的な寄港地とならないように、適切に対応してまいりたいと考えています。 それから、
強襲揚陸艦アメリカの艦長の発言、それと国への要請ということでございました。 お示しのありましたように、アメリカの艦長が将来の運用については申し上げられないという旨の発言をされたことは、報道により承知していますが、今後の定期的な寄港まで言われたかどうかということは承知しておりませんので、それについての見解を申し上げることはできませんが、いずれにいたしましても、国に行った要請内容は、国は米側に伝えているということでございますし、県の考え方は機会あるごとに国のほうにも伝えておりますので、アメリカの艦長の発言をもって、改めて国に要請することは考えていません。
○議長(柳居俊学君) 西村副教育長。 〔副教育長 西村和彦君登壇〕
◎副教育長(西村和彦君) 木佐木議員の学校のトイレへの生理用品配備に係る二点の再質問にお答えします。 まず、家庭の状況を聞かれることに抵抗を感じない生徒なら問題ないけれども、そうしたことを嫌い、我慢している生徒もいるのではないかとのお尋ねです。 県立学校では、養護教諭をはじめ、学級担任、教育相談担当など、関係する教職員で相談できる体制を取っていることから、まずは児童生徒が話をしやすい教職員が相談に応ずるなど、学校の組織全体で連携し、対応しております。 今後とも、機会あるごとに保健室等で生理用品を提供できることを伝えて、相談しやすい環境づくりに努めてまいります。 次に、県立学校の女子トイレに生理用品を置くべきではないかとのお尋ねですが、生理用品を用意できない児童生徒への支援については、児童生徒の抱える不安等の根底にある問題を含めて、相談に乗ることが有効であると考えており、県立学校への女子トイレへ生理用品の設置を行うことは考えておりません。○議長(柳居俊学 君)
木佐木大助君。 〔
木佐木大助君登壇〕(拍手)
◆(
木佐木大助君) 再々質問を行います。 子供医療費の問題です。もともと村岡知事は、初当選された当時、子育て日本一の山口県を掲げてこられました。それにふさわしい施策が何かほかにあるのかどうか示していただきたいと思います。 少子化や
生活困窮世帯の増加で、子育て支援の重要性は年々高まる中で、この十七年間、この制度の拡充を拒み続け、自己負担を強いる制度改悪まで行いました。こうした対応を改め、この制度の拡充に踏み切るお考えはないのか、再度答弁を求めて、私の
一般質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(柳居俊学君) 弘田
健康福祉部長。 〔
健康福祉部長 弘田隆彦君登壇〕
◎
健康福祉部長(弘田隆彦君) 木佐木議員の再々質問にお答えします。 子育て日本一にふさわしい施策がほかにあるのかと、制度拡充に踏み切るべきではないかとのお尋ねですけれども、県では、乳幼児医療費助成制度に加えまして、安心して子育てができる環境づくりに向けまして、やまぐち版ネウボラの推進、やまぐち子ども・子育て応援ファンド、そして新たな取組としては、二十四時間三百六十五日、いつでも子育てに関する相談に対応できる子育てAIコンシェルジュの構築、こうした本県独自の取組を幅広く取り組んでおります。 子育て支援につきましては、医療費助成だけではなくて、様々な支援を総合的に実施していく必要があると考えておりますので、今後とも、こうした考え方の下、子育て支援の充実に取り組んでまいります。
○議長(柳居俊学君) 中嶋光雄君。 〔中嶋光雄君登壇〕(拍手)
◆(中嶋光雄君) おはようございます。社民党・市民連合の中嶋です。通告に従い質問させていただきます。 まず、上関原発建設に伴う中国電力の海上ボーリング調査は三年続けて頓挫しています。 中国電力は、一、二回目の際は、早々に廃止届を出していますが、三回目の今回は、ボーリング調査予定期間最終日の前日十月五日に中断を発表しました。 二、三日間の調査ならともかく、九十二日間の予定で最終日前日に中断発表とは、あまりに異常な事態ではありませんでしょうか。 許可期間内に何もすることができなかった事業者に、許可権者として何らかの対応をされてきたのか。また、この中断は法的にどのような意味を持つものか。まずは、お聞かせください。 この間、利害関係者の同意は、排他独占的な権利を持つ県漁協の同意が得られているの一点張りでしたし、電源開発等に伴う損失補償基準についてを確認したのかとただしても、関係ないでした。 祝島漁民の許可漁業、自由漁業を侵害するには補償が必要なことは公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱に明記してあるとただしても、それは法令を別にしているなどの答弁を繰り返されています。 祝島漁民を利害関係人に含めると、その同意なしには占用許可を出せなくなるため利害関係人に含まれていません。その不合理を正当化するために、利害関係人は排他独占的権利を有する者に限ると繰り返すのみで、いまだ、なぜそう言い切れるかについては、その根拠は示されないままです。 農林水産部の答弁は、この海域で祝島漁民が漁をしていると認識しているです。改めて御飯論法ではない答弁をお聞かせください。 占用許可は、事業者と公の関係であり、補償は事業者と民の関係です。事業者と公の関係は、上関原発では、いわば仲間内の関係のごとくであり、事業者に都合の悪い判断はしないということかと疑わざるを得ません。 他方、事業者と民の関係は、仲間内の関係ではありませんので、公が関与してごまかす余地はありません。 この点が、上関原発のボーリング調査で占用許可は出るのに調査ができないことが繰り返されている根源的な問題です。 そこでお尋ねです。三年にも及ぶ現場海域などにおける事業者と利害関係者との間の激しいあつれきについて、許可権者たる県には何ら責任はなく、また、いささかの痛痒も感じておられないのかどうか、お聞かせください。 具体的にお尋ねします。 この問題に対する市民団体等との交渉における中国電力の回答は、一、調査海域に共同漁業権を持つ山口県漁協四代支店の御了解を頂いた上で、一般海域の占用許可を得て着手する予定。二、海面占用許可を得る上で自由漁業の漁民の同意も必要と許可権者がおっしゃれば、許可が得られるような努力をしたい。三、ボーリング調査の海域で自由漁業を営む漁民がおれば、御協力賜るようにお願いするでした。 さらに、三回目の今回は、七月に中国電力側より祝島に、調査場所付近におられる皆様へなる文書が出され、上関原発を建てさせない祝島島民の会との間で、海上で本当に危険な文書のやり取りが行われ、中国電力代理人弁護士は、十一月四日付の三度目の文書で、損失補償については、二○○○年補償契約書で支払ったの繰り返し、利害関係人については、県条例に基づいて申請しただけという中身の薄い回答です。 その一部をそのまま引用すると、次のように主張しています。 一般海域の利用に関する条例に基づく一般海域の占用の申請に当たって、当社が、利害関係人である漁業権者、山口県漁業協同組合の同意を頂いておりと御説明したのは、当社は山口県の定めるところにより利害関係人の同意書を添付して申請していること、すなわち適正な手続を行ったという経緯をお伝えしたものです。 なお、貴会より、調査地点に設定されている共第九十三号共同漁業権の漁業権者、山口県漁業協同組合を利害関係人とすることについて、条例の解釈や考え方について多くの御質問を頂いていますが、当社は一般海域の利用に関する条例や、それに基づく山口県の定めるところに従って一般海域の占用を申請する立場であって、条例等がなぜそのように定められているのか、なぜそのように解釈するのか等をお答えする立場にありません。 そこでお尋ねします。いわば中国電力にとって、かかる県の姿勢ほど好都合なことはないということです。 祝島漁民の当たり前の営み、漁業のために調査ができないこと、祝島漁民を利害関係人に含めていないで、県が占用許可を出していることにこそ原因がある。つまり知事の上関原発推進姿勢が問われているのではと考えますが、知事の御所見を伺います。 宇宙監視レーダー。 この件へのこれまでの答弁は、国において、地元市や地域住民に対し、その必要性や安全性等を十分に説明するなど、丁寧に対応していただきたいと考えています、の繰り返しです。 先週の土曜日に、実質で二回目の防衛局による住民説明会がようやく行われました。そのごく一部を紹介しますと、いわく、電波による影響を計測するためのシミュレーションをSSAレーダーの詳細設計で示された出力の値を用いて行い、結果は、六基全てのレーダーから同時に電波を照射した場合、基地の中の地表で最も強い場所は、レーダー真下で○・二三マイクロワット/平方センチメートル以下ですので、人体に影響を起こさない基準値一ミリワット/平方センチメートルを十分下回っており、基地内外で電波防護指針の一般環境の基準値を上回ることはない。電波法、電波防護指針による電波の安全性に係る規定は遵守すると。 しかし、算出根拠である一基当たりの出力は、具体的な数値を公表するとSSAレーダーの能力を類推されるおそれがあるので答えられないといった調子で、基地周辺で使用される電子機器等に及ぼすおそれがないことが確認されていますと、幾ら説明されても、都合の悪いことは隠した、ごまかしの説明にすぎません。 また、SSAレーダーの運用において電源の必要量とその確保の方法を問うても、基地の運用に関することですので、答えは差し控えるといった調子で全く信用に値しません。 そこでお尋ねです。あのイージス・アショアの場合は、知事と市・町長の三者連名で、四たびにわたり防衛省とのやり取りが行われ、国から質問や疑問に答える形で一定のデータが出てきたり、補足説明を受けられたりし、結果、矛盾が表面化しました。 事は、宇宙領域までをも戦場にしかねない大問題です。県知事として県民の安心安全を守る立場で、同様な要請の取組をされるべきではないのか、御所見を伺います。 次に、コロナ克服のため。 新型コロナウイルスは、今夏の第五波で極めて大きな感染拡大を招きました。 その後、ワクチンの効果により急速に感染が収まっていますが、これから寒くなる、そして乾燥してくると、ウイルスが活動しやすい状況になると言われています。 また、
ワクチン接種が先行し、落ち着いていた欧米で感染拡大が見られ、隣の韓国では、段階的に日常回復、ウイズコロナを開始したところ、六十代以上の高齢層のブレークスルー感染が増えたことで、重症患者も増加し、重症患者の病床稼働率が八○%超になり、病床不足事態の再現かと報道されていますし、新たな変異株への懸念も出ています。 こうした中、最前線で対応に当たられている知事、県職員、そして、エッセンシャルワーカーと呼ばれる全ての関係者に対して、改めて心からの敬意を表します。 しかし、給与決定の仕組みの中で、国家公務員の一時金を○・一五か月削減するようにとの人事院勧告、また、県人事委員会勧告によるエッセンシャルワーカーと言われる保健所の職員を含む自治体職員、そして、公立病院の職員等に影響が及び、この賃金決定の制度に準拠する民間の職場も多いため、新型コロナ対策に従事する多くの職員、労働者の一時金が削減されようとしており、エッセンシャルワーカーと称賛しておきながら、一方では一時金を削減するという今日の動向を見るにつけ、やるせない思いであります。 そこでせめて、二○二一年度の地方財政計画では、二○二二年度までの二年間で感染症対応業務に従事する保健師を現行の千八百人から一・五倍の二千七百人まで増員するとし、そのための必要な財政措置を講じるとしています。県において、計画に応じた必要人員を確保できているかどうか、お聞かせください。 さらに、実際の保健所運営において、感染症対応の保健師だけでなく、乳幼児から高齢者への対応、地域における健康診断・検診や健康教育、その支援的な業務も含め、県民が安心して暮らせるよう新型コロナウイルス感染症対策にとどまらない、より抜本的な保健所機能強化に向けた人員確保に方針転換すべきですが、御所見をお聞かせください。 病床が逼迫している、
医療従事者が確保できないという
コロナ禍にあって、二○二一年五月に医療法等一部改正が成立。この法改正により、地域医療介護総合確保基金に位置づけられた病床機能再編支援事業は、本来は社会福祉目的税的な性格を持っているはずの消費税を財源にした給付金で、財政支援をして病床削減、病院統合を進めるというものです。 給付金は、病床稼働率に応じ、一床当たりの単価を引き上げるもので、病床稼働率が五○%未満なら百十四万円、九○%以上なら倍の二百二十八万円。しかも稼働している病棟の病床の一○%以上を削減することが支給要件となっています。これを強引に行うと、感染症の感染拡大時はもとより、日常的に医療逼迫、入院受入れ医療困難になりかねません。 さらに、この医療逼迫が言われている中にあっても、国が二○一九年に公表して大問題となり、本県議会でも取り上げられた再検証対象医療機関を名指ししたリスト、いわゆる統廃合を求める四百三十六病院リストの撤回すらされていません。 そこでお尋ねです。県が限られた医療資源と限られた財源により新型コロナ対応に腐心される中にあっても、国は医療法等の改悪による病床機能再編支援事業、そして、統廃合を求める四百三十六病院リスト等によって病床削減を進めようとしていますが、これに対する県の御所見を改めてお聞かせください。 また、日本の医師養成数は、OECD諸国では下位にあり、医師不足の中で医師の長時間労働が問題とされており、その改善が必要であるにもかかわらず、二○二四年の新制度から三六協定により時間外労働時間の上限を過労死ラインを超える年九百六十時間だけでなく、年千八百六十時間まで設定できるようになっています。 医療職場の三六協定において、厚労省通達の過労死ラインを超える内容を安易に締結させず、よりゆとりのある人手の確保と、安全な医療環境を目指すことだと考えます。 しかも、医師の不足を補うため、医師間で行うグループ診療や、医師、他職種間等で行うタスク・シフティング、業務の移管、タスク・シェアリング、業務の共同化を、これまでのチーム医療を発展させる形で有効活用するタスクシフト、シェアの普及・推進が行われようとしています。 この問題は、医師だけの働き方改革だけでなく、その他の職種の人員確保や研修体制の確立にも留意が必要です。 そこで、県はこうした医療機関の取組を、医療勤務環境改善支援センターにおける他の医療機関に対する助言に活用することで、地域全体でのタスクシェア推進の好循環を図ることが求められているのではと考えますが、県の御所見を伺います。 