5)
チャレンジプラン総合推進部長が報告事項(5)について、別紙資料5により説明した。
(6)
質疑・応答
◯質疑(
石橋委員) 私は去年も
産業活性化対策特別委員会におりまして、きょう新しいメンバーを見ましたら、去年のメンバーは私と委員長だけということですが、報告書にもございますけれども、去年、我々は海外視察も含めて、提言してまいりました。それについて、いろいろな課題もありますし、一応の成果が出たものもありますけれども、今回、委員の皆様が新しい方ばかりなので、去年の取り組みについて簡潔に説明していただければと思うのですが、いかがでしょうか。
2:
◯答弁(
商工労働局長) 資料配付されております特別委員会の報告書にもございますけれども、大きく2点についての議論と提言があったと受けとめております。いわゆる次世代産業の育成と海外ビジネスの展開の2つの大きな視点があったと理解しております。
一つは、クラスター形成でありますが、昨年7月にひろしま産業新成長ビジョンをつくりました。同時期に
産業活性化対策特別委員会が設置され、その創成期から議論に加わっていただきまして、ひろしま産業新成長ビジョンの柱につきまして、広島県の将来を見据えた場合に、既存産業等を含めて非常に厳しい状況が続くだろうが、そういう中で県の雇用を守っていくためには、新しい産業をつくり出していく必要があるという認識、それから、既存産業の高度化ということもございますけれども、やはり新興著しい海外市場にどう打っていくか、あるいはその活力をどう取り込んでいくかということが重要であるという認識について、一致を見たと理解いたしております。
その中で、先ほど担当課長のほうから御説明いたしました新産業の育成につきましては、医工連携分野、環境分野のいずれにつきましても、いわゆる基盤づくりをこれまで進めてまいりまして、今年度からは加速化ということで、具体的な企業といったものをある程度絞り込む中で、販路拡大の支援を進めているという段階にございます。
それから、海外ビジネスの展開につきましては、一方で、アジアの中で最も活力があり、成長が著しい中国ビジネスの拡大のためのアクションプランをつくりました。また、歴史的背景として、これまで20数年間の四川省との友好交流の歴史を生かすことが、県内の海外ビジネスを拡大する上でのアドバンテージになるだろうということで、県といたしましても四川省に事務所をつくって、その拠点を生かしながら、四川省重慶市を重点地区として海外展開を進めてまいりました。
このことについては御理解いただきましたけれども、中国といった場合に、内陸部もあるけれども、やはり沿岸部が大事ではないかということで、広島県においては従前から上海に事務所もありますし、その活用を含めて、もう一度その辺を整理して機能強化を図る必要があるという提言をいただきました。その点につきましては、現在、ひろしま産業振興機構も含めまして、県としての方向性について鋭意検討を進めており、機能強化の方向で検討を進めているという状況でございます。
3:
◯答弁(
チャレンジプラン総合推進部長) 昨年、この委員会の中で、6次産業化、農水産物の海外販路拡大といった点について御議論いただき、御意見をちょうだいしたところでございます。
その中で、私どもといたしましては、販売力の強化、それからアジア等の海外市場への広島県産の農水産物のブランド化等に向けた物産展の開催について、取り組みを進めたところでございます。
また、年度末になりますけれども、平成24年3月に、農水産物等の海外販路開拓、それから海外での広島県産のブランド構築によって、本県の農水産業の活性化を図るという仕組みで、農水産物輸出戦略プランを策定したところでございます。現在、そのプランの内容に基づき、取り組みを継続しているという状況でございます。
4:
◯質疑(
石橋委員) 産業活性化対策ですから、1年で結論が出るということはとてもあり得ないわけでありますし、当然さまざまな課題を整理して、解決しなければならない問題があろうかと思います。私も去年参加させていただいて、特に四川省、上海の視察は初めてだったわけでございますけれども、その中で、何点か気がついたことがありました。
そういう中で、このたび四川省に新しく事務所を開設されました。事務所開設から約3カ月がたつわけですけれども、開設後の状況はどうなのですか。これは、上海の事務所とも非常に関連があって、随分議論しましたけれども、四川省に開設しようということでみんなで決定したわけですが、その後、どういう成果が出ているのか、聞かせてください。
