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2022-03-10 令和3年度予算特別委員会(第5日) 名簿
2022-03-10 令和3年度予算特別委員会(第5日) 本文

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  1. 広島県議会 2022-03-10
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    トップページ 検索結果一覧 使い方の説明 (新しいウィンドウで開きます) 令和3年度予算特別委員会(第5日) 本文 2022-03-10 文書・発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ・別画面表示ツール 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ(新しいウィンドウで開きます) 別窓表示(新しいウィンドウで開きます) ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 発言の単文・選択・全文表示を切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者の表示切り替え 全 123 発言 / ヒット 0 発言 すべての発言・ヒット発言表示切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示を実行・チェックの一括変更 選択表示 すべて選択 すべて解除 発言者一覧 選択 1 : ◯質疑(前田委員) 選択 2 : ◯答弁(健康福祉局長) 選択 3 : ◯質疑(前田委員) 選択 4 : ◯答弁(知事) 選択 5 : ◯要望・質疑(前田委員) 選択 6 : ◯答弁(知事) 選択 7 : ◯要望(前田委員) 選択 8 : ◯質疑(伊藤委員) 選択 9 : ◯答弁(教育長) 選択 10 : ◯要望・質疑(伊藤委員) 選択 11 : ◯答弁(環境県民局長) 選択 12 : ◯要望・質疑(伊藤委員) 選択 13 : ◯答弁(知事) 選択 14 : ◯要望・質疑(伊藤委員) 選択 15 : ◯答弁(教育長) 選択 16 : ◯要望(伊藤委員) 選択 17 : ◯質疑(井原委員) 選択 18 : ◯答弁(企業局長) 選択 19 : ◯質疑(井原委員) 選択 20 : ◯答弁(企業局長) 選択 21 : ◯質疑(井原委員) 選択 22 : ◯答弁(企業局長) 選択 23 : ◯質疑(井原委員) 選択 24 : ◯答弁(企業局長) 選択 25 : ◯質疑(井原委員) 選択 26 : ◯答弁(企業局長) 選択 27 : ◯質疑(井原委員) 選択 28 : ◯答弁(企業局長) 選択 29 : ◯質疑(井原委員) 選択 30 : ◯答弁(企業局長) 選択 31 : ◯質疑(井原委員) 選択 32 : ◯答弁(企業局長) 選択 33 : ◯質疑(井原委員) 選択 34 : ◯答弁(企業局長) 選択 35 : ◯質疑(井原委員) 選択 36 : ◯答弁(企業局長) 選択 37 : ◯質疑(井原委員) 選択 38 : ◯答弁(企業局長) 選択 39 : ◯質疑(井原委員) 選択 40 : ◯答弁(企業局長) 選択 41 : ◯要望・質疑(井原委員) 選択 42 : ◯答弁(企業局長) 選択 43 : ◯質疑(井原委員) 選択 44 : ◯答弁(企業局長) 選択 45 : ◯要望・質疑(井原委員) 選択 46 : ◯答弁(企業局長) 選択 47 : ◯質疑(井原委員) 選択 48 : ◯答弁(企業局長) 選択 49 : ◯質疑(井原委員) 選択 50 : ◯答弁(企業局長) 選択 51 : ◯質疑(井原委員) 選択 52 : ◯答弁(商工労働局長) 選択 53 : ◯要望・質疑(井原委員) 選択 54 : ◯答弁(商工労働局長) 選択 55 : ◯質疑(井原委員) 選択 56 : ◯答弁(商工労働局長) 選択 57 : ◯質疑(井原委員) 選択 58 : ◯答弁(商工労働局長) 選択 59 : ◯質疑(井原委員) 選択 60 : ◯答弁(商工労働局長) 選択 61 : ◯質疑(井原委員) 選択 62 : ◯答弁(商工労働局長) 選択 63 : ◯質疑(井原委員) 選択 64 : ◯答弁(商工労働局長) 選択 65 : ◯要望(井原委員) 選択 66 : ◯質疑(桑木委員) 選択 67 : ◯答弁(健康福祉局長) 選択 68 : ◯質疑(桑木委員) 選択 69 : ◯答弁(健康福祉局長) 選択 70 : ◯質疑(桑木委員) 選択 71 : ◯答弁(健康福祉局長) 選択 72 : ◯要望・質疑(桑木委員) 選択 73 : ◯答弁(危機管理監) 選択 74 : ◯要望・質疑(桑木委員) 選択 75 : ◯答弁(商工労働局長) 選択 76 : ◯質疑(桑木委員) 選択 77 : ◯答弁(商工労働局長) 選択 78 : ◯質疑(桑木委員) 選択 79 : ◯答弁(商工労働局長) 選択 80 : ◯質疑(桑木委員) 選択 81 : ◯答弁(商工労働局長) 選択 82 : ◯意見(桑木委員) 選択 83 : ◯質疑(東委員) 選択 84 : ◯答弁(知事) 選択 85 : ◯要望・質疑(東委員) 選択 86 : ◯答弁(知事) 選択 87 : ◯意見・質疑(東委員) 選択 88 : ◯答弁(危機管理監) 選択 89 : ◯意見・質疑(東委員) 選択 90 : ◯答弁(健康福祉局長) 選択 91 : ◯要望(東委員) 選択 92 : ◯質疑(桑木委員) 選択 93 : ◯答弁(企業局長) 選択 94 : ◯質疑(桑木委員) 選択 95 : ◯答弁(商工労働局長) 選択 96 : ◯質疑(桑木委員) 選択 97 : ◯答弁(商工労働局長) 選択 98 : ◯要望・質疑(桑木委員) 選択 99 : ◯答弁(教育長) 選択 100 : ◯要望・質疑(桑木委員) 選択 101 : ◯答弁(教育長) 選択 102 : ◯要望(桑木委員) 選択 103 : ◯質疑(狭戸尾副委員長) 選択 104 : ◯答弁(知事) 選択 105 : ◯要望・質疑(狭戸尾副委員長) 選択 106 : ◯答弁(土木建築局長) 選択 107 : ◯質疑(狭戸尾副委員長) 選択 108 : ◯答弁(危機管理監) 選択 109 : ◯質疑(狭戸尾副委員長) 選択 110 : ◯答弁(危機管理監) 選択 111 : ◯要望・質疑(狭戸尾副委員長) 選択 112 : ◯答弁(総務局長) 選択 113 : ◯要望・質疑(狭戸尾副委員長) 選択 114 : ◯答弁(知事) 選択 115 : ◯質疑(狭戸尾副委員長) 選択 116 : ◯答弁(環境県民局長) 選択 117 : ◯要望・質疑(狭戸尾副委員長) 選択 118 : ◯答弁(知事) 選択 119 : ◯要望・質疑(狭戸尾副委員長) 選択 120 : ◯答弁(環境県民局長) 選択 121 : ◯要望・質疑(狭戸尾副委員長) 選択 122 : ◯答弁(教育長) 選択 123 : ◯要望(狭戸尾副委員長) ↑ 発言者の先頭へ 本文 ↓ 最初のヒットへ (全 0 ヒット) 1: 7 会議の概要  (1) 開会  午前10時30分  (2) 記録署名委員の指名        井 原   修        日 下 美 香  (3) 質疑・応答   (前田委員) ◯質疑(前田委員) おはようございます。自民議連、広島市安佐南区選出の前田康治でございます。昨日に引き続きまして、質問を行います。  私の最後の質問は、新型コロナウイルス感染症に係るワクチン接種についてでございます。新型コロナウイルス感染症のワクチンについては、令和3年2月から昨年末にかけて1、2回目接種が行われ、今まさに3回目接種が行われています。新型コロナワクチンについては、厚労省が令和3年1月8日付で各都道府県の衛生主幹部局長に通知した文書において、ワクチンの基本的な性能として発症予防・重症化予防が想定され、感染予防効果を期待するものではないと記載されております。また、令和3年2月24日には、当時の田村厚生労働大臣が記者会見において、感染予防効果があること自体が認められているということではないと理解していると発言されております。しかし、私の認識では、世間一般ではあたかも新型コロナワクチンを打つと、感染しない、他人にうつさないと誤解されているのではないかと思われます。  そこで、新型コロナワクチンに関して、3点お伺いします。  質問の第1は、新型コロナワクチンの小児接種に対する県の対応についてです。  地域の方に新型コロナワクチンの発症予防効果についてお聞きすると、ほとんどの方が、100人にワクチンを打ったら、95人は感染しないということだとお答えになりますが、本当にそうなのでしょうか。  この数値がどこから来たかというと、ファイザーの第3相臨床試験の結果では、約2万2,000人のグループに本物のワクチンを接種したら8人が発症し、もう一方の約2万2,000人のグループに偽薬を接種したら、162人が発症したということです。接種済みの方の発症率を、発症者8人割る未接種者の発症者162人の約5%にとどまるとし、これをもって95%の人に発症予防効果があったと言っています。  この結果をどう捉えるべきでしょうか。確かに8人と162人だけを比べれば、大きな差とも言えますが、ワクチン未接種者の発症割合は22,000分の162で、99.2%の方は発症していません。純粋な発症率の比較で考えるなら、その0.8%と接種者の発症割合の22,000分の8の0.1%で、その差は僅か0.7ポイントです。この事実の中で、95%の発症予防効果だけがインプットされているのは、大いに疑問があります。現に、新規陽性者の6割以上がワクチン接種者であるにもかかわらずです。  今日の中国新聞の意見広告を御覧になった方もいらっしゃると思いますが、厚生労働省の発表によれば、新型コロナウイルスによる10代の死者数は、1月21日時点で4人となっており、うち3人は重度の基礎疾患があった方で、うち1人は事故で亡くなったものの、御遺体をPCR検査して陽性判定が出たため、コロナ死として扱われているとのことです。  一方で、新型コロナワクチンを接種したことで健康異常が発生しており、同じく厚労省の発表によると、2月4日までに報告されたワクチン接種後の死亡疑いは1,474件で、そのうち10代は5人となっております。  新型コロナウイルス感染症から身を守るはずのワクチンを打ったことで、新型コロナウイルス感染症で亡くなった方とほぼ同数、実質的にはそれ以上の方がお亡くなりになるという矛盾が生じております。  今、まさに5~11歳の子供へのワクチン接種が始まりつつあります。厚労省のホームページによると、小児については、現時点においてオミクロン株に対するエビデンスが確定的ではないことも踏まえ、努力義務の規定は適用せず、今後の最新の科学的知見を踏まえ、改めて議論することが適当であるとあります。厚労省にすら明確なエビデンスがないのです。  このような中で、各自治体の判断も分かれており、大阪府の泉大津市の南出市長は、接種券の一斉送付は行わず、申込みをした人だけに接種券を送付すると判断されました。  また、子供へのワクチン接種に関する興味深いデータがあります。子供に対してマスクの着用やワクチン接種を義務化したカリフォルニア州と、真逆の対応を取っているフロリダ州での子供の新型コロナの入院数の推移を見ると、ほぼ変わらないグラフとなっています。アメリカのCDCのデータを見ると、2020年3月~2022年2月までの累積死亡者数は直線的に増加しており、ワクチン接種による改善はなかったと主張されている方もいます。
     そこで、国ですら新型コロナワクチンの接種に対して努力義務を外す中、広島県として、5~11歳の子供に対して積極的にワクチン接種を推奨するべきではないと考えますが、どのようなスタンスで臨むのか、また、子供や保護者に対するワクチン接種に関する理解をどのように進めていくのか、併せて健康福祉局長にお伺いします。 2: ◯答弁(健康福祉局長) 5~11歳までの小児に対するワクチン接種につきましては、今後、新たな変異株の流行も想定されることや、特に重症化リスクの高い基礎疾患を有する小児に対して接種機会を提供することが望ましいことから、国において接種対象に追加されたところでございます。  県といたしましては、努力義務の適用は除外されたものの、接種勧奨の適用はあることから、任意ではございますが、希望する方、特に基礎疾患を有する方につきましては、早期の接種を御検討いただきたいと考えております。  また、接種を検討する上では、子供と保護者が正しい情報を基にワクチン接種の判断をしていただけるよう、市町と連携して、引き続きコールセンターによる相談対応を行うとともに、ホームページやSNSを活用し、必要な情報をより積極的に周知していまいります。 3: ◯質疑(前田委員) 質問の第2は、未接種者に対する不利益な扱いの防止についてでございます。新型コロナワクチンの接種が直接・間接的に強制になっては絶対にいけません。  先日、保護者の方から連絡をいただいたのですが、ある大学では、ワクチン接種をしないとあなたは不利益を被りますというメールを学生に送付していた事例がありました。また、プロテニスプレーヤーのジョコビッチ選手はワクチン未接種であったことから、全豪オープンの大会前日に国外退去させられ、出場できませんでした。トップアスリートは体に入るものには特に気をつけておられます。ワクチン接種に感染予防効果が確認できない現状で、打たない人が一方的に不利益を被ることに憤りを覚えます。ジョコビッチ選手は有名人ですから、マスコミで大きく取り上げられて問題視されましたが、ワクチン検査パッケージの導入も含めて、不安に感じる方がいるのも事実です。  そこで、県として、新型コロナワクチンを打たないことで不利益を被ることのないように、どのような対策を取られているか、知事にお伺いします。 4: ◯答弁(知事) ワクチン接種につきましては、新型コロナウイルス感染症の対策として有効な手段ではございますが、強制されるものではなく、また、接種しないことによって不利益な取扱いがあってはなりません。  持病やアレルギーなど、様々な理由からワクチンを接種できない方もいらっしゃることから、その方々に対して、接種の強制や接種の有無による差別、学校や職場等における不利益な取扱いがないよう、ホームページに差別や職場におけるワクチンハラスメントの防止についての掲載のほか、人権相談窓口の案内、学校等への周知などを行っているところでございます。  引き続き、ワクチン接種を推進していくとともに、接種されていない方に対しましては、不利益な取扱いがないよう市町と連携して、周知してまいります。 5: ◯要望・質疑(前田委員) そのとおり、差別のないようにお願いしたいと思います。  