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月定例会(第1日) 本文 2009-12-10
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発言者一覧 選択 1 :
◯議長(林
正夫君)
選択 2 :
◯議長(林
正夫君)
選択 3 :
◯議長(林
正夫君)
選択 4 :
◯議長(林
正夫君)
選択 5 :
◯議長(林
正夫君)
選択 6 :
◯平田修己君
選択 7 :
◯議長(林
正夫君)
選択 8 :
◯福知基弘君
選択 9 :
◯議長(林
正夫君)
選択 10 :
◯窪田泰久君
選択 11 :
◯議長(林
正夫君)
選択 12 :
◯議長(林
正夫君)
選択 13 :
◯知事(
湯崎英彦君)
選択 14 :
◯議長(林
正夫君)
選択 15 :
◯議長(林
正夫君)
選択 16 :
◯議長(林
正夫君)
選択 17 :
◯議長(林
正夫君)
選択 18 :
◯議長(林
正夫君)
選択 19 :
◯議長(林
正夫君)
選択 20 :
◯議長(林
正夫君)
選択 21 :
◯議長(林
正夫君)
選択 22 :
◯議長(林
正夫君)
選択 23 :
◯知事(
湯崎英彦君)
選択 24 :
◯議長(林
正夫君)
選択 25 :
◯議長(林
正夫君) ↑
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ヒット) 1: 午前十時三十一分開会・開議
◯議長(林
正夫君) これより十二
月定例会を開会いたします。
出席議員六十三名であります。これより会議を開きます。
この場合、議席の一部変更並びに指定を行います。新しい議席は、お手元へ配付のとおり変更並びに指定いたします。
この場合、今次定例会において、知事、行政委員会の長並びに説明員の出席を求めるに御異議ありませんか。
【「異議なし」と言う者あり】
2:
◯議長(林
正夫君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決します。直ちに出席を要求いたします。
【知事、行政委員会委員長並びに各説明員出席】
3:
◯議長(林
正夫君) 一言ごあいさつを申し上げます。
本日、十二
月定例会が招集されましたところ、議員各位には極めて御健勝にて御参集を賜り、県政進展のため、まことに御同慶にたえません。
去る十一月十二日に、天皇陛下が御即位二十年をお迎えになられましたことは、県民のひとしく喜びとするところであり、ここに改めて慶賀の意を表するものであります。
さて、昨今の我が国経済は、政府の緊急経済・雇用対策の効果もあり、景気は持ち直してきているものの、自律性に乏しく、失業率も高水準にあるなど、依然として厳しい状況にあります。また、先般、政府がデフレ的状況に入りつつあることを表明する中、円高基調が続けば、さらなる景気の悪化も懸念されております。
本県においても、国の対策に呼応して一月臨時会から九
月定例会まで六度にわたり、約一千三百億円の緊急経済・雇用対策に取り組みました。その結果、主要な製造業の生産に持ち直しの動きが見られるものの、今後の為替レートの状況によっては、景気や雇用情勢にさらなる悪影響が生じるおそれがあり、引き続き、効果的な経済・雇用対策が強く求められるところであります。
また、平成十九年度以降検討されてまいりました第二期地方分権改革につきましては、先般、地方分権改革推進委員会から、義務づけ・枠づけの見直しに関する第三次勧告、自治財政権の強化に関する第四次勧告が相次いで提出され、最終段階に入っておりますが、地域主権を掲げる鳩山内閣に対して早急に具体的な対応を求めていく必要があります。
このように、県内企業や県民生活を取り巻く情勢は極めて厳しいものがあり、また、地方分権改革も新たな段階を迎え、国と地方のあり方が変わろうとしている今日、県政執行の任に当たられる湯崎新知事に寄せる県民の期待は、殊のほか大きいものがあろうかと存じます。
我々県議会といたしましても、県政の両輪として、当面する最大の課題である経済・雇用対策を初め、少子・高齢化対策や新たな過疎対策、地方分権改革の推進などの諸課題に取り組み、活力ある広島県の実現のため、最善を尽くす必要を痛感いたしております。また、時代の変化に対応し、地域主権の時代にふさわしい議会となるよう、今後一層の議会改革を推進してまいる決意であります。
