4:
◯答弁(
総合特区計画プロジェクト・
チーム担当課長) 総合特区提案については、これまで各地から多数のアイデアが送られているところでございます。具体的には、本年2月に政府において、総合特区の制度設計のための全国を対象としたアイデア調査が実施されました。こちらでは、全国296件のプロジェクトのアイデアが送られたという結果が報告されております。
その内容については、御指摘のありましたグリーンイノベーションでありますとか、さまざまな提示があったようです。
一方で、国から提示されている指定基準によれば、今回の総合特区制度は、
選択と集中を重視しておりまして、有効かつ先駆的な取り組みの実現可能性が高い地域を厳選して採択するというふうに国として募集の提示をしておりますので、採択に当たっての競争率が非常に高くなると思っています。
5:
◯質疑(
三好委員) 採択の競争率が非常に高くなるということでありますので、ぜひとも頑張ってやっていく必要があると思います。
今回の具体の検討といたしまして、先ほどの資料にもありましたが、ツネイシやJTB、また福山市や尾道市において、環境観光モデル都市総合特区推進協議会を設置するということであります。これを見ますと、指定申請内容の検討及び区域計画の策定等ということがありますけれども、この協議会において検討する具体的な構想内容というものがもしわかれば、教えていただきたいと思います。
6:
◯答弁(
総合特区計画プロジェクト・
チーム担当課長) 今回の提案は、県東部地域を対象エリアにしまして、環境技術や太陽光エネルギー等の再生可能エネルギーの資源を活用したエネルギーの利用システムの高度化に向けた取り組みを推進したいという点と、これらの技術やシステムを生かした産業観光、観光の推進ということで技術の活性化を図ることができないかということを目標に、その内容の具体化を、これから協議会において、掲げていますメンバーの方々等に要請して図っていきたいと考えています。
7:
◯意見・
質疑(
三好委員) 産業観光ということも今注目されていますので、いい取り組みだと思います。
具体の構想は、この協議会で具体化させていくという御説明でありました。東部地域においては、福山市、また尾道市が持つ観光資源、環境関連の産業や技術の集積もあります。説明のあった協議会のコンセプトを実現するためのポテンシャルは非常に高いと思っておりますので、御期待を申し上げます。
一方で、特区としての成果を上げるためには、官だけではなくて民も含めてしっかりとした推進体制をとっていくことが必要だと思いますし、協議会のメンバーにつきましても、議論の深まりに応じて、それを発展的に充実させていくということも大切ではないかと思います。開かれた議論というのが大切ではないかと思います。
そういった意味で、今後のあり方について考えがあれば、お伺いしたいと思います。
8:
◯答弁(
総合特区計画プロジェクト・
チーム担当課長) 地域協議会については、法規定上、国への指定申請の内容でありますとか、事業計画の作成、また国と地方の協議会への協議、対応を検討することを主な目的とされておりまして、その具体的な構成メンバーは、指定申請を取りまとめる地方公共団体と、事業を実際に実施する、またはその見込みがある企業の方々等といった、その計画に密接な関係を有する方々で構成するということが規定されております。
今回、開催する協議会については、その内容をまず具体化して、実際の実施スキーム等を検討していくということが優先されますので、特区に合う企画でありますとか、実現に向けて一体となって推進していく体制をまず設置したいと考えるものでございます。
御指摘にありますとおり、より開かれた議論の進め方という観点では、その議論の進展状況に応じて、推進体制の充実について検討していきたいと考えております。
9:
◯要望(
三好委員) 今、非常に大切な取り組みだと思いますので、ぜひともよろしくお願い申し上げます。
また、このスケジュールを見ますと、第一弾の指定がされるのが年内で、この9月にも申請という説明がありました。我が県として時期を逸することなく適切に対応していただきますよう、よろしくお願いします。
10:
◯質疑(
西村委員)
過疎地域における生活支援配送システム実証実験等の結果について質問させていただきます。
私が住んでいる安芸区内の団地は昭和40年代に造成されて、子供たちは独立し、団地内にはお年寄り夫婦または単身の方の比率が大変高くなってきております。また、私の生まれた山口県の山間部では、当然ながら広島県と同じく高齢化が進んでおり、
過疎対策や地域の振興には大変関心を持っています。
そこで、今回、
過疎地域における生活支援配送システムを取り上げられ、実験検証された背景や目的を教えていただければと思います。
11:
◯答弁(
過疎・
