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  1. 広島県議会 2017-09-02
    平成29年9月定例会(第2日) 本文


    取得元: 広島県議会公式サイト
    最終取得日: 2019-08-07
    2017年09月21日:平成29年9月定例会(第2日) 本文 ▼最初のヒット個所へ(全 0 ヒット) 1         午前十時三十分開議 ◯議長(宇田 伸君) 出席議員六十三名であります。これより会議を開きます。              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 2 ◯議長(宇田 伸君) 書記に諸般の報告をさせます。         【書 記 朗 読】                                  平成29年9月19日 広島県議会議長 宇 田   伸 殿                                  広島県人事委員会委員長 加 藤   誠           条例案に係る意見について  平成29年9月19日付けで,地方公務員法第5条第2項の規定により意見を求められた次の条例案については,適 当と考えます。 (1)県第57号議案 職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例案 (2)県第58号議案 職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例案              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~         自第 一 県第五六号議案         至第十六 報第 一四 号 3 ◯議長(宇田 伸君) これより日程に入ります。日程第一、県第五六号議案 平成二十九年度広島県一般会計補正予算から日程第十六、報第一四号 損害賠償額の決定についてまでの各案を一括上程議題といたします。  これより各案に対する質問に入ります。通告者に順次発言を許します。下森宏昭君。         【下森宏昭君登壇】 4 ◯下森宏昭君 皆さん、おはようございます。自民議連の下森宏昭でございます。今次定例会におきまして、トップバッターとして質問の機会を与えていただきました議長を初め、先輩、同僚議員各位に心から感謝を申し上げます。
     まず初めに、三十七年ぶりの広島カープのセリーグ二連覇、おめでとうございます。きょうはお祝いを込めて、めったにしない赤いネクタイをさせていただきました。本日は、カープのように情熱を持って質問させていただきたいと思いますので、執行部の皆さんにおかれましては、明快な御答弁のほどをよろしくお願いし、早速質問に入ります。  質問の一点目は、さとやま未来博に関する現時点での成果及び今後の取り組みについてお伺いいたします。  平成二十九年三月二十五日、「ひろしま さとやま未来博二〇一七」が幕をあけました。オープニングフェスタは我がふるさと三次市で開催していただき、千人を超える多くの人が参加され、盛大なイベントとなりました。最初は華々しくスタートしたこのさとやま未来博ですが、ここに来て、どうも県全体のモチベーションが下がっているように感じます。もう少ししっかり取り組んでいただきますよう改めてお願いいたします。  このさとやま未来博は、県内十九の市町で展開されており、中山間地域への共感と誘客促進のためのプロジェクトを展開するシンボルプロジェクト、地域づくり活動への後押しを行うココロザシ応援プロジェクト、中山間地域の魅力発信につながる多様なイベントを展開する市町イベントなどが開催されております。三次市においても二十六団体がココロザシ応援プロジェクトに参加され、皆さんが頑張っておられます。これは県内の市町で三番目に多い数だと伺っております。また、参加者の皆さんに話を伺ったところ、県からの支援もあり、大変助かっているとか、ことしだけではなく来年、再来年も継続していただきたいとおっしゃっておりました。  さて、平成二十九年二月の委員会において、私は、さとやま未来博開幕に向け、市町の機運醸成を知事みずから先頭に立って盛り上げていただきたいこと、また、終了後においてもこのプロジェクトを契機とした盛り上がりを未来へつなげていくため、具体的に取り組みを進めていただきたいことについて要望させていただきました。答弁は、終了後も参画された方々が意欲を持って主体的に活動を継続されるよう、昨年十二月に中山間地域で地域づくりに取り組む人や活動をつなぐプラットホームであるひろしま里山・チーム五〇〇を立ち上げ、これを基盤としつつ、実践活動におけるさまざまな機会を捉えた交流機会の充実や、地域の担い手となる人材の養成講座の開催などの地域づくり活動を側面的に支援していくというものでした。  さとやま未来博の期間は十一月二十六日までで、あと二カ月です。  そこで、約六カ月が経過した現時点において、これまでに行われた各種プロジェクトやイベントをどのように評価されているのか、また、終了後においても、これらの活動が将来にわたって持続、拡大していくことが重要であるという認識は共有していると考えておりますが、ココロザシ応援プロジェクトは来年以降どうされるのか、知事にお伺いいたします。  質問の二点目は、地域医療構想の実現に向けた医療・介護提供体制のあり方についてであります。  広島県は、一昨年度、広島県地域医療構想を策定いたしました。団塊の世代が全て七十五歳以上となり、高齢化率が三割を超える二〇二五年においても、県民が安心して生活を送ることができるようにという構想であると理解しております。この構想においては、病床の機能の分化及び連携、地域包括ケアシステムの確立、医療・介護・福祉人材の確保・育成を大きな施策目標としておられますが、これらの目標を具体的に実現させるためには、各種の個別計画が重要となってまいります。  今年度は、健康ひろしま21、広島県保健医療計画、ひろしま高齢者プランを初めとした保健・医療・福祉に係る九計画が一斉に改定あるいは中間見直しを迎えると伺っております。このたびの改定が二〇二五年の保健・医療・福祉の骨格を定めると言っても過言ではなく、そこには全ての計画を貫くポリシーがなくてはならず、県民にしっかりと訴える必要があるものと考えます。とりわけ中山間地域の住民は、これからの医療・介護の提供体制に漠然とした不安を持っておられます。  県内どこに住んでいても適切に医療・介護サービスを受けることができる体制づくりに向け、知事はどのように考え、そして、どのように進めようとされているのか、見解をお伺いいたします。  質問の三点目は、広島がん高精度放射線治療センターの経営状況についてであります。  湯崎知事は、がん対策日本一の実現を目指し、がん医療を充実させるために広島がん高精度放射線治療センターを整備されました。このセンターは、最先端の放射線治療装置を三台導入し高度な医療を提供するとともに、広く県民が利用できるよう利便性の高い場所に立地されており、本県のがん医療が大きく飛躍するものと期待されております。  また、センターの設置の大きな目的は高度な医療の提供のみではなく、将来の広島県の医療提供体制を見据え、医療資源の最適化を目指したもので、競争から協調へ、病院完結型医療から地域完結型医療へパラダイムシフトを図っていくための先駆けとなる取り組みで、設置主体の異なる四基幹病院と連携するという全国的にも例のない運営方針をとられております。昨年は、ドイツの認定機関により、日本はもとより東アジアで初めて、世界水準の高精度放射線治療を行う施設としてノバリス認定を受けたほか、世界最大級のがん治療施設であるテキサス州立大学MDアンダーソンがんセンターの放射線腫瘍学の教授が顧問に就任していることなども含め、知名度だけでなく対外的な評価も高まってきていると感じております。  しかしながら、センター開設当初は、患者数が目標人数を下回り収支が大幅に赤字となるなど、経営面に対して不安の声もありました。また、六月定例会において指定管理を利用料金制に変更された際には、赤字が出た場合は県が負担するという説明があり、経営面に関しての不安が拭えないところであります。  センターの設置目的は、将来に向けた医療提供体制を構築することはもとよりではありますが、同時に安定した経営を行うことも重要であると考えます。  そこで、現時点の経営状況はどのようになっているのか、また、今年度の見通しをどのように考えているのか、知事に御所見をお伺いいたします。  質問の四点目は、郷土の歴史・伝統に根差した文化・芸術・芸能に対する支援についてであります。  平成二十九年三月二十三日現在、広島県内には国指定文化財が二百七十五件、広島県指定文化財だけで六百三十九件、全部で千件弱の文化財があります。一言で文化財と言っても有形文化財から記念物までさまざまな種類がありますが、本日は無形民俗文化財の話を中心にしてまいりたいと思います。  広島県には国指定の重要無形民俗文化財が四件、県指定の無形民俗文化財が六十七件あり、中山間地域の神楽や踊り、太鼓などが指定されています。例えば、私のふるさと三次市においては三次鵜飼の民俗技術が平成二十七年四月に県指定の無形民俗文化財に指定されています。  県内の歴史や伝統文化などの貴重なものを維持していくことは重要であり、この財産は子や孫の世代に継承していかなくてはなりません。しかしながら、少子化・高齢化が進む中山間地域では人材・経費面で維持していくことが困難になってきている状況にあります。これまでは市町の支援もありましたが、市町財政も厳しい状況であり、県は、ただ指定するだけではなく、環境整備などにも支援を考えていくべきではないかと考えるのであります。  さて、八月十二日の中国新聞に、歴史的な建物や史跡などを生かした地域振興を進めやすくするために、文化庁は十一日、文化財保護法を大幅に改正する方針を決めたとの記事が掲載されました。記事によれば、新たな制度では、市町村や教育委員会、観光団体、文化財所有者などが協議会をつくり、活用を進めたい文化財について保護にも配慮した基本計画を定め、地域の宝を積極的に掘り起こしてほしいという考え方から、美術品や伝統行事、文化財指定に至っていない建物などの活用を検討することも推奨するとされています。文化庁は来年一月の改正法案提出を目指しているとお伺いしております。  このような動きに対して、具体的な情報をなるべく早く仕入れ市町等に情報提供することや、県としてどういった対応ができるか検討を進めておくことが重要であると考えます。  そこで、このような仕組みを、郷土の文化財の保存・活用及び持続可能な体制づくりに役立てていくための考え方として、県として今後どのように取り組んでいかれるおつもりか、教育長の御所見をお伺いいたします。  質問の五点目は、県土を守るための公共事業についてであります。  知事がテーマに掲げている安心な暮らしづくりを真に実現するためには、土砂災害警戒区域の指定や避難体制の確保等のようなソフト事業だけでは不十分であり、ハード整備、すなわち公共事業が必要不可欠であります。  何度も言いますが、本県の公共事業費は平成八年度の二千七百十億円をピークに減少の一途をたどり、平成二十九年度の当初予算では、ピーク時の三分の一に満たない七百六十億円まで減少しているのです。私は、かねてから、この傾向に対して強い危機感を覚えております。  こうした中、県は、平成二十七年十二月に公表した中期財政運営方針において、平成二十八年度から平成三十二年度までの五カ年間は公共事業費の総額を一般財源ベースで維持するという方針を打ち出されました。このこと自体は私は非常に高く評価しておりますが、予算額を維持するとはいえ、金額をふやすというわけではありません。  このような中、先日、地元で建設業者の方々と話をする機会がありました。そこで皆さんがこのようにおっしゃったのです。「先生、いくら予算額は減っとらん言うても、人件費や材料費が高うなっとるんじゃけえ、減っとるんと同じことよ。」、ざっとこのような内容のお話です。  そこで、私も調べてみました。  まずは、人件費です。国土交通省の建設市場整備課は年に一回程度、その年に適用する公共工事設計労務単価について発表いたします。平成二十七年二月から適用する公共工事設計労務単価は全職種平均で一万六千六百七十八円、平成二十八年は一万七千七百四円、平成二十九年は一万八千七十八円となっております。全国平均ですが、この二年間で千四百円、率にして八・四%の増加、一年ごとでは四%から五%ずつ増加しているのです。  広島県においても同様の傾向が見られます。県発注工事の設計単価は平成二十七年二月の普通作業員、鉄筋工、型枠工等の主要な六つの労務費の平均で二万千八十三円、同様に平成二十八年は二万二千二百六十七円、平成二十九年は二万二千八百十七円となっております。この二年間で千七百三十四円、率にして八・二%の増加、一年ごとでは三%から六%ずつ増加しているのです。  次に、材料費です。代表的な材料である生コンを見てみると、県の設計単価は全地域の平均で平成二十七年二月は一万四千四百六十九円、同様に平成二十八年は一万五千二百二円、平成二十九年は一万五千四百円となっております。この二年間で九百三十一円、率にすると六・四%の増加、一年ごとでは一%から五%ずつ増加しているのです。  確かに人件費や材料費は高くなっているのです。このような中、一刻も早く中期財政運営方針を見直し、最低でも公共事業は年五%ずつの増加を行うべきであると私は考えるのであります。大きな道路やダムなどを次々と建設する時代は過ぎ去ったことはわかっております。しかし、一定の公共事業予算を復活させ、例えば、県民の日常生活を守る土砂崩れや河川の氾濫の未然防止などに十分な予算を措置することは必要不可欠と私は考えるのであります。  そこで、これまで私が何度もお願いしている県土を守るための公共事業費の増額について、特に物価上昇分への対応を含めて、今後、少し気が早いかもしれませんが次の任期においてどのように取り組んでいくおつもりか、知事の御所見をお伺いいたします。  質問の六点目は、河川等における適正な維持管理のあり方についてであります。  先日、建設委員会の県内調査で三次市に行ってまいりました。と申しますより、三次市を御案内させていただきました。河川における堆積土状況の視察ということで現場へ向かい、バスの中からも川の状況を調査しながら移動していたところ、ある委員が「おい、川の中に鹿がおるぞ」とおっしゃいました。そうなのです。県北では川の中に鹿がいるのです。