質問の第3は、ワクチン接種の副反応にかかる正確な情報提供についてお伺いします。  2日前の質問でも紹介いたしましたが、去る2月9日に埼玉県において、新型コロナウイルスに伴う播種性血管内凝固症候群、分かりやすく言うと、小さな血栓が全身の血管のあちこちにできて、細い血管を詰まらせることが原因で亡くなった10代の男子学生は、基礎疾患なしで新型コロナワクチンを2回接種済みだったとさいたま市が発表されています。一方、令和3年8月に、東広島市で30歳の男性が、因果関係不明としながらも、異物が混入したワクチンと同じ時期、同じ場所で製造された新型コロナワクチンの接種後に死亡されましたが、広島県では公表していません。  昨年の6月定例会において、私が、新型コロナワクチンについて、我が国では12歳以上の小児に対する安全性についてのデータは得られておらず、諸外国においても、接種後短期間での効果と安全性は評価されているものの、接種後何年か経過した状況での効果や安全性については、評価がされていないのが実情だという日本小児科医会の危惧を引用して質問したところ、日本小児科学会の見解を引用され、接種する意義はあると答弁されました。  広島県として新型コロナワクチンの接種に意義があると考えているのであれば、ワクチン接種によって生じた事実は、よい事例も悪い事例も事実として公表すべきだと考えますが、知事の御所見をお伺いします。 6: ◯答弁(知事) 新型コロナウイルス感染症の対策として、ワクチン接種は極めて重要な手段であると認識しており、県民の皆様がワクチン接種を検討する上では、ワクチンの有効性や安全性など正確な情報を基に、接種の判断をしていただく必要がございます。  そのため、本県におきましては、ワクチン接種による家庭内感染における感染予防、重症化や後遺症の予防、追加接種における交互接種の優位性などの有効性に加えて、国において評価、公表している副反応疑い事例などをホームページやSNSを活用して、周知しているところでございます。  引き続き、国に対して、小児が安心して接種するために必要なエビデンスの収集等を要望していくとともに、市町と連携して、正しい判断に資するような情報の提供に努めてまいります。 7: ◯要望(前田委員) エビデンスに基づいた政策を行っていただきたいと思います。例えば、200ミリリットルのコップに100ミリリットル水が入っていたら、もう半分しかないと思う人も、まだ半分あると思う人もいらっしゃいます。価値観についてはどうこうできないのですけれども、200ミリリットルのコップに100ミリリットルの水が入っていることが事実なので、それは正しく情報として提供していただかないといけない。先日も大阪府では、死亡者数をきちんと切り分けて公表していますとお話ししましたけれども、今回、保護者が我が子にワクチンを打たすかどうかを決めていくわけですから、保護者が判断できるようなエビデンスに基づいた事実を公表していただきたいと思います。  先日の新聞記事に、接種は強制ではないという広島市の担当者のコメントや子供への接種はより慎重に対応したいという三次市の担当者のコメントが載っていました。そして今知事も、強制ではないとお話をしていただきました。人間の体をウイルスから守るのは、ワクチンではなく、おのおのの免疫力です。バランスのよい食事、十分な睡眠、そして何よりストレスのない生活を送ることが最も大切です。そのためには、学校生活においても、社会生活においても、行政が過度の規制をせずに、市民、県民の良識ある行動を信頼すべきだと思います。  昨年の第五波は、本来ならば、風邪ウイルスが流行しないはずの真夏でした。今年の夏も流行する可能性はありますが、まん延防止等重点措置にも明確な効果が確認できない今、2年間で得られた知見を総動員して、新しい施策を準備していただきますようお願いいたしまして、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。   (伊藤委員) 8: ◯質疑(伊藤委員) おはようございます。自民議連の伊藤英治でございます。昨日に引き続き質問させていただきます。  最初に、幼保小連携・接続の推進についてお聞きいたします。  本県では、乳幼児期の教育・保育に係る施策として、「遊び 学び 育つひろしまっ子!」推進プロジェクトを進めておられ、この4月からは2期目の推進プランがスタートします。  遊びは学びという理念の下、幼稚園・保育所等においては、一人一人の子供が興味、関心に基づいてやりたいことを自由に選択できるような環境の中で、遊びから多くのことを学ぶ教育・保育が展開されていると伺っております。  幼稚園・保育所等での、遊びは学びの展開はすばらしい取組だと思いますが、小学校に入学した後も、授業中に立ち歩いたり、先生の話を聞かずに遊び始めたりすることもあると聞いたことがあり、小学校での生活にうまく移行できない子供もいるのではないかと懸念しています。  こうした課題に対応していくために、これまでも幼保小連携・接続に取り組まれており、第2期プランではさらに強化していくと伺っておりますが、今後どのように取り組んでいこうと考えているのか、教育長にお伺いします。 9: ◯答弁(教育長) 小学校に入学したばかりの子供が落ち着いて学習できないケースについては、園・所等と小学校のギャップに対する児童の戸惑いの表れと認識しております。  これまでも、小学校へ入学した全ての子供たちが、安心感を持って新しい学校生活になじんでいくことが重要であると考え、幼児教育と小学校教育を円滑に接続するカリキュラムの作成支援に取り組んでまいりました。これにより、子供たちが少しずつ小学校の授業に慣れていけるよう、弾力的な時間割の設定を行ったり、学習内容に幼児期の遊びの要素を取り入れるといった取組が県内全ての小学校で展開されております。  一方で、小学校教員の園・所等での子供の状況等についての理解が、必ずしも十分ではないという課題があると認識しております。そのため、第2期プランにおきましては、一人一人の子供が、それぞれの育ちや特性に応じて学校生活に円滑に移行していけるよう、小学校の教員等が校区内の園・所等で保育参観や情報交換を定期的に実施するなど、小学校と園・所等で丁寧な子供の情報の共有に取り組んでまいります。あわせて、遊びは学びという乳幼児期の教育・保育の理念が小学校においても共感的に理解され、子供たちがそれぞれの関心や経験、育ちの状況に応じて主体的に参加できる授業が展開されるよう、小学校の全ての初任者を対象に、園・所等での保育を体験する研修を実施するなど、新たな取組にも着手してまいります。 10: ◯要望・質疑(伊藤委員) 幼稚園や保育所、あるいは小学校の経験は、無垢の時代に経験することですので、その後の人生に大きな影響を及ぼすこともあると思われます。個別最適という言葉をよく使われますが、非常に重要な時期だと思いますので、引き続き、連携に向けてしっかり取り組んでいただくことを要望いたします。  次に、叡啓大学で目指す人材育成についてお聞きいたします。  広島県では、世界で活躍できる人材教育校として、国際バカロレア認定された県立広島叡智学園やカリキュラムの半分が英語で行われる県立叡啓大学を開学し、真の意味で将来世界に通用する、有望な人材が育つ環境ができたことへの期待があります。しかし、本当に世界に通用する人材の育成が行われているのか、心配な面があります。叡智学園は、海外の大学への門戸が開かれており、そこでさらにもまれることになりますが、叡啓大学の学生の多くは、卒業後すぐに就職することになり、世界との競争の中に身を投じることと思われます。そのため、この大学での教育は、世界のスタンダードに対応できる人材を広島県で育てるという非常に大きな使命を持っています。  叡啓大学がその使命を果たすために重要な点の一つが、師として学生を導き、後押しする教員の存在であると考えますが、叡啓大学の教員の確保状況について、環境県民局長にお伺いいたします。 11: ◯答弁(環境県民局長) 叡啓大学におきましては、新たな教育モデルの実践に向けて、リベラルアーツや企業等と連携した課題解決演習など、多岐にわたるカリキュラムを少人数によるアクティブラーニングや英語での授業などの手法を用い、実践的な教育を展開することとしております。このため、教員につきましては、大学等での教育・研究実績に加え、企業、国際機関などにおける実務や海外勤務の経験を有する教員、外国人教員など、多様なバックグラウンドを有する人材を確保することとしております。  現在、開学初年度のカリキュラムに対応した専任教員18名が学生指導に当たっておりますが、来年度、2年次から本格化する課題解決演習やデータサイエンスなどを担当する教員8名を新たに採用いたします。これにより、専任教員は26名となり、その他非常勤教員も含め、文部科学省から認可を受けた教員体制が整う予定でございます。 12: ◯要望・質疑(伊藤委員) 新設の大学であり、卒業生もまだ出ておりませんので、今の学生の卒業後が、この大学の評価となります。その意味において、現在行われている授業のカリキュラムと指導教員の役目は大きいと思っています。ぜひ、そういう意識をしっかり持って取り組んでいただけるよう、教員の確保を引き続きよろしくお願いします。  次に、叡啓大学における国際競争力のある人材の育成についてお伺いいたします。1979年にアメリカで発刊されたジャパン・アズ・ナンバーワンの中では、日本の驚異的な経済成長の源として、日本人の学習意欲のすさまじさが紹介されるとともに、英語力の弱さが問題ではなく、国の強力な関与が日本発展の牽引力となっていることを紹介していました。いわゆる、護送船団方式でございます。しかし、いつの間にかこのような話題がなくなってまいりました。世界のトップランナーとして頑張っている企業も多くありますが、外資系企業に勤めている友人の言葉を借りれば、新規で世界に出て勝てる日本企業は、なかなか見当たらないと言っていました。これを極端な話と一蹴できる状況なのでしょうか。  IT業界を例にすると、特に顕著であり、パソコン業界の世界シェアは、アップルを先頭に、レノボ、デル、ヒューレット・パッカードの4社で半分以上を占めています。日本では、レノボがNEC、富士通と共同企業体をつくり、日本市場でのトップシェアを確保しています。ソフト業界を含めて世界を牛耳るIT企業として、よく挙げられるGAFAMがありますが、日本企業の名前は見る影もありません。また、携帯電話市場も、1位のサムスンに続き、アップル、シャオミ、オッポとやはり日本企業の名前はありません。  世界で勝ち進んでいる海外企業は、痛みを伴いながらも、ワールド・スタンダードのひな形を適用し、変革しているように見え、そこに新しい変革やプロセスが生まれ、新しい雇用が生まれています。  自由競争の世界である以上、激しい競争にさらされます。その競争の中で勝ち抜ける人材を育てるには、世界との競争を念頭に置いた教育でなければならないと考えております。こういった話題において、よく悪者として挙げられるのが、日本的な雇用形態である年功序列と終身雇用ですが、日本には儒教の精神が根づいていることに加え、戦後の経済成長を支えてきた実績のある制度であることから、一概に悪者と断じるのは難しいと考えます。問題は、雇用を守ることを盾に、変革をないがしろにしてきたことであり、その結果、世界との競争に勝てなくなり、今までのような雇用が守れなくなったことも起きたように見えております。  一方、世界との競争の中で忘れてはならないのは、和魂洋才の理念ではないでしょうか。真のグローバル化とは、単に外国語を話せることではなく、日本や広島に生まれ育ったことを誇りに思い、その精神を強みとしつつ、世界に通用する知識・技術などを取り入れ、両者を調和し発展させていくことであり、このことこそグローバル化が進む現代において、改めて日本人が取るべき姿勢であると思います。  今の日本には、ビジネスにおいて英語が話せるだけでなく、変革と競争を恐れず、真の意味で世界に通用する人材が必要だと思いますが、叡啓大学ではどのような人材の育成を目指しているのか、また、その人材をどのように育てていこうとされているのか、併せて知事の御所見をお伺いします。 13: ◯答弁(知事) 叡啓大学におきましては、文理横断のリベラルアーツやデジタルリテラシー、語学など、複雑・多様化する課題の解決に必要な知識やスキルを学び、県内の企業等と連携した課題解決演習において実践、応用し、トライ・アンド・エラーを繰り返しながら、実体験として修得できる教育体系を構築しているところでございます。こうした学びを通じまして、社会を俯瞰できる視野や論理的思考力、複雑・細分化した知識を再統合して、戦略的に解決策を立案する力、リーダーシップを発揮して、何事にも積極的にチャレンジし、最後までやり抜く力など、これからの社会で求められるコンピテンシーを培うとともに、広島を学びのフィールドとして最大限活用する中で、広島とのリレーションを深めてまいります。  また、留学生を受け入れ、多様な価値観が集うキャンパスを構築し、日英2か国語による授業や国際学生寮における共同生活を通じて、留学生と日本人学生が切磋琢磨する中で、コミュニケーション能力だけではなく、多文化を理解し、多様性を尊重する力の向上を図っております。こうした教育により、地域社会や世界に貢献する高い志を持ち、解のない課題に果敢にチャレンジし、他者と協働して、粘り強く新しい時代を切り開いていく人材を育成してまいりたいと考えております。 14: ◯要望・質疑(伊藤委員) すばらしいことだと思っております。国内で特に、広島県内の優れた企業に就職され、あるいは自ら起業され、叡啓大学の卒業生がワールドワイドに活躍されることを願っておりますし、広島で住み、働いてよかったと思えるような広島づくりに引き続き、邁進していただくことを要望しまして次の質問に移ります。  非常に大きな問題の一つとして取り上げたいのが、教員等による犯罪についてでございまして、何とか予防できないかと考えております。昨日の質問に関連して、教員等による犯罪を予防するための取組についてお伺いいたします。  近年、本来子供から尊敬され、子供を守るべき立場である職業に就く人たちの手によって、子供が被害者になるという信じられない事件が頻発しています。文部科学省の調査によると、昨年度、わいせつ行為やセクハラを理由に懲戒処分や訓告を受けた教員は200人に上り、本県でも4人の教員が処分を受けたとのことです。  イギリスでは、DBSという政府系機関が発行する性犯罪歴がないことを証明する書類を提出しなければ、子供に接する職業には就けないことになっています。日本でも、政府がこども家庭庁の目玉政策として、制度化の検討に入ったとのことですが、性被害によって子供が負う傷の大きさを考えると、早急に導入されるべきと思います。