ただ、高等学校の耐震化率の全国平均値が67%ぐらいでございますので、まだまだ十分な状況ではないという認識でございます。
8:
◯質疑(
栗原委員) 学校の耐震化につきましては、御承知のとおり2008年5月の中国四川大地震により6,000人以上の子供が倒壊した校舎の犠牲になりました。これを契機に改正された地震防災対策特別措置法が施行されまして、自治体の耐震化工事の国庫補助率が2分の1から3分の2に引き上げられました。これも、2010年度末までの限定措置と伺っております。したがって、2010年までにしっかり、耐震化工事に取り組まなければならないと思うのです。それ以降になりますと、また負担がふえるわけですから、来年度はしっかりこの部分に投入すべきであると思うのです。
確かに、今お話があったとおり、今年度の繰り越しがあって、全体事業費としては余り下がっていないということでしたけれども、これは子供の安全確保という非常に大きなテーマになるわけでありまして、もっとしっかり予算はつけていくべきであろうと思うのです。そういった意味で不十分ではないかと思います。
先ほどの説明では平成22年4月1日現在で56.2%ということで、平成22年度には最終的に58.8%となるということであります。逆に言いますと4割はできていないということになるわけです。ですから、このあたりをやはりもう少し進度を早めて取り組んでいくべきだと思います。緊急の課題であり、本当にしっかり進めていかなければならない取り組みだと思います。今後のピッチを上げた取り組みについて何かありましたら、御答弁をお願いします。
9:
◯答弁(
施設課長) おっしゃるように、全国でもかなり低位にございますので、ピッチを上げて取り組みをすべきことだと考えております。
先ほど委員がおっしゃられた特別措置法の補助率引き上げですけれども、これは県立学校でいいますと、特別支援学校のみ該当になります。特別支援学校につきましては、平成20~21年度でかなり進度を上げて、これに間に合うようにやっております。また、この措置を延長するよう国への働きかけを行っております。予算確保につきましては、委員のおっしゃるとおり、ちょっと進度を早めて、できるだけ早いうちに耐震化率の100%が達成できるように努めたいと考えております。
10:
◯質疑(
栗原委員) どうかよろしくお願いいたします。
続きまして、2点目ですけれども、主幹教諭及び指導教諭の配置についてお伺いしたいと思います。
先日、新聞でも報道されておりましたけれども、今年度からスタートした主幹教諭と指導教諭の配置についてですが、ほぼ1年が経過しようとしているところでありますけれども、主幹教諭と指導教諭の配置が今、どのように進んでいるのか、まずお聞きしたいと思います。
11:
◯答弁(
教職員課長) 主幹教諭、指導教諭の配置についてでございますけれども、今年度から学校の組織運営体制、指導体制の充実のために主幹教諭、指導教諭を配置しているところでございまして、配置人数でございますけれども、主幹教諭につきましては小・中・高等学校、特別支援学校におきまして合計228名を配置しているとところでございます。指導教諭につきましては33名を配置し、活躍していただいているところでございます。
12:
◯質疑(
栗原委員) 当初の事業計画を見ますと、主幹教諭は234名の配置ということで検討されていたと思うのですけれども、実際はそこまでいっていない。指導教諭についても36人ということでしたが、実際は33人です。この辺についての理由を伺いたいと思います。
13:
◯答弁(
教職員課長) 主幹教諭、指導教諭のいずれも選考によって能力のある者を任用するという考えで昨年度と今年度、選考を行いまして、適格者を任用してきたところでございます。主幹教諭につきましては、特別支援学校におきまして部主事を充てることとして配置しておりますけれども、一部に今回の主幹教諭としての配置に至らなかった者がおりました。また、指導教諭につきましては、指導力のすぐれた者を任用するということで選考を行っているところでございまして、採用枠としては36人を予定していたわけでございますけれども、結果として選考に漏れたというような状況がございます。
14:
◯質疑(
