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2009-03-12 平成20年度予算特別委員会(第5日) 名簿
2009-03-12 平成20年度予算特別委員会(第5日) 本文

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    トップページ 検索結果一覧 使い方の説明 (新しいウィンドウで開きます) 平成20年度予算特別委員会(第5日) 本文 2009-03-12 文書・発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ・別画面表示ツール 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ(新しいウィンドウで開きます) 別窓表示(新しいウィンドウで開きます) ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 発言の単文・選択全文表示を切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者表示切り替え 全 129 発言 / ヒット 0 発言 すべての発言ヒット発言表示切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示を実行・チェックの一括変更 選択表示 すべて選択 すべて解除 発言者一覧 選択 1 : ◯質疑松岡委員長選択 2 : ◯答弁教育長選択 3 : ◯質疑松岡委員長選択 4 : ◯答弁教育長選択 5 : ◯質疑松岡委員長選択 6 : ◯答弁教育長選択 7 : ◯質疑松岡委員長選択 8 : ◯答弁教育長選択 9 : ◯意見・質疑(松岡委員長選択 10 : ◯答弁(知事) 選択 11 : ◯質疑松岡委員長選択 12 : ◯答弁(知事) 選択 13 : ◯質疑松岡委員長選択 14 : ◯答弁健康福祉局長選択 15 : ◯質疑松岡委員長選択 16 : ◯答弁(知事) 選択 17 : ◯意見松岡委員長選択 18 : ◯質疑安井委員選択 19 : ◯答弁教育長選択 20 : ◯質疑安井委員選択 21 : ◯答弁教育長選択 22 : ◯質疑安井委員選択 23 : ◯答弁教育長選択 24 : ◯質疑安井委員選択 25 : ◯答弁教育長選択 26 : ◯質疑安井委員選択 27 : ◯答弁教育長選択 28 : ◯要望・質疑(安井委員選択 29 : ◯答弁教育長選択 30 : ◯質疑安井委員選択 31 : ◯答弁教育長選択 32 : ◯意見安井委員選択 33 : ◯質疑(宮委員) 選択 34 : ◯答弁(土木局長) 選択 35 : ◯質疑(宮委員) 選択 36 : ◯答弁(土木局長) 選択 37 : ◯質疑(宮委員) 選択 38 : ◯答弁(土木局長) 選択 39 : ◯質疑(宮委員) 選択 40 : ◯答弁(知事) 選択 41 : ◯質疑(宮委員) 選択 42 : ◯答弁(土木局長) 選択 43 : ◯質疑(宮委員) 選択 44 : ◯答弁(土木局長) 選択 45 : ◯質疑(宮委員) 選択 46 : ◯答弁(土木局長) 選択 47 : ◯質疑(宮委員) 選択 48 : ◯答弁(土木局長) 選択 49 : ◯質疑(宮委員) 選択 50 : ◯答弁(土木局長) 選択 51 : ◯質疑(宮委員) 選択 52 : ◯答弁(土木局長) 選択 53 : ◯質疑(宮委員) 選択 54 : ◯答弁(土木局長) 選択 55 : ◯質疑(宮委員) 選択 56 : ◯答弁(土木局長) 選択 57 : ◯質疑(宮委員) 選択 58 : ◯答弁(知事) 選択 59 : ◯要望・質疑(宮委員) 選択 60 : ◯答弁(総務局長) 選択 61 : ◯質疑(大井委員) 選択 62 : ◯答弁(農林水産局長) 選択 63 : ◯質疑(大井委員) 選択 64 : ◯答弁(農林水産局長) 選択 65 : ◯質疑(大井委員) 選択 66 : ◯答弁(農林水産局長) 選択 67 : ◯質疑(大井委員) 選択 68 : ◯答弁(農林水産局長) 選択 69 : ◯質疑(大井委員) 選択 70 : ◯答弁(環境県民局長) 選択 71 : ◯質疑(大井委員) 選択 72 : ◯答弁(企画振興局長) 選択 73 : ◯質疑(大井委員) 選択 74 : ◯答弁(総務局長) 選択 75 : ◯要望(大井委員) 選択 76 : ◯質疑(緒方委員) 選択 77 : ◯答弁(商工労働局長) 選択 78 : ◯質疑(緒方委員) 選択 79 : ◯答弁(総務局長) 選択 80 : ◯質疑(緒方委員) 選択 81 : ◯答弁(総務局長) 選択 82 : ◯質疑(緒方委員) 選択 83 : ◯答弁(知事) 選択 84 : ◯質疑(緒方委員) 選択 85 : ◯答弁(商工労働局長) 選択 86 : ◯質疑(緒方委員) 選択 87 : ◯答弁(商工労働局長) 選択 88 : ◯質疑(緒方委員) 選択 89 : ◯答弁(商工労働局長) 選択 90 : ◯要望(緒方委員) 選択 91 : ◯質疑(岩下委員) 選択 92 : ◯答弁(知事) 選択 93 : ◯質疑(岩下委員) 選択 94 : ◯答弁(商工労働局長) 選択 95 : ◯質疑(岩下委員) 選択 96 : ◯答弁(商工労働局長) 選択 97 : ◯質疑(岩下委員) 選択 98 : ◯答弁(商工労働局長) 選択 99 : ◯質疑(岩下委員) 選択 100 : ◯答弁(企画振興局長) 選択 101 : ◯質疑(岩下委員) 選択 102 : ◯答弁(知事) 選択 103 : ◯質疑(岩下委員) 選択 104 : ◯答弁(商工労働局長) 選択 105 : ◯質疑(岩下委員) 選択 106 : ◯答弁(商工労働局長) 選択 107 : ◯要望・質疑(岩下委員) 選択 108 : ◯答弁教育長選択 109 : ◯質疑(岩下委員) 選択 110 : ◯答弁(知事) 選択 111 : ◯要望(岩下委員) 選択 112 : ◯質疑(山下委員) 選択 113 : ◯答弁(商工労働局長) 選択 114 : ◯質疑(山下委員) 選択 115 : ◯答弁(商工労働局長) 選択 116 : ◯質疑(山下委員) 選択 117 : ◯答弁(商工労働局長) 選択 118 : ◯質疑(山下委員) 選択 119 : ◯答弁健康福祉局長選択 120 : ◯質疑(山下委員) 選択 121 : ◯答弁健康福祉局長選択 122 : ◯質疑(山下委員) 選択 123 : ◯答弁教育長選択 124 : ◯質疑(山下委員) 選択 125 : ◯答弁(知事) 選択 126 : ◯質疑(山下委員) 選択 127 : ◯答弁(商工労働局長) 選択 128 : ◯要望・質疑(山下委員) 選択 129 : ◯答弁健康福祉局長) ↑ 発言者の先頭へ 本文 ↓ 最初のヒットへ (全 0 ヒット) 1: 6 会議の概要  (1) 開会  午前10時25分  (2) 記録署名委員の指名  (3) 質疑・応答   (松岡委員長◯質疑松岡委員長) 自民刷新会議の松岡でございます。先日に引き続きまして質問を行いたいと思います。  先日、部落解放研究全国集会に関係いたしまして県教委の姿勢を1点お伺いいたしました。もう1点、そのことの延長線上ということで教育長にお伺いしたいと思いますけれども、是正指導以降、教育関係者がまさに一丸となって是正の徹底に取り組まれました。本県教育は大変正常化してきたと私自身思っております。ただ最近、県内の教育現場におきまして、かつての是正指導前のような実態があるのではないかということを仄聞する機会がございます。是正指導から10年という経過を踏まえて、徐々に緊張感が少し緩んできたのではないかというような感覚も持っております。  そこで、その一つといたしまして、まず主任制の問題についてお伺いしたいと思いますけれども、主任制度は主任等が校長を支えるスタッフとして学校教育活動が円滑かつ効果的に展開されることを期待するものであります。その命課につきましては、是正指導以降、命課時期の早期化や適格者の命課など、主任制の機能化に向けて全般的な改善は進んだというふうに理解しております。しかしながら、実態としては一部で極めて若い教員が主任に命課されているという実例も聞いております。  今年度、県内公立学校全体の主任のうち最も若い年齢の主任は何歳でありますか、まずお伺いしたいと思います。 2: ◯答弁教育長) 23歳でございます。 3: ◯質疑松岡委員長) 23歳といえば大学を卒業して1年経過というような年齢だろうと思いますが、改めて23歳というのを聞くとびっくりするのですけれども、20歳代の主任がどの程度いらっしゃるかわかりませんけれども、採用から3年以内の若い主任の方々が何名で、そしてどういう地域にいらっしゃるのか、地域的な偏りがあるかどうかということを含めてお伺いします。 4: ◯答弁教育長) 3年以内の主任は、県立学校で5名、市町立学校で44名ございまして、そのうち新規の教員が多く採用されている影響もあるのか、福山市と広島市で半数を超え、尾道市などで複数という状況でございます。 5: ◯質疑松岡委員長) なぜそのような若い方が主任になられるのか、素朴に今、疑問として感じるわけであります。  年齢だけで力量のあるなしを論じるつもりはありませんけれども、福山と広島に多く存在しているという実態を聞きますと、いろいろな要因はあるのでしょうけれども、必ずしも適格者が主任に命課されているとは言いにくいというふうに私は考えます。一部の学校とはいえ、校長を中心とした適切な学校運営を確立していくこととは相入れないような状況ではないかと思います。教育長は主任の命課の現状をどのようにとらえて、また、今後どのように対応されるのか、御見解をお伺いしたいと思います。 6: ◯答弁教育長) 主任の命課につきましては、主任が豊かな経験や見識を有し、かつ、主任制度の意義や手当支給の趣旨を理解した教員を命課すべきであります。しかし、極めて若い教員や採用間もない教員が命課されているという現状は適格者を選任するという観点から、大きな課題があると認識しております。  県教育委員会といたしましては、改めて主任の選任方法などについて把握するとともに、その命課が適切に行われるよう、命課の方法の見直しを含め、市町教育委員会や学校に対して指導を徹底してまいります。 7: ◯質疑松岡委員長) 主任制度につきまして大きな課題があるという御認識でありますけれども、是正指導を受けて、先ほど申し上げましたように10年が経過した中で、是正指導を知らない教員の方々もふえていらっしゃるだろうし、その当時管理職として是正指導を経験した方々も少なくなってきているのではないかと思います。  多くの県民から、主任に適格者が命課されるようになり校長がリーダーシップを発揮されるようになりまして、教職員が本来の力を発揮して教育活動が行われるようになった、是正指導の成果は着実に上がっていっている、学校が変わった、学校がよくなったという声を聞くわけであります。先般、県内で高校の卒業式があり、私も地元で出席させていただきましたけれども、年々厳粛で緊張感のある卒業式が挙行されるようになったという環境であります。私は、本県の公教育が空白の30年あるいは40年とも言われて、ややもすれば暗やみの時代であったという表現もありますけれども、風通しのよい、県民に開かれ、信頼される教育を行えるようになったのは、やはりその是正指導の定着を図るため、徹底した関係者のたゆまぬ努力があったものと思います。これを風化させては相ならない、絶対に後退させては相ならないという思いでございます。  先般も若干、教育長の御見解をお聞きしましたけれども、今後もこの是正指導の取り組みを不断に継続していくという、この思い、決意というものを再度お伺いしたいと思います。 8: ◯答弁教育長) 本県では是正指導を受けて以来、この10年間、法令を遵守することを柱に教育の中立性と公開性を堅持し、県民に信頼される公教育の確立に努めてまいりました。今後とも是正指導を後退させるような動きに対しては毅然として対応するとともに、是正指導を決して風化させることなく、これまでの取り組みを継続・徹底し、県民の期待により一層こたえられるよう、全力で取り組んでまいります。
    9: ◯意見・質疑(松岡委員長) 今決意を改めて再確認させていただきましたけれども、しっかりと是正指導当時の思いとか流れとか、そういうことを教育関係者のみならず、私は県教委の立場から県民に向けて、やはりしっかりとした情報発信もしていただきたいという思いでございます。これは意見として申し上げておきます。  続きまして、健康福祉局関係の医療問題の中の一つである産科医療についてお伺いしたいと思います。  昨年の末、某テレビ局で、平成18年までの10年間で周産期死亡率が全国で一番低いということで本県が紹介され、全国放映されました。大変にありがたいことだと思います。しかし、片や、本県におきましては23市町のうち10市町でしか分娩ができる医療機関がない状況もございます。産科医の不足によりまして、産科医療を取り巻く環境は大変厳しさを増しております。限られた医療資源を有効的に活用する体制の構築が喫緊の課題であります。  こうした中で、当初予算におきまして、医療機関が当該医師に支給する分娩手当、研修医手当への助成が編成されております。御存じのように産科医の不足は、ほかの診療科に比べて訴訟リスクが高いとか、過酷な勤務環境とか、処遇面では他の診療科と違わないということが背景にあると言われておりますけれども、この処遇改善が重要な、また課題解決の一つの視点だろうというふうに思います。  このことを踏まえた上で、この手当の助成をどのような仕組みで過酷な勤務環境にある産科医等に直接届く支援をしようとされているのか、そしてまた、そもそも前提として、医療機関が手当を支給する必要性があります。現段階で、見込みをどのようにお考えになっていらっしゃるのか、知事にお伺いいたしたいと思います。 10: ◯答弁(知事) 医療機関に勤務されます産科医などの勤務医に対する給与や手当は、診療報酬などの医業収入の中から医療機関がそれぞれの雇用契約に基づき支払うものでございまして、診療報酬の引き上げは必ずしも産科医の処遇改善に直接結びつかないなどの御指摘が従来からございました。  このため、今回の事業で、医療機関が実際に産科医に手当を支給する場合につきまして、直接医療機関に助成する仕組みを導入することによりまして、確実に産科医の処遇改善を推進するものでございます。  この事業を活用した分娩手当等の支給につきましては、主な周産期母子医療センターにおきまして実施を検討されていると伺っておりまして、今後、各医療機関とも具体的な対応を検討していただけるものと期待いたしております。 11: ◯質疑松岡委員長) 産科医が増加していくまでには相当な時間を要すると思います。先ほど申し上げた点は、開業医との連携体制の構築や助産師の効果的活用、そういうことを利用しながらの短期的な効果が期待できる対策でもあろうと思います。  そこで、本県でも産科勤務医を支援する取り組みとして、産科オープン病院システムの導入や助産師外来のモデル事業等を始めておられます。こうした取り組みの現状と、今後、どのように施策を展開されていくのか、知事の所見をお伺いします。 12: ◯答弁(知事) 本県では産科医療機関の機能や役割に応じた連携の推進を図るため、妊婦の健診情報等を医療機関で共有する共通診療ノートの作成などに取り組みますとともに、助産師外来の本年4月の開設に向け、助産師の研修などにモデル的に取り組んでいるところでございます。  こうした取り組みにおきましては、地域によって産科医療に関する人材や施設の集積状況が異なっていることや、特に助産師外来につきましては、妊婦や胎児に異常が発見された場合の医師との連携体制の確保が不可欠であるなどの課題がございます。  このため、今後は地域や医療機関の実情を踏まえながら、医療関係者や住民の理解と協力のもとに、産科医療機関の集約化・重点化による体制の確保など、モデル事業の成果を活用した連携の推進に取り組むことによりまして、産科勤務医を支援してまいりたいと考えております。 13: ◯質疑松岡委員長) しっかりとした体制で応援していただきたいと思いますけれども、そういう中で、もう1点お聞きしたいと思います。産科勤務医の負担を軽減する方策としては、地域住民あるいは利用する側の理解と協力が必要であろうと思います。