6:
◯答弁(
子育て・
少子化対策課長) 利用店舗のいわゆる共通メニューということではお示ししておりませんけれども、大体5県ともこういうものをベースにサービス店舗ということで進めておりましたので、それを今回、全国共通に当たりまして、フレンドリー・メニューとして改めて示したというところでございます。
7:
◯質疑(
畑石委員) 実は私も今11カ月の子供がいるので、ぜひそのフレンドリー・メニューの導入はお願いしたいと思います。
45道府県で実施されている
子育てパスポートの仕組みを全国共通で展開するということで、45道府県全てが参加すると考えていいのですか。それから、ほかの県では市町で同じような制度を実施しているところもあると思うのですけれども、そういったところは県として参加すれば全て包含されるような考え方なのか。それから道府県ということなので、多分東京都が入っていないのだろうと思うのですけれども、東京都のほうはどういった形になっているのか、そのあたりを教えてください。
8:
◯答弁(
子育て・
少子化対策課長) 現在、全国で45道府県が実施しておりますが、平成28年4月のスタートにつきましては、40県がこの全国展開に参加する予定でございます。残りにつきましては、平成28年10月、また平成29年4月というタイミングで参加自治体を募っていくと聞いておりますので、その段階でふえていくと考えております。
また、市町村の参加につきましては、当面国のほうでは都道府県単位での参加という運用をしておりますが、将来的には市町村単位での参加についても検討するとお聞きしております。東京都につきましても同様の形になろうかと思います。
9:
◯要望・
質疑(
畑石委員) 利用者にとって中国5県だけではなく、全国で同様のサービスが受けられるというのは大変歓迎すべきことだと思いますので、使い方などで中国5県の取り組みと大きく変更がないように、それから利用者に混乱がないようにお願いしたいと思います。広島県の方がよその県に行って利用されることもあるでしょうし、よその県から広島県に来てそのサービスを利用されるということもあると思いますので、恐らく周知の仕方が一つのポイントになると思いますので、ぜひわかりやすい周知をしていただければと思い、要望とさせていただきます。
それからもう一つ、地域医療介護総合確保基金についてですけれども、今回この地域医療介護総合確保事業で8億5,000万円余りの積み立てが計上されるということで、補正予算の要求をされているのですけれども、この事業に関しては当初予算で6億3,000万円の積み立てがされ、その後6月の補正でも介護分で3億6,000万円が計上されて、9月では医療分として5億9,000万円が計上されているということで、医療介護の基金を合計すると24億9,000万円ぐらいの基金が積み立てになっているということです。定例会ごとに基金を積み立てていっているのですけれども、一方で歳出予算については当初予算で17億3,000万円、6月に3億6,000万円、9月に3億1,000万円ぐらい追加計上され、トータルで24億円ぐらいの予算が示されているということなのですけれども、今回は逆に歳出予算については計上されていないという状況なのです。これは既に歳出予算として計上されているのかどうか、先ほど申し上げた定例会ごとに積み上げていくというのはなぜなのかという2点について、多分国の予算計上とか内示の仕方の兼ね合いもあるのだと思うのですけれども、事業全体の構造とか仕組みもあわせて教えていただければと思います。
10:
◯答弁(
医療介護計画課長) まず制度上の問題から申し上げたいと思います。こちらの基金事業の制度につきましては、本県としてといいますか、都道府県が必要とする基金事業について関係団体等から要望を受けまして、それを県として真に必要と認める事業について国に協議し、基金の配分を受けるといった形になっております。この仕組みですけれども、基金の国に対する要望は基本的に4月から6月にかけてさせていただく、それから国の内示が6月、そして9月、本年度につきましては医療分について2回に分けて内示があるといったイレギュラーなこともありましたが、都合3回に分けて内示があるといった形の制度になっています。
基本的には、まず基金の積立額ですけれども、基金を財源とした事業の中には年度当初から実施しなければならない、いわゆる義務的な経費といったような事業の財源に充てるものもございます。そうしたことから必要最低限の経費については国の内示があるものとして当初予算に計上させていただき、最終的に調整させていただくといった形をとっているところでございます。その一方で、政策的な経費につきましては、国の内示を受けて予算化するといった仕方をさせていただいているところでございます。
次に、歳出の関係でございます。基金の制度が平成26年度から始まっていますが、平成26年度の国からの事業内示というのが年度途中ということになって、平成26年度については、基金の造成はできるけれども、事業開始について、長期にわたるものなどは翌年度の当初からするべきといったものもございましたので、基金として積み立てはするけれども、執行は翌年度といったようなこともございました。そうしたことがあります関係で基金の積立額といわゆる歳出予算額が若干ずれるといったことが、制度的な問題として発生しているところでございます。本年度につきましても、今次定例会におきまして、基金の積み立てをさせていただいておりますけれども、こちらの基金を財源とした事業につきましても、例えば、電子カルテの導入ですとか高額医療機器の導入など3月末まで事業の執行が終わらないといったようなものにつきましては、平成28年度に改めてこちらの基金を財源に事業化の予算を提案させていただきたいと考えているところでございます。
11:
◯質疑(
畑石委員) これは例えば、今の電子カルテの事業であるとか、そういった計画が事業計画としてこれから出てくるという理解でいいのですか。