さらに申しますと、イノシシも巣をつくって親子で仲よく住んでおります。川の中に土が堆積し草が生え、木が生い茂った結果、今では山の動物が川に住み、まさしくジャングルのような状況なのです。  さて、平成二十八年三月、広島県は河川内の堆積土等除去計画を策定いたしました。この計画は、平成二十八年度から平成三十二年度までの五年間で、河川断面積に占める堆積土の面積が二〇%以上となっている箇所を解消すること等を目標としています。  予算的には、過去十年五億円から七億円で推移していた事業費を年約七・六億円まで増額され、さらに平成二十九年の当初予算においては、議会からの要望にも応えていただき一・五億円の増額、計約九・一億円となっております。大変ありがたいことだと感謝しておりますが、一・五億円の増ということは、県内には広島市を除いて二十二市町あり、一市町当たり七百万円程度で一カ所分にしかならず、とても十分に対策を行えるような予算ではありません。  河川の現状を考えると、この程度の進捗では、とても追いつかない状況なのです。局所的な大雨が全国で増加している中、このまま放っておけば、いつ大きな災害が起きるかと気が気ではなく、住民の不安も日に日に高まっております。また、河川に隣接する道路の路肩には草が生い茂っており、一年に一回、道路肩から五十センチメートル幅の草刈り程度では、すぐに草が道路にはみ出して通行の支障になったり、交通規制の看板に絡みつき、表示が見えにくくなっているところもあります。地元の皆様に協力をお願いしているアダプト制度にも取り組んでいますが、特に高齢化が進む地域では、十分な対策ができないのが現実なのです。  そこで、河川の堆積土の除去及び河川内の木の伐採について、さらなる加速をしていく必要があると考えますが、御所見をお伺いいたします。  また、草刈りにつきましても、予算の増額やアダプト制度の充実はもとより、新たな対策を検討していくことも必要ではないかと考えますが、あわせて知事の御所見を伺います。  質問の七点目は、県北地域における併設型中高一貫教育校の設置についてであります。  私は、何年も前から県北地域に併設型中高一貫教育校を設置していただきたいということを申し上げてまいりましたが、このたび、ようやく設置を決定していただきました。関係者の皆様には、心から感謝申し上げます。ありがとうございました。  具体的に申しますと、九月五日に行われた教育委員会議において、備北地域において生徒や保護者が中学校・高等学校六年間の一貫した教育課程や学習環境のもとで学ぶ機会を選択できる環境を整えるため、三次高等学校内に県立中学校を新設し、併設型中高一貫教育校とすることが決定したわけであります。今後、条例改正など設置に向け必要な環境を整えていくということですが、平成三十一年四月には三次市に中高一貫教育校が誕生いたします。  さて、県立高校で初めてとなる併設型中高一貫教育校──県立広島中・高等学校は、平成十六年四月に東広島市に開校しました。この学校は、教育県広島の象徴と位置づけられ、当時低迷していた県立学校において生徒に高い知性と幅広い教養を身につけさせ、難関大学にも挑戦し、そのノウハウを他の学校に広げていくリーディングスクールとして設置されたものです。そして現在、生徒や保護者の進路希望を実現できる学校として、高い評価を受けております。一昨年、県内公立高校初となる文部科学省のスーパーグローバルハイスクールにも指定されましたし、七月には、創立わずか十三年の県立広島高校から東京大学の推薦入試合格者数全国一位という報道もなされており、この学校の成果は十分に上がっています。  そこで、平成三十一年度から三次市に誕生する新たな併設型中高一貫教育校についても、名前だけでなく、県立広島中・高等学校のように実質の伴った中身のある高度な教育の内容としていただきたいと考えますが、今後の取り組み方針について、教育長の御所見、そして、夢を語っていただきたいと思いますのでお願いいたします。  質問の八点目は、三江線の今後の方針についてであります。  JR三江線は、昨年九月にJR西日本から廃止届が提出され、来年三月末で廃止されることとなりました。県は、廃止届が出されるまでは積極的に関与していたようには見えませんでしたが、届け出後は、さまざまな考え方や温度差がある市町の意向を集約し、運行ルート決定などに向けた調整を重ね、取り組みの成果が目に見えてまいりました。一定の評価はいたしますが、引き続き、県には地元の不安の払拭、持続可能な公共交通環境の維持や地域振興などの課題解消に向けた取り組みを、ぜひ積極的に進めていただきたいと期待しております。その期待を込めて、何点か質問してまいります。  まずは、三江線代替バスの利用促進についてお伺いいたします。  路線バスは、全国的に見てもマイカーの利用拡大により採算割れし、事業者の七割が赤字という極めて厳しい状況であります。三江線廃止後のバスも例外ではなく、何の対策も講じなければ事業者の収支も上がらず、ついには撤退することになって地元が疲弊してしまうのではないかと私は心配しております。JR西日本は、一定期間の運行経費を負担すると表明しておられますが、いずれその負担金を使い果たし、地元市町の財政が非常に逼迫し、路線撤退につながるかもしれないと危惧しております。  そうならないためには、代替バスが多くのお客さんを乗せることが重要となってきます。そのための利用促進は事業者だけが取り組めばよいものではなく、県や地元も一緒に知恵を絞って取り組んでいただくことが必要であり、先手、先手で策を講じていくべきものと私は思います。  そこで、三江線廃止後のバスの利用促進のために、県は具体的な対策を講じていく必要があると考えますが、知事の御所見をお伺いします。  続きまして、三江線廃線敷など鉄道資産の活用についてお伺いいたします。  私の地元三次地域を例にすれば、廃線敷となるJR用地は延長約十五キロメートル、面積は合計約二十四万四千平米ございます。これらを放置すれば、廃線敷ののり面が崩壊するなど、安全上・景観上の問題が発生します。まずは、これらの鉄道資産を計画的に維持管理するように、県としてJRに対し要請すべきであります。  一方、地元においては、鉄道資産を生かして人を呼び込む仕掛けが必要という訴えや、駅舎などをまちづくりの拠点にしたいという意見など、さまざまな思いがあると伺っております。他の地域では、廃線後もレールや駅舎、トンネルなどを保存しレールマウンテンバイクを開発したり、鉄橋などをサイクリングロードとして整備するなど、地域の活性化に取り組んでいる事例もあります。また、三江線でも島根県側では既に具体的な動きが出ていると伺っております。  三江線廃止後も沿線地域が持続的に繁栄できるように、県が地元市町と一体となって鉄道資産の活用などを検討し、地域の活性化や地域振興に取り組んでいくべきと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。  質問の九点目は、水道事業広域連携の方向性についてお伺いいたします。  広島県は、水道サービスの持続性を確保するため、平成二十九年度において県内水道事業の広域連携案を策定中であり、先日の建設委員会において中間まとめが報告されました。水道事業は人口減少等に伴う給水収益の減少、施設の老朽化等による更新需要の大幅な増加、熟練職員の大量退職による運営体制の弱体化など多くの課題を抱えており、今後、事業の継続が危惧されております。  中間まとめにおいては、水道事業が抱える課題に対処していくためには経営・運営基盤の強化が不可欠として、そのためにもスケールメリットが発揮できる広域連携は有効な手段とされております。また、四十年後の将来見通しを明らかにし、広域連携により期待できる効果として二千六百億円が見込まれております。その上で、広域連携の方向性として県全体での事業統合を目指すとされておりますが、広域連携には事業統合のほかにも、複数の事業者が共同で施設を整備する施設の共同化、維持管理業務を一つの組織に共同で委託する管理の一体化などの方法が考えられます。  さまざまな手法を考える中で、なぜ、全県で事業統合を目指すこととしたのか、知事の御所見を伺いいたします。  次に、水道事業広域連携に向けた今後の取り組みについてお伺いいたします。  県が示す広域連携を実現するためには市町の賛同が必要不可欠であり、水道料金を初め、経営状況や施設の整備状況、さらにはこれまでの事業の成り立ちや歴史が市町ごとに異なるため、解決すべき課題も多く、相当の時間を要するのではないかと危惧いたしております。  今後どのように市町の賛同を得ていくのか、今後のスケジュールとあわせて知事の御所見をお伺いいたします。  水道は、県民の日常生活や社会経済活動に必要不可欠なライフラインであり、安全・安心な水を安定供給することは、水道事業者である地方公共団体の責務です。水道事業の広域連携に当たっては、県がしっかりとリーダーシップを発揮し、市町からの賛同が得られるよう、丁寧な説明と理解を得ながら進めていただくよう強く要望します。  以上で私の質問は終わりますが、一言申し上げます。  一番初めに、さとやま未来博に関して、モチベーションが下がっているということを申し上げました。その一つの現実でありますが、私はこのPRバッジを常につけております。中山間地域を代表する小林議員、どうしたのですか。森川議員、なくしてしまわれたのですか。そういったことを、私は、モチベーションが下がっていると言っているのであります。もう少しですので、ぜひしっかりと活性化につなげるように頑張っていただきますことを心からお願い申し上げ、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) 5 ◯議長(宇田 伸君) 当局の答弁を求めます。知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 6 ◯知事(湯崎英彦君) さとやま未来博に関する現時点での成果及び今後の取り組みについての御質問でございます。  「ひろしま さとやま未来博二〇一七」は、さまざまなプロジェクトの実施を通じて、将来のリーダーを発掘・育成するとともに、中山間地域の価値に共鳴する多くの人たちが地域を応援し、外からも定期的にかかわっていただくことによって持続的な地域づくりにつなげていこうとするものでございます。  まず、そのための原動力として、多様な活動を後押しするココロザシ応援プロジェクトにつきましては、当初の目標である百件を大幅に上回る三百件を超えるエントリーがあり、地域づくりに取り組まれようとする皆様の熱意を感じるとともに、参画された方々からは、他地域で活動する人とのつながりができ地域を盛り上げる新しい企画が生まれた、あるいは、取り組みが広くアピールされ地域外からも訪れる人がふえ継続の意欲が湧いたなどの評価をいただいており、人材のネットワークづくりや活動の継続に向けた意欲の向上にもつながってきております。  また、中山間地域への共感や来訪のきっかけにつなげていくためのシンボルプロジェクトにつきましては、廃校施設のリノベーションにおいて改修費用の一部に充てるためのクラウドファンディングを実施したところ、全国から五百件を超える応援のメッセージをいただき、広島の里山を盛り上げたいという方々がこれだけ多くおられることを非常に心強く感じているところでございます。  こうした高い関心を持っていただいている皆様が多く存在する一方で、都市部を中心に、これまで中山間地域に余りかかわりのなかった方々もおられます。  こうしたことから、中山間地域はもとより、都市部においても、これから新たに展開するプロジェクトのPRや中山間地域への関心を高めていただくための写真展など、県内全域における盛り上がりに向けたプロモーション活動を展開し、より多くの方々に地域を訪れ、そのすばらしさを知っていただきたいと考えております。  その上で、今回の取り組みを一過性のものとして終わらせることなく、終了後も継続・発展させていくことにより地域の活性化につなげていくことが重要であると考えております。  こうした認識のもとで、ココロザシ応援プロジェクトにつきましては、昨年度、地域づくりにかかわる人材のプラットホームとして立ち上げたひろしま里山・チーム五〇〇を通じて、参加された方々の交流と活動に関する情報発信を継続的にサポートしてまいりたいと考えております。  具体的には、登録された方々の専用サイトによる活動の継続的な情報発信や地域づくりに関する幅広い情報提供、モチベーションの維持・向上につながる意見交換会や活動事例の発表会など活動を後押しする取り組みを効果的に推進し、未来博にかかわった方々が、将来にわたって、地域の担い手として、その活動を維持・拡大していけるよう支援してまいります。  また、私からも、改めて皆様にバッジをぜひつけていただきたいとお願い申し上げたいと思います。  次に、地域医療構想の実現に向けた医療・介護提供体制のあり方についてでございます。  高齢者を含む全ての県民の皆様に欲張りなライフスタイルを実現していただくためには、住みなれた地域で安心して暮らし続けることができる体制の整備が極めて重要であると認識しております。  このため、平成二十八年三月には、病床機能の分化及び連携の促進、地域包括ケアシステムの確立、医療・福祉・介護人材の確保及び育成を柱とする広島県地域医療構想を策定し、今年度は、この構想をより具体的に施策化するための保健医療計画、高齢者プランを初めとした保健・医療・介護・福祉に関連する計画を策定することとしております。  これらの計画につきましては、共通の基本的な考え方として、まず、高齢期においてもできるだけ自立した生活を送ることができるよう健康寿命の延伸に重点を置き、県民の皆様一人一人の健康づくりへの意欲を引き出し取り組みにつなげる支援をしていく必要があること、次に、加齢に伴い徐々に身体機能が衰えていくことは避けられないことから、医療・介護サービスを一体的かつ包括的に提供する地域包括ケアシステムをより一層強化していく必要があることの二点に重点を置き、施策を推進していくこととしております。  さらに、医療資源につきましては、都市部と中山間地域の間で偏在しているという課題があることから、広島大学ふるさと枠医師等の配置などの対策を講じ、的確に対応してまいりたいと考えております。  こうした考え方のもとで、関連施策の一体性、連続性をより高めた計画として取りまとめ、市町、関係団体を初め、県民の皆様とともに百二十五の日常生活圏域の実情に基づいた取り組みを進め、県内どこに住んでいても安心して暮らし続けることができる地域の実現を目指してまいります。  