次に、教員免許更新制度について。 教員免許状の更新講習を受けなければならないと思うと憂鬱で、定年前退職を本気で考えているとの現場教員の悩みを聞かされてきました。 命を預かる医師免許、薬剤師免許などには、更新制がないにもかかわらず、なぜ教員だけなのか。現場の教員に身体的・心理的・経済的に多大な負担を強いる等、この免許更新制度は、余りにも大きな問題をはらんでいました。 二○○九年度に導入された免許更新制は、教育再生を掲げた第一次安倍政権の看板政策。十年の期限前の二年間のうちに大学などでいじめや不登校への対応、防災教育や英語教育など三十時間の講習を受け、講習は土日や夏休みに行われることが多く、多くの教員は休みを返上し受講しなければならなかった。しかも、約三万円の受講費用や交通費は自己負担だった。 教員免許更新制について、文科省が現職教員を対象にしたアンケート調査では、更新講習に総合的に満足感を示したのは二割にとどまり、否定的な回答が六割を占めた。受講した内容が、教育現場で役立っていると答えたのも三割程度にとどまるなど、これまで大学を通じて文科省が把握していた結果とは異なる結果が浮き彫りになり、自由記述では免許更新制の廃止を求める意見が半数を超えたと、中教審の免許更新制の委員会に報告されています。 学校側が育休や産休を取る教員の代わりを探しても免許が未更新のため、すぐに任用できないなど人手不足の一因にもなっていたとの報道もされています。 そこで、今年三月に萩生田文科相が中教審に制度の抜本的な見直しを諮問し、ついに教員研修の在り方を議論する中教審の特別部会は、先月十五日に教員免許更新制を廃止するとの審議まとめを了承。デジタル化の進展など社会環境が大きく変わる中、十年に一度の更新講習を義務づける現行制度では不十分だとして、発展的に解消すると提言、新たな研修制度の創設を求めた。 文科省は、教育職員免許法の改正案を来年の通常国会に提出し、二○二二年度末での廃止を目指すことになっています。 もともと、この問題は法律が審議される過程で、参議院では実に二十二項目もの附帯決議がされたのであり、二○○九年九月の政権交代で誕生した民主党鳩山政権は、早速、教員免許制度の抜本的見直しを打ち出しましたので、本県議会でも二○一○年三月定例会文教警察委員会で取り上げられています。 そして、委員長報告では、学校現場の職員からは最新の知識や技能の取得が可能となるなど高く評価される一方で、既存の法定研修と実施時期や内容が重複しているなどの課題があるとの意見も聞いている。教員免許制度は、国の制度であり、こうした学校現場の意見を集約し、県に伝えていくなど、教員の資質向上につながる、よりよい制度になるよう県教委としても努めたいと考えているとの答弁がありましたなどの委員長報告がされています。 そして、時を経て実施してわずか十三年で酷評された現行の教員免許制度は幕を下ろすことになりました。まさに学校現場を翻弄した十三年ではなかったでしょうか。 部活動やブラック校則に関する研究と情報発信を続けておられる内田良、名古屋大学大学院准教授は、「関係者には、ただひたすらコストばかりが大きく、その効果はほとんど感じられないという無駄の象徴のような制度が、ようやく終わる。一方で、免許更新制度は発展的に解消するとされ、その先には新たな研修制度の創設がもくろまれている。それが、結局のところ、強制的な官製研修として教員を数日間にわたって拘束するものだとすれば何の意味もない。学校の働き方改革については、まずは国自身が教育現場に課している様々な業務を削減すべき。その意味では、今回の制度改革は、国自身は現場への直接的な負荷を減らしたように見えますが、結局、例えば、新たな研修制度として教育委員会が免許更新制度講習と同等の研修を提供することとなれば、看板をかけかえただけの悪質な改革と言えます。免許更新制度廃止のその後を注視していく必要があります」と指摘されています。 そこでお尋ねします。免許更新制の導入以降、県教委は受講する教員の負担軽減のために国に対してどのようなことを要望し、そのことがどのように実現したのか、お聞かせください。 また、県独自に、どのような配慮を行い、教員の心理的・身体的・経済的負担の軽減策を講じてこられたのか、お聞かせください。 あわせて、文科省は、免許更新制の代わりに都道府
県教育委員会が行う教員研修やオンライン研修の拡充のほか、研修履歴の記録管理の義務化を検討していると巷間伝えられています。 児童生徒と向き合う時間を減らすような、これ以上の研修制度は必要ないと考えますが、県教委の御所見をお聞かせください。 さらに、この九月議会で私の質問に対し、令和二年度の県立学校教員の一か月当たりの平均時間外在校時間は二十九・八時間、月八十時間を超えた教員の割合は五・六%、また、時間外在校時間の上限である月四十五時間を超えた教員割合は二二・一%で、新型コロナウイルスへの対応等で新たな業務も生じている中、依然として厳しい勤務の実態があると考えており、今後とも学校における働き方改革加速化プランに掲げた取組を着実に進めてまいりますとの答弁でした。 主に部活動の在り方をお尋ねした訳ですが、慢性的な人員不足解消や煩雑な業務改善、研修の在り方の改革なくして教員の働き方改革はなし得ないのではないでしょうか。 社会の変化や時代の要請に応えるための研修は必要なんでしょうが、強制的な官製研修のようなものは抜本的な改革が求められていると考えますが、教育長の御所見を伺います。 最後に、選挙公報について。 公職選挙法で、衆議院議員、参議院議員または県知事の選挙においては、県の選挙管理委員会は、選挙ごとに選挙公報を一回発行しなければならない。また、前回の県議会議員選挙から選挙公報の発行に関する条例が定められ、県議選でも発行されることになっています。 そして、この選挙公報は、県の選挙管理委員会の定めるところにより、市町の選挙管理委員会が、当該選挙に用いるべき選挙人名簿に登録された者の属する各世帯に対して配布するものとするが、配布することが困難であると認められる特別の事情があるときは、あらかじめ県の選挙管理委員会に届け出て、新聞折り込み、その他これに準ずる方法により配布を行うことによって配布に代えることができる。 この場合、当該市町の選挙管理委員会は、市役所、町役場その他適当な場所に選挙公報を備え置く等、当該方法による選挙公報の配布を補完する措置を講ずることにより、選挙人が選挙公報を容易に入手することができるように努めなければならないとなっています。 ところが、こうした選挙公報が届いたことがなく、政党・候補者を選ぶ判断情報に接する機会が不当に奪われていることは不公平ではないかとのお怒りの声が寄せられています。 総務省によると、国民や住民の代表を選ぶことができる権利が選挙権とされていることからすると正当な主張だと思います。 そこでお尋ねです。恐らく選挙公報配布の新聞折り込みが常態化していることに起因した問題ではないかと考えられますが、まず、選挙公報の配布方法の現状をお聞かせください。 その上で、新聞折り込みについては、新聞の販売部数は減少の一途をたどっていること、また、デジタル系の技術革新と浸透、特にスマートフォンの普及の影響からか、若年層を中心に新聞購読世帯そのものの減少傾向が続いていること。また、新聞によっては、全市町で折り込みが行われている訳ではない、折り込み空白市町もあることも問題ではと思っています。 この問題について、また、これを補完する措置の状況はどうなっているのかも含め、いずれも改善の余地、責務があるように考えますが、選挙管理委員会の御所見を伺いまして一回目の質問といたします。(拍手)
○議長(柳居俊学君) 村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕
◎知事(村岡嗣政君) 中嶋議員の御質問のうち、私からは、コロナ克服のための対策に係る保健師の確保及び保健所の機能強化についてのお尋ねにお答えします。 まず、感染症対応業務に従事する保健師の人員確保についてです。 新型コロナウイルス感染症に迅速かつ的確に対応するためには、専門的な知識を有し、現場の最前線で対応する保健師の役割が非常に重要であると考えています。 こうした中、国においては、都道府県等における健康危機管理に関する対応力の強化等を図る観点から、保健所において感染症対応業務に従事する保健師の数を、令和四年度までの二年間で一・五倍に増員するために必要な地方財政措置を講じることとしています。 本県においても、今年度は、国の財政措置に対応する数以上の増員を図ったところであり、引き続き保健所の恒常的な人員体制の強化に向けた保健師の増員を行ってまいります。 次に、新型コロナウイルス感染症対策にとどまらない、より抜本的な保健所機能強化に向けた人員確保についてです。 平成九年の地域保健法施行により、県と市町村の役割分担を見直し、従来保健所で担っていた母子保健や一般的な栄養相談等、住民に身近で利用頻度の高い保健サービスを市町村で一元的に提供できるようになったところです。 お尋ねの抜本的な保健所機能の強化については、今回の
コロナ禍で直面した課題等を踏まえ、国において、感染症対策に係る国、都道府県、市町村の関係等について検討するとされていることから、こうした国の動向も注視しながら、適切に対応してまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。
○議長(柳居俊学君) 和田
土木建築部長。 〔
土木建築部長 和田卓君登壇〕
◎
土木建築部長(和田卓君) 上関原発への県の姿勢についての数点のお尋ねにお答えします。 まず、許可期間内に何もすることができなかった事業者に許可権者として何らかの対応をしてきたのかについてです。 海上ボーリング調査の実施に向けて、どのように対応するかは事業者において判断されるべきものであることから、県は事業者への対応は行っていません。 次に、事業者の発表した中断は、法的にどのような意味を持つのかについてです。 中断については、一般海域の利用に関する条例に規定はなく、法的な意味を有するものではありません。 次に、県は、利害関係人は排他独占的権利を有する者に限ると繰り返すのみで、いまだなぜそう言い切れるかについては、その根拠は示されない、御飯論法ではない答弁を求めるについてです。 一般海域の占用許可に当たっては、一般海域の利用に関する条例の施行規則により、利害関係人の同意書の添付を義務づけていますが、利害関係人は、占用区域において排他・独占的な権利を有するものとしています。 次に、現場海域などにおける事業者と利害関係者との間の激しいあつれきについて、許可権者たる県は何ら責任はなく、また、いささかの痛痒も感じていないのかについてです。 海上ボーリング調査の実施に向けて、どのように対応するかは、あくまでも事業者において判断されるべきものと考えています。 次に、祝島漁民を利害関係人に含めていないで県が占用許可を出していることにこそ原因があり、知事の上関原発建設推進の姿勢が問われているのではないかについてです。 海上ボーリング調査に係る一般海域の占用許可については、必要な利害関係人の同意が得られており、申請内容が条例の許可基準に適合したことから許可したものです。
○議長(柳居俊学君) 内海総務部長。 〔総務部長 内海隆明君登壇〕
◎総務部長(内海隆明君) 宇宙監視レーダーについてのお尋ねにお答えします。 国においては、レーダーの詳細設計に基づくシミュレーションを踏まえ、十二月四日に地元説明会を開催したところです。 その中で、国からは「事前に検証したところ、人体に影響を及ぼさないための電波防護指針の基準値を十分に下回っている。電子機器等についても、基地周辺道路などにおいて電波を受けた場合でも正常に作動することを確認するための日本規格協会試験値を下回っている」旨の説明がされたと承知しています。 また、国は、令和五年度に予定されているレーダー設置後、その運用の前に実際に電波を測定することにより確認を行い、結果を示すこととされています。 当該レーダー施設は、宇宙政策を推進する国が必要と判断し、整備を進めているものであり、県としては、国の責任において今後とも引き続き地元山陽小野田市や地域住民に対し安全性等を十分に説明するなど、丁寧に対応していただきたいと考えています。
○議長(柳居俊学君) 弘田
健康福祉部長。 〔
健康福祉部長 弘田隆彦君登壇〕
◎
健康福祉部長(弘田隆彦君) コロナ克服のための対策についてのお尋ねのうち、まず、国が病床削減を進めることに対する県の見解についてお答えします。 今後の人口減少・高齢化に伴う医療ニーズの変化や労働力人口の減少を見据え、国をおいては、医療法の改正等に基づき、効率的で質の高い
医療提供体制の構築を進めることとし、都道府県では地域における
医療提供体制の将来のあるべき姿を示す地域医療構想を策定するとされたところです。 こうした国の動きは、地域にふさわしいバランスのとれた医療機能の分化・連携と、患者の状態に応じた在宅医療等の受皿の確保の推進を図るものであり、病床の削減を目的とするものではありません。 なお、お示しの公立・公的医療機関等の再検証については、国において、新型コロナウイルス感染症への対応状況に配慮しつつ、改めて今後の進め方等について検討が進められているところであり、その動向を注視してまいります。 次に、医師のタスクシフト等の推進についてです。 県では、医師や看護師等の
医療従事者の勤務環境改善に取り組む医療機関を支援するため、医療勤務環境改善支援センターを設置し、研修会の開催やアドバイザー派遣、個別の相談対応など各種支援に努めているところです。 お示しのタスクシフト等の取組も含め、令和六年四月から適用される医師の時間外労働規制に向けては、医療勤務環境改善支援センターにおいて研修会を開催し、具体的な対象方法や県内外の勤務環境改善に関する取組の好事例の紹介等を行っています。 県としましては、こうした取組を通じ、
医療従事者の勤務環境の改善に向けて、必要な支援に取り組んでまいります。
○議長(柳居俊学君) 西村副教育長。 〔副教育長 西村和彦君登壇〕
