3:
◯質疑(
西村委員) より多くの担い手が育成されることが目標であると思います。このインキュベーション法人を幾つぐらい育成しようとお考えなのでしょうか。
また、短期的に成果が上がるとも思いにくいのですが、何年度までの計画で取り組もうとされているのか、お伺いします。
4:
◯答弁(
就農支援課長) インキュベーション法人の育成につきましては、平成32年度までの目標といたしまして15経営体程度をリストアップして支援を行ってまいります。
インキュベーション法人への対応は品目や業態によって異なり、また成長を続けるものでありますことから、候補経営体の課題を整理した上で、経営強化を図りつつ人材育成の仕組みの構築を支援してまいりたいと考えております。
5:
◯質疑(
西村委員) インキュベーション法人というのは県内で初の取り組みなのかということと、国内で言えばほかに例があるのかという点をお伺いします。
6:
◯答弁(
就農支援課長) 先ほど申し上げましたように、いわゆる人材育成を図りつつ、本来でしたらみずからの法人の経営陣となれる人材、それからスピンアウトして外に飛び出して、いわゆるフランチャイズ法人として協力体制を組むために独立していただくような経営者を育成する法人を我々はインキュベーション法人と呼んでおりますけれども、ここからインキュベーション法人で、ここまではインキュベーション法人でないというような基準が明確にはありません。県内にそういう機能を持った法人は幾つかあると承知しておりますけれども、それらも含めてさらにレベルアップしたインキュベーション法人の育成を図りたいと考えております。
全国にそういう法人が幾つあるかということなのですけれども、我々がイメージしておりますのは、有名な和郷園とか全国的には規模の大きい法人がございます。行政がインキュベーション法人に着手したという話はまだ余り聞いたことがございませんので、施策化という点ではやはり広島県は早い段階にあるのではないかと考えております。
7:
◯要望・
質疑(
西村委員) インキュベーション法人の定義がはっきりしないまま取り組んでいくというのは、少しリスクがあるというか、危険なところもあると思うので、より明確化されて取り組みをしていただきたいと要望いたしまして、次の質問に行きます。
3点目ですが、国への提案資料の54ページの基盤整備に関する提案について、県の裁量が拡大したり使い勝手のよい交付金が設立されれば好ましいと受けとめております。そのためには県が中長期的な整備計画に基づき計画的な整備をしていくことが必要であると思います。それは単にハード整備をどうするかということではなく、例えば資料の55ページにも記載されている輸出拡大に向けて農林水産物の生産体制の構築のためにも必要なことだと思っております。
そこで、現在整備が進んでいる大規模農業団地だけでなく、整備が必要な生産基盤をどのように把握し、また計画的に整備を進めるに当たって中長期的にはどのように取り組もうとされているのか、お伺いいたします。
8:
◯答弁(
農業経営発展課長) 県産農産物の生産体制の方式につきましては、将来的には輸出を視野に入れつつも、まずは県内需要に応えられていない野菜を中心に安定供給できる産地の育成を急ぐ必要があります。
そこで、キャベツなどの大規模団地の整備に加えまして、トマトなどの土地生産性の高い施設栽培の拡大を図り、平成32年度に300億円の野菜生産を目指しているところでございます。
このためには、中山間の条件不利地域につきましても市町やJAと連携しまして園芸作物に適した農地を調査し、必要に応じて基盤整備を行い、農地中間管理機構を通じて計画的に担い手に集積できるよう、今年度新設しましたひろしま農業創生事業などを活用しまして産地拡大を図りたいと考えております。
9:
◯要望・
質疑(
西村委員) この提案が国の政策に反映されるよう、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
また、TPP協定締結に伴う中長期的な農業政策が秋ごろにも示されるとの報道が以前ありましたが、今後は情報収集に努めていただくとともに、我々への情報提供はもとより来年度以降の本県施策へもしっかりと反映していただいて、農業者の皆さんが安心して経営が続けられるよう取り組んでいただくことを要望して、この質問は終わります。
次の質問ですが、資料番号3の県立農業技術大学校について質問させていただきます。
経過のところで農業高校との連携強化を推進してきたとあるのですが、農業高校は県内に何校あって、どのような問題があるのでどういう連携をとられたのか教えていただければと思います。