次に、県土を守るための公共事業についてであります。  公共事業は、社会資本の整備を通じて、県民生活の安全・安心の確保を図る重要な役割を果たしているものと認識しており、社会資本未来プラン及び事業別整備計画等に基づきまして、必要なインフラ整備を推進しているところでございます。  一方で、本県の財政状況について見ますと、将来負担比率が全国平均を大きく上回るなど、他県に比べてなお公債費の負担が大きい状況にあり、県勢発展に必要な経営資源を将来にわたって確実に確保していく観点からは、中期財政運営方針に掲げた県債発行額の適切なマネジメントなどを着実に進めていく必要があると考えております。  こうした中、本県における近年の土砂災害や河川の氾濫の発生状況を踏まえますと、特に、災害に強いまちづくりに向けたハード対策としての公共事業は重要であると認識しており、今次定例会に提案しております補正予算案におきましても、緊急輸送道路の整備や河道しゅんせつなど、災害から県民の生命・財産を守るための防災・減災対策として二十六億円を追加したところでございます。  また、事業実施に当たりましては、人件費や資材の高騰など、物価変動の状況を適切に工事費の積算に反映しつつ、引き続き、効果的、効率的なインフラ整備の推進に努めてまいりたいと考えております。  引き続き、公共事業につきましては、財政面への影響を踏まえつつ必要な事業量の確保に努めるとともに、緊急性や情勢変化などの観点も常に考慮しながら適切に対応してまいりたいと考えております。  次に、水道事業の広域連携の方向性についてでございます。  水道事業の県全体の将来見通しにつきましては、人口減少等に伴う給水収益の減少、施設の老朽化に伴う更新費用の増加などにより、今後、経営は急速に悪化することが見込まれ、必要な対策を講じなければ市町によっては経営が立ち行かなくなることが懸念されるところでございます。  また、経験豊かな職員の退職等に伴いまして、水道事業を支える人材が不足し、技術継承などが困難になるなど、水道サービスの大幅な低下を招くおそれもございます。  こうした課題を解決する手段といたしまして、現在、市町単位で個別に実施しております水道事業を広域的に連携して取り組むことは大変有効であると考えております。  広域連携により期待できる効果といたしましては、行政区域の枠を超え水道施設を最適配置することによる投資額の縮減や業務の効率化が可能となること、人材の広域的活用により水道技術の継承や新たな技術への対応が可能となること、水の相互融通が可能となるため水利用の合理化や事故や災害時の断水を回避できるなど危機管理の対応能力が向上すること、国の交付金など有利な財源の活用や水道料金の値上げの抑制が可能となることなどがございます。  広域連携の検討に当たりましては、施設の共同化や管理の一本化などの検討も行いますが、その個別の取り組みをさらに効果的なものとするためには、経営組織を一元化し、全体最適を図りながら事業の運営を行うことができる事業統合が望ましいと考えております。  このため、県といたしましては、県内水道事業の最適な水道システムの構築に向け、市町と十分連携し、将来的な全県での事業統合までを念頭に検討を進めてまいりたいと考えております。  その他の御質問につきましては、担当説明員より答弁させていただきます。 7 ◯議長(宇田 伸君) 健康福祉局長菊間秀樹君。
            【健康福祉局長菊間秀樹君登壇】 8 ◯健康福祉局長(菊間秀樹君) 広島がん高精度放射線治療センターの経営状況についてお答えいたします。  広島がん高精度放射線治療センターは、一昨年十月に運営を開始して以来、本年八月末までの一年十一カ月で、九百人を超えるがん患者に対して高度で効果的な放射線治療を安全に提供してまいりました。  また、紹介患者の増加に向け、医療機関訪問、県民向けのセミナーや施設見学会の開催など、センターの認知度向上に取り組んできたほか、他施設の放射線治療装置の精度管理や技術職を対象とした研修会の実施など県内の治療水準の向上にも取り組んでまいりました。  こうした取り組みやノバリス認定などの国際的な評価の効果もあり、紹介医療機関は県内外の五十施設を超えるまで拡大し、紹介患者数も着実に増加しているところでございます。  こうした紹介患者の増加などに伴い、今年度の八月末時点での経営状況につきましては、診療報酬収入が昨年度同期と比較して二割増となるなど、事業収入と施設運営経費の収支差は黒字となっているところであり、年間を通じてもこの事業収支は黒字になるものと見込んでおります。  引き続き、四基幹病院、広島県医師会、広島市、県の七者で構成する運営協議会におきまして経営の課題と対応策を検討・実施し、関係者が一丸となってセンター運営に取り組むことで安定した経営を図り、県内のがん治療水準の向上を目指してまいります。 9 ◯議長(宇田 伸君) 土木建築局長三上幸三君。         【土木建築局長三上幸三君登壇】 10 ◯土木建築局長(三上幸三君) 河川等における適正な維持管理のあり方についてお答えいたします。  近年、頻発するゲリラ豪雨を初めとする異常気象により各地で災害が発生しており、河川や道路を適切に維持管理し県民の安全・安心の確保に努めていくことは非常に重要であると認識してございます。  河川内の堆積土や樹木の除去につきましては、河川内の堆積土等除去計画に基づき実施しているところであり、特に、阻害率が二〇%を超える緊急度の高い箇所を中心としまして、早期の効果発現に向け、本年度の当初予算を増額し計画の前倒しに取り組むとともに、ことしの出水状況に鑑み、今回の補正予算案におきましても河道浚渫費を計上し、さらなる加速化を図ってまいります。  また、土砂や樹木の引き取り希望者の公募など、地域とも連携しながら効率的で効果的な堆積土等の除去についても検討を進めており、今年度、モデル河川におきまして試行することとしてございます。  道路の草刈りにつきましては、利用者や地域住民からの要望を受け、平成二十六年度から交通量の多い国道や通学路、さらには、おもてなしの観点から観光周遊ルートなどにおきまして、年一回から二回に草刈り頻度の見直しを行ったところでございます。  さらに、今回の補正予算案におきましても道路維持修繕費を計上するなど、引き続き、良好な道路環境の確保に努めてまいります。  また、現在、事務所単位で委託事業者と草刈りの実情や課題につきまして意見交換を進めており、今後、地域の実情に応じた道路環境の改善に向けた方策を検討していくこととしてございます。  今後とも、県が管理する河川や道路におきましては住民参加などの観点も導入し、適切な維持管理に努め、県民の安全・安心の確保に取り組んでまいります。 11 ◯議長(宇田 伸君) 地域政策局長小寺 洋君。         【地域政策局長小寺 洋君登壇】 12 ◯地域政策局長(小寺 洋君) まず、三江線代替バスの利用促進についてお答えいたします。  三江線の代替バスにつきましては、先日、中国運輸局が設置する協議会において運行計画が決定されたところであり、鉄道の代替機能が果たせるよう広島県側で三ルート各五便を確保するとともに、利便性を高めるため、住民ニーズを踏まえて各運行ルートを決定したところでございます。  さらに、この代替バスを持続可能なものとするため、本県と島根県が沿線市町とともに三江線沿線地域公共交通網形成計画を策定したところであり、今後、この計画に基づいて、行政とバス事業者、地域住民、JR西日本などが連携して代替バスの利用促進に取り組むこととしております。  この計画においては、誰もが安心して利用できるよう、低床バス車両の導入や、バス停への上屋やベンチの整備を行うとともに、乗り継ぎ情報を記載した総合時刻表やバスマップを作成し周知することにより、地域の方々の利用を確保することとしております。また、域外からの利用者を拡大することも非常に重要と考えており、魅力ある観光資源を生かした利用促進について、島根県、沿線市町と連携の上、検討してまいります。  県といたしましては、広域的な観点から策定主体に加わった経緯を踏まえ、地域交通の再構築を図るモデルケースとして、利用促進策はもとより、この計画全体の着実な実施を推進するとともに、達成状況の評価を行い施策の改善を図り、代替バスの維持確保に努めてまいりたいと考えております。  次に、三江線廃線敷などの資産の活用についてお答えいたします。  三江線の資産の中には、すばらしい眺望などを生かして有効活用を図ることにより地域に活力を生む源泉となるものもあると考えており、鉄道資産を将来に引き継いでいきたいという地域住民の方々の思いを酌み取って、地元二市とともに活用策を検討していく必要があると考えております。  これまで、資産の活用につきましては、代替バスの運行に必要な資産の確保に最優先で取り組み、一定の整理を行ったところでございます。  一方、地域振興面での活用につきましては、JR西日本から資産の活用に関する支援について協議に応じるとの見解が示されたこと、三江線沿線において民間レベルで活用を検討する動きが見え始めたことなどの新たな動きを踏まえ、現在、地元二市において検討が進められているところでございます。  県といたしましては、他の地域における廃線敷活用事例に関する情報を地元二市と共有した上で、具体的で実現可能な活用策について検討を進めるとともに、島根県側で具体化しつつある活用策との連携を図るなど、さまざまな手だてを講じて地域の活性化に貢献する活用策が実現するよう積極的に取り組んでまいります。 13 ◯議長(宇田 伸君) 企業局長坂井浩明君。         【企業局長坂井浩明君登壇】 14 ◯企業局長(坂井浩明君) 水道事業の広域連携に向けた今後の取り組みについて御答弁申し上げます。  中間まとめにおける広域連携の方向性につきましては、県内水道事業の将来見通しなどを踏まえ、広域連携により期待できる効果を示した上で、現時点における県としての考え方をまとめたものでございます。  広域連携の実現に当たりましては、市町間の経営状況や施設整備水準の違い、料金格差など、さまざまな乗り越えるべき課題があるものと認識しております。  このため、まずは中間まとめをもとに、全市町と県で構成する広島県水道事業推進会議などを通じて市町と丁寧な議論を重ね、理解を得ていくことが必要であると考えております。  今後のスケジュールといたしましては、年内をめどに県内水道事業の広域連携について最終まとめを行い、今年度中に広域連携の具体的な検討を行う協議組織の設置について市町の賛同を得た上で、十分な議論が行えるよう諸準備を進めていきたいと考えております。 15 ◯議長(宇田 伸君) 教育長下崎邦明君。         【教育長下崎邦明君登壇】 16 ◯教育長(下崎邦明君) 二点についてお答え申し上げます。  まず、郷土の歴史や伝統に根差した文化芸術及び芸能に対する取り組みについてでございます。  文化財の保存・活用は、地域の歴史や文化への理解を深めるとともに、地域の活性化などに寄与するものであり、教育委員会では、文化財保護法や広島県文化財保護条例に基づき重要な文化財の指定や財政支援を行い、市町を初め、所有者や地域住民とともに保存・活用に努めてきたところでございます。  一方、近年は過疎化や少子高齢化などに伴う地域の衰退や地域文化の担い手不足により、豊かな伝統や文化の保存・継承が危機に直面しており、社会全体で支える体制づくりが急務となっているところでございます。  このような社会状況の変容を受け、文部科学大臣は、本年五月に文化財保護法の改正も視野に入れた検討を文化審議会に諮問し、八月三十一日、中間まとめが公表されたところでございます。  今回出されました中間まとめは、文化財の保存と活用に関する基本的な考え方やこれからの時代にふさわしい文化財の継承のための方策は示されておりますが、国、県及び市町の役割分担のあり方など、その具体については、引き続き検討されているところでございます。  今後、国において一連の文化財保護制度の見直しがなされることとなっており、教育委員会といたしましては、情報の収集に努めるとともに、市町への情報提供を含め、郷土の文化財の保存・活用及び持続可能な体制づくりにしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。  次に、県北地域における併設型中高一貫教育校の設置についてでございます。  併設型中高一貫教育校の設置につきましては、平成二十六年二月に策定いたしました今後の県立高等学校の在り方に係る基本計画や、平成二十六年十二月に策定いたしました広島版「学びの変革」アクション・プランにおきまして、広島中・高等学校における六年間を見通した教育の成果を広げていくことや、地域における学びの変革を推進し県内全体の教育水準の向上につなげることなど、その方向性を示しているところでございます。  平成三十一年四月に開校いたします三次中・高等学校におきましても、広島中・高等学校において実施しております中学校と高等学校の教員によるチームティーチングや相互乗り入れ授業を実施することなど、広島中・高等学校での成果のある取り組みを十分に生かすことにより、中高一貫教育校の特色を生かした教育を教職員が一丸となって進め、グローバル化が進展する社会の中にあって幅広く活躍できる人材の育成を図ることとしております。  この学校につきましては、長い歴史を有する三次高等学校内に中学校を新たに設置し併設型中高一貫教育校とすることから、これまで三次高等学校が培ってきた伝統や文化を継承しつつ、県北地域における学びの変革のリーディングスクールとして中高六年間の一貫した教育活動を推進し、その成果を近隣の中学校や高等学校にも広げることによりまして、県北地域全体の教育水準の向上につなげてまいりたいと考えております。 17 ◯下森宏昭君 議長……。 18 ◯議長(宇田 伸君) 再質問を許します。下森宏昭君。 19 ◯下森宏昭君 河川、草刈り等の維持管理について再質問させていただきます。  先ほど土木建築局長からるる御答弁があった中で、近年の局地豪雨のせいだと言っておられましたが、そうではないのです。お金がないと言って毎年順送りにしているから、今のように堆積土がたくさんたまってジャングルのようになっているのです。このことからいつまでも逃げるわけにはいかないのです。  先ほど、知事が県土を守るための公共事業について御答弁され、確かに財政状況の問題や公債費の問題等はあると思いますが、河川の維持管理あるいは草刈り等は、本気で対策してもらわなくてはいけないと思うのです。  先般の建設委員会の調査で三上土木建築局長に現場を見ていただいております。