ツイート シェア
  1. 広島県議会 2009-09-05
    平成21年9月定例会(第5日) 本文


    取得元: 広島県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-05
    トップページ 検索結果一覧 使い方の説明 (新しいウィンドウで開きます) 平成21年9月定例会(第5日) 本文 2009-10-01 文書発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ・別画面表示ツール 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ(新しいウィンドウで開きます) 別窓表示(新しいウィンドウで開きます) ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 発言単文選択全文表示を切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者表示切り替え 全 57 発言 / ヒット 0 発言 すべての発言ヒット発言表示切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示を実行・チェックの一括変更 選択表示 すべて選択 すべて解除 発言者一覧 選択 1 : ◯議長(林 正夫君) 選択 2 : ◯議長(林 正夫君) 選択 3 : ◯下原康充選択 4 : ◯議長(林 正夫君) 選択 5 : ◯知事藤田雄山君) 選択 6 : ◯議長(林 正夫君) 選択 7 : ◯農林水産局長冨永嘉文君) 選択 8 : ◯議長(林 正夫君) 選択 9 : ◯企画振興局長妹尾幸太郎君) 選択 10 : ◯議長(林 正夫君) 選択 11 : ◯教育長榎田好一君) 選択 12 : ◯議長(林 正夫君) 選択 13 : ◯議長(林 正夫君) 選択 14 : ◯東 保幸君 選択 15 : ◯議長(林 正夫君) 選択 16 : ◯知事藤田雄山君) 選択 17 : ◯議長(林 正夫君) 選択 18 : ◯環境県民局長平田光章君) 選択 19 : ◯議長(林 正夫君) 選択 20 : ◯健康福祉局長迫井正深君) 選択 21 : ◯議長(林 正夫君) 選択 22 : ◯企画振興局長妹尾幸太郎君) 選択 23 : ◯議長(林 正夫君) 選択 24 : ◯教育委員会委員長職務代理者(二宮 皓君) 選択 25 : ◯議長(林 正夫君) 選択 26 : ◯警察本部長(岩崎和彦君) 選択 27 : ◯東 保幸君 選択 28 : ◯議長(林 正夫君) 選択 29 : ◯東 保幸君 選択 30 : ◯議長(林 正夫君) 選択 31 : ◯教育委員会委員長職務代理者(二宮 皓君) 選択 32 : ◯東 保幸君 選択 33 : ◯議長(林 正夫君) 選択 34 : ◯東 保幸君 選択 35 : ◯議長(林 正夫君) 選択 36 : ◯教育委員会委員長職務代理者(二宮 皓君) 選択 37 : ◯議長(林 正夫君) 選択 38 : ◯間所 了君 選択 39 : ◯議長(林 正夫君) 選択 40 : ◯知事藤田雄山君) 選択 41 : ◯議長(林 正夫君) 選択 42 : ◯土木局長(大野宏之君) 選択 43 : ◯議長(林 正夫君) 選択 44 : ◯企画振興局長妹尾幸太郎君) 選択 45 : ◯議長(林 正夫君) 選択 46 : ◯議長(林 正夫君) 選択 47 : ◯議長(林 正夫君) 選択 48 : ◯議長(林 正夫君) 選択 49 : ◯議長(林 正夫君) 選択 50 : ◯議長(林 正夫君) 選択 51 : ◯議長(林 正夫君) 選択 52 : ◯議長(林 正夫君) 選択 53 : ◯議長(林 正夫君) 選択 54 : ◯議長(林 正夫君) 選択 55 : ◯山木靖雄君 選択 56 : ◯議長(林 正夫君) 選択 57 : ◯議長(林 正夫君) ↑ 発言者の先頭へ 本文 ↓ 最初のヒットへ (全 0 ヒット) 1:         午前十時三十二分開議 ◯議長(林 正夫君) 出席議員五十七名であります。これより会議を開きます。         自第  一 県第八六号議案         至第二十三 報第 二七 号 2: ◯議長(林 正夫君) これより日程に入ります。日程第一、県第八六号議案 平成二十一年度広島県一般会計補正予算から日程第二十三、報第二七号 損害賠償額の決定についてまでの各案を一括上程議題といたします。  昨日に引き続いて質問を行います。下原康充君。         【下原康充君登壇】 3: ◯下原康充君 おはようございます。自由民主党広島県議会議員会の下原康充であります。今次定例会において質問の機会を与えていただき、心から感謝申し上げます。  さて、ことしの天候は何かおかしい、折しも国連気候変動サミットが開催されたばかりですが、その重要性を象徴するかのような異常気象で、御承知のごとく、集中豪雨による災害が県内各地において発生いたしました。東広島市においてはとうとい生命が犠牲となり、加えて道路、河川の崩壊など、起きてはならない事態が生じたのであります。一日も早い復旧を願うものであります。  一方、豪雨とともに長期間雨が降り続いた結果、農作物にも影響が出ており、米はもとより野菜等にも深刻な被害が出てまいりました。この七─八月という期間は、政権交代が起きた国政選挙もあり、梅雨がいつ明けたのかも定かでない、先の見えない混沌としたかすみのようなものを感じたのは私だけでしょうか。  このことは、天が我々に試練を与えたのか、あるいは警告されたのか。孟子の言葉に「人皆な人に忍びざるの心あり。今、人の乍ち孺子の将に井に入らんとするを見れば、皆な惻隠の心あり。惻隠の心なきは、人にあらざるなり。惻隠の心は、仁の端なり。」とあります。  本日は、藤田県政にとって最後の定例会、一般質問の最終日となりました。四期十六年間の締めくくりであります。ぜひとも締めくくりにふさわしい前向きな御答弁を期待して、質問に入らせていただきます。  質問の第一は、農業に関する諸課題についてであります。  世界人口の増加や発展途上国の経済発展などが食料需要を押し上げる一方で、農地の砂漠化の進行、単位収量の伸びの鈍化など、供給サイドには多くの懸念材料があり、中長期的には、世界の食料需給は逼迫するとの予測がなされております。  現在は、世界的な経済危機により鎮静化しているものの、昨年、穀物価格の高騰が国民生活に大きな影響を与え、海外では暴動にまで発展したのは記憶に新しいところであります。専門家の中には、こうした現象は一過性のものではなく、世界の穀物市況は高値安定の新たな段階を迎えたとの指摘もあります。  また、注目すべきは、輸出国がさまざまな形で穀物の輸出規制を行うなど、いざというときは自国民が優先、他国に回すことなどできないという、いわば当たり前とも言うべきナショナリズムが見られたことは、食料輸入国である我が国にとって極めて憂慮すべき事態であります。  こうした世界情勢の中、暗礁に乗り上げていたWTO交渉が最終妥結を目指し再開される見通しになっており、また、FTAやEPAについても、経済界から早期締結を求める声が日増しに強まっております。  私も、我が国の国益上、自由貿易体制の維持が重要であることは十分理解しておりますし、これらの交渉を否定するものではありません。しかし、いかにグローバル化の中で生きていかねばならないといっても、それが食料安全保障をないがしろにし、国の礎である農業・農村の崩壊という多大な犠牲の上に成り立つものであるならば、断じて認めることはできないのであります。  言うまでもなく、国民に食料を安定供給することは国家の最大の責務であり、各国はその責務を果たすためにしのぎを削っているのであります。  翻って我が国の現状はどうでしょうか。かつて八〇%近くあった食料自給率は、先進国で最低レベルの四一%まで低下しております。加えて、日本の気候風土に最も適した米に四割もの転作がかけられた結果、貴重な農地が三十八万ヘクタールも耕作放棄される一方で、七十七万トンのミニマムアクセス米を輸入するという矛盾に満ちた政策がとられており、今こそ食料安全保障の視点をしっかりと持ち、農業者に対するセーフティーネットを構築するとともに、農地のフル活用により食料増産を目指す必要があるのではないでしょうか。
     このような認識のもと、本県農業の振興に向けてどのような基本的考え方を持ち、いかなる対策を講じようとしているのか、何点かお伺いします。  一点目は、小規模農家の位置づけについてお伺いします。  本県の農業施策は、集落法人を初めとする担い手育成や担い手を中心とした産地育成に施策が集中されており、小規模農家は、地域政策の色合いが濃い、農地・水・環境保全向上対策でさえ、最初から門戸を閉ざされているのであります。しかも、意欲がありながら、立地条件などから担い手になれない農家や地域が存在しているのにであります。だからこそ、小規模農家の役割も認め、確固たる政策を講じる必要があるのではないでしょうか。  本県農業のデザイナーたる県に求められるのは、小規模農家も含め、農地全体のフル活用を図り、地域の特色を生かした農業振興のあり方など、絵姿を示していくことであります。それでこそ県の農政と言えるのであります。なぜなら、担い手の育成が目標どおり進んだとしても、その農地集積率は四六%であり、残りの農地の活用は小規模農家の頑張り次第なのであります。担い手と小規模農家、いたずらに両者を対立させるような偏った施策ではなく、それぞれの特徴を生かすことで農業生産のパイそのものを拡大し、次の世代に貴重な農地を継承していくことこそが重要であります。  例えば、群馬県にあるJA甘楽富岡では、直売施設、インショップ、契約栽培、市場出荷など、小規模農家から専業農家まで、それぞれの力量に応じて出荷できる多様な販路を用意し、農家の能力を上げながら、次の段階にステップアップさせる仕組みをつくっており、さらに、この仕組みを新規就農者の研修の場として活用することにより、担い手へと育てているのです。ここでは、担い手育成と小規模農家の活性化、この二つを共存させ、地域全体の農業を底上げするシステムができており、この結果、二十年間で販売額を十億円から八十億円に引き上げ、担い手の育成にも成功しております。本県でも、こうした施策を期待するものであります。  そこで、今後到来が予想される食料増産時代に対応するためには、小規模農家も施策に位置づけ、農産物を安定供給する仕組みづくりを進めることが必要と考えますが、どのように取り組んでいかれるのか、お伺いいたします。  二点目は、集落法人の経営強化と人材確保についてお伺いいたします。  集落法人の設立が本格化して十年近くが経過し、現在では全国一となる百六十一法人が設立されております。しかしながら、目標の四百十法人の成立はいまだはるか先にあり、さらなる法人化を早急に図ることが重要だと考えております。  農村部の集落においては急速に高齢化が進み、耕作意欲さえ持てず、そのまま限界集落から消滅集落へと進む危険性が年々高まっております。対処する時間もだんだんと余裕がなくなってきており、一刻も早く手当てをしなければ、本県農業・農村がつぶれてしまうのであります。  そのようなことにならないためにも、一層の集落法人化を進め、農業を自立させる、つまり農業で生きていける環境をつくり出す必要があり、そのために行政として何をすべきか早急に結論を見出し、成果を出していくべきものだと思っております。  今、「平均年収二千五百万円の農村」という本が農林水産省職員の目をくぎづけにしていると聞きます。長野県川上村の藤原忠彦村長が書いた本であります。川上村は、人口四千七百人余りの小さな村ですが、日本一のレタス産地で、その売り上げは、何と百五十億円であります。村内の農家六百七戸、そのうち専業農家が三百三十二戸、つまり兼業農家を含めて平均年収二千五百万円ですから、中には一億円近い年収の農家もいるのであります。  先般、私は、その川上村を管轄するJA長野八ヶ岳に行ってまいりました。組合長や専務理事などからお話を伺った後、現地を見学させていただきました。海外ブランドの大型農業機械や冷蔵倉庫、輸出にも取り組む流通形態など、まさに百聞は一見にしかず、なるほどと感じたのであります。  しかし、この地域が農業に適した地域かといえば、必ずしもそうではありませんでした。勝海舟の漢文、静岡茶で有名な島田市牧之原台地と同じく不毛の地、しかも、高冷地で土地はもともと稲作には向いておらず、山合いにあり、所によっては山を切り開いてできた開墾地で生産が行われております。  つまり、普通の作物をつくるには耕作条件はよくない地でありましたが、高冷地の厳しい気象条件を逆手にとり、日本一のレタス産地になっているのであります。私が申し上げたいのは、農業は、その地域固有の特色、強みを生かしてこそ成功があるということであります。  それでは、本県農業の強みは何かと考えると、多様な気象条件や消費地に近い立地など、いろいろとあるものの、やはり全国一の数を誇り、まとまった農地を持つ集落法人の育成が進んでいることではないでしょうか。とはいえ、集落法人の平均経営面積は二十六ヘクタール、仮にこれらの農地すべてに水稲を作付したとしても、これで生計を立てられるのはわずか二、三人であります。やはり、米以外の小面積でも収益の上がる作物を導入し、川上村とまではいかないまでも、雇用力のある産地を育てていく必要があります。  しかし、それを実現するためには人材という原動力が必要であります。集落法人も年月の経過とともに構成員の高齢化が進行し、多くの法人が今後の経営維持に大きな不安を抱えております。今後は、集落内外から新たな血を入れ、構成員の世代交代を円滑に進める必要があります。幸い、昨今の雇用危機に伴い、農業がかつてないほど注目を集めております。この追い風を生かして新たな人材の参入を促し、育成し、そして法人への就農につなげる仕組みを構築する必要があります。  そこで、集落法人の経営を持続的なものにするためには、もうかる農業を実現するとともに、次代を担う人材を確保する仕組みづくりが必要と考えますが、どのように取り組んでいかれるのか、お伺いします。  三点目は、農商工連携を活用した農業振興についてお伺いします。  