地域振興課長) 実証実験あるいは調査を行った背景や目的ということでございますが、高齢化の急速な進展や、ひとり暮らしの高齢者がふえているといった社会状況がある中で、民間事業者が主体となった宅配サービスやネットスーパーといった取り組みも、徐々にではありますが広がってきているという状況が見受けられます。もとより宅配などの生活支援配送サービスというのは、基本的には民間事業者がビジネスベースで提供するというのが原則であろうと考えております。しかしながら、人口密度の低い
過疎地域におきましては、事業採算性の問題から、サービスを継続的に提供していくということは、そのためには何らかの工夫が必要だといったような状況もございます。
こういったことから、実証実験によりまして事業の成立可能性を探るということを主体に、同時に今後の検討材料とするため、住民ニーズなどについて実態把握を行うということにしたものでございます。
12:
◯要望・
質疑(
西村委員) 最終的には民間事業へ置きかえるということで、工夫が必要と理解させていただきました。
このレポートを見させていただいて感じたのは、65歳以上の人口が現在69万人ぐらいだと思うのですが、5年後には10万人ふえて79万人、10年後には83万人ぐらいになるというような人口の推計も出ています。そういう視点で見たときに、このレポートのまとめのところにも書いてありましたが、現状の調査のレポートとなっているように思います。
今回の調査が65歳以上の高齢の方ということでしたが、今後の人口推計や60代、70代、80代の年代別の人口推計を踏まえてレポート化ができて、将来へ反映できるものであれば、市町や民間事業にとって、より検討しやすいシステムになっていくのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
13:
◯答弁(
過疎・
地域振興課長) 年代別の分析等でございますけれども、きょう報告させていただきました調査におきましても、買い物の際の困り事とか、あるいは改善要望につきましては、現在の年代別の集計を記載しておりますけれども、60代よりも70代、70代よりも80代といった形でニーズが高まっているという傾向は顕著であろうかと思っております。
また、買い物支援を求めている層が2割程度いらっしゃるという結果もございまして、今後ますます高齢化の進展ということが進んでくる中で、80代以上の方もふえてくるということになれば、こういったニーズというのも非常に強くなってくるであろうという思いは持っております。
14:
◯質疑(
西村委員) 今回の調査は、
過疎地といいますか山間地や島嶼部に限られているようですが、先ほど説明させていただいたように、昭和40年代、50年代に造成された団地というのは、本当に子供はいない、老人というのですか、夫婦二人あるいはお亡くなりになってひとりになるというようなことがふえていると思います。安芸区だけではないと思うのですが、市内でもこの動向を調べるような計画はあるのでしょうか。
15:
◯答弁(
過疎・
地域振興課長) 今回は
過疎地域についてということで実験なり調査を行ったのですが、基本的に、
過疎地域であるかどうかにかかわらず、買い物環境を改善してほしいというニーズは高まってくるものと認識しております。
そういう中で、都市部の団地等におきましては、民間事業者による宅配とか、あるいはバスなどの交通手段の確保といったような動きも広まりつつあるといった状況もございます。そういう中で、今後は県内の
過疎地域ということだけではなくて、今回の結果について県内全市町にしっかりと還元し共有して、連携を図りながら対応してまいりたいということです。そうした市町との連携の中で、具体的なニーズ把握といったようなことについても考えていければと思っております。
16:
◯質疑(
西村委員) 概略のスケジュールや、市町への展開とか民間、行政への説明といいますか、そういう計画がもうできているようでしたら、教えていただければと思います。
17:
◯答弁(
過疎・
地域振興課長) 今後につきましては、できるだけ早い段階で、ホームページ等において詳細な報告書を公表したいと思います。いつまでというのは今申し上げにくいのですけれども、関係の団体、事業者であるとか商工会議所、市町も当然ですけれども、導入を検討しようとするNPOといった方に対しても参考にしていただけるような形でオープンにしてまいりたいと思います。それと同時に、市町によっては、NPOであったり、地元の商工会、道の駅といったところと連携をとりながら、広報で知らせたり、あるいはひとり暮らし世帯について、どういった対応というかフォローができるかということについて実証実験的に取り組みを始めておられるといったところもございますので、そういった動きというのも注視しながら、引き続き支援していきたいと思っております。
18:
◯要望(
西村委員) ホームページ等でPRするというのは大変いいことだと思うのですが、一方通行になることがございますので、市町、業者の方、あるいは道の駅とか、そういう関連するところの方とは対話型で進めていただければと思います。