さて、今次定例会に提出されます議案は、一般会計補正予算を初め、条例案など合わせて三十五件でありますが、いずれも県政の当面する重要案件であります。各位におかれましては、活発なる御審議を賜り、もって県民の負託にこたえられますよう念願いたす次第であります。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
4:
◯議長(林
正夫君) この場合、閉会中の議員の辞職について御報告いたします。
去る十月二十一日、柴崎美智子君から議員を辞職したい旨の願い出がありましたので、地方自治法第百二十六条ただし書きの規定により、同日付でこれを許可いたしました。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
5:
◯議長(林
正夫君) この際、先般行われました県議会議員の補欠選挙で御当選になりました三名の諸君を御紹介いたします。
初めに、平田修己君を御紹介いたします。平田修己君。
【平田修己君登壇】
6:
◯平田修己君 ただいま御紹介いただきました平田修己でございます。先般実施されました広島県議会議員補欠選挙三原市・世羅郡区より当選させていただきました。歴史と伝統のあるこの広島県議会、その一員として、しっかりと県政の進展、さらには県民の福祉向上のために頑張ってまいる所存でございます。
先輩、同僚の皆さん方の御指導、御鞭撻をよろしくお願い申し上げながら、ごあいさつにかえます。ありがとうございました。(拍手)
7:
◯議長(林
正夫君) 次に、福知基弘君を御紹介いたします。福知基弘君。
【福知基弘君登壇】
8:
◯福知基弘君 おはようございます。ただいま御紹介いただきました福知基弘でございます。先般行われました補欠選挙におきまして、広島市西区から初当選させていただきました。こうして、ごあいさつさせていただけるのは補欠選挙に当選させていただいた議員だけだというふうにお聞きしております。こうした機会をちょうだいいたしましたことを心より厚くお礼を申し上げます。
県民の皆様の負託におこたえし、県民の皆様の立場に立って、県政発展に全力を尽くしてまいることをこの場をおかりいたしまして、県民の皆様にお誓いし、先輩議員の皆様方の御指導、御鞭撻を心よりお願い申し上げまして、ごあいさつとさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
9:
◯議長(林
正夫君) 次に、窪田泰久君を御紹介いたします。窪田泰久君。
【窪田泰久君登壇】
10:
◯窪田泰久君 皆様、おはようございます。ただいま御紹介いただきました窪田泰久でございます。先般十一月八日に行われました県議会議員補欠選挙において、広島市南区より当選させていただきました。そして、窪田泰三が長年この県議会において皆様方に大変お世話になりました。私も、明るく、そして活力ある広島県づくりを目指すとともに、県民の皆様方のお声をしっかりとこの県議会の場へとお届けする、この初心を忘れることなく、精いっぱいこれからも頑張ってまいりたいという思いでございます。
まだまだ若輩者ではございますが、諸先輩方の御指導、御鞭撻のほどをよろしくお願い申し上げまして、簡単ではございますが、ごあいさつにかえさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
11:
◯議長(林
正夫君) この場合、閉会中の常任委員会委員及び特別委員会委員の選任について御報告いたします。
委員会条例第五条第一項ただし書の規定により、去る十一月十日、平田修己君を文教委員会委員及び地方分権改革推進特別委員会委員に、福知基弘君を警察・商工労働委員会委員及び拠点機能強化対策特別委員会委員に、窪田泰久君を総務委員会委員及び次世代活力強化対策特別委員会委員にそれぞれ指名いたしました。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
12:
◯議長(林
正夫君) この場合、知事から
発言を求められておりますので、これを許します。知事
湯崎英彦君。
【知事
湯崎英彦君登壇】
13:
◯知事(
湯崎英彦君) このたびの知事選挙におきまして、県民の皆様から信託を受け、今こうして広島県知事としてこの場に立たせていただくことは、身に余る光栄であり、心から感謝申し上げます。
