5:
◯要望・
質疑(
田川委員) 宣揚のための努力をいろいろとされていることは非常にいいと思います。今お話があったように、学習
指導要領にも持続可能な社会の構築の観点が盛り込まれておりますし、洞爺湖サミットとか最近閣議決定されました低炭素社会づくりの行動計画など、さまざまな
文書の中にもESDの推進について明記されておりますので、ぜひ参加校がふえるようこれからも努力をお願いしたいと思います。
今は14校ですけれども、文部科学省もユネスコスクールのネットワークづくりを進めています。県内の14校が実践事例を持ち寄るとか交流することも必要だと思うのですけれども、この点はいかがでしょうか。
6:
◯答弁(
指導第一
課長) 先ほど申しましたが、昨年度末に研修会等も開かせていただいております。また、今後ともユネスコスクールの教育が充実するような方向で
指導していくとともに、成果と課題を情報発信することに努めてまいりたいと思っております。
7:
◯意見・
質疑(
東委員) 今、
田川委員からESDに関する質問がありましたけれども、昨年、ESDに積極的に取り組んでいた学校が募集停止となりました。今説明された趣旨と違うのではないかと思います。関連して、一生懸命に取り組んでいるESD校をぜひ育ててもらいたいと申し上げておきます。
先般、私は教育委員長が県内いろいろなところで調査されたことについて、この委員会で披瀝していただきたいと提案し、教育長からその場で却下の答弁をいただきましたが、ぜひ聞きたいということで宿題にしますと申し上げました。再度、教育長の見解をお聞きしたいと思います。
8:
◯委員長 ただいま
東委員からこの場に教育委員長をお呼びして意見をお聞きしたいという趣旨のご意見がございました。この件につきましては、さきの
文教委員会においても論議されたところでございますが、その際、委員の皆様方から委員会で賛否を諮る問題ではない、また、執行部からは、出席について応じる意向はないとお聞きしておりました。私も意見を述べさせていただきましたが、改めまして委員長としての意見を述べたいと思います。
皆さんも御存じのように、教育行政における政治的な中立の確保、それから教育の継続性や安定性の確保、地域住民の意向の反映が必要でありますので、現行の制度としては、教育委員会が、首長である知事から独立した合議制の機関として設けられているところでございます。また、教育委員会の一員の教育委員である教育長は、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の第17条で、教育委員会の指揮のもとで教育委員会の権限に関するすべての事務をつかさどるものと規定されております。したがいまして、この
文教委員会に付託されている調査事件の審査に当たりましては、教育長並びに事務局担当説明員の出席を求めて説明を受けることで、目的を達することができるものと考えております。
もう一つは、皆さん、県議会の委員会条例に17条がありますが、その中で、教育委員長を本委員会への出席を求めようとするときは議長を経てしなければならないとされております。したがって、本委員会で出席要請を決しましても直ちに出席ということにならないものでございます。
以上の理由から、委員長といたしましては、教育委員長の出席を求める必要はないものと判断しております。いろいろ御意見もあるとは存じますが、そのようにさせていただきたいと思っております。
9:
◯意見・
質疑(
東委員) 私は、地教行法や法律として云々ということではなく、フランクに教育委員長と意見交換がしたいとの思いからの提案でございましたし、別にこの場でなくてもと思っておりますので、この問題についてはこれで終わりにいたします。
それでは、先般来新聞でも大きく取り上げられておりましたALTの偽装請負についてお尋ねいたします。
新聞によりますと、ALTの活用について難しい面があることが浮き彫りになったようですけれども、まず、どのような趣旨でALTが導入され、どのような役割を持っているのか、お聞きしたいと思います。
10:
◯答弁(
指導第一
課長) ALT──外国語
指導助手でございますけれども、中学校の外国語教育、それから中学校だけではなく、高等学校、小学校におきましても御存じのとおり外国語活動が導入されてきております。発音等の