特に、妊婦健診などを受けずに出産する、いわゆる飛び込み出産などの実態例もありまして、これは大変危険なことであろうと思います。さらには、そういう現場の情報をマスコミ等も含めて、どのように報道されるかということについても、医療現場は大変困惑するのだろうという思いもございます。また、利用者が、いわゆる理不尽な要望、要求を突きつけることも、病院勤務医を非常に萎縮させる、追い詰める要因にもなっているのだろうと思います。  先般の浅原参考人の発言にも同趣旨のようなお言葉があったように思いますけれども、本県は昨年2月、みんなで守ろう広島の緊急医療アピールを行っておられます。こうした患者に医療の現状を理解していただく取り組みを積極的に進めていくべきであると私自身思いますけれども、今の産科医療の置かれている現状につきまして、住民の理解を求めるための取り組み、そして妊婦健診の受診促進を初めとした適切な受診に関する利用者側に対する啓発について、どのように進めていこうとされているのか、健康福祉局長にお伺いします。 14: ◯答弁健康福祉局長) 産科医の過酷な勤務環境を含めた産科医療の厳しい現状の中で、産科医療体制を確保していくためには、御指摘のとおり地域住民や関係者が一丸となった改善に取り組んでいくことが重要であると認識いたしております。このため本県では、ひろしま県民だよりを含めましたあらゆる広報媒体を活用いたしますとともに、ひろしま健康づくり県民運動などの取り組みを通じまして、県民みずからが地域医療をみんなで支えていくという意識の醸成や浸透に取り組んでまいりたいと考えております。  また今後、妊婦健診の公費助成を14回までに拡充することといたしておりまして、可能な限り早期の市町への妊娠の届け出や妊婦検診の具体的な受診方法などにつきましても同様に周知徹底を図るなど、適切な受診に関する普及啓発に努めてまいりたいと考えております。 15: ◯質疑松岡委員長) 最後に1点だけお聞きしたいことは、臨床研修制度が今、見直しをされている状況がございますけれども、このことが医師の地域間格差あるいは診療科間の偏在を加速させるという結果になっていると思います。従来の医局制度につきましては、その功罪が言われているところでありますけれども、医師を派遣する機能を何らかの方法で、確保していく必要があると思っております。  医師不足の全体的な解消というのは、これは国の責任において対応していただかなければならないと思いますけれども、この現在の見直しの方向について、県としてはどのように評価されて、今後地域医療を確保するために、どのように国に働きかけていこうとされているのか、知事にお伺いしたいと思います。 16: ◯答弁(知事) 昨今の深刻な医師不足問題の背景には、大学医学部の医師派遣機能の低下や、劣悪な勤務医の就労環境、医療訴訟の増加など、制度的・財政的なさまざまな要因が絡んだ結果として生じたものでございます。  このような中、平成16年度に導入されました現在の医師臨床研修制度は、医師不足が顕在化する一つの契機となったものであり、今回の見直しにつきましては一定の評価はできますものの、医師不足問題の本質的な改善には、さらなる抜本的な制度的取り組みが不可欠であると認識いたしております。  このため、国に対しましては、さまざまな機会をとらえて、診療報酬の充実や専門医制度の見直し、医師と看護師などとの役割分担・業務範囲の見直しなど、地域医療の確保に向けた対策を講じますよう、引き続き提案してまいりたいと考えております。  また、県といたしましても、市町や関係機関と連携しながら地域医療体制の確保に努めますとともに、県民みずからが地域医療を支え、維持していくといった機運の醸成や浸透に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 17: ◯意見松岡委員長) 医療制度が崩壊をしているという状況の中で、産科医のことを少しだけ取り上げさせていただきました。我々も利用する側として、医療崩壊が進んでいるという現状を認識する必要性があろうと思います。  医師を含めた医療現場、そしてそれを制度として担保していく行政側、片や県民、住民として利用し得る患者、こういう方々がいらっしゃるわけでありますけれども、問題は、お互いが今医療崩壊が進んでいっているという危機感を共有しなければならないだろうと思います。  そういう観点からしてみれば、しっかりとそこの部分を情報発信していただきたいという思いがございます。そのことがやはり医療崩壊を少しでもとめていくことにつながっていくものとの思いがございます。それは私の意見でありますけれども、次の情報公開の請求問題は時間がなくなりましたので、もう質問する機会がございませんが、情報公開のことも、いろいろな情報開示請求件数が一人によって多いということが課題であるということを申し上げて、質問を終わります。 (安井委員) 18: ◯質疑安井委員) 自民党広誠議員会の安井裕典でございます。早速質問に入らせていただきます。  まず、主幹教諭・指導教諭の配置の考え方についてお伺いいたします。   近年、学校を取り巻く環境というものが、学力の定着・向上に対する期待の増大はもちろんのことですが、生活習慣の改善、規律の確保、いじめや不登校などの生活指導上の課題、あるいは保護者や地域との関係が複雑化・多様化している状況にあり、これに対応するためには、校長のリーダーシップのもと、学校の教職員が一体となって組織的に対応することが従前にも増して求められているのではないかと考えます。  こうした中、教育委員会ではこのような昨今の課題に対応し、学校における組織運営体制や指導体制の一層の充実を図るため、本年4月から主幹教諭及び指導教諭を配置することとされております。教育委員会としては、この主幹教諭及び指導教諭の職について、どのように配置されようとしているのか、配置に当たっての考え方があればお伺いします。また、配置しようとする人数は、教職員全体のうちどれぐらいの割合になるのか、教育長にお伺いいたします。 19: ◯答弁教育長) 来年度の主幹教諭の配置につきましては、児童生徒数や教職員数が多く、より組織的な学校運営体制の整備が求められる一定規模の小・中・高等学校と特別支援学校の部ごとに置くこととし、234名を予定しております。  また、指導教諭につきましては、高い実践的指導力を有する者を全県的な視野に立って、地域などのバランスを考慮しながら置くこととし、36名を予定しております。  来年度の主幹教諭及び指導教諭の配置予定数の合計は270名であり、その割合は、教職員の約1.6%でございます。 20: ◯質疑安井委員) 次に、主幹教諭と指導教諭のそれぞれの役割についてお伺いいたします。  まず指導教諭についてでありますが、この職は教諭と同様に授業を担当するとともに、所属校や近隣校において高い専門性に裏づけられた実践的指導力に基づき、教員に対する強化あるいは学級経営の指導・助言を行うとされております。また、主幹教諭については、教諭と同様に授業を担当するとともに、校務整理、校務分掌間の調整や進行管理、調査報告書の作成・処理、さらには保護者、地域など外部への対応が挙げられております。こうした役割というのは、聞いただけで相当な負担になると思われますし、また教諭本来の欠かすことのできない授業に支障があるのではないか、別の視点で見ると、職についた教員に相当な負担感が生ずるのではないかと懸念されております。  そこで、それぞれの職に期待する役割を改めてお伺いし、その上で授業に支障を生じさせず、なおかつ期待する役割を十分に果たすことのできる環境整備について、教育長にお伺いいたします。 21: ◯答弁教育長) 主幹教諭につきましては、校務分掌の整理・進行管理や外部対応などを行い、学校の課題に円滑かつ機動的に対応し、校長を中心とした組織運営体制をより一層充実させる役割を果たすことを期待しております。  また、指導教諭につきましては、高い専門性に裏づけられた実践的指導力に基づいて、教職員に対して指導・助言を行い、授業力を向上させ、すぐれた教育実践が図られるようにする役割を果たすことを期待しております。  教育委員会といたしましては、これらの職の役割が十分果たされるよう、担当授業時間数の軽減に配慮するとともに、各学校における校務の適切な分担について指導するなど、環境の整備に努めてまいりたいと考えております。 22: ◯質疑安井委員) 今、お伺いしたように、それぞれの職というものには個々の教員の授業力の向上、学校におけるすぐれた教育実践、一方では学校の組織運営体制の整備による地域との円滑な対応など、これからの学校教育というものを考えたときに、大変大きな役割を期待されるということであります。  そこで、この指導教諭及び主幹教諭に求められる資質というものをどのように考え、どのように選考して任用されるのか、教育長にお伺いいたします。 23: ◯答弁教育長) 指導教諭につきましては、教員としての高い専門性に裏づけられた実践的指導力を有し、教育指導の改善・充実のために教職員に適切な指導・助言を行うことができる能力を有していることが必要であると考えております。  また、主幹教諭につきましては、学校経営目標の達成に向けて校務に関する課題などの解決のための企画・立案や調整・進行管理を適切に行うとともに校務運営に関し、教職員に適切な指導・助言を行うことができる能力を有していることが必要であると考えております。  このため、選考に当たりましては、勤務実績の評価に加え、指導教諭につきましては指導力を確認するための授業観察や面接を、また主幹教諭につきましては法規に関する筆記試験やマネジメント能力を評価するための面接試験を行い、判断することとしております。 24: ◯質疑安井委員) 次に、新しい職のうち、特に学校における組織運営体制の一層の充実を図る目的として配置する主幹教諭についてお伺いいたします。  主幹教諭の配置を契機として、校長を中心に、より機動的な学校組織になるための見直しを行うということでありますが、主幹教諭が校長・教頭と教諭の間に立ち、核となってその機能が十二分に発揮されれば学校にとって大きなプラスになるものと考えられます。このために、校長を中心に、教頭と主幹教諭、あるいは主幹教諭と主任や各教員との役割が相互に認識され、学校全体として機能していくことが重要であると考えますが、どのように取り組まれるのか、教育長にお伺いいたします。 25: ◯答弁教育長) 主幹教諭が的確に役割を果たし、校長を中心とした組織運営体制が機能するよう、学校内において主幹教諭に求められる役割と行動例を具体的に示すとともに、校長権限の一部を専決できる仕組みを整え、役割分担を明確にしていくこととしております。  教育委員会といたしましては、これらの取り組みに加え、適材を適所に配置することなどにより、学校において主幹教諭が十分機能するよう努めてまいりたいと考えております。 26: ◯質疑安井委員) 現在の学校を取り巻く環境変化の中でさまざまな課題を抱え、困難に直面している学校が少なくないのではないかと思います。教育委員会では、このたびの主幹教諭の配置とその配置を契機とした学校組織運営体制の見直しにより、校長を中心に教職員が一丸となって生き生きとした教育活動が行われるよう、積極的に取り組んでいくことだと思います。  こうして期待される役割を担う主幹教諭の配置は、来年度はいわゆる大規模校に配置するということでありますが、将来的にはすべての学校に置かれるつもりはないか、教育長にお伺いいたします。 27: ◯答弁教育長) 来年度の主幹教諭の配置につきましては、職の設置という新たな制度の円滑な実施と、その確実な定着を図るため、現在の主幹の配置状況などを踏まえ、一定規模の小・中・高等学校と特別支援学校の部ごとに置くこととしております。  将来的な配置につきましては、主幹教諭の配置による効果などを踏まえ、検討してまいりたいと考えております。 28: ◯要望・質疑(安井委員) 来年度の4月から初めて導入されることでございますが、成果が上がるように期待しております。  本日、私の最後の質問でございますが、児童生徒の体力・運動能力の向上についてお伺いいたします。  本県では調和のとれた人間の育成を目標として、知・徳・体のバランスのとれた基礎・基本の定着を徹底する取り組みを着実に進めてこられておりますが、学力の向上を初めとして、取り組みの成果もあらわれていると感じております。大いに評価しているところであります。  こうした取り組みの成果は、県民の満足度という視点もありますが、全国状況と比較したとき、本県の状況はどうかといったことも一つの指標になり、今後の目標にもなるのではないかと考えます。今年度はその指標の一つとなる全国体力・運動能力、運動習慣等調査が実施され、その結果が1月に公表されたところでありますが、本県の状況を見ますと、小学校では全国水準並み、中学校では全国水準をやや下回っている結果になっております。これまで本県で実施してきた児童生徒の体力・運動能力調査の結果を見ましても、全国平均と同じか上回っている種目の割合は、平成12年度の20.7%から、本年度は66.2%と大きく伸びてはおりますが、ようやく全国水準に追いついてきたという感がぬぐえません。今後、特に成長期である小学校、中学校での体力づくりというものに一層の取り組みが必要であると考えます。  そこで、今回の全国体力テストの結果や、本県が実施してきた調査結果を今後どのように活用し、その上で小学校、中学校における児童生徒の体力・運動能力の向上に市町教育委員会とどのように連携し、取り組んでいかれるのか、教育長にお伺いいたします。 29: ◯答弁教育長) これまで毎年度実施しております県の体力・運動能力調査の分析に加え、来年度、新たに全国調査の結果と学校における具体的な取り組み事例との関連などについて詳細な分析を行い、体力向上に資する支援プログラムの作成などを行うこととしております。  県教育委員会といたしましては、これらの分析結果や支援プログラムを市町教育委員会を通じて各学校に提供し、市町教育委員会の指導のもと、体育の授業を初め学校教育活動全体で積極的に活用していただき、児童生徒の体力・運動能力の向上を図ってまいります。 30: ◯質疑安井委員) ぜひそのような取り組みをしていただきたいと思います。  そして、もう1点お伺いいたします。私がこの全国体力・運動能力テストの結果を見て興味を覚えたのは、全国学力テストでもトップレベルにある秋田県や福井県は体力の面においても全国のトップレベルにあるということであります。今回の調査では、朝食を毎日とるかなどの生活習慣、食習慣、運動習慣についても調査されておりますが、この両県は、こうした生活習慣などの面でも高い数値を示しているとされております。  今回の調査結果というものを見ますと、やはり基礎・基本の定着というものは、学力の定着もそうでございますが、さらには徳育を充実させるといったまさに知・徳・体の基礎・基本の徹底において、バランスのある取り組みが必要であるのではないかと考えております。また、こうした取り組みというものは学校だけではなく、家庭への意識啓発や地域と一緒になった取り組みというのも必要になってくるのだろうと考えます。  そこで、今回の調査における本県児童生徒の運動習慣、食習慣、生活習慣調査結果を踏まえた上で、今後、学校・地域・家庭が体力向上の重要性を認識し、それぞれが連携した取り組みを推進するための方策について、教育長にお伺いいたします。 31: ◯答弁教育長) 国や県で実施している調査の結果では、毎日朝食をとっている子供や、よく運動する子供の方が体力・運動能力が高いといった結果が出ております。教育委員会では、「食べる、遊ぶ、読む」キャンペーンを実施し、学校はもとより、家庭や地域の方々に毎日朝食をとる、適度な運動をするなど、子供たちの基本的な生活習慣を確立することの重要性を訴えているところでございます。  また、来年度は学校や地域が連携して運動や生活習慣の改善など、子供の体力向上に取り組むための仕組みづくりを県内3市町で実施し、成果を県内全域に発信していく予定でございます。  今後とも、こうしたことを通じ、子供たちの体力の向上に向け、学校・地域・家庭が連携した取り組みを推進してまいります。 32: ◯意見安井委員) 申し上げるまでもございませんが、体力は人間のあらゆる活動の源であり、健康な生活を営む上でも、また物事に取り組む意欲や気力といった精神面の充実にも深くかかわっており、人間の健全な発展・成長を支え、より豊かで充実した生活を送る上で大変重要なものであります。