昨今の本県を取り巻く社会情勢はまことに厳しいものがございます。こうした中、広島県の新たな発展に向け県政運営を託されました県民の皆様の期待を思いますと、大変なやりがいを感じますとともに、改めてその責任の重大さに身が引き締まる思いでございます。私は、県民の皆様の御期待にこたえ、初心を忘れず、「挑戦し、そして実現する」をモットーに、広島県政の発展と県民福祉の向上に向け全身全霊を傾注してまいります。
何とぞ、皆様の格別の御支援と御協力を賜りますようお願い申し上げて、簡単ではございますが、ごあいさつとさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
14:
◯議長(林
正夫君) 県議会を代表いたしまして、一言お祝いを申し上げます。
湯崎知事におかれましては、このたびの選挙に際して、「挑戦そして実現 引き出せ、広島県の底力。」をスローガンに掲げられ、多くの県民の支持を得て、全国の現職知事の中では三番目の若さで公選第七代の広島県知事に就任されました。心からお喜び申し上げます。
御案内のとおり、昨年の世界的な経済危機以来、県内企業や県民生活を取り巻く情勢は厳しい状況が続いております。また、政権が交代するなど、あらゆる事柄が大きな変革の時期を迎える中、本県が積極的に取り組んでまいりました地方分権改革も新たな段階に差しかかっております。
このように本県におきましては、長期化する不況への対応を初め、少子・高齢化や過疎化、さらには財政健全化や地方分権改革など、対処すべき課題は山積しており、新知事に対する県民の期待はまことに大きなものがあろうかと存じます。幸いにして湯崎知事は、卓越した識見と旺盛な責任感に加え、旧通産省や米国企業での勤務、さらには、みずから起こされた企業の経営など豊富な経験をお持ちであり、持ち前の行動力とリーダーシップを遺憾なく発揮され、二百八十七万県民の期待にこたえていただくよう心からお願いするものであります。
何とぞ、今後一層御自愛の上、当面する諸課題を解決し、知事が目標とされております、広島県に生まれ、育ち、住み、働いてよかったと心から思える県政の実現のため、格段の御尽力を賜りますようお願い申し上げまして、まことに簡単ではありますが、お祝いの言葉といたします。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
15:
◯議長(林
正夫君) 諸般の報告がありますので、書記をして朗読いたさせます。
【書 記 朗 読】
平成21年12月10日
広 島 県 議 会 議 長 殿
広 島 県 知 事
(財 政 課)
12月定例県議会の議案及び報告事項並びに説明書について
平成21年12月定例県議会の議案及び報告事項並びに説明書を別冊のとおり提出します。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
平成21年10月7日
広 島 県 議 会 議 長 林 正 夫 殿
広島県人事委員会委員長 高 升 五十雄
職員の給与等について
地方公務員法第8条及び第26条の規定に基づき,一般職の職員の給与について別紙1のとおり報告し,あわせ
て,給与の改定について別紙2のとおり勧告するとともに,人事行政における当面の諸課題について別紙3のとお
り報告します。
この勧告に対し,その実現のために所要の措置を講じられるとともに,報告の中で触れた諸課題について,解決
に向けた取組を進められることを希望します。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
平成21年12月10日
各 議 員 殿
広島県議会議長 林 正 夫
説明員の委任について
12
月定例会における説明員として,知事,教育委員会委員長及び公安委員会委員長等から別紙の者を委任した旨
の通知があったので,お知らせする。
16:
◯議長(林
正夫君) 別紙別冊はお手元に配付しておりますので、朗読は省略いたします。
ただいま報告いたしました議案中、県第一〇八号議案は教育委員会の事務の一部を市町に委任する条例でありますので、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の規定に基づき、教育委員会の意見を、また、県第一三一号議案から県第一三四号議案まで、及び県第一三六号議案の五件は、いずれも職員に関する条例でありますので、地方公務員法の規定に基づき、人事委員会の意見をそれぞれ求めておりますので、御了知願います。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
