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  1. 広島県議会 2015-12-02
    平成27年12月定例会(第2日) 本文


    取得元: 広島県議会公式サイト
    最終取得日: 2019-08-07
    2015年12月09日:平成27年12月定例会(第2日) 本文 ▼最初のヒット個所へ(全 0 ヒット) 1         午前十時三十分開議 ◯議長(平田修己君) 出席議員五十九名であります。これより会議を開きます。              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 2 ◯議長(平田修己君) 諸般の報告がありますので、書記をして朗読いたさせます。         【書 記 朗 読】                                   平成27年12月7日  広島県議会議長 平 田 修 己 殿                                   広島県教育委員会教育長 下 崎 邦 明           条例案に係る意見について   平成27年12月7日付けで,地方教育行政の組織及び運営に関する法律第55条第4項の規定により意見を求め  られた次の条例案については,適当と考えます。   県第102号議案 広島県教育委員会の事務を市町が処理する特例を定める条例の一部を改正する条例案              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~         自第  一 県第九〇号議案         至第五十四 報第 二五 号 3 ◯議長(平田修己君) これより日程に入ります。日程第一、県第九〇号議案 平成二十七年度広島県一般会計補正予算から日程第五十四、報第二五号 損害賠償額の決定についてまでの各案を一括上程議題といたします。  これより各案に対する質問に入ります。通告者に順次発言を許します。冨永健三君。         【冨永健三君登壇】 4 ◯冨永健三君 皆さん、おはようございます。自由民主党広島県議会議員連盟の冨永健三でございます。今次定例会において質問の機会を与えていただき、議長を初め、先輩、同僚議員各位に感謝を申し上げます。  ことしは、湯崎県政の基本計画であるひろしま未来チャレンジビジョンが策定後五年を経て改定され、県政の新たなステージに踏み出しました。この計画に基づくさまざまな分野別計画の改定作業も順次進んでおり、将来の人口減少や東京への一極集中の加速の懸念、また、グローバル化の進む新局面に対処して、本県の目指す姿の実現に向けた具体的な取り組みが始まっているところでありますが、私は久しぶりの一般質問でありますので、本日は教育の分野に絞って、中でも学びの変革への取り組みを中心にお尋ねしてまいりたいと思います。
     まず、これまでの本県教育の歴史を踏まえた上での、今後の学びの変革の方向性についてお伺いいたします。  思い起こせば、皆さん御承知のように、平成十年五月二十日、広島県教育委員会は当時の文部省から、本県教育が法令等から逸脱している、もしくはそのおそれがあるとして、教育内容関係七項目、学校管理運営関係六項目、計十三項目について是正を図るとともに、その是正状況を報告するよう求められました。  是正の過程で明らかになった当時の実態の一端を申し上げれば、学校の管理運営面においては、職員会議が最高議決機関であるとされて、校長の本来の権限の行使が著しく制約されていました。その結果、破り年休と言われて問題になった例を初め、勤務時間中に組合活動が行われるなど、教員の勤務管理が極めて不適切な状況になっていました。  また、本来校長権限である主任の人選が、事実上職員会議で決められて、経験の浅い新任の教員が主任に選任されたり、主任手当は組合に拠出させるなど、主任制度は形骸化されていました。  また、教育内容面においても、学習指導要領で求められているにもかかわらず、卒業式、入学式での国旗・国歌の実施がなされず、その実施率は、小学校から高等学校まで、ほぼ全国最下位の様相を呈しておりました。道徳の時間が人権と記載されたり、国語の時間割が日本語と表示されている学校も多数ありました。  このように、学習指導要領を逸脱し、同和教育が全ての教育活動の基底にあるとした、いわゆる同和教育基底論などが教育現場に持ち込まれたことによって、教育の中立性が大きく損なわれ、あしき平等主義や行き過ぎた権利主張に基づく教育が行われる事態を生じさせていたのであります。  記憶にある方もあると思いますが、小学校の運動会で徒競走の順位をつけない、極端な場合は手をつないでゴールインさせるといった、今では信じられない情景も日常のことでありました。まさしく、学校の常識は世間の非常識、世間の常識は学校の非常識と言われる状況にあったわけであります。  このような教育の結果として、本県では他県と比較して著しい学力の低下を招き、例えば公立高等学校生徒の学力は、国公立大学センター試験の結果によれば、全国順位で四十五位だと言われるなど、県民の期待とはほど遠いものとなっていました。また、少年の犯罪率は、全国でもワースト一位、二位を争うという状況を呈しておりました。  当時の知事が企業誘致のためのトップセールスに出向いても、先方のトップから必ずと言っていいほど、社員の子弟の教育は大丈夫ですかと懸念されると言われていたのを、今さらながらに思い出します。  こういった厳しい状況は本県議会でも繰り返し問いただされるとともに、国会でも取り上げられ、本県教育の不適正な実態を明らかにしつつ、当時の辰野教育長を初め、歴代の教育長の強いリーダーシップのもと、知事、教育委員会、そして県議会も総力を挙げて、県民総ぐるみで教育改革に取り組んできたのであります。  本県が教育再生に取り組む中、あの世羅高校の石川校長、そして尾道市立高須小学校の慶徳校長、さらには尾道市教育委員会の山岡次長が相次いでみずから命を絶たれるという、取り返しのつかない犠牲があり、そのことは決して忘れてはなりません。こうした犠牲を払う中で、今日まで、教育の中立性と公開性を柱として、県民から信頼される公教育の実現に向けたさまざまな取り組みが行われてきたのであります。  県議会においても、平成十三年十月四日に、十一月一日をひろしま教育の日と定める条例を全会一致で議決し、毎年、この日を含む一週間を、学校へ行こう週間、ひろしま教育ウィークとするなど、多くの県民が参加できる教育関連の多彩な行事が行われるようバックアップしてきました。  県教育委員会におかれても、全国に先駆けて学校評価システムや新たな人事評価制度、さらには学校評議委員制度の導入といった改革のための仕組みづくりを着実に進められ、また、教育の中身づくりについては、「基礎・基本」定着状況調査、共通学力テストにより学校ごとの課題を明らかにして授業改善に生かすなど、本県の教育の充実と発展を図る取り組みを継続されてきました。  このような県を挙げた取り組みの結果、本県の教育水準は、例えば全国学力テストや体力・運動能力テストにおいて、全国でベストテンに入る状況にまで改善してきました。県立高等学校における大学進学実績を見ても、大幅に向上しているところであります。  そして、昨年十二月、広島版「学びの変革」アクション・プランが策定されました。これは、全国に先駆けて、社会のグローバル化に対応した新たな教育モデルを構築しようとするものであり、私といたしましても、大変期待しているところであります。  このアクション・プランに基づいて、今年度からさまざまな具体的取り組みに着手されております。私は、この「学びの変革」アクション・プランの策定は、是正指導以来の本県教育の正常化と改革の歴史がたどり着いた新たな地平であると思っております。これまでの歴史の上に立って、ここから、現在のグローバル社会に生きていく子供たちを、我が県がどのような教育をもって送り出していくのか、まさしく新たな歴史をどのように切り開いていくのかが試される局面に立っていると思うのであります。  そこで、これまでの教育行政の歴史の上に、どのように新たな歴史を築いていこうとされているのか、学びの変革の実現に向けた今後の方向性について教育長の認識と決意をお聞かせいただきたいと思います。  次に、グローバルリーダー育成校についてお伺いいたします。  まず、その意義と必要性についてであります。  グローバルリーダー育成校については、学びの変革を先導的に実践する学校として、昨年七月、広島版「学びの変革」アクション・プランの案の中で初めて、その構想案が示されました。そして、昨年九月の文教委員会における集中審議で、もっと検討を進めていただきたいということになり、以来一年以上にわたって、教育委員会において検討が進められてきたと承知しております。その必要性や構想の具体的な内容についても、ある程度は明らかにされてきたように感じております。  県立高等学校の新設ということになりますと、平成十七年の総合技術高等学校以来、また、普通科の新設という点では、平成十六年の広島高等学校以来ということになります。  御承知のとおり、現在、本県を含め日本全体が急速な少子化に直面しており、このままでは四十五年先には子供たちの数は半数にまで減少することが予測されております。児童生徒の数が減少し、適正規模を維持するために学校数も減らしていかざるを得ない現在の状況にあって、新たな学校を新規に創設するということは、単に一つの学校を設置するということにとどまらない、県として今後の人材育成の方向性について大きなメッセージを発信するものにほかならないと私は考えております。  そこで、まず、これまでも何度か文教委員会において議論が行われているところではありますが、改めて、本県としてグローバルリーダー育成校を創設しようという意義と必要性について教育長の御所見をお伺いいたします。  次は、グローバルリーダー育成校の具体化に向けた海外との連携についてであります。  文教委員会での説明によりますと、グローバルリーダー育成校は、国際社会の持続的な平和と発展を牽引できる人材の育成に向けて、多数の外国人留学生を受け入れ、全寮制中高一貫教育校という環境の中で、国際機関等と連携したプロジェクト学習などを実施する学校とされております。  また、その位置づけとして、新たな日本一・世界一の教育県広島の象徴との表現もあり、国内のみならず、世界に通用する学校をつくろうという教育委員会の意気込みが感じられます。  私は、この構想については大変夢があるものだと思う一方、非常に壮大であるがゆえに、そのような学校が果たして本当に実現できるのだろうかという気持ちも相半ばいたします。この学校をつくるためには、言うまでもなく、教育委員会や県の力だけでは非常に難しく、国や海外も含めたさまざまな主体と連携し、広く知恵と力を結集していくことが重要であります。特に、現在の世界の教育ノウハウを吸収していく上でも、また、外国人留学生を獲得していく上でも、海外の関係機関との連携が極めて大切だと思われます。  そこで、現在、海外の自治体の教育部門や国際機関などとどのような連携を図っているのか、また、今後そのネットワークをどのように強化していく予定なのか、教育長の御所見をお伺いいたします。  続いて、グローバルリーダー育成校の設置場所の考え方についてお伺いいたします。  この学校の教育環境としては、教育委員会からは全寮制の中高一貫教育校であることが説明されています。中学生の段階から親元を離れて学習するということについては、保護者や生徒にとっては、あるいは大きな不安を感じられることもあると思います。  また、この学校は海外からも多くの留学生が集まることとなっており、その点でも国内の他の学校とは異なり、ある意味非常に特殊な学校になると言えます。このような特殊な教育環境を持つ学校を設置する場所としてどのような所がふさわしいのか、さまざまな検討を進められていることと思います。新たな学校を創設し、全寮制で生徒を受け入れるということは、大きく言えば、私生活も含めて生徒の将来を預かるということであり、仮に開校後、この学校が地域から孤立するなど、生徒が孤独感や不安感を抱えながら生活、学習することとなってしまっては、この学校に期待し、将来を預けてくれた生徒や保護者の信頼を裏切るものとなってしまいます。  このため、学校を設置する場所については、ともすれば、学校を開校できるか、生徒が集まるかという視点から論じられがちですが、もちろんそのこと自体も重要なことではありますが、同時に、私は開校後いかにしてこの学校が地域から愛され、生徒たちが充実した学習生活を送れるかという点についても、極めて重要な論点であると考えております。  文教委員会でこの点についてお伺いしたところ、設置場所については未定だが、都市部よりは、むしろ自然豊かな場所のほうがふさわしいと考えているとの答弁がありました。  そこで、現時点においてグローバルリーダー育成校の設置場所に関する具体的な考え方、選定条件などについてどのように認識されているのか、教育長にお伺いいたします。  次に、全県的な学びの変革を実現するための方策についてお伺いいたします。  これまでお伺いしてきたグローバルリーダー育成校については、学びの変革のモデル校として学びの変革を先導的に実践する学校という位置づけがされております。この学校における実践によって得られたノウハウ、成果を国公私立全ての学校で共有することによって、県全体での学びの変革の推進、教育水準の向上を牽引する役割を担うことが期待されているのであります。  申し上げるまでもないことですが、本県が今後も成長・発展を続けていくためには、一部のリーダーのみを育成すればよいということではありません。