防疫対策マニュアルにつきましては、部局を超えた対応が想定されます。そういった対応を視点において、役割分担を明確化するなど、改正を進めているところです。その中で、感染した家畜を50頭規模に想定したとき、どのような対応を何人で対応するべきか、何班構成するべきかといった計算をはじき出して、人数、あるいは資材を調達できるようにするシミュレーションをしているところです。
このたび、消石灰を配付しましたけれども、基本的には畜産農家自身が侵入、病気を防止するということが基本になります。そのためには、人の出入りを制限すること、靴の消毒、専用の作業着に着がえることなどにより、農場へ汚染したものを持ち込ませず、入り口で防ぐということが基本ではないかと思います。
現在、感染の範囲は宮崎県内にとどまっておりますから、対策要領上では注意体制という体制をとっています。この体制においては、情報を収集するということによって常に状況を把握し、関係団体と情報を共有することとしております。
しかしながら、宮崎県内とはいえ、これだけ発生が続いておりますので、13日には県の畜産団体、あるいは食肉団体に来ていただいて、お互いの情報を共有し、いざとなったときにどのような対応をとるかについて情報交換をしております。
5:
◯要望・
要望(
田川委員) 畜産農家も不安を抱いていると思いますが、風評被害の心配がございます。口蹄疫に感染した牛肉や豚肉を人が食べても感染しないそうですので、こういうこともしっかりアピールをしていただきたいと思います。これについての答弁は結構でございますので、しっかり対応をお願いします。
感染力が非常に強いと聞いておりますので、迅速な対応をしなければならないと思います。まずは入れないことが大事だと思いますけれども、危機管理の意識をしっかり持って、万全の体制をとっていただきたいと思います。
6:
◯質疑(
東委員)
田川委員と重複する部分もあると思いますが、私も宮崎県における口蹄疫発生にかかわって何点か、お聞きしたいと思います。
宮崎県で疑似感染の牛、豚が発見されたということで、農林水産局から4月23日付でファクスをいただきました。私自身は全くの素人考えで、そんなに大したことはないのではないかと思っていたわけですけれども、ちょうどそれから一月たって現在、11万頭に及ぶ殺処分、埋める場所すらもなかなか見つからないといった大変過酷な状況になったのです。マスコミの報道によると、生産者からは地獄だという声が聞こえるわけで、終息に向けて一日も早い取り組みが必要だと皆さんが思っているところです。
初歩的な質問で申しわけないのですが、資料を見ますと、対象農家に緊急調査を実施し、全戸異常なしの確認をとったことになっておりますが、具体的にどのような調査をされて異常なしとなっているのか、お聞きしたいと思います。
7:
◯答弁(
畜産課長) この緊急調査は、4月20日の初発の後、4月21日に続発しましたので、農林水産省の指示により全国一斉に偶蹄類を使用する農家に対して、電話等による聞き取りを早急に実施することとなりました。4月30日までに終えるようということで調査いたしております。
内容としては、関係機関の方が立ち入った際、あるいは農家の方が目視された際、異常があるかどうかいうことを確認しております。農業共済組合連合会の獣医師の診療時における立ち入り等も数に入れておりますけれども、そのときも対象家畜だけでなく、全家畜の調査結果について回答いただきました。その結果、すべての農家の聞き取りを終了したということでございます。
8:
◯質疑(
東委員) その後、検査は継続的に行われているのか、それとも先般、農林水産省の指示による一回きりの検査で異常なしとされ、現在に至るということなのか、お聞きいたします。
9:
◯答弁(
畜産課長) この調査で、異常を見つけたときにはすぐ連絡するようにという周知をしております。また、年度当初に市町、あるいは関係団体を集めまして、法定伝染病の内容、現在の発生状況についての情報を周知して、伝染病の疑いや異常があれば、口蹄疫に限らず、連絡する体制は常にとらせていただいております。
このたび、緊急調査そのものは1回ですけれども、4月21日付で注意喚起、連休中に再度注意喚起をしております。また、具体的にどういった消毒方法があるのかなどを記載したリーフレットを配布しました。さらに、1週間に1度ぐらいのペースで、関係団体とやりとりでありますとか、農家への周知をさせていただいております。
