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  1. 広島県議会 2013-02-03
    平成25年2月定例会(第3日) 本文


    取得元: 広島県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-05
    トップページ 検索結果一覧 使い方の説明 (新しいウィンドウで開きます) 平成25年2月定例会(第3日) 本文 2013-02-22 文書発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ・別画面表示ツール 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ(新しいウィンドウで開きます) 別窓表示(新しいウィンドウで開きます) ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 発言単文選択全文表示を切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者表示切り替え 全 33 発言 / ヒット 0 発言 すべての発言ヒット発言表示切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示を実行・チェックの一括変更 選択表示 すべて選択 すべて解除 発言者一覧 選択 1 : ◯議長(林 正夫君) 選択 2 : ◯議長(林 正夫君) 選択 3 : ◯河井案里選択 4 : ◯議長(林 正夫君) 選択 5 : ◯知事職務代理者知事城納一昭君) 選択 6 : ◯議長(林 正夫君) 選択 7 : ◯商工労働局長津山直登君) 選択 8 : ◯議長(林 正夫君) 選択 9 : ◯土木局長高垣広徳君) 選択 10 : ◯議長(林 正夫君) 選択 11 : ◯健康福祉局長佐々木昌弘君) 選択 12 : ◯議長(林 正夫君) 選択 13 : ◯病院事業管理者大濱紘三君) 選択 14 : ◯河井案里選択 15 : ◯議長(林 正夫君) 選択 16 : ◯河井案里選択 17 : ◯議長(林 正夫君) 選択 18 : ◯経営戦略審議官田邉昌彦君) 選択 19 : ◯河井案里選択 20 : ◯議長(林 正夫君) 選択 21 : ◯河井案里選択 22 : ◯議長(林 正夫君) 選択 23 : ◯知事職務代理者知事城納一昭君) 選択 24 : ◯議長(林 正夫君) 選択 25 : ◯議長(林 正夫君) 選択 26 : ◯日下美香君 選択 27 : ◯議長(林 正夫君) 選択 28 : ◯知事職務代理者知事城納一昭君) 選択 29 : ◯議長(林 正夫君) 選択 30 : ◯健康福祉局長佐々木昌弘君) 選択 31 : ◯議長(林 正夫君) 選択 32 : ◯環境県民局長(梅木敏明君) 選択 33 : ◯議長(林 正夫君) ↑ 発言者の先頭へ 本文 ↓ 最初のヒットへ (全 0 ヒット) 1:         午前十時三十一分開議 ◯議長(林 正夫君) 出席議員六十名であります。これより会議を開きます。         自第  一 県第一号議案         至第五十九 報第 三 号 2: ◯議長(林 正夫君) これより日程に入ります。日程第一、県第一号議案 平成二十五年度広島県一般会計予算から日程第五十九、報第三号 損害賠償額の決定についてまでの各案を一括上程議題といたします。  昨日に引き続いて質問を行います。河井案里君。         【河井案里君登壇】 3: ◯河井案里君 自民党議員会の河井案里です。  このたび、知事がインフルエンザで倒れられたということで、一日も早い御全快をお祈りしますが、代表質問でありながら、執行部の唯一の責任者である知事御本人の御答弁をいただけない状況にあるということを、議会人として大変複雑に受けとめております。  きのう、私は、議会運営委員会の理事として、知事の急病を議長より伺いました。そのとき、午後の本会議はお休みだと伺ったので、私はてっきり流会を意味するのだと思っておりましたが、それは知事がお休みされるという意味であって、会議は職務代理者を立てて進行されました。我が会派の岡崎議員が一時休会とすることを主張しましたが、通りませんでした。知事が欠席されるのは、いたし方ありません。しかし、知事が欠席のまま知事あての質問を行うということ、しかも、きのうきょうは、それが代表質問であるということ、そして今回の二月定例会は、次の年度の予算を審議する広島県議会の中で最も重要な定例会であること、それらをかんがみると、知事抜きで開会するという我々議会の判断は、議長の権威を著しく傷つけ、議会の権威を議会みずからの手でおとしめてしまっているのではないかと、私はきょう、じくじたる思いでこの場に立っております。知事がおられないのに御本人の意向に沿った答弁をいただけるということは、まるでこの議会が予定調和であるかのごとくみずから宣言しているに等しいではありませんか。  しかも、この二月定例会において、後世から議会の権威を問われるであろう場面は今回のことに限りません。今議会開会の直前、県は、補正予算の円滑な執行を理由に、予算議案が議決される前に公共事業の入札の公告を行うことを通知してきました。議会における議決がなく、予算がまだ通ってもいないのに公告が行われるということは議会制民主主義の根幹を揺るがすものです。  私どもの会派、自民党議員会では、このことに対しても臨時会の開催によって対応すべきであると主張しましたが、やはり通ることはありませんでした。私たちは議員として執行部に対して本来行使し得る権利を行使していないのです。それは、県民の権利を行使していないということであります。  私たちは、いま一度私たち議会に与えられている責任と権利とを思い返すべきではないかとの問題提起をして、大変不本意ではありますが、知事、執行部への質問に入ります。  今回上程されている来年度予算案のキーワードはイノベーションだということです。しかし、その中身はイノベーションなどと仰々しい言葉を使うまでもなく、これまで私たちが議会の審議の中で何度も目にしてきたような項目ばかりでした。県政運営の基本方針二〇一三では、各産業分野でイノベーションを起こすと力強い言葉が並んでおります。しかし、それが各部局の予算に具体化されると、凡庸な政策にとどまって、その理念は影も形もありません。知事は、個別の予算項目を全く見ておられないのではないかとさえ感じます。イノベーションというのが、ただの言葉遊びになってしまっていて、議論の材料すら見つからない今回の予算案に私はがっかりしています。県の政策は個別の事業者へ資金援助を行うというような、いかにも経産省的で旧態依然とした手法を踏襲しており、制度的な改革、政策転換という視点に完全に欠けています。例えば、商工労働局の一番の目玉事業である創業環境整備促進事業は、事業を起こすことを希望する人たち二百名に、中小企業診断士、公認会計士などをつけて会社を設立するためのさまざまな支援を行うもので、目新しさはありません。しかも、この施策は二百八十万人の県民のうちのたった二百人しか利用することができません。  私は、政策の恩恵を受けられる機会は、どの県民にも平等に与えられるべきだと思っています。政策の役割は、個人へ対応することではなく、制度の整備を行うことにあるのです。だからこそ、政策によって社会の制度を改革することができるのです。知事も大変詳しいIT業界では、ほかの業界に比べて新規参入が活発です。しかも、IT企業が扱う情報という商品は、インターネットを使うことで会社の本社機能が地球上のどこにあるかということなど問題ではなくなります。しかし、そういう業界であっても、日本ではみんなわざわざ都会に出て事業を始めようとする。どうして広島県山県郡の安芸太田町に立地しないのでしょうか。土地も安いし、空気はいいし、住んでいる人はやさしく、高速道路を使えば広島から三十分のところです。東京をやめて安芸太田町で創業しよう、先端企業の立地先として安芸太田町のような土地を選んでもらうために、国や県が行うべき政策転換は何なのか、そういうことを考えるのが政策の仕事ではないでしょうか。世の中の価値観を変えることこそ、イノベーションではないのでしょうか。  しかし、県職員の皆さんは制度や価値観は天から与えられるものと考えていないでしょうか。国の決めた枠組みの中で仕事をすることに慣れ切ってしまっていて、自由に頭の体操をすることを忘れてしまってはいないでしょうか。制度的な改革を伴わない対症療法的な施策では問題を解決することはできません。国の制度や法律の改廃が必要であれば、社会に対して一石を投じていく、それが現場官庁である自治体の役割です。広島県庁自身がイノベーションを必要としているのではないですか。  我が国では有効需要が不足し、消費も拡大しないために、もう二十年も苦しんでいます。企業は生産性を上げることよりも、まず負債を減らすことに専念し、賃金を下げ、人員をカットしてきました。多くの大手企業が経営効率を高めるために海外に生産拠点を移しました。財政負担の急増もあり、公共投資も思うように伸ばすことができません。また、人口減少と高齢化によって大幅な消費拡大は望めません。第一次産業は生計を立てることが難しく、若い人が家業を継ごうとはしません。そのため、都市部に人口が集中し、地域は年々疲弊しています。恐らく、知事がイノベーションという言葉で目指したいとされていた産業の競争力強化は、私たちが現在直面している構造的な課題を解決していかなければ決して実現できないものです。しかし、県は今回の予算でも、県民が直面しているこれらの課題に対してほとんど回答していません。県の施策は、手術が必要な深刻な患者に対して、表にあらわれている頭痛や発熱といった症状に目を奪われ、ただの頭痛薬を処方しているようなものです。  今回の予算案では、産業それぞれのイノベーションの実現ということを掲げていても、なぜその産業の競争力が落ち込んでいるかということの洞察と、それに対する政策的な働きかけがありません。先ほど例に挙げた創業環境整備促進事業に見るように、県は創業者など新しい参入者がふえれば経済が活性化するとのお考えであるようですが、圧倒的多数である既存の中小零細企業が抱えている問題のほうが経済にとってははるかに大きな影響を持っているのではないでしょうか。全国的にここ二十年、企業の生産性は低下してきたという調査結果があります。我が県の中小零細事業者もまた生産性の低下に直面しているとすれば、その原因は何だったのでしょうか、それは、政策的に解決できることなのでしょうか。また、ここ十年のうちにも、我が県では、国外はもとより、県外への工場の移転ということがありました。広島県が何らかの理由で企業の生産拠点をつなぎとめることができなかったのです。県は、こうした実際の経済現象に対して的確な反省と評価をしているとは思えません。まずは現状の評価を行い、その考察の上に立って、それらの課題を克服するための政策はどういうものなのか、そういう提案を行っていくというのが政策立案の手順であるべきです。  しかし、現状分析のアウトプットとして出てくるべき政策には、そのような思考的経路をたどった形跡を感じられません。どこが問題なのでしょう。政策をつくるプロセスに問題があるのでしょうか。経済政策に関する施策は商工労働局が担っています。しかし、実際に必要とされる社会的インフラは、空港、港湾、道路、情報通信網など、各部にまたがっています。今、広島県の経済施策は、それらの社会的インフラ整備にかかわる政策と全くリンクしていません。商工労働局と他の部局との間で意識の共有が図られていないと言えます。  また、知事は経営戦略審議官を設置し、経営戦略会議も主宰しておられます。経営企画チームでは、全体の政策の整合性や中長期の計画を立てています。イノベーションについては、地域イノベーション戦略推進会議もつくられました。このように、これだけ多くの部局や会議が存在し、英知を結集し、それを吸い上げているにもかかわらず、的確な経済情勢の分析も不十分であるし、政策の中身や手法にも革新が生まれているようには思えません。行政の縦割りを横ぐしで刺していくという考え方に私も賛成いたしますが、果たして現在、それはうまく機能しているのでしょうか。
