ツイート シェア
  1. 広島県議会 2012-09-03
    平成24年9月定例会(第3日) 本文


    取得元: 広島県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-05
    トップページ 検索結果一覧 使い方の説明 (新しいウィンドウで開きます) 平成24年9月定例会(第3日) 本文 2012-09-25 文書・発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ・別画面表示ツール 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ(新しいウィンドウで開きます) 別窓表示(新しいウィンドウで開きます) ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 発言の単文・選択・全文表示を切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者の表示切り替え 全 235 発言 / ヒット 0 発言 すべての発言・ヒット発言表示切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示を実行・チェックの一括変更 選択表示 すべて選択 すべて解除 発言者一覧 選択 1 : ◯議長(林 正夫君) 選択 2 : ◯議長(林 正夫君) 選択 3 : ◯田辺直史君 選択 4 : ◯議長(林 正夫君) 選択 5 : ◯知事(湯崎英彦君) 選択 6 : ◯議長(林 正夫君) 選択 7 : ◯地域政策局長(中山雅文君) 選択 8 : ◯議長(林 正夫君) 選択 9 : ◯健康福祉局長佐々木昌弘君) 選択 10 : ◯議長(林 正夫君) 選択 11 : ◯商工労働局長(津山直登君) 選択 12 : ◯議長(林 正夫君) 選択 13 : ◯土木局長(高垣広徳君) 選択 14 : ◯議長(林 正夫君) 選択 15 : ◯教育長(下崎邦明君) 選択 16 : ◯議長(林 正夫君) 選択 17 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 18 : ◯宮崎康則君 選択 19 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 20 : ◯知事(湯崎英彦君) 選択 21 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 22 : ◯環境県民局長(梅木敏明君) 選択 23 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 24 : ◯土木局長(高垣広徳君) 選択 25 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 26 : ◯健康福祉局長佐々木昌弘君) 選択 27 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 28 : ◯警察本部長(井口 斉君) 選択 29 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 30 : ◯砂原克規君 選択 31 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 32 : ◯経営戦略審議官(田邉昌彦君) 選択 33 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 34 : ◯砂原克規君 選択 35 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 36 : ◯地域政策局長(中山雅文君) 選択 37 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 38 : ◯砂原克規君 選択 39 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 40 : ◯地域政策局長(中山雅文君) 選択 41 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 42 : ◯砂原克規君 選択 43 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 44 : ◯地域政策局長(中山雅文君) 選択 45 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 46 : ◯砂原克規君 選択 47 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 48 : ◯地域政策局長(中山雅文君) 選択 49 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 50 : ◯砂原克規君 選択 51 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 52 : ◯地域政策局長(中山雅文君) 選択 53 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 54 : ◯砂原克規君 選択 55 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 56 : ◯地域政策局長(中山雅文君) 選択 57 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 58 : ◯砂原克規君 選択 59 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 60 : ◯地域政策局長(中山雅文君) 選択 61 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 62 : ◯砂原克規君 選択 63 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 64 : ◯地域政策局長(中山雅文君) 選択 65 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 66 : ◯砂原克規君 選択 67 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 68 : ◯地域政策局長(中山雅文君) 選択 69 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 70 : ◯砂原克規君 選択 71 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 72 : ◯地域政策局長(中山雅文君) 選択 73 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 74 : ◯砂原克規君 選択 75 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 76 : ◯地域政策局長(中山雅文君) 選択 77 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 78 : ◯砂原克規君 選択 79 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 80 : ◯地域政策局長(中山雅文君) 選択 81 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 82 : ◯砂原克規君 選択 83 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 84 : ◯経営戦略審議官(田邉昌彦君) 選択 85 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 86 : ◯砂原克規君 選択 87 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 88 : ◯経営戦略審議官(田邉昌彦君) 選択 89 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 90 : ◯砂原克規君 選択 91 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 92 : ◯経営戦略審議官(田邉昌彦君) 選択 93 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 94 : ◯砂原克規君 選択 95 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 96 : ◯経営戦略審議官(田邉昌彦君) 選択 97 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 98 : ◯砂原克規君 選択 99 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 100 : ◯経営戦略審議官(田邉昌彦君) 選択 101 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 102 : ◯砂原克規君 選択 103 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 104 : ◯経営戦略審議官(田邉昌彦君) 選択 105 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 106 : ◯砂原克規君 選択 107 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 108 : ◯経営戦略審議官(田邉昌彦君) 選択 109 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 110 : ◯砂原克規君 選択 111 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 112 : ◯経営戦略審議官(田邉昌彦君) 選択 113 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 114 : ◯砂原克規君 選択 115 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 116 : ◯経営戦略審議官(田邉昌彦君) 選択 117 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 118 : ◯砂原克規君 選択 119 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 120 : ◯経営戦略審議官(田邉昌彦君) 選択 121 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 122 : ◯砂原克規君 選択 123 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 124 : ◯経営戦略審議官(田邉昌彦君) 選択 125 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 126 : ◯砂原克規君 選択 127 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 128 : ◯経営戦略審議官(田邉昌彦君) 選択 129 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 130 : ◯砂原克規君 選択 131 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 132 : ◯経営戦略審議官(田邉昌彦君) 選択 133 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 134 : ◯砂原克規君 選択 135 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 136 : ◯経営戦略審議官(田邉昌彦君) 選択 137 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 138 : ◯砂原克規君 選択 139 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 140 : ◯経営戦略審議官(田邉昌彦君) 選択 141 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 142 : ◯砂原克規君 選択 143 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 144 : ◯経営戦略審議官(田邉昌彦君) 選択 145 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 146 : ◯砂原克規君 選択 147 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 148 : ◯経営戦略審議官(田邉昌彦君) 選択 149 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 150 : ◯砂原克規君 選択 151 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 152 : ◯経営戦略審議官(田邉昌彦君) 選択 153 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 154 : ◯砂原克規君 選択 155 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 156 : ◯経営戦略審議官(田邉昌彦君) 選択 157 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 158 : ◯砂原克規君 選択 159 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 160 : ◯環境県民局長(梅木敏明君) 選択 161 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 162 : ◯砂原克規君 選択 163 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 164 : ◯環境県民局長(梅木敏明君) 選択 165 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 166 : ◯砂原克規君 選択 167 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 168 : ◯環境県民局長(梅木敏明君) 選択 169 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 170 : ◯砂原克規君 選択 171 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 172 : ◯環境県民局長(梅木敏明君) 選択 173 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 174 : ◯砂原克規君 選択 175 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 176 : ◯環境県民局長(梅木敏明君) 選択 177 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 178 : ◯砂原克規君 選択 179 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 180 : ◯環境県民局長(梅木敏明君) 選択 181 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 182 : ◯砂原克規君 選択 183 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 184 : ◯環境県民局長(梅木敏明君) 選択 185 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 186 : ◯砂原克規君 選択 187 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 188 : ◯商工労働局長(津山直登君) 選択 189 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 190 : ◯砂原克規君 選択 191 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 192 : ◯商工労働局長(津山直登君) 選択 193 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 194 : ◯砂原克規君 選択 195 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 196 : ◯商工労働局長(津山直登君) 選択 197 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 198 : ◯砂原克規君 選択 199 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 200 : ◯企業局長(沖田清治君) 選択 201 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 202 : ◯砂原克規君 選択 203 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 204 : ◯企業局長(沖田清治君) 選択 205 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 206 : ◯砂原克規君 選択 207 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 208 : ◯企業局長(沖田清治君) 選択 209 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 210 : ◯砂原克規君 選択 211 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 212 : ◯企業局長(沖田清治君) 選択 213 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 214 : ◯砂原克規君 選択 215 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 216 : ◯企業局長(沖田清治君) 選択 217 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 218 : ◯砂原克規君 選択 219 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 220 : ◯企業局長(沖田清治君) 選択 221 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 222 : ◯砂原克規君 選択 223 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 224 : ◯企業局長(沖田清治君) 選択 225 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 226 : ◯砂原克規君 選択 227 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 228 : ◯企業局長(沖田清治君) 選択 229 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 230 : ◯砂原克規君 選択 231 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 232 : ◯企業局長(沖田清治君) 選択 233 : ◯副議長(中本隆志君) 選択 234 : ◯砂原克規君 選択 235 : ◯副議長(中本隆志君) ↑ 発言者の先頭へ 本文 ↓ 最初のヒットへ (全 0 ヒット) 1:         午前十時三十一分開議 ◯議長(林 正夫君) 出席議員五十八名であります。