第一 会期決定の件
17:
◯議長(林
正夫君) これより日程に入ります。日程第一、会期決定の件を議題といたします。
お諮りいたします。十二
月定例会の会期は、本日から十二月二十二日までの十三日間といたしたいと思いますが、さよう決するに御異議ありませんか。
【「異議なし」と言う者あり】
18:
◯議長(林
正夫君) 御異議なしと認めます。よって、会期は十三日間と決しました。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
第二 会議録署名者決定の件
19:
◯議長(林
正夫君) 次は日程第二、会議録署名者決定の件を議題といたします。
本件は、会議規則第九十九条の規定により、議長から指名いたします。
井 原 修 君
小 林 秀 矩 君
武 田 正 晴 君
高 橋 雅 洋 君
以上四人の諸君にお願いいたします。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
第三 常任委員会副委員長選任の件
20:
◯議長(林
正夫君) 次は日程第三、常任委員会副委員長選任の件を議題といたします。
文教委員会副委員長が欠員となっておりますので、委員会条例第七条の規定により、直ちに選任を行います。
文教委員会副委員長に
天 満 祥 典 君
を指名するに賛成の諸君は御起立願います。
【賛成者起立】
21:
◯議長(林
正夫君) 起立総員であります。よって、指名のとおり選任するに決しました。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
自第 四 県第一〇二号議案
至第四十三 報第三二号
22:
◯議長(林
正夫君) 次は日程第四、県第一〇二号議案 平成二十一年度広島県一般会計補正予算から日程第四十三、報第三二号 損害賠償額の決定についてまでの各案を一括上程議題といたします。
この場合、知事から提案理由の説明を求めます。知事
湯崎英彦君。
【知事
湯崎英彦君登壇】
23:
◯知事(
湯崎英彦君) 十二月定例県議会の開会に当たりまして、提出議案の概要を御説明申し上げたいと思いますが、知事就任後初めての議会でございますので、まず、県政運営の基本的な考え方について申し述べたいと存じます。
広島県は、古くからの交通・流通の要所、産業の拠点、文化・教育の中心地として発展し、県民は豊かな暮らしを享受してきました。
しかしながら、世界的大不況の波が押し寄せ、さらには県内各地で過疎化が進むとともに、急速な少子・高齢化への対応や教育の再生など、今では多くの難しい課題に直面しています。
実際に、県内のさまざまな方から、広島県は停滞している、あるいは閉塞感が強いといった声を聞きます。若者の県外流出は十年以上続いており、この十年間の累積で二十歳代の若者が合計で約一万九千人流出しています。また、昨年県が行った世論調査では六〇%の方が将来に対する不安を感じています。経済の構造も見た目よりも脆弱です。足元の景気変動を除いても、電気・電子産業の製造品出荷額が増加しているとはいえ、県内の経済が重厚長大産業に大きく依存している構造は基本的に変わっていません。
他方、広島県には、先人たちが築き上げてきたたくさんの力と宝があります。もともとは、世界各地への移民を初め、自動車産業の創生、百円ショップといった新たなビジネスモデルの創造など、リスクを負って新たな挑戦を行い、イノベーションを進め、全国、そして世界で通用するブランドを育ててきました。教育県として多数の人材を各界に輩出してきたほか、サッカーや野球などスポーツでの人材も数多く活躍しています。食の分野でも、古くからの広島湾のカキを初め、因島のハッサク、西条の酒など全国に名立たる歴史あるものを挙げて切りがないほどです。
現在、広島県は過去からの豊かさを享受し、美しく豊かな自然とも相まってそれなりに幸福であります。しかし、その豊かさゆえに変革のための行動が起こせていないようにも思えます。これは静かな危機、目に見えない危機と感じます。いわば、ぬるま湯につかっているようなものです。ただし、お湯は熱くなっているのではありません。だんだん冷えているのです。熱ければ飛び出せばよいですが、冷えてくると風邪を引き、最後は飛び出すエネルギーも失って、そのうち、気がついても、もはや手おくれということになりかねません。