     そこで、最初の質問として、まず経済の現状についての認識を知事にお伺いします。  知事は、現在の第一次から第三次産業までのそれぞれの産業分野において、広島県経済のネックになっている制度的な問題について、来年度予算ではそれをどのように克服しようとしておられるのでしょうか。また、法律など、県の立場ですぐには克服できない問題にはどんなものがあるのでしょうか。特に、製造業においては中小企業の生産性を上げるために何が必要だと考えておられるのか、あわせてお答えください。  二番目の質問として、経済施策と社会インフラ整備が政策としてリンクしていないことです。  意見を吸い上げる機関であるさまざまな会議、意見を調整する経営戦略審議官などが配置されていながら、それでいて政策に革新が生まれていないという現状に対応するため、経済施策を決定するプロセス、組織のあり方そのものを変革すべきではないかと私は考えますが、知事はどのように考えておられるのか、お伺いします。  さて、商工労働局においては個々の事業についてそれぞれ目標を設定しています。元来、商工労働行政ではほかの部局の抱える仕事に比べて施策の効果を数値化して評価することが容易であると考えます。しかし、これまで県内総生産や工業出荷額などの経済指標は政策目標として用いられませんでした。国では、政権交代後、二%の経済成長を目標としています。広島県でも県内総生産を成果目標に掲げて事業に取り組んでいくべきではないかと考えるのです。  そこで、県は、このたびのイノベーションの実現によって、広島県経済をいつまでに何%上昇させようとお考えなのでしょうか、お伺いいたします。  政権交代後、国では経済再生を最重要課題として物価目標の導入や大型補正予算編成など、ありとあらゆる手段を講じており、景気回復のためには県も国の動きにしっかり呼応していく必要があります。しかし、今回の経済対策の中心である公共事業について我が県の対応を見てみますと、県単独建設事業費は、前年度の九割程度に抑えられてしまっているのです。それらの単独建設事業費と国庫補助を受ける公共事業と合わせて、ようやく総額で前年度と比べてプラスの公共事業費が達成されておりますが、国が経済対策を打ち出していく中で、このように県が事業費を抑えてしまえば、国の経済対策の効果は県の段階で消えてしまいかねません。本来、我が県の中期財政健全化計画で目標とされている単独建設事業費の抑制幅は、対前年比でマイナス四%にすぎないはずなのです。それが、来年度の実際の予算案では対前年度比マイナス約一〇%となっています。なぜ、このようなことが起こっているのでしょうか。財政健全化計画の見直しがあったのですか。  安倍内閣で目指している財政再建は、景気を回復させた上で税収を増加させようというものです。補助公共事業と単独建設事業では性質が違います。国の補助公共事業がほとんど行われない中山間地域にあって、地域の建設業者に発注機会が広がるのは単独建設事業費です。景気対策なのですから、単独建設事業費をしっかり措置することも重要なのではないでしょうか。  知事は、単独建設事業を含め、経済対策における公共事業の役割、効果をどう考えておられるのでしょうか、お伺いします。  次に、ひろしまイノベーション推進機構、いわゆる百億円のファンド事業についてお伺いします。  このファンド事業は、国の産業革新機構を模倣した事業ですが、そもそもこの産業革新機構のスキームのように、行政がマーケットに対して積極的に手を差し伸べることは基本的にあってはならないと私は思っているのです。例えば、つぶれそうな会社に公的資金を投入してみたり、伸びる産業というのを役所が勝手に決定して、そこに集中的に資金投入したり、そのようなことはマーケットにとっては要らぬお世話で、淘汰されるべき産業や会社には何か必ず理由があるのです。その理由をねじ曲げてしまうことが、行く行くは経済全体に多大なコストを払わせることとなってしまうと私は考えています。  ですから、私は、このファンドも可能ならばすぐにでも清算して、県民からいただいた貴重な税金は県民にとって本当に必要な事業に使うべきだと今でも思っています。それで、まずここでは、ファンド事業の実態を明らかにしていただきたいと思います。  ファンドの運営会社が設立され、二年近くがたちました。しかし、投資が実行されたのは、議会として報告を受けている限りではいまだ一件だけです。運営会社は、毎日何をしているのでしょうか。一方、この会社には当初の計画どおり、管理報酬として年間約二億五千万円もの大きな額のお金が支払われています。二億五千万円の経費で、たった一件の投資実績。仕事をしてもしなくても、二億五千万円の経費が天から降ってくる。この会社がどうしてつぶれないのでしょうか。それは、これが民間企業ではないからです。  そこで、まず、この運営会社の具体的な活動内容について伺います。それは、次の四点です。  まず、この会社は何名体制で、具体的にどのような活動をされているのでしょうか。次に、報酬はだれが幾らずつ受け取っているのでしょうか。そして、これまで何社程度、企業を訪問したのですか。最後に、運営会社の活動については県が株主としてしっかりチェックするといったことも言われていましたが、どのような体制で、どのようなチェックをされているのでしょうか。以上、四点について伺います。  ところで、私はこの質問をつくるに当たり、この運営会社の経営にかかわる資料や投資案件についての資料を提供していただくようお願いしました。しかし、内部資料は何も出せないと言われました。委員会審議で提出されている以上の資料は、投資の秘密保持のために何も出せないと言われたのです。こうなることはわかり切っていたことではあります。だから、税金でこんな事業をしてはいけないという常識的な声が議会から上がったのです。県民が自分たちの納めた税金の使い道をチェックするすべがないのですよ。これは、納税者の権利を著しく阻害するものではないでしょうか。  そこで、質問の第一点目として、議会に対し税金の使い道について情報を公開され得ないという、この現状について知事はどのように考えていらっしゃるのか、きょうはおられませんが、お答えください。  さて、このファンド事業は当初、十社程度を対象に投資を行うということでした。しかし、一件目の投資を実行後、全く音さたがありません。会社組織が具体的な事業目標を定めず経営することは通常あり得ませんから、業務が滞っているように見えるこの状態も、当初の計画どおりであると思いたいところです。そこで、この運営会社で立てている事業目標を、その達成時期もあわせてお示しください。  このファンド事業に対する当初からの懸念の根底にあるのは、投資に見合う案件があれば民間の金融機関がほうっておかないわけだし、役所がリードしてお金を入れなければ投資対象とならないという時点で、それは投資案件として優良だと言えるのかという点にありました。  そこで、お伺いします。今回、投資を実行されたオー・エイチ・ティーという会社は、優良案件であったのでしょうか。この官製ファンドが投資をしなければ資金を調達できなかったということでもあろうかと思いますが、資金調達の障害となっているものがあったのならば、それは何だったのでしょうか。そして今回、県が信用供与したことにより、この会社に対する今後の民間金融機関や金融市場からの資金調達はどのように改善されるという見通しでしょうか。また、このファンドの特徴として投資運営会社が経営参加型、いわゆるハンズオンの形態をとって、経営にかかわるノウハウなどを投資先企業に提供するということが決められています。現在、投資が実行されているオー・エイチ・ティー株式会社に対しても、投資運営会社から役員として何人か派遣されていると思いますが、このハンズオンによる支援によって、逆にオー・エイチ・ティー株式会社の経営が悪化した場合や取引先に損害を与えるようなことになった場合、一体だれがどのようにその責任をとるのか、お伺いします。  このファンド事業は、そもそも優良だが、なぜだかマーケットの目にとまっていない企業に対し、一件当たり十億円という多額の投資を行うことで、その企業を成長させ、ひいては県経済を牽引する役割を果たしてもらうことを目的としていました。特に雇用の面では、企業の成長の結果、多くの雇用を生み出すという目標を立てて始められたはずです。  そこで、現在までに実際に投資が行われたオー・エイチ・ティーという企業についてお伺いしたいと思います。  この投資の結果、この企業がどのような成長を遂げようとしているかについて、次の四項目についてお答えいただきたく思います。  質問の一番目として、現在までにこの企業は投資をどのような資産に振り分けて活用しているのかお示しください。  二番目として、この企業は投資を受けた結果として、どのような計画を持って企業経営していこうとしているのでしょうか、タイムテーブルとともに示していただき、現在の進捗状況を教えてください。  三番目の質問として、それは広島県の県内総生産を何ポイント押し上げると期待されていますか。  そして最後に、投資の実行によって新たな雇用を生み出すことに大きな期待がかけられておりましたが、県内雇用をどの程度ふやすことに成功しているのでしょうか。  これらのことは、県民の大切な税金の使い道を精査する我々議会が知っておかなければならない内容です。既にファンドからの投資も済んでおり、企業情報として県民が知る権利を有する、公開されるべきものであると考えております。真摯な御答弁をお願いいたします。  執行部の皆さん方の中には、ファンド事業に対して、今、私が質問を重ねてきた内容について何をそんなに細かいことを聞く必要があるのかとお感じになっている方もおられるかと思います。しかし、公金を投入するということは、衆目のもとに事業を丸裸にするということではないでしょうか。第一、このようにして議会の側からあえてお尋ねしなければ情報が伝わってこないのです。民主主義の手続を踏む上でこのこと自体が問題ではないかと私は考えます。ファンド事業はその性質上、選定に至る経緯やその他の企業情報を公開できないと県は説明します。しかし、公共の利益は私的利益に優先するのです。ひょっとすると、県民の知らないうちに県民の利益が損なわれてしまっているかもしれない。企業の私的利益を保護するために、本来知り得べき情報が公開されないというのは、県民の知る権利、知る機会を収奪してしまってはいないでしょうか。このようなことは許されるものではありません。広島県に県民の権利を侵害するどのような資格があるというのでしょう。  そこで、お伺いします。これから先、県はこのファンド事業に係る数々の情報をどのように扱うことで、県民の知る権利にこたえようとしていくつもりでしょうか、それとも、投資先企業の利益を第一に保護していくという姿勢なのでしょうか、お答えください。  質問の四点目として、児童虐待死事件への県の対応についてお聞きします。  昨年十月、府中町において小学五年生、当時十一歳の唯真ちゃんが実の母親に暴行され死亡するという、大変痛ましい事件がありました。そして、この事件の背景を明らかにする過程で、県の西部こども家庭センターが、唯真ちゃんが転入した府中町に対し、要保護児童対策地域協議会、いわゆる要対協を初めとする関係機関に唯真ちゃんの見守りについて申し送りをしていなかったという事実が浮き彫りになりました。このことが虐待死を招いた背景の一つにあるのではないかという反省を含め、この事件の経過をつぶさに見ていくことで、現在、広島県が虐待防止対策において抱えている課題を明らかにするために、外部委員による検証委員会が立ち上げられ、先般その報告書が発表されたところであります。この報告書は、かなり踏み込んだ内容となっており、そのプロポーザルが今回の予算にも生かされているのだと思います。  しかしながら、今回の西部こども家庭センターの対応に対する健康福祉局の評価や答弁をお聞きしていると、どこか第三者的な立ち位置から発言されているように聞こえてなりません。こども家庭センターは、紛れもなく健康福祉局の所管の機関であるわけですが、局は当事者としての意識が薄いのではないかと思えてならないのです。  第三者機関によって事件を検証してもらう以前に、まずは局内で検証を行うべきではないか、そして、義務の不作為があったということであれば、所管の局として関係者にしかるべき処分を行うべきではないか、私は、そのように考えるのです。もっとも今回の事案でこども家庭センターは、措置解除を行った際、虐待の再発はないと善意に解釈していたのかもしれません。担当者が府中町への的確な申し送りをし忘れたというのではなく、もう必要性がないとの判断によって積極的に申し送りをしなかったのかもしれません。しかし、どちらにしてもそれは判断が甘かったのではないか。亡くなったお子さんは生後三カ月で実の母親から見放されて、乳児院に預けられ、その後も施設と家庭とを行ったり来たりさせられた子供でした。このようなケースでありながら十分な情報提供も行わなかったこども家庭センターの対応は、処分の対象とならないのでしょうか。  来年度予算で、こども家庭センターの増員などが計上されておりますが、今回の事件の対応の反省なしに人をふやしても、それは焼け太りになるだけではないでしょうか。このたび検証委員会の出した報告書には、組織や個人の責任追及を目的としていないと、わざわざただし書きがしてありますが、監督官庁である県の立場はそういうわけにはいきません。今回のような対応、あえて失態と呼ばせていただきますが、このような失態があっても、今、我が県の虐待防止の枠組みにおいては、唯真ちゃんの死に対して責任をとる人間がだれもいないのです。こども家庭センターは健康福祉局の所管の機関として、局はきっちりと状況を把握する。重要度の高い報告事項は、担当課へ上げてもらうようにする。失策があれば指導し、局が最終的な責任をとる。まずは、こうした情報の流れと組織の立て直しを行うべきではないかと私は考えます。  局として、今回のこども家庭センターの不十分な対応の原因はどこにあると分析しておられるのか、そして、責任の明確化という観点から、これからの組織内統制についてどのように考えておられるのか、健康福祉局長の御所見をお伺いします。  次に、本県の医療に関する課題として、広島県病院事業の将来のあるべき姿について伺います。  本県では、これまで中期的な経営方針や具体的な取り組み方策を示した病院事業経営計画を策定し、病院事業の運営を行ってきました。