もちろん、刑期を終えた加害者の人権やプライバシーに対する配慮も必要ではありますが、子供の健やかな成長や穏やかで幸せな暮らしを後押しするはずの教員等が、誇りや挑戦の土台となる安心を揺るがすことは許されない事態であり、予防する手立てを取るべきと考えますが、教育長の御所見をお伺いします。 15: ◯答弁(教育長) 教職員による児童生徒に対するわいせつな行為は、児童生徒の権利を著しく侵害し、生涯にわたって回復し難い心の傷を残すなど、心身に対する重大な影響を与えることから、決してあってはならないものでございます。  児童生徒が安心して学ぶことができる教育環境を守るため、採用に当たりましては、面接時に経歴などを慎重に確認し、教員としての適格性を厳格に見極めることや教員免許状の失効等の記録を検索できる官報情報検索ツールの活用など、適切な人材の確保に向けた取組の強化を図るとともに、日本版DBS制度に係る国の検討状況を注視してまいります。また、個々の教職員が孤立することなく、校内で相談しやすい環境づくりや不祥事防止に取り組む校長への早い段階からの教育委員会の支援などにも取り組んでまいります。さらに、児童生徒を性犯罪の被害者にさせないため、自分を尊重し大事にする命の安全教育の推進など、児童生徒への啓発も含め、あらゆる手段を講じて、児童生徒を性被害から守ってまいります。 16: ◯要望(伊藤委員) このような話題になったとき、ある人から、人は大なり小なり似たような癖を持っているものだから、道徳や倫理の教育が必要なのだと言われました。  今後とも教育については、このような問題が起こらないように十二分な対策をお願いいたしまして、質問を終わらせていただきます。   (井原委員) 17: ◯質疑(井原委員) 一昨日に続きまして質問させていただきます。昨今、水道事業について、広域化の話が広がっていますが、このことについて若干質問させていただきます。  平成24年9月に、県営水道事業の取水施設から送水施設までの一体管理や市町水道事業における主な浄水場施設、場外施設の運転管理業務、このほか人材教育に至るまでを事業内容とする株式会社水みらい広島を共同事業企業体として設立されました。平成23年12月に、公民共同企業体設立準備会社を主体として、計画の中では直面する経営課題として、水需要の減少、施設更新費用の増加、職員の大量退職による技術力の低下などを挙げて、これを克服するために必要であると称しています。この事業を展開されて10年たちますが、成果をお尋ねしたいと思います。 18: ◯答弁(企業局長) 株式会社水みらい広島は、公と民がそれぞれの得意分野を生かすことで、水道事業が抱える課題解決に寄与し、持続可能な水道事業の実現に貢献することを目的に設立したものでございます。同社の設立に際し、取りまとめた事業計画におきましては、県営水道事業の指定管理業務の受託、市町からの業務受託、水道に関連するコンサルティングの実施などを掲げておりましたが、現在、おおむね計画に沿って事業を実施していると考えております。  主な取組といたしまして、同社においては県の指定管理業務などの受託の中で、デジタル技術を活用した浄水の遠隔監視や施設の点検、設備点検方法の変更によるライフサイクルコストの削減、職員のスキルに応じたきめ細かい研修などを実施し、事業の効率化と着実な技術継承という成果につなげているところであり、水道事業が抱える課題の解決に貢献していると評価しているとこでございます。 19: ◯質疑(井原委員) これらの事業で、何ができて、何ができ得なかったのかという基本的な総括をしていただきたいと思っています。課題が多くなり、そして、今までにない課題が見つかりました。その解決に向けた提案の一つとして、今まさに広域化も含めて事業展開をされるようですが、抽象的な総括になると思いますけれども、何ができ得て、何ができ得ていないのかについてもう一度お尋ねしたいと思います。 20: ◯答弁(企業局長) これまで水道用水供給事業におきましては、水道施設の適切な維持管理を行うとともに、島嶼部管路のループ化、老朽管路や設備の更新、施設の耐震化などに取り組んできたほか、災害等には迅速な復旧に取り組んでおり、水源の確保が困難な市や町に対する安定的な水道用水の供給を実施してきたところでございます。  一方で、水需要の減少、施設更新費用の増加、ベテラン職員の退職による技術継承の問題といった課題については、引き続き解決に向けて努力していく必要があると考えております。このため、株式会社水みらい広島などとの公民連携に加えて、市や町との広域連携という公公連携を両輪として、取組を進めてまいりたいと考えているところでございます。 21: ◯質疑(井原委員) 令和2年6月だったと思いますが、広島県水道広域連携協議会において、県内15市町の事業を統合して広域化を図る提案をされております。ただし、この15市町の中に、広島市、福山市、呉市を中心とする広島県下で最大規模の自治体が、傘下に入っていない状況で、この事業をどのように収支シミュレーションされたのか、お尋ねしたいと思います。 22: ◯答弁(企業局長) 広島県営水道企業団設立準備協議会におきまして、現在、検討を進めていますけれども、そちらで取りまとめました事業計画素案におきましては、企業団に参画した後、区分経理を行う各市町の事業それぞれが持続可能な財政運営を実現できるよう、一定の財政規律を確保することを前提といたしまして、実効性を確保する観点から、各市や町の施設整備計画をベースに、市や町と個別に協議した上で収支見込みの試算を行っております。具体的には、支出面では、統合により実施する施設の再編整備や管路更新の費用を見込んだほか、維持管理費につきましては、施設の再編整備や統合による事業の効率化などを反映し、試算しております。  収入面では、今後の給水収益の減少を見込みながら、統合のインセンティブとして交付される国の交付金や企業債の発行を行った上で、適切な料金を設定し、試算しています。これにより、計画の実効性を確保しつつ、将来にわたって安定的に水を供給していく上で必要となる施設整備等の費用とその財源確保の見通しを明らかにすることができたと考えているところでございます。 23: ◯質疑(井原委員) 広域化する中で、大規模な地域が水道企業団の枠から外れている状態で収支計算をするとのことですが、15市町に対する利用料金設定をどのように考えておられるのか、お尋ねしたいと思います。 24: ◯答弁(企業局長) 水道料金につきましては、現在、各市町によって料金体系や設定方法が異なることから、今後設置する水道企業団におきましては、事業開始から当分の間、現在の市町別の料金体系と設定方法を引き継ぐこととしております。その上で、水道料金につきましては、おおむね5年ごとに見直しを行い、その結果、経営の効率化を図ってもなお、恒常的な損失や資金不足が見込まれる場合には、市や町の意見などを踏まえ、料金の改定を行うこととしております。 25: ◯質疑(井原委員) 今までやってこられた中で、15市町の中では相当の体力差があり、同時に、施設整備の進捗状況も全く違うわけです。5年ごとに見直すとのことですが、事業が立ち行かない地域については、県が直接的に資金を投資するという考え方でよろしいでしょうか。 26: ◯答弁(企業局長) 企業団において、今後、施設整備を10年間にわたって重点的に実施することとしておりますけれども、その施設整備に必要な財源につきましては、各市町がこれまで確保してきた財源に加えまして、統合を機に交付する国の交付金や施設整備、維持管理の最適化によるコスト縮減効果を充当するほか、必要に応じて水道企業団内の事業間での資金融通などにより、確保してまいりたいと考えております。 27: ◯質疑(井原委員) 資金融通を行うと言われましたが、資金融通ができるほどの余力があるという認識なのでしょうか。 28: ◯答弁(企業局長) 企業団におきましては、各市町がこれまで行ってまいりました事業を、引き続き、区分経理で行っていくと考えています。その中で、財源確保が困難な事業がございましたら、企業団に参画している県あるいは市や町の中で、可能なところからの資金融通も考えていくということでございます。 29: ◯質疑(井原委員) 事業計画の素案を見させていただきました。管路更新等の施設整備費が令和5~14年度までの10年間で1,835億円、1年当たり平均184億円の資金が想定されています。これを見るだけでも十分な資金手当てができない地域はよほどあります。それと同時に、各区分する自治体が、既に管路更新すら十分にできていないのです。耐震実施ですらできていない地域があるように見受けられます。そうすると、いきなり資金ショートを来すことになりますが、区分ごとの財源構成の中で、自立した上で事業を展開する前提の中で、資金的に足りない部分は企業団の中で融通し合うだけであって、収支の補いとは違うということでよろしいでしょうか。 30: ◯答弁(企業局長) 現時点で検討しております財源の確保策におきまして、収支の資金不足による補填、各事業間による資金の補填ということではございません。資金の融通というような制度を企業団の中で創設してまいりたいと考えているところでございます。 31: ◯質疑(井原委員) そうしますと、融通すべき資金はどこにプールしてあるのでしょうか。誰がプールするための財源を拠出するのでしょうか。 32: ◯答弁(企業局長) 資金融通につきましては、そのために資金をプールするということで事業を運営している事業はございませんので、あくまでも、その事業を運営していく中で、余剰資金がある場合に、資金融通するということで考えているところでございます。 33: ◯質疑(井原委員) そういうことになると、現状の各水道事業の収支が黒字でなければ、原資は出てこないことになるわけです。この15市町において、それだけの余力がある事業収支を見て取ることができないのですけれども、いかがお考えでしょうか。 34: ◯答弁(企業局長) 現時点の参加市町の収支状況は、非常に厳しいものがあろうかと思っております。今後、安定的に事業運営を図っていく上では財源確保の方策、統合によって統合効果を生むこと、あるいは適切な料金設定を改めて考えていく必要があると思っておりますけれども、そういった資金を融通する余力があるものについては、県の水道用水供給事業のみであろうかと思っているところでございます。 35: ◯質疑(井原委員) 余力があるのは県の水道用水の供給事業だけであるとのことです。何で資金があるかといえば、管理更新が将来にわたって見込まれるから、県から市町へ給水、排水する水道料金をあらかじめ高めに設定して、それを原資としてプールしておくということです。これが基本的な県の用水の形であると以前から答弁いただいていますけれども、このことに間違いはないでしょうか。 36: ◯答弁(企業局長) 県の水道用水供給事業の水道料金の設定方法につきましては、本県では、市や町の水道事業が料金算定の基準としております公益社団法人日本水道協会の定める水道料金算定要領に準じ、料金算定期間を3年といたしまして、給水に要する費用を給水収益で賄うことができる料金に設定しております。具体的には給水に要する費用は人件費、薬品費、動力費、修繕費、そして新設や更新により取得する資産に係る減価償却費などの費用を、また、給水収益は、水需要予測と設定する料金による料金収入を見込んで算定しているところでございます。今御指摘のあった部分につきましては、新設や更新により取得に要する資産を見込んだ部分であろうかと思っております。 37: ◯質疑(井原委員) 取得に対する必要資金であるとおっしゃいましたけれども、以前の議事録では、将来ではなくて、現存する資産の更新に当たる費用を各市町に送り込む水の代金に上乗せしたと明確にお答えいただいています。そのプールしたお金をどうするのかという話です。  話が違う部分はありますけれども、今回問題となっている二期トンネルの新設工事の状況が当初の見込みと違うと言われています。当初の事業に対して、費用負担が約70億円増加しましたが、このことにより今まで管路更新用の費用としてためてきた県用水の資金の大きな意味を喪失してしまうと思っているのです。このことについてはいかがお考えでしょうか。 38: ◯答弁(企業局長) 水道用水供給事業は、現在、大規模な浄水場やポンプ所、広範囲にわたる管路やトンネルを保有しております。二期トンネルにつきましては、現在の戸坂系6号トンネルのバイパスの機能を持つ施設といたしまして、これらと同様に水道用水供給事業を運営するための必要な施設であると考えてございまして、水道用水供給事業の会計の中で、必要な整備費を拠出しているものでございます。 39: ◯質疑(井原委員) 必要か否かをお尋ねしているのではなくて、本来、管路更新のためにためておいた資金が、工事の査定のイレギュラーによって、70億円喪失したのではないかということです。このことによって、県の水道事業に大きなダメージを与えているのではないか、もう一度お尋ねします。 40: ◯答弁(企業局長) 二期トンネルの整備事業費の増額につきましては、今後、必要となる施設の最適化、あるいは水需要の減少を見越した施設のダウンサイジングを行ってまいりまして、水道用水供給事業への影響を最小限にとどめてまいりたいと考えています。 41: ◯要望・質疑(井原委員) 二期トンネルの必要性を否定するものではありません。災害によって、給水が止まったことにより、企業活動ができなくなるのです。それに対するちゃんとした体制が取れていなかったことを反省点として、水の確保を十分していくという意味では二期トンネルは必要なのだと思います。しかしながら、事業計画した上で事業に着手して、70億円も増額しているのです。この事業の見通しの甘さを指摘しているのでありまして、もう一度しっかり検討していただく必要があると思います。その上で、全体の水道事業に対して影響を及ぼさないこと、逆に言えば、この費用を全部水道事業にかぶせるかどうかという話になると思うのです。その辺についての御検討をぜひともお願いしたいと思います。  その上で、水道事業に対しての料金も含めて、例えば、各市町では、上下水道一体整備という一体事業が大きく広がってきていると思っています。各市町において、上下水道局という事業局をつくっているところ、ないしはその方向で事業を見据えてきた自治体も多くあります。このことについて、どのようにお考えで広域化を提示されているのでしょうか。広域事業は、あくまでも水道事業のみということでよろしいでしょうか。 42: ◯答弁(企業局長) 下水道事業につきましては、現在も各市や町におきまして、普及率の向上に向けた施設整備が進められていることを踏まえ、県としても市や町単位の執行を考えておりまして、水道企業団に対する事業移管は行わず、市や町の意向に応じて、業務効率化の観点から企業団への事務委託などを実施することを考えているところでございます。 