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  1. 広島県議会 2009-09-04
    平成21年9月定例会(第4日) 本文


    取得元: 広島県議会公式サイト
    最終取得日: 2019-08-07
    2009年09月30日:平成21年9月定例会(第4日) 本文 ▼最初のヒット個所へ(全 0 ヒット) 1         午前十時三十一分開議 ◯議長(林 正夫君) 出席議員五十八名であります。これより会議を開きます。         自第  一 県第八六号議案         至第二十三 報第 二七 号 2 ◯議長(林 正夫君) これより日程に入ります。日程第一、県第八六号議案 平成二十一年度広島県一般会計補正予算から日程第二十三、報第二七号 損害賠償額の決定についてまでの各案を一括上程議題といたします。  昨日に引き続いて質問を行います。山下智之君。         【山下智之君登壇】 3 ◯山下智之君 皆さん、おはようございます。自由民主党広島県議会刷新議員会・県民会議の山下智之でございます。当選をさせていただいて二回目の質問の機会を与えていただき、議長を初め、議員の皆様に感謝いたします。  さて、量的な拡大と充足を追及してきた、かつての右肩上がりの高度成長社会から成熟社会へと移行する中、成長の過程で失いかけた自然や歴史・文化などの価値を再認識し、その保存や活用、継承に努めること、将来への不確実性や複雑化するリスクに対応する能力を身につけること、さらには、人間らしく希望を持って生き生きと暮らせることができるよう生活の質を高めていくことが、二十一世紀を生きる今の我々に求められているのではないでしょうか。  そうした観点から、今回は、環境問題に対応した持続可能な社会づくりと安心して暮らせる医療・福祉基盤の整備を中心に質問させていただきたいと思います。  環境問題に対応した持続可能な社会づくりに関する第一の質問は、広島県が県民運動として取り組んでいる地球温暖化防止対策の推進に関してであります。  地球温暖化は、世界各地の降水量や風水害、生態系や農林水産業への影響、感染症の拡大など、その予想される影響の大きさや深刻さから見て、まさに人類の生存基盤を脅かす最も重要な環境問題の一つであります。  二酸化炭素の温室効果ガスの濃度が高まり、今世紀末までに地球の平均気温が最大で六・四度上昇すると予測され、本県においても年平均気温が一九八〇年代後半から顕著に上昇し、広島市では、この百年間で二度上昇するとともに、広島港における海水面は毎年五・一ミリメートルの割合で上昇しているとの調査結果が出ております。  私の地元であります厳島神社の回廊が冠水した回数は、一九九〇年代は年間五回以下でしたが、二〇〇六年には年間二十二回も発生しました。また、短時間の激しい雨も増加しており、温暖化の進行によって、台風や豪雨などによる災害の発生が、今後ますます増加する可能性が指摘されております。  我が国は、二〇〇五年に発効した京都議定書において、二〇〇八年から二〇一二年の五年間に国内の温室効果ガスの排出量を一九九〇年比で六%削減することに合意し、さらに現在、京都議定書の第一約束期間が終了する二〇一三年以降の地球温暖化対策の中期目標が国際的に検討されている中で、先週開催された国連気候変動サミットにおいて、鳩山首相は、二〇二〇年までに一九九〇年比で二五%削減という中期目標を表明したところです。  こうした中、本県においては、昨年七月に「広島発・ストップ地球温暖化県民運動」をスタートし、エコカレンダーの作成・配布やマイバッグ運動などの取り組みを進めておりますが、一方で、二〇〇六年度の二酸化炭素の排出量は一九九〇年度と比較して一七・二%増加する結果となっており、広島県地球温暖化防止地域計画で定めた、二〇一〇年度までに温室効果ガス排出量を二%削減するという目標は、到底達成できそうにありません。  温室効果ガス排出量のさらなる削減のためには、県民と事業者のさらなる理解と協力が必要です。例えば、北海道では、五月、七月、十月、一月の第二日曜日を道民環境の日とし、また鹿児島県では、毎月五日をエコライフデーとして、年間を通じた環境行動キャンペーンを展開しています。このように、法で定める六月五日の環境の日に加えて、県独自の環境の日を設定して定期的に環境行動を呼びかけるやり方は、継続的なエコライフの実践を促す有効な手段ではないでしょうか。  私たちの社会を持続可能なものに変えていくため、私たち一人一人のライフスタイルや事業活動のあり方を見直すとともに、本県のすぐれた自然環境や生物の多様性を保存し、次世代に継承していくことは私たちの責務であります。  そこで、県内における温室効果ガス排出量の削減の目標達成の見通しと、県独自の環境の日を毎月設定するなど、今後、温室効果ガスのさらなる削減に向けて、県民意識の醸成にどのように取り組んでいくのか、知事に御所見をお伺いいたします。  質問の第二は、豪雨災害防止に向けた避難誘導体制等の整備についてであります。
     先ほど、地球温暖化が気候に及ぼす影響について触れましたが、近年、全国各地で記録的な集中豪雨による土砂災害、浸水被害などが相次ぎ、七月の中国・九州北部豪雨では、多くの県で甚大な人的・物的被害をもたらしました。被害に遭われた方々には、一日も早い再建をお祈り申し上げます。  これらの災害の特徴は、これまでの想定にはない局地的大雨、いわゆるゲリラ豪雨が頻繁に発生していることです。県内においても、観測史上一位の雨量を記録した地域がありました。特に、今回の他県の災害を見て教訓としなければならないと感じましたことは、災害発生の兆候の把握と住民への避難勧告等の伝達、その後の安全な避難場所への誘導方法に問題があるということです。  市町においては、ハザードマップや避難勧告の伝達方法、避難場所、避難経路を明確にしたマニュアルを作成し、日ごろから住民への周知徹底に努めていることと思います。しかし、いかに立派なマニュアルをつくっても、正確な気象情報を迅速に把握し、精度の高い災害事象を予測することができなければ、また、住民に対する警報や避難勧告のタイミングがずれてしまっては、被害を最小限にとどめることはできません。  一方、近年、住民意識や生活環境の変化に伴って近隣扶助の意識の低下が指摘されている中、特に高齢者や障害者等の要援護者を速やかに避難誘導するため、要援護者の名簿づくりや避難支援計画の策定など、避難誘導体制の整備は最も重要であり、早急に取り組まなければなりません。  そこで、県においては、近年の異常気象を踏まえて、住民に対する警報や避難勧告の適切な伝達及び要援護者の確実な避難誘導体制の整備に向けてどのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。  質問の第三は、自然環境の学習機会の確保についてであります。  中国地方のほぼ中央に位置する広島県は、北部に千メートル級の山々が連なる中国山地、それに続く内陸の高原、盆地、台地、そして南部の瀬戸内海沿岸地域と島嶼部から成っており、気候も、北国のような寒さの厳しい地域から南国のような温暖な地まであり、日本列島の縮図とも呼ばれております。  このような豊かな自然環境の中で、生物相も非常に豊かで、貴重な野生生物も数多く生息していますが、今後、地球の温暖化が野生生物全体の生態系に影響を及ぼすことも懸念されます。これらを保護し、県民共通の資産として次代に継承するため、生涯学習の理念に基づいて、自然や科学に対する適切な知識を持ち、合理的な判断と行動ができる素養をはぐくんでいくことが重要であります。  また、近年、身近な自然が消えていく中、子供たちの自然体験の不足や、科学や理科に対する興味・関心の低下が指摘されており、正しい自然観や生命観を培っていくため、自然に関する探究心を高めることがこれまで以上に必要とされております。  これらの課題に対応するためには、私は、自然史博物館の設置が必要ではないかと考えます。自然史博物館は、自然と人間とのかかわりを歴史的な観点から理解することを目的としており、野生生物に関する情報発信や教育研究の拠点となるものですが、中国地方で県立の自然史系博物館がないのは広島県だけであります。  山口県立博物館では、トキなど標本でしか見られない動物を展示するとともに、小中学校への出前事業など地域連携に積極的に取り組み、昨年度は一万八千人を超える生徒が利用しております。岡山県自然保護センターでは、特別天然記念物のタンチョウや絶滅危惧種の育成に取り組むとともに、野生絶命した植物の群生に成功しております。  県内には、庄原市立比和自然科学博物館があり、私も先日、見学に行ってまいりました。ここでは、約二百万年前に絶滅したと言われるショウバラクジラの五メートルにも及ぶ化石やカキの化石など、多くの貴重な標本を収蔵庫で見せていただきましたが、広い展示場がないのが残念だと感じました。  自然史博物館の設置を求める動きについては、平成十二年に市民グループの皆さんが一万二千人の署名を集めて知事に要望書を提出されたことや、林議長が平成十六年に決算特別委員会委員として自然史資料の保管について質問されたことなどを経て、平成十七年には動植物の標本四万点を保管する自然史資料室が広島市西区に整備されました。  しかし、この資料室は、標本の保管を主たる目的としているため、だれでも自由に閲覧できるわけではありません。  生物の多様性を保全するため、自然環境の歴史に関する標本資料を蓄積し、後世に継承することが不可欠であるとともに、これらを学校教育や県民の普及活動に活用し、自然に興味を持つ人や自然を愛する人をふやしていく必要があり、そのことが環境を考えることにつながるのではないでしょうか。  厳しい財政状況の折、新たな自然史博物館を建設することは難しいと思いますが、貴重な標本の散逸を防ぐだけでなく、幅広い世代が野生生物や自然環境について身近な場所で学ぶことができる場と機会を確保すべきであると考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。  次に、安心して暮らせる医療・福祉基盤の整備について、子供の出産から高齢者の介護まで、順を追って質問させていただきたいと思います。  質問の第一は、産科医と助産師の連携についてであります。  近年、全国的に医師不足が大きな問題となっている中、特に産科医の不足は、身近に子供を産める場所がないお産難民という深刻な状況を招いております。過酷な勤務環境と訴訟リスクの高さなどを背景に、若い医師が産科を敬遠し、産科医が減り続けることで、産科医一人当たりの負担がふえるという悪循環に拍車がかかっていると言われております。  本県においては、産科医の数は、平成十年の二百七十九人から、平成十八年には二百二十九人まで約二割も減少し、その減少率は全国平均を大きく上回っております。その結果、現在、大竹市や庄原市など、十の市町では分娩ができる施設がなく、地域の住民は大きな不安を抱えております。  こうした中、県においては、今年度新たに産科医等に対する分娩手当や産科を選択する研修医に対する研修医手当の助成を行っておりますが、これらは、産科医に直接届く支援とはいえ、産科医の長時間労働を解消する抜本的な対策とは言えません。  そこで、私は、医師以外で唯一お産を扱うことのできる助産師にもっと注目すべきではないかと思います。例えば、助産師外来は、医療機関の中で助産師が妊婦の健診や保健指導をするもので、県内でも今年度から広島赤十字・原爆病院や中電病院において開設されております。また、院内助産所は医療機関の中で助産師が自立してお産を扱うシステムで、正常分娩は助産師が、ハイリスクなお産は産科医が担当する分業の形をとっているものですが、今のところ、県内にこれを導入している機関はわずかしかありません。  