(6) 請願を議題とした。
23-1「所得税法第56条の廃止」を求める意見書提出を求める請願についての意見交換
8:
◯意見(
松浦委員) この問題については、次のような問題点があり、不採択とすべきだということを申し上げる。それは所得税法第56条では、確かに配偶者などの親族に対して支払われる事業の報酬等は、説明のとおり必要経費に算入しないという規定がありますけれども、この規定を補完するものとして専従者控除の規定があるほか、青色申告の事業専従者については、所定の手続を経れば、必要経費への算入が認められております。それから、もう一つ、請願趣旨の中で憲法第14条、法のもとで平等に反するという記述がありますけれども、平成17年の最高裁に同趣旨のことについて憲法の法のもとの平等には反しないという判例がありました。
よって、請願は不採択とすべきであると考えます。同時に、ほとんどこれに近い請願が過去に出ております。それは、この委員会で審査しておりますけれども、平成21年の3月あるいは平成20年の7月、平成19年の2月に、いずれも同趣旨のものについて不採択となっているということを申し添えておきたいと思います。よって、不採択としていただきたい。
9:
◯意見(
宮委員) 意見書の表現は別にいたしまして、所得税法第56条の件ですが、この個人単位主義を徹底した際に生じる家族間での所得分割による租税回避行為を防止するために導入されたということになると、大枠の考え方では同一労働同一賃金というベースがございますので、政府にいま一つの見直しを迫る意味でも、意見書を出すということに一つ意味があるのではなかろうかというふうに判断いたしております。うちの会派でも随分議論してまいりました。従来は青色申告が妥当なのではないかと、そちらのほうに誘導すべきだろうという論調もございましたが、経緯をさかのぼって調べてみて、こういう見直しが必要な時期に至っているのではないかという意味で、請願について採択に賛成いたしたいと思います。
(7) 請願の審査結果
23-1 「所得税法第56条の廃止」を求める意見書提出を求める請願 … 不採択
… 賛成少数
(8) 一般所管事項に関する
質疑・応答
10:
◯質疑(下
森委員) それでは、1点、情報システムの最適化についてお伺いいたしたいと思います。
県におきましては、平成18年度に民間から中山
情報システム総括監を招いて情報システムの最適化活動を進められ、平成18年度から今年度まで5年間で17億円余りの改善効果が上がったと、先ほどの説明でありました。この情報システムの分野というのは、非常に専門性が高く、目に見えない部分が多いことから、専門家としての知識や経験を持って改善に取り組んでこられたことだと思いますが、例えば、どのような見直しによる効果が大きかったか、いろいろあろうと思いますが、重立ったものに何があるかということを、できればわかりやすくお伺いしたいと思います。
11:
◯答弁(
情報システム総括監) 見直しの効果が大きかったものの具体的な例という御質問ですが、今回の取り組みは先ほど説明いたしましたように、全庁的な視点をもって取り組んだことと、こういった姿勢で取り組んだことが総体として一定の効果を見出せた理由の一つかというふうに思っています。具体的な取り組みですが、コスト抑制効果が大きかった具体的な取り組み例という意味においては、調達の改善というのが大きかったのではないかと自分は思っております。IT調達の改善です。これは具体的に申しますと、より公平でより競争性の高い調達の実現に向けて、いろいろと努力をしてきた。随意契約をできるだけ競争契約に持ち込むというのはもちろんのこととして、競争契約を実施する場合においても調達前にできるだけ広く情報収集を行う、それから、できる範囲で情報公開もしていく、そういうことをすることで、より多くの事業者さんが参加できるような環境づくりを一生懸命やる。その結果、競争性の高い調達が実現されて、結果的に安価でいいものが入ったというようなことが大きかったのではないかと思います。今のも、ある意味、余り具体的ではないのですが、そういう調達努力をした成果の一例として、昨年度は職員が使うファイルサーバーというものを調達しました。このとき、今申し上げたような競争性を高める努力をしたことで、年間効果額として1億円を超えるような効果を出したような事例もございます。
12:
◯質疑(下
森委員) なかなか専門的なことですが、今のはわかりやすかったと思います。
中山
情報システム総括監は、この3月をもって退任をされるということも伺っております。民間から県に来られていろいろな御苦労をなされたと思いますが、これまでの5年間の取り組みの中で特に苦労した点、また、今後の県の情報化政策の推進に当たって、先ほど今後の取り組みについても話していただいたわけでありますが、特にこんなことをしたらいいという御助言があれば、お伺いしたいと思います。
