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  1. 広島県議会 2015-02-04
    平成27年2月定例会(第4日) 本文


    取得元: 広島県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-05
    トップページ 検索結果一覧 使い方の説明 (新しいウィンドウで開きます) 平成27年2月定例会(第4日) 本文 2015-02-18 文書・発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ・別画面表示ツール 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ(新しいウィンドウで開きます) 別窓表示(新しいウィンドウで開きます) ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 発言の単文・選択・全文表示を切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者表示切り替え 全 105 発言 / ヒット 0 発言 すべての発言・ヒット発言表示切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示を実行・チェックの一括変更 選択表示 すべて選択 すべて解除 発言者一覧 選択 1 : ◯議長(林 正夫君) 選択 2 : ◯議長(林 正夫君) 選択 3 : ◯議長(林 正夫君) 選択 4 : ◯議長(林 正夫君) 選択 5 : ◯議長(林 正夫君) 選択 6 : ◯知事湯崎英彦君) 選択 7 : ◯議長(林 正夫君) 選択 8 : ◯伊藤真由美君 選択 9 : ◯議長(林 正夫君) 選択 10 : ◯知事湯崎英彦君) 選択 11 : ◯議長(林 正夫君) 選択 12 : ◯健康福祉局長笠松淳也君) 選択 13 : ◯議長(林 正夫君) 選択 14 : ◯環境県民局長中山雅文君) 選択 15 : ◯議長(林 正夫君) 選択 16 : ◯危機管理監(本瓦 靖君) 選択 17 : ◯議長(林 正夫君) 選択 18 : ◯副議長(冨永健三君) 選択 19 : ◯西村克典君 選択 20 : ◯副議長(冨永健三君) 選択 21 : ◯知事湯崎英彦君) 選択 22 : ◯副議長(冨永健三君) 選択 23 : ◯西村克典君 選択 24 : ◯副議長(冨永健三君) 選択 25 : ◯知事湯崎英彦君) 選択 26 : ◯副議長(冨永健三君) 選択 27 : ◯西村克典君 選択 28 : ◯副議長(冨永健三君) 選択 29 : ◯知事湯崎英彦君) 選択 30 : ◯副議長(冨永健三君) 選択 31 : ◯西村克典君 選択 32 : ◯副議長(冨永健三君) 選択 33 : ◯経営戦略審議官(伊達英一君) 選択 34 : ◯副議長(冨永健三君) 選択 35 : ◯西村克典君 選択 36 : ◯副議長(冨永健三君) 選択 37 : ◯知事湯崎英彦君) 選択 38 : ◯副議長(冨永健三君) 選択 39 : ◯西村克典君 選択 40 : ◯副議長(冨永健三君) 選択 41 : ◯商工労働局長(寄谷純治君) 選択 42 : ◯副議長(冨永健三君) 選択 43 : ◯西村克典君 選択 44 : ◯副議長(冨永健三君) 選択 45 : ◯西村克典君 選択 46 : ◯副議長(冨永健三君) 選択 47 : ◯教育長(下崎邦明君) 選択 48 : ◯副議長(冨永健三君) 選択 49 : ◯西村克典君 選択 50 : ◯副議長(冨永健三君) 選択 51 : ◯教育長(下崎邦明君) 選択 52 : ◯副議長(冨永健三君) 選択 53 : ◯西村克典君 選択 54 : ◯副議長(冨永健三君) 選択 55 : ◯健康福祉局長笠松淳也君) 選択 56 : ◯副議長(冨永健三君) 選択 57 : ◯西村克典君 選択 58 : ◯副議長(冨永健三君) 選択 59 : ◯健康福祉局長笠松淳也君) 選択 60 : ◯副議長(冨永健三君) 選択 61 : ◯西村克典君 選択 62 : ◯副議長(冨永健三君) 選択 63 : ◯西村克典君 選択 64 : ◯副議長(冨永健三君) 選択 65 : ◯選挙管理委員会事務局長(村上明雄君) 選択 66 : ◯副議長(冨永健三君) 選択 67 : ◯西村克典君 選択 68 : ◯副議長(冨永健三君) 選択 69 : ◯選挙管理委員会事務局長(村上明雄君) 選択 70 : ◯副議長(冨永健三君) 選択 71 : ◯西村克典君 選択 72 : ◯副議長(冨永健三君) 選択 73 : ◯西村克典君 選択 74 : ◯副議長(冨永健三君) 選択 75 : ◯教育長(下崎邦明君) 選択 76 : ◯副議長(冨永健三君) 選択 77 : ◯西村克典君 選択 78 : ◯副議長(冨永健三君) 選択 79 : ◯西村克典君 選択 80 : ◯副議長(冨永健三君) 選択 81 : ◯警察本部長(宮園司史君) 選択 82 : ◯副議長(冨永健三君) 選択 83 : ◯西村克典君 選択 84 : ◯副議長(冨永健三君) 選択 85 : ◯警察本部長(宮園司史君) 選択 86 : ◯副議長(冨永健三君) 選択 87 : ◯西村克典君 選択 88 : ◯副議長(冨永健三君) 選択 89 : ◯警察本部長(宮園司史君) 選択 90 : ◯副議長(冨永健三君) 選択 91 : ◯西村克典君 選択 92 : ◯副議長(冨永健三君) 選択 93 : ◯渡辺典子君 選択 94 : ◯副議長(冨永健三君) 選択 95 : ◯知事湯崎英彦君) 選択 96 : ◯副議長(冨永健三君) 選択 97 : ◯健康福祉局長笠松淳也君) 選択 98 : ◯副議長(冨永健三君) 選択 99 : ◯土木局長(児玉好史君) 選択 100 : ◯河井案里君 選択 101 : ◯副議長(冨永健三君) 選択 102 : ◯河井案里君 選択 103 : ◯副議長(冨永健三君) 選択 104 : ◯知事湯崎英彦君) 選択 105 : ◯副議長(冨永健三君) ↑ 発言者の先頭へ 本文 ↓ 最初のヒットへ (全 0 ヒット) 1:         午前十時三十分開議 ◯議長(林 正夫君) 出席議員六十一名であります。これより会議を開きます。              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 2: ◯議長(林 正夫君) 諸般の報告がありますので、書記をして朗読いたさせます。         【書 記 朗 読】                                    平成27年2月18日  広 島 県 議 会 議 長 殿                                        広  島  県  知  事                                           (財 政 課)            2月定例県議会の追加議案及び説明書について  平成27年2月定例県議会の追加議案及び説明書を,別冊のとおり提出します。 3: ◯議長(林 正夫君) 別冊はお手元に配付しておりますので、朗読は省略いたします。  お諮りいたします。ただいま報告の追加議案十五件を本日の日程に追加するに御異議ありませんか。         【「異議なし」と言う者あり】 4: ◯議長(林 正夫君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決します。              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~         自第  一 県第一号議案         至第五十六 報第三号         自     追県第一号議案         至     追県第一五号議案
    5: ◯議長(林 正夫君) これより日程に入ります。日程第一、県第一号議案 平成二十七年度広島県一般会計予算から日程第五十六、報第三号 損害賠償額の決定についてまでの各案並びに追加議案十五件を一括上程議題といたします。  この場合、知事から追加議案に対する提案理由の説明を求めます。知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 6: ◯知事湯崎英彦君) ただいま追加提出いたしました議案につきまして、その概要を御説明いたします。  まず、平成二十六年度の一般会計補正予算案の概要を申し上げます。  国においては、経済の好循環のさらなる拡大を実現するとともに、魅力あふれるまち・ひと・しごと創生を推進するため、先月、生活者・事業者支援や地方の活性化、災害・危機等への対応を内容とする経済対策を打ち出したところであります。  こうした中、本県といたしましても、国の経済対策を活用し、平成二十七年度予算と一体的に、防災・減災対策などを中心とした災害に強いまちづくりや、地方創生に向けた取り組みなどに前倒しで取り組むとともに、地域における消費喚起や生活支援を実施することとし、百二十八億九千二百四十六万円を追加計上しております。  このほか、福祉医療関係費など事業費の確定に伴い減額の対応を行うとともに、公共事業につきましても、国の認証などによる事業費の確定に伴う減額を行うなど、二百十六億九千四百三十三万円の減額の整理を行うこととしております。  また、本年度予算のうち、やむを得ず翌年度に繰り越して実施する事業について、繰越明許費を計上しております。  以上の結果、一般会計につきましては、八十八億百八十七万円の減額となり、本年度予算の累計額は九千六百八十一億三千七百六十三万円となります。  また、特別会計補正予算案は十会計で、三十三億六千九百三十三万円の減額、企業会計補正予算案は四会計で、二十八億二千二百五十七万円の減額となっております。  どうぞ、慎重に御審議いただいた上、適切な御議決をくださるよう、よろしくお願いいたします。 7: ◯議長(林 正夫君) 昨日に引き続いて質問を行います。伊藤真由美君。         【伊藤真由美君登壇】 8: ◯伊藤真由美君 皆さん、おはようございます。自由民主党広島県議会議員団・県民会議、安芸郡選出の伊藤真由美です。  今次定例会におきまして質問の機会を与えていただき、林議長を初め、先輩、同僚議員の皆様に心から感謝申し上げます。  また、本日は早朝より大勢の皆様、地元の方が傍聴にお越しくださいました。心から御礼申し上げます。  きょうは、四年前に初当選させていただき、以来、訴え続けてきたこと、また、取り組んでまいりましたことを、四年間の総括として質問させていただきますので、知事を初め、執行部の前向きな答弁をお願いいたしまして、質問に入らせていただきます。  質問の第一は、広島市東部地区連続立体交差事業についてお伺いします。  安芸郡府中町から海田町にかけては、古くから交通の要衝として多くの産業の集積をもたらし、発展を重ねてきましたが、鉄道による市街地の分断が効率的な基盤整備を阻害し、慢性的な交通渋滞を引き起こすなど、広島都市圏東部の地域拠点としての役割を十分に発揮し切れていない状況が長い間続いてきました。  そこで、当事業により高架化して踏切を除去することで、渋滞の解消や南北市街地の一体化が実現するとともに、現在、府中町や海田町で進められている土地区画整理事業と相まって、より快適で良好な住環境を地域住民の皆さんに提供することが期待できます。  当事業は、平成十年度に都市計画決定され、平成十三年度に事業着手された、地域住民待望の事業です。このため、地元市町や住民の皆さんは、この事業に大きく期待し、これまでに用地取得が約九割も進むなど、事業に協力くださり、一日も早く工事を始め、高架事業が動き出すことを待ち望んでおられます。  一方、事業主体である広島県と広島市は、現計画による事業を実施していくためには、事業の長期化などさまざまな課題が生じることが予測されることから、平成二十四年二月に、昨今の公共事業を取り巻く厳しい環境の中でも、早期に事業効果を発現するために、見直し検討に着手されることとなりました。  しかし、平成二十五年八月には、県から海田町区間の高架化を取りやめる案が出され、地元海田町との調整が行き詰まってしまいました。  私は、早く事業に着手し、地域住民の方々の期待に応えていただくことは重要であると考えており、県には、これまでの経緯や協力をいただいた方々の気持ちを十分に受けとめて、まずは、県が海田町や住民の皆さんと向き合い、誠心誠意の対応が必要であると、昨年二月の予算特別委員会でも申し上げてきたところです。  こうした中、県においては、昨年五月に副知事が現地視察を実施され、その後、海田町と協議の場を設定し、真摯に協議を積み重ねてこられ、昨年十二月に、高架の高さを抑えた手法により海田町域を高架化する検討を行うことに合意されたことは、行き詰まったままの状況からの大きな前進です。これからの事業実施に当たっては、当初の事業の趣旨を踏まえて、真に海田町域のまちづくりが図られる内容でなくてはなりません。  そこで、まず、県はどのような考えで海田町域の高架化を検討するに至ったのか、その理由について知事にお伺いいたします。  次に、広島市東部地区連続立体交差事業の今後の進め方についてお伺いします。  私は、これまで、この事業につきましては、このまま県と海田町の意見が平行のままで時間が過ぎることなく、一日も早く、事業方針を決定して、それを実現するための調査費が必要であると申し上げてまいりました。  こうした中、県においては、今年度、地元の理解を得ながらこの事業を進めるために必要となる調査費を計上されました。  そこで、早期事業方針の決定に向けた現在の進捗状況と、県が、来年度の予算において何をされるのかなど、今後の進め方について知事にお伺いいたします。  質問の第二は、人と動物が共生できる社会の実現について、三点お伺いします。  動物にとってすみよい社会は、人にとっても住みよい社会であり、動物が好きな人も苦手な人も快適に暮らせる社会を実現することが望ましいと考えています。  国内では、毎年二十万頭以上の犬猫が保健所や動物愛護センターに収容され、その大半が無残にも致死処分されています。広島県内では、現在、改善されてはきているものの、平成二十三年度に致死処分頭数が八千三百四十頭と全国でワーストワンとなりました。  最近は、テレビや新聞で何度も取り上げられたので御存じの方も多く、なぜ広島県がという多くの県民の皆様から、犬猫の致死処分削減の対策を願う多くの声が寄せられています。  そこで、このような本県状況に危機感を覚え、特に動物に対して理解のある議員有志で、一昨年、動物を愛する議員の会を発足して、民間ボランティア団体から意見聴取したり、本通りで終生飼養の啓発活動を行ったりしてまいりました。県内では現在、広島市、呉市、福山市の各市が犬猫などの引き取りを、それ以外の地域においては三原市本郷町の広島県動物愛護センターが犬猫などの引き取り・致死処分を行っています。そこで、この四カ所の所長をお招きして、昨年夏には、マリーナホップで官民一体となった初めての広島県殺処分ゼロを目指したシンポジウムにも参加させていただき、官民一体での機運の盛り上げを行いましたが、折しもちょうど本日、夕方のニュースでその様子が放映されるようです。  さて、そのような中で、広島県でも、決められた日に決められた場所で犬猫を引き取る定時定点は、安易な引き取りにつながりかねないということから、今年度、動物愛護業務強化検討会を設置して、私も委員となり、この定時定点の見直しを初めとして、効果的な広報活動、譲渡を促進するための具体的施策の、大きく三施策について検討してきたところです。