三重大学医学部附属病院では、妊婦健診は近くの診療所で受けてもらい、分娩は設備やスタッフが充実した大学病院で行うという、いわゆる産科オープンシステムを導入しております。このように産科医と助産師が仕事を分担することで産科医の過酷な勤務の負担を軽減し、産科医を確保しやすいようにしていくことが、厳しい現状を少しでも改善していくために必要ではないかと思います。  また、産科医療のゴールはお産だけではありません。お母さんたちが子育てにうまくこぎ出せるようにお手伝いするという大きな目的もあります。核家族化が進み、若いお母さんの産前産後の不安や育児の悩みを相談する場が少なくなっている中、助産師は妊婦への保健指導や陣痛が始まってからの介護、出産後の育児相談、さらには、妊娠しても流産、死産を繰り返す不育症に悩む妊婦に対するメンタル面の支援など、出産には欠かすことのできない大切な役割を担っております。  しかし、その助産師についても、本県においては深刻な状況にあります。県内の就業している助産師の数は、十年間で約一割減少しており、人口十万人当たりの助産師の数は十七・五人で全国四十三位です。県が今年度創設した助産師資格取得のための修学資金制度には多くの応募があったと聞いております。こうした意欲のある者に対して積極的に支援し、確実に就業に結びつけていくことが重要であります。  私は、産科医と助産師の確保を着実に進めると同時に、行政がリーダーシップをとって両者の連携を促進することで、お産難民を解消し、地域で安心して子供を産み育てられる体制を整備することが必要であると考えますが、県として産科医と助産師の連携についてどのように認識し、両者の連携が円滑に進むよう、今後どのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。  質問の第二は、発達障害児に対する療育についてであります。  近年、保育現場や教育現場において、広汎性発達障害や学習障害などの発達障害が疑われる児童生徒が増加しており、文部科学省の調査では、ことし三月に卒業した中学校の生徒のうち、発達障害など困難のある生徒の割合は約二・九%あったとされております。  このような児童生徒については、発達障害を早期に発見し、適切な療育支援を早期に行うことが重要であり、県民にとっては相談、診療、療育が受けられる専門機関が身近にあることが望ましいのは言うまでもありません。しかし、県内にはそうした発達障害の専門医が少なく、その初診に数カ月待たなければならないのが本県の現状であります。  県では、東広島市の県立障害者療育支援センターにおいて、発達障害児の診療を行うとともに、昨年度から、発達障害児の診断・治療ができる医師やスタッフを養成する研修事業に取り組んでいますが、いまだ十分な医師や医療機関が確保されているとは言えません。  県内の発達障害の公的な専門医療機関の立地状況を見ますと、県立障害者療育支援センターのほかに、大竹市の広島西医療センター、広島市の広島市こども療育センター、三原市の県立広島大学保健福祉学部附属診療所があり、東部地域では、県立福山若草園が、県立障害者療育支援センターの支援を受けて、昨年七月から発達障害児の専門診療を行っておりますが、ここでは、施設規模などに限界があることから、紹介制による診療しか行われておりません。こうした状況から、平成二十年五月には、県東部の四市一町が、県に対して東部地域への療育センターの整備を要望されたところであります。  先般、私自身、常任委員会の県内調査で訪れた福山若草園におきまして、発達障害児だけでなく、近年増加している超重症心身障害児の人工呼吸器使用など、より高度な医療ケアが必要とされる人への対応や、在宅障害児のニーズに対応するため、受け入れスペースの拡大や職員の充実の必要性など、東部地域の深刻な現状をお聞きし、障害児の療育について早急な対応が必要であると痛感したところであります。  このような状況を踏まえ、発達障害を初めとする障害児の療育について、とりわけ東部地域の療育について、県としてどのように対応しようとしているのか、知事の御所見をお伺いいたします。  質問の第三は、特別養護老人ホーム等の整備についてであります。  近年、急性期の治療を終えた高齢者が、医療機関を退院した後の受け皿が不足していることが指摘されております。例えば、自宅での酸素吸入が必要な方や胃に直接栄養を入れる胃ろうを使う方が、医療機関を退院して自宅に戻った場合、家族が仕事で昼間家にいなかったり、高齢者が高齢者の介護をする老老介護により自宅で介護できないなど、家庭の事情で在宅介護が難しいケースは少なくありません。最近では、認知症の高齢者が認知症の配偶者を介護する認認介護も珍しくないと聞いております。また、長年にわたる介護疲れからうつ病になり、最悪の場合は、無理心中や殺人という悲惨な結果に至る事件もしばしば報道されております。  さらに、結婚しない男女がふえ、独身の息子や娘が親の在宅介護を担うシングル介護がふえております。彼らの中には、すべてを一人で抱え込む余り虐待に及んでしまうという事例もあると聞きます。在宅介護だけでなく、施設サービスを気楽に利用できれば、家族の負担もずっと軽くなると思います。  介護の施設サービスとしては、民間施設の有料老人ホームがありますが、高額の入居一時金が必要な場合もあり、月額料金も十数万円必要で、だれでも入居できるわけではありません。安い費用で利用できる民間の高齢者専用賃貸住宅の建設が最近ふえているようですが、明確な運営基準がなく、利用者からの苦情も多いなど、問題が出てきております。また、リハビリテーションサービスが中心の介護老人保健施設は、在宅復帰を念頭に置いているため、入所期間が終身制ではなく、平均在所期間は九カ月程度です。  こうした中、低所得者でも利用できる施設として特別養護老人ホームは人気が高く、入所まで二年待ちという話もよく聞かれます。昨年十月の県の調査では、特別養護老人ホームの県内の入所申込者は約二万六千人で、そのうち、自宅に住んでいる方で全面的な介護が必要な方が約四千六百人という結果が出ております。  特別養護老人ホームの整備計画については、ことし三月に策定した第四期ひろしま高齢者プランにおいて、平成二十三年度までの三年間で八百七十六床をふやす計画になっておりますが、四千六百人の入所待機者を吸収できる数には到底及びません。  もちろん、新たな施設整備が介護保険の支出増や保険料の引き上げにつながりかねないことは承知しておりますが、裕福な者のみが暮らしの安心を買うことができる社会というのは、本県が目指す活力と安心、希望のある元気な広島県とは言いがたいと思います。いつでも安心して希望するサービスを利用できる基盤整備が必要であります。  そこで、県においては、四千六百人という入居待機者の数をどのように認識しているのか、また、特別養護老人ホームを初めとする介護施設の整備について、市町と連携して大胆な計画の前倒しを促進するお考えはないのか、知事にお伺いいたします。  質問の最後は、本州四国連絡高速道路に係る県の出資金についてであります。  本県は、独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構に対し、本州四国連絡高速道路に係る出資金として、平成二十年度までに累計総額五百九十五億円もの出資をしております。今年度分の出資も五十三億円と本県が厳しい財政状況にある中で、非常に重い財政負担を強いていると言えます。  国の直轄負担金制度については、その負担金の積算に工事と直接関係のない退職手当や職員宿舎の建設など、国が本来負担すべきものが含まれていたことが問題になりましたが、この本州四国連絡高速道路に係る出資金についても、その詳しい積算が示されていることもなく、また、将来返済される見通しもないまま支払い続けているのが実態であり、第二の直轄事業負担金と呼べるものではないでしょうか。  民主党の政権公約によりますと、極端に交通量が多い首都高速道路と阪神高速道路以外の高速道路を無料化する方針であるとのことですが、また、日本高速道路保有・債務返済機構が保有する約三十三兆円程度の債務を国が引き継いで償還するとともに、高速道路に係る維持管理費も国費が投入されるとも聞いております。そうなると、本州四国連絡高速道路も無料化されることとなり、本県に大きな負担を強いている平成二十四年度までの出資分も、国から追加要請を受けている平成三十四年度までの出資分も、すべて国が面倒を見るということになると思われます。これは、本県にとってまことに喜ばしい措置であるように思うわけですが、そのように理解してよいのか、本県の認識についてお伺いいたします。  ただ、気になるのは、県が今まで日本高速道路保有・債務返済機構に出資してきた累積総額五百九十五億円の取り扱いについてでありますが、本年二月の予算特別委員会で行われた出資金の償還見通しについての質問に対する答弁では、平成十五年の政府・与党の申し合せにおいて、出資金の返済方法の詳細が明確になっていないとのことであります。  そこで、民主党政権が高速道路無料化を打ち出す限りにおいては、本州四国連絡高速道路の累計出資金の地方自治体への返還の明確化とその返還方法を早急に明らかにするよう、国に対して強く求めていかなければならないと考えますが、今後の国との協議についてどのように考えておられるのか、あわせてお伺いいたします。  質問は以上でございますが、質問でも取り上げた医療や福祉・介護など住民の生活に身近なサービスは、国の過剰な義務づけや関与を廃止して、自治体がみずからの判断と責任のもと、地域の実情に応じた行政運営を行うことができるよう、国から地方へ権限と税財源を移譲すべきであると考えます。  藤田知事におかれましては、分権改革を積極的に推進され、市町村合併や権限移譲を通じて住民サービスの向上に努めてこられました。その取り組みは、県政史上に残る功績であり、藤田知事のこれまでの御労苦に対して心から敬意を表する次第であります。  どうか、県におかれましては、引き続き地方分権の先進県として分権改革の取り組みを一層推進していただきますよう要望いたしまして、私の質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 4 ◯議長(林 正夫君) 当局の答弁を求めます。知事藤田雄山君。         【知事藤田雄山君登壇】 5 ◯知事(藤田雄山君) 山下議員の御質問にお答え申し上げます。  まず、豪雨災害防止に向けた避難誘導体制等の整備についてお尋ねがございました。  近年、局地的な集中豪雨など異常気象による災害が頻発している中、被害を最小限に抑えるためには、正確な情報の収集とそれに基づく的確な避難勧告等の発令が極めて重要であると認識いたしております。このため、県といたしましては、市町と連携して防災情報システムを最大限に活用し、雨量や河川の水位、土砂災害などの危険情報をリアルタイムで把握するよう努めているところでございます。  また、市町において、こうした情報に基づき、避難勧告等を適切なタイミングで行えるよう、地域ごとの判断基準や伝達手段等を明確にしたマニュアルの作成について支援しているところであり、全市町において早期に作成されることとなっております。  さらに、災害時において、特に支援が必要となる災害時要援護者への対策については、昨年度、県において策定したガイドラインに基づき、市町に対し、要援護者の名簿や個人ごとの伝達方法、誘導方法等を具体的に記載した避難支援プランの作成を働きかけているところであり、これにつきましても全市町で順次作成されることとなっております。  