13:
◯答弁(
情報システム総括監) まず1点目の苦労した点ということなのですが、私は平成18年度に着任して以来、情報政策課の支援スタッフの職員の皆様、あるいは関連する多くの職員の方々から本当に手厚いサポートを受けました。自分としては本当に気持ちよく仕事をさせていただいたというふうに思っております。そうした意味において特に苦労したということはありません。ないでは、余りおもしろくないのですが。
一つだけ印象に残った点というのは、実は今まさに答弁させていただいておりますが、今回、常任委員会に参加させていただいたことは非常に印象に残ったと思っています。民間人としてなかなか経験できないことであり、本当にいい経験をさせていただいたというふうに感じております。
2点目の今後の施策に関しての助言ということでございますが、先ほど3つのテーマを挙げさせていただきましたけれども、一番大事なのは、3つ目に御説明したITの利活用の推進であると私は思っています。この利活用を進めるに当たって特に留意していただきたいのは、職員さん一人一人がやはりITの利活用を自分の問題としてとらえて、考えていってほしいというふうに思っています。御存じのようにITは、もう社会の隅々まで普及して特別なものではない、日用品という状態になっていると思います。したがいまして、ITの利活用を専門の部隊で考えればいいのだという時代ではない。やはり現場にいる職員の皆さん一人一人が自分の現場を改善するために、県民の期待にこたえるためにどうITを使うのか、これを考えていっていただきたい。県は今、チャレンジビジョンを初めとして組織目標を掲げられておりますが、今後、そうした組織目標の達成に向けて、ぜひともITの利活用を進めていっていただきたいというふうに考えております。
14:
◯要望(下
森委員) 一つだけ要望しておきます。
これまで5年間取り組んでいただいて、なおかつ17億円余りの改善効果、いわゆる予算の無駄を省く上で大きな成果だと私は高く評価いたしております。また、金額にあらわれない部分においても、さまざまなサポートをいただいたのではないかと聞いております。中山
情報システム総括監の5年間の御尽力に対して、心から感謝を申し上げたいと思います。また、県におきましては、今まで得た知識やノウハウを決して無駄にすることなく、この効果を継続させ、さらなる改善にしっかりと取り組んでいただきますように強く要望いたします。御苦労でございました。
15:
◯答弁(
情報システム総括監) 済みません、1点だけ、言わせてください。
今回、一定の成果は得たわけですが、先ほど申しましたように、調達の改善とかいろいろやってまいりました。その取り組みの中で、やはり現場の担当の職員さんがかなり苦労されてきています。それから、今回の成果というのは、本当に各所管課の職員さんが一生懸命やった成果であるということを言いたかったのです。済みません、御理解いただきたいと思います。ありがとうございました。(「御苦労でした」と言う者あり)
16:
◯質疑(
岩下委員) 私が今、手元に持っているのは、きょうの1時半から開会予定の行財政改革・分権改革推進特別委員会の資料で、その資料番号の2に平成23年度組織・定員の概要というものがございます。そこでお尋ねしますけれども、この資料については
総務委員会にまだお示しいただいたことはございませんが、その理由はどういうところにあるのでしょう。
17:
◯委員長 今の県第21号議案と県第22号議案については特別委員会のほうに付託すると本会議で決定しておりますので、議長のほうでそういう振り分けをされているということを理解いただきたいと思います。
18:
◯質疑(
岩下委員) 本会議で議長から、県第21号議案と第22号議案について行財政改革・地方分権改革推進特別委員会に審査を付託することをお諮りされ、これについて同意したわけです。その条例案の内容を見ますと、恐らく県第22号議案だと思いますけれども、総務局と企画振興局、この企画の改編を行って企画振興局の一部の機能を総務局に移すという条例案でございます。私がお尋ねしたいのは、この平成23年度組織・定員の概要の資料の中身を見ますと、その部分もございます。しかし、それ以外にいわゆる職員の処遇もしくは人事的なものに関する変更も含まれているように感じます。それについては、私は、付託をされていないと思っているので、一般所管事項の中でお尋ねさせていただきます。
19:
◯委員長 一般所管でやってもらう分には、結構でございます。