我が国の総農家数二百八十四万戸の内訳を見ますと、販売農家は百九十六万戸、そのうち販売額百万円未満の農家が六割弱を占め、小規模零細な農業の実態が浮き彫りになります。一方で、販売額一千万円以上の農家が十四万戸、一億円以上の農家も二千五百戸存在し、この数は、法人経営を加えればさらにふえると考えられます。これらの農家は、いわばもうかる農業を証明した者たちであります。農業はもうからないと言われる中で、攻めの経営でミリオネアになった農家も数多くいるのであります。  例えば、熊本県上益城郡でサツマイモを生産する農業生産法人コウヤマは、商工業は消費者ニーズを満たして繁栄した、農業は長年流通や販売に近寄らなかったが、すべて自分たちでやり、色、形、値段など顧客からの要望に対処するとの方針のもと、二億二千万円。能登半島の玄関に位置する羽咋市は、市役所が音頭をとり、地元の米をバチカン市国のローマ法王へ献上、神子原米としてブランド化しております。そのスローガンは、「農業・漁業を医師・弁護士に続く職業の選択肢に」であります。既に年収一千万円プレーヤーが続出し、近い将来ベンツに農機具を積んで出勤する農民が出現するかもとのことであります。  これらの成功事例に共通するのは、農家といえども生産にとどまることなく、加工、流通、販売など二次・三次産業の要素を取り込むことによって経営を拡大・飛躍させている点であります。一言で言えば、農業の高付加価値化に成功しているのであります。  こうした点から、近年注目を集めているのが農商工連携であります。中小企業者と農林漁業者が連携し、相互のノウハウを活用して新商品や新たなサービスを生み出し、地域を活性化しようという発想であります。地産地消ブームなどから、地場食材は食品産業にとって魅力ある商材となっており、一方、農業にとっても収益性の向上や販路が開拓できるなど、双方にメリットのある手法であります。  そこで、農商工連携の活用が新たな需要を創出し、中山間地域の活性化が図られることを期待するものでありますが、県として農商工連携にどのように取り組んでいかれるのか、また、広島県販路開拓協議会を立ち上げておられますが、その取り組みを通じ、起点となる農業の振興にどのように結びつけていかれるのか、お伺いします。  四点目は、新政権の農政に対する見解と対応についてお伺いします。  新政権の掲げる農政は農業の構造改革を阻害するといった批判もあり、集落法人の育成など本県が進めてきた農業施策とは必ずしも方向性が一致しないように見受けられます。  そこで、現在明らかになっている範囲で判断すれば、新政権の農政は本県の農業にどのような影響を与えるのか、また、国農政の転換を受けて、本県が進めてきた農業構造改革路線を見直す可能性があるのか、御所見をお伺いします。  質問の第二は、学校図書館の活性化についてであります。  本県では、学習や生活の基盤となることばの力を児童生徒に確実に身につけさせることが知・徳・体の基礎・基本の徹底を実現していくための視点であると位置づけられ、ことばの教育というものに重点を置いて取り組んでおられます。しからば、このことばの教育の基盤として読むこと、いわゆる読書活動が重要となってくるものと考えているのであります。そのためには、児童生徒が利用しやすい図書館の読書環境の充実が必要であり、そこに欠かせないのは、やはり人、いわゆる学校司書の配置なのであります。  しかし、中国五県の小学校での図書館担当職員を見ますと、鳥取県、岡山県では八割を超える学校に配置されていますが、残念ながら、本県の配置数は最も低く、一四%程度にとどまっております。一方、島根県では、配置数が三割程度と低い状況を改善するため、県内全市町村の学校図書館に、専任の人材を配置するための人件費の一部補助という取り組みを今年度から始めておられます。  教育長は、本年二月の予算特別委員会での私の質問に対して、読書指導を行う人材の充実の重要性は示されつつも、やはり本県の厳しい財政状況、さらには職員数削減の中にあって学校司書配置は難しいとの見解を示されました。私は、厳しい財政状況の中にあるとはいえ、せめて竹原市のようにモデル的に環境整備を進めている学校には、専任の人材を配置し、本県の読書活動推進のモデル校として先導的役割を担わせることが必要であると考えるのです。  そこで、今後の図書、読書活動の推進に欠かせない、学校図書館担当職員の配置の必要性について教育長の御所見をお伺いいたします。  質問の第三は、教育の中立性についてであります。  その昔、広島には広島高等師範学校を中心とし、日本の教育をリードしてきた長い歴史があり、教育県広島として名をとどろかせておりました。  しかし、昭和のある時期から一転して荒廃した広島県教育として全国に名をとどろかせるといった不幸な時代が続いたのであります。そこには、日の丸・君が代問題、主任制反対などを運動方針として掲げる教職員組合との対立の中で、職員会議が学校での最高議決機関であると位置づけられ、主任の機能も形骸化する中で、校長の権限というものが著しく制約されたのであります。  また、学力向上という面からは、教職員組合の掲げる平等の考えのもとに習熟度別授業も実施されず、学力向上の取り組みなどとは言えない実態というものがあったのです。  さらには、一部の運動団体と連携する中で、いわゆる同和教育基底論に基づいて交わされた八者合意文書というものが教育介入を許し、さらに平成四年には、いわゆる二・二八文書により、当時の教育長が国旗・国歌を否定するという状況もあり、まさに荒廃した広島県教育という状態が長年にわたって支配していたのであります。  こうした中、平成十年五月、当時の文部省から国旗掲揚・国歌斉唱、道徳の指導内容、人権学習の内容などの教育内容関係、あるいは主任の命課の時期及び人選、教職員団体との確認書など、学校の管理運営関係について十三項目にわたる是正指導を受けることになったのであります。  是正指導直後の本県教育界には大きな混乱がありました。長年の荒廃した姿を正常に戻そうと、教育関係者はもとより、県議会、そしてさまざまな人が是正に向かって立ち上がられ、断固たる決意で取り組まれた、そうした中で、絶対にあってはならない極めて不幸な出来事が起きたのであります。世羅高等学校の石川校長がみずから命を絶たれたのは、是正指導後初めての卒業式を迎える平成十一年二月二十八日でありました。さらには、民間人校長として尾道市立高須小学校に着任された慶徳校長の教育現場での死。私は、この直後の平成十五年に文教委員長としてこの問題に直面し、現地調査も行っておりましたが、その最中には、尾道市の山岡教育次長がみずから命を絶たれるという事態にまで至ったのであります。  今、本県教育は、基礎・基本定着状況調査や全国学力テストの結果を見ましても、本県の小学校・中学校の学力はおおむね定着してきていると受けとめますし、大学進学実績を見ましても、国公立大学の現役合格者が大きく伸びております。こうしたデータを見ますと、教育県広島というものの復活という実感を覚えますし、何よりも学校現場では教職員が子供たちに熱心に向き合って指導されており、したがって、さらなる教育改革の推進に大きな期待を寄せているところであります。と同時に、私の脳裏からは、この間に懸命に取り組まれてきたさまざまな人の血のにじむような努力、とりわけ、みずから命を絶たれた先生方の無念の思いがいまだに離れることはありません。忘れることのできない忌まわしい時代だったのであります。  折しも教育県広島の復活に向けて明るい展望が見え始めている今、国では新政権が誕生したのであります。まだこの新政権が打ち出す教育政策というものがどのようなものなのかはわかりませんが、国旗を掲げない党大会、そして民主党の政策集の中で掲げる学習指導要領の大綱化、教員免許制度の見直し、各学校による教科書採択、そして教育の中立性を確保するための教育委員会制度、その抜本的見直しという項目を見ても、教育現場に政治的介入を許してしまい、県が教育の荒廃から立ち直るために、その最も基軸に据えている公教育の中立性というものが脅かされるのではないか。そして、過去の荒廃した本県教育が再び復古してくるのではないかと危惧しております。  そこで、同様の懸念、不安を抱える多くの保護者、PTA、県民の思い、これを払拭するためにもあえてお伺いします。本県が是正指導を徹底する上で最も大きな命題として掲げてきた教育の中立性の確保でありますが、さらなる本県教育改革を推進する上でどのように認識されているのか、改めて教育長にお伺いします。  質問の第四は、今後の道路整備についてであります。  新政権が高速道路無料化や揮発油税等の暫定税率の廃止を打ち出し、国民やマスコミの間でさまざまな意見が噴出しておりますが、こうした政策が実行に移されれば道路財源は大幅な減額が避けられず、道路整備も後退を余儀なくされることが想定されます。  道路整備は、住民の利便性を向上させるだけでなく、時間距離の短縮により、企業誘致や観光振興など、地域の産業振興に大きな影響を与えるものであります。高速道路に無料で乗れる、ガソリンが安くなるとプラス面ばかり強調されておりますが、一方で、道路整備のおくれにより、産業集積の停滞や観光入り込み客の減少を招き、また、緊急車両のおくれなど、地域にとってマイナス面も少なくありません。私の地元でも、地域住民が早期完成を渇望している東広島呉自動車道、やっとの思いで縮小継続となった一般国道百八十五号安芸津バイパスの整備が凍結されるのではないかと危惧しております。  そこで、政権交代による道路整備への影響についてどのように見通しておられるのか、また、本県における道路整備の重要性をどのように国に訴えていこうと考えておられるのか、御所見をお伺いいたします。  質問の第五は、広島エアポートビレッジ開発株式会社、通称HAVについてであります。  広島空港周辺地域は、本県の二十一世紀の戦略拠点に位置づけられ、これまで地域の活性化を図るため、県とHAVが一体となってこの地域の開発整備を進めてきました。そのHAVが、先般、景気後退に伴い増加した、一口一千二百万円で会員から集めた預託金の返還要請に応じることが困難となり、民事再生法の適用を申請し、受理されたところであります。  これまで、会員の多くが預託金の返還猶予に応じて事業の継続のために協力しようとしていたにもかかわらず、県がHAVへの支援を断念し、その結果、HAVが民事再生手続を選択するに至ったことは大変残念でなりません。県もこれまで、HAVに対する支援について検討を重ねられたようでありますが、最終的には、さらなる税金の投入は県民の理解が得られないと判断され、支援を断念されたと伺っております。  確かに、これまで県はHAVに対し、無利子貸し付けや増資など、あらゆる支援を行っており、さらに税金を投入することについて慎重にならざるを得なかったのでしょうが、これまでの経緯を踏まえますと、会員に対する県の責任は極めて重大であり、今後の民事再生手続の行方いかんによっては、県の信頼が根底から揺らぐ事態につながるのではないかと危惧するのであります。  まず、この預託金でありますが、これは、HAVの中核企業であった株式会社西洋環境開発の撤退によりゴルフ場の整備資金が不足し、整備継続が暗礁に乗り上げた際に、県がこの地域の活性化に不可欠であるとしてゴルフ場の整備継続を決めたものの、不足する資金を拠出することができず、やむを得ず民間に協力を求め、調達した資金なのであります。  要するに、預託金は、形の上ではHAVが預かっているものですが、本来県が出すべき資金を県民に肩がわりしてもらったものであり、県、すなわち知事を信頼し、協力してくれた県民から県が借りている無利子のお金なのであります。ましてや、値上がりなどを期待して投機目的で売買される一般的なゴルフ会員権などとは全く性格を異にするものであります。  こうした過去の経緯を踏まえれば、この預託金を返還するための支援が新たな税金投入に当たると果たして言えるのでしょうか。  預託金を募った当時は、バブル崩壊後の景気低迷が続く失われた十年のトンネルの中にあり、会員自身も決して資金に余裕があるような状況ではありませんでした。その中で、ゴルフのプレー自体には全く興味がない方々も含め、県のためなら一肌脱ごう、県がそこまで言われるのであればということで、貴重な資金を提供していただいたのであります。また、返還猶予を承諾してくれた多くの会員は、HAVの窮状を知り、HAVの事業がこれからも存続することを願い、会員自身の経営が苦しい状況であっても県を信頼し、HAV、そして県や知事を守ろうとした人たちであります。  一部には、預託金をゴルフ会員権と同列視し、県に協力してくれた会員が損害をこうむることも当然であるかのような議論がありますが、これは、この預託金の本質を全く理解していないもので、多くの協力者の善意の気持ちを無にし、踏みにじるものにほかなりません。県に協力した多くの人たちの気持ちを裏切ることになれば、県への信頼を大きく損ない、今後、県の施策の推進に当たって、二度と県民の協力が得られなくなることにもなりかねず、私は、県として責任ある対応をすべきであると考えております。  一方、これまで官民挙げての支援を受けながら、経営改善が図られず、民事再生法の適用を申請するに至ったことについては、HAVの経営陣にも大きな責任があります。また、筆頭株主であり、歴代社長に経営のプロでないOBを送り込んできた県にも監督責任があり、今後、責任の所在を明らかにし、反省すべきであると考えております。  そこで、知事は、HAVがこのような事態に至った責任をどのように考えているのか、また、今後、民事再生手続の中でも、県としてさまざまな対応は可能であり、県に協力してくれた人たちのことをどのように考え、この人たちにどのような対応をしようと考えているのか、あわせてお伺いします。  ことしの八月は何かおかしいと質問の冒頭で申し上げましたが、元NHK解説論者、現在は米国ハドソン研究所首席研究員を務めておられる日高義樹氏は、月刊誌VOICE八月号に「超大国が消え去る世界」と題する記事を寄稿されており、傲慢と未経験と人材不足の項の中で次のように述べておられます。「シェルショックという言葉がある。戦場で突然弾丸を撃ち込まれて、兵隊たちがその衝撃で正常な精神を喪失してしまう状態を言う。アメリカ国民は、これまで経験したことのない金融崩壊に直面して、シェルショックに陥ったまま国際的な経験や知識の全くない若い大統領を選んでしまった。