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  1. 広島県議会 2010-07-01
    平成22年7月臨時会(第1日) 本文


    取得元: 広島県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-05
    トップページ 検索結果一覧 使い方の説明 (新しいウィンドウで開きます) 平成22年7月臨時会(第1日) 本文 2010-07-30 文書発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ・別画面表示ツール 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ(新しいウィンドウで開きます) 別窓表示(新しいウィンドウで開きます) ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 発言単文選択全文表示を切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者表示切り替え 全 33 発言 / ヒット 0 発言 すべての発言ヒット発言表示切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示を実行・チェックの一括変更 選択表示 すべて選択 すべて解除 発言者一覧 選択 1 : ◯議長(林 正夫君) 選択 2 : ◯議長(林 正夫君) 選択 3 : ◯議長(林 正夫君) 選択 4 : ◯議長(林 正夫君) 選択 5 : ◯議長(林 正夫君) 選択 6 : ◯議長(林 正夫君) 選択 7 : ◯議長(林 正夫君) 選択 8 : ◯議長(林 正夫君) 選択 9 : ◯議長(林 正夫君) 選択 10 : ◯知事湯崎英彦君) 選択 11 : ◯議長(林 正夫君) 選択 12 : ◯松岡宏道選択 13 : ◯議長(林 正夫君) 選択 14 : ◯知事湯崎英彦君) 選択 15 : ◯議長(林 正夫君) 選択 16 : ◯安木和男選択 17 : ◯議長(林 正夫君) 選択 18 : ◯知事湯崎英彦君) 選択 19 : ◯議長(林 正夫君) 選択 20 : ◯議長(林 正夫君) 選択 21 : ◯議長(林 正夫君) 選択 22 : ◯文教委員長(中村道徳君) 選択 23 : ◯議長(林 正夫君) 選択 24 : ◯総務委員長(金口 巖君) 選択 25 : ◯議長(林 正夫君) 選択 26 : ◯生活福祉保健委員長(内田 務君) 選択 27 : ◯議長(林 正夫君) 選択 28 : ◯農林水産委員長(高木昭夫君) 選択 29 : ◯議長(林 正夫君) 選択 30 : ◯建設委員長(天満祥典君) 選択 31 : ◯議長(林 正夫君) 選択 32 : ◯議長(林 正夫君) 選択 33 : ◯議長(林 正夫君) ↑ 発言者の先頭へ 本文 ↓ 最初のヒットへ (全 0 ヒット) 1:         午前十時三十二分開会・開議 ◯議長(林 正夫君) これより七月臨時会を開会いたします。  出席議員五十九名であります。これより会議を開きます。  この場合、今次臨時会において、知事、行政委員会の長並びに説明員の出席を求めるに御異議ありませんか。         【「異議なし」と言う者あり】 2: ◯議長(林 正夫君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決します。直ちに出席を要求いたします。         【知事、行政委員会委員長並びに各説明員出席】 3: ◯議長(林 正夫君) 一言ごあいさつを申し上げます。  本日、七月臨時会が招集されましたところ、議員各位には極めて御健勝にて御参集を賜り、県政進展のため、まことに御同慶にたえません。  御案内のとおり、今月十二日からの梅雨前線による記録的な集中豪雨は、県内各地において死者五名、負傷者六名を出すとともに、住宅を初め、公共土木施設、農地・林地、農林漁業施設、教育施設など、総額百十億円を超える甚大な被害をもたらしたところであります。  改めて、犠牲者の皆様の御冥福をお祈りいたしますとともに、被災されました方々に対し、心からお見舞いを申し上げる次第でございます。  県議会といたしましては、被災者の生活再建を初めとして、一日も早い被災箇所の復旧が図られるよう、県当局と一体となって全力を挙げる所存であります。  一昨日には、県当局と連携して、関係市町とともに、国に対し、激甚災害の指定、早期の災害復旧や被災者の生活再建を行うための支援などについて、強く要望してまいりました。  さて、今次臨時会は、このたびの集中豪雨による災害対策に速やかに対処するための補正予算等について御審議を賜るものであります。何とぞ、各位におかれましては、慎重御審議を賜り、十分な対策が講じられますよう、迅速妥当な結論を期待する次第であります。              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 4: ◯議長(林 正夫君) 諸般の報告がありますので、書記をして朗読いたさせます。         【書 記 朗 読】                                    平成22年7月30日  広 島 県 議 会 議 長 殿                                    広  島  県  知  事
                                          (財 政 課)            7月臨時県議会の議案及び報告事項並びに説明書について   平成22年7月臨時県議会の議案及び報告事項並びに説明書を別冊のとおり提出します。              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~                                    平成22年7月30日  各  議  員  殿                                    広島県議会議長 林   正 夫            説明員の委任について   7月臨時会における説明員として,知事,教育委員会委員長及び公安委員会委員長等から別紙の者を委任した旨の  通知があったので,お知らせする。 5: ◯議長(林 正夫君) 別紙別冊はお手元に配付しておりますので、朗読は省略いたします。              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~         第一 会期決定の件 6: ◯議長(林 正夫君) これより日程に入ります。日程第一、会期決定の件を議題といたします。  お諮りいたします。七月臨時会の会期は、本日一日といたしたいと思いますが、さよう決するに御異議ありませんか。         