43: ◯質疑(井原委員) 御存じと思いますけれども、上下水道は一体で料金徴収をしています。そうすると、今度は料金徴取が二分化される、ないしは事業の委託をするという形になってくるのですが、その方向でよろしいでしょうか。 44: ◯答弁(企業局長) 下水道料金の徴収業務について、一体で徴収されている市や町があることについては、承知しております。企業団移行後、住民の利便性を損なうことがないよう、検針から収納業務まで、企業団が市町から受託することは市町の意向に応じて行うこととしておりまして、そういう意味では住民の利便性が損なうことのないよう、上下一体で料金徴収を行うことを考えているところでございます。 45: ◯要望・質疑(井原委員) 基本的に一体化するということですが、個人的な意見も含めて、上下水道一体化による整備、特に下水道については、非常に不採算ないしは事業用の資金の欲求度が高いので、まさに県が主導するべき広域化は下水道も含めた形であるべきと認識しています。ぜひとも御検討をお願いしたいと思っています。  それで、水道ということになりますと、工業用水になりますが、呉市の日本製鉄が撤退されることで相当の水需要が落ち込みました。太田川水系で工業用水が6割減と報じられております。6割の利用量が減ることによって、年間6億円程度の赤字が出ると説明いただきましたけれども、この扱いについてどのようにお考えなっているのか、お尋ねしたいと思います。 46: ◯答弁(企業局長) 日本製鉄に給水している太田川東部工業用水道事業は、同社の全設備休止に伴う受水廃止により、経営の多大な影響は避けられないことから、この影響を最小限にとどめる必要があると考えているところでございます。このため、現在、費用面や資金面など、様々な角度から対応策を検討しているところでございます。 47: ◯質疑(井原委員) 料金を上げるのかどうか、現行どおりいくのかの結論の決定時期を令和5年4月と聞いていますが、間違いないでしょうか。 48: ◯答弁(企業局長) 日本製鉄の受水廃止による影響を最小限にとどめる検討を進めているところでございますけれども、一方で、日本製鉄の受水廃止がない場合におきましても、太田川東部工業用水道事業につきましては、管路更新などの費用の増加が見込まれることから、料金改定の検討を行っていく必要があり、令和5年4月をめどに検討しているところでございます。 49: ◯質疑(井原委員) 理論が逆ではないでしょうか。日本製鉄がいようがいまいが、料金改定時期が来ますし、状況は変わってきているのです。全く問いに対しての答えになっていません。  もう一度お尋ねしますけれども、太田川水系から工業用水が6割減るのです。6割減るというのは、6割の水が要らなくなることだけではなく、工業用水供給事業の規模が小さくなって、全体の合理性がなくなるのです。管路更新があるからと言って、その要因は別にもあると言わんばかりの話です。減水すること、消費が少なくなることについて、なぜ令和5年4月7日に結論を出すのか聞いているのです。何でそこまで待てるのでしょうか。企業活動の中で、一定の生産に必要な水は、生産原価に入ってくるわけで、それがどうなるか分からない状況で、企業に、ぜひともうちへ来てほしい、しっかりと企業活動をしてほしいということを言えるのでしょうか。 50: ◯答弁(企業局長) 日本製鉄の受水廃止の影響につきましては、その影響を最小限にとどめることにつきまして、様々な観点で検討しなければいけないと考えております。そのため、結論につきましては早急に取りまとめてまいりたいと考えておりますが、受水団体に対しましては、これまでも毎年開催しております受水団体連絡会議等を通じて、工業用水道事業の経営状況や管路更新工事等の状況などを説明してきたところでございます。  今年度の受水団体連絡会議では、日本製鉄が受水廃止する場合の収支見通しとともに、同社が受水廃止の影響がない場合の収支見通しを作成し、今後の経営見通しや給水原価見通し等を丁寧に説明してきたところでございます。  受水団体からは、協議の時間を十分に設けてほしい、あるいは料金が大幅に増額する場合は経営が厳しくなるなどの御意見を頂いたところでございまして、県からは日本製鉄の全設備休止に伴う受水廃止の影響を最小限にとどめるよう対応を検討していくことを説明してまいりました。 51: ◯質疑(井原委員) 受水団体のこともさることながら、大量に水を使う企業が、この状況を見て納得されるのだろうかと思いますが、企業に現状維持の活動を続けていただく上で、全く支障はないと理解していいか、商工労働局長にお尋ねします。
    52: ◯答弁(商工労働局長) 一般論といたしまして、工業用水の料金などコストの増加は、企業の投資判断に影響を及ぼすものと考えております。そのため、商工労働局といたしましても、地元の市と共に、企業訪問してヒアリング等を行っているところでございます。また、企業局とも緊密に協議や情報交換を行い、企業の投資判断への影響を最小限にとどめるよう現在取り組んでいるところでございます。 53: ◯要望・質疑(井原委員) これだけの数字が動くとき、企業は何を考えるのだろうか、生産原価が上がるという話をしているのです。今既にそのことが影響を及ぼしてきています。日本製鉄が撤退されると宣言されて、もう久しいわけで、1年以上前からずっとこの話は出ており、昨日、おとといに初めて知った話ではないのです。それが来年の改定まで待つというタイムリーではない活動となっていますので、もう一度御検討をお願いしたいと思います。  それと同時に、今から1番大事なのは、万が一、広域事業に展開されるとして、管路の耐震化が全くできていない中、防災上本当に大丈夫なのかということです。技術的に大丈夫なのか、本管取水がきちんとできるかということです。これらについて言及されていない。それぞれの配水のサービス提供の料金は、現行のままいくという先へ送っただけです。事業の展開はあまりにも不自然と思いますし、行政的には不親切、政策的にはアウトだと思っていますので、もう一度御検討を願いたいと思います。  次の質問に移ります。  土地造成事業に対する様々な状況が変異しています。土地造成事業を企業局から商工労働局へ移管するとのことですが、移管される業務の目的は何か、なぜこのような移管をされるのか、教えてください。 54: ◯答弁(商工労働局長) 近年、企業のニーズが多様化するとともに、投資判断がスピードアップしており、これに対して迅速かつ的確に対応していくことが、企業誘致を進める上で最大の課題となっております。また、これまで県営産業団地において、主な受皿となっていた産業用地が不足してきていることから、市町や民間など、多様な主体との連携・協働による産業用地の確保にも努めているところでございます。こうした多様な主体による産業用地の確保に向けた取組をさらに加速させるとともに、多様化する企業ニーズや投資判断に迅速に応えるため、営業部門と造成部門を一元化し、ワンストップ化を図るものでございます。 55: ◯質疑(井原委員) 今、局長がおっしゃられた成果や効果は、商工労働局で一元化をしないと求められないのでしょうか。逆に言えば、今まで企業局と商工労働局の役割分担の中でやってきた事業に対して、何が阻害要因だったのか、もう一度お尋ねします。 56: ◯答弁(商工労働局長) これまでも、商工労働局の営業部門と企業局の造成部門は、局の垣根を越えて情報共有し、県営産業団地による産業用地の確保をはじめとして、連携して企業誘致を行ってまいりました。一方、企業ニーズに応じた競争力のある産業用地が不足してきたことから、商工労働局として、市町の産業団地造成を促すための助成制度を平成30年度に創設いたしまして、その最初の活用事例として、福山北産業団地第2期が造成されているところでございます。また、民間遊休地の活用を図るため、県として、情報収集や仲介を積極的に行うとともに、広島港江波地区においては、全国に先駆けた取組として、平成30年度から三菱重工業と県の連携による産業用地の造成を行っているところでございます。  こうした多様な主体による産業用地の確保に向けた取組をさらに加速させるために、来年度、営業部門と造成部門を一元化し、市町による産業団地造成や民間遊休地活用への技術的支援、技術的視点を持ったきめ細かな企業誘致活動などを効果的かつ効率的に実施するとともに、企業対応のワンストップ化、迅速化を図ることで、企業誘致のさらなる促進につなげてまいりたいと考えております。 57: ◯質疑(井原委員) そこで、土地造成事業の一番の課題である未分譲地の売却に対する方策はいかがお考えでしょうか。 58: ◯答弁(商工労働局長) これまで、土地造成事業会計におきましては、企業局と商工労働局、関係市町が連携を図り、企業の投資動向などの情報を収集し、企業への営業活動を行うことで、未分譲地の早期完売に向けて取り組んでまいりました。今後は、営業部門と造成部門を一元化し、企業窓口のワンストップ化や技術的視点を伴った迅速な企業対応など、これまで以上にきめ細かな企業誘致活動を行うことにより、未分譲地の早期完売に努めてまいりたいと考えております。 59: ◯質疑(井原委員) そこで、現状をお尋ねしたいと思うのですが、直近の開発事業では、本郷産業団地が、最終的に未分譲地になりました。このことについて、完売に向けての方向性はどのようにお考えなのか、お示しください。 60: ◯答弁(商工労働局長) 企業誘致におきましては、産業用地の提供だけではなく、インフラ整備や雇用の確保など、企業からの様々な要望やその課題に対応することが必要であり、これまでも地元三原市と情報や課題を共有し、対応策の検討などを適宜、一体となって行っているところでございます。また、引き合いのあった企業の訪問や現地視察にも、県と市が同行し、上下水道をはじめとするインフラの整備状況や雇用確保策などを説明しているところであり、今後もこうした取組を粘り強く続け、本郷産業団地の早期分譲を図りたいと考えております。 61: ◯質疑(井原委員) 令和3年9月定例会において、御答弁いただいた中に、引き合いがあるという話があったと思いますが、その後の状況をお示しください。 62: ◯答弁(商工労働局長) 今年度は、本郷産業団地につきまして、5社が現地視察しておりますけれども、現段階では残念ながら、立地協定の締結に至った案件はございません。そのうち複数社につきましては、現在も協議を続けているところでございます。また、それ以外の問合せのあった企業につきましては、企業訪問や現地視察など、より詳細な説明を行う機会をつくるための働きかけを行っているところでございます。引き続き、企業局や三原市とも連携し、早期の分譲に向けて営業活動を行ってまいります。 63: ◯質疑(井原委員) 最後に、産業団地は様々な部分で新たな需要が発生すると思います。様態も変わり、企業の方向性も変わってくると思います。これに対して、今後の開発計画の方針があればお示しください。 64: ◯答弁(商工労働局長) これまでは、県営産業団地が企業誘致の主な受皿となっておりましたけれども、企業ニーズが多様化する中、市町や民間など、様々な主体との連携、協働による産業用地の確保が求められております。今回の造成部門と営業部門の一元化によりまして、県営産業団地に加え、市町による産業団地造成への財政、技術、営業など総合的な支援強化や民間遊休地の活用への一体的な関与など、多様な主体による産業用地の確保を加速したいと考えております。さらに、本県産業の競争力強化にもつながる企業誘致を目指し、機能や人材に着目したデジタル系企業などの誘致も進めることによりまして、多様な企業や人材の集積を図り、しなやかで力強い産業構造とイノベーション立県の実現を目指してまいりたいと考えております。 65: ◯要望(井原委員) これまで進めていただいたことに対する真摯な反省の下に、しっかりと活動をしていただきたい旨をお願いして終わります。   (桑木委員) 66: ◯質疑(桑木委員) 民主県政会の桑木良典でございます。質問の機会をいただき、森川委員長をはじめ、皆様に感謝を申し上げ、早速質問に入らせていただきます。  近年、気象上、災害が頻発化、激甚化しており、本県も豪雨による甚大な被害を受けました。南海トラフ巨大地震への備えの必要性も叫ばれる中、災害時の医療提供体制を確保することの重要性が増してきており、令和4年度においても、体制の確保の事業が提案されています。  そこでまず、災害医療の充実強化に向けた取組についてお尋ねいたします。  先般の参考人意見聴取におきまして、兵庫県災害医療センターの中山伸一先生からもお話をいただきましたが、災害発生時に適切な対応を行うためには、平常時から災害医療に関わる人材を育成していくことが重要になります。  本県に甚大な被害をもたらした平成30年西日本豪雨災害における初動・応急体制に関する検証結果では、圏域ごとの災害医療コーディネート体制の立ち上げが遅れたため、災害急性期のDMATの活動から亜急性期の保健医療チームの活動への引継ぎや情報共有が円滑に行われなかったとの振り返りがなされています。  これは、全国から支援に駆けつけたDMAT等の救護班を、被災地のニーズに応じて適切に派遣調整する都道府県災害医療コーディネーターと呼ばれる人材が、平成30年時点では、44都道府県において任命されていたのに対して、本県では任命されていなかったことが要因ではないかと思います。  そこで、災害医療のコーディネートを担う人材の確保及び育成について、これまでどのように取り組んでこられたのか、また、災害発生時における適切な派遣調整に向けた課題と今後の対応について、併せて健康福祉局長にお伺いいたします。 67: ◯答弁(健康福祉局長) 災害医療のコーディネートを担う人材の確保及び育成のため、今年度から、県の保健医療調整本部につきましては、統括DMAT登録者などから県災害医療コーディネーターとして6名を、県の保健所、支所ごとに設置する現地保健医療調整本部につきましては、地域の災害拠点病院の医師などから地域災害医療コーディネーターとして60名を委嘱し、これらのコーディネーターを対象に、実際の災害を想定した演習形式の新たな研修を開始したところでございます。  また、災害時には、被災状況と支援ニーズを迅速かつ的確に把握し、災害医療コーディネーターの助言などを得ながら、DMATをはじめとする様々な保健医療活動チームの派遣調整を円滑に行うなど、県の保健医療調整本部を実動させることが課題であると認識しており、大規模災害発生時の対応の指針となる災害時医療救護活動マニュアルの改訂を進めております。 68: ◯質疑(桑木委員) 災害が発生した際に迅速かつ適切な医療を提供するためには、県、市町、医療機関などの間で、被災の状況を速やかに共有することが重要です。  そのため、被災地の患者搬送やDMAT派遣の調整を行うための情報共有の仕組みとして、広域災害・救急医療情報システム、通称EMISが平成8年度から運用されており、参考人の中山先生からも、このシステムの重要性について、御講演をいただきました。  