これより会議を開きます。         自第  一 県第七九号議案         至第二十一 報第 一九 号 2: ◯議長(林 正夫君) これより日程に入ります。日程第一、県第七九号議案 平成二十四年度広島県一般会計補正予算から日程第二十一、報第一九号 損害賠償額の決定についてまでの各案を一括上程議題といたします。  昨日に引き続いて質問を行います。田辺直史君。         【田辺直史君登壇】 3: ◯田辺直史君 皆さん、おはようございます。公明党広島県会議員団の田辺直史でございます。  一九七二年、昭和四十七年九月二十九日、日中共同声明が調印されました。歴史的な日中国交正常化から今月でちょうど四十周年を迎えます。あと四日後でございます。断じてこの金の橋は壊してはなりません。日本政府の尖閣諸島の国有化をめぐる中国での反日デモについては鎮静化してきましたが、今週北京で開催予定だった日中国交正常化四十周年の記念レセプションが中止になるなど、中国の強硬な対日対抗措置は続いており、日中両国の経済的、政治的な関係や東アジアの平和と安定を担っている大きな責任を考えれば、速やかに、冷静に解決に導かなければならない問題であり、これまで、日本政府の対応は後手に回り、迅速さを欠いています。日本政府は、中国側に対する説明の機会を十分に確保し努力してきたのか、日本の立場は、歴史的にも国際法的にも固有の領土であり、その有効支配を固持する姿勢は国のあらゆる資源を動員して全うすべきものであり、毅然とした姿勢で臨むとともに、対立を乗り越え、日中両国の信頼関係を再構築するためにあらゆる努力を行っていく必要があります。  もう一点、三党合意に基づく八月八日の党首会談は、一体改革関連法案を成立させることと、近いうちに国民に真を問うことで合意しました。一体改革法案の成立は既に成就しました。残るは、近いうちに国民に真を問うことであります。三党合意は政党間の合意であり、仮に党首交代というそれぞれの党内事情で他党との約束を破るということになれば、政党を軸にした議会制民主主義は成り立ちません。政党みずから政党政治を否定することになりかねません。  言うことを言いましたので、質問に入ります。  さて、月日がたつのは早いもので、湯崎知事が就任されてから千三十一日が経過し、あと四百二十日余りで県民の審判を仰ぐことになります。県庁では、毎朝、広島県職員の行動理念の唱和が徹底されており、この最後のフレーズは、私たちは成果にこだわり続けます、となっています。本日は、就任三年を迎えようとしている中で、「ひろしま未来チャレンジビジョン」の実現に向けた成果が、現在どのようにできているのか、成果にこだわり続ける知事にお聞きしたいと考えています。  きめ細かな点に配慮し、言いかえれば、重箱の隅をほじくるような質問になると思いますが、重箱の隅の底に残った米一粒の気持になって質問いたしますので、知事の率直なお考えをお伺いいたします。  初めに、国際平和拠点ひろしま構想の実現に向けた取り組みについてお伺いいたします。  県はこれまで、一九九六年に広島国際貢献構想、二〇〇三年にひろしま平和貢献構想を策定し、ユニタール広島事務所の誘致、運営支援やJICA中国国際センターの誘致など、平和貢献のネットワーク構築、復興支援、人材育成という三つの主要な分野において、地道ではありますが、多大な貢献をしてきました。  現在、国際平和拠点ひろしま構想の実現に向けて、核兵器保有国等の核軍縮、核不拡散の取り組みを独自に採点する成績表、いわゆるスコアカードづくりに着手し、来春のNPT運用検討会議準備委員会等での公表を目指すとしています。民間団体などが各国の核軍縮姿勢を採点した例はありますが、日本の一地方自治体が世界各国の成績をつくるのは極めて異例なことであり、五百万円の予算を計上し、外部の専門機関に依頼してまで行う核軍縮スコアカードの採点基準は、また、採点対象はどのようになっているのか、作成の意図及び成果とは何か、お伺いいたします。  来年度ひろしま平和発信コンサートが計画されていますが、ぜひとも、継続的な取り組みとしていただきたいと思います。このコンサートの機運醸成を図るため、県内各地でリレーコンサートが開催されていますが、地元市町との連携不足からか、いま一つ盛り上がりに欠けているように思われます。去る六月に呉市文化ホールで開催したコンサートでは、入場券の販売枚数が極端に少なかったため、途中で無料に変更したと聞いています。このことは、参加人数、すなわち成果にこだわった結果であり、アーチストに対しても大変失礼で、余りにもずさんな対応であったと思います。集客目的で有名なアーチストを呼ぶことが本当に国際平和拠点ひろしま構想実現に向けた取り組みと言えるのでしょうか。県民から理解と協力の得られるような取り組みこそが必要であると思いますが、県民の機運醸成が図られているようには見えません。  平和発信コンサートは、有名な海外のアーチストを招いて対外的な華やかさばかりが目立ちますが、平和発信コンサートの成果とは何か、また、何を目指しているのか、お伺いいたします。  次に、がん対策日本一の推進についてお伺いいたします。  がんは、早期発見で治癒する確率が非常に向上すると言われており、早期発見のためにはがん検診の受診率向上が重要であることから、県は、タレントを起用してがん検診の受診率向上を目指そうとしています。
     しかし、このような取り組みは粘り強く行わないと効果は出ません。タレントを起用しただけで効果が出るのであれば、だれも苦労しません。  そこで、受診率向上のためタレント起用に幾ら投資して、どのような成果、すなわち、どの程度受診率が向上したのか、お伺いいたします。  東京都豊島区の公立小中学校では、今年度、全国で初めて、がんの予防啓発を授業で取り組んでいます。この取り組みによると、子供たちの、がんは治らない、怖いというイメージが払拭され、早期に発見すれば治る病気という、がんに対する正しい理解が促進されています。  さらに、家庭において、がんの予防や検診についての話し合いや、がん検診を受けるように子供から勧められるなど、子供から親への逆教育のねらいもあり、その結果、親の受診率向上の効果も期待できると思います。  国会では、がん検診の重要性や予防のために必要な生活習慣の見直しなど、学校現場で教えるがん教育推進に向けた議員連盟発足の動きもあります。  このように、がん検診率向上のためには、魔界に住むデーモン閣下に「広島県民よ、まだ受けておらぬのか。がん検診」と威圧的に言われるよりは、天使のような子供から「がんは早く発見すれば治る病気だよ」と言われるほうが親の世代にとっては効果をもたらすと思いますが、イクメン知事の御所見をお伺いいたします。  ところで、国のがん対策推進基本計画によると、二十歳から六十四歳までの働き盛り世代のうち、毎年、約二十二万人ががんにかかり、約七万人ががんで死亡しています。がんは四十代から死因の第一位となっており、社会にとっても大きな損失です。がんと診断された患者が安心して働ける企業はまだ少なく、がんへの理解が乏しい職場環境では復職も難しい状況となっています。  医学の進歩により、がん患者の生存率も上がっている中で、仕事と治療を両立させるためには、患者の就労、復職支援や企業に対するがん教育による職場環境の改善などの支援が必要であると考えますが、御所見をお伺いいたします。  次に、「TAU」についてです。  七月十六日にオープンした東京・銀座の広島ブランドショップ「TAU」の一カ月の売り上げが先日発表されました。一日平均の売上額は百十四万七千円で、開店当初の一週間の百四十六万七千円から三十二万円の減少となりました。年間五億円の売り上げ目標達成のためには、三百六十日営業した場合、単純計算で一日百三十八万九千円の売り上げが必要となりますが、既に一カ月平均としては目標に届いていません。売り上げ目標の話題しか聞こえませんが、売り上げ目標だけを目指すならば、量販店のように大量販売を行えばよいことです。一体、「TAU」は何を目指しているのか。東京・銀座から広島のブランド力向上のために粘り強く情報発信していくことが必要であると考えますが、「TAU」の成果とは何か、現状認識と課題、さらに、五億円の売り上げ目標が達成されない場合はどうするのか、今後、成果を上げるためにどのように取り組もうとされているのか、お伺いいたします。  ブランドショップが位置する東京・銀座は、全国からあらゆるものが集まり、金さえあれば何でも手に入る、楽に手が届く、すなわち「たう」場所にあるわけです。しかしながら、県内の中山間地域を見渡すと、人口減少や高齢化が進み、医療、介護サービスの確保及び公共交通網不足から日常生活支援を必要としている、いわゆる「たわん」人々がいます。  特に、高齢者を中心に食料品購入や飲食に不便や苦労がある買い物弱者問題が顕在化しています。国は、このような状況を食料品アクセス問題と定義し、現状分析を行っています。その調査結果によると、何らかの対策を必要としている市町は九割以上を占めており、その対策支援等が急がれています。  県は、今年度、過疎地域の生活支援モデル事業として千二百五十万円を計上しています。ブランド品が何でも身近に届く東京・銀座「TAU」の運営に年間一億五千万円もの経費がつぎ込まれていることを考えると、安定的な食料の供給体制構築や脆弱な地域公共交通の支援など、県内の中山間地域の買い物弱者、すなわち「たわん」人々への対策について、もっと積極的に取り組むべきであると思いますが、今後、市町とともにどのように取り組んでいこうとしているのか、御所見をお伺いいたします。  次に、生活保護受給者の自立支援についてお伺いいたします。  生活保護受給者は、全国で二百十万人を超え、過去最高を記録し、県内の生活保護受給者も四万八千人余りで毎年増加しています。このような中、生活保護者の自立支援の取り組みとして、埼玉県は、教育、就労、住宅支援の三本柱から成る生活保護受給者チャレンジプラン支援事業を展開し、大きな成果を上げています。  教育支援では、生活保護世帯で育った子供が大人になって再び保護に陥る貧困の連鎖を防ぐ取り組みとして学習教室を設置し、教員OBなどの支援員やボランティアが生活保護世帯の中学生に勉強を教えており、高校進学率が上昇しているとのことです。その他、職業訓練の受講から再就職までを一貫して支援する就労支援や、アパート入居など生活自立のための住宅支援などにより生活保護者の自立を促進しています。  生活保護受給者の自立のためには、埼玉県のように、教育、就労、住宅支援など、きめ細かな対応を行っていくことが必要であると考えますが、本県の取り組み状況及び生活保護事務を行っている市町に対してどのような助言、支援を行っているのか、お伺いいたします。  次に、株式会社ひろしまイノベーション推進機構についてお伺いいたします。  平成二十四年四月、株式会社ひろしまイノベーション推進機構の投資第一号が福山市のオー・エイチ・ティー株式会社に決定しました。一企業の業績が上がっただけでは県内雇用や賃金上昇の効果を期待することはなかなかできないと思いますが、企業が海外展開していくことで業績が上がり、売り上げが伸び、結果、税収がふえ、県内雇用に好影響をもたらすことが期待されます。  今後、この会社がどのような成果を出して、それが県に何をもたらしてくれるのか、投資に見合うだけの効果がどのように出てくるのか、しっかりと見きわめていきたいと思います。  当機構は、オー・エイチ・ティー株式会社に対して海外拠点施設の整備等を使途とする総額十億円の資金提供を行い、この投資の特徴である、機構から会社役員を派遣し、ハンズオンという経営参加型の実務支援を行うこととなっています。既に、機構がオー・エイチ・ティー株式会社の筆頭株主となり、八月十七日には二名の取締役と一名の監査役を送り込んでいるとのことです。経営に深く関与するハンズオン支援は、そうではない、いわゆるハンズオフという手法をとった場合に比べて企業価値の向上等においてどの程度差が出てくるのか、今回の投資第一号の事例をもとに具体的な成果についてお伺いいたします。  次に、中小企業等グローバル人材確保についてであります。  中小企業等グローバル人材確保支援事業は、人材紹介会社が県内中小企業等に対して海外進出や取引、現地事情などに精通した即戦力となり得る県外に居住する人材を積極的に紹介する仕組みとなっています。全国的なネットワークを持つ人材供給のプロによるこの取り組みの成果を期待するところでありますが、人材紹介会社の営業活動促進支援をメーンとした取り組みに見えてしまいます。  先週、この制度の説明会が開催されましたが、県の説明によれば、能力に見合った企業の待遇が低かったため他の企業に流れた事例があったとのことです。人材紹介会社に成功報酬を払うよりは、もっと企業の体力強化に取り組むべきではないでしょうか。企業の海外展開の進展による県内産業の空洞化が懸念される中で、中長期的な視点により、県内の若い世代を対象としたグローバル人材育成に重点を置くべきであると思います。  そこで、知事が思い描くグローバル人材とは何か、また、全国でも先駆的な取り組みとして注目されているこの中小企業等グローバル人材確保支援事業について、現在、企業からの問い合わせや照会がどのくらいあるのか、現在の状況と人材紹介会社の成功報酬として一社当たり二百五十万円を支払うことの効果をどのように考えているのか、お伺いいたします。  人材紹介会社の通常の仕事になぜ報償金を払わなければならないのか、注意事項がありますけれども、報償金目当ての不正が行われないのか、夜も寝られないくらい心配であります。  次に、広島西飛行場跡地の活用策についてお伺いいたします。  広島市のホームページによると、平成二十三年五月二十七日に開催された広島県知事・広島市長会議において、広島西飛行場をヘリポート化した後に発生する広大な跡地利用については、市が検討を進め、県は市に協力して検討すると両者が合意したと説明されています。  しかしながら、本年二月の定例会で、我が会派の田川議員の質問に対し知事からは、跡地の大部分を所有する県としては、利活用が県全体の発展につながるように広域的な立場から主体的に検討する必要があること、さらに、跡地の利活用のビジョン策定に当たっては、スマートシティーを含め、有識者、議会などの意見も幅広く聞きながら県全体に効果が波及するように取り組む旨の答弁をいただきました。  西飛行場跡地の利用活用については、広島県、広島市、一体どちらが主体的に検討を進めているのでしょうか、全く仕組みがわかりません。  政府は、先週、二〇三〇年に原発稼働をゼロとする革新的エネルギー環境戦略の閣議決定を見送りました。  しかしながら、将来、原発に依存しなくても成長可能な社会構造への変革が求められており、特に、エネルギーを多く消費する都市部においては、省エネの促進とともに、再生可能エネルギーによる発電割合向上の効率化など、エネルギーの地産地消に積極的に取り組む必要があります。エネルギーの確保こそ今後の発展の基礎となるわけであります。  このため、西飛行場跡地を町全体でエネルギーを効率的に利用するスマートシティー構想における再生可能エネルギー発電の拠点に位置づけるなど、県全体の発展につながる環境エネルギー政策として検討する余地は十分にあると思います。  にもかかわらず、今回、広島市から一方的に西飛行場跡地をスポーツ、娯楽などと位置づけられことは、私としては納得できるものではなく、西飛行場跡地の活用策に対する質問も、広島市から担当者を参考人招致した上で議論することも考えなければなりません。一体、知事のお考えはどこにあるのでしょうか。  西飛行場跡地の活用について、県が主体的に検討を行い、議会の意見も聞くとした二月定例会の知事の答弁は一体何だったのか、スポーツ、娯楽などで合意されたのか、知事の所見を伺うとともに、今後の活用策についてどのように取り組まれようとしているのか、ここで改めて知事にお伺いします。市に土地を売却すればすべて解決するのではないでしょうか。  次に、広島空港の利用促進についてお伺いいたします。  平成五年に開港した広島空港は、平成十四年度には最高三百四十四万人の利用がありましたが、昨年度は、長引く景気低迷に東日本大震災の影響も加わり、主力の東京─羽田便を中心に利用が落ち込んだ結果、国内線、国際線を含めた利用は二百五十五万人余りとなり、五年連続の減少となりました。  また、ことし十二月十三日にオープンする岩国錦帯橋空港は、一日四往復の東京─羽田便が就航し、年間三十五万人の利用が見込まれています。新聞報道によると、国土交通省は、岩国錦帯橋空港の開港に伴い広島空港の東京便利用者が十七万人減少するとも予測しており、広島空港利用者の減少に拍車をかける懸念があります。空港へのアクセスの時間を比べると、広島市内から広島空港まではリムジンバスで四十五分、広島市から岩国錦帯橋空港までは約六十分ですが、広島空港リムジンバスは、これまでにも山陽自動車道の渋滞や事故により運休する場合が多く、定時性確保の面からは、岩国錦帯橋空港に比べて不利な状況になっています。便数は比較になりませんが、世界遺産・厳島神社を有する宮島観光へのアクセスを考えると、岩国錦帯橋空港のほうが利便性にすぐれ、今後、広島空港利用に影響を与えるおそれもあります。広島空港の利用促進を図るためには、アクセス改善など利便性向上は当然のこととして、格安運賃のローコストキャリア、すなわちLCCの誘致にも積極的に取り組む必要があると思います。  国内におけるLCCの参入状況は、国際線としてアジアやオーストラリアからLCC十社が九つの空港に乗り入れています。また、LCCは、ことしから徐々に国内線でも就航を始めており、関西国際空港や成田国際空港を拠点として、従来よりもかなり安い航空運賃で五つの地方空港に就航しています。新聞報道によると、観光に関する全国面接世論調査においてLCCについて尋ねたところ、利用したことはないが今後利用したいとの回答が五六%を占め、LCCの利用をふやす方法としては、小都市を結ぶ路線もつくるとの回答が多くを占め、LCCへの関心の高さがうかがえる結果となっています。  昨年二月の定例会において、国際路線の拡充に向けて路線誘致を積極的に推進していく旨の答弁がありました。広島空港の利用促進のためには、国際線LCCとともに国内線LCCの誘致にも積極的に取り組んでいくことが必要であると考えますが、前回の国際線LCC誘致の取り組み状況及び国内線LCC誘致に向けた取り組みについてお伺いいたします。  次に、防災・減災対策についてであります。  先日、南海トラフを震源とする巨大地震と津波による被害想定が内閣府から公表され、県内では、人口が多い沿岸部を最大震度六強の揺れが襲い、津波高は最大四メートルに到達するとされています。近年頻発するゲリラ豪雨や、いつ起こるかわからない巨大地震の懸念に対して、事前の防災・減災対策こそが被害を最小限に軽減できるということであると思います。そのためには、避難誘導などのソフト対策とともに、海岸施設や道路などの社会資本の整備に集中的に投資することが大災害に向けた備えとして必要不可欠なものであります。  国においても、防災・減災対策等の推進に重点化を図るとした平成二十五年度の概算要求基準が閣議決定され、公共事業に関する政策に注目が集まっています。県では、限られた予算を最大限に活用し、効果的、効率的に社会資本の整備を進めるため、平成二十三年度から十年間に整備が見込まれる公共事業について、短期集中、中期及び長期の三つの戦略に位置づけた重点施策ごとに各事業の優先順位をつけて行っています。  この中で、防災・減災対策は、県民の命と財産を守るためにどうしても必要な対策であり、長期的な取り組みとともに、もっと短期集中的に取り組むべき課題でもあります。九月補正予算において公共事業は、防災・減災等強化対策としての方針が打ち出されていますが、引き続き、選択と集中により、いわゆる事業のばらまきではない、真に必要な防災・減災対策に取り組むことが必要です。  このためにも、防災・減災対策については、短期集中的に、もっと優先順位を上げて積極的に取り組んでいく必要があると考えますが、優先順位の見直し及び今後の取り組みについてお伺いいたします。  次に、児童虐待防止についてお伺いいたします。  全国の児童相談所が、平成二十三年度に対応した児童虐待の相談件数は、前年度を三千四百七十八件上回る五万九千八百六十二件となって、二十一年連続で過去最多を更新している状況です。県のこども家庭センターでも、平成二十三年度の相談件数は千四百八十九件で、前年度を二百十四件上回り過去最多となっています。これは、児童虐待に対する県民の意識が高まり、通報件数がふえたことにもよりますが、今なお、多くの子供が虐待に苦しんでいることは事実です。  児童虐待は、発見が早いほど事態の悪化を抑えることができるため、児童相談所の体制強化を図ることは非常に重要であると思います。県では、こども家庭センターに、児童虐待の初期対応などの支援強化として、非常勤職員のサポートスタッフ十人を配置しています。  しかしながら、このサポートスタッフの財源は、国の安心こども基金から充当されており、基金は一年延長されましたが、今年度末でこの基金は期限切れとなってしまうとのことです。相談件数が増加する中で、来年度以降も支援の継続・強化を図っていく必要がありますが、児童虐待防止支援体制の強化の観点から、来年度のこども家庭センターの組織体制、サポートスタッフ配置方針についてお伺いいたします。  次に、いじめの問題の取り組みについてお伺いいたします。  