• "高金利県債"(/)
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  1. 山口県議会 1998-02-01
    03月06日-05号


    取得元: 山口県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-15
    平成 10年 2月定例会   平成十年二月山口県議会定例会会議録 第五号      平成十年三月六日(金曜日)                              議事日程 第五号      平成十年三月六日(金曜日)午前十時開議  第一 会議録署名議員の指名  第二 一般質問  第三 議案第一号から第六十六号まで(質疑)                              本日の会議に付した事件  日程第三 議案第一号から第六十六号まで                 会議に出席した議員(五十三人)                          柳   居   俊   学 君                          藤   田   典   久 君                          山   手   卓   男 君                          亀   永   恒   二 君                          吉   井   利   行 君                          末   貞   伴 治 郎 君                          桝   田   市 太 郎 君                          吉   田   和   幸 君                          湊       政   則 君                          横   山   豊   治 君                          伊   藤       博 君                          三   木   康   博 君                          石   﨑   幸   亮 君                          松   原       守 君                          西   本   輝   男 君                          塩   満   久   雄 君                          水   野   純   次 君                          加   藤   寿   彦 君                          友   田       有 君                          二   木   和   夫 君                          浅   野   謙   二 君                          村   木   継   明 君                          宮   崎   泰   雄 君                          宮   﨑   幹   嗣 君                          佐 々 木   明   美さん                          田   村   茂   照 君                          中   村   泰   昌 君                          松   永       卓 君                          合   志   栄   一 君                          新   谷   和   彦 君                          田   中   文   夫 君                          桑   原   孝   行 君                          山   本   忠   由 君                          近   間   一   義 君                          藤   井       真 君                          島   田       明 君                          田   中       貢 君                          斉   藤   良   亮 君                          松   浦   正   人 君                          橋   本   憲   二 君                          守   田   宗   治 君                          中   島   修   三 君                          藤   谷   光   信 君                          稲   本   勇 一 郎 君                          武   田   孝   之 君                          竹   本   貞   夫 君                          平   田   和 三 郎 君                          河   野   博   行 君                          秋   野   哲   範 君                          村   田   哲   雄 君                          岸   田   松   治 君                          森   中   克   彦 君                          友   田   音   一 君                会議に欠席した議員(一人)                          伊   藤   博   彦 君                議案等の説明のため会議に出席した者                    知事          二 井 関 成 君                    副知事         小 河 啓 祐 君                    出納長         綿 屋 滋 二 君                    総務部長        古 谷 正 二 君                    総務部理事       河 野   勉 君                    企画振興部長      谷   晋   君                    環境生活部長      村 岡 正 義 君                    健康福祉部長      藤 井 俊 彦 君                    商工労働部長      湯 田 克 治 君                    農林部長        藤 井   寛 君                    水産部長        宮 本 義 則 君                    土木建築部長      古 庄   隆 君                    出納局長        水 上 武 雄 君                    財政課長        横 田 真 二 君                    公営企業管理者     冨 永 和 信 君                    企業局長        伊 東 省 二 君                    教育委員長       原 田 俊 一 君                    教育長         上 野 孝 明 君                    公安委員長       北 村 義 人 君                    警察本部長       松 川 忠 晴 君                    代表監査委員      藤 村   實 君                    監査委員事務局長    白 松 健 一 君                    地方労働委員会会長   安 井 達 雄 君                    地方労働委員会事務局長 有 村 久 雄 君                    人事委員長       白 松 壽 人 君                    人事委員会事務局長   弥 源 治 毅 君                    選挙管理委員長     津 田 正 人 君                 会議に出席した事務局職員                    事務局長        東   章   君                    事務局次長       村 田   博 君                    総務課長        來 村 正 志 君                    調査課長        尾 木 俊 治 君                    秘書室長        大 島   収 君                    議事課長        片 山 康 正 君                    議事課長補佐      清 水 英 司 君                    主査兼議事係長     中 田   望 君                    記録係長        髙 田 賢 司 君                    主任主事        佐 伯 淑 子さん                    主事          石 橋 教 幸 君                    主事          安 達 香奈恵さん                           午前十時開議 ○議長(河野博行君) これより本日の会議を開きます。 △日程第一会議録署名議員の指名 ○議長(河野博行君) 日程第一、会議録署名議員の指名を行います。 塩満久雄君、中島修三君を指名いたします。 △日程第二一般質問 △日程第三議案第一号から第六十六号まで ○議長(河野博行君) 日程第二、一般質問を行い、日程第三、議案第一号から第六十六号までを議題とし、質疑に入ります。 一般質問及び質疑の通告がありますので、それぞれの持ち時間の範囲内において、順次発言を許します。岸田松治君。    〔岸田松治君登壇〕(拍手) ◆(岸田松治君) 皆さんおはようございます。大変な声援に送られまして、一般質問をさせていただきます。 まず、周防大島高齢者モデル居住圏構想についてお伺いをいたします。 近年、二十一世紀を目前に控え、本格的な人口減少、少子化・高齢化時代高度情報化時代へと大きく時代の流れが変わり、また、地方分権が進展するなど、社会経済情勢は大きく変化し、新たな変革の時代を迎えており、特に、人材や財源の乏しい小規模な過疎町村にとりましては、行政運営もままならない大変厳しい状況に追い込まれております。 御案内のように、大島郡四町は、人口に占める六十五歳以上の割合、いわゆる高齢化率が四八%を上回る全国一の東和町を初め、郡全体でも既に四○%を超えており、県内はもとより全国的にも有数の高齢社会となっておりますが、今までは、きめ細かな地域社会取り組みなどにより、高齢化が進む地域社会が何とか支えられてきたところであります。 しかし、今後の人口減少と高齢化の一層の拍車により、いずれ超高齢化社会となって後継者がいなくなると、地域社会を支えることさえも不可能なときが、そこまで来ていると思われます。 こうした状況の中で、全国一高齢化が進展している大島郡において、「周防大島高齢者モデル居住圏構想」が平成九年度からスタートいたしましたことは、実に先見性のある施策展開であると思います。 昨年六月には、構想推進協議会が発足し、郡民、県民が大変期待をしている中、全国のモデルとなるような、二十一世紀の高齢社会を先取りした魅力ある先進的な地域づくりのため、四町が広域的に進める取り組みが行われており、構想も三月末には完成の予定となっております。 今年一月二十五日、東和町で開催された「周防大島高齢社会フォーラム」において、「若者から高齢者までが安心して暮らせる地域づくり」をテーマに、当日は知事さんも出席をされましたが、私も地元の柳居県議とともに出席をさせていただきました。この大会を通じまして、参加者、関係者の熱意を感じたものであります。 そこで、三点ほどお尋ねをいたします。 まず一点目は、この構想の目指すべき島づくりの方向、これはどのように考えておられるのか、お尋ねをいたします。 二点目は、現在のように国・地方を通じ大変厳しい財政事情の中で、構想を推進しようにも、県、四町の財政事情や実施体制、人材の確保等難しい問題がありますが、この構想を、継続性、実効性のある取り組みとしていくために、一部局のみで対応するのではなく、県庁挙げて総合的な対応が必要と考えますが、どのような推進方法を考えておられるのか、お尋ねをいたします。 三点目は、今後の公的介護保険の導入や急速な高齢化の進展等を考えますと、高齢者が保健・医療・福祉のさまざまなサービスを受ける可能性が高くなり、サービスを提供する側も、環境の変化や時代の要請により、今までのようなサービスの提供方法や提供体制を見直すことも必要になってくると思われます。 また、例えば産業面で、ミカン栽培や漁業等で高齢者が働くことができなくなった場合における代替労働の提供や、個人の財産の管理や墓地等の管理等々、今までは、地域等で解決されていたことができなくなった場合、新たな多くの問題が発生すると思われます。 こうした新たな課題に対応するためには、郡民の立場に立った、大島郡全島的に行う総合的・効率的なサービスの提供や体制の整備、郡民の日常生活を支えるシステムづくりが必要ではないかと考えられます。 これからの時代を先取りした組織体制がつくられ、大島郡の核となって機能してこそ、初めて「全国に情報発信」とか「全国のモデル」と言えるのではないでしょうか。 これからの取り組みを着実に進めるためにも、今までにない発想により、ぜひとも、四町、県が行政の権限、枠等を越えて、関係団体・民間等と共同で、時代にマッチした一歩も二歩も踏み込んだことができる、郡全体を支援する総合的機能を持った「周防大島総合対策機構」を設立して、構想を推進すべきと思いますが、いかがお考えでありましょうか、お尋ねをいたします。 次は、離島振興対策について質問をいたします。 本県は、三方を海に囲まれ、周辺に大小二百四十の島々を有し、そのうち二十二の離島でおよそ七千七百人の人々が生活をされております。