こうしたことから、子供の時期に活発な身体活動を行うことは成長、発達に必要な体力を高めることはもとより、運動、スポーツに親しむ身体的能力の基礎を養い、病気から体を守る体力を強化し、より健康な状態をつくっていくことにつながります。  我が国では、昭和60年ごろから子供の体力、運動能力の低下傾向が続くとともに肥満などの生活習慣病の増加が深刻な社会問題となっており、また、運動する子供と運動しない子供という子供の二極化の傾向も指摘され始めて久しいものがあります。今回の全国体力・運動能力テストを契機として、児童生徒の体力・運動能力の向上に一層の取り組みを行っていただき、次代を担う子供たちが知・徳・体のバランスのとれた人間として成長するよう、引き続き積極的な政策を展開していただくよう、よろしくお願いしたいと思います。  御存じのように、今、少子化でございます。子供は日本の宝でございますので、これからもその日本の子供、宝を伸び伸びと、また厳しく、優しく育てていくよう、教育委員会の御指導のほどをよろしくお願い申し上げまして、私の質問を終わります。 (宮委員) 33: ◯質疑(宮委員) 民主県政会の宮政利でございます。早速質問に入らせていただきます。  本日午前は、私の方からは行政の意思決定、予算編成の経過・効果並びに評価の見える化の推進を共通のテーマとして順次、課題別に質問させていただきます。  かかる経済状況のもとで、家計も県の台所事情も御案内のとおり厳しさを増しております。先ほどもありましたが、こうした制約の多い財源をどのように効率的に、県民満足度の向上につなげていくのか、私は県事業の県民への見える化を一層推進していくことがその有力な手段だと考えております。既に県では予算編成の過程情報あるいは施策点検シートの公開など、その取り組みを鋭意進めておられます。その上で県民の評価を加えて分析し、さらに次の施策へとフィードバックしていく取り組みを進めていく、このようなことを念頭に3項目について質問いたします。  第1に、歳出予算に計上されました出資金についてお伺いいたします。出資金の受け入れ先については複数ございますけれども、病院事業会計あるいは水道用水供給事業などの会計については、それらの事業内容を検証することによって、一般会計からの出資額の妥当性について、本委員会で論議するのが妥当だろうというふうに考えています。一方で、日本高速道路保有・債務返済機構への来年度の出資金は、およそ53億円計上されています。また広島高速道路公社への出資金は、およそ21億円です。出資先は辛うじて予算書から読み取れるものの、出資先の予算の編成状況、あるいは来年度予定している事業量、また将来の出資金の償還計画などはほとんどうかがい知ることができません。  そこで、まず独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構分の出資金について土木局長にお伺いいたします。この出資先の団体はいわゆる本四連絡橋に係るものですけれども、広島県は平成20年度までに累計で595億円を出資いたしています。この出資は、新年度の予算額を規定している現行計画では平成24年度をもって出資総額766億円で終了することになっていますが、その理解でよろしいか、土木局長にお伺いいたします。 34: ◯答弁(土木局長) 本州四国連絡高速道路に係る日本高速道路保有・債務返済機構に対する本県の出資額につきましては、平成24年度まで総額約766億円を出資するというのが現在の計画でございます。なお、この出資金は既に終了した建設費の償還の財源ではありますが、同機構がこれまで借り入れ、また今後借りかえる起債の償還条件により、最終的な出資総額が決まってくるため、現時点ではまだ確定したものではございません。 35: ◯質疑(宮委員) 現行計画では766億円でひとまず終了と、ただ変動要素は若干あるというお答えだったと思います。  次に、この出資金を広島県が調達するに当たっては、ほぼ全額が県債によって準備されています。これは将来は当該有料道路の料金収入によって償還されるべきものと考えますけれども、出資金の償還の見直しはどのようになっているのか、また出資金に充てた県債の利息については、どのように取り扱われるのか、引き続き土木局長にお伺いいたします。 36: ◯答弁(土木局長) 独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構法では、設立後45年以内に機構が解散する際に、少なくとも資本金に相当する額を残余財産として残し、各出資者に出資額に応じて分配することが定められております。本州四国連絡高速道路に係る出資にもこの規定は適用されますが、一方で平成15年の政府・与党の申し合わせにおいて、この道路に係る出資金の返済方法は機構の解散時までに検討することとされており、県債の利息分の取り扱いを含め、現時点でその詳細は明確になっておりません。 37: ◯質疑(宮委員) ルールあっての詳細は明確になっていない中で、累計で766億円を支払うというか出資をするということだろうと思っておりますが、本四連絡橋は当初計画に比べて明らかに事業費が増大いたしておりますし、交通量の見込みを下回るという状況があったために、料金体系の見直し等を進めてきておりますけれども、現在の出資額というのは、開通後の通行実績をもとに平成16年度に見直しをしたものというふうに聞いています。しかし、この見直しでは、平成15年7月に行われました通行料引き下げ前の料金のままで算定をしておりまして、国は現在24年までの予定出資に加えて、さらに10年間の出資を求めているやに聞いております。  そこで、この追加出資については、県としてはどのように対応する方針なのか、土木局長にお伺いをいたします。 38: ◯答弁(土木局長) 御指摘の追加出資につきましては、平成15年7月に行われた通行料金引き下げの原資とするため、政府・与党の申し合わせに基づき提案されたものですが、この提案に対して関係10府県市はいずれも了解せず、料金引き下げと切り離して、引き続き協議することとしたものでございます。  これまで道路関係4公団の民営化や道路特定財源の一般財源化問題など出資の前提条件自体が大きく変化していたことから、現時点では協議は進展しておりませんが、意思決定すべき時期が近づきつつありますので、それに向け、関係府県市と一層の連携を図りながら、国等との協議に臨んでまいります。 39: ◯質疑(宮委員) それでは、ここで改めて知事にお伺いしたいと思うのですけれども、そもそもこの出資金の財源内訳というのは、先ほど申し上げましたように、県の一般財源は少ないと言えます。しかし、出資先の財務状況あるいは事業計画、さらには計画の変更であるとか、また協議によって詰めるというような要素も含んでいるようでございますけれども、出資金の償還計画等が全く予算特別委員会に示されないまま、広島県の一般会計歳出に計上した53億円の妥当性について本委員会で審議せよという事態については、予算の提案側としてはどのようなお考えなのか、また今回提案されております出資の水準あるいは出資先の償還計画については、先ほど少し説明はありましたけれども、最終的にだれとだれがどこで協議をして合意していくのか、それらは今後いかなる手段で県民に対して公表、つまり見える化を検討、実施するお考えなのか、お伺いいたします。 40: ◯答弁(知事) 本州四国連絡高速道路は、国家プロジェクトとして進められた事業でございますが、西瀬戸経済圏の一体的な発展基盤を確立するとともに地域開発効果を高め、生活利便性の向上を図られますことなどを踏まえまして、県議会での御議論もいただきながら、本県といたしましては他の9つの関係府県市とともに昭和45年度から出資を続けてまいりました。なお、現在の出資額は国土交通省と関係10府県市のトップ会議等を経て、平成16年度に最終的に決定されたものでございます。  また、出資先でございます日本高速道路保有・債務返済機構の財務状況や事業計画等につきましては、国が独立行政法人評価委員会の意見を聞きつつ認可等を行っており、その内容の多くが公表されております。  本県も出資者として具体的な内容の説明を受けておりますが、今後、出資期間延長の議論も本格化する中で、機構に対し一層の情報公開を働きかけますとともに、県議会や県民の皆様に対する積極的な情報提供に努めてまいりたいと考えております。 41: ◯質疑(宮委員) ぜひ効果的な予算執行の面からも、それから説明責任という観点からも見える化を推進していただきたいと思います。  次に、広島高速道路公社に対する出資金について伺います。こちらは平成25年度のネットワーク完成を目標として、平成17年12月の建設委員会で整備計画の変更等について説明されました。新年度の出資額は21億円余りとなっており、こちらもほぼ全額を県債で調達いたしております。平成18年2月に認可された整備計画の変更では、交通量見直しを行い、投資限度額を引き下げ、さらに橋梁整備などでの道路管理者による公共支援という手法を取り入れています。しかし、交通量の計画値と実績については今回の予算審議に当たって特段の資料提示はありません。すなわち収支差によって積み立てるはずの出資金の償還原資が現在どうなっているのかというのは示されていないということになります。  そこで、まず計画変更で推計した交通量と比べて実績はどうであるのか、土木局長にお伺いいたします。 42: ◯答弁(土木局長) 整備計画が変更された平成17年度以降の広島高速1号線、3号線、4号線の実績交通量の合計値につきましては、計画値に比べて平成17年度は2.8%、平成18年度は6.1%とそれぞれ上回っておりますが、平成19年度は9.2%下回っております。 43: ◯質疑(宮委員) さて、17年、18年というのは実績の方が計画値を上回っていたわけですけれども、入手した資料によりますと、平成19年度の3号線、広島南道路の交通量の推計値というのは供用延長が変わらないにもかかわらず、18年度の50%増しというようなことになっていたようでございますが、それが結果的に実績は18年度並みだというふうに言えます。この原因は何なのか、あるいは特段の意図があったのか、また収支計画への影響はどうなのか、引き続き土木局長にお伺いいたします。 44: ◯答弁(土木局長) 平成19年度における高速3号線の計画交通量につきましては、整備計画見直し当時、国において事業中の東広島バイパスの瀬野から海田までの区間が平成18年度の供用予定とされていたため、これに関係する増加分を見込んでおりました。高速3号線の実績交通量は計画を下回っておりますが、他の路線を合わせた全体の収支差は計画を上回っていることから、現時点では収支計画への影響はないものと考えております。 45: ◯質疑(宮委員) さまざまな変動要因の中での供用開始で、ほかの道路との取り合いの中で実績はトータルすれば確保されているという御判断だろうと思いますけれども、実はそういう内訳的なところが全く見える化できていない。だから、そこの1.5倍を計上した理由というのも、聞いてみて初めてわかるというような状況が実は続いているというところが今回質問したい趣旨でございます。  また、高速5号線では地元交渉が難航しております。本格的な事業着手には至っておりません。また、1号線では損害賠償等、不測の事態も生じかねない状況だと伺っておりますけれども、この場合、供用開始等のおくれなどが予想される中、現在の計画で推計している交通量あるいは収支計画の信頼性というのは担保されるのかどうか、土木局長にお伺いいたします。 46: ◯答弁(土木局長) 高速1号線や高速5号線の課題につきましては、その解決に向け、市や公社とともに取り組んでいるところであり、現時点では計画交通量や収支計画の見直しも必要ないと考えております。  今後、地元調整の長期化や事業損失補償費用の大幅な増加などにより、計画交通量や事業費に大幅な変更が生じる場合には、収支計画の見直しの検討が必要であると考えております。 47: ◯質疑(宮委員) 土木局長の御判断は見直しの必要性を感じないという回答でございますけれども、例えば投資限度額を設定する、あるいは単年度で出資額の水準について妥当かどうかを判断するといったときに、見直しとまでは言わないけれども、周辺事情は刻々と変わってきているわけです。それに対しての見える化、つまり判断材料となる基礎的なデータ、だから土木局長としては見直しの必要はないとおっしゃられるのですけれども、その根拠というのはどこでどうやって示されるというようなお考えをお持ちなのか、その点について局長にお伺いいたします。 48: ◯答弁(土木局長) 投資限度額の見直し等につきましては、その検討に当たりましては公社と設立団体である県と市が主体になり、国とも協議を行いながら調整を進めてまいりたいと考えております。
     また、委員御指摘の見える化につきましては、公社におきましても現在整備計画や収支計画の概要をホームページに掲載するなど、県民への情報公開に努めているところでございます。  また、さまざまな検討の結果、整備計画を変更することとなった場合でも、その内容につきましては、県議会に対して説明を行うとともに、県民の皆様へも基礎的なデータを含めましてわかりやすく情報提供をしてまいりたいと考えております。 49: ◯質疑(宮委員) ぜひ積極的に見える化を推進していただいて、やはり県民との合意形成というのを図っていかないと計画の妥当性というのはなかなか理解されないものだろうと思います。その点は引き続き見える化の推進に意を用いていただきたいと思います。  続きまして、国直轄事業負担金についてお伺いします。  予算書では土木費関係で合計7件214億円が計上されております。農林水産事業費では3件22億円が計上されておりますけれども、土木費計上の内訳は、こちらでは省きますけれども、予算説明書では、これらの内容を凝縮して、実は7つの事業で事業名のみが記載されているという状況になっております。2月27日付の朝日新聞でも特集されましたように、全国各地の首長が、この負担金は自主財政権の重大な侵害だという意思表示をしています。また、過日のNHKの調査によっても、すべての都道府県知事と政令市長が、この現行制度には問題があるというふうに回答しています。  広島県の藤田知事も昨年12月の本会議で、蒲原議員の質問に対して、地方が担うべき事務と責任に見合った税源移譲、直轄事業負担金の廃止などの実現、そして真の地方の自立に向けて厳しく国に対峙してまいりたいと、その決意を述べられましたし、この2月定例会でも高橋議員の質問に、知事は国庫補助負担金や直轄事業負担金の廃止などを一体的に行うことにより、地方の自主的、自立的な財政運営を可能とする地方税財政制度が構築されるべきだというふうに重ねて考え方を述べられました。ここの部分については、私も全く同感であります。  これまでの予算編成方針では、この負担金を平成15年度以降、21年度までで一般財源ベースで累計25%の削減を図ってこられております。財政的理由による調整が大幅に進んだと理解はできますけれども、なお事業の内容あるいは積算根拠の不明瞭さに起因する不信感というのはぬぐい去れておりません。この不明瞭さは負担金の支払い側に対して事業量や広報の必然性、維持管理費を組み込むルール、さらに負担額変更に当たっての内訳等が事業者側から十分になされていないのがやはり大きな原因だろうというふうに思われます。  もちろん地域ニーズに即して、県側から直轄での実施を要請した事業があることも承知はしていますが、現下の財政事情にあっては、さらなる透明性の確保、つまり県民への見える化の促進が欠かせないという観点から質問をいたします。  まず、一般的な国直轄事業の地元負担額あるいは水準の決定は、主にどういった変動要素を加味して決定されるのか。また、だれとだれを当事者として、どこで決定されるのか。その基本的なルールについて、金額の多い土木局長に伺います。 50: ◯答弁(土木局長) 国直轄事業に係る県の負担額は、事業実施年度の直轄事業費にそれぞれの事業ごとの負担割合を乗じることによりまして算定されます。  後者の直轄事業に係る県の負担割合につきましては、それぞれの事業の根拠法である道路法や河川法などに規定されております。  また、事業費につきましては、基本的にはそれぞれの事業計画に基づき、国の公共事業予算に係る毎年度のシーリングや、それぞれの事業箇所の優先度などをもとに、国において決定されます。