◎副教育長(西村和彦君) 教員免許更新制についての数点のお尋ねにお答えします。 まず、受講する教員の負担軽減に係る県から国への要望についてです。 教員免許状更新講習と法定研修が同時期に実施され、教員の負担とならないよう、全国都道府県教育長協議会等を通じて国に要望してきており、現在では法定研修の実施時期の弾力化が図られています。 次に、県独自の負担軽減策についてです。 県教委では、更新制導入時に、県内大学と連携して講習会場を複数確保したほか、継続的にホームページ等により更新講習の情報提供を行うなど、円滑な受講に向けた支援を行っています。 次に、教員免許更新制が廃止された場合の研修制度についてのお尋ねです。 このたび中央教育審議会において、教員免許更新制の発展的な解消を検討するとの方向性が取りまとめられたところであり、今後の国の動向を注視しながら適切に対応してまいります。 次に、教員研修の抜本的な改革が求められているのではないかとのお尋ねです。 県教委では、働き方改革の視点にも立ちながら、引き続き、教員がキャリアステージに応じた資質能力を身につけることができるよう、適切な時期に必要な研修を行ってまいります。
○議長(柳居俊学君) 秋本
選挙管理委員長。 〔
選挙管理委員長 秋本泰治君登壇〕
◎
選挙管理委員長(秋本泰治君) 選挙公報についてのお尋ねにお答えします。 まず、選挙公報の配布方法の現状についてです。 お示しのとおり、選挙公報は、市町選管が各世帯に対して配布するものとされており、その配布方法については、市町選管が地域の実情に応じて選択しているところです。 具体的には、自治会等に依頼するものが十五市町、新聞折り込みによるものが六市、ポスティング等によるものが六市町となっています。 なお、このうち自治会等への依頼、新聞折り込み、ポスティング等の三つの方法の全て、またはいずれか二つを区域によって使い分けているものが七市あります。 次に、選挙公報の配布を補完する措置の状況についてですが、全市町が選挙公報を市役所や町役場、その支所等に備えておくこととしています。また、選挙公報を新聞折り込みにより配布する区域については、新聞未講読者にポスティングや郵送により配布することとするなど、各市町選管において必要な措置が講じられているところです。 さらに、県選管においても、有権者に対する周知活動の一環として、選挙時に開設するホームページの特設サイトに選挙公報を掲載をしています。 県選管としては、今後とも有権者の方が選挙公報を容易に入手することができるよう、配布の実務を担う市町選管と連携しながら適切に対応してまいります。
○議長(柳居俊学君) 中嶋光雄君。 〔中嶋光雄君登壇〕(拍手)
◆(中嶋光雄君) 御答弁を頂きました占用許可に関して中断については、法的には何ら規定はないということでしたけれども、一、二回目は廃止届を中電は出されていますけれども、これはどうなっているのか教えていただきたいと思います。 さらに、上関原発については、本質問でも紹介しましたが、中国電力は市民団体との交渉で山口県漁協四代支店の了解と述べている一方、中国電力代理人弁護士は紹介した十一月四日付の三度目の文書においては、利害関係人である漁業権者、山口県漁業協同組合の同意を頂いておりと述べています。微妙な違いがあります。中電のこの二つの回答には、明らかに矛盾があります。 六月定例会の土木建築委員会での答弁は、県が利害関係人として同意を必要としているのは、排他・独占的な権利を有する漁業権者の同意、当海域の共同漁業権の免許を受けているのは県漁協、その県漁協の印鑑がついてある同意書が提出されていることから許可した。あたかも県が中電に四代支店の了解は、そこ求めませんよという意味にもとれます。 利害関係人が四代支店なのか、県漁協なのか、どちらなのか、改めてお尋ねいたします。 答弁によりましては、委員会で引き続き議論を深めさせていただきたいと思いますので明快に再度お答えください。 宇宙監視レーダーの設計値に基づき検証し、使用する電波について、先ほど総務部長から御答弁いただきましたけれども、基地の内外で人体に影響を及ぼすおそれがない、また、電子機器等に影響を及ぼすおそれがないなどと住民説明会で安全性に問題はないと説明をされました。 地元住民への説明が終わって、市外からの参加者もおられるので、休憩後に質疑を受けるとされましたので、地元住民がほとんど帰ってしまわれた後で、市民団体への質問書への回答や市外からの参加の皆さんへの質疑応答が行われました。 この中で明らかになったのは、シミュレーションは定められた算出方法に従い、詳細設計で示された出力の値を用いて行ったが、その具体的な数値を公表するとレーダーの能力を類推されるおそれがあり答えられない。これで安全性説明が尽くされたと到底受け止められませんけれども、再度、見解をお伺いいたします。 そしてさらに、静止軌道上の人工衛生及びその周辺を常時継続的に監視するとの今までも説明でしたし、当日、配布資料でもそう書かれています。 しかし、お尋ねしますと初めて「みちびき」をも監視対象すると答えました。御案内のとおり、「みちびき」はアメリカのGPS衛星だけでは得られないセンチメートルレベルの高精度な測位を実現する日本の衛星測位システムで、現在は四機体制ですが、宇宙基本計画で二○二三年度をめどに持続測位可能な七機体制での運用開始とされています。これは、日本とアジア、オセアニア、オーストラリア上空までをカバーして八の字を描くような準天頂軌道を旋回しています。 この「みちびき」を監視するには、水平線方向にもレーダーを照射しなければ監視することはできないはずです。しかし、レーザー照射は、仰角二十度以下にはしませんと。この例のように問わなければ黙っていることがほかにもあるのではないかとの疑念が晴れません。 そこで、県として、お尋ねしているのは、県民が疑問、不安に思っていること等を国に照会すべきではありませんか。再度お尋ねいたします。 以上、ありがとうございました。(拍手)
○議長(柳居俊学君) 和田
土木建築部長。 〔
土木建築部長 和田卓君登壇〕
◎
土木建築部長(和田卓君) 上関原発に係るボーリング調査についての二つの再質問にお答えいたします。 まず、廃止届については、十月六日付で許可に係る行為の廃止届が提出されています。 次に、利害関係人についてです。 これまでのボーリング調査の占用許可について、利害関係人は、占用区域において排他・独占的な権利である漁業権を有する山口県漁業協同組合です。
○議長(柳居俊学君) 内海総務部長。 〔総務部長 内海隆明君登壇〕
◎総務部長(内海隆明君) 宇宙監視レーダーについての再質問にお答えします。 国は、電波による影響のおそれはないとする一方で、その出力の数値は示されない中、安全との説明が尽くされたと言えるのか。また、県民が疑問・不安に思っていることを県として国に照会すべきではないのかとのお尋ねにまとめてお答えします。 先ほども御答弁申し上げましたけれども、先般の地元説明会で国からは事前に検証したところ、人体に影響を及ぼさないための電波防護指針の基準値を十分に下回っている。また、電子機器等についても、基地周辺道路などにおいて電波を受けた場合でも、正常に作動することを確認するための日本規格協会試験値を下回っている旨の説明がされたと承知をしております。 国は、令和五年度に予定されているレーダーの設置後、その運用の前に実際に電波を測定することにより確認を行うこととされております。 また、疑問、不安に思う方に対しては、今後、国において地元山陽小野田市と相談の上、さらなる説明会を行う可能性についても検討するとされております。 これらの中で国におきまして、市や地域住民に対し改めて安全性等を十分に説明するなど丁寧に対応していただきたいと考えています。 ─────────────
○議長(柳居俊学君) この際、暫時休憩をいたします。再開は午後一時の予定でございます。 午前十一時四十九分休憩 ───────────── 午後一時開議
○副議長(二木健治君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 ─────────────
△日程第一
一般質問
△日程第二議案第一号から第七号まで及び第十一号及から第二十四号まで
○副議長(二木健治君) 日程第一、
一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第七号まで及び第十一号から第二十四号までを議題とし、質疑の議事を継続いたします。 井原寿加子さん。 〔井原寿加子さん登壇〕(拍手)
◆(井原寿加子さん)
一般質問いたします。よろしくお願いいたします。 さきの衆議院選挙において与党が過半数を獲得し、岸田政権が本格的に始動し、先週には立憲民主党の新しい代表も決まりました。お手並み拝見といきたいところですけれども、現在、コロナウイルス、地球温暖化など将来を占う重大な課題が山積しており、山口県も無縁ではありません。 変化の時代には、将来を見据えた確かな理念とそれを実現する確固とした意思、すなわちリーダーシップが求められます。 知事も来年早々の選挙へ出馬されますけれども、特定の党派に依存するばかりではなく、広く県民の支援を得て、県民のために強力なリーダーシップを発揮していただくよう期待しております。 そうした観点から、以下質問をいたします。 まず、令和三年度補正予算について伺います。 コロナ対策についてです。 感染力の強いオミクロン株の流行が懸念される中、
医療従事者を対象とした三回目の
ワクチン接種が始まっています。これまでの
ワクチン接種が効率的に行われたことは評価できますけれども、コロナをめぐる環境は常に変化いたしますので、状況に合わせた柔軟な対応も必要だと思います。そうした観点から、以下質問をいたします。 今回の接種では、二回目接種から八か月以上経過していることが原則とされてきましたが、その根拠は曖昧であり、諸外国では、その期間を短縮する例が相次いでいます。国においても、その見直しの方針が示されました。山口県でも、十分なワクチンの確保とともに、この期間をさらに短縮すべきだと思いますが、いかがお考えでしょうか、お伺いいたします。 また、これまでのクラスターの発生状況などを考えれば、高齢者施設の職員などにもできるだけ早く三回目の
ワクチン接種を行うべきだと思いますけれども、今後の対応をお聞かせください。 次に、県内の観光需要の喚起策として、旅々やまぐち県民割や、やまぐち割引宿泊券の事業に十億円余りの予算が計上されており、いずれも県内の宿泊料金などの割引が行われるようですけれども、中身が重複しているようにも思われますし、その違いがよく分かりません。それらの実施期間と具体的な内容を教えてください。 次に、県の再編交付金について伺います。 今回のコロナ対策にも県の再編交付金は一切使用されていません。地元からの要望も上がったのにゼロ回答でした。この交付金は、ハードからソフトまで東部地域の振興であれば何でも使えるはずですが、コロナ対策だけに使えないというのは理解できません。何か特別な事情でもあるのでしょうか。そうでなければ、ぜひ県民のために交付金を有効に活用してください。取ってつけたような理由ではなく、県の本当のお考えを改めてお聞かせください。 次に、周防大島高校の寄宿舎の運営資金として、令和二年度、三年度と二千万円余りの経費が再編交付金から計上されています。その趣旨、内容を改めて御説明ください。施設の運営資金のような経常的な経費に再編交付金を充てるというのは、東部地域の振興を図るという本来の趣旨と違うのではないかと思いますが、いかがお考えでしょうか。 関連して、周防大島高校に新たに設置された地域創生科の入学者数は、当初から定員に満たない状況が続いていましたが、その後、どのように推移していますか。県外から同科へ入学した生徒のうち、寄宿舎への入寮者数も含めて教えてください。 二番目に、地球温暖化について、まず、二酸化炭素排出量の削減です。 COP26が先月イギリスで開催され、先進国と途上国の利害が絡み、協議は難航したようですけれども、ようやく成果文書が取りまとめられ、産業革命前と比べた世界の平均気温上昇を一・五度以内に抑えるために努力するという方向性が示されました。 焦点となった石炭火力発電については、ヨーロッパ諸国が早期廃止の方針を打ち出す中、日本は一定程度使い続けるという姿勢を変えず、環境団体から二回連続で不名誉な化石賞を授与されました。 地球温暖化は目前に迫っており、他人事ではありません。 今年八月に脱炭素社会における産業発展方策調査特別委員会が開催され、そこに提出された資料を見ますと、山口県でも具体的な目標を掲げて二酸化炭素排出量の削減に取り組んでいますが、全国的には二○三○年度の削減目標が低いようです。そうした現状のどこに問題があるのか、どのように改善していくのか、その具体的方針をお聞かせください。 また、やまぐち森林づくり県民税を活用した森林整備等により二酸化炭素の吸収量を増加させる取組も行われていますけれども、これまでの成果、今後の方針を教えてください。 次に、岩国市美和町で進められている太陽光発電事業についてお尋ねいたします。 昨年来、山の木々が伐採され、土地の造成工事が進められており、既に山肌が大規模に露出し、無残な姿をさらしています。そして、地元住民の方から、工事により様々な被害が出ており、安心して生活できないという深刻な訴えがありました。 まず、今年七月の豪雨では大規模な土砂崩れが発生し、災害の不安が高まっています。また、飲料水として使われている地下水が枯渇寸前になっています。 河川に濁水が流れ出ることも、今年に入り数十回確認され、その水質から基準値を超えるヒ素や鉛などが検出されています。収穫した稲からも有害物質が検出され、農業にも深刻な被害が出ています。 県としては、こうした被害の実態をどのように把握しておられるのでしょうか。早急に災害防止の措置を講じるとともに、法に基づく土壌の汚染調査を実施すべきではないですか。お考えをお聞きいたします。 次に、今回の事業主体の資本関係についてお尋ねいたします。 開発許可を受けている会社は、資本金僅か二十万円のいわゆるペーパーカンパニーのようですけれども、社員は何人いるのでしょうか。また、主たる資本を提供している実質的経営者、オーナーが存在し、しかもそれがくるくる変わっているというのは本当でしょうか。その実態を明らかにしてください。 許可を受けている会社は形式的であり、裏に実質的オーナーがいるのであれば、それが許可の主体になるべきではないですか。そうでなければ、事業の継続性、環境保全対策の実効性などが確保されないのではないでしょうか。もちろん、会社のオーナーが変われば、許可の取消しが、取り直しが必要ではないですか。形式ではなく実質で判断するというのが法律解釈・適用の原則だと思いますが、いかがお考えでしょうか。 次に、風力発電について伺います。 