現在、いじめの苦しさから抜け出そうとみずからの命を絶つ子供が後を絶ちません。いじめは深刻な社会問題となっています。現代のいじめは、かつてのいじめっ子や遊びふざけの範疇をはるかに超えて命にかかわる問題であることが改めて認識されました。  いじめは、いじめる側が一〇〇%悪いのであります。県教育委員会によると、県内の公立学校が平成二十三年度にいじめを認知した件数は五百六件に上り、前年度に比べて増加しています。この認知件数の割合は、全国平均よりも低く、ピーク時よりもかなり減少していますが、県教育委員会では、潜在的ないじめをつかめていないと分析しており、いじめを一人で抱えることがないように、相談窓口の紹介を目的とした新たな取り組みとして、八月から県内国公私立学校の担任が全児童生徒一人一人に教育相談窓口紹介カードの配付を始めています。教師が児童生徒一人一人に対して直接メッセージを添えて配付することにより、カードを通して積極的に児童生徒にかかわっていくという点では評価できるものと考えております。  また、教育現場だけでの解決にも限界があることから、中国地方の各県の教育委員会が県警との連携を強め、いじめは犯罪との姿勢を改めて打ち出し、被害拡大防止のために情報共有を図っていくこととされています。いじめという名のもとで傷害などの犯罪が見逃されているようなことがあってはなりませんが、すべてを警察任せにしても、いじめの真の解決にはつながらないと思います。  平成十八年度に福岡県で起こったいじめの自殺問題を受け、各都道府県は、いじめの問題への取り組みの徹底を図ってきたところですが、現状を見る限り、結局何も生かされていません。このままでは、いつの間にか、いじめの問題やいじめ対策自体が風化して、再び同じ問題を繰り返すことになります。教育で重要なことは継続であり、紹介カードをきっかけに、学校現場で教師が生徒との対話を重視しながら積極的にかかわっている姿勢を見せて、子供たちからの信頼を得る地道な取り組みこそが必要であると考えます。  そこで、平成十八年のいじめの問題への取り組みの徹底以降、これまでどのような取り組みを行ってきたのか、また、その成果と課題をどのように受けとめ、今後どのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。  次に、脱法ハーブ等、薬物乱用防止対策についてお伺いいたします。  麻薬に似た幻覚症状を引き起こすにもかかわらず、規制するのが難しいお香や芳香剤、アロマと称して販売されている脱法ハーブが若者らを中心に広まっており、吸引による幻覚症状で救急搬送されたり、自動車事故を引き起こしたりする事件が多発するなど社会問題となっています。  国は、薬事法に基づいて、健康を害する化学物質を指定薬物として製造、販売などを禁じており、現在、七十三物質が指定薬物に定められています。しかし、指定薬物の成分を一部変えることで規制の網から逃れる新しい薬物が出回ってしまい、結果、イタチごっこになっている状況であります。  国では、成分構造が似ている物質をまとめて禁じる包括指定導入に向けた法整備の検討が行われており、さらに、国内流通が確認されていない物質で、欧州で危険性が指摘されている五種類の物質を十一月中に指定薬物とすることを決定するなど、規制強化に取り組んでいるところであります。  脱法ハーブ対策に力を入れているのが東京都で、健康に悪影響を及ぼす化学物質を知事指定薬物として、製造や販売、使用などを禁ずる独自の条例を定めています。  さらに、大阪府も東京都の条例を参考にして、所持や人への罰則など独自の規制を検討中であり、愛知県も、この九月議会で規制条例案を提案する予定であると聞いています。  脱法ハーブという軽い言葉から若い人が気軽に手を出している実態があり、大麻や覚せい剤使用につながる入り口になるおそれもあります。このため、脱法ハーブ等の薬物乱用防止のためには、国の規制強化の取り組みはもちろんのこと、条例制定による規制強化や学校現場における薬物教育など、啓発活動の取り組み強化などに県としてもっと積極的に対応していくことが必要であると考えますが、御所見をお伺いいたします。  最後に、福山地域の課題についてお伺いいたします。  まずは、医療体制の充実強化についてであります。  本県では、現在、平成二十五年度のドクターヘリ導入に向けた準備が行われています。ドクターヘリは、西飛行場に配備され、広島大学病院を基地病院として、県内全域をカバーし、重症患者の処置や搬送を行うこととなっており、広島県の導入によって中国五県のドクターヘリが中国地方をほぼカバーできる運用が可能となり、活動範囲を隣接県に広げることによって県境を越えた救命医療を円滑かつ迅速に行うことができます。県内の医療体制は西高東低の状況であり、福山市など県東部地域の医療体制の量的・質的確保の充実は重要な課題である中で、飛行距離から勘案すると、福山地域においては、既に出動実績のある岡山県の川崎医科大学のドクターヘリに依存する可能性が高いと思われます。  ドクターヘリ導入に際しては、すべての県民が迅速かつ公平にドクターヘリを利用することが求められており、このためには、隣接県のドクターヘリの相互運用が合理的であり、隣接県あるいは中国五県とドクターヘリの連携体制を構築する必要があると考えますが、今後、ドクターヘリ導入までにどのようにして県境を越えた広域連携を図っていこうとしているのか、お伺いいたします。  二点目は、鞆のまちづくりについてであります。  県は、福山市鞆地区の道路港湾整備事業について、本年六月に計画を見直し、新たな地域振興策を策定し、七月に住民説明会を開催するとともに、説明会で使用した資料を鞆町の全戸に配布しました。  しかし、架橋計画撤回から三カ月がたった今も、いまだに住民説明会は一度しか開かれず、県は、地元の合意を得ることができません。全く成果が出ていないのです。新たな地域振興策は、山側トンネルを中心に、駐車場整備や観光拠点になる海の駅、歴史的文化遺産等の保全・活用のためのまちづくり基金も盛り込まれています。六月定例会において、私は、山側トンネルの事業見込みについての関連質問として、今後の事業見込みや定住対策の必要性を質問しましたが、知事は、山側トンネル案については、そのルートや用地買収を含む地元の合意形成を図り、準備が整った段階で事業に着手するとの答弁でありました。  三十年近くも待たされて、この間、約九千人だった鞆町の人口は半減し、高齢化の問題も顕在化しており、地元住民の気持ちを考えると、まちづくり、特に定住対策の取り組みは待ったなしの状況であると思います。  中でも、振興策の一つに掲げているまちづくり基金は、歴史的文化遺産の保全・活用を目的に基金を広く全国から募ることも検討されていますが、景観保護だけのためならば、さまざまな規制をかければよいし、住民がいないほうが景観保護のためにはよいかもしれません。  しかしながら、この鞆の町並みの景観は、そこに暮らす人々のなりわい、生活によってつくられ守られてきたものであることを忘れてはいけません。まずは、定住対策の取り組みを中心に、下水道整備など、地元住民のニーズを踏まえ、きめ細かな対応を行いながら、地元住民の合意形成を図っていくためには、まちづくり基金を定住対策の柱に据えて活用していくべきであると考えますが、御所見をお伺いします。  トンネルの出入り口を明確にしなければ次の議論に移れません。早急に明確にしてください。  日ごろの思いのたけを述べ、いまだ、きょうの天気のように、私の心は秋晴れでございます。知事執行部の答弁からどしゃ降りの雨にならないようお願いして、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) 4: ◯議長(林 正夫君) 当局の答弁を求めます。知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 5: ◯知事(湯崎英彦君) まず、ひろしま平和発信コンサートの成果についての御質問でございます。  ひろしま平和発信コンサートは、世界共通の言語である音楽によって広島から世界へ平和のメッセージを強く発信し、平和貢献活動を持続的に支援できる仕組みを構築することを目的として開催するものでございます。  したがいまして、国内外の多くの方々に平和のメッセージが届くこと、また、コンサートの収益が復興や平和構築のための人材育成や平和貢献のための実践活動等に活用されることが成果であると考えております。  県といたしましては、このコンサートの取り組みを継続的に行うことで国際平和拠点ひろしま構想が掲げる国際平和拠点の形成を目指してまいりたいと考えております。  このような取り組みに当たりましては、このコンサートの開催趣旨に対して、県民の皆様を初め、多くの方々から御賛同いただくことが重要でございます。  このため、現在、県内各市町で開催しておりますリレーコンサート等で、平和のメッセージの発信、平和貢献活動の支援というひろしま平和発信コンサートの開催趣旨についてチラシやパネルにより説明するとともに、平和貢献活動の支援に向けて県民や企業、団体に参画していただくピースサポーター制度を創設し、幅広く入会を呼びかけているところでございます。  今後とも、広報、PR活動を一層充実させ、県民の皆様の御理解と御協力を得て、来年八月のコンサートにおいて、しっかりと平和のメッセージが発信できるよう取り組んでまいります。  次に、「TAU」の成果と課題及び今後の取り組みについての御質問でございます。  広島ブランドショップ「TAU」は、広島の本物の魅力を、飲食、物販、情報発信を通じて、首都圏はもとより、全国に向けて売り出していくことにより、多くの皆様に広島に行ってみたい、広島のものを食べてみたい、広島で暮らしてみたいといった広島に対する高い評価を形成し、首都圏における広島ファンの増加と広島のブランド価値を高めるという目的を達成するための拠点として設置したものでございます。  こうした目的を達成し、県民の皆様の期待にこたえていくためには、まずは、首都圏におけるブランドショップ自体の認知度を高めていくこと、また、多くのお客様に来店し続けていただけるよう、魅力的なショップづくりを行うことが当面の課題であると考えております。  オープン以降、「おしい広島県」観光キャンペーンとも連携して、広島ゆかりの著名人を活用したトークショーや、カープ、サンフレッチェのファン、サポーターが集う観戦イベントの実施などを通じ、積極的な情報発信を行い、ショップの認知度向上に努めてまいりました。  また、来店者数につきましても、オープン以降の二カ月間で十万人を超える方々に御利用いただいておりますが、まだオープン間もなく、ショップの認知度を高めていくための情報発信の手法や、広島のしゅんを感じることができる生鮮品の品ぞろえの充実、お客様のニーズを反映した、めり張りのある商品陳列など、改善する点が多々ございます。  こうした状況を踏まえ、今後とも、認知度向上に向けた戦略的なプロモーション活動の展開や、魅力あるショップづくりに向けたさまざまな工夫をするなど、運営事業者と連携しながら継続的な取り組みを行うことによってブランドショップの所期の目的を実現してまいります。  次に、広島西飛行場跡地の活用策についての御質問でございます。  広島西飛行場跡地は、県と広島市が所有する市の中心部に近接した広大かつ平たんな土地であり、今後、広島南道路の整備により交通利便性が向上するなど、さまざまな利活用が期待できるポテンシャルを有しております。  当該跡地の利活用は広島市のまちづくりにも大きく影響するものであり、広く市民の理解、協力を得ることが必要不可欠なことから、まちづくりの主体であり、住民のニーズや地域の実情に精通する広島市の意向を尊重しながら取り組んでいくことが重要でございます。  一方、跡地の約八割を所有する県といたしましては、県全体の発展につながるよう、広域的な立場から跡地の利活用策を検討する必要があると認識しております。  こうしたことから、広島西飛行場跡地の利活用の方向性を議論するため、県と市で協議会を設置し検討を進めていくこととしたものでございます。この協議会については、事務局を担うこととなる広島市との調整を進め、できるだけ早い時期に設置し、有識者や議会などの御意見を幅広く伺いながら、基本的な開発コンセプトや主要な導入機能等の検討を行い、年度末を目途にビジョンの策定に取り組んでまいります。  なお、今回、広島市は、市内の大規模未利用地に係る都市機能の配置について大きな方向性を示されましたが、広島西飛行場跡地については、当協議会で検討を進めていくこととされており、県としても市と十分な調整を図っていきたいと考えております。  次に、鞆のまちづくりについての御質問でございます。  福山市鞆の浦は、江戸時代からの町並みや港の風景を残す一方で、交通渋滞の発生や生活環境整備のおくれなど、鞆の住民が安心して生活する上でさまざまな課題を抱えております。  こうしたことから、県としては、生活利便性の向上と景観の保全とを図るために、山側トンネルの整備や高潮対策の実施、防災拠点の確保等に取り組んでまいりたいと考えております。  それに加えて、従来の伝統的建造物群保存地区における修理・修景に対する助成制度では、家屋の取り壊しなど、町並み保存が十分図られていない実態があることから、歴史的文化遺産の保全活用を目的としたまちづくり基金も創設したいと考えております。  まちづくり基金につきましては、鞆の町並みの保存などを主な目的として全国の方々から協力していただける基金にしたいと考えておりますが、その管理主体や対象事業、具体的運営方法等については現在検討しているところであり、福山市や地元の御意見もお伺いした上で決定してまいりたいと考えております。
     いずれにしても、鞆の住民の皆様が鞆の歴史と伝統に誇りを持ち続け、安心して生活を送ることができるように、県と福山市が一体となって鞆の再生、活性化に取り組んでまいりたいと考えております。  その他の御質問につきましては、担当説明員より答弁させていただきます。 6: ◯議長(林 正夫君) 地域政策局長中山雅文君。         【地域政策局長中山雅文君登壇】 7: ◯地域政策局長(中山雅文君) 二点について御答弁申し上げます。  一点目は、核軍縮スコアカード作成の意図及び成果についてでございます。  本県では、核兵器のない平和な国際社会の実現を目指すため、昨年十月、国内外の研究者や実務経験者に御協力をいただき、広島が果たすべき使命と役割を国際平和拠点ひろしま構想としてまとめました。  現在、構想の策定にかかわっていただいた方々を中心に構成した構想推進委員会に諮りながら、その具体化に向けた取り組みを進めています。  この構想に基づく取り組みの一つであるNPT体制等貢献事業は、各国の包括的核実験禁止条約の批准の有無や核兵器の削減状況など、二〇一〇年のNPT運用検討会議で合意された行動計画等への取り組み状況を評価対象として、一般の方にもわかりやすく取りまとめ、公表しようとするものです。  この事業の具体的内容につきましては、現在、公益財団法人日本国際問題研究所に依頼して、評価を点数化するか文章記述とするかなど、評価のあり方も含め調査を進めているところであり、その結果につきましては、今後、構想推進委員会で検討していただくこととしております。  このように、核軍縮・不拡散に関する各国の取り組み状況を明らかにすることは、世界の核軍縮・不拡散の動きを側面的に支援するとともに核兵器廃絶に向けた機運を醸成することにもなり、広島が国際平和拠点として貢献するために意義のあることと考えております。こうした取り組みを通じまして、国際社会における核兵器廃絶に向けたプロセスが一歩ずつでも着実に前に進むよう、引き続き、働きかけをしてまいりたいと考えております。  二点目は、中山間地域の買い物弱者対策についてでございます。  中山間地域におきましては、人口減少・高齢化等により、店舗の撤退や公共交通の縮小など、生活に密着したサービスが低下し、買い物に不便さを感じている住民がふえてきております。  こうしたことから、本県が一昨年度にモデル的に実施いたしました買物環境実態把握調査によりますと、買い物への不便さは、単に店舗までの距離ではなく、公共交通、マイカー利用などの移動手段、家族や近隣の支援状況、健康状態などさまざまな要因が関係しており、買い物ニーズも多種多様であることが明らかになっております。  既に民間では、宅配やネットスーパー、コンビニエンスストアによる移動販売など、消費者ニーズをとらえたサービスが徐々に拡大してきております。  県といたしましては、中山間地域における民間の事業展開は採算面から厳しい状況にあることから、生活交通への支援に加え、本年度から新たに、地元が中心となり生活課題の解決を図る取り組みを支援する、過疎地域における生活支援モデル事業を開始し、買い物支援の関係では二件を採択したところでございます。  今後、民間サービスの状況を注視しながら、こうしたモデル事業の取り組みが他地域へ波及するよう機運醸成を図るとともに、市町とも連携しながら、地域の実情に応じた買い物環境の改善に取り組んでまいりたいと考えております。 8: ◯議長(林 正夫君) 健康福祉局長佐々木昌弘君。         【健康福祉局長佐々木昌弘君登壇】 9: ◯健康福祉局長佐々木昌弘君) がん対策など七点についてお答えいたします。  まず、がん検診受診率向上対策の成果についてです。  タレントを起用した受診率向上対策につきましては、昨年度までのさまざまな取り組みでも関心を持たなかった方々に対し強烈な印象を与えることを目的に、本年度はデーモン閣下を起用したところですが、経費といたしましては、一年間を通じたポスターやテレビCM、イベントなどの出演料や媒体制作費等の総額で約一千八百万円の契約をしているところでございます。  起用効果につきましては、八月に実施したアンケート調査の結果によると、四七%が、がん検診のキャンペーンを認知し、以前から関心があった人を除くと七七%が関心が高まったと回答しております。  また、受診率については、昨年度受診していない検診について、受診したり一部でも申し込みを済ませた方は八%、受診に向けた情報収集を始めたり受診しようと考えている人は五二%に上るなど、一定の成果が上がっていると考えております。  さらに、がん検診は、受診するだけではなく、検査結果を踏まえた適切な行動が重要であることから、この点に関しましても、県民の理解が進み実践されるよう、さまざまな手段を複合的かつ効率的に講じてまいりたいと考えております。  次に、子供に対するがん教育の必要性についてお答えいたします。  本年六月に閣議決定された国のがん対策推進基本計画では、五年以内に、学校での教育のあり方を含め、健康教育全体の中でがん教育をどのようにするべきか検討し、検討結果に基づく教育活動の実施を目標とするとされたところでございます。  本県でも、次期がん対策推進計画を検討するがん対策推進協議会において、特に、予防や検診受診の観点から、子供のときからの教育の重要性が指摘され、議論が進められております。  また、国民健康保険団体連合会や全国健康保険協会広島支部で構成する広島県保険者協議会では、一部の市町や学校と連携し、がん検診や特定健診の大切さを教える教材を使い、子供から保護者にメッセージを伝えるといった取り組みを実施されているところであり、これまでに県内の中学校二百八十校のうち九校、約千六百人が参加したと伺っております。  子供のときからの教育は、本人のみならず、家族に対してもよい効果を与えると考えられることから、今後、学校におけるがん教育をどのように進めていくべきかにつきましては、教育関係者・機関とも協議してまいりたいと考えております。  次に、がん患者の就労支援についてお答えいたします。  がんの生存率が上がっていることを背景に、がん患者やがん経験者の仕事と治療の両立は重要な課題となっており、本県におきましても、次期広島県がん対策推進計画を検討するがん対策推進協議会において重点的に取り組むべき課題として議論が行われております。  なお、同協議会では、がんになったら仕事をやめなければならないという誤った考え方が、事業主や周囲の方のみならず、患者本人にもあるという指摘がございました。がん患者及びがん経験者の就労に関する支援のあり方につきましては、がんの特性も踏まえながら、治療中における働き方や職場における受け入れなど、企業や家族を含めた社会全体で支える体制の構築に向けて次期計画に盛り込むとともに、企業等への具体的な働きかけについて検討してまいります。  次に、生活保護受給者の自立支援についてお答えいたします。  生活保護受給者の自立のためには、就労を初め、教育、住宅支援等、きめ細かな支援が重要なことから、福祉事務所を設置している二十二市町と認識を共有し、支援を推進していく必要があると考えております。このため、県では、福祉事務所を対象とした事務監査や生活保護主管課長会議、ケースワーカー査察指導員研修会などの場で職員の資質向上を図るとともに、助言や指導などを実施しております。  また、就労支援につきましては、専任の就労支援員を未配置の十一市町に対する配置の働きかけ、ハローワークと連携した就労支援チームの設置・運営の調整、また、教育支援につきましては、学習会など成果を上げている広島市、福山市における取り組みの他の市町に対する適切な普及の働きかけ、さらに、住宅支援につきましては、居住に関する支援を行っている民間団体に対して、昨年度から運営費の補助を実施しているところでございます。  県といたしましては、こうした多方面にわたる自立支援の実施につきまして、今後、さらに市町と関係機関、団体とが連携して取り組むよう働きかけるとともに、必要な支援を実施してまいります。  