指導等に役立っているということで、各小中学校におきまして市町教育委員会においてALT──外国語
指導助手を雇っている状況でございます。
11:
◯質疑(
東委員) この問題について、県がどうこうかかわる事業ではないと言いながらも、県内の市町教委が実施する事業であれば、県教委としてもやはりきちんとした実態把握が必要であろうと思います。突然マスコミにぽんと指摘されてもつまらない話だろうと思います。
そこでお聞きしたいのは、県内で雇用されているALTの人数がどれだけいるのか、また雇用の実態がどうなっているのかお尋ねします。
12:
◯答弁(
指導第一
課長) 小中学校におきまして県内で雇用されているALTでございますけれども、JETプログラムという国の事業で雇用されている者が64名でございます。また、今御指摘いただいたところの民間委託になるものが62名、それから市町教育委員会での直接雇用が5名という状況でございます。
13:
◯質疑(
東委員) JETについては、外務省も文部科学省もかかわっており、きちんとした雇用だと聞いておりますけれども、ニーズが高まっていく中で、あるいはまた自治体の財政が厳しい中で、民間委託が進められているのだろうと思っています。民間雇用にならざるを得ない実態について、県教委としてどのように把握しているのか、お伺いします。
14:
◯答弁(
指導第一
課長) 民間委託にならざるを得ないとの御指摘ですけれども、財政的なところで申しますと、JETプログラムの場合は地方交付税の中で措置されていると聞いております。ただし、民間委託の場合は、地方交付税の措置はございませんので、財政的な問題だけではないのではないかと考えられます。
また、民間委託におけるメリットと申しますと、生活面や管理面において民間に委託できるところではないかと思っております。
15:
◯質疑(
東委員) 質の問題を心配しております。きちんとした制度の中で措置されていれば、ALTの質もしっかり確保されるのでしょうけれども、民間委託になったときに果たして質が確保されるのか、大変心配しております。そういった
指導についてどのように検討されているのですか。
16:
◯答弁(
指導第一
課長) 詳細な中身につきましては把握しておりません。いわゆる民間の契約として人選等々について把握はしておりませんけれども、市町教育委員会と連携する中でさまざまな課題等があるのかどうか聞き取り等はしておりますが、今のような民間契約の中で人選等々で困っている状況については聞いておりません。
17:
◯質疑(
東委員) 改めてお聞きします。県内の市町の中におきまして新聞に指摘されたような偽装請負の実態があるのかないのか伺います。
18:
◯答弁(
指導第一
課長) 今の件につきましては、昨年8月28日付で文部科学省から通知があり、その通知を受けて本県におきましても9月1日付で各市町教育委員会に対して締結している契約内容を確認するとともに、外国語
指導助手の請負契約による活用について、適切な対応をする旨の通知を行っているところでございます。各市町教育委員会におきましては、この通知を受けまして委託会社と連携し、契約内容の確認を行っているところでございます。
また、今年度につきましても、再度すべての市町教育委員会に対して通知しまして、今後も適切な対応をとるよう周知徹底を図っているところでございます。さらに市町教育委員会に対して機会をとらえて
指導してまいりたいと考えております。
19:
◯要望・
質疑(
東委員) 先ほど
課長から説明がありましたとおり、ALT導入の趣旨が生かされるような制度にしてもらいたいと要望しておきます。
先般、高校生の求人開拓について、県教育委員会、県の商工労働局、環境県民局が連携して高校生の就職に向けてしっかりと取り組んでいると報告がありました。私が申し上げるまでもなく、県の将来を担う若い人材の就労は極めて大きな問題であります。それぞれが希望に沿った進路に進めるよう取り組んでいただきたいと思いますが、私が常々取り上げておりますのが中学校を卒業した後の進路未決定の問題でございます。高校の卒業生については割と大きくスポットライトを浴びるのですけれども、中学卒業後についてはマスコミも含めてスポットライトがなかなか当たりません。中学卒業者の選抜(III)が終了した段階の進路未決定がどのような状況になっているのか、過去3年間の状況を教えてもらえますか。
