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  1. 広島県議会 2014-02-06
    平成26年2月定例会(第6日) 本文


    取得元: 広島県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-05
    トップページ 検索結果一覧 使い方の説明 (新しいウィンドウで開きます) 平成26年2月定例会(第6日) 本文 2014-03-03 文書・発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ・別画面表示ツール 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ(新しいウィンドウで開きます) 別窓表示(新しいウィンドウで開きます) ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 発言の単文・選択全文表示を切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者表示切り替え 全 143 発言 / ヒット 0 発言 すべての発言ヒット発言表示切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示を実行・チェックの一括変更 選択表示 すべて選択 すべて解除 発言者一覧 選択 1 : ◯議長(林 正夫君) 選択 2 : ◯議長(林 正夫君) 選択 3 : ◯内田 務君 選択 4 : ◯議長(林 正夫君) 選択 5 : ◯知事湯崎英彦君) 選択 6 : ◯議長(林 正夫君) 選択 7 : ◯内田 務君 選択 8 : ◯議長(林 正夫君) 選択 9 : ◯健康福祉局長笠松淳也君) 選択 10 : ◯議長(林 正夫君) 選択 11 : ◯内田 務君 選択 12 : ◯議長(林 正夫君) 選択 13 : ◯健康福祉局長笠松淳也君) 選択 14 : ◯議長(林 正夫君) 選択 15 : ◯内田 務君 選択 16 : ◯議長(林 正夫君) 選択 17 : ◯健康福祉局長笠松淳也君) 選択 18 : ◯議長(林 正夫君) 選択 19 : ◯内田 務君 選択 20 : ◯議長(林 正夫君) 選択 21 : ◯健康福祉局長笠松淳也君) 選択 22 : ◯議長(林 正夫君) 選択 23 : ◯内田 務君 選択 24 : ◯議長(林 正夫君) 選択 25 : ◯健康福祉局長笠松淳也君) 選択 26 : ◯議長(林 正夫君) 選択 27 : ◯内田 務君 選択 28 : ◯議長(林 正夫君) 選択 29 : ◯健康福祉局長笠松淳也君) 選択 30 : ◯議長(林 正夫君) 選択 31 : ◯内田 務君 選択 32 : ◯議長(林 正夫君) 選択 33 : ◯知事湯崎英彦君) 選択 34 : ◯議長(林 正夫君) 選択 35 : ◯内田 務君 選択 36 : ◯議長(林 正夫君) 選択 37 : ◯健康福祉局長笠松淳也君) 選択 38 : ◯議長(林 正夫君) 選択 39 : ◯内田 務君 選択 40 : ◯議長(林 正夫君) 選択 41 : ◯健康福祉局長笠松淳也君) 選択 42 : ◯議長(林 正夫君) 選択 43 : ◯内田 務君 選択 44 : ◯議長(林 正夫君) 選択 45 : ◯内田 務君 選択 46 : ◯議長(林 正夫君) 選択 47 : ◯教育長(下崎邦明君) 選択 48 : ◯議長(林 正夫君) 選択 49 : ◯内田 務君 選択 50 : ◯議長(林 正夫君) 選択 51 : ◯教育長(下崎邦明君) 選択 52 : ◯議長(林 正夫君) 選択 53 : ◯内田 務君 選択 54 : ◯議長(林 正夫君) 選択 55 : ◯土木局長(岩佐哲也君) 選択 56 : ◯議長(林 正夫君) 選択 57 : ◯内田 務君 選択 58 : ◯議長(林 正夫君) 選択 59 : ◯議長(林 正夫君) 選択 60 : ◯窪田泰久君 選択 61 : ◯議長(林 正夫君) 選択 62 : ◯知事湯崎英彦君) 選択 63 : ◯議長(林 正夫君) 選択 64 : ◯地域政策局長(梅木敏明君) 選択 65 : ◯議長(林 正夫君) 選択 66 : ◯土木局長(岩佐哲也君) 選択 67 : ◯議長(林 正夫君) 選択 68 : ◯都市技術審議官(児玉好史君) 選択 69 : ◯議長(林 正夫君) 選択 70 : ◯健康福祉局長笠松淳也君) 選択 71 : ◯議長(林 正夫君) 選択 72 : ◯商工労働局長(寄谷純治君) 選択 73 : ◯議長(林 正夫君) 選択 74 : ◯経営戦略審議官(田邉昌彦君) 選択 75 : ◯議長(林 正夫君) 選択 76 : ◯東 保幸君 選択 77 : ◯議長(林 正夫君) 選択 78 : ◯知事湯崎英彦君) 選択 79 : ◯議長(林 正夫君) 選択 80 : ◯東 保幸君 選択 81 : ◯議長(林 正夫君) 選択 82 : ◯知事湯崎英彦君) 選択 83 : ◯議長(林 正夫君) 選択 84 : ◯東 保幸君 選択 85 : ◯議長(林 正夫君) 選択 86 : ◯地域政策局長(梅木敏明君) 選択 87 : ◯議長(林 正夫君) 選択 88 : ◯東 保幸君 選択 89 : ◯議長(林 正夫君) 選択 90 : ◯健康福祉局長笠松淳也君) 選択 91 : ◯議長(林 正夫君) 選択 92 : ◯東 保幸君 選択 93 : ◯議長(林 正夫君) 選択 94 : ◯健康福祉局長笠松淳也君) 選択 95 : ◯議長(林 正夫君) 選択 96 : ◯東 保幸君 選択 97 : ◯議長(林 正夫君) 選択 98 : ◯健康福祉局長笠松淳也君) 選択 99 : ◯議長(林 正夫君) 選択 100 : ◯東 保幸君 選択 101 : ◯議長(林 正夫君) 選択 102 : ◯知事湯崎英彦君) 選択 103 : ◯議長(林 正夫君) 選択 104 : ◯東 保幸君 選択 105 : ◯議長(林 正夫君) 選択 106 : ◯健康福祉局長笠松淳也君) 選択 107 : ◯議長(林 正夫君) 選択 108 : ◯東 保幸君 選択 109 : ◯議長(林 正夫君) 選択 110 : ◯知事湯崎英彦君) 選択 111 : ◯議長(林 正夫君) 選択 112 : ◯東 保幸君 選択 113 : ◯議長(林 正夫君) 選択 114 : ◯商工労働局長(寄谷純治君) 選択 115 : ◯議長(林 正夫君) 選択 116 : ◯東 保幸君 選択 117 : ◯議長(林 正夫君) 選択 118 : ◯東 保幸君 選択 119 : ◯議長(林 正夫君) 選択 120 : ◯教育長(下崎邦明君) 選択 121 : ◯議長(林 正夫君) 選択 122 : ◯東 保幸君 選択 123 : ◯議長(林 正夫君) 選択 124 : ◯教育長(下崎邦明君) 選択 125 : ◯議長(林 正夫君) 選択 126 : ◯東 保幸君 選択 127 : ◯議長(林 正夫君) 選択 128 : ◯教育長(下崎邦明君) 選択 129 : ◯議長(林 正夫君) 選択 130 : ◯東 保幸君 選択 131 : ◯議長(林 正夫君) 選択 132 : ◯教育長(下崎邦明君) 選択 133 : ◯議長(林 正夫君) 選択 134 : ◯東 保幸君 選択 135 : ◯議長(林 正夫君) 選択 136 : ◯教育長(下崎邦明君) 選択 137 : ◯議長(林 正夫君) 選択 138 : ◯東 保幸君 選択 139 : ◯議長(林 正夫君) 選択 140 : ◯教育長(下崎邦明君) 選択 141 : ◯議長(林 正夫君) 選択 142 : ◯東 保幸君 選択 143 : ◯議長(林 正夫君) ↑ 発言者の先頭へ 本文 ↓ 最初のヒットへ (全 0 ヒット) 1:         午前十時三十分開議 ◯議長(林 正夫君) 出席議員五十八名であります。これより会議を開きます。         自第  一 県第一号議案         至第八十一 報第 四 号 2: ◯議長(林 正夫君) これより日程に入ります。日程第一、県第一号議案 平成二十六年度広島県一般会計予算から日程第八十一、報第四号 損害賠償額の決定についてまでの各案を一括上程議題といたします。  前会に引き続いて質問を行います。内田 務君。         【内田 務君登壇】 3: ◯内田 務君 皆さん、おはようございます。広島県議会民主県政会、福山市選出の内田 務でございます。今次定例会におきまして質問の機会を与えていただきました議長を初め、先輩、同僚議員の皆様に心から感謝を申し上げます。  早速質問に入りますが、私も団塊の世代の直後の世代として、今後の生活のことを考えると身につまされるような課題が多く、また、不安に感じるところであります。  私が、常日ごろ認識している課題や不安、そして、きょう傍聴に来ていただいております皆さんが、日々生活する上での身近な課題について質問いたしますので、わかりやすく明快な答弁をお願いいたします。  一問一答方式で質問いたしますので、質問席へ移動いたします。(質問用演壇に移動)  最初の質問は、少子・高齢化対策についてお伺いいたします。  少子・高齢化対策が重要な行政課題と言われるようになって久しいわけでありますが、今後は、これに人口減少が伴って、特に都市部において急速に少子・高齢化が進行していきますので、これまで以上の対策が求められるとともに、常に人口減少、少子・高齢化を念頭に置いた行政運営が必要になります。こうした観点に立ちまして、さまざまな角度から県の考えをお伺いしてまいりたいと思います。  まずは、高齢者が住みやすいまちづくりであります。  高齢者が住みやすいまちにしていくためには、高齢者が元気で働き続けられる場所の確保・提供と、仕事をリタイアした後の医療や介護・福祉の充実が大事であります。  二〇二五年には、いわゆる団塊の世代が七十五歳以上となります。二〇一〇年の国勢調査の状況と二〇二五年の推計値を比べると、六十五歳以上の高齢者の割合は、約四人に一人から三人に一人になります。そして、七十五歳以上の高齢者の割合は、十人に一人から約二倍の五人に一人となります。  また、一般世帯に占める高齢者世帯の割合は、三二・〇%から四〇・六%へと八・六ポイントも上昇いたします。  また、一般世帯に占める世帯主が七十五歳以上の世帯の割合も、一五・二%から二四・一%へと八・九ポイントも上昇し、まちの様相が一変するものと思われます。  そのための事前準備に県は真剣に取り組むべきですが、いま一つ危機感が感じられないように思います。特別養護老人ホームの待機者は減らず、安心できる居場所を求める高齢者は後を絶ちません。  地域包括ケアは、二〇二五年問題を想定したものですが、果たして地域包括ケアでうまくいくのか、今より高齢化が進行しているのに、二〇二五年を目指して、明快な答えのない地域包括ケアの体制づくりをしていて間に合うのか、甚だ不安であります。
     また、日ごろの買い物もままならない高齢者の増加や孤独、孤立による高齢者がかかわる犯罪の増加など、さまざまな問題が顕在化しています。  こうした深刻な問題を、市町任せ、民間任せ、住民同士の支え合い任せにしていてよいのでしょうか。  県として、できることを積極的に見つけ出し、取り組んでいくことによってこそ、知事の言われるイノベーションが生まれるのではないでしょうか。  そこで、まず、高齢化に対する認識について知事にお伺いいたします。  高齢化率などについては、先ほど述べたとおりであります。人口を見てみますと、十五歳から六十四歳までの生産年齢人口は、二〇一〇年の百七十八万余から二〇二五年には百五十三万人余と二十五万人余も減少するのに対して、六十五歳以上は六十八万人余から八十四万人余と十六万人余増加いたします。そして、七十五歳以上は三十四万人余から五十一万人余と十七万人余も増加し、マンパワーの面でも地域社会、地域経済の維持が困難になるのではないかと思われます。  こうした今後の高齢化の状況についてどのように認識されているのか、また、今後、特にどのようなところに力を入れて高齢化施策を進めていこうとされるのか、知事にお伺いいたします。 4: ◯議長(林 正夫君) 知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 5: ◯知事湯崎英彦君) 我が国の人口減少、少子・高齢化は、世界にも例のないスピードで進行しておりますけれども、多くの高齢者が年齢を重ねても意欲と能力を持ち続けており、社会や経済のさまざまな場面において高齢者がその担い手として活躍するとともに、医療や介護が必要となっても住みなれた地域で生活し続けられる社会を目指すことが重要であると考えております。  県といたしましては、高齢者が就労やボランティア等の多様な形で地域住民の居場所づくりや見守りなどの生活支援の担い手、さらにはまちづくりの中心として活躍できるよう、市町と連携して機運醸成やリーダー育成、NPO等への助成などの支援をしてまいりたいと考えております。  また、支援を必要とする高齢者を支えるため、広島県地域包括ケア推進センターを設置し、介護サービスの主体である市町を支援するとともに、医師会と連携し、各地域でリーダーとなる医師の育成や在宅医療の拠点整備など、地域包括ケアシステムの構築に取り組んでいるところでございます。  今後とも、市町や関係団体と連携しながら、高齢者の社会参画の促進と地域包括ケアシステムの構築を重層的に進めて、すべての県民の皆様が安心して暮らし続けることができる広島県づくりに全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。 6: ◯議長(林 正夫君) 内田 務君。 7: ◯内田 務君 高齢者が支え合うということも大事でありますけれども、高齢者の皆さんが健康で意欲と能力がある限り、年齢にかかわりなく働き続けられるような条件整備が必要ではないかと私は思っております。よろしくお願いしたいと思います。  次に、高齢者が活躍できる環境づくりについてお伺いいたします。  人口減少、少子・高齢化が進んでいく中で、経験豊富な高齢者の力を生かして、社会や地域の担い手として活躍していただくことが大変重要になってきます。  高齢者は支えられる人というこれまでの考え方から、社会や地域を担う重要な一員であるというように私たちの認識を変えるとともに、高齢者の皆さんが知識や経験を生かして思う存分活躍できるように、生活環境や地域環境、労働環境などを変革していく必要があります。  また、高齢者の意欲を具体的な社会参画につなげていくためには、市町との連携や取り組みを促進していくことに力を入れていく必要があるのではないでしょうか。  なぜなら、退職しても地域によってはコミュニティーのあり方が違い、引き続き、農業をしたり、民生委員や住民自治組織の役員など、地域で活躍する場が見つかりやすい中山間地域と、人との交わりが時として一日じゅうないなど、都市部とでは実情も取り組み方も違うからであります。  私は、特に都市部の高齢者の社会参画をいかに進めるかが大きな課題であり、難しい課題であると思いますが、今後、都市部で高齢化が急速に進行していくことを考えると、しっかり取り組んでいく必要があります。  そこで、都市部の高齢者が社会や地域の担い手として活躍できる環境づくりを、市町と連携してどのように取り組んでいくのか、健康福祉局長にお伺いいたします。 8: ◯議長(林 正夫君) 健康福祉局長笠松淳也君。         【健康福祉局長笠松淳也君登壇】 9: ◯健康福祉局長笠松淳也君) お答えいたします。  今後、急速に高齢者人口が増加する都市部におきましては、団地住民等が一斉に高齢化していくことですとか、近隣との関係が希薄であるといったことから、単身世帯等で食事や買い物といった日常生活への支援を必要とする方の増大が見込まれるところでございます。  このような状況の中で、都市部では団塊の世代を中心とした多くの企業退職者が見込まれることから、長年培ってきた知識や技能を生かし、地域を支える一員として起業やNPO法人の立ち上げ等、多様な形で地域活動や生活支援サービスの担い手として活躍していただくということが重要になるものと考えております。  県といたしましては、市町、経済関係団体、労働関係団体等が参画する広島県プラチナ世代支援協議会におきまして県民への普及啓発やNPO等の育成を行うほか、プラチナ大学におきまして地域活動のリーダー育成と、これからの地域資源と地域ニーズのマッチング等を行っております。  また、都市部の市町では、高齢者の起業を支援するモデル事業ですとか、行政と市民による協働のまちづくりを学ぶまちづくり大学などを開講するなどの先進的な取り組みもありますことから、これらの取り組みとの連携を進めることで、高齢者が地域の中心となって活躍できる環境づくりを推進してまいりたいと考えております。 10: ◯議長(林 正夫君) 内田 務君。 11: ◯内田 務君 次に、高齢者の孤立防止についてお伺いいたします。  金銭的な負担からタクシーや宅配サービスの利用を控えて、体力が衰えているにもかかわらず無理して買い物に行ったり、自分は自分、他人は他人という風潮が強くなっている影響もあり、他の人に助けを求めることができなかったりして、交通事故に巻き込まれる高齢者がふえております。  また、孤立感や孤独感から万引きなどの犯罪を起こしてしまう高齢者や、逆に詐欺などの犯罪の被害者になる高齢者もふえております。  先日も、高齢者がサイバー犯罪の被害者になったとの報道がございました。相談する相手がいなかったり、寂しくて、つい話に乗って被害に遭うなどの高齢者の声がありました。  社会や地域との関係が、先ほどもありましたように、薄くなり孤立するこうした高齢者の状況を把握し、必要な支援を行っていくことは、ひとり暮らしや夫婦のみの世帯の高齢者がさらにふえていくことを考えると、今後ますます重要になっていくと思います。  