有人離島の数は、全都道府県のうち第三番目に多く、全国有数の離島県であります。 これらの島々には、本土にはない美しい豊かな自然環境に恵まれ、また、周辺には好漁場がたくさんあり、豊富な水産物とそれぞれの島の気候風土に適した特色ある農産物の供給地としても、極めて貴重な役割を担っているものであります。 しかしながら、これらの島々は、近年、過疎化、高齢化が著しく、家業をどう存続していくか、また、その島特有の自然や伝統文化などをいかに守り、継承していくかが大きな課題となっており、離島を抱える市町村においては、島おこしなど離島振興策の推進に大変御苦労されているのが実情であります。 本県におかれましても、島民の生活基盤の整備を初めさまざまな施策を展開されていますが、私は、過疎化が急速に進む中にあっては、本土との交流促進による活性化、すなわち島の観光イベント等を通じて観光客を誘致する対策が、一層重要であると考えているところであります。 そのためには、まず何にも増して、本土と離島を結ぶ唯一の交通手段である離島航路の充実を図っていかなければならないと考えるのであります。 また、離島航路は、陸上のバスなどとは違い、これにかわる交通手段はなく、島民にとっては生活の足として、物資の輸送や買い物、通院など極めて重要な使命を果たしております。 しかしながら、離島航路の現状はと申しますと、ほとんどの航路は、利用者の低迷により経営状況が悪化の一途をたどっており、その維持が困難な状況になっており、さらに一部の航路では多額の赤字を抱えながらも、船が老朽化したことから新船の建造、それも利用者の強い要望に対応し、高速化、フェリー化など機能アップも図っていかなければならない状況となっております。 このように離島航路は極めて厳しい経営環境に置かれておりますが、何にもかえがたい生活路線であり、交流基盤でありますことから、行政の手厚い支援が不可欠であると考えるのであります。 そこでお尋ねをいたします。 県では、離島航路の維持、充実について、どのように取り組まれようとしているのか、お尋ねをいたします。 次に、農業問題についてお尋ねをいたします。 御案内のとおり、現在の農山村集落は、国内外における農林産物の産地間競争の激化や基幹作物である米価の大幅な低下、さらには過疎化・高齢化の進行による担い手の減少や地域活力の低下など、ますます厳しさを増しております。農山村の将来を考えるとき、現状は、まことに憂慮すべき状況であると言わざるを得ません。 さて、私は、先月開催された「山口県農山村振興大会」に農業関係の一員として参加をいたしました。「活力に満ちた農林業 魅力にあふれた農山村をめざして」が、この大会のテーマでありました。 この大会の中では、新たに農林業につかれた青年の激励のほか、地域ですぐれた活動を実践しておられる方々の表彰と認定が行われ、秋穂町と菊川町の生活改善実行グループの方々の地域活動が、全国コンクール農林水産大臣賞を受賞されたことが報告をされました。 県内では、これらを初め百を超える「むらづくりグループ」が、いろいろなむらづくり活動を展開しており、その活動の輪も年々広がっていると聞いております。 私の地元・柳井市においては、日曜朝市の開催や「平郡島おこし協議会」による定期的な「島の朝市ふれあいツアー」の開催など、さまざまなむらづくりの動きが見られるところであります。 しかしながら、この大会のテーマのように「魅力にあふれた農山村」をつくるには、相当に厳しい道のりがあります。 農林業の振興などによる所得の確保、住みよい生活環境づくりを進めていくことは言うをまちませんが、一方では、現在の厳しい状況にあっても、そこに住む人々が生き生きと暮らしていこうとする活力を維持、増進することが必要であります。 そのためには、農業者のむらづくりへの主体的取り組みなど農業者自身の努力とともに、これに対する消費者や都市の人々の理解と支援が重要であります。 県では、このような観点から、「自助・共助・交流」を基本理念に、「顔の見える農林産品づくり」、「個性あふれるむらづくり」、「やすらぎとふれあいのコミュニティづくり」を基本目標とする「新むらづくり運動」を推進されてきたところであります。 これにより、地域の特性を生かした営農活動や特産品づくり、また、都市・農村交流など、個性と活力あるむらづくりに向けてさまざまな取り組みが行われております。 そこでお尋ねをいたします。今後、このような「むらづくり活動」を促進するために、どのように取り組んでいかれるのか、お尋ねをいたします。 次に、水産業の振興についてお尋ねをいたします。 山口県における漁業就業者数は、年々減少を続けており、昭和六十二年当時一万六千五百人であったものが、平成八年末には九千九百五十人と、ついに一万人を割り込んでいます。 また、就業者の年齢構成を見ますと、昭和六十二年には、男性就業者のうち六十歳以上が二八%でありましたが、平成八年には五○%と極端に高齢化が進行しております。 漁業就業者数は、ここ十年間で四○%も減少しており、年齢構成を考えてみますと、今後は、加速度的に減少するものと考えられます。 かつては、水産県山口と言われ、魚を満載にした漁船が各浦々に次々と着き、港は活気にあふれるとともに、漁村には子供の声が響き渡り、若々しいエネルギーが満ち満ちていました。現在では、一部の地域を除き、かつてのにぎわいはありません。 このままでは、十年、二十年後に、山口県の漁村では、高齢者が大半を占め、地域社会の維持が困難となるおそれがあります。 このような漁村の凋落は、高度経済成長時代における第二次産業や第三次産業の発展とともに漁業の相対的地位が下落し、「きつい、汚い、危険」という、いわゆる三K産業というイメージが定着し、従来は、漁村にとどまり漁業についていた漁村の青年層が漁業に魅力を感じなくなり、漁村外へ流出していったためであります。 このため、漁村には新規就業予備軍である若者がほとんどいない状況となっています。 現在では、いわゆる低成長時代に入り、都会では得られない豊かな自然や生きがい、仕事のやりがいを求める人々が漁業や農業を見直しつつあります。 しかしながら、漁業には、技術の習得の困難性、地域特性等から漁村外の者が新たに参入する場合、いろいろな障害があり、現在まで、漁村外から漁業就業者の確保はほとんどなされていませんでした。 漁村がかつてのエネルギーに満ちた若々しさを失いつつある現在、何とか漁村の内だけでなく、外からも広く人材を確保し、漁村に新たな風を起こし、活力を取り戻す必要があります。 脱都会を考える人々が一番不安に思っていることは、地方における仕事の確保であります。裏返せば、自分に合った仕事が確実に確保できれば、多少の収入の減少があったとしても、これらの人材を確保できるのであります。 漁業においても、全く漁業経験のない人々が漁業技術をスムーズに習得できる体制づくりなどを行えば、漁業に魅力を感じている若者が山口県に定着できる道を開くことができると考えるのであります。 県は、今後、新規就業者の確保について、どのように取り組まれるのかをお尋ねをいたします。 次に、スポーツの振興についてお尋ねをいたします。 御承知のとおり、スポーツは、人々の心身の発達に資するとともに、健全な心をはぐくみ、明るく活力に満ちた社会の形成にも寄与するものであります。 さきの「長野オリンピック」は、日本選手団の大活躍のうちに幕を閉じましたが、選手の活躍は、国民に大きな感動を与え、また、多くの子供たちにも将来のオリンピック選手への大いなる夢を抱かせたと思います。 特に、ジャンプ団体では、原田選手の一回目のジャンプの失敗のときには、四年前の悪夢の再現かと思われたものでありましたけれども、最後はチームワークにより劇的な勝利をおさめたのは、御承知のとおりであります。 世界共通の人類の文化の一つであるスポーツのすばらしさを、改めて感じたところであります。 さて、近年の少子・高齢化の進展や自由時間の増大などによる社会環境の変化は、人々の生活様式にも急激な変化をもたらし、また、都市化や生活の利便化は、日常生活における身体活動の減少や精神的ストレスを増大させるなど、心身の健康に大きな影響を与えています。 こうした社会情勢の変化に伴い、本県においても、自由時間をいかに過ごすかなど、生涯を通じたスポーツ活動のニーズがますます高まるものと考えられ、生涯スポーツの振興は、本県の重要な課題となっているところであります。 一方、競技スポーツにおける選手たちの記録への挑戦は、それ自体に大きな意義を有するものであり、昨年の大阪国体におけるヨットや山岳競技での優勝、全国高校駅伝甲子園大会での西京高校の大活躍など、本県選手たちの活躍は、県民に明るい話題と活力を与えるとともに、県勢全体の活性化に資するものと考えています。 こうした活躍の基礎というべき競技力の向上を図るためには、小さいころから優秀な選手を発掘し、全国的にも通用する選手を育成する一貫した体制づくりや、大学、高校の優秀選手の県内企業への就職あっせんなどによる一層の選手強化への取り組みが望まれるところであります。 また、Jリーグやアメリカ大リーグなど、マスメディアにおけるスポーツ番組が充実していく中、見るスポーツに対するニーズは一層高まる傾向にあり、本県においても、世界的な競技大会や国際的なスポーツイベントなどの誘致・開催はもとより、それらの開催を可能にする施設整備のあり方を検討する時期に来ていると思います。 私は、こうした本県の状況を考えるとき、今後の本県スポーツの振興は、生涯スポーツ競技スポーツの振興、さらには、新しいスポーツ施設のあり方の検討などを総合的に推進する必要があると思うのであります。 そして、こうした取り組みは、市町村の役割もさることながら、県の果たすべき役割が極めて重要であり、全県的な視野に立って、新しいスポーツの振興策に取り組むべきだと考えておりますが、教育長のお考えをお伺いをいたします。 最後は、新幹線駅や空港などの高速交通拠点の名称についてであります。 やまぐち未来デザイン21には、交流と参加による県勢の振興を柱の一つに位置づけられており、二○○一年には、「いのち燦めく未来へ」をテーマとされた、一大交流、参加のイベントが企画されております。 人口の増加が困難な今は、交流人口の増を図ることは、地域の振興にとって極めて重要であり、県、市町村挙げて取り組むべき重要な課題であると考えております。 御案内のとおり、今日の高速交通時代において、遠くからの本県来訪者は、そのほとんどが新幹線、航空路、高速自動車道のいずれかを利用されております。 東海道と山陽の新幹線駅において、県名のないのが、神奈川、愛知、滋賀、兵庫、山口、福岡の六県のうち、神奈川、愛知、兵庫、福岡は県名より親しまれている横浜、名古屋、神戸、博多があり、実質わかりにくいのは、滋賀と山口の二県のみでありましょう。 空路東京の羽田空港から、行き先の名称は、そのほとんどが県名の二文字で、四文字空港名は南紀白浜と山口宇部のみであります。 県名をつけている空港を見て、その空港所在地が県名と同一の市町名でないところが多いのであります。 近県を見ても、長崎空港が大村市に、大分空港が東国東郡武蔵町、熊本空港が菊池郡菊陽町、鹿児島空港が姶良郡溝辺町、新広島空港が豊田郡本郷町にあり、そのほか、このような所在でありながら県名をつけた空港が国内に数多く見受けられます。 いずれも遠くからの旅行者にわかりやすい県名を空港名として、来訪者への利便を図っております。 いま一つ、高速自動車道のインターでありますが、本県には中国縦貫道と山陽自動車道があり、他県よりは恵まれた環境にあります。 そして、県名のインターも、中国縦貫道に山口インター、山陽自動車道に山口南インターがあり、遠くから初めての県央山口への来訪者は、この二つのいずれかにおりて、ここ山口を訪ねていることを聞いております。 勝手知った我々県民は、山口を訪ねるのに、この山口の名がついたインターでおりることはまずありません。小郡インターを利用しております。 遠来の来訪者に親切でわかりやすい名称にすべきではないかと考える次第であります。 以上のことを具体的に申し上げますと、新幹線の小郡駅を山口駅に、山口宇部空港を山口空港に、高速自動車道小郡インターを山口インターに、この三つの高速交通の停留所の名称を県名に改称されるよう、地元市町、関係機関と相談されてはいかがなものでありましょうか。 もとより、所在市町にとりましては、古来からの名称であり、深い愛着もあると存じますが、県域としての発展、そして県域としての郷土愛をもってお考えをいただきたいと存じます。 やまぐち未来デザイン21の交流と参加のステップとして、また、21世紀未来博覧会に二百万人の交流、参加を促す手だてとして、あえて提言をいたす次第であります。 よろしくお願いを申し上げまして、一般質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○議長(河野博行君) 二井知事。    〔知事 二井関成君登壇〕 ◎知事(二井関成君) 私からは、高齢者モデル居住圏構想、農業問題、駅名等の変更の問題についてお答えを申し上げます。 まず、大島地域における高齢者モデル居住圏構想についての三点のお尋ねでございます。 お示しがございましたように、既に高齢化率が四割を超えている大島地域におきまして、高齢社会のモデルとなるような先進的な地域づくりを進めるために、地元四町、民間団体、県等四十三団体から成る「周防大島高齢者モデル居住圏構想推進協議会」を設立をし、現在、構想の策定を行っているところでございます。 さて、お尋ねの目指すべき島づくりの方向についてでございますが、昨年十二月に、推進協議会が取りまとめた中間報告では、「元気・にこにこ・安心」の島づくりを目指し、高齢者になっても自立して、明るく、安心して生活を送ることができるよう、健康づくりや就業等の社会参加、地域での支え合いや触れ合い活動、高齢者の暮らしやすい生活環境づくり、介護や緊急時の体制づくりなどを進めることが今後の方向として示されております。 私といたしましても、「生涯現役の島」とも言われる大島地域の特性や気風を生かした中間報告の方向で島づくりを進めていく必要があると考えております。 次に、お尋ねの構想の推進方法についてでありますが、先進的な地域づくりを継続性、実効性あるものとして進めていくためには、多くの住民の方々の主体的な参加と地域の行政、関係団体の連携により、新しい実験的、モデル的な取り組みにチャレンジしながら、地域の合意形成を図り、各種事業を推進するとともに、他地域への情報発信を行うことが重要であると考えております。 このため、県といたしましては、来年度、住民みずからが取り組み方策を考える検討会の開催等を支援いたしますとともに、新しい実験的、モデル的な取り組みといたしましては、県庁内でも総合調整を行いながら、 一つは、健康福祉の面では、情報通信システムの活用による高齢者の生活支援の実験や、要援護者に対する財産管理サービスの研究開発、 二つは、農業の面で、高齢者等に配慮した農作業環境の整備、 三つは、商業の面では、高齢者を対象とした買い物支援システムの調査、設計、 など、幅広い分野にわたって事業を進めることにいたしております。 