3:
◯質疑(
石橋委員) 文化的な役割分担や性差までを否定するものではないということで、大変に心強いお答えをいただいたと思います。
続きまして、学習指導要領には、婚姻または結婚という文言は出てこないと理解しておりますけれども、現在、教育委員会において婚姻の意義または意味合いについてどのように捉えていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。
4:
◯答弁(
高校教育指導課長) 学習指導要領における婚姻の意義等でございますが、高等学校学習指導要領では、教科「家庭」において、男女が家族の一員としての役割を果たし、家庭を築くことの重要性について考えさせることとしており、歴史的、文化的、社会的制度としての家族について理解させるとともに、固定的な役割分担、分業意識を見直し、双方の尊重と信頼関係のもとで夫婦関係を築くこと、ともに協力して家庭をつくることの意義、そして重要性を認識させることが求められております。
5:
◯質疑(
石橋委員) 今の答弁にもありましたけれども、固定的な役割分担というものについて、一体どのようなものを想定していらっしゃるのか、具体的な例があれば教えていただきたいと思います。
6:
◯答弁(
高校教育指導課長) 例えば、女性は育児や家事という役割が強調され、男性は外で働くものということなどがございます。
7:
◯要望(
石橋委員) いずれにしても、男女の違いをしっかりと区別した上で、人権を尊重しながら社会を築いていくということで、学校でもしっかり指導していただきたいというお願いを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
8:
◯質疑(
西本委員) 職場の参観日ということで、1点お聞きします。職場の参観日については、先般新聞でも報道されたところですが、正直なところ、中身についてまだ理解できておりません。この職場の参観日の所管は商工労働局雇用労働政策課であると聞いておりますけれども、新聞を読むと雇用よりも子供たちの意欲の向上や啓発につながるというような文面でした。
そういった意味では、この職場の参観日については、教育委員会もしっかり連携しながら進めていく必要があり、そのことが子供の教育につながると考えておりますけれども、教育委員会としての所感を聞かせていただければと思います。
9:
◯答弁(
教育部長) 子供の職場参観日についてですけれども、保護者が働いているところを実際に見るという視点で言えば、教育的な意義がありますし、また、キャリア教育という視点で言うと、仕事についての意欲を持たせるという意義があると捉えております。
実際にどういう形で取り組んでいくかということでございますけれども、例えば、教育委員会事務局や関係施設での受け入れが考えられると思います。いろいろな意義があることを踏まえて取り組んでまいりたいと思っております。
10:
◯要望(
西本委員) 実を言いますと、私が勤めている会社に家族が訪ねてきたことがございました。忘れ物を届けに来てくれただけなのですけれども、働いているお父さんの姿が非常に格好よかったと子供は言っておりました。ぼろぼろの作業服を着ていたのですけれども、父親の働く姿を見て非常に格好いいと思ったようでございます。そのことがきっかけで自分もその会社に入ろうと思ったということでした。
このように、子供に対しての刺激となると思いますので、その辺も踏まえて検討していただければと思います。
11:
◯質疑(
山下委員) 2カ月前の
文教委員会だったと思いますが、学校の業務改善についての資料をいただきました。その際に業務改善モデル校について質問しましたけれども、中学校での1週間当たりの平均的な業務時間は、教育委員会がまとめておられる資料によれば60.9時間でした。正規の勤務時間は、1週間で38.75時間ですから、1週間で22時間余りもオーバーしているわけです。
そこで、きょうお聞きしたいのは、正規の勤務時間を20時間以上も上回って働いていらっしゃるような忙しい先生方が、子供と触れ合う時間を確保できるのかということなのです。これは教育効果という意味で非常に大事なことであると思います。
昨年の9月定例会において、我が会派の西村議員が、先生が子供と向き合う時間について質問しました。教育長の御答弁では、子供と向き合う時間というのは授業や部活動、生徒指導など児童生徒を直接指導する時間はもとより、授業準備や教材研究といった指導の質を高めるための時間も含まれるとお答えになっています。