そこで、高齢者の孤立防止について、これまでどのような取り組みをしてこられたのか、今後どのように取り組んでいかれるのか、局長にお伺いしたいと思います。 12: ◯議長(林 正夫君) 健康福祉局長笠松淳也君。 13: ◯健康福祉局長笠松淳也君) 高齢者の孤立防止につきましては、地域において市町や地域住民、民生委員、社会福祉協議会などが協働して、高齢者の巡回相談や地域での高齢者の見守り、声かけ、閉じこもり防止などの活動を行っているところでございます。  県におきましては、財政的な支援としまして、市町が実施する高齢者の居場所となるふれあいサロンの整備、社会福祉協議会が実施する見守りの担い手の育成や日常的な金銭管理、福祉サービスの利用援助、ボランティアが行う買い物、掃除、話し相手などの活動、地上デジタルテレビのデータ放送を活用した情報提供や見守りサービスのシステム開発などに対する支援を行っているところでございます。  今後、県といたしましては、地域包括ケアシステムの構築に当たりまして、地域でのこうした活動を含む生活支援サービスの充実が図られるよう市町に助言等を行いますとともに、県社協への財政支援や見守り担い手育成、ボランティア活動の推進などによりまして、高齢者が孤立せずに地域の中で安心して暮らせるように取り組んでまいりたいと考えております。 14: ◯議長(林 正夫君) 内田 務君。 15: ◯内田 務君 一昨日、実は私、高校の卒業式に行きますと、近くの中学校の校長先生に会いまして、校長先生が、こういうことを言っておりました。この四月からでありますけれども、中学校の新三年生が百二十名いるのですが、生徒会が一緒になって高齢者の買い物、それから荷物運びとか、そういうのを少し考えたい、これからニーズを調査するというお話を聞きました。大変いいことでありますし、先ほどの局長のお話も含めて、少しそういうところと連携をとって、子供の成長の糧にもなると思うのです。ぜひ、お願いしたいと思います。  今後も、ふえ続ける高齢者の安全・安心な暮らしを確保していくためには、隣近所や地域での支援が大切であります。  中でも、民生委員による高齢者の実情の把握や居宅の訪問、声かけ、行政への情報提供などが重要な役割を果たしております。  しかしながら、高齢者がふえていき、民生委員としての守備範囲はどんどん広がっているにもかかわらず、人員はほとんどふえておりません。  民生委員の一斉改選は三年に一度行われ、県が所管する市町の民生委員の定員は、三年前の二〇一〇年に二千九百八人としました。実際に民生委員を委嘱できたのは二千八百六十二人と、四十六人の欠員が生じております。  民生委員の確保については市町が中心になって取り組んでいると思いますけれども、三年前の改選の際にも、確保に苦労したということは指摘されているところであります。  そこで、このたびの一斉改選では、民生委員の確保について県はどのような取り組みを行われたのか、お伺いしたいと思います。また、民生委員は無報酬で、年間五万八千二百円の活動費が国庫を財源として支給されているのみであります。担当エリアが広い場合には、交通費すら足りないという声を聞きます。  こうした金銭面の状況も、民生委員の確保を困難にさせたり、十分な活動ができない原因になっているのではないでしょうか。県では、各地区の民生委員協議会の運営費に対する補助を行っていますが、補助の基準となる単価は何年も変わらず、同額であります。  県の財政的な支援の充実も含め、民生委員の確保を図り、活発に活動してもらうために、県として積極的な取り組みが必要であると思いますが、今後どのように取り組んでいかれるのか、また、このたびの一斉改選の取り組み状況とあわせて局長にお伺いしたいと思います。 16: ◯議長(林 正夫君) 健康福祉局長笠松淳也君。 17: ◯健康福祉局長笠松淳也君) 高齢化が進展する中で、民生委員の方々は支援を必要とする地域住民等の見守り、身近な相談相手として地域包括ケアシステムの構築を進める中で重要な役割を果たしておられます。  一方、制度の複雑化や必要な個人情報の取得・共有の難しさなどによりまして、民生委員の活動上の負担がふえており、現在、御指摘のように四十六名の欠員が生じているところでございます。  県といたしましては、広報活動を通じた県民理解の向上や担当区域の分割による負担軽減、行政の支援の充実などによります活動環境の改善を通じて、県民の方々の民生委員への就任意欲を高めてまいりたいと考えております。  具体的には、一斉改選において高齢者世帯の増加などのために負担が過大となっている地域について定員を増員し、担当世帯数の軽減を行うとともに、福祉制度や困難事例などの解決方法への理解向上のための研修への支援、それから県職員退職者向けの説明会で働きかけを行うなど担い手の確保を図ってまいりました。  今後とも、市町や民生委員児童委員協議会と連携し、速やかな欠員の確保に努めますとともに、地域包括ケアシステムを構築していく中で地域包括支援センターを中心とするネットワークに民生委員を位置づけるとともに、多くの職種が連携して支援していくことで、民生委員の活動しやすい環境づくりに取り組んでまいりたいと考えております。 18: ◯議長(林 正夫君) 内田 務君。 19: ◯内田 務君 ぜひ、活動しやすい状況をつくっていただきたいと思います。  次に、家族介護への支援についてお伺いいたします。  県では、特別養護老人ホームの整備を、市町と連携して順次進められております。  二〇一一年四月一日現在の定員数と比べ、二〇一三年は一万一千二百十人と、二年間で五百九十二人分の整備を行っておられますが、特別養護老人ホームの待機者は一万九千九百八十三人で、県が施設入所の必要が高いとされている在宅の要介護三以上の人も、五千百七十六人から五千五百九十人と増加しております。  最近は、地域包括ケア体制の整備に随分力を入れておられますので、特別養護老人ホームの待機者が減少していくことを期待したいと思いますが、実現するのはまだまだ先かもしれません。  一方で、親子二世代、親子孫三世代同居で、要介護度が重くても自宅で介護を続けておられる世帯も多くあります。介護の社会化が介護保険制度の理念でありますが、我が国の制度は家族介護を前提としている部分が多くあります。  そうであるならば、家族介護で頑張っておられる方々への支援を手厚くし、こういうことがあるのなら家族で介護してみようとか、あるいは、もう少し頑張って続けてみようといった施策を打っていくということも必要ではないかと思います。  市町によっては、家族介護手当を支給しているところもあるようですけれども、介護休暇の促進を企業に働きかけるなど、県としても家族介護に対する支援策を積極的に講じる必要があると思いますが、局長の御所見をお伺いいたします。 20: ◯議長(林 正夫君) 健康福祉局長笠松淳也君。 21: ◯健康福祉局長笠松淳也君) 今後ますます高齢者世帯が増加していくこともあって、在宅介護における御家族の負担がより大きくなってくるものと考えられますことから、地域包括ケアを進めるに当たっても、介護保険サービスを、家族の介護の負担軽減のためにも、より役立てていくという視点も持つことが重要であると考えております。  このため、介護保険サービスにつきましては、家族介護者の負担を軽減できるようなショートステイやデイサービスなどの充実に努めますとともに、平成二十四年度から新しく導入されました、二十四時間、緊急時にはいつでも訪問のサービス、介護・看護のサービスが受けられる、そういったサービスの普及にも取り組んでいるところでございます。  また、各企業に対しましては、育児・介護休業法で制定が義務づけられております介護休暇などの制度の整備、効果的な利用に向けました職場環境の整備が進みますように具体的な取り組み事例の紹介やセミナーの開催を通じて、仕事と介護の両立に向けた機運の醸成に取り組んでいるところでございます。  これまでも、家族介護手当や介護用品などを支給している市町に対しまして支援しておりますが、第六期の介護保険事業計画では、特別養護老人ホームの入所申込者の生活実態も詳細に把握して、介護保険サービスの充実を図りますとともに、近隣住民や介護保険施設などが協力して行う安否確認や外出支援などといった日常生活支援サービスの充実強化を通じまして、市町と連携しながら、家族介護者の支援に努めてまいりたいと考えております。 22: ◯議長(林 正夫君) 内田 務君。 23: ◯内田 務君 次に、健康寿命の延伸についてお伺いいたします。  いつまでも健康でいたいということは、県民の皆さんのだれもが持っておられる願いであります。これは、幾ら高齢になっても一緒だと思っております。また、行政的な見方をすると、医療費の増加を抑制することにおいても、健康寿命を延ばしていくことは大変重要なことであります。しかるに、本県の健康寿命は男女ともに全国平均を下回っており、都道府県別では男性は三十位、女性は四十六位となっております。また、国民健康保険の一人当たり医療費は、全国で五番目に高くなっております。  そこで、まず、健康寿命の延伸に向けた取り組みについてお伺いいたします。  県では、昨年三月に第二次の健康増進計画を策定され、市町と連携して県民の健康づくりに取り組んでおられます。特に、どのようなところに力を入れておられるのか、まだ計画の一年目でありますが、変化の兆しやこれまでの成果が出てきているのか、局長にお伺いいたします。 24: ◯議長(林 正夫君) 健康福祉局長笠松淳也君。 25: ◯健康福祉局長笠松淳也君) 健康寿命の延伸に向けた取り組みとしましては、昨年度策定しました健康増進計画「健康ひろしま21」に基づきまして、栄養・食生活、運動・身体活動、歯・口腔の健康づくりに重点的に取り組んでおります。  栄養・食生活につきましては、昨年六月に食育推進全国大会を開催いたしまして、多彩な関係者とともに広島県食育宣言を行い、この中で減塩対策を柱としたことによりまして、レストラン、社員食堂等での減塩メニューの展開やコンビニの弁当などでの減塩食の提供、市町との連携による保育所での減塩の啓発など、日常生活の中での減塩の取り組みが広がっているところでありまして、来年度は日本高血圧学会と連携して減塩サミットを開催することとしております。  運動・身体活動につきましては、市町と連携して九十六カ所のウオーキングコースを設定することにより、身近な地域での利用が広がってまいりました。  歯・口腔の健康につきましては、三十代から急速に悪化する歯周病対策といたしまして、企業や県歯科医師会と連携して簡便な検査法を開発して、定期検診の中にモデル的に導入するということによって、企業の関心が高まっております。  さらに、来年度は、レセプトや検診データを一元化した医療・介護・保健情報総合分析システムを導入して、受診動向や疾病構造などの市町の特性を分析した上で、その内容に応じた保健事業の具体策を市町とともに検討し、科学的根拠に基づく健康づくり対策に生かしてまいります。  今後とも、市町や保険者、企業等と連携して健康寿命の延伸に向けた取り組みを加速し、元気な広島県民の実現に取り組んでまいります。 26: ◯議長(林 正夫君) 内田 務君。 27: ◯内田 務君 健康寿命の延伸は、個々人が自分の体力を勘案しながら工夫して、目標を持って健康を維持することが重要であると思います。  県として、県民の皆さんが、よーし、体力づくりをして参加してみようと目標にできるようなイベントをぜひ検討されてはと思います。  また、年間を通じて、医療機関にかかっていない人を励ますような制度も考えてみられてはと思います。  次に、介護予防の推進についてお伺いいたします。  高齢者が、介護や支援が必要な状態にならないように、体の運動機能の維持・向上や、栄養改善、閉じこもり予防などに取り組むなど、介護予防については二〇〇六年度から導入され、市町村が実施主体となって行われております。  本県でも、介護予防の本格的な導入にあわせて、介護予防の考え方や効果的な方法などを説明したDVDや県内の先進的な取り組みを紹介した事例集を作成するなど、市町への助言や支援を行ってこられました。  また、今年度には、市町の介護予防の取り組みにインセンティブが働くような交付金を新たに創設されたところであります。  市町の取り組みを促進・支援することは重要でありますが、県が主導して県全体の底上げをしていくことも必要ではないでしょうか。  国においては、これまで介護保険の保険給付で行っていた要支援者の訪問介護と通所介護を、介護予防事業と同じように市町村事業に移行することについて議論がされており、市町村間の格差が広がるのではないかと懸念するところであります。  こうした国の制度改正の動きを踏まえると、高齢者の自主的な介護予防のすそ野を広げ、レベルアップを図る取り組みを健康づくりとセットで実施する仕組みづくりを、県が主導して行うことを検討する時期に来ていると思いますが、局長の御所見をお伺いいたします。 28: ◯議長(林 正夫君) 健康福祉局長笠松淳也君。 29: ◯健康福祉局長笠松淳也君) 国の制度改革におきまして今後の介護予防事業は、市町が住民組織やNPO等のさまざまな主体とともに生活支援と組み合わせるなどにより、地域の実情に応じて推進することとされておりまして、県におきましては各市町の地域の特性、資源を生かした取り組みを支援してまいりたいと考えております。  これまで県内全域の介護予防事業の底上げのために、平成二十三年度にモデルプログラムと統一評価項目を示しました介護予防実践マニュアルを作成し、平成二十四年度に統一評価をモデル的に実施しております。  これに加えまして、介護予防を含む地域包括ケアを推進するとともに、県が作成した統一評価指標や介護レセプトを分析することによって市町の事業を評価し、成果を上げた取り組み事例を紹介すること、インセンティブ交付金を活用して地域住民主体の健康づくりや介護予防の活動が促進されるよう市町に働きかけること、体操などを行う住民運営の通いの場を充実させ、参加者が継続的に拡大していくような地域づくりを推進することなどを実施し、関係機関と連携しながら市町や県民の活動を支援してまいります。  今後とも、県におきまして市町の取り組みを評価・共有することによって介護予防を一層推進し、高齢者ができるだけ長く健康を保持し、充実した高齢期を過ごすことができるよう努めてまいります。 30: ◯議長(林 正夫君) 内田 務君。 31: ◯内田 務君 これからは、いかに健康寿命を延伸しながら介護に係る期間を短くする、いわゆる介護寿命を短くするという仕組みづくりをきちんとするかだと思います。できるだけ介護の期間を短くするということが、医療費の問題も含めて大事なことだろうと思いますので、そういうのを連携づけた施策、取り組みが大事だと思います。  次に、少子化対策についてお伺いいたします。
     ある報道機関の世論調査によると、国民の九割以上が少子化を深刻に受けとめており、今の我が国が子供を産み育てやすいと感じている人の割合は、八年前の調査と比べて上昇しているものの、依然として半数を超える人が、子供を産み育てやすいとは思わないと答えております。  国や自治体が重点的に取り組むべきこととしては、「出産や子育てで退職した人の再就職を支援する」が最も多く四九%でありました。次いで、「若者が定職についたり、経済的に自立できるようにする」が四八%であります。「保育所をふやす」が四二%となっておりますが、「若者が定職についたり、経済的に自立できるようにする」は、八年前から一〇ポイントふえ、「保育所をふやす」は一六ポイント増えております。  二〇一五年度から、認可保育所を希望しても入れない待機児童の解消や子育て支援の充実を図るため、子ども・子育て支援新制度が始まります。  新制度では、幼児教育と保育の機能をあわせ持つ認定こども園を拡充するとともに、認可保育所の設置要件の緩和や小規模保育や家庭保育を充実させ、待機児童の解消を図るとしております。  そこで、まず、待機児童の解消についてお伺いいたします。  本県の待機児童の推移を見ると、四月一日時点では、二〇一一年は二百十三人、二〇一二年は三百三十五人、二〇一三年は三百七十二人と年々ふえております。  この二年は、四月一日時点で待機児童がいるのは広島市だけでありましたが、十月一日時点では広島市以外でも待機児童がおり、昨年は尾道市、三次市、東広島市、廿日市市、安芸高田市、府中町、坂町と広島市を含め八市町で待機児童が生じております。  今年度から、保護者のニーズと保育サービスのマッチングを行う保育コンシェルジュを配置するなど対策を講じておられますが、待機児童の解消に向け、どのように取り組んでいかれるのか、知事にお伺いしたいと思います。 32: ◯議長(林 正夫君) 知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 33: ◯知事湯崎英彦君) 待機児童の解消につきましては、働く女性の増加や将来の人口構成の変化などを見越したハード、また、ソフト両面の総合的な対策を講じていく必要があると考えております。  ハード対策としては、就学前児童数と保育所入所率の伸び率から中学校区ごとに将来の保育ニーズを推計いたしまして、新たな施設を整備する従来の手法に加えて、賃貸による既存建物の活用、認可外保育所の認可化、三歳未満児を対象とする小規模保育の実施による四つの手法を組み合わせましたシミュレーションによって、迅速で効率的な保育所整備を進めてまいります。  ソフト対策といたしましては、保育コンシェルジュの増員と相談機能の充実を図るとともに、保育所の大幅な定員増加に伴い必要となります保育士を確保するため、広島県保育士人材バンクの保育所への就職あっせん機能の向上などの対策を推進してまいります。  また、待機児童の大半を占める広島市と定期的に対策会議を開催いたしまして、国の待機児童解消加速化プランを活用した保育所整備の着実な実施や潜在保育士の掘り起こしなどに取り組んでまいります。  こうした取り組みによりまして、平成二十七年四月の待機児童ゼロを目指してまいりたいと考えております。 34: ◯議長(林 正夫君) 内田 務君。 