その若いバラク・オバマ大統領が、今や国際社会の秩序を破壊し、世界を混乱に陥れようとしている。オバマ大統領とその政策は、世界唯一の超大国として指導的な役割を果たすための基本的な政策と戦略を全く持っていない。その上、驚くほど人材を欠いているため、国際戦略を遂行するための適切な仕組みをつくり上げることはできない。」というのであります。  「自らを反りみて縮くんば千万人と雖も吾往かん」、吉田松陰がよく使った孟子の言葉であります。本県においては、これからどなたが県政のかじ取りをされるにしても、「千万人と雖も吾往かん」の気概を持って県民生活の安全・安心、県民福祉の向上に努めるという基本的スタンスは揺るがしてはならないと思っております。  今次定例会でもさまざまな課題が述べられてまいりましたが、シェルショックに陥ることなく、こうした課題の解消が確実に図られますよう強く念願いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。  御清聴、まことにありがとうございました。(拍手) 4: ◯議長(林 正夫君) 当局の答弁を求めます。知事藤田雄山君。         【知事藤田雄山君登壇】 5: ◯知事藤田雄山君) 下原議員の御質問にお答え申し上げます。  まず、集落法人の経営強化と人材の確保についてお尋ねがございました。  集落法人の経営を高度化するためには、収益性の高い園芸作物の導入を進めますとともに、販売力の強化や経営感覚にすぐれた人材の育成が必要でございます。このため、集落法人が連携したキャベツの周年出荷、露地栽培とハウス栽培との組み合わせによるアスパラガスの長期出荷、加工・業務用のホウレンソウ栽培などの取り組みを支援することにより、水稲から収益性の高い園芸作物への転換を進めているところでございます。  こうした経営の高度化と収益性の向上を図ることが、人材を引きつける原動力になるものと考えておりますが、さらに、市町や農協等の地域が作成した指針に沿って、集落法人が集落外からの意欲ある就農希望者を受け入れ、育てていく取り組みを支援するとともに、農業技術大学校におきましても、集落法人が求める即戦力の人材を育成するためのカリキュラムを導入しているところでございます。  こうした取り組みを通じまして集落法人の経営強化と人材の確保に努め、集落法人が核となった持続可能な広島県農業を実現してまいりたいと考えております。  次に、農商工連携を活用した農業振興についてお尋ねがございました。  農業と商業・工業等の産業間の連携を推進していくためには、食品関係事業者のニーズにこたえられますよう、農産物が継続的かつ安定的に供給されることが必要でございます。  このため、生産から販売までを一体的に取り組む仕組みづくりを目的として、去る七月に広島県農産物販路開拓協議会を設立し、この協議会の活動の一環として、県内産農産物の需要動向調査を実施したところでございます。  この調査におきまして、コンビニエンスストアの惣菜やお好み焼き用キャベツの加工・業務用野菜や特産品の開発を目的とした地元農産物へのニーズが高いことが明らかになりました。このうち、キャベツにつきましては、事業化への熟度が高まっているものと認識いたしております。  また、これらの調査結果を踏まえ、販路開拓協議会を通じた地域連携セミナーの開催やアドバイザーの派遣などにより、具体的成果を求めていくことといたしております。  さらに、今年度新たに農産物を定期的に一定量供給するために必要な栽培施設や保冷庫等の整備を支援することとしており、これらの取り組みにより、消費者の嗜好に応じた安定的な生産、出荷、販売体制の構築に努めてまいりたいと考えております。  次に、今後の道路整備についてお尋ねがございました。  新内閣の政策においては、暫定税率の廃止や国直轄事業負担金の廃止、高速道路の無料化など、さまざまな見直しが盛り込まれようとしておりますが、その詳細な内容や実施時期などについては、いまだ不明な点が多くございます。  このため、本県の道路整備への影響を現時点で判断することは困難でありますが、暫定税率の廃止に伴う減収や高速道路の無料化に要する財源確保のために、大幅な道路事業予算の減額が行われる可能性があるものと懸念しているところでございます。  本県の道路整備は多くの課題が残されており、中枢拠点性の強化や地域振興のため、尾道松江線や東広島呉自動車道を初めとした広域ネットワークの整備や都市部の渋滞対策である国道バイパスなどの早期整備が重要であると考えております。  今後とも、国の動向を注視しつつ、直轄事業を含めた地方の道路整備の財源が安定的に確保されるよう、国に対して強く要請してまいる所存でございます。  その他の御質問につきましては、担当説明員より答弁いたさせます。 6: ◯議長(林 正夫君) 農林水産局長冨永嘉文君。         【農林水産局長冨永嘉文君登壇】 7: ◯農林水産局長冨永嘉文君) 二点についてお答えいたします。  まず、小規模農家の位置づけについてでございます。  小規模な農業経営では、生産性の向上やコスト削減には限界があり、次世代への農業生産の継承は困難なことから、集落法人などの担い手への農地の集積を図り、効率的で持続的な経営を行うことのできる力強い農業構造への転換を進めております。  こうした取り組みを進める中で、地域農業の核となる集落法人等の担い手と小規模農家が相互に補完・連携することによりまして、小規模農家が地域農業において一定の役割を担うことも可能になると考えております。  一部の地域では、水稲やキャベツ等の野菜において、担い手を中心に小規模農家と連携した資材の共同仕入れや共同出荷・販売等の動きが出てきているところでございます。  今後とも、農家所得アップ営農運動などに取り組むJAグループと適切な役割分担をしながら、農業の地域戦略組織において産地ビジョンの実現に向けた取り組みを支援するなど、安定的・継続的な農産物の供給体制の確立を図ってまいります。  次に、新政権の農政に対する見解と対応についてでございます。  新内閣の基本的な農業政策の詳細については、現在明らかになっておりませんが、農林水産大臣の記者会見などによれば、農山漁村の再生を目的とした施策の柱として、農業者の経営安定を図るための戸別所得補償制度を平成二十三年度から本格導入することとされております。  この制度の本県農業構造改革への影響につきましては、国が今後、モデル事業などに基づいて検討するとされている交付金の算定方法など、その具体的な制度設計を見きわめた上で判断する必要があると考えております。  県といたしましては、国の動向を注視しつつ、担い手対策を進める観点から、国に対して提案を行うなど、引き続き、長期的な視点に立ちながら農業の構造改革を着実に進め、本県の農業・農村の活性化に取り組んでまいりたいと考えております。 8: ◯議長(林 正夫君) 企画振興局長妹尾幸太郎君。         【企画振興局長妹尾幸太郎君登壇】 9: ◯企画振興局長妹尾幸太郎君) 広島エアポートビレッジ開発株式会社についてお答えいたします。  同社は、昨年秋の金融危機以降の急激な景気後退により、預託金返還請求が当初の見込みを大幅に上回って増加したため、資金繰りが困難な状況となり、民事再生法に基づく申請を行ったものでございます。  出資者や預託者の中には、地域の振興を進める県への協力ということで参画していただいた方もおられることは、十分認識しております。また、計画策定時から県が関与し、出資等を行ってきた第三セクターである同社がこのような事態に至ったことについて、県として申しわけなく思っております。  今後、民事再生手続の開始決定があれば、県は、設立の経緯や最大の出資者であり債権者であるという立場を踏まえて、再生計画という法の枠組みの中で、県議会や関係の皆様と十分協議を行い、適切に対応してまいりたいと考えております。 10: ◯議長(林 正夫君) 教育長榎田好一君。         【教育長榎田好一君登壇】 11: ◯教育長榎田好一君) 二つのお尋ねがございました。
     まず、学校図書館の活性化についてです。  本県におきましては、本年二月に策定しました広島県子どもの読書活動推進計画第二次計画に基づき、子供の読書活動の充実に向けた具体的な取り組みを進めているところでございます。  この計画に基づき、司書教諭について、配置義務のある十二学級以上のすべての学校に配置するとともに、十一学級以下の学校においても可能な限り配置できるよう計画的に養成しているところでございます。  小中学校への専任の図書館担当職員の配置につきましては、厳しい財政状況のもと、県単独の支援を行うことが困難でございます。モデル校の指定を受けている学校に対しましては、指導主事が訪問し指導するとともに、司書教諭の資格を持っている教員が中心となって研究を進めることができる体制づくりを支援するなど、図書館教育の充実を図ってまいります。  次に、教育の中立性確保についてです。  本県では、是正指導を受けて以来、法令を遵守することを柱に教育の中立性を堅持し、県民に信頼される公教育の確立に努めてまいりました。  その結果、校長権限が確立されるなど、適正な校務運営が行われるようになるとともに、教育内容面でも知・徳・体のそれぞれの面で着実に成果があらわれてきており、公教育の基盤は整ってきたと考えております。  今後とも、教育の中立性を確保し、是正指導による取り組みを決して後退させることなく、教育改革の一層の推進を図り、県民総参加による新たな「教育県ひろしま」の創造に向け、全力で取り組んでまいります。 12: ◯議長(林 正夫君) この際、暫時休憩いたします。午後の会議は一時から開きます。         午前十一時十六分休憩              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~         午後一時二分開議 13: ◯議長(林 正夫君) 出席議員五十五名であります。休憩前に引き続き会議を開きます。  引き続いて質問を行います。東 保幸君。         【東 保幸君登壇】 14: ◯東 保幸君 民主県政会の東 保幸です。  二〇〇一年の小泉政権発足以来、政府・与党は、国の財政再建を政治の最優先課題ととらえて三位一体の改革を進めてきましたが、地方公共団体に対する施策を見るときに、本当に地方分権を進める気概があるとはとても思えない実態が続いてきました。地域経済を牽引する力のある産業を持たない自治体は歳入不足に苦しむことは明らかであるにもかかわらず、交付税を削減することで地方のスリム化ばかりを求めるやり方を見るとき、国には地方を支援する思いやりも力もないことに私たちは気づかされました。  この不満が今回の衆議院選挙の結果となって明らかになったものと思います。長年、政権与党として国政を担ってきた為政者にとって、まさに平成の黒船来襲とも言える事態であろうと思います。  米国発の金融破綻により、市場原理にゆだねられた世界経済は一気に破綻し、今、各国は、新自由主義経済のツケを払わされています。日本でもこの十年、競争と効率、そして成果を問う成果主義のすさまじい嵐が吹き荒れ、国民生活を初め、地方も疲弊してしまいました。  これから、破綻した経済の立て直しに向けて、私たち地方に住む者の責任と力で再生していかなければなりません。地方に、あるいは地域に生きる私たちの力でしか地方、そして地域の自立はなし得ないことを悟るべきで、地域の中に暮らし、地域を愛し、地域に骨を埋めていく人々とともに地方をつくっていく覚悟が必要であると思います。  今こそ、地方自治に携わる者は、地域の中での人と人とのつながり、ぬくもりのある地域づくりを進めていくという強い覚悟を持って臨まなければならないという思いをまず述べさせていただきまして、質問に入りたいと思います。  初めは、地球温暖化対策についてであります。  鳩山総理は、新政権が掲げる温暖化対策として、二〇二〇年までに一九九〇年比で温室効果ガス排出量を二五%削減すると、国連において堂々と世界に発信いたしました。前麻生政権が掲げていた中期目標である二〇〇五年比で一五%、一九九〇年比で八%削減に比べてかなり踏み込んだ数値目標だけに、産業界から強い反発が生じていますが、私は、環境をキーワードとした産業こそが日本の将来を展望できる道であると期待しており、今後どのような具体策が提案されるのか、国内外でも注目をされるところとなっております。  一方、本県の状況に目を向けますと、二〇〇六年度の二酸化炭素排出量は四千三百三十五万トンで、基準年度である一九九〇年と比べて一七・二%増加しており、前年度の排出量四千百二十一万トンに比べても五・二%増となっています。  このような状況では、県が掲げる目標の二〇一〇年度までに一九九〇年度比で二%削減を達成することは極めて困難でありますが、本県では、着実な地球温暖化防止対策は、個々の家庭や各企業の地道な努力があってこそ実現されるものとして、昨年度から「広島発・ストップ地球温暖化県民運動」を展開しており、排出量の伸びが最も著しい民生部門への浸透が期待されるところであります。  環境対策は、常に経済対策とせめぎ合いながらも、結果は追従しなければならないという国の施策が進められてきましたが、引き続き、県行政が主体となって、環境県民局と関係各局とが連携して取り組むことのできる地球温暖化対策について、三点お聞きいたします。  一点目は、温室効果ガス排出量の削減に向けた取り組みについてであります。  環境県民局の地球温暖化対策に向けた事業に目を向けますと、広島県グリーンニューディール基金事業として、さきの六月定例会で県や市町の公共施設でのエコ化を推進する事業を予算化するとともに、今次定例会においても、住宅用太陽光発電システム普及促進事業や事業者等省エネ改修補助事業として、民間への補助事業が提案されています。単に国の施策に振り回されて追随した基金事業という感もぬぐえませんが、温室効果ガスの削減が一向に進まない本県にとって、少しでも貢献できる事業は実情に応じて積極的に展開する必要があるのも事実であります。  そこで、今回の基金事業の実施により、本県の温室効果ガス排出量の削減に向けて、どれほどの効果を上げられると見込んでおられるのか、また、今後、県の目標達成に向けて、この基金事業をどのように継続して取り組んでいく計画なのか、あわせて知事にお伺いします。  