【「異議なし」と言う者あり】 7: ◯議長(林 正夫君) 御異議なしと認めます。よって、会期は本日一日と決しました。              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~         第二 会議録署名者決定の件 8: ◯議長(林 正夫君) 次は日程第二、会議録署名者決定の件を議題といたします。  本件は、会議規則第九十九条の規定により、議長から指名いたします。                             日   下   美   香   君                             天   満   祥   典   君                             中   津   信   義   君                             宮       政   利   君  以上四人の諸君にお願いいたします。              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~         自第三 臨県第三号議案         至第五 報第一四号 9: ◯議長(林 正夫君) 次は日程第三、臨県第三号議案 平成二十二年度広島県一般会計補正予算から日程第五、報第一四号 損害賠償額の決定についてまでの各案を一括上程議題といたします。  この場合、知事から提案理由の説明を求めます。知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 10: ◯知事湯崎英彦君) 本日、臨時県議会を招集いたしましたところ、議員各位には御参集いただき、まことにありがとうございます。  去る七月十二日からの梅雨前線による大雨は、県内の広い範囲で非常に激しい雨をもたらし、一部の地域では四百ミリメートルを超える累積雨量を観測いたしました。さらに、七月十六日には、庄原市で局地的豪雨が発生し、西城町大戸地区では、一時間の最大雨量が九十一ミリメートル、十分間の最大雨量は四十四ミリメートルとなる猛烈な雨を記録いたしました。  これらの一連の大雨は、死者五名、負傷者六名、家屋については全壊十八棟、半壊十五棟を初め、被害を受けた家屋が約千六百棟に上るなど、本県に甚大な被害をもたらしました。  このたびの災害により、犠牲となられました方々に対しまして、改めて衷心より哀悼の意を表しますとともに、被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。  県といたしましては、呉市、庄原市、世羅町に災害救助法を適用し、迅速な救助を実施するとともに、県の職員公舎を提供するなど、市町と協力して被災者支援に全力で取り組んでまいりました。  また、被災した土木施設や農林水産施設などにつきましては、二次災害のおそれのある箇所の応急復旧工事を実施するとともに、庄原市内の被災箇所につきましては、国の緊急災害対策派遣隊と共同で、土砂流出の危険性について緊急調査を実施したところでございます。  また、一昨日の二十八日には、議会と連携して、呉市長、庄原市長、世羅町長とともに、内閣府の防災担当大臣や国土交通大臣に対して、被災者の生活再建や早期の災害復旧を行うための支援などについて強く要望してきたところでございます。  県といたしましては、今後も、心のケアや健康支援、必要な資金の提供や融資などにより、被災者の生活再建をきめ細かに支援するとともに、災害復旧事業の早期実施や再度の災害を防止するための対策に全力で取り組んでまいります。  さて、今回提出いたしました、緊急に対応する必要のある被災者への支援策や災害復旧事業に係る補正予算案について、その主な内容を御説明いたします。  まず、被災者への支援につきましては、避難所の設置や食料品の提供など、災害救助法に基づく各種応急救助を実施するほか、災害弔慰金などの支給や災害援護資金の貸し付け、住宅に被害を受けた方々が生活を再建するための支援金などについて、所要の経費を追加計上しております。  また、中山間地域の主要産業である農林業にも甚大な被害が及んでいることから、被災した農家等の経営安定などに必要な資金について、低利融資を行うために必要な予算を計上するとともに、債務負担行為を設定しております。  土木施設や農地・農林施設等の災害復旧費につきましては、被災状況調査に基づいて、所要額を追加するとともに、河川災害に関連した改良復旧事業や再度の災害を防止するための砂防堰堤等の緊急整備などに要する予算を新たに計上しております。  これらの結果、一般会計の歳入歳出補正予算額は百十一億四千四百二十五万円となり、本年度予算の累計額は九千五百一億二千五百三十七万円となります。  この財源といたしましては、国庫支出金七十六億二千十一万円、県債三十億九千八百六十三万円などを充当いたします。  なお、このほか、専決処分報告二件を提出いたしております。  どうぞ、慎重に御審議いただいた上、適切な御議決をくださるよう、よろしくお願い申し上げます。 11: ◯議長(林 正夫君) これより各案に対する質疑を行います。通告者に順次発言を許します。松岡宏道君。         【松岡宏道君登壇】 12: ◯松岡宏道君 皆さん、おはようございます。自民刷新会議の松岡宏道でございます。  質疑に先立ちまして、七月十二日及び十六日からの大雨により犠牲となられた方々の御冥福をお祈りし、御遺族の皆様に衷心よりお悔やみを申し上げますとともに、被災者の皆様に心からお見舞い申し上げます。  さて、このたびの集中豪雨では、行方不明とされていた一名の方が、残念ながら昨日遺体で発見され、亡くなられた方が合計五名に達しました。また、住宅被害約一千六百棟、ライフラインの寸断や農林業への被害、道路・のり面の崩壊や土砂崩れなど、県民の日常生活を吹き飛ばし、県土に大きなつめ跡を残しました。  こうした非常事態に際しまして、七月二十日に、我が会派を初めといたしまして交渉五会派で「集中豪雨に伴う災害に対する緊急要望」を行ったところ、短期間で総額百十一億円の補正予算を取りまとめ、本日の臨時会にこぎつけていただきました。湯崎知事を初め、執行部の皆さんの御尽力に対して敬意を表したいと思います。  この臨時会に当たりまして、刷新会議、民主県政会、自民党議員会及び広志会の四会派は、一致協力してこの事態を打開すべく、四会派を代表して質疑させていただく次第であります。  災害の直後、私は、我が会派の先輩議員とともに、地元選出の小林議員の案内により庄原市の被災地を訪問し、被災者の声を聞いてまいりました。限られた時間ではございましたけれども、土砂や流木が堆積している被災地の惨状を目の当たりにし、改めて災害の大きさを痛感いたしたところであります。家屋や田畑を一瞬にして奪われ、今後の生活の見通しが全く立たない中で、仮の住まいでの生活を余儀なくされている方々の不安と御労苦は、想像をはるかに超えるものがあります。  