10:
◯答弁(
農業技術課長) 県内に農業高校は6校ございます。西条農業高校、沼南高校、吉田高校、世羅高校、庄原実業高校、油木高校でございます。
農業高校との連携につきましては、教育委員会の高校教育指導課と農業高校の校長先生をメンバーとしました農業高校の連絡協議会を開催いたしまして、年間3~4回、さらにワーキンググループを含め情報交換なり要望なり施策の紹介をしております。
こうした連絡協議会を設けた背景につきましては、資料として平成24年度からの年度別入学者数を提供しておりますが、それまで農業高校からの入学者がひどいときは1割から2割という状況もございました。そうした中で農業高校との連携を深めて入学者をふやしていくという取り組みの一環として、協議会を設けて連携を深めているところでございます。
11:
◯質疑(
西村委員) 入学者が少ないと、志望者も少ないということで、協議会を設けて連携をとりながら少しずつふやしておられると理解しました。
次に、農業関係の大学、短大というのはどのような学校があって、この県立農業技術大学校とのすみ分けといいますか、逆に言えば県立農業技術大学校の特色というのはどのようなものなのか、教えていただければと思います。
12:
◯答弁(
農業技術課長) 現在県内には4年制の大学では広島大学の生物生産学部、県立広島大学の生命環境学部、短期大学では学校法人ひらた学園IWAD環境福祉専門学校の農園芸学科の3校がございます。
そうした中で農業技術大学校につきましては、本県の農業の担い手育成施設として設置しておりまして、2年間の履修期間に県の農業施策に対応した農業の専門的知識の実践的な習得を通じまして地域農業の核となる担い手を育成することを目標としております。このため高度な栽培技術、経営管理、トラクター等の大型特殊自動車の運転免許取得、人工授精師等の資格を得ることもできます。
なお、本県では野菜、花、肉用牛、落葉果樹のコースを設置しておりますが、卒業後は地域の核となる担い手としてそれぞれ就農していただいている状況でございます。
13:
◯質疑(
西村委員) そういう特色を持ちながらやっているということはわかったのですが、入学者数の推移や卒業生の進路に関して、入学者は定員の7割5分、進路も順調に推移して増加傾向にあるのですが、まだ目標に対して未達ではないかと思います。まず、その点に関して目標はどの辺に置いておられるのか、教えていただけますか。
14:
◯答弁(
農業技術課長) 定員充足率に関する御質問だと思いますが、もちろん定員充足率につきましては100%を目指しているところであります。
取り組みにつきましては、農業高校との連携に加えまして、オープンキャンパス、高校訪問等を行いながら学生数の確保に努めているところでございます。
15:
◯要望(
西村委員) 定員充足率あるいは進路に関しても農業の魅力をあらわす指標の一つと考えられるので、このバロメーターといいますか、指標が少しでも向上されるように今後とも継続して努力していただければと思います。
16:
◯質疑(
桑木委員) 資料番号2で説明いただきました平成28年度補助公共事業の認証状況についてお伺いいたします。昨年、一昨年と当初予算の認証減という状況が続いておりまして、今年度も予算額に対しての認証額が少ないという状況のようでございます。
資料番号2の表では、どの区分を見ましても予算に対しての認証額は減となっております。認証額そのものを対前年比で比べると100%にはなっているのですが、これをどのように評価していいのかと思うわけでございます。
そこで、先ほど説明いただきましたが、農林水産局ではこの認証額の状況をどのように受けとめておられるのか、改めてお伺いいたします。
17:
◯答弁(
基盤整備部長) まず、予算額に対する認証額につきましては、御指摘のとおり7億8,400万円の減となっております。昨年国庫を最大限獲得するため国や他県から可能な限り情報収集を行いまして、要求額を精査の上、予算編成を行ったところでございますが、他県から国への要望活動が激しさを増す中、ほぼ満額の認証額を得ることが極めて難しくなってきている状況もありまして、予算額と認証額に差が生じてしまったことにつきましては真摯に受けとめております。
一方で、認証額そのものにつきましては、局全体で対前年度の認証額から3億7,900万円、5.5%増となっておりまして、農林水産省の伸び率を上回っていることから、積極的な要望活動を行った結果として一定程度の認証額が確保できたものと考えております。
