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  1. 広島県議会 2013-06-03
    平成25年6月定例会(第3日) 本文


    取得元: 広島県議会公式サイト
    最終取得日: 2019-08-07
    2013年06月27日:平成25年6月定例会(第3日) 本文 ▼最初のヒット個所へ(全 0 ヒット) 1         午前十時三十一分開議 ◯副議長(中本隆志君) 出席議員五十四名であります。これより会議を開きます。         自第  一 県第五七号議案         至第三十七 報第一四号 2 ◯副議長(中本隆志君) これより日程に入ります。日程第一、県第五七号議案 平成二十五年度広島県一般会計補正予算から日程第三十七、報第一四号 平成二十四年度広島県水道用水供給事業会計予算繰越計算書までの各案を一括上程議題といたします。  昨日に引き続いて質問を行います。栗原俊二君。         【栗原俊二君登壇】 3 ◯栗原俊二君 皆さん、おはようございます。公明党広島県議会議員団の栗原俊二でございます。本日は予想外に傍聴の方が多くお越しいただいておりまして、大変ありがたく思っております。  湯崎知事は、昨日の本会議において二期目の県知事選への出馬の意向を表明されました。二期目に向けていろいろと思いをめぐらせていらっしゃると思いますので、三年半の県政運営の評価と今後の課題をメーンテーマに質問させていただきますので、どうかよろしくお願いいたします。  それでは、一問一答質問用演壇に移り、質問いたします。(質問用演壇に移動)  湯崎知事の就任後三年半の取り組みを振り返りますと、「ひろしま未来チャレンジビジョン」に基づく各分野の施策、特にイノベーションの推進などに力を入れて取り組まれてきたところです。これらの取り組みについては私も一定の評価をしているところですが、県民一人一人の県政についての受けとめはどうでしょうか。  知事が昨年十一月に示された「知事就任後三年間の主な取組について」に掲げられた施策について、県民がどの程度認知し評価しているか、県内に居住する男女八百人を対象に、ことし二月、民間会社が行ったインターネット調査結果があります。  認知率が最も高いのは、「おしい広島県」のプロモーションに代表されるひろしまブランドの形成が四七・三%で、次いで、がん検診受診率向上対策などのがん対策が三四・四%、瀬戸内広島レモンの広報戦略など農林水産業の新展開促進が三〇・六%で続いております。評価している施策として、ひろしまブランドの形成の三二・八%、がん対策の二一・六%が比較的スコアの高い項目となっております。また、今後積極的に実施してほしい施策として、地域医療体制の構築、がん対策及びひろしまブランドの形成が三〇%台で並んでおります。  県政に関心を持ってもらい、その内容の理解を深めることが施策の効果的な展開につながることから、広報が不足している施策については、より一層の見える化を図ることが必要であります。  そこで、就任後三年半の取り組みを振り返り、ねらいどおり県民に浸透できた施策と、まだ十分知られていない施策とをどのように理解され、今後、県民の県政に関する認知度をより高め、理解を深めていくにはどうしたらよいか、知事自身の御所見をお伺いいたします。 4 ◯副議長(中本隆志君) 知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 5 ◯知事(湯崎英彦君) 私が就任以来取り組んでまいりました戦略的広報の目指すところは、二点ございますけれども、一つは、県民の皆様に県政の基本的方向とそれを実現する施策についての御理解、また御参画をいただくということ、そして、もう一つが、本県の魅力や情報を広く内外に発信して、県経済や地域の活性化につなげていくということでございます。  その具体的な取り組みとして、主要な施策のうち、子育て応援、がん対策、観光、そして農林水産業の振興、イノベーション立県と国際平和の推進の六つのテーマを重点的な広報対象として設定して、各テーマの内容に応じまして、それぞれの施策の展開に合わせて、テーマごとにより効果的な広報手法やメッセージ等を企画・検討して実践する、伝わる広報に積極的に取り組んでまいりました。  これらの重点テーマについては、それぞれの施策としてのねらいを踏まえて、個別に認知度または理解度──知っているかということと理解しているかということについての目標を設定しまして、県においてもインターネットによるアンケート調査によって、その状況について定期的に把握しております。
     この調査では、いずれのテーマにおいても認知度または理解度は上昇しておりますが、とりわけ観光やがん対策、農林水産業の振興につきましては、調査を開始した平成二十三年九月には二〇%から四〇%の認知度であったものが、直近の、ことし二月の調査においては七〇%を超えるなど、着実に浸透を図ることができていると考えております。  加えまして、例えば観光については、平成二十四年の県内総観光客数が五千八百九十三万人と過去最高となったことや、農林水産業の振興では、広島県産のカキやレモンについてメディアにも数多く取り上げていただき、そのブランドイメージを全国的に発信することができたことなど、施策推進上の成果についても寄与することができたものと考えております。  一方、イノベーション立県の推進については、関係する就業者に県の取り組みを広く知っていただくために、五〇%以上の認知度というのを広報目標としているところ、現在四〇・三%であり、また、子育て応援については、支援施策の利用を広く促していくということが重要でありますので、理解度が四〇%以上となるということを目標としておりますが、これは三六・八%と、それぞれ目標に届いていないという状況もあり、さらなる取り組みが必要であると考えております。  引き続き、県民の皆様に県の施策の成果とその意義をより身近なものとして実感していただき、県政への御理解と、そして参画を促進していくために、今後も県民起点に立って、より的確に伝わる広報を実践するとともに、施策の進捗や成果についてもわかりやすくお示ししながら施策の展開に取り組んでまいりたいと考えております。 6 ◯副議長(中本隆志君) 栗原俊二君。 7 ◯栗原俊二君 次に、安心な暮らしづくり対策であるがん対策及び再生可能エネルギーの導入施策についてお伺いします。  さきの民間調査によりますと、がん対策に県が何かしら取り組んでいるという認識は県民の半数近くが持っており、特に、デーモン閣下を起用した検診の広報活動は四四・九%と高い認知率であります。一方で、がん対策日本一を目指していることや、その施策の具体的な中身については、例えば高精度放射線治療センターの整備予定を知る人は約一七%であるなど、全体的に県民の理解が進んでいない状況であります。また、がん検診の過去三年間の本人受診率は二六・三%にとどまっております。  現在のがん対策の施策を評価するとの回答が六割を切っているのは、施策内容がよく知られていないことも要因であると考えられます。専門家による認知や評価も大切ですけれども、検診を受け、治療に取り組む県民自身による施策の認知や効果の実感が得られてこその日本一ではないでしょうか。  がん対策について県民の施策内容の理解をより深めるための方策について、県当局の御所見をお伺いいたします。 8 ◯副議長(中本隆志君) 健康福祉局長佐々木昌弘君。         【健康福祉局長佐々木昌弘君登壇】 9 ◯健康福祉局長(佐々木昌弘君) がん対策日本一を目指し、本年三月に策定した第二次広島県がん対策推進計画につきましては、県民一人一人が、がん予防やがん検診の受診、治療などにおいて理解し、そして、主体的かつ積極的な行動をとっていただくよう、県民委員五名を含む体制で検討いただきました。  計画の内容につきましては、先月、東京で開催されましたNPO法人日本医療政策機構主催のがん政策サミット──これは四十七都道府県のがん対策推進計画のいわば評価を行うものでございます。この場で本県は四十七都道府県で最も多く好事例として取り上げられたところでございます。  このような県のがん対策を県民の皆様に理解・体感していただき、実行に移していただくためには、検診では、町なかで啓発ポスターを見かけた後にデーモン閣下から個別受診勧奨のはがきが届く、このはがきの部分は今年度の新たな取り組みでございます。医療では、新聞等で報道いただいたがんよろず相談医のステッカーを、身近な、県民御自身のかかりつけ医のところで見かけるなど、広報と日常生活の中での具体的な取り組みを効果的に組み合わせることが必要であると考えております。  今後とも、伝えたい意図を明確にした効果的な広報とわかりやすい取り組みで、県民の皆様のがん対策への理解をより一層深め、県民総ぐるみの形でがん対策の実現を目指してまいります。 10 ◯副議長(中本隆志君) 栗原俊二君。 11 ◯栗原俊二君 続いて、再生可能エネルギー導入施策についても同様の傾向が見受けられます。原発にかわる発電方法が必要との認識が高まる中、再生可能エネルギー自体については、四一・五%が「ある程度知っている」という結果でありました。七割以上の人が再生可能エネルギー導入施策は必要であると評価しております一方、各発電方法の具体的な特徴や県が進める電力買い取り制度の不公平性緩和策については、余り知られておりません。  再生可能エネルギーの導入は、環境対策やエネルギー多様化の問題のほか、技術革新や新たな雇用創出という面でも効果があり、私としても、木質バイオマスや小水力発電を促進することは地域産業の活性化につながるものと考えております。  この再生可能エネルギー導入施策を県民に積極的に広報し、理解を広めていくべきだと考えますが、そのために必要な取り組みについて県当局の御所見をお伺いいたします。 12 ◯副議長(中本隆志君) 環境県民局長中山雅文君。         【環境県民局長中山雅文君登壇】 13 ◯環境県民局長(中山雅文君) 再生可能エネルギーは、地球温暖化防止や今後の重要なエネルギー源として期待される一方、出力が不安定で、現状では発電コスト等が高いなどの課題があることから、広く国民の理解を得ながら普及を進めていく必要があると考えております。  このため、本県といたしましては、イベントやホームページなどを通じて再生可能エネルギーの広報を行うとともに、県が事務局を担うひろしま地球環境フォーラムと共同して、再生可能エネルギーに関する環境学習会や有識者によるセミナーなどを開催するなど、県民への啓発活動に取り組んでいるところでございます。  さらに、地球温暖化防止活動推進センターや各地の地球温暖化対策地域協議会などを通じて、地域における啓発イベントの開催や小型の太陽光発電や小水力発電を使った体験学習の実施など、県民に身近な取り組みを促進しているところでございます。  こうした取り組みを継続的に実施することにより県民の再生可能エネルギーに対する理解を深めることが重要と考えており、この考え方のもと、引き続き、国と連携を図りながら積極的な広報啓発に取り組んでまいります。 14 ◯副議長(中本隆志君) 栗原俊二君。 15 ◯栗原俊二君 ありがとうございました。いずれにしても、再生可能エネルギーについても、やはり認知度の低いところがありますので、ぜひ、さらなる取り組みをお願いしたいと思います。  続きまして、サッカースタジアムの検討についてお伺いしたいと思います。  今月六日、検討協議会の第一回目の会合が開かれました。建設に向けた機運は、昨年のサンフレッチェ広島のリーグ初優勝を受け、サポーターやサッカー関係者を中心に大きく盛り上がっております。  さきの民間調査では、このサッカースタジアム建設の構想自体は八割近い人々に認知されておりますけれども、四二・六%が関心があるのに対し、三八・一%が関心がないという結果でありました。また、建設に対しどちらとも言えないという浮動層が四四・〇%と、賛成の四〇・七%を上回っております。私自身も個人的にはサッカー専用のスタジアムの実現を期待する一人ではありますけれども、これほどのビッグプロジェクトに対しても一定の距離を置いて傍観している層が四割もいるわけであります。  サンフレッチェ広島の現在の本拠地で、エディオンスタジアムのある沼田地区のコミュニティ推進協議会からは、市中心部での建設に反対の請願書が出され、署名活動も含む運動へと広がっております。  今後、この検討協議会は定期的に開催され、当面は来年三月に中間取りまとめをし、来年の秋を目途に結論を得る方針とされております。サッカースタジアムの検討に当たっては、建設を前提にその障害を克服する方向の議論だけではなく、必ずしも建設を望んでいない人々が相当数いるという認識から始め、スタジアムのあり方について多くの県民の理解が得られるような結論を導いていく必要がありますが、今後の検討協議会をどのように進めていかれるのか、県当局の御所見をお伺いいたします。 16 ◯副議長(中本隆志君) 地域政策局長梅木敏明君。         【地域政策局長梅木敏明君登壇】 17 ◯地域政策局長(梅木敏明君) 魅力あるサッカースタジアムは、新たな広島のシンボルとして広域的な集客効果を高めるなど、県全体の活性化につながることが期待される一方で、実現に向けては、スタジアムの規模、建設場所、管理運営方法、事業スキーム、事業収支、そして類似施設とのすみ分けなど、多くの課題がございます。  このため、県、広島市、広島商工会議所及び広島県サッカー協会の四者で協議して、スポーツやまちづくりなどに精通した有識者などで構成する検討協議会を立ち上げ、専門的かつ自由な立場で議論していただくことといたしました。  この検討協議会では、先ほど申し上げましたサッカースタジアムに係る諸課題について、建設そのものの是非も含め幅広く議論していただき、その内容を広く県民の皆様にお示ししながら、広島に求められるサッカースタジアムのあるべき姿について来年秋を目途に取りまとめ、行政や経済界へ提案していただくこととしております。  