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  1. 広島県議会 2010-09-03
    平成22年9月定例会(第3日) 本文


    取得元: 広島県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-05
    トップページ 検索結果一覧 使い方の説明 (新しいウィンドウで開きます) 平成22年9月定例会(第3日) 本文 2010-09-28 文書・発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ・別画面表示ツール 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ(新しいウィンドウで開きます) 別窓表示(新しいウィンドウで開きます) ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 発言の単文・選択・全文表示を切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者の表示切り替え 全 228 発言 / ヒット 0 発言 すべての発言・ヒット発言表示切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示を実行・チェックの一括変更 選択表示 すべて選択 すべて解除 発言者一覧 選択 1 : ◯議長(林 正夫君) 選択 2 : ◯議長(林 正夫君) 選択 3 : ◯児玉 浩君 選択 4 : ◯議長(林 正夫君) 選択 5 : ◯土木局長高垣広徳君) 選択 6 : ◯議長(林 正夫君) 選択 7 : ◯児玉 浩君 選択 8 : ◯議長(林 正夫君) 選択 9 : ◯土木局長高垣広徳君) 選択 10 : ◯議長(林 正夫君) 選択 11 : ◯児玉 浩君 選択 12 : ◯議長(林 正夫君) 選択 13 : ◯土木局長高垣広徳君) 選択 14 : ◯議長(林 正夫君) 選択 15 : ◯児玉 浩君 選択 16 : ◯議長(林 正夫君) 選択 17 : ◯土木局長高垣広徳君) 選択 18 : ◯議長(林 正夫君) 選択 19 : ◯児玉 浩君 選択 20 : ◯議長(林 正夫君) 選択 21 : ◯土木局長高垣広徳君) 選択 22 : ◯議長(林 正夫君) 選択 23 : ◯児玉 浩君 選択 24 : ◯議長(林 正夫君) 選択 25 : ◯知事(湯崎英彦君) 選択 26 : ◯議長(林 正夫君) 選択 27 : ◯児玉 浩君 選択 28 : ◯議長(林 正夫君) 選択 29 : ◯健康福祉局長(佐々木昌弘君) 選択 30 : ◯議長(林 正夫君) 選択 31 : ◯児玉 浩君 選択 32 : ◯議長(林 正夫君) 選択 33 : ◯健康福祉局長(佐々木昌弘君) 選択 34 : ◯議長(林 正夫君) 選択 35 : ◯児玉 浩君 選択 36 : ◯議長(林 正夫君) 選択 37 : ◯健康福祉局長(佐々木昌弘君) 選択 38 : ◯議長(林 正夫君) 選択 39 : ◯児玉 浩君 選択 40 : ◯議長(林 正夫君) 選択 41 : ◯健康福祉局長(佐々木昌弘君) 選択 42 : ◯議長(林 正夫君) 選択 43 : ◯児玉 浩君 選択 44 : ◯議長(林 正夫君) 選択 45 : ◯知事(湯崎英彦君) 選択 46 : ◯議長(林 正夫君) 選択 47 : ◯児玉 浩君 選択 48 : ◯議長(林 正夫君) 選択 49 : ◯児玉 浩君 選択 50 : ◯議長(林 正夫君) 選択 51 : ◯教育長(榎田好一君) 選択 52 : ◯議長(林 正夫君) 選択 53 : ◯児玉 浩君 選択 54 : ◯議長(林 正夫君) 選択 55 : ◯教育長(榎田好一君) 選択 56 : ◯議長(林 正夫君) 選択 57 : ◯児玉 浩君 選択 58 : ◯議長(林 正夫君) 選択 59 : ◯教育長(榎田好一君) 選択 60 : ◯議長(林 正夫君) 選択 61 : ◯児玉 浩君 選択 62 : ◯議長(林 正夫君) 選択 63 : ◯総務局長(藤井雅文君) 選択 64 : ◯議長(林 正夫君) 選択 65 : ◯児玉 浩君 選択 66 : ◯議長(林 正夫君) 選択 67 : ◯総務局長(藤井雅文君) 選択 68 : ◯議長(林 正夫君) 選択 69 : ◯児玉 浩君 選択 70 : ◯議長(林 正夫君) 選択 71 : ◯知事(湯崎英彦君) 選択 72 : ◯議長(林 正夫君) 選択 73 : ◯児玉 浩君 選択 74 : ◯議長(林 正夫君) 選択 75 : ◯副議長(山崎正博君) 選択 76 : ◯栗原俊二君 選択 77 : ◯副議長(山崎正博君) 選択 78 : ◯知事(湯崎英彦君) 選択 79 : ◯副議長(山崎正博君) 選択 80 : ◯栗原俊二君 選択 81 : ◯副議長(山崎正博君) 選択 82 : ◯商工労働局長(津山直登君) 選択 83 : ◯副議長(山崎正博君) 選択 84 : ◯栗原俊二君 選択 85 : ◯副議長(山崎正博君) 選択 86 : ◯商工労働局長(津山直登君) 選択 87 : ◯副議長(山崎正博君) 選択 88 : ◯栗原俊二君 選択 89 : ◯副議長(山崎正博君) 選択 90 : ◯知事(湯崎英彦君) 選択 91 : ◯副議長(山崎正博君) 選択 92 : ◯栗原俊二君 選択 93 : ◯副議長(山崎正博君) 選択 94 : ◯商工労働局長(津山直登君) 選択 95 : ◯副議長(山崎正博君) 選択 96 : ◯栗原俊二君 選択 97 : ◯副議長(山崎正博君) 選択 98 : ◯土木局長高垣広徳君) 選択 99 : ◯副議長(山崎正博君) 選択 100 : ◯栗原俊二君 選択 101 : ◯副議長(山崎正博君) 選択 102 : ◯土木局長高垣広徳君) 選択 103 : ◯副議長(山崎正博君) 選択 104 : ◯栗原俊二君 選択 105 : ◯副議長(山崎正博君) 選択 106 : ◯土木局長高垣広徳君) 選択 107 : ◯副議長(山崎正博君) 選択 108 : ◯栗原俊二君 選択 109 : ◯副議長(山崎正博君) 選択 110 : ◯知事(湯崎英彦君) 選択 111 : ◯副議長(山崎正博君) 選択 112 : ◯栗原俊二君 選択 113 : ◯副議長(山崎正博君) 選択 114 : ◯栗原俊二君 選択 115 : ◯副議長(山崎正博君) 選択 116 : ◯教育長(榎田好一君) 選択 117 : ◯副議長(山崎正博君) 選択 118 : ◯栗原俊二君 選択 119 : ◯副議長(山崎正博君) 選択 120 : ◯教育長(榎田好一君) 選択 121 : ◯副議長(山崎正博君) 選択 122 : ◯栗原俊二君 選択 123 : ◯副議長(山崎正博君) 選択 124 : ◯教育長(榎田好一君) 選択 125 : ◯副議長(山崎正博君) 選択 126 : ◯栗原俊二君 選択 127 : ◯副議長(山崎正博君) 選択 128 : ◯教育長(榎田好一君) 選択 129 : ◯副議長(山崎正博君) 選択 130 : ◯栗原俊二君 選択 131 : ◯副議長(山崎正博君) 選択 132 : ◯健康福祉局長(佐々木昌弘君) 選択 133 : ◯副議長(山崎正博君) 選択 134 : ◯栗原俊二君 選択 135 : ◯副議長(山崎正博君) 選択 136 : ◯健康福祉局長(佐々木昌弘君) 選択 137 : ◯副議長(山崎正博君) 選択 138 : ◯栗原俊二君 選択 139 : ◯副議長(山崎正博君) 選択 140 : ◯企画振興局長(中山雅文君) 選択 141 : ◯副議長(山崎正博君) 選択 142 : ◯栗原俊二君 選択 143 : ◯副議長(山崎正博君) 選択 144 : ◯企画振興局長(中山雅文君) 選択 145 : ◯栗原俊二君 選択 146 : ◯副議長(山崎正博君) 選択 147 : ◯知事(湯崎英彦君) 選択 148 : ◯副議長(山崎正博君) 選択 149 : ◯栗原俊二君 選択 150 : ◯副議長(山崎正博君) 選択 151 : ◯知事(湯崎英彦君) 選択 152 : ◯副議長(山崎正博君) 選択 153 : ◯栗原俊二君 選択 154 : ◯副議長(山崎正博君) 選択 155 : ◯経営戦略審議官(田邉昌彦君) 選択 156 : ◯副議長(山崎正博君) 選択 157 : ◯栗原俊二君 選択 158 : ◯副議長(山崎正博君) 選択 159 : ◯健康福祉局長(佐々木昌弘君) 選択 160 : ◯副議長(山崎正博君) 選択 161 : ◯栗原俊二君 選択 162 : ◯副議長(山崎正博君) 選択 163 : ◯健康福祉局長(佐々木昌弘君) 選択 164 : ◯副議長(山崎正博君) 選択 165 : ◯栗原俊二君 選択 166 : ◯副議長(山崎正博君) 選択 167 : ◯佐藤一直君 選択 168 : ◯副議長(山崎正博君) 選択 169 : ◯教育長(榎田好一君) 選択 170 : ◯副議長(山崎正博君) 選択 171 : ◯佐藤一直君 選択 172 : ◯副議長(山崎正博君) 選択 173 : ◯教育長(榎田好一君) 選択 174 : ◯副議長(山崎正博君) 選択 175 : ◯佐藤一直君 選択 176 : ◯副議長(山崎正博君) 選択 177 : ◯知事(湯崎英彦君) 選択 178 : ◯副議長(山崎正博君) 選択 179 : ◯佐藤一直君 選択 180 : ◯副議長(山崎正博君) 選択 181 : ◯警察本部長(平野和春君) 選択 182 : ◯副議長(山崎正博君) 選択 183 : ◯佐藤一直君 選択 184 : ◯副議長(山崎正博君) 選択 185 : ◯警察本部長(平野和春君) 選択 186 : ◯副議長(山崎正博君) 選択 187 : ◯佐藤一直君 選択 188 : ◯副議長(山崎正博君) 選択 189 : ◯土木局長高垣広徳君) 選択 190 : ◯副議長(山崎正博君) 選択 191 : ◯佐藤一直君 選択 192 : ◯副議長(山崎正博君) 選択 193 : ◯知事(湯崎英彦君) 選択 194 : ◯副議長(山崎正博君) 選択 195 : ◯佐藤一直君 選択 196 : ◯副議長(山崎正博君) 選択 197 : ◯知事(湯崎英彦君) 選択 198 : ◯副議長(山崎正博君) 選択 199 : ◯佐藤一直君 選択 200 : ◯副議長(山崎正博君) 選択 201 : ◯商工労働局長(津山直登君) 選択 202 : ◯副議長(山崎正博君) 選択 203 : ◯佐藤一直君 選択 204 : ◯副議長(山崎正博君) 選択 205 : ◯商工労働局長(津山直登君) 選択 206 : ◯副議長(山崎正博君) 選択 207 : ◯佐藤一直君 選択 208 : ◯副議長(山崎正博君) 選択 209 : ◯商工労働局長(津山直登君) 選択 210 : ◯副議長(山崎正博君) 選択 211 : ◯佐藤一直君 選択 212 : ◯副議長(山崎正博君) 選択 213 : ◯商工労働局長(津山直登君) 選択 214 : ◯副議長(山崎正博君) 選択 215 : ◯佐藤一直君 選択 216 : ◯副議長(山崎正博君) 選択 217 : ◯商工労働局長(津山直登君) 選択 218 : ◯副議長(山崎正博君) 選択 219 : ◯佐藤一直君 選択 220 : ◯副議長(山崎正博君) 選択 221 : ◯知事(湯崎英彦君) 選択 222 : ◯副議長(山崎正博君) 選択 223 : ◯佐藤一直君 選択 224 : ◯副議長(山崎正博君) 選択 225 : ◯知事(湯崎英彦君) 選択 226 : ◯副議長(山崎正博君) 選択 227 : ◯佐藤一直君 選択 228 : ◯副議長(山崎正博君) ↑ 発言者の先頭へ 本文 ↓ 最初のヒットへ (全 0 ヒット) 1:         午前十時三十分開議 ◯議長(林 正夫君) 出席議員五十九名であります。これより会議を開きます。         自第 一 県第七三号議案         至第十五 報第 一八 号 2: ◯議長(林 正夫君) これより日程に入ります。日程第一、県第七三号議案 平成二十二年度広島県一般会計補正予算から日程第十五、報第一八号 損害賠償額の決定についてまでの各案を一括上程議題といたします。  昨日に引き続いて質問を行います。児玉 浩君。         【児玉 浩君登壇】 3: ◯児玉 浩君 皆さん、おはようございます。私は、自民党広志会・フォーラム広島の児玉 浩でございます。今次定例会におきまして発言の機会をいただき、議長を初め、先輩、同僚各議員に深く感謝申し上げます。  先月、日銀広島支店が発表した金融経済動向によりますと、県内景気は四カ月連続で緩やかに回復しているとしております。確かに、今年の猛烈な猛暑やエコポイント、減税に押されて、家電製品や自動車販売が伸びるなど、個人消費に持ち直しの動きが見られ、また、携帯電話向けを中心とした半導体などの生産も増加しているという面があるのは事実だと思います。  しかし、連日報じられる円高や株価の動向もさることながら、日々厳しい中での生活を送っている多くの県民にとっては、そうした景気回復への実感や期待感というものが、何か異次元での話のように受けとめているのが現実ではないでしょうか。  百年に一度と言われる経済危機、これに追い打ちをかけるのは、異常気象がもたらす連日の猛暑、あるいは豪雨による災害であり、また、相次ぐ悲惨な事件・事故というものが何かしら暗い世相として映し出され、人々は、将来に明るい展望を持つどころか、安心・安全で平穏に暮らせる日々のみを追い求めていると思えるのであります。  我が国は、今、史上有数の国難を迎えていると言っても過言ではないでしょう。少子化、不況、デフレ、そして、破綻寸前の財政赤字、この最大の危機をチャンスに結びつけるといった変革が、今、求められているのだと考えるのであります。知事、そして我々も、その変革をリードすることに全力を注ぐ、そのことで県民の安心と安全を守り、一人一人が将来への展望を見出すことができる、そうした本県の姿を目指さなければならないのであります。  そうした強い思いを持ちながら、早速質問をいたします。質問用演壇に移ります。(質問用演壇に移動)  それでは、まず最初に、災害に強い県土づくりについて土木局長にお伺いいたします。  近年、全国各地で異常気象による災害が相次いでおります。中国地方においても、予想を超える猛烈な雨による被害が絶えない状況にあり、昨年七月の山口豪雨災害での防府市の特別養護老人ホームの災害、また、今年七月には、梅雨末期の豪雨が本県の各地を襲い、大きなつめ跡を残したのであります。お亡くなりになられた方に哀悼の意を表するとともに、被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げたいと思います。  今回の災害で特に大きな被害をもたらした庄原市西城町の大戸地区では、時間雨量が九十一ミリにも達したとされております。一時間八十ミリ以上の雨は、猛烈な雨と表現され、人が息苦しくなるような圧迫感がある、恐怖を感じるとされるほどの豪雨なのであります。一方で、わずか八キロ南東の本村町では最大で六ミリにとどまっており、このたびの大雨がいかに局地的な豪雨であったかということを物語っているのであります。  この豪雨災害の後には、八月から今月にかけて記録的な猛暑が続き、人々は、近年の異常気象がもたらす生活への不安、さらには生命への危機感を募らせているのではないでしょうか。このたびの豪雨災害に対し、知事は、早速七月に補正予算を編成されて災害復旧に取り組んでおられ、さらに、今次定例会にも災害関連事業の補正予算案が提出されております。これらの速やかな事業執行に努めることにより、県民の安心な暮らしを一刻も早く取り戻していただきたいと考えるところであります。  あわせて考えなければならないのが、河川や砂防整備による今後の災害防止対策のあり方であります。近年頻発するいわゆるゲリラ豪雨などの被害に直面したとき、過去の経験や常識が通用しなくなりつつあるのではないか、気候変動がもたらす脅威のあらわれではないかと思わせるのであります。  こうした中、現在の治水施設の整備の基準は、大河川においては百年から二百年に一度、中小河川においては五十年に一度発生する降雨を想定して整備されておりますが、時間百ミリを超える豪雨の増加が記録される中で、果たして今ある災害防止対策で対応できるのかと考えますし、多くの県民が不安を感じているのではないでしょうか。もちろん、こうした予測不能な局地的な豪雨への備えというものは、ハード面だけの対策には限界もあるかもしれませんが、少なくとも、危険として把握している箇所については、堤防のかさ上げを行うなど、改めて、構造物の能力向上を検討しなければならないと考えるのであります。  そこで、現在の防災施設は、頻発する局地的豪雨などに耐えられる構造基準であると考えておられるのか、基本的な考えを、まずは土木局長にお伺いいたします。