人も地域も企業も過去の成功体験に満足することなく、未来に進むべきです。広島県、あるいは日本が直面する課題は、簡単に答えが出るものではありません。しかし、正解がすぐに出せない中でも変革に取り組み続けることが求められています。
私は、広島県には変化を生み出す力があると信じています。幸い、私たちには活用すべき多くの財産もあります。
私は、これらの状況認識を踏まえ、広島県の力を最大限に引き出し、人づくり、経済、暮らしなど、あらゆる分野で、新たな活力を生むためのさまざまな挑戦を行っていくことを政策理念の第一の柱といたします。
そして、広島県が本当に変化していくためには、私一人、あるいは県庁だけが頑張っても動くものではありません。本当に広島県を動かす力を持っているのは県民の皆様です。県内の隅々に至るまで、みずから問題意識を持って一歩踏み出そうとしている方々、挑戦しようとしている人たちを応援したい、そして、一緒に新たな時代を切り開く広島県づくりに取り組んでいきたい、そう考えております。私は、その動きのリーダーシップをとってまいります。
つまり、個人・企業・団体を問わず、変化のために一歩前に踏み出そうというすべての方々を応援すること、これを政策理念の第二の柱といたします。
次に、行政運営の基本方針について申し上げます。
まず、県行政の運営に当たりましては、県民起点と、この視点に立った現場主義を徹底してまいります。
県民起点とは、広島県の県政が、すべからく広島県、そして広島県民、さらには日本国と国民のためにあるということだと考えます、行政組織にありがちな組織そのもののための行政、官僚主義を脱却し、県民起点の価値観を徹底してまいります。そして、県庁全体でその価値観を共有し、同じ目標に向かって協力しながら一丸となって仕事を進めてまいります。
そして、県民の皆様の生活や仕事の現場、そして行政の現場を重視し、風通しのよい組織をつくって、現場に力を与える組織運営をしてまいりたいと思います。
また、政策の決定過程を含め、積極的な情報公開を行ってまいります。
次に、市町との連携についてであります。
今後の分権型社会にあって、基礎的自治体である市町の役割は極めて重要となりますが、広島県の力や宝は、地域によってそれぞれ特徴が異なります。広島県の底力を発揮するためには、県内の各地域が、その特性に応じた活性化策をみずから進めていくことが重要です。私は、それが市町への分権の意義だと考えております。
私としては、市町・県の適切な役割分担を図りつつ、市町と県が一丸となって県内の懸案解決や活性化を進めてまいりたいと思います。そのため、県内の市町とは、対等なパートナーとして密接な協力関係を築いてまいりたいと思います。
また、広島県執行部とともに県政の両輪となる県議会とも、一丸となって県政を推進させていただきたいと考えております。
地方自治においては、知事と県議会議員は、それぞれ直接県民から選ばれることとなっております。このことから、議院内閣制・政党内閣制をしく国のあり方とは異なったものとなると認識しております。ただ、いずれにせよ、広島県民の暮らし、生命、安全を守り、県勢の発展を目指すという点では目標は共通しております。知事は行政の執行、そして議会は行政執行へのチェックや議決を通じた意思決定を行うという役割のもと、相互の深い信頼関係を構築し、互いに切磋琢磨しつつ、協力して公平、公正、そして透明な広島県政をつくってまいりたいと思います。
さて、冒頭で申し上げた二つの政策理念、すなわち活力を生むための挑戦を行うこと、そして、県民の皆様のお力とともにこの広島県を変えていくことを基本に、私は、五つの挑戦を行ってまいります。それらは、「人づくりへの挑戦」、「新たな経済成長への挑戦」、「安心な暮らしづくりへの挑戦」、「豊かな地域づくりと真の地域主権確立への挑戦」、そして「行政運営刷新への挑戦」でございます。
まず、第一の「人づくりへの挑戦」です。
経済、医療、福祉、教育など、あらゆる分野での力の源泉は人です。日本が明治維新の後に驚異的な速度で近代化を遂げることができたのも、寺子屋や藩校などを通じて日本人の教育レベルが極めて高かったことが大きな理由として挙げられています。また、被爆後の広島が奇跡の復興を果たしたのも、広島県に集まっていたすぐれた人材に負うところが大きいでしょう。広島県がこれからさらなる発展の道を進むためには、やはり、人材の力を必要としています。
