6:
◯意見・
質疑(
犬童委員) この資料は、より慎重に議論を詰めて、出してもらったのでしょうが、リスクが大きいということについては、投資ですから、最初から最後までリスクというのは残ると思うのです。リスクを100%回避するということは難しいと最初から思っているのです。もちろん、それを全く避けていては何もできないということもあると思いますが、それを今説明したようにできるだけ慎重に行っていくということですから、ぜひこの資料の説明どおりに行っていかないと、スタートした時点だけこうしたよいことを言って、後になっていいかげんなことをしていたら困るわけです。
特に、私がこの話を一般県民の皆さんに聞きますと、広島空港のゴルフ場で40億円から60億円の損害を受けたということに対して、まだ最近のことですから、極めて心配されている県民が多いわけです。したがって、我々県議会のほうもそういうことを二度と繰り返してはいけないということで、言うべきことはきちんと言って、正すべきは正していかなければならないと思って、この問題に厳しく言ってきたのです。これからは、発足させて、きちんと行ってもらいたいと思うのです。
もう一つ、投資の対象とする企業の問題ですが、当初、私たちに思い違いがあったのかもしれませんけれども、県内企業に限定して、中堅企業を中心にすると受けとめてきたのです。しかし皆さんのほうでは、そうではなく、業種や企業の規模を限定していない。そこは広島県の雇用や成長性の観点から厳しい審査を行うと言われるのですが、本当にそういうことがきちんとできるのかどうか。私としては、県民の税金を使うわけですから、広島県内の中堅の企業が一番に支援を受けるというか、その恩恵にあずかれる制度でなければならないと思うのです。その点をどのようにして担保するのでしょうか。事業規模であるとか、県内に事業所はなくてもよい、工場もなくてもよい、今後そうしてくれればよいとも解釈できるわけですが、そのあたりはどうなのでしょうか。私たちが危惧していることは、十分審査した上で絶対に担保をとって行いますということになっているのでしょうか。
7:
◯答弁(
商工労働局長) このたびの投資対象企業でございますけれども、もともと広島版「産業革新機構」の設立の趣旨や県内における最終的な目的は、雇用あるいは所得の増大ということでございます。そのために、もちろん県内企業はもとより、県内企業以外でも県内でこれから事業を行おうとするもの、あるいは事業規模につきましても、先ほど申し上げましたように、我々としては国の産業革新機構あるいは民間等のベンチャーファンド等の対象とならないような部分を基本的にはメーンターゲットとして想定いたしております。資料の6ページの表に掲げておりますように、大企業が、事業を切り出し、提携して事業展開を行うようなものであっても、県内における雇用増大等についてみれば、一つの事業モデルとしてあり得るということもございますので、現時点で、初めの段階からそういうものを制限するということはしておりませんけれども、我々としては、県内の光る技術、魅力を持った中堅・中小企業において、どんどんこの制度を活用して成長していただきたいという思いは強く持っているところでございます。
8:
◯質疑(
犬童委員) この投資事業組合運営会社の代表取締役1名ですが、この方の名前はまだ知らされていないのです。広島にかかわりのある人だという話はこの間の委員会で聞いたのですけれども、名前の公表はされていません。投資したけれども、運営会社が設立趣旨や県の方針に反し違ったことをした場合に、一体どういう対応をするのでしょうか。きのうの委員会でもありましたけれども、株主総会以外には県が具体的に関与できない、監督できないという部分の心配が残るわけです。その点について、代表取締役になろうとする方との関係については、どのようにしていくのですか。
9:
◯答弁(
商工労働局長) 我々としては、資料の9ページの人材確保の方法に書いておりますが、これまでの投資実績、専門性についてはもとより、広島の産業に貢献したいという強い意欲を持っておられる方の中から選任したいと考えておりまして、我々の趣旨については十分理解していただけるものと思っております。仮に委員御指摘のように、投資事業組合の契約で定めようとする投資基準に反するようなことがあった場合には、株主としての選解任権を持っておりますので、そういう形で担保してまいりたいと考えております。
10:
◯意見・
質疑(
犬童委員) 委員の中からもそういう心配が何回も出たのですから、余程そういうことをきちんと行わないといけない。出資を受けるときにはよいことを言われても、出資を受けた後、経営に当たって県の趣旨と反することをされたら、どこで歯どめをかけられるのかというと、なかなか難しい部分が出てくるのではないかと思うのです。もちろん、そういうことに対して、あなた方自身がきちんと行わないといけないと思うのです。特に、銀行が問題なく貸してくれるような企業であれば、ここに相談に来ないで済んでしまうわけですが、問題は、そうではない企業、銀行の投資対象にならない、融資対象にならない企業が駆け込んでくるという心配がある。もちろん、そういう企業が全部悪いということではないですが、県の設立目的が頭にないというようなことでは困るわけです。その点は今後、内規で、そういうチェック体制をきちんと詰めていってもらわないといけないと思っております。
それから、議会への報告の問題です。これは私ども何回も言ってきたのですけれども、議会は今まで、年に1回くらい収支報告書を見せられるだけで途中のことはわからないというものでした。1年たってしまってから、融資枠を拡大していかなければならないといって、何回か苦い水を飲んできたわけです。今回の場合も、その都度その都度、少なくとも
商工労働委員会や関係する委員会へきちんと報告される、あるいは議会全体に報告されることが担保されなかったら、議会も責任がとれない、責任を果たせないということになるわけですが、その点は大丈夫ですか。
11:
◯答弁(
商工労働局長) 11月以降、スキームを提出して以来、何回もこの委員会の場でも議論していただきました。その点を踏まえて、今回の総括資料を提出させていただいておりまして、その一つがこの議会の報告の部分でございますので、ここに書いてある事項につきましては対応してまいりたいと考えております。
12:
◯質疑(
犬童委員) 経営参加型の支援ということですが、県庁内部、商工労働局内部にそれに対応するだけの組織や人材を整えていかないといけない。よい社長に頼んだから後はそこにお任せということでは困るわけです。結局、県が投資する以上は、一つの行政機関が民間企業にも間接的であってもかかわっていくということを表明しているわけです。投資して、かかわる能力がなかったら、投資しっ放しになって、後で引くにも引けないような状況になってから慌ててもしようがないのです。内部のそうした体制というのはどうなのですか。今の状況でこういうことに踏み込んでいって、自分たちが責任を持って行っていけるという自信とか体制というのはどうなのですか。
13:
◯答弁(
商工労働局長) 個別の出資先の選定につきましては、専門人材にお任せして行っていきたいと思いますけれども、それに対しての厳格なチェック体制につきましては、今、産業革新プロジェクト担当というチームを持っておりますし、実は現在、国の産業革新機構に職員を派遣いたしまして、そういった人材育成に努めているところでございます。体制を整えて対応してまいりたいと考えています。
14:
◯質疑(
浅野委員) これは非常に長い議論の末に結論を出そうとしているのですけれども、知事が就任して以来、いろいろな新しいスキームやチャレンジが行われました。その中の一つが今回の広島版「産業革新機構」であると認識しております。そういった背景の中、長い停滞の中でいかにブレークスルーをつくっていくかという、ある意味これは知事のトップダウンのプロジェクトですから、ぜひ成功に導いてほしいと、私としても強い願いがございます。ただし、議会としては当然いろいろなことをチェックし、いろいろな形で心配事を除いていくということが、我々議会の責務であると考えております。