電源開発が岩国市と周南市、島根県にまたがる山林に計画中の風力発電事業、西中国ウインドファーム事業に関する環境影響評価の第一段階である環境への影響に関する配慮書が作成され、十一月九日から市役所等において縦覧に供されるとともに、住民説明会が錦町でも開催され、そこに出席した地元住民の方から、環境破壊や健康被害のおそれなど事業に関する疑問、懸念の声が届きました。 高さ最大百七十六メートルの巨大風車を三十三基設置し、最大十四万キロワットを発電する計画ですが、計画地域は、中国山地の真っただ中、ブナやカエデなどの自然林も多く残り、錦川の重要な水源となっています。再生可能エネルギー開発の必要性に異論はありませんけれども、その立地に当たっては、慎重な検討が必要なことは言うまでもありません。 そこで、今回の事業に関する法的問題点などについて、以下質問をいたします。 森林法に基づき、水源涵養、災害防止などのために保安林の指定が行われていますが、今回のJパワーの事業実施想定区域には、県や国指定の保安林はどの程度あるのでしょうか。その種類、位置、事業実施想定区域に占める割合などを教えてください。また、その中に、市有林、県有林、国有林はどの程度あるのでしょうか、併せて教えてください。 森林法によれば、保安林の指定解除については、公益上の必要性が要件とされていますが、そもそも発電所の建設がここにいう公益に該当するのでしょうか。また、指定解除に当たっては、水源涵養などの保安林指定の目的と発電所のこの地域への立地の必要性などが総合的に比較考量されることになると思いますが、公益上の必要性に関する判断基準をお示しください。 次に、森林法に基づく開発行為の許可についてお尋ねいたします。 森林法によると、許可の基準として、水源涵養などの機能を損なわないことが挙げられていますが、先ほど指摘したとおり、この地域は錦川の重要な水源であり、その機能を大きく損なうことは確実であります。しかも、その代替手段を確保することは不可能と考えられます。したがって、Jパワーに対する開発許可も難しいというふうに思いますが、県のお考えをお聞かせください。 次に、健康被害についてお尋ねいたします。 Jパワー作成の配慮書によると、風力発電機設置想定範囲から二キロ圏内にある百三十五戸の住宅については、騒音や低周波音による影響が生じるおそれがあるとされています。さらに二キロを少し超えたところには広瀬の町があり、学校や病院、保育園などもあります。こうした住民の生活に近接する地域に風力発電所を建設することは適当でないと考えますが、いかがでしょうか。 三番目に、盛土対策について伺います。 熱海の土石流災害を受けて、山口県は緊急に盛土の調査を実施し、その結果が公表されましたが、引き続き、国は、今年中にも全国の危険な盛土の実態調査を行うとされていましたが、県内において、そうした調査は既に行われたのでしょうか。そうであれば、その結果、どのような地域に問題があったのか、それをどのように改善していくのか、お考えをお示しください。 また、さきの九月議会の答弁で、岩国市瓦谷地区の盛土についても調査を行うとされていましたが、その結果についても御説明ください。実際の盛土の実地検査も行われたのでしょうか。産廃の有無も含めて、その結果を教えてください。 最後に、農業問題についてお伺いいたします。 昨年の県産米の作況指数は過去最悪となりましたが、今年は一転、台風の接近もなく、大陸からのウンカの被害もなく、豊作となりました。ところが、取引米価は安くなり、米余りの状態とも言われています。作っても、その苦労に見合った収入がなければ、耕作意欲もそがれてしまいますし、さらに鳥獣被害と闘いながらの農業は、とても苦しいものがあります。農地の集積やスマート農業、新規就農者などに県は重点を置いて農政を進められているように感じますけれども、中山間部がほとんどを占める本県の農業の実態とかけ離れているように感じます。日々その疑問を感じながら田畑を耕している農婦の一人として質問をいたしますので、明快な御答弁をお願いいたします。 まず、県産米について、農政会議やJAからの要望にもありました米価下落への支援については、どのように対応されるのか、お伺いいたします。さらに、供給過剰ぎみの麦について、消費拡大や在庫調整についての施策も教えてください。 次に、農業就業人口と一戸当たりの収益の推移を教えてください。ここ数年の新規就農者数について、個人と法人に分けて数字をお示しください。定着率はどのようになっているでしょうか。特に新型コロナの長期化で影響を受けている新規就農者の現状と本県の支援について教えてください。 また、現在就業している人やリタイアしたばかりの元気な六十代への就農支援はどのように取り組まれているのか、教えてください。過疎化・高齢化に苦しむ農家にとって、この年代の人をもっと活用すべきと思いますが、いかがでしょうか。 次に、鳥獣被害についてお伺いいたします。 私が田畑を耕作している柳井市の山間部では、稲の収穫が終わった今でも、田んぼや畑を荒らす害獣に苦しんでいます。イノシシや猿、鹿の被害額、またその捕獲数の推移を教えてください。 つい先日、県が発行している「集落ぐるみで取り組む鳥獣被害対策」という冊子をある農家の方から入手いたしました。お手元にあります、これ(掲示)がそうですけれども、これはいつ発行され、どのようにして農家へ配付されたものか伺います。 この冊子の中には、裏側に、最初のページのところに、鳥獣被害について、餌づけや人慣れをさせていませんかと書いてあります。また、ミレーの絵ではありませんけれども、収穫後の田んぼに落ち穂を残していませんかと、真ん中の辺のアンダーラインが引いたところに書いてあります。今どき、稲刈りの後の落ち穂を拾う人は誰もいません。さらに、その中に、一つでも該当項目があれば、それはあなた方が餌場、住みかをつくっているんですというふうに赤字で書いてあります。これらをなくす努力を集落ぐるみでやりなさい。つまり、この冊子は菅前首相が言っていた、自助をしっかりやりなさいとばかり書いてあり、公助については何も記してありません。この冊子の意義は何でしょうか。発行された時期と、どのように活用されているのかも教えてください。発行部数と効果についても教えてください。被害に苦しんでいる農家の実態を少しも分かっていない、机上の空論としか私には思えません。 最後に、その他として、六日に緊急上程された十一月補正予算について質問をいたします。 総額二百六十八億円のうち、新しい資本主義と防災・減災、国土強靱化の事業が二百三十五億円と大部分を占めておりますけれども、中身は従来型の公共工事のオンパレードであり、岸田総理肝煎りの政策も、こんなものかとあきれてしまいます。 具体的にお聞きいたします。土地改良や港湾整備などがどうして新しい資本主義につながるのでしょうか。また、防災・減災、国土強靱化として、農地防災や道路改良などが脈絡もなく並べられています。それは必要かもしれませんが、今回の補正に取り上げる緊急性はどこにあるのでしょうか、教えてください。 また、今回の補正予算の財源内訳もお示しください。 以上で一回目の質問終わります。(拍手)
○副議長(二木健治君) 村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕
◎知事(村岡嗣政君) 井原議員の御質問のうち、私からは追加提出した十一月補正予算についてのお尋ねにお答えします。 このたび、国は、感染症対策に万全を期すとともに、新しい資本主義を起動させ、成長と分配の好循環を実現するため、コロナ克服・新時代開拓のための経済対策を決定したところです。 私としては、これまでも感染症の状況を見極めつつ、社会経済活動の段階的な引上げに取り組んできたところですが、現下の経済情勢等に鑑み、この経済対策についても四つの柱に沿って、速やかに、できる限りの対応を図ることとし、関連の補正予算を編成し、追加提出をしたところです。 経済対策の柱の一つである、「未来社会を切り拓く新しい資本主義の起動」については、国が示した取組に沿って、農林水産業の生産基盤や地域の産業力の強化等を図り、地方活性化につなげていく考えです。 また、防災・減災、国土強靱化の推進など安全・安心の確保についても同様に国の取組に沿って、事業効果の早期発現を図るため、優先度が高く重要な箇所について、公共事業予算を前倒しして計上したものです。 私としては、国の経済対策を活用し、本県が直面する課題への的確かつ速やかな対応を図っていく考えです。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。
○副議長(二木健治君) 弘田
健康福祉部長。 〔
健康福祉部長 弘田隆彦君登壇〕
◎
健康福祉部長(弘田隆彦君) 令和三年度補正予算についての御質問のうち、コロナ対策に関する三回目
ワクチン接種についての数点のお尋ねにお答えします。 まず、接種間隔についてですが、予防接種は医学的知見に基づき、国において制度設計され、全国統一の基準で実施されるべきものであることから、県としましては、国の方針に基づき、適切に対応してまいります。 次に、
ワクチン確保についてですが、現時点国からは、来年三月実施分までの配分量が示されているところであり、引き続き、全国知事会等を通じ、必要量の円滑な供給について、国に要請してまいります。 次に、高齢者施設の職員などへの三回目接種の取扱いについてですが、高齢者は重症化リスクが高いことを踏まえ、本県では、施設従事者についても、一、二回目接種を優先的に行ったところであり、三回目接種も早期に行うこととなります。
○副議長(二木健治君) 三坂
観光スポーツ文化部長。 〔
観光スポーツ文化部長 三坂啓司君登壇〕
◎
観光スポーツ文化部長(三坂啓司君) 令和三年度補正予算に係るコロナ対策に関するお尋ねのうち、県内観光需要の喚起策についてお答えします。 まず、国の制度を活用した旅々やまぐち県民割については、今回、十二月末までの実施期間を一月以降、国の「Go To トラベル」の開始まで延長することとし、五千円を上限に宿泊料金等の半額を予約時に割り引くとともに、土産物店等で利用できるクーポンを発行します。 また、本県独自の対策であるやまぐち割引宿泊券については、一月中に開始し、ゴールデンウイーク前までの実施に向けて検討しており、新たに割引率三○%の宿泊券を中国、四国、九州地方を対象に三十万枚発行します。 県としては、一月以降の閑散期における誘客の促進を図るため、国の制度に加え、本県独自の対策を併せて実施することで、その相乗効果により、大きく落ち込んだ観光需要を強力に喚起することとしています。
○副議長(二木健治君) 藤田
総務部理事。 〔
総務部理事 藤田昭弘君登壇〕
◎
総務部理事(藤田昭弘君) 県の再編交付金についてのお尋ねのうち、まず、新型コロナウイルス感染症対策への活用についてお答えします。 県交付金は、米軍再編による影響に特に配慮が必要となる地域において、県が広域的な観点から実施する住民生活の利便性の向上や産業、教育、スポーツ、文化の振興などの事業を対象として措置されており、今年度、外国人向けビジネス支援など、コロナに配慮した事業も実施しています。 一方、これまでも答弁しているとおり、コロナ対策のうち、経済支援のための個人や中小企業への直接給付等については、国の交付要綱上、実施が認められておらず、また、県全域を対象とする事業において、当該地域のみに県交付金を充てることもできないものであり、特別の事情はありません。 次に、周防大島高校の寄宿舎施設の経常的な運営経費に対して県交付金を充てることは、本来の趣旨と異なるのではないかとのお尋ねです。 お示しの事業は、当該地域の教育の振興を図るため、唯一、寄宿舎を設置している周防大島高校の新たな運営に要する経費に対して県交付金を活用し、高校教育の支援を行うものであり、交付金の趣旨に沿ったものです。
○副議長(二木健治君) 神杉
環境生活部長。 〔
環境生活部長 神杉さとみさん登壇〕
◎
環境生活部長(神杉さとみさん) 地球温暖化対策に関する二点のお尋ねにお答えします。 まず、県の二酸化炭素の排出削減目標に係る問題点と改善に向けた具体的な方針についてです。 令和三年三月に改定した現行の県地球温暖化対策実行計画は、当時の国の地球温暖化対策計画の内容を踏まえるとともに、事業者や市町等とのヒアリングや、有識者による審議など、幅広い主体からの意見を聞きながら、削減目標や関連施策を取りまとめたものです。 しかしながら、国においては、今年十月に、二○一三年度比四六%削減という従来の目標を大幅に引き上げる新たな削減目標を盛り込んだ計画が閣議決定されたことから、県の現行計画では整合性が取れない状況が生じてきました。 このため、こうした国の動きに呼応し、県計画の改定に着手したところであり、削減目標を再設定するとともに、県議会の脱炭素特別委員会の政策提言等も踏まえ、新たな目標達成に向けた関連施策の見直しを行うこととしています。 次に、風力発電についての御質問のうち、健康被害についてのお尋ねにお答えします。 住民の生活に近接する地域に風力発電所を建設することが適当であるかどうかは、環境影響評価法に基づく今後の手続の中で、事業者が判断されるものと考えています。 次に、盛土対策についての御質問のうち、岩国市瓦谷地区の調査における産業廃棄物の有無についてのお尋ねにお答えします。 現地調査の結果、産業廃棄物の埋立処分はありませんでした。
○副議長(二木健治君) 松岡
農林水産部長。 〔
農林水産部長 松岡正憲君登壇〕
◎