その際、注意しなければならないのは、教育といった場合、学力が基礎にあることは言うまでもありませんが、単に学力の向上のみが図られればよいというものでは決してありません。社会に貢献できる人材を育てることが目的であり、そのためには実体験などを通じて全人的な教育を行うことが必要です。
そのため、学校教育においては、基礎学力や体力向上策のほか、山体験や島体験などの体験学習、食育の推進、キャリア教育などを行います。
また、企業、医療、農業など、今後の発展が求められる分野における経営人材の育成、大学人材の企業での活用、社会人教育など実践的教育も重要です。
さらに、広島交響楽団、カープ、サンフレッチェなどの資源を活用した芸術・スポーツの振興、平和活動や医療、介護、子育てなど多様な分野において、その担い手となる社会起業家の育成なども進めてまいりたいと考えております。
また、人口減という厳しい時代を迎えて、せっかく育成した人材が一方的に流出するだけでは県勢の発展は望めません。そのためには、人材を引きつける就業機会の創出や安心できる暮らしの環境整備も不可欠です。これらの成果を県外にアピールしていくことも重要でしょう。
このように、将来にわたって広島県の発展を支える人材の確保のためには、県全体でその必要性に関する意識を高め、総合的な取り組みを進めることが重要であり、また、じっくり腰を据えて取りかかることも必要です。
人づくりは、私の政策目標の中でも最も重要なものです。だからこそ、私は、その取り組みを焦らず、じっくりと、しかし、着実に進めてまいりたいと思います。
第二に、「新たな経済成長への挑戦」です。
人の幸福が物的な豊かさだけにあるわけではないことは、戦後の貧しさから大きな発展を経て、今日を迎えている私たち日本人には、はっきりとわかる事実だと思います。
他方、大多数の人にとって、きょうよりもよいあす、あすよりもよいあさってと、将来に向けて希望を持つことが幸せを実感できる条件であるとも私は感じています。
今後、人口減少と高齢化が進む中、広島県全体の経済規模は、労働力人口の減少とともに大きく落ち込み、その結果、道路、医療、教育など広島県全体に張りめぐらされている生活のインフラを維持することは、大きな困難に直面するでしょう。また、農林水産業が弱っていることが中山間地域の問題に拍車をかけています。
私たち広島県民が、中長期的に物心両面で豊かで安心できる暮らしを続けていくためには、イノベーションを通じて、新たな産業の芽や新たな企業をはぐくむこと、そして、既存産業の中長期的な競争力の向上が必要です。
農業、工業、商業、あるいはサービス業にかかわらず、競争力ある事業は若者に魅力的な雇用の場を提供します。人口減少の中で社会を維持していくためには、強い経済をつくり、魅力ある雇用を創出していくことが必要だと考えます。
私は、広島県の経済と雇用を担う地元企業を中心に、中小・中堅企業、ベンチャー企業を応援してまいります。中小企業の販路開拓などの経営支援、事業承継支援、中小企業技術革新制度などを通じた新商品開発支援などのプログラムを推進するほか、広島版産業革新機構により、新たな企業や産業の成長の後押しを進めてまいりたいと考えております。
また、産業別には、機械、電子など広島県の強みを生かした新しい産業クラスターの形成や、県内に蓄積する環境関連技術の掘り起こしなどエコビジネスの推進にも取り組みます。
農水産物についても、「BUYひろしま」に加え、世界に知られる「ひろしま」のブランド価値を利用して海外に積極的に販売していくなど、私がセールスマンとして先頭に立って「Sellひろしま」を進めてまいります。
さらに、山間部や島嶼部の新たな産業として、観光振興を積極的に推進してまいります。
「瀬戸内 海の道一兆円構想」はその一つでございますが、瀬戸内の島・海などの自然、歴史、食べ物など、瀬戸内にたくさん詰まった魅力を、相互に連携させながらアジアを初めとする新しいお客様に楽しんでいただこうというものです。そのために必要な要素、例えば、「海の道」のモデルルートの開発、重要拠点での宿泊、飲食施設等の観光インフラ整備、歴史・文化遺産の再発掘などを洗い出し、主として民間活力を活用しながら、その充実を図るための検討にまず着手いたします。