悲観に暮れる被災者に希望を与え、一日も早く平穏な日常生活を取り戻すよう、また、災害に強い県土や防災体制を整備し、減災が図られるよう、行政の役割を聞いてまいりますので、知事の明快な答弁を期待するものであります。  質疑の第一は、災害復旧事業の早期実施と二次災害の防止についてであります。  今回の豪雨災害では、時間雨量九十一ミリという信じられないほどの降雨量が記録され、山地や渓流の崩壊とともに、河川、道路、砂防など千二百カ所を超える公共土木施設に被害をもたらしました。被災地では、今なお土砂や流木の撤去作業が続けられておりますが、住民の日常生活や企業の事業活動を取り戻すため、災害復旧事業を早期に実施する必要があります。  また、中国地方整備局と広島県の調査によると、庄原市では、二次災害の発生するおそれのある傾斜地や渓流が十四カ所、今後の降雨の状況によっては注意が必要な現場が三十一カ所あることが発表されております。斜面の崩壊の拡大や渓流にたまった土砂の下流への流出などにより、民家や道路にさらに被害を及ぼす危険性があり、台風シーズンを控え、早急に対策を講じる必要があります。  そこで、河川、道路など公共土木施設の復旧や、住宅や農地に堆積した流木や土砂の撤去のめどについて、今後の見通しをお聞かせ願いたいと思います。また、二次災害を防止するため、今後どのような措置を講じられるのか、あわせてお伺いいたします。  そして、先ほど説明もございましたけれども、一昨日、知事、林議長及び関係市町の首長は、国に対して豪雨災害に係る要望をされましたが、円滑かつ早期に災害復旧を行うため、ぜひとも激甚災害指定が受けられるよう、引き続き、国に働きかけることを重ねて要望する次第であります。  質疑の第二は、被災者の生活再建についてであります。  今回の災害では、住宅が損壊あるいは濁流に押し流され、帰るところのない方がたくさんいらっしゃいます。今、自分に残っているのは、着ている服と避難所に乗ってきた軽トラックだけ、この先どうしていけばいいのかわからないと、途方に暮れる方もいらっしゃいます。  湯崎知事は、庄原市や呉市などの避難所を視察されましたが、県としてできるだけのことを全部するという知事の励ましの言葉は、被災者にとって何より心強く、勇気を与えるものだったと思います。  被災者の生活再建に対する行政の支援策としては、住宅が全壊した場合に最高三百万円が支給される被災者生活再建支援制度や、償還期間十年間で最高三百五十万円まで貸し付ける災害援護資金などがありますが、田畑を失い、収入のめどが立たない住民にとって、決して十分な支援策とは言えないのではないでしょうか。  また、県では、当面の対応として、被災者の県営住宅や県公舎への入居を進めておりますが、被災地の復旧に時間を要するようであれば、全く別の場所に住宅を確保し、集落機能を復興するという方法もあるのではないかと思います。  長年、地域のコミュニティーの中で育ててきた住民のきずなは、何よりの財産であります。被災者がばらばらに暮らすのではなく、復興に向けてお互いに励まし合って生活できるような環境づくりが大事だと思うのであります。  被災者は、今後の生活の見通しが立たないということに最も不安を感じていると思いますが、県として、被災者の住宅の確保や経済的な支援についてどのように取り組んでいかれるのか、知事の御所見をお伺いいたします。  質疑の第三は、要援護者の避難誘導体制の整備についてであります。  今回の災害では、高齢化と過疎が進んだ中山間地域の現実をまざまざと見せつけられた思いがいたします。こうした地域には、災害弱者と言われる高齢者のみの世帯が多く、今回犠牲となられた方は、いずれも七十歳以上の高齢者であります。  土石流が押し寄せた庄原市のある七十歳代の夫婦の世帯では、自宅が濁流にのみ込まれ、一瞬にして二人は離れ離れになりました。奥さんは、冷蔵庫と壁の間に挟まって身動きがとれなくなり、水かさが上がってきて、ここで死ぬのかなと頭をよぎった後、冷蔵庫が浮き上がり、戸をけ破って脱出することができました。御主人は、ビニールハウスの骨組みにつかまって何とか上流の土手にたどり着き、六時間ぶりに奥さんと再会できたそうであります。再会したとき、二人は、「ほんまによかった。」、「生きとったんか。」と声をかけ合った後、感きわまって次の言葉が続かなかったそうであります。  こうした要援護者の避難誘導については、昨年九月の定例会におきまして、前知事から、要援護者の名簿や個人ごとの伝達方法、誘導方法を具体的に記載した避難支援プランの作成を市町に働きかけているとの答弁がございましたが、たとえ避難支援プランが作成されていても、真に実効性のあるプランでなければ意味がありません。  今回の集中豪雨では、住民基本台帳をもとに住民の所在確認をしたところ、実際には住んでいなかったことが後で判明するなど、安否確認が混乱した自治体もあったようであります。また、電話線が寸断された地区の住民に対して広報車により避難勧告を呼びかけようとしたところ、土砂崩れで道路がふさがれたため広報車が現地に入れず、住民に情報を伝えることができなかったところもあったようであります。  このような問題点は、すべての市町で共有し、避難支援プランや避難勧告マニュアルの改善に反映させ、その実効性を高めていく必要があります。  今後、高齢化がさらに進み、寝たきりなど介護が必要な方もふえることが見込まれます。また、中山間地域に限らず、近年は、住民意識や生活環境の変化に伴って近隣扶助の意識が低下するとともに、就業構造の変化に伴ってサラリーマン化が進み、消防団員の確保も難しくなっております。  こうした社会情勢や今回の災害対応を踏まえて、今後、高齢者や障害者などの要援護者を確実に避難誘導するため、どのように取り組んでいかれるのか、知事にお伺いいたします。  質疑の第四は、災害に強い県土づくりについてであります。  本県は、急傾斜地崩壊危険箇所が約二万二千カ所、土石流危険渓流が約一万カ所もあり、いずれも全国で最も多くなっております。本県は、一たび地震や集中豪雨に襲われれば、いつ、どこで土砂災害に巻き込まれても不思議ではない脅威と同居していると言っても過言ではありません。  ところが、危険箇所の整備率は、急傾斜地崩壊危険箇所で約三六%、土石流危険渓流では約一六%にとどまっており、これまでも整備のおくれが指摘されておりましたが、砂防事業費は、厳しい財政状況の中、公共事業の削減にあわせて年々減少しており、今年度の当初予算は約七十八億円で、十年前に比べ半分以下になっております。  めったに起こらない災害に多額の事業費を使うことは無駄だと仕分けされるのかもしれませんが、県民の生命・財産を守るのが県の本来の役割であり、それを単なる費用対効果や財政問題だけで片づけるわけにはいきません。災害が発生すれば大きな被害が出ることは明らかであり、県民の生命・財産を守る根本的な事業は着実に推進する必要があります。  一方、近年頻発するゲリラ豪雨は、短時間に狭い範囲に集中的に発生するため、これまでの常識が通用しなくなりつつあるように思います。