4:
◯答弁(
高齢者支援課長) 在宅医療推進拠点の整備に当たりましては、在宅医療の中核的な役割を担っていただくという観点から、地区の医師会でありますとか医療機関を中心として取り組んでいただくこととしております。
しかしながら、御指摘のとおり、市町との関係は重要なことでございます。推進拠点の立ち上げの際には、市町とも十分に事前調整を行っていただくことをお願いしております。また、事業の実施に当たりましても、十分な連携を図っていただくようにお願いしているところでございます。
なお、平成27年度以降、こうした在宅医療・在宅介護の連携推進につきましては、介護保険法の地域支援事業に位置づけられまして、市町が主体となって取り組むこととされております。
県といたしましては、推進拠点のさらなる発展に向けまして、地域の基盤や特性に応じた仕組みやルールづくりを行い、円滑に実施できるよう市町が策定いたします次期介護保険事業計画の策定過程において助言してまいりたいと考えております。
5:
◯要望・
質疑(
三好委員) 今、助言していくという話がありましたけれども、これは個人的な感覚ですが、まだまだこの分野はばらばらな感じがあるような気がしております。先日、本会議での知事答弁の中で、県の役割として専門性に特化していくということ、また、広域的な視点からの戦略といった部分を担っていくという話もされておりましたけれども、在宅医療・在宅介護について、実質的には市町の仕事とされていながらも、それぞれ保険者が違い、また、包括ケア体制は市町と県がそれぞれの思いを巡らせているという感じがあると思いますので、そういったところをしっかりコーディネートするのは、まさに県の仕事であろうと思いますので、しっかり汲み上げていただきまして、牽引していただきたいと思います。
現在、県内には125の日常生活圏域があるそうですが、昨年度と今年度で市町はこの日常生活圏域内での地域包括ケア体制を構築するためにロードマップを作成しているとお聞きしております。このロードマップづくりに在宅医療推進拠点の参画を促して、より実効性のあるロードマップを作成していくことが大切ではないかと思いますけれども、コーディネートの一つとしてそういった取り組みを考えておられるのか、お伺いします。
6:
◯答弁(
高齢者支援課長) ロードマップの策定におきましては、やはり医療職・介護職を含めた関係者の参画のもとに情報共有を図りながら進めていくことが、より実効性のある計画を策定することになりますので重要であると考えております。こういったことにつきましては、ロードマップ策定のねらいとして各市町に説明しているところでございます。
また、例えば医療と介護の連携に関するテーマをロードマップの中で議論する場合には、在宅医療拠点等で積極的に医療・介護連携を推進されている関係者が参画されることが効果的と考えておりまして、今後とも市町に助言してまいりたいと考えております。
なお、こうしたロードマップの作成以外にも、地域包括ケア推進体制の構築に向けましては、市町における地域ケア会議でありますとか介護保険事業計画の策定等の幅広い場面におきまして、在宅医療推進拠点の関係者が積極的に参画していただくように働きかけてまいりたいと考えております。
7:
◯要望(
三好委員) 積極的に参画していただきたいと思います。
今回の補正予算でありますけれども、この事業が大きな成果を生むよう、これからもしっかり頑張っていただきますよう期待して、質問を終わります。
8:
◯質疑(
岩下委員)
三好委員の質問とダブるところがありますけれども、地域包括ケア体制の構築に関して質問したいと思います。
団塊の世代が75歳以上となる2025年を目標に、地域包括ケア推進体制の構築が進められているわけです。今回の提案により、県内23市町すべてで地域包括ケア体制の拠点となる在宅医療推進拠点の整備が完了するわけです。これは一つの節目だと思いますけれども、医療と介護が連携した在宅医療・在宅介護の実現に向けた長い道のりの一歩ではないかと思います。特に、人口が横ばいで高齢者人口が急増する都市部では、将来への不安が急速に高まり始めているのではないかと思っているところです。
最初に、基本的な質問ですけれども、在宅医療・在宅介護でいうところの在宅の定義に関して伺います。在宅には自宅以外も含まれていると理解していますが、具体的にはどのような施設を想定されているのでしょうか。
9:
◯答弁(
高齢者支援課長) 少し言葉は違いますが、居宅という観点で申し上げます。
介護保険制度上、居宅と定義づけられておりますのが、軽費老人ホームでありますとか有料老人ホーム、それから養護老人ホームといった施設も含まれると定義されております。
私どもで使っている在宅医療の観点で申し上げますと、こういったところは少しずれるという感じはしております。ただ、こういった施設におきましても、嘱託医でありますとか指定医療機関といったところがございますので、そういった関係者と在宅医療推進拠点の関係者が連携を図っていくということは重要であると考えております。