今回の県の「ひろしま未来チャレンジビジョン」の中における、例えば、海の道プロジェクトのようなもの、あるいは今回のように企業や産業を育成する、そういうハンズオン方式という新しいスキームというものが「ひろしま未来チャレンジビジョン」の中で一定の位置づけはされておりますけれども、より明確に位置づけする必要があるだろうと私はかねてから訴えてきたところです。そういう産業政策の中にこのファンドをどう位置づけていくのか。そのキーワードはイノベーションであると思います。こういった機会にこれについて県民によりわかりやすく説明する必要があると思うのですが、どうでしょうか。
15:
◯答弁(
商工労働局長) 先般策定いたしました今後10年を展望した県の「ひろしま未来チャレンジビジョン」でございますけれども、その中におきましても、特に重点事業といたしましては、人づくりと新たな経済成長ということであり、これはいずれも産業振興についての重要な切り口であると思っております。とりわけ新たな経済成長に向けましては、我々としても10年後を展望した姿、これはまさにイノベーション立県を目指すというものでございまして、それに向けましては、当然、資金的な問題、知財等を含めた技術支援の問題、それからこういう人材の確保の問題、あるいはオープンイノベーションを含めました県内全体のいろいろな支援機関も含めたネットワークであるとか、いろいろなプラットホームを構築する問題、いろいろな
ツールが必要だろうと思っております。この点につきましては、現在新たな産業振興ビジョンの取りまとめを行っており、そういった動きの中でも、改めて明らかにしてまいりたいと考えております。
16:
◯質疑(
浅野委員) その辺をもう少し明確にする必要があると思うのです。御承知のように、今、国の停滞感は非常に大きいものがあります。本会議の中でも、藻谷氏の指摘として、「今、日本の経済の本質的な問題はやはりデフレであって、このデフレの中で皆が気がついていないけれども、実際には人口減少という非常に深刻な問題があって、それが需要を減少させている時代である。」というお話がありました。ケインズ的な発想でいくと当然、総需要を拡大していくための財政出動というものがあるわけです。逆にケインズと同じ時代の経済学者で、シュンペーターというオーストリアの学者がいますが、彼はケインズとは違って、企業とか起業家の革新性、そういうイノベーションというものを常に鼓舞して、供給サイドが新しい付加価値を見出していくとか、新しい組み合わせをしていくとか、あるいは新しい生産システムをつくるとか、そういう組み合わせによるイノベーションを提唱したのです。そういったイノベーション論がいまだに経済成長の中で生きているわけです。
これは広範なイノベーションの考え方であって、それは単に融資するとか投資するという金融支援のみならず、新しいものを創造しなければならないということがハンズオンという考え方であると思うので、そういうことをより明確にしていただきたいわけです。ハンズオンというものは、先ほど言われた市場とか技術とか、あるいはマーケティングという言葉で簡単に言われていると思うのですが、これは非常に重厚な意味があると思うのです。ですから、そういう部分からでも今回のファンドが持っている重たさ、あるいは革新性をもう少し説明する必要があると思うのですが、そのあたりはどのようにお考えなのでしょうか。
17:
◯答弁(
商工労働局長) イノベーションという言葉は、一般には技術革新といった形で訳される場合も多いのですが、我々としては、新しいアイデア、情報、仕組みなどを組み合わせることにより新たな価値を創造していくという形で、かなり広い概念として受けとめております。いずれにいたしましても、新しい技術を開発するのは非常に難しいことでございますが、その技術でも、組み合わせることによって非常に大きな付加価値を生んでいくことは、これまでにも見られたところであります。本県がこれから生き残るためには、これは重要なことであり、まさに我々が考えているイノベーション立県は、そういうことが県内においてどんどん生まれていく状態を目指して頑張りたいという趣旨でございます。
18:
◯質疑(
浅野委員) 私はもう少し具体論が欲しいと思うのですが、しっかりとそうした考え方と理念のもとで行っていただきたいと思います。例えば、広島県にはいろいろなものづくりの技術、オンリーワン、ナンバーワンを目指した経営者の革新性があります。経済環境もグローバル化し、物すごく激しい勢いで経済環境が変わってきている中で、しっかりと行わなければならないのは、経営者、経済人といった人材の発掘・育成であり、そうしたイノベーティブな人材をいかに見出して育てていくかという、ある意味人づくりの部分であろうと思っています。ファンドの経営者にしても非常に特化した人物ですから、そういう部分において、このファンドがどういった役割をしてくれるのかに期待してみたいところです。
本県の企業人や経営者をどう育てていくかという部分と、今度のファンドのような新しいプロジェクトが連動していただきたいと思うのですけれども、どのようにお考えですか。
19:
◯答弁(
商工労働局長) 広島版「産業革新機構」につきましては、先ほどから出ておりましたようにハンズオン型ということで、出資先企業においてどういった部分を求めていくかですが、例えばマーケティングが必要な企業もございましょうし、それからいろいろな研究開発が必要な企業もございましょうし、企業によってその対象はいろいろあろうかと思います。支援につきましては、投資チームにおいて必要な人材が行う場合、あるいはネットワークの中で行っていく場合が考えられますが、これにつきましては、県内におけるイノベーション人材の育成、というより招聘してくるといいますか、県内における人材の厚みを増すという役割を広島版「産業革新機構」が果たしていくものと思っております。
それから、県内企業の人材育成につきましては、来年度から、新たな形での人材育成支援としてかなり思い切った研修や補助制度を創設いたしますので、そういったものを活用いたしまして、人材育成についても積極的に支援してまいりたいと考えております。
20:
◯質疑(
浅野委員) もちろん広範に人材を育成していくことは必要です。私が求めたいのは、このファンドを県という公的セクターがリードし、そして産業界に大きなインパクトを与えようとしているという中において、例えばファンドの中心人物が企業の成長性をどう評価するか、あるいはどう経営に突っ込んでいって引っ張っていくのかという部分に限定して議論しているわけです。
先般の特別委員会で招請した参考人、それから常任委員会にも招請した参考人の御意見を聞いておりますと、広島県には非常に勢いのある企業があって、私の地元では「エフピコ」や「ローツェ」という典型的なものづくり企業がありますが、そうした企業へしっかりと資本を増強することによって、より成長した市場というものをつくることができる。また、そうした勢いのある人材をどう見出していくかという部分が、実はこのファンド事業のみそだと私は思うのです。
ですから、どうか、そういった経営者をしっかりと見出していく、育てていくということを県としてはしっかりと見ていただきたいのです。そういった意味で本県におけるいろいろな経営者の見出しをどの程度の見通しを持って行おうとされているのかお聞きしたいのですが。
21:
◯答弁(
産業革新プロジェクト担当課長) 今、委員御指摘のように、ファンドというのは新しい人材を発掘して、そこに魂を入れるという言い方をしますけれども、やはり経営者とともに成長していくことも非常に重要だと思います。私自身もいろいろな経営者にお会いしておりますし、新しい人材が新しい地域で活躍する中で、新しい取り組み、新しい経営者も育っていくものと考えております。
22:
◯質疑(
浅野委員) もう一つ、私は公益性の観点から議論しようと思います。
公共がこうしたファンドに取り組む場合には、多くの議員が議論されているように公益性が重要です。第三者による評価についてはきのう報告があり、実施機関、意見聴取の対象者、それから結論といったものがございましたけれども、もう少し詳細な報告を求めたいと思います。今回のファンドについてどういった第三者機関が評価したのか、お聞きします。
23:
◯答弁(
産業革新プロジェクト担当課長) 昨日御報告した内容につきましては、県の内規によりまして、出資法人をつくる前に、第三者機関を選定した上で意見を聴取するというものです。その答え自体がどうというよりは、手続したものを報告したわけでございますけれども、内容につきましては昨日御報告したとおり、投資事業組合運営会社に限られるわけですけれども、公共性があり採算性もあるということでありました。採算性については、前々から申し上げているとおり管理報酬ということが前提になりますので、そういった出資が集まるということが前提になった上での議論になりますが、採算性は成り立つということを報告させていただきました。