今の中山間地域は非常に少子高齢化でどんどん人口が少なくなっている上に、道路や川がジャングルのようになっていると、人は住みたくないのです。本気で考えてもらわないといけないと思います。  現場を見ておられます三上局長は先ほど各地域の意見も聞くとおっしゃったのですが、三上局長自身がどう思われたか、御答弁いただきたいと思います。 20 ◯議長(宇田 伸君) 当局の答弁を求めます。土木建築局長三上幸三君。         【土木建築局長三上幸三君登壇】 21 ◯土木建築局長(三上幸三君) 河川の土砂の堆積状況等、現地を私もつぶさに拝見いたしました。その実直なところの御答弁を申し上げたいと思います。  私は、この春先から、特に道路河川の維持関係の現場と直接に意見交換をさせていただきました。現場での最近の草刈りの難しさ、あるいは地域で動物の除去等にも苦労なさっておられる状況もつぶさにお聞きしました。  先ほどの答弁の中で、河川内の堆積土等除去計画を昨年からスタートさせていると申し上げましたが、この計画をつくるに当たりましても、地元の市町、自治体の皆さんとも意見交換をし、どこが現時点において一番優先順位が高いかをお聞きしながら計画をつくったところでございます。  現在、その計画に基づきまして、優先度の高いところから逐次進めているところでございます。  今後とも、私なりに現場をしっかりと見ながら、市町の皆さん、あるいは実際に維持管理に当たっておられます委託事業者の皆さんの意見もしっかり拝聴しながら、現場の適切な維持管理に努めてまいりたいと考えてございます。 22 ◯議長(宇田 伸君) この際、暫時休憩いたします。午後の会議は一時から開きます。         午前十一時三十四分休憩              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~         午後一時一分開議 23 ◯議長(宇田 伸君) 出席議員五十五名であります。休憩前に引き続き会議を開きます。  引き続いて質問を行います。西村克典君。         【西村克典君登壇】 24 ◯西村克典君 皆さん、こんにちは。民主県政会の西村克典でございます。今次定例会におきまして質問の機会を与えていただき、議長を初め、先輩、同僚議員の皆様に感謝申し上げます。  質問は一問一答方式で行います。知事を初め、執行部の皆様には明快な答弁をお願いし、質問席に移動いたします。(質問用演壇に移動)  最初の質問は、ひろしま未来チャレンジビジョンの成果と今後の展望についてお伺いします。  湯崎知事は、さきの六月定例会において、三期目へのチャレンジを表明されました。  振り返れば知事は、平成二十一年に就任された際、すぐさま県民起点、現場主義、予算志向から成果志向への転換という三つの視座を提示されるとともに、平成二十二年三月には広島県職員の行動理念を策定し、マネジメントサイクルの確立、徹底などを通じて県庁の体質改善、強化を図ってこられました。その基盤に立って、平成二十二年十月、ひろしま未来チャレンジビジョンを策定され、将来にわたって、広島に生まれ、育ち、住み、働いてよかったと心から思える広島県の実現に向け、人づくり、新たな経済成長、安心な暮らしづくり、豊かな地域づくりの四つの柱を立て、挑戦的に施策を展開されております。また、平成二十七年十月には、社会経済情勢の変化などを踏まえビジョンを改定し、「仕事でチャレンジ 暮らしをエンジョイ 活気あふれる広島県」を目指した取り組みを展開されているところです。  私は、常に変革を追い求め、本県のあらゆる場所や領域でイノベーションを起こそうとするチャレンジビジョンの哲学には大いに共感を覚えており、とりわけ全国に先駆けて行われたパスポートの早期発給の拡大やクリーンディーゼルへの自動車税減税といった施策については、成果も大きく高く評価するものであります。一方で、チャレンジビジョンは、策定時からおおむね十年後を展望してつくられており、平成三十二年度までの達成を目指して取り組むものとされております。つまり、今の段階は、いまだ道半ばとも言えますし、もう三年しかないと見ることもできるのです。  そこで、ひろしま未来チャレンジビジョンにおいて目指す姿の実現に向け、今の段階での成果と残された課題をどのように認識されているのか、また、課題解決のためにどのような取り組みをしていこうと考えておられるのか、知事にお伺いします。 25 ◯議長(宇田 伸君) 知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 26 ◯知事(湯崎英彦君) これまで、ひろしま未来チャレンジビジョンに基づきまして、人口減少・少子高齢化及び経済活動を初めとするグローバル化を未来を展望する上での重要な変化と捉え、こうした社会変化に的確に対応しながら目指す姿を実現していくため、四つの政策分野が好循環を生み出す取り組みを行ってまいりました。  また、これらにあわせ、政策企画と実行をより効果的、効率的に行うため、三つの視座を基本に県庁内の組織文化や仕組みの変革も行ってまいりました。  こうした中、合計特殊出生率は一・五七と全国平均を大きく上回って推移し、平成二十七年の国勢調査におきましては四十年ぶりに社会増に転じるなど、急激な人口減少への歯どめに明かりが見えてまいりました。  また、産業経済面でも新たな成長の芽が伸びてきており、平成二十六年度の県内総生産と一人当たり県民所得の伸びが全国一位になるなど、着実な成果があらわれております。  分野別に見ますと、人づくりにおきましては、乳幼児期における教育・保育や学びの変革といった全国的にも期待され注目される取り組みや、定住相談窓口の設置等による移住地としての認知度向上などでも進展がございました。  新たな経済成長におきましては、五年連続での総観光客数と観光消費額の記録更新や医療機器等の生産額、環境関連産業の売上高の上昇などの成果があらわれてきております。  安心な暮らしづくりにおきましては、県内のどこに住んでも安心して医療・介護サービスを受けられる環境づくりに取り組んでまいりました結果、人口十万人当たりの医師数の増加や、従来下位でありましたがんによる死亡率が平成二十七年には全国七位へと大きく改善するなどの成果があらわれております。  豊かな地域づくりにおきましては、TAUにおける売上額の増加や首都圏で取り上げられる広島の話題が広告換算額ベースで平成二十三年度から平成二十八年度にかけて四十倍に急増したことを含め、広島県への注目度が高まって、ひろしまブランドは大幅に強化されております。  また、国際平和拠点ひろしま構想に基づきまして、国際的な研究機関との連携を深めるとともに平和のメッセージの発信力強化に取り組んできたところでございます。  このように、一定の成果があらわれておりますが、平成三十一年度の開校を目指して進めております学びの変革を先導的に実践する学校や、ひろしま版ネウボラなど取り組みを始めたばかりの施策、また、子供の生活実態の把握に基づきました支援策の検討など、今後、道筋をつけていかなければならない施策やその他解決が必要な長年にわたる課題もございます。  さらに、今後一層加速する人口減少やグローバル経済の拡大に加え、第四次産業革命の到来による社会システム全体へのさまざまな影響など、これまで経験したことのない課題や変化への対応が求められているところでございます。  チャレンジビジョンも残り三年程度でございますが、これまでの取り組みによる変化の兆しや成果をより確かなものとし、残された課題や今後の社会情勢の変化にも対応しながら、ビジョンの目指す姿の実現に向けて全力で取り組んでまいりたいと考えております。 27 ◯議長(宇田 伸君) 西村克典君。 28 ◯西村克典君 全てのことが当初思い描いていたとおりに進むわけではございません。PDCAサイクルをしっかりと回し、必要に応じて軌道修正をかけながら取り組みを進めていただきたいということを申し上げて、次の質問に移ります。  第二の質問は、創業の促進についてお伺いします。  私は、これまで何度かイノベーションについて、この本会議の場でお伺いしてまいりました。私は、かつてはイノベーションは、技術革新というような、かなり高いハードルであると考えておりましたが、現在では、知事も常々言われているように、従来技術を組み合わせて新しい価値をつくり出すこともイノベーションであるという認識に至っております。別の言い方をすれば、ハイブリッド車やウォシュレットなど、ありそうでなかったものを形にするという表現もイノベーションにふさわしいものであると思っております。  さて、昨年十二月に公表された県政運営の基本方針二〇一七において、県は、創業しやすい環境づくりや多彩な人材の集積に加え、組織の枠組みを越えて交流・連携する場であるイノベーション・ハブの取り組みを進めることにより、ある程度の成果は生まれている、しかし、新しい事業が次々と生まれるイノベーション・エコシステムと呼べるまでには至っていないという認識を示されております。そして、この三月に、新たなビジネスや地域づくりなどにチャレンジする多様な人が集まる常設の場としてイノベーション・ハブ・ひろしまCampsを開設し、イノベーション・エコシステムの形成に向けた取り組みを強化されております。  先般、私は、古くはインターネット電話サービスのスカイプ、最近では海外送金サービスのトランスファーワイズ等を生み出し、創業の風土が根づいている北欧のエストニアを訪問いたしました。  エストニアは、人口は約百三十万人、一人当たりのGDPは約二百万円でバルト三国では最も高く、ロシアの二倍の生産性を生み出していると言われております。創業に関してエストニアでは、独創性の高いアイデアの創出のための仕組みづくりや事業拡大へ向けての投資、あるいは創業に向けての提出書類の簡素化、税制優遇など、国を挙げて支援を行っています。こうした取り組みの結果、エストニア経済通信省の局次長であったラウル・アリキヴィ氏によれば、人口に対する創業数ではエストニアは四千百九十一人に一社となっており、アメリカ合衆国、シンガポールに次いで世界三位という状況です。  一方で、日本は、二十二万五千五百五十三人に一社という状況で、エストニアの五十三分の一であり、いかに日本に創業の風土が根づいていないかを物語っている事実であろうかと思います。  そんな中、広島県は、平成二十七年に改定したひろしま未来チャレンジビジョンにおいて、開業率を平成二十五年度の四・〇%から平成三十二年度には一〇%以上にするという目標を掲げ、取り組みを進めておられます。広島県の開業率の推移は、平成二十五年度四・〇%、平成二十六年度四・二%、平成二十七年度四・四%、平成二十八年度は試算値ではありますが四・五%であり、年当たり〇・二ポイント程度の増加では、このまま推移しても平成三十二年度に六%に届くかどうかというところです。
     この目標一〇%は、今までの開業率の推移を見れば高過ぎると思えますが、この目標に照らして創業に関する現状をどのように認識し、今後、どのように取り組んでいこうとしておられるのか、知事に伺います。 29 ◯議長(宇田 伸君) 知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 30 ◯知事(湯崎英彦君) 本県経済の持続的な発展に向けまして、新規創業や第二創業を活発化させ、将来の成長が見込まれる企業を数多く育てていくことが重要であると考えております。  こうした考えのもと、ひろしま創業サポートセンターを中核機関とし、行政、経済団体や金融機関等で構成するオール広島創業支援ネットワークを構築し、創業希望者へのきめ細かな支援を行ってきたところでございます。  こうした取り組みの結果、ひろしま創業サポートセンターを活用した創業件数が平成二十八年度には平成二十五年度の開設以降最高の四百一件となり、県内金融機関の創業融資件数も増加傾向にはございますが、御指摘のとおり、開業率一〇%以上の目標を達成するためには、より一層の取り組み強化が必要であると考えております。  このため、相談に来られた方々の声を踏まえ、今年度はオール広島創業支援ネットワークの関係機関の職員のスキル向上による支援体制の強化や、定期的な創業相談会の開催など相談機会の拡充に取り組んでいるところでございます。  さらには、創業ポータルサイトによる情報発信やイノベーション・ハブ・ひろしまCampsを活用したさまざまなイベント等の実施など、創業機運の醸成にも取り組み始めたところでございます。  開業率のさらなる向上には、支援体制の強化や相談機会の拡充に加えまして、創業に無関心な層が創業への理解や関心を持つことが必要であり、県内の創業者のPR等を通じまして地域の創業熱を高めるなど、無関心層から創業希望者への移行を進めていくこともあわせて重要であると考えております。 31 ◯議長(宇田 伸君) 西村克典君。 32 ◯西村克典君 一定の成果は出ているという回答でございましたけれども、これまでの推移を見れば、並大抵の取り組みでは、平成三十二年度の目標達成は困難であると言わざるを得ないと思われます。  創業を志す県内の人々への働きかけにとどまらず、日本全国、ひいては海外からも人や企業を呼び込み、県内での創業に結びつけるような施策が必要であると考えますが、知事の御所見をお伺いいたます。 33 ◯議長(宇田 伸君) 知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 34 ◯知事(湯崎英彦君) ひろしま未来チャレンジビジョンに掲げております平成三十二年度の目標値一〇%以上の達成に向けましては、県内の創業希望者への支援や創業無関心層へのアプローチに加えまして、県外、海外からの創業希望者を県内に呼び込んでいく取り組みが重要であると考えております。  こうした考えのもと、まず、県外からの呼び込みにつきましては、ひろしま暮らしサポートセンターと連携し、広島県内での起業を目指す方に対しまして在京の創業サポーターを紹介し、東京にいながら創業に向けたアドバイスを受け、移住後は県内在住の創業サポーターへ引き継ぐことで、県内での円滑な創業につなげるための支援を行っているところでございます。ひろしま暮らしサポートセンターは東京の窓口でございます。  また、海外からの呼び込みにつきましては、国家戦略特区の特例であります県内で創業を志す外国人の創業活動を支援する外国人創業活動促進事業の周知拡大を図ってまいります。  