その際、地元の意見なども考慮されているところでございます。 51: ◯質疑(宮委員) その地元の意見の考慮というのが、いわゆる私どもでは負担が仕切れないからということで累計25%という削減をしてきたのだろうと思っているのですけれども、この負担金の一部が実は先ほどの出資金と違いまして、一般財源の調達率も高いものがあります。また、来年度から農林水産業費の国営農地開発事業費等負担金では、いわゆる地方財政健全化法の施行に基づいて、債務負担行為が初めて提案されているわけであります。これは、予算書によると最長平成40年度まで、所要の一般財源は農林水産業費の4事業合計で80億4,000万円という計上になっているわけです。一方で、この土木費では直轄事業の工期が多年にわたるということで、後年度に多大な負担が生じる事業であるにもかかわらず、だれかどこでその大切な将来負担を設定しているのか、さらに県民に対しては今後どのように公表されるのか、引き続き土木局長にお伺いいたします。 52: ◯答弁(土木局長) 本県では直轄事業の実施に際しましては、国への概算要望や地方整備局との連絡調整会議等の場において、県の財政健全化に向けた具体化方策も踏まえ、負担額や実施内容についての調整を図っているところでございます。  この負担額につきましては、当該事業の実施内容等を踏まえて毎年度の予算ごとに国と調整の上、予算計上してきているところでありますが、直轄事業は比較的大規模かつ長期にわたることから、将来負担額については概算によるものとなっております。  なお、事業の内容等につきましては、事業者である国において公表されているところでございます。県といたしましても、主要な事業につきましては、県のホームページなどを通じて概要をお示ししており、今後その内容や公表手段の充実などについても検討してまいりたいと考えております。 53: ◯質疑(宮委員) それでは、多少切り口を変えまして、例えば特定多目的ダム法のように、ダム全体の建設費用については関係都道府県知事の意見を伺って、知事が意見を述べようとするときは議会の議決を必要という法令規定があるものもあります。しかし、その他の多くの事業は地方財政法だけを根拠として、その年度の負担額が、言ってみれば協議の場には行くけれども通知をされると、そのような手続になっているようでございますが、そういうことになるのであれば、地方自治体側の対抗手段としては、積算根拠である事業計画の新設あるいは変更する場合は、その都度、負担する地方側も議決という手段を経ることによって、その見える化を一層推進していく、計画本体の妥当性をも県民の前に明らかにしていく、そのような手続が必要だろうと思われますけれども、土木局長のお考えをお伺いいたします。 54: ◯答弁(土木局長) 直轄事業の多くは県土の骨格を形成する重要性の高い事業であり、また地元からの要望も強いことから、事業計画の策定や変更に際しての手続やルールを明確にする必要がございます。また、県の財政負担を伴うものであることから、その過程におきまして、県といたしましても事業費や事業内容等を県民の皆様に説明していくことが大変重要であると考えております。  この事業計画が策定される際には、一部の事業を除き、県が関与する法的な手続は定められておりませんが、説明責任を果たすという観点から、どのようなことができるかにつきまして、今後検討してまいりたいと考えております。 55: ◯質疑(宮委員) 法令規定があるからする、ないからしないという時代ではもうないと思うのです。それだけ、もう県民にその実績の負担をお願いせざるを得ない状況に既に追い込まれているわけですから、それに一生懸命こたえようという姿勢を見せることは非常にアナウンス効果が高いと思います。ぜひ十分な御検討をお願いしたいと思います。  次に、直轄事業の成果あるいはその評価についてお尋ねいたしますけれども、事業全体の成果や評価の分析は当然事業の実施主体者が行っているものと推察いたしますが、一方で県としても、これらの負担額に見合う事業の評価を行うことは大切だろうと思います。県事業については施策点検シートをつくり続けていただいておりますけれども、これと同様の制度とまでは言わないものの、財政上の負担能力、あるいはそれに起因するような先ほどの協議の場を設定して進度調整などを図るということでございましたので、そういった事業者、つまり国との折衝に欠かせないファクターになろうと思われます。これらはどのように行われているのか、また行う予定があるのか、県民への事業成果や評価の見える化をどのように図っていかれるのか、引き続き土木局長にお伺いをいたします。 56: ◯答弁(土木局長) 直轄事業の評価や成果につきましては、行政評価法に基づき、新規採択時と事業終了後、また事業中も一定期間ごとに国において事業評価が行われており、その結果も公表されております。この評価では、事業の必要性や費用対効果、実際の効果検証など多角的な検討が行われておりますが、地元の意向も事業の必要性における重要な要素として位置づけられているところでございます。  また、県におきましても、直轄事業の多くは県土の骨格を形成する重要性の高い事業であることから、これまでも主要な直轄事業を元気挑戦プランの実施計画の基本事業に位置づけ、施策点検の対象としてきたところでございます。  なお、直轄事業の成果等の県民の皆様への御説明につきましては、今後、国などの関係機関と調整しながら、一層わかりやすい方法を検討してまいりたいと考えております。 57: ◯質疑(宮委員) ペーパーについては取りそろえるのが大変だと思いますので、例えばホームページなどだったら、リンク先を張らせてもらうとか、そういったことで関連情報があまねく入手しやすいようなスタイルを追求していただければと思います。  それでは、改めてここで知事にお伺いしたいと思いますけれども、もともとこの負担金の見直しは古くからの課題でありまして、平成7年から12年にかけて進められました第1次地方分権改革では、維持管理費に係る直轄事業負担金は段階的縮減を含め見直すということを打ち出していました。平成15年の骨太の方針でも見直しが盛り込まれましたけれども、その後の議論は余り進展を見ていないように見受けられます。  そこで知事に、国直轄事業負担金の廃止を到達目標として設定した場合、今後これらの事業を整理していくためには、どのようなプロセスが適切とお考えか、お伺いいたします。 58: ◯答弁(知事) 直轄事業負担金の問題につきましては、まずは公共事業に係る国の役割を全国的な見地から必要とされる広域的事業に限定し、地方が担うべき事業については権限と財源を適切に地方へ移譲するなど、国と地方の役割分担の見直しにあわせて議論を行う必要がございます。  現在、地方分権改革推進委員会におきまして、地方の自主的・自立的な財政運営を可能とする分権型社会にふさわしい税財政制度の構築について調査審議が進められておりまして、近く第3次勧告が提出される予定でございます。政府におきましては、この勧告を踏まえ、平成21年度中には地方分権改革推進計画を閣議決定し、新たな地方分権一括法案を国会に提出する予定でございます。  こうした第2期地方分権改革のプロセスの中で、直轄事業負担金につきましても自主財政権を確立する観点から、地方財政制度全体の改革において抜本的な見直しが行われるべきものと考えております。 59: ◯要望・質疑(宮委員) 事業計画そのものもですけれども、私が一番気になったのは後年度負担の問題です。やはり、言ってしまえば将来の課税権を担保に差し出して、いわば税金を先食いしているというような事業でございますので、その分量に応じた説明責任の重大さというのはあるのだろうと理解しております。ぜひ、見える化を鋭意進めていただきたいと思います。  続きまして、年度間の財源調整について伺います。  財源調整がこのたび初めて行われまして、この見える化をどう推進していくかという観点で御質問いたします。  これは、今次定例会で我が会派の大曽根議員の代表質問をベースに質問をするものですけれども、さきの本会議の質問に対して総務局長は、財政健全化の取り組みは単なる削減のための削減であってはならない、取り組みによって生まれた財源は将来に向けて効果的に活用していく姿勢が重要だと前置きして、この年度間調整のように、より効率的に予算を執行する意識を徹底させて、施策に必要な財源の確保に努め、県政の活力を生み出していくと、このように答弁されたところでございますが、この職員のモチベーションに働きかけるということはもちろん、県民満足度等のニーズ分析、事業の優先順位の検証、あるいは事業成果の評価、こういった今日的な要素がたくさん内包されて発足した制度だという理解をしています。  そこでまず、具体的に、どの分野のどの事業がこの制度で最大額の財源を活用したのか、その事業でどのような成果をねらっているのか、また、この制度の運用についての県民の見える化を、どのように進めていくお考えなのか、総務局長にお伺いいたします。 60: ◯答弁(総務局長) まずお尋ねの件でございますけれども、平成21年度の当初予算におきましては、今回新たに導入した制度を活用いたしまして、総額1億3,700万円余の事業の予算化を行ったところでございます。ちなみにこれらの事業の財源は、例えば平成20年度に情報機器の更新期間を見直したことによる、さらなる経費の節減努力などにより各局において捻出されたものでございます。  今回、予算化いたしました事業のうち、活用した財源が最も大きい事業でございますが、これは教育委員会関係の予算でございまして、県立学校施設の耐震化対策を積極的に実施するため、県立学校施設整備事業に1億3,000万円の予算を計上させていただきました。  この事業につきましては、着実に耐震化対策に取り組みますために今回の制度を活用し、当初予定しておりました46億円余という見込み額に、この分の1億3,000万円を上乗せいたしまして、この対策を実施することによって県立学校施設の耐震化率が当然のことながら一層向上いたしますので、そういったことによって安全・安心な教育環境の整備がさらに促進されるという成果をねらいとして事業化しております。  また、見える化の推進のお尋ねでございますが、今回の制度につきましては、厳しい財政状況のもとで限られた財源の有効活用を図るという観点から新たに導入したものでございまして、こうした職員の創意工夫による財源捻出の取り組みは、予算の効率的な執行を図る上からも非常に重要であると考えております。  したがいまして、今回新たにこの制度を活用して措置した事業はもちろんでございますが、今後とも選定した事業の検証を十分に行っていくこととしますとともに、制度の定着とさらなる拡大を図ることができますよう、県職員に対しましても本制度の趣旨等につきまして、一層の周知を図ってまいりたいと考えておりますし、また、現在さまざまな形で予算のプロセスについて県民の皆様に公開を行っておりますが、今回の制度を活用した一連のプロセス、あるいはその成果等につきましても、できるだけわかりやすくお示しできるように今後工夫を凝らしてまいりたいと考えております。 (大井委員) 61: ◯質疑(大井委員) 広誠議員会の大井哲郎でございます。前日に続き、質問をさせていただきます。  きょうは海面漁業の振興についてお伺いしたいと思います。  本県は、カキを中心とした養殖業と多種多様な海面漁業が営まれていますけれども、海面漁業は零細経営が多く、漁獲量、生産額とも減少傾向が続いております。平成5年と平成18年を比較すると、漁獲量は2万4,000トンから1万9,000トンへと2割減、漁業生産額は136億円から103億円へと25%減となっております。これと歩調を合わせるかのように、大変残念なことなのですが、漁業者の数は3割減少しております。漁獲量が減った原因は、さまざまな要因が言われておりますけれども、一言で言えば、海に魚がいなくなったということに尽きるのだろうと私は思っております。  これまで何度も申し上げてきておりますけれども、漁業というのは海に魚がいてからこそ成り立つ仕事であります。いかに海に魚を呼び戻すか、これは漁業者が何よりも切望していることであります。同じように自然を相手にする仕事でも、人間が生育環境をある程度コントロールできる農林業と異なり、漁業は海という自然そのものに生活の肥やしである魚の成長をゆだねているのです。そこが漁業の難しさ、宿命でもありますが、だからこそ、大漁のときの喜びは何物にもかえがたく、おもしろいところだと私は思います。  このような漁業の特徴を踏まえ、海面漁業を振興していこうとすれば、個々の施策をばらばらに実施するのでは大きな効果は望めないのではないかと私は考えます。水産資源の維持、増大、漁場環境の改善、これを支える研究開発、そしてこうした取り組みをベースとした生産から販売までの仕組みづくりなど、漁業所得を向上するための総合的な対策を講じていくことが重要であると思います。  こうした観点から、海面漁業の振興について大きく3点お伺いしたいと思います。  まず1点目は、栽培漁業の推進についてお伺いいたします。  海面漁業にとって漁場が本来持っている資源の回復力が衰えている今、種苗生産を初めとする栽培漁業の重要性が高まっております。本県の栽培漁業センターでは、平成20年度では6つの魚種について約800万尾の種苗生産を行っております。その中には、従来から行っているマダイやヒラメなどの広域回遊魚に加え、メバル、オニオコゼなど地場の磯に根づく地先定着型魚種の種苗生産も含まれております。  そこでまず、地先定着型魚種の種苗生産がどのような課題を抱え、そして、この課題解決に向けて今後どのように取り組んでいこうとしておられるのか、農林水産局長にお伺いいたします。 62: ◯答弁(農林水産局長) 地先定着型魚種でございますけれども、まずメバルにつきましては安定した生産が行われておりますけれども、オニオコゼにつきましては受精卵の安定確保、飼育初期の生存率の向上などの課題が残っておりますことから、水産海洋技術センターの技術指導を受けまして、親となる魚を飼育する水温の制御やウイルス対策あるいは塩分濃度の低い水を利用した飼育初期の生存率の向上などに取り組んでいるところでございます。また、要望の強いキジハタにつきましても、水産海洋技術センターにおきまして種苗生産技術の開発を行っているところでございます。  引き続き水産海洋技術センターとも連携いたしまして、量産化のための技術改良に取り組むことによりまして、生産コストの削減を進め、安定した種苗供給体制の構築を図ってまいります。 63: ◯質疑(大井委員) 種苗放流により、水産資源が増大し、多種多様な魚介類が生息することは海洋環境の改善につながり漁業者のみならず、レジャーとして釣りを楽しむ遊漁者にとっても大きなメリットがあります。こうした面からも、種苗放流には、これまで以上に力を入れていくべきだと私は考えます。  ただ、気になるのは、種苗生産に係る経費負担のあり方でございます。平成16年度からは漁業者が主体となった栽培漁業体制への移行を基本に見直しが行われるなど、放流種苗の供給体制は大きく変化しております。また種苗放流の最大の受益者が漁業者ではございますが、海は県民共有の財産であり、遊漁者を初め多くの県民がその恩恵を受けております。そうであれば、種苗生産に係る経費の負担のあり方について慎重に検討していく必要があるのではないでしょうか。  そこで、平成21年度に予定されている次期栽培漁業基本計画の策定に当たり、種苗生産の負担のあり方についてどのようなお考えを持たれているのか、農林水産局長に所見をお伺いいたします。 64: ◯答弁(農林水産局長) 平成22年度からの次期栽培漁業基本計画におきましては、受益者負担を原則に種苗生産経費全体の負担のあり方を見直しまして、漁業者が主体となった栽培漁業を継続して推進できます体制の構築を図ってまいりたいと考えておりますが、計画の策定に際しましては関係市町、漁業関係者と協議を行ってまいりたいと考えております。 65: ◯質疑(大井委員) 種苗生産・放流と並ぶ栽培漁業のもう一つの柱は、資源管理でございます。漁業技術が進歩する中、魚を無秩序、無制限にとればたちまち資源の枯渇を招き、放流の効果も消えうせることになります。また商品サイズにならない小型魚までとることは、適正な市場価格の形成にも悪影響を及ぼします。