10:
◯質疑(
東委員) 災害と同様で、現場から異常があるという連絡が入って初めて行政として対応があるのだと思います。人が移動することがどうなのかというのはありますけれども、情報の共有ということも言われましたし、もっと積極的に現場に入り、専門家等が関係者と緊密なコンタクトをとる必要があると思います。
この資料を見ますと、県内で発生した場合の対応というふうに書いてあります。発生の確認というのは、まさに畜産農家の方から少しおかしいというような報告があって初めて発生が確認されたということになると思うのです。ですから、畜産農家からそういう情報がない限り、発生の確認はできないということでしょうか。
11:
◯答弁(
畜産課長) 家畜を飼っていらっしゃる方は朝、あるいは夕方のえさを与えるとき、施設の見回りをするとき、牛や豚を観察されます。例えばえさを食べていない、あるいはふんの状態が悪いといった異常があったときには、診療獣医師に電話をされて診療を受けられます。
現在、農業共済組合連合会の獣医師の方におかれましては、まず最悪の状態を想定して、口蹄疫ではないかというとき、あるいはその疑いがあるというときは、その場から離れず、畜産事務所に電話をされます。そして、その間、ほかの家畜が移動しないように、県の防疫委員とともに現地にとどまって処置を行っていただく申し合わせができております。
12:
◯質疑(
東委員) この間、養豚業者、あるいは牛の飼育業者等に話を聞きましたところ、いつどこで発生するか全くわからないため、
田川委員が言われたように、関係者の方は、非常に不安に思っておられます。そうした中で、県として消石灰を配付するということがあり、県としてのそういう姿勢が見えることが大変心強いという御意見をいただきました。
ただ、シカやイノシシも口蹄疫に感染するということになれば、県内至るところでシカやイノシシが暴れ回っている状況がありますので、人間だけの移動制限で感染を防ぐことはなかなか難しいと思います。新型インフルエンザのときのように、水際作戦といって感染地を旅行された方を飛行場で調べたけれども、もう既に入っていたということもありました。
ですから、発生が確認されたときには相当の感染をしているのではないか、そういう意味では、先ほど
畜産課長が言われたように、最悪の場面を想定して対応することに同意します。そうした中で、何としてもこれを封じ込めなくてはいけないという思いがあると思いますけれども、今回の宮崎県における口蹄疫被害に対して、広島県の農林水産局としての決意といったものをお聞きしたいのですが、局長いかがでしょうか。
13:
◯答弁(
農林水産局長) 先ほど来、
畜産課長がお答えいたしましたように、宮崎県で口蹄疫が発生したという一報を受けて、これは本県にも起こり得るということを直ちに想定いたしました。広島県に起きても不思議ではないという状況を前提といたしまして、畜産農家等と協調し、連絡体制をとってきたつもりでございます。その後も畜産関係団体等と連携を密にする中で、宮崎県での一日も早い終息を願っておりましたが、残念ながら今日に至っております。
危機の度合いを言葉で申し上げるのは大変難しいのでありますが、まさに差し迫った危機とまでは申し上げることはできませんけれども、広島県にとっても危機が間近に来ているという認識を持って、今後も取り組んでまいりたいと思っております。
14:
◯質疑(
小林委員) 大変な状況になっているということでありますが、宮崎県だけの問題ではなく、当然、日本全体の問題であると思っています。
国は国として考えると思いますが、広島県独自の防疫体制をどうしていくのか、県は県として考えなくてはいけないと思います。説明であった半径10キロメートルの移動制限というのはなぜなのか、ハエや蚊、鳥等、どこまで飛んでいくかわからない動物もいる中で、本当に10キロメートルでいいのかということもあります。広島県の防疫体制の確立というのをマニュアルも含め、根本的に考え直していかなくてはいけないのではないかと思います。
発生しているところへは絶対近寄らないというのは当たり前として、対岸の火事ではありませんし、予断を許さない状況でございますので、知事会や議長会を通して、47都道府県が共通認識を持たなくてはいけないと思います。例えば、終息するまでは、観光に行ってはいけないなど、きちんとした対応をとらないといけないと思うのです。そこまで規制をかけてはいけないという声もありますが、やはり終息するまではきちんとしなくてはいけない状況だと思います。