もう少し詳しく説明させていただきますと、昨日は、第三者機関による意見聴取の実施機関として株式会社日本バイアウト研究所を御紹介させていただきました。この株式会社日本バイアウト研究所は、いわゆるファンドあるいは投資について専門に調査を行っている三菱系のシンクタンクでございます。毎年、ファンドについての年報を出したり、あるいは国の機関等からファンドの利用のあり方について調査依頼を受けている機関でございます。そういう面からすれば、調査機関としてファンドの実態等について詳しいということでこの機関を選定いたしました。
次に意見聴取の対象者ということになりますけれども、企業経営に見識を有する者など、つまりファンドビジネスについて、広島の実態あるいは全国の実態に詳しいということを実施機関である株式会社日本バイアウト研究所が判断し、我々にも相談した上で意見聴取を行っていただいたところでございます。つまり、株式会社日本バイアウト研究所が行った意見聴取ということになりますけれども、その対象機関につきましてはそこに記載しているとおり、地元の企業、あるいはこういうファンドについて詳しいと思われます株式会社広島銀行、さらに株式会社広島ベンチャーキャピタル、これは広島県内に唯一残っているファンドビジネスを行っている会社でございます。さらに地域の実態ということが必要だという判断もございますので、ドーガン・インベストメント株式会社、あるいは日本プライベートエクイティ株式会社につきましては、九州、福岡に拠点を有します投資事業有限責任組合の運営会社でございますので、地域でこのようなファンド運営が成り立つか否か、福岡の実例を参考にしながら広島について意見聴取したということでございます。さらにGCAサヴィアン株式会社、あるいはGCAアドバイザリー株式会社、こういった会社は東京にございますけれども、ファンドあるいは独立系のM&Aについてのアドバイスを行っている会社でございます。さらに独立行政法人中小企業基盤整備機構につきましては、国の機関でございますけれども、投資事業有限組合に対し出資を行っている専門的な見識があるということで選定したものです。株式会社日本バイアウト研究所の代表取締役がそれぞれにヒアリングを行いまして、これを実施したのが平成23年1月上旬から2月中旬でございます。
意見聴取の結果の概要ですけれども、一つは、いわゆる広島版「産業革新機構」におきましては、新規に取り組むということで全国的にも新しい取り組みである、特に公共が参画して官民が連携するということで、方法としては非常に有望であり、全国的に見ても公共がこうした取り組みを行うことの必要性は高いということを、意見聴取した方々から御意見として承ったところでございます。
もう1点、採算性につきましては先ほど少し申し上げましたけれども、運営会社の採算性につきましては、組合員の出資金額、100億円であれば2億5,000万円が管理報酬になりますけれども、管理報酬の枠内でこういった業務を行うかどうかということを決するということになりますし、現在想定している管理報酬と運営会社の事業、先ほど申し上げましたけれども、100億円に対して2億5,000万円、それに対して今、6名の運営体制を想定しておりますので、いろいろな経費を考えても採算性は十分満たすということでした。また、むしろ今後の投資の進展によりまして投資の専門家を拡充することも可能である、こういった意見聴取の結果をまとめたところでございます。
24:
◯質疑(
浅野委員) いろいろと議論や質問したいこともありますけれども、最後の質問になります。海の道プロジェクトの目的が観光であると同時にブランド化を通しての農業の振興、水産業の振興等でもあるし、そのためのインフラ整備であるとか、これは総合的なプロジェクトだと思います。そういうプロジェクトに参画する民間あるいは企業者、NGOでもNPOでも地方自治体でもいいのですけれども、それに対するファンドの活用は可能なのでしょうか。
また、先般の本会議でも、庄原市選出の小林議員から農林水産業に対するファンドの活用の可否について質問がありましたが、これは非常に具体的な質問になりましたけれども、そのあたりについても聞いておきたいと思います。
25:
◯答弁(
産業革新プロジェクト担当課長) 委員御指摘のことについては、もともと御説明しているとおり対象業種について限定しておりませんので、その案件に成長性があるという判断があれば投資対象の可能性もあると考えております。
26:
◯意見(
浅野委員) 私から結論として申し上げたいのですけれども、いろいろなリスクがありますが、特に現在のような長期的な経済停滞、人口減少、グローバル化など、我々広島県の将来には大きな壁が迫っております。いかにして停滞感を払拭してそこから新しい活路を見出していくかということは、大きなチャレンジです。我々公明党の中でも、党本部から全国一斉に、各地方自治体にいろいろな指示が出ております。政策的な判断として、今のこのような経済停滞を打破するためには、リスクをとってでも、リスクマネーを市場や企業、あるいは産業に供給するべきであるとしました。これは明確な公明党の政策です。
今回のファンドについていろいろと議論してまいりましたが、そういった判断に基づきますと、チャレンジして打破していこうというリスクと比較して、基本的にはリスクをとらない、何もしないリスクのほうが逆に大きいと考えます。これは、公明党の基本的な理念であると思っております。
以上で質問は終わりますけれども、いろいろなことがありますが、やはりこの停滞感を打破するための一つの新しいチャレンジのスキームとして、ぜひ成功させるべく全力を傾注して頑張るべきであるということを意見として申し上げます。
27:
◯質疑(
砂原委員) きょういただいた資料を見ておりまして、まず少し細かいことをいろいろ伺いたいと思います。
設立の目的という部分について伺いたいのですが、るるお話を聞いておりますと、このファンド事業は企業育成が目的であって、ファンド事業として収益を上げるのが目的ではないと理解してよろしいのでしょうか。
28:
◯答弁(
商工労働局長) 行政としてこの投資事業組合の設立に主導的な役割を果たすことにつきましては、最終的な目的は県内企業の育成によりまして、県内における雇用と所得の確保ということでございますけれども、その目的の達成のためには、事業としても成功することが必要であると考えております。
29:
◯質疑(
砂原委員) ファンド事業として収益を上げることが目的ではないかという質問に対しての答えはどうでしょうか。
30:
◯答弁(
商工労働局長) 政策としての目的ではございませんが、政策を達成するためには必要なことだと考えております。
31:
◯質疑(
砂原委員) それでは収益を上げることは目的の一つであるということですね。
32:
◯答弁(
商工労働局長) 政策目的の達成には必要なことだと理解しております。
33:
◯質疑(
砂原委員) 今の説明では理解できないのですが。
34:
◯答弁(
商工労働局長) 今回、広島版「産業革新機構」を立ち上げて、出資対象企業が成長することによって、県内における雇用の増大、所得の確保を図ることが政策目的であります。最終的に企業の成長を図る、あるいは所得の増大を図るためには、この投資事業組合の事業の成長が、政策目的を達成するためには必要不可欠であるという意味でございます。
35:
◯質疑(
砂原委員) 少し違うと思うのです。企業が投資によって成長した場合に、見返りとして成功報酬が上がってくるということであって、収益を上げることが目的ではないと思うのですが、どうですか。
36:
◯答弁(
商工労働局長) そういう意味での政策目的ではございません。
37:
◯質疑(
砂原委員) 政策目的ではないとしたときに、この資料の3ページには出資と貸し付けとの違いについて書いてあるのですけれども、貸し付けと出資を比較すると、回収資金額は、貸し付けでは元本と利子の上限となるのに対し、出資は回収資金額に上限はないとあります。したがって、対象支援事業の成長可能性が高い場合は、県財政負担面では出資のほうが有利ではないかとあります。これを読むと、有利だから行うということ、つまり、収益を上げることが目的であると感じるのですが、違いますか。
38:
◯答弁(