次に、児童虐待防止の支援体制についてお答えいたします。  児童虐待への早期対応をより迅速に行うことができるよう、県におきましては、昨年度、西部及び東部のこども家庭センターに児童虐待対応課を新たに設置し、両センター合わせて十人の職員を配置いたしました。  これに加え、北部を含めた三つのセンターに児童福祉司を補助するサポートスタッフを、昨年度は八人、今年度は十人配置し対応しております。  これにより、昨年度のサポートスタッフの活動実績は、訪問面接で九百六十四件、記録作成は三千六百九十九件に上るほか、電話連絡や児童の保護、移送などの補助業務にも当たりました。こうした人員の配置に加え、虐待防止に携わる職員の資質の向上も重要であることから、実践的かつ専門的な研修を行うとともに、市町の体制強化を目的に、昨年度、児童福祉司の任用資格講習を実施したところ、十九市町、四十五人の職員が参加いたしました。  来年度に向けたこども家庭センターの体制につきましては、現在のサポートスタッフの配置による効果の分析や児童相談所設置市である広島市を含めた県内の市町、関係機関との連携体制等を検証した上で必要な体制の整備に努めてまいりたいと考えております。  次に、脱法ハーブ等薬物乱用防止対策についてお答えいたします。  本県における薬物乱用対策につきましては、知事を本部長とし、中国四国厚生局麻薬取締部など国の地方機関を含む二十一の機関・団体を構成員とする推進本部会議を設置し、毎年度、計画を策定するとともに、連携しながら対策を講じているところでございます。  本年度の計画では、脱法ハーブ対策を最重点施策として取り組むことにしており、これまでにも、違法ドラッグやいわゆる脱法ハーブを扱う店舗に対して、広島県警察本部と合同で立ち入り指導を六回行うとともに、買い上げ検査についても三件実施しております。  また、本県では、中学校、高校において薬物乱用防止教室を実施しているところであり、一昨年度からは、公立の全校で実施し、今年度は脱法ハーブの危険性についても一層の啓発を行うこととしております。条例につきましては、化学構造が類似している特定の物質群を指定薬物として包括的に規制する包括指定導入を目指した国の法令改正等の動きに注視してまいりたいと考えております。  県といたしましては、今後とも、薬物教育など啓発活動や立ち入り指導など、薬物乱用防止対策に積極的に取り組んでまいります。  次に、福山地域の医療体制の充実強化についてお答えいたします。  ドクターヘリの連携体制の構築については、本県が中心となって中国地方知事会に提案し、昨年七月には中国五県の担当課長会議を設置したところでございます。この会議では、これまでドクターヘリの効果を最大限発揮し一人でも多くの生命を救うため、中国五県が広域的な連携体制を構築していくことを確認するとともに、具体的に連携の対象となる地域、各県の基地病院、医療関係部局等で構成する協議の場の設置、他県のドクターヘリの要請方法など、広域連携の指針となる基本的な考え方について、ことしの秋をめどに取りまとめを行っているところでございます。  今後、この基本的な考え方を踏まえ、来年度の本県におけるドクターヘリの導入までに、岡山県を初め、隣接県との合意形成を図ってまいりたいと考えております。 10: ◯議長(林 正夫君) 商工労働局長津山直登君。         【商工労働局長津山直登君登壇】 11: ◯商工労働局長(津山直登君) 二点について御答弁申し上げます。  まず、株式会社ひろしまイノベーション推進機構、第一号投資の取り組みと成果についてでございます。  いわゆるハンズオン支援につきましては、投資の手法としては、単に資金面の支援にとどまるハンズオフと比較いたしまして、投資先企業の経営に深く関与することにより企業が抱えるさまざまな課題にきめ細かく対応することができ、迅速かつ確実に企業の成長を支援することができる仕組みでございます。  投資先のオー・エイチ・ティー株式会社に対するハンズオン支援といたしましては、機構から社外取締役二名と社外監査役一名が就任しているほか、案件の担当者一名を週一日から四日程度派遣しており、経営のモニタリング等を実施しながら管理面、事業面について経営の助言、支援を行っております。  こうした中で、オー・エイチ・ティー株式会社では、管理面では、管理部門を統括する専門人材の確保やコンプライアンス体制の構築を行うとともに、事業面では、海外営業体制の構築、研究開発アクションプランの策定などを実施しており、スピード感を持って経営基盤の体制強化を図っております。  今後は、こうした体制整備により、東アジア市場での販路の拡大や独自技術の研究開発の強化等に取り組むこととされており、オー・エイチ・ティー株式会社の企業価値がさらに増大していくものと考えております。  次に、中小企業等グローバル人材確保支援事業に係る企業ニーズについてでございます。  県内の中小企業におきましても、海外の成長市場を取り込むための事業展開が強く求められております。こうした中、海外工場での品質管理や海外企業との商談など、海外ビジネスを担えるグローバル人材の確保が企業経営の喫緊の課題となっております。これまで、既にこの制度を活用していただいた二社において、海外勤務の経験者や海外の大学を卒業した人材が採用されており、即戦力として活躍が期待されているところでございます。  また、このほか、登録された八社の人材紹介会社に対し、県内企業二十五社が求人の申し込みを行っている状況でございます。  さらに、先日開催いたしました人材紹介会社との個別相談会におきまして、新たに県内企業九社の参加がございました。  こうしたことから、この成功報酬を盛り込んだ補助制度の創設は、大企業が主要顧客であった人材紹介会社に県内の中小企業にも目を向けてもらう契機となり、また、この事業を利用する側の中小企業にとっても手数料の負担感の軽減というメリットが十分生かされているものと考えております。  今後とも、具体的な成果につながるよう、県内企業に対してこの制度の一層の周知と定着を図り、人材確保の円滑化を通じまして企業のグローバル展開を支援してまいりたいと考えております。 12: ◯議長(林 正夫君) 土木局長高垣広徳君。         【土木局長高垣広徳君登壇】 13: ◯土木局長(高垣広徳君) 二点についてお答えいたします。  まず、ローコストキャリア誘致による広島空港利用促進についてでございます。  ローコストキャリア、いわゆるLCCは、世界的に成長し、北米市場、西欧市場、さらには、東南アジアにおいて事業を展開し、航空市場の二割から三割を占めるに至っております。  我が国におきましても、海外や国内のLCC事業者が相次いで路線を開設しており、本県にとりましても、今後の航空ネットワークの多様化や航空旅客需要の拡大を図るには新たな路線の開拓は欠かせないことから、内外の市場を調査するなど、戦略的な対応を行っていく必要があると認識しております。  これまでのLCCの路線開拓につきましては、平成二十一年度から、韓国の事業者に対し、広島─釜山線就航の誘致活動を行い、その結果、試験的に、親会社であるアシアナ航空が本年三月に計十一往復のチャーター便を運航したところであります。  また、国内の路線につきましても、事業者に対し、今後の事業展開のヒアリングを行うとともに、広島空港視察の要請を行うなど、路線開設に向けた取り組みを行っているところでございます。  今後とも、広島空港のネットワーク拡充の一環として、現在要請を行っております事業者と引き続き協議を行いますとともに、さらに、国内外のLCC路線の開設の可能性を探ってまいります。  次に、防災・減災対策の観点からの社会基盤の構築についてでございます。  東日本大震災の発生を踏まえ、東南海・南海地震などの大規模地震による被害を防止・軽減するための対策を初めとして、災害に強い県土づくりの必要性が高まっているものと認識しております。  このため、公共事業の平成二十四年度当初予算におきましては、社会資本未来プランの短期集中戦略に位置づけた広域的な交流・連携基盤の強化や、集客・交流機能の強化とブランド力の向上のみならず、防災・減災対策の充実強化に重点化し、防災上重要な公共土木施設の整備などを積極的に進めることとしたところでございます。  また、このたびの九月補正予算におきましては、公共事業を取り巻く環境が大変厳しい中にあっても、県民の皆様の安全・安心に資する社会インフラの整備を着実に進めるため、総額三十三億円の防災・減災等強化対策に取り組むこととしております。  こうした中、本年六月に設定した社会資本整備の優先順位におきましても、防災・減災対策の充実強化を短期集中戦略に次ぐ位置づけとしたことから、これらを中心として平成二十五年度の補助公共事業等の配分を国に強く要請するなど、事業量の確保に努めているところでございます。  今後とも、県民の皆様の生命、財産を守るための防災・減災対策を着実に進めるとともに、社会資本整備の優先順位につきましても、社会情勢の変化を適切に反映すべく、PDCAを回しながら適時、見直してまいりたいと考えております。 14: ◯議長(林 正夫君) 教育長下崎邦明君。         【教育長下崎邦明君登壇】 15: ◯教育長(下崎邦明君) いじめの問題への取り組みについてお答えいたします。  教育委員会では、いじめは、どの子供にも、どの学校においても起こり得るとの認識のもと、平成十八年度にいじめ問題に対する基本的な考え方や、学校、家庭における発見のポイント、解決の方法等を示した教職員向けの指導資料を作成し、生徒指導主事研修において活用するなど、各学校の指導力の向上に努めてまいりました。  また、各学校に対して、いじめの早期発見、早期対応の観点から、いじめに関する情報を教職員間で共有する体制を整えるとともに、児童生徒を対象に、計画的にアンケート調査や個別面談等を実施するよう指導してきたところであります。  こうした取り組みの結果、アンケート調査については、平成二十二年度以降、すべての学校で、また、個別面談についても、ほとんどすべての学校で実施されております。  しかしながら、全国と比較しいじめの認知件数が少なく、実態が正確に把握できているかという点において課題があると考えております。このため、いじめに遭っているかどうかを記入しやすいアンケートとすることや、保護者アンケートを実施することなどにより、学校と家庭が協力して確実にいじめを認知し、解決に結びつけるよう取り組みの充実を図ってまいります。  また、先月末、相談窓口カードを配付し、担任がみずからの経験やいじめを許さない強い思いを伝えるなど、児童生徒との積極的な対話に努めているところであり、今後とも、安心して教職員に悩みを打ち明けることのできる環境づくりに努めてまいります。  こうした取り組みとともに、いじめの未然防止の観点から、道徳の時間を初め、教育活動全体を通して自尊感情や思いやり、生命や人権を大切にする態度の育成に努めてまいります。  さらに、児童生徒がみずから良好な人間関係を築くことができるよう、朝の会などの学級活動において、互いのよいところを話し合ったり、児童会、生徒会活動においていじめのない学校づくりに向けて話し合い、具体的な行動をするなどの取り組みが推進されるよう、引き続き、各学校を指導してまいります。 16: ◯議長(林 正夫君) この際、暫時休憩いたします。午後の会議は一時から開きます。         午前十一時三十六分休憩              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~         午後一時一分開議 17: ◯副議長(中本隆志君) 出席議員五十八名であります。休憩前に引き続き会議を開きます。  引き続いて質問を行います。宮崎康則君。         【宮崎康則君登壇】 18: ◯宮崎康則君 皆さん、こんにちは。自由民主党広島県議会議員団・県民会議、広島市佐伯区の宮崎康則でございます。今次定例会におきまして質問の機会を与えていただき、議長を初め、先輩、同僚議員各位に心から感謝を申し上げます。  早いもので、県議会の場に送り出していただいて一年半になろうとしております。  しかしながら、この間を振り返ってみますと、自分自身の力不足を痛感いたしております。もとより、一期の議員でありますから、知識や経験が不十分なことは承知しておりますが、皆様の信任を得て県議会に送り出していただいたからには、その負託にこたえていかなければならないという使命を持ちつつも、まだまだ、皆様の思いに十分にこたえられていないのが現状であります。  もどかしい気持ちを持ちながら、一つ一つの課題に着実に取り組み、前に進んでいかなければなりません。なぜなら、今日、地方議会に課せられた課題は、かつてなく大きくなっていることを感じており、国の内政の課題は、国よりも地方の現場で起こり、より積極的に論じられているからであります。議員は、住民が持つ政策への期待や地域課題を代弁者として解決する約束の上に成り立っていると言っても過言ではないと思っているからであります。スピーディーに課題を解決するためには、国の権限と財源を地方に移譲し、真の分権型社会における地方の役割と責任をしっかりと果たしていかなければなりません。本日は、このような思いを抱きながら質問させていただきます。
     最初の質問は、新たな広域自治体のあり方に関して、大きく二つの論点についてお伺いいたします。  まず一つ目は、中国五県による広域連合のメリットと県民の理解についてであります。  本年六月一日の中国地方知事会議において、広域連合の設立に向けた準備を進めることが合意されました。  また、八月七日には、中国五県共同で、国に対して知事会議での合意内容についての説明と国の出先機関の事務の移譲についての提案、要請活動が行われたところであります。この広域連合の設立の目的としては、地方分権改革を進めるため、国の出先機関の事務・権限の受け皿の役割を担うとともに、中国地方における広域行政の実施主体の役割を担うこととされております。国の出先機関については、当面、経済産業局の事務・権限の移譲を受け、各県が持ち寄って行う事務については、大規模で広域的な災害が発生した場合の調整や共同防災訓練の実施などの広域防災に関する事務と、広域的なドクターヘリの運航調整を行うこととされております。  まず、経済産業局の事務・権限の移譲を受けることについては、経済産業局と各県が行っている中小企業や地場産業の振興との融合を図ることが可能となるなどのメリットがあるだろうと思われます。また、広域防災や広域的なドクターヘリの運航調整を広域連合が行うことについては、大規模な災害発生時の迅速な対応や、ドクターヘリの効率的な運航が可能になるなどのメリットがあるだろうと思われます。広域連合を設立するメリットについては、今、申し上げましたようなぼんやりとしたメリットはイメージできるのでありますが、はっきりとしたメリットはなかなかイメージできないのであります。  七月に開催された県・市町共同会議においても、市町から、広域連合の設立が市町にとってどのようなメリットがあるのか、これまでの国、県、市町という三層構造から国、広域連合、県、市町という四層構造になり、より複雑になるのではないかといった疑問や懸念が表明されたところです。市町からこのような疑問や懸念が出るということは、これまで、市町に対して十分な説明をされてこなかったことのあかしであると言わざるを得ませんし、県民に対しても十分な説明があったとは思われません。  そこで、中国五県による広域連合を設立した場合に、具体的にどのようなメリットがあるのか、また、広域連合設立の目的や必要性について市町や県民にわかりやすく説明し理解を得る必要があると考えますが、今後の取り組みについて知事の御所見をお伺いいたします。  次に、新たな広域自治体の姿と今後の取り組みについてお伺いいたします。  県では、今年度、多極分散型社会を支える新たな広域自治体のあり方についての調査研究事業を実施されております。また、知事は、全国知事会の日本のグランドデザイン構想会議の委員として、我が国の将来ビジョンとそれを支える広域自治体のあり方についての検討に加わっておられます。  知事は、これまで、国、広域自治体、基礎自治体という三層構造を前提とした現在の都道府県は、エリア、権限、財源、経済規模がより大きな広域自治体に再編される必要があると考えているが、新たな広域自治体のあり方については、県が今年度取り組んでいる調査研究や全国知事会の日本のグランドデザイン構想会議の検討を踏まえて示していきたいという趣旨の発言をされております。  私は、新たな広域自治体のあり方について本県独自に調査研究に取り組まれていることや、全国知事会の検討に知事が積極的に参画されていることは大いに評価しているところですが、広域自治体についての将来ビジョンを明確に示した上で今回の広域連合の設立に向けたステップに入っていくべきではなかったのかと思います。  そこで、県が行っている調査研究の検討状況と全国知事会での検討状況についてお伺いするとともに、現時点で広域自治体のあるべき姿をどのように描いておられるのか、また、今後どのように取り組んでいかれるのか、広域連合の設立との関連性に含めて知事にお伺いいたします。  質問の第二は、犯罪被害者に対する支援についてであります。  犯罪被害には、殺人や傷害事件のような、テレビや新聞で大きく取り上げられる犯罪のほか、性犯罪や交通事件、事故などによる被害もあり、被害者は同じように傷つき苦しんでおります。不幸にして犯罪に巻き込まれ、被害を受けた人やその家族は、事件時の直接的な被害に加え、心にも大きな傷を受けます。警察の捜査や裁判においては、時間的、精神的な負担を強いられますし、周囲の人たちの無理解や安易な言動によって傷つけられる二次的被害もあり、幅広くきめ細かい継続的な支援が必要です。  犯罪被害者等基本法に基づき、平成十七年十二月に国が定めた犯罪被害者等基本計画では、地方公共団体に、犯罪被害者に対して適切な情報提供を行う総合的な対応窓口を設置することが求められました。県では、平成二十二年度から環境県民局にこの窓口を設置されておりますが、関係機関への取り次ぎ的な役割だけになっているような感じがしております。  そこで、これまでにどのような相談があり、支援を行われてきたのか、また、相談対応のほか、どのような施策を実施してこられたのか、お伺いいたします。  次に、犯罪被害者の支援に当たっての関係機関との連携についてお伺いいたします。  犯罪被害者の方々のニーズは、医療や精神面でのケアを初め、生活上の支援や裁判に関することなど、極めて多岐にわたっており、総合的な支援を行うためには、警察、医療、行政、司法、犯罪被害者支援を行う民間団体などの関係機関が相互に連携していくことが必要であります。関係機関の中で、警察は、被害の届け出、被疑者の検挙、被害の回復・軽減、再発防止などを通じ、犯罪被害者と最も密接にかかわり、犯罪被害者等を保護する役割を担っており、さまざまな被害者支援施策を展開しています。  また、公益社団法人広島被害者支援センターは、犯罪被害者等早期援助団体として、被害者の同意を得た警察から犯罪被害の概要などに関する情報の提供を受け、事件直後の混乱や精神的なショックなどにより、みずから援助を求めることができない被害者に積極的にアプローチし、個々の被害者の心情や事情に配慮した継続的な援助を行っています。犯罪被害者支援の施策を策定及び実施する責務を有する県は、これらの関係機関と緊密に連携していく必要があると考えますが、警察本部や広島被害者支援センターとどのように役割分担と連携を図っておられるのか、お伺いいたします。  次に、犯罪被害者支援の重要性の認識と今後の取り組みについてお伺いいたします。  県内で唯一の犯罪被害者等早期援助団体である広島被害者支援センターは、犯罪被害者からの電話相談や面接相談に対応するとともに、裁判の付き添いや代理傍聴などの直接支援を行うほか、シンポジウムの開催などの普及啓発にも取り組み、犯罪被害者支援に係る幅広い活動を展開されております。  特に、電話相談のほか、裁判の付き添いなどを行う直接支援は、裁判員裁判が導入された平成二十一年度以降、急速に増加しております。平成二十年度の直接支援は三十四件でしたが、二十一年度は百三十六件、二十二年度は百六十三件となり、二十三年度においては三百二十件にも上っております。  その要因としては、早期援助について警察からの情報提供が増加したことや、裁判員裁判が連日開かれることに加え、刑事裁判で、被害者や遺族が被告に質問したりする被害者参加制度が浸透し、裁判に付き添うケースがふえたためであります。  また、被害者との信頼関係を保つため、同じ人が継続して被害者を支援していく必要があり、裁判の長期化によって、そのような対応を維持するための人員確保の負担が大きくなっております。  このように、広島被害者支援センターのニーズが高まる一方で、収入の大部分を占める会費収入と寄附金は伸び悩み、財政的には非常に厳しい状況にあります。  一方で、警察本部からの委託料はありつつも、自治体からの財政支援は、平成二十一年度から実施している広島市に、今年度から廿日市市と海田町が加わるものの、三市町にとどまっております。  犯罪被害者等基本法においては、国及び地方公共団体は、犯罪被害者等に対して行われる各般の支援において犯罪被害者等の援助を行う民間団体が果たす役割の重要性にかんがみ、その活動の促進を図るため、財政上及び税制上の措置、情報の提供等必要な施策を講ずるものとすると規定されておりますが、本県において、この法律の規定の理念に沿った施策が展開されているとは思えません。  