また、魚が減る中で、近年は一般遊漁者による漁獲も無視できない状況になっております。  限りある水産資源を永続的に利用していくためには漁業者・漁業関係者が一丸となって水産資源を計画的に保護し、管理していくことが必要と考えますが、どのように取り組んでいこうとされているのか、農林水産局長にお伺いいたします。 66: ◯答弁(農林水産局長) 水産資源を適正に管理していくためには、漁法や操業区域など漁業関係法令の遵守の徹底を図りますとともに、漁業者みずからもヒラメなど5つの魚種につきまして漁獲サイズの自主規制に取り組んでいるところでございます。またカタクチイワシ、サワラなどの広域回遊魚につきましても、瀬戸内海の関係府県と連携いたしまして、操業期間の短縮などの資源管理を推進しているところでございます。  今後とも一般遊漁者への資源保護等の啓発活動を行いますとともに市町や漁業関係者と一体となりまして、効果的な水産資源の管理に取り組んでまいります。 67: ◯質疑(大井委員) 2点目は、漁場環境の改善についてお伺いいたします。  養殖は別として、漁業は海が育ててくれた魚をとる仕事であります。魚が元気に育つことのできる漁場環境があってこそ漁業者もその果実を得ることができます。そのため、魚の産卵、育成の場となる藻場や水質の浄化機能を持つ干潟などの再生に取り組むことも重要であります。  かつて本県の海域には全国でも有数の藻場や干潟が存在し、多種多様な魚介類を生み出す育成場となっておりました。瀬戸内海の水質が昔に比べ改善したにもかかわらず魚の減少がとまらないのは、藻場、干潟の減少による影響が大きいと指摘をされております。  そこで、水産資源の再生産を大きく左右する藻場、干潟の維持回復を早急に進める必要があると考えますが、どのように取り組まれようとされているのか、農林水産局長にお伺いいたします。 68: ◯答弁(農林水産局長) 本県では平成15年度から今年度までの6年間に、藻場や干潟を含む魚の育成場所約38ヘクタールを整備してまいりました。平成21年度も引き続き、呉市が行います藻場などの造成を支援いたしますとともに、新たに漁協等がみずから取り組まれます藻場、干潟を維持・保全する活動を支援することとしております。  今後も市町と連携いたしまして魚介類の育成の場となります藻場等の造成を進めますとともに、効果的な維持・修復に取り組んでまいります。 69: ◯質疑(大井委員) 我が県は、オニオコゼの種苗放流がかなり進んでおります。その成果もかなり出ているようでございます。全力を挙げて頑張っていただきたいと思います。  漁場環境に関してもう一つ、海ごみの問題がございます。  ある調査によれば、瀬戸内海全域の海底ごみは8,700トンにも達するとの推計が出されているようでございます。これらが海底を覆うことで魚介類の生育環境に悪い影響が出ていることは間違いないと考えております。また、網を引き揚げると、これらのポリ袋やペットボトル、中には大型の家電製品などが網にかかり、漁網を破損させる被害も発生しているように聞いております。これらのごみは持って帰って処分しようにも経費がかかるため、漁業者はやりようもなく、泣き寝入りの状態に置かれております。  これは公の海の環境問題でもあります。行政としても、ごみを回収し、処分する仕組みづくりや財政的な支援が必要ではないかと考えますが、どのように考えておられるのか、環境県民局長にお伺いいたします。 70: ◯答弁(環境県民局長) 海底ごみや漂流ごみなどの海ごみにつきましては、その発生源の特定や実態の把握が困難でありますことから、その解明が課題であると認識いたしております。  このため、来年度、市町が地元漁協と連携して行います海ごみの回収、運搬、処理にかかります経費を助成いたしますとともに、県・市町・地元漁協が一体となって、この海ごみの種類、回収量などの実態を検証することといたしております。  この検証を踏まえまして、瀬戸内海の環境保全に向けて県民意識の向上を含めた海ごみ対策について検討してまいりたいと考えております。 71: ◯質疑(大井委員) 雇用対策としても県は、ごみの不法投棄の監視を強化するように聞いておりますけれども、海のごみの不法投棄については対応の難しい問題でありますので、局長によろしくお願い申し上げます。  3点目は、水産振興のための試験研究のあり方についてお伺いいたします。  県の試験研究体制は、分野ごとに設置された8つの技術センターを統合し、総合技術研究所へと再編されました。水産海洋技術センターは企画振興局の所管となっております。多様化、複雑化する県民や県内産業のニーズに対応し、複数の技術分野にまたがる横断的・融合的な研究に取り組めるというのが統合のメリットとされておりますけれども、このメリットが私にとっていま一つぴんとこない。むしろ農林水産局と離れたことで、意思の疎通が滞り、デメリットの方が大きく出ているという感を私は持っております。  そこで、企画振興局長にお伺いしますが、水産振興を図る観点から、統合により水産海洋技術センターの研究にどのようなメリットを持たされているのか、具体的な例を挙げて御説明をお願いいたします。 72: ◯答弁(企画振興局長) 県立試験研究機関は従前それぞれ独立しておりましたが、県民及び県内産業のニーズが多様化・複雑化してきており、そういう中で横断的・融合的な研究を実施できる体制を構築するために8つの技術センターを総合技術研究所に統合いたしました。統合によりまして、農林水産分野におきましては生産のみならず加工・流通・消費など、さまざまな課題に対応した試験研究を実施しております。  具体的に申し上げますと、水産海洋技術センターにおいては、地先定着魚の飼養技術に係る新たなえさの開発に食品工業技術センターの食品加工技術を活用した試験研究に取り組むこととしております。また、一粒カキの養殖かごの構造開発に関しましては、西部工業技術センターと連携し、機能性の評価と改善に取り組むなど、多様な研究に対応しております。さらに研究所として一体的な研修を行うことにより、他分野の研究員とのネットワークの構築、研究技術の向上及び市場を見据えました研究企画能力の向上に努めております。  今後とも研究所の総合力を発揮し、異なった分野の技術の融合によりまして本県産業の振興に寄与する研究に取り組んでまいりたいと思います。 73: ◯質疑(大井委員) 試験研究の目的は方法論ではなく、対象とする産業の発展、そしてその産業にかかわる人々の所得向上に寄与することにあると私は考えます。そのためには、やはり生産現場の現状や課題を吸い上げ、研究で得られた成果がフィードバックされるという現場と試験研究の間に垂直の関係が必要だと思います。研究は研究だけで完結するものではありません。研究の成果を普及させるための体制も必要だと思います。施策面からの支援も必要でしょう。これらをパッケージした形で進めることが効果的であり、そのためには一元的に所掌する組織体制が必要と私は考えます。  そこで、水産海洋技術センターを農林水産局の所掌に戻し、他の水産施策と一体的に研究を行うことが水産振興を図る上で重要と考えますけれども、総務局長に御所見をお伺いいたしたいと思います。 74: ◯答弁(総務局長) 県内産業のニーズは農林水産分野に限らず、近年ますます多様化、高度化してきておりまして、今後とも異分野の統合による現行組織の総合力を十分に生かしながら、いわゆるこれは横の広がりを持った研究開発の取り組みを進めていくことが私どもとしては、重要であるというふうに認識しております。  また、その一方で委員から御指摘がございましたとおり、研究成果を現場に生かすという観点から、この得られました成果がしっかりと生産現場にフィードバックされることも、もちろん重要でございまして、このため、私どもとして、普及体制とのいわゆる縦の流れ、垂直と言われましたけれども、そういった縦の流れにつきましても、これは緊密に連携した取り組みを行ってきているところでございます。  その結果、先ほど企画振興局長からも御答弁申し上げましたとおり、一定のメリットがもたらされておりまして、私どもとしては現行の横断的な研究体制のもとであっても、これは引き続き農林水産局との連携は確保されているものというふうに考えておりますが、委員御指摘の点も受けとめつつ、今後とも研究成果を十分現場に生かすことができるよう、組織のあり方について、これは絶えず検証いたしまして、より効果的な体制というものを今後とも追求してまいりたいと考えております。 75: ◯要望(大井委員) 海面漁業の振興について、いろいろ質問し、また、るる私の考え方を申し上げました。知事におかれましても大変だと思いますけれども、どうか水産行政に対してもお力添えをいただきたいと思います。漁業は海に魚がいてこそ成り立つ仕事でございます。そのために漁業者みずからの努力が大前提ではございますが、海という自然を相手にする産業である以上、漁業者だけの努力ではいかんともしがたい面があることも事実でございます。このことを御理解いただき、本県の海面漁業の振興に向け、知恵を結集し、積極的に取り組んでいただきたいと思います。  (4) 休憩  午後0時  (5) 再開  午後2時 (緒方委員) 76: ◯質疑(緒方委員) 自民党議員会の緒方直之でございます。本日もしっかりと質問してまいりたいと思いますので、執行部の皆様のわかりやすい真摯な御答弁をお願いいたします。  先日、本会議の代表質問におきまして、我が会派からこの経済危機を乗り越えるために必要な内需拡大につながる個人消費の拡大策といたしまして、県職員のボーナスの商品券化を御提案したところでございますが、その答弁を聞く限りでは、少し事務的であり、なかなか本気で考えていただけないような感じがいたしましたので、それらを踏まえまして何点か質問させていただきます。  まず、そもそもこの内需拡大の必要性というものについてお伺いいたします。  先ほども申し上げましたが、経済対策の一環として個人消費を拡大すべきであると私は思っております。我が国の経済は外需依存型であることから、今回の経済危機においては欧米よりも大きな打撃を受けております。世界同時不況であるため景気回復に外需は期待できないことから、内需拡大を図るしかとるべき道はないのであります。このことは皆様も十分御理解いただけることと思いますが、これまでさまざまな場面におきまして、県執行部から緊急経済・雇用対策などに関する説明や、本会議での御答弁などがありましたが、これらを聞くたびに、本当に景気回復には内需拡大を図るしかないと考えていらっしゃるのかどうか疑問に思えるところでございます。  まず、これらのことを確認するために、今回の経済危機を乗り越えるに当たっての内需拡大の必要性につきまして、産業・雇用対策本部の事務局を担っておられる商工労働局長の認識をお伺いいたします。 77: ◯答弁(商工労働局長) 世界経済が同時不況に陥る中、これまで本県の経済を牽引してまいりました製造業は輸出の落ち込みによりまして大きな打撃を受けております。外需によります景気回復につきましては、当面難しいものと認識いたしております。  こうした事態を克服するためには、御指摘にございました個人消費の拡大など当面の内需拡大の取り組みとあわせまして、中長期的な視点から国内外の需要を喚起できるような新たな成長産業をつくり出すなど、外需のみに依存しない産業構造への転換を進めますことによりまして、内需拡大を図ることが重要であろうと考えております。 78: ◯質疑(緒方委員) 今の御答弁を聞いて、少し安心いたしましたけれども、内需拡大の必要性というものにつきましては、多分皆さん共通認識をお持ちだと思います。  それでは、今の御答弁を踏まえまして、では、このボーナスの商品券化というものが果たして違法なのか適法なのかということについてお伺いしたいと思います。  この内需拡大にとって重要となりますのが、今御答弁にもありましたけれども個人消費だと思います。もちろんGDPの半分を占めるわけですから大変重要だと思うわけですが、申し上げておりますとおり、この代表質問の場では、個人消費の拡大策といたしまして、民間のボーナスに当たる県の職員の期末勤勉手当の一部について、県内で使える期限つきの商品券に変えてみてはどうかという御提案をさせていただいたところであります。この提案の意義はいろいろあると思いますが、例えば日々の生活費としての、月給ではなく、ボーナスの一部を商品券化することにより、本来は貯蓄に回る部分を直接消費に結びつけることが可能となること、そして商品券を期限つきとすることで消費拡大に即効性が期待できるということ、そして利用できる圏域を限定することにより、直接地域の商工業者の売り上げアップにつながること、そして何より民間ではこのボーナスの支給もままならない状況の中で、ボーナスが確実に支給される県が率先して取り組む意義は非常に大きいと思います。  しかしながら、これらの提案に対する代表質問での御答弁は、法の趣旨から導入は難しいのではないかという一言であり、実に事務的で寂しいなと感じたのは多分私だけではないと思います。
     本会議では個人消費の拡大策に対する答弁といたしまして商工労働局長に御答弁いただいたところですが、今回は直接の御担当であります総務局長にお答えいただきたいと思っておりますが、本会議では法の趣旨の問題であるとして地方公務員法では原則として通貨で直接職員にその全額を支払わなければならないという御答弁がございました。その後、私もこの地方公務員法を見てみましたが、確かに第25条にそういった記載がございました。しかし、その条文では通貨での支給が原則となっておりますが、その規定の前段に、職員の給与は法律または条例により特に認められた場合を除きと記載されておりました。労働基準法でも同様の規定がされており、法令もしくは労働協約に別段の定めがある場合には、通貨以外のもので支払うことができるとされており、実際、被服などでの現物支給も可能となっております。これらのことを考えますと、もちろん職員団体との合意形成も必要となるでしょうが、県の条例で定めることができれば、通貨以外での支給、すなわちこの商品券での支給も可能となるのではないでしょうか。  そこで、職員の給与の一部を商品券化することは、本会議で御答弁されたように法の趣旨に反するのでしょうか、また違法であると言い切れるのでしょうか。総務局長にお伺いいたします。 79: ◯答弁(総務局長) 地方公務員法の第25条では、職員の給与に関しまして、委員がおっしゃいましたとおり、法律または条例により特に認められた場合を除き、通貨で直接職員にその全額を支払わなければならないというふうにされておりまして、通貨払い、直接払い、そして全額払いといった3つの原則がここに規定されているわけでございます。この中で、この3つのうち通貨払いの原則というものに関しましては、ほかの2つに比較しましても、例外の余地が少なく、通貨以外での支給は一般的には想定されないものというふうに解されております。この点につきましては、念のため、制度を所管しております国にも確認いたしましたけれども、御提案の施策につきましては、これは一般論として難しいという見解でございまして、私どももそのように認識いたしております。 80: ◯質疑(緒方委員) 今、一般論という御答弁ございましたけれども、この今の時代の一般論とは果たして何なのだろうかと思います。今、あしたすら予見不可能なこの時代を生きていかなくてはいけない中で、あり得ないことが普通に起こってしまう。今気づいたのですけれども、私と総務局長のネクタイが同じという、これは冗談なのですけれども、普通にあり得ないようなことが起こっている中で、余りこの一般論を気にする必要は今はないのではないか、そんな時代に今なっているのではないかということも感じております。  ただ、もちろんおっしゃったように通貨すなわち現金での支給があるべき姿であるということは私も理解しております。では、なぜ通貨で支払うことを原則としているのかということは、多分その現物支給や手形などの場合、流通性や信用力に問題があり、価値の変動も起きやすく、労働者の権利保護の面で問題があることから、そのように定められたのだと思います。しかし、県によるこの商品券化は、その信用性から実質的には通貨と同様に機能すると考えられますし、むしろ被服などの現物給付に比べても、よほど法の趣旨に沿ったものとなるのではないでしょうか。  また、今回の経済危機に対しましては、全国でさまざまな景気対策が行われておりまして、鹿児島県の加治木町で非常に参考になる取り組みをされております。