また、介護保険制度の導入を控え、四町の連携のもとに高齢者の健康福祉の充実を図る「広域的老人保健福祉計画」の策定に取り組むことにいたしております。 さらに、大島地域を研修・体験の場とし、他地域に情報発信をするために、新たに「地域介護実習普及センター」を設置することにいたしております。 次に、お尋ねの周防大島総合対策機構の設立についてでありますが、貴重な御提言であるというふうに受けとめております。今後、推進協議会において、構想の具体化に向けた幅広い検討が進められる中で、推進体制のあり方につきましても検討していく必要があると考えております。 今後とも、県といたしましては、全国に情報発信できる先進的な地域づくりを進めるため、国に対して必要な支援を働きかけますとともに、大島地域の住民、行政、関係団体と一体となって構想の実現に向けて積極的に取り組んでまいります。 次に、今後の「むらづくり活動」の促進についてのお尋ねでございます。 お示しがございましたように、農山村地域の活性化を図っていくためには、地域の特性を生かした農林業の振興と魅力ある農山村づくりを一体的に進めることが重要であります。 このため、県としては、農林業者の営農やむらづくりへの主体的な取り組みの促進にあわせ、農山村と都市との交流などを総合的に進める「新むらづくり運動」を展開し、その機運醸成と普及啓発に努めますとともに、地域みずからの創意に基づくむらおこし活動に対し、支援を行ってまいりました。 特に、本年度からは「魅力ある中山間地域づくりモデル事業」等により、地域の多様な資源や特性を生かしたモデル的な取り組みとして、広域連携型、市町村型、集落型の三つのタイプを設定し、行政と民間が一緒になって取り組む手法、これをグランドワーク手法と言っておりますが、この手法によるむらづくりをハード・ソフト両面にわたり総合的に支援するなど、中山間地域における多様な活動を促進しているところでございます。 また、新年度におきましては、引き続きこうした取り組みにあわせ、新たに地域農業の複合化を進めながら、地域農産物を活用した特産品づくりや生産と加工の場を開放した都市との交流等、一次・二次・三次産業の連携による一掛け二掛け三、いわゆる六次産業の形成を目指す「スクラム農業しくみづくり事業」や、森林の持つ多面的な機能を活用し、都市と農山村との交流・連携を図る「やまぐち里山文化構想推進事業」を創設するなど、地域ぐるみの創意あるむらづくりを支援していくことにいたしております。 さらに、これらの活動に対する支援体制の充実を図るため、県段階の「新むらづくり運動推進協議会」に加え、広域生活圏ごとに幅広く各種団体で構成する推進組織を整備していくことにいたしております。 今後とも、市町村、関係団体等と一体となって、個性豊かなむらづくりを積極的に推進していく考えであります。 次に、新幹線や空港等、高速交通拠点の名称変更についてでございます。 お示しがありました名称変更問題につきましては、これまでもさまざまな動きがあったと伺っておりますし、私自身も企業立地セミナー等、県内外の行事に出席の折、これらの名称変更をめぐっての意見を直接耳にいたしております。 駅名や空港等の名称は、旅人の視点や県のイメージアップの観点から種々議論することは有意義なことでございますし、岸田議員の御提言は間もなく新世紀を迎えようとしている今、そして未来博を控えた今日、貴重な御意見と受けとめております。 このため、県といたしましては、今後の高速交通体系の整備の状況や県民世論の動向をも踏まえながら、地元自治体や関係団体で十分協議をする必要があるというふうに考えております。 離島振興対策、水産業の振興の質問については、関係参与員よりお答え申し上げます。 ○議長(河野博行君) 湯田商工労働部長。    〔商工労働部長 湯田克治君登壇〕 ◎商工労働部長(湯田克治君) 離島航路のお尋ねにお答えを申し上げます。 お示しがございましたように、有人の離島が多い本県におきましては、離島航路の果たす役割が非常に大きいものがありますけれども、運航に当たっております航路事業者は、もともと経営基盤が脆弱な上に最近の過疎化、高齢化の進展による利用者の減少とコストの上昇などによりまして、非常に苦しい経営を強いられております。 そのため、県におきましては、従来から国の制度を導入いたしまして、現在県内十五の航路に対しまして、国、市町村と協調しながら航路運営費の一部に補助を行っております。 なお、この国の制度が本年度から変わりまして、航路事業者の経営努力を促すための「経営改善制度」というものが導入されました。 具体的には、収支比率が標準を下回る航路に対して、国庫補助金の一部がカットされることになったわけでありますけれども、県といたしましては、このカット分の二分の一を平成十年度から県単独で補助することといたしております。 また、船舶の代替建造につきましては、国の補助制度がありませんので、変わりまして従来から単県制度による補助を行っておりますけれども、船舶の高速化、フェリー化などの近代化を図る建造を行う場合には、国の補助制度が平成六年度に創設されておりますので、近く高速化されます萩市の見島航路と防府市の野島航路、さらには、平成十年度にフェリー化が計画されております柳井市の平郡島航路の三航路に対しましては、この国の補助制度を導入しまして、国庫補助額の二分の一を県においても補助することといたしております。 県といたしましては、今後とも離島航路の維持、発展のため、海や島に視点を置いた観光振興にも努めながら、ハード・ソフト両面から支援をしてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(河野博行君) 宮本水産部長。    〔水産部長 宮本義則君登壇〕 ◎水産部長(宮本義則君) 水産業の振興につきまして、新規漁業就業者確保に関するお尋ねにつきまして、お答え申し上げます。 御指摘のとおり、本県漁業就業者の減少及び高齢化が著しく進んでおりまして、漁村の活力が低下をいたしておることから、後継者対策を水産業振興の最重要課題と位置づけ、推進してきたところでございます。 新規就業者確保につきましては、平成六年度から漁業就業者確保総合対策事業を実施し、県漁連内に設置をしております「漁業就業者確保育成センター」が主体となりまして、漁業のイメージアップのための広報などを中心に取り組んでまいりましたが、十分な成果が上がっていない状況にございます。 このため、県といたしましては、これまでの取り組みを抜本的に見直しまして、平成十年度から事業の再構築を図り、新たに「ニューフイッシャーマン確保育成事業」として事業内容の強化に努めていくことといたしております。 この事業の実施に当たりましては、漁業に意欲のある人材を全国から幅広く募集するため、就職情報誌、インターネットの活用や都市部でのU・Iターンフェアの開催など、全国に向けて積極的に情報発信を行うなど、募集方法の拡充をいたしてまいりたいというふうに考えております。 また、新規就業者が自立漁家として定着できるようにするためには、漁村に蓄積されております伝統ある漁業技術の習得や漁業権行使資格の取得など、漁村におきます受け入れ体制の整備が重要な課題となりますことから、あらかじめ漁村外からの新規就業希望者を受け入れます地域や漁協、漁家を確保した上で、気象や水産資源に関します講義、操船技術講習等の基礎技術研修を行いますとともに、専門漁家による二年間の実践的な漁業の技術研修を行うこととしております。 特に、これらの研修に専念できますよう、全国に先駆けまして、県単独措置による月額十五万円の研修支援費を支給する「新規就業者定着支援事業」を創設することとしております。 さらに、研修終了者に対しましては、自立漁家として独立できるよう漁船・漁具のあっせんはもとより、これらの購入資金に対し沿岸漁業改善資金等の低利融資を行うなど、総合的な対策を推進することとしております。 今後とも、未来に希望の持てる明るい漁村の活性化に向けまして、一人でも多くの若者が漁業に関心や希望を持ち、自立漁家として就業できる環境条件の整備に努めながら、漁業後継者の確保を積極的に進めていく考えであります。 以上でございます。 ○議長(河野博行君) 上野教育長。    〔教育長 上野孝明君登壇〕 ◎教育長(上野孝明君) 本県スポーツの振興についてのお尋ねでございます。 御指摘のように、スポーツは心身の健康の保持増進や、体力の向上をもたらし、生涯を通じて健康で活力ある充実した暮らしを築く上で重要な役割を果たしております。 先般、公表されました「やまぐち未来デザイン21」におきましても、スポーツの振興は重点的、かつ戦略的に取り組むべき施策として「やまぐち未来創造夢戦略」に位置づけられているところであります。 県教委といたしましても、これまで「生涯スポーツプラン」に基づきまして、県民スポーツ総参加運動の推進や生涯スポーツの普及などに努めるとともに、レベルの高い競技種目を精選し、重点的な強化を図るなど、競技力の向上にも積極的に取り組んでまいったところでございます。 しかしながら、少子・高齢化の進展や自由時間の増大などによりまして、スポーツ活動の重要性は一層高まるものと予想され、また、人々のスポーツ活動は健康志向、レジャー志向などへと広がりを見せておりますことから、御指摘のように新たなスポーツの振興策を展開する時期にあると、私もこのように認識しております。 このため、生涯スポーツ競技スポーツの振興、また県全体のスポーツ施設整備のあり方などにつきまして、総合的に検討いたし、かつ計画的に推進するため、中長期的な視点に立って、現在策定中の「山口県教育ビジョン」とも整合を図りながら、今後のスポーツ振興の指針となる「スポーツ振興プラン」の策定に取り組むことといたしておるところでございます。 今後、県民スポーツ活動を一層促進するため、積極的に取り組まなければならない課題として、 まず、生涯スポーツにつきましては、スポーツ活動を通じた幅広い交流の促進やすべての県民の健康づくりを推進すること、 次に、競技スポーツにつきましては、早い時期から優秀な選手を発掘し、育成・強化を図るとともに、スポーツ医・科学による支援体制を整備すること、 さらに、将来の二巡目国体など全国的、国際的なスポーツイベントの誘致、また、そうした大会の開催を可能とする、それにふさわしいスポーツ施設整備のあり方を検討すること、などが考えられるところでございます。 このプラン策定に当たりましては、こうした課題の解決に向けて、県民の幅広い意見をしっかりと聞きながら、今後の本県のスポーツ振興のあり方や具体的な施策の方向などを明らかにしてまいりたいと考えております。 いずれにしましても、今後、ますます多様化する県民のスポーツニーズに的確に対応し、県民一人一人が日常生活の中にスポーツを豊かに取り入れることができる生涯スポーツ社会の実現に向けて、努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(河野博行君) 秋野哲範君。    〔秋野哲範君登壇〕(拍手) ◆(秋野哲範君) 私は、平成十年二月定例会に当たり、当面する県政の諸課題について質問をいたします。 二十一世紀を目前にして、我が国は今、再生か衰退かの歴史的な岐路に立たされております。人口の少子・高齢化、金融危機に代表される経済の混迷、深刻化する環境問題、財政の硬直化、官僚のモラルハザードなど、乗り越えなければならない課題は山積しております。 我が国が、世界から尊敬を集めるリーダーの座を獲得するためには、戦後の成功を支えた政治、経済、社会の構造を一たん放棄して、新しいシステムを構築していく勇気と実行力を持つことが、まさに今、求められているのであります。 我が山口県も、衰退の道をたどるのか、それとも、二十一世紀に自活できるたくましい山口県に復活できるのかは、ひとえに未来を展望した政策の立案とその着実な遂行の成否にかかっております。 我々県政に携わる者の責務の重大さを改めて痛感しつつ、質問をしてまいりたいと存じます。 まず最初は、産業の活性化対策についてであります。 大手銀行や証券会社の相次ぐ経営破綻をきっかけとした金融不安の増大や株価の低迷、さらには消費税引き上げなどによる個人消費の長引く低迷などにより、景気の後退傾向が鮮明なものとなってきておりますことは、御案内のとおりであります。 ことしの経済動向も、先行きに対する不透明感は強まりつつあることから、早期の景気回復は期待できない状況となっております。 このような中、「やまぐち未来デザイン21」では、既存産業の活性化はもとより、新産業の創出や新規事業展開などの促進を図り、本県経済の成長軌道を確実なものとする必要性を訴えられ、平成二十二年までの本県の経済成長を年平均おおむね二・五%程度と見込まれております。 現在の経済環境を考慮いたしますと、今回想定された二・五%という経済成長率は、かなり高い数値だと思いますが、その実現のためには、今後、本県経済を強力に牽引する新たなリーディング産業を一刻も早く育てていくとともに、東アジア諸国を中心とした国際的な貿易・物流機能を一層強化していくことが必要ではないかと考えるのであります。 そのためには、地域間や国際間競争に打ち勝つ強靱な産業基盤を築いていくことが重要でありまして、私は、三つの分野のインフラ整備を提言したいのであります。 第一のインフラは、これまでから言い尽くされている感がありますが、産業発展のハード基盤である「産業インフラ」であります。 中でも重要なのは、国内外のアクセス強化のための陸、海、空の高速交通基盤の整備であると考えるのでありますが、本県では、陸域では中国縦貫自動車道や山陽自動車道が整備されており、また海域では、徳山下松港の機能整備や下関沖合人工島の建設にも取り組まれております。さらに空域では、山口宇部空港の滑走路の延長工事や東部新空港の設置計画も進められておりまして、早期の整備を期待いたしております。 第二のインフラは、「情報インフラ」であります。 このことについては、私は、これまで幾度も質問させていただいておりますが、明年度の予算案におきましても、山口県情報スーパーハイウェイ構想の一環として、「やまぐち情報スーパーネットワーク構築事業」や「情報関連新産業創出支援事業」など、高度情報ネットワークの整備を加速化されるようであります。 以上の二つのどちらかといえばハードなインフラに加え、将来に向けて最も重要なインフラとして位置づけるべきではないかと考えますのが、学術研究機能や技術、人材などソフト面の「知的インフラ」であります。 その知的インフラの一つが学術試験研究機関でありますが、県では、これまで、山口東京理科大学や超高温材料研究センターを誘致されております。加えて、現在、来年春のオープンを目指し、新しい工業技術センターの整備を進められており、私も大いに期待しているところであります。 