10:
◯質疑(
岩下委員) 定義をお尋ねしたのですけれども、少し違和感がありまして、厚生労働省の資料によりますと、介護の将来像ということで地域包括ケアシステムの図があります。その中に、住まいというものがあって、自宅以外にサービスつき高齢者向け住宅などというような形で表現されています。自宅では医療や介護を受けられない方もかなりいらっしゃるという現実があるわけです。そういった意味で、非常にこの定義が大事だと思うのです。
特に、都市部では急速に高齢化が進んでいますが、用地等の問題もあり、なかなか施設の整備をしづらいという状況もあります。そうすると、住民の方からは、自分がもう少し歳をとったらどうなるのかといった声も聞こえてまいります。そうすると、現実としては、人材も施設も不足しており、自宅といっても、実は都市部でもそんなに事情がいいわけではないのです。近くまではアクセスできるけれども、自宅までは救急車が入れないような狭いところもあちこちに点在しています。逆にそういった場所に、介護が必要な方が一人で住んでいらっしゃるという現実もあるわけです。そうすると、施設の段取りもしていかないと間に合わなくなるのではないかと思うのです。そうすると、当然場所の問題とか予算の問題といった課題が出てくるのです。どこまで市町に県として援助できるのか、もしくは国に対してどう働きかけていくのかといったところも包括的に考えていかないと絵に描いた餅になってしまう気がいたします。
一番気にしているのは、認知症ですとかHIVの感染者に対するものですとか、いろいろな研究などをされていて準備はできているかもしれませんが、実際にやろうとすると本当に大変なことだと思うのです。そうすると、全市町に拠点ができた今のタイミングで、在宅の定義をもう少しはっきりさせていく必要があるのではないかと思うのです。特に、中山間地域と都市部は大分違うような気がいたします。その辺はどのようにお考えでしょうか。
11:
◯答弁(
健康福祉局長) まず、在宅の定義には、確かにいろいろな捉え方がございます。例えば、診療報酬における在宅復帰率──病院から在宅にもっていくというのを評価する仕組みがございますが、これも急性期病院からの場合と、療養病床からの場合というのは、やはりスコープが少し違ってくると思われます。どこからスタートしての在宅なのかというところは、少し幅があるということが一つございます。
もう一つ、今おっしゃったように都市部と中山間地域では在宅医療や地域包括ケアについて多様性があるというのは、おっしゃるとおりだと思います。私どもとしては、そういう問題意識のもとに、県の地域包括ケア推進センターといろいろ検討しておりますが、地域包括ケア推進体制といいましても、イメージ図だけではよくわかりませんし、市町も目標にしにくいということがございますので、都市部と中山間地域、また、中山間地域にも幾つかパターンがあると思います。昔は役所があったとか、団地だとか島だとか、いろいろなパターンがございますので、そのパターンに即してパイロット的に20カ所程度を、市町と一緒になってつくっていくことが重要だと思いますので、多様性をしっかり踏まえたものをお示しできるように、これから市町、地域包括ケア推進センター並びに県が一緒に取り組んでまいりたいと思っております。
12:
◯意見・
要望(
岩下委員) この質問の意図というのは、先般の新聞報道にもありましたけれども、待機児童についても、どうも定義が違うようなのです。県内23市町でどういう条件で待機児童を計算しているのかということも見せていただきましたけれども、かなり違っているわけです。それを待機児童という言葉で片づけてしまっているということです。さまざまな事情があるので、そういう形になっているということはよくわかりますけれども、私も
生活福祉保健委員会に所属して、皆さんといろいろお話ししていますと、どうも福祉関係については曖昧というか、幅が広過ぎるのではないかと思うのです。少しずつでも整理していかないと、整理できなくなるのではないかと思います。整理ができなくなってきているという現実が、いろいろな矛盾として出てくるのではないかと思うのです。だから、もう少しその辺の整理の仕方というものも、人間が相手ですのである程度柔軟性を持たなくてはいけないという事情も十分理解していますが、それを許してしまうと際限がなくなってしまうという現実もあるわけです。しっかりと定義してから始めていただかないと、最初の一歩はわずかな違いでも、それが10年もすると大きな違いになってきます。スタート地点が一番大事だということで、今回の地域包括ケアシステムの中でキーになる言葉は在宅だと思いましたので質問いたしました。