20:
◯質疑(
岩下委員) それでは、質問に移ります。
まず、今回のこの資料によりますと、いわゆる局長、部長、課長の三層構造を局長と課長の二層構造に転換すると最初に書いてございます。それで部長クラスに新たに特別な任務を命じて、それに対して幾つかの課を機動的にコントロールするという案のように思えます。そういうのは御説明を受けていないので、この資料を見ただけでの私の推測ですから、それについてはいかがでしょうか。正しい理解でしょうか。
21:
◯答弁(
行政管理課長) 今回の部長の見直しのねらいでございますけれども、多様化する、あるいは複雑化いたします行政ニーズに対応するものでございます。県の組織そのものの縦割りとか、あるいは県民起点を踏まえた機能的な施策転換といったものの課題がございますので、そういったものへ対応するために、本年度策定いたしました「ひろしま未来チャレンジビジョン」などの戦略を踏まえまして、それを着実に実行し、成果を上げるための見直しでございます。
22:
◯質疑(
岩下委員) 今お答えいただいた部分は、むしろ行財政改革の特別委員会で議論されるべき内容だと思うのです。私は、
総務委員会で議論すべきは、やはり職員の人事的な構造が変わってくるわけなので、その部分についてお尋ねしたいと思います。
今、もともと局長さんに対して各部長さんが報告するという部分があります。それから局長さんのほうから部長さんのほうに指示するという関係で上下関係ができているわけです。その次の階層が今度、部長と課長との間にまた同じような関係があるという形で一つ組織ができている。今回は、それを局長さんと課長さんにまずつなげた、ということは、各課長さんのほうは局長さんに対して報告するという義務が生じている。局長のほうから課長に対して指示をするという責務が生じてくる。そこに特別な職として、いわゆる部長さんがまたできているわけです。その部長さんの位置づけがよくわからないのです。人事考課上、やはりその人の評価をだれがするかというのは非常に重要な要素だと思うのです。今、この資料を見ますと、人事評価はどうも局長さんがじかに課長さんの評価をするように感じられます。それについてはいかがでしょうか。
23:
◯答弁(人事課長) まず、部長の評価は局長がいたします。課長の評価なのですけれども、ここは今から決めないといけないことなのですが、部長の担当の課、業務上の担当の課というのがございます。課によっては担当部長がいない課もございます。そういう課長の評価というのは局長がしないといけないという整理になろうかと思いますけれども、そこら辺の仕分けはこれからきちんとしていきたい。
24:
◯意見・
質疑(
岩下委員) この組織改革は4月1日からやられるというふうに理解していいですね。もう1カ月ないのです。そういう状況で本当に組織の変更ができるのですか。ちょっと信じられない気持ちでいっぱいです。やはり組織、特に命令系統を変えていくということなので、これは大混乱に陥る可能性もあるわけです。私は一体だれに報告しなくてはいけないのか、だれがその責任を負うのかという非常に重要なことです。特に、現場を抱えているようなところというのは、非常にそういったことが、もし混乱を来すと、いろいろな安全上の問題ですとか、労務管理の問題といったことにつながる危険性もあるわけです。そういう意味では先ほどのお答えでは、私としてはちょっと大きな問題があると、まず思います。
それから次に、だれに報告する、だれが自分を評価してもらうというのは、やはりはっきりしないといけないと思うのです。どうも先ほどの答えを聞くと、部分的には局長に直接みたいな課があるので、それはいいです。当然、納得性があるのですけれども、今までやはり部長さんがいて、それで動いていた課が幾つかあって、その中の何かの部分はひょっとしたら局長さんにじかに、もしくは部長さんのほうに言わないといけない。何となく混乱が起きそうな気がするのですけれども、そういったところの整理というのはできているのでしょうか。
25:
◯答弁(
行政管理課長) 部長の見直しに伴いまして、具体の任務の特定と、それに伴います業務の範囲についての見直しにつきましては、現在も各局と進めているところでございまして、それぞれの必要な業務につきまして、例えば、専決権でありますとか、その服務の関係でありますとか、あるいは先ほどの目標管理といったものについての整理を、現在しているところであります。いずれにいたしましても、その所掌する施策は着実に遂行されるように、そういった混乱が生じないような形で導入が図られるように早急に整理してまいりたいと思います。
26:
◯質疑(
