4:
◯答弁(
土木建築総務課長) 高度経済成長期に整備しました多くの公共土木施設の老朽化が進展し、今後集中的に更新時期を迎えることから、事業費の平準化を図るため、計画的に維持管理を実施していくことが喫緊の課題です。
こうしたことから、土木建築局におきましては、平成26年度にインフラ老朽化対策の中長期的な枠組みを策定しまして、これに基づきまして橋梁、トンネル、護岸など、主要な26施設について施設ごとの修繕方針を策定し、計画的に維持管理を進めようとしているところです。
インフラ老朽化対策に必要な事業費は、この中長期的な枠組みにおきまして、その26施設につきましては、年平均で約106億円必要になると試算されておりまして、平成27年度の時点と比べますと、平成27年度の当初予算では約54億円と平成26年度2月補正予算を合わせたとしても約67億円であったことから、約39億円の乖離がありました。
このため、必要な事業費につきましては、現在継続しております改良事業への影響なども考慮しながら段階的に対応しまして、おおむね10年程度で安定したインフラ老朽化対策に取り組めるよう、今後必要な予算を優先して確保していきたいと考えております。
また、国に対しましても、インフラ老朽化対策に関する国庫補助事業等の充実についても要望しているところです。
5:
◯質疑(
窪田委員) このインフラ老朽化対策推進は、新しいものをつくっていきながら維持していくということで非常に難しいと思います。施設の管理者が国、県、市と異なることが非常に多いわけですけれども、異なる管理者間の連携についてお伺いしたいと思うのですが、県民の目から見たら、その施設が国の管理であろうが県の管理であろうが市町の管理であろうが関係なく、適正に維持されていて、安全に使用できることが一番ということです。そのためには、国や市町と情報を共有して連携を図っていくことが重要であると思うのですが、インフラ老朽化対策に係る情報共有や連携・共同体制の構築などについて、具体的にこれからどのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。
6:
◯答弁(
技術企画課長)
窪田委員のおっしゃるように、管理者の違いによらず適切に維持管理していくためには、国や市町との情報共有や連携などが非常に重要であると認識しております。
とりわけ技術職員等が不足している市町を支援していく必要があることから、県と市町で平成26年度に広島県公共土木施設等老朽化対策連絡会議を設置し、情報の共有や連携・共同体制に向けた検討などを行っているところです。
情報共有といたしましては、県内市町が抱える老朽化対策の課題や、その対応策、長寿命化に役立つ新技術について幅広く情報共有を図ることとしております。
また、連携・共同体制につきましては、老朽化対策の技術を持つ技術職員の派遣、県と市町が同一庁舎内でそれぞれの業務を実施するワンフロア化、県と市町で老朽化対策の組織を共同で設置して業務を実施する内部組織の共同設置などを想定しておりまして、市町のニーズに対応して、より適正な維持管理が行える体制を検討し、具体化に向けた取り組みを実施することとしております。
7:
◯要望(
窪田委員) しっかりと情報を共有し合って、効率的にやっていただきたいと思います。また、これから新たにつくる施設も多くなりますし、また手を加えてリメイクして長寿命化を図っていく施設もありますし、地域の要望も年々ふえております。そういう中で、現行の予算ではなかなか追いついていかないということですが、必要な予算は国にしっかりと要望していただいた上で、なおかつアダプト活動など民間の安くていい技術を有効に活用しながら、1カ所でも多くの施設に投資できるように知恵を絞って、この難局を乗り越えていただきたいと要望して質問を終わります。
8:
◯質疑(
犬童委員) 5年間で3,300億円という話がありましたが、資料の3ページにある程度重点化を図る取り組みについて記載されています。3,300億円の予算の配分をこれから各年度で行われるわけですが、財源の確保は、今までどおりで大丈夫なのですか。
9:
◯答弁(
土木建築総務課長) 財源は、当然、中期財政運営方針に基づきまして、通常分が3,300億円で、プラス土砂災害等、土砂災害防止法に基づく警戒区域の指定の加速化分につきましては別枠ですので、この5年間はそれで対応していく必要があるという認識です。
10:
◯質疑(
犬童委員) 県営住宅の再編の問題も書いてありますが、呉にも古い県営住宅がありまして、もうリフレッシュするような段階ではないものばかりで、今度、1カ所建てかえられます。人口が減ってきて空き家ばかり多くなっている一方で、高齢化して、住宅に困っている高齢者もおられる状況を踏まえ、県営住宅の再編について皆さんが考えていらっしゃるのは、県内に何棟くらいあって、どれぐらい再編しようとされているのか、少しは具体的に詰めていらっしゃるのですか。
11:
◯答弁(
住宅課長) 県営住宅の再編につきましては、骨子案ということで委員会に案を示させていただいているところです。これは、安定した県営住宅の供給をする必要がある一方、人口が減少するという中で、県営住宅をどのような形で提供していくのかということを、おおむね50年先を見据えて必要な時期に見直しながら、建てかえ、統廃合により県営住宅の戸数を削減することとしております。これについても、現在、次期再編5カ年計画を策定しておりますので、お示しできる段階になりましたら、この場で説明させていただければと思っております。