治水施設の整備では、大河川においては百年から二百年に一度程度、中小河川においては五十年に一度程度発生する規模の降雨を想定して整備されますが、ゲリラ豪雨は、こうした前提を超えるおそれも出てきており、これらの基準を見直した上で、改めて構造物の能力の向上を図らなければならないのではないでしょうか。  今後も、局地的な集中豪雨により土砂崩れなどが頻発することが予想される中、災害に強い県土づくりを実現するためには、河川・砂防などの防災基盤の整備予算を積極的に確保するとともに、とりわけ災害復旧に当たっては、原状復旧にとどまることなく、大幅な改良復旧を図る必要があると考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。  質疑の第五は、災害対応の検証についてであります。  今回の大雨による被害は、知事が就任されて初めての大規模な災害となりました。災害対応について、県では、注意報が出された段階から、気象状況などに応じて段階ごとに適切な体制がしかれることになりますが、大きな危険に際しては、素早く対策本部を立ち上げ、知事が直接陣頭指揮をとり、リーダーシップを県民に示すことが、県民の不安解消につながるのであります。  しかしながら、今回の県の対応については、災害対策本部の立ち上げ時期などに課題があったのではないかとの指摘がなされております。  市町においては、十四日の午前中には関係市町に災害対策本部が設置され、避難勧告も次々と出されましたが、県に災害対策本部が設置されたのは十四日の夕方でありました。市町では、この間、県はいまだに本部を立ち上げていないが大丈夫なのだろうかと不安を感じていたという声もあったようであります。また、県が本部を廃止した翌日、庄原市の大雨により再度本部を立ち上げることになったことは、近年の異常気象の発生を予測することの難しさを物語っているのではないでしょうか。  災害対応は、刻々と変化する気象や自然と対峙し、即座に判断を下す必要があるため、これが正解というものはないのだと思いますが、今回の県の対応に県民が不安を感じたことは確かであります。  今後の災害対応について、いま一度問題点などを検証し、見直すべきは見直す必要があると思いますが、知事はいかがお考えでしょうか、お尋ねいたします。  最後に、新聞記事にあった被災者の発言を紹介したいと思います。  庄原市の被災者は、こう語っておられます。「寂れたとはいえ、生まれてからずっとここに住んできた。春の芽吹きや秋の色づきなど、すべてに愛着があり、言葉では言いあらわせないものがある。今後も先祖を守りながら、ふるさとで生活したい。」、また、豪雨が過ぎ去った後、蛍が飛んでいるのを見つけた十一歳のお孫さんにお年寄りの方は、こう語りかけたそうであります。「ここには、きれいな水と緑がある。復旧にはとてつもない年月と手間がかかるかもしれないが、早くもとの姿を取り戻したい。」と。  こうした被災者の声に胸を締めつけられる思いがするのは、我々みんながふるさとを大事にする郷土愛を持っているからなのではないでしょうか。一日も早い被災者の生活再建と美しいふるさとが復旧されることを祈念いたしまして、私の質疑を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) 13: ◯議長(林 正夫君) 当局の答弁を求めます。知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 14: ◯知事湯崎英彦君) まず、災害復旧のめどと二次災害の防止に関する御質問でございます。  このたびの梅雨前線豪雨による被害に対しましては、応急対応に加えて、被災者の生活再建に全力を挙げて取り組んでおります。  一方、災害復旧に当たりましては、原形復旧だけでなく、二次災害防止の観点から、予防的な工事を行うことが不可欠であり、このことが県民の安全・安心の確保につながるものと考えております。  こうした考えのもと、被災箇所のうち、県民の日常生活や社会活動に支障を及ぼしている箇所や二次災害のおそれがある箇所については、早期の復旧に向けて応急工事を実施し、新たな被害の発生を未然に防止するとともに、雨量計や土砂の動きを感知し警報を発するワイヤセンサーの設置など、警戒避難体制を強化する取り組みを進めております。  さらに、道路や河川などの公共土木施設については、災害査定に向けて国に強く働きかけを行っており、査定実施後、速やかに復旧工事に着手することとしております。  また、土砂災害を受けた斜面等については、原状回復にとどまらず、新たな予防的工事を加えるなど、再度災害防止に向けた対策を実施いたします。
     住宅地に堆積した流木や土砂の撤去につきましては、地元の住民の方々やボランティアの皆様の支援により実施されておりますが、被災者の生活再建のために必要な資金の提供や融資などを通じた支援も行ってまいりたいと考えております。  また、農地に堆積しております流木や土砂は、災害復旧事業により、順次、撤去することといたしております。  今後とも、関係市町と連携を図りながら、一日も早い災害復旧に向け、全力を挙げて取り組んでまいります。  次に、被災者の生活再建についての御質問でございます。  今回の豪雨災害では、庄原市を初め、県内の三市町に災害救助法を適用し、市町と連携し、被災地の応急救助に努めているところであり、現在、庄原市において、十二世帯の方に県営住宅や県職員公舎等へ入居していただくこととしております。  加えまして、今後は、被災者の生活再建に向けて支援策を講じてまいりたいと考えております。  災害により大きな被害を受けられた方々に対しまして、弔慰金や見舞金を支給するほか、生活の立て直しに向けた災害援護資金の貸し付けについて、市町と連携して実施してまいります。  そのほか、広島県社会福祉協議会の生活福祉資金貸し付けや住宅金融支援機構の災害復興住宅融資など、被災された方が活用できる制度につきまして、広く周知を図ってまいります。  また、住宅の改築や補修のための被災者生活再建支援法の適用について国と調整しておりますが、同法が適用となった場合、適用外の市町に対しましても、県単独で同様の措置がとれますよう準備しております。  さらに、被災者は、生活環境などの変化によりストレスが生じやすくなっており、これらの方々の心と体の健康を確保するため、専門機関との連携により、状況に応じたケアに努めているところでございます。  こうした取り組みを積極的に進めますことで、被災者の皆様の一日も早い生活の再建に全力を尽くしてまいります。  次に、要援護者の避難誘導体制の整備に関する御質問でございます。  災害時におきまして、災害時要援護者を安全に避難させるためには、確実な避難情報の伝達と円滑な避難誘導が極めて重要であると認識しております。  このため、現在、市町において、避難勧告等の判断・伝達マニュアルにあわせて、災害時要援護者避難支援プランの作成が進められているところでございます。  実際の災害が発生した場合においては、このプランに基づき、災害時要援護者個人ごとに定められた伝達方法により避難情報を伝達し安否確認を行うとともに、自主防災組織等により確実に避難誘導を行うこととされております。  