今後とも、こうした的確な避難情報の伝達や円滑な避難誘導体制の確立に向けた取り組みを行いますとともに、市町と連携した住民参加型の訓練を実施することにより、県、市町が一体となって県民の安全の確保に努めてまいりたいと考えております。  次に、発達障害児等に対する療育について、お尋ねがございました。  障害児の療育につきましては、できるだけ身近な地域で早期発見・早期療育が受けられる体制の整備が必要であると認識いたしております。このため、発達障害児につきましては、全県を対象といたします発達障害者支援センターにおきまして相談や就労などの支援を行いますとともに、保健師、保育士などを対象とした研修を通じて人材の育成に取り組んでいるところでございます。  また、専門的な発達障害の診断及び治療などを行うことができる医療機関が不足している現状がございますことから、県では平成二十年度から発達障害児専門医の育成に努めているところでございます。  一方、重症心身障害児の療育につきましては、県内三カ所の県立重症心身障害児施設において高度な医療的ケアなどを行いますとともに、在宅障害児の支援にも取り組んでおり、県といたしましては、今後、障害児の療育につきましてこうした取り組みを引き続き推進してまいりたいと考えております。  こうした中で、県東部におきましては、特に、発達障害児の専門的な医療機関の不足やニーズの高まりといった課題もございますことから、福山若草園のあり方を含め、公的な専門医療機関の必要性や療育体制のあり方などにつきまして総合的な検討を開始したいと考えております。  次に、特別養護老人ホーム等の整備についてお尋ねがございました。  県内におきまして、自宅におられる特別養護老人ホームへの入所希望者のうち、ほぼ全面的な介護が必要な約四千六百人の方々に対し、必要な入所施設を確保していくことは重要な課題であると認識いたしております。  このため、平成二十三年度末までに特別養護老人ホームを初めとする介護保険施設等を約三千七百人分新たに整備することといたしており、通常生じる退所に伴う受け入れ可能枠約二千百人分と合わせ、合計約五千八百人の入所枠を確保したいと考えております。  さらに、国の緊急経済対策に対応し、次の第五期介護保険事業支援計画で見込まれる施設等につきましても、各市町と調整し、前倒しで整備を行うことといたしております。  県といたしましては、特別養護老人ホームを含む介護保険施設等の確保につきまして、このような前倒しを含めた新規の施設整備を着実に進め、高齢者が安心して暮らすことができますよう、介護サービスの充実に努めてまいりたいと考えております。  その他の御質問につきましては、担当説明員より答弁いたさせます。 6 ◯議長(林 正夫君) 環境県民局長平田光章君。         【環境県民局長平田光章君登壇】 7 ◯環境県民局長(平田光章君) 二点についてお答え申し上げます。  まず、温室効果ガス排出量の削減に向けた目標達成の見通しと県民意識の醸成についてでございます。  これまで本県では、温暖化防止対策として「環境の日ひろしま大会」などを通じた普及・啓発や、事業者に対する温室効果ガス削減計画の策定指導などに取り組んでまいりました。しかしながら、二酸化炭素排出量の現状を見ますと、産業部門では、本県の有する産業構造、家庭部門では世帯数の増加や電化製品の多様化などにより、当初計画を上回り、平成二十二年度末二%削減の目標達成は厳しい状況にあると考えております。  このような状況の中、さらなる県民意識の醸成を図るため、昨年、県民運動をスタートし、広報活動や普及・啓発活動を積極的に展開しているところでございます。本年度の県政モニター調査では、地球温暖化問題に関心があるとの回答が約九六%を占めており、県民意識は高まってきておりますが、今後は、県民に対し、これまでに増した実践行動を促すような施策が必要と考えております。  このため、県民、事業者等で構成する県民運動推進会議などを通じて幅広く意見を伺い、県独自の環境の日の設定も含めて、県民の取り組みを拡大する方策を検討してまいります。  次に、自然環境の学習機会の確保についてでございます。  本県の動植物の生態や地形の成り立ちなどについて、県民の皆様に、標本などによりわかりやすく体系的に学んでいただくことは、自然環境や生物多様性を保全していこうとする意識を高めていく観点からも、重要であるものと認識しております。そのため、民間レベルで収集されてきた貴重な動植物の標本の中で、保管場所がなく、散逸するおそれのあるものを自然史資料室を設けて保管しており、現在、研究者の方々の協力を得ながら体系的な整理を進めているところでございます。  今後も標本の整理を続けていく中で、整理に携わっていただいている研究者の方々の意見も伺いながら、幅広く有効に活用していく方法について検討してまいりたいと考えております。 8 ◯議長(林 正夫君) 健康福祉局長迫井正深君。         【健康福祉局長迫井正深君登壇】 9 ◯健康福祉局長(迫井正深君) 産科医と助産師の連携についてお答えいたします。  産科医の確保が極めて困難な状況におきまして地域の産科医療を確保するためには、産科医と助産師それぞれの役割に応じた連携体制を構築していくことが、極めて重要であると認識いたしております。  具体的には、産科医療機関におきまして安全で質の高いお産を確保しつつ、産科医と助産師が連携した助産師外来や院内助産所の導入を推進することによりまして、多様なお産のニーズに対応することが可能となり、また、産科医の負担も軽減されるものと考えております。  このような助産師外来などを推進する前提といたしまして、産科医療機関における妊娠合併症や帝王切開など、いわゆるハイリスク分娩への迅速・適切な対応体制の確保が不可欠でございます。このため、助産師外来の開設を予定いたしております産科医療機関に、ハイリスク分娩等に対する連携体制の構築や助産師の実地研修などを支援する事業を昨年度から実施いたしており、今年度は、これらの実施機関をふやすなど、県内医療機関における体制づくりの支援に取り組んでおります。  県といたしましては、今後とも、こうした取り組みを通じまして、産科医と助産師とのさらなる連携を推進し、地域で安心して子供を産み育てられる体制づくりに全力で取り組んでまいります。 10 ◯議長(林 正夫君) 土木局長大野宏之君。         【土木局長大野宏之君登壇】 11 ◯土木局長(大野宏之君) 本州四国連絡高速道路に係る県の出資金についてお答えいたします。  本州四国連絡橋建設に係る出資につきましては、独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構法に基づき、機構に対して出資されるものであり、高速道路が無料化され、機構が解散されるとすれば、出資の根拠がなくなるものと認識いたしております。また、機構が解散する際には、少なくとも資本金に相当する額を残余財産として残し、各出資者に出資額に応じて分配することが法により定められております。  新内閣において高速道路が無料化され、機構が解散されるとすれば、法に基づき出資金が返済されるものと考えておりますが、その実施時期や無料化のスキームなどについては、まだ不明な点が多くございます。また、無料化に伴う多くの問題点もあるため、現時点でこの施策の評価を行うことは非常に困難であります。  今後とも、国の動向を注視しつつ、機構に出資しているほかの九つの関係府県市と一層の連携を図りながら、適切に対応してまいりたいと考えております。 12 ◯議長(林 正夫君) この際、暫時休憩いたします。午後の会議は一時から開きます。         午前十一時十一分休憩              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~         午後一時一分開議 13 ◯議長(林 正夫君) 出席議員五十六名であります。休憩前に引き続き会議を開きます。  引き続いて質問を行います。河井案里君。         【河井案里君登壇】
    14 ◯河井案里君 皆様、こんにちは。自民党議員会の河井案里です。きょうは、藤田知事が今期で最後ということで、たくさんの傍聴の方に来ていただきました。どうぞ、知事におかれましては、真摯な御答弁をよろしくお願いいたします。  それでは、質問に入ります。  質問の第一として、私は、知事に本県の財政運営を総括していただきたいと考えます。  藤田知事は、十六年の長きにわたり県政を運営され、このたび任期を終えられますが、最後の議会に当たり、御自身の任期中に、県の借金である県債残高が二兆円を超えてしまったという事実をいま一度直視していただかなくてはなりません。我が県の一般会計当初予算が一兆円弱ですから、その二倍以上の借金です。知事が就任された時点での県債残高は六千億円余りでしたから、知事の任期十六年の間に、県の抱える借金は三倍以上に膨らんだことになります。  このように借金が膨らんだ大きな要因の一つが、国の大規模な景気対策に呼応したためであるということは疑問の余地のないことかもしれません。事実、他の自治体においても、バブル崩壊後の景気対策を経て一様に財政難に苦しめられています。しかし、理由はどうあれ、今私たちに残されているのは、平成二十年度の経常収支比率九四%という数字、つまり財源一〇〇のうち六%しか自由自在に使うことができないという厳しい現実だけなのです。知事が最初に就任されたときの経常収支比率はおよそ八〇%、残りの二〇%をフリーハンドで使うことができた時代があったことを考えれば、その硬直化の進展は目を覆いたくなるほどです。  財政がこのように硬直化してしまった以上、藤田知事が引退された後の県行政は、すべからく非常に厳しい予算制約のもとで県政運営を行っていかなければならず、借金が増大したことへの責任は非常に重いものであります。もちろん、この責任は、予算と決算を承認してきた県議会ともども背負っていかなければならないものです。  私は、藤田知事の在十六年という一つの時代を超えて、まず、執行部と議会とは、財政規律に対する我々の哲学とでも申しましょうか、財政出動に係るガバナンスのあり方に何らかの問題があったのではないかということの検証から始めなければならないと考えるのであります。なぜなら、バブル崩壊後の景気対策によって財政難に苦しめられている我が県において、そのことはきちんと教訓とされているだろうかと疑問に思うからなのです。  広島県は、率先して基礎自治体の合併を推進し、合併先進県と呼ばれるまでになりました。しかし、平成の大合併の推進策には、合併特例債というおいしいニンジンがぶら下げられていました。いずれ合併しなければならないのなら、合併特例債が交付されるうちに合併を進めた方が得だという判断が、県、市町村ともに全くなかったと言えるでしょうか。私は、その精神は、国が半分とか三分の一とか費用を負担してくれるから、県としても事業を行った方が得であるという判断に基づいて公共事業を行った、バブル崩壊後の景気対策における県の行動様式と何ら変わらないのではないかと考えるのです。  まず、起債させて事業を行って、そこで生まれた借金の部分を基準財政需要額に乗せていくという総務省の手法には明らかに限界が来ていますし、約束が不履行になる可能性が非常に大きいのにもかかわらず、おいしそうな話を国から提示されれば、それに乗っかってしまう。一見合理的な判断に思えますが、その考え方が我が県の経常収支比率九四%という数字をつくり出してきました。本来、私たちは、現在直面する財政上の苦境から何かしらを学び、後世に警鐘を鳴らさなければならないはずなのです。  そこで、藤田知事にお伺いします。  