    4: ◯議長(林 正夫君) 当局の答弁を求めます。土木局長高垣広徳君。         【土木局長高垣広徳君登壇】 5: ◯土木局長高垣広徳君) 昨今の頻発する局地的な豪雨などでは、短時間ではありますが、整備目標を超える降雨も見られるところであります。  大河川におきましては、その影響は必ずしも大きくないことから、整備内容の見直しについて、現段階では特に必要ないものと考えておりますが、流域の小さな河川におきましては、影響が大きく、総合的な治水対策やソフト対策が必要となっているものと考えております。 6: ◯議長(林 正夫君) 児玉 浩君。 7: ◯児玉 浩君 中小河川についてはまだまだ整備が必要だという御意見だと思います。  今までの事例を見ますと、こうした過去の事例でははかり知れない局地的豪雨による被害に直面しております。であるからには、防災施設について多角的検証を行い、その上で、基準の見直しなどの検討が必要であると考えますが、今後の防災施設整備のあり方について、再度土木局長にお伺いいたします。 8: ◯議長(林 正夫君) 土木局長高垣広徳君。 9: ◯土木局長高垣広徳君) 防災施設の整備に当たりましては、浸水被害の発生状況などを踏まえまして、地形、地質の状況、人口や産業の集積状況など、地域の状況を勘案いたしまして、緊急度・重要度の高い箇所から施設の整備を着実に進めてまいります。  ゲリラ豪雨等への対策といたしましては、これまで実施してきました河川の整備に加えまして、下水道の整備や調節池等の流出抑制対策の実施など、総合的な治水対策を一体的に推進するほか、早期警戒・避難のための防災情報の提供など、ソフト対策も必要と考えております。 10: ◯議長(林 正夫君) 児玉 浩君。 11: ◯児玉 浩君 続けて質問に入ります。次は、河川整備についてであります。  このたびの大雨による被害は言うまでもなく、最近では、平成十六年の台風十六号、十八号が竹原市や福山市などで、また、平成十七年の台風十四号は県西部で、さらに、平成十八年の台風十三号では、県北西部を中心に河川がはんらんし、甚大な被害を及ぼしたところであります。こうした近年の被害状況を踏まえると、河川整備の着実な推進が必要であると考えるのでありますが、一方では、厳しい財政状況にある中でこうした公共事業費も削減されてきております。  ここにパネルを用意しております。(パネルを示す)このパネルは、平成十三年には、ダム関連予算を除く補助公共事業、単独建設事業の合計は、表にありますとおり、百四十四億円余りという規模でありました。しかし、本年では、実に四十五億円余り、この十年間で実に七割程度が削減されているというのがこの表でございます。  こうした大幅な予算削減の中で、県民の安全を確保するだけのハード整備が十分にできているとは考えがたいのでありますが、土木局長の御見解をお伺いいたします。 12: ◯議長(林 正夫君) 土木局長高垣広徳君。 13: ◯土木局長高垣広徳君) 河川事業が他の事業と比べまして大幅に予算が削減された理由といたしましては、補助公共事業では、福富ダムなど、建設への集中投資によりまして平成十四年度、平成十五年度に大きな落ち込みがあったことによるものでございます。  平成十六年度以降、補助公共事業の復元に向けて取り組んでまいりましたが、対前年度内示額をベースとした国の厳しいシーリングによりまして復元が実現せず、現在に至っている状況でございます。  近年、豪雨災害や高潮災害が頻発する中で、県民の安全・安心な暮らしづくりに向けて、引き続き、防災施設の整備が求められており、今後とも、一層の選択と集中を行いながら、緊急度や重要度の高い箇所から着実に整備を進めていくこととしております。さらに、河道内に堆積した土砂の撤去や老朽施設の修繕・改築など、適正な維持管理に努めるとともに、防災状況の提供等のソフト対策もあわせまして総合的な防災対策を推進してまいります。 14: ◯議長(林 正夫君) 児玉 浩君。 15: ◯児玉 浩君 県民の期待にこたえられるような十分な対策をお願いしたいと思います。  もう一点、私が指摘したいのは、河川整備の計画に基づいて、地域の御理解を得て取得した貴重な用地についてであります。  こうした用地は、その地域の安全・安心の確保のために貴重な財産が提供されたものであり、これを長らく整備しないということは、貴重な財産を提供された住民からの信頼を損ねるばかりか、地域住民の安全への期待を裏切り、生活への不安を抱えたまま放置されているということなのであります。  しかし、県内には、用地取得はしたものの、いまだに未整備の箇所が数多くあるのではないかと思いますが、未整備箇所のうち、用地取得の後、一番古い用地取得をしたものの時期及び未整備箇所の件数についての現状を土木局長にお伺いいたします。 16: ◯議長(林 正夫君) 土木局長高垣広徳君。 17: ◯土木局長高垣広徳君) 公共投資が積極的に行われていました時期において、事業を推進するための用地ストックといたしまして、また、圃場整備計画にあわせまして先行的に用地を取得してきた経緯がございます。  そのうち、昭和六十年ごろに用地買収を行った箇所が最も古いものでございます。全体では、四十河川、六十八カ所の未整備箇所がございます。 18: ◯議長(林 正夫君) 児玉 浩君。 19: ◯児玉 浩君 今、答弁を聞きますと、昭和六十年ごろに用地取得を行ったものが多いという答弁であったと思いますが、昭和六十年といいますと、もう何年前になるのだろうというふうに考えざるを得ないのではないかと思います。  住民は、その整備を期待して、県が言うから土地を手放そうという決意のもとに用地の協力をしたと思っております。そうしたことをほうっておくというのは、やはり県としての信用にもかかわってくるのではないか。一刻も早い整備をお願いしたいと思います。  財政が厳しいからと言うものの、一たん計画し、その上で用地取得をしたのならば、責任を持って早急に整備を行い、県民の安全を守り、地域の期待にこたえるということがやはり欠かせないと考えます。  こうした未整備箇所について、今後どのように対応されるつもりなのか、改めて土木局長にお伺いいたします。 20: ◯議長(林 正夫君) 土木局長高垣広徳君。 21: ◯土木局長高垣広徳君) 未整備箇所への対応につきましては、近年の出水状況等を考慮いたしまして、危険度の高い箇所については、コスト縮減を図りつつ、一定の治水安全度が確保できますよう、暫定断面での掘削や盛土等により事業を再開しているところでございます。  今後とも、事業中の事業の早期完成を図りながら、未整備箇所の解消に向けまして取り組んでまいりたいと考えております。 22: ◯議長(林 正夫君) 児玉 浩君。 23: ◯児玉 浩君 今、二点について土木局長にお伺いいたしましたが、ハード整備による防災対策はこうした課題を抱えているのが現状なのであります。  そこで、湯崎知事にお伺いいたします。  確かに、防災施設の構造については国の補助基準などの制約もあるのかもしれません。そうであるならば、県民の安心と安全を守る立場から、本県としての現状と今後の整備のあり方について国へ具体的に主張することが必要であると考えます。  国土交通省では、国の財政難というものを背景とした脱ダムへの政策転換への方向を示し、今後の治水対策のあり方として、堤防のかさ上げなどの手法について検討を進めております。まさに、こうして国が検討しているタイミングであるからこそ、県民を守る立場の県として声を大きくしなければならないと考えます。  本年も、国に対して施策提案をされておりますが、事業要望にとどまることなく、防災施設の抜本的な制度見直しを盛り込むべきであり、そのことが、県民を直接に守る県としての役割・使命であると考えます。さらには、公共事業予算が大幅に削減されておりますが、地場産業の育成を図り、災害が発生した場合の応急的回復に備えることからも、地域における公共事業等による景気対策を積極的に推進することも必要であると考えるのであります。  先ほど土木局長から答弁をいただきましたが、こうした現状にある中で、災害に強い県土づくりを実現するため、どのように取り組んでいかれようとしているのか、その決意を知事にお伺いいたします。 24: ◯議長(林 正夫君) 知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 25: ◯知事(湯崎英彦君) 災害から県民の皆様の生命・安全を守る防災施設の整備は、県の重要な責務であると認識しておりまして、鋭意、河川あるいは砂防関係事業に取り組んでいるところでございます。  本県の自然条件を見ますと、河川の延長が長く、また、地形や地質の特性から、土砂災害危険箇所が全国最多となっているなど、防災施設の整備の必要性は極めて高く、早急に事業を推進すべきものと考えております。  このため、より一層の事業の重点化と効率化を図り、近年の被害状況等も踏まえて、緊急性の高い箇所から施設の整備を推進してまいります。その際には、災害予防の観点から、従来の考え方にとらわれることなく、機能とコストの面からさまざまな工夫を取り入れるなどの取り組みを引き続き推進してまいります。  また、土木局長も答弁しておりますけれども、早期警戒や避難のための情報提供や土砂災害警戒区域等の指定など、ソフト対策もあわせて進めて、災害に強い県土づくりを推進してまいりたいと考えております。 26: ◯議長(林 正夫君) 児玉 浩君。 27: ◯児玉 浩君 知事、我々は、地域を回りながらいろいろな方の声を聞いてまいります。住民の中からは、「災害にならんと直してもらえんのじゃろうか。」というような厳しい声を聞くことが多々あります。今次定例会に提案されている補正予算案においても、地域の防災対策に資する道路、河川、砂防施設の整備を前倒しして実施し、その事業効果の早期の発現を図るとされております。県民の安心・安全の確保にこたえるために、より一層の御尽力をお願いしておきます。  次に、小児ワクチンの予防接種の定期化と公費助成について健康福祉局長にお伺いいたします。  我が国のワクチン接種体制につきましては、ポリオや日本脳炎のように、予防接種法で定期接種が認められたワクチンと任意接種ワクチンに分類され、定期接種は公的負担、任意接種は自己負担とされているところであります。  こうした予防接種は、生活水準や衛生環境の向上、健康被害による訴訟の多発、副反応への強い抵抗感、日本独自の審査基準など幾つもの要因がある中で、海外で承認されているワクチンが使えない、公的負担で接種できるワクチンが少ないなど、世界水準に及ばず、日本はワクチン後進国とも言われております。髄膜炎、肺炎球菌、子宮頸がんなど、これらに有効なワクチンはあるものの、高額な自己負担が伴う任意接種とされていることから、なかなか接種率が上がらない状況にあるのであります。  例えば、細菌性髄膜炎にあっては、全国で年間約千人もの乳幼児が発症しております。この原因となる菌にはさまざまなものがありますが、インフルエンザ菌b型、これ以降はヒブと言わせていただきますが、このヒブによるものが六割以上、肺炎球菌によるものが三割近くを占めると言われております。そして、発症した新生児について見ますと、ヒブが原因の場合、五%が死亡、肺炎球菌が原因の場合は一五%もの子供が死亡するとされ、また、命を取りとめたとしても、約二割の子供は何らかの後遺症が残るとされているのであります。  こうした極めて恐ろしい病気ではありますが、この細菌性髄膜炎予防には、ヒブワクチンと肺炎球菌ワクチンという非常に有効であるワクチンがあります。これらは、極めて安全性も高く、WHOが定期接種を推奨していることもあり、ヒブワクチンは世界九十カ国以上で、肺炎球菌ワクチンでは世界四十五カ国と、多くの先進国で定期予防接種に位置づけられ、髄膜炎の発症は激減していると言われているのであります。  そこでまず、本県では、このワクチンの効果についてどのようにとらえておられるのか、また、県内での任意接種の現状はどうなのか、健康福祉局長にお伺いいたします。 28: ◯議長(林 正夫君) 健康福祉局長佐々木昌弘君。         【健康福祉局長佐々木昌弘君登壇】 29: ◯健康福祉局長(佐々木昌弘君) 予防接種は、個人の感染症の発生を抑え、社会的な感染症の蔓延を防止する上で有効な手段であり、ヒブワクチン及び肺炎球菌ワクチンも、導入している諸外国の状況を見ますと、罹患率、病気にかかる割合が著しく低下するなど、有効であるものと考えております。  また、県内における接種状況につきましては、任意接種のため詳細なデータは把握しておりませんが、例えば、ヒブワクチンの流通状況から見ますと、昨年九月からの一カ年で約二万三千回分が出荷されており、一人当たりの接種回数を四回としますと、六千人程度が接種しているものと推計されます。 30: ◯議長(林 正夫君) 児玉 浩君。 31: ◯児玉 浩君 具体的な数字をありがとうございました。  このヒブワクチンは、乳児期に三回、一歳を過ぎて一回の計四回の接種を要しますが、接種費は一回七千円程度であり、合計で三万円近くもかかっております。また、小児用肺炎球菌ワクチンに至っては四万円もの自己負担を伴うことから、現在の厳しい経済情勢もあって、任意のままではなかなか接種が進まないのが現実ではないでしょうか。  こうした中で、国内の二百以上の市町村では、既にヒブワクチンの接種に公費助成を行い、さらに、都道府県の中では、兵庫県で、公費助成を行う市町に対してその二分の一を補助することにより、接種の促進を図っているのであります。  予防接種を促進することにより、人の命を守るということは当然でありますが、発症して治療を要するとした場合の医療費負担の軽減による費用対効果にもつながるのではないでしょうか。  ここにパネルを用意しております。(パネルを示す)これは、日本小児科学会の雑誌に掲載された、新生児を対象とした分析であります。国全体としてワクチン接種をしない場合の疾病費用は四百十四億円でありますが、ワクチン接種を導入した場合には三百六十五億円が減少し、四十九億円となります。この場合、予防接種費用に二百八十三億円を要しますが、総額では八十二億円もの費用対効果があるとされております。  そこで、これを本県に置きかえた場合の費用対効果はどの程度想定されるのか、健康福祉局長にお伺いいたします。 32: ◯議長(林 正夫君) 健康福祉局長佐々木昌弘君。 33: ◯健康福祉局長(佐々木昌弘君) ヒブワクチンにつきましては、本年七月の厚生労働省の審議会において、先ほど議員がお示しのものと同じ文献に基づき、国全体で八十二億円の費用対効果、費用削減効果があるとする資料が提出され、議論が行われたところでございます。  本県における費用対効果につきましては、この文献と同様の分析を行った場合、疾病費用としてマイナス八・六億円、予防接種費用としてプラスの六・六億円となり、差し引き二億円程度の費用削減効果があるものと推計されます。  なお、広い意味での効果のうち、効用や便益とすべき疾病費用の軽減の多くは個人の負担に帰属するものであるのに対して、予防接種費用を公費で負担した場合、六・六億円、さらに、先ほどの肺炎球菌ワクチンも含めますと、十七億円程度が毎年固定的に必要となるという状況でございます。 34: ◯議長(林 正夫君) 児玉 浩君。 35: ◯児玉 浩君 数字だけで見ると、大変な効果があるという結果であると思います。ヒブワクチンについて例に申し上げましたが、他のワクチンについても同様なことが言えるのだと考えるのであります。  接種可能なワクチンの数がふえてきた現状に臨機応変に対応した国のワクチン行政というものが求められているということもあり、確かに、厚生労働省においても、予防接種法の抜本的見直しに向けた検討が始まっております。しかし、議論は始まったばかりであり、現実にはまだまだ時間を要するのではないでしょうか。  しかし、このことは人の生命にかかわることでありますので、他県にも先駆けた一刻も早い対応が必要であると考えます。本県の対応につきましては、後ほど知事にまとめて見解をお伺いしたいと思います。  続いて、地域医療体制の確保について健康福祉局長にお伺いいたします。  医療は、最も身近で重要な課題として、地域住民にとって大きな関心を抱くものでありますが、我が国において、地域医療がこれほど問われている時代はかつてないのではないでしょうか。本県においても、近年、医師不足を背景とする地域医療体制は危機的な状況にあり、中山間地域では医療体制そのものが損なわれ、都市部においても二次救急輪番病院が減少するなど、救急医療の確保が喫緊の課題となっております。  こうした背景には、全体としての医師そのものの不足、地域偏在、あるいは診療科での偏在があり、昨日の本会議、金口議員の質問でも指摘されたところであります。現状では、地域医療の供給体制を確保するための医療人材ニーズに対し、中山間地域はもとより、都市部においてもこたえ切れておらず、地域医療は崩壊の危機に直面していると言っても過言ではないと考えます。  県も、こうした危機感というものは十分に認識され、本年一月には、広島県地域医療再生計画を策定し、県全体での地域医療の再生を目指しておられます。  こうした中、本県では、平成二十年度から今年度までの三カ年、地域での必要な医療供給体制を確保するために、医師の招聘や環境整備等に取り組む市町に対して、地域医療確保緊急対策事業として財政支援をしております。  そこで、この事業について、これまでの成果をどのように評価されているのか、その上で、来年度以降はどのように対応されるのか、そのお考えを健康福祉局長にお伺いいたします。 36: ◯議長(林 正夫君) 健康福祉局長佐々木昌弘君。 37: ◯健康福祉局長(佐々木昌弘君) 地域医療確保緊急対策事業は、市町が実施する県外からの医師の招聘やそのための診療所整備、医師の定着、離職防止のための勤務環境の改善などに要する経費に対し、その一部を財政支援するもので、平成二十年度から三カ年にわたり、総額五億円を交付するものであります。  過去二年間では、厚生連のJA吉田総合病院における救急用医療器具の整備や公立みつぎ総合病院における医師の招聘による産科の維持、庄原赤十字病院における医師確保による妊婦検診等の実施など、十市四町に対し二億七千万円を交付しております。  今年度は、尾道市百島への五年半ぶりの医師の招聘や下蒲刈病院への当直医の派遣経費など、九市四町から二億三千万円の申請があり、総額五億円のすべての交付を予定しているところでございます。  県といたしましては、地域の医師不足への対応を市町が主体的にとらえ、県と共同で推進することができた効果的な事業と評価しており、今後とも、事業の効果を詳細に分析し、地域の実情に応じたきめ細かな医師確保や定着支援に努めてまいります。 38: ◯議長(林 正夫君) 児玉 浩君。 39: ◯児玉 浩君 この事業は大変な効果があったということでございますが、本年度で終了する事業でございます。来年度以降も、しっかりとした地域医療への対応をお願いしておきたいと思います。  また、医師不足について、特に深刻な状況に置かれているのは中山間地域であります。こうした地域では、高齢化が急速に進行する中で、地域住民の健康管理や医療が大きな課題であることは改めて申し上げるまでもありません。医療の高度化・専門化を進めようとする都市部、その一方では、最低限の医療を確保することさえも難しくなりつつある中山間地域があり、県内の二極化がますます進んでしまうことが懸念されているのであります。  県では、地域医療を担う医師の人材育成と適正配置を推進するため、地域医療確保に向けた新たな取り組みとして、現在、広島県地域医療推進機構の設立準備をされております。この組織は、医師不足に悩む中山間地域に医師を派遣するなどの地域偏在を解消するものとなるのでしょうか。  この推進機構というものは、どのような役割を担う組織を検討されているのか、そして、設立がもたらす効果をどのように考えておられるのか、健康福祉局長にお伺いいたします。 40: ◯議長(林 正夫君) 健康福祉局長佐々木昌弘君。 41: ◯健康福祉局長(佐々木昌弘君) 本県では、地域医療を担う医師の養成・確保を図るため、昨年、平成二十一年度に、広島大学医学部にふるさと枠を設置し、今年度からは、その定員の増加を図り、新たに岡山大学にも地域枠を設置して、中長期的な医師確保に取り組んでおります。  今後は、こうした医師が安心して地域医療に従事し、引き続き、県内への定着につながるよう、義務年限内の適正配置のための調整機能や、医師の育成をバックアップするための環境づくりなどを担う新たな仕組みが必要となっております。  このため、来年度、県、市町、大学、県医師会等で構成する、仮称ですが、広島県地域医療推進機構を新たに設置し、広島県独自の医師の育成・確保等を総合的かつ機動的に推進してまいりたいと考えております。  具体的には、不足する地域や診療科などへのふるさと枠卒業医師等の配置調整に加え、県外の医師、女性医師、定年後の医師の就業に向けた支援、地域の医療機関の連携による人材育成、広島の魅力ある地域医療情報の発信など、医師の就業促進に向けた取り組みを推進してまいります。  県といたしましては、機構設置の効果として、関係者が一体となった取り組みにより、多くの地域医療を担う医師の確保や県内定着が促進されることが期待されますことから、その推進に向けて着実に対応してまいります。 42: ◯議長(林 正夫君) 児玉 浩君。 43: ◯児玉 浩君 この機構により配置調整や人材育成が行われるということでございます。大きな期待をしておりますので、よろしくお願いしたいと思います。  こうした県の取り組みがある一方で、何とか最低限の医療確保を行おうとして、地域が一体となって取り組んでいる地域もございます。例えば、安芸高田市においては、厚生連吉田総合病院が高田地区の休日・夜間の救急診療を担っておりますが、医師不足にある中で、休日・夜間診療に当たる医師の負担を少しでも軽減しようと、本年四月から、休日の昼間については安芸高田市医師会が診療支援を行う、全国初の取り組みをスタートしております。この取り組みに対しては、安芸高田市が財政支援をしておりますが、財政的には非常に厳しいと伺っております。