広島版「学びの変革」アクション・プランにおいては、県内全ての子供たちに学び続ける力を育成することが目標として掲げられておりますが、グローバルリーダー育成校以外の学校に対しても必要な支援が行われなければ、この学校の成果を他の学校へと波及させていくことはできないと思います。  そうなれば、グローバルリーダー育成校においていかにすぐれた教育が行われたとしても、県全体の教育水準の向上にはつながらないのであって、私としては、それではこの学校の創設は失敗であったと、厳しい見方をすればそのように受けとめざるを得なくなるのであります。  したがって、この学校を成功へと導くためにも、他の学校に対する支援が必要であります。とりわけ、定時制・通信制課程に代表される勤労青少年や高等学校の中途退学経験者、中学校時代に不登校の傾向にあった生徒など、さまざまな事情や背景を持った生徒への支援や、専門学校や専門学科に代表されるものづくり県広島を支える人材を育む専門教育の充実、さらには中山間地域や島嶼部などに所在する小規模校への支援などについては、これまで以上に充実していくことが不可欠であると考えます。  そこで、このような児童生徒や学校への支援も含め、全県的な学びの変革を実現していく観点から、今後どのように取り組んでいかれるおつもりか、教育長にお伺いいたします。  次は、教育に関する大綱についてお伺いいたします。  先ほど、私は全県的な学びの変革を実現することの必要性について申し上げましたが、教育はあらゆる施策の基盤であり、これからの社会において一層重要な役割を担うべきものであると考えております。と同時に、あらゆる施策の基盤である以上、教育施策の効果がより有効に発揮されるためには、知事部局が所管する他の分野の施策ともしっかりと連携していくことが不可欠であります。  例えば小規模校については、近年、児童生徒数の減少に伴い、廃校や小中一貫校への統合などによって地域から学校が消えていくという状況が続いてきました。地方創生が叫ばれ、地域の活力をどのようにして持続していくかが問われている今の時代、地域において小規模校の果たす役割は、単に教育上の効果論・効率論だけから論じるべきではないと考えております。  小中学校については、設置者である市町の主体的な判断が尊重されるべきであることは当然でありますが、県教育委員会においても、単に教育上の観点のみから対処するのではなく、知事部局と一緒になって、地域政策の観点も含めて小規模校のあり方を議論し、小規模校が地域でしっかり教育活動をできるような取り組みを模索していくことが求められていると私は思います。  このような折、本年四月に大変大きな地方教育行政制度の改革がありました。いわゆる地方教育行政法の改正により、教育の政治的中立性、継続性・安定性を確保しつつ、地方公共団体の長と教育委員会との連携の強化を図るなどの改革が行われ、具体的には、地方公共団体の長が総合教育会議を設置し、教育委員会と協議して教育の振興に関する施策の大綱を策定することとされたところであります。  本県において、これまで総合教育会議が三回開催され、先月五日に行われた第三回目の会議では、本県の教育に関する大綱の案が示されております。この大綱案では、大綱を貫く主題として、一人一人が生涯にわたって主体的に学び続け、多様な人々と協働して新たな価値を創造する人づくりを掲げ、幼児期から大学、社会人までを見据え、学校、家庭、地域、さらには経済界や産業界も含めたオール広島県による人材育成を進めていくことや、さまざまな分野で地域や広島、日本の成長・発展を担うことのできる人材や世界を舞台に活躍できる人材など、多様で厚みのある人材層を形成していくことが示されております。これらは、これからの社会情勢の変化などを踏まえ、知事と教育委員会がしっかりと議論して作成されていると感じられ、私は全体として評価できるのではないかと感じております。  ただ一点気になるのは、この大綱案に冒頭で振り返りました本県教育の歴史を踏まえた記述が見当たらないことであります。広島県が掲げている日本一の教育県というフレーズも、あの負の歴史から再び立ち上がってきた軌跡を背景として初めて、多くの人々の理解と納得、協力を得られるのではないでしょうか。それなくして、日本一の教育県を目指すと言われても、空疎な響きを感じるような思いになるのは私だけでありましょうか。  この大綱は、今後の本県教育の進むべき方向やあるべき姿を指し示す極めて重要な理念を掲げるものであります。今後、この大綱案については、県民の代表である議会を初め、関係団体等にもしっかりと説明していただき、県民と行政がともに一体となって、これからの本県教育を創造していくことのできるような大綱とされることを期待しております。  また、大綱を取りまとめるだけではなく、大綱に基づいた教育施策が着実に実行されるよう、知事には教育委員会と施策の方向性を共有しながら、リーダーシップを発揮していただきたいと考えております。  そこで、この大綱の策定については、いよいよ大詰めに来ていると思いますが、どのような考えで大綱を策定しようとされているのか、また、大綱案に記載されている一人一人が生涯にわたって主体的に学び続け、多様な人々と協働して新たな価値を創造する人づくりについてどのように実現していこうと考えておられるのか、知事にお伺いいたします。  また、新たな大綱を策定した後には、今後の具体的な教育施策につなげていくための計画が必要になってくるのではないかと考えますが、ことし見直したひろしま未来チャレンジビジョンと、この大綱を踏まえた教育に関する計画の策定についてどのように考えておられるのか、これは教育長にお伺いいたします。  最後に、グローバルリーダー育成校の設置に向けた支援についてお伺いいたします。  グローバルリーダー育成校についてはまだまだ多くの論点があり、それらの点については今後さらに具体的な検討を積み重ねていっていただきたいと思っていますが、やるからには他県に先駆けてすばらしい学校をつくっていただきたいと思います。  今、日本の将来の見通しについて、全体的に閉塞感のようなものが漂っているように感じております。少子・高齢化を初め、不安定な雇用、社会構造の不公平感など、日本の将来に関する暗い予測やデータがあふれております。しかし、これらはあくまでも予測やデータにすぎず、私たちが議論し考えていくべきは、このような将来が訪れたらどうするかということではなく、このような将来が訪れることのないよう、私たちは今どのように行動していくべきかということではないかと私は思います。  是正指導以来、本県の教育は飛躍的に改善し、本県の成長・発展の大きな原動力となってきました。そして、今後本県の将来を切り開いていく上で、教育はこれまで以上に大切な役割を担うことになると思います。子供たちは、未来の担い手であり、希望の種であり、社会全体の宝であります。ぜひ、このグローバルリーダー育成校を突破口として、全国に先んじて県全体の学びの変革を実現し、ここ広島から日本の閉塞感を打ち破っていただきたいと願うものであります。  そこで、最後に知事にお伺いいたします。  このグローバルリーダー育成校の設置に向けては、教育委員会のみならず、県を挙げて取り組んでいくことが必要でありますが、予算編成権及び総合調整権を持つ知事として、今後いつごろの開校を目指し、どのように支援していくおつもりなのか、お伺いいたします。  以上で、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) 5 ◯議長(平田修己君) 当局の答弁を求めます。教育長下崎邦明君。         【教育長下崎邦明君登壇】 6 ◯教育長(下崎邦明君) まず、今後の学びの変革の方向性についてお答え申し上げます。  現在の本県教育は、是正指導以来のさまざまな改革・改善に取り組んできた結果たどり着いたものであり、是正前の状況に戻るようなことは絶対にあってはならないと考えております。  これまでの取り組みにより、知・徳・体のそれぞれの面で着実に成果があらわれているものの、グローバル化が急速に進展する中においては、子供たちに変化の激しい先行き不透明な社会をたくましく生きていくことができる資質・能力を育成する必要があると考え、本年度から学びの変革に取り組んでいるところでございます。  この学びの変革は、基礎・基本の徹底を初めとするこれまでの取り組みを転換するものではなく、生涯にわたって主体的に学び続ける力を全ての子供たちに育成することを目指して、取り組みをさらに充実・発展させていくものでございます。この学びの変革を着実に推進することによりまして、広島で学んでよかったと思える日本一の教育県の実現に向けて全力で取り組んでまいります。  次に、グローバルリーダー育成校の意義と必要性についてでございます。  現在、本県を含め我が国全体が、少子・高齢化、グローバル化を初めとするさまざまな課題に直面しており、今後の社会は、ますます変化が激しく先行き不透明なものとなることが予測されております。このような厳しい状況を乗り越えていくためには、全ての人々の持てる能力・可能性を最大限伸長させていくことが不可欠であり、教育が果たすべき役割は極めて大きいものがあると認識いたしております。  このため、昨年十二月に広島版「学びの変革」アクション・プランを策定し、知識を活用し、協働して新たな価値を生み出せるかを重視し、学び続ける力を育成するための主体的な学びを県内全ての学校で実行することといたしております。  こうした中で、全寮制という環境において多様な価値観を持つ生徒がともに学ぶ全人的な教育や、校内外のさまざまな人々と協働し、答えが一つでない課題の解決に取り組むプロジェクト学習を国際機関と連携して実施するなど、思い切った取り組みを行う学校が必要であり、その実践事例を国公私立の枠を超えて全県で共有してまいりたいと考えております。  このように、この学校は国際社会の持続的な平和と発展を牽引できるリーダーを育成するという役割とともに、学びの変革を先導し、その成果を国立や私立の学校も含めて還元することにより、県全体の教育水準向上を牽引するという役割を担う学校であり、今後全県的な学びの変革を進めていく上で必要不可欠な学校であると考えております。  次に、グローバルリーダー育成校の具体化に向けた海外との連携についてでございます。  県内全体の教育水準を向上させていくためには、海外の関係機関との連携は極めて重要であると考えております。  このため、これまで、オーストラリア・クイーンズランド州、台湾・桃園市、カナダ・ブリティッシュコロンビア州など七つの海外の自治体等と教育交流協定等を締結してきたところでございます。  また、本年度からはOECD広島創生イノベーションスクールを実施しており、世界最大のシンクタンクであるOECDから多大なサポートをいただくとともに、アメリカの教育研究機関であるイーストウエストセンターとも、カリキュラム開発等に係る連携を行っているところでございます。  さらに、本年十一月からは、シアトル、シンガポール、メルボルン、上海など世界の十都市以上が参加する国際教育ネットワークであるアジア・ソサエティーグローバル・シティー教育ネットワークに、日本から唯一参加を求められたところでございます。  グローバルリーダー育成校の実現に向けましては、これらのネットワークを最大限活用していくことが不可欠であり、例えば、この学校のカリキュラム等の開発にも加わっていただくなど、さらなる連携の強化を図ってまいりたいと考えております。  次に、グローバルリーダー育成校の設置場所の考え方についてでございます。  グローバルリーダー育成校の設置場所につきましては、この学校が目指す突き抜けた新たな学びを実現可能かどうか、とりわけ、この学校の特色でありますプロジェクト学習におきまして、どのような地域の資源や課題が活用できるか、地元の自治体等との十分な連携が可能であり、また、学校の設置につきましても、地域からの理解や支援が得られるかどうか、設置するために必要な十分な面積の敷地があるかどうかなどの観点から検討する必要があると考えております。  このような観点から、これまでも未利用の県有地などを中心に検討を行ってまいりましたが、先般、誘致に向けた具体的な御提案もございましたので、今後、こちらも含めてさらに詳細な検討を行ってまいりたいと考えております。  次に、全県的な学びの変革を実現するための方策についてでございます。  本県で取り組んでおります学びの変革は、地域の成長・発展を支える人材や世界を舞台に活躍する人材など、多様で厚みのある人材層を形成することを目指しており、その実現には、グローバルリーダー育成校の設置のみならず、全ての子供たちの学びを支える体制を整えていくことが不可欠であると認識いたしております。  こうした中、さまざまな事情や背景を持った生徒の多様なニーズに対応し、多様な学び方と教育内容を提供するフレキシブルスクールを広島市と共同で整備することとしており、現在、平成三十年の開校に向け鋭意準備を進めているところでございます。  また、地域産業を支える人材の育成に向けましては、複数の専門学科から成る専門高校の新たな設置につきまして検討を進めております。  さらに、中山間地域や島嶼部などに所在する一学年一学級規模の高等学校におきましては、学校活性化地域協議会を設置し活性化策に取り組んでいるところであり、教育委員会といたしましても、学校活性化の取り組みが進められるよう必要な支援を行っているところでございます。  グローバルリーダー育成校は、県全体の教育水準向上を牽引する学校であり、この学校における実践事例は、国公私立の枠を超えて全県で共有することといたしております。この実践事例を踏まえまして、各学校の実情に応じた主体的な学びが展開され、県内の全ての子供たちに学び続ける力を育成することができるよう、引き続き必要な支援に努めてまいりたいと考えております。  