19:
◯質疑(
井原委員) 退職者の再就職状況についてお伺いします。最初に、管理職の方で営利企業等に再就職した方が47人ということですが、この調査の対象となる退職された管理職員は何人おられるのか。
20:
◯答弁(
人事課長) 対象の管理職員は75人で、今回、公表した47人以外に28人ございます。再任用等が12人、在家庭等が14人、現職死亡等といった状況でございます。
21:
◯質疑(
井原委員) この営利を目的としない部分の中に再任用が入っているということでよろしいですか。
22:
◯答弁(
人事課長) そういうことでございます。再任用は県への再任用でございますので、再就職ということではなく扱っています。
23:
◯質疑(
井原委員) そうすると75人のうち47人が営利企業等への再就職という形で外へ出られて、12人が再任用等ということですか。
24:
◯答弁(
人事課長) 再任用等と申しますのは、非常勤職員とか県に採用している者を12人と申しました。
25:
◯質疑(
井原委員) それ以外は。
26:
◯答弁(
人事課長) 就職されていない在家庭が14人です。死亡が1人、町へ1人です。
27:
◯質疑(
井原委員) この中の営利を目的とする企業ないしは外郭団体を含めて、再就職された団体について、県の監督下にある、ないしは連携すべき公的団体、社団、一般も公益も含めて、県が監督すべき立場の組織は何組織ありますか。
28:
◯答弁(
人事課長) 関与という点では、県出資法人はそのまま関与はございますし、例えば学校法人ですとか、それなりの関与は当然ございます。建設業であれば建設業の許可がございますので、何らかの関与という点ではほぼ全部が県と何らかの関与を持っていると考えております。
29:
◯質疑(
井原委員) 県が出資している団体は幾つありますか。
30:
◯答弁(
人事課長) 団体数でいいますと県出資は9団体でございます。
31:
◯質疑(
井原委員) その他、補助対象になっている団体はいくつありますか。
32:
◯答弁(
人事課長) 補助対象についてはわかりません。
33:
◯質疑(
井原委員) 例えば建設業の指導とかそういう意味ではなくて、一般的な公社ですとか、県とのかかわりの深い団体は、現職について、ほぼ独占的に公的な職員が再就職先として求められている、常に公務員の再就職先とされているという団体がこの中に幾つあるかは把握されていますか。
34:
◯答弁(
人事課長) 先ほど申しました県出資法人9団体は、すべてのポストということではございませんけれども、県の退職OBが連続してついているという法人であるという状況ではございます。
35:
◯質疑(
井原委員) その団体については、県の職員ないしはそうした方でないと、その任を全うできないという理解でよろしいですか。
36:
◯答弁(
人事課長) あくまでも出資法人の再就職については、法人からの依頼に基づいて推薦しているということでございますけれども、やはり業務の関係上、県と密接な関連があるということもございまして、県のOBが求められているというふうに考えております。
37:
◯意見・
質疑(
井原委員) 建前的には確かにその団体ないしはその相手方から求められているということになるわけでしょうけれども、通常、一般的常識からいって、100%とは言いませんが、ほぼ絶対掌握している団体から発せられるその思いというか、行為は、やはりあくまでも県の意向に沿わざるを得ないというのは多分そうなのだと思うのです。それはそれとして仕方がないのか、現状の中であるのかもしれませんが、そこでもう一回お尋ねしますけれども、先ほど管理職だけで75名でしたが、一般職員も入れると、年金の支給年齢がますます上がってくる、定年を延長すべきではないかという論議も含めてあります。定年を60歳として、今から最終的に何歳になるかわかりませんけれども、年金支給年齢までの中間の部分を一切職なしというわけにいきません。このことについて、根本的な形の中で、どのような方向で考えられていくのでしょうか。
38:
◯答弁(
人事課長) 平成25年から1年ずつ年金の支給年齢が後ろにずれてまいります。ですから、平成25年度には60歳で年金はもらえないという無支給の状況が出てまいります。国においては、定年年齢そのものを延長するという動きもございます。ことしの人事院勧告で、そのあたりが具体的に出てくるというふうに聞いておりましたけれども、人事院の勧告自体がおくれておりますので、どのようになるかわかりません。というような状況の中で、一つは県としても定年延長もにらまないといけませんし、現在、再任用制度というのが、ある程度、機能しているということもございます。ですから、同年齢層がどのような働き方をするのかというのを、県の職場だけではなくて考えないといけませんし、定年延長をどのように進めていくかということも考えないといけませんので、さまざまな要素の中で、社会のニーズと県として県の職員をどう処遇していくかということも含めて、総合的に考えていかないといけないという課題認識だけで、具体的には国の制度がどうなっていくかというのもございますので、今後、具体的に考えていきたいと考えております。
