6:
◯要望(
砂原委員) ごく少数の警察官の不祥事が警察官全員に対する不信感に変わってしまいますので、そういったところをしっかりお願いしたいということと、従来どおりのやり方ではなく、広島県警として新たな警察官の指導方法について再度考えていただきたいということを要望して終わります。
(5) 表決
県第1号議案 … 原案賛成 … 全会一致
(6) 付託議案
追県第1号議案「平成22年度広島県一般会計補正予算(第7号)中所管事項」を議題
とした。
(7) 付託議案に関する
質疑・応答
なし
(8) 表決
追県第1号議案 … 原案可決 … 全会一致
(9) 一般所管事項に関する
質疑・応答
7:
◯質疑(
野村委員) ただいま説明がありました少年非行等の概要についてですが、今、全体としては「減らそう犯罪」ということで、これまで大きな成果を上げてこられて、しかもこれからは「なくそう犯罪」ということで次のステップに進んでいかれようとしており、そこは非常に皆さん方の努力に敬意を表するわけです。一方では、今説明がありましたように、少年非行がどちらかといえば増加しているということは、将来、少年非行はやがては犯罪に行くわけですから、そういう懸念をしているわけなのです。今、学校とか保護者といろいろと連携をとりながらということですが、これは言い方を変えれば今までも行っていたと思うのですけれども、これに対して、新たにどういったところをつけ加えようしておられるのか、具体的なところをお伺いします。
8:
◯答弁(
生活安全部長) 今、委員御指摘のとおり、平成14年以降、中学生の検挙、補導数が高校生を上回るなどの低年齢化が進んでおります。このたび「なくそう犯罪」ひろしま新アクション・プランでは、少年総合対策の推進を掲げておりまして、積極的な街頭活動の強化や防犯教室による少年規範意識の醸成・向上を図るためにすべての学校に対して行い、特に、今度は中学生よりも小学生の高学年を対象に犯罪防止活動を行って歯どめをかけていきたいと思っております。いずれにいたしましても、警察のみの対応でできるものではありませんので、地域の皆様と一緒になって、こういった問題に対して取り組んでいきたいと思っております。
9:
◯質疑(
野村委員) 今の意見はよくわかるのですけれども、実際ここにもあるように、初動型非行がふえたり、あるいは今言われた小学生とか中学生など、犯罪が低年齢化しているということは、これはやはり大きな問題として、教育環境、学校現場の指導が大きく影響すると思うのです。その指導を警察が主体的にするのか、学校か教育の現場が主導的にするのかという問題もあるので、教育委員会や現場としっかり話をされてするのがいいのではないかと思うのです。というのは、例えば、スクールサポーターとかいろいろな制度を盛っておりますが、それが果たして学校にとって効果があるのかどうかということも、もう一回見直して検証されたらいいと思うのですが、その件についてお伺いします。
10:
◯答弁(
生活安全部長) スクールサポーターの運用につきましては、教育委員会、学校の要請に基づいて参っております。そして、学校に行くことは、やはり警察から来ているということでかなりの効果があると言われております。確かに、本来ならば学校のことは教育委員会や学校でするべきですが、今、対応がなかなか難しいということでスクールサポーターが入っております。これらにつきましても、直接、現地の学校、教員と話をしながら、少年の健全育成に当たっていきたいと考えておりますし、話も進めております。
11:
◯要望(
野村委員) よくわかりましたが、ただ一つだけお願いといいますか考えていただきたいのは、都市部と我々の住んでいる山間部とは状況が違うのです。今犯罪は山間部でも発生している。そうしたときに同じような対応をしていくと、いろいろな意味で無理があると思うのです。だから、その地域の状況に応じて判断していただきたい。これは要望ですが、お願いします。
休憩 午前11時5分
再開 午前11時7分
[商工労働局・労働委員会事務局関係]
(10) 調査依頼事項
県第1号議案「平成23年度広島県一般会計予算中警察・
商工労働委員会所管分」及び
県第7号議案「平成23年度広島県中小企業支援資金特別会計予算」中、広島版「産業革
新機構」に係る事項を議題とした。
(11) 調査依頼事項中広島版「産業革新機構」に関する