     このように、中山間地域では、地域住民の健康管理、医療を何としても確保しなければならないという中で、懸命の努力が行われているのが現状であります。  小児ワクチンへの公費助成、そして、特に中山間地域における医療体制の確保についてお伺いいたしましたが、ここで改めて、知事にお考えをお伺いしたいと思います。  任意ワクチンの公費助成の実現については、先月、広島県小児科医会が知事に要望されておりますし、また、県北部の自治体で構成する広島県内陸部振興対策協議会からも早急な措置を求める要望が出たところであります。  こうした要望というものは、一刻も早い対応を求める県民の強い願いであり、他県にも先駆けた対応を行うべきではないかと考えるのであります。  そこで、極めて予防効果が高く、なおかつ、医療費負担の費用対効果もあるということからも、本県においても、任意ワクチンの公費負担制度の導入について、市町と連携して早急に取り組むべきであると考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。  もう一点は、中山間地域であるがゆえに抱える医療確保の課題について、初期及び二次救急は基本的に市町で対応することであると一律に考えるのではなく、均衡ある県土の発展ということを念頭に置き、医療の地域偏在を解消するための県としての支援も必要であると考えるのであります。  広島県地域医療推進機構による全県での組織づくりのみでなく、とりわけ、中山間地域での取り組みに対して、県としても、財政面を初めとした積極的な支援が必要であると考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。  以上、二点について、知事に答弁を求めます。 44: ◯議長(林 正夫君) 知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 45: ◯知事(湯崎英彦君) まず、任意ワクチンの公費負担制度の件でございますけれども、任意ワクチンにつきましては、現在、国の審議会において、定期予防接種の対象拡大や財政負担について検討が進められているところでございまして、また、子宮頸がんのワクチンの接種助成費が来年度予算の概算要求に盛り込まれるなど、ワクチンを取り巻く環境は大きく変化しているところでございます。  こういった状況を踏まえて、県としては、ワクチンの予防効果や費用対効果については十分認識しているところでございます。また、一方で、非常に大きな財政負担の課題もあることから、予防接種を受けやすい環境づくりに向けて、国に対する制度の見直しを含めた要望を行いますとともに、実施主体となる市町と緊密な連携を図ってまいりたいと考えております。  また、中山間地域おける医療政策についてでございますが、中山間地域における医療を確保するためには、医師等の医療人材の確保とともに、僻地医療や救急医療などを担う中核病院の機能の維持が極めて重要であると認識しております。  このため、県としては、中山間地域の中核的な医療機能を担う僻地医療拠点病院への自治医科大学卒業医師の重点配置、あるいは巡回診療等に対する支援を行っているところでございます。  また、初期救急医療や二次救急医療については、市町における主体的な取り組みが基本ではございますけれども、昨今の厳しい地域医療の状況に対応するため、県としても、地域医療確保緊急対策事業によって、医師確保等の取り組みに対して一昨年度から市町に支援しているところでございます。  さらに、過疎地域自立促進特別措置法の改正がございました。これにより、今年度から、市町が行う地域医療の確保などのソフト事業に対しまして、いわゆる過疎対策事業債の活用が可能となるなど、中山間地域医療を財政面から支える仕組みもさらに充実してまいっているところでございます。  今後とも、こういった支援に加えまして、医療人材の確保についても、広島県地域医療推進機構の設置や大学との連携を強化するなど、中山間地域における医療の確保を図ってまいりたいと考えているところでございます。 46: ◯議長(林 正夫君) 児玉 浩君。 47: ◯児玉 浩君 知事も、十分にこの重要性は認識していただいているというふうに考えますが、県としての十分な対策を行っていただきたいと思っております。  少子化が大変進んでおります。こうした中で、子供は地域の宝である、活力の源であるというふうに言われております。私もそうでありますが、知事も子育ての真っ最中である、そういうふうに思います。守れる命があるならば、県としても早急な対応をされるように要請いたします。  また、地域で安心して暮らせる医療体制の構築に対しても、県として積極的にかかわっていただくようにお願いしたいと思います。  次は、小規模高等学校の適正規模化についてお伺いいたしますので、教育長、お願いいたします。 48: ◯議長(林 正夫君) 教育長、答弁待機席へお願いいたします。 49: ◯児玉 浩君(続) 小規模高等学校の規模適正化の推進につきましては、平成十四年に策定された県立高等学校再編整備基本計画に基づき、昨年度まで、毎年、募集停止が決定されてきたところであります。  特に昨年は、募集停止のほか、新たに小規模高等学校間の連携という考え方が示されたこともあり、県議会はもとより、県内のさまざまな地域で大きな不安と危機感が語られるなど、大変に混乱を生じたところであります。  こうした中で、県教育委員会では、今年度から、小規模県立高等学校間の連携推進事業を進めることとされ、竹原高校と忠海高校、そして、因島高校と瀬戸田高校の連携が年度当初からスタートしております。また、二学期からは、新たに吉田高校と向原高校との連携事業が始まっております。  そこでまず、この事業の実施目的とこれまでの実施状況をどのようにとらえておられるのか、お伺いいたします。 50: ◯議長(林 正夫君) 教育長榎田好一君。         【教育長榎田好一君登壇】 51: ◯教育長(榎田好一君) この連携事業につきましては、一学年三学級以下の小規模校の教育活動の充実を図るため、教員の授業交流、部活動の合同練習、学校行事の合同実施などの学校間の連携を進め、授業の質の向上や生徒が互いに切磋琢磨できる環境を整えようとするものでございます。  現在、三グループで連携を行っているところでございますが、授業交流を実施している学校では、生徒からは、授業が詳しくてわかりやすい、保護者からは、他の教科でも授業交流をしてほしいといった声が出ていると聞いております。  また、部活動におきましては、連携校による合同チームで吹奏楽のコンクールに出場して入賞するなど、事業の成果が出始めていると受けとめております。 52: ◯議長(林 正夫君) 児玉 浩君。 53: ◯児玉 浩君 連携事業、少しずつ効果が出つつあるということだろうと思います。  しかし、こうした連携が行われる一方で、先日、県教育委員会は、来年度からの募集の停止についての意見を述べられております。小規模校の定員充足状況、近隣校への通学の便を精査した結果、対象校はなかったというふうに申し述べられております。来年度の募集停止は行わないということであろうと思います。また、教育長は、連携校は成果を見守る必要がある、活性化で入学者がふえ募集停止を避けるのが本意であるとも言われております。  私も、小規模校の教育環境の充実を図り、それぞれの学校がそれぞれの特色と魅力を持った学校として存在することが、地域の子供たちには欠かせないことであり、そのための一つとして、この連携事業はぜひとも成功させなければならないと考えます。  一方で、やはり連携事業が将来の統廃合につながるのではないかとの不安を払拭することができない、あるいは地理的に複数での連携グループが組めないなどの理由で、なかなか連携事業に着手されていない学校もあるのではないでしょうか。私は、募集停止を避けるのが本意であると言われるのであれば、すべての小規模高等学校で、徹底したこの取り組みが必要であると考えるのであります。  そのためには、現在実施しているグループに対しては、県教育委員会としても重点的な支援を行い、県内の一つのモデルとなり得る成果を上げる必要がある、そして、その効果を実証モデルとして普及させるなど、県内で取り残される学校が生じないよう全力で取り組むことが必要であると考えます。  そこで、この事業実施していない学校について、これまでどのように対応し、その課題をどのようにとらえておられるのか、その上で、今後どのように取り組まれようとしているのか、教育長にお伺いいたします。 54: ◯議長(林 正夫君) 教育長榎田好一君。 55: ◯教育長(榎田好一君) 学校間の連携を効果的に進めていくためには、地域の方々の御協力をいただきながら進めていくことが大切であると考えており、すべての小規模校につきまして、市町や学校関係者などに事業の目的や内容を丁寧に説明してきております。  しかしながら、連携のメリットを十分に理解していただくには至っていない場合や、連携が統廃合の前段階ではないかという懸念がぬぐい去れていない場合、また、連携の対象となる学校が同一市町にない場合もあり、より丁寧な対応が必要と考えております。  今後、先行するグループの成功事例や、この事業が統廃合を前提に行うものではないことなどを改めて丁寧に説明し、地域の理解を得られたところから順次実施してまいりたいと考えております。 56: ◯議長(林 正夫君) 児玉 浩君。 57: ◯児玉 浩君 高等学校のよりよい教育環境を整備するとして進められているこの連携事業、今話されたように、まだまだ緒についたばかりであると考えます。  連携事業をスタートさせた目的を考えると、来年度以降も引き続き、徹底して取り組む必要があると考えますし、今年度あるいは来年度からの実施ができないからといって、直ちに統廃合の対象にすることがあってはならないと考えるのであります。  教育長に改めてお伺いいたしますが、来年度以降、小規模高等学校の教育活動の充実に向け、どのように取り組まれるのか、その上で、今後の高等学校の統廃合についての基本的な考え方をお伺いいたします。 58: ◯議長(林 正夫君) 教育長榎田好一君。 59: ◯教育長(榎田好一君) 小規模校の教育活動を充実するためには、まず、この連携事業にしっかり取り組むことが重要であると考えております。  このため、現在連携を実施している学校につきましては、取り組み内容の充実を図るとともに、連携を行っていない小規模校につきましては、この事業の趣旨を重ねて説明し、関係者の理解を得て事業を実施してまいりたいと考えております。  教育委員会といたしましては、入学者数などが極端に減少して、統廃合など、その学校のあり方について検討せざるを得ない状況とならないよう、この事業にしっかり取り組み、学校の活性化を支援してまいりたいと考えております。 60: ◯議長(林 正夫君) 児玉 浩君。 61: ◯児玉 浩君 小規模校に対して、しっかりとした対処をお願いしたいと思います。  質問の最後は、県有地信託事業について総務局長にお伺いいたします。  本県では、県有地の有効活用を図るためとして、二つの土地信託事業を行っております。この土地信託事業は、信託銀行が土地の所有者から委託を受けて土地を有効利用する事業であり、昭和六十一年には、地方自治法が改正され、地方自治体が有する土地についても適用が認められたことから、全国で十三の都道府県が事業実施をしております。今回は、そのうちの一つ、広島クリスタルプラザについてお伺いいたします。  このビルの建設に当たっては、初期投資に要するとして、平成元年以降、総額九十二億円の借り入れを行い、平成四年から事業を開始しております。信託期間三十年でこの九十二億円の返済を行い、さらに、配当を得る計画でありましたが、十八年が経過した今も、いまだ七十五億円もの借入金残高を抱えており、平成十一年度以降は、信託配当も得られていないのであります。  これを、平成三十四年までの残りの信託期間で完済するためには、十二年間で毎年六億円を超える返済を行わなければならない計算になります。しかし、昨年度、返済に充てられたのはわずかに三千二百万円余りであり、また、これまでの年平均返済額を見ても、一億円にも満たないのであります。  昨年度の入居率は、平成十八年度の九三%から七六・四%にまで低迷している状況もありますが、仮に、これが一〇〇%の入居率であったとしても、毎年六億円もの増収を図ることは到底できないと考えられるのであります。それどころか、今後、さらに大規模修繕工事を行うことも考えると、新たな資金調達が必要となれば、信託終了時の借入金残高はさらに増加するおそれもあります。  そこで、事業期間内にはこの借入金が返済できるとは思えないのでありますが、県は、今後どのような見通しを持っておられるのか、総務局長にお伺いいたします。 62: ◯議長(林 正夫君) 総務局長藤井雅文君。         【総務局長藤井雅文君登壇】 63: ◯総務局長(藤井雅文君) 広島クリスタルプラザの経営状況につきましては、ここ数年、入居率や賃料水準の低迷によりまして厳しい収支状況が続いております。  このような中、県といたしましては、これまでも、信託銀行に対しまして徹底した経営改善を要請してきたところでございますが、現状のまま推移した場合には、信託期間内での借入金の返済は困難であると考えております。 64: ◯議長(林 正夫君) 児玉 浩君。 65: ◯児玉 浩君 このままいくと困難であるというお答えだったと思います。  実は、他県においても、土地信託事業の破綻に陥っているケースがあります。兵庫県のスポーツ施設の債務をめぐっては、いまだ係争中の事案ではありますが、今年五月には、約七十八億円余りの債務について、県側に全額支払いを命じる控訴審判決があったところであります。  このことは、本県においても同様な事態が予測されますが、信託期間が終了した時点での債務負担については、本県の信託契約上、だれが負担することとなるのか、また、県が負担することとなればどの程度の負担が生じるのか、また、清算後の財産はどこに帰属するのか、総務局長にお伺いいたします。 66: ◯議長(林 正夫君) 総務局長藤井雅文君。 67: ◯総務局長(藤井雅文君) 信託期間が終了した場合、県と信託銀行との信託契約では、受託者である信託銀行が、県と協議の上、残る債務を処理することになっております。したがいまして、具体的な対応につきましては、県と信託銀行との協議が前提となりますことから、現段階では、具体的な対応につきましては申し上げることはできないところでございます。  最高裁へ上告中の、土地信託事業に係る兵庫県の訴訟につきましては、資金調達の際に県が損失補償しているなど、本県の状況とは異なる点もございますが、この裁判の動向について注視してまいりたいと考えております。  信託契約では、信託期間終了後の土地と建物につきましては、受益者である県に帰属することになりますが、先ほど申し上げましたように、債務が残る場合につきましては、信託銀行との協議が必要になります。 68: ◯議長(林 正夫君) 児玉 浩君。 69: ◯児玉 浩君 信託銀行との協議ということでありますし、最終的にビルがどちらのものになるかまだわからないというような不透明なことでございますが、やはりしっかりとした協議を進めていっていただきたいと思っております。  こうした状況を考えますと、受託した信託銀行の経営努力が不十分であるということは当然でありますが、そもそも、ビルの賃貸料で九十二億円もの借入金を返済し、さらに、信託配当まで受け取ることができるという、信託銀行が策定した当初計画そのものが妥当だったのかと疑わざるを得ない状況であります。  こうした事態に陥っている土地信託事業の現状ではありますが、このことによる本県財政への影響というものは何としても食いとめ、県民の理解を得なければならないのであります。  