岩下委員) 混乱が生じたら当然困るわけで、混乱が出なくするのが当然だと思うのですけれども、あと5週間ぐらいしかないわけです。課長クラス以上が県に一体何人いらっしゃるのですか、そういうふうな状況でそれぞれの方にしっかりそういった内容を本当に周知徹底できるのですか。非常に心配ですけれども、これはどうお考えですか。
27:
◯答弁(
行政管理課長) 先ほど申し上げましたように、ただいまそれぞれの部長と課長との関係を含めまして、各局と整理しているところでございますので、4月1日までには、そういうことについてもきちんと整理する予定でございます。
28:
◯質疑(
岩下委員) そこの命令系統が混乱するのではないかという疑念と、それからもう一つ、これが一番問題だと思うのですけれども、部長さんのモチベーションは一体どうなるのかというところです。今は、局長さんに報告しているのは明らかに部長さんです。それから課長さんのほうから報告を受けているのは部長さんです。けれども、組織が変わったときに、そこにかなり混乱が生じて、もしくは今までは報告が上がってきていたのに何かすっと局長さんのところに行ってしまうとか、そういったことが起きないのでしょうか。部長さんのモチベーションが相当下がるような気がするのです。部長さんは今もかなりの数いらっしゃいます。もし、通常の組織変更をこういうところで、いきなり全部やってしまうと、全部の部長さんに自分の今の位置づけはどうなのかという疑問が生じてくるのだと思うのです。そういうことに対しては、どういうふうな形で各部長さんのモチベーションを保とうとしているのか、お伺いいたします。
29:
◯答弁(総務管理部長) 今御指摘された部長の一人として答弁させていただきますけれども、今回、部制、組織としての部を廃止して特定任務、特定分野を所掌する部長をつくるということです。それは、最初、
行政管理課長が申しましたように意思決定を迅速化したいということ、あわせて県庁、県政を取り巻く状況が目まぐるしく変化する中で機動的・迅速な対応をしていきたいという一つのねらい、それともう一つありますのが縦割りの弊害、それぞれ局、部内の横の連携をしていきたいと、この2つを考えたところでございます。
本県の場合、平成の半ばから組織につきましてフラット化といいますか、そういう形で課を室にして100から150ぐらいにふやした。一方、そういう中で余りにも縦割り過ぎるということで、その後、大くくり化というような形で進めてきております。今、県庁の組織の基本である課については、おおむね大体のところに落ちついてきたのかと思っております。今、本庁で大体90ぐらいになっております。今回そういう中で課についても、その担当する業務について変更するというようなことでわかりやすく、商工労働局とか農林水産局については販売戦略とか次世代産業とか産業人材育成というような形でちょっと再編はしておりますが、大体基本の課については済んだ、それでは、それ以上のことをどうするかといったときに、今議論になっております部長でございます。
本来であれば、おっしゃるように局長と課長といいますか、局の中で局長の方針、県庁の全体の方針をわかりやすく課長、課員に伝えて、また、その現場で起きているような状況を施策に反映していくというような形でやるべきところで、それはやり方については、それぞれの局の施策の状況なり、その局長なりのカラーもありますので、そこらあたりを見てやるという形で本来、部長がすべきだと思っております。省みたときにそれがすべての段階でできているかといったときに、ややもすれば、部長と組織としての部ということ、それを管理するということで、反省点とすれば、受け身といいますか、課から上がってくるのを待つといいますか、そういうところもあったかもしれない。
また、局としての最高責任者、局長がいるわけですから、いろいろ方向性を示した上でその判断を仰げばいいのですが、ややもすれば、局長のところへというような形があって、その部長をどう活性化していくか、組織としての管理というものを前面に出すよりは、特定任務、特定要員として、こういう仕事をあなたはしてくださいというのをはっきりした上で仕事に当たっていただく。あわせてこの権限についても局長からきちんとおろしてその部、与えられた任務については、部長さんが責任を持っていけるような形にしていくということで、今回、組織としての部をやめて特定任務等を担当する部長職という形のものにする。
現在、知事部局で申しますと、部長が25人おり、今回見直しをして24ということですが、大きく部長職が変わる、部長の数が変わるということはございません。そういう形で人数をはっきりした上でやっていただく、ある意味あなたに任すのだということで、部長のモチベーションが下がるということがないようにしなくてはいけないし、下がることはないと思っております。また、部長としても、そういう任務を受けてきちんと業務を遂行していくということでやっていただけるような形にしてまいりたいと思います。