質疑・応答
12:
◯質疑(
岡崎委員) 3点くらい質問させていただきたいのですが、今の案でいくと、まず、県が出資してファンド会社をつくり、ファンドへ県が40億円、民間が60億円、トータル100億円を出資という中で、単純に我々が出資者としてファンドへ出資する魅力からいうと、このリターンは国債利回り並みを一応目標とするということでございます。それならば、何もこのようなリスクを冒さなくても、国債を買って寝て待っていれば、国が破産しない限りは、まずその利回りは担保できるわけです。そうした中で、このファンドの30%は運営会社へ持っていかれるわけです。だから、現実的には100億円を出資しても70億円しかネットとして出資するお金がないという非常に不利な状況です。12年間で1.67倍を確保して初めて1.3%の利回りが得られるというような中で、単純にもうけだけを考えた場合、県は別として、そのようなものに出資するということはちょっと理解できないのですけれども、局長はその辺をどのように感じておられますか。
13:
◯答弁(
商工労働局長) ここでは、最低でも今の安定的な資金運用である国債の利回りを下回るようなことがあってはならないという考えで試算いたしており、もちろんこの投資事業につきましては、当然、それ以上の成長率が期待されると、我々としては考えている状況でございます。
それともう一つ、100億円の規模で実質70億円の投資と指摘されましたが、通常、ファンドにおきましては、当然、管理経費がかかります。産業革新機構だけが管理経費をたくさん取って、投資に使える部分が少ないというものではないと理解いたしております。
14:
◯意見・
質疑(
岡崎委員) それはもちろんそうなのです。ファンドは概してそういうものであって、リターンを単に目的とする場合において、いずれのファンドというものも、最初から2.5%の手数料が完全に取られるわけですけれども、株式の場合は証券会社の手数料はかなり低利になっているようです。その辺の不利な面において魅力がそこまであるのかという点と、僕の感じ方として国債の利回りをクリアするだけでも大変厳しい状況にあるのではなかろうかという点を言っておきます。
もう1点は、本会議の質問で知事が補助金と貸し出しと出資の3点を比較する中で、私どもは、公としてのあり方について、知事との感覚の違いを非常に感じたわけでございます。今まで、補助金は、県なり国の政策の一つとして民間の活力を活用する中で、呼び水として政策をその方向へ持っていくための一つの手段であったと思うのです。貸し出しにおいても、やはり中小企業の支援とか、緊急的なアクシデントによる倒産防止とか、あるいは設備投資を促進するとかいろいろな意味合いの中で、そうした貸し出しと補助金とで産業振興を図ってきた。これは言うならば、万人に与えた平等なる政策で、その一つの政策の方向性を見出していこうという意味があった。それを、リターンとリスクの問題に言及して比較することは、公の立場として、非常に違うのではなかろうかということを私は強く感じたし、もしそういう感覚ならば、今後、商工労働局が出資を主眼して遂行していく危険性を非常に感じたわけです。県としては、やはり公平、公正な面において、補助金、貸し出しという、みんなにチャンスを与える環境を整備していく政策に重点を置くことが一番であると私は思うのですけれども、局長も、知事と同様な考えで今後も行っていかれるのか、その辺の見解をお聞きします。
15:
◯答弁(
商工労働局長) 今回の出資という手法により、県という行政主体が主導的にかかわることにつきましては、他県でもそうですけれども、これまでに例のない事業で、知事も新たなチャレンジという位置づけをいたしております。
それともう一つは、
岡崎委員御指摘のように、今までの政策は、例えば、研究開発分野の支援、これまでにない産業バランスをとるために電子産業を誘致するための支援、あるいは今の非常に厳しい経済情勢を何とか乗り切るための中小企業の支援など、特定の政策目的を持った支援事業を中心に行ってまいりました。今回は、成長性のある企業に対して広く支援し、その内容につきましては、ハンズオン型というかなり入り込んだ形のこれまでにない新しい手法ということになろうかと思います。この投資対象企業につきましては限定していないわけでございます。これまでの政策もそうですが、金融でも県内企業であれば全部対象にいたしますし、制約はありますけれども中小企業を対象といたしております補助金も、研究開発に取り組もうとする企業であれば皆さんに門戸を開いております。今回も、成長性のある事業にチャレンジしようとするものであれば皆さんに門戸を開く、機会の平等という意味では、これまでの政策と特段変わるものではございません。そういう意味で、政策としての公平性の議論には当たらないのではないかという思いを持っております。