二点目は、公共施設へのLED照明の導入についてであります。  本県では、県みずからが率先して温暖化対策に向けた取り組みを実践するための計画である広島県地球温暖化対策実行計画が策定され、その取り組みの結果、二〇〇八年度の速報値を見ますと、基準年と比較してマイナス九・六%と、目標を三年連続で達成しており、職員の皆さんの日ごろの努力の積み重ねの結果として一定の評価をするものであります。ただ、県庁における温室効果ガス排出量の七割以上は電気の使用によるものであり、これまで以上に電気の使用に対する省エネルギーの実践が求められます。  省エネ技術の代表格に発光ダイオード、いわゆるLEDがありますが、現在、行政機関として最も利用しているものの一つに信号灯器が挙げられます。さきの六月定例会におきましても、信号灯器のLED化に対する補正予算が組まれ、県内の信号灯器のLED化率は、当初予算分と合わせて、昨年度末の九・六%から一三・三%に伸びることになりました。  LED式信号灯器は、電球式のように日差しが当たって発光しているように見間違えるおそれも低く、ドライバーや歩行者に対して安全性が高まるという利点にとどまらず、地球温暖化対策の視点から見ると、消費電力量は従来の電球式と比べて、車両用で五分の一程度、歩行者用で四分の一程度に削減され、二酸化炭素の削減量は平均的交差点で年間二・五トン、維持経費も年間三万八千円の削減となり、県の地球温暖化対策にとっても、また県の財政面から見ても、さらなる設置が求められるところです。  現在、この信号灯器に使用されているLEDは、省電力、長寿命、小型軽量、原材料の削減など、環境性能がすぐれているという特徴を生かし、さまざまなメーカーが照明器具の分野に対しても進出しております。当初は、フットライト、常夜灯、エクステリア照明などが商品化されていましたが、最近では、ダウンライトやスポットライト器具などの商品が販売されています。  特に、省電力という点に注目しますと、蛍光灯器具と比較して四〇%以上、白熱灯器具と比較すると八〇%以上の電力、つまり二酸化炭素の削減につながるエコ商品として各メーカーが低コスト化に向けてしのぎを削っております。  そこで、県庁舎を初めとする公共施設における電気の使用に対する省エネ対策に向けて、積極的にLED照明の導入を促進すべきであると考えますが、今後の取り組みについてお伺いします。  三点目は、LED関連産業への支援についてであります。  冒頭申しましたように、新政権では、一九九〇年比で二五%削減という温室効果ガス排出量の非常に高い削減目標を掲げておりますが、試算では、九〇年比で二五%削減するためには、太陽光発電の導入量を現状の五十五倍にふやし、新車販売の九割をエコカーにするといった対策が必須となり、官民合計で約百八十兆円を上回る投資額が必要だとされています。さらに、鉄鋼やセメントなど二酸化炭素の排出量が多い産業は一から二割の生産抑制を迫られ、二〇二〇年時点の実質国内総生産は三・二%低下し、失業率は一・三%上がるとされ、産業界からは生産拠点の海外移転など、経済や生活への影響を懸念する声が広がっています。  一方、排出削減のための投資が新産業や雇用を生むといった期待感もあり、アメリカのオバマ政権では、今後十年間で自然エネルギーに千五百億ドル、約十五兆円を投資し、五百万人の雇用創出を掲げています。先ほどから申しておりますLED照明につきましても、現在、照明の世界市場規模は六兆円から七兆円とも言われており、温暖化対策として、経済産業省が各メーカーに対して二〇一二年までに白熱電球の生産を中止するよう求めたこともあって、二〇〇七年からの市場規模は五年間で十倍、照明全体に占める割合も一一%を超えるものと見込まれています。  このため、この分野の大手企業もLEDの低コスト化に取り組んでおり、短期間のうちに家庭用LED照明が半値になるといった状況に至っております。現在、県内ではLED自体を生産する企業はほとんどありませんが、加工製品化する企業が県東部を中心に展開しており、県内産業の活性化につながっていく可能性を秘めています。  そこで、他の太陽光発電などの温暖化対策と比較して新規参入が見込まれやすいLEDについて、新ビジネスの創出による地域経済の活性化、さらには雇用の創出という視点に立ち、本県として積極的にLED関連産業の誘致あるいは支援に取り組むべきであると考えますが、今後の対策について知事にお伺いします。  質問の第二は、がん診療連携拠点病院の指定についてであります。  本県では、がんに苦しんでおられる患者数は約三万九千人にも上っており、また、亡くなられた方は死亡者全体の約三〇%を占めるなど、まさにがんは国民病であります。  このような中で、本県では、二〇〇八年度から五年間を計画期間とする広島県がん対策推進計画を策定し、がんによる七十五歳未満の年齢調整死亡率を一〇%下げるという全体目標に加えて、喫煙率を男性三〇%以下、女性五%以下に減少させる、がん検診の受診率を五〇%以上にするなどの個別の数値目標を掲げ、緩和ケアの技術・知識のある医師の増加に向けた取り組みや、患者ごとに連携する医療機関の診療計画表を共有する地域連携クリティカルパスの整備などに着手しておられます。  また、ことし四月からは、がんの情報をまとめたホームページ「広島がんネット」を開設し、がんに関するさまざまな情報提供に努めるとともに、NPO法人広島がんサポートに委託して、がん経験者によるがん患者の悩みや不安への相談対応なども行っています。  さらに、がん患者の生存率を高めるため、県内におけるがん治療の中核となるがん診療連携拠点病院として、現在、県内七つの二次医療圏に計十の病院が国から指定されており、指定された病院においては放射線療法や化学療法、緩和ケアなどの専任の医師の配置を初めとして、診療機能や研修体制、情報提供体制などのさまざまな体制を整備することとしています。  ところが、昨年、マスコミが実施した調査によりますと、このがん診療連携拠点病院のうち、二〇一〇年の春までに専門医の配置など、国の基準達成が難しいと回答した病院が約三割にも及び、中でも、地方別では中国・四国が三七%と最も高いという結果でした。  当然のことながら、指定要件を満たすためには財政的な裏づけが必要ですし、現在のままでは見通しが厳しいというのももっともであります。本来、がん患者は、県内のどこに住んでいようとも、身近な地域で同じ水準の治療を受けることが理想ですが、現実的には、財政上の理由や偏在する医療のマンパワーに伴い、同じ質の医療を受けることは困難になっています。そのような中で、本県の指定を受けている十機関は、来年三月末に指定期間が終了するため、今月末までに、新規の推薦施設とあわせて国に対して更新申請を行うこととなっております。  そこで、現在、県内のがん診療連携拠点病院の指定要件到達の見通しをどのように把握しておられるのか、また、現在の指定十機関以外にも県北西部を対象としてがん対策に熱心に取り組んでいる医療機関がありますが、県民がどこに住んでいようとも、等しくがん治療の恩恵や利益を享受できるよう、それらを新規施設として国に申請する予定があるのか、あわせてお伺いいたします。  質問の第三は、凍結含浸技術の活用についてであります。  二〇〇七年、県民や県内産業に対する貢献度の高いスリムで効率的な試験研究機関を目指して、総合技術研究所が設置され、翌年度からは、世界に通じる技術開発が必要であるとの研究所長の構想に基づき、研究所長が直接指揮をとるプロジェクトの一つとして、凍結含浸技術の機能性の増強や企業ニーズへの対応、県有財産の高付加価値化の推進といった取り組みが位置づけられました。  県の特許技術である凍結含浸技術は、食材の形や風味を保ったままかたさを変えることができるという、世界に発信できる画期的技術ですが、この技術に対する医療・介護関係者の期待は大きく、とりわけ急速な高齢化社会に突入している我が国の社会において、高齢者の食の環境を向上していく上でも注目されています。  私は、この凍結含浸技術を活用した病院食を入院患者に提供している病院や、介護食として利用している介護老人福祉施設を訪問し、導入の動機や利用者の評価について伺ってまいりましたが、いずれの施設においても、ともに、食べるということが生きがいであり、食の大切さに基づいて導入されたとのことでした。  凍結含浸技術が世界に広まることはだれもが期待するところであり、介護・福祉分野に貢献することはもとより、特許の利用に伴って歳入が発生するなど、県財政にも貢献するものです。  しかしながら、この特許技術の普及に向けてはまだまだ課題があります。  先ほどの訪問した病院の栄養士によりますと、一、三日間研修したものの、研修は実験室的なもので、実態に即した研修体制が整備されていない、二、凍結含浸法による普通食調理を導入した一部の民間病院に多数の問い合わせや視察などが集中している、三、公的医療機関での導入が全く進んでいない、四、利用者の評価が見えにくく、導入に向けた支援策もないなどの問題点を指摘しておられました。  さらに、民間への技術移転に向けた課題として、メニュー開発や輸送中の破損、製造ラインやコストの問題など、まだまだ幾つもの課題があるそうですが、今後の凍結含浸技術の普及が待たれるところです。  世界へ技術を広めることも大事ですが、県の一機関として、県内施設への普及や県内企業への支援が何よりも重要なことであり、まずは県民や県内産業に対する貢献度を高める対策が必要であると思いますが、今後、県として凍結含浸技術をどのように利用していくおつもりなのか、お伺いします。  質問の第四は、林道整備と低コスト林業団地の推進についてであります。  二〇〇三年、広島市安佐北区白木町の山林に大量の建設残土が持ち込まれた問題は、森林法に基づく規制の網の目をくぐったものでした。土砂災害が懸念される中で、知事の英断によって、当時の治山室を中心に行政代執行による土砂流出防止の堰堤建設を行うとともに、広島市と共同歩調で土砂適正処理条例を制定され、関係住民が非常に県に対して感謝したことは、今も鮮明に記憶に残っております。  この建設残土の山中への搬入は、大椿林道と呼ばれる林道を悪用したものですが、同じような事態が先般、東広島市で最悪な結果をもたらしてしまいました。  私は、常任委員会の現地調査で建設残土の崩落現場を視察しましたが、林道整備の目的、趣旨はどこにあるのかと問いたいほど狭い林道を使って建設残土の搬入が行われており、林地開発の名のもとで、林道が本来の使用目的外で使われている実態も崩落原因の一つと思えてなりませんでした。  県では、二〇〇六年から林道整備の主体を、低コスト林業団地による林業経営に方針転換していますが、それに伴って、これまで市町と進めてきた林道整備は全くと言っていいほど中止され、方向転換場所を確保して一部を供用する状況に陥っています。低コスト林業団地による林業経営は、県内林業の現状と将来を考えるときに是とするものですが、施策の方針転換が真に県内林業振興に大きな責務を担うという覚悟が伴うものでなければなりません。  折しも、きょう十月一日は、山県郡北広島町に整備された木材集出荷施設が稼働を開始した日であります。県の林業にとっては、官民挙げて林業活性化に向けてスタートを切った記念すべき日でもあり、県が進める低コスト林業団地からの間伐材の利用促進を初めとして、県産材の生産・流通拡大による地域経済の活性化と森林の育成に大きな期待が寄せられています。そのためには、木材供給を初めとして、安定した施設の稼働に向けた支援策が必要であることは言うまでもありません。  そこで、低コスト林業団地による林業経営の促進に伴って、これまでに整備してきた林道をどのように活用しようと考えておられるのか、また、林道が本来の趣旨に沿ったものとして使用されるためにも、県が進める低コスト林業団地による林業経営において、林業振興、森林の育成、保全にどれだけの効果を上げるものと考えて整備を進めようと考えておられるのか、あわせて知事にお伺いします。  林道建設に関しては、県は大きな課題を投げかけられています。  解散した緑資源機構が進めていた幹線林道計画を引き継ぐかどうかにつきましては、いずれ決定しなければならない時期がやってきます。しかしながら、まずは既存の林道を利用して林業振興や森林保全を行うべきであり、決して幹線林道の完成ありきで進めることがあってはならないことは、これまでの林道建設がもたらした実態を見るとき、明らかであると私は思います。  つくることを目的とした林道整備から抜け出し、費用対効果を検証しつつ、真に林業振興に必要な林道のあるべき姿を探っていく必要があり、次世代に結論をゆだねるくらいのゆとりを持って、性急に結論を出すことのないよう要望いたします。  質問の第五は、サイバー犯罪への対応についてであります。  今後五年でピーク時の半減を目指すという「減らそう犯罪」広島県民総ぐるみ運動の行動目標は、計画期間の最終年である二〇一〇年を待たずしてほぼ達成という成果を上げており、また、二〇〇四年ごろから始まった振り込め詐欺に対しても、全国で被害が増加傾向にある中で、本県は、昨年末の認知件数は前年と比較して四分の一、被害額も五分の一以上減少させることができました。これも、県警はもとより県民、市町行政の連携した取り組みの成果であり、敬意を表しますとともに、引き続き、体感治安の向上に向けた取り組みをお願いしたいと思います。  一方、インターネットなどを使った犯罪、いわゆるサイバー犯罪に関しましては、相談件数が、二〇〇三年は三百三十五件だったのに対し、二〇〇八年には千四百八十二件と、約四・四倍に増加しており、架空請求メールだけを取り上げると、五倍以上に急増しております。  サイバー犯罪には、詐欺、不正アクセス、性犯罪に大きく分けられ、インターネットの掲示板に誹謗中傷する書き込みや個人情報が無断で掲載されるケース、あるいはIDやパスワードが盗まれて不正アクセスなどを受ける被害などがありますが、出会い系サイトなどによる性犯罪も発生しており、県内でも教育現場を巻き込み、教育に対する信頼を失わせるような事件が多発していることは残念でなりません。  さらに、大学生などによる薬物汚染が社会問題化しておりますが、気軽な気持ちや好奇心によって大麻の売買を行い、やがてMDMAや覚醒剤などへと手を染めていく危険性が指摘されており、県内においてもインターネットを通じた大麻事犯が急増している実態があります。  