しかしながら、検証結果によると、西日本豪雨災害時においては、災害拠点病院以外の医療機関では、EMISが医療機関の被災情報の情報共有ツールとして活用されていなかったため、DMATや県職員による聞き取り等を行い、情報収集に時間がかかったとの課題が明らかになっています。  今次定例会において、当会派の中原議員が、こうした反省点を踏まえた災害医療体制への課題認識について質問いたしましたが、それに対して、これまでEMISの運用訓練などを実施してきたと答弁されました。  そこで、具体的に、運用訓練などをどのように、どの程度実施されてきたのか、健康福祉局長に伺います。 69: ◯答弁(健康福祉局長) EMISの運用訓練などにつきましては、二次保健医療圏域ごとに、医療機関、医師会及び保健所職員等を対象として、EMISの操作演習、EMISの操作を訓練項目に入れた机上訓練などを、西日本豪雨災害の後、今年3月の開催予定分も含めまして、四つの圏域で、延べ19回実施し、延べ1,440の医療機関、1,572人の参加をいただいたところでございます。 70: ◯質疑(桑木委員) 訓練や研修を重ねておられますが、災害発生時にEMISが適切に活用され、有効に機能することが重要であるとの認識の下、これまで実施してきた運用訓練などの結果、EMISに対する医療機関や行政機関の職員の習熟度がどの程度高まったと評価しているのか、また、さらなる活用促進に向けた課題と今後の取組について、併せて健康福祉局長にお伺いいたします。 71: ◯答弁(健康福祉局長) EMISに対する医療機関や行政機関の職員の習熟度につきましては、その評価が難しいところもございますが、研修、訓練の講師からは、年々、EMISの重要性について、受講者の理解が深まっているとお聞きしております。また、西日本豪雨災害の後、継続してEMIS訓練に積極的に取り組んでいる福山・府中圏域におきましては、圏域で実施する訓練に参加する医療機関の数が年々増加しており、災害への備えの必要性に対する認識が浸透しているものと受け止めております。  さらなる活用促進に向けましては、現在、研修、訓練を実施している圏域が4圏域にとどまっていることから、早期に県内全ての圏域において実施されるとともに、各圏域において実施されている訓練内容をより実践的なものとし、災害対応力の向上に資するものとなるよう、引き続き、働きかけてまいりたいと考えております。 72: ◯要望・質疑(桑木委員) 引き続いて、圏域を増やして、訓練し、練度を上げていくとのことでございました。緊急時の対応でございますので、やはり平時の訓練が本当に重要だと思います。引き続きの対応をお願いいたしたいと思います。  次は、防災情報システムについてお尋ねいたします。  災害死ゼロに向けては、災害発生前の避難指示等の避難情報の発信に加え、発災後の被害情報を速やかに把握し、被害に遭われた方を適切に医療機関につなげる必要があります。そのためには、迅速な初動応急対応を行うことができる情報システムを整備することが重要です。  県では、次期防災情報システムの整備に向けて、来年度、システム要件などの具体化を進めていくと伺っていますが、私は、被害情報や県民のSNSへの投稿などの様々な情報に加え、EMIS等を通じて収集される医療情報についても、県、市町の防災担当部署や県警、消防、初動・応急対応に当たる関係機関が共有することによって、速やかな救助活動につながるのではないかと考えます。  そこで、防災情報システムにおいて、医療情報の共有をどのように図っており、また、今後、どのように取り組んでいくのか、危機管理監にお伺いいたします。 73: ◯答弁(危機管理監) 災害発生時に迅速な救助活動を実施するには、県や市町、警察、消防などが把握する被害情報や県民のSNS投稿等に加え、医療機関からの情報についても、関係機関で共有を図ることが重要と認識しております。このため、本県では、国が進めている基盤的防災情報流通ネットワーク、いわゆるSIP4Dと防災情報システムを、昨年6月に連結し、EMISで収集された医療情報について、県や市町など関係機関がSIP4Dを経由して防災情報システム上で確認できるシステムを構築し、現在、試行的に運用しているところでございます。  また、来年度、システム要件の具体化を予定している次期防災情報システムにおきましても、万が一、大規模災害が発生した場合に迅速、的確な初動応急対応が行えるよう、医療情報を含めた各種災害情報について、消防、警察、自衛隊、DMAT等の現場対応機関と速やかに共有できる仕組みを構築するとともに、国による最新の研究成果等についても注視し、県民の適切な避難や災害発生時の迅速な救助活動につながるシステムの構築に向けて取組を進めてまいります。 74: ◯要望・質疑(桑木委員) システムの構築と併せて、それを活用する人材の育成が大切だと思います。中山参考人の説明資料の最後に、人間への財源を投資するべきとの記述がありました。災害拠点病院、EMIS、DMAT、災害医療コーディネーターなどが進歩してきているが、それらの活動基盤を支えるためには、ハードウエアのみならず、マンパワー強化を含めたソフト面での医療機関の強靱化を平時から図ることが欠かせないとの御指摘も頂いております。今後とも災害拠点病院をはじめとした医療機関の災害対応能力の強化など、災害時の医療体制の整備により一層取り組んでいただき、県民の生命をしっかりと守っていただくよう要望して、次の質問に移ります。  次は、県民の仕事に対する不安への対応について伺います。  今次定例会の代表質問において、我が会派の瀧本議員が本県の雇用情勢を踏まえた効果的な施策展開について質問を行いました。コロナ禍において、社会状況が一変し、私たちの生活も様々な制約を余儀なくされ、仕事も暮らしも欲張りなライフスタイルの実現を掲げる広島県にも暗い影を落としています。  本県の雇用情勢は厚生労働省の調査では、新型コロナの長期化が非正規雇用の不安定化を招き、解雇や雇い止めになった、または予定されている方が4,000人を超えています。現時点では、企業の努力や、国や県をはじめとした各種の支援事業により、失業率は2.4%と、リーマンショック時の4%台よりも低く抑えられていますが、支援が終了した後には、大変厳しい状況になるのではないかと強く懸念しています。今勤めている人も、現在はどうにか雇用が守られているが、社会経済活動が本格的に再開した後、様々な支援制度が終わり、勤めている会社が存続していけるのか、今の勤務先の業種は将来の見通しが厳しいのではないかと不安を感じたり、生き方そのものを見つめ直すために転職を検討している方が実際には多数いるのではないでしょうか。  総務省の労働力調査によりますと、2021年の転職希望者数は前年比3.7%増の889万人で過去最高を更新しており、潜在的な転職ニーズも拡大していることが推察されます。私の周りでも、今の自分の能力に不安を覚えるが、具体的にどう行動したらいいのか、目指すキャリアが分からないという声を聞いています。  そこで、コロナ禍やコロナ後において、自分は将来、今のスキルで仕事を続け生活していくことができるのかと不安に感じておられる方へのスキルアップや転職に向けた支援が必要と思われますが、仕事の悩みに関する県の相談窓口等への相談内容や件数から、現状のニーズをどのように認識されているか、商工労働局長にお伺いいたします。 75: ◯答弁(商工労働局長) 新型コロナの影響等によりまして、離職を余儀なくされた方などの就職支援を目的として、今年度6月に新たに設置した働きたい人全力応援ステーションでは、本年1月までに469名の方から相談を受けているところでございます。このうち、在職中で転職を希望されている方は245名と、全体の半数を超えており、雇用の先行きが不透明であることへの不安、自宅待機等をきっかけに働き方を見つめ直したことなどによりまして、転職を検討されるケースが多い状況にございます。  また、相談窓口では、転職に必要な資格やスキルの習得方法、求職者一人一人の希望に沿った求人情報などのニーズを伺っているところであり、働きたい人全力応援ステーションを中心に、こうしたニーズにしっかりと対応してまいりたいと考えております。 76: ◯質疑(桑木委員) 働きたい人全力応援ステーションの事業に触れていただきましたが、令和4年度当初予算における主要な雇用労働施策として、8事業で6億6千万円余が計上されております。その中で、本日は転職支援に係る取組に焦点を当てて質問します。  県では現在、求職者が希望する勤務条件と企業側の求人内容のすり合わせなど、円滑な就職に向けて、よりきめ細かな対応が重要であるとの認識の下、支援に取り組んでおり、来年度においても、働きたい人全力応援ステーションで国や市町と連携しながら、求職者に対する伴走型の支援を行うこととしています。  そこで、ハローワークや民間においても同じような事業があると思いますが、県の働きたい人全力応援ステーションの特徴的な取組や他の事業との違いは何なのか、これまでの申込み件数、就職に結びついた件数、マッチしなかったケースの課題としてはどういったことがあるのか、併せて商工労働局長にお伺いいたします。 77: ◯答弁(商工労働局長) 働きたい人全力応援ステーションの特徴的な取組や他の事業との違いにつきましては、求職者に寄り添った相談対応を行うため、相談開始から就職後の定着フォローまで、一貫して同じカウンセラーが担当すること、マッチング率を高めるため、求人開拓員が求職者の面談に同席し、求職者ニーズを直接把握しながら求人開拓を行うこと、求職者が抱える不安を取り除くため、希望に応じて、カウンセラーや求人開拓員が企業見学や採用面接に同行することなどがございます。  働きたい人全力応援ステーションにおいて、これまで相談を受けた469名のうち就職が決定した方は、本年1月末現在で175名となっております。また、年代別に就職状況を見てみますと、40代の就職率は全体平均と比べて、約10ポイント低く、また50代では非正規雇用での就職割合が高いことなどから、中高年層のマッチングの難しさが課題であると認識しております。 78: ◯質疑(桑木委員) 中高年層のマッチングが難しい状況にあるとのことでございます。  そこでの課題について伺いたいと思うのですが、東京商工リサーチによると、2021年の上場企業の早期・希望退職者募集人数が84社、1万5,892人に達したとのことです。2年連続80社を超え、対象人員も2年連続で1万5,000人を超えるなど、高水準が続いています。黒字企業による大規模な実施も散見され、大量採用した中高年を削減して、新たなスキルを持つ人材を拡充する動きは各業界で起きています。主な対象となる40、50代は子育て、親の介護など、家族の大黒柱として頼りにされている方も多く、また、本県の労働力人口の4割以上を占めており、こうした世代の雇用や収入を不安定化させないことが重要だと考えています。  県では、中高年層に対する支援として、働きたい人全力応援ステーションの取組の中で、民間企業での営業職の経験がある求人開拓員が、年齢を問わず採用意欲のある企業を発掘するとともに、専門のキャリアカウンセラーが、求職者一人一人の適性やニーズに対応した求人を案内し、幅広い職種や業種から選択が可能になるよう、個別の相談対応を行う中で、給与条件の見直しや未経験職種に対応するための職業訓練へ誘導を働きかけるとのことでありますが、相談者にとって数々のハードルもあるように思います。  そこで、中高年層の転職において、どのような課題があるのか、また、それらの課題に県として具体的にどのように取り組むのか、併せて商工労働局長にお伺いいたします。 79: ◯答弁(商工労働局長) 中高年層の転職における課題といたしましては、企業側において、適応力や成長性が期待できる若年層の採用ニーズが高く、中高年層の積極的な採用に至らない状況がございます。また、求職者側においては、給与水準や勤務地、これまでのスキルを生かせる業務内容など、様々な条件にこだわりがあるため、就職先の選択肢の幅が狭まっていることや、新たな職業へのチャレンジに対する不安があることなどから、他の世代と比べ、求人企業とのマッチングが困難となっていることが課題であると認識しております。  こうした課題に対応するため、今後は、求人開拓において、年齢にかかわらず人物本位や能力本位での採用を重視する企業を掘り起こし、求職者の強みや意欲、即戦力としての可能性などを企業側に伝えて、マッチングにつなげる取組をさらに強化してまいります。また、求職者の就職相談においては、カウンセラーが希望する条件の絞り込みを促すことにより、仕事の選択肢を広げるとともに、企業見学や採用面接の同行支援による新たな業務への不安軽減や必要な資格取得に向けた職業訓練への誘導などを働きかけることで、転職を希望する中高年層の円滑な再就職を支援してまいります。 80: ◯質疑(桑木委員) 未経験の職種に就くためには当然、必要なスキルを身につける必要があります。そのために、令和4年度予算に1億4,561万円が計上され、労働移動が可能となるスキル、知識の習得支援や、県内企業におけるリスキリングの重要性の理解促進に取り組むこととされており、事業目標としてITパスポート試験合格者数3,750人、リスキリング推進宣言企業数100社が掲げられています。  そこで、事業目標設定の考え方とこうした事業の成果が、転職希望者のニーズをどのように充足させると認識しているのか、商工労働局長にお伺いいたします。 81: ◯答弁(商工労働局長) ITパスポート試験合格者数の目標につきましては、民間シンクタンクの調査を基に、デジタル化の影響等により、2030年までに労働移動が必要となる40歳未満の県内労働者数を2万6,000人と推計いたしました。その上で、来年度から高校で情報Iが必修科目となることから、この4月に入学する高校生が大学を卒業して企業に就職する7年後までに、この2万6,000人が同じレベルのITリテラシーを習得することを目指し、3,750人を合格者数の目標に設定したところでございます。  次に、リスキリング推進宣言企業数の目標につきましては、従業員数31人以上の県内企業約3,800社を主なターゲットとし、マーケティング理論におきまして、全体の16%まで普及すると、その後の普及が急速に進むとされていることから、「安心 誇り 挑戦 ひろしまビジョン アクションプラン」の最終年度までに、この16%の企業に宣言いただくことを目指して、4年間の目標を600社とし、その初年度となる令和4年度の目標は当面100社としたところでございます。  このたびのITパスポートの取得支援やリスキリング推進宣言制度は、デジタル時代に対応するためのITリテラシーの習得やリスキリングに取り組む企業の機運醸成を図るものでございます。