犯罪被害者の置かれている状況を踏まえた施策の実施の重要性と犯罪被害者の援助を行う団体の意義について、どのように認識しておられるのか、また、個々の被害者の心情や事情に配慮したきめ細かい継続的な犯罪被害者支援を行うためには、広島被害者支援センターの活動支援を含めた積極的な施策展開が必要であると考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。  質問の第三は、「なくそう犯罪」ひろしま新アクション・プランの推進についてであります。  本県では、刑法犯の認知件数が五万九千三百三十件と戦後最多となった平成十四年に、「減らそう犯罪」広島県民総ぐるみ運動を提唱し、平成十五年には、「減らそう犯罪」ひろしま安全なまちづくり推進条例を施行し、多様な主体が連携、協働した運動が始まりました。第一期、第二期のアクション・プランに基づきさまざまな施策を実施された結果、刑法犯認知件数は年々減少し、平成二十一年は二万八千八百五十三件と平成十四年の半分以下に減少させることができました。  こうした状況を受けて、犯罪をなくすという新たな視点に立ち、日本一安全・安心な広島県の実現を運動目標とする「なくそう犯罪」ひろしま新アクション・プランを平成二十二年十一月に策定され、平成二十三年から新たな運動を展開されております。その結果、平成二十三年の刑法犯認知件数は二万五千九百三十七件と戦後最少となり、平成二十四年上期においても、昨年上期を下回り、大きな成果を上げております。  そこでまず、新アクション・プランの運動目標である、日本一安全・安心な広島県の実現を図るため、これまで重点的に取り組んでこられたこと、現在の犯罪の傾向やプランを推進する上での課題、今後の方針について、警察本部長にお伺いいたします。  次に、「なくそう犯罪」の推進に向けた地区防犯組合連合会との連携についてお伺いいたします。  本県の刑法犯認知件数が減少してきたのは、広島県警察のたゆまぬ努力の成果であることはもちろんですが、県民を初め、事業者、ボランティア、関係団体、行政などの多様な主体が、まさに総ぐるみとなって防犯活動に取り組んできたからではないでしょうか。中でも、防犯組合は、おおむね小学校区を単位として組織され、小学校児童の登下校時の見守りやあいさつ運動、夜間のパトロール、さらには、住民の防犯意識の高揚を図るなど、地域に密着した自主的な防犯活動の中核となっております。  また、地域安全推進員は、防犯情報の地域住民への提供や、事件や事故、不審者などの地域情報の警察署への連絡を行うとともに、地域の自主的な防犯活動のリーダーとして防犯組合などと連携しながら積極的に活動されています。各警察署単位で設けられている地区防犯組合連合会は、防犯組合や職域防犯組合で構成され、各警察署長とともに地域安全推進員を委嘱するなど、自主防犯活動の推進母体となるものであります。地区防犯組合連合会の活動をさらに充実させ、警察と連合会が緊密な連携を図っていくことが、「なくそう犯罪」を推進していく上で大変重要であると考えます。  そこで、地区防犯組合連合会の活動についてどのように評価し、今後、どのようにその活動を支援し連携を図っていかれるのか、警察本部長にお伺いいたします。  次に、広島市佐伯区を管轄する警察署の新設に伴う対応についてお伺いいたします。  私たち佐伯区の住民が待ち望んでいた佐伯警察署、現在のところ仮称でございますが、この警察署がいよいよ来年九月に開設されることになり、本年九月には開設のための準備室が警察本部に設置されております。広島市佐伯区は広島西警察署が管轄していましたが、来年九月からは、佐伯区倉重に新たに開設される警察署が管轄することになり、行政区と一体となった取り組みにより治安機能の向上や、事件、事故が発生した場合に、これまで以上の迅速な対応が可能になるものと大いに期待しているところであります。  また、新たな警察署の開設を契機に、佐伯区における「なくそう犯罪」に向けた住民総ぐるみの運動をさらに充実させていく必要があります。自主防犯活動の推進母体となる地区防犯組合連合会についても、現在の広島西防犯連合会から独立して、佐伯区をエリアとする防犯組合連合会を立ち上げることになると思います。  そこで、佐伯区を管轄する新たな警察署の開設に伴って防犯組合連合会の設置が必要となりますが、その立ち上げ支援についてどのように考えておられるのか、警察本部長の御所見をお伺いいたします。  質問の第四は、広島空港の利用促進についてであります。  米軍岩国基地を活用した岩国錦帯橋空港が本年十二月十三日に開港し、東京の羽田空港との間で一日四往復の運航が開始されます。これまで広島空港の東京線を利用していた県西部の広島市佐伯区や廿日市市、大竹市の住民の多くは岩国錦帯橋空港を利用するものと思われます。住民の利便性が高まることは歓迎すべきことですが、広島空港の利用客の減少は大きな課題であると思います。  こうした中、県では、本年十月一日から十二月末までの三カ月間、広島市西部と広島空港を結ぶリムジンバス二路線の社会実験を実施されます。このうち、五日市線については、早朝五時四十七分に五日市駅を出発し七時に広島空港に到着する便と、夕方十七時十分に広島空港を出発し十八時二十三分に五日市駅に到着する便の一往復しかありません。これで果たして新たな路線の開拓につながる社会実験になるのか、疑問を持たざるを得ません。さらに広島空港の利用促進を図るのであれば、もっと大胆な社会実験を実施し、可能性を探るべきではないでしょうか。  そこで、国際線の利用客は増加しているものの国内線の利用客はそれ以上に減少している中で、広島空港の利用促進に向け、今後どのように取り組んでいかれるのか、今回の広島空港リムジンバスの社会実験のうち、五日市線の運行時間と便数の設定の理由とあわせてお伺いいたします。  次に、広島空港へのアクセスの改善についてお伺いいたします。  広島空港の利用促進を図るためには空港アクセスの改善が必要不可欠です。現状では、広島空港に直結する軌道系の交通手段がないため、移動時間に余裕を持たせなければなりません。公共交通機関を利用する場合はJR山陽本線を利用し、白市駅からバスを利用するか、広島市中心部や福山市中心部などから発着するリムジンバスを利用することになります。  しかしながら、空港まで直通で行ける唯一の公共交通機関であるリムジンバスは、渋滞や悪天候により、しばしば、おくれや運休が発生します。ことしの八月十日から十二日の三日間、山陽自動車道での事故や渋滞の影響で広島市中心部と空港を結ぶリムジンバスは百六十六便も運休に追い込まれました。ゴールデンウイークやお盆には、山陽自動車道の渋滞によりリムジンバスが大量に運休するという事態が繰り返されております。県では、観光プロモーション「おしい広島県」を展開され、全国の注目を集めていますが、空港アクセスこそ、まさに「おしい広島県」の一つであります。  県では、JR山陽本線を利用した空港アクセスの改善策の検討を始めるようですが、本県の空の玄関である広島空港へのアクセスの改善を図るための抜本的な対策が必要であると考えますが、今後の方針についてお伺いいたします。  質問の第五は、健康づくりの推進についてであります。  私は、昨年九月の県議会定例会におきまして、知事が持たれている健康観などについて質問させていただきました。本日は、県がこれまで推進されてきた健康づくりに対する評価や、県民の主体的な健康づくりの推進に向けた今後の方策について質問させていただきたいと思います。  さて、健康は、県民が生涯にわたって生きがいをもって暮らすことができ、活力ある社会にするための基本となるものであり、県民共通の願いでもあります。  一方で、厚生労働省が本年八月に公表した平成二十三年度の医療費は、前年度に比べて約一・一兆円増加し、過去最高の三十七・八兆円となりました。高齢化の進展による自然増で毎年一兆円程度の増加が見込まれ、国や地方自治体、健康保険組合、保険料を支払う国民の負担は年々大きくなっております。  また、本県の国民健康保険の医療費を見ますと、平成二十二年度の一人当たりの医療費は約三十六万円で、全国平均よりも約六万一千円も高く、都道府県別では全国三位となっております。こうした危機的な状況となっている医療費を抑制するためにも、健康づくりを強力に推進していかなければなりません。  本県においては、平成十三年度に広島県健康増進計画、健康ひろしま21を策定され、平成十九年度には、二十年度から二十四年度までを計画期間とする健康ひろしま21を策定されております。今日まで、健康ひろしま21の目標達成に向け、さまざまな施策を実施されてきたと思いますが、本年六月に厚生労働省が公表した健康寿命によると、本県は男女ともに全国平均を下回っており、都道府県別では、男性が三十位、女性は四十六位となっております。  そこで、本県の健康寿命が男女ともに全国と比べて短い状況になっている原因の分析を含め、これまで、健康ひろしま21の推進による成果と課題、達成状況に対する総合的な評価についてお伺いいたします。  次に、県民の主体的な健康づくりの推進についてお伺いいたします。  県では、平成二十年度に、ひろしま健康づくり県民運動推進会議を設置され、県民の主体的な健康づくりの機運醸成や環境づくりを推進する県民運動を関係団体と連携して展開されております。  しかしながら、主体的な健康づくりが必ずしも県民に浸透しているとは言えないと思います。地域で行われている健康教室や介護予防教室は動員型となっており、参加者数は伸び悩み、途中でやめてしまう人も多いと聞いております。より多くの人たちにやりがいを持って継続的に参加していただけるように、新しいアイデアやメニューを次々と発信して展開していく必要があります。  一方、地域には主体的に健康づくりに取り組んでいる住民グループがありますので、こうした活動にも目を向け、連携を図っていく必要があると思います。健康づくりは、だれかにやってもらうものではなく、みずからやるものですが、こうした自主的な健康づくりに取り組んでいる方々が中心となって、周囲の人に声をかけていただき情報交換したり、楽しみながらみずから健康づくりに取り組む、それに対して、健康づくりの専門職や関係機関が適宜アドバイスや支援する、行政は、より一層効果が上がるようにコーディネートしていくという形が最も望ましく、本来の主体的な健康づくりの姿ではないでしょうか。そして、こうした多様な主体が協働して健康づくりに取り組む仕組みづくりを行うのも、行政の役割であると思うのであります。  主体的な健康づくりを推進するための仕組みづくりは、市町が主体となって取り組むべきものだとは思いますが、県は、そのあるべき姿を示し、県内全域での仕組みづくりができるようリーダーシップを発揮する必要があります。県では、本年度、平成二十五年度からの十年間を計画期間とする新たな健康ひろしま21を策定されます。その中で、県内全域で県民の主体的な健康づくりを推進するための、住民、専門職、関係機関、行政の協働の仕組みが必要であると考えますが、計画の策定に当たり、どういった方向で何を目指すのか、知事の御所見をお伺いいたします。  私の質問は以上でありますが、最後に、今後とも、ふるさと佐伯区、そして、県民の皆様の思いをかなえるため、日々、研さんを積み、歩んでいくことをこの場でお誓い申し上げまして、私の質問を終わります。御清聴、まことにありがとうございました。(拍手) 19: ◯副議長(中本隆志君) 当局の答弁を求めます。知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 20: ◯知事(湯崎英彦君) まず、中国五県による広域連合のメリットと県民の理解についての御質問でございます。  地方分権改革を推進していくため、現在、中国五県共同で広域連合制度を活用した国の出先機関の事務・権限の移譲に向けた準備を進めているところでございます。  そのメリットとしては、第一に、国と地方の類似的な業務の集約、また整理によって業務効率が図られるなど、効果的な事務執行が見込まれるということ、第二に、いわゆる縦割り行政の解消として、多岐にわたって各県が取り組む施策と連携、一体化しながら、地域ニーズに総合的に対応することにより事業効果を高めることができること、第三に、住民ガバナンスの強化として、これまで国の出先機関で行われていた行政に対して、議会等のチェック機能が働くことによって行政の透明性や公平性が向上すること、そして、第四として、住民に近く、地域実情を熟知した行政主体による、迅速かつきめ細かい行政サービスの実施が期待できるということ、そして、さらに、国の出先機関の事務等の権限を具体的に受けることで地方分権改革を一歩ずつ前に進めていくことであると考えております。  このため、さきの通常国会におきまして国の出先機関の事務・権限の移譲を進めるための特例法案が提出されず先送りされたということは、大変に遺憾であると考えております。  本県としては、地方分権改革を一歩でも前に進めるために、これまで以上に中国五県の連携を深めた上で、国に対してこの改革の流れをとめることなく取り組みを強く求めてまいります。  あわせて、引き続き、国の動きに応じて県議会の皆様や県民の皆様へ情報提供を行うとともに、市町に対しても丁寧に御説明を申し上げて理解をいただきながら、必要な準備を進めてまいりたいと考えております。  続きまして、新たな広域自治体のあるべき姿と今後の取り組みについてでございます。  現在、本県独自に新たな広域自治体のあり方に係る調査研究を進めており、中央集権体制や首都圏一極集中と地域格差拡大のスパイラルなど、現状と問題点の検証や、その検証を踏まえた目指すべき国家像と、それを支える新たな広域自治体の姿などについて検討を行っているところでございます。  この検討に当たっての基本的な考え方は、一極集中、中央集権から多極・多様化した分権型国家へとこの国の形を変えて、地域が多様性の中から競争力を生み出し、国全体の成長につなげていくという国づくりを目指すものでございます。  また、この本県独自の検討と並行いたしまして、全国知事会の日本のグランドデザイン構想会議におきましても日本の将来像の検討が行われているところでございまして、七月に行われた中間取りまとめにおいては、目指すべきこの国の未来像として、地域の多様性と創意工夫を生かしたイノベーションを可能にする新しい地方自治体・地方制度の構築や、地域間の競争と相互補完による多極型の経済圏・交流圏の形成が示されるなど、本県の基本的な考え方が反映されており、さらに今後、年内の最終取りまとめに向けて議論を深めていきたいと考えております。  次に、こうした国の将来像を支える広域自治体のあるべき姿としては、現在の県よりも、地域的、面積的に、あるいは権限や財源、経済規模において、より大きい、新たな自治体として再編されて、広域エリア全体の総合的な発展戦略や広域的な行政を担うべきと考えております。  一方で、地方分権改革を一歩ずつ前に進めていく取り組みとして、先ほども出ました国の出先機関の事務・権限の地方への移譲を促進するために、中国五県で連携し、受け皿となる特定広域連合について設立に向けた準備を進めておりますが、広域行政の具体的な取り組みを重ねていくことで新たな課題や行政ニーズも明らかになって、今後の広域自治体の議論にもつながっていくものと考えております。  あわせまして、本県独自の調査研究を進めて、この国の形を変える改革の必要性や目指すべき新たな広域自治体の姿をお示しするとともに、全国知事会の構想会議とも連携しながら、国に対して積極的な働きかけを行ってまいりたいと考えております。  次に、犯罪被害者支援の重要性の認識と今後の取り組みについての御質問でございます。  犯罪の被害に遭われた方やその御家族、御遺族の方々は、犯罪による直接的な被害にとどまらず、経済的あるいは精神的な負担など、御指摘のようにさまざまな問題に直面されており、こうした被害者の方々に再び平穏な生活を営んでいただくためには、多岐にわたる支援を実施することが重要であると認識しております。  このため、県としては、保健・医療、福祉、雇用など、犯罪被害者支援に関連した広範にわたる施策を関係機関、団体と連携し、総合的に推進しているところでございます。  こうした中で、民間団体の行う支援活動は、付き添いや家事支援など、公的機関では対応が困難な、被害者に寄り添ったきめ細かな対応ができることから、犯罪被害者支援において重要な役割を果たすものと考えております。  支援活動を行う民間団体のうち、犯罪被害者等早期援助団体として指定されております公益社団法人広島被害者支援センターへの支援としては、警察本部を通じて相談業務や裁判所への付き添いなどに係る事業を委託するほか、犯罪被害者支援に関する街頭キャンペーンの共同実施などを行っているところでございます。  今後とも、公益社団法人広島被害者支援センターを初めとして、犯罪被害者支援に携わる関係機関や団体との連携を強化し、犯罪被害者に対する総合的な支援を行ってまいりたいと考えております。  次に、県民の主体的な健康づくりの推進についてでございます。  県民がともに支え合い、健康で幸せに暮らせる社会を実現していくためには、県民一人一人が主体的に健康づくりに取り組み、それを社会全体で支え合う仕組みづくりが重要であると認識しております。このような観点から、今年度改定いたします健康ひろしま21を健康福祉分野における各種計画のマスタープランと位置づけて、現在、県民代表二名を含みます保健医療関係者、地域・職域関係者等十六名から成る健康ひろしま21推進協議会で検討を進めており、平成二十五年三月を予定に計画を策定することとしております。  これまで、この協議会におきましては、塩分摂取量の低下、たばこ対策、特定健診の受診率や特定保健指導の実施率の大幅な改善などに重点的に取り組む方向で議論が進んでおりまして、健康寿命の延伸のための目標値を定めて普及啓発するとともに、県民の主体的な健康づくりを支援する体制を構築し、最終的には、県民がみずから健康の維持、改善を実践できる社会の実現を目指す計画としたいと考えております。  さらに、今年度策定いたします計画の発信の場として、来年六月には食育推進全国大会を開催するほか、減塩対策等の栄養、食生活に関する取り組みにつきまして、学校や企業等、関係機関と連携して事業を展開するなど、具体的な県民の取り組みを促していきたいと考えております。  こうした取り組みに加えまして、ひろしま健康づくり県民運動推進会議で県内各地での自主的な活動を積極的に発信していくなど、全国的にも先駆的な県民運動が展開される県を目指しまして、住民や専門職、関係機関、また行政が協働して取り組む仕組みを県が率先して構築してまいりたいと考えております。  その他の御質問につきましては、担当説明員より答弁させていただきます。 21: ◯副議長(中本隆志君) 環境県民局長梅木敏明君。         【環境県民局長梅木敏明君登壇】 22: ◯環境県民局長(梅木敏明君) 犯罪被害者への支援について、二点お答えいたします。  まず、県の取り組み状況についてでございます。  県では、犯罪被害者等基本法第十一条の規定に基づき、犯罪被害者からの相談に応じて、必要な情報の提供及び助言を行い犯罪被害者の援助に精通している者を紹介することを目的として、平成二十二年四月一日に犯罪被害者等支援総合窓口を設置し、犯罪被害者からの相談、問い合わせに対応しております。  窓口設置以降、これまで精神的な悩みや犯罪被害者等給付金、弁護士相談費用などについて七十三件の相談を受け付けており、その内容に応じて、総合精神保健福祉センターや日本司法支援センター広島事務所などの専門的な機関や団体への橋渡しや情報提供を行ったところでございます。  相談対応以外の犯罪被害者支援に係る施策につきましては、国、県、市町の機関及び関係団体が行うさまざまな施策を取りまとめた犯罪被害者支援ハンドブックを作成し情報共有を図るなど、総合調整を行っているところでございます。  また、県や市町の職員に対し、犯罪被害者支援に係る法制度や相談対応についての研修を実施するとともに、犯罪被害者が社会生活を円滑に営めるよう、広く県民の理解を深めてもらうため、犯罪被害者支援講演会の開催や街頭キャンペーンなど、広報啓発事業を実施しております。  続いて、犯罪被害者の支援に当たっての関係機関との連携についてでございます。  犯罪被害者支援は多岐にわたっており、国や県の関係機関及び民間団体などがそれぞれの役割に基づいてさまざまな支援を行っております。県警察は、精神的、経済的打撃を緩和する犯罪被害者等給付金の支給や犯罪被害者の直接支援など、犯罪被害者の権利・利益を保護する役割を、また、公益社団法人広島被害者支援センターは、被害者が抱えるそれぞれの事情に即したきめ細かな支援を行う役割を担っております。  県は、窓口における相談対応や犯罪被害者に対する県民の理解を深めるための啓発を行うとともに、犯罪被害者支援に係る施策を総合的に推進する役割を担っております。  犯罪被害者支援の取り組みを推進するためには、県や県警察、公益社団法人広島被害者支援センターを含むすべての関係機関・団体相互の連携が重要でございます。このため、犯罪被害者支援に携わる国、県の関係機関及び民間団体三十三機関・団体で構成する広島県被害者支援連絡協議会において、各機関・団体の取り組みについての情報交換を行うなど、情報共有を図っております。