それから、今回の100億円の投資につきましては、12年間の運用ですが、県として、こういう投資事業に今の段階でどんどんシフトしていこうという考えを特段持っているわけではございません。当然、これまで行っています中小企業に対しての支援事業につきましても、必要性に応じて積極的に講じてまいりたいと考えているところです。
16:
◯質疑(
岡崎委員) この間、本会議でくどくどと有利、不利を説明されました。だからあたかも、今までの答弁を聞いていると、私は、補助金あるいは貸し出しに対して否定的な意味合いとして受け取ったわけです。例えば、リターンを考えた場合、同じ100億円を使うのだったら、出資が一番でというように、知事は、お金の見返りを主眼に置いて論評されたような感覚があったのです。私はそういうふうに受けとめたから、多分皆さんもそうだと思います。だから、今後、政策を行っていく中で、3つの点について、局長もそういう感覚でおられるのか聞きたかったわけです。
17:
◯答弁(
商工労働局長) 前回の知事の答弁につきましては、今回の広島版「産業革新機構」のリスクの問題が大きくクローズアップされていますが、そのリスクの一つは、投資事業そのものが一般的に持つリスクと、それからもう一つは、財政支援のリスクという2つの問題があるのではないかということを明らかにしたかったのです。それから、財政支援につきましては、いろいろなパターンのリスクがありますけれども、少なくとも支援事業はこういう意味づけであるということも改めて説明したかったということで答弁申し上げたわけでございます。答弁の中で申し上げましたけれども、投資という手法が有利といいますか適切なのは、成長性の高い事業を対象にするものであって、安定的な企業の経営支援を図るもの、あるいは特定の政策目的で誘導するものについては、これまでの補助金とか融資の支援メニューのほうが適切なものもあります。最終的には、今後も支援対象によっていろいろな手法を考えていきたいという趣旨で答弁させていただいたものと理解しております。
18:
◯質疑(
岡崎委員) そのリスクは、補助金の場合は100%与えるわけだから、県としてリスク云々の話ではないわけです。貸し出しにおいても、焦げつきによって信用保証協会や県が幾らかを負担する面はあるけれども、それはちょっと違う。僕は、出資のリスクと、補助金や貸し出しのリスクは、問題の質が違うと思います。だから、それを比較すること自体がナンセンスなことであると思うのです。いろいろな説明をされますが、これはもっと真摯に正していかないと、とんでもない方向に行く危険性があると僕は感じました。
それと、我が会派の石橋議員、また、きのう平議員も質問して、私もちょっと触れたのですけれども、公平性ということがあります。当然、成長が著しい企業は民間活力でもって十分お金も集まると思うのです。銀行なり出資者は目が肥えているわけだから、その判断において、プロやファンド会社が行っているわけです。この間の参考人の話において、ファンドの投資先が非常に少なくなってきたとありました。これは、その必要性がなくなっているからファンド会社も縮小してきたのであって、市場経済ですから、当然、需要と供給のバランスにおいて需要がなくなったのではないでしょうか。今度、新たにそういう市場へ県が乗り出して、そして金融機関等の投資の呼び水とするためにペンペン草が生えたような市場へ投資することについて、リスクは前より物すごく大きくなってくると私は思います。公平性については、例えば、同業の企業が10社あって、1社に投資することによってほかの企業が衰退し、最悪の場合倒産していく可能性がある。その企業も県内企業であって、今まで県に対していろいろな税というお金を払っているわけです。県が出資したことによって1社が成長してほかが衰退することになる。きのう知事が答弁していたけれども、平等性ということについて、全く納得のいく答弁ではなかった。局長、改めてその辺の問題について説明してください。