産業構造の変革や新しい企業の成長には、時間がかかるというのが現実です。だからこそ、早急に着手して、企業が成長するための環境整備や新産業成長の後押しに取りかかりたいと考えております。
また、こうした観点から、道路等の交通ネットワークの形成を進めるなど、必要なインフラ整備に努めてまいる所存です。
第三に、「安心な暮らしづくりへの挑戦」です。
県民の皆様の安心・安全な暮らしを実現することは、行政の究極の目標の一つであります。その土台となる強固な経済的基盤をつくらなければならないことは、既に述べたとおりです。当然のことながら、医療、福祉、子育てといった直接的な暮らしの課題そのものにも積極的に取り組まなければなりません。
他方、県民生活の課題は多様化し、行政だけで対処していくことは困難になりつつあります。私は、県民の皆様が持つみずからの社会を支える意志と活力を生かすことが社会的な課題解決の近道であり、本道であると考えます。
私は、県民の皆様が持つ能力と可能性を信じ、暮らしに関係する現場で行われているさまざまな取り組みを掘り起こし、応援することによって、広島県ならではの新しい仕組みの創出を目指してまいります。
医療においては、日本一安心できる医療サービスの実現を目指しております。このため、広島県内の医療機関、医師会、大学、行政機関の連携により、医師派遣や医療人材の育成に取り組むとともに、引き続き、医師が不足している地域や診療科への支援を行い、さらには、がん医療ネットワーク推進と拡大などによる「がん対策日本一」の実現などを進めたいと考えております。
また、高齢者や障害者が、住みなれた地域で安心し、希望に満ちた生活を送ることができるよう、ソフト・ハード一体となった福祉サービスの提供を可能とするとともに、障害者の自立した地域生活を支えるため、雇用施策と福祉施策を一体的に推進してまいります。
さらに、人口減社会において、子育ては非常に重要であり、核家族化で疲弊している子育て家庭に対するきめ細かな相談、働く人の子育て支援の充実など、子育て負担を軽減し、より積極的に子育てができる環境をつくってまいりたいと思います。
第四に、「豊かな地域づくりと真の地域主権の確立への挑戦」です。
欧米に追いつけ追い越せの時代が終わって久しい今、中央から押しつけの一律モデルでは、もはや日本の発展は望みにくくなっています。今、地域の多様性の中から新たな活力を生む努力が求められています。
地域が持つ力や宝はそれぞれ異なります。地域は、それぞれの特性と事情のもとで起業家精神を発揮し、それぞれのあり方、豊かさを追求していかなければなりません。
私は、中山間地域においても、力や宝がたくさん潜んでいると確信しており、県民や市町を初め、企業や地域活動団体とも連携しながら、その力や宝を掘り出して磨き、住みやすく個性ある豊かな地域づくりを推進します。
他方、地域には現実として、たくさんの課題があることも十分に認識しております。私は、まず、一年ほどかけて全市町の住民の方々と対話集会を開催し、現場の声を直接お伺いして県政に反映してまいる所存です。
山間部や島嶼部の暮らしを守るために必要な産業振興については、農林水産業、観光などを中心に徹底的に検討してまいります。「瀬戸内 海の道一兆円構想」はその一環としての位置づけともなっております。
また、地域の安心を確保するため、救急医療の充実や過疎集落等への生活支援配送システムの検討も行ってまいります。
広島県を特徴づけるものとして、平和への取り組みがあろうかと思います。私としては、広島が平和に関する世界の中心地となり、国際平和に貢献するとともに、広島県の新たな活性化につながる方策を検討してまいりたいと考えております。
地域分権については、広島県では、これまで市町への権限移譲が全国で最も進んでいます。この成果の上に、さらなる分権を進めてまいりたいと考えておりますが、まず、地域住民へのサービス向上、全体コストの観点などから、これまでの成果をしっかりと評価し、次のステップにつなげてまいりたいと思います。
第五に、「行政運営刷新への挑戦」です。
山積する課題に立ち向かっていくためには、まず、広島県庁が起業家精神を持ち、創意工夫を行っていくことが何よりも大事です。県民の皆様と県職員が一体となって、新しいことに挑む姿勢を大切にし、官僚主義から脱却するため、私としてリーダーシップを発揮いたします。