5:
◯答弁(
海外ビジネス課長) 本年の5月28日に、成都市に広島・四川経済交流事務所を開設させていただきました。その後、約3カ月余りがたつところでございますが、その間、先ほど次世代産業課長が説明しました商談会につきましては、7月25日から26日に事務所のメンバーも一緒になって売り込みにかかわりました。
そのほかに、例えば小売市場の状況や、あるいは中国の自動車リサイクル市場がどうなっているかなど、いわゆる現地の経済情報についての相談や問い合わせが8件ございました。加えまして、野菜の買い付け先を見つけてほしいとか、広島県内の企業である婦人服ブランドのフランチャイズ契約先を見つけてくれないかといった取引企業の発掘についての相談や問い合わせが3件ございました。そのほかに、現地を見たいという広島県内の企業の方の案内についてが2件、あと、逆に四川省の中の企業から、広島県内の企業に投資したいという引き合いが2件ございました。できたばかりの状況ではありますが、おかげさまで、順調に推移していると考えております。
6:
◯要望・
質疑(
石橋委員) 今お話を聞けば、想像しなかった成果が少しずつ生まれてきているのかと思います。四川省の事務所を設置するときに、上海事務所を見に行きました。上海事務所が非常に低調で、あれではいけないのではないか、四川省の事務所と上海事務所の両方にエネルギーを分散するのはいかがなものかという議論も、あのとき随分起こったと思います。それにしても四川省につきましては、これから中国は内陸に対して力を入れる、また広島県と深い関係もあるということで、必然的というか、どういうものかと心配しながら、あのとき我々は開設を決定したわけでありますけれども、今お話を聞けば、可能性、発展性を期待できるので、ぜひ力を入れていただきたいと思います。
同時に、今、上海の話をしましたけれども、我々が上海へ行って驚いたといいますか、何だこれはと申し上げた経緯がございます。上海は、日本のほとんどすべての都道府県が事務所を出しているような中心的なところですが、その中で広島県の事務所が非常に低調であったということを、私どもは行って初めて知ったわけですけれども、それについて、その後どのように強化されて、どういう対応をされているのか、聞かせてください。
7:
◯答弁(
海外ビジネス課長) 上海事務所につきましては、昨年の
産業活性化対策特別委員会で御説明いたしましたように、ひろしま産業振興機構の経営主体で、経営の意思決定をいたします国際委員会という委員会がございます。9月19日には国際委員会の開催が予定されております。それに向けて、現在、県としての最終の見直し案、原案を策定しているところでありまして、最終段階に入っております。
その見直しに当たって、その中身は今申すわけにはいきませんが、要点としましては、先ほど委員御指摘のように、全国20府県が上海に事務所を出しております。その20府県のうち、本県を含めて10府県が、先ほど御説明した情報収集や案件紹介という、県内企業からの依頼に基づく支援業務を行っております。一方で、観光のインバウンド、本県への観光客の誘致や、あるいは県産品の販路開拓なども、19県とか17県が行っております。本県の場合は、そこの視点が今のところは欠けておりますので、そういった面を、現在の上海のポテンシャルであるとか、あるいは上海でコンサルタント業務をしている専門家等の有識者から意見を聴取して、原案を作成しているところでございます。こういった点につきまして、9月19日の国際委員会で、見直し案として御議論いただきたいと考えております。
8:
◯要望・
質疑(
石橋委員) やはり上海は中国の商業の中心ですから、さらに強化して、情報が行き交うようにしていただきたいと思います。
もう1点は、私どもは、現地調査で在上海日本国総領事館を訪問して、泉総領事にお会いしましたが、大変歓待していただいて、総領事公邸の中でお食事もさせていただきました。そのときに、いろいろな提言をいただいたのですが、その中で、渡壁委員から、この総領事公邸を使って広島県産品の展覧会のようなものをやったらどうかという提言があって、泉総領事からは、それはいいことですと言っていただきました。帰国後の反省会のときに、実現させようと盛り上がったわけですが、その後どうなっているのか、その辺を聞かせてください。
9:
◯答弁(