19:
◯答弁(
商工労働局長) 今回、産業革新機構で対象とするのは、成長力のある企業に対して、芽があればとにかくそれに対して集中的に支援していくことによって県全体の底上げを図ろうとするものでございます。特に、第1点目の、出資環境の問題でございますけれども、非常に厳しい状況がございます。この間の参考人もおっしゃっておられましたが、国内の最大手の事業所でも、地域において発掘する体制の確保はなかなか図れない中で、中四国地方を一人で担当しているような状況でございます。出資環境が厳しいことはわかりますけれども、今、広島県内においてそういう芽がない、少ないということではないと考えます。
それからもう一つ、公平性の点でございますけれども、先ほどの繰り返しになりますが、我々としては一歩前へ出ようとする企業に対しては積極的に支援していきます。例えば、同じ業種の企業が2社であれば、別に1社だけを支援するということでもございません。ポートフォリオの理論がございますから必ずしもそういう制約をつけているわけではございませんけれども、とにかく、同じフィールドの中での競争環境の中でどちらか1社に支援するというのであれば公平性の問題があるかもわかりませんけれども、我々としては、県内で頑張ろうとする企業が出てくることに対して、それは新しい事業展開、新しい事業創出、新しい市場を求めていく事業だと理解しておりますが、そういう意味でのフィールドの競合環境もないですし、そういうものに対して支援することは県全体の経済活性化にもなるということで、政策的な意義もあると考えているところでございます。
20:
◯質疑(
岡崎委員) もっと、きちんと本当に実質的なことで答えてもらわないといけない。1社を支援したことによって全部が底上げできるような理想論ではなく、例えば、市場のパイ、GDPはこの20年間ほとんど500兆円くらいの中で来ている。特に国内市場は人口減少によって縮小しているわけです。例えば、飲食業の販売額を見ると、もうこれも伸びていないわけです。そういう中で、1社でも2社でもいいのですが、出資することによって必ずしもその会社の利益につながらないとしても、会社の財務環境は整うわけです。そして、シェア争いにおいて非常に有利な状況になるわけです。自分は損をしながら行っていくことによって、ほかはもっと沈んでいく可能性があるわけです。そういう面において、公がそういった民間の迂回出資をすることに対しての道徳性、公平性、平等性というものをもし聞かれた場合、我々はなかなか説明ができない。当然そういうことが起こります。全体的に伸びている業種とか、パイオニアとして1社しかない環境なら別だけれども、今は、何か新しい産業ができると、その業種は他の会社もすぐ出てくるわけです。やはりそういうピンポイントで出資することは、補助金とか貸し出しの平等性とはまた違ったものが非常にあると私は思います。だから公平、公正と言うにはとても説明がつかないのですが、何か答えがありますか。
21:
◯答弁(
商工労働局長) 確かに今回の広島版「産業革新機構」の対象数は、せいぜい100億円程度のファンドですので、数社から10数社で限定されております。それからもう一つは、成長性のある事業で相当大きな成長性も含まれるということで、そんなにたくさん出てくるわけではないという意味で広く中小企業全体にこの支援の網がかかることはもちろんないものでございます。このままで何もしないと経済産業全体が沈んでいく中で、今までの支援のスキームとしての補助金や融資ではなかなか大きな事業展開ができない、民間の投資の
ツールが地域に余りない中で、成長の芽がある企業に対して支援するものでございます。そういう意味では、新しい形での事業展開に対して新しい仕組みで支援するということでございますので、これまでの競争環境の中で何か特定なものに肩入れをして公平性を損なうということにはならないのではないかと理解しているのです。ちょっと答えになってないかもわかりませんが。(「全然具体性がない、全然答弁にならないです」「抽象的なのです」と言う者あり)これまでの支援事業に比べると支援対象がある程度限定的かもわかりませんが、県内企業で、あるいは県内で事業展開しようとするものに対して、どういう方でも成長性があれば対象とするわけですから、その公平性の議論は我々としては違うのではないかと理解いたしています。