県といたしましては、検討協議会からの提案を受けて、広島市や関係団体等とともにサッカースタジアムに係る対応を検討してまいりたいと考えております。 18 ◯副議長(中本隆志君) 栗原俊二君。 19 ◯栗原俊二君 ありがとうございます。単にサッカー場をどうするかではなくて、先ほども局長から答弁をいただいたように、今後、十年、二十年先の都市活性化策、いわゆる広島都市圏の中長期的なまちづくりとあわせた検討がなされ、県民だれもが納得できる結論を導き出していただきますよう要望しておきたいと思います。  次に、本県のみならず、我が国全体が直面している人口減少社会における行政課題について質問いたします。  今月初めに発表された県の人口移動統計では、五月一日現在の本県の人口は約二百八十四万人と、前年同月比で約八千五百人減少しております。また、国立社会保障・人口問題研究所の最新の地域別将来推計によりますと、二〇四〇年の本県人口は二百三十九万人となり、基準の平成二十二年からおよそ四十七万人、約二割の人口が減少する計算です。四十七万人といいますと、私の地元、安佐南区の人口全体の約二倍がいなくなるという勘定です。  本県は「ひろしま未来チャレンジビジョン」において、おおむね十年後を展望した場合に、踏まえるべき重要な変化の一つとして、今後の人口減少社会をとらえ、人口減少の食いとめやその減少を緩やかにしようとする対策を継続しておられます。これらの対策は当然必要でありまして、国立社会保障・人口問題研究所が予測する社会の到来を幾らか遅くすることはできるかもしれませんが、やがてはそこまで人口が減少した社会に行き着くことは避けられないことを直視した対策が必要であると考えます。  県民の不安をいたずらにあおることは避けなければなりませんが、将来の財政破綻や行政の機能不全等の避けるべきシナリオをきちんと認識し、今から検討しておくべき対策の選択肢を県民に正面から提示することが大事ではないでしょうか。  三十年後には顕著な人口減少社会になっていることを前提に、そうした社会において求められる対策を今から設計しておく必要があると考えますが、当局の御所見をお伺いいたします。 20 ◯副議長(中本隆志君) 知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 21 ◯知事(湯崎英彦君) 人口減少は、少子・高齢化と相まって生産年齢人口の減少による経済活動の縮小、高齢世帯の増加による社会保障費負担の増大、また、医療機能や生活交通の確保などの日常生活を支える機能の低下など、県民生活に影響を与える重要な課題であると認識しており、県政の運営におきましても、こうした社会構造の変化を見据えた対応が求められていると考えております。  こうした観点から、「ひろしま未来チャレンジビジョン」におきましても、将来の人口推計や人口減少が社会・生活に与える影響を県民にお示しした上で、これを最も重要な課題の一つとして位置づけて、人口減少に歯どめをかける取り組みとして、若者の社会減対策や本県に人が集まり定着するためのさまざまな対策を進めております。  一方で、中長期的な視点で人口減少に備える対策にも取り組む必要があると考えております。とりわけ人口が減る中にあって、ハード・ソフト両面のインフラを維持していくためには、そのためのエンジンとなる経済成長が不可欠であり、あわせて、人口減少社会においても、経済活動を初め社会を維持していく機能を担う人づくりも極めて重要であることから、現在、成長産業の育成などの新たな経済成長とすべての分野の基盤となる人づくりに重点的に取り組んでいるところでございます。  また、人口減少や少子・高齢化に備えた具体的な取り組みとしては、少子・高齢化の進行で高齢者の医療需要が増加する一方、医療従事者の減少が想定されることから、医師の確保方策とともに広島都市圏の医療機能を含めた将来の医療資源の適正配置のあり方について調査・検討を行っているところであります。  さらに、人口減少や高齢化の影響を著しく受けている過疎地域におきまして、地域の生活課題の解決に向けて、通院や買い物などの移動の不便な地域で住民自治組織が行う自主運行を支援するなど、日常生活を支える機能の確保を図る取り組みも行っております。  今後も、本県の人口減少に歯どめをかける取り組みを進めるとともに、人口減少社会を見据えて、これに機動的かつ柔軟に対応できるよう、必要な対策を講じてまいりたいと考えております。 22 ◯副議長(中本隆志君) 栗原俊二君。 23 ◯栗原俊二君 ここからは、人口減少社会における諸課題のうち、特に対策が懸念される社会インフラの維持管理の課題について、幾つか質問いたします。  昨年の中央道笹子トンネルの天井板落下事故、また、県内の橋梁のコンクリート片落下事故など、インフラの老朽化対策がクローズアップされておりますが、人口減少社会においては、こうした道路、橋梁、上下水道といった社会インフラをどう維持管理するかの問題は、老朽化の問題と相まって深刻な課題の一つであります。  この課題には大きく次の三つが指摘されております。一つ目は、そもそも維持すべき社会インフラの絶対数の課題、二つ目は、それらのインフラを安全に維持管理する費用の課題、三つ目は、社会インフラを支える技術者不足の課題であります。この三点について、順に質問してまいりたいと思います。  まず、維持すべき社会インフラの数が大きく減少することによる課題であります。  高度経済成長期に建設された社会インフラが今後次々と更新期を迎える中で、人口や集落の減少に伴い、道路や上下水道など生活基盤のニーズが失われ、社会で必要とされるインフラの絶対数は確実に減少してまいります。  社会資本未来プランにおいては、アセットマネジメントを活用した橋梁の長寿命化のための修繕が計画されており、今ある資産を限られた財源で安全に管理するためには不可欠の取り組みですが、点検の結果、修繕が必要とされたすべての資産に対応すると、将来不要となる社会基盤まで長寿命化してしまうリスクがあります。  来るべき人口減少社会へ備える観点からは、既存施設の維持管理は取捨選択して行い、耐用年数が来たときに更新しない施設を選び出し、新たな更新整備は身の丈に合った規模で行うなど、社会インフラの絶対数を適正な数まで減少させることが求められるのではないでしょうか。  今後、限られた財源で効率的に道路や橋梁など社会インフラを維持管理するには、残すべきインフラを取捨選択し、不要な施設は維持しないというインフラ減量化の決断が必要であると考えますが、当局の御所見をお伺いいたします。 24 ◯副議長(中本隆志君) 土木局長岩佐哲也君。         【土木局長岩佐哲也君登壇】 25 ◯土木局長(岩佐哲也君) 高度経済成長期までに建設された大量の公共土木施設が、これから更新時期を迎える中で、適切な維持管理・更新は重要な課題であると認識しております。しかしながら、御指摘の社会インフラの減量化につきましては、人口が大きく減少し社会構造が大きく変化した、将来的には必要になってくると考えられますが、その場合、対象となる施設の選定には慎重な検討が必要であると考えております。  現段階においては、県民の安全で快適な生活を維持するため、構築しておりますアセットマネジメントシステムを活用し、効果的かつ効率的な維持管理・更新を推進してまいります。 26 ◯副議長(中本隆志君) 栗原俊二君。 27 ◯栗原俊二君 次に、インフラを維持管理する財源確保の課題であります。  人口減少による税収の減とこれまでの施設整備に係る公債費が圧迫する財政の絶対的な制約の中では、減量した後のインフラの維持管理財源の確保も非常に厳しい見通しであると思われます。  有料道路や公営住宅、上下水道のような有料施設は、利用者が減り料金収入が減っていく中、サービス水準を維持するには料金を上げざるを得ないのでしょうか。  国は、高速道路の老朽化対策費用の捻出のため、二〇五〇年から予定していた無料化を先送りし、前倒しで行った対策費の償還をその料金収入で賄う方針へ転換するという報道がありました。一方で、都道府県や市町村の要請を受けた国が、老朽化した地方道の改修を肩がわりする制度の創設や、現在は建設費にしか充当できない地方債を、老朽化した公共施設の取り壊し経費にも充当できるよう検討する動きが見られます。また、首都高速の老朽化対策の財源確保の手段として、掘り割りになった高速道路の上部空間の空中権を民間資本に売却するなど、新たな仕組みが議論されております。  本県としても、社会資本の維持管理経費の増加や施設管理に一層の民間資本の導入を図るなど、思い切った対策が求められるのではないでしょうか。将来の人口減少社会に今から備える観点から、今後の社会インフラの維持管理や取り壊しのための財源確保策をどのように考えているか、当局の御所見をお伺いいたします。 28 ◯副議長(中本隆志君) 土木局長岩佐哲也君。 29 ◯土木局長(岩佐哲也君) 公共土木施設の維持管理・更新に当たりましては、アセットマネジメントシステムを活用して、増加する維持修繕費の平準化や施設の長寿命化によるライフサイクルコストの低減に取り組んでいるところでございます。  これに必要な維持管理経費等につきましては、国の補助制度も十分活用しながら必要な予算の確保に努めるとともに、財源確保のための国の新たな制度拡充について、引き続き要請を行ってまいります。 30 ◯副議長(中本隆志君) 栗原俊二君。 31 ◯栗原俊二君 次に、担い手不足についての問題です。  社会インフラの整備・維持管理には、構造物のそれぞれの特性に応じた専門知識と経験が必要であることは言うまでもありません。今後、官民を問わず、現在のインフラを支える職員の大量退職が進み、若い世代の採用が少ないままであれば、社会インフラの安全管理を支える技術者の絶対数は確実に減少してまいります。また、長年、インフラの整備にかかわった職員から次世代へ継承されるべき技術と経験は、現在の世代で途絶えてしまう危険も潜んでおります。  我々の社会を支えるインフラにかかわる技術職員の確保と次世代への技術の継承についてどのように対処すべきか、御所見をお伺いいたします。 32 ◯副議長(中本隆志君) 土木局長岩佐哲也君。 33 ◯土木局長(岩佐哲也君) 土木技術職員には、公共事業に関する計画立案から監督・検査、維持管理までの一連の建設マネジメントを確実に執行できる能力が必要であり、若手職員も含めました体系的な研修を行い、技術力の向上を図っているところでございます。  また、現場経験の豊富な職員が工事の検査や施工管理を通じて若手職員への現場技術の指導強化を図るとともに、実務経験を有する社会人の採用も行うなど体制の確保に努めているところでございます。  今後とも、これらの取り組みを進めるとともに、課題等の検証を行いまして、技術力の継承と向上を図りながら社会インフラの適正な維持管理・更新に努めてまいります。 34 ◯副議長(中本隆志君) 栗原俊二君。 35 ◯栗原俊二君 人口減少社会においては、社会インフラの問題のほかにも医療福祉分野の技術者や財源の確保は喫緊の課題であり、また、義務教育人口の減少等に係る教育施策の見直しなど、多岐にわたる課題があります。一方で、人口減少社会は悪いことばかりではありません。特に、都市部においては、これまでの人口過密から生じていた問題が自然解消し、住みよい社会に軟着陸していくという側面もあります。  県としては、人口減少社会のもたらす成熟した側面を認識し、新たな行政需要に的確に対応できるような、将来に向けたビジョンを描いておくことが重要であることを指摘いたしまして、この問題についての質問を終わりたいと思います。  次に、先月中旬に閉幕いたしましたひろしま菓子博において議論になった、電動車いすの乗り入れやベビーカーの利用制限に係る問題についてお伺いいたします。  ひろしま菓子博は、二十四日間で目標を上回る八十万七千人の来場者を集め、多くの家族連れなどによるにぎわいが生まれたことは、まずは成功であったと評価できると思います。一方で、大会運営のあり方に大きな課題が投げかけられました。当初、電動車いすの入場を制限していた問題で抗議を受け、方針を変更した後もスタッフの付き添いを原則求めるルールをめぐり、障害者団体等から差別に当たるとの厳しい指摘を受けたところであります。また、パビリオン内でのベビーカー利用を原則禁止した取り扱いに対しても、利用者からの多くの苦情が寄せられたわけであります。  ユニバーサルデザインは、年齢や性別、身体能力、国籍や文化などのさまざまな違いを超えて、すべての人々が社会のあらゆる分野に自由に参加できるようにするためのまちづくりや仕組みづくりをしようという考え方であります。本県は、平成十七年に広島県ユニバーサルデザインイベントマニュアルを策定し、イベントで本県を訪れる人々があらゆる場面で障壁を感じることなく楽しむことができるよう取り組んできたところであります。  お客様に優しいイベント運営とは、安全確保の要請はもちろんのことですが、だれもが参加できて楽しめるという考え方がどこまで徹底されているかで決まってまいります。今回、広島ならではのおもてなしをアピールする場において、結果的にこの考え方が徹底されなかったことは大変残念であります。  広島では、ワールド・ピース・コンサートや瀬戸内しま博覧会など、今後も大きなイベントが予定されております。今回の電動車いす等の乗り入れ規制をめぐる出来事をどう検証しているのか、また、今後のイベント運営に当たり、今回の教訓を生かしてどのように改善を図っていくのか、その決意と具体的な方針について当局の御所見をお伺いいたします。 36 ◯議長(林 正夫君) 経営戦略審議官田邉昌彦君。         【経営戦略審議官田邉昌彦君登壇】 37 ◯経営戦略審議官(田邉昌彦君) 御指摘のユニバーサルデザインを所掌する立場からお答えいたします。  多くの方に参加していただくイベントの開催に当たりましては、だれもが参加し満足していただくものとなるよう配慮することが重要であると認識しております。  今回のひろしま菓子博につきましては、実行委員会において、すべての来場者に安全で安心して楽しんでいただける環境を整えるという基本方針のもとに会場運営を進めることとしていたと伺っております。しかし、電動車いす等の問題につきましては、障害者団体を初め、関係団体の方々と事前に十分なコミュニケーションを図り、さまざまな利用者の視点を踏まえた運営とすべきであり、また、ユニバーサルデザインイベントマニュアルもこうした対応を求めておりますが、この点について配慮が足りなかったものと考えております。  今後、県が行うイベントなどの実施に当たりましては、年齢や性別など人々のさまざまな特性や違いを超えて、すべての人が利用しやすい、こういうユニバーサルデザインの考え方を改めて徹底するとともに、関係団体等と十分な意見交換を行うなど、だれもが快適で満足のいく運営になるよう努めてまいりたいと考えております。 38 ◯副議長(中本隆志君) 栗原俊二君。 39 ◯栗原俊二君 折しも今月十九日、障害を理由とした差別的取り扱いや障害者に必要な配慮や措置を講じないことを禁止する障害者差別解消法が成立いたしました。法律の趣旨に沿って障害の有無によって分け隔てられることなく、すべての人に優しいイベント運営が行われることをお願いいたしまして、次の質問に移りたいと思います。  次に、観光資源の活用についてお尋ねしたいと思います。