次に、教育に関する計画の策定についてでございます。  本県におきましては、ひろしま未来チャレンジビジョンと広島県教育委員会主要施策実施方針に基づき、本県教育の推進に向けたさまざまな取り組みを実施してきたところでございます。今後、知事において策定されます教育に関する大綱につきましては、本県教育の今後の方向性を示すものであることから、この大綱も踏まえ、今後の本県教育を推進していくための中期的な施策や事業の内容等を明らかにしていく必要があると考えております。  こうしたことから、教育委員会といたしましては、ひろしま未来チャレンジビジョンと教育に関する大綱、これを踏まえた広島県教育委員会主要施策実施方針を策定し、これに基づく教育施策を着実に実施していくことによりまして、広島で学んでよかったと思える日本一の教育県を実現してまいりたいと考えております。 7 ◯議長(平田修己君) 知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 8 ◯知事(湯崎英彦君) まず、教育に関する大綱の考え方とその実現についての御質問でございます。  本県がひろしま未来チャレンジビジョンにおいて目指しております、将来にわたって、広島に生まれ、育ち、住み、働いてよかったと心から思える広島県を実現していくためには、全ての基盤である人づくりの中の教育が担う役割が非常に大きいものであると考えております。  こうしたことから、本県教育の今後の方向性を示す非常に重要なものである教育に関する大綱につきまして、本県の将来像を見据え、総合教育会議において教育委員会と十分に議論を重ねながら検討を進めているところでございます。  この大綱の策定に当たりましては、これまでの本県教育の歴史的経緯、現状や課題を踏まえた上で、近年グローバル化や情報化の進展する社会の中において、さまざまな課題が変化、複雑化、高度化し、先を見通すことがますます難しくなってきていることから、幼児期から大学、社会人までを見据え、オール広島県で生涯にわたって主体的に学び続け、多様な人々と協働して新たな価値を創造することのできる人材の育成を目指すこととしております。  また、本県がさらなる成長や持続的な発展を遂げていくためには、広島で生まれ、育ち、住み、学んだ者として、広島への深い愛着や広島で学んだことへの誇り、将来広島に貢献したいという意欲などを持つとともに、自己の能力と可能性を最大限に高め、さまざまな分野で地域や広島、日本の成長・発展を担うことのできる人材や世界を舞台に活躍できる人材など、多様で厚みのある人材層の形成も目指すこととしております。  私といたしましては、今後策定いたします大綱につきまして、学校関係者を初め、県民の皆様の理解をいただき、大綱の目指す姿の実現に向けて教育委員会と関係部局を緊密に連携させ、一丸となって力強く教育施策を推進してまいります。  次に、グローバルリーダー育成校の設置に向けた支援についての御質問でございます。  私といたしましても、このグローバルリーダー育成校には大変期待しているところであり、教育委員会と十分連携しながら、日本一、世界一の学校をここ広島につくりたいと考えております。  開校年度につきましては、できる限り早いことが望ましいと考えておりますが、教育委員会からは、施設の整備や物理的な制約などを踏まえると、最短のスケジュールで平成三十年度開校になるものと聞いているところでございます。  今後、議会とも十分協議させていただきつつ、この平成三十年度を一つの目標として、県が一丸となって検討準備を進めていく必要があると考えており、私といたしましても、学校の設置はもとより、その先にある全県的な学びの変革の実現に向けて、教育委員会の取り組みを最大限支援してまいりたいと考えております。 9 ◯議長(平田修己君) この際、暫時休憩いたします。午後の会議は一時から開きます。
            午前十一時十七分休憩              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~         午後一時一分開議 10 ◯議長(平田修己君) 出席議員五十九名であります。休憩前に引き続き会議を開きます。  引き続いて質問を行います。的場 豊君。         【的場 豊君登壇】 11 ◯的場 豊君 皆さん、こんにちは。ことし四月の県議会議員の改選で福山市選挙区から初当選させていただいた民主県政会の的場 豊でございます。今十二月定例会におきまして一般質問の機会を与えていただきました議長を初め、先輩、同僚議員に心から感謝を申し上げます。  私自身、政治の世界に挑戦することを決意し選挙戦を戦い抜いた中で、県民の政治や県政に対する要望や思いを聞かせていただきました。私は、こうした声を実現させるため、地域発の政策にこだわり続けたいと考えています。  いま一つは、これまで先人の努力により守り続けてきた日本の平和が脅かされていることです。九月十九日、安全保障関連法が、多くの国民の反対の声を無視し強行採決されました。広島の県民が訴え続けてきた核兵器廃絶、平和な社会の実現を踏みにじるものだと憤りを感じています。世界の国と国が戦争ではなく対話を通して、言いかえれば、政治によって課題が解決することを強く望むものです。  それでは、私のこれまでの経験と県議会議員としての七カ月の政治活動からの考えを質問させていただきますので、知事を初め、執行部の明快な答弁をお願いいたします。質問は一問一答方式により行いますので、質問席に移らせていただきます。(質問用演壇に移動)  質問の第一は、先般、九月議会で改定した県の総合計画であるひろしま未来チャレンジビジョンを踏まえた、二〇一六、平成二十八年度予算編成に向けた知事の決意についてであります。  湯崎知事は、将来の広島県の姿を思い描き、国や他県に先んじて少子・高齢化や人口減少対策に取り組むため、二〇一〇年にひろしま未来チャレンジビジョンを十年間の総合計画として策定されました。  しかし、その後の人口減少や少子・高齢化の進展を初めとする厳しい社会経済情勢の変化の影響等により、転出超過や合計特殊出生率の状況など人口減少時代に向けた施策は思うに任せない状況も見受けられます。  本来、人口問題や少子・高齢社会に対する社会保障制度は、国のビジョンとして目標を定め、施策を全国統一で行うべきものであると考えます。現政権は、地方創生を国策の一丁目一番地と位置づけ進めていますが、将来の日本の形づくりに向けた議論のスタートは、中央集権型国家の政治から地方主権に向けてかじを切るものであったはずです。今の状況は、中央集権に逆戻りしていると言わざるを得ません。  このたび、県は、この五年間の成果と課題、出生や社会移動に関する希望調査などをもとに、将来の広島県の目指す姿の実現に向けて県民の皆様と一緒に一歩前へ踏み出すためとして、従来のチャレンジビジョンを発展的に見直されました。  県の考える四つの政策分野における目指す姿を全て網羅したビジョンであり、各分野の個別計画を踏まえたものになっていますが、県民の希望や要求に応える具体的な政策については、その姿形は見えてきておりません。  そこで、今まさに、めり張りのきいた新年度の予算編成に向けて動き出したところであると思いますが、見直したビジョンに基づく初の予算となる、二〇一六、平成二十八年度予算編成に向けての基本的な考え方と意気込みについて知事にお伺いいたします。 12 ◯議長(平田修己君) 知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 13 ◯知事(湯崎英彦君) これまで、平成二十二年度に策定いたしましたひろしま未来チャレンジビジョンに基づき、県民の力とイノベーションで未来をつくるをキーワードに、四つの政策分野でさまざまな取り組みを進めてまいりました。  こうした取り組みにより、企業立地の進展等による雇用創出、新規創業件数の増加、総観光客数の増加を初め、交流人口の拡大、合計特殊出生率が全国平均を大きく上回って推移、中山間地域の未来創造計画の推進などにより、各市町の農業販売額、観光消費額等が増加など、さまざまな成果があらわれてきております。  一方で、今後新たな段階を迎える人口減少問題や東京一極集中の加速化など、本県を取り巻く社会経済環境は大きく変化しております。  こうした変化に対して、何も有効な手だてを講ずることができなければ、安心できる生活やすばらしい故郷を次の世代に引き継ぐことができないとの危機感を抱いており、新たな経済成長に裏打ちされた安心と活力ある社会をしっかり引き継ぐことが私たち現役世代の責務であり、これからの五年間は今後の命運を分ける非常に大きな意味を持つ期間でございます。  こうした認識のもと、これまでの取り組みの成果や見え始めてきた変化の兆しをより確かなものとし、成長への好循環にしっかりとした道筋をつけるため、本年十月チャレンジビジョンを発展的に見直したところでございます。  改定後のチャレンジビジョンでは、イノベーション、ファミリー・フレンドリー、都市と自然の近接ライフを四つの政策分野を貫く視点と位置づけ、「仕事でチャレンジ 暮らしをエンジョイ 活気あふれる広島県の実現」を目指す姿として取り組みを進めることといたしております。  こうした中、平成二十八年度当初予算につきましては、その実行初年度の予算として、まずは、県民の皆様にこれまでの取り組みによりあらわれてきた成果や変化の兆しを実感していただき、新たに掲げた目指す姿に共感していただくため、県内外への積極的な情報発信や県民の皆様とのコミュニケーションを図るなど、県民一人一人の希望と目指す姿を重ね合わせるきっかけづくりを意識して施策を展開してまいりたいと考えております。  主な重点施策といたしましては、新たな経済成長では、創業の活発化や多様な投資誘致の促進、観光振興、人づくりでは、少子化対策や女性の活躍促進のほか、新たに取り組む働き方改革、安心な暮らしづくりでは、医療・介護供給体制の整備、豊かな地域づくりでは、中山間地域の地域力強化や「瀬戸内 海の道構想」の推進などに取り組んでまいりたいと考えております。  こうした取り組みを通じて着実に成果を積み重ね、最終的には一人一人が仕事も暮らしも欲張りなライフスタイルの実践者となっていただけるよう、県民の皆様とともに目指す姿の実現に向けて全力で取り組んでまいる所存でございます。 14 ◯議長(平田修己君) 的場 豊君。 15 ◯的場 豊君 今、知事の決意をお伺いしました。ビジョンが示す指標をクリアするためには、刻々と変化する社会状況に対応することはもとより、現在四半期ごとに政策効果の達成度を検証していますが、今後は、計画年度中であっても勇気を持って見直しを行い、柔軟で効果的な施策を実行することが望まれます。  また、県と市町が将来の課題を共有し、同じ方向を見据え、政策を遂行することが必要であり、そして何より、県民の皆様の理解と協力、参画が必要でありますので、その点しっかり取り組んでいただくことを強く要望しておきます。  質問の第二は、人口減少社会を見据えた県と市町の形づくりについて、三点お伺いいたします。  一点目は、連携中枢都市圏構想についてであります。  今後、日本全体で人口減少が加速するとともに社会移動により都市に人口が集中し、急速に高齢化が進行すれば、地方では住民が快適で安心して暮らしていくための基盤が失われるとともに、地方自治体が行政サービスを持続的に提供できなくなってしまうことが懸念されています。  昨年五月、地方自治法が改正され、地方圏において、集約とネットワーク化の考え方に基づき、相当の規模と中核性を備える圏域の中心都市が近隣の市町と連携して、人口減少に対する、いわば地方が踏みとどまるための拠点を形成することを目的とした新たな広域連携制度が創設されました。  本県においては、この制度を活用した連携中枢都市圏ビジョンが、備後圏域についてはことし二月に策定、また、広島圏域については今年度中の策定を目指した作業が進められており、現在二圏域においてさまざまな具体的政策の協議が行われています。  そこで、これら二つの連携中枢都市圏構想は、ひろしま未来チャレンジビジョンの目指す姿の実現にも大きくかかわり、人口減少社会の到来を踏まえた地域主権における先駆的なモデルケースとなると思われますが、この二圏域の取り組みについて、県はどのように受けとめ、今後どのように支援しようと考えているのか、知事にお伺いします。 16 ◯議長(平田修己君) 知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 17 ◯知事(湯崎英彦君) 本県における東西の拠点となる広島市と福山市につきましては、県内のほとんどの市町が人口減少となる中でも、これまで人口が増加しており、東京一極集中が進む中においても地方における拠点機能を発揮しているものと認識しております。  こうした中で、広島市と福山市が中心となって連携中枢都市圏を形成し、都市機能の高度化や圏域全体の経済成長を図るとともに、近隣市町と連携した行政サービスの向上や地域振興に係る取り組みを進めることは、圏域全体の発展はもとより、県全体の発展にとっても有意義であると考えております。  このため、県といたしましては、両圏域で実施される施策との役割分担や連携を図るため、連携中枢都市圏構想の検討段階から関係市町等で構成された検討会議へ参加するほか、広島市や福山市と政策協議などを行う合同研究会において必要な助言や調整を行ってきたところでございます。  引き続き、広域自治体としての県の施策と両圏域において実施される施策が相乗効果を発揮できるよう両圏域の取り組みに積極的に関与し、県全体のさらなる発展を図ってまいりたいと考えております。 