平成十七年度から五年間の計画で、広島病院においては成育医療センターや臨床腫瘍科の開設を行い、また、瀬戸田病院及び神石三和病院については、地元への移管などに取り組んでこられました。そして、現在も新たな計画に基づいて、日々、公共性と経済性の両立を図った病院運営に努めておられます。  昨年度の外部評価委員会の評価報告書でも、広島県病院事業全体としての計画実施状況は、おおむね順調であるとされ、収支についても病院事業全体で二年連続の黒字が達成されたことを高く評価されていて、それは職員個々の意識の高さのあらわれであると述べられています。  今年度の収支もまた、事業全体で黒字を確保する見込みであると聞いています。公的病院でありながらここまでのことが達成できたのですから、最少経費でなお一層の効果を上げるためにも、そろそろ独立行政法人という道を選択して、民間の活力を入れて経営していくべきではないでしょうか。  そこで、県病院の将来のあるべき姿をどう描いているのか、お伺いします。  質問の最後として、急性期医療から在宅医療への移行に係る問題について伺います。  少子・高齢化社会ですから、高齢の患者が増加する傾向が今後ますます高まってくることは明白です。国では、高齢患者の増加に対応するため、社会保障改革の方向性を定めました。患者の状態に応じた効率的・効果的な医療サービスを提供するため、高度急性期から長期療養に至るまでの病院機能の役割分担などを進めることとしています。それによって、急性期医療施設に入っていた患者が安定期に向かえば、地域のかかりつけ医にバトンタッチされるという、急性期医療と地域医療とがスムーズにネットワーク化されている状態が理想とされています。高度急性期医療から在宅介護までの医療・介護の機能分化の徹底と連携強化は避けて通ることのできない極めて重要な課題です。  しかしながら、往診に対応できる医療機関が減少している中、地域医療へのスムーズな移行は大変難しいのが実情です。特に、人工呼吸器の装着が必要な患者、認知症や障害のある患者などに関しては、療養病床への移行や在宅での生活に入るには、患者本人にも家族にも大変な負担を強いられ、多くの場合、急性期病院での医療が終了しても、引き続き入院の継続を希望せざるを得ないという実態にあります。  また、在宅での療養に移ろうとしても、患者の容態が急変したときへの不安があったり、家族の負担が心配なために在宅療養を断念せざるを得ない状況が生まれています。しかし、医療資源の適正な配分の必要性をかんがみれば、在宅療養の比重は高まっていくほかありません。そのために、高度医療と地域医療、医療と介護のスムーズな連携が不可欠ですし、急変時の対応、在宅でみとる体制を今後一層強化していかなくてはなりません。  現状では大きな課題がありますが、県民の安心を支える在宅医療を推進するため、県としては今後どのようなスケジュールで、どのような面を強化するのか、お伺いします。  昨日、自民会議の冨永議員の質問に対し、知事は、国の産業競争力会議においてもイノベーションによって競争力強化を行うと言っていて、国と共通項がある、官民ファンドの仕組みについても成長戦略を実現する柱の一つとして重要性が高まっていると言っておられましたが、これは大きな認識の誤りです。産業競争力会議の基本的な方針は規制緩和にあって、市場メカニズムを最大限に活用しようというもので、湯崎県政とは全く逆の方向性です。  このことについては、先日、この会議のメンバーである楽天株式会社の三木谷浩史氏が毎日新聞のインタビューで、国内産業を再興して競争力を高めようという政府の方針に対し、政府の関与は最小限にすべきだとした上で、どの分野が伸びるのか官僚にわかるわけがない、うまくいかない会社は吸収・売却されたほうがいいと述べておられます。私も、三木谷さんの考えに全く同感です。  きょうは知事がおられませんが、本当に政府が行うべき仕事とは何なのか、もう一度、立ちどまって考えていただきたいとお願いして、私の質問を終わります。御清聴いただき、ありがとうございました。(拍手) 4: ◯議長(林 正夫君) 当局の答弁を求めます。知事職務代理者副知事城納一昭君。         【知事職務代理者副知事城納一昭君登壇】 5: ◯知事職務代理者知事城納一昭君) 河井議員の御質問にお答え申し上げます。  まず、各産業分野における制度的な問題についてのお尋ねでございます。  まず、本県産業の課題を申し上げますと、第一次産業におきましては、農業では経営体一戸当たりの経営面積が約一ヘクタールで、全国平均の約五割、林業では、十ヘクタール未満の小規模零細な森林所有者の割合が全体の約九割、海面漁業では、約二千五百経営体のほとんどが個人経営であるとともに、漁協の規模も大変小さいことなど、それぞれの経営体が小規模零細であることが一番のネックであると認識しておりまして、これらの経営基盤を強化していくことが課題となっております。  また、第二次産業につきましては、本県の最大の基幹産業であります製造業が輸出型で、かつ、新興国が急速に競争力を増している産業への依存度が高く、海外経済の動向や為替相場の影響を受けやすい構造となっており、国際競争力の低下や生産拠点の海外移転による空洞化の懸念が高まっていることから、成長性の高い分野への事業展開、新技術の開発や商品等の高付加価値化による国際競争力の強化、成長著しいアジアを中心とした海外市場の獲得等への取り組みが強く求められているところであります。  また、県内総生産の約七割を占めます第三次産業では、地方中枢拠点として集積しております卸売業が、物流システムの整備や拠点の集約化等によりその取扱高が減少傾向にあることや、成長が期待された情報サービス業界、観光産業などが伸び悩んでいる状況にありまして、全体として雇用の受け皿になっていないといったような現状があり、他の産業に比べて低い労働生産性の向上や、他の産業との融合による事業化の促進などが課題となっているところであります。  こうした課題に対応いたしますため、農業におきましては、これまで、小規模零細な本県の実情から集落営農の法人化による農地集積を進めてまいりましたが、国では個別形態を受け皿とした農地集積を基本方針としていましたために、法人化への取り組みが進みにくいという状況がございました。こうした状況を踏まえまして、国に対し法人を対象とした受け皿の必要性を強く働きかけました結果、新たな支援制度が創設され、全国的にも集落営農の法人化に向けた取り組みが構築されたところでございます。  また、製造業におきましても、本県の基幹産業であります自動車産業に関連する車体課税の抜本的な見直しやグリーン化税制の拡充、深刻な受注低迷が懸念されております造船業の国際競争力の強化につながる税制の支援、思い切った為替政策の断行など、国に対してこれまで強く要請してきたところでございます。  また、御指摘の来年度におきましては、農業分野におきましては、経営規模の拡大に向けた集落法人の設立支援や意欲ある担い手の育成、また、製造業におきましては、成長分野への事業展開や高付加価値化、海外市場の獲得などに重点的に取り組んでまいりたいと考えております。  とりわけ、中小企業の生産性の確立に向けましても、マーケティングや知的財産の活用など、それぞれの経営課題に即した集中支援や新たな事業展開を担うための人材の確保に向けた支援についても、さらに拡充を図ってまいることといたしております。  県といたしましても、今後、人口減少に伴う国内市場の縮小や国際間・地域間競争のさらなる激化が見込まれる中で、本県産業はこれまでのやり方を続けていたのでは、いずれ立ち行かなくなるのではないかという強い危機意識を持っているところであります。こうした認識のもとに、本県産業の制度的・構造的な改革に引き続き取り組みますとともに、一次産業から三次産業まで、新しい価値を見出すイノベーションを幅広く起こすことにより、魅力ある雇用創出や所得の向上を図ってまいりたいと考えているところであります。  次に、イノベーションによる成果指標についてのお尋ねでございます。  本県が目指しておりますイノベーション立県の姿とは、県内企業がすぐれた技術力などの強みや強みの芽を最大限生かしつつ、イノベーションにより常に付加価値の高い製品やサービスを生み出し、新たな市場を獲得することで強固な経済基盤が確立されていくというものであり、その具体的な成果といたしましては、最終的には、産業面におきましては県内総生産や一人当たり県民所得にあらわれてくるものと考えております。  しかし、県といたしまして金融や財政などのマクロ経済政策という手段を持っていないという状況もありまして、県内総生産そのものを直接的な目標に掲げることは困難でありますため、「ひろしま未来チャレンジビジョン」におきましては、イノベーション立県を実現するという目標の達成状況を確認するための参考指標として掲げているところでございます。各種施策の成果指標につきましては、よりわかりやすく具体的な目標を設定し、常にその成果を点検・評価するとともに、県内総生産などのマクロ指標の推移もあわせて把握・分析することによりまして、効果的な施策展開に努めてまいりたいと考えております。  次に、ファンド事業にかかわります県の説明責任についてでございます。  県は、県民からの負託を受けて県政を推進していく中で、議会や県民の皆様に対し県政の諸活動について具体的に明らかにし、説明する責任を負っているものであり、県が主体となって推進しておりますひろしまイノベーション推進機構につきましても、その説明責任を十分に果たしてまいりたいと考えております。その際、企業の情報につきましては、本県の情報公開条例の規定に基づき、企業の競争上の地位、その他正当な利益を害することのない範囲でお示ししていくことが必要であると考えております。また、ひろしまイノベーション推進機構に関する情報につきましても、特に投資案件に係る重要な情報につきましては、その開示によりまして機構や投資先の競争条件に不利益を与える場合も考えられ、結果として機構の株主やファンドの出資者である県、ひいては県民の利益に影響を及ぼすことも考えられます。こうした点にも十分配慮しながら、今後とも可能な限り情報を開示するという基本的な姿勢に立って、適宜・適切に対応を行ってまいりたいと考えているところであります。  次に、安心な在宅医療の実現についてのお尋ねでございます。  平成十九年の国の調査では、自宅での療養を望む人が六割を超えておりまして、今後、急性期の治療を終えた患者の受け皿として、終末期のケアを含む在宅医療のニーズは高まってくるものと認識いたしております。在宅での療養を実現するためには、入院から在宅へ円滑な移行が行われますこと、身近なところに在宅医療や多職種連携による在宅ケアの受け皿がありますこと、急変時及びみとりへの対応が可能でありますことなどが重要となります。このため、県におきましては、スムーズに在宅療養へ移行する体制づくりを進めるため、昨年六月にその牽引役となる広島県地域包括ケア推進センターを設置いたしますとともに、県内二十五カ所で退院時に患者や家族を中心に入院機関と地域のかかりつけ医やケアマネジャーなどを交えたカンファレンスを行い、帰ったその日から在宅ケアを可能とするチームケア事業を推進しているところであります。  また、地域包括ケアのリーダーを確立するために、県内百二十五の日常生活圏域すべてにおきまして、在宅医療を実践し、医療と介護の連携の牽引役となります医師を育成する研修を実施しており、平成二十六年度までに百五十人を養成することといたしております。  さらに、拠点となる場所を位置づけるため、急変時やみとりに対応した二十四時間体制を可能とするための医師の連携推進や後方支援などを行う在宅医療連携拠点事業に取り組んでおり、平成二十六年度までに全市町に拠点を整備したいと考えているところであります。これらの取り組みによりまして、在宅医療の推進を重層的に進め、広島に生まれ、育ち、住み、働き、そして高齢期を迎え、人生を終えるまですべての県民の皆様が安心して暮らし続けることができる広島県づくりを、全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。  その他の御質問につきましては、担当説明員より答弁させていただきます。 6: ◯議長(林 正夫君) 商工労働局長津山直登君。         【商工労働局長津山直登君登壇】 7: ◯商工労働局長津山直登君) まず、政策立案のプロセスにつきまして、御指摘のございました創業環境整備促進事業を例にとりまして御答弁申し上げます。  この事業につきましては、まず昨年の五月、県政運営の基本方針を議論する場である経済財政会議におきまして、イノベーションを起こすためにはダイナミックな事業環境や創業しやすい環境の整備が重要であるとの御指摘がございました。  これを受けまして、商工労働局といたしましては、県内におきます開業事業所数がこの十年で約四割減少し、廃業率が開業率を大きく上回っていることなどを踏まえまして、起業や第二創業におけるボトルネックや、それを解消するための支援策等につきまして、企業や金融機関等からの意見聴取や先進事例等の調査などを行いました。  