今後は、創業に対する理解、関心の向上や広島県内で創業をする場合の成功事例の紹介など、情報発信等を県内外に向けて積極的に行うとともに、創業希望者を支援スキームに誘導し創業にまでつなげていくことで、県内での多様な創業の促進を図ってまいりたいと考えております。 35 ◯議長(宇田 伸君) 西村克典君。 36 ◯西村克典君 先ほど申し上げましたように、私は、新たな価値を創造するイノベーションに大きな期待をかけており、創業を促進することにより、企業の裾野の拡大と新陳代謝の促進など、イノベーションが起こりやすい環境の整備を進めるというポリシーには共感しております。創業を促進するための具体的な施策、環境整備に一層取り組んでいただくことを要望して、次の質問に移ります。  第三の質問は、マイナンバー制度の充実についてお伺いします。  先ほど述べましたエストニアは、IT先進国でもあります。エストニアでは、全ての手続をインターネット上で完結させることを目指した電子政府E─ESTONIAを立ち上げ、納税、選挙、医療記録などのサービスをインターネット上で一元化いたしました。十五歳以上の国民は、日本でいうマイナンバーカードであるeIDカードを持つことが義務づけられており、ひもづけられたさまざまな個人情報を、公的サービスに加え、民間の各種サービスでも利用することができます。このカードは、二〇〇〇年に運用がスタートしており、これも含めたIT活用により、例えば行政手続に必要な書類の簡素化を行うことで創業支援という側面においても効果を上げております。  一方、日本では、二〇一六年にマイナンバー制度の運用が開始されましたが、現状においては、マイナンバーと各種サービスをひもづけすることによる情報漏えいリスクが盛んに議論されている段階であり、情報の利用は、社会保障、税、災害対策分野に限られております。また、マイナンバーカードについては、本県における本年五月現在の交付率は九・三%となっており、低迷していると言わざるを得ません。  私は、住民の利便性を向上させ企業活動を活発にするためには、万全な情報セキュリティーが保障されることが大前提ではありますが、マイナンバー制度を活用して提供されるサービスの領域を広げ、それを手軽に利用できる体制を構築すべきであると考えております。  そこで、マイナンバー制度により取り扱う情報の範囲や提供されるサービスの拡充、マイナンバーカードの交付率の向上など、マイナンバー制度のさらなる充実に向けて県としてどのように取り組もうとしているのか、総務局長の御見解をお伺いいたます。 37 ◯議長(宇田 伸君) 総務局長竹中正博君。         【総務局長竹中正博君登壇】 38 ◯総務局長(竹中正博君) マイナンバー制度につきまして、本県では市町の積極的な取り組みによりマイナンバーカードの交付率は全国の交付率を上回る状況にありますが、なお一〇%未満にとどまっております。  その理由といたしましては、県民の皆様がマイナンバー制度の利便性を実感できる場が少ないこと、マイナンバーカードの交付が義務づけられていないことなどが考えられるところでございます。  現在、国におきましては、子育てに関する行政手続がワンストップでできるとともに、行政からのお知らせをオンラインで自動的に受信することができるマイナポータルの設置など、マイナンバーに係るサービス拡充に向けた取り組みを進めております。  また、県内の市町におきましても、多くの団体で福祉サービスにおけるマイナンバーの独自利用の取り組みが行われるとともに、広島市など五市町では、マイナンバーカードを利用して住民票の写しや印鑑登録証明書などをコンビニエンスストアで取得できるコンビニ交付サービスが導入されており、これらの取り組みは、今後も順次拡大する見込みとなっております。  県といたしましても、国の新たな取り組みや県内外の自治体の先駆的な取り組みを市町に積極的に紹介するなど、マイナンバーを活用したサービスの拡大を促進するとともに、こうした取り組みにより利便性が向上するマイナンバー制度につきまして、県民の皆様に周知することにより、マイナンバーカードの交付率の向上等、マイナンバー制度の充実、浸透を図ってまいります。 39 ◯議長(宇田 伸君) 西村克典君。 40 ◯西村克典君 利便性の向上、そして周知は大事なことだと思います。そして、マイナンバー制度の充実はもちろん必要ですが、やはり基盤となるのは盤石なるセキュリティー体制の構築です。そこも含めて国にしっかりと働きかけていただくようお願いして、次の質問に移ります。  第四の質問は、ひろしま版ネウボラの推進についてお伺いします。  二月議会でも、代表質問、一般質問、予算特別委員会において、多くの議員から多方面にわたり質疑が重ねられました。また、既に福山市及び尾道市では取り組みがスタートしており、少しずつ具体が見えてきているところではありますが、私は、この制度が効果的に機能するために必要と思われることについて、改めて質問してみたいと思います。  私どもの会派は、この七月にフィンランドに赴き、ネウボラについて調査してまいりました。ネウボラとは、安心して妊娠・出産、子育てができるように、母子保健と子育て支援が一体となったワンストップサービスが受けられる場所のことで、フィンランドが発祥であります。  フィンランドでのネウボラへの取り組みは、百年ほど前にさかのぼるとのことです。当時、フィンランドは北欧の貧しい農業国で、一九一七年にロシアから独立しましたが、翌年内戦が勃発し、貧困問題とも重なり、乳児の死亡率は一割を超えていたとのことです。乳児の死亡率を下げることは喫緊の課題でしたが、内戦の影響もあり政治主導での対応はできず、フィンランドの母子支援は民間の取り組みとして地域で始まり、最初のネウボラは一九二二年にヘルシンキ市内に設置されたといいます。一九四四年にはネウボラの設置義務づけがなされ、その後も改善が重ねられて現在のネウボラに至っているとのことでありました。  ネウボラの視察調査を通じて大事であると考えたことが三つあります。一つには、相談のしやすさ、つまりワンストップでサービスが提供されること、二つ目に、例外なく全員が参加するということ、最後に、妊婦やその家族と保健師がお互いに信頼し合っているということです。  現在、フィンランドでは、妊娠を知った女性はネウボラに相談の予約をとります。それがネウボラのスタートであり、そこから妊婦健診を初めとした全ての母子保健と子育て支援のサービスが始まります。  その一方、妊娠の届け出や妊婦健診など日本では既に確立している制度があります。そこにネウボラのワンストップの制度を導入するには、クリアすべき課題が生じると思います。例えば、妊娠が判明すると、市町の窓口に届け出を行い、母子健康手帳の交付を受けることになります。フィンランドでは、ネウボラへ行けば、そこで母親手帳、子供手帳が給付されます。妊婦健診もしかりで、フィンランドではネウボラに医師が来て健診を行いますが、日本では医療機関で健診を受けることになります。利用者である妊婦さんの視点で言えば、フィンランド流のネウボラはまさにワンストップであり、モデル事業の中でも目指していくべき一つの目標であると思います。  本年三月、予算特別委員会において、我が会派の鷹廣議員がひろしま版ネウボラの具体的なサービスに関する質問をした際、ネウボラがさまざまなサービスの提供や子育てに関する申請窓口の機能も担うとの答弁がありました。  例えば、妊娠を知った女性が最初に行うことや、その後の母子健康手帳の交付や妊婦健診の実施場所など、ひろしま版ネウボラにおいて構築しようとするワンストップサービスは、具体的に何がどのような形で提供されるのでしょうか、健康福祉局長にお伺いいたします。 41 ◯議長(宇田 伸君) 健康福祉局長菊間秀樹君。         【健康福祉局長菊間秀樹君登壇】 42 ◯健康福祉局長(菊間秀樹君) ネウボラが設置されていない状況におきましては、市町窓口において母子健康手帳を交付した後は、妊婦検診は産科医療機関、乳幼児健診や予防接種は小児科医療機関を受診されることから、妊娠期から乳幼児期における行政とのかかわりが薄くなるという課題がございます。  また、行政の支援サービスの窓口も母子保健と子育て支援で異なるなど、一貫したサービスを提供する体制が十分に整っていないと認識しております。  このため、ひろしま版ネウボラにおきましては、全ての利用者に対し支援プランを作成し、妊娠期や出産後に受けられる産前・産後ケアサービスや、幼児教育・保育などの子育て支援サービスについての情報提供や申請受付、関係機関との連絡調整などのコーディネート機能をワンストップで担うこととしております。  また、全ての妊婦を対象とした出産前面談や生後二カ月児の乳児全戸訪問、十カ月児面談や一歳半、三歳児健診の際に個別の面談を行うなどにより、個々の家庭の状況を把握し、妊娠期から子育て期まで継続的な支援を行うこととしております。  さらには、利用者との信頼関係を構築するためには、ネウボラへ来所していただく回数をふやす仕組みづくりが重要と考えており、フィンランドにおける健診の機会を活用したネウボラの取り組みなども参考に、医療機関との連携も含め、モデル事業において検証してまいりたいと考えております。 43 ◯議長(宇田 伸君) 西村克典君。 44 ◯西村克典君 母子健康手帳の交付については理解できたのですが、妊婦健診に関してはどういうふうに今後変わっていく、変えていこうとされているのか、わかりにくかったので教えていただければと思います。 45 ◯議長(宇田 伸君) 健康福祉局長菊間秀樹君。 46 ◯健康福祉局長(菊間秀樹君) 現在行われている福山市、尾道市のモデル事業の場合では、妊婦健診は従来どおり産科医療機関等で行うこととなっております。この点は、モデル事業を進めながら、こうした健診の機会などを通じてネウボラに来ていただくということを含めて今後検討していきたいと考えております。 47 ◯議長(宇田 伸君) 西村克典君。 48 ◯西村克典君 ひろしま版ネウボラが妊婦健診を担わないのであれば、妊婦の通う医療施設と連携して、妊婦の情報を把握し合えるようにすることが必要であると考えます。利用者目線に立って対応を検討していただくとの答弁もいただいたので、今後そのように進めていただきたいと思います。よろしくお願いします。  次に、妊娠した方全員がネウボラの窓口に来ることも重要となります。  フィンランドでは、利用の義務づけはありませんが、ネウボラの利用率はほぼ一〇〇%となっています。困ったら相談に来てくださいでは手おくれになるケースも考えられます。厚生労働省の発表によれば、日本で虐待されて死亡した子供の六割がゼロ歳児で、加害者の五割が母親となっており、ネウボラの高い利用率が実現できたならば、虐待などのリスクの早期発見、早期対応につながると思われます。  また、誰もが皆行く場所、誰もが面談する場所として定着させることにより、問題のある人だけがかかわる場所というイメージがなくなり、利用することについて後ろめたさを感じることがなくなるのではないでしょうか。  利用率を高める策として、育児パッケージの活用なども考えられているとのことではありますが、より徹底を図り、全員に窓口に来ていただくことを実現するために、どのような方策を講じようとしているのか、健康福祉局長にお伺いいたします。 49 ◯議長(宇田 伸君) 健康福祉局長菊間秀樹君。 50 ◯健康福祉局長(菊間秀樹君) これまでも母子健康手帳交付時には一〇〇%に近い方が市町の窓口に来所されておりますが、モデル事業では、ネウボラの窓口において母子健康手帳を交付することにより最初のかかわりを築くこととしております。  その後の継続的なネウボラとの関係を構築するため、出産前面談や育児パッケージを活用した生後十カ月児面談、一歳半、三歳児健診時の個別面談などにより、全ての家庭に定期的にネウボラに来所いただく仕組みを構築することとしております。  また、産婦人科や小児科など医療機関との連携を強化し、妊婦検診や乳幼児健診、予防接種などの受診状況を把握し、受診漏れ等がある家庭に対しましては、ネウボラの相談員が電話連絡や訪問などを行うことにより、継続した関係を築くこととしております。  さらには、妊娠期における不安の解消や産後鬱などの予防を図るため、夫婦を対象とした両親学級や乳幼児期の子育て不安解消のための親子教室などを充実させることで、楽しく、訪れやすい、魅力あるネウボラの構築を目指してまいります。 51 ◯議長(宇田 伸君) 西村克典君。 52 ◯西村克典君 担当者がたびたびかわり、担当者間の申し送りもほとんどないとしたら、そのような相談支援サービスについて、利用者はどんな印象を抱くでしょうか。フィンランドでは、ネウボラでのかかりつけ保健師は、前回までの話を共有し、さらに対話を重ねていくことで不安や悩みの対応がスムーズになると説明を受けました。  利用者と担当者が信頼関係を築くことは大変重要だと思いますし、ネウボラを定着させるための基本でもあると考えますが、信頼関係を築くことについて、今後、どう取り組もうとしているのか、健康福祉局長にお伺いいたします。 53 ◯議長(宇田 伸君) 健康福祉局長菊間秀樹君。 54 ◯健康福祉局長(菊間秀樹君) 利用者との信頼関係の構築が子育てに対する安心感の醸成及びリスク家庭の早期発見、早期支援につながるものと考えており、ひろしま版ネウボラでは、同じ相談員が継続して対応することを基本とし、あわせてネウボラに来所いただく回数をふやすことで家庭の情報を継続して把握できる仕組みを構築していきたいと考えております。  また、相談員には当事者目線での対話等専門的な技術も重要であると考えており、面談に関するスキル向上のための実践的な研修会の開催など、人材育成を進めてまいります。  これらの取り組みにより、ネウボラにおける利用者と相談員の信頼関係が構築され、ひろしま版ネウボラの効果が最大限発揮できるよう努めてまいります。 55 ◯議長(宇田 伸君) 西村克典君。 56 ◯西村克典君 ネウボラの職員が利用者から信頼を受け、充実した支援を継続して行うためには、職員の身分や処遇を安定させ、意欲を持って職務に邁進できる環境を整えておく必要があります。必要な職員の数を確保することも重要でありますし、職員の勤務労働条件もしっかりとしたものとするよう要望して、次の質問に移ります。  第五の質問は、公共施設の耐震化についてお伺いします。  南海トラフ巨大地震が発生したとすれば、広島県においても最大で震度六強の揺れが起こると想定され、約七万棟の建物が全壊するなど大きな被害が発生すると見られています。  地震による被害を最小限のものとするためには、県民の生命・財産を直接守るため、生活の場である住宅や多くの人々が集まり長い時間を過ごす学校などの施設の耐震化を進めていく必要があることは言うまでもありません。