商工労働局長) 今回のファンド事業に対するリスクに関しましていろいろと御議論があり、そのリスクの内容はどういうものかについて昨日も申し上げましたが、ファンド事業そのものに対するリスク、それから県として見た場合の財政負担というリスクの両方があるのではないかということで細かく説明したものでございます。そうした中で考えた場合、リスクの度合いではこうした成長性の高い事業に対する財政リスクということでは、有利といいますか、適正であるということをここでは申し上げております。
いずれにいたしましても、政策目的を達成するために、我々としては最少経費の最大効果を目指しておりますので、できるだけリスクは低いほうがいいということで、こうした整理をいたしているところでございます。
39:
◯質疑(
砂原委員) そのあたりの意味がなかなか理解できないのです。例えば、この橋を通る以外渡る方法がないという場所に県が出資して橋をつくり、莫大な通行料を取るとか、資金回収をたくさん行うということを、もし行おうと思ったらできるわけです。ところが、県は、収益を上げることが本来の業務ではないと我々は今まで考えていたのです。だから、例えば、工業団地をつくったときでも、昔、右肩上がりのときに高い値段では売ってはいけないということがありました。行政が収益を上げることはよろしくないと、我々はずっと聞いていたわけなのです。今回はそうではなく、とにかく財政負担面で有利であれば、そちらに動くという考え方に聞こえてくるのですが、そのあたりはどうなのでしょうか。
40:
◯答弁(
商工労働局長) 今回の出資につきましては、投資事業組合運営会社において成長性を見きわめていただいて、それによって成長企業がどんどん出てくるということによりまして、その結果においては出資した以上のリターンが県に返ってくれば、それは財政上の利益もあるということです。企業誘致につきましても、いろいろな助成制度を利用することによって立地していただき、それによって事業展開する、あるいは雇用を確保するということによって税収が上がり、県内の所得が上がるということで、県に対してもメリットがあるというもので、政策として実施していると理解いたしております。
41:
◯質疑(
砂原委員) そのとおりだから県はそういうことを今まで行ってきたわけです。ですから、土地を売ることで収益を上げるのが目的ではなかったわけです。ところが、このファンドは結局、株式を売却したりすることで収益を上げるのを目的の一つにとらえていると感じたわけです。
それから、資料の10ページにも書いてあるのですけれども、少なくとも国債利回りは確保することを目標に中長期的な視点に立ち、投資事業全体としてリターンが確保できるよう分散投資を行うという考え方に立ち、投資の決定と管理を行うとありますが、これはもう完全に出資によってリターンを得ることを目的としているように聞こえてくるのですけれども、私の聞き違いでしょうか。
42:
◯答弁(
商工労働局長) 広島版「産業革新機構」も、あくまでも投資事業有限責任組合でございますので、当然にこの運営会社の目的としてはリターンを得るということを目的に設立、運営されるものと考えております。
43:
◯質疑(
砂原委員) そうすると、一番最初に言ったことと矛盾しませんか。
44:
◯答弁(
商工労働局長) 県の政策の趣旨は、あくまでも広島版「産業革新機構」を通じまして企業の成長によって雇用と所得の増大を目的とするものであります。そのためには、出資いたしました広島版「産業革新機構」においてその設立趣旨が達成されるよう、事業としても成功していただくことがまさに必要不可欠だと理解しております。
45:
◯質疑(
砂原委員) 過去にもこの議題で何回も質問していて、話が収束できないのですけれども、言っていることが矛盾すると思うのです。企業育成が目的と言いながら、前の委員会でもそうでしたが、倒産するかどうかわからない状況になったときにどうするのかと聞いたら、これは企業育成が目的だからとことんまで面倒を見ますと答えられているわけです。そうすると、もし再投資した場合に、結果として倒産してしまったら、ここにリターンは発生しないわけです。損失が出るだけですから、これは全然違うことだと思いませんか。
46:
◯答弁(
商工労働局長) 広島版「産業革新機構」においては、投資事業有限責任組合として投資規律を求めてまいります。その中には当然、一つには、県の政策実現に向けた投資対象事業の選定ということもございますけれども、やはり一義的には、まずそうした成長性のある事業を見出していただいて、一緒になってハンズオン型で支援することによって成長性をできるだけ確保していくということがございます。このことがまさに広島版「産業革新機構」に我々が求めているものでございまして、それによって結果的には当然、投資事業有限責任組合としても成功するということが、我々の政策目的を達成するためにも必要であると理解しているところでございます。
47:
◯意見・
質疑(
砂原委員) 私は、このファンド事業を通して企業育成するということは、きのうの
岡崎委員の質問にもありましたけれども、公平性に欠けるような気もいたしますし、積極的に賛成することは難しいと感じております。
次の質問に行きます。この資料の10ページには、知事は、当該法人の収入支出の実績あるいは見込みについて報告を徴収するとともに、予算執行状況を調査し、その結果について必要な措置を講ずることができると書いてあります。そこで、ファンド事業の本質について聞くのですが、企業選定するときに、その企業がどのようなイノベーションをしようとしているのか、またはどんな商品開発をしようとしているのかという部分については、民間のファンド会社では絶対に公表しないのです。それはなぜかというと、それを公表したら同業他社がまねするかもしれないからです。そこは絶対にシークレットな部分なのです。ところが、この資料を読んでいると、それはオープンにするとあります。知事は知ることができるし、コンプライアンスという言葉で書いてありますけれども、そういう情報を公開しなければならないとあります。そうなってくると、このファンド運営会社にとっては、企業選定のときに、また、企業を育てていくときに、その内容について公表しなければならないとなると物すごい阻害要因になってくると思うのですが、そのあたりはどうでしょうか。
48:
◯答弁(
商工労働局長) 一般的に我々が行政情報として入手したものでありましても、そういったような経済活動等の阻害要因になるもの、あるいは個別のものが限定されるようなものにつきましては、公開対象とはならないと理解しております。
49:
◯質疑(
砂原委員) ということは、公開しないということですか。
50:
◯答弁(
商工労働局長) 今、委員御指摘のような出資対象とするかどうか、あるいは企業にとりましてまさに経営のコアにかかわる部分の機密情報等につきまして、公開することはあり得ないと考えております。
51:
◯質疑(
砂原委員) そのとおりだと思うのですが、そうすると、どのようにしてコンプライアンスを、この会社は絶対に大丈夫だということをどのようにして県民に対して報告するのですか。
52:
◯答弁(
産業革新プロジェクト担当課長) いわゆるシークレット情報については、今委員御指摘のとおりだと思いますけれども、その判断というのは、そういったシークレット情報も含めて、専門的に投資チームが適切に判断するということになろうかと思います。
53:
◯質疑(
砂原委員) 局長、コンプライアンスという意味を、この場合どのように理解していますか。少し今の説明とは違うと思いますが。
54:
◯答弁(
商工労働局長) ここで申し上げたコンプライアンスというのは、資料にも書いておりますが、いわゆる一般的に言われております企業の内部統制を含めたものであり、会社につきましては当然にいろいろな意味での法令遵守義務等がございますので、そういった形でのチェック体制を構築する意味でのコンプライアンスであると理解しております。
55:
◯質疑(
砂原委員) 今の説明の意味が理解できなかったので、もう一度お願いします。
56:
◯答弁(
商工労働局長) 会社につきましては、昨今、いろいろな形での内部統制の確立が求められておりまして、我々が設立しようとする投資事業組合運営会社につきましても、そういったようなチェック体制を機能させるという意味でのコンプライアンスだということでございます。
57:
◯質疑(