栗原委員) 先日の新聞報道によりますと、主幹教諭につきまして、いわゆる教諭の取りまとめ役として授業も受け持ちながら学校運営もこなすということで、職務の幅が広くなっており、非常に戸惑いの声が上がっているということでした。中には、何から手をつければいいのか、どこまで踏み込めばいいのかわからない主幹教諭もいるというような話が出ておりました。
主幹教諭を配置して約1年がたつわけですが、県教育委員会としてはこの主幹教諭の配置について、学校の組織運営体制が整備され保護者や地域との対応などの課題に明確に対応できるという効果であるとか、調査、報告書の書類等への負担が軽減され、教員がより子供と向き合うことができるというような効果が見込まれるということでありましたけれども、1年間やってきて、その辺についてどのようにお考えでしょうか。
15:
◯答弁(
教職員課長) 主幹教諭配置の効果というところでございますけれども、配置された学校の校長等にヒアリング、またアンケート調査をするなどして状況を把握しているわけでありますが、主幹教諭の配置によりまして、校内での会議の事前調整に主幹教諭がリードして取り組むことによって、校内での会議時間が短縮されるようになったということでありますとか、また、主幹教諭は授業を持っておりまして、生徒の指導に直接対応しているということもございますので、他の教員が主幹教諭に生徒の状況を踏まえた相談というのが非常にしやすいということで、相談をかなり受けるようになってきております。
また、外部からの問い合わせなど、何か新しいことをしなければならないときに、これまではいろいろ各分掌の担当同士が顔を見合わせるような場面もあったようですけれども、まずは主幹教諭が調整し、その後の校務の進め方について留意をするというような状況が見られるというようなことを聞いております。
16:
◯質疑(
栗原委員) 効果についてある程度把握されていると思うのですけれども、やはり初めて導入した制度でございますので、県教委としてしっかり検証していく必要があると思うのです。ですから、1年間を終えたところで、ぜひとも検証した内容を御報告いただきたいと思います。それから、主幹教諭の配置を意味のあるものにするためには、主幹教諭というものがどういうものであるのかということを、教員の中での理解と同時に、保護者など外から見ても制度導入の効果が上がっていることが見える形にしていかなくてはならないと思うのです。その辺についての検証、それから、主幹教諭という取り組みについての広報活動といったものも必要ではないかと思うのですけれども、この辺についてはいかがでしょうか。
17:
◯答弁(
教職員課長) 委員御指摘のとおり、先ほど効果のようなところを申し上げたところでございますけれども、一方で主幹教諭の配置されている学校で主幹教諭の役割として校務の一部を整理するというところがあるのですが、その校務の一部を整理するところで、どういう業務をこなすのかという若干の戸惑いがあるということや、担う業務が大きくなり過ぎて、効果が思ったように出ていない部分もございます。また、主幹教諭にかなり業務が集中するというようなこともあるようでございます。したがいまして、先ほどの検証というところでございますけれども、配置校で1年間さまざまな取り組みをしているところでございますので、その状況につきましては把握をいたしまして、成果を引き継ぐ、また、課題をどのような形でクリアしていくかということについても、特に、校長会とも連携させていただきながら、また市町教育委員会とも連携し、検証を行い、効果的な取り組みが行われるよう努めていきたいと思います。
18:
◯質疑(
栗原委員) 次の質問ですが、学校支援地域本部事業というのがありますけれども、この事業の目的と、またどういう効果をねらっているのか、その辺についてお伺いしたいと思います。
19:
◯答弁(生涯
学習課長) 学校支援地域本部事業は、学校を支援するために学校が必要とする活動について、地域の方々にボランティアとして協力を得ながら実施する、いわば地域につくられた学校の応援団と言えると思います。これまでも各学校では地域のボランティアの協力を得ながら学校運営や教育活動を行ってきておりまして、学校支援地域本部事業はそうした取り組みをさらに広げるものであります。地域のボランティアが学校を支援するこれまでの取り組みをさらに発展させて組織的なものとし、学校の要望と地域の力をマッチングして、より効果的な学校支援を行おうとするものです。