その新工業技術センターの整備コンセプトとして、次の三点が掲げられているのであります。 第一点は、二十一世紀を展望した技術立県山口の研究開発拠点、第二点は、県産業技術開発機構の機能と一体的に、企業に対する総合技術支援の拠点、そして第三点は、県内の中小企業にとどまらず、広く大学、民間研究機関、大手企業等とダイナミックな交流を展開する開かれた研究機関を目指すとされておりまして、大変すばらしいものとなっております。 しかしながら、このすばらしいコンセプトに沿った拠点づくりを実現していくためには、ハード面はさることながら、問題は中身、すなわち、いかに新たな知識や技術、情報を創造し、発信できるかということが重要なのであります。 同時に、中小企業を中心とする県内製造業の技術力の向上をサポートする役割を担う工業技術センターへの期待は、ますます高まっており、その期待にもこたえていく必要があります。 本県は、工業県として発展してきたことから、民間研究機関も多数立地しておりますし、山口大学や工業高等専門学校、それに先ほど申し上げた山口東京理科大学や超高温材料研究センター、あるいは県外の国立、公立の研究所等他の機関との連携もさらに強化していくことが重要ではないかと思います。 そのためには、研究員の量的な確保はもちろんのこと、若手研究員の育成も重要な課題であり、また、真に開かれた研究機関となるよう、だれもが気軽に利用できる仕組みづくりや交流が十分展開できるよう、他の機関とのネットワークづくりを進めていくことが必要と考えます。 そこで、新工業技術センターについては、ソフト面でどのように拡充しようとされるのか、まずお尋ねいたします。 また、知的インフラの整備に関しましては、工業技術センターの拡充だけでなく、技術振興の総合的な対策を進めていくことが必要であります。 県では、「技術振興基本構想」、いわゆる「インターテックやまぐち21構想」に基づき、さまざまな施策を展開されております。 しかし、その一方で、若者の製造業離れや技術者の高齢化が進むなど、将来、製造業を担う技術者が不足するのではないかという懸念も生じております。 技術は、まさにソフトな資源であり、かつ専門的要素が強いことから、一般県民の方々に理解されにくい面もありますが、我々が今豊かで文化的な生活が享受できるのも、技術の支えがあってこそなのであります。 また、技術こそ新たな産業を創造するかぎとなっているのであり、本県がいつまでも付加価値の高い生産拠点として飛躍し続けるためには、レベルの高い技術が必要不可欠な資源であります。 そこでお尋ねをいたしますが、県では、技術の振興、開発に今後どのように取り組まれようとしているのか、お伺いをいたします。 次に、環境問題についてお尋ねします。 私たちの周りは、五万種とも七万種とも言われる化学物質であふれ返っております。 DDT、PCB、ダイオキシン類等の化学物質が、体や植物だけでなく、北極から南極、成層圏から深海まで地球の隅々を汚染しようとしております。 一方で、私たちの生活も化学物質がなければやっていけないほどに、その便利さにならされてしまっているのも事実であります。 しかしながら、生物の三十数億年の進化の中で、これほど多くの未知の化学物質と遭遇し始めたのは、過去数十年のことでありまして、ふえ続けるがんや先天異常の多くが、化学物質との「不適合現象」であることは間違いないと言われているのであります。 化学物質とのつき合いをどうするのか、根本的に考え直さなければならない時期は、とうの昔に過ぎていると言えます。 今回また、新たにショッキングなニュースが環境庁から公表されました。 生物や人の生殖に悪影響を及ぼすと指摘されている有害な化学物質である内分泌攪乱化学物質、いわゆる環境ホルモンの一種であるビスフェノールAが、国内各地の港や河川の水、泥、魚から検出され、汚染が広がっているとのことであります。 また、発がん性のある猛毒のダイオキシン類が検出された地点も、前年度の調査に比べて増加していることも公表されたのであります。 ビスフェノールAは、合成樹脂の原料であり、生物の体内に入ると女性ホルモンと似た働きをして、マウスの実験では雄の精子の運動能力の低下、雌の分娩回数の減少などが報告されているところであります。 ダイオキシン類の検出状況は、底質三十六地点、魚類三十五地点の調査のうち、魚類から検出した地点数が前年度の十三地点から三十五地点すべてと、大幅に増加したとのことであります。 これは、今回の調査では、前年度までの調査に比べ検出限界が下がったことも、検出頻度が高くなった要因とも言われておりますが、対応を急がなければならないことには変わりありません。 本県においても、ダイオキシンの濃度測定に向けて準備が進められていると理解いたしておりますが、空気中の濃度のみならず、河川、海、魚の濃度を監視することが必要であります。 また、ビスフェノールAについて、本県としても注視すべきであると考えております。 そこでお尋ねしますが、これら化学物質の新たな汚染について、今後、県はどのように対応していかれるのか、お伺いをいたします。 次に、少子・高齢化対策についてお尋ねします。 本県の人口は、昭和六十年に百六十万一千六百二十七人でピークを迎え、以降は漸減を続けた結果、平成七年には百五十五万五千五百四十三人となっております。 また、国立社会保障・人口問題研究所の推計によりますと、本県人口の将来推計では、二○一○年には百四十五万七千人、二○一五年には百四十万三千人へ減少すると予測されております。 このような人口の減少、とりわけ少子・高齢化の進展は、労働力供給の制約、経済活力の低下、高齢者雇用の需給ギャップ、社会保障負担の増大、マーケットの変質など、県政への影響ははかり知れないものがあります。 こうした中、県が「やまぐち未来デザイン21」におきまして、平成二十二年、二○一○年における本県の定住人口を百五十万人台に想定され、予想される人口の減少に対し、趨勢を打ち破る目標を掲げられたことは、意義深いことだと評価するものであります。 そこで、少子・高齢化のために必要と思われる次の二点について、県の対応をお伺いいたします。 まず、少子化の問題でありますが、核家族化が進展している中で、女性が仕事と育児を両立していくためには、安心して子供を産み育てることのできる環境を整備することが必要でありまして、保育サービスに対する期待はますます高まっております。 こうした中、国におきましては、児童福祉法が五十年ぶりに改正されまして、新年度から施行されることとなりました。 この法改正によりまして、保育制度については、保育所の入所が利用者による選択制に改められるとともに、保育料負担がこれまでの所得に応じた負担方式から、子供の年齢等に応じた保育サービスに基づいて算定される方式に改められたところであります。 その結果、子供の個性や親の勤務条件に合わせて保育所を選ぶ権利が明確になるとともに、反面、保育所の側も利用者の需要に応じた保育サービスの提供に努めることが必要になるのではないかと考えます。 私は、こうした法改正の趣旨を生かしていくためには、保育サービスの量と質が確保されることが前提であり、利用者の利便性を高めるためには、保育所の広域的な利用や延長保育、一時的保育等の特別保育の促進や、低所得者へ配慮した保育料の軽減等が必要と考えております。 そこでお尋ねをいたしますが、こうした保育所サービスの充実に向けて、県は、今後どのように取り組んでいかれるのか、見解をお伺いいたします。 少子・高齢化対策の第二点目は、高齢者の雇用問題についてであります。 御案内のとおり、本県は、全国に比べ高齢化が著しく、まさに超高齢化社会を迎えようとしております。 このようなことから、本県では、ほかの県にも増して高齢者対策、とりわけ、元気で働けるお年寄りの雇用問題が重要な課題となっていると思うのであります。 現在、国においては、年金の受給開始年齢の引き上げ問題が議論されており、これが現実のものとなれば、六十歳定年をさらに延長するような政策も検討せざるを得ない事態になろうかと考えております。 しかしながら、地球規模での市場競争が激化する中で、我が国の企業においては、逆にリストラや早期退職優遇制度が拡大するとともに、終身雇用制度の見直しに向かって動きつつあるのが現状のようであります。 このように、高齢者雇用を取り巻く環境は、極めて複雑かつ厳しいものとなっており、高齢者が幾ら高い就業意欲と能力を持っていても、そのパワーを発揮することは困難な状況となっております。 このようなことから、継続雇用や再就職の促進の取り組みを強化することはもちろん重要でありますが、それにも限界がありますことから、新しい就業支援システムでありますシルバー人材センターの機能の拡大を図っていくことが重要だと考えるのであります。 長寿化が進む中で、お年寄りが、豊富な経験や知識を生かしながら、生き生きと活躍できる場づくりを進めていくことは、本県の重要施策ではないかと考えております。 そこでお尋ねをいたしますが、県では、高齢者の雇用対策にどのように取り組もうとされているのか、お伺いをいたします。 次に、教育問題についてお尋ねいたします。 今日、交通・通信手段の発達や情報化などが進む中で、国際交流が急速に進展し、国際的な相互依存関係がますますその度合いを深めております。 このような状況のもとで、広く国際的視野に立ち、国際社会で活躍できる人材を育成することは急務でありまして、このため、コミュニケーションの手段としての外国語教育の必要性は、一層高まっているのであります。 先般、岐阜県の各務原市で、来年度から市内の全小学校でパソコンを使った英語教育を始めるという話を聞きました。これは、英語クラブのほか、朝や昼休みなどの時間を利用して、英語ソフトを使い、さまざまな状況に応じた対話形式の英会話や初歩的な文法、単語などを教えるといったものであります。 会話能力の向上を図るためには、少しでも早い時期から外国語になれ親しむことが重要であると考えますが、本県においても、こうした外国語教育を小学校段階から取り入れていくことをどのように考えておられるのか、まずお伺いいたします。 次に、中学校、高等学校での外国語教育についてでありますが、現在、中学校や高等学校で外国語教育を受けた子供たちが、実際に外国の人を前にしたとき、十分な意思疎通ができるかというと、いささか疑問に思っております。 私は、生きた英語を学ぶためには、外国に行って実際の英語に接することが最良であり、また、最も身につく方法であると思っております。まさに「習うより慣れろ」なのであります。 しかし、実際には、すべての生徒が外国に行って、そうした体験をすることは不可能でありまして、国内での語学教育をより一層実践的に進めていくことが必要であると考えております。 その意味から、ネイティブスピーカーである英語指導助手の効果的な活用を図っていくことが急務であると考えております。 昭和六十二年度にJETプログラムによる外国語指導助手の招致が始まり、ことしで十一年目となりますが、現在では毎年、約五千人もの外国語指導助手が来日し、全国の中学校、高等学校で熱心に語学教育に携わっているとのことです。 しかしながら、その多くは大学を卒業したばかりの若者であり、生徒の指導について試行錯誤を繰り返す場面も出てくることが想定され、生徒にとって、より一層魅力ある授業にするための方策も考えなければならないと思っております。 そこでお尋ねでありますが、英語指導助手をより一層活用し、生徒の会話能力の向上を真に高めていくべく具体的にどのように取り組まれようとしているのか、教育長にお伺いをいたします。 最後に、最近の少年非行に関して、警察本部長にお尋ねいたします。 昨年の神戸市須磨区の事件を発端とするかのように、少年による凶悪な事件が多発いたしております。 先ごろも、中学生が、校内で注意した教師をナイフで刺して殺害した事件や、けん銃を奪う目的で警察官をナイフで襲った事件が発生するなど、「今の少年事件は少しおかしい」という認識を、我々大人の多くが持ち始めています。 そして、この危惧を持つ者は、最近の少年非行の凶悪化、増加傾向の底流には、少年の規範意識の低下という問題があるのではないかと感じているのではないでしょうか。 少年の規範意識の低下ということは、現代社会が生み出した病巣とも言うべきものであり、ひとり警察がその責を負うものではなく、社会全体で取り組んでいかなければならない問題であることは言うまでもありませんが、この問題の解決に向けての諸対策には、少年非行の最前線に立つ警察の意見や情報は、十分に生かされなければならないと思っております。 すなわち、少年の規範意識の啓発のためには、社会全体が少年の不良行為への関心を高めるとともに、少年非行に関する情報の発信ということが重要となってくるのではないかと考えるところであります。 最近の少年非行の内容を個別に見てみますと、覚せい剤の乱用では、「ダイエットになるから」とか「夜眠くならない」といった理由を挙げる青少年が多くなっているようでありました。 ナイフの所持についても、「かっこいいから」といったファッション感覚によるところがあるとのマスコミ報道もあります。 さらに、ツーショットダイヤルなどを利用した性非行についても、電話という匿名性の高い手段を使用することにより、非行の入り口段階での危機感を喪失させているのではないかと思うのであります。 このような誤った情報や感覚が日常性を持ち始め、少年社会独自の口コミというネットワークの中で、恐るべきスピードで広まっていることに、私は危機感を持つのであります。 こうした誤った情報が蔓延していく中にあって、「覚せい剤は決してやせ薬ではない」、「理由もなく人を殺傷するためだけの道具でしかないナイフを持ち歩くことは法律に触れる」、あるいは「安易にツーショットダイヤル等の営業に青少年がかかわることが、みずからの心身を大きく傷つけることにつながる」といった、正しい情報をタイムリーに、そして、誤った情報に対するカウンター情報として提供していくことが、今緊急に必要な対策なのではないでしょうか。 例えば、中学校や高校といった学校教育現場に少年事件を担当する警察官を講師として派遣し、時には視聴覚機材を活用するなどして、青少年の非行について講義をし、また、薬物や性非行その他について正しい知識を植えつけ、青少年本来の純粋な良識を喚起させる努力がなされるべきかと考えるところであります。 そこでお伺いいたしますが、青少年の各種非行に対する正しい情報の提供ということについて、県警察としてはいかなる認識をお持ちなのか、また、この種の問題についての情報提供ということにどのように取り組んでおられるのか、お尋ねをいたしまして、以上で私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(河野博行君) 二井知事。    〔知事 二井関成君登壇〕 ◎知事(二井関成君) 私からは、技術の振興・開発、それから高齢者の雇用問題についてお答えを申し上げます。 