砂原委員) どうしても理解できないのですけれども、また少し話の視点を変えます。47都道府県のうち14都県でこのファンド事業を行っています。その14都県の中のファンド事業が2011年、2012年に大体終息を迎えるのですが、どういう状況であるかという質問に対して、投資実績の社数、これまでの投資総額などは契約により開示することができないという答弁が各県から返ってきているのです。つまり、その中身について、この投資事業組合運営会社というのは、一般的に全くそういうものを開示しないような条件になっているのです。県では、あえてそれについては、自分たちでつくった投資事業組合運営会社は全部中身を公表していく、安全だから大丈夫ということを公表していくということでよろしいですか。
58:
◯答弁(
産業革新プロジェクト担当課長) いわゆるシークレット情報ということではございませんが、どの会社に幾ら投資をしたといったことについては、広島県につきましては過去に公開しておりますし、してきたところでございます。また、国の産業革新機構のホームページ上では、投資先あるいは投資金額について公開されております。そういったいわゆる投資先がどこか、どういう事業かということはシークレット情報に当たらない範囲で、今後とも、県としては公開していくものと思っております。また、当然に相手方のシークレット情報にならない範囲ということで、企業秘密にかかわるものについては公表できないということになります。
59:
◯質疑(
砂原委員) シークレット情報と言われますが、シークレット情報の定義といいますか、どれがシークレット情報だということをだれが決定するのですか。
60:
◯答弁(
産業革新プロジェクト担当課長) 県の場合で言えば、過去、情報公開条例等があって、企業秘密にかかわるものについては一般的な考え方があろうかと思います。
61:
◯質疑(
砂原委員) だれが、どのように判断するのかと聞いているのです。
62:
◯答弁(
産業革新プロジェクト担当課長) 当該情報を公表するか否かということについて、県が判断して公表するということであれば県になると思います。
63:
◯質疑(
砂原委員) いいえ、県ではないでしょう。ファンド運営会社の社長ではないのですか。
64:
◯答弁(
産業革新プロジェクト担当課長) シークレット情報か否かというのは、当然にファンド運営会社のほうで判断されることでございますが、何を公表するのかということについて言えば、どの会社に幾ら投資したということ、どのような事業であるということは県が判断して公表していくということを申し上げたわけです。
65:
◯質疑(
砂原委員) ですから、投資運営会社がそれもシークレット情報だと言えば、県はそれをオープンにはできないのではないですか。
66:
◯答弁(
産業革新プロジェクト担当課長) 投資先ないし投資金額については、国の産業革新機構と同様に公表していくことになろうかと思います。
67:
◯質疑(
砂原委員) 少し細かいことなので、また次の質問をします。ファンド運営会社の社長候補の経歴を伺いたいのですが。
68:
◯答弁(
産業革新プロジェクト担当課長) 個別具体の候補者のことではございますけれども、今までの業務の御経験ということで言えば、30年近い金融業務の経験がある中で、直近で6年強、こういった投資ファンドの業務にかかわっておられるということでございます。
69:
◯質疑(
砂原委員) 私が聞いた範囲では、この投資ファンドについてはほとんど素人であると聞いています。金融事業を行っておられたということは事実であるとも聞いています。今、言葉が浮かばないのですが、倒産した会社を再生してほかの会社に売るというような事業は随分と経験深く行っておられたと聞いているのですが、ファンド運営については余り御経験がないと聞いています。そのあたりはどうでしょうか。
70:
◯答弁(
産業革新プロジェクト担当課長) 当該ファンド運営会社は、いわゆる再生という形だけではなく、成長型、グロース型の投資運営も実績をお持ちですし、日本のファンド運営会社の中でも評価が高いと承知しております。
71:
◯質疑(
砂原委員) それからまた、これは平成22年度の補正予算にかかわることなので商工労働総務課長に伺いますが、この41億円の原資はどのように考えておられますか。
72:
◯答弁(商工労働総務課長) このたびの広島版「産業革新機構」の出資に係る財源でございますけれども、大きく2つございまして、中小企業支援資金特別会計からの繰入金がトータルで16億3,200万円余であります。それともう一つが、大規模事業基金でございまして、それが24億7,000万円余であります。
73:
◯質疑(
砂原委員) それでは、もう少し聞きます。14都県で投資ファンドを行ったということについてきのう何回も言いましたけれども、他県の状況は県としてつかんでおられますか。
74:
◯答弁(新産業課長) 全国調査を取りまとめて雑誌等に掲載されておりまして、その状況を確認しております。
75:
◯質疑(
砂原委員) それはどういう状況ですか。
76:
◯答弁(新産業課長) ここ数年で破綻等が出たファンドもございますし、これから投資事業組合の期間が満了にかかってくるものが出てくると考えております。
77:
◯質疑(
砂原委員) この雑誌の特集号を見ますと、ほとんどの県が恐らく失敗するであろうという予測が立っているわけです。今、地方が財政的に大変苦しくなっているから、各県がいろいろなことを行って、少しでもお金を集めようと考えているのはとてもよくわかるのですが、結局は素人がこういうものに手を出すので、必ず失敗しているというのが実情だと思うのです。
それともう一つ、これはファンドとは違うのですが、仕組み債というものも広島県では大変にいろいろと失敗しております。それでは、これについて、どのくらい把握しておられるのか教えてください。
78:
◯答弁(商工労働総務課長) 仕組み債については、昨年いろいろ課題がございましたけれども、今、商工労働局として把握している仕組み債については、ひろしま産業振興機構が財源を運用する際に、仕組み債という形で運用していた例がございました。それが、現段階で売却等した場合に、元本割れするという課題が出てきていると把握しております。それ以外については現段階では把握しておりません。
79:
◯質疑(
砂原委員) ひろしま産業振興機構は、取得価格が総額で13億円ぐらいです。それから、財団法人広島県農林振興センターが7億円、それから、警察の暴力追放県民会議が仕組み債で約8億円、これら皆が破綻しているのです。期限が来ていないから、清算していないから破綻していないと言うのですが、結局これは期限が来るまで全部のお金が寝たままなので使えない、期限が来るまでどうにもならないのです。期限が来たら満額が返ってくるかどうかについても、可能性としてはわからない状況になっています。なぜこのようなものに手を出したのかと聞いてみましたら、例えば、県からのいろいろな基金の積み増しであるとか補助金などが来なくなったものだから、運営が難しくなってきて少しでもお金を回収できるものに手を出したというのが答えなのです。ですから、こういうものを全部見ていると、非常にそういった可能性を感じられるなと思っています。
私の結論を言わせていただきますと、このファンド事業がすべて仮説に基づいて成り立っているということです。それはどういう意味かといいますと、まずファンド運営会社の社長にすばらしい人間を連れてくるということが一つです。これは仮説です。そして、たとえその方が過去においてすばらしい人であっても、これから先すばらしい実績を上げるということも仮説です。それから、投資事業有限責任組合に100億円のお金が集まるということも仮説です。それから、その次の仮説は、広島県内もしくはその周辺に、この投資にたえ得るだけの会社が10数社あるということも仮説です。そして、投資した会社が成功するということも仮説です。すべてが仮説によって成り立っているのです。ですから、我々議会が大丈夫なのかと非常に心配していますし、県民の皆さんとひざを交えて話してみると、このようなことは、絶対に県として行ってほしくないと言われるのだろうと思うのです。