20:
◯質疑(
栗原委員) この事業は継続ですけれども、この事業の現状としてどういう効果が上がっているのか、その辺についてお伺いします。
あともう一つ、これはなぜ中学校区を単位としているのか、お伺いします。
21:
◯答弁(生涯
学習課長) この学校支援地域本部事業は平成20年度から行ってきておりまして、平成20年度には8市町に8本部が設置されております。平成21年度中には13市町に13本部が設置されています。各本部では学習支援活動でありますとか、部活動の指導、それから環境整備、登下校の安全指導、あるいは学校との合同行事などの学校支援ボランティアなどで、平成20年度末では実人数で2,130人が活動しております。
その学校支援地域本部事業につきましては、ボランティアの方と学校をつないでいるコーディネーターの役割の方を配置しまして、中学校区を一つの単位として、その校区内の小学校等も一緒になりながらボランティアの輪を広げていくという取り組みになっております。
これは、国の委託事業でございますけれども、国のほうで中学校区単位というのを一つの目安としております。
22:
◯質疑(
栗原委員) 非常に大事な事業だと思うのです。今地域が学校にかかわっていくということを、どんどん促進していかなければならないと思うのですが、どうも中学校区単位というのがちょっと理解できない。要するに、コミュニティーという形で言いますと、大体小学校区単位ですので、そういうところで推進したほうが実があるのではないかという気がするのです。国の事業の一環ということですけれども、例えば県として、市町が行う取り組みについてしっかり応援するほうが前に進むのではないかと思うのですが、現実にその辺はどうなのでしょうか。
23:
◯答弁(生涯
学習課長) この事業を実施してまいりますときに、委員御指摘のように、大きな中学校区という単位でいきなり始めるということについては、基盤が整っていれば可能なところもありますが、そういったものが整っていない場合には進みにくいという点もあろうかと思います。実施していく中で、小学校区単位で進めていきながら、それを中学校区単位に広げていったというような、これはごくわずかではございますが実例もございますので、そこのところは少し幅広くとらえて進めさせていただいているところでございます。
24:
◯要望(
栗原委員) 中学校区単位にしても小学校区単位にしても県として取り組むというのは珍しいような気がするのです。ですから、県としてかかわっていくというのは非常に大事なことだと思います。その中でも大事なことは、実の上がる事業であってもらいたいということです。平成21年度では13市町がこの取り組みを行っていらっしゃるということですけれども、まだまだ全体的な広がりではないと思います。したがって、しっかりと地域の実情も踏まえながら、もう少し内容の充実なども考えて取り組んでいただきたいと要望しておきます。
25:
◯質疑(宮委員) それでは、全体的なお話からさせていただきますが、予算説明書の196~199ページあたりを見ますと、小学校費、中学校費、高等学校費、それからちょっと飛んで、特別支援学校費ということで、人件費が記載されております。その説明のところに非常勤講師報酬等ということが記載されておりまして、私なりに調べてまいりましたが、小学校費でいいますと、非常勤講師報酬等については、教職員給与費の1.5%ぐらいです。中学校費については、これが2%ぐらいということになっております。それから、高等学校費を見てみると、もっと高くて3.7%ぐらいで、過去3年の平均が3.6%となっているようです。さらに、特別支援学校費を見ると、おおむね小学校費と同じ1.5%程度です。この非常勤講師というのは、産休であるとか育休であるとか、あるいは病欠であるとか、そういう不慮の欠員があったところに非常勤ということでその業務を行っていただくということから考えると、欠員の出現率は基本的に同じぐらいになるのではないかという素朴な疑問を持ったわけです。一方では、中学校、高校と進んでいきますと、専科がふえるということも背景にあるのではないかと思っておりますが、例えば、新年度の最初から最後まで臨時的な任用でもって穴埋めをしていかなければならない場合も相当数含まれているのではないかという気がしているのですけれども、そのあたりはどのような考え方で人件費を積算されておられますか。