しかしながら、本県農林水産業の競争力強化に向けて国庫のより一層の獲得が必要であることから、県議会の皆様の御支援をいただきながら今後ともあらゆる手段で認証額の獲得に努め、予算額との差を縮小していくことが必要であると考えております。
18:
◯質疑(
桑木委員) 昨年度も5月の常任委員会で、やはり交付金事業の認証減について説明を受けております。その際に農業農村や治山といった区分におきましても認証減の理由の説明があったわけでございますが、今年度減額ということにつきまして、もう少し詳しくその理由をお聞かせいただければと思います。
19:
◯答弁(
基盤整備部長) 減額のうち額の大きなものにつきまして御説明させていただきます。
まず農業農村分野につきましては、農業の体質強化に向けた国の施策の柱である農地のさらなる大区画化と高収益作物への転換のうち、農地の大区画化を推進する北海道などに予算が優先配分されたことなどによるものと考えております。
それから、治山分野につきましては、復旧治山事業において平成27年度2月補正で前倒しで予算措置されたことなどによるものと考えております。
続いて、林道分野につきましては、地方創生整備推進交付金が内閣府から林野庁への配分が少なかったことによりまして、各県に対して対前年9割を基準に予算配分されたことなどによるものと考えております。
最後に、造林分野につきましては、森林整備加速化・林業再生基金事業の終了後に創設されました次世代林業基盤づくり交付金等の配分原資が少なかったことにより、各県の要望がこの造林公共事業予算に集中したことなどによるものと考えております。
20:
◯質疑(
桑木委員) 農業農村整備の認証について、この表を見ますと約4億7,000万円という大きな減額でございますが、短期的には認証減は工事の計画や農業者の作付に大きな影響が出てくるのではないかと思うわけですけれども、圃場整備やため池整備などの主な事業別の減額はどういった状況にあるのか、また、事業の受益者である農業者への影響の軽減や回避に向けてどのような対応を検討しておられるのか、お伺いいたします。
21:
◯答弁(
農業基盤課長) まず、認証減になった主な事業でございますけれども、圃場整備の農業競争力強化基盤整備事業で約4億3,000万円の認証減となっております。なお、ため池整備につきましては、ほぼ予算どおりの認証となっております。
次に、受益者等への影響の回避に向けた対応でございますけれども、この農業競争力強化基盤整備事業につきましては、平成27年度2月補正、いわゆるTPP関連対策として補正予算で約4億円を確保しております。この補正予算と平成28年度当初予算との一体的な構築や一部工事の工程計画の見直し等によりまして担い手等の営農に支障が生じないよう配慮しております。
なお、これらの対応方針につきましては、事前にそれぞれの担い手等に説明し、了承を得ております。
22:
◯要望(
桑木委員) 認証額そのものは昨年度比105.5%の増額ということになっておりますけれども、先ほどいろいろ調整していただいているということでございますが、農業者、受益者や地域にとって予定どおりの予算が来ないということは、やはりいろいろなことで影響が出てくると思います。今後とも、当初の段階から計画がしっかりと達成していけるように予算の確保、補正等追加要求のチャンスをしっかり捉えて引き続き御努力いただきますことを要望いたしまして、質問を終わります。
23:
◯質疑(高木委員) 平成29年度施策に関する提案に関連すると思うのですけれども、平成29年度に向けて多面的機能支払い交付金、いわゆる旧農地・水環境保全向上対策の制度でございますが、平成28年度で2期対策が終了するということで、3期対策に向けて県としてどのように国に対して求めていくのか、長寿命化の事業については厳しい状況だと伺っていますけれども、2期対策を含めて地域にとっては非常に重要度が高く、また、使いやすく非常に役に立つ制度だったと思っております。縮小されるということになれば影響も非常に大きいと思います。現状はどのような状況になっているのか、教えてください。
24:
◯答弁(
農業基盤課長) まず1点目の農地・水環境保全対策事業は、平成24年度からスタートして、現在は日本型直接支払いの中の多面的機能支払い交付金という形で継続して事業を行っております。
この中でいわゆる基本的な取り組みとして農地維持、それから共同活動という部分については、国もそうですけれども、県といたしましても今後とも目標に向けてしっかり伸ばしていきたいということで、これについては委員からも以前御指摘があったように、地域の高齢化などによって取り組みの度合いが少し鈍化してきている部分がございますが、いわゆる組織の広域化やさらなる事務の軽減化といった部分は国のほうにも要望していきますし、県としてもそういったことを地域のほうへ働きかけていき、基本的な部分については今後とも国と同様に伸ばしていきたいと考えております。