39:
◯意見・要望(
井原委員) いずれにしても定年延長ということが一つの課題になっていることは事実でありますが、現実には職員定数の是正といいますか、適正化という形で、事業規模をピークから比べて2割切っている。そして指定管理とかその他のアウトソーシングを含めて、本来の職員数の適正化ということでいえば、相当の削減を求められていくのだろうと思います。そういう事態の中で、定数を削減せざるを得ないのに、なお定年延長をしながら、年金支給年齢が上がることによる影響をカバーをしていかなければいけないということになると、もう時代認識の話ではなくて、具体的にシミュレーションをかけていかないといけないのだろうと思うのです。平成25年というと、ことしは平成23年で、もう既に平成24年度の1年しか間がない。確かに国が言う定年の延長という問題が大きく公務員制度の中にかかってくることは事実ですが、県としてどうあるべきなのか、特に財政的な問題も含めてシミュレーションを行っていく必要がある。そして県がその制度を取り入れた場合に、今のいびつな年齢構成をどこまで解消できるのかを含めて、早急にそのシミュレーションを出していただきたいと思います。
その中で、我々も一緒になって検討していかなければいけないことだと思いますので、その資料の提供をぜひとも早急にお願いしたいと思います。
40:
◯答弁(
人事課長) 一つは、退職者のシミュレーションというのはすぐにお示しできる資料でございます。退職者をそのまま年金にあわせて定年延長していくという機械的なシミュレーションはできると思うのですけれども、では必ず全員を定年延長するのかどうか、60歳で別の再就職もできないことはないのです。全員を定年延長していくかどうかというのは、一つ考えないといけない点なので、そこら辺はシミュレーションできない世界でございます。ですから、退職者の数でそのまま定年延長で機械的に延ばしていけばという数字ならできると考えております。
41:
◯要望(
井原委員) 公務員制度ですから、一つの形で定年延長したら、それは職員さんの意思です。雇い入れ側が意思を持って、この人はいいけれどもこの人はだめというわけにはいかないというのが定年制度ですから、それは最大部分でまずシミュレーションするということが前提であると思います。その中から当然、他の企業へ行くいろいろな機会があって、そちらのほうがいいと言われる方は、当然その道を選ばれるでしょうが、最大規模はそこに置きながら、どのように補完していくのかという、その意味のシミュレーションをできれば早急にお願いしたいということです。
42: ◯委員長 先ほど来、話があるのですが、内部でしっかり協議して、どの程度までシミュレーションできるかということを検討し、また報告をお願いします。
43:
◯答弁(行政経営部長) 御指摘のように大きい課題があろうと思います。人件費の問題もございますし、もう一つは組織の活性化という考え方もあります。
井原委員がおっしゃるように65歳まで定年延長したときに、役職員をどうするのかというようなことも国のほうで検討されております。いろいろなパターンがございますので、その辺もいろいろ勉強しながら、いろいろなシミュレーションがお出しできる段階には、課題とあわせてお示ししたいというふうに思います。
44:
◯質疑(栗原委員) 先ほど
西村委員からもありましたが、買い物弱者支援の取り組みについてお伺いしたいと思います。この取り組みそのものは、私たち公明党も推進してきたところでもありますし、こういう実証実験の結果が今回出たわけでありまして、参考にしないといけない部分も非常に多くあるとは思うのです。
今回、瀬戸田町、北広島町、安芸高田市甲田町で実施されたわけですけれども、この業者については、結果を見ますと、月々の収支実績がいずれも赤字になるという結果が出たということでありますが、この業者は今後とも引き続いてやっていくことになるのでしょうか。
45:
◯答弁(
過疎・
地域振興課長) 一応、実証実験は3月までやったわけですが、現状では、瀬戸田町と甲田町につきましては、現在もそのサービスが継続されているといった状況でございます。詳細を申し上げますと、甲田町につきましては、甲田のショッピングセンター協同組合が継続してサービスをしている。瀬戸田町につきましては、ブラウニー株式会社が瀬戸田サンプラザという店舗と連携を図ってサービスの実験をやっていたのですけれども、現在では瀬戸田サンプラザのほうがそのノウハウを引き継ぐ形においてサービスを継続しているといった状況でございます。