そのために、ビル売却により早期事業清算に踏み切ることが得策なのか、運営に責任を負う銀行にさらなる努力を求め、債務圧縮を図るのがよいのか、また、県としての利活用策を探ることになるのか、この土地信託事業という隠れた負の財産についてどのように対応していかれるのか、知事のお考えをお伺いいたします。 70: ◯議長(林 正夫君) 知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 71: ◯知事(湯崎英彦君) この事業に対する今後の対応につきましては、信託銀行ともたび重なる協議を行ってきたところでございます。現時点で、この信託財産を売却するという方法もございますけれども、現在の非常に厳しい不動産市況においては、有利な条件で売却できる可能性は小さい状況にあると考えております。  したがいまして、現段階では、この事業を企画・提案して受託した銀行に対して、その責任において徹底した収支改善策を実施するように強く求めて、債務をできる限り縮減していくということが適切であると考えております。  議員御提案のような、県としての利活用策については、こうした取り組みを見きわめた上で判断するべきものと考えております。  いずれにしても、県としては、引き続き、先ほど申し上げたような、現段階でできるだけ債務を縮減していくという考えのもと、取り組んでまいりたいと考えております。 72: ◯議長(林 正夫君) 児玉 浩君。 73: ◯児玉 浩君 いまだ事業期間の半ばということもありますので、まだ十分な答弁はいただけませんが、さらに対応を強化されて、債務の圧縮に努めていただきたい。また、将来の県財政に悪影響を与えないように、しっかりとした対処をお願いしたいと思います。  最後に、意見を申し上げたいと思います。  先ほどの県有地信託事業は、バブル経済全盛の時代に、民間活力を生かした新たなまちづくりの手法として、本県においても投資したものであります。しかし、ここに至っては、本県の大きな負の財産として抱えざるを得ない状況に追い込まれていると思います。  これだけではありません。今次定例会には、広島エアポートビレッジ開発株式会社が経営破綻し、先月末に全株式を売却したことに伴い、県立中央森林公園に係る指定管理者の変更が報告されておりますが、この経営破綻はさまざまな影響を与えております。  県に対しては、出資した二十四億五千万円ばかりでなく、債権者への弁済率が三一%とされたことから、無利子融資についても約十六億円余りの影響を与え、総額四十億円という大きな損害を与えましたし、預託金を預けられた民間の方々に対しても、総額で約十九億円という損害を与えるに至ったのであります。  こうした投資というものは、一方では大きなリスクを伴うものでありますし、その原資は県民からの貴重な税金であることを忘れてはならないと思います。知事は、産業革新機構という新たな投資を検討されておりますが、こうした、本県が抱える負の財産というものを教訓とし、県民に対して新たなるツケを回すことがないように、慎重に検討しながら進めていただきたいと考えるのであります。  また、先日は、三日間にわたって事業仕分けが実施され、多くの事業が不要、要改善とされております。しかし、判定に至る中で、現場の実情が説明できない、あるいは議論が尽くされたとは思えないという意見もある中で、知事には、この事業仕分けの結果を今後どのように判断するのかということが真に問われているのであります。  今後の予算編成に当たっては、知事みずからが言われる県民起点、現場主義をしっかりと意識し、県民一人一人の信頼にこたえる、そうした認識のもとで慎重に判断する責任があることは改めて申し上げるまでもありません。  県民が安心し、生き生きと暮らせる、そうした明るい将来を展望できる広島県の姿を実現するため、最善の努力を尽くしていただきたいということを申し上げ、私の質問を終わりたいと思います。  御清聴、まことにありがとうございました。(拍手) 74: ◯議長(林 正夫君) この際、暫時休憩いたします。午後の会議は一時から開きます。         午前十一時三十五分休憩              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~         午後一時一分開議 75: ◯副議長(山崎正博君) 出席議員五十四名であります。休憩前に引き続き会議を開きます。  引き続いて質問を行います。栗原俊二君。         【栗原俊二君登壇】
    76: ◯栗原俊二君 皆さん、こんにちは。公明党広島県議会議員団の栗原俊二でございます。  我が会派では、去る九月一日、知事あてに補正予算要望を行ったところであります。中でも、昨今の厳しい雇用情勢や円高に対する懸念から緊急の課題となっている経済・雇用対策、さらに、我が会派も現地視察を行い、知事に対して災害救助法の認定申請を強く要請した、七月の梅雨前線豪雨による被害に対する災害対策などを中心に質問したいと思います。  湯崎知事の力強いリーダーシップで、県民が安心・安全に暮らせる広島県を実現していただけるよう要望いたしまして、質問に入ります。  それでは、質問用演壇に移り、質問いたします。(質問用演壇に移動)  まず最初に、雇用対策についてであります。  国内、県内の景況は回復基調にあるとの判断がされておりますが、最近の円高等から、輸出企業を中心に大きな影響を受けている中、本県の完全失業率が四%を超える高率で推移するなど、雇用情勢は依然として厳しく、働きたいのに働く場所がないという人が多く存在する状況が続いております。自助努力で解決すべき点は当然ありますが、県内の有効求人倍率が〇・六倍前後で続く雇用環境にあっては、個人の力だけでは解決できるものではありません。  こうした中、平成二十一年度大学卒業者の就職率は、今年四月一日時点で、前年同期比三・九%減の九一・八%となりましたが、大企業を中心とした新卒優先採用の雇用慣行が卒業後の就職活動を困難にすることから、新たな問題として、就職活動に有利な新卒の立場を続けるためにあえて留年する希望留年者を生み出しております。  この背景には、企業側の新卒者至上主義の採用傾向があることから、公明党としては、参議院選挙のときのマニフェストで、新卒要件を卒業後三年間までは緩和することを提唱いたしました。大企業を中心とした新卒優先採用という我が国の雇用慣行を急激に変更することは困難であると思いますけれども、新卒者を含む厳しい雇用環境を打開するために、県として、積極的に企業側に働きかけるとか、企業、大学の間で新しいルールの策定を促すなどの取り組みが必要ではないかと思いますが、御所見をお伺いいたします。 77: ◯副議長(山崎正博君) 当局の答弁を求めます。知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 78: ◯知事(湯崎英彦君) 新卒者を含む若年者の雇用の確保につきましては、将来にわたる本県の社会経済の活力の維持等の観点から大変重要な課題であると認識しておりまして、関係機関との連携を図りながら、きめ細かな支援を行っているところでございます。  こうした中で、御指摘の新卒優先採用という雇用慣行につきましては、県としても従来から課題意識を持っております。これまでも、新卒者を対象とした就職面接会に、卒業後おおむね三年以内の方々にも応募の機会を与えていただくよう、参加企業への働きかけを行っているところでございます。  また、国においても、先般決定された経済対策の中で、卒業後三年間は新卒扱いとすることなど、就職が決まらないまま卒業された方々の就職支援を充実させることとされております。  これを受けて、三年以内の既卒者も対象とする新卒者就職応援本部をハローワーク、県、労働界、産業界、学校等の関係者を構成員として設置いたしまして、経済団体等への要請も行うこととしております。  引き続き、新卒者の支援に加え、既卒者の採用促進にも努めてまいります。 79: ◯副議長(山崎正博君) 栗原俊二君。 80: ◯栗原俊二君 大学では、今、就職活動の早期化と長期化で、三年生以降は教育が成り立たない状況であるようであります。専門教育を受けるべき最も重要な時期に学生が能力を伸ばせないという課題があるようです。これは、余りにも不健全であります。現状の厳しい雇用環境を打開するために、ぜひとも御検討をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。  さて、本県では、国の経済対策に係る基金のうち、雇用関連基金として、広島県雇用創出基金と広島県緊急雇用対策基金を合わせて二百十六億円余を造成し、平成二十一年度から三年間の予定で、安定的な雇用や緊急かつ臨時的な雇用を創出する事業を実施することとしております。  この基金事業の執行状況については、雇用創出基金が、今回の九月補正を含め、全体で約五九%、緊急雇用対策基金が約六五%と聞いておりますが、今後どのような計画で執行しようとしているのか、お伺いいたします。 81: ◯副議長(山崎正博君) 商工労働局長津山直登君。         【商工労働局長津山直登君登壇】 82: ◯商工労働局長(津山直登君) 雇用関連基金につきましては、継続的な雇用機会を創出いたします雇用創出基金事業と、原則一年以内の短期の雇用機会を提供いたします緊急雇用対策基金事業を実施いたしております。  このうち、雇用創出基金事業につきましては、現在実施しております事業を平成二十三年度も継続して実施してまいりますので、これによって基金造成額の全額を執行できるものと見込んでおります。  また、緊急雇用対策基金事業につきましては、県や市町が企画した事業に加え、民間団体等からの企画提案に基づきまして実施いたします一般公募事業などにも取り組むことによりまして、できるだけ前倒しで執行してまいりました。  このたびの補正予算で追加提案いたしております基金の積み増し分を含めまして、引き続き、雇用機会の早期提供に努めながら、平成二十三年度内の全額執行を図ってまいります。 83: ◯副議長(山崎正博君) 栗原俊二君。 84: ◯栗原俊二君 この雇用関連基金事業は三年間で実施することになっておりますけれども、今、まさに仕事を求めている人が大勢いる中、今年度で基金をすべて使い切ってでも雇用機会の創出に取り組むべきであると考えます。  次に、実施内容について言えば、離職者や未就職卒業者等を対象に人材育成事業を実施しておりますけれども、短期間で身につけた技術が次の雇用に結びつき、また、雇用先でその技術が生かされるといった取り組みになっているのでありましょうか。そもそも、短期間でどの程度の知識・技術が身につくのか、多少疑問に感じているところでありますが、緊急雇用対策基金の中のメニューとして実施するといえども、人材育成はもっと長期的な視野を持って取り組むべきであると考えます。  三年間の雇用関連基金事業の折り返しに当たりますけれども、市町事業を含め、これまでの取り組みについてどのように検証していらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。 85: ◯副議長(山崎正博君) 商工労働局長津山直登君。 86: ◯商工労働局長(津山直登君) 先ほど申し上げました二つの事業のうち、雇用創出基金事業につきましては、七月末現在で、県と市町を合わせまして八十事業で、新規雇用総数は三百九十名となっております。このうち、既に百六十四名が中小企業の新規事業展開や農業集落法人の担い手といたしまして正規に雇用されるなど、一定の成果を上げていると考えております。  また、緊急雇用対策基金事業につきましては、環境、教育、治安、防災など幅広い分野におきまして、七月末現在で、県と市町を合わせまして八百七十事業で、新規雇用者数は四千五十六名となっておりますが、制度上、短期的な雇用にとどまっている実態にございます。  このため、今年度から、研修と就業体験を組み合わせることによって、必要な知識や経験の習得を図るとともにその就業体験先での雇用につなげる事業にも取り組んでおり、既に正規雇用に結びついているものもございます。  今後とも、雇用関連基金を積極的かつ効果的に活用いたしまして、安定的な雇用の創出に向けて全力で取り組んでまいります。 87: ◯副議長(山崎正博君) 栗原俊二君。 88: ◯栗原俊二君 そもそも、この雇用関連基金事業につきましては、国において、自公連立政権であった平成二十年十月に、生活対策としてふるさと雇用再生特別基金事業が創設され、続いて、同年十二月に、生活防衛のための緊急対策として緊急雇用創出事業が創設されたもので、それぞれ平成二十年度補正で予算化されたものであります。  この事業は平成二十三年度に終了してしまいますが、今の経済状況を見ますと、雇用関連基金事業が終了した途端に、この事業を活用して創出した雇用の場が一斉に消失してしまうのではないか、このようなことが冗談ではなくあり得るのではないかと危惧するところであります。今回、この雇用関連基金事業は三年間で実施することになっておりますが、今、まさに仕事を求めている人が大勢いる中、前倒ししてでも雇用機会の創出に取り組むべきであるというふうに考えます。  したがいまして、この事業終了後も、引き続き、安定的な雇用機会の確保及び創出のため、県独自でも雇用創出に関する事業を継続して取り組むべきであると考えますが、御所見をお伺いいたします。 89: ◯副議長(山崎正博君) 知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 90: ◯知事(湯崎英彦君) 厳しい雇用情勢の中、緊急経済・雇用対策の一環でございます雇用関連基金事業については、できるだけ幅広い分野での雇用機会の創出や前倒し執行に努めるなど、全力を挙げて取り組んでおります。  その一方で、短期的な雇用対策にとどまらず、企業ニーズに応じた職業訓練や人材不足感の強い農林水産業、福祉・介護分野等に労働力を誘導するための就業環境の整備などにも取り組んでいるところでございます。  さらに、根本的な雇用力の確保のためには、将来を見据えた魅力のある雇用創出を図る必要があり、県内産業のイノベーション力の強化や成長分野に対応した産業の育成など、戦略的な産業振興に積極的に取り組むこととしております。  こうした取り組みを通じまして、魅力のある雇用が創出され、県民の皆様が将来に向けて大きな希望の持てる強固な経済基盤の確立を図ってまいりたいと考えております。  いずれにいたしましても、基金事業終了後につきましては、その時点での経済・雇用情勢を見きわめた上で、適切に対応してまいりたいと考えているところでございます。 91: ◯副議長(山崎正博君) 栗原俊二君。 92: ◯栗原俊二君 雇用対策から、次に、経済対策に移りたいと思います。  我が会派が、九月補正予算に対する知事への要望でも取り上げましたけれども、エコカー購入補助金に関するものでございます。  前政権の経済対策の一つとして、昨年四月から、一定の環境性能を有するエコカーに買いかえた場合、登録車で二十五万円の補助金を交付するなどのエコカー購入補助制度を実施してまいりましたが、それも九月七日の申請分をもって終了すると発表されました。  直近の八月の軽自動車を除く新車販売台数は、前年同月比の四六・七%増の二十九万七百八十九台となり、前年同月比では十三カ月連続のプラスで、伸び率は七月の一五・〇%を上回り、八月としては、一九六八年の統計開始以降で最高となりました。補助金制度の終了を控え、駆け込み需要が膨らんだことも影響していると思われますけれども、かなりの効果があったものと言えます。また、補助金終了後の十月以降は反動減が予想され、自動車産業の本格回復には至っていないとの指摘もあり、大変懸念されるところであります。  こうした中、愛知県安城市では、十月以降、市内の自動車販売店からエコカーの新車を購入した市民と市内に事業所を持つ法人に対して独自に補助金を交付する方針を決定したとの記事が掲載されておりました。これは、同市には、トヨタ自動車関連の部品製造業者が多く、急激な新車販売の落ち込みや法人税収の減少を防ぐねらいがあるものと思われます。  本県におきましても、マツダ関連など、自動車部品関連事企業が多いことから、状況は極めて近似しております。まずは、国に対してこの補助金制度の延長を要望するとともに、同様の対策が必要であると考えますが、御所見をお伺いいたします。 93: ◯副議長(山崎正博君) 商工労働局長津山直登君。         【商工労働局長津山直登君登壇】 94: ◯商工労働局長(津山直登君) エコカー補助金につきましては、制度の終了により新車販売の減少などその影響が懸念されるものの、一定の政策効果等により個人消費が持ち直しつつあることなどを踏まえまして、予定どおり終了されたものと認識いたしております。  もとより、自動車関連産業は本県の基幹産業であり、今後とも、その動向を注視し、競争力の強化や販売の促進に向けまして、積極的に支援してまいりたいと考えております。 95: ◯副議長(山崎正博君) 栗原俊二君。 96: ◯栗原俊二君 本県の財政は大変厳しいものと思いますが、ぜひとも、そうした影響が最小限にとどまるような対策を御検討いただきたいと思います。  続きまして、災害対策として安佐南区、安佐北区などで起きた都市型の浸水被害への対策についてお伺いいたします。  近年、予測が困難な突発的で局地的な豪雨、いわゆるゲリラ豪雨が全国各地に大きな被害をもたらしておりますが、今年の七月十二日からの梅雨前線豪雨により広島県内でも多くの被害に見舞われました。このたびの災害により犠牲となられた方々に対しまして、改めまして御冥福をお祈りするとともに、御遺族の皆様に衷心よりお悔やみを申し上げます。また、被災者の方々に心よりお見舞い申し上げます。  広島市安佐南区長束地区でも、七月十四日の局地的な集中豪雨により浸水被害が生じました。その際、新安川の水門を閉鎖して河川にたまった水をポンプで排出しましたが、五百三十八棟もの住宅で床上・床下浸水の被害が生じました。この地区は、市街化により住宅が密集しており、今回のような豪雨になりますと一挙に増水してしまい、ポンプの排出では間に合わないのです。  その被害は、住宅が浸水することだけではなく、住民避難にも影響を与えております。