まず、今後の技術振興開発への取り組みについてでございます。 御案内のとおり、本県には、技術ポテンシャルの高い大手企業の研究機関が集積をしておりまして、先端的分野の研究が行われております。 しかしながら、その一方で基礎素材型のシェアが高く、加工組み立て型のシェアが低い本県の工業構造のもとで、中小企業の技術力は低い水準で推移をし、この向上が特に八○年代以降の大きな課題となっております。 そのために、全県的な中小企業の技術振興をねらったテクノポリスという一大プロジェクトを導入し、その起爆剤となるハイテク企業や理工系大学の立地を図るほか、テクノポリス財団でもあります県の産業技術開発機構の各種事業や、産・学・官連携の共同研究等による技術力の強化策に取り組んでまいりました。 その結果、本県の中小企業の技術力は、最近著しく向上し、ハイテク企業の進出や既存の大手企業の内発展開に際し、ビジネスチャンスを得るなど、着実に力をつけてきております。中小企業創造活動促進法に基づく研究開発等事業計画の知事の認定件数が全国的に上位にありますのも、そのあらわれの一つではないかというふうに考えております。 今後はお示しのとおり、こうした技術力を地域のソフトな資源として生かしながら、それを加速的に高めることにより、新たな産業や雇用の場の創出につなげていくことが重要な課題であります。 このため、今後重点的に強化すべき技術を「中核技術」として選定をし、その確立を図るため、大学や大手企業等の先端技術を中小企業へ技術移転するための産・学・官共同研究や研究開発費助成制度の充実、未利用特許の有効利用、企業技術者育成のための先端技術研修等をさらに強化をいたしますとともに、新年度におきましては、次世代を担う若者等の製造業への理解を深め、「ものづくり」に携わる人材の確保・育成を目指した「地域ものづくり協議会支援事業」、県内中小企業の新技術、新製品の開発と企業化を促進するための「中核技術研究開発事業」を新たに実施をしたいと考えております。 そして、今後とも、「はつらつとした産業」の育成を目指して産・学・官の連携を図りながら、新工業技術センター及び産業技術開発機構を拠点として、二十一世紀に向けた戦略的な技術振興施策を推進してまいりたいと考えております。 次に、高齢者の雇用対策についてでございます。 お示しのとおり、本格的な高齢化社会を迎え、高齢者が安心して生活を送れるようにするためには、継続雇用の推進や多様な形態による雇用・就業の場の確保を図るなど、高齢者の豊かな知識や経験を生かせる環境づくりを進めていくことが、極めて重要であると認識をいたしております。 このため、県といたしましては、これまでも六十歳定年を基盤とした六十五歳程度までの継続雇用の推進に努めてまいりましたが、本年四月一日からは、従来、努力義務でありました六十歳定年が義務化されるということになりましたので、これを機会に希望する者が六十五歳まで現役で働くことのできる社会の実現に向けて、企業の一層の理解が得られるよう継続雇用定着助成金や、高年齢者雇用環境整備奨励金等の各種助成金等の制度の啓発や、相談援助に努めていきたいと考えております。 さらに、高齢者の就業の場の確保につきましても、高齢者の多様な就業ニーズに対応した臨時・短期的な就業機会を提供するために、現在、十四のシルバー人材センターと一つのミニシルバー人材センターが、二十五の市町村において行っております事業の充実に努めてまいりたいと考えております。 また、この事業が実施をされていない町村に対しましては、昨年九月に設立をされました「社団法人山口県シルバー人材センター連合会」との連携のもとに、既存のセンターを核とし、事業地域の拡大を促進をいたしますとともに、新年度予算におきまして、国庫補助の対象にならない事業規模の小さな町村におけるミニシルバー人材センターの設置を促進するために、新たに県単独の補助制度を設けたところでございます。 今後とも、高齢者の方々が高い就業意欲と能力を十分に発揮しながら、生き生きと活躍ができますように高年齢者雇用対策の推進に一層努めていきたいと考えております。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答えを申し上げます。
    ○議長(河野博行君) 湯田商工労働部長。    〔商工労働部長 湯田克治君登壇〕 ◎商工労働部長(湯田克治君) 新しい工業技術センターのソフト面の拡充について、私からお答え申し上げます。 宇部新都市において建設を進めております新しい工業技術センターにつきましては、来年春のオープンを目指して順調に工事が進捗しておりますけれども、このセンターには、お示しがございましたような新しいコンセプトを持った総合的な技術支援拠点にふさわしい機能を付与することが、極めて重要であると考えております。 そのため、平成五年に産・学・官で構成する工業技術センター整備検討委員会を設置しまして、機能や推進体制等を含めた整備基本計画を取りまとめました。そして、この計画をもとにいたしまして、新しい工業技術センターをやがて誕生させようとしているところであります。 お示しのように、新たな知識や技術、情報を創造・発信し、真に中小企業の技術力向上をサポートする役割を担うセンターとするために、運営体制につきましては総合調整、窓口機能等の強化、研究室・設備機器の一般開放、情報ステーションの効果的な運用等によりまして、より一層の利用者サービスの向上に取り組むことといたしております。 次に、研究開発機能の強化につきましては、中核的技術としてふさわしい設備機器を整備いたしますとともに、昨年三月に策定いたしました「山口県産業活性化指針」の中に、重点育成プロジェクトとして位置づけております福祉・医療、環境、マルチメディア分野に対応する研究員の重点的な投入、企業や大学から招く客員研究員の活用、大学等への派遣研修を通じた若手研究員の育成等による充実、そして大学や国の研究機関、あるいは他県の工業技術センターなどとの広域連携による技術開発、産・学・官による大規模な共同研究開発、大学等の技術シーズと企業ニーズを融合させ、新製品開発に結びつけるコーディネート機能の強化などによりまして、中核技術の確立を図り、これを中小企業に移転するためのより効果的な方策を検討しているところであります。 今後とも多様なソフト面の施策の充実に積極的に取り組みまして、新しい工業技術センターが二十一世紀を展望した「知的インフラ」となりますように、鋭意努力していきたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(河野博行君) 村岡環境生活部長。    〔環境生活部長 村岡正義君登壇〕 ◎環境生活部長(村岡正義君) 環境問題に関し、化学物質による新たな環境汚染に対する県の対応についてのお尋ねにお答えをいたします。 人の健康や生態系に悪影響を及ぼす可能性のある化学物質については、昭和四十九年以来、国において全国的な環境調査を実施してきており、県としても、昭和五十五年から国と連携のもとに大気、水質、底質、魚類について、延べ六百九物質にわたり環境調査等を実施してきたところでございます。 これらの結果、現状において特に問題となる濃度の化学物質は検出されておりませず、お示しのビスフェノールAについても、平成八年度、県内二地点で水質、底質及び魚類について調査した結果、いずれも検出されなかったところであります。 なお、先般、大阪府内において製造された幼児用食器から、食品衛生法の容器の規格基準を超えるビスフェノールAが検出されましたので、県としては、現在、その疑いのある商品の回収に鋭意努めているところであり、さらに県内で製造され、また流通している食品容器の安全を確認するため、緊急に調査を実施することとしております。 また、ダイオキシン類については、大きな社会問題となっていることから、県内六地点で大気環境の状況を把握するため、本年度緊急的に環境調査を実施し、今月中に結果を公表することとしております。 この結果を踏まえ、今後の調査の実施方法等を検討し、来年度以降も継続して調査を実施することとしております。 お示しの内分泌攪乱化学物質、いわゆる環境ホルモンを含む今日の化学物質による環境問題については、これらの物質の環境中の濃度、挙動、暴露量と人の健康に及ぼす影響等、科学的知見が十分でないことから、国においては、化学物質が人の健康や生態系に及ぼす影響、いわゆる環境リスクを科学的に評価し、これを低減していくための総合的な対策についての検討が行われているところであります。 県としても、今後、これらの化学物質の環境リスクに関する必要な情報収集や科学的知見の集積に努めるとともに、継続的な環境調査を実施するなど、化学物質による環境汚染対策に積極的に取り組んでいく考えであります。 以上でございます。 ○議長(河野博行君) 藤井健康福祉部長。    〔健康福祉部長 藤井俊彦君登壇〕 ◎健康福祉部長(藤井俊彦君) 私から、少子化に関連いたします保育サービスの充実についてお答えいたします。 少子化の進行、夫婦共働きの一般化など、子供と家庭を取り巻く環境が変化しております中で、仕事と子育ての両立を支援するため、保育サービスの充実を図ることは重要な課題であります。 県といたしましては、これまで「児童環境づくり行動計画」に基づき、平成十二年度の目標達成を目指しまして諸施策を計画的、かつ着実に推進してきているところであります。 お示しのとおり、来年度からは児童福祉法の改正によりまして、利用者が希望する保育所を選択する仕組みに改められますことから、県といたしましては、市町村や関係団体と一体となりまして、多様な保育ニーズに対応した質の高い保育サービスを、さらに利用者の立場に立って提供できますよう取り組んでいかなければならないと考えております。 このため、来年度におきましては、まず、利用者による選択制となりました新たな保育所制度が十分に機能いたしますよう、その趣旨につきまして利用者や関係者に対し、より一層の周知を図りますとともに、利用者が希望する保育所へ入所できますように、保育所の広域的な利用につきましても、関係者に対しきめ細かな指導・助言を行ってまいります。 また、利用者の多様な保育ニーズに対応するため、乳児保育、延長保育、一時的保育などの大幅な拡充を図りますとともに、障害児保育を促進するため、新たな助成制度を設け、その受け入れ体制の整備を進めることとしております。 お示しの低所得者に対します保育料の軽減につきましては、このたび示されました国の保育料の基準額は家計に与える影響も配慮されておりますことから、県といたしましては、市町村がこれを踏まえた適切な保育料の設定がなされますように、きめ細かな指導を行っているところでございます。 今後とも、県といたしましては、安心して子供を産み育てることができますように、市町村や関係団体との緊密な連携のもとに、保育サービスの充実に積極的に取り組んでまいります。 以上でございます。 ○議長(河野博行君) 上野教育長。    〔教育長 上野孝明君登壇〕 ◎教育長(上野孝明君) 外国語教育について二点のお尋ねでございます。 御指摘のように、今後、国際化が進展する中で、コミュニケーションの手段としての外国語教育の必要性は一層高まっていると考えております。 第一点の小学校段階における外国語教育の導入についてでございますが、外国語に対する新鮮な興味を有し、柔軟な吸収力を持っている小学生に、外国の言語や文化に触れさせることは、国際社会で活躍できる人材としての基盤を培う上で極めて効果的であると思っております。 このため、現在、阿知須町立阿知須小学校では、文部省の指定を受けまして小学校における外国語教育、とりわけ「聞くこと」「話すこと」に焦点を当てたコミュニケーション能力の育成について、研究開発を進めているところでございます。 また、県下の幾つかの小学校では、特別活動などにおきまして、英語指導助手を初めとする外国人との交流を深めており、これらの触れ合いを通してコミュニケーション能力の育成に効果を上げております。 さらには、外国の文化に対する理解を深めているところでございます。 今後とも、小学校における外国語教育のあり方について研究を進め、小学校段階におけるコミュニケーション能力の育成に努めてまいりたいと考えているところでございます。 次に、英語指導助手を活用した生徒の会話能力の向上に向けての取り組みについてでございます。 御案内のように、英語指導助手は、外国語教育の充実と地域レベルでの国際交流の推進を図ることを目的とし、昭和六十二年度から招致されております。 この英語指導助手は、英語教員とのティームティーチングを行うとともに、部活動、文化祭などの学校行事あるいは長期休業中において生徒と交流をし、その中で生徒は学習を深めているところであります。 さらに、県教委といたしましては、平成十年度に新たに「コミュニケーション能力向上委員会」を設けまして、御指摘の英語指導助手の一層の効果的活用方法や生徒の海外研修などについても、検討を進めることといたしておりますし、また「サマーセミナー」を計画をして、生徒が英語指導助手とともに合宿して研修する場を設けることといたしておるところでございます。 今後とも、国際的視野に立った広い心を持ち、明確な自己主張のできる人材の育成に努めてまいる所存でございます。 以上でございます。 ○議長(河野博行君) 松川警察本部長。    〔警察本部長 松川忠晴君登壇〕 ◎警察本部長(松川忠晴君) 少年非行防止のため、必要な情報の提供の問題につきましてお答え申し上げます。 ただいま議員からも御指摘のございましたとおり、最近、少年非行の凶悪・粗暴化、増加傾向が目立ってきておりまして、極めて憂慮すべき状況にあると受けとめております。 こうした少年非行の悪化に歯どめをかけ、次代を担う少年の健全育成を図っていくことは、社会全体の責任であり、警察のみならず、家庭、学校、地域及び関係機関・団体が一体となり、県民総ぐるみで取り組んでいく必要があると考えております。 そうした取り組みを効果的に推進するに当たりましては、御指摘のございましたとおり、蔓延しつつある薬物、ナイフの所持等に関する誤った認識を是正し、少年一人一人にしっかりとした規範意識を持たせるため、必要な情報発信を積極的に行っていくことが極めて重要であります。 このため、県警察といたしましては、少年自身に対してはもとより、少年を非行から守るべき立場にある保護者、学校関係者、地域住民の方々にも少年非行防止のための情報を積極的に提供しているところでございます。 具体的には、学校警察連絡協議会や地域住民の方々との協議会の場や各種広報媒体を活用しつつ、保護者、学校関係者、地域住民の方々に働きかけると同時に、各種非行防止教室の開催などによりまして、児童生徒に直接呼びかけを行っているところであります。 