財政上のガバナンスという点から見ると、これほどまでに借金をふやすに至ったのは、行政と政治それぞれの意思決定のあり方のどこに原因があったとお考えでしょうか。公債残高がこれほどまでにふえたということは、一方では仕事が行われたことの結果でもあるはずです。  私は、知事の在十六年での広島県行政のとるべき方向性は、地方分権社会において、広島県が名実ともに地域のリーダーとして君臨し得るためのさまざまな基盤を整えることにあったのであろうと考えます。だからこそ、私は、広島県が岡山と州都を争っているというような状況が、今生まれているということが信じられないのです。長年、自動車産業を経済の中核に据えてきた広島県が、これまで自動車産業にはほとんど縁のなかった北九州に企業誘致などで激しく追い上げられているということが理解できないのです。  現在、広島県は、大阪と福岡のはざまにあって、まさに新幹線の通過駅になってしまっている。私たちの広島県がなぜ、今のようなポジションに甘んじなくてはならなくなったのでしょうか。  知事は、在任十六年の間に公債残高を三倍にふやされました。繰り返しますが、二兆円です。これは何のための投資だったのでしょうか。恐らく知事は、中国地方の拠点となるべく、基盤整備に取り組んでこられた。その結果がこの二兆円の公債残高であるならば、支出に見合う成果を出さなければなりません。  知事は、十六年前、日本一住みやすい県をつくることを公約とし、当選されたと聞きますが、今、地元を歩いておりますと、広島県経済の地盤沈下や存在感の低下を心配する多くの県民の声が自然と耳に入ってきます。どうか、最後に、そうした県民の声にお答えいただきたいのです。  巨額の借金によって遂行された数々の事業は、知事が描いてこられたであろう広島県の将来像の実現にどの程度寄与したのか、すなわち、そのために、中国地方における広島県の中枢性はどれだけ高まったと評価されておりますか、お聞かせください。  質問の第二は、行政の透明性を高め、説明責任を果たすための方策についてです。  第一に必要なのは、議会による行政府の監視であり、もう一つは、厳格な政策評価を行うことです。議会による行政府の監視を有効に働かせるためには、持ちつ持たれつの行政府と議会との関係が改められる必要があります。今、我が国では、国会議員は官僚お仕着せの作文を朗読するだけだとの大きな批判がありますが、私たち県議会議員も情報はすべて行政府からもらわなければならないのが実情です。  議員が公正中立に政策評価を行うためには、議論の材料を提供してくれる機能を議会が備えることが必要ではないかと私はかねてより感じていました。なぜなら、私たち議員が能力を高めることが、行政の住民監視を実現させる最も有効な手だてだからです。  そこで、議会の求めに応じて執行機関の施策を評価し、事業の実施状況やその評価・分析を行う、執行部から完全に独立したシンクタンクを設置してはどうかと考えます。  そうした機関の設置を考える際、アメリカ連邦議会に独立して設置されているGAOが参考にならないでしょうか。GAOとは、アメリカ合衆国の会計検査院のことです。GAOは、連邦議会に設置されている委員会の要請に基づき、各プログラムの評価を行い、委員会に答申します。施策の遂行は国益にとって無意味であれば、事業を中止するべきだとの結論を出すこともある、独立でありつつ、強力な権限を持った機構です。こうした機関を設置するには費用がかかります。また、その機関が独立性を保ち、高度な調査能力を維持するためには、県単独で設置することは困難です。  そこで、中国地方の他県と共同して設置してはいかがかと考えております。国ではできない改革を先頭に立って実行していく広島県を私たちは目指すべきであります。  さて、一方で、現行の制度としての政策評価として、我が県では「元気挑戦プラン」の各施策の目標の達成状況や事業の成果などについて点検を行っています。各部局の七十四の重要施策は、一年に一度、施策点検シートとして一冊の文書にまとめられています。例えば、交流・定住促進施策の戦略的展開という施策は、市や町に設置された窓口へ、定住に向けての相談をどれだけ受けたかという指標で事業評価されています。平成二十年度の目標値は二千件で、実際には千七百四十三件の相談を受けたから、交流・定住促進施策の達成状況は七三・四%、星二つのまずまずの高評価です。しかし、我が県の定住政策の柱が窓口で定住相談を受けることであってよいのかという肝心の点については、この施策点検シートでは点検できません。  そもそも、政策評価という制度の本来の目的は、その政策が真に県民の利益の最大化に役立ったかどうかを判断するものであるべきです。そして、政策評価を通じて、その施策が県民の福祉に寄与しないということが明らかになれば、速やかに施策の転換や中止を決断すべきなのです。  ところが、我が県の施策点検が評価を行う対象としているのは、計画の指標がどの程度数値達成したかという単なる進行管理であり、計画そのものの有益性の是非をみずからに厳しく問うものではありません。私は、執行部のこの体質が、実は、この十六年の広島県政の停滞を招いてきたのではないかと考えるのです。  これまでの一般質問の中で、我が会派は、空港アクセスの問題を初めとする諸問題について、早急に決断を下していただくよう知事にお願いしてまいりました。しかしながら、執行部側から返ってくるのはいつも、検討するという答えでした。例えば、空港アクセスの問題では、知事はその任期中、一貫して多額の経費と労力をかけて検討を続けられ、とうとう決断を下すことがありませんでした。適切な時期に適切な判断を下されなかったために、結局、軌道系アクセスという当初の目標は、道路系アクセス整備に後退せざるを得なくなってしまったのです。  一つの事業計画の実施の決定を下すのに十六年もの時間を要する組織を、私は広島県庁以外に見たことはありません。私個人としては、広島県の経済力を損なわないためには、本来、空港の移設と軌道系アクセスの整備は一体で計画されるべきものであったと考えますが、もし、知事が必要のない計画だと判断されているのならば、その分析結果と理由を述べて、計画そのものを早急に打ち切っていくべきでした。  行政の面から見れば、このように事業計画の社会的意義や実現可能性を判断することができないということは、政策評価の仕組みに大きな問題があると考えなくてはなりません。  そこで、お聞きいたしますが、施策の推進、撤退などの判断を適切かつ迅速に行うため、現在の施策点検システムはどのように生かされておりますか。そして、その上で計画の継続・廃止、あるいは方針転換を判断するためには、施策点検システムを抜本的に改善し、機能強化を図る必要があると考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。  質問の第三は、我が県の公務員試験のあり方についてです。  私の手元に、本県の平成二十一年度の採用試験のコピーがあります。一次試験の、いわゆる教養と呼ばれる科目ですが、議員の皆さんは余りごらんになったことがないかと思いますので、内容を少し紹介いたします。  目の配置が同じ二つのさいころの展開図をつくった。二つのさいころのうち、それぞれ二カ所の目がわかっている。残りの目のうち、AとBの箇所の目の組み合わせについて正しいものを選べ。二つ、さいころの展開図が書いてありまして、そこで、AとBというふうにそれぞれの目が組み合わせとなって、五つの選択肢になっています。その中から選ぶというものです。こういった問題は、何も我が県の採用試験に限りません。国家公務員一種試験でも同じような問題が出る。そのため、役所に入ってお国のために働きたいと考えている学生は、だれでも、まず、一生懸命さいころの問題を練習するわけです、目の配置をできるだけ早く正確に答えられるように。  広島県では、受験生は、択一式の教養試験と専門試験によってふるいにかけられ、論文と適性検査を行うことになっています。ここまでが一次試験。そして、二次試験の面接をくぐって、ようやく合格できます。仮にも、国のため、地域のために働きたいと考えている人物に、さいころの目を当てる能力がなぜ必要なのでしょうか。第一、実際に社会に出て県行政に携わると、公務員予備校に行って解き方を学べば済むような易しい問題には、まずお目にかかれません。傾向も対策も全く立てられないような難問ばかりが待ち受けているのです。そのとき、画一的で正しい答えが一つしかないと考えているような人間には、とても難問に対処はできません。  私は、採用試験といいますのは、その組織がどのような能力を持った人物によって構成されているのかを示し、組織の可能性と限界を暗黙のうちにあらわすものだと考えています。つまり、広島県は、択一試験によってどんな人物を採用し、どんな組織になりたいのかということです。この混迷の時代にマニュアル人間は要らないのです。多種多様で型破りな人材こそ、広島県の頭脳になってほしいものだと切に願います。  そこで、私は、広島県の採用試験では、いわゆる公務員試験型の試験をやめてしまってはどうかと考えております。論文を主体にし、応用力と物事を新しく創造する力を見ることができるような、新しいタイプの試験を考案すべき時期ではないかと考えますが、これからの本県を支える職員の採用に当たって、現在の試験のあり方をどのように認識され、今後の採用方法の改善の必要性についてどう考えておられるのか、人事委員会事務局長の御所見をお伺いいたします。  質問の第四は、県立高校再編整備に当たっての基本的な考え方についてです。  教育委員会では、先月六日、県立大和高校と白木高校の二校について、来年度からの生徒募集停止を決定されました。ところが、今回募集停止が決定された大和高校は、本年度当初、高等学校学力向上対策事業によって指定されたステップアップハイスクールの対象校でした。ことしの四月、そのように指定した学校を半年もたたないうちに募集停止にするという決定をどのように理解したらよいのですか。指定したからには、少なくとも事業期間の三年間は、その取り組みを責任を持って支援すべきです。事業が開始された矢先に新入生の募集停止の決定を行ったということは、教育委員会が行った指定校の選択に問題があったということでしょうか。それとも、学力向上対策事業そのものが失敗だったという御判断ですか。  教育委員会の方針が今回のように迷走していては、現場の教職員、生徒、保護者の間に無用の混乱を生むだけであり、募集停止に当たっての県民の理解を得ることは到底できません。そもそも、教育委員会が考える魅力ある学校とはどのような姿なのでしょうか。  学力向上対策事業では、さきに挙げたステップアップハイスクールのほかに、トップリーダーハイスクール、チャレンジハイスクールという区分を設け、それぞれ五校、十校の高校を指定しています。それぞれの区分けが何を意味しているかというと、東大などの超難関大学を目指す高校、広島大学などの中堅大学を目指す高校だと言う。初めてその説明を聞いたとき、学問の府である大学を単に偏差値だけで区分けし、大学の名前まで挙げて、そこへの進学をその高校の目標だとすることが、果たして教育者のすべきことだろうかと私は思わずにいられなかったのです。  学力はもちろん大事です。「鉄は熱いうちに打て」との言葉どおり、知識を詰め込むことは若いうちにしかできません。しかし、偏差値だけで区分した大学への進学をその学校の目標にするということは、余りにも志が低過ぎるのではないか。受験はすべて傾向と対策であり、暗記すれば済む話です。しかし、生徒たちの人生は受験で終わりではありません。大学に入学した後の方が長いのです。  生きる意欲を持ち、社会のため、人のために自分に何ができるかと考える、能動的で創造性にあふれた人間を形成するのが教育現場のあるべき姿です。