12:
◯答弁(
医療介護計画課長) 事業の提案とそれから必要な経費につきましては、関係団体から既に計画書は出ておりますので、今回、その計画書に従って国に基金の要求をしていきましたが、本来であれば本年度の早いうちに内示が出ていれば、今年度の事業執行ということが可能であったのですけれども、こちらの事業執行が今次定例会で予算を認めていただくといったことになった場合は、1月以降の着工となってまいります。それは少し期間的に実施が難しいということで、十分にその時間をとる必要もあって、今回基金として国から内示を受けた額につきましては平成28年度当初予算で整備する予定で考えているところでございます。
13:
◯要望(
畑石委員) わかりました。平成28年度当初予算で示されるということで、制度の仕組みは今の説明でわかったのですけれども、基金の積み立てと予算の執行があべこべになっていくので、非常にわかりづらいというか、議会に対しても事業の全体をもう少し把握できるように、丁寧な説明であるとか資料の提出を要望して終わりたいと思います。
14:
◯質疑(
宮委員) 今の基金に関連して何点かお尋ねします。
今まで積み立てた基金というのは、全体を見通したときに3分の1が県の一般財源ということで理解してよろしいですか。
15:
◯答弁(
医療介護計画課長) そのとおりでございます。
16:
◯質疑(
宮委員) そうすると、もともと国から出ている原資というのは消費増税分を社会保障関連分野に充てるということで制度がスタートしておりますから、言ってみれば新しい事業がふえるというのが本来の基金の性格ではないかと思うのですが、従来の国庫補助事業から移行してきた事業も中にはあるのでしょうか。
17:
◯答弁(
医療介護計画課長) 従来の国庫補助制度から財源を基金のほうに振りかえた事業については存在しております。
18:
◯質疑(
宮委員) そうすると、基金が丸ごと新規の事業に充当されるわけではないという理解で間違いないと思うのですけれども、そこも若干消費税の論議からすると的が外れているのではないかと思います。プロセスについては先ほど
畑石委員が尋ねられたので、わかりましたけれども、県とすれば各種団体から要望をいただいて国と協議し、基金の内示を待つというプロセスなわけです。緊急雇用対策基金みたいな時限的な基金ではないので、事業化に当たっては十分に時間をとると先ほど説明がありましたけれども、そもそも原資が消費税ですから、これから先もずっと続くということになると、県の中でそういう新規事業があれば、いわゆる国庫補助事業の振りかえが今後も起こるのかもわかりません。この基金そのものが昨年の12月補正から始まっておりますから、そういうノウハウとか知見の蓄積をしていく必要があるのだろうと思うのです。そのための体制は実はまだできていないようにお見受けするのですが、体制の整備についての考え方を局長にぜひお聞きしたいと思います。
19:
◯答弁(
健康福祉局長) 今、課長から申し上げましたとおり、この基金についてはいろいろな執行の仕方がございます。この基金を使うに当たっては、地域医療介護総合確保計画と県の計画を立てることになっております。そのプロセスの中でいろいろな団体の意見を聞き、国に提案するということになっております。この計画を事業の執行にあわせてやはり常にPDCAサイクルで改善していくということが重要だと思っております。単に基金のための計画というのではなく、この後、御説明させていただく予定の地域医療構想ですとか地域包括ケア、あるいは医療介護の総合確保、一体的な改革といったものとリンクしてやっていく必要がございます。医療介護の総合確保一体化というのをエンジンとして動かすための有力なものがこの基金であり、それに基づく計画でございます。
したがって、この基金を運営していくということは、お金の運用ということだけではなく、医療と介護を総合的にどう確保していくのか、中期的に見れば2025年、短期的に見れば2018年に医療計画の見直し、それから高齢者プランの見直し、国のほうでは医療診療報酬、介護報酬の同時改定と、この4つが一遍に参ります。中期的にはその辺を見通して、超短期でいえば現在のいろいろな構想を立てているということでございます。その短期、中期、長期にわたってPDCAを回していくということをしっかりやっていく必要があると思っております。基金の話と計画づくりの話は一体でございますので、しかもやはり医療と介護は切り離すことができません。特に、慢性期医療ですとか在宅医療、認知症といったことについては一体的にやっていく必要がありますので、計画の推進と医療計画、それから高齢者プランということで、この4月に医療介護計画課をつくったところでございますが、そこで基金の全体的な管理を行っていく必要があると思っております。その中では計画をつくるに当たって当然人材の確保ですとか医療、介護のそれぞれのソフト事業が必要でございます。さらには国保、それから介護保険といったところの構造にも関係してくるところでございますので、やはり医療と介護が一体になった上で計画を立て、人材を確保し、そしてソフト事業を充実させていくということを、この4月からの改正の中で知見を蓄積させ、より改善し、2018年、2025年に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
20:
◯要望(
宮委員) 受け取る県民の側からすると国保事業であろうが、基金事業であろうが、それは見分けがつかないわけですので、ぜひいいものがアウトプットできるように体制の整備に御尽力いただきたいと思います。
(6) 表決
県第90号議案外14件(一括採決) … 原案可決 … 全会一致
(7) 当局説明(一般所管に係る報告事項の説明)
1) 健康対策課長が報告事項(1)について、別紙資料1により説明した。
2)
医療介護計画課長が報告事項(2)について、別紙資料2により説明した。