その結果、まずは、来月三月末日をもって、この定時定点を廃止することにいたしました。しかし、同時に一方では、犬猫の致死処分が減少するかわりに、一旦は、野良犬や野良猫が増加することが懸念されます。要するに、何よりも根本的な原因である飼い主の安易な飼育放棄を防がなければ、問題は解決しません。また、飼う前に一生飼えるかどうかしっかり考えること、飼わないということも大切な選択です。  そこで、検討会では、定時定点の廃止とあわせ、終生飼養と飼い主のしつけやマナーの啓発強化を図る効果的な広報活動についても検討を進め、実際に動物愛護の活動をされている著名なタレント杉本彩さんと、愛犬を連れて全国の小中学校などで命の授業を展開している児童文学作家の今西乃子さんをお招きし、三月二十五日に、県民文化センターで動物愛護講演会を開催することとなりました。女優として、また、小説家として活躍されている杉本彩さんは、病気で死にかけている一匹の子猫と出会った御自身の体験をきっかけに、動物愛護の活動に携わるようになり、野良猫に不妊去勢手術を施し、これ以上ふえないようにしてもとの場所に戻し、地域で面倒を見る活動を始められたそうです。  これは、現在では、いわゆる地域猫の取り組みと言われているもので、きょう傍聴にお越しの住民の皆さんの中でも、既に自発的に行われている方もいらっしゃいます。  そして、その後、約八年前、湯来町での犬の動物園の経営破綻による大虐待事件、私もボランティアとして駆けつけましたが、いわゆるひろしまドッグぱーく事件が起こったのを機に全国的な活動を始められ、昨年二月には、動物愛護を目的とした一般財団法人動物環境・福祉協会エバを設立され動物愛護の啓発を行っておられます。  ぜひとも、この杉本彩さんの講演会には、多くの県民に御参加いただき、少しでも多くの方に関心をお持ちいただきたいと思います。  そこで、動物愛護に関し、どのような手段で具体的に啓発していかれるのか、また、今回の講演会について、どのように県民に周知を図られるのか、知事にお伺いします。  次に、譲渡を促進するための具体的施策として、動物愛護センターのあり方についてお聞きします。  動物愛護センターは、これまで定時定点などを実施し、大量の犬猫の致死処分を行ってまいりました。しかしながら、今からの時代は、動物たちに生存の機会を与えると同時に、それを人の幸せ、社会の幸せへとつないでいくための施策が求められるようになってきています。何より、小さな命を大切にするということは、人間の命を大切にするということにもつながるからです。  さて、来年度から定時定点を廃止することとあわせて、引き取った犬猫に新たな飼い主を捜して飼っていただく里親探しを進め、譲渡を促進していく施策に取り組まなければなりません。  そこで、三原市本郷町にある動物愛護センターは、開所からもう三十年以上が経過していますが、現状で、こうした施策の変化に対応できるのか、また、対応できない場合、建てかえも含めた検討が必要と考えますが、どのように対応されるのか、知事にお伺いいたします。  次に、災害救助犬の育成に向けた法整備について伺います。  昨年八月の広島市の土砂災害では、テレビやニュースで、連日、自衛隊やレスキュー隊にまじり、災害救助犬たちがどろどろになりながらも一生懸命行方不明者を捜す姿が何度も放映されておりましたので、御存じの方も多いと思いますが、災害救助犬とは、地震や土砂崩れなどの災害で、倒壊家屋や土砂に埋もれた人を、その嗅覚によって発見し、救助を助けるように訓練された犬です。四年前の東日本大震災や昨年の広島県での土砂崩れにより下敷きとなった方を一刻も早く捜し出さなければならない現場において、災害救助犬は非常に貴重な存在となりました。たまたま、私の愛犬をしつけてくださっている訓練士の先生が、随分早くから災害救助犬育成をされていらっしゃるので、愛犬も災害救助犬を目指して取り組んでいたところでした。八月の土砂災害発生時には、先生は訓練を終えた救助犬と一緒に毎日被災地で行方不明者を捜索しておられ、その際のさまざまな課題も伺いました。  動物を愛する議員の会においても、現在、セラピー犬部会、災害救助犬部会など部会をつくって調査研究しているところです。私も母のいる介護施設によく愛犬を連れていくのですが、母は、この愛犬を見ると、すごく笑顔になります。  このたびのような災害が発生した場合、一刻も早く瓦れきの下の行方不明者を捜索するには、この災害救助犬に頼るしか救出方法がありません。将来の南海トラフ大地震への備えを考えると、その重要性は増すばかりです。  このように、今後、災害救助犬の果たす役割はさらに重要となってまいりますが、一方で、災害救助犬については、盲導犬や介助犬のような法整備がなされていません。今回の広島市での災害を教訓に、この災害救助犬を育成するための環境整備や救助犬認定、迅速な派遣など、さまざまな法整備が必要と考えます。  そこで、将来の南海トラフ大地震に備えるためにも、昨年の土砂災害を経験した広島県から国に対して、盲導犬や介助犬同様に、災害救助犬の法整備を進めるよう働きかける必要があると考えますが、知事の御所見をお伺いします。  質問の第三は、看護師など女性の働きやすい環境づくりについてお伺いします。  私は四年前に初当選させていただき、自来、県議会において、女性が安心して働き活躍できる社会づくりの実現を訴えてまいりました。  現在、広島県では、県に働く女性応援プロジェクト・チームを設置されたほか、昨年は、企業も巻き込んだ働く女性応援隊ひろしまや、女性の活躍には男性の協力が必要なことから、イクメン企業同盟を結成され、強力に女性の活躍促進を進めることとされています。  そこで、まず、働く女性が安心して子供を預けられる環境の整備についてお伺いします。  子供の保育所への入所に当たっては、母親がフルタイムで働いている場合が優先され、求職中であるとか、フルタイムで働いていない方からは子供を入所させたくてもできないという声を聞いております。  こうした保育所への入所を希望しても入所できない待機児童は、三歳未満児が圧倒的に多くなっています。昭和五十年に育児休業法が成立し、もう既に四十年が経過いたしました。企業の育児休業の制度導入は進んでいますが、休業期間は一年間がほとんどです。このため、三歳未満児を預けたくても預けられないというのが現状なのです。  中でも、看護に関する職場は、全国の働く女性の二十人に一人という約百四十万人もが働く職場ですけれども、勤務時間が長く、働くには大変厳しい職場となっています。介護職員の場合も、全国で百万人以上の女性が従事し、女性の割合が極めて高い職場です。  こうした職場では、特に、子供を預けられる環境が重要であると考えます。また、保育時間については、私立ではほとんどが延長保育を行っていますが、一時間延長が主流です。看護師など夜勤がある職業では二十四時間保育も求められますし、院内保育、事業所内保育施設の設置と充実も求められます。  事業所内保育施設ということでは、先般、県庁内でも、来年度中に保育所をオープンされる計画があるとお聞きし、大変期待しているところです。  そして、何よりも病児保育・病後児保育の課題があります。子供の急病は当たり前です。子供が病気になったときに、そばについていてあげたいのは、母親なら誰でも当然です。自分で看病したい気持ちはみんな同じです。しかしながら、職場では理解されにくいのもまた現実です。女性が就業継続するためには、朝、突然に子供が病気になったり、病み上がりだったりする場合に、すぐに預けられる病児・病後児保育の充実が急務です。  女性が就業を継続していくためには、育児休業などの休暇が三年間しっかり取得でき、また、いつでも子供を預けることのできる環境づくりが不可欠と考えますが、知事の御所見をお伺いします。  次に、介護休業の充実についてお伺いします。  育児休業に加え、看護休暇や短時間勤務制度など、子育てのための制度は法的には充実してきていますが、現実に休暇を活用できているかというと課題があるようです。  県内の二千五百事業所を対象とした調査では、育児休業取得率は、平成二十五年度、女性九四・六%、男性四・八%となっており、女性の大半が育児休業を取得しているように見えますが、実際には育児休業を取得せず、やめてしまっている人が多くいます。  さらに、両親などを見るための介護休業となると、平成二十四年の就業構造基本調査結果を見ると、県内で介護をしている雇用者のうち、介護休業等制度を利用している者は一八・三%しかいないという結果が出ています。  現在、地域を歩いておりますと、特に高度成長期につくられた団地内には、高齢者のひとり暮らしが大変多いことに驚きます。こうしたひとり暮らしの高齢者と離れて暮らす方々からは、何かあったときには、すぐに駆けつけられず、また、いざというときには長期間介護に当たるため離職せざるを得ないという不安の声を聞きます。  こうした中で、介護休暇を取得できる環境づくりを進めることは急務であると考えます。全国で、過去五年間に介護などのために離職した者は四十八万七千人で、このうち八割が女性というデータもあります。子供の保育は時期が限定されますが、一方で、親や配偶者など家族の介護は、ある意味で先が見えないこともあり、今後さらに大きな課題となってくると予想されます。  病院に勤務する常勤の看護師などの離職率は一一%を超えているというデータもあり、離職の理由は、結婚・出産・育児などが上位となっていますが、家族の介護というのも多く挙げられます。  また、常勤の介護職員の離職率は一五%を超えており、職場をやめた理由は、こちらも、結婚・出産・育児が最も多いものの、家族などの介護が挙がっています。今後、高齢化が進む中で、さらに介護休業の必要性が増してくると思います。働き盛りでの離職ということにならないためにも、今、しっかりとした対策が必要と考えます。  そこで、女性の働く職場の実態を踏まえ、県として、女性が介護休業を取得できる環境づくりを進める必要があると考えますが、知事の御所見をお伺いします。  質問の第四は、地域ボランティアを後押しする市町への支援についてお伺いします。  看護師や介護にかかわる人材の不足は本県にとって非常に大きな問題ですが、人手が不足しているのはこうした分野だけではありません。待機児童の問題が社会的にクローズアップされて久しいですが、男女共同参画社会の進展により共働き家庭が増加する中で、保育にかかわる人材も不足しています。介護にかかわる人材や保育にかかわる人材については、ボランティアが専門職員の補佐をする形でかかわっていくことが、人口減少社会と言われるこれからの社会では必要になってくるのではないでしょうか。  既に、学校においては、地域の高齢者の方などによる子供見守り隊の活動、放課後の子供たちの勉強やスポーツを支援する放課後子供教室の運営、地域住民などの参画により学校の教育活動を支援する学校支援地域本部の活動などにおいて、多くのボランティアの方が活躍され、成果を出しておられます。  府中町では、地域の高齢者を支えるさまざまな取り組みをされているグループや少年少女消防クラブを支えるボランティアグループもあると聞いています。東日本大震災の後、全国から多くのボランティアの方々が駆けつけ、復興を後押しされました。昨年八月の広島市の土砂災害においても、県の内外から、多くのボランティアの方々が駆けつけてくださったのは記憶に新しいところです。これからの社会の中では、ボランティアの活動は欠かすことができず、その育成もしっかりと図っていくことが求められます。  熊野町では、自発的に活動しているさまざまなボランティアグループに対する支援を行うまちづくり協働推進事業により、ボランティアの後押しを行っています。ボランティアを行政が支援する仕組みが県内各地に広がっていくよう、県としても積極的に支援すべきではないでしょうか。  そこで、県として、地域のボランティアを後押しする市町への支援を行っていくべきと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。  以上で質問を終わります。  本日は傍聴席に多くの女性の皆様にお越しいただいていますが、これからも、女性ならではの気配り、目配り、心配りで、女性の代表として皆様の声を県政へ届けてまいります。安全で安心して暮らすことのできる、本当に豊かなきらりと光る広島県を目指して皆様とともに歩んでまいりますことをお誓い申し上げまして、結びの言葉とさせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手) 9: ◯議長(林 正夫君) 当局の答弁を求めます。知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 10: ◯知事湯崎英彦君) まず、広島市東部地区連続立体交差事業の見直し状況についての御質問でございます。  広島市東部地区連続立体交差事業は、広島都市圏東部地域の交通の円滑化や市街地分断の解消を図るものであり、まちづくりの観点から進めてきた事業でございます。  しかしながら、当事業は、昨今の公共事業を取り巻く環境の中では、現計画で事業実施した場合、事業の長期化などさまざまな課題が生じるため、大幅なコスト縮減を図り、早期に事業効果が発現できるよう、さまざまな観点から見直し検討に取り組んでいるところでございます。  このため、県と海田町は、平成二十六年七月に協議の場を設置し、町のまちづくりにとっては、踏切の安全確保や交通の円滑化、市街地の一体化といった事業効果を早期に発現することが重要であると確認した上で、お互いにしっかりと意見を出し合いながら協議を進めてまいりました。  また、海田町の今後のまちづくりのあり方や、踏切を通過する大型車が少ないなどの地域の交通特性なども踏まえながら国土交通省などの関係機関と協議を重ね、他自治体の取り組み事例も参考にコスト縮減の方策について検討を行ってまいりました。  こうした中、全国的には採用事例は少ないものの、海田地域におきましても、高架の高さを抑える手法によれば、この事業の三つの事業効果の発現と一層のコスト縮減が見込まれるということから、昨年十二月に、県が海田町にその可能性の検討を提案し、合意したところでございます。  続いて、広島市東部地区連続立体交差事業の今後の進め方についての御質問でございます。  広島市東部地区連続立体交差事業は、現在、早期に見直しの方向性を決められるよう、今年度の予算を活用して、海田町域を高架化した場合の技術的な検討や概算事業費の算出などを外部に委託しているところでございます。  検討に当たりましては、共同事業者であります広島市とJR西日本や国土交通省と協議を行いながら検討する必要もあり、数カ月程度を要するものと考えております。  また、事業方針の決定に当たりましては、公共事業を取り巻く環境の変化なども踏まえ、土地区画整理事業などの関連事業と一体となって得られる効果、事業コストや事業期間など、さまざまな観点から総合的に判断してまいりたいと考えております。  県といたしましては、引き続き、広島市、府中町及び海田町の皆様としっかりと協議しながら、できるだけ早期に方針決定し、事業効果が発現できるよう取り組んでまいります。  次に、動物愛護に関する啓発についてでございます。  動物愛護に関する啓発につきまして、本県といたしましては、これまでも積極的に取り組んできたところでございます。  具体的には、動物愛護センターにおきましては、子供のころから生命尊重の意識を涵養させるという観点から、小学生までを対象といたしました命の大切さを教える動物愛護教室や中・高校生を対象とした命を考える動物愛護教室などを、広く県内を巡回しながら開催しております。  また、飼い主に対しましては、動物の命を大切にして、最後まで責任を負って飼うことや、周辺住民に迷惑をかけない正しい飼い方について各種講習会を開催いたしますとともに、ホームページなどを利用し、啓発に努めているところでございます。  来年度、殺処分数の削減に向けて、定時定点引き取りを廃止することとしておりますが、これとあわせて、野良犬を減らすための地域における野良犬対策協議会や、飼い主のいない猫を地域で管理する地域猫活動などの野良犬・野良猫対策を市町や住民と一体となって取り組むこととしております。  これらの対策を推進するためには、地域住民の理解と協力が必要であることから、広く県民に動物愛護への関心を持っていただくことが重要となっております。  このため、今回、啓発活動をさらに幅広く展開することとし、新たに動物愛護を推進する著名人を招いて講演会を開催することとしております。