広義の意味では教育長の御答弁のとおりだと私も思いますが、その解釈によると、学校における会議なども、子供の指導にかかわることが会議の主な議題であれば子供と向き合う時間に含まれるのですか。それから、報告書の作成等についても、子供の実態についての報告であれば、これも含まれるということになってしまうと、子供と向き合う時間以外の業務はほとんどないということになってしまうわけです。私の素朴な受けとめ方では、子供と触れ合う時間というのは、授業や放課後のクラブ活動の指導であり、それ以外では、学習のことで気になる子供を個別に指導するとか、いじめの相談に乗るとか、クラスで放課後におもしろいことをみんなでやってみるとか、そういうイメージなのです。私の見解がおかしいのでしょうか、担当課長からお答えください。
12:
◯答弁(
学校経営支援課長) 子供と直接向き合う時間といえば、委員の御指摘のとおり、授業や部活動、それから個別指導ということになろうかと思います。ただ、教員はよい授業をして子供が目を輝かせる姿を見たいというのが一番のモチベーションでございまして、授業の準備とか研究につきましても、間接的ではございますが、向き合う時間になると考えております。
13:
◯質疑(
山下委員) 広義の意味ではそうですけれども、先ほども例を挙げましたが、放課後に個別指導するとか、家庭状況などで進路上の困難を抱えている子供の支援をするというようなことは授業中にはできないでしょう。クラブ活動のときもできないでしょう。子供たちをフォローアップするための時間というのは、どの程度とれているのですか。
14:
◯答弁(
学校経営支援課長) 直接該当するかどうかわかりませんが、昨年度の調査では、小学校で言えば、不登校や問題行動に対応する時間が週当たり1.7時間、部活、学級経営などに対応する時間が0.9時間ということで、週当たり2.6時間を使っております。中学校では、不登校や問題行動に2.6時間、学級経営等に0.8時間ということで、3.4時間を使っているということです。
15:
◯質疑(
山下委員) 小学校の場合は、1日平均30分もないということです。中学校の場合も1日平均30分あるかどうかです。授業とかクラブ活動は、時間もきちんと決まっていて、やるべき内容も決まっていますけれども、本当の意味で先生が子供と向き合う時間というのは、ほとんどとれていないのではないのですか。
課長は、教材の研究にしてもクラス経営にしても、子供と向き合う時間に入っているとおっしゃいましたけれども、個々の子供に具体的に当たることができて初めてクラスづくりもうまくいくのです。学習上の課題がある子供もいるでしょうし、集中して話を聞けない子供や家庭的に困難なことを抱えている子供もいるでしょう。さまざまな困難を抱えている子供たちについて、授業の中だけで支援していくというのは不可能なことでしょう。30人なら30人の子供たち全員に学習意欲を持たせるようなクラス経営をしていこうと思ったら、先ほども言いましたように、授業や部活動以外の時間にも子供たちをフォローしなくてはいけないのではないでしょうか。そこが核のところだと私は思うのですけれども、そのことについてはどう思いますか。
16:
◯答弁(
学校経営支援課長) 委員御指摘のとおり、授業や部活動の時間をふやしたり、削ったりすることはなかなかできません。我々としては、その他の業務を可能な限り軽減し、その時間を教材研究や個別指導に充てることができるように業務改善を進めているところでございます。
17:
◯質疑(
山下委員) 現場の先生から聞いたことですけれども、例えば、保護者の方と話をするために年度初めに家庭訪問しますが、家庭訪問というのはそれだけだと理解している若い先生が随分おられるそうです。それでは課題意識というのは出てこないでしょう。子供をよくしていこうと思ったら、学校の先生だけ頑張るのではなくて、親から子供に対する注意というのも大事でしょう。家庭に何回も訪問するというようなことは、先生の課題意識がなかったらできないことです。それについて、どのように現場の先生方を指導しようと考えていらっしゃいますか。
18:
◯答弁(
学校経営支援課長) 個々の教員だけでは限界がございますので、生徒指導においては、学年主任や教頭など、組織として対応していくことが必要であり、引き続き指導してまいりたいと考えております。
19:
◯要望・
質疑(
山下委員) これも現場の先生からお聞きしたことですけれども、かつては職員室のストーブの周りでコーヒーを飲みながらベテランの先生と若い先生がいろいろな話をしたそうです。例えば、若い先生が子供の指導についていろいろ悩んでいて、親とも接触したけれどもなかなかうまくいかないというようなときには、ベテランの先生が今度一緒についていってやろうといった会話があったそうです。そういう中で、若い先生が力をつけていったそうです。