3) 地域包括ケア・高齢者支援課長が報告事項(3)について、別紙資料3により説明した。
(8) 一般所管事項に関する
質疑・応答
21:
◯質疑(
鷹廣委員) まず、地域医療構想の集中審議はまた別途あるということなので、確認だけさせていただきたいと思います。今回、病床数が出されておりますけれども、7つの医療圏域ごとの数字が表に出されたのは今回が始めてなのかということと、今回の骨子案でこれが固定されてしまうものなのか。もう一つは、それぞれの医療圏にあります医師会とか市町とか、現場ベースでの議論はされているのか、お伺いいたします。
22:
◯答弁(
医療介護計画課長) まず、県の数字でございますが、お示ししております数字につきましては、これまでも公開の場でございます医療審議会などにおいてお示しさせていただいて、具体的な議論をしていただいています。
もう一つ、こちらは固定されるのかといったお話ですが、これはあくまでも私どもは、暫定推計値といった形でお示しさせていただいているとおり、これから地域医療構想を進め、PDCAを回していく中でさまざまな課題が発生することも考えられます。また現に、国において療養病床のあり方といったこともあわせて検討されているという状況になっております。したがいまして、結論的にはこれで固定するといったものではなく、あくまでも推計値という形でお示しし、こうした医療提供体制があり得るということを地域の皆様方、県民の皆様方と共有したいと考えているところでございます。
3点目の各関係団体等の方々とのコンセンサスといったことでございますが、こちらは、資料2ページの7の構想を実現するための推進体制といったことで、地域医療構想調整会議を設置して進めていく形にさせていただいております。実は、もう既に各圏域において地域医療構想調整会議といったものは設置して進めていただいているところでございます。地域医療構想調整会議には医師会、また、主な病院でございますとか、歯科医師会、薬剤師会、さらには福祉関係団体、社会福祉協議会、市町の担当課といった、二次医療圏における医療と介護、福祉の関係者が一堂に会してこちらの数字についても議論いただいているところでございます。そうした議論の結果、今回の数字がオーソライズされてといいますか、了解のもとで提出させていただいたということでございます。
23:
◯要望・
質疑(
鷹廣委員) 数字は完全に固まったものではないということ、そして今からも議論があると理解しました。やはり数字が出て、新聞報道などされると動きにくい面もあるのではないかと少し気になったのと、地域、現場としっかり議論していただきたいと思っています。
最終的に病院の病床数をどうするかというのは、それぞれの病院の判断であり、上から押しつけるものではないと認識しておりますので、引き続き各関係機関と議論を進めながら原案づくりをしていただきたいと思います。
続いて、もう1点、地域包括ケアシステムの構築について質問させていただきます。
パイロット圏域ということで指定を進められていますが、このパイロット圏域は恐らく先進的な取り組みをされていたり、意欲が高いところが指定されていると思うのですけれども、そのような中でパイロット圏域23圏域のうち5圏域が目標としているところへ到達していないということなのですが、今回このチャート式でチェックすることによって、どこを改善していけばいいのかということなどが明らかになることによって十分達成していける状況になるのか、お伺いします。
24:
◯答弁(地域包括ケア・高齢者支援課長) このたび23圏域のうち5圏域が実際27点以下ということになっております。パイロット圏域につきましては、平成25年度、26年度に、県地域包括ケア推進センターを中心に現地をヒアリングして回る中で、特色ある取り組みを行っている圏域をまずはパイロット圏域として選定し、もう一つの狙いとしまして、そうした先駆的な取り組み、特色ある取り組みを全県下に普及を図りたいということもありまして、そういった圏域を中心にピックアップし、選定してまいりました。そういった中で、今の評価指標を使いまして評価したところ、8項目ございますけれども、若干やはり項目によりまして、中ででこぼこがあったり、特色ある取り組みなどにつきましては点数が高いけれども、ほかの部分で若干の弱さがあるといったところがありまして、トータル的に28点にいっていないということが実際ございました。これらの圏域につきましては、今年度も継続的にフォローを行い、推進センターと県厚生環境事務所などが一体的にフォローしながらレベルアップを図り、今年度にはクリアできるよう目指してまいりたいと考えております。
25:
◯要望(
鷹廣委員) 特色あるところを選定されれば当然でこぼこは出るのだというのはわかりました。ぜひ弱いところを充実できるように進めていただきたいのと、また事例を全県に広めるというのが最終的な目指すところだろうと思うので、付託議案にもありました地域医療介護総合確保基金といったところが
ツールとなると思います。確保基金を見ますとメニュー的にはかなりソフトからハードまで幅広い基金だと見ていますが、積極的にそういった事業も活用しながら進めていただきたいと思います。
26:
◯質疑(
畑石委員) 私も
鷹廣委員の質問された地域包括ケアシステムについて質問させていただきます。
先日、一般質問でも地域包括ケアシステムについて取り上げさせていただきました。モデルケースをつくって横展開してくださいと質問させていただいて、実際にそういうモデルケースをいろいろと調査されているということですが、ここに全部で125日常生活圏域というのがあるのですけれども、これはどういう範囲になるのか、まずそこの圏域の定義を教えてください。
27:
◯答弁(地域包括ケア・高齢者支援課長) 主に中学校区を単位とするぐらいのレベルになろうかと考えております。
28:
◯質疑(