先ほどの答弁に、いろいろなケースに分けて考えたいというお答えもありましたけれども、余り多くのパターンに分けないように、中途半端にならないように定義づけていただいて、後々混乱が起きないようにしていただくようにお願いして質問を終わりたいと思います。
13:
◯質疑(
井原委員) 財産の取得について質問させていただきます。
高精度放射線治療センターが、いよいよ現実のものになってきております。そこでお尋ねしたいのですが、ハード、ソフト含めて、当初の予定どおり進行しているかどうか、教えていただきたいと思います。
14:
◯答弁(
がん対策課長) 高精度放射線治療センターの整備につきましては、昨年9月に契約を結び、現在、基礎等を含め、工事を進めているところでございます。それから、備品等につきましては、財産取得ということで、中心的な治療装置でございますリニアック等を入札いたしまして、今回議案に上げさせていただいているところでございます。関係備品につきましては、整備推進委員会等も含めて協議しながら整備しているところでございます。
それから、運営でございますけれども、御承知のとおり、この治療センターにつきましては4基幹病院の連携・協力が前提となっているところでございます。その中で特に重要なのは、4基幹病院から臓器別に患者を紹介していただくということですので、その基準を整理していく必要があると考えています。これはセンターの収支にもかかわってくることでございますので、現在、患者紹介の基準作成につきまして、臓器別の検討会を立ち上げる準備をしておりまして、円滑な紹介による運営となるよう取り組みを進めているところでございます。
15:
◯質疑(
井原委員) 入札が行われて、その契約に対しての承認ということですね。もう一回確認したいのですが、この機器の納期はいつですか。
16:
◯答弁(
がん対策課長) 機器の納期は、平成27年9月30日までとしております。
17:
◯質疑(
井原委員) 機械ですから、通常の既製品のようにできるわけではなく、ある程度の期間が必要だと思うのですが、機器のスペックであるとか、携わる人のこととか、4病院の連携の中で運営していかざるを得ないという話とか、いろいろなことがあります。そこでお尋ねするのですが、もう決まっていないといけないセンター長がいまだに決まっていないという話が伝わってきましたが、これは事実ですか。
18:
◯答弁(
がん対策課長) 委員の御指摘にございましたセンター長につきましては、まだ決定しておりません。
19:
◯質疑(
井原委員) 4病院から患者を紹介してもらって、それを中心に治療行為を行うということが、この事業の柱だと思うのですが、これからさまざまなことに対処しなければならない立場であるセンター長がまだ決まらないというのでは、どこに主体があるかわからないではないですか、なぜ決まらないのですか。
20:
◯答弁(
がん対策課長) センター長の決定につきましては、委員の御指摘のように、これから立ち上げるセンターの中核になる方でございますので、早期に決定するということはありますが、この病院の整備については各基幹病院の院長、県、市、それから県医師会の7者で整備推進委員会を立ち上げて、運営の細かい部分について議論しているところでございます。最終的に束ねていただくセンター長につきましても、このセンターが4基幹病院の連携という形で円滑に進むようにいろいろと意見を聞きながら、さらには、12月定例会に指定管理者の議案を出させていただくよう準備しておりますけれども、指定管理者に運営していただくということもございますので、その辺を十分に踏まえながら、センター長につきましては、県も主体的に意見を言いながら議論してまいりたいと思っています。
21:
◯質疑(
井原委員) タイムスケジュール的にはセンター長が決まっている時間軸ではないということですか、全くそのことは想定していない、別におくれているわけではないと理解されているということですか。
22:
◯答弁(
がん対策課長) 私どもとしましては、運営の細かい部分につきまして、先ほど言いました4基幹病院の院長及び県の医師会等と整備推進委員会を立ち上げて議論しているところでございます。そういった状況も踏まえながら、4基幹病院の御意向、それから県の医師会といったところからの意見を踏まえながら、センター長も決めていきたいと考えておりますので、センター長の決定につきましては、我々としてはこれから詰めていければと思っております。
23:
◯質疑(
井原委員) 順番的に逆なのかなと思います。4病院の院長を含めて、実際に運営していく人たちがかかわることは正しいと思うのですけれども、センター長がその中心的な存在として、これからの運営について決めていかないといけないのに、7者が集まって決めたことをセンター長に押しつけるのかという話です。運営する立場としてさまざまな検討を加えていかなければならないと思うのです。それを今からやっていきながら考えるということでは、どう対応していくのか、施設のありようにもかかわってくるのではないですか。中心となる人間が決まっていなければ有効に機能しないのではないかと思うのです。