それと、もう1点、従前ございました服務とか、いろいろな形のものでございますが、先ほど申しましたように、基本的には県庁の施策、実際の業務等は恐らく課がしていく。そこは大体整理したというか、まとめたと思っておりますので、それより上の形をどうしていくかについては今回、まず、部長のところの活性化を図るということで、その部分を踏まえながら今後もどういう形のものがいいのかというのを考えながらやりますが、少なくとも今、委員が御心配された点がないような形で、あと時間も少ないですから、きちんとやらせていただきたいと思います。
30:
◯意見・
質疑(
岩下委員) 建前のお話だったと思うのです。やはり人事的なものというのは、それだけ簡単な話ではないので、私が今回の見直し案を見て感じるのは、部長さんから見たときに、言ってみれば少し悪い言い方かもしれないのですけれども、格下げみたいに感じる方が中にはいらっしゃるはずです。言ってみれば、課長職と部長職が何となく横並びになったような感じを受ける方がいらっしゃるはずです。それから、課長さんの中で、これは直接、局長さんに話をするということでモチベーションが上がる方もいらっしゃると思います。この見直し案の中では、そういうようなことが起きてくる危険性が非常に高いというふうに思います。私も民間の経験の中で似たような組織変更を経験していまして、その中で起きていることというのは、やはりそういうことなのです。
だから、私が一番気になるのは、この部長さんたちの今後のモチベーションを継続してやっていただくというのは、やはり非常に大変なことだと思いますし、最初の1年、2年は納得してやっていただけると思うけれども、そのうちに実質的には何となく課長さんと横並びになるのではないかというふうに感じます。むしろ、そういう見直しをやるのなら、思い切って部長、課長といったような呼び方も変える形でやらないと、本当にすっきりとした組織の移行にはならないのではないかと思うのです。そういうふうに思うのですけれども、どう思われますか。
31:
◯答弁(総務管理部長) 先ほども申しましたように、今までの取り組みと今置かれている部長の状況を見て、今回、こういう形で施策を進めていく上では、こういう形で任務したほうがいいという判断でやりました。それで1年、2年ということがございましたが、いずれにしても恐らく課の単位は別だと思うのですが、多分それより上の部とか局とかについては、どういう形のものがいいかということで、多分ずっとついて回る課題かという気は一方でございます。ただ、そうはいいましても、いきなり全部を大きくというところまでは、ちょっとまだ踏み込めていないものですから、本当にどういう形の組織がいいのかというのを一方で考えながら、委員が御指摘された職員、局長さんなり部長さん、課長さんのモチベーションも維持しながら、両方をにらみながら、今後の組織というものは考えさせていただきたいと思います。
32:
◯要望(
岩下委員) 私の意見を参考にしていただいて、実際の実施に当たっては、これこそ間違いなく深く影響を受ける方の御理解が本当に大事だと思いますので、それを徹底していただくようにお願いしたいと思います。
33:
◯質疑(城戸委員) 1点、今の関連で聞かせていただきたいのですが、部長と局長、部長が絡むほうの決裁権はどこにあるのですか。部長なのですか、それとも局長なのですか。
34:
◯答弁(総務管理部長) 決裁権は専決とか、基本的にこういった事項については局長、また、こういった事項については部長、こういった事項については課長という形で運用しています。
今回の局長の職務に権限が任されている決裁について、ではどうするかということで今、最終的には各局と整理していますが、基本的な考えとすれば、業務の効率化、業務改善と意思決定の迅速化ということもあるので、基本的には局長に付与されている決裁権限について、できる限り課長で可能かどうかと……(「課長」と言う者あり)課長でやって、課長では不適当だと、課長までおろせないというものについては一たん局長に返って、先ほど申しました特定の業務、任務にかかわるものについては部長にするという方向がいいのかと思っています。今、決裁権限をいろいろ効率化、簡素化していくという中で、今は共通的な金額で縛るとかではなくて、業務本来、その特定の業務に係る決裁があります。その部分について今、局長とか部長の権限になっているものについて可能な業務、共通分は除いて課長で可能かどうか。可能でないときは、その特定分野について局長ないし部長がするというような形でしたいと思っています。