畑石委員) 中学校区なのですね。これはパイロット圏域の評価の中で竹原市であったり、さまざまだったものですから、どういった圏域なのかと思ったのです。基本は中学校区単位ということなのですね。私も県の地域包括ケア推進センターのホームページから、全部ではないのですが、このパイロット事業を幾つか見ました。私の個人的な感想としては、福山市南部1の鞆の取り組みが非常にいいと思いました。それはなぜかというと、まず、居宅介護支援事業所と連携されているということ、それから400mぐらいの範囲をカバーしているという書きぶりになっていたのですけれども、この400mというのが適当かどうかはわからないのですけれども、個人的な見解としては、私が東区の選出なものですから小学校区単位でケアをしていくということが大事なのではないかと考えています。この類型でいくと多分都市型になり、ほかの中山間地域とか島嶼・沿岸部には当てはまらないのかもわからないのですけれども、小学校区単位でカバーしていくのが一番手ごろではないかと思うのです。その理由は、まず居宅介護支援事業所と連携することがなぜ大事かというと、いわゆる特養であったりデイサービスをやっている事業者がこの居宅介護支援事業所を設置されているという理解でいいのだと思うのですけれども、彼らは自分たちのビジネスに直結しますので、地域の介護が必要な方であるとか、デイサービスを利用される方の情報を非常に細かく持っていらっしゃるし、自分たちのビジネスに直結しますので、かなり真剣に取り組んでいらっしゃる。だから、情報量もかなりたくさんある。こういった居宅介護支援事業所や特養などは割と小学校区単位でカバーしているということが一つ。それから社協とか連合町内会が割と小学校区単位で組織されているので、小学校区単位でカバーしていくことが非常に有効なのではないかと個人的に思っています。例えば、中学校区単位で地域包括支援センターが見て、その下に居宅介護支援事業所などを中心に小学校区単位でカバーして、網の目のようにケアしていけば有効なのではないか、そういう意味で、福山市南部1の鞆の取り組みは非常に参考になると思って見させていただきました。
先ほど
鷹廣委員の質問にもあったのですけれども、この文章の中にも平成29年度末までに市町における体制構築の着実な推進を図っていきたい。こういったパイロット事業を各市町に情報を流すことによって横展開をしていくということなのですけれども、書くのは簡単なのですが、実際そういった構築がこういったパイロット事業を示すだけで可能なのかどうか。それから少し意地悪な言い方をすれば、市町任せのようにも読めるのですけれども、今後、県として横展開をしていく上でどのようなサポートをされようとしているのか。そのあたりをお聞かせいただきたいと思います。
29:
◯答弁(地域包括ケア・高齢者支援課長) まず、1点目に委員の御指摘にありましたように、小学校区単位の地域包括支援センターが、地域包括ケアシステムの構築の上で一つの核になるのではないかと私どもも考えております。それとほぼ合致する圏域として今の125圏域、中学校区単位でさせていただいています。先ほどお話がありましたように、中には1市町1圏域ということもございまして、若干ずれがあることは御理解いただきたいと思います。
そういうことがありまして、その地域包括支援センターのほうにいろいろな情報が集まってまいります。それをある程度集約してどういった形でその地域、地区を考えていけばいいのかということは中学校区単位ぐらいが考える一つの単位としてはいいのではないか。ただ、委員御指摘のように、やはりさらに細分化した地域ベースのものが必要な圏域にありましては、地域包括支援センターを中心に地域ケア会議で議論していただくということが、法律の中でもうたわれていてやっていただくわけなのですけれども、そういったところへ集まってくる情報を議論する上で、地域包括支援センター単位ぐらいが一番いいのではないかと考えております。ただ、先ほど申し上げましたように、地域レベルでいろいろな情報が集まってくるというのは、やはり必要というふうにも考えております。
それから、平成29年度への取り組みでございます。国のほうは平成37年を見据えて地域包括ケアシステムを構築していこうということをうたってありますけれども、高齢化が進んでいることもありまして、できるだけ早く取り組みを進めようということで、本県におきましてはそれを前倒しして、県の地域包括ケア推進センターを他県に先駆けて設置し、取り組んでまいりました。その中でまず一つは、市町職員への意識改革にも積極的に取り組んでまいりました。現在のところ、各市町におかれましては地域包括ケアシステムの構築の意図、それから目的といったことをある程度理解いただいて取り組みを進めていただいていると考えております。また、県におきましては、医療・介護連携といった観点で在宅医療の推進拠点の整備でありますとか、在宅医療を推進する推進員の医師の養成、こういったところにも力を入れてまいりました。
県と市町、県推進センター、さらに今年度からは県の保健師も加えまして、一体となって市町の取り組みを支援していくという形で平成29年度末までに取り組みが推進されるようにやっていきたいと考えています。
30: ◯意見・要望(
畑石委員) 今、医療・介護連携というお話も出たのですけれども、全体的にパイロット事業を見ていて医療と介護の連携の部分が少し弱いかなと個人的に感じました。
着実に体制構築を進めていただくことによって、例えば、先ほどの高齢者の方の自殺の話ではないですけれども、健康問題で自殺されるような方が多いという報告もありましたので、私の東区のほうも独自に地域の見守り活動をされているところが結構ありますので、そういったところと連携をとって、より細分化して地域の見守り活動、先ほどおっしゃった地域ケア会議というのは中学校区単位でもいいと思うのですけれども、そういったところで上がってきた情報をもとに、また地域の見守りと連携して自殺者を減らしていくとか、そういった取り組みにぜひ有効なシステムとしてつなげていただければと思いますので、市町との連携も含めて要望して終わりたいと思います。