こうしたことから、県といたしましては、作成中の市町に対し、個別に先進事例を提示するなど、きめ細かく課題解決に向けた支援を行い、避難支援プランの作成の促進に取り組んでいるところでございます。  また、既にプランを策定しております市町が今年度実施する予定の訓練に県みずからが参画して、今回の事例も踏まえながら避難勧告のタイミングや避難誘導について評価・検証を行い、より実効性が高まるよう市町を支援することとしております。  こうした取り組みを通じて、災害時において要援護者を円滑かつ安全に避難誘導できる体制づくりに努めてまいります。  次に、災害に強い県土づくりについての御質問でございます。  災害から県民の生命・財産を守る防災施設の整備は、県の重要な責務と認識しており、鋭意、河川・海岸・砂防関係事業に取り組んでいるところでございます。  本県の自然条件を見ますと、河川、海岸の延長が長く、また、地形・地質の特性から、土砂災害危険箇所が全国最多となっているなど、防災施設の整備の必要性は極めて高く、早急に事業の推進を行うべきと考えております。  このため、より一層の事業の重点化・効率化を図り、近年の被害状況等を踏まえて、緊急性の高い箇所から施設の整備を推進してまいります。  また、早期警戒・避難のための情報提供や土砂災害警戒区域等の指定など、ソフト対策もあわせて進め、災害に強い県土づくりを推進してまいります。  災害復旧に当たりましては、原形復旧にとどまらず、再度災害防止の観点から積極的に改良復旧に取り組むこととしており、庄原市の一級河川大津恵川については、現在の蛇行する流路をできるだけ直線化するといった工事等を盛り込んで、災害関連事業での実施を申請することとしております。  さらに、土砂の崩壊等による被災箇所については、緊急に施設整備を実施するとともに、被災箇所周辺についても対策を集中的に実施することにより、甚大な土砂災害が発生した地域の災害防止対策を図ってまいります。  今後とも、二次災害防止の観点から、さらなる工夫を加え、事業を推進することにより、県民の安全・安心の確保に努めてまいりたいと考えております。  最後に、災害対応の検証に関する御質問でございます。  本県におきましては、災害対応に当たり、注意報発表時から注意体制をとり、さまざまな観測情報を注視しつつ、市町に対して、早目の避難勧告などを行うよう、注意喚起を行うこととしております。  次に、災害対策本部については、累積雨量等の数値、市町の避難勧告等の状況や具体的な被害状況などを踏まえて、その設置を総合的に判断しているところでございます。  また、災害対策本部の廃止につきましては、今後の気象状況や新たな被害発生の可能性を踏まえつつ、各部局が着実に施策を実施する段階に入っていることを見きわめた上で、注意体制等に移行することとしております。  このたびの梅雨前線豪雨に際しましても、このような考え方に基づき、十二日の注意報発表時から注意体制をとり、十三日の警報発表時からは警戒体制へと体制強化を図るとともに、私としても定期的に状況報告を受け、十四日の午後には累積雨量が相当量に達していたこと、市町の避難勧告等の拡大が顕著になったこと、行方不明者等三名が新たに判明したことなどを踏まえて、十六時に本部設置の方針を固め、十八時に第一回会議を開催し、本部の設置を行ったところでございます。  このように、状況変化に応じ、適切に体制を組んだものと考えておりますが、県民の安心の観点からは、御指摘のように、従来よりも早期に災害対策本部を立ち上げることも念頭に置いて体制の判断を行うことも必要ではないかと感じているところでございます。  また、今回の対応において、県と市町との間の情報伝達や県民への情報提供が必ずしも十分でなかったのではないかとの指摘もございました。  このため、このような点も踏まえ、今回の対応について、いま一度検証を行い、見直すべき点は見直し、防災対策の一層の充実強化に努めてまいる所存でございます。 15: ◯議長(林 正夫君) 引き続いて質疑を行います。安木和男君。         【安木和男君登壇】 16: ◯安木和男君 皆さん、おはようございます。公明党広島県議会議員団の安木和男でございます。会派を代表いたしまして質疑を行います。  まず、質疑に先立ちまして、去る七月十二日からの大雨、十四日、十六日の記録的な集中豪雨により犠牲となられた方々の御冥福をお祈りするとともに、御遺族の皆様に衷心よりお悔やみを申し上げます。また、被災者の方々に心よりお見舞い申し上げます。  さて、今回の災害では、死者五名、家屋の全壊は十八棟、半壊が十五棟、一部損壊が四十六棟、床上浸水が二百二十一棟、床下浸水が千二百九十七棟の被害が出ました。  とりわけ土砂災害が大きかった庄原市については、気象庁の観測では、一時は時間当たり九十ミリを超える豪雨となり、大雨が短時間に局所に集中し、十一日から十六日までの総雨量は三百十六ミリと平年の約五倍に達するなど、これらが甚大な被害につながりました。  近年、梅雨の明ける時期に、前ぶれもなく、突発的・局地的に短時間で記録的な大雨となる傾向があります。その原因としては、都市化によるヒートアイランド現象や地球温暖化などにより上空に熱がこもり、積乱雲が生じやすくなったためとされ、いわゆるゲリラ豪雨はその典型と見られております。今回、ゲリラ豪雨に見舞われた地域住民は、この自然の猛威になすすべもなく、ただただ、この脅威が早く過ぎ去ることを祈るのみであったように思います。  呉市においても、十四日午前中の激しい雨は、尋常ではありませんでした。我が家は、灰ケ峰という山のふもとにありますが、門の外を横切る形で、車一台が通る程度の坂道になっています。このときの豪雨で、坂道そのものが急流のような川となり、坂道のさらに上からも道幅いっぱいの水が山のようになって押し寄せ、その水の量と急流となって流れ下ってくる状況に然としました。道に出ようものなら、急流に流されてしまうような危険な状況でした。家の前の坂道がこのような急流になったのは、昭和四十二年に多数の犠牲者を出した呉の豪雨のときがそうだったと聞きました。これは大きな被害が出ると思い、私自身、十四日午前中以降の数日間は、ほぼ毎日、防災服と長靴で呉市内各地の被災現場を見て回りました。  公明党県本部では、七月十四日にいち早く災害対策本部を設置し、十四日午後には谷合正明参議院議員も呉市に駆けつけ、私や地元呉市議とともに呉市の災害現場各地を視察しました。この日、呉市中心部や国道百八十五号の広方面で冠水し、広白石方面一帯の多くが床上・床下浸水しました。また、河川の増水、はんらんによる被害が続出しました。  十七日には、斉藤衆議院議員とともに我が会派の田辺議員が庄原市を、さらに世羅町を視察し、災害状況の情報収集などを行い、現場の実態把握に努めたところです。  これらの過程で、今回の豪雨災害における行政の対応のあり方や役割について気づいた点がありますので、幾つか質疑をしたいと思います。  