     なお、この講演会の周知につきましては、ツイッターやフェイスブックなどあらゆる媒体を活用して積極的に行いますとともに、このような取り組みをマスメディアを通じて発信することで、動物愛護への関心を高めてまいりたいと考えております。  今後とも、市町、関係団体と連携・協働いたしまして、動物愛護精神の普及・啓発を初めとした各種施策を推進し、全ての犬猫の命を大切にし、人と動物が共存できる社会の実現を目指してまいります。  次に、働く女性が安心して子供を預けられる環境づくりについてでございます。  働く女性にとりまして、長期の育児休業を取得することは、子育てに時間を十分かけることができるというメリットがある一方で、孤立感の助長やキャリアの中断の不安、経済的なデメリットなども想定されることから、県といたしましては、女性の希望に応じた多様な選択肢を準備することが重要であると考えております。  このため、希望する期間の育児休業が取得でき、スムーズに職場復帰できるよう、企業などにおける制度と、それが活用できる職場のサポート体制の充実に向けて、イクメン企業同盟の活動や、私みずからのイクボス宣言による企業のトップの意識改革、働く女性応援隊ひろしまの枠組みを活用した研修会の開催や、先進的な取り組み事例のノウハウ導入手引書の作成などの取り組みを進めております。  また、子育て中の女性の就業には保育サービスの充実が不可欠であり、待機児童の解消にとどまらず、預けたいときに安心して子供を預けることができるという環境を県内全域でつくり上げることこそが、目指すべき本来の目標であるとの認識に立っております。そして、来年度スタートのひろしまファミリー夢プランに、いつでも安心して子供を預けて働くことができる環境が整っていると思う人の割合をふやすことを目標として掲げまして、その達成のため、強力に施策を展開することとしたところでございます。  具体的には、これまで行ってきました認可保育園などによる保育の受け入れ枠の確保や保育コンシェルジュによる入所相談、また、保育所へのあっせん、利用調整などに加えまして、来年度は、特にニーズが高い三歳未満児の受け皿として新たに認可施設として位置づけられる事業所内保育施設について、奨励金の支給や県みずからが複数の事業主が共同で設置するモデルを示すことにより、県内事業者による設置を促進し、受け入れ枠の拡充を図ってまいります。  さらに、年度途中に、復職や就職による保育ニーズが高まり、認可保育所を利用できないために認可外保育施設を利用するといったケースも多く想定されることから、それに伴う負担増を軽減する支援策も創設することとしております。加えて、夜勤や休日勤務等の業態に合わせて預けられる院内保育施設の開設、病児・病後児保育を実施する市町への補助や市町間の広域利用の調整などを積極的に進めてまいります。  今後とも、保育者のニーズに応じたきめ細かいサービスを提供することにより、満足度を高め、働く女性が子育ても十分に楽しみながら、また、安心して子供を預けて、生き生きと働き続けることができるよう、企業や市町と連携して取り組みを加速してまいりたいと考えております。  その他の御質問につきましては、担当説明員より答弁させていただきます。 11: ◯議長(林 正夫君) 健康福祉局長笠松淳也君。         【健康福祉局長笠松淳也君登壇】 12: ◯健康福祉局長笠松淳也君) 私から二点お答えを申し上げます。  まず、動物愛護センターのあり方についてでございます。  動物愛護センターが開所されました昭和五十五年当時は、野良犬・野良猫が多く、犬猫の殺処分数が二万頭を超えており、その対応が中心でございました。  このため、収容した動物の感染症の防止や個別に収容する施設、また、譲渡を希望する方が見て触れ合う施設がないなど、犬猫の返還や譲渡の促進に十分対応できる施設にはなっておりません。  しかしながら、動物の命を大切にする機運が高まっている現在では、終生飼養や適正飼養の普及啓発及び犬猫の返還や譲渡を促進することができる施設に転換していく必要があると考えております。  このため、県といたしましては、来年度、広島県動物愛護管理推進協議会に作業部会を新設し、時代の変化に対応できる動物愛護センターのあり方について調査・検討してまいります。  続きまして、働く女性が介護休業を取得できる環境づくりについてでございます。  少子・高齢化が進展する中、介護を行いながら働く人が増加しており、仕事と介護の両立は仕事と子育ての両立と同様に、女性の就業継続のために重要であると認識しております。  このため、企業におきまして、仕事と介護の両立を支援する介護休業や短時間労働などの社内制度の整備、これらの制度や介護保険サービスなどの従業員への周知と利用しやすい職場づくりが必要であると考えております。  こうしたことから、県におきましては、企業における柔軟な働き方の導入や職場を挙げたサポート体制の整備など、具体的な取り組み事例のホームページやメールマガジンによる情報発信やセミナーの開催などにより、仕事と介護の両立促進に向けた理解促進を進めているところでございます。  さらに、今年度、仕事と介護の両立促進事業として、中小企業十社をモデルとして、介護に関する社員の現状と課題分析をした上で、社内の支援体制を見直す中、相談窓口の設置や就業規則の見直しをする事例も出てきており、今後、こうした企業の取り組み状況などを取りまとめ、県内企業に周知していくこととしております。  また、来年度からは、県費預託融資制度に従業員の介護休業促進などに取り組む中小企業への低利融資を追加し、企業の取り組みを推進することといたしております。  引き続き、企業と連携し、女性が介護を理由に離職することのないよう、介護休業などを取得しやすい職場環境づくりに取り組んでまいります。 13: ◯議長(林 正夫君) 環境県民局長中山雅文君。         【環境県民局長中山雅文君登壇】 14: ◯環境県民局長中山雅文君) 地域ボランティアを後押しする市町への支援について御答弁を申し上げます。  地域の課題に対しまして、ボランティア活動などにより住民が解決に向けて取り組まれることは非常に重要であり、市町では、地域福祉の向上のため、それぞれの実情に応じ、このような活動団体に対して支援されております。  一方、県におきましては、里山林の保全活動など個々の必要性に応じた地域の活動人材を育成するため、市町を通じた支援に取り組んでいるところでございます。  また、地域ボランティアの活動の母体となる団体が自立できるよう、組織や財務基盤の強化を目的とした研修などを実施したほか、市町、企業、NPO、学生団体などの多様な主体が連携していく仕組みづくりとして、活動情報の発信や多様な主体が連携するフォーラム等の開催、さらには、他の模範となる団体の表彰を行っているところでございます。  県といたしましては、今後も、市町と連携しながら、これらの取り組みを通じて県民のボランティア活動を促進し、さまざまな社会貢献活動が活発に展開されるよう取り組んでまいります。 15: ◯議長(林 正夫君) 危機管理監本瓦 靖君。         【危機管理監本瓦 靖君登壇】 16: ◯危機管理監(本瓦 靖君) 災害救助犬の育成に向けた法整備について御答弁申し上げます。  広島市の土砂災害においては、自衛隊の国際災害救助犬やNPO法人全国災害救助犬協会等の団体が認定した災害救助犬が災害現場に入り、自衛隊や消防の救助・捜索活動に協力していただいたところでございます。  そうした災害救助犬は、身体障害者の自立及び社会参加の促進に寄与するため法整備が行われた身体障害者補助犬と異なり、国は、災害救助犬はそれぞれの捜索機関により必要に応じて育成していくという認識であり、法律を整備するところまでには至っていないのが現状でございます。  こうした国の現状も踏まえて、災害救助犬に係る法整備につきましては、引き続き、国の動きや今後の方針等について情報収集に努めるとともに、他の自治体などの取り組み状況も把握しながら、どのような対応ができるか、研究してまいりたいと考えております。 17: ◯議長(林 正夫君) この際、暫時休憩いたします。午後の会議は一時から開きます。         午前十一時二十二分休憩              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~         午後一時開議 18: ◯副議長(冨永健三君) 出席議員五十四名であります。休憩前に引き続き会議を開きます。  引き続いて質問を行います。西村克典君。         【西村克典君登壇】 19: ◯西村克典君 皆さん、こんにちは。広島県議会民主県政会、広島市安芸区選出の西村克典です。今次定例会におきまして質問の機会を与えていただきました議長を初め、先輩、同僚議員の皆様に心から感謝を申し上げます。  それでは、一問一答方式で質問いたしますので、質問席に移動いたします。(質問用演壇に移動)  質問の第一は、広島県職員の行動理念についてお伺いいたします。  まずは、知事の提唱される三つの視座の認識についてでございます。  知事は、就任後の平成二十二年三月に広島県職員の行動理念を策定されて、五年近くが経過いたしました。その行動理念には、県庁そのものが何のために存在するのかという存在意義や、日常の業務遂行に当たって大切にすべき価値観や行動指針について記されております。また、県庁の仕事を進めるに当たっての基礎となる三つの視座──県民起点、現場主義、予算志向から成果志向への転換があわせて唱えられております。  社会経済環境の急速な変化や県民ニーズの多様化を踏まえながら活力ある広島県を実現するためにも、県職員が価値観を共有し、意識を高め、より質の高い行政サービスを展開していくために取り組まれているものと私は受けとめております。  公務員の職場は、従来、往々にして行政目線、机上主義、予算主義での対応になりがちだと言われてきましたので、県庁の改革のために知事が唱えられたものと考えております。この三つの視座については、知事御自身も、一つ一つの判断や行動を起こされる際の基準にされ、県民の負託に応える県庁になるべく、取り組みを進めておられるものと理解しております。  そこで、策定から約五年を経過し、社会経済環境や県の組織改革が進む中、この県民起点、現場主義、成果志向の三つの視座について、現在の知事の認識をお伺いいたします。 20: ◯副議長(冨永健三君) 知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 21: ◯知事湯崎英彦君) 広島県が将来にわたって活力を維持し、発展していくためには、まずは、県職員が一丸となって組織力を結集し、その使命を全うすることが重要でございます。  このため、私は、知事就任時に、県民起点、現場主義、予算志向から成果志向への転換という三つの視座を提唱し、県の組織が存在する意義や職員が共有すべき価値観、実践すべき行動指針を広島県職員の行動理念として職員に策定してもらいました。そのもとで、ひろしま未来チャレンジビジョンを策定し、目指すべき姿を明らかにした上で、組織や施策のマネジメントの仕組みに民間の手法も導入しながら県行政の運営を行ってきたところであります。  その結果、交流人口の活発化や創業・新事業展開の進展、子育て支援や女性の活躍促進などの分野で変化が見え始めており、今後は、これを確実な成果へと結びつけてまいりたいと考えております。  三つの視座や広島県職員の行動理念は、日々の業務を遂行する際の判断基準や行動の基本に当たるものであり、引き続き、これらの基本理念を堅持し、さらなる高みに向けて、職員が自由闊達に議論し、アイデアを出し合い、目標に向けて邁進する組織運営、県政運営に努めてまいりたいと考えているところでございます。 22: ◯副議長(冨永健三君) 西村克典君。 23: ◯西村克典君 次は、行動理念の職員への定着と日本一強い県庁の実現についてお伺いいたします。  知事は、県民の信頼と負託に応え、地域の価値を高めるという観点において、どの県にも負けない日本一強い県庁をつくることを目指しておられます。  その実現のためには、やはり、県庁の仕事を進めるに当たっての基礎となる広島県職員の行動理念や三つの視座の定着を図ることが必要だと考えております。  そこで、今後、広島県職員の行動理念や三つの視座のより一層の定着と日本一強い県庁の実現のため、どのように取り組もうとされているのか、知事にお伺いいたします。 24: ◯副議長(冨永健三君) 知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 25: ◯知事湯崎英彦君) 三つの視座と広島県職員の行動理念につきましては、策定時から職場での掲出や朝の唱和、また、職員に対する訓示の機会がある際には必ず言及するなど、職員への浸透を図ってきたところであります。  加えまして、平成二十三年度からは、三つの視座と広島県職員の行動理念に基づいた優良事例を各局が提出し、その中からベストプラクティスを経営戦略会議で選定して、職員間で共有する取り組みを行っております。  具体的な事例で申し上げますと、県民起点として、県立文書館に持ち込まれました、八・二〇集中豪雨で被災したアルバムの修復作業に積極的に取り組んで、写真の修復ノウハウをわかりやすくまとめ、ホームページで情報発信したという取り組みや、現場主義として、納付書仕様の改良によりまして、県の手数料のコンビニ納付を可能とした全国初の取り組み、また、予算志向から成果志向への転換として、県産農産物についてコンビニと連携して、予算をかけずに連携商品の開発・販売を実現した取り組みなど、さまざまな事例が報告されて、優秀な事例を年間・月間のベストプラクティスとして私が表彰しております。  これらの取り組みを通して、県の仕事は全て広島県民のためにあるという原点に立ち返りまして、物事を判断して事業に取り組み、現場によりよい変化を起こし、他よりもすぐれた成果を目指そうとする意識や姿勢が県職員へ浸透しつつあると感じているところであります。  今後も、こうした取り組みを通しまして、この基本的な行動理念がさまざまな機会を通して血肉となるよう、職員への徹底を図ってまいりたいと考えております。  さらに、事業の戦略性を高めて、多様な人材を育て、また、生かし、環境変化に応じた組織運営を行うことで、県民の負託と信頼に応え、出すべき成果を出すことができ、地域の価値を高めるという点でどの都道府県にも負けない日本一強い広島県庁の実現を目指してまいりたいと考えております。 26: ◯副議長(冨永健三君) 西村克典君。 27: ◯西村克典君 広島県職員の行動理念や三つの視座は、地方の課題は地方で解決するという知事の方針を実現する上で大事な指針でございます。今後とも定着へ向けて御尽力をお願いいたします。  