農林水産部長(松岡正憲君) 二酸化炭素排出量の削減に関するお尋ねのうち、やまぐち森林づくり県民税についてお答えします。 まず、これまでの成果についてです。 森林づくり県民税を導入した平成十七年度から、第三期対策の終期である令和元年度までに、荒廃森林の整備については、約六千九百か所、六千五百ヘクタール、繁茂竹林の整備については、約六百か所、一千四百ヘクタールを実施し、県下各地で森林の機能回復を図ってきたところです。 次に、今後の方針についてですが、引き続き荒廃森林や繁茂竹林の整備を進め、森林の二酸化炭素吸収機能が確実に発揮されるよう取り組みます。 次に、太陽光発電についての数点のお尋ねにお答えします。 まず、七月豪雨による土砂崩れ、その他被害の実態把握についてですが、県は、地元住民からの通報や要請、事業者からの報告等により、土砂崩れの規模や濁水の発生状況、井戸水の状況、さらには水質の検査結果などについて承知しているところです。 次に、七月の豪雨による土砂崩れに対する災害防止の措置について、県では、直ちに現地を確認の上、事業者に対し、復旧対策を講じるよう指示したところであり、事業者において、適切に対応していることを確認しています。 また、当該開発地は、土壌汚染対策法に基づく調査の対象となる土地に該当しておらず、県としては、事業者に対し調査の実施を求めることは考えていません。 次に、今回の事業主体や資本関係についてお答えします。 まず、開発許可を受けている会社の社員数や主たる資本を提供している実質的経営者等の実態についてです。 県は、林地開発許可に際し、申請者の資金計画や調達方法等を確認の上、計画どおりに開発行為を行うために必要な資力や信用を有していることを審査していますが、社員の人数や実質的経営者等の実態については、審査の対象とはなっていないことから、把握していません。 次に、許可を受けている会社は形式であり、実質的オーナーが許可の主体になるべきとのお尋ねについてです。 県では、林地開発を許可した事業者が、開発地の土地所有権を有した実質的な許可申請者であることや、いわゆるFIT制度に基づく太陽光発電設備の認定を受けていること、また、開発行為を行うために必要な資力や信用を有していること等を確認しているところです。 さらに、定期的な施行状況報告等により、事業の確実な進捗や、周辺環境への保全対策の実施などを把握しているところであり、林地開発を許可した事業者に問題があるとは考えていません。 また、会社のオーナーが変われば、許可の取り直しが必要ではないかとのお尋ねですが、お示しの変更は審査の対象となっておらず、許可の取り直しは必要ありません。 次に、風力発電についての御質問のうち、数点のお尋ねにお答えします。 まず、事業実施想定区域のうち、県内における保安林の種類、位置、区域に占める割合等についてです。 県内における区域には、水源涵養、土砂流出防備、保健の三種類の保安林があり、県で管理する森林GISで確認する限り、この区域内に占める保安林面積の割合は、約八○%であり、県境の森林を中心に、広く分布しています。 また、経営形態別では、市有林が約一○%、国有林が約五%で、残りは民有林となっています。 次に、今回の発電所の建設事業が公益に該当するかとのお尋ねですが、現時点の計画内容を踏まえる限り、公益上の理由に当たらない事業と考えられますが、最終的には、保安林解除申請がなされた段階で、公益上の理由に該当するか否か、審査を行った上で判断することとなります。 次に、公益上の必要性に関する判断基準については、保安林を土地収用法その他の法令により土地を収用し、もしくは使用することができることとされている事業、またはこれに準ずるものの用に供する必要が生じたときを、公益上の理由により必要が生じたときと定められています。 次に、森林法に基づく開発行為の許可についてですが、現時点、林地開発の許可申請等がなされていないことから、その適否について、予断を持ってお答えできません。 次に、農業問題についての御質問のうち、米価下落への支援についてのお尋ねにお答えします。 米価下落の対策については、全国的な米の需給調整が重要であることから、県ではこれまで、国に対し、需給改善に向けた過剰作付の防止等、実効性のある対策の実施について、要望を重ねてきたところです。 また、新たな需要拡大対策として、JAグループ山口等と連携し、「レノファ山口応援米」の販売を開始するなど、県産米の付加価値向上に向けた取組を進めているところです。 次に、麦の消費拡大や在庫調整の施策についてです。 まず、消費拡大に向けては、JAグループ山口等と一体となって、みそなどの製造業者に対し、県産原料への切替え等を働きかけるとともに、県産麦を使用した商品を取り扱う店舗の拡大や新商品開発の支援等に努めているところです。 次に、在庫調整については、全国段階での需給調整や新規需要確保に応じる新たな支援策の実施について、国に要望しています。 次に、農業就業者についての数点のお尋ねにお答えします。 まず、農業就業人口と一戸当たりの収益の推移については、農林業センサスによると、農業就業人口は、平成二十七年が二万八千三百六人で、平成二十二年に比べ約二○%の減少となっています。 なお、令和二年からは、農業就業人口の項目が調査対象外となったことから、直近の数値をお示しすることはできません。 また、一戸当たりの収益については、平成二十四年から、全農家を対象とした都道府県別の数値は公表されていません。 次に、ここ数年の新規就農者数については、平成二十八年度からの五年間で、自営就農二百四十六名、法人等への就業三百三十七名の合わせて五百八十三名となっています。 次に、その定着率については、自営就農で九九%、法人就業で七一%となっています。 次に、新型コロナの長期化で影響を受けている新規就農者の現状と本県の支援については、栽培品目によって状況が異なりますが、農林水産事務所とJA等の関係機関が連携して必要なサポートを行うとともに、国や県の事業を有効に活用できるよう支援を行っているところです。 次に、元気な六十代への就農支援については、農業大学校での技術研修や雇用就業のための定着給付金など、県独自に支援しています。 次に、この年代の人をもっと活用すべきとのお尋ねについては、地域農業を支えていく上で、六十代の方々の就農が重要であることから、就農先となる集落営農法人の育成や各種支援策を実施しているところです。 次に、鳥獣被害についての数点のお尋ねにお答えします。 まず、イノシシ、猿、鹿の被害額と捕獲頭数の推移についてです。 直近となる令和二年度の被害額は、イノシシが一億八千九百万円、猿が六千五百万円、鹿が九千万円となっており、近年の推移としては、全体として減少傾向にあります。 同様に、捕獲頭数は、イノシシが二万一千九百八十九頭、猿が八百五頭、鹿が八千二百八十一頭となっており、全体として増加傾向にあります。 次に、冊子の発行時期と配付方法についてですが、平成二十九年度に作成し、農林水産事務所や市町、JAの相談窓口や研修会等を通じて、農家の方にお渡ししています。 次に、冊子の意義と活用方法についてです。 本県の農山村地域においては、近年の高齢化等に伴い、個々の農家だけでは侵入防止柵等の管理が困難になってきています。 このため、県では、より効果的な被害防止対策として、鳥獣被害の深刻な地域において、住民や団体等が一体となった地域ぐるみの取組を推進する必要があることから、当該冊子を集落リーダー養成研修会や、地域における被害防止計画策定等に係る普及啓発に活用しています。 次に、冊子の発行部数と効果についてですが、発行部数は累計で四千部となっています。 また、冊子等を活用した普及啓発の効果として、鳥獣被害対策における課題や地域ぐるみの取組の必要性について、認識や理解が図られてきたところです。 この結果、昨年度末時点で、県内五十七地区において、地域ぐるみの取組が実施されており、被害の低減等、一定の成果が得られています。
○副議長(二木健治君) 和田
土木建築部長。 〔
土木建築部長 和田卓君登壇〕
◎
土木建築部長(和田卓君) 盛土対策についての二点のお尋ねにお答えします。 まず、盛土の安全性に関する国の調査についてです。 県では、独自調査として、災害リスクの高いと考えられる、土石流の土砂災害警戒区域の上流域にある盛土八十五か所の調査を行い、その結果を八月に公表しました。 その後、国からの依頼を踏まえ、国と連携した調査として、山地災害危険地区の集水区域などの調査対象エリアを追加するとともに、自然公園法などの対象許認可も追加し、新たに百十六か所の調査を行いました。 その結果、全ての箇所で安全性が確保されていることが確認され、その旨を十一月に公表するとともに、国に報告したところです。 今後は、国において、全国の盛土の安全性に関する調査の結果等を踏まえ、有識者会議などにおいて、盛土による災害の防止に関する検討が進められるものと聞いており、県としては、引き続き、国等の動向を注視してまいります。 次に、岩国市瓦谷地区の調査についてです。 岩国市及び県の職員が、事業者の許可を得て、処理場に立ち入り、現地で、亀裂や斜面の膨らみなどの盛土の変状や、暗渠排水施設など、災害防止対策の措置状況について調査した結果、安全性が確保されていることを確認し、地元の自治会へその旨説明しました。
○副議長(二木健治君) 内海総務部長。 〔総務部長 内海隆明君登壇〕
◎総務部長(内海隆明君) 追加提出した十一月補正予算に関する財源内訳についてのお尋ねにお答えします。 今回追加提出した補正予算総額二百六十八億円の財源内訳については、分担金及び負担金八億円、国庫支出金百十六億円、繰入金八億円、諸収入十一億円、県債百二十五億円となっています。
○副議長(二木健治君) 西村副教育長。 〔副教育長 西村和彦君登壇〕
◎副教育長(西村和彦君) 令和三年度補正予算についてのお尋ねのうち、県の再編交付金について、教育に関する二点のお尋ねにお答えします。 まず、周防大島高校の寄宿舎の運営資金に係る再編交付金の趣旨についてですが、県立学校の寄宿舎の運営に必要な経費について交付金を活用し、県東部地域における生徒の多様な教育機会の確保及び教育水準の向上を図るものです。 その内容としては、寄宿舎の舎監補助員の人件費及び給食業務の委託費となっています。 次に、周防大島高校の地域創生科の入学者数についてですが、直近三年間は、令和元年度が十六名、二年度が十一名、三年度が十六名となっています。 また、県外から地域創生科へ入学した生徒のうち、寄宿舎への入寮者数は、令和元年度が一名、二年度が二名、三年度が一名となっています。
○副議長(二木健治君) 井原寿加子さん。 〔井原寿加子さん登壇〕(拍手)
◆(井原寿加子さん) 再質問いたします。 せっかく知事が御答弁いただきましたので、そこのところからいたします。 今回の補正を含めまして、今年度の県債発行額と県債残高、そして財源調整用基金の取崩し額の合計と残高見込みを後で教えてください。 それから、こうしたその補正予算というのは、査定がとても甘くなりまして、当初予算で積み残された事業がこれでもかと計上される傾向が強いと思いますし、無駄な事業の温床になりがちです。 先ほど知事の答弁にもありました、国の取組に沿ってとばかりおっしゃいますが、国の経済対策だからといって無条件に従うというのは、私には疑問があります。県として自立した財政運営をすべきだと思いますが、知事のお考えをもう一度聞かせてください。 それから、先ほどの答弁で、県のスタンスは何となく分かりましたけれども、先月三十日に提案された議案では、例えば土木費では約三十九億円、災害復旧費では十億円余りの繰越しが見込まれています。まずは、これまで予算計上された事業の執行に集中をして、よく言われるように、事業効果の早期発現を図るのが大事なのではないでしょうか、お伺いいたします。 そして、今、この瞬間にも、今回の
コロナ禍の直撃を受けて、飲食関連などの困っている人がたくさんいらっしゃいます。苦しんでいる事業者の方々からの評価が高い、例えばクラウドファンディング、頑張るお店応援プロジェクトは、九月二日をもって、すぐにその支援額七億円に達して、募集が打ち切られているのですけれども、予算の追加計上をするならば、今まさに困っている人に直接的に支援を届けることが可能な、こうした施策を優先的に計上すべきではないかと思いますけれども、改めて県の見解をお伺いいたします。 それから、コロナ対策です。 部長の答弁にもありましたが、家族の感染リスクがあるという理由で、介護サービスを停止されるお年寄りが困っているという事例も発生しておりますが、高齢者が安心してサービスを受けられるように、高齢者施設の職員については、
医療従事者に準じて、優先的な接種の対象とすべきと思いますが、それをされるということだったのでしょうか、もう一度確認させてください。 それから、太陽光発電です。 森林法に基づく開発許可は、工事による災害、水質汚染などを防止することが前提となるはずであり、その条件が私は守られていないと思います。ここは、一旦工事を差し止め、事業者とオーナーに対して早急に被害の防止措置を取らせるべきであって、状況によっては許可の取消し、原状回復まで視野に入れるべきだと思いますが、もう一度県のお考えをお聞かせください。 また、実際に土壌汚染が発生しております。工事との関連性が疑われるのであれば、県の指示で、まず土壌調査を実施し、実態を把握することが先決ではないでしょうか、健康被害が出てからでは遅いと思いますし、実際にここ二年間、農業、田んぼが作れていないという現状をどのように把握して、どのように対応されるのか、もう一度聞かせてください。 それから、風力発電です。 計画区域には、錦川に重要な水源である木谷川上流部の水ノ尾山などが含まれております。水源涵養という重要な機能を損なってまででも発電所を建設する合理的な理由があるとはとても思えません。 広島県の安芸太田町では、同じような風力発電計画に対して、太田町が町林として買い戻して、風力発電への使用を拒否したというお話もあります。 環境破壊とか、水源への影響とか、そして健康被害などを考えれば、今回の計画については、今の段階で明確に否定すべきではないでしょうか、県のお考えをお聞かせください。 それから、盛土です。 瓦谷地区では、積み上げられた膨大な盛土によって災害発生の危険が高まっておりますことは、もう誰が見ても明らかです。 今回の調査だけでは、地元の不安は全く解消されておりません。排水施設が、暗渠があるとかおっしゃいましたけれども、崩落防止の措置などを早急に、必要な対策を業者に取らせるべきです。 また、地元の方の話によりますと、現場には、産廃を積んだトラックが集落の道路を何度も盛土のところへ運んでいるのを、写真を撮っている、目視もしたということなのに、産廃が含まれている可能性は、私は十分あると思いますが、目視だけではなく、盛土内部の調査もぜひ実施すべきです。上から見てありませんでしたというのでは、とても地元の方は納得できません。 以上、二点について、県の対応方針を聞かせてください。 これらのことを鑑みても、県独自の盛土条例の制定は急がれるべきだと思いますが、その後、この条例に対して進展はありましたでしょうか、もう一度お伺いいたします。 私の理解度が悪いんだと思いますが、再編交付金が東部のコロナ対策に使えないという理由をおっしゃったような気がしましたけれども、私にはその理解ができませんでしたので、もう一度私に分かるように説明してください。 それから、農業です。 鳥獣被害対策の冊子について、もう一回伺いますが、(掲示)表の裏側に、私が二本、真ん中辺に線を引いたところに、田んぼに落ち穂やひこばえを残していませんかというのと、その下に、放置した竹林でタケノコが未収穫のままであるというふうに書いてありますけれども、県内の竹林のタケノコを集落のみんなで処理しろと言われるのでしょうか、こんな不可能なことがどうしてこの項目に上がっているのか、私には信じられません。 県は、これを発行されて、このタケノコが未収穫のままであればどうしろというふうにおっしゃっているのでしょうか、こんな不可能なことを書いていただいても、私にはできませんし、山口県中にある繁茂竹林のタケノコをきれいにしろと言われても、私は理解に苦しみます。 それから、被害ですけれども、害獣の頭数は増えている、しかし、被害額は減少しているとの答弁だったと思いますが、私の知人の中には、イノシシに田んぼを荒らされ、今年から耕作をやめたという人がたくさんいます。 山間部では、耕作面積が激減をしているために被害が減っているというのが現実です。夜道で鹿とかイノシシに出会って、車にぶつかって修理をしたという話もよく聞きます。害獣が増え続けている現実にもっと向き合って対策をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 これで二回目の質問を終わります。 以上です。(拍手)