この加治木町では、もともと町会議員が議員報酬の一部を地元のみで使える商品券で受け取ることを数年前から実行しておられたそうですが、このたびのこの経済危機を受けまして、職員みずからが率先して景気対策に取り組もうということで、昨年末のボーナスを利用して課長以上の管理職の方が1人1万円分、町長は20万円分の商品券を購入されたそうです。管理職以外の職員は自主参加になっていたそうですが、それでも全職員の約半分に当たる73名の方が商品券を購入されたそうです。私はこの話を聞いたとき、こうした地道な活動に対して非常に感銘を受けたと同時に、やればできるのではないかと率直に感じたところであります。  今の非常時とも言えるこの経済危機の状況下におきましては、こうした加治木町の例のように、考え得るすべての手段を前向きに検討していかなくてはいけません。最初からあきらめムードの中で後ろ向きに検討すれば、簡単なものでも難しいという結論しか導き出せないのです。私は決して公務員バッシングをしているわけではなく、ただこの厳しい時代を何とか打開していこうとするためには、みんなが手をつないで勇気ある一歩を踏み出す必要があると、そのように今、感じているわけです。  確かに前例がないとか、職員団体との合意形成が難しいなど、実現するまでには超えなければならないハードルは非常に多く、また高いということもわかります。ただ、今の経済状況や民間給与の厳しさを考えますと、多少の痛みは伴ったとしても、やはり県みずからが率先し、積極的に協力する意義は非常に大きいのではないでしょうか。  先ほどの御答弁の中で、一般論では難しいということでしたけれども、確実に違法ということは言えないのであれば、こうした取り組みにつきまして、県として前向きに検討されてはいかがでしょうか。改めて総務局長にお伺いいたします。 81: ◯答弁(総務局長) 同じネクタイという御指摘をいただきましたけれども、なかなか御提案の趣旨に沿うのは難しいところがございまして、例えば職員にとってローンの支払いをどうするかといった生活設計の問題もございます。また、そもそも期末勤勉手当を消費に回さず、すべて貯蓄しているような職員というのは、これは実はほとんどいないのではないかと思われますので、委員御提案の一部商品券化が一体どの程度の割合を念頭におっしゃっているのかということがわかりませんので何とも申し上げられない部分がありますが、果たしておっしゃるような期待どおりの効果が得られるのかというような率直な印象も持っております。  ただ、いずれにいたしましても、この商品券での支給ということになりますと、これにかかります事務処理コスト、あるいは県内一円で流通する商品券を発行するための小売業者との調整など、さまざまな課題もございますし、何よりも先ほどの法の趣旨も含めまして、私どもとしては御提案の施策を実施することは難しいのではないかと考えております。 82: ◯質疑(緒方委員) 確かに御答弁のありました生活設計、ローンの支払いなども含めたことを考えていかなくてはいけないと思いますが、民間などでは逆に、ボーナスが出なかったら生活設計どころの話ではないというのが現実ではないかと思っております。  この提案の実現までには、確かに商品券の支給に当たっての、今ございました事務手続であったりとか、あるいは県内全域で使用できる商品券をどういう形で発行するのかといったさまざまな課題があることももちろん理解をしております。では、実際に来年度当初予算における職員の期末勤勉手当の額なのですけれども、これが幾らなのかというと、総額で約600億円あるわけです。例えばその2割を商品券化することができれば、当然約120億円もの規模となります。これだけの膨大な金額でありますので、多少、今おっしゃったような事務処理コストや手間がかかったとしても、この消費拡大の効果は私は絶大であると思います。あとは、この商品券化の実現に向けたさまざまな課題、今おっしゃったような課題が乗り越えられないものなのかどうかということに尽きると私は思います。決して、そんな奇をてらったことを申し上げているつもりはございません。純粋にこの危機的な経済情勢のもと、県としてできることは何でもやるということが必要ではないかなと思っているのです。  最後に知事に、この提案につきまして率直にどう考えておられるのか、お伺いさせていただきたいと思います。 83: ◯答弁(知事) 職員の期末勤勉手当の一部を商品券化するという御提案でございますが、先ほど総務局長も答弁申し上げましたように、法の趣旨や発行に伴う諸課題等を勘案いたしますと、実現は難しいものと考えております。 84: ◯質疑(緒方委員) 確かに難しいという御答弁でございましたけれども、くじけずにいろいろとまた提言させていただきたいと思っております。  ただ御理解いただきたいのは、議員として、県あるいは県民のことを思い、こうしたことを提言しているのでありまして、それは多分、私以外の議員の皆さんも同じだと思います。これからも一般質問あるいはこの予算特別委員会などでもさまざまな分野でいろいろな御提言があると思いますが、どうか執行部におかれましては、例えば法的に難しいといった一言で済ますのではなく、我々の思いをぜひ酌んでいただいて、しっかりとこうした議論をしていただければと思っております。  今の経済情勢は先の見えない非常に深刻な事態にあり、多くの民間業者では青息吐息の状況です。まず県民の暮らしがあって、それで県が成り立っているということを私たちは決して忘れてはいけないと思います。こうした厳しい状況の中にあって、県民は広島県に何を求めているのか、県民を守る立場の広島県としてどうあるべきか、さらに真剣に考える必要があるのではないでしょうか。また、若手を含む県職員の皆さんにも、今みずから何ができるのか真剣に考える機会を持っていただき、小さなことからでも結構ですので、ぜひそれを実行に移していただきたいということを要望いたしまして、次の質問に移らせていただきます。  続きまして、中小企業への金融支援について何点か質問いたします。  まず金融機関のリスクの負担についてお伺いいたします。  世界的な景気悪化が続くとの懸念や金融不安から、金融機関も融資姿勢を厳しくしておりまして、資金繰りが息詰まり、倒産に追い込まれる企業が後を絶ちません。私のところにも多くの業者の方から相談、切実な声が寄せられております。  民間の信用調査会社によりますと、2008年の企業倒産状況ですが、倒産件数638件、負債総額約4,886億円と、平成13年以降最大となっております。倒産件数は全県で対前年比増となっており、広島県においては倒産件数が220件と対前年比約3割の増、また負債総額が突出しておりまして、3,460億円と対前年比458.1%増になっております。これから年度末を迎えるに当たりまして、3月決算の企業も多くあることから、さらにこうした厳しい状況の中、企業倒産が出るのではないかと危惧しているところであります。  このような中、中小企業向けの金融メニューの中におきましても、県の預託融資制度は企業からすれば頼みの綱となっていると思います。しかし、現在のこの通常の保証においては、金融機関に2割の負担が伴う責任共有制度が導入されているため、金融機関が貸し付けをちゅうちょしているという話を聞いております。  このことから、先般、我が会派より、この信用保証の金融機関のリスクを県が負担してはいかがかと質問したことに対しまして、金融機関のリスクを県が負担することは法人に対する財政援助制限法の規定により困難であるとの御答弁がございました。前問ではないですけれども、またここで法律の壁が出てきたわけです。しかし、兵庫県では国の施策を逸脱しない範囲内で実施するとして、金融機関に対する直接の損失補償制度の創設に向け、金融機関の負担分でありますこの20%を県が保証する制度を検討していると伺っております。となると、ではこれは兵庫県の法の解釈が本県と違うということになるのでしょうか。  広島県において金融機関のリスクを負担することにつきまして、商工労働局長に改めてお伺いいたします。 85: ◯答弁(商工労働局長) 本会議でも御答弁申し上げましたように、金融機関のリスクを県が負担いたしますことは、法人に対する財政援助制限法により困難であるというふうに考えております。  御指摘のございました兵庫県におきましては、平成19年10月に責任共有制度が導入されたときにあわせまして、金融機関に対する損失補償制度の創設に向けていろいろ検討されておりますが、いまだ国と協議中ということで実現に至っていないと伺っております。  金融機関に対する自治体による損失補償につきましては、国におきましても責任共有制度が導入された趣旨等を踏まえまして、十分な議論、検討をしていただく必要があると考えております。 86: ◯質疑(緒方委員) それでは、次に、この信用保証協会への支援についてお伺いいたします。  御承知のとおり、県の預託融資制度につきましては、広島県信用保証協会の保証つきでの利用が大半を占めております。信用保証協会におかれては、その都度この公的な保証人となって企業の信用力を高める大きな役割を果たしているところですが、県としてこの信用保証協会が弾力的な運用ができるような環境づくりを行っていかなくてはいけないのではないかと思います。例えば、資金ごとに設定されているこの損失補てんに伴います県の負担割合を高めるというのも一つの方法ではないでしょうか。  そこで、これらのことを踏まえまして、信用保証協会に対する支援についてどのように考えておられるのか、商工労働局長にお伺いいたします。 87: ◯答弁(商工労働局長) 国におきましては、保証制度の積極的かつ弾力的な運用を図りますために緊急保証制度を創設し、保証枠あるいは保証対象の業種を拡大するなど、保証促進に向けた環境整備が進められております。こういった制度改正を受けまして、本県におきましても、こういった国の制度を使いやすいものにするということで、県の制度融資についてもいろいろ見直しを行ってまいりました。  引き続き保証協会に対します損失補償を行うなど、国の制度と連携いたしまして、保証協会への支援を続けていくということが重要であると考えております。 88: ◯質疑(緒方委員) 損失補償も含めて、しっかりとした弾力性のある支援をしていただきたいと思っております。  この県費預託融資制度の融資条件はできるだけ長期で低利であるということが民間の金融商品に比べて有利な点だと思っておりますが、この貸し出し利率に信用保証料を加えますと、実質的な借入金利は一般の民間資金の借り入れに比べて高くなるというふうに聞いております。先日の新聞にも県の緊急経営基盤強化資金につきまして、1月末までの貸し出し実績が前年同期で2.7倍に伸びていると掲載されておりました。しかし、これは急速な景気悪化に伴いまして資金繰りに窮する企業が、もう少々高くてもこのような資金を利用せざるを得ないという状況にあるという、まさに逆に企業の厳しい実態をあらわすものだと思っております。  このような厳しい状況であるからこそ、ここはひとつ、逆に思い切った金利の引き下げによりまして多くの中小企業に資金供給を行うことも必要ではないかと思いますが、商工労働局長のお考えを伺います。 89: ◯答弁(商工労働局長) 県費預託融資制度の融資条件につきましては、できるだけ長期・低利となりますよう信用保証料率につきましても県が保証協会に保証料補助を行うということで、あわせまして一般的には民間の金融機関よりも低利となるように設定をいたしているものでございます。また緊急経営基盤強化資金につきましては、先ほど申し上げました国の緊急保証制度を活用するという制度設計をいたしましたことにより、利用が大きく伸びてきておりまして、貸し出しの利率につきましても、県の制度融資の中では最優遇の金利を適用いたしております。  こういったことから、我々といたしましては、中小企業の皆様方の資金需要におこたえできていると考えているところでございます。 90: ◯要望(緒方委員) それでは、時間になりますので、最後、要望とさせていただきますが、これまで申し上げましたとおり、中小企業を取り巻く経営環境はさらに厳しさを増しております。金融支援による迅速な対応を図っていただくとともに、かなめとなりますこの信用保証の弾力的な運用などによりまして、県の制度融資等が有効に活用されるよう、中小企業金融の円滑化に向けた取り組みの推進を強く要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。 (岩下委員) 91: ◯質疑(岩下委員) 広島県議会民主県政会、安芸郡選出の岩下智伸でございます。昨日に続きまして質問を行います。  産業廃棄物抑制基金の活用について質問いたします。  産業廃棄物抑制基金の運用に関しては、昨年2月定例会において広い意味での産業廃棄物の排出抑制につながる技術開発、実用化案件への適用など、産業廃棄物埋立税の有効活用について質問し、第2次廃棄物処理計画に新たな施策を幅広く盛り込んでいるとの御答弁をいただきました。  しかしながら、平成15年度以降、廃棄物抑制基金の残高は年々増嵩し、近年の動向を見ても、平成18年度末には17億円、19年度末には23億円、そして平成20年度末には27億円にまで積み上がっており、その有効活用の面でいまだ疑問を払拭するには至っておりません。  依然として産業廃棄物の排出量もほぼ横ばいで推移していることから、基金の使途を拡大するなどして抜本的な産業廃棄物抑制対策に取り組んではどうかと考えますが、今後どう取り組んでいかれるのか、知事にお伺いいたします。 92: ◯答弁(知事) 産業廃棄物抑制対策につきましては、廃棄物の減量化やリサイクルの推進、及びその普及啓発を基本として各種施策を展開しているところでございます。  これらの推進に当たりましては、社会経済情勢や廃棄物を取り巻く状況などを踏まえ、必要な見直しや新たな事業の創設に取り組んでまいりました。このため、廃棄物の排出抑制・減量化、リサイクル等につながる施策をハード・ソフトの両面から幅広く検討しているところでございます。  その結果、平成21年度におきましては緊急経済・雇用対策の中で、環境に優しい社会基盤の整備として最終処分場の緑化などに取り組むことといたしております。  今後とも産業廃棄物埋立税の導入目的を踏まえ、排出事業者などの関係者の御意見も十分にお伺いしながら効果的かつ計画的な活用に努めてまいりたいと考えております。 93: ◯質疑(岩下委員) 引き続き基金の有効な活用に御努力いただくようお願いしたいと思います。  続きまして、自動車関連産業の活性化について質問いたします。  月曜日の参考人意見聴取の中の説明でもありましたが、本県のGDPの27%を占める製造業のうち自動車関連産業のウエートは25%にもなります。また、その従業員数も約1割を占めるなど、その動向が県経済に大きな影響を及ぼします。これまで自動車部品サプライヤーの技術開発支援などを通じて、極めてすそ野の広い自動車関連産業全体の底上げに取り組んできたところですが、こうした中、平成21年度においては、自動車部品サプライヤーのカーエレクトロニクス化への支援や自動車への活用などを目的として、炭素繊維複合材料の加工技術の開発に取り組むとのことであり、大いに期待を寄せております。  特にカーエレクトロニクス化は、それなくして自動車関連産業の発展はないと言っても過言ではありません。少なくなってきましたが、まだまだ多い交通死亡事故や地球温暖化を初めとする環境意識の高まりなどを受け、現在自動車に求められる安全、環境、快適を実現するためには、エレクトロニクスの力が欠かせないのであります。  そこで、まず本県の自動車部品サプライヤーにおけるカーエレクトロニクス化の現状とその課題について、商工労働局長にお伺いします。 94: ◯答弁(商工労働局長) 自動車関連産業ではカーエレクトロニクス技術が必要不可欠な時代となってまいりました。しかしながら、本県の自動車部品のサプライヤーは、これまで金属加工あるいは樹脂成形等を中心といたしまして発展を遂げてまいりましたことから、カーエレクトロニクス化への対応が十分ではないというのが現状でございます。このまま推移いたしますと、本県で生産されております部品につきましても、地域外からの部品供給に代替されるか、あるいは部品生産は継続するといたしましても付加価値の大部分は喪失するという懸念がございます。  