質問の第二は、職員プロポーザルについてお伺いいたします。  まずは、制度導入の考え方とメリットについてでございます。  知事は、就任後の平成二十二年度から、職員の皆さんのアイデアを積極的に県の仕事に生かすとともに、職員のチャレンジ精神や能力を引き出して、新規事業の掘り起こしや県行政の業務改善を図ることを目指した職員プロポーザル制度を創設されました。  職員から提案される内容には、日々の仕事や家庭生活などさまざまな場面で思ってきたこと、また、県の行政サービスについて、サービスする側の視点、サービスを受ける側の視点から、あるいは客観的な立場からそれぞれ感じたことなどもあろうかと思います。  そこで、この制度の募集要綱を見てみますと、二つの分野が設定されております。  まず一つ目のプロジェクト提案は、県の施策の方向性に合致した新規事業に関する提案または県民を対象とする制度の改善となっております。  さらに、新設に関する提案では、県勢の活性化や行政サービスの向上に資する建設的かつ具体的な提案内容とされております。  そして、二つ目の業務効率化提案では、業務における無駄の排除、民間活力の導入、市町等との協働など、職員みずからが日ごろ感じている業務上の問題点などを踏まえた自主的な提案内容とされております。  そこで、この職員プロポーザル制度の導入に当たっての考え方、思いというものがどのようなものであったのか、また、この制度導入にはどのようなメリットがあるとお考えなのか、改めて知事にお伺いいたします。 28: ◯副議長(冨永健三君) 知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 29: ◯知事湯崎英彦君) 職員プロポーザル制度は、県行政に携わる職員一人一人が、県の仕事は全て県民のためにあるという原点に立って、現場によりよい変化を起こそうという意識を持って行動していくことが重要であるという考えのもと、この取り組みの一つとして導入したものでございます。  これまでの提案では、旅券の早期取得を必要とする県民ニーズに対応したパスポートの早期発給への取り組みや、幅広く県内の事業者等のニーズをくみ上げるために、県の試験研究機関の研究課題の一部に公募制度を導入したこと、ツイッターやフェイスブックなどSNSを活用した広島県の情報発信力をより一層強化したことなどの取り組みが実現されたところでございます。  みずからの提案が実現し、県民の利便性や業務の効率化につながったことで、職員の県政運営への参画意識を高めるとともに、よりよい方向に絶えず改善を図ろうとする職員の意識改革や組織文化の形成に一定の効果があったものと認識しております。  今後も、職員が現状に満足することなく、変革を追求する姿勢を持ち続けて、新たな事業創造や制度改善につながるよう職員プロポーザル制度を運用してまいりたいと考えております。 30: ◯副議長(冨永健三君) 西村克典君。 31: ◯西村克典君 県職員の全員参加というような意味合いで私が提案したいのが、全員参加型の制度への拡充についてであります。私は、この職員プロポーザル制度は、県庁の活性化や、よい職場づくりにもつながるすばらしい制度だと認識しております。  しかし、これまでの提案数を調べてみますと、初年度の平成二十二年度には百八件だったものが、平成二十六年度は十九件と激減しております。五年間の累計は二百九十九件となっている状況です。一人一提案と仮定しますと、毎年、職員の一%程度しか提案していないという勘定になります。この状況は制度がまだ有効に機能していないという状況と言わざるを得ません。知事はかつて、職員の皆さんに対して、職員全員が参加する県政運営を目指してこの制度を実施していますとメッセージを発せられたことがあったと思います。  そこで、この職員プロポーザル制度について、職員の改善意識の定着や県庁の活性化、また、よりよい職場づくりにつなげるためにも、まさに全員参加型の制度として拡充することを提案したいと思いますが、御所見をお伺いいたします。 32: ◯副議長(冨永健三君) 経営戦略審議官伊達英一君。         【経営戦略審議官伊達英一君登壇】 33: ◯経営戦略審議官(伊達英一君) 職員プロポーザル制度は、職員の意識改革を通じて県庁全体の組織風土の改革を目指すものでありますことから、全ての職員を対象として提案を募集しているものでございます。  御指摘のように、今年度の提案件数は十九件と減少しているところでございますが、引き続き、募集期間や周知方法等の工夫を行い、より数多くの提案がなされるよう改善を行ってまいります。同時に、提案内容について、その質を高め、事業化の確率を高めることで、提案者の夢を実現し、その成果を県民の皆様に実感していただくことも重要であると考えております。  このため、今年度においては、提案を県の施策の方向性に合致した事業として実現させるため、イノベーション創出や、子育て支援・女性の活躍促進、持続可能な地域づくりなどのテーマに沿った提案募集にするとともに、アイデアをよりよいものに磨き上げるため、各局の経営企画監などで構成する会議に提案者本人も参加いたしまして提案内容の確認や検討を実施するなど、提案の事業化に結びつけるための改善を行ってきております。  今後も、職員のプロポーザル制度が、職員のチャレンジ精神や能力を引き出し、より多くの提案が事業化や業務改善につながるように制度改善を加えながら、この制度がしっかりと機能するよう取り組んでまいります。 34: ◯副議長(冨永健三君) 西村克典君。
    35: ◯西村克典君 職員プロポーザル制度は、職員の改善意識を高め、業務効率を向上させるとともに、活力ある広島県を創出する原動力たる職員のモチベーションの維持と県庁職場のイノベーション力の向上にもつながる極めて重要な取り組みだと考えております。まず、知事部局で成功事例をつくっていただき、警察、教育委員会への展開も、ぜひとも実現していただくよう要望いたします。  質問の第三は、イノベーションについてお伺いいたします。  最初は、イノベーションの認識と評価等についてでございます。  知事は、新たな経済成長を目指すとして、新しい産業が次々と生まれ育ち、雇用が生まれ、社会経済情勢や市場の動向に柔軟かつ的確に対応していくことのできるイノベーション立県の実現を目指しておられます。  イノベーションとは新しい価値の創造であり、単なる異業種間連携やマッチングといった取り組みではイノベーションにつながっていかないのではと懸念しています。例を挙げれば、イノベーションというのは改善というレベルではなく、実用新案や特許に相当するほどの、技術的難易度の高いものであるというのが私の認識でございます。  本定例会冒頭の説明で知事は、新たな成長産業に関する箇所で、新規創業の件数などについて説明されましたが、それらが、どのような新たな価値を創造しているのかについての説明はなく、私には、イノベーションを起こしているとは感じられませんでした。  そこで、知事の考えるイノベーションとはどのようなものなのか、また、これまでの取り組みへの評価について、成功事例等を紹介いただくこととあわせ、知事の御所見をお伺いいたします。 36: ◯副議長(冨永健三君) 知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 37: ◯知事湯崎英彦君) イノベーションとは、従来の発想や手法にとらわれることなく、新しいアイデアにより物や情報などを融合することによって新たな価値を創造するものであり、今後、人口減少社会の到来によりまして経済市場の縮小が想定される中、本県産業が持続的に発展していくためには、欠かすことのできないものだと考えております。  こうした考えのもとで、イノベーション力を強化し、イノベーションの創出を実現していくため、イノベーションを創出しやすい事業環境の整備、また、イノベーションを生み出す多様な人材の育成や確保、人材集積を促すための、家族で一緒に暮らしやすいファミリー・フレンドリーな生活環境づくりという三つの視点に基づいて、重点的にイノベーション推進施策に取り組んでいるところでございます。  具体的には、ひろしま創業サポートセンターを設置し、創業や第二創業を促進することにより、イノベーションの担い手となる企業の裾野の拡大と新陳代謝の促進など、イノベーションが起こりやすい環境の整備を行っているほか、さらなる成長を目指す企業に対する全国トップレベルの専門家による集中支援など、企業の成長段階に応じた支援を行っているところでございます。  また、人材の育成面では、企業を対象に、大学や研修機関などへ人材を派遣する場合の助成制度や個人を対象に大学院進学などの経費に対する貸付制度を設けるとともに、グローバル人材の確保に対する支援や幅広いネットワークの形成につながる交流の場づくりなどにも取り組んでいるほか、女性の活躍促進、子育て支援など、ファミリー・フレンドリーな環境整備に努めているところであります。  こうした取り組みの成果として五百七十件を超える創業があるわけですが、もちろん御指摘のように、全ての創業が即座に大きなイノベーションにつながるというわけではありませんが、その中でも、例えばスマートフォンを活用した児童の見守りサービスを全国で初めて事業化する事例というのも出てきておりますように、この多くの創業の中から幾つかがイノベーションにつながっていくものであろうと考えております。  また、チーム型支援を活用した製造販売業の企業におきましては、新たな営業ツール等を構築した結果、五億円弱だった売り上げが、一年間で二・五倍に増大した事例なども生まれているところであります。  また、人材育成の面では、企業からの派遣により経営学修士を修得した結果、新事業展開に生かされた事例などもございますが、こういった人材育成の面も人材の蓄積という要素が非常に大きいものでありますので、今後、長期にわたってその効果が生まれてくるものと考えております。  イノベーションを創出するためのこうした施策につきましては、中長期的な視点に立って継続的に行っていくことが必要であることから、今後、常にPDCAを回して、その成果を確認しながら着実に推進してまいりたいと考えております。 38: ◯副議長(冨永健三君) 西村克典君。 39: ◯西村克典君 本議会初日の提案理由説明の中で、知事は、十二回、イノベーションと言われました。知事の意気込みのあらわれと私は受けとめております。難易度は高いと思いますけれども、ぜひ挑戦し続けていただきたいと思っております。  次は、今後の推進に当たっての課題と取り組みの視点についてお伺いいたします。  県はこれまで、イノベーションの推進のため、創業しやすい環境づくり、成長産業のクラスター形成、企業の海外展開支援など、ダイナミックな事業環境の整備と人材育成を重点的に行ってこられました。  しかし、ここ最近は、円安や原油価格の下落など経済環境の急速な変化が起きており、県内産業へも多大な影響が及ぶことが懸念されているところでございます。  そこで、急激な環境変化を踏まえ、今後、イノベーション関係施策を推進するに当たり、どのような課題があり、どのような視点で取り組もうとされているのか、お伺いいたします。 40: ◯副議長(冨永健三君) 商工労働局長寄谷純治君。         【商工労働局長寄谷純治君登壇】 41: ◯商工労働局長(寄谷純治君) 最近の経済環境を見ますと、御指摘のとおり、為替相場が、平成二十三年十月の一ドル七十五円の円高から、現在では一ドル百二十円程度の大幅な円安となりましたほか、原油価格も、昨年夏の一バレル百五ドル程度から、今年一月には一バレル四十六ドル程度へと急激に下落するなど、グローバルな経済環境が大きく変化する中で先行き不透明な時代に突入しているものと認識いたしております。  こうした不透明な状況であるからこそ、さらには今後の人口減少社会といったことを考えた場合に、本県産業が持続的に発展していくためには、新たな価値を生み出すイノベーション力の強化が極めて重要でありますことから、先ほどの答弁にもありましたように、イノベーションを創出しやすい事業環境の整備、多様な人材の育成や確保、さらには、ファミリー・フレンドリーな生活環境づくりという三つの視点に立ってイノベーション推進施策に取り組んでいるところでございます。  こうした施策を推進する上では、特に、域内のネットワーク強化や域外との緩やかなつながりの構築が重要でありますほか、イノベーションの原動力となります多様な人材の確保に加えまして、層の厚みをどのようにしてふやしていくかなどが課題であると考えております。  こうした課題に対応し、まずは、域内外のネットワークやつながりを強化していくため、これまでの取り組みに加えまして、来年度からは、アイデア創出から事業化までを一体的にプロデュースする機能などを付加いたしました新たな交流の場づくりを行ってまいりたいと考えております。  さらに、次世代の経営者層を育成いたしますひろしまイノベーション・リーダー養成塾の試行的な実施、県立広島大学の経営専門職大学院課程の新設など、中長期的な人材育成を計画的に進めていきますほか、国の地方創生の一環として経験豊富なプロフェッショナル人材を誘致するための窓口を設置いたしまして、人材のU・I・Jターンの促進に取り組むなど、イノベーション人材の育成・確保につながる施策を重点的に進めてまいりたいと考えております。 42: ◯副議長(冨永健三君) 西村克典君。 43: ◯西村克典君 イノベーション施策に取り組むためには、県の施策を企画立案・実行する県職員に三つの視座や改善意識が定着して初めて取り組めるテーマであると私は考えております。今後、より一層の厳しい状況が想定されるグローバル経済下においても、本県企業の経済成長と産業競争力の強化につながる施策に積極的に取り組んでいただくことを要望いたします。  質問の第四は、教育委員会の業務改善についてお伺いいたしますので、教育長は答弁待機席へお願いいたします。 44: ◯副議長(冨永健三君) 教育長、答弁待機席へお願いします。 45: ◯西村克典君(続) 最初は、学校活性化促進事業の実施内容についてお伺いいたします。  私は、今まで、校務運営の効率化と事務作業の削減などを通じて、教員が子供と向き合う時間をふやすことの重要性などについて本会議や文教委員会の場で訴え、昨年九月の定例会でも質問いたしました子供と向き合う時間に関して、教育長の答弁は、授業を初め部活動や生徒指導など、直接、児童生徒を指導する時間はもとより、授業準備や教材研究などの指導の質を高めるための時間も含まれるとの認識が示されたところであります。  教育委員会では、今年度、教職員が資質・能力を発揮できる環境を整備し、学校の諸課題の解決につなげるなどとして、学校活性化促進事業を民間コンサルタントへ業務委託し実施しております。  その委託の内容については、年度の前半では現状把握・分析、改善策の検討・調整を行い、後半はモデル校での試行・効果測定、県内展開計画の策定を行うということでございました。  そこで、業務委託における上半期の結果についてどのような内容であったのか、また、下半期の試行内容はどのようなもので、どのような効果が上がっているのか、あわせてお伺いいたします。 46: ◯副議長(冨永健三君) 教育長下崎邦明君。         【教育長下崎邦明君登壇】 47: ◯教育長(下崎邦明君) 学校活性化促進事業では、本年度、新たに民間の経営コンサルタント会社に委託し、上半期におきましては、モデル校の詳細な実態把握を行い、課題の分析を行うとともに、中間報告を受けたところでございます。  中間報告で受けた指摘といたしましては、事務処理に非効率なものがあり、教員が専門性を十分に発揮できる環境が整備されていないこと、ICT環境の整備が大きくおくれていること、管理職やミドル層のマネジメントスキルについて、さらに高める余地があることなどがございました。  