18 ◯議長(平田修己君) 的場 豊君。 19 ◯的場 豊君 二点目は、備後圏域における連携中枢都市圏の取り組みについてであります。  福山市を連携中枢都市として広島県と岡山県の自治体六市二町で構成された備後圏域においては、地域経済の活性化を初め、都市機能や住民サービスについて自治体間で連携、役割分担して取り組むこととし、各地域の独自性を生かす中で将来にわたって圏域全体が発展できるよう、圏域の目指すべき姿を示す成長戦略として産学金官民が連携してびんご圏域ビジョンを策定しました。  また、福山市と圏域の各市町との間では、おのおのの自治体の特性を生かしながらともに補い合うために、びんご圏域ビジョンに基づき、経済成長や都市機能の集積強化、生活関連サービスの向上の分野の取り組みの内容について連携協約が締結されております。  そこで、福山市と笠岡市、井原市といった県をまたぐ施策展開や事業実施について県はどのようにかかわり、広島・岡山両県間の調整はどのように行われるのか、お伺いいたします。また、びんご圏域ビジョンに基づき地域が取り組む新たな施策に対する県の予算措置についてどのように考えているのか、地域政策局長にお伺いします。 20 ◯議長(平田修己君) 地域政策局長竹中正博君。         【地域政策局長竹中正博君登壇】 21 ◯地域政策局長(竹中正博君) 福山市を連携中枢都市とする備後圏域では、岡山県笠岡市や井原市を含めた圏域全体において、びんご圏域ビジョンに基づき、本年度から圏域全体の産業振興の仕組みづくりに向けた産業連関表の作成などに取り組むとともに、引き続きビジョンの実現に向けた具体的な施策を検討されているところでございます。  県といたしましては、備後圏域の各施策が具体化される過程において、産業振興や医療など県が行う施策と方向性を合わせながら役割分担や連携を図る必要があると考えております。  このため、関係市町等で構成されたびんご圏域活性化戦略会議に、本県と岡山県の担当部局も参加して情報共有を図っているところでございまして、今後県境をまたぐ施策の調整が必要となった場合には、この会議の場などを活用して、岡山県と緊密に連携してまいりたいと考えております。  また、連携中枢都市圏制度においては、この制度に基づく積極的な取り組みを促す観点から、国において連携中枢都市及び連携市町の取り組みに対して、普通交付税や特別交付税により必要な財政措置が講じられております。  この点を勘案し、県といたしましては、備後圏域において実施される施策に対し、必要な助言や調整を行うことなどにより連携中枢都市圏の取り組みを後押ししてまいりたいと考えております。 22 ◯議長(平田修己君) 的場 豊君。 23 ◯的場 豊君 三点目は、中山間地域、島嶼対策についてであります。  中山間地域は、豊かで多様な自然環境に恵まれた山間部や島嶼部等から成り、県土の保全、水源の涵養等の多面的かつ公益的機能を有し、また、中山間地域の自然や景観、独自の文化や歴史等は広く県民に潤いや季節感を与え、豊かで安全な暮らしを支える源となっております。  県では一昨年、豊かで持続可能な中山間地域を実現することを目的として、広島県中山間地域振興条例が制定されました。  加えて今年度、県ではひろしま未来チャレンジビジョンを見直し、目指す姿の実現に向けた視点の一つとして、都市と自然の近接ライフがうたわれていますが、その記載内容は、都市及び周辺の都市圏にとってのメリットを中心に考えられているのではないかと私は感じております。  そこで、都市と自然の近接ライフのメリットを都市圏の視点から考えるのではなく、昨年広島県中山間地域振興計画が策定されたことを踏まえ、自然豊かな中山間地域や島嶼部の持つ地域特性を生かした振興策に取り組み、そこに暮らす方々の視線から見た都市との近接ライフのメリットを享受できる必要があると考えますが、県はどのように認識し、どのような施策を展開されようとしているのか、地域政策局長にお伺いします。 24 ◯議長(平田修己君) 地域政策局長竹中正博君。 25 ◯地域政策局長(竹中正博君) 本県は、中山間地域と広島市や福山市といった都市部が近いことから、海や山などの豊かな自然と充実した都市機能の双方の魅力を日常的に楽しむことができるといった他県にはない都市と自然の近接性という特性がございます。  これは、都市部に住んでおられる方だけではなく、中山間地域に住んでおられる方にとっても、豊かな自然や農産物に恵まれた生活を営みながら、短時間の移動でスポーツ観戦やショッピングなどの都市的サービスを楽しむことができる充実した暮らし方の魅力であると認識しております。  こうした自然と都市の両方のよさをスマートに楽しむ生活スタイルが実現できることは本県の大きな強みであり、中山間地域における定住促進についても、この点を強くアピールしながら取り組みを進めているところでございます。  中山間地域の振興に当たりましては、さらに都市との近接性という立地特性からくる都市住民のニーズも取り込みながら、地域の特色を生かした観光振興や歴史や風土に培われてきた伝統文化の振興、農林水産物の高付加価値化など、里山や里海に象徴される地域ならではの多彩な資源を生かした施策を展開してまいりたいと考えております。 26 ◯議長(平田修己君) 的場 豊君。 27 ◯的場 豊君 例えば、先ほどもありましたが備後地域で見れば、福山市沿岸の島嶼部から都市圏、そして神石高原町山間部まで一体の経済圏、生活圏として機能していますので、常に双方向でメリットが感じられるよう施策を推進していただくことを強く要望しておきます。  質問の第三は、子供を産み育てるための環境整備についてお伺いいたします。  現在の人口減少社会の到来や少子化を招いている原因の一つは、これから就職して結婚、出産、子育てと将来のライフプランを思い描く若い世代の方々が感じている不透明な社会情勢を背景にした子供を産み育てることに対する不安感がその要因になっているのではないかと考えます。  今こそ、社会経済の富は未来の日本への投資として、少子化対策、子育て支援、教育環境の整備に重点的に再配分されなくてはなりません。選挙期間中に、四人の子供を育てている保護者の方から、「多子世帯への支援制度は不十分で、多くの子供を産み育てるには厳しい世の中です、将来がすごく不安です。」と言われました。日本の将来を背負って立つ子供を育てることが不安な社会に未来はありません。就職、結婚、そして子供を産み育て、幸せな家庭を築く、そうした県民がごく自然に思い描く夢と希望がかなえられれば、広島県の未来は明るいものになると考えます。  そのためには、子供を産み育てる環境を整備し、子供や家庭に関し、縦割りではなく、ライフステージに沿ったトータルサポートを行っていく必要があると私は考えます。  そこで、ひろしま未来チャレンジビジョンの少子化対策に掲げる、妊娠期から子育て期にわたる総合的相談や支援をワンストップで行う地域の情報がネットワーク化された拠点とは一体どのようなもので、どのように整備するお考えなのでしょうか、健康福祉局長にお伺いします。 28 ◯議長(平田修己君) 健康福祉局長笠松淳也君。         【健康福祉局長笠松淳也君登壇】 29 ◯健康福祉局長(笠松淳也君) お尋ねの拠点につきましては、市町において、母子保健や児童福祉などの総合相談支援窓口を設置し、その窓口が拠点となって、産科や小児科の医療機関や保健所、児童相談所などの関係機関と連携しながら、妊娠、出産、子育ての各ステージにわたって切れ目なく支援を行うものでございます。  本県では、今年度、拠点となる子育て世代包括支援センターが二市一町、十カ所で設置され、県はその運営に対する財政的な支援を行うこととしておりますが、他の市町においてもセンターの整備が進むよう、順次働きかけを行っております。  また、医療や母子保健の有識者、県、市町、保健所の関係者で構成する産後早期ケア支援事業連絡会議を設置して、市町における妊娠期から子育て期までの支援体制のあり方や保健所圏域におけるネットワークの構築などについて検討しているところでございます。  今後とも、こうした取り組みを進めまして、地域の実情に即した拠点が県内全域に整備され、安心して子供を産み育てられる環境づくりが推進されるよう、市町への助言・支援や関係団体との連携強化に努めてまいりたいと考えております。 30 ◯議長(平田修己君) 的場 豊君。 31 ◯的場 豊君 先ほど答弁にありましたように、やはり地域の実態をしっかり把握していただくことが大切だと思います。特に、人口減少時代を迎えた少子化対策は、親の就労状況や収入などに関係なく、子供を産んでも安心して育てられる環境整備が必要であると考えます。そして、何よりも市町の協力なくしてはなし得ないことだと考えております。多子世帯への支援や不妊治療の支援、ひとり親対策など子供を安心して産み育てられる制度やトータルサポート体制を整備し、これから出産、子育てをする若い世代に、子育てや教育をするには広島県がナンバーワンと言われるよう取り組んでいただくことを強く要望いたします。  質問の第四は、本県ものづくり産業への支援について、二点お伺いいたします。  一点目は、本県ものづくり産業の現状についてであります。  安倍政権が誕生して以来、アベノミクスと称し、大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略の三本の矢を柱とする経済政策を掲げました。  また、トリクルダウン理論により、大企業がもうかれば中小企業にもその恩恵が届き、多くの国民にその利益が及ぶとのことでありましたが、本当にそうでしょうか。地域の現場の状況とは余りにもかけ離れているのではないかというのが、特に地方の中小企業の実感ではないかと思います。  以前、私は福山のものづくり産業の一つ、金属の加工工場を数社訪問し、経営者の方から話を聞かせてもらう機会がありました。高性能のネジやさまざまな金属加工品をつくる高い技術を持つオンリーワンの会社です。そこでは、かつては大手商社等からの規格品などの製造委託等、大量な受注が来ていましたが、今はそういう仕事は少なくなり、専ら特殊加工が必要な少量の規格外品の製造を請け負う仕事、または商社が海外に発注したものが日本に戻り、取引先へ納品される前の不良品チェックや修正加工を行うという仕事を受けているそうであります。  さらには、原材料費は上がっても納入単価は据え置かれ、コスト低減圧力も相当高く、どれだけつくってももうけは少ないそうであります。  また、従業員は皆高齢化し、従業員を募集しても来てくれず、中国や東南アジアからの技能実習生で何とか業務を補っている状況であり、技術の継承はおろか、経営の継続すらも困難な状況だとのお話でありました。  今紹介した会社は私が見た一例ではありますが、ものづくり県と言われる広島県の実態は、多くの中小企業においては、技術の継承や事業の継続に関して危機的状況に追い込まれているのではないでしょうか。  そこで、本県ものづくり産業の基礎を支える中小企業を取り巻く経営環境について県はどのように把握・分析し、その結果を踏まえ、どのような対策が必要とお考えなのか、知事にお伺いします。 32 ◯議長(平田修己君) 知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 33 ◯知事(湯崎英彦君) 本県の中小企業は、事業所数や従業員数において大きなウエートを占めており、新技術・新製品の開発やノウハウによって新分野に展開する企業も数多く、本県経済の活性化、成長に大きな役割を担っております。  こうした中、中小企業を取り巻く経営環境につきましては、自動車部品などの輸出型企業を中心として緩やかに回復している状況が見られる一方で、円安による原材料価格の高騰や人手不足による人件費負担の増加等で収益悪化に苦慮している企業が数多く存在している状況もございます。  また、県が中小企業を対象に定期的に実施しております経営環境に関する直近十一月の調査結果を見ますと、現在の景況感につきましては、悪いとやや悪いと回答した企業が三五・三%と、よい、ややよいと回答した企業を八・三ポイント上回るとともに、今後の経営見通しにつきましても、悪化と回答した企業が一三・七%と、好転と回答した企業を六・四ポイント上回るなど、全体としては依然として厳しい状況にあると認識いたしております。  こうした中、人口減少に伴う国内市場の縮小やグローバル化が今後一層進む中で、県内の中小企業が持続的に発展していくためには、イノベーションを通じて付加価値の高い商品やサービスを生み出し、新たな市場を創出していくことが必要でございます。  こうした課題に対応していくため、イノベーションの原動力となります多彩な産業人材やものづくり現場を支える優秀な技能人材等の育成・確保、さらには研究開発力、新事業展開のための資金確保などの経営資源の強化が重要であると考えております。  このため、ものづくりを中心とした研究試作品開発等に対する支援、全国トップレベルの専門家チームによる新商品開発や販路拡大等への集中支援、イノベーションの創出やグローバル化に対応した人材の育成・確保、経験豊かなプロフェッショナル人材を必要とする中小企業の人材確保支援、高等技術専門校等における中小企業が求める技能者の育成、中小企業の技術力や経営力に対する評価書などの発行による金融機関からの円滑な資金調達の支援などに取り組んでいるところでございます。  今後とも、時期を逃さず、中小企業等を取り巻く環境の実態把握を行いますとともに、ニーズなども踏まえながら、こうした取り組みをさらに推進することによって本県ものづくり産業の基礎を支える中小企業の支援に積極的に取り組んでまいります。 34 ◯議長(平田修己君) 的場 豊君。