35: ◯内田 務君 ぜひ、待機児童ゼロに向けて対策をしていただきたいと思います。  次に、子ども・子育て支援新制度では、認定こども園を拡充することとしておられますけれども、そのためには幼稚園が保育機能を強化して認定こども園になっていただく必要がございます。  これまでは幼稚園から認定こども園への移行は余り進んでおりませんけれども、新制度では設置手続の簡素化や財政支援の強化などによって移行を促進することとしておられます。  そこで、認定こども園の拡充の見通しと、拡充に向け県としてどのように取り組んでいかれるのか、局長にお伺いしたいと思います。  また、認定こども園を初めとする保育施設を拡充することは進めていく必要がありますし、新制度でも、子供の数が少ない地域などで保育環境を確保するための弾力的な措置がとられるようでありますが、育児休業の促進・充実を行おうとする企業等への支援や事業所内保育施設への支援など、民間企業や団体の子育て環境の整備を支援していくことも大変重要であると思います。  民間企業等への取り組みを促進・支援するほうが、企業等の状況に応じた弾力的で機動的な対応が可能になりますし、むしろ公的な保育施設を整備するよりも効果的ではないかと私は思うところであります。  そこで、民間企業等が取り組む育児休業の取得促進や、保育環境の整備などの子育て支援についてどのように取り組んでいかれるのか、局長にお伺いしたいと思います。 36: ◯議長(林 正夫君) 健康福祉局長笠松淳也君。         【健康福祉局長笠松淳也君登壇】 37: ◯健康福祉局長笠松淳也君) まず、認定こども園の拡充についてでございますが、認定こども園は、保育機能と教育機能を一体的に提供できるということや、保護者の就労状況にかかわらず入所が可能である、既存の幼稚園が保育所を併設することにより、三歳未満児の保育の受け入れが増加することなどのメリットが考えられております。  県では、設備整備に係る費用の助成を行うなど、これまで認定こども園の整備を推進してまいりましたが、手続が煩雑なことなどから、平成十八年度の制度施行から現在までの八年間で三十四の施設にとどまっております。  そうした中、平成二十七年四月から施行されます子ども・子育て支援新制度におきましては、認定手続や運営費の給付が一元化され、事務の煩雑さが解消されることともに、職員の配置基準の充実等に伴いまして、運営費の増額が予定されていることから、今後、認定こども園の移行希望は拡大するものと考えております。  県といたしましては、市町への説明等を通じて、こうしたメリットを的確に事業者にお伝えしていくことなどによりまして、引き続き認定こども園の整備を推進してまいりたいと考えております。  続いて、民間企業等への支援についてでございますが、男女ともに育児休業を取得し、スムーズに事業所内の保育施設に子供を預けられるということは、身近に子供がいるために安心して仕事ができる、男性が子育てに参加しやすくなるなどのメリットがあり、子育てしながら就業を継続できる効果的な手法であることから、県といたしましても、育児休業取得の促進や事業所内保育所施設の設置を働きかけているところでございます。  また、子ども・子育て支援新制度では、地域の子供を保育する事業所内保育施設に対して財政的な支援が予定されていますことから、企業への働きかけに際しては、支援新制度の動向も注視してまいりたいと考えております。 38: ◯議長(林 正夫君) 内田 務君。 39: ◯内田 務君 先ほど、二世代、三世代同居で家族介護している人を支援したらどうかというお話をしました。三世代同居でおじいさん、おばあさんが孫の面倒を見るような家庭をふやしていくことも考えてはどうかと思います。  保育所のニーズが高まっている要因の一つに、核家族化があると思います。  例えば、両親は福山市の駅家町に住んでおりまして、息子夫婦は町なかの緑町に住んでいる。子供を保育所に預けて夫婦とも働いているようなケースであります。つまり親と同居が物理的に可能であるにもかかわらず、別居している子育て中の夫婦が少なからずいるのではないかと思います。  大手の建設会社が三世代住宅をセールスしたり、鳥取県では三世代住宅の不動産取得税を減免するというような事例もございます。三世代住宅をつくればよいというものではありませんが、祖父母と一緒に暮らすのは子供の成長にとってよいことであります。  公的な保育施設を整備するだけでなく、三世代同居による祖父母の子育てを進めるような取り組みも必要ではないかと思いますが、局長の御所見をお伺いしたいと思います。 40: ◯議長(林 正夫君) 健康福祉局長笠松淳也君。 41: ◯健康福祉局長笠松淳也君) 三世代同居のように祖父母世代が子育てに参画するということは、子供の精神的な成長に役立つことや、共働き世帯への育児の担い手としての役割のみならず、高齢者御自身の社会参画の促進など、さまざまなメリットがあると考えております。  一方、生活習慣の違いや価値観の多様化などによる意識の変化によって、三世代同居世帯の割合は年々減少している状況にございます。  このため、核家族においても、身近な地域において祖父母世代からの支援が受けられるよう、子育て支援者を養成するための講座の開催、祖父母世代と孫世代とのつながりを深めるための啓発イベントの開催、子育てにおける世代間ギャップの軽減を図るための孫育てのためのガイドブックの作成などに取り組んできたところでございます。  今後とも、子育て家庭が祖父母世代から育児の相談や援助が受けられ、安心して仕事や子育てが両立できるよう、社会全体で子育てを応援する環境づくりに努めてまいります。 42: ◯議長(林 正夫君) 内田 務君。 43: ◯内田 務君 次に、教職員の遠距離通勤の解消についてお伺いいたしますので、教育長には答弁席にお移りいただきたいと思います。 44: ◯議長(林 正夫君) 教育長、答弁待機席へお願いいたします。 45: ◯内田 務君(続) 県教育委員会では、全県的な視野に立って適材適所に配置するとして、小中学校の教職員について、郡・市を越えた広域人事を推進しておられます。  教職員が、遠距離通勤によって精神的・肉体的な負担が生じ、時間の制約が大きくなって、授業がおろそかになったり、生徒と向き合う時間が少なくなるようでは広域人事の効果がなくなります。  今年度の定期人事異動での郡市間の広域人事は、昨年度に比べ、五十七人少なくなっております。  通勤時間が一時間以上の遠距離通勤者の状況を見ますと、通勤手当の平均額も減少しておりますので、ある程度個々の教職員の事情なども配慮されたかと推測しているところであります。  教職員に過度な負担を強いる遠距離通勤はなくしていく必要があると思いますが、今後どのように取り組んでいかれるのか、来年度の人事異動の方針も含め、教育長にお伺いいたします。 46: ◯議長(林 正夫君) 教育長下崎邦明君。         【教育長下崎邦明君登壇】 47: ◯教育長(下崎邦明君) 学校は中山間地域及び島嶼部を含め、県内全域にわたり設置されているところであり、教育を受ける機会を確保し、一定水準の教育を保障するためには、県内全域を視野に入れた人事異動が必要であると考えております。  また、教職員の資質向上と学校組織の活性化を図るためにも、引き続き、全県的な視野に立って適材を適所に配置し、広域にわたる人事異動を推進することとしております。  教職員の遠距離通勤につきましては、教職員に負担を伴うことから、広域人事の推進に当たっては、特定の教職員に長期間にわたって負担をかけることのないよう一層の配慮をしているところであり、今後とも適切な人事異動を進めてまいります。 48: ◯議長(林 正夫君) 内田 務君。 49: ◯内田 務君 ぜひ、教職員の状況をしっかり見ながら対応していただきたいと思います。  教職員が勤務する学校の近くに住まいが確保できれば、遠距離通勤をしなくても済みます。  県教育委員会では教職員公舎を整備しておられますが、昨年四月一日現在の入居状況は、保有戸数五百六十六戸に対して入居は三百五十二戸、入居率は六二・二%にとどまっております。これに対して、維持管理経費は八千万円余となっており、入居率に対する維持管理経費が妥当なのか、疑問が残るところであります。  学校の統廃合や教職員の減少などによって入居率が低くなっている公舎もあるでしょうが、入居率が低調な理由と今後の対策についてお伺いいたします。  それから、民間の賃貸住宅は各地にあるわけであります。民間の賃貸住宅に入ってもらって、家賃の負担は住居手当の上限を引き上げることで対応することも検討されてはと思いますが、あわせて教育長にお伺いいたします。 50: ◯議長(林 正夫君) 教育長下崎邦明君。 51: ◯教育長(下崎邦明君) 教職員公舎の入居率が低調な理由につきましては、自家用車の普及、道路網の発達により緊急時の対応が容易になったこと、また、持ち家や賃貸住宅が普及したことなどが考えられます。  入居率が低く、老朽化が著しい公舎につきましては、今後とも、計画的に用途廃止を進めるとともに、引き続き、知事部局と連携し、積極的に売却を進めてまいります。  加えて、公舎の効率的な利用を図るため、知事部局が管理する公舎との相互利用の仕組みづくりについても検討してまいりたいと考えております。  また、住居手当の上限につきましては、国の手当額などを参考に定めていることから、その引き上げは慎重に検討する必要があると考えております。  なお、民間の賃貸住宅を活用した教職員の住まいの確保策につきましては、公舎のあり方を検討する中で、その可能性について研究してまいりたいと考えております。 52: ◯議長(林 正夫君) 内田 務君。 53: ◯内田 務君 次に、漁業者と海運業者との連携についてお伺いいたします。  刺し網漁は、漁業の許可を持っていれば、その許可の範囲内で操業できるそうでありますが、大型運搬船の航路にも刺し網が仕掛けられているため、刺し網が破損しないように海運業者は船を迂回させたり、積み荷を軽くして船が沈む深度を浅くしなければならないため、運航回数をふやしている事例が生じております。  漁業者も海運業者も生活がかかっておりますので、どちらか一方だけが損したり、得したりすることのない対応が必要になってきます。  県として、このような事例があることを把握され、双方の事情を十分に勘案の上、効率的で効果のある対応が図られるようリーダーシップを発揮していただきたいと思いますが、土木局長の御所見をお伺いいたします。 54: ◯議長(林 正夫君) 土木局長岩佐哲也君。         【土木局長岩佐哲也君登壇】 55: ◯土木局長(岩佐哲也君) 県内の港湾は、本県の経済活動を支える物流や漁業による生産活動、さらには海洋性レジャーによるレクリエーションなど、多様な活動の場として利用されております。  このため、産業、漁業、観光などの利用に当たりましては、限られた海域での相互調整が必要となってまいります。  この刺し網漁により大型運搬船の航行に支障が生じている事例といたしましては、福山港の航路において、昨年の八月から十月にかけて発生したことを確認しております。  こうした事態を受けまして、海上保安部や農林水産局等と連携しながら、事実確認と対応を協議し、利用企業や漁業者等との調整を進めたところでございます。  これらの取り組みもあり、十一月以降は大型運搬船が航行する日中の時間帯には、航路上での刺し網漁は現在のところ行われていないと聞いております。  今後とも、関係機関と緊密に連携しまして、漁業者と海運業者で大型運搬船の航行情報などが共有されまして、海域の安全で円滑な利用に向けて、一層両者の協調が図られるよう取り組んでまいります。 56: ◯議長(林 正夫君) 内田 務君。 57: ◯内田 務君 来年度予算では、海砂採取で荒れた海中の調査を行うこととされております。漁場の回復をすることで魚介類が豊富になり、瀬戸内海全体が豊かになれば、航路上での漁をしなくてもよくなると思います。ぜひ、よろしくお願いしたいと思います。  以上で私の質問を終わりますが、少し私の思いを述べ、終わりたいと思います。  冒頭にも申し上げましたが、きょう、私の地元から多くの傍聴者の皆さんに足を運んでいただきました。私の地元は、福山市でも東の端でありまして、私の家から歩いて十分程度で岡山県境に行くわけであります。傍聴者の皆さんは、きょう一日かけて、湯崎知事や執行部の皆さんの答弁をじかに聞きに来たわけであります。将来につながる答弁であればと思うところであります。  私は、地域住民の代弁者であります。皆さんの思いを、一緒になって、きょう質問したつもりであります。きょうの答弁を聞いて、また足を運んでいただければと思います。  きょう、来ていただいている傍聴者の皆さんには、湯崎知事の大ファンもたくさんおられます。今後も、東部の地域住民の声をしっかり聞いていただいて、元気で夢のある広島県をつくっていただくことをお願い申し上げまして終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) 58: ◯議長(林 正夫君) この際、暫時休憩いたします。午後の会議は一時から開きます。         午前十一時二十五分休憩              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~         午後一時一分開議 59: ◯議長(林 正夫君) 出席議員六十名であります。休憩前に引き続き会議を開きます。  引き続いて質問を行います。窪田泰久君。         【窪田泰久君登壇】 60: ◯窪田泰久君 皆さん、こんにちは。自由民主党広島県議会議員団・県民会議の窪田泰久でございます。今次定例会において質問の機会をいただき、議長を初め、先輩、同僚の議員の皆様方に心から感謝を申し上げます。  大変文字数が多いため、早速質問に入らせていただきます。  一点目は、ひろしま未来チャレンジビジョンの見直しについてお伺いします。  知事は、平成二十二年に、おおむね十年後の県の目指す姿を示したひろしま未来チャレンジビジョンを策定されました。人づくりや新たな経済成長など四つの柱を立て、県民とともに目指す姿の実現のため、これまで、「瀬戸内 海の道構想」や全国的に注目された観光キャンペーン「おしい広島県」を初め、がん検診啓発キャンペーン、ドクターヘリの導入、成長性の高い企業に投資する官民ファンドの設立など、さまざまな取り組みに挑戦してこられました。  一方で、チャレンジビジョン策定後、三年余りが経過し、この間、景気が回復基調に転じたほか、TPP交渉等のグローバル化のさらなる進展など、将来を展望する上で、社会経済の構造的な変化も出始めていることから、知事は、来年度からチャレンジビジョンを見直すこととされています。  この見直しに当たっては、当然、一期目の取り組みの成果や課題、社会経済の構造的な変化も重要でありますが、私は、何よりも県民の皆様の声を踏まえて見直すことが重要であると思います。  知事は、県政知事懇談会を初め、昨年の県知事選挙など、さまざまな機会を通じて、これまで広く県民の皆様の声を聞かれてきたと存じますが、何を感じられましたか。ひろしま未来チャレンジビジョンに掲げた施策の中で、「これは県民の皆様に喜ばれている。もっと積極的に取り組んでいきたい」、もしくは「これは見直さなくてはいけない」、いろいろ感じられたことと存じますが、知事の率直な感想をお伺いします。