このことについては、まだ決まっていないのはなぜなのだろうというような話が出ています。不安感を与えることに何の意味があるのですか。県が加わってやっているということで十分な補完になっているかというと、そうではないと思うのです。このことについて早急に御検討いただかないと、4病院から患者を紹介していただいて運営するという立場も、ずっとそういう形で引きずっていくことはやめたほうがいいのではないかと思います。独立採算制について、ぼちぼち検討というか、差配する人が決まっていないと、結局、全部よそで決めたことなのだからどうしようもないということになる。結果として、採算が悪くて赤字が出たら、経営の主体は県だから、赤字の補填は県だという話になりかねないのです。一部でそんな話がもう出ているのではないですか。そんなことでいいのですか、最後にお答えください。
24:
◯答弁(
がん対策課長) センターの運営につきましては、委員会でもいろいろと御質問があったと承知しております。もちろん県としましては、運営する以上は赤字にならないようしっかりと取り組んでいく、主体的に責任を持ってやっていく必要があると考えております。
最初に申し上げましたように、収支においては4基幹病院からの患者紹介が肝になるということでございますので、こうした紹介のシステムをしっかりと組み立てられるよう、これから議論していきたいということと、先ほどのお話にございましたセンター長の決定につきましても、いろいろな関係者の意見等も聞きながら、センター長としてふさわしい方を選べるよう、鋭意取り組んでまいりたいと思っております。
(6) 表決
県第62号議案外7件(一括採決) … 原案可決 … 全会一致
(7) 当局説明(一般所管事項に係る報告事項の説明)
1) 環境県民総務課長が報告事項(1)について、別紙資料1により説明した。
2) 健康福祉総務課長が報告事項(2)について、別紙資料2により説明した。
3) 医療保険課長が報告事項(3)について、別紙資料3により説明した。
(8) 一般所管事項に関する
質疑・応答
25:
◯質疑(
三好委員) それでは、最後に説明していただいた国民健康保険の広域化に関して質問させていただきます。前々から聞こうと思っていたのですが、きょうが最後の質問ですので、よろしくお願いします。
先ほど説明がありましたとおり、23市町の総意による要請であるということ、国において財源の支援を確実に実施することを前提としているということでありますけれども、具体的な内容を見ますと、都道府県が保険者となるということをしっかりとうたっているわけであります。考え方によっては、これは非常にリスクのある提言でもあると思います。全国知事会や市長会、町村会も、まだそれぞれ話をしている最中でありますので、見方によれば広島県が先んじて条件負けをした、もしくは先んじて腰砕けになったと言われるリスクもある話でありまして、これは非常に重要な部分だと思います。
しかしながら、これだけのリスクを負ってでも全国に先駆けて提言していくということですので、その裏には恐らくいろいろな思いがあるのだろうと思います。テクニカルな部分というのはいろいろと話を聞くわけですけれども、そういった思いの部分がよくわかりませんので、どういう思いでこういう提言をされるのかということをわかりやすくお答えいただきたいと思います。
26:
◯答弁(医療保険課長) 現在、国において、平成27年の通常国会に法案を出されるということで動いております。これは先月の委員会でも説明させていただきましたけれども、社会保障改革プログラム法に基づいて動いておりまして、その中に国の財政支援の拡充による国保財政の構造が出ております。先ほども触れました赤字体質の解消ということになりますが、この明示といいますか、どういうものが出るかということによりまして我々も議論していかなければならないところでございますが、まだ具体的に示されてはおりません。そういったことで、県と市町の役割分担、あるいは保険料の賦課のあり方についてもまだ明らかになっておりません。
こういった状況の中で、広島県におきましては、市長会及び町村会で設置しました国民健康保険事業広域化検討協議会に県も参画しまして、昨年来検討してまいったところでございます。その結果、まだ財政支援のポイントとなる部分が明らかになっていないことから、まず国に対してその部分を強く訴えるべきではないかという共通認識に至ったところでございます。これを受けまして、県としましては国保広域化に係る議論の促進のため、具体的なイメージをきちんと示してほしいということを訴える必要があると思っております。