海外ビジネス課長) 今年度の物産展、消費財を中心とした県産品の販路拡大につきましては、県と包括業務提携しておりますイオングループ、それと中国の四川省でいいますとイトーヨーカドーグループと県とでがっちり組みまして、そこでの定番化をゴールに、今年度の事業を進めているところでございます。
一方で、今回の上海の領事館ですけれども、展示会をしてはどうかということにつきましては、来年度以降、上海事務所を強化する上で、上海で本県の物産展をどういう形でやっていけばよいのかということの中で、今のアイデアも加味しながら検討してまいりたいと考えています。
10:
◯意見・
質疑(
石橋委員) あのとき、泉総領事から、総領事公邸を使ってもいいと言っていただきましたので、泉総領事がいらっしゃる間に、ぜひともこれを実現していただければ、ほかでやるよりも、非常に効果的なのではないかと思っております。
それから、もう1点は、農業分野を海外に出そうというときに、それこそ上海や四川省の事務所を活用しなければいけないと思うのですが、その後、その辺はどうなのでしょうか。
11:
◯答弁(
農業販売戦略課長) 先ほど
海外ビジネス課長から広島・四川経済交流事務所での案件として御紹介しましたけれども、広島県からの参入企業の一つである会社から、成都で既に用地を取得して生産を始めておられるものの、中国国内での流通、あるいは中国側で生産したものを加工して海外へ出すといったビジネスの話を、広島・四川経済交流事務所を通じてやりとりしていただいているという案件がございます。
あと、上海につきましては、広島上海事務所もございますけれども、中国へ向けて農産物を出していく場合には、大きな障壁がございます。具体的には、米を中国に出す場合には、日本国内の一定の決められた薫蒸倉庫に保管した上でないと輸出ができない、あるいは生鮮食料品についても、一定のもの以外には品目の枠の設定があるなどの障壁がございます。それらを含めて情報を入手するとともに、中国へ向けての輸出については、香港あるいは台湾を通じて、そこのバイヤーのルートの中で、中国へ向けた販路の開拓の手だてを考えている県内生産者等の団体がございます。そこらあたりについては、上海事務所からの情報を入手しながら計画立てをしていくこととしております。
12:
◯質疑(
内田委員) 一つお聞きしたいのですが、ファンドの投資先ですけれども、第1号は早く決まって、その後どのような議論がされているのか、今どういう状態になっているのか、お聞きします。
13:
◯答弁(
産業政策課長) 委員御指摘のファンドにつきましては、この4月に第1号案件としてオー・エイチ・ティー株式会社を決定いたしまして、2回に分けて出資するということで、この8月には第1号案件についての大体の見込みが立ったところですけれども、第2号、第3号については、並行して複数の案件を調査している状況と伺っております。具体的な投資の決定については、そのタイミングが来れば、改めて委員会等の場で御報告していきたいと思っております。
14:
◯要望・
質疑(
内田委員) せっかく約105億円が集まったということでありますので、しっかりと投資先の企業を見きわめて、早く効果を出すことが大事だと思います。せっかく財源があるのですから、できるだけ早くお願いしたいと思います。
もう1点お伺いしますが、地域イノベーション戦略推進会議の第1回の開催について、先ほど御報告がありました。産業分野から5社が参加されていますが、これはどのようにして選ばれたのですか。
15:
◯答弁(
産業政策課長) 基本的には地域バランス、産業バランスを配慮して選んだものでございますけれども、委員会という会議の場で御議論いただくために、網羅的にということは困難ですので、ある程度地域バランスあるいは産業バランスを考えながら、自動車産業や電機産業のような本県の基盤となる産業も加えて、新しいソフトの分野で新たに上場されたイノベーションを実践されている会社や、あるいは先ほど申し上げました、カイハラ株式会社のように120年ぐらいの歴史を持つ会社など、いろいろな面で、バランスなどを配慮して選定いたしました。したがって、産業バランスのみに配慮したというよりは、限られた時間の中でいろいろな方々から御意見を伺うということが適切だと判断いたしまして、決定したところでございます。
16:
◯質疑(
内田委員) 地域バランスを見て選定したということでしょうけれども、最終的に、第3回は平成25年1月の開催ですが、それまで会議をして、いろいろな情報を収集しながら、広島県全体でこれからどうしていくかを具体的に決めていくという理解でよろしいですか。
17:
◯答弁(