こうしたことから、本県の基幹産業であります自動車関連産業にとりましてカーエレクトロニクス化への対応は喫緊の課題であるというふうに考えております。 95: ◯質疑(岩下委員) カーエレクトロニクス化の推進に当たっては、その推進母体となるカーエレクトロニクス推進センターの運営を引き続き支援するほか、平成21年度から新たに県内企業を核とする共同研究体が行う研究開発の支援や、他社製品の解析を行うための共同利用型施設の整備に取り組むこととされております。特に共同研究体の行う研究開発が実効性あるものとなるかどうかが、カーエレクトロニクス化推進の成否のかぎを握ると思います。  そこで、先ほど御答弁いただいた本県の課題を踏まえ、どのような研究開発がなされることを期待し、その研究開発の結果、どのような効果を見込んでおられるのか、商工労働局長にお伺いします。 96: ◯答弁(商工労働局長) 来年度から実施予定の研究開発では、県内の自動車部品サプライヤーに加えまして、県内外の有力な電気・電子機器メーカーあるいは大学等の協力を得ることによりまして、既存の技術と電気・電子技術を融合させた付加価値の高い自動車部品が開発されることを我々は期待いたしております。  今後開発された部品が、県内の自動車メーカーはもとより国内外の自動車メーカーにも採用されることによりまして、部品開発企業の生産規模が増大いたしますとともに関連先の受注拡大などの波及効果も期待できるのではないかと考えております。 97: ◯質疑(岩下委員) これまでも県の助成措置でさまざまなものが実現しておりますので、引き続き実現に向けて努力されることを期待いたします。  次に、カーエレクトロニクス分野の研究開発を推進していくためには、研究開発を担う人材を地域レベルで育成・確保していくことが不可欠であると思います。  しかしながら、県内の自動車部品メーカーや電気・電子関連メーカーの大半は、カーエレクトロニクス分野の取り組みがおくれており、これらの企業内で人材を育成してくことが困難な状況にあります。  このため、今年度からカーエレクトロニクス推進センターにおいて地域の産学官が連携した人材育成事業を実施しているとのことですが、これまでの実績と今後の取り組みについて商工労働局長にお伺いします。 98: ◯答弁(商工労働局長) カーエレクトロニクス推進センターでは国の制度を活用いたしまして、今年度は各企業から推薦いただいた方々の中から20名を選抜いたしまして、カーエレクトロニクスの開発設計の基本となりますモデルベース開発と呼ばれる手法について年間15回、延べ合計90時間に及ぶ基礎研修を集中的に実施いたしました。20名の方すべてが研修を修了いたしたところでございます。来年度は各企業の具体的な開発テーマを事例といたしました個別対応型の応用研究を進めますほか、関連する技術といたしましてコンピューターを活用した解析技術の研修もあわせて実施をすることといたしております。これらの研修を受講されました技術者は、各企業の現場におきまして開発等の中核的な技術者として活躍されることとなりますので、周囲への影響力も大きく、今後、本県におけるカーエレクトロニクス分野の技術者の育成確保に力を発揮していただけるものと考えております。 99: ◯質疑(岩下委員) 順調に人材の育成が進んでいると思います。引き続きよろしくお願いしたいと思います。  続きまして、現在、炭素繊維複合材料は一部のスポーツカーなどに用いられ、軽量かつ高強度な特性を遺憾なく発揮しています。炭素繊維複合材料はカーエレクトロニクス同様、自動車業界に求められる安全、環境、快適の実現に欠かせないものでもあります。実際に国内の自動車メーカーでは2010年代をめどとした軽量化目標を定めております。その中でトヨタ、日産などの各社が炭素繊維複合材料化を一つの手段として掲げております。  こうした中で、量販車への活用に向け炭素繊維複合材料の加工技術の開発を行うことは大変有意義なことであります。平成21年度から3年間を期間として、炭素繊維複合材料の加工技術の開発を進めるとのことですが、どのような成果を期待し、具体的にどう取り組んでいかれるのか、企画振興局長にお伺いします。 100: ◯答弁(企画振興局長) 自動車メーカーは喫緊の課題でございます軽量化に取り組むため、金属材料から炭素繊維複合材料への転換を検討しておられまして、県内自動車関連企業も高い関心を示しておられます。一方で、県立総合技術研究所では自動車部材に係る設計技術や金属加工技術などを既に保有しておりますことから、自動車関連産業の技術革新の促進を図るため、自動車メーカーや炭素繊維メーカーなどとの共同研究の体制を整備し、炭素繊維複合材料の成形・加工技術の開発に取り組むことといたしました。  開発に当たりましては、民間研究機関のトップを経験されました現在の研究所長による直接指揮のもとでプロジェクトチームを組みまして、3年後には個別自動車部材に係る低コストで大量生産が可能となる本県独自の加工技術を確立できるよう全力を傾注してまいります。  また、開発しました技術は、まずは自動車部品サプライヤーに広く技術移転を行い、製品化を支援することにより自動車関連産業の競争力強化を目指します。さらには、これを他の産業での活用にも発展させることにより、将来、本県が炭素繊維加工産業のフロントランナーとなるよう努めてまいります。 101: ◯質疑(岩下委員) 自動車産業ばかりでなくて他産業への広がりも視野に入れてということで、幅広く技術が活用されるのではないかと思っております。  本県産業は、米国のサブプライムローンに端を発した世界的で急激な経済環境の悪化や円高の波にさらされ、経営戦略の抜本的な見直しを余儀なくされております。こうした状況はさらに厳しさを増して、自動車関連企業を直撃し、先の見えない状況に絶望感に打ちひしがれております。閉塞感漂うこの現状を打開すべく自動車関連企業の技術革新を進め、盤石な経営基盤の確立に向けた取り組みを進めていく必要があると考えますが、今後、自動車関連産業の活性化にどう取り組んでいかれるのか、知事にお伺いいたします。 102: ◯答弁(知事) 現在、世界の自動車産業につきましては、急激な販売不振に直面しており、憂慮すべき事態にあると認識いたしております。  こうした中、本県の自動車関連企業も生き残りをかけて厳しい競争を行っており、今後、自動車関連産業を活性化していくためには、これまで以上に各企業が競争力の源泉となる技術革新を進めていく必要があると考えております。とりわけ環境対応や安全性・快適性の向上のために必要となるカーエレクトロニクス化や軽量化に向けた技術革新では自動車メーカーのみならず、自動車部品サプライヤーの果たす役割は極めて重要となっております。  このため、来年度からカーエレクトロニクス推進センターの事業を強化いたしますとともに、自動車の騒音制御システムなど3つの研究開発テーマに取り組むことといたしております。  さらに、県立総合技術研究所におきまして炭素繊維複合材料加工技術の開発に新たに取り組むなど、県内の自動車部品サプライヤーの技術革新の支援強化に努めてまいりたいと考えております。 103: ◯質疑(岩下委員) 続きまして、産業人材の育成について質問いたします。  本県産業は、先代から引き継がれてきたものづくり技術の蓄積とものづくり産業の集積が相まって、これまで発展を遂げてまいりました。こうしたものづくりの現場を支える人材が著しく不足していたことから、ここ数年来、産業人材の育成を強力に進めてまいりましたが、このたびの世界的な不況と円高は、こうしたものづくりの現場において働く技能・技術者を仕事がない状況に追い込んでいます。しかしながら、こうした時期であるからこそ本県の将来を見据え、ものづくり産業の持続的発展を可能とする産業人材の育成に努めていくべきと考えます。  こうした中、県では高度産業人材を育成する先導的な研修プログラムを開発し、県内教育訓練機関や県内大学などへ導入する仕組みづくりを行うこととされております。産学官の連携のもと、研修プログラムを開発することは大変有意義なことでありますが、実践がなされなければ絵にかいたもちにならないとも限りません。  そこで、この高度産業人材育成に向けた研修プログラムについて、どのような点に配慮・工夫され、県内大学などで着実に導入されるよう取り組んでいかれるのか、商工労働局長にお伺いいたします。 104: ◯答弁(商工労働局長) 高度産業人材の育成に当たりましては、産学官の有識者で構成する協議会での議論を踏まえまして、本県における6つの成長産業分野を特定し、計画的に取り組むことといたしております。特に今後重点的に取り組む分野をカーエレクトロニクス、新エネルギー、新素材、この3つの分野といたしまして、今年度はまずカーエレクトロニクス分野におけるEMC対策技術者育成の研修プログラムの開発を推進いたしますとともに、来年度は残りの新エネルギー、新素材分野の技術者の育成に取り組んでまいります。なお、研修プログラムの開発につきましては、県内企業へのニーズ調査あるいは他県の先進事例調査などを実施いたしました上で、産学官の専門家によります十分な検討を加えまして、より実効性のある内容となるよう取り組んでいるところでございます。  こうして開発をいたしましたプログラムにつきましては、国等の外部資金を活用した研修を試行的に実施いたしました上で、最終的には県内の大学等に導入してまいりたいと考えております。 105: ◯質疑(岩下委員) 順調に取り組みが進んでいることがよくわかったわけですけれども、今後のものづくりを担う中小企業の人材確保のためには、より高度な職業訓練が必要であり、全国のものづくり県の多くに職能短大が設置されていることから、私も早くから高度な職業訓練の必要性を訴えてきたところです。  3年間の準備期間を経て、本年4月には待望の県立技術短期大学校が開校されます。他県の職能短大でも、ものづくり分野は他の分野に比べて人材が不足していることから生産技術科、制御技術科、電子技術科など、ものづくり基盤技術に直結した訓練が行われています。  技術短期大学校では、生産技術科と制御技術科の2科を設置し、知識だけではない実習重視の訓練手法を採用するとのことですけれども、どのような技術者を育成し、どのような業種に人材を供給しようとしているのか、商工労働局長にお伺いします。  また、昨年2月定例会において、地域にどのような貢献をしているのか質問し、学校運営を協力する企業からなる賛助会などの設置を通じて、企業との連携を強化するとの御答弁をいただいたところです。開校に当たり、どのように地域との連携方策を講じていかれるのか、あわせてお伺いいたします。 106: ◯答弁(商工労働局長) まず生産技術科では、CAD/CAMや機械加工など設計から加工までを一貫して行われる実践型の技術者を育成し、就職先といたしましては自動車関連の輸送用機械器具、一般機械器具製造業などを想定いたしております。また制御技術科では、工場ラインの設計技術者や制御システムの開発技術者などを育成し、製造業全般への就職を想定いたしております。いずれの科におきましても、生産現場の責任者など、企業の中核を担う人材の育成に努めてまいりたいと考えております。  また、地域との連携につきましては、これまで県の西部のいわゆるものづくり企業を中心といたしまして賛助会への参加を呼びかけてまいりました。現在までに自動車関連企業を中心として37社の御賛同をいただきまして、4月9日の開校日に賛助会が正式に設立される運びとなっております。  今後、この賛助会の企業の皆様方と協力いたしまして、地域のニーズを踏まえた学校運営を行いますとともに、在職者訓練やインターンシップなどを通じまして、より多くのものづくり企業等に支持される技術短期大学校となるように努めてまいります。 107: ◯要望・質疑(岩下委員) 順調に企業との協力関係が進んでいるようで非常に安心いたしました。ものづくり企業の生産現場のリーダーとなる若年実践技能者の養成を行い、中小ものづくり企業への貴重な人材供給源としての役割をしっかり担っていただくことをお願いいたしまして、次の質問に移ります。  産業技術は日進月歩ではなく、1秒、1分、1時間で進化を遂げています。こうした技術革新に順応できる産業人材を育成するためには、それら技術に身近に触れる環境を構築することが極めて重要です。技術力を養うためには頭で覚えることも大事ではありますが、本物の技術を目で見て、触れて、感じることが肝要であると思います。  県では必要な資質や能力の向上を図り、本県の産業を担う将来のスペシャリストを育成するための取り組みを進めてきたところですが、これまでの職業教育の取り組みの結果、どのような成果が得られ、その一方どのような課題が生じているのか、教育長にお伺いします。 108: ◯答弁教育長) 教育委員会では、これまで専門高校拠点校を指定し、高度な技術に対応できる設備の整備を行うとともにインターンシップの充実を図ることなどにより、本県の産業を支える将来のスペシャリストの育成に努めてまいりました。また、平成19年度から生徒が高度な資格取得に挑戦するためのプロジェクトや工業高校が企業と連携して、生徒が熟練技能者から技術指導や講義を受ける、ものづくり人材育成事業を実施しております。  こうした取り組みの結果、例えば毒物劇物取扱主任者や第一種電気工事士の資格取得者がこの2年間で約2倍になるなど、高い技術・技能を身につけ、高度な資格を取得する生徒がふえてきております。  今後は、すべての生徒が基礎的な技術・技能を確実に習得するとともに、急速な産業社会の変化に対応できる力を身につけるよう産業界との連携を一層深め、ものづくりなどの体験的学習を取り入れた教育内容を充実していくことが必要であると考えております。 109: ◯質疑(岩下委員) 昨年、廿日市のさくらぴあでありました高校生スペシャリストの祭典を見学させていただきまして、その中で高校生が非常にいろいろな工作物であるとか、技術・技能に一生懸命取り組んでいる姿を見て感激したところです。引き続き、そういった取り組みを続けていただくようにお願いしたいと思います。  次に、人は地域を支え、社会を支え、広島県を支える貴重な財産であり、中長期的な視点でその育成に努めていかなければなりません。経済・雇用対策として、緊急的・臨時的な対応が求められる中にあっても、産業人材の育成は元気な広島県づくりの根幹をなすものであり、地に根をおろした持続的・継続的な取り組みが欠かせません。また、産業人材の育成に関しては、雇用労働行政を担う商工労働局を中心として、キャリア教育を担う教育委員会などと相互に連携し、相乗効果を発揮する仕組みが重要であると考えます。  4期目の最重要課題として人づくりを掲げられたわけでありますが、広島県の次代を担う産業人材の育成に向けた知事の決意をお願いいたします。 110: ◯答弁(知事) 社会経済情勢が著しく変化していく中で、閉塞感を打ち破り、地域に活力を与える源は人でございまして、既成概念にとらわれず新たなものに挑戦し、変革と創造を生み出していく人材を育てることは、本県の発展に最も重要なことでございます。