また、昨年七月に設置いたしました、県内の産業界、大学、金融機関、行政の、いわゆる産学金官のトップメンバーで構成いたします地域イノベーション戦略推進会議におきましても、新しいアイデアや技術を事業化につなげる仕組みが必要であるといった御意見などを踏まえまして、具体的な支援策のあり方について検討し、最終的には、経営戦略会議の議論を経まして、昨年十二月に策定されました県政運営の基本方針二〇一三におきまして、多様な創業や事業化を積極的に促すための支援体制を強化することが盛り込まれたところでございます。  具体的な事業の制度設計に当たりましては、現状の開廃業数等を踏まえまして、当面、年間三百件の創業を目指すこととし、その目標の達成に向けまして創業セミナーの実施や専門家による集中的な経営支援、民間支援機関のノウハウを活用した創業支援など、創業者等のニーズにきめ細かく対応し得るメニューをパッケージとして用意したものでございます。  次に、ひろしまイノベーション推進機構についてでございます。  まず、ファンド運営会社の状況についてでございます。  ひろしまイノベーション推進機構は、開業以来、順次体制強化を図ってきており、現在は非常勤役員三名、常勤役員一名、常勤職員八名の体制であり、常勤役職員につきましては、二名の事務管理部門を除く社長以下七名体制で投資先の発掘、調査、検討、投資の実行、投資先への経営支援などの活動を行っております。機構が支払う報酬につきましては、現状の体制の年度予算ベースでは、役員報酬が役員四名で計二千四百七十三万円、職員の給料、手当、賞与が八名で、合計七千五百七十五万七千円となっております。  機構では、これまでに百社を超える企業から投資の相談をいただいているところですが、このうち、機構側から相手先を訪問したケースも九十社程度あると伺っております。  県による機構のチェックにつきましては、設立に当たって県が示しました設立趣旨や投資原則等に即した運営がなされているかという視点から、株主として株主総会の議決等を通じてチェックを行っているほか、機構が県の出資団体であることから、地方自治法第百九十九条の規定に基づく監査委員監査の対象にもなっているところでございます。  次に、ファンド事業に係る情報公開についてでございます。  機構の経営状況につきましては、毎年六月、議会に対しまして同社の出資法人経営状況説明書を提出し説明を行うこととしているほか、常任委員会等におきまして、機構の組織・運営体制や投資事業有限責任組合の組成の状況等につきまして適宜説明を行ってまいりました。また、投資案件に関する情報については、投資決定後、速やかに情報提供を行っております。  なお、昨年十月の産業活性化対策特別委員会では、第一号の投資先であるオー・エイチ・ティー株式会社の代表取締役社長を参考人として招致され、機構からの投資と経営支援の状況等について同社社長による意見陳述と質疑応答も行われたところでございます。  今後とも、機構の経営状況や投資案件に関する情報につきましては、可能な限り議会や県民の皆様に対しまして、できるだけわかりやすい説明に努めてまいります。  次に、具体的な事業目標及びスケジュールについてでございます。  ひろしまイノベーション推進機構の具体的な事業目標とその達成時期につきましては、まず、ファンドの組成後の六年間、つまり平成二十九年末までにファンドの資金を活用して十件程度の投資を行うこととしております。また、投資後につきましては、投資先企業の経営支援を行いまして、ファンドの組成期間である十二年間が満了する、つまり平成三十五年末までに投資先企業の成長を達成し、すべての投資について終了させることが事業目標となっております。  次に、オー・エイチ・ティー株式会社への投資の評価とファンドの支援に係る経営責任についてのお尋ねでございます。  第一号の投資案件であるオー・エイチ・ティー株式会社は、県内に拠点を置き、独自に開発した非接触電気検査装置技術によりまして事業を展開していること、今般、その技術をさらに進化させるとともに、東アジア市場での拡販やLED検査事業等の新規事業に取り組み、新たな成長を目指していること、経営陣は顧客からの信頼も厚く、計画の実施に向けて経営責任を果たすことができることなどから、県が示した投資原則に合致する優良な投資案件だと認識しております。  オー・エイチ・ティー株式会社は、不適切な会計処理があったことなどから、平成二十一年に東京証券取引所マザーズ市場を上場廃止となり、それ以降は金融機関から信用状況に不安がある会社と評価され、例えば、手形決済ができない、新規設備投資融資が受けられないなどの制約が課せられ、資金調達面の障害となっておりました。今回のひろしまイノベーション推進機構の投資により、これらの障害は取り除かれております。具体には、財務基盤が改善し、また、信用力が回復したことから、当面は資金調達が必要ではございませんが、金融機関からの資金調達につきましては確実に改善していくものと考えております。  機構がハンズオン支援で担っている社外役員の責任につきましては、会社法など法令にのっとってそれぞれ取締役、監査役としての責任を有するものでございます。経営が悪化した場合、取引先へ損害を与えるようになった場合の社外役員の責任は、それぞれ個別具体の事例によりさまざまであると考えられますが、いずれにいたしましても、役員といたしましては法令にのっとった適切な責任を果たさなければならないと考えております。  次に、投資済み案件の県内経済への波及効果等についてでございます。  オー・エイチ・ティー株式会社における投資計画につきましては、中国向けの戦略製品となる廉価版の検査装置やセンサーの高性能化等に係る研究開発投資、さらには、中国でのサポート拠点の整備等への投資等について、平成二十五年度までを目途に行われることとなっており、今後さらに中国市場での販路拡大を進めていくこととしております。  県内経済への波及効果につきましては、今回の投資が十億円規模のものであることから、十一兆円規模の県内総生産への押し上げ効果はわずかなものとなります。しかしながら、オンリーワン技術をベースにグローバルに展開していく同社のような存在は、本県産業にとって成長のモデルとなるものであり、これに続く企業が輩出してくるという波及効果も期待しているところでございます。  また、雇用面では、現状では新たに研究開発等で必要な要員が数名雇用されるにとどまっておりますが、今後の同社の事業拡大やそれに伴う取引拡大等によって生まれる雇用効果もあるものと考えております。 8: ◯議長(林 正夫君) 土木局長高垣広徳君。         【土木局長高垣広徳君登壇】 9: ◯土木局長高垣広徳君) 経済対策における公共事業の役割に対する認識についてお答えいたします。
     公共事業は、社会資本の整備を通じ地域住民の皆様に安全と安心を提供するとともに、地域の活力をつくり出す上で重要な役割を果たしているものと認識しております。とりわけ、中山間地域におけるきめ細かな公共事業の実施は、地域経済の底上げや雇用の確保などの役割を担っていることも事実であります。  このたびの単独建設事業の平成二十五年度当初予算案につきましては、平成二十四年度当初予算に比べ九%の減となっているものの、中期財政健全化計画のもととなる平成二十二年度当初予算との比較では、計画どおりほぼ一二%の減という状況にございます。  一方で、補助公共事業等を合わせた公共事業費全体では、平成二十四年度二月補正予算案を含め、平成二十四年度当初予算に比べて一九%の増と、事業量の確保に努めたところでございます。加えまして、これまで比較的規模が小さく、速効性の高い取り組みについては単独公共事業として実施してまいりましたが、このたびは県管理道路の舗装道補修を初めとするインフラ老朽化対策を補助公共事業に盛り込み、きめ細かな取り組みを一体的に進めることにより、地域の建設業者の受注機会の確保にも配慮したところでございます。こうした取り組みを通じ、中山間地域などにおける地域経済の活性化を図りますとともに、社会資本未来プランに基づく社会資本整備を着実に進めてまいりたいと考えております。 10: ◯議長(林 正夫君) 健康福祉局長佐々木昌弘君。         【健康福祉局長佐々木昌弘君登壇】 11: ◯健康福祉局長佐々木昌弘君) 児童虐待死事案についてお答えいたします。  議員御指摘の府中町に住んでいた唯真ちゃんが亡くなった事案は、昨年十月一日、月曜日、週末に行われた学校の運動会の振りかえ休校日に発生いたしました。私が第一報を受けたのは、岡山県笠岡市におりました。そこで、まずは局の職員に対し、事実確認と、そして県の関与について把握するよう指示いたしました。同時に、常任委員会の委員の皆様に第一報を電話で御連絡さしあげました。その後、県庁に戻ってから、この事案は県の西部こども家庭センターが関与していたこと、そして、議員の御指摘どおり、文書ではなく電話による連絡のみ、府中町に対して措置解除の際に行っていたことがわかりました。  そこで、まず、今回の事案を組織内部で検証いたしましたし、また同様に、文書によって通知を行っていなかった児童のその後の状況の把握を行いました。幸いにして、その他の児童については、現在、無事であることを確認できました。局の内部での検証では不十分な点もあるかもしれない、気づかない点もあるかもしれない、そういう思いから九名の有識者の外部委員から成る検証委員会を設置し、十月十四日、日曜日、第一回の検証委員会を開催し、そして一月二十五日、金曜日までの六回にわたる検証委員会での議論をいただきました。この間、県議会においても常任委員会、十二月定例会、そして決算特別委員会と多くの御指摘をいただきました。二月一日、金曜日、事案が発生してから四カ月後、私は検証委員会からの報告書を受け取りました。その中で、措置解除基準の明確化など六項目にわたる提言をいただきました。  県といたしましては、委員の皆様からいただいたこれらの御指摘や検証委員会からの提言内容を真摯に受けとめ、迅速かつ着実に対応していくために、体制を速やかに構築したいと考えております。  本事案では、県西部こども家庭センターが母親らに対する面接を重ねるとともに、一年半をかけて母と子の面談、外出、外泊を繰り返し実施するなどして、本児童が家庭復帰する準備を進めた結果、親子関係は改善したと判断し、措置解除を行いました。今回、措置解除から一年半、くしくも家庭復帰まで県こども家庭センターがかけた期間と同じ一年半の間、措置解除後、周囲の方たちが特段の異常に気づくことはありませんでした。そして、昨年十月一日、死亡に至りました。  この事案を受け、検証委員会からは、センターの対応について、児童の家庭復帰に際しては虐待のリスクは変化するという観点を持つこと、市町に対しては文書で情報提供することという指摘をいただきました。  このため、今後、まずはセンターにおいて措置解除時の援助方針会議について、全ケースにおいて開催するように改めるとともに、関係機関等との情報共有を徹底するなど、対応の改善を図り、そして、案件の重大性に応じて現場から本庁に報告や相談が上がるよう、局長である私が先頭に立って健康福祉局の組織内統制を図ってまいります。 12: ◯議長(林 正夫君) 病院事業管理者大濱紘三君。         【病院事業管理者大濱紘三君登壇】 13: ◯病院事業管理者大濱紘三君) 県立病院の経営体制についてお答えいたします。  県立病院の経営に当たりましては、将来にわたって地域の医療環境に応じた政策医療の提供など、公共的な役割と最少の経費で最大の効果を発揮する経営の効率化の両立が最も重要であると認識しており、これを実現するための経営形態も大きな課題であると考えております。病院事業の独立行政法人化につきましては、経済性を発揮する上で適した経営形態であると言われておりますが、その一方で、公共性の確保を懸念する意見などもございます。  こうしたことから、我が国全体の医療政策の動向や他県の事例の検証、国民の方がどういう県立病院を望まれているかなど、総合的に検討していく必要があると考えております。病院事業局といたしましては、平成二十一年度から地方公営企業法の全部適用に移行し、経営状況も大幅な改善基調にあることから、当面は現在の経営形態の中で最大限の経営効率化と医療機能の強化を図り、県全体の医療水準の向上に貢献してまいりたいと考えております。 14: ◯河井案里君 議長……。 15: ◯議長(林 正夫君) 再質問を許します。河井案里君。 16: ◯河井案里君 再質問として、政策立案のプロセスについてお伺いしたいと思います。  先ほど、この質問をいたしまして、商工労働局長より今回の予算の項目として掲げられている創業環境整備促進事業を例にるる御説明をいただいたところでございますが、私の質問を聞いておられなかったのでしょうか。私は、この政策立案のプロセスについてという質問の中でどういう質問をしたかと申しますと、もう一度読ませていただきます。  経済施策と社会インフラ整備が政策としてリンクしていないこと、意見を吸い上げる機関であるさまざまな会議、意見を調整する経営戦略審議官などが配置されていながら、それでいて政策に革新が生まれていないという現状に対応するため、経済施策を決定するプロセス・組織のあり方そのものを変革すべきではないかと考えますが、知事はどのように考えておられるのか、こういう御質問をしたわけでございます。  