特に、御提言のありました学校教育現場に警察官、婦人補導員を派遣しての非行防止教室につきましては、昨年中に薬物乱用防止教室を延べ百六十八回、万引き等非行防止教室を延べ五十八回開催するなど、積極的に取り組みを行いまして、延べ八万人の児童生徒の参加を得たところであります。 内容的には、その時々の社会問題となっている事象をとらえて行っておりまして、現在は刃物の携帯あるいは薬物乱用問題に関しまして、正当な理由なくナイフ等を携帯すること自体が法に違反する行為であること、覚せい剤、シンナー等の薬物乱用は急性中毒や精神障害を引き起こし身体に有害であることから、その使用等が法律で禁止されていることなど、違法性、有害・危険性を具体的に教え、正しい知識の普及と規範意識の醸成に努めているところであります。 また、講習に当たりましては、例えば薬物の有害性を認識させるため、シンナーを散布いたしました発砲スチロールが溶けていく状況を観察させるなど、より効果的でわかりやすい講習に努めているところでございます。 こうした情報提供活動につきましては、今後とも、その時々の少年非行情勢を洞察しながら、積極的かつより効果的な形で進めてまいる所存でありまして、そうした点をも踏まえまして、少年警察部門の人的体制の充実・強化を図りますとともに、家庭、学校、地域及び関係機関・団体との連携をより一層強化してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(河野博行君) この際、暫時休憩いたします。再開は、午後一時の予定であります。    午前十一時四十六分休憩    午後一時開議 ○副議長(桑原孝行君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 △日程第二一般質問 △日程第三議案第一号から第六十六号まで ○副議長(桑原孝行君) 日程第二、一般質問を行い、日程第三、議案第一号から第六十六号までを議題とし、質疑の議事を継続いたします。浅野謙二君。    〔浅野謙二君登壇〕(拍手) ◆(浅野謙二君) 日本共産党の浅野謙二でございます。足かけ二十三年、執行部や同僚議員の皆さんには大変お世話になりました。日々感謝しながら過ごしておりますが、思いを込めたあいさつは、一年後に行うことにいたしております。 とりあえず、この一年間思い残すことがないように、中島さんとともども、しっかり質問し、しっかり提言しようと思っておりますので、従来どおり、よろしくお願いいたします。(拍手) 通告に従い、知事の政治姿勢、環境問題、開発問題について、知事と関係参与にお尋ねいたします。 政治姿勢の問題では、国の財政構造改革路線の問題と高金利県債の処理、農業問題、情報公開、米軍の問題についてお尋ねいたします。 第一は、橋本内閣の「財政構造改革」路線を白紙に戻せという問題であります。 今、我々が審議している来年度の県予算、県下市町村の予算にも、国の「財政構造改革法」は、大きな影響を与えております。 この改革法は、国の財政は危機的ということで、特別減税など、とんでもない話。聖域なしで大なたを振るう、「痛みを伴うのは当然」ということで強行された悪法であります。 ところが、アメリカが「減税をやれ」と言えば、飛行機の中で、総理は突然気が変わり一年限りの減税が実施されました。 元官房長官が、「銀行支援のため、十兆円出せ」と発言したと思っておるうちに、三十兆円にまで膨れ上がり、不良債権のしりぬぐいと、「要らない」と言う銀行を説得してまで税金を使うという大盤振る舞いであります。 審議されておる国の予算も、大企業とゼネコン向けの大型補正は既成事実とされており、当初予算は仮の姿にすぎないというありさまであります。 「二○○三年までに赤字国債をゼロにする」という橋本内閣の財政再建目標は、既に投げ捨てられたと言ってもいいような状況であります。 残されたのは、一体何か。医療、社会保障、教育、中小企業、農業など暮らしを支える予算を二十一世紀まで連続的に削減するという仕組みと、地方公共団体への負担転嫁であります。 二井知事にお尋ねします。話が違うとは思いませんか。県民と地方公共団体は、被害者であります。国の悪政から県民を守る防波堤としての役割を県が果たすと同時に、根拠と道理を失った「財政構造改革」路線を白紙に戻せと、国に求めるお考えはありませんか。 第二は、高金利の県債の問題であります。 平成六年度の県債元利償還のうち、金利分は二百二十億円でした。 今回提案されておる来年度予算では、元利償還七百七十三億円のうち、金利分は二百九十億円と膨大なものに膨れ上がっております。 三百六十五日で割ると、毎日七千九百四十五万円、土日・祝祭日を除き銀行のシャッターが開いておる日に限れば、厳しさを増す県財政の中から、毎日一億一千六百四十六万円、金利を振り込むということになるわけであります。 七%近い高金利のものも残っている今、この県債を今年度の平均金利で借りかえれば、九十億円程度の支払い金利が減ることになります。それを将来にわたって試算すれば、二百数十億円の財源が確保されることになるのであります。 これは、山口県の行財政改革、財政健全化の核心をなすものと言えると思います。 実態金利と余りにもかけ離れた高金利債を長期にわたり引きずっている問題について、県は、どのように取り組んでこられたのか、これからどうするのか、これをお尋ねいたします。 あわせて、県財政の現状認識と今後の見通しについて、知事にお尋ねいたします。 第三は、農業問題です。 来年度予算案で提案されている稲作農家支援の一%の低利特別資金制度の創設や、昨年の災害の教訓を生かした、ため池改修の農家負担の大幅軽減などは、農家の切実な要望を反映したものとして評価をいたします。 同時に、今後、一層きめ細かな対策がされるように、強く期待をするものであります。 しかし、農村と食糧問題が厳しい局面に立たされておる今日、根本問題は、従来の農政の抜本的な転換ではないでしょうか。 一つは、農業を国の基幹産業としてしっかり位置づけることであります。こうすることによって、後継者問題を含めて、農業を希望の持てる仕事にすることができるのではないでしょうか。 この点について、知事の見解をお尋ねします。 さらに、山口県は、国の農政にあわせて、認定農家、中核農家の規模拡大で産地間競争に打ち勝つという方針であります。これを県農業の柱にしたのでは、県の実態に合いません。 中山間地域が多く、小規模、家族経営が多数を占める現実に、軸足をしっかり据え直すお考えはありませんか、これをお尋ねいたします。 第四は、情報公開の問題についてであります。 税金の集め方、使った内容、住民を拘束する諸制度や許認可の現状と結論に至る経過、これらの問題について、住民の知る権利を保障することは、民主的政治や地方分権のかなめをなすものであります。 山口県では、昨年九月一日から実施されましたが、六カ月間の結果と特徴、県として、この新しい制度を県民に知らせるために、どのように取り組んでこられたのか、お尋ねします。 さて、山口県の条例のさまざまな問題点について、日本共産党県議団は指摘をしてまいりましたが、その後、県民の知る権利、情報公開についての見方・認識も、時とともに発展し、行政、議会の対応も変化してきました。 また、最近発表された国の情報公開法案は、知る権利を明確にしない、情報公開が情報隠しにつながりかねない、こういう大きな問題点を含みつつも、決裁前の文書公開や、法律施行前からの保管文書公開、何人も開示を請求できるなど、都道府県の条例より進んだ内容も中にはあります。 また、東京都では、警察だけ特別扱いする理由はない、このようにいたしまして、都の公安委員会、警察情報も原則公開する方針で、都の条例策定が進みつつあるのであります。 「しっかり聞く」前提と言える「しっかり知らせる」情報公開問題について、現時点での知事と公安委員長の基本姿勢をお尋ねします。 この問題の最後で、米軍問題についてお尋ねいたします。 二月二日、米海兵隊岩国航空基地所属のFAホーネット戦闘攻撃機が、飛行中、四百六十メーターのワイヤーを投棄したことが報道されました。 すぐ連絡を受けた県も岩国市も、この問題について県民に公表しておりません。 こんな危ないものが、我が物顔で県土の上空を飛ぶこと自身が大問題でありますが、危険なもののぽい捨ては、許してはなりません。 提供区域内の一部には、漁民も入って仕事をしております。埋立工事も行われております。 こういう状態にもかかわらず、危険きわまりないものを、必要と判断すれば、どこにでも捨てる、こんなことが、いつから山口県の県土で行われておったのか、このことをまずお尋ねするわけであります。 また、陸上で切り離す予定のものが、思ったようにいかないので海上に投棄しなければならない、この事態は、事故と言わなければなりません。 こんなことを放棄したまま、四百六十メーターのロープを引きずったものが、落としてはならないところに落としてみたり、外すべきときに外れない、これは明らかに事故と言えるのではないでしょうか。 一体何が岩国基地で起きたのか、なぜ公表しなかったのか、なぜこういう非常識なことに抗議をしないのか、この問題について、知事の見解をお尋ねいたします。 次の環境問題では、公共関与の産業廃棄物最終処分地問題と、環境問題に関連する公共交通体制の整備について、お尋ねいたします。 まず、公共関与の産業廃棄物最終処分地の問題であります。 産業廃棄物の処理は、事業者責任であるというのは、法律上も明確で、原則的な方針であります。山口県が主体性を持つとか、責任を持つとかいうものではありません。 事業者の最終処分地の確保と同時に、事業活動、製造過程での廃棄物そのものの抑制、資源化、再生利用、中間処理による減量化など、廃棄物そのものを限りなくゼロに近づける本格的取り組みが、今進められようとしたところであります。 つくりっ放し、使いっ放し、処理は地方公共団体任せという悪循環に対して、これでよいのかということが、今問われておる問題であります。 産業廃棄物について、最終責任はだれが持つのか、こういう重大問題が、あいまいにされてはなりません。地方公共団体がかかわる場合の位置づけを明確にしなければなりません。 まず、この問題について、知事の基本的認識をお尋ねいたします。 次に、産廃の処分地確保が困難だとして、第三セクターに県もかかわる場合、その前提条件をはっきりしないまま、これに手をかすべきではありません。 多くの問題がありますが、以下、四点お尋ねいたします。 第一は、最終処分地の建設と運営に、県・市町村が財政的にどうかかわるのかという問題であります。負担が青天井ではたまりません。そのルールは、どのようになっておりますか。 第二は、最終処分地に持ち込む産廃は、どこの地域のどんな産廃かという問題であります。県外からの持ち込みは論外ですが、県内の三つの地域で、それぞれの地域以外からの持ち込みはありませんか。また、持ち込む産廃、持ち込ませない産廃については、明確になっておりますか。 第三は、情報公開の問題であります。どの事業者が、どんなものを、どれだけ、いつ持ち込んだのか、有害物質はあるのか、ないのか、求められれば、処理場の現場とすべての情報が明らかにされるようになっておるのかどうか、このことをお尋ねいたします。 第四は、最終処分地の寿命と、次をどうするかという問題であります。宇部・小野田地区の場合、埋立免許も取り、事業費がつけば、いつでも着工できるようになっております。 この場合、いつからいつまで何年間、最終処分地を確保する予定ですか、埋め立て後の土地利用計画との調整はどうされますか、満杯になれば、公共関与ということで、最終処分地を次々と広げるお考えかどうか、このことをお尋ねしておきます。 環境問題と関連して、公共交通体系の整備・充実についてお尋ねいたします。 地球温暖化対策については、中島議員が提起いたしました。 CO2ガス排出量を十二年後には八年前より一○%削減するのは、待ったなしの課題であります。 そうであれば、分野別にどのように削減していくのか、これは具体的に進めなければなりません。 その一つとして、ノーカーデーやアイドリングストップなども呼びかけられています。 しかし、この問題を本当に進めようと思えば、大量輸送機関の役割は重大であります。ところが、バス、電車の現状は、減便、減客、高料金、その存続が危ぶまれる実態であります。 昨日も、この問題には触れられましたが、私は、毎日、バス、電車を利用する立場から、お尋ねいたします。 ノーカーデーにしても、今の公共交通機関では、とても通勤できるようなものではありません。 事業者に対しては、足の引っ張り合いをやめて、共通カードの取り入れや各交通機関の接続の改善、乗客に優しい車両への転換を求めなければなりません。 また、国、地方公共団体の支援を、人の乗らないバスに対する対策から、人が乗るようにする対策への転換、例えば、宇部、山口、岩国で行われておる老人、障害者への優待券制度を全県に広げ、すべての交通機関に広げるなどの問題もあります。 運輸の問題、福祉の問題、環境の問題と、ばらばらの対策では事が進みません。県勢振興のテーマでありながら、県政の中では欠落しておった問題と言わなければなりません。 したがって、この問題は、商工労働部長ではなく、副知事にお尋ねします。従来の発想を転換し、本格的に取り組まれる時期ではないかと考えますが、県のお考えをお尋ねいたします。 次に、開発問題についてお尋ねします。 ことしの一月八日、総務庁は、特殊法人「地域振興整備公団」の行う工業団地の造成や、公団の参加する第三セクターの事業について、行政監察結果を発表いたしました。「需要や採算を度外視した造成や、不適切な事業運営が多い」という厳しい内容であります。これは、従来から、日本共産党がしばしば指摘してきたところであります。 山口県は、産炭地振興など、公団の事業が多く行われたところであり、「周辺の団地の分譲が順調に進んでいないのに、新たな造成に着手するなど、不適切な事業運営が見られる」という指摘は、人ごとで済まされる問題ではありません。 この行政監察をどのように受けとめ、教訓として生かされるのか、知事にお尋ねいたします。 最後に、湯田商工労働部長に、二十一世紀に向けての商工業振興と労働行政についてお尋ねいたします。 湯田さんといえば、テクノの生みの親、育ての親であります。 テクノポリスは、山口県だけでなく、全国的にもどこでも重大な問題を含んでおります。宇部の新都市の育ちぐあいも、決して順調なものではありません。しかし、これを、きょうここで議論する意思はありません。 湯田さんといえば、テクノだけをやったわけではありません。二十年前に、企業局の経理課長として山口県に来られて以来、その発想は柔軟で、仕事ぶりはさわやかであります。一口で言えば、山口県行政のそれぞれの部署に新しい風を吹かされた、こういうふうに言えると思います。年齢も、心身ともに一回りお若いわけですから、これからも県勢発展のために、いろいろな場所で働かれるとは思いますが、一つの区切りであります。 山口県も、二十一世紀に向けて、商工業のあり方、労働行政についても、大きく転換するわけでありますが、今までの経験を振り返りながら、湯田部長の見解をお尋ねいたしまして、第一回の質問を終わります。