    35 ◯的場 豊君 二点目は、中小企業における人材不足解消への取り組みについてであります。  やはり、私は、本県ものづくり産業の基礎を支える中小企業、いわゆる町工場の持続なくして本県の経済成長は実現できないと考えます。将来の労働人口の減少の課題もこれからは大きくのしかかってきます。  そのためには、各企業を支える人材の確保が必要ですが、中小企業が求人を出してもなかなか応募が来ないのが実態で、企業側と就職希望者の間で何らかのミスマッチが生じていると考えております。  そこで、こうした人材不足の実態を踏まえ、これまでの雇用確保対策についてどのような成果を上げておられ、一方、どのような課題があると認識しておられるのでしょうか、また、県内中小企業と就職希望者とのマッチングの機会を多く提供する必要があると考えますが、県の認識について商工労働局長にお伺いいたします。 36 ◯議長(平田修己君) 商工労働局長寄谷純治君。         【商工労働局長寄谷純治君登壇】 37 ◯商工労働局長(寄谷純治君) 県内中小企業は、本県ものづくり産業の維持・発展に大きな役割を担っておりますが、中小企業における人手不足感は強まっており、人材確保は重要な課題であると認識いたしております。  このため、これまで求職者と県内中小企業のマッチングを目指し、ハローワークと連携した合同企業面接会、ひろしましごと館における就業支援、高等技術専門校等における技能者の育成などに取り組んできたところでございまして、過去五年間に県内中小企業などにおける一万三千人余りの正規雇用に結びついている状況でございます。  また、県内中小企業の魅力を知っていただき、就職に結びつける観点から、県内大学、経済団体等と広島県インターンシップ促進協議会を設立いたしまして、就職活動前の学生に対しインターンシップを実施するなどの取り組みを行っているところでございます。  一方で、最近の景気回復等もございまして、大手企業の積極採用が進む中、中小企業に目が向きにくいといった傾向が強くなっている状況もございます。  こうしたことから、インターンシップの受け入れ先として県内中小企業を積極的に開拓することや大学を通じた働きかけによりまして参加学生をふやすなどインターンシップの拡大を図りますとともに、ハローワークと連携いたしまして、中小企業が求めるスキルが不足する求職者を高等技術専門校等へ積極的に誘導し育成することで、中小企業の人材確保に向けて取り組んでいるところでございます。  さらに、今年度新たに県内中小企業の魅力を知っていただくため、県内高校生を対象といたしましたものづくり企業経営者による講演会の開催、合同企業面接会におきまして参加者を率いて企業ブースを案内するツアーの実施、大学における企業の出前講座の開催支援などの取り組みを行っているところでございます。  今後とも、こうした取り組みを通じましてマッチング機会の提供をふやしますとともに、県内中小企業の認知度を高め、魅力を伝えるための取り組みを実施することにより、県内中小企業の人手不足解消に努めてまいりたいと考えております。 38 ◯議長(平田修己君) 的場 豊君。 39 ◯的場 豊君 安倍総理が掲げる目標、GDP六百兆円の達成以前に、国の成長を支え続けてきた地域、広島県のものづくりの現場が既に足元から崩壊し始めています。高度な技術、オンリーワンの技術は消えてしまってからでは取り返しがつきません。  本県のものづくり技術のレベル維持・向上のためにも、ぜひとも雇用のマッチング対策に取り組んでいただきますよう要望いたします。  質問の第五は、公契約条例の検討状況等についてお伺いしますので、会計管理者(兼)会計管理部長は答弁待機席へお願いいたします。 40 ◯議長(平田修己君) 会計管理者(兼)会計管理部長、答弁待機席へお願いします。 41 ◯的場 豊君(続) 二〇〇五年、公共工事において建設労働者の適正な賃金が確保されるよう公契約法の制定を検討することなどについて意見書を採択して以降、多くの先輩議員の先生方が公契約に関する質問を重ねてこられたことは御承知のとおりであります。  最近では、我が会派に所属しておられた先輩の渡壁前議員が、ことし三月の予算特別委員会で公契約制度の導入について質問し、知事からは来年度は一部の契約を抽出した労務費などの調査の試行的な実施や、公契約条例の制定については、既に条例を制定している他県の運用状況やその実効性等の情報収集に努め、本県の対応について引き続き検討するとの答弁をいただいたところであります。  そこで、抽出調査の結果をどのように受けとめているのでしょうか、また、公契約条例について、他県からの情報収集を踏まえ、現在どのように検討されているのでしょうか、会計管理者(兼)会計管理部長にお伺いいたします。 42 ◯議長(平田修己君) 会計管理者(兼)会計管理部長天野清彦君。         【会計管理者(兼)会計管理部長天野清彦君登壇】 43 ◯会計管理者(兼)会計管理部長(天野清彦君) 抽出調査につきましては、県の業務委託契約の中から、人件費比率が高い業務で落札率が七〇%未満のものなど一定の条件で抽出した百件余りの契約を対象に労務費等の実態調査を実施いたしました。  その結果、最低賃金を下回るなどの法令違反の状況は確認できなかったものの、対象契約の従事者のうち約一四%が最低賃金と同額であったこと、社会保険につきましては、法令解釈の誤りにより、一事業者の一部従業員が未加入の状況となっていたことなどが明らかになりました。また、任意調査であったため、全ての契約について回答を得ることができなかったことも課題と考えております。  こうしたことから、県の業務委託契約について労働関係法令等の遵守を確実なものとするため、その確認に必要な協力義務の規定を契約書に盛り込むことといたします。  また、一定の基準で抽出した契約につきましては、受託者から法令遵守義務に係る状況報告を求めるとともに、より詳細な確認が必要となる契約につきましては、さらに効果的な確認方法を検討してまいります。  これらの取り組みを来年度から試行的に実施するとともに、その検証とさらなる改善を図ることにより、法令で定められた労働条件の確保等を着実に進めてまいります。  また、公契約条例につきましては、長野県など四県が制定していることを確認しておりますが、多くの県で運用を開始したばかりであり、現時点では運用状況等の検証ができていない状況でありましたことから、引き続き丁寧な情報収集に努めながら本県の対応について検討してまいります。  今後とも、適正な労働環境の整備に向けて、契約制度について不断の見直しを行ってまいります。 44 ◯議長(平田修己君) 的場 豊君。 45 ◯的場 豊君 労働環境の悪化等が叫ばれていますので、ぜひ県としてもそうしたところの調査をしていただくことと、やはり公契約条例の制定に向けて検討を進めていただきたいと思います。  質問の第六は、教育問題について、二点お伺いします。教育長は答弁待機席へお願いします。 46 ◯議長(平田修己君) 教育長、答弁待機席へお願いします。 47 ◯的場 豊君(続) 一点目は、所得格差と教育を受ける権利についてであります。  近年、親の所得格差が子供の権利を脅かす社会状況にあると言われています。たび重なる労働環境の規制緩和により労働者の非正規化が進み、その割合が全労働者の四割に達するなど格差社会が拡大し続けており、そうした親の所得格差は、子供の生活環境、特に教育に重い影を落としています。  二〇一三年、厚生労働省が実施した国民生活基礎調査によると、子供の相対的貧困率は一九九〇年代半ばごろからおおむね上昇傾向にあり、二〇一二年には一六・三%で過去最悪となっています。貧困ラインとは、平均的な世帯収入の半分である年収百二十二万円以下とされており、こうした世帯の子供たちが六人に一人の割合で、全国では三百万人に達するとの調査結果が出されています。  また、中でも深刻なのは母子家庭などのひとり親世帯の子供で、貧困率は五四・六%で実に二人に一人以上の子供が貧困状態という恐ろしい数字が示されています。子供は未来の宝であり、子供の貧困を放置し課題を解決しないまま、そして教育費に富の再配分が行われない状態は必ず将来に禍根を残すことになると危惧しています。  そこで、親の所得格差が子供の権利、すなわち憲法第二十六条で保障されている教育を受ける権利を阻害している状況についてどのように受けとめているのか、教育長にお伺いいたします。 48 ◯議長(平田修己君) 教育長下崎邦明君。         【教育長下崎邦明君登壇】 49 ◯教育長(下崎邦明君) 次代を担う子供たちが、生まれ育った環境によって左右されることなく健やかに育ち、夢や希望、高い倫理観や豊かな人間性を持ち、意欲にあふれた自立した人間へと成長することは県民全ての願いであり、経済的理由により教育を受ける権利が阻害されることがあってはならないと考えております。  そのため、小中学校におきましては、市町教育委員会において経済的理由で就学することが困難な児童や生徒の保護者に対して必要な援助を行うとともに、高等学校におきましては、就学支援金の支給や奨学金の貸し付けなどにより教育費の負担軽減を行っているところでございます。  また、小中学校の「基礎・基本」定着状況調査の結果を踏まえ、児童生徒一人一人の実態に応じたきめ細かな指導を通して、基礎・基本の定着を図る取り組みを徹底するとともに、家庭教育支援アドバイザーやスクールソーシャルワーカーを配置し、こども家庭センターなどの関係機関と連携して基本的な生活習慣や家庭における学習習慣の定着を図る取り組みを行っております。高等学校におきましても、共通学力テストを実施し、その結果を踏まえて基礎・基本の定着を図るとともに、一層の授業改善を行い、生徒が主体的に進路を選択し実現できるよう取り組んでおります。  さらに、経済的な理由などさまざまな事情や背景を持った生徒に対しては、多様な学びを提供する新しいタイプの高等学校であるフレキシブルスクールを整備することにより、教育を受ける機会の拡充を図ってまいります。  今後とも、経済的理由により子供たちの教育を受ける権利が阻害されることがないよう努めてまいりたいと考えております。 50 ◯議長(平田修己君) 的場 豊君。 51 ◯的場 豊君 二点目は、子供のスポーツと芸術への支援についてであります。  子供のスポーツや芸術の分野についても経済格差の影響を受けやすいと言われております。そこで、スポーツや芸術の分野においてすぐれた資質や秀でた能力があっても、親の経済力によって進学を諦め、せっかくの能力や個性を伸ばすための指導が受けられず、適切な進路を選択できない子供に対する支援についてどのように考えているのか、教育長にお伺いいたします。 52 ◯議長(平田修己君) 教育長下崎邦明君。 53 ◯教育長(下崎邦明君) 子供のさまざまな能力や個性を伸ばすことは教育における重要な役割であり、保護者の経済力などに左右されることがないようにすることが大切であると考えております。  このため、スポーツの分野におきましては、県立高等学校の運動部活動において、教職員に加え、外部指導者を活用し生徒の指導を行うとともに、体育科や競技力拠点校におきましては、優秀な指導者を配置し、より専門的な指導を行っております。さらに、平成二十八年度からは、新たにスポーツ実績のある者を対象とした特別選考により優秀な指導者を採用し、指導体制の強化を図ることとしております。  芸術の分野におきましては、総合学科に芸術科目を中心として選択する系列を設けたり、熊野高等学校に芸術類型を設置し、優秀な指導者のもと、より専門的な指導を行っております。  また、文化部活動におきましても、専門的知識・技能を持った外部指導者を招聘し、生徒の資質や能力を高める指導を行っております。  こうした学校活動を通して生徒のスポーツや芸術分野の能力や個性を伸ばすとともに、生徒や保護者に就学支援金や奨学金などの支援制度を周知し、生徒が幅広く進路が選択できるよう指導してまいりたいと考えております。 54 ◯議長(平田修己君) 的場 豊君。 55 ◯的場 豊君 子供の貧困の負の連鎖を断ち切るために、国の子供の貧困調査とあわせ、県としてもぜひとも子供の貧困の生活実態等の調査を行っていただきまして、貧困状態に置かれている子供の状況の分析をもとに、具体的な対策を進めるための予算を十分確保していただくことを強く要請しておきます。  質問の第七は、手話の普及と手話言語条例への認識等についてお伺いいたします。  二〇一一年八月、障害者基本法が改正され、同法第三条で全て障害者は、可能な限り、言語その他の意思疎通のための手段についての選択の機会が確保されると定め、手話が言語として認められました。そして、来年四月には障害者差別解消法が施行され、国や県、市町などの行政機関、民間事業者が障害を理由とする差別をなくし、障害のある人もない人もお互いの人権を尊重し合いながら共生できる社会をつくることを定めています。  先日、NPO福山ろうあ協会を訪れた際、昨年十二月の県議会定例会において、手話に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るための法整備を求める意見書を議決いただいたことに大変感謝しておられました。また、今後、法改正により、県や市町において言語としての手話の理解が進むための啓発や手話の普及に向けた行政施策が進むことを期待しておられました。  そこで、法により手話は言語と認められたことを受け、言語である手話の普及や環境整備に向けて、広島県としてどのように取り組みを進めようと考えているのでしょうか、また、他県や複数の自治体で手話言語条例の制定が進んでいる実態を踏まえ、県として、この条例の制定に向けてどのように取り組むおつもりなのか、健康福祉局長にお伺いいたします。 56 ◯議長(平田修己君) 健康福祉局長笠松淳也君。         