12:
◯質疑(
犬童委員) 県営でも、市営、町営でも同じような状況があるわけでして、それぞれが別々に管理して、あるいは指定管理者に任せている部分があるわけですけれども、市町分を含めて県全体で公営住宅がどのくらい要るのかということを検討して、県全体の公営住宅のあり方、または今言われたように削減していくかということをトータルで管理できる機構というか、管理会社というものをつくって、適正戸数と適正管理を今後やっていくことも頭に置くべきだと思うのですが、いかがですか。
13:
◯答弁(
住宅課長) 前回の再編5カ年計画の骨子案の中にも記載しているところですけれども、県営住宅、市営住宅、町営住宅など、公営住宅というのはこれまでそれぞれが事業主体として、社会のニーズに応じた形で供給してきました。県内では、県営住宅が約4割、市町営住宅が6割という割合です。これらの供給割合につきましては、現在の供給割合を維持しながら適切な公営住宅の提供に努めていきたいと考えております。これにつきましては、骨子案の段階で市町へ意見照会をさせていただきまして、おおむね了解いただいているという状況です。
それから、管理についても一本化したらいいのではないかという委員からの御指摘ですけれども、現在、効率的な管理を目指して、広島市と管理運営の一本化という方向で協議を進めているところですけれども、他の市町におきましても、広島市との管理運営の一本化の状況を踏まえて、今後地域の状況に応じた形で、どのような形で連携していけるかというのは検討していきたいと考えております。
14:
◯質疑(
犬童委員) 門外漢かもしれませんが、雇用促進住宅が呉市にも何カ所かあって、これは狭くて、空き家がたくさんあるのです。これは国が、例えば九州の炭坑などが閉鎖するときに、雇用を促進するためにつくってきたわけです。ところが、随分古くなって、行ってみましたら本当に狭いのです。これは国が管轄ではありますが、それらも含めた再編を考えていますか。
15:
◯答弁(
住宅課長) 雇用促進住宅につきましては、国が原則として今後維持していかないという方向性を出されたと承知しておりまして、該当する市町に要らないかと話して、必要な市町分については引き取られたと聞いております。
16:
◯意見(
犬童委員) 市町に対して要らないかと打診があったのでしょうが、市町も維持管理費が莫大かかるため、ただでも古い住宅はもらいたくないということだったと思います。中には20年前くらいにつくった比較的新しいものもありますけれども、それ以前のものがありまして、これらを県が引き受けるわけにもいかないでしょうし、市町も引き受け手がいないのではないかと思います。
それから、高齢者のひとり住まいや高齢者の夫婦世帯など高齢者の住居は、若者と同じように広くなくてもよく、同じ公営住宅でも適正規模というのは若い者とは随分違うと思うのです。そこら辺も含めて、これからの公営住宅のあり方を議論して、精査して進めてもらいたいと思っています。これは私の希望として、申しておきます。
17:
◯質疑(
山崎委員) 先ほど
窪田委員からの質問にもあったのですが、社会資本未来プランを見ますと、主な見直し内容の中に、今後おおむね10年程度で安定したインフラ老朽化対策が恒常化すると書いてあったのですが、この今後おおむね10年という言葉は、この見直し内容で言えば5年たってからの10年なのですか、それとも策定された最初からの10年なのですか。
18:
◯答弁(
土木建築総務課長) 10年間というのは、今回の見直しから、つまり来年度、平成28年度から10年程度でインフラ老朽対策が安定してくるという形に持っていくという意味です。
19:
◯質疑(
山崎委員) それから、今までプランに基づいてつくったものが書いてあって、またこれから新しいものを整備するものも書いてあって、今まで整備したものの中には、現在の主な取り組みと今回見直し後の取り組みというのがありますが、現在の取り組みは全部済んでいないということなのですか。
20:
◯答弁(
土木建築総務課長) 社会資本未来プランに書いています現在の主な取り組みと申しますのは、いろいろなことをやって、済んだものもあれば済んでいないものもあります。前回の社会資本未来プランの策定段階におきましては、社会資本整備の分野を重点化方針ごとに主な取り組みを決めて、その重点化方針は事業単位ではなくて、事業を超えた格好になるような形で掲げて取り組んだところです。
その結果として、広域的な交流・連携基盤の強化、集客・交流機能の強化とブランド力の向上の2つにつきましては、前回のプラン策定時におきましては短期集中戦略ということで、短期間で集中的に取り組むこととしておりました。その取り組みの結果、井桁状の高速道路ネットワークの完成などいろいろ成果は出ております。
ただ、それ以外の分野については、中期、長期といった長い目で見て継続的に取り組んでいくこととしていたものですが、この大きな分野単位になっておりましたので、今回の見直しにおきましては、残り5年間で、より集中的に取り組む項目を分野の中でも選んで、それに重点配分していくという考え方です。