その点を担保するために、いろいろなことを言っていますけれども、それは担保になっていないのです。これをしたら大丈夫と、例えばコンプライアンスを行ったら大丈夫、県が経営に関与したら大丈夫と言っていますけれども、当初、知事は記者会見でこういうものに行政とか自分たちが入って経営に口を挟むとよくないと言っているのです。そのあたりも変わってきているのです。私は、すべてがそういった仮説で成り立っているから、我々がこれはいいことだと納得しづらくなっているのではないかと考えているのです。これは、運動会を行う前に雨が降ったらどうするのかという程度の質問なのかもしれませんけれども、そのあたりのすべてが仮説であるということを、
商工労働局長はどのようにして、具体的に一つずつを具現化していくのか、担保していくのかということをもう一度伺いたいです。
80:
◯答弁(
商工労働局長) 広島版「産業革新機構」は、他県でも地域レベルでもまだ例のない新しい事業でございます。今、委員から御指摘のあったいろいろな不透明な要素はございますけれども、そういうことを含めまして、これまでも申し上げておりますけれども、我々としては、人口減少等により経済の縮小が懸念される中で、このままでは立ち行かなくなるという危機感のもと、新しいチャレンジを行おうというものでございます。
いろいろとありました御議論について、例えば、広島版「産業革新機構」が企業の成長性をどのように担保していくのかという点につきましては、やはりまず第一にはきちんとした人材を確保しまして目ききを行い、そしてまた、さらには重点的に支援していくといったスキームが大事であるということで、今、人材の確保に全力を挙げているところでございます。これまで申し上げておりますような条件に合致した人材を、ぜひとも確保してまいりたいと考えております。
また、県の考え方や設立の趣旨につきましては、設立趣意書あるいは投資事業有限責任組合における契約などの規定に、きちんと定めてまいりたいと考えております。
投資先につきましては、先ほど申し上げました目ききを十分に行う必要がございますので、何とか経営参画型で支援していくためにも専門投資チームが必要でございますので、今、代表取締役となっていただきます核となる人材はもとより、チームとして全体的に力が確保できるようなチームを結成してまいりたいと考えております。また、その選任につきましては、県として責任を持ってまいりたいと考えております。
さらに、説明責任につきましても、適時適切に説明責任を果たしてまいるということを考えております。
いずれにいたしましても、今後の県におきます産業支援施策として、全くの新たな挑戦ではございますけれども、県としては、現下の経済情勢、あるいは将来の本県産業を見通した場合に、極めて重要な政策であると思っておりますので、格段の御理解を賜りたいと思っております。
81:
◯意見・
質疑(
砂原委員) 今の説明を聞いていたら、全部が努力目標にしかとれないわけです。努力目標という意味では理解しましたけれども、それが県民の皆様が、それなら大丈夫だと納得できるようなものであったとは思えないということを申し添えておきます。
それともう一つ。今度は責任問題について聞きたいと思うのですが、この投資ファンドが失敗した場合の責任について、だれにどのような責任があるのかということを再度確認します。
82:
◯答弁(
産業革新プロジェクト担当課長) 個々の投資判断については、こういった投資専門チームをつくり、投資事業組合運営会社をつくるということから、専門家の責任ということで言えば、一義的には投資事業組合運営会社の代表取締役に責任があるべきだと思います。しかしながら、こうした仕組み全体をつくるということは、政策として目標として県が進めるわけですから、こうした政策の責任あるいは監督責任、説明責任といったものは県にあると考えております。
83:
◯質疑(
砂原委員) 監督責任であるとかいろいろな責任について、今言われましたけれども、それでは県としてどのように責任をとるのかといった場合に、どのようにとられますか。
84:
◯答弁(
商工労働局長) 県といたしましては、投資事業組合運営会社の運営につきましては、株主という立場での責任を果たしてまいります。投資事業有限責任組合につきましては、一出資者ということで、その範囲内での有限責任を負うという形で考えております。
85:
◯質疑(
砂原委員) これは少し意地悪な質問なのですけれども、はっきり言うと、これはだれも責任をとれないということなのです。12年後に我々議員がいるのかいないのか。それでは我々議員が採決したことの責任になるのか。行政が責任をとれるのか、とれないのか。結論は責任をとれない。例えば県が責任をとるとして、だれがとるのか。その当時の
商工労働局長なのか。とれません。それでは、知事なのか。12年先にいるのかいないのかわかりません。また、責任をとるときに意思決定した人が責任をとるのか、12年先のそのときの知事の責任になるのかといったときに、どうなるのか。もうはっきり言って責任をとれないのです。
この事業を計画している人たちの中から、どうせ議会を通れば、議会もチェックしようがないのだからという言葉が具体的に出てきているのです。だれも責任をとらなくて済むのです。その最たるものがHAVだったわけですから。もし出資が集まったとしても、60億円の部分については、それは出資者の自己責任であったと思います。どういう中身なのかということをわかって投資しているわけです。ただし、40億円の部分については、県民の皆さんの税金です。それに対してどういう責任をとるのか、とれない。それでは、その40億円を個人が補償できるのかというと、できない。どういう形でも責任をとれないのです。
そうした場合に私が思うのは、それは本当におもしろいことだから、施策としてそれは損してもいいから行ってみなさいという県民の後押しがあって、初めてできることであるということです。ですから、我々議員も提案されたから受けるべきだという発想で、賛成か否かというところを判断するのは非常に難しい、危険なことだと思います。やはり県民の意見をきちんと聞いた上で、議会としての正しい判断をすべきであると思いますし、議会がどのように判断をしたかという部分は、県民の皆さんに公表してもらってもよいのではないかとすら思うわけです。ですから、もしどうしても行うというのであれば、そういったところをきちんと、責任をとれないけれども責任を持って行ってもらわないといけない。今度は「瀬戸内 海の道構想」の中でもファンドという言葉が出てきています。これが通って、何でもかんでもファンドということになっていくと、行政として行うべき事業が違う方向に行ってしまうのではないかと懸念しています。これについて、
商工労働局長、何か御意見がありますか。
86:
◯答弁(
商工労働局長) 政策という責任問題について、我々も極めて重く受けとめておりまして、当然、重要な政策でございますので今回も十分議論を尽くさせていただいて、何とか県民の皆さん、あるいは議会の御理解をいただいて、進めてまいりたいと考えています。
責任のとり方ということでございますが、事業において長期間を要するものでございますので、行政の継続性という中で、その時々の担当において責任ある対応をとっていくことが行政責任であると理解しています。
それから、ファンド事業ということでございますが、こういった産業支援に向けました投資事業につきましては、今回のスキームは12年間の投資事業でございますので、これにさらに新たに追加的な出資という部分については考えておりません。
87:
◯意見(
砂原委員) 行政責任がとれないということを確認したということで、私の質問を終わります。
88:
◯答弁(
商工労働局長) 行政責任としてはその都度、その時点での担当者がとっていくということで対応してまいりたいと思っております。
89:
◯意見(
砂原委員) 責任をとれないでしょう。
休憩 午後0時12分
再開 午後1時17分
90:
◯意見(
岡崎委員) 今までいろいろ議論させていただいたのですが、私が聞きたいことについて、どうも答弁が抽象論で終わって、これ以上聞いても堂々めぐりになるので、私の考えを言わせていただきます。総論的には、やはり商工労働局の一番の目的、県内産業の競争力強化あるいは発展、こういう中で皆様方も考えられているとは思うのですけれども、やはりそれと、今度のファンド会社のリスクテークのとり方、あるいはリターンの問題等も一つの目的です。特に、40億円の県独自の出資ではなくて、民間出資の60億円を募る場合、民間会社にもそうした観点もあるでしょうけれども、一義的な目的はもうけることです。これは当然にそのようになってくると思うのです。12年間のスパンを考えて投資することにおいて、必ずしも目標、ベクトルが合致するかというと、結果的には、もうけることと、長期的な県内産業の育成という中において、必ずしも合致しないと思うわけです。そうした二律背反するものを負っていくと、いろいろ内規がありますけれども、県が関与すると言っても、もうかっている会社に対して解任するようなことは、できないことです。ファンド会社の第一の目的はもうけることです。それをクリアしていれば、解任することはできないわけです。最初にいろいろな目的、趣旨を決めていても、民間会社はとにかくもうけていかないといけないのです。そうした意味において、非常にこの政策に対して違和感を感じるのです。