そういうことをしなさいというふうに教育委員会が指導するのはなかなか難しいのかもしれませんけれども、忙しい中でそういうことがだんだんなくなっているというのが事実なのです。先生方が力をつけていくには、こうしたことも大切なことではないかと私は思うのです。そして、この子には放課後に必ず言葉をかけようとか、この生徒のお母さんには2日に1回は電話しようという発想を持てるようになることが大事ですから、ぜひ現場で指導していただきたいと思います。
それから、授業の空き時間や放課後に直接子供たちに対応できる時間が極めて少ないですから、もう少し確保できるような取り組みをお願いします。
次に、高等学校の入学の問題についてお聞きしたいと思います。ことし3月に広島県内の中学校を卒業した子供たちで高校へ進学したいという希望がありながら進学できなかった子供は何人いたのか、教えてください。
20:
◯答弁(
高校教育指導課長) 平成27年3月末時点で、進路未決定者は163人おりました。そのうち進学を希望したけれども不合格となり、進路未決定となった者は42名でございます。
21:
◯質疑(
山下委員) 進学を希望しながら進学できなかった子供が42人ということですけれども、その子供たちが今どういう状況になっているかというのは調査しているのですか。
22:
◯答弁(
高校教育指導課長) 平成27年3月末時点で、進路希望として全日制高校が2名、定時制高校が3名、通信制高校が22名ということでございました。これらが秋季に入学したり来春の選抜を受検したりするのですが、実態の調査はできておりません。
23:
◯質疑(
山下委員) これは5月の
文教委員会のときに出された資料だと思いますけれども、課程ごとに定員が何人、志願者が何人で、そのうち受検者が何人で、合格者が何人、入学した子供は何人という
一覧表がございました。それを見ますと、全日制で申し上げますと、全日制の本校は総定員が1万6,520人です。受検した子供たちは2万1,092人でした。志願者数が定員を割っていた学校もあったということですけれども、全体で見ると受検者数は定員を約5,000人オーバーしています。ところが、合格者数は1万5,586人ですから、定員を900人余り下回っています。つまり、定員内で不合格者が出ているということになるのです。その結果、空き定員がたくさん出ているということになります。
それから、定時制では、26学級と書いてありますけれども、1学級が40人として計算すると、定員は1,040人ということになります。受検者数は651人で、合格者数は529人です。定員の6割ほどしか受検していないけれども、受検生数の2割近くが不合格になっています。
教育委員会として把握していらっしゃらないかもしれませんが、定員内で不合格になった子供たちと、ぎりぎりで合格になった子供たちとにどれほどの差があるのでしょうか。
24:
◯答弁(
高校教育指導課長) 不合格の生徒と合格した生徒の差でございますが、合否の判断に当たりましては、最終的には校長が総合的に判断したものでございます。各学校の受検者について、さまざまな視点から見た結果として、特に意欲や学力の面、または今後の可能性という意味で、学校生活を続けていけるかどうかというところも十分考慮した中で、合格した生徒と不合格となった生徒の差が出ているものと考えます。
25:
◯質疑(
山下委員) 課長がお答えになった意欲とか適応性という問題は、テストの点数のようにきちんと出てこないものです。極端な言い方をすれば、合否の判定をする人の私意が働かないとは言い切れないのです。合否を判定する人の受けとめ方によっては、とても受け入れられないと判断されて進学の道が絶たれる子供も出てくるし、責任を持って3年間しっかりサポートして、立派な社会人として送り出すので受け入れようと判断されることもあるかもしれないということですか。
26:
◯答弁(
高校教育指導課長) 学校によって差があるのではないかという御指摘でございますが、定員内不合格を出すことについては、各学校も非常に慎重に取り組んでおります。それぞれの学校に聞き取りをしますと、校長や複数の委員がいろいろな視点で考えた中で最終的に判断しているということですので、学校側は可能な限り生徒の可能性を伸ばすということで判断しております。
27:
◯質疑(
山下委員) 可能な限り生徒の可能性を伸ばすということですが、それは客観的なデータで示すことができるのですか。
28:
◯答弁(
高校教育指導課長) 客観的なデータにつきましては、各学校の評価基準を個々に掌握はしておりません。ただ、学校では面接を実施して生徒の意欲等を見ますが、面接で一切反応がないとか、進学したいという意欲がない生徒がいるということは聞いております。