たくさんの執行部の方が並んで座っておられますが、どなたも商工労働局長の御答弁に対しておかしいと思われなかったのだろうと思います。商工労働局長にお伺いするよりも、ここは知事の代理者として、きょうは城納副知事が任命されておりますので、副知事にお聞きしたいのですが、そもそも私がこの質問で伺いたかった組織のあり方、プロセスのあり方、経済施策に関してどういうプロセスであるべきかということについてお伺いしたいのと同時に、なぜ先ほどのような商工労働局長の御答弁があったのかもあわせてお聞かせください。 17: ◯議長(林 正夫君) 経営戦略審議官田邉昌彦君。         【経営戦略審議官田邉昌彦君登壇】 18: ◯経営戦略審議官田邉昌彦君) 政策立案のプロセスにかかわって、政策立案そのものを所管しております経営戦略審議官の立場からお答え申し上げたいと思います。  今、議員御指摘の点、幾つかございますけれども、特に、政策を幾つか連動させて横ぐしを刺して、そして新しい事業あるいは政策を立案する過程で、今、我々が所管している仕組みあるいは組織というものがどういうふうに機能しているかという御質問であろうかと思います。  その御質問に答える前に、政策立案に当たって、私ども審議官組織で重要だと考えていることが幾つかございます。  一つは、県行政における政策を議論するに当たって、行政にとどまらず、できるだけ幅広い視点から議論する必要があるということ、そして、その議論を県庁の中で検討する過程においては、今、議員御指摘にありましたけれども、縦割り、組織に沿った検討ではなくて、組織の壁を越えて、オール県庁で議論していく必要があるということ、そして、もう一つ、これまで我々が進めてきた施策の実施方法あるいは成果をしっかりPDCAで検証して、それを新たな政策立案につなげる必要があると考えているところであります。  こうした観点から、先ほど商工労働局長が申し上げましたように、まず経済財政会議において、我々が今取り組むべき課題あるいは施策の方向というものを各局も入って議論した上で、それと並行してすべての局長を構成員といたします経営戦略会議において、その課題の議論、または県として取り組むべき施策の議論を各局の垣根を越えて議論し、かつそれと並行しながら夏に施策マネジメントでPDCAサイクルを回し、こうした政策立案の練り上げの過程を経て、県政運営の基本方針二〇一三をまとめたものでございます。  商工労働局長が御答弁申し上げたのは、その中の一つの事業について、商工労働局あるいは経営戦略のそうした組織がどうかかわってきたかということを例示として御答弁申し上げましたけれども、全体にわたる基本的な政策立案のプロセスについては、ただいま申し上げたような過程で施策を練り上げてきたところでございます。 19: ◯河井案里君 議長、再々質問。 20: ◯議長(林 正夫君) 再々質問を許します。河井案里君。 21: ◯河井案里君 広島県職員の皆さんが優秀なことは私はよくわかっておりますが、議会に対してどういう姿勢で臨まれているのかということが、きょう、今回の議会対応でよくわかったと思います。知事がきょうはお休みで、知事の代行として副知事が任命されている。それでもこの議会が成り立つと、私たち議会もそのように判断したし、執行部の皆さんもそのように判断されたのです。それは、先ほど商工労働局長があのような御答弁をなさったのは、私が前もって質問を執行部の皆さんにお渡ししていた質問だったからです。出来レースではないのです、議会というのは。緊張感が足りないのではないか。議会においてももちろん、今回の、こうやって知事がおられないのに代表質問を開催するということを反省すべきだと思いますが、執行部の側もやはり同じように引き締めなければいけないと思うのです。  私が今お聞きした問題は、組織のあり方やプロセスそのものにかかわる非常に大きな話なのです。経営戦略審議官はもちろん大変偉い方かもしれないが責任者ではない。この県政の責任者は知事お一人なのです。きょうここにおられる執行部の皆さん、どなたも責任者ではない。大変残念に思いますが、今、私がお聞きした組織のあり方やプロセスといった問題については、非常に大きな問題でございますので、知事に重要なことは電話で相談をするというふうにきょう新聞に載っておりましたので、ぜひ、今、お電話をされて聞いていただきたいと思うのですが、城納副知事、いかがですか。 22: ◯議長(林 正夫君) 知事職務代理者副知事城納一昭君。         【知事職務代理者副知事城納一昭君登壇】 23: ◯知事職務代理者知事城納一昭君) 先ほど、商工労働局長が確かに創業環境整備促進事業の観点からお答えを申し上げました。また、経営戦略審議官は、施策立案の観点から申し上げました。私は、御指摘の組織、プロセスの観点から申し上げさせていただきたいと思いますが、湯崎知事が就任されましてから、平成二十四年度が三年目であります。施策立案のプロセスを立案する過程、一つには、申し上げました学識経験者等を入れております経済財政会議で幅広く意見を伺うということ、もう一つが、県庁の中にPDCAサイクルを確立し、今年度から正式に動かしている状況があります。毎週一回は、庁内の局長が集まって行われます経営戦略会議の中で、執行モニタリングと称しまして、本年度の事業の実施状況、進捗状況をチェックしております。そして、新たな予算編成、次の年度に向かいましては、そういった取り組みの中で、過去のチェック、外部からいただきました意見をもとに、新しい年度に向けて重点事業の取り組みを進めていくプロセスを踏んでおります。  私の実感で申し上げますと、こういった仕組みが形成されたのは、まさに平成二十四年度が、形が整った状況であるというふうに認識いたしております。ただ、振り返ってみまして、その政策形成のプロセスが必ずしも十分に機能しているかどうかは、それは日々、自問自答しながらやっております。本当に県民起点に立って、県民のためにこの事業の成果が結びつくかどうか、そういったことは我々身にしみながら絶えず考えていかなければいけないと思っております。  御指摘の組織、プロセスにつきましては、絶えず改善を図っていくことが肝要であります。本年度の取り組みの結果も踏まえて、さらによくなるよう改善を進めてまいりたいと考えているところであります。 24: ◯議長(林 正夫君) この際、暫時休憩いたします。午後の会議は一時から開きます。         午前十一時四十九分休憩              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~         午後一時一分開議 25: ◯議長(林 正夫君) 出席議員六十一名であります。休憩前に引き続き会議を開きます。  引き続いて質問を行います。日下美香君。         【日下美香君登壇】 26: ◯日下美香君 皆さん、こんにちは。公明党広島県議会議員団の日下美香でございます。会派を代表して質問させていただきます。  このたびの政権交代で、新政権に対してはデフレ脱却、日本経済の再生に向けて、その確実な実行に期待が高まっているところであります。このたび成立した二〇一二年度の補正予算には、命を守る防災・減災対策、雇用を生み出すための支援策が数多く盛り込まれています。これらの景気対策に連動して、県内の景気・雇用対策を迅速に切れ目なく講じていかなければなりません。公明党広島県議会議員団としても、昨年の十二月十八日とことしの一月十五日に知事に当初予算要望を行ったところであります。円高や物価の下落が続き、県内の景気は極めて厳しい状況にありますが、来年度は進化の年と知事が銘打ったように、新たな経済成長の軌道に向かう進化過程を県民が実感できる施策展開を進めていただきたいと思います。当局の明快な答弁を期待し、早速質問に移ります。  質問の第一は、人づくり分野における取り組みについて、五点お伺いいたします。  日本の近代以降、初めての現象として少子・高齢化と人口減少が挙げられ、この二つの進展はどちらも、税を担う人たちの減少という意味において将来の財政状況の懸念材料になっています。このことに歯どめをかける政策などをさまざま講じてはいますが、もはやこの減少をとめることはできません。であるならば、私たちは、少子・高齢化や人口減少を逆手にとり、いかにそのサイズに合った財政や経済のあり方を探っていくか、また、暮らしやすいまちづくりに知恵を出していくかが問われてきます。さらに、すべての人が社会でその個性に応じた力をどのように発揮していくのかということが大切になります。まさに、初めて挑戦する時代の転換期にあっては、従来の発想の枠にとらわれない柔軟さが最も求められると思います。悲観的になりやすい材料を創意工夫しながら笑顔に変えていけるような柔軟な知恵と県民総動員ですべての人を活用するという信念があれば、もっと生きやすくなる人が多くなるのではないでしょうか。  さらに、これら二つの要因に加えて、職場や地域の中で人間関係の希薄化が社会的な孤立を招き、いじめや虐待、自殺や心身の病などが急増しています。生活基盤を支える雇用の安定を柱に、これまで以上に、一人一人を社会の構成員として大切にする共助社会を築く必要があります。また、貧富の拡大や格差の固定化を防ぐため、若者や女性の雇用対策に重点的に取り組むとともに、生活保護になる前に生活の継続、再挑戦ができるよう、セーフティーネットの再構築にも力を入れていかなければいけないと思います。  そうした意味でも、本県の重点分野の一つである人づくりは特に重要であり、県政運営の基本方針二〇一三の中でも女性の働きやすさ日本一への挑戦、新たな価値を創造する人材の育成、社会で活躍する人材の教育といった柱が掲げられております。人口減少やグローバル化の進展、あるいは住民の価値観や生活スタイルの多様化などにより、今までの長時間労働の画一的な働き方から、従来とは違う発想で多様な人材を生かす働き方が求められます。今まで余り生かされてこなかった女性、外国人、若者、こうした人たちが存分に個性に応じた働き方ができれば、新たな価値を生んでいくことになると思います。  しかし、これらは人の意識が大きく変わらなければいけない部分も多くあるので、知事の強いリーダーシップのもとによほど思い切った政策を展開しなければ、その実現は難しいのではないかと思います。知事は、第一次産業から第三次産業まで幅広くイノベーションを起こすための新たな視点として、ファミリー・フレンドリーを掲げておられますが、平成二十五年度の重点施策の人づくりの分野において、このファミリー・フレンドリーを視点として、どのような取り組みを進め、本県産業にイノベーションを起こそうとしておられるのか、お伺いいたします。  二点目の質問は、女性の働きやすい環境づくりについてお伺いいたします。  厚生労働省の調査によりますと、母親の出産前後の退職率は五四%、そのうち、常勤で仕事を続けたかったが両立が難しいのでやめたとする人が三五%いました。知事の育メン宣言により、広島県にも徐々にその風潮は広がりつつあり、環境が整えば育児にかかわりたいとする男性も多いと思いますが、やはり子育ては女性が中心になっており、負担も大きくなっています。  しかし、昨今の経済環境の中で、共働きを希望する女性はふえており、そうした女性が働きやすく、もっと伸び伸びと活躍していく環境を整備することは、県経済にとっても大きな成長になることは間違いありません。そのためにも、まず具体的に必要となるのは保育の課題です。保育園の不足や待機児童の課題についてはさまざまな対応を考えておられるようですが、保育サービスに対する期待も高く、多様化してきているため、多様な保育ニーズへの対応も考慮しなくてはいけないのではないかと考えます。  先日、全国的にも珍しい保育の事業に取り組んでおられる宮崎県に行ってまいりました。今年度、宮崎県では病児等お助け保育モデル事業を展開しています。これは、保育所や幼稚園で保育中の児童が発熱などした際に、保護者が仕事などで迎えに行けない場合、保護者にかわって看護師らを派遣し、一時的に児童を預かって面倒を見るというものです。女性が幼い子供を抱えて働く場合、保育所などに預けた子供に熱が出たときなど、駆けつけられなかったらどうしようということは、最も気にかかると聞いています。雇用主も、そうした女性を雇う場合に、子供の病気などで仕事を急に休まれたら困るというのが不安材料になると言われております。こうした行政の制度があると、万が一のときに、雇用主にも働く人にも安心感を与えるという意味では、かゆいところに手が届くサービスと言えると思います。  お隣の岡山県でも、来年度は病児保育施設をふやすための独自の補助制度を設けるとの報道が先日ありました。待機児童解消は当然のこととして、女性の働き方が多様化している今、休日保育、夜間保育、病児・病後児保育などは、女性の働きやすさに直結してくると思います。安心して仕事と子育てを両立できる多様な保育ニーズの提供など、働きやすい環境づくりへ向けての対応について、知事の御所見をお伺いいたします。  昨年の予算特別委員会において、人づくりとしての子供と若者の育成支援、特にさまざまな事情により社会生活を円滑に営む上での困難を有する子供や若者についての対応を知事にお伺いいたしました。知事は、広島県子ども・若者計画の策定を進めており、その中でそうした子供や若者への支援を重点的に行うこと、さらに、切れ目のない支援や適切な居場所づくりなどによる社会的な自立の促進に取り組む旨を答弁されました。  