31:
◯質疑(山下委員) 実は今あった話の中で、最近、安倍総理は新三本の矢というのを出したのですが、今までは施設から在宅へという方向でずっとやっていたのだけれども、今度は施設も在宅もという考え方に変わってきたと思うのです。
今やられている地域包括ケアシステムというのはどの時点のことで進められているのか。新しい考え方ややり方が入ってきたときに、これからまた変えて次の計画をつくっていくのかということなのですけれども、そのあたりはどうなのですか。
32:
◯答弁(地域包括ケア・高齢者支援課長) 私どもが考えております地域包括ケアシステムは先ほど申し上げました、医療、介護、予防とかの5つの要素が一体的に提供されるシステムと考えております。ですから、その中には病院もあり、特養もあり、いろいろなそういった施設系、それから当然在宅での生活ということもございます。そういったフォローを一体的にやっていこうということでございますので、国のほうで言われております介護などの充実といったところ、施設整備といったところもこれに合致すると考えております。
33:
◯質疑(山下委員) 私の言い方が悪かったのかもしれないけれども、当然、施設などの数字も織り込んでつくっていくのだと思うのですけれども、今まではとにかく施設を減らして在宅へというような感じできていたように思うのです。厚生労働省ももう施設はつくらないで、どんどん減らして在宅中心でやっていくというような形できていたと思うのだけれども、ここに来てそのあたりが少しよくなったのかなというイメージがあったものだから、そのあたりはどういうふうに考えられているのか。安倍総理が言ったことに関して、そんなに影響しない、だから地域包括ケアシステムは当然やっていくのだということは、確かにそうだと思うのだけれども、何かその辺の変化があるのか、もう一回数字的なものを考え直さないといけないのかということが聞きたかったのですけれども、そのあたりはどうなのですか。
34:
◯答弁(
医療介護計画課長) 御指摘いただいた点でございますけれども、基本的にはこれまでも、必要な方には必要な施設を、在宅が可能な方については在宅生活が送れる体制整備を整えているところでございます。ただ、今般の地域医療構想でございますけれども、こちらのほうで大きく変化するのは、病床数だけのことを言いますと、これまででしたら病院にまだ入っていらっしゃったような多くの方々が、今後は地域のほうで生活を始めていくといった、地域の住民像が変わってくるだろうというふうに思っています。これはあす変わるというわけではなく、10年かけて変わっていくというような形になってまいります。
今回の地域包括ケアシステムの推進については、現在の高齢者プランを着実に実施するといった過程の中で進めているものでございますけれども、次期の第3期高齢者プラン以降については、そうした社会の変化あるいは高齢者を取り巻く施設、あるいは病院の変化といったものに対応した高齢者プランを策定していく、そのために今回、地域医療構想もつくっていくというふうに考えているところでございます。
35:
◯質疑(山下委員) 大体わかったのですけれども、では、はっきり言って今回出た新三本の矢の中で言っていることについては余り関係ないということですか。第3期ではこれから先の環境によって変えていきます。だから、今回出た話というのは余り気にしなくていいという理解でいいのですか。
36:
◯答弁(
医療介護計画課長) 私どもは基本的な考え方を変えておりません。在宅で暮らし続けることができるのであればそれが一番ですし、そうでなく、施設に入る必要があるといった方については、これまでもきちんと計画的に整備しているところでございますので、その点についての考え方は変えておりません。
37:
◯質疑(佐藤委員) 前回の委員会の最後に保育士の給料が安いという話をしました。保育士不足を解消するには保育士の給料を上げないと絶対に解消できないということを言いましたけれども、実はその後、国がとんでもない方針を決めたということでびっくりしたのです。保育士が不足しているから、学校の先生とか幼稚園の先生も保育士として働ける。要するに保育士の資格を持っていない人も保育士になれるようなことをやろうとしています。これを聞いて、僕の知り合いの保育士たちは何と私たちをばかにしているのだと本当にすごく怒っています。県としてはこの方針をどう思われていますか。
38:
◯答弁(働く女性応援課長) 今、委員からお話のありました件につきましては、厚生労働省におきまして12月4日に保育士等確保対策検討会の中で、そういったことが触れられております。それによりますと、幼稚園教諭につきましては主に3歳から5歳児、小学校教諭につきましては幼保小接続の観点から主に5歳児、そして養護教諭につきましては年齢要件を設けずという、こういったことから幼稚園教諭、小学校教諭を保育士として活用し、保育士以外の職種の人数が配置する保育士の3分の1を超えない範囲ということで保育園に使うことで、保育士等の確保対策をしてはどうかという国の案でございます。
これにつきましては、国のほうの資料を見ますと、この制度を導入した場合に当然保育士の質の問題とかが非常に懸念されますので、保育士養成課程における保育の表現技術とか、そういった研修をいろいろ検討されているというふうには聞いております。県といたしましては、当然乳幼児を健全に育成するという観点からも、保育士の質の確保というのは重要ではあると考えておりますが、まだ現時点で国においても検討段階ということでございますので、今後とも国の検討状況を注視してまいりたいと思います。
39:
◯質疑(佐藤委員) 本当にひどい話だと僕は思います。ただ単にパイを広げたところで、そういう学校の先生も幼稚園の先生ももし保育士で現場に入ったところで、すぐにやめられるというふうにしか思えないですし、もともと保育士の資格を持っている人は幾らでもいるわけだから、やはり国のやり方というのは本当に見当外れの的外れなことだと思います。