29:
◯質疑(
山下委員) 先ほど言いましたように、定時制の定員内での不合格者が122人でした。この子供たちには高校へ行って勉強しようという意欲がなかったのですか。高校へ行って勉強しようという意欲が全くなかったら受検しないと思うのですが、どうでしょうか。
30:
◯答弁(
高校教育指導課長) 学校が判断する要素としては、生徒の意欲や学力など全てを総合的に判断しますので、不合格の人数というものはやむを得ないものと考えております。
31:
◯質疑(
山下委員) 恐らく水かけ論になりますから余り言いませんが、選抜IIIを実施するようになったのは、どういう理由だったのですか。
32:
◯答弁(
高校教育指導課長) 選抜IIIにつきましては、中学校卒業後の進路未決定者で進学を希望する生徒に対して受検機会の拡充を図るという目的で実施しております。
33:
◯質疑(
山下委員) 私が聞いているのは、選抜IIが終わった段階で、私学を含めて、県内のどの高校にも合格できていない子供に受検資格があるということです。だから選抜IIIに願書を出すということは、ぎりぎりのところまで追い詰められた子供が出しているわけです。その選抜IIIで、福山市内だけでも全日制では3校4学科で10人を定員内不合格にしています。定時制でも3校で14人を不合格にしている。学校は、この子供たちには学ぶ意欲が全くないと判定したということですか。
34:
◯答弁(
高校教育指導課長) 各学校の校長からの聞き取りになりますが、面接で無言であったり、自分はこの学校には来たくないと言ったり、継続して学習できるような姿勢が見られなかった場合に、校長が総合的に判断したものと考えております。
35:
◯要望(
山下委員) きょう、義務教育指導課長から学力テストの結果報告がありました。通過率3割未満の子供が数%います。こうした子供たちに算数や国語の話をしたときに、一定程度の学力がある子供のように食らいついてきますか。食らいついていけないような状況になっているから、やってもしようがないという言葉が出るのです。その言葉だけで子供にやる気がないとか、主体性がないとか、意欲がないというふうに単純に判断して、15歳で可能性を絶ってしまってもいいのか、私は疑問に思います。
私の知り合いの子供で、中学校のときはほとんど不登校だった子供が福山市内のある学校の職業科へ行きました。よく合格させてくださったと頭が下がります。その高校へ入学してからは無遅刻、無欠席で行っています。農業の実習が楽しくてしようがない、卒業したら庄原市にある県立大学の農業コースへ行きたいとまで言っているそうです。この子供の中学校の状況だけを見たら、意欲がないという判が押されたのでしょうけれども、高校入学というのは大きな転機なのです。中学校の場合には中1ギャップというのがありますし、高校入学でもギャップはあるでしょうが、新しい生活になって、そこで心機一転という気持ちになるという側面があることも事実なのです。
面接するといっても時間は短いものでしょう。その短い間のやりとりの中で、意欲がないとか、来る気がないということで切ってしまうのは、いかにもむごいことだと思うのです。切り捨てられてしまった子供たちは、社会の中でも切り捨てられていくことになるのです。ですから、定員内不合格は、原則出すべきではないと私は思います。子供たちをしっかり受け入れて育てるのだという観点を持っていただきたいということをお願いして終わります。
36:
◯質疑(田川委員) 2点ほど質問させていただきます。1つは義務教育学校について、もう1つはコミュニティースクールについて質問させていただこうと思います。
義務教育学校につきましては、これまでも説明を受けておりますけれども、大切なことなので再度、確認させていただきたいと思います。
御存じのように、改正学校教育法が成立いたしまして、いよいよ義務教育学校が来年からスタートするのですけれども、小中学校の施設が一緒になっているものや連携型のものなどさまざまなものがあると思いますが、この義務教育学校というのは校長がカリキュラムをある程度の自由度を持って編成できるだけではなく、6・3・3制そのものが見直される可能性もあるわけで、これは教育界の大きな変革だろうと私は思うのです。
文科省によると、小中一貫校は昨年5月時点で1,130校あったということですが、本県には何校あって、そのうち何校が義務教育学校になろうとしているのか、把握されていれば教えていただきたいと思います。
37:
◯答弁(