26:
◯答弁(
教職員課長) 教職員給与費についてのお尋ねでございますけれども、非常勤講師につきましては、きめ細かな指導を行うために基本的なベースの上に加配的に配置するということでございまして、先ほど委員がおっしゃいました、病休であるとか、何かの欠員といった場合においては、臨時的任用の教職員を配置しているところでございまして、それらの給与につきましては教職員給与費の中にございます。したがいまして、非常勤講師については、教員の基本的な配置、常勤の配置のほかに、きめ細かな指導を行うために配置しており、非常勤講師報酬の予算として積み上げております。
27:
◯質疑(宮委員) 例えば、高等学校費を見ると、人数は違うかもしれませんけれども、人件費上は、3.7%程度の加配が行われているという理解でよろしいですか。
28:
◯答弁(
教職員課長) 小・中・高等学校とも教職員の基本的な配置は、まず学級数をベースにしまして、常勤教員を配置して、それに加えて、きめ細かな指導を充実させるために非常勤講師を配置しているところでございます。
小中学校におきましては、少人数指導等の充実のための非常勤講師の配置は、比較的大規模な学校が対象となっておりますので、総数に占める割合が、小学校よりも中学校のほうが多いということがございます。
一方、高等学校は、小中学校に比べまして学級規模が大きいので、少人数指導の対象となる学級が多くなっております。また、高等学校においては多様な教科に対応して教員を配置しているため、非常勤講師の配置が多くなっているということがございます。
29:
◯質疑(宮委員) 非常勤講師を長年にわたって配置しておかなければならないということを突き詰めて考えれば、正規雇用でない方々の力を常にかりないと、教育委員会が考える教育環境が確保できないということになるのではないかと思います。要するに、そういう任用を当初から予定しておかなければ予定した教育環境が整わないということです。したがって、教育委員会とすれば、そういう不安定雇用を当初から見込んでおかなければならない事態が続いているのではないかと思ったのですが、そういうことはないのですか。
もっとわかりやすく言えば、臨時的あるいは非常勤といわれる不安定な雇用が長きにわたって続いているケースはないのですか。
30:
◯答弁(
教職員課長) 非常勤講師として任用されている方がどれぐらい続けておられるかというデータを持ち合わせておりませんけれども、教育環境を整える考え方、特に教職員定数の考え方といたしましては、国におきましていわゆる標準法という教職員定数の標準を定める法律がございまして、その中で学級数をベースにした教職員定数を基礎といたしまして、それに加えて少人数指導でありますとか、児童生徒支援への対応などに応じて加配が行われることになっておりまして、これは県が国に要望して国から措置されるものであります。その標準法の中に常勤の教員を非常勤講師の数に換算して活用することができるという規定がございます。例えば、常勤教員定数1人を非常勤講師2人に換算して、より多く配置することが制度上は可能となっております。
したがいまして、国の制度改正により平成13年度から可能となっておりますので、本県といたしましては、それを活用してより多くの学校できめ細かな指導を充実させるという政策的な観点から非常勤講師による加配的な配置を行っているところでございます。
31:
◯質疑(宮委員) 常勤教員1人分で非常勤講師が2人配置されるということは、数としては2倍になるわけですけれども、不安定雇用を教育委員会がみずから率先していつまでも続けているのが正しいのかというのは、また別問題だと思うのです、 きょうの新聞に、マツダが期間工を雇うといった話もありましたけれども、どうも安上がりだというところに着目したように見えてしようがないのです。