     今後とも、犯罪被害者が必要に応じ適切な支援を受けることができるよう、市町及び関係機関・団体とのさらなる連携強化を図ってまいります。 23: ◯副議長(中本隆志君) 土木局長高垣広徳君。         【土木局長高垣広徳君登壇】 24: ◯土木局長(高垣広徳君) 広島空港の利用促進につきまして、二点についてお答えいたします。  まず、広島空港の利用促進に向けた取り組みについてでございます。  広島空港の利用促進のためには、他の輸送モードや他空港に対する優位性を高めるため、空港アクセスの改善に努めるとともに、ソフト・ハードにわたる空港機能の強化が必要であると考えております。  このため、広島県空港振興協議会において取りまとめられたアクセス対策アクションプログラムの着実な実施に努めることとしており、その中で、空港リムジンバス社会実験につきましては、新規路線開拓に向けた需要調査のため、広島市と共同で実施するものでございます。  今年度実施する五日市線は、岩国錦帯橋空港の影響も考慮して、広島市佐伯区から東京への日帰り利用をターゲットとし、岩国錦帯橋空港の運航ダイヤも視野に入れ、最も利用が見込める羽田への始発便と羽田からの夕方便に接続する一日一往復を設定したものであります。  さらに、広島空港の利用促進を図るため、国内外の航空ネットワークの充実、さらには、ターミナルビルなどの空港施設の改善により、利便性、快適性の向上を進め、広く利用喚起に努めるとともに、航空会社等関係事業者に対してもサービスの向上に向けた協力を要請してまいりたいと考えております。  次に、空港アクセスの改善についてでございます。  広島空港の利用促進を図るためには、空港アクセスの定時性、信頼性を確保することが重要であると認識しております。アクセスのほとんどを山陽自動車道に依存せざるを得ない現状においては、緊急時の代替ルートとなり得る東広島・安芸バイパス、東広島・呉自動車道、県道矢野安浦線などの整備を着実に推進するとともに、安定的な定時性確保の観点から、道路系以外のアクセス手段についても検討を行う必要があると考えております。  このため、経済団体、交通事業者など幅広い関係者から成る広島県空港振興協議会において、これまで検討されたさまざまなアクセス改善策について、その課題や効果等を検証するとともに、空港利用者のニーズ調査等を実施しているところであります。この調査結果を踏まえ、定時性にすぐれているJR山陽本線を利用したアクセス改善策など、改めて、現時点で有効かつ実効性のある対策に取り組んでまいりたいと考えております。 25: ◯副議長(中本隆志君) 健康福祉局長佐々木昌弘君。         【健康福祉局長佐々木昌弘君登壇】 26: ◯健康福祉局長佐々木昌弘君) 健康ひろしま21の総合的な評価についてお答えいたします。  健康ひろしま21につきましては、栄養・食生活、身体活動・運動、休養・心の健康、たばこ、アルコール、歯・口の健康の六分野を中心に四十三項目の客観的指標を設定し、推進してきたところです。  その主な成果につきましては、自殺死亡率が平成二十三年度でよいほうから全国四位、六十五歳時において、日常生活で要介護でなく自立して暮らせる生存期間が平成二十一年で全国八位、成人の喫煙率が平成二十二年でよいほうから全国十三位が挙げられ、健康ひろしま21の達成状況につきましても、国の同様の計画の達成率が六〇%に対して、本県は、今年度末で六六%を見込んでおります。  課題といたしましては、生活習慣病予防のための特定健診の受診率が平成二十二年度で全国最下位、成人男性の食塩摂取量が平成二十二年で多いほうから全国二十五位が挙げられます。  なお、今回国が示した健康寿命は、平均寿命から不健康な期間を除いた日常生活に影響のない期間のことで、幾つか健康寿命の算定方法がある中で、平成二十二年の国民生活基礎調査における日常生活への影響の有無に関する主観的なデータを用いて算定しております。  現在、市町ごとの健康寿命の算定も含めて県として分析を進めておりますが、健康ひろしま21における、先ほど御紹介いたしました、全国八位となっている自立して暮らせる生存期間などの各種の客観的なデータとの関係について、十分な考察をしてまいりたいと考えております。 27: ◯副議長(中本隆志君) 警察本部長井口 斉君。         【警察本部長井口 斉君登壇】 28: ◯警察本部長(井口 斉君) まず、「なくそう犯罪」ひろしま新アクション・プラン推進のための取り組み状況についてお答えいたします。  「なくそう犯罪」ひろしま新アクション・プランでは、大きく三本の施策を推進しております。具体的には、意識づくりでは、インターネットを活用した犯罪発生マップの提供などを、地域づくりでは、学生ボランティア等若い世代の自主防犯活動の担い手の拡充などを、環境づくりでは、防犯カメラ等安全・安心な公共空間対策や緊急雇用対策基金事業としての「なくそう犯罪」安全安心推進隊の運用などを、それぞれ重点にして取り組んでおります。  その結果、刑法犯認知件数は、昨年、戦後最少を記録するなど減少傾向を維持しておりますけれども、子供、女性を対象とした性犯罪、声かけ事案等が増加するなど、県民の安心感はいまだ十分とは言えない状況にあります。  こうしたことから、今後は、認知件数が増加に転じないようにするとともに、現在増加傾向にあります子供、女性を対象とした性犯罪や高齢者対象の振り込め詐欺等への対策を積極的に推進してまいりたいと考えております。  次に、地区防犯組合連合会との連携についてお答えいたします。  各地区防犯組合連合会は、町内会やボランティア団体等で構成されており、地域防犯活動の中核を担い、県民総ぐるみ運動の推進に多大な貢献をしているものと認識しております。  県警察といたしましては、各地区防犯組合連合会の主体的な防犯活動を一層促進するため、地域の実情に即したタイムリーな犯罪情報の提供、防犯ボランティアの方々による意見交換会の開催、地域における防犯リーダーの育成を図るための研修会など、各種支援に積極的に取り組んでいるところでございます。  今後とも、地区防犯組合連合会との緊密な連携を図り、自主防犯活動のすそ野の拡大、その活性化に取り組んでまいります。  最後に、仮称、佐伯警察署の新設に伴います防犯組合連合会の立ち上げ支援についてお答えいたします。  議員御指摘のとおり、仮称、佐伯警察署新設に伴いまして、新たに佐伯区を管轄する防犯組合連合会を設ける必要があると考えております。新防犯組合連合会の立ち上げに当たりましては、広島西警察署はもとより、広島県防犯連合会、広島西防犯連合会、佐伯区役所などと緊密な連携を図り、必要な支援を行ってまいりたいと考えております。  仮称、佐伯警察署においては、新たに立ち上がった地区防犯組合連合会と連携しまして、安全・安心なまちづくり活動を円滑かつ効果的に推進することとしております。 29: ◯副議長(中本隆志君) 引き続いて質問を行います。砂原克規君。         【砂原克規君登壇】 30: ◯砂原克規君 自由民主党広島県議会広志議員会・フォーラム広島の砂原克規でございます。  知事は、就任以来、積極的に施策を打ち出され、斬新な手法等も織り込んで、二年少々で新しい事業を多く立ち上げられました。  しかしながら、その成果が出てくるのは先の事業が多く、先行き不透明感が高い現在において、当初のもくろみどおり進んでいくのだろうかと懸念するものも多くあるように感じます。一息ついて、知事がここまで行ってきたことを見詰め直すことも大事なのではないかと思います。まさに、知事が常に口にされるPDCAであります。焦らず、PDCAを行い、新たに事業を打ち出してはいかがかと思います。そのことを伝えたいため、ここまで知事が展開されてきた事業の問題点を指摘し、いろいろなことを再考していただけるよう質問を行います。一問一答方式でさせていただきます。(質問用演壇に移動)  まず、地方分権改革の推進についてお伺いします。  近年、道州制の議論が大きく巻き起こりましたが、我が国における道州制の議論は戦前から長きにわたり議論されてまいりました。そして、近年、全国で大きく議論が巻き起こったのは、平成十二年のいわゆる地方分権一括法の施行を契機とする第一次地方分権改革と言われるころからであり、本県においても道州制の導入を目指した取り組みがなされてきたのは御承知のとおりです。  ここで、まず初めに、その当時、本県では国の制度設計が半ばであった道州制を導入する意義をどのようにとらえていたのか、お伺いします。 31: ◯副議長(中本隆志君) 経営戦略審議官田邉昌彦君。         【経営戦略審議官田邉昌彦君登壇】 32: ◯経営戦略審議官(田邉昌彦君) 本県が平成十六年十一月に定めた分権改革推進計画においては、道州制を導入する意義について、まず第一点として、国の出先機関の事務・権限や組織の大半を広域自治体としての道州へ移譲することにより、地域の実情や特性、あるいは住民の民意を踏まえて、民主的・総合的に施策を展開できること、二点目としまして、国・都道府県間の二重行政の解消を目指した効率的な行財政運営が行われること、そして、自立した広域的な地域ブロックを形成することにより、世界で競争する多極分権型の国土形成が図られることであるととらえておりました。 33: ◯副議長(中本隆志君) 砂原克規君。 34: ◯砂原克規君 県は、将来の道州制の導入をにらんで市町村合併を強力に推進してきましたが、この市町村合併のメリット、成果について、県はどのように把握しておられますか。 35: ◯副議長(中本隆志君) 地域政策局長中山雅文君。         【地域政策局長中山雅文君登壇】 36: ◯地域政策局長(中山雅文君) 市町村合併は、住民に身近な市町村が多様化・広域化する行政課題に的確に対応し、みずから主体的に施策を展開することができる行財政体制の整備を図ることを目的として進めてきたものでございます。  この市町村合併を通じまして、職員数の削減や財政規模の拡大による行財政体制の強化が一定程度進んだ結果、新たな課題に対応した危機管理などの専門的組織の新設や県からの権限移譲により、旅券の申請交付や福祉サービスなど、さまざまな行政サービスの提供が可能になり、住民に身近な事務や市町において完結する事務については、利便性の向上等について高い評価を得ております。  また、交付税の合併算定がえや合併特例債などの臨時的な財政措置を活用して、合併建設計画に基づく事業の着実な推進に取り組まれており、合併後、現在まで六年から九年が経過いたしましたが、これまでの間、合併建設計画に基づき、約七千億円、進捗率では約六割の事業が実施されており、交付税の算定がえにつきましては、累計で約二千五百億円の効果があったものと試算しております。  合併市町におきましては、こうした行財政基盤の強化を通じた住民サービスの向上や、総合的なまちづくりといったメリットや成果が発揮できているものと考えております。 37: ◯副議長(中本隆志君) 砂原克規君。 38: ◯砂原克規君 市町村合併の目的の一つに、行政をスリム化するということを、今申されましたけれども、実際に議員や職員の削減はどのような状態だったでしょうか。 39: ◯副議長(中本隆志君) 地域政策局長中山雅文君。 40: ◯地域政策局長(中山雅文君) 合併における議員の削減は、約三分の一になっております。職員の削減につきましては、合併だけの効果ということではございませんが、十数%の職員の削減が今まで図られております。 41: ◯副議長(中本隆志君) 砂原克規君。 42: ◯砂原克規君 調べましたところ、合併市町では、議員は実に六五・六%、合併しなかったところは二〇%、だから、議員の削減効果はあったというのは事実です。  ところが、職員数については、合併市町は一六・二%、合併しなかった市町も一六・二%なのです。結局、合併しようがしまいが削減数はそんなに変わらない。では、何のために合併したのでしょうか、お伺いします。 43: ◯副議長(中本隆志君) 地域政策局長中山雅文君。 44: ◯地域政策局長(中山雅文君) 合併に伴いまして、その当時、集中改革プランとして市町の人員削減計画を立てて推進してまいりました。  合併市町においては、いわゆる総務管理部門等の削減が行われましたので、それに伴いまして人員の削減等が行われておりますし、合併を行わなかった市町においては、その財政状況等を今後スリム化していく必要があるということで、みずから取り組まれて人員削減を行われ、それによって、やはり合併をしなかったということによる今後の財政状況の改善を人員削減等で行われてきたということで、そういった数字が出てきたと考えております。 45: ◯副議長(中本隆志君) 砂原克規君。 46: ◯砂原克規君 人員削減したのではなく、新たな採用を控えて自然減を待ったというだけであって、だから、合併しようがしまいが同じ結果が出ているのだろうと認識しております。  また、財政的な面で、財政支出の縮減につながるという部分については、どの程度できたか把握しておられますか。 47: ◯副議長(中本隆志君) 地域政策局長中山雅文君。 48: ◯地域政策局長(中山雅文君) 行財政体制の整備ということで市町に助言しております。その中で、体制の整備を行って、例えば、合併市町においては、もともとの合併町の本所であったものが支所になったり、そこに従事しておりました職員が、数十名程度だったものが、十名程度になったりだとか、そういう整備の縮小が行われております。  また、新たに拡充された事業もございますので、その差し引きということで、どの程度が合併の効果により縮小されたかという確たる数字は持ち合わせておりません。 49: ◯副議長(中本隆志君) 砂原克規君。 50: ◯砂原克規君 合併の成果というものがきちんと検証されていないのではないかと感じております。  さて、県は、市町村合併が進展したことにより、地域の総合行政は基礎自治体が担うことを基本とする分権型社会の基礎が整いつつあると判断し、再編と称して地域事務所を大幅に削減しました。市町は、県のサポートも受けにくい状況になったと言っておりますが、これについてはどう認識しておられますか。 51: ◯副議長(中本隆志君) 地域政策局長中山雅文君。 52: ◯地域政策局長(中山雅文君) 今の御質問は権限移譲についてと理解させていただきまして、答弁させていただきます。  権限移譲の市町に対するサポートにつきましては、地方機関の再編により、例えば本庁に引き上げた事務もあるため、市町に対して事務の相談先を明示するとともに、市町からの意見を踏まえて地方機関及び本庁において研修や相談、助言、マニュアルの作成等の支援を行ってまいりました。再編直後は支援が受けがたくなることを不安視する声もありましたが、現在では適切にサポートされているものと考えております。 53: ◯副議長(中本隆志君) 砂原克規君。 54: ◯砂原克規君 私としては、地域事務所がなくなったから相談に行く場所が遠くなって困ったという認識をしているのではないかと思ったのですけれども。  続いて、市町では、地方分権一括法により強制的に権限移譲を受けた上、加えて、本県独自の事務・権限の移譲を受けました。権限移譲は、市町の経費と業務量の増加を招いていると思います。そして、合併により期待された財政的な優位性なども全く効果を発揮することなく、市町は身動きがとれなくなって疲弊しているという話をよく聞きます。県はこのような状況をどう把握し、また、市町村合併の課題をどう総括しておられますでしょうか。 55: ◯副議長(中本隆志君) 地域政策局長中山雅文君。 56: ◯地域政策局長(中山雅文君) 合併後の市町の状況につきましては、県として、これまで合併市町における新しいまちづくりに向けた取り組みや合併の効果、今後の課題などについて、知事が直接、地域を訪問し、住民の皆様や市長、町長から実情をお伺いするとともに、さまざまな機会をとらえて、職員が市町を訪問し調査するなど実態把握に努めてまいりました。  その結果、権限移譲につきましては、平成二十二年度に検証を行った結果では、一定の評価がある一方で、いわゆる専門性が高い事務や処理件数が少ない事務につきましては、必要な知識・技能の習得に対する不安や体制整備への懸念を抱いていることが明らかになったところでございます。こうしたことから、昨年度から、より実践的な研修を実施するなどフォローアップを強化するとともに、県の本庁や地方機関でのサポートにも努めているところであり、今後とも市町の意見を十分踏まえて対応してまいりたいと考えております。  また、交付税の合併算定がえや合併特例債などの臨時的な財源措置を活用したまちづくりが進められているところでございますが、これらの特例措置につきましては、今後、順次縮小あるいは終了していくことになることから、これまで以上に効率的・持続的な行財政運営が求められるものと考え、合併市町の実情を踏まえた適切な助言を行ってまいりたいと思います。  なお、合併により役場が支所になったため住民の声が行政に届きにくくなったという意見や、中心部と周辺部の格差が広がったという意見などがございます。合併市町におきましては、首長みずから住民との懇談会への出席などを通じ、広く住民ニーズの把握に努め、合併により行政サービスの提供区域が広域化した市町の一体感の醸成に取り組まれているところでございます。  県といたしましては、引き続き、合併市町の課題の把握に努め、その解決に向けて市町と連携して、より一層、合併の効果が実感できるよう取り組んでまいりたいと考えております。 57: ◯副議長(中本隆志君) 砂原克規君。 58: ◯砂原克規君 権限移譲したからには、その行ったところの技術的な部分を指導するということは、非常にいいことだと思います。これからもそういったことはやっていただきたいと思います。  また、市町が望んでいるものをやってあげてほしいと思います。  また、今お話がありましたけれども、激変緩和措置というのは十年間でありまして、そろそろ十年を経過します。この措置がなくなった場合、合併市町でどのくらいの交付税が減少すると考えておられますか。 59: ◯副議長(中本隆志君) 地域政策局長中山雅文君。 60: ◯地域政策局長(中山雅文君) これは本年度の試算でございますが、合併市町十七市町で総額が約三百九十億円でございます。 61: ◯副議長(中本隆志君) 砂原克規君。 62: ◯砂原克規君 三百九十億円と認識しております。  そして、平成二十三年度で見た場合、安芸高田市が一四・三%、神石高原町が一三・四%、江田島市が一二・九%と大幅に地方交付税が減少することになります。これだけ財源が減ると、こういった市町には非常に大きな問題になってくると思いますが、県は、これについてどう考えておられますか。 63: ◯副議長(中本隆志君) 地域政策局長中山雅文君。 64: ◯地域政策局長(中山雅文君) 交付税の合併算定がえにつきましては、議員御指摘のとおり、十年間措置された後、実は五年間かけて、順次削減されてまいります。合併市町にとりましては予想された事実といいますか、当初からわかっていたこともございますので、その影響額につきましては、市町に対し、従前から、県のほうで財政推計を行い、適切な財政健全化、事業の見直しなり、行財政改革に取り組むように助言してきております。まさしくその影響が近づいておりますので、市町に対して機会をとらえて、このことは強く申し述べていきたいと考えております。 65: ◯副議長(中本隆志君) 砂原克規君。 66: ◯砂原克規君 今、緊急雇用対策など国からの基金がたくさん来ております。この基金がなくなる、合併特例債の発行によってまた借金がふえる、そういった中で交付税も減ってしまうという事態になっていくものと考えます。  県としては、今、いろいろな助言はすると言いましたけれども、実際に県内の市町の財源確保策というものを考えておられるのでしょうか。 67: ◯副議長(中本隆志君) 地域政策局長中山雅文君。 68: ◯地域政策局長(中山雅文君) 地方財政一般につきましては、毎年度、国に対して、住民に身近な行政を進める上で地方の財源確保ということを強く申し述べてきております。それがまず一般論でございまして、そのほかにも、議員御指摘のように、さまざまな影響がございますので、市町に対しましては、事務事業の見直し、行財政改革をしっかりとやること、そういう中で財政推計なり財政健全化を整えていくことを助言なりして、申し述べてまいりたいというふうに考えております。 69: ◯副議長(中本隆志君) 砂原克規君。