22:
◯質疑(
岡崎委員) では、わかりやすく言うと、100億円の市場があるとして、そこに10社おり、全部10億円程度の売り上げがある。例えば、AとBの2社へ50億円ずつ出資すると、それらの資本金が1億円ずつとした場合、金利の要らないお金が50億円もあるわけです。それによって十分な在庫を持ち、お金の力で売り上げを30億円にした。残りの40億円の市場を8社で分けると売り上げが5億円になり半減するわけです。問屋なり販売会社の場合、例えば、そういう使い方をしますが、製造会社だったらぽんと設備投資をして、ほかは銀行がなかなか貸してくれない、あるいは貸してくれても金利が年1%というと、その出資によって競争の土壌が既に違ってくるわけです。それが、民間のファンドのお金なら幾ら会社に入れても、自由な市場経済だからいいけれども、公が出資することによってほかが衰退することになると、それはやはり県の仕事という面において、私はちょっと違うと思います。
23:
◯答弁(
商工労働局長) 我々としては、100億円の市場のゼロサムゲームの中で、県内企業という……(「それは、もういい、あなた。抽象的なことは言うのだけれども、それは現実論として……」と言う者あり)今おっしゃっていたような、県内企業でそういう競合関係にあるところで、特定の企業だけ状況をよくすることによって食い合いなることはちょっと違うのではないか……(「現実問題を問うている」と言う者あり)と申し上げました。
それともう一つは、補助金でも融資でも、例えば研究開発に事業性があるものに対して支援しているわけでございまして、そういう意味で言うと、競争関係において差異が出てくるものです。我々としては、伸びるところを支援しようという意味では決して政策の意味が変わるものではないと考えています。補助金も投資もあるいは立地補助金もその根拠と意味が違うわけですから……。
24:
◯意見(
岡崎委員) 補助金は企業が申請してきて条件をクリアしていれば出すわけで、その選び方が全く違うわけです。補助金の場合、政策を遂行する条件に研究開発の内容が合致していれば、申請した何社にも補助金を与えていく、貸し出しにしてもそう、企業立地にしてもそうです。出資においては、完全にその運営会社の主体的な意思によって選ぶので、それは意味合いが全然違うと思います。
25:
◯答弁(
商工労働局長) 補助金につきましても、当然、補助目的にかなうかどうかを審査し、条件に合致するものに対して支援、支給する。出資も成長性を審査して支給する。この点については、特段、支援メニューの性格として大きな違いはないと考えております。
26:
◯意見(
岡崎委員) 性格としてはそうだけれども、幅の広さが全く違うではないか。研究開発の場合、本当に薄く広く平等性を持って今まで審査してきているはずです。
27:
◯答弁(
商工労働局長) もう1点、今回、こういう事業にチャレンジする背景には、これまでのような幅広く全体としての底上げを図る支援メニューだけでは、県内企業が生き残っていくのは非常に厳しいので、強く一歩前へ出ようとする企業を集中的に支援することによって原動力となっていただこうという思いを込めての政策であります。先ほどおっしゃったように広く薄くではなく、特定の集中的な形での事業という意味では新しい手法であると理解いたしております。
28: ◯委員長 どうも抽象的な議論になっていますので、今、
岡崎委員から質問がありました、投資対象先、その性格、内容、一般の融資、補助との違い、これらについて明確な答弁ができるように、あすまでに執行部に準備していただくということでどうでしょうか。
29:
◯意見(
岡崎委員) そうしてください。
30: ◯委員長 では、執行部はその準備をお願いします。
31:
◯質疑(
砂原委員) 過去の公的投資事業組合について伺いたいのですけれども、1号組合から4号組合まで行っております。1号組合で1億4,000万円もうけました、だから事業としては成功だという話で、2号組合から4号組合についてはまだ年限が来ていないからまだ明確ではないという言い方ではございますが、例えば、2号組合の将来性についてはどうでしょうか。
32:
◯答弁(産業革新プロジェクト担当課長) 手元に正確な数値はございませんが、当時5,500万円余りの出資をした中で1社破綻しておりますので、まだ明確に最終的な結果は出ていませんけれども、現状で言うと、2号組合について、今は若干懸念があるというのが正直なところだと思います。
33:
◯質疑(
砂原委員) そうですね、2号組合は1社が債務不履行ということで1,000万円の損失を出しております。それから、もう1社も今、全く未定です。では、3号組合はいかがですか。
34:
◯答弁(産業革新プロジェクト担当課長) 3号組合につきましては、出資額6,300万円のうち4,000万円の出資をして、これについては今の段階では今後の企業の成長ということにかかわると思いますので、まだ具体的に申し上げる状況ではないと判断しております。
35:
◯質疑(
砂原委員) 全く未定という言葉で処理されております。それから4号組合はいかがですか。
36:
◯答弁(産業革新プロジェクト担当課長) 4号組合につきましては、12社に2億円余りを出資しているところですけれども、これにつきましても、倒産企業が1社発生しておりますけれども、ほかの出資企業もございますので、全体としての見通しについては今後の展開に係ると認識しております。
37:
◯質疑(
砂原委員) 1号組合についても、26社のうち成功した会社が4社、そのうちの1社は上場を取り下げています。つまり26社のうち23社が倒産、売却という形をとっているわけです。これを当初運営するに当たって、投資運営会社、ファンド会社と協力して行っているわけです。このファンド会社が絶対に成功するという前提でこのファンド事業に県は手を出したのですけれども、その辺の考え方はどうだったのでしょうか。
38:
◯答弁(産業革新プロジェクト担当課長) 当然ながら当時、民間のファンド運営会社と県が成功する目的を持って進めてきたと理解しております。
39:
◯質疑(
砂原委員) この投資運営会社には日本で冠たる会社等がたくさんおられたわけでありまして、それに一任して行ったわけですが、その立派な投資ファンド会社においても26社のうちの23社が失敗している。これは1号組合についてですけれども、結果が出ているのです。では、今度、新しいファンド運営会社を立ち上げたときに間違いなく成功すると毎回言われておりますが、そんなに経験があるとは思えないのですけれども、その辺はどのように担保していくお考えですか。
40:
◯答弁(産業革新プロジェクト担当課長) 1号組合につきまして、26社のうち4社がたしかIPOということで上場したわけです。3社は確かに倒産しておりますけれども、差し引き19社が失敗とは考えておらず、その中にも成長した企業もあろうと思いますし、いわゆる上場という観点だけではないと思います。倒産は別にいたしまして、残りの企業がすべて失敗とは認識しておりません。
今後につきましては、前回の金額規模とはかなり違いますけれども、当然、新しい仕組みとして県内企業の成長を図るために行っていこうということで今考えております。
41:
◯質疑(
砂原委員) 4号組合は未定ということなのですけれども、この総額が2億4,700万円です。2号が2,000万円、3号が4,000万円、これを足すと6,000万円です。4号組合を足したら3億円です。1号組合で1億4,000万円の利益を上げたと言っておられるのですが、この2号組合から4号組合が何となくうまくいきそうもない。そうした場合に、もしうまくいかなかったら差し引き1億6,000万円の赤字になります。県としては、この過去の1号組合から4号組合についてどのようにこの事業の検証をしていかれるお考えですか。それがまだ済んでいないうちに、新たなファンド事業をすることについて、いかがなものかと思うのですが、その辺についていかがでしょうか。
42:
◯答弁(産業革新プロジェクト担当課長) 1号組合から4号組合、特に4号組合については、今、10年の半分が過ぎていますので、今後いかにその成長を図っていくかという観点が特に重要だと思っております。これまでも説明してまいりましたけれども、1号組合から4号組合と今回の設立のものについて、規模、仕組みが違うということもあります。今後、4号組合の現状の運営、育成も十分図っていかなければならないと思いますけれども、今ない仕組み、取り組みとして新しい広島版「産業革新機構」を立ち上げることになります。