加配だと言われたので当たっていないかもしれませんが、例えば、小学校費と中学校費というのは国庫負担ということで、国費が入るのです。高等学校費である高校の先生方の給料は交付税ということで、出どころが違うわけです。そうすると、高校のほうの人件費を削れば削るだけ一般財源が有利になるわけです。そういうからくりで、財政圧力がかかっているのではないかと思っているのです。もっと言えば、高校に限っては、そういう財政的な圧力があるから臨時的任用あるいは非常勤的な任用が多いのではないかと思ったのです。
ちまたでよく伺うのは、長く臨時的任用を続けていらっしゃる先生がいて、評判も決して悪いことはない。ところが、教育委員会には採用試験の39歳の年齢制限があって、そこを境にぱたっとやる気がスポイルされるということです。聞いてみますと、採用試験については年齢制限のない県教委もあります。
教職員課長がおっしゃったように、教育的効果を考えることとコスト見合いの要素がないとは言いませんけれども、その方々もいつかは正規雇用の教員になるという夢は持ち続けていらっしゃると思うのです。熱意あふれる臨時的あるいは非常勤的な先生方がそういうモチベーションをずっと維持していくためには、そういう門戸は開けておかなければならない時代に来ていると思いませんか。
32:
◯答弁(
教職員課長) 年齢制限のことについてお答え申し上げますが、本県では教員採用の年齢要件として40歳未満ということを設けております。これは本県の教員の年齢構成が40代、50代に大きく偏っているということがございまして、40代以降の教員を新規採用するということになりますと、また新たな年齢構成の山ができてしまいます。つまり、教員の年齢構成の平準化を図りまして、学校現場において老・壮・青のバランスのとれた教員配置をするという課題があることから、その要件を設けているところでございます。
一方で、採用試験を実際に受験される方の多くに、臨時的任用職員や非常勤講師の方がおられます。来年度の採用候補者として名簿登載されている者を見てみますと、約6割が臨時的任用職員あるいは非常勤講師の経験者ということでございまして、臨時的任用職員や非常勤講師として研さんを積んで採用試験に臨まれて、結果として合格された方が非常に多くいると認識しております。
年齢制限につきましては、他県の状況を見ましても、確かに年齢制限を撤廃しているところはございますけれども、大都市圏の東京都あるいは神奈川県を含めた35の県や政令指定都市等におきまして、本県と同様の取り扱いをいたしております。
冒頭に申し上げました教員の年齢構成の平準化というものを長期的な視点に立って考えていかなければならないということもございますので、現時点におきましては現在の要件におきまして優秀な教員を確保してまいりたいと考えております。
33:
◯要望・質疑(宮委員) 予算審議で1回言ったぐらいで、はい、わかりました、検討してみましょうというお返事をいただけるほど私も甘く考えておりませんが、年齢構成は当然変わるわけです。それから、課長も言われましたとおり、教育環境を整えるには、臨時的任用職員によるサポートが必要だということはお認めになっているわけです。今は将来の年齢構成のことも考えて年齢制限をかけておかなくてはならないとおっしゃいましたが、実際に新規採用の6割が経験者という状況を見ましたら、優秀な人材を広島県で採用できるような環境をいかに持っておくかということも重要なファクターだと思うのです。39歳を超えたらどんなに優秀な方でも採用に至らないわけですから、広島県にいる理由がないわけです。そうやってどんどん蓄積された英知というものは他県に流出していくのではないですか。将来の教育環境を整えていく上で、そういったことも考慮する必要があると思うのですけれども、きょうはそれ以上のお答えがないでしょうから、お伺いをいたしませんが、ぜひ考えていただきたいと思います。
もう一つ、栄養教諭についてお伺いしますが、これは以前にも予算特別委員会で質問をさせていただきました。来年度は26人の配置をするということが決まっておりますが、食育推進事業費を見てみますと、ことしの530万円から来年度は200万円ということで減額になっているようです。今までの10人の栄養教諭の方々の実績を検証した結果、26人に増員されたと思うのですが、当然人事異動等は起こるわけでございまして、栄養教諭の配置について将来的にはどのような絵姿を考えておられるのか、それから、食育推進事業費が減額になった理由についてお伺いします。