今回の提言は、国に対して都道府県と市町村の役割分担、あるいは保険料等の具体的なイメージについて示し、国における議論の活性化をお願いしたいということ、あるいは、広域化に伴って必要となる財政支援について明示しまして、国において具体的な内容を提示していただきたいということをお願いし、結果として財政支援の拡充が確実に図られることを期待するものでございます。
27:
◯意見・
質疑(
三好委員) 全国知事会も同じことを言っているわけであります。その中で、もし十分なことがされない場合は各市町がそれなりに担保するということまでくっつけて出すわけですので、全国から見ると本当に横車を引いたような話になるはずであります。ここに思いがないのであれば、やめたほうがいいと思います。県としては、国が決めたことを仕方なく受けたのでやらないといけないのだと県民に説明して、逃げればいいと思います。それでは日本一強い県にはなれないわけですが、ぼろぼろになることはないと思います。
きれいごとと言われるかもしれませんけれども、やはり思いの部分を前面に出していただきたいと私は思っております。財源がどうとか責任がどうかという問題はありますが、これをちょっと横に置いて、医療を受ける立場から言いますと、やはり一番大切なのは県民一人一人、国民一人一人がいつでもどこでも世界最高水準の医療を受けられるシステムが堅持されることであり、そのためにいろいろな制度改革が行われているのです。広島県は、さらに踏み込んだ提言をやろうとしているわけであります。単なる責任逃れであればやらないほうがいいと思いますし、そこに何か思いがあり、それを前面に出してやるのであれば、私は大賛成であります。
特に、これからの厳しい時代を乗り越えていく世代、私自身も団塊世代のジュニア世代でありますが、これから自分たちはどうなるのかわからないという世代であり、何を我慢すれば何が残るのかということをきちんと知りたい、教えてもらいたいと思っています。それを言うのが、これからの私たちの仕事だろうと思っています。シミュレーションもやっていかないといけないし、政策提言も積極的にしていかないといけないし、場合によっては広島県がモデルケースになってもいいのかもしれないし、その第一歩として、とにかくこういうことを積極的に発信していくのだという思いがあって、いろいろな政策をこの1年間私も聞いてきましたけれども、医療のこともいろいろ議論されているわけでありますので、そういうことに反映していく。そのために県が受けるのだという思いでやられるのであれば、少々リスクがあってもどんどんやるべきだと思います。そうでないのであれば、やめたほうがいいと思います。
そういった意味で、本当にきちんとしたものを広島県から発信していくのだという思いを前面に出していただきたいと思っていますけれども、最後に思いを教えていただけたらと思います。
28:
◯答弁(
健康福祉局長) 思いということですけれども、内容については先ほど担当課長が申し上げたとおりでございます。国保には、財政的な赤字があるということと、市町村ごとに運営されているがゆえに安定を欠く部分があるということは長らく議論されております。広域化についての議論も長年あったものでございます。それについてどういうやり方をしたらいいのかというのは、今、全国知事会、市長会、町村会を初めとして、さまざまな議論が交わされているところでございます。当然、国保のあり方については、最終的には全国レベルでの議論に従って進んでいくということでございますが、我々としては安定的な国保の運営と、それに伴う地方の責任と覚悟ということが大事だと考えております。
当然、国による財政的な措置はきちんと求めていかなければいけません。県、市町それぞれ思いは同じでございますが、立場が微妙に違うところがございます。市町と県が個別に議論するということについて、広島県はかなり先行しており、議論を進めていく中で国の財政措置を求めるということは、国にとっても重いことでありますので、県と市町が思いを一つにして、一致できるところは一致して、国に対して、広島では議論し結束しているところがあるのだから、国として責任ある財政措置を求めるというのが今回の提言の趣旨でございます。
保険者のあり方等について、広島県、市町は一致している点が多いことを示した上で財政措置を求め、我々の覚悟を示すことによって国保の安定的な運営につなげていくために一石を投ずるというのが思いでございます。全国知事会や全国での議論に広島県が影響を受けるのは当然でございますが、我々としては現時点で、オール広島で国に提案するということが大事だというふうに思ったわけでございます。
29:
◯質疑(山下委員) 最後なので私も質問させていただきたいと思うのですけれども、きのう我が会派の上田議員の質問に対して局長がお答えになりました、結婚を望む若者への支援について、ひろしま出会いサポートセンターを8月に設置するということですが、余りやり過ぎるとパワハラ、セクハラになる可能性があります。中には独身主義の人もいるでしょうし、その辺のことはわからないのですけれども、そういった意味では、この前、健康福祉局が職員を対象とした婚活パーティーを開いたということでございますが、どのような注意をされて、どのような形でやったのか、伺いたいと思います。