いずれにいたしましても、計画に挙がっているものがいきなり全部でき上がるようなものは全くないのは承知しておりますが、その中でも、どこにどうやって力を入れていくのかを考えて、よりピンポイントで限定的に取り組んでいくということです。
21:
◯質疑(
山崎委員) それでは、この資料の見直し後の主な取り組みに記載されていて整備すべきということなのに、集中的に取り組む項目に印がついていないのは、おかしいのではないですか。
22:
◯答弁(
土木建築総務課長) この印がないところが非常に誤解を招く可能性がありますが、集中的に取り組むのは、一定の大きな状況が変わったようなもの、次のステップに進むもの、あるいはプラン策定後の情勢変化を踏まえた課題などへ対応しないといけないもの、あるいは進度調整していたものについて特に推進する必要があるといったものなどに、印をつけております。
ここに掲げておりますものは、たとえ印をつけていないとしても、必要額は確保しながら推進していきます。
23:
◯質疑(
山崎委員) 資料の右側に記載の主な取り組み内容ではさらに事業数が減っていますが、どういう意味ですか。
24:
◯答弁(
土木建築総務課長) この主な取り組み内容に掲げておりますのは、集中的に取り組む項目の中で、具体的な事業を例示しているものでして、これしかやらないというものでは全くありません。
25:
◯質疑(
山崎委員) 事業で成果が出たのが402件のうち387件と書いてあり、あと15件ほど残っていますが、件数ができて評価すべきものなのか、金額の規模で評価すべきか、その辺はどう考えておられますか。
26:
◯答弁(
土木建築総務課長) そこに数字が上がっておりますのは、計画策定時402件を完成させるという目標でしたが、完成したのが387件程度ということで、15件は確かに完成に至っていない箇所です。
この15カ所につきましては、それぞれの箇所ごとの状況等もありますので、投資配分はした結果であり、個々の事業の状況によったものという認識ですので、基本的に全体としてはおおむね達成という評価をさせていただいているところです。
27:
◯質疑(
山崎委員) 完成した387件より残っている15件のほうが金額が大きいということではないのですか。
28:
◯答弁(
土木建築総務課長) そういうことではないと認識しております。計画の進捗状況を評価する方法として、計画策定時に402カ所を5年間で完了させることを目標にしたわけです。当然完了予定箇所もあれば、事業を継続していく箇所もあります。ずっと事業を行っている中で、15カ所は完成には至っていないということです。ほかに実施中、継続中の箇所も非常にたくさんありますので、残っている箇所の金額が非常に多いから結局配分しないという話ではないことを御理解いただければと思います。
29:
◯質疑(
犬童委員) 土木建築局関係では、ある程度の予算規模によって徐々に整備が進んできたと思います。自分たちには、地方主要道呉平谷線の問題はなかなか進まないという不満はありますが、全体としては、井桁状の高速道路網が完成したことなどは評価していいと思います。
この井桁状の高速道路網について、私がいつも言っておりますのは、その高速道路に囲まれた地域のまちづくりや産業振興がきちんと進んでいかなかったら、道路をつくった意味も半減するのではないかと思うのです。それならば、県として、井桁状に囲まれた地域、あるいはその井桁が交わる地域をどういうまちづくりやどういう産業で育てていくかというプランをきちんとしていかないといけないと思うのです。
道路をつくったことは、私も評価しています。ですが、それぞれの地域がその道路をどう具体的に生かした産業振興や地域づくりをするのかということがあってしかるべきではないか、道路をつくった割に、その地域の市町の取り組みは、まだ一歩おくれているのではないかという気もするのですが、その点についてどう見ておられるのですか。
30:
◯答弁(
土木建築総務課長) 井桁状の道路ネットワークが完成しただけでは十分ではないという御指摘がありました。完成した井桁状のネットワークをさらに活用し、充実を図っていくため、広域道路網を活用したネットワークや物流基盤を強化していくことが、大きな社会資本整備分野の課題であると認識しております。
また、ネットワークとインフラの整備を、地域づくりにどう使っていくかということにつきましては、各地域で意見を集約し、市町の声を聞いて調整し、市町の事業も合わせながら全体で計画をつくっていくことが必要ですので、今回の見直しにおいては、初めて全事業別計画を一括して市町と調整することとし、一括して骨子段階から説明して箇所を決める際にも調整を加えてきました。
また、前回、社会資本未来プランをつくった後、事業別計画をつくって、地域に対して計画の方向性を示すために、事務所ごとに地域整備計画実施方針を策定いたしました。それで地域単位で、社会資本整備がどうなっているのか確認してもらうとともに、各地域の課題をたたき合う機能が今回の見直しの前にできておりますので、そういった取り組みをして各市町とベクトルをしっかり合わせながら事業を進めてまいりたいと考えているところです。
(5) 閉会 午後2時8分
発言が指定されていません。 広島県議会 ↑ 本文の先頭へ...