○副議長(二木健治君) 内海総務部長。 〔総務部長 内海隆明君登壇〕
◎総務部長(内海隆明君) 追加提出した十一月補正予算に関する三点の再質問にお答えします。 まず、一点目は、補正予算後の県債残高、それから今年度の財源調整用基金の取崩し額の総額、また基金残高についてのお尋ねです。 このたび追加提出しました十一月補正予算におきまして県債を百二十五億円発行することによりまして、令和三年度末県債残高は一兆二千四百五十七億円程度となる見込みであります。 また、今年度の当初予算から、今回の十一月補正予算までの財源調整用基金の取崩し額の総額ですけれども、約百二十一億円でございます。これによりまして、現時点における令和三年度末の基金残高は十九億円程度となる見込みであります。 二点目は、国の対策に呼応するだけではなくて、県としても自立的な財政運営に努めるべきではないかという御趣旨の御質問だったかと思います。 今回の公共事業の補正でありますけれども、優先度が高く重要な箇所の整備について、前倒しで実施するものでありまして、今般の国の補正予算にこうした公共事業等に関する補助等が計上されております。これに呼応する形で、事業効果の早期発現を図ることとしたものであります。 来年度の当初予算編成におきましては、こうした前倒しの対応を十分に踏まえまして、これまで同様、一般分の県債発行の抑制に努め、県債残高の縮減を図るなど、自立的な財政運営に努めてまいります。 三点目は、これまでのコロナ対策の事業効果の早期発現に努めるべきではないか、またもっと苦しんでいる方々を支援するべきではないかという御趣旨の御質問だったかと思います。 新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中で、本県では、これまで、感染症の状況を見極めながら感染拡大の防止ですとか、県民・事業者の方々の不安の解消、また社会経済活動の活性化に向けて必要な対策の実施をしてまいりました。 今回の追加提出分の補正予算におきましても、現下の経済情勢等に鑑みまして、国の経済対策についても、できる限りの対応を図ることとして、例えば
コロナ禍に加え、燃料費の高騰に苦しむ公共交通事業者への支援ですとか、事業者の資金需要に対応するための県制度融資の新規融資枠の拡大など必要な対策について、時期を逸することなく、的確に実施をすることといたしております。 県としましては、県民の命と健康を守ることを最優先に、また社会経済への影響を最小限に食い止めることができるよう、国の取組に呼応もしながら、これまでの対策も含め、感染症対策と県内経済への回復、活性化の両立に向けて取り組みますとともに、事業効果が早期に発現できるよう、また一刻も早く県民の皆様に実感していただけるよう、迅速な事業実施を進めてまいります。
○副議長(二木健治君) 和田
土木建築部長。 〔
土木建築部長 和田卓君登壇〕
◎
土木建築部長(和田卓君) 追加提出いたしました十一月補正予算につきまして、このうち公共事業費の計上についての再質問にお答えいたします。 経済対策の趣旨を踏まえ、関連する補正予算を今議会に追加上程し、優先度が高く、重要な箇所について、公共事業予算を前倒しして計上したところであり、事業効果と経済効果の早期発現に向け、迅速かつ機動的な執行を図ってまいります。 次に、盛土対策についての二点の再質問にお答えします。 瓦谷地区について、今回の調査だけでは不十分ではないかという御質問です。 調査においては、許認可時の書類を確認するとともに、現地における変状や災害防止対策の措置状況などの調査を行い、安全性が確保されていることを確認しているところでございます。 次に、県の条例の制定について、国はどのような進展があったのかという御質問でございます。 県の独自調査及び国と連携した調査の結果、全ての箇所で安全性が確保されていることが確認されたところです。繰り返しになりますが、今後は国において、全国の盛土の安全性に対する調査の結果等を踏まえ、有識者会議などにおいて、盛土による災害の防止に関する検討が進められると聞いており、県としては、引き続き国等と動向を注視してまいります。
○副議長(二木健治君) 小関
商工労働部長。 〔
商工労働部長 小関浩幸君登壇〕
◎
商工労働部長(小関浩幸君) 飲食業への支援に関して、クラウドファンディングによる支援を追加補正で行うべきではないかというお尋ねにお答えします。
コロナ禍によりまして、飲食業に対する多大な影響があるということは認識をしております。このため、事業継続のための支援金をこのたびの補正予算を含めまして、二度にわたって法人四十万、個人二十万を支給しているところでございまして、現時点でクラウドファンディングによる消費需要喚起策を行うことは検討しておりません。
○副議長(二木健治君) 弘田
健康福祉部長。 〔
健康福祉部長 弘田隆彦君登壇〕
◎
健康福祉部長(弘田隆彦君) 高齢者施設職員の三回目接種の取扱いについての再質問にお答えします。 現在、国の基準では、三回目の
ワクチン接種は二回目接種後の八か月以上とされております。本県では、高齢者施設の従事者についても、一回目、二回目接種を優先的に、早期に行ったところであり、三回目接種も早期に行うこととなります。
○副議長(二木健治君) 松岡
農林水産部長。 〔
農林水産部長 松岡正憲君登壇〕
◎
農林水産部長(松岡正憲君) 再質問について、お答えします。 まず、太陽光発電につきまして、現状などを考えると、事業の差止めや開発行為の取消しをすべきではないかというような御質問ございました。 事業者においては、許可条件に従い、防災工事を先行着手するとともに、仮設沈砂池、濁水ろ過装置の設置など、県の指示に基づいた土砂や濁水の流出防止対策の措置を適切に講じていることを確認しております。開発行為に伴う工事が許可条件や県の指示に従って実施されている限り、県は開発行為を中止させることはできません。 次に、工事の影響で水質汚染が発生しているのであれば、そういった調査等を実施すべきではないかということでございました。 昨年四月以降、事業者や地元自治会による四回の水質調査が行われておりますけれども、開発地下流の河川における調査では、ヒ素、鉛とも、基準値以下という結果であったと承知しております。 したがいまして、工事の影響で水質汚染が発生しているとは考えておりません。 続きまして、保安林の指定の解除について、今段階で否定すべきではないかというような御質問であったかと思います。 森林法におきましては、保安林の指定の解除は、指定理由の消滅または公益上の理由のいずれかに該当する場合と定められておりまして、解除の申請がなされた段階で、いずれの理由に該当するかも含め、解除要件を満たすかどうか、慎重に審査を行うこととなります。 それから、鳥獣被害対策の問題でございます。 耕作放棄地が増えたから被害額が減ったのではないかというようなお話でございましたけれども、耕作放棄地の増加が一因であることも考えられますけれども、耕作面積当たりの被害額自体も減少しておりますことから、鳥獣被害対策の徹底が被害額の低減の主たる要因というふうに考えております。 それから、冊子のことでお話がございましたけれども、この冊子につきましては、一応専門家の意見もいただいて作成しているものでございまして、先ほどの御指摘のありましたチェックリストについては、鳥獣被害を未然防止するため、集落の現状を事前に点検する際の注意点を示したものでございます。 このチェックを基に具体的な鳥獣対策に係る指導等を行っておりまして、先ほどの例ございましたけれども、鳥獣の餌となるようなものは長期間放置されないよう指導しているところでございます。 放置された竹林への対応としては、繁茂竹林に係る
県事業等による対応を検討しているところでございます。
○副議長(二木健治君) 神杉
環境生活部長。 〔
環境生活部長 神杉さとみさん登壇〕
◎
環境生活部長(神杉さとみさん) 二点の再質問にお答えをいたします。 まず、西日本ウインドファームの発電事業、これに関して、水源への影響、それから健康被害、それからあと環境への影響、そういうことを考えると、今の段階で明確に否定すべきではないか、そういう御質問ですが、環境影響評価法においては、知事は、環境保全の見地からの意見を事業者に述べる、そういうことになっておりまして、事業を行わないように求める、そういうことはございません。 それから、もう一つの質問が瓦谷です。 産業廃棄物を積んだトラックが頻繁に行っていると、それを地域の住民の方が見ていらっしゃると、そういう状況の中で、盛土内部の調査も行うことが必要ではないかという御質問ですが、これまで、地域住民の方から情報提供があった場合に限らず、県は定期的に保健所職員が立入検査を実施しております。 そのときに、廃棄物の埋立処分をしているということは認められていません。そういうことなので、その内部を掘削して確認するとか、そういうことは考えておりません。
○副議長(二木健治君) 藤田
総務部理事。 〔
総務部理事 藤田昭弘君登壇〕
◎
総務部理事(藤田昭弘君) 再編関連の県の交付金がコロナ対策になぜ使えないのかというような再度の御質問でございました。 コロナ対策の全てに使えないということではなくて、プレミアム商品券とか事業継続支援の給付金のような、個人や企業への負担軽減のための直接給付、こういった形で実施する事業のやり方が認められていないということでございまして、これは市町の再編交付金も全く同じでございます。 このような中で、果たしてコロナ対策として何ができるかということを岩国市や国とも協議、検討して、結果として、米軍基地が存在し、外国人が多いという、そういう実情を踏まえ、外国人向けビジネス支援とか日米文化交流の助成において、今年度拡充を図ったところです。
○副議長(二木健治君) 井原寿加子さん。 〔井原寿加子さん登壇〕(拍手)
◆(井原寿加子さん) 再々質問いたします。 まず、要望を申し上げます。 瓦谷地区の検査について、問題はないというふうに御答弁されましたけれども、地元の方は全然安心をしておられませんので、県として、この結果をもって、きちんと地元住民の方に大丈夫ですよという説明をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか、やっていただけますでしょうか、お願いします。 それから、先ほど再質問でいたしました県独自の盛土規制条例、私は急いで制定すべきと思いますが、その後、進展はありましたでしょうかというふうに質問をいたしました。 先日、新聞の記事にも出ておりましたが、国もこれについて、来年の通常国会の関連法案改正(案)提出を目指しているというふうに出ておりますが、一日も早い制定をお願いしたいと思いますが、これについて、進展はありましたでしょうか、もう一度お伺いいたします。 それから、揚げ足を取るようで申し訳ございませんが、竹林について、つまりは皆さんがやれということではなくて、県の県民税、それで繁茂竹林を整備していきますから大丈夫だという御答弁だったのでしょうか。私は、この放置した竹林で、タケノコが未収穫のままであるというチェックリストを見て、地元で、みんなで頑張りなさいと言われることに私はすごく憤りを感じているので、もう一度そこもお願いいたします。 それから、自然エネルギーのところで、柳井の私の実家に、太陽光発電のための山林の売却を勧める文書がある会社から届きました。今こうした動きが水面下で広がっていて、放っておいたら山々はパネルと風車で覆われるということにもなりかねません。 私は、自然エネルギーに反対しているわけではありませんけれども、そんな光景を見たいと思っているわけではありません。森林は、生態系の維持とか水源涵養など、大切な役割を果たしておりますので、二酸化炭素の吸収を通じて温暖化防止にもすごく貢献していると思います。 再生可能エネルギーのために、貴重な森林を破壊するということは本末転倒だというふうに思うんです。大切な森林を将来に引き継いで、受け継いでいくために、強いリーダーシップを発揮していただきたいと思いますが、このバランスをどうお取りになるおつもりなのか、知事の率直なお考えをぜひ聞かせてください。 これで質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○副議長(二木健治君) 和田
土木建築部長。 〔
土木建築部長 和田卓君登壇〕
◎
土木建築部長(和田卓君) 盛土対策に関します岩国市瓦谷地区の再々質問についてお答えいたします。 瓦谷地区の盛土に関する安全性につきましては、十一月十九日に地元の自治会へ説明いたしております。 それから、県独自の条例についての進展があったのかについての御質問でございます。 県独自調査及び国と連携した調査の結果、全ての箇所で安全性が確保されていることが確認されたところです。盛土の規制については、全国知事会を通じて、国に法制化を要望しているところであり、県としては、国の動向を注視してまいります。
○副議長(二木健治君) 松岡
農林水産部長。 〔
農林水産部長 松岡正憲君登壇〕
◎