     二点目は、人づくりについてお伺いします。  知事は、ひろしま未来チャレンジビジョンに掲げる四つの柱の中でも、とりわけ人づくりをすべての挑戦に共通する基盤であるとして、グローバル人材の育成・確保、将来の広島県を支える人材の育成、若年層の定着・就業支援など、さまざまな観点から積極的に取り組まれています。  人づくりは、一朝一夕になし得るものではなく、当然、ある程度の時間を要するものですが、これまでの四年間の取り組みを通じて、どのような成果の芽が見え始めていますか、そして、その芽を今後どのようにして大きくしようとされているのですか、できるだけ具体的に知事の御所見をお伺いいたします。  次に、ひろしま発人材集積促進プロジェクトに係る指導者についてお伺いします。  県は来年度、県内外からイノベーションの原動力となる多様な人材の集積を促すため、新たな事業として、ひろしま発人材集積促進プロジェクトの実施を予定しております。  この事業は、ITなどの分野で人を引きつける力があるすぐれた指導者のもと、県内外から集まった参加者が始める新たなプロジェクトを通じて県内での事業化や雇用につなげようとするもので、指導者の果たす役割が大きいものと考えます。  初めての取り組みであるがゆえに、いろいろな壁にぶち当たると思います。  しかし、そのようなときに、広島県のことを真剣に思い、汗をかいて頑張っていただける指導者は、やはり広島県に生まれ育った方だと思います。  指導者の方を東京や大阪などの都会からお迎えするとすれば、カープで育ってきた県民性からすると、巨人のように他のチームが育てた大物選手を引っ張ってくるような手法に感じられ、違和感を覚えるのは私だけでしょうか。カープのように自分のチームで育てた選手を指導者として頑張っていただきたいのです。  広島県らしく、広島県に生まれ育った優秀な方を指導者にお迎えし、成果に結びつけていくべきだと思いますが、知事の御所見をお伺いいたします。  三点目は、「瀬戸内しまのわ二〇一四」についてお伺いします。  今月二十一日、宮島でのオープニングイベントを皮切りに、「瀬戸内 海の道構想」の目玉事業の一つとして、いよいよ「瀬戸内しまのわ二〇一四」が開催されます。  行政主体のイベントは、弱った体に栄養注射を打つようなもので、一時的に経済は元気になりますが、なかなか後が続かない対症療法になっているケースが多く見られます。  しかし、こうした一時的な栄養注射を行政が絶えず打ち続けることはできません。イベント開催によって得られる地域の活気や人々の元気を持続することができるような根幹治療としての原因療法的な対処が必要です。  祭りの後の静けさというものは、イベントにはつきものであります。イベント終了後の夢から一気に現実へと引き戻されたようなさみしさを感じるのは仕方のないことですが、「しまのわ」が起爆剤になり、地域でさまざまな芽を出し、次の事業展開につなげていかなければいけません。そうでなければ、広島県の取り組みのまずさが指摘されることになり、それこそ後の祭りになりかねません。  「しまのわ」が、大きな輪を描き、真の成功をおさめたと言えるためには、イベント終了後も多くの観光客を呼び込めるよう、地域で魅力あるイベントを継続的に開催できるしくみを考える「ちえのわ」と、実際にイベントを運営し、盛り上げ役を担う地域の人たちの「ひとのわ」をつくり上げるとともに、これら地域の取り組みを後押しする県の支援が何より重要であると思いますが、知事の御所見をお伺いいたします。  四点目は、公共事業の円滑な執行についてお伺いいたします。  厳しい財政状況の中、本県は、中期財政健全化計画により財政再建という最重要課題に取り組んでいるところですが、少子・高齢化の進展により社会保障費はいや応なく増大していく一方、公共事業を含む普通建設事業費は減少し続け、現在ではピークである平成五年の三千六百億円に比べて三分の一以下になっております。  公共事業費の減少は、発注件数の減少・受注競争の激化をもたらし、低価格入札の案件が増加し、労働者にしわ寄せが来て、その賃金を低下させました。その結果、多くの建設業者が廃業に追い込まれ、労働者、とりわけ若者の建設業離れが進み、建設業界にも高齢化の波がいや応なく押し寄せ、若者の人手不足が深刻な問題になっております。広島県建設産業ビジョン二〇一一によれば、平成二十一年度では、二十代以下の若年層の割合が一三%、五十歳以上の割合は四三%を占めるに至っております。建設現場の中心は、建物の枠組みをつくる型枠工や鉄筋工のような技能労働者ですが、一人前に育てるのに十年かかると言われており、今若手を育てなければ技術が廃れてしまいます。若手技能労働者の育成は、本来、企業自身で取り組むべき問題でありますが、現状は待ったなしであり、このまま放置されると、将来、公共事業が円滑に執行できなくなる可能性があります。  そこで、建設業の若手技能労働者の育成について最優先に取り組むべきだと思いますが、知事の御所見をお伺いいたします。  次に、公共事業の円滑な執行に向けた当面の取り組みについてお伺いいたします。  現在、東日本大震災の復興事業やアベノミクスによる景気回復により民間のビルや住宅の建設が急増して、人件費の高騰などにより、全国各地の公共事業で入札が成立しない事例が相次いでおります。本県においても入札の不調が増加傾向にあるとお聞きしており、昨年、高精度放射線治療センター新築工事の一般競争入札において、参加を予定していた全社が辞退されたことは記憶に新しいところでございます。  こうした状況を踏まえ、国は、予定価格を実勢価格に見合うようにするため、二月から労働者の人件費に相当する労務単価を、全国平均で七・一%増の一万六千百九十円に引き上げ、各自治体に対して改定後の労務単価の早期適用を要請したところであり、本県は二月から改定後の労務単価を採用するなど、速やかに対応されております。  しかしながら、最近の景気状況を反映して民間投資を含めた建設投資が急激に増加しており、比較的大規模な工事が集中している地域では、実際の工事の施工を担う技能者等が近隣地域から集中している一方、これに伴い技能者等が一時的に不足している地域も生じております。このため、先ほど申し上げました大型建築工事のみならず、通常の公共事業の入札においても不調・不落が増加しつつある状況があります。  そこで、こうした状況を踏まえて、当面の公共事業の円滑な執行に向けて、今後どのように取り組んでいかれるのですか、知事の御所見をお伺いいたします。  五点目は、急傾斜地崩壊防止対策に係る重点的な予算配分についてお伺いします。  本県の地形は県土の約七割を山地が占めており、全般的に急な山地が多く、土石流危険渓流、地滑り危険箇所及び急傾斜地崩壊危険箇所を合わせた土砂災害危険箇所数は三万カ所を超えており、都道府県別で見ますと全国最多となっています。全国最多の土砂災害危険箇所に対策を講じていくためには、長時間を要するとともに予算的にも限界があると思いますが、災害は待ってくれませんし、どのような状態でいつ起こるかということもわかりません。県内の土砂災害危険箇所のうち急傾斜地崩壊危険箇所は二万カ所以上あり、特に広島市では三千六百カ所、呉市では二千カ所を超えるなど、人口密集地の周辺部に集中しております。これら人口密集地の周辺の急傾斜地において災害が発生した場合、被害は甚大であり、県民の財産だけでなく、とうとい人命までも失われてしまいます。災害が起こってからでは遅いのです。  平成二十二年に庄原市で局地的・突発的な集中豪雨により甚大な被害が発生いたしましたが、我々はこの災害から防災対策の重要性を改めて肝に銘じなくてはいけません。  一たん災害が発生すれば、とうとい人命が失われてしまいますし、予算比較だけで見ても、崩れてきた土砂や家屋の撤去に加えて、崩れてきた急傾斜地の工事が必要になるため、最初から崩れないように工事しておいたほうがよほど安上がりになります。  そこで私は、土木局予算の中で、これまで以上に急傾斜地崩壊防止対策に係る予算を重点的に配分し、危険箇所の解消に積極的に取り組んでいくべきだと思いますが、土木局長の御所見をお伺いいたします。  六点目は、建設業の新しい施工技術の開発等への支援についてお伺いします。  限られた予算の中で、新しい施工技術を活用しながら事業費を抑えていけば、土砂災害防止対策工事も含めて、より多くの事業を実施することが可能となります。  技術革新の創出に向けて力を入れている広島県には、この分野にも光を当てて取り組んでいただきたい、そういう思いで昨年の予算特別委員会でも、この質問をさせていただきました。厳しい経営環境の中、とりわけ中小企業においては、技術力向上などに取り組みたくても取り組む余裕がないのが実情ではないでしょうか。  こうした中、来年度、県では新規事業としてインフラ老朽化対策推進事業を予定し、この中で長寿命化新技術の活用促進に取り組むとお聞きしております。新技術の活用について新たな一歩を踏み出そうとされており、期待しています。  しかし、他県の状況を見ると、例えば、青森県や和歌山県では、県内企業の技術力強化、公共事業の品質向上、そして地域経済の活性化を図るため、インフラ老朽化対策に限らず、県内建設企業が取り組む建設新技術等の開発について、進捗段階に応じた支援を補助事業として取り組んでおります。  本県においても、公共事業費が削減され、公共事業の発注件数も縮小していく中、生き残りをかけて、品質の向上、新技術の開発を目指して努力している、あるいは努力していきたいと考えている企業は数多くあるはずです。  そこで、技術革新の創出に向けて積極的に取り組んでいる広島県らしく、他県の取り組みを参考にしながら、さらに取り組みを強化し、建設業の新しい施工技術の開発等に取り組む企業を力強く後押し・支援していくべきだと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。  七点目は、放置された空き家対策についてお伺いします。  近年、空き家の増加が全国的な問題となっております。空き家が放置されると、倒壊の危険、景観への障害、防犯や衛生面など、周囲にさまざまな悪影響を及ぼすことが危惧されます。総務省が五年ごとに行っている住宅・土地統計調査によれば、平成二十年の調査時点で空き家は全国におよそ七百五十七万戸存在し、昭和四十八年の調査時点に比べ、つまり三十五年で四倍以上に増加しております。  こうした中、平成二十二年に埼玉県所沢市で、全国で初めて空き家問題に関する条例が制定され、命令に従わない場合には氏名を公表し、最終的には警察等に必要な措置を要請することとした結果、それまで年間数件程度だった自主的な空き家撤去が十件以上に増加し、条例制定に効果があることが証明されました。この条例がきっかけとなり、全国で空き家対策条例の制定が相次ぎ、平成二十五年十月時点では、市町村を中心に二百七十二の自治体で制定されており、本県においても三次市、呉市で既に施行されており、大崎上島町において、ことしの四月一日から施行されるとお聞きしております。  このように空き家対策は、これまで住民に密着した事務として市町が主体的に取り組んできましたが、今後の人口減少によって予測される空き家増には到底追いつくことはできず、また、財政的にも大変厳しいものがあります。  そこで、ようやく国も対策に乗り出しているところですが、先月の新聞報道によると、自民党の空き家対策推進議員連盟が空き家対策特別措置法案を今国会に議員立法で提出し、成立を目指すとの記事が掲載されておりました。この法案は、空き家等の解体だけではなく、利活用も視野に入れ、国に対策の指針策定を義務づけるとともに、市町村には、空き家等への立入調査権や所有者への解体・修繕命令、行政代執行の手続及び空き家等の利活用について規定しております。  一方、都道府県については、空き家等対策計画の作成等、市町村がこの法律に基づき講ずる措置に対する技術的な助言、市町村相互間の連絡調整など、空き家対策の解決に向けて、都道府県の果たすべき重要な役割も規定しております。  家屋等が空き家になった場合でも、個人の財産であり、あくまでも所有者が適切な管理を行わなければいけませんが、残念ながら私の地元広島市南区においても放置された状態の空き家があり、隣の住民の方が苦労して所有者を確認しようと努力されても、個人情報の壁があり、困っておられるのが現状です。空き家は、中山間地域だけでなく、今や、県全体の課題になっております。  二十六日の代表質問でも空き家対策に関する質問がありましたが、市町が主体的に取り組んでおり、県は情報提供や技術的な助言により市町を支援していくという趣旨の答弁でした。この答弁を聞いて、私は非常に物足りなさを感じました。国が空き家対策に関する法律を制定しようとしているのは、まさに、市町が主体的に取り組んでいるのだけれども、今後予想される空き家増に対して到底対応ができないため、国を挙げて取り組んでいく必要があると判断されたからであります。確かに、県が行うことは情報提供や技術的な助言かもしれませんが、もっと積極的な姿勢を示すべきではないでしょうか。  県は、法制化の動向を注視しながら、市町に先んじて所有者への意識啓発を含めて積極的に空き家対策に取り組むべきです。そして、所有者の同意のもと、活用が可能な空き家についてはUJIターン対策として希望者に情報提供をするなど、地域の活性化にもつなげていくべきだと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。  八点目は、地域包括ケアシステムについてお伺いします。  我が国は、少子・高齢化が急速に進展する中、二〇二五年には団塊の世代が七十五歳以上の年齢になり、この世代が九十歳ぐらいになるまでをどう乗り切っていくか、いわゆる二〇二五年問題への対応が大きな課題となっております。  こうした中、先日の新聞報道によると、政府は地域医療・介護確保法案を閣議決定し、近く国会に提出し、成立を目指すという記事が掲載されていました。国が九百四億円を投じて各都道府県に基金を設置し、地域医療、介護の充実に財政支援をすることなどが規定されており、いよいよ国を挙げて地域包括ケアシステム構築に向けて取り組む機運が高まってまいりました。本県では既に、平成二十四年三月に、第五期ひろしま高齢者プランを策定し、積極的に取り組んでおられますが、新しい国の制度を活用しながら、さらに力強く取り組んでいただきたいと思います。  今後、病院だけで高齢者を受け入れようとしても、あふれる高齢者が出てくることは明らかですし、介護や医療が必要になっても住みなれた地域で暮らし続け、人間としての尊厳を保持しながら人生の最期を迎えたいと願っている方は数多くいらっしゃると思います。私は、この地域包括ケアシステムができるだけ早期に確立し、かつ、機能していくことを切に願うものであります。  県のパンフレットには、地域包括ケアシステムについて、どこに住んでいても、その人にとって適切なサービスが受けられる地域づくりのことと説明されていますが、まさに、県内で地域間格差がない仕組みづくりをしていくことが非常に重要であると考えております。これまで県議会でも、医師不足、都市部への偏在という質疑がたびたび行われてきたところですが、新聞報道でも連日のように、「中山間地域、ふえる無医地区」、「看護師不足、若手獲得、地方は苦戦」といった記事が掲載されております。中山間地域では、高齢者の方が多くいらっしゃるにもかかわらず、そもそも医師、看護師、介護士等の確保ができるかどうかが大きな課題であります。  そこで、県は、地域包括ケアシステムの構築時期や機能性等が都市部と中山間地域で異なることがないよう、県内どこに住んでいてもその人にとって適切なサービスが受けられる地域づくりに向けて、今後どのように取り組んでいかれるのですか。  また、三年後の平成二十九年度に百二十五ある県内すべての日常生活圏で地域包括ケアが実施されることを目標に掲げておられますが、現在の進捗状況と今後目標達成に向けてどのように取り組んでいかれるのか、あわせて知事の御所見をお伺いいたします。  次に、地域住民の役割と連携についてお伺いします。  地域包括ケアシステムは、医療・介護サービスの提供者、見守り・生活支援に協力する地元自治会、民生委員の方々を初めとする住民、そしてネットワークの構築を推進する地域包括ケア推進センターなど、これにかかわる方々の連携がうまくいって初めて機能するものですが、私は、見守り・生活支援に協力する住民の皆様が果たす役割に注目しております。  現在、六十五歳以上の高齢者の単独世帯や高齢夫婦のみの世帯が増加しており、高齢者の方に何か異常が生じたときには、隣に住んでいらっしゃる住民がいち早く発見してあげることが極めて重要になってまいりますが、そのためには、日常からの住民同士の役割と連携が不可欠であります。  しかしながら、住民組織の高齢化が進み、住民同士の関係も希薄化している現状では、果たして、いざというときに連携がうまく機能するのか、大変懸念いたしております。  そこで、私は、地域包括ケアシステムの構築に当たっては、システムの重要な一翼を担う住民の役割と連携をより深めていく取り組みも積極的に行っていくべきだと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。  九点目は、少子化対策に向けた雇用改善の成果等についてお伺いいたします。  我が国は、少子・高齢化に伴い人口減少に歯どめがかかりませんが、本県においても例外ではありません。本県の人口は、団塊の世代が九十歳を迎える平成五十二年ごろには、平成二十二年に比べ四十七万人減の二百三十九万人と推計されております。わずか三十年の間に、ちょうど福山市に相当する人口が減少することになります。  なぜ、生まれてくる子供の数が少なくなったのか。理由は明快であります。未婚化・晩婚化・晩産化の進行であります。  未婚化・晩婚化の進展は、男女ともに高学歴化が進み、社会の高度化に伴い、常にキャリアアップが求められることなど、さまざまな要因が考えられますが、私は、非正規雇用により将来設計を立てにくい若者が増加していることが一番の要因だと考えております。  そもそも、男女ともに出会いがないのではなく、自分の条件に合ういい出会いがないのです。  来年春からの適用に向けて、無期雇用を拡充する労働者派遣法改正案が今通常国会に提出されることが固まったとお聞きしております。この改正法案は、流動性の高い労働市場の形成を重視するアベノミクスの成長戦略に沿った動きだと言われておりますが、ますます非正規雇用がふえてしまう問題があります。  本県では、正規雇用の拡大を図るため、高等技術専門校等における職業訓練の実施、ひろしま若者しごと館における就業支援の実施など、さまざまな取り組みを行ってこられましたが、これまでどの程度の成果がありましたか、知事の正規雇用の拡大に向けた今後の取り組みの決意とあわせてお伺いいたします。  最後の質問は、人口問題に関する国への提言についてであります。  現代の若者は結婚に対して非常に慎重であります。石橋をたたいて、危なそうであれば渡らない、現実の厳しい社会を直視して本能的に結婚しないという選択をしているように感じることがあります。  未婚化や少子化が現代社会においてネガティブに語られるようですが、なぜ子供が産まれないのかという本質的な議論はこれまであったのでしょうか。  少子化によってもたらされる弊害としては、人口ピラミッドの変化、年金構造の破綻、生産性の低下等が指摘されておりますが、質の高い教育により個々の能力を引き上げ、生産性を向上させる、あるいは高齢世代が活躍し、経済に大きく貢献できる仕組みづくりなどによって克服できないものでしょうか。社会保障についても、若い世代が、お世話になった上の世代を支える相互扶助の精神は非常に大切ですが、現在の制度を将来にわたって維持していく以外の方法はないのでしょうか。  国立社会保障・人口問題研究所の推計では、現在の出生率を前提とすれば、現在一億二千八百万人の人口は、五十年後には八千七百万人、百年後には三分の一程度の四千三百万人になるようです。  こうした中、先日、政府は、急速に進む人口減少を見据え、外国からの移民を毎年二十万人受け入れ、出生率も回復すれば百年後も人口一億人超を保つことができる。移民が働き手の減少や社会保障の負担増に直面する日本を救うのか、議論を本格化させるというマスコミ報道がありました。  国のあり方の根幹にかかわる課題であり、決して国の議論だけが先行することがないよう国民的議論が不可欠であります。  国の将来を左右する人口政策、移民の受け入れ、目指す人口規模を含めてどうするのか、社会保障政策の負担をどこまで覚悟するのか、未来に向けたビジョンを真剣に議論すべきだと思います。