もちろん、学校現場の先生方は決して大学入試の傾向を暗記するだけの受け身の生徒をつくろうなどとは思っておられない。ですから、なおさら、教育委員会が学校教育にこのような区分を用いられるのは、現場の意識と乖離していると言わざるを得ないのです。もし、対象校の生徒が全員、偏差値とは無縁の海外の大学に入学してしまったら、この事業は成功と判断するのでしょうか、それとも失敗と判断するのでしょうか。つまり、教育委員会が学校を評価する尺度は、余りにも画一的で、狭隘に過ぎるのです。  広島県における教育は、是正指導の時代を経て、先輩方が苦労して現在の姿を築いてこられました。そして、今、次の時代に入っているのではないかと思います。教育はサービスです。今、私たちは、広島県の高校生が世界で活躍する人材に育つためにどんなサービスを生み出せるかを考えるべきであり、教育の可能性を追求すべきではないかと私は考えます。  今問題なのは、学力向上対策事業における学校改革のあり方にしろ、また、白木高校や大和高校の統廃合の進め方にしろ、教育委員会のお仕着せになってしまっているということです。慶応大学で文科省と闘いながら大学改革を成し遂げられた加藤 寛先生は、「理念なき国家は滅びる、理念なき大学も滅びる。」と言われました。まずは、現場であるそれぞれの学校がそれぞれの理念を明確に持つことから始めなければなりません。教育委員会のお仕着せでない、現場の自助努力なくしてサービスの健全な向上はないのです。  学校の理念を明確にし、独創的な教育を提供する学校として生まれ変わる情熱があれば、たとえ人口の少ない過疎地域に立地している学校であっても、統廃合することなく全力で支援すべきなのです。むしろ、教育委員会は上からの改革をひとまずやめるつもりで、まず、各学校のそうした情熱に火をつけることから始めなければならないのではないでしょうか。教育委員会のそのような働きかけなくして、まず統廃合ありきという議論を行うことは地域に禍根を残します。  そこで、まず、今後、統廃合を検討するに当たって、各学校や地域における自助努力をどのように評価または支援されるおつもりでしょうか、そして、その上で、各学校の魅力づくりをどのように推進しようとしておられるのか、教育長の御所見をお伺いいたします。  もちろん、高校の魅力づくりに取り組んだ上で、募集停止や学校の統廃合をせざるを得ないという状況もあり得ます。  そこで、質問の二点目として、募集停止から、学校廃止までの決定のあり方についてお伺いします。  今回の募集停止の決定をめぐっては、現場に大きな混乱が生じました。中学校の第三学年にとって、進路指導も終わり、高校進学に向け、本格的な準備に入りつつある八月に、唐突に高校の募集停止が発表されたためです。生徒の進路決定を考えれば、少なくとも、対象となる中学生が三年生に進級するまでには方針を明らかにすべきではないでしょうか。  生徒募集を停止するということが意味するのは、同時に、二年後には廃校になるということです。県立学校を廃止する条例改正は、県議会で出席議員の三分の二以上の同意を得なければならない、特に重要な案件として位置づけられています。にもかかわらず、この条例改正案が議会に提案されるのは、既に、学校では募集が停止された後であり、廃校が既成事実化した後に議決せざるを得ないというのが実情です。確かに、生徒の入学定員の決定は教育委員会の専権事項ですが、我々は県民の負託を受けた県議会であり、教育委員会のとられるこうした手続のあり方には疑問があります。  他県の例にもありますが、私は、募集停止の決定と同時に、在校生が卒業する年度末には学校を廃止するという条例改正案を議会に提案する。さらに言うと、募集停止の決定は議会の同意を得て行うことを条例に明記することにより、県民への説明責任を果たすべきだと考えます。  そこで、これまでの募集停止の決定に至る経緯をどのように受けとめ、当事者である生徒、保護者への影響をどのようにとらえておられるのか、その上で、今後の生徒募集停止の方針決定時期と条例改正の提案のあり方を含めた議会への対応をどのように考えておられますか、お伺いいたします。  我が国は今、大変大きな危機の瀬戸際にあります。若者はみんな都会に出る。地方ではいい稼ぎがないからです。農林水産業で努力に見合った収入を得られないからです。そのため、都会での核家族化と過疎地での高齢化が一層進行して、子供の養育費はかかる、社会保障費はかかる。そして、そのことが国や自治体の財政を圧迫して、経済全体に影響している。この悪循環から我が国が抜け出すためには、農林水産業がもうかる産業にならなければならない。年老いた両親を残して東京に出なくても、地方で魅力的な仕事ができて、十分な収入を得られるようにならなければならない。  しかし、残念ながら、今回政権交代した民主党のマニフェストを見ても、この悪循環を加速化する政策ばかりのようです。私は、地方自治体は今、日本全体を再生させるための大きな責任を負っていると考えています。日本再生のためには、明治以来、東京へ東京へと向かって進んできた私たち日本人の価値観から変えていかなければならない。  ハーバード大学はニューヨークにはありません。インターネット世界最大手企業のグーグルが立地しているのはカリフォルニアです。東京大学も東京にあってはいけないのです。地方に企業立地することが大きなコストとされる、この日本の構造を地方自治体が力を合わせて変えなければならないのです。経済的な自立なくしては、地方分権などあり得ないからです。  地方に何ができるものか、と言う人がいるかもしれない。でも、私は、広島県にはできると信じています。国に任せてばかりはいられません。地方の責任なのです。私たちも、国の意向や他県の状況をうかがってばかりの広島県から、だれもやったことのないことに挑戦する新しい広島県へと生まれ変わろうではありませんか。執行部と議会が知恵を合わせて、広島県からこの日本を変えていく、新しい時代の到来に期待しながら質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 15 ◯議長(林 正夫君) 当局の答弁を求めます。知事藤田雄山君。         【知事藤田雄山君登壇】 16 ◯知事(藤田雄山君) 河井議員の御質問にお答え申し上げます。  まず、財政上の意思決定のあり方についてお尋ねがございました。  私が県民の皆様の負託を受けて知事に就任した当時、本県はまさにバブル経済の崩壊が引き起こした深刻な状況に直面いたしておりました。このため、本県経済を立て直すための大規模な経済対策を講ずる必要があったほか、アジア大会や国体の開催に向け、さまざまなインフラ整備が急務となっておりました。  県財政が極めて厳しい中で、こうした経済対策のための公共投資やインフラ整備等の財源を調達するため、やむを得ず多額の県債を発行せざるを得なかったのが当時の財政運営の実情でございます。  また、その後の施策決定や財政運営におきましては、財政負担の軽減を図るため、地方交付税措置のある有利な県債を活用することも重要な視点としておりますが、第一義的には、県民や企業ニーズを踏まえつつ、費用対効果を十分に検証した上で、事業実施の是非やその規模、内容を決定してまいったところでございます。  その際、私自身、多面的な検討を行いますとともに、県議会とも議論を重ねて政策判断してまいったところでございます。  私は、これまで、常にこうしたプロセスを経て意思決定を行うことにより、県民の皆様が生き生きと暮らせる元気な広島県と財政健全化をともに実現させることを目指してきたところでございます。  次に、県債発行により遂行された事業の成果についてお尋ねがございました。  これまで、県が講じてまいりました経済対策やインフラ整備によりまして、道路網や港湾などの交通・物流基盤の整備が加速され、また、このことがその後の大規模な企業誘致につながるなど、県勢の活性化に大きく貢献したものと考えております。  具体的には、広島高速道路や尾道松江線などの高速道路ネットワークの整備や、広島空港、広島港、福山港の機能強化など、本県の拠点性を強化するための基盤整備に積極的に取り組んでまいりました。加えて、市町村合併後の地域づくりを支えるための緊急道路整備事業や、企業ニーズ等を踏まえた物流円滑化のための物流基盤の整備事業など、きめ細かなインフラ整備にも取り組んできたところでございます。  こうした社会インフラの整備によりまして、広島港における外貿コンテナの取扱量は、この十年間で約二倍の規模となっているほか、広島空港の国際定期路線は現在七路線で、その路線数は全国第六位となっております。また、平成十九年の製造品出荷額は中国・四国・九州地方のトップに位置するなど、中国地方における拠点としての機能を堅固なものとしているところでございます。  さらに、今後も本県の新たな広域交通・物流基盤となる広島高速道路などの主要な事業が平成二十年代半ばに概成するなど、本県が、中国地方の一体的発展に向けて、リーダーシップを発揮していくための県土の基盤整備は着実に進んでいるものと認識いたしております。  引き続き、元気な広島県づくりと財政健全化がともに実現できるよう、取り組まなければならないと考えております。  次に、行政の透明性を高めるための方策についてお尋ねがございました。  施策点検システムにつきましては、総合計画に掲げた施策について、進行管理のための指標を設定し、環境変化や施策の進捗状況等をみずから点検して、取り組むべき課題を抽出し、施策に反映するために行っているものでございます。  具体的には、今後の取り組みについて充実強化、修正あるいは縮減・廃止などの施策全体の方向性を示した上で、翌年度の施策の展開方向や事業の見直しに活用いたしております。また、個別の事業の見直しに当たりましては、こうした施策点検システムによる点検結果を踏まえ、社会経済情勢の変化を初めとする諸般の情勢変化や実現可能性、費用対効果などを勘案しつつ、案件ごとに継続、中止などを総合的に判断し、決定してまいりました。  今後とも、こうした判断に当たりましては、県議会や県民の皆様の御理解が得られますよう、行政の透明性を高め、説明責任を果たしていく必要があると考えております。  その他の御質問につきましては、担当説明員より答弁いたさせます。 17 ◯議長(林 正夫君) 教育長榎田好一君。         【教育長榎田好一君登壇】 18 ◯教育長(榎田好一君) 県立高等学校の再編整備計画について、二つのお尋ねがございました。  まず、学校の魅力づくりについてです。  県立高等学校につきましては、魅力と活力のある学校づくりを目指し、県立高等学校再編整備基本計画を策定して、学校の特色づくりと適正規模化を進めているところでございます。  魅力と活力ある学校づくりとは、おのおのの学校が生徒、保護者を初め、地域の方々から信頼され、地域のニーズに合った教育活動を展開し、特色ある学校をつくっていくことであると考えております。  教育委員会といたしましては、各学校の前年度までの教育目標の達成状況を評価した上で、学力向上や生徒指導などの課題に応じて学校を指定して支援を行うとともに、新年度の特色づくりの計画を精査して、別枠の予算措置による支援を行っているところでございます。  引き続き、おのおのの学校が地域でどのような役割を果たしているか、また、地域が学校に対してどのようにかかわっているかなどの状況を勘案しながら、基本計画に基づいて、特色づくりと適正規模化を進めてまいりたいと考えております。  次に、募集停止の決定のあり方についてです。  高等学校の募集停止につきましては、当該校の最新の状況を丁寧に把握し、慎重な検討を進めることが重要であることから、新年度の入学者の状況なども含めて検討し、夏休みごろを目途に決定しているところでございます。