根本的に考え方を変えて取り組まないと大変なことになると思いますが、
畜産課長の御意見をお聞かせ願いたいと思います。
15:
◯答弁(
畜産課長) 全国で2番目に大きな養豚地域を抱えている宮崎県で、発生から1カ月で、11万頭が処分されているという状況でございます。病気そのものとしては、基本的には偶蹄類に感染するものであり、汚染された製品が出回ることはないのですけれども、仮に人の口に入ったとしても影響はございません。そういうことですので、風評被害については冷静に対応していただきたいと呼びかけているところです。
そして、旅行につきましても、例えば韓国でありますとか、病気が発生している国に行かれる方には、畜産関係者のいるところ、畜産施設といったところには近づかないでくださいとお願いしています。
宮崎県から発生しておりますが、その中でも、川南町を中心にやや南に感染が広がり、えびの市を中心にした地域にも発生しておりますけれども、それ以外のところ、全体に広がっているという感じはしておりません。
したがって、今はまだ限局的な発生だと思っていますが、例えば関係車両が来るとき、あるいは通るときは、やはりきちんとした消毒対応をしていただく必要があると思います。それから、三次の家畜市場でございますけれども、今、九州のお客様には遠慮していただいています。仮に来ていただいたときには、市場に入る前に消毒をして入っていただくなど、いろいろな対応をとらせていただいております。施設に持ち込む危険性が一番高いのは、畜産関係の方だとされており、行き過ぎたやり方といいますか、一般の九州の方がみんな危ないというものでもございません。
ただ意識として、農家の方が外部から物を入れないという意識、あるいは関係者が集まるところは、今の状態であれば、消毒を徹底するという申し合わせにより、この病気に対応していきたいと考えております。
16:
◯質疑(
小林委員) しっかりとした防疫体制を整えなければ、今回は相当な被害が出てくると思います。数年前、台湾では養豚業者が全滅しましたし、そのような状況になっては遅いので、風評被害云々というのではなく、この病気は絶対に封じ込めるのだという意識がないといけないと思います。
1,108戸へ調査されたとき、何を調査しに来たかわからないという声も聞こえてきました。何か異常はありませんでしたかと聞く程度ではいけないと思います。やはりもっと踏み込んで、ペーパーがあったらペーパーを渡して、このような状態が出ているから、異常があったらどうするのか、連絡先ぐらい書いて渡すぐらいはしないといけないと思います。ふらっと来て、何しに来たのかわかりませんでしたという声があったことについて、どう考えておられますか。
17:
◯答弁(
畜産課長) この病気が発生して以来、異常の有無の確認する方法として、単に熱がありませんか、よだれを垂らしていませんかということを聞くのではなく、異常があるかどうかを確認していただきました。異常があればもちろん獣医師に見ていただき、おかしいという判断がされれば、畜産事務所が出かけて、検査をするという対応をとっております。
また、委員がおっしゃる農家への
文書等の通知については、発生したときに市町を通じてなど、あらゆるルートで農家に通知しているところでございます。
18:
◯要望・
質疑(
小林委員) 危機意識の欠落だと私は思います。もう少し真剣に県が対応していかないといけないと思います。農家から何しに来たのかわからないと答えが返ってくる、危機意識が全然伝わっていないということであれば、広島県の対応は形だけのものになってしまいます。系列があるのであれば系列でもいいです。4団体あったら、4団体それぞれが対応するのでもいいです。しかし、同じように危機意識を持ち、同じ認識で調査をするということが基本だと思いますので、よろしくお願いします。
それと、家畜の法定伝染病の危機レベルがわからないわけです。きのうは宮崎県知事が非常事態宣言を行ったところですが、どういう状態かがわからないのです。例えば、広島県の防疫体制の中で、5段階ぐらいのレベルを示して、レベルによってどうするべきかがだれでもわかるように早急に示してほしいと思います。これは
要望でありますので、よろしくお願いします。