【健康福祉局長笠松淳也君登壇】 57 ◯健康福祉局長(笠松淳也君) 本県におきましては、これまで障害者への理解と共生を県民運動として推進するあいサポート運動等を通じて手話の普及啓発に努めているところでございます。  また、手話通訳者の養成、派遣事業等を実施するとともに、現在、聴覚障害者に関する情報提供や相談支援などを行うための情報提供施設の整備を進めており、引き続き手話を使いやすい環境の充実を図りたいと考えております。  手話言語条例につきましては、国や他の自治体の動向も踏まえながら調査研究を行い、今後とも、関係団体と意見交換しながら手話に関する施策の推進を図ってまいります。 58 ◯議長(平田修己君) 的場 豊君。 59 ◯的場 豊君 進んでいない状況もあると思いますので、私自身も県議会議員の立場と責任において、早期に障害者の方々の環境整備が図られるよう取り組んでまいりたいと考えています。  質問の第八は、主要国首脳会議及び外相会合における被爆体験等の発信についてお伺いいたします。  ことし広島は、あの原爆投下の惨劇から七十年を迎えました。被爆から七十年経過し、被爆者の数も年々減少し、被爆者の平均年齢も八十歳を超え、被爆の実相を語られる人も少なくなってきました。原爆投下後の広島市街地の状況や被爆の実相に、より多くの方々が触れることが、大量殺りく兵器である核兵器の非人道性を明らかにし、核兵器廃絶実現に向けた近道だと考えます。被爆者が被爆体験を語るとき、もう誰にもこんな思いをさせたくないという強い信念を持ち続けています。みずから体験した悲惨な被爆体験を語り継いでいる被爆者の方が生きている間に核兵器廃絶を実現させなければなりません。  そこで、来年五月、主要国首脳会議に合わせ、広島での外相会合の開催が予定されておりますが、原爆投下の惨劇から復興し、平和と希望の象徴である広島から、世界の指導者に対し被爆の実相を伝え、核兵器の非人道性を訴える絶好の機会だと私は思います。被爆地広島として、この機会をどう生かし、世界に向け何を発信するのか、知事のお考えをお伺いいたします。 60 ◯議長(平田修己君) 知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 61 ◯知事(湯崎英彦君) 核兵器の廃絶に向けては、核兵器の非人道性について各国の政治リーダーに深く認識いただくことが重要であり、世界の指導者が広島、長崎を訪れ、被爆の実相に触れるということは大変意義深いことであると考えております。  また、広島は人類史上初の原子爆弾による破壊を経験し、その廃墟の中から目覚ましい復興を遂げた地として、平和こそが成長と繁栄、そして幸福をもたらすことを世界に証明していると言えると考えております。  先般のNPT運用検討会議におきまして、核軍縮のためのアプローチをめぐる考え方の違いから、核兵器国と非核兵器国の間の溝が一層明らかとなったところであり、これを乗り越えるためにも、政治指導者の被爆地訪問の重要性が高まっていると考えております。  来年、日本で開催されます主要国首脳会議並びに外相会合は、主要国の首脳に、被爆の実相に触れ、核兵器の非人道性に認識を深めて、核兵器のない平和な世界への決意を固めていただく絶好の機会であり、積極的に平和記念資料館の見学等を働きかけてまいりたいと考えております。  また、来年三月に、G7外相会合のプレイベントとして、仮称ではございますが、青少年外相会合広島を世界経済フォーラムの若手リーダーと連携して開催することとしております。この会議を通じまして、次世代を担う関係国の高校生に平和への思いを共有していただき、広島から核兵器のない平和な世界に向けたメッセージを発信していただきたいと考えております。  被爆七十年を迎えて、私は被爆県の知事として、被爆者を初めとする県民の皆様の平和を願う気持ちを胸に、広島が核兵器のない国際社会の実現に向けた取り組みの進展に貢献できるよう精いっぱい取り組んでまいりたいと考えております。 62 ◯議長(平田修己君) 的場 豊君。 63 ◯的場 豊君 被爆・終戦から七十年が経過し、被爆や空襲の体験を語り継ぐ方が少なくなってきている現状を踏まえ、ぜひとも県の呼びかけで市町と協力し、貴重な語り部の証言である被爆、空襲の記憶をDVD等の記録媒体に保存することが急務であると考えます。  さらに、人類で最初の原爆を投下された広島のまちの、原爆投下から復興の歴史をCGも駆使したドキュメンタリー映像として多言語で編集し、世界への発信と未来へ遺産化することの検討も始めていただきたいことを要望しておきます。  質問の第九は、備後地域の交通網整備についてお伺いいたします。  人口減少社会の到来により、これから行う社会資本整備については、選択と集中を行い、将来の維持管理も含めた持続可能なものでなければなりません。換言すれば、計画にあっても不必要な道路はつくるべきではないと私は考えます。  しかし、備後地域の基幹道路の現状を見ると、その整備はおくれていると言わざるを得ません。将来の備後地域の中枢性向上や活性化を考えたとき、また、備後中枢拠点都市構想への間接的なバックアップとしても、備後地域を井桁状に走る福山環状道路は必要不可欠なものであり、その整備促進は喫緊の課題であると考えます。  そこで、福山西環状線と、福山サービスエリアのスマートインターチェンジ設置後の北部方面と国道二号へのアクセス道路の整備について今後どのように進めていこうとしているのか、土木建築局長にお伺いいたします。 64 ◯議長(平田修己君) 土木建築局長児玉好史君。         【土木建築局長児玉好史君登壇】 65 ◯土木建築局長(児玉好史君) お答えいたします。  福山西環状線は、福山都市圏の外部環状軸を形成する福山環状道路の西側の骨格軸を担う重要な路線でございます。現在、北側の駅家地区の二・四キロメートルの区間においては、九割を超える用地取得が完了し、福山中心部へのアクセスとして一定の整備効果が期待できます一般国道四百八十六号から一般県道柞磨駅家線までの間において工事に着手することとしており、また、南側の区間につきましても地域の皆様の事業への協力が得られるよう、引き続き粘り強く説明してまいります。  一般国道二号から福山サービスエリアスマートインターチェンジへのアクセス道路につきましては、平成二十九年度に供用開始が行えるよう、今年度から用地買収及び工事を行っているところでございます。  また、北部方面からは、福山西環状線を経由して、仮称でございますが、津之郷インターチェンジから、今申し上げました一般国道二号へのアクセス道路に接続することとしております。  これらの事業は備後地域の都市機能の充実を図る上で重要であると認識しており、引き続き福山市と連携して事業推進に取り組んでまいります。 66 ◯議長(平田修己君) 的場 豊君。 67 ◯的場 豊君 ぜひ次年度の重点的道路整備計画として位置づけて、特化した取り組みとなるように予算措置を要請しておきます。  以上で質問を終わりますが、私自身、県政発展のため先輩議員の皆様と力を合わせ、また、御指導を仰ぎながら、粉骨砕身、一所懸命頑張ることを申し上げ、今後の決意とさせていただきます。御清聴、まことにありがとうございました。(拍手) 68 ◯議長(平田修己君) 引き続いて質問を行います。渡辺典子君。         【渡辺典子君登壇】 69 ◯渡辺典子君 皆さんこんにちは。自民会の渡辺典子です。  今回質問させていただくに当たって、県でも重要施策として位置づけられている少子・高齢化、人口減少問題について、当初取り上げるつもりで考えておりました。しかし、考えても考えても、それに対する質問は、なぜか思い浮かびませんでした。どうしてだろうと考えてみたのですけれども、そもそも私の考える少子化への対策というのは、前回の定例会でも質問させていただいたようなことで言いますと、長時間労働の是正を制度的に改善していくような、いわば家族政策の改革のようなことなのです。
     例えばですが、三歳児までの子供がいる家庭に関しては、フランスのように働き方をフレキシブルに選べるようにしたり、保育園や幼稚園の預かり保育の延長をむしろ短縮してしまうなど、制度的な思い切った改革のことなのです。こいのわで結婚への機運を高める、もてるための意識改革を狙ったセミナーを開催する、働きながら子育てを両立するためのセミナーを開催する、イクメン同盟でPRしてメンバーがふえたからイクボス同盟へと発展させてさらに機運を高める、これらの共通点は意識への働きかけになっています。少子化の問題は、人の意識さえ変えれば改善されるとお考えなのであれば、それは余りに考えが甘いのではないでしょうか。  国からの法的働きかけがなければ県として制度的な改革に踏み切れず、PRメーンの政策でお茶を濁しているのと同じで、企業も自社のイメージアップを図るためのPRだけにとどまってしまうとは考えられないでしょうか。私には政策というよりただの自己満足にしか見えないのです。  誰も身を切る必要のないことでお茶を濁した結果、そのしわ寄せは一体どこへ行くのでしょうか。働きながら子育てをしている女性でしょうか。その負担は大きいと言われていますが、最もその犠牲になっているのは子供たちです。物事のひずみは最も弱いところに出てきます。家庭のひずみは子供に出ると言われています。夫婦の不和が改善されると、子供の不登校が自然と治ったというような例もあったりするものです。同じように、社会のひずみによって最も影響を受けるのは子供たちなのです。そのことをいま一度胸にとどめていただきたいこと、また、国の動向にとらわれるばかりでなく、国が動かないなら地方から動かしていくのだという気概と覚悟の見えるビジョンをお示しいただきたかったということを申し上げ、質問に移ります。  まず初めに、土砂災害警戒区域等指定に伴う安全確保対策についての質問をいたします。  県では、八・二〇土砂災害以降、土砂災害警戒区域等の指定を早期に進めるとの方針を打ち出され、指定が進められてきているところです。平成二十七年九月四日付の資料を見ますと、新たな特別警戒区域及び今後指定予定の区域内にある県有施設の棟数は、庁舎が二棟、学校施設が二十五棟、県営住宅が十二棟など合計四十二棟になりました。中には世羅高校陸上部の男子部員三十三人が入る寄宿舎も区域内に含まれているなど、今後の対応が急がれる深刻な問題が新たに出てきています。  しかし、ソフト面以外の対応策については、いまだ聞こえてきません。スピード感を持って指定を進めるのは大変いいことですが、区域の指定をするだけで責任を果たしたような気になってしまってはいないでしょうか。命を守るソフト対策として県民総ぐるみ運動ともっともらしいことを掲げていますが、その中身を見ると実際にそのために努力していくのは市町であり、地域のボランティアの方々です。音頭をとっただけで県が汗を流した仕事とは言えないと思うのです。指定の先のハード整備対策にこそ県民は期待しているのだということを肝に銘じていただきたいのです。  ことしの二月定例会での、県有施設の安全確保について区域内の県有施設は全て移設すべきだとする河井議員の質問に対し、県は土砂災害を含む災害発生時において利用者の安全性や防災拠点機能の確保が図られるよう、砂防ダムなど防災施設の整備計画、建物の構造的な対策の必要性などを勘案し、さまざまな対応策について、個々の施設ごとに対応してまいりたいと答弁されました。その後、調査の結果、土砂に対する強度が不足しているとされた県営緑丘住宅と東町住宅については、移設ではなく建物の構造補強を行うことで対応する結論を出されました。  一方、我が県の八・二〇災害を受けて、隣の岡山県では特別警戒区域内にある県営住宅については廃止の検討を進める結論を出されました。私は、命にかかわる危険な場所に建っていることがわかっている住宅に県が入居を募ること自体が不適切だと考えています。  そこで、特別警戒区域内にある県営住宅について、構造補強を行うことでの対応とした主な理由や経緯と区域外へ移設する方針へと変えるお考えがあるか、また、県立高校やその他の施設への対応を個々の施設ごとに検討されたこれまでの経緯と結果を具体的にお聞きしたいと思います。  八・二〇土砂災害以降、応急的な対策を終え、崩れた箇所の復旧のめどがたち、これからまさに我々の仕事である復興が進められます。災害に強い県土づくりを進めていくための県のかじ取りの方向性に関心が高まっているところだと思っております。  最も重要なことは、高度経済成長期に進めた安全を無視した都市開発を反省し、安全・安心の観点を最優先にした都市計画を実施することだと考えています。昨年の九月定例会において土砂災害特別警戒区域と連動させた都市計画についての質問に、どのような規制のあり方がいいのか慎重に比較検討し、都市計画制度を適切に運用したいと御答弁されました。あれから一年と三カ月が経過しております。  そこで、お聞きしたいのは、都市計画制度を適切に運用するとは具体的に何をもって適切とするのか、何を目的とするのか、何と何を慎重に比較し検討したのか、何が課題なのか、結論は出ているのか、具体的にわかりやすく説明してください。  広島県が現在抱える最も大きな課題は、八・二〇土砂災害を受けて、災害に強い県土とはどのような県なのか、都市計画の観点からいま一度見直し、検証し、必要な対策を着実に進めていくために何をしなければならないかを深く議論することではないでしょうか。それには厳しい決断が必要なこともあるとは思います。確固たる信念を持って取り組んでいただくことをお願いし、次の質問に移ります。  次に、児童虐待への対策について質問いたします。  日本は、世界から国家的・社会的ネグレクト、すなわち育児放棄を放置していると批判を受けているのを御存じでしょうか。