(拍手) ○副議長(桑原孝行君) 二井知事。    〔知事 二井関成君登壇〕 ◎知事(二井関成君) 分担してお答えを申し上げます。 まず、当初予算と私の政治姿勢に関するお尋ねのうちから、財政構造改革についてお答えを申し上げます。 財政構造改革は、国や地方を取り巻く社会経済情勢の変化や、危機的な財政状況を踏まえ、財政収支を健全化をし、今後とも、安心で豊かな福祉社会を実現するために、これに対応できる財政構造を実現しようとするものであるというふうに受けとめております。 先般、「財政構造改革法」が制定をされたところでございますが、この路線の白紙撤回を国に求めてはどうかということでございますけれども、私としては、種々御意見があることは十分承知はいたしておりますが、国政の根本にかかわる問題でもございますので、十分国会において論議をしていただきたいと考えております。 次に、高金利県債についての御質問でございます。 金利水準が低下をしております中で、既に発行している高金利債を低利に借りかえるということは、金利負担を軽減をし、財政健全化を図るという観点から、効果的な手法ではあるというふうに私も思っておりますが、政府系資金あるいは銀行縁故資金ともに、原資調達時の金利水準に連動して貸付金利が設定をされるという長期固定金利制度のもとで運用されておりますこと等から、既に発行しております、いわゆる既往債の借りかえは認められていないというのが実情でございます。 しかしながら、財政運営上、金利負担の軽減を図ることが重要でありますことから、これまでも、銀行縁故債につきまして、金融機関の協力を得ながら、毎年、高金利債の繰り上げ償還を実施をいたしてきておりますし、政府系資金の繰り上げ償還につきましても、弾力的な運用が図られるよう国に対し要望を行っております。 私としては、これにあわせて、高金利債の低利への借りかえにつきましても、引き続き粘り強く取り組んでいきたいと考えております。 次に、県財政の現状認識と今後の見通しについてのお尋ねでございます。 これまでもお答えを申し上げておりますように、本県財政は、県債残高が急速に増嵩し、その償還に要する公債費が急増する一方で、県税収入が伸び悩んでいること等から、近年、大幅な財源不足の状態が続くなど、極めて厳しい状況にあり、私は、財政の健全化を図ることが大きな課題であるというふうに認識をいたしております。 今後の見通しについてでございますが、引き続き公債費の増嵩等により、大幅な財源不足が見込まれますことから、この六月公表を目途に、「中期財政見通し」の作成を進めておりますので、今後、この中で、財政健全化に向けての方策と今後の具体的な収支見通しをお示しをしたいと考えております。 次に、農業の位置づけについてのお尋ねでございます。 国民生活にとりまして欠くことのできない食糧は、可能な限り国内で生産をされることが肝要でございます。このためにも、国内農業の維持・発展を図ることが、極めて重要な政策課題であるというふうに、私も考えております。 したがいまして、さきに公表した「デザイン21」におきましても、農林業の振興を「ふるさと産業創造夢戦略」に位置づけまして、今後とも、活力に満ちた農林業を目指して、各種施策・事業を総合的に推進をしていきたいと考えております。 次に、情報公開問題について、現時点での基本姿勢についてでございます。 御案内のように、「山口県情報公開条例」の制定に当たりましては、広く県民の皆様の御意見を反映するために、各界各層の方々から成る「山口県情報公開制度懇話会」を設置をし、「県民に不利益になるもの以外は公開」という原則に立って、御論議もお願いをし、その御提言の趣旨を尊重して、現行の条例といたし、昨年の九月一日から施行したばかりでございます。 したがいまして、私としては、お示しの国の情報公開法案につきましては、現在、国において検討されている段階でもございますので、県としては、現行条例をしっかり運用して、県政の透明性を確保してまいりたいと考えております。 次に、公共関与の産業廃棄物最終処分場に係る基本認識についてでございます。 御案内のとおり、産業廃棄物の処理につきましては、排出者責任が原則でございます。本来、排出事業者が、みずからの責任において、適正に処理すべきものであると考えております。 しかしながら、処分場は全国的にも逼迫化しており、このことが不法投棄等の不適正処理を助長し、住民の一層の不信感、不安感を募らせ、処分場の設置をさらに困難にさせるという構造的な悪循環を来し、個々の排出事業者の努力だけでは、処分場を確保することが困難となっております。 私は、こうした悪循環を断ち切り、環境の保全と産業の健全な発展を図るためには、処分場の確保に公共が積極的に関与していくことが、現下の社会情勢のもとにおいては必要であるというふうに認識をいたしております。 もとより、公共の関与は、あくまで排出者責任の原則を補完するものでありますことから、排出事業者におきましては、排出抑制や再資源化を図るなど、廃棄物の減量化に向けて最大限の努力がなされる必要があり、今後とも、事業者に対し、こうした自主的、主体的な取り組みを一層積極的に推進をされるよう、強く働きかけていく考えであります。 私は、こうした観点に立って、排出者責任の原則と公共的視点との整合性を図りながら、県民の皆様を初め、市町村、企業等の御理解と御協力を得て、広域最終処分場の整備促進に取り組んでいく考えであります。 次に、総務庁の地域公団に対する行政監察に関連してのお尋ねでございます。 総務庁の行政監察の結果、地域公団が造成、分譲中の工業団地のうち、全国の七団地について、お示しのような勧告がありましたが、この七団地に県内の工業団地は含まれていないことを確認をいたしております。 本県におきましては、昭和三十九年以来、産炭地域の振興の目的から、また、最近においては、テクノポリス計画に基づきまして、地域公団に団地の造成を要請する一方、昭和五十八年の玖珂町における瀬田団地を手始めに、広域的視点に立って、地域経済の発展や雇用の場づくりのために、県と市町村による工業団地の開発を行ってまいりました。 これらの開発に当たりましては、企業の立地動向や立地条件、価格競争力等について十分調査、検討をしておりますが、中には、長期的な視点から、将来のために先行的に開発をする団地も存在をいたしております。 しかし、それが、結果的に過大な投資になることは避ける必要がありますので、このたびの行政監察の結果を教訓にしながら、今後の団地開発に臨みたいと考えております。 また、分譲中の団地につきましては、県、市町村で構成する「企業誘致推進連絡協議会」の活動や、地域公団との連携を深めて、従来にも増した創意工夫による誘致活動に取り組んでいきたいと考えております。 その他の御質問につきましては、副知事ほか、関係参与員よりお答えを申し上げます。 ○副議長(桑原孝行君) 小河副知事。    〔副知事 小河啓祐君登壇〕 ◎副知事(小河啓祐君) 環境問題のうち、公共交通体系の整備・充実について、私からお答えを申し上げます。 環境問題に対応いたしますために、エネルギー効率のよい公共交通機関の利用促進を図りますことは、極めて重要な課題であります。 このような観点から、大量輸送機関であります公共交通機関の役割が、改めて見直されようといたしておりますことは、御指摘のとおりであります。 しかしながら、県内の公共交通機関、とりわけ県民の身近な足でありますバス事業につきましては、過疎化の進行やマイカーの普及によります利用者の減少等によりまして、極めて厳しい経営環境にあり、路線によりましては、その存続が危ぶまれている状況にあります。 また、地域の鉄道につきましても、利用者の減少傾向の中で多くの課題を抱えております。 このような中で、バスにつきましては、これまで、共通バスカードやバス総合案内システムの導入、さらにはバスターミナルの整備事業に対して、国、市町村との協調による財政支援によりまして、利便性の向上を図りますとともに、車両購入費や経常欠損額の一部を補助することによりまして、路線や便数の確保を図ってきたところであります。 一方、地域の鉄道につきましては、毎年、市町村と一体となりまして、増便やダイヤ改善等をJR西日本に働きかけをしておりまして、一定の成果も上がっているところであります。 お示しの優待券制度につきましては、基本的には、市町村がそれぞれその地域の実情に応じて検討すべき課題であると考えますが、県といたしましては、「やまぐち未来デザイン21」で示しております「人や自然にやさしい」公共交通体系の整備・充実につきまして、今後、福祉、そして環境問題にも十分配慮しつつ、総合的、体系的に進めてまいりたいと考えております。 以上であります。 ○副議長(桑原孝行君) 藤井農林部長。    〔農林部長 藤井寛君登壇〕 ◎農林部長(藤井寛君) 私からは、農業問題のうち、中山間地域が多く、小規模、家族経営が多数を占める現実に軸足を据え直す考えはないかとのお尋ね対しまして、お答えを申し上げます。 中山間地域が大半を占める本県においては、地理的条件等からいたしまして、土地利用型農業の経営規模にも一定の限界もありますので、本県特性に応じた施策展開を図ることも必要と考えております。 このため、一集落ないしは数集落を単位として、農地の利用や機械・施設利用の効率化を図る集落営農組織を育成し、中核的な担い手や女性、高齢者等が、それぞれの役割を担う営農の仕組みづくりを進めているところでございます。 今後におきましても、こうした集落営農の仕組みづくりを促進していきますとともに、新規就農者を確保するなど、多彩な担い手による地域農業の振興に努めていく考えであります。 以上でございます。 ○副議長(桑原孝行君) 谷企画振興部長。    〔企画振興部長 谷晋君登壇〕 ◎企画振興部長(谷晋君) 情報公開条例についての御質問のうち、まず、条例施行後六カ月間の結果と特徴についてのお尋ねでありますが、平成十年二月末日までの開示の請求件数は百五十八件となっており、その内訳は、知事部局が百四十五件、教育委員会が十三件となっております。 また、開示の請求内容では、総務部関係が七十三件、土木建築部関係が五十三件、教育委員会関係が十三件、企画振興部関係が十二件となっており、総務部関係と土木建築部関係にかかわるものが多いことが特徴ではないかと考えます。 次に、県として、新しい情報公開制度を県民に知らせるために、どのように取り組んでこられたのかとのお尋ねでありますが、県民の皆様には、全戸配布の県の広報誌「ふれあい山口」八月号を初め、県政テレビの「県民のひろば」、新聞、テレビスポット、ラジオ、パンフレット等を通じて、積極的に制度の周知を図ってきたところです。 今後とも、県政の透明性が十分確保されるよう、情報公開制度の運用に努めていきたいと考えております。 ○副議長(桑原孝行君) 河野総務部理事。    〔総務部理事 河野勉君登壇〕 ◎総務部理事(河野勉君) 米軍機によりますケーブル切り離し投棄の問題についてお答えいたします。 今回の事案につきまして、広島防衛施設局、それから岩国基地からの説明を求めておりますが、「これは軍事訓練のマニュアルに沿った行動であり、安全対策に十分配慮しておる、事故ではない」という説明を受けたわけであります。 この「事故でない」というその説明の詳細は、通常そのケーブルは、陸上で滑走路の近くの空き地に切り離すということになっておるそうでありますが、それが外れない場合は、海上で水圧を利用して切り離すと、こういう作業をするという訓練マニュアルがあるそうでありまして、パイロットは、そのマニュアルに従って、提供水域内で切り離したと、当然安全には十分配慮した行為であると、こういう説明を受けたところであります。 しかしながら、定義は事件・事故ではないにしても、やはり、これは一歩間違えば事故につながる問題であります。私どもも、こういう危険なことは決して好ましいものではないと考えております。 したがいまして、こういうトラブルの再発防止が徹底されるように、安全対策を十分とるように、直ちに申し入れいたしましたし、今後も、そのつもりで対応してまいる所存であります。 それから、いつからこうした訓練が行われていたかという問題についてでありますが、詳細には私承知しておりませんので、改めて米軍に照会し、確認をとっていきたいと思っております。 以上でございます。 ○副議長(桑原孝行君) 村岡環境生活部長。    〔環境生活部長 村岡正義君登壇〕 ◎環境生活部長(村岡正義君) 公共関与の産業廃棄物最終処分場に係る四点のお尋ねにお答えいたします。 まず、第一点の最終処分場の建設と運営に、県、市町村が財政的にどうかかわるのかとのお尋ねでございます。 現在計画しておりますのは、いずれも海面埋め立てによるものでありますことから、護岸建設等に多額の経費が必要となってまいります。 このため、計画の実現には、公共の財政支援が必要と考えており、この場合、排出者責任の原則を十分に踏まえた上での財政支援でなければならないと考えております。 このことは重要な問題でありますことから、現在、「産業廃棄物問題懇話会」において、公共の財政支援のあり方について検討をお願いしており、その検討結果をも踏まえながら、財政支援策を早期に確立していきたいと考えております。 次に、第二点の最終処分場に持ち込む産廃は、どこの地域のどんな産廃かとのお尋ねでございますが、原則として、それぞれの地域内において発生する汚泥や燃え殻などの管理型産業廃棄物を受け入れることとしております。 しかしながら、各地域における産業廃棄物の排出状況、処分場の残余容量の状況など、産業廃棄物をめぐる情勢によっては、将来、地域を越える広域的な受け入れについても検討が必要になることもあるかと考えておりますが、この場合においては、地元のコンセンサスを基本とすべきものと考えております。 次に、第三点の情報公開についてのお尋ねでございます。 地域住民の皆様の理解と協力を得るためには、処分場の適正な管理を行うとともに、その状況を広く公開していくことは、当然に必要であると考えており、現場の公開はもとより、住民の求めに応じて必要な情報を積極的に公開してまいりたいと考えております。 次に、第四点の宇部港東見初地区最終処分場の設置期間と、土地利用計画との調整についてのお尋ねでございます。 この最終処分場の埋立計画における埋立期間は、平成十三年度から十七年度までとなっておりますが、この処分場は、地域にとって、かけがえのない貴重な施設であることから、産業廃棄物の排出抑制や資源化、再生利用など、埋立処分量の減量化を一層促進する中で、当処分場を効率的に活用していく必要があると考えております。 また、土地利用計画との整合性については、産業廃棄物の処理により、周辺の土地利用に支障を生ずることのないよう、周囲の景観や産廃の搬送経路等について十分配慮していく考えであります。 