30:
◯答弁(こども家庭課長) 県で進めていこうとしておりますこの支援につきましては、あくまでも結婚を望んでいる男女に対して、みずからの意思で行動することを後押しするための取り組みと位置づけております。先般の婚活イベントにおきましても、イベントチラシをつくりまして、局内の各課、それから関係地方機関に回覧いたしまして、希望者が直接申し込むという形をとっております。
また、課長等の管理職に対しましては、イベントチラシを職場全体で回覧し、直接職員に参加を促すというか、呼びかけるということはせずに、職員がみずからの意思で参加するということで、いわゆるセクハラ、パワハラにならないように気をつけるよう周知を図ったところでございます。
こういうイベント等を進めるに当たりましては、今後も同様の対応をとっていきたいと考えております。
31:
◯意見・
質疑(山下委員) 余り前のめりになると、本当は断りたいけれども行かなかったら変に思われるとか、いろいろなこともあるのではないかと思いますので気をつけてもらいたいと思います。
それから、ひろしま出会いサポートセンターは、民間企業と一緒になってやるということで、県庁の皆さんはある程度統制がとれているのかもしれないのですが、民間を入れるとまた変わってくるのではないかという感じがするのですが、そのあたりの方策は何か考えておられますか。
32:
◯答弁(こども家庭課長) 今回の取り組みにおきましては、民間企業にもサポーターを養成していきたいと考えております。具体的には、9月にひろしま出会いサポートセンターの立ち上げイベントという形で講座を開催いたしまして、そこで企業内サポーターの養成研修を開催したいと考えております。この研修会の中で企業内における結婚支援がパワハラ、セクハラにならないようにどう取り組むかといったことにつきましても周知を図っていきたいと考えております。
33:
◯要望(山下委員) ぜひよろしくお願いします。
もう一つ、イクメン企業拡大キャンペーンというのをやっていますが、これについても夫婦の問題という部分があって、どうのこうのというのは大きなお世話になる場合もあるので、その辺も考えていただければと思います。
34:
◯質疑(
岩下委員) 先ほどの国民健康保険の広域化に関して質問したいと思います。
今回、
要望書の提出について市長会と町村会からの要請があったと書いてありますけれども、市長会、町村会が県に約束したことは何も書いていないのですが、どういうことを約束していただいているのでしょうか。
もう少し具体的に言うと、国民健康保険制度のあり方として、都道府県が保険者となるとか、保険料は同一基準にするとかいろいろあります。これは市長会、それから町村会から国への
要望です。これを出すに当たって県も同意してくださいということなのです。県がこれを簡単に受けられない事情もあるからわざわざ同意をとりに来ているのであって、例えば、保険料の徴収とか、保険料の決定の仕方とか、それぞれ微妙に違うことがたくさん含まれているわけです。そういったものについて、市長会とか町村会は県の決定をきちんと受けていただけるのか、そして確実に履行していただけるのかということについての、決意表明ではないですけれども、何らかの意思表示はあったのでしょうか。
35:
◯答弁(医療保険課長) 今おっしゃったことについては、どれだけ明確にしているかということだと思いますけれども、県も参画している協議会のほうでいろいろとやってまいったわけですが、そこで一つの案が提示されまして、それから、先ほどおっしゃいました市長会でありますとか町村会から各市町に情報がもたらされまして、そこで整理していただいて、23市町と県が確認させていただいたということです。
したがいまして、100%間違いなくこのとおりであるということの確認はなかなか厳しいところがございますけれども、一番のポイントは県が保険者であるという部分であり、また、保険料を統一するということでございます。現在の市町の状況で言いますと、上と下の格差が1.5倍ないし1.6倍ぐらいございます。これを一つにまとめていくということ、それから、そういうことをやるに当たっては、やはり一気にはできませんので、3年間かけることとなっており、この大きな枠組みについては市町の首長に御了解をいただいたものと認識しております。
36:
◯質疑(
岩下委員) 余りにも甘過ぎるのではないですか。実際に保険料が徴収できていないという現実があるわけです。それはほうっておいて、県に任せたいという話なのです。それなら、保険料を100%徴収して必ず納入しますといったようなことにちゃんと判子を押したものを提出してもらわないと受けられないのではないですか、そういう動きはないのですか。