35:
◯意見・
質疑(城戸委員) 老婆心ながらつけ加えたいと思うのですが、今の話で決裁権がいろいろな分野で局長、部長、課長とあったと思うのですが、そこで局長の決裁権を一たん課長まで戻せるかどうか検討する、おろせないとなったら部長に。迅速に進めるというのが前提条件ですから、確かに決裁をする人間の数を減らさなければ迅速なものにならないということからいくと、課長までおろせれば一番いいのでしょうが、おろせなかった場合に局長に戻していったら、部長さんというのは今まで一体何の役割をしていたのかと、結局、部長は要らないのではないかという話になりませんか。
何となく今の話を聞いて、課長までおろせるのなら部長は要らないような気がするのですが、決裁の迅速化、人を省くことによって迅速化するということが果たして本当に迅速化なのかどうか、私は聞いていて非常に疑問に思うのです。迅速化でするものと人を省いて早く決裁するというより、完全な決裁権、誤った決裁をすることがないほうが公務にとっては必要なはずです。数が少なくなることによって、誤った決裁をしてしまう確率が高くなるというのでは何の意味もないわけです。その辺を聞いていて、今度の組織の変更のそういうところが意外と我々議会に何の説明もないです。
過去にはずっと、こういった大きな変更をする場合には、いわゆる住民の意見というものを聞いていたにもかかわらず、今回は全く聞かずに事務の迅速化ということだけで二層構造に変えると言われるのですが、完全に決まっていて説明してもらえるのならいいですが、説明も4月までにと言われて4月になったときに、いや、こうこうでだめだったというのでは、何か余りにも不遜な決め方だろうと思うのですが、これはひとつ意見として言わせておいていただきたいと思います。別に答弁は要りませんが、何かここのところ、ちょっと変な感じで決めてこられることばかりが目立つ気がします。これは、意見として言っておきたいです。
1点ちょっと教えてほしいことがあるので、よろしいですか。
この間、山陰中央新聞に、鳥取県が、各市町村が合併したけれども市の運営そのものが難しくなったので、経費節減のため、統一地方選の投票所の統合をした、その投票所の統合で過疎地では投票所に人が行けない、年寄りがなかなか行けないということから、統合した投票所へ選挙管理委員会が投票日にバスを運行し、市町の選挙管理委員会がバスを出したといって県に申請すれば、県の選挙管理委員会がそのバス代を全額負担することになったというのが出ていた。鳥取県議会では、有権者の移動を支援して、公平な投票機会を守るよう求める決議をしている、だからこれができたと新聞に書かれておりますが、こういうことをやろうとしたら広島県でも決議が必要なのですか、そこをちょっと聞きたいのですが。
36:
◯答弁(地域振興部長) まず、本委員会には選挙管理委員会が出席しておりませんので、予算の所管をしている地域振興部のほうの意見としてお答えをさせていただきます。
投票機会をどう確保していくかというのは、選挙事務の円滑な施行にとっても、投票率の向上にとりましても特に重要な問題でして、そういう意味で県の選挙管理委員会のほうも取り組んできていることだと思います。投票所への足を確保するために市町あるいは市町選挙管理委員会においてバスを手配し、運行するということ自体は現制度で禁じられていることではございません。ただ、これまでもいろいろ議論があるところなのですけれども、選挙事務の執行上、一定の候補者の誘導にも当たるのではないかという御意見も若干ございまして、そこは適切な形で各市町において御判断いただき対処するというふうに思っておりまして、また、経費の問題につきましては、現時点では当然その部分を直接的には盛り込んではおりません。ただ、今、国政選挙について少し国のほうも動きがあるのですけれども、やはり高齢者等の選挙機会の確保をどう図るかという大きな問題だということで、真にやむを得ないものについては何らかの措置も必要ではないかというような議論も国のほうではされているようでございますので、そういった動向も見ながら検討してみたいと思います。
37:
◯意見・
質疑(城戸委員) 実は私どもの地域も投票所の統合が行われたのですが、市の選挙管理委員会で全部を決められるわけです。ここが投票所ですという格好で一方的に決める。年寄りが2キロ以上歩かないと投票に行けないという状態になっているのです。当然、過疎地ですからバスはありません。年寄りばかりですから乗用車もない。もう歩く以外にない。選挙管理委員会の人に「歩いていけと言うのか」と言ったら、「昔は歩いていたでしょ」と言ったそうです。昔と今、その昔は確かに私たちも若かったから歩けたけれども、今、この年になって歩けというのかという話になって、言い合いになったそうですが、そういう状態でも金がないからといって統合になる。金がないからです。