また、加えて、「真の県民起点の行政の実践」、「現場主義」、「予算主義から成果主義への転換」を理念の中心として県庁運営を行ってまいる所存です。
まず最初の取り組みとして、去る十二月二日、私を初め、幹部職員で構成し、県政の重要課題を機動的に決定する経営戦略会議を立ち上げました。また、外部有識者にも参加いただき、県政運営の基本方針等について意見を伺う経済財政会議についても、速やかに人選などの調整を行い、来年一月には立ち上げる所存です。
経済財政会議においては、適切な財政のあり方についても根本から議論いただき、これはまだ仮称でございますが、平成二十三年度からの中期財政健全化計画を策定したいと考えております。
また、公開の場で、外部の客観的な視点により予算事業を点検し、事業の無駄を排除するとともに、行政評価の透明性を高めるため、事業仕分けの手法による事業等の見直しを実施する予定でおりますが、本年度においては試行的に実施し、平成二十二年度当初予算に反映させる予定です。
そのほか、情報公開の徹底、人事評価の見直しなど、県庁改革についての積極的な検討は、経営戦略会議などを活用しながら進めてまいりたいと思います。
以上、県政運営の基本的な考え方を御説明させていただきました。
議員の皆様、そして、県民の皆様、今、広島県は大きな時代の岐路に立っています。経済・社会は成熟し、人口は減少し、本格的な高齢化が進む時代の入り口に立った今、これから広島県がもう一度底力を出して発展し、我々が今享受しているこの豊かな暮らしを子供たち、孫たちへと次の世代につないでいかなければなりません。そして、そのための手はすぐに打っていかなければなりません。
県民の皆様、県議会、県職員のチームワークで、「広島県に生まれ、育ち、住み、働いてよかった」と心から思える広島県をともに実現しようではありませんか。そして、本日をそのスタートの日としたいと思います。
さて、今回提出いたしました議案について、その概要を御説明いたします。
まず、補正予算についてであります。
現在、緊急の課題となっております新型インフルエンザ対策といたしまして、ワクチン接種に係る助成経費など十四億二千三十八万円を計上するとともに、現下の厳しい雇用情勢に対応するため、緊急雇用対策基金事業を中心に、債務負担行為予算を含め十四億五千七百七十九万円を追加することといたしました。
このほか、経済財政会議の設置、事業仕分けに要する経費などを計上しております。
以上の結果、一般会計の歳入歳出予算補正額は、十五億三百四十一万円となり、本年度予算の累計額は一兆三百七十億九千八百二十三万円となります。
予算以外の議案といたしましては、人事委員会の給与勧告などを踏まえ、職員の給料月額及び諸手当の額等を改定する職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例のほか、知事等及び職員の給与の特例に関する条例など条例案十件を提出いたしております。
なお、先ほども申し上げましたとおり、今後の財政健全化に向けた取り組みといたしましては、新たに設置する経済財政会議の意見等を踏まえて、来年度中に平成二十三年度以降の中期財政健全化計画を策定することといたしております。
このため、平成二十二年度の職員の給与抑制措置は、課長級以下の職員につきましては実施しないことといたしました。平成二十三年度以降につきましては、中期財政健全化計画を検討していく中で、人件費のあり方について改めて整理してまいりたいと考えております。
その他の議案では、広島県公害審査会委員の任命の同意についての議案、工事請負契約の締結についての議案など二十二件を提出いたしております。このほか、報告案件として専決処分報告五件を提出いたしております。
どうぞ、慎重に御審議いただいた上、適切な御議決をくださるように希望いたします。(拍手)
24:
◯議長(林
正夫君) お諮りいたします。明十一日及び十四日は、議案調査のため、本会議は休会とするに御異議ありませんか。
【「異議なし」と言う者あり】
25:
◯議長(林
正夫君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決します。
次回の本会議は十二月十五日午前十時三十分から会議を開きます。
本日はこれをもって散会いたします。
午前十一時二十一分散会
発言が指定されていません。 広島県議会 ↑ 本文の先頭へ...