警察本部におかれては、サイバー犯罪対策室を設置し、急増するさまざまなサイバー犯罪に対応しておられますが、「減らそう犯罪」や振り込め詐欺への対応と同様に、強い意志を持って、さらなる県民挙げての取り組みを推進する必要があるのではないでしょうか。また、成果を着実に上げていくためにも、サイバー犯罪への体制の充実も図る必要があると思いますが、あわせて警察本部長にお伺いします。  最後に、教育委員会審議のあり方についてお伺いします。  県教育委員会会議が決定した県立学校の生徒募集について、保護者から納得できないという意見が寄せられました。本日は、その内容を保護者にかわって質問させていただきたいと思います。  質問の第一は、なぜ学校をなくすのですかというものです。  先般の八月六日の教育委員会会議において、大和高校と白木高校の来年度の生徒募集停止を決定しました。しかし、保護者や地域の人からは、生徒募集停止というのは学校がなくなるんですよね、どうしてですかという意見が多く聞こえ、今では、県教育委員会に対して大きな不信と不満になっています。  そこで、大和高校と白木高校の生徒募集停止の議案について、どのような判断に基づいて可決されたのか、県民の皆様にわかるように説明してください。  質問の第二は、教育委員会は、学校に来て私たちの話を聞いてくれましたかというものです。  教育委員の責務を全うする上で極めて重要な役割として、市民の意見や地域の意見を教育行政に反映させるということが挙げられます。これがレーマンコントロールの趣旨であります。県立学校再編整備基本計画の実施に当たっては、県教育委員会事務局が関係する市町を回り、首長や教育委員会に計画の説明を行い、また意見を聴取しています。  六月定例会の議会答弁議事録を見ますと、住民の意見を聞いていただく場を公的にとっていただきたいとの質問に対して、教育長は、意見をお伺いするのは、私どもとしては当該の市町、さらには市町教育委員会、せいぜい地元の市町の議員までではないかと答弁をしています。しかし、この答弁では、県民の皆様に教育委員会がなぜ募集停止を決めたのかわからないのもむべなるかなという気がいたします。  冒頭申し上げたとおり、教育委員は、市民の声、地域の声を教育行政に反映させることが課せられた重大な責務です。教育行政が聞かないところの声を聞くことで、事務局が付議した議案の適切な審議を得ることができるものと思います。  そこで、今回、生徒募集停止を審議するに当たって、教育委員の皆さんは現地に入って、地域の意見、保護者の意見を聞かれたのかどうか、お聞きいたします。  質問の第三は、私たちが一生懸命集めた署名は意味がなかったのですかというものです。  今回、教育委員会は、これまでとは異なり、県立学校再編整備基本計画について丁寧に説明を行い、意見聴取し、理解を求めるとして関係市町を訪ねています。そのため、例年七月に決定される生徒募集停止についての審議が八月にずれ込んだ経緯があります。  しかし、丁寧な説明を行ったことで、これまでになく県内各市町議会から再編整備基本計画の見直しを求める意見書が採択されました。県教委事務局の資料によりますと、市町議会から提出された意見書は、安芸太田町、竹原市、尾道市、東広島市、三原市、大崎上島町、三次市、庄原市の八市町です。市町要望書は安芸高田市、東広島市、庄原市、三次市、廿日市市の五市、署名は、大和高校関係七千筆、白木高校関係九千四百四十三筆、市民団体五万四千百三十八筆が提出されています。過去に、これほど県内の市町議会から意見書が採択・提出されたことはないと思います。  そこで、市町議会から提出された意見書や要望、署名は、八月六日の教育委員会会議に付議された生徒募集停止の議案審議にどのように反映されたのでしょうか。  以上三点について、まとめて教育委員長にお尋ねいたします。  以上で私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) 15: ◯議長(林 正夫君) 当局の答弁を求めます。知事藤田雄山君。         【知事藤田雄山君登壇】 16: ◯知事藤田雄山君) 東議員の御質問にお答え申し上げます。  まず、温室効果ガス排出量の削減に向けた取り組みについてお尋ねがございました。  温室効果ガスの削減を着実に進めていくためには、これまでの普及・啓発を中心とした施策を一層強化するとともに、新エネルギーの導入や省エネルギー対策に積極的に取り組んでいく必要があると認識いたしております。  このため、今年度から広島県グリーンニューディール基金事業として、県民の住宅への太陽光発電の設置や事業者の省エネ改修への支援、県民の利用が多い公共施設への太陽光発電の率先導入などを実施することといたしております。この事業により、二酸化炭素排出量の削減を図りますとともに、多くの県民が太陽光発電などの具体的効果を認識する機会がふえることで、その普及拡大につながることを期待いたしております。  今後も、基金事業の推進に当たりましては、市町と連携を密にし、県民、事業者への制度の十分な周知を図り、集中的に実効性のある地球温暖化防止対策に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、LED関連産業への支援についてお尋ねがございました。  低炭素社会の実現に向け地球規模の取り組みが求められる中、環境と経済の両立を図り、本県経済を発展させていくためには、環境関連産業の集積を促進していくことが、極めて重要であると考えております。  このため、すぐれたものづくり技術や人材の集積など、本県の強みを生かしながら、産学官の連携による環境関連製品・技術の研究開発への支援や企業誘致など、環境・エネルギー分野に取り組んできたところでございます。
     特に、県東部地域を中心に企業の参入が始まっておりますLED関連分野は、今後、大きなビジネスチャンスのある分野であり、こうした企業群が大きく成長するためには、県内産業の一層の技術の向上が不可欠でございます。  今後とも、既存産業のさらなる技術の向上を図るため、ひろしま産業創生補助金等により技術開発を支援いたしますとともに、LEDを初めとする環境関連産業の集積を促進することにより、地球温暖化対策の推進と県経済の持続的発展を図ってまいりたいと考えております。  次に、林道整備と低コスト林業団地の推進についてお尋ねがございました。  林道につきましては、効率的な林業生産の確保や森林の適切な保全管理、山村地域の活性化などの役割を担うものとして、関係市町の要望を踏まえつつ整備を進めてきたところでございます。  これまで整備してきた林道につきましては、こうした役割を十分果たせますよう、森づくり事業を通じた都市と山村の交流などに活用するとともに、低コスト林業団地におきましては、間伐や林道に接続する作業道の開設など、森林産業を促進するために、今後さらに活用してまいりたいと考えております。  また、林道は、低コスト林業団地の整備を推進している中で、高性能林業機械を導入した効率的な木材の搬出や間伐などの適切な森林育成に取り組む上で、大きな効果を発揮するものと考えております。  今後とも、林業生産への効果発現の程度や低コスト林業団地の整備状況などを踏まえまして、計画的な林道整備に取り組んでまいりたいと考えております。  その他の御質問につきましては、担当説明員より答弁いたさせます。 17: ◯議長(林 正夫君) 環境県民局長平田光章君。         【環境県民局長平田光章君登壇】 18: ◯環境県民局長平田光章君) 公共施設へのLED照明の導入についてお答えいたします。  県は、温室効果ガスを排出する事業者として、事務事業の執行に当たっては、電気やコピー用紙の節減、廃棄物の減量などにより、率先して環境への負荷の低減に努めているところでございます。  省エネ性能の高いLED照明器具につきましては、設置工事費を含めた初期コストが高いことなどから、現時点では県の公共施設にはほとんど導入していない状況でございます。しかしながら、さらに省エネ対策や環境対策を推進していく観点から、照明器具のLED化も有効な方策の一つであると考えております。  公共施設へのLED照明器具の導入に当たりましては、当面その効果を発揮することが期待できるホールや廊下などの共用部分への設置を検討してまいりたいと考えております。 19: ◯議長(林 正夫君) 健康福祉局長迫井正深君。         【健康福祉局長迫井正深君登壇】 20: ◯健康福祉局長迫井正深君) がん診療連携拠点病院の指定についてお答えいたします。  本県では、一定の機能を有する医療機関が幅広く参画し、検診や治療などの役割に応じて連携するがん医療ネットワークの構築に取り組んでおり、がん診療連携拠点病院は、このネットワークにおきましても重要な役割を担っていただいております。  一方、昨年三月に改定されたがん拠点病院の新たな国の指定基準では、緩和ケアチームにおける専門医の配置、病理診断医の配置、相談支援センターにおける相談員の拡充などを求めておりまして、施設にとって非常に厳しい条件となっております。  また、原則として一医療圏に一拠点病院とする国の方針がある中で、本県におきましては、既に七つの医療圏すべてについて合計十病院が指定されておりますことから、新規の指定が認められることは非常に厳しい状況にございます。  このような状況を十分に踏まえました上で、広島県地域保健対策協議会におきまして、既存病院の指定継続とともに、既存病院と同等以上の実績を有する病院がある場合の新たな指定推薦の是非を含めて検討し、今月末に国へ推薦することといたしております。  県といたしましては、引き続き、がん拠点病院の指定とともに、本県独自のがん医療ネットワークの構築を推進することによりまして、県民の皆様が必要ながん医療を受けられますよう、全力を尽くしてまいりたいと考えております。 21: ◯議長(林 正夫君) 企画振興局長妹尾幸太郎君。         【企画振興局長妹尾幸太郎君登壇】 22: ◯企画振興局長妹尾幸太郎君) 凍結含浸技術の活用についてお答え申し上げます。  凍結含浸技術は、高齢化が進展する社会において介護食、医療食への活用など大きな需要が見込まれることから、県内はもとより、世界に通じる技術として研究開発に取り組んでおります。  取得した特許権については、活用を希望する企業等に対して、現在、県内を中心に三十四の企業や医療法人に実施許諾を行っており、そのうち五件が既に実用化を果たしておりますが、なおメニュー開発や製造ライン、生産コストなどの課題を抱えております。  県といたしましても、製品化、実用化を促進することが広範囲の貢献につながるものと考えており、企業等の利用目的に即応した課題に対して、特許の許諾契約に基づいた技術指導を行うとともに、共通の課題について、企業等と連携して研究開発に取り組むこととしております。  今後は、県の試験研究機関として、県内企業や施設での展開を基本としつつ、国際特許の出願を行っておりますアメリカなどへの国際展開も視野に入れ、大規模な製品化が可能な企業への技術移転が図られるように努めてまいります。 23: ◯議長(林 正夫君) 教育委員会委員長職務代理者二宮 皓君。         【教育委員会委員長職務代理者二宮 皓君登壇】 24: ◯教育委員会委員長職務代理者(二宮 皓君) ただいまの教育委員会審議のあり方について、お答えさせていただきたいと思います。  このたびの白木高校及び大和高校の生徒募集停止の実施に当たりましては、当該校の入学者状況や地元中学校からの進学状況、さらに将来の生徒数の推移などを検討し、加えて、学校の所在する地域の状況等をさまざまな観点から考慮して総合的に検討した上で決定したところでございます。  また、教育委員として、このたびの募集停止に際して学校を訪問したことはございませんが、これまでさまざまな機会をとらえて、学校の教育活動の状況の把握には努めてまいったところでございます。  また、募集停止の審議に当たりましては、校長を通じて、PTAや同窓会など地元関係者の状況を聞いたり、存続の要望や募集停止反対の署名の提出の機会に事務局職員が直接話をお聞きし、その内容について説明を受けたりしてきております。  多くの署名や要望書が提出されたことを重く受けとめまして、慎重な審議を行ってきたつもりであります。その中で、地元に十分に情報が伝わっていなかったのではないかという意見や、昨今の厳しい経済事情等の中から、中山間地域の小規模校の募集停止には慎重であるべきだといった意見があったかと思います。その一方で、各学校が特色づくりの努力をしていく中でも小規模校化した場合には、より適正な規模の高等学校で、中学生本人が望む教育を提供していくのが私ども教育委員会の務めではないかという意見もございました。  会議では、各委員が十分に議論を尽くした結果、高等学校では、一定規模の集団の中で多様な科目や部活動を選択でき、互いに切磋琢磨することができるよりよい教育環境を整えることが必要であるという考え方から、このたびの二校の募集停止を決定したものでございます。 25: ◯議長(林 正夫君) 警察本部長岩崎和彦君。         【警察本部長岩崎和彦君登壇】 26: ◯警察本部長(岩崎和彦君) サイバー犯罪への対応についてお答えいたします。  サイバー犯罪につきましては、検挙件数、相談件数とも年々増加し、その手口も悪質・巧妙化しており、深刻な状況でございます。  このようなサイバー犯罪被害の防止を図るためには、県民、事業者、行政等、多様な主体と連携・協働した県民運動としての展開が必要であると考えております。  このため、県警察では、関係機関を初め、プロバイダー等通信事業者で構成された広島県インターネット・セキュリティ対策推進協議会など民間団体と連携し、広く県民の皆様に広報啓発活動を行っているほか、小・中・高校生、教職員等を対象とした犯罪被害防止教室や講演会を開催するなどの取り組みを幅広く展開しているところでございます。  サイバー犯罪対策の体制といたしましては、警察本部内に生活安全部長を長とするサイバー犯罪対策本部を設置し、また、全警察署にサイバー犯罪捜査員を配置するなどの体制の充実を図っているほか、捜査員個々の技能向上にも努めているところでございます。  