それと、風評被害を心配する状態ではないというように私は言いましたけれども、九州全土が汚染されたときには、風評被害では済みません。WTO、FTAなどの農業交渉の中で、畜産についてどのような影響が出てくるのか、想定されることをお答え願えますか。
19:
◯答弁(
畜産課長) FTA、WTOでの輸出入関係でございますけれども、九州に発生したということで、輸出する関連肉は一たんとめられました。しかしながら、香港のあたりは再開されたというふうに伺っております。
輸入関係では、現在、日本は口蹄疫汚染国から肉の輸入をしておりませんが、日本の口蹄疫が一時的なもので終わらず、日本が汚染国ということになりますと、汚染国から肉を輸入しないというハードルがなくなるという懸念はあります。ただ、今のところは、そういった動きは聞いてないところです。
汚染国になるかどうかというとき、ワクチンを使用するかどうかという議論がされています。ワクチンを使用して、それが定着すれば、感染の拡大が遅くなるということがあります。しかしながら、一時的にワクチンなどを使用した場合、最終的な発生を見て、その家畜が全部いなくなってから、さらに3カ月の期間を経た状況で、清浄国に戻ります。今後、何とか清浄国として認められるようにしたいと感じております。
20:
◯要望(
小林委員) 汚染国になったらどういう状態になるのか、大変な事態になり得るわけです。日本の畜産は壊滅状態になりますので、とにかく早く終えんさせていただきたいと思います。広島県には絶対に入れないという気概を持って当たってほしいし、日本全体での体制をとって、緊急知事会ぐらいを早く開いて、どのような共通認識でやっていくかという議論をしていただきたいと思いますが、局長、お願いします。
21:
◯答弁(
農林水産局長) 再度、決意表明をさせていただきたいと思いますけれども、今回、宮崎県の口蹄疫が発生して、正確な日にちは覚えておりませんが、数日後、長崎県の五島市長が宮崎県への旅行を自粛するように全市民に呼びかけました。そのときには、行き過ぎではないかという意見がございました。しかし、それを今批判する人はおられないと思います。と申しますのは、五島市における畜産の占める割合が非常に高いということもございます。我々、畜産行政にかかわる者にとっては、当時の五島市長の
発言というのは、これはむべなるかなと受けとめようとしたつもりでございます。
先ほど委員から、調査において一部配慮に欠けた仕方があったという御指摘を受けましたけれども、再度、我々はそれを肝に銘じまして、今回の問題に対して対処していきたいと考えております。
22:
◯質疑(下原委員) 宮崎県の口蹄疫の発生源はどういうところが考えられますか。広島県が実際にかかわったわけではないので、どの程度お答えになれるかわかりませんが、想定でいいですし、絶対正しいということではなくていいので、教えていただけますか。
23:
◯答弁(
畜産課長) 現在、恐らく国において感染ルートを究明するための調査がされていると思います。そして、そういったところのオフィシャルな情報というのはなかなか手に入らないところです。
極めて限局的に発生したこと、牛、スイギュウ等において発生したということ、それから、最初に発生したウイルスの遺伝子調査によると、これが韓国、香港で発生した遺伝子に類似しているということから、その辺へいらっしゃった方が、関係者と接触した中でウイルスが入り込んだのではないかと思われますけれども、まだ確定はしておりません。
24:
◯質疑(下原委員) 海外へ行かれた方の靴の底についた土が原因なのか、それはわからないということですが、以前はわらなどの飼料の中に発生をしていたという話も聞いたことがあります。国の農業政策の中で、飼料用水稲の生産もこれからやっていくわけですが、もちろん我が国には水稲の中、わらの中に口蹄疫をもたらすようなウイルスはいないと思います。
先ほど質問の中で、私が言いたかったのは、野生動物のイノシシやシカが牛や豚が接触しないということはあり得ない。つまり、飼っている豚が発情しますと野生のイノシシの雄がそこに近寄ったり、あるいはおいしいえさがあるものですから、そこへ出入りしてそのえさを食べてしまうということもあるので、接触がないとは言えないはずなのです。