     瀬戸内エリアの魅力ある観光資源を生かした大型イベント「瀬戸内しまのわ二〇一四」が、いよいよ来年の春から開催されようとしております。本県の観光振興施策の柱である「瀬戸内 海の道構想」と連動し、瀬戸内の豊かな地域資源を広くアピールすることで、本県の島嶼部及び沿岸部の地域振興に大きな弾みをつけるものと期待しております。  これまでも議論されていますように、この博覧会を一過性のイベントに終わらせることなく、これを契機に国内の観光客が発見・再認識した瀬戸内エリアの観光資源を求め、今後、繰り返しこの地を訪れることを期待できるような仕掛けが求められております。また、その取り組みは、広島・愛媛両県が連携し観光客を誘致する広域的な枠組みの構築につなげるべきものであります。  県としては、瀬戸内しまのわ二〇一四の開催だけでなく、イベント終了後も継続的に地域のにぎわいが創出できるよう取り組むこととされておりますけれども、この瀬戸内しまのわ二〇一四の実施を契機として、今後も瀬戸内エリアに観光客を継続的に誘致する具体策について、どのように考えているのか、当局の御所見をお伺いいたします。 40 ◯副議長(中本隆志君) 知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 41 ◯知事(湯崎英彦君) 来年春から開催の瀬戸内しまのわ二〇一四については、「瀬戸内 海の道構想」の一環として位置づけており、島嶼部を初め、各地域の魅力を全国に発信する絶好の機会であると認識しております。  この瀬戸内しまのわ二〇一四を一過性のイベントに終わらせることのないよう、各地域イベント等の実施主体となる組織づくりや担い手の育成・確保、集客力のある魅力的なプログラムの開発などに取り組んでいるところであり、「瀬戸内 海の道構想」に掲げます七つの戦略テーマの実現に大きく寄与するものとして発展させてまいりたいと考えております。  具体的には、瀬戸内海の島の生活体験とともに、シーカヤックやトレッキングなどを楽しむプログラムや、クルージングと寄港地のマルシェを組み合わせて四季折々の瀬戸内海を広域にめぐるプログラムなどが地域の観光資源として定着・発展できるように、地域住民やNPO等と連携して取り組んでおります。  また、共同開催である愛媛県とは、イベント終了後もサイクリングなどのプロモーションを共同で実施するとともに、水軍など共通のテーマについて広域周遊ルートの開発に継続的に取り組むなど、県境を越えた一体的な売り込みを行ってまいりたいと考えております。  さらに、本年四月、瀬戸内ブランド推進連合を設立したところであり、瀬戸内しまのわ二〇一四で培った広域連携の仕組みや地域の主体的な取り組みについてのノウハウや成果を生かしながら、瀬戸内の魅力を体感できる環境整備や観光プログラムの充実などに取り組むことで、瀬戸内ブランドの確立と瀬戸内エリア全体の誘客促進につなげてまいりたいと考えております。 42 ◯副議長(中本隆志君) 栗原俊二君。 43 ◯栗原俊二君 瀬戸内の多島美を背景とした瀬戸内しまなみ海道サイクリングロードは、今や多くの自転車愛好家を引きつけてやまないサイクリストの聖地として知られております。本県においては、このしまなみ海道の自転車通行料の無料化を、来年の瀬戸内しまのわ二〇一四における瀬戸内しまなみ海道国際サイクリング大会の開催に間に合うように実現していく方針と伺っております。  無料化する場合は、その通行料金分の減収補てんを本四高速に行うことが必要であり、当初は国の負担による無料化を提案してきたところでありますが、現在では、地方も財源を確保した上で無料化に取り組む方針に転換しているところであります。  この新たな財源確保の手段として、自転車メーカー等のスポンサー事業収益や広告関連事業収入などを検討されているとお聞きしておりますけれども、これらの収益事業の運営主体や愛媛県との連携方策の検討など、無料化に向けた今後の取り組みについて当局の御所見をお伺いいたします。 44 ◯副議長(中本隆志君) 土木局長岩佐哲也君。         【土木局長岩佐哲也君登壇】 45 ◯土木局長(岩佐哲也君) しまなみ海道における自転車通行料金の無料化は、ナショナルサイクリングロードの認定やサイクリングロードの整備水準の向上と一体となって、しまなみ海道のブランド化やサイクリストの利便性向上に資するものと考えております。  この無料化につきましては、施策提案などで国へ要望してきたところでございますが、地元負担を伴わない無料化の実現は難しいと考えられることから、その財源や運営主体などについて検討を開始したところでございます。これらの検討の具体化を進めるとともに、無料化の実現に何よりも重要な地元の盛り上がりを図るため、愛媛県を初めとする沿線自治体や地元団体など関係機関と連携し、取り組んでまいります。 46 ◯副議長(中本隆志君) 栗原俊二君。 47 ◯栗原俊二君 ありがとうございました。二〇一二年に県内を訪れた観光客数は、先ほども知事が申し上げられましたけれども、五千八百九十三万人ということで、前年より三百六十一万人ふえて、過去最高を記録したと伺いました。さらに、観光地としてのひろしまブランドの構築を図りまして、県内観光客の拡大に取り組んでいただきますようお願いいたしたいと思います。  続きまして、飲酒運転の取り締まりについて質問させていただきますので、警察本部長、どうかよろしくお願いいたします。 48 ◯副議長(中本隆志君) 警察本部長、答弁待機席へお願いいたします。 49 ◯栗原俊二君(続) それでは、お伺いいたします。飲酒運転の根絶に向けた取り組みは、県民の生命を守る立場にある県として最重要課題の一つであると認識しております。一昨年の五月、安佐南区における飲酒運転死亡事故を一つの契機として、飲酒運転の根絶に向けた懸命な取り組みは今に至るまで継続されておりますが、飲酒運転事故の絶対数は減少しているものの、依然として根絶には至っておりません。先月下旬にも尾道市、広島市において相次いで職員による飲酒事故が摘発されるなど、いつどこで被害者になるかわからないリスクに依然としてさらされていると言えます。  ここで改めて、最近の飲酒運転に起因する事故の状況と、これまでの取り締まりの強化など、取り組み状況についてお伺いいたします。 50 ◯副議長(中本隆志君) 警察本部長井口 斉君。         【警察本部長井口 斉君登壇】 51 ◯警察本部長(井口 斉君) 飲酒運転による交通事故につきましては、平成十四年以降減少傾向にありましたが、平成二十四年は発生件数、死者数ともに前年より増加するなど、下げどまりが懸念される状況にあります。  県警察といたしましては、こうした情勢に危機感を持ち、昨年四月以降、飲酒運転取り締まり月間を設けるなど、取り締まりを強化しているところでございます。  その結果、本年一月から五月末までの累計でございますけれども、飲酒運転の検挙件数は二百五十八件で、前年同期と比べ約一割の増加、飲酒運転による交通事故件数は四十四件で、約三割の減少、死者数につきましても三人で、二人の減少でございます。しかしながら、飲酒運転は、依然として後を絶たない状況であることから、本年六月を飲酒運転特別取り締まり月間に設定し、覆面車両による取り締まりを実施するなど、取り締まりを一層強化しているところでございます。  今後とも、飲酒運転のない安全・安心な交通社会の実現に向け、取り締まりを強力に推進してまいります。 52 ◯副議長(中本隆志君) 栗原俊二君。 53 ◯栗原俊二君 取り締まりを強化すれば、それだけ検挙される者がふえ、飲酒運転は後を絶ちません。このことは、取り締まりの強化が違反者の捕捉に効果はあるものの、違反者そのものを減らす効果には限りがあることを意味しております。法令の厳罰化による再犯抑止力の効果も同様に限界があります。  飲酒運転が繰り返される背景にはアルコール依存症の問題など複雑な背景があり、飲酒運転者個人を罰することをねらう対策では、そこから逃れられると考える人や、更生をあきらめ、罰せられても仕方がないと開き直る人の再犯を防ぎ得ないと考えられております。  飲酒運転違反者は、外からやってくるものではなく、我々の地域の中から社会問題として生まれてくるものであります。その根絶には、我々の地域が飲酒運転者を生み出さないように変わっていく道を探るしかなく、社会問題として取り組む覚悟が試されている課題ではないでしょうか。  その具体的な対策としては、飲酒運転を許さないモラルを地域社会へ浸透させることや、医療機関と連携してアルコール問題へ対処していくことなど、行政、事業者、教育及び医療機関など複数の関係者が連携して取り組むことが必要であります。  そこで、こうした関係者が横断的に連携して取り組むために、県としては具体的にどのような働きかけや仕組みづくりが可能であるか、飲酒運転の根絶に向けた今後の決意と関係者の連携のための施策について当局の御所見をお伺いいたします。 54 ◯副議長(中本隆志君) 環境県民局長中山雅文君。         【環境県民局長中山雅文君登壇】 55 ◯環境県民局長(中山雅文君) 飲酒運転根絶に向けましては、行政、事業者、教育等の関係者によって構成されます広島県交通対策協議会において年間交通安全推進施策の最重点に飲酒運転の根絶を掲げ、年四回実施する交通安全運動などで継続的な取り組みを展開するとともに、飲酒運転根絶宣言店登録事業などの取り組みを積極的に推進しているところでございます。  しかしながら、飲酒運転による交通事故はいまだ後を絶たないことから、県民の間で飲酒運転問題についての関心と理解がさらに深まるよう、アルコールが運転に及ぼす影響などに対する正しい知識の普及・浸透を図ることが不可欠であると考えております。  そのため、保健医療の専門家や有識者等と連携し、広島県交通対策協議会内に飲酒運転問題を協議する場の設置を検討するなど、飲酒運転を許さない社会環境づくりを進めてまいります。 56 ◯副議長(中本隆志君) 栗原俊二君。 57 ◯栗原俊二君 飲酒運転に対する甘い考えが取り返しのつかない悲劇を引き起こし、被害者や遺族の方々の人生を狂わせるばかりでなく、加害者の家族等周囲の人生をも狂わす結果となります。広島県から飲酒運転を一掃するためには、先ほども局長からお話がありましたとおり、行政、それから警察、関係機関及び県民が一丸となって、まさにオール広島で取り組みを強化し、県民意識を変革することが重要であります。  そうした総合的かつ横断的な取り組みを可能にするためには、飲酒運転根絶を目指す条例が必要であると、これが私の主張であります。これ以上、飲酒運転事故による悲劇を繰り返さないためにも、今後とも粘り強く、引き続き条例制定を求めて取り組んでまいりますので、どうかよろしくお願いしたいと思います。  それでは、最後に、核廃絶に向けた取り組みについてお尋ねいたします。  本県は、国際平和拠点ひろしま構想に基づき、核兵器の廃絶と平和な社会の構築に向けて取り組んでいるところであります。我が党は平成二十二年より、被爆七十年目に当たる二〇一五年に被爆地である広島に核兵器保有国の首脳を集め、核兵器廃絶に向けた道筋を開くメッセージを発信する核廃絶サミットの開催を提案してまいりました。知事並びに広島市長も開催意義については賛意を示していただいたところであります。  そして、二〇一五年に開催が予定されている核拡散防止条約──NPT運用検討会議を広島に招致する取り組みの流れの中で、核兵器を持たない十カ国から成る軍縮・不拡散イニシアチブ──NPDIの外相会議が、来年、広島市での開催が決まったことの意義は大きいものと思います。六月十九日にはアメリカのオバマ大統領がベルリンで、さらなる核兵器削減方針を示しました。  こうした流れの中で、再来年、被爆七十年の節目となる二〇一五年に、国際平和拠点たる広島の地で我が党が一貫して主張してきた核廃絶サミットの開催を実現する意義並びに必要性は十二分にあると考えております。また、核保有国の首脳のみならず、G8サミット参加国首脳、国連、非核兵器地帯の代表などが一堂に会する核兵器のない世界のための拡大首脳会合開催という新たな提案もいただいております。それほど七十年の節目は重要な節目だと考え、また、とらえております。  このように、被爆七十年目という節目の年に国際平和拠点である広島から軍縮、核廃絶のメッセージを世界に発信し、広島市とも連携して、平和実現に向けた機運を大きく醸成していくべきだと考えますが、知事の御所見をお伺いします。 58 ◯副議長(中本隆志君) 知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 59 ◯知事(湯崎英彦君) 本県では、国際平和拠点ひろしま構想の実現に向けて、人類史上初の原子爆弾により破壊された地としての核兵器廃絶への信念と、その廃墟から復興した地としての復興への確信と未来への希望という、広島の二つのシンボル性を生かし、核兵器廃絶と復興・平和構築に包括的に取り組んでおります。  