今後とも、日々変化するサイバー犯罪情勢に的確に対応するため、捜査体制の充実強化を図ってまいりたいと考えております。 27: ◯東 保幸君 議長……。 28: ◯議長(林 正夫君) 再質問を許します。東 保幸君。 29: ◯東 保幸君 教育委員会における審議について再質問させていただきます。  今の答弁で学校関係者がどれだけ納得されたかと思うときに、現地に入らないでこれほど重い決定をされたことに、憤りを超えて、ただただあきれ返ったとしか言いようがない。まさに事務局から提案の説明があったものをそのまま追認して可決したとしか言いようがありません。  例えば、入学率、地元率、交通の便等さまざまに総合的に勘案すると答弁がございました。昨日は、大和高校のことが触れられておりますので、本日は白木高校について触れさせていただきます。  今、白木高校の地元率─この地元率というのも極めていいかげんなものであることはもう御承知だと思いますからここでは申し上げませんけれども、県教委が言う地元率が、なぜ下がったのか、教育委員長、御存じですか。私から説明させてもらいますけれども、これは、二〇〇六年から県教育委員会が進めてきた特色ある学校づくりが一番大きな原因なのです。特色ある学校づくりとは何かといえば、地域の方から信頼されて、地域のニーズに合った教育活動を展開するものなのです。  今、特色ある学校づくりといえば、他の学校においてはみんな一つの物差ししかないのです。どれだけ生徒を国公立大学に入れるかという一つの物差ししかないわけです。では、すべての学校が国公立大学を目指せるか。現実、そうはならないのです。では、中山間地域に所在する小規模校はどこに特色を求めるか。この学校は、生徒一人一人の入学後の学習状況がすごく向上しているのです。御存じですか。さらに、不登校ぎみであった中学生でも、白木高校に入って毎日通えるようになったという声がいっぱい寄せられております。これも多分委員長のところにも届いていると思います。まさに、教育委員会が進める特色ある学校づくりで、校長を中心として教職員が一致団結して生徒を育てたわけです。そのことによって、近隣の中学から白木高校に行ったら子供を育ててくれるという、中学生にも信頼され、学校にも信頼され、保護者にも信頼された。そのことが、結果として皮肉なことですけれども地元率を下げた。ですから、一生懸命教育委員会が言うとおり頑張った、頑張って何で募集停止をされないといけないのだということが思いとしてあるわけです。  さらには、これに続く中学生にとってみても、極めてこれは重要な問題です。別の近隣の高校を一学級ふやしたら、そこが吸収してくれるというものではないのです。こういった実態があるということを踏まえての審議であったかどうか、お聞きします。  二点目、これまでの教育委員会会議の中において、このたび付議された議案に一名賛成されない方がおられました。まさに教育委員会の歴史の中においても特筆すべきことだと私は思います。その他の議案、これまでは皆すべて全員一致で可決されてきているのです。追認しているわけです。これが教育委員会の形骸化の危機ではないのですか。そういう自覚はございますか。  ちなみに、今、どんどん統廃合が進められていく根源にあるのは財政です。皆さんは市民の中から知事に任命されて、議会も同意しているわけですが、財政でいえば、月額二十一万六百円、大変大きな額です。これほど県民、市民から重大な責任を追わされているという思いがあるかどうかということです。お答えください。  三点目、このたび、県立高等学校再編整備基本計画について丁寧に説明したがゆえに、計画実施年度の平成二十一年から、県内八市町から意見書が採択されています。これこそ、まさに市民、県民の声です。この声を重く受けとめるだけで済むのでしょうか。では、それ以上に重いものは何があったのか。重いものがあったからこそ可決されたと思うのです。県民、市民の意見以外に重いものが教育委員会にはあるのですか。そのためのレーマンコントロールではないのですか。これについて意見を求めます。  たくさん申し上げましたけれども、本日初めて説明員席に座られて、大変答えにくい部分もあろうかと思いますが、よろしくお願いします。 30: ◯議長(林 正夫君) 当局の答弁を求めます。教育委員会委員長職務代理者二宮 皓君。         【教育委員会委員長職務代理者二宮 皓君登壇】 31: ◯教育委員会委員長職務代理者(二宮 皓君) まず、追認ではなかったのかという再質問でございますが、県立高等学校再編整備基本計画は、平成二十一年度から二十五年度までについてということが決まっておりまして、それに基づいて事務を遂行していかなければいけない。それについて教育委員会は、住民あるいは県民の方々の御意向も尊重しながら審議し、決定していくものだと思っております。その中にあって、今回追認だというよりは、むしろ十分に審議させていただいたわけですが、現地の学校を視察しながら意見を聴取するということはしておりませんが、たまたまお越しいただくことができましたので、地元の方々とも二時間にわたって十分に意見交換をさせていただいたところでございます。  御質問は、地元率とは一体何なのだということだと思います。特色ある学校づくりで特色をつくらせておいて、他方で、地元率がどうかというものの考え方はどうなのかという御質問の趣旨だったかと思います。  小規模校と言われる一学年一学級の学校を見ていきますと、大変歴史もありますし、今、白木高校の御紹介がございましたが、白木高校のPTA等の会報なども見せていただきますと、大変すぐれた教育実践をなさっているということも承知の上で申し上げておりますけれども、一学級という学級規模の問題もありながら、地域の学校は地元に支えられてきて、長い歴史を過ごしてこられたと理解しております。そういう状況の中にありまして、一番近い、地域の中学校から子供さんが行かれない。そもそも、普通科について通学区域を全県一元化したのは、学校の特色をつくって、子供たちが選んで、自分の学びたいところで学べるようにしようではないかということもあった中で、地元から支えてもらいたい、地元から子供さんがその学校に行かれないということについて、少し厳しく受けとめさせていただいたところもある、そういう意味での地元率という概念を使わせていただきながら、今後、こういう一学年一学級の学校のあり方というものをどうのように考えていけばいいかという議論をさせていただいたところでございます。  それから、一名賛成しなかった人がいる。教育委員会の審議にはルールがございまして、多数決で議決することができるとなっております。今まで、全員一致の決議を行ってきた教育委員会かもしれませんけれども、各委員がそれぞれの地域の事情も勘案しながら、そして、御自分の常識や良識を根拠にしながら判断していただいて、教育のあり方、あるいは基本方針を審議していくということは決して間違ったことではなく、むしろ、あるべきことではないかと思います。そういう意味で、今回は本当に難しく、地元にも大変大きな影響を及ぼす重大なことであったので、慎重に、慎重に深く意見交換をした結果、その方が賛成できないという意思表示されたことは、教育委員会が真正面から審議してきたあかしであると私は思っております。  それから、意見書、要望書でございますが、それは本当に県民や地域の皆さん方の強い強い意志ということでありますので、それを今後ますます重く受けとめて、県の高等教育行政のあり方を、これまでの整備計画と調整しながら、教育委員として十分慎重に検討、勉強させていただくべきではないかと思っております。 32: ◯東 保幸君 議長、再々質問。 33: ◯議長(林 正夫君) 再々質問を許します。東 保幸君。 34: ◯東 保幸君 教育委員長の答弁をお聞きするに当たり、現地に入ったら全部わかるとは言わないけれども、やはり現地を見て、校舎がどこに立っていて子供たちがどのように通っているのか、地域とどのようにつながりながら学校が歩んできたのか、後期中等教育を担ってきたのか、地域に入らなければわからないですよ。学校がなくなったら、子供たち、生徒たちは今度はどのように通学していくのだろうか、そんな思いをはせて審議をされたかどうかということです。ただ、事務局から付議されたことについて重く受けとめます、それでだれが納得できますか。  冒頭説明があったように、地元率、要するに教育委員長としては、地域の生徒から選ばれなかったという思いがあるのだろうと思います。そうではないのです。私の説明不足かもしれません。教育委員会が進めてきた特色ある学校づくりで、白木高校は人気が出たのです、評価されたのです。だから、志願倍率が高くなったのです。ということは、学力が上がったときに、全部が全部地元から入れるわけがないではないですか。ある意味では、教育委員会が進めてきた大きな成果なのです。今、その成果の一つを、教育委員会は現地にも入らず、不十分な審議のもとに大事な人材育成の拠点を二つ失おうとしているのです。  先ほど申しましたけれども、意見書がここまで上がってくることもない。今回の四日間の審議でも、三会派三人が取り上げているわけです。それほどに県民にとっては大きな関心だということをどこまでわかっているのか、それすらも不思議でなりません。  教育委員会制度が始まって、もう六十一年、明らかな制度疲労です、形骸化です。教育委員会が、県民や市民から遠くなった、何をしているのだろうと言われても仕方がない。政権交代になり、民主党もまた、教育委員会制度の見直しを掲げているわけです。まさに、教育委員会の危機にあるわけです。委員みずからが自己改革して努めていかなければならないと私は思います。  もう一度現地に入って、関係者の声をしっかり聞いてつくり直すことも必要ではないのですか。それくらいの英断があってしかるべきだと思います。教育委員長、どうでしょうか。 35: ◯議長(林 正夫君) 当局の答弁を求めます。教育委員会委員長職務代理者二宮 皓君。         【教育委員会委員長職務代理者二宮 皓君登壇】 36: ◯教育委員会委員長職務代理者(二宮 皓君) これまで、さまざまな機会をとらえて、学校の教育活動あるいは地域の状況の把握に努めてきているつもりでございます。そういう意味では、今後とも積極的にあらゆる機会を通して、それぞれの状況の把握に努めてまいりたいと思っております。  また、個別の状況やさまざまな御意見を踏まえて、高等学校の再編整備につきましては、慎重に検討してまいりたいと思っております。 37: ◯議長(林 正夫君) 引き続いて質問を行います。間所 了君。         【間所 了君登壇】 38: ◯間所 了君 皆さん、こんにちは。自由民主党広島県議会刷新議員会・県民会議の間所 了でございます。いよいよ九月定例会も私が最後の質問者となりました。藤田知事も議場での答弁が最後となり、さまざまな思いが脳裏をめぐっていることと思います。私も、非常に感慨深いものを感じております。  さて、藤田知事は平成五年、竹下知事の後を受け、生活県ひろしまづくり、個性豊かな人づくり、社会基盤を生かすソフトづくり、男女共同参画型社会の実現、魅力ある産業の確立の五つの公約を掲げて当選されました。二百八十万県民は、知事の若さと行動力に広島県の将来を託し、知事は四期十六年を広島県の顔として、日本一住みやすい広島県づくりを目指して、今日まで全力を傾注してこられたのであります。  当時の経済は、政府の総合経済対策や緊急経済雇用対策など、たび重なる景気対策の実施にもかかわらず不況が長期化する中で、企業の業績の悪化に伴う雇用調整の動きも見られる厳しい状況にありました。また、長期化する不況への対応を初め、ポスト・アジア競技大会、高齢化、国際化など、対処すべき多くの課題が山積しており、それだけに、知事に対する県民の期待は大きいものであったと認識しております。  その中で、「尽くすありて報いなし」を座右の銘として、また、人の上に立つ者は、みんなが憂う前に憂い、被害がみんなに及ばないようにする。また、事件が無事に解決し、みんが安心して喜んでから喜ぶべきであるという先憂後楽を常に県政推進の基本に置き、持ち前の手腕を発揮してこられたのであります。  私も、当時の知事と同じくらいの年齢で、県議会議員として社会正義の実現を目指して政治に取り組んできたことから、四十四歳の最年少の知事の誕生はまことに心強いものであり、頼もしく思っておりました。  自来、分権改革、行財政改革、教育改革など大改革を推し進めるとともに、一方では、知事みずから地域を訪れ、地元の人々と意見交換を行う「You雄トーク」などを数多く開催し、県民と協働して元気な広島県を実現する、こうした地道な活動にも日夜邁進されてきたのであります。  四期十六年という任期に対して、多選批判はあるものの、私としてはできることならと期待していただけに、新しい方に県政を推進していただく、そういう時代の転換期に来ているという発言を六月定例会の議場で聞いた際には、一抹の寂しさを禁じ得ず、感慨無量でありました。  知事には、この定例会での登壇が最後となります。これまで知事が取り組んでこられた分権の究極の形である道州制は、鳩山新政権においては不透明な状況にありますが、地域主権を確立する上で必要であり、その中で、広島都市圏の中枢拠点性の機能強化については、次の知事におかれても取り組まなければならない重要な課題であると認識しておりますので、幾つかお伺いいたします。  ところで、私の藤田知事に対する初めての質問は平成六月九月定例会でありました。あっという間に十五年の歳月が流れておりますが、私は、昨日のことのように覚えております。このときの私の質問は、地方の時代を勝ち抜くための広島都市圏の都市基盤の整備や広島空港の充実などをお伺いし、知事からは、努力してまいりたいという前向きな答弁を数多くいただきました。  今日、新球場や都市高速道路などの一部は完成しておりますが、さらなる広島都市圏の機能強化に向け、知事の思いをいま一度お聞かせください。  一点目は、広島駅周辺の道路ネットワークの強化についてであります。  二葉の里地区は、だれもが注目する中四国地域最大の大規模な開発が可能な地域であり、その開発による経済波及効果も大きいのであります。このため、この骨格をなす都市基盤の整備のおくれによる損失がはかり知れないものであることは、だれしも認めるところであります。