もちろん、こうした議論は国がリーダーシップをとるべきものでありますが、まずは、本県において真剣に議論を行った上で、積極的に国に提言を行っていくべきだと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。  以上で私の質問は終わりますが、最後に、知事の言われる、県民が主役の県政ということがございますが、言うなれば、県民は役者、広島県は映画または舞台の監督、プロデューサー、そして、ひろしま未来チャレンジビジョンはシナリオということになると思います。名作が生み出される背景には、よいシナリオであることはもちろんのこと、主役に最高のパフォーマンスを発揮させることができる名監督の存在が不可欠です。それに加え、監督と役者とが一定の距離感を保っていること、それが現場でのほどよい緊張感を生み出し、よい作品に仕上がるのだそうです。そして、名作と呼ばれるものは、いつまでも人の心に残ります。  本年度予算とあわせて、湯崎県政二期目が県民にとってすばらしい作品になりますことを切に願いながら質問を終わります。御清聴、まことにありがとうございました。(拍手) 61: ◯議長(林 正夫君) 当局の答弁を求めます。知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 62: ◯知事湯崎英彦君) まず、ひろしま未来チャレンジビジョンの見直しについての御質問でございます。  ひろしま未来チャレンジビジョンは、おおむね十年後の広島県の目指す姿をお示しし、その実現に向けて県民の皆様とともに取り組むことを目指して策定したもので、県民が主役の広島県づくりを基本としております。  また、県政運営に当たりましては、県民起点、現場主義などの三つの視座を徹底することとしており、私自身も県政知事懇談などの機会を通じまして、各地域の現場に出かけ、知事就任以来、四年間で県内市町三巡いたしまして、また、今回の選挙で合併前の八十六市町村の地域をすべて訪れ、各地で県民の皆様から地域の実情や御意見を伺ってまいったところでございます。  その声の多くは、中山間地域を初めとし、県内の多くの地域が人口減少と少子・高齢化に直面する中で、地域の若者の流出を抑制し、産業の活性化を図り、子供から高齢者まで、さまざまな年代が安心して暮らしていける地域づくりを望むものでございましたけれども、例えばほとんどの市町で、鳥獣害対策を初めとする中山間地域対策の強化が課題として挙げられたこと、また、農業振興の核となる経営力の高い担い手を育成する県の農業ビジネス経営力向上事業は着実に成果が上がっており、こうした人材の育成や新規就農の促進を図る必要があること、レモンのブランド化への取り組みについて、農家と菓子業界の双方から評価をいただくとともに、こうした県産品の販路拡大に向けたトップセールスや広報強化など、県を挙げたPR支援を求められたこと、修学旅行生の農山漁村生活体験ホームステイの受け入れや「山・海・島」体験活動全県展開プロジェクトは、参加した子供たちはもとより、受け入れる地元にとってもよい効果が出ており、継続と拡充の要望が強かったことなど、具体的な県の事業への御意見もお伺いしたところであります。  こうした県民の皆様のさまざまな意見から得られた地域の現状や課題から、例えば一次産業から三次産業まで産業を支える人材の育成や産業競争力の強化を図る施策、多様な主体が連携して、豊かで持続可能な中山間地域の実現に取り組むための施策、学力・体力向上と豊かな人間性・創造性の育成など、社会で活躍する人材を育む施策、若者の社会減に歯どめをかけ、あわせて出生数を増加させるための施策などについて、今後も幅広く御意見を伺いながら、平成二十六年度から取り組むビジョンの見直しに反映させていく必要があると考えております。  引き続き県民主役の県政を進める中で、県民の皆様とともに、ビジョンに掲げます、広島に生まれ、育ち、住み、働いてよかったと心から思える広島県を実現してまいりたいと考えております。  次に、人づくりの成果と今後の取り組みについてでございます。  本県では、人は経済、医療、福祉、教育など、あらゆる分野における力の源泉であるとの考え方に立ちまして、ひろしま未来チャレンジビジョンにおいて人づくりを最重要政策分野の一つと位置づけ、イノベーション創出を担う人材の集積や育成を図るため、多様な人材の集積やイノベーション人材を輩出するための学校教育、さらにこうした人材集積を後押しする環境づくりに重点的に取り組んでまいりました。  その結果、中小企業の社員の研修派遣などを支援し、イノベーションの原動力となる高度で多彩な産業人材を、平成二十三年度から二十四年度までに四十四名育成するとともに、県内企業が海外展開を図る際、キーパーソンとなる即戦力人材を県外から確保するための支援を行い、昨年度は七つの県内企業で人材を確保しております。  また、多様な人材を集積する取り組みでは、広島県留学生活躍支援センターを活用いたしまして、外国人留学生の受け入れから就職までを一貫して支援することなどにより、昨年度は九十五名の留学生が県内に就職しております。  さらに、関西の大学などで県内企業の合同説明会などを開催し、県外大学からのUIターンを促進することなどによりまして、二十歳代前半の就職を理由とした転入者数が増加に転じております。  イノベーション人材を輩出するための学校教育では、グローバル社会に対応できる人材を育成するとの観点から、県立学校の海外の学校との姉妹校提携の締結を進めて、本年度中には全県立学校において締結が完了する見込みであり、これによりまして海外の学校との交流が活発になり、生徒たちの国際感覚の醸成が進むものと考えております。  さらに、人材集積を後押しする環境づくりでは、働く女性の就業継続支援や「しごとプラザマザーズひろしま」での復職支援、保育所の整備などの待機児童対策によりまして、女性が結婚、出産後も活躍できる環境の整備が進んでおります。  こうした成果につきましては、イノベーションの創出を加速するため、さらに伸ばしていく必要があると考えており、来年度は、次世代の経営層がリーダーシップを体得する実践教育の場づくりなどを検討する、ひろしまオープン・イノベーション推進事業や人を引きつける力のあるすぐれた人材を指導者として県内外の人材が参加し、みずからのアイデアを実現できるプロジェクトを実施して多様な人材の集積を促進する、ひろしま発人材集積促進プロジェクトなどに新たに取り組むこととしております。  今後も、人づくりを本県の最重要施策の一つと位置づけまして、多様な人材の集積やそれを後押しする環境の整備に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、「瀬戸内しまのわ二〇一四」についての御質問でございます。  「瀬戸内しまのわ二〇一四」におきましては、地域の資源を活用した地域住民等のさまざまな活動を来訪者が楽しめるプログラムとして企画展開するとともに、その過程で得られますノウハウや成果をイベント終了後も生かしていくということで、「瀬戸内 海の道構想」に掲げます七つの戦略テーマの推進に大きく寄与するものとして発展させてまいりたいと考えております。  こうした認識のもとで、平成二十四年度から地域の活動を支援する専門家も交えまして、ヒアリングや個別相談、ワークショップ等を継続的に実施しながら、地域における組織づくりや担い手の育成、また、確保、魅力的なプログラムの開発など、地域の方々の主体的な取り組みを支援してまいりました。  こうした取り組みによりまして、これまでそれぞれの島で別々に活動していた団体等が一つの島に集まって、島マルシェの開催に取り組んでいる事例のほか、まちづくりの活動に取り組む大学生が地域プログラムの新たな担い手として参画した事例、また、女性視点でのサイクリングや歴史ある港の常夜灯を復活させる祭りなど、来訪者の視点で地域の宝をブラッシュアップした企画等が生まれまして、現在、百五十を超える民間企画イベントの参画があり、今後も順次ふえていく見込みでございます。  今月二十一日には、いよいよ開幕を迎えるわけでございますけれども、開幕後も県と地域が一体となりまして、プログラムの実施状況や来訪者の御意見、評価などについて情報交換会等を適宜開催し、プログラムの内容や周知方法等の改善も行いながら、期間中のさまざまな民間企画イベントに多くの方々が来訪され、満足していただけるよう取り組んでまいります。  また、「しまのわ二〇一四」終了後でございますけれども、この期間中に培いました地域の主体的な取り組みのノウハウや成果を、民間企画イベントに参加した多くの人びとで共有して、それぞれの地域の自立的かつ継続的な活動につなげていくとともに、こうしたノウハウや成果を瀬戸内エリア全体に広げていくことにより、七つの戦略テーマに沿った地域資産の価値向上と誘客促進を図り、「瀬戸内 海の道構想」の実現に向けて、全力で取り組んでまいります。  地域間格差のない地域包括ケアシステムの構築等についての御質問がございました。  地域包括ケアシステムにつきましては、まずは平成二十六年度までに各市町においてモデルとなります連携体制を構築して、平成二十九年度までに県内全域でシステムを構築してまいりたいと考えているところでございます。
     県といたしましては、これまでに連携のリーダーとなります医師を二百七十名程度育成しまして、十八の市町において在宅医療の連携拠点を立ち上げたほか、広島県地域包括ケア推進センターとともにシステムの達成指標の作成に取り組んでいるところでございます。  さらに、来年度におきましては、都市部や中山間地域の実情に応じて、日常生活圏域で必要な介護や生活支援等のサービス基盤や地域での連携体制を明確にするための市町のロードマップの策定に向けまして、策定プロセスや地域課題の解決方法を示しながら支援してまいりたいと考えております。  また、地域において必要となる人材確保の具体策でございますけれども、自治医科大学卒業医師の中山間地域への配置や地域医療を担う医師を養成する大学地域枠の設置、看護師の離職防止や復職支援等を行う看護職員のバックアップ事業、福祉・介護職の合同求人説明会等の福祉介護人材確保等総合支援協議会事業などに取り組んでいるところでありまして、今後は、地域で活躍をするプライマリ・ケア医や看護・福祉・介護職の確保・定着に一層取り組んでまいります。  今後とも、レセプト情報等の分析システムの活用等によりまして、市町と地域包括ケアシステムの構築状況を評価、または共有するとともに、国において創設されます新たな財政支援制度の活用も視野に入れながら、効果的な基盤整備や人材確保に取り組んで、平成二十九年度までに県内百二十五の日常生活圏域におきまして、地域包括ケアシステムの構築を進めてまいりたいと考えております。  その他の御質問につきましては、担当説明員より答弁させていただきます。 63: ◯議長(林 正夫君) 地域政策局長梅木敏明君。         【地域政策局長梅木敏明登壇】 64: ◯地域政策局長(梅木敏明君) ひろしま発人材集積促進プロジェクトに係る指導者について御答弁申し上げます。  この事業は、イノベーションの原動力となる多様な人材の集積に向けて、地域環境面の魅力を高める視点に立ち、都市圏の魅力づくりなどの取り組みに加え、新たに人材を直接的に集積する仕組みの構築に取り組むものでございます。  具体的には、人材を引きつける力のあるすぐれた指導者を県内に招聘し、その指導者を中心として県内外から人材を募り、そして集まった方々がみずからのアイデアの実現やステップアップに向けた取り組みを進めるというプロジェクトを展開いたします。  その上で、このプロジェクトにおいてすぐれた成果を上げた人材に対し、奨励金を提供することや起業化に向けた助言を行うことなどにより、県内での活動の継続や定着を図ってまいりたいと考えております。  プロジェクトの指導者につきましては、まず携わっている分野などにおいて影響力やリーダーシップを有し、人材の誘引力が期待できること、加えて、県内で既に活躍している地元の方々とのネットワークや協力体制が構築可能であること、さらに、事業の趣旨に賛同し、熱意を持って取り組んでいただけることなどの観点から、広島ゆかりの方を含め、幅広く適任者をお願いすることとしております。  事業実施に当たりましては、PDCAサイクルをより一層適切に回し、成果を検証しながら着実に進め、イノベーションの原動力となる多様な人材の県内への集積を図ってまいりたいと考えております。 65: ◯議長(林 正夫君) 土木局長岩佐哲也君。         【土木局長岩佐哲也君登壇】 66: ◯土木局長(岩佐哲也君) 四点についてお答えいたします。  まず、建設業の若手技能労働者の育成についてでございます。  建設産業においては、近年の建設投資の急激な減少に伴い受注環境が激化する中で労働環境が悪化しつつあり、その結果、建設産業への若年者の入職の減少や高齢化が進み、建設産業自体の存続に不可欠な技能の承継も困難な状況になりつつあります。  建設産業への若年者の入職を促進し、担い手を確保・育成していくためには、労働環境の改善と建設産業の魅力を発信する取り組みが重要であると考えております。  まず、労働環境の改善のために取り組むべき現段階の主な課題としましては、賃金水準の改善と社会保険への加入の徹底があります。このうち、賃金水準の改善のための取り組みとしましては、公共工事の設計労務単価を適時適切に引き上げるとともに、低入札価格調査に当たっては、適切な労務賃金の支払いなどを確認する取り組みを、今後は強化することとしております。  また、社会保険への加入の徹底のため、行政、元請企業、下請企業等の関係者が一体となった取り組みを平成二十四年十一月から始めたところであり、県としましても、建設業許可等に当たって、社会保険未加入企業に対して指導を続けているところでございます。  次に、建設産業の魅力の発信についてでございますが、県内の若手経営者で組織された広島県建設青年交流会が主催する入職促進のための大学生との意見交換会に、本県からも若手技術職員を参加させ、社会資本の整備等が地域に果たす役割の重要性を理解してもらう取り組みなどを実施しているところでございます。  また、昨年九月に設置されました中国地方整備局が主催する建設産業魅力発信勉強会にも参画し、建設産業のイメージの改善を図るための戦略的な取り組みについて検討を進めているところでございます。  今後も、地域の安全・安心の担い手である建設産業の再生を図るため、若手技能労働者の確保・育成に関係機関と連携しつつ取り組んでまいります。  次に、公共事業の円滑な執行に向けた当面の取り組みについてでございます。  入札における不調・不落につきましては、予定価格と実勢価格の乖離などを原因として全国的に多発しており、本県におきましても、小規模工事において増加傾向にあり、一部の大型の建築工事においても発生しましたことから、円滑な事業執行に向け、適切な対応が必要であると認識しております。  このような状況の中で、公共工事の円滑な施工の確保について、本年二月の国からの要請を踏まえまして、県としましても従来の対策に加えて、入札契約制度などをより弾力的に運用することといたしました。  具体的には、実勢価格の反映の観点から、新労務単価の速やかな適用と資材単価等の細やかな改定による適切な予定価格の徹底に加え、契約後の物価変動のリスクを軽減するスライド条項の適用などに取り組んでまいります。  さらに、現場に配置する技術者が他の現場に従事することを制限しておりますが、技術者不足への対応のため、一定の条件を満たす場合には他の現場に従事することを認めるとともに、技能労働者不足への対応のため、現場での作業量が縮減できる、工場製作された既製品の積極的な活用などに取り組んでまいります。  このような取り組みを行うことにより、応札しやすい受注環境の整備を図り、公共事業の円滑な執行に努めてまいります。  次に、急傾斜地崩壊防止対策に係る重点的な予算配分についてでございます。  本県の土木公共施設の整備におきましては、社会資本未来プラン及び社会資本整備の優先順位を踏まえながら、真に必要な社会資本整備を効果的・効率的に進めているところでございます。  このうち、急傾斜地崩壊防止対策を含む防災・減災対策の充実強化につきましては、社会資本未来プランや社会資本整備の優先順位においても重点化が必要な事業と位置づけており、平成二十六年度当初予算編成においても重点化しているところでございます。  急傾斜地崩壊防止施策につきましては、国の交付金による県事業や市町に対する県費補助事業により、斜面の状況や保全人家の数など緊急度や優先度を勘案し、計画的に整備しているところでございます。  また、効果的・効率的なハード対策に加えまして、地域住民の警戒避難体制を構築するための土砂災害警戒区域等の指定の推進や、市町の避難勧告の目安となる土砂災害警戒情報の提供など、ソフト対策も充実し、県民の安全・安心の確保に全力を挙げて取り組むとともに、今後とも、危険箇所の解消に向け、必要な予算の確保に努めてまいります。  次に、建設業の新しい施工技術の開発等への支援についてでございます。  良質な公共施設を低廉な価格で調達するための一つの方策としまして新技術の活用は極めて有効であり、本県ではその効果やコスト等を総合的に判断した上で採用することとしております。  また、建設業者がみずから行う新たな技術開発の動機づけにもなるよう、技術提案が可能な総合評価落札方式や契約後VE方式の適用の拡大を図りつつ、国の新技術情報提供システムにおける評価などを踏まえ、受注者から提案された新技術等の活用に取り組んでいるところでございます。  特に、インフラ老朽化が全国的な課題となる中で、新技術の開発と活用は極めて重要であり、本県におきましては平成二十六年度に点検・診断に係る技術や施設の長寿命化に資する技術を募集・登録する制度を創設することといたしました。  