継続されておりましても、採算性についてはこの状況で厳しいわけなのですけれども、その辺の追跡といいますか、ヒアリング等もしないといけないと思っていますが、それぞれの業者さんの店舗展開の経営戦略的な部分にかかわる話ではないのかと思っており、そういう状況で継続されております。
46:
◯質疑(栗原委員) この事業を取り組むに当たって、このブラウニーに対しても、甲田ショッピングセンターに対しても、県の支援ですから、補助金を出してやったということですか。
47:
◯答弁(
過疎・
地域振興課長) この事業は、昨年の緊急雇用基金を活用して実証実験及び調査を行ったものでございます。
48:
◯意見・
質疑(栗原委員) その雇用基金そのものも、今後延長がなければ終わってしまう形になるわけですが、そういう中で、こうやってスタートした事業をこれからどのように継続させていくかということも、フォローアップとして、課題として、認識しておかなければいけないと思うのです。これは雇用基金事業が皆そうなのですけれども、要するに後のことも手だてとして考えておかなければならないのではなかろうかという気がいたします。ですから、この辺についての考え方を一度整理しておいてもらったほうがいいのではないかと思います。
次に、最終的にこの報告書の公表であるとか、各団体等に参考にしてもらうということからいうと、県で実証実験としてこの事業をやったけれども、今後、県としては余りこれから進めていく考えはない、市町並びに団体で一生懸命取り組むところがあれば、それはそれでこの実証実験の結果をよく参考にしてというようなイメージを感じるのですが、その辺はどうなのですか。
49:
◯答弁(
過疎・
地域振興課長) 基本的には、このサービスが地域において持続的なものになって、地域で受けられるサービスということで定着していかないと、本当の意味でのサービスということにならないと思います。そのために、基本的には事業者のほうでどう考えるのかということを念頭に置いて、今回、実証実験をやりました。採算性の面からいいますと、相当な工夫がないと厳しいという状況が起こっているのは事実でございます。そういった中で、ではどういった工夫ができるのか、その工夫の中に、当然市町も含めて、いきなりすぐに公的支援ということでいいのかどうかということも含めて、県内地域においても個別の状況、地域の実情であったりニーズというのは相当違いがございますので、それぞれ地元市町としっかり情報共有したり連携したりして、本当の意味でこういった地域の実情やニーズにマッチした支援ということにしていくためにはどうしたらいいかということを、一緒になってしっかり検討してまいりたいと思っております。
50:
◯意見・
質疑(栗原委員) 要するにこの事業そのものというのは、小さな単位になればなるほど事業的な採算コストがとれなくなっていくのです。ですから、大きな枠組みで取り組んでいく中で、事業の採算性の部分についてもいろいろなプラスアルファが出てくるわけで、私は、事業そのものをもっと県が主導するべきではないかと思うのです。
これを市町レベルのところで考え始めますと、どうしても最終的には将来的な採算の部分とか、そういったことで二の足を踏むということが出てくるものであると思うのです。しかしながら、このまとめの中にもあるように、住民の中の2割程度は、こうした買い物支援というものを求めている方がいらっしゃるという、この現実が重いのです。住民の半数近くは困っていないという方ですが、この方々はいいのです。この方々については問題はないわけですから、この2割にもう少し着目する必要があると思います。
先ほどからあるとおり、これから高齢化していくわけですから、2割という割合がどんどんふえていくという経過をたどると思いますので、そういう中で、やはり県の取り組む姿勢であるとか、これに対する積極性であるといったことが非常に大事であると思うのです。
もう一つ、先日、福井県にお伺いして、福井県の買い物支援の取り組みについて勉強してまいりました。福井県の場合は、特に進めているのが移動販売車なのです。こういう買い物支援の取り組みというのは、今回、広島県も取り組んだような配送サービスであるとか代行サービスであるとか、それから移動販売車であるとか、また買い物の同行サービスであるとか、いろいろなサービスの形態というものがあるわけです。今回はその中の配送サービスと代行サービスのところを広島県は取り組んだわけですけれども、福井県の場合は、限界集落を中心にして集落移動販売システムというモデル事業を行っておられます。これは、やはり平成22年7月から23年3月までを取り組み期間として、モデル事業で行われました。この移動販売車というのは2トントラック並びに3トントラックの改造車なのです。この中には600アイテムの商品を積み込んでおります。野菜や果物、総菜、菓子類、調味料、それから冷蔵庫の中には刺身、肉類といったものもありまして、洗剤や歯ブラシ、線香、そういった地元のニーズに合わせた形で移動販売車を回しておられます。細かい話は別にして、こういう移動販売という取り組みもまたもう一つあるわけなのです。したがって、これについても、移動販売車両の整備のために県が補助を3分の2出しておりますし、移動販売の人件費は広島県と同じように緊急雇用基金で出してありました。そういう形で県民生協がこれを活用して事業にかかわっていらっしゃるのですが、この県民生協独自のいろいろな努力もあろうかと思うのですけれども、ようやく黒字化に行きそうであるということも言っておられました。