そこで、三点目の質問は、改めてこうした子供や若者の自立支援の具体的な取り組みについてお伺いいたします。  みんなで育てるこども夢プランについて県が検証を行っている項目のうち、目標達成のために努力が必要としているものに、配慮が必要な子供の支援があります。すべての子供たちが笑顔で暮らしていくためには、大人の愛情に見守られながら社会で自立していくこと、この循環は、当たり前のようですが、とても大切です。しかし、昨今、残念なことに虐待などにより、この当たり前の営みが中断されたまま成長していくことを余儀なくされる子供たちがふえています。現実に施設や里親のもとではぐくまれる子供たちに対し、働けるまでのプロセスをサポートしていくことは大変重要な行政の仕事と考えます。  今、若者の雇用対策などに県は力を入れていますが、そうした子供たちは、社会の中でより自立しにくい環境にあることを見逃してはいけません。施設整備というハード面だけではなくソフト面の充実が必要だと思いますし、もっと県はそうした子供たちの自立に配慮すべきです。十八歳までしか施設や里親のもとにいられない今の制度の中で、子供たちは高校卒業と同時にたった一人で生きていかなければなりません。弱冠十八歳の今の若者が就職しても、相談するところもなく、ひとりぼっちで生きていくには余りにもそのリスクは高く、離職も多いと聞いております。もちろん、そのような環境の中でも立派に生きている人たちもたくさんおられることでしょう。しかし、そうした子供にも、困ったときには相談したりアドバイスをもらったり、アパートを借りるときの保証人として力をかしてくれるような大人の存在があれば、もっとスムーズに自立への道が開けます。  しかし、それを心ある人の善意に任せているだけでは長続きはしません。親もいない、親戚もいない環境においては、行き詰まり立ちどまったときなど、心を休ませることができる場所を工夫して提供していくべきではないかと思います。  さらに、社会的配慮が必要な子供や若者への切れ目のない支援や社会的な自立の促進に取り組む姿勢を示しながら、言われることとされていることに違和感がある事例があります。子供たちが社会人になるに当たり、必須の資格は普通自動車免許です。特に男の子となると、仕事につく場合、車の運転は今や常識となっています。県は、昨年度あったにもかかわらず、今年度、先ほど事例で申し上げました普通自動車運転免許証を取得する予算を削減されました。来年度も予算計上はされておりません。県のこども夢プランにも社会的養護を必要とする子供たちへの自立支援対策の強化が挙げられているにもかかわらず、県全体から見れば、本当にわずかな予算だと思います。しかし、自動車運転免許の取得に要する経費の助成の予算を削除された理由をお尋ねしたいと思います。  また、ソフト面でも自立していくまでのきめ細かなサポートとさまざまな配慮をしていく必要があると考えますが、その認識と今後どのようにして取り組んでいこうとしているのか、知事にお伺いいたします。  四点目の質問は、中間的就労の推進についてお伺いいたします。  先日の新聞報道によりますと、二十歳から五十九歳の働き盛りで未婚・無職の男女のうち、社会と接点がない孤立無業者が二〇一一年時点で百六十二万人に上るとの調査結果を東大教授のグループがまとめたとのことでした。景気低迷に伴う就職難やリストラなどが響き、五年前と比べて四割強もふえています。ニートの高齢化が進行し、実態把握も困難になってきていることからも、困難に直面した人たちに早い段階から就労を丁寧に支援することは、財政リスクを回避していくためにも経済成長と背中合わせで取り組まなければいけない課題です。その就労を支援するためには、各人の置かれた状況に応じ、個別・継続的に各機関が連携した支援を行うことが必要ですが、従来どおりの支援だけでは手が届かないのが現状です。  広島県は、高校中途退学者の割合も全国平均より高くなっており、子供たちが就労して納税者になっていくには、大人や社会の支援や協力が不可欠です。当事者やその家族だけの問題ではなく、社会全体でのかかわりが必要との認識のもと、ひきこもり相談支援センターや地域若者サポートステーションなどが整備されてきたところではありますが、そういった傾向のある子供たちが在学中から、こうした施設と連携して支援していくことが、まさに切れ目のない支援ということではないでしょうか。  これまで、自治体や民間団体によるさまざまな生活就労支援が講じられ、入り口の相談支援、居場所づくりなどの支援が少しずつ整えられてはいますが、出口の就労となると、いずれの取り組みもボランティア活動への参加にとどまるケースが多く、本格就労への結びつけに苦慮しているのが実情です。先日、ひきこもりがちな若者を支援する方と意見交換する中で、そうした若者の傾向として、同世代とのコミュニケーションは難しいものの、おじいちゃん、おばあちゃんの世代とは意外とうまく交流できること、また、土いじりなどの農園作業には積極的に取り組むなどの特徴があるとのことでした。  こうした中で、我が公明党の重点施策にも掲げていますが、一般就労の準備段階として、短時間でできる仕事から就労体験を積み重ね社会復帰を後押しする中間的就労という取り組みが注目を集めています。京都府では二〇一一年度から始めた生活・就労一体型支援事業を通して、就労意欲がありながらも働くことに不安を抱えているニートや長期失業者などに対して、生活相談支援に加えて、短時間の軽作業から取り組めるよう中間的就労を就職自立支援として行っています。長引く景気の冷え込みによって企業に経済的余裕がなく、中間的就労を受け入れることに抵抗を示すケースも少なくない中、京都式社会的貢献型ステップアップ事業として、緊急雇用基金を活用し中間的就労者の人件費や必要経費の支援を行っているとのことでした。  このような中間的就労を活用した取り組みは全国的に広がりつつあります。一般就労が難しく、従来の福祉施策の対象とならない長期のひきこもり、不登校などの若者のために、一般就労でも福祉的就労でもない中間的な就労の場の取り組みを推進していく必要があると考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。  五点目の質問は、県立大学の今後のあり方についてです。  大学の使命は、まさに社会に有為な人をつくっていくことです。来年度からの新たな第二期中期目標を今年度策定されていますが、中期目標案の基本理念は、「地域に根ざした、県民から信頼される大学」となっており、人材育成目標として、グローバル化が進む社会経済環境の中で企業や地域社会において活躍できる実践力のある人材の育成が掲げられています。地域とグローバルという表現が出てきますが、県立広島大学においてどのような人材を輩出しようとしているのか、いま一つわかりかねます。新たな価値を創造する人材育成について、知事は常にグローバルという表現をされます。世界で通用するという意味もあると思いますが、グローバル人材を求める企業とグローバル化に対応できるマネジメント力を身につけた人材の育成を目指す大学側との間に、グローバルに対する共通尺度をきちんとつくるべきではないかと思います。グローバルの名のもとにそれぞれが求めているものが異なるとすれば、一番困るのは学生です。学生が、グローバルに活躍したいと望んで大学で学び、出口としてそうした学生を求める企業に就職するという循環のためにも、グローバルという共通尺度のもとに官民挙げて人づくりを進めていかなくてはいけないと思います。例えば、中国地方にまだない経営学修士を県立広島大学で取得できるようにするとか、広島版MBAをつくり就労への道筋をつくるなど、学生の、県立広島大学へ進学したいと思わせるモチベーションを上げる取り組み、特徴が必要ではないかと考えますし、思い切った改革を進めていくべきであると思います。  さらに、県立大学の地域貢献という観点からも、知の投資を県としてどのように活用し、整備していくのかということも含めて考えていかなければいけないと思います。県立広島大学について、これまでの課題を踏まえ、今後どのような役割や使命感を持って人材育成に取り組んでいこうとしているのか、知事の御所見をお伺いいたします。  質問の第二は、国際平和実現への取り組みについてお伺いいたします。  世界で初めて核の被害を受けたヒロシマの使命として、平和を発信し続けることは大切であり、被爆七十年となる二〇一五年のNPT再検討会議の広島開催については、党としても強く推進しているところであります。こうした取り組みの中から、関係者の努力により二〇一四年にはNPDI──軍縮・不拡散イニシアチブ外相会合の広島開催が決定したことは一歩前進であったと思います。  そのような中、このたびの北朝鮮が行った核実験は、核兵器廃絶への時代の流れに逆行した極めて愚かな行為であり、断じて許されない暴挙であります。核兵器を持てば国際社会に認められるという為政者の発想を、核兵器を手放すことこそ国際社会から最高の賞賛と喝采を浴びるという発想に改めさせていかなければいけません。ある被爆者は、どの国の核実験も絶対に許せない、北朝鮮を責めるばかりではなく、ほかの核保有国も核兵器廃絶に真剣に取り組むべきだと言われました。そのかなめとなっていくのが、このヒロシマだと確信しています。  先日、その北朝鮮に強い影響力を持つ中国共産党の習近平総書記と我が党の山口代表が会談いたしました。尖閣諸島をめぐる問題などについて、山口代表の、両国の難局打開には政治家・指導者同士の対話が大事との呼びかけに対し、中国側も真剣に検討していきたいと表明しました。一方、中国海軍艦船による海上自衛隊護衛艦への射撃管制用レーダー照射に関しては、不測の事態の回避に向け、両国が冷静な対応に努め、対話を続けていく必要があると思います。  来る八月十二日に、日中平和友好条約提携三十五周年を迎えますが、両国の信念・基本を大事にして、大局的な立場で関係の改善、維持、発展を絶えず求めて話し合うことが大切です。領土問題をめぐってさまざまな懸念の高まりはありますが、今はともに手をとり、核の脅威に立ち向かわなければならないと思います。  また、核兵器なき世界を掲げノーベル平和賞を受賞したアメリカのオバマ大統領の二期目が始動いたしました。世界で唯一原爆を投下した国のトップに広島に来てもらい、その目で広島を見、声を聞き、肌で感じ、その結果を広島から世界の指導者に向けて発信してもらうことは大変重要であります。トップの広島への訪問は、核兵器廃絶への重要なプロセスです。  県では昨年、知事がスイスの国連欧州本部などを訪問し、国際平和拠点ひろしま構想の実現に向け精力的に活動し、この夏には音楽を通して平和を発信していくとして、ひろしま平和発信コンサートに取り組んでいます。  重ねて申し上げますが、ヒロシマの使命は本当に大きいと思いますので、一過性のもので終わらせるのではなく、県として将来にわたって積極的に取り組みを継続していくことが必要です。広島市長や広島出身の外務大臣ともしっかりと連携をとりながら、平和への加速のさらなるイニシアチブをとっていただきたいと思います。緊迫化する朝鮮半島情勢に対する危機感について、被爆地ヒロシマのリーダーとしてどのように認識し、今後、国際社会にどのような働きかけを行っていこうとしているのか、知事の御所見をお伺いいたします。  質問の第三は、広島市との連携強化の推進についてお伺いいたします。  県は昨年、住民によりよいサービスを提供するとして、類似する施設や事務事業などについて広島市との連携、役割分担を整理するため、合同研究会を立ち上げましたが、いわゆる二重行政解消の進展については余り実感がわかず、県と市の連携強化について、もっとメッセージを発信してもらいたいと思います。  一方、広島都市圏の魅力創出に向けては、未利用地の効果的な活用も含め、県もかかわっていくということで大変期待していたところです。これまでに廃止した県営広島西飛行場や旧市民球場、移転した広島市立特別支援学校及び県が廃止を決めた県営基町住宅などの跡地は、まさに市中心部の集客力の高い地域であり、本県の活性化に大きくかかわりを持っています。さらに、世界遺産の原爆ドームを有する平和記念公園周辺は、先ほどの跡地と同様に、中枢拠点性強化に向けて大きな影響を及ぼす地域であることは間違いありません。そうした状況の中で、今年度、本県も平和記念公園を訪れる観光客を繁華街の紙屋町、八丁堀地区に誘導する具体策を検討するための基礎調査を実施されたところであり、今後は、広島都市圏の中枢拠点性の強化に向け、具体的な施策に取り組んでいく必要があると思います。既存の公共施設を初め、重なる業務内容のものは、費用対効果の効率化とサービスのわかりやすさと利便性向上のためにも、できるだけ早く推進すべきと考えます。二重行政解消と広島都市圏の未来像の共有化に向け、広島市長とどのように連携を進めていこうとされているのか、今後の取り組みと課題について知事にお伺いいたします。  質問の第四は、臍帯血バンクの誘致と採取病院の設置についてお伺いいたします。  臍帯血とは、赤ちゃんが生まれるときの胎盤とへその緒の中にある血液のことです。臍帯血には血液のもととなる造血幹細胞がたくさん含まれており、白血病などの血液疾患の治療に用いられています。