34:
◯答弁(指導第三課長) 栄養教諭の今後の配置方針を含めてでございますけれども、本県では平成19年度に7市町に10名の栄養教諭を配置したところでございます。栄養教諭が各学校におきまして食育の年間指導計画の作成でありますとか、担任と連携した授業の実施、児童生徒への個別相談、さらには保護者、地域との連携を図るなど、学校の食育推進の中心的な役割を果たしていただいたと考えております。
効果を検証するということで、3年続けて20項目ぐらい実態調査を行っているわけですが、毎日朝食を食べる子供の割合の増加でありますとか、肥満、痩身傾向児童の割合の減少、それから、バランスを考えながら食事をつくる家庭がふえてきたということなど、8割以上の項目において配置校が未配置校を上回ったということから、効果が上がっていると考えております。
平成22年度につきましては、新たに16名の栄養教諭を配置し、全県にその効果を普及させてまいりたいと考えております。平成23年度以降につきましては、効果の検証を行いまして、配置計画を策定してまいりたいと考えております。
それから、補正予算の減額のことですけれども、本年度は地場産物を活用した食育推進事業ということで県内3市町において実施を予定し、市町を訪問したり、会議の場で事業内容の説明等を行ってきたわけでございますが、今年度からの実施を希望する市町がございませんでした。来年度につきましては、来年度であれば事業実施したいと回答のあった市町が2市町ございまして、その教育委員会、農林部局、それから学校関係者などを集めまして先進市町の事例報告を行うとともに、来年度の事業実施についてさまざまな準備を進めているところでございます。
35:
◯要望・質疑(宮委員) そうすると、食育推進事業費というのは決算ベースで言えば、ことしも来年もそんなに変わらないということで理解しておけばよろしいですね。
平成19年度に初めて栄養教諭が配置されてから、評価なり、検証結果が出るのに、随分時間がかかったというのが正直な感想でございます。配置して、効果を検証して、その後またもう一回考えるということですが、もう少しスピーディーにやっていただければと思っております。食の知識が得られる前に子供たちがいなくなるということもあり得ますから、ぜひ、スピーディーな検証を行っていただきたいと思います。
次に、先ほど下
森委員から、質問が出ましたが、学校教育振興費の中の小規模県立高校間の連携推進事業の4,450万円ですけれども、例えば、グループがどれぐらいできて、あるいはいつからスタートしてといった、ある程度見通しの確度の高い事業実施計画がないと、予算化されないと思うのです。全額一般財源ですから、かなり財政的には圧力がかかったはずです。このあたりは、前回の委員会では協議を進めていますという話になっておりましたが、積算はどういう仕組みになっているのですか。
36:
◯答弁(
学校経営課長) 小規模県立高校間の連携推進事業の積算でございますが、小規模校26校を対象といたしまして、各校2名が週3日程度他校に出向いて授業を実施する、あるいは、部活動で年間20回程度合同練習をする、それから、合同授業ということで、体育祭、合唱祭、球技大会などを合同で開催する場合などにおいて、教員が移動する経費と、それから生徒を移動させるために必要な、例えばバスやタクシーなどの借り上げを予定しており、26校で13グループを想定して積み上げさせていただいたところでございます。
37:
◯質疑(宮委員) けさの新聞を読みますと、例えば、小規模校間連携とは言っておりますが、実は隣接する大規模校とのグループ化もあるとあります。そうすると、分母は26校ではないです。今、再編計画の中に上がっている小規模校と言われている学校のうち、募集停止校を除いたものが26校ですから、連携が進めばこの予算では足りなくなってきますが、その場合は補正予算を提案する予定ですか。
38:
◯答弁(