この制度において登録された新技術等の中でも特に効果が期待できる技術につきましては、県みずから試験施工に取り組むなど検証を進め、活用マニュアルとして取りまとめた上で、市町へも広く普及を図ることとしており、県内での技術開発の支援につながるものと考えております。  この新技術等の登録制度につきましては、応募状況や今後の他県の取り組みなども踏まえまして、インフラ老朽化以外への分野への拡大や進捗段階に応じた支援のあり方についても検討してまいりたいと考えております。 67: ◯議長(林 正夫君) 都市技術審議官児玉好史君。         【都市技術審議官児玉好史君登壇】 68: ◯都市技術審議官(児玉好史君) 放置された空き家対策につきましてお答えいたします。  人口減少や少子・高齢化の中で県内でも空き家が増加しており、適正な管理が行われずに放置された場合には、景観や環境の悪化、防災・防犯上の問題などがあると認識しております。  これまでも、UJIターン対策としての空き家バンク制度につきましては、県、市町、民間団体などで構成する広島県交流・定住促進協議会が東京等の大都市でのイベントや交流定住ホームページなどにより積極的に情報を発信してきております。  一方、空き家の適正管理につきましては、新たな取り組みとして、県におきまして、県・市町間の意見交換の場を設定し、それぞれの市町の課題や取り組み状況について情報共有を図るとともに、空き家所有者からの一元的な相談窓口の設置や空き家所有者への啓発などの対策について検討を始めたところでございます。  現在、国におきましては、空き家所有者に対する市町村の指導権限の明確化などを含む空き家対策に関する法制化に向けて議論がされていると承知しております。  県といたしましては、国の法制化の動向も踏まえながら、まちづくりや地域活性化の観点から、市町との連携を図り、空き家対策に積極的に取り組んでまいります。 69: ◯議長(林 正夫君) 健康福祉局長笠松淳也君。         【健康福祉局長笠松淳也君登壇】 70: ◯健康福祉局長笠松淳也君) 地域包括ケアシステムにおける地域住民の役割と連携についてお答えを申し上げます。  地域包括ケアシステムを構築するためには、みずからの生活や健康はみずからが維持するといった自助を基本として、地域での生活支援や安否確認といった互助、そして医療や介護サービスや福祉施策を適切に組み合わせていくことが必要であると考えております。  さらに、介護保険制度改革において、今後の介護予防は市町がNPOや地域住民等のさまざまな主体とともに生活支援と組み合わせることなどにより、地域の実情に応じて推進することとされており、地域住民がその担い手として積極的な役割を果たすことが重要になっております。  このため、県といたしましては、高齢者の自主的な生活習慣病予防や介護予防を促進しながら、高齢者を初めとする地域住民みずからが体操などの健康づくりを仲間同士で取り組む担い手となれるよう、市町や県民の取り組みを支援してまいります。  また、高齢になっても地域で安心して暮らし続けられるまちづくりの観点から、地域住民みずからが行政や地域包括支援センター、民生委員等と連携し、地域のふれあいサロン等の居場所づくりや見守り、多様な生活支援等に参画することが重要であり、機運の醸成や地域活動のリーダー育成等に取り組んでいるところでございます。  県といたしましても、県民に十分な情報発信を行うことにより、理解や行動を促しながら、市町、関係団体と連携し、地域包括ケアシステムの充実に取り組んでまいります。 71: ◯議長(林 正夫君) 商工労働局長寄谷純治君。         【商工労働局長寄谷純治君登壇】 72: ◯商工労働局長(寄谷純治君) 少子化対策に向けた雇用改善の成果及び今後の取り組みについて御答弁申し上げます。  若者における非正規労働者の増加は、賃金格差の拡大や不安定就労の増大を招き、社会全体の活力低下にもつながるおそれもありますことから、正規雇用の拡大等は重要な課題であると認識しております。  このため、県といたしましては、正規雇用につなげるため、若者に対するスキルアップに向けた取り組みや、正規雇用を目指す若者の就業支援などを行っているところでございます。  主な取り組みにつきまして、平成二十四年度の実績で申し上げますと、高等技術専門校等が行います企業ニーズに応じた職業訓練では、就職者は百四十五名、うち正規雇用者は百二十九名、ひろしま若者しごと館が国の新卒応援ハローワークと連携して行います相談業務などの就業支援による就職者は三千八十六名、うち正規雇用者二千六百六名となっているなど、若者の正規雇用につきまして一定の成果があったものと考えております。  また、今後、県内の正規雇用をさらに拡大していくためには、各企業がイノベーションによりまして付加価値の高い商品等を提供し、新たな市場を創出することにより、企業の収益力を向上させ、雇用の増大などにつなげることが必要と考えております。  このため、多様な創業・新事業展開や事業化につながる研究開発への支援など、県内企業のイノベーションの創出を促進する取り組みを通じまして企業の成長を促し、企業活動を支える高度な人材の需要を高めますとともに、こうした需要にこたえるため、各成長段階に応じた人材育成の充実や企業が行います人材育成の支援、企業ニーズに応じたスキルアップなどに積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  また、新年度におきましては、企業が行います非正規雇用労働者の正社員化に向けました技能講習や販路開拓に関連する研修等に対する支援なども実施してまいります。  今後とも、企業や働く人々のニーズの把握に努めますとともに、国等の関係機関と緊密に連携いたしまして、地域の実情に応じた事業を推進することにより、魅力ある雇用環境の創出に取り組んでまいります。 73: ◯議長(林 正夫君) 経営戦略審議官田邉昌彦君。         【経営戦略審議官田邉昌彦君登壇】 74: ◯経営戦略審議官(田邉昌彦君) 人口問題に関する国への提言についてお答えいたします。  ことし一月、国の経済財政諮問会議に「選択する未来」委員会が設置されました。我が国の人口が約五十年後には四千百万人減少し、このうち生産年齢人口が三千六百万人減少することが想定され、現在のままでは経済の縮小と国力の低下が避けられない中で、この委員会において社会保障、教育、外国人の受け入れ、東京への地方からの人口流入問題などの視点から、未来を変えるための取り組みの議論が始まりました。  この委員会に象徴されるように、人口は国の活力そのものであり、同時に、国のさまざまな社会制度の土台となるものであると認識しております。  国と同様に本県におきましても、人口問題は、例えば生産年齢人口の減少による経済活動の縮小や、高齢世帯の増加による社会保障費負担の増大、あるいは医療機能や生活交通の確保などの日常生活を支える機能の低下など、県民生活に影響を与える重要な課題であると認識しております。  このため、ひろしま未来チャレンジビジョンにおきましても、将来の人口推計や人口減少が、社会・生活に与える影響を県民にお示しした上で、これを最も重要な課題の一つとして位置づけて、人口減少に歯どめをかける取り組みとして、若者の社会減対策や少子化対策、女性の活躍支援対策、さらには本県に人が集まり定着するためのさまざまな対策を進めているところでございます。  こうした取り組みを進める中で、少子化対策や労働力確保対策など、国と連携して進めるべき施策や国の責任において進めるべき施策など、政府に積極的に提言していく必要があると考えております。  また、全国知事会におきましてプロジェクト・チームを設置し、次世代を担う子供が減少する中で、少子化対策や未婚化・晩婚化対策、さらには多様な働き方が可能となる雇用環境の整備のあり方などの検討を行っており、昨年十月には少子化危機突破に向けた緊急提言をまとめ、基金の創設などを政府に申し入れ、平成二十六年度政府予算に反映させたところでございます。  地域にとって人口問題の最大の課題は、東京への一極集中を抑制することであると考えておりますが、こうした課題も含め、地域の取り組みに根差した提言や全国知事会での検討を通した提言を今後も積極的に国に申し入れていきたいと考えております。 75: ◯議長(林 正夫君) 引き続いて質問を行います。東 保幸君。         【東 保幸君登壇】 76: ◯東 保幸君 皆さん、こんにちは。広島県議会民主県政会、東 保幸でございます。  早速質問に入りたいと思います。  若者の県外流出は十年以上続いており、この十年間の累積で二十歳代の若者が約一万九千人流出しています。これは、湯崎知事が就任後、初の十二月定例会の冒頭、明らかにした県の実態です。  近年の人口移動調査によると、二十歳代前半の就職を理由とした転入が増加に転じ、転出超過も減少傾向にあり、十代後半の就学を理由とした転出超過数も減少傾向にあるなど、取り組みの成果があらわれつつあると評価したいと思います。  一方、先日、国が発表した住民基本台帳人口移動調査によると、本県の二〇一三年の転出超過数は、二千九百五十三人と前年よりも増加しており、全体として社会減に歯どめがかかっておりません。多様性が叫ばれる時代は社会が一様で不寛容であることの裏返しにほかなりません。  本日は、真に多様な人材育成、多彩な人材が集まる広島県づくりという視点から質問をしたいと思います。  一問一答方式により質問を行いますので、質問席に移ります。(質問用演壇に移動)  まず、国際平和拠点ひろしま構想の推進についてお聞きいたします。  被爆七十年という節目の年を来年に控え、県が進めている国際平和拠点ひろしま構想の果たすべき役割はますます重要性を増してきています。  構想の行動計画を見ると、核兵器廃絶メッセージの継続的発信や、核軍縮・不拡散のプロセスの進展のための働きかけ、復興・平和構築のための人材育成や研究集積の促進と、一地方公共団体が取り組むべき事業をはるかに超えて、国際的な連携に基づいた運動のイニシアチブをとっていこうという気概が感じられ、改めて広島が果たすべき役割の大きさを痛感させられます。  そこで、国際平和拠点ひろしま構想のこれまでの推進活動において、その事業成果、言いかえれば、知事の感じている手ごたえは何か、また、今後の推進に当たっての課題をどのようにとらえているのか、知事にお伺いします。 77: ◯議長(林 正夫君) 知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 78: ◯知事湯崎英彦君) 国際平和拠点ひろしま構想の推進につきましては、昨年十月に策定いたしました国際平和拠点ひろしま構想推進計画に基づいて、現在、核兵器廃絶と復興平和構築のための取り組みを包括的に進めております。  核兵器廃絶の面では、これまで主に核軍縮等に関する各国の取り組み状況を取りまとめて公表するひろしまレポートや、東アジア地域の核軍縮・軍備管理に焦点を当てた多国間協議を行うひろしまラウンドテーブルに取り組んでまいりました。  ひろしまレポートにつきましては、核兵器を保有する国について、その国を取り巻く国際情勢等により核軍縮に向けた取り組みの姿勢が大きく異なっていることを、一定の根拠をもってお示しするとともに、主要な非核兵器国による積極的な取り組みを評価することで、国際世論の喚起や核軍縮の取り組みの重要性について認識を広めることに寄与できたものと考えております。国連軍縮局を初め、関係国政府や国際的研究機関からも評価をいただいているところでございます。  ひろしまラウンドテーブルにつきましては、近年、政治的な緊張が高まっております東アジア地域における核軍縮・軍備管理の推進をテーマとして、核兵器に依存しない安全保障体制の構築に向けて、対話と信頼醸成を前提とした枠組みなどについて、関係各国の有識者による議論が行われたところであります。  このように、立場の異なる関係各国の元外相や核軍縮の専門家が一堂に会しまして率直な意見交換や議論に着手できたことは、一定の成果であったと認識しておりまして、来年度中にはこれらの議論を取りまとめることとしております。  また、復興・平和構築の面では、これまで主に広島の復興プロセスを教育や産業経済、都市計画等の各分野にわたって調査研究するひろしま復興・平和構築研究事業に取り組んできたところであり、今年度末にはその研究成果を報告書として取りまとめて、その後、報告書を教材化し、復興・平和構築の人材育成に生かしていくこととしております。  このような国際平和拠点ひろしま構想の取り組みは本県のみでなし得るものではなく、その推進に当たりましては、世界じゅうの多くの人々から、この取り組みへの賛同と支援をいただくことが重要であります。  そのためには、まず国際平和拠点ひろしま構想をいかに世界に発信し、認知していただくかということが大きな課題であると認識しております。
     このため、これまでも、私自身、訪米や訪欧の際に国連事務総長や国連欧州本部長等を訪問し、国際平和拠点ひろしま構想の取り組みを紹介して、支援の表明をいただいているところであります。  今後も、四月に開催されますNPDI広島外相会合やニューヨークでのNPT運用検討会議準備委員会の場を初めとして、さまざまな機会を通じて広島の平和の取り組みを広く世界に発信していきたいと考えております。  さらに、国際平和拠点ひろしま構想の取り組みに当たりましては、取り組みの量をふやし、質を高めるとともに、広島においてさまざまな主体によって取り組まれているという状況になることが必要であると考えております。  このため、国際平和拠点ひろしま構想の取り組みは息の長いものとなり、個々の事業について一定の成果を上げながら一歩一歩着実に取り組みを進めることで、今後とも、人類史上初の被爆地広島として核兵器のない平和な国際社会の実現に貢献してまいりたいと考えております。 79: ◯議長(林 正夫君) 東 保幸君。 80: ◯東 保幸君 熱意ある答弁ありがとうございました。  「広島は、世界の人々に核兵器による破壊の現実を示すことで、核兵器廃絶への信念を提供し、復興した現在の姿から、平和のとうとさと復興できるという希望と確信を提供できる地である」と湯崎知事は、構想策定の考えを述べています。みずから国連本部を訪問し、核兵器廃絶、そして平和構築に向けたメッセージをみずから発信されており、構想推進に対する積極的な取り組みであると評価します。  ことし四月にニューヨークで開催されるNPT運用検討会議の第三回準備委員会にも知事は出席すると言われております。各国政府関係者に知事が発信するメッセージは、核廃絶を目指す二〇二〇年を展望し、被爆者を初め、放射能の後障害に苦しむ世界の人々から共感を持って受け入れられるものでなければなりません。  そこで、被爆地広島の知事として、具体的にどのようなメッセージを発信されようとしているのか、準備委員会に臨む覚悟と抱負もあわせて知事にお伺いします。 81: ◯議長(林 正夫君) 知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 82: ◯知事湯崎英彦君) この四月にニューヨークで開催されますNPT運用検討会議準備委員会には、私自身が参加して、会議にあわせて広島市長とともに核兵器廃絶に向けた広島の取り組みを御紹介させていただくほか、核兵器の人道的影響を踏まえた取り組みや、各国の核軍縮等の取り組み状況について、パネルディスカッションを行うサイドイベントを開催することとしております。  こうした取り組みによりまして、人類史上初の被爆地である広島として、核兵器の非人道性や各国の核軍縮等の動向をしっかりと示しつつ核兵器廃絶を世界に訴えるとともに、国際社会における広島の発言力・発信力を高めてまいりたいと考えております。  私は、被爆地の知事として、このたびの会議に臨むに当たって、被爆者を初めとする県民の皆様の平和を願う気持ちを胸に、核兵器廃絶への思いを新たにし、広島が国際社会における核兵器廃絶の取り組みの進展に少しでも貢献できるよう、精いっぱい取り組んでまいる所存でございます。 83: ◯議長(林 正夫君) 東 保幸君。 84: ◯東 保幸君 国際平和拠点ひろしま構想の持続的な取り組みを進めていくためには、軍都広島が原子爆弾を落とされた後、いかに平和都市の象徴となり得たのか、今知事が申されたとおり、被爆者団体はもちろんのこと、児童生徒、被爆二世など核廃絶を求める多様な人々と連携し、次世代への被爆の実相の継承と実態を把握しながら、県民の理解に基づいた取り組みをお願いしたいと思います。  次に、住民基本台帳ネットワークの利用拡大についてお聞きいたします。  住民基本台帳ネットワークシステムは二〇〇二年、IT社会の急速な進展に即し、住民の負担軽減を図るとともに、行政サービスの向上・効率化の促進を図ることを目的に導入された本人確認情報システムです。  本格稼働から五年後、システムの導入効果を定例会で問いただしたところ、住民票の写しの広域交付や住民の移転通知で成果があり、特に各種申請の本人確認事務の省力化は、当時で二百七十三万件に上るなど、事務の効率化が進んでいるとの答弁でした。  その後、県の事務に住基ネットを独自に利用できる旨の条例を定め、また、法定事務の処理に住基ネットの積極的な利用拡大を国に要請するなど、さらなる用途拡大が図られていると聞いています。  現在、本格稼働から十年余りが経過しましたが、所期の目的である住民サービスの向上、行政の効率化の観点でその後どのような進展があったのか、地域政策局長にお聞きいたします。 85: ◯議長(林 正夫君) 地域政策局長梅木敏明君。         【地域政策局長梅木敏明登壇】 86: ◯地域政策局長(梅木敏明君) いわゆる住基ネットは、各種申請時における住民票の写しの添付の省略や行政手続における本人確認の省略など、住民サービスの向上と行政事務の簡素化を目的に、全国統一システムとして平成十四年度に構築したものでございます。  