一つの生命の誕生がもう一つの命を救うということで、その重要性から一九九九年度に日本臍帯血バンクネットワークが設立され、臍帯血移植が注目されるようになりました。  七年前、秋篠宮妃紀子殿下が悠仁親王殿下を出産された際、皇室で初めて臍帯血をバンクに提供されたことが大きく報道されました。白血病の治療法として骨髄移植が行われる症例がふえてきましたが、骨髄ドナーの調整や負担が大きいことから提供が間に合わないケースも起きていました。これに比べ、臍帯血移植は必要なときにすぐ供給でき、安全で経済的・時間的負担もほとんどなく、拒絶反応を起こしにくいなどのメリットがあります。こうした移植は、現在、年間二千四百件行われておりますが、移植希望者登録は二〇一三年一月末現在で三千人おり、移植を希望するすべての患者ニーズにこたえるにはまだまだ不足しているところであります。また、今後、高齢化などに伴う移植ニーズの増大に対応するためにも急がれる課題です。  一方、昨年、日本で二人目となるノーベル医学・生理学賞を山中教授が受賞され大きな話題となりましたが、このiPS細胞の発展的な研究において重要な役割を果たすものとして、この臍帯血への期待が高まってきています。昨年九月に白血病など血液の難病に有効な治療法である骨髄、末梢血幹細胞及び臍帯血という造血幹細胞の移植を一体的に推進するための造血幹細胞移植推進法が全会一致で成立いたしました。この法律が今、iPS細胞など再生医療研究に臍帯血の活用を認めた法律としても注目を集めています。臍帯血は、年間千件を超える移植が行われており多くの患者の命を救っていますが、保存から十年以上たつと移植には使用されません。こうした臍帯血を利用しiPS細胞の作製を目指していますが、この法律には移植に使われない臍帯血を研究活用するということを認めています。iPS細胞のこれからの研究により、難病といわれるパーキンソン病などさまざまな病を治す可能性も多く秘めています。国もこのたびiPS細胞の再生医療を実現するため、基盤整備に二百十四億円の補正予算をつけ、十年間で千百億円もの投資をしていくこととしていますが、それほどまでに効果を期待されている研究です。  こうしたことを知った妊婦や保護者から私のもとに、臍帯血を提供したいが出産予定の病院では採取できないと言われた、広島ではどこに行けばいいのかわからないなどの問い合わせがありました。調べてみますと、広島では臍帯血を採取できる病院が一つもなく、臍帯血バンクさえも集約され、中国地方にはないこともわかりました。このたびのiPS細胞のノーベル賞受賞とこの法整備により、臍帯血を取り巻く環境は大きく変わりました。この法律の中には、公的バンクに対して国による財政支援も盛り込まれています。このような状況を踏まえ、白血病など血液疾患の治療に有効な臍帯血利用の拡大を図るため、広島にもぜひ採取病院の設置、公的バンクの誘致とともに、臍帯血に関する広報、担当窓口設置などの環境整備をしていただきたいと思います。  臍帯血を取り巻く広島での今までの経緯と今後の取り組みについて、知事にお伺いいたします。  質問の第五は、性暴力被害者支援の体制整備についてお伺いいたします。  昨年の予算特別委員会において、性暴力被害のワンストップ支援センターの設置について質問いたしました。まずは、より効果的な支援が行えるように、関係機関あるいは団体との連携強化に努めてまいりたいとの答弁があり、被害者支援連絡協議会で性犯罪被害者への支援を円滑に行うためのマニュアルを作成するなど、対応については関係団体の連携を強めることなどを確認されたところであります。本県における犯罪のうち、刑法犯認知件数は二〇〇八年から二〇一二年までを見ると着実に減少しているにもかかわらず、性犯罪についてはこの六年間横ばい状態で、年間二百件前後の被害が出ています。二〇一二年の広島被害者支援センターの電話相談も四人に一人が性的被害であります。さらに、被害者の年齢は未来のある若い十代、二十代が全体の四分の三を占めています。本県の十代の人工中絶件数が高いことは、こうした要因も考えられるのではないでしょうか。  犯罪被害者給付制度や警察の公費負担制度においては、医療費支援などがありますが、いずれも警察への被害申告が必要となっており、世間体を気にするなど、その申告数は内閣府の犯罪被害者白書によると一割程度にとどまっているのが現状です。被害に遭ったことを最も人に言いにくい犯罪だからこそ、見えていない被害も多くあるのではと思います。実際、性暴力被害は身内や知人からの被害が多いことを考慮すると、犯罪被害者支援とは別の形でも支援していくことが必要ではないかと考えます。  本県の対応は、警察へ被害申告をした場合は協力医と連携したり、女性捜査員による対応をしたり、カウンセリング制度を実施したり、以前と比べると随分充実してきたとは思いますが、警察にはなかなか言い出せない、声を上げられない九割近くにも及ぶ人たちにも、例えば、エソール広島、こども家庭センターなどや病院で相談しても同様の支援が受けられるような仕組みができないものかと思います。  佐賀県では、警察に相談できずに悩んでいる人にも支援が必要として、DV総合対策センターと男女共同参画センターの関係機関が連携し、女性の相談しやすさを最優先に、昨年の七月に県立病院内に性暴力救援センターを開設いたしました。五百万円の予算を確保し、病院での診察や検査、カウンセリングの費用を負担しています。この救援センターでは専用電話を設置し、女性の医療ソーシャルワーカーが相談を受けています。ほかに、県内三カ所程度の医療機関とも連携していますが、拠点となる県立病院の担当医によると、これまでは、もしやと思う人が来ても聞くこともできず、その場の対応しかできなかった、支援の輪をつないでいきたいと言われています。  全国的にも、性暴力被害者に対するワンストップの支援は広がりを見せており、現在、八都道府県が設置または設置を検討中とのことですが、広島県はこの性被害支援拠点についてのアンケートの中で、国の財政支援を求めるとしています。女性の働きやすさ日本一を掲げる本県としても、女性の尊厳を守る気風を社会全体ではぐくむことにもっと真剣に取り組むべきではないでしょうか。  今後、こうした課題についてどのように支援体制の強化・拡充を図っていかれるのか、知事にお伺いいたします。  最後の質問は、飲酒運転根絶のための条例制定についてお伺いいたします。
     飲酒運転によってかけがえのない命を奪う事故が今なお繰り返されています。飲酒運転が痛ましい事故を引き起こすたびに罰則が強化されてきました。この十年、自動車やバイクが起こす飲酒運転事故は大きく減ってきました。厳罰化の効果と言えると思います。しかし、死亡事故が根絶したわけではなく、広島市で一昨年五月、十六歳の高校二年生の男の子が自転車で帰宅中に、飲酒運転の車にはねられ亡くなりました。運転していた男は危険運転致死罪で懲役十年の判決を受けました。御両親は昨年五月、息子さんの一周忌を期して、福岡県が昨年春に施行した飲酒運転撲滅条例を広島でも制定するように、県並びに県議会に対して要望されました。悲しみに暮れる家族をこれ以上出してほしくないという思いを重く受けとめなければならないと、私自身も強く感じております。  福岡県が昨年制定した条例は、原因にさかのぼった予防対策と飲酒運転の抑止対策に主眼を置いているのが特徴です。また、検挙される人の半数が再犯であるということから、高い再犯率の原因となるアルコール依存症対策と教育及び徹底した啓発の必要性を掲げています。アルコール依存症対策と啓発措置については、初めて違反した人には医療機関でアルコール依存症検査を受けることを努力義務として、二回目以降は医療機関での受診を義務化し、従わなければ五万円以下の過料となります。そして、家族、知人については通報または相談、治療等の支援、または啓発への参加を努力義務としています。飲酒運転の抑止措置では、違反者に酒を提供した飲食店には、初回は口頭注意、再度違反者に提供するなど改善されない場合は、意見聴取した上で悪質と判断すれば、店名を公表するとともに、指示書の店内掲示を命じ、従わなければ三万円以下の過料が科せられます。このような罰則規定を盛り込んだ条例は全国初であります。この福岡県の条例は昨年九月に全面施行され、飲酒運転による事故が前年より三割近く減少し、統計の残る一九六五年以降、最も少なかったそうです。福岡県では、条例制定やその他の取り組みも進んでおり、県民の意識が高まってきた結果だと福岡県警は分析しており、条例制定の効果が早速あらわれたと言えます。  飲酒運転防止に関する条例は、既に大分県、宮城県、山形県、沖縄県にあり、昨年福岡県が条例を制定し、三重県、愛知県では条例制定の検討に入っているようです。このように、条例制定に向けた機運が全国で高まりつつあります。条例という形で推進していくことは、県民の視線そのものが家族や友人、周辺の人々への抑止力となり、常に意識していくきっかけにもつながります。  広島県も、飲酒運転のない安全で安心な県民生活の実現と県民挙げて飲酒運転根絶を目指すため、条例の制定に踏み出してはいかがかと思いますが、知事の御所見をお伺いいたします。  これまで、人づくりや県として推進していくべきと考えることについてさまざま述べさせていただきました。グローバル社会に対応できる人材に最も必要な力とは、自分と異なる価値観や考え方を持った人たちを受け入れられる力だと思います。  また、社会構造の変化により子供を取り巻く環境が大きく変わっていく中で、家庭、地域、学校がより緊密に連携していくことが求められています。子供が最も守られるべき家庭での虐待や学校でのいじめが原因による子供たちの死ほど、悲しく、痛ましいものはありません。すべての大人の責任で子供たちの成長を阻害する要因を取り除き、安心に、安全に学べる環境づくりに全力で取り組まなければなりません。  知事が重点分野として掲げる人づくりの根幹は、やはり教育だと思います。特に、子供たちに命の大切さを実感させる教育に力を注ぎ、これからの広島県の将来を担う人材育成に全力で取り組んでいただくことを切に要望して、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) 27: ◯議長(林 正夫君) 当局の答弁を求めます。知事職務代理者副知事城納一昭君。         【知事職務代理者副知事城納一昭君登壇】 28: ◯知事職務代理者知事城納一昭君) 日下議員の御質問にお答え申し上げます。  まず、ファミリー・フレンドリーについてのお尋ねでございます。  イノベーションを起こす、すなわちこれまでの発想や手法にとらわれることなく、新しいアイデアで物や情報、仕組みなどを組み合わせることにより、新たな価値を創造していくためには、創業や新たな事業展開に挑戦する人や企業を応援する仕組みを整えることに加え、斬新な発想ができる人材やアイデアを見立てる力、仕立てる力、動かす力、そしてグローバルに展開していく力を持った人材を幅広く集め、かつ定着を図っていくことが不可欠であると考えております。  こうした多様な人材を内外から引きつけ、定着を促すためには、家族そろって広島に行きたい、住んでみたいと思える環境を整備することが極めて重要であるとの観点から、ファミリー・フレンドリーな魅力創造をイノベーション創出に向けた重要な視点の一つと位置づけて、さまざまな施策に取り組むものでございます。とりわけ、女性が安心して働き、子供を産み育てられる環境は、家族が暮らしやすい環境を整備する上で不可欠な要素でありますことから、平成二十五年度の人づくり分野の施策では、女性の働きやすさ日本一に向けた取り組みを進めることといたしております。  具体的には、女性の就業継続を促すため、仕事と子育ての両立への不安解消を図る研修会の開催や、いきいきパパの育休奨励金を活用した男性の積極的な育児参加を促す取り組みに加え、保護者が安心して子供を保育所等に預けて働くことができるよう、保育所の整備や保育のミスマッチの解消を図るための保育コンシェルジュの設置に対して支援していくことといたしております。  また、このような人づくりの分野の施策に加え、医師確保や救急医療体制の充実を図る安心な暮らしづくりの分野の施策や都市と自然の近接性を生かして人を呼び込む取り組みを推進する豊かな地域づくりの分野の施策を連携させ、安心して暮らせる生活環境と魅力ある地域環境を創出することにより、多様な人材の集積・定着を図り、新たな価値を創造するイノベーションを継続的に起こし、強い経済、魅力ある雇用環境の創出を図ってまいりたいと考えているところでございます。  次に、女性の働きやすい環境づくりについての御質問でございます。  女性の社会参画を促進し、安心して仕事と子育てを両立できる環境を整備しますことは、ファミリー・フレンドリーな広島県を築いていく上で極めて重要であると認識いたしております。このため、県では、働く女性が結婚、出産を経ても継続した就労が可能となるよう、離職防止のための研修会等の実施による働く女性の就業の継続支援、事業所内保育所整備などによる子育てしやすい職場環境の整備、多様な保育ニーズ対策の強化、「しごとプラザ マザーズひろしま」での女性の復職のための就職支援などに取り組んでいるところでございます。  