それゆえに、広域交流ネットワークを形成する高速道路の早急な整備と周辺道路のネットワークが必要と考えます。  昨年三月、この二葉の里地区のまちづくりについて、中国財務局、広島県、広島市、JR西日本の四者が基本計画を策定しております。この計画においては、広島の陸の玄関としての機能集積と、景観や住環境の両面に配慮し、中四国地方最大の広域交通ターミナルを生かした玄関口として、多様な都市機能が高いレベルで集積した複合的なビジネス拠点を創出する方針であります。都心居住、医療・福祉などのあらゆる機能を持つ土地の高度利用形態が実現した暁には、知事の言われる、住んでみたい、住み続けたいと実感できるエリアとなることは、だれしも疑う余地はないのであります。  駅周辺のまちづくりの一部である夢の器、新球場が三月末に完成し、にぎわいを見せる中、若草町地区では高層ビルが姿をあらわし、平成二十三年の春の九州新幹線の全線開通に向けて開発されたつばめ新八〇〇系の車両も営業運行を始めており、景気後退に沈む広島にとっての明るい動きも現実のものとなりつつあるのであります。  こうしたまちづくりの計画における土地区画整理事業が動き出しております。また、広島駅北口のペデストリアンデッキも来年度着工されます。さらに、広島駅は中四国最大の交通ターミナルであり、広域からの患者の受け入れが可能な立地であることから、二葉の里地区には高精度放射線治療センターの建設に係る提言が経済団体から出されており、中枢拠点性の魅力を高める動きもあります。  ここで私が憂慮しているのは、こうした計画に連動が不可欠な交通基盤整備のおくれであります。駅周辺の朝夕の混雑、新球場での地元試合時の交通渋滞は予測されていたものの、その影響は周辺地域に及んでおり、広島都市圏の中枢拠点性の向上に向け、広島の陸の玄関となる広島駅周辺の役割を考えた場合、広域交通ネットワークを形成する高速道路の早急な整備が必要と考えます。  そこで、こうした都市基盤の整備と連動した高速道路網の整備、特に広島駅周辺市街地と広島空港をつなげる高速道路の整備を殊さらに急ぐ必要があるのではないでしょうか。また、駅周辺の交通渋滞の緩和に向け、早急に道路ネットワークの強化を図ることが重要であると思いますが、広島市とどのような連携が必要とお答えでしょうか、お伺いいたします。  二点目は、広島空港の機能強化についてであります。  まず、広島空港の利用促進対策と国際航空路線の誘致についてであります。  広島空港は、年間三百万人以上が利用し、国際定期路線の運航便数が全国で六番目のネットワークを形成し、中国・四国地方の地域拠点空港として着実に成長しております。また、三千メートル滑走路の供用、CAT-IIIbの運用によりさらに機能強化され、広く認知されてきたグローバルゲートウェーとしての広島空港でありますが、それだけに、景気後退を受けた航空会社の路線廃止が打ち出される中、県にはさらなる活性化を図るための努力が求められるのであります。  これまで、空港の利用促進については、東京便を初めとした増便や運航スケジュールの充実・改善に取り組むとともに、広島高速道路などの整備に取り組まれておりますが、ことし八月末での対前年度比較では、国内線、国際線ともに九割程度であり、さらに特色ある独自の対応が急がれるのであります。  こうした中、広島県の平成二十年の外国人観光客数を見ますと、アメリカ、中国からの人数が多く、特に、ことし七月からの観光ビザ発給条件の緩和により中国の富裕層の大幅な増加が期待されており、こうした機会に空港施設の機能や受け入れ体制の充実・改善が必要であると考えます。  そこで、将来の道州制などを見据えた上でも、さらなる路線の拡充や他空港にはない魅力機能の向上により、利用者の増加に努めなければなりませんが、年間五百万人の利用客を目指す今後の広島空港にどのような利用促進対策が必要であると考えているのか、お伺いいたします。
     また、米国本土や欧州への直行便の就航が可能な三千メートル滑走路を持つ岡山空港は、広島空港から九十キロの圏内にあり、両空港が国際空港路線の誘致合戦を繰り広げるのではなく、競合しない路線の共同誘致に向け協調すべきでないかという考え方もありますが、どのようにお考えか、お伺いいたします。  次に、広島空港の利用促進とあわせてお伺いしなければならないのが、軌道系アクセスについてであります。  さきの質問で広島駅周辺の道路ネットワークの強化についてお伺いしましたが、高速道路料金の大幅割引に伴い、ゴールデンウイークやお盆、また、先週のシルバーウイークでも、山陽自動車道の各地で渋滞が発生しております。このような状況にある高速道路では、さらに新政権において高速道路の無料化を掲げており、北海道や九州での無料化が先行実施されるとも聞いております。  仮に広島市周辺の無料化が実施された場合、大渋滞により、高速道路の高速性・定時性といった優位性は封印され、その機能が麻痺するとともに、中国・四国地方における中枢的な役割を担う中枢都市としてどうなのかという疑問を持たれるのではないかと大変憂慮しております。  そこで、事実上断念された広島空港の利用促進に資する軌道系アクセスへの率直な思いをお聞かせください。  三点目は、広島港の交流拠点の形成についてであります。  昨年の大手不動産会社アーバンコーポレイションの経営破綻は、広島県経済に大きな衝撃を与え、市内の大型プロジェクトに多大な影響を及ぼしております。また、宇品内港では、中学校と公民館の建設を予定していた公共施設地区から商業・業務施設地区への変更がなされ、子供の教育環境を考慮して転居した住民の期待が外れるものとなっております。さらに、ことしの八月にはメッセ・コンベンション等交流施設用地の用途変更案に市立広島特別支援学校の移転が盛り込まれました。  これまで県は、港湾計画では学校の立地を想定していないとの理由により、昨年四月から広島市と協議を続けていましたが、土地利用全体を見直す中で学校を建設しても支障がないと判断したとしております。  こうした土地利用計画の変更は、当初の港湾計画から二十年近くが経過していることや県の厳しい財政状況などにより、その時期の諸情勢からやむを得ない判断があったものと思いますが、広島の海の玄関として将来を見据えたものとして判断したのか、いささか疑問に感じております。  そこで、中国地方の政治、経済、文化の交流拠点として、また、世界に開かれた国際港湾都市の玄関口として大きく期待されている広島港の土地の利用計画をどのように方向づけ、国際的な人・物・情報の交流拠点の形成を図ることが必要であるとお考えでしょうか、お伺いいたします。  次に、さらなる地方分権の推進について要望いたします。  真に地方の自主性・自立性を確保するためには、地方税財源の確保は欠かすことのできない課題であり、県独自の提案や全国知事会を通じた税財源の移譲に向けた積極的な要望活動などの多くの取り組みがなされてきたところであります。  こうした中で、新たな政権では、知事会が最重視している国と地方の協議の場の設置を確約しており、これによって分権型社会の構築が大いに前進することを期待するものであります。鳩山総理は、以前より、地方分権という言葉自体がへりくだり過ぎている。むしろ地方主権であり地域主権でいいと、国と地方のあり方を根本から変えていく決意を述べており、さらに、民主党の党内には地方分権改革推進委員会の勧告よりもさらに推し進めた分権を進めるとの意見も聞いております。  今後とも、こうした動きが加速化されますよう、知事会などとともに連携を図り、さらなる国の改革推進に向けた働きかけを強めるなど、真の分権社会の実現に向けて積極的に取り組まれることを強く要望いたします。  さて、冒頭でも申しましたが、知事には先憂後楽の心構えを持って、四期十六年で築かれた輝かしい功績を残されました。平成の大合併では八十六市町村が二十三市町と、全国一の市町村数の減少率となる再編を進め、特に広島型分権システムは、事務や権限の移譲により、現在、県から市町には対象事業の七割以上の事務が順調に移譲されており、福祉行政の総合化やパスポートの交付など、住民に身近なサービスが提供されております。  県において、合併後のきめ細かなフォローアップにも努めていることは、多方面から聞き及んでおります。  行財政改革では、職員数の削減によりスリム化を図り、また、プライマリーバランスの早期黒字化を目標設定し、普通建設事業費などの削減に取り組み、平成二十年度の決算では、実に四十七年ぶりとなる黒字を見事に達成したのであります。  全国に先駆けて取り組まれた数々の行財政改革は、痛みを伴いながら、ようやく今日の姿となりましたが、不十分な内容に終わった三位一体改革の影響もあり、依然として厳しい財政環境にあることは変わりません。今後も、これまで選択と集中により行ってきた改革を推し進め、ありとあらゆる手段で持続可能な財政構造の確立に努めていただくことを望むものであります。  次は、教育改革であります。  未来に向けて広島県が魅力的で元気であり続けるためには、活力ある人づくりが重要であり、その意味でも、教育の果たす役割は極めて大きいものがあります。  平成十年、当時の文部省から受けた是正指導に対して、知事がみずから先頭に立ち、教育の中立性と公開制を柱に、県民から信頼される公教育の実現に向けて、教育委員会とともにさまざまな改革・改善に全力を挙げて取り組まれた実績を高く評価するものであり、広島県政に残る大きな功績は、未来永劫語られるものであります。  現在、全体として公教育の基盤が整うとともに、全国学力・学習状況調査に見られる小中学校の基礎学力の定着や高等学校における進学指導拠点校・重点校の指定による現役での国立大学進学者数の増加、また、いじめや中途退学の減少、さらには道徳教育の改善・充実が図られるなど、知・徳・体すべての面で着実に成果があらわれており、活力ある人づくりの基盤づくりがなされたのであります。  次に、経済再生を図るための積極的な企業誘致であります。  バブル経済崩壊後、県内産業の体力は衰え、製造品出荷額が平成四年以降、低下の一途をたどるこの時期に就任された知事には、大変な御苦労があったと推察いたします。知事は、この状況をものともせず、県内産業をこれまで牽引してきた製造業の活性化とともに、県内産業の高度化に直接つながる電機・電子、情報通信などの成長企業の誘致を進められ、バランスのとれた産業構造へと転換が図られたのであります。  近年の景況から、新たな企業立地は多く望める状況になく、土地造成事業会計は、長期的な視点に立って経営戦略を再構築するなど、抜本的に見直す必要がありますが、時宜を得た知事みずからの積極的なトップセールスは、新たな知事においても期待するものであります。  このほか、主な業績を顧みますと、新たな活力をつくる視点から、中国・四国の連携を強化し、沿岸地域の社会経済や観光交流などを通じた地域の活性化への寄与が期待される開通十周年を迎えた瀬戸内しまなみ海道、また、ひろしま平和貢献構想の一翼を担うユニタール広島事務所の誘致や、タイ国政府通商代表事務所広島など国際関係機関の誘致がありました。  新たな社会の安心を実現する視点から、福祉・医療の充実では、中国地方で初めて周産期医療部門を有する母子総合医療センターを設置、また、全国に先駆けて設置された緩和ケア支援センターは、本県の取り組みが手本となり、全国に広がりを見せていることは大変喜ばしいことであります。  快適な環境づくりの視点では、広島の暴走族の悪名を全国にとどろかせたえびす講の騒動を受け、広島県暴走族追放の促進に関する条例を制定し、また、平成十五年に「減らそう犯罪」ひろしま安全なまちづくり推進条例を制定し、平成十四年度のピーク時には約六万件あった刑法犯認知件数が半減する大きな成果をおさめております。  広島県独自の改革や業績の数々を挙げれば、枚挙にいとまがありません。  一方、先ほども触れました広島空港への軌道系アクセス、広島がんセンターなどの大型事業につきまして、断念や凍結を余儀なくされてきたプロジェクトもあり、苦渋の決断であったと思います。今、振り返ってみますと、バブル崩壊後の公共事業重視の経済対策や、アジア大会、国体などを成功裏におさめる中での厳しい財政状況においては、私も、多くの県民も、やむを得ない判断であったと理解しているところであります。  さて、終わりになりましたが、私と知事の接点などを少しお話しいたします。多少個人情報もありますが、御勘弁願います。  衆議院議員として三十一年間活躍された名誉県民である故灘尾弘吉先生は、昭和二十七年に当時の大原県知事に推されて政界に出られており、藤田知事の媒酌人も務められております。私は、その灘尾先生から県議会議員を勧められ、今、この場におります。灘尾先生は、昭和十六年に、当時最年少の四十三歳で大分県知事を務められ、公平無私な人柄でも知られており、藤田知事にも重なるものがあります。  藤田知事は、藤田正明参議院議員の秘書時代に灘尾先生の後を引き継いだ粟屋先生の個人演説会の弁士に立たれました。現在とは違い、当時は多少ぎこちないところもありましたが、初々しい姿で懸命に訴えておられたことを記憶しております。  それから、知事みずからも参議院議員としての経験を積まれ、広島県政に名を刻まれることとなりましたが、議員の秘書時代から現在まで、私から見た変わらない印象は、一言で申しますと清潔という言葉であります。  全国的には、とかく改革派と言われる知事などが評価を受けている節もありますが、私は、清潔感を持って日本一の改革を進めた藤田知事を評価するものであり、知事の残された数々の偉大な功績は、私たちのふるさと広島県を個性豊かで活力に満ちた地域社会へ導く確かな成果として後世に語り継がれ、また、未来永劫輝き続けるものであると信じてやみません。これまでの御労苦に対して心から敬意と感謝の意を表します。  質問の最後に、藤田県政の十六年を総括した感想と今後の県政について、県民へのメッセージをお聞かせください。  藤田知事の今後ますますの御健勝を心よりお祈りいたし、私の質問を終わります。御清聴、まことにありがとうございました。(拍手) 39: ◯議長(林 正夫君) 当局の答弁を求めます。知事藤田雄山君。         【知事藤田雄山君登壇】 40: ◯知事藤田雄山君) 間所議員の御質問にお答え申し上げます。  