これらに加えて、新年度から設置する協議会におきまして、スキルの習得支援策やリスキリングに取り組む企業の拡大方策を検討し、取りまとめた施策を実行していくことで、社内での部門を超えた配置転換や職種の転換だけではなく、新たなスキルを習得して、社外に活躍の幅を広げたいと考える転職希望者のニーズにも対応したリスキリングがより一層促進されるものと認識しております。 82: ◯意見(桑木委員) 事業の成果を期待して、質問を終わります。    休憩 午後0時7分    再開 午後1時30分   (東委員) 83: ◯質疑(東委員) 皆さん、こんにちは。民主県政会の東 保幸です。限られた時間ですが、新年度予算、防災減災の2点についてお聞きいたします。  まず、新年度予算と財政運営についてお聞きいたします。  平成30年豪雨災害からの復旧・復興、新型コロナウイルス感染症対策、傷んだ経済の立て直しなど、県民の安心・安全の暮らしをつくっていくことが行政の重要な責務でございます。  新年度一般会計予算は1兆1,440億円、前年度より502億円増となっています。主な歳入を見ると県税は前年比281億円増の3,403億円となっており、特に法人2税が伸びています。  コロナ禍で厳しい経済状況にあると考えられますが、現時点の県内の景況感をどのように捉えているのか、また、令和4年度予算に関わる法人2税の税収をどのような考え方で見込んでいるのか、併せて知事にお伺いします。 84: ◯答弁(知事) 本県経済につきましては、昨年秋以降、持ち直しの動きが続いており、生産や個人消費などの経済統計にもその動きが現れております。令和4年度の法人2税につきましては、こうした県内の景気動向や直近の税収の状況などを踏まえ、令和3年度当初予算と比べて、259億円余の増加を見込んだところでございます。これは、コロナ前の企業業績が反映されている令和元年度決算とおおむね同水準となる見込みでございます。  一方、1月以降の感染の急拡大によりまして、特に、飲食業や宿泊業などの業種では、厳しい状況となっておりますことから、集中対策の終了を契機に、全国的な感染状況を踏まえて、しっかりと下支えしていく必要があると考えております。また、製造業につきましては、持ち直しの動きが続いておりますが、自動車関連を中心に、世界的な半導体の供給不足の影響が続いております。加えまして、ロシアのウクライナへの軍事侵攻による原油や原材料価格のさらなる高騰など、様々な事業者や県民生活に影響を及ぼす状況が続いておりますことから、これらの動きを注視してまいります。 85: ◯要望・質疑(東委員) やはり業種によって、かなりの差が出ていると思います。とりわけ傷んでいるサービス、観光関連の業者の支援に取り組んでもらっておりますけれども、引き続きお願いしたいと思っております。  これまでの財政運営を見ると、湯崎知事就任後の2010~2019年度まで実質的な県債残高を継続的に減少させており、この点は評価しています。歳入に見合った歳出をすることは当たり前のようですが、痛みを伴うことでもあります。しかし、財政の健全化は行政を預かるものとして、財政規律を常に念頭において施策、事業に取り組むべきものであると理解しています。  そこで、県の借金である県債残高の推移についてお聞きします。  財政健全化を常に意識して予算編成を行っていると思いますが、新年度予算を見ると、公債費は前年とほぼ同額である一方、実質的な県債残高、いわゆる県の借金残高は1兆2,041億円から1兆2,690億円と649億円の増加となっています。これまでの財政運営の風向きが変わりつつあるのではないかと心配しています。  ここが財政健全化の踏ん張りどころと思われますが、実質的な県債残高が増加に転じていることについて、知事の認識をお伺いします。また、将来負担比率の軽減に向けて取り組まれていますが、将来負担比率の目標達成に向けた今後の見通しについて、併せて知事にお伺いします。 86: ◯答弁(知事) 実質的な県債残高につきましては、平成22~令和元年度まで減少局面が続いていたところでございますが、平成30年7月豪雨災害の影響などにより令和2年度から増加に転じております。  加えまして、令和3年7月、8月豪雨災害や県土強靱化の加速、事業の執行状況を踏まえた繰越しの影響などにより、令和3年度から令和4年度にかけて大幅な増加を見込んでいるところでございます。これは、頻発する豪雨災害からの復旧・復興などに最優先で取り組む必要があることから、県債残高が増加しているものでございますが、こうした中でも、後年度に交付税措置のある有利な県債を最大限活用するなど、可能な限り将来負担の軽減を図っております。  次に、将来負担比率につきましては、中期財政運営方針の期間中の5年間で200%程度に抑制することを財政運営目標として掲げているところでございます。令和4年度の将来負担比率は方針策定時点では222.2%と見込んでおりましたが、令和4年度当初予算時点におきましては223.3%と、やや見込みを上回って推移しております。これは令和3年7月、8月豪雨災害対応など、方針策定時に想定していなかった県債を発行した影響によるものでございますが、先ほど申し上げたとおり、後年度に交付税措置のある有利な県債を最大限活用し、将来負担比率への影響を可能な限り軽減しているところでございます。  引き続き、国の有利な財源を最大限活用するとともに、県債発行額の適切なマネジメントを行い、目標達成に向けて取り組んでまいります。 87: ◯意見・質疑(東委員) ウイズ・アフターコロナを見据えて、コロナ禍で影響を受けた中小企業事業者をどのように支えていくのか、加えて、世界経済の不安定化、不透明化が深刻となっております。これまでにない重要なかじ取りが求められていると感じております。  次に、防災・減災についてお聞きいたします。  本会議代表質問で、知事は、新年度施策において、平成30年7月豪雨災害からの復旧・復興の完了に向けて、国の予算等を活用するなど全力で取り組むと答弁されました。私の地元である安佐北区においても、甚大な被害を受けた三篠川の改良復旧による護岸の整備や治山事業等が進んでおり、お礼を申し上げるとともに一日も早い完成が待ち望まれるところです。また、県は、ソフト対策として、防災教育の推進、防災アプリの活用促進、自主防災組織の体制強化などを新年度施策で取り組むこととしています。  そこで、避難行動の促進についてお聞きいたします。  県民が災害から命を守るため、積極的な避難行動が重要であると考えていますが、災害死ゼロの実現に向けて、県としての基本的な考え方と具体的な取組について、危機管理監の見解をお伺いいたします。 88: ◯答弁(危機管理監) 県民の皆様に災害から命を守っていただくためには、平時から身の回りの災害リスクを把握し、避難のタイミングや避難先を決めておくなど、あらかじめ災害に備えていただいた上で、いざという時には、ちゅうちょなく適切な避難行動を実践していただくことが極めて重要であると考えております。  このため、令和3年1月に策定した第2期の「みんなで減災」県民総ぐるみ運動行動計画では、適切な避難行動を取っていただくことを重点に置き、様々な取組を推進しているところでございます。具体的な取組としては、令和4年度におきましては、学校や地域におけるひろしまマイ・タイムラインの普及促進、マイ・タイムラインを実装した防災アプリの活用促進、自主防災組織による避難の呼びかけ体制構築の加速や維持・充実などに重点的に取り組むこととしております。  今後とも、県民、自主防災組織、事業者、行政など、様々な主体が一体となって、「みんなで減災」県民総ぐるみ運動を強力に展開することにより、災害死ゼロの実現に向けて全力で取り組んでまいります。 89: ◯意見・質疑(東委員) 避難行動につながる情報発信は大変重要なのですけれども、つい大丈夫だろうという正常バイアスが働くのも事実でございます。また、地道な取組が必要だと思っております。  2点目は、避難支援時の事故等の対応についてお聞きします。  私の住む安佐北区では、2014年の災害、また、2018年の西日本豪雨災害でも大きな被害を受けたところでございます。防災意識が高く、自主的な防災活動や避難の呼びかけも進んでいましたが、残念なことに避難中に事故が起き、その場合の補償などの対応が行政から示されておらず、地元住民も苦慮したと聞いています。そうした中で、避難中に事故に遭った方への補償をどのように考えているのか、お聞きいたします。 90: ◯答弁(健康福祉局長) 災害発生時や避難訓練時に、避難行動要支援者の避難をめぐって負傷等の事故があった場合の補償や損害賠償等を備えておくことは、より多くの方に安心して避難支援に加わってもらうことにつながるのではないかと考えております。
     県内の市町の中には、既に損害保険会社と保険契約を締結し、避難行動要支援者の避難支援を含む市民活動中に事故があった場合に、補償金が給付される制度を整備しているところがございます。また、それ以外にも、町内会単位で任意に損害賠償保険に加入しているところもあり、その保険料を市町の補助の対象としているところもございますが、こうした制度が住民に十分周知されていない現状もございます。  県といたしましては、一人でも多くの方が安心して避難支援を行うことができるよう、補償制度を未整備の市町に先行事例を紹介するとともに、県内の市町に対して、これらの制度について住民へ広く周知いただくよう促してまいります。 91: ◯要望(東委員) 私の住むところでも、いずれの災害におきましても、延べ1,000人のボランティアが出てもらえる地域でございますが、安心して活動ができるようにしっかりと周知をお願いして、私の質問を終わります。   (桑木委員) 92: ◯質疑(桑木委員) 民主県政会の桑木良典でございます。午前に引き続き質問させていただきます。  産業団地の未分譲地の早期販売に関して、まず、土地造成事業の経営改善の取組についてお尋ねいたします。  土地造成事業は、産業集積や雇用の創出等を図るため、関係市町と連携し、企業ニーズに応じた産業用地を確保し、企業誘致、投資誘致を促進することにより、本県の持続的な発展に貢献してきました。しかしながら、現在の土地造成事業の経営状況は、バブル経済崩壊以降の地価下落に伴う分譲価格の見直しや新型コロナの影響などの新たな要因により、大変厳しい状況になっています。令和4年度からは資金不足が発生し、今後の収支見通しが、企業債の最終償還年度である令和13年度末時点で約180億円の累積資金不足額となる見込みとなっています。  そこで、土地造成事業の経営改善にこれまでどのように取り組まれ、課題についてどのように認識されているのか、また、こうした現状を踏まえた対策として、今後より一層、経営の効率化を図り、可能な限り債務の圧縮に努め、県民負担の最小化を図るとしていますが、どのように取り組まれるのか、併せて企業局長にお伺いいたします。 93: ◯答弁(企業局長) 土地造成事業会計につきましては、バブル経済崩壊以降の景気低迷や地価の下落などにより、経営状況の悪化が続いておりましたところ、会計基準の見直しに伴い、平成26年度には債務超過が明らかとなりました。このため、造成工事に係る工法の見直しや未分譲地の草刈りの範囲の見直しなど、団地の整備と維持管理に係る経費全般の縮減に取り組むとともに、関係市町と連携して、未分譲地の分譲促進に努めるほか、未着手用地をメガソーラー用地として暫定利用し、収入の確保を図ってきたところでございます。しかしながら、令和4年度以降は、一般会計からの支援に頼らざるを得ない状況であることから、引き続き、債務の圧縮に努め、県民の負担の最小化を図ることが重要な課題だと考えております。  こうした状況を踏まえ、今後とも、効果的な営業活動を行い、未分譲地の早期分譲に向けて取り組んでいくとともに、維持管理費をさらに縮減していく観点から、未着手用地である豊平地区の売却の検討を進めるなど、より一層の経営の効率化を図っていくこととしております。 94: ◯質疑(桑木委員) 経費削減など様々な取組を御答弁いただきましたが、一番の経営改善策は未分譲地の早期売却であり、もちろんこれまで未分譲地の販売のため、情報収集や企業への営業活動などに懸命に取り組んできたことと思いますが、県庁内の部局間の連携や立地市町との協力の在り方など、課題の検証はどのようになっているのか、商工労働局長にお伺いいたします。 95: ◯答弁(商工労働局長) 企業誘致に際しましては、多様化する企業ニーズに応じた産業用地が不足していることから、近年、市町の産業団地造成を促すための助成制度の創設や全国に先駆けた官民が連携した産業用地の造成を行うなど、市町や民間をはじめとした様々な主体との連携・協働による産業用地の確保に取り組んでいるところでございます。一方で、より一層企業ニーズが多様化するとともに、企業の投資判断がスピードアップしていることから、市町を含めた関係機関とのさらなる緊密な連携や一体的な取組により、企業からの要請に迅速かつ的確に対応していくことが課題になっているものと考えております。 96: ◯質疑(桑木委員) これまでの取組と現状を踏まえ、企業誘致、投資誘致の促進に向け、より最適な組織体制の整備を行うため、土地造成事業を企業局から商工労働局へ移管する条例の新設、改正が提出されています。  そこで、土地造成事業と企業立地促進対策事業を一元的に進めることによって、未分譲地の販売をどのように加速させていくのか、商工労働局長にお伺いいたします。 97: ◯答弁(商工労働局長) 本年4月から、商工労働局の営業部門と企業局の造成部門を一元化し、商工労働局におきまして、企業誘致や県内投資の促進を強化する組織体制を整備することとしております。これによりまして、企業との窓口のワンストップ化や企業ニーズに応じた産業団地の区画の分割や統合をはじめとしたインフラ整備の提案など、技術的な視点を伴った、迅速な企業対応が可能となることから、これまで以上にきめ細かな企業誘致活動を展開し、未分譲地の早期分譲に努めてまいります。 98: ◯要望・質疑(桑木委員) 現在、未分譲地の面積は5団地で40.7ヘクタールの内、27.5ヘクタール、約3分の2が本郷産業団地となっています。造成開始当初、計画は順調でしたが、新型コロナの影響により、状況が一変し、いまだ本格的な経済活動再開への見通しが立ちにくい情勢であります。午前中の質疑で、5件の引き合いがあったものの契約には至っていないとの答弁もありました。ぜひとも販売促進に向けて、企業立地促進対策事業の支援策に加え、企業移転費の補助や固定資産税、都市計画税の一定期間の軽減など、企業がメリットを明確に感じるさらなるインセンティブを検討し、未分譲地の早期販売が本県の景気回復の起爆剤となり、多くの雇用が創出され、そこで生き生きと働く人たちにより、地域に活力が生まれるよう取り組んでいただくことを強く要望し、次の質問に移ります。  