しかしながら、生徒募集停止の発表につきましては、昨年度、地元への説明の時期が遅い、十分な説明がないなど、さまざまな意見もあり、今年度は一定の時間を確保して、丁寧な説明をしてきたところでございます。  教育委員会といたしましては、学校の統廃合について、中学生が適切に進路を選択できるよう、できるだけ早い情報提供に努めてまいりたいと考えております。  なお、学校の廃止につきましては、県議会において条例改正で決定をいただいていることを踏まえ、当該校が所在する地域選出の議員の方々を初め、議員の皆様に丁寧に説明し、十分御理解いただけるよう努めてまいりたいと考えております。 19 ◯議長(林 正夫君) 人事委員会事務局長渡辺和子君。         【人事委員会事務局長渡辺和子君登壇】 20 ◯人事委員会事務局長(渡辺和子君) 職員の採用試験についてお尋ねがございました。  県政推進の礎となる有為な人材を確保するためには、職員採用試験における人物評価の果たす役割が非常に重要であると考えております。  本県の大学卒業程度の職員採用試験では、まず、一次試験の筆記試験において、県職員として職務を遂行する上で必要な基礎的な能力を有するかどうかについて判定しています。その上で、二次試験では、論文及び面接試験により、人柄、意欲、対人関係能力などの人物評価を行い、受験者の能力・資質について幅広い観点から検証しているところでございます。  具体的には、人物重視の試験をより一層進めるため、一次試験の合格者数を可能な限りふやし、より多くの受験者に面接を行うとともに、平成十九年度からは、最終合格の判定を論文、面接による二次試験の結果のみで行うことといたしました。さらに、今年度は、県に必要な人材像を明らかにする観点から、面接試験における評価の視点の見直しに取り組んだところでございます。  今後とも、採用試験のあり方については、絶えず見直し、研究を行い、複雑・高度化する行政課題に果敢に取り組む高い資質と使命感を有する人材を確保できるよう努めてまいります。 21 ◯議長(林 正夫君) 傍聴者の入れかえを行いますので、このまましばらくお待ち願います。         【傍聴者入退場を待つ】 22 ◯議長(林 正夫君) 引き続いて質問を行います。安井裕典君。         【安井裕典君登壇】 23 ◯安井裕典君 皆さん、こんにちは。私は、自由民主党広島県議会広志議員会・フォーラム広島の安井裕典でございます。今次定例会において質問の機会を与えていただき、心から感謝申し上げます。
     さて、今の我が国社会はといいますと、ようやく底打ちしつつあるとはいえ、いまだにいえない経済の立て直し、深刻な雇用不安の解消など、対策が急がれる深刻な状況にありますが、こうした中、国においては、日本の歴史にしかと刻まれるであろう政権交代が行われました。  発足した新政権では、子ども手当の創設の方針を打ち出す一方、その財源として、これまでの政府が積極的に取り組み、地方でも動き始めている経済危機対策としての補正予算について、数兆円もの執行停止を行う方針を示しておりますし、高速道路の無料化、地球温暖化や農業、さらには教育などの政策課題、とりわけ、緊急に求められている経済の安定、雇用情勢の回復など、我が国の先行きに不安すら覚えるのであります。これから、来年度の予算編成を初めとして、さまざまな政策というものが打ち出されてきますが、この新政権のかじ取りにしっかりと目を向けなければならないと考えます。  こうした国の大きな動きがある一方、私たちの身近に起きている深刻な問題、あるいは今後の地域の活性化への課題が厳然としてあるのも事実です。私たちは、こうした身近にある課題にも正面から向き合い、そして、安心で安全な暮らしを考え、本県の明るい将来を実現しなければならないのです。本日は、こうした視点から質問いたします。  また、本日は多くの傍聴者に来ていただいております。私たちが安心して、将来を展望して暮らすことのできるような明快な答弁を期待しております。  まず最初に、安心・安全の確保という点からお伺いいたします。  最初は、県民の防災意識の高揚についてです。  近年、我が国では、台風の大型化や局地的な豪雨の多発、また、記録的な集中豪雨、あるいは、限られた地域に突然に、そして短時間に豪雨が発生するといった、今までとは、その発生形態は大きく変わっているように感じています。こうした豪雨は、予想を超えたスピートで河川が増水し、そしてはんらんするなど、家屋や道路などの被害に加え、とうとい人命までも奪われる大きな災害になっており、本県でも県民の安全・安心を脅かすというリスクが高まっております。  まだ記憶に新しいところでは、平成十七年に県西部を襲った台風十四号があります。私の地元、廿日市市でも、記録的な大雨により、家屋の全壊や一部損壊が発生したほか、土石流、がけ崩れ、地すべりなどの土砂災害が発生し、大きな被害をもたらしました。ことし七月にも局地的な豪雨に見舞われましたが、過去の教訓を生かし、市の適切な対応、あるいは住民の自主避難などにより大きな被害に至らなかったのはまことに幸いであったと思います。  また、災害というのは豪雨だけではありません。平成十六年の新潟中越地震や昨年の岩手・宮城内陸地震など、大規模地震も各地で頻繁に発生し、大きな被害をもたらしております。  このように、地球温暖化に伴う気候変動がもたらす大雨の頻度の増加、大規模地震発生の切迫性の高まり、さらには、大型化した台風などによる災害の激甚化というものが懸念されており、それぞれの地域では、災害発生時に対する万全の備え、そして、その対策が以前にも増して求められているのです。  こうした中、ことし三月には広島県防災対策基本条例が制定され、この基本理念に基づき、みずからの身はみずからで守るという自助、地域の住民がお互いに協力して助け合う共助、さらには、行政機関が行う防災対策としての公助、この三つが緊密に連携し、想定される被害を可能な限り軽減するための、防災協働社会の構築を目指すこととしています。  もちろん、頻繁に発生する集中豪雨や局地的豪雨などの迅速かつ機動的に対応し、災害から県民を守るためには、行政による防災対策の充実強化を図ることは当然のことですが、その上で特に大切なのは、県民一人一人が災害への事前の備えというものに万全を期し、災害が発生した場合には、それぞれが的確な行動をとるといった防災意識を強く持つことだと考えます。  さらには、身近な地域コミュニティーにおける自主防災組織の取り組みが極めて重要となり、一たん発生した災害から自分を守るのは、やはり自分であり、そして身近な地域の皆さんの協力であると考えますし、防災対策基本条例に掲げられている自助、共助への取り組みが特に重要になると考えます。  そこで、県民一人一人の防災意識の高揚を図り、加えて、地域における防災への取り組みを一層推進するため、自助、共助の促進にどのように取り組んでいかれるのか、知事の御所見をお伺いいたします。  質問の第二は、新型インフルエンザへの対応についてです。  厚生労働省は、先月二十八日に、今回の新型インフルエンザは、九月下旬から十月にかけて発症がピークを迎え、その数も季節性インフルエンザの二倍程度にも相当し、国民の約二割が発症するという推計を発表いたしました。本県でも、今月三日には本格的な流行が始まったとの発表があり、さらに、先月十七日には、患者発生のピークを来月十九日から二十五日と想定し、その上で、人口に対する発症率を二〇%とする試算が発表されております。今回の流行は、発症した人の大多数が一週間程度で回復しておりますが、一方で、特に深刻なのは、基礎疾患のある人や妊婦など、重症化のリスクが高い人への対策です。  今後、患者数が増大することによって、こうした人たちが医療機関を受診できない事態が生じないよう、重症患者の受け入れに万全を期さなければなりません。  また、新型インフルエンザワクチンについては、十月下旬にならないと接種することができず、流行のピークに間に合わないばかりか、すべての県民に行き渡るワクチンの数も確保できない状況にあります。こうした中で、県民が不安を抱え、混乱を招くことのないよう、適切な情報伝達と完全予防の徹底、早期診断・治療といった医療体制の充実・確保に早急に取り組む必要があると考えます。  患者数が全国を上回るペースで広まった沖縄県では、地域の診療所が夜間や休日の診療に協力することや、県が中心となって小児救急病院の人工呼吸器の稼働状況を毎日把握し、その情報を各病院に送付することで、子供の重症患者に備えていると聞いておりますが、こうした体制を参考にして、流行のピークに万全の備えをしなければなりません。  さらに、例年であれば、これから冬にかけて季節性インフルエンザの流行期が到来しますので、この流行期に新型インフルエンザの第二のピークが訪れることも想定しなければなりません。こうしたこれまでに経験したことのない未知の脅威というものを想定した医療体制の確保に万全を期さなければならないと考えるのです。  一方では、学校での対策も極めて重要になってきます。  学校では、学級閉鎖などを余儀なくされている状況もありますが、特に、これからは就職試験、さらには入学試験のシーズンとなります。生徒の進路決定という、子供たちにとって生涯を左右する大切な時期ですから、ここに影響が生じることのないよう、予防対策により一層万全を期さなければなりません。また、大学などに対しては、入学試験に当たっての配慮といったことも要請すべきではないでしょうか。  そこで、今後の大流行も想定した、学校での万全の予防対策、さらには、生徒の進路に影響を与えないための対応について教育長の御所見をお伺いいたします。  次に、地域の活力づくりの観点からお伺いいたします。  まず、質問の第三として、林業・木材産業の振興についてです。  本県には、その多くが、戦後の拡大造林により創出された十四万ヘクタールもの杉、ヒノキの人工林があり、これから本格的な伐採時期を迎えますが、その蓄積量は、平成十七年で三千六百万立米にも達し、今後、さらに増加します。その蓄積量というのは、平均的な住宅で見ると五十四万戸分にも相当するのですが、本県での年間の木材住宅の着工数は一万戸足らずということからも、その蓄積量の膨大さがわかります。  しかし、蓄積量に対する現在の年間利用量は、わずか〇・二%に当たる八万立米程度であり、県内の住宅建設に使われる木材を占める割合を見ても、七%にとどまっている現状にあります。その理由は、生産や流通のコストが高く、山林所有者に利益が残らないことや、本県の林業形態が小規模零細で、一定した量で安定的な供給を求める住宅メーカーのニーズにこたえられないといったことにあります。  本県では、これらの森林資源を有効に活用するため、林業の構造を改革し、効率的な木材生産・流通体制の確立を図る施策を進めています。山側では、低コスト林業団地を設定し、作業道整備と高性能林業機械を導入した木材生産コストの削減に取り組むとともに、大朝工業団地の木材集出荷施設の整備を支援し、流通の効率化を図ろうとしています。  しかし、昨年からの経済不況により木材価格は下がり、出荷しても利益が出ない状況が続いていますし、木材使用の大半を占める住宅の県内着工戸数は、本年七月まで、対前年比二一%減と改善が見られず、生産量の減少も懸念されているのです。また、本県の林業・木材産業の活性化の起爆剤となると期待していた大朝工業団地に建設予定の中国木材株式会社の製材工場は、この経済情勢の中で延期され、大変残念に思いますし、一日も早い着工を期待しているところです。  こうした中で、県では、経済対策を目的とした県産材住宅支援事業を本年度から実施しましたが、六月の補正予算で追加募集への対応を迫られるほどの多くの応募がありました。