まず、広島空港の利用促進対策と国際航空路線の誘致についてお尋ねがございました。  広島空港につきましては、全国で第六位の国際航空路線を有し、年間約三百十万人が利用する中四国の地域拠点空港でありますとともに、我が国の航空政策にとりましても、国際・国内の航空輸送網の拠点となる極めて重要な空港でございます。  しかしながら、一昨年からのオープンスカイ政策の導入による他空港との競争の激化に加え、昨年来、世界同時不況や新型インフルエンザの流行など、輸送需要の減退要因が重なっており、さらには新幹線網の拡大、高速道路に関する政策の転換など、今後の広島空港を取り巻く状況は厳しさを増しております。  このため、利用促進事業の展開、航空会社への支援、多角的な路線誘致などを進めておりますが、今後は、こうした取り組みを一層強化することにより、利便性の向上に努めることが必要であると考えております。  とりわけ、東京線のフリークエンシーの増大によるシャトル便化や国際航空路線の拡充に重点的に取り組むことが必要であり、さらに、空港サービス機能の充実、アクセスの強化などにより、広島空港の拠点性を一層高めることが重要であると考えております。  なお、御指摘の他県との連携につきましては、広島空港における集客圏の拡大を図る上での方策の一つとしてとらえ、今後、そうした広域的な観点での協調について検討すべきものと考えております。  次に、広島港の交流拠点の形成についてお尋ねがございました。  広島港、宇品・出島地区におきましては、広島のグローバルゲートウェーにふさわしい国際交流拠点を形成するため、中四国地域の核となる国際コンテナターミナルの整備やウオーターフロントにおけるにぎわいづくりなどを進めているところでございます。  今般、社会経済情勢が大きく変化する中で、港湾物流の形態や企業ニーズの多様化に加え、メッセ・コンベンション施設などに関する需要の変化や、広島市による特別支援学校の移転要請などに対応するため、地区全体の土地利用計画の見直しを行っているところでございます。  見直しに当たりましては、有識者などで構成する検討委員会を設置しており、新たな保管・流通施設の導入による国際物流機能の強化、業務機能とメッセ・コンベンション機能の一体化、旅客施設と商業施設が融合したにぎわい空間の形成などについての御議論を踏まえ、速やかに港湾計画を変更することといたしております。  既にこうした動きに先駆け、本地区におきましては、民間のノウハウを生かしたウオーターフロントの整備や、コンテナターミナルの効率性の向上に資する取り組みなどを進めております。  今後は、このような取り組みをより一層進め、本地区におきまして国際的な人・物・情報の交流拠点を形成することにより、本県の中枢性、拠点性のさらなる向上を図ってまいりたいと考えております。  次に、県政十六年の感想と県民の皆様へのメッセージについて話すようにというお話でございました。  私は、知事就任以来これまで、時代の大きな転換期の中で、県政のかじ取り役として、二百八十七万県民の皆様が住んでよかったと心から思え、内外の人々や企業から魅力ある県として選ばれる元気な広島県づくりに向けて、全力で県政運営に取り組んでまいりました。  振り返りますと、学力の定着・向上や学校運営体制の強化など教育改革の推進、先端的企業の誘致等によるバランスのとれた産業構造への転換、簡素で効率的な組織体制等の構築と施策の選択と集中を可能ならしめる行財政改革、市町への権限移譲など全国に先駆けて推進した地方分権改革などに重点的に取り組んでまいりました。その結果、全体としては、元気な広島県づくりに向けて、その道筋をつけることができたものと考えております。  しかしながら、この間、厳しい局面にも直面いたしました。  最近では、昨年秋以降の深刻な経済危機において、県民の皆様の不安を払拭するために、本当に必要な施策は何かという点に思いをめぐらせながら、機動的に対応してまいったところでございます。  このように、常に県民の皆様の視点に立ち、前向きに取り組むように努めてきたところでございます。また、加えて申し上げれば、私は、従来型の行政手法にとらわれることなく、企業人や政治家としての経験を最大限県政に生かそうという姿勢で知事に就任したところであり、この初心を十六年間忘れることなく職務に取り組んでまいりました。  広島県の発展と県民の皆様の幸せを考えて過ごしてまいりました十六年の歳月は、私にとりましても、大変厳しくもあり、また充実した日々でございました。これもひとえに議員各位や市町村長の御支援、県職員の努力、そして県民の皆様の御理解のたまものであり、感謝の気持ちでいっぱいでございます。  最後になりますが、新しい知事のもと、議員各位、県職員、そして県民の皆様が力を合わせて広島県の発展に御尽力いただきますことと、そして、県民お一人お一人の御健勝を祈念申し上げますとともに、これまで長きにわたって賜りました御支援に対し、改めて心から感謝を申し上げる次第でございます。  長い間、大変ありがとうございました。(拍手) 41: ◯議長(林 正夫君) 土木局長大野宏之君。         【土木局長大野宏之君登壇】 42: ◯土木局長(大野宏之君) 広島駅周辺の道路ネットワークの強化についてお答えいたします。  広島駅周辺につきましては、二葉の里地区などで都市基盤の整備が進められており、山陽自動車道へのアクセスの強化を図る高速五号線の整備を急ぐ必要があると考えております。  高速五号線につきましては、トンネル建設に伴う地表面の沈下や周辺地域への影響などについての検討委員会を設置したところでございます。県といたしましては、この委員会の結論を踏まえた上で、広島市や広島高速道路公社と連携しつつ、早期完成に向けて取り組みを進めたいと考えております。  また、広島駅周辺の交通渋滞の緩和につきましては、高速五号線や常磐橋若草線の整備とあわせて、国、県、広島市、交通事業者などで構成される広島市都市・地域総合交通戦略策定協議会におきまして、公共交通施策を含めた広島市域全体の交通戦略を検討いたしております。  今後とも、都市機能の集積が進む広島駅周辺の道路ネットワークの整備並びに交通渋滞の対策につきましては、広島市を初め、関係機関との連携を図り、広島都市圏の中枢拠点性の向上を目指してまいります。 43: ◯議長(林 正夫君) 企画振興局長妹尾幸太郎君。         【企画振興局長妹尾幸太郎君登壇】 44: ◯企画振興局長妹尾幸太郎君) 広島空港への軌道系アクセスについてお答え申し上げます。  広島空港軌道系アクセスについては、平成十二年から在来線型鉄道により整備することとし、調査・検討を行ってまいりました。  しかしながら、事業実施の前提でございますJR西日本の協力が最終的に得られず、膨大な建設費を要することや、大幅な赤字経営が予想され、結果として法律上の鉄道事業許可の取得が困難であることから、事業実施を見送ることとしたところでございます。  なお、山陽自動車道の通行どめなど、リムジンバスの運行に著しい支障がある場合は、利用者のJR等代替輸送機関への誘導、JR白市駅等と空港間の連絡バスの確保・増便等、関係機関と連携しながら、必要な交通手段の確保に努めてまいります。 45: ◯議長(林 正夫君) これをもって質問を終結いたします。  お諮りいたします。ただいま上程中の議案中、県第一〇一号議案 広島県教育委員会委員の任命の同意については、この際、委員会への審査の付託を省略し、直ちに本会議において議決するに御異議ありませんか。         【「異議なし」と言う者あり】 46: ◯議長(林 正夫君) 御異議なしと認めます。  それでは、県第一〇一号議案 広島県教育委員会委員の任命の同意についてを採決いたします。本案は、原案に同意するに賛成の諸君は御起立願います。         【賛成者起立】 47: ◯議長(林 正夫君) 起立総員であります。よって、本案は原案に同意するに決しました。              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~         決算特別委員会の設置 48: ◯議長(林 正夫君) 次に、お諮りいたします。ただいま上程中の議案中、平成二十年度広島県歳入歳出決算認定の件並びに平成二十年度広島県公営企業決算認定の件については、委員十七人をもって構成する決算特別委員会を設置し、これに審査を付託の上、議会閉会中の継続審査とするに御異議ありませんか。         【「異議なし」と言う者あり】 49: ◯議長(林 正夫君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決します。              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~         決算特別委員会委員の選任 50: ◯議長(林 正夫君) それでは、ただいまの決定により、直ちに委員会条例第五条の規定に基づき、決算特別委員会委員の選任を行います。  まず、選任する委員の氏名を書記をして朗読いたさせます。         【書 記 朗 読】                        決算特別委員会委員                             下   森   宏   昭  君                             佐   藤   一   直  君                             桑   木   良   典  君                             梶   川   幸   子  君                             野   村   常   雄  君                             安   井   裕   典  君                             吉   井   清   介  君                             岡   崎   哲   夫  君
                                川   上   征   矢  君                             石   橋   良   三  君                             田   辺   直   史  君                             中   原   好   治  君                             辻       恒   雄  君                             松   浦   幸   男  君                             城   戸   常   太  君                             山   木   靖   雄  君                             渡   壁   正   徳  君 51: ◯議長(林 正夫君) お諮りいたします。ただいま朗読いたしました十七人の諸君を決算特別委員会委員に指名するに賛成の諸君は御起立願います。         【賛成者起立】 52: ◯議長(林 正夫君) 起立総員であります。よって、決算特別委員会委員は指名のとおり選任するに決しました。              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~         決算特別委員会委員長並びに副委員長の選任 53: ◯議長(林 正夫君) 続いて、委員会条例第七条の規定に基づき、決算特別委員会委員長並びに副委員長の選任を行います。  お諮りいたします。                        委員長に                             山   木   靖   雄  君                        副委員長は二人とし、副委員長に                             中   原   好   治  君                             安   井   裕   典  君 を指名するに賛成の諸君は御起立願います。         【賛成者起立】 54: ◯議長(林 正夫君) 起立総員であります。よって、決算特別委員会委員長並びに副委員長は、いずれも指名のとおり選任するに決しました。  この場合、決算特別委員長を御紹介いたします。山木靖雄君。         【山木靖雄君登壇】 55: ◯山木靖雄君 ただいまは決算特別委員長に御選任をいただきまして、まことに光栄に存じますとともに、その責任の重大さを痛感しております。  御承知のように、昨年度から普通会計決算と企業会計決算を一体的に審査する委員会として設置され、各会計が相互に関連する事業や財務指標等について重点的に審査することが可能となりました。  地方の行財政を取り巻く環境は、かつてない厳しい状況が続いておりますが、県当局におかれましては、施策点検の結果を踏まえ、財源の重点配分、経費の節減・合理化に努めながら事業の効率的執行に取り組まれたところであります。  こうした予算執行や行政効率等につきまして、委員各位並びに関係当局の御協力を賜りながら、審査に万全を尽くし、今後の県政に反映できるよう、中原、安井両副委員長ともども精力的に職務を遂行する所存でございます。関係各位の格段の御支援をお願い申し上げまして、就任のごあいさつといたします。どうぞ、よろしくお願いします。(拍手) 56: ◯議長(林 正夫君) その他の各案については、それぞれ所管の常任委員会に審査を付託いたします。議案付託表は後刻お手元に配付いたします。  この場合、お諮りいたします。明二日、五日及び六日は、委員会審査のため、本会議は休会とするに御異議ありませんか。         【「異議なし」と言う者あり】 57: ◯議長(林 正夫君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決します。  次回の本会議は十月七日午前十時三十分から会議を開きます。  本日はこれをもって散会いたします。         午後二時五十七分散会 発言が指定されていません。 広島県議会 ↑ 本文の先頭へ...