学校経営課長) このたびの事業につきましては、小規模校26校がすべて実施可能となった場合ということで予算に盛り込ませていただいているところでございます。
ただ、実際には先ほど御説明させていただきましたように、関係市町あるいは学校の状況など、いろいろなことを勘案しながら検討を進めさせていただきたいと考えておりますし、それから、実際の活動ということになりますと、学校行事を例にとりましても、複数の学校が、行事日程などの調整をする必要もありますので、そういう意味では、連携校としてどこまでの教育活動ができるかということについては、学校の検討にゆだねる部分も含まれると思っております。
そういう意味で、連携先となる学校や具体的な連携の中身につきましては、私どもが一律機械的に進めようという考え方ではなく、準備が整ったところから実施に移らせていただきたいと考えております。
39:
◯質疑(宮委員) そうすると、この4,450万円というのは、無理のないというか、必要最低限で想定をした場合の基本的な予算額であって、このとおりに進まなければ、当然、執行剰余が出るでしょうが、足りなくなる可能性もあるということです。小規模校間連携のそもそもの目的が教育環境を整えるということにあったことからすれば、当然、増額補正もあり得ると理解してよろしいですね。つまり、地域での連携方策の推進については基本的に予算的な制約を設けていないという考えだと理解してよろしいですね。
40:
◯答弁(
学校経営課長) 26校を積算しましたのは、確かに先ほど申し上げたような標準的なことを想定してということでございます。実際にどこまでの活動ができ、どれだけの経費がかかるかということになりますが、取り組みの状況等を見させていただきながら、どういう形で支援ができるのか、そこは教育活動の充実を進めていくという観点から考えさせていただきたいと思っております。
41:
◯要望(宮委員) いいアイデアが出ても査定はするかもしれないというようなニュアンスを含んでおりましたが、私としては基本的には予算の制約は二の次であるという教育委員会の態度が表明されたと理解しておきます。
最後に、要望ですけれども、予算説明書を電話帳状態で出していただいているのですけれども、調べてみると、実はこれは法定書面ではないのです。任意でつけて出せというような性格のものらしいのですけれども、今回、教育委員会から説明をいただいた新年度の重点事業項目がどこに入っているのか非常にわかりづらく書いてあると思いました。金額がぴったりだったら私としてもわかるのです。それから、これだけでわからないのが、その事業の財源内訳です。教えていただいたところ、ほとんどが一般財源ということで、新規事業については教育委員会に裁量権が100%あるわけです。そうであれば、こういうわかりにくい書き方をするのではなくて、自信と責任を持ってこういう新規事業を行うというふうに、わかりやすい形でつくっていただければと思っています。ことしは間に合いませんが、来年度に説明書をつくられるときは、追加資料をどんどん請求しないと中身がわからないとか、どこに載っているのかわからないということがないように、ぜひ検討していただきたいと思います。
42:
◯質疑(高山委員) 県議会議員は4年に1回ぐらい予算特別委員会の委員になるのですが、きょうの委員会というのは、議長からの調査依頼事項について賛否を諮るということであって、来週から始まる予算特別委員会が当初予算を審議する場所なのですけれども、私は予算特別委員会の委員ですので、皆さん方にちょっとお伺いをしておかないといけない問題があるのです。人件費の問題ですが、12月定例会で議決されて、職員の給与カットが緩和されましたけれども、この影響が一番大きいのが教育委員会です。3万2,000人の職員がいて、そのうち2万人が教育委員会の職員です。その中で、知事の答弁がちょっとぶれました。最初はモチベーションを上げるためにカットをなくすと言っておられたが、今定例会ではモチベーションは関係ないということを言われたので、給料カットを緩和したことがあいまいになってしまいました。そこで、聞くのですけれども、課長以下において給与カットがなくなって、ちなみに、校長先生も課長級と聞いているのですけれども、大体それで幾らぐらいの影響額になるのですか。
43:
◯答弁(