厚生労働省の調査によると、平成二十六年度に全国二百七カ所の児童相談所が児童虐待相談として対応した件数は八万九千件近くに上り、過去最多となりました。また、平成二十五年度に児童虐待により亡くなった子供は、前年度よりも減少しているものの七十人近くに上っています。  本県においても、平成二十六年度に児童相談所が受け付けた虐待相談件数は、三千件を超えて過去最高となっています。議会においてのみならず、世間一般でも関心は高く問題として頻繁に取り上げられているところです。  しかし、国家的・社会的ネグレクトと批判を受けているのは、その虐待の件数ではありません。それは、社会が子供の権利である子供が育ての親を持つ権利を置き去りにしてきたことに対するものです。二〇〇七年十一月に、ポルトガル・リスボンで開催された国際児童虐待防止協会大会において次のような発表がありました。ゼロ歳から三歳の子供を親あるいは親がわりのいないままに入所施設に委託するのは、愛着障害、発達遅滞、脳発達における萎縮症の観点からは危険な状況にさらすことだと言える、したがって、乳幼児期に親や親がわりによる養育の機会を奪われることによって引き起こされるネグレクトと損傷は、こうした幼児に暴力を加えるに等しいというものです。  さらに、二〇〇九年子供の代替的養護に関する国連指針でも子供の養育環境の優先順位は、一、生物学上の親、二、生物学上の親戚または非常に近い関係性の個人、三、国内養子縁組、四、国際養子縁組、五、一時的な里親の保護、六、最終手段として施設による保護とされているのです。実際、オーストラリアでは家庭的養護率は最も多く九割以上、日本と文化的に近いとされる韓国でも四割以上となっています。先進国のほとんどが五割を超えているのに対し、我が国では二割以下にとどまっており、約八割以上が施設で養育されているという先進国では最低レベルの現状となっています。  さらに詳しい数値で言いますと、本県での家庭的養護率は、平成二十五年度で国の一五・六%をさらに下回る一三・四%という数値になっています。  そこで、国においても施設依存を問題と捉え、里親委託が原則であるとガイドラインに記されているにもかかわらず委託率が上がらない原因は何であると捉えているのか、また、委託率を上げるための現在の取り組みをお聞かせください。  なぜ、施設養護がネグレクトとまで批判されているのか。それは、施設での養育が長い子供、特に生まれてすぐの乳児のころから施設で養育されている子供は、深刻な反応性愛着障害を発症する確率が極めて高いと言われているからです。反応性愛着障害とは、いわゆる試し行動です。施設で育った子供が里親のもとで生活すると、お茶や牛乳を畳やカーペットにわざとぶちまける、親をたたく、蹴る、かみつくといった試す行動をとると言われています。親が嫌がるとわかっていてわざと行うこれらの行動は、嫌なことをしても自分のことを受け入れてくれる親なんだと確信を得て、愛されている実感と満足感が得られるまでやめません。そして、この試し行動の全てが受け入れられると今度は三、四歳の子供が、赤ちゃんのように抱かれながら哺乳瓶でミルクを飲みたいとせがむなど赤ちゃん返りのような行動をとると言われています。  この子供たちの必死な訴えによる行動を知ったとき、何の罪もない子供たちがどうしてこんなにも大きな痛みを抱えなければならないのかと胸が痛み、やるせない思いでいっぱいになりました。施設での養育で愛着障害が起きる理由は、主要な世話人が繰り返し変わることによる安定的愛着形成の阻害によるものだと言われています。これは、精神疾患の診断・統計マニュアルにも記されている病的な養育の一つです。施設では職員一人で複数の子供を見ることになります。また、勤務は交代制です。転勤や退職によって会えなくなることもあるでしょう。施設の職員一人一人が子供たちに職務を超える愛情を注いでいること、施設設備を整えていこうとされていることは理解しています。  しかしながら、どれだけ愛情を注いだり、建物をきれいに建てかえたりしても、基準では病的な養育であることに変わりはなく、問題なのは社会の構造的な仕組みによるものなのです。日本では生みの親が何らかの理由で育てられない赤ちゃんの九割が産院から直接乳児院へ送られています。また、その多くが一度入所すると、生みの親に引き取られることもなく、面会すらないままに二、三歳まで過ごした乳児院から児童養護施設へと措置変更となります。  国により里親委託が原則というガイドラインが示されているにもかかわらず、赤ちゃんに病気や障害の有無がないかがわかる二歳ごろまで乳児院でとりあえず様子を見るという措置をし続けているという現状があります。子供の心の負担を軽減し、深刻な愛着障害を発症しないためには、パーマネンシーケアと言われる恒久的な家庭での養育を、なるべく子供が小さいうちに一日でも早く実現するよう努めることが最も大切なことだと考えます。すなわち、法的に恒久的な親子関係を結べる特別養子縁組を迅速かつ優先的に推進していくのが子供にとって最善の利益だと考えます。  そこで、本県の場合、保護した乳児のケースワークをどのように示し、また、実際はどのように対応するケースが最も多いのか、具体的な事例を伺います。また、今後の改善に向けた対策がありましたら、あわせてお伺いします。  平成二十四年四月一日に施行された民法第八百二十条の改正により、親権は子の利益のためという文言が明記されました。さらに、最長二年間親権を制限できる親権停止の制度も創設されました。  また、一方で、制度的に里親への委託は親権者の同意が必要です。入所が長期で引き取りのめどもなく、面会もほとんどないにもかかわらず、親権だけを主張し里親委託を拒むケースはいまだに少なくありません。このような身勝手な行為について、私は子供への愛情があったらできないことだと思っています。家庭の中で愛されて養育される子供の権利を生みの親だからという理由だけで奪うことを社会全体で容認しているのと同じことです。これが本当に子供の利益のための福祉なのでしょうか。物言えぬ子供が大人の身勝手に振り回され、親にも社会にも見て見ぬふりをされ、置き去りにされている今の社会システムはネグレクトそのものだと言わざるを得ません。  法整備から三年が経過しています。これによって県ができることがもっとあるのではないかと、いても立ってもいられない思いに駆られるのは私だけではないはずです。私は育てない親の親権を迅速に公的親権へと移すようなシステムが必要だと考えています。  例えば、親権者が明らかに不適切な理由で里親への委託を拒否していたような場合、子供が大人になっても関係性を継続する家族を得るパーマネンシー処遇を査定する第三者委員会のようなものを設置し、その判断に従わなければならない仕組みや、たとえ生みの親であっても面会の頻度を定めたり、必要なセラピーやカウンセリングを受けるなど、生みの親に子供を引き取るための努力義務を課し、その姿勢が見られないような場合、特別養子縁組も見据えた措置に変更するなど、子供が愛着障害を発症しないためには迅速な対応をしていくことが最も大切なことです。大人の数カ月と子供の数カ月とを同じに考えてはいけません。この質問をしているきょうこのときも、多くの子供たちがパパ、ママが欲しいと泣いているのです。  そこで、親権停止の制度を使いやすくするため、現行の法律であれば知事の権限で法的機関と連携した第三者委員会を設置し、公的な親権へ迅速な移行につなげる制度を設けることができるのではないかと考えますが、知事の御所見をお伺いします。  強過ぎる親権の問題を抱えているのはどの自治体も同じですが、福岡市では里親委託率を十年で五・五倍まで伸ばしています。ほかにも、大分県、宮城県がともに五年間で一〇%ほど増加させています。こういった自治体の共通点は、民間をうまく活用している点と里親の専門職員を増員するなどしている点です。虐待の対応で追われて、里親のマッチング、里親サロンの積極的な実施、一時的にケアを代替しリフレッシュすることを目的とするレスパイトケアを含む里親へのフォローにまで手が回らなかった問題を改善したことによる成果が大きく出ています。  本県においても、職員一人当たりが抱えている虐待の対応件数は常に五十件以上となっており、命にかかわる緊迫したケースもある中、丁寧に対応する必要があり、とてもではないが里親へのケアやアフターフォローにまで手が回っていないのが実情ではないかと危惧しています。全ての子供が温かい家庭の中で養育される権利を得ていくためには、職員の増員、NPO団体などへの協力の要請やボランティアを募るなどの対策が急務と考えます。人員の確保と体制の整備について今後の対策をお伺いします。  児童相談所が虐待の対応に追われているという現状は、虐待のニュースを耳にしない日はないほどに頻発しておりますので多くの方が御承知だと思います。中には命を落とす子供もおり、こういった報道を見るたびに胸が痛みます。そして、一体誰がこんな世の中にしてしまったのだろうと思わずにはいられないのです。虐待死に最も多いのはゼロ歳児で、全体の四割強です。その半数がゼロカ月の新生児で、その中の八五%の虐待死がゼロ歳ゼロカ月ゼロ日であるという衝撃的な事実があります。そして、その加害者の九割がその子を産み落とした母親です。  このような行為に至った母親を残酷で無責任だと断罪するのは、ある意味簡単なことです。当然ながら、妊娠に至るには相手となる男性が存在するわけですから女性だけの責任ではありません。しかし、その相手の男性は特定できない場合もあります。特定できていたとしても逃げてしまっているというような場合がほとんどであるにもかかわらず、母親のように出産したら自分で育てるべきだと等しく責め立てられるようなことはありません。周囲にとがめられ、身も心も苦しまなくてはならないのは、いつも女性側です。予期せぬ妊娠を誰にも相談できず追い詰められ、たったひとりでひっそりと子供を産み、命を奪う以外にすべのなかった女性のことを想像してみてください。よほど過酷な事情があったことが推察できます。彼女たちのSOSに手を差し伸べることができたなら救えた命があったかもしれないと思うと悔やまれてなりません。行政として差し伸べるべき手を差し伸べることができなかったことに対し、少なからず責任があると重く受けとめるべきです。  そこで、予期せぬ妊娠によって苦しんでいる女性に対して、受けられる支援の選択肢の提示ができる相談体制の整備が急務だと考えますが、現在、相談窓口での対応をどのように行っているのでしょうか、また、医療機関や民間と協力するシステムがあるのか、今後体制の充実を図っていく予定はあるのか、あわせてお聞きします。  平成二十三年七月二十七日付で各都道府県、政令市等宛てに、厚生労働省から妊娠期からの妊娠・出産・子育て等に係る相談体制等の整備についてという通知文が出されていました。そこには、相談者が匿名を希望した場合であっても十分に相談に応じること、養育できない、養育しないという保護者の意向が明確な新生児については、妊娠中からの相談を含め、出産した病院から直接里親の家庭へ委託する特別養子縁組を前提とした委託の方法が有効であると明記されています。  今後は、性犯罪被害などによる予期せぬ妊娠によってどうしても育てられない赤ちゃんについては、母親が児童相談所に匿名で託すことを可能とするとともに、それを妊娠期から早期に把握し、相談にも対応すべきであり、特別養子縁組を前提とした里親委託という方法も含め、こうのとりのゆりかごのような支援についても進めていく必要があるのではないかと考えますが、御所見を伺います。  また、この通知文が出されて以降、どのような改善を図ってこられたのか、今後どのように改善していかれるのかもお伺いします。  虐待の背景にある共通の問題は孤独ではないでしょうか。現在、高齢者の要介護人口の増加が予想される二〇二五年を見据え、施設だけではなく地域でそれを支える仕組みである地域包括ケアシステムの構築にまさに取り組んでいるところです。  私は、このシステムは虐待対応にも応用できるのではないかと考えています。乳児院や児童養護施設での職務経験のある方を中心に中学校区に一つほど緊急保護家庭として設置し地域密着型にすることで、顔の見える対策がとれないでしょうか。地域包括ケアセンターと連携することで医療機関ともつなげることができます。孤独な子育てや妊娠に悩む女性のSOSを早期に発見することができるのではないでしょうか。地域の子供会などと連携し、子育てサロンや里親サロンを開催し、孤独でつらい子育てを人と分かち合うことで笑い飛ばせ、里親登録者などもふやせるかもしれません。母親同士、御近所でちょっとうちの子見といてと気軽に頼めるような関係性も育まれていくと期待できます。  そこで、核家族化が進む中、地域の子供は皆我が子という意識を育て、全ての子供たちに目配りができる環境を整えていくことが求められると考えます。子供から、子育て世代、介護世代、お年寄り全ての世代を孤独から救うため、虐待対応や子育てについても地域包括ケアシステムのようなものが必要だと考えますが、知事の御所見をお伺いします。  終わりになりました。私は、最初の妊娠は双子でした。そして授かり婚でした。幸いなことに、それについてけしからぬことだと責め立てられるようなことはありませんでした。新しい命を家族、親族、友人とみんなが喜び、主人はもちろん、周りの多くに励まされ、助けられてきました。主人とは授乳以外の全ての家事、子育てに関するお世話を協力してきました。それでも手が足らず、実家で丸々一年母にも頼りました。それを、母親なのだからひとりで育てることができて当たり前だ、それができないのなら母親になる資格はない、未熟だと責め立てられるような環境であったら心が折れていただろうと思います。  孤独な中での子育ては本当に過酷です。私の場合、生まれてしばらくは子供たちの寝顔をかわいいとじっくり眺めるような時間はありませんでした。