核兵器廃絶につきましては、核軍縮等に関する各国の取り組み状況を取りまとめるひろしまレポートの取り組みを引き続き進めるとともに、来月には、東アジア地域の核軍縮・軍備管理に焦点を当てた多国間協議の場としてひろしまラウンドテーブルを開催することとしており、こうした取り組みを通して核兵器廃絶のプロセスの進展を支援してまいります。  また、復興・平和構築につきましては、広島の復興プロセスを教育、保健・医療、都市計画等の各分野にわたって調査研究し取りまとめることや、県内の平和関係の研究・教育機関のネットワークの充実強化などに引き続き取り組んでまいります。  本県といたしましても、こうした取り組みを進める上で、被爆七十年目という節目の年に当たる二〇一五年が持つ意味を重く受けとめております。このため、被爆七十年目という節目の年に向けて、今後、広島市を初めとする関係団体等と連携して取り組みを進めていきたいと考えており、その中で、県としての役割を踏まえ、平和のメッセージをしっかりと世界に発信してまいりたいと考えております。 60 ◯副議長(中本隆志君) 栗原俊二君。 61 ◯栗原俊二君 先ほども触れましたけれども、アメリカのオバマ大統領は、新軍縮構想を打ち出し、戦略核兵器の配備数を現行条約から三分の一減らして一千発程度に落とす交渉をロシアと始める意向を表明いたしました。核廃絶は目指しつつも、核の存在する間は抑止を維持するという従来どおりの方針の枠内ではありますが、核の保有量・役割を減らすことに踏み出したのは重要な前進であります。  核廃絶という問題の本質的な解決のためには、核兵器の保有を容認する思想の根を絶つ以外にありません。民衆の生存権を人質にしてまで国家の安全を図ろうとする核保有の論理は絶対に許すことはできません。その決意を固める場として広島ほどふさわしい場所はありません。  被爆七十年の節目を広島県としてどう迎えるか、早急に検討していただき、核兵器廃絶に向けた広島の思いを全世界が共有する年にしていただきたいことを切に要望いたしまして、時間が参りましたので、質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手) 62 ◯副議長(中本隆志君) この際、暫時休憩いたします。午後の会議は一時から開きます。         午前十一時二十八分休憩              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~         午後一時一分開議 63 ◯議長(林 正夫君) 出席議員五十二名であります。休憩前に引き続き会議を開きます。  引き続いて質問を行います。宮崎康則君。         【宮崎康則君登壇】 64 ◯宮崎康則君 皆さん、こんにちは。自由民主党広島県議会議員団・県民会議、広島市佐伯区の宮崎康則でございます。今次定例会におきまして質問の機会を与えていただき、議長を初め、先輩、同僚議員各位に心から感謝を申し上げます。  早いもので、地域の皆様の温かい御支援で県議会に送り出していただいてから丸二年を過ぎたところであります。任期の折り返し地点を迎え、いま一度、初心を忘れることのないように、また、何事も積み重ねていくことの大切さを再認識しているところであります。  今年度は県政報告会を、地域の方々にお世話をいただきながら、先月から今月にかけて佐伯区内数カ所で開催させていただいております。この報告会で、私のほうから県政に係る身近な事柄の情報提供をさせていただくとともに、地域の皆様からは、地域の課題や県政への期待や苦言など率直な御意見をいただき、私自身も学ばせていただきながら日々研さんに努めているところでございます。  その際、いただいた意見の中には、県で取り組むべき課題のほかに、国政で取り組むべきもの、また、広島市で取り組むべきものなどさまざまなものがございましたが、県で取り組むべき課題はスピーディーに取り組めるよう、国や市で取り組むべき課題であっても県の立場から側面的にサポートできることはないか、国や自治体の間で新たに連携することで地域の課題をスムーズに解決できることはないかなど、改めて検討することも必要ではないかと感じております。本日は、このような思いを抱きながら質問させていただきます。  最初の質問は、中山間地域振興を目的とする条例についてであります。  本年二月定例会におきまして知事から、中山間地域の活力の向上を図るため、中山間地域の課題を県全体の課題としてとらえ、その取り組みの基本的な方向性を示し、県や市町、県民等が協働して取り組んでいくこととする中山間地域振興を目的とする条例の制定に向け検討を行うとの表明があったところであります。  この条例が制定されることにより、中山間地域の振興に当たっての県としての基本方針や中山間地域の定義が明確になるなど、一定の効果が期待されるところであります。ただ、私も、地元での県政報告会において、この条例制定に向けた動きを伝えているところではありますが、出席者からは、この条例ができることにより何がどのように変わっていくのかという意見が聞かれるなど、この条例が制定されることで中山間地域の住民に何らかの効果が実感できるようになるのか、いま一つ伝えにくい状況にあると感じております。  この条例を制定することは、中山間地域の振興に向けた第一歩であることに違いはなく、大いに評価するところではありますが、骨子案では機運づくりなど、理念、観念的なことが目立つのであります。この条例に期待を寄せる私としましては、県民、とりわけ中山間地域に暮らす住民にわかりやすい条例であるとともに、単にあるべき姿を示すだけでなく、人材や財政面で支援する仕組みづくりなどを行うことが重要であり、これにより中山間地域に暮らす住民の皆さんが安心して生活ができ、将来に希望の持てる地域を実現するための条例を目指してほしいと考えております。  この条例が制定されることによって、中山間地域に暮らしている人々が、これまでと比べ、どのようなよりよい効果が得られ、実感できるようになることを目指そうとされているのか、知事の御所見をお伺いいたします。  次に、条例制定に伴う県による財政支援についてお伺いいたします。  現在、過疎地域に指定された市町に対しては、過疎地域自立促進特別措置法に基づき、事業に対する地方債の特例措置や国庫補助率のかさ上げ、減価償却の特例等の税制優遇措置などが行われているところであります。  また、法に基づく支援のほか、県におきましては、過疎地域の根本的な課題解決に向けた市町の意欲的な取り組みを通じ、魅力ある豊かな地域づくりを推進する過疎地域の未来創造支援事業などにより、過疎地域への独自の支援措置に取り組まれているところであります。  地域活性化に向け一番大事なことは、行政に頼り切るのではなく、地域住民の自立心をいかに促すかということにありますが、現在の自立心を促す方策のみでは地域の活力を取り戻せないため、このたびの条例制定の動きになっているのではないかと思っています。  このたび、中山間地域振興を目的とする条例が制定されるということで、他県においても条例で定められているように、中山間地域の振興に向けた支援の中でも、特に財政措置について今まで以上のものが講じられることが期待されるところですが、この条例制定後、中山間地域に対して本県独自でのどのような財政支援を考えているのか、その検討状況についてお伺いいたします。  質問の第二は、県産材の安定供給における成果と課題についてであります。  平成二十二年に県が策定した二〇二〇広島県農林水産業チャレンジプランでは、林業分野における生産から流通、加工、販売までの総合的な施策を展開することにより、県産材の安定供給と利用拡大による持続的な林業の確立を目指すこととされております。  このプランにおける主要な目標の一つとして、県産材の素材生産量を平成二十一年度の年間六・九万立方メートルから平成三十二年度において年間四十万立方メートル、そのうち小規模な森林を一定のまとまりある団地としてとらえ、木材生産の低コスト化を図る低コスト林業団地における生産量を三・二万立方メートルから二十万立方メートルへ六倍強と大幅に拡大させることを掲げており、これにより地域雇用の創出や中山間地域の活性化につながっていくことを期待しております。  県内の林業関係者を取り巻く経営環境は、長期にわたる木材価格の低迷により依然として厳しい状況でありますが、生産量の安定的な確保と一層の生産の効率化への支援により、目標をぜひ実現していただきたいと思っております。  しかしながら、地域の実情により取り組みのスピードが異なるのは仕方のないことかもしれませんが、佐伯区湯来町においては、杉、ヒノキの人工林は森林面積の五割近くを占め、その割合は県の中でも極めて高い地域であるものの、低コスト林業団地の面積は、杉、ヒノキの人工林の面積の一割ほどにしかすぎないなど、地域の資源を活用した木材生産への取り組みがおくれております。  また、低コスト林業団地を整備する際につくられる作業道について、県の東部地域では比較的なだらかな山が多いため、順調に整備が進んでいるようでありますが、逆に、西部地域では急峻な山が多いため設置が難しいという状況もあるようです。  このようなことも木材の生産量が伸びないことに影響しているのではないかと思っており、同様の状況は、佐伯区のみならず県内のほかの地域においても、まだまだあるのではないかと考えられます。  長い年月をかけて育ててきた杉、ヒノキの人工林が利用されない地域があることは非常に残念であり、プランに掲げる県産材の安定供給と利用拡大による持続的な林業の確立の実現にも影響が出てくることを懸念しております。  そこで、二〇二〇広島県農林水産業チャレンジプランが策定され二年が過ぎたところでありますが、木材生産に関するこれまでの成果とともに、木材生産量の増加に結びつかない地域の現状をどう認識し、今後どのように取り組んでいこうとされているのか、お伺いいたします。  質問の第三は、安全・安心なまちづくりについてであります。  本年九月二日、待ちに待った佐伯警察署が開署する運びとなりました。約九年間、議会の中でも実に多くの関係各位の皆様から御支援、御協力があり、このたびやっと開署を迎えることができます。ここに至るまでの知事を初め、多くの皆様の御尽力や御労苦に対し、心から敬意を表するとともに感謝を申し上げる次第であります。  これにより、九月から佐伯区と西区は一行政区一警察署となり、さらには、広島東警察署の東区への移転が実現の運びとなるなど、いよいよ広島市全域での一行政区一警察署体制の実現にめどが立ったところであります。  しかしながら、警察署の着実な整備の一方で、交番・駐在所の整備について、先日、気になる記事を見かけました。「交番・駐在所の在り方検討」という内容の記事で、平成二十九年度末に耐用年数を超える交番・駐在所は県内で二百九十六カ所中百十カ所が該当し、このままでは、施設の老朽化で統廃合を進めないといけないというショッキングなものでありました。特に広島県は、他県と比較しても建てかえが進んでいない状況と言えます。  交番制度は、一部の外国でも導入が進められており、日本の治安を評価する上で世界に誇る制度の一つであります。住民に身近な交番・駐在所が統廃合されることは、全国に先駆けて推進してきた「減らそう犯罪」県民総ぐるみ運動の成果が出ている中で看過できない課題であると認識しております。  「なくそう犯罪」ひろしま新アクション・プランで掲げる県民が日本一安全で安心して暮らせる広島県を実現するためにも、現在の治安体制を確保することが重要であると考えますが、統廃合を踏まえた交番・駐在所の整備方針について警察本部長の御所見をお伺いいたします。  質問の第四は、若年犯罪者の再犯防止に向けた支援に関して、二点お伺いいたします。  まず一つ目は、広島県子ども・若者支援協議会の連携強化についてであります。  平成二十四年版の犯罪白書によりますと、全国における一般刑法犯検挙人員に占める再犯者の割合は四三・八%で、平成九年以降、一貫して上昇し続けております。また、本県におきましては、平成二十三年の刑法犯は七千二百一人、このうち再犯者は三千三百六十九人で、刑法犯全体の四六・八%を占めております。さらには、刑法犯のうち少年は二千百七十二人で、この中で再度非行を行った少年は七百三十三人と、刑法犯少年全体の三三・七%を占めており、過去五年間、全国平均を上回る状態が続いております。  言うまでもありませんが、非行少年や若年犯罪者が再び罪を犯してしまうことは、安全・安心な犯罪の起こらない社会を目指す本県にとっても決して望ましい状況ではありません。このため、犯罪や非行を防止し、非行少年や若年犯罪者の立ち直りを助けるためには、地域社会での理解と協力や関係機関・団体の連携が不可欠であります。  地域において少年の立ち直りの中核となり最前線に立っている保護司は非常勤の国家公務員であり、その活動は国の仕事として行われているため、地方自治体との連携が十分ではなく、地域の支援リソースを十分に活用できていなかったのではないかと思います。県内では例年、法務局、保護観察所等の関係機関や団体が連携して、社会を明るくする運動を展開し、犯罪や非行のない地域社会を築くことができるよう機運醸成を図っております。