今回宮崎県において、野生動物の実態を検査されたかどうかわかりませんが、広島県でも駆除が始まっていると思うのです。そのウイルスがあるかどうかの検査はどこかの時点でおやりになるべきだという気がいたしますが、そのあたりのお考えがあれば、教えていただきたいと思います。
25:
◯答弁(
畜産課長) 宮崎県において、野生動物に関する調査がどのように考えられ、行われようとしているのかについて、私どもは情報を持っておりません。委員がおっしゃった野生動物と飼養家畜の接触というのは考えられることで、鳥インフルエンザが契機になっておりますけれども、国の定めております飼養管理基準などにより、外部からそういったものが侵入しないような対策について訴えているところです。しかしながら、豚については具体的な政策はございません。一部の方からは、そういったものが入らないようにする設備の補助や助成はないのかという質問は受けております。
野生動物の検査については、具体的にどういった方法がとられるのか、宮崎県の経過を踏まえて、もしそういった指示が来れば随時検討していきたいと思います。
26:
◯質疑(下原委員) 飼養管理基準では、特にイノシシあたりは、いくらやっても無理だと思いますが、そういう方向でおやりになるということで結構です。
もう一点、いわゆる感染をしたというよりも、予防注射、弱いウイルスを感染させて抗体をつくらせ、その牛を死なせないようにするということですが、最後には感染をしたということで殺さなければならないとのことで、それ以上の広がりを防ぐという意味での予防接種だと伺っております。
私が一番心配していることなのですが、野生動物との絡みになりますけれども、動物園にもシカがおりますし、口蹄疫のうわさが済んだ後、広島県内のすべての偶蹄類についての検査というのはおやりになるのか、お聞かせいただけますか。
27:
◯答弁(
畜産課長) 口蹄疫が終えんした後についての御質問だと思いますけれども、終わったら大丈夫というわけではないと思うのです。常に異常は出てくることを想定して、警戒は続けていくべきだと思っております。
県内で発生したとなれば、動物園等も対策をとられると思いますけれども、今のところ全頭を対象にした検査という考えはありません。
28:
◯質疑(山崎委員) 宮崎県でどうしているか知りませんが、広島県で発生した場合、その家畜は殺処分すると書いてありますが、その肉は食肉として店頭へ出されるのですか。
29:
◯答弁(
畜産課長) これは口蹄疫に限りませんが、まず、異常、病気が出た場合は、出荷を自粛していただきます。病気であると確定したら、処分の対象になりますので、市場に出回ることはございません。
30:
◯質疑(山崎委員) 食べても体に害がないということであれば、出してもいいのではないですか。
31:
◯答弁(
畜産課長) 食肉のほうからいいますと、畜産物は健康なものから生産されるものでございます。衛生、病気のほうからいいますと、封じ込め、拡散させないという意味で、出回らせないということでございます。
32:
◯質疑(
東委員) 先ほど説明がありました農産物の海外販路拡大事業の公募について質問したいと思います。
2007年でしたか、民主県政会の調査で香港へ行き、広島─香港線の航空路線の維持、あるいは増便ということをお願いしてきました。その際、ジェトロも訪問しましたが、当時、中国の景気が急速に伸びる中で、香港には本土からたくさんの旅行者が訪れ、日本の高級食材が飛ぶように売れているというお話がありました。
香港の食品輸入は日本がトップだそうですけれども、広島県からのものとしては、養殖カキの加工品、あるいはブドウ、ナシ、かんきつ類であるという紹介も受けたわけでございます。ただ、その同じ年でしたか、商工労働局が香港で広島県の物産展を開催し、農林水産局も勉強されたと思うのですけれども、余り積極的でないという印象があります。
今回、この事業ですけれども、総予算は350万円、輸出を考えている生産者団体には100万円を上限として3社程度に対して補助をするということですが、一体何をやろうとしているのか、まだはっきりビジョンが見えないものですから、少しわかりやすく説明してください。
33:
◯答弁(農産課長) 広島県の農産物は一般的にロットが小さく、販売力が弱いということから、なかなか海外に向けて打って出るというところまでいっておりません。しかし、世の中はどんどんグローバル化しておりまして、アジア諸国も一つの市場として考え、農水産業を活性化していく必要があると考えております。今後の生産拡大を考えますと、やはりそういったところも見直していく必要があるということで、この事業を創設しております。