43:
◯質疑(
砂原委員) では、1号組合から4号組合が行った投資について、何ら最終的な検証を終わらせることなく、新たな投資をしたいというお考えでよろしいですか。
44:
◯答弁(産業革新プロジェクト担当課長) これまでの1号組合から4号組合の検証、個別の出資先についても当然フォローしておりますけれども、こういう投資の仕組みの中で、これだけでは十分でないという判断があって、新しい投資の仕組みを行っていくということを今御説明したところでございます。
45:
◯質疑(
砂原委員) 今の言葉の中にフォローという言葉が出てきたけれども、この1号組合から4号組合はファンド会社に一任しているから県はタッチできないのではないか。
46:
◯答弁(産業革新プロジェクト担当課長) 県は出資しておりますので、具体的な投資先について御報告いただくという意味で、フォローさせていただいています。
47:
◯質疑(
砂原委員) 報告を聞くのはフォローでも何でもないのです。この投資ファンド会社に依存して行った場合、県が一切タッチできないという事実があるわけです。ファンド運営会社に一任していくわけですから、新たなファンド運営会社においても同じことになるのではないか。確かに、規約とかそういったものについてを徹底していくと言いますが、投資運営会社は、預かった資金を回収しなければいけないという義務を負うわけです。そうしたときに、何回も言いますけれども、県が思う企業育成という目的と、投資、出資したお金を回収する行為については、どうしても相反してしまうと僕は考えるのですけれども、その辺の調整はだれがどのようにするのですか。
48:
◯答弁(産業革新プロジェクト担当課長) これまでの1号組合から4号組合については、県は投資事業組合に対する出資者という立場にとどまっておりましたので、ファンド運営会社は既存の民間会社が運営しておられました。今回新しく設立する広島版「産業革新機構」については、ファンド運営会社も県が出資し、株主ということになりますので、県としては株主という立場からそのファンド運営会社の役職員の選任・解任という権限もございますし、今申し上げたとおり、運営会社を設立し、その出資をするための投資事業有限責任組合をつくる行為自体も県が主導してまいります。前回は、資金を出して民間にこういうことをしていただくという趣旨で行ったわけですけれども、今回の規定、規約、あるいは会社に対する県の規律の与え方は前回とは違うものと理解しております。
49:
◯質疑(
砂原委員) 1号組合から4号組合も県が出資者であると今言われました。それで、1号組合から4号組合について、県は出資者であるけれどもタッチできない。今回の広島版「産業革新機構」は県が出資者であるけれども県はタッチできる。その違いは何ですか。
50:
◯答弁(産業革新プロジェクト担当課長) 本日の資料の1ページになりますが、本会議の説明で申し上げましたけれども、今回は、運営会社をつくり投資事業有限責任組合をつくるということで、2つの仕組みに対して、資本金出資と組合出資をすることを考えております。これまでの仕組みであれば、投資事業有限責任組合に組合員として資金を出資するのみであったわけですが、今回、県はその運営会社そのものにも資本金を出資いたしますので、その点が今までとは違うものと認識しております。
51:
◯質疑(
砂原委員) 確かに出資するのですけれども、経営状況について、どういった場面でチェックできますか。
52:
◯答弁(産業革新プロジェクト担当課長) 会社の株主ということになりますので、株主として経営陣をチェックすることはできると考えております。
53:
◯質疑(
砂原委員) その方法はどのようにして行うのですか。
54:
◯答弁(産業革新プロジェクト担当課長) この事業そのものがファンドということから、設立趣意書あるいは投資事業有限責任組合契約に基づいた事業となりますので、その趣意書や契約が適切になされているかどうかは、当然、株主であればフォローできますし、出資者という面からもフォローできると考えております。いつでも帳簿類が見られると考えております。
55:
◯質疑(
砂原委員) いや、そうではなく、株主総会しかできないでしょう、県が取締役に参画していくのですか。
56:
◯答弁(産業革新プロジェクト担当課長) 取締役への参加は考えていません。経営と資本ということで、株主という立場で参画していこうと考えています。