産業政策課長) 具体的なビジョンにつきましては、冒頭で申し上げたとおり、ひろしま産業新成長ビジョンという大きなビジョンがございますので、これに基づいて、もう少し具体的な加速化するための戦略のアイデアを、この会議の中でいただこうと思っておりますし、この会議のメンバー以外からも、県内の企業等の有識者の方も含めてヒアリングを続けながら、議論を深めていきたいと考えております。
18:
◯答弁(
商工労働局長) 地域イノベーション戦略推進会議でございますけれども、昨年度、10年の計画でイノベーション立県を目指すということで、新成長ビジョンを策定しました。その中で、先ほど担当課長から説明しましたことは、例えば本県経済の将来に対する危機意識とか、あるいはそれに向けての取り組みの共有化を図っていく、それから、推進力をつけていくために産学金官のトップを集めた会議をつくろうということでございます。これは、本年度にアクションプランをつくるための会議ではなくて、今後の10年間に向けて、戦略を推進する上でのエンジン、核として使っていこうということで、来年度以降も基本的には継続していく会議と位置づけております。今年度は、一応、3回開催する予定でございます。
19:
◯質疑(
内田委員) こういうメンバーでこれからも続けていく、とりあえず来年1月に一定の結論を出しながら、なおかつ展開していくという理解でよろしいですか。
20:
◯答弁(
商工労働局長) 本県で産学金官のトップが集まるということになりますと、資料の表の下側の5人ぐらいのメンバーでございますけれども、それに加えまして、イノベーション立県における主役は産業界でございますので、そこに少し厚みを増しております。その中で、やはりある程度実践力があったり、あるいは、年齢的、年代的に比較的若い層で、よりかかわっていただいたらどうかということで選定したものでございますけれども、いずれにしましても、今後、核としてこの会議を使いながら推進していこうということでございます。
21:
◯要望(
内田委員) ありがとうございました。できましたら、その経過を、また委員会の中で報告していただきたいと思います。
22:
◯要望(田辺委員) 竹島の問題と尖閣の問題では、日本は昔のように強くないと韓国の大統領が訴えるようなことがありましたが、なめられていると思う。日本は産業空洞化や貿易収支の赤字の問題があり、さらに原発の問題でエネルギーの原料を買わなければいけなくなり、貿易収支の赤字がさらに深まっている。こう考えると、日本の企業は、国内ではなくて労働力の安い海外へ出て、そこでつくって、余計に日本の貿易収支は赤字になっていくという構造で、海外から見れば、日本は昔ほど大したことはないという状況があると思います。新しい知事のもとで、海外ではインド、四川省、ハワイだとか、日本では稼げないから稼げるところから稼ぐ。「一将功成りて万骨枯る」という言葉があるけれども、一企業がもうかって、日本に住む若者は働くところがない。ニートやフリーターという雇用の問題がある。生活保護よりも安い労働賃金などの問題もあり、広島県はその一つにも入っている。華やかな面もあるが、実際には国内・県内に住んでいる生活者の視点から見ると、余り充実していないのではないかと思う。
産業活性化というから、産業を活性化する、企業がもうかるということだが、そこに住む国民の雇用環境、あるいは、海外へ出たいけれども一生懸命国内で頑張っている中小企業に対する支援が大事になるのではないかと思う。みんなが海外へ行ってしまうと、企業はもうかるかもしれないが、働く場所がない国民はどうなるのかと思う。そのような内容は、全体的に余り見られないですが、国内の企業の充実を、そこで働く者の労働賃金の問題を含めて考えないといけない。生活保護よりも労働賃金のほうが少ないということでは、働いてもしようがない、働かないほうがいいというムードになると、国力とか、国民の気力は、まさに韓国大統領が言っていたように実際にそうなのだと思う。この辺は、国内の国民の気力の充実が大事になるのではないかと個人的には思う。きょうは初めての特別委員会なので、華々しい打ち上げ花火の話ではなく、野に咲く花がじゅうたんのごとく咲いていかないと、どうなのかと思う。企業は華々しく海外へ出ていき、国民は取り残された国になっていいのかと思う。もう少し国内で頑張る企業に対する充実を、今後表明してもらえればよいので要望しておきます。
(7) 閉会 午後2時59分
発言が指定されていません。 広島県議会 ↑ 本文の先頭へ...