加えて、いざ地震が発生した際に、住民の安全確保を図って被害の拡大を防止し、災害応急対策から復旧までの工程を迅速かつ円滑に進めるための中枢的な機能を担う施設・機関についても確実に保全しなければならないと考えます。  しかしながら、消防庁の調査結果によれば、平成二十七年度末時点における広島県の地方公共団体の庁舎、消防署や警察署、体育館といった防災拠点となる公共施設等の耐震化率は七八・七%であり、全国平均の九〇・九%と比較して一二・二ポイント低く全国最下位となっています。  県においては、広島県耐震改修促進計画を策定し、防災業務等の中心となる建築物の耐震化を促進してこられたところですが、公共施設の耐震化について現状をどのように認識し、今後どのように対応しようとされているのか、都市建築技術審議官にお伺いいたします。 57 ◯議長(宇田 伸君) 都市建築技術審議官友道康仁君。         【都市建築技術審議官友道康仁君登壇】 58 ◯都市建築技術審議官(友道康仁君) 地震が発生した際に災害応急対策を迅速かつ円滑に実施し住民の安全を確保するためには、災害対策本部等が設置される庁舎や被災住民の避難場所に利用される学校など、防災業務の中心となる公共施設等の耐震化を促進することが重要でございます。  このため、一九八一年以前の旧耐震基準で建築された建築物のうち、被災直後から人命救助、復旧に必要で代替困難な九百四棟を広島県耐震改修促進計画に防災業務等の中心となる建築物として位置づけ、市町等の関係機関と連携して早期の耐震化に向けて取り組んでおり、現在、七百九十棟の耐震性を確保しているところでございます。  残る百十四棟のうち耐震診断未実施の二十九棟につきましては、平成三十年度末を報告期限として耐震診断を進めているところでございます。  また、耐震性が確保されていない八十五棟につきましては、県有施設の耐震化を計画的に推進するとともに、市町等に対しましては会議で耐震化の重要性を周知するなど、施設の耐震改修の早期実施に向けて取り組んでいるところでございます。  今後とも、課題となっている市町等の財政負担の軽減に向け、耐震化工事を促進するための地方財政措置の拡充を国に要望するなど、引き続き、市町等と連携して計画の早期達成を図り、県民の安全・安心の確保に努めてまいります。 59 ◯議長(宇田 伸君) 西村克典君。 60 ◯西村克典君 ただいまの答弁にありましたけれども、公共施設には市町の施設も含まれており、県の努力だけで状況が改善するというものではないことは重々承知しております。しかしながら、災害発生の際に初期対応の最前線に立ってもらわなければならないのは市町であります。ぜひ、市町の公共施設の耐震化が進むよう、強力に働きかけていただきたいと思います。あわせて、県の庁舎や警察署の耐震化も早急に進めていただきますよう要望いたします。  先ほどから申し上げている耐震化とは、建物本体が一定の強さの地震に耐えられるようにするものであると理解しております。言いかえれば、地震の際、建物が倒壊しないようにするための措置であって、建物の機能がそのまま保証されるものとは必ずしも言えないのではないでしょうか。  昨年四月の熊本地震の際、益城町の役場庁舎は、耐震改修済みであったにもかかわらず、庁舎にひびが入ったり窓が開閉できなくなったりし、また、電気がストップしたということもあって使用ができず、近隣の施設に災害対策本部を設置せざるを得なかったとのことです。また、避難所となった学校の体育館においては、建物の倒壊は免れたものの、天井材の落下、窓ガラスの破損などの非構造部材の損傷等により約三分の一が使用できませんでした。余震の恐怖から、多くの住民が屋内避難所を回避し運動場等にとめた自家用車の中で夜を明かしていた姿は、記憶に新しいところです。  そこで、公共施設については、構造体の耐震化だけでなく、非構造部材の耐震対策などもあわせて実施し、被災直後から施設としての機能が確保できるようにしておくべきと考えますが、都市建築技術審議官の御所見を伺います。 61 ◯議長(宇田 伸君) 都市建築技術審議官友道康仁君。 62 ◯都市建築技術審議官(友道康仁君) 災害が発生した際に窓ガラスや外壁タイルの落下、天井崩落などにより死傷者が発生したり、避難、救護活動に支障がないよう非構造部材の対策につきましても広島県耐震改修促進計画に位置づけ、取り組みを進めているところでございます。  引き続き、庁舎や避難所となる建物の所有者や管理者等に対しましては、落下や転倒防止対策の重要性の周知を図るなど、被災直後から施設としての機能が確保できるよう、市町と連携して建築物の総合的な安全対策を推進してまいります。 63 ◯議長(宇田 伸君) 西村克典君。 64 ◯西村克典君 非構造部材の耐震化についてのコメントはなかったですけれども、少しずつ取り組んでいただいているのだと思います。先般公表された文部科学省の調査によれば、避難所となる公立学校施設において、自家発電設備などの電力設備や、マンホールトイレなど断水時に必要となるトイレ機能の整備率は五〇%程度にとどまっているとのことであり、被災直後における機能確保の面を含めた公共施設の耐震対策はまだ道半ばであると考えております。自治体の中で防災担当部局と施設管理部局が綿密に連携し、災害時に必要となる機能や施設設備に求められるスペックを整理した上で、公共施設の耐震対策を積極的に進めていただきたいと思います。  第六の質問は、高齢者の交通事故防止対策についてお伺いします。警察本部長は答弁待機席に移動をお願いいたします。 65 ◯議長(宇田 伸君) 警察本部長、答弁待機席へお願いします。 66 ◯西村克典君(続) 警察本部においては、日本一安全・安心な広島県の実現を目指して、平成三十二年を目標年次として、年間交通事故死者数七十五人以下、特殊詐欺年間被害額五億円以下を目標とするアンダー八〇作戦を展開されております。このうち、交通事故死者数の減少に向けては、高齢者に対する取り組みが重要になるものと考えます。  六十五歳以上の高齢者の交通事故が多発していると聞きますが、高齢者が関係する交通事故の発生状況はどのようになっているのか、警察本部長に伺います。
     また、交通事故死者の半数以上が高齢者となっているという状況であるとのことですが、どのような事故が多く、その原因にはどのようなものがあるのか、あわせてお伺いいたします。 67 ◯議長(宇田 伸君) 警察本部長名和振平君。         【警察本部長名和振平君登壇】 68 ◯警察本部長(名和振平君) 高齢運転者は、加齢に伴うさまざまな身体機能の低下により交通事故を起こす運転リスクが高まっていくものと考えられるところでございますが、昨年中、六十五歳以上の高齢運転者が第一当事者となった交通事故の発生件数は千九百八十二件で、そのうち死亡事故は二十件となっております。  高齢運転者が第一当事者となる交通事故発生件数そのものは減少傾向にありますが、全交通事故の減少率のほうが高いことから、交通事故全体に占める割合は、平成十八年には一一・八%であったのに対し、昨年は二〇・三%と、構成比では上昇しております。  また、昨年の交通事故死者八十六人のうち六十五歳以上の高齢者は四十七人で、全死者の五四・七%を占めております。  六十五歳以上の死者の状態別では、歩行中が二十五人と最も多く、そのうち十五人が道路横断中となっております。  さらに、道路横断中の高齢死者十五人中十三人は夜間に発生した事故によるものであり、暗い場所での自動車運転者による高齢歩行者の発見のおくれなどが原因として考えられるところでございます。 69 ◯議長(宇田 伸君) 西村克典君。 70 ◯西村克典君 ことし三月に施行された改正道路交通法では、七十五歳以上の運転者に信号無視や一時不停止などといった一定の違反行為があった場合、臨時認知機能検査を行うこととなりましたが、現在の実施状況はどうなっているのか、警察本部長にお伺いいたします。 71 ◯議長(宇田 伸君) 警察本部長名和振平君。 72 ◯警察本部長(名和振平君) 改正道路交通法施行後半年間の臨時認知機能検査の受検者は千六百五十八人であり、そのうち認知症のおそれがあると判定された方は三十六人で、全体の二・二%でありました。  これらの方には医師の診断を受けていただき、その結果によっては運転免許が取り消されることなどになりますが、現時点では運転免許の取り消し等の対象となった方はいらっしゃいません。  また、臨時認知機能検査の結果、認知機能の低下が認められると判定され臨時高齢者講習の対象となった方は百八十二人で、全体の一一・〇%となっております。 73 ◯議長(宇田 伸君) 西村克典君。 74 ◯西村克典君 今の御答弁で一定の割合で認知機能が低下している方がいらっしゃることが理解できました。交通事故防止のためには、認知機能や身体機能の低下などにより運転に自信が持てなくなった方から運転免許証を自主的に返納していただくことも有効な施策であると考えております。  現在の運転免許証の自主返納の状況はどうなっているのでしょうか、また、自主返納の促進に向けた警察本部の広報はどのように実施されているのか、警察本部長にお伺いいたします。 75 ◯議長(宇田 伸君) 警察本部長名和振平君。 76 ◯警察本部長(名和振平君) 申請による運転免許の取り消し、いわゆる自主返納の件数は近年増加を続けておりまして、平成二十八年中は六千五百十四件と、十年前の平成十八年に比較して七・二倍となっております。  さらに、本年八月末現在では五千七百二件で、前年同期の一・四倍となっており、さらに増加しているところでございます。  自主返納に関する広報につきましては、運転免許証を身分証明書として持ち続けたいと考えている方もいらっしゃると思われることから、運転免許を返納した場合には、身分証明書として使用できる運転経歴証明書の交付を受けることができることについて周知を図っているほか、県警察ホームページにおいて、運転免許を返納した場合に受けることのできるタクシー運賃割引等の特典について紹介するなどの取り組みを進めているところでございます。 77 ◯議長(宇田 伸君) 西村克典君。 78 ◯西村克典君 運転経歴証明書が身分証明書になるということを広報されているということですが、これは有効期限がないということをもう少し広報いただければ、返納率もさらに向上するのではないかと思いますので、検討をよろしくお願いいたします。  運転免許証を全部返納する場合は手数料はかからないとのことでありますが、身分証明書として運転経歴証明書の交付申請には手数料が必要と聞いております。また、高齢者にとっては、申請書類の作成も負担になろうかと思います。  運転免許証の自主返納を促進するために、一連の手続の簡素化や無償化など対象者の負担軽減を図っていく必要があると思いますが、警察本部長の御所見を伺います。 79 ◯議長(宇田 伸君) 警察本部長名和振平君。 80 ◯警察本部長(名和振平君) 高齢運転者による交通事故を防止するための方策の一つとして、自動車等の運転に不安を有する高齢者が自主的に運転免許証を返納しやすい環境を整備することが重要であると考えております。  県警察におきましては、これまでに、例えば平日に申請手続を行うことが困難な方の負担軽減のため、広島市及び福山市の運転免許センターで日曜日における申請を受け付ける試行を本年五月から実施しております。  また、運転経歴証明書の交付に当たっては、他の都道府県と同様に手数料を徴収しているところでございますが、他府県においては、いくつかの市町村がこの手数料について助成するなどの取り組みを行っているものと承知しております。  県警察といたしましては、他の都道府県における取り組みの事例も参考として、運転免許証の自主返納を促進するための環境整備の方策について、さらに検討してまいりたいと考えております。 81 ◯議長(宇田 伸君) 西村克典君。 82 ◯西村克典君 各種助成も他県市町においてはやっておられるという話も伺いましたので、ぜひ、県においても助成の検討をお願いしたいと思います。  交通事故防止のためには、高齢者の運転免許証の自主返納を進めるべきと考えますが、一方で、公共交通機関が発達していない地域では、生活に車が不可欠で自主返納が難しいということもあるやに聞いております。そのような際には、自動ブレーキなどを搭載した安全運転サポート車の普及なども進めていただきたいと思いますし、この点の検討も、警察本部だけでなく県執行部としての検討もお願いしたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。  以上で質問を終了します。御清聴ありがとうございました。(拍手) 83 ◯議長(宇田 伸君) 引き続いて質問を行います。日下美香君。         【日下美香君登壇】 84 ◯日下美香君 皆さん、こんにちは。公明党広島県議会議員団の日下美香でございます。  さて、この九月定例会の冒頭、知事は、主要施策の取り組み状況の説明におきまして一番目の項目として、成育環境の違いにかかわらず、全ての子供が健やかに夢を育むことのできる社会づくりを取り上げ、子供の貧困対策の取り組みなどについて御説明されました。私は、かねてより、この取り組みは真っ先に取り組むべき課題だと思っておりましたので、やっと本県も軸足が少し動き始めたと感じています。  また、知事は、幼児教育から大学改革を含め、人づくりということに本格的に取り組もうとされているところでありますが、一方で、昨日御説明のありました平成二十八年度のひろしま未来チャレンジビジョン実施状況報告書によりますと、人づくり分野の進捗率は、各分野の中で最も低くなっておりました。人口が長期的に減少していくという社会状況の中で、人づくりは大変重要な分野であり、特に次世代育成と多様な人材の活躍は重点的に取り組むべき課題であると思っております。ただ、それは、経済成長ばかりに目が向く人づくりではなく、個々の幸せのために能力や資質を後押ししていく、全ての人がスタートラインに立てる社会をつくる、その下支えをしていくという視点を、もっとわかりやすく示すべきではないかと思っております。  本日は、このような視点に基づきまして質問をさせていただきたいと考えておりますので、知事を初め、執行部の皆様方には、すかっと胸がすくような、明快で前向きな答弁を期待いたしまして、早速質問に入らせていただきます。  今月の八日と九日に、県が主催して働き方改革と女性の活躍をテーマにしたフォーラムが開催されました。これからの時代に求められる新しい生き方、働き方につきまして、担当大臣を初め、経営者の方々からさまざまな示唆に富んだお話がございました。