とりわけ、安心して子供を預け、働き続けることができる環境整備として、保育所の施設整備を促進いたしますとともに、地域特性等を把握し、延長保育や病児・病後児保育など、さまざまな保育サービスの取り組みを市町や関係団体と連携して推進いたしております。さらに、制度周知を図るため、全国でも初めてとなるスマートフォンアプリの導入やフェイスブックを活用し、利用者相互が情報交換できる環境整備を行うなど、利用率の向上に努めております。また、保護者の就労形態が多様化する中で、個々の保護者への要望にもきめ細かな対応が必要なことから、新年度におきましては、広島市等に保育コンシェルジュを配置し、保護者の立場に立った相談対応を支援することといたしております。  今後とも、広島労働局、市町、県保育連盟連合会、県私立幼稚園連盟、県医師会等の関係団体と連携しながら、地域の実情に応じたさまざまな保育サービスの充実に努め、就業意欲のある女性が安心して仕事と子育てを両立できる環境づくりに全力で取り組んでまいります。  次に、国際平和実現への取り組みについてのお尋ねでございます。  国際平和の実現のためには、核兵器廃絶と地域の安定化に向けた取り組みが重要であると認識いたしております。この点で、先日の核実験の強行など北朝鮮の核兵器開発をめぐる問題は大変大きな課題であり、国際社会が連携してその解決に取り組む必要があると考えております。人類史上初の原子爆弾による惨禍を経験した広島県といたしましては、核兵器廃絶と国際平和の実現に向けて国際社会に働きかけていく使命と役割があると考えております。その具体的な取り組みとして、今年度から核軍縮等への各国の取り組み状況の調査研究を始めているほか、来年度には、東アジア地域の核軍縮等をテーマとした有識者による多国間での協議の場として、ラウンドテーブルを広島で開催する予定でございます。  被爆地広島として、今後とも、こうした取り組みを含め、広島市を初めとする関係機関等と連携しながら、国際平和拠点ひろしま構想の取り組みを一歩一歩着実に進め、核兵器のない平和な国際社会の実現に貢献してまいりたいと考えております。  次に、広島市との連携強化の推進についてのお尋ねでございます。  県と広島市の連携につきましては、県民、市民の利便性の向上や県と市をあわせた費用対効果の改善などを図るため、昨年二月に合同研究会を設置し、県、市が実施する類似の行政サービスの連携や役割分担のあり方について見直しを進めているところでございます。昨年の十一月には、類似の行政サービスの現状や課題などを取りまとめるとともに、特に連携や役割分担が必要と考えられる産業振興や観光振興など七つの分野について、見直しの方向性を整理したところでございます。  こうした中、昨年九月には、県と市が一体となって運営する広島ひきこもり相談支援センターを設置し、相談窓口の一元化を図ったほか、平成二十五年度からは公営住宅の入居者募集を共同化していくことで合意するなど、順次取り組みを進めているところでございます。  今後、七つの行政サービス分野につきまして、これまでの市との協議状況を踏まえ、具体的な連携方策等の内容や検討の方向性、期限などについて、本年度末を目途に取りまとめることといたしております。  次に、広島都市圏の活性化に向けた魅力づくりや中枢拠点性の強化につきましては、今年度、広島都市圏の活性化に向けた調査・検討を行いますとともに、広島西飛行場跡地の利活用策について、市と共同して検討を進めているところでございます。こうした取り組みを踏まえ、広島都市圏の魅力向上についてこれまで以上に市と十分な連携・意思疎通を図り、連携・協力しながら具体的な取り組みの検討を進めてまいりたいと考えております。  今後とも、市長との会談を初め、県・市で設置しております協議会などを活用して、より一層信頼・協力関係を築き、連携した取り組みを進めてまいります。  次に、性暴力被害者支援の体制整備についてのお尋ねでございます。  性犯罪被害は潜在化しやすい傾向にあるため、被害者に対する支援につきましては、相談しやすい環境を整備する必要があり、また、産婦人科等の医療面、相談・カウンセリング等の心理面、捜査手続や公判対応などの法律面等、多岐にわたる支援を行う必要があります。昨年五月に内閣府から示されました、性犯罪・性暴力被害のためのワンストップ支援センター開設・運営の手引によりますと、ワンストップ支援センターの趣旨は、被害者の心理的負担の軽減を図りながら、必要なすべての支援を提供するということでございます。この趣旨を踏まえ、県といたしましては、被害者支援に当たっては、県、警察、公益社団法人広島被害者支援センターなど、最初に相談を受けたすべての相談窓口が支援に携わる関係機関、団体と緊密に連携し、必要とされる支援を確実に提供できる体制を整備することが効果的であると考えております。  こうした支援体制の構築に向けて、今年度は国、県及び民間の計三十三機関・団体で構成する広島県被害者支援連絡協議会におきまして、警察との連携の重要性や支援の際の留意点、連携方法等をまとめた性犯罪被害者対応マニュアルを作成しているところでございます。今後は、相談窓口の拡充を図りますとともに、いずれの窓口におきましても被害者の立場に立った総合的な支援を提供できるよう、相談に関する資質向上のための研修や情報共有のための定期的な情報交換会の開催など、さらなる相談機能の強化を進めてまいります。  また、被害の潜在化を防止する観点から、幅広く県民に対して各相談窓口の周知に努めてまいります。こうした取り組みを着実に推進し、性犯罪被害者支援体制の充実強化を図ってまいりたいと考えているところでございます。  その他の御質問につきましては、担当説明員より答弁させていただきます。 29: ◯議長(林 正夫君) 健康福祉局長佐々木昌弘君。         【健康福祉局長佐々木昌弘君登壇】 30: ◯健康福祉局長佐々木昌弘君) 二点についてお答えいたします。  一点目は、社会的配慮が必要な子供や若者の自立支援についてでございます。  児童養護施設等へ入所している社会的配慮が必要な子供や若者に対しては、精神面においても経済面においても自立できるよう、きめ細かな支援が必要であると認識しております。施設入所児童への、議員御指摘の自動車運転免許取得費用の助成制度につきましては、安心こども基金を財源に、平成二十一年度に創設いたしましたが、平成二十三年度をもって、この事業が基金の対象外とされたことから終了いたしました。この間、県内の施設を退所した高校三年生五十八名中、三十一名が就職し、このうち三十名がこの制度の利用を希望した結果、全員が免許を取得することができ、これらの子供たちからは、就職に際し、運転免許の取得は大きな助けになったと聞いております。  このように、本制度は有効であると考えられることから、県といたしましては、現在、県社会福祉協議会と連携し、県内の団体や個人からの寄附を活用した形での制度の運用に向け協議を重ねているところでございます。そのほか、県内すべての児童養護施設において、高校受験を目指す児童に対し、副教材や講師による学習指導を行っているほか、高校生等に対しては、各施設と学校で緊密に連携した進路指導に当たるなど、学習環境などの整備に努めているところでございます。  今後とも、施設を退所した児童が安定した生活を送ることができるよう、関係機関と連携し、社会的配慮が必要な子供や若者の自立に向けた取り組みを推進してまいります。  二点目は、臍帯血バンクの誘致と採取病院の設置についてでございます。  平成二十三年四月時点で、臍帯血採取医療機関は、全国百十三カ所のうち本県は四カ所、臍帯血バンクは全国十カ所のうち、中四国地方では、岡山県の一カ所という状況でございました。これらで採取された臍帯血は、全国で年間約一千本が移植に利用されておりますが、中四国地方では約三十本、全体の三%程度の利用にとどまっておりました。  このような中、日本赤十字社の集約化方針により、平成二十三年七月から県内の医療機関での採取が中止、同年度末をもって中四国地方のバンクは福岡県に集約されました。なお、臍帯血移植を受けるほうにつきましては、引き続き、県内三カ所で医療を受けることが可能となっております。こうした中、採取医療機関等の再開につきましては、無菌管理や搬送などの技術面、人材や設備の確保、採算性などの運営面から、現時点では困難な状況と考えております。  一方で、臍帯血を提供したいという県民の志にこたえるためには、集約後の状況に関する情報提供を行うことは重要であり、日本赤十字社等の関係機関と連携して、積極的にこの点を進めてまいりたいと考えております。 31: ◯議長(林 正夫君) 環境県民局長梅木敏明君。         【環境県民局長梅木敏明君登壇】 32: ◯環境県民局長(梅木敏明君) 三点お答えいたします。  まず、中間的就労の推進についてでございます。  ひきこもり、ニートなど社会生活を円滑に営む上での困難を有する若者等への支援につきましては、昨年三月に策定した広島県子ども・若者計画において、教育、福祉、保健・医療、雇用等各分野の関係機関・団体が連携して取り組むことといたしております。こうした中、直ちに一般就労を目指すのが困難な若者に対しましては、若者交流館や非営利組織において、農作業や高齢者介護を初めとする職場体験の取り組みが進められているところでございます。  また、一定の賃金を得ることのできる中間的就労につきましては、県が非営利組織と協働して実施しております新しい公共支援事業において、高齢者宅での家事援助や介護事業所での軽作業などに取り組んでいるほか、複数の非営利組織が同様の取り組みを行っているところでございます。  今後、県といたしましては、中間的就労に取り組んでいる非営利組織の支援内容も含めた支援機関マップを作成し、広く県民にその活動情報を周知するとともに、相談から就労に至る切れ目のない支援ネットワークの構築・強化により、一般就労の準備段階である中間的就労に円滑につなげてまいります。こうした取り組みにより、中間的就労を促進し、ひきこもりがちな若者の自立を支援してまいります。  次に、県立広島大学の今後のあり方についてでございます。  県立広島大学では、これまで地域の要請にこたえる人材育成や研究などに取り組んできた一方で、少子・高齢化の進行やグローバル化の進展など、社会経済情勢の変化に柔軟に対応して課題解決に取り組むことのできる人材の育成が十分でないなどの課題があると認識しております。また、地域課題の解決につながる教育研究活動の実施など、大学の地域貢献機能の一層の強化が必要であると考えております。こうした課題を踏まえ、第二期中期目標におきましては、広い視野とグローバルな感覚を持って積極的に行動できる資質・能力を身につけ、企業などの実社会において、その発展に寄与する実践力のある人材を育成することといたしております。  このため、具体的には社会人として必要となる主体性や思考力、コミュニケーション力、幅広い教養などを身につけるための全学部共通の教養教育の充実強化や、高度で専門的な知識や技術を養うための学部・学科の枠組みを超えた専門教育課程の整備等に取り組んでまいります。  また、県内産業を支える経営人材を育成するため、経営学分野の機能の強化を図ることとし、中堅・中小企業の経営に資する経営学修士課程の創設に向けた検討を進めてまいります。さらに、第二期中期目標におきましては、地域の企業等が抱える課題についての研究に取り組み、解決策の提案を行う、シンクタンクとしての機能を強化することにより、地域に貢献する大学を目指すことといたしております。  具体的には、三キャンパスの地域連携センターを核として、企業との共同研究や地域課題の調査研究、地域資源を活用した新商品開発などの充実強化に取り組んでまいります。  こうした取り組みを推進するとともに、さらなる大学改革を進めることによりまして、地域に貢献する公立大学としての役割を果たしてまいりたいと考えております。  次に、飲酒運転根絶を目指す条例制定についてでございます。  飲酒運転の根絶につきましては、広島県においても積極的に取り組んでいるところであり、飲酒運転根絶を目指す条例の制定につきましては、現在、他県の状況等を検証しているところでございます。  福岡県では、平成二十四年中の飲酒運転による交通事故の発生件数は全国平均以上減少しておりますが、これは、全国初の罰則つきの飲酒運転撲滅条例としてマスコミ等に大きく取り上げられたことや、本県でも力を入れて実施しております飲酒運転撲滅宣言店の登録事業などにより、県民の意識が高まったことが主な要因であると伺っております。なお、罰則の効果につきましては、福岡県の条例が全面施行されて間もないため、さらに確認する必要があると考えております。また、罰則がない条例を制定している四県におきましては、飲酒運転による交通事故の発生件数が全国平均以下となった県は半数であるなど、条例制定による明確な効果を認めるに至っていない状況でございます。  本県といたしましては、今後、飲酒運転根絶に向けた取り組みを一層充実強化するとともに、飲酒運転の防止に対する条例の効果等について、他県の状況を踏まえまして、引き続き検証してまいりたいと考えております。 33: ◯議長(林 正夫君) 次回の本会議は二月二十五日午前十時三十分から会議を開き、引き続いて質問を行います。  本日はこれをもって散会いたします。         午後二時五分散会 発言が指定されていません。 広島県議会 ↑ 本文の先頭へ...