20:
◯答弁(
指導第一
課長) 選抜(III)の合格発表時点における進路未決定の状況でございますけれども、平成22年3月におきまして公立中学校を卒業した生徒のうち進路未決定の生徒は514名でございます。平成21年は450名、平成20年は451名でございます。
21:
◯質疑(
東委員) ちょうど3年前にこの委員会で質問しましたときに、何か取り組んでいますと言われましたが、依然として実態は変わっていないと言わざるを得ないですし、むしろ悪化していると思います。卒業された生徒さん、もう生徒ではないので卒業された若年者と言うのでしょうか、その方に対して、学校、また行政として、卒業から1年間どのようなフォローをしているのかお伺いします。
22:
◯答弁(
指導第一
課長) 先ほど3月の選抜(III)の合格時点での数値を報告しましたけれども、ちなみに7月1日現在でも調査しております。7月1日現在では約55%に当たる282人の生徒が通信制高等学校への入学や就職等によって進路を決定している状況でございます。今後1年間につきましては、中学校と連携をとりながら進路未決定の生徒の状況について適宜把握し、
指導しているところでございます。また、卒業した中学校におきましては、担任の教員や進路
指導主事あるいは養護教諭等が定期的に電話連絡をしたり家庭訪問を行うなど、本人や保護者と連携して
指導するよう取り組んでいるところでございます。
23:
◯質疑(
東委員) 過去3年間、具体的に取り組んだと言われるのでしょうけれども、どのような施策によってどのように成果が上がったのか、お聞きいたします。
24:
◯答弁(
指導第一
課長) 今御指摘いただきましたように、本年514名ということで、昨年度と比較しますと64名増加している状況でございます。
これらのことを受けまして、今年度、特に中学校長会が中心となりまして現在高等学校の校長会と連携をとっていただきながら、高等学校教員が中学生に対して進学の目的や心構えなどを講義したり、面接に関する
指導をするなど、組織的に提供することができないかと進路
指導対策特別委員会を立ち上げて現在取り組んでいただいております。また校長会連合会におきましても、進路
指導検討委員会でございますけれども、進路未決定の改善に向けましてさまざまな取り組みを行っていただくことを検討していただいているところでございます。これらのことにつきまして、我々といたしましても十分連携をとりながら支援していきたいと思っております。
25:
◯質疑(
東委員) 何かいろいろな検討委員会をやっているということですが、先ほど3年間だけですけれども、それ以前も毎年ずっと500人前後の生徒が進路未決定になっているのです。これもあれもやっていますと言われましたが、実態はむしろふえています。これで成果を上げたことになるのかどうか。あれもやっています、これもやっていますと言われても、実態は好転するどころか悪化しているとしか言いようがありません。
さらに先ほど就職のことも言われました。今中学校の卒業で就職先がありますか。現状も触れなければいけないですけれども、前の
指導第二
課長は、選抜(III)でどうにもならない進路未決定の生徒さんに「しごと館でもハローワークでも行けばいいじゃないですか。求人票が出てます。」と言われましたけれども、よくも言えたものだと思います。中卒で求人票なんかありはしません。私も行って聞きましたけれども、はっきり言われました。以前ならまだ中小の町工場の親方といった社長さんが面倒見るから来なさいということもあったけれども、今は即戦力しか必要ないとはっきり言われます。現実問題として、就職は厳しいのです。適切な言い方ではないかもしれませんが、コンビニのアルバイトしかないのです。今どき高校を卒業しなければなかなか思うように社会で自立していかれないのが実態ですから、何としてもフォローしないといけない喫緊の課題だと思います。この問題に対する教育長の認識についてお伺いしたいと思います。
26:
◯答弁(教育長) 委員から御指摘がございましたように、中学校を卒業して進路が決まっていない者が、先ほど