また各論的には、出資した会社の競争力ですが、無利子のお金が入ることで、設備投資や市場開拓する上で、他に比べて大変有利になってくることについて、一番に公平・公正という意味において、やはり十分な説明がなされないし、できないと思います。
そして、補助金の問題とこの出資金の問題を同義的に扱われておりますけれども、補助金は、日本の産業育成あるいはほかの政策目的において、一つの手法として歴史的に使われてきました。これはやはりある面、直接的に公が関与できる一つの手法であると思います。今までも公は基本的に、リターンを求めたことはないですし、今後もすべきでないと私は思っております。だから、そのリターンに対して、本会議であれだけ述べられておりますが、そのこと自身が大変おかしいことであると私は思っています。だから、出資と補助金を公平・公正から言うと、補助金は、今、立地政策審議官がいらっしゃいますけれども、例えば雇用を何人以上、あるいは何平方メートル以上の製造現場があればそこへ助成する中で、一定の基準をクリアしていれば平等に出資するわけです。
また、県の大きな政策目標、国の政策目標へ民間活力を誘導しながら、その方向へ導いていく中に補助金は使われてきました。しかし、この広島版「産業革新機構」はそうした面において、補助金と違って県が直接に関与できない、出資できない。一方ではもうけることを目的にしているわけですから、先ほど言いましたように必ずしも目的が合致しないので、各論において非常に公平性が保てないと私は思っております。
したがって、県の商工労働施策、金利の1%引き下げなど、私が主張していたのですが、そうした支援策も今回いろいろ出ています。中小企業の支援策において、すばらしい施策が積極的になされていると思います。また今まで局長が述べられたように、今までの手法ではだめだと言いながらも、例えば、私の地元では橋がひ弱なため10トン車が通らない、そこは5トン車しか通らないのです。府中市には高速道路が通っていないものですから、一番直近の高速道路と工業団地を結ぶ交通網がネックになっているわけです。ですから、昔、物流基盤整備事業と言って、120億円ぐらいを3年間で、商工労働部が別枠の公共事業で行ってきたわけです。そうしたこともまだまだあるし、優先順位から言っても、もっと中小企業に広く波及するような商工施策をもっと掘り下げて考えていただきたい。同じ40億円を投資するなら、もっと優先順位の高いものがあると思いますし、そうした面において非常に今回の施策は、住民に対して十分に説明責任を果たせないと私も思っています。
91:
◯意見(
犬童委員) いろいろ議論して、もう時間もなくなったのですが、広島版「産業革新機構」は、十分に議論が尽くされたとはいかないかもしれませんけれども、十分に時間をとったと私は思っています。
私が危惧することはあなた方にも十分伝えたし、十分な答弁だとは思っていませんけれども、皆さんの見解もお聞きしました。お互い県民に対して責任を持つわけですから、あなた方も答弁したことはきちんとやはり腹の中に入れていただきたい。かつて失敗したことを踏まえて、このことが再び失敗にならないように、きちんと取り組んでもらいたい。これを知事は聞いていないと思うのですけれども、知事が言い出したことだから、知事みずからも責任をとるぐらいの気持ちを持ってもらわないといけないと私は思っていますから、その点は知事にも伝えてもらいたいし、また、これから予算特別委員会もあって議論させてもらうわけですけれども、まだまだ議論を深めていけばいいのではないかと思います。
商工労働局の予算をずっと見てみまして、中小企業金融対策で二百何十億円であるとか、そんな大きな予算をつけて県内の企業を支援していこうということですから、私はそれなりにこの予算に一定の評価をしていますし、それがきちんと生きるよう努力することの注文をつけておきたいと思います。ですから、そういう意味では、商工労働局の予算を個別に切り離して審議するわけではありませんから、賛成の立場で皆さんを理解したいと思っています。
92:
◯意見(
砂原委員) いろいろな意見が出て、私の見解としては平行線と認識しております。まして、ファジーな部分が余りにも多過ぎることを先ほど言いましたけれども、いろいろな形でそのファジーさを消していくという答弁の中に、設立趣意書などもきちんとしたものをつくるという話がありました。しかしながら、この設立趣意書もないまま、このまま採決していくのは、そういったものも見た上で採決していかないと、正直できないと思うのです。だから、私はこの後、ほかの議案については別としても、このファンド事業についての採決は、この状況では、我々の常任委員会では、まだできないのではないかと考えます。
93:
◯意見(中本委員) 今、
砂原委員から、採決は今回必要ないのではないかと意見があったわけですが、このことについては、昨年来、いろいろな角度から各会派、それからこの委員会でも審議してきたわけです。先ほどから言っておりますように、まだまだ足りない部分、また説明不足の部分があるかもしれませんが、きょう、最後の委員会でありますし、通常の委員会どおり、現在の委員会の可否として、我々がこうやってきた中で賛成か反対かの意思表示の場でもありますので、ぜひとも通常どおり採決は行っていただきたいと思います。
94:
◯意見(
浅野委員) 私も同様の意見です。審議は十分尽くされたと判断します。もちろん、細部にわたっては明確でない部分はありますけれども、事業執行は基本的には予算の可決から始まるわけですから、いずれにしましても、この委員会ではきちんと賛否をとって結論を出すべきであると思います。
95:
◯意見(
岡崎委員) この2月に予算特別委員会があるわけで、予算はそこへ正式に付託されるとして、あくまでもこの委員会での採決は参考的な意味合いになります。やはり、委員の意思を表明するので、正否だけではなく、もし採決するにしても条件つきの採決の方法もあろうかと思いますので、我々の意思をより一層この議会に参考として反映するためには、例えば、予算を全面的に否定するのか賛成するのかではなくて、条件つきで、ファンドの分離ではないですが、例えば、意思表示だけ、広島版「産業革新機構」については反対である、その他の予算については賛成であるという方法も考えられると思います。幅広く採決方法を考えていただきたいと思います。
96:
◯意見(
犬童委員) 今、出されたいろいろな意見ですが、やはりみんなが危惧することは同じです。この委員会に求められていることは、委員長がこれらの意見を集約して議長に報告する、あるいは
商工労働局長も知事へ率直に、そういう危惧があることは伝えてほしいのです。そして、委員長はこれまでの意見をきちんとまとめて、報告してもらいたいと思います。
97:
◯委員長 ただいま、予算案に対する採否について、諮るべき、また諮るべきではない、諮る上でもそれなりの留意点、意見をつけてという、ある意味で3案が御提示されたと思っております。最終的に委員長において決めさせていただきたいと思いますが、参考に、できれば挙手をお願いしたい。
まず、従来どおり賛否を問うことが是であると思われる委員の方、挙手をお願いできますか。
98:
◯意見(
犬童委員) 要するに、私が申し上げたのは、各委員から出た意見を委員長としてまとめて、それを報告するということであって、これは皆さんの考えと一緒だと思うのです。そういうことで私は賛成ということです。
99:
◯委員長 それでは、委員長において決定させていただきます。
採否については諮らせていただきます。そのうち、特段の意見があれば
発言いただき、皆さん方の意見を最大限集約した形で議長にお伝えするということでよろしいでしょうか。
(「はい」と言う者あり)