まず、質疑の第一は、災害救助法の適用基準の考え方についてでございます。  今回の豪雨災害に当たり、知事は、呉市、庄原市については素早く災害救助法の適用を決定され、評価しておりますが、同様に死者を出すなど大きな被害が出ていた世羅町については、当初、適用がなされませんでした。  この災害救助法が適用になりますと、市町にとっては、被災者向けの避難所や仮設住宅の設置、食料品の支給などの費用を国と県で全額負担することになるなどのメリットがあります。また、県民にとっても、自宅に流れ込んだ土砂の撤去などの費用の一部が軽減できるなどのメリットが享受できます。市町や県民にとっては、適用を受けられるか否かで大きな違いがあります。  世羅町を視察した田辺議員は、その被害の大きさに驚愕し、知事に対し、世羅町にも制度を適用するよう、強く要望いたしましたところ、知事はそれを受け、世羅町にも災害救助法を適用されたことについては評価しております。  災害救助法が適用されるには、大きく分けて二つの基準のいずれかをクリアする必要があります。まず一つ目は、住宅が滅失した世帯数が市町の人口に応じ一定数以上である場合、二つ目は、多数の生命・身体に危害を受け、また受けるおそれが生じた場合で、そのいずれかに該当することとされており、基準以上の世帯に被害が出たり、多数の人に被害が出るおそれがなければ対象となりません。  しかし、今回のようないわゆるゲリラ豪雨の場合、局地的ということで、被災地域の範囲が狭いことから、生命・財産にどのように甚大な被害が出ようとも、どちらの要件も満たすことは難しく、適用が見送られるという事態に陥るおそれがあります。  近年、ゲリラ豪雨が多発する傾向がある中で、まとまった人的・物的被害が出なければ適用が見送られるようなことがありますと、その時々の判断で、同じ災害でありながら適用を受けられず、地域間で不公平感が生じてしまうおそれがあります。  今後、適用に当たっては、現状を十分しんしゃくして、基準をもっと弾力的に解釈するとか、あるいは基準の見直しが必要ではないかと思いますが、知事の御所見を伺います。  質疑の第二は、国の公共事業の削減方針と防災対策の必要性についてでございます。  今回大きな被害を受けた庄原市では、過去にたびたび洪水被害を受けている大戸川、西城川の治水対策と庄原市の水道用水の確保、さらには大戸川の良好な自然環境の維持を目的として庄原ダムの整備が進められております。  この庄原ダムは、平成六年四月の予備調査開始以来、平成十七年三月に利水者との基本協定を締結し、平成十九年十二月には全体計画が認可され、平成二十四年度の完成を目指し、現在、つけかえ道路の工事が行われております。  地元では、仮にこのダムが完成していたならば、今回の豪雨災害の被害はここまで大きくなっていなかったかもしれないとの思いもあり、防災対策としての大きな効用が見込まれているこのダムの早期完成が期待されております。  今回のような豪雨災害のことを考えますと、防災施設の整備の必要性が高まっていると言えます。しかし、政府・民主党は、「コンクリートから人へ」というスローガンを掲げて、八ッ場ダム建設工事の見直しに象徴されるように、大幅な公共事業の削減方針を打ち出されております。  人を重要視するのならば、県民の安心・安全のための防災対策の推進がすべてに優先して実施されなければならないということになりますが、防災施設など住民の生命・財産を守るための公共事業も削減しております。  この庄原ダム建設においては、政府・民主党の方針による弊害は出ておりませんが、今後、この方針が継続されれば、いずれ防災対策の面で何らかの影響が出てくることは容易に予想できます。確かに、治水・防災対策としては、ダム建設などの公共事業だけではないでしょうが、県民の安心・安全の確保のための基盤整備は非常に重要なことであります。  ここ最近頻発する豪雨災害への備えは待ったなしの状況にある中、国の公共事業に対する削減方針が県民の安全・安心の確保に与える影響についてどのようにお考えなのか、知事の御所見を伺います。  質疑の第三は、呉市の防災対策事業の推進についてでございます。  今回の災害に当たりましては、先ほど述べましたように、地元呉市にも大きな被害が出ました。被災状況は、人的被害が死者一名、軽傷が二名で、住家被害は全壊が一棟、半壊が九棟、一部損壊が二十棟、床上浸水が百三十棟、床下浸水が二百二十棟となっております。  私は、現地を視察した際、川尻町の光明寺川のはんらんで最も被害に遭われた木工所の方から直接お話を伺う機会がありました。  十四日の洪水のような大雨で、あっという間の河川の増水と流石が起こり、自宅裏のカーブした河川の堤防から一メートルを超す濁流が工場内に流れ込みました。天井付近につけられたエアコンも外れ、たんすは約百メートル下まで流され、機械は濁流で浸水し、土砂に埋もれ、百キログラム近くあるボール盤までも二十メートルほど流されたとのことです。「仕事はできなくなり、家も一階が全滅です。」と語っておられました。  その方の高齢の母親は、自宅の前の工場のすぐ横にいたそうですが、川がはんらんして、大量の濁流とごみが窓を突き破って工場や周り一帯に流れ込んだ際、そばにあった台の上に必死で上がり、工場の横に出た屋根のひさしを握り締め、何とかしがみついて九死に一生を得たとのことでした。しかし、手がしびれて、手を離してしまいそうだったと恐怖を語っておられました。台の上でなければ、その母親の背丈を超える濁流で押し流されるところだったのです。  実は、この箇所の堤防は低く、大雨のたびにいつもあふれそうになっています。住民からは、堤防を高くするよう強く要望されており、今回の災害に遭われた方からも、堤防の整備の必要性について御意見をいただきました。  このような事態を未然に防止するための対策工事を早急に実施する必要性があります。  また、御承知のとおり、県内の土石流危険渓流と急傾斜地崩壊危険箇所は全国で最も多く、とりわけ呉市は、土石流危険渓流が七百九十八カ所、急傾斜地崩壊危険箇所が二千八十六カ所と、危険な箇所が多い地域です。  昭和四十四年につくられた急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律は、昭和四十二年に発生した呉の豪雨災害を契機として制定されたものですが、その対策はまだまだ進んでおりません。呉市は、急傾斜地の多い独特の地形のため、今回のような大雨が続くと大きな災害が起こりやすい地域で、これまでも大雨による被害が頻発しております。  私は、今後、河川改修や砂防事業などの防災対策事業を実施する上では、より災害の起こりやすい地域を優先的に実施するなど、地域の実情を考慮すべきであると考えますが、知事の御所見を伺います。  最後に、今回の豪雨災害に被災された方が、一刻も早くもとの生活に戻れますように、災害復旧に全力を挙げていただきたいと思いますが、今回の災害では、いち早く豪雨災害ボランティアセンターが設置され、多くのボランティアの方々が、災害直後から、家屋等の敷地内や公道の土砂や泥のかき出し、家財の搬出等に加え、被害に遭われたお年寄りや子供たちへの精神的ケアなどさまざまな活動をされ、復旧に向けて大きな役割を果たされるとともに、被災者の方々を勇気づけられておりました。  