私も参加させていただき、感じましたことは、男女双方の意識改革と女性の活躍の見える化が大切であるということであります。フォーラムの成果として、このイベントの共同宣言で、この広島の地から女性を初めとする多様な人材が活躍できる社会をつくっていくこと、そして、そのムーブメントを全国に発信、拡大していくことを宣言して締めくくられ、私も大いに共感いたしました。  まずは、「隗より始めよ」という言葉もございます。女性の副知事や局長、部長など管理職の登用につきましては、もっと積極的にスピード感を持って取り組むべきではないかと考えております。このフォーラムの共同宣言がかけ声倒れになりませんように、知事は、その先頭に立ち、リーダーシップを発揮していただきたいと思っております。  さて、男女共同参画社会基本法の性別にかかわりなく社会のあらゆる分野にともに参画し能力を発揮できる社会とは、男女がともに自己実現しながら豊かな人生を生きていくということであり、仕事と暮らし、どちらも可能にする、まさに知事の言う欲張りなライフスタイルそのものではないかと思います。言いかえれば、自分の幸せを諦めないという社会の実現であり、そのためには、男女共同参画を全ての政策のベースに据えて進めることが大切ではないかと思うのであります。  広島県の男女共同参画に関する年次報告によりますと、高等学校進学率、大学進学率ともに女性が男性より高く、この傾向は全国も同様でございます。一方で、平均勤続年数を見ますと、女性のほうが短く、給与総額においても女性が圧倒的に少ない現状があります。女性が男性以上に教育を受けながら、社会においては、その能力を労働対価として受け取っていないということであります。これは、とてももったいないことだと思います。  私自身も十一年間専業主婦でございましたので、もとより専業主婦を否定するものではありません。しかし、夫は外で働き、妻は家庭を守るべきという考え方に賛成する男性が、本県では全国より多いという実態もございます。さまざまな選択の自由があるとはいえ、社会全体における男女の地位が平等であると感じる人の割合はとても低く、基本法制定から二十年近くたった今でもほとんど変わっていないという事実は、少子化という時代の流れをより加速させていると言えます。  近年、先進国では、女性の労働力率が高いほど合計特殊出生率が高い傾向にあるということが確認されておりますが、このことは、雇用の不安定化・流動化が進む今日におきまして、出産、育児にかかわらず女性が働き続けられる条件を整えなければ、結婚や出産、子育てに前向きに踏み出していくことが困難であることを示しております。このためにも、男性の家事、育児、介護の分担を可能にするような働き方改革が喫緊の課題であることは言うまでもありません。  男女共同参画の実現はまだまだ道半ばであり、さまざまな政策分野において、男女がともに考え、実践していくことが大切であるとの思いを強く持っております。  つきましては、男女共同参画社会を真に実現するに当たりましての知事の御決意をお伺いいたします。  次に、男女共同参画社会の実現に向けた施策の中枢を担う広島県女性総合センター、通称エソール広島についてお伺いいたします。  現在のエソール広島は、昭和二十三年、戦後の焼け野原の中、女性たちが広島を元気にしていこうと、平和・復興のシンボルとして婦人活動の拠点整備を県に要望したことが始まりでありました。それから三年後、広島県婦人連合会の皆様が募金を集め、県も負担して、昭和二十六年、広島県婦人会館がオープンいたしました。この婦人会館がエソールの前身となります。当時、土地・建物は県から無償提供を受け、運営は広島県婦人連合会が任されておりました。それから三十数年の時がたち、県下四十四の女性団体から成る広島県の婦人の地位向上と社会参加をすすめる会が発足いたしまして、婦人会館の老朽化に伴う建てかえ要望活動をしていた広島県地域婦人団体連絡協議会とともに知事に婦人総合センターの建設を正式に要望されたことを受けまして、昭和六十年度に現在のエソール広島の概要が取りまとめられました。そして、昭和六十三年に県と社会参加をすすめる会、婦人団体連絡協議会の三者が出資して財団法人広島県女性会議が発足し、翌平成元年に、かつての婦人会館跡地にエソール広島が建設されました。  エソール広島誕生の経緯を御紹介させていただきましたが、平和・復興のシンボルを求めて活動してこられた女性たちが、この広島にたくさんおられたことを誇りに思いますと同時に、女性が活躍をする今日の時代の礎を築いてくださいました皆様に心より敬意を表したいと思います。  さて、エソール広島は、本県の男女共同参画社会づくりの拠点として大いに貢献してきましたが、現在も、情報発信、人材育成、ネットワークの構築、相談支援などに積極的に取り組んでいるところであります。その誕生から三十年を迎え、施設の老朽化が進む一方で、時代の動向を先取りし、LGBTに係る相談窓口を新たに十月から開設するなど、ますますその役割は大きくなっていると実感しております。  エソール広島に隣接する広島東警察署、薬剤師会館、元歯科医師会館が遊休地となる予定であることなどから、エソール広島を含めた周辺一帯の活用を検討するため、関係者との調整を行う意向であるとお聞きしておりました。ところが、昨日の新聞報道によりますと、エソール廃止の大きな見出しが躍り、関係者の皆様は大きな衝撃を受けられたのではないでしょうか。私もびっくりいたしました。この新聞報道のとおりであるとするならば、現在のような拠点性はこれからどうなっていくのでしょうか、貸し会議室などの事業収益を公益事業の財源の一部として運営する現在の仕組みは継続できるのかなど、さまざまな課題が想定されています。  これからの三十年に向けて、今の時代に求められる女性の活躍の拠点となるエソール広島の役割や機能について、知事はどのようにお考えなのか、また、一体開発に係るエソール広島の今後につきましてどのようにされるおつもりなのか、お伺いいたします。  質問の第二は、子供の生活実態調査を受けた今後の政策に対する知事の決意についてお伺いいたします。  この夏、本県では子供の生活実態調査として大がかりな調査を行いました。実際に協力された保護者からは、とても時間がかかったけれども今後の県の取り組みに期待したいとのお声をいただきました。また、子供や保護者の調査だけではなく、児童養護施設等の退所者や支援機関等にも調査を行うなど、県独自の視点でさまざまな対象から実態を把握しようと取り組んでおられることを高く評価しております。  私は、この調査は一過性で終わらせず、保護者への負担軽減に配慮するなど工夫しながら継続して行っていくべきだと思います。調査結果の推移などを分析し、新たな取り組みに反映していく中で、よりニーズに合うものになってくると思います。  平成二十八年に児童福祉法が改正されましたが、このたびの改正で一番注目すべきことは、子供が権利の主体であると明確になったことであります。子供の最善の利益を第一に考えていくこと、子供の生まれた環境にかかわらず、全ての子供の幸福を一番に考えていこうという大人がふえていくことを期待したいと思います。  さて、先月、ひろしまこども夢財団が主催する「広がれ、こども食堂の輪 全国ツアーin広島」に参加してお話を聞いてまいりました。ことし六月、厚生労働省が公表した平成二十七年の子供の相対的貧困率は一三・九%で、ひとり親家庭においては五〇・八%と、前回公表の平成二十四年データと比べて若干低下しておりますが、これは、いろいろな政策を講じれば子供の貧困率は下げることができるという証明であると思います。しかし、いまだ貧困率が高い状態であることには変わりはなく、特に乳幼児の貧困率の高さが日本の子供の貧困の特徴の一つであると指摘されていました。また、ノーベル経済学賞の受賞者であるジェームズ・ヘックマン氏の、恵まれない境遇にある就学前の子供たちに対する投資は公平性や社会正義を改善すると同時に経済的な効率性も高める非常にまれな公共政策であるという一文を引用され、特に十二歳より前の子供への人的投資は効果が高いというお話をされており、強く共感したところです。  本年八月、厚生労働省の設置した有識者による検討会が取りまとめた新しい社会的養育ビジョンの中で、里親への委託率を七五%に引き上げるという大胆な目標を打ち出しました。また、未婚の親のもとに生まれた子供にも保育料の減免を行うとの新聞報道もあり、子供自身の未来を社会全体で応援しようという流れが加速度を増してきていると実感しております。ある専門家は、「社会全体が貧しかった時代と異なり、豊かになった現代では、点在する貧困層がより格差を実感させられる。現代の子どもの貧困問題は、貧しい家庭の子を救うという発想ではなく、あらゆる子どもに学ぶ権利や生きる権利を保障する取り組みだと理解すべきです」と指摘しています。  夢や希望を持ちにくい環境に置かれた子供たち、そして、最も大人の支えが必要な子供たちにこそ、行政は真摯に向き合っていくべきではないかと強く思います。  そこで、このたびの子供の生活実態調査の結果を受けて、子供たちの未来を応援するための取り組みに知事がどのような思いで向き合おうとしているのか、決意をお伺いいたします。  質問の第三は、発達障害に係る医療支援体制についてお伺いいたします。  発達障害の子供を育てられている方にお伺いいたしますと、早期に確定診断を受け、その障害特性を把握し、必要な医療や福祉のサービスを受ける中で子育ての不安が少しずつ解消されたといった声を耳にいたします。発達障害の課題を抱えている方が身近な地域で適切な医療を受けるためには、発達障害の診療ができる医師を確保するとともに、県内各地域において中核的な役割を担う専門医を養成していく必要があると考えています。  本県では、初診までに最大六カ月以上の待機期間が生じている専門医療機関もあると聞いております。御本人やその家族にとって、診断を受けるまでの不安や悩みは大きく、早期に診断を受け、必要とする医療や福祉につなげ、適応障害、鬱、ひきこもりなどの二次障害を防止していく必要があると思います。こうしたことから、本県では、東広島市のわかば療育園や福山若草園の発達外来において専門医による臨床研修が実施されるなど医師の育成も図ってきましたが、患者の増加もあり待機期間の短縮は実現できていないのが実態であります。  特定の医療機関への患者の集中を緩和し、受診待機期間を短縮していくためには、地域の小児科などのかかりつけ医において初診対応を行い、発達障害が疑われる場合は、専門医がいる医療機関に紹介した後、地域の中核的な医療機関が対応するといった各地域における医療機関の機能分化とネットワーク体制を構築することが必要です。認知症のオレンジドクターのように、県民の皆様に、どこの病院が見てくれるのか、見える化していくことも大切です。  本県においては、これまで発達障害については、政策医療の分野として十分取り組めていないのではないかと受けとめており、医療支援体制の整備は喫緊の課題であると考えております。  取り組みを拡充するには、広島県医師会等との協力も必要になると考えますが、県として医師養成に関するこれまでの取り組みと課題をどのように認識されているのか、また、今後、県として発達障害に係る医療支援体制をどのように構築されていく考えなのか、知事にお伺いいたします。  質問の第四は、高等特別支援学校についてお伺いいたします。  平成二十年七月に、教育委員会では、専門性に基づく質の高い特別支援教育の実現を目指して広島県特別支援教育ビジョンを策定されました。このビジョンは、障害のある幼児・児童生徒一人一人の自立や社会参加に向けた主体的な取り組みを支援するため、広島県における特別支援教育の理念や方針、取り組む内容などを総合的にまとめております。ビジョン策定から九年がたち、現状はどうなっているのでしょうか。  少子化が進む今日、本県では、中学校三年生の生徒数は、平成三十二年には平成元年のちょうど半分になるという見込みが示される一方で、特別支援学校に通う幼児・児童生徒は、知的障害のある児童生徒が増加する中で、この十四年間で約二倍になっている実態がございます。こうした中、福山市、廿日市市、呉市の特別支援学校では、教室も不足している状態であります。今後、平成三十九年まで生徒数がふえ続けるという見込みもある中で、特別支援学校の教育環境の整備が進まないのはなぜでしょうか。  特別支援学校高等部卒業者の就職率が、当時、全国平均よりもはるかに低い状態が何年も続いていることから、このビジョンによりますと、「知的障害のある生徒に対する職業教育の充実を図るため、通学の利便性や企業の立地状況等を考慮しつつ、高等特別支援学校の設置を検討します」と明記されています。高等特別支援学校とは、軽度の知的障害のある高等部の年齢の生徒を対象として職業教育に重点を置いた指導が行われる学校でございます。十年前の平成十九年に質問させていただいた折には中国地方には一校もなかったわけでございますが、現在は岡山に二校、鳥取に一校設置され、全国でも二十七都道府県で八十六校が設置されるなど整備が進んできております。本県でも平成二十八年度の卒業者の就職率が三八・四%となり、ビジョン策定時の一四・八%と比べると随分伸びてはきましたけれども、高校生の就職率がほぼ一〇〇%となる中で、まだ十人中六人が就職できていないというのが実態でございます。  昨日の新聞報道では、来年春に卒業する高校生の求人数は過去二十年間で最高水準となっており、本県の求人倍率は二・六六倍とのことで、企業等における担い手不足は年々深刻になっております。その一方で、民間企業に義務づけられている障害者の法定雇用率の達成状況は、五〇%未満にとどまっているのが実態です。法定雇用率は、来年四月以降、現状の二%から二・三%まで引き上げられる予定であり、今後、障害者雇用の拡大に向けた動きが加速していくこととなると思います。  こうした状況にある今こそ、職業教育を中心とした教育課程を充実し、生徒一人一人の障害に応じた学びを支援することで、卒業後に地域で働くことができる環境を整備していく、すなわち社会に出ていける力がつくように、真っ先に後押していくべきではないでしょうか。特別支援教育は教育の原点であると思います。このビジョンに示されましたように、通学の利便性や企業の立地状況などを考慮して高等特別支援学校を検討するとした場合、平成三十三年四月の移転が決定している広島県立西高等学校は、市内中心部で利便性もよく、まだ校舎も十分使用できることから、この跡地を高等特別支援学校として新たに誕生させていくことが最も時宜に合っているのではないかと思います。