常にどちらかが泣いており、どちらかを授乳しているような状態だったからです。泣いていてもだっこすらしてやれない自分を責めて、ごめんねと何度も一緒に泣きました。一日中だっこと授乳で、首が座る五カ月くらいまで慢性的な腱鞘炎でした。  しかし、ひとりだと辛くて涙が出るようなことでも、主人と一緒であったり、母と一緒だと不思議と笑い飛ばすこともできました。子育ては誰かと分かち合うから楽しいのだということを悟りました。子育てを通して学んだことは、多くの人に支えられ、生かされているということに感謝しなければならないということです。助けてほしいと人にSOSを出すことは決して恥ずかしいことではないということです。助けられた分だけ助けたいというふうに考え方を変えました。かつての私のように助けてほしいと言えない人のSOSにも気づき、助け合える環境をつくっていきたいと思ったのです。  子育ての経験がなければ、議員としての今の自分は、もしかしたらなかったかもしれません。本当につらいときに受けた親切に人は一生感謝し、それを支えに生きていけるものだと思います。そして、自分も同じように人に手を差し伸べたいと思うものだと思います。そうやって親切の輪が広がっていったらどんなに輝かしいことかと思うのです。心からのありがとうを積み重ねていくために身を粉にして働くのが地方行政の理想の姿ではないでしょうか。親が笑顔で心身ともに健やかな家庭の子供は健やかに育ちます。子供が健やかに育つ社会の未来は輝いていると私は信じています。そんな広島県を未来に残したいということを申し上げ、私の質問を終わります。  御清聴、まことにありがとうございました。(拍手) 70 ◯議長(平田修己君) 当局の答弁を求めます。知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 71 ◯知事(湯崎英彦君) まず、土砂災害特別警戒区域等指定に伴う県有施設の安全確保等についての御質問でございます。  土砂災害特別警戒区域及び土砂災害特別警戒区域に相当する区域内の県有施設の対応についてでございますが、まず、県営住宅の安全確保につきましては、警戒避難体制等の整備状況、防災対策の今後の計画、建物の構造的な対策の必要性などを勘案し、個々の住宅ごとに対応を決めていく方針を昨年九月に決定しております。この方針に基づき、県営緑丘住宅と県営東町住宅につきましては、市町と連携して警戒避難体制の構築を行うとともに、補強により建物の安全確保が可能であることが判明したため、住みなれた地域での生活が継続できるように対策工事を行うこととし、ことし八月に完了したところでございます。  次に、県立学校施設につきましては、雨量情報等から事前に下校や休校の措置をとるなどにより安全確保を図っているところではございますが、施設の利用形態等を勘案し、優先する箇所から建物の構造上の安全性の検証を進めているところであり、その結果を踏まえ必要な対策を講じてまいります。  また、その他の施設のうち庁舎につきましては、建物の強度を計算し必要な対策を検討しているところであり、教職員公舎につきましては、今後建物の構造上の安全性を検証しながら公舎のあり方も含めまして検討してまいります。  さらに、企業局の管理する白ヶ瀬浄水場につきましても特別警戒区域内にございますが、ライフラインとして必要不可欠な施設であることから、平成十九年度までに必要な土砂災害対策工事を実施済みでございます。  県といたしましては、今後とも、引き続きハード・ソフトの両面から安全確保に取り組んでまいります。  次に、親権停止の制度を使いやすくするための制度の創設についての御質問でございます。  児童虐待や育児放棄は、子供の心身の健やかな成長を阻害するだけでなく、命にかかわる最大の権利侵害であり、親権停止制度は、児童の権利や利益侵害に係る問題解決の選択肢の一つであると考えております。現行の法律におきましては、親権の停止は家庭裁判所の承認を必要としており、第三者委員会が親権の移行を判断することは認められておりませんが、児童相談所長は家庭裁判所に対して親権停止・喪失の請求ができるとされております。  こうした制度を踏まえ、今後とも、里親委託の拒否も含め、保護者の親権の行使が困難または不適当であることにより子供の利益を害する場合におきましては、親権停止の請求を含め毅然とした対応を行ってまいります。  次に、虐待死ゼロに向けた相談体制の充実等についての御質問でございます。  望まない妊娠や予期せぬ妊娠に戸惑っている方々には、悩みや不安を一人で抱え込まず、まずは相談していただくことが大切であり、市町や県が設置している妊娠一一〇番などのさまざまな相談窓口の周知に努めているところでございます。  相談窓口におきましては、親と子供にとって最善の結果となるよう、市町が実施する子育て支援等の保健・福祉サービスや、必要に応じて養子縁組や里親制度等、状況に応じた支援策について情報提供するとともに、必要に応じて関係機関につないでおります。  しかしながら、現在はこども家庭センターと限定的な医療機関との連携にとどまっていることから、今後は医療機関等との連携をさらに強化し、医療機関における情報提供や相談機関へのつなぎ等、予期せぬ妊娠に悩む女性に必要な情報を届けるための体系的な仕組みづくりを検討してまいりたいと考えております。  次に、児童虐待をなくすための地域包括ケアシステムのような取り組みについてでございます。  急速な少子化の進行や核家族化など、家庭や地域を取り巻く環境が大きく変化する中、安心して子供を産み育てることができる地域社会の形成が重要であると考えております。地域ぐるみでの子育て支援体制の整備の仕組みとして、市町におきまして母子保健や児童福祉などの総合相談支援窓口を設置し、その窓口が拠点となって産科や小児科の医療機関や保健所、児童相談所などの関係機関と連携しながら、妊娠・出産、子育ての各ステージにわたって切れ目なく支援を行う子育て世代包括支援センターがございます。本県では本年度、二市一町、十カ所で設置され、県はその運営に対する財政的な支援を行うこととしております。  県といたしましては、児童虐待の未然防止の観点からもこうした仕組みが重要であると考えており、全県的に拡大するよう働きかけるとともに、民生委員・児童委員による活動や触れ合いサロンでの交流、住民の自主的な活動との連動により、地域全体で子供と子育て家庭を切れ目なく支援する環境を整えてまいりたいと考えております。  その他の御質問につきましては、担当説明員より答弁させていただきます。 72 ◯議長(平田修己君) 都市建築技術審議官石岡輝久君。         【都市建築技術審議官石岡輝久君登壇】 73 ◯都市建築技術審議官(石岡輝久君) 土砂災害警戒区域等の指定と連動した都市計画について御答弁申し上げます。  都市計画制度は、洪水や火災などの災害に留意しながら経済成長や人口増加による無秩序な市街地の拡散を防止するなど、良好な市街地の形成を図ることを目的としております。  一方で、昭和四十年代の人口急増時代に開発圧力が強かったことなどから、必ずしも良好な市街地形成につながっていない既成市街地が部分的に存在することも事実でございます。  このような中、国においては近年の集中豪雨による市街地の被害の増加に対応して、平成二十七年一月に都市計画運用指針を改正し、土砂災害特別警戒区域や急傾斜地崩壊危険区域などの危険な区域を、原則、新たに市街化区域に編入しないなど、より適切な制度の運用を求めてきております。  本県におきましても、現在進めている東広島市の市街化区域の見直しにおいては、国の運用指針に応じた考え方により関係機関との協議を進めているところでございます。  既成市街地における安全性の確保に関しましては、市街化区域から市街化調整区域への編入も考えられますが、現実問題として私権の制限や住民の理解の必要性や効果などについて検討したところ、土地利用のあり方として中長期的な観点で誘導していく必要があると考えております。  このため、短期的には、既成の市街化区域の危険区域では、建築基準法による災害危険区域や土砂災害防止法に基づく土砂災害警戒区域等の指定などにより土地利用の規制をかけると同時に、住民の避難体制の確立や防災工事などハード・ソフト対策を個々の地域に応じて総合的に講じていく必要があると考えております。  県といたしましては、引き続き、都市計画制度の適切な運用を行い、安全な市街地の形成に努めてまいります。 74 ◯議長(平田修己君) 健康福祉局長笠松淳也君。         【健康福祉局長笠松淳也君登壇】 75 ◯健康福祉局長(笠松淳也君) 児童虐待の対策について、四点お答え申し上げます。  まず、里親委託率が上がらない要因と上げるための取り組みについてのお尋ねでございます。  国の里親委託ガイドラインでは、社会的養護が必要な全ての子供について里親委託を優先して検討することとされております。  一方で、情緒行動上の問題が大きく、施設での専門的ケアが望ましい場合や保護者が里親委託に明確に反対している場合などにおきましては、施設への措置を検討することとされており、施設における処遇を一律に否定したり、病的な養育と位置づけているものではないと考えております。  こうした中で、本県におきましては、国のガイドラインに基づき里親委託を優先する取り組みを進めており、里親への委託率は平成二十一年度以降毎年増加してはおりますが、全国平均よりも低い状況にございます。その要因といたしましては、里親登録数が伸び悩んでいることにより多様な委託先を確保できていないこと、委託に際しては、保護者の承諾が得られない場合が多いこと、里親と子供の相互理解の醸成と慎重な相性の判断が必要であり、必ずしも適切な委託先が見つかるとは限らないことなどが挙げられます。  このため、十月の里親月間を中心とした里親制度普及キャンペーンなどによる里親の新規開拓、施設にいる子供の里親委託を推進する里親支援専門相談員の全ての児童養護施設、乳児院への配置、こども家庭センターにおける里親委託の推進機能のさらなる強化などに取り組んでいるところでございます。  今後とも、こども家庭センターを核として児童養護施設等の関係機関と協力・連携して、里親委託率の向上に取り組んでまいります。  続きまして、保護した乳児に係る養護の対応状況及び今後の改善策についてでございます。  社会的養護の必要な乳児に対する援助方針の検討の際には里親委託を最優先として取り組んでおり、一定の年齢まで様子を見るという運用は行っておりません。  乳児のケースワークの具体的な事例といたしましては、出産直後の乳児または妊娠中の場合には、医療機関からの連絡を受け、こども家庭センターが病院への訪問等を行っており、養育できない、養育しないという保護者の意向が明確な場合には、特別養子縁組を前提とした里親委託に向けて進めております。  しかし、里親に委託する際には、原則として保護者に委託先を通知する義務がございますが、乳児等の場合には虐待を受けているケースが多いため、子供及び里親の安全確保の観点から、結果的に乳児院入所を選択する場合が多くなっております。  今後とも、乳児のケースワークに当たりましては里親委託を最優先として取り組むこととし、こども家庭センターと医療機関等との連携を強化するなど、より積極的に新生児からの特別養子縁組の推進に取り組んでまいりたいと考えております。  三点目は、全ての子供が家庭的環境で育つことができる体制整備についてでございます。  県といたしましては、これまでの里親制度の普及啓発に加え、各こども家庭センターに里親委託推進員を配置し、新規里親希望者や登録里親への相談支援、里親サロンの開催等に取り組んでいるところでございます。  また、施設にいる子供の里親委託を推進する里親支援専門相談員の配置を進め、現在五つの施設に配置しているところであり、今後は全ての児童養護施設及び乳児院への配置を目指しております。  今後、さらなる里親委託の推進に向けてこども家庭センターの必要な体制の確保に努めますとともに、NPO法人との連携やボランティアと協力した活動等の先進事例を参考にしながら、より実効性のある方策を検討してまいります。  四点目は、匿名の特別養子縁組を前提とした里親委託や相談対応等についてでございます。  匿名での相談につきましては、こども家庭センター等におきまして、相談者が希望する場合には関係者との連絡を行うことなく、匿名性を確保した上で相談援助を行っております。  また、特別養子縁組を前提とした里親委託についても、里親委託ガイドラインにも示されているところであり、これまでも積極的に取り組んできております。  さらに、平成二十三年七月の通知を受けまして、各相談機関に対し、他の機関の役割について再度周知し、相互連携の強化を図ったところであり、また、匿名の相談者からの相談に対しても次の相談につながるよう丁寧に対応しているところでございます。  今後とも、通知の趣旨を踏まえ、あらゆる機会を通じて里親制度を含めた状況に応じたさまざまな支援があることを当事者に伝えていくとともに、こども家庭センターと医療機関等との連携をさらに強化することなどにより、新生児からの特別養子縁組の取り組みを拡大してまいりたいと考えております。  なお、匿名で子供を託す制度につきましては、母子にとって緊急避難として機能するという評価がある一方、安易な預け入れにつながらないか、あるいは子供が実の親を知る権利が保障されるかなどの重大な課題がございますことから、県民の幅広い理解とコンセンサスを得た上で慎重に判断するべきものと考えております。 76 ◯議長(平田修己君) 明日も引き続いて質問を行います。明日は午前十時三十分から会議を開きます。
     本日はこれをもって散会いたします。         午後二時五十二分散会 広島県議会...