57:
◯質疑(
砂原委員) そういうことになるので、具体的にきめ細かなハンズオンと言いながら、ハンズオンするのは投資運営会社であって、県は直接ハンズオンできないのです。違いますか。
58:
◯答弁(産業革新プロジェクト担当課長) ハンズオン支援は、投資運営会社の専門家チームが専門家の観点から支援していく仕組みであると理解しています。
59:
◯質疑(
砂原委員) だから、県が投資した先の企業の運営について直接タッチできない。そうしたときにファンド運営会社の運営方針の中では、投資した会社の動きを県がチェックすることができないのではないか。できますか。
60:
◯答弁(産業革新プロジェクト担当課長) 仕組みとして、新しい専門家を招聘して、その専門家が適切に行うかどうかを第一義的にチェックして、その結果がどうかということを県が監督していくという二段構えになります。
直接的に投資先の企業に対してハンズオン支援する際、どういうやり方をとるかは専門チームが判断すべきだと思っています。
61:
◯質疑(
砂原委員) 局長にお聞きしますけれども、この投資運営会社の運営方針についてのチェック、指導はだれがしますか。
62:
◯答弁(
商工労働局長) 運営方針につきましては、契約書や設立趣意書等で明らかにすることにしておりますけれども、県としては、株主あるいは出資者としての立場から、設立趣旨がこれまで申し上げております県の基本方針に沿う形になるように十分注視してまいります。
63:
◯質疑(
砂原委員) だから、知事なのか
商工労働局長なのか、だれなのですか。
64:
◯答弁(
商工労働局長) 県の行政行為につきましては、知事でございます。
65:
◯質疑(
砂原委員) では、知事がその権限を持ち込んで、企業選定にまで参画することはできるのですか。
66:
◯答弁(
商工労働局長) この広島版「産業革新機構」のスキームでは、具体的な投資対象企業等につきましては、投資運営会社が行うということで、県が直接関与することはございません。
67:
◯質疑(
砂原委員) そうしたら、「この会社はだめです。」と知事が言えないでしょう。公序良俗に反する企業はだめだと言うが、例えば極端な言い方だけれども、ファンド運営会社がそれでも将来性があるからやりますと言った場合どうするのか、どうやってとめるのですか。
68: ◯委員長 今の
質疑ですが、要するに設立趣意書ないしは基本的な運営方針が明らかになっていないからこんなに論議がかみ合わないのだと思うのです。後につくるもので論議するわけにはいかない部分がありますので、もう少しきめ細やかな説明ができるように、商工労働局のほうで、あすまでに資料を準備していただきたいと思います。先ほどの1号組合から4号組合に対する総括も含めて、先ほど答弁がありました1号組合から4号組合の結果、それに足りないものがあるから新たな仕組みをつくったのだというところで答弁が終わるからかみ合わない。何が足りなかったからこうしますというところまでを答弁に組み込むことができるように、あすまでに準備をお願いします。
69:
◯要望(犬童委員) 今まで何回も、時間をかけてこれを議論してきたわけで、私たちのほうからもいろいろな疑問点なり懸念する事項、よくわからないところを含めていろいろと指摘してきたわけです。本会議でも、質問を受けて知事や局長が答弁したわけです。それを整理して、我々が指摘した事項に対してどう対応するのかということをきちんとまとめて、あした出してもらいたい。そうでなければ、この議論はいつまでたっても前に進まない。我々常任委員会としては、あしたには結論を出さなければいけない。私もいろいろ質問してきました。投資先が非常に拡大していてこれで大丈夫かという心配もしていますし、あるいは担保と言いますけれども、本当に担保になるのかという話をすると、どうもあやふやではないかという部分もありますから、いずれにしても、整理してあすの委員会で示していただきたい。その上で、我々委員はそれぞれ委員なりに結論を出していきたいと思いますので、委員長、よろしくお願いしたいと思います。
(委員会に諮り、次回委員会への資料提出を要求することを決定した。)
(12) 閉会 午後0時7分
発言が指定されていません。 広島県議会 ↑ 本文の先頭へ...