教職員課長) 給与カットの影響額ですが、教育委員会の職員給与費の中で言いますと50億円程度です。
44:
◯質疑(高山委員) まあ、そんなものですね、わかりました。
それで、50億円ぐらいが教育委員会という中で、モチベーションを上げるという言葉は非常にわかりやすかったけれども、先ほど言ったように知事はモチベーションは関係ないと言ったのです。平成23年度には見直すという話もあるけれども、県民からすると、今のこの不景気なときにするのはおかしいという声が圧倒的です。教育委員会は、一番大きな母体ですから、これだけのことをしたらこれだけよくなる、こういうふうにしたらモチベーションが上がるということを具体的に県民の前に出していかないといけないと思います。
この間、校長先生の不祥事について教育長が一生懸命答弁して、人事委員会委員長はさらっと言ったけれども、あれなどは、県民が納得するわけがない。皆さんは一生懸命頑張っているけれども、2万400人のうち1人、校長一人がやったことによって皆さんへの信頼が落ちてしまう。そういうところについて、教育委員会としての考え方をしっかり持って、毅然とした態度をとっていかないと県民はだれもこれを認めません。
これから、それを県民にわかりやすくするために1年ぐらいかけてやるのでしょうけれども、どういうことがモチベーションを上げることになると思いますか。教育者に対して、こういうことをしたらモチベーションが上がるのではないかという思いがあれば教えてください。
45:
◯答弁(教育次長) 教職員のモチベーションが一番上がっていくということで言えば、やはり子供たちが、成長していく、力をつけていくことだろうと自分では思っております。教育委員会としてはさまざまな力をつけるための事業を今、御審議いただいているのですけれども、それを各学校に明確に説明し、力をつけるために全力を尽くすといったことを校内でも議論していただくなど、そういう方向で学校にも働きかけていきたいと思っております。
46: ◯意見・質疑(高山委員) 給料カットをなくしたらモチベーションが上がるというのはうそです。それだったらずっとモチベーションを上げないといけない。しかし、これはいい機会だから、そのあたりの議論をしていくべきではないかと思うのと、先ほど予算資料の見方がわからないという話があったけれども、この中に、職員給与費が出ているが、管理職の給与費は別にした方がいいと思います。そのぐらいの気概を持たさないと、この間のような事件が起きる。最近、先生だけでなく管理職の不祥事が多い。そういう意味でも、管理職の給与費が幾ら出ているということがわかれば、もっと管理職の人が自分たちのモチベーションを上げることにつながるし、世間にもわかりやすいのではないかと思います。
それから、もう一つお聞きしたいのが、予算説明書の194ページにある教職員公舎管理費の約5億1,000万円ですが、これは何ですか。
47:
◯答弁(
施設課長) 教職員公舎がございまして、その法定点検費用とか補修費用といったものです。
48:
◯質疑(高山委員) 毎年これだけ使っているのですか。だんだん公舎がなくなってきております。特に、高等学校あたりは校長公舎とかもなくなって、小学校も中学校もなくなってきております。この予算は毎年つけているのでしょうが、こんなにかかるものですか。
49:
◯答弁(
施設課長) 公舎は平成10年に新設して以来、新たな公舎は建設しておらず、古くなったものは随時、用途廃止しておりますが、基本的には毎年この程度かかっております。
50:
◯要望(高山委員) かかるなら、かかるでいいけれども、これは無駄だと思うのです。今、公舎に住んでいる先生というのは余り聞かないでしょう。昔は高等学校では校長先生は皆そこに住んでいたけれども、今は全然住まなくなっている。その住まない家の改修をやっているのではないかと思ったわけです。もしできるなら、来年度からここらを削るようにして、他にもっとモチベーションを上げる分野に持っていったほうがいいのではないかということを要望しておきます。
(5) 表決
県第1号議案外1件(一括採決) … 原案賛成 … 全会一致
(6) 閉会 午前11時45分
発言が指定されていません。 広島県議会 ↑ 本文の先頭へ...