     本県におきましては、すべての子供や若者の育成支援を社会全体で総合的に推進するため、昨年三月、広島県子ども・若者計画が策定されており、本年三月には、この計画に基づく支援を効果的かつ円滑に実施するための組織である広島県子ども・若者支援協議会が設置されたところであります。  そこで、質問の一点目ですが、広島県子ども・若者計画に掲げる非行少年の取り組みを着実に進めるために、このたび設置された広島県子ども・若者支援協議会などの体制を通じて、県は関係機関とどのように連携を強化し、立ち直り支援に結びつけていこうとされているのか、お伺いいたします。  次に、若年犯罪者に対する生活支援を通じた再犯防止策についてお伺いいたします。  先ほど触れましたとおり、再犯率は全国的にも上昇傾向にあり、本県においても全国平均を上回る状況が続いていることから、このような状況に疑問を感じた私は、とある改善更生に詳しい専門家の方に、非行少年を含む若年犯罪者の社会復帰の状況についてお伺いしました。  当たり前のことではありますが、再犯を防止するには、一義的には若年犯罪者がみずからの罪を真摯に反省し、償い、そして更生を決意することが必要不可欠であり、このことから、国が設置する刑務所や少年院などにおいて矯正のための処遇や教育が行われているところであります。  しかし、その一方で、矯正を終えた者が保護観察期間を経ながら社会復帰しようとしても、その非行歴、犯罪歴のため、血縁者や知人とは疎遠になり、自立に必要な仕事を得ることすら困難な状態となり、居場所もないため、結局、再犯せざるを得ない状態に追い込まれているのが現実であります。  先月二十八日に開催された、知事が委員長を務める、社会を明るくする運動の広島県推進委員会では、罪を犯した人が更生できる地域社会にしていくため、就職先や住居の確保を最優先の課題とし、重点的に推進することが申し合わされたと伺っております。  就職先に関しましては、先月、法務省では中央省庁で初めて保護観察中の少年一人を非常勤職員として雇用するほか、他県の市町でも同様な取り組みが行われるなど、行政がみずから就労支援を行うことで民間企業などの受け入れ先を広げることをねらった取り組みを進められています。住居につきましても、更生保護施設や自立準備ホームなどの施設はあるものの、短期間での入所であり、円滑な社会復帰を果たすためには、その後の住居の確保に対する何らかの支援も必要ではないかと考えます。  犯罪や非行からの立ち直りについて、国での支援施策では十分ではない現状にあるため、県においても機運醸成のみにとどまることなく、県民の福祉向上につながるものとして積極的に取り組むべきことがあるのではないかと考えます。犯罪や非行が生まれるのは地域社会であり、また、罪を償い改善更生を果たす場もまた、地域社会にほかなりません。  そこで、罪を犯した人が更生できる地域社会に向け、就職先や住居の確保を通じた再犯防止に向けた若年犯罪者の生活支援について、その必要性についてどのように認識され、今後どのような方向で取り組まれようとしているのか、お伺いいたします。  質問の第五は、海外からの大型クルーズ船の誘致についてであります。  昨年末の安倍内閣への政権交代以降、いわゆるアベノミクス効果により、半年前に比べ株価水準の上昇とともに為替相場は円安傾向に振れており、これに伴う地域経済への波及効果の一つとして外国人観光客の増加が期待されるところであります。  県では、今年度、瀬戸内海クルージング促進事業により、県内に大型クルーズ船が停泊できるよう広島港五日市岸壁の改修が行われます。大型クルーズ船の来航は一千人単位での宿泊客を抱える高級ホテルがあらわれるようなものと称されており、その滞在は半日程度ではありますが、寄港一回の経済効果は、乗船者の人数や国籍、年齢層により違いはあるものの、数千万円に及ぶこともあるようです。  五日市岸壁は、世界遺産である厳島神社や原爆ドームなどへのアクセスのよさから効率的に観光スポットを回ることができるという利点もあり、我が地元の佐伯区においても、地域の活性化につながると期待の声が高まりつつあります。海外からの大型クルーズ船の誘致は、一過性ではない継続的な取り組みを推進していくことで持続的な地域経済の活性化につながるものと考えております。  加えて、現在、クルーズ船が来航している宇品岸壁でも、県や市、NPO団体などの関係機関が連携し、おもてなしによる受け入れ体制を構築されていると思います。このように、国際的な観光地としての魅力発信を行うことは大変重要であり、今回整備を行う五日市岸壁においても、地元の団体や県などの関係機関が連携し、受け入れ体制を協議する場を早い時期から設ける必要があると考えています。  そこで、五日市岸壁への海外からの大型クルーズ船の誘致について、現時点でどのように計画し、取り組もうとされているのか、また、大型クルーズ船が来航した際の受け入れ体制の立ち上げについて、関係機関とどのように事前の協議を進めようとされているのか、お伺いいたします。  次に、他県との連携によるポートセールスについてお伺いいたします。  国土交通省が調査した、昨年、我が国の港湾に寄港したクルーズ船の港湾別寄港回数では、横浜港が百四十二回で第一位となり、次いで博多港が百十二回で第二位、神戸港が百十回で第三位となっており、本県の広島港は二十四回で第十三位という状況でした。ここ数年、寄港回数は下降ぎみであり、今後の県の取り組みには期待を寄せているところであります。  博多港は、海外からのクルーズ船の寄港が大幅にふえたことにより、一昨年から二倍以上の寄港となったものでありますが、福岡県においては、長崎県や佐賀県、山口県の各県と釜山広域市等で構成する日韓海峡沿岸観光交流会議を活用し、主に中小型のクルーズ船を呼び込むよう取り組んでいると伺っております。  本県におきましても、本年四月、兵庫県など瀬戸内七県で構成する瀬戸内ブランド推進連合が設立され、多島美を生かした国内外へのプロモーションや観光プログラムの開発などに取り組むこととされております。例えば、クルーズ船のポートセールスについて、全国第三位の神戸港とタッグを組んで誘致に取り組めば、広島を訪れるクルーズ船もますます増加するのではないかと思うのであります。  そこで、クルーズ船の誘致を促進するため、瀬戸内海を中心とする他県との連携を積極的に推進する必要があると考えますが、御所見をお伺いいたします。  最後の質問は、広島都市圏における医療提供体制の強化について、二点お伺いいたします。  一点目は、若手医師の確保についてであります。  医療は県民生活を支える重要なインフラでありますが、このインフラの中核である医師の動向について気になる統計があります。厚生労働省の調査によりますと、平成十四年から平成二十二年の八年間で病院に勤務する医師が全国で約二万二千人、本県でも二百八十五人ふえておりますが、これを年代別に見ると、二十歳代、三十歳代の若手医師が、全国で一千六百七十三人の増加に対し、本県では二百三十四人減少しており、増減数では全国で下から三番目となっております。お隣の岡山県では七十一人、静岡県でも四十七人増加しているのに比べますと、本県が減少していることは際立っております。政令市で比較しても、岡山市が九十二人、静岡市が百八十三人の増加であるのに対して、広島市では二十八人の減少となっております。  また、本県における初期臨床研修医の採用数でも、平成十五年には百八十一人であったのが、臨床病院を自由に選べるようになった平成十六年以降は四分の一近く減少し、百三十人前後まで落ち込んでおります。厚生労働省が実施した臨床研修医に対するアンケート調査では、研修病院を選んだ理由として、多くの症例を経験できる、あるいはさまざまな診療科や部門でバランスよく経験を積めるという理由が上位を占めておりますが、このような若手医師にとっての魅力の少なさが本県の医師の減少につながっている可能性も否定できません。魅力ある臨床研修プログラムづくりは病院で取り組むべき課題ではありますが、将来の広島の医療を背負って立つ若手医師の減少は、県としても看過できる問題ではないと思います。  そこで、県においては若手医師の減少の理由をどのように分析し、今後どのように対応していかれるのか、お伺いいたします。  続いて、医療需要の見込みと医療提供体制の効率化についてお伺いいたします。  本県においては、とりわけ中山間地域において弱体化しつつある地域医療に対応するため、広島大学医学部へのふるさと枠の創設や県北への移動診療車の配備など、さまざまな対策に取り組んでおられますが、私は、今後の高齢化を考えると、中長期的には都市部においても危機的状況が訪れるのではないかと大変心配しております。  都市部においても、今後、中山間地域におくれて高齢化が急速に進んでまいります。広島市内の高齢者人口は、現在、約二十五万人ですが、平成三十七年には三十三万人と、約八万人の増加が見込まれております。入院患者の約七割は高齢者であると聞いておりますので、高齢者の増加は入院患者の増加にもつながるわけであります。現在、広島市中心部でベッド数が五百床を超える基幹病院は、広島大学病院、広島市民病院、県立広島病院、そして広島赤十字・原爆病院があり、私の地元、佐伯区からもこうした基幹病院に多くの方が通院・入院しておられますが、病床利用率が既に九〇%前後にまで達しております。病床数をふやすことは、医療費抑制、健全財政の観点から、なかなか容易ではありませんが、手術や入院に何日も待たされるような事態は命にかかわる問題であり、断じてあってはならないことです。  さらに、再生医療や予防医療、患者に負担の少ない治療技術など、医療の高度化を進めていく必要もありますが、厳しい経営環境にある公立病院が個々に対応していけるのか、懸念されるところであります。間近に迫ったこうした危機に対して先手を打っておく必要があると思います。県立広島病院を初めとする四つの基幹病院が連携を密にして、人材や医療機器などの医療資源を効率的に活用することによって、この難局を乗り切ることも検討に値すると考えられます。  県においては、広島市内における今後の医療需要の見込みと医療提供体制の課題をどのように認識し、今後、医療機能の強化に向けてどのように対応していかれるのか、佐々木健康福祉局長が描く将来の広島の医療はどのような絵姿なのか、率直な思いをお伺いいたします。  私の質問は以上でありますが、これからも地域の皆様の思いにこたえられるよう、二元代表制のもと、区民・県民の代弁者としてその職責を果たしていくとともに、地域の課題を共有し、ともに歩んでいく県議会議員となるべく、不断の努力を積み重ねてまいることをこの場でお誓いを申し上げまして、私の質問を終わります。御清聴、まことにありがとうございました。(拍手) 65 ◯議長(林 正夫君) 当局の答弁を求めます。知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 66 ◯知事(湯崎英彦君) まず、中山間地域振興を目的とする条例による地域住民への効果についての御質問でございます。  本県の中山間地域は、人口の著しい減少や少子・高齢化の進行、基幹産業である農林水産業の低迷や医師不足、生活交通の縮小など、多くの課題を有しているところでございます。こうした中、中山間地域が将来に向けて活力を維持し、安心して暮らすことのできる地域であるためには、産業の活性化による就業の場の創出や日常生活を支える生活機能の確保などを図ることが重要であると考えております。  このため、仮称でございますが、中山間地域振興基本条例に、市町との協議の場を設置することを定めることにより、住民の皆様の御意見を反映したきめ細かな施策を実施してまいりたいと考えております。県といたしましては、条例に基づく取り組みにより地域の特性が十分に発揮され、中山間地域に暮らす県民の皆様が将来に向かって明るい希望を持ち、豊かさを心から実感いただけるような地域の実現を目指してまいりたいと考えております。  次に、中山間地域振興を目的とする条例に伴う県の財政支援についての御質問でございます。  現在、検討を進めております、仮称、中山間地域振興基本条例においては、豊かで持続可能な中山間地域の実現を目指して、県民による自主的かつ主体的な地域づくりの促進、産業の振興による雇用機会の創出などの促進、また、交流及び連携による地域づくり、日常生活を支える機能の確保などによる定住環境の整備を基本方針とした中山間地域の振興に関する総合的な計画を策定していきたいと考えております。  具体的な振興計画の策定に当たりましては、こうした四つの基本方針に基づき、庁内各局及び市町などの施策を取りまとめることとしており、この中で、市町の実施する施策や県民の主体的な取り組みに対する支援策についても十分検討し、計画に盛り込んでまいります。その上で、計画の実施に必要な財政措置を講じることについて条例に盛り込むよう検討しているところでございます。  次に、海外からの大型クルーズ船の来航に向けた計画的な取り組みについての御質問でございます。  世界に類を見ない瀬戸内海の景観を国内外の皆様に体感していただくことのできるクルーズ船の誘致は、港湾の振興のみならず、広く瀬戸内海に面する地域の観光や経済の活性化に資するものと認識しております。近年、クルーズ船の大型化が進んでおり、本県でも十一万トン級までの大型クルーズ船の寄港が可能となるように、今年度、五日市岸壁を改良したいと考えております。  現在、大型クルーズ船の誘致に向けて、海外のクルーズ船運航会社の日本代理店等に対して積極的な働きかけを行っているところであり、今後、機会をとらえて海外の本社を訪問するなどによって寄港の実現を図ってまいりたいと考えます。  また、海外クルーズ船寄港時の受け入れ体制については、他県や現在の宇品地区の取り組み状況を踏まえて、広島市や地元商工会等とも連携して、官民一体となった、よりよいおもてなしができるように取り組んでまいります。  他県との連携によるポートセールスについての御質問でございます。  「瀬戸内 海の道構想」の実現には、瀬戸内海に面する地域が一体となって活性化に向けた活動を行うことが必要であり、その取り組みの一つでありますクルーズ船の誘致における連携も極めて重要であると認識しております。  本県では、平成十九年に岡山県や神戸市等三県四市により立ち上げましたクルーズせとうちを初めとするさまざまな組織を通じて、クルーズ船に関する情報交換や誘致活動を連携して実施しているところであります。  また、ことし四月に瀬戸内七県で設立いたしました瀬戸内ブランド推進連合におきましても、瀬戸内各県の寄港地の魅力づくりと国内外へのプロモーションを行い、クルーズ船も含む瀬戸内を訪れる観光客の集客に努めてまいります。  今後とも、これらの取り組みを通じて、関係する県・市等と連携しながら瀬戸内ブランドの確立を図るとともに、世界有数の内海である瀬戸内海へのより多くのクルーズ船の誘致を進めてまいります。  