ただ、広島県が何かやっているのかといったら何もやっていないのです。ここでほかの都道府県を調べてみると、東京とかが本年度から保育士の給料を月3万円上げているのです。それは国の補助に東京が上乗せして3万円ということらしいのですけれども、もうそれだけで年間にすればかなりの金額になります。これで何が起こるかと言えば、都道府県で保育士の給料の格差が出てくるわけなのです。では、広島県は今どういう状況なのか、わかったら順位的なものも教えてください。
40:
◯答弁(働く女性応援課長) 正確な比較のデータではございませんけれども、平成25年度に県が実施いたしましたアンケート調査によりますと、保育士の正規職員の標準給与というのが30歳の場合15万円から20万円というところが最も多く、続いて20万円から25万円という区分が多いということから、30歳段階ではその辺の数字というのが現在の保育士の年齢の標準的な給与になっていると考えております。単純なデータの比較というのは難しいのですけれども、やはり一般的な正規職員の水準に比べまして少し低いものと認識しております。
41:
◯質疑(佐藤委員) 他県との比較というデータはないのですか。
42:
◯答弁(働く女性応援課長) 済みません。それについてはまだございません。
43:
◯質疑(佐藤委員) 僕が少し調べたら厚生労働省の平成25年賃金構造基本統計調査というのが出てきまして、都道府県の保育士の平均年収ランキングが出ているのです。それを見ると広島県は下から5番目の43位でした。ちなみに平均年収270万円と書いていまして、1位が京都で385.4万円ですから115万円違うわけです。これは本当に広島県として放っておいていいことなのか。要するに多分これを知らなかったからこういう状況が生まれているのだろうと思います。他県と比べて広島県の保育士の給料はどれぐらいなのかと思って調べればすぐわかることなのです。それさえもせず、現状把握されていないということが、今の広島県の問題をあらわしているのではないかと思います。
単純に平均年収だけだと物価の違いもあったりします。東京のほうも3万円上げても、物価が高いからというのもありますけれども、ここにはほかの全職種との比較というのもあって、1位の京都府はほかの職種に比べると81.3%、要するにほかの職種よりは低いのですけれども、8割程度で抑えている。片や広島県は6割なのです。ほかの職業でもらえている給料に比べたら6割程度しかもらえない。さらに、全国で一番高いのが、石川県で89.1%で9割です。要するにほかの職種と遜色ない金額を保育士に払えているという状況で、何が生まれるかと言ったら、広島県で保育士になっても給料が安いというのは、これを見てもわかりますし、そうしたらもうほかの職種に行ってしまうのです。
さらに言えば、これに対して東京のほうは、物価は高いですけれども、それ以外の補助制度として横浜市はかなり前から保育士の家賃の補助というのをやられています。東京の各自治体も同じようなことを始めていて、世田谷区では8万2,000円を上限に家賃の補助をしていく。8万2,000円は本当にかなりの金額だと思うのですけれども、これで何が起こるかといったら、今度は保育士の流出だと僕は思っています。広島県で保育士になりたいという人が勉強して広島で保育士になろうとしたときに、他県の状況を見たら東京のほうに行ったら年収が100万円以上高い、家賃も補助してもらえる。広島県がこんなにひどい状況だと絶対に向こうに働きに行きます。そのあたりはどう思われますか。
44:
◯答弁(働く女性応援課長) 確かに県といたしましても保育士の確保というのは非常に重要な課題であると認識しております。そういった状況なども改めて我々としても市町と連携しながら調べて、今後考えていきたいと思っております。
45:
◯質疑(佐藤委員) 今、認識されていると言われましたけれども、やはりこの状況を放置しているうちは広島県は何も認識していない、やっていないということにしかならないのです。これだけではなく、広島県の各部署が人口の流出のかわりに流入という形で、一生懸命定住、移住という形の政策をやられていますけれども、1回外に出ていった人をニンジンか何かをぶら下げて、来てくださいとやるのではなく、こういう流出を防ぐようなことをやらないといけないのではないか、本会議で辻委員が言われていた子供の医療費の件も、実はそこにかかわってくるのではないかと思うのです。中国地方に引っ越しを考えたときに、子供の医療費が手厚くないから広島県は選ばないということになりかねないですし、広島にいる人が、ほかのところは手厚いから少し移動しようか、引っ越そうかという話にもなるわけです。やはりそのあたりも広島県として
子育てしやすい、子供が育ちやすいというようなことをやっていかないといけないというのは、ここにあらわれているのだろうと思うのですけれども、局長、何か意見があればお願いします。
46:
◯答弁(
健康福祉局長)
子育て支援策はさまざまな方法があるので、一つの方法でなければいけないということはないと思います。ただし、今おっしゃったように、保育士の人材確保、そして給与がやはり他の職種と比べて低いということは、これはおっしゃるように大きな課題でございます。基本的にはそれぞれの保育士の給料というのは保育所との個別の関係でございますが、我々としてもやはりより処遇のよいところに、そして保育の質の高いところに人が集まるというのは確かでございますので、今、保育所の連盟などとも相談して、やはりどこがどういう処遇をしていて、そしてキャリアアップとかについてもどうなのかというのをやはり見える化することが大事だと思っております。先ほど都道府県の比較をされました。それも見える化の非常に重要な方法でございますし、広島県の保育所の中でも処遇がどうなのかというのがわかりやすいかというと、必ずしも今まで余りわかりやすくなかったという課題がございましたので、それを比較できるようにするとか、そしてやはりキャリアアップもどういうふうに考えているのかということ、その両方が必要だと思っておりますので、今後とも保育環境の整備ということをいろいろ検討しながら進めてまいりたいと思います。