それでは、議長から調査依頼のありました事項のうち商工労働関係について、本委員会としての意思を決定するため、採否を取りまとめたいと思います。
100:
◯意見(
岡崎委員) 委員長、それについて私は、広島版「産業革新機構」については反対で、ほかの議案については賛成ということを一つ設けてもらいたいと思います。
101:
◯委員長 採否は、この段階で諮らせていただきます。そして先ほど申し上げたように、皆さんの意見を十分に正確に反映するために、後ほど意見があればお伺いします。
102:
◯意見(
砂原委員) 条件つきでしょう。
103:
◯委員長 条件というのは附帯意見です。
104:
◯意見(
岡崎委員) 明確に書いてください。
105:
◯意見(
砂原委員) 私もこの事案についてだけ反対しているのであって、ほかの部分は賛成ですから、そういう言い方をされたら賛成に立たざるを得ないです。
106:
◯委員長 予算分離はないので、一括でお諮りするしかありません。
(5) 表決
県第1号議案外1件(一括採決) … 原案賛成 … 全会一致
なお、議長への報告書の中には、広島版「産業革新機構」については賛成ではないと
の附帯意見を付すべきとの意見があった。
(6) 付託議案
県第32号議案「広島県緊急雇用対策基金条例の一部を改正する条例案」外5件を一括
議題とした。
(7) 付託議案に関する
質疑・応答
107:
◯要望(
犬童委員) 全体を見ますと、非常に減額補正が多いです。1年間の最初の予算を組むときに、それだけの予算をきちんと、地域の県内企業に向けて支援していこうという気持ちが、若干欠けているところがあるのではないかと私は思うのです。いつもこうして大きく減額補正して、つじつまを合わせるやり方は問題があると思うのです。予算を組んだら、きちんとPRして、県内の企業に使ってもらうようにしてもらいたい。毎年、何十億円の減額補正を恒常的にされたのでは、何のために予算を組んだのかということになりますから、どの項目とは言いませんけれども、少し遺憾に思っています。何のために予算を組んだのかと思うのです。理由は聞きましたけれども、毎年こういうことが繰り返されてはいけないと思います。融資でも何でも相談を受けに行くと、いろいろな条件をつけて、結局、貸してもらえないことがよくあるわけです。減額補正が毎年ではいけないと思いますので、それだけ要望しておきます。
108:
◯質疑(
砂原委員) 今の関連なのですけれども、県費預託融資を予算の中に組み込むこと自体が間違っていると思うのです。だから毎回毎回、今、
犬童委員が御指摘のようなことが起こり得るわけです。県費を預託融資としてしっかりと用意したけれども、「借り手がいなかった」と、いつもそういう答えが返ってくるのです。借り手がいないのではなくて、貸してくれないのです。だからそれが使えない。それも、これはお金として予定しているものではないでしょう。具体的に言うと、融資を使ったらこれだけ使いますということでしょう。違いますか。
だから、これを予算に織り込むこと自体、予算と別会計で特別会計のような形で行うべきではないかと思うのですけれども、そのあたりはどう思われますか。
109:
◯答弁(金融課長) こちらの予算に掲げておりますのは、預託融資制度の融資枠を確保するために、金融機関に実績に基づいて預託金という形で預金するわけですけれども、その預金額を計上しております。ですから、委員御指摘のとおり、実際に使われなかった場合には、その予算額を預託する必要がございませんので、それが余る、今回の補正では、必要な部分まで減額させていただくものです。
110:
◯要望・
質疑(
砂原委員) 結局、ここで予算をたくさん食われて、ほかの予算が全然使えなくなってしまう傾向が毎年出ていると思うのですけれども、だから、本当は別勘定で行うべきで、私も、
犬童委員と同様に、予算の計上の仕方について、再度どういう手法がいいのかを検証してほしいと思います。要望しておきます。
それから、中小企業支援資金特別会計の4億7,100万円は、一般会計への繰出金と言われたのですが、意味がわからないのです。どういうことですか。
111:
◯答弁(商工労働総務課長) この中小企業支援資金特別会計につきましては、小規模事業者の設備導入の支援、中小企業協同組合の高度化の支援に取り組んでいます。これらの事業につきましては、一部事業を見直すことで、償還されている資金が入る、戻ってくるだけで、貸し付けに回っていない状況がございます。この資金につきまして、今回、いろいろと課題になっています広島版「産業革新機構」への出資、投資に係る経費に活用することがございまして、平成22年度予算で一般会計に繰り出す形で組んでいたものを減額補正する内容です。
112:
◯質疑(
砂原委員) これは、本来、中小企業支援の資金として特別会計で予定していたものでしょう。それを一般会計へ繰り出して、平成23年度のファンドに持ち込むのはいかがなものかと思います。中小企業支援の資金としてこれは使われるのではないのですか。
113:
◯答弁(商工労働総務課長) この特別会計は、まさに中小企業支援のための特別会計でございますが、先ほど申し上げましたとおり、事業の見直し等でその資金の一部が使われなくなって、滞留しておりますので、それを有効に活用する意味で今回の広島版「産業革新機構」の出資に充てることにしたものです。
休憩 午後1時47分
再開 午後1時47分
114:
◯答弁(商工労働総務課長) もともと今回、平成22年度の当初、中小企業支援資金特別会計の中で5億1,300万円ほど中小企業等から償還されるお金があるということで、返ってきたお金を一般会計に繰り出す予定で、一般会計にお返しする繰出金という形で予算を組んでおりました。それを、平成23年度に広島版「産業革新機構」という施策を考える中で、このお金と平成23年度に償還金として返ってくるお金を足しまして、平成23年度に広島版「産業革新機構」へ出資するお金にするという意味で、今回、減額補正したものです。
115:
◯質疑(
砂原委員) そういうことになったら、先ほど聞いたのですけれども、ファンドの資金を中小企業支援で16億3,200万円を予定しているというのは、これを取り込むことが前提だったわけですか。
116:
◯答弁(商工労働総務課長) 予算上ではそういうことになります。
117:
◯質疑(
砂原委員) ということは、先にファンドありきで、中小企業の支援資金を今後もう中小企業支援資金には回さない。それが返ってきたのだから、本来であればそれをまた中小企業の支援に回すべきです。そうではなくて、ファンドへ組み込むという考え方だったということですか。
118:
◯答弁(商工労働総務課長) 先ほど申し上げましたとおり、中小企業支援資金特別会計の中での事業の見直しにより、活用されないお金が出てきておりますので、それをこちらのほうに活用するという趣旨でございます。
119:
◯質疑(
砂原委員) それは、活用されなかったのか、それとも、もう支援するのを控えたのか、どちらなのですか。
120:
◯答弁(金融課長) 特別会計には2つの種類の性質がありまして、今、委員から御質問がありました繰出金の減額4億7,100万円は、高度化資金の中のものでございます。
高度化資金は、もともと、国の関係、独立行政法人の中小企業基盤整備機構と、それから県の一般会計のお金を合わせて事業協同組合等が高度化事業に取り組む際に融資をします。それを10年間、15年間かけて回収してくるわけですけれども、回収して毎年償還を受け入れるのがこの特別会計です。特別会計でその年の償還額を受け取りまして、今度は出資割合に応じて中小企業基盤整備機構のほうと、県の一般会計のほうへそれぞれ分けて、一般会計へは繰り出し、それから中小機構へは公債費の形で毎年返還していくという性質のものです。
ですから、この特別会計の中で資金が回るといいますか、返ってきたものをまた次の投資に回すという性質のものと、高度化資金の場合は性質が異なっておりまして、返ってきたものをそれぞれ国と県の一般会計へ返すものがあります。
県の一般会計へ返す5億円余りの額について、これを平成23年度にあわせて繰り出しする形にしようということから、今回、平成22年度の補正予算ではその部分を減額させていただいたという内容です。
(8) 表決
県第32号議案外5件(一括採決) … 原案可決 … 全会一致
(9) 一般所管事項に関する
質疑・応答
なし
(10) 閉会 午後2時5分
発言が指定されていません。 広島県議会 ↑ 本文の先頭へ...