次は、教育現場の環境改善についてお伺いいたします。  本県ではこれまで教員の働き方改革に取り組み、長時間労働の解消を図っておりますが、学校現場ではまだまだ紙ベースで行われている業務があり、デジタル化によって、より一層業務の効率化を図ることで、勤務時間の縮減につなげられるのではと考えています。  県立学校の先生方は日々の業務において、教職員用パソコンとインターネット等を接続する情報基盤であるHeiwaネットを使用されていますが、令和4年8月には、Heiwaネットの機器の賃貸借や保守契約が満了すると聞いています。  そこで、この更新の時期を捉え、教育現場のデジタル化を進め、業務の効率化を図る上で、次期Heiwaネットをどのようなシステムにされようとしているのか、教育長にお伺いいたします。 99: ◯答弁(教育長) 現行のHeiwaネットは、授業等に関する情報を取り扱う学習系ネットワークと、児童・生徒の成績等に関する情報を取り扱う校務系ネットワークの二つで構成されており、セキュリティー確保の観点から、教員はそれぞれのネットワークに同一の端末からアクセスすることができず、教員の日常的なデジタル活用や業務の効率化につながりにくい面がございます。このため、Heiwaネットの更新に当たりましては、セキュリティーを十分に確保しつつ、学習系・校務系ネットワークの両方に同一の端末でアクセスできる環境を整備することで、授業では、出欠席の管理や教材の共有、提示が容易になったり、会議等では、資料を紙ベースからデジタル表示に変更することが容易になるなど、様々な場面でデジタル機器がより有効に活用できるようになると考えております。  教育委員会といたしましては、こうした環境を構築していくことで、教員の日常的なデジタル機器の活用を一層進め、業務の効率化を図ってまいります。 100: ◯要望・質疑(桑木委員) 最後に、特別支援学校の教室の整備についてお伺いいたします。  今次定例会において、我が会派の瀧本議員の教職員の配置課題に係る質問に対して、特別支援学校においては、学級数の増加に伴い、教員の欠員補充率が拡大しているとの課題認識を答弁されました。引き続き、必要な正規職員の確保に努めていただきたいと思います。  また、特別支援学級数の増加に伴い、教室が不足するのではないかというハード面の不安があります。今後も支援が必要な生徒の増加が予想されることから、県では令和3年2月に基本的整備方針を策定されています。  そこで、令和4年度に新たに、三原、黒瀬、呉南特別支援学校の整備に着手することとされていますが、3校をどのような考え方に基づき選定されたのか、また、その他の学校はどのように整備を進めていこうとされているのか、教育長にお伺いいたします。 101: ◯答弁(教育長) 特別支援学校では、在籍者数の増加から教室不足が見込まれており、令和3年2月に県立特別支援学校に係る教育環境整備の方針を策定し、これに基づいて取組を進めております。その具体的な整備対象校は、将来的な在籍者数の推移に基づき、今後の教室不足が見込まれる学校を選定し、令和4年度から三原特別支援学校、黒瀬特別支援学校、呉南特別支援学校の3校を新たに整備対象校といたしました。  その他の学校につきましては、在籍者数が減少傾向にある学校もあることから、当面整備を見送っているところでございますが、今後の状況の変化を注視してまいります。 102: ◯要望(桑木委員) 基本方針としては、未利用施設の改修活用敷地内への校舎の配置、近くの県立施設への活用を考えておられますが、従来のようなプレハブ校舎の設置にならないよう配慮していただくことを要請して、質問終わります。   (狭戸尾副委員長) 103: ◯質疑(狭戸尾副委員長) 皆さん、こんにちは。自民議連の狭戸尾でございます。今の時代、難しい横文字が多いので、知事をはじめ皆様には、県民の皆様にも分かりやすい言葉での回答をよろしくお願いしまして、質問に入らせていただきます。  初めに、県民の安全・安心を支える県土づくりにつきましてお聞きします。  平成30年7月豪雨により甚大な被害が発生した公共土木施設の災害復旧につきましては、これまで被災箇所の多い地域で入札の不調・不落が数多く発生したことや労働者が不足するなどの様々な課題がありましたが、執行部の皆様をはじめ、地元の建設事業者、建設コンサルタントなど、多くの関係者の皆様の御尽力のおかげで、着実に復旧が進み、先日の報告におきましては、今年度末で約9割の箇所が完成見込みと伺ったところであります。平成30年7月豪雨からの復旧・復興も終わりが見えてきたのではないかと思っているところです。  昨年7月の豪雨などでは、新たに約950か所にも上る公共土木施設災害が県内各地で発生し、安芸高田市の多治比川、竹原市の本川など県内の6河川においては、河川災害により甚大な浸水被害も発生いたしました。  県民の安全・安心や生活を支えるために、引き続き、速やかに災害復旧に努めていただくとともに、先日公表された「令和3年豪雨 改良復旧プロジェクト」に基づいた河川の改良復旧にも着実に取り組んでいただきたいと思います。  こうした直面している災害からの復旧・復興も重要ではございますが、近年、頻繁に災害が発生しており、さらにその被害が激甚化していることを踏まえると、事前防災を積極的に進めていくことが極めて重要でございます。  平成30年7月豪雨では、広島市安佐北区の三篠川や三原市の沼田川などにおいても、甚大な浸水被害や護岸崩壊、橋梁の流失などの施設被害がありました。また、各種道路や鉄道の寸断、工場の操業停止、取水場の浸水による断水などもあったように、河川の氾濫による被害は広範囲にわたり、特に県民の生活並びに経済活動に与える影響は大きいことから、治水対策を重点的に講じておく必要があると思います。  そこで、平成30年7月豪雨の発災以降、国の強靱化対策の後押しもあり、県では再度災害防止対策などの防災・減災対策に注力されてきましたが、これまでの災害の経験を踏まえて、激甚化する気象災害へ対応するために、今後どのような治水対策に取り組んでいかれるのか、知事にお伺いいたします。 104: ◯答弁(知事) 近年、気候変動により激甚化、頻発化している水災害に適応するためには、流域全体であらゆる関係者が協働して治水対策を行う流域治水をより一層推進していく必要があります。  本県では、流域治水の考え方も踏まえ、事前防災の加速を図ることとしており、河川改修などのハード対策につきましては、人口、資産の集積状況や重要施設の立地状況などを踏まえ、事業の実施箇所の重点化を図りながら計画的に進めているところでございます。また、そのほかの対策につきましても、雨水貯留機能を拡大させるための水田やため池の活用促進、立地適正化計画における防災指針の作成など水災害リスクを踏まえたまちづくり、適切な避難行動につなげるハザードマップや要配慮者利用施設の避難確保計画の作成など、多様な主体による様々な取組を総合的かつ多層的に進めております。さらに、流域治水の実効性を高めるため、まずは、江の川上流域及び本川流域を特定都市河川浸水被害対策法に基づく特定都市河川流域に指定し、雨水貯留機能の強化や水害リスクを踏まえた土地利用規制などに取り組んでまいります。  引き続き、将来にわたって県民の皆様が安全・安心に暮らすことができるよう、国、市町などあらゆる関係者と連携しながら、ハード・ソフトが一体となった治水対策に全力で取り組んでまいります。 105: ◯要望・質疑(狭戸尾副委員長) 今、知事からいろいろな対策を述べていただきましたが、これからもしっかりとやっていただきたいと思います。また、引き続き積極的な治水対策、浸水対策に向けて、対応していただくこと要望しておきます。  次に、防災・減災に係るデジタル技術の活用についてお尋ねします。  土木建築局においては、令和3年3月に広島デジフラ構想を策定し、全国に先駆けて幅広い取組を開始されているわけですが、なかなか先が見通せない中、こういった構想を公表されることは、大変すばらしいことであると思っています。  このような中、土木建築局の令和4年度施策及び事業案の概要では、社会資本未来プランに基づく総合的な県土の強靱化やネットワークの充実と強化などの効果を高めるための施策として、デジタル技術を活用したインフラマネジメントの推進が掲げられており、その予算額は約7億5,000万円にも上っております。この事業の狙いの1点目は、社会資本整備のあらゆる段階においてデジタル技術を最大限に活用し、より効果的、効率的なインフラマネジメントを推進し、県民の安全・安心や利便性を向上させることです。2点目として、県が保有する様々なインフラデータを誰もが利活用できるようオープンデータ化し、民間企業との連携を推進することで、防災などの幅広い領域において、官民データを組み合わせた新しいサービスや付加価値の創出を目指すとされております。  広島デジフラ構想における防災・減災に関する取組につきまして、今年度はどのようなことを行ってきたのか、来年度はどのような取組を行っていこうと考えているのか、土木建築局長に伺います。 106: ◯答弁(土木建築局長) 広島デジフラ構想における防災・減災に関する令和3年度の主な取組といたしましては、ドローンを活用した被災状況の把握、航空写真や3次元データの活用による現地調査や測量等の効率化、砂防ダムや河川内の堆積土除去等におけるICT活用工事の実施、道路のり面の崩落予測技術や路面性状の把握技術の構築に向けた実証実験などを進めてきたところでございます。  令和4年度におきましては、路面性状の把握技術における本格運用に向けたシステム改修及び一部地域での実装や、河川巡視・点検におけるドローンの自動飛行によるレーザー測量、カメラ撮影による構造物等の状況把握などの取組を進めてまいります。  また、現在、構築を進めているインフラマネジメント基盤、ドボックスの本年6月からの運用開始により、浸水想定区域、土砂災害警戒区域等の災害リスク情報や公共土木施設の点検結果等が3DマップやGIS上で確認できるようになるとともに、3次元点群データや地質調査結果などの情報を格納し、3次元地形図の作成や速やかな被災状況の把握などに活用できるようになります。  引き続き、これらの取組を拡大するなど調査、設計、施工のあらゆる段階において、デジタル技術を最大限に活用した効果的、効率的なインフラマネジメントを積極的に推進してまいります。 107: ◯質疑(狭戸尾副委員長) 今、回答いただいたドボックスや3次元データなどを使った維持管理、予兆保全などの取組が、これからの防災・減災につながっていくことを大いに期待しております。  続きまして、防災教育についてお聞きします。  本県では、平成27年度から県民の皆様をはじめ、地域の自主防災組織や事業者、行政などが一体となって、広島県「みんなで減災」県民総ぐるみ運動を展開しておられます。この間、戦後最大級の甚大な被害をもたらした平成30年7月豪雨災害を経験しましたが、被災後すぐに有識者による研究チームを立ち上げ、早めの避難行動につながる要素を導き出すための調査を実施されたところであります。この調査・分析の結果、導き出されたのが、ひろしまマイ・タイムラインの取組で、県は今年度新たに専任の職員を配置し、県内の小学校などで出前講座の取組を強力に進めておられます。  防災教育とは、災害発生のメカニズムや地域の実態を知り、災害への備え方やいざというときの対処方法を学び、そして、それを実践に移すことを学ぶことで自らの命を守るための取組であります。その効果は、防災教育を学んだ子供からその家族へ、さらには、そのまた次の世代を担う子供たちへ波及することが期待できる大変意義ある取組であると考えております。  令和4年度も引き続き、小学校において、ひろしまマイ・タイムラインの出前講座に取り組まれることとされておりますが、この出前講座の今年度の成果と課題をどのように認識、評価しておられるのか、また、令和4年度にどのような取組を考えておられるのか、危機管理監の御所見をお伺いします。 108: ◯答弁(危機管理監) ひろしまマイ・タイムラインの出前講座につきましては、今年度、これまで123校の学校で実施し、おおむね1万人の児童生徒に受講いただいたところでございます。  昨年10月に実施した県内全小学校へのアンケート調査において、マイ・タイムラインの作成に取り組んだ学校の割合は、74.4%となり、前年と比べ、18.3ポイント上昇し、出前講座等の効果が現れているものと考えております。  一方で、さらなる取組の推進に向けて、学校現場から学年や学校の習熟度に合わせた学習、地域の災害の実態に応じた学習、災害を自分ごととして考えられる学習など、出前講座をより充実してほしいと御意見を頂いたところでございます。  このため、来年度は、学習の習熟度に合わせて選べるマイ・タイムライン講座に加え、豪雨災害体験VRの視聴、非常持出品や避難所の運営について、児童自らが考え、学べる防災シミュレーションゲーム、ハザードマップを使った演習、土木建築局や広島地方気象台と連携した専門講座などを組み合わせながら、学校の多様なニーズに応じて選択できる新たな講座メニューを用意し、県内全ての小学校でマイ・タイムラインを作成していただけるよう取組を進めてまいります。 109: ◯質疑(狭戸尾副委員長) 出前講座の効果に加えまして、来年度からVRなどに取り組んでいかれると今お聞きしました。先ほど、東委員の質問の中で回答がありましたが、いざというときにみんなが避難に対応できるよう、期待するものでございます。  続きまして、防災教育の一環で活用するVR教材についてお伺いします。  県では、土砂災害を正しく理解する啓発用教材として、令和2年度から、VR教材を導入されたところであります。このVR教材は、ひろしまマイ・タイムラインと同様に、平成30年7月豪雨災害における県民の避難行動の調査・分析結果から導き出されたもので、今年度、新たにひろしま土砂災害体験VRをリリースされ、小学校等での出前講座や地域の防災教室で活用しておられます。  私も、ユーチューブにアップされている動画を見せてもらいましたが、土石流の危険が迫るときの予兆や災害発生の前触れなどがどのようなものであるかを学ぶことができ、避難を決断するまでの当事者の心境を疑似的に体験できるもので、優れた教材であると感じました。  県で制作されたVR教材につきましては、今後、土砂災害のみならず、洪水などの自然災害について疑似体験できるよう、拡充を図られてはどうかと考えますが、これまでのVR教材の活用実績と今後の方向性について危機管理監にお伺いします。 110: ◯答弁(危機管理監) 土砂災害を疑似体験できるVR教材につきましては、今年度、これまで58の学校や自主防災組織などにおいて、おおむね2,000人の方に視聴いただいたところでございます。  