当日、三千四百四十四世帯の七千五百九十八人を対象に避難勧告が発令されたのですが、結果的には、同地区の避難所計四カ所で、五世帯、八人の避難が確認されただけでした。というのも、避難所のうち、小学校と幼稚園の二カ所では周辺道路が五十センチ近く冠水してしまい、多くの住民は水が怖くて家から出られなかったそうです。一つ間違えば大惨事を引き起こしたかもしれません。そうしたことから、地域住民の多くは、今後の台風シーズンを不安に思うと訴えられております。  今回の浸水被害を受け、国の機関である太田川河川事務所と県、市が梅雨前線豪雨内水対策検討会を設置され、年内に被害防止の具体策をまとめるとのことですが、私は、特に、この長束地区におきましては、新安川に雨水や生活排水のすべてを流すのではなく、どこか別の場所から太田川に排出することが有効だと考えますが、いわゆる排水の分散化について、事業実施の可能性についてお伺いいたします。 97: ◯副議長(山崎正博君) 土木局長高垣広徳君。         【土木局長高垣広徳君登壇】 98: ◯土木局長高垣広徳君) 本年七月に発生しました内水による浸水被害の解消を図るため、八月十二日に、国、県、広島市による検討会を設置いたしまして、現在、流域における総合的な治水対策について検討を行っているところでございます。  新安川におきましては、これまでも、県の新安川ポンプ場や広島市の下水道ポンプで流域の雨量を分担して処理をしております。  今後、今回の浸水被害の検証を行い、排水の分散化も含め、既設施設の増強や流出抑制等の流域対策について検討してまいりたいと考えております。 99: ◯副議長(山崎正博君) 栗原俊二君。 100: ◯栗原俊二君 この問題は、広島市との関係が非常に強い課題であるというふうに認識しております。本来、県の業務ではないかもしれませんけれども、国や市とも十分連携していただいて、事業実施に向けて御検討いただきたいと思います。  このような長束地区の事態には、抜本的な対策、いわゆるこのような水量でも対応可能な能力のポンプの増強などが必要であると思いますけれども、応急措置としては、緊急対応が可能な排水ポンプ車の配置が効果的ではないかと考えます。現在、安芸区の国土交通省中国技術事務所に四台配置されているとのことですが、安芸区にあったのでは、安佐南区や安佐北区など太田川流域で発生するこのような局地的集中豪雨など、緊急の際に十分な対応は難しいと思います。  島根県では、同様の対策として、このたび県独自で排水ポンプ車を配備したそうであります。排水能力は毎分三十立方メートルで、二十五メートルプールなら十五分間で排水できると言います。  また、矢口川にありながら新安川ポンプ場になかったのが、ポンプが稼働したことを知らせるサイレンと警告灯であります。このため、長束地区では、地域住民へ樋門の閉鎖とポンプの稼働を告知できなかったことが問題であります。応急対策として、早急にこのサイレンと警告灯は設置すべきであると考えます。  この国、県、市の三者による検討会では、このような応急対策も含めた協議がなされているのかどうか、お伺いしたいと思います。 101: ◯副議長(山崎正博君) 土木局長高垣広徳君。 102: ◯土木局長高垣広徳君) 検討会では、恒久対策とあわせまして、応急対策についても検討することとしております。応急対策につきましては、国所有の排水ポンプ車の早期配備体制の確保を初め、より迅速な情報伝達が可能となるよう、連絡体制づくりや、ポンプの稼働状況を知らせるためのサイレンや警告灯などの情報機器の設置について検討しているところでございます。 103: ◯副議長(山崎正博君) 栗原俊二君。 104: ◯栗原俊二君 地域住民が一日も早く豪雨時の不安を解消し、安心して生活できるよう、ぜひとも国、県、市の三者がしっかり協議していただいて、抜本対策と応急対策の両面から適切な対応策を講じていただきますようお願いしたいと思います。  では、次に、急傾斜地崩壊対策事業についてお伺いいたします。  広島県は、土石流危険渓流と急傾斜地崩壊危険箇所の数が全国一多く、土砂災害の危険性が高い地域であり、私の住んでいる安佐南区は、土石流危険渓流数、急傾斜地崩壊危険箇所数が約千箇所近くもあり、県内でも被害を受ける可能性の高い地域であります。本年七月のゲリラ豪雨による災害の報道を見聞きするたびに、急傾斜地崩壊対策事業を要望されている地域住民からは、一日も早く事業を実施してほしいとの切実な声をお聞きいたします。  御承知のとおり、事業実施に当たっては、まず、急傾斜地崩壊区域の指定が必要となるため、地域住民などは、その区域の世帯の同意をとった上で、市町を通して県に要望されます。県は、この要望を受けて、事業実施の要件に合致しているかを判断し、その上で、用地の測量、無償借地契約の締結や工事設計などを行うという流れになっております。これらに要する期間が平均して約二年から三年かかり、その後、工事着工になるとのことであります。しかし、地元住民にしてみると、全対象者の同意を取りつけて事業実施を要望してから、最初の約三年間は、県は何もしていないように感じておられるわけであります。  要望を受けて着工までの期間を短縮して、早期に目に見える形で事業に着手することが、地域住民の方々の不安を解消することにつながると思いますけれども、実際、この期間を短縮することは可能なのか、お伺いしたいと思います。 105: ◯副議長(山崎正博君) 土木局長高垣広徳君。 106: ◯土木局長高垣広徳君) 急傾斜地崩壊対策事業につきましては、優先的に対策すべき箇所のうち、地元の調整が整ったものにつきまして順次実施しているところでございます。  事業着手までに、採択要件に係る調査や国への採択申請、採択決定後の急傾斜地崩壊危険区域の指定や用地の取得などの手続に三年程度を要しております。  地域における早期の安全確保に向け、事業執行に必要となるこれらの手続については可能な限り速やかに実施するとともに、関係住民の方々に対しましては、進捗状況について適宜お知らせするよう努めてまいります。 107: ◯副議長(山崎正博君) 栗原俊二君。 108: ◯栗原俊二君 局長の答弁にありましたとおり、できるだけこの期間の短縮をぜひともお願いしたいと思います。  私は、この安佐南区のような都市化の進展が著しい地域については早急に被害を最小限に食いとめるための対策を講じるべきと考えます。  これまで財政再建との関係で十分に事業を実施できなかった、こうした急傾斜地崩壊対策事業も、県民の安全・安心を確保する観点から、規模の大小にかかわらず、災害防止上必要な箇所を中心に事業実施を前倒しして、優先的に対策を講じていく必要があると考えます。  このような事業実施に対して、財源の確保も含めて、基本的な考え方についてお伺いいたします。 109: ◯副議長(山崎正博君) 知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 110: ◯知事(湯崎英彦君) 土砂災害から県民の生命・財産を守ることは県の重要な責務であり、これまで、土砂災害防止施設の整備に鋭意取り組んできたところでございます。  しかしながら、施設整備を必要とする箇所は依然として多く残されており、過去に災害が発生した箇所や危険箇所内に人家が連檐している箇所など、緊急度や事業効果の高い箇所を優先して事業実施しております。  災害を未然に防ぐための施設整備に当たりましては、従来の手法にとらわれることなく、新工法の積極的な活用などの取り組みを一層推進していくとともに、土砂災害警戒区域の指定などのソフト対策もあわせて進め、県民の皆様の安全・安心の確保に努めてまいります。 111: ◯副議長(山崎正博君) 栗原俊二君。 112: ◯栗原俊二君 本県の財政は大変厳しい、これは十分承知しておりますけれども、安全・安心を確保する観点からぜひとも御検討をお願いしたいと思います。  続いて、次の質問は教育長にお願いしますので、教育長、よろしくお願いいたします。 113: ◯副議長(山崎正博君) 教育長、答弁待機席へお願いします。
    114: ◯栗原俊二君(続) 次に、学校校庭の芝生化についてであります。  校庭の芝生化につきましては、小学校を中心として、数年前から全国でも多くの地域で推進されており、県内においても積極的に取り組まれている例があります。  まず、芝生化の意義についてでありますが、何よりも大きなメリットは子供たちへの効果であることは言うまでもございません。転んでもけがが少ないことから安心して走り回ることができるということで、実際に、生き生きとして活力に満ちた子供たちの姿を見たとき、そのすばらしさを痛感いたしました。昨今、子供たちの運動不足が指摘される中で、体力、運動能力の向上に資する効果というものは極めて大きいと考えます。  もう一点は、地球温暖化への対応であります。東京や大阪などの都市部では、いわゆる環境対策の必要性から都市緑化を行っており、ヒートアイランドへの対策として芝生化を推進しております。あわせて、地域住民にとってみれば、砂ぼこりが抑えられることからも大変に喜ばれておりまして、地域が一体となって維持管理に努めることから、地域コミュニティーの推進にも効果をもたらすものであります。  こうしたことから、我が会派では、毎回の会派予算要望で校庭の芝生化を要望してきたところであります。  そうした中、昨年度一月補正予算では、国の地域活性化・きめ細かな臨時交付金を活用した公立小学校の校庭の芝生化に係る一億円の予算が計上され、今年度、各市町で事業が具体化されております。  そこでまず、この一億円の予算に対する事業の執行状況についてお伺いいたします。 115: ◯副議長(山崎正博君) 教育長榎田好一君。         【教育長榎田好一君登壇】 116: ◯教育長(榎田好一君) 広島市、竹原市、安芸太田町、北広島町及び神石高原町の五市町七小学校に対し、総額四千七百九十万円を交付決定しており、四七・九%の執行率となっております。 117: ◯副議長(山崎正博君) 栗原俊二君。 118: ◯栗原俊二君 今の答弁を伺いますと、予算の半分にも届いていないという状況でございます。  それでは、残った予算については今後どのように対応されようとしているのか、お伺いしたいと思います。 119: ◯副議長(山崎正博君) 教育長榎田好一君。 120: ◯教育長(榎田好一君) 交付決定額が予算額を下回ったため、市町に対して追加募集を行いましたが、応募はございませんでした。  このため、予算の執行残につきましては、現在、対応を検討しているところでございます。 121: ◯副議長(山崎正博君) 栗原俊二君。 122: ◯栗原俊二君 県としては、補正予算を計上してまでこの芝生化を推進しようとされたわけですから、芝生化のメリットや芝生の維持管理の面についても市町に十分に説明されてきたものと理解しておりますけれども、それが半分以下の事業執行であったことに対して、県としては何か課題があると認識しておられるのか、この点についてお伺いします。 123: ◯副議長(山崎正博君) 教育長榎田好一君。 124: ◯教育長(榎田好一君) このたび、交付決定額が予算額を大幅に下回ったのは、交付決定した五市町七小学校のうち、四市町六小学校が、芝の苗を事業実施者が購入し、住民が手分けして植えつけを行い、低コストで芝生化を進めるという方式を採用したことがございます。  一方、経費面を含めて、芝刈りや水やりなど維持管理の負担が大きく、地域住民と連携する仕組みをつくっていくことが芝生化の課題であると認識しております。 125: ◯副議長(山崎正博君) 栗原俊二君。 126: ◯栗原俊二君 校庭を芝生にすることによる効用は、県内に事例がなかなか少ないだけに、教職員、PTA、そして地域に対してある程度時間をかけて説明しなければならないと思います。事業に名乗りを上げるまでにそれらの時間を要するため、各学校が期間内に手を挙げにくかったのではないかと私は推察いたします。  このたび実施に踏み切った私の地元の広島市立安西小学校では、たまたま昨年の七月あたりから、芝生化をテーマにPTAで講演会を開催したり、実践校の視察を行ったりしていた経緯がありましたので、今回の市教委を通じた公募にすぐ手を挙げられたと伺っております。  そのほかにも、五月の事業採択から植えつけ最適時期のこの六月までの期間が余りにも短かったために、まず、苗の調達が難しかったこと、それから、もう一つ、各市町の教育委員会に校庭芝生化についての専門知識が乏しく、手探りの取り組みだったこと、また、一校当たりの予算額など採択基準が明確に示されていなかったこと、このようなことが課題ではないかと思っております。  校庭の芝生化事業は、教育面でも環境面でも地域にとっても、実施前の苦労には到底かえがたい、複合的なすばらしい効果があることは実証済みであります。  いずれにしても、県としては、補正予算を計上して事業を進めてきたわけですから、当然、芝生化を推進すべきであると考えておられると思いますが、今後、各市町とどのように連携して芝生化を推進しようとされているのか、来年度以降の対応もあわせてお伺いいたします。 127: ◯副議長(山崎正博君) 教育長榎田好一君。 128: ◯教育長(榎田好一君) このたびは、モデル事業として、都市緑化や環境学習の推進、地域のコミュニティーの育成など、先導的で波及効果の高いものを採択しております。また、実際に地域住民と連携した植えつけ、維持管理により低コスト化を実現した事例も多く出てきております。  教育委員会といたしましては、これらの取り組みの成果を他の市町や学校に広めることにより、小学校の校庭の芝生化を推進してまいりたいと考えております。 129: ◯副議長(山崎正博君) 栗原俊二君。 130: ◯栗原俊二君 この芝生化につきましては、先ほど申し上げましたけれども、やはり地域が非常に大事であります。保護者等の理解もやはり必要であります。そういったことには相当の時間がかかることも十分考慮の上、事業の推進をお願いしたいと思うわけです。このたびの芝生化を実施した学校からその辺の効果とか課題をしっかり聴取していただき、まずは十分な検証をお願いしたいと思います。  私としては、現在実施しているモデル校に対して、次年度の維持管理等の追加経費の検討も含めて、来年度以降も事業を継続して実施していただくことを要望いたしまして、次の質問に入りたいと思います。  高齢者対策についてであります。  本年の七月、東京都足立区で百十一歳のミイラ化した遺体が発見されたことから端を発し、全国でも百歳以上の高齢者の所在不明者が相次ぎ、問題となっております。  そこで、現在、広島県において、住民基本台帳に記録された百歳以上の高齢者で所在不明となっている方はいるのでしょうか。また、仮にいらっしゃるということなら、市町別にどのような状況になっているのか、さらに、これら所在不明者の状況確認はどのように実施されているのか、お伺いいたします。 131: ◯副議長(山崎正博君) 健康福祉局長佐々木昌弘君。         【健康福祉局長佐々木昌弘君登壇】 132: ◯健康福祉局長(佐々木昌弘君) 県では、住民基本台帳に記録されている百歳以上の高齢者の所在について、すべては把握しておりませんが、国の老人の日記念事業に際し、市町の百歳以上の高齢者の男女別上位五人及び今年度中に百歳になられる方については、市町を通じ、すべて所在を確認したところでございます。  また、市町に対し、高齢者の所在や安否の確認に当たっては、住民基本台帳担当部署と高齢者保健福祉担当部署とで緊密な連携を図るとともに、介護保険の給付情報等も活用するよう通知したところでございます。 133: ◯副議長(山崎正博君) 栗原俊二君。 134: ◯栗原俊二君 先ほどの局長の答弁をお伺いしますと、逆に言いますと上位五人しか確認されていない。それで、新たな百歳になられた方の確認という二点でありますから、全員の確認はできていないということになるわけですけれども、今後、この全員の確認をするという考えはありませんか。 135: ◯副議長(山崎正博君) 健康福祉局長佐々木昌弘君。 136: ◯健康福祉局長(佐々木昌弘君) 高齢者の安否確認、また、住民基本台帳の記録の正確性の確保につきましては、さまざまな施策の基本となることから、住民に関する記録の管理が適正に行われるように、必要な措置を講ずるよう各市町に働きかけてまいりたいと考えております。 137: ◯副議長(山崎正博君) 栗原俊二君。 138: ◯栗原俊二君 こういう問題が発生いたしました。今の答弁によりますと、本県におきましては、百歳以上の高齢者の中で、全員ではありませんが、所在不明になっている方はいらっしゃらないということになるわけですけれども、他の都道府県では現実に起きていることであります。こうした問題の裏側には、地縁、血縁が薄い地域で暮らす高齢者の孤独な姿が見えてくるようであります。  高齢者につきましては、医療・介護と並んで新たに問題視されているのが、いわゆる買い物弱者対策であります。このいわゆる買い物弱者とは、スーパーの閉店や商店街の衰退、交通手段がないなどの理由で日々の買い物に困る高齢者などのことであり、高齢者にとっては非常に深刻で大きな社会問題となっております。  経済産業省の推計では、この買い物弱者が全国で約六百万人に上るとされております。報告書は、高齢者の多い過疎地域だけでなく、高度成長期に建てられた大規模団地など、都市部でも問題化していると指摘しております。かつては元気で、車にも乗れるため、買い物に苦労するなど思ってもみなかったことが、高齢となり、車にも乗れない状況になると、途端に買い物にも苦労する事態が発生いたします。  私の地元の安佐南区でも、入居から三十年を超え、古くからある団地については、このような高齢者がふえ始めております。生命に直結する問題であるにもかかわらず、医療・介護などに比べると、比較的余り深刻な問題としてとらえられておらず、公的な支援制度の整備もなされていないと指摘されております。  大手のスーパーなどでは、インターネットで注文を受け、宅配するサービスを展開しているところもありますが、ネットを利用できない高齢者も多く、民間事業者や住民だけの対応では限界があるとして、経済産業省は、自治体が補助金を交付する等、官民連携した支援体制の必要性を強調しております。  