下半期には、各モデル校の課題に応じて、小中学校における週案の簡素化、共有フォルダによる教材などの共有化、指導要録の電子化に向けた取り組みなど、業務の効率化に取り組むとともに、モデル校の校長を対象にマネジメントスキルを一層高める研修を実施したところでございます。  こうした取り組みによりまして、例えば子供と向き合う時間が確保できていると感じている教員の割合が、試行前は六〇%程度であったものが七〇%程度に向上するなど、一定の成果があったものと考えております。 48: ◯副議長(冨永健三君) 西村克典君。 49: ◯西村克典君 当初の計画では、モチベーションに関して測定仕様の策定をするという計画もあったと聞いております。今お伺いした成果ではまだ道半ばの印象を持っております。  そこで、次は、明確な目標設定とPDCAサイクルの取り組みについてお伺いいたします。  教育委員会におかれましては、業務改善へ向けてできるところから取り組んでいくとして努力されていることについては理解しております。  私は、成果を客観的に評価するためには、明確かつ定量的な指標を定めることが必要であると考えております。しかし、この業務改善については、いつまでにどうするというゴールイメージができないのであります。  そこで、明確かつ定量的な指標により、あるべき姿としてゴールを描いた上で、今後、各年度の施策推進に当たってPDCAサイクルを回して行うようにしていただきたいと考えますが、教育長のお考えをお伺いいたします。 50: ◯副議長(冨永健三君) 教育長下崎邦明君。 51: ◯教育長(下崎邦明君) 学校の業務改善は、効率的な校務運営を図り、教職員が子供と向き合う時間を確保することにより学校が活性化し、教育の質を向上させることが目的でございます。  そのため、子供と向き合う時間が確保できていると感じている教員の割合や教職員の充実感の度合いを一つの成果指標として、それらの数値のさらなる向上を目標として取り組んでまいります。  教育委員会といたしましては、引き続き、各学校の自律的な業務改善の支援を行うとともに、来年度の学校業務改善推進事業によりまして、教員をサポートするスタッフの配置、生徒の出席状況や成績などを管理する校務支援システムの県立高等学校への段階的な導入、管理職やミドル層のマネジメント研修の拡充などに取り組んでまいりたいと考えております。  これらにつきましては、PDCAサイクルをしっかりと回しながら取り組みを進め、当面、モデル校における子供と向き合う時間が確保できていると感じている教員の割合を八〇%程度にまで高めることを目指すとともに、その成果を県内に普及してまいりたいと考えております。 52: ◯副議長(冨永健三君) 西村克典君。 53: ◯西村克典君 私が言いたかったのは、今年度はコンサルタントを使っての業務改善に取り組まれ、来年度は、六千数百万円かけてICT環境の整備というような形での予算要求がされている、そのつながりがわかりにくいということです。ですから先ほどから申し上げていたのは、しっかりとしたゴールを描いていただいて、それに対してロードマップを描き、PDCAサイクルを回していただきたいということです。言いかえると、単年度予算主義的な事業実施にならないようにしていただきたいということを要望いたします。  質問の第五は、地域包括支援センターについてお伺いいたします。  最初は、その業務内容と体制や機能の強化についてでございます。  内閣府が発表した平成二十六年版高齢社会白書によれば、高齢者人口は、今後、団塊の世代が七十五歳以上の後期高齢者となる二〇二五年には、三千六百五十七万人に達すると見込まれております。団塊の世代が給付を受ける側となるため、医療、介護、福祉サービスへの需要が高まり、社会保障・財政のバランスが崩れる、いわゆる二〇二五年問題が発生すると指摘されております。  白書では、日常生活を送る上で介護が必要になった場合に、どこで介護を受けたいのかとの高齢者アンケートの結果を掲載し、自宅で介護してほしいとする人の割合が、男性は四二・二%、女性は三〇・二%と、最も多くなっております。地域で暮らす高齢者個人に対する支援の充実と、それを支える社会基盤の整備とを同時に進めることが、より重要になっているのであります。  県では、地域の高齢者が住みなれた地域で安心して暮らせるよう、介護だけでなく生活や権利擁護などについて幅広くさまざまな相談に応じたり、関係機関との調整による適切なサービスの提供につなげる体制として、市町による地域包括支援センターの整備を推進してこられました。平成十八年度には県内二十三の全市町で体制が整備され、また、それ以降は、さらなる機能強化にも取り組まれているところであります。  そこで、改めて確認しますが、地域包括支援センターの具体的な業務内容とはどのようなものか、また、現在の体制にはどのような課題があり、体制や機能の強化に向けてどのように取り組んでいるのか、お伺いいたします。 54: ◯副議長(冨永健三君) 健康福祉局長笠松淳也君。         【健康福祉局長笠松淳也君登壇】 55: ◯健康福祉局長笠松淳也君) お答えいたします。  地域包括支援センターは、要支援者に対する給付管理のほか、高齢者の総合相談から介護予防事業や権利擁護など、適切な支援につなげる業務に加え、地域の医療・介護などの連携を推進しております。  課題といたしましては、センターを対象とした調査から、多様化する個別事例への対応、医療関係者などとの連携などが挙げられており、地域包括ケアシステムにおける中核的な機関であるセンターの地域マネジメント力を強化する必要があると認識しております。  このため、県では、県の地域包括ケア推進センターにおきまして、高齢者虐待や認知症など困難事例に対する職員研修の実施、多様な関係者が参画する地域のネットワーク化を推進するための専門職の派遣などによる助言を行っております。  また、地区医師会と連携した在宅医療・介護連携を推進するための拠点の整備や、認知症疾患医療センターとの共同・連携による認知症初期集中支援チーム設置のモデル事業などを実施し、センターの強化を図っております。 56: ◯副議長(冨永健三君) 西村克典君。 57: ◯西村克典君 次は、県民の認知度向上と利用促進への取り組みについてお伺いします。  私が、直接県民の皆さんから聞いた事例では、まだまだセンターの業務内容が認知されていないために、結果として必要なサービスの提供が受けられていない例がありました。  そこで、今後ますます介護ニーズの増加が予想されることを踏まえ、県民の地域包括支援センターへの認知度向上や、より一層の利用促進に向けて、具体的にどのように取り組もうとされているのか、お伺いいたします。 58: ◯副議長(冨永健三君) 健康福祉局長笠松淳也君。 59: ◯健康福祉局長笠松淳也君) 地域包括支援センターの認知度向上につきましては、設置者であります市町において、広報紙・パンフレットの配布、各種会議を通じた説明などにより住民の方々への周知を行うとともに、民生委員や自治会関係者などとのネットワークも活用しながら利用の促進が図られているところでございます。  県におきましても、ホームページやガイドブックなどにより周知を図りますとともに、認知症を初めとした医療・介護情報をセンターへ提供し、相談機能を高めていただくということにより利用促進に努めております。  今後、県内のセンターのさらなる利用促進を図るためには、その機能を強化し、地域の高齢者や関係者から信頼され、頼られる機関となっていくことが重要であると考えております。  そのためには、まず、センターが管轄する地域の現状を的確に把握し、住民や関係者などにわかりやすく説明するという、いわゆる地域診断が重要であると考えており、今後、職員研修を実施してまいります。  また、センターが、地域住民や専門職とともに圏域の将来を見据えて地域課題の発見から政策形成までの議論を行う地域ケア会議の運営を担えるよう、そのガイドラインの作成や専門職派遣などによる支援を引き続き行ってまいります。 60: ◯副議長(冨永健三君) 西村克典君。 61: ◯西村克典君 今後、老齢人口が増加し、在宅介護にシフトせざるを得ない行政事情を踏まえると、センターの役割がますます重要になってまいります。民生委員や町内会長などを通じ、地域包括支援センターを広報・啓発していただくことを強く要望いたします。  質問の第六は、投票率アップに向けた取り組みについてお伺いいたしますので、選挙管理委員会事務局長は答弁待機席へお願いいたします。 62: ◯副議長(冨永健三君) 選挙管理委員会事務局長、答弁待機席へお願いします。 63: ◯西村克典君(続) 最初は、衆議院議員選挙の低投票率の原因についてお伺いいたします。  昨年十二月の衆議院議員選挙の投票率を見ますと、小選挙区では、戦後最低だった前回二〇一二年と比べると、全国では五九・三二%から六・六六ポイント下回る五二・六六%、広島県においても前回の五六・七六%から六・七四ポイント下回る五〇・〇二%となりました。  広島県における衆議院議員選挙の投票率は、これまで全国平均とほぼ同じような傾向を示してきましたが、ここ二回については、広島県の低下の度合いの方が大きくなっております。  前回二〇一二年は二・五六ポイントのマイナスと差が一気に拡大し、今回二〇一四年は二・六四ポイントのマイナスと、さらに拡大傾向を示しております。  本県では、これまで多くの広報手段を駆使しながら投票率向上に努力されていることは評価しておりますが、一方で、結果が伴っていないことについて憂慮しております。  そこで、まず、今回の投票率についてどのように受けとめ、また、低投票率となった原因についてどのように分析されているのか、お伺いいたします。 64: ◯副議長(冨永健三君) 選挙管理委員会事務局長村上明雄君。         【選挙管理委員会事務局長村上明雄君登壇】 65: ◯選挙管理委員会事務局長(村上明雄君) 今回の衆議院議員選挙における全国の投票率は、五二・六六%と戦後最低を更新し、投票率が前回を上回った都道府県は皆無、投票率五〇パーセントを下回る県も八県となる中、本県の投票率も五〇・〇二%にとどまり、前回と比べ、六・七四ポイント低下したところでございます。  今回の投票率につきましては、天候不順の影響や、解散の日から投票日までの期間が短かったことが影響しているのではないかと思っております。  こうした中、改めて県内の状況を年代別で見ますと、県内四つの投票所の抽出データではございますが、六十代、七十代の投票率が六〇から七〇%台であるのに対し、二十代、三十代では二〇から三〇%台と大きな開きが生じており、また、前回と比べましても、二十代では一八ポイントも低下するなど、依然として若年層の投票率の低さには深刻なものがあり、投票率の向上に向けた取り組みが重要な課題であると考えております。 66: ◯副議長(冨永健三君) 西村克典君。 67: ◯西村克典君 次に、この分析結果を踏まえて、統一地方選挙に向けた環境整備をどのようにしようとされているのか、お伺いいたします。  昨年の九月定例会で、私は、投票率向上のため、投票者の利便性に配慮した環境整備について質問いたしました。  その後、十二月の衆議院議員選挙では、福山市選挙管理委員会が同市神辺町のショッピングセンターに期日前投票所を設置したことで期日前投票数が伸びるという成果が見られたものの、残念ながら全体としては低投票率でありました。
     そこで、四月の統一地方選挙を控え、投票率向上は喫緊の課題であると考えておりますが、具体的にどのような環境整備に取り組もうとされているのか、お伺いいたします。 68: ◯副議長(冨永健三君) 選挙管理委員会事務局長村上明雄君。 69: ◯選挙管理委員会事務局長(村上明雄君) 投票率の向上に向けた環境整備につきましては、現在、国におきまして、個人番号カードの活用により自分の属する投票区以外で投票できる仕組みや、不在者投票用紙のオンライン請求など、ICTを活用した投票しやすい環境づくりにつきまして、その課題や可能性についての議論がなされているところでございます。  こうした中、本県におきましては、福山市がさきの衆議院議員選挙で、県内で初めてショッピングセンターへ期日前投票所を設置したことにより、設置した地区における期日前投票者数が一・五倍になるなど、一定の効果があったものと考えております。  このほか、中山間地域におきましては、高齢者施設に臨時の期日前投票所を開設したり、投票所への巡回バスを臨時運行させるなどの取り組みも行われており、統一地方選挙に向けましては、こうした投票の利便性向上や投票機会の確保に向けた取り組みを県内に普及できるよう、県選挙管理委員会といたしましても支援してまいりたいと考えております。  また、選挙啓発につきましても、若年層に加え、ファミリー層をターゲットに、統一地方選挙は、子供や次世代へ広島の未来を託すための重要な選挙であることを訴えるなど、インパクトのある啓発を集中的に行ってまいります。  来るべき統一地方選挙に向けましては、県内各地域における投票行動へ着実に結びつけていけるよう、環境整備や選挙啓発についてしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。 70: ◯副議長(冨永健三君) 西村克典君。 71: ◯西村克典君 わずか半数の有権者の声で政治が動いていることは大きな問題だと思います。ぜひとも投票率向上につながる取り組みを要望いたします。  続きまして、選挙権が十八歳以上になった場合の課題と取り組みについてお伺いしますので、教育長は、答弁待機席にお願いいたします。 72: ◯副議長(冨永健三君) 教育長、答弁待機席へお願いします。 73: ◯西村克典君(続) 選挙権の対象年齢について十八歳以上に引き下げる公職選挙法改正案を、今の通常国会で成立させ、二〇一六年夏の参議院議員選挙からの適用を目指すとの報道がありました。そうなれば、新たに主権者となる若者への教育などが早急に必要になろうかと思います。  そこで、今後、どのような課題が想定され、どのように取り組もうとされているのか、お伺いいたします。 74: ◯副議長(冨永健三君) 教育長下崎邦明君。         【教育長下崎邦明君登壇】 75: ◯教育長(下崎邦明君) 選挙制度を初め、政治参加の重要性に関する学習につきましては、学習指導要領に基づき、児童生徒が国民主権を担う公民として必要な基礎的教養を培う指導を進めているところでございます。  選挙権年齢が十八歳へ引き下げられた場合は、その周知及び啓発を徹底することが必要であり、そのためには、選挙管理委員会などの関係機関と連携し、模擬投票や出前授業などの多様な参加・体験型学習を通して、政治参加の重要性と民主社会においてみずから生きる倫理について自覚を深めさせる指導を一層充実させることが大切であると考えております。  教育委員会といたしましては、引き続き、児童生徒が、平和で民主的な国家・社会を形成する者として必要な基礎的教養を培うよう指導を進めてまいります。 76: ◯副議長(冨永健三君) 西村克典君。 77: ◯西村克典君 私は、若者みずからが投票行動することで、若者がみずからの施策を実現させていってほしいと考えております。  政治は、投票率の高い世代の施策を充実すると言われ、実際、そのとおりになっております。  今までの選挙でも、年代別の投票率では先ほど選挙管理委員会のほうからも分析がありましたが、二十歳代の投票率が最も低くなっておりますので、若年層の投票行動を促す施策の充実を要望いたします。  