学校経営支援課長) 小中一貫教育校につきまして、平成27年度におきましては全体で69件と市町から聞いております。構成別にしますと、小学校で130校、中学校が70校でございます。来年度の義務教育学校への移行ということでございますが、現在のところでは、来年度義務教育学校に移行するという市町は聞いておりません。
38:
◯質疑(田川委員) 学校教育法が改正されて義務教育学校という制度ができたのですけれども、このメリットは大きいと私は思っています。中1ギャップということがよく言われますけれども、その解消のためにも義務教育学校は非常にいいのではないかと思っているのです。教育委員会としては、この義務教育学校のメリットをもう少しアピールする必要があるのではないかと思うのですが、本県では来年4月から義務教育学校に移行するところはないということですので、その辺が徹底できてないのではないかという気がいたします。
教育委員会として、この義務教育学校のメリット、デメリットをどのように考えているのか、まずお伺いしたいと思います。
39:
◯答弁(
学校経営支援課長) 小中一貫教育の制度化ということで申しますと、基本的には全国的に各市町で取り組まれていたものが法制化されたということでございまして、それぞれの実情を整理したというのがメーンだと考えております。ただ、義務教育学校につきましては、形態の一つを示したものでございまして、そのメリットとしましては、やはり1人の校長が一つの組織をマネジメントするということで、一貫したカリキュラムができるということでございます。
デメリットとしては、これが直接のデメリットかどうかはわかりませんが、小中学校両方の教員免許を持つ必要がございます。現在、小中学校両方の免許を持つ教員は少のうございますので、そういった教員の養成も必要になってくると考えております。
さらに言えば、義務教育学校の場合、校長は1人でございますが、校内の校務のほかに校外での業務もございまして、あるときは小学校の校長、あるときは中学校の校長といったように2つの顔を持つことになりますので、そういった点では非常に多忙になると考えております。
40:
◯要望・
質疑(田川委員) 免許については、当面はどちらの免許でもよいということですけれども、中1ギャップということを考えると非常にメリットがありますので、ぜひ進めてほしいと思います。
もう一つは、これが今後進んでいったときには、学校統合につながるのではないかという懸念もしております。あるいは英語教育に力を入れるような義務教育学校ができたりすると、周辺の学校との教育格差が生まれるかもしれません。そういうことも想定した上で、各市町の教育委員会に積極的に働きかけていただきたい。メリット、デメリットをどのように整理するのかは各市町が決めることだろうと思いますけれども、できればこれが進んでいく方向に誘導していただきたいと考えているところでございます。
もう一つの質問は、地域運営学校と言われる、いわゆるコミュニティースクールについて質問させていただきます。文部科学省が6月に発表したものを見ると、コミュニティースクールは、公立の小中学校で2,271校になったということでした。前年度比で466校ふえたということで、2017年までには3,000校に拡大し、公立の全小中学校の1割にしたいという目標も掲げていると伺っております。
コミュニティースクールというのは、これまでも似たようなものがあったのではないかと思うのですが、私も学校現場におりましたけれども、こうしたものが形骸化しているところもあるのではないかと心配しておりました。
そこで、質問するのですが、文科省が発表した2,271校のうち、広島県にはどのくらいあるのか、それから、高校でもできていると伺っておりますけれども、本県の高校では何校あるのかというのを教えていただきたいと思います。
41:
◯答弁(
学校経営支援課長) 県内におけるコミュニティースクールの指定状況につきましては、小学校が7校、中学校が2校の計9校でございます。また、高等学校につきましては指定されている学校はございません。
42:
◯質疑(田川委員) 非常に少ないと思ったり、文科省が発表した2,271校を都道府県で割ればそういうものなのかと思ったりもするのですけれども、文科省は1割にしようという目標を掲げているわけです。それには随分と遠い数字だと思うのですが、住民参加によって地域と学校が一緒にやっていくコミュニティースクールをふやしていきたいと考えておられるのか、それは市町にお任せなのか、お伺いします。
43:
◯答弁(