課長も説明しましたように500名を超える状況となっております。500名という数字は、中学校を卒業する生徒の約2%でございます。先ほど基本数の報告がございましたように、97%余りが進学している状況から見ると、進学していない者の大半が進路未決定の状況です。このことに私は非常に大きな課題意識を持ちまして、ことしの4月の県内の市町教育長会議におきまして、それぞれの市町教育委員会で自分の管内の学校の状況を正確に把握して状況を分析してもらいたいと申しました。そしてそのことを私どもの県の教育委員会と連携して具体的な対策として、何を講じたらいいか考えていこうと提案させていただきました。
一方で、中学校の校長会の総会であいさつをさせていただく機会がございましたので、そこでも約250校の中学校から500名というのは1校当たり2名ということで、この問題を軽く見てはいけません、非常に大きな問題ですと申しました。それで、それぞれの学校の卒業生で、例えば高等学校を受験したけれども合格しなかった子供は何が足りなかったのかを高等学校と連携してもらいたい。さらに、高等学校の校長を初めとする教職員に中学校の子供たちを
指導してもらう機会をつくったらどうか、こういう学力を、こういう生活態度、また進路目的を持ってもらうと、うちの学校のボーダーラインを超えてきますという
指導が具体的にあったほうがより効果的ではないだろうかと投げかけました。投げかけたことを高等学校の校長会にも申しました結果、今年度、中学校の校長会と高等学校の校長会が具体的な方策について動き出したという状況でございます。大きな課題認識を持っておりまして、ぜひこれは来年度以降検証していかなければいけない課題と考えております。
27:
◯要望(
東委員) 3年前にこの問題を取り上げて、ようやく教育長から具体的な決意も含めて答弁いただきました。ぜひ具体的な対策に着手してもらいたいと思っております。
2008年2月議会で国が進める教育振興基本計画についての本県の取り組み状況を聞かれたときの教育長の答弁を見ますと、中央教育審議会で目指すべき教育の姿として義務教育終了までにすべての子供に自立して社会で生きていく基礎を育てることを掲げているが、これは本県の人づくりや教育改革の目指す方向でもあると答弁しておられます。まさに先ほどの答弁がここにも一致するのだろうと思いますので、ぜひ具体的な、また早急な成果を期待しておりますので、よろしくお願いいたします。
28:
◯質疑(児玉委員) 小規模化した県立高等学校(全日制)の学校間の連携における連携校について、お伺いします。
教育委員会におかれましては、県内でさまざまなパターンを組まれながら連携を図られております。私は、連携は県内全部の皆さんの御理解をいただいて一斉に行うのがよいのではないかと思っておりましたが、理解をいただいたところから随時やっていかれるということで、この春から竹原と忠海、瀬戸田と因島、そして今回、向原と吉田の3つ目のパターンが出てまいりました。今までの2つの連携は小規模校同士の連携でしたが、今回は適正規模校と小規模校の連携ということで違っております。当初は、他の2つの連携校と一緒にこの春からという話もあったのですが、統廃合につながるのではないかという地元の心配が払拭されず、今回の実施となったものであります。連携は統廃合につながるものではないとお聞きしておりますが、改めまして、この点について説明いただきたいと思います。
29:
◯答弁(学校経営
課長) 現在取り組みを進めております小規模化した県立高等学校間の連携につきましては、小規模校の教育活動の充実を図ることを主眼としておりまして、生徒が互いに切磋琢磨できる環境を整えたいということで進めているところでございます。そうした観点から申し上げまして、今回の向原高校と吉田高校の関係者の中にも、昨年度までの経過の中で、この取り組みが学校の統廃合につながるものではないかという懸念を表明された向きも確かにございました。そういうことを含めまして、私どもとしまして小規模校の充実を図ることが目的であるとの説明を学校を通じて、あるいは地元にお邪魔して御説明したりという取り組みを進めてきたところでございます。今回も6月に市長、市議会議長、市議会議員の方々に私どものほうにおいでいただく機会がございまして、教育長から直接今回の取り組みが統廃合に直接つながるものではない趣旨の説明をし、御理解を得て関係者の理解が調ったということで、このたびの連携校の指定という運びになったと考えております。