47:
◯要望(佐藤委員) 保育所ごとが決める給与ですけれども、他県もそうやってやられているところがあるわけですから、やはりそこは行政がしっかりやっていくべきことですし、広島県も女性の働きやすさ日本一と言っているのだから、僕も何遍も言っていますけれども、保育士の働きやすさ日本一というのをまず目指してやってください。
48:
◯質疑(日下委員) 広島県地域医療構想の骨子案2ページのところなのですけれども、福祉・介護人材の確保・育成とありますが、これは以前つくられた介護人材確保室というのがあったように記憶していますが、それと今回取り組もうとしていることと何か違いがあるのですか。
49:
◯答弁(医療介護人材課長) かつて介護人材確保室というプロジェクトチームがございましたけれども、現在は私どもの医療介護人材課のほうで介護人材の確保の取り組みをやっております。
50:
◯質疑(日下委員) それで、地域の人材確保推進組織の立ち上げ支援というのが県の施策に入っているのですが、この地域の人材確保推進組織というのは、具体的に言うとどういうものなのでしょうか。
51:
◯答弁(医療介護人材課長) 県全体の医療・介護人材を確保する組織というのは、既に平成24年に立ち上げているわけでございますけれども、やはりきょうの課題にも載っていますように、例えば、地域独自の面接をするとか、そういったいろいろな地域ごとに取り組みが必要だということで、本年度から、江田島市、呉市、それと東広島市の3市でございますけれども、地域に密着した人材確保組織、そういった協議会を立ち上げていただいて、先ほど話しました合同面接会とか就業の説明会等を行っていただいているところでございます。
52:
◯質疑(日下委員) わかりました。市町ごとにつくってもらう共通の組織でよろしいですね。
それと3ページに平成37年、10年後に必要な病床数の暫定推計値が出されているのですが、先ほど
鷹廣委員からどのような病院にするかはそれぞれが決めることであるという御意見があったのですけれども、10年後に団塊の世代が75歳になるわけですから、ピークになるところで住民のニーズが必ずこういった形で発生してくるので、そういったいろいろな調査をして、調整して、県民ニーズに合うようにしましょうというのが目的だと思うのです。例えば、広島圏域は広島市も含めて一番大きい圏域なのですが、ここを見ると県の半分の回復期の病床が既にもう足りないという試算になっているのですけれども、今後どういった形の病院、どんなイメージの病院が必要になってくるとお考えですか。
53:
◯答弁(
医療介護計画課長) 御指摘いただいている3ページの表で御説明いたしますと、平成26年度病床機能報告と平成37年必要病床数の比較で成り立っております。今、平成26年度の病床機能報告で例えば、急性期の病床というのは、広島圏域でいきますと5,591床ございます。それを将来の推計をすると4,242床ということになります。したがいまして、差し引き1,349床といった数字が出てまいります。足りなくなってくる回復期は基本的にはリハビリテーションを主にしているといったイメージで見ていただければいいのですけれども、現在もその急性期の中に、実は急性期といいながらも回復期、リハビリテーションをあわせてやっている病院ですとか病床というのがございます。そうしたものは、冒頭申し上げた機能の分化という形で基本的に病棟ごとの機能を分けて、正確に回復期の機能を有している急性期の病院があれば、その急性期の病床については回復期といった形に、これとは逆で特化して限られた医療資源を有効に使っていくといった形で、こちらの足りない機能を充足していくということを目指して取り組んでまいりたいと考えております。
54:
◯要望(日下委員) よくわかりました。そういった両方の機能を置いているところを極力回復期の機能に特化してもらい、そういった誘導をしていくということなのだと思いますが、一番はやはり県民ニーズ、いわゆるお客さんというと変ですが、患者さんがあるということが病院にとっても必要なわけですので、それはしっかり情報提供しながら、県民の皆様にとって一番いい形の病院がふえますように、しっかり取り組んでいただきたいと思います。
もう一つ、資料3で地域包括ケアシステムの大都市型で広島市中区の幟町圏域を調べていただいています。私も中区の地域包括支援センターの皆さんと懇談する機会があるのですけれども、この一番の課題は例えば、大都市圏である中区幟町では、地域住民との連携が非常にとりにくいということなのです。大都市になりますと町内会の加入率も低い、民生児童委員、老人会の会長を含めてやられる方が非常に少なくなっている。また、マンションが多いですから、マンションの中に入ってしまうともう全然わからないというのが、この幟町を初め、中区の課題なのかと思います。住民等を含めた面の連携ができない、十分でないという認識もしておられるのですけれども、現場に行って聞くと本当にそういった住民の方の力をかりにくい環境が大都市にはありますので、これを行政でどういうふうにサポートしたらいいのかというのを、そういった方々と話していて私もいつも思うのですけれども、この辺の知恵を大都市に関しては出していかないと、横展開していくのはなかなか難しいと思います。
また、中区とか東区とか広島市内に何区かありますが、やはり進んでいるところはそこのキーマン、例えば、区の医師会の会長さんが物すごく強力に頑張っているとか、おおむねやはり医師会が中心になって引っ張っているところはうまくいっているケースが多いようです。中区などは基幹病院が2つありまして、非常に医療資源が豊富ということもありまして、医療資源が多いがゆえに住民の方も連携しにくいということもあるようですので、この大都市についてのパイロットを横展開するときには、そうしたことも十分配慮して今後展開していただきたい。これは要望で、よろしくお願いします。