そういうことから考えると、やはりしっかりした事業者が必要であるということは当然なのですけれども、それを支える福井県の取り組みというのがそこにあるわけです。今は整備モデル事業なのですけれども、来年度は一般事業化しようということで今、取り組んでおられました。来年度予算の中で、そういった形に持っていくために今準備を一生懸命やっていますという話だったのです。
福井県もやはり限界集落が多い地域であります。限界集落ということでいえば、広島県も多いわけです。そういうことから考えましたら、もう少しこういう買い物支援の取り組みということに対して、広島県としてできることがまだあるのではないかと思うのです。今回の実証実験を踏まえて、このデータを公表して、それで終わりではなくて、要するにもう一歩進んだ形で、この部分について取り組みを充実させてもらいたいと思います。これから絶対、高齢者がふえていくわけです。必ずこの問題というものが目の前の話になっていくわけです。
先ほどもありましたが、都市部の高齢者の対策の部分についても、今の課長の話でしたら、都市部の場合は民間事業者で何とかなるのではなかろうかという話がありました。決してそうではないのです。都市部も同じような課題を抱えているのです。限界集落とは言いませんけれども、それに似たような団地がこれからも多く出てくるわけです。ですから、都市部とか
過疎地という話ではなくて、これから社会全体がそういうふうな形になっていくのだという前提で取り組み、買い物弱者対策というものを考えていくときではないかと思うのです。
そういったことで、とにかくこういうシステムの結果を通して、もう一歩、やはり県として新たな取り組みを含めて積極的にかかわっていってもらいたいと思うのですが、この点についてはいかがでしょうか。
51:
◯答弁(
過疎・
地域振興課長) この実証実験の調査を行いまして、この中から実感しておりますのは、先ほど委員のほうから移動販売の話もございましたけれども、地域によって、本当に実情とかニーズ、例えば自分の地域では、民家の配置状況はこういう状況になっているので移動販売のほうに力点を置いてほしい、あるいは交通デマンドといいますか、交通に力点を置いてほしい等、ニーズ、実情というのは一律にはいかないというか、本当に違いが大きいのです。そういったことがございますので、繰り返しになりますけれども、本当に持続可能なサービスということになれば、こういった地域の実情とかをしっかりと踏まえた対応が必要だと思うのです。
そういう中で、委員から御指摘いただいたような福井県の例もございますけれども、こういったことも当然視野に入れながら、市町のほうとしっかり、きめ細かい連携を図っていきたいと思います。
52:
◯要望(栗原委員) やはり市町との協議会などを何か立ち上げて、その中でいろいろな課題の検証であるとか、議論をしたほうがいいのではないかと思います。先ほども
西村委員からありましたように、一方的に何かそういう形で公表して、それを活用してくださいというのでは弱い気がするのです。その辺をぜひ考えていただきたいと思います。
53:
◯質疑(東委員) 5月の委員会で資料説明のありました国際平和拠点ひろしま構想策定事業についてお尋ねいたします。
今年度から着手している事業で、予算額が3,350万円ということで、先般、国際課から説明を受けたわけです。6月定例会におきましても、知事から構想の策定と、その後は国際シンポジウムの開催、きょうの資料の中にも、青少年のための国際セミナーが開かれて、策定メンバーの大半の方が来られて意見を発表され、策定後は知事みずから国連を訪問して、構想を世界に発信するという、この事業そのものは私は是としながらも、幾つかの心配な点もありますので質問させていただきたいと思います。
20世紀の人類史上、最も大きな出来事として2つ取り上げられるわけですが、一つが人類の月面着陸と、それから原子爆弾投下による未曾有の破壊ということが上げられるわけです。これまで私自身いろいろな平和運動に取り組む中で、そうした広島の人類史上、核被害を三たび繰り返してはいけないということで、広島の被害を世界に広げていく、世界化ということで片仮名表記を始められて、それになじんできたのですけれども、今回、国際平和拠点ひろしま構想を平仮名で書かれてあることは何か意味があるのか、お聞きいたします。
54:
◯答弁(国際課長) 県が平成15年にひろしま平和貢献構想というものを策定しております。この構想の中では、「祈る平和から創り出す平和」へということで、このときの構想の名前に使いましたのが平仮名のひろしまということでございます。その趣旨といいますのは、核兵器廃絶だけではなくて、復興とか平和構築といった、平和貢献活動、プロジェクトなどを具体的に推進していくということをこの構想の中でも提示されておりまして、そういった総合的に広島から平和への取り組みを評価していくというような視点でとらえられていると考えております。
55:
◯質疑(東委員) 私の粗雑な頭ではどうも理解できません。一方でこの事業概要を見ますと、漢字で広島が果たすべき役割と規定されているわけです。県がやるのに広島県ではなく、あえて広島と漢字で書いておられるのは、何かまた意味があるのでしょうか。
56:
◯答弁(国際課長) 人類初の被爆地の広島から、被爆者の願いである、あるいは人類共通の願いである、そういった核兵器廃絶と平和への取り組みを評価していこうというのが趣旨でございまして、こういった取り組みを広島から始めていくということは、広島全体の責務であり使命であると考えております。
そうした意味で、広島県庁が何をやるのか、あるいは広島市が何をやるというような個々の取り組みというとらえ方ではなくて、広島の責務として、ユニタールでありますとかJICA、あるいは大学、NGO、県民も含めまして、行政とこういったところが一体となって取り組む、そういう視点で広島の役割と考えているわけであります。
57:
◯意見・
質疑(東委員) 広島県とか県行政というふうに限定したものではなく、広島全体という、その気持ちや意味もわからないのではないのですが、構想を作成するのは広島県で、県の予算3,350万円でつくっていくわけですから、やはり県が何をするかというのがまず一義的に来るべきです。広島市とどれだけ連携されているのかはわかりませんけれども、県だけでもなく市だけでもないといった漠然とした言い方というのは誤解を招きやすいのではないかと思いますし、しっかり連携する必要があるのだろうと思うのです。
2003年‐平成15年、私が議会に初登庁したときなのですけれども、9月議会で前知事に対して核拡散防止条約再検討会議がニューヨークで開催されるに当たり、ニューヨークに行くかどうか、本会議で問いただしたことがあります。それに対して知事は一言、行きませんというあっさりとした答弁だったわけですが、湯崎知事は今回構想を策定し、その後も国連本部に行って構想を世界に発信するのだというふうに意欲を見せておられるわけですけれども、さて、その積極性と同時に、県民の皆さんと、今県が進めよう、あるいは知事が進めようとしている構想との間に乖離があるのではないかなというふうなことを私自身は心配もしているわけです。
それは再度また聞かせていただくとして、前知事には、皆さん御存じだと思いますけれども、平成14年にまとめられた総合研究開発機構、NIRAの研究報告書ですが、タイトルが「記憶から復興へ」というものでございます。サブタイトルは「紛争地域における復興支援と自治体の役割」となっているわけです。これは9年前の報告ですけれども、この間、これに基づいて、県は国際平和、核兵器廃絶に向けて取り組んでこられたと思います。そのことについて、まず、この報告書が果たしてきた役割、成果というものをどのようにとらえておられるのか、お聞きします。
58:
◯答弁(国際課長) 今、御指摘のありました研究書を踏まえて、平成15年にひろしま平和貢献構想を策定しております。その中で、具体的な広島の復興の経験を生かして、海外のそういった平和への取り組みを強化していくということが唱えられておりまして、これまでにユニタール広島事務所の支援を通じました平和のための人材育成活動、それとカンボジアにおけます教育とか保健医療分野における復興支援活動、こういったところをJICA、広島大学あるいはNGOなどと連携して実施してきております。
ユニタールの活動につきましては、開設以後、7年たっておりますけれども、これまでに約60カ国から2,100名程度のプログラム参加者が出ておりまして、特にアフガニスタンから参加された研修生などにつきましては、広島に来て研修を受けると、この復興した広島の姿を見て、平和であれば必ず復興できるという確信が持てるということで、非常に高い評価を受けております。
また、カンボジアにつきましても、大量虐殺の後、教科書もない、あるいは指導教官もなかなかいない、少ないという中で、広島の経験を生かして、そういう教育支援をしようということで、教員養成校のほうから指導をお任せしておりましたけれども、その成果を普及するということで、本年度から新たに地域の小学校へそういったものが普及していくというような活動を展開してきております。
このように、NIRAの研究報告、それと前回つくりました構想をもとに、地域で連携してさまざまな復興支援活動をやってきておりまして、一定の成果が出てきているのではないかと考えております。