しかしながら、いまだに多くの世帯で家屋や敷地内が土砂で埋まったまま、どこから手をつけてよいのか途方に暮れている方々が多くおられます。  被災された方が早急に通常の生活を取り戻すためには、このような災害ボランティアの活動が不可欠であり、可能な限り多くの人がボランティアに参加でき、参加された方がスムーズに活動できるシステムやこれらに関する情報を交換する仕組みづくりを、より充実していただくことを要望いたしまして、私の質疑を終わります。  御清聴、まことにありがとうございました。(拍手) 17: ◯議長(林 正夫君) 当局の答弁を求めます。知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 18: ◯知事湯崎英彦君) まず、災害救助法の適用基準に関する御質問でございます。  災害が発生した場合は、市町が、被災者に対する応急措置として、避難所の設置や食料品の提供などを行うこととされております。  ただし、一定規模以上の災害の場合には、県が災害救助法を適用することで、救助に関する費用を国及び県が負担し、市町の財政負担を軽減するとともに、被災者の保護と社会秩序の保全を図ることとしております。  このたびの災害では、住宅の滅失した世帯数に基づく適用基準に該当する被害はございませんでしたが、被災者の避難状況や今後の避難勧告の見通しなど、被災地の現状を勘案し、厚生労働省令で定める、多数の者が避難して継続的に救助を必要とする場合に該当するものとして法を適用したものでございます。  今後、これまでの典型的な災害とはその形態を異にする、局地的な被害をもたらすような事象の発生も予想されますことから、県といたしましては、法の円滑な運用が可能となりますよう、国や市町との連携を図りつつ、弾力的な運用に努めてまいりたいと考えております。  次に、国の公共事業の削減方針による防災基盤整備への影響に関する御質問でございます。  平成二十二年度の公共事業予算は、「コンクリートから人へ」の考えに基づいて大幅に削減され、治水においては、できるだけダムに頼らない治水へ政策転換が図られるとともに、ダムの必要性について厳しい検証を求められております。  近年、豪雨災害や高潮災害が頻発する中で、県民の安全・安心な暮らしづくりに向けて、引き続き、河川、砂防、海岸などの防災施設の整備が求められており、本県といたしましては、緊急度や重要度が高い箇所への選択と集中により、早期に整備効果の発現を図ってまいります。  また、市町のハザードマップ作成支援や土砂災害防止法による土砂災害警戒区域等の指定などのソフト対策をあわせて進めることも、県民の安全・安心な暮らしづくりに大きく寄与するものと考えております。  次に、地域の実情を踏まえた防災対策の実施についての御質問でございます。  呉市内の砂防事業につきましては、過去に幾度となく大規模な土砂災害に見舞われ、それを契機に、土砂災害のおそれのある多くの危険箇所の整備を実施してまいりましたが、地形や地質の特徴から、整備が必要な箇所が依然数多く残っている状況にございます。  河川事業につきましても、これまでの河川改修により黒瀬川や二河川では一定の治水安全度が確保できているものと考えておりますが、勾配の急な小河川など、改修が必要な河川は依然多く残っている状況にあります。  また、高潮やゲリラ豪雨による市街地での浸水の発生も見られるようになり、対策が必要となっている河川もございます。  今後とも、土砂災害や浸水被害の発生状況などを踏まえ、地形・地質の状況、人口や産業の集積状況など、地域性を勘案し、緊急度の高い箇所から整備に着手できるよう努めてまいります。 19: ◯議長(林 正夫君) これをもって質疑を終結いたします。  ただいま上程中の臨県第三号議案については、所管の常任委員会に審査を付託いたします。議案付託表は後刻お手元へ配付いたします。  この場合、あらかじめ会議規則第九条の規定により会議時間の延長をいたしておきます。  この際、暫時休憩いたします。         午前十一時三十一分休憩              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~         午後三時五十分開議 20: ◯議長(林 正夫君) 出席議員五十九名であります。休憩前に引き続き会議を開きます。         常任委員長報告
    21: ◯議長(林 正夫君) ただいま上程中の臨県第三号議案については、関係常任委員会に審査を付託しておりますので、この際、関係常任委員長から審査の経過並びに結果について報告を求めます。  それでは、まず文教委員会の報告を求めます。文教委員長中村道徳君。         【文教委員長中村道徳君登壇】 22: ◯文教委員長(中村道徳君) 文教委員会における付託議案の審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。  今次臨時会において本委員会に審査を付託されました議案は、補正予算一件であります。  審査の結果、付託議案は、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、審査の過程におきまして各委員から指摘された事項のうち、その主要なものを申し上げますと  第一に、大雨による被害を受けた県立学校施設の復旧に当たっては、教育活動への影響を最小限にとどめるとともに、再び同様の被害が生ずることのないよう、早急かつ万全な復旧に努める必要があること。  また、廃校に至った県立学校施設については、大雨等による被害防止等の必要から、適切な維持管理に努めるとともに、廃校後の施設利用のあり方について検討する必要があること。  第二に、各学校においては、このたびの大雨も踏まえ、改めて危険箇所の点検を行い、必要とする整備を実施するとともに、高い危機管理意識を持った防災体制の徹底を図る必要があること。  このほか、学校に隣接するのり面崩壊の復旧に係る地元自治会との連携などについて問いただされたところであります。  以上、審査の概要を申し述べ、文教委員会の報告といたします。(拍手) 23: ◯議長(林 正夫君) 次は総務委員会の報告を求めます。総務委員長金口 巖君。         【総務委員長金口 巖君登壇】 24: ◯総務委員長(金口 巖君) 総務委員会における付託議案の審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。  今次臨時会において本委員会に審査を付託されました議案は、補正予算一件であります。  