続きまして、2点目のいわゆる長寿命化の部分でございますけれども、委員御指摘のように、本当に地域のニーズは高いわけですが、多面的機能支払い交付金全体は今回も対前年比100%という中で、国も基本的には農地維持、共同活動を優先して取り組むという方針の中で、いわゆる長寿命化の新規の枠については、広島県だけでなく、全国的に認めないという方針が出されております。この背景について国に確認したところ、本来この日本型直接支払いでは、今の農地維持なり共同活動の部分が制度の趣旨だという中で、今回非公事業として耕作条件、改良事業等の中でも同じような取り組みができるということもあり、農林水産省としても本来の制度の基本的な部分を伸ばしていこうという考えがあるようです。
そういった中で、本県としてどのように対応するかということなのですけれども、実は、昨年度国の運用が少し変わりまして、農地維持、共同活動で割り当てたお金の中で3割を上限として、いわゆる長寿命化に係る取り組みに振りかえてもよいということがあり、そこをうまく活用しながら進めていきたいと考えております。
25:
◯要望・
質疑(高木委員) しっかり頑張ってもらいたいと思いますが、高齢化で取り組みが鈍ってきているとおっしゃいましたけれども、逆に高齢化が進んで農村環境の維持が非常に厳しくなっている状況だからこそ、みんなで力を合わせて環境を守っていかないといけないということで、これはさらに推進しなければいけない事業だと思います。一番ネックになっておりますいろいろな手続等の簡素化というか、取り組みやすさというものをもう少し進めていただいて、高齢化が進んだからこそできるのだという制度になるよう国に対してしっかり要望していただきたいとお願いしておきます。
次は、直接農林水産局の担当ではないと思うのですけれども、認定鳥獣捕獲等事業者制度というのが平成28年度から始まったと聞いておりますが、広島県では鹿が対象だそうです。国の予算は全国で20億円ぐらい組んであるそうですが、広島県はたった100万円の予算だということで、捕獲等環境保全の部分で環境県民局が担当しているということでありますが、被害を受けるのは農林水産局所管の部分だと思います。鹿が非常にふえて困っており、イノシシとはまた違った被害の出方があるということで、特にこれから野菜等を推進していくということになれば、イノシシより鹿のほうが非常に厄介な問題がふえてくると思います。定数管理をきちんとしようという制度は国において認められて20億円の予算がついているのに、広島県はたった100万円です。県費が2分の1だそうですから、財政等がなかなか厳しいのかもわかりませんけれども、農村、特に中山間地域を多く抱える広島県だからこそ定数管理をしっかりして被害を防いでいかなければいけないと思います。農林水産局と環境県民局がしっかり連携して、平成28年度は無理だと思いますので、平成29年度に向けてしっかり予算確保して鹿の数を減らす、絶滅までしろとは言いませんが、適正管理までできる状況を連携してやっていただきたいと思うのですが、何か御見解があればお伺いします。
26:
◯答弁(
農業技術課長) 本年度の予算につきましては100万円でございますが、どのように鹿を捕獲して、どのような体制を組んでいくのか、その捕獲頭数については何頭とれば適正な個体数管理ができるのかといった点について、今自然環境課と農業技術課におきまして連携しながら検討しているところでございます。こちらとしても鹿から農作物を守るという観点から連携してどのように取り組んでいくのか、協力できることは協力していきたいということで、自然環境課と打ち合わせ等を行っているところでございます。
27:
◯要望(高木委員) 数えてもしようがないだろうし数えようがないのですが、実際に被害がふえています。私のところの話をして悪いのですが、今までほとんど鹿がいなかったのですが、今は鹿だらけで、夜自動車で走ると怖いのです。ぶつかったら、鹿は保険に入っていないから自腹で払わないといけない。そういう被害が多発しています。だから、余りのんびりした話ではなく、せっかくお金が用意してあるのですから、さっさと取り組んで鹿をまずは減らす、今多いのは間違いないので、数えてからという話にはならないと思います。しっかり連携してやっていただくようにお願いします。
(5) 閉会 午前11時15分
発言が指定されていません。 広島県議会 ↑ 本文の先頭へ...