基本的にこの輸出を支援する事業をモデルとして、技術的な課題、どうしたら売れるのか、売れない場合は何が原因なのか、そういうところを検証して、今後のこの業界での輸出に向けた対策をとっていきたいと考えています。
34:
◯質疑(
東委員) 先ほど説明にもありましたけれども、生産者が生産、流通、販売をまとめて手がけるようにならないと自立した農業経営とは言えないと思いますが、そうはいってもなかなか簡単にできることではないと思います。
先ほど農産課長が言われたように、これまで県産品については県内消費、あるいは関西圏での消費を中心に取り組んでおりました。まとまったロットがないため、輸出になかなか回らないという話を聞いたことがあるのですが、そうした中で、この事業に手を挙げられるような、輸出を既に行っている法人、あるいは生産者団体が、県内にいるのかどうか、想定されている団体があるのかについては、どうですか。
35:
◯答弁(農産課長) 現在、輸出をしている農業団体といいますと、果実の関係で広島県果実農業協同組合連合会がございます。相当な量の輸出を行っている状況ではないのですが、幾らか台湾、香港等に輸出しています。先ほど委員がおっしゃられたように、ブドウ、ナシなどの輸出がふえています。
この事業を立ち上げ、業者が実際に輸出するのかというところですが、新年度の事業として創設したことを新聞等のマスコミで発表したところ、興味があるというところもございました。説明会を5月26日に予定しておりますので、興味があるという情報をいただいたところについては、御案内して参加していただくようにしております。
36:
◯質疑(
東委員) 香港ばかりになって申しわけないのですが、先ほどのジェトロの資料を見ますと、香港では食品商談会を大分、山形、鹿児島、熊本などが開催しているけれども、広島県ではないということだったと思います。
やはり行政がある程度主導して、レールを引いていく中でないと、なかなか簡単にはいかないと思うのです。2分の1の補助、上限100万円で、どこまでできるのか、あくまでも関心を持ってもらうぐらいのところにとどまってしまうのではないか、それではいかがなものかという気がいたします。
一方で、雇用創出基金事業にあります県産品販売強化対策事業ですけれども、まさにここに書いてあるように、物産展等への出品、あるいは輸出先の需要、消費動向の調査、販売促進等とあり、同じような中身になります。こういった雇用創出基金事業と今回の海外販路拡大事業はリンクしているものかどうか、どこで答えてもらうのがいいのかわかりませんが、この点はどうでしょうか。
37:
◯答弁(農産課長) 雇用創出基金事業につきましては、新たに雇用者を雇用して販路を拡大する、例えば、市内のスーパーで消費宣伝をしていくとか、消費動向をつかむなどの事業に充てております。
今回の販路拡大事業につきましては、国が開設する商談会や品種会といったところに出てみたらどうかと考えておりまして、同じような中身になるとは、あまり考えておりません。業者がみずから商談会を開いてバイヤーを呼ぶというところまではなかなか対応できないというふうに考えておりますので、事業費を100万円補助するということで、国やジェトロで、何回か開催されますので、そういうところに出ていっていただきたいと考えております。
38: ◯意見(
東委員) いずれにしても、始まった新規事業ですから、どういった成果が見込まれるのか、これからのことだと思うのです。
もう一点、所得が上がってくると、食べるものも高級食材になる、あるいは有機農業に対する関心も非常に高まってくると思います。とりわけ中国の食材が強い農薬を使われていることもあり、有機農業に対する関心も非常に高いということも聞いております。
そうした意味で、今回の事業を一つのきっかけとして、広島県の農業がアジアに打って出られるような、そういった指導性を発揮していただきたいと思います。金を出すから後は自分でやるようにというのではなく、行政として、しっかり人的にも支援していくべきだと思いますので、所期の成果が上がりますように期待をして質問を終わらせていただきます。
(5) 閉会 午前11時40分
発言が指定されていません。 広島県議会 ↑ 本文の先頭へ...