こうした中、秋田県では、農山村部の高齢者の買い物支援などのサービス参入企業に対して補助するとか、また、福井県では、一部地域で食料品などの移動販売業者に対して車両購入費を補助したり、運転手の人件費を負担するなどの取り組みを始めている自治体もあります。  広島県においては、十月から、尾道市瀬戸田町、北広島町、安芸高田市の三箇所で、日用品の配達、買い物代行を担う実証実験が始まる予定であり、このことについては評価しておりますけれども、これは、緊急雇用対策基金を活用した委託事業でありまして、約六カ月の期限つきの事業であります。  本来、このような高齢者対策事業は継続的に実施されるべきであると考えますが、御所見をお伺いいたします。 139: ◯副議長(山崎正博君) 企画振興局長中山雅文君。         【企画振興局長中山雅文君登壇】 140: ◯企画振興局長(中山雅文君) 人口減少や高齢化の進展に加え、地元商店の衰退や公共交通の縮小といった生活インフラの弱体化に伴い、買い物が困難な人々に対するサービスが求められております。  既に民間におきましては、消費者ニーズに対応して、宅配やインターネットを活用したネットスーパーなどの取り組みが始まっておりますが、こうしたサービスを継続・拡大していくためには、ビジネスとして成り立つことが基本であると考えております。  しかしながら、過疎地域においては、採算性の確保が課題となっており、民間事業者による積極的な事業展開が図られていない状況にあります。  このため、今回の実証実験では、実施事業者の提案により、生活者の困り事に対応するお手伝いサービスを組み合わせるなどの工夫をし、新たなビジネスモデルとしての可能性を探ることといたしております。  県といたしましては、この六カ月間の検証結果を踏まえ、民間事業者が事業を実施する可能性や行政としての支援の必要性などについて検討してまいりたいと考えております。 141: ◯副議長(山崎正博君) 栗原俊二君。 142: ◯栗原俊二君 今回の実証実験は、先ほども局長からありましたとおり、この過疎法の指定地域でありますけれども、これ以外の地域、特に都市部においても同様の問題が生じております。  高齢化の進展とともに、こうした買い物弱者は今後も増加すると見られ、県としても、特定の地域に限らず、何らかの対応が不可欠であると考えますが、御所見をお伺いいたします。 143: ◯副議長(山崎正博君) 企画振興局長中山雅文君。 144: ◯企画振興局長(中山雅文君) このたびの実証実験は、過疎地域という、集落が点在し、採算を確保するには条件が厳しいため、民間事業者の参入が困難な地域を対象として実施するものであります。  県といたしましては、この検証結果を全市町へフィードバックし、課題やニーズなどを共有するとともに、民間事業者への積極的な情報提供を行うことにより、県内において、その取り組みの拡大を促進してまいりたいと考えております。 145: ◯栗原俊二君 先日お話を伺いました静岡大学教育社会学の教授でいらっしゃる馬居政幸先生は、「日本人は、地縁、血縁を大事にしてきた生き方から、地縁、血縁が薄くても生きられる社会をつくってきた。田舎から都会に出て住みつくことが当たり前の社会をつくってきた以上、買い物弱者が出るのは必然のことである。したがって、地縁、血縁の薄い都市部の高齢者を守る仕組みの中に何らかの施策を取り込むことは当然想定されなければならない。」このように指摘しておられます。  まずは、県全域で実態を調査するなどして現状把握に努めていただき、新たな高齢者対策として取り組まれますよう要望いたしまして、次の質問に入ります。  次の質問は、「瀬戸内 海の道構想」についてであります。  私は、この構想について、県民の関心は非常に高いと感じておりましたが、実証事業への応募数が三十六本、意外に少なかったのかなという気がしております。  この構想の策定に当たっては、瀬戸内エリア全体をブランド価値の高い一つのものとしてとらえていこうという思想により、海側だけではなく、山側にも十分配慮して取り組んでおられると聞いております。  しかし、今回実施する十九本の実証事業の概要を見ますと、一部、銀山街道を対象としたものや山と海の交流、連携等を行うものがありますけれども、県実施分、公募分ともに、ほとんどが海側を対象とした事業となっております。  また、「瀬戸内 海の道構想」は観光が中心として位置づけられておりますが、観光以外の地域産業の活性化も目指しているということであり、その波及効果に大いに期待しているところであります。  しかし、農林水産業やサービス業などへの展開はわかりやすいのですが、それ以外の産業の振興についてどう展開していこうとしているのか、なかなか見えてこないわけであります。  ついては、観光以外の地域産業の振興について、今後、どのような考えで構想の策定作業を進めていくのか、お伺いいたします。 146: ◯副議長(山崎正博君) 知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 147: ◯知事(湯崎英彦君) 「瀬戸内 海の道構想」は、観光からの波及効果の及ばない産業の振興に直接寄与することを目指すものではございません。  しかしながら、観光客の拡大等によって、一次、二次、そして三次のすべてを含む幅広い産業に経済的な波及効果を及ぼし、さらに、その間接的効果も含めて地域経済及び社会の活性化を目指すとともに、雇用や生きがいの創出を通じて県民の皆様の豊かな生活を実現していくことをねらうものでございます。 148: ◯副議長(山崎正博君) 栗原俊二君。 149: ◯栗原俊二君 実証事業のうち、県実施分には、仮称ではありますけれども、瀬戸内アート回廊プロジェクトとして、瀬戸内国際芸術祭との連携等が予定されております。瀬戸内国際芸術祭は、ことしを第一回として三年ごとに開催を目指す長期的なプロジェクトで、ことしは七月十九日から十月三十一日までの間に開催され、これまで、外国人観光客を含め地域内外から多くの方が会場を訪れていると聞いております。  会場となっている備讃瀬戸の直島、犬島、小豆島など七つの島には、ベネッセハウスミュージアムや地中美術館など新しい施設もありますが、近代化産業遺産の銅の精錬所や空き家をアート空間として再生させたものもあり、さまざまな工夫により各島の有する資源を有効に活用しております。地域資源の再生や地域住民参加によるアートな島づくりから瀬戸内国際芸術祭開催に結びつけていった備讃瀬戸の島々での取り組みや、瀬戸内国際芸術祭の各会場へのアクセスとして二十航路が運航され、会場内の周遊性が確保されている点などは大いに参考とすべきであります。  「瀬戸内 海の道構想」は、瀬戸内エリア全体をブランド価値の高い一つのものとしてとらえるということであります。瀬戸内海を一つの大きなテーマパークとして位置づけ、内陸部も含めた瀬戸内の各地域に特色あるテーマランドを創出するとともに、鞆の浦と宮島間で新たな航路を実験的に運航するといった各テーマランドにつながりを持たせる取り組みをふやすなど、観光客が長期滞在できるような仕掛けを行っていく必要があると考えますが、御所見をお伺いいたします。 150: ◯副議長(山崎正博君) 知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 151: ◯知事(湯崎英彦君) 御例示いただきました瀬戸内国際芸術祭は、直島を中心的な開催地としておりますけれども、ここでは、島を使って時間と空間を非常にうまく演出されており、瀬戸内海における特色あるテーマランドの好例であるというふうに考えております。  県内におきましても、既に、瀬戸内海の島々を初めとして、沿岸部や内陸部には、日常の暮らしと花あるいは塩、空き家といったテーマを組み合わせた取り組みの芽がございまして、これらをつなぎ合わせれば上質な空間が演出される可能性があると実感しております。  また、瀬戸内の各地域をつなげる航路等については、例えば、宮島から尾道、尾道から直島など、瀬戸内海を東西に結ぶクルーズ船等の実現可能性等についても検討することとしております。  「瀬戸内 海の道構想」においては、それぞれの地域の取り組み等をつないで、魅力あるストーリーを組み立て、瀬戸内エリア全体をテーマパークのように魅力あるものとして、一体的に発信してまいりたいと考えているところでございます。 152: ◯副議長(山崎正博君) 栗原俊二君。 153: ◯栗原俊二君 「瀬戸内 海の道構想」においては、各テーマランドをつなげる新たな航路、内陸部では循環バス路線の整備などが重要な点になると考えますが、なかなかこれも簡単ではないという意見もお伺いいたします。  今後は、団体旅行ではなく、少人数による個人旅行の時代と言われております。そこで、私は、だれでも自由に島々を行き来できるよう、海図をベースにした海の観光マップともいえるウエブサイトを開設し、アクセスすれば一目で瀬戸内海の各種情報に触れることができる、こうした情報を一元化・充実するとともに、個人所有の船や観光チャーター船で行き来できる環境整備、例えば、小さな船が気軽に接岸できる港の整備といったことも重要であると考えますが、御所見をお伺いいたします。 154: ◯副議長(山崎正博君) 経営戦略審議官田邉昌彦君。         【経営戦略審議官田邉昌彦君登壇】 155: ◯経営戦略審議官(田邉昌彦君) 「瀬戸内 海の道構想」におきましては、その実証事業の一環として、NPO団体と連携して、御提案のような、海図をベースとした広域詳細マップの作成と、このマップを使って観光情報などを発信するポータルサイトの開発に取り組んでいるところでございます。  また、いわゆる周遊型観光ルートなどの整備に向けましては、小型船舶等で観光名所を自由に訪れることができる係留場所とそのネットワーク化が重要であると考えております。  このため、既存施設の活用や施設の整備を計画的に進めるとともに、各種の施設情報が一元管理できるシステムなど、瀬戸内地域全体でのアクセス機能あるいは情報発信機能を充実する方策を今後実証してまいりたいと考えております。 156: ◯副議長(山崎正博君) 栗原俊二君。 157: ◯栗原俊二君 陸上にはいろいろな旅行マップがいっぱいそろっているわけでありまして、海をテーマにした取り組みをする以上、海の観光マップは必要であると私は思います。こういった情報を一元化して、海の駅、マリーナがどこにあるのか、そして、レジャーボート、遊漁船を借りようとすればどうすればいいのかが一目でわかる、こういったものが次への段階として非常に大事であると思っておりますので、ぜひともよろしくお願いいたします。  では、続いての質問であります。
     次は、がん対策についてでありますが、国内で毎年八千人以上が新たに発症し、約二千四百人が死亡している子宮頸がんは、予防できる唯一のがんと言われております。子宮頸がんは、HPV──ヒトパピローマウイルスによる感染であり、ワクチン接種すれば抑止効果は七〇%以上あり、定期検診と組み合わせることにより、発症率及び死亡率は大幅に軽減できるとされております。  我が国では、このワクチンが平成二十一年十月にようやく承認されたところでありますが、現時点では、任意接種とされております。十分な免疫をつけるために必要なワクチン接種三回分の費用は、合計で約五万円と高額で、ワクチン接種の普及に対する大きな足かせとなっております。  こうした中、厚生労働省の来年度予算概算要求に子宮頸がんの予防ワクチン助成費百五十億円が盛り込まれたところですが、その計画では、市町村が助成する額の三分の一を補助するもので、残りの三分の二の費用負担が重く、接種が受けられない市町村も出てくるかもしれない状況であります。生命にかかわる病気なのに、地域によって予防の格差が生じてしまうのは余りにも残念です。  そこで、残りの三分の二の費用について、全額県が負担するのが最も望ましいと思いますけれども、それが難しい場合でも、市町との役割分担をすることで、三分の一の費用を負担するといった公費助成の制度を検討してはどうかと考えますが、御所見をお伺いいたします。 158: ◯副議長(山崎正博君) 健康福祉局長佐々木昌弘君。         【健康福祉局長佐々木昌弘君登壇】 159: ◯健康福祉局長(佐々木昌弘君) 子宮頸がんワクチンを初めとする任意の予防接種につきましては、現在、国の審議会において評価・分析が行われ、予防接種の位置づけを明確にした上で、公費助成を伴う定期接種への指定も含めたワクチンのあり方について検討が行われているところでございます。  こうした中、国は、がん対策の一環として、来年度予算の概算要求に子宮頸がんワクチンの接種助成費を盛り込んだところでございます。  子宮頸がんは、本県におきましても、毎年多くの方が新たに病気になり、とりわけ若年層において罹患率、死亡率とも増加傾向にあり、その予防として、がん検診とともに十代を対象としたワクチン接種が有効であると認識しております。  県といたしましては、ワクチンの公費助成について、これまで国へ要望してきたところであり、このたび概算要求に盛り込まれたことにつきましては一定の評価をするものであります。  現段階においては、国の公費助成事業の詳細が明らかになっていないことから、引き続き、国の動向を注視するとともに、市町と県との役割分担について検討してまいりたいと考えております。 160: ◯副議長(山崎正博君) 栗原俊二君。 161: ◯栗原俊二君 ただ、こうしたワクチンも万能ではありません。そのため、感染を早期発見するための定期的な検診もやはり不可欠であります。  特に、我が国の子宮がん検診の受診率は低く、国の全額補助で実施した無料クーポン券を配布した平成二十一年度でも、本県のクーポン利用率は二三・八%にとどまっており、受診率が七〇%を超える欧米諸国と比較して著しく低くなっております。  そこで、私は、子宮頸がん検診の受診率向上を図るため、昨年度実施して、結果的に受診率を八%向上させた無料クーポン券を今後も継続的に配布するとか、積極的な広報活動をして普及啓発に努めることが重要であると考えますが、県として、これらにどのように対応されようとしているのか、御所見をお伺いいたします。 162: ◯副議長(山崎正博君) 健康福祉局長佐々木昌弘君。 163: ◯健康福祉局長(佐々木昌弘君) 子宮頸がんの無料クーポン券の配布は、昨年度から、国の施策に対応し、市町において実施しているものでございますが、対象者一人一人に受診を促す有効な取り組みであり、受診率の向上につながっているものと考えております。  市町においては、より検診を受けやすくするため、今年度、検診機関の拡大や検診回数の増加のほか、子宮頸がん検診の対象となる二十代のすべての女性に対する個別受診勧奨など、さまざまな取り組みが進められているところでございます。  県といたしましては、市町が無料クーポン券の配布を継続的に実施できますよう、国に引き続き働きかけますとともに、市町には効果的な受診に向けた情報提供などを行ってまいります。  また、がん検診の普及啓発につきましては、今年度、患者団体、民間企業、マスコミ、市町など、さまざまな団体で構成する「がん検診へ行こうよ」推進会議を立ち上げ、現在、キャンペーンを展開しているところでございます。子宮頸がん検診につきましても、このキャンペーンにおいて、無料クーポン券の利用を呼びかけるリーフレットを配布したり、企業等の会員が独自に講演会を開催するなど、普及啓発に取り組んでまいります。  さらに、広島県地域保健対策協議会において、今年度、子宮頸がんに関する委員会が新たに設置され、検診の精度向上に向けた検討が開始されたところであり、今後、検診体制の充実強化が図られるものと考えております。 164: ◯副議長(山崎正博君) 栗原俊二君。 165: ◯栗原俊二君 受診率を上げていくことを目的とした無料クーポン券の配布の取り組みはぜひ続けていくべきだと思います。五年刻みのクーポン券でありますから、少なくとも五年は行わないと不公平感が生じてしまいますので、これはぜひとも続けていくようお願いしたいと思います。  また、今回の九月補正予算で、がん検診受診率向上促進事業として、個別受診勧奨をする事業が要求されております。個別受診勧奨が受診率向上に効果を上げていることは他県の事例からも明らかであります。このたびは一市町のモデル事業でありますが、今後、事業成果を検証した上で、来年度以降、全県下で実施し、がん対策日本一を目指す広島県らしい、特徴ある事業として御検討いただきますようお願いいたします。  さて、公明党は、この夏の参議院選挙で、新しい福祉として、うつ病対策などの心の病、児童虐待、高齢者の孤独死など、現代社会が直面する新しいリスクの解消に向けた政策を掲げました。今後は、これらをさらに具体化した政策として地域で推進してまいります。また、景気経済で苦境にあえぐ日本の活路を見出すため、地域経済の活性化に力を注ぐとともに、地域の安全・安心の確保を全力で推進してまいります。  広島県も財政的に非常に厳しい状況であることは十分承知しておりますけれども、総動員で知恵を出し合って、広島県に生まれて、そして住んでよかったと思える人が一人でも多くふえるように、種々の施策、対策を講じていただきますよう要望いたしまして、私の質問を終わりにしたいと思います。  御清聴、まことにありがとうございました。(拍手) 166: ◯副議長(山崎正博君) 引き続いて質問を行います。佐藤一直君。         【佐藤一直君登壇】 167: ◯佐藤一直君 つばさの佐藤一直です。議員となりまして、はや四回目の一般質問となりますけれども、どうぞよろしくお願いします。早速質問に入らせていただきます。  まずは、学校の耐震化についてです。  先日、文部科学省から発表されました全国の学校の耐震化の調査ですが、広島県の小中学校の耐震化率が四十七都道府県中、何と四十六位と発表がありました。その耐震化率は、パーセンテージでいえば五三・三%しかありません。全国平均が七三・三%に対しての五三・三%ですから、大変なおくれをとっております。  もちろん、小中学校の耐震化は、県が行うわけではなく、各市町が実施するものでございます。しかしながら、平成二十一年二月定例会で教育長は、市町とも連携を図りながら学校施設の耐震化を一層推進してまいりたい、こうおっしゃっております。そのときの耐震化率が四八・五%で全国で四十二位です。