質問の第七は、特殊詐欺についてお伺いいたしますので、警察本部長は、答弁待機席へお願いいたします。 78: ◯副議長(冨永健三君) 警察本部長、答弁待機席へお願いします。 79: ◯西村克典君(続) 最初は、過去最悪となった被害状況への認識と分析についてお伺いいたします。  特殊詐欺の被害については、ほぼ毎日のように報道されており、多額の財産を一瞬にして奪い取ってしまうという卑劣な犯罪行為には、怒りすら覚えるのであります。  先月、県警から平成二十六年の県内の特殊詐欺被害についての結果が公表されました。  その数字は、認知件数が三百四十三件で昨年比八十七件の増、被害総額は十六億三千四百万円余りで昨年比五億七千四百万円余の増と、恐ろしい勢いで増加しております。件数及び被害額とも四年連続して増加、過去最悪の数字でありました。  被害者の傾向を見ますと、六十五歳以上の高齢者が全体の七七%、うち女性が八五%を占めており、県民、特に高齢者の安全・安心が脅かされる危機的状況ではないかと感じております。  そこで、過去最悪となった特殊詐欺の被害状況についてどのような認識をお持ちなのか、また、特殊詐欺が急増した理由や今までと異なる特徴などについてどのように分析されているのか、あわせてお伺いいたします。 80: ◯副議長(冨永健三君) 警察本部長宮園司史君。         【警察本部長宮園司史君登壇】 81: ◯警察本部長(宮園司史君) お答え申し上げます。  昨年の県内の特殊詐欺の被害総額は、一昨年に比べ五割以上増加して過去最悪を記録するなど、極めて深刻な状況にあると認識しております。  なお、被害が急増している主な理由や、今までと異なる特徴といたしましては、大きく三点挙げられると考えております。第一は、被害者の約八割を高齢者が占めるなど、高齢者の資産を標的とする犯行が顕著となってきていること、第二に、従来型の振り込め詐欺に加え、未公開株や社債の取引等を装う金融商品等取引名目詐欺が多発するなど、手口の多様化・巧妙化が進んでいること、第三は、金融機関による振込先の確認やATM利用限度額の引き下げ等を受け、現金を宅配便やゆうパック等で直接送付させる現金送付型の犯行が増加していることの三点でございます。 82: ◯副議長(冨永健三君) 西村克典君。 83: ◯西村克典君 一件当たりの被害額は四百七十六万円と非常に高額でございます。高齢者が財産を奪われれば、生活の支障に直結しますので、対応が急務と考えております。  次は、今後の取り組みの強化についてお伺いいたします。  県警では、昨年二月に特殊詐欺対策推進本部を設置し、金融機関などの関係機関との連携強化や、被害対象となる可能性の高い県民へ直接注意喚起するコールセンター事業など、被害防止に向けて努力を重ねてこられたと受けとめております。  そこで、その取り組みの効果、実績についてどのように認識しておられるのか、また、平成二十六年の事件の分析結果を踏まえ、今後どのような対策強化に取り組もうとされているのか、お伺いします。 84: ◯副議長(冨永健三君) 警察本部長宮園司史君。 85: ◯警察本部長(宮園司史君) お答え申し上げます。  まず、これまでの取り組みの効果、実績についてでございますが、金融機関を初めとする関係機関との連携強化により、昨年はこれらの職員の声かけ等で被害を阻止した件数が、一昨年の約二倍に当たる二百二十二件となり、これによって一昨年の約三倍となる約六億円の被害を未然に阻止したところでございます。  また、昨年中に七カ月間実施したコールセンター事業につきましても、捜査の過程で押収された名簿の搭載者等に対して、二万件を超える電話連絡をして、直接、注意喚起を行うなどして被害の未然防止を図ってきたところでございます。  しかしながら、県内の特殊詐欺被害の状況は、依然として厳しいものがあることから、本年はなくそう特殊詐欺被害・アンダー一〇作戦と銘打って、年間の被害総額を十億円以下とすべく、昨年の分析結果を踏まえ、検挙と抑止を車の両輪とした総合的な対策を推進しているところでございます。  まず、検挙の面では、新たに二月一日付で、約五十名の専従捜査員から成る特殊詐欺事件取締プロジェクトチームを立ち上げ、捜査員を県内のみならず全国各地に派遣して、犯行グループの徹底検挙に当たらせているところでございます。  また、抑止の面では、従来の取り組みに加え、高齢者やその御家族の方々等に対し、最近の多様な手口やその対処方法等を積極的に紹介して防犯意識を高めていただくとともに、宅配便業者等とも連携しつつ、最近増加しております現金送付型の犯行の阻止に重点を置いた広報・啓発を推進しているところでございますが、今後とも、アンダー一〇作戦の目標達成に向けた各種の取り組みを強力に推進してまいりたいと考えております。 86: ◯副議長(冨永健三君) 西村克典君。 87: ◯西村克典君 続きまして、高齢者へのより直接的な啓発の取り組みについてお伺いします。  最近では、先ほど紹介のありました金融や運送など関係機関での水際作戦もかなり功を奏し、被害を未然に防いだ事案が頻繁に報道される一方、被害者が現金の送付であることを隠し、別の品目と偽って送ろうとしたり、窓口職員の問いかけに立腹し、別の手法での送金を試みる例もあるとの報道もあります。  こうした事例を踏まえると、特殊詐欺のことは知っていても、いざ我が身に降りかかってきたときにはだまされやすい心理状態になってしまうということを如実にあらわしているものと私は思います。  そこで、被害者のおよそ八割を占める高齢者に対しては、地域へ積極的に出向いて、より直接的な啓発として、ロールプレイングのような疑似体験の機会をふやすなどの取り組みが必要だと考えます。  今説明いただいたアンダー一〇作戦においては、事例を紹介して意識を高めるというような表現でしたので、その点が弱いように感じられます。そこで、本部長の認識についてお伺いしたいと思います。 88: ◯副議長(冨永健三君) 警察本部長宮園司史君。 89: ◯警察本部長(宮園司史君) お答え申し上げます。  議員御指摘のように、高齢者の方々に対しては、わかりやすくて心に響く直接的な広報・啓発を行うことが極めて重要でございます。  そのため、県警察におきましては、高齢者の方々を対象とした巡回連絡や防犯教室等を通じて、特殊詐欺の具体的な手口の紹介や「現金送れは全て詐欺」等のキャッチコピーを使用した注意喚起、留守番電話機能の活用の呼びかけ、不審電話があった際の警察への速報等について、高齢者の方々にフェース・ツー・フェースでお伝えしているところでございます。  また、高齢者の方々にロールプレイング形式による疑似体験等の機会を設けることも、極めて有効であると認識しております。  そのため、県警察におきましては、これまでも各種防犯教室等の場におきまして、高齢者の方に被害者役を体験していただく、あるいは実際の犯行電話の録音テープを聞いていただくなどしておりますが、今後とも、高齢者の方々の目に触れ、耳に入り、心に残る直接的な広報・啓発活動を積極的に推進してまいりたいと考えております。 90: ◯副議長(冨永健三君) 西村克典君。 91: ◯西村克典君 高齢者の特殊詐欺被害を防止するためには、知っているだけではなく、できることが重要でございます。疑似体験など、実効性のある対策を通じて、高齢者により意識を高めていただき、「できる」レベルになっていただければと思っております。  今、警察本部長から、アンダー一〇作戦や特殊詐欺事件取締プロジェクトチームの取り組み等の紹介をいただきました。こうした具体的な取り組みが加速していることは、県民の安全・安心の一層の向上に向けた県の本気度を示すものとして心強く感じております。ぜひとも、金融機関や警察だけでなく、オール広島県で被害防止に向けて頑張っていただくことを要望いたします。  以上で質問を終了したいと思います。御清聴ありがとうございました。(拍手) 92: ◯副議長(冨永健三君) 引き続いて質問を行います。渡辺典子君。         【渡辺典子君登壇】 93: ◯渡辺典子君 皆様、こんにちは。自民党議員会の渡辺典子です。  まずは、貴重な質問の機会を与えていただき、先輩、同僚議員の皆様に心より感謝を申し上げます。  さて、議員として早二年目となりました。初めてこの議場に立ったとき、沸き上がる使命感で胸が熱くなったときのことをきのうのことのように思い起こします。今も、押し上げていただいた多くの期待に胸を張れる、その大きな責任を果たしたい、そういった強い思いでここに立っております。その多くの支援者の方々が、本日はお忙しい中、多数議場に足を運んでくださっております。  しかし、一方で、この議場にお越しくださいと皆様にお願いしたとき、決まり切った答弁に何の緊張感もない、つまらない県議会の議場になど行きたくないといった声が多数あったことも事実です。これが県議会への評価なのだということを重く受けとめ、知事、執行部の皆様方にはこの地域の声を重く受けとめ、酌んでいただき、いい意味で期待を裏切り、きょうお越しの皆様方に緊張感のある議場だったと言わしめる答弁を心より期待いたしまして、早速質問に移らせていただきます。  まずは、少子・高齢化対策の取り組みについてお聞きいたします。  現在、県内の大学卒業後の全ての方が働いていると仮定いたしまして、人口比率だけで単純に計算をいたしましても、約三人の働き手で一人のお年寄りを支えていると言われております。この働き手の皆様は、未成年の方も支えなければなりませんので、実際は一・三人の働き手で一人を支えていると言われております。その中には、生活困窮者の方への支援、また、障害をお持ちの方への支援といったものも加わってまいりますので、一人の働き手への負担はさらに大きいと予想されます。  さらに、ベビーブームと言われていた団塊の世代が、あと約十年後には七十五歳以上となり、要介護人口が一気に増加すると考えられ、これに伴い、必要な社会保障費も激増すると言われています。  こういった状況が続きますと、県内の活性化というものは望めませんし、どんどんと県経済は衰退の一途をたどってしまうのではないか、私は、そういった危機感を覚えております。  そういった時代が差し迫る中、社会・経済の安定を維持するためには、少子化・人口減少問題を喫緊の課題として克服することが、まさに急務であると考えています。  こうした深刻な状況の中、本県では、少子高齢化・人口減少問題を最も重要な課題の一つとして位置づけ、結婚から出産・子育て期まで、さらには働く女性に対する切れ目のない施策に取り組まれております。  平成二十七年度予算の事業の中身を見ますと、確かに、出会い、結婚から出産・子育て期まで、さらには働く女性に対する切れ目のないセミナー開催や研修会の実施、シンポジウムが目白押しとなっております。  出会い、結婚支援として挙げられている新規事業にひろサポ・カレッジ事業の異性に選ばれる魅力づくりのためのセミナー開催とあります。  いわば、もて術伝授セミナーのようなものだと私は解釈しております。もてるための本や雑誌、その類のテレビ番組もよく目にいたしますし、行政が旗を振ってわざわざやるべきことなのでしょうか、余りにも疑問です。  また、どのような人物に講師を依頼されるのでしょうか、非常に興味があります。その方が、どの程度異性に選ばれてきたのか、そういった実績の基準などはあるのでしょうか、非常に興味があります。  また、子供の出生に直接的な好影響が見込めるとして、ひろしま出会いサポートセンターを設置しておられますが、なぜ、民間の企業や団体で十分やられていることをわざわざ行政がしなければならないのでしょうか、そして、一体どこが直接的と言われる支援なのでしょうか、結婚、出産への数値目標や裏づけといったものがあるのでしょうか、ぜひお聞きしたいものです。  さらに、妊娠への支援として不妊治療助成事業があります。夫婦で不妊検査を受けた申請数を、平成二十六年の六百五十組から、平成三十一年には一千二百十六組に増加することを成果目標として挙げられています。しかし、私にはこの目的がわかりません。申請数をふやすということを目標にして、果たしていいのでしょうか。そもそも、労働環境の改善なども含め、適齢期に出産ができるような社会基盤を整えることこそが必要なのです。不妊治療を必要とする人の割合といったものをふやすことがそもそもの目的ではないはずなのです。  そこで、人口が安定的に推移するためには、合計特殊出生率が二・〇七程度である必要があるとされていますが、県の現在の合計特殊出生率一・五余りが、これらの出会い・結婚支援事業や妊娠・出産支援によりどの程度上昇すると考えておられるのか、その数値的な根拠を含め、お聞きいたします。  これらの事業は、子育て応援、女性の働きやすさ日本一などと言葉だけが踊っているだけのポーズでしかなく、何もやっていないのと同じことだと私は考えているのです。政策に危機感が全く感じられません。県の考える女性の働きやすさ日本一とは、女性が働きながら子育てして、さらにセミナーに積極的に参加することだと考えられているのでしょうか。行政がこのように何もやってこなかったことが、世界でも類を見ないほど物すごいスピードで少子化が進んでしまった原因であると考えています。そのことをもっと重く受けとめていただかなくてはいけません。  私は、子供を産み続けることができる社会基盤の整備に、もっと早い時期に取り組んでいれば、このような深刻な状況にはなっていなかっただろうと考えています。現に、待機児童の解消はいまだに達成できていません。この問題を長年にわたり先送りしてきたことが、人口の歯車を狂わせた大きな要因だと考えています。人口構造の変化が経済に影響を与える、人口オーナス期と人口ボーナス期という考え方があります。人口ボーナス期とは、支える側の働き手の人口の割合が多く、支えられる側の割合が少ない時期のことを言います。高齢者が少なく、労働力が豊富なため、社会保障費は少なくて済み、貯蓄や投資がふえるなど、人口構造の動きが経済にプラスに作用し、経済発展を興しやすいと言われています。  皆様御承知のとおり、日本は、この人口ボーナス期に安い人件費で、早く、大量に生産をこなし、世界中に物を売って利益を上げ、発展し、高度経済成長期を迎えました。  しかし、経済成長により豊かになると、必ず親は子供に教育投資をいたします。そうすると高学歴化が進みます。一人当たりに対する養育費もふえてしまうのです。そうすると、少子化が生まれます。少子化が進み労働力人口が減少すると、人件費の引き上げを生みます。  人件費が高くなってしまいますと、人件費の低い国へと仕事が移っていきますので、GDPは横ばいになっていき、人口オーナス期に入っていくと言われております。  日本の人口ボーナス期は一九六〇年ごろから始まり、一九九〇年ごろには終わっています。主要国で最も早く人口オーナス期入りをしたと言われています。ですから、今から二十年ほど前に、保育所の整備に本気で取り組み、女性が出産後も仕事を続けることができる環境、出産に伴い仕事をやめても、再び復帰できる環境を整えていなければならなかったのです。それが、この期に及んでも、セミナーの開催といった気休めのような政策ばかりで、いまだに待機児童の対策をしているような状況は、余りにも対策として遅過ぎると考えています。本気で取り組む気がないのではなかろうかと私は感じているのです。  県では、夫婦が子育てしながら仕事を続けることができる環境の整備、保育サービスの充実のために、新たに事業所内保育施設の開設促進や、モデル事業としての県庁内保育設置などにも取り組まれていますが、待機児童の現状と、これらの事業の実施により、今後どのように待機児童の解消を図られるのか、お聞かせください。  次に、新婚世帯に特化した支援についてお伺いいたします。  男女共同参画がうたわれるようになり、女性の社会での活躍が目覚ましく、それ自体は大変喜ばしいことだと感じております。