さらに、公共関与で処分場を次々と設置するのかとのお尋ねでございますが、こうした公共関与の処分場の確保は、処分場の設置をめぐっての構造的な悪循環が生じているという社会的な問題を、公共団体として解決していくためのものであり、また、大量生産・大量消費・大量廃棄の社会の中で、いまだ循環型社会が未成熟である段階における必要な措置として考えておりまして、将来的には、あくまでも民間による処分場の整備にゆだねるべきであると考えております。 以上でございます。 ○副議長(桑原孝行君) 湯田商工労働部長。    〔商工労働部長 湯田克治君登壇〕 ◎商工労働部長(湯田克治君) 私の山口県における二十年間の歩みの一端にお触れいただき、大変恐悦に存じます。 お尋ねの二十一世紀に向けての商工労働行政について、お答えをさせていただきます。 申すまでもありませんけれども、二十一世紀を目前に控えた今日、経済のグローバル化や世界規模での競争の激化、技術革新や情報化、そして少子・高齢化の進展など、産業や労働を取り巻く環境は、かつてない大きな変革の時期に直面しておりますし、これらに的確に対応しなければならない、はつらつとした産業経済基盤の確立や、ゆとりのある、そして安定した勤労者の生活の創出等、数多くの課題が存在をいたしております。 こうした折、「二十一世紀に自活できるたくましい山口県の創造」を目指して、先般、立派な「やまぐち未来デザイン21」ができました。 その中には、先ほど申し上げましたような多くの課題を踏まえて、経済界、労働界を初め、職員の英知を結集した「産業フロンティア創造夢戦略」や「ふるさと産業創造夢戦略」、「ひとのくに創造夢戦略」、「交流活力創造夢戦略」など、当部関連で六つの未来創造夢戦略が盛られておりますので、お尋ねの二十一世紀に向けた商工労働行政は、とりわけ、社会経済の発展の基盤を担う中小企業の振興、労働者の福祉向上に大きな視点を置きながら、この夢戦略を着実に実行に移すことが基本であると考えております。 ただ、長い間、商工労働行政に携わる中で痛感しておりますことは、本県におきましては、産業問題も労働問題も、都市問題抜きではなかなか解決ができないということでございます。 今議会でも、多くの議員の皆さんがお示しになりましたように、今、山口県の景況、特に中小企業の景況は、全国に比べ落ち込みが大きく、事業所の開廃業の純増率も、全国のマイナス○・一%に対し、マイナス○・五%となっております。 これらは、所管部長であります私の努力不足もありますけれども、素材産業に偏った本県特有の工業構造に加えまして、吸引力の高い都市が存在しない山口県の都市構造にも大きく起因していると思います。 第二次産業にかわって、第三次産業が経済の大きな牽引者になってきた今、産業を育てる吸引力の高い都市がないということが、開業率の低下を招き、若者が好む雇用の場を狭めております。 また、山口県の消費がなかなか伸びないのも、サービス業、流通業が弱く、集積に乏しいからだと思っております。 交通過疎とも言われかねない本県の交通・運輸問題も、この都市問題に深くかかわっているように思います。 したがいまして、今後は、都市問題と一体となった産業政策、労働政策を推進していくという視点が、今までにも増して重要になってくると考えております。 そういう意味で、山口県の幅広い商工労働行政に対しまして、多面的、多角的視野から、倍旧の御支援と御指導くださいますようにお願い申し上げます。 以上でございます。 ○副議長(桑原孝行君) 北村公安委員長。    〔公安委員長 北村義人君登壇〕 ◎公安委員長(北村義人君) 情報公開問題について、現時点の基本姿勢についてのお尋ねにお答えいたします。 情報公開制度は、県民の県政への参加を一層促進し、県政に対する理解と信頼がより深まるものであり、民主主義の発展等を図る上で極めて意義深い制度であり、本制度の意義や理念については、公安委員会としても十分認識しているところであります。 しかしながら、警察が保有します情報は、それが公開されますと、犯罪の予防、捜査等、業務の遂行や個人のプライバシーの保護に支障を生ずるものが多く、また、公開になじむと思われるような情報につきましても、公開になじまない情報と相互に密接に関連しておりまして、区分が非常に困難であり、条例で公開を義務づけることは、保護を要する情報の保護に万全を期しがたいこととなるおそれがあります。 なお、国の行政改革委員会から内閣総理大臣に対して提出された「情報公開法制の確立に関する意見」における情報公開法要綱案に基づき、法律案の作成に向けて、政府部内で検討中であることは承知いたしておりますが、現時点で成案は得られておらないところであります。 当要綱案においては、国家公安委員会も対象とされておりますが、「開示することにより、犯罪の予防・捜査、公訴の維持、刑の執行、警備その他の公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがあると認めるに足る相当の理由がある情報」は、不開示情報とされております。 また、東京都情報公開制度懇談会においては、東京都情報公開条例の改正等が審議され、警察情報の扱いも検討されていることは承知をいたしております。 公安委員会といたしましては、これらの推移を慎重に見守ってまいりたいと考えております。 いずれにいたしましても、県民の安全で平穏な生活を確保する上に必要な情報等については、今後とも、できる限り提供いたしたいと考えております。 ○副議長(桑原孝行君) 浅野謙二君。    〔浅野謙二君登壇〕(拍手) ◆(浅野謙二君) まず、財政構造改革法の問題ですが、今議会でも話題になっておりますように、水産大学を民営化する、つまり、やめようかという話、こういう情勢のもとで、いわゆる職業訓練校これを統廃合するという話、これらは皆、財政構造改革路線の具体化されたものであります。 知事は、人ごとみたいに、国の問題というふうに言われますが、水産部も商工労働部も議会も地元も挙げて、こういうむちゃなことはやめなさいということを今、運動しておるのではありませんか。 そして、この問題でお尋ねしようとすれば、すべての部長さんにかかわり合いのある問題をどうするのかという質問になりますが、そういうわけにもまいりませんので、とりあえず、代表して上野教育長にお尋ねいたします。 今度の問題の中で、第六次教職員配置改善問題も先送りをされました。教員配置を改めるというのを、全国ベースでいうと、義務教育で三千数百人、山口県でも数十人の定員改善が先送りをされたわけであります。 むしろ旗を立てる気持ちで、銀行に渡す金があれば教育に回せ、これをやるときではないでしょうか。 そうすることによって、現場と県教育委員会、また、学校と父母との関係、教師と児童生徒の信頼関係、きめ細かな教育を前進させることができるわけであります。 そういう点では、全く無責任な橋本内閣に対して、ほかのことではことごとく気が変わったのに、人をいじめる話だけは予定どおり三年計画で進めていくと、こういう不合理はないということを、教育界挙げても運動をしていくことが必要じゃないか。 こういう問題について、どう取り組まれるのか、お尋ねをしておきます。 次に、高金利債の借りかえの問題ですが、ことし一月、私の住んでおる地域にも、銀行のチラシが配られました。その内容は、「御返済総額を低減する絶好のチャンス、住宅ローンを借りかえましょう」、こういうチラシであります。「お気軽に相談ください、あなたが六%で借りとるのを、今、うちの銀行で三%に切りかえれば、登記の手数料を含めて、これだけお金が浮きますよ」と、非常に親切なチラシであります。 知事の説明では、少し生易し過ぎると、こういふうに思います。 出納長にお尋ねしますが、伝票と金が合うかどうかという問題だけではなしに、こういう財政状況のもとで、関係方面と借りかえ問題について、もっと積極的に討議をして、取り組む必要があろうと思うんですが、そういうことは、過去やられたのか、これからやるお考えがあるのかどうか、これをお尋ねしておきます。 次に、知事にお尋ねします。 今度の議会でも、「種をまく予算」というふうに言われます。種がまともであれば、しばらくたつと芽が出ます。摘んで、お浸しにしてしまえば、それで終わりですが、育てて実るまでには相当の財政的な裏づけが要るということは、先刻御承知のとおりであります。 そうであれば、まず、縁故債の借りかえでは、なりふり構わず、今度の中期財政見通しに向けて、目に見えるような成果を上げる必要があるんじゃないか。 「気軽に御相談ください」という銀行は、紹介しておきますと、山口銀行であります。 そういう点では、具体的にそのことに取り組まれるお考えがあるのかどうか、これを確かめておきたいと思います。 さらに、政府系資金の問題については、全くいいかげんなことをしておきながら、一括償還も借りかえもまかりならぬという話が繰り返されてきました。 しかし、今度の銀行支援の状況を見ましても、旧国鉄の債権の問題を見ましても、そういう状況のもとで、地方公共団体だけがいじめられっ放しという話は、筋が通りません。 最近、数県の知事が、政府系資金についても借りかえと一括償還を認めさせようということで、動きもあるようでありますが、二井知事も進んで、政府系資金の借りかえ問題についても、しっかり風穴をあけないと、中期財政見通しはうまくいかないのじゃないかと、そういう点で、縁故債と政府債の問題についてどう取り組まれるか、お尋ねしておきます。 情報公開の問題でありますが、山口県が、昨年九月から情報公開いたしました。 ある部局の食糧費を調査してみると、情報公開以前に年千五百万から二千万円かかっておった食糧費が、情報公開の結果、四十七万円に激減しております。 これ自身いかがなものとも思いますが、そういう点では、情報公開というのは極めて重要な問題だと思います。 公安委員長から、ああいうお話もありましたが、閉鎖的な組織、権力を持つものほど、透明性については特に気をつけなければならない。 こういう立場で、県公安委員会でも、内部の事情だけではなしに、県民の立場から見て、県警察のあり方、情報公開の内容について、これでよいのかどうか、ぜひひとつ、真剣な検討をしていただきたい。 あと一年ありますので、次の機会か、次の機会に、その結果についてお尋ねをしたいと思いますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。 廃棄物の問題で言いますと、やはり四つの問題を指摘いたしましたが、前提条件が満たされないまま、見切り発車をするべきではないと思います。少なくとも、そういう問題が議会や関係各方面で明らかにされる前に、事が次々と進むということは、やめなければならないと思いますが、この点について、どう考えておられるのか、基本的な姿勢をお尋ねしておきたいと思います。(拍手) ○副議長(桑原孝行君) 二井知事。    〔知事 二井関成君登壇〕 ◎知事(二井関成君) まず、私からは、公債費の問題につきましてお答えを申し上げます。 先ほど御答弁を申し上げましたように、これからの財政状況を考えますと、公債費の問題は、極めて重要な問題であるというふうに私も考えております。 したがいまして、先ほど答弁の中でも申し上げましたが、繰り上げ償還のみならず、借換債につきましても、全力で取り組んでまいりたいと考えておりますし、六月の「中期財政見通し」の作成の中でも、その辺を踏まえた対応について検討してみたいというふうに考えております。 それから、廃棄物の、産業廃棄物の関係につきましても、これは緊急な課題でありますが、同時に、先ほど申し上げましたように、排出者責任等の原則というのがありますので、それとの関係を十分整合性を持たせた形で検討し、そして、その内容につきましても、十分議会とも御協議をさせていただくことも考えてまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。 ○副議長(桑原孝行君) 綿屋出納長。    〔出納長 綿屋滋二君登壇〕 ◎出納長(綿屋滋二君) 既往債の借りかえにつきまして、気軽に相談をする気はあるかと、あるいは、かつて交渉したことはあったのかというようなお尋ねであったと思います。 きちょうめんに申し上げますと、借りかえの交渉・折衝は、私の所掌外であります。 ただ、財政の健全化に努力するという立場で御答弁申し上げれば、先ほど知事が答弁を申し上げたとおりでございます。 気軽に問い合わせることは、もちろんいたしますが、気軽に応じてくれるような事案ではありません。 これまでも、私も、窓口は財政当局でありますが、財政課時代に交渉に入ったことがございます。そのとき、知事の答弁の中に触れておりましたが、調達原価で、その調達先に、そのレートを保証して、この契約が成り立っているということ、あるいは仮に高金利になったときに、逆に、高金利に借りかえてもらえる約束がしてもらえるかというような嫌みすら言われたことがあるわけでございます。 そういう事案でございますから、多少時間はかかると思いますが、粘り強く交渉してまいります。御理解いただきたいと思います。 ○副議長(桑原孝行君) 上野教育長。    〔教育長 上野孝明君登壇〕 ◎教育長(上野孝明君) 公立学校の教職員定数改善と財政構造改革との関連でのお尋ねでございます。 私は、教育条件の整備や人づくりの観点からも非常に重要であるということから、これまでも、定数改善等については、中国地方知事会や、それから教育委員長、それから教育長協議会等で、要望もこれまでもしてまいっております。 しかしながら、国の財政構造改革という厳しい状況から出ましたこのたびも、「教育は例外でない」という厳しい改革内容となったわけでございまして、この教員の配置計画も、二年間延長ということになったわけでございます。 私どもも、これにつきましては大変残念でございましたけれども、先ほど知事からも御答弁申し上げておりますように、そのような国における財政構造改革という国会のレベルで決定されたものであるということにかんがみまして、御指摘のありました今後白紙撤回なり云々ということにつきましては、やはり国会レベルで十分御論議いただく必要があろうと、私もこのように考えております。 以上であります。 ○副議長(桑原孝行君) 本日の一般質問及び提出議案に対する質疑は、これをもって終了いたします。 ○副議長(桑原孝行君) 以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。 本日は、これをもって散会いたします。    午後二時七分散会      地方自治法第百二十三条第二項の規定によりここに署名する。               山口県議会議長    河   野   博   行               副  議  長    桑   原   孝   行               会議録署名議員    塩   満   久   雄               会議録署名議員    中   島   修   三...