農林水産部長(松岡正憲君) 再々質問にお答えします。 最初の鳥獣被害対策のことがございました。 先ほど言いましたように、この冊子につきましてチェックリスト、鳥獣被害を未然防止するための集落の現状を事前に点検する際の注意点を示したものでございまして、こういったことを基に鳥獣被害対策を行ってほしいということで、特にタケノコの場合であれば、鳥獣被害の餌となるようなもの、そういったものは長期間放棄されないようにお願いしているところでございまして、いずれにしましても、県、市町と連携しまして、点検結果を基に対策を検討し、実施するということでございます。 それから、再生可能エネルギーの話で、大切な森林を将来に引き継いでいくということでございました。 森林は、水源の涵養をはじめ、土砂災害の防止など、多面的な機能を有しております。健全な姿で、次代へ引き継ぐことが重要と考えております。 県といたしましても、森林法に基づく林地開発許可制度を適切に運用して、開発行為により森林の有する機能が損なわれることがないよう、引き続き取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○副議長(二木健治君) 松浦多紋君。 〔松浦多紋君登壇〕(拍手)
◆(松浦多紋君) 皆様、お疲れさまです。県民の誇りを育む会、松浦多紋でございます。 通告に従い、早速
一般質問を始めさせていただきます。 まず初めに、マイナンバーカード利活用への取組についてお伺いさせていただきます。 二○一六年から発行が始まりましたマイナンバーカード、普及率は二○一七年末では一○%強、二○一八年末で一二%強、そして二○一九年末は一五%弱となり、二○二○年末は二四%強、そして、二○二一年十二月三日時点で発行枚数五千六十九万枚を超え、四○・○%の普及率となっております。 普及率が上昇カーブを描き始めたのは、皮肉にも新型コロナウイルス感染症の感染者が出始めた頃からとなっております。 既にという表現が正しいのか、また、まだという表現が正しいのか国民の三分の一以上、四割の方がマイナンバーカードを持たれていらっしゃることとなります。 一昨日開催されました、第二百七回国会における岸田内閣総理大臣所信表明演説では、マイナンバーカードは、安全・安心なデジタル社会のパスポートであり、社会全体のデジタル化を進めるための最も重要なインフラである。マイナンバーカードと健康保険証、運転免許証との一体化、希望者の公金受取口座の登録を進めるとともに、本人確認機能をスマートフォンに搭載することで、利便性を向上させます。さらに、十二月二十日からマイナンバーカードを使い、スマートフォンによって国内外で利用できる
ワクチン接種証明書を入手できるようにしますと、その利活用における政府としての取組を表明されました。 十二月一日現在の山口県のマイナンバーカードの普及率を見てみますと、四一・九%、全国第七位となっており、各市町における御尽力のたまものだと思います。 山口県も同様に、
コロナ禍により普及率が上昇した次第です。特に今年の三月以降の普及率増加には目をみはるものがあり、この頃行われたマイナンバーカード普及に対する取組を振り返ると、キャッシュレス決済サービスでチャージや買物をすると、そのサービスで利用金額の二五%分のポイントが付与されるという取組がありました。 マイナポイントの活用により、消費の活性化、マイナンバーカードの普及促進、官民キャッシュレス決済基盤の構築を目的に行われた事業ですが、マイナンバーカードの普及に大いにつながったと思います。 マイナンバーカードは、市町村単位で管理され、普及への取組を行っておりますし、マイナンバーカードを用いて行う行政サービスは、市町村での施策が大部分であると思われます。しかし、県が行う取組に対して活用されることも、今後あるのかと思われます。 マイナンバーカードを活用することで、今行っている新型コロナウイルス感染症
ワクチン接種の状況把握も行いやすくなるのではないでしょうか。 自治体によっての普及、利用、活用の取組が、総務省行政評価局企画課から積極的取組事例集として、令和元年十一月に発表をされています。 健康情報提供、高齢者の移動支援等、図書館の利用、各種証明書発行支援関連、自治体の業務効率化等多岐にわたり、健康情報提供サービスでは、帯広市は市民が健康に暮らせるまちづくりの推進を図るため、妊婦、子育て世代向け、高齢者を中心とした全世代にニーズに応じた情報が提供等されています。 また、他市でも母子健康手帳に記録されている情報や子育てに関する情報提供、妊婦、出産、子育て期の切れ目のない包括的な相談支援体制の整備などを、マイナンバーカード認証機能の活用により提供されています。 高齢者の移動支援等サービスでは、マイナンバーカードを保有している市内在住の六十五歳以上の高齢者に乗車ポイントつきのオリジナルICカードを交付し、高齢者の日常の移動を支援するとともに、外出の機会の拡大を図り、高齢者の生きがいづくり等を通じ、福祉の向上とマイナンバーカードの普及向上を図られています。 また、自治体の業務効率化におきましては、三条市では選挙の入場受付等に活用したり、学校、保育所、消防等も含め、行政の労務管理に活用しています。 都道府県の取組では、徳島県がマイナンバーカードの顔写真を利用した顔写真入り職員証、マイナンバーカードによるパソコン等のログインでの利用等、マイナンバーカードの普及に取り組まれていらっしゃいます。 山口県がデジタル社会をリードしていくため、本年度からデジタル推進局が設置されました。デジタル社会推進のためにも、切り離すことができないものがマイナンバーカードだと思います。言わばデジタル社会へ向けた一丁目一番地の取組は、マイナンバーカードの普及であると考えます。 十二月一日現在、都道府県別マイナンバーカードの普及率一位は宮崎県の五二・○%となっておりますが、デジタル社会の推進のためにも、夢の普及率第一位となってもらいたいものだと思います。 そこでお尋ねいたします。デジタル社会を推進していくためには、事例で挙げさせていただいた普及と利活用が一体となった取組が必要だと思います。取得してはみたものの、大事にしまい込むカードではなく、もっとカードが利活用されるよう、山口県主導の下、市町と連携しての利活用をどのように進めていこうとされるのか、県の御所見をお聞かせください。 次に、地域活性化包括連携協定についてお尋ねいたします。 昨年の
コロナ禍になる前には、頻繁に耳にすることがありました地域活性化包括連携協定ですが、ここ十年の間に都道府県、政令指定都市だけでも千百を超える協定が締結されているとお伺いします。 そのピークは、二○一七年から一九年、都道府県の平均締結数は十八、最多の五十四件の締結をした北海道を先頭に、四十七件の三重県、四十三件の大阪府が続いています。 ちなみに、締結企業数は四百五十社を超えており、協定締結数の多い企業上位三社は、イオン株式会社が六十三件、株式会社セブンイレブン・ジャパンが五十九件、日本郵便株式会社が五十八件、上位十社はコンビニ、物流、また保険等となっています。 山口県では、平成二十年七月から延べ十三件の地域活性化包括連携協定を民間企業等と締結されていらっしゃることは御承知のとおりです。 その意図は、地域の活性化に向けて県民生活の幅広い分野における協働の取組を実施するためとなっており、県民生活において利便性の高いもの、そして安心して生活できる環境をつくっていただいております。 当初はコンビニエンスストアや日用品量販店との協定が続きましたが、平成二十九年五月以降は、多岐にわたり協定を結ばれています。 流通関係の皆様との協定には、地産地消の推進及び県産農林水産物・加工品等の開発・販売に関することとあり、まさに山口県が力を入れて取り組んでいる農商工連携に係る政策を協定内で取り組まれていらっしゃいます。 また、県政の情報発信や観光振興に対する取組は十一の協定で実施をしていただき、その協定によって山口県を広くPRできているものとなっております。 地域防災、暮らしの安心・安全に対する取組は十二の協定の中に入っており、私たちが安心して山口県で生活できる礎となっており、心強く感じております。 さて、私たちにとりまして大切な地域活性化包括連携協定ですが、山口県で最初に結ばれた平成二十年七月から平成二十三年九月まで三件の協定が結ばれております。その協定内容には、「おいでませ!山口国体」、「おいでませ!山口大会」に関することとあります。 また、平成二十九年五月十三日に結ばれた協定内容には、山口ゆめ花博の推進に関すること、そして平成二十九年五月十八日から同年十二月二十日までに結ばれた協定内容には、明治百五十年プロジェクトに関することとあり、当時、山口県が力を注いで行ったイベント等に対しての協定が含まれております。 それらのイベントを遂行するに当たり、多大な御尽力を頂いたことに対しまして感謝の念に堪えません。しかし、イベントが終了した今もなお、その内容が残っていることに違和感を覚えます。それらを遂行した後には、協定を結んでいただいている先様と協議し、見直し等の変更を行い、さらなる山口県の発展のための地域活性化包括連携協定にすべきだと思います。 そこでお尋ねいたします。結ばれている地域活性化包括連携協定の内容を定期的に見直すことで、先様にとっても、山口県はもちろん、県民にとっても有益な地域活性化包括連携協定になると思いますが、県の御所見をお聞かせください。 社会的にも期待の大きいこのような官民連携を増やすことが可能であれば、山口県にだけではなく、全国の自治体が抱える諸問題に対し柔軟な対応ができるのではないでしょうか。 例えば、DXに対して力を注いでいる山口県にとって、4Gから5Gに移行している通信速度のエリア拡大を加速させるべく、通信事業者と地域活性化包括連携協定を協議する。 また、航続飛行時間が長くGPS等で飛行経路を管理でき、高性能な機能を有したドローンにより、繁茂した竹林の管理や県管理の道路、そして橋脚の状況管理を目的とした協定の締結、また、同様の機能を有するドローンによる信号機のない横断歩道における歩行者の安全確保のための取組や、交差点内における横断歩道の適正な管理等を目的とした協定の締結、そして、県管理の公園や学校等に設置してある遊具の安全点検等における、今よりももっと県民が安心して生活できる環境整備を目的とした協定など、山口県がさらに発展するための地域活性化包括連携協定を締結すべきだと思います。 そこでお伺いいたします。今までの地域活性化包括連携協定もしっかり生かしつつ、山口県が抱える身近な問題に特化した連携協定を積極的に行うべきだと考えますが、県の御所見をお聞かせください。 次に、農業振興についてお尋ねいたします。 時は慶長五年(西暦一六○○年)、関ケ原の戦いで敗れた毛利氏は、中国地方約百二十万五千石から周防・長門二か国約三十六万九千石に減封され、藩財政は非常に苦しい状況となりました。 そのため、内政の強化に注力する長州藩は、石高の向上を図るとともに、藩外に出荷して収入源にできる特産物として、米に加えて塩と紙、和紙に着目しました。 第七代藩主・毛利重就は、塩田の開発に加えて交易港の整備を進め、私の地元現在の防府市三田尻には、防長二か国の製塩の半分を占める規模──製塩業者二百一軒、塩の生産三十六万石に達するほどになり、播磨国赤穂に次ぐ国内第二位の大製塩地となりました。 江戸時代後期の時点で塩の自給自足ができていたのは、全国六十八か国のうち八か国と言われ、塩の専売は長州藩の貴重な財源でした。 紙、和紙の原料となるコウゾ、ミツマタは、痩せた土地でも栽培ができるため、水田が少ない中山間部──現在の山口市徳地、周南市の鹿野や須万、岩国市の一部である山代地方が主な産地となりました。 徳地和紙や山代和紙は品質が良いことで広く知られて、長州藩は全国の総生産高の三○%を占め、全国一の製紙国として藩財政に大きく寄与したとされています。 これに、天和元年(一六八一年)頃よりハゼノキの植付けを奨励し始め、紙、米、塩に、はぜろうを加えた防長四白の生産が積極的に行われました。 田布施町付近のハゼノキから抽出されたはぜろうは、良質であるために大阪の市場でいい評判を得ていたとのことです。田布施町宿井には、現存する当時のハゼノキが宿井のハゼノキとして山口県の指定文化財となっております。 このような三白とも四白ともいえる政策を含む努力の結果、幕末の長州藩は約百万石の内高になっていたとされています。平野部を中心とする米、海からの産物である塩、そして山からの恵みである紙と産地業種はばらばらですが、政策を打ち立て成果もしっかりついてきていました。 山口県における農業生産額は、農林水産省の統計では主穀類、園芸作物の合計金額で、一九九八年七百二十六億円、二○○三年五百六十六億円、二○○八年五百九億円、二○一三年四百七十億円、二○一八年は四百七十七億円と少し上向きますが、二○一九年四百五十一億円となっており、二十年間の間に二百七十億円以上、率にして四割近く減少していることに驚いた次第です。 主穀類だけに注目してみますと、五割近く減少している生産額ですが、きっと昨年二○二○年の統計では、トビイロウンカの影響により水稲における大打撃による生産額は一段と下がってしまう可能性もあるかと思います。 しかしながら、長期的に見れば、トビイロウンカによる被害対策も山口県の迅速な対応により対処できており、主穀類へのICT技術の成果も見込め、回復してくるものと信じております。 園芸作物では、特に果実類の生産額減少が顕著に見られ、一九九八年と二○一九年を比べると四四%近く減少しており、果実類に対してもっと山口県を挙げて奨励することで、数値回復と農業従事者の方のモチベーション向上につなげることができないものかと思います。 先ほどくどいくらい時間をかけまして説明をいたしました防長三白を、今の農業に当てはめることができないか。三白のうち米以外の二つ目、三つ目の白を農産品目の園芸作物である果樹から選定し、山口県の農業を強く、全国への出荷、諸隣国への輸出も視野に入れ、推奨することはできないか感じております。 出荷単価が高いものを農林水産省農産局果樹・茶グループの方に伺いました。高額な順から、サクランボ、ビワ、ブドウ、桃、スモモ、梅、栗、梨、リンゴ、柿、ミカンの順になっており、データには反映されていないそうですが、関東地区ではブルーベリーの人気が高くなっているとのことでした。 また、山口県では、基準年を令和元年度とし令和十二年度を目標年度とする、山口県果樹農業振興計画を立てられ取り組まれていらっしゃいます。 