これは、林業・木材産業の振興にも極めて有効であるのだと考えます。  こうした状況を考えますと、林業・木材産業の振興には、山側への対策のみならず、流通・加工部門を強化し、県産材の安定的供給に向けた体制の確立、さらには木材の利用拡大など、早急に、かつ総合的に取り組む必要があると考えるのです。  そこで、県としてこれからどう取り組み、何を目指そうとしているのか、知事の御所見をお伺いいたします。  質問の第四は、漁業の振興対策についてです。  本県は、海域が狭いにもかかわらず、屈曲に富む海岸線、多くの島々、天然のいそや瀬などに恵まれた好漁場があり、そこでは多種多様な漁業が営まれております。しかし、本県の海面漁業の漁獲量は、平成元年の三万トンから平成十九年には一万九千トンと、約三分の二まで減少しています。こうした漁獲量の減少は、水質の悪化を初めとする海洋環境の変化や乱獲などの人為的な要因などが複合的に作用し、本来海が備えている資源回復力が低下したと言われておりますが、沿岸域の開発等により藻場や干潟といった魚介類の育つ場所が大きく減少したことも大きな要因であると考えられます。  こうした中、魚介類を育てる機能を人工的に補完するため、昭和三十八年には瀬戸内海でマダイの種苗放流が開始され、つくり育てる漁業というものがスタートしたのです。本県でも、昭和四十二年にマダイの人工種苗生産が始まり、以後、栽培漁業の先進県としてマダイ、ヒラメ、ガザミなどの有用な魚介類の種苗生産・放流の取り組みが行われています。  私の地元、廿日市市の周辺海域におきましても、ヒラメやガザミなどの種苗放流が地道に続けられております。漁業者の皆さんからは、漁獲量が減少する中、放流した魚種は比較的安定して漁獲されていると聞いておりますが、一方では、漁獲した魚の値段が安く、また、近年の燃料や資材の高騰など、漁業経営は極めて厳しい状況が続いているのも事実です。  しかし、漁業資源の維持・回復に取り組むことは、漁業という一分野の問題にとどまらず、観光や食品加工など、他産業への波及効果を通じ、地域の活性化に大きく貢献するものと考えております。  世界遺産・安芸の宮島を訪れる観光客の方々にとっては、カキやアナゴに代表される瀬戸内海のおいしい魚介類を食することが大きな楽しみであり、それが観光地宮島の魅力を一段と高めているのです。今後とも安定的に漁業を継続し、県民や全国からいらっしゃる観光客の方々に瀬戸内の海の幸を安定的に供給するためにも、栽培漁業を効果的に行い、漁業資源をふやす取り組みを続け、安定的な漁業経営を行う必要があります。  そこで、今後の栽培漁業の推進や漁業経営の安定化について、県としてどのように取り組まれるのか、知事の御所見をお伺いいたします。  質問の第五は、深刻な課題を抱える過疎対策についてです。  我が国の過疎対策は、昭和四十五年に過疎地域対策緊急措置法が制定されて以来、四次にわたって特別措置法が制定され、平成十六年度までに全国で七十六兆円もの対策が実施されています。本県でも、昨年度までに三兆三千億円もの対策が実施されておりますし、本年度も四十八億円の予算を計上し、医療提供体制や交通・通信手段などの生活を支える機能の確保、あるいは、担い手が中心となった力強い農業構造の確立などによる魅力ある中山間地域の形成に精力的に取り組んでいます。こうした対策により、地域の道路改良・給水整備を初め、生活基盤の整備などに一定の成果を上げていると感じております。  しかし、本県の過疎地域の現状を見ますと、平成十七年度国勢調査では、過疎地域の人口が五年間で五・八%も減少しており、その上、特に若年者の流出というものが顕著な中、高齢者が五割以上という集落は、過疎地域全体の一九・五%にも達し、これは全国平均の一二・七%に比べ、かなり高い状況にあるのです。  こうした過疎地域が抱えているのは、少子・高齢化に加え、空き家の増加や医療従事者の確保など、さまざまな問題を抱えております。とりわけ農村部では、農業の担い手不足にあわせて、耕作放棄地の増加や森林の荒廃が進み、農業生産のみならず、農村そのものが危機的状況に陥るのではないかと危惧しております。したがって、国、県を挙げての継続した、より充実した過疎対策というものが今後も欠かせない、深刻な状況にあるのも事実です。  こうした中、現在の特別措置法は今年度末をもって期限切れを迎えようとしておりますが、人口の著しい減少に伴って、地域社会における活力が低下するといった問題は、国が総合的かつ計画的な対策を講じるべきであり、本県を初め、全国でも新たな過疎法の制定と引き続く総合的な対策、あるいは、より効果的な総合対策に期待しているところです。  しかし、一方では、新しく政権を担当することになった民主党の政策集、ここには、法律に基づく中山間地域等直接支払など、農村集落や漁業集落への支援というものは掲げられているものの、新たな過疎法の制定による総合的な過疎対策の政策は見当たらず、過疎地域を根本的にどのようにしていくのかという議論が見えてこず、非常に大きな不安を覚えるのです。  今の本県における過疎地域の現状を考えると、今後の過疎対策というものは、ハード整備に加え、生活交通の確保や冬季生活の支援など、生活者の視点に立ったソフト面での施策を重視した、地域の実態に合わせたきめ細かな対応が必要であると考えます。そのためにも、これを支える新たな過疎法が確実に制定されることが必要ですし、地方自治体における今後の過疎対策に向けた取り組みの充実のためには、財政支援措置を含めた新法の内容というものが早期に示されるべきと考えるのです。  そこで、本県の過疎地域における現状をどのように認識され、その上で、過疎対策を支える新たな過疎法制定の必要性をどのように考え、国への働きかけなど、新法制定に向けた取り組みについて知事の御所見をお伺いいたします。  ここで、活力ある地域づくりという観点にもつながる県立高校再編整備について要望しておきます。  先月、大和高校及び白木高校の来年度からの生徒募集停止が発表されました。この生徒募集停止、そして廃校は、遠距離の通学を強いられるという負担、そこには通学費の負担も伴い、地元の生徒、保護者への影響は大きいものであると考えます。  あわせて、こうした小規模校が所在する地域では、地域崩壊が起こりつつある現状にもあり、その中で、将来の担い手となる人材を育てる高等学校の存在とは、今後の過疎対策などを考える上でも大きな役割を担っているのではないでしょうか。  私の地元にも、いわゆる小規模校とされる佐伯高校がありますが、地域住民にとっては、高校の存続が、今後の地域を考える上でも極めて重要なのです。  その佐伯高校ですが、現在、新潟国体が開かれており、昨日、佐伯高校の生徒がアーチェリーの団体戦に出場して、団体戦で見事三年ぶり六度目の優勝を飾りました。そして、本日は佐伯高校の同窓会長あるいはOBの方もたくさん来ておられますし、また、私は、廿日市市アーチェリー協会の会長をしておりますし、非常に鼻が高いところでございます。そうした小規模校もいろいろな分野で、それぞれの生徒が一生懸命活躍していることも実情でございますので、その辺のこともよくよくお考えの上、よろしくお願いしたいと思います。  こうしたことから、県立高校の再編整備は、地域の実情というものにしっかりと目を向け、それぞれの地域における高等学校のあり方あるいは役割を考えていただきたいものです。その上で、今後の再編整備計画を示し、そして地域の関係者と十分に議論すべきであると考えるのです。そのことで、保護者や子供たちにとっては、将来を見据えた進路を考え、地域にとっては、今後の地域活性化に向けたありようをみんなで考えることができ、一方では、地域と連携した魅力ある学校づくりにもつながるのではないでしょうか。  例えば、隣の岡山県では、地域の状況、課題、教育体制整備の方向を整理し、再編整備対象校のグループを設定し、その上で、プロジェクトチームによる検討を進めていると聞いております。  私は、このように県内各地域での今後の高等学校のあり方をしっかりと検討し、さらには、その方向性を県民に示し、その上で、地域の関係者と十分な議論を踏まえた再編整備というものが必要になると考えます。  このたび示された学校間連携を進めるに当たっても、それぞれの地域の意見を十分に踏まえる姿勢で臨んでいきたいと考えます。今次定例会においても他の議員から指摘のあったところですので、あえて問いただしませんが、このことを強く要望しておきます。  質問の第六は、教育現場で極めて深刻な問題になっている教職員の不祥事根絶に向けた対策です。  本県では、是正指導以降、教育関係者を初めとしたさまざまな方のたゆまぬ努力により、教育改革は着実に進み、公教育に対する信頼も確保されてきたと受けとめております。しかし、一方では、こうして得た信頼を一度に失うことになる教職員の不祥事がいまだに後を絶たない状況にあるのも事実です。  ことし六月、私の地元である廿日市市の中学校でも、出会い系サイトにかかわったわいせつ事案で教諭が逮捕され、生徒、保護者、さらには地域に激震が走ったのはまだ記憶に新しいところです。学校では、携帯電話を持ち込まないという指導をするなど、徹底した情報モラル教育を進めている中、一方では、みずからが指導する立場のはずの教職員により児童生徒が直接に被害を受けるといった、教職員としてというよりも、人間として信じられないような、言葉を失ってしまうほどの問題であり、特に憤りを覚えるのです。  先日、三原市の元教諭の犯行に対し、広島地裁は懲役三十年の判決を言い渡しましたが、この判決を見ても、その罪の重さははかり知れないものです。  改めて申し上げるまでもありませんが、「教育は人なり」と申します。教職員の力は学校教育の成否を大きく左右することから、教職員には、人格のすべてをかけて子供たちとかかわることが求められます。こうしたかかわりが子供たちの人格形成に大きな影響を与えることからも、教職員の責任は極めて重いものがあります。  さらには、不祥事を起こした教職員だけの責任問題にとどまらず、これまで多くの教職員が地道な努力により築き上げてきた児童生徒、保護者、そして地域の人々との信頼関係が一気に崩壊することになり、その信頼回復には、再び多くの努力と多くの時間を要するという、信頼の根幹を揺るがしかねない問題なのです。  こうした中、本県はこれまで、「子どもたちは私たちの姿を見て育ちます」と訴えられた教育長の緊急メッセージなど、さまざまな取り組みにより自覚を促してこられております。  しかし、こうした不祥事は後を絶たないばかりか、本県の教育職員に係る懲戒処分の発生率というものは、全国に比べても二倍以上という高い状況にあるのです。この状況を、教育関係者はもとより、教職員みずからが真摯に受けとめ、その原因あるいは背景というものを徹底的に分析し、不祥事の根絶に向けた取り組みを徹底していかなければならないし、不祥事は決して人ごとではない、一人一人が不祥事は絶対に起こさせないという強い決意を心に刻まなければならないのです。  教育委員会では、本年六月に外部有識者、専門家で構成する不祥事根絶対策専門家会議を設置され、これまで二回の会議を開催され、年内には提言をまとめると伺っており、効果的な道筋が示されるものと大きな期待を寄せております。  しかし、この問題は、とりわけ不祥事によって児童生徒が被害に遭うといったことが決して許されない緊急の問題であります。  そこで、これまで開催された二回の専門家会議での意見なども踏まえ、不祥事根絶に向けた徹底した対策にどのように取り組まれるのか、教育長の御所見をお伺いいたします。  質問の最後に、教育委員長に本県教育への思いをお尋ねします。  天野教育委員長は、平成十三年十月に教育委員に就任され、昨年十月からは教育委員長を務められました。