    70: ◯砂原克規君 合併しろと言ったのは県なのです。あめとむちで、合併したらいいことがある、また、合併しなかったらひどい目に遭うという形で合併を推進し、八十六市町村あったのが二十三市町になっていった。したくなかった地域もあると思うのです。合併したら、今度は、頑張ってくれと言うのであれば、地域は非常におもしろくない。県としては、そこら辺のところを、もっと市町の意見を聞いて、もっと協力的に、また、国に働きかけて財源確保などをしていくべきであるというふうに思いますが、何か知恵はございますか。 71: ◯副議長(中本隆志君) 地域政策局長中山雅文君。 72: ◯地域政策局長(中山雅文君) 知恵があるかということでございますが、なかなか、いい知恵がございませんが、合併した市町は、当然、そのことをわかってやってきたと私は思います。それもありますし、県も、もちろんそれを進めてきたのでありますから、そのことについては市町とともに、やはり早く合併市町が合併市町ではなく、一体とした市町になるように努力するように、県も進めてまいりたいと考えております。 73: ◯副議長(中本隆志君) 砂原克規君。 74: ◯砂原克規君 ここにおられる地域の議員の話もよく聞かれて、地域がどれだけ疲弊しているかということをしっかり理解していただきたいと思います。  ちょっと話を戻しますけれども、市町村合併が進む中、行財政システムにおける地方分権を推進するために、いわゆる三位一体改革が国によって行われました。県は、この三位一体改革をどのようにとらえておられますか、伺います。 75: ◯副議長(中本隆志君) 地域政策局長中山雅文君。 76: ◯地域政策局長(中山雅文君) 三位一体改革は、基本的には地方分権の理念のもと、地方にとって自由に使える財源をふやすという本来の目的がございました。国庫補助金は実質的な廃止・縮減を行うということでございましたが、そういうことにならず、国の関与が大幅に残る一方で、地方交付税が大幅に削減され、地方財政が危機的な状況に陥るなど、国の財政再建がやはり優先され、地方にとっては、結果として極めて不本意な内容となったと認識いたしております。 77: ◯副議長(中本隆志君) 砂原克規君。 78: ◯砂原克規君 私の記憶では、このとき、県は、国にはしごを外されたとか、だまされたというふうに言われたような気がしますが、そのことについては今もそうお考えでしょうか。 79: ◯副議長(中本隆志君) 地域政策局長中山雅文君。 80: ◯地域政策局長(中山雅文君) 三位一体改革の理念自体は正しいものであったと思いますが、その内容は、結果として不本意なものになった、地方の一般財源総額自体は、いまだ三位一体改革の前よりも下回っているということで、県民の暮らしを守るためにも地方財政の安定確保をしっかり国に申し述べていきたいという思いでございます。 81: ◯副議長(中本隆志君) 砂原克規君。 82: ◯砂原克規君 結局、この合併というのは、地方の財源を削るばかりで、地域の自立という甘い言葉にだまされて地域がひどい目に遭ったと認識しております。  今や、自民党から民主党へ政権交代が行われ、道州制の議論すら、もう出てこなくなってきた。いわゆる国によってはしごを外された。道州制に向けて町村合併するのだと言って広島県は頑張ってきたわけで、その道州制がもう消えてしまった、そして、民主党政権になって地域主権という言葉に変わってきました。そして、また、国の出先機関の事務・権限を地方に移譲するための受け皿として都道府県が特定広域連合を設立するという議論が巻き起こってきています。  先ほど宮崎議員が同じ質問をしましたけれども、おさらいをするために同じ質問をさせていただきますが、今次定例会の知事説明において、特定広域連合の設立に向けて引き続き準備をする、先ほども頑張るという発言がありました。この特定広域連合について質問していきたいと思います。  出先機関の当面の廃止対象として、国土交通省の地方整備局、経済産業省の経済産業局、環境省の地方環境事務所の三機関が今検討されています。閣議決定では、出先機関単位ですべての事務・権限を移譲することを基本とする旨が示されておりますが、これはどのようになるのでしょうか、お伺いします。 83: ◯副議長(中本隆志君) 経営戦略審議官田邉昌彦君。         【経営戦略審議官田邉昌彦君登壇】 84: ◯経営戦略審議官(田邉昌彦君) 現時点で、国の出先機関の事務等の移譲に関する法律案によりますと、各機関について、政令で定める事務を移譲することとされておりまして、必ずしも、すべての事務が移譲されることとはならないと考えております。 85: ◯副議長(中本隆志君) 砂原克規君。 86: ◯砂原克規君 閣議決定ではすべてと言っていますけれども、その辺はどうなのですか。 87: ◯副議長(中本隆志君) 経営戦略審議官田邉昌彦君。 88: ◯経営戦略審議官(田邉昌彦君) 閣議決定では、すべての事務を移譲することを基本とするとしておりますけれども、その事務の中で、国の役割が不可欠で移譲の例外となるものなどの整理が必要となっており、現在も、関係府省間で継続して検討が行われているところであります。その規模は、三つの出先機関に係るものが全体で約三千条項にわたっておりまして、年内を目途に仕分けの検討作業が進められており、これらの中で事務が整理されるものと考えております。 89: ◯副議長(中本隆志君) 砂原克規君。 90: ◯砂原克規君 今言った理由で、一部なのでしょうけれども、それは、本当に地方が望むような移譲になるのでしょうか。 91: ◯副議長(中本隆志君) 経営戦略審議官田邉昌彦君。 92: ◯経営戦略審議官(田邉昌彦君) 国の地方機関の移譲事務に係る我々の基本的な考え方というのは、特例とされるものがあることは承知しておりますけれども、その特例以外の事務がすべて移譲されることを望んでおりますので、そういう姿勢でこれからも国に対しては要請してまいりたいと考えております。 93: ◯副議長(中本隆志君) 砂原克規君。 94: ◯砂原克規君 先ほども質問がありましたけれども、おさらいで伺いますが、特定広域連合を設立する意義やメリットというものは何であるとお考えでしょうか。 95: ◯副議長(中本隆志君) 経営戦略審議官田邉昌彦君。 96: ◯経営戦略審議官(田邉昌彦君) 国の出先機関の事務等の移譲を受けるその意義、メリットといたしましては、まず、国と地方の類似的な業務の集約、整理により効率的、効果的な事務執行が見込まれること、次に、縦割り行政の解消として各県が取り組む施策と連携、一体化しながら地域ニーズに総合的に対応することにより事業効果を高めることができること、また、議会等のチェック機能が働くことにより、行政の透明性、公平性が向上すること、その上で、住民に近く、地域実情を熟知した行政主体による迅速かつきめ細かな行政サービスの実施が期待できること、そして、国の出先機関の事務等の移譲を具体的に受けることで、地方分権改革を一歩ずつ前に進めることができることであると考えております。 97: ◯副議長(中本隆志君) 砂原克規君。 98: ◯砂原克規君 道州制のときとほとんど中身は変わっていません。大体同じことを言っている。言葉が変わっただけのような気がするわけです。  次に、ちょっと細かいことを伺います。特定広域連合の組織体制はどのようになりますか。また、国や県との関係はどのようになるのでしょうか。 99: ◯副議長(中本隆志君) 経営戦略審議官田邉昌彦君。 100: ◯経営戦略審議官(田邉昌彦君) 現時点の法律案に則しますと、事務執行体制の責任者としての広域連合長、議会機能としての広域連合議会、監査委員や選挙管理委員会などを設置することとなります。  また、構成団体間の円滑な意思疎通を図る観点から、広域連合長の附属機関として広域連合委員会を置くことができます。  国と県との関係につきましては、県は、特定広域連合の構成団体としてのかかわりを持ち、また、国に対しては、毎年度、移譲事務の事業計画について同意を得るとともに、国は、事務の実施に必要な財政上の措置を講じることとなると考えております。 101: ◯副議長(中本隆志君) 砂原克規君。 102: ◯砂原克規君 何が聞きたかったのかというと、結局、四層構造になるということです。四層構造であるということは間違いないですか。 103: ◯副議長(中本隆志君) 経営戦略審議官田邉昌彦君。 104: ◯経営戦略審議官(田邉昌彦君) 機関の階層だけを考えますと、御指摘のように四つの階層ができるという状態にはなると考えております。  ただ、二番目の特定広域連合と三番目の県が、基本的に、その母体が一体でありますので、四層構造とはいいながら円滑な運営ができるように努めてまいることができると考えております。 105: ◯副議長(中本隆志君) 砂原克規君。 106: ◯砂原克規君 地方分権のところで、道州制で議論されたときもそうなのですけれども、結局、本当は二層にしなければいけないと言っているわけです。それが、とりあえずこうなっているのだという言い方だと思うのですけれども、二層にならないと、結局は事務がまた煩雑になって、それこそ、情報というものが流れにくくなるのではないかというふうに思います。  また、特定広域連合では、業務についてだれが最終的な責任を負われますか。 107: ◯副議長(中本隆志君) 経営戦略審議官田邉昌彦君。 108: ◯経営戦略審議官(田邉昌彦君) 事務執行の最終責任者は広域連合長でございます。 109: ◯副議長(中本隆志君) 砂原克規君。 110: ◯砂原克規君 特定広域連合において、県間の利害を調整しなければならないという事項が生じた場合、その調整はどのように行われるのか、その調整、運営が適切であるというのはだれが判断するのでしょうか。 111: ◯副議長(中本隆志君) 経営戦略審議官田邉昌彦君。 112: ◯経営戦略審議官(田邉昌彦君) まず、特定広域連合は、移譲事務について、毎年度、事業計画を作成することとなっております。この計画作成の過程で構成団体間のコンセンサスを形成することとなると考えております。  また、年度の中途で計画変更など利害調整の必要が生じたときは、構成団体の知事がメンバーの広域連合委員会で適切に合意形成を図ることとなります。 113: ◯副議長(中本隆志君) 砂原克規君。 114: ◯砂原克規君 その議会もその首長もその各地域から出てきた人たちです。そうしたら、結局は、そこの中でだれが調整してもなかなかうまくいかないのではないかと感じるわけであります。  次に行きます。  特定広域連合の事務局人員はどのように確保されますか。 115: ◯副議長(中本隆志君) 経営戦略審議官田邉昌彦君。 116: ◯経営戦略審議官(田邉昌彦君) 国から事務等が移譲された時点で移譲対象機関の職員が特定広域連合の職員となることとなっております。全体では、これとあわせて各県からの職員とで構成されることになると考えております。 117: ◯副議長(中本隆志君) 砂原克規君。 118: ◯砂原克規君 出先機関の職員が全部それになるということでございますが、その人件費はどこが負担するのでしょうか、また、事務所の経費はだれが負担するのでしょうか。 119: ◯副議長(中本隆志君) 経営戦略審議官田邉昌彦君。 120: ◯経営戦略審議官(田邉昌彦君) 特定広域連合が移譲事務を実施するに当たっての経費については、国において必要な財政上の措置が講じられることとなっております。 121: ◯副議長(中本隆志君) 砂原克規君。 122: ◯砂原克規君 国の出先機関の事務・権限の移譲を受けて執行する事務にかかわる財源については必要な額の確保を国に求めると書いてあって、まだ決まっていないのではないですか。 123: ◯副議長(中本隆志君) 経営戦略審議官田邉昌彦君。 124: ◯経営戦略審議官(田邉昌彦君) 現在の特例法律案では、国において必要な財政上の措置を講じることと定められておりますので、その実効性をこれから国に対して求めていく、そういう姿勢で要請しているところでございます。 125: ◯副議長(中本隆志君) 砂原克規君。 126: ◯砂原克規君 それでは、また視点を変えて聞きます。  国の出先機関を通じて実施されてきたさまざまな事業の費用については、特定広域連合では国から地方へ具体的にどのようにお金が流れていきますか。 127: ◯副議長(中本隆志君) 経営戦略審議官田邉昌彦君。 128: ◯経営戦略審議官(田邉昌彦君) 先ほど御答弁申し上げた国の財政上の措置について、どう手当てされるかという具体的な手続は、今後、制度設計されることとなります。  ただ、その制度設計において、我々としては、地方の意見に十分耳を傾けて制度設計を進めることを、今、国に要請しているところでございます。 129: ◯副議長(中本隆志君) 砂原克規君。 130: ◯砂原克規君 全く何も決まっていないから、中に入っていってどんどん要求していきたいという思いであろうというふうに認識しました。  さて、中国五県では、三つの出先機関のうち、中国経済産業局のみを先行して移譲を目指すということですが、なぜ経済産業局のみ移譲を受けようとするのか、その理由は何でしょうか。 131: ◯副議長(中本隆志君) 経営戦略審議官田邉昌彦君。 132: ◯経営戦略審議官(田邉昌彦君) 御指摘のとおり、五県で三機関について移譲を受けることを前提に検討いたしました。その検討の中で、当面は五県のコンセンサスが得られた経済産業局を対象として移譲を受けることとしたわけでございますが、地方整備局につきましては、広域的な調整を要する基幹的な道路や大規模河川等が一定の整備水準に達した後に移譲を受けることを念頭に、市町村とも調整を行う必要があるという意見がございました。この点についてさらに検討を深めなければならないため、今後の検討対象としたところでございます。  また、地方環境事務所につきましては、中四国を管轄区域としておりまして、この管轄区域の調整が必要でございましたので、今後の検討対象としたところでございます。 133: ◯副議長(中本隆志君) 砂原克規君。 134: ◯砂原克規君 おそらく、五県とも地方整備局が一番欲しかったのではないのですか。僕は、そういう気がしますけれども、それはそれとして、先月の七日に中国五県として特定広域連合の設立に向けた準備をすることを国に対して意思表明したと聞きましたが、そのときの国とのやりとりはどのようなものだったでしょうか。 135: ◯副議長(中本隆志君) 経営戦略審議官田邉昌彦君。 136: ◯経営戦略審議官(田邉昌彦君) 御指摘のとおり、内閣府副大臣に対して、中国五県として、当面は経済産業局を対象として移譲を受けるため、特定広域連合の設立に向けて準備を進めるということを表明いたしました。  あわせて、特例法案を早急に通常国会に提出し、速やかな成立を図ること、また、特例制度については、国の関与、人員の移管、財源等の諸課題の解決を図ること、詳細な制度設計に当たっては、地方の意見に十分に耳を傾けて進めることなどについて要請を行いました。  その際、これに対して、内閣府副大臣からは、特例法案の国会提出について、速やかな閣議決定、法案提出に向けて努力するということ、また、事務移譲の整理等について年内に向けて整理することとしている、また、市町村に丁寧な説明をお願いしたいといった説明をいただいたところでございます。 137: ◯副議長(中本隆志君) 砂原克規君。 138: ◯砂原克規君 私が伝え聞いたところによると、内閣府の地域主権担当副大臣から、経済産業局のみの移譲はあり得ないという発言があったと聞いているのですが、これは事実でしょうか。 139: ◯副議長(中本隆志君) 経営戦略審議官田邉昌彦君。 140: ◯経営戦略審議官(田邉昌彦君) そこのやりとりについて、我々も確認いたしました。副大臣のおっしゃられた趣旨は、もう一度法案をもとに戻して、三機関ではなくて経済産業局だけを対象とした法案をつくるということは無理であるという趣旨だったと聞いております。 141: ◯副議長(中本隆志君) 砂原克規君。 142: ◯砂原克規君 それは後で確認すればわかりますから、しっかり見させていただきたいと思うのですが、今のようなやりとりがあったということ、それからもう約一カ月たっておりますが、この取り組みの前提条件とも言えるその言葉が否定されたと感じるのですが、それが何ら議会に報告されないというのは、なぜでしょうか。 143: ◯副議長(中本隆志君) 経営戦略審議官田邉昌彦君。 144: ◯経営戦略審議官(田邉昌彦君) 先ほども御答弁申し上げましたが、経済産業局を先行して移譲を受けるという我々の準備へ向けた取り組みが国のほうで否定された、受け入れられなかったということはないと考えておりますので、我々としては準備を進めていきたいというスタンスでおります。 145: ◯副議長(中本隆志君) 砂原克規君。 146: ◯砂原克規君 それでは、移譲されるのは国の出先機関の中の三つであり、なおかつ、その一部の業務しか移譲されない。その業務を国自身が選定するということでありますけれども、これで果たしてメリットはあるのでしょうか。 147: ◯副議長(中本隆志君) 経営戦略審議官田邉昌彦君。 148: ◯経営戦略審議官(田邉昌彦君) 地方分権改革を進めていくその過程において、国の地方機関の事務・権限の移譲を受けるということは分権改革を一歩前に進めていく上で非常に重要なステップであると考えております。  したがいまして、たとえ、国あるいは国の省庁間における協議において移譲事務が絞られたとしても、まずは移譲を受けて一歩前へ進めていくという姿勢で取り組んでまいりたいと考えております。 149: ◯副議長(中本隆志君) 砂原克規君。
    150: ◯砂原克規君 関係法令の提出も次の国会に先送りされた、こういう状態で特定広域連合の設立に向けた準備をあえて行う理由は何なのでしょうか。 151: ◯副議長(中本隆志君) 経営戦略審議官田邉昌彦君。 152: ◯経営戦略審議官(田邉昌彦君) まず、平成二十二年十二月の閣議決定で、平成二十六年度中に国の出先機関の事務・権限の移譲を目指すということは決定されているということが一つございます。  また、その閣議決定は、地方分権改革を進めていく上で必要な取り組みであると我々も考えているということであります。  したがいまして、さきの国会では法律提案が見送られましたけれども、我々としては、今後とも国に対して、この閣議決定の実現を五県が連携して強く求めていきたいと考えております。このため、県議会とも十分意思疎通を図り、また、市町に対しても丁寧に説明し理解を得ながら、我々も必要な準備は進めてまいりたいという考えでおります。 153: ◯副議長(中本隆志君) 砂原克規君。 154: ◯砂原克規君 道州制も結局はうやむやになってしまって、また、国自身がこういうものをきちんと決めないうちから地方がやっていくというのは、道州制のときのことを総括した上でやっていくべきではないかと感じます。  それでは、また質問を変えます。  地方分権改革を一歩ずつ進める観点から、中国五県の特定広域連合を当面取り組むという形で取り組むということでありますが、県は、都道府県の地方分権改革について、最終的にどのようなものを目指そうとしておられますか。 155: ◯副議長(中本隆志君) 経営戦略審議官田邉昌彦君。 156: ◯経営戦略審議官(田邉昌彦君) 県が目指す地方分権改革の姿というお尋ねだと思いますけれども、地方分権改革を推し進めていく上で、推し進めたその先に県が目指すべき姿は、現在よりも地域、あるいは権限、財源、経済規模において、より大きい新たな自治体として再編され、広域エリア全体の総合的な発展戦略や広域的な行政を担うことを目指すことが必要であると考えております。  その上で、国内外の地域と直接相互に交流して、また競い合って、その中から生まれる競争力を国全体の成長につなげていくことができるよう、新たな広域自治体を目指すべきであると考えております。 157: ◯副議長(中本隆志君) 砂原克規君。 158: ◯砂原克規君 時間がなくなったので、この辺でまとめたいと思います。  地方分権の流れから特定広域連合についていろいろなことを詳しく伺いましたけれども、この答弁を聞いていて、特定広域連合については、まだ何も決まっていない状態なのだと感じました。財源や組織、金の流れなどは決まっていませんが、国の出先機関の職員を受けることだけは決まっているというのは、はっきりわかりました。これで、もしその財源が国から来なかったら、また三位一体改革と同じ結果になるのではないかと懸念しております。まだ何も決まっていない状態で全体像がよくわからないのに受け皿づくりだけを積極的に進めていくというのは理解できない。  このたびの国の出先機関の見直しについても、国主導で進められており、国が決めたものを受け取る、これが、果たして地方分権と言えるのでしょうか。地方分権改革は一体何のために何をどう変えていくのか。その目指すものに向かって明確なビジョンのもとに進めていかなければ、やがて大きな混乱を生じ、県民の生活や経済活動に多大な支障が出るだけだと思います。  道州制も、特定広域連合も、単に行政システムをどのように組むかという話であって、たとえどう組んでも、国民、県民、市民の目線で政治を行わない限り、国民、県民、市民の心の豊かさは得られないと思います。  地方分権改革については、これまで道州制をにらんで市町村合併を強力に取り組んだところ、いつの間にか道州制の議論が消えました。その総括もないまま特定広域連合が出てきました。特定広域連合も最後は同じようになるおそれがあります。特定広域連合の設立については、決して拙速に対応するのではなく、慎重な討議が必要であると考えます。他の地域の状況を見ながら中国五県で取り組んだとしても、決して遅くはないと私は思います。このことについて強く指摘と提案をしておきたいと思います。  それでは、次の質問に移りたいと思います。  次の質問は、最近県が立ち上げた新事業などの展開についてであります。  昨日の本会議で河井議員が県政運営について違和感がある旨の指摘をされましたが、これに共感を得られた議員も多くおられたと思います。なぜでしょうか。それは、新事業展開から来ているのではないでしょうか。新事業に関する問題点を具体的に伺っていきたいと思います。  まず、いわゆるおひさま基金であります。  県は、再生可能エネルギーの普及に向けた検討を行うため、昨年十月に再生可能エネルギー推進構想検討会を設置し、そして、検討会から優先的取り組みとして住宅用太陽光発電について、県民参加型の基金、いわゆるおひさま基金を活用した普及促進策が示され、県は、これを、本年度のできるだけ早い時期に設立するよう取り組んだところであります。  さて、この事業の目的と仕組みはそもそもどうだったのでしょうか、お伺いします。 159: ◯副議長(中本隆志君) 環境県民局長梅木敏明君。         【環境県民局長梅木敏明君登壇】 160: ◯環境県民局長(梅木敏明君) この事業は、住宅用太陽光発電の普及を図りながら、施設を設置する家庭を賦課金によって多くの県民が支えるという電力買取制度の不公平性を緩和することを目的としたものでございます。  