今、金がないからといって労働基本権に匹敵するような基本権である投票権を奪うようなこと、今、海外にいる、海外に従事している出張者の人たちも投票できないかというので、いろいろな補助を出そうという動きの中で、今現在住んでいて年をとったというだけで投票ができない状態になるというのに、何にも手が差し伸べられないというのは、いかがなものかと私は思う。これは選挙管理委員会で決めることだけでいいのか。自分たちがいろいろな福祉を受けたい、いろいろなことをやってもらいたいと思っても、そういう人たちの選ぶ権利を行使できない。自分の体が悪いからといって投票に行けない。病院に入っていれば投票ができるわけです。でも、自宅療養している場合では投票に行けないわけです。それがちょっとの間なら家族が連れていくということもできていたのだけれども、また、近所が連れていくということもできていたのだけれども、遠くまで行けといったら、とてもではないけれども、行かれないわけです。
そういう中で鳥取県はこういうことをやった。一つこういうことをやったというものが出れば、広島県も呉市もこういうことは考えなかったのかといって多分議論になるのだろうと思うのです。たまたま私は、この新聞を見て聞いたから、こういうふうに言うのですが、ほとんどの人はこれを知らなかった、だれも黙っていて言っていないのです。でも、やはり私はこのぐらいのことを考える必要があると思う。市町村合併をやって何か安くなって助かったというのならいいのですが、市町村合併しても一つも経費が出てこなかったというような状態のときに、これを切っていくというのは、何だこれはと私は思います。それで建設は切られる、住民のものは皆切られていっている。にもかかわらず公務員の給与は切らないという。我々は投票権まで切られるのです。果たして本当にこういった状態でいいのかどうか、これはちょっと本当に考えてもらえないか、決議しておけば何とかなるのであれば……。今回、間に合う、間に合わないということではないので、いわゆる国政もあるだろうし、今、国でも考えているそうですから、やはりこういうことで決議をしておけば、できるのであれば、やってほしいと思うのですが、これについてどうでしょうか。
38:
◯答弁(地域振興部長) 決議の話につきましては、議会としての意思ということでございますので、それがないと今回、委員がおっしゃったような議論ができないということではないと思います。それと特に中山間地域においても車が運転できない、あるいは移動が非常に難しい、例えば、高齢者の方々に対してどういうふうな移動手段を確保していくかというのは重要な問題でして、これは選挙に限らず生活交通全体の問題でもあろうかと思います。また、福祉の問題でもあろうかと思いますので、そういった点は、引き続き市町のほうからいろいろ話を聞くこともしながら、県としてはしっかりやっていきたいと思っています。
39:
◯意見・要望(城戸委員) しつこく言うのも何ですが、うちの島のほうでは3つの村が一緒になって投票するところがある。それが真ん中の投票所ならわかるのですが、一番端になっているのです。ここの端からこっちまで行くのは、とてもではないけれども無理だと思うのですが、どうやって行けばいいのかと思うようなところでも合併になっているわけです。ぜひとも投票率を上げなさいと言いながら、投票率を下げるようなことを行政そのものがしていっていいのかどうか、そういうところから、もう少し反省をするなり何かの対策を講じるなり、あれは市町の選挙管理委員会がやるからいいのですと言って、選挙管理委員会はもう何か全部、県も国も市も別々ですという感覚でやられたのでは、何か変な感じなのです。もう少し連携をとって対策を講じるようなことをやっていただかないといけないのではないかと思いますので、所掌は地域振興部の中にあるようですから、そのあたりを地域振興部長として、いろいろ考えられるところはこうだったというのを選挙管理委員会の方に言っていただきたい。よろしくお願いします。
40:
◯質疑(門田委員) 私は、かつて一般質問をさせていただいたときに、時間がなくなって、知事の答弁について私が申し上げたこととちょっと違う部分で、言ってみれば、答弁をしていただけなかったということがありますので、あえて聞きたいのです。実はきょう、戦略的広報の強化方策という説明をいただきました。このねらいは当然、発信者中心から県民起点へということがしっかりとあります。これがまさに広島県がどういうふうに発信していくか、広報するか、それぞれ意義があると思います。