その他の御質問につきましては、担当説明員より答弁させていただきます。 67 ◯議長(林 正夫君) 農林水産局長寳来伸夫君。         【農林水産局長寳来伸夫君登壇】 68 ◯農林水産局長(寳来伸夫君) 県産材の安定供給における成果と課題についてお答えいたします。  木材生産につきましては、作業道の整備や高性能林業機械の導入など、低コスト林業団地を中心とした効率化に取り組んでいるところであり、平成二十四年度における杉・ヒノキの生産量は約二十万立方メートルとなり、チャレンジプランの年次目標を達成したところでございます。  しかしながら、地形などの自然条件や民間事業体の生産能力などから、地域によって生産量にばらつきがあるものと考えております。とりわけ、県北西部の一部におきましては、地形が急峻で作業道の整備が困難であるため、地形に応じた搬出技術が必要となりますが、その技術の普及が進んでいないことから、他の地域に比べて木材生産が進んでいない状況でございます。  このため、県といたしましては、地域の特徴に合わせた施業を提案できるプランナーの育成、急峻な地形に対応した高性能林業機械の導入や搬出技術者の育成など、地域の実情に合った木材生産体制の構築を進めていくことにより、県内全域において持続的な林業の確立を図ってまいりたいと考えております。 69 ◯議長(林 正夫君) 環境県民局長中山雅文君。         【環境県民局長中山雅文君登壇】 70 ◯環境県民局長(中山雅文君) 若年犯罪者の再犯防止に向けた支援について二点、御答弁させていただきます。  まず一点目は、広島県子ども・若者支援協議会の連携強化についてでございます。  広島県子ども・若者支援協議会につきましては、不登校、ひきこもり、ニート、非行等、社会生活を円滑に営む上での困難を有する子供・若者に対し、切れ目なく適切に組み合わせた支援を円滑に行うために本年三月に設置し、課題解決に向けた情報共有、相互連携等を進めており、既に要支援者に相談機関等の情報を提供する支援機関マップを作成するなどの取り組みを行っております。  非行少年の立ち直り支援は、従来から保護観察所などの国の関係機関が中心となって取り組まれているほか、警察などの機関が少年サポートチームを編成し、専門知識を生かした支援活動などを行っているところでございます。  本県といたしましては、広島県子ども・若者支援協議会を通じて、構成員である市町、保護観察所などの国の関係機関及び非行に関して支援を行っているNPO法人等との連携を深め、より効果的な立ち直り支援の取り組みが進むよう努めてまいります。  二点目は、若年犯罪者に対する生活支援を通じた再犯防止策についてでございます。  若年犯罪者の再犯防止に向けた支援につきましては、就労・学習支援、居場所づくりを通じて自立や立ち直りを図ることが大変重要であると認識しております。  このため、官公庁や産業界、青少年関係団体など百十九の関係機関・団体から成る社会を明るくする運動広島県推進委員会において、犯罪や非行の防止と罪を犯した人たちの改善・更生について理解を深めるための活動が行われているところでございます。  しかしながら、これまでの活動は、犯罪や非行のない地域社会を築こうとする機運醸成を図るための啓発活動が中心であったため、より実効性のある運動としていく必要が高まっております。  こうしたことから、社会を明るくする運動広島県推進委員会では、立ち直りを支える取り組みについての協力の拡大、就労・住宅等の生活基盤づくりにつながる取り組みの推進を重点事項として具体的な取り組みを進めようとされており、本県といたしましては、こうした取り組みが進むよう、事務局である広島保護観察所に働きかけてまいりたいと考えております。 71 ◯議長(林 正夫君) 健康福祉局長佐々木昌弘君。         【健康福祉局長佐々木昌弘君登壇】 72 ◯健康福祉局長(佐々木昌弘君) 医療に関して二点、お答えいたします。  まず、若手医師の確保についてお答えします。  本県における若手医師の減少につきましては、平成十六年度に導入された初期臨床研修制度を契機としていることから、その分析を行ったところ、広島大学医学部卒業生の本県定着率は全国二位の約七〇%と比較的高いことから、県外から転入してくる医師の著しい減少が大きな要因と推測しており、各年代に応じた個別の対策が必要となります。  まずは、医学部に進学する高校生に対しては、県内の高校、これは広島市が多いわけですが、その協力を得てふるさとドクターネット広島への登録制度を今年度新たに立ち上げて、より早い段階でのアプローチを図ってまいります。  次に、医学生に対しては、全国の臨床研修病院による合同説明会等において実施しているアンケート調査などをもとに、具体的な初期臨床研修へのニーズを把握して臨床研修病院の魅力を効果的に広報するなど、一層の情報戦略を図ってまいります。  さらに、医師になってから一年目、二年目の初期臨床研修医に対しては、三年目以降の後期臨床研修等に向けた意向調査を今年度新たに実施し、その結果を広島大学病院や医療機関等に提供することにより自主的な取り組みを促してまいります。  最後に、臨床研修終了後の医師に対しては、ふるさとドクターネット広島への登録を促進し、具体的な広島で働く条件が見合うよう、地域の各医療機関や市町との橋渡しに県がなるとともに、関係者や住民を巻き込んで地域医療を支える組織づくりに取り組むなど、働きやすい環境づくりに努めてまいります。  次に、医療需要の見込みと医療提供体制の効率化についてお答えいたします。  高齢化の急速な進展に伴い、今後約二十年間で広島市内の入院医療需要は約四割増加、高齢化率も二〇%から三〇%に上昇すると見込まれることから、広島市中心部の四つの基幹病院を中心とする病院群の効率化、医師の安定的な確保に向けた若手医師を引きつける魅力づくり、在宅での療養を含めた予防から介護・福祉までつながる広島版地域包括ケア体制の構築、さらには、住民との意思疎通を促進する仕組みづくりといった課題を解決する必要がございます。  これらを解決するために、三つの医療資源、つまり医師等の人材、場所や動線の要因も含めた医療機関、投資の視点も含めた高額医療機器といった医療資源について配置調整を行うことにより、住民が受けられる治療の選択肢や機会をふやし、若手医師を引きつける魅力ある医療現場をつくり上げることを目指してまいります。端的に申しますと、広島都市圏の医療の質や魅力を引き上げることにより県外から医師を引きつけるとともに、県内各地で医師がバランスよい地域包括ケアの中心人物として育っていくシステムづくりを目指していきたいと考えています。  また、医療だけではなく、検診や介護などの関連分野を含めた情報化に関するルールやシステムづくりを医療提供側だけではなく保険者や市町等と一体的かつ集中的に推進することにより、住民一人一人が状況に応じた判断や行動をすることが可能になり、さらに、医師もまた最適な治療を行うことが可能となることを目指してまいります。  このような医療資源の適正配置による新たな魅力づくりとガバナンスや体制構築、そして予防から医療、介護まで横ぐしを刺す情報化が完成すれば、広島都市圏医療が生み出す先端性と融合した広島版地域包括ケアシステムが実現でき、さらに人材育成や医工連携とも有機的に発展・展開することにより、超高齢社会のリーディングモデルとして世界に発信することができると考えております。このことを実現させるために、ビジョンを明確にし推進していく強いリーダーシップを持った人物を中心に幅広い分野から成るサポート体制を構築することが必要になります。  もとより、これまで述べた医師確保や地域医療や在宅医療は、国から言われたから検討するのではなく、我々広島県民がみずから問題意識を持ち、解決策を考え抜き、具体的に取り組んでいかなければなりません。私は、それを実現できる素地が広島にはあると信じておりますし、広島の総力を結集すれば、それは必ず実現できるものとして、県は、今後、主体的に取り組んでまいります。 73 ◯議長(林 正夫君) 警察本部長井口 斉君。         【警察本部長井口 斉君登壇】 74 ◯警察本部長(井口 斉君) 交番・駐在所の整備方針についての御質問にお答えいたします。  県警察では本年四月一日現在、交番百五十四、駐在所百四十二、合計二百九十六施設を管理運用いたしておりますが、最近五年間の建てかえは、毎年度ゼロないし二施設となっております。一方で、耐用年数を超えているものは本年四月一日現在で五十施設あり、今後、このまま五年間が経過すると仮定した場合、その数は百十二施設に上るという状況にございます。  もちろん、最近はリフォームによって、毎年度、延命措置も講じておりますが、特に駐在所につきましては、居住環境の悪化による家族の帯同率低下も危惧されるところであります。  県警察といたしましては、現有の交番・駐在所は警察活動の拠点であり、県民の皆様の安全・安心のよりどころとなる施設でありますので、引き続き、維持・存続を図ってまいりたいと考えております。したがいまして、今後とも交番・駐在所の着実な整備に取り組んでまいります。 75 ◯議長(林 正夫君) 引き続いて質問を行います。沖井 純君。         【沖井 純君登壇】 76 ◯沖井 純君 皆さん、こんにちは。自由民主党広島県議会議員団・県民会議の沖井 純でございます。今次定例会最終となる質問の機会を与えていただき、議長を初め、同僚議員各位に心より感謝申し上げます。  さて、湯崎知事は、昨日、二期目に向け出馬の意思を表明されました。今後、さらに県政の充実及び県民福祉の向上を図られますことを大いに期待申し上げます。  それでは、住民の視点に立った具体的な議論が展開されるように志し、質問に入らせていただきます。  質問の第一は、中山間地域振興を目的とする条例についてであります。  近年、議会において中山間地域振興を目的とする条例の制定を求める機運が高まっておりましたが、それに呼応し、このたび、執行部提案の形で制定に向けた検討が進められており、先般、その骨子案が示されたところであります。  骨子案では、中山間地域の価値や取り組みの決意について述べ、市町との協議を確保した上での推進体制とし、県に財政上の措置を義務づけるなどとされておりますが、今後は、以下の点に留意し条文化及び運用に臨む必要があるのではないかと思われます。  まず、条例に広島県の中山間地域の振興を図るということを明らかにするという点であります。骨子案では中山間地域の現状について盛り込むとされていますが、参加主体である県民へのメッセージを強めるため、山間部はもとより島嶼部もあり、多様な地勢に富む、あるいは、集落の小規模・高齢化が進むなど、広島県に特有の性格を具体的に指摘する必要があると思います。それにより地域の実情に即した施策を図るという方向性が明らかになり、広島県の中山間地域の振興に向けた条例としての意志が県民に向けて強く発信されると私は考えるのであります。  次に、留意すべき点は、条例を理念の表明にとどめることなく、実効性あるものにするということであり、この点においては、鳥取県の取り組みは参考になるのではないかと思われます。鳥取県では、年度ごとに条例に基づいた行動指針を設定することで目標管理し、また、予算を施策項目別に整理・公表することで財政運営を図り、さらに、制定三年後には、これまでの成果を検証した上で必要な改正を行うなど、条例を生きたものにしていこうという工夫がうかがわれます。  特に重要なのは、推進体制を機能的なものにするということであり、現場をくまなく知る市町職員やアイデアのある住民など実践的なメンバーを選定し、現状や課題を協議し、財源の捻出を適宜図りつつ、施策をきめ細かく講じていく体制にすべきであります。
     何よりも我々が認識しておかなければならないのは、中山間地域は、水・食料・エネルギーの供給、田園風景や安らぎの空間の創出、さらには伝統文化の継承をしており、その存続が、自立し、ぬくもりのある国家の未来を形成するということであります。  そこで、山、島、都市部、あらゆる地勢が盛り込まれ、全国の縮図と言われる広島県として、中山間地域振興を県民全体で取り組んでいくべきであると考えますが、今後、条文化する上で、どのような配慮を加えていこうとされているのか、また、条例の実効性をどのように担保していくのか、さらに、地域の実情に即したきめ細かい施策をどのように推進していこうと考えておられるのかについて、知事にお伺いします。  質問の第二は、住民視点に立った道州制の検討についてであります。  自由民主党から示された道州制基本法案の骨子案に対し、知事会や町村会で反対論や検討を求める意見が出されるなど、道州制議論が再び活発になってきた感があります。  確かに、市町村合併により基礎自治体が拡大したのに伴い、道州制を導入し広域自治体の拡大を図るか否かは検討すべき課題であります。しかし、国と地方の未来を左右する問題であるにもかかわらず、地方自治の主役たる一般住民の関心は高いとは言えません。私は、その原因に、道州制論の多くが、真に住民の幸福増進につながるかどうかの視点が不足し、現実の把握や具体的な検討に乏しいためではないかと思うのであります。  例えば、道州制推進論の多くは、今は中央集権から地方分権の時代だという論調を基本としていますが、これは必ずしも現実を正確にとらえていない感があります。グローバル化の流れの中、TPP問題や日銀介入に見られるように、中央政府の外交や金融政策が地方に決定的な影響を及ぼす時代を迎えており、むしろイニシアチブがあるのは中央政府であるのは否定できません。  また、真に必要な機能のみを国家に残し、あとは地方でなどというフレーズもよく耳にしますが、とりわけ広いエリアに及ぶ災害の復旧や対策などにおいては、二者択一で割り切れるものではなく、国家あっての地方、地方あっての国家という観点で役割を有機的にとらえてみることが必要だと思われます。  また、道州制になれば地域ブロック間競争により多様な発展がなされるとよくうたわれておりますが、格差は、むしろ拡大するのではないかという懸念が残ります。