この間、是正から改革へという時代の中で、本県教育改革に積極的に取り組んでこられ、敬意を表するものであります。  一方では、県立高校再編整備、教職員の不祥事などの課題への対応、あるいは政権交代後の教育施策にも注目する中で、本県のさらなる教育改革というものに引き続き全力を挙げなければなりません。  こうした中で、このたび退任されるに当たり、これまでの本県教育についての思い、さらには、新たな「教育県ひろしま」の創造に向けた教育委員長の率直な思いをお聞かせいただきたいと思います。  さて、今次定例会は、藤田知事の四期十六年の最後となる本会議となりました。くしくも、県財政が極めて厳しさを増す中にあって、藤田知事には長年にわたって本県のリーダーとしてそのかじ取り役を担われてまいりました。その長年の御労苦に対し、心から敬意を表して私の質問を終わらせていただきます。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 24 ◯議長(林 正夫君) 当局の答弁を求めます。知事藤田雄山君。         【知事藤田雄山君登壇】 25 ◯知事(藤田雄山君) 安井議員の御質問にお答え申し上げます。  まず、県民の防災意識の高揚についてお尋ねがございました。  頻発する大規模地震や局地的な豪雨などに迅速に対応し、被害の軽減を図るためには、公助の充実はもとより、自助、共助、公助が相互に連携し、社会全体で防災対策に取り組むことが極めて重要であると考えております。  このため、県といたしましては、自助を促進するため、「備えて安心 みんなで防災」をテーマとした防災フォーラムや、家族ぐるみで地震対策について考えるおやこ防災教室を開催し、県民意識の高揚に努めているところでございます。  また、共助の取り組みを促進するため、そのかなめとなる自主防災組織の活性化などを目的とした研修会を継続して開催いたしますとともに、本年度から、防災に関する専門知識を持ち、地域活動の中心となるひろしま防災リーダーを年間で六十名、五年間で三百名養成することといたしておりまして、今後、この防災リーダーが住民の防災意識の向上に大きく寄与するものと期待いたしております。  さらに、市町が自主防災組織や住民の参加を得て実施する、避難経路の確認や避難場所の運営などの実践的な訓練に積極的に参画し、地域における取り組みを支援しているところでございます。  こうした取り組みを継続して実施することにより、豪雨等、あらゆる災害に対し県民総ぐるみで減災に取り組む、防災協働社会の早期実現を目指してまいりたいと考えております。  次に、林業・木材産業の振興についてお尋ねがございました。  木材価格が低水準にある中で、林業・木材産業の振興を図るためには、山側の生産コストの削減に加え、流通・加工の効率化や木材の利用拡大が重要であると考えております。このため、平成二十年度には、北広島町大朝に流通・加工の拠点となる木材集出荷施設の整備を進め、本年度には、この施設を運営するひろしま木材事業協同組合を初めとする関係者間で木材安定供給に係る合意形成を図ってきた結果、明日、十月一日から、この施設を本格稼働させるに至ったところでございます。  また、県産材の利用を拡大するため、県産材を使用した住宅への助成や民間金融機関と連携した住宅融資の優遇制度などにも取り組んでいるところでございます。  県といたしましても、今後とも、こうした取り組みに加え、低コスト林業団地の整備を加速化させることによりまして、川上から川下まで一体となって産業として自立できる林業の確立と木材産業の振興を図ってまいりたいと考えております。  次に、過疎対策についてお尋ねがございました。  本県の過疎地域は、人口減少・少子高齢化の著しい進行などにより、医師不足や生活交通の廃止・縮小、集落機能の低下、基幹産業である農林水産業の衰退や耕作放棄地の増加など、極めて厳しい状況にあると認識いたしております。  このため、新たな過疎対策を最重点課題と位置づけ、新法制定に向けた全国の議論に先駆け、生活者の視点に立ったソフト施策を中心とした緊急対策事業に取り組みますとともに、産業として自立できる農林水産業への構造転換など、魅力ある中山間地域の形成に向けた取り組みにも力を注いでいるところでございます。  こうした本県の先導的な取り組みを着実に実施していくためには、これを支える法的な裏づけが不可欠であると考えており、このため、県独自の提案活動はもとより、地方六団体などとも連携を図りながら新法の制定を強く働きかけてきたところでございます。  今後、新内閣に対しましても、本県の過疎地域がおかれております厳しい状況について理解を求めますとともに、新たな過疎対策の具体的内容をお示しし、それを着実に推進するための法制度が確立されるよう強く訴えてまいりたいと考えております。  その他の御質問につきましては、担当説明員より答弁いたさせます。 26 ◯議長(林 正夫君) 農林水産局長冨永嘉文君。         【農林水産局長冨永嘉文君登壇】 27 ◯農林水産局長(冨永嘉文君) 栽培漁業の推進などについてお答え申し上げます。  持続的かつ安定的な水産業を確立するためには、生産の基盤となります水産資源の維持・増大や水産物の流通改善などによる漁業所得の向上等が必要であると考えております。  このため、栽培漁業につきましては、マダイなど広域回遊魚中心の生産から、オニオコゼやメバルなど地元の海域に定着する魚種を主体とした種苗生産・放流への転換を進めるとともに、引き続き、量産化のための技術改良に取り組むことによりまして、安定した種苗供給体制の構築を図ってまいります。  また、水産物の流通改善につきましては、合併漁協を対象に、尾道地区でのアサリや呉豊島地区でのタチウオなど、漁協みずからが行う新たな流通体制構築のための集出荷施設の整備について支援を行っているところでございます。  今後とも、市町や県漁連と連携しながら合併による漁協機能の強化を図り、漁協が栽培漁業や流通改善を主体的に担うことにより、収益性の高い漁業への転換を進め、漁業経営の安定化を図ってまいりたいと考えております。 28 ◯議長(林 正夫君) 教育長榎田好一君。
            【教育長榎田好一君登壇】 29 ◯教育長(榎田好一君) 二つのお尋ねがございました。  まず、新型インフルエンザへの対応についてです。  県教育委員会におきましては、感染拡大を防止するため、県立学校及び市町教育委員会に対し、学校において手洗い・うがいなどの保健指導や毎朝の健康観察を徹底するよう指導するとともに、家庭においても、登校前の健康状態に留意するようお願いしているところでございます。  また、二学期以降の対応といたしましては、校長会と連携して、九月当初に学級閉鎖などの基準や具体的な手順を整理し、各県立学校及び市町教育委員会に通知したところでございます。  高校生の就職試験につきましては、各事業主に対して、生徒の所属校において患者が集団発生した場合にも、受験の機会が確実に確保できるよう要望するとともに、広島労働局に対しても事業主への指導を依頼しております。  また、入学試験につきましても、大学入試センターなどの対応について情報収集に努めており、今後、国への要望を行うなど、生徒の受験の機会が確保できるよう万全を期してまいります。  次に、教職員の不祥事根絶対策についてです。  相次ぐ教職員の不祥事により、教育に対する県民の信頼が損なわれていることにつきましては、教育委員会といたしましても重く受けとめているところであり、不祥事の根絶は喫緊の課題であると考えております。  このため、不祥事の実例をもとにした研修資料を作成・配付し、これを活用した研修を実施するとともに、本年四月には、教育委員会事務局と各学校に体罰・セクシュアルハラスメント相談窓口を設置し、不祥事の未然防止、早期対応に努めているところでございます。  こうした取り組みに加え、本年六月には不祥事根絶対策専門家会議を設置し、職員の規範意識を確立するための方策や職員間で十分なコミュニケーションがとれる組織づくりなどについて、専門的な見地から検討していただいているところでございます。  また、広島県公立学校校長会連合会におきましても、教職員の使命や倫理をすべての教職員が守るべき教育の原点として標語にまとめ、その趣旨を徹底するとともに、不祥事防止のためのチェックリストを作成して、各学校で点検を行うなどの取り組みを行っているところでございます。  教育委員会といたしましては、校長会連合会の対応も踏まえ、専門家会議で出された具体的な提言について、できることから直ちに取り組むなど、あらゆる方策を講じ、不祥事の根絶に全力を挙げてまいりたいと考えております。 30 ◯議長(林 正夫君) 教育委員会委員長天野 肇君。         【教育委員会委員長天野 肇君登壇】 31 ◯教育委員会委員長(天野 肇君) 安井議員の御質問にお答えいたします。  このような機会を与えていただきまして、本当にお礼を申し上げます。  私は、県議会の皆様方の御理解と御協力によりまして、本日まで八年間、教育委員、教育委員長としての職責を果たすことができましたことに対しまして、心から感謝を申し上げます。  私が就任いたしました平成十三年当時は、議員提案によりますひろしま教育の日を定める条例の制定を契機といたしまして、多くの県民が学校を訪れ、保護者や地域の方々が授業に協力・参画するようになるなど、県民総参加による教育改革への機運が高まり始めた時期でございました。  以来、私は、県民から信頼される公教育の実現に向け、学校評価制度や新たな人事評価制度の導入など、教育改革のための仕組みづくりを進めるとともに、基礎・基本定着状況調査やことばの教育など、教育の中身づくりにも重点を置いて取り組んでまいりました。  また、本県の中等教育をリードする広島中・高等学校や総合技術高等学校の設置など、特色ある学校づくりにも取り組んでまいりました。その結果、本県教育は、全体として公教育の基盤が整いますとともに、全国学力・学習状況調査において、特に小学校の結果が全国平均を大幅に上回るなど、教育内容の面におきましても、その成果が着実に出てまいってきております。  また、すべての市町教育委員会に指導主事が配置されるなど、その指導体制が整ってきている状況などを踏まえて、本年度、教育事務所を再編いたしますとともに、学校における組織運営体制や指導体制の充実を図るため、新たに主幹教諭、指導教諭を設置したところでございます。  一方で、教職員の不祥事が後を絶たないことや、小中学校におきます暴力行為の発生件数が近年増加傾向にあることなど、なお取り組むべき課題が残っていることは十分認識いたしております。  また、県立高等学校再編整備につきましては、今後も関係市町及び教育委員会と十分な協議を重ねまして、地域住民の皆様の御理解を得るべく、真摯な対応を継続することが県教育委員会に課せられた責務と認識いたしております。  今後、こうした成果とさまざまな課題を踏まえまして、県、市町が緊密に連携を図りながら、「元気挑戦プラン」や人づくりビジョンに基づいて、さらなる教育改革を推進していかれることを強く期待しております。  県議会の皆様方におかれましては、新たな「教育県ひろしま」の創造に向けまして、今後とも、教育委員会に対しまして御指導、御鞭撻、御支援をいただきますようお願い申し上げます。  このような機会をちょうだいいたしまして、重ねてお礼申し上げます。どうもありがとうございました。(拍手) 32 ◯議長(林 正夫君) 明日も引き続いて質問を行います。明日は午前十時三十分から会議を開きます。  本日はこれをもって散会いたします。         午後二時二十九分散会 広島県議会...