しかし、女性が自分自身の社会での目標を達成しようと思うと、それがかなうのは年齢的に三十代後半ぐらいになってきます。そこから子育てを考えると、自分は子供を産むには遅過ぎたというような実態があると思います。  キャリア形成という形を抜きにしても、仕事が一段落し、結婚を考えるのが二十代後半から三十代前半だとして、子育てのためにお金を貯蓄する期間を考えると、やはり三十代後半でしか子供を産めないのが今の現実ではないでしょうか。核家族化が進む中、仕事をしながらの子育ての負担と孤独感から二人目を断念する夫婦が多いのも課題でしょう。  これらを打破する具体的な対策はあるのでしょうか。私は、その手だてを本気で考える必要があると思うのです。早期に成果を上げなければならないことを考えると、カンフル剤的な措置もすぐに必要だと思うのです。  例えばですが、女性が二十五歳までに結婚すると、新婚世帯に補助金を毎月二万円程度四年間支給するという仕組みにしますと、子供を産むだけの余裕ができるのではないだろうかと考えるのです。どのように利用するかは自由ではありますけれども、二万円を四年間貯蓄するとして、一世帯当たり九十六万円になります。  平成二十五年の県内の初婚者のうち、年齢が二十五歳未満の女性は約三千人です。必要な予算としては、年間七億二千万円なのです。私は、七億二千万円の価値がある対策であると思います。まさに、直接的な支援と言えるのはこういった支援ではないでしょうか。  また、大阪市では、市内に居住する新婚世帯に対し、五万円を超える家賃について、その差額を最長で六年間補助する制度を設けていました。現在は、定住をより促進させる観点から、分譲住宅を購入する新婚世帯を対象にローン残高に対する利子補給を行う制度に移行して実施されています。  少子化が進行する大きな要因である未婚化・晩婚化を克服するためには、本県も、こういった新婚世帯に特化した支援を行うことが効果的かつ必要であると考えておりますが、知事の御所見をお伺いします。  次に、残業ゼロに向けた取り組みについてお伺いいたします。  少子化対策をさらに踏み込んで進めるには、長時間労働を改める政策が必要不可欠だと私は考えています。それは、高齢化が進み、働き手よりも支えられる側の比率が多い状態、先ほどお話ししましたが、人口オーナス期の状況では、長時間労働は少子化の進行と経済成長の悪循環を生む要因であると考えているからです。  長時間労働がなぜ少子化の原因なのかというと、これは私の実体験でもありますが、パートに出ながら家事をこなし、細切れ睡眠で双子の子育てをするという体力的にも非常につらい中で子育てしていました。子供は急に病気にもなります。物ではありませんので、保育所の整備をすれば済むということではないのです。子供の病気は悪化するのも非常に早いのです。最悪の場合、命を落とすようなこともあるのです。そういった非常につらい状況の中で、主人は仕事で毎日深夜の帰宅でした。精神的にもとても不安定になります。コミュニケーションも減り、けんかばかりしていたように思います。そんな状況で三人目なんて、とてもではないけれども私は考えられませんでした。二人目を断念する家庭の大きな要因がこれだと言われています。今は、主人も仕事の時間を改め、子育ても家事も分担して協力してくれるようになりました。女性だけでなく、男性も含め、労働時間を改めないと子供という、いわば未来の働き手を失ってしまうと言えるのではないでしょうか。
     また、なぜ長時間労働が経済の悪循環を生むのかといいますと、人口ボーナス期による高度経済成長時代は一つの時代に一度しか訪れないことが関係しています。世界から比べ、日本の人件費が低くなることはもう二度とないからです。ですから、いつまでも人口ボーナス期と同じやり方をしていては、経済成長は見込めないと考えているのです。  同じように人口オーナス期に入った北欧、EU諸国はきちんと経済の成長を続けています。ですから、人口オーナス期のやり方に変えなければいけないということなのです。  人口ボーナス期において、なるべく男性が働くほうがいいと言われていました。体力的な労働、力仕事が主だったからです。また、なるべく長時間働くほうがいいとも言われていました。人件費が安いのですから、世界中からどんどんと仕事が集まって、大量に生産すればするほど利益が上がるという時代でした。ベルトコンベアを動かせば動かすほど利益につながるという考えでした。  しかし、今は違います。人件費が上がりました。光熱費などのエネルギー費も高騰いたしました。御承知のとおり、日本はタイやべトナムなどのアジア諸国と比べると七倍から九倍も光熱費が高いことを考えますと、今、時間のコストが最も高騰していると言えるのです。オフィスを開けていればいるほど全体のコストが上がってしまい、働いている時間は変わらないのに人件費をぎりぎりまでカットせざるを得なくなり、働き手の生活を圧迫している状況にあるのです。そうなると、短い時間で効率よく利益を上げなければならなくなります。  経済成長を経て、市場は均一な物に飽きており、同じ商品がロングヒットしない時代になりました。新しいものを次々と世に出してヒットを繰り返し続けるということをしなければならないのです。当然、さまざまなアイデアによる付加価値が必要になってきますので、頭脳的な労働が求められます。女性や男性、若者やお年寄りなど、多様な人材がこれからは必要なのです。  ですから、安倍総理はやみくもに女性の活躍と言っているのではなく、女性の立場だけでなく、企業の立場から見てもこれは理にかなった政策であると考えているのです。というよりも、この女性の活躍から広がる働き方の変革こそが、日本の経済を立て直せるかどうかがかかっていると言っても過言ではないと私は思っているのです。  また、これまで結婚や子育てという時間的制約があるのは女性だとされてきました。しかし、今後はそうではありません。今も既に、企業によっては、育児休業中の女性よりも介護で仕事を休んでいる男性の中間管理職の方のほうが多いという企業も実際にあるのです。あと数年すると、必然的に働き手のほとんどが子育てや介護といった時間的な制約を抱えていることになるのです。  これまでどおり、長時間勤務でないと働けないという風潮が続くのであれば、社会は誰にも担えないことになってしまいます。その日がやってくる前に、短時間で成果を上げる、人ほど給与が上がる、あるいはインセンティブが高まるような給与形態にするなど、社会全体で働き方を変えるトレーニングをしていかなければならないのではないでしょうか。  これまで、県ではイクメン企業同盟の取り組みを進め、男性の育児休業取得を推進するなど、男性の育児参画に向けた意識啓発活動をしてこられました。また、イクメン企業同盟に加え、イクボス養成講座を開催されるということです。職場や社会の意識、働き方を変えなければならないという基本的な考え方については賛同いたします。  しかし、先ほどから何度も申し上げておりますが、民間の企業や団体でも啓発活動は十分にできるのです。行政のやらなければいけないことは、社会基盤整備を進めることや、これまで時間イコール給与という考えのもとで長時間働くほど高い給与が得られるという社会の仕組みであったのを、時代の流れを汲み、アイデアイコール給与の考え方のもとに短時間労働による成果主義へと社会を移行させていくことだと思うのです。  そこで、これまで県は、男性の育児休業を促進する企業に対して助成金を支給してこられましたが、さらに踏み込む形で残業ゼロに取り組む企業に助成金を支給することを提案したいと考えますが、いかがでしょうか。  次に、災害に強いまちづくりについて質問をいたします。  八・二〇豪雨災害から約半年が経過しました。被災地では、応急復旧にはある程度のめどが立ち、国の激甚災害指定により、異例のスピードで砂防、治山、河川の本格復旧工事に順次着工しています。  災害指定箇所については、国が八四%以上もの補助金をつけ、手厚い対応をしてくださいましたが、今後、災害に強い県土づくりへの舵取りは、県と市の責任であり、ここからがまさに私たちの仕事であると考えているのです。  私が被災地で決定的に足りなかったと感じたことは、スピードです。まずは、災害発生時の混乱と現場での体制をいま一度検証し、課題を改善するべきだと考えています。  県は、「みんなで減災」県民総ぐるみ運動を実施され、防災リーダーを育成するということですが、私は、むしろ行政こそ、自主防災組織やボランティア組織から学ぶべきだとすら感じているのです。  平時、行政はある種の堅実性、また、公平性を保つために十分に審議しなければならない特性があるため、スピードを求められることがありません。現場では多くを失った喪失感、途方もない終わりの見えない手作業での土砂かきで精神的・肉体的にも疲れ切っている被災者に対し管轄外なのでわかりませんという平時のような対応や説明をし、それに対して被災者が声を荒げている場面に何度も遭遇しました。  昨日の御答弁で、国、県、市とで合同チームを設置し、一体になり取り組んだと言われておりましたが、それは単に合同の会議をしていたにすぎません。  被災地では、刻一刻と状況が変わっていました。必要とされていることも刻一刻と変化していました。その混乱し、情報も錯綜した状況の中で、自主防災組織やボランティア組織は、地区ごとの拠点にサテライトを開設し、常に状況を把握できるよう担当者を決めるなど、対策をすぐに講じておられました。  私は、行政こそこれをしなければならなかったと考えています。合同で会議をするだけでなく、国・県・市のチームを組み、各被災現場の担当チームを決め、現場に常駐し、その場所でその瞬間何が必要なのかを判断し、決断し、行動することが最も求められていました。現場単位で見ると、国、県、市の連携がうまくいっているとはお世辞にも言えませんでした。行政の縦割りが、災害の対応をおくらせた原因の一つだとして重く受けとめなければなりません。現場で決断できる仕組みこそ、災害時に最も求められることだと強く感じました。  国と県と市との間の縦割りを変えるというのは、県だけの意思でできることではありません。しかし、この教訓を絶対に忘れてはいけないとも思うのです。ですから、県がリーダーシップをとって、できることから、まずは県と市との間で一歩ずつでも歩みを進めていく必要があるのではないでしょうか。  そこで、災害発生時において、現場での縦割り行政の壁を打ち破り、県、市町、そして県庁内の各部局が合同で、施設の管理権限を超えたチームを編成し、相互に連携して補いつつ、被災者の話を聞き、判断し、決断し、行動することができる体制とすべきと考えますが、知事のお考えをお聞かせください。  次に、イエローゾーン・レッドゾーンの調査及び指定についてお聞きいたします。  県は、このたびの災害でイエローゾーン・レッドゾーンの調査・指定がおくれていたことを指摘され、今次定例会において、これまで三十年の計画で進めていた事業を五年で終えるよう取り組むとされています。  以前、この調査・指定がおくれたことの原因に、住民の理解が得られないことを挙げられており、まるで住民だけがわがままを言っているような表現に対し、違和感を覚えるのは私だけではないはずです。  今後は、説明会を町内会単位から小学校単位にすることで大幅な加速化を図るなどと先日御答弁がありました。しかし、これらは、技術的・物理的な改善であり、土地や家屋の資産価値低下への懸念という住民感情論とは全く次元が違う議論だと思うのです。この住民感情が、調査・指定をおくらせた原因だとおっしゃるのであれば、その改善策を説明しなければ、三十年もかかるとされていた事業をあと五年で終えるということがしっくりこないのです。  今後、土砂災害警戒険区域等の指定をするに当たり、住民の理解を得ることを優先されるのか、それとも、住民の命を守ることを優先とするのか、また、理解を得るのが困難な状況となったとき、どちらを優先され、どのように対応されるのか、お聞きいたします。  また、指定の後のゾーニング規制のメスを入れるのは市の役割であり、県に権限がないことも非常に心配している要因です。せっかく調査・指定しても、そこの改善がなければ、県の努力は何の意味も持ちません。調査・指定の後、県のやるべきことはやったで終わるのではなく、市と連携をとり、都市計画を進めていく必要があると考えます。被災地に関しましても、崩れた箇所を直せば、行政の責任を果たしたと言えるのでしょうか。再び健全な姿へと活性化させてこそ再建だと思うのです。  広島市は、昨年十二月に復興まちづくりビジョン案を示し、この案をもとに、被災地の住民の方の意見を伺うとともに、国、県等の関係機関とも協議を深め、年度内にビジョンを取りまとめることとされています。  しかし、この内容を拝見いたしますと、、住みなれたコミュニティーの中での現地再建を基本というふうに記載されており、具体的にどのように復興されていくのか全くわからないのです。  そこで、ただでさえ過疎化が進んでいる団地の活性化が課題となっている昨今、被災した団地の再生は困難を極めることとなります。被災した団地をどのような形で復興・再生していくのか、広島市の復興ビジョン策定に向けた協議に臨まれている知事のお考えと、実際に進められている協議の内容をお聞かせください。  これで私の質問は終わりにいたしますが、最後に一言申し上げます。  二日間代表質問を見てきて思うことがあります。代表質問というのは、知事の明確なビジョン、県の今後の方向性をお聞きする数少ない機会であると私は理解しています。  しかし、知事みずから御答弁されたのは、決まって四項目であることに対し非常に違和感があります。できるだけ代表質問に関しては全て知事に答えてほしいと思うのは私だけではないでしょう。代表質問と一般質問のめり張りがいまいち感じられないのです。県の皆様の税金により議員を招集し、議会を開催しているのですから、その責任を果たし、あるべき議会運営に努めていただきたいということを心からお願い申し上げまして、私の質問を終わりにいたします。御清聴ありがとうございました。(拍手) 94: ◯副議長(冨永健三君) 当局の答弁を求めます。知事湯崎英彦君。(発言する者あり)         【知事湯崎英彦君登壇】 95: ◯知事湯崎英彦君) まず、少子化対策関連事業の効果についての御質問でございます。  本県における結婚支援につきましては、本年度、ひろしま出会いサポートセンターを立ち上げ、若者の結婚を支援する取り組みをスタートさせたところでございますが、来年度は、さらに、その取り組みを加速させることとしております。  具体的には、婚活アドバイザーの配置によるセンターの機能強化、地域で結婚支援活動を行っている団体や民間事業所をサポーターズとして認定し、その活動を支援する、また、県民全体の結婚応援の機運醸成を図るための啓発プロモーションの実施、若者が自信を持って婚活に取り組めるよう、身だしなみやコミュニケーション力、さらには、近年、女性が結婚相手に求める重要な要素としている家事力などを身につけていただくためのセミナーや交流会の開催などに取り組むことにより、若者の婚姻数を伸ばしていきたいと考えております。  また、子供を望む夫婦の願いをかなえるため、不妊を心配する方が早期に適切な治療を開始できるよう、相談体制の充実や検査費用の助成を行うこととしております。  これらの新たな取り組みにより、婚姻数が年間約六百組増加し、また、不妊治療による出生数が年間四十一人増加すると見込んでおり、合計特殊出生率に換算いたしますと、五年後には一・六六まで上昇すると試算しております。  