首都圏のように雇用基盤に恵まれ、人材が集積しやすい地域ばかりがさらに栄え、他の圏域はより衰える可能性があり、これは、プロ野球において、自由競争制度の導入により強いチーム、弱いチームが固定してしまったリーグを念頭に置いてみればわかることであります。  次に、人工的に形成した道州ブロックで地域づくりに不可欠な住民一体感が生まれるのかという大きな問題があります。自治体としての住民一体感が生まれるためには、適正な規模に加え、歴史的なつながりがあることが望ましく、例えば、イタリアの州は平均して岩手県ほどの広さであり、かつての王国や公国を基礎としております。なお、州の手本としてよくイメージされるアメリカの広大な州は、実は連邦制の中でのものであり、歴史的にはそれ自体が独立国のような存在であります。  さらに、道州制で行財政コストの削減が図られると言われるものの、現在の都道府県制度のもとでは、やっていけないほどの逼迫した地方財政状況であるのかという問いにも答えていかなければならないと思います。  先日、東京で開催された「見果てぬ夢か道州制」と題されたシンポジウムに参加したところ、市町村合併推進のブレーンである有識者が、住民サイドから見れば、今の段階で道州制へ移行する必然性はないと述べておられました。県は、従来より道州制の導入もしくはそれに類する広域自治体の編成については前向きな姿勢のようでありますが、これは我が国の統治構造の根本改革を迫ることにほかなりません。  そこで、県民のコンセンサスも得られるように、より住民視点に立って、さまざまな角度から慎重な議論を尽くした上で検討していく必要があると考えますが、知事の御所見をお伺いします。  質問の第三は、企業活動への支援についてであります。  初めに、企業の社会的責任に対する県の認識についてお伺いします。  企業の社会的責任とは、企業が単に利益を追求するのみではなく、法令遵守はもとより、社会的公正にかなった活動をしていくことを言い、横文字ではCSRと呼ばれるものであります。  CSRは、安全製品の提供、職場の衛生管理、環境保全の取り組み、地域への貢献などがイメージアップや株価格付の評価対象になることから、大企業に取り組む事例が多く見られますが、中小企業でも利益と倫理を両立させる経営方針により安定した業績、確固たる評価を受けている事例も多く見られ、江戸時代の近江商人の三方よし、すなわち、売り手よし、買い手よし、世間よしはCSRの源流とも言われます。  なお、行政の関与においては、イギリス、フランスでは既にCSR支援の担当大臣を置いておりますが、我が国でのCSR支援では、埼玉県のようにサポートセンターをつくり、企業参加による森づくりを支援している例や、京都府のようにCSRに関する講習会を開催している例があります。  私は、企業の永続は信頼に支えられてのものであり、企業の利益の追求のみでは広い見地からの社会の幸福は実現し得ないこと、そして、利益と倫理の両立を追求する過程の中からイノベーションが生じた例は数多く見られることから、県としてもCSRを重視し、奨励すべきであると考えます。  そこで、CSR、すなわち企業の社会的責任の趣旨を踏まえ、県が現在取り組んでおられる施策及び今後の方針について知事にお伺いします。  次に、小規模企業の支援についてお伺いします。  小規模企業とは、製造業では従業員数二十人以下、商業・サービス業では五人以下の企業を言いますが、これまで従業員三百人の企業も該当する中小企業の中に分類され、行政の支援などにおいて必ずしも焦点が当てられておらず、近年、景気低迷や後継者不足などもあり、大幅な減少を示してきました。  そこで、その現状を打開するため、先般、国会で小規模企業の活性化を図る趣旨の法律改正が実現し、小規模企業が地域住民の生活や交流などに重要な意義を有することにかんがみ、その活力が最大限発揮されなければならないと盛り込まれることになりました。  実際に、小規模企業は営利活動のみならず地域の活性化に寄与しており、例えば、商工業者はその職業技能を生かしイベントや祭りなどを開催するほか、自治会、消防団などへも貢献し、商店街は住民コミュニティー形成の場ともなっているなど、地域づくりにおいて大きな役割を果たしています。こうした点を勘案してみますと、県におきましても、これまで地域での重要性に比べ、具体的な施策が不十分であった感があります。  そこで、今後、地域の商工業者を初めとする小規模企業の積極的な支援を図っていくべきではないかと思われますが、知事の御所見をお伺いします。  質問の第四は、広島港宇品旅客ターミナルの改善についてであります。  広島港宇品旅客ターミナルは、年間二百万人以上の人々に利用され、江田島、宮島、似島、呉、松山方面への船が行き交う瀬戸内海交通の拠点であります。しかし、昨年出された広島港宇品・出島地区賑わい創出に係る基本方針において、海陸の結節点である特性を生かせず、単なる通過点となっているという課題が示されています。  私も自宅から議会へ通う途中、清潔感はあるが寒々しているというような印象でこのターミナルを通過していましたが、最近、相次いで利用者や事業者から改善要望が寄せられたこともあり、この広島の海の玄関口の問題点について、ふだん利用していない人からも意見を聴取した上で整理してみました。  まず、施設全体の問題点として、案内表示の不明瞭があります。例えば、正面出入り口の広島港宇品旅客ターミナルの文字は、小さい上に薄いブルーのため、近くに寄らないと何を書いているのかよく見えず、周囲にある宣伝用のもみじまんじゅうや手づくりサンドイッチの文字に完全に圧倒されています。  また、切符売り場やフェリー乗り場への誘導矢印の流れや表現が悪いためか、初めて利用される方がよく迷うようです。そして、二階にはテナントがあるものの、あきが多く、そもそも一階から二階への客の誘導など意識していないような趣があります。  待合ロビーの中にはテレビが二台ありますが、一台は放送中止のまま放置され、残りの一台も画素数が少ないため、よく見えません。  また、電源コンセントの周りごとに「パソコン・携帯電話などを充電されるのは御遠慮ください。窃盗罪として警察に通報します。」との張り紙があります。  また、現在、中国旅客船協会連合会が観光案内所をボランティアを用いて運営していますが、予算の制約もあり、常設ではなく、木・金・土・日の午前十時から午後三時までの限定オープンです。ちなみに、県や市、事業者で定期的に会合を持ち、利用者の声を反映したサービスの向上に努めている形跡はないようであります。  各方面からの聞き取りによりわかったのは、県がターミナルを建設し、市に管理を委託している体制であることもあり、お互い、資金や労力が伴うサービスについて責任回避する傾向があり、最近、解消が叫ばれている二重行政より始末の悪いゼロ重行政となっていることであります。  また、施設を実地に点検してみてうかがえたのは、最近、よく言われるところのおもてなしの心が余りに乏しいのではないかということであります。広島港宇品旅客ターミナルは、広島県民・広島市民のみならず、他の県民・市民も利用していること、また、海の道構想の拠点施設としての重要性、さらに、宇品の港が広島発展の礎であったという歴史からも、現状のありさまではいささか寂しいのではないかと思われます。  そこで、広島港宇品旅客ターミナルの現状をどのようにとらえ、どのように改善を図ろうと考えておられるのか、土木局長にお伺いします。  質問の第五は、強迫性障害への認識及び対策についてであります。  強迫性障害とは、自分でもコントロールできない不安な考えが浮かび、それを振り払おうとしてさまざまな行為を繰り返し行い、日常生活に支障を来す不安とこだわりの病であり、WHO──世界保健機関においては、生活上の機能障害を引き起こす十大疾患の一つに挙げられています。  強迫性障害にはさまざまな症状があり、かぎのかけ忘れ、火の不始末などにより生じるかもしれない事故が気になり、戸締まり、火のもとなどの確認を幾度となく繰り返す確認強迫、自分が細菌・ウイルスに汚染されるように感じて手洗い・シャワーを繰り返す不潔恐怖、物や書類を捨てようとしても、後で捨てたことを後悔するのではないかと恐れ、どんどんため込んでいく収集癖などが代表的なもので、ひどい場合には盗難や火事が不安なために家から一歩も出られなくなる、手や体の皮膚が破れるまでひたすら洗い続ける、家をごみ屋敷にしてしまうなどのケースがあります。  強迫性障害は、五十人から百人に一人がかかる病気と言われ、本人の苦痛や日常生活への支障はもちろんのこと、うつ病の併発がかなりの割合で起こることが挙げられ、また、十歳前後と二十歳前後の発症率が高く、不登校、ひきこもりにも絡むことが指摘されています。  強迫神経症と呼ばれていた時代は原因もつかめない難病の一つでしたが、最近、その原因がわかり、治療法も確立してきました。ところが、うつ病や適応障害などの陰に隠れ、その分野での医学の進歩に比べ余り普及啓発が進んでおらず、性格上の問題と混同されやすいこともあり、症状に悩まされたまま、あるいはこじらせている人もかなりいるのではないかと思われます。  この病気は、脳内のセロトニンという物質の分泌が不十分であることによるものであり、治療法としては薬物投与のほか、不安があっても、あえてそれを解消するための行為をしない、儀式妨害と呼ばれるやり方があります。  一般に心の病は複雑で、治療が功を奏せず、かえって迷路に陥りがちな傾向がありますが、この強迫性障害は、病気のからくりについてきちんと把握することにより、かなり改善が期待できる、少なくとも症状の悪化は防ぐことができるものと考えられます。  特に、患者は不安を解消するために確認、手洗いなどの儀式に及ぶ、ひとときの安心は得られるものの、完全さを求め、さらに大きな不安が発生する、そこで、また儀式に及ぶというサイクルにはまっているわけであります。そこで、不安に取り合わず儀式をしなければ、その悪循環を切断できるというポイントを知るだけでも大きな効用があると考えられます。  また、原因が自分の心理異常ではなく、脳内物質の分泌によるものであることを認識すれば、むやみに自分を責めたり、くよくよするなど、さらに心の重荷を増すことからも免れることになります。  強迫性障害については、早期の発見及び改善に向けた対応が望まれることから、とりわけ発症しやすい年齢の子供に対するケアが重要であり、原因・治療法のポイントを整理した上で、県民のみならず、カウンセリング現場や教員などへも啓発・指導するのが必要ではないかと考えます。  強迫性障害への認識及び対策について、健康福祉局長にお伺いします。  質問の最後は、今後の高等学校教育のあり方についてであります。  県教育委員会の諮問を受け、各方面の有識者が一年間審議を重ねた結果、広島県における今後の高等学校教育の在り方についての最終報告が三月に出されたところであります。全般的にバランスのとれた内容であり、特に、中山間・島嶼地域と都市部での状況は異なることから、学校配置を検討する場合は、さまざまな要因を考慮するように求められている点については見識を感じます。  また、報告書は、若者、高校生の現状において、評価できる項目に素直を挙げておりますが、私も、今の若者、高校生はおっとりと育てられたこともあるのか、全体的に素直で、妙にひねくれたり、変に構えたりする傾向は薄いように思います。  実際、素直は、文武両面において伸びる子の条件として第一に挙げられることが多いように、学ぶ側の最も重要な資質であり、若者がその美点を有する点において、日本の未来はちまたで言われるほど暗くないと私は思うものであります。とかく今の若者はというような偏見に流されることなく、素直な芽に、いかに栄養を吸収させ、いかに育てていくかを講じるのが教育担当者の役目ではないかと考えます。  しかし、報告書が学校の特色づくりを要求している点については吟味・検討を加える必要があります。例えば、報告書は生徒の多様なニーズに対応した学校の特色づくりを求めていますが、その特色づくりはユニークではあるが、一部に受けるだけのものになったり、目新しいが、すぐ飽きられてしまうようなものになってはいけないと思われます。  確かに、生徒一人一人にいろいろな思いがあるわけですが、多くの生徒の最も基本的なニーズは進学・就職であるのが現実であります。そこで、学校の特色づくりは、その目標を実現することを前提に、それでは、これから生きていく上で身につけさせるべき大切な力や技術は何かという問いかけの中で形成していくべきものではないかと思うのであります。  例えば、文章作成力は、現在、学校で向上対策が余り組まれていないテーマでありますが、小論文や記述問題などに資するため、進学に大きく影響し、さらに、実社会においても非常に役に立つ力であります。また、清掃、整理、整頓、清潔、しつけは近ごろの家庭教育では怠りがちなどと言われるテーマでありますが、企業では五Sと呼ばれ、業務効率や接客対応などのために重視されている技術であります。そこで、学校も文章作成力や五Sのような基本教育をテーマとして掲げ、徹底し、特色づくりを図る道もあると思われます。  さらに、IT、英語のようなグローバル化する現代社会で要求されるとよく言われるテーマのみならず、古典をテーマにした教育に目を向ける道もあるのではないかと思います。古典とは、過去の時代につくられ、長い年月に耐え、現在まで伝えられ、その文化的価値が高く評価されている作品のことでありますが、高校教育においても、古文、漢文のみならず歴史、倫理、芸術などにも関係し、学習すれば読解力や表現力が養われ、進学や就職にも大きく役立つものであります。  また、平成十八年、教育基本法の改正において伝統・文化に関する教育の充実が掲げられ、昨年には国や自治体が学校などで古典教育の機会を整備するように求める法律が制定されたという動きがあります。実際に、古典には古今東西に通用するエッセンスが含まれ、精神を培い知恵をはぐくむ教材となり、明治維新では寺子屋で古典に親しんできた人物がリードし、また、西洋ではエリートの要件として古典の素養が求められることもよく指摘されています。  