推進するどころか、対策が不十分なのが明らかです。  そこで、小中学校の耐震化の現状をどのように認識しているのか、なぜ対策が他県に比べておくれているのか、まず教育長にお伺いいたします。 168: ◯副議長(山崎正博君) 当局の答弁を求めます。教育長榎田好一君。         【教育長榎田好一君登壇】 169: ◯教育長(榎田好一君) 公立小中学校の耐震化率につきましては、この五年間で一一・五ポイント上昇しておりますが、平成二十二年四月一日現在で、依然として全国平均を二〇ポイント下回り、また、先ほども御指摘のように、全国順位も四十六位と低位にあることから、耐震化の推進に向け、積極的に取り組んでいただく必要があると考えております。  本県は、過去、比較的大きな震災経験がなく、耐震化対策がおくれている現状に加え、市町における厳しい財政状況や学校統廃合の検討など、さまざまな事情を抱える中で、これまで耐震化率が全国で低位にとどまっているものと考えております。 170: ◯副議長(山崎正博君) 佐藤一直君。 171: ◯佐藤一直君 今、答弁の中で、広島県の各市町が厳しい財政状況とおっしゃられましたけれども、同様に他県の市町村も厳しい財政状況であるはずなのです。それは何も広島県だけの問題ではないのです。他県でできて、広島県にできないわけがないです。さらに言えば、もう一つ、学校の統廃合も言われましたけれども、小中学校というのは、教育現場として重要なだけではなく、もし災害が起きたときの地域の避難場所としても重要になります。そういった災害があったときに、避難した場所が壊れているような状況があっては地域のためにはならないと思いますので、ぜひとも本格的な、さらなる改善をどうぞよろしくお願いします。  続いて、県が直接整備するべき県立学校についてもお伺いいたします。  この県立学校も、先ほどの小中学校と同じように極めて低い耐震化率でありまして、ここで五五・八%となっております。公立学校として言えば、全国四十四位、五六・三%、このような低い状況です。先ほどの小中学校は市町が整備する問題でありましたけれども、これは、広島県が整備、対応しなければならない問題です。それなのに、この県立学校の耐震化率の低さの原因はどこにあるのでしょうか、そして、今後の対策をどのようにお考えでしょうか、お伺いいたします。 172: ◯副議長(山崎正博君) 教育長榎田好一君。 173: ◯教育長(榎田好一君) 先ほど申し上げましたとおり、本県は、過去、比較的大きな震災経験が余りなく、耐震化対策がおくれているという現状に加え、厳しい財政状況にあり、一棟の耐震化に一億円程度の予算を要することから、一度に多くの耐震化に取り組めないという実情でございます。  しかしながら、学校施設の耐震化を進めていくことは、安全・安心な教育環境を整備していく上で極めて重要な課題であると認識しており、耐震性の低いものから優先的に実施してまいりたいと考えております。 174: ◯副議長(山崎正博君) 佐藤一直君。 175: ◯佐藤一直君 私は、あえて教育長にお伺いいたしましたけれども、実は、教育長に聞いても意味がありません。それは、教育委員会の制度に問題がありまして、教育委員会には予算の編成権がないからです。今の日本の教育委員会制度では、教育委員会は、政治的な中立性を保つために、そしてまた、政治的な影響を受けないように、知事から独立しています。  しかしながら、独立しているのであれば、予算の決定権もついているのが当然でありますが、それは持っていません。昭和三十一年に予算の提案権が廃止されました。しかしながら、それでも、教育委員会というのは独立しているとされております。そのため、先ほどの教育長の本音の回答は、もしかしたら、もう少し知事に予算をつけてほしいけれども、つけてもらえないのですというのが本音ではないかと思っております。  しかしながら、政治的な中立を保たなければならないはずでございますけれども、知事がかわっても影響を受けないはずの教育、その教育の予算を知事が決めることができるため、実質は知事によって教育が左右されているのが現状です。これでは政治的な中立性が保たれているとは言えません。  しかしながら、裏を返せば、教育が大事だと考えておられる知事であれば、教育に力を注ごうという思いの知事であれば、その教育予算をつけることで教育現場をよくすることができるはずです。知事がその気になれば、先ほどの耐震化の問題についても予算をつけることができ、すぐに対策がとれるはずです。  こうした、この教育委員会の中立性、また独立性ですけれども、もし教育現場で何かしらの問題が発生した場合、このときは、教育委員会というのは独立しているということで、知事ではなくて教育委員会の責任だと言って逃れることができるのです。しかし、この予算の問題は明らかに知事に権限がありまして、そこには責任が生じます。  そこで、改めて、知事にこの学校の耐震化についてどうお考えか、お伺いいたします。 176: ◯副議長(山崎正博君) 知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 177: ◯知事(湯崎英彦君) 学校施設は、児童生徒が一日の大半を過ごす活動の場でありまして、非常災害時には地域住民の応急避難場所としての役割も果たすことから、その安全性の確保は極めて重要であると考えております。  これまで、厳しい財政状況の中で、国の経済対策に呼応して、学校施設の耐震化を積極的に推進してまいりましたけれども、依然として、小中学校及び県立学校の耐震化率は全国で低位にとどまっております。  今後とも、厳しい財政状況が続くことが予想されますけれども、学校施設の耐震化対策を喫緊の課題としてとらえ、コスト縮減に向けた整備手法を検討するとともに、国の予算を積極的に活用するなど、さらなる効率的かつ効果的な予算執行に努めて、数多くの学校施設の耐震化が進められるよう、最大限の努力を行ってまいります。 178: ◯副議長(山崎正博君) 佐藤一直君。 179: ◯佐藤一直君 確かに、財政的に厳しい広島県でございますけれども、その中でも優先順位──プライオリティーを知事に決めていただいて、ぜひともこの問題にはしっかりと対策をとっていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。  引き続いて、次の質問にまいります。  自転車によるまちづくりについてお伺いいたします。  ことし四月ですが、広島市内で自転車と歩行者の接触によって歩行者が死亡するという事故が発生いたしました。近年、自転車と歩行者の事故がふえております。そこには、自転車のマナーの悪さ、自転車が交通ルールを守らないということが原因に挙げられます。  そこでまず、自転車の交通ルールの違反でどのようなものが目立っているのか、お伺いいたします。 180: ◯副議長(山崎正博君) 警察本部長平野和春君。         【警察本部長平野和春君登壇】 181: ◯警察本部長(平野和春君) 最近五年間に発生いたしました自転車が関係する交通事故のうち、六割近くは自転車のほうに違反が認められるものでございます。その代表的な違反態様といたしましては、左右の安全不確認、信号無視、一時不停止等といったもので、基本的な交通ルールが守られていない状況であります。 182: ◯副議長(山崎正博君) 佐藤一直君。 183: ◯佐藤一直君 それでは、事故防止のために、自転車のルールを守ってもらうために、まず、県警として取り組んでいることは何かありますでしょうか、教えてください。 184: ◯副議長(山崎正博君) 警察本部長平野和春君。 185: ◯警察本部長(平野和春君) 県警察といたしましては、本年五月に県民運動として実施されました自転車マナーアップ強化月間に各警察署を挙げて取り組むなど、対策を強化いたしております。  取り組みの重点は、マナーアップのための広報啓発活動と街頭における指導活動であります。  広報啓発活動といたしましては、交通安全こども自転車大会の開催、小中学生、高校生等を対象としました自転車教室の開催等により、参加・体験・実践型の交通安全教育を推進いたしております。  指導活動といたしましては、本年から、自転車被害防止声かけ活動を推進しており、警察官の指導・警告に従わない悪質危険な自転車利用者に対しては検挙措置も講じております。  また、本年の九月から、緊急雇用対策基金を活用した歩行者・自転車ルール啓発事業を開始し、街頭活動の強化を図っております。  今後とも、県民の皆様と一体となって、自転車利用者の交通ルール遵守とマナー向上に取り組んでまいりますので、御協力をよろしくお願いいたします。 186: ◯副議長(山崎正博君) 佐藤一直君。 187: ◯佐藤一直君 ルールやマナーの徹底において、まだまだ防げる事故がたくさんございます。ぜひとも、今おっしゃられた取り組みが効果を生むことを願っております。  そしてまた、学校への通学で自転車に乗っている生徒がかなり多いはずです。例えば、夜間の無灯火や右側通行、そういった高校生が多いのではないかと思います。恐らく車の運転をしたことがないので、それがどれだけ危険かということが、大人に比べれば認識が少し甘いのかということも感じます。  そこで、また、県警だけでなく、教育長にも学校でそういった指導もしていただきたいということをお願いしておきます。  それでは、次に、土木局長にお伺いいたします。  今話したように、歩行者からすれば、自転車は本当に危険な乗り物です。歩道を猛スピードで走られるときは本当に危険を感じるでしょう。そしてまた、車からしても、車道を走られると本当に邪魔でしかありません。車からも歩行者からも邪魔な存在、そしてまた、町なか、駅前の違法駐輪の問題もあって、日本においては本当に煙たがれる存在です。これが日本における自転車の立場なのです。  しかし、本当にこれでいいのでしょうか。そして、また、自転車の事故の原因は、先ほどのルール違反、マナーの悪さ、それだけなのでしょうか。  先日、私は、東京で開催されました自転車によるまちづくりというフォーラムに参加してきました。そこで発表されたデータですが、日本は、交通事故の中でも自転車がかかわっている事故率が欧米に比べて高いという報告がありました。しかも、日本は、自転車に乗っている台数の割合がほかに比べ圧倒的に少ないのにもかかわらず、自転車の事故が多い。要するに、日本は、自転車にとって、走りにくくて事故しやすい国であるというデータでした。  では、ほかの国ではどうして自転車の事故が少ないのか、どうして自転車と歩行者の接触事故が少ないのか。それは、自転車は歩道ではなく車道を走ることが徹底されているからです。これは、何も自転車を走りやすくするということが目的ではございません。道路において一番守らなければならないのは、車でもなく、自転車でもなく、歩行者なのです。特に、子供やお年寄り、そしてまた、車いすや視覚障害者など、そういった交通弱者を守らなければならないのです。もし自転車が歩道を走ってしまうと、その交通弱者に危険が生じてしまいます。  日本でも、もともとは、自転車は車道を走っていました。それが、一九六〇年代に車がふえてきた中で、車道を走る自転車は車にとっては邪魔な存在になり、だんだんと追いやられ、とうとう一九七八年に、車両であるはずの自転車に歩道の通行を認めてしまったのです。そのころ、オランダやドイツ、デンマークなどヨーロッパの自転車先進国では、既に自転車専用道路が町じゅうを網羅し、既に歩行者にやさしいまちづくりができ上がっていました。  そしてまた、自転車に歩道を通らせない、自転車が歩道を通らない。これは、何も歩行者を守るだけではございません。  例えば、海外では次のような注意がなされています。自転車が歩道を走ると、車との接触事故がふえる。何かしら一見おかしな言葉ですけれども、自転車が歩道を走るとなぜ車にぶつかるのでしょうか。車道を走っているほうが車と接触しやすいと単純にそう思いますが、この言葉の意味、実は、日本の場合ですけれども、車が左折するときに、歩道を走っている自転車が急に出てきて、そこでぶつかりやすいということなのです。もしこの自転車か車道を走っていれば、車からははっきりと見えるので、左折するときでも自転車に注意することができるのです。しかしながら、歩道を走っていると車からは見えにくい。そのため、左折のときに自転車との接触が起こりやすい。車と自転車の事故の多くはこのパターンのようですので、歩道を自転車が走ると、車にも被害が及びます。  そして、先日のフォーラムなのですが、その中であるパネリストが言われていました。その方は、全国を自転車で走っておられるそうですけれども、「広島を走ってみてショックだった、平和都市広島がこんな道路環境であるとは。」と言われておりました。日本の中でも広島は特に自転車で走りにくい町であったようです。それを聞いて、私も恥ずかしかったですし、悔しかったです。  また、先日、広島県在住の七十歳の方からお手紙をいただきました。そこには「私は、東京から広島に移り住んで三年です。広島は、マツダとのしがらみのせいか、自動車優先の道路行政に感じます。自転車で走るのが命がけの道路がたくさんあります。」と書いてありました。  そこで、自転車が安全に走れる道路の確保についてどうお考えなのでしょうか、現状と今後の整備計画についてお伺いいたします。 188: ◯副議長(山崎正博君) 土木局長高垣広徳君。         【土木局長高垣広徳君登壇】 189: ◯土木局長高垣広徳君) 自転車は、環境負荷の少ない乗り物として地球温暖化対策の観点から見直されるとともに、近年の健康志向から自転車利用者が増加するなど、今後ますます自転車が交通社会の中で重要な位置づけとなることが予想されております。  一方、自転車歩行者道上で歩行者と自転車が混在して通行している実態から、歩行者と自転車がより安全に通行できる分離された空間の確保が望まれているところであります。  このため、国土交通省では、戦略的に自転車走行空間の整備を行うためのモデル地区として、平成二十年一月に全国で九十八カ所、県内では呉市と福山市の二カ所を指定いたしました。モデル地区内の県管理道路においては、自転車と歩行者の分離を促すことを目的に、既設の自転車歩行者道内に自転車通行位置を路面表示することとしております。  本県では、現在、自転車専用道路の指定、あるいは整備計画の策定はしておりませんが、今後、モデル地区の整備の結果や今年度実施する道路交通センサスの結果を検証いたしまして、より安全な自転車走行空間の確保に向けまして検討を行ってまいりたいと考えているところでございます。 190: ◯副議長(山崎正博君) 佐藤一直君。 191: ◯佐藤一直君 今、国で二〇〇八年に全国で九十八カ所のモデル地区を選定されたという答弁がございました。この整備計画は、実は、今年三月時点で終了いたしましたけれども、このときの整備率が、全国でいえば六八%しか進んでいない状況です。国によるそういった整備も全く進んでおりません。自転車のメリットというのがまだまだ重要視されていないようです。  先ほども言いましたけれども、ドイツなどの自転車先進国の報告では、渋滞の緩和や交通死亡事故の減少、そして医療費の削減、環境への貢献と、よいことばかりです。まさしく、それこそ広島が目指すべき道ではないでしょうか。  そしてまた、湯崎知事も最近よく自転車に乗っているところをニュースで見かけます。しまなみ海道や安芸灘とびしま海道でのサイクリングというのもブームになりつつあって、県外からの自転車愛好家が多数訪れており、本県の観光にも役に立っております。
     そこで、自転車に理解があると思われる知事に提案なのですけれども、もっと河川敷に自転車道をつくってはどうでしょうか。川が多い広島らしさを利用したまちづくりになると思います。これは、新たに車道へ自転車専用レーンをつくるよりも簡単に、安く、早く実現するのではないでしょうか。ぜひとも、どうぞよろしくお願いいたします。  そしてまた、先ほどの自転車のマナーについての件ですけれども、県警本部長に一言ございます。  マナーの講習ももちろん必要ですけれども、それ以上に、ふだん自転車に乗ってパトロールしている警察官がまずは率先してお手本となっていただきたい。海外ではそういったことが見られます。一般の方が車道を走ると、恐らく車を運転される方は邪魔だと感じるかもしれませんが、警察官が走っていれば、「あっ、これが正しいのだ。」と認識するはずです。みんなの意識が変わります。先ほどのフォーラムでも、最後の締めの言葉はこうでした。「警察官が手本を示せば自転車状況は変わる。」、どうぞよろしくお願いします。  では、次の質問にまいります。  続きまして、空港アクセスについてお伺いいたします。これまで何度も取り上げられております空港のアクセス問題です。それに影響を与えるだろう事柄について、まずはお伺いいたします。  それは、広島市のオリンピック計画についてです。きのうでございますけれども、広島市の秋葉市長が開催基本計画を発表しました。  仮にオリンピックが広島市で開催されることが決定した場合、広島県としてはどうされるのか、知事は、以前、秋葉市長に対して、広島市のオリンピック構想に最大限協力するとおっしゃっております。改めて、同じ意見なのか、まずはお伺いいたします。 192: ◯副議長(山崎正博君) 知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 193: ◯知事(湯崎英彦君) オリンピックについては、現在、まだ広島市として開催地の立候補をするかどうかというのを検討している段階でございますけれども、もし、これがすべて順調に進んで、開催が決定したということになりましたら、当然、県としても最大限の協力をしていくというつもりでございます。 194: ◯副議長(山崎正博君) 佐藤一直君。 195: ◯佐藤一直君 そこで、空港のアクセス問題ですけれども、今までの県側の答弁を振り返ってみると、次のようになっております。  平成元年度から、新幹線延伸案、在来線延伸案、リニア鉄道案などの実現に向けた調査・検討を重ねてまいりましたが、巨額の整備費用が必要とされるため断念し、平成十二年度からは、在来線型鉄道で整備して運行は民間が行う公設型上下分離方式の整備へと方針を転換し検討を行ってまいりましたが、JR西日本の協力を得る見通しが立たず、そしてまた、多額の建設費に加え、大幅な赤字経営が予想され、これも平成十八年に断念ということになっております。  