新たな構想につきましては、こういった取り組みをさらに発展させるという視点、世界の中からどういう役割を生かしていけるかという新しい視点で検討するという考えでございます。
59:
◯質疑(東委員) 次に私がお聞きしようと思っていた点は、先に課長が答えられたわけですけれども、前回は記憶からのということで、今回は新たな構想の中身を見ますと、3つの課題解決、3つの行動ということが掲げられているわけでございますが、前回のこの報告書から今回の構想というのはつながっていくものなのか、それとも全く新たに構想というものを策定しようとしているのか、改めてお聞きいたします。
60:
◯答弁(国際課長) 前回の構想をさらに発展させて、より広島から国際平和に向けた、あるいは核兵器廃絶に向けた取り組みを強化していこうという考え方でございます。その際に、実際に核兵器廃絶もなかなか進まない、核兵器廃絶を進めるためには、その環境整備となる復興とか平和構築の人材育成なども並行して同時にやっていく必要がある。こういった総括的な取り組みを広島から始めていこうということで、考え方としては、前回の構想をさらに発展させていくという考え方でございます。
61:
◯意見・
質疑(東委員) 明石さん、あるいは藤原さんという前回のメンバーの方が中心的に取り組んでいかれますから、前回のNIRAの報告書が生かされて、このたびの新たな構想にもつながっていくものと期待したいわけですが、何が言いたいかといいますと、記憶から復興ということもですが、またさらに新たに核兵器廃絶に向けた取り組みにも提言していくわけですが、肝心の記憶というところが果たしてどうなのだろうか。広島といえば原爆というふうにどこに行っても言われるわけですけれども、ことし66年を迎えますが、果たして広島に住んでいる私たち自身が、どれほど意識を持って、記憶、祈り、あるいはまた追悼するかどうか。単純にそれは追悼するだけでは意味がないと言われるかもしれませんけれども、追悼というのは、やはり亡くなられた人たちの悔しさや悲しみの思いといったものを思い出す、イメージしていくということがその原点であり、一番大切なことなのだろうと思います。そのことが私たち自身のこれからのいろいろな運動や取り組みにつながっていくのだろうと思うわけですけれども、今回、前回もそうなのですが、この構想の取り組みの主体は一体だれなのか、わからないのです。受け取ったときに、例えば広島県の被爆者の皆さん、あるいはアジア全体での戦争の犠牲者の皆さん、あるいは今の若い人たちも含めてなのですけれども、この構想が策定された後に知事が世界に発信される、その後からが出発だろうと思うのですが、その取り組みの主体は知事なのですか、県行政ですか、それとも県民ですか。それによって大きく意味合いが異なってくるのではと思うのですが、この点はどうでしょうか。
62:
◯答弁(国際課長) 現在この構想につきましては、配付しております資料のとおり構想策定委員会において検討いただいております。一義的には構想策定委員会にかかわっていただいた方すべての意見を策定委員会で取りまとめた構想ということで考えておりまして、それを県のほうで受けて、県だけで取り組むという格好ではなくて、連携して取り組むということが重要であろうと考えておりますので、やはり地域が一体になって取り組んでいくという視点が重要であると考えております。
63:
◯意見・
質疑(東委員) 記憶ということでは、本当に子供たちの被爆の実相というものが次第に薄れていく。薄れていくのはなぜかというと、伝えようとする努力、熱意がだんだん失われてきているからにほかならないわけです。
以前、部長が課長時代でしたか、県が取り組んでいた児童生徒の平和ポスター展が県の事業から取りやめになったことについて議論したこともございますけれども、やはりそういった次代を担う子供たちに、だんだん被爆についての実相、いろいろな経験、知識が伝わっていっていない、このことが一番大きな課題だろうと思います。なぜ課題かといえば、先ほどから言っているとおり、私は、こういったことの取り組みの主体は、県民もまた大きな主体であるというふうに思うからで、その主体が記憶なくして何が熱意が生まれるかどうか、このことを一番心配しているわけです。
最後に、知事みずから国連本部へ行って、世界に発信するという、そのことが本当に世界の皆さんに共感を持って受け入れられるものとなるかどうか。その後、広島県として、県民として、この策定に基づいてさまざまに、確実に取り組みが進められるかどうか、部長の決意をお聞きいたします。
64:
◯答弁(国際部長) 今回の国際平和拠点構想全般について、もう一度おさらいしますと、核兵器廃絶の話と、それから平和と復興・平和構築の話でございまして、今、委員がおっしゃいました記憶の部分というのも、その全体像をきちんとつかむことによって、それぞれの大切さが見えてくると考えます。