そこで、進学・就職に役立てるとともに、あらゆる環境で生き抜く力を養うため、古典を用いた教育をテーマに掲げ、国語、地理、歴史、公民、芸術などの教科、さらに読書の時間や課外活動の時間を最大限に利用して徹底するのも、学校の特色づくりの一つの道ではないかと思われます。  さて、県教育委員会におかれましては、この報告書を参考に、これから計画を策定し、施策を講じていかれることになりますが、学校の特色づくりを初めとする今後の高等学校教育のあり方をどのように認識し、推進しようとしておられるのか、教育長に伺いたいと存じます。  以上をもちまして私の質問を終わります。御清聴、まことにありがとうございました。(拍手) 77 ◯議長(林 正夫君) 当局の答弁を求めます。知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 78 ◯知事(湯崎英彦君) まず、中山間地域振興を目的とする条例についての御質問でございます。  中国山地から島嶼部に至る本県の中山間地域は、県土の保全や安定的な食料供給などの公益的機能を有するとともに、豊かな自然や風光明媚な景観、地域で培われた歴史や伝統文化といった魅力的な宝があふれる地域でございます。一方で、人口の著しい減少や急速な高齢化の進行、また、基幹産業であります農林水産業の低迷や医師不足、生活交通の縮小など、さまざまな課題を抱えております。  こうした中、条例の制定に当たりましては、中山間地域の有する価値を県民一人一人が再認識するとともに、地域が直面する課題を県全体の課題としてとらえ、県、市町、県民が一体的に中山間地域の振興に取り組む必要があるということを明確にしたいと考えております。  また、この条例の実効性の確保に向けまして、県は市町と連携し、中山間地域の振興に関する計画を策定の上、総合的な施策を推進することとし、そのために必要な財政上の措置を講じることについて条例に定めたいと考えております。  さらに、振興計画の策定や事業の実施に当たりましては、部局横断的な取り組みを総合的に展開していくため庁内の推進体制を整備するとともに、地域の状況を十分に把握し、実態に即したきめ細かな施策を展開できるよう、市町との意見交換を行う協議の場を設置することを条例に盛り込みたいと考えております。  今後、条例制定に向けて地域の個性が十分に発揮され、将来にわたって豊かさを実感できる中山間地域の実現に資するよう、さらに検討を深めてまいります。  次に、住民視点に立った道州制の検討についての御質問でございます。  戦後の我が国は、東京一極集中と中央集権システムのもとで高度経済成長を遂げてまいりましたが、国際社会における競争力の低下や本格的な少子高齢・人口減少社会の到来など、さまざまな課題に直面している状況でございます。こうした中で、本県が目指す地方分権型国家は、国全体の活力を生み出すために新たな成長モデルの構築を目指して、国の形そのものを変えようとするものでございます。  具体的には、権限・財源の最適配分を受けた多様性を有する新たな広域自治体が互いに競い合う中で、大都市圏・地方圏ともに新たな活力が創出され、その集合体である国全体の活力を生み出していく、このような地方分権型国家の実現を目指していくこととしております。  また、この地方分権型国家においては、国は、外交、金融政策など国際社会における国家の存立にかかわる事務に限定した上で、その機能をしっかりと担う一方、国が担うべき事務以外の事務は住民に身近な地方が担うことにより、地域の実情や地域住民のニーズにこたえる行政を実現することが可能になると考えております。  このため、道州制関連法案の検討に際し、国と地方の役割分担を抜本的に見直すこと、国が担うべき事務以外の事務は住民に身近な地方が担うべきこと、多様性、独自性を発揮し得る、自律した行政の権限を地方が有する制度とすることなどを全国知事会や施策提案を通じて国などに申し入れているところでございます。  あわせて、こうした道州制の動向や新たな広域自治体に関する本県の考え方を県内の市町や経済界に対して説明するとともに、県民の皆様へもホームページへの掲載などを通じ周知を図っているところでございます。また、昨年、広島で全国の自治体関係者や県民を対象としたシンポジウムを開催し、その中で、私みずから、本県が目指す新たな広域自治体のあり方について基調講演を行い、幅広い議論が行われたところであります。  今後も、市町や県議会の御意見をお伺いしながら、新たな広域自治体の目指す姿などについて、さらに検討を深め、県の広報紙を初めとするさまざまな媒体や機会をとらえて、県民の皆様の御理解が得られるよう周知に努めるとともに、その早期実現が図られるよう取り組んでまいりたいと考えております。  次に、企業の社会的責任に対する県の認識についてでございます。  いわゆるCSR活動は、企業が社会の一員として、よりよい社会の実現に向け自主的判断で地域の環境保全活動への参画や被災地の支援活動など、さまざまな取り組みを実践するもので、企業の社会的責任を果たすとともに企業価値を高めるものとして、その重要性の認識が近年高まっているものと認識しております。  県としましても、社会を構成するさまざまな主体と連携しながら、地域社会の価値を高めていくことが重要であると考え、多様な主体とのパートナーシップの構築に積極的に取り組んでおります。  具体的には、ボランティアで道路・河川の美化、清掃に取り組んでいただく広島県アダプト制度、ショッピングセンターなどにおけるキッズスペースや授乳スペースの設置などの子育て応援イクちゃんサービスや、事業者や行政等が相互に連携しながら環境に優しい地域づくりを進めるひろしま地球環境フォーラムなど、さまざまな分野で企業との連携を図っております。  また、企業と包括連携協定を締結し、幅広い分野において官民相互のノウハウを生かし、県民サービスの向上を図る取り組みを進めており、現在、コンビニエンスストア、食品製造業者など十二の企業等と協定を締結し、具体的な連携事業に取り組んでいるところでございます。この協定により、これまでレモン、カキなどの県産品の販売促進と瀬戸内ブランドの推進や高齢者や障害者の支援など、各企業の本業ノウハウを活用してさまざまな分野で社会貢献の取り組みを進めていただいております。  今後も、こうした企業等と連携・協働する取り組みを積極的に推進することで、多様な主体が協力し合い、社会全体で活力を生み出せる環境づくりを推進してまいりたいと考えております。  次に、小規模企業の支援についての御質問でございます。  本県における小規模企業は、平成二十一年経済センサス基礎調査によれば、企業数は約八万四千、企業全体の八六・八%と、地域の企業の大部分を占めており、本県の地域経済の健全な発展のためには小規模企業の経営基盤の強化が大変重要であると認識しております。  このため、本県では、小規模企業が抱えております資金確保や販路拡大、事業承継といった経営課題について、商工会、商工会議所などを通じまして経営の相談や金融のあっせんなど、きめ細かな指導・支援を行っているところでございます。  こうした中で、今年度から商工会等が行う小規模事業経営支援事業におきまして、小規模企業や地域が抱える課題の解決に向けて、例えばITを活用した会計システムの導入の推進や地域の若手リーダーの育成などの中期的な目標を策定し、毎年、その達成状況を確認する事業評価システムを導入することによって、より効果的な支援につなげていくこととしております。さらに、ひろしま産業振興機構内に新たにひろしま創業サポートセンターを開設し、事業承継などを機会に新たな事業展開に取り組む中小・小規模企業に対して、継続的かつ総合的な支援を行っているところでございます。  国におきましては、本年一月の緊急経済対策において小規模企業が行う事業活動支援に対する補助金の対象が拡充されたこと、また、今回の法律改正により認定情報提供機関の設置や信用保証対象の拡充などの施策が講じられることなど、小規模企業に向けた支援策が強化されているところでございます。  本県としましても、引き続き、国や産業支援機関等と連携しながら小規模企業の経営基盤の強化を図ることにより、地域経済の活性化に努めてまいりたいと考えております。  その他の御質問につきましては、担当説明員より答弁させていただきます。 79 ◯議長(林 正夫君) 土木局長岩佐哲也君。         【土木局長岩佐哲也君登壇】 80 ◯土木局長(岩佐哲也君) 広島港宇品旅客ターミナルの改善についてお答え申し上げます。  広島の海の玄関口である広島港宇品旅客ターミナルは、瀬戸内海の海上旅客交通の拠点として、広島県民のみならず多くの皆様に御利用いただいております。しかしながら、旅客以外の来訪者が少ないことなどから、テナントの撤退による空き区画が全体の約三割を占めていることや、利用者の視点に立ったきめ細かなサービスが提供できていないなど、交流拠点として十分に機能していないものと考えております。  このため、昨年八月、「瀬戸内 海の道構想」等に基づき、港の資源や民間の活力を活用し、多くの来訪者が親しめるにぎわい空間の創出に向けて広島港宇品・出島地区賑わい創出に係る基本方針を策定したところでございます。  現在、この方針に基づきましてさまざまなイベントの実施などの取り組みを進めておりますが、今後は、管理を委託している広島市やまちづくりを進めている地元団体などと、より密接に連携して、利用者の御意見を踏まえながら改善に取り組んでまいります。 81 ◯議長(林 正夫君) 健康福祉局長佐々木昌弘君。         【健康福祉局長佐々木昌弘君登壇】 82 ◯健康福祉局長(佐々木昌弘君) 強迫性障害への認識及び対策についてお答えいたします。  強迫性障害の患者数は人口の約一%、よって本県では三万人程度いると推定されており、治療法が確立されているものの、精神科の専門医の治療につながっているのは患者の数%程度にすぎないと言われております。  このため、県といたしましては、より身近な立場で、性格の問題ではなく病気であることに気づき、専門相談につなげるゲートキーパーの養成を目的に、発症しやすい年齢層に日常的に接触している学校関係者や市町職員等を対象とした研修を平成二十二年度に開設し、昨年度までの三年間で一万人以上が受講しております。  また、専門的な相談の受け手といたしまして、総合精神保健福祉センター「パレアモア」に専門医を、各保健所に専門相談員を配置し、相談等を介して精神科への紹介を行い、早期受診につなげる体制を整備しているところでございます。  また、これらの実効性を高めるために、本年三月に策定した広島県保健医療計画では、新たに精神疾患についても重点的に取り組むこととし、うつ病などのほかの病気との鑑別や適切な治療法の普及も含めて対応できるよう、対策を講じようとしております。  具体的には、本人や家族が早い段階で病気であることに気づき、相談や受診ができるよう、正しい知識と理解の普及を図る啓発活動、より身近な、先ほど申し上げたゲートキーパーや相談員の人材育成に資する、原因や治療を含めた教材等の開発、さらには、必要な治療に適切につなぐ医療体制の整備を行うことにより、早期発見・早期治療につながる環境づくりに努めてまいります。
    83 ◯議長(林 正夫君) 教育長下崎邦明君。         【教育長下崎邦明君登壇】 84 ◯教育長(下崎邦明君) 今後の高等学校教育のあり方についてお答えいたします。  高等学校教育の在り方を検討する協議会の最終報告にございますように、高等学校教育においては、すべての生徒に社会で自立して生活を送ることができるために必要な基礎的な学力やコミュニケーション能力などを身につけさせるとともに、心身の強さや人間性を養うことが求められております。  生徒一人一人の夢を実現するためには、こうした能力をベースに、生徒の多様なニーズに対応した特色のある教育を提供することが大切であると考えております。具体的には、理数系や文化・芸術、スポーツなどの能力を伸ばす取り組みや、古典の学習を深める中で、先達の物の見方、感じ方、考え方を探求し、これからの時代をより確かに生きていくための教養を身につけさせるなどの取り組みもあると考えております。  教育委員会といたしましては、こうした観点から県立高等学校が求められる役割を果たし、県民の期待や時代の要請に的確にこたえていけるよう、今後の県立高等学校の在り方に係る計画の策定などを通じて高等学校教育の充実に取り組んでまいります。 85 ◯議長(林 正夫君) これをもって質問を終結いたします。  お諮りいたします。ただいま上程中の議案中、県第八〇号議案 広島県教育委員会委員の任命の同意について、県第八一号議案 広島県人事委員会委員の選任の同意について並びに県第八二号議案 広島県収用委員会委員の任命の同意について、以上三件については、この際、委員会への審査の付託を省略し、直ちに本会議において議決するに御異議ありませんか。         【「異議なし」と言う者あり】 86 ◯議長(林 正夫君) 御異議なしと認めます。  それでは、まず県第八〇号議案 広島県教育委員会委員の任命の同意についてを採決いたします。本案は原案に同意するに賛成の諸君は御起立願います。         【賛成者起立】 87 ◯議長(林 正夫君) 起立総員であります。よって、本案は原案に同意するに決しました。  次は、県第八一号議案 広島県人事委員会委員の選任の同意についてを採決いたします。本案は原案に同意するに賛成の諸君は御起立願います。         【賛成者起立】 88 ◯議長(林 正夫君) 起立総員であります。よって、本案は原案に同意するに決しました。  次は、県第八二号議案 広島県収用委員会委員の任命の同意についてを採決いたします。本案は原案に同意するに賛成の諸君は御起立願います。         【賛成者起立】 89 ◯議長(林 正夫君) 起立総員であります。よって、本案は原案に同意するに決しました。  その他の各案については、それぞれ所管の常任委員会に審査を付託いたします。議案付託表は後刻お手元に配付いたします。  明日は午後二時三十分から会議を開きます。  本日はこれをもって散会いたします。         午後二時四十分散会 広島県議会...