この二つの目的を達成するため、住宅用太陽光発電を設置できない県民の方などから出資を募って基金を造成し、その基金を原資に大量発注によるスケールメリットで安価なパネルを調達し、市況価格と同程度の負担で、かつ初期投資なしで設置者に提供する。そこで得られた収益を出資者への配当として還元するという仕組みとしたものでございます。 161: ◯副議長(中本隆志君) 砂原克規君。 162: ◯砂原克規君 この基金の設立を断念した経緯と理由について、ここで改めて伺います。 163: ◯副議長(中本隆志君) 環境県民局長梅木敏明君。 164: ◯環境県民局長(梅木敏明君) 県では、基金事業の早期の事業化に向けて、本年三月の検討会報告の内容を踏まえて、四月以降、市場調査や関係事業者へのヒアリングなど事業の実施可能性を検討してまいりました。その検討の過程でパネルメーカーや家電量販店などからのヒアリングにおいて、今年度の国庫補助制度等に起因するパネルの市況価格の急激な低下が明らかとなって、その結果、基金事業の採算性の確保が困難となること、一方で、住宅用太陽光発電の設置は進んでいることなどから、基金事業の実施を見送ることとしたものでございます。 165: ◯副議長(中本隆志君) 砂原克規君。 166: ◯砂原克規君 断念した一番の理由は、太陽光パネルの価格が下落したことにより採算が合わなくなったというふうに理解してよろしいでしょうか。 167: ◯副議長(中本隆志君) 環境県民局長梅木敏明君。 168: ◯環境県民局長(梅木敏明君) はい、その理解で結構だと思います。 169: ◯副議長(中本隆志君) 砂原克規君。 170: ◯砂原克規君 太陽光パネルのような先端技術を要する製品というのは、需要がふえればどんどん大量生産に入っていき、コストが下がっていくというのは容易に想定できたはずであります。構想段階でそういったことは想定できなかったのでしょうか。 171: ◯副議長(中本隆志君) 環境県民局長梅木敏明君。 172: ◯環境県民局長(梅木敏明君) 検討会において、製造原価の低下による市況価格、パネルの価格が下がるということについては、国の予測や関係業界の意見も聞きながら、四年後には一八%下落すると見込んでおりました。  しかしながら、今回のように一年で二七%も市況価格が下落いたしましたのは、いわゆる製造原価の低下によるものではなく、利益を度外視した価格競争によって急激に下落したものと考えております。  こうした価格競争が起こった理由といたしましては、ことし四月中旬に決定されました国の補助制度が価格の低いほうを優遇する制度となったことで、パネルの市況価格が短期間で低下し、そのことによってさらなる価格低下を期待する消費者心理が生まれ、それに販売店がこたえたためだと考えられます。さらには、販売店側も、下がると見込まれていた住宅用太陽光電力の買い取り価格が予想に反して昨年度と同じ高い価格に設定されたことから、市場が拡大するということを見越しまして、みずからのシェアを拡大するため低価格での販売に踏み切ったこともその要因だと考えております。 173: ◯副議長(中本隆志君) 砂原克規君。 174: ◯砂原克規君 当初の執行部の説明を聞いていますと、この基金事業というのは、投資する人もパネルを設置する人も資金回収する人も、基金を管理する人も、関係者みんながもうかると言われました。私は、これは理解できなかったのです。そんなうまい話があるのか。案の定、今言ったような一つの条件が狂っただけでこの事業が成立しないというのは、そもそも、この事業の制度設計自体の検討が不十分で問題があったのではないでしょうか、見解をお伺いします。 175: ◯副議長(中本隆志君) 環境県民局長梅木敏明君。 176: ◯環境県民局長(梅木敏明君) 基金事業は、多くの関係者が事業にかかわることからさまざまなコストが発生する、そのために、当初からそのことは収益性を圧迫する要因になると認識しておりました。このため、事業の実施可能性調査の中で、コスト削減策を含め、採算性の見通しなど、慎重に検討してきたところでございます。事業の成立に決定的な影響を及ぼすパネル価格について、予測できなかった急激な下落が判明したことから事業を見送らざるを得なかったものでございます。当初の事業スキーム案は、その後の事業化可能性調査を経て実現できれば、住宅用太陽光発電の普及と不公平性の緩和という二つの目的を同時に達成できるものであり、県としてはその実現に向けて検討してきたものでございます。 177: ◯副議長(中本隆志君) 砂原克規君。 178: ◯砂原克規君 検討するのはいいのですけれども、先に報道に出たりといったことは、何か非常に問題があると感じております。  昨日の児玉議員の質問に対して、電力買取制度の不公平性の緩和のために、県が主体となって収益を地域に還元する目的で住宅用太陽光発電以外の再生可能エネルギー発電に取り組む旨の答弁がありました。なぜ県が主体となって収益を上げなければならないのでしょうか。 179: ◯副議長(中本隆志君) 環境県民局長梅木敏明君。 180: ◯環境県民局長(梅木敏明君) 再生可能エネルギー発電の検討は、再生可能エネルギーの普及と不公平性の緩和の二つの目的を同時に達成するため、電力買取制度の枠組みを活用した検討を行うものであります。  事業主体の検討に当たっては、収益を地域に還元できる主体であること、もう一つが、できるだけ経済的に有利に還元できる主体が望ましいことから、県は有力な候補と考えており、こうした点も含めて今後検討してまいりたいと考えております。 181: ◯副議長(中本隆志君) 砂原克規君。 182: ◯砂原克規君 ちょっと違うことを聞きます。住宅用以外の太陽光発電については、遊休地となっている県有地を有効活用するという観点から、例えば、県の工業団地等において県みずからが事業主体となることによって事業に要する土地コストの軽減を図り、いわゆるメガソーラー事業を実施してはどうかという意見がありますが、これについては、どのような御所見をお持ちでしょうか。 183: ◯副議長(中本隆志君) 環境県民局長梅木敏明君。 184: ◯環境県民局長(梅木敏明君) 県有地を活用して県が主体となってメガソーラー事業に取り組む事例は全国的に見られます。再生可能エネルギー発電の検討に当たっては、こうした取り組みも含めて検討してまいりたいと考えております。 185: ◯副議長(中本隆志君) 砂原克規君。 186: ◯砂原克規君 県の工業団地が売れないからといって別の用途に使用するというのは本末転倒であります。県の工業団地にかかったコストをきちんと総括した上で、その後の事業に展開していくべきであろうというふうに苦言を呈しておきます。  また、もう一つ、この電力買取制度というのは国が創設した制度であります。その不公平性を緩和するために県が県費を投資して収益事業を行ってまで還元するというのはいかがなものかと思うわけです。この電力買取制度の不公平性の問題は、本来、国が対応すべきであると私は考えております。  次に、株式会社ひろしまイノベーション推進機構についてお尋ねします。  本年四月に第一号の投資先が決定して以来、いまだ次の投資先が決定しておりません。知事があれほどの意気込みで設立し、事業が開始されたわけですが、ここで改めて、この事業の目的について確認しておきたいと思います。 187: ◯副議長(中本隆志君) 商工労働局長津山直登君。         【商工労働局長津山直登君登壇】 188: ◯商工労働局長(津山直登君) 株式会社ひろしまイノベーション推進機構につきましては、企業が成長性の高い新たな事業展開等を図ろうとする際に、資金や経営ノウハウ等、必要な経営資源を提供することにより投資先企業の成長を促進いたしまして、県内での雇用の創出や所得の拡大等を図ることを目的に設立したものでございます。 189: ◯副議長(中本隆志君) 砂原克規君。 190: ◯砂原克規君 昨日も、福知議員の質問に対して、投資先の候補は、現在六社程度について検討中である、具体的な投資先の事業内容については把握していないという旨の答弁がありました。結局は、多額の投資は行っていても県は口を出せない制度であるということを改めて感じたわけであります。  県は、当初、投資先の候補として十数社あると説明していましたが、ファンド設立から既に二年を迎え、事業実施期間の六分の一が経過するにもかかわらず、まだ一社しか投資先が決まっていないというのはなぜでしょうか。 191: ◯副議長(中本隆志君) 商工労働局長津山直登君。 192: ◯商工労働局長(津山直登君) 機構につきましては、昨年五月の会社設立以降、昨年十一月までに百五億円の出資を得ましてファンドを組成し、ことしから本格的な投資活動に着手したものでございます。  県としては、現在、機構の投資の検討状況からして、投資に着手する期間と位置づけております前半六年間においては、当初予定しておりました約十社程度の投資案件の決定は十分可能であると考えております。 193: ◯副議長(中本隆志君) 砂原克規君。 194: ◯砂原克規君 投資がなかなか進まないのは、本来、この事業目的にいろいろなことが混在しているからだろうと私は考えております。それは、この事業目的が、今言われたように、企業育成であれば、多少ベンチャー的な企業であっても積極的に投資するのではないかと思うのです。それが慎重になっているのは、ファンドでありますから、投資や資金回収が目的ということになると、やはり慎重に企業選択しなければいけないということになってくる。目的が中途半端だからこそ、出資先がなかなか決まらないのではないかと私は考えています。  このファンドを運営していくためには、投資が始まらない限り利益は出ません。そもそも、制度設計に問題があるのではないかと思いますが、改めて伺います。 195: ◯副議長(中本隆志君) 商工労働局長津山直登君。 196: ◯商工労働局長(津山直登君) この投資ファンドにつきましては、成長著しい事業を対象として投資するということでございますので、その成長性等の調査につきましては慎重を期すということが重要であることから、ファンドにおきまして、投資調査期間が、通常のこれまでのベンチャーファンド等に比べて長くなっているという実態があろうかと思いますけれども、先ほど申し上げましたように、最終的に事業目的の達成は十分可能であると考えているところでございます。 197: ◯副議長(中本隆志君) 砂原克規君。 198: ◯砂原克規君 投資先が決まらないというのも、今言ったように、不確実性の中で実施したことの結果のあらわれではないかと思います。  また、一号の投資先の状況などを見ても、当初の趣旨である企業育成から資金回収を重視するような方向に特化してきているのではないかと私は懸念しております。この事業が資金回収が目的の事業であれば、本来、これは、民がやるべき仕事であったと私は認識します。  次の質問に行きます。  最後は、県営水道事業の新たな運営体制の整備であります。  御案内のとおり、先週の九月二十一日、県と水ing株式会社とが県営水道事業の新たな運営体制の一翼を担う共同出資会社である株式会社水みらい広島を設立されました。県は、当初、この会社を設立する目的について、将来にわたって持続可能な水道事業の実現を目指し、水の安定供給と技術の継承を図ると説明されましたが、このような理解でよろしいでしょうか。 199: ◯副議長(中本隆志君) 企業局長沖田清治君。         【企業局長沖田清治君登壇】 200: ◯企業局長(沖田清治君) 株式会社水みらい広島は、水道事業を取り巻く厳しい経営環境に対応するため、県と民間双方が有するノウハウや技術力を生かし、水道技術を継承しつつ、専門性を高め、県営水道の管理運営業務の充実を図ること、市町水道事業の業務を受託して管理の一元化を進め、業務の広域化によるスケールメリットの発揮を図ること、それから、水ビジネスを通じて新たな収益源を開拓することによりまして、県及び市町の持続可能な水道事業を実現していくことを目的としております。 201: ◯副議長(中本隆志君) 砂原克規君。 202: ◯砂原克規君 県の水道事業をきちんとやるというのに新たな商売をしろというのは、我々、何も聞いていないわけであります。この定款の第二条を読みますと、上下水道施設、環境関連施設及びそれらに付随する施設の運転、維持管理等々、一から六まで、全部上下水道というふうに書いてあります。そして、七番目に、前各号に関連する輸出入、代理仲介業務もこの会社の目的になっています。これまで特段説明がなかったと思いますが、定款では下水道をやるということも書いてあるわけです。  また、事業の海外展開についても明記してあります。いつの間にそれらをやることになったのか、当初の県のもくろみを大きく逸脱していると思いますけれども、いかがでしょうか。 203: ◯副議長(中本隆志君) 企業局長沖田清治君。 204: ◯企業局長(沖田清治君) 定款には、株式会社水みらい広島が当面取り組む事業から、将来的に取り組む可能性のある事業に至るものまで幅広く記載されているものと理解しております。このため、上水道施設の管理以外の業務であっても、市町の水関連業務の実情を踏まえ、市町にとりまして、管理委託等によってより効率化が図られる事業、会社にとりまして、広く水処理全般に関する技術やノウハウを蓄積することで水ビジネスを通じた新たな収益源の確保につながる事業などについては、将来的に取り組む可能性のある事業として規定されているものと理解しております。 205: ◯副議長(中本隆志君) 砂原克規君。 206: ◯砂原克規君 きのうの児玉議員の質問に対して、海外も含めた水ビジネスへの事業展開については、今後取り組むべき課題と考えており、リスク等を十分検討した上で対応することが必要であると答弁されています。では、なぜ定款に海外展開すると明確に書いたのか、その辺のところ、きのうの答弁との整合性について見解をお伺いします。 207: ◯副議長(中本隆志君) 企業局長沖田清治君。 208: ◯企業局長(沖田清治君) 一部、ただいま御答弁した繰り返しになりますけれども、海外事業につきまして、新たな収益源の手法の一つとして考えております。それにつきましては、将来的に取り組む課題というふうに認識しておりまして、定款にはそういった将来にわたる事業についても記載されているという理解をしております。 209: ◯副議長(中本隆志君) 砂原克規君。 210: ◯砂原克規君 収益源と言いますけれども、この収益はどこに入るのですか。 211: ◯副議長(中本隆志君) 企業局長沖田清治君。 212: ◯企業局長(沖田清治君) 収益源につきましてはさまざまな手法がございますけれども、新たな収益、いわゆる水の維持管理費に関したもの以外についても株式会社水みらい広島に帰属するものと考えております。 213: ◯副議長(中本隆志君) 砂原克規君。 214: ◯砂原克規君 そうですね。株式会社水みらい広島に行くのです。県には来ないのです。県に来るとしたら三〇%の配当割しか来ないのです。ということは、これをやることで県が潤うことはないということであります。  そもそも、この、事業の海外展開をするというのは理解できないのですけれども、なぜなのでしょうか。
    215: ◯副議長(中本隆志君) 企業局長沖田清治君。 216: ◯企業局長(沖田清治君) 海外での事業展開につきましては、新たな収益源を確保する手法の一つとして当初計画の中で考えていたものでございますが、こうしたことを通じて地域経済の発展や活性化に寄与することを目的としております。  あわせて、職員の人材育成や技術力向上のためのフィールドとしても活用できるものと考えております。 217: ◯副議長(中本隆志君) 砂原克規君。 218: ◯砂原克規君 今の答弁は矛盾だらけであります。時間がないので、もう先に行きますけれども、では、この会社が海外展開するときの時期とか条件というのは何ですか。 219: ◯副議長(中本隆志君) 企業局長沖田清治君。 220: ◯企業局長(沖田清治君) 仮に海外へビジネス展開する場合でございますが、県内で維持管理の実績、経験を十分に積んでいること、それから、会社に新たな事業展開を図るための財務や組織等が備わっていると判断できること、加えて、さまざまな課題やリスクに対応した検討が十分に行われていることなどの条件が整った段階でと考えております。 221: ◯副議長(中本隆志君) 砂原克規君。 222: ◯砂原克規君 その判断はだれがするのですか。 223: ◯副議長(中本隆志君) 企業局長沖田清治君。 224: ◯企業局長(沖田清治君) 会社の事業計画につきましては、取締役会で事業計画あるいは予算等を策定いたしますことから、そうした取締役会で意思を決めていくものと考えております。 225: ◯副議長(中本隆志君) 砂原克規君。 226: ◯砂原克規君 この海外事業という重要な事業展開を始めるときに議会の同意を得たりする必要があると考えますが、それは可能ですか。 227: ◯副議長(中本隆志君) 企業局長沖田清治君。 228: ◯企業局長(沖田清治君) 海外展開も含めまして、重要な事業展開につきましては重要な経営事項でございまして、取締役であります県に事前に相談があります。県が同意したときのみそういった事業を行えると定款に定めておりますが、議会に対しましては、経営状況、それから決算、事業計画など、適宜適切に報告を行い、議会で御審議いただいた上で、その意見を経営に反映してまいりたいと考えております。 229: ◯副議長(中本隆志君) 砂原克規君。 230: ◯砂原克規君 そうですね。これは、議会は一切タッチできない。非常に問題があると思います。  最後に、この質問をします。この事業の仕組みで最も問題なのは、今言った部分もありますが、発注者が県、受注者も県、監督者も県、評価するのも県であります。それがすべて同じということは、そこに甘さとか、ずさんさというものが出てくるのではないかと考えますが、いかが考えておられますか。 231: ◯副議長(中本隆志君) 企業局長沖田清治君。 232: ◯企業局長(沖田清治君) 今回の取り組みにつきましては、民間のノウハウを活用して県営水道の維持管理について県と一体となって効率的に運営できる体制を構築するものでございます。県営水道の運営につきましては、これまで同様、最終責任を担う県が水道法上の規定の遵守など、指定管理のモニタリングを通じてサービスの質は担保してまいります。  加えて、県議会への経営状況の報告、第三者による事業評価、監査委員による監査、適切な情報公開などの取り組みによりまして、透明性、合理性も担保し、適切な水道事業の運営に努めてまいります。 233: ◯副議長(中本隆志君) 砂原克規君。 234: ◯砂原克規君 そういうことをやろうと思ったら、五一%以上持っていなければ、まず、だめです。それから、実効支配していないとだめなのです。つまり、経営者として県が入っていなければいけないということなのです。その二つがあって初めてコントロールすることができるのです。これは、もう会社として立ち上がった以上、そこからはひとり歩きしていきます。  最初にも言われましたけれども、そもそも、この会社というのは将来、県民に対する水道サービスを低下させないために設立した会社というふうに私は認識しています。公営企業とは、まずもって県民の最も重要なライフラインである水道事業を公の立場でやるということであり、民間の経済活動とは違って、公の立場を徹底して守るというのが第一義だと思います。ですから、海外事業等については、私は、公がやるべきものではない、県民も、公が海外事業をするということは望んでいないのではないかと思います。なぜか。万が一失敗したら一体どうなるのだろうか、HAVを思い出すのは私だけでしょうか、非常に不思議に思います。  以上のように、最近、県が立ち上げた、あるいは立ち上げようとした事業を見ると、そもそも、最初の企画段階から間違っているのではないかと思いたくなります。それぞれの問題点を端的に言えば、おひさま基金は、基本計画における基本的な情報の欠如であり、株式会社ひろしまイノベーション推進機構は、不確実性の中で事業を実施した結果のあらわれではないでしょうか。そして、水道事業は、公的立場における事業に対する認識不足とライフラインに対する公の責任感のなさではないかと私は思います。  例えば、株式会社ひろしまイノベーション推進機構のファンドのように、民間の資金を集めて民がやるべきことを行政、すなわち公がやる、最近、県の事業はそういったものに特化しているように思います。そもそも、公が手を出してやるべきものではなく、市場の原理に基づいて民に任せるべきものではないでしょうか、この辺が違和感を持つ理由ではないかと私は思います。  しかしながら、おひさま基金を断念するという英断には敬意を表したいと思います。それは、ある意味でPDCA導入の成果と言えますが、ファンドも水道事業も、おひさま基金の反省を踏まえて、県民へ多大な影響が出ないよう、PDCAをしっかりとやっていただきたい、そのことを要望して次の質問に入ろうと思いましたが、時間切れになりました。ここで質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手) 235: ◯副議長(中本隆志君) 明日も引き続いて質問を行います。明日は午前十時三十分から会議を開きます。  本日はこれをもって散会いたします。         午後三時七分散会 発言が指定されていません。 広島県議会 ↑ 本文の先頭へ...