     このため、特に産業人材につきましては学校教育期、成人期などの各ライフステージに応じ、キャリア教育や職業能力開発、高度技術者養成などを実施いたしまして、県内企業のニーズに応じた人材を育成いたしますとともに、産業界や教育界とも連携し、新分野を切り開き、将来の本県産業を支える人材を育成する仕組みづくりにも取り組むことといたしております。  今後とも魅力ある元気な広島県の実現を目指し、長期的な視野に立って本県産業の発展を担う産業人材の育成に全力で取り組んでまいりたいと考えております。 111: ◯要望(岩下委員) 本県の社会経済情勢は一層厳しさを増している状況にありますが、こうした中にあっても、多くの企業は歯を食いしばって事業活動を続けております。やむなく休業などを余儀なくされた場合において、国の雇用調整助成金制度を活用できるわけでありますが、依然として先が見えない状況でもあり、支給限度日数の拡大など、さらなる制度改善について国への要請あるいは県における補完制度の創設の検討などを進めていただくことを要望いたします。  本県の産業活性化や人材育成の取り組みにより、近い将来、広島県が前にも増して光を解き放つ生き生き、はつらつとした広島県となることを確信し、私の質問を終わります。 (山下委員) 112: ◯質疑(山下委員) 自民党刷新議員会・県民会議の山下智之でございます。それでは、早速質問に入らせていただきますが、本日は雇用問題を中心にお聞きしたいと思います。  最初に、障害者雇用対策についてお伺いいたします。  景気後退による雇用環境悪化の影響が障害者の働く現場にも及んでいます。厚生労働省の調査によると、昨年6月の時点で、障害者の雇用率は1.59と過去最高を記録しました。本県の障害者雇用率も1.70と4年連続で上昇しております。全国順位も前年の27位から18位へ躍進し、ようやく法定雇用率1.8%まで、あと0.1ポイントのところまで改善したことは、これまでの取り組みの成果として大いに評価いたしたいと思います。  しかし、昨年の秋以降、就職件数が減り始めており、さらに既雇用者の解雇も急増していると聞いています。厚生労働省の調査によると、障害者の解雇者数は、昨年10月は125人でしたが、11月には234人、12月には265人に増加し、さらに1月には370人と前月から4割増加、今年度の累計も1,781人となり、年度中途にもかかわらず、昨年度の1,523人を上回っているのです。この数値は障害者を解雇した企業からハローワークに届け出をした人数であり、実際は水面下で数字にあらわれない解雇の実態があるのではないかと憂慮しています。  そこで、我が県における障害者の解雇や就職への影響はどのような状態であるのか、また今後、障害者の雇用の確保に向けてどのように対応していかれるのか、商工労働局長へお伺いいたします。 113: ◯答弁(商工労働局長) 雇用環境の悪化によりまして、県内で解雇された障害者の方々は、ことし1月末で41人ということで、既に昨年度の14人を大幅に上回っている状況にございます。就職者数も1,019人、前年同期から8.2%の減という状況でございます。  このような情勢を踏まえまして、広島労働局と連携し、ことし2月から3月にかけまして広島商工会議所連合会など経済6団体を訪問いたしまして、障害者の雇用の維持・拡大を要請いたしたところでございます。  今後とも経済団体が参画いたします広島県障害者職場定着支援等連絡会議などを通じまして、事業主の理解と協力を求め、障害者の雇用の維持に努めてまいりたいと考えております。 114: ◯質疑(山下委員) 続きまして、障害者ジョブサポーターの養成と活用状況についてお伺いしたいと思います。  障害者を取り巻く雇用環境が一層激しくなる中で、就業中の障害者が職場で働き続けることができるよう、障害者本人と企業双方に対する支援を行っている障害者ジョブサポーターの役割はますます重要になるものと考えています。障害者ジョブサポーター制度は本県独自の取り組みで、職場の同僚として障害者を支援する企業内サポーターと障害者本人や企業の要請に応じて職場を訪問する派遣型サポーターがそれぞれの立場から障害者の就業を支援しており、制度も徐々に認知されていると思います。  そこで、ジョブサポーターの養成状況と職場における活用状況について、商工労働局長へお伺いいたします。 115: ◯答弁(商工労働局長) 障害者ジョブサポーターにつきましては現在、企業内サポーターが70事業所で96人、派遣型サポーター64人が県内4カ所の障害者就業・生活支援センターを拠点に働いておられる障害者の方々の職場定着を支援いたしております。  企業内サポーターは職場の同僚といたしまして障害のある社員が働きやすい環境づくりを進めておりまして、職場への適応あるいは仕事の円滑化等に効果を上げていると企業の皆様方から評価をいただいております。また、派遣型サポーターは、これまで延べ500回を超える利用実績がございまして、就職前の職場実習への支援、あるいは就職直後の集中的な支援に加えまして、定期的に職場訪問をすることによりまして、結果として職場定着や就労意欲が向上するなど成果をおさめているところでございます。  今後は、障害者就業・生活支援センターを中心といたしまして就労支援ネットワークの強化を図り、障害者ジョブサポーターの支援が機動的・効果的に行われるように努めてまいりたいと考えております。 116: ◯質疑(山下委員) 大変すばらしい制度でありますので、これからもひとつよろしくお願いしたいと思います。  続きまして、障害者雇用促進法の改正を踏まえた障害者雇用の促進についてお伺いしたいと思います。  障害者雇用納付金制度は、法定雇用率未達成企業から不足人数1人につき、月5万円を徴収し、雇用率達成企業に対して超過人数1人につき、月額2万7,000円を支給する制度で、昭和51年の創設以来、障害者雇用の促進に効果を上げています。  昨年12月、障害者雇用促進法の一部改正法が成立し、来年7月1日からは現行の常用雇用労働者301人以上の企業から201人以上の企業まで、この制度の適用範囲を拡大されるということでございます。  このことを踏まえ、県では障害者雇用の一層の促進を図るため、今後どのように取り組んでいくのか、商工労働局長にお伺いいたします。 117: ◯答弁(商工労働局長) 県内の中小企業におけます障害者の実雇用率は、昨年6月1日現在、1.54%でございまして、県内平均の1.70%を下回っている状況にございます。したがいまして、今回の法改正を踏まえますと、中小企業における障害者雇用の一層の促進を図る必要があるというふうに考えております。  国では法改正に伴いまして、初めて障害者の方々を雇用する中小企業に対しまして100万円の奨励金を支給する制度を創設することとされております。県といたしましても、こういった制度の周知に努めてまいりたいと考えております。  また、年度内に策定をいたします第2期広島県障害福祉計画に盛り込む障害者の雇用促進に向けた諸施策を推進いたしますとともに、国等の関係機関と連携をしながら、障害者合同就職面接会の開催や、障害者雇用に関するトップセミナーでの事業主への啓発などによりまして、1人でも多くの障害者の方が就業につながりますよう取り組んでまいります。 118: ◯質疑(山下委員) 続きまして、授産活動の現状についてお伺いしたいと思います。  障害の状況などにより一般就労が困難な障害者のうち約3,500人が県内各地の授産施設等において食品製造や印刷業、手芸、木工品の製作、清掃作業等の労務の提供などの授産活動、いわゆる福祉的就労に従事されています。このような作業所においても、昨今の景気後退の影響を受け、事業所からの受注が減少し、工賃収入にも影響が生じていると聞いております。  そこで、授産施設等における工賃収入の現状について、健康福祉局長へお伺いいたします。 119: ◯答弁健康福祉局長) 県内の福祉的就労における平成19年度の平均工賃でございますが、月額約1万2,900円でございまして、全国平均とほぼ同水準となっております。昨今の景気後退の影響につきましては、厚生労働省の緊急調査によりますと、本年1月現在、昨年4月との比較になりますけれども、県内の約7割の施設で工賃が減少いたしております。  また、先ほど委員御指摘のとおり、約6割の施設におきまして企業からの発注が実感として減っていると感じておりまして、今後工賃の向上や就労機会の確保といった対策が重要であると考えております。 120: ◯質疑(山下委員) よろしくお願いしたいと思います。  続きまして、授産活動における工賃引き上げについてお聞きしたいと思いますが、障害者が地域で自立した生活を送る上では、就労の支援や取得の確保は大きな課題となっております。しかしながら、授産活動における工賃、先ほど1万2,900円とおっしゃっておりましたが、まだまだ低く、昨今の景気後退の影響による減少も懸念されるところでございます。  県では工賃ステップアップ計画を取りまとめ、平成23年度には平成18年度当時の約2倍に当たる2万5,000円に引き上げることを目標とし、障害者の工賃引き上げに取り組むと聞いております。  その授産活動の充実や工賃アップについて、どのように取り組むのか、健康福祉局長にお伺いいたします。 121: ◯答弁健康福祉局長) 平成18年度から今年度まで実施いたしました障害者経済的自立支援モデル事業の結果、工賃の向上には福祉施設の主体的な取り組みや経営的視点の導入による職員の意識改革、さらには販路等の拡大の支援が必要であると考えております。  このため、先ほど委員御指摘のとおり、今年度中に策定をいたします広島県工賃ステップアップ計画におきまして、職員の意識改革を進める研修会の開催や、中小企業診断士等の派遣による授産活動の見直しを支援するとともに、企業の発注ニーズを調査いたしまして、官公庁の優先的発注により、販路等の拡大を支援するなどを盛り込みまして、授産活動の充実や工賃の向上について引き続き積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 122: ◯質疑(山下委員) 大変厳しい社会経済情勢でございますので、よく見ていただきたいと思います。  続きまして、特別支援学校の就業指導推進についてお伺いしたいと思います。  障害者雇用に関する最後の質問でありますが、先ほどから申し上げましたが、障害者が生涯にわたって自立し、社会参加していくためには、企業などへの就労を支援し、経済的な自立を果たすことが重要であります。そのためには特別支援学校における就職指導が重要なかぎを握っていると言えます。  本県の特別支援学校高等部の就職率は、平成17年度では9.8%と全国最低でしたが、平成18年度からジョブサポートティーチャーを配置されたことなどにより、平成18年度の実績は14.8%、平成19年度は19.9%へと徐々に向上してきました。また、きのうの話ですが職業コースの設置という話も聞きましたけれども、全国平均と比較すると依然として低い状況が続いており、今後、職業的自立を促進する取り組みを一層強化していくことが必要であります。  そこで、現状認識と就職率向上に向けて今後どのように取り組んでいくのか、教育長にお伺いしたいと思います。 123: ◯答弁教育長) 特別支援学校の就職率の向上につきましては、作業学習などの授業改善を進めるとともに、就職を支援するジョブサポートティーチャーを配置して、就業体験の受け入れ企業や就職先企業の開拓などを進めてまいりました。  その結果、就職率も年々上昇してまいりましたが、全国平均と比較すると依然として低く、職業的自立のさらなる促進が重要であると考えております。  このため、来年度はジョブサポートティーチャーを増員するとともに、職業教育を中心とした教育課程を実施する職業コースを2校に設置するなど、特別支援学校における職業的自立を促進する教育の充実を図ってまいります。 124: ◯質疑(山下委員) 続きまして、雇用創出及び就業支援についてお伺いしたいと思います。  昨年の秋以来、深刻な景気後退に直面し、世界同時不況の様相を一段と強めている中、先月末に発表されました1月の県内の有効求人倍率は0.75と、8カ月連続で下落するなど、まさに経済危機が雇用危機に直結している状況にあります。  このような厳しい経済情勢の中、県は新年度当初予算において、特に力を入れた地域経済の活性化と雇用確保を目的として編成した372億円の緊急経済・雇用対策であり、今年度の補正予算と合わせますと、この対策の総額は509億円に上ります。  その中の雇用対策の主な内容としては、3年で2万人以上の雇用機会の創出や過去最大規模の約2,300人の職業訓練の実施ですが、私は地域の実情に合った雇用の場の創出や地元企業等のニーズに応じた人材育成や能力開発が今一番取り組まなければならない対策であると考えます。  そこで、まず具体的にどのようにして雇用の場を創出し、就業に結びつけていくのか、知事にお伺いいたします。 125: ◯答弁(知事) 厳しい経済・雇用情勢のもと、県民の暮らしを守っていくためには市町等と連携しながら、地域のニーズに応じた、将来的にも効果が見込まれる経済・雇用対策を実施していく必要がございます。このため、雇用創出基金などの2つの基金により、地域の実情に応じた雇用就労機会を創出いたしますとともに、人材不足感の強い農林水産業、福祉介護分野等に労働力を誘導するため、就業環境の整備や職業訓練を実施してまいります。  さらに、県内産業の活性化と成長が期待される新たな産業づくり、企業ニーズに応じた産業人材の育成など、中長期的視点に立った対策を実施することにより、3年間で2万人以上の雇用機会を創出いたしますとともに、離職者等の就業の促進と雇用の安定化を実現してまいりたいと考えております。 126: ◯質疑(山下委員) では続きまして、雇用のミスマッチの解消についてお伺いしたいと思います。  我が国は既に人口減少が始まっており、また労働力は、この先半世紀足らずの間に3分の2になると予想されていることから、だれもが能力を発揮して社会を支えていくことが求められています。県では、先ほど緊急経済・雇用対策において雇用創出や就業支援対策を積極的に取り組むこととされており、その取り組みに大いに期待しております。しかし、業種や職種によって、求職者側が要求する賃金や労働時間など待遇面が結局、求人側と合わないため、就労につながらないケース、いわゆる雇用のミスマッチが生じているのではないかと危惧しています。  求職者各個人の状況に応じて適切な能力開発や求職活動を支援していくことが必要であると考えます。  そこで、求職者側の求めるニーズと企業側の求めるニーズのミスマッチ解消に向けて、どのような対策を講じていくのか、商工労働局長にお伺いいたします。 127: ◯答弁(商工労働局長) 平成20年の労働力調査によりまして求職ニーズのミスマッチの原因を分析いたしてみますと、勤務時間、休日等のいわゆる待遇面が約1割でございます。一方、自分に適した仕事がないなどの仕事の内容が約3割という状況にございますので、新たに求人開拓員を広島市と福山市に配置いたしまして、求職者のニーズに沿った求人の掘り起こしを行うことといたしております。  また、ことし1月の有効求人倍率が0.75倍という非常に厳しい状況でございますが、社会福祉専門の職業は1.70倍、情報処理技術は1.53倍という状況で、非常にニーズが高いという姿が見えます。このため、介護福祉、IT分野を重点に過去最大規模の職業訓練を実施いたしますとともに、担い手不足が課題となっております農林業の就業研修を行うなど、人材確保が必要な分野に適切に労働力が移動できるよう取り組んでまいります。 128: ◯要望・質疑(山下委員) 現在、人手不足と言われている分野は、何かの問題があり人出不足になっているのだと思います。まずその問題を解決しないといけないと思っていますし、その産業育成だったり環境整備をやっていただきたいと思っております。  続きまして、新型インフルエンザ対策についてお伺いしたいと思いますが、こちらも昨日も質問がありましたが、ちょっと別の視点でお伺いしたいと思います。  早期探知体制及び拡大抑制策について聞きたいと思います。  新型インフルエンザの感染が発見された場合、早期に探知できる体制を整え、早期に治療を行うことが必要です。あわせて学校閉鎖や在宅勤務を視野に入れた拡大抑制策の構築が必要となります。  国立感染症研究所によると、最も早く最初の患者を発見し、直ちに学校閉鎖や外出自粛対策を実施すれば、罹患率50%から20%まで減らすことができると試算されています。  そこで、本県においてどのような早期探知体制、拡大抑制策を講じられるのか、健康福祉局長にお伺いいたします。 129: ◯答弁健康福祉局長) 海外や県外の発生動向につきまして、WHOや国が収集をいたします情報を迅速に共有するとともに、県内の発生動向について既存のインフルエンザ患者数を把握するシステムを活用いたしまして、患者発生の早期の把握に努めているところでございます。今後さらに把握システムの強化を図りまして、より早期に探知できる体制の整備に努めてまいりたいと考えております。  また、拡散抑制策につきましては、まず個人としてうがい、手洗いなどの個人単位での感染防御を行うとともに、社会全体として社会活動における人と人との接触の機会を少なくする対策などが重要と考えております。  このため、県といたしましては、県内で患者が発生した場合には、教育施設の臨時休校、コンサートや映画上映などの不特定多数の者が集まる活動の自粛を要請するとともに、県民各個人に対しましても外出の自粛なども呼びかけ、感染拡大防止に万全を期してまいりたいと考えております。  (6) 閉会  午後3時12分 発言が指定されていません。 広島県議会 ↑ 本文の先頭へ...