現在、広島大学防災・減災研究センターに御協力いただき、洪水災害の体験VR教材の制作を進めているところであり、今後とも、学校での防災教育や地域での防災活動などを通じて、より多くの県民の皆様に、VR教材を視聴していただくことで、自然災害に対する正しい理解と避難行動の機運醸成を図ってまいります。 111: ◯要望・質疑(狭戸尾副委員長) 防災教育も一つですが、やはり防災リーダーのさらなる充実、また、危機管理人材の育成確保について、今後しっかりと取り組んでいただきますよう要望しておきます。  次に、DXの推進に向けた人材の確保と育成についてお聞きいたします。  本県では、「安心 誇り 挑戦 ひろしまビジョン」において、DXの推進を全ての施策を貫く視点の一つに位置づけ、様々な取組を進めておられます。  今次定例会では、我が会派の下森議員の代表質問に対しまして、今後、広島県DX加速プランを策定して、DXを一層推進していくと山田副知事の答弁がございました。こうした動きに大いに期待しているところではありますが、実際にDXの取組を実行していくのは、県庁であれば職員一人一人であり、また業務を理解している職員が、DXを理解し、業務の中にデジタル技術をうまく活用していけるよう、人材の確保や育成が、今後ますます重要になってくると考えます。とりわけ、情報分野の専門人材の確保や育成については、県、市町共通の課題であり、特に職員数も限られる規模の小さい市町においては、より深刻なのではないかと懸念され、本県においても、今年度、県と市町で共同の研究会を立ち上げて、検討されてきたと聞いております。  そこで、市町における情報分野に精通した人材の確保、育成について、県としてどのような課題を認識し、今後どのように対応しようとされているのか、総務局長にお伺いします。 112: ◯答弁(総務局長) 情報分野に精通した人材の確保・育成につきましては、昨年4月に、県と市町が共同で研究会を設置し、これまで4回の研究会に加え、全市町に個別にヒアリングを行うなど、必要な人材像や現状、課題について意見交換を行ってまいりました。  その中で、自治体によっては、内部育成する場合は、限られた人員や、さらに人事のローテーションを考慮すると、一定レベルの情報技術の確保・継承が困難であること、外部人材を活用する場合は、自治体の規模や選考の専門性により、単独での任用が難しいなどの課題が明らかになったところでございます。これらの課題解決に向けた当面の対応といたしまして、県では、昨年11月に、市町に対する技術的な相談窓口を設置するとともに、市町のニーズに合う外部人材の確保方策等について、現在、調整を進めているところでございます。  今後も、県内全ての自治体で望ましいレベルの情報システム人材が常に確保できている状態を目指し、市町の人材確保に係る意識醸成を促すとともに、優秀な人材を確保する手法や育成するためのキャリアパスなど、人材を県市町共同で確保・育成するための仕組みについて、引き続き、スピード感を持って検討を進めてまいりたいと考えております。 113: ◯要望・質疑(狭戸尾副委員長) 課題がかなりあるようでございますが、これからもしっかりと市町と連携し、人材の育成にさらに努めていただくことを要望しておきます。  続いて、県庁自身のDX推進に向けた人材育成についてお聞きします。  先日、建設DX担当の職場を訪ねました。課長を含めて計5名と、想像よりこじんまりしていたため、大丈夫かと尋ねると、頑張りますと力強い答えがありました。  組織的には、令和2年度にDX推進チーム、令和3年度に先ほどの建設のほか、農業、健康、交通のDXを担当する部署や県庁のデジタル化を推進する部署が新設されました。組織を整備することは、ミッションを明確にするという意味でとても大事ですが、同時に、そこで働く職員の育成も図っていかなければ、仏作って魂入れずになりかねません。  DXについては、デジタル技術に関する専門性に加え、デジタル技術を活用して業務や社会の在り方など、広島県全体に変革を起こしていく意識や能力を持った職員が必要であることを考えますと、これまでの県庁のOJTだけでは育成が難しいのではないかと考えます。  そこで、県庁自身がDXを実践するとともに、広島県全体のDXをリードしていくために、県庁に必要な人材をどのように考え、どのように育成していこうとされているのか、知事にお伺いいたします。 114: ◯答弁(知事) DXを実践するためには、デジタル技術に精通し、技術面から企画立案につなげることができる人材と、各政策分野に精通し、デジタル技術を活用した業務の変革を構想して実行できる人材が必要であり、関係課が連携し、計画的に確保・育成していく必要があると認識しております。このため、令和3年度から新たに情報職として、デジタル技術に精通した人材やデジタル技術を活用して企画立案ができる人材の採用を開始し、主要な情報システムの構築、維持、管理や、デジタル技術を活用した様々な課題解決などを通じた専門技術の能力向上を図っているところでございます。  また、職員を対象としたみんなのDX研修などでは、これまで延べ700人以上が受講し、デジタルリテラシーの向上やDXへの理解、実践意識の醸成を図ってきたところであり、令和4年度以降も基礎的な研修やDX関連施策の実施を通じてDXの推進に向けた人材育成を行ってまいります。 115: ◯質疑(狭戸尾副委員長) 知事からは、いろいろな人づくり、情報分野の新しい職場をつくられたということを伺い、これから広島県が全国に負けないようなすばらしいトップリーダーとなることを期待しておきます。  次に、海洋プラスチックごみの対策についてお伺いします。  SDGsの考え方が広く社会に浸透していく中で、2019年のG20大阪サミットでは、2050年までに新たな海洋プラスチック汚染をゼロにすることを目指す大阪ブルー・オーシャン・ビジョンが採択されるなど、世界的に海洋プラスチックごみによる環境汚染への関心が高まっております。  プラスチック製品は、安価で加工しやすい反面、一旦海洋に流れ出ると、自然界で分解されないため、生態系を含めた海洋環境の悪化、漁業、観光への影響など、様々な問題を引き起こしています。こうした中、海洋プラスチック対策を強化していくため、県では昨年6月に、2050年までに瀬戸内海に新たに流出するプラスチックごみゼロを目指し、事業者等と連携して、GREEN SEA 瀬戸内ひろしま・プラットフォームを設立したところであり、私の地元大竹市においても複数の素材メーカーが参画するなど、今後の取組に大いに期待しているところであります。  このプラットフォームにおいて、今年度、事業者等と連携しモデル事業など実施されているところですが、これまでの成果と課題についてどのように認識しているのか、環境県民局長にお伺いいたします。 116: ◯答弁(環境県民局長) GREEN SEA 瀬戸内ひろしま・プラットフォームにつきましては、昨年6月の設立以降、70を超える企業、団体に参画が広がり、使用量削減、流出防止、清掃回収及び情報発信の4つのワーキンググループにおいて、具体的な取組を検討し、順次実施しているところでございます。  今年度は、県内120か所でのペットボトル自動回収機の設置、県内16か所での新型容器回収BOXの実証などの流出防止対策や参画企業等と連携した海岸の清掃回収、テレビ広報などによる情報発信を行ってきたところであり、幅広い関係者の皆様と海洋プラスチックごみ削減に向けた機運の醸成を図り、具体的な活動の第一歩が踏み出せたものと考えております。  一方で、使い捨てプラスチックの削減を検討する使用量削減のワーキングにおいては、メンバーによるアイデアの創出などを進めているものの、現時点で具体的な取組には至っておらず、今後は、素材、製造、流通といった多様な主体が参画しているこのプラットフォームの強みを生かし、様々なマッチングを通じた取組を具体化してまいりたいと考えております。 117: ◯要望・質疑(狭戸尾副委員長) GREEN SEA 瀬戸内ひろしま・プラットフォーム設立後の参加企業数や多くのことを説明していただきました。広島県におきましては、カキ生産が日本一でございまして、その製造業者が使っているプラスチック製品が多くあります。この製品に代わる部材を、今いろんな企業で考えておられます。そういった中で、広島県もそういった企業と一緒になって対応、支援していただくことを要望しておきます。  続きまして、海洋プラスチック対策の今後の取組についてお尋ねします。  国においては、2019年5月にプラスチック資源循環戦略を策定し、2020年7月からレジ袋が有料化されたところであり、昨年6月には、プラスチック資源循環促進法が成立し、本年4月から、スプーンやフォークなど使い捨てプラスチックの12品目について、事業者は有料化や意思確認など、提供方法の見直しが求められることになります。  新型コロナ感染拡大による外出の自粛により、テークアウトやデリバリーの利用が増えている中で、家庭から排出されるプラスチックごみも増加傾向にあると考えられます。使い捨てプラスチックの削減に向けては、製造事業者のみならず、小売、流通事業者も含めたサプライチェーン全体での取組が一層求められるものと考えております。  県では、こうした国の動き等を踏まえ、使い捨てプラスチックの削減に向けて、来年度はどのような対策に取り組むのか、知事にお伺いいたします。 118: ◯答弁(知事) 使い捨てプラスチックの削減に向けて、来年度はプラットフォームの参画企業等と連携して、プラスチック代替素材の普及促進や、循環的利用の高度化に向けたモデル事業を新たに実施することとしております。  このモデル事業では、紙や海洋生分解性プラスチックなど素材の代替化をはじめ、デポジットやポイント還元など、新たな仕組みを活用して、リユースや元の製品に再生する水平リサイクルを推進するための実証を行うことにより、先進的なビジネスモデルの構築につなげてまいりたいと考えております。  こうした取組の成果をプラットフォーム全体で共有し、サプライチェーンを含め広く展開していくことで、消費者のライフスタイルの変革を促し、環境と経済の好循環を図りながら、海洋プラスチックごみ流出ゼロの実現を目指してまいりたいと考えております。 119: ◯要望・質疑(狭戸尾副委員長) 今、プラスチックに代わる紙製品に関するお答えがありましたが、こういったことを今後も考えていかれるとのことです。また、いろいろな企業が参画してくると思いますが、引き続き、広島県もしっかりと支援していただくことを要望しておきます。  次に、他県との連携した取組についてお聞きします。
     瀬戸内海は閉鎖的海域であるため、外海からのごみの流入が少なく、海洋プラスチックごみの流出対策の取組が進めば、プラスチックごみを確実に減らすことができると考えます。  昨年6月に改正された瀬戸内海環境保全特別措置法においては、海洋プラスチックごみ等の除去・発生抑制対策について、国と地方公共団体が連携して行う旨が明記されるなど、瀬戸内海における海洋プラスチックごみ対策は喫緊の課題であり、本県のみならず、瀬戸内海に関係する13府県で連携した取組を進めていく必要があると考えております。  本県を含む瀬戸内4県及び日本財団が連携して、瀬戸内オーシャンズXによる共同事業を始められているところですが、どのような活動を実施しているのか、その取組をどう広げていこうと考えているのか、環境県民局長に伺います。 120: ◯答弁(環境県民局長) 令和2年12月に、瀬戸内4県及び日本財団が連携して設立した瀬戸内オーシャンズX推進協議会では、令和2~6年度までの5年間で、発生抑制から回収、処理まで、総合的な海洋ごみ対策を実施することとしております。  これまでの活動では、4県の280河川、約1,200キロメートルの流域を対象とした河川ごみ調査の実施・公表をはじめ、瀬戸内限定ラベルレスペットボトル飲料の展開、コンビニやスーパーと連携した統一ポスターの掲出など、4県による広域的な事業を実施しており、今後も海底ごみの調査など、順次取組を拡大していくこととしております。また、瀬戸内海全域での取組につなげていくため、瀬戸内海環境保全知事・市長会議において、本県を含む複数県の提案で、来年度から新たに効果的な海洋ごみ対策の検討を開始することとしており、本県としましては、これまでの取組の成果を積極的に発信してまいりたいと考えております。  今後、13府県で情報の共有など連携した取組を進めるとともに、国に対して必要な働きかけを行うなど、瀬戸内海全域での海洋ごみ対策を推進してまいります。 121: ◯要望・質疑(狭戸尾副委員長) これからも、しっかりと各県と連携して、河川からのごみの流出対策に取り組んでいただくことを強く要望して、次の質問へ移ります。  次に、「遊び 学び 育つひろしまっ子!」推進プランについてお聞きします。  三つ子の魂百までということわざがあるように、幼い頃の性格や性質は、年を取っても変わらないものであり、こうした意味からも、生涯にわたる人格形成の基礎を培う幼児期の教育は非常に重要なものと考えています。  しかしながら、小学校就学前の早い時期から、読み書き計算などの教育を行うというのも弊害があるのではないでしょうか。教育委員会として、乳幼児期の教育をどのような理念の下で、進めていこうとしているのか、教育長にお伺いいたします。 122: ◯答弁(教育長) 乳幼児期におきましては、一人一人の子供が興味・関心に基づいてやりたいことを自由に選択できるような環境の中で、安心して自己を発揮しながら、遊びを展開し、生涯にわたって主体的に学び続けるための基盤となる探究の芽を育んでいくことが重要であると考えております。このため、就学前から、読み書きや計算能力等の習得を目指す詰め込み型の教育ではなく、遊びは学びという基本的な理念の下、教育・保育が実践されていくことが必要であると考えております。  こうした考え方が園、所等にとどまらず、全ての教育の出発点である家庭、さらには小学校以降でも共感的に理解されるよう、第2期の「遊び 学び 育つひろしまっ子!」推進プランにおいても、引き続き施策を展開してまいります。 123: ◯要望(狭戸尾副委員長) 保育所の処遇改善などにも努めていただき、保育・教育と小学校への円滑な移行にも努めていただくことを強く要望しておきます。  また、時間が参りましたので、ペアレントトレーニングにつきましても、しっかりと家庭教育への指導をよろしくお願いいたします。特に、県庁に置いております乳児教育支援センターにつきましても、これからしっかりと取り組んでいただき、日本一になるよう頑張っていただきたいと思います。  また、最後に、県庁の耐震化につきましては、本館、南館を実施したのに、渡り廊下をやっていなかったという非常に残念なことがございましたが、今後しっかりと耐震化に努めていただくことを要望して、私の質問を終わらせていただきます。皆さん、誠に御清聴ありがとうございました。  (4) 閉会  午後2時38分 発言が指定されていません。 広島県議会 ↑ 本文の先頭へ...