また、こうした取り組みにつきまして、事業の効果を検証しつつ、さらに実効性のある取り組みを進めるとともに、結婚支援に取り組む市町やNPOなどとの連携、不妊治療を初めとした妊娠・出産支援や子育て支援、仕事と家庭の両立支援などの少子化対策の関連施策を切れ目なく進めることで、二十五歳から三十九歳の女性の有配偶者率を平成三十二年までに六三・二%まで高めることを目標としており、この場合、合計特殊出生率は、いわゆる国民希望出生率である一・八に到達していくものと考えております。  次に、待機児童の解消についての御質問でございます。  本県の待機児童は、平成二十六年四月一日時点で四百四十七人でございまして、全て広島市において発生しております。  広島市と連携して、保育所整備などによる受け入れ枠の確保、乳幼児と保育所などとのマッチングを行う保育コンンシェルジュの重点配置、保育士人材バンクの機能強化など、平成二十七年四月一日の待機児童ゼロを目指して取り組みを進めているところでございます。  しかしながら、真に目指すのは、いわゆる統計上言われております待機児童の解消ではなく、子供を預けたいときに預けて働けることであると考えておりますので、来年度からスタートするひろしまファミリー夢プランにおきまして、いつでも安心して子供を預けて働くことができる環境が整っていると思う人の割合をふやすことを目標として掲げ、新たな施策を展開することといたしました。  具体的には、年度途中の復職や就職のため、年度後半にかけて保育需要がふえ、保育所の空きがなくなるという傾向がございますので、特にニーズの高い三歳未満児の受け皿として、来年度新たに事業所内保育施設が認可施設として位置づけられることを踏まえて、複数の事業主が共同で設置するモデルを県みずから示し、また、奨励金を支給することにより県内事業者による設置を促進し、受け入れ枠の拡充を図ることとしております。  また、認可保育所に入所できず認可外保育施設を利用するというケースもございますので、そういった場合の負担の軽減に取り組むこととし、よりきめ細かく保育ニーズに応えてまいりたいと考えております。  今後は、市町と連携して、将来的な保育の必要量を正確に把握し、それに基づいた効率的な確保策を講じ、県内全域において、年間を通じて、いつでも安心して子供を預けて働くことのできる保育環境の実現を目指してまいります。  次に、残業ゼロに向けた取り組みについてでございます。  少子化に歯どめをかけるためには、子育てを男女がともに担い、女性の負担感を軽減することが重要であることから、長時間労働を前提とした働き方の見直しや、男性も育児に取り組みやすい職場環境の整備が不可欠であると認識しております。  県では、これまで、いきいきパパの育休奨励金の支給や、ノー残業デーなどを盛り込んだ一般事業主行動計画の策定支援、イクメン企業同盟の活動促進による経営者の意識改革などに取り組み、その結果、多くの企業が労働時間の縮減や柔軟な働き方の見直しを進めているところでございますが、依然として、長時間労働の解消は進んでいない状況でございます。  このため、県といたしましては、まずは、企業が働き方の見直しに関するメリットや具体的な取り組み方法を理解し、みずから行動を起こしていただくことが重要であるという考えから、今年度は、業種や規模に応じて活用できる先進事例ノウハウ導入手引書の作成や、啓発活動の一環でございますが、経営者や人事労務担当者を対象とした研修会の実施に取り組んでいるところでございます。  来年度は、手引書を活用し、各企業の実情に応じて、長時間労働の見直しを含めた働き方の見直しのノウハウを提供することで企業を強力にバックアップし、男女がともに仕事と育児に生き生きと取り組む社会の実現を図ってまいりたいと考えております。  次に、災害発生時での現場での体制についての御質問でございます。  広島市の土砂災害におきましては、災害発生の初期段階で情報が錯綜するなどの混乱する場面がございました。  このため、国・県・市合同会議を設置し、国と県、市が一体となって応急対策や二次災害の防止を行うとともに、避難を余儀なくされた被災者の視点に立ち、できるだけきめ細やかな支援を行うこととし、必要な対策を講じてまいりました。  具体的には、施設管理者の枠を超えて応急復旧などを進めるため、国と県と市が共同して設置いたしました八・二〇土砂災害応急復旧連絡会議において、土砂及び瓦れきの処理などについて一体となって対応を行い、また八・二〇土砂災害砂防治山連絡会議において、本格復旧に向けた事業の分担や復旧工事に係る事業計画の調整を行ったところでございます。  さらに、それぞれの会議で策定いたしました、被害が大きく危険度も高い地域に関する応急復旧計画、砂防・治山に関する施設整備計画を公表する際には、避難所や自治会単位で、直接住民の皆様に御説明させていただいたところでございます。  また、被災者への生活支援につきましては、支援情報の共有を図るため、国の非常災害現地対策本部に県と市の職員が常駐し、国、県、市が連携して取り組みを進めるとともに、被災者にわかりやすく情報を提供するため、県営・市営住宅の提供や県税・市税の免除、災害見舞金や融資制度などの県と市の支援情報を一元化したリーフレットを作成し、被災者の皆様に提供するなどしたところでございます。  加えて、広島県災害時公衆衛生チームを避難所に派遣し、市と共同で、保健師や専門家による被災者の健康管理や心身のケアを行うとともに、被災者が避難所から出られた後も健康調査や相談・支援を行ってきたところでございます。  さらに、心のケアにつきましても、現在、市と一体となって、広島県DPATや広島県こども支援チームによる被災者支援を続けているところでございます。  こうした取り組みを、被災者の視点に立ち実施してまいりましたが、今なお、多くの被災者の皆様は心の痛みや今後の生活への不安などを抱えており、行政の対応に対する不満もまだまだあると認識しておりますので、引き続き、被災者の皆様に寄り添った取り組みを行ってまいりたいと考えております。  さらに、今回の、国、県、市が一体となって、被災者の視点に立ち、スピード感を持って応急対策や生活支援を行った経験を生かすため、平時から国や市町と緊密な連携に取り組み、災害時においては、国、県、市町が円滑に連携して、現場でのニーズの把握に努め、対応を迅速に進めることができるよう取り組んでまいりたいと考えております。  その他の御質問につきましては、担当説明員より答弁させていただきます。 96: ◯副議長(冨永健三君) 健康福祉局長笠松淳也君。         【健康福祉局長笠松淳也君登壇】 97: ◯健康福祉局長笠松淳也君) 新婚世帯に特化した支援についてお答え申し上げます。  少子化の進行に歯どめをかけるには、若い世代が早期に結婚し、安心して妊娠・出産、子育てできる環境づくりが重要であると認識しております。  このため、これまでの子育て支援に加え、本年度からは、まず、出会い・結婚という最初のステップに着目し、結婚を希望しながら出会いの機会が少ない方などへの直接的な支援に重点的に取り組み、結婚から妊娠・出産、子育てまでの切れ目ない支援を総合的に推進しているところでございます。  来年度は、結婚支援事業をさらに強化いたしますとともに、新婚世帯に対して、経済的な負担や、初めての妊娠・出産、育児の不安感を軽減するため、県営住宅への新婚世帯の入居の優遇措置、子育てのしやすいマンションを認定する子育てスマイルマンション認定制度での金利優遇、妊娠期から子育て期にわたる総合的な相談支援を行う子育て世代包括支援センターの設置促進、イクちゃんネットを活用したお出かけ情報の発信などに取り組んでまいりたいと考えております。  これらの取り組みのPDCAを回しながら、次のステップとして、理想の相手と出会い、結婚に結びついた新婚世帯が、希望する数の子供を持てるよう、さまざまな観点から検討してまいりたいと考えております。 98: ◯副議長(冨永健三君) 土木局長児玉好史君。         【土木局長児玉好史君登壇】 99: ◯土木局長(児玉好史君) 二点お答えを申し上げます。  まず、イエローゾーン・レッドゾーンの調査及び指定についてでございます。  土砂災害から住民の皆様の生命を守ることは最優先の課題であり、八月二十日の土砂災害の教訓を踏まえ、住民の皆様が自主的に判断して、的確な避難行動をとることの重要性と有効性を改めて認識したところでございます。  このため、土砂災害警戒区域等の指定に関しましては、基礎調査を平成三十年度までの四年間、区域指定を平成三十一年度までの五年間で完了させることを目標に設定いたしました。  行政におきまして取り組みます避難場所や避難経路などの警戒避難体制を整備することなどに加えまして、土砂災害警戒区域等の指定プロセスを通じて、住民の皆様にみずからの住んでいる地域の危険性を認識していただき、また、みずから避難場所・避難経路を確認していただくことなどにより、防災意識の向上が一層図られ、的確な避難につながるものと認識しております。  今回の土砂災害を契機に、現時点におきましては、基礎調査結果の公表と土砂災害警戒区域等の指定を迅速に行うことの必要性につきましては、県民の皆様の理解が大幅に深まっていると認識しております。  今後は、基礎調査の効率化など工夫・改善を加え、速やかに調査を進めるとともに、説明会の開催に当たりましては、市町とこれまで以上に連携・協働を図りながら、調査結果と土砂災害警戒区域等の指定の重要性について、専任の担当者から地域住民の皆様に丁寧に説明を行い、円滑な指定作業の促進に取り組んでまいります。  さらに、指定後におきましても、広島県「みんなで減災」県民総ぐるみ運動を通じまして、住民の皆様の意識を高め、継続的に維持し、災害時に的確な避難行動をとっていただくことにより、災害から命を守る防災・減災対策に取り組んでまいります。  次に、被災した団地の復興に関する考え方についてでございます。  広島市が、現在策定を進めております復興まちづくりビジョンは、行政と市民、企業等が認識を共有し、早期の復興と地域の将来を見定めた安全・安心なまちづくりを着実に推進するため、中長期的な視点に立って、防災・減災のための施設整備など被災地域のまちづくりの骨格とその実現に向けた実施方針を示すものでございます。  広島市が三月までに取りまとめることとしております復興まちづくりビジョンでは、今後とも安心して住み続けられるまちとするための基本的な施策として、避難路の整備、雨水排水施設の整備、住宅再建の支援及び砂防堰堤等の整備を掲げております。  県といたしましては、砂防堰堤等の防災施設整備に当たっての役割分担等を定めた八・二〇土砂災害砂防・治山に関する施設整備計画と復興まちづくりビジョンとの事業調整を行うため、広島市の復興まちづくり本部に国とともにオブザーバーとして参画しているところであります。  今後は、復興まちづくりビジョンが目指すまちづくりを着実に推進できるよう、防災・減災のための施設整備や土砂災害警戒区域等の指定を促進するなど、これまで以上に広島市や国と連携し、被災地の復興に全力で取り組んでまいります。 100: ◯河井案里君 議長、関連……。 101: ◯副議長(冨永健三君) 関連質問を許します。河井案里君。 102: ◯河井案里君 災害に強いまちづくりということで、現場での体制についてという質問項目がございまして、知事から御答弁をいただいたのですが、恐らく渡辺議員の意図が伝わっていないように私は思いましたので、同じ被災地の議員ということもありますので、補足しながら、また、新たにお伺いしたいと思うのですが、知事は、現場にも国、県、市の合同の本部をつくってそこで対応したとおっしゃいました。実際、パチンコ屋の駐車場を借りて本部がつくってありましたが、恐らく、渡辺議員が言っているのは、もっと細かい、本当に、そこに被災者がいて、そこでボランティアが働いている現場に行政の人がいないということで、非常に現場が混乱していたのです。  例えば、ボランティアが土砂をかき出して土のうをつくって積んでくれるのですけれども、素人ですから、土のうの積み方もめちゃくちゃで水をとめる役目を全然果たさないのです。わかっている人が入ってくれていれば、恐らくボランティアももっとうまく機能したでしょうし、安佐南区緑井の八敷会館という災害時に被災地の中でも大きな被害を受けたところですが、八敷会館の上のほうは水がどんどん出てとまらなくて、地元の人から私たちもいろいろ言われて、国交省に入ってもらうことになりました。  それまで、地元の方が重機を借りてきて水をかき出すということをしておりましたが、国交省が入ってくれることになりまして、地元の方が国交省と連絡をとりたいとおっしゃるので、太田川工事事務所にお願いして、八敷会館だけは太田川工事事務所の方に常駐してもらうことにしたのです。  そこは、地元の方としても、災害対応ということで行政に対して非常に感謝してくださったのですが、ほかのところはそういう行政の常駐ということがなかったので、恐らく渡辺議員がおっしゃっているのはそういうことで、町内単位で行政の担当者を一人一人張りつけてくれないと、安佐南区、安佐北区全域が被災しているのではなく、その中の限られた地域なのですから、そこに、行政の人を置くということは、物理的に不可能ではないと思うのです。  今後、このような災害があってはいけませんが、もしあった場合には、同じようなことを考えていただきたいという趣旨だと思います。  この議場の中にも、被災地をずっと歩き回っていた人間というのはそんなに多くないでしょう。ですから、しっかりと渡辺議員のお話を聞いて、善処していただきたいと思いますが、いかがですか。 103: ◯副議長(冨永健三君) 当局の答弁を求めます。知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 104: ◯知事湯崎英彦君) 河井議員の御説明、ありがとうございました。  現場でさまざまな混乱や不都合があったことは否めないことだと思っております。それで、二つ側面があると思いますけれども、それぞれの避難所等におきまして連絡員を置いてまいりました。  また、国交省、それから県が中心となって、それぞれの被災場所、特に物理的に崩れていたところと、あるいは危険な箇所等を確認して、また、その際、住民の皆さんの御意見も伺ってきたところでありますけれども、それが必ずしも十分でなかったということかもしれません。それは当然にあっただろうと認識しておりますし、そういう声も聞いております。
     そして、また、私どもがお答えしました趣旨としては、非常に大規模な災害でありましたことから、発生した範囲は、安佐南区、安佐北区の一部でございますけれども、流出した土砂量というのは相当に大きなものでございまして、これらを取り除いて一応の安全対策を行っていくためには、御承知のとおり、非常に大規模なオペレーションを行わなければいけません。そうでないと、まさに、各地域での不公平であるとか、あるいは本当に危険なところが残されてしまうといったようなことが発生します。すなわち、一定の綿密な計画が必要であるということでございます。  私どもが、御答弁を申し上げた趣旨としては、こういった大規模で大量の物量を動員して対応しなければならない、つまり計画を立てながら進めなければならないということについて、国と県と市で連携をとりながら、できるだけ速やかに進めてきたという趣旨でございます。  したがって、個別の現場におけるさまざまな不都合については、引き続き、迅速な対応ができるように、我々としても当然考えていかなければならないと考えております。 105: ◯副議長(冨永健三君) 明日も引き続いて質問を行います。明日は午前十時三十分から会議を開きます。  本日はこれをもって散会いたします。         午後三時一分散会 発言が指定されていません。 広島県議会 ↑ 本文の先頭へ...