37:
◯答弁(医療保険課長) 県が保険者になるということになりますと、先ほどおっしゃいましたように保険料が取られなかった場合の財源負担といった問題が生じてまいりますことから、別途協定を結びますけれども、県が全部の責任をとるということではなく、市町も、共同運営ではないのですが、安定的に運営するためにそれなりの役割を果たしていただくということは、この協定の中に入ると理解しております。
38:
◯質疑(
岩下委員) 説明を聞いてもよくわからないのですけれども、例えば保険料は確実に払いますという確約書を出していただいているのですか、イエスですか、ノーですか。
39:
◯答弁(医療保険課長) そうした確約書はございません。
40:
◯質疑(
岩下委員) 今の保険料の話、それから、資格管理についても、県の決定を確実に履行するということについて、
文書で出ているのでしょうか、出ていないのでしょうか。
41:
◯答弁(医療保険課長) そういったものもございません。
42:
◯質疑(
岩下委員) いろいろな条件がたくさん書いてあります。その中に県の役割というのが書いてあるのです。今市町がやっている権限を確実に移譲してもらう必要があるのです。通常、県の業務を市町に移すときには、各議会の同意を得てやっています。今回のように市町から県に移すということにも、各市町の議会に同意していただく必要があるのではないですか。どうも手続上の問題があるように思うのですが、いかがですか。
43:
◯答弁(医療保険課長) 当然、議会の関与ということはポイントになるところではございますが、今回の提言につきましては、議会の関与というのは要件にはなっておりません。
44:
◯質疑(
岩下委員) 地方自治法上はどうなっているのですか。提言して、国が認めたらそうなるわけですよね。法律上、議会の関与は全然なくていいのですか。
45:
◯答弁(医療保険課長) 自治法上は、関与を要件にしなければならないというのはないと思います。ただ、おっしゃるとおり、政治的にきちんと担保されているかどうかといったことはあるかと思いますので、提言を行う場合には議会の承認あるいは同意を得なければならないと認識しております。
46:
◯質疑(
岩下委員) 最終案ではないので、議決まで要るかどうかはわかりませんけれども、少なくとも各議会の同意を得ていないのにこういったものが出せるのか、疑問に思います。23市町あるわけですけれども、どれぐらいの市町が議会に説明された上で出されてきたのか、把握されていますか。
47:
◯答弁(医療保険課長) 詳細には把握しておりません。
48:
◯意見(
岩下委員) そういう状態では、県として同意できないのではないかと思います。広島県として、この方向で行くべきだというコンセンサスができているのかどうか、非常に疑わしいと私は思います。
49:
◯質疑(
井原委員) これは非常に勇気のある提言なのです。先ほどから聞いていると、勇気があるというか無謀というか、中身がわからないのです。まず、保険料を統一すると書いてあります。ここまで書き込むということは、保険料を統一したら、現状からどれだけの差異が生じるかというシミュレーションがあるはずです。それをしていないとこんな
文書は書けないし、協議会には局長もおられますので、そこでたたいているということだと思うのです。4月の段階で協議会の進行状況をお尋ねしたときには、課長から、まだ検討中であり最終結論は出ていないというお話を伺いました。それから、座長が4月にかわりました。今、市長会、町村会から出てきたと言われましたけれども、実際には1回しか会議をしていないのです。はっきり言って中身については全然見えていないのです。
そこでお尋ねしますけれども、保険料の統一というのは、各市町で赤字が出た場合、今は一般会計から繰り入れていますけれども、これからは入れないという前提で保険料は計算しているのですか。
50:
◯答弁(医療保険課長) 今おっしゃいました一般会計からの補充ということでございますけれども、これを保険料で見た場合どれぐらいになるのかという試算になろうかと思います。
51:
◯質疑(
井原委員) 具体的にお尋ねするのですが、今、広島県で最低額の国民健康保険料は幾らですか。
52:
◯答弁(医療保険課長) 平成24年度の決算でございますけれども、最低の保険料は神石高原町が1人当たりの平均で6万5,390円でございます。一番上は安芸高田市の10万3,614円でございます。
53:
◯質疑(
井原委員) 今、継ぎ足しが県全体で20億円ぐらいです。その20億円を足し込んで、割り算した値は幾らですか。
54:
◯答弁(医療保険課長) 実際に計算するときには、所得分布の状況といった部分を入れた計算になると思いますけれども、一応、平成24年度の1人当たりの平均が9万5,192円でございまして、これに赤字部分を加えて計算しますと9万9,698円になります。