55:
◯質疑(辻委員) 地域医療構想で幾つかの点だけは聞いておきたいと思います。
きょう、説明していただいたように、策定の趣旨と目指す基本理念等についてそこにございますけれども、3ページを見ましても、病床のトータルでいくと暫定推計値ということですが、4,034床が減らされるという計画になって、国保の一元化とか医療費適正化計画も進めながら、県が主導して医療費の削減をしていくという趣旨等もこの構想の中にあると私は見ているのですけれども、その辺の考えはどうでしょうか。
56:
◯答弁(
医療介護計画課長) 先ほども説明させていただきましたけれども、地域医療構想というのは2025年の県民の姿を基準に、そこで必要となる医療機能、あるいは必要な病床数といったものを一定の仮定の中で計算して皆さんにお示しし、そうした時期が来るといったことを、今から医療・介護関係者が協力して準備を進めていくといったものであると考えております。
今回の構想はそうした将来の具体的な数値をもってあらわすことによって、イメージを共有しやすくしていくといったことを目的にしているところでございます。そうした取り組みの結果として医療費の伸びの抑制効果というのがあるかもしれませんけれども、御指摘のような医療費の削減といったことを目的として構想を策定しているものではございません。
57:
◯質疑(辻委員) 医療機能、病床を2025年に向けてどういうふうにしていくかということを策定していくのだというけれども、そもそもこの医療構想を策定していく前段として、国の医療・介護情報の活用による改革の推進に関する専門調査会のほうで、将来2025年にどれだけの病床にするかという一定の案が出されていますよね。あれはどうなっていますか。全国ベースで何万床減らすという計画になっていますか。
58:
◯答弁(
医療介護計画課長) 済みません、ちょっと全国ベースで言いますと……。
59:
◯質疑(辻委員) 要するに、目指すべき姿として国が示してきた病床はそこの中で示されて、全国ベースではこのぐらい減らしますという数です。これをつくる上の前提です。何万床ですか。
60:
◯答弁(
医療介護計画課長) 全国ベースの数字は……。
61:
◯質疑(辻委員) 私から言いましょう。全国の病床数は115万床から119万床に持っていきたい。病床を16万床から20万床ぐらい減らそうというのが前提なのです。病床を減らし、それで医療費を削減していこうという政府の意図がこの中に盛り込まれ、進めていくようにということで、各都道府県で地域医療構想をつくろうというのが大きな意図としてやはりあると私は思っているのです。その中でも特に医療施設の調査もしておりますけれども、慢性期対応の病床が最大でどのくらい、どの程度削減しているかというのはおわかりですか。
62:
◯答弁(
医療介護計画課長) 本県ベースで申し上げますと、幾つかパターンがございました。一番厳しいパターンからそうでないパターンまであるのですけれども、減少の数でいいますと、今回に関しましては合計で4,000床、慢性期につきましては3,600床余りの減少といったことで計算させていただきました。
63:
◯質疑(辻委員) 全国ベースで言うと、慢性期が大体10万床ぐらい削減しようという中で、広島は減らしていこうとするのは4,000床ですか。
64:
◯答弁(
医療介護計画課長) 3,608床です。
65: ◯意見・
質疑(辻委員) やはり3,600床を減らしていくということが前提でつくられている。ここはこの地域医療構想を考えていく上でよく考えていかなければならないところです。地域の病院の意向に沿って、病院の経営や病院の実態から見て、それとも整合しながら病床を定めていくということは言えるのだけれども、初めの大枠のところで全体を減らすという枠を決めて、そのもとでつくられた計算式を県で当てはめていくのだから、トータルした場合に当然減っていくのはもう目に見えています。そういうふうなことで作業を進められているという点では、やはり地域の実情と医療の供給体制のことはしっかりと踏まえてこれをつくっていかないと、この計画は本当に上から押しつけた形になってしまって、実際これが回るのかという懸念も私はありますので、その点は指摘しておきたいと思います。
それから集中審議のときにまた別に言いますけれども、必要病床数の推計ですけれども、これはどういう形で推計するのですか。
66:
◯答弁(
医療介護計画課長) 大きく2つに分かれております。高度急性期、急性期、回復期、この3機能につきましては、平成25年における性・年齢階層別でどのくらいの医療提供があったか、医療資源の投入があったかといったことを算定いたしまして、その性・年齢階層の状況が2025年にはどういうふうになるかという人口推計に基づいて計算した形になっております。これが1点目でございます。
もう1点、慢性期につきましては、少し計算の仕方が違っておりまして、基本的にはそうした医療需要の推計はするのですけれども、現状で言いますと医療資源が1日当たりレセプトの点数でいいますと225点以下というような比較的医療資源の投入が病院でなくても、在宅でもできるのではないかというような方々を、今入院していらっしゃる方も在宅の医療需要として推計する、あるいは医療療養病床の中に医療区分1という比較的医療の必要度が低い、サービス提供量が低いといった区分がございます。そうした方々については、そのうちの70%を在宅医療の医療需要とするといった形で計算されています。
ですから、高度急性期、急性期、回復期につきましては、ある程度平成25年のものを平成37年に単純に伸ばしているのですけれども、回復期については若干そうした政策的な背景というのは確かにございます。