住基ネットの活用範囲は、住民基本台帳法または条例で定められた事務に限られますが、法律で定められた事務につきましては、平成十九年度は約二百八十事務であったものが、例えば厚生年金法に係る給付事務が追加されるなど、現在は約三百二十事務へと拡大しております。  また、条例で定める事務につきましても、地域がん登録事業に係る事務などを追加し、平成十九年度の二十事務から二十三事務へと拡大したところでございます。  これらのことから、平成二十四年度の住基ネットの利用状況は、約一千三百七十三万件と、平成十九年度と比べ、約五倍に増加するなど、住基ネットの整備による効果は確実に上がっており、住民サービスの向上と行政事務の簡素化に貢献していると認識しております。 87: ◯議長(林 正夫君) 東 保幸君。 88: ◯東 保幸君 大変な成果が上がっているということを理解いたしました。  次に、住基ネットを県の施策に独自に利用する例の一つとして、がん患者の生存率を把握するための調査についてお伺いします。  二〇一一年十二月定例会で、住民基本台帳法施行条例の一部を改正する条例案が慎重審議を経て可決されました。その趣旨は、地域がん登録事業において、がん患者の五年後の相対生存率を算出するために、住基ネットを利用するというものです。  広島県地域がん登録患者の五年相対生存率の算出結果が、昨年十一月、本県で初めて公表されました。五年後でも九〇%以上の生存率となっているがんは前立腺、甲状腺、乳房、八〇%以上は、小児がん、子宮体部、皮膚などです。  一方で生存率が低いのは一〇%の膵臓、胆のう・胆管などであると判明しました。  五年後の相対生存率が得られたことで、今後のがん医療に生かすべきどのような点が明らかになったのか、また、住基ネットを利用した地域がん登録事業のメリットについて健康福祉局長にお伺いします。 89: ◯議長(林 正夫君) 健康福祉局長笠松淳也君。         【健康福祉局長笠松淳也君登壇】 90: ◯健康福祉局長笠松淳也君) 平成十四年十月から実施しております広島県地域がん登録事業につきましては、医療機関等関係者の御協力をいただき、全国的にも高い水準の精度を確保できているところでございます。  がんと診断されてから五年後に生存していることをあらわす五年相対生存率の算出に当たりましては、住基ネットを利用できたことによりまして効率的かつ安全に対象者の生存の事実を確認することができ、登録データの信頼性もさらに向上したことから生存率の公表に至ったところでございます。  今回、科学的に精度の高い部位別の生存率が明らかになったことから、対策を強化すべきがんの種類を検討する際の基礎データとするほか、がん医療の評価指標の一つとして活用することで、医療水準の向上を図り、がんで亡くなる方を一人でも減らせるよう、がん対策の充実に取り組んでまいります。 91: ◯議長(林 正夫君) 東 保幸君。 92: ◯東 保幸君 がん対策日本一に向けた取り組みを進めるに当たり、住基ネットから得られる統計データの十分な活用の成果に期待しつつも、セキュリティー対策についても、より一層厳重な対応をお願いいたします。  次に、広島県障害者プランの策定についてお聞きいたします。  県が障害者関係者団体と連携して策定に取り組んできた広島県障害者プランの基本的な取り組みの方向は、すべての県民が障害の有無にかかわらず、広島に生まれ、育ち、住み、働いてよかったと心から思え、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会を実現することであり、まさに湯崎県政の柱であると私は思います。  一方、障害者基本法の改正、いわゆる障害者総合支援法や障害者差別解消法の制定など、関係する分野の法整備が行われ、二〇〇七年に日本も署名した障害者権利条約がようやく本年一月に批准されたところです。  これらの法律が掲げる基本理念は、基本的人権の尊重、障害に基づく差別の禁止、地域社会での共生、自立と社会への完全な参加であり、そのための国や行政の支援の責務が規定されています。  しかしながら、今回の障害者プランを見ると、地域社会での共生がわずかに触れられているにすぎず、条約や基本法の理念、また、県が掲げる方針の反映が不十分であると当事者から指摘があります。  県として障害者基本法などの基本理念をどうとらえ、新たな五カ年計画にどのように反映させようと考えているのか、健康福祉局長の認識をお伺いいたします。 93: ◯議長(林 正夫君) 健康福祉局長笠松淳也君。 94: ◯健康福祉局長笠松淳也君) 障害者基本法におきましては、すべての国民が障害の有無にかかわらず、ひとしく基本的人権を享有するかけがえのない個人として尊重されるものであるとの理念にのっとり、共生社会の実現を目的とすることを掲げております、我が国における障害者施策の基本的な方向を示す法律であると認識しております。  本県の障害者プランは、障害者基本法に基づき、県における障害者施策を総合的かつ計画的に推進するために策定しており、プランの基本理念、基本原則、取り組みの方向、それぞれの項目について法の理念に沿ったものとしております。  具体的には、基本理念においては、共生社会の実現を目指すということとしておりまして、また、基本原則におきましては、地域社会における共生等及び差別の禁止を掲げておりまして、さらに取り組みの方向においては、基本的人権の尊重、みずからの選択と決定による主体的な参加などを掲げております。  また、分野別の施策については、基本的人権の尊重の観点から、障害者週間を初めとする啓発活動の促進、障害を理由とする差別の禁止に向けまして、相談及び紛争の防止のための体制整備、地域社会での共生を進めるため、あいサポート運動を推進し、幅広く県民に対して障害に対する正しい知識の浸透、自立と社会への参加を実現するため、障害特性などに応じた雇用の促進や意思疎通の支援をする障害者のコミュニケーション手段の充実を図ることなどに取り組んでまいります。 95: ◯議長(林 正夫君) 東 保幸君。 96: ◯東 保幸君 国の障害者基本計画を見ますと、障害者を施策の客体としてではなく、必要な支援を受けながら、みずからの決定に基づき社会のあらゆる活動に参加する主体としてとらえるべきであると、基本理念が規定されていることは承知のとおりです。  しかし、本県の障害者プランには自己決定を尊重していく理念が不十分と言わざるを得ません。  「障害当事者の暮らしやすさについての視点を強化」、「社会を構成する一員として尊重される」という表現は、まさに障害者を社会の客体としてとらえていることの証左にほかなりません。  そこで、障害者関係者団体等と改めて連携をとり、障害者自身が社会参画の主体として自己決定していくプランの内容とすべきであると考えますが、健康福祉局長にお伺いいたします。 97: ◯議長(林 正夫君) 健康福祉局長笠松淳也君。 98: ◯健康福祉局長笠松淳也君) 国の障害者基本計画にもありますように、障害者を、必要な支援を受けながらみずからの決定に基づき社会のあらゆる活動に参加する主体ととらえることは、重要な原則であると認識しております。  こうした観点から、障害者プランの審議を行う障害者施策推進協議会委員二十名の方をお願いしておりますが、その半数は障害当事者またはその御家族、支援団体の方にお願いしており、また、協議会とは別に、障害者やその家族、全県的な関係団体等から御意見を伺うなど、障害者関係団体等と連携してプランの策定を進めております。  その結果、例えば障害者に情報を伝える際、障害の特性に応じてわかりやすい手法を工夫することであるとか、障害者の社会復帰支援の方策を具体化するといったプランの内容等について、当事者の方や御家族の方々の御意見を踏まえたものに改善させていただいているところでございます。  また、障害者の自己決定、社会活動への参画を推進する観点から、重点的な取り組みとして意思疎通のためのコミュニケーション手段の確保や情報の保障の強化、さらに自立した生活が可能な賃金を得られるような雇用の促進などをプランの柱に位置づけております。 99: ◯議長(林 正夫君) 東 保幸君。 100: ◯東 保幸君 先般、広島市で開催されました内閣府主催の共生社会地域フォーラム、局長も参加されていたと思います。その中で、中国四国厚生局長は基調講演の終わりに、つくられた法律を当事者、関係者が生成発展させていくことが大切だと言われたことが、私、大変印象に残っております。  先ほど、局長からも法の理念を生かすとの指摘がありました。ぜひ引き続いて、当事者、関係者の連携によってプランがより充実したものとなるように期待しております。よろしくお願いいたします。  次に、障害者差別禁止条例の制定についてお聞きいたします。  県は、福祉行政の施策推進に当たり、先ほどお話もありましたが、あいサポート運動を取り組みの中心に据えていますが、この取り組みの根底には、県民個々人の心がけや障害者へのちょっとしたお手伝いといった、健常者から障害者への配慮という上から目線がかいま見えます。  県が発行する「障害のある人びとの福祉」の紙面を見ましても、「いまだに多くのバリアがあり、さまざまな面で不自由、不利益または困難な状況に置かれています」と、障害者を取り巻く状況が行政の取り組みと大きく乖離している実態が指摘されています。  二〇一三年六月、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律、いわゆる障害者差別解消法が成立いたしました。法の趣旨は、社会における障害者差別の存在を認め、その解消を進める責務が国や行政機関にあるというものです。特に都道府県においては、国の基本方針に基づき、差別解消支援措置をとるべきことが規定されています。  しかし、県の障害者プランの中では、このことを課題としてとらえているだけで、課題解決に向けた具体的な施策が見えていません。  そこで、差別の解消からさらに一歩進み、既に幾つかの県で制定されている差別禁止条例の制定についても、本県も検討すべきと考えますが、知事の御所見をお伺いします。 101: ◯議長(林 正夫君) 知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 102: ◯知事湯崎英彦君) 我が国においては、障害者の尊厳と権利を保障することを目的とした障害者権利条約が平成二十六年二月十九日に発効して、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律が平成二十八年四月から施行されることとなっており、県としても障害を理由とする差別の解消の推進は重要な責務と認識しております。  法施行に向けましては、都道府県において相談や紛争防止・解決を推進するための地域協議会などの体制の整備、あるいは行政機関等の職員が適切に対応するための内部的な規範としての職員対応要領の策定を行うこととなっております。  本県におきましては、差別の解消を推進するため、障害の特性等についてまず知ることから始めるという、あいサポート運動への当事者の参画の拡大や障害者週間などの啓発活動の強化を図るとともに、地域協議会の設立に向けて関係機関との協議を進めたいと考えているところであります。  また、国が定める基本方針に基づきまして、法施行に向けた準備を進めるに当たり、相談や調査、紛争の解決の具体的な施策のあり方について、条例を制定した他県の例も含めて研究してまいりたいと考えております。 103: ◯議長(林 正夫君) 東 保幸君。 104: ◯東 保幸君 福祉行政の推進施策に大きな期待が寄せられていることはしっかりと受けとめていただき、新障害者プランが実効性を上げていくためにも、条例制定を検討していくべきだと強く訴えて、次の質問に入りたいと思います。よろしくお願いいたします。  労働力人口の維持に向けた対策について、三点お聞きいたします。  少子・高齢化の進展により、今では、我が国の六十五歳以上の年齢人口は全体の約四分の一に達し、就業者数全体の一割を超えたと総務省が二月に発表しました。  労働力の減少が社会保障を初め、経済活動に影響することは、これまで本会議で再三指摘されたところです。労働力を将来にわたって維持するためには、二十歳代から六十歳代男性中心の労働市場の構造を変え、女性や高齢者などに働き手を広げることが必要で、選択肢は限られていると私は思っています。  そこで、まず、女性の就業継続についてお伺いします。  育児・家事は女性の役割分担という根強い生活スタイルが続き、加えて働き続けることを求めるようでは、女性にばかり負担がのしかかるばかりです。広島県で出産を機に離職する女性の数が、実に年間四千六百人に及ぶと言われており、これは驚くべき数です。  一人当たりの年収を安く見積もって二百万円としても、この離職に伴う労働価値の損失はおよそ百億円となり、さらには、企業にとってもキャリアの蓄積が途絶えてしまうなど、働く側と雇用する側の両者にとって大きな損失であり、日本社会全体でとらえるときに、景気の好循環に及ぼす影響ははかり知れません。  そこで、まず、県として年間約五千人の女性が出産を機に離職していることが県勢にどのような影響を与えているのか、健康福祉局長の認識をお伺いします。 105: ◯議長(林 正夫君) 健康福祉局長笠松淳也君。         【健康福祉局長笠松淳也君登壇】 106: ◯健康福祉局長笠松淳也君) 国立社会保障・人口問題研究所が平成二十二年に行いました出生動向基本調査によりますと、出産を機に働く女性の六割が一年以内に退職しておりますが、そのうち三割は意に反しての退職であり、また、再就職の際、六割がパート、アルバイトで就職しているという実態がございます。  出産退職後にパート、アルバイトとして再就職した場合、就業継続した場合と比べて、生涯賃金で見ますと約二億円少なくなるという試算がございます。これは、個人にとっても、社会にとっても大きな損失になるものと見込まれます。  また、女性が能力や経験を生かし、キャリアアップして活躍できることは、社会や企業にとって大きなメリットであるとともに、女性の自己実現という観点からも重要であると考えております。  このため、女性が子育てしながら就業継続し、活躍できる環境整備に、企業とともに取り組むことにより、県経済の活性化につなげてまいりたいと考えております。 107: ◯議長(林 正夫君) 東 保幸君。 108: ◯東 保幸君 一九八六年に男女雇用機会均等法が施行されてから四半世紀、我が国の働く女性数が雇用者数に占める割合が四二%まで増加してきましたが、遅々とした歩みと言わざるを得ません。先ほど指摘したとおり、結婚、出産を契機とした離職を食いとめる上で、顕著な成果を上げることができていません。  二〇〇八年六月、ワーク・ライフ・バランス実現に向けた広島県四者宣言が発せられました。広島県、経営者協会、労働局、連合広島の四者によるこの共同宣言は、労使で話し合う場の設定及び活性化、多様な働き方が選択できる環境の整備、長時間残業の削減と年次有給休暇を取得しやすい環境整備に取り組むこととしております。  第三次広島県男女共同参画基本計画を策定し、三年間が経過しようとしていますが、特に女性の就業継続に向けた取り組みの中で、広島県四者宣言をどのように生かしてきたのか、また、今後、どのような目標を設定し、次の施策につなげていくのか、知事に御所見をお伺いします。 109: ◯議長(林 正夫君) 知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 110: ◯知事湯崎英彦君) 平成二十年の広島県四者宣言によりまして、ワーク・ライフ・バランスを実現することを目指し、ライフステージに応じた柔軟な働き方の整備や長時間残業の削減、年次有給休暇の取得しやすい環境整備などを推進してきたところでございます。  特に、女性の就業継続に寄与すると考えられます時間外労働時間の削減等を盛り込む一般事業主行動計画策定率については、平成二十六年度には六・〇%、男性の育児休業取得率については、平成三十二年度に一三・〇%となることを目指しまして、計画策定支援やいきいきパパの育休奨励金等の支給などに取り組んでまいりました。