30:
◯質疑(児玉委員) 委員会の場で、統廃合につながるものでないと答弁いただきまして、ありがとうございました。
今回、連携の3つ目ができて、これからさらに県内の小規模校の連携が進んでいくと思います。3つのパターンの連携校が、生徒、地域、保護者にとって魅力のあるものであることをしっかりとPRしていく必要があると思います。例えば吉田と向原は、両校ともステップアップハイスクールに指定いただき、取り組みを進めております。これからの連携のモデルとなるところもあると思いますので、予算措置等の現状について、お伺いします。
31:
◯答弁(学校経営
課長) 今御指摘をいただきました今回の事業の取り組みが小規模校の教育条件を高めていく趣旨でございますし、既にスタートしております2グループ4校につきましてもそれぞれの分野、授業交流、部活動の合同練習、大会等への参加、それから合同でさまざまな授業を一緒に行うという取り組みも成果として見え始めつつあると思っております。これにつきましては4月以降も関係の小規模校の県立の校長を集めて、重ねて具体的な2グループ4校の取り組みを直接説明してもらう機会を設けて、さらにその中身をもって学校の関係の方にも説明を行っていただく取り組みを進めております。同時に、直接私のほうも関係の市町を重ねて訪問しまして、成果について具体的な中身を説明し、それから小規模校の充実策ということで、これからまた年度中途あるいは年度の変わり目に向けて、重ねて周知を図っていきたいと思っておりますし、また今の向原高校と吉田高校におきましてもそれぞれの領域での成果が見えてくると思っておりますので、あわせまして周知に努めたいと思っております。
32:
◯質疑(児玉委員) ちょうど1年前は、統廃合の問題が盛んに議論されて、6月、7月、8月と議会においても議論がかなり集中しました。私は、統廃合と連携校とでは全く正反対といいますか、残す方向となくす方向であって、両極端な概念だと思っています。連携を積極的に進めていくことは、もう統廃合はないという方向に進めるのかどうか、地域がこれから判断する上で非常に重要だと思いますので、お伺いしたいと思います。
33:
◯答弁(学校経営
課長) そもそも平成25年までの県立高等学校の再編整備基本計画がありまして、その中では、魅力と活力のある学校づくりの推進を基本として、特色づくりの推進と適正規模化の推進を柱として取り組んできている経過が大前提にあると思っております。ただ、小規模校の教育条件がいわゆる適正規模校と比べて幾つかの分野で条件が不十分な面があるのではないかという議論の中で、実際にまず小規模校についてしっかりした充実策を行っていこうということ、そしてそれがどういう変化をもたらすかについて一定の成果を検証していくために一定の期間が必要だと考えているところでございます。したがいまして、今現在、まだ連携校をふやしてその成果を実りあるものにしていきたいという取り組みが緒についている段階だと思っておりますので、また一定の時間を見させていただきながら、成果がどのようにあらわれて、それぞれの学校の授業面、部活動面、いろいろな活動面で、地域の子供たちが希望する学校になって、たくさんの子供たちからその学校を希望してもらえるような環境づくりを行っていきたいと考えております。
34:
◯要望(児玉委員) 教育委員会の進められる連携校が生徒にとっても、保護者、地域にとっても実りのあるものになりますようにしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
35:
◯質疑(蒲原委員) 学校施設の耐震化についてお聞きしたいと思います。先ほど報告もありましたが、先月、新聞やテレビで報道がされまして、非常にびっくりしたのですけれども、震度6強以上の地震で倒壊するおそれのある小中学校の体育館や校舎を文部科学省で調査されたところ、何と広島県の耐震化率は53.3%で、全国最下位から2番目であるとの報道がありました。これは、もし震度6強以上の地震が発生した場合、46.7%の校舎や体育館が倒壊すると理解しておりますが、そうであるなら、保護者の皆さん方も大変御心配だろうと思います。どうしてこれほど本県の耐震化率が低いのか、その要因について調べてみました。