学校経営支援課長) コミュニティースクールにつきましては、全国的に見ても導入が進んでいる県、導入していない県とさまざまでございます。例えば、2割以上導入しているのが滋賀県、京都府、岡山県、山口県、宮崎県でございますが、1つもないのが青森県、石川県、福井県の3県という状況でございます。県内でも、先ほど9校と申しましたが、4市町で取り組まれているということでございます。その理由としては、学校評議員とか、学校関係者評価委員会、さらには学校支援地域本部など類似の事例がございますけれども、その中でも保護者や地域の方の意見を十分に聞こうという思いが強いのではないかと考えております。
ただ、県としては、小中学校につきましては、各市町の教育委員会がどういう義務教育を展開していくのかという中で判断することが望ましいと思っておりまして、市町教育委員会から県に相談があれば、十分に対応してまいりたいと考えております。
44:
◯質疑(田川委員) おっしゃるように、類似の形態もありまして、学校と地域が連携しようという体制はできているのではないかと思いますけれども、文科省が目指しているものは、もう少し高度なものではないのかという期待をしているのです。例えば、山口県では山口大学と光市が連携してすばらしい取り組みをやっておられて、地域全体で子供の課題を考えているのです。どういう子供を育てたいのか、どういうふうに子供を支えていくのか、地域はどうかかわっていくのかというところまで踏み込んで取り組まれている。山口大学が指導やアドバイスをされているのですけれども、そういう取り組みが広島県内でもできれば、教育のための社会という言葉がありますけれども、そういう教育ができるのではないかと期待しております。
成熟した社会の中で、地域の方々が積極的に参加し、学校にも意見を言い、協力して一緒に学校をつくる、地域の力で子供たちを育てていくことができると思うのですけれども、そういう事例をぜひ示していただきたいと思うのです。ウエブ上で県内のコミュニティースクールに関する取り組みを拝見しましたけれども、それはほかの類似の取り組みと同じようなものでございました。地域全体で取り組んだことで子供たちが変わっていったというような、まさに教育のための社会がここにあるというような実態を示していただきたいと思います。
私は海外派遣教員で3年間ドイツにおりまして、そこではコミュニティースクールができていて、住民が学校の職員会議に入っていって、そこで積極的に
発言し、そして学校に注文をつけていくのです。それによって学校の運営方針が変わっていく。これが民主主義のあり方の一つだろうと思いますけれども、日本の精神風土に合うかどうかはわかりませんが、地域と一緒に子供たちを育てていくということが、今こそ必要なときではないかと思います。いろいろな課題を乗り越えていくために地域の力で変えていくのです。学校と家庭と地域と連携しますとよく言うけれども、それを本物にしていくのは、このコミュニティースクールの取り組みだろうと期待しているのです。そういう意味で、よい事例を示して、広島県内にコミュニティースクールが広がるように取り組んでいただきたいのですが、いかがでしょうか。
45:
◯答弁(
学校経営支援課長) 現在、国の中央教育審議会におきまして、今後のコミュニティースクールのあり方について検討を進めておりますので、県教委としましてはその動向を踏まえながら検討してまいりたいと考えております。
46:
◯要望(松浦委員) 18歳選挙権がいよいよ施行されるということですけれども、投票できるということは、一人前の国民、一人前の市民ということになるわけです。そこで、ほかの例を考えると、一人前であるにもかかわらず少年法の問題があります。飲酒や喫煙の問題もあります。これまで高校生には権利がなかったから政治活動は一切やらなかったけれども、国家や地域を動かすために一人前だと評価されるということは、3年生には権利が出てくるということです。そうすると、在学中に政党の党員になるという可能性が出てきます。それから、学内で政治問題研究同好会や部というようなものがつくられるかもしれません。そうなったときに、校長が判断に困る事態が起こるのではないかと思うのです。文科省が方向性を出すという記事を見たのですけれども、現場を管理・監督している県教委としても、それなりの覚悟といいましょうか、民主的な学校運営ができるように、早急に考えないといけない時期に来ていると思います。
もう一つは、被選挙権については、地方議会は25歳、参議院が30歳ですけれども、選挙権が18歳に下がったから、こちらも2つ下げていいのではないか、下げないといけないのではないかという議論になってくると思うのです。国がある程度の方向性を出すとはいえ、来年の参議院選挙に向けて県教委としても十分に研究していただきたいと要望しておきます。
(5) 閉会 午前11時58分
発言が指定されていません。 広島県議会 ↑ 本文の先頭へ...