これは、今後の広島県教育の重要な課題ではないかと思います。  ついては、ビジョンに示した高等特別支援学校のあり方につきまして、県はどのように考えておられるのか、あわせて、ふえ続ける特別支援学校の生徒の学ぶ環境整備をどのように考えておられるのか、教育長にお伺いいたします。  質問の第五は、高等学校の奨学金制度の運用改善等についてお伺いいたします。  先日、OECDは加盟国の教育に関する調査結果を公表いたしましたが、教育機関への公的支出のGDPに占める割合は、データのある三十四カ国中、日本が最下位でありました。従来より日本の公的教育支出は諸外国に比べて低く、奨学金制度の充実が必要であるとの指摘があったところであります。  本県においても、高等学校における奨学金など学費負担を軽減する制度が幾つかあります。具体的には、授業料を無償化する高等学校等就学支援金を初め、低所得世帯に対して授業料以外の教育費負担を軽減する奨学給付金、あるいは留学を希望する高校生に対する貸し付け制度などがあります。  このほか、経済的理由で修学が困難な生徒に対する貸し付けを行う広島県高等学校等奨学金があります。これは、平成十七年に旧日本育英会の事業が移管されたもので、平成二十六年度までの十年間で総額六十億円余りの国庫財源を確保し、貸し付けを行っているものです。しかしながら、近年は新規の貸し付けが減少し、平成二十二年から平成二十八年までの六年間で対象者二千四百六十七人から九百十八人と半分以下となり、奨学金の財源は平成二十九年五月末時点で三十六億六千万円が使われずに残っております。この奨学金の償還率は九二%程度で推移しており、今後、過去の貸し付けの償還が進むことで、残高はさらにふえていくものと見込まれています。  この奨学金を借りる高校生は減っているということですが、その要因は、少子化による生徒数減少の影響だけではなく、制度が旧日本育英会奨学金分とその他の奨学金分で成績や年収など資格要件が区分されるなど、申請者にわかりにくい仕組みとなっていることも影響しているのではないかと思います。今後、貸し付け要件を一本化する、あるいは所得制限を緩和する、貸し付け額を増額する、返済猶予や減額、免除の対象を拡大する、さらには広島県独自の給付型の奨学金を創設するなどのさまざまな見直しも必要ではないかと考えています。  また、奨学金を借りる高校生の立場からいたしますと、奨学金は将来の不安解消のための資金ではなく、非正規雇用の増加など不安定な雇用環境の中で返せないかもしれないと不安に思っているのではないでしょうか、社会に出る前に多額の借金を抱えることに尻込みしてしまう人も多いのではないかと考えております。子供の貧困の問題など経済格差が大きくなっている中で、この制度そのものが今の高校生のニーズに合っていないのではないかと思うのです。  東京都では、高校や大学進学支援に関して、塾費用や受験料を無利子で貸し付け、合格すれば返済免除する受験生チャレンジ支援貸付事業などを創設し、若い人たちの挑戦を後押ししています。この広島県高等学校等奨学金は、条例により特別会計で取り扱っており、他の事業への転用は行っていませんが、三十六億円余りの使われていない財源を有する状況を踏まえ、家計負担の軽減に向けて、本当に大変な思いで教育費を工面されている方に届くように見直していく必要があるのではないかと思います。  学びのセーフティネットの構築もまさに議論されている最中でもありますし、奨学金制度のあり方につきましては、この財源の活用なども含め、改めて検討すべきではないかと考えますが、教育長の御所見をお伺いいたします。  最後に一言申し上げたいと思います。  今後の核軍縮の進め方を議論する賢人会議の初会合が、ことし十一月、広島市で開催されることが決まりました。七月には核兵器禁止条約が採択されましたが、核保有国と非核保有国の亀裂の橋渡しが求められており、唯一の被爆国である日本こそ、その要となっていくべきであります。広島での賢人会議の実効性のある提言とともに、真の橋渡しのスタートとなることを期待しております。  広島には、世界中のどこよりも被爆者の皆様の気持ちに寄り添い、広島の痛みを世界に発信していくという大きな使命があります。平和とは、戦争がないこと、核兵器が使われないだけではなく、最も社会的に弱い立場の人に思いを寄せていく、その価値観が一人一人に根づいてこそ、真の平和への道につながると確信しております。  平和の先頭を走る知事として、次世代を担う子供たちの未来を誰よりも応援していただきたいということを要望して、質問を終わります。(拍手) 85 ◯議長(宇田 伸君) 当局の答弁を求めます。知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 86 ◯知事(湯崎英彦君) まず、男女共同参画社会を実現するに当たっての決意についての御質問でございます。  人口減少や少子高齢化の進展など急速に変化する現在の社会環境の中で、豊かで活力ある地域社会を築いていくためには、男女が性別にかかわりなく社会のあらゆる分野にともに参画し、その能力を十分に発揮することができる男女共同参画の視点が大変重要であると認識しております。  このため、第四次広島県男女共同参画基本計画におきましては、子育てしやすい環境づくりや働き方改革のみならず、さまざまな政策分野において目標値を設定し、男女共同参画の推進に取り組んでいるところでございます。  こうした取り組み等により、本県の合計特殊出生率は全国平均を上回って推移しており、審議会等委員のうち女性委員の占める割合が上昇するなど着実な前進が見られる一方、男性は仕事、女性は家庭に象徴される固定的役割分担意識はいまだ払拭されておらず、県政世論調査においても男女の地位の不平等感がさまざまな分野であらわれているなど、男女共同参画はまだ道半ばであり、さらなる取り組みが必要であると考えております。  今後は、本県の男女共同参画推進の視点である職場における女性の活躍促進などの環境づくり、男女共同参画を推進する研修などの人づくり、生涯を通じた健康対策などの安心づくりを中心に、さまざまな施策を積極的に推進することとしており、その一環として開催いたしました「WIT二〇一七」におきましては、固定観念や慣習にとらわれることなく新たな価値を生み出すための実践方策や環境づくりについて、多くの参加者とともにアピールを行ったところであります。  こうした取り組みの積み重ねにより、全ての男女が夢や希望を諦めることなく「仕事も暮らしも。欲張りなライフスタイル」を実現できるよう、私が先頭に立って推進してまいります。  次に、広島県女性総合センターの今後について御質問がございました。  広島県女性総合センター、通称エソール広島は、平成元年の開設以来、相談、研修、チャレンジ支援、情報、交流の五分野を活動の柱とし、女性大学を初めとする人材育成や研修修了生を中心としたネットワークの構築、相談事業を通して把握した女性を取り巻く課題の解決に取り組むなど、本県の女性活動の拠点として多大な実績を上げてこられたと認識しております。  しかしながら、今後三十年を考えたとき、人口減少や少子高齢化の進展などにより社会のあらゆる場面で女性の活躍が要請されるなど、女性を取り巻く暮らしや環境は、より一層多様化、複雑化していくことが予想されます。  こうした中で、県内全域のさまざまな状況に置かれた女性たちがそれぞれの悩みや地域課題の解決、ネットワークづくり等を自立的に行えるよう、ICTなどの新たな仕組みを活用してニーズに応じたきめ細かな支援を行うなど、エソール広島の役割は今後ますます重要になると認識しており、県といたしましても、今後一層の連携や支援が必要であると考えております。  一方、現在のエソール広島の建物は、建設から約三十年を経過し、バリアフリー化のおくれや老朽化などの課題も顕在化していること、隣接地においてにぎわいと交流を生み出す高次都市機能が検討されていること等から、エソール広島を含めた一体的な開発を検討することとしたところでございます。
     エソール広島の移転につきましては、本県の女性活動の拠点という重要な役割を将来にわたって発揮していくという観点から必要となる機能や立地について検討することとしており、廃止というようなことはあり得ないと考えております。  こうした認識を踏まえ、今後のエソール広島との調整につきましては、本県の女性活動の拠点としての機能が損なわれることのないよう、また、今後求められる機能が十分に発揮できるよう慎重に検討する必要があると考えており、収益事業と公益事業をあわせ持つ現在の仕組みを変更する必要が生じた場合は、そのことによって運営に支障を来すことのないよう、エソール広島や関係者の皆様の御意見等をよく聞きながら調整を進めてまいりたいと考えております。  次に、子供の生活実態調査を踏まえた今後の政策への決意についてでございます。  次世代を担う全ての子供たちが健やかに育ち、夢や希望、意欲にあふれ、自立した人間へと成長することは県民全ての願いであり、子供の将来が生まれ育った環境によって左右されることがないよう、また、貧困が世代を超えて連鎖することのないよう子供の貧困対策に取り組むことは、極めて重要であると考えております。  このため、本年度、市町と連携して県内全域の児童生徒とその保護者などを対象に子供の生活に関する実態調査を実施し、対策の前提となる子供の生活状況や意識などを把握するとともに、全ての子供の能力と可能性を最大限高められるよう学びのセーフティネット構築に向けた検討も行っているところでございます。  子供の貧困対策につきましては、貧困が子供の生活や成長に大きな影響を及ぼすことから、子供の成育環境の整備や保育・教育内容の充実など幅広く対策を講じる必要があり、今後、調査の詳細な分析を行い、その結果を踏まえまして実効性のある対策につなげてまいりたいと考えております。  県といたしましては、本県の将来を担う大切な子供に何よりも視点を置き、子供たちの未来をしっかりと応援する政策の推進に、私が先頭に立って全力で取り組んでまいります。  次に、発達障害に係る医療支援体制についてでございます。  発達に課題がある御本人や御家族の不安や悩みを軽減し適切な治療につなげていくためには、身近な地域で早期に発達障害を診断し、必要な医療を受けることができる医療支援体制が確立されていることが必要でございます。  このため、県におきましては、医師確保のため、これまでわかば療育園等での臨床研修や国の専門研修機関への派遣研修により二十二名の専門医を養成するとともに、県医師会と連携し、初診対応を行うことができるかかりつけ医を百三十九名養成するなどの取り組みを進めてまいりました。  しかしながら、確定診断できる専門医や適切な初診対応ができるかかりつけ医はいまだ不足状態にあるとともに地域的にも偏在しており、また、医療機関相互の連携が十分とれていないため、依然として特定の専門医療機関に患者が集中し、初診までに長期の待機期間が生じているといった課題がございます。  このため、今年度、広島県地域保健対策協議会におきまして、関係医療機関に対する発達障害の診療実態アンケート調査を実施し、各医療機関の医療機能を踏まえた役割分担と連携方策について協議を行っているところでございます。  今後、この協議会における検討結果を踏まえまして継続的な医師の養成を図るとともに、各医療機関の医療機能を明確化し、地域の拠点となる専門医療機関と他の医療機関との連携を進めることにより、初診待機の短縮や早期把握、早期支援につながるよう医療支援体制の充実に努めてまいりたいと考えております。 87 ◯議長(宇田 伸君) 教育長下崎邦明君。         【教育長下崎邦明君登壇】 88 ◯教育長(下崎邦明君) 高等特別支援学校の早期建設についてお答えいたします。  初めに、高等特別支援学校のあり方についてでございます。  高等特別支援学校につきましては、平成二十年七月に策定いたしました広島県特別支援教育ビジョンにおきまして、知的障害のある生徒に対する職業教育の充実を図るため、通学の利便性や企業の立地状況等を考慮しつつ、設置を検討することとしているところでございます。  本県の特別支援学校高等部の職業コースにつきましては、就職率が九〇%を超えるなど一定の成果を上げ、生徒の就職先は拡大しておりますが、就労の内容を見てみますと、清掃や製造現場における補助的業務が多く、今後、雇用数を拡大するためには、より実践的で専門的な職業教育を行う高等特別支援学校を設置していく必要があると考えております。  こうしたことから、高等特別支援学校の教育内容につきまして、専門学科を有する高等学校の教育内容を活用することなどの具体の検討に入っているところであり、教育委員会といたしましては、設置に向け、引き続き、検討を進めてまいります。  次に、特別支援学校における生徒の学ぶ環境の整備についてでございます。  特別支援学校の児童生徒数の急激な増加に対応するため、これまで、特別教室の普通教室への転用や校舎の増築など適切な教室数を確保してきたところでございます。  引き続き平成三十九年ごろまでは特別支援学校に在籍する児童生徒数が増加することが見込まれますことから、教育委員会といたしましては、全国の取り組み事例も参考にしながら、長期的な視野に立った教室数の確保等に向けた具体的な対応策を検討することによりまして児童生徒の適切な教育環境の整備に努めてまいります。  次に、高等学校奨学金制度の運用改善等についてでございます。  広島県高等学校等奨学金制度につきましては、意欲ある生徒が経済的な理由により修学を断念することがないよう修学上必要な学資金の一部を貸し付けるものとして創設された制度であり、この奨学金を継続的かつ安定的に運用していくためには一定程度の財源留保額の確保が必要であると認識いたしております。  一方で、奨学金の貸し付け者数は減少しており、この理由といたしましては、公立高等学校では実質的に授業料が無償化となるなど保護者の教育費負担が軽減されていることのほか、貸し付け基準が複雑になっていることなどが考えられます。  教育委員会といたしましては、引き続き、制度の周知を徹底するとともに、学びのセーフティネット構築についての検討状況や他県の状況を踏まえ、貸し付け基準の見直しなど、より利用しやすい制度となるよう財源の活用も含め検討を行い、意欲ある全ての生徒が安心して修学できるよう取り組んでまいりたいと考えております。 89 ◯議長(宇田 伸君) 明日も引き続いて質問を行います。明日は午前十時三十分から会議を開きます。  本日はこれをもって散会いたします。         午後二時四十三分散会 広島県議会...