3年前になりますが、平成20年に国は耐震化率を上げないといけないということから法律を変えました。学校耐震化促進法がつくられて、3年間、国の補助率を2分の1から3分の2に引き上げました。最初の年は国の予算が10分の3ついたのですけれども、次の年からは予算が削減されたようです。国に責任があるのか、本県の教育委員会で予算要求をされても財政課のほうで予算をつけてくださらないのか、学校の耐震化は非常に大切な問題で、予算がないからできませんという理由では県民に説明できないと思います。何が原因で、どうすれば耐震化率が上がるのか、この点について、どのように考えているのか、教育委員会の見解についてお伺いします。
36:
◯答弁(施設
課長) まず補助制度についてでございますが、委員がおっしゃいましたように20年度から3カ年間の時限でございますけれども、国庫補助率は、耐震補強で耐震性を示す指標のIs値が0.3未満のものについては、本来2分の1の補助率が3分の2にかさ上げされております。
それで国の予算状況ですけれども、平成20年度、平成21年度ともに補正予算が組まれまして、かなり予算的には大きいものになっております。それから平成22年度につきましても当初予算は低い水準でございますけれども、中途で予備費の流用が認められて、昨年度並みの予算が確保されているところでございます。国のほうは、ここ20年来余り予算が削減されたという状況はございません。
それから委員が県の財政課のことを言われましたけれども、県のほうは補助制度を設けておりませんので、全く関係はございません。
それでこれだけ国のほうもかさ上げ等の措置がなされながらも広島県の耐震化が進まないのは、やはり各市町が抱えております厳しい財政状況によるものと考えられます。耐震補強の場合、先ほどの国のかさ上げがございまして、実質的に市町の負担は13.3%ぐらいになりますけれども、1棟当たりの単価が高いものでは1億数千万円という額になっております。こういった状況もありまして、一度に多くの耐震化を進めていくことが難しい現状がございます。まずこれにつきましては、市町に対しまして厳しい財政状況ではございますけれども、児童生徒の生命に関することでありますので、積極的に耐震化に取り組んでいただくよう、あらゆる機会を通じて要請しているところでございます。
それから国の補助制度ですけれども、かさ上げが今年度までの時限立法になっております。これについて期間の延長を県も国に対して要望しているところでございます。
37:
◯要望(蒲原委員) よくわかりました。子供たちの命にかかわることですから、ぜひ市町を
指導していただいて、しっかり予算をつけていただくよう
指導していただきたいと強く要望しておきます。
それから、資料番号7について伺います。先ほど資料の説明を受けて、非常に教育委員会は努力されていると思いました。いじめ、不登校、長期欠席、高校生の中途退学も随分減っています。要因を分析し、
指導されてこういう結果になったのだろうと思いますので、減った要因がどういうところにあったのか、ぜひこれからもしっかり続けていただきたいと思います。6年ぐらい前ですが、ある高等学校に入学した女の子が、入学後すぐに万引きを3回やって、高校側はすぐにやめさせようとしました。親御さんが、もう1回やったらやめさせていいので、もう1回だけチャンスを与えてほしいとおっしゃって、私が保証人になって、誓約書を書いて高等学校を続けました。その後、見事に立ち直って、卒業し、今は看護師として一生懸命働いています。あのとき3回の万引きでぱっと切っていたら、あの子はどうなったかわからないと思っています。中途退学をすると大抵悪いことをするようになりますから、学校としてはそんな子供は学校にいてほしくないという思いもあると思いますが、いろいろな
指導をしてやめさせないように、もっと現場の先生方が汗を流して努力いただいて子供たちに立ち直る機会を与えてほしいと思っております。質問ではありませんが、引き続き努力していただきたいと申し上げておきます。
38:
◯質疑(中津委員) 私の家は福山にありますけれども、広島市の広報テレビ番組だと思いますが、広島市長が出演されて、子ども条例を制定しようというアドバルーンを上げておられるのを見ました。まず、この広島市の子ども条例の制定について、県の教育委員会のほうへ働きかけや相談があったのか伺います。