この方針は、藤田前知事から湯崎知事にかわっても変わらないといったところでしょうが、先ほどのオリンピックの問題があります。オリンピックが開催されれば、国内はもちろん、世界各国から多くの人々が広島を訪れるでしょう。そうなれば、広島空港の利用者が爆発的にふえることが予想されます。  オリンピックの開催日は八月七日で、原爆記念日の翌日です。そのときに、空港までのアクセスがリムジンバスのみで大丈夫なのでしょうか。オリンピックまであと十年しかございません。  改めて、オリンピックが開催されることを前提として、鉄道アクセスについてはどのようにお考えか、お伺いいたします。 196: ◯副議長(山崎正博君) 知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 197: ◯知事(湯崎英彦君) 広島空港が中四国地方の拠点空港として今後も発展するためには、空港機能の一層の強化を図ることが重要であり、とりわけ、広島都市圏などからのアクセス、利便性の向上は大きな課題であると認識しております。  このため、官民で構成する広島県空港振興協議会に広島空港アクセス対策ワーキング部会を設置し、渋滞等によるリムジンバス運休時におけるJRへの円滑な誘導や連絡バスの増便など当面の対策とともに、国道二号バイパス等の整備による代替ルートの確保など抜本的な対策について、関係機関とともに検討を行っております。  県としては、今後、協議会において取りまとめられる報告を受け、必要な対策について速やかに取り組みを進めてまいりたいと考えております。  なお、協議会では、軌道系アクセスについても検討材料の一つとして取り上げられたところでございますけれども、事業化を一時見送ることとした時点と比較して、広島空港の航空旅客数が大きく減少するなど、さらに厳しい状況にございます。  また、お尋ねの、広島市におけるオリンピック基本計画については、どの程度の航空需要が発生するか未確定な部分がございますので、軌道系アクセスについては、引き続き、慎重に対応する必要があるのではないかと考えております。 198: ◯副議長(山崎正博君) 佐藤一直君。 199: ◯佐藤一直君 オリンピックが開催された場合、先ほども申しましたけれども、鉄道アクセスが必要ではないかと私は思います。  先ほどのお話にもありましたが、JR白市駅と広島空港を結ぶ鉄道は断念されましたけれども、このときの建設費に約三百四十億円を見積もっておられました。しかしながら、今、それよりも大幅に安く、約百億円でJR山陽本線と結ぶことができると民間のあるグループが算出している案があります。それは、空港から北側のJR山陽本線へ地下鉄で結ぶ案です。白市駅と広島空港の距離は八キロございますけれども、ここならば二キロで済みます。そしてまた、地下トンネルですので、用地買収にかかる金額も少なく、短期間で可能でございます。  何も新たな計画案というのはこれだけではないでしょう。なぜなら、先ほどの白市駅案が最初に検討されてからもう十年過ぎております。当時に比べ、さまざまな技術革新が進んで、選択肢はふえているはずです。いま一度、鉄道アクセスを検討していただくことをここに要望いたします。  それでは、次の質問にまいります。  県内の雇用情勢についてお伺いいたします。  まだまだ有効求職者数と有効求人数の差が大きく、厳しい雇用状況でございますが、まず、県としてどのように認識されているか、お伺いいたします。 200: ◯副議長(山崎正博君) 商工労働局長津山直登君。         【商工労働局長津山直登君登壇】 201: ◯商工労働局長(津山直登君) 県内の雇用情勢につきましては、一部に持ち直しの動きが見られますものの、七月の有効求人倍率は〇・六四倍、新規求人倍率も一・一六倍といずれも低い水準にとどまっており、依然として厳しい状況にあると認識いたしております。  また、今後の見通しにつきましても、最近の急激な円高など、景気の下振れリスクが強まっていることから、雇用情勢の悪化懸念が依然として残っているものと考えております。 202: ◯副議長(山崎正博君) 佐藤一直君。 203: ◯佐藤一直君 兆しは、少しはよくなっているとのことですけれども、まだまだどうなるかわからない状況だと思います。  こうした状況にあって特に深刻なのは、新規卒業者の就職状況です。来春に卒業する大学生の就職活動がさらに厳しくなっており、リーマンショックの影響で十年ぶりの低水準だった昨年をさらに下回るような状況です。企業側は、業績が持ち直したとしても、これでは先行きが見通せないため、採用増に踏み切ることをちゅうちょしているのが現実ではないでしょうか。  そこで、来春の卒業予定者の内定状況、そしてまた、今後の見通しについてお伺いいたします。 204: ◯副議長(山崎正博君) 商工労働局長津山直登君。 205: ◯商工労働局長(津山直登君) 依然として厳しい雇用情勢の中、県内の新規高等学校卒業者の求人受理状況は、本年七月末現在で、前年同期と比較いたしまして若干増加しているものの、前々年との比較においては半減いたしております。  また、新規大学卒業者についても、民間会社の調査では、平成二十三年春の全国の求人総数は前年比一九・八%の減、前々年との比較では約四割減少いたしております。  こうした中、九月十六日より新規高等学校卒業者に対する企業の採用選考が開始され、また、十月一日より新規大学等卒業者に対する正式内定が開始されますが、新規学卒者の就職環境は、昨年度と同様に極めて厳しい状況が続くものと考えております。 206: ◯副議長(山崎正博君) 佐藤一直君。 207: ◯佐藤一直君 今、現状として、新規求人倍率は一・一六倍ですが、正社員の有効求人倍率がわずか〇・三八倍しかありません。こうしたことから、新規卒業者の就職状況は、一般に言われるよりも極めて厳しい状況に置かれているのではないでしょうか。  そもそも、正規雇用を取り巻く環境が厳しくなった背景には、国際競争の激化などにより相対的に賃金の低い非正規雇用による人件費のコスト抑制を図る傾向が強まったことや、労働者派遣事業の規制緩和が原因だと思われます。  広島県民のすべてが安定した生活を送るためにはさらに失業率を激減させることが必要ですが、短期的な雇用ではなく、長期的に安定した雇用機会を創出するために、非正規雇用から正規雇用への転換促進も重要だと思われます。そして、そのことが、新規卒業者の就職率の向上にもなり、そして、若者が未来に夢を持てる社会へとつながることは言うまでもございません。  そうした中、国においては、労働者派遣法の改正を目指してはいるものの、まだ、その行く末は不透明でございます。そうしたことから、国、さらには各自治体における正規雇用への転換促進への支援策も十分とは言えないのではないでしょうか。  特に、経営環境が厳しい中小企業にとっては、先行きに対する不安もあり、正規雇用への転換は難しいと考えられますが、現在、県内での正規雇用への転換はどの程度進んでいると受けとめられますか、お伺いいたします。 208: ◯副議長(山崎正博君) 商工労働局長津山直登君。 209: ◯商工労働局長(津山直登君) 県内のパートタイム労働者やアルバイトなど非正規雇用者は、平成十九年度の就業構造基本調査では約四十一万人、全雇用者百十七万人の約三五%を占めておりまして、平成十四年度の調査結果に比べて約五万人増加しております。  非正規雇用者が増加する中、平成二十一年度の広島県職場環境実態調査によりますと、パートタイム労働者の正社員への転換制度を設けている事業所は五一・一%でございましたが、正社員に転換した実績のある事業所は一二・八%にとどまっております。  また、今年度県が実施いたしました事業訪問調査の結果では、本年四月以降、正社員への転換実績があると回答した企業は、調査対象三百十九社のうち七十二社で、転換人数は合わせて二百六十五人となっております。  こうした結果から見ますと、自社の非正規労働者を正規雇用に転換する動きが進んでいるという状況にはないと認識いたしております。 210: ◯副議長(山崎正博君) 佐藤一直君。 211: ◯佐藤一直君 五万人増加し、また、転換されたのが一二・八%と、本当に厳しい状況です。  現在、国では、中小企業雇用安定化奨励金の支給、また、追加経済対策として、企業の新卒枠を卒業後の三年間にも拡大して、体験雇用、職場実習を現在の三倍に拡大するという雇用対策を打ち出しております。確かにこの新卒の拡大は、既に卒業している者にとってはいいことかもしれませんけれども、この春卒業した大学生の就職率が六〇%しかない現状では、そのしわ寄せがさらに来年の春の卒業予定者にかかることも考えられます。  結局のところ、将来、安定して働くことのできる正規求人数の確保が必要ではないのでしょうか。  こうした現状認識を踏まえると、非正規雇用から正規雇用への転換を前提とした求人開拓に向けた既存事業の拡大や新たな支援策というのが必要だと思いますが、そういった部分における今後のさらなる対策についてお考えをお伺いいたします。 212: ◯副議長(山崎正博君) 商工労働局長津山直登君。 213: ◯商工労働局長(津山直登君) 厳しい雇用情勢の中で、正規雇用の抑制と相まって、労働者みずからがライフスタイルに応じた多様な働き方を求める就業意識の変化も、非正規雇用の増加要因と考えております。  しかし、非正規雇用の増加は、社会全体の活力の低下や晩婚、非婚による少子化の加速などにつながるおそれもあることから、正規雇用化の推進は重要な課題であると認識しております。  このため、これまで、ひろしましごと館での就業支援、企業ニーズに即した職業訓練の実施、正規雇用への転換を行う事業主への低利融資などに取り組んできたところでございます。  さらに、本年度は、緊急雇用対策基金を活用して、就業に必要な知識・技術を習得するための研修と就業体験を組み合わせて行い、正規雇用を促進いたします人材育成型事業を重点的に実施いたしております。  こうした取り組みを通じて正規雇用につなげるモデル的な事例を創出するなど、今後とも関係機関と連携し、正規雇用を目指す若者などの支援に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 214: ◯副議長(山崎正博君) 佐藤一直君。 215: ◯佐藤一直君 今の対策について、高校生や大学生などの就職希望をかなえるためには、一層の求人開拓といったものをぜひとも行う必要があると思います。  特に、高校生の就職支援にはもっと力を入れていただきたい。  実は、先日、ある高校の校長先生に言われたことなのですけれども、その学校にものすごくできのいい生徒がおられまして、ただ、家庭の経済的な理由で進学ができず、そのため就職しなければならない、本来ならば一流の大学にも入れる能力がありながら、それを断念して家庭のために働くことを選んだということです。そのように、昨今の景気悪化のために、経済的な理由で大学に進学できず、仕方なく働く道を選ぶ高校生がこれからもかなりふえていくはずです。  しかしながら、大学生に比べると高校生の就職は厳しい状況です。先ほどのように、勉強したいけれども家庭のために働かなければならない若者に働き口がないといった状況は避けなければなりません。  そういった意味でも、来春の卒業予定者の正規雇用の確保、そしてまた、そのことによる就職率向上に向けて、どのように求人開拓に取り組んでいくのか、改めてお伺いいたします。 216: ◯副議長(山崎正博君) 商工労働局長津山直登君。 217: ◯商工労働局長(津山直登君) 来年三月卒業予定者の就職につきましては、高校、大学ともに、昨年度に引き続き厳しい状況が予想されております。  このため、県では、これまで国など関係機関と連携し、経済団体などに対して卒業予定者の正規雇用拡大に向けた要請活動を行うとともに、求人情報の収集、掘り起こしなどにより新卒求人の確保に取り組んでまいりました。  また、ひろしま若者しごと館におきまして、キャリア・コンサルティングや就職支援セミナーの開催など、きめ細かな就業支援を行っているところでございます。  さらに、今後、求人開拓員や高校に配置いたします就職支援専門員を増員いたしまして、求人ニーズの掘り起こしの強化等を図ることといたしております。  今後とも、国など関係機関との連携を密にし、卒業予定者の就職率向上に全力で取り組んでまいります。 218: ◯副議長(山崎正博君) 佐藤一直君。 219: ◯佐藤一直君 私自身、どうも雇用対策というと、何かしらその場しのぎで、どうしても数字上だけ、その人数だけの対策になっているような感じがいたします。追加、追加の補正予算を毎回行っておりますけれども、それが、短期のみならず、ぜひとも長期的な雇用へ結びつくような対策を改めてお願いいたしまして、次の質問に移らせていただきます。  次は、事業仕分けについてお伺いいたします。  先日行われた事業仕分けですけれども、この事業仕分けは昨年も行われております。昨年はどのような効果があったのか、まずお伺いいたします。 220: ◯副議長(山崎正博君) 知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 221: ◯知事(湯崎英彦君) 昨年度実施いたしました事業仕分けにおきましては、仕分け対象事業の見直しはもとより、その他の事業についても、仕分け作業における指摘や意見などを踏まえて、県みずから検証を行ったことにより、仕分け対象事業について一億四千万円、仕分け対象類似事業について七億九千万円の歳出削減効果などがございました。  この中には、例えば、事業仕分けの結果を踏まえて、広報誌の発行を廃止・縮小する一方で、新聞広告への掲載や首都圏のメディアに向けてニュースレターを発行することなど、より戦略的な広報に向けて業務改善を図ったものもございます。  また、事業仕分けを通じまして、業務プロセスの改善や市町との役割分担のあり方など、職員一人一人が問題意識を高め、さまざまな角度から業務を見直すための意識改革につながったものと考えております。  さらに、公開で実施したことによりまして、県民の皆様にも、県政に対する大きな関心を持っていただいたところでございます。 222: ◯副議長(山崎正博君) 佐藤一直君。 223: ◯佐藤一直君 今、申されたように、かなりの効果があったと言われておりますけれども、それによって、ぜひとも、県民へのサービスが低下することがないことだけは願いたいと思います。  そしてまた、一つだけ変えていただきたいところがございます。今回の事業仕分けでは、三班ございましたけれども、各班とも七名、そのうち県内の一般公募が一名、県内の有識者が三名、そして、県外から有識者とコーディネーターが三名の計七名です。私は、県内の判定人をもっとふやすべきではないかと思います。このことは、国の事業仕分けでいえば、外国人がやってきて判定をしているようなものです。質疑は外部の方がどんどん指摘してもいいと思います。けれども、せめて、廃止や不要、見直し、そういった最後の判定の部分にはもっと県内在住者をふやすべきだと思いますので、どうぞよろしくお願いします。  これについて、選挙のときにこの事業仕分けをマニフェストに掲げた知事に改めてお伺いいたします。 224: ◯副議長(山崎正博君) 知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 225: ◯知事(湯崎英彦君) 事業仕分けにおきましては、幅広い観点から事業を客観的に見直して、課題を洗い出していただくことが求められるところでございます。  こうしたことを踏まえますと、県内に住み、さまざまな実情を把握している方々の御意見が重要である一方で、他の自治体における事例なども踏まえた観点から御指摘をいただくことも必要であると考えております。  こうしたことから、班構成においては、県民委員だけでなく、外部委員にも参加いただくことにより、さまざまな観点から事業を多角的に評価していただくこととしたものでございます。  今年度は、昨年度のアンケートなども踏まえまして、議論が県民意識と乖離することがないよう、七名の班構成において県民委員が過半数になるように、三名から四名に増員したところでございます。 226: ◯副議長(山崎正博君) 佐藤一直君。 227: ◯佐藤一直君 今、過半数ということで四名にされたということを言われましたけれども、他の自治体では、この事業仕分けの判定人の割合がもっと多いところもございます。やはり、この事業仕分けによって無駄が省かれるというのはいいことだと私は思います。議会、そして執行部、二元代表制ですので、それぞれが無駄をチェックする、そのことが広島県民のためになるのであれば、それはするべきであると思います。  しかしながら、先ほども申しましたけれども、それによって県民へのサービスが低下することだけは避けなければならないと思います。ぜひとも、今後ともそういったことを踏まえて、よろしくお願いしたいと思います。  以上で、私の質問は終わりますけれども、最後に、一言述べさせていただきます。
     前々回、一般質問をまだ壇上で行っていたときですけれども、このときに、早く対面式にしてくださいと要望させていただきました。今回、こういった形で対面式ということになっておりますけれども、私は、この横並びというのがまだおかしいのではないかと思っております。質問席というのは議員側にあって、縦の関係で、議員を背に、そしてまた、きょう来られている傍聴者や県民の声を背にして知事や執行部の方々に質問するという形がいいのではないかと私は思っております。答弁に関しては、各席にマイクを用意して行うといったことが多くの自治体でとられております。現在、試行期間ということですので、ぜひともこういった改善を要望いたしまして、私の一般質問を終わらせていただきます。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 228: ◯副議長(山崎正博君) 明日も引き続いて質問を行います。明日は午前十時三十分から会議を開きます。  本日はこれをもって散会いたします。         午後二時五十八分散会 発言が指定されていません。 広島県議会 ↑ 本文の先頭へ...