その計画で掲げられている十二品目のうち、出荷単価が高額なものの上位に入り、最近では価格の上昇している、ブドウ、桃、そして出荷単価のランキングには入っていないブルーベリーなどを特に力を入れることができれば、山口県における農業生産額は大幅に向上するものと思います。 ちなみに、ブドウ、桃、ブルーベリーは、皮をむくと白色になりますので、そのように感じておる次第です。 植付けから本格的な収穫まで時間を要す果樹ではありますが、その挑戦は防長三白と通ずるところもあり、山口県の農業振興において将来を見据えた取組になると思います。 そこでお尋ねいたします。農業生産額を回復させる上で、園芸作物における比較的単価の高い果樹農業振興は、山口県における農業全般の振興に大きく影響すると私は考えます。果樹農業振興に対する県の御所見をお聞かせください。 あわせて、現在山口県では、新規農業就業者定着促進事業を継続的に行われています。令和二年度までの過去五年間、毎年百人以上が新規に就農され、山口県の農業を支えてくださっていることは感謝の念に堪えません。 就農相談や広報活動、技術指導体制の強化、研修生支援、指導農家支援、新規就業者の定着支援、経営継承円滑化推進といった取組をされ、本県の農業の未来への基盤をつくっていただいております。 農業といっても、主穀類、園芸作物類、多岐にわたると思います。今の定着促進事業は漠然と農業への新規就業となっており、何の栽培の就農なのか不透明であると私は感じます。 私は、先ほども述べましたとおり、出荷単価が高い果樹栽培に力を注ぎ、それらの果樹に特化した新規農業就業者に定着してもらう取組が必要ではないかと思います。 山口県農業試験場の移転により山口県立農業大学校との連携が深まり、山口県の農業振興は格段に向上することが期待できます。畜産のさらなるブランド化はもちろん、水稲をはじめとする穀物類はもちろん、園芸作物類全般における栽培技術の進歩と品質向上、そのことを背景にするだけでも新規農業就業者が出荷単価の高い果樹栽培に特化する意義は大きく、農業への定着につながるものと期待しております。 そこでお尋ねいたします。新規農業就業者定着促進事業の現状の取組と今後の本県の農業振興にどのようにつなげていくのか、県の御所見をお聞かせください。 次に、nuovoについてです。 長野県にある一般財団法人日本笑顔プロジェクトが手がける、平時を楽しみ有事に備えるライフアミューズメントパーク「nuovo(ノーボ)」という施設があります。 二○一九年十月に発生した台風十九号では、千曲川による越水と決壊から、住宅地や農地に大量の泥が流れ込み、ボランティアによるスコップでの復旧作業は、効率は低く時間と疲弊感が増すばかりだったそうです。 私も、平成二十一年、防府市で起こった土石流災害で地元の消防団の一員としてスコップ片手に作業をいたしましたが、限定的な地域にもかかわらず、心が折れそうなほど苛酷な作業でした。 千曲川にボランティアに入った日本笑顔プロジェクトは、短時間で効率を上げるために、重機による復旧作業に着手。十一月から、重機&オペレーター、オペレーターのみ、重機のみ、その三パターンでボランティアを募集し、長野市長沼地区に重機ボランティアを結成し作業を開始したそうですが、オペレーターの不足に直面したそうです。 そこで、重機オペレーターを育成するプロジェクトを二○一九年十二月からスタートし、二月まで計六回の講習会で百十五名のオペレーターを育成。受講者は被災者や農地が被害を受けた農家、NPOやNGOボランティア、地域消防署職員、社会福祉協議会職員、主婦など多種多様な方々での参加だったそうです。 昨今の多発する大規模災害や今後の備えとして、重機免許取得講習を開催し、千名のオペレーターを育成させたいと計画されていらっしゃいます。 また、災害現場や農地復旧での重機操作は大変難しく、現場を想定した訓練場の必要性があるそうです。 それらの経験を生かし、薄れ行く災害や防災への意識をどう高め、維持していくか。その課題に対し楽しむという視点から構想されたのが、体験型ライフアミューズメントパーク「nuovo(ノーボ)」です。 nuovoとは、農業プラス防災で農防。農業の「農」という漢字と防災の「防」と書きます。平時を楽しみ有事に備える施設です。楽しいが世界を救う、楽しいことの延長で、災害に対する備えができたら、私は最高だと思いました。 支援活動を行う中で、本当に現場で役立ったものをピックアップし、それらをnuovoに集約し、体験・習得できる施設として運営されています。 長野県上高井郡小布施町の基幹産業である農業をベースとし、安心・安全な食の在り方を考え実践する場、非常時の食料補給の場としても活用し、表向きは幅広い年代に興味を持っていただくためアミューズメント化していますが、その根底には防災力の向上や食育などライフというテーマが含まれているそうです。 nuovoの目的である楽しむの延長に、防災力を高める、健やかに生きる知恵を身につけるが隠されているそうです。 長野県上高井郡小布施町と同様に、山口県の基幹産業が農業とは言いませんが、本県にとって農業は重要で貴い産業であることは間違いありません。そして本県には、県立農業高等学校、同西市分校、大津緑洋高等学校、田布施農工高等学校や県立農業大学校による農業、園芸等についての学びに力を入れられ、農業分野に力を入れていらっしゃいます。 しかし、農業分野における問題として、荒廃農地に関して、直近の数値で申し訳ございませんが、令和二年は減少しているとはいえ、平成二十七年から令和元年度までは増える傾向にあり、九千四百ヘクタール以上荒廃農地が存在しています。 さらに、想定の範囲内で収まらない豪雨による河川の越水や、土石流も一旦起こってしまうと激甚化してしまう傾向にある今こそ、災害に備える取組を強化しつつ、山口県が抱える荒廃農地対策、農業振興につながる取組の参考にnuovoはなるのではないでしょうか。 そこでお尋ねいたします。荒廃農地を活用し、災害が起こった際の備えとなる技術、農業体験などから安心・安全な食の在り方も学べる施設をつくることは、防災のみならず、荒廃農地の増加という課題を抱える本県の農業振興への有効な手段であり、参考にしやすく、積極的に取り組むべきだと私は考えますが、県の御所見をお伺いさせていただき、私の
一般質問とさせていただきます。 御清聴誠にありがとうございました。(拍手)
○副議長(二木健治君) 村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕
◎知事(村岡嗣政君) 松浦議員の御質問のうち、私からは、果樹農業振興についてのお尋ねにお答えします。 平たん地から中山間地域まで、多様な地形や気象条件を有する本県において、果樹農業を持続的に発展させるためには、地域の特性を生かしながら、市場ニーズが高く、高単価が期待できる果樹の生産振興を進めていくことが重要です。 このため、温暖多日照の沿岸部や島嶼部ではかんきつ類を、寒暖差が大きい内陸部では梨、ブドウをはじめとした落葉果樹の作付を推進するなど、多彩な果樹産地の形成を図ってきたところです。 こうした中、担い手の高齢化や生産コストの上昇など、果樹経営を取り巻く環境が厳しくなっていることから、私は、昨年度、果樹農業振興計画を策定し、その着実な実行を図るため、優良園地の継承とデジタル技術の推進に重点的に取り組むこととしています。 まず、優良園地の継承については、今年度、県内三か所の果樹産地をモデル地域に設定したところであり、現在、映像や数値によって継承資産を可視化するとともに、地図情報とリンクした形でデータベース化を進めています。 次に、デジタル技術の推進については、遠隔操作で高品質かつ安定的な生産が可能となる、県が開発した通信型マルドリシステムの現地導入を図ります。 さらに、地域性を求める消費者ニーズに対応するため、県産オリジナル品種のせとみや南津海シードレス等の導入を支援します。 私は、本県の果樹産地の維持・拡大に向け、関係団体と緊密に連携しながら、市場ニーズの高い果樹の生産を進めることにより、本県果樹農業の振興を図ってまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。
○副議長(二木健治君) 平屋
総合企画部長。 〔
総合企画部長 平屋隆之君登壇〕
◎
総合企画部長(平屋隆之君) マイナンバーカード利活用への取組についてのお尋ねにお答えします。 マイナンバーカードは、これからのデジタル社会において、オンラインでの本人確認を安全・確実に行うための最も重要な基盤となるものです。 このため、県では、まずは県民の皆様にマイナンバーカードが担う役割やその必要性、利活用のメリット等をしっかりとお伝えし、全県でカードの取得が進むよう、国のマイナポイント事業等とも連携をして、広報誌や新聞広告などにより、普及啓発や広報活動に取り組んでいるところです。 また、各市町においても、カードの速やかな普及に向けて、休日窓口の開設や出張受付などの様々な工夫が行われています。 こうした取組や
コロナ禍においてデジタル化が注目され、マイナンバーカードの必要性が広く認識されたこともあり、県内での交付率は、令和元年度には対前年度比三%の伸びであったものが、令和二年度は約一四%、今年度は十月末までに約一一%と、確実に取得が進んでいます。 これに併せ、マイナンバーカードの利活用の促進に向けた取組も、市町とともに着実に進めてまいりました。現在、国の自治体DX推進計画に示された、特に住民の利便性向上に資する行政手続については、県及び七市の延べ四十九手続でカードを使った申請が可能となっているところです。 さらに、令和四年度末までには、全市町において、国が示した全ての手続にマイナンバーカードが活用できるよう、県と市町で構成する連携会議のワーキンググループで検討を進めており、その早期実現に向けて、市町の取組を支援していくこととしています。 国においては、このたびの経済対策に盛り込んだ第二弾のマイナポイントの付与などにより、カードの普及を一層進めるとされています。 県としては、こうした国の取組としっかりと連携を図りながら、デジタル社会の実現に向け、市町とともに、引き続き、マイナンバーカードの普及と利活用の一体的な促進に取り組んでまいります。 次に、地域活性化包括連携協定に関する二点のお尋ねにお答えします。 少子化の進行や人生百年時代の到来、頻発化・激甚化する自然災害、さらには急速に進む技術革新など、本県を取り巻く環境は、大きくかつ複雑に変化を続けており、そうした中で生じる様々な社会課題への的確な対応が求められています。 そして、その際には、多様な主体と緊密なパートナーシップを築き、互いの資源やネットワーク、ノウハウ等をうまく融合させながら対応を図っていくことが効果的であることから、県では、お示しの地域活性化包括連携協定の締結を積極的に進めてきたところです。 お尋ねのうち、まず、この協定の内容を定期的に見直すことについてです。 協定内容については、企業等側の地域貢献に関する意向と県政の課題解決の両面から連携項目を協議し、合意をもって決定していますが、社会経済情勢の変化などを考慮して、項目の設定は大枠にとどめ、定期的な意見交換も行いながら、具体化を進めることとしています。 このため、イベントへの支援など協定内容の一部には既に終了している項目もありますが、これをもって協定全体の見直しを行うという取扱いとはしていないところです。 次に、身近な問題に特化した連携協定を積極的に行うべきとのお尋ねですが、地域活性化包括連携協定は、その名称のとおり、県と企業等が県政の幅広い分野で包括的に連携を図ることを目的としています。 これとは別に、例示をされましたような個別の課題については、例えば、5Gを活用し、僻地の医療機関での診療を遠隔でサポートする取組や、ドローンを使った災害時における被災状況の把握など、それぞれの分野で課題に応じた連携協定の締結を進めているところです。 県としては、今後とも、様々な主体と効果的に連携をしながら、県政の課題解決と地域活性化に取り組んでまいりたいと考えています。
○副議長(二木健治君) 松岡
農林水産部長。 〔
農林水産部長 松岡正憲君登壇〕
◎
農林水産部長(松岡正憲君) 農業振興についての御質問のうち、新規農業就業者定着促進事業の現状と今後の本県の農業振興についてのお尋ねにお答えします。 まず、新規農業就業者定着促進事業の現状については、果樹をはじめとして収益性の高い園芸品目を中心に、就農相談会や技術習得に向けた実践研修の開催に加え、就農後の最長五年間の定額給付などを実施しているところです。 その結果、昨年度においては、自営就農四十二名、法人等への就業六十名の合わせて百二名の方が新規に就農し、県内で活躍されています。 次に、農業振興にどのようにつなげていくのかとのお尋ねについては、地域を支える担い手の定着が本県農業の振興につながることから、果樹をはじめ、高単価が期待できる品目を新規就業者自らが選択し、高い収益を確保できるよう、経営と生活の両面での寄り添った支援を行っているところです。 県としては、引き続き、市町やJA等の関係機関と連携しながら、新規就業者の確保・育成を通じた本県農業の振興を図ってまいります。 次に、nuovoについてのお尋ねにお答えします。 荒廃農地は、抜根、整地、区画整理等を行うことで再生可能な農地と、既に森林の様相を呈しているような再生不可能な農地に分類されます。 県としては、再生可能な農地については、景観形成作物の作付や山口型放牧の促進、日本型直接支払制度の活用等により、農地として維持・再生できるよう、市町と連携して取り組んでいます。 また、再生不可能な農地については、市町農業委員会において、農地台帳から外して農地として取り扱わないこととする非農地判断を迅速かつ適切に実施するよう、国から通知がなされているところです。 さらに、再生不可能な荒廃農地の多くは、道路に面していないなど、条件不利地に点在している実態も踏まえると、お示しのnuovoのような施設を荒廃農地に設置することは難しいと考えています。
○副議長(二木健治君) 本日の
一般質問及び提出議案に対する質疑は、これをもって終了いたします。 ─────────────
○副議長(二木健治君) 以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。 本日は、これをもって散会いたします。 午後二時五十二分散会 ───────────── 地方自治法第百二十三条第二項の規定によりここに署名する。 山口県議会 議 長 柳 居 俊 学 副 議 長 藤 生 通 陽 会議録署名議員 笠 本 俊 也 会議録署名議員 戸 倉 多 香 子...