55:
◯意見・
要望(
井原委員) ということは、広島県の23市町は、現行で一番保険料が高い安芸高田市に匹敵する額になるということです。先ほど
岩下委員からもありましたけれども、各議会ないしはそれに準ずるところで説明がなされた形跡はほぼありません。何が言われているかというと、平成27年から29年の2年間で決めていくのだから、これからどうにでも変わるのだということです。それは非常に無責任です。保険料を統一するのですよ。また、先ほど未納者がいるということでしたけれども、こういう言い方が正しいのかどうかわからないのですけれども、善意の未納者と悪意な未納者がいると思うのです。払えない人たちに対して何をするかというと、資格証を給付するのです。これを管理するのも県になります。実情を把握しながら資格証を出すというのが基本なのでしょうけれども、今23市町がやられているこうした事務について、この2年間で県ができるようになるのですか。うがった見方をすれば、また市町に委託するのではないですか。出しては引き、出しては引きでは、結局何をしているのかわかりません。
こういう形が出てきたということは、国がもうこれ以上は払いたくないというメッセージなのです。昨年、介護保険が月額7,400円を超えた部分については、国の補助は無理ですというメッセージが来ました。これは後期高齢者医療も介護保険もすべて都道府県がやりなさいということになるのです。今は、国が財政的に措置してくださいと胸を張って言っていますけれども、制度が変わっていったときに、ずっと胸を張っていられるのですか。都道府県が保険者になると最初に言ったではないですか、細かなことについてはしようがないと言われたときに、県は本当に突っ張っていけるのですか。論議が未成熟のまま、7月に照準を合わせて無理やりこんな提言書をつくらせたのでしょう。これは23市町がつくったと皆さんおっしゃるけれども、県が関与していることは確実です。
まして協議会の6市町以外の市町はほとんど中身を知らなかったのです。担当部長さえ知らないというのが現実です。僕は幾つかの基礎自治体の部長に尋ねてみました。協議会で何か検討されていることは知っているけれども、それ以上何も知らないと言うのです。それが4月の時点でした。全国で最初にというのもいいかもしれないけれども、基本的なところを何も整理せずに、こんな格好で突っ走って本当にいいのでしょうか。広島県民全体に対してもそうですけれども、このメッセージを送ることで勢いづけてしまったら、我々の責任は小さなものでは済まないと思うのです。
先ほど
岩下委員がおっしゃいましたように、各市町においても本当の意味で論議して、広島県の保険制度はどうあるべきなのかということを基本的に考えながら国に対してしっかりと物を言うというスタンスがなかったら、結局最後は、県や市町が財政負担して運営しなさい、一つ一つの基礎自治体ではもう回らなくなっているから、パイを大きくして、しばらくそれでやりなさいという形に追い込まれてしまう危険性があると感じます。そのことについてもう一度検討していただきたいと思います。
56:
◯答弁(医療保険課長) 先ほど試算の話をさせていただきましたけれども、赤字部分は全国で3,000億円強になるとも言われており、この部分を解消してほしいと国に申し上げるようにしたいと思っております。それがもし解消されますと、理論上は、現状の保険料を維持するという方向になってまいります。したがいまして、そのところを我々は強く訴えているところでございまして、先ほどの試算では数千円のアップということになりますけれども、そうしたいと訴えているわけではございません。そこのところを補足しますので、御理解いただきたいと思います。
57:
◯意見(
井原委員) 財源的な措置がされたらというのは書いてありますけれども、これは必要十分条件ですと書かなければだめです。都道府県が保険者になるというのは、その条件がクリアされて初めて検討することなのです。財源的な措置がされない限り、制度の変更については一切考えないということです。国民皆保険制度というのは、一つの制度の中で一つのサービスで一つの負担というのが基本です。それを国がやっていると全部抱えてしまうから、ある程度市町や県に分散しながら、国の負担が一番少なくなる方法を考えてきただけの話です。国がどうしてもやらないのなら県が受けて立つけれども、それにはこういう条件が要るということです。広島県はこういう制度でやりたいというものもないのに、結局は国が出してきたものをどう加工するかということで、それも現実には何の加工もしていないではないですか。7月には国が出してくるから、全国で初めてうちが行かなければならないというような話ではないのです。そもそもこの制度の変更を国が言い出したのは、今後の負担増はしたくないというメッセージです。それしかないでしょう。そうでなかったら、わざわざ国が変えようとする動機がないではないですか。