審査の結果、付託議案は、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、審査の過程におきまして各委員から指摘された事項のうち、その主要なものを申し上げますと  第一に、二次災害の防止に向け、応急的な対策を早急に完了されるとともに、被災者の生活等が一日も早く再建できるよう、職員の執行体制を確保し、円滑な補正予算の執行に努められたいこと。  第二に、災害に強い県土づくりに向けて、災害の発生原因を究明するとともに、厳しい財政状況における防災対策事業などのあり方について検討する必要があること。  このほか、災害時の職員の安全確保対策、危機事案への地方機関の機動的な対応、限られた予算の中での防災対策事業の効率的な実施方法などについて問いただされたところであります。  以上、審査の概要を申し述べ、総務委員会の報告といたします。(拍手) 25: ◯議長(林 正夫君) 次は生活福祉保健委員会の報告を求めます。生活福祉保健委員長内田 務君。         【生活福祉保健委員長内田 務君登壇】 26: ◯生活福祉保健委員長(内田 務君) 生活福祉保健委員会における付託議案の審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。  今次臨時会において本委員会に審査を付託されました議案は、補正予算一件であります。  審査の結果、付託議案は、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、審査の過程におきまして各委員から指摘された事項のうち、その主要なものを申し上げますと  第一に、災害対策が効果的に行われるよう、対策本部を立ち上げるタイミングや被災情報の受信や発信について十分な検証を行う必要があること。  第二に、住宅が損壊した方に支給される被災者生活再建支援金については、床上浸水等も対象となるよう弾力的な対応を国に要望するとともに、迅速な支給に努める必要があること。  第三に、被災者の中には、災害による不安やストレスなど精神的ダメージを受けている方も多いことから、保健師による訪問など、引き続き、きめ細かなケアを行う必要があること。  第四に、中山間地域における治山事業のあり方や砂防ダムの整備促進など、部局横断的に議論を行い、実効性のある防災対策を検討すること。  このほか、消防団の育成やハザードマップの作成促進、災害ボランティアの活用などについて問いただされたところであります。  以上、審査の概要を申し述べ、生活福祉保健委員会の報告といたします。(拍手) 27: ◯議長(林 正夫君) 次は農林水産委員会の報告を求めます。農林水産委員長高木昭夫君。         【農林水産委員長高木昭夫君登壇】 28: ◯農林水産委員長(高木昭夫君) 農林水産委員会における付託議案の審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。  今次臨時会において本委員会に審査を付託されました議案は、補正予算一件であります。  審査の結果、付託議案は、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、審査の過程におきまして各委員から指摘された事項のうち、その主要なものを申し上げますと  第一に、県民の身体・生命・財産を守ることは行政の最も重要な責務であることから、当面の災害復旧に全力を挙げるとともに、中長期の視点から災害に強い県土づくりに努める必要があること。  第二に、二次災害の防止や農作物の作付を可能にするため、被害を受けた森林の復元や農地・ため池などに流入した土砂・流木の撤去について迅速な対応を行う必要があること。  第三に、手入れ不足の森林の増加などにより、森林が本来有している土砂災害を防止する機能などが低下していることから、産業対策としてのみならず、県土保全の観点から森林整備にも注力し、森林の多面的機能の回復を図る必要があること。  第四に、今回の災害について、激甚災害法の指定が受けられるよう県として尽力するとともに、被災者の救済措置や市町の負担軽減に最大限の配慮をされたいこと。  第五に、現行の法制度や救済措置の内容について、被災者の視点に立って十分な検証を行い、国、県、市町が連携しながら、制度の根本的な見直しを検討する必要があること。  このほか、危険な被災箇所の周知の必要性について問いただされたところであります。  以上、審査の概要を申し述べ、農林水産委員会の報告といたします。(拍手) 29: ◯議長(林 正夫君) 次は建設委員会の報告を求めます。建設委員長天満祥典君。         【建設委員長天満祥典君登壇】 30: ◯建設委員長(天満祥典君) 建設委員会における付託議案の審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。  今次臨時会において本委員会に審査を付託されました議案は、補正予算一件であります。  審査の結果、付託議案は、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、審査の過程におきまして各委員から指摘された事項のうち、その主要なものを申し上げますと  第一に、今回の梅雨前線豪雨並びに庄原市局地豪雨による災害においては、被害箇所が多数に上っていることから、早期に災害査定を実施するよう、今後も国に強く要望し、災害復旧事業ができるだけ早く完了するよう努められたいこと。  第二に、今後の降雨により二次災害が生じないよう、危険箇所については、県下全域において危険箇所の監視や対策を講じるとともに、市町と連携して県民の不安を払拭するよう努められたいこと。  第三に、早急な災害復旧を行うため、被害の大きい地域への人的な派遣を含め、万全な執行体制を確保すること。  このほか、広島港に流出した流木への対応、今回の災害による庄原ダム完成時期への影響、施設管理者が異なる場合の災害復旧事業の実施方法などについて問いただされたところであります。  以上、審査の概要を申し述べ、建設委員会の報告といたします。(拍手) 31: ◯議長(林 正夫君) 以上をもちまして関係常任委員長の報告は終わりました。  直ちに採決いたします。上程中の臨県第三号議案は、関係常任委員長の報告のとおり決するに賛成の諸君は御起立願います。         【賛成者起立】 32: ◯議長(林 正夫君) 起立総員であります。よって、本案は関係常任委員長報告のとおり決しました。         【議長林 正夫君起立】 33: ◯議長(林 正夫君) 以上をもちまして、今次臨時会に提出されました議案は、議了いたしました。  会期は一日でありましたが、各位の格段の御精励のもと、緊急かつ重要な災害対策に関する補正予算について、迅速・適切なる結論を得られましたことに対しまして、深く感謝申し上げる次第であります。  県当局におかれましては、臨時会招集の趣旨にかんがみ、速やかに適切、効果的な災害対策を講じられ、県民の期待にこたえられますよう希望いたします。  これをもちまして七月臨時会を閉会いたします。         午後四時五分閉会 発言が指定されていません。 広島県議会 ↑ 本文の先頭へ...