39:
◯答弁(教育部長) 広島市の子ども条例につきましては、先般、広島市教育委員会から条例の素案について情報提供がございました。素案にかかわるパンフレットを作成しているが、これを広島市内及び近郊の県立学校に配布したい旨の意向が示されたところでございます。
40:
◯質疑(中津委員) 市のほうでそのパンフレットを各学校に配布するのですか。
41:
◯答弁(教育部長) 市のほうでパンフレットを配布したいということですけれども、現時点でまだそれがよい悪いという回答はしておりません。
42:
◯質疑(中津委員) 回答をしていない理由と、今後どうしようと思っておられるのか、伺います。
43:
◯答弁(教育部長) 条例の素案を読ませていただいた段階ですけれども、子供の自由な意見表明や参加する権利とか子どもの権利擁護委員会を設置するといった内容が書かれているようでございます。広島市の制定について議論されている条例を広島市民の子供が通学する県立学校に対しても適用させるという情報もあり、生徒が学校で定められた校則等に対して意見表明や救済を求めることなどによって、円滑な学校運営の妨げとなることもあるのではないかと懸念しております。このため県教育委員会といたしましては、そのパンフレットを県立学校に配布されることによる影響について、検討しているところでございます。
44:
◯質疑(中津委員) 先ほど申し上げたとおり、私の家は福山にありますが、広島市ではない私のほうにもテレビなどでいろいろと聞こえてくるものですから、心配しています。この条例の制定によってどのようなことを懸念されているのですか。
それから、教育委員会だけでなく国でいうと厚生労働省、県でいうとこども家庭課のある健康福祉局にも関わる問題ではないかと思いますが、広島市からそこら辺への働きかけがあったのか、お聞きになっていますか。
45:
◯答弁(教育部長) 他部局に対する働きかけがあったかどうかについて、現在承知しておりません。
懸念されることがあるのかという質問ですけれども、市の素案を読んだ段階で申しますと、第4章と申しますか、IVと書いてある部分に子供が参加する環境の整備とありますけれども、そこには子供の自由な意見表明や参加する権利について述べられておりまして、このことについては県立学校にも影響を及ぼすものであろうと考えております。
また、素案では子どもの権利擁護委員会の設置について述べられております。例えば、バイクにおける三ない運動とか携帯電話の校内持ち込み禁止などの校則等について、この子どもの権利擁護委員会に救済の申し立てができるという、救済のシステムを利用して学校あるいは設置者に対して校務運営にかかわる内容について干渉がなされる可能性もあるのではないかと懸念しております。過去、八者合意
文書によって連携の名のもとに職員団体や運動団体が運動論に基づいた主張を展開することを正当化しようとするような状況がつくられ、校長権限が著しく制約された本県の歴史を踏まえたとき、円滑な学校運営が妨げられるような事態が生じるのではないかと危惧させるものではないかと考えております。
46:
◯要望(中津委員) 私は福山市におりますから、差し出がましいことになってはいけないのですけれども、いろいろなことを心配しておりますので、興味を持っております。よく研究していただくようお願いして終わります。
47:
◯要望(杉西副委員長) 関連して、私の思いを申し上げたいと思います。この子どもの権利条例というのは一つ一つ見ると今おっしゃったようなことですが、トータル的には非常に奥の深い問題だと思います。今、広島市から県に素案を持ち込まれて、県も認めた、同意しているとひとり歩きしては困ると思います。ですからこの件に関して、広島市に返す折には必ず我々議会の意見も聞いていただきたいと思います。返した後で、そういうつもりで返したわけではないのに、県にも了解いただいていますと流されたのでは大問題ですので、議会にも諮った上で市に返すよう、要望しておきます。
(5) 県外調査についての協議
県外調査を10月27日(水)~29日(金)の2泊3日で実施することとし、詳細な日程の決定等については委員長に一任された。
(6) 閉会 午前11時55分
発言が指定されていません。 広島県議会 ↑ 本文の先頭へ...