しかし、それはそれとして私がこの前質問しましたが、例えば、県が市町に住宅用太陽光発電などの補助金を出しています。あれは7万円だったですか、出しています。ではその7万円が県を通って市町に出るという部分が住民に伝わるときに、私の地元は福山市ですが、福山市はこうこうでこういう補助制度を持っていますと住民にPRします。住民は当然それを知るわけですが、そのときに私が具体的に体験するのは、市はしてくれるけれども、県は何もしてくれないのかという話なのです。それが1件ではなかったから、私が聞くのです。つまり、ほかの補助制度はいろいろある。しかし、それが市町を通ったときに住民にどういうふうに伝わっているのか。逆に言えば、県の存在というのが住民に見えないのです。だから、県はこんなにいっぱいいろいろなことを戦略的におやりになる。それは結構なのだけれども、県と市町がもっと連携をとってお互いの立場を尊重した広報、住民に密着しているのは市町ですから、そこの部分で何かできないのかどうか。私は、県は何もしてくれなのかと言われてショックを受けました。でも、今の仕組みでは県が隠れてしまっているのですから、やむを得ないと思いました。その点はいかがですか。
41:
◯答弁(広報課長) 施策にもよりますけれども、委員がおっしゃるように、往々にして市町を窓口にして直接住民と接触できるのは県よりも市町だという施策が多くございます。それは都道府県というものの性格にもよるのだと思うのですけれども、いずれにいたしましても、県がある意図、思いを持って構築した施策については、そうであればあるほど、おっしゃるように県の思いがしっかり伝わるような、顔が見えるようにということでしっかりと市町との連携もとっていかなければいけないというふうに思います。ということで、扱われる施策・事務によるというところもあろうかとは思いますけれども、県の思いが込められている施策については、特に連携を深めて県の顔が見えるようにするということでやっていく必要があると考えております。
42:
◯質疑(門田委員) 施策の内容にもよるという部分は若干あるかもしれません。しかし、いずれにしても、県がそれだけのことをしているということは、別に特別深く考えなくても住民に伝えればいいではないですか。しかし、それがダイレクトに、例えば、知事の記者会見がどうあれ、だれがおやりになっても、それは何となく聞くだけで通してしまうのです。右から左に抜けてしまうのです。直接的には、住民にはやはり市町を通したほうがインパクトが強いのです。そこを本当に発信したいのであれば、きちんとしないと、言葉は不適切かもしれないが、県の存在は中二階、県議会議員も中二階というふうなことになってしまうのです。だから、広報活動というのも本当に県民起点であったら、県民起点でもう1回考えてほしいというふうに私は思います。審議官が手を挙げかけられたので、答えてください。
43:
◯答弁(経営戦略審議官) 今の門田委員の質問の中で、二つほど我が身、我々のことを振り返って課題があるというふうに思いました。
一つは、最終の県民の方々に対して、例えば、県が市や町に助成するということは、最終行動に移していただきたいという県の政策の意図があるわけですから、それが最後のところの市町の熱意しか伝わらない、しっかりとやってほしいという県の政策の意図がそこに伝わらない、そこをきちんとラインを通すという課題が一つ御指摘としてあったと思いました。それと、それをやるからには、されど受け手は県民あるいは市民の方々ですから、県の広報と市の広報がしっかりと連携をとってお互いの政策意図であるということが伝わらなければいけない。県の政策の意図がしっかりと伝わるような広報をやれということと、それに当たっては市町と連携をとるべきはとれという2つの御指摘があったろうと思います。言ってみれば、今回の広報戦略の中で少し意は尽くしていませんけれども、そういうこともやっていきたいというところは、一番大きなねらいとして書いております。
ただ、今、委員から御指摘のありました県と市町の連携をどう図るかというところは、この広報の中にはなかなか薄いと思います。ですから、そこは今御指摘いただきましたので、その点を加味して県庁の横の連携だけではなくて、市や町あるいは国と連携をとってやっていくという御指摘だと思いますので、我々も平成23年度から広報を進めていく上で、それを十分頭に入れて取り組んでいきたいと考えております。
(9) 閉会 午後0時15分
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