     その結果、一般事業主行動計画策定率は、平成二十年度の二・六%から平成二十四年度は五・〇%に倍増しております。男性の育児休業取得率は、平成二十年度の〇・八%から、平成二十四年度は七・二%に大幅に上昇しておりますが、さらなる向上が必要と考えております。  こうした中で、今年度、働く女性応援プロジェクト・チームの設置によりまして、いわゆるM字カーブの解消に向けて、平成二十七年度の女性の就業率七〇・五%を目指して取り組んでいるところであり、女性の就業継続を促す研修会や出前講座の実施では、出産等で退職した女性の約一割に当たります四百六十人が離職を思いとどまるというような成果も出ております。  今後、さらに女性の就業継続を促進するためには、企業の職場環境づくりが重要であるため、経済八団体、労働団体、国、県、市町のトップで構成します、仮称ではございますが、働く女性応援隊ひろしまを立ち上げて、組織ぐるみで進めてまいりたいと考えております。企業とともに取り組みを推進することによりまして、女性が仕事と子育てを両立しながら就業を継続し、キャリアを積んでいける、そして活躍できる、女性の働きやすさ日本一の広島県を実現したいと考えております。 111: ◯議長(林 正夫君) 東 保幸君。 112: ◯東 保幸君 四者宣言は、二〇〇八年のこととはいいながらも、その趣旨はぜひ生かしていただき、連携して成果を上げていただきたいと思います。  次は、高齢者の起業・創業に対する支援についてです。  県では、二〇〇九年から現役世代を含めた五十五歳以上をプラチナ世代と称し、会社を出たら社会に入ろうと呼びかけ、教育、文化、防犯、まちづくりなど、あらゆる分野での活動を支援しており、超高齢化社会を見越した取り組みだと思います。  国の調査によると六十歳から六十四歳男女の実に約六割が仕事をしており、この人たちの多くが六十五歳以降も仕事をしたいと回答しています。また、六十五歳までの雇用を義務化する法改正を行い、働く意欲がある人に引き続いて働いてもらい、労働力人口の減少を補おうとしています。  高齢者世代の就労を支援するビジネスは民間でも始まっていますが、新たな雇用の創出は容易ではなく、行政としての支援が大きな課題でもあります。  そこで、県内におけるプラチナ世代の起業・創業の実態はどのような状況にあるのか、また、その支援に県としてどのように取り組んでいくのか、商工労働局長にお伺いします。 113: ◯議長(林 正夫君) 商工労働局長寄谷純治君。         【商工労働局長寄谷純治君登壇】 114: ◯商工労働局長(寄谷純治君) 県内のプラチナ世代、いわゆる五十五歳以上の高齢者世代の起業・創業の実態でございますけれども、平成二十四年に実施されました就業構造基本調査によりますと、起業・創業を希望している人数は全体で一万六千二百人でございまして、このうち三千五百人がプラチナ世代となっております。  こうした起業・創業を希望いたしますプラチナ世代の方々のうち、実際に何人の方々が起業・創業しているかという実態の把握は困難でございますけれども、今年度から県が設置いたしましたひろしま創業サポートセンターなどを通じまして行っております創業支援の実績を見ますと、今年度末までに創業または創業見込みの約三百人のうち、三十二名がプラチナ世代でございます。  また、日本政策金融公庫のアンケート調査によりますと、一九九〇年代における創業者に占めるプラチナ世代の割合は五%程度でございましたけれども、近年では一〇%から二〇%に達するなど、徐々にふえてきております。  プラチナ世代の方々の起業・創業の特徴を最近の調査で見ますと、他の年齢層の創業に比べまして、雇用面では同じプラチナ世代の雇用が多く、プラチナ世代の働く場を生み出しているという特徴があります。  一方で、みずから経験された分野以外での具体的なノウハウの獲得が難しいことなどから、売上予想を達成できない割合や、赤字基調の割合が他の年齢層の創業よりも多いことなどが指摘されております。  このため、ひろしま創業サポートセンターにおきまして、中小企業診断士、弁護士、税理士などの専門家から成るサポーターによりまして創業計画のブラッシュアップ支援を行いますとともに、継続的な個別相談によりまして、販路開拓や財務管理なども含め、経営全体をサポートするなど、今後ともプラチナ世代の起業・創業の支援に取り組んでまいりたいと考えております。  経験を生かして働きたいというプラチナ世代にとりまして、起業・創業はその願いを実現する有力な手段でありますし、また、労働力人口が減少する中で、みずからの経験を生かしたプラチナ世代が働き続けることは、社会全体にとっても極めて有意義と考えております。  県といたしましては、プラチナ世代の起業・創業を支援することによりまして、その拡大を図ってまいりたいと考えております。 115: ◯議長(林 正夫君) 東 保幸君。 116: ◯東 保幸君 二〇三五年には、広島県においても県民の三人に一人が六十五歳以上になると見込まれており、二十年後を見据えた施策が問われている重要な取り組みの一つだと思います。着実な成果を期待しております。  次に、教育委員会の役割と新年度事業の課題についてお聞きいたします。  県教委は、新年度事業として、広島県の教育を語る懇談会やいじめ問題調査委員会の設置、さらには、学校活性化促進事業を予定されています。  これらの事業は、後に述べますように、県教委みずからの責務の放棄や、その主体性が損なわれることにつながりはしないかと大変心配しています。  これら三点の新規事業についてお聞きします。教育長、答弁席に移動をお願いします。 117: ◯議長(林 正夫君) 教育長、答弁待機席へお願いいたします。 118: ◯東 保幸君(続) まず、広島県の教育を語る懇談会の設置についてお聞きします。  県教委は、二〇〇四年、外部有識者会議である教育改革推進懇談会を独自の判断で設置し、以来、十年間にわたって調査を行い、教育施策に提言を行ってきました。  懇談会設置当時の子供たちを取り巻く状況は、学ぶ意欲や体力、規範意識の低下、不登校や中途退学、学校の安全管理などが喫緊の課題として指摘され、また、教育委員会についても、教育委員会会議の審議会化、教育委員の名誉職化、市町教育委員会への権限移譲など、本来の機能・制度の形骸化を是正する議論が交わされており、まさに現在と酷似した状況にありました。  そうした中で、教育改革推進懇談会が新たに設置され、教育委員に学校現場の情報を豊富に提供し、教育委員会審議や教育施策の有効性の点検、施策展開の検討のために反映させることにした経緯があります。  そこで、まず、この十年間、教育改革推進懇談会が果たしてきた役割と成果をどのようにとらえているのか、教育長にお伺いします。 119: ◯議長(林 正夫君) 教育長下崎邦明君。         【教育長下崎邦明君登壇】 120: ◯教育長(下崎邦明君) 教育改革推進懇談会は、教育委員が、校長やPTA関係者など第一線の教育関係者と意見交換することにより、学校教育に関する施策展開の方向性を探ることを目的に、平成十六年度に設置したものでございます。  この懇談会におきましては、教育委員が懇談会委員とその時々で課題と思われるテーマについて意見交換を深めることで、教育委員会会議における審議の一層の充実が図られ、より有効かつ適切な施策展開につなげることができているものと考えております。 121: ◯議長(林 正夫君) 東 保幸君。 122: ◯東 保幸君 そもそも教育委員会制度そのものがレイマンコントロール、すなわち教育をその専門家だけの判断に委ねることなく、住民の教育にかかわるニーズを幅広く聴取して、施策審議に反映させ、教育の中立性を担保しようとする機能を備えています。  同様の趣旨を持つ教育改革推進会議が設置された当時は、屋上屋を架するものと思っておりましたが、最近の動向から見ると、教育委員長を初め、教育委員が学校現場に出向いて実態を調査し、意見を聴取されるなど、本来あるべき姿になりつつあると評価しています。こうした中、新年度予算で広島県の教育を語る懇談会の設置が諮られていますが、教育改革推進懇談会に加え、さらに同様の機関を設置する意義がわかりません。折しも、今次定例会では外部有識者会議条例も上程されており、外部有識者会議の設置には慎重でなければなりません。  そこで、広島県の教育を語る懇談会にはどのような施策の立案を期待しているのか、その具体的な設置の意義と構成員の考え方を教育長にお伺いします。  また、このままでは「船頭多くして船山に登る」ことになるのではないかと大変危惧していますが、教育委員会、教育改革推進懇談会、広島県の教育を語る懇談会の三者の役割分担についても、あわせてお聞きします。 123: ◯議長(林 正夫君) 教育長下崎邦明君。 124: ◯教育長(下崎邦明君) 広島県の教育を語る懇談会は、本県教育のあるべき姿を見据えて、公立、私立を問わず、幼児期から大学、社会人に至るまでの一貫した人づくりについて大局的な議論を行い、そこで出された意見を施策の企画検討段階において参考にし、オール広島県による人づくりにつなげることを目的としております。  構成員につきましては、専門的な見地を踏まえた大所高所からの議論が行われるよう、全国的あるいは世界的な視野を持った方に参加していただきたいと考えております。  三者の役割についてでございますが、教育改革推進懇談会は、先ほど申し上げましたように、教育委員が県民の幅広い意向や学校現場の実情を把握するためのものでございます。  一方、広島県の教育を語る懇談会は、県全体が取り組む人づくりに係る施策の企画検討段階の参考とするためのものでございます。  教育委員会は、こういった意向や実情、御意見も参考に、教育に関する施策の立案、決定、執行を行うものでございます。 125: ◯議長(林 正夫君) 東 保幸君。 126: ◯東 保幸君 今次定例会でも、人づくりビジョンにかかわって問いただされたところです。人づくりビジョンに先立つ二〇〇七年三月、広島県人づくり懇話会が提言をまとめられています。外部有識者十二名が二〇〇六年から二〇〇七年にかけて十二回の懇話会を開催し、人づくり地域懇談会七回、人づくりワーキングを九回開催するなど精力的かつ献身的に取り組まれ、当時の政策企画部を初め、県の総体を挙げた大変な労作であると評価したいと思います。向こう十年を想定した検討内容を見ると、自立、きずな、社会意識、多様性、夢、そして応援が掲げられ、人づくりビジョンとして結実し、現在のひろしま未来チャレンジビジョンにも引き継がれています。  この提言は、予定している広島県の教育を語る懇談会の設置理由を十分に網羅していると思います。改めて外部有識者十一人が年四回行う懇談会は小手先とも思え、その役割が何を担おうとしているのか、まだ私にはわかりません。  県全体で取り組む施策の検討内容であれば、ぜひ広島県人づくりビジョン、人づくり懇話会の規模と内容、そして意欲を持って取り組むべきだと提言して、この質問を終わりたいと思います。  次に、いじめ問題調査委員会についてお聞きします。  いじめ問題調査委員会は、いじめ防止対策推進法の施行等を踏まえた取り組みの一環で、いじめに関し重大事態が発生した場合、まず学校が調査を行い、調査報告を受けた教育委員会が疑念を持った場合、公平かつ中立的な調査を行うための第三者機関を設置するというものです。  滋賀県大津市内の中学校におけるいじめ自殺事件のように、教育委員会の隠蔽体質が問題視された例があるものの、本県において、いじめ問題調査委員会を設置する必要性と役割、調査委員会の構成についてどのように考えているのか、教育長にお伺いします。 127: ◯議長(林 正夫君) 教育長下崎邦明君。 128: ◯教育長(下崎邦明君) 本県では、学校において、いじめによる重大事態が発生した場合、学校は速やかにプロジェクト・チームを設け、徹底的に調査し、その事実関係を明らかにすることとしております。  しかしながら、学校による調査結果が不十分であったり、疑義が生じたりした場合には、いじめ問題調査委員会が公平・中立な立場から再調査を行い、この事案への適切な対処や再発防止に資することとしております。  調査委員会の委員につきましては、心理や福祉の専門家、学識経験者、元警察官及び弁護士などの専門的な知識及び経験を有する者で、調査事案と関係しない第三者で構成することとしております。 129: ◯議長(林 正夫君) 東 保幸君。 130: ◯東 保幸君 県内私学におきまして、いじめを理由に自主退学勧告、通学拒否といった事態も発生しているなど、学校がいじめに過敏になっている状況がうかがえます。また、いじめが原因で学校に行けなくなった場合、いわば犯罪被害であると学校を訴える事案となる可能性も十分にあり得る状況であります。  一方で、これまでのいじめにかかわる事件の調査結果からは、自死といじめの因果関係について、はっきり断定できないことが見えてきてもいます。  いじめ問題調査委員会が単なる犯人捜しの場となってしまうことの危惧、同時に、いじめが訴訟案件となった場合は、調査委員会の報告が司法の判断材料とされる可能性もあります。  そこで、本県としていじめ問題調査委員会を設置し、その報告書に一定の影響力を持たせるのであれば、調査委員会の有識者をどのように選任し、委員会の責任のあり方をどのように認識しているのか、教育長にお伺いします。  また、調査委員会の出す意見や報告を県教委としてどのように位置づけ、どのように取り扱うのか、また、いじめにおける重大事態とは具体的にどういうことなのか、あわせてお伺いします。 131: ◯議長(林 正夫君) 教育長下崎邦明君。 132: ◯教育長(下崎邦明君) いじめ問題調査委員会の委員につきましては、専門的知識または経験を有する方を、知事が選任することとしております。  また、調査委員会は、外部調査機関として、公平性・中立性を確保した上で、可能な限り事実関係を明確にする役割を担うものでございます。  教育委員会といたしましては、調査委員会による調査の結果を踏まえ、事案が発生した学校に対する指導・支援や、同様の事態の発生を防止する取り組みに反映させてまいります。  なお、重大事態につきましては、法令上、いじめにより児童生徒の生命、心身または財産に重大な被害が生じた疑いがあると認めるとき、いじめにより児童生徒が相当の期間、学校を欠席することを余儀なくされている疑いがあると認めるときと規定されており、例えば、自殺を図った場合や精神性の疾患を発症した場合などが想定されております。 133: ◯議長(林 正夫君) 東 保幸君。 134: ◯東 保幸君 二〇一二年八月、教育長は、いじめに関する研究メッセージを発し、「皆さん、一人一人がかけがえのない人として大切にされ、安心して学校生活を送り、自分を伸ばすことができる学校にしたいと思っています。」と、子供たちに、そして教職員に訴えました。メッセージのとおりの学校となり、学校自治を損ねることにならないように、そしてまた、調査委員会が設置されることのないように期待して、次の質問に移りたいと思います。  次は、学校活性化促進事業についてです。  県教委は、二〇一一年一月に業務改善プロジェクト・チームを設置し、教職員が子供と向き合う時間の確保、教職員の負担軽減、効率的な校務運営を図るため、学校業務の精選や効率化を進めることに取り組んでいます。その一つとして、効果的な取り組みを事例にまとめた業務改善事例集を作成し、今年度は業務改善事例集活用モデル校を十校指定し、活用を促してきたところです。業務改善事例集はかなりの力作であり、業務改善に対する県教委の並々ならぬ意欲を感じ、効果が上がることを期待したいところです。  そこで、県教委として、業務改善事例集の活用状況とその効果をどのように認識しているのか、また、多忙な業務の改善に取り組んで、学校が実際にどのように変わろうとしているのか、また、変わったのか、取り組みの中で認識されている課題は何なのか、あわせてお伺いします。 135: ◯議長(林 正夫君) 教育長下崎邦明君。 136: ◯教育長(下崎邦明君) 業務改善事例集の活用状況につきましては、昨年九月に実施しました業務改善に係る各学校長へのアンケート結果では、すべての学校において業務改善事例集を活用した取り組みが実施されている状況でございました。  具体的には、会議の精選や業務分担の見直しなど、各学校の実情に応じた業務改善の取り組みが行われつつあるものと認識しております。  こうした取り組みにより、業務改善が組織的に行われるようになってきた、教材研究などの時間がふえつつあるなどの意見を学校現場から聞いております。  しかしながら、業務改善事例集活用モデル校の教職員に実施したアンケートでは、充実感があると明確に回答した割合は三割程度、また、子供と向き合う時間についても、確保できていると明確に回答した割合は二割程度にとどまるなど、さらなる業務改善の取り組みが必要な状況であると認識しております。 137: ◯議長(林 正夫君) 東 保幸君。 138: ◯東 保幸君 同事業は、まだ緒についたばかりだと思います。これからだろうと思います。  次に、学校活性化促進事業についてお聞きします。  新年度事業として、学校活性化促進事業予算四千九百万円が提案されています。校務運営の効率化を推進し、教員が子供と向き合う時間を確保するとともに、教職員のモチベーション向上についてさらなる課題分析、改善策の検討を民間委託する事業です。  先ほど指摘したように、学校現場を基点として県教委みずからが並々ならぬ意欲を持って鋭意取り組んでいるさなか、あえて民間の力をかりようという今回の姿勢からは、残念ながら取り組みに対する自信が感じられません。さらに言えば、みずから改善する能力がない、県教委みずからに対する自信を失っていると言わざるを得ません。  県教委として安易に民間委託に流れることなく、みずからしっかりと自信を持って業務改善を進めていくべきではないかと考えますが、教育長の御所見をお伺いします。 139: ◯議長(林 正夫君) 教育長下崎邦明君。         【教育長下崎邦明君登壇】 140: ◯教育長(下崎邦明君) 学校活性化促進事業は、教職員が子供と向き合う時間をさらに確保し、本県の教育力の向上を図ることを目的として、これまでの業務改善の取り組みに加え、調査・分析に高い専門性を持つ外部の視点も活用することで、より効果的な業務改善を推進するものでございます。  事業の実施に当たりましては、あくまでも教育委員会が主体性を持って改善策の実施内容の決定や進行管理を行い、学校の業務改善の取り組みを進めてまいりたいと考えております。 141: ◯議長(林 正夫君) 東 保幸君。 142: ◯東 保幸君 先ほども申し上げましたが、まだ緒についたばかりの事業であろうかと思います。そこへまた新たに外部からの調査を入れようということ自体、なかなか理解できない。現場が、効果が十分あらわれるだろうかというふうに、大変心配しているわけでございます。  昨年の九月定例会で、多忙な教職員の業務改善について、教育長は、管理職が教職員から日々の業務の中での気づきやアイデアを取り込むことによって、教職員の学校運営への参画意識を高め、充実感を持って日々の業務に取り組めるよう、引き続き、支援を行ってまいりたいと答弁しておられます。まさにそのとおりだと思います。  「現場に神宿る」という言葉がございます。現場が基本であり、原点だと私は思っております。安易に外部手法に頼るのではなく、現場を基点にして、ボトムアップで業務改善を進めようという姿勢をしっかり堅持していただいて、自信と責任を持って所期の目的を達成していただくことを期待して、質問を終わりたいと思います。